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1970/02/16 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第5号
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1970/02/16 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第5号

#1
第065回国会 決算委員会 第5号
昭和四十六年二月十六日(火曜日)
   午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 濱野 清吾君
   理事 小山 省二君 理事 菅波  茂君
   理事 高橋清一郎君 理事 森下 元晴君
   理事 浅井 美幸君 理事 吉田 賢一君
      阿部 文男君    笠岡  喬君
      中村 弘海君    丹羽 久章君
      綿貫 民輔君    北山 愛郎君
      芳賀  貢君    華山 親義君
      鳥居 一雄君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 根本龍太郎君
 出席政府委員
        建設政務次官  田村 良平君
        建設大臣官房会
        計課長     大塩洋一郎君
        建設省計画局宅
        地部長     朝日 邦夫君
        建設省道路局長 高橋国一郎君
        建設省住宅局長 多治見高雄君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   山内  宏君
        建設省住宅局調
        査官      沢田 光英君
        会計検査院事務
        総局第三局長  桜木 拳一君
        会計検査院事務
        総局第五局長  石川 達郎君
        住宅金融公庫総
        裁       浅村  廉君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        総裁)     林  敬三君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     中込 達雄君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     尚   明君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     宮地 直邦君
        参  考  人
        (日本道路公団
        総裁)     前田 光嘉君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     三野  定君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十六日
 辞任         補欠選任
  山本 幸一君     華山 親義君
同日
 辞任         補欠選任
  華山 親義君     山本 幸一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十三年度政府関係機関決算書
 昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (建設省所管、住宅金融公庫)
     ――――◇―――――
#2
○濱野委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行ないます。
 まず、建設政務次官から概要説明を求めます。田村建設政務次官。
#3
○田村政府委員 建設省所管の昭和四十三年度歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 歳入につきましては、一般会計の収納済み歳入額は四十七億三千九百四十四万円余となっており、道路整備特別会計の収納済み歳入額は五千三十九億五千百八十八万円余、治水特別会計の治水勘定の収納済み歳入額は一千五百四十億四千九百七十六万円余、同特別会計の特定多目的ダム建設。工事勘定の収納済み歳入額は二百四十二億九百三十六万円余、また、都市開発資金融通特別会計の収納済み歳入額は六十七億六千六百十九万円余となっております。
 次に、歳出でありますが、一般会計の支出済み歳出額は七千二百四十五億六千十二万円余、道路整備特別会計の支出済み歳出額は四千九百八十八億六千七百九十万円余、治水特別会計の治水勘定の支出済み歳出額は一千五百二十四億八千百十九万円余、同特別会計の特定多目的ダム建設工事勘定の支出済み歳出額は二百三十四億八千九百四十四万円余、都市開発資金融通特別会計の支出済み歳出額は四十九億八千九百二十九万円余であります。
 これらの各会計の支出済み歳出額は、治水関係事業、災害復旧関係事業、道路整備事業、都市計画事業、住宅対策事業、官庁営繕及び都市開発資金貸し付け事業等を実施するために支出したものであります。
 まず、治水事業につきましては、昭和四十三年度を初年度とする第三次治水事業五カ年計画の初年度の事業として、河川、ダム、砂防の各事業を施行いたしました。
 その結果、河川事業につきましては、直轄河川改修事業として百二十五河川の改修工事を実施し、このうち一河川を完成し、また、補助事業として中小河川改修事業等千八十河川の改修工事を施行し、このうち三十六河川を完成いたしております。
 ダム建設事業につきましては、直轄事業として、二十二ダムについて建設工事及び実施計画調査を実施し、このうち二ダムを完成し、また、補助事業として、六十五ダムについて建設工事及び実施計画調査を実施し、このうち三ダムを完成いたしました。
 砂防事業につきましては、直轄事業として二十六河川について百九十二カ所の砂防工事を実施し、うち七十五カ所を完成し、また、補助事業として三千四十八カ所の堰堤工、流路工等を寅施し、うち千三百二十三カ所を完成いたしました。
 このほか、海岸事業につきましては、直轄事業として九海岸を実施し、また、補助事業として百九十四カ所を実施し、うち二十五カ所を完成いたしました。
 次に、災害復旧関係の事業につきましては、河川等災害復旧事業として、直轄関係では、四十一年発生災害は完了し、四十二年発生災害は九五%、四十三年発生災害につきましては、予備費を使用して全体の五四%の復旧を完了いたしました。
 また、地方公共団体の施行する災害復旧事業に、つきましては、四十年災は完了し、四十一年災は八七%、四十二年災は七二%、四十三年発生災害につきましては、予備費を使用して全体の三三%の復旧事業を完了いたしております。
 次に、道路整備事業につきましては、昭和四十二年度を初年度とする第五次道路整備五カ年計画の第二年度の事業として、一般国道等の改良及び舗装等を実施いたしました。
 その結果、改良において三千百六十七キロメートル、舗装におきまして五千四百六十九キロメートルを完成し、前年度に完成したものと合計いたしますと、改良において六千七百七キロメートル、舗装におきまして一万一千二百三十五キロメートルとなり、五カ年計画に対し、改良は約三七%、舗装では約三三%の進捗状況となっております。
 また、五カ年計画の一環といたしまして、一般国道の直轄維持管理を行なっておりますが、昭和四十二年度は延長一万七百四キロメートルの指定区間についてその維持修繕を実施いたしました。
 以上のほか、有料道路事業を実施している日本道路公団、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団に対し、それぞれ国の出資を行ないました。
 次に、都市計画事業について御説明申し上げます。
 国営公園の整備は、北の丸公園については本年度をもって完了し、明治百年記念公園については約七三%の用地の買い取りを行ないました。また、都市公園の整備については九百九十五カ所、下水道関係としては、五百七十七カ所の公共下水道等の施設整備を実施いたしました。
 次に、住宅対策事業について御説明申し上げます。
 公営住宅の建設といたしましては、八万八千八十五戸の建設を実施いたしました。
 また、不良住宅地区改良事業としては、改良住宅五千五百戸の建設を行なうとともに、不良住宅地区の整備を実施いたしました。
 以上のほか、建設省所管の公的資金による住宅として、住宅金融公庫及び日本住宅公団関係で二十八万七千四百二十五戸の住宅を建設いたしております。
 次に、官庁営繕について御説明申し上げます。
 建設省に計上された営繕事業予算及び他省庁所管に計上された営繕事業予算の支出委任等により、通商産業本省庁舎工事等四百六十八件の工事を施工いたしました。
 次に、都市開発資金貸し付け事業について御説明申し上げます。
 昭和四十三年度の事業としては、四地区の工場移転あと地買い取り等の資金の貸し付けを行ないました。
 以上が昭和四十三年度における建設省所管の決算の概要であります。
 次に、昭和四十三年度決算検査に関する建設省所管の概要について御説明申し上げます。
 所管事業を遂行するための予算の執行にあたっては、常に厳正な執行をはかるため、内部監査等により万全を期してまいったのであり貸すが、決算検査におきまして指摘を受けましたことは、まことに遺憾でございます。
 これら指摘を受けました事項に対する措置として、地方公共団体が施行する国庫補助事業で工事の施行が不良なため、工事の効果を達成していないもの、または設計に対し工事の出来高が不足しているものにつきましては、手直しを命じて事業の所期の目的を達するよう措置いたしました。
 なお、今後はさらに事業の執行方法について検討し、指導を強化するとともに、その責任体制を確立せしめることとし、このよう衣事態の発生を未然に防止するよう指導を徹底する所存でございます。
 また、災害復旧事業費の査定につきましては、被害の実情を十分に把握し、さらに厳格な査定に万全を期するよう努力いたしたいと考えております。
 以上が昭和四十三年度における建設省所管の決算の概要及び決算検査報告に関する建設省所管事項の概要でありますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#4
○濱野委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。桜木会計検査院第三局長。
#5
○桜木会計検査院説明員 昭和四十三年度建設省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が四十二件、是正改善の処置を要求したものが一件でございます。
 まず、不当事項について説明いたします。
 百三十八号から百七十八号までの四十一件は、公共事業の施工にあたり工事の施工が不良であったり、または工事の出来高が不足しているなど、国庫補助金の経理が当を得ないと認められるものでございます。
 百七十九号は、昭和四十三年発生災害復旧事業費の査定を了したものに対し早期に検査を行ないましたところ、査定工事費の設計及び積算が過大となっていたためこれを修正減額させたものでございます。
 次に、是正改善の処置を要求したものについて説明いたします。
 建設省の直轄工事の施行にかかる各種工事のうち、なまコンクリートを使用する工事の設計積算について検査いたしましたところ、コンクリートの所要強度に対して、セメントの使用量が多過ぎたり、施工の実状から見て現場管理費率が高すぎたりしているものが認められましたので、なまコンクリートの配合については明確な取り扱いの基準をつくり、また、現場管理費率についてはその実態を調査検討して適正な率を定める要があると認められたものでございます。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
    ―――――――――――――
#6
○濱野委員長 次に、住宅金融公庫当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。浅村住宅金融公庫総裁。
#7
○浅村説明員 住宅金融公庫の昭和四十三年度の業務の計画と実績につきまして御説明申し上げます。
 住宅金融公庫の創立以来二十年を数え、この間、住宅資金貸し付け業務の種類別、数量ともに増加してまいり、順調に業務の伸展を見ておりますことは、ひとえに国会の諸先生方の御指導、御支援のたまものでございまして、この機会に厚くお礼を申し上げます。
 昭和四十三年度の貸し付け計画は、当初住宅等資金貸し付け一千八百三十八億九千四百万円、宅地造成等資金貸し付け三百二十一億一千三百万円、合計二千百六十億七百万円でありましたが、その後、資金需要の変動に伴い、計画を住宅等資金貸し付け一千八百二十三億九千四百万円、宅地造成等資金貸し付け三百五億三千九百万円に改定して、合計二千百二十九億三千三百万円といたしたのでございます。
 貸し付け実行矛定額は、当初、昭和四十三貸し付け契約にかかる分一千二百三十一億二千四百八万円、前年度までの貸し付け契約にかかる分六百九十七億七千二百九十二万円並びに財政施策に基づく昭和四十二年度からの繰り延べ分百十四億円を合わせた計二千四十二億九千七百万円でありましたが、その後、前年度決算による改定等により、合計三千九十四億三千八百七十五万円に改められたのでございます。
 この原資は、資金運用部資金の借り入れ金一千四百五十四億円、簡易生命保険及び郵便年金積み立て金の借り入れ金百億円、宅地債券発行による収入十六億三百二十六万円のほか、貸し付け回収金等から五百二十四億三千五百四十九万円をもってこれに充てることといたしたのでございます。
 この貸し付け計画によりまして貸し付け契約を締結した額は、住宅等資金貸し付け一千八百四億三千百九十五万円余、宅地造成等資金貸し付け三百一億八千三百七十七万円、合計二千百六億一千五百七十二万円余、戸数等にいたしまして、住宅二十二万二千六百一尺宅地の取得二千五百十五万平方メートル、宅地の造成八百十万平方メートルとなったのでございます。また、貸し付け実行額は、前年度までの貸し付け契約にかかる分を含めまして、住宅等資金貸し付け一千六百六十三億四千八百八十五万円余、宅地造成等資金貸し付け二百六十九億九千三十三万円、合計一千九百三十三億三千九百十八万円余となったのでございます。この貸し付け実行額は、前年度に比べますと、四百八十五億一千四百九十六万円余、率にいたしまして三三・五%増となっております。また、年度間に回収いたしました額は六百六億一千三十四万円余でありまして、前年度に比べますと、八十三億三千九百八十八万円余、率にいたしまして一五・九%増となったのでございます。
 この結果、年度末貸し付け残高は七千八百五十七億二千二百八十八万円余となりまして、前年度末に比較しますと、一千三百二十七億二千三百九十四万円余の増加となったのでございます。
 貸し付け金の延滞状況につきましては、昭和四十三年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は九億一千八百八十六万円余でありまして、このうち一年以上延滞のものは六億九千百八十万円余でございました。
 次に、住宅融資保険業務につきましては、昭和四十三年度におきまして金融機関との間に保険関係が成立する保険価額を百二十億円と予定し、この額の百分の九十に相当する百八億円を保険金額といたしましたが、保険関係が成立いたしましたものは九十億七百七十八万円余でございました。なお、昭和四十三年度におきましては、従来一日につき百万分の二十六であった保険料率を百万分の二十に引き下げたのでございます。
 収入支出について申し上げますと、収入済み額は、収入予算額四百五十九億三千四十六万円余に対し、四百四十九億五千三十四万円余となりました。支出済み額は、支出予算額四百六十一億四千六百三十七万円余に対し、四百五十一億一千六百八十七万円余となり、支出が一億六千六百五十二万円余多かったのでございます。
 損益計算の結果につきましては、貸し付け業務では、利益四百七十五億六千五百八十五万円余、損失四百七十五億六千五百八十五万円余で、利益損失の額が同額となり、利益金は生じませんでしたので、国庫納付金はございませんでした。また、住宅融資保険業務では、利益一億六千七十七万円余、損失一億八百五十一万円余で、差し引き利益金五千二百二十五万円余を生じましたので、これを積み立て金として積み立てたのでございます。
 以上をもちまして、昭和四十三年度の業務概況の御説明を終わらせていただきます。
#8
○濱野委員長 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#9
○濱野委員長 本日は参考人として、日本住宅公団から総裁林敬三君、理事中込達雄君、理事尚明君及び理事宮地直邦君、日本道路公団から総裁前田光嘉君及び理事三野定君の御出席を願っております。
 なお、参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承を願います。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高橋清一郎君。
#10
○高橋(清)委員 きょうの本会議は午後一時で繰り上げられておりますし、質問者の数も相当数でございますので、時間がきわめて限られておるのであります。したがって私もできる限り簡潔な質疑内容という含みでありますが、答弁者側におきましても、そのつもりでよろしくお願いいたします。
 まず、地方道の整備ということについて第一番にお尋ねしたいのでありますが、わが国の近年におきまする道路の整備は、いまも四十三年度の決算報告の場におきましてるる御説明があったようでありまするけれども、特に有料道路制度の導入等によりまして飛躍的な発展を遂げ、その進歩はきわめて顕著でございます。特に高速道路におきましては、昭和四十二年に百九十キロメートルでありましたものが、三年後には六百四十二キロメートルとなりましたし、建設中のものを含めますると二千六百二キロメートルにも達しておるのであります。急速な整備が進められておりますところの一般国道、これは三万二千キロメートルでございますが、その舗装率であります。この舗装率は八二%にも達しようとしておるのでありまするが、このほうはいいのです。でありますけれども、日本の道路総延長と申しますか、その九六%を占めておりまする地方道の舗装状況というのは、これを分けますと、いわゆる都道府県道におきまして四五%、市町村道におきましては一〇・八%と、非常なおくれが目立っておるのでございます。まず、過疎対策、近ごろ非常な動きが出ておるのでありますが、地方産業の育成、急テンポできわめて増加率を強くしておりますところの自動車の台数の増加等からいたしましても、こうした地方道の整備というのは非常に急務になっておるのではなかろうかと思われるわけであります。建設省において立案中でございますところのいわゆる第六次道路整備五カ年計画でありますが、その中でいま申しました趣意がどのように織り込まれておるかということをまず一番目にお尋ねしたいのであります。
#11
○高橋(国)政府委員 御指摘のとおり、道路整備を現在やっております段階におきまして国道の整備はかなり進んでまいりました。けれども、都道府県道、特に市町村道の整備は必ずしも十分ではございません。御指摘がございましたように、都道府県道は総延長が十二万キロばかりございますが、四十五年度末現在で改良率がわずかに四五%、それから舗装率もおおむね四五%程度でございまして、市町村道に至りましては、その総延長が約八十六万キロ程度ございまして、四十五年度末におきます整備状況は、改良率がわずかに一五%、舗装率は一一%程度というのが実情でございます。
 建設省といたしましては、道路整備の重点を従来国道に置いてまいりまして、昭和四十五年度には、一般国道のうち、元一級国道、つまり国道一号線から五十七号線までを元一級国道と申しておりますが、これをおおむね完了いたしまして、残りました元二級国道、百番台以上の国道でございますが、これにつきましては鋭意整備を行なっておりまして、昭和五十年度にはおおむね概成するつもりで現在五カ年計画も策定中でございます。
 それと並行いたしまして、ただいま御指摘の都道府県道に重点を置きまして、都道府県道のうち特に主要地方道というのがございますが、これは建設大臣が指定いたしました道路でございますけれども、これにつきましては、五十五年度を目標に整備を進める方針を立てております。
 なお、一般地方道につきましては、現在のわれわれのペースでは昭和六十年度に完了する目標で整備を進めておりますし、今回の五カ年計画の策定にもそういう方針で所要の経費を積算しているわけでございます。
 ただ、市町村道でございますけれども、これは先ほど申しましたように約八十六万キロという、道路延長の八五%に達する非常に膨大な延長がございます。中にはりっぱな市町道もございますけれども、大部分の市町村道と申しますのは、たんぼのあぜ道のようなものから、あるいは市街地におきます路地のような延長わずかに二、三メートルのような、非常にお粗末な市町村道もございます。こういうものまで国が全部めんどうを見て整備することは非常にたいへんでございますので、これに対する対策といたしましては、従来われわれがとっておりますのは、国が特別立法をいたしまして、整備をすることを定めているものにのみ補助して整備をはかってきたわけでございまして、たとえば離島振興法に基づくものであるとか、企業合理化促進法に基づくものであるとか、過疎立法によるものであるとか、山村振興に基づくものであるとか、そういう特別立法に基づくものを中心にして整備してまいったわけでございまして、その他のものにつきましては、市町村の単独によって整備をするような方針で従来進めてきたわけでございます。なお、それにいたしましても十分じゃございませんので、新しい五カ年計画におきましては、地方の市町村の生活圏構想に基づきます主要なる市町村道につきましては、国が積極的に補助いたしまして整備するつもりで現在いろいろ計画中でございます。新道路五カ年計画、十兆三千五百億の第六次五カ年計画につきましては、まだ内容が完全に煮詰まっておりませんので、現段階では詳しく数字的なことを申し上げるわけにいきませんが、以上のような方針でもって一応整備を進めているわけでございます。
#12
○高橋(清)委員 私は自動車台数がずいぶんふえましたよということを申し上げたのでありますが、それに関連いたしまして、やはり交通安全対策が必要になってくるわけであります。ごらんのとおり、いま申し上げたのでありますが、高速道路の新設、国道、地方道の舗装、いろいろ整備をはかっていただいているのでありまするけれども、この台数の増加にはなかなか追っつけないと思うのであります。一台当たりの舗装率は年々低下して悪くなっておるのでありますし、特に国道におきまする混雑度と申しますか、これはたいへんなものであります。
 交通事故を申し上げたいのでありますが、この交通事故によりますところの死傷者の数を見ましても、これは年ごとにふえておるのであります。四十四年度に赴きましては、死者が一万六千二百五十七人、負傷者に至りましては九十六万七千人、まことに憂うべき状況になっております。建設省におきましてもいろいろごめんどういただいておると思うのでありますが、この対策はどの程度にお考えでございましょうかということであります。
 また、最近トラックの大型化は非常に顕著であります。そしてまた、いろいろ苦慮したあげくだろうと思うのでありますけれども、この混雑解消のためというのかもしれませんが、この大型の車が裏通りを通過するという、苦肉の策でございましょうけれども、こうしたことが許され始めているわけでございますが、このためにかえって交通事故を増加しておる、これが実情でございます。したがいまして、道路を保全し、交通の安全を確保するというためにも、道路の構造に適合しないところの自動車は、目下実施され始めたのでありますけれども、車両制限令によりまして制限を受けることになっておるのでありますが、この状況はどの程度になっておりますかということであります。
 これをお聞きいたしまするゆえんは、この車両制限令の第十四条の道路管理者の通行認定を必要とする特殊車両について調査いたしました結果でありますが、それによりますと、約七〇%の車両が認定を受けていない、こういうようにいわれておるのでありますが、これに対する方策いかんということでございます。簡単にお尋ねしますから、簡単でけっこうです。
#13
○高橋(国)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、車両制限令違反の大型車がかなり道路上を走っておることは事実でございます。車両制限令違反のうち、大型車両の違反というのがしばしば重大事故に結びつくことが非常に多いものでございますので、われわれといたしましては、特認の励行その他、安全な道路走行につきまして、関係者に対しまして強力な指導を行なっているわけでございます。特に昨年の秋には、全国十数ブロックにおきまして約八千人の人を集めましていろいろ講習会を行ないまして、同令の趣旨徹底について指導してきたところでございます。しかしそれにもかかわらず、最近でも若干そのためによる交通事故も発生しておりまして、憂慮しておるところでございます。建設省といたしましては、さらに道路管理の強化につきまして、特に車両制限令の徹底化をはかることに今後もつとめていきたいというふうに考えております。
 なお、車両制限令には現在罰則がございませんのが一つの大きな障害になっておるわけでございますので、今回道路法を改正いたしまして、直罰方式をとることにいたしまして、さらに取り締まりの徹底をはかることに警察とも相談しておるわけでございます。
#14
○高橋(清)委員 次は交通公害であります。
 ごらんのとおり、大都市とその周辺には、排気ガスだ、騒音だ、振動だ、たいへん困りますというようなことで、いわゆる交通公害がますます深刻な問題となってきておりますことは御案内のとおりであります。したがいまして、地域住民に与えますところの影響を十分考慮いたしまして、これらの公害を防止するために、今後におきましては道路の計画の際、また、先ほども申したのでありますけれども、道路の構造という点につきましても十分研究、検討すべき段階であると思うのでありまするが、これについて、建設省並びに道路公団総裁がおいででございますので、御所見を承りたい。
#15
○高橋(国)政府委員 一般に道路交通に伴います公害といたしましては、騒音、排気ガス、振動等があげられるわけでございますけれども、これに対します道路面での対策といたしましては、その路線の性格や交通需要の量並びに質、それから沿道の土地利用等を考慮いたしまして、必要に応じまして公害の少ない路線を選ぶようにさせておりましたり、あるいは構造的には掘り割りの形式をとったり、あるいは植樹帯を設けたり、それから特殊な個所におきましては防音施設等をつくったり、そういうふうにいたしまして公害を除くようなことにつとめさせておるわけでございます。
 また、交通公害を軽減するための道路構造と、それから排気ガスや騒音との関連につきましての調査が従来あまり十分じゃございませんでしたが、今回建設省の研究所にそのための調査室を設けまして、新たにそういうふうな根本的な研究もさせております。
 いずれにしましても、既存の道路の再編成を含めまして、適切な道路網を建設するための交通実態調査を行ないまして、今後のいわゆる道路交通に対する公害に対処したいというように考えておる次第でございます。
#16
○前田参考人 道路公団が現在建設、管理しておる道路につきましても、御指摘のとおり、最近排気ガス、騒音等の公害に関する問題が出てきております。先ほど道路局長の御答弁がございましたように、われわれもこの公害をできる限り少なくするように配意いたしまして、あるいは路線を選び、あるいはまた騒音の起こる場所につきましては植樹をするとか、防音壁をつくるとか、いろいろ研究しております。国全体の道路計画全体にも関連いたしますので、建設省御当局の御指導を得まして、せっかくできました道路が、公害の少ない、しかも安全で快適な道路でありますように十分配慮しておるところでございます。
#17
○高橋(清)委員 道路公団の総裁お出ましでございまするので、あなたに次のトンネル掘進機の利用ということについてお尋ねしたいのであります。
 これは、さきの国会に提出されました四十四年度の会計検査報告によったのでありますが、せっかく石川島播磨重工業から一台五千万円で製作、納入させましたところのトンネル掘進機、これを、トンネルのメートルは知りませんけれども、わずか五十五メートルだけ掘さくしまして、あとはそのまま放置してしまったということであります。これはよほどの理由をお伺いいたしませんと納得できぬのでありまするが、どうした事情でこういう状況になったかということについての御説明であります。
 なお、この機械は一これはあなたの御答弁によって次の質問となるわけでございましょうけれども、時間もございませんからついでにお尋ねします。今後ともこれを活用して、悪いところは改善してどんどんやっていくのかどうかということであります。それをお尋ねします。
#18
○前田参考人 御指摘の恵那山のトンネルに関する掘進機でございますが、恵那山は延長八キロ五百という、道路トンネルとしては世界にまれに見る大トンネルでございます。このトンネル工事を進めるにあたりまして、その安全及び省力化をはかるために、トンネルの機械による施工を考えまして、お話しのとおりハッパ併用馬蹄型トンネル掘進機を発注して使用いたしました。ところが恵那山トンネルの地質の状況が、当初調査いたしまして推定いたしましたより非常に悪うございまして、残念ながらこの機械は十分な成果をあげられませんでした。しかしながら、トンネルの施工を一定期間内に終わるという目標がございましたので、この完成期とにらみ合わせまして、これを一昨年の夏に坑外に出しまして、この機械による施工を断念せざるを得なかったのでございます。
 それで、その機械の状況につきまして、現地におきましてもしばしば研究をし、さらに関係の学識経験者等にも意見を聞きまして研究した結果、さらにこれを改良して、悪い地質のところでも使えるようにしようというふうな改造計画を立てました。そこで、ちょうど現在工事中の真鶴のトンネルがこの機械を使用するに適当と考えまして、そのトンネルにこの機械を改造いたしましたものを使って工事をしたい、こう考えて、現在研究を進めている次第でございます。
#19
○高橋(清)委員 これからは大体総裁からの御答弁をるる求めたいと思うのでありますけれども、時間がありませんので、あなた御自身もようく承知していただいておりますることでもあり、私もこの次からいろいろお尋ねします問題については、お尋ねする必要ありという場合には、直接あなたにお会いしましてつぶさに実情をお訴え申し上げたという過程もこれあり、過程そのものにつきましては、私自身ごく簡潔に要点だけ申し述べましてお尋ねするという形になります。したがいまして、そうだ、そうでない、実はこうだということにつきましても、ごく簡単に御答弁賜わってもけっこうでございます。
 と申しますのは、北陸自動車道が燕市内に建設途上であり、これが順序といたしまして、基本計画、昭和四十二年十一月二十二日、整備計画、昭和四十四年一月二十日、施工命令、昭和四十四年四月一日、実施計画作成、昭和四十五年九月、ルートの発表、昭和四十五年十一月十一日。実施計画は現在建設省に提出済みであり、近日中に認可の予定である。認可されるかどうかわかりませんけれども、ともあれ申請中である。この路線の中で、一部でありますけれども、昭和四十五年十一月十一日の日付でございますが、館野、三王渕が保留されておったのでありますけれども、正式発表と相なり、一月九日に館野、三王渕というのは発表されたのでございます。
 この問題については、正直に申し上げまして、由来、建設省または道路公団等においては、道路建設のための法線の発表等、いろいろめんどうな過程を通ってでの結論でございますので、日本国民全部が、私ども国会におきましてもその結論については十分傾聴もし、またそれに異議を差しはさむことのないようにというおもんぱかりで全部の者がおることは厳たる事実であります。こうした問題については、すべて技術的な観点から実施せられるものであろう、これは当然そうあらねばならぬのでありますし、そうした観点でやはり施工、実施せられるものであるということを承知しておりますだけに、私の個人感情でございますけれども──私も国会議員になりましてから十四年であります。いまだかつてこうしたことで文句めいたことを言うたことはございません。ましてや、こうした席上で、こうした比較的軽微と思われるような問題を爼上にのぼせましてお尋ねする場を持ったことはございません。でありますけれども、今回のルートの決定ということにつきましてはきわめて遺憾であるということであります。
 と申しますのは、結論から申し上げまして、一たん腹をきめて、建設省または道路公団等において路線の発表――発表までまいりませんでも、先ほども申しましたような過程でもって、複雑な段階を経た、いわゆる順序順序めいたものがございますので、発表という段階においてはよほど慎重なかまえをもってやらなければならぬものであり、時期も慎重でなければならない。検討に検討を重ねた上、地元の皆さま方の御同意を賜わるという大問題でありますだけに、私は、こうしたことについては、ほんとうに、いわゆるタイミングが合わなければいかぬということもいえるんじゃなかろうかと思うのでありますが、この問題については、日本道路公団に関する限り、路線決定誤りありと申し上げてよかろうと思うのであります。
 というのは、いまからちょうど二十二カ月前、昭和四十四年四月三十日、地元の竹内という県会議員が十七名の関係者を引具して新潟の県庁――これは企画調整課であります。課長と補佐が応待に出ました。今後のこともございますから、何とか法線についてある程度輪郭を教えてくださいという強い要望にこたえまして、皆さん方であるから、県議もおいでのことでもあるし、先々のこともあって御心配でございましょう、しからば、これは秘密でございまするけれども、せっかくおいでだったんだからお見せいたしましょうということで、二万五千分の一の地図でもって法線路線が発表されたのであります。発表と申しましても、正式なものではございません。これはそこにただし書きがついております。道路公団、建設省の指示に従いまして、内容はすべて相談の上のことでございます、向こうから来た書面でございますということで、この純真な農家の人たちに伝えてわるのでございます。私どもはじめといたしまして、特に新潟県の農家の人たちというのはきわめて純真であります。すべてお上の言うことは従わなければならぬわやというかまえであります、正直申しまして。ことに大ぜいの方々の利便をもたらす道路建設の場であるから、法線については、ある程度がまんできるものならばがまんしようやという感懐でおるのであります。一緒に参りました者はすべてそうでした。昭和四十四年の四月三十日に示されたのであります。
