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1970/02/17 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第6号
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1970/02/17 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第6号

#1
第065回国会 決算委員会 第6号
昭和四十六年二月十七日(水曜日)
   午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 濱野 清吾君
   理事 小山 省二君 理事 菅波  茂君
   理事 高橋清一郎君 理事 森下 元晴君
   理事 高田 富之君 理事 浅井 美幸君
      阿部 文男君    笠岡  喬君
      中村 弘海君    中山 利生君
      羽丹 久章君    綿貫 民輔君
      北山 愛郎君    華山 親義君
      山本 幸一君    鳥居 一雄君
      瀬長亀次郎君
 出席政府委員
        農林政務次官  渡辺美智雄君
        林野庁長官   松本 守雄君
        特許庁長官   佐々木 学君
        建設政務次官  田村 良平君
        建設大臣官房会
        計課長     大塩洋一郎君
        建設省道路局長 高橋国一郎君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   下稲葉耕吉君
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   小林  朴君
        大蔵省主計局主
        計官      藤井 直樹君
        林野庁業務部長 福田 省一君
        労働省労働基準
        局安全衛生部安
        全課長     中西 正雄君
        建設省計画局参
        事官      粟屋 敏信君
        建設省道路局次
        長       吉田 泰夫君
        建設省道路局国
        道第一課長   菊池 三男君
        建設省住宅局調
        査官      沢田 光英君
        会計検査院事務
        総局第三局長  桜木 拳一君
        会計検査院事務
        総局第四局長  田中  稔君
        会計検査院事務
        総局第五局長  石川 達郎君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        総裁)     林  敬三君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     中込 達雄君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     尚   明君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     宮地 直邦君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十七日
 辞任         補欠選任
  山本 幸一君     華山 親義君
同日
 辞任         補欠選任
  華山 親義君     山本 幸一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十三年度政府関係機関決算書
 昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (建設省所管、住宅金融公庫)
 歳入歳出の実況に関する件(林野庁における木
 材払下げ入札に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○高橋(清)委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長が所用のため、委員長の指名により私が委員長の職務を行ないます。
 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行ないます。
 本日は、参考人として、日本住宅公団から総裁林敬三君、理事中込達雄君、理事尚明君及び理事宮地直邦君の御出席を願っております。
 なお、参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますのでさよう御了承願います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小山省二君。
#3
○小山(省)委員 昨日、多摩ニュータウンの建設について公団側から御答弁いただいたのですが、その後調査によりますると、少し答弁と食い違っておるような点がありますので、重ねてひとつお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 御承知のとおり、多摩ニュータウン計画の中心をなすものは多摩町でございまして、現にもう入居が始まっておるわけでありますが、この多摩町において建設が予定されておる教育施設は、小学校で二十六、中学校で七つ、そのうち用地について話し合いの済んだのは、現在工事を進めておる小学校が二校と中学校が一校だけである。この小学校二校と中学校一校は、現に入居していますから、これはどうしてもこの施設を建てなければならぬというので、この三校については、公団が用地を無償で貸与する、建設費についてはとりあえず都が一時立てかえておくということで話し合いが済んで、建設を認めておるという関係者の話であります。大体この多摩町は現在人口二万五千、昨年の予算が約七億五千万くらいの予算規模であります。これが三十三小中学校を建てますためには、大体百億程度の用地費並びに建設のために費用が要るわけでありますから、もし起債を仰いだとしても、この町の財政負担からいけばとうていたえられるものじゃない。しかも、学校の教員の給与であるとかあるいは給食費、このようなものを計算に入れますと、今後十年間で大体百六億の赤字が予想されている。とても財政負担はたえられないというので、もう去年、一昨年あたりから、新聞を見ますと、地元の責任者、町長はしばしば公団に行って、このような人口二万そこそこの町が急激に四十万の都市になるということについて、一方、収入源というようなことから考えても、そのような大きな財政負担は町としてはとてもたえられないということで、その面の解決をつけなければこの住宅の建設についてはストップだというので、今日まで建築が進まないというような状況にあったわけです。そういう中でこの話を一向に進めない。きのう建設大臣も、特別立法しないという話があります。何らかの特別な財政負担を考えてやらなければ、これはまだ多摩町だけですが、お隣の稲城もやがてそういうことが起こるでしょう。あるいは八王子市と町田と、三市二町にわたってこの建設が行なわれるわけでありますが、とりあえずいま建設しておる多摩町については、三十三校建てるための財政負担が問題になっておりまして、今日まで紛糾を重ねておる。しかし、現にもう入居が始まっておるわけですから、とりあえずいま入居した人が入る三校については、公団が用地を無償で貸与し、建設費は都でこれを立てかえるということで一応話がついておりますが、今後については話がついておらないので、われわれのほうは、この建設についてはあくまでこの話し合いがつかなければ反対だ、ということを町の責任者が言っておるわけでありますが、こういう問題は今日に始まったわけでもないにもかかわらず、依然として何年たってもこういう問題を未解決のまま住宅の建設を進めておるというところに、私は将来大きな問題が起こる可能性があると思うのです。これに対して総裁としてどのようにお考えになっておるか、この際、御所見のほどをお聞かせいただきたいと思うのです。
#4
○林参考人 多摩のニュータウンの建設についての財政問題についてのお尋ねでございますが、ただいまのお尋ねの御趣旨も非常にごもっともなことでございます。私ども実行担当当局といたしましても、これはずっと数年来の大問題でございまして、そして絶えず関係当局あるいは自治体側、あるいは都とは、この問題についてはもう鋭意積極的に絶えざる努力を微力ながら尽くしてまいっておるのでありますが、ただいま御指摘のようにまだ解決に至ってない。そこで、いまおっしゃいましたような、とりあえずの小学校二つ、中学校一つにつきましても、これは暫定的措置として公団が無償貸与する、それから建設についても、都というよりおもに公団が立てかえをいたしまして、これはいずれ本ぎまりになったときは本ぎまりのレールに乗ると、こういう約束で関係者間に認めてもらいまして、着手をいたしておるような状態でございます。確かにおっしゃいますように、次第に団地というものが大規模になってまいりますし、ことに多摩のような全く画期的な大きなものになってくると、そこの町村は、やはりどの町村をとりましても、従来人口なり財政力から見て、そういう大きなものを、このままの制度と条件のもとにおいては、負担をしてまかない切れるものではないということは明確でございまして、これはもちろん公団は第一線の実施機関としての責任はございますが、国と、それから都と、都の供給公社と、それから関係市町村と、もう鋭意今後詰めてこの問題の根本的解決をはからなければならないと存じております。まあ、その中でのやや第一歩としまして、明年度の予算案の審議確定の経過におきまして、在来のような土地を二分の一で公団から供給するということのほかに、公団が立てかえました場合は、償還期限を十年のを二十年にし、かつ据え置き期間を長くする、あるいは関連公共施設の予算というものを六十六億から百四億にする、あるいは、ちょうどこの多摩などがぴたりと当てはまります人口急増町村における学童数の激増する地帯におきましての小中学校の用地取得費に対して国庫補助の制度が認められる、したがって起債のワクもぐっとふえるというような、諸般の改善施策が一般施策として講ぜられるわけでございます。しかし、それでなおかつ多摩のようなところになりますと、これでまかない切れるかどうかというと、相当無理があるんではないかということが感ぜられるのでございまして、まず、今度改められました制度をもちまして、多摩のみならずほかのところもそうでございますが、いま当面ぶつかっております問題を解決いたすように最善の努力をいたしまして、そしてなおかつ多摩町のごとき、あるいは今後におきます八王子市や稲城町やその他のところにおいて、多摩ニュータウンのようなもっと大きなものが、小さなというか、在来の力の弱い、人口の少ないところに入っていく場合の措置というものについては、もう一段の、もう一歩の措置が必要になってくるということになりました場合は、これは国にもよく話しまして、理解をしてもらい、そして関係各省とも協議をし、かつ自治体とも協議をして進めてまいるべきだと思うのでございます。そして現にそのために、関係者、役所の人も、あるいは公団の人も自治体の人も学者もみんな入ってもらいました委員会をつくりまして、こういう超大団地というものをつくるときの費用負担についての合理化ということにつきましての案を、いま委員会で練りまして答申をしてもらうことになっておりまして、それが近くできてまいりましたら、それをもちまして東京都の開発会議あるいは国の各省というものに当たりまして、この多摩についてはさらに具体的、根本的解決というものをはかってまいるようにいたしたい、それまでの間は、まことに地元に対してもわれわれとしても不本意でございますが、いわゆる暫定措置をもって、きまるまではこうするということでもって、いまのところ仕事を進めているという状態でございまして、以上申し述べまして御了承を得たいと存じます。
#5
○小山(省)委員 現状においては、暫定的にいま総裁がお話しになった便宜方をはからっていただけるわけでございますが、この住宅の建設が進みますると、単に学校の用地とか教育施設の建設費だけの負担でなくて、地元は、それに伴うところの先生の給与であるとか、あるいは給食費とか、そういう負担が、現実に小学生一人で年間一万七千円ぐらいかかるということで、ほとんど在来の町民二万五千で新規に何十万という人を、それもほとんど団地の低所得者――低所得者といっても多少の担税能力はありますが、とにかくそう高給でないということだけは事実であります。そういう人だけを何十万もかかえてきて、そういう負担を一方において背負わなければならぬということになれば、当然もう学校の建築だとか土地の入手だとかということは、町の担税能力からいってとうてい負担にたえられない、こういうのが地元の責任者のわれわれに訴える苦衷でありまして、これはひとり多摩町だけではなくて、やがて稲城町にもそういうことが起こってくると思うのであります。したがって、できるだけ早くこういう大団地については特別な考え方をもって財政面からめんどうを見てやっていただきませんと、これは町自体の予算規模からいってとうてい――そんな大きな負担を町が引き受けなければ、これはもう町の財政が破綻することは火を見るより明らかな事実でありますから、このことについて関係者は、もう何年となくそういうふうなことを訴え続けてきておる。現にそういう記事がしばしば社会問題として出ておるわけなのでありますが、これはいつごろまでに、見通しとして公団としては話をつけて――建設省なりあるいは東京都と話をつけて、やはり地元がある程度納得をして、この多摩ニュータウン計画を側面から協力できる体制というものをつくってもらわぬと地元ではやはり非常に不安なのです、暫定的な措置というものに対して。将来どうなるだろう、それがまた町の負担にかかるのじゃないかという不安を常に持っておるわけです。ですから、これは公団だけの責任とは私は申し上げないですが、建設省で、そういう特殊な大団地、しかもそういう団地は、いずれも開発された区域に建てられるわけではありませんから、地元の財政力というものがきわめて貧弱なそういう地域に主として建てられるわけでありますから、それらの点を考慮して特別な方途をひとつ講じてもらいたいと思うのですが、この点、政務次官、役所のほうでリーダーシップをとって、解決策をできるだけ早く確立していただくように御協力をひとつお願いしたい。
#6
○田村政府委員 ただいまの急増する都市化に伴いまして、住宅行政がおくれをとって間に合わない、さらに小さな市町村では、とてもじゃないが、住宅の需要に対しまして財政的に供給力も不足する。昨日来のいろいろお話がございますが、やはりこの問題は、これか新らしく近郊に住宅が密集して、人口の密集に伴います住宅行政の基本的な問題になろうかと思います。したがいまして、公団側もいま総裁からいろいろ御答弁ないし意見が出ておりますが、小山先生のいまおっしゃりますようなことは、やはり今後金がないから知らないというわけにもいかぬ問題が起こってくると思います。したがいまして、建設省といたしましても関係官と協議をいたしまして、こういう急増する都市化に対する緊急住宅対策、その財政的援助に対してはどういう方針をとるかということは当然検討して、何らかの打開策をはからなければ、たちまち地域住民の生活不安になるということはよくわかります。
 御趣旨に従いまして、また、御意見のあるところを尊重いたしまして、省といたしましては、そういった線でこれらの問題の総合的な解決の基本的な方針をすみやかに打ち出していくべきだと考えますので、御了承願います。
#7
○小山(省)委員 私は、そういう面にいろいろ住宅建設の隘路があるのではないかと考えておるのですが、そのことは、東京都の住宅建設の進捗状況を見ますとよくあらわれておるわけです。言うならば、いまの多摩ニュータウン一つを見ても、地元が反対しておるためになかなか計画どおり進まない。四十五年の東京都の計画戸数は一万七千戸ですが、年度内に完成を予定されておるのは八百戸、昨年は一万六千戸で五百十四戸、四十三年は一万五千戸で二千八百四戸――ここ二、三年急激に建設の速度が落ちておる。ほとんどもうつくっているのかつくっていないのかわからぬ程度の建設戸数になっておるということは、やはりそういう問題が解決されておらぬというところも一つの原因になっておると私は思うのです。東京都の住宅問題が世上いろいろ論議をされておるときでありますから、特にひとつこういう面を解決してもらうと、かなり住宅事情は違ってくるわけでありますから、公団と建設省で十分お打ち合わせをして、関係機関を督励して、すみやかにそういう基本的な方針というものを確立していただくように、特にこの機会にお願いを申し上げておきます。
 それから、きのう質問が少し残っておりますので、住宅問題に限定して二、三お尋ねをして質問を終わりたいと思いますが、大都市の周辺におきましては、農家等がどうしても従来の農業を経営するということが困難になりますので、農協等から資金を借りて賃貸し、住宅の建設をしておるわけでありますが、住宅金融公庫ができるだけ安い金利で貸し付けられればけっこうでありますが、なかなかそうもまいりませんので、したがって、農協から融資する場合、その差額を政府が利子補給をしようということでございますが、その場合において公庫融資と同じ金利になるわけでありますから、その場合における民間の住宅の家賃の規制であるとか、あるいは転売をされたというような場合における処置というようなものは、どういうふうな方針のもとに指導をされておられるか、その点をひとつ伺っておきたいと思う。
#8
○沢田説明員 いわゆる農住法、農地等所有者の建設する賃貸住宅に対する利子補給法のお話でございますが、ただいま、これから国会の御審議を願う段階へきておりますが、先生のお尋ねの第一点は、土地を持ちました農家が、その土地の上に農協あたりから金を借りて賃貸住宅を建てる、その場合に金利が高いから、その金利を公庫並みに五分五厘程度までに下げる利子補給をする、そのときに家賃規制等はどうするんだ、こういう御質問だと思いますが、この第一点につきましては、御存じのように、大体住宅金融公庫のほうでは、ただいま土地担保賃貸住宅融資という制度がございます。土地をお持ちになっている方がこれを担保にしてお借りになる、このときの家賃計算のしかたというものを示しておりますが、これは貸し出しがやはり五分五厘でございまして、これを三十五年で償還をする、そして大体地代相当額は年利五%程度と、かようなことで計算をしなさい、かようなことになっておりますが、大体これと同程度ということで私どもはただいま考えてございます。
 それから第二点は、その利子補給を受けた融資によって建てました賃貸住宅が、その持ち主からどこかへ転売されたときはどうなるか、こういう話でございますが、この転売あるいは他の用途に使いますことは原則としてとめられております。するときは建設大臣の承認を得るようになってございます。これに違反した場合には罰金刑が科せられるという体系になってございます。ただ、特殊な事情によりましてこれが許可をされるという場合もございますが、この場合には利子補給は当然打ち切られますし、また、先ほど私が申しました違反した場合には、罰金のほかにも当然利子の補給を打ち切られる、かようなことになる次第でございます。
#9
○小山(省)委員 最近、土地の値段が非常に高くなってまいりました。そういう点も考慮されたものと思うのでありますが、土地の高度利用と職住の接近をはかるために、住宅の高層化を考えておられるようです。最近のロサンゼルスの地震等から見まして、高層化という問題についてはまた再検討の問題があるようでありますが、しかし、いずれにしても当局では、住宅の高層化というものに対しては相当前向きに積極的にお進めになっておるようでありますが、そのような場合、防火とか避難計画とか分譲価格とか企業の採算、いろいろ問題点も出てくると思うのですが、この高層化についてはどのようなお考えを持っておられるか、もう少し関係者から詳しくひとつお話を聞きたいと思います。
#10
○沢田説明員 私ども、住宅の供給に際しまして、特に大都市におきましては、土地の高度利用のために高層化をはかるということで、政府施策住宅等では、最近いわゆる十階あるいは十五階あたりをとまりといたします高層化率というものを相当進めてきております。これは近年かなりの速度で進んでまいっておりまして、東京都に建てられます公営住宅あるいは都内の公団住宅等は、おおむねそのようなものになっておる次第でございます。
 ただ、先生がおっしゃいますさらに超高層の問題、これは住宅の分野にとりましては新しい問題でございまして、商業ビルにおきましては、すでに霞が関ビルその他でだいぶいろいろやられておりますけれども、これを住宅のほうに導入するときにはいろいろ問題がございます。
 まず構造的には、すでにコマーシャルビルでの技術がございますから、これは一応は問題がないということでございますが、一番問題は、住居費負担にすぐはね返ります住宅コストの問題、これは構造の問題、設備の問題その他にからみまして一番大きな問題だろうと思います。高級マンション等ではすぐにでもできるかもしれませんが、いわゆる勤労階層のためのものとしての公的施策等では、なかなかコストの問題はむずかしい問題だということになっております。さらに住宅の機能といたしましては、オフィスビルと違いましていろいろな設備がこまかく入りますし、さらには、ただいま先生がおっしゃいました避難、防火、こういうものをより厳密にやらなければいけない、こういう点でまだまだ検討をしなければいけない問題が残っております。しかし、いずれにいたしましても、ある地域におきましては超高層住宅を建てていかなければならぬような土地事情が出ておりますので、私どもは、さような問題を至急に技術的に解決をいたしまして、その実用化の促進をはかっていきたいと考えております。
#11
