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1970/02/24 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第7号
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1970/02/24 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第7号

#1
第065回国会 決算委員会 第7号
昭和四十六年二月二十四日(水曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 高橋清一郎君
   理事 菅波  茂君 理事 森下 元晴君
   理事 高田 富之君 理事 浅井 美幸君
      阿部 文男君    笠岡  喬君
      中村 弘海君    丹羽 久章君
      綿貫 民輔君    華山 親義君
      山本 幸一君    鳥居 一雄君
      伊藤卯四郎君    瀬長亀次郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 中曽根康弘君
 出席政府委員
        防衛庁参事官  高瀬 忠雄君
        防衛庁参事官  鶴崎  敏君
        防衛庁長官官房
        長       宍戸 基男君
        防衛庁防衛局長 久保 卓也君
        防衛庁人事教育
        局長      江藤 淳雄君
        防衛庁衛生局長 鈴木 一男君
        防衛庁経理局長 田代 一正君
        防衛庁装備局長 蒲谷 友芳君
        防衛施設庁長官 島田  豊君
        防衛施設庁総務
        部長      長坂  強君
        防衛施設庁総務
        部調停官    銅崎 富司君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計官      吉岡 孝行君
        会計検査院事務
        総局第二局長  鎌田 英夫君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月十八日
 辞任         補欠選任
  阿部 文男君     江崎 真澄君
  中山 利生君     小川 半次君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     阿部 文男君
  芳賀  貢君     美濃 政市君
  山本 幸一君     華山 親義君
同日
 辞任         補欠選任
  阿部 文男君     江崎 真澄君
  華山 親義君     山本 幸一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十三年度政府関係機関決算書
 昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔総理府所管(防衛庁)〕
     ――――◇―――――
#2
○高橋(清)委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長所用のため、私が委員長の指名により委員長の職務を行ないます。
 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、総理府所管中防衛庁について審査を行ないます。
 まず、防衛庁長官より概要説明を求めます。中曽根防衛庁長官。
#3
○中曽根国務大臣 昭和四十三年度における防衛庁関係歳出の決算につきまして、その概要を御説明いたします。
 まず、防衛本庁の経費について御説明申し上げます。
 当初の歳出予算額は三千九百六十九億三千九百万円余でありまして、これに高空における放射能塵の調査研究等のため、総理府所管、科学技術庁から移しかえを受けた額一千五百万円余、建築交換のため、大蔵省所管、大蔵本省から移しかえを受けた額三億七千万円余、南極地域観測事業のため、文部省所管、文部本省から移しかえを受けた額三億七千万円余、前年度からの繰り越し額四十一億一千二百万円余、小笠原諸島の復帰に伴う海上自衛隊基地部隊の維持運営及び昭和四十三年七月以降政府職員の給与を改善するため必要な経費に予備費を使用した額百二億八千百万円余を加え、既定予算の不用額を修正減少した額二億一千四百万円余を差し引き、歳出予算現額は四千百十八億七千四百万円余であります。
 この歳出予算現額に対して、支出済み歳出額は四千八十二億三千二百万円余、翌年度へ繰り越した額は三十三億四千五百万円余でありまして、差し引き不用額は二億九千六百万円余であります。
 昭和四十三年度の予算の執行にあたりましては、第三次防衛力整備計画にのっとり、計上された予算を効率的に使用して計画を着実に実施し、実質的な防衛力の整備を推進することを主眼といたしました。
 以下、自衛隊別に内容を申し上げます。
 陸上自衛隊につきましては、戦車、装甲車その他の部隊装備品の計画的更新による装備の近代化と充実、ヘリコプター等航空機の購入による機動力の増強及びホーク部隊の整備等により一そうの防衛力の内容充実をはかりました。
 なお、航空機につきましては、多用途ヘリコプター十機、輸送用ヘリコプター六機、小型ヘリコプター十一機、合わせて二十七機を取得し、新たに昭和四十四年度に取得予定の多用途ヘリコプター十一機、輸送用ヘリコプター六機、合わせて十七機の購入契約をいたしました。
 海上自衛隊につきましては、昭和四十年度計画の護衛艦二隻、潜水艦一隻及び昭和四十三年度調達にかかる支援船八隻、合わせて十一隻を取得し、新たに昭和四十五年度以降に竣工予定の護衛艦二隻、潜水艦一隻、中型掃海艇二隻、合わせて五隻の建造契約をいたしました。
 また、航空機につきましては、対潜飛行艇二機、対潜ヘリコプター四機、救難用ヘリコプター二機、初級操縦練習用ヘリコプター一機、合わせて九機を取得し、新たに昭和四十四年度以降に取得予定の対潜飛行艇二機、固定翼練習機五機、機上作業練習機二機、対潜ヘリコプター七機、救難用ヘリコプター三機、合わせて十九機の購入契約をいたしました。
 航空自衛隊につきましては、ナイキ部隊の整備、自動警戒管制組織の円滑な運用など防空能力の一そうの強化をはかりました。
 また、航空機につきましては、輸送機一機、救難用捜索機二機、救難用ヘリコプター四機、合わせて七機を取得し、新たに、昭和四十四年度に取得予定の輸送機二機、救難用捜索機四機、固定翼練習機三機、救難用ヘリコプター四機、合わせて十三機の購入契約をいたしました。
 なお、昭和四十三年度の防衛本庁の職員の定員は、自衛官二十五万三百七十二人、自衛官以外の職員二万七千八十二人、合わせて二十七万七千四百五十四人でありまして、前年度の職員の定員と同数であります。
 また、予備自衛官の員数は、前年度と同数の三万人であります。
 次に、繰り越し額三十三億四千五百万円余は、装備品等の輸入及びアメリカ合衆国からの有償供与品の引き渡し、並びに施設整備に関する計画または用地の取得に不測の日数を要したこと等のため年度内に支出を終わらなかったものであります。
 また、不用額二億九千六百万円余は職員に欠員があったことによる人件費及び用地の取得ができなかったことによる施設整備費等の不用額であります。
 続いて防衛施設庁の経費について御説明申し上げます。
 当初の歳出予算額は二百五十一億円余でありまして、これに前年度からの繰り越し額十五億九千百万円余、昭和四十三年七月以降政府職員等の給与を改善するため必要な経費その他に予備費を使用した額二億四千百万円余を加え、既定予算の不用額を修正減少した額一千二百万円余、総理府所管、科学技術庁へ予算を移用した額四千万円、防衛施設周辺の障害防止事業等に要する経費として移しかえをした額、農林省所管、農林本省へ八億五千万円余、建設省所管、建設本省へ一億百万円余を差し引き、歳出予算現額は二百五十九億三千万円余であります。
 この歳出予算現額に対して、支出済み歳出額は二百四十五億四百万円余、翌年度へ繰り越した額は十二億三千六百万円余でありまして、差し引き不用額は一億八千九百万円余であります。
 支出済み歳出額のおもなものは、施設運営等関連諸費でありまして、防衛施設周辺の整備等に関する法律等に基づく自衛隊施設の維持運営並びにわが国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の提供施設の維持運営に関連し必要な騒音防止措置、民生安定施設の助成措置、飛行場周辺の安全措置、各種の補償、土地の購入及び賃借等のため百八十八億九千百万円余を支出いたしました。
 次に、翌年度への繰り越し額十二億三千六百万円余は、施設運営等関連諸費でありまして、計画または設計の変更、用地の取得難及びアメリカ合衆国軍の事情等のため工事等が遅延したことによるものであります。
 また、不用額一億八千九百万円余は退職者が予定を下回ったことによる人件費及び各種補助金の精算の結果等によるものであります。
 なお、昭和四十三年度の防衛施設庁の職員の定員は、前年度と同数の三千三百八十七人であります。
 以上をもちまして、昭和四十三年度における防衛庁関係歳出の決算の概要説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
#4
○高橋(清)委員長代理 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。鎌田会計検査院第二局長。
#5
○鎌田会計検査院説明員 昭和四十三年度防衛庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
#6
○高橋(清)委員長代理 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#7
○高橋(清)委員長代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村弘海君。
#8
○中村(弘)委員 さっそく質問に移らさしていただきたいと思いますが、まず防衛局長にお願いしたいと思います。
 海上自衛隊がドローン・アンチサブマリンヘリコプター、言うなれば対潜水艦攻撃用の兵器として採用しておるダッシュ、このダッシュにつきまして御質問したいと思うわけでありますが、いつごろから採用して、現在何機保有しておられるのか、それをまずお伺いしたいと思います。
#9
○久保政府委員 防衛庁といたしましては、三十七年に調査を始めまして、三十八年度のDDA、これは三千トンの船でありますが、それ以降三千トンないし二千トンの船に載せております。現在までで二十五機調達いたしておりますが、四十五年度末で十五機になる予定であります。
#10
○中村(弘)委員 私が調べたところでは、四十年の九月から保有しておりまして、現在までに米国に返還した一機を含めて二十二機保有していることになっておる。なお四十六年、つまりことしの五月に一機、八月に二機、これは四十五年度予算で購入した分でありますが、まだ入手予定になっておるわけであります。ところで、この二十二機のうちに、いま言ったように一機は返還しておる、そして何と六機が訓練中に墜落したことになっている。このことに間違いはございませんか。また、事故率は二十一機の場合と二十二機の場合とどうなっておるか、これをひとつ御説明願いたいと思います。
#11
○久保政府委員 私どものほうの計算によりますと、現在まで七機、七つの船に載せております。それで、調達そのものの機数は二十五機であります。そしてただいま仰せになりました、まだ未入手のものがありますけれども、未入手のものを含めると十五機でありまして、その事故率を申しますと、現在までで三百六十時間につき一機が墜落といいますか、故障で破壊されているということであります。そういうことで、私どものほうでは二十二機という数字はちょっと心当たりがございませんが……。
#12
○中村(弘)委員 とにかく六機が機体の不備もしくは操作ミスによって消滅したということでありますね。いかがでございますか。
#13
○久保政府委員 六機が故障して消滅しております。それは操作ミスあるいは技術的な問題等であります。
#14
○中村(弘)委員 ではけっこうです。
 とにかくその事故の原因については後ほど質問するかもわかりませんが、私は、ここでこんなにも事故率が高いと私には解釈されるわけでありますが、こんなに事故率の高いダッシュを防衛庁はなぜ採用したのか、その根拠について私はお伺いしたいと思うわけであります。
 まず購入の経過を御説明願いたいと思います。
#15
○久保政府委員 潜水艦を探知し、これを撃破するのはいろいろな方法があるわけでありますが、唯一のきわめて効率的な方法があるというわけではありません。いろいろな方法を総合的に駆使してやるわけでございますが、ダッシュは、そのうちの一つの特徴を持った兵器であるということがわかったわけであります。たとえば潜水艦を探知するのにソーナーその他の方法はございますが、探知した後にこれを攻撃する方法、これも、たとえばヘッジホッグというものでありますとか、あるいはアスロックというような近代兵器もございますけれども、それぞれの一長一短があるわけです。
 それで、このダッシュと比較されますると、アスロックをとってみますと、アスロックの場合には、非常にスピードは速いのですけれども、到達距離が五マイルくらいしかない。しかも一たん撃ってしまいますと、ちょうどロケットのようなものでありますから、これはあとで攻撃用のポイントを修正するわけにいかない。ところがダッシュの場合は、リモートコントロールで潜水艦がいると思われる方向に操縦してまいって、その直近でもって短魚雷を発射するわけでございますから、非常に精度が高くなるわけでございます。しかも、アスロックの五マイルに比べてこちらのほうは十マイル近くいくということで、アスロックとダッシュというものは、性能上からいいますれば、おのおの長短相補い合う性格のものであるということで、ただいま申し上げましたように、潜水艦掃討のためには唯一の方法というものがありませんで、いろいろな特徴を生かした兵器を総合的に利用して探知し、かつ攻撃するということであります。そういうことで、このダッシュというものが対潜掃討上非常に有利であるということで、性能の特徴に着目して採用したわけであります。それが三十七年、三十八年のことであります。したがいまして、この性能についてはアメリカ海軍も十分に保証しておりますし、推奨しておったのでありますからわが海上自衛隊としても採用したものであります。
#16
○中村(弘)委員 私は性能の問題をいま取り上げて言っているわけじゃない、問題は購入経過をお教え願いたいと言ったわけであります。私の調べたところでは、購入経過は、とにかく四十年の九月に三機、これは安保条約に基づく無償供与である、四十一年の四月に一機、これは有償供与、そのあと四十二年の七月以降はメーカーとの一般輸入契約によって購入しているわけでありますが、その間ダッシュに対する調査団は何回派遣されましたか。
#17
○久保政府委員 三回であります。
#18
○中村(弘)委員 調査団のメンバー、構成、報告内容はどうでございましたか。
#19
○久保政府委員 調査団は第一回が三十七年に参っておりますが、この場合には、海将補を団長といたしまして、一佐から三佐まで、以下三名であります。調査をやりました趣旨は、ダッシュが現在米国で試験段階にあるけれども、間もなく完成するということ、それからダッシュの性能その他、及びダッシュを艦艇にどういうふうに載せるかということを調査しておりますし、現実にまた建造中の護衛艦DEにダッシュを積むことになっておりました。その模様を実施に視察をしてまいっております。それに関連いたしまして、ダッシュあるいは搭載艦の図面などをもらって帰っておるようであります。それが第一回であります。第二回は三十九年に参っておりますけれども、これは二佐以下三名でございますけれども、この場合にはダッシュの採用あるいはダッシュの性能ということでなくて、取り入れたダッシュの運用について、たとえば訓練の問題、整備の問題あるいは後方支援の問題、そういうような問題について調査に参っております。この結果に基づいて、海上自衛隊で訓練指導隊というものをつくっております。それから第三回は四十二年の十一月から十二月にかけてでございますが、一佐以下二名、これは、御承知のようにその前年あたりからダッシュについての批判があって、四十二年の初めにマクナマラ国防長官が議会で証言をしたことに関連をいたしまして、いろいろ問題があるということで現地に参ったわけでありますが、この場合にも、米側のいろいろな機関での回答、これは海軍系統の回答でありますけれども、ダッシュは非常に有効な対潜兵器である、そして海軍側の見方としましては、ダッシュの調達がとりやめになったのは予算上の問題であるというようなこと、それからダッシュについては、当時は四十七年ごろまで日本側についての支援が米国として可能であるということ、それからダッシュの後継機については現在調査中であるけれども、あと数年かかるであろうというような回答を得て帰ってきたようであります。
#20
○中村(弘)委員 ただいまの御発言で調査団の構成メンバーなどはわかったわけでありますが、その中にもございましたように、すなわちダッシュ調査団が第三回目に渡米した四十二年の十一月の十カ月前、すなわち四十二年の一月二十三日に、いまおっしゃったように、当時のマクナマラ米国防長官が米上院の国防省予算小委員会でダッシュに関して意見を述べておられる。これはいま局長の御発言で御存じであったろうと思いますが、一応私はそのマクナマラ証言を読んでみたいと思うわけであります。
 すなわち、「昨年私は、ダッシュASW無人ヘリコプターが、予期していたよりも高い平時消耗及び予期していたより低い性能に遭遇していること、われわれは全計画を再検討しようとしていることを本委員会にお知らせした。この再検討の結果、われわれは現在この体系の展開計画を約三分の一減らすことに決定した。以前ダッシュを装備することを計画していたFRAM・II」――これはフリート・リハビリテーション・アンド・モダニゼーションというわけでありますが、この「FRAM・I駆逐艦は、すでに非常に効果的で信頼できるアスロック体系を持っており、ダッシュの装備によって追加されそうなどんな性能向上も取るに足らないだろう。ダッシュ体系は、引き続きFRAM・II駆逐艦及び一部護衛駆逐艦には維持されることになっている。この展開の縮減によって、以前計画されていた一九六七会計年度調達の取り消しが可能になるだろう。」ということを発言しておられる。すなわちダッシュは予期していたよりも消耗率が高く、その性能が低い、再検討の結果、現体系を三分の一に減らすという意味であります。
 これに対して第三回目の調査団、少なくともマクナマラ長官の発言よりも十カ月もあとに派遣している。私は、マクナマラ発言のあった直後に派遣された調査団の意味、そういったものもいろいろと勉強しておるわけでありますけれども、この十カ月後にやったということは事実でありますね。
#21
○久保政府委員 十カ月後に派遣したことは事実であります。
#22
○中村(弘)委員 そのマクナマラ発言のあった直後の四十二年二月十八日に、機体番号J9、J10、J11、J12の四機をも契約しておられる。これも事実でありますか。
#23
○久保政府委員 日付はちょっと承知いたしておりませんけれども、契約そのものは四十五年まで続いておりますので、日にちは別といたしまして、その年度も契約しておると思います。
#24
○中村(弘)委員 とにかくマクナマラ発言が一月にあった、その一カ月後、二月十八日に四機を契約しておられる。なぜこのマクナマラ発言の後にそうなったのか。まああとから質問したいと思いますが、しかも四十一年六月、すなわちマクナマラ発言の前に、すなわち一九六五年から一九六六年、すなわち昭和四十年から四十一年の間に、米海軍はメーカーに対して発注中止をしているという事実がある、そして予算を打ち切っているという事実があります。これはどう御説明なさいますか。
#25
○久保政府委員 私どもの承知しておりますのは、マクナマラ国防長官の発言以後にそういった計画の削減ということがあったということを聞いておるわけでありまして、むしろ私が承知しておりますのは、たとえば四十一年の七月、これはマクナマラ長官の発言の前の年の夏になりますけれども、この場合に米海軍はダッシュを七十機、日本円でいって約四十一億円相当でありますが、契約しておるということで、その前の段階で中止をしているということは必ずしも承知しておりません。ただ、アメリカの六七会計年度の分が予定発注を取りやめるであろうというようなことは、情報としては出ておったであろうと思います。
#26
○中村(弘)委員 私は、第三回目の調査団の派遣でありますが、これはマクナマラ発言の真意を探ることにあったと思うのであります。それにもかかわらず、先ほど申しましたように、マクナマラ発言のあと十カ月もおくれて派遣された、この根拠を私は非常にふしぎに思うのであります。これをひとつ御解明願えればと私は思うのであります。
#27
○久保政府委員 マクナマラ長官の発言があった後に、十カ月を経て初めて調査団を出したということになっておりますけれども、しかしその間何も調査していなかったということではございませんで、庁内でも問題になりまして、これは装備局系統あるいは防衛局系統の関係で米側に二回ばかり照会をいたしております。その結果、この兵器そのものは信頼されるものであるというようなこと、それから六七会計年度の分について、以降のものが削減されるであろうということ、それから三分の一程度であるというようなこと、そういうことで、米海軍側の判断としましては、いろいろ問題はあるけれども、しかし主としては予算の関係である、この兵器そのものについての有効性というものは保証します、それから日本側についての支援はこの年度までできますという回答を、五月、六月にわたって得ております。さらに、そういった日本側にとっては有利な情報ではありますけれども、念のために、さらに現地に調査団を派遣して確認したほうがいいのではないかということで、十一月に派遣したようであります。
#28
○中村(弘)委員 念のために派遣したと言われたその第三回目の調査団が、報告内容として、ダッシュは有効な対潜水鑑兵器である、そして米国でダッシュの調達が取りやめになったのは予算上の理由である、マクナマラ発言があったにもかかわらず、こういう報告をしてきておられる。これはいまおっしゃったとおり。私は、この第三回目の調査団の派遣に対して、その報告内容その他にある程度疑問を持つわけでありますが、これには、先ほど私が調べたところでは制服組が行っておられます。おまけにたった二人だけをやられておる。これは私は、日ごろ尊敬しておる中曽根長官のいつも言っておられるシビリアンコントロールの基本的な方針に反すると思う。と同時に、制服組だけでは、性能だけに調査が片寄り過ぎると私は思う。おまけに、予算の効率上の問題、マクナマラ証言の真意の把握に欠けていたのではないかということを私ははっきり思うのであります。私はここに報告書の最大の欠点があると思うのでありますけれども、いかがでありますか。
#29
○久保政府委員 兵器の評価でありますので、当時の判断としましては、技術的に厳密に向こう側と相談をし、評価をし、自信を得て帰ってくるべきであるということで、おそらく制服組が派遣されたのであろうと思います。もしそれに相当する者がシビリアンにおれば格別でありましょうけれども、当時の情勢としてはこの点が一番よかったという判断であったろうと思います。
#30
○中村(弘)委員 そこで、第三回目のダッシュ調査団が帰国した三カ月後の四十三年三月、ダッシュのエンジン部門を生産しておりましたところの米ボーイング社が生産を中止した。それでも防衛庁は四十三年三月に三機、同年七月に二機、またまた購入契約を継続しておられるわけであります。米国の最高責任者の証言を信じないで、出先の話を信じた結果だと私は思われます。そのときの調査団がどういうふうにやったのか、調査団が会った人の官職名を、もしおわかりであれば、私はここで明示していただきたいと思います。
#31
○久保政府委員 第三回の調査団の派遣員は、一等海佐橋本一郎、二等海佐味岡信次であります。
#32
○中村(弘)委員 相手のその交渉した官職名はおわかりになりませんね。
#33
○久保政府委員 相手の官職、氏名は、調べればわかると思いますが、場所だけ申しますと、米海軍作戦本部が一つ、それから大西洋鑑隊巡洋駆逐鑑隊部隊指令部、それからジャイロダイン株式会社、これは機体のほうをつくっている会社、それからバブコフ会社、これは電子部品の関係、それから鑑隊対潜センター、以上の場所に行って視察をしたようであります。
#34
○中村(弘)委員 そこで、私はいまいろいろと質疑応答をいたしました中で、このダッシュの購入計画をここでひとつ整理してみたいと思うのです。
 まず、マクナマラ証言によって、米海軍が一九六六会計年度において発注を中止した、その結果、四十四年三月、メーカーも米海軍への納機を最後に生産を中止した、にもかかわらずわが防衛庁は、四十四年と四十五年度に合わせて四機を特別注文している。これは間違いございませんですね。――そこで、その際、特別注文のダッシュの価格は、従来の一機当たり平均約五千五百万円くらい、それが一千万ないし一千三百万円、特別注文しただけに高くなっておる。これは間違いございませんか。
#35
○蒲谷政府委員 四十四年の九月に一機、四十五年の十月に三機新しく契約したことは事実でございます。それから価格のほうでございますが、四十四年度の分が五千百万円、四十五年度の分が六千八百万円というふうに、一千万円以上あったことは事実でございます。
#36
○中村(弘)委員 ただいまの御発言のように、一千万ないし一千数百万円高くなっておることは事実であるということをお認めになりました。
 そこで大蔵省にお尋ねいたしたいと思うのでありますが、大蔵省は、従来一機当たり、ただいま言われましたように約五千五百万円で購入することで査定しておられる。ところが、メーカーの生産中止に伴いまして、わが国が購入する価格が一挙に約二〇%もアップする事態が発生した。財政当局として、こういう事態について、予算の効率上きわめて私は遺憾だと思うのでありますが、大蔵省の見解はいかがなんですか。
#37
○吉岡説明員 ダッシュの購入の件等につきましては、ただいま防衛当局のほうから御説明がありましたわけですが、四十五年度に調達しました単価が相当上がっているということでありますが、これにつきましては、ダッシュが、わが国におきましては依然有効な対潜兵器である、護衛艦に装備を続けていく必要があるという観点から、いろいろな事情を判断しまして、その値上がりはやむを得ないものと考えたわけであります。
#38
○中村(弘)委員 どうも私はいまのことばは解せないわけであります。私は少なくともこう解釈している。防衛庁が兵器購入に関して的確な見通しを持っていなかったと私は理解するわけであります。
 そこで、このような予算の裏づけをしたという大蔵省に対して、会計検査院の方はどう思われますか。つまり、特注をして一千万上積みをした、こういうふうに上積みをして購入をした、こういった事実をどのようにお考えになるか、予算の番人としてどう思われるか、私はこれを聞きたい。
#39
○鎌田会計検査院説明員 お答え申し上げます。
 四十五年度分といたしまして、確かに三機購入契約をいたしておりますが、四十五年度分につきましては、現在検査をやっております段階でございまして、いま直ちに結論を申し上げるという段取りにない、こういうことをちょっとお答え申し上げます。
#40
○中村(弘)委員 しかも、マクナマラ証言のあとに、四十二年十月、江田島に七千万円もかけてダッシュ要員訓練のための第十一海上訓練指導隊を創設、本格的な訓練を開始しておられる。この事実は間違いであるかどうか、ひとつそれだけお知らせ願いたい。
#41
○久保政府委員 そのとおりであります。
#42
○中村(弘)委員 いままでのいろいろなことから、ここに国民が抱いておる税金のむだづかいの疑念がひそんでいると私は思うのであります。
 私が言いたいのは、メーカーが生産を中止したにもかかわらず、防衛庁が特別注文という形で余分の金まで支払ってダッシュを購入したことが、すなわちむだづかいであると言いたいわけです。私は、こういった一連の問題に関しまして、決算委員という立場からこれを非常に強く発言したいわけであります。ダッシュは護衛艦一隻に対して二機搭載されておる。その他に護衛艦上のリモートコントロール装置、予備の部品などを合わせまして、一機で一億五千万円かかるといわれております。つまりワンセットで三億円、この計算でいくと、墜落した六機分として九億円がむだづかいになっておるということになります。これは国民感情として全く許せないものであると私は思う。また、むだづかいもさることながら、予算効率の悪さ、こういう事実をいかに考えておられるのか、それを私はお伺いしたい。
#43
○久保政府委員 先ほどダッシュが性能上すぐれているということを申しましたが、その反面短所もございます。つまり、消耗度が激しいということでありまして、米側では採用当初五、六十時間で一機落ちたという計算であったそうでして、そういう点がマクナマラ長官などの批判的な気持ちにあらわれたんではなかろうかと思います。その後百二十時間に一機というふうに回復しております。
 そこで、優秀な性能を持っておるのですけれども、そういった面が問題であることは確かでありますけれども、しかし、先ほど申し上げたように、総合的な兵器体系という観点からいけば、若手のそういう点はありながらも、やはりそれぞれの特徴を生かした兵器体系を持つべきであるということを、特にわが国の場合にはアメリカの三倍の延命率、つまり事故率が少ないということもございますので、われわれが持ったということについては、やはり当時の兵器としては問題がなかったのではなかろうか、次の兵器体系にいく前の段階のものとしては、この兵器を持ったことについて問題はなかったのではなかろうかというふうに考えております。
#44
○中村(弘)委員 いずれにいたしましても、第四次防におきましては、マッシュを、言うなれば有人ヘリコプターを採用しようとしておられる。この裏はいろいろあると思います。第三次防におきまして、もっとマッシュを積み込めるだけの大きな駆逐艦を製造しよう、そういった計画があることも承知しております。だからこそマッシュを載せようということになっておると思いますが、少なくともそういったことでは国民は納得しないのじゃないか。単純に考えれば、ダッシュがつまらんかったからこそマッシュに切りかえるのだというように、こういう一連のむだづかいだとかなんとかいうことから考えたら、国民は勘ぐるのじゃないか。私は、愛される自衛隊になるがためには、こういった面でももう少し姿勢を正していただきたい、そのように考えるわけであります。私は、この問題につきましては、当局の説明はまだどうもぴったりとこない、理解できない。
 そこで、時間がございませんので、後日にさらに審査を続けたいと思うのでありますが、委員長は、私の質疑を留保することを御了解願いたいと思うわけであります。
 本日はこれで終わらせていただきます。
#45
○高橋(清)委員長代理 華山親義君。
#46
○華山委員 いまダッシュのことでいろいろ御質問がございまして、御答弁も伺いましたけれども、私からも伺いたいと思います。
 このダッシュというものを採用したことによって、いままで使われた金は幾らになりますか。たとえばダッシュのために、母艦といいますか、そういうふうなものに装備をした、それからダッシュを買った、それから訓練のために金が使われた、ダッシュの部品も買われたと思いますけれども、その総計は幾らになりますか。できるだけ項目別におっしゃっていただきたい。
#47
○蒲谷政府委員 ダッシュは、現在入手計画は全機で二十五機でございますけれども、その中で三機はMAPで、これは無償でございますので、二十二機について申し上げますと、四十五年度の予算を含めまして、予算ベースで、機体関係といいますか、本体関係で大体十九億、部品関係で十六億、それに、先ほど申しました訓練指導隊の設置を含みまして、全費用が合計三十五億でございます。
#48
○華山委員 母艦の費用も入っていますか。
#49
○蒲谷政府委員 全補用部品、全維持費を含んでおります。
#50
○華山委員 それで、ただいま中村委員が御質問したことと大体同じようなんでございますが、私も時期的に見まして非常に疑問に思わざるを得ないのであります。それは、三十八年に無償契約でナンバーワンが入った、三十九年にやはり無償契約で二号、三号が入っておる、そして四十年の五月に有償援助契約をしておるわけです。そして五月から二カ月たちますとアメリカの一九六六会計年度に入った、ところが一九六六年の会計年度におきましてダッシュの購入というものを減らした、そういう実態なんです。アメリカの会計年度でそういうふうになった。その会計年度に入る二月前には、減らされることはもう常識的に考えてアメリカの内部ではわかっていたと思うのです。ところが、その二月前に有償契約を結んでいる。そうするとこれは、これから生産が減るから日本に買わせようということじゃないのか、そういう疑いを持たざるを得ないのであります。そして一九六七年の会計年度に入ったわけでありますけれども、日本でいうと四十一年に入ってくるわけでありますけれども、そのときにはもはやアメリカでは生産を中止しているわけです。そのアメリカで生産の中止をされているときに日本では一番この飛行機を買っている。アメリカで買わなくなった、それでこれを日本に売りつける、そういうふうな意図がここに見えるのじゃないのか。先ほど中村委員もおっしゃいましたから、私もう詳しくは申しませんけれども、四十二年の一月にマクナマラ証言がありまして、それからまたその一月あとには一般金融計画をしているわけだ。アメリカがこのダッシュというものを締めていく、締めていく過程においてこららはどんどんふやしていった。アメリカの余りものを買わされたというふうにも解釈されないことはない。よその人が見たらそう思いますよ。私の疑いは決して当たっておらないとは言えないと思うのです。そういうふうな印象は受けませんか。そういうふうな事実があったとは思いませんか、伺いたい。
#51
○久保政府委員 あとだけをフォローしますと、そういった御印象もあるかと思うわけでありますが、過去にさかのぼってこの計画を定めた経緯を考えますと、必ずしもそうではございません。
 つまり、二次防の場合、それから三次防の場合もそうでありますが、二次防が三十七年から四十一年、三次防が四十二年から四十六年でありますが、このそれぞれの事前の計画段階においてダッシュを採用するということをきめておったわけであります。したがいまして、その結果、先ほど申し上げましたように、三十七年の春に第一回の調査団を派遣いたしております。これによって具体的に艦艇に装備するという自信を得て、三十八年度艦から装備をいたしております。それで、具体的に私どもが情報として知り始めたのが、つまり米側がダッシュを削減するらしいということを知り始めたのが四十一年であります。ですから、この削減と、削減の結果それを購入するということの関係はございません。なお、マクナマラ長官が申したのは四十二年の一月でありますから、そういうふうに、すでに三次防あるいは二次防の前段階においてダッシュが優秀な兵器であるということで採用することを決定しておったということで、削減とは必ずしも関係がないというふうにお考え願いたいと存じます。
#52
○華山委員 一九六六年、あちらでいいますとアメリカの会計年度、日本でいいますと、四十年の七月から四十一年の六月になるわけでありますが、その間に、この年度においてもうすでにダッシュの購入を縮小する方針をきめているじゃありませんか。三分の一をそこで締めている、そうしてその次の年には全然買わなくなった、こういう実態なんです。あなたは第三次計画というふうに言われますけれども、一ぺん計画をきめたならば、どんな情勢の変化があってもそれは実行するのだ、こういうふうになるのでございますか。
#53
○久保政府委員 もちろんそういうことではございませんで、マクナマラ長官がどういう理由でああいう発言をしたかはわかっておりません。ただし、先ほど申し上げましたように、米海軍で当初五、六十時間で一機落ちるというようなことが非常に問題であったろうということは想像されるわけであります。そこで私どもは、マクナマラ長官のことばの後といえども、米軍が全部不必要な、あるいは適当でない兵器として廃棄するということではなくて、いまおっしゃいましたように三分の一を削減する、そうして六六年度の勢力を今後維持していくんだということを言っておるわけでありますから、したがいまして、その範囲において有用なものであるということを判断し得ますし、のみならず、米海軍の担当者も異口同音にそういうことを申しておるわけでありますから、米海軍の次の兵器がくるのがわれわれよりも早いのかもしれませんけれども、米海軍の編成装備と必ずしも関係なく、兵器そのものが有用であるならば、われわれの兵器体系の中へ取り入れてよろしいという判断に立ったわけでございます。しかしながら、先ほどもお話がありましたように、生産が中止、もしくはその後の支援ができないということになりますと、計画変更をいたさねばなりません。したがいまして、四十四年度艦でありましたか、四十四年度艦については、三次防期間中でありましたけれども、ダッシュをアスロックに切りかえているということであります。
#54
○華山委員 アメリカと日本のほかに、このダッシュというものを使っている国はどこですか。
#55
○久保政府委員 ございません。なぜないかと申しますると、イタリア、イギリス――フランスはちょっと忘れましたが、これは有人ヘリコプターを使っております。なお、有人ヘリと申すときに誤解がないようにお願いしたいと思うのですけれども、このダッシュにかわるものは小型のヘリであります。そしてイギリスあるいはイタリアなどが持っておりましたのは、むしろ中型あるいは大型に近いようなヘリコプターである、少し兵器体系が違っておるということでございます。
#56
○華山委員 そのように、ダッシュというものは国際的には認められないものじゃなかったのか。一番この兵器が進んでいると言われるだろうと思いますけれども、そのアメリカの使っておるところのダッシュというものを世界各国は使っていないのじゃないか、なぜ日本だけこういうものをアメリカにならって使ったのか、その点伺いたい。
#57
○久保政府委員 経費のことを考えませんと、いまわれわれがDDHあるいはDLHといたしまして、中型もしくはそれ以上のヘリコプターを搭載しようとしている計画、先ほど私が申し上げたイギリスなどの傾向がよろしいのは当然であります。なぜかなれば、攻撃能力だけでなくて、みずから探知能力を持っているからであります。ところが、これを載せるためには四千トン前後以上の船を必要といたします。ところが、われわれのほうで二次防、三次防を通じて考えておりました護衛艦というものは、大体二千トンないし三千トンであります。したがいまして、二千トンないし三千トンですと、そういった中型のヘリコプターを載せる余地がありません。そうすると、小型ヘリということでありますが、有人小型ヘリは現在でもアメリカでまだ完成いたしておりませんが、当時の日本側ではその能力がない、そこで二千トン、三千トンに積むべきヘリもしくはヘリ相当の兵器がないかということになると、ダッシュがちょうどアメリカで開発されているということで、わが日本のような小型の艦艇を多用するようなところは、やはり兵器も小型のもの、そのほうが経費も安い、しかもそれ相当の効果がある、こういうことで決心したようであります。
#58
○華山委員 しかし、あなたは、マクナマラが何と言おうともとか言われますけれども――財政の都合でやったのだろうと言われますけれども、それはアメリカの軍人の言うことでしょう。マクナマラはそんなことは言っていない。あまりいい兵器ではないということを言っているわけなんです。
 それで、先ほどもお触れになりましたけれども、私は非常に残念なことは、あなた方、シビリアンなんですね。シビリアンでないところの軍人とシビリアンとが話し合って、そしてそれがそのまま通用するというようなことでは、これはシビリアンコントロールの実をなさないのじゃないか。そこに私は大きな問題があると思うのですよ。、長官、どういうものでしょうね。こういう問題についてもう兵隊まかせでいいのですか。
#59
○中曽根国務大臣 もちろん、長官以下内局の者は厳重に精査して、いささかもあやまちをおかさないようにする必要があると思います。いままでダッシュに関する御議論を拝聴しておりましたが、私は防衛庁の措置は必ずしも万全ではなかったと思いますけれども、しかし不当であったとは思いません。と申しますのは、このダッシュの使用期間というものはどの程度であるかといいますと、アメリカにおいても約十年くらい、日本の場合でも十年くらいであります。アメリカは四十一年から使い始めて、そして四十八年から四十九年くらいまでは使い続ける予定です。日本も五十年くらいまではもちろん使い続ける予定です。
 兵器の生命というものはどのくらいあるかということを考えてみますと、F86にしましてもF104にしましても、大体ある一定の生命期間があって、新しい兵器に更新されていくわけです。その経験を基礎にして新しい兵器体系が開発されていくわけであります。そういうものの蓄積の上に、兵器の進歩あるいは訓練の充実ということが考えられるわけです。
 そういう観点から見ますと、ダッシュという兵器は、あれを採用しました当時、日本側の防衛方針は、小さな船に性能のいい、機械化されたものを積まなければいけない。有人ヘリコプターを載せるという場合には、艦の強度を強めたりあるいは人間がおりてくるのに、たとえば波や風のために小さな駆逐艦にはなかなかおりにくい。そういう点からしまして、どうしても四千トン、ある場合には八千トンくらいの大きな駆逐艦、護衛艦になります。それを避けて、できるだけ小型の船に性能のいいものを乗せようというのは日本の防衛方針でもありましたから、それにまさに適合するのがダッシュであったわけです。
 そして、開発されました当時においては、もう一つの特色は非常に行動半径が広いということです。十マイルくらいまで飛ばさせられる、そして電波通信によって敵を探知し、ソーナーを据えつけて敵を探知して、そして短魚雷で攻撃できる、そういう当時としてはかなり画期的な兵器であったわけです。日本も、そういう日本側の要望に沿いましたからそれを手に入れたと思うのでありますけれども、その演練の結果ばアメリカの三倍の強度を持っておる。向こうが百二十時間くらいの耐用時間に対して、こちらは三百六十時間くらいまでいっている。それから命中精度は一〇〇%でありました。このことは米海軍に対して日本の海上自衛隊の練度が非常に高いということであり、ダッシュを完全にマスターしたわけです。これには、やはり実用訓練部隊をつくったりしてやった結果でありますが、現在においてもダッシュは、訓練あるいは演習の際にきわめて的確な捕捉をやり攻撃をやって、いい兵器になっている。まさに日本的にはいい兵器なんです。しかし、アメリカのようなああいう大きな、大型の金を持っている国から見ると、アメリカ側の要請に従ってあれは中止されましたけれども、しかし日本としては続けたいという兵器なんです。そこで、向こうが生産を続けている限りはこららも購入したいという考えで、その耐用年度を延ばそうという考えで自衛隊側はやったと思うのです。したがいましてこれがむだであったとは思われません。あの無人機というものを飛ばすことについて、非常に大きな技術修得を日本側はやっております。それから、あれは大体アポロの技術を兵器に転用して開発したものでございますけれども、日本側はそういう意味においても技術的にかなりあれで修得しておりますし、それから十年くらいの間ああいう無人ヘリコプターを使うことによって将来の兵器の開発、国産化への非常なサジェスチョンを実は受けておるわけであります。そういういろいろな総合的効果を考えてみますと、あれを採用したことが不当であったとは思いません。現在においてもあれはきわめて有用であります。われわれとしては、ああいうものを入れた経験をもとにしまして国産のもっと性能のいいものを開発しよう、そういうことでわれわれのほうの技術当局も鋭意研究を進めておるところでもございます。
 しかし、結果的に見ますと、耐用年度が十年くらいということは必ずしも長いとはいえない、そういう面から見ると万全であったとは思いませんけれども、しかし兵器の開発や兵器の入手という点においてはこういうことはやむを得ない事態で、起こり得ることであります。
 そこで、いまも参議院で質問を受けてきたのですが、兵器を国産化するのはよくないじゃないか、過剰生産につながったり危険である、そういを御議論がありました。つまり、外国から買えという議論でもあるわけなんです。しかし外国から買うということになるといまのようなような事態が起こる、外国の変化によって直ちにそれが通用しなくなるという危険性もございます。そこで、やはり性能のいいものを入れて、それを基礎にして国産化していく、それをサジェスチョンとしてもっと性能のいいものを日本自体でつくっていく、日本自体でつくっていけば補給はききますし、永続性がもっと増すわけでございます。そういうものの組み合わせで順次充実をしていくというのが兵器の開発体系なのでございまして、そういうおくれた日本の情勢から見ますと、いまのようなケースが起こったということはやむを得ない事態ではないか、私は政策的に総合的に見ましてそういうように思う次第でございます。
#60
○華山委員 長官の御答弁に満足しているわけではございませんが、それでは長官に伺いますが、今後、そういたしますとダッシュというものは日本で開発していくのか、あるいはマッシュの方向にいって、それに適合するもっと大きな母艦といいますか、そういうものをつくるのか、どっちの方向へおいでになるつもりですか。
#61
○中曽根国務大臣 いずれマッシュのほうにいくと思うのです。ダッシュというものはまだ日本で完全に国産する力はございませんし、やっても非常に金がかかりますからやりませんけれども、しかしあのダッシュで獲得した技術というのは――潜水艦を捕捉するためには無人機を飛ばして捕捉するという面に国産化の部分的活用も可能なのです。あれは短魚雷で撃つからいろいろな性能や何か要りますけれども、無人機を飛ばして潜水艦を捕捉するという意味においては、あの部分は非常に活用できるわけです。潜水艦を捕捉するということは、今日の日本の海上自衛隊の非常に重要な仕事で、ソーナーというものは、近い距離は捕捉できますけれども、遠い距離の捕捉はできないわけです。だから、遠い距離の捕捉についてはダッシュの部分的活用ということも兵器体系の開発としてはできるわけです。それで見つけたものを有人機で飛ばして爆雷を落とすとか、そういう措置が可能であります。そういう意味において活用さるべきであって、あれをそのまま日本で開発するということは考えておりません。
#62
○華山委員 そうしますと、今後はマッシュになってこれは外国から買う、そうしてその母艦になるものは、先ほどおっしゃったとおりもっと大きくならなければならない、もっと大きな母艦をつくる、こういう方向でございますね。
#63
○中曽根国務大臣 いまのようなそういう考えに基づきまして、次の新防衛力整備計画におきましてはヘリコプターの有人機六機を搭載する護衛艦をつくろう、そういう意味でDDHというものができてきまして、そのためには船が大きくならなければなりませんから、八千トンになるわけです。これが次の防衛計画に、たしか二隻出てくると思います。船が大きくなるということは、金もずいぶんかかりますし、維持費もかかりますし、あまり感心しないのです。しかし、以上のようないろいろな経過から考えてみて有人機のほうに転換せざるを得ない、そういう考えに立ってマッシュの方向に移行することになったわけであります。
#64
○華山委員 私は、長官の言われる日本の専守防衛という形からいうならば、小さな船、いま七隻だそうでございますが、これのほうがいいんじゃないか、八千トンもの大きな船がところどころにあってみたところが広い日本の海を守れないのではないか、そういうふうに思いますけれども、どうなんでしょうか。私は小さな船で七隻あったほうがいいと思うのです。長官、どういうふうに思いますか。
#65
○中曽根国務大臣 潜水艦捕捉という面から見ますと、小さな船ということになるとダッシュがどうしても出てくるわけです。つまり甲板が非常に小さいものですから、そこに安全に発着できるというものは機械でやるダッシュが一番いいわけです。そういう意味でわれわれのほうの海上自衛隊はダッシュを採用したのでございますけれども、日本としてはあれがいまでもいいと思っております。しかし、アメリカ側は、アメリカ側の事情でお金もずいぶんある、あるいは兵員もずいぶんあるという国であれをやめてしまいましたから、われわれのほうはやむを得ずこれを中止せざるを得ないという形になりましたけれども、われわれのほうの防衛戦略思想からすれば、できるだけ小型のものに性能度の高いものを積む、そういう思想でいきたいと思っております。
#66
○華山委員 長官、せっかくお答えになりましたけれども、私はすっきりいたしません。もうアメリカでは間もなくつくらなくなるんだ、部品もできなくなるのだというような段階の、その段階で多くのダッシュを発注した、そういうふうなことにつきましては、私はどうしても疑問が残ります。私は保留しておきたい。
 それで、別なことに移りますけれども、日本の軍需産業におきまして協力企業というのがありますか。あるいは特別協力企業というような制度がありますか。
#67
○江藤政府委員 御質問の……。
#68
○華山委員 人事局に聞いているのではない。武器をつくるほうに聞いておるのですよ。あなた、人事局長でしょう。
#69
○高橋(清)委員長代理 教育局長です。
#70
○華山委員 教育局長に聞いておるのではないのです。武器をつくるほうに聞いておるのです。
#71
○江藤政府委員 御質問の点は……。
#72
○華山委員 だから、それを聞いているのではない。武器をつくるためのそういうふうなものがあるかということを聞いておるのです。協力企業とか特別協力企業とか、そういうものがあるかということを聞いておる。武器をつくるほうから御答弁願いたい。
#73
○江藤政府委員 先生が御質問いたしておりますのは、おそらく自衛官の募集要項……。
#74
○華山委員 そんなこと言わなくていい。
#75
○江藤政府委員 特別協力企業というものであろうと思いますが……。
#76
○華山委員 特別協力企業というものは、武器をつくるときにあるのかどうかということを聞いておるのです。あなたの所管ではない。
#77
○蒲谷政府委員 武器の製造面では登録企業という概念がございます。現在の会計法で登録をしまして、その中から入札させるという制度を持っておりますけれども、協力企業という名前の問題は、実は人事局長の所管のほうにございます。
#78
○華山委員 協力企業というのは人事のほうの関係だそうですが、この協力企業というのは何ですか。
#79
○江藤政府委員 御承知のように、自衛官は二年ないし三年というような非常に短任期の任期制の隊員でございますので、勢い、自衛隊に入りましても、直ちに他のほうへ転職しなければならないということは、あらかじめ予約されておるような職業でございます。したがいまして、できれば退職後有利な会社に就職できるという見通しがあることが、自衛官の募集なりあるいは優秀な自衛官を採用する場合に必須な条件になるわけでございます。その意味におきまして、現在各企業もたいへん募集難でございますが、自衛隊が二年ないし三年の任期制単位である。その時期においては、かなり大量の募集源に自衛隊がなるという面からいたしまして、各企業があらかじめ自衛隊に対しまして有利な条件で採用いたしましょう、あるいは年々計画的に一定数を採用しましょうというふうに、各企業から申し出がきております。そのような申し出がきております企業を、この場合協力企業というふうにわれわれは呼んでおるのでございます。
#80
○華山委員 その協力企業を指定しているわけですね。
#81
○江藤政府委員 この指定しているということばは、ちょっと表現としては適当でなかったかと思います。これはこのような特別協力企業がある、そういうところに自衛官が就職いたしておりますという事実をここで表現いたしたつもりでございますが、必ずしもことばそのものは適当でなかったかとも思います。
#82
○華山委員 これを見ますと、読んでみますけれども、「特別協力企業の指定……」と書いてあって、「他の企業に比して退職者の就職時、身分取扱いが優遇されること、及び給与上優遇されることを条件に協力企業を指定しています。」こう書いてあるわけでしょう。それで私はこれを誤解したのです。そういうことを条件にして防衛庁のいろいろな注文、非常に大きな発注力を持っておりますから、そういうことを条件にして、特別ないろいろな契約のときに、指名をするときに、あるいは随意契約をするときにあらかじめきめてあるので、そういうものを協力企業、こういうふうに私は考えた。協力企業を指定するということが何だかわからないですね。私は前にも言ったことがあるけれども、とにかく自衛隊員を募集するために、あなた方の言っていることは、とにかく退任したならば仕事にありつけるんだということを重点にして募集していらっしゃる。前にも私が申し上げましたけれども、ある会社と一緒のこういうビラを出しましたね。そういうふうに、企業とこの自衛隊というものがくっついているようなかっこう、こういうかっこうはやめるべきじゃないのか。それじゃ、これはどういうふうに改めればいいんですか。
#83
○江藤政府委員 特別協力企業と申しますのは、これはあくまでも自衛官の就職あっせんの際に用いていることばでございまして、とれそのものが特別に自衛隊の契約関係と関連あるわけではありません。具体的に企業の例を申し上げましても、現在自衛隊が大量に購入しておる企業とはおよそ関係のないと申しますか、範疇の異なる企業体が中心になっております。このことばは、はっきり申し上げますと、先ほど申し上げましたように、企業のほうから計画的に毎年自衛官を一定数採用いたしましょう。またその際には一般の臨時工員等に比べまして有利な条件で採用しますという具体的な採用条件を提示してきた企業に対しまして、それでは私のほうはその企業に対しまして、一定数の人間を計画的に、退職自衛官、任期満了の隊員から供給いたしましょうというふうな約束をいたした企業体を、まあこの表現によりますと、特別協力企業の指定というようなことばになっておりますけれども、この指定ということばは少しごろが強いかとも思いますが、そういうことの趣旨を言っておるのでございます。
#84
○華山委員 あなたの言われていることは、職業安定法に違反いたしませんか。職業安定法では、自衛隊というものは、いまあなたのおっしゃったようなことはやれませんよね、就職のあっせんみたいなこと。また、あらかじめあなたのほうは四十数人なら四十数人私のほうで選んで差し上げますなんて約束できるわけがないじゃないですか。職業あっせん機関になっているんじゃないですか。そういうようなことは、職業安定法によってできませんよ。私は前にも申し上げたことがある。そういう点をどうお考えになっているか。あのときの人事局長は、いままでのあり方は悪かった、今後は安定局を通じて、安定局のお手伝いをする意味でやります、こういうふうに言っておられた。いまのあなたの言われることは、自分で企業のほうとあらかじめ約束しておいて人を出すことじゃございませんか。それは職業安定法の違反ですよ。どうお考えになりますか。
#85
○江藤政府委員 私のほうから各企業に対しましてそのようなことを申し出まして、自衛隊がみずから就職あっせんをすれば、これは職業安定法違反になることは当然でございます。しかしながら、この特別協力企業と申しますのは、まず――先ほど申し上げましたように、現在の企業体も相当求人難でございます。その意味におきまして、自衛隊に対していわば求人情報というふうなものを自衛隊のほうに申し出てくる、それで、自衛隊もそれを採ることが望ましいわけでございますが、具体的に自衛隊員を採用する場合には、こういう条件で採用しますからいかがでしょうかということを自衛隊に持ってまいる、そのこと自体は別に職業安定法違反ではないと思います。私のほうは、職業あっせんします場合には、あくまで成規の職業安定所を経由しまして求人票をとり、あるいは求職票に書き込ませまして、成規の手続で就職あっせんをいたしておりますので、別段職安法違反になるとは考えておりません。
#86
○華山委員 あなたは簡単に職業あっせん職業あっせんと言うけれども、職業のあっせんがいけないのですよ。職業あっせんをするには労働省の認可が要るんです、学校等特別のあれを除きましてはね。本来からいうならば、自衛隊というものは、就職に関しまして何もできないはずなんです。私はそこまで厳密なことは言いませんけれども、先ほどあなたは、企業との間に、申し出があれば、それじゃ何十人供給しますという需給関係まで約束するとおっしゃったでしょう。たいへんな出過ぎだと思うのですよ。私はいま持っておりませんけれども、ことしあたりどうですか。私が御注意申し上げたあとでも、私が御注意申し上げた結果、特定の大きな会社との間のいろいろなことはやめましたけれども、なお超一流会社に就職をあっせんしますと書いてはあるね。そういうふうなことは、やりたいならば、労働省とよく相談して、労働省の認可を得て、きちっとしておやりなさい。官庁が法律を破るということはおかしいと思うのです。この辺につきましては、私は独断で言っているのじゃないのです。労働省ともよく相談をして、こういうことはどういうものだということを聞いてやっていく、そういうことをやりたければ、当然労働省の許可を得なければいけない、こういうふうに言っているわけです。私はこれは相当出過ぎていると思う。もう一ぺんお考え直しを願いたいし、この文章は直していただきたい。非常な誤解を受けますからね。何か特別な企業を指定して人を送っていく、これはもう純然たる職業のあっぜんですよね。
 どうでしょう、委員長、やめたほうがいいですか、まだいいですか。
#87
○高橋(清)委員長代理 結論をお急ぎ願います。
#88
○華山委員 別の問題に移ろうかと思います。よろしゅうございますか。
#89
○高橋(清)委員長代理 どうぞ、あと十分くらいで……。
#90
○華山委員 それじゃその次に移りますが、長官、たいへんお医者さんが足りない。昔でいう軍医というんですか医官というんですか、非常に足りないということを御心配なようでございますけれども、ほかの官庁でも足りません。充足率は満たしておりません。しかし特に防衛庁につきましてはひどいのですね。ほかにも役所がありますよね。刑務所もあるし、あるいは保健所もありますし、いろいろな役所があります。そういうふうなところはあまりそんなに防衛庁ほどひどくないのですが、防衛庁がこんなにひどいというのは、何か防衛庁独特の理由があるのでしょうかね。これは大臣でなくてもよろしゅうございますけれども、何か理由があるのですか、これは。三十何%しかいないなどということは、何か特別の理由があるのじゃないか。刑務所などというところは人のいやがるようなところだけれども、そんなたくさん欠員はありませんよ。何か欠点があるのじゃないのかな。どうなんだ。
#91
○鈴木(一)政府委員 お答え申し上げます。
 医官不足は防衛庁のみの状況ではございませんで、これは世界各国医師不足、並びに医師だけのみならず医療従事者の不足を来たしておるわけでございまして、防衛庁なるがゆえに欠陥があって医者が来ないということではございませんで、現在その背景になっております日本の状況を申し上げますと……(華山委員「そんなことはわかっている」と呼ぶ)まあ先生も御案内のとおりでございまして、私が防衛庁へ参りましていろいろ調べてみますと、特にこれという、防衛庁なるがゆえに医者が来ないというような理由は見当たらないわけでございます。それで、御案内のように防衛庁に絶対数をふやすということで、特別な性格を持った医科大学をつくって歩どまりをよくしていこうという構想を持っておるわけでございます。
#92
○華山委員 しかし行刑施設でも少年院でも、まああまり人が行きにくいところだと思うのですけれども、こういうところだって防衛庁ほどひどくはありませんよ。これは統計ありますからごらんになってもいいですけれども、どうしてこんなに自衛隊というものはお医者さんが行きたがらないのか私はふしぎだと思うのですが、世界の医師不足、日本の医師不足からくるのであって、何もない、こういうふうにお考えなんでございますね。いま充足率幾らですか。
#93
○鈴木(一)政府委員 しいて申し上げまするならば、これは特に防衛庁だけに限りませんが、先生も御案内のごとく、全国的に大学のゲバ騒動が起こりましてから、従来、関連大学から――大体医者というものはどこの医療機関につきましても大学とのコネクションにおきまして、そういう関連で医者を確保するわけでございますが、特に防衛庁関係はそういう――まあ現在もその関連大学、出身地大学とのコネクションにおいて医者の確保をやっておるわけでございますが、特に大学騒動以来それがよけいむずかしくなってきたというようなことでございまして、これは一般的にいえることでございますが、そういうことも一つの原因であろうか。それから、入ってからの身分関係、これが防衛庁では隊員というふうなことでございますが、アメリカあたりの考え方も、現在医科大学構想を持っておるようでございますが、これも総合大学というようなことで、いわゆる学問の自由という立場で、それを今度つくります防衛医科大学にどのように反映していくか、こういう点も大きな問題点だろうと思います。
 まあ、ほかとこれは比べてみますと、たとえば一般の公衆衛生行政の中における、先生の御指摘の保健所の問題につきましても、年々医者の確保がむずかしくなってきている。現に大都会なんかの保健所におきましても医者が非常に減っております。そういう点もやはり大きな影響は大学騒動の影響というようなことで、昔は教授一本で、命令で行けと言えば医者が確保されたわけでございますが、現時点ではなかなかそれがむずかしい。青医連というふうな非常に発言権の強い場を通して教授が逆に意見を聞かれるというふうなことでございまして、そういう点が大きな要因になっているというふうに考えております。
#94
○華山委員 あなた、大学騒動とおっしゃいますけれども、防衛庁の医官の充足率は、四十二年から四十五年の間、大体一〇〇〇に対して三七九、最近になって一〇〇〇に対して三四八というふうに少しは下がってきておりますけれども、この数字は大学騒動なんかに結びつかないですよ。そういうふうな三割あるいは四割というふうな充足率に対しまして、私の持っている統計によれば、行刑施設については、この五年間の平均で見ますと充足率は九四・七%、少年院については九七・五%なんです。それであるから、同じような状態――お医者さんとしての行動の自由がないとかいろいろなことがあると思いますけれども、仕事としていやな場所かどうかということになれば、行刑施設とか少年院のほうがもっといやだと思う。そこでさえもこういうふうな、とにかく一〇〇%に近い充足率を持っているのに、なぜ四〇%にも満たないような、自衛隊に充足率が低いのか、そこに何か、自衛隊にどこかに欠点があるのじゃないのか、理由があるのじゃないのかということをお聞きしたかったわけなんです。あなた、大学騒動なんて理由になっていませんよ。そのような状態というのはずっと前からなんだから。
 それじゃ、もう自分じゃどういうわけで自衛隊の充足率が低いかは理由がわからない、こういうふうに了解するほかしかたがありませんが、私の申し上げますことは、こういうふうな素質が自衛隊にあるならば、かりに自衛隊独自で大学を持たれても同じことですよということなんです。身分を縛るわけにはいかぬでしょう。いま聞くところによると、防衛大学校を出ましても相当の人が自衛隊には就職しないということを聞いている。各地方等におきましては、学生に相当の給与を出してそして大学に通わしていても、結局、金を払えばいいんでしょうというわけで、給付されたところの金を払ってその県には就職しない、そういう実態で困っているわけなんです。それだから、大学をつくられることにも問題があるでしょうけれども、私はやはり、人がいつくところの自衛隊でなければならないということなんです。いまお聞きいたしましたけれども、なぜ自衛隊のほうには医者が来ないのかということについて、自衛隊には特別の理由はありませんということだから、私はたいへん心細いと思う。そういう点は直していただかなければいかぬ。しかし、そういうふうなことは決算には関係がないとおっしゃるかもしれませんが、決算の上には出てきております。決算の上ではそれだけ不用額を出しておりますから私はお聞きしたわけでございます。
 まだありますが、この程度にしておきます。
#95
○高橋(清)委員長代理 浅井美幸君。
#96
○浅井委員 私もきょうは、中村委員やあるいはまた華山委員が触れられましたダッシュの問題について、重ねて質問をしたいと思います。
 まず長官にお伺いしたいのですけれども、自衛隊が新しく購入をしようとする兵器に対して、購入計画といいますか、そういうものをいろいろと打ち合わせし、相談し、そして計画を立てられるわけですが、一体防衛庁のどなたがそういう計画をなさるんでしょうか。
#97
○中曽根国務大臣 三幕の責任者が部隊等とも相談をして、その要望を持ってくるわけです。そのどういう兵器、どういう性能のものが必要であるかという要望に基づいて内局ともいろいろ相談をし、それから技術研究本部等とも相談をして、それを自主開発でいくかあるいは外国から購入するか、そういうことを相談をして、そして最終的には内局で長官を中心に決定する、そういう手続であります。
#98
○浅井委員 先ほども触れられておりましたけれども、このダッシュの購入計画については、私どもは、国の予算、決算を審議する場所として金の使い方が非常にずさんであった、このように指摘をしておるわけでありますけれども、先ほど論議になりましたマクナマラ国防長官の国防省予算小委員会における証言というものですか、発言というものをそういう会議ではどのように評価なさったんでしょうか。
#99
○久保政府委員 やはり一国の国防責任者が発言されたことでありますので重要な発言だということで、当時の関係者の話を聞いてみますと、内局でも相当に部内での審議が行なわれ、その審議の結果、単にMAAG・Jを通じての照会のみならず、それぞれ海軍省あるいは在外公館を通じて直接にただすべき内容をただされた。その結果一応疑いが晴れて、兵器に対する評価として今後も有用なる兵器である、また四十何年ごろまでは米側の支援も可能であるということで、当面の対潜兵器としては、ちょうど四十二年の建造艦にダッシュを採用するという可否が論ぜられておったわけでありますから、そとで決定されたということであります。
#100
○浅井委員 いまおっしゃったように、アメリカの国防長官の発言であります。軽々にそのことを検討されたのではないと思うのですけれども、こういうふうな「予期していたよりも高い平時の消耗および予期していたより低い性能に遭遇している」、さらに「われわれは全計画を再検討しようとしていることを本委員会にお知らせした。」、これは四十二年、すなわち一九六七年の一月二十三日です。そうすると、この本委員会にお知らせした前に、すでに四十一年にこの国防委員会に何らかの形でマクナマラ発言はあったんですけれども、それは御存じでしたでしょうか。
#101
○久保政府委員 その点に関しましては、当時の状況をちょっと調べてみましたが、よくわかりません。しかしながら、国会の審議と別に、四十一年の六月ごろからアメリカの関係雑誌にそういった批判記事が出ておりましたので、これに基づいて調査は行なっておるようであります。
#102
○浅井委員 ですから、そのような批判がありながら、わざわざこのダッシュの購入計画を立てるという考え方、この防衛庁の内局の考え方が私には納得いかないわけです。したがいまして、現在これが明らかに生産中止になって宝の持ちぐされのような形になり、このダッシュ計画をいま日本の自衛隊としても根本的に考え直さなければならないという結果を招来した、こういうことがさきに言われており、結果的に見てそういう結果があらわれたことについて、先ほど長官は、万全ではなかったけれども不当ではないという表現をなさっておる。そういう考え方で四次防、五次防を進めていくという、そういう自衛隊の幹部の考え方は私は納得いかない。その点について長官、どうでしょうか。
#103
○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたように、これは兵器の調達政策と申しますか、そういう基本政策的な考えから見ますと、新しい兵器を開発していき、ある年度の耐用命数を持たして順次切りかえていくというある程度の長期性を持った見方からいたしますとやむを得ないものである、そういうように私は思います。そういうある程度の更新あるいは改廃というような形をとって前進していきませんと、兵器の開発自体も停滞いたしますし、それから練度も上がらない。やはりF86からF104にかわり、さらにファントムにかわる、そういうように、十年ぐらいで、あるいはもっと短い期間でかわっていくわけです。それは護衛艦についてもあるいはその他の部分的な兵器についても同様なのでありまして、ダッシュの場合は大体十年ぐらいの命数をもって活動しているわけであります。ですから、そういう面と、それから日本に最も適した兵器の開発という面から見ますと、ダッシュというものは将来に対して非常なサゼスチョンと開発の展望力を与えておるものでありまして、決してむだであったとは思いません。
#104
○浅井委員 私は長官と見解を異にするのかもしれませんけれども、そういう考え方であるならば、いわゆる武器の開発ということになるならば、どのようなむだな兵器を買っても差しつかえないという考え方でしょうか。このダッシュ自体について、三十七、八年からいろいろと論議されたのですけれども、ダッシュがヨーロッパの軍事専門家の間で金持らの兵器といわれており、そしてあまりの損失の大きさにアメリカでさえ採用中止になった。こういうふうないきさつがあって、どんなに高くついても兵器の開発ならばやむを得ないという、そういう根本的な考え方であなた方は臨まれているのですか、どうですか。
#105
○中曽根国務大臣 どんなに金を高く使ってもいいとか、むだをしてもいいという意味を申し上げているのでは絶対にございません。ダッシュの場合は大体六千万円とかその限度のものであって、その性能その他から見ると、有人機で人間をそこへ入れて、いろいろ事故や何か起こした場合、この補充、そういうものを見ると、やはり無人機のほうが日本的で、全般的な観点から見れば性能のいい要素もあるわけです。多少風波が高くてもダッシュなら飛べるけれども、有人機の場合はとても飛べない。有人機の場合は甲板をもっと大きくした大きな船でなければやれない。そういうあらゆる面から見ますと、日本的な防衛体系という面からいうと、あれは実に参考に値する一つの構想であり兵器でもあるわけです。そういう意味において、日本独自の防衛戦略というものを考えると、あの採用というものは決してむだであったとも思いません。また、現実においては有効に機能しておりまして、日本のように完全にマスターして、アメリカの三倍ぐらいの一機についての耐用年数を持っているという面から見れば、私はアメリカにおいてはそういう評価があったかもしれませんけれども、日本の場合にはそういう評価は成立しない、そういうふうに私は思います。
#106
○浅井委員 耐用年数がどのくらいが三倍になったのですか。数字的におっしゃってください。
#107
○中曽根国務大臣 アメリカの損耗度は、初め六十時間ぐらいであったのが百二十時間ぐらいになりましたが、日本は三百六十時間くらいの耐用度を持っておるわけです。
#108
○浅井委員 三百六十時間というのはどこから数字が出てきたのですか。私が持っている資料では、二十二機で運用時数が昭和四十五年十二月末で二千百六十三時間しか動いておりません。それが何で三百時間になるのですか。
#109
○久保政府委員 この三百六十時間というのは海幕からもらった数字でありますが、おそらく二千百何時間を六機で割ったのではないかと思います。
#110
○浅井委員 もう一ぺん答弁してください。何で六機で割ったんですか、二十二機入っておるのでしょう。
#111
○久保政府委員 二十二機入っております。そして、各機についての運用時間数が書いてあります。その合計が二千百六十三時間になっております。二千百六十二時間全機種について飛んだのであるけれども、そのうち六機が喪失されている。したがって、二千百六十三時間を六機で割って三百六十時間になるということであります。つまり事故率であります。事故時間数と申しますか、そういうことであります。
#112
○浅井委員 何ですか。いま耐用年限のことを長官が三百時間とおっしゃったのです。アメリカにおいては五十時間から六十時間、それを日本においては三百時間とおっしゃった。そうじゃないですか、長官。
#113
○中曽根国務大臣 私が耐用と申しましたのは、その事故率の意味で申し上げたのであります。
#114
○浅井委員 いまあなたがおっしゃっておったのは、いわゆる日本の年限が耐用年数は約十年間、あなたは使うとおっしゃっておった。そして十年間の間において、日本においては三百時間のいわゆる耐用時間がある、こういうようにおっしゃったのです。ですから私は、二十二機で二千百六十三時間だったら百時間足らずじゃないか、それがなぜ三百時間になるのかと言うのです。どこからそういう三百時間という数字をはじき出してきたのか、根拠を明かしてください。
#115
○久保政府委員 長官がおっしゃいましたのは、兵器体系として十年間ぐらい使われるということでございまして、ところが十年間のそのダッシュというものは対潜兵器として存在する、その次の段階にはまた別のものが要る、これはちょうどあたかもアメリカより若干おくれておる程度であるから、日本もその傾向を進むであろう、しかし一機一機の事故率、事故がどの程度起こるかということは、三百六十時間について一機喪失させるということであります。
#116
○浅井委員 私は、あなた方が事故率ということで固執されるならばそれでもけっこうでしょうけれども、これが三十八年度から四十六年度までにおいて、機材、部品等も含めて約三十五億――ダッシュだけで十九億一千三百万円、機材、部品が十五億九千百万円、合わせて三十五億四百万円、これだけの金額でありますけれども、これが約十年間で使われたとしても一年間当たり三億五千万円、これだけの効果があったかどうか。あるいはまた、これのいわゆる訓練のために基地をつくった。隊員の訓練のためにつくった基地の建設費だけで約一億五千万、それからさらに、これのためにわざわざ駆逐艦をつくった。ヘリコプターのためにわざわざ護衛艦をつくってまで導入したといわれております。こういうのが、今度その無人機が使われなくなったら、護衛艦というのは一体どうなるのか。有人ヘリコプターになったならば、そのままでいまの駆逐艦がその使命を果たせるのか。駆逐艦をつくった分までの損失を含めると、一体どのくらいの金額になるのか、私は想像もつかないと思うのです。駆逐艦までつくってやって、一体全体このダッシュ計画で総合計の金額はどのくらいになるのですか。
#117
○蒲谷政府委員 これは防衛の運用の問題でございますけれども、現在ダッシュを積んでおりますDDKなりDDAが、一部ではアスロックにかえておりますけれども、今後も新しい兵器体系が生まれていく、その場合に、たとえばマッシュを考えた場合に、現在の飛行甲板の格納庫についての多少の修理が要るということかもわかりませんけれども、大体はこういう艦を前提にしました新しい兵器体系が止まれてくるというふうに考えております。
#118
○浅井委員 私は金額を聞いたんです。ダッシュを計画をするために、総合的ないわゆる開発計画とともに、総合金額はどのくらいかかったか。あなた方は護衛艦までつくらなければこのダッシュを積載できなかったんです。アメリカにおいては旧式の駆逐艦がたくさんあったんです。その駆逐艦の性能をよくするためにこのダッシュというものの開発計画を行なったんです。日本はそれを受け入れるために、わざわざ護衛艦をつくったじゃないですか。その護衛艦はそのまま今度は有人機に、マッシュに切りかえるときにはその護衛艦の役割りは一体どうなるかということから引き継いで、その他の開発から、隊員の訓練から、このダッシュ計画による日本の総合的な費用は一切がっさいでどのくらいになったかということを聞いておるのです。
#119
○久保政府委員 金額を装備局長からお答えされるかもわかりませんが、その前にちょっと、あるいは誤解があるかもしれませんのでお答え申し上げたいと思いますが、ダッシュを乗せるためにDDKあるいはDDAをつくったということは必ずしも適当でございません。要するに護衛艦DDAの三千トンクラスなりあるいは二千トンクラスをつくるにあたって、どういう兵器体系を載せるのが適当であるかという検討が行なわれたわけであります。そこでアスロックという体系とダッシュという体系が選択されたわけであります。そこで、アスロックのほうは距離が短い、ダッシュのほうは距離が長い、しかしながらまた一長一短もあるということで、DDAについては両体系を載せる。DDAはアスロックだけを載せる船とダッシュだけを載せる船、そういうふうに考えたわけであります。一長一短ありますが、アスロックだけでもそれ相当の効果はありますし、ダッシュだけでもそれ相当の効果があるということで、ダッシュを載せるために船をつくったということでなくて、護衛艦という任務を持つ船をつくるにあたって、どういう兵器を載せるか、したがって、ダッシュというものが今後生産中止という報が伝えられて、ダッシュをやめてアスロックに切りかえていく、これは一長一短でありますから、ダッシュ的性能はないけれども、そのかわりアスロック的性能はあるということであって、そういう前提でお聞きいただきたいと思います。
#120
○蒲谷政府委員 ダッシュにつきましては、先ほどの三十五億がダッシュ関係だけの費用でございますけれども、そのほかにダッシュ艦として考えられますDDKにつきましては百二十四億という建造費を使っております。
#121
○浅井委員 新聞に報じられていることですけれども、もともとアメリカは大きなヘリコプターばかりで、船に積まるような有人ヘリは持っていなかった。ところが、イギリスやフランスは一人あるいは二人乗りの有人ヘリを持っていた。ヨーロッパのような小さな有人ヘリを使うと、ダッシュのように、ただ単に相手の潜水艦に魚雷を投下するだけではなく、相手の潜水艦の偵察もあわせて行なうことができる。アメリカの海軍もそれに気がついて有人ヘリの採用に切りかえた。自衛隊も、自力開発をやれないなら、イギリスやフランスの有人ヘリを購入しておれば、突然の生産中止で泣くようなことにはならなかった。もっとも、いまの自衛隊はアメリカ以外の兵器は買わない実情ですからそれは無理でしょうがね。また、このことについていろいろなことが言われておりますけれども、アメリカへの追随の姿勢がアメリカのお古になった、使われないようになったものまでも日本が引き受けてこのダッシュという兵器を買ったのではないか、こういううわさまで飛んでおるわけです。そういう点についてはどうですか。
#122
○久保政府委員 さっき私申し上げたことですけれども、ヨーロッパ系のヘリコプター搭載の駆逐艦というものは、最小限で三千五、六百トン、大体四千トン、五千トンといったクラスであります。したがって、かりにヨーロッパのそういったヘリをわが国が輸入しておれば、二千トン、三千トンの船では載らない。もう少し大きな船にしなければならない。それが、ちょうどいまわれわれが四千八百トンないし五千トンでDDHをつくろうとしておるのと同じ思想になるわけです。しかしながら、その当時、つまり二次防から三次防にかけましての当時、かりに四千トンの船あるいは三千数百トンの船をつくってヨーロッパのヘリを導入しようとしましても、その当時の技術においては、遺憾ながら安定性といいますか、そういったことでうまく搭載する技術を持ち得なかった。大体二次防当時であったろうと思いますが、そういうことで小型艦艇に有人ヘリを載せる思想が当時はなかった、しかしながら今回は、小型のヘリコプターで、しかも二千トンないし三千トンの船に載せるものを開発し得るおおよそのめどがついたということで、DDHを使った形で二、三千トンの、いまダッシュを載せている船にいわゆるマッシュを載せていく、そういう方向でいま考えております。
#123
○浅井委員 いまの護衛艦にそのままマッシュを載せようとするのですか。――わかりました。
 あなた方はいろんな言い抜けをなさる。しかし、こういうずさんな購入をしたということは、指摘されるのが当然であろうと思うのです。
 もう一度重ねてお伺いいたしますけれども、なぜ第三回の調査団を出したのですか。
#124
○久保政府委員 四十二年の一月にマクナマラ長官の国会での言明がございました。そして、これについて内局で関係者、制服を含めて相当審議を重ねたようであります。その前の年にすでに情報があって、つまりいろいろな批判的な見解がマクナマラ長官の言明の前の年、四十一年の春ごろにありました。その際もMAAG・Jをはじめ、米海軍省に照会をいたしております。そのときに、これはだいじょうぶだという答えを得ておりますが、マクナマラ長官のそういった言明があったものでありますから、再度米側に照会をいたしております。御質問があればあとで詳しく申し上げますけれども、それぞれのところに照会をして、一応だいじょうぶであるということで、四十二年度艦にダッシュを載せることを決定した――そのときの計画としては決定したわけでありますが、なお念を押すために四十二年の十一月に第三回の調査団を派遣しておる、そういう経過のようであります。
#125
○浅井委員 先ほども御答弁がございましたけれども、そのときの報告は、ダッシュは有効な対潜兵器である、米国でダッシュの調達が取りやめになったのは予算上の理由によるものである、それから、ダッシュの後続兵器については現在アメリカで研究中である、この三点でありますけれども、いわゆるマクナマラ発言では予算上という発言があったのかどうか。マクナマラ発言というものは、予算のことは一つも述べてない。あくまでも消耗及び性能のことについて発言しているのであって、予算のヨの字も言っていないのです。それなのに、なぜここでは予算上の理由ということとになったのですか。
#126
○久保政府委員 その辺は米海軍側に照会いたしてもよくわかっておりません。
 ただし、私の手元にあります資料でちょっと御説明いたしますと、調査団が行く前に米側にいろいろ照会をいたしております。それによりますと、たとえば海軍省からの回答では、今後、米海軍は六七会計年度のダッシュ計画を維持する、そういう程度である、したがって新たなる調達をやらないということをいっております。それから米海軍省作戦部対潜作戦計画室の回答では、ダッシュは満足すべき性能を有しておる、今後も技術的、戦術的理由によって中止したり削減する計画はないということをいっておりますし、そのほかにもいっております。それから米海軍省の兵器本部のアスロック担当官――アスロックはダッシュと対立といいますか相対する兵器でありますが、その担当官の意見は、アスロックもダッシュもそれぞれ特徴を有し、両兵器とも引き続き使用されるであろう、ただし、ダッシュは非常な荒天のときに使うのは困難であるという所見が出ております。それから対潜学校の訓練部長の意見も、同趣旨のことが出ております。
 そういうようなことで、この関係者の話を総合すると、予算的な問題であって、兵器そのものについては自分たちは自信があるんだということを言っておった。この第三回のレポートの詳細なものを私いま手元に持っておりませんが、やはりそういうような背景のもとに報告されているというふうに認識いたしております。
#127
○浅井委員 予算上の理由ということは、あなたは明確でないと言う。こういうことはあなたの推測ですね。橋本一等海佐と二等海佐の味岡さんという人は、予算上の理由によるものであるという明確な報告書を出しておる。その根拠になったものは、あなたの答弁では明確でないと言う。この報告と実際との違いというものは、私たちははなはだ疑問に思うのです。その辺、もう一度御答弁ください。
#128
○久保政府委員 いま私、具体的に、だれがどう言ったかということははっきりわかりませんが、調査団が米側に行って調査をした場合の向こうの係官の言明、それから、それ以前にこちら側から米側に照会したときの向こうの考え方、それは担当官であるかもしれませんが、そういう人たちの感触が予算の問題であるということを言ったのでありまして、私の推測ではございません。
#129
○浅井委員 感触で予算上の理由と言うのでしょうか。それともマクナマラ発言の、いわゆる高い消耗率と低い性能ということなんでしょうか。その辺はどうなんですか。
#130
○久保政府委員 これは、私、明確に客観的に判断する材料を持ち合わせておりませんが、マクナマラ長官がどのように制服部門と意見を異にしつつまいったかということは御案内のとおりでありまして、制服部門は純粋に技術的に判断をしておったということで、マクナマラ長官及びその側近の判断というものは、制服側からの推測しか私ども承知をしておりません。
#131
○浅井委員 予算上の理由というのは、だれの答弁なんですか。海軍部内の執行官あるいは会計担当官の答弁なんですか。
#132
○久保政府委員 予算担当官に確かめておるところではございません。調査団が行きましてそれぞれの係官の意見を聞いてまいった、そうするとそういう推測であるということであります。その係官方の推測では、マクナマラ長官はそういう関係で発言したのであろうということであります。
#133
○浅井委員 そんな一係官の発言が予算上の理由ということなんですか。では、これは全部推測の報告書ですか。当てにならない向こうの一係官の発言、それがわざわざ四週間もアメリカに行って調査してきた報告書の内容になるのですか。
#134
○久保政府委員 私は一係官とは申しておりません。先ほど申しましたような関係機関のところに行き、責任者に会ってそれぞれの見解をまとめてまいった、それの総合的な報告書が先ほど申しました第三回の調査報告であるということであります。
#135
○浅井委員 アメリカ海軍部内の、予算上の理由によってやったというはっきりした証拠、これはあなた方が調査に行って調べたか私はわかりませんけれども、このことについては明確に調査をしたい。一切がっさいの、第三次調査団の行った先、あるいは聴取してきた相手先の人間、どういう人からそれを聞いてきたか、私はその資料を要求しておきます。委員長、この資料要求について取りはからっていただきたいと思います。
 そういうずさんな、かってな報告を出されて、調査に行って、そして武器を購入しておる。これは明らかに防衛庁の独善としかいえないと私は思うのです。これに対する三十五億の出費というものは血税であります。それに対して、性能が悪いもの、消耗率の高いものを、わざわざ調査に行きながら、あいまいな報告の結果においてまだこれを購入しておるということは、私たちは国損として許せない。
 この輸入を扱った商社はどこですか。
#136
○蒲谷政府委員 日商岩井でございます。
#137
○浅井委員 日商岩井が圧力をかけて、日商岩井がもうけるために防衛庁はこれを買っているわけですか。
#138
○蒲谷政府委員 いまも防衛局長からお話ししましたように、十分の調査の上で決定しまして、日商岩井は単なる取り扱い業者というふうにお考えいただきたいと思います。
#139
○浅井委員 そう応弁せざるを得ないでしょう。そういうふうに勘ぐらざるを得ない。こんな劣悪な――マクナマラの英語の文章には劣悪なという表現があるとかないとかいわれております。それほどのずさんな購入のしかたをなぜしなきゃならぬのか。防衛庁が、四次防の四兆八千億ですか、幾ら金額はたくさんあるといっても、親方日の丸の財政で、国民が強い批判を持ち――専守防衛だといいながら、いわゆる防衛予算がだんだんだんだんエスカレートしてきておる、これに強い不満を持ち、批判を向けているのが国民の声なんです。実態なんです。それをこのようなずさんな買い方をし、そして使えなくなった。それじゃ、その間は何年かあったんだから、新しい兵器に切りかえていくのは当然でありましょう。それはそれなりに役割りはあったわけです。そういうふうな言い方をされたのでは国民はたまったものではありませんぞ。潜水艦だって、潜水艦を把握するのに、リモートコントロールだから性能は一〇〇%的中率があるなどといっておるけれども、命中率が非常に悪い。標的を誤って落とすことさえあるといわれておる。それが何だか優秀な兵器のように、あるいはまた新鋭兵器のようにいわれてむだな買い方をし、そしてむだな契約をし、アメリカの古くなって使えなくなったものを買わされたということは、この印象はぬぐえません。
 私は、最後に長官に、こういうふうな武器の調達、いわゆる外国から買ってくる、アメリカならアメリカから買ってくる兵器、これに対する購入に対しては、もっと細心な注意も払ってもらいたいし、もっと計画を綿密に練ってもらいたいと思います。この点、どうでしょう。
#140
○中曽根国務大臣 兵器の調達は慎重にやりたいと思います。
#141
○浅井委員 私の質問はこれで終わります。
#142
○高橋(清)委員長代理 瀬長亀次郎君。
#143
○瀬長委員 最初に、防衛局長にお尋ねします。
 日本で自衛隊の基地のない都道府県は何県あるか、簡単に数字だけ御説明いただきたい、
#144
○久保政府委員 ちょっと記憶いたしておりませんが、連隊のない県は四県のはずであります。つまり四十一県について連隊があったと思いますが、部隊が完全にないところはいまないと思います。
#145
○瀬長委員 次に、装備局長にお伺いします。
 六七年の三木・オズボーン交換公文、ホーク・ミサイル・システム及びナイキ・ハーキュリーズ・ミサイル・システムの取得及び生産に関する交換公文が出おりますが、それ以後ホーク・ミサイル・システムやハーキュリーズ・ミサイル・システム、これをアメリカから種類別に何基買ったか、本土で生産されたものが種類別に幾らか。本土の場合、入札であるのか、指名であるのか、そういったことを含めて、値段と、アメリカからこういったのは幾ら買ったか、生産の場合には一基幾らであるかといった点について、きょう御答弁を願うつもりではありませんが、そういった資料を提供できますか。
#146
○蒲谷政府委員 いまいろいろと御質問がございまして、手元に資料がございませんが、できるだけの資料はお出しすることで先生とお話ししまして、お出ししたいと思います。
#147
○瀬長委員 防衛庁長官にお尋ねします。
 防衛庁長官は昨年の十月七日、沖繩に行かれた。屋良主席が自衛隊の沖繩への進出に反対をした。この反対を、屋良主席の仮想だ、沖繩には自衛隊に対する誤解や偏見があるといったような、きわめて挑発的なことばを使われた。その後、去年の十二月十日、衆議院の内閣委員会で「沖繩は激戦の地であって、いろいろ歴史的な因縁や住民感情もありますから、自衛隊の進出についてはよほど県民の皆さんの御納得と御協力を得るようにしなければなりません。そういう点については事前に周到な努力をいたしまして、県民の皆さんと納得の上で自衛隊が進出するようにいたしたいと努力したいと思っておるわけであります。」ということを言われておりますが、この十二月十日の発言はいまの心境であると理解していいかどうか、その点について御説明をお願いします。
#148
○中曽根国務大臣 前者の場合も同じようなことは申し上げてあるのです。しかし、その部分は新聞は書かなかったのであります。前者も後者も同じ心境で申し上げたので、後者のほうがわりに正確に伝えているだろうと思います。
#149
○瀬長委員 ミサイルホーク、特にナイキの場合には、核、非核のナイキハーキュリーズを現時点で持っておられるのか。さらに、いまは非核のナイキであるが、装備をちょっと変えれば核装備ができるような種類であるのか、この点を説明願いたいと思います。
#150
○蒲谷政府委員 現在装備してあるものはナイキアジャックスで、これは核はつけられません。現在生産中のものが――これは国産しておりますけれども、ナイキハーキュリーズということであります。アメリカの原型のものは核、非核両弾頭がつけられるということでございますけれども、現在われわれはナイキJと称しまして核弾頭はつけられないという操作をしておりまして、現在、いまの御質問の中で、もちろん核弾頭のものは持っておりませんし、また、現在つくっておりますナイキJは核弾頭をつけられるような改装はできません。
#151
○瀬長委員 防衛庁長官は二月十日の参院の予算委員会でナイキの問題について触れ、ナイキの場合に当然核弾頭のあるものは買いません、核弾頭のないものを買う場合でも現在の日本にありますものと同じような改装が必要であろうというふうに考えております、というふうに答弁なさっておりますが、このことから推測できるのは、現に沖繩におけるアメリカのナイキ部隊は核装備をしているということを防衛庁長官がお認めになっておるというふうに理解していいですか。
#152
○中曽根国務大臣 その際にもお断わり申し上げましたが、アメリカの現在の部隊が核を持っているかどうかは不明であります。それで、御質問の中に、もし持っている場合の想定の御質問があったのです。そこで、もし持っている場合には、われわれのほうは核装備はしないのですから、そういう装置を施してやります、そういうふうに答えたので、仮定の質問にお答えしたのであります。
#153
○瀬長委員 核問題については、アメリカの大統領以外には外国に通報する権限を持っている者はいないということは当然わかりますが、いまの説明の中で、核抜き本土並みという場合に、もしあったならばナイキを引き継ぐ――あったならば、ないような状況にしなくちゃいかぬというのでありますが、この核抜き本土並みの問題は、アメリカまかせではなくて、日本政府も核抜きのために努力するということになるわけですね。
#154
○中曽根国務大臣 それから、まず第一にアメリカが持っておるナイキ、ホークをそのまま買うかどうかもまだ未定であります。それから御質問は、もしあります場合の想定の御質問で、これも仮定の問題に対してこのようにお答えしたわけであります。
#155
○瀬長委員 では、核抜きという場合には日本政府ではどうにもならぬ、どこに核が隠されておるのか、あるいはどういう種類の核があり、あるいは運搬手段があるかわからぬ。だから、アメリカが核を抜きましたということであれば、もうそれを信じて、抜かれたというふうに国民に納得させる以外に手はないということになるわけですね。
#156
○中曽根国務大臣 佐藤・ニクソン共同声明で核抜き本土並み、一九七二年返還ということは合意されておるのでありまして、国家間の厳粛な約束は当然実行さるべきものであります。なお、沖繩返還されました際にはナイキ、ホークの基地に対してもわがほうから連絡員や要員が参ります。そうして返還の際にやはりそれを確認しておりますと私は思います。
#157
○瀬長委員 私の質問趣意書の答弁の中にもそういったような内閣の答弁がありました。核抜きは、共同声明第八項で大統領が確約したから、それ以上の保障はないといったことです。この八項は、御存じのように事前協議制度がアメリカの利益を害することなくと、はっきりうたわれておるわけなんです。そこら辺から、沖繩県民をはじめ日本国民もおかしいぞということを考えておるわけでありますが、この核が抜かれるということを確認するといわれておりますが、どういう方法で確認されるわけでありますか。
#158
○中曽根国務大臣 それは先方と協議してみようと思います。沖繩返還に伴ってそういう問題も当然協議すべき問題であると思います。
#159
○瀬長委員 まだ具体的にはその方法については煮詰まっていないわけですか。
#160
○中曽根国務大臣 まだ煮詰まってはおりません。
#161
○瀬長委員 次に、沖繩県民の広範な層が自衛隊の沖繩派遣について反対した場合、この反対を押し切っても自衛隊をどうしても沖繩に派遣されるつもりでありますか。
#162
○中曽根国務大臣 沖繩が返還されますと日本国憲法が通用する、そして日本の主権下にあるわが領土であり、当然全国民が防衛する責任のある地域でございます。そういう点からいたしましても、住民の皆さんに御理解と御納得を願って自衛隊を前進させるようにいたしたいと思っております。
#163
○瀬長委員 自衛隊が正式に派遣される時点は、たとえば四月一日、返還協定なるものが発効する場合には、その四月一日の時点から沖繩に派遣されるつもりなのかどうか、これを確かめておきたいと思います。
#164
○中曽根国務大臣 その点は目下検討中でございます。私はできるだけ少数の部隊をその日に派遣することができたらいいと思っております。
#165
○瀬長委員 大体、四月一日からもし始まるとすれば、一カ年なら一カ年で自衛隊を何千人あるいは何百人かわかりませんが、陸海空自衛隊を幾らくらい派遣されるいまの計画でありますか。
#166
○久保政府委員 返還後半年以内にほぼ三千名ばかりの陸海空の小部隊を派遣いたします。その後一年前後、あるいはもう少しかかるかもしれませんが、その倍、約六千名のものが派遣されると思います。
#167
○瀬長委員 次に、予算に触れますが、四十六年度予算で防衛庁の沖繩関係予算は幾ら計上されておりますか。この点は県民の理解と納得を取りつけるということも関連し、さらに現在の軍用地再契約の問題とも関連すると思いますが、大体沖繩関係の予算がどのくらい計上されておるか、御説明をお願いします。
#168
○田代政府委員 お答えいたします。
 四十六年度予算におきましては、部隊の転換に伴う必要な滑走路の延長工事とか隊庁舎、公務員宿舎の建設、そういった施設整備の関係で八億一千万ばかり、それ以外に救難ヘリとか支援船とか通信機器とか、そういうもので約四億円ばかり、合計十二億四千万ばかりを予定いたしておるわけであります。
#169
○瀬長委員 いまの御説明は自衛隊の共済組合の機関紙「朝雲」に載っておるものとほぼ一致しておりますが、この中で公務員宿舎四億一千八百万ということになっておりますが、大体何名くらい収容する宿舎であるか、場所はどこであるか、この点を明らかにしてほしいと思います。
#170
○田代政府委員 お答えいたします。
 人分はほぼ三百二十戸くらいを予定しております。それから場所につきましてはまだ明確ではございません。
 以上でございます。
#171
○瀬長委員 ふろの改造というのですが、どこにふろがあって改造しますか。
#172
○田代政府委員 ふろの点でございますか――それは隊庁舎あるいは公務員宿舎というものに近接いたしましてそういうものをつくるということになろうと思います。
#173
○瀬長委員 どこのふろ場があって、これを改造するんですか。建設ではなくて改造なんですね。アメリカのふろ場をどこかにあるものを譲り受けて、これを改造するという意味だと思うのですが、それに一億九千万円組まれている。
#174
○田代政府委員 お答えします。
 そういうふろ場その他の施設につきましては、修繕をするというわけでありますが、これは現在米軍が持っております諸施設を修繕して入るということに関連いたしましてそういう施設が要る、こういう計算をいたしておるわけでございます。
#175
○瀬長委員 どこどこかというわけなんです。どこにアメリカのふろ場があるのか、これを聞いておるわけなんです。
#176
○田代政府委員 ただいま一応の予定をいたしておりますのは、陸で申しますと、那覇近郊のホイールエリアという地区にそういう施設をやっていくというぐあいに考えております。
#177
○瀬長委員 それから通信と滑走路、この滑走路一億六百万円組まれておりますが、これはどこの滑走路ですか。
#178
○田代政府委員 その滑走路は、現在那覇空港の滑走路を延長するというぐあいに考えておるわけでございます。
#179
○瀬長委員 その他通信器材に二億八千万円組まれております。これはどういうふうになっておりますか。しかも額は二億八千万円になっておる、それは違いますか。
#180
○田代政府委員 通信関係の諸施設は、部隊がある拠点に位置する、あるいはまた飛行場を位置する、それに関連いたしまして通信器材関係が必要になってくる、こういうことでございます。
#181
○瀬長委員 次に、装備関係として救難用ヘリコプター、これは一億二千八百万円組まれております。実額は五億円としており、引き船一千九百万円、その他国庫債務負担行為として十一億円。この国庫債務負担行為の十一億円はF104の整備、救難ヘリコプターの残額と思われる。これは事実でありますか。
#182
○田代政府委員 国庫債務負担行為で後年度負担になります金額が大体十一億ばかりになると思いますが、そのおもなものは、たとえて申しますと、さっき申しました救難ヘリでございまして、これは総額は大体五億ちょっとこえますが、初年度には一億二千八百万の歳出予算でまかない、あとは後年度負担になる、こういうことでございます。それから、その他航空機整備用の器材、そういった関係で約六億九千万ばかり後年度負担が出てくる、こういうことでございます。
#183
○瀬長委員 以上の事実で明らかになりましたように、すでに四十六年度予算でこういったのが組まれておるという事実は、四十六年度予算は来年の三月末日までである、そのときまでにすでに自衛隊の進出が行なわれるような前もっての工作が行なわれているということになると、防衛庁長官が沖繩県民の御理解と御納得のもとにといったような問題とはどういうふうなつながりがあるんですか。防衛庁長官にお尋ねしたいと思います。
#184
○中曽根国務大臣 沖繩新報とか、そのほかの世論調査を見ましても、必ずしも県民が全部反対であるとは思っておりません。なおまた、これからも御理解をいただくように、自衛隊の実情等も御説明申し上げる機会を持ちまして、次第に理解と協力の幅を広げて、返還の日には自衛隊のごく小部隊でも沖繩に行けるようにいたしたい、そう念願しておるわけであります。
#185
○瀬長委員 私がそれを聞きますのは、返還の時点前は、皆さんもすでにそう言っておられるように、外国なんです。外国に自衛隊が派遣される。海外派兵、これと関連するので、これは自衛隊はおかしなものだぞということが、広範な県民の不安と不信を買いつつある、こういった点を明らかにしなければならないから聞いておるわけなんです。
 いままでも自衛隊が、高級幹部も含めて相当沖繩に入り込んでおります。これにつきましては資料をお願いしたいと思いますが、これまでに沖繩に派遣された自衛隊、これを階級別に――階級別というと、陸佐とかなんとかかんとか、いろいろあります。兵隊もいます。これを階級別に、どのような形で、何年には何名入ったという資料をぜひ提供してほしいし、その場合お聞きしたいのは、外国の沖繩に自衛隊がすでに乗り込んでいった、これは招待であったのか、あるいは身分証明書を持って普通の日本国民が行くような方式で行ったのか、この点を明らかにしてほしい。いまでも渡航の自由は実に制限されております。そういった意味で、自衛隊が自由に入れたということは、アメリカとのいろいろな協議が行なわれなくちゃいけないし、あるいは招待もあったでありましょう。新聞紙上では、中曽根防衛庁長官が行かれたときには、弁務官ではなくて軍司令官の招待だというふうなことも報じられておりました。そういった面も含めて、どういう資格でいままで自衛隊が送り込まれたのか、この点明らかにしてほしいと思います。
#186
○高瀬政府委員 沖繩への自衛隊員の派遣状況につきまして申し上げます。
 派遣の大部分はいわゆる研修ということでございまして、これは第二次大戦の戦跡の見学あるいは米軍施設の見学ということで、幹部としての視野を広めるということで、毎年度、防衛研修所、それから陸上自衛隊の幹部学校、幹部候補生学校、それから航空自衛隊の幹部学校及び幹部候補生学校、それから統合幕僚学校の学生が短期間、五、六日沖繩に出張しております。
 それで、その内容でございますけれども、四十二年度から申し上げたいと思いますが、四十二年度は……。
#187
○瀬長委員 その細部は資料で出してほしいと思います、時間がありませんから。私の聞きたいのは、招待であるのか身分証明書で行ったのか、これだけなんです。
#188
○高橋(清)委員長代理 資料、出せますか。
#189
○高瀬政府委員 はい。それでは年度別、階級別に沖繩に参りました関係の資料を提出いたします。
#190
○瀬長委員 聞きたいのは、これは防衛庁長官がお答えになってよ、いいと思うのですが、軍司令官なら軍司令官、弁務官なら弁務官のいわゆる招待で向こうに行かれるのか、それとも押しかけて研修に行くのか、そこら辺をはっきり簡単に説明してほしいと思うのです。
#191
○高瀬政府委員 研修の場合におきましては、私どものほうの、先ほど申しました幹部学校なり幹部候補生学校と米軍との間で話し合いをいたしまして、そうして視察並びに研修に参る、かようことになっております。
#192
○瀬長委員 これに関連して自衛隊の音楽隊が乗り込んでいったことはありますか。
#193
○宍戸政府委員 自衛隊の音楽隊が行ったことはございます。昨年の十一月でございますけれども、沖繩の護国神社の奉賛会の会長さんから御要請がありまして、例大祭に自衛隊の音楽隊を派遣してほしいという御要請がありましたので、それにこたえて自衛隊の音楽隊を派遣、出張させました。
#194
○瀬長委員 自衛隊の音楽隊の派遣は、まず柔かいものから入れてといったようなことで、ずいぶん皮肉られておりましたが、これは目的は何ですか。
#195
○宍戸政府委員 いま申し上げましたように、護国神社の奉賛会例大祭でございますので、戦没者の霊をお慰めをするということが主眼でございます。そして、自衛隊の音楽隊の演奏によりまして、沖繩県民の方々の自衛隊に対する御理解を深めようというのが目的でございます。
#196
○瀬長委員 次は、いまの那覇空港の問題でありますが、愛知外相は十六日の沖繩特別委員会で、復帰すれば那覇空港は返還されるような答弁をしております。しかも、空港は国際空港になるのだといったような報道がなされておりますが、この那覇空港が返還された場合に、現在のようにアメリカと共同使用するのか、さらに管理は運輸省の管理になるのか防衛庁の管理にするのか。どっちが管理するにしても、いまのアメリカとの共同使用、共同管理といったような形になるのがどうか、この点をはっきりさせてほしいと思います。
#197
○久保政府委員 沖繩の飛行場は返還される予定でありますが、米軍の部隊が一部残っております。時に飛行場そのものにつきましては、海軍の航空部隊がまだ残留いたしますので、管理権は日本側に移りまするけれども、米側のおそらく一時使用という形になるのではなかろうかというふうに思います。あるいは共同使用なのかもしれませんけれども、いずれにせよ管理権は日本側にある。そこで防衛庁といたしましては、F104が参りますので、防衛庁が管理することを望んでおりますけれども、運輸省のほうでも民航用として留保したいという希望を持っております。したがいまして、現在運輸省と協議を進めておる段階でございます。
#198
○瀬長委員 簡単に言えば、日本国民の血税で管理権といったような形で、その管理は血税でまかなってアメリカと共同使用するということになりますね。
#199
○久保政府委員 本土国内に米側が一時使用するものがたくさんございますが、それをもって、血税でもってまかなっているというべきかどうか、むしろやはり、われわれあるじ側、主人公としてまかなうべきものはまかなって、そしてわが国の防衛上必要な範囲内においてわれわれのリーダーシップのもとに米側に使用を認めるというふうな観点に立つべきではなかろうかと思います。
#200
○瀬長委員 これに関連してお伺いいたしますが、現在のアメリカの軍事基地、軍用土地、これは地主が四万人近くおります。この地主たちはアメリカからいま地代を、非常に安くではありまするが取っております。約一千万ドルぐらい。これを日本が肩がわりして基地を提供する段になると、アメリカは出さないで、いままで出していたものはもう出さぬでいい。日本が国の名前で――しかもこの金は税金であることには間違いない。だからそういった結果、アメリカはいままでよりもより安易に沖繩の基地に居すわって、そうして経済負担は日本国民が負担し、それで提供するわけだから、もうほとんどただみたいなように沖繩基地に居すわって、現在までの状態をさらに一段と強化していくゆとりができます。そういうふうに解釈していいんですね。基地はこっちが提供するのだから金も日本政府が出す。日本政府の出す金は血税である。血で血を洗わせる。アジア人民をしてアジア人民を討たせる。ニクソンドクトリン、共同声明の精神はここにある。そういった基地問題一つとらえてみても、経済圏題からいって、約一千万ドルいまアメリカより取っておるこの金は、契約が正しくスムーズにいったところで、結論は一千万ドル以上出さなくちゃいかぬようになると思われるわけなんですが、そういうことになりますね。
#201
○島田(豊)政府委員 沖繩の復帰後にわが国が米軍に施設区域を提供するということになりますれば、当然、先生おっしゃいましたように、基地の民有地につきましては、基地の地主に対しまして貸借関係を結びまして、使用権を設定して提供するということになるわけでございます。したがいまして、その賃借料の算定につきまして、われわれとしては実情を十分把握いたしておりませんので、米側の現在支払っております賃借料の内容につきまして十分分析検討いたさなければなりませんし、また、本土の場合との差異がどういうところにあるかということについてもこまかく検討いたさなければなりませんので、いずれにいたしましても、復帰後は、適正な賃借料を支払う、こういうことに今後十分検討をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#202
○瀬長委員 時間がありませんので、最後に防衛庁長官にぜひお答え願いたい。
 一つは、自衛隊が派遣された場合に、治安出動の名でいままで反戦――戦争はいやだ、平和でなければならぬということで、人民は大衆集会を持ち、デモを行なった。こういったような民主勢力の正しい人民の要求を実現すべく抵抗権、これを行使した場合に、自衛隊は治安出動の中でこれを弾圧することはないでしょうな。アメリカがいままで銃剣を持ってやったことを、アメリカにかわって弾圧に乗り出すことはないと思いますが、ないでしょうな。それをはっきりさせておいていただきたいと思います。
#203
○中曽根国務大臣 治安出動の名において民衆を弾圧するようなことはありません。
#204
○瀬長委員 この点は沖繩だけではなくて、本土でも同じ考え方を持っておられると理解してよろしゅうございますか。
#205
○中曽根国務大臣 けっこうでございます。
#206
○瀬長委員 もう一つ防衛庁長官に伺いますが、きのうの証書でもありましたように、政府自体すら約三%は契約しておらないで収用されている。そこで一七%ないし二〇%はどうも基地を提供することに反対のようだ。この場合に、もちろん事前に了解を取りつけて基地をアメリカに提供するということが政府の方針のようでありますが、その場合問題になるのは、返還の時点までに地主たちが納得しない場合――起こり得るわけなんです。納得しない場合には、特別な収用に関する法律を国内法でつくる、たとえば小笠原返還方式、これに基づいてやられるつもりであるか、はっきりしたお答えをお願いしたいと思います。
#207
○中曽根国務大臣 関係者の理解と協力を得るようにわれわれは忍耐強く努力してまいりたいと思います。
 それがだめな場合はどうか、そういうことをよく質問されますが、ともかく、実態をよく調べまして、関係者がどういうような考え方を持っておられるか、あるいは土地の状況はどういう状態であるか、まだこちらで十分把握しておらぬところがあります。そういう点をよく把握いたしまして、そのときまた考えをまとめてみたいと思います。
#208
○瀬長委員 私がお聞きしたいのは、きのうの沖特委での施設庁長官の答弁の中にもありましたが、小笠原が返還されたとき、やはり岡崎・ラスク交換公文の精神が貫かれて、地位協定に基づく特別措置法だけではどうもいかぬ、そこで小笠原における自衛隊の基地並びにロラン基地を提供させるために特別な法律ができておる、そして施設庁長官の告示も出ておる、これは確認されました。そのとき、見通しとしては、小笠原では別に拒否反応はないという状態であった。特別の異議もなかった、にもかかわらずあれが出された。沖繩においては拒否反応どころか、政府自体も、三%は契約してないが、収用されたという観点に立ち、さらに自民党沖繩特別委員会の会合でも一七%ないし二〇%は拒否反応だといわれておる。そういった情勢の中で、一体、小笠原でさえあのとおりだったんだから、沖繩は、基地を提供させるためにはより一そう困難を感ずるな。これは防衛庁だけではなくて、内閣の一致した矛盾である。壁にぶつかっておるかどうかは別として、そこら辺をどう打開されるか、これははっきりさせないと、事前に地主に仮契約はできないけれども、了解を得るということであっても、こうこうこういう協定、こうこうこういう国内法ができるという一応の想定なしには、地主に基地の提供を取りつけることはできぬと思うのです。いま防衛庁長官が言われたように、あの時点からは日本国憲法が適用される。私有財産は没収されちゃいかぬし、所有権は尊重されなくちゃいかぬし、契約権はもちろんのことです。いわゆる占領状態の終結であり、その意味から、国際法の原状回復の原則が生きてくる。そういった場合に、防衛庁長官として何らかの措置をとらなければならぬということをいまお考えになっておると思いますが、それはどういう措置になるでしょうか。
#209
○中曽根国務大臣 ただいま申し上げましたように、その実態をよく見きわめた上で考えてみたいと思います。
#210
○瀬長委員 小笠原返還方式を検討されますか。
#211
○中曽根国務大臣 ただいま申し上げたとおりであります。
#212
○瀬長委員 どこからついてもはっきりした答えが出ないので、従来いわれているように、これは小笠原方式でもとらぬ限りいかぬなというふうにしか理解できぬわけでありますが、理解を求める、納得を求める、これは当然でしょう、私有財産ですから。これを無理やりに国家権力でやるということになると、アメリカの占領軍と同じ形になる。それでは憲法が適用されたということにはならぬ。その場合、いずれにしても納得してもらわなくちゃいかぬが、納得しないのがいまおるし、現実に収用されて、武力でもって強奪された地主が相当おるわけなんです。私の村にもおります。そういうふうな者に対してどのような措置をとられるか。この点を明確にされませんと、沖繩県民の不安というのはますます大きくなってくる。もしかりに明確にならぬ場合には――もちろん明確になっても同じことでありますが、復帰の時点で憲法が適用された場合、いま基地に使われておるところの地主は、私有財産であるから、そこに入り込んで草刈りをすることもできれば、あるいは弁当を持ってピクニックに行くこともできるという状態になります。自分の財産ですから、そういう状態になっていいと思うわけなんです。そこに入るのに日本国民として何が不法だ、何が不当だという考え方が普通の常識だと考えるわけなんです。そういった意味で、ここら辺のことについて、もう一ぺん防衛庁長官からはっきりと承りたいと思います。
#213
○中曽根国務大臣 御意見としてよく拝聴しておきます。
#214
○瀬長委員 私、時間が来ましたのでこれで質問を終わりますが、さっき資料をお願いいたしましたが、ホーク、ナイキ、そのミサイルシステムの調査の資料と、自衛隊が沖繩に派遣されたその階級別あるいは年次別の人員、さらに何の目的で行ったか、予算はどういうところから出されたか、そういった資料をぜひ委員会に提出していただきたい。委員長、お願いします。
     ――――◇―――――
#215
○高橋(清)委員長代理 この際、おはかりいたします。
 昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)の審査のため、日本赤十字社より参考人として関係者の出頭を求め、また、国が資本金を出資している法人の会計に関する件の調査のため、日本中央競馬会より参考人として関係者の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#216
○高橋(清)委員長代理 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。
 なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#217
○高橋(清)委員長代理 御異議なしと認め、よって、さよう決しました。
 次回は明二十五日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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