 ところが、それから約一年後だと思うのでありますが、昨年の五月であります。発表の段階でないにもかかわらず、おそらくは発表の八、九カ月前と思われる昨年の五月に、なるほど圃場整備の関連におきまする問題でございましょうけれども、館野、長所という地域に一部、センターぐいを打ってしもうたという事実であります。そのセンターぐいを打ったその事実をなぜ――いま非常な反発攻勢でもって団結小屋をつくり、そうして立て看板を擁してどこまでも戦うぞ、建設省の道路公団のやり方にはもうがまんできぬという面持ちでおる連中数多いのであります。これはイデオロギーの問題ではないのです。むしろほとんど関係者全員であり、保守色のきわめて強い人たちの問題でありますだけに、いろいろ私どもも陳情その他を受けまして、政党政派を超越して、この問題はとくと道路局に、道路公団の皆さん方にお願いしなければならない。何とか妥協点を見出すことができぬだろうかということで執拗に迫ったということは、あなた御自身お認めいただけることだと思うのであります。
 この人たちは、騒げば補償費は高くなるわいということではないのです。団結小屋をつくってどこまでも戦う戦いの姿勢を示したということも、今回のお役人のおやりになったいままでの御態度というものはどうしても納得できません。金の問題ではないのです。くい打ちするならばやってみろ、くい打ちするならば、われわれはもり警察署へ引っ張られてもかまうことない、豚箱へ入ってもいい、喜んで大ぜいのために佐倉宗五郎になろうやという志願者が数多いということをひとつお認め願わなきゃならない。それはなぜか。最初に発表いたしました路線をなぜ変更したかということであります。皆さんがその後において変更せざるを得なかった路線というものは、それはいま申しました館野、長所にくいを打ってしもうた――三王渕のほうについてはライスセンターがあるという問題がからんでおったということは厳たる事実であります。
 ここに早川局長がおりますならば答弁を求めたいと思ったのでありますけれども、あなたが代表しておいででございますので、お帰りになりましたら、早川局長からその間の事業をひとつよくお聞き取り願いたいと思うのでありますけれども、私もうんと勉強しました。でありますから、問題はライスセンターあり、その障害ですよということであります。それは早川局長が昨年の十一月九日だと思うのでありますけれども、向こうへおたずねいたしましたときに、はっきりそれを答弁しておるのであります。そういう事情であります。最初の路線については田んぼが四分五裂になります、たいへんなことでございます、学校があります、学校の騒音はきわめて激しいものになります、この地域については旧来古跡があります、有名ないわゆる名所旧跡の場所でございますので、文化人等から発掘の挙、よろしく御協力願うというような話もございますので、そういう場所でありますから、その路線ははずしてください、という実情についても皆さま方よく御存じおきいただきたいと思うのであります。でありますので、時間がございませんから結論だけ急ぎますが、こういうようなところまでまいりました。純真な農家の人たちを惑わしてはいかぬと思うのであります。
 その後の折衝でありますけれども、幸いにいたしまして、ライスセンターが――地元のそうした強い反発攻勢にこたえる意味ではございませんでしょうけれども、いろいろな事情からいたしまして、ライスセンターは百メートル内外のところに移動することになりました。農協のほうで、組合役員会できまりました。しこうして肝心の三王渕等につきましても、それほどの熱心なものであるならば田んぼ一枚や二枚は移動してもようございます、法線がいまのような示されたルート、発表の線でなくて、部落の皆さま方、又新、二階堂、関崎の一部、そうした皆さん方のためになるならば、そしてそれが、もちろん当初申し上げたように、技術的な観点からいたしまして大きな障害にならない、建設省において、高速道路下においてその程度だったらがまんできましょうやという範疇におけるものでありますならば、これはまだ幸いにいたしまして大臣の認可にはなっておらぬのでありますから、この間しばらくの間この問題について十分検討し始めようという御熱意をお持ちいただくことができるかどうか。また、道路局長もいらっしゃるのでありますが、道路局長さんと道路公団の総裁とお二人でいろいろ――時間がございませんのでごく簡単に申し上げたいのであります。一問一答の形でございますと非常にわかりやすいのでありますけれども、そういうわけにいかぬのでありますので、さらっとやってしまいました。私の意のあるところはおわかりいただけると思うのであります。それらのことについて、いま自主的な動きをやっております。大臣の認可もまだ出ておりません。問題になったところのライスセンターは動きます、田んぼもよろしゅうございます、移動はいたしましょうということに役員会で決定いたしました。そこまできましたならば、道路局長の側においてその法線は重大な支障ありという事情が出てこぬ限り、何とか検討しましょうというだけの御親切をお持ちいただけてもいいのではなかろうかというので、円満妥結のためにもどうかよろしく御配慮を得たい。これに対する御答弁をいただきたいのであります。
#20
○濱野委員長 前田参考人、再検討するならする、しないならしない、短く言ってください。だんだん時間がなくなってしょうがない。
#21
○前田参考人 ただいまお話しの北陸自動車道の燕市内の線につきましては、種々御配慮いただきまして、心から厚く御礼申し上げます。われわれのほうも技術的に考え、また、地元の圃場の整備等考えまして、最適と思う路線を選んで発表した次第でございまして、これ以上の線は得られないというふうに考えておる段階でございます。
#22
○高橋(国)政府委員 ただいまのルートにつきましては、建設者も道路公団と一緒に詳しく調査した結果きまったルートでございますが、先般、先生からいままで御説明のようなお話がございましたので、先生のおっしゃるとおりならば、もう一度検討してみたらどうかということを道路公団に指示しておるわけでございます。
#23
○高橋(清)委員 最後に一言、建設省の道路局長の話はもっともです。そのとおりであります。それなら私は了承します。道路公団総裁の答弁はなっておりません。勉強はなっておらぬということだけは、よくひとつ御認識いただきたいと思います。あとでいろいろな具体的なことはまた別の場でお話し、御説明申し上げることがあろうと思います。
 終わります。
#24
○濱野委員長 小山省二君。
#25
○小山(省)委員 一九七一年代は内政の年だと総理も力強く言明をされたわけであります。内政に関する問題となりますと、公害であるとか物価であるとか交通であるとかあるいは住宅とか、いろいろ大きな課題をかかえておるわけでありますが、私は時間の関係から、きょうその一つである住宅問題について関係者の御所見を承りたいというふうに考えておるわけであります。
 御承知のとおり、昭和四十一年から四十五年度まで住宅難打開のために第一次住宅五カ年計画というものを立て、御承知のとおり六百七十万戸の住宅を建設しよう、世にいう一世帯一住宅という理想のもとに住宅の建設計画を立てられたわけであります。まあこの計画はおおむね順調に推移しておったと申して私はいいと思うのであります。もちろん、内容を分析してみますると、必ずしも政府の所管する公営、公社、公団住宅というもののが理想どおりにいっておらないのは事実でありますが、これを補うのに民間住宅のほうがかなり予定以上進行しておりますので、結果的には一応六百七十万戸の住宅建設計画というものはやや目標どおりいっておるわけでありますが、しかしその内容を見ますると、おおよそ一世帯一住宅という理想にはほど遠い実態になっておるわけです。これはもう関係者がよく御承知だろうと思うのでありますが、現に三百六十万世帯という住宅困窮者、不足者があるというこの実数からいって、一体政府は、この計画を立てたときに一世帯一住宅、そういう理想というものが、どういうところに根拠を置いてこの第一次五カ年計画というものを立案され、また、その後におけるそうした計画の数字上大きな相違が生じたことに対してどのようなお考えを持っておられるか、この際所信のほどをひとつ伺っておきたいと思うのであります。
#26
○沢田説明員 ただいま先生御説明くださいましたように、確かに、全体数といたしましては六百七十万戸がほぼ完了するというベースになってございます。ただしかし、また御指摘がございましたように、その内容からいたしますと、四十三年度の住宅調査の結果は、いまだ狭小過密を主といたします三百六十万世帯が住宅難世帯として残っておる、こういうものは私どもはなくするつもりでおったのが、四十三年でそういうものが残りました。これは四十五年に引き直しますと、およそ三百万世帯がいまだ残ることになるということでございまして、この点に関しましては、私ども第一期の計画をつくるとき想定をいたしました事情とその後の事情と見込みが大きく狂ってきておるということでございまして、そのおもなるものは、世帯の細分化が私どもの考える以上に非常に進んだという点、あるいは人口の都市集中が私どもの予想以上に進んだ、あるいはまた、まだ十分使用に耐えるものが建てかえられるような事情が出てきた、かような点から、私どもの六百七十万戸が完成いたしましても三百万の世帯の住宅難が残る、かような状態になっておる次第でございます。
 この計画の見込み違いにつきましては私どもの不明でございますが、現実問題、これをどう処理するかということが大事だと思います。私どもは第二期五カ年計画を四十六年度から五十年まで計画してございますが、これを最近決定をするという段階でございますが、その計画の内容といたしますものは、見込み違いで残りました三百万程度の住宅難世帯を五十年度までに解消する、あわせて五十年度までに発生をいたします新規住宅需要、これを解消する、かようなことで、六百七十万戸に比べまして非常に大きな九百五十万戸という戸数を新たに官民合わせて建設をする、かような計画でこの問題に対処したい考えでございます。
#27
○小山(省)委員 計画を立てて、その計画の半ばにしていろいろの事情から数字上大きな誤差の起こってくるということは私も理解しないわけではありませんが、少なくともこのような大きな数字上の誤差が生じた場合、その計画途上においてやはりその建設計画を修正するという考えを持っていかなければ実態についていけないのじゃないか、私はそういう関係から考えると、少なくともこの第一次五カ年計画の半ばにおいてそのような事情を把握して、すみやかに建設計画を修正すべきではなかったかと思うのでありますが、そういう場合における当局のお考えというものは、どういう態度でこれらに対処するお考えでありますか。
#28
○沢田説明員 先生おっしゃいますように、見込み違いが明らかにわかりましたときには、その計画を弾力的に運用するという必要があろうかと思います。私どもが正確に統計的に知りました四十三年度の住宅統計調査の結果は最近出てまいったわけてございまして、正確な数字をつかむのがおくれたということでございますが、第二期五カ年計画におきましては、かようなことがございませんように、閣議決定にかかります五カ年計画の案といたしましても、弾力的に運用するという条項をつけ加えさせていただくつもりでございます。