○小山(省)委員 建築技術の進歩とともにだんだん住宅も超高層化の方向をたどることは、私は自然の姿であろうというふうに考えておりますが、何と申しましても、建築技術面から見れば問題はないとしても、超高層ビル、超高層住宅ということになりますと、やはりいろいろと新しい問題点は出てくると私は思うのであります。したがって、十分事前にそれらの問題について検討をして、万遺憾ないようにひとつ御善処を、特にこれらの建築を進められる前に私、御注意を申し上げておきたいと思うのであります。
 いろいろまだ住宅問題についてはたくさんございますが、もう時間も来ておりますので、もう一、二お尋ねをしてやめたいと思うのであります。
 住宅債券でありますが、当初は、大都市の周辺についてはかなり高い応募率であったようでありますが、その後におきまして、いろいろな条件等から考えてそのような現象が起こったのだろうと思うのですが、実際には相次いで脱落者が起こって、住宅債券に対する魅力というものもかなり失われておるような実情であります。公団では、この住宅債券について将来どういうふうな見通しを立て、またこれを改善していこうというお考えを持っておられるかどうか、この問題について関係者からちょっと御意見を承っておきたいと思うのであります。
#12
○林参考人 特別住宅債券につきましては、御承知のように昭和三十九年から実施されたのでございまして、現在までに額面額七十数億のものを出しているわけでございます。
 御指摘のように、これは趣旨はたいへんいい趣旨のものでございますが、しかし、その四十一年ころ応募いたしましたものについて追跡調査をいたしておりますと、途中での脱落者が意外に多いのでございまして、四十数%の脱落者を出しておるというような状態でございます。それで一時、実は私ども悲観しまして、四十一年から二年、このままではもうとても、幾ら趣旨がよくても成り立たないではないか。何ぶんにも五年から七年先に、この野原がどんな形になって、そしてそこにどんな家が建つという想像がつきませんものですから、それで途中で気がくじけてしまうという点もございますが、そのほかに、いろいろ利率であるとか優遇措置についても不十分な点――何としてでもこの制度を成り立たしていきたいが、これはもっと検討しなければという感じを持っておったのでございます。いまでもなおその気持ちは持っておりますが、実はその後の調査によりますと、四十二年、四十三年というものにつきましては、これは毎年三十億とか四十億とか出しておるわけでございますが、それらの発行したものの歩どまりというものは、まだ年度が少し若いわけでございますが、四十一年ごろに比べますとずっと減ってきておる。すなわち、これを幾ぶんてまえみそに考えてみますならば趣旨がわかってきた。それから、いわゆる信用と申しますか、やはりこれが先へいって、何年か先にこれだけのものができるという実例が二、三カ所出てきましたので、それを見て、これはがまんしてでも積んでおいたほうが得だということを考えてまいる、あるいは積んでいらっしゃる方の経済の状態というものが、国民の全体の収入の伸びに従いまして幾ぶんお楽になってきたということもありましょうが、四十数%の脱落というものがなくなりまして、いまのところの見通しでは、終わりまでいっても二十数%でとどまるのではないかというような状態に脱落者は減ってまいりました。それから一方、今度は応募者でございますが、応募者も四十年、四十一年というころは、いわゆる率としては少なくて弱ったのでございますが、その後やはりある程度の倍率をもって、宅債ほどの倍率ではございませんが、上がってまいりました。すなわち、脱落も減りましたし、応募の率も上がってきているというような状態になってきておるのでございます。
 しかし、これはどの程度の条件でどういうふうにしたらということは、いろいろほかの住宅に関して、あるいは住宅貯蓄に関する政府としての施策があります。それとのバランスがある点もありますが、そのほかに、これ自体として今後成り立ち得るかどうか、あるいはもっと伸びていくかどうかというところを、もう少し様子を見た上で処置をすべきではないかというようなふうに、最近二、三年少しよくなってきておりますので、様子を見ながら、しかしながら依然としてやはり、御指摘のような利率がこれでいいか、あるいは債券の権利承継がこれでいいか、積み立ての期間というものが妥当か、一回の積み立て額がこれでいいかというようなことについては、まだ試験期間のような状態でございまして、いまのところ四十一、二年ごろほど悲観をいたしておりませんが、しかし、さりとて楽観をして、これでよろしい、もうこの上変えなくてもいいんだということを断言できる状態でもなく、推移を見守りながら今後においての状態の見通しを立てまして適当な処置を講じていきたい、かように考えておる次第でございます。
 一方、ちょっと御質問よりはずれますが、宅地債券のほうは四十一年、四十二年というのはたいへん少なかったのですが、最近は十何倍という非常な希望者が殺到してきておりまして、こちらのほうは、もうこんなに優遇しなくてもいいんじゃないかという声が実は内部から出るくらいの状態に、これは土地の値上がりの激しさということを反映したものと思いますが、そのような状態になってきております。
#13
○小山(省)委員 時間ですからこれで終わりますが、住宅債券については問題点がたくさんあるわけです。しかし、一々ここで御質問申し上げている時間の余裕もありませんから、一応当局のお考えを承る程度にとどめておきたいと思いますが、住宅問題は、当面する内政の最大の課題でもあり、これが解決は国民各層から強い要請もあることでございます。問題は、住宅を建てます場合における用地の問題であるとか、あるいは管理の問題、不正入居者の問題あるいは家賃の問題等、当面いろいろ問題はまだ山積をしておるような現状であります。特に、こういう中で、また最近住宅金融公庫では、マンション融資等のかなり先行したような姿の融資も行なわれておる。これらについてもいろいろ問題点があるようでありますが、時間がありませんので、いずれ機会をかりまして、もう少し住宅問題について真剣に検討してみたいと思うのでありますが、私は特に、本年度を起点とするところの第二次住宅五カ年計画、これは第一次六百七十万戸と違いまして九百五十万戸の建設を計画されておる。住宅対策としてはかなり意欲的な積極的な計画でありますが、従来からの実績を考えまして、この計画を完全に遂行するためには、やはり関係当局が異常な決意をしません限りにおいてはなかなか――いま一つ多摩ニュータウンの例を引いたわけでありますが、かなり住宅建設の問題については隘路もあることでございますから、どうかひとつ、建設省でも関係方面を督励して、この第二次五カ年計画が完全に達成されるように、関係当局の御指導を強く要請いたしまして、質問を終わりたいと思います。
#14
○高橋(清)委員長代理 華山親義君。
#15
○華山委員 昭和四十四年四月一日に荒川放水路の新四ツ木橋でリングビーム方式による架設工事が崩壊をいたしまして、出かせぎ者等八人が一瞬にして命を奪われたという事故がございました。これは当時緊急質問として本会議にものぼった重大な問題だったわけであります。その際は建設大臣は、直ちに調査団をつくってその原因を究明する、リングビーム工法はこの調査の完了するまではやらない、労働大臣もまた、労働災害の面から特に調査団をつくって調査をしたい、こういうふうな御答弁だったわけであります。
 その後私はこの委員会におきまして、この問題がどうなっているかということについてお聞きをいたしたのでございますけれども、昨年の三月五日になりますか、その当時は、まだ調査団の調査も出ておらないというふうなことでございましたが、その中で、本会議における言明にかかわらず、これから新しく施工するところの工法についてはリングビームの方法はとらないけれども、現に始まっている工事については、注意をしながら、なお補強工事等をしながらやってもいいのだというふうな指示でありましたので、私は、人命の尊重よりもいろいろな事業、予算、そういうふうなものを大切にするものだと言って、これを非難したわけであります。その後、労働災害科学調査団、これは労働省のほうから報告が出ておりますし、また、建設省のほうでは新四ツ木橋事故調査技術委員会というふうなところから報告も出ておりますし、それとは別に、また警察は警察でこの事故について捜査を進めまして、そして業務上の過失があるとして、これを送検しておるわけであります。
 これらの点について伺いたいのでございますが、私の感想が多くなりまして恐縮でございますけれども、いま述べましたような労働省の調査団、あるいは建設省の技術委員会の報告、それから警視庁が送検をした理由等をあわせて私は読んでみました。それで、その内容につきまして、技術の面と工学等の面に関することも多いのでございますから、私、十分にそういう技術の面までわかったというふうには言いかねるかと思うのでございますが、受ける印象として私の言えることは、建設省の技術委員会の報告は最も甘い。労働災害科学調査団の調査はこれよりはきびしい。警察の調査はさらにもっともっときびしい。ここに矛盾といいますか、違いがあります。私はこのようなことから考えるのでございますが、もし事業の執行機関が業者に対しまして密着をしておるということがこの中からうかがわれる、こういうふうになっては私は大問題だと思うのです。
 それで、いまこの報告書がどういうことかということを私からお聞きもいたしませんし、なんでございますが、伺いたいことは、警察の捜査によるところのいろいろな施工上の間違いと思われる点がこの二つの報告には出ておらない。これはどういうことなのか。この警察の調査のほうではこういうふうにいっております。「シートパイルの打ち込みをしたところ、百八十六枚で結合し真円になるべきところ二十センチの間隔があいて結合できなかった。」シートパイルを打ったけれども、一番最後のところに二十センチのすきができたということだ。「そこで、シートパイルを一本加えたが、」――すきがあいたから予定よりも一本加えたが、「結合せずに不自然な溶接をした」。本来なら組み合うものですね。そういうことができないのでこれを溶接したと書いてある。そうして「上部一メートルぐらいを溶接しなかった。」こういうふうに書いてある。これは警察の捜査の結果でありますけれども、これらの面については、両方の報告には何ら触れておらない。
 ひとつ両省に伺いたいのでございますが、警察がこのような状態というものを調べたというふうなことは、調査の過程においてわかったのか、わかったけれども、これは事故の原因にはならない、こういうふうに考えてこの報告からは除いたのか、両省から伺いたい。私の聞いたことだけ回答してください。
#16
○吉田説明員 御質問の点は、建設省で編成いたしました技術委員会でも調査いたしまして、おっしゃるとおり、それが事故原因にはなっていないということでございます。
#17
○中西説明員 先生の御指摘の点でございますが、労働災害科学調査団の報告書の中にはその点に相当詳しく触れております。六ページにございます。五項目にわたって書いておりますので、御了承いただきたいと思います。
#18
○華山委員 このような欠点のあったということは、確かに労働省の報告のほうには、そう詳しくは出ておりませんが、それらしく見えます。しかし、こんなふうに詳しくは出ておらない。建設省のほうは、私も詳しくはわかりませんけれども、リングビームそれ自体、まるい円として一体をなして外圧を防ぐというふうなことに反するような方法、ここに欠陥をもたらすような方法について、調査団は何ら触れるところがないというのはどういうわけだ。
#19
○田村政府委員 お答え申し上げます。
 この新四ツ木橋の事故調査技術団の報告が、ちょうど一年くらいかかりまして綿密な調査をいたしました結果、建設大臣に報告されましたのが昨年の六月の二十五日であります。相当詳しい問題が出ておりますが、仰せのように、非常に具体的な、しかもこまかい技術の問題であります。
 なお、全体的に申し上げますと、世界にも珍しいケースでございまして、粘土地盤が非常に弱い、それに対する力関係の狂いからきた大きな事故になっておりますが、具体的な技術の問題でありますので、調査技術団の大臣に対して出ました報告書に基づきまして関係の技術当局から御答弁いたしますので、御了承願います。
#20
○菊池説明員 ただいまの報告書の真円度、ちょうどシートパイルが百八十六枚というのが、ものによっては一枚足りなかった。その足りないものを補うために、シートパイルを三枚くらい溶接いたしまして、それをはめ込む、一番まん中のだけ、細いのだけはめ込むわけにいきませんので、両側のものも合わせて三枚のものにしてはめ込んであります。そこで、その真円の度合いが悪かったのではないかという御質問だろうと思います。
 この調査委員会におきましても、実際の施工がどの程度のまるさにできていたかということは十分検討してございます。
 そこで、たまたまこわれました七号ピアにつきましてはもう実体がありませんが、隣にまだ施工中のものもございます。ちょうど施工してリングビームがはまったままのものもございます。その場合を測定して判断いたしましても、円のまるさのぐあいというものは非常によかった。特にこわれました七号ピアについては、ほかのものよりはまるさの点はよかったというふうに検討しております。したがいまして、真円度の度合いというものは、強度にはあまり影響ないというふうに判断してこの報告書が出ております。
#21
○華山委員 少なくとも言えることは、この工法におきまして、「百八十六枚で結合し真円になるべきところ二十センチの間隔があいて結合できなかった。」こう書いてある。何か初めから設計なり計算なりに間違いがあったのではないか。そんなことはあり得るものでしょうか。なぜこういうふうなきちんとしたものができなかったか、その点を伺いたい。
#22
○菊池説明員 矢板がびっしり二十センチのあき間もなくはまることが、もちろん望ましいことでございますけれども、二十三メートルという非常に大きい径のもので、それに逐次矢板を順々に一枚ずつ継ぎ足して打っていくわけであります。そうしますと、やはり百枚、二百枚というふうにたくさんの数を打ちますと、若干のエラーがたまりまして、そういうふうな若干のすき間ができるということは、ものの大きいものだけに、それからまたシートパイル自身のみぞのかみ合わせ、それに対する余裕といいますか、若干の余裕がありますので、そういうふうなことから、びっしりいくのは、理論的にはまいりますけれども、実際の施工としては非常にむずかしいかと思います。
#23
○華山委員 そういうふうなことができなかった場合には、リングビームということには欠点があるというふうなことは研究なすったことはないのですか。すき間があいても、それを補うような方法をとって溶接すればそれでいいのだという見解を持っていられたのかどうか。
#24
○菊池説明員 これは一般の土木工事の仮締め切りをやります場合に、このリングビーム工法に限らず、もしこれをほかの工法で締め切りをいたしますと、同じようにシートパイルを使いまして二重に締め切る、あるいは締め切りましてから、この工法のように、リングビームというか、たがでありますけれども、たがでもたすのではなくて、それに四方にバリをかけまして、それでもたせるという工法でやるわけでございます。その場合でも、やはり同じようにシートパイルをずっとたくさん打ってまいりますと、びっしり入らなくてそれは調整する――調整矢板といっておりますけれども、それに合わしたもので最後は締めるわけでございます。このリングビームだけに限った問題ではございません。
#25
○華山委員 特許はそれでも安全だというふうになっているわけですね。それで特許はいいことになっているのですか。
#26
○佐々木(学)政府委員 要するに、特許の審査において安全性を審査しておるのか、こういう御趣旨の御質問だと思いますけれども、特許の審査にあたりましては、これは特許法の四十九条に規定がございますように、当該発明が産業上利用できるかどうか、あるいは新規性があるか、進歩性があるか、いろいろな条件を審査するわけでございます。そして、その当該発明の実施上危険が伴うおそれがあるという場合におきましては、その危害防止手段を講じておるかどうかということを審査いたしまして、危害防止手段が講じてない場合には、これは産業上利用できない発明であるという解釈のもとに、これを拒絶しております。したがいまして、すべての発明が実施上危険が伴うわけではありませんけれども、発明の実施上危険が伴うものにつきましては、その危害防止の手段が講じてあるかどうかを審査するわけでございます。したがいまして、審査官は特許の明細書に書かれておる範囲内において検討するわけでございまして、具体的にどういう設計をやっておるかということは、明細書において書かれておりませんのでございます。
#27
○華山委員 私は、おそらく特許をされた場合に、このような事態につきまして、余ったところには別なものを入れて、そして溶接するのだというふうなことを認めているのではないと思うのです。それで「真円になるべきところ二十センチの間隔があいて結合できなかった。そこで、シートパイルを一本加えたが、結合せずに不自然な溶接をしたうえ」と書いてある。これは警察のほうですよ。それから「上部一メートルぐらいを溶接しなかった。」と書いてあります。溶接しなければ、そこに弱点ができるのは当然じゃないですか。そういう点は、建設省の調査会では看過したのですか、見過ごしたのですか。
#28
○菊池説明員 調査委員会では全部わかっております。ただ、上部のほうを溶接してなかったということは、上のほうは実は力のかかるぐあいが非常に少のうございます。そこで、それが破壊の原因とは直接つながっておりません。
 それからもう一つ、先生言われましたように、締め切りのときの一番最後に、調整矢板と言っておりますけれども、その調整矢板の溶接のところがこわれている、これもあとで調査した結果、そこが切れておるのは確かに事実でございます。ただ、あの場合の矢板の力は、外からの土なりあるいは水圧によりまして圧縮されるほうの力しかかからない、ところが、調整矢板の溶接がとれますときには、引っぱりでこわれるわけです。そこで調査委員会では、こわれたのは、それが引っぱりによってくずれたのであるから、破壊の過程においてそういうような現象が起きて切れたのではないか、力のかかっている状態では引っぱるような力はかかってない、逆に圧縮する力しかかかってないということで、そのリングがこわれてがさっとつぶれた、そのときに引っぱりが生じて切れたのではないかというふうに判断をしております。
#29
○華山委員 みなわかっておって、これには書いてないわけです。とにかくその工法について業者が誤った面については全然触れてない。あなたの言われるとおりならば、こういう事実はあったけれども、これは原因にはならないと書いておくべきじゃないか。わかっておるけれども、そいつはもう抜けておるわけですね。そのときに警察の調べでは、「リングビーム十三本を結束して直径二十三メートルの真円を保持することになっているが、三段目付近から下部にかけてシートパイルがすぼんでいたため、規定どおりのリングビームの取付けがなされておらず、この真円が保持できない状況と認められた。」こう書いてある。こういうふうな傾向のあることは労働省の調査の中にも出ておるようです。このような工法にはこういう点があるということをいっておるようです。警察ではこういうふうにいっておりますけれども、この点につきましても、建設省の調査のほうには何ら出てこない。この点につきましても、やはりそこの事実は認められたのかどうか。認められたとしても、それは破壊の原因にはならなかったということでオミットされたのかどうか、その点のことを伺いたい。
#30
○菊池説明員 ただいまの下にいくほど径が小さくなるというお話でございます。これは、当初シートパイルを打ちましたときは、まっすぐ上から下まで同じ形で入っておるわけでございます。ところが、途中水を出し、それから掘さくをして、リングを、たがをはめていくわけでございますけれども、その過程において、水圧あるいは土圧によりましてどうしても若干縮まる傾向がございます。そのために、下のほうへいきますと少し径が縮まってくるということは、この調査でもわかっております。
#31
○華山委員 それで、規定どおりのリングビームの取りつけがなされておらなかった、おかしいじゃないですか。そういうふうなことであれば欠点が起きるにきまっている。「規定どおり」とありますけれども、これは警察の方にお聞きしますが、「規定どおり」という、「規定」というふうなこと、これはまあ警察庁にお伺いいたすことでもないから、あまり厳密には考えていらっしゃらないでしょうけれども、何か規定があったのですか。設計書の中には書いてあったでしょう。そのとおりに行なわれないということだけは事実だ。
#32
○下稲葉説明員 お答えいたします。
 本件につきましては、警視庁で一年半にわたりまして捜査をやりました結果、先ほどお話しのとおりに、事件を検察庁に送っているものでございまして、いまお話しの点につきましては、設計上のミスということと、それから工事に関連する施工上のミスがあるわけでございまして、そういうふうな意味で、設計にきめられておりました内容どおり工法が行なわれていなかった、こういうふうに了解していただきたいと思います。
#33
○華山委員 これは、すぼめば設計どおりのことが行なわれませんよ。すぼむということが、建設省の言われるとおり起こるものだということであるならば、それに応じた設計がなされていなければいけないのじゃないか。すぼんでくるという現象が起きたから設計どおりにはできなかった。これは無理がここに出てくるのじゃないか、そういうことに対する対応策というものがリングビーム工法についてはなされていなかった、こういうところにも欠陥があるんじゃなかったのか。建設省の方はどうお考えになりますか。
#34
○菊池説明員 下のほうの径がすぼまってまいりますと、設計は一応全部標準の径があるということからいきますと、先ほど申しましたように、若干小さくなっているという現象が起きるわけですけれども、それがそのために破壊する、あるいはそのために、力に抵抗するためにリングを入れておりますけれども、そのリングに異常な力がかかるということではございません。また、すぼまりがないように、リングとそれから矢板の間にジャッキをかいまして外のほうに押し広げるようにしてくさびをかっております。したがって、それは直接破壊に結びついているのではないということでございます。
