くにさくロゴ
1947/10/02 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 文化委員会 第5号
姉妹サイト
 
1947/10/02 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 文化委員会 第5号

#1
第001回国会 文化委員会 第5号
  付託事件
○京都上加茂ゴルフ場建設に関する陳
 情(第二十四号)
○ローマ字つづりに関する陳情(第五
 十七号)
○群馬縣勢多郡敷島村の古跡発掘促進
 に関する陳情(第五十八号)
○物資愛護思想普及運動に関する陳情
 (第百一号)
○ゴルフ場施設に関する陳情(第百四
 十八号)
○観光國策の確立に関する陳情(第二
 百三十八号)
○ローマ字つづりに関する請願(第百
 八十七号)
○天草島各種観光施設促進に関する請
 願(第二百二十八号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月二日(木曜日)
   午後一時二十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○観光國策の確立に関する陳情(第二
 百三十八号)
○京都上加茂ゴルフ場建設に関する陳
 情(第二十四号)
○ゴルフ場施設に関する陳情(第百四
 十八号)
○天草島各種観光施設促進に関する請
 願(第二百二十八号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山本勇造君) それではこれから委員会を開きます。
 前囘の委員会におきまして國立國字國語研究所設置の請願の採択の件に関しまして、羽仁委員から発言を求められておりますから、これをお許しいたします。羽仁委員。
#3
○羽仁五郎君 前囘の本委員会におきまして、國立國語研究所設立の問題が可決されたわけでありますが、そのときに私は反対をいたしておいたのでありますが、その点について一應私の立場をこの委員会に御了解を願いたいと思います。それは私は國立國語研究所設立の趣旨においては非常に賛成なのであります。ただそれが從來のような官僚的な研究所になる虞れが多分にあるのじやないかというふうに判断をいたしましたので、これに反対をいたしておるわけであります。その後一昨日でしたが、数日前に新聞紙上にこの問題が報道せられておりましたが、その記事を見ましても、國語研究所が設立せられるということが、大体において文部省において國語研究所が設立せられるというふうな印象を以て報道せられておるように読みましたのであります。そうなりますと、この前の委員会において御決定になりました趣旨も通らないわけでありますので、是非ともどうか今度設立せられる國立國語研究所というものが、そういう点についてはつきりしたものとして、且つ國民に対しても可なり多くの予算を以て継続せられるわけですから、納税者に対しましても、今度設立せられる國立國語研究所というものは從來文部省において持たれていたような、研究所の持つていたような弊害を一掃して、そうして眞に民主主義的な、眞に科学的な研究所として出発せられることを切望に堪えないのであります。その達について特に問題となるものは、要するに設立準備委員会の構成であると思うのです。これは最近の例を取りましても、御承知の学術新体制会議というものができて、それでこれは可なり、現在問題になつている学士院その他日本の全学術研究團体を改革するという重大な使命を持つて発足せられているものでありますが、既に発足直後に、例えば慶應義塾の塾長の潮田君、或いは早稻田の島田君とか、そういう可なり有力なところから、学術新体制会議というものが全然民主主義的に準備されなかつた、そのために、その結果として現われておる現在の学術新体制会議も、非常に不公平なものであるという批判が出ており、それに対する改組の要求が昂まつているわけでありますが、今度の國立國語研究所が、その予算の点において文部省が世話をする。その際に最初に設立準備委員会というものが持たれるわけでありますがこの設立準備委員会というものは本当に民主主義的に準備されるかどうかということについて、その点が明瞭になりますれば私としても喜んでこの國立國語研究所の設立について賛成をいたしたいと思うのであります。これは既に委員長におかれては、この國立國語研究所の設立を飽くまで民主主義的に設立準備委員会が構成され、その後も民主主義的にこれが進行することを絶えず嚴重に監視せられることであると私は確信するわけでありますが、この際文部省がこの國立國語研究所の設立に対して、予算の面を努力せられるのであつて、その設立準備委員会の構成又その後の進行について、断じて從來の弊害、即ち官僚主義的な弊害に陷ることなく、明確に民主主義的な方法を執られるという決意をはつきり我々は了解することができるかどうか、それを我々了解することができれば、私はこの問題について賛成いたしたいと考える次第であります。
#4
○委員長(山本勇造君) それでは文部省の教科書局長の稻田君に一つ文部省のお考えを聽きたいと思います。
#5
○政府委員(稻田清助君) 先般國語研究所につきまして御説明申上げました場合に、当研究所の構成又はその運営は予め設置に先立ちまして設けられまする設立準備委員会において十分審議してこれを決定する、こう申上げたわけでありまして、從いまして只今羽仁委員が御心配になりますように、設立準備委員会のでき方又その働きというものが、この研究所が民主主義的に十分運用されるかどうかという重大な方角を決定するものでありますることは私共といたしましても十分考えております次第でございます。現在のところまだ予算額等が全く未定でございますので、大凡どれ程の人数を以て準備委員会を構成するかというような点につきましても、まだ具体的にはつきりした用意を持つてないのでありますからこの準備委員会に対しまする私共の考えておりまする方角といたしましては單にこの國語の問題が、國語学会乃至はこうした國語國字というものについて、特に関心を有する人々だけの問題でなく、申すまでもなく社会一般の活動に関しまして、廣く非常な影響力を持つものでありますので、この準備委員会の構成につきましても、廣く各界各層から出て頂くようにいたしたいと考えております。それも又單に役所の方から人選をいたしまして、御指名申上げるという方法でなく、できるだけ、何と申しますか、選出母体というか、まあ各界の方面から御推薦頂くような、何か適当な方法を考えましてそうしてお寄り頂くようなことにいたしたいと考えております。各界と申しましても、只今申しましたように、全体の人数によつていろいろな制約もございますけれども、凡その考といたしましては、先ず第一に國字國語の改良の問題について、いろいろ各民間團体もございます。そういう面も考慮する。又或いは言語学、語学といつたような面ばかりでなく、学界といたしましても、自然科学、人文科学等の各学会の方面からどなたか入つて頂く。或いは又直接社会に対する問題といたしましては、新聞雜誌乃至放送というような面、こちらから御意見を聞く、又特に若し國会の方でお許しがありまするならば、できますれば、そうした方面を中心とする政界の方からも入つて頂くのが至当だと考えます。或いは又直接これを教育に運用せられまする教育者側、各教育團体というようなものも当然考えられることと思つております。その他文豪家でありますとか、挙けまするときりがないのでありまするがそれらの各界を見渡しまして、成るべく各界の方から御選任頂きますような方法を考慮して、適当な人数の方にお寄り頂きたい。こう考えております。
#6
○羽仁五郎君 今稻田局長から述べられたことは、文部省の根本方針であるというふうに了解し、文部省は國立國語研究所設立準備委員会において明確に民主主義的な方向を取られる。その場合には民主主義的な文化團体、或いは教員組合、或いは労働組合関係、そういうような團体も考慮されるというように了解をいたしました。尚この國立國語研究所の準備及びその設立の過程において本委員会及び委員長が絶えず嚴重に監視せられまして、この新らしい國語研究所が眞に國民の幸福を保障するような、そういう研究機関、民主主義的な研究機関として成長するように切望いたします。前会において決定せられましたことにつきまして、私の発言をお許し下さいましたことを感謝いたします。
#7
○委員長(山本勇造君) 只今お聽きの通りでありまして、前囘の委員会におきましては國立の國字國語研究所設置の件に関しましては唯一人御起立がなかつただけで、後全部の方が御起立になつたのであります。そのために多数ということになつたのでありますが只今羽仁委員からの御発言によりまして当日御起立がなかつたわけでありますが、本日文部省の方の答弁を聽きまして、それで欣然としてこれに御贊成を得られたわけでありまして、この間の形式としましては全会一致ではありませんが、実質的には今日の形からいたしますと、全会一致を以て國字國語研究所の設置問題が採択された結果になるわけであります。ちよつとそれを申上げて置きます。尚稻田局長にお尋ねいたしたいのですが、設立準備委員会を開きますのは勿論來年度の予算が通りましてからでありましようが、それからだと段々遅れて行くと思いますがこういう問題は成るべく早く準備委員会みたいなものに持つて行つて、そうして研究所ができるだけ早く設立されることが望ましいし、又今羽仁委員が仰しやられたように、成るたけ民主的にやつて行く、そういうような上からも備準が早い方がいいと思うのですが、どうでございましようか。もう少し前から準備委員会を開くというようなことができましようか、できませんか。又するとすればそこに勿論そこに金が伴つて來るわけでありますがそれは文部省が今持つておる金の中でそういう融通ができましようか。或いはそういうことは無理でありましようか。これはあなたは教科書局長でありますからそこまでの正式の答弁はでき得ないと思いますけれども、あなたの見通しとして、或いはこれはもう單純な考え方としてでもよろしいのでありますが、大体の文部当局の意識みたいなものが伺えれば伺いたいと思います。或いはこういうふうに議会の方からしてくれるとその点がよくなるというようなことがありますれば、併せてお伺いしたいと思います。
#8
○政府委員(稻田清助君) 只今のお話の点は、今の一應の見込みとしましては、明年度の予算に計上いたしておりますから、明年度四月以降でないと着手しにくいと考えるのでありますが、唯この予算が國会を通過いたしまして明年四月から研究所が開かれ得るということが國として決定になりました場合におきましては、或いはこの本年度の予備金等を大蔵当局において承認ができますれば、多少今年度中から決定された方針に向つてできるだけ早く準備を進めることは可能じやないかと思います。
#9
○三島通陽君 議事進行についてちよつと伺いたいのですけれども、只今羽仁委員の御発言をお許しになり、それに対して政府委員の答弁をお許しになりましたようであります。委員長のお心持ちもよく分りますし、羽仁委員のお述べになりましたことも誠に御尤ものことで、御自分の立場を釈明されたということに解釈して伺つておりまして、仰しやることも御尤もだと思います。その点につきましては何ら私は異議を狹むものでないのみならず、御趣旨において非常に賛成なのでありますけれども、唯私は甚だ議事法に暗うございまして、又法律家でもありませんのでよく分らんのでありますが、どうも一度採釈してしまつた請願を再びここに今度は満場一致の形で採択されるということが許されるものであるのかないのかということに少し疑義を持つので、こういうことが若し前例になりまして、將來こういうことをお許しになるという場合に、こういう前例があるではないかということになつて來て一遍反対して置いたものが賛成ができる賛成して置いたものが反対できるというようになつてもこれはよくないのではないか。ここに同趣旨の別な請願が出て來て、それを今度は一委員がその趣旨を徹底されて、そうして採択された。これは全会一致で採択されたというならこれは理由があるように思います。同一請願を二度の決議を取られるということは、法律案でないからよいのか、法律案であつたらそういうことは絶対にないと思いますが、請願だからよいのかどうか、私にはよく分らないが、どういうようにお解釈になつてこういうことに相成つたのでありましようか、御趣旨の点や内容の点においては少しも反対の氣持はないので、私は大賛成です。唯議事法及び取扱いについて一つこういうことを明かにして置きませんと、將來私共が請願を取上げて行く上において如何かと思いますので、御研究を願いまして御答弁をいただきたいと思います。
#10
○委員長(山本勇造君) 只今の三島委員のお話に対しましては、私も議事法に至つて暗い一人でございますから、正式のあれは改めてそれでは御答弁申上げます。但し前に決議したことを変えるという意味でなしに、結果において全会一致になつたと私は申上げたのです。御報告をするときに、あの報告を変えて全会一致にするという意味で私は申上げたのではございません。そのときのあれが、一人起立なさらなかつたことがあつたけれども、併しその起立されなかつた方は今日においてそういう只今御発言になつたような氣持だというだけを明かにしたわけでありまして、報告のときにそれをごまかすことはございません。但し又報告の場合においては委員長の報告として、これはでき得るのじやないかと思いますけれども、私は至つて議事には全然素人でございますから、尚よく議事課の方と話し合いまして、私の方に報告がありましたら、又そのように取計ろうつもりでございます。
 それでは次に移ります。これは陳情が出ております。陳情の六号、観光國策の確立の件、全日本観光連盟から今のようなこれが出ておりますから、これを議題としてお諮りをいたします。青木專門員から御説明申上げます。
#11
○專門調査員(青木節一君) これは皆樣のお手許に差上げてありますから、それによつて御覺を願いたいと思いますが、一應これを読んでみることにいたします。
 去る六月十五日開催の本連盟第二囘総会において、貿易再開に伴う観光事業の整備に関し、別紙の通り決議せられましたについては、國事多端の折柄ではありますが、観光事業の重要性に鑑み、右決議の趣旨実現のため特段の御配慮下さいますようお願いいたします。右陳情いたします。
   社團法人全日本観光連盟会長
   松平恒雄
 参議院議長宛
   決議文
 今次民間貿易の再開は、我が國産業の振興は固より、國際観光事業の復活を齎らすものとして本連盟はマツカーサー元帥の厚意に深甚な感謝の意を表すると共に、我が國観光事業の健全な発達に最善の努力をなすことを誓うものである。政府は速かに観光國策を確立し、特に左の問題の解決に努められんことを望む
 一、観光事業に関する官民機構の強化
 二、道路、ホテルその他接遇施設の
  改善充実と資金資材の確保
 三、観光教育の普及徹底
 右第二回総会に当つて決議する。
 昭和二十二年六月十五日
       全日本観光連盟
#12
○委員長(山本勇造君) どなたかこれに対する質問がございませんか。
#13
○高田寛君 この陳情につきましては観光小委員の打合会におきまして審査をいたしたのであります。その結果この陳情は時局柄極めて適当なものであるということを認めまして、この打合会におきましては、本陳情はこれを採択すべきものであるという意見に翻りましたことを、御報告申上げて置きます。
#14
○金子益太郎君 只今高田委員の仰しやつた通りでありますが、それを小委員会に属さない文化委員会の方々に、もう少し具体的に説明しなければ、分らないのではないか。小委員長からもう少し具体的にお話になりましては如何でしようか。
#15
○高田寛君 丁度政府委員の方も、今日ここに出席しておられますので、これに関連する質問も、この際私の方も今少しいたして見たいと思つております。
 この陳情の項目は第一にありますこの観光事業に関する官民機構の強化ということがあります。これにつきましては、私共かねて官民機構の強化をすることが、観光事業の推進のために必要であると考えておる者であります。それで民間におきましては、各府縣区域の單位にありまする観光協会、或いは中央においてこれを統轄しております全日本観光連盟、或いは又観光事業をいたしております日本交通公社、その他いろいろの観光事業に関する民間團体があるのでありまして、これはますます強化して行く必要があると考えておるのでありますが、又官の政府機関といたしましての観光機関というものを強化する、この点について政府当局において案をお持ちであるかどうかこの点を第一に御質問したいと思います。これは運輸省の観光課長の御答弁を願いたいと思います。
#16
○委員長(山本勇造君) それでは運輸省の観光課長の間島課長に……。
#17
○説明員(間島大治郎君) 陳情にあります観光事業に関する官民機構の強化の中で、官の機構の強化の問題でございますが、これにつきまして、先ず現状といたしましては、観光事業が非常に多岐に瓦つております。官廳の行政にいたしましても、非常に関係が廣うございます。現在におきましては、観光事業に関係の深い官廳の間で連繁を取りまして、今具体的にやつておりますのは、全日本観光連盟が御中心になりまして、四省会議というものを毎月開催いたしております。四省と申しますのは、運輸省、それから内務省、厚生省、文部省、その四省でございます。それを全日本観光連盟の御主催でやりまして、官廳のや仕事、又観光連盟のやられる仕事につきましても連繁を取つて仕事をいたしておるわけであります。併しながらこの程度の連絡では勿論十分でないという考えは持つておるのでございます。各官廳がそれぞれ分担しておりまする仕事の將來を考えましても、質、量共に將來ますます仕事が増して行くと考えております。私共の方の運輸省といたしましては、現在一観光課で観光関係の仕事をいたしておりますから、本年度の追加予算には観光部というものを設置する計画で予算を計上いたしております。少し機構を拡大して更にもつと積極的に観光事業をやりたい、こう思つておるのであります。又これは自分の方の関係ではございませんが、厚生省におかれましては、國立公園の行政の拡充、又現在の國立公園の管理というものを十分にやりたいというふうなお考えで、國立公園部というものを設置すると同時に、地方に國立公園の管理所というものを置かれるという御計画で、これ亦追加予算に計上しておられるということに省知いたしております。現在までやや具体的になつておりますのはその程度でございますが、併し將來の観光事業を考えますれば、こういうふうに非常に多岐に亘つておりまする行政の調整というものを何かの形でやるということは、どうしても必要であると自分たちは考えております。ただこれは單一の行政機関に全部纒めるということは非常に困難でありますので、その点委員会的のもので行きまするが、或いは又行政権の極く一部の調整をやる行政機関というものを置くかというふうな問題につきましては、私共の方でいろいろ研究をいたしておりまするが、まだ結論に到達しておらないのであります。この点尚十分研究いたしまして観光事業を十分促進し得るような機構という問題につきましても、眞劍に檢討いたしまして、できるだけ早く結論を出したいこう思つておるのであります。何れにいたしましても何かの形でもう少し官の方の機構も統一あるものとし、又強力なものにいたしたい、こういう考えを持つておる次第でございます。
#18
○高田寛君 只今の御説明で観光事業を推進するために強力な中央機関を設けたいという意向を政府として持つているという御説明がありましたが、この観光事業と申しましても、これは決して先の問題ではなく、もう二、三年先には外國からも観光客が入つて來るものと思います。これに対する凖備というものは、今から一日も早くこれを整えて置かなければならないと思いますので、政府におきましてもこれに対する十分強力な機構というものを一日も早く整備するように、希望いたす次第であります。
#19
○委員長(山本勇造君) 外に御質問は……。
#20
○松野喜内君 今運輸省の方から観光部……課をば段々向上して、実際この方面に努力しようという氣持は分りました。四省会議にそうした政府の方々が連盟主催の下に集まる。民間國体の方が主催しておやりになるのでありましようが、何ですか、地方の方の、具体的に申せば、東京都なら東京都にそういう観光關係例えば公園緑地或いは風致協会、そういうようなものとの関係はどうなつておりますか伺いたい。又観光ですが、文部省と関係になつて來ますけれども私は常に生きた社会教育の場面、文化國家の文化の向上のためにはこういつた國立公園を初め、多くの公園緑地などこそ、惠まれたる環境の地であつて、人、環境を作り、環境また人を作ると申しましようか、こういうように考えられるのだが、部とし強化することのお氣持は分りましたが、今少しく内容について抱負について伺えれば結構であります。運輸省の御意見、あつたらどうかお願いいたします。
#21
○説明員(間島大治郎君) 四省会議を全日本観光連盟主催の下にやつておりますことについて御質問ございました。これは私ども官の者だけが集まつて相談いたしますよりも、やはり観光事業というみのが非常に御承知の通り関係方面も廣く、いつそのこと民間の殊に関係機関の綜合團体である観光連盟の方と御一緒に御相談した方がいいという考えの下にやつておる次第であります。又連盟の方で積極的に四省に集まつて貰つて、自分の方の仕事、官の仕事というものを総合的に取り上げて審議したいというふうな御意見でありましたので、各省が賛意を表しましてやつたような次第であります。
 それから地方の機関との関係について御質問がございましたが、その点は今のところは、私どものやつておりますのは、中央だけの機関でやつておりまするが、併し全日本観光連盟は全國の観光團体の総合機関でございまして東京都或いはその他の各府縣の観光協会というふうなもの、或いはその他の團体も殆ど有力なものはメンバーになつております。そういうふうな團体の要望というふうな問題につきましても連盟の方で御連絡をお取りなつて、四省会議で審議するということも十分でき得ると思つておるのであります。
 それから部の設置につきまして抱負なり構想をもう少し話せというふうなお話でございましたが、これにつきまして大体の考えを申上げて見たいと思います。御承知の通り戰前におきまする日本の観光事業に体制といたしましては先ずいろいろな根本的な基本的な問題を審議いたしまするために、観光委員会というものが鉄道省關係にございました。官民の有識者の方にお集まりを願つて、いろいろな観光事業の基本的な問題を審議を願つたのであります。行政機關といたしましては、その当時鉄道省の外局といたしまして、國際観光局がございまして仕事をいたしておつたのであります。ただその当時国際観光局は主として外客誘致に関する事業を主管いたしておつたわけであります。可なり活躍もいたしましたが仕事の重点は、外客誘致、宣傳或いは斡旋というふうなことに重点が置かれておつたのであります。併し今後の観光事業におきまして私どもの考えは、大体実際外客を誘致するような面、或いは対外宣傳或いは斡旋ていうふうなことは、観光連盟或いは又交通神社というふうな民間の團体、長年の経験と実力を有する立派な團体がありますので、そういう方面を政府としてもできるだけ助成してやつて行くということがいいのではなかろうかと思つておる次第であります。ただ過去の観光事業に欠けておりましたところは、行政面における仕事或いは又國内の受入れ体制と申しますか、施設の整備というふうな面に、可なり弱点があつたのではなかろうかと思うのであります。観光事業が育つて行くような基盤を作るということが、可なり欠けておつたのじやないか、又將來の観光事業は過去の観光事業とは比較にならん程大きなスケールを持つてやらなければならんと思うのでありますが、これにつきましても、どうしても先ず根本的な計画を立てますると同時に、事業を助成するというような面、育て上げるいいうような面に力を盡きなたればいけないのじやなかろうか、こう思つておるのであります。そういう点につきまして私どもとしましては、先ず日本を観光國にするための基本的な計画というものを、完全なものを作り上げまして、そうしてそれを政府なり民間なりの手によりまして実行に移して行くというような仕事に重点を置きたいと思つておるのであります。それでありますので、過去にありました國際観光局におきましては、大体宣傳或いは斡旋というような点に重点が置かれておりましたが今後、私の方だけの問題でありますが、観光課におきましては、施設の整備というような点に重点を置き、それから又観光事業が十分育つて行きまするような或る程度の助成の問題、或いは又法規の整備というような点に重点を置きまして、行政の面においても観光事業が十分振興され得るような体制を作り上げたい、こういう考えでおるのであります。國立公園部の問題につきましては、私の方の所管ではございませんので承知いたしておりませんが、併し大体聞いておりまするところでは、やはり國立公園ていうものの管理が十分行つておらない、ただ指定しただけではいけない、十分これを國立公園としての実のあるように管理し、そうして施設をして行く、そうして又風致を保存するというような点に重点が置かれるというように私の方は伺つておる次第でございます。甚だ不十分かと存じますが……。
#22
○松野喜内君 運輸省としての、殊に外客を誘致しようというところに重点を置いておる、これは御尤もでございます。我々が日本再建のために見返り物資を造る、その方も意の如くならん、せめて自然に惠まれておる我が日本の自然界の美を、スイス、フランス程に行かないにしても、せめてその一割でもと非常に熱心にやつておられることには、私は共鳴するものでありまするが、私が今御質問申上げたのは、そういうことで外客を誘致いたしたいのですけれども、來て見るとがつかりだ、我々が海外において見た観光の状態、実にいい感じを持つて來たのと反対にいろいろ不快を感ずるようなことが多くあつたのじや、お客さんが來ないで逃げてしまう、こういう意味から私はこういつた第三にありますようなふうに、いわゆる観光教育と申しましようか、観光のお客さんが來て非常にいい感じを持つためには、國民が挙つてそういう公園、緑地、観光地帯をすべてよくしなければならん、破壞行爲があつてはならない、不道徳のようなことがあつてはならない、もつと具体的に都の現状を申上げて見ましよう。先日あたりも東京都の緑地文化協会を設立いたしたいとの陳情を追つて來られるのを見ますと、御覧の通り中小の公園緑地等に行つてみればパンパン・ガールがたかつておる。又生垣から何から見るに堪えない状態である。戰災で荒れた上に荒れ果てておるような状態である。こういうふうであつてはならないから、これを即ち文化的に衛生的にして、感じをよくするように挙つてしなければならん。そういうことをよくすることが第一に盛り込まれなければこういう観光事業は成功するものではない。お客様を誘致するためには、そのような方面の実に戰災後荒れ果てておる状態を……、今日の道義の頽廃等の誠に公徳心の乏しき我が國民は、実に見るに堪えない状態である。急いで準備したいが、さてお客様が來て見れば、この有様ではという感じを持つであろうと思うから、敢えて申上げる次第です。これは運輸省の方にお願いするのは、或いは当らないかも知れませんが、文部当局が若し見えておりましたら、文部の方から伺いたいと思います。或いは國立公園その他は厚生省の所管とあれば、そういう方面の方の意図、負なりお考えなりを伺えば結構と思います。今日お見えがなければ又他日に讓ります。
#23
○政府委員(稻田清助君) 只今松野委員から、教育の面におきまして、観光に対する如何なる用意があるかというようなことのお尋ねでございます。義務教育九ケ年を通じまして、主に社会科でありますとか、或いはその他國語乃至理科等に関連教材があるのでございますが、小学校五、六年の社会科あたりにおきましては、固よりその学年における兒童の興味なり精神的発達の状況を考慮して教材を入れておるのでありまして、この風景資源の保護愛護というような問題から、或いは又旅行というものを自他共にどうしたらよくやれるかというような問題、或いは外國人に接するにはどうしたらいいかというような問題、或いは又世界中の人人が仲良く暮らすにはどうしたらいいかというような点からいたしまして、風景資源の愛護なり乃至は観光というような面に発展させて考えたり、いろいろそれに関する学習作業を行わせるというようなことになつております。殊に中学に入りまして、第九学年の部面におきまして、資源の愛護と利用というような教材の中に、特に風景資源というものを取上げております。その中に只今御指摘になりましたように、外國人が一体どういう点を喜んで帰つたかというようなことを、外國人の手紙あたりを引きまして教科書に挙げたりいたしまして、そういうような心構えというような点についても、十分留意して考えておるような次第でございます。國語につきましても、まあ各所に観光的の教材があるのでありますが、特に中学校の二年の後期のものにつきましては、瀬戸内海を中心といたしまする観光教材を取扱いたいと考えております。理科につきましても、我が國の國民生活をどういうふうに改良し、充実させて行くかというような問題につきまして、公園とか緑地帯或いは温泉利用というような点から発展しまして、観光計画を考えるというような問題まで触れておるようなわけで、各種の教科とか教材を通じまして、お考えのような点は十分徹底して参ることができると考えとおります。
#24
○松野喜内君 今文部当局のお話がありましたが、私はもう一言附け加えておきたいと思う。そういう観光地帯の、大きな國立公園と行かないまでも、各地に持つておる大小の緑地その他、これも今日は引揚同胞のために簡易住宅を建設しなければならなんというような止むなき状態から、そういうことも今日行われておる状態ですが、又一面には食糧の問題につれまして、家庭菜園というようなものに使われておる場面もある。これまた食糧上必要なことでありましようが、不幸にしてそれらが農地委員等を煩わし、権作權問題等をめぐつていろいろ面倒な問題が起りつつある状態なので、観光地帶にそういう場面のあることも思わなければならない。こういうことになると、それがために観光地帶、いわゆる公園、緑地というようなものの本來の使命、本來の價値を没することのないように、將來を考えなければならん。ここを誤ると、これが利用價値が乏しいことになりはせんかと私は憂えておる一人であります。もつと具体的に申すならば公園というようなものには、先程申した通り、多大の文化、教育の價値を持たせたいと考える。心身ともに健康に或いは観光客のすべての方面にこれを効果あらしめたいと考える。從つて公共の便所或いはその他の施設も、今日はあるところもありますが、私は公園という公園、緑地という緑地、観光地帶という観光地帶には、悉く靜かに読書のできるように、大小の図書館を公園内に一つずつ設けて欲しいと思う。或いは又老人、子供が遊ぶというような意味からいうと、遊ぶ道具等の施設は勿論のこと、公園附きの保育係りと申しましようか、学校に訓導がある如く、公園にはそれぞれその担任者があつて、社会文化のために責任者をおくというようなことがよくはないか。図書館のみならず、その他公園、緑地にはそれぞれそういうところを世話する保姆或いは保健婦などの関係において、是非公園を活用して実驗所であり養護所であるというような意味にやつて欲しい。飮食店その他の店で公園緑地を借りて使つておるものもありますけれども、私はそれ以上に、すべて図書館とか或いは文化施設の幼稚園、托兒所を初め、研究施設というような意味のものを作つて頂きたいと思う。今日、例えば都でいえば、都の公園、緑地の使用條例から見ると、それほどまでには使えないことになつておる。こういう一例を考えましても、我が國のこういつた観光地帶というものをもつと文化の方面に教育の方面に廣く活用することを考えなければならんと痛感しておりますので、先程申上げた次第なのであります。意味を地方のみに取つてはならないので、大きく國を考えなければならんが、國全体を考えても亦そうだと思います。今後そういう意味のことは、特に文部省にしても厚生省にしても、いわゆる四省が会議をやられる時分にもお願い申上げたいという希望を申上げる次第であります。
#25
○三木治朗君 この観光連盟からの陳情は、すでに小委員会でも十分御檢討になつておられるようでありますので小委員会の御決定に賛意を表しましす。尚いろいろ重要な問題は沢山あるのでありましようが、すでに委員会において小委員会が設けられて、その專門の小委員会が設けられておるのでありますから、その方で十分御檢討を願うことにお願いしたいと思います。
#26
○高田寛君 今三木委員からの御意見御尤もでありますが、或いは私の先程の御報告が足りなかつたかと思いますので、ちよつと補足して申上げて置きますが、観光小委員会での打合会でこの問題はまだ観光小委員会に付託されておらなかつたのであります。そのために観光小委員会としてこの問題を正式に取り上げることができませんので観光小委員会の打合会で下審査をしたのでございますが、それで本日これが正式にこの委員会にかけられたのであります。観光小委員会の下審査の打合せの結果を御参考に供した上で御協議願いたい。こういう意味で先程申上げたのであります。
#27
○三島通陽君 一、二伺いたいのでありますけれども、先程運輸省の観光局長でありますが、大いに施設を整備するというようなお話がありました、併し今観光事業の方は資金も十分に廻つて参りませんし、又資材の点も重要産業の中に入つていないので随分窮屈ではないかと察せらる点があります。併し観光事業全体を重要産業の中に入れてこれを審査するということはなかなかむつかしいだろうと思いますけれども、併し今観光事業を整備するということは今の日本に取つて非常に重要なことでありますし、而も重点的に或るものを持つて來てこれは是非急いでやらなければならんというふうなものは重要産業としてお取扱いになつてもいいのじやないかというように小委員会で我々は話合つたのであります。それにつきましてちようど安本の生産局長がお出でになつておりますから、どういうふうなお考えを持つていらつしやるか、一應お話を伺いたいと思います。
#28
○政府委員(野田信夫君) 私は安定本部の生産局長であります。只今三島さんのお話を伺いまして、観光事業の重要性につきましてよく了解いたした次第であります。資材面からいたしましても、現在のところでは観光事業というものに対して特別の資材の枠といいますか、割当をいたしておりません。それで恐らくこういう御計画の場合に或る規模以上に大きな御計画であつて新たな資材を必要とするような御計画の場合には、非常に困難に遭遇しやしないかという心配があるのであります。何分御承知の通り、鉄道では鉄道白書をお出しになつてお述べになつているような資材の窮迫状態であります。そこに又本年度の東北関東の大水害がありまして、かかる災害は恐らく今後毎年避け得ないだろうという見透しでおるのであります。一方住宅方面におきましても、炭鉱住宅に最重点を置いておりまするが、それでもまだ最初の計画通りには達しておらん。その外肥料における硫化鉱山の住宅にしても同じことであります。その外一般民家の復興状態それらから見ても分ります通り、現今の土木建築関係資材の逼迫状態から申しますれば今年來年ばかりでなく当分の間は恐らく観光事業方面に資材が潤沢に廻るということはなかなか望めないのではないかというふうに我々は見ておる。勿論貿易も再開されまして、輸出入共に盛んになる見込みになつております。が、併しあの廻轉基金によりまする輸入品の品目については相当の制限があり條件がついておるわけであります。土木資材の如きものを果して輸入でき得るや否やは今のところ未決ではありますが、多くは望めない。それでありますので、今お話がありましたように観光事業全般としてでなく、或る特殊の選ばれたところに重点を置きましてそこに対するだけの資材というような若し御計画でもありますれば非常に参考にはなると思います。思いまするが併し、その量によりましては到底それだけのものは出せないということが必然起つて來やしないかということを恐れる次第であります。資金の面は相にく私の方の管轄ではありませんが、ついでに考えだけを申上げますれば、融資の順位から申しましても、観光事業は到底優位を與えることはできないという状態にあると思います。この資金方面の情勢についても、資材方面と同じような逼迫した情勢であります。ただ資金の方面でありますれば、これは融資というのは政府の世話をいたしまする融資という形でなく、これは民間から新らしい資金を吸收するという点においては一向何の制限もありません。これは資材と違いまして、民間の資金を別に動員なさるという御計画ならば、それは融通の道がつきやしないか、その点は新らしい資金が要る場合でも新らしい資材が要る場合とはその面で多少猶予があるのではないかというふうに考えております次第であります。以上簡單ですが、御報告いたします。
#29
○高田寛君 只今生産局長からの御説明で事務当局としてお考えの点は伺つたのでありますが、ただここで或いは資材面におきましても、住宅の建築或いは又水害の復旧対策といろいろな面に資材が非常に要つて國全体として資材が非常に苦しいということはよく分るのでありますが、ただこの観光事業の方面を考えますと、今日輸出貿易によつて外貨を獲得し、これによつて我我の生活に必要とする食糧、衣料その他を輸入しなければならないということを考えて極力これに努めておるのでありますが、今後の輸出貿易という面を見ましても十分に我々の必需物資を輸入するだけの資金が得られるかどうかということについて誠に私としましては心細い状態にあると考えておるのであります。ここにおいて見返り物資なくして外貨を獲得するこの観光事業という方面に力を入れてこの観光事業は決して経済面だけではなく、文化面にも大いに意味があるのでありますが経済面を考えましても相当に観光事業特に國際観光事業ということに力を入れて外貨を獲得することが今後我が國が生きて行く所以であるとこう信ずるのであります。それで二、三年も経ちますれば、外國の観光客が相当に相次いで我が國に來るということを各種の情報から我々は判断しております。その時になりまして、我が國には観光道路もできていない、宿泊設備もできていない、又その他の娯樂設備もできていないということでは、折角我々が意氣込んで、観光事業に力を入れようといたしましても、外國から來た観光客は失望してあとが続かなくなる。これでは我が國が生きて行くための観光事業というものの隆盛は到底望み得ないと思うのであります。観光事業は決してこれはさきの話じやない。今日からできるだけ力を入れて準備態勢を備えておいて外國から來ます観光客に十分に満足を與える。ますます観光客を多くして、外貨の獲得にも努めて行かなければならんと信ずるのであります。この点から考えますと、我が國の資材は非常に窮屈でありますが、その中においても何とかやはり差し繰つて、観光施設と言いましても、非常に多いのでありまして、どれもこれもということができないのはよく分るのでありますが、重点的に計画いたしまして、極く必要な観光施設というものにつきましては、何とかしてこの苦しい中の資材をやり繰つて、或る程度重要産業に準じて資材を廻すと、こういうことを是非政府当局の御配慮を願いたいと思うのであります。又資金面につきましても、観光施設についてはたしか融資の順位が乙に入つておると思います。それから施設以外の流動資金については丙に入つておると思うