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1970/02/25 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第8号
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1970/02/25 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 決算委員会 第8号

#1
第065回国会 決算委員会 第8号
昭和四十六年二月二十五日(木曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 濱野 清吾君
   理事 小山 省二君 理事 菅波  茂君
   理事 高橋清一郎君 理事 森下 元晴君
   理事 高田 富之君 理事 浅井 美幸君
   理事 吉田 賢一君
      阿部 文男君    中村 弘海君
      浜田 幸一君    綿貫 民輔君
      華山 親義君    鳥居 一雄君
      瀬長亀次郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中川 一郎君
        大蔵省主計局次
        長       竹内 道雄君
        文部政務次官  西岡 武夫君
        文部省大学学術
        局長      村山 松雄君
        農林省畜産局長 増田  久君
        食糧庁次長   内村 良英君
        水産庁次長   藤村 弘毅君
        建設省道路局長 高橋国一郎君
 委員外の出席者
        法務省民事局参
        事官      味村  治君
        大蔵省国際金融
        局次長     林  大造君
        国税庁直税部長 江口 健司君
        農林省畜産局競
        馬監督課長   鶴  哲夫君
        会計検査院事務
        総局第二局長  鎌田 英夫君
        会計検査院事務
        総局第五局長  石川 達郎君
        参  考  人
        (日本中央競馬
        会理事長)   清井  正君
        参  考  人
        (日本中央競馬
        会理事)    金丸 光富君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十五日
 辞任         補欠選任
  石田 博英君     浜田 幸一君
  江崎 真澄君     阿部 文男君
  美濃 政市君     華山 親義君
同日
 辞任         補欠選任
  阿部 文男君     江崎 真澄君
  浜田 幸一君     石田 博英君
  華山 親義君     美濃 政市君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十四年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その2)
 昭和四十四年度特別会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その2)
 昭和四十四年度特別会計予算総則
 第十条に基づく経費増額総調書及
 び経費増額調書
 昭和四十四年度特別会計予算総則
 第十一条に基づく経費増額総調書
 及び各省各庁所管経費増額調書  (承諾を求
 (その2)           めるの件)
 昭和四十五年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その1)
 昭和四十五年度特別会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その1)
 昭和四十五年度特別会計予算総則
 第十一条に基づく経費増額総調書
 及び各省各庁所管経費増額調書  (承諾を求
 (その1)           めるの件)
 昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書
 昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(その1)
 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十三年度政府関係機関決算書
 昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (文部省所管)
 国が資本金を出資している法人の会計に関する
 件(日本中央競馬会に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○濱野委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十四年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び経費増額調書、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上四件の承諾を求めるの件、及び昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和四十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上三件の承諾を求めるの件、並びに昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を一括して議題といたします。
 大蔵政務次官より各件について説明を求めます。中川大蔵政務次官。
#3
○中川政府委員 ただいま議題となりました昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十四年度一般会計予備費につきましては、その予算額は七百十六億円であり、このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十四年七月四日から同年十二月二十三日までの間において使用を決定いたしました金額は五百八十九億一千九百二十一万円余であり、これにつきましては、すでに第六十三回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十五年一月二十日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は百二十六億七千五百三十八万円余であります。
 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の十七件、その他の経費として日雇労働者健康保険事業に対する国庫負担金の昭和四十三年度精算不足を補うために必要な経費等の三十件であります。
 次に、昭和四十四年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は四千六百九十億九千一万円余であり、このうち、昭和四十四年九月五日から同年十二月十九日までの間において使用を決定いたしました金額は一千四百二十四億二千五百八万円であり、これにつきましては、すでに第六十三回国会において、御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十五年一月九日から同年三月三十日までの間において使用を決定いたしました金額は二百七十一億九百六十五万円余であります。
 その内訳は、労働者災害補償保険特別会計における保険金の不足を補うために必要な経費、厚生保険特別会計健康勘定における保険給付費の不足を補うために必要な経費等十八特別会計の二十六件であります。
 次に、昭和四十四年度特別会計予算総則第十条(特別給与の支出)及び第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和四十四年五月二十九日から同年十二月十六日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は八百八億四千二百九十七万円余であり、これにつきましては、すでに第六十三回国会において御承諾を得たところでありますが、その後、昭和四十五年一月六日から同年三月二十七日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は六百億五千二百五十九万円余であります。
 その内訳は、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費及び同特別会計における仲裁裁定の実施等に必要な経費等七特別会計の九件であります。
 以上が、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の事後承諾を求める件の概要であります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
 次に、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十五年度一般会計予備費につきましては、その当初予算額は一千百億円でありましたが、本件提出後の昭和四十六年二月十二日に成立いたしました昭和四十五年度一般会計補正予算(第一号)により、百億円を修正減少いたしましたので、改予算額は一千億円となっております。
 このうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和四十五年五月一日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は八百七十三億六千三百九十四万円余であります。
 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業等に必要な経費等の二十八件、その他の経費として、米生産調整奨励補助金等の不足を補うために必要な経費等の二十七件であります。
 次に、昭和四十五年度各特別会計予備費につきましては、その当初予算総額は五千九百三十七億八千九百六十二万円余でありましたが、本件提出後の昭和四十六年二月十二日に成立いたしました昭和四十五年度特別会計補正予算(特第一号)により、八百五十一億五千四百十五万円余を修正減少いたしましたので、改予算総額は五千八十六億三千五百四十七万円余となっております。
 このうち、昭和四十五年十月二十八日から同年十二月二十二日までの間において使用を決定いたしました金額は九百七十五億四千八百三十四万円余であります。
 その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費等三特別会計の四件であります。
 次に、昭和四十五年度特別会計予算総則第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和四十五年五月一日から同年十二月二十二日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は百一億七千四百五十万円であります。
 その内訳は、石炭対策特別会計における炭鉱整理促進に必要な経費の増額、道路整備特別会計における道路事業及び街路事業等の調整に必要左経費等五特別会計の十五件であります。
 以上が、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
 次に、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十四年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定に基づき、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は百億円でありまして、このうち、昭和四十四年発生河川等災害復旧事業費補助等五件につきまして、昭和四十五年一月二十三日の閣議の決定を経て、総額六十四億六千百万円の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。
 以上が、昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書の報告に関する件の概要であります。
 次に、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その一)の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和四十五年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定に基づき、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額は二百億円でありまして、このうち、昭和四十五年六月二十六日から同年十月二十三日までの間において、閣議の決定を経て、総額九億七千三百四十四万円余の範囲内で債務を負担する行為をすることといたしました。
 その内訳は、遠距離救難用航空機購入等の四件であります。
 以上が、昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その一)の報告に関する件の概要であります。
    以上であります。
#4
○濱野委員長 これにて説明聴取を終わります。
     ――――◇―――――
#5
○濱野委員長 次に、国が資本金を出資している法人の会計に関する件について調査を行ないます。
 本日は、参考人として、日本中央競馬会より理事長清井正君、理事金丸光富君、両君の出席を願っております。
 参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承を願います。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。綿貫民輔君。
#6
○綿貫委員 本日は、私はいわゆる公営ギャンブル、競輪、競馬、モーターボートなど、地方、中央を問わずいろいろとその害悪が問題になり、また、同時に地域や国庫の一つの財源としても大きなウエートを占めておる公営ギャンブルであり、また最近大衆娯楽としても欠くことのできない要素になったこの存在に対しましていろいろと論議をされてまいったところでございますけれども、今後これが健全な形で、さらに社会のために潤滑油として存在していくような方向づけをするために、私はこの特質と弊害等について焦点をしぼって御質問をしたいと思う次第であります。
 昭和三十六年の七月に、公営競技調査会の答申に「公営競技は、その運営の実情において、社会的に好ましくない現象を惹起することが少なくないため、」少なくとも現在以上にこれを奨励せず、できる限り弊害をなくすために努力すべきであることを明記いたしておるのであります。私はこの諸問題をしぼるために、問題を中央競馬会、特に中山競馬にしぼりまして御質問を申し上げてみたいと思う次第であります。
 昭和四十四年の中央、地方を合わせまして、売り上げ六千億円、一千万の競馬人口といわれております。この競馬に対して、まずファンの信頼ということがあくまでも基本であると思うのでございますが、最近船橋聖一氏が、かつて三十数年の競馬ファンでありながら、かつて競馬振興会の副会長あるいは運営審議会の委員をやりながら最近では競馬自粛論に傾いたといわれております。
 それは、中央競馬会の有馬、酒井理事長時代にはわりあいに競馬会がスムーズにいっておったけれども、農林官僚から天下られた反坂氏が理事長になられて以来、きわめて官僚的な運営におちいった。そして中央競馬会は馬主と農林省のほうだけに顔を向けて、ファンに対しては遊離した態度をとり始めた。したがって競馬に対して自分は興味を失ったということを新聞に書いておられます。これはあくまでもファンあっての競馬であり、大衆娯楽としてはじめて評価されると思うのでありますが、これについて農林省はどういうふうにお考えでございましょうか。
#7
○増田(久)政府委員 お答え申し上げます。
 われわれも公営競馬等に関する三十六年の答申の線に沿いまして競馬の監督行政というものをつとめておるわけでございますけれども、最近のいわゆる競馬ブームというようなものによりまして、そこにいろいろの批判が出ていることは十分承知をいたしております。しかしながら、先生御指摘のとおり、もはや現在の段階では競馬は大衆娯楽の王座といって私は過言ではないと思いますけれども、そういう地位を占めているわけでございます。そういう意味で、あくまでもそういう大衆に奉仕するという立場で、われわれは中央競馬会に対して十分なる指導監督を行なっている所存でございます。