 それからもう一つ、先ほど私言い落としまして恐縮でございますけれども、その径が縮まっておるというようなことがこの報告書には載ってないというお話でございましたけれども、報告書にも下のほうにいくに従って径が小さくなっているというような数字は載せてございます。
#35
○華山委員 そういう傾向があるということは報告書に載っておりますけれども、このときにあったということは書いてませんね。そういうふうなことは認められたけれども、それはそういうふうなことですよ。報告書には、そういう事実があった、しかしこれは破壊に通じないものだというふうに書くべきじゃないか。そういうふうな傾向があることは書いてあるけれども、それにつきまして、具体的な場合にどういう事実があったかということは書いてないですね。
 それからこの報告書によりますと、いろいろな材料には何ら悪い点がないというふうなことを書いてありますが、警察の調べによりますと「納入されたリングビームの一部にねじれているのがあった。」こう書いてある。「そのため、設置したところ、受けブラケットとの間にすき間ができていた。」こういうことになっていますが、これは何ら報告には出ておりませんね。機材は完全なものであった、何らそこに悪い点はない、こう書いてあるだけでしょう。こういうふなうことは、警察の調べではこうなっておりますが、この点については気づかなかったのでございましょうか。
#36
○菊池説明員 ただいまのねじれのお話でございますが、これはそういうものがあったということは、私は話としては聞いておりますけれども、この報告書にはねじれがあったものが納入されたということまでは書いてございません。
#37
○華山委員 (3)の問題につきましてもう一度言いますけれども、「納入されたリングビームの一部にねじれているのがあった。そのため、設置したところ、受けブラケットとの間にすき間ができていた。」こういうふうになっておるわけでありますね。それで、これがこれから検察庁に参りましょうから、どういうふうに検察庁が判断せられるのか、どうなるのか、その点は私ここでは何とも申し上げませんけれども、非常に不満なことは、建設省の報告は、いろいろ今後こういうことを注意しなさい、こういうふうなことがあったというふうなことは書いてあっても、何ら事実問題について触れていない。リングビーム工法というものがいいものかどうか、危険性があるものかどうかということは言っておるけれども、具体的な工事について何ら触れておらない。私は調査団の使命がそういうものであったのかどうか知りませんけれども、まことに不満足なものだと思うわけであります。
 それから、このいろいろな面について不確定要素が多いということは、建設省の調査団の報告それから労働省の報告にも出ておりますけれども、「計画書である応力計算書を計算する際、設計者が工事施行前に調査した地質検査によると、流水、造波圧等の不確定要素が多く、かつ、川底の地盤が軟弱で仮想支持点の位置についても不確定要素が多いのにかかわらず、これを十分考慮しないで計算している。」こういうふうになっているわけです。これは詳しくは、これを調査された警視庁の係官にでも聞いてみないと私もわかりません。わかりませんけれども、とにかく設計が不十分であった、計算が不十分であったというふうなことがいわれておるわけです。
 それから工事についても「応力計算書に基づいて工事をしなければならないのに、リングビームの設置にあたって各段の間隔をあけて計画と違う工事をするとともに七段目の掘削では計算書よりも全体に〇・五メートルも深掘りをしている。」こういう事実をつかまえているわけです。建設省の調査にはこういう点は触れておりませんけれども、これはどういうことなんですか。わかっていたのですか。
#38
○菊池説明員 ただいまの深掘りの問題でございますけれども、〇・五メートルですか、五十センチ深掘りしておるということでございますが、これは五十センチ深掘りしているかということについては、私どものほうははっきりしていたということは考えておりません。わからないわけでございます。
 それから最初の質問、応力計算のときに流水あるいは波、そういうものを計算されてないという質問でございます。これにつきましても、あそこの場所につきましては流速も非常に少なうございます。毎秒一メートル、一番早いときでその程度でございます。それから波につきましても、あそこの工事しておりますところと船の通常通っております航路と若干離れておりますので、波の影響というものは強度的には影響がないというふうに、この調査報告書では判断しております。
#39
○華山委員 影響がないから設計には何も考えなかったのですか。
#40
○菊池説明員 さようでございます。
#41
○華山委員 その点を言っておるわけですね。不確定要素が多いんだ、しかるに、これには何らの考慮をしないで計算した、こういうふうに言っておるわけなんだ。
 それからもう一つは、間隔があったというのはどういうことなんですか。リングビームの設置にあたって、各段の間隔をあけて計画と違う工事をする。これは何かこういうふうな間隔をあける必要でもあるんですか。
#42
○菊池説明員 ただいまの間隔でございますが、実は設計で当初やったのと実際にリングを設置しましたのと、間隔が若干ずれております。結果的には、どちらかというと安全側のほうへずれておりますけれども、ただこれは、結果的に安全側であったということで、先生の言われますように、正規のところに入れてなかったということにつきましては、実はこの工法は私どもは任意工法といいまして、こういう図面で、こういうやり方でやるんだというような指示の工法ではございませんので、実はそこまで私どものほうはチェックしてございません。
#43
○華山委員 それが建設省のいけないところですよ。労働省の報告ではあるわけです。仮設工事については、あまりそういうことの監督が厳重でない。監視が厳重でない。できたものは十分に見るでしょうけれども、そこに至る道程の仮設工事についてはあまり建設省は関心を払わない、こういう点があるというふうに労働省は言っておる。前にお聞きしたときに、仮設工事でございますからという答弁があった。いままたそういう答弁が出てきたから私申し上げるのですけれども、できたものは、それだけの財政力を投じてつくるんですから、きちんと設計どおりできておらなければいけないのかもしれませんけれども、それに至る過程は人命に関することですよ。そういうふうな仮設についてはいいんだ、おまえのほうでかってにしなさい。こういうふうな態度は許されないんじゃないか。その点について御答弁を願いたい。この点が一番問題を起こすのでしょう。大阪だってそうですね。仮設工事というものについては目を離すんじゃない、そういうことにつきまして、建設省の従来の考え方と、それから今後の考え方とをお聞きしておきたい。
#44
○菊池説明員 仮設工事につきましては、建設省の共通仕様書でも、できるだけ責任施工で、請負業者の申請に基づいてそれを認可する、ものによっては、そのまま、特に申請して承認するということもやっておりませんけれども、重要なものについては申請に基づいて承認をする、それからさらに重要なものにつきましては、こちらのほうから、仮設工事でありましても、こういう工法でやるんだということを、設計の図面なりあるいは設計図書によりまして、ぴしっと指示することもございます。そういう場合は当然そこまで建設省としても監督するわけでございます。
 また普通の仮設工事でございましても、ほかの、たとえば今度のリングビームをやりました現場におきましても仮桟をつくっております。その仮桟橋につきましては、船の就航の便あるいは川の増水の面等もございますので、たとえば足の間隔はこのぐらいの間隔でしなさい、それから高さにつきましても、こういう高さをとりなさいというようなことを、これはわれわれは定性的な指示といっておりますけれども、指示しております。そうしますと、そういうものについてはもちろんチェックするわけでございます。それから、何もない、純然たる任意工法の場合は、特にこれはやるほうの業者の責任において仕事をするということでございますので、目的物と違いまして、それほどの監督はいたしておりません。ただ、それが人命にかかわる問題、非常に危険なものであれば、これはやはり何か指定するというような形でいかなければいけないと思いますけれども、この場合、特にリングビームについては、いままでの施工の実績もたくさんございまして、そういう非常に危険であるということではございません。ただ、この場合にも応力計算書を出していただきまして、やはり危険があった場合に困りますので、そういう応力計算して、だいじょうぶだというふうにわれわれは判断してやってきたわけでございます。
#45
○華山委員 建設省のだいじょうぶだと思ったことと、ここでは別なことが行なわれたということでしょう、建設省の調べによれば。それから仮設工事というものについては任意なんだとあなたは言われますけれども、原価計算をするときに仮設工事についても原価計算をするわけでしょう。原価計算の中に入っているわけでしょう。その原価計算は、この場合にはリングビーム工法によってやっている。そうでしょう。こういう方法は請負者がとったんだから、おれのほうは知りませんと言えませんよ。ですから現場では、私はあの当時、即日参りましたけれども、この方法は建設省で示した方法なんだ、こう言っているわけです。示した方法ということについては私は言い過ぎだと思いますけれども、とにかく原価計算をするときには、この方法であなた方は原価計算しているわけでしょう。ですから、それはかってにやったんだ、別な方法でやればこんなことは起きなかったんだということは、あなた言えませんよ。
 このようなことで、この問題につきましては、私たちに対しまして非常に割り切れないものを残したということなんです。そして、結論的に言うならば、先ほど私が言ったとおり、何か施行官庁が業者との間ではぴったりするんだ、そしてそれが労働省なりそれから警察のごやっかいにならなければいけないんだということは、私はこれらを総合いたしまして、まことに不愉快に思うのであります。
 それで結論的に伺いますが、今後リングビーム工法についてはどうなさるつもりですか、おやりになりますか、禁止しますか。
#46
○菊池説明員 今後の問題といたしましては、リングビームは、深い水中あるいは軟弱地盤あるいは傾斜地――偏圧のかかるおそれのあります傾斜地等につきましてはもう使わないということを、事務次官の通達で流してございます。それから、それに少し追加いたしまして、実はこのリングビームに限らず、深い水中等につきましての仮締め切り、これはリングビーム以外のいろいろな工法がございますけれども、そういう深い水中の仮締め切りについては格段の注意が必要であるということもあわせ通達を流して、いまは使っておりません。
#47
○華山委員 リングビームというのをやめると、どうして言えないのですかね。リングビームというものは、私が指摘するまではいままで三百件やったけれども、一ぺんだって事故があったことはありませんと、大臣は何にも知らないから言い張ってきたでしょう。ところがこれは秋田県で起きておりますね。秋田県のときには、あれはまだあまり発達していなかったときのことであったとあなた方は弁解するが、秋田県でこのことが起きているのですよ。なぜそういう工法をいつまでもそういうふうなことのためにとっておかなければならぬのか、ほかの方法があるならやめたらいいじゃないですか。なぜやめられないのか。
#48
○菊池説明員 建設省といたしましては、あの通達はやめるにひとしいという通達であると考えております。
 それから、なぜやめられないかという問題でございますけれども、実はリングビームそのものは、工法的には非常にいま欠点もありますけれども、非常に利点もあるという点がございます。したがって、安全なところでやる限りには、たとえば非常に土質のいいところ、そういうところでやる限りにはまあ心配はないだろうということですけれども、実はまだその後そういうような場所につきましてもリングビームでやるのだという事例は、この事故以来一件も出ておりません。したがいまして、もうやっていないというふうにひとしいかと思います。
#49
○華山委員 ことばじりをつかまえるわけじゃありませんけれども、あなたはやはり危険だということを認めておりますね、いまのことばの中で。ひとつこれから十分に危険な方法というものを、かりに特許というものがあっても、安易にこれを採用するということについてはつつしんでいただきたい。とにかく、原価計算をするときにこの工法によっていたということは事実なんですから、業者がかってにやったのだとばかりは私は言えないと思うのです。今後こういう問題については、ひとつ十分に気をつけていただきたいと思います。
 これで終ります。
#50
○高橋(清)委員長代理 鳥居一雄君。
#51
○鳥居委員 公団いらっしゃっていますね。来年度から始まります第二期の住宅建設五カ年計画につきまして、日本住宅公団は四十二万戸の賃貸住宅を建設する予定になっております。新設の住宅の家賃について、たとえば郊外に建てられました団地の五階建て、六階建ての家賃につきまして、これから建てられる分でありますけれども、引上率がきわめて高い。従来一万七千円程度であったものが二万六千円、約五〇%の引き上げ率であります。また、従来二万円以下に押えていたものでも二万五千円前後、また都心部におきましては、3DKで三万円台も普通になるだろう、こういわれているわけであります。こうした大幅な家賃の値上げをしなければならないその状況について、その理由、これを説明していただきたいと思う。
#52
○林参考人 最近、御承知のように土地が非常に値上がりをいたしております。それから工事費というものが相当な勢いでもってやはり上がっております。特に手間賃のような人件費というものが急増いたしております。そこでこの土地の購入につきましてもいろいろにくふうをこらし、また工事の施行につきましても大量に発注をし、またプレハブ式の工法をできるだけ取り入れて努力をしておるのでございますけれども、遺憾ながらやはり家賃はおっしゃるように上がってきております。ただし、いまおっしゃいましたほどではないので、これは予定でございますけれども、団地中層ですと、大体ことしのが一万七千円幾らでございましたのが一万九千九百円になるということでございますが、いずれにしても、それらの標準的なものをとりましてもやはり二千数百万円の家賃のアップというものがこの原価計算の上からは出てまいるわけでございます。これが措置につきましては、新しくできますものの家賃というものを何とかしてできるだけ押えて、そして庶民階級のために適切な、適正な家賃にしてこれを供給するような努力をいたしてまいりたいと存ずるのであります。
 なおもう一つつけ加えますと、やはり職住近接ということが一つの大きな要素になってきておりますもので、やはり都心部に住宅を建てます。そうなりますと、また地価が非常に上がってくる、そのかわり交通費がその方は安くなるわけでありますけれども、やはり建てるものとしては都心部に高層住宅を建てるということが、また公団の家賃の高騰の原因にもなっておるのでございます。
#53
○鳥居委員 私の調べた数字とちょっと違っておりますけれども、具体的にこの値上げの内容について伺いたいと思いますが、どうですか。
#54
○宮地参考人 いまの御質問でございますが、総裁がお答え申し上げましたのは、来年度建設した場合に、結果的にどういうふうな家賃になるか、こういう点でございます。また、いまわれわれ検討しております値上げ問題とはちょっとこれは性格が違っておるのじゃないかと存じます。その点、来年度は事業計画の細目が決定して認可をまだ受けておりませんから、いま総裁が申されましたように、いま大体二万円を少し割るくらいが一般中層における平均家賃と申し上げたのであります。それと違った意味において、不均衡是正という意味において値上げの点を検討しておる、こういう二つの問題があるわけでございます。
#55
○鳥居委員 そうすると、不均衡是正の点で引き上げ率はおよそ五〇%になる、こう伺ってよろしいですね、不均衡是正という点での引き上げ率。
#56
○宮地参考人 不均衡是正の意味の値上げと申しますか、家賃の変更につきましては、いまわれわれのほうで検討いたしておりまして、いまだ具体的な結論等を得ておる段階でございませんので、いま御質問のように五〇%とか何%ということをまだ申し上げることができない状態であることを御了承いただきたいと思います。
#57
○鳥居委員 それでは、従来住んでおりました古い分のほうでございますけれども、この分の値上げにつきましては、佐藤総理大臣も、公団の家賃等の値上げはしない、こういうふうに答弁されておるわけです。しかし、新聞報道等でもすでに値上がりがうわさされております。この値上げにつきましては、いま直ちにというわけにいかない事情は何点かある。そのとおりであります。六月には参議院選挙を控えておるために、これがいま出てきたらぐあいが悪いという客観情勢もあるだろうと思います。それからまた、林総裁の任期が切れる七月までには具体的にその値上げを出したくない、そういうお気持ちもあるだろうという要素、こうしたものを考えてみたときに、古い、いわゆる在来のあき家に入る分ではなく、在来の家賃についての値上がり、これはどういうふうに公団として考えておられますか。
#58
○林参考人 御承知でございましょうが、公団の家賃というものを、初めにいろいろな規則に基づきまして計算をいたします。そして、そのときに契約を結びまして、将来家賃の変更ができる場合を三つあげておるのであります。物価その他経済事情の変動に伴って必要があるとき、それから賃貸住宅相互間においての家賃の均衡上必要があると認めるとき、それから賃貸住宅について大きな改良をしたとき、この三つのときには家賃を上げることがあります、こういうことになっているわけであります。これが一つの原則でありまして、それが一つの基本のところにあるわけでございますが、最初の昭和三十一年から十五年たったわけでございますが、当初昭和三十一年に建設されたものが、二DKで申しまして四千九百円程度というものが葛飾区にございます。それから、最近におきまして日野市でつくっております例をあげますと、やはり同じく二DKで、少しは内容は大きくなっておりますが、一万八千円。四千九百円と一万八千円という開きが出てきているわけでございます。そこで片方、古くなっておるとか、いろいろな不便であるとか、中の流し場がどうであるとか、ふろ場がどうとか、いろいろなことを勘案いたしましても、やはり相当に便利なところに昔から住んでいる方が安い家賃でいらっしゃる、そして新しく入りたい、そしてお入りなる方が、それに比較しますと数倍の家賃を払う、こういうような不均衡状態といいますか、これが十五年たちました現在において出てまいってきておること、御承知のとおりと思います。
 そこで、建設大臣の諮問機関であります宅地審議会において、昨年「今後の住宅政策の基本的なあり方について」という答申がされておるのでありますが、その中に「建設年度の古い既設住宅と最近建設された住宅の家賃の不均衡を是正し、家賃負担の公平化を図る」ということの指摘が出ておるのでございます。そういう指摘はございます。それもまた尊重をし、その現実というものを踏まえて、しかし一応家賃というものは、また国民のそれぞれ入っていらっしゃる方も大事な一つの要素でございますし、また公団住宅家賃というものが、全体の家賃の一つの基準になっておるという面もあります。それから十五年住んでいらっしゃるというような現実というものもありますので、それらの面と、それからこの規約なりあるいは答申なりというもののいうところと、この双方を踏まえました上で最も適切な措置を適切な方法でとりたい、かように考えまして、目下鋭意検討を進めておるというところが現状でございます。
#59
○鳥居委員 その検討ですけれども、いつのときでも改定という名の値上げです。事実上は、現に値上げという結果になって出てくるわけです。その検討ですけれども、いつ、どういうかっこうになって検討の結果が出てまいりますか、どういう考えでそれが行なわれているわけですか。そのめどについて伺いたい。
#60
○林参考人 なかなかむずかしいお尋ねでございまして、これは私どものほうがまず実施機関、責任機関でございますから、それでいろいろな面に
 つきましてデータを集めて、そうして現実を見、かつ、いろいろな不均衡の是正というもの、度合いというものをまた調べまして、また法律関係などを検討いたしまして、それから関係の政府機関がいろいろございます、それあたりとも密接な連絡をとって、政府設置機関でございますので、誤りのない結論を出していかなければと、こう思っておるところでございます。
 そこで、いまどのような方法で、どこで、いつごろ結論が出るかということについては、いま検討中でございますので何とも申し上げかねるのでございます。
 なお、さっきちょっとお話があって、ある新聞なんかにも出ておりましたが、私の任期云々という点、これは公の機関でございますから、どのようになりましても、どう変わりましても、それにはかかわりなく、なすべきときにはなすべき措置を講ずるというものであろうと思いますし、私もさような気分でおるわけでございますので、ひとつこれは御了承を願いたいと存じます。
#61
○鳥居委員 昭和四十四年度建設分の家賃の内訳でありますけれども、これを見ますと、=戸当たりの家賃の、平均が一万五千二百四十六円、そのうち約五〇%にあたる七千四百二十円が建設に要した費用の償却費分であります。そのあとは地代相当額の二千九百円、これは一九%、そのほか公租公課、固定資産税、不動産取得税、登録税等、これに要する費用二千三百七十八円、一五・六%、こういうのがおもな家賃の内容ということであります。このうち非常に大きなウエートを占めております建設費用の償却費分、この中身を見ますと、初年度においてはおおよそ九五%に相当するものが借り入れ金の利息である、こういうことを考えましたときに、これを軽減する方法、対策、これを講ずることがまず大事なことではないか、こう私は考えるわけです。