#29
○小山(省)委員 今度の四十六年度を初年度とするところの第二次住宅五カ年計画、これは私ども考えてもたいへん理想的な案でありまして、この案がかりに当局が考えておるような理想どおり進行するとすれば、おそらく私は、この期間で住宅問題というものはある意味においてやや解決するのではないかというような大きな希望を持つわけでありますが、しかしその内容を見ました場合、はたしてこの第二次建設計画案というものは政府が考えておるような形で進行していくかどうか、私どもはたいへん疑問に感ずる面が多々あるわけでありますが、まあこまかい問題は、ここは決算委員会でありますから、所管の委員会でおそらく同僚委員等から質疑があるものと考えておるのでありますが、この中で六〇%は国民の自力で建てる、民間の責任において建てるようになっておるわけであります。このような膨大な第二次建設計画九百五十万戸、そのうちの六〇%が民間の力によるところの建設住宅であるとすると、最近におきます土地問題、特に異常な土地の値上がり、また、この建設が主として大都市を中心に建てなければならぬというようなそういう実情を考えました場合に、このような異常な物価の高騰期にそうした土地難を解決して予定どおり建たる、また建てさせるとすれば、私は、何らかの特別な助成措置なり、あるいは別途な方法を考えない限りにおいては、民間の自力によってこれだけのものを達成させるということはかなりむずかしいような考えを持つのでありますが、当局は十分な自信を持たれておるかどうか、御答弁を承りたいと思います。
#30
○沢田説明員 ただいま御指摘のように、六〇%を民間自力建設によっております。これは住宅問題の解決の方向を、私どもは、自力で適正な水準を確保できる方は自力でしていただく、自力で確保できない方々には公的な施策で援助をしていく、かようなことでございまして、その場合に、住居費負担と住宅の建設費、家賃、そういうものとの相関関係から詳しい計算をいたしましてかような数字が出ておるわけであります。ただし、計算でございますから、それがそのとおりいくかどうかという御指摘だと思いますが、これは私どもはいくと考えておりますし、また、いかせなければいけないと考えております。
 それでは、具体的にどういうことでそれをいかせるかということでございますが、御指摘のように、宅地問題、非常にシビアでございます。わが省とたしましては、地下工事、そのほか宅造の拡大、国公有地の活用等、いろいろと宅地の対策に力を入れております。さようなことで、この五カ年計画、次の五カ年計画、第二期五カ年計画でございますが、これにつきましての宅地需給の計画というものも具体的に検討をしております。
 さらに、阻害要因といたしましては、建築費の値上がりがございます。これに関しましては、プレハブ工法等の工業化の促進をはかるということで、これも五カ年の間の工業化住宅建設率というものの向上、こういうことについて具体的な計画を考えてございます。これによりまして遂行いたしたい。さらに、民間の住宅建設がいかに盛んになるかということは、いわゆる住居費負担力、支払い能力ということに関係するわけでございまして、勤労階層のさような力をつけるためには、やはり住宅ローンを借りやすくするという意味で、信用補完制度、すなわち保険制度、住宅ローンに関します保険制度等の保険会社による新しい設立、かようなことをいままで促進してまいっておりますし、近々さようなものが世に出る、かような施策をあわせて私どもは十分この計画を遂行いたし得る自信を持っておる次第でございます。
#31
○小山(省)委員 計画を立てられた関係者が十分この計画に対して自信を持たれておるという御答弁でございますから、私どもがこれ以上問題を追及することはこの際取りやめておきたいと思いますが、過去におきます住宅建設の実例等から徴して、問題はたいへん複雑多岐、非常にむずかしい問題を含んでおるということを十分考慮に入れて、予定どおりひとつ進行するように御努力をお願いしたいと思います。
 それからこの中で、特に公的資金によるところの住宅が全体の四〇%、約三百六十万戸建設するということになっておるわけです。第一次五カ年計画でも予定どおり公的資金による住宅というものは建設されておらない。したがって、それから見ますと、かなり膨大丘案、三百六十万戸をこれから建設しようということは、私はたいへん困難な案だろうと思う。したがって、この問題を解決するためには、どうしても宅地をどう確保するかという問題になってくる。もちろん国有地の開放、いろいろ問題はあると思いますが、そういう点に十分計画性をもって対処されませんと、私はなかなか当局が考えたようなわけには運ばないという懸念を抱くのであります。
 その一つの実例で、過般大臣もたいへん住宅問題に関心を持たれて、東京都の都営住宅の進行状況について御注意をされたようであります。これらの実例を一つふり返ってみましても、国においては一生懸命建てようという考えで関係者を督励しても、なかなか関係者が、国が考えておるような気持ちになって住宅難を解決する、そういう熱意を抱くかどうかということは、いままでの実例から見て若干疑問主点があるわけであります。特に東京都におきましては、計画と実際の建設とはたいへん大きな数字上の開きを持っておる。したがって、先般大臣が都の補助を切ったというようなことも、この数字から見れば、私はむしろ当然といわなければならぬ。しかし、実際問題になってみますと、こうした公的な資金による住宅というものは、主として大都市を中心、特に東京周辺においては一段とその比例が激しいわけでありますから、東京都自体が国と同じような気持ちで住宅対策に真剣に取り組まない限りにおいては、私はかなり数字上大きな誤差が出てくる懸念があると思う。東京都の補助金を切ったというだけでは済まされない問題だ。東京都を指導して、そうして計画どおり住宅を建てさせるということは、むしろ積極的に建設省が取り組まなければならぬ姿勢だというふうに考えておるのですが、関係者のお考えはどうですか。
#32
○沢田説明員 先生のおっしゃいますように、住宅問題は大都市問題、特に東京に集約されると思います。さらにその中の一番の問題は宅地の問題、しかも公共住宅の宅地の問題だと思います。
 御指摘のように、本年度は、東京都におきましては宅地事情が非常に逼迫をいたしまして、したがいまして三千戸程度のものが年度末にできなくなった、したがいまして私どもは、それを補助金を切ったということよりも、できる時期にいつでもつけるということで対処したわけでございますが、さような経験からいたしまして、来年度、再来年度におきましては、私ども東京都のことだということではなしに、先ほど申しました中心でございますから、むしろ私どもの問題だというふうな認識で、ともにこの宅地問題に当たっておりまして、来年度、再来年度あたりの宅地事情はかなり好転をする、かようなかっこうの状況を現在把握しております。したがいまして、先生のおっしゃるように、今後とも各種の施策をこれに集中をいたしまして、少なくとも大都市地域の公共住宅の宅地の確保には十分つとめてまいりたいと考えております。
#33
○小山(省)委員 私は、計画と実際とが多少ずれるということ、なかなか予定どおりいかないことはわかるのですが、最近におきます東京都の――四十五年度はまだきまりませんから四十四年度を見ますと、計画戸数が一万七千戸に対して、同年度中に完成した戸数は五百十七戸というのです。私は、おおよそ計画と実際とがあまりにも違い過ぎる、こういうものに対して、これは単なる地方行政者の責任だというだけでなく、住宅問題については建設省がやはり最終的には責任を持つわけですから、実際に、実態がどういうためにこういうような大きなそごができたか。これはこの年ばかりでない、ずっと引き続き最近そういう程度の数字になっておる。まあ東京都のほうから見れば、高層住宅になったとか、用地がなかなか入手できないとか、補助率が必ずしも大都市のような場合同一では困るとか、いろいろそれなりの理由をあげております。あげておりますが、お互いにそういう理由をあげているだけでは、ぼくは住宅問題の解決というものは一向に進まないと思う。やはり、そういう隘路をどう打開するか、お互いにどう努力して住宅問題を解決づけるかという、そういう積極的な姿勢が私は大事だと思う。これは東京都の問題というにとどまらず、こういう条件というものは、東京、大阪であるとか、大都市周辺には当然同様な問題が起こってくるわけであります。こうした問題について、建設省はどういうふうにお考えになるか。
#34
○濱野委員長 調査官に御注意申し上げますが、ほんとうのことを言ってください。小山君の質疑中に、来年、あるいはその次の宅地買い取りの問題等につきましては大いに緩和されるであろう、こういうお話ですが、われわれはそう考えられぬのですが、その点もあわせてお答え願います。
#35
○沢田説明員 本年度あたりは私は東京都の宅地事情は最悪だろうと思っております。と申しますのは、一つには、東京都の様子を見ておりますと、宅地の手配に関しましては波を打ってございます。それは、たとえば埋め立て地が建設に使えるというような、一時にどっと出てくるときには非常に進捗がよかった時代が数年前にございます。そういうものを使い果たしました時点におきましては、非常につらくなってくる、次の開発ができたときにはまたそれが緩和されてくる、かような状態が一つございます。次の開発といたしましては、多摩が予想されております。それがもうすでに建設に入っております。
 それからもう一つは、完成戸数が極端に少なくなりますのは、先生御指摘のように、高層住宅、これが一年ではできません。したがいまして、二年にわたりますので完成戸数が少なくなる、それがふえだしましたのは近年でございます。したがって、そのずれ込みで、ことしあたりは見えがかりは非常に最悪の状態になろうかと思います。
 高層住宅の問題は、これは根本的な問題ではございませんが、要は、大規模の宅地入手ということにあろうかと思いますが、私どもは、埋め立て、あるいは多摩ニュータウンのような大量の宅地開発計画というものを次にどこに計画をするかいまから考える必要があろうということで、東京都と寄り寄り計画をしております。さらには、それでは小回りがききませんので、国公有地、たとえばグラントハイツの払い下げあと地、ああいうものが払い下げられますれば、そういうところにも都営住宅を入れていくとか、あるいは小さな――と申しましても、一団地を構成するようなところはできるだけ求めていく、あるいは国公有地を活用していく、かようなことで大計画の間を一生懸命つないでいく、かようなことで長期的に見ていきたいというふうに考えてございます。
#36
○小山(省)委員 いまたまたま話題に出ました多摩ニュータウン計画について、私もその計画されたところが選挙区でありますから、よく関係者からいろいろと陳情を受けるわけです。一体、この計画を主として受け持っておる多摩町というのは人口一万五、六千の町であります。この町が四十万からの新しいニュータウン計画を今後担当するわけです。そうなりますと一これらの新しく入る人のために義務づけられた教育施設を整備しなければならぬ、小学校、中学校合わせて四十校も五十校もつくらなければならぬ。財政的に、金利だけでもとうてい負担ができないということで、しばしばこの計画にストップをかけて、そういう問題の見通しがつくまで建てられちゃ困る、町が破産してしまう、こういうことで、公団等が学校用地については責任をもって確保する、あるいは学校の建築費については当分肩がわりをしてやるとか、いろいろ便法を講じつつ地元を納得させておるのが実態であります。しかし将来、どう考えても、この町長は、とてもこの負担を、金利だけでも現在の町がしょうことは、もうすでに破産は見えている、やはりこういう大がかりな都市づくりということになりますと、根本的にやはりそういう公共的ないろいろな負担については別個法律で考えてもらわなければ、現状のまま地元の負担をしいられるということになれば、これは住宅難を緩和するために案そのものは決して悪くはないが、地元負担の面においてたいへん問題点が多過ぎると言っている。おそらく私は建設省にもそういう陳情が関係市町村からしばしばいっておるはずだと思う。この計画を遂行させるために、具体的に建設省はどういう考えでそういう問題を解決しようとしておられるか、そういう御意思であるかどうか、この点を伺っておきたいと思います。
#37
○朝日政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおり、最近におきます宅地開発の一番の問題は、地元の地方公共団体の財政との調整でございます。この点に関しましては、従来とも、大規模な宅地開発が行なわれますると、地元の負担が一時に集中をするということでもって、これを緩和する方策といたしまして、関係省で協定を結びまして、いわゆる関連公共広域施設の立てかえ制度を設けてこれを実施しておるわけでございます。すなわち、これは国の補助金等がつくものにつきましてはできるだけ三年以内にそれをつける、それから地方負担になります分につきまして、起債が充当されるものは極力起債をつける、なおそれでも地元の負担になります部分につきましては、十年の期間延べ払いをするということできておるわけでございますが、最近の事情は、逐次大規模な宅地開発が特定の地域に集中をする傾向がございますために、単なる立てかえだけでは地方財政の負担を緩和できない、お話しのように、利子の償還だけでもたいへんだというふうな事態がございますので、むしろその前に開発事業者がある程度負担をするということが必要ではなかろうか。現に住宅公団等におきましては、ただいま御指摘のような学校用地につきましては、宅地開発の面では、半分は公団がもちまして、いわば値段を半分にまけて譲るというふうなことを実行しておりますけれども、多摩のごときはそれですら困るというふうな実情がございまして、ただいま住宅公団、金融公庫でもって学識経験を有する方々にその検討を御依頼申し上げております。近く結論が出るかと思いますけれども、その結論が出ました暁は、鋭意、ただいま申し上げましたような地元の地方団体の財政負担を軽減する方向で関係者と十分協議いたしたいと考えております。
 なお、四十六年度の経過的な問題といたしまして、従来、住宅公団のただいま申し上げました立てかえ資金が、十年の期間でございましたけれども、これを二十年に延長いたしました。なおまた、その十年のうちで据え置き期間が二年でございましたが、これを三年に延長いたしました。これは四十六年度予算上実行いたします。
 それから、これは直接建設省の施策ではございませんけれども、御承知のように、人口急増地帯の市町村につきまして、その人口増加の割合によって、いわば学校用地を取得しなければならないような場合には、その経費について補助をするという制度が発足をする予定でございます。これは、先ほど申されましたような、特に学校用地の問題あるいは学校の建築の問題が一番大きな問題でございますので、そういう問題の解決の――これで万事終われりというわけにはまいらぬかと思いますけれども、一つの曙光が見えたというふうにも考えております。なおしかし、最終的には、ただいまのような負担の問題を含めまして、関係省とも十分協議を進めて、この大事な住宅問題解決のための宅地造成事業が進展をいたしますように努力をいたしたいと思います。
#38
○濱野委員長 大臣からどうですか。――この際、大事なことですから大臣からお答え願います。
#39
○根本国務大臣 大都市の住宅問題に、御指摘のとおり非常に深刻な問題であり、これは国並びに実施しておる地方自治体との完全なる提携によってなさなければならぬと思います。御指摘のように東京都はおくれておりまするが、大体同じような条件である大阪のほうは、御承知のように千里ニュータウンではもうすでにりっぱにこれは成功しております。なおまた、現在、泉北のさらに大規模の開発もかなり順調にいっているのでございます。こういう点から見ますれば、やはり地方自治体の取り組み方がかなりの大きな要素を占めておるじゃないかと思うのでございます。先ほど事務当局から御説明申し上げましたように、四十五年の補助金を切ったというのは、決してこれは一つの政治的な姿勢とか何かでやったのじゃないのです。現実に、実は数年にわたって、あなたも御承知のように返上してきているのです。実施できないといって。実施できないものにこの金を差し上げて、そうしてそのまま留保しておくということは、現在の住宅事情から国民感情もこれは許しません。そこで、これは神奈川とかあるいは千葉とか埼玉というふうに、いわゆる都市の住宅問題を解決し得る、いわば東京でやれないことをその周辺で負担してもらうということでやったのでございます。その周辺都市においては、自分のほうでもなかなかこれはむずかしいけれども、これは国の政策であるから、われわれは一生懸命やろうということで消化をしていただいておるということでございます。
 そこで、御指摘のありました多摩ニュータウンのような問題の大きな開発のときには、何か特別立法で特別保護してはどうかという御提案のようですけれども、これはなかなかむずかしいようでございます。むしろ総合的な施策ができますれば、これがやり得ることであって、法律ができたからすぐに法律でどうこうというような性質ではどうもないような気がするのでございます。したがいまして、いろいろと地元の事情をも聞き、また、東京都の住宅に対する具体的な実行可能な案を出していただいて、それをわれわれが御援助申し上げ、推進していくということでないとどうもいかないのです。われわれが押しつけるわけにもいきません。ただ従来は、東京都は、用地取得その他について情勢判断が必ずしも辛くやっていなかったために実施事業をもてあましてしまった、これが数年続いたというところに問題がありますので、先ほど事務当局が御説明申し上げましたように、東京都が怠慢だとか何かといって責任転嫁しても、これはどうにもならぬことであります。そうじゃなくして、われわれのほうからも、この点の詰めはどうだ、公共施設についてこういう詰めはちゃんとできているかというふうなことを、少し立ち入ったようなことになるけれども、よく協議の上、実施計画を立てていくというふうに指導してまいりたいと思っておる次第でございます。
#40
○小山(省)委員 大臣のお考えについては、われわれもよく理解できるわけでありますが、東京都の実態は、御承知のとおり富裕県であります。年々税収の伸びも非常な伸びを示しておりまして、言うならば、財源的には何ら心配のない自治体であろうと私は思う。にもかかわらずこの住宅建設が一向に進まないというところには、何かしら私はやはり問題点があるんではないかと思う。単なる熱意というだけでなく、もう少し国の方針を理解し協力するという態勢が東京都政の中に一本出てきません限りにおいては、新しい今度の九百五十万戸も建てるという膨大な五カ年計画というものは、非常に消化がしにくくなるというふうな心配を実はいたしておるわけであります。したがって、計画が予定どおりいかないから補助金を切るだけでは問題の解決にならぬと私は思うので、どうかひとつ積極的に東京都を指導して、国の方針に歩調を合わせるような、そういうふうな特別な指導を大臣に特にお願いしておきたいと思うのであります。困るのはやはり住民でありますから、その辺に十分ひとつ大臣のお考えを重点に置いて御指導をいただきたいというふうに考えております。
 それから多摩ニュータウン計画については、あのようなちょっと史上類のない大住宅計画といいますか、一躍そこに四十万都市が実現をするという、しかもそれは短期間じゃなく、相当の年月にわたって毎年毎年相当数の公共施設というものを整備しなければならぬ。それは町の責任において整備しなければならぬわけでありますから、これは一時的に財源を付与されたとしても将来やはり町の負担になることでありまして、現在も私は町長の説明を聞いておりまして、やがて町は破産はもう目に見えておるのだ、こういうふうなことでございますので、ぜひひとつ、私は将来これを一つのモデルケースとしてそういう特別な立法をしていただけるような方向で御検討をお願いしたいと思うのであります。
 大臣お見えですから、私の質問はこの程度にしておきます。
#41
○濱野委員長 皆さんに申し上げますが、大臣が時間がございませんから、大臣でなければならぬ重要問題は、時間を分け合って御質疑を願います。大臣でなくともよい問題は、別途の時間でやってもらいます。さよう御了承願います。北山君。
#42
○北山委員 私は、重要な地価の値上がりの問題につきましてお尋ねをしたいのであります。
 時間がありませんから問題を集約してお尋ねをしますが、第一に、最近における地価の上昇ですね、これは相変わらずますます勢いを増しておるというふうに考えるわけです。建設省の資料によりますと、四十三年は一七・六%、これは住宅用地ですね。それからさらに四十四年には二二・二%、こういうことでありますが、その後の情勢ですね、昨年の地価の値上がりというのはどういう傾向にあるのか、この点をまずお尋ねをしたいのであります。数字がなければ、その傾向がいまだに続いておるとか、そういう情勢を伺いたいのであります。
#43
○朝日政府委員 お答え申し上げます。ただいま先生御指摘の建設省の調査は、実は地価公示制度を発足させます前提といたしましてのいわばトレーニング的な調査でございます。しかしながら、その調査の結果は、ただいま御指摘のようなおよその騰貴率になっておるわけでございますが、昨年四月一日に東京、大阪、名古屋を中心といたしました九百七十の地点につきまして地価公示を実施いたしました。これは毎年、原則として同じ地点を評価いたしますとともに、さらに地点数をふやしてまいりまして、将来は、数年のうちち一万カ所ばかり調査をいたしたいと考えております。そういうことで、昨年の地価の騰貴の状況につきましては、建設省といたしましては調査をいたしておりませんが、近く地価公示の価格が出てまいりますると、どれくらい上がったかという一年間の趨勢が出てくるわけでございます。
 しかしながら、御指摘のように、数字がなければ何かほかにないかということでございますが、私ども手元にございますものは日本不動産研究所の全国市街地価格指数でございます。これにより産すると、昨年の九月現在の調査でございますが、前年の同期に比べましてやや騰貴率は鈍化をしておる、こういう趨勢にあるということでございます。
#44
○北山委員 いずれにしても、二〇%とかそういうふうな数字は、もう消費者物価の上昇をはるかに上回る地価の上昇が続いているわけです。これはやはり地価問題の担当である建設省の従来の施策が効果がなかった、こういうふうに考えられる。
 そこで、大臣に私はお尋ねをしたいのですが、そういう中で、私どもは地代家賃の統制をむしろ強化をするというふうな必要があるかと思うのでありますけれども、ところが、伝えられるところでは、例の昭和二十五年以前の、残っている古い地代家賃の統制令ですね、あれを廃止する意向があるように私は聞いておるのですが、そういう考えがあるのか、あるいはこの国会に出すというのか、その点、大臣から承りたいのであります。
#45
○根本国務大臣 地価問題は昨年の国会における論議でも問題になりまして、私はそのときにも所見を申し述べましたが、端的に言いますれば、従来世界に類例のない日本の地価上昇の一つの大きな原因は農地法にあります。これは原則として農地を宅地、工場用地に転換しないという法的拘束がずっと続いたからです。それからもう一つは、御承知のように、都会地においては、銀行が預金を吸収するためにプライスメカニズムを越えた非常な高い価格で買収した、これが写真相場になったというようなこと、それから、御承知のように税制で、土地を持っておるほうが地価上昇によって何よりもよろしい、そういうものが累積したのでありまして、いわゆる政府の施策が失敗したというふうにいわれるから私はこれを言わざるを得ないのであります。そこで現在は、税制の面あるいは供給の面、あるいは今度土地造成の面を総合的にやってこの趨勢を鈍化させ、やがてはこれを定着させ、やがては値段を下げるというような方策をとろうとしておるのであります。
 そこで、いまの地代家賃の統制令は、われわれとしてははずすべきだと思っています。これは現在の全体の宅地並びに賃貸の建物からすればごく小範囲のものです。ところが、これがあれで統制されておるために、いまは非常に安過ぎて、修繕費にも間に合わない、こういうことになるために、これが完全にスプロール化されておる。そこで、われわれとしては、むしろ現状においてはこれらを交換分合させたり、そしてそこに中高層のアパート等をつくることを将励していったほうが住宅政策にプラスではないか、こういうふうな考えで、実は審議会のほうからもそういう旨の答申がありまするので、その方向で検討しておる。現在、今度の国会に出すかどうか、私ははっきり決断を下していません。というのは、今国会は非常に期間が短いのでございまして、その期間にこの法律を通過せしめるということがはたして可能かどうか、こういう国会対策上の点をもいま考慮しておる次第でありまして、まだはっきり出すとも結論を出しておりませんが、出さぬとも結論を出しておりませんで、近々のうちに政治的判断を下したいと思っておる次第であります。
#46
○北山委員 答弁を簡単にお願いしたいわけです。
 それで、残念ながら大臣と私どもは意見を異にするので、私は、むしろ先ほど申し上げたように、新しい部分、いわゆる地代家賃統制令にかかっておるこく安いもの――確かにバランスは不均衡な点があります。ありますが、その安いものを高いものにならすのじゃなくて、いまの高いものをやはり統制令の原則に従ってこれを規制する方向にいくのが正しいのではないか、こういうふうな考え方ですが、残念ながら大臣の考えは、むしろ安いものを高いほうへならそうというふうなお考えのようであります。これはさらにわれわれの意見なども考えまして――少なくともこれは少数じゃないですね。やはり二百万以上のこれの適用を受けている人があるのですから、そういう点も十分再検討していただきたい。
 それから第二番目に、先ほど東京都内における用地取得がことしは非常に困難であるという話がございましたが、そういう際に、例の農地法によって買収をした農地で、市街地になって、もはや農地に戻るのじゃなくて宅地化せざるを得ないようなものが都内にも相当あるはずです。少ないながらあるはずですね。そういうものを買収のときの安い値段で、一坪二円五十三銭ですか、こういう安い値段で旧地主に売り渡すということを政府が決定をされて、これが国民の憤激を買っておるのです。全くこれは例の米に対する物統令の適用除外と並んで、国民感情をさかなでするような措置だと私どもは考えます。いまお話があったように、そういう東京都内の宅地が足りないという際に、この土地を公共用地に転用するのじゃなくて、みすみす――二円五十三銭ですからね、これは十アール当たり、一反歩にすれば七百六十円くらいですか、まあ時価にすれば三千万円にもなるかもしれぬ。時価三千万円くらいするものを七百六十円くらいで旧地主に戻してやるというような措置は、これは建設大臣としてはもったいないじゃないですか。この問題についての大臣の考えを聞きたい。
#47
○根本国務大臣 常識的な感情からすればそういう気もしますが、何しろ御承知のように、これは最高裁ではっきりとき言ったことでございます。これに基づいた処置でございまするので、まあいかんともしがたいということです。ただし、これを現在農林省が中心になりまして、払い下げを受くべき権利を持っておる旧地主に対して、極力公共用地にあっせんすることを農林省がやるということで、これは一筆一筆調べてみないとわかりませんが、全体として非常に実は面積が狭いようです。したがって、そういうところに公団住宅をつくるということは、これはいまのところ実際上ほとんど役に立たないようでございまして、これはでき得るならば、私はこれこそ東京都あたりが、地域住民のことでありますから、一部は住宅、一部は公園、あるいは、いわゆるちびっ子広場といわれるそういうものに活用していただきたい、そういうふうに、われわれはむしろ東京都もこれの積極的な活用についての構想を明らかにして、そうして協力を求めたほうがいいではないかと考えている次第であります。
#48
○北山委員 この問題については、さらに税制の関係でお伺いしたいのですが、ほかの委員の方で大臣に質問する人も待っておられますので、私はその点をあと回しにしまして、もう一点お伺いしたいのです。
 それは、土地の値上がりというものについて、地価対策について政府は肝心のものを忘れている。従来地価公示制度であるとかあるいは宅地開発、いわゆる土地が足りないから高いんだというような考え方でそういうふうな政策をとってきた。実際は最終需要者でないような、いわゆる宅地建物の不動産業者、そういうものがどんどん積極的に売買をする、土地がますます商品化されていく、そういう中間需要というものが、宅地の開発をすればするほどより一そうふえてくる。数字を申し上げると時間がたちますから省略しますけれども、特に一昨年のいわゆる新しい土地税制で、長期に土地を持っている者が、分離課税でもって一〇%ということで安くなって、土地を手放しやすくなったということは、反面からすれば、これら不動産業者にとって、特に法人にとって手に入れやすくなったわけですね。そこで三井不動産であるとかあるいは三菱地所であるとかというものをはじめとして、あらゆる金融機関であるとかあらゆる種類の会社がみんなこの不動産事業投資に手を出した。ものすごい数字になっているのです。この土地税制の効果いかんということについて実は伺いたいのです。
 私は、この土地税制で、いわゆる長期に、五年以上持っていた人が土地を手放した場合には税金を安くする、一〇%ぐらいにするというような措置は、一部の地主に大きな利益を与える。昨年発表された例の長者番付ですね。それを狂わしたわけですね。従来は、松下さんであるとか、あるいは例の大正製薬の上原さんというのが一、二番であったのが、今度それが七、八番に下がっちゃって、そして一番、二番というのは土地を売った譲渡所得ですね、こういう人たちがどんどん長者番付の上のほうを占めるようになったということは、これらの人たちに対するものすごい減税をやってやった。しかし、実際にはいま申し上げたようなその会社、法人等のいわゆる中間需要というものがふえてきて、そして結果においては、一番最初に示されたように、土地値上がりというものは一向とどまるところを知らない。対策になっていない。単に地主、一部の金持ちに減税の恩典を与えたにとどまっておると思うのです。私はやはりこの点は、法人、会社等の不動産投資、これを押えなければならぬと思うのです。これは大蔵大臣も予算委員会で、法人、会社の規制については別途考える必要がある、こういうことを言っておるのです。たとえば、実際にその会社が工場を建てるとか、実際に何かの用に使うという意味の取得についてはそれは許可を認める、しかし、単に財産として値上がりを待つために取得するというようなものに対しては、これを規制するというような措置をとらなければ、いま私のほうのいなかにまで東京の不動産屋がどんどん入り込んできて、山であろうが何であろうが、じゃんじゃん買っておるのですね。そういうものを規制しなければならぬじゃないですか。これは建設省の仕事だと思うのですね。そういうことはしり抜けにしてほったらかしておいて、不動産業者がかってなことをさせるようにそのまま放任しておいて、そして土地の供給をふやしたって何にもならないですよ。こういう措置をとる考えがあるのかどうか、これを大臣に承って、あとの質問はあと回しにしたいと思うのです。
#49
○根本国務大臣 端的にお答え申し上げます。
 地価がこういうふうに上がるのは、結局もうかるからです。地価に投資したほうがもうかるからということによるのでありまして、そこで私は新しい提言としていま提案しておるのは、むしろ買わずに長期賃貸で活用するという方法が、土地政策の面からも、農民の資産安全といまの農業転換のためにもいいということで実は提案して、これは現実に農林中金の改組に関連して農林大臣、大蔵大臣に申し入れて、前向きに検討しております。
 これはこれだけにしておきまするが、いまの法人の土地投資に対する課税の問題です。これも私のほうから実は提案しておるのです。ただし、それは私のほうに権限がございませんで、現在税制調査会と大蔵省で私のほうの意図を受けて――意図を受けてと申すと少し言い過ぎかもしれませんが、われわれの提案をいま前向きに検討しておるようです。ただ、技術上にかなりむずかしい点があるので、今国会にその問題を解決すべき具体的な税法上の措置ができないために、これがいまだに検討中であるということは私も残念に思いますが、今後も、御趣旨の点に沿いまして、ひとつ前向きに検討を続けていきたいと思っておる次第であります。
#50
○北山委員 そんなことは十年も前からの問題なんですよ。そういうことはやらないでおいて、ほかのいわゆるほんとうに効果のないような地価公示制がどうだとか、そんなものは役に立たないですよ。肝心のところを抜かしておるのです。しかもこういうことは、確かに建設省の提案の中にも四十二年からありますよね。たとえば法人についても分離課税にして、そして譲渡所得から徴収しろというような意見、これこそ蛮勇をふるってやらなければならぬと思うのです。国有農地を地主に対して安い値段で払い下げて、一億の国民の感情をさかなでにするような蛮勇があるならば、こんなことはとうの昔にできておるのです。そういう点で、私は地価騰貴の問題の所在というものがだんだん明らかになってきたと思うのです。いわゆる土地が商品になり、しかも、金をふんだんに持っていて出せるところの金融機関だとか大きな会社だとか、そういうものがどんどん土地を商品として買い占める、そういう中間需要こそが地価の値上がりを招いておる。問題はわかっておる。これに対して対策を講ずるということなんです。
 私はそういう点で、そういう方向の政策を進めてもらうように特に大臣の奮起を要望して、大臣に対する質問はこれで終わります。
#51
○濱野委員長 浅井君。
#52
○浅井委員 私は公営住宅の管理の問題についてお伺いしたいわけですが、公営住宅は、年々の建設に伴い、いまや全国で百万戸をこえておる、このようにいわれております。公営住宅法は、事業主体がこれらの公営住宅を適正かつ合理的に管理することを義務づけております。そのことは公営住宅法の第十一条の三にうたわれておるわけであります。しかしながら、この問題について非常にずさんな面がございます。本来、住宅難世帯を解消し、住居の安全、利便、快適性を確保するためには、公的賃貸住宅が大量に建設されるとともに、これらの住宅が、国の施策が対象とする世帯に的確に供給され、しかも適正に管理される必要があるわけです。しかしながら、きょう私が取り上げようとしておるのは、公営住宅を社宅として特定企業に利用させたり、あるいは建設後、賃貸せずに無断分譲しているものや、あるいは不正入居、不正増改築に適切な措置をとっていないもの、あるいは法定の監理員を置かない、また管理台帳もなく、入居者の実態を把握していない等々、ずさんなことがございます。私は、まず第一番の、公営住宅を社宅として特定企業に利用させているものということで、その実態の一部をきょうは質問させていただきたいと思います。
 神戸市の市営住宅でありますけれども、民間会社の社宅化しておる、それは昭和二十六年に建設されたといわれておりますが、大和住宅、神戸市灘区大和町三丁目、使用会社名は神戸製鋼所、木造の第一種ですね、簡易耐火二階建て、二DK、これが八尺それから烏帽子住宅、神戸市灘区烏帽子町三丁目、使用会社名川崎製鉄株式会社、これも第一種の簡易耐火でありますが、二階建て、二DK、八尺計十六戸、これらが使われておりますけれども、大臣、このようなことについて御存じでしょうか。
#53
○根本国務大臣 私自身、それははなはだうかつといえばうかつでありまするが、事務当局からまだ聞いておりませんので、知りませんでした。
#54
○多治見政府委員 ただいまの件、全く御指摘のとおりでございます。
 それで、多少弁解がましくなりますが、この住宅につきましては、先ほど御質問にございましたように、昭和二十六年度に建設されました住宅でございまして、公営住宅法ができる前でございました。それで神戸市の市の財政が非常に苦しくて、こういった企業の援助を受けて建てたという事情がございまして、入居者について特別な計らいをしたというような事情があったようでございます。その後公営住宅法が施行されまして、これは違法であるということで、管理の厳正を期すという意味で、建設省といたしましてもいろいろ交渉いたしておりましたが、昨年、市当局と話し合いができまして、正式の市営住宅としてこれを市が正当に管理をするということで覚え書きを取りかわしまして、正当な入居者の募集を行なって、正当な入居者を入れる方向で解決したいということで現在進行中でございます。
#55
○浅井委員 公営住宅法は昭和二十六年六月四日にできております。あなたはいま公営住宅法ができる以前の話だとおっしゃったが、どのくらい前の話ですか。
#56
○多治見政府委員 公営住宅法施行は昭和二十六年でございますが、二十六年度の予算の配分が法の施行前に行なわれておりましたということを申し上げたわけでございます。
#57
○浅井委員 大和住宅の場合は、その家賃が三百八十円、会社が一括して市へ払っておる。ところが、入居者に対して会社のほうで徴収しておるのは、社員の管理者は二千百円、一般社員は千五百円、一体会社はもうけておるのかと言いたくなる。公営住宅をただ借りして、会社が住宅で商売をやっておるのかと言いたくなります。あるいは烏帽子住宅、このほうは家賃が月額二千二百四十円、これを一括して市へ納入しますが、ここに入っておる入居者の社員たちからは会社へ二千五百円から三千五百円納めさせておる。この事実をあなたは御存じですか。
    〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
#58
○多治見政府委員 いまお話がございました家賃の精密な数字は、私手元に資料がございませんけれども、当初、市の財政の困難その他の事情によりまして、市の負担分としてわれわれが考えておりますいわゆる補助裏の金を企業が負担したというような事情がございまして、その間の企業と社員との間の家賃その他の契約については、詳細は存じておりませんが、そういったこともあろうかと存じます。
#59
○浅井委員 さらに、市の入居者家賃徴収等については、両住宅とも会社名で借りておるので、割り増し家賃の調査対象にしていない。ですから、あき家が生じても、会社が次の社員を入居させる社宅として完全に使用し切っている。この事実はありますか。
#60
○多治見政府委員 先ほどお答えいたしましたように、昨年の九月に市当局と話し合いまして、市営住宅として公正に管理するということをきめまして、それ以後はそういうことがないようにいたすということで、市もそのつもりで今後の運営をきめておるはずでございますが、従前にそういった例があったように聞いております。
#61
○浅井委員 あなたはそう言われるけれども、現実にまだそういうことが行なわれておる。まだほかに、富山県の小矢部市で、鈴木自動車工業株式会社富山工場は小矢部市から十四尺やはり同じようなケースでやっておる。宮崎県の日南市は、日本バルブ工業株式会社に五十戸もこれを提供しておる。これは一体どういうことですか、大臣。
#62
○根本国務大臣 いかなる事情があったといたしましても、私はこれははなはだ遺憾なことだと思います。地方自治体に政府が補助、助成をして住宅政策を進めているゆえんのものは、これは全部一般公開して、公募してやるということでございます。市財政の関係でいろいろの援助を受けたとしても、それはそれとして別個に扱うべきことだと思います。こういう事情を聞いた以上、さらに管理の適正のために通達を出させまして、すみやかに改善するように措置いたしたいと思います。
#63
○浅井委員 次に、公営住宅の建設後、賃貸をしないで無断分譲を行なっているものがあるのです。公営住宅法においては、この処分については、その耐用年限の四分の一を経過した公営住宅を引き続き管理することが不能な場合というような特別の理由があるときには譲渡が認められておりますけれども、建設後直ちに分譲しておるという事例がございます。
 大臣、聞いてもらいたいのですけれども、兵庫県の香住町営住宅、これは三十二年から三十八年に建設された第二種木造でありますが四十九一尺それから兵庫県の香寺町、二十七年建設でありますけれども、第一種二十五戸、姫路市営住宅の二十七年建設分の第一種五十七一尺合計百三十一戸、これは直ちにそういうふうな売買契約をして、建設大臣、あなたの承認もなしに譲渡しておるわけです。これはどういうことでしょうか。
#64
○多治見政府委員 全くただいま御指摘のとおりでございまして、兵庫県の香住町、それから香寺町、姫路市それぞれにおきまして公営住宅として建てましたものを無断譲渡しているという事実がございます。
 それで、これにつきましては、われわれといたしましては、町あるいは市がそれぞれ市営住宅、町営住宅として機能を回復するように公営住宅としての扱いをするように市あるいは町当局に申し入れまして、その後、市あるいは町は公営住宅として管理をするということになっております。
#65
○浅井委員 じゃ、次にこちらからお伺いしますが、管理台帳の整備を怠ったり、住宅ないし入居者の実態を把握してないものは全国でどのくらいありましたか。
#66
○多治見政府委員 ただいまいろいろ御指摘ございましたように、管理台帳の整備につきましては従来非常に不備がございましたので、昨年からこれの整備につきまして各事業主体に通達を出しまして、この整備につとめておるわけでございますが、できるだけ早い時期にこの整備をしたいということで目下努力中でございます。
#67
○浅井委員 幾つあるか。
#68
○多治見政府委員 正確な数字はちょっと持っておりません。
#69
○浅井委員 さらに不正入居、不正増改築等がございますが、この点についてはどのように掌握しておりますか。
#70
○多治見政府委員 お示しの不正入居あるいは不正増改築等、相当多数あるという行政管理庁の指摘もございますので、現在それにつきまして早急に事業主体に調査をさせまして、これの是正をはかりたいということで目下努力中でございます。
#71
○浅井委員 全国各地にこれら建設されている公共資産を適正かつ合理的に管理、運用するということは、先ほど申しましたように、新たな住宅の建設とともに重要な問題なんです。ところが、いま私が例としてあげたように、このような実態が行なわれている、あるいは、いま私あげましたような不正入居や不正増改築がそのまま放置されておる。こういう事実について、建設省が各事業主体に対して、これらについて、公営住宅法の規定に従い十分な管理を行なうようにいまあなたは強力に指導なさるとおっしゃいました。今後こういういろいろの問題について本格的な指導をなさる御決意があるか、最後にお伺いしたいと思います。
#72
○根本国務大臣 私も実はいまこの席でそれを聞いて、非常に監督者としてじくじたるものがあると同時に、怒りを感じています。おそらく事務当局も知らないものがあったと思うことは、要するに、いままで住宅をつくるということ、それから地方の事業主体が適正にやっておるという信頼から、あるいは結果的にはそういう監督不行き届きになったと思いまするが、こういう事情がはっきり示された以上、住宅局をして厳重にそうした問題を徹底的に調査させ、是正すべきものは是正し、かつまた、責任をとらすべきものはとらすということにしないと、これは国民の不信を買うということになりまして、これはさっそく、御指摘になりました点のみならず、全般について住宅政策の総点検を命じまして、善処したいと思います。
#73
○浅井委員 大臣が四十五分までですので、大臣に対する質問はこれで終わります。
#74
○北山委員 時間がありませんから、先ほどの問題に関連をして一間だけお尋ねをしたい。
 実は一昨年からの土地税制の効果についていろいろ伺いたかったのですが、ただ一つだけ、例の買収農地の旧地主への返還、この問題については、われわれはあくまでこれはやめるべきであるというような撤回要求をしておる立場でございますが、かりにこれが実施をされたとした場合に、税法上どういうふうなことになるのか。普通の個人の場合でありますと、時価よりも非常に安い値段で、先ほど言ったように五万とか十万するような土地が二円五十三銭でありますから、当然贈与税ないしは一時所得というような措置がとられると思うのです。これにかかるかどうか。
 それからもう一つ、かりに地主が売り渡しを受けたとして、その土地を他に転売するというような場合に、そしてそれによって相当ばく大な譲渡所得が得られるという場合に、一昨年から実施をされておる土地税制に基づいたいわゆる長期譲渡の取り扱いになるのか、あるいは短期譲渡の取り扱いになるのか、前から本来地主のものであるというので、五年以上保有しているという取り扱いでもって一〇%の減税ということになるのか、短期税制になるのか、これらの点について新聞等でも指摘されておりますので、大蔵省主税当局の見解を承りたいのであります。
#75
○山内説明員 御質問の点につきまして、どういうふうな最終的な結論を得ますかということにつきましては、現在問題になっております農地の売り払い、これの持っております法的な性格、それからそれの持っております、あるいは及ぼします経済的な実体、そういったものを十分に煮詰めませんことには、現在の法体系のもとでどういう課税になるかというのは、必ずしも現在のところわれわれとしても十分最終的な結論には達しておりません。御質問の中にございました、たとえばみなし贈与に該当するか、あるいはそれをさらに転売をいたしました場合に長期譲渡所得になるか、あるいは短期譲渡所得になるか、そこら辺のところにつきましても御質問のような問題がございますわけでございまして、たとえばみなし贈与になる可能性も、先ほど申しましたような売り払いの法的性格のいかんによりましては該当する場合もございます。ただ、そういうような点につきましては、先ほどから申しますように、売り払いの性格そのものをさらに十分検討いたす必要があろうかと考えております。現在のところ、農林省その他各所管の官庁といろいろ相談をし、議論を詰めておる過程でございます。
#76
○高橋(清)委員長代理 次回は明十七日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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