#8
○綿貫委員 中央競馬会がそのスローガンとして、一家そろって中央競馬ということをうたっておられるのでありますが、ただいまもお話しのように、あくまでも大衆ファンがあっての競馬でございまして、払い戻し金の控除率が二五%というのは、現状において非常に高いのではないかと思うのであります。アメリカにおいては一〇%前後、英国では五%というふうに聞いております。急速な売り上げ増に対しまして大衆にさらにより多くの払い戻しをするということをお考えであるかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#9
○増田(久)政府委員 日本の中央競馬のみならず、全部の公営競技の控除率は御承知のとおり二五%でございます。確かに諸外国に比べて高いと申しましても、たとえばフランスは平均二五・五%というような控除率もあるわけでございます。一体どの線をもって適切な控除率であるかということにつきましては、いろいろの意見があるわけでございます。ただ、現状に即して考えますと、控除率をさらに下げるということにいたしますれば、ただでさえ過熱化した競馬ブームというものをさらに過熱化せしめるというふうになることが十分考えられるわけでございます。したがいまして、現段階におきましては、この控除率を特に改正するという考えは持っておりません。
#10
○綿貫委員 それではお尋ねいたしますが、この答申の項目の中に投票方法、射幸心の過熱を避ける処置をとるべきだということが書いてあるのでございますが、それでは、これに対していままでにどういう処置をおとりになってきたか、お答えを願いたいと思います。
#11
○増田(久)政府委員 この答申にもございますとおり、重勝式は廃止すること、あるいは連勝複式を採用することということが書いてございますが、この答申の線に基づきまして重勝式は廃止いたしまして、現在は連勝複式を採用しておるわけでございます。
#12
○綿貫委員 過熱論争になりますと、これは果てしのないことでございますのでこの辺でおくといたしまして、四十五年度の中央競馬会の売り上げ利益、入場者数についてお答え願いたいと思います。
#13
○増田(久)政府委員 四十五年度の中央競馬の開催回数は三十六回、二百八十六日、入場人員は千二百二十三万人、売り上げ高は四千六十九億円でございます。これに基づきます国庫納付金というものは、推定でございますけれども、約五百四十億円になるものと推定されております。
#14
○濱野委員長 ちょっと参考のために、ソ連のモスクワに競馬がありますね。あれの払い戻し金のパーセンテージはどうなんですか。零か、それとも何%ぐらいなのか。
#15
○増田(久)政府委員 その点は、モスクワにあるということは承知しておりますけれども、そこまではまだ勉強してきておりませんので、後ほど御報告したいと思います。
#16
○濱野委員長 これは大きな参考になるので、調べてください。
#17
○綿貫委員 あとから中山競馬のことについて申し上げたいと思いますのでここで申し上げておきますが、私の調査では、中山競馬場は昭和四十年に開催日数が五十一日、入場者数は百四十三万五千六百七十人、売り上げは二百七十九億八千万円、そして四十四年には四十八日の開催日でありながら入場者数は三百三万千三百九十八人、売り上げは九百三十億八千万円、年率にいたしますと約二〇%の伸びで伸びておるわけであります。
 この中山競馬はもちろんのこと、ますます競馬熱の過熱が見られるわけでございますが、先ほどこの不拡大方針という答申に基づき、いろいろと方針を実行しておるようにお聞きしたのでございますが、投票方法とかその他について多少の変更があったといたしましても、さらにそれ以上に射幸心の過熱を避けるための施策というものをお考えであるかどうか、お聞きいたしたいと思うわけであります。
#18
○増田(久)政府委員 先生御承知のとおり、現在はまさに競馬場は過熱状態で、そこから、たとえば交通の混雑だとか駐車場の問題だとか、あるいはそこら近くをよごすとか、いろいろの公害問題と申しますか、そういうものが出ていることは事実でございます。
 そういうことで、基本的には、このブームが、供給が一定であるにかかわらず需要が年々ふえていくという実態にあるわけでございますので、そこにどうしても過熱状態というものが生まれざるを得ないというわけでございます。しかしながら、その過熱状態の中に、供給をふやすというわけにはなかなかまいらないとするならば、われわれとしてはその中において、たとえばスタンドを増築していくとか、あるいは売り上げ窓口をふやすとか、その他駐車場をふやすとか、いろいろの改善策を講じましてその対策を講じているわけでございますが、この過熱の状態というものがさらに続くということになりまするならば、さらに抜本的にさかのぼっていろいろのことを考え直さなければならないというふうにわれわれも考えているわけでございます。
#19
○綿貫委員 いろいろとうまいことを言われますが、町の中に馬券の売り場をどんどんおつくりになったり、きれいにされるというようなことが、はたしてこの過熱を防ぐ方向にいっておるのかどうか非常に疑問に思うわけであります。
 そこで、角度を変えまして、納付金の使途につきましては、関連産業の振興のほかに、医療事業、スポーツあるいは文教関係にこれを使用するということがたてまえになっており、また法律にも明記されているわけでありますが、医療とか文教関係についてどの程度納付金をお使いであるか、お聞かせ願いたいと思います。
#20
○増田(久)政府委員 中央競馬につきましては、中央競馬会法の第三十六条によりまして、その四分の三が畜産関係、四分の一が社会福祉ということに相なるわけでございます。
 それで、現実に四十五年について申し上げますと、そのときの予算の見込み額は四百億であったわけですが、そのうちの四分の三ということになりますれば、畜産関係の予算は三百億ということに見合うわけでありますが、現実には畜産関係の予算は四百三十億ということであったわけでございます。その他福祉関係につきましても、われわれの所管でございませんので十分説明するわけにはまいりませんけれども、はるかに四分の一をこえる額が支給されているというふうに大蔵省の資料で見受けられるわけでございます。
#21
○綿貫委員 同じよう左種類の競輪、モータボートにつきましては、一号交付金、二号交付金、三号交付金というふうに予算配分が明確になっておるにかかわらず、競馬に関してはその点があいまいもことしておるといういろいろの風評があるわけでありまして、これにつきましては今後特段の明確化に対する努力を願いたいと思う次第であります。
 そこで、ギャンブル公害ということについていろいろと従来までいわれてまいりました。二千人のファンが騒いだ取手競輪、あるいは新潟競馬場の問題、これは地域社会に及ぼす影響がきわめて大きいわけでございますが、現在中山競馬場におきまして、ここは御存じのように千葉県市川市と船橋市との間にありまして、東京に通うサラリーマンの皆さん方のベッドタウン、また地元の商店あるいは農家が一緒に密集しておるところでありまして、そこに競馬場があるわけであります。一日に十二万のファンがここに集中することがあり、一万二千台の自家用車がここに集中し、さらにそのほかにバス、タクシー、これらが一挙に押し寄せるわけでありまして、これに対して、競馬場側の専用駐車場が十三カ所、その他農地などあき地を借りた駐車場は三十カ所でありますが、収容台数は大体四千台といわれております。したがいまして、競馬が開催されますと道路は全部麻痺をいたします。また商店は店を閉じてじっと鳴りをひそめておるというのが現状のようでありますけれども、農林省はこれについてどのような指導をいままでしてこられましたか、お尋ねしたいと思うわけであります。
#22
○増田(久)政府委員 ちょっと、お答えいたします前に、いま調べましたところ、ソ連の控除率は三〇%だそうでございますので、お答え申し上げます。
 それから、ただいま先生のおっしゃいましたとおり、話を中山競馬だけに限定いたしましても、おっしゃったとおりで、大混乱と申しますか、私もいまは畜産局長で競馬の馬券が買えませんので競馬場に参りませんけれども、いままではしげしげと競馬場に通っておった一員でございます。それで、いかに混雑ぶりがひどいものであるかということは、はだに感じて知っておる者の一員でございます。そういうことで、私は、中央競馬会のほうと協力いたしまして、駐車場の場所を開くとか、あるいは地元の警察の方の協力を得まして交通制限をするとか、あるいは整理員をよけい出して混雑を防ぐとか、その他のいろいろの施設体制というものにできる限りの努力は重ねてきているつもりでございます。
#23
○綿貫委員 いろいろとできるだけの努力ということでございますが、もう一つ例を申し上げますならば、国道十四号線と競馬場を結ぶ木下街道というのがございますが、この沿線に二つの小学校があります。土曜日には学校の先生が生徒を先導して帰宅をさせる、あるいは下校時刻を繰り上げるというような処置をとっておるわけでありますが、問題の多い公営ギャンブルをやりながら、地元にそっぽを向いて知らぬ顔しておるということはないと思うのでありまして、あくまでも地域との円満な話し合い、あるいは併存ということが基本であると思うのでありますが、これに対してどういうふうに指導をされてまいったのか、またされるつもりか、お聞かせ願いたいと思うのであります。
#24
○増田(久)政府委員 先生の御指摘のとおり、競馬の施行にあたっては、地元の協力関係ということが基本的だと考えているわけでございます。そういう意味で、中央競馬会の予算にも地元協力費という予算を特に組みまして、地元の方々と協力しまして、たとえば交通の緩和だとか、そういうことの施設等につきましていろいろ助成をいたしているわけでございます。
 ちなみに申し上げますが、現在中央競馬では十競馬場、そのうち休んでおるところもございますけれども、その関係で、地元の協力関係等は、一般的に申し上げれば非常にうまくいっております。ただ係争関係は、中山の地主さん方の紛争が一つと、それから名古屋の場外馬券についての紛争の二件があるのみでございます。
#25
○綿貫委員 ほかのほうはみんなうまくいっているから、紛争を起こしているのは地元が悪いんだというような言い方に受け取れたのでございますが、もう一つ、一日に十二万人も押し寄せるこの船橋の競馬場において、大衆が捨てるあきびん、新聞紙はじめ弁当のあき箱、こういうものが市民生活に非常に大きな阻害を与えておるのでありますが、これに対して、西船橋の農協が昨年の二月十八日、一億八千四百五十六万円の農作物の被害補償を請求いたしております。また、六月には二回にわたり移転請願書というものを出しておるのでありますが、これについて農林省は御存じであるかどうか、また、それについてどういう御処置をおとりになったのか、お聞かせ願いたいと思います。
#26
○増田(久)政府委員 先生の御指摘のとおりの二つの問題があったわけでございますが、船橋農協との関係につきましては、清掃費を中央競馬会で持つということで現在話し合いがついております。それから市のほうに請願を出したということも承知しておりますが、われわれの聞いている情報によりますと、一月中にこれは取り下げたというふうに理解しておるわけでございます。
#27
○綿貫委員 ただいまの御答弁につきましては再調査をいたしたいと存じます。
 そもそも、この中央競馬会と監督官庁たる農林省との癒着状態というものが、ややもすると世間に誤解を生み、あるいは時には新聞、週刊誌にも報道されるような、そういう事実があるかないかは存じませんが、そういう疑惑を招く状態にあるのではないかと思うのであります。従来、競馬会は伏魔殿であるから、これにメスを入れた者はいないというようなことも聞いておりました。現在、競馬会法あるいは競馬会の定款には、理事長、副理事長、監事は農林大臣の任命で就任することになっており、その他の理事も農林大臣の許可を得て理事長が御指名になることになっております。しかし、現在の中央競馬会の皆さま方の中のおもな幹部の御経歴を拝見いたしますと、農林次官あるいは園芸局長、東北農政局あるいは九州農政局から天下りされた方々が非常に多いように思うのでありますが、この天下りについてはそういう不文律があるのかどうか。これはほんとうは大臣にお聞きしなければいかぬのですが、農林省としてそういう不文律があるのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
#28
○増田(久)政府委員 特に不文律があるわけではございません。率直に申し上げて、適材適所に人を選んだ、こういうことでございます。
#29
○綿貫委員 同じように、競馬会法の八条の一項から二項にかけまして、理事長以下の役員の給与も大臣の許可を得てきめることになっておるのであります。要するに、競馬会に対して農林省の監督権というものがきわめて強いという前提のもとに立ちながら、このように天下りの人事があたりまえのように行なわれているというところに大きな問題があると思うわけであります。
 競馬会の定款では、重要事項の調査や審議にあたって運営審議会というものを開くことになっておりますが、昨年は、いつお開きになって、何を審議されたか、お聞かせ願いたいと思います。
#30
○増田(久)政府委員 その点につきましては、中央競馬会の理事長からお答えさせていただきたいと思います。
#31
○清井参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。
 日本中央競馬会の法律におきまして運営審議会という制度がございまして、それを受けまして、本会の定款におきましても運営審議会というものを設置いたしておるわけでございます。運営審議会は、法律に書いてございますけれども、「理事長の諮問に応じ、競馬会の業務の運営に関する重要事項を調査審議する。」ということでございまして、どうしても必要事項として運営審議会の議を経なければならないものといたしましては、収支予算、事業計画、それから収支決算、定款の変更、規約の設定、変更ということに相なっておるわけでございます。
 したがいまして、毎年行なわれますところの収支予算、それから決算、さらに規約の中に職員、役員の給与規定がございますので、役職員の給与が変わりました場合におきましては、その変更につきまして、規約の変更という形で運営審議会の意見をお聞きする、こういうことでございますので、予算と決算と給与に関する規約の変更、こういう三回開催いたしますのが定例でございます。そのほか特に重要な、たとえば競馬を施行する場合に、よっていますところの競馬施行規定の改正とか、その他重要なことが行なわれますれば臨時に運営審議会を開いて御審議を願うことになりますが、定例といたしましては年三回ほど開かれるということになっておるわけでございます。したがいまして、昨年度におきましても、たしか三回開催をいたしたような記憶がある次第でございます。その他随時、必要がございますれば本会の規定に従いまして御審議願う、こういうことに相なっておる次第でございます。
#32
○綿貫委員 三回お開きになったというような気がするというのですか、お開きになったのですか。明確にお答え願いたいと思います。
#33
○清井参考人 正式に開きましたのは三回でございます。その前に、予算の審議をしていただく前に一度懇談会を開きましたので、会議といたし、ましては四回でございますけれども、正式の会議としては三回でございます。
#34
○綿貫委員 先ほど、中山競馬場の借地問題についての紛争があるということは畜産局長もよく知っておるというお話でございました。これは民有地約三十九万四千七百平方メートル、競馬場の六三%に当たる民有地についての紛争であります。これは一昨年の十二月に契約が切れておりますが、この時点から、この土地を地主に返すべきではないかという主張があるわけでありますが、これは返すべきだと思うのですが、どういうふうにお考えでしょうか。
#35
○増田(久)政府委員 御承知のとおり、中山競馬場というのは昭和三年に開かれたわけでございます。その時点からすでに借地で競馬を施行してまいって、その間何ら地主さんとの紛争もなしに今日まで続いてまいってきたわけでございまして、その間、その土地に数十億に及ぶスタンドというものが現に建てられ、それがコースと一体になって運営されている実態というものは十分われわれとして認識して判断すべきではないか、かように考えているわけでございます。
#36
○綿貫委員 ただいまの局長の御解釈では、この土地全部について借地法の適用を受けられるという御解釈だと思うのでありますが、これがもし受けられないとすれば不法占拠ということになるのでありますが、これについて借地法の適用を受けるという御解釈だと思うのですが、これについてお答え願いたいと思います。
#37
○増田(久)政府委員 その土地が借地法の適用を受けるか受けないかということにつきましては、率直に申し上げまして、私の権限をもって判断することではないわけでございます。しかしながら、われわれは借地法が適用になろうとなるまいと、昭和三年以来平穏裏に借地権を続け、そこに恒久的な施設を建て、そこに競馬というものが開催されている事実というものはやはり重く考えるべきではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
#38
○綿貫委員 それでは、法務省にお伺いいたしたいと思います。
 一般的な定義として、あるいは立法の精神からして、借地法というものは上に建造物があるときに認められるものだと思うのでありますが、建造物がなくても、ただいまのお話しのような馬場とかゴルフ場とか、そういうところに借地法の適用があるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
#39
○味村説明員 お答え申し上げます。
 借地法は、第一条におきまして、建物の所有を目的とする地上権、賃借権について適用がある、このように規定をしているわけでございます。したがいまして、その契約の内容が建物の所有を目的とするということにある限りにおいて借地法の適用があるわけでございます。建物といえば、ごく常識的に、屋根があり、周囲があるというそういうものでございますが、その所有を目的とする、そういう所有することが契約の内容になっている場合に借地法の適用があるということでございます。最高裁判所の判決に、ゴルフの練習場についての判決がございまして、ゴルフの練習場を経営するということを目的とする借地契約、これにつきましては、反対の特約があるなど、特段の事情がない限りは――これはゴルフの練習場といえば、事務所とかそういうものは建てるわけでございますけれども、特段の事情がない限りは建物の所有を目的とするものではないというふうに最高裁判所の判決でいっております。
 御指摘のような競馬場の馬場とかゴルフ場のコース、こういったものにつきましても、最高裁判所の判例に従いますれば、特段の事情がない限りは借地法の適用がない、このようなことになるのではなかろうかと思います。
#40
○濱野委員長 いまの趣旨はよくわかりましたか。
#41
○綿貫委員 ただいまの法務省の見解では、借地法の適用外だと解釈いたしました。
 そうすると、先ほど農林省では、これは借地法の適用を受けておるのだ、局長は、そんなことはおれの権限外だと言われますが、しかし部下の事務の方々がとっております措置は、あくまでも借地法の適用を受けておるという前提に立っておやりになっておると思います。これは法解釈として非常に重要でありまして、もしも受けていないとすれば不法占拠になります。昭和三年からやっておるから当然だという言い方はあまりにも高圧的でありまして、法治国においてそのようなことは許されるべきことではないと思います。この基礎については本日ここではっきり解明いたしたいと思います。これについて、もう一ぺんはっきり御答弁願いたいと思います。
#42
○増田(久)政府委員 私の考え方は前と変わりないわけでございます。そういう解釈があるならば、やはりそういうものは有権的に解釈していただける、判断していただけるところにおいてやっていただくのが妥当な措置であろう、かように考えておるわけであります。
#43
○綿貫委員 それでは、この地主の中でなく在った方が何人かございます。その相続の場合に相続税を課せられるのでございますが、国税庁はこれに対しまして一〇〇%課税、いわゆる評価を一〇〇%と見まして、地上権はないという意味で課税をしてまいっておるのでありますが、これについて、国税局は借地法の適用があると御解釈になったのか、ないと御解釈になったのか、これをお伺いしたいと思います。
#44
○江口説明員 先生の御質問の具体的な案件につきましては、私まだ承知していないわけでございますが、一応相続税法上の課税の取り扱いを申し上げますと、地上権、借地権がございますれば、もちろん借地権の評価額をさら地の相続税評価額から引きまして、残りについて課税するということになります。ただ、賃借権だけの場合になりますと、これは一般的に借地権よりは賃貸価格が安いわけでございますが、その場合にも、さら地にした相続税評価額から賃借権に基づくところの価格を差し引きまして課税をするというのが現在の取り扱いでございます。
#45
○綿貫委員 現在の取り扱いを聞いておるのではないのでありまして、この相続税について御課税になったわけですね。これは借地法の適用を受けていないという見解で、いわゆる短期の契約であるから、これは地上権なんてないのだから一〇〇%課税しようということで御課税になったはずですが、どうですか。
#46
○濱野委員長 現実の問題はわかるのですか。
#47
○江口説明員 具体的にはわかりません。具体的に御指摘の案件につきまして私、承知しておりませんので、後刻調べた上で御返事を申し上げたいと思いますが、契約の内容が借地権を内容とするもの、あるいは賃借権を内容とするもの、これによって具体的には判定せざるを得ないと思いますが、具体的な事例については後刻調査をした上で御報告を申し上げたいと思います。
#48
○綿貫委員 御調査を待つまでもなく、こういう事実があるわけであります。したがって、当時の国税局の考え方は、この上に建造物のない馬場に対しては借地法の適用を受けない、こういう解釈のもとに御課税になっておるわけであります。そこで、いろいろ地元あるいは国民の側に立つならば、たくさんの役所があるけれども、どこの役所が何を扱っているかということはだれも知らぬわけでありまして、片一方の農林省では借地法の適用を受けているんだ、片一方の国税庁では受けていないんだというような、ばらばらの解釈がここにすでにあるわけであります。
 そこで、もう一つ突っ込んで申し上げますならば、三十五年の中央競馬会と地主さんとの契約書におきましていろいろの契約がなされておりますが、その二条のただし書きに「期間満了后借主においてこの土地の賃借を継続する意思があるときはこの契約期間を更新することができるものとする。」ということになっておるわけであります。ところが、四十年にこれを更新いたしましたときにはこの条件が変わっておりまして、「借主は、期間満了により終了した場合は、第九条の条件に従って貸主に引き渡さなければならない。ただし、借主においてこの土地の賃借を継続する意思があるときは、双方協議の上協議決定をもって更新することができるものとする。」というふうに変わっておるわけであります。これは明らかに、その後条件を譲歩されたというふうに考えるのでありますが、これについてどういうふうにお考えでしようか、お答え願いたいと思います。
#49
○増田(久)政府委員 たびたび申し上げるようで恐縮でございますが、昭和三年から平穏無事に競馬場をして使用させていただき、しかもそこに数十億に及ぶ固定資産をつくった、それには地主さんの協力も得た、しかも競馬は今後も続くであろうという前提を置いて考えますれば、そういう前提において、ものごとはすべて判断されるのが妥当であるということでございますので、私は、こういう規定が入ったからといって直ちに、五年たてば契約が切れるというふうには解してはおらないのであります。
#50
○綿貫委員 たいへんかってな解釈だと思うわけでありますが、ただいま申し上げましたこれについて、四十年の契約では、明らかに借地権のない契約であるということを認めておられるわけですよ。これは不法占拠であるのかどうか。昭和三年からやっているから不法占拠じゃないんだという解釈はどこからくるのか、これについて明確にお答え願いたいと思います。
#51
○増田(久)政府委員 私はたびたび申し上げますとおり、これは不法占拠だとは思っておりません。現に昨年の六月に、御存じのとおり妨害排除の仮処分の裁判がなされまして、それが却下されたのは御承知のとおりであります。
#52
○綿貫委員 それでは、立ち入って申し上げたいと思いますが、実はこの問題で契約書の更新にあたって、借地権のない契約であることを明記したのは、契約のときの便宜上のもので、地主さんをうまくまとめるための処置であるということを、私の調査では、何と監督者である方が表明しておられるわけです。これは全く農林省と競馬会の癒着もはなはだしいといわざるを得ないのであります。
 ただいまの局長のいろいろのお話を聞いておりますと、あまりにも高圧的であり、とにかく地主が悪いんだ、いままで紛糾がなかったのに紛糾を起こしたのは、農林省や中央競馬会がそう悪くはないので、あくまでも地元が悪いんだというような御解釈の上に立っておられると思いますが、私は、先ほど申し上げました競馬会、農林省の現在のパイプラインのつなぎ方から見まして、おそらく間違った情報が入っているんじゃないかと思います。善良な地元の人々の気持ちを踏みにじるような、あくまでも独善的な、地元があんなわからぬことを言っているから悪いのだというような、一片のほご扱いをするようなニュースが入っている、その上に立って、先ほどからそういう高圧的左態度をおとりになっているのじゃないかと私は解釈するのであります。その証拠に、この二月二十三日、ついこの間でありますが、裁判しようじゃないかということを地元へ申し入れがあったのであります。しかも一方的に、千葉で裁判するのはめんどうくさいから、これを東京でやるように了解してくれぬかというようなお話があったように聞いております。もしもこの裁判をいたしますと、地元側は約五千万円の印紙代を払わなければならないのであります。そういう足元を見透かした一つの威圧であり、高圧的な態度が見られるのでありますが、これについて御存じであるか、あるいはどういうふうに御解釈になるか、御答弁を願いたいと思います。
#53
○増田(久)政府委員 これはあくまでも競馬会と地主さん側との私的な契約に関する紛争の問題でありますので、これにつきまして行政庁があまり干渉がましいことを言うのは、私は適当ではないと思います。したがって、競馬会の自主的判断というものにまつというのが妥当である、かように考えているわけであります。
 ただ、私が一部を言わしていただきますれば、こういう問題は、何も裁判だ何だという形でものごとを解決するのではなしに、お互いに裸になって率直に話し合えば、おのずと通じ合うところがあるのではなかろうか、そういうふうに考えておりますし、またそういうことで問題を解決すべきが一番妥当な方法ではないか、かように考えておるわけでございます。
#54
○綿貫委員 先ほどからの局長の御答弁を終始聞いておりまして、私はその高圧的な態度に非常に憤りを覚えるものであります。先ほどの御答弁の中にありました、これはあくまでも借地法の適用を受けておるものである、また慣行としていままで使っておるのだから文句ないじゃないか、こういう考えだと思います。これはひとつ法的に十分検討をしてみなければならないと思いますので、これについてはしばらく検討する時間を与えていただきたいと思います。
 この中山の問題については、国の終始一貫した指導性というものが欠如しておるということを非常に強く感ずるわけであります。しかも、一等地である住宅地のまん中でずっと競馬をやってきたから、これからもやるのはあたりまえだし、そして付近の住民に迷惑をかけても、借りたものは当然おれの権利だからというような形で今後競馬をお続けになるならば、その態度そのものについて、私は、民主主義という原則から大きな問題があると思うわけでありますが、あくまでも地元との協調あるいは平和な共存ということにおいて公営ギャンブルが成り立つという本旨からすれば、ただいままでのその態度は私は解せないと思うのでありますが、これについて明確な御答弁を願いたいと思います。
#55
○増田(久)政府委員 私は先ほど申し上げましたとおり、この問題については、あくまでも当事者間の民主的な話し合いによって解決するのが一番望ましい方向である、かように考えておるわけでございまして、でき得べくんばそういう方向で解決されることを望んでおるわけでございます。
#56
○綿貫委員 監督官庁である農林省の当局者が、望ましいとか、そういう一つの理想像だけ打ち出すということは、行政的にまことに大きな欠陥であると思うのであります。実際にどう指導していくのか、どう指導してきたかという実践の問題が一番重要でありまして、ただ、こうあればいい、こうあるべきであるというのは批評家であります。そういう態度は、私は先ほども申し上げましたが、あくまでも競馬会と農林省との癒着に派生するものだと思うのであります。おそらく局長や監督課長さんも、そのうちに居ごこちがいいからそこに行くかもしれぬという考えがあるのではないか、ずばり言いましてそういう気がしてならないのであります。そういうものに対して監督ができるかどうか。しかも、自分の先輩がたくさんおられる競馬会に対して指導というものができるかどうか。明治時代から続いてきた競馬監督課というようなポストがございますけれども、こういうものが、はたしていまのこういう人事交流の中でほんとうの機能を果たしているのかどうか、非常に大きな疑問を持つわけであります。今後これについての明確な運営、また明朗な運営というものを望まずにはいられないわけであります。
 私がただいままで申し上げましたいろいろの問題は、単に中山競馬場の一部の方の利益代表として申し上げておるものではございません。公営ギャンブルというものが国民の注視を浴びておるときに、しかもまた、一部にはファンがどんどんふえまして、それに対する娯楽としての期待も大きいときに、これの公平なる、また明確なる運営というものがなければ、ますます疑惑を生み、地域の皆さま方の不信を買い、この公営ギャンブルそのものの本質についての批判が高まることをおそれるからであります。
 先ほども申し上げました中山競馬場の紛争はほんの一部で、これはもう地元が悪いんだからいいぞというような安易な考えではなしに、これについて早急に土俵をおりて解決する意思があるかどうか。私から言わせますならば、いままで競馬会や農林省は、既得権があるんだから向こうから何か言ってくればいいじゃないかということで、話し合いがほとんど行なわれておりません。一昨年から紛争が起こっておるにもかかわらず、本年は一月十八日に弁護士さん同士の連絡が競馬場から一回あっただけだと聞いております。
 そういう意味におきまして、私は先ほど申し上げましたが、私は借地法の適用を受けていないと解釈しております。そうすれば不法占拠であります。不法占拠しておる者がいばっていることはないわけでありますから、土俵をおりてひとつ円満に話し合いをしようじゃないか、そしてその上でこの競馬をさらに円満に運営するか、さもなくば、これは不法占拠でありますから返還するのがあたりまえであります。その態度をはっきりさせる必要があると思うのでありますが、これについてどういうお考えか、お聞きしたいと思うわけであります。
#57
○増田(久)政府委員 たびたび申し上げますとおり、その法的解釈につきましては、私はいろいろの考え方があると思っております。私は先生のおっしゃるとおりの解釈のみであるかどうかという点については、まだいろいろ疑問を持っておるものの一人であります。しかしながら、問題は、そういう法律問題にとらわれずに、もっと現実的な立場でそれぞれが歩み寄って話をつけていくということが一番妥当な方法ではないか、さように先ほどからお答え申し上げているところでございます。
#58
○綿貫委員 局長からは借地法の適用を受けておるかいないかということについては明確なお答えがございません。とにかく慣行でいままでやってきたから正しいんだという一点ばりの主張でございます。これについては私と見解を異にいたしております。これははっきりさせておきます。したがって、昭和初頭からやってきたんだからこれからもやるんだ、あたりまえじゃないかという考え方は、あまりにも過去に拘泥した考え方でありまして、今日のこの流動的な世の中にありまして、しかも、先ほどから何べんも申し上げますように、一等地を占領して、しかもいままでやってきたんだから文句を言うな、こういう高圧的な態度そのものに問題があると思うのであります。この上表をおりる、この土俵をおりて話をする。おまえ上がってこいというのではなしに、むしろ低姿勢にお話し合いをされるべきであると私は思いますが、これについて低姿勢――高姿勢でないというお考えかどうかお聞きしたいと思います。
#59
○濱野委員長 同じ答弁らしいのですが、質問者の的確な要旨をつかんで、局長、答弁してください。
 たとえば、弁当箱だの新聞紙だのいろんなものが船橋競馬場の周辺に散らばって、船橋競馬場の周辺の方々からいろいろな補償請求がありましょう。それなどについてはどういうふうにして御迷惑を排除しているのか、その補償についてはどう考えるかというようなことについては君は答弁していない。
 もう一つ、法務省の借地法に対する見解と農林省の畜産局長の見解が、いま聞くところによると、私の心境としてはだいぶ食い違っているのじゃないか。
 それから、あなたがいま、円満解決のために地域の諸君と裸になって話し合いをすることがいいと思っておりますと言っておりますが、相手方は裸にして、役所のほうは昭和三年からこの企業をやっておるのだからおれは裸にならぬが、しかし一般大衆は裸にしてその話し合いをしようじゃないかという印象を強く受けます。これは大衆に誤解を生みますから、そういう三つの点をはっきりさして、そして時間ばかりとって一向に進まないのでは委員長、まことに迷惑だし、委員会の同士も迷惑ですから、そういうことをはっきりと申し上げたらどうですか。
#60
○増田(久)政府委員 いま委員長の御注意がございましたので、簡単に申し上げます。
 よごれるというような問題につきましては、競馬会のほうで費用を負担いたしまして、そういう清掃を実施するということに相なっております。
#61
○濱野委員長 なっているの、やっているの。
#62
○増田(久)政府委員 やっているわけでございます。
#63
○濱野委員長 それであるのに、監督官庁が知らないの。
#64
○増田(久)政府委員 やっております。
#65
○濱野委員長 やっておりますなら、そうはっきり答弁してくれないと、長くなってしようがないよ、君ら答弁技術ばかり考えてやるから。
#66
○増田(久)政府委員 第二に、借地権の問題につきましては、私はゴルフ場と競馬場とを一体に、同じように考えていいかどうかという点に疑問を持ちますので、これは有権的なところで判断してもらうのが妥当であるというふうに考えております。
 それから三番目の問題は、経過的に申し上げましても、中央競馬会のほうでは何回かの歩み寄りの線を出してきておるわけでございまし七、一方、地主さん側のほうでは最初の要求の線をまだ一度もおりてはおられないという経過があるわけでございます。そういう意味で、歩み寄りでございますので、もう少しこちらの提案があればお互いにそれに対する反対提案という形で事実を積み重ねて、裸になって解決していくべきものだ、こういうふうに考えておるわけでございます。
#67
○濱野委員長 局長に御注意申し上げますが、地主の賃貸借とか土地の権利を設定するとかいう個人の問題ではなしに、大衆に迷惑をかけているというようなことや、それから法的解釈も、法務省の見解と畜産局長の見解とがだいぶ違うようです。
 ですから、これは綿貫君に申し上げますけれども、同じことを押し問答しておってもしようがありませんから、綿貫委員のほうでも十分調査して、それからまた法務省もはっきりした見解を示していただいて、それから畜産局も十分自分たちの考えを鮮明にして、そして次の機会に再審査しようと思いますが、いかがですか。
#68
○綿貫委員 ただいま委員長のおっしゃったとおりだと思います。
 この法解釈は非常に重要でありまして、もしもこういう建造物のないところの借地法適用が認められるとしますと、これは全国的にまだまだ多くの問題がありますから、これはたいへんな問題になると思います。もしもこれが適用を受けてないということになれば、不法占拠であります。この分かれ目がこの法解釈でありますから、ただいま委員長が申されますように、法務省と農林省の見解が違うようでありますので、十分調査いたしまして、次の機会に決算委員会でこの問題を取り上げさしていただきたいと思います。
#69
○浜田委員 関連して。時間をいただいてたいへん恐縮でございますが、ただいまの問題で関連して質問をさせていただきたいと思います。
 ただいま法務省の説明を聞きますと、やはり畜産局長の答弁とは全く違っておりますので、私は農林大臣と法務大臣と、きちんとこの問題について決着をつけて、次期決算委員会までに御答弁をいただくようお願いをいたしたいと思いますが、畜産局長の御意見を承りたいと思います。
#70
○増田(久)政府委員 法務省と相談いたしまして、できるだけその線でやりたいと思います。
#71
○浜田委員 この問題については私は触れたくないのでありますが、あまりにも畜産局長の答弁が横暴でありまするので、ここに委員長にお願いをいたしまして、鶴課長に御答弁をいただくようお願いをいたしたいと思います。
 この問題は、私の同僚議員であります綿貫委員が調査研究をいたしまして質問をするという段階までまいりましたけれども、その間に鶴課長の不当発言があります。この問題については中村委員も実はおやめになったのだから、綿貫委員もおやめになったらいかがですか、こういう発言をされておるということを聞いておりますが、そのことはほんとうですか。課長から御答弁をいただきます。
#72
○鶴説明員 そういうことを先生に申し上げた記憶はございません。
#73
○浜田委員 それは代議士に、決算委員に言ったということではなくて、決算委員の秘書が資料調査に参りましたときに、そういうことをあなたは言っておりませんか、重ねて御答弁願います。
#74
○鶴説明員 いろいろ先生の秘書の方とお話ししたことは記憶しておりますが、おやめになったほうがいいというふうに申し上げたとは思っておりません。
#75
○浜田委員 あなたは、かりにそういう発言をされないというならばされないと、したならしたと言われたらどうですか。このことについては、問題は、私は一つの競馬場の問題ではなく、監督官庁である農林省の一担当課長の行為に国会軽視ということがからんでくるから申し上げておるのです。少なくともその問題が農林省にどのようにまずいことであったにしても、このことについては、やはりもっとあたたかい心で接して、少なくとも一年議員が質問するならするというときに、あなた方は、いま局長が言っておるように、裸になって土俵をおりてやるべき問題と局長は言っておられる。ところが、そのあなたが、完全にこの問題はおやめになったらどうですかということを言っておるではないですか。その点、もう一回だけ答弁してください。
#76
○鶴説明員 たびたびでたいへん申しわけございませんが、おやめになったらいかがでしょうかというふうに申し上げたことはございません。
#77
○浜田委員 それでは、私のほうもその問題については、私、差しかえ委員でありますけれども、一国会議員としてあなたと職をかけて対決いたしましょう。
 それでは、私は委員長にお願いをいたしておきます。この問題は、次期決算委員会において私のほうも証人を出させていただいて、ひとつ決着をつけさせていただきたいと思います。
 それからもう一点の問題でありますが、先ほどから局長に御答弁をいただいておりますが、局長、この問題の解決にあたって、あなたがじかに出ていって、競馬会の代表と地主の代表を加えて三者で、土俵をおりて裸になってこの問題を解決しようというお考えがおありかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#78
○増田(久)政府委員 これは経過的に、お互いに法的な問題であるから代表、弁護士を出し合って、その弁護士間の話し合いで解決していこうじゃないかという経過になっておることは御承知のとおりでございます。そういうことで法律的問題が介在しておりますので、私らは残念ながら法律の専門家ではございませんので、そういうことは、やはり第一段階としては弁護士間の話し合いが一番先決問題である、かように考えておる次第であります。
#79
○浜田委員 それではお伺いしておきますが、かりに、借地権はないということであって、土曜、日曜の競馬場の開催をさせないという農民運動に私が先頭に立った場合、あなたはどういう法的な解釈によって競馬場の使用をされようとしますか、その点をちょっとお聞かせください。
#80
○増田(久)政府委員 たとえ借地権がなくとも民法上の賃借権はあるというふうに、少なくとも法律的にいえば言い得るのではないかと思っております。
#81
○浜田委員 私は取り計らいをお願いいたしたいのでありますが、少なくとも畜産局長は指導の立場に立っておられるわけですから、それを弁護士にまかせて、それから弁護士だけでというのでは、先ほどのあなたの答弁のように裸になって相談をするというのは、いつ農林省は裸になるのですか。農林省が裸にならなければ法務省も裸になる場所がないじゃないですか。それでは、弁護士同士が裸になるだけでこの問題の決着はつくというお考えですか。そこにあなたの高姿勢があると私は申し上げたい。その点どうですか。裸になるというのは、一体農林省はどういう裸になるのですか。弁護士を裸にするということですか、その点をお伺いいたします。
#82
○濱野委員長 浜田委員、どうですか、先ほど委員長が提案した線で問題を留保すれば――ここでお二人が裸になって話し合いをしてくれればなおいいけれども、そういうわけにはいきませんから、次回に保留をいたしましょう。ひとつ御了承を願います。
#83
○浜田委員 はい、けっこうです。
 ただ、お願いしておきますが、裸になるという答弁は議事録に載っておると思うのです。しかし、いまの答弁では、裸には全然ならないで、法律が介在する、だから弁護士同士で話し合いをするべきだということになると、いままで綿貫先生に御答弁になったことは全部うその発言だということになりませんか。やはり人間が裸になるというのは、その指導の担当者である局長そのものが解決に向かって前進するという努力を見せなければ、それは裸になったということにはならぬと思いますので、その辺をひとつお考えをいただいて、委員長におまかせいたしたいと思います。
#84
○濱野委員長 浜田君、私も気になりましたから、農林省だけ着物を着ておって、よろいを着ておって、そうして多くの地主や、あるいは迷惑をこうむっておる大衆の被害、それについては裸になれということは無理だ。ですから議事進行上、先ほど申しましたとおり委員長が仲裁したわけでありますが、あなたもこの程度でお引き取りを願って、そうして議事の進行をいたしましょう。どうぞひとつ御了承を願います。
#85
○浜田委員 委員長、それではよろしくお願い申し上げます。
 ただ一つ、これはもしお願いできたら、決算委員長の責任において、この問題の決着をつけられるよう御配慮をいただきたいと思うのです。
#86
○濱野委員長 それは私一人ではできませんが、協議の上、正しい導きをしていただきたいと思います。そう希望いたします。
     ――――◇―――――
#87
○濱野委員長 次に、昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 文部省所管について審査を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。浅井美幸君。
#88
○浅井委員 前回私のほうから御要求いたしました国立大学及び付属小学校、中学における入学金と授業料等の正規の納付金以外の経費の徴収状況について御報告をいただくことになっておりました。御報告をいただきます。
#89
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 国立大学における入学金及び授業料のいわゆる正規の納付金以外の経費の徴収状況につきましては、本日お手元に配付をいたしました資料のとおりでございます。
 これらの徴収経費の使途、内容を見てみますと、その大部分は学生の福利厚生関係の経費及び学生の研修、実習費、課外活動費その他に充当されているわけでございまして、直接教育研究のために使われている例は少ないと考えられます。
 国立大学におきまして入学金、授業料のいわゆる正規の納付金以外の経費を、教育研究施設設備の整備等、本来公費で負担すべき支出に充てるために強制的に徴収することはもちろん不適当でございまして、かかる事実があれば当然これをやめさせていく考えでございます。しかし、たとえば、本来個々の学生が個人的に負担すべき性質の教具、そういったものの購入経費、あるいは実習、研修等の経費を、便宜上大学側において徴収することについては、特に問題はないのではないかと考えているところでございます。また、学生の父兄等が後援会等を組織いたしまして、自発的に会費を拠出して、課外活動等、大学のいろいろな活動の円滑化、活発化に資するための援助を行なう場合に、これを一がいに否定をすることはできないのではないかと考えております。
 なお、後援会費、同窓会費、学会の発行いたしております学会誌の購入費、学友会費等について、これも便宜上大学の職員が徴収事務を代行している結果、大学が直接にこれを徴収しているような印象を与えている事例も事実あるようでございますので、今後これらの区分は明確にいたしまして、誤解を招かないように徴収の方法等を改善指導を行なっていきたいと考えております。
 なお、御指摘のございました付属学校につきましても同様な方針で指導をしていきたいと考えておりますが、特にPTA等による学校援助のための父兄負担につきましては、行き過ぎのないよう厳重に指導いたします。また、PTAによる施設の国に対する寄付等につきましては、原則としてこれを受け入れない方針を徹底するようにいたしたいと考えております。
 文部省といたしましては、今後あらゆる機会をとらえまして適切な指導を行ないたいと考えているところでございますが、一方、寄付金の抑制につきましては、これは関係者の協力にまつところが非常に大きいと考えますので、国立大学協会、国立大学付属学校連盟等と緊密な連絡を今後はかつていきたいと考えているところでございます。
 なお、国立大学付属学校の整備充実に必要な予算の増額につきましては、これまでも努力をいたしてまいっているところでございますが、今後さらに努力を続けまして、これら寄付金によってまかなうというようなことが行なわれないような実態をつくっていきたい、かように考えているところでございます。
    〔委員長退席、菅波委員長代理着席〕
#90
○浅井委員 前回質問の中で、このような国立大学において入学時にともに納付させている中で、その使い道を、非常にいろいろの面で問題点があるということで指摘をいたしました。きょういただいたその資料の中で、正規の納付金以外の納付経費調べの中で、四十五年度分でございますけれども、施設整備費が、大学の場合、一千円以下から一万円以上まで数があげられておりますけれども、大学のこの中で、一万円以上のBの項目にあります一というのは、どこの学校であって、幾らぐらい集めておりますか。
#91
○村山(松)政府委員 一万円以上徴収しておりますものといたしましては、長崎大学があるようでございます。これも大学全体一本で徴収しているわけではなくて、学部によって異なっておりますが、一万円ないし三万円程度徴収しておるようであります。
#92
○浅井委員 その使われておる道はどういうことでしょうか。もう少し明確な金額とそれから使い道ですね。前回、施設整備費を使っておるということについては問題があるというふうに御答弁をいただいておりますけれども、これについて、一番特異な例として、私は長崎大学ですかのことについてお聞かせいただきたいと思います。
#93
○村山(松)政府委員 実はその点十分承知しておらなかったわけでありまして、御指摘を受けまして長崎大学に急遽照会して若干のことがわかったわけでございますが、長崎大学は、これは原爆を受けましてたいへん施設面の被害が大きくて、これは国費をもっても整備充実につとめておるわけでございますけれども、大学としてはなお十分でない、あるいは、場合によっては待っていられないというようなお気持ちがありまして、現在教育学部、薬学部、工学部、医学部等におきまして、それぞれ後援会あるいは同窓会が中心になりまして、たとえば原爆復興二十周年記念でありますとか、あるいは薬学部につきましては七十周年記念とかいうことで施設の整備をしたいという計画があるようであります。まあ、そういうことに対する資金として、教育学部では一万円、薬学部では二万五千円、それから工学部で三万円、医学部で一万五千円といったような金額で援助を仰いでおるようでございます。
#94
○浅井委員 それは寄付金には該当いたしませんか。
#95
○村山(松)政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、後援会あるいは同窓会において集めておるということでございますので、その段階では国に対する寄付金ではないように思います。
#96
○浅井委員 長崎大学の工学部において三万円、設備や実習用具や工場見学という名目でこれを集めておりますけれども、こういう設備資金、こういう金は、あなた方の言うように後援会費でしょうか、あるいは同窓会費でしょうか、私は寄付金だと思うのですけれども。また、記念事業だとかいろいろなことを言っていますけれども、この記念事業がこれは同窓会費でしょうか、後援会費でしょうか。どうなんですか。
#97
○村山(松)政府委員 同窓会、後援会等において集めました金で、たとえば建物をつくって国に寄付をするということになりますれば、その段階では国の寄付になろうかと思います。
#98
○浅井委員 私は、いわゆる抽象的な話ではなくて、いま長崎大学の具体的な話を聞いておるのですよ。なろうかと思うではなくて。
 じゃ、記念事業は一体何をやったのですか。創立七十周年記念事業に充当したこの薬学部の二万五千円という金は、一体何に使ったのですか。
#99
○村山(松)政府委員 薬学部においては図書館を建てたいというような希望があるようでございますけれども、まだ金を集めておる段階で、使われてはいないように承っております。
#100
○浅井委員 使われていないからといって、集めたことは事実なんです。私は集めておること自身が不当ではないかということを言っているのです。使われたか使われていないかという問題ではなくて、そういうふうな設備をつくるために金を集めることは問題だと、この間西岡次官が答弁になったのです。それを、今回もこのことについて、あなた方の先ほどの答弁では、直接教育研究のために使われている例は少ないようである――少ないと言うけれども、事実あるわけですよ。また、そういう施設設備費に使われておる事実があるわけでしょう。また、窓口において、これは強制ではないと言っておりますけれども、大学の窓口において大学の職員が、いわゆる授業料と一緒に、入学金と一緒に集めておる。これはすなわち半強制的ではないですか。こういう半強制になってはいけないということも、これは数々文部当局からいままでにも指摘されておる。ところが、現実においてこういうふうな問題がいまだに平然と行なわれておる。また、きょうあなた方の報告の中にあるところのこの施設設備費が十七校、実習経費等を集めているのが十七校、課外活動費を集めているのが九校、合計四十三校ではないですか。全国の国立大学は七十五校あって、なぜこの四十三校だけがこういうふうな行動をしておるか、集めておるか。集める必要があるならば、七十五校全部集めればいいわけでしょう。こういう名目のあいまいな金が、いわゆる入学金と同時に納めなければならない。それが学生諸君に大きな負担となっておる、あるいは父兄の負担となって生活を圧迫をしておるという事実を私はこの前指摘したわけでしょう。これはあなた方が調査して、そのとおりの実際の問題がここに明らかに出てきたわけでしょう。この点はどうでしょうか。
#101
○村山(松)政府委員 御指摘のありました寄付、あるいは後援会あるいは課外活動のための費用、これらにつきましては、先ほど政務次官が御説明申し上げましたとおり、若干学生本人が必要とするものをかわって徴収するようなものもありますし、あるいは最終的には国に寄付される事業のために集められるものもございます。
 そこで問題は、一律に強制的に徴収するのはぐあいが悪いわけでありまして、そのようなものはやめさせるように従来も指導しております。御指摘の長崎大学の場合がどの程度強制にわたるのか、あるいは全く任意のもので事業のための募金であるか、現在までのところ、急に調べました関係で実態を詳細把握いたしておりません。強制にわたるような弊害があるものであれば、そのようなことのないように指導をいたしたいと思います。
#102
○浅井委員 だからあなたはお役所答弁だといわれるのですよ。私が指摘したのは二月の九日じゃないですか。きのうではないですよ。きょうは何日ですか。急に調べたからといって、きのうからきょうに調べたのではないのです。これは「官公庁に対する寄附金等の抑制について」という次官通達や、あるいは閣議決定をなされたいわゆる不当な行為であるということを私はこの前指摘したじゃないですか。それを、いまさら調べていないような発言をなさって、この場で答弁をごまかして逃げようという、そういうなまはんかな態度が、いまだにこういう通達や、あるいはまたあなた方が指導をやっておっても徹底しない理由なんですよ。次官、どうですか。
#103
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 先生から御指摘のありました大学につきましての寄付金の状況につきましては、さっそく文部省といたしましては、全国の大学と連絡をとって本日配付をいたしましたお手元の資料を作成したわけでございますが、なお個々の大学における寄付金の、あるいは会費の中身の内容につきましては、現在細部にわたってなお調査を進めている段階でございまして、いずれあらためて具体的なその中身についても御説明を申し上げる機会を資料等で持ちたいと思いますし、また、それに基づいて、先生御指摘のございましたように、本来国で当然つくらなければいけない施設等のために、そういう経費を集めるために学生に過重の負担をかけているというような実態があった場合には、これを直ちにやめさせるように指導をしていきたい、かように考えております。
#104
○浅井委員 的確に、迅速に私はやってもらいたいと思うのです。ないものを私はここで指摘しておるのではない。実際にそういうものが存在をするから私はここで指摘をしておるわけでございます。もう少し迅速に、的確に指導もあるいは監督もしてもらいたいと思います。これは国立大学なんですから、直接文部省が所管をしておるわけなんですから、その点お願いをしたいと思います。
 議論を次に進めますと、国立大学の付属学校の公費負担でありますけれども、これはいただいた資料の小学校七十一校、中学校七十六校、高等学校十六校、幼稚園四十三校でありますが、小学校の学校徴収金が総額七億八千百七十八万四千円、それで一校平均が千百一万一千円、それから一人平均が一万八千三百八十六円、こういう金額でありますけれども、これが学校徴収金であり、PTAの納付金が、一人平均が八千一二百四十六円、寄付金が三千九十八円、こういう数字が出ております。これの七十一校のいわゆるベストテン、高いものから一ぺん報告をいただけますか。
#105
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 小学校の場合は、竹早小学校――数字も申し上げますか。
#106
○浅井委員 はい。
#107
○西岡政府委員 竹早小学校、これは合計の数字を申し上げますが、六万一千六百円、これは年間でございます。池田小学校五万八千二百五十円、福岡小学校五万四千七百円、鎌倉小学校五万三千九百円、広島小学校五万三千七百円、桃山小学校五万一千五百円、大泉小学校四万九千円、富山小学校四万四千八百円、明石小学校四万四千円、小金井小学校四万二千六百円、これが上位十校でございます。
 中学校でございますが、京都九万三千二百円、徳島七万一千四百円、小倉六万五千九百円、富山五万九千八百円、桃山五万九千五百円、久留米五万七千円、明石五万三千七百円、長野五万二千八百円、横浜五万二千五百円、池田四万八千三百円、以上が中学校の上位十校でございます。
 高等学校でございますが、上位五校を申し上げます。京都教育附属高校八万三千四百円、東京教育大学駒場高校五万九千五百円、大阪教育大学天王寺五万九千四百円、東京教育大学附属高校五万七千円、東京学芸大学附属高校五万五千五百円、以上でございます。
#108
○浅井委員 この中で、PTAの納付金及び寄付金の使い道は、小学校、中学校、高等学校、幼稚園、どういうようになっておりますか。
#109
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 これは先生、全部の学校について……。
#110
○浅井委員 いや、トータルでけっこうです。
#111
○西岡政府委員 トータルを申し上げます。
 四十四年度のPTA納付金及び寄付金の内容でございますが、総額で申し上げますと、六千三百二十一万九千円、学校運営補助費二億一千百六十七万二千円、施設設備整備費一億二千百四十六万七千円、これが小学校でございます。中学校、PTA運営費七十六校分、五千四百四十三万五千円、学校運営補助費二億二千六百五十六万円、施設設備整備費一億二千二百八十一万六千円。高等学校十六校分、これはPTA運営費でございますが、九百八十六万九千円、学校運営補助費八千三百十六万七千円、施設設備整備費五千三百三十六万六千円。以上でございます。
#112
○浅井委員 こういう一年間に、幼稚園を含めましてわずか二百六校、これで十二億四千六百五十六万円集めておる。その中で、いま項目の中で出できました施設設備整備費、これは三億七百七十二万円ですか、これだけの巨額な金が施設設備整備費としてここで出てきておりますけれども、こういう金の集め方、使われ方、これはこの間指摘した寄付金の抑制についての通達について違反ではないですか。
#113
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 この点につきましては、施設設備の整備のおもなものは、当然国がこれを負担しなければいけない問題でございまして、すでに文部省といたしましては、四十三年度にこのような目的で集める寄付金については、厳にこれを抑制するように関係方面に指導をいたしているところでございます。ところが、ここに出ております数字でございますが、実はこういう事情でございます。
 四十三年にその方針を打ち出します以前の段階で、すでにそれぞれの学校が銀行等から借り入れをいたしまして、講堂その他施設を先につくってしまった、それを何年か払いでPTAで徴収をいたしまして払い込んでいった、借金の返済に充てていた、これがこういった数字のおもな内容であるというふうに、現在のところわかっているわけでございます。
#114
○浅井委員 私は、これが四十三年に通達して、それ以前という話でありましたけれども、先ほどの答弁の中では、集めただけでまだ使っていません、いまは使ってしまったけれども、これは前にきめたことである、こういうあいまいな問題、これは寄付金等の抑制について、という次官通達や閣議決定においてのこのいわゆる指摘事項、通達事項に対して違反ではないかと私は聞いておるのです。どうでしょうか。
#115
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 先生先ほど御指摘の長崎大学の場合には、具体的な中身につきましてはまだ調査の段階でございますが、御指摘のような事実があるとすればもちろん適当ではないと考えますので、そのようなことについては中止をさせていきたいと考えているわけでございます。ただ付属学校の問題につきましても、いろいろな実例が示しておりますところから考えますと、それぞれの学校のそれぞれのPTAの関係者が、少しでも自分たちの学校の環境をよくしていきたい、施設を充実していきたいという善意の、しかも全体の意思で行なわれていたことである。それを考えますと、これらの問題について、文部省といたしまして指導いたします場合も、なかなかむずかしい問題がこの問題には存在するということは、御理解をいただきたいと思うわけでございます。とは申しましても、もちろんこういったことが過重な負担を父兄にかけているという事実は否定できないわけでございまして、そういう意味におきまして、四十三年度も、文部省といたしましては、それぞれの付属学校また大学当局に、過重な負担をかけるような寄付は厳に抑制するようにという指導を続けているわけでございまして、それに違反する具体的な事実がありますれば、今後さらに指導を徹底をしていきたい、かように考えているわけでございます。
#116
○浅井委員 私は前回の論議をもう一回言わなければならないのですけれども、昭和四十三年度とおっしゃいましたけれども、閣議決定の次官通達は「官公庁に対する寄附金等の抑制について」ということで「財政の緊迫化に伴い、最近諸官公所(学校を含む)においてその経費の一部を諸種の寄附に求める傾向が著しいが、寄附者の自由意志によるといわれる場合においても、その性質上半強制となる場合が多く或いは国民に過重の負担を課すこととなり、或いは行政措置の公正に疑惑を生ぜしめる虞なしとしない。よって極力かかる傾向を是正するため、次の方針によるものとする。」ということに――閣議決定が昭和二十三年に出され、そうしてまた昭和三十年に、このことについて、寄付金等の受け入れ抑制を励行させる措置をあわせてとられている。いまあなたが例の中で小学校、中学校あげられましたけれども、竹早小学校で一万五千円の寄付金が明らかに出ている、あるいは鎌倉小学校では三万二百円の寄付金が出ている、また広島小学校も三万円出ている。京都中学校に至っては四万円の寄付金でしょう。これは明らかに違反ではないかと私は聞いているんですよ。この通達やあるいはまた閣議決定のことについて、事情は私も理解はできるけれども、違反ではないかと聞いているのです。その点どうでしょうか。
#117
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 確かに、先生御指摘の閣議決定の線から申しますと、その線に反するものであるということは言えるかと思います。ただ、先生も実態としては理解できるというお話がございましたように、たとえばある小学校でプールを建設する場合に、基準以上のいろいろな脱衣場をつくるという問題をはじめとして、いろいろな付帯の設備を少しでもいいものをつくりたいという父兄の強い熱望があった場合に、これを一がいに全くいけないのであるというふうに断定できない面がある、そういう点がこの種の問題にはあるということを御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#118
○浅井委員 竹早小学校と池田小学校の学校徴収金、PTA納付金、寄付金、この使い方を池田小学校、竹早学校、この両校を代表に私は質問いたしますから、その内容を明確に答えてください。
#119
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 竹早小学校の六万一千六百円の内訳につきましては、先ほど御説明を申し上げました中で、学校の徴収いたしますお金が二万九千六百円、PTA納付金一万七千円、寄付金一万五千円となっているわけでございます。なお、この中身につきましては、具体的な収支明細まではまだ御報告できない段階でございますが、池田小学校の場合、これは二番目のランクにある学校でございますが、五万八千二百五十円のうち、寄付金が一万八千円でございます。これは先ほど御説明を申し上げました四十三年の以前にPTAが銀行等から借り入れをいたしまして、そのお金で特別教室をつくった、その返済に充てているというような事情のようでございます。
 なお、具体的な個々の学校、特に高額の寄付金等を集めております学校につきましては、そのこまかい内容につきましてなお詳しい調査を続けていきたいというふうに考えております。
#120
○浅井委員 鎌倉小学校の三万二百円の寄付金、広島小学校の三万円の寄付金の内訳もわかりませんか。
#121
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 現在のところ、判明いたしておりません。すみやかに調査をいたしたいと考えております。
#122
○浅井委員 京都中学校の四万円の寄付金の内訳、それから桃山中学校の三万五千五百円の寄付金の内訳を言ってください。
#123
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘の京都中学校の場合でございますが、これは四十年度に講堂を建設いたしておりまして、先ほど御説明申し上げました銀行借り入れの返済に充てているというのが実態のようでございます。
 なお、これらの問題につきましては、現時点ではこういうことは一切よくないということで指導いたしているわけでございまして、たとえば講堂はいまの学校の基準には入っていないわけでございますが、大体の学校では体育館と講堂を兼ねて使用する、その場合に、現在の体育館の基準に加えまして、講堂と併用するという意味も含めまして、三分の一程度の加算と申しますか、体育施設に加える基準というものを四十六年度から追加をするというような措置をしているわけでございます。こういったことを通じて、京都中学のようなことが今後起こらないような方向に指導をしていきたい、かように考えております。
#124
○浅井委員 こういうことが行なわれておることをあなたは何か弁護をされておるようでありますけれども、こういう指摘されておる事項についての、いわゆる父兄の負担というものは非常に多くなっておる。寄付金だけで四万円あるいは三万五千五百円等が出てきて、最大は京都中学校が九万三千二百円、また竹早小学校は六万一千六百円です。これらの金額について、あなたは高いとは思いませんか。
#125
○西岡政府委員 お答え申し上げます。
 確かに父兄負担は高いというふうに考えます。
#126
○浅井委員 憲法の中に、義務教育というものは無償でなければならぬとある。これら小学校、中学校というのは義務教育でしょう。これは、いわゆる憲法違反になりませんか。憲法には、義務教育は無償とするということをきちんとうたってある。ところがこのような高負担になっておる。小学校、中学校のこういう実態というものは、次官通達あるいはまた閣議決定だけではなく、憲法にも違反しませんか。
#127
○西岡政府委員 お答えいたします。
 先ほどからもたびたびお答え申し上げておりますように、これはPTAの自発的な活動と申しますか、そういう行為としてとらえた場合に、文部省として、これをどこまで強制的、全面的に中止できるかということになりますと、多分に問題があると私は思うわけでございます。したがいまして、文部省といたしましては、義務教育に必要な原則的な施設、設備、また人件費等、こういったものについては当然国が全面的にこれを負担すべきである、そういう条件を整えるべきであると考えるわけでございます。本来、個人の負担になるような問題については、予算の許す限りできるだけ教材等の積算の経費を増額していくという努力をしていかなければいけないことは当然でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、PTAが独自の判断でどうしてもやりたい――もちろん高負担になることは事実でありますけれども、PTAの自発的な行為をどこまで文部省として規制できるかという問題になりますとなかなかむずかしいのが実態である。しかし、方針としては、もちろん先生御指摘の、こういう事実がないような方向に文部省としては責任をもって指導していかなければいけない。これは憲法違反等の問題とは若干違う問題ではないか、かように考えております。
#128
○浅井委員 そういう点からあなたお答えになるのでしたら、では、この寄付金の性格というものは一体どの程度まであなた方は認めようとしているのかと聞きたくなってくるのです。金額の大小ではなくて、寄付金自体の性格です。これをしてはいけないという閣議決定や次官通達があっても、PTAが独自でやるからそれは規制できないという文部省の方針なんですか。それとも、規制をしようという方向なんですか。この竹早小学校あるいは京都中学校のように、付属小学校あるいは付属中学校は、これだけの寄付金を行なって、優秀な設備を持つ学校とした。親の負担においてそれをやった。隣の公立学校は、そういう父兄負担はできないので、古い施設のままでやる。であるならば、こういう国立大学の付属学校だけはエリート教育のための施設強化をしている、そういうことを文部省は野放しにしようとする傾向なんでしょうか。その点どうでしょうか。
#129
○西岡政府委員 お答えいたします。
 先ほど御説明をいたしましたように、現時点で文部省といたしましては、施設にかかわる寄付、建造物の寄付、そういったことについては、原則としてこれを認めないという方針をとっておるわけでございまして、いま御指摘の個々の問題は、その方針を決定いたします以前の借金の返済に充てているという経過的な問題として出てきているわけでございます。文部省といたしましては、自発的であろうとなかろうと、PTAがそういう寄付金に基づいて施設をつくって国に寄付をするというような形に在るものは受け入れないという方針をすでに決定しているわけでございますので、今後そのようなことは起こらない、かように御理解をいただきたいと思うわけでございます。
#130
○浅井委員 いままでやったことはやむを得ない、いまはそのあと始末なんだからかんべんしてくれというお話だというふうに私は承りますけれども、これが四十三年度まで指摘されなかったということがおかしいのです。そのあと始末をいまやっているんだから見のがしてくれという言い分だと私は受け取ります。こういう問題については、これを厳重に実施しようとするならば、国が肩がわりしてでも私はやめさせるべきであると思うのです。四十五年度あるいは四十六年度はこの寄付金が一銭もなくなる、こういう姿にしてもらわなければならないと思います。また、PTAの納付金にしても金額の大小がある。こういうことも私はもっと画一的な――教育というものは機会均等でなければならないのです。そういう意味においても、PTAの納付金の金額も同じでなきゃならないし、あるいはまた学校徴収金も、同じ教材あるいは同じ給食費なら給食費ということにおいて、同じ範囲において金額が同じでなけりゃならぬと思うのです。それがこのような格差がある。じゃ、公立学校は一体どのくらいの学校の徴収金なりPTAの納付金なり寄付金になっているのでしょうか。
#131
○西岡政府委員 お答えいたします。
 公立学校の場合のPTA会費の実態でございますが、PTA会費について、全国的に個々の学校の実態を具体的に調査をいたしました資料はございませんので、これは……。
#132
○浅井委員 学校徴収金でいいですよ。
#133
○西岡政府委員 父兄が年間に支出をいたしております学校の教育費、いわゆる教育費の父兄の負担の統計がございます。これによりますと、小学校の場合にPTA会費九百九十八円、中学校一千五十三円、全日制高等学校三千二百八十三円という実態になっております。
#134
○浅井委員 公立学校に比べて、いわゆる国立学校の付属が圧倒的に高いですね。この事実は一体どういうふうに見られますか。
#135
○西岡政府委員 お答えいたします。
 これは付属学校のあるべき姿と実態との根本的な問題にかかわる問題と考えるわけでございますが、確かに御指摘のとおり、付属学校の場合の父兄負担というものが異常に高いという実態は否定できないわけでございまして、これは好ましいことではないと考えております。
#136
○浅井委員 好ましくないというので、私もこのことについてはあまり触れませんけれども、教育に格差がある、このことは是正してもらわぬと困ると思うのです。隣に付属小学校があって、普通の一般の私立あるいは公立の学校に行っている小学生が、小さいときから、あの学校は非常に設備がいい、優秀な学生が集まっているとひがみを起こすし、あるいは子供たちの教育に非常に影響があると思うのです。うちの学校はぼろや、隣の学校はいい学校や、なぜ私はあの学校に行けないのか。いわゆる教育の機会均等という原則からはずれるようなそういう方針を私は直ちに打ち切ってもらいたいと思うのです。付属学校であるから、教員の研修の場であるからといって、設備を整え、あるいはいわゆるエリート教育というふうな、親の虚栄心を満足させるような、そういうふうな教育というものの方針、またそういうふうな実態というものを私は改めてもらわなきゃならぬと思います。
 そこで、公立学校でありますけれども、私は副教材について伺いたいと思うのです。
 大阪市の場合、大阪市の教育委員会の調べでは、小学校は二百六十校ございます。この二百六十校全部、小学校一年生から副読本ほかの教材を使っておる。二年生では平均五点から七点、費用は平均四百円だ、三年生から四年生は五点から七点の副教材で三百円から七百円の負担だ、また五年生から六年生は七点から十点で六百円から七百円、最高額の学校では千三百円から千四百円、こういう実態であります。あるいはまた中学校では、大阪市内にある中学校は百三校ですが、これまた全部副読本ほかの教材を使っておる。中学校一年生が十六点、男女合わせて千三百五十円平均、二年生が十一点で、男女合わせて九百五十円くらい、それから三年生は十一点で、男子女子ともにやはり九百五十円程度、こういうふうな副教材を使っております。いまや全国的にこの副教材というものが波及しております。
 教科書無償配付ということがいまようやく実現したのです。ところが、父兄の中から、この副読本というものは教科書じゃないのでしょうか、せっかく教科書無償配付になった、教育費の負担軽減でようやく助かったと思ったら、最近は副教材が出てきてその負担が非常に大きくなりつつある、こういうふうにいわれております。東京都内では、このいわゆる副教材が三十点から三十五点も使われておるという学校もある。そういうふうな実態をあなた方は野放しにしておられるのか、あるいはこの副読本という制度に対して、こういう教材を使うことに対して文部省は何らかの指導あるいは監督をなさっているのか、あるいはまた副読本ほかの教材の内容についてどのように考えておられますか。
#137
○西岡政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の副読本の問題でございますが、ただいまの先生の御指摘の数字の中には、副読本と、いわゆるワークブックとか、そういったものに類するいろいろな学習帳や参考書等の種類のものも入っていると考えるわけでございますが、副読本、補助教材の扱い方について、若干制度的な位置づけというものをまず御説明を申し上げたいと思います。
 副読本その他の補助教材の使用につきましては、学校教育法の第二十一条第二項に、小学校においては、「教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。」という規定がございます。この規定はもちろん中学校、高等学校の場合に準用されているわけでございますが、一方、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第三十三条の二項に、教育委員会の定める学校管理規則には「学校における教科書以外の教材の使用について、あらかじめ、教育委員会に届け出させ、又は教育委員会の承認を受けさせることとする定を設けるものとする。」という規定がございます。この承認あるいは届け出ということにつきましては、教育委員会が実情に応じてそれぞれ判断をするように定められているわけでございます。教科書の発行されていない教科の主たる教材として使用するもの、これは小学校一年生の社会科、小学校の体育また道徳等でございますが、これは承認制をとっているわけでございまして、これは概してでございますが、副読本、解説書等の各種の学習帳、練習帳等は届け出制にしているという委員会が多いようでございます。
 この副読本につきます扱いにつきましては、ただいま御説明いたしました制度のたてまえから申しまして、それぞれの教育委員会にまかせられているというのが実態でございます。もちろん文部省として、大局的にはこれを指導していく立場にあるわけでございますが、それぞれの地域の実情に応じて教育委員会で判断をしてもらうというのが、これらのたてまえになっているわけでございます。
#138
○浅井委員 そうしますと、義務教育の公費負担はいわゆる無償にするという項目と、いま言ったように副教材を使ってもよろしいという条文とは相反しませんか。
#139
○西岡政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の問題は、結論としては、私どもは反すると考えていないわけでございまして、教科書無償の制度につきましては、憲法第二十六条にいうところの義務教育無償の理念をより広く実現をするという意味から取り上げられた施策でございまして、これは教科書が教科の主たる教材として学校教育におけるきわめて重要な位置を占めているというところからきているわけでございます。また、学校教育法の二十一条においてその使用を義務づけているということにもよるわけでございまして、先生御指摘の副読本についても、義務教育の無償の理念をさらに広く実現をするということはもちろん望ましいことであるわけでございますけれども、これは各学校において、実態としてほとんどの学校で使われているということは事実でありますけれども、それが使用を義務づけられていない、内容につきましても、それぞれの地域においてそれぞれの実情に応じてこれが取り入れられている、各地域の自主性に基づいて、学校の実情に応じて採用をされているという点から考えますと、必ずしもいまの時点でこれを国が当然負担をすべきものであるというところまではいかないのではないかということを考えているわけでございます。さらに、父兄の負担の軽減という観点から申しますと、文部省といたしましては、今後さらに学校の教材費等の補助を充実をしていくという方向で考えていきたい。いまこの時点で直ちに副読本についての補助、あるいはこれを無償化するということは文部省としては考えていないところでございます。
#140
○浅井委員 では、そういうふうなものが採用できるという条文があって、副読本は使用する、それは父兄負担になっている、これは矛盾してますね。ですから、将来無償化の方向に――いまは考えていないというけれども、無償化が望ましいのではないか。いわゆる副読本、副教材であって、父兄負担にはかわりがないわけです。いわゆる公費負担の軽減ということ、あるいは義務教育の無償ということから、本来の趣旨からいうならば無償配付――当然必要であるからこそ副教材というものはあるわけです。まして、副読本なんというのは、これは教科書と何らかわりはないはずであります。教科書と同じ役割りあるいは同じ効果、そういうものを果たすからこそ副教材として採用されているのではないかと思うのです。それを、片方では教科書無償配付ということになりながら、実際は教科書無償配付が実現していないことが、まさにやっておる教育行政が、ざる法といいますか抜け穴というか、そういう実態にいまなっているということを私は指摘したいのです。これはあなた方が何だかんだ言われておりますけれども、いわゆるさっきの質問、国立大学付属学校のこういうふうな寄付金の実態、あるいは大学の窓口における後援会費やあるいは寄付金の徴収、またいまの公費の負担の問題、全部教育というものが国の基本にかかわる重要な問題でありながら、予算がないということで、日本の防衛予算はどんどんふやしていくけれども、国の基本にかかわる教育という問題に対する費用を政府はけちるからこういうことになってくるのです。だから、言っておる法律とやっておる実態というものは全然食い違ってきているわけです。このことをあなたはお認めになりませんか。
#141
○西岡政府委員 お答えをいたします。
 私どもは先生御指摘のように、できるだけ義務教育の無償化というものが父兄負担を皆無にするという方向で、それを目標として今後努力をいたさなければならないことはもちろんでございますが、これはやはり段階的に私どもの努力を続けていくべき問題ではなかろうか。現在の教科書の無償の問題にしましても、それが完全に実現いたしますまでには、憲法で規定をされている中で相当の時日を要した問題でありまして、今後私どもは教育環境の整備のために全力をあげて取り組む決意でございますが、具体的に副読本の無償化という問題をいまここで方向づけることと、まだまだ本来やらなければならない教材等の充実あるいは施設のいろいろな充実整備、そういった問題にも私どもは現実に努力をいたさなければならないわけでございまして、必ずしも副読本が義務づけられてこれが使用されなければならないという形になっていない。制度の上から申しましても、にわかに無償化するということはいまの時点ではいかがであろうか、かように考えるわけでございまして、これは先生のお話でございますが、無償化ができないからといって、考え方に矛盾があるのではないかというふうには考えないわけでございます。副読本の取り扱いにつきましては、いろいろ教科書の制度、また文部省が教育についてどこまで責任を持つべきであるかという教育の行政自体の根本的な問題として私どもは今後取り組んでいかなければならない本質的な問題を含んでいる問題ではないか、かように考えているわけであります。
#142
○浅井委員 本質的な行政の問題でありますけれども、いまの実態、確かに副読本が義務づけはされていない。けれども、実際にいま大阪市の例を申し上げたように全校が使っている。これは明らかに、実態は義務化と同じような姿になっているわけです。ですから、法律では義務化はされていないけれども、実際は義務化と同じ姿になってきている。ですから、あなた方がいまこの問題について悩んでもいらっしゃるでしょうし、あるいはまた、教育の根本的な行政にかかわる問題ですから検討を進めておられると思いますけれども、いまのままでは教育に行政がないのかということになるわけです。文部省の無力といいますか文部省の無能というか、地方の教育委員会まかせということになって、いわゆる行政権限が及ばないという、そういう谷間になった問題として、実際問題は父兄負担というものは少しも解消はされていない。こういう物価高の中にあって、まさに子供の教育を受けさせるために父兄はその負担にあえいでいるというのが実情であるということです。ですから私は、いろいろなあなた方なりの考え方はあったとしても、父兄負担の解消のためには、全力をあげてその法律の改正やあるいは実態をすみやかに調査し、把握して適切な指導監督をすべきが文部省ではないかと思うのです。
 ですから、きょう私がこのことについて再びこういうふうにあなた方に問題点を指摘しておるのは、いまの日本の教育行政というものに本気になって取り組んでいただきたいし、またやっていただきたいと思うからであります。ですからそのことを強く望んでおきたいと思います。どうでしょうか。
#143
○西岡政府委員 先生御指摘のとおりであり、文部省といたしましても、今後全力をあげて先生のお考えに沿った方向で努力をいたす所存でございます。
#144
○浅井委員 終わります。
     ――――◇―――――
#145
○菅波委員長代理 次に、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求めるの件、昭和四十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件並びに昭和四十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書及び昭和四十五年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。吉田賢一君。
#146
○吉田(賢)委員 大蔵省当局に伺います。
 まず、四十四年度特別会計予備費使用総調書(その2)であります。大蔵省の貴金属特別会計、四十四年度予備費の予算額は十二億六千九百余万円でありますが、これは大体の購入の対象は何でございます。
#147
○林説明員 お答え申し上げます。
 四十四年度におきます貴金属特別会計予算の予備費からの支出をいたしましたのは、金地金の購入関係の経費に使いましたわけでございます。
#148
○吉田(賢)委員 金地金は何に使用する金地金でありましょうか。その概要を、種々の製品の品別などを御説明願いたい。
#149
○林説明員 お答え申し上げます。
 金の地金は、もっぱら産業用金に使われるわけでございまして、その産業用金の使途として私どもが概略考えておりますものは、いろいろございますが、たとえば歯科医療用の金、それから電気通信機器あるいはその他の機械用メッキ用の金、それから装身具用の金あるいは勲章、記章などに用います金、陶磁器あるいは万年筆などに使いますいわゆる産業用の金一般でございます。
#150
○吉田(賢)委員 近ごろ郵便事業のダイレクトメールに貴金属製品の販売展などがよくあるのでございます。そういった一般の庶民を対象にして、貴金属がか在り金属地金にしてある製品ができて、それが最近の消費ブームに乗って、好みにのってずいぶんと多面的に使われている面があるのではないだろうか、こう思うのであります。
 そこで、やはりこのような傾向がもしずっと助長されていくとしまするならば、ひいてはこれは消費過大、インフレの原因にならぬとも限りません。物価上昇がやかましいおりからでありますので、消費傾向を助長するような面に使われておるのではないであろうか、こういう辺を私は危惧するので実は伺うわけなんであります。単に産業用とおっしゃっても、どこかはっきりしないのであります。いまも指摘いたしましたような面、言いかえますると、やむを得ず金を使用するというなら別でありますけれども、奢侈、好み、そういう消費ブームをあおるような金の使用のしかたというものがもしあったらたいへんだろうと思うのでございます。あまり最近金がはんらんいたしますから、百貨店その他におきましても金製品の展覧会というやつをしばしば繰り返されておること、御承知のとおりであります。こういう傾向助長の因をなすのでは危いだろうか、そんなものを一体予備費として予算を承認したのであろうか。この辺のことにまで発展して疑いたくなる。いかがですか。
#151
○林説明員 ただいま御指摘のように、金はいろいろな方面に使われておりまして、歯科医療のような緊急やむを得ない医療用その他から、万年筆、さらには装身具その他、あるいは金そのものの地金の総価格中に占める割合の強い地金類似のものまで非常に広範囲にわたっているわけでございます。そのようないろいろな用途のうちで、どれか一部のものを特に規制すべきかどうかという問題は、確かに金政策の問題としてあるわけでございますけれども、一面におきまして、なるべく国内の民間の取引は自由にしておいたほうがよろしいという観点もありまして、その間の調和をどこにとるべきかという問題があると思います。その点につきましては、私どもは、海外からの金の輸入につきましては、これを政府の手で一括いたしまして政府が貴金属特別会計を通じて購入する、そしてそれを民間の需要に合わせまして貴金属特別会計から払い下げるという方法をとっているわけでございます。
 で、御指摘のような点につきましてはいろいろな御意見があると存じますけれども、現在のところでは格別にこの点について取引規制をするようなのもいかがかと思われますので、現在のところはそのような需要も見積もりまして、貴金属特別会計からその需要に見合って金を払い下げているという状況でございます。
#152
○吉田(賢)委員 先般も航空機を利用いたしまして金の密輸事犯があったことは御承知かと存じます。
 最近日本人の金消費ブームというものはかなり盛んなようであります。昔、戦前のことでありますけれども、ヨーロッパへ行って金の指輪だとか金のなんとかかんとか、これは東洋人に限る、しかして日本人は金があるから、日本人にだんだんとこういうのがふえてきたというようなことさえ戦前はあったものでございますが、最近、こういう傾向が社会の風潮を害するようなことにまで発展するのではないかということさえどうも疑われるのであります。民間取引はなるべく自由にしたらいい。これは一つの重要な金政策に対する基本的な政府の政策につながってきます。大蔵省は一体そういうような考え方を持っておるのでしょうか。主計局次長ですか、来ておられるのは。――来ておられますか。その点につきましてどういうことになっていますか。どっちでもよろしゅうございますが、大蔵省としての省の方針は基本的にそうなっておるかどうかだけ答えてください。
#153
○林説明員 ただいま御指摘のとおり、金の密輸問題はかなり重要な問題でございまして、したがいまして税関におきましても、金の密輸入が行なわれませんように厳重に注意し、かつ取り締まっているところでございます。新聞紙上にもときどき出ますように、金の密輸をする者がときどきあらわれておりまして、そのような者から金の密輸を行なうのを防ぐように取り締まりをやっている、そうしてその結果発見されましたときには、それを当然に没収いたしまして、これを貴金属特別会計に繰り入れるという措置をとっているわけでございます。御指摘のように、金を海外から官の目をくぐって輸入するというようなことは絶対にないように、できる限りの努力をしているわけでございます。
#154
○吉田(賢)委員 私が伺いましたのは、一点は、民間取引を自由にするというようなことで金の取引を放任しておく、だから市場にはんらんする、百貨店に至るまで金製品の展覧会ができる、そうしますと、最近はお金の値打ちがだんだん下がる。三十五年の一万円は、今日は六千円ですか、というような今日の物価高、貨幣価値の下落の状態でありますので、金さえ保存しておけば値打ちは下がらぬものと、これは日本人の昔からの金に対する執着であります。信仰的なものを持っておるのであります。でありまするので、そういうようなことに投じるというのが、今日の時代の一つの傾向ではないであろうか、こう思いますので、GNP世界第二位なんという大それたことをいっております反面、こういうような軽薄な風潮さえ生じておる、それをあおるのが金じゃないか。金政策はかかる意味において非常に重要である。ですから、犯罪を防止するということは、こんなことはあたりまえのことであります。何もそんなことをして没収して特別会計へ入れたからって、ほめたことでも何でもありませんわ。一つでも出たら、交通戦争の戦死者が出たのと同じことで、憂うるべき一つの傾向と見なくちゃ在りません。絶滅する原因、どこにありゃ、これが政治であります。
 そういう意味におきまして、私は、民間取引を自由に、金取引を自由にするというこういう政府の放任政策というのはいいのであろうか、大蔵省、よろしいかと言うのです。だからそれをちょっと――主計局は予算編成の上におきましても、あなたは予算を作成するのだし、予備費の使用を決定して総則に入れていくのですから、これは重要なことでありますので、こんな放漫な状態に置いておいてもいいのかということが私の一つの心配表面であります。どうですか、大蔵省としてそんな方針を基本的に持っているのですか。
#155
○林説明員 ただいま御指摘のように、金は世界でも価値の減損が最も少ないものであるということで、金を保蔵したいという希望があるのは一面事実でございます。その傾向は国によって違っておりまして、わが国は戦後――一度は第二次大戦のような経験をいたしましたけれども、歴史的に見まして非常に平和な国柄でございますので、世界的に見ました場合には金の保蔵傾向は非常に少ない民族の部類に入るのだろうと存じております。
 そのような意味におきまして、現在のわが国の金の保蔵の傾向を見ますと、確かにおっしゃるような傾向も見受けられるのでございますけれども、他面におきまして、金は換金性あるいは利殖性という意味におきまして、円の預金あるいは現金その他に比べまして、はるかに劣るということで、現在のところ国内で価値保存のため、あるいはインフレヘッジのために金保蔵の傾向が憂うるべき状態になっているというふうには私どもは判断いたしておりません。この点は、わが国の長い間の歴史的なありがたい伝統だというふうに存じておりますが、御指摘のような点も十分考慮しながら、民間におきます金取引の実態を注視していきたいというふうに存じております。
#156
○吉田(賢)委員 そうすると、いまの場合は金の地金の購入に限定しておるというのが実情でございますか。
#157
○林説明員 金の地金につきましては、金の輸入は厳にこれを禁止し、これを取り締まっておりますけれども、国内におきます金の取引を禁止あるいは規制しているというのもいかがかと思われますので、現在そのような措置は格別に講じてはおりません。
#158
○吉田(賢)委員 お尋ねする趣旨はそうじゃなしに、貴金属の特別会計における貴金属の予備費予算というものは、これは金の地金――純金でしょうね。金の地金の購入ということに限定しておるのか、こう言うのです。種類です。そう言っているのです。
#159
○林説明員 たいへん失礼いたしました。貴金属特別会計におきます予備費の使用は、もっぱら金地金の購入に充てるために支出いたしております。
#160
○吉田(賢)委員 さすれば、どうでしょう。これが一応貴金属ということになりましたならば、金以外のもの、高価なものということにも社会通念では通じるように、感じではするのでございますが、そういうことも今後はないと思いますけれども、もっと広い範囲でこれは目的を一応想定しておるというのが現状でございますね。用途、使用目的を想定しておるのでしょうが、たとえばダイヤモンドも入るとかその他も入るとか、犯罪によって生じたものがあればそれが入るとか、昔のように日本銀行の金庫の底にころがっておったようなものがあったらそれが入るということになるのか。ともかく金の地金以外のもの、高貴の価値のあるもの、そういうものは一切含むという趣旨なのか。金というように限定するというなら、貴金属という名前をはずしちゃって、金地金ということに限定するということも一案じゃないかと思うのですが、この点はいかがでしょう。
#161
○林説明員 お答え申し上げます。
 貴金属特別会計法の第一条の第二項に「貴金属」ということばを定義しておりますが、その定義によりますれば、金のほかに銀、白金その他のものが含まれております。ただ、ただいま予備費の使用に関連してお答えいたしますと、現在、国際社会におきましては、やはり金というものがきわめて特殊な地位を占めております。特に高価なものである、あるいは値段が下がらないものというようなことになりますと、おっしゃるように貴金属のほかに、たとえばダイヤモンドでございますとか、あるいは書画骨とうのたぐいなども入るかと存じますけれども、しかし、現在の国際的な金融ないしは通貨の制度におきましては、金というものはきわめて特殊な地位を占めているものでございまして、そのほかの貴金属、銀、白金その他とは全く違う地位を占めているわけでございます。その意味におきまして、現在、貴金属特別会計が海外から購入し、かつ、これを民間の産業用に供するために払い下げをいたしますものは、もっぱら金に限定しているわけでございまして、現在のところ金以外のものにこれを広げる考えはございません。
#162
○吉田(賢)委員 どうもあなたと少し議論が並行していくようでございますが、私の一つのねらいは、最近の風潮が、どうも高いもの、高貴なものをほしがるという風潮があまり日本人には顕著でございますので、これをあおる一役を買うているのではないかということを感じるのです。産業用の地金に金を購入するのだ――産業という以上は、やはり国民の福祉につながる、生産につながる等々いたしますので、いやしくも奢侈に流れて、そして経済的にも社会風潮を害するようなことになってはならぬ、厳に戒める。そんなものに予備費を設定する必要も何もありませんわ。予備費というのは、御承知のとおりに、法律によりまして予見すべからざる事情が発生いたしまして、やむを得ず予算の不足を生じたときにこれを使う、しかして年度内にと、きわめて厳格に財政法二十四条等に規定してあるわけなんです。でありますから、そういうようなきわめて厳格な規定のもとに置かれた予備費というものは、いやしくも国民の奢侈をあおるような傾向があってはならぬ。しかして、現実は市場にはんらんしておる、その傾向が顕著だ、こういうふうに思いますので、その辺はこういう機会を通じまして政府の姿勢をしゃんとして、何べんもあなたは繰り返しておっしゃっておるように、民間取引の自由にしておくとか、産業用の地金にかえますとかいうことばは何ぼ繰り返しましても、その点に触れておらぬのでございますよ。だから、そういうことにつきまして大蔵省はしゃんとした姿勢をもって、予備費の趣旨に従ってこれは運用をしてもらいたい。国会の審議を経ていない金なんですから、大蔵大臣の専権なんですから、だから大蔵大臣が決定するということは、これは予算を国会で審議したのと同じくらいな価値があるのですから私はそう言っておるのです。ですから、その辺についてあなたのほうはしゃんとした姿勢をもって臨んでいただきまするならば、この上何もそれをあれこれ言う必要もないわけなんですから、その点だけ一応まとめてお答えを願っておきます。それから次に移ります。
#163
○林説明員 ただいまおっしゃいましたようなことを十分勘案いたしまして、国益を十分考えて運用してまいりたいと思います。
#164
○吉田(賢)委員 主計局、何か意見ございませんか。
#165
○竹内(道)政府委員 四十四年に予備費で特別会計の支出をいたしまして、三トンの金の地金を購入いたしたわけでございますけれども、これは最近の金の産業用その他の需要が非常に強いわけでございますけれども、それに対しまして、貴金属特別会計で持っております金のストックというものはだんだん減ってきた。それでお話しのように、金もいかなる用途に用いらるべきかという問題があると思いますけれども、やはり市中の金というものが非常に少なくなりますと、異常な高騰を、高値を招くとかいろいろな問題があるわけでございまして、そういう意味で特別会計で相当量の金を保有しておるということが大事であろうと思うのでありますが、四十四年の暮れに至りまして金の国際価格が非常に下がったというようなことがございまして、そのチャンスに特別会計の金のランニングストックをふやすという意味で三トンの購入を行なったわけでございます。その購入されたものを合わせまして、特会で持っております金の使用をどうするかということにつきましては、ただいま林次長のほうからも、金政策担当の国際金融局のほうからお返事があったとおりでございますが、予備費を使用いたしまして金の購入をいたしましたのは、さような国際価格との関連もあっていたしたようなわけでございます。
#166
○吉田(賢)委員 金属に関する質疑は終わっておりますから、どうぞ……。
 食糧庁当局に伺います。食糧庁の内村次長は見えておりますね。――食糧庁といたしまして、各年度の特別会計において、食糧管理関係の経費が相当な額にのぼっておりますが、一番大きなものは、申し上げるまでもなく、毎年の国内米管理勘定になっております。これは四十四年の使用総調書(その2)においては千三百九十九億余円、それから四十五年度の調書(その1)のほうでは、同特別会計は千五百億円ということになっております。これはもう少し基本的に、前提といたしまして、全額予備費にあらずして、ある一定量の予算を設定して、その上で予備費をある数量取りきめておく、こういうふうな行き方が本筋でないだろうか、こう思うのですが、大体の買い入れ数量等々が毎年度およそ想定されていくのでありますから、もちろん厳格な意味において最終的にはわからぬといたしましても、ある数量は予算化するというほうが、どうも妥当ではないかと思いますが、基本的な組み方としてはどうでございましょうか。これは食糧庁それから大蔵省主計局おられますね。その辺はどうでしょうかね。両方の関係がありますので、しかるべく御答弁願いましょう。
#167
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。
 御承知のとおり食糧管理特別会計は、特に米管理勘定の場合は、国内米を買い入れてそれを売るというのが大きな機能でございます。そこでどれくらいの米を買うかということになるわけでございますが、御承知のとおり、米の生産高というものは、天候の影響を受けて非常に豊凶の差がございます。したがいまして、当初の予算を組みます場合には平年作というものを前提にして組むわけでございますが、四十四年、四十五年度の場合、天候が非常によかったということがございまして、当初考えていたよりも政府の買い入れ数量がふえることになった、こういうことでございます。
#168
○吉田(賢)委員 私の伺いましたのは、厳密に数量を予定することは至難である、なぜならば天候相手の生産でありますから。そこで、平年作を上回るような豊作の場合には買い入れ増量ということ、これも必至でありますが、しかしある数量は基本線として打ち出し得るのではないだろうか。たとえば、過去五年間平均するとこれだけが基本線に在る、基本線というものは予備費からはずしまして、これを予算化しておいて、そうして一定のものを予備費としておく、こういうことのほうが本筋ではないか、こういうふうにも考えられますので、こういう組み方はどうでありましょうかというのでありますから、この点、大蔵省はどういうふうにお考えになっておりましょうか。
#169
○竹内(道)政府委員 大体米の生産につきましては、需給見通しを立てまして、それで毎年の政府買い入れ量というものを予算に組んでおることは御承知のとおりでございますけれども、現実にその需給見込みを立てますときには、過去の生産数量あるいは買い入れ数量というものを参考にしながら予算をつくって、政府の買い入れ数量をきめておるということでございます。四十四年につきましては、非常友好天候に恵まれたというようなこともございまして、六十五万トン程度の政府買い入れの予定数量を越えたということがございましたけれども、通常の場合といたしましては、過去のそういった数量から考えてまいれば、そう多くの予備費支出が必要になるということはないのではないかというふうに思っております。
#170
○吉田(賢)委員 ですから、基本的に基礎的に、ある数量は予備費によらずして予算化するのが妥当でないか、こう伺ってみたのですが、これは大蔵省の予算編成に対する基本方針にかかってきますので、どうでしょうかね。
#171
○竹内(道)政府委員 お話しのように、過去の生産数量というものを見まして、それで予定の政府買い入れ数量というものを、まさに先生のおっしゃるような形で見込みを立てておるわけでございますけれども、あるいは、先生のおっしゃいますのは、政府買い入れが、従来の見込みからすれば、かりに六百万トンなら六百万トンであるというときに、一定の幅を、たとえば一割とか二割とかいうものをそれにプラスして政府買い入れをすることができるというような形にしておけば、弾力的な運営ができるのではないかというようなお話かと思いまするけれども、それは結局、従来の生産数量というものをどの程度見込むかということでありまして、特にそこまで幅を持たせていくことが、ほかのいろいろな予算などに比べまして適当であるかどうかというのは、一つの問題であろうかと思っております。
 なお、四十六年度以降の問題になりますと、これは御承知の例の生産調整、それから買い入れ基準数量というようなものを設けて今後食管を運営していこうということになっておりますので、四十六年度以降の問題といたしますと、またそういう問題は別の考え方をしなければいけないのではないかというふうに思っております。
#172
○吉田(賢)委員 申すまでもないことでございますけれども、農業政策、また食糧政策、あるいは食管会計制度というようなものが大きく政治日程にのぼって連日論議されているときでございますので、したがいまして、この食管会計のあり方にいたしましても、この段階において一歩前進して、新しい手を考えていく筋はないであろうか。生産調整に関するいろいろな新しい議論もまた別に出ておりますけれども、たとえば米の品質の改良等についての一種の奨励金的なもので二百数十億円という予備費も出たりしておりますけれども、とかくその辺が何かと今後の対象になる可能性もなしといたしませんので、このところは、ほんとうの意味における食糧政策はどうあるべきや、ほんとうの農業政策はどうあるべきやというような角度から考えましても、私は、そういう予算編成の制度的なあり方についても一考を要するような時期にはよく検討していく、そうして少しでも改善をしていくというような方向にいくべきではないかと思われますので、ちょっといまの点を指摘したにすぎないのであります。それは次の年度のこともあることでありますから、他の問題ともあわせまして、検討の一題材にされることを強く御要請申し上げておきます。
 それから、国内米管理勘定というものの内容を、ちょっと概要でよろしゅうございますから聞かせてもらいたい。
#173
○内村(良)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、国内米管理勘定は米の売り買いを扱っておるわけでございます。したがいまして、米を売った経費が歳入になるわけでございまして、買った経費は歳出になります。それ以外に、いわゆる管理費というものがございます。これは米を政府が集荷いたしまして、それから売るまでの間に保管をし、運送をするというようなことがございますので、そらした管理経費が入っております。それ以外に、食糧庁は、買い入れ資金につきまして食糧証券を発行して買うというようなことをしておりますので、そらした金利の経費というものも入っておるわけでございます。
#174
○吉田(賢)委員 管理費の内訳はどうなりますか。保管、運送、それから、大体数字はわかっておるのですけれども、ついでに食糧証券の金利もあわせてちょっと御説明しておいてもらいたい。両年度にわたりまして説明してください。
#175
○内村(良)政府委員 管理費につきまして、四十五年度の見込みの数字を申し上げます。
 運送費が百四十六億でございます。検定料が三億六千万円、集荷手数料を中心といたします流通業務取扱費が百五十八億、加工費が八億、保管料が三百八十億、それに保管の保存手入費が四億、金利は七百十億ということになっております。それ以外に、いわゆる事務・人件費として三百七十二億というものが四十五年度の管理費の見通しでございます。
#176
○吉田(賢)委員 食糧証券の金利は何ぼになりますか。それと、これは四十五年ですね。四十四年も一緒にやっておいてください。
#177
○内村(良)政府委員 四十四年の決算の数字を申し上げます。
 内地米管理勘定の米勘定の運賃が百十九億、検定料が二億五千万円、集荷手数料等の流通業務取扱費が百七十二億、加工賃が一億三千万円、保管料が三百十九億、保存手入費が二億七千万円、金利が六百十四億、事務・人件費が三百二十二億、こういう数字になっております。
#178
○吉田(賢)委員 それから次に輸入飼料の勘定の問題ですが、これは四十五年度八十億円、四十四年度も八十億円となっておるのでありますが、この輸入飼料というのは、どこから、何を、どのくらい買うのか、ルートはどうなっておるのか、一体その代金というのは、消費者段階において相当な恩恵を浴するということになっておるのであろうか、さにあらずして、流通段階において相当経費が高くつくというのであるかどうか。
 と申しますのは、最近の酪農の問題、酪農の将来につきまして、もっと牧草の開発について国策として積極的にやらなければならぬ、こういう説が相当強いのであります。酪農が振興しないゆえんのものは、一つは輸入えさにあるとまで極言するようなことばさえ聞きますので、ちょっと伺ってみるのでありますけれども、いまのような点を御説明できますでしょうか。
#179
○増田(久)政府委員 四十四年、四十五年に輸入されましたえさの総量を申し上げますと、四十四年度で一千三十三万トン、四十五年度で一千百八十七万トンでございます。そのうちの一番大きいものはトウモロコシ、マイロでございますが、トウモロコシの輸入先はアメリカ、アルゼンチンがおもなもので、それにタイ、南ア連邦でございます。それからマイロにつきましては、これが二百九十万トン程度輸入されておりますけれども、これの輸入先はアメリカ、アルゼンチンが大部分でございます。それから小麦、大麦につきましては、これはアメリカ、カナダ、それから豪州でございます。
 その他いろいろございますが、代表的なものを申し上げますと、おおむねそういうことでございます。それを、トウモロコシ、マイロにつきましては民貿ベースでやっておるわけでございますが、大麦等につきましては、飼料勘定において管理して、いわゆるピーターソン方式によりまして、農協を通じて売り渡しておりますので、これが飼料の価格の安定に寄与しておるところはきわめて大きいと考えているわけでございます。
 同時に、先生御指摘のとおり、日本の酪農は、北海道はわりかた自給飼料率というのは高いのでございますが、内地につきましては非常に低い、そのために、先生御存じのとおりの、かす酪とか一腹しぼり酪農というような、必ずしも望ましいといえないような酪農形態があるわけでございます。われわれとしても、草地改良事業をやるとか、飼料増産対策にいろいろ力を尽くしてまいったわけでありますが、特に来年度からは、米作転換の一環といたしまして、酪農家を中心として二十万町歩の水田に牧草を植えていって、酪農経営の近代化をはかろうということを積極的に考えておるわけでございます。
#180
○吉田(賢)委員 時間が切迫してまいりましたので、畜産局長に御依頼申し上げておきますが、日本の最近における輸入飼料のもう少し詳しい内容、それから、いま新しく打ち立てられようとしておる施策、これにつきまして、資料として出せるものがありましたら文書で出してください。できますならば、ぜひお願いいたします。
#181
○増田(久)政府委員 早急に資料を整えて提出したいと思います。
#182
○吉田(賢)委員 先般、わが国の畜産の先輩である黒沢酉蔵君が東京に参りましたときに、国会ではなしにほかの場所で会ったのでありますが、しんからその辺のことを憂えて、しきりに話しておりました。彼は北海道に関係があるので特に強調したのかもわかりませんけれども……。
 いずれにいたしましても、最近の酪農は次第に衰退するおそれさえあり、公害問題のやかましいおりから、将来の食糧の保健衛生あるいは重要な食糧源ということから考えまして非常に大切な事業だと思いますので、その辺は最も適切な、効果のあるような飼料のあり方を強く要望しますので、いまのような資料を御要求申した次第であります。
 時間が来てしまいましたが、少しはしょってやりますから、委員長、よろしゅうございますね。
 建設省、見えておりますね。あなたのほうは、例の特別会計における道路整備調整資金の問題でありますが、私は、この整備事業調査、諸般の計画、大規模のプロジェクト調査の総合的調整という面は、予算の効率的使用から考えてみまして非常に重要な点であろうと考えておるのであります。したがいまして、この内容を少し精細に掘り下げていきまして、こういう趣旨を一そう拡大し、また事業自体にこの種のものがずばりと用いられるようにすべきだというふうに考えておりますので、道路整備の調整資金関係について一応の御説明を願います。問答していると、次の関係で食いさしになってしまいますので、やむを得ませんから。そしてこの内容、言いかえますと、個所、目的、その調整の趣旨、延長もしくはその他の関係の諸要件、こういうものがずっと一覧してわかるようなものを出してもらいたい、なるべく精細なものを出してもらいたい、こう思うのであります。二、三重要な問題で御説明をいただきまして、あとは資料として当委員会にお出しいただくように御要請申し上げたいのでありますが、どうでございましょうか。
#183
○高橋(国)政府委員 国土総合開発事業調整費につきまして二、三の事例で簡単に御説明いたしまして、詳細な資料は後ほど御提出させていただきたいと思います。
 国土総合開発事業調整費、これは経済企画庁の所管になっておりまして、まず、国土総合開発法に基づいて指定されました特定地域とか調査地域、あるいは各地方開発促進法に基づく東北、北陸、中国、四国及び九州の各地方、それから首都圏整備法、近畿圏整備法、中部圏開発整備法、新産都市建設促進法、工業整備特別地域整備促進法、低開発地域工業開発促進法、豪雪地帯対策特別措置法一産炭地域振興臨時措置法、並びに山村振興法に基づいて指定されました地域が対象地域になっておりまして、対象の事業といたしましては、いま申し上げましたような地域開発関係法に基づきまして計画され、またはその法律の趣旨に従いまして実施する公共事業にかかわります治山、治水、道路、港湾、空港、漁港、海岸、農業基盤整備、林道、都市、住宅、工業用水及び環境衛生等の土木事業でございます。
 それで、関連事業といたしましては、公共事業並びに公共事業に準ずるような公共的な建設事業ということになっております。ただし、その所管の省庁が、原則として他の省庁のものであるということが原則になっております。
 簡単に申しますと、たとえば道路をつくる場合に、その対象事業が同じ建設省の所管のものである場合はだめでございます。たとえば、川であるとかダムの関連であるとかいうふうなものがございましてもだめでございます。他の省庁にかかわるものでなければいかぬということが原則になっておるようでございます。それから公共的な建設事業としましては、原則としまして、国または地方公共団体の支出にかかる公共的な目的を果たすための施設をいっておるようでございます。
 そういうふうにして選ばれるわけでございますが、四十五年度につきましては、道路関係の調整費は二十億五百万円でございまして、件数は、道路で十九件、街路で九件、あと全部で三十四件でございます。代表的なものを申し上げますと、たとえば栃木県の宇都宮市から烏山町に至ります県道の向田給部宇都宮線という路線がございますが、それが鬼怒川に橋をかけておったわけでございますけれども、たまたま成田空港に関連いたしまして御料牧場が閉鎖され、字都宮近郊に移されることになりました。それで御料牧場の建設、それからすぐその近くに宇都宮の東部工業団地というものがありまして、その造成事業が進捗しておりますので、そういう関連でどうしても四十五年度中にただいま申し上げました橋を完成することが必要になりまして、それに要する当初予算としましては四億九百五十万つけておったわけでございますが、さらに調整費によりまして二億三千七百九十万を加えて工事を完了させ、四十五年度中に供用するというような事業も行なっております。
 あとは後ほど資料として提出いたします。
#184
○吉田(賢)委員 お願いします。
 本鈴がなりましたので、水産庁、私からお尋ねだけいたしておきまして、資料で御答弁をいただいたらけっこうですので、よろしくお願いします。
 水産庁といたしまして、風水害対策費として、災害を受けた養殖施設の復旧事業などにつきましての予備費の使用でございますが、災害を受けたという場合に、これは当然こういうふうになってくるのでありますけれども、先般も、小さな規模の沿岸の漁業としまして、養殖漁業の一環としましてノリの栽培をやっておりますのが瀬戸内海にございますが、これが、だれが犯人かわかりませんけれども、損害数億円の廃油の被害を受けた事件がございまして、これは水産庁次長ともお会いいたしまして対策についての進言もしたのでございますけれども、何かもっと広い範囲で、犯人が見つからぬような不時の災害というものまでこれは方法はないものであろうか。これは災害対策の一環として扱うことは不可能であろうかどうか。あるいはまた共済制度もあるようでありますけれども、どうもこれも帯に短し、たすきに長しでありますので、いずれにしましても公害と目すべきこういうものにつきまして、何かこの種の対策を立て得ないものであろうか。この点は厳格な意味におけるいまの予備費解釈から逸脱するおそれがある課題でございますけれども、類似の案件といたしましてお尋ねしておきたいのでありますが、もしそういうような面について可能な対策ありとするならば、ぜひひとつ御提示いただけますならば、今後沿岸における水産業の発達のために重要な一つの資料となり得るのではないかと考えます。もう時間がございませんのでまことに残念ですけれども、何か一言で答えられましたらけっこうでございますけれども、あとで資料として出してもらってもけっこうです。
#185
○藤村政府委員 災害として扱うことは困難でございまして、先日先生に申し上げましたように、制度としても非常に困難な問題がございますので、現在、予防措置としてのいろいろの各種の措置をとりたいというふうに考えております。
#186
○吉田(賢)委員 資料として何か出せたら出してください。
#187
○菅波委員長代理 次回は来たる三月二日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。
    午後二時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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