 言うまでもなく、この借り入れ金の利息は、公団が政府資金、これは金利が六分五厘から七分、それから民間資金として、金利が七分六厘から八分三毛、これで借りたものを、入居者のほうはそのうちの五分負担する、差し引き差額分を政府の利子補給という制度になっているわけでありますけれども、この入居者が五分負担するその入居者負担について、もうちょっと考えていいんじゃないかと思うのです。まあ、この点につきましては、家賃を改定しなければならないという時点で、五分をもうちょっと引き下げて四分にした場合に、家賃のほうでは一体どういうふうになってくるのか、それができないのか、こういう点を考えるわけなんです。この点についてはいかがでしょうか。
#62
○林参考人 御承知のように、公団の事業、家を建てますその資金というものは、政府資金並びに民間資金を借り入れて運用いたしまして七十カ年年賦で返す、こういうたてまえでやっておるわけでございまして、その利息につきましては、賃貸住宅については五分で計算をする、その間の利子の差額は政府から補給してもらう、こういうたてまえでまいっておるわけでございます。かつては四分一厘で計算したのでございますが、昭和四十年度から五分になったわけでございます。そうして、それからずっと本年まで継続して五分でございます。そこで、どの程度利息を補給して、利子を安い計算にしたらいいかということは、これは国家の政策に属する問題でございます。純粋に公団サイドだけから見れば、これはやはり極力その利息計算の率を低くしていただいて、家賃を少しでも低くして供給をして差し上げたいと私ども念願するのは当然でございます。
 しかし、政府的に見ますならば、これは政府から御答弁になるべきことかもしれませんが、公団はやはり公的施策住宅の一翼をになっておる立場でございます。そして、一つの対象というものは、中産階級あるいは幾ぶん若い中産階級といいますか、中産階級に幅が広いところであれば、中産階級の中ではまん中から少し低所得がかったところ、ここを対象とした、いわゆる庶民層といいますか勤労層というものを一番の対象とした事業をいたしておるわけでございます。そのほかに低所得階級を対象とするところの公営住宅があるわけです。それから自分で土地をさがしてきたり、それからいろいろいたしましての頭金をつくったりして、あと足りないところを借りてくる、いわゆる公庫からの公庫住宅というものがあるわけであります。その他いろいろな政府施策住宅がそれぞれの必要によって生まれてきているわけでございましょう。そこで、それらのいろいろな施策とそれの対象とする部分と、それから公団の対象とする部分というものとのバランスを考えました上で、どの程度の利息がいいかということで、結局、四十年以後は五分というところになって今日に至っておるわけでありまして、これを国家のほうの財政上のいろいろな見地から見ます場合にいろいろな意見があるようでございます。私もかつて、いまお話しのように、もっと利息は下げてしかるべき、低くしてほしいということは、ドイツの例なんかを引きまして申したこともございます。しかし、やはりとうとうこれはいれていただけませんでした。そのとき、それならば所得税の免税点を引き上げたほうがもっと妥当なんだ、それは十人に一人当選した人をそれだけ厚くするならば、税金のほうで一般にもう少し低い階層は税を取らないようにしたらいいじゃないかという意見なんかも、逆に住宅関係者以外からは出てきております。それから、あるいはもっと、ほんとうに木賃に住んでいる人をどう救済するかということのほうが先じゃないか、こういうような意見もありまして、そこのところがバランスはたいへんむずかしいところで、いまはこういうことで五分ということになってきていると思います。それで、もう少し下げるということを予算のときには要求した時代が、すぐ最近まであるのでございますが、例年これはどうしてもいれるところとなりませんで、私どもいま五分で、一応それを基準にしながらやっておるというような現状でございます。これは全体の公的施策住宅について、どこをどういうふうにするかということとやはり関連した問題であると存じます。
#63
○鳥居委員 答弁は簡潔にお願いしたいと思います、時間の都合でどうしても制約されるので……。
 そこで、やはり改定ということが理由になって、事実上入居者に負担がかかってくる。事実上の値上げになっているわけです。ですから、そうした措置を、何とかして値上げという措置をとらなくて済むようなそういう方法については、真剣にこれは考えなければならないことだと思う。もちろん公団だけでこれは答えが出てくる問題じゃありません。現在五分になっている負担を切り下げる問題につきましては、やはり公団としても真剣に考えなければ、これはできないことだと思う。そういう点、それからまた、昨年度まではこの利息分の予算請求を行なっていますけれども、昭和四十六年度この要求をしなかった、こういわれてますけれども、この理由は一体どこにあるんですか。
#64
○中込参考人 お答えいたします。
 補給金を公団の利息の収入と支出の差で国からもらうことになっております。実績からいたしますと、四十年度からもらっておりまして、それが四十四年度までに約五十九億もらっております。それまでに使った、利子補給してもらいました総額が約四十億でございまして、現在としては約十九億、四十四年度として余っていたわけであります。そこで、この補給金の計算は、現在のところは、決算をいたしまして収支の差が出ますと、その決算に基づいて要求をして、もらうということで、現実には二年おくれるわけでございますが、いまは四十六年度の要求でございますから、それにはまだ十九億の余りがありますので要求をいたしませんで、その決算ができ上がった段階で次の年度に要求する、こういうかっこうになっております。
#65
○鳥居委員 私はこの際、そうした改定、事実上の家賃の値上げを押えるために、政府としては特別に出資金あるいは利子補給の増額をはかって、こうした事実上の値上げという措置に出ないで済むような方法を考えるべきだと思いますけれども、政務次官、この点につきましてどうですか。
#66
○田村政府委員 お答えいたします。
 安い家賃にこしたことはないのでありまして、いま仰せのとおりでありますが、この問題は複雑な関係がありますので、公団のサイドや建設省住宅局だけではとても解決できない問題だと思いますので、やはり大蔵省も入りまして、政府全体的にこの問題に取り組むというような基本的な姿勢が必要だと思います。お話しのような改定という名における値上がりという問題をいかに防ぐか、安らかに入居してもらうということについて、政府がどういう責任政策に転換していくかということが今後十分検討されるべきだと思います。
 御趣旨の点もありますし、御意見、十分わかりますから、われわれといたしましても、来年度のこういったいろいろな問題をできるだけ円満に、あるいはスムーズに処理するために衆知を集めて検討していきたいと考えております。
    〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕
#67
○鳥居委員 家賃の値上げ、これを軽減させる、あるいは値上げをせずに済ます、そういう努力をしなければならないと私は思います。
 そのうちの一つでありますけれども、公団自身にかかる経費の削減も私は大事な一つじゃないかと思うわけです。現在公団の人件費等の経費につきましては、予算における割合でありますが、住宅建設事業費の三・七%、それと宅地造成事業費の五%、これが従来充てられてまいりました。たとえば昭和四十三年度におきましては七十八億四千万円、こうなっております。昭和四十四年度はこの費用が九十三億三千五百万円、こういうふうになっているわけであります。これは言うまでもなく賃貸住宅、分譲住宅等の原価の中にこれが入っておりまして、入居者等がその負担をしている、こういうことであります。
 公団の役員の数を見てみますと、現在十七人になっております。公団と比較するために、たとえば大世帯の国鉄を見てみますと、現在十八人、規模の点でかなりの開きがあるように私は受け取ります。公団の役員が十七人、日本国有鉄道が十八人。一体どういうところにその基準を置いて役員の数をきめておられるのか、まず伺いたいと思います。
#68
○林参考人 事務の経費につきましては、極力効率化をはかってその軽減に絶えずつとめ、また、絶えず外部からも監査してもらいまして、そして軽減につとめている次第でございます。
 そこで、役員、職員というものの構成でございますが、これは昭和三十年発足以来次第に事業がふえてまいりました。また範囲がふえてまいりました。そして現在においては、宅地の問題というものがまた非常な困難性と重要性を増してきておるわけでございます。そこで住宅公団というものは、たとえてみますと、住宅建設公団と宅地造成公団と二つ合わせた、こういう状態になってきているわけでございます。そこで、それぞれに一人ずつ二人の副総裁がございます点は、ここの公団の非常な特色でございます。それから、あとの理事はそれぞれだんだんとふやされていったのでございますが、必要に応じましてふえてまいって、結局現在十一名でございますが、本所で働いている理事が八名、それから支所長として東京と関東と大阪に駐在いたしております者三名、こういう構成になっている次第でございます。そして本所におります八名を一人一人総務、労働担当、経理担当、住宅建設計画担当、技術担当、それから管理の担当、それから宅地の計画と用地、それから宅地の工事事業、こういうような担当にそれぞれ分けておるのでございますが、謙虚に反省をしてみまして、やはり私は妥当な人数だと存じます。そして、ひまであるとか要らないものであるとか、さようには考えられないのでございます。
 それから、いろいろ他の公団との比較でございますが、これは他の公団に勤務いたしませんので私もそれを比較はできませんのですが、住宅公団というものが、このくらい多種多様の面にわたって接触のある、また業務のあるという公団はないのではないかといわれるくらいたくさんにわたっております。(「そんなことはないよ。」と呼ぶ者あり)いや、ある監査機関の方が参りまして、それは驚いておりまして、あなたは軍事と外交のこと以外は全部に引っからまっておりますねと、こういうことを、ほかをずっと見て回ってきた方が言われたこともある次第でございまして、国民生活のすべてに関係をしておる。学校から汚水処理場から土地のブローカーから、それから建築の技術のことから、まああらゆる面に関連しておりますし、それから金額につきましても非常に多額のお金をお預りし、かつ借りて、そしてこれを返済しながら運用しておるというような状態でございます。
 しかしながら、こういう公的な機関でございますし、絶えず反省と検討を加えて、事業の増大にかかわらず軽減し得るものはぐんぐん節約をしながらやっていこういう気持ちでもって、絶えず努力をしておる次第でございます。
#69
○鳥居委員 私が質問したのは、国鉄が十八人で住宅公団が十七人である点で比較したわけです。どう控え目に見てみても役員の数は多くない、こういうお話ですけれども、要するに姿勢の問題です。ともかく充実した仕事、これが待たれることは事実でありますし、現実の問題でありますし、そうした点でも大いに反省をし、また実効のある仕事をしていっていただかなければならないと思うのです。
 そこで、公団の経費の算出率につきましては、予算上三・七%、五%、こう指摘したわけでありますけれども、決算を見てみますと、実際にはこれを上回っている。四・五%及び五%というのが決算に出てきている数字であります。こういう経費の膨張、事業費の膨張ということがそのまま原価に返ってくる。すなわち家賃あるいは分譲価格という点に返ってくる。そういうわけでありますし、ともかく安易な考え方では済まされない問題であると思うわけです。この点につきまして、大蔵省並びに政務次官にお伺いしたいと思います。決算の上で数字が事実上膨張しておりますし、現実問題としまして、この三・七%、五%が押えられてないです。この点についてはいかがですか。
#70
○藤井説明員 お答え申し上げます。
 公団の事務費につきましては、先ほど御指摘のように四十三年、四十四年ごろは三・七%ということで予算上組んでございます。それで、実際住宅の建設を進める場合に、現在のところでは一年半とか二年くらいかかっておりますので、その間に人件費の上昇等いろいろございまして、結果として四・五%程度のものになっているということになっているわけでございます。こういう事務費については、私どもとしては極力押えていただきたいと思うわけでございますけれども、いままでのところ出てきた四・五%というものについては、一応やむを得ないというふうに考えている次第でございます。
#71
○鳥居委員 ですから、家賃や分譲価格を上げさえすればいいのだという、そこら辺に私は問題があるように思うのです。そうした事務経費を極力押えて、家賃の負担においてそれを解決するような方法は極力避けていかなければならないと思うのです。
 分譲住宅についてでありますけれども、分譲住宅にかかる経費、これは多く取っているといわれていますが、その理由が一体どこにあるのか、賃貸住宅分をむしろ負担しているのではないか、こういわれていますけれども、この点についてはどうですか。
#72
○中込参考人 お答えいたします。
 計算上そういうことはないはずでございますし、実際取っております収入は各部門にずっと分配いたしまして、そして経費を払っております。
#73
○鳥居委員 次に、資金の借り入れ状況についてでありますけれども、昭和四十二年度、四十三年度ともに政府資金の借り入れを繰り越しております。昭和四十二年度二百五億円、四十三年度二百七十四億円、四十四年度二百二億円、これに対しまして、一般の市中銀行からの借り入れ、これは当初の計画どおり借り入れを行なっております。高い金利の銀行等からの借り入れ、これは予定どおり行ない、安い金利の政府資金については、使わないで翌年に繰り延べしている。それだけ入居者に負担がかかってくることも目に見えておりますし、非効率的であるという、それもそのとおりでありますけれども、何が原因でこういう操作が行なわれておるのか。ざっと計算してみましただけでも六億円の金利の違いがそこに生じております。どうですか。
#74
○中込参考人 お答えいたします。
 毎年の資金計画をきめまして、そしてそれを民間と政府から借りますが、これは年度当初に大体の計画をきめます。で、民間のほうは大体それぞれの社の資金計画がございますので、年度当初に毎月のお借りする金をきめている、こういうことでございますので、年度末で、たとえば金が余ったときに急にその資金計画を変えさせるということは非常にぐあいが悪かろうということで、むしろその弾力的なものを政府の資金のほうに置いておる、これが現状でございます。
 そこで、それじゃその分だけ家賃が高くなるかどうかという点でございますが、家賃の計算で、先ほど先生もおっしゃいましたように負担させておりますのは、金利分は五%でございまして、これはどう変わっても変わりございません。そうすると、たとえば住宅公団の経理でそれだけ損になるんじゃないか、こういうことになるかもしれませんけれども、その分はまた利子補給としてもらう、こういう経理のしかたになっております。したがって、その分の運用の方法が悪くてもそれが家賃にすぐ響くということはない、こうお考え願いたいと思います。
#75
○鳥居委員 それは直接は響きませんよ。事務費のほうに響いてきて、それがそのまま家賃のほうにはね返る結果になるんじゃないか、そういう点も心配されるわけです。ですから、直接家賃には響かないにしても、そういう努力が必要じゃないかということなんですが、その点についてはどうですか。
#76
○中込参考人 お答えいたします。
 いま先生おっしゃいましたように、直接家賃には響きません。しかし、公団の経理上できるだけ節約して、国のほうからの補給金も少くしたほうがいいと、こういうことになると思いますので、その点は十分努力いたしたいと思っております。
#77
○鳥居委員 次に、一般及び特別分譲住宅の支払い上の問題でありますけれども、頭金を支払ったあとの残金の問題であります。割賦利息について、これは一般に分譲を受ける人に明らかにされておりませんけれども、実情はどうなっているか、利息は何分何厘か。
#78
○中込参考人 お答えいたします。
 割賦金の利息は七分八厘になっております。
#79
○鳥居委員 公団はそうおっしゃいますけれども、実際には引き当て金、事務費等がとられるわけです。ですから、その分も含めて計算しなければ事実上の何分何厘という金利は出てこないわけです。実質上何分何厘になっているか、お答え願いたい。
#80
○濱野委員長 いますぐわかりますか。−すぐわからぬようだから後ほど……。
#81
○鳥居委員 ではけっこうです。
 これは公団の資料によりますと、実質九分二厘だそうであります。九分二厘ということは、これは実際に各府県等にあります住宅供給公社等の分譲住宅、こちらのほうでは金利が五分五厘、公団の場合の分譲住宅と比べましてきわめて大きな開きがあるわけなんです。銀行ローン等でも九分から一割、こういうふうな実情にかんがみましてこの実情はあまりにもひどいんじゃないか、こう思いますけれども、この点の改善措置についてはどうですか。
#82
○林参考人 この住宅公団のたてまえが、借りた金をそこへ返す――原則として、借りた金を借りた金で住宅をつくって割賦金の中からそれを返す、こういうたてまえになっておりますので、銀行とかあるいは生命保険とか、そういうところから借りたお金の金利が相当高いときには、やはりそれに相当する金利というものを見まして収支のバランスをとっているというのが現状でございます。そこで御指摘のような公庫融資の分譲住宅などでは五分五厘ということになっております。この金利だけから比べますと、お話しのように公団のは高いじゃないか、こういうことになるのでありますが、やはりこれも先ほど申しましたように、公的施策住宅の中のいろいろな種類によりまして、こういう階層にはこういう種類、それからこういう人のためにはこういう種類と、住宅を求めるいろいろな各家の事情というものもまことに千差万別でありますので、いろいろな種類のものを、これは公庫から地方の公社を通じて出させる、これはどこからどういうふうにする、これは公団を通じてやると、こういうようなことで、それぞれのバランスとねらいを持ちながら、いろいろな種類のものを勤労者住宅のために供給するシステムをつくっておるというのが現状でございます。
 そこで、公団でもほかに特別分譲住宅でありますとかいろいろなものをやりまして、条件を変えているわけです。そこで一がいに金利だけでもって比較ができない、あるいは準備する頭金であるとか、準備する土地であるとか、あるいは何から何まで公団にやってもらって買うというのと、自分で走り回った上に足りないものを借りてくるというのと、そこいらにいろいろな違いがあって、それぞれの家庭の事情によってのやり方でどれを選ぶかということを国民の方が考えられましてやられているということでありまして、一がいに七分八厘と五分五厘というだけでは解決できない、それぞれの好みがあって、やはり相当な応募者があって、希望があってこれは売れておる状態でございます。
 先ほど申しましたように、公団としてはやはり少しでも低いものにして、そして安くていいものを供給するということをいたしたいと思って、引き下げてもらいたい気持ちを十分持っておりますが、そこいらは関係当局とよく相談をいたしまして、可能な限りの努力を今後も続けていきたいと思っております。
#83
○鳥居委員 総裁はこの金利が下げられるように努力したいというふうに受け取ってよろしいですね。――政務次官はどういうふうに考えられますか、この点につきまして。
#84
○田村政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、できるだけ上げ幅を少なくする、あるいはできるだけ低い家賃にするということにつきましては、全体的な問題がからんでおりますので、もちろん安い金利で何とか安い家賃にしたいということは当然のことであろうと思います。関係機関とも先ほど申し上げましたようによく相談をいたしまして、よく協議をいたしまして、この問題等もあわせて全体的な意味で考えていきたい、こういうふうに思っております。
#85
○鳥居委員 私は、改定をせずになるべく済ませられるような、改定の前に努力をしなければならない、そういう点について幾つかあげたわけでありますが、実際に団地に行ってみますと、いろいろな意見が出てまいります。実情をいろいろ調べてみますと、たとえば団地内の商店の問題あるいは団地の足の問題、あるいはどこでも求めている声でありますけれども、自転車置き場、物置きがほしい、こういう生活に即して、もう実際の生活の中から出てきているいわゆる悩みに通ずる問題でありますけれども、こうした問題が解決されない時点で、いずれにしても改定の問題が現在出てきているわけです、改定の具体的な内容については検討中だそうでありますけれども。で、こうした問題についてやはり前向きの姿勢の改善、これがはかられなければならないと思います。一つは、団地内の商店ですけれども、特に生鮮食料品を扱う店です。規模の中くらいの、中小規模の団地におきましては、現在公団の非常な保護を受けまして、独占事業みたいなぐあいでやっております。一例は、たとえば船橋市内の若松団地、魚屋さんのたぐいは十二時ちょっと前にお店を開きまして、午後四時になりますと、もう店をしまう、品数が非常に少ない、それから非常に高価な物しか売っていない、そういうような、商店の経営としてはきわめて競争行為のない、公団自体が競争制限行為をやっているような、そういうかっこうになっている公団が幾つもあります。こうした商店の経営に対して、私は、この解決として、一つは移動販売、これは衛生上云々ということでいままで断わっておりますけれども、移動販売が保健所のほうの許可をとり、営業の認可をとっている以上、公団内にあける営業ができるようにしていいんじゃないか、こう思いますけれども、この商店の具体的な制限をしている実情について、公団はどういうふうに考えておられますか。
#86
○宮地参考人 いま団地内の店舗の経営に対する公団の姿勢の御質問がございましたが、公団はこれらの店舗を募集いたしますときに、契約いたしますときに、良質のものを安価に売るように、これは契約書にも明記してございます。その趣旨に従いまして、おりに触れ、そういう独占的な形にならないように指導はいたしております。しかし一々内容にまで立ち入ることは、商品の質等の問題もございますから、公団の職員の知識で行き届かない点もあるかと思いますが、あるいは団地の居住者の方、あるいはわれわれの見た範囲において知り得たものについてはこのような指導をいたしておるところでございます。
 なお、いま具体的に若松町の例を出されましたが、いま私どもの申しましたような趣旨において、営業所等においてさような事実があったかどうかをチェックいたしましたところ、最近一年間ぐらいにおいて会合をもちまして三回ぐらいそういうような措置を講じております。特に魚屋につきましてのお話がございましたけれども、実は若松町の場合におきましても、他種の業種につきましては、一業種について十数倍の応募の店舗がありましたときに、魚屋につきましては一軒も応募者がなかった。第二次募集におきましてようやくきまったというような状況で、現在におきまして、団地の生活者の生活の内容の変化と申しますか、生鮮魚介に対する需要が減ってきた、あるいは他の団地等におきましては、いわゆる魚屋さんというのは公団の店舗においてつぶれていく、こういう事例があるために、場合によっては営業時間が短くなることもあろうかとわれわれも考えるのでございますが、こういうことも、あるいは極端になれば店舗を入れかえる、あるいは一般に、ただいま申しました趣旨において、できるだけそういうことのないように指導をはかりたいと存じております。
#87
○鳥居委員 実際になまの声として自転車置き場がほしい、あるいは団地の足の確保につきまして先般来当委員会でもいろいろ問題になってまいりました。こうした問題の解決に一そうの努力を払っていただきたいと思います。さらに、料金改定という名の値上げにつきましても、値上げをせずに済ませる努力を重ねて公団のほうに要望したいと思います。
 私の質問は以上で終わります。たいへん延びまして申しわけございませんでした。
#88
○濱野委員長 瀬長君。
#89
○瀬長委員 最初に、建設省の政務次官に御答弁をお願いしたいと思います。
 主として私は住宅及び道路の問題について質問いたしますが、概括的に最初に申し上げたいのは、沖繩は本土と違って、今次大戦の最後の戦場となって十数万の命を失って傷つけられた。それだけではなくて、住宅は約十万戸以上が焼かれ、破壊され、道路にいたしましてもほとんど使用不可能におちいってしまった。こういった意味でも沖繩の道路、住宅、さらに上下水道あるいは都市計画、いまだに区画整理事業も緒についたとはいえないような状態である。本土においては戦後いち早く戦災を受けた地域、都市、これを特別に復興するための戦災都市復興措置法なるものができて、特に長崎あるいは広島のごときはほとんど国の経費で復興されて、いまではこの措置法はなくなっておる状態であります。ところが、沖繩はまだまだそういった戦後処理すら行なわれていない。七二年返還の時点からは、あるいは全体的な沖繩を復興する特別措置法が制定されなければならないと思いますが、そのうちでも、戦災を受けていまだ復興していないところ、さらに市町村自治体、琉球政府、そういったような経費で何とか、復興したところの経費の負担の問題ももちろんありますが、そういった意味で、戦災都市あるいは地域、これを復興するための特別措置法といったようなものを制定して、具体的に沖繩県民のそういう戦災による復興問題について政府はどういうふうな対策を講じられるか、政務次官のほうで責任あるお答えをお願いします。
#90
○田村政府委員 お答えいたします。
 長い間本土への復帰を祈願されております沖繩県民の方々に対しまして、われわれも非常にすみやかな本土復帰をお願いするわけでございます。ただいまいろいろ総括的な御意見がございましたので、私のほうでお答えいたします。
 沖繩の復帰対策につきましては、各事業分野にわたりましておおむね現地の状況を把握いたしまして、調査も一応終了段階を迎えております。技術援助、職員の派遣、さらに琉球政府の事業に対します財政援助等によって公共施設の整備を促進しなければならぬ、このように考えております。
 なお、復帰後におきましては、政府として策定を予定しております総合開発計画に基づきまして、いまお話しのありましたような具体的な道路、治水、海岸、都市整備等、あるいは問題の多い住宅、これらの諸事業につきまして、沖繩の経済社会の実情、また公共施設整備の緊要性を十分勘案いたしまして、この沖繩県が復帰いたしましたあとの全国的な水準等も十二分に参考にいたしまして計画的に公共施設の整備をはかりまして、遺憾ないように善処していくべきだ、かように考えまして、鋭意計画を進めておる次第でございます。
#91
○高橋(国)政府委員 沖繩復帰後におきます沖繩の経済社会の発展のためには道路の整備がきわめて重要であるということにかんがみまして、軍道それから軍営繕政府道並びに一般の政府道のうち、基幹となるものにつきましては、原則といたしまして一般国道並びに県道とすることを目途にいま検討中でございます。なお、沖繩の道路法に規定します市町村道につきましては、そのまま市町村道に切りかえて、それらの道路について整備を促進したいというふうに考えておるわけでございます。
#92
○瀬長委員 私が政務次官にお聞きしたのは、戦災復興特別措置法といったような精神をどう生かしていくかという問題についてなんです。一般的な総合開発計画、これを具体化する特別措置法、この問題については、建設省だけではどうにもならぬ性格がありますが、特に戦災によってまだ回復していないところがたくさんあります。住宅にしても、道路にしても、護岸にしても、上下水道にしても、さらに都市計画、あるいは阻害されていていまだに緒につかない区画整理事業、そういったような問題も多分に戦災のつめあととして残っておる、こういった問題についてどうお考えか聞いておるわけです。
#93
○田村政府委員 お答えいたします。
 ただいまの答弁の中にも申し上げましたように、本土に復帰の後におきまして、そういった戦災のつめあととしていまなお整備されていない幾多の問題が、産業経済、あらゆる施設にあろうと思います。そういったものにつきまして、お話しのように、わが国がかつて受けました戦災復興に関しまする特別な都市計画がございましたが、そういった問題等をかね合わせまして、復帰後において全国水準に見劣りしないような、りっぱな早急な処理対策をどのようにするかということは、やはり総理府その他関係各省が打ち合わせをいたしまして遺憾のないような処置をすべきだ、このように考えております。
#94
○瀬長委員 次に、住宅問題について申し上げますが、沖繩の場合、これは一九六〇年の国勢調査の関係で本土との比較がはっきり載っておりますが、沖繩における住宅難世帯は五万三千六百九十六世帯、全世帯の二七・九%に及んでおりますが、これを本土と比較すると、本土の場合には一〇・一%、すなわち約三倍の住宅難がここに示されております。地域別に見ましても、これは都心部において、すなわち市部においては住宅難はもちろん郡部よりもより以上になっておりますが、沖繩においては、郡部でも相変わらず本土の三倍近くあるといったような状態であります。これを、たとえば住宅の規模別の面で考えましても、一人当たりの畳数が一九六五年、全沖繩で二・五八、本土は一九六八年で五・六と、ほとんど二分の一になっております。こういったような状態をどのようにして――本土並みという場合に類似県並みにすらいっていないだけではなくて、類似県並みにするためにも相当の経費が要る。国家資金でない限り、沖繩のこういった住宅問題を解決することはできないということをこの数字が物語っております。こういった点について、どういう対策を立てられておるのか。総理府で総括的にやる場合でも、こういった問題は、やはり建設省が意見を出して総括されるものだと思います。そういった意味で建設省の御意見を承りたいと考えます。
#95
○沢田説明員 ただいま申されましたような沖繩の住宅の困窮の実情、私のほうでもつかんでおります。特にその大部分を占めますのは狭小住宅と老朽の問題、これがいま先生おっしゃいますように、都市といわず郡部といわず非常に多い、かようなところが特徴かと思います。当然これの解決の問題は、復帰の時点におきまして本土と同じべースの考え方に立とうかと思います。そのときの考え方は、一定の水準、これを確保するために、自力でできますものは民間自力でやる、できないものにつきましては政府援助でやる、かようなことで私どもは計画を建設計画法によりまして立てております。
    〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
その結果、本土におきましては、大体公的施策住宅が四割というふうな程度でございますが、これはおそらくその後の復帰の時点での調査によりまして、その比率はだいぶ内地と様子は変わってこようかと思います。
 しかし目標は、そういう考え方によりまして、いかほど政府がこれに施策を集中するかということで計画の数字をはじきまして、それによって計画を立てていく、住宅建設計画法によります計画が立てられるか、あるいは特別の何がしかの計画が立てられるか、その辺の計画の立て方につきましては、ただいま公共施設その他の、ほかの長期計画の取り扱いとの関係もございますので、いまだ方法論はきまっておりませんが、とにかくさような考え方で万全を期して私どもは計画を立てたいと思っております。
#96
○瀬長委員 政府は、たとえば防衛庁、自衛隊をもっと強くするためには、七二年の四次防で五兆八千億円も使うというふうなことをすでに発表もし、閣議でもそういった方向でいきつつあるんだが、沖繩の住民の生活の問題、特に住宅の問題とか道路の問題についてはいまお話もありましたが、調査はもうほとんどやられておる。にもかかわらず、この調査に基づいてどのようにして、臨時にでも、復帰を待たずにやるかという対策はお持ちじゃないのですか。いわゆる復帰後でないとどうにもできぬと――復帰待たずとも、このような、他府県に比較するというよりは、これは常識では考えられぬような住宅事情である、こういったようなものを臨時にでも、どういうふうにする、国家経費でもってどうするということは、いまお考えないのですか。
#97
○田村政府委員 お答えいたします。
 復帰にあたりまして、そういう問題のすみやかな具体的なプランを示せというお気持ちは十分わかりますが、受け入れ体制といたしまして、たいへん重大な問題をかかえております。しかも、建設省のただ道路、住宅だけで解決する問題でもありませんので、最初にお答えを申し上げましたように、沖繩の復帰に伴います全体的なバランスある、皆さん方が安心して本土へ帰るという受け入れ体制をするには、各省庁の打ち合わせ、あるいはこれの具体的な予算措置、あるいは道路の問題、治水の問題あるいは学校施設、あらゆる公共施設その他をめぐりまして非常に重大な問題でございますので、ただいまのところ、私から道路については、住宅については臨時的にもこういうプランがあるというほどのお示しができないことはまことに残念でありますが、最初に申し上げましたように、本土に復帰されます皆さん方が安、心して日本に帰ってくることのできるような、親切な、あるいは全国バランスのとれました復帰対策というもの、あるいは受け入れ対策をつくらなければならぬと考えておりますので、いましばらく御猶予願いたいと思います。
#98
○瀬長委員 たとえば一九六八年度における沖繩での住宅計画、この資金として約百九十万ドル出されておりますが、その資金別の実績は、市町村負担、これが五七%、沖繩の琉球政府負担が一〇%で、日本政府負担はわずかに一九%にしかなっていない、米国政府負担一四%。この数字を見ましても、圧倒的に市町村、自治体の負担が重くて、琉球政府をはじめとする沖繩の自治体の財政の貧困化はそこにも一番よくあらわれております。
 この問題は、憲法がもちろん四分の一世紀以上沖繩に適用されない、憲法に規定しておる文化的生活にはるかに及ばないどころか、見放されてしまっている。そういった意味でも、現在までに戦災のために壊滅された住宅をほんとうに市町村自治体が血みどろになって負債をして、そしてこれまで住宅建設を何とかやってきた。最初は、御承知かもしれませんが、テントでした。それからカヤは壊滅して、焼かれてなくなっている。カヤが芽を出して初めてカヤを刈ってカヤぶき小屋をつくる。それがだんだん現在のようなところまでこぎつけておりますが、そういうふうな、日本政府がこれまで住宅問題に示された誠意というのは、ほとんど沖繩県民には感じられ得ない程度しか行なわれておらない。したがってこの問題は、総合計画の中でも衣食住の一番重要なものの一つとしての住宅の問題は、これはぜひ念頭に置かれてだけではなくて、私はこれでお聞きしたいのは、こういったような市町村自治体を含め、琉球政府の自己負担によって負債をしてこの住宅計画の資金を出すといったような問題、現にあります。皆さん御承知だと思います。これを復帰の時点では肩がわりされるかどうか、ここら辺はどうですか。
#99
○沢田説明員 おっしゃるとおり、ただいままで沖繩援助の一環といたしまして、その予算の中に公営住宅費の援助費が含まれております。これは総理府のほうで組んでおるわけでございますが、それが必ずしも十分でなかったというふうなお話だと思いますが、復帰に際しましては、今後、私が先ほど申しましたように考え方が違いまして、おそらく住宅政策全般の中の考え方、私どもが考えております考え方の中に入りまして、私どもがいまとっております水準をいかに早く沖繩が回復をするか、これにはどういう手段が要るか、かようなかっこうで計画が組まれることになろうかと思います。したがいまして、具体的な方法は、私どもはいま公営住宅法、住宅改良あるいは公団、公庫、各種持っておりますが、こういうものの総力をあげまして水準の回復ということに全力をあげる、かような計画の内容になろうかと思います。
#100
○瀬長委員 住宅問題についてもう一点。いま住宅建設の五カ年計画なるもので四十万戸つくる、この計画の中に、沖繩が復帰した時点にはどういうふうな関連をもつか、いまから十分その配慮に基づいて、沖繩における住宅の建設計画はこういうふうに組み込むのだといったような案はございますか。
#101
○沢田説明員 ただいま検討中の問題でございまして、それは私ども住宅建設計画法に基づきまして全国の五カ年の建設計画を組んでおるわけでございますが、この中にはただいま入ってございません。ただこれを、復帰に際しまして、それの変更ということでやるか、あるいは特にそのほかの必要な措置が追加されなければいけないということで特別な扱いをするか、この点は先ほど私が申し上げましたように、ほかにも各種の長期計画がございまして、さようなものとの扱いの調整といいますか、そういうことによりまして、総理府のほうと御相談をしながら今後きめていきたい。ただいまその計画は検討中でございますが、いまだかたまってはございません。
#102
○瀬長委員 次に道路問題に移りますが、この沖繩における道路問題は他府県では見られぬような実態です。もちろん調査官がいつも行かれておるのでおわかりと思いますが、沖繩の道路は、大別して軍用道路、それから琉球政府の政府道、それから市町村道。この道路の問題ですが、舗装されておるのは軍用道路、一〇〇%もちろん舗装されております。琉球政府道はわずかに二三・三%にすぎない。さらに市町村道に至っては六・六%にしかすぎない。こういったようなことから見ましても、沖繩における道路問題がどんなに重要であるか、しかも四分の一世紀以上アメリカの占領支配下にありましたために、道路問題は住宅問題と同じようにより以上軍事優先――住民の利益は軽視されて軍事優先という形になり、この軍用道路の問題を解決しない限り沖繩の道路問題は解決しないといってもあえて過言ではないというほど、軍用道路の問題は、沖繩の道路の延長に占める率からいいましても、さらにまた本土に渡る場合、本土から沖繩に渡る場合パスポートを持たなくちゃいかぬわけでございますが、沖繩県内において道路を自由に歩けないという実情がある。これは軍用道路、これは去年起きた問題でありまするが、軍用道路で全軍労の活動家がビラを配布した、この道路は基地内だという名目で逮捕するということまで起こっておるし、さらに琉球警察が、これは那覇の警察でありますが、軍用道路において交通が激しいので信号灯を設置しようとしたら、待てといわれる。歩道橋もそのとおりである。一切軍用道路はアメリカの占有となっていて、沖繩県民は歩くにもほんとうに小さくなって歩かなければいけないような状態である。この軍用道路については復帰後どういうようになるか。沖繩の県民が自由に使え、歩けるか、車もアメリカの車を先に通して、そして沖繩の車はあとにしか通さない、あるいはまた遮断される場合もある、こういった状態が現在の沖繩の道路状態の一番焦点になっておるのであります。ですから、この問題は外務省あるいは防衛庁とも関係するわけでありますが、復帰後は当然建設省の所管になってくる。この問題について、住民の立場に立ち、住民本位の道路行政を行なうという場合に、現在の建設省ではどのようにこの点についてお考えか、これを承りたいと思います。
#103
○田村政府委員 基本的な問題についてお答えいたします。
 復帰後におきます沖繩の経済社会発展のために、いまいろいろお述べになりましたが、道路の整備はまことに重要な問題であります。
 そこで、お話しにありました軍道、軍営繕の政府道、さらに一般の政府道のうち基幹となりますものにつきましては、原則として、建設省が本土復帰の暁には一般国道及び県道とすることを目途に検討中でございます。なお、沖繩の道路法に規定されております町村道につきましてはそのまま市町村道に切りかえまして、それぞれの全国レベルの調和の中で整備を行なっていきたい、こういう基本的な方針でいま検討を進めております。
#104
○瀬長委員 戦前沖繩には約七万三千メートルの国道七号線があったわけでありますが、今次大戦でこれは壊滅した。そしてこの旧国道は現在琉球政府道、軍用道路に編入されてしまって、その管理、補修などが地元の財政負担でやられているというところがある。国道であったのですが、それが、アメリカにとられて、しかもアメリカが優先してこの道を使って、維持管理費は琉球政府あるいはその当該市町村で負担しておるということでありますが、これは事実そのとおりやっておるわけなんですね。政府は責任をもって、この国道の維持管理に要した費用は当然政府負担にしなければならぬと思うわけなんですが、こういった点、どうでしょう。
#105
○高橋(国)政府委員 ただいま政務次官から御答弁ありましたように、軍道と軍営繕政府道と、それからさらに一般の政府道というのがございますが、これは日本の内地の道路に比べますと、確かに国道ないしは都道府県道に相当するものかと思われます。特に、軍道につきましては国道の性格が非常に強うございますので、これについては目下検討を加えておりますが、復帰しました場合には、国道としての認定基準に合うかどうかを検討いたしまして、国道にすることを原則としたいというふうに考えております。ただ、若干認定基準に合わないものにつきましても、たとえば北海道におきます開発道路という制度がございまして、国が高率の負担をいたしまして道路の整備を行なう方法がございますので、そういうものをあわせ検討いたしまして、少なくとも軍道並びに軍営繕政府道につきましては、国が非常に高負担をいたしまして整備するような方向で検討いたしたいというふうに現在考えておるわけでございます。
#106
○瀬長委員 この軍道路の問題は、復帰後は国道として国の維持管理に移りますか。さらに、移るように建設省ではいま折衝を始めておるのか、ここら辺はどんなもんですか。
#107
○高橋(国)政府委員 軍道につきましては、いま申し上げましたように、原則として国道に認定したいというふうに考えておりますが、国道の認定基準というのがございまして、必ずしも全部がなるとは考えておりません。したがいまして、国道にならないものも出るかと思いますが、それにつきましては、いま申し上げましたように、別途の方策、つまり北海道におきます開発道路的な性格にいたしまして、国が高い負担によって整備を進めるというふうな方法を考えておるわけでございます。
#108
○瀬長委員 たとえば、これは調査官行かれておわかりでしょうが、第一号線、軍用道路、これは那覇軍港から嘉手納基地を通って、ずっと国頭の北まで行っておりますが、こういった一号線は当然国道に編入されると思うのですが、これはどんなものですか。
#109
○高橋(国)政府委員 ただいまの具体的なものにつきまして、ただいま手元に図面がございませんので、はっきりしたお答えができないのが残念でございますが、国道の認定基準がございまして、それに該当する道路であれば国道に認定したいというふうに考えております。
#110
○瀬長委員 次に道路、特に軍用道路をつくるために軍からとられたつぶれ地とか、あるいは市町村有地も個人有地も含んでおる。この場合に、こういったような元の所有者に対する補償については、建設省のほうではどういうようにお考えになっておるか。
#111
○高橋(国)政府委員 沖繩が復帰した後におきまして詳細な調査をいたしまして、ただいまおっしゃったように、軍道の道路敷が、たとえば個人の所有のままになっておる場合がございますれば、正当な補償をいたすつもりでございます。
#112
○瀬長委員 次に、護岸、沿岸の問題でありますが、これも戦災で壊滅しただけではなくて、台風――御承知のように、沖繩は台風銀座といわれている。台風があるごとに壊滅しておる。こういったような護岸、さらに港湾などについての調査は十分なされておるのかどうか。調査がなされておるとすれば、国土保全の問題からいいましても、これを総合的に政府のほうで政府資金で復旧し、さらに、より一そう護岸を国土保全のために建設しなくちゃいかぬという問題がありますが、こういった点についても調査されておると思いますが、どうですか。
#113
○粟屋説明員 お答えいたします。
 沖繩の河川あるいは海岸の問題につきましては、琉球政府とも十分連携をとりまして、その実態について現在調査資料を得ておる次第でございます。特に河川につきましては、準用河川として二十三河川程度指定されておりますけれども、実際に一定の計画のもとに整備が進められておりますのは一河川でございます。海岸につきましても、台風その他でいろいろ被害がございますけれども、そういう一定の計画というものがいまだ確立していないのではないかと思う次第でございます。復帰後におきましては、その実態調査の結果を踏まえ、また琉球政府の御意見を承りながら、本土の各種五カ年計画とも調整をはかりつつ、計画的な整備を強力に進めていく考えでございます。
#114
○瀬長委員 時間がありませんので、一つ要望しておきたいことがあります。
 いま申し上げました住宅問題、さらに道路の問題、護岸、河川、そういったことについて建設省で特に力を入れて、戦災復興をはじめとして、七十二年返還と同時に着手するという方向で調査されておると思いますが、調査された結果をぜひ早目に資料を提出していただきたい。この調査の結果、どういう方針で沖繩の住宅問題、道路の問題を、軍事優先ではなくて県民本位にやっていくんだという方針まで添えて資料の提出をお願いいたします。質問を終わります。
     ――――◇―――――
#115
○高橋(清)委員長代理 次に、歳入歳出の実況に関する件について調査を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。浅井美幸君。
#116
○浅井委員 前回の委員会におきまして、木曽ヒノキをめぐる黒い入札といわれております、その質問をいたしまし元。その調査結果をこの委員会に報告するようになっておりますが、まず私は、文書で先ほどいただきましたこれについて、概略長官からこの監察の結果報告を求めたいと思います。
#117
○松本(守)政府委員 調査結果の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一点、上松運輸営林署の一般競争入札における御指摘の件につきまして、六件の指摘のうちに、一件だけが明らかに錯誤であったという調査の結果を得ておりまして、他の五件につきましては計算違いということで無効にいたしておりますが、そういうものがございました。
 それから第二点でございますが、上松運輸営林署における昭和四十五年度の同じような件数が何件あったかという調査をいたしました。これは営林署にあります証拠書類を調べまして、二番札が一番札に訂正をされておったというものを調べ上げたわけであります。それが二十七件ございました。その内訳は報告書に書いてございますとおりでございます。
 それから第三点が、訂正札が発生した経緯につきましてでございますが、この営林署におきましては、毎月一度連合公売というものをやっております。それは、木曽谷に十営林署がございますが、その十営林署に、それぞれ貯木場にある公売物件を上松運輸営林署の入札場で同時に入札をする制度が連合公売といっておりますが、この連合公売には、一回約数十件の物件が出品をされるわけであります。参加人員も百人から二百人、大ぜい集まります。しかも短時間で行なわれるので、応札者におきまして、営林署の間違い、それから物件の間違い、けた違い、計算違いなど、いろいろ起こりやすい実情にございます。また、同署の販売材は木曽ヒノキといいまして、非常に価格の高いものが主体でございます。この一件の販売価格の平均が約三百万円でございますが、高いものになりますと一千万円をこえるものもあるわけでございます。零細な木材業者にとりましては、少しの間違いをすることによってその営業に大きな打撃を受けるということ、そういうことから、当地方では業界に自然に醸成をされた雰囲気が影響をされたのではないかというふうに考えられます。
 また、営林署側でも、このような事情から、飛び札の場合には、入札金額の間違いがないかどうかを確かめるということで、間違いの場合にはそれを無効にしておったということであります。
 それから第四点でございますが、取りやめた業者が、二番札で一番札に上がった、落札をした業者からその物件を引き取っておるという御指摘でございますが、これは調査の結果、確かにそのような事実はございます。これは営林署が全く知らない間の業者間の取引ということでございます。
 それから第五点が、業者とか営林署職員の間に不正があったのではないかということでございます。談合、なれ合いというものがあったかどうかという点でございますが、以上申し上げましたような入札場の状況からして、常識的にはもうそういうなれ合い、談合はあり得ないというのがいままでの一般常識でございます。今回の調査でもそういうなれ合い、不正というものは出ておりません。
 そこで、林野庁のとりました今回の事例についての措置は、二月五日に営林局長会議を開催いたしまして、厳重に注意をいたしました。また、二月十五日長官通達を出しまして、公入札における心がまえ、やり方、注意事項、そういうものを示違いたしております。なお、上松運輸営林署の署長及び経理課長については、営林局付といたしました。
 それから、これは問題が違いますが、ケヤキの販売について不正があったんではないかということでございます。これは調査の結果では、適正な価格を査定をいたしまして、その価格にさらに上積みをして随意契約をしておる、その物件が随意契約をされた工場に至るまでの追跡調査もいたしましたが、随意契約どおり造船用材としてその工場に入っておりまして、銘木が出るような品物ではなかったということであります。
 以上でございます。
#118
○浅井委員 いま報告を受けましたが、今回の問題で調査に当たったのはどなたですか。その監査官の氏名及び監査を行なった日を明確にお答え願いたい。
#119
○福田説明員 お答えいたします。
 調査をいたしましたのは二月二日から二月四日までの間でございます。調査に当たりました監査官の氏名は、清水監査官、それから小川監査課課長補佐、橘監査官、近沢課長補佐、緒方係長、以上五人でございます。
#120
○浅井委員 どのようなことを対象にして、どのような範囲まで処理等における調査をしましたか。あるいはまた、何年度から何年度までどのような範囲において調査を行なわれましたか。
#121
○福田説明員 お答えいたします。
 前回の委員会におきまして御指摘のございました六件を対象にして、主として五名の監査官職員で調査したのでございます。なお、あわせまして、ほかのほうにこういう事情はないかという御指摘もございましたので、四十五年度につきましては、木曽谷の十署について一応監査をしたわけでございます。なお、年度をさかのぼりまして、過去五カ年の間の実態を聞き取り調査をした次第でございます。
#122
○浅井委員 四十二年度、四十三年度、四十四年度、そして四十五年度の月別にこういう訂正があったという調査をなさっておられるはずですが、それについて発表していただけますか。上松運輸営林署でけっこうです。
#123
○松本(守)政府委員 月別の調査の結果は聞いておりませんが、四十一年度から調査いたしております。それは、上松運輸営林署で訂正札があった件数でございますが、六件。以下四十二、三、四、五年と申し上げますが、十四件、十九件、二十一件、二十七件でございます。
#124
○浅井委員 ほかの十署については、四十五年度はどのくらいありましたか。上松運輸営林署を除いてあとの九ですか。
#125
○松本(守)政府委員 王滝営林署に六件ございました。それから野尻営林署に一件ございました。そのほかの営林署には、監査の結果では調査されておりません。――調査されておりませんという
 か、ございません。
#126
○浅井委員 私の調べによれば、上運署の訂正の四十五年の一月から十二月までは全部で三十六件一になっております。一月が入札件数が四十五件、訂正が二件、二月が三十九件の入札に対して五件
 の訂正、三月が三十八件で二件の訂正、四月が二十七件の入札に対して一件の訂正、五月が七十五件の入札に対してゼロ、六月が五十四件の入札に対して五件、七月が七十件の入札に対して七件、八月が六十二件の入札に対して一件、九月が六十二件で三件の訂正、十月が六十三件の入札で四件、十一月が七十件の入札に対して六件の訂正、十二月が六十三件でゼロ、合計三十六件ということになっておりますが、この数字は間違いございませんか。
#127
○松本(守)政府委員 いま申し上げましたのは四十五年度、四月からでございまして、四十五年の一月からの調査もございます。業務部長から答弁させていただきます。
#128
○福田説明員 四十五年度につきましては二十七件でございますけれども、四十五暦年で申しますと、一月、二月、三月を入れますと、さらに御指摘のように三十六件になるわけでございます。
#129
○浅井委員 これが四十四年度には二十一件にふえ、四十五年度にも二十七件と、だんだんふえてきておる。ほかの営林署ではないのにこういうふうに訂正札がふえてきているということは、これは不正な入札が行なわれている。周囲の情勢がそのような環境にあったということを先ほどお答えいただきましたけれども、私はこの監査の結果が一体何を監察してきたのかよくわからない。先ほどから聞いておって、一番にしろ二番にしろ三番にしろ、これは答弁になっていない。監察した結果になっていない。私は逐次この問題について申し述べていきますけれども、この監査官は一体何を監査に行かれたのか私ははなはだ疑問なんです。現地で、私が調査に行ったときに監査官と会った。いろいろと話を聞いてみると、林野行政の中の、いわゆる営林署側の言い分をそのままうのみにして言っておる。第三者的な考え方でもって監査しなければならない、厳正な立場でなければならない。それが営林署の言い分をそのまま伝えておるかのごとき印象を受ける監査というのは、私ははなはだ心外であります。長官は監査をした、監察をしたと言っておりますけれども、監察をしたことにはなっていない。本庁から行ってつじつまを合わせてきたとしかとれませんよ。
 たとえば、握りつぶされた一番札の落札は、その判こは一体だれが押したのか、また、落札の判もある入札書をなぜ無効にしたのか、そういうことがこの監察結果の報告の中には一つも出ていない。その点はどうですか、長官。
#130
○松本(守)政府委員 監査のやり方でございますが、内部監査のやり方はつとめて第三者的なやり方でやるべきであろうと思います。ただ、今回の場合には、急いだということと、それから本件に関するその取り消された一番札が残っておりません。残っておるのは二番札以下しか残っておらないわけです。それで、結局監査する方法は、業者に個別に当たるか、営林署の関係者に聞き取りで当たるか、それも記憶をたどって当たる以外に方法がなかったというので、十分でない点は確かにございます。
 以上でございます。
#131
○浅井委員 いまあなたは十分でなかったとおっしゃった。前回私が指摘したときに、あなたは監査の結果を待ってとおっしゃった。そして決算委員会で取り上げられた問題を十分な監査をしないということはどういうわけなんですか。あなた、決算委員会を冒涜しておるのですか。なめておるのですか。長官自身が直接乗り込んでやってもいい仕事じゃないか。何人かの部下を、四人ぐらいの者を短時日やって、これで十分な監察をしてきた結果だと、あなたは胸を張ってここで答弁できるのですか、どうなんですか。
#132
○松本(守)政府委員 いま申し上げましたように、証拠書類が残っておらないという点で十分監査ができなかったということでございまして、できるだけの監査はやってきたつもりでございます。
#133
○浅井委員 では、私が一つ一つ申し上げます。
 「明らかに応札者の錯誤に基づくものであることが判明した」と、一番であなたの報告が出ておりますけれども、その「錯誤」というのは一体どういうことですか。
#134
○松本(守)政府委員 それは四十三号に入札したものでございますが、それが明らかに錯誤であったという判定は、その隣の四十四号の物件についていろいろ入札のための計算をやっておる。四十三号と四十四号、物件内容が違いますので、したがって、積算をいたしますと、その積算の過程で物件が違っておったということが証明されることになります。
#135
○浅井委員 じゃ、「応札者の計算違いによるものを無効の入札として処理した」というこの場合は、錯誤でありませんか。どういうことで計算違いによるところの一番札を無効にして扱ったのですか。その根拠は。
#136
○松本(守)政府委員 いま申し上げました一件につきましては、そういうことで物件違いということが判明いたしましたが、他の五件につきましては、若干営林署長は計算違いということを認めまして、取り消し無効にいたしておりますが、監査の結果ではその認定が若干厳密さを欠いて、十分でなかったという点を認めざるを得ないわけでありまして、はなはだ遺憾であると思います。
#137
○浅井委員 この訂正札の件数ですけれども、署違い、けた違い、はい違い、計算違い、これらはいまあなたの言うように、署長が判断として若干甘かったということでこれが出たんですか。それとも、署長は何らかの根拠によってその一番札を落としたのですか。昭和四十五年の一月から十二月までは全部で三十六件ですよ。どういう根拠で落としたか聞いているのです。公開入札でしょうが。公開入札の原則にのっとるならば「営林署長は、入札者が連合し、又は連合するおそれがありその他入札を公正に行うことができない事情があると認めるときは、その入札を取り消すことができる。」入札の取り消しは国有林野の産物売払規程の第十八条です。この例の中にこういうことがあったのですか。
#138
○松本(守)政府委員 四十五年の四月からでございますが、二十七件ございまして、その中で署違い、それからはい違い――これは丸太が山積みされて入札出品の件ごとに積まれておりますが、それをはいといっておりますが、はい違い、それから計算のけた違いというのがそれぞれ二件、四件、七件ございました。それ以外は計算違いということで、営林署長が無効ということを認めた経緯になっておりますが、いずれもが証拠書類が残っておりませんのがきわめて遺憾でございますが、記憶をたどりまして関係者の話を聞きだした結果は、そうであったということでございます。
#139
○浅井委員 私がこの間指摘した六件についてはどうなんですか。これは計算違いなんですか、はい違いなんですか。この五件も、いまあなたは計算違いとおっしゃった。計算違いという明らかな根拠はなくて無効にした理由は何か、あるいはまた、あなたがいま四十五年度は二十七件とおっしゃるならば、四十四年度の二十一件については、その一件、一件はどういう理由ですか。
#140
○福田説明員 御指摘のありました六件については、特に監査の際に、買い受け業者あるいは職員を通じまして、十分重点を置きまして聞き取り調査をしたわけでございます。その結果は、先ほどから申し上げておりますように、書類はございませんけれども、署長の記憶をたどりながら十分念査しましたところ、十九号物件につきましては計算違い、それから三十五号物件につきましてはこれも計算違い、四十三号物件につきましてははい違い、丸太の物件違い、それから四十七号、四十八号、四十九号とも、これは計算違いと申しておるわけでございます。そこで、このはい違いというのは明らかに物件の違いでございますけれども、この計算違いの中には、その内容は記憶をたどってのことでございますので明らかなことは申し上げられませんけれども、相当の開きがあったということで、これを間違いと認定したものでございます。
#141
○浅井委員 相当の開きの問題はあとで言いますけれども、いま私が聞いたのは、四十四年の二十一件についてはそれぞれ理由があるはずです。この署長が就任してきたのは四十四年でしょう。四十四年の何月からですか。
#142
○福田説明員 四十四年の四月からでございます。
#143
○浅井委員 そうすると、二十一と二十七を合わせて四十八件、この四十八件それぞれ厳密な調査をいたしましたか。署長の言い分、記憶をたどっていっただけじゃないですか。これが監査結果ですか。監査というのは、一応この問題に対しては署長が焦点で、被疑者みたいなものだ。その被疑者からの言い分だけを一方的にあなたが言っているだけじゃないですか。何らこれは証拠にならぬじゃないですか。これが証拠になりますか。
#144
○福田説明員 たびたび御指摘いただいて恐縮でございますけれども、一番札がはずれております関係上、証拠物件はございません。したがいまして、監査の際には記憶をたどる以外には方法はなかったのでございます。五人の職員によりまして十分時間をかけて聞き取りをしたのでございますが、その点は誠意をもって調査したつもりでございます。
#145
○浅井委員 誠意をもって調査したというのですが、署長は一人だ。五人で聞いたって、署長は一人で記憶をたどって答えたという。こんなものをあなた方がここに出してくるというのはおこがましい話ですよ。
 たとえば、入札第十九号の田中卓見の二百八十四万と二百六十六万の差、これがあなた方は計算違いだ、大きな金額になっているという証拠になるのですか。あるいはまた、四十九号は五百八十八万九千円の久保田長寿が一番札で、落札されたとする原守夫が五百四十六万円、この差がそんなに開いておった計算違いの数字ですか。
#146
○福田説明員 金額がどれくらいからこれを間違いというふうに認定するということは、なかなかむずかしい問題でございます。実際には、その現地におきます物件、その中に、たとえば元玉が混入しておるかどうかということは、そのはいの価値が非常に違うという意味もございます。あるいは、その際の市況の状態はどうであったかという点もございます。あるいはその他、応札者が相当数が多かったとか、あるいはその物件を購買する前に四、五、六と材が出てなかったとか、いろんな情勢がございます。そういう情勢を総合判断いたしまして、これくらいの開きというものが、はたして計算違いであるかどうかということをケース・バイ・ケースで判定せざるを得ないのでございます。
 そういうことで、記憶をたどってと申しましても、先生の御指摘のようになかなか正確にはまいりませんが、その点は十分念査し、署長一人ではなくて、署員を含めて関係者一同を調査の対象にしたものでございます。
#147
○浅井委員 何を言っているのかさっぱりわからぬのですが、私の聞いていることに答えてもらいたいのですよ。
 いろんな状況がいわゆる過熱をしておった、材木の入札をする業者の人たちの材木をほしいという希望が強かった、あるいは、百人おったから入札の計算を間違えた、あるいは木曽のヒノキの要求が強かったためにそういういろんなことがあったとか、そういうものが一々公開入札のときの一番札を錯誤として認める、あるいは計算違いとして認めるところの理由になるのかと私は聞いているのですよ。署長が一番札を握りつぶす判断というのは、一体何を根拠にしているのだということなんですよ。計算の幅ではないという、では一体何なんですか。入札の注意書には、そういうことについて注意書きがあり、入札の関係業者に対しても徹底しているじゃないですか。「投函した入札書の引換え、変更または取消はできない。」ということもここにちゃんと明記されておるじゃないですか。変更や取り消しができないものをなぜ取り消したのかと私は聞いておるのです。その署長の判断となったものは何なのか。若干甘かったというが、若干というのはどのくらいなんですか。あなたはそれには一つも答えをしておらぬじゃないですか。長官、どうですか。
#148
○松本(守)政府委員 いま業務部長からお話がありましたが、いままで丸太販売の公入札につきましての林野庁を含めての指導が確かに十分でなかった点は、率直に認めざるを得ないと思います。そういった判断基準にいたしましても、無効にする場合の手続、書類の扱い方というようなものについての指導が十分でなかった点はございます。それと同時に、公開入札というものには問題がないんだ、そういう不正が起こり得ないんだといったような一般の考え方も確かにありまして、今後そういうことの疑惑を招かないように先般通達を出したわけであります。
 いまの、一番札、二番札、確かにその値開きが六%も七%も、多いものは二四%もございます。一体、無効にするその基準はと言われましても、これはなかなか一がいには言えないわけであります。ただ言えますことは、取り消された飛び札と二番札の開きと、それから二番、三番、四番の開きを見ますと、取り消された札と二番札の開きが非常に大きい。これは数%から二割以上と申し上げましたが、一応そういう飛び札という感覚で営林署長は処理したのではないかと思うわけでありますが、その認定が十分でなかった、慎重さを欠いたという点も認めざるを得ないと思います。
#149
○浅井委員 私は、あまり深く言いたくありませんけれども、若干認めざるを得ない、それから、そういう基準が林野庁になかったということですが、いわゆる林野行政の指導が非常に甘い、こういうことの結果起こる必然的な要素というものがある。この間あなたは必然的にそういうものはないと言った。疑いではないですよ、これは。明らかにこういう事実があるじゃないですか。
 さらに、あなたがそこまでおっしゃるならば、営林署の側から、あまり高額の入札額なので間違えたのではないかと問い合わせがあり、自分の間違いに気づいたと業者は言っている。そういうことを一々営林署はおやりになるのですか、全国的に。どうなんですか。
#150
○福田説明員 お答えいたします。
 木曽谷におきましては、連合公売という形で、木曽谷以外、名古屋あるいは東京、各方面から多数の木材業者を入れまして競争しているわけでございます。そこで、こういう情勢の中で連合公売いたしますと、やはりいろいろと間違いを出します要素は、ほかの署に比べますと、あると考える次第でございます。
 今回の調査におきましては、上松運輸営林署を中心として木曽谷特有の現象でございまして、全国的にチェックしておりますが、ただいまの調査の段階では、ほかの局関係にはこういう現象は見られないものでございます。
#151
○浅井委員 では、田中卓見、勝野金政、宮原道・晴、久保田長寿、佐川好一、これはあなたの言うように東京の業者であり、大阪の業者ですか。地元の業者じゃないですか。どうなんですか。
#152
○福田説明員 御指摘のございました六件は、地元の業者が大部分でございます。ただ二番札に入っております者の中には、長野県以外の、名古屋その他の者も入っております。
#153
○浅井委員 いま私は落ちた者の話をしているのです。二番や三番の話をしているのではない。地元の業者が間違うのかと聞いているのですよ。いまあなたの説明は、他府県から来て、なれないから間違う、あるいは場内の雰囲気がいろいろと緊張しておったから計算を間違えたんだというような理由を言っているじゃないですか。そんなことは理由になるかと私は言っているのですよ。どうなんですか。
#154
○福田説明員 御指摘の六件の中には、一番札で中津川の者もあります。ほかの五件は木曽谷の業者でございます。
#155
○浅井委員 では、四十五年度の二十七件はどこの業者だったのですか。また四十四年度の二十一件、これは他府県の業者が圧倒的ですよ。
#156
○福田説明員 先般の監査の際には、御指摘の木曽谷の調査でございますので、ほかの件については全部、聞き取り調査はしましたが、どの業者であるというところまでは、実は調査してございません。
#157
○浅井委員 だからそういうことを言うんではないと言うのです。あなた方のきょうの答弁は全部つくろいじゃないですか。つくろいの答弁をしようとするから無理な答えになってくるのです。あなた方は事実というものをあえて曲げようとしておる、つくろおうとしておる。だからそういう答えになるのですよ。基準がなくて錯誤しておった、それで若干甘い点があった一そんなばかなことがありますか。短時間に入札を行なったと、三番目にあなた方はおっしゃっている。参加人員が百人も二百人もおるのに短時間入札――入札の時間というのは一時間半以上もあるのです。ここから一キロも先、二キロも先まで歩いていくんではないのです。目の前に入札の箱があるんじゃないですか。業者は全部の物件をやるわけじゃない、自分のほしい物件だけに入札をするんじゃないですか。なぜこの木曽の上松運輸営林署だけが圧倒的にこういう間違いがあるのですか。ほかの営林署ではほとんど間違いがないじゃないですか。木曽の十署の中のほかの九カ所の中で、王滝が六件、野尻が一件じゃないですか。あとはゼロじゃないですか。ほかの営林署では間違いが起こらない、なぜここだけこういうふうに特異に起こるのですか。その説明があなたは一つもできてないのです。入れる者は一人一人別ですよ。連合公売だから、人数が多いから、地方の業者がおったから間違ったと言うけれども、公売というものは、業者は真剣勝負です。一発勝負なんです。そんなことは間違えるわけはないのです。どうなんですか。
#158
○福田説明員 実は、御指摘を受けましてから、先ほど長官が御答弁いたしましたように、十五日付をもちまして厳重な通達を出したのでございます。今後は絶対こういう間違いを出さないようにということを私たちは考えまして、長野局には特にその点を厳重に申したのでございますが、これはあるいは弁解がましく先生おとりになるかもしれませんけれども、十六日の火曜日に連合公売を上松運輸営林署において実施したのでございます。そこで、従来以上に特に厳重に公売を実施する、間違いというものは認めないということをとくと説明いたしまして実施した結果、実はまた一件一と二――百万と二百万を取り違えた間違いが出たのでございます。しかし、十五日にこれを特に厳重に通達したのでございますので、これは認めずに契約を放棄しましたので、違約金として百分の五を徴収した事実がございます。間違いは十六日は一件だけでございました。絶対に間違いは出ないということは、これはなかなかむずかしい問題じゃないかと思っていますが、今後はそれを認めるという形でなしに、厳正にこれを実施してまいるように指導していきたい、かように考えておる次第であります。
#159
○浅井委員 ぼくは率直に言ってもらいたいのです。錯誤については、あなた方は、民法九十五条を適用したというふうに署長さんたちは言っておった、これは拡大解釈に過ぎると思うとあなた方はおっしゃった。法の乱用じゃないか。民法九十五条の錯誤は、「意思表示ハ法律行為ノ要素ニ錯誤アリタルトキハ無効トス但表意者ニ重大ナル過失アリタルトキハ表意者自ラ其無効ヲ主張スルコトヲ得ズ」、この民法九十五条の解釈論にしたって、一番入札の場合は、計算書を示して入札した事実があれば、入札を受けたあとで錯誤が認められるという考え方もありますが、今回の場合は計算書を示してはいない。ですから、動機の錯誤というものは認められないでしょう。示されたのは入札者の金額だけであって、錯誤と判定する根拠には全然ならぬですよ。また、表示上の錯誤、たとえば一万円と書くべきところを十万円と書いてしまった、内心は一万円、書くときは十万円というような場合であり、今回のように計算違いというのはこれに当たらぬのです。けた違いの場合ならば、これはまた別の話です。計算違いが錯誤になったというような考え方、それはあなた方、営林署へそういうふうに指導をしておられるのか、あるいはまた、局全体がそういうふうな考え方をしておるのか。こういう初歩的な公開入札の原則、あるいは民法九十五条の援用はこういうようにやるものだということを、あなた方は知っておってやっておるのですか。
#160
○松本(守)政府委員 民法九十五条の錯誤につきまして、いま先生のお話の点で、営林署に対する営林局、営林局に対する林野庁、この指導には十分でなかったという点、率直に申し上げなければいけないと思います。
#161
○浅井委員 だから営林署の署長から、間違ってませんかなんというような注意が出てくるのです。そんなでたらめなことをやっておるのです。あなた方のそういう公開入札に対する無効札に扱う基準というものが明確に指導していない。長野営林局自体だってこれはよくないですよ。何のための局であり、監督であり、指導なんですか。
 それから、いまそういうものがないとおっしゃって、いろいろな話がありますけれども、木曽の大手業者の話では、この無効扱いをできるだけ簡単に認めてもらい、少しでも安くヒノキの国有林材の払い下げを受けているのが木曽の慣例だ。木曽谷の各営林署にこの制度をある程度とってもらっているので、二番札が地元業者とわかれば、一番札がおりて、あとで落札者から原木を譲ってもらう、その際業者間の礼があるようで、いかに安く買うかと業者は努力を続けており、業者間の原木売買は多量にある。業者と業者同士の原木売買は、先ほどあなた方おっしゃったように、商業行為である、一たん払い下げてしまったものはどこへ行こうとそれはかってだ――それは確かにそのとおりでしょう。しかしながら、明らかに一番札に入札した者がそれを握りつぶされた業者が、二番札に話をつけて安くもらっておるなんて、こういう不正な事実は、これは適当と認められるものか。それは業者間のコマーシャルベースだといって済ましておられるのか。他県ではこの無効扱いはきびしく規制しているといわれるが、木曽谷ではゆるい扱いを慣例としており、業者間ではこれを既得権だと主張しておる。もしこの木曽式公売法がなくなったら因るので、この方式を獲得するために業界こぞって団体交渉でもやらなければといっている。こういう慣例は不正の連続ですぞ。長官、それはどうなんですか。
#162
○松本(守)政府委員 一番札、二番札の業者間の取引、商行為、営林署の知ったことではないということのつもりで申し上げたのではございません。確かにそういったことは、一番札を取り消す、辞退をするという場合と、その物件を引き取るということにおいて疑惑を残すというところに問題があるわけでございます。決して好ましいことではないと思います。今後はそのようなことのないように、できるだけ指導して、入札は厳正に行なうということにつとめたいと思います。
#163
○浅井委員 今後はそのようなことがないように指導するといったって、どういうふうにできるのですか。先ほどのあなたの答弁では、署は落札した者がどのように扱おうと、それに対する歯どめはできないという答弁だったのです。また、それはコマーシャルベースで商業行為として認められておるものだという答弁があったではないですか。それをどうやって歯どめなさるのですか。四番に「入札を無効とされた業者と落札した業者間の取引きについて」、「これは業者間の全くの自主的な取引きによるものである。」――ここにはけしからぬとは書いてない。どうなんですか。
#164
○松本(守)政府委員 その取引行為そのものはそのとおりであろうと思います。問題は、一番札を入れてそれを取り消したというところに疑惑が生ずるわけでありますから、今後そういった取り消す場合の厳正な扱い方というものをよく指導いたしまして、そういった簡単な取り消しということが慣行として行なわれないように十分注意をするつもりでございます。
#165
○浅井委員 慣行としてそういうことが行なわれないように厳重に注意すれば、商行為としてやることについては取り締まれませんぞ。
 それから、地元の人たちの話でありますけれども、ある新聞記者は言っておりますが、「署長がみずから念押しすることが一つの暗号になっているのじゃないか。入札取り消しは申し出ればすぐやってくれると業者は言っておる。署長は申し出によって慎重に審査をするとは言っておるけれども、その形跡は全然ない。だから二番札に渡したほうが得ですよ」ということで、この、あなた間違っていませんかということが暗号になっておって、あらかじめ話をして談合し、話し合いができておるから、そういうふうな事実が出てくるのです。何のために署長から念を押さなければならぬのです。そんなばかなことがありますか。一円でも高く、十円でも高く売ろうとするのが、公開入札の原則じゃないですか。それを、高くはございませんかと言うばかはないでしょう。それがなれ合いでなかったら、一体ここのところは――五番の「不正行為の有無について」、いろんな「報道関係者も在席する公開の場で行なわれていることなどから、談合やなれ合いはできないものと判断される。」――判断するとは何ですか。監察のぺ一ぺ一がたった四人行って、そして判断するという決断を下すことはどういうことですか。なれ合いじゃないですか、長官。
#166
○松本(守)政府委員 営林署長のほうから、間違っておるのではないか、錯誤があるんではないかという問いただしの例は皆無ではないと聞いております。先回の場合、最近の例の大部分は業者のほうから申し入れがあった、このように聞いております。今後、営林署のほうからそういう確かめをするということは、もう禁止をする通達の中に織り込まれておるわけであります。
 そういうことで、不正の点についてでございますが、監査の結果では、入札場の状況、それからだれに二番札がくるのか、三番札がくるのか、県外業者にくるのか、あるいは、郵便入札といものも認めておるわけでありますから、一番札を少し高く入れておいて、営林署長と話し合いでそれをうまくやるということはでき得ないという判断でございます。
#167
○浅井委員 あなたは、大部分の業者からの申し入れだとおっしゃった。ところが、あなたの報告の中には「署側もこのような事情から飛び札の場合は、」と書いてある。大部分はとおっしゃったけれども、四十八件について全部確認したわけではない。それも、署長の一方的な言い分をあなた方は聞いてきただけなんです。それをあなたは信じておっしゃっている。監察の結果ではないんですぞ、これは。署長の言い分を聞いただけですぞ。
 次に私は、この問題について、あくまでも不正であるということについて、さらにいろんな面からただすのでございますけれども、あなた方、答弁が非常にあいまいである。ですから、営林署長のほうは計算違いであったのではないかなんという行為は、一体公務員としてどのような行動になるのか。あとで私は警察当局に伺いますけれども、そういうことをしていい、そういうことを、いわゆる署長のほうから問いただしてもいいという判断にあなた方は立っておったのか。今度通達を出しましたからと言うが、通達を出したということは、署側からそういうことをやってはいけないということであり、不正だということを認めての通達なんですか。どうなんですか。
#168
○松本(守)政府委員 不正がそこに介入するということは、非常にむずかしいことであるという見解には変わりございませんが、いろいろ疑惑を招くという点からして、また、当局側からそういうことを言う必要はないではないかというようなことから、今後は当局側からそういう申し出をしないということに指導通達をきめたのでございます。
#169
○浅井委員 何を言っているんだかさっぱりわかりませんけれども、答えになっておらぬけれども、なれ合いじゃないというのですか。それじゃ、署側から聞いているということは、これはなれ合いじゃないですか。公開入札して、入札された札について、間違いございませんかという親切、サービスの行き過ぎ、業者の言い分をこの署は得意げに──こんな高い数字になって、錯誤を認め、無効にしておる事実というものは、これは明らかになれ合いではないかと私は聞いておるのです。なれ合いではないとあなたはおっしゃるけれども、これはなれ合いじゃないですか。
#170
○松本(守)政府委員 いままでにも申し上げましたが、木曽谷を取り巻く業界の情勢、まあ従来からの業者の力、非常に零細でございまして、少しの間違いがその営業に大きな響きを与えるというようなことから、これはおそらく御料時代からのそういった零囲気もあったのかもしれません。が、決してなれ合いでそういうことを署長が言い出したということではないと信じております。といいますのは、公開の大ぜいのいる席でそれをやるわけでありますから、単なる親切心、間違いではないかという親心と申しますか、少し過剰サービスといいますか、そういう点に確かに疑惑を招く問題もございますので、今後は厳重にそれを改めるということでございます。
#171
○浅井委員 業者にとってはありがたい親心であります。無効となった札は、公文書として当然保存しなければならない。ところが、問題の一番札は、これは全部消えてしまっておる。不落になった入札書というものは整理されて置いてある。ところが、どうしてこの無効にした、あるいは計算間違いと認めた札を残しておかなかったのか、その点は、残しておかなければならないのじゃないですか。長官どうですか。
#172
○松本(守)政府委員 残しておかないという慣例といいますか、それは、その入札が錯誤という、認めがたい厳密さを欠くきらいはございましたが、その入札が無効で、なかったものという解釈で、その入札書を保存していなかったようでございます。これは監査の結果、営林署に当たってそういう結果が出たわけでありますが、各種の法令に照らして、それがいいか悪いかという問題はいま検討しておるわけでありますが、保存しておらないということにも問題があるわけであります。今後は保存をするという方向で指導をするつもりでおります。
#173
○浅井委員 計算証明規則の十七条では「すべての入札書又は入札者氏名及び入札金額を明らかにした関係職員の証明書を証拠書類に添附しなければならない。」このようにうたわれております。計算証明規則に違反じゃないですか。
#174
○福田説明員 御指摘のように「すべての入札書」の中にこの無効と認めた札が入るかどうかということでございますが、営林署長は、錯誤と認めたものはこの「すべての入札書」という解釈の中に入らぬものというふうに考えておったもののようでございます。その点については、この計算証明規則の中で一つ問題があるのではなかろうかというふうに考えて、ただいま検討中でございます。
#175
○浅井委員 「すべての入札書」の中に入らないという考え方は正しいのですか、正しくないのですか。
#176
○福田説明員 その点につきまして、ただいま慎重に検討いたしております。
#177
○浅井委員 ずいぶん長い検討で、終わりでございますけれども、あなた方検討中というのだからしようがないけれども、これは明らかに規則違反ですぞ。私は断定しておきますぞ。
 それから前回質問いたしました中の時価二百万円の話でありますけれども、この一番最後にケヤキの販売についての御答弁が先ほどございました。
 これは私はなぜこのことを出したかというと、昨年の十一月に、直径一メートルもあるケヤキの大径材を含む十二本のケヤキ、クリの大木が貯木場に切り出されてきた。時価二百万円はするのじゃないかといって貯木場作業員の話題を呼んだのです。話題の材木だったのです。貯木場の人たちあるいは署員の人たちというのは、見ればわかるのです。ところがそれを、傷ものであるとか追跡調査をしたとおっしゃっています。そういうことがこの中に出ておりますけれども、貯木場開所以来の銘木というのに、一体どういう算定になっているのか。これは営林署の目標である収入確保もどうしようもない。全林野の長野地本上松運輸分会がかみついた。これは長野営林局の指示で造船用材として名古屋市内の製材業者に随意契約で売ったのだ。造船用材としては、三十数万円というのは市場価格、ところがこのことについて、穴沢という長野営林局の利用課長は、二百万円というのは銘木としての値段ということになる。だから値段があってない。同じ材木が、銘木であれば二百万円になるけれども、造船用だったらば三十万円にしかならない、こういう判定のしかたですか。これはあなた方は、何ぼ聞いても、このとおりでございましたと言うから私は答弁を求めないけれども、これは私は疑惑は消えませんぞ。そこで、あなた方は、談合やなれ合いでない、このようにおっしゃる。どうしてもなれ合いを認めない。しかしながらこの事実というもの、不正の連続というものは明らかになれ合いであり、さらに談合の疑いを私は持っております。
 そこで、私はいろいろの話をまとめてここで申し上げるならば、木曽の三人衆あるいは五人衆、七人衆といわれる業者が地元業者の中のボスです。一般競争入札には百五十人から二百人集まるというけれども、一つの入札に対しては十名ないし十五名くらいです。そういう応札者がたくさんいるという雰囲気の中であるというけれども、この大手業者の人たちがわざわざ大はいにしてもらって、金額の高いものにしてもらって、いいものはどんどん落としておる、こういうふうに業者たちは言っておる。このボスたちが全部牛耳っておる。国有林をわがもの顔にやっておるというのです。そういういろいろな批判が強い。また、公分金という名前において各業者間が──三井木材なんというのは公分金の領収書まで書かしておる。その領収書に業者は全部偽者でサインしておる。その領収書がなかったら会社の経理上困るという。飯田営林署というのは、公分金五%なんというのは常識だ。たとえば八千万の立木を販売するならば、公分金四百万円出せば必ず業者に落ちると言っておる。また、業者と営林署の癒着関係は、樋口署長は木曜会だとか市況懇話会で特定業者のボスとしばしば懇談しておる。あるいは業者とかけマージャンまでしておる。上松町の坂下屋という料理屋や松月、山水などの料亭でもしばしば業者と懇談しておる。こういういろいろな事実がたくさん浮かび上がってきておる。これらの監察をしたのかと言いたくなるのです。どこを一体監察してこられたのか。林野庁の都合のいいところだけ見てこられて、林野庁の都合のいいこういう監察の結果の報告をしているのです。どうなんです。
#178
○福田説明員 先般の監査におきましては五人参りました。ただいま御指摘いただきましたようなことについては、その出発の当時において事実を承知しておらなかったわけでございます。先般の委員会におきまして御指摘をいただいた事項について、重点的な監査を実施したのでございます。ただ、行きました五人は、業者についてもあるいは署員についても、そういう不正の事実はないかどうかという点につきまして慎重に問いただしたのでございますけれども、監査というものにつきましては取り調べの限度もございまして、ただいま御指摘のありましたようなことについて監査ができませんでしたことは、はなはだ遺憾に存ずる次第でございます。今後十分注意したいと思っております。
#179
○浅井委員 そのほかの営林署やあるいはまたこれら以外の件について、不正な事実は、監察結果ございませんか、長官。
#180
○松本(守)政府委員 それ以外の営林署といいますと、全国的でございますか。
#181
○浅井委員 あるいはまた、今度の十署だけでもいいです。
#182
○松本(守)政府委員 十署につきましては、先ほど最初に申し上げました監査方法によりまして調べました結果では、そういった事例は野尻一件、王滝六件ということしかつかまれておりません。あとはないということでございます。
#183
○浅井委員 王滝の六件のいわゆる内訳は、どんな状況ですか。
#184
○高橋(清)委員長代理 なお浅井君、相当時間が超過しておりますので……。
#185
○福田説明員 王滝の六件の内訳を申し上げますと、営林署を間違えて入れたというのが二件、けたを間違えたというものが一件、それから先ほど来出ております計算を間違えたというものが三件になっておるのでございます。
#186
○浅井委員 それでは、ほかには全然不正な事実はなかったというふうに判断してよろしいですか、長官。
#187
○松本(守)政府委員 今回の監査では、主として上松運輸営林署と王滝につきまして監査しました。あとは、局の協力を得て監査したわけであります。その結果では、ほかにはなかったということでございます。
#188
○浅井委員 私の調べでは、まだあるのです。王滝営林署で、一人の業者が同じ入札の物件に対して三枚を入れておるケースがある。これはあなた、御存じですか。
#189
○松本(守)政府委員 聞いておりません。
#190
○浅井委員 じゃ申し上げましょう。
 あなたいま、そういうことはないと思って信じられているでしょう。王滝営林署の一般公売入札で、四十五年の十一月十八日、これは会場は王滝営林署です。入札番号は第一号、立木処分は二千三十三立米ですか、応札が三十七枚、このうち、第一位が七千三百九十万ちょうどで、麦島材木店、麦島清一、これが落札しているのです。この麦島材木店は、これを落とすために、このほかに六千七百万円と六千三百万円の三枚の入札を同時に行なっておる。そういう入札をしたことがわかったときにはどういうことになるのですか、この入札は。
#191
○福田説明員 その場合は最高の価格をもって落札と決定するのでございます。
#192
○浅井委員 三枚も入れていいのですか。
#193
○福田説明員 その点について初めて伺いましたのですが、常識的には考えられない点でございますので、十分検討したいと思います、もし事実であるとすれば。
#194
○浅井委員 この麦島材木店がどうしても落札をしたいというわけで、さりとて高い金額で落札するのは金が惜しいというので、署長と話し合って、三枚ほど入れておきますからうまくやってくださいよというわけで、この七千三百九十万が一番で、二位が七千二十万だったから、七千三百九十万の札に落ちておる。こんな三枚も入れるならば、明らかにこれはなれ合いであり、署長と業者とのなれ合いがなければ、署長の判断としてそういうことはできない。あらかじめ相談をしておって、うまく頼みますよ、低く落ちるならば、低い金額のほうでお願いしますよという、そういうやり方でなければこういうことはできないはずでしょう。この入札は私は無効ではないかと思うのです。一人の業者が三枚も四枚も入れられるようになったらどうなるんです。
#195
○松本(守)政府委員 そのような場合、林野庁におきましては、無効取り扱いをいたしておりません。一番高い札に入札の効力があるという判断でございます。
#196
○浅井委員 だからこういうでたらめなことをするんですよ。そういうことが許される入札というものは、一体どうなっているのか。署長との話し合いがあるから、三枚も入れておいて、低い金額で落ちるんならばよろしく頼みますよという入札のしかたになる。三枚も入れて許されるという条文があるんですか。
#197
○福田説明員 応札者が一ぺん札を入れまして、それから考え直して、これでは足らぬと思って、さらに高い札を入れる場合があるのではないかと考えられます。そういう場合もあるかと思います。それからまた、場合によっては、名前は同じであるけれども会社が違うという場合も、これは先生御指摘の事例の中に一件ございました。そういう事例はございます。いずれの場合におきましても、一番高い札をもって落札とするということで差しつかえないかと考えております。
#198
○浅井委員 差しつかえないですか。三枚も四枚も全部入れてしまったら、その入札というものは、たとえば十人の入札者があった、一人で二枚ずつ入れれば二十枚、三枚ずつ入れれば三十枚、そういう入札のあり方というものが林野庁では認められているんですか。
#199
○福田説明員 木曽の例にございましたように、無効の取り消しを要求して、計算違いであるからということで、これを認めるということが、もしそのケースにございますれば、それは重大問題であると思います。しかし、先ほどお話しいたしましたように、無効の取り扱いということについては、厳重に取り締まるということで今後改めてまいりたいと考えておることでございますから、今後はそういったような事例は発生しないのではないかというふうに考えます。
#200
○浅井委員 私は今後のことを聞いているんじゃない。この事実はどうなるのかと聞いておる。では六千七百万の札、六千三百万の札というものは一体どうなっているのか。全然出てこぬじゃないですか。これは署長がみんな握りつぶしている。署長が握りつぶさなければ、先ほどの計算証明規則において残しておかなければならないのを、いま現実に残していないじゃないですか。
#201
○福田説明員 ただいま御指摘の件につきましては、取り消しをした、無効の取り扱いをしたというものはございません。
#202
○浅井委員 だからおかしいと言うのですよ。そういうものはないのに、こういう三枚も札を入れて、このあとの一番から十番までの中に、この金額は、麦島材木店の入れた札のあとは出てこない。握りつぶしておるのです。これは結局あなた方に聞いてもこの事実がわからないのです。長官、これは監査しますか。どうですか。
#203
○松本(守)政府委員 いまの事実はきょう初めてお伺いしたわけでございますが、ただいま申し上げましたように、林野庁の扱い方としては、一応有効な取り扱いをしておるのでございます。今回の事例に照らしまして、そういうことをもう一度検討するつもりでございます。また、この事例についての監査も早急に実施をしてみたい、このように思います。
#204
○浅井委員 三枚も入れた場合は、三枚合算の金額というのが公開入札の原則ですぞ。一人の業者が三枚入れたら、三枚合算しなければならないでしょう。どうなんですか。
#205
○福田説明員 三枚入れました場合には、最高の一番札を落札しまして、二番と三番は無効の扱いにするということでございます。
#206
○浅井委員 そんなおかしなことをやっておるのですか。これは私は問題点として提起しておきますから、実情をよく調べてください。署長との談合の上においてやっておりますぞ、長官。
 さらに私は随契のことについて聞きたい。随契の指名業者になるにはどのような資格や条件が必要なんですか、長官。
#207
○松本(守)政府委員 随契業者は、一般資格者の中から、信用確実、実績もある、経営成績もよろしいというものにつきまして、地元工場を育成する意味で随意契約をする場合がございます。
#208
○浅井委員 地元だけじゃないでしょう、随契は。東京だって大阪だって随契しているでしょう。全国にわたって随契していますよ。この随契の指名業者になるのに、いまあなたがおっしゃったように、一般資格者の中から、信用確実、それから経営成績がよろしい、あるいは実績がある――じゃ私は伺いますけれども、上松運輸の松上中央木工所というのは経営がよろしいですか。それから木曽福島営林署の小林木工芸株式会社というのは経営がよろしいですか。野尻営林署の寺島木材というのは経営がいいですか。どうなんですか。
#209
○福田説明員 一昨日先生から、寺島木材、小林木工につきましては事前に調査するようにという御指摘もございました。調査しましたところ、この工場に対しては、地元工場といたしまして随意契約を実施しております。営林署の判断では、この工場は、ただいま長官が申し上げた事項に該当するものとして随意契約を実施しておるものと考えられます。その他の御指摘の点につきましては、本日初めて伺いましたので……。
#210
○浅井委員 地元の判断がどういう判断か知りませんけれども、小林木工芸というのは、経営不振のためにことしの二月にほかの会社と合併する予定になっておりませんか。四十年ごろ火災を起こして、その後非常に経営が不振になっておる。それから寺島木材でありますけれども、これもいろいろな面で借金が非常に多い。桑原木材が工場を担保にして融資したけれども倒産しておる。だから、桑原木材が随契のワクを持っていないので、ワクをもらうようにした。そういうふうにワクをもらうようにしておけるけれども、実際には許可が出ないので、この桑原木材と寺島木材の関係が非常に微妙だ、こういうふうにもいわれておる。こういう業者が随契の指定業者として適当なんですか。あなた方が適当だと判断しておる業者は倒産しそうであり、あるいは合併してしまいそうである、経営不振におちいったものまでも、こうい、うふうな随契の業者になっておる。随契の業者を、そういう条件があればいまどんどんふやしていますか。
#211
○福田説明員 寺島木材につきましては、こちらから営林局を通し営林署の実情を調査しました結果では、昭和四十五年度に百三十五立方販売しております。倒産は四十五年の六月上旬でございまして、最終販売は五月七日の契約になっておりまして、これは倒産する前のものでございますが、この経営の状態等について営林署において十分調査したものだとは思いますけれども、ただいまの調査の時点ではその点が判明しております。それから小林木工について照会いたしましたところ、過去の販売の実績は年間約百七十立方ぐらいである。四十五年は二百八立方販売しておりますけれども、これもただいま申し上げましたようなことで、随意契約を実施するに差しつかえないものと営林署で判断したものと思われます。ただいままで私の受けました報告では、まだそれ以上のものは判明いたしておりません。
#212
○浅井委員 いま私は、毎年随契業者を指定したり、あるいは随契業者を解除したことがあるかと聞いておる。この随契約業者というのは何十年来続いておるだけであって、指定業者を解除したり、あるいは指名したりすることが年々、毎年ごとに行なわれておるのかということを聞いておるのです。
#213
○福田説明員 御指摘の点でございますが、倒産したり、あるいは何か不正があったということが認められました場合においては、これを解除しております。
#214
○浅井委員 新しく指定は……。
#215
○福田説明員 そういう場合はないと考えられます。
#216
○浅井委員 そこに問題があるのです。親の代からやっておるから、実績が悪くてもワクがある。ほかにいい業者が出てきた、あるいは資格のあるものがあっても許可しない、のけ者にしていこう、こういう親代々からの権利業者みたいなもの、持っておる権利というものを譲ろうとしない。そして、ボス業者は何千立米という割り当てをもらって甘い汁を吸っておる。ほかの新進気鋭の業者は割り込む余地がない、いわゆる因襲そのものである。先ほど長官が言っておりましたけれども、御料林時代の因襲は、そのままいま現代にも生きておる。だから一カ月後に倒産するような会社であっても資格が十分な会社である、そういう甘い考え方でこの林野行政というものの取引をやっておるのです。何のための市況調査をやり、相手業者の資産調査をやるのか。やっていないからこういう結果になってくるのです。随契にはいろいろの問題がある。この公開入札以上に黒いうわさがたくさんある。それらを改善しようという意欲もなければ、ここで初めて決算委員会で問題になったから、多少の通達を出してごまかそうとしておる。そんな姿勢であっては、随契の問題もいよいよ根深くなるばかりです。
 それからさらに、信濃山林株式会社というのはどういう会社ですか。
#217
○福田説明員 信濃山林株式会社について申し上げます。
 これは松本市白板にございまして、昭和三十二年の設立でございます。代表取締役は現在百瀬という者でございまして、事業の内容を申し上げますと、市況調査用材の販売、それからその結果の分析、次は素材の製材販売というふうな事業をやっておるものでございます。
#218
○浅井委員 素材の製材販売と申しましたけれども、製材業をこの会社はやっていますか。
#219
○福田説明員 ただいま製材販売と申し上げたようでございますが、間違えました。生産販売でございます。
#220
○浅井委員 そうすると、これは随契で営林署からいろいろと素材を受けておりますね。そして、随契の場合は用途指定ということはございませんか。随契は転売することはできないはずです。用途指定がかけられておりませんか、どうですか。
#221
○福田説明員 ここに対する販売は、市況調査用材ということで、適用条項により販売しているものでございます。
#222
○浅井委員 転売専門の会社じゃないですか。転売だけやっておる。それを市況調査という名目でもって一番いい材木を与えておる。ほかの業者は割り込む余地がない。この信濃山林株式会社というのは、一体どういういきさつでこういうものができ上がってきたのか、特定のこういう指名業者的な会社ができ上がってきた理由というのは、一体何です。ほかの会社は市況調査はできないじゃないですか。
#223
○福田説明員 お答えいたします。
 この信濃山林株式会社は先ほど申し上げたようなものでございますが、ここは主として市況調査を実施していると申しましたけれども、営林局あるいは営林署において販売を実施いたします場合に、予定価格を正確に算定する必要がございます。その予定価格なり、あるいはまたそのもとになりますところの基準価格、これを決定するにあたりまして、取引の実態をよく調査して、その地方地方ごとの正確な取引価格というものを織り込んでまいる必要があるわけでございます。
 そこで、この信濃山林株式会社は、そういったような市況調査を実施するというために、長野県内にありますところのいろいろな協同組合、市売協同組合にこれを出品しまして、その市況を把握しておるわけでございます。その結果を営林局がもらいまして、先ほど申し上げました新しい市況を把握する際の因子としているわけでございます。そのほかに購買の実績なりというふうなことも織りまぜまして基準価格を算定する、あるいは市況を決定するということをしているわけでございます。
#224
○浅井委員 この信濃山林という会社のいきさつも非常に不明朗です。随契の公平な原則に立ってない、あるいはまた協和産業という一部の業者にもこれまた天下り人事でもって、そしてかってな独占事業的なことをやっておる。これも国有林をほしいままにしておる、等々のいろいろな批判があります。
 これは私は、もう一度林野庁がこの実態を調べてもらいたいと思います。私は、あえて時間、が長くなって各委員の皆さまに御迷惑をかけたくないので、これだけの問題を提起しておきます。
 このような世論の批判を受けたり世間を騒がせた黒い入札、あるいはまた購買、あるいはまた黒い随契といわれている実態、このことは、木曽だけではなくて、全国においても同様のことが、あまりにもわれわれから考えれば常識はずれのようなことが、平然と業者で談合が行なわれ、先ほど私が言ったように公分金の分配や、あるいはまた業者と署長のなれ合いのいろいろな事態がここに明らかになったんです。
 この際長官、総点検する気持ちがありますか。
#225
○松本(守)政府委員 国有林と地元産業の振興、地元製材業の振興ということで国有林材を販売しておるのでございます。それは林業基本法にも、需給の安定、価格の安定に寄与する、貢献をするということが規定をされております。地元製材業、これは国有林のいわばお得意さんでございます。地元のそういった関連産業の健全な発展、育成ということには国有林としてもできる範囲内の協力はしなきゃいかぬ、ただ、特定の業者に特別な利益を独占させる、そういうことはいろいろ問題を起こしますので、今後、近代的な国有林材の販売はどうあるべきかということも当然、時勢も変わっておりますが、検討しなければいけない一つの課題であるとは思っております。いずれにしても、いま総合農政におきましても、それから過疎問題におきましても、そういった地帯に工場を誘致する――製材工場は新しく誘致する工場ではございませんで、そこにすでにある工場でございますが、そういう工場の健全な発展にも貢献をするという考え方も入れまして、検討を進めてまいりたいと思います。
#226
○浅井委員 あなたは検討だけで、いつも反省も何もなさらない。あとでもう一度お伺いします。
 この際、警察庁にお伺いいたしますけれども、こういうふうないわゆる入札をめぐるいろいろな不正な事態、また、今回起こった一番札を落としたような事態、こういうことに対してどのような見解をお持ちですか。
#227
○小林説明員 入札の舞台裏でどのようなことが行なわれたかというようなこと、あるいはそれが刑事事件になるかどうかというようなことにつきましては、事実関係をよく調査いたしまして、犯罪の容疑があれば適正な措置をとりたい、かように考えております。
#228
○浅井委員 私はこの問題について捜査当局に望みたいのですけれども、要するに、事件が陰湿な事件であります。長野県下において十年前に風倒木事件というような汚職事件がございました。今回も地元においては、この木曽において、検察やあるいは警察当局の手が入らなければ木曽のうみは出ない。いわゆる風倒木事件においていろいろ汚職の追及はあったけれども、さらに徹底的な事件の解明、その裏にある背景というものを究明していない。ですから、ぜひそういう検察当局のあるいは警察当局の捜査というものと相まって、明るい木曽にしていきたいという声が強いわけです。
 私はこの際、こういう問題についていろいろの疑惑をあげました。長官はこのことについてなかなか認めようとしない。しかしながら、事実は事実、いろいろな面について、私がきょういろいろな角度から発言をいたしております。この点について今後、いまあなたは調査をするとおっしゃいましたけれども、どのように調査をし、そして捜査に踏み切っていくか、もう一度御答弁いただきたいと思います。
#229
○小林説明員 私ども、捜査のやり方というものはいろいろあるわけでございますけれども、犯罪の容疑というものがなければ、強制的な段階というものはとれないわけでございますから、現在、ただいま御指摘のような問題につきまして、その裏側に一体どういうようなことがあったのかということをまわりから調査いたしたい、かように考えております。
#230
○浅井委員 長官は前回の当委員会で、私の発言に対して「心外」である、このように言われました。このようなことが起こったことについてどのようにあなたは考えられておるか。万全の対策を講じておる、このようにあなたは明言された。ところが、明らかにこういう事実が出てきた。またさらに新しい問題が出ようとしておる。この事件に対する責任をあなたはどう考えているか、また反省として、どのようにあなたは考えられているのか、もう一ぺん御答弁願います。
#231
○松本(守)政府委員 先般の委員会で「心外」ということばでお答え申し上げましたのは、このような事例が全国的にあるのではないかという先生の御指摘でございましたので、私、国有林を預かっている立場から、国有林に関係しております職員は一生懸命いまやっております。そういうことが全国的にあるということは、私、決してないという確信に立っておるわけでございますが、今回の事例にかんがみまして、全国的な問題も、監査の機会をとらえてよく検討、調査をするつもりでございます。その結果、改善すべきものは、いま申し上げましたように逐次改善をしていくのは当然でございますが、今後そういった事態の起こらないように万全を期してまいる所存でございます。
#232
○浅井委員 あなたの責任はどうなのか、あなたは反省しているのかと私は聞いているのですよ。この不祥な事件について、あなたは反省もしていないし、あなた自身の責任は全然ないのかと聞いているのですよ。
#233
○松本(守)政府委員 このような疑惑を生んだ、問題を生じた、まだ法律的に詰めなければいけないことがございますが、確かに遺憾な点がございます。はなはだ指導の至らなかったこと、責任も感じておるのでございますが、今後とも努力をしなければいけない、このような覚悟ではおります。
#234
○浅井委員 農林省にお伺いしたいのですけれども、監督官庁として、この事件についてどのようなお考えで、あなたは聞いておってどのように感じられましたか。
#235
○渡辺(美)政府委員 農林省といたしましては、ただいま御指摘になったような事柄はいろいろと誤解を招くような点が多いと思います。まことに遺憾でありますから、これから、たとえば入札の問題にいたしましても、一番札を保存しておくとか、あるいは錯誤の問題にいたしましても、それがみだりに認められるようなことが絶対にないように、これは通達その他の指導で徹底をしてまいりたい。なお、先ほどあった、署長が間違っているか、いませんかと聞き返すようなことは、だれが考えても過剰サービスと受け取られがちでありますから、こういうようなことはやらせません。今後とも全体について、地元の空気になれて、気がゆるんでいろいろ誤解を受けるようなことの絶対ないように指導いたします。
#236
○浅井委員 もう一ぺんお伺いしますけれども、あなたの認識のなかにおいてのいわゆる過剰サービスというのと、業者と営林署との癒着によるところのいわゆるなれ合い、これとは違うと私は思うのです。入札に対して本来もっと真剣なものでなければならぬのです。業者も自分たちの仕事の上で生命をかけなければならぬ戦いであります。それが間違った、許されてきた、署長がまたそれをのがしておった。これは明らかにサービス過剰というよりも、なれ合いであったということを私は農林省も認めてもらいたいと思うのです。サービス過剰であったからといって、そういうふうなやり方、そういうふうな行き方、これはもう通常いままで農林行政の中の特に林野行政はいわれておるわけです。ですから、そういう単なるサービス過剰というのではなくて、なれ合いの事実があったということを私は強く指摘しているのですから、その点だけはもう一度お聞きしたいと思います。
#237
○渡辺(美)政府委員 いまお話を聞いて、そのような誤解を受ける点は多々あると思いますが、確実になれ合いであったかどうかということの法律的な立証というものは、まだできないと思います。しかしながら、いずれにせよ、そういうような誤解を与えるようなやり方というものをやるべきじゃございませんから、そういうことのないように、十分注意をいたします。
#238
○浅井委員 これはあくまでもあなた方がそれを認めようとしないのです。これはなれ合いでなければできないことであります。ですから、こういうことを認めようとしないそういうかたくなな考え方、そこにこういう事件が起こってくる要素があるのです。法を執行する者は、理非曲直というものをもっと明確にしなければならないし、農林行政の中のこの林野に村して、綱紀の粛正というものをもっと強くしていかなければならぬのです。あなた方がそんな甘い考え方でいるから、こういう事件が起こってくるのです。これはほんとうのことを言ったら、あなた方がえりを正し、長官や次官がもっとこの責任を感じてもらわなければならないのです。国民におわびして済む問題ではありませんけれども、これは私がこれだけの証拠を持ってきても、まだ何のかんの言って言い抜けておる、答弁をごまかしておる、そういう姿勢は、私は許せないと思います。
 何んべん言ってもあなた方はそれだけのことしか言わないので、これで終わりますけれども、どうか強い反省をしてもらいたいと思います。
#239
○高橋(清)委員長代理 次回は来たる二十四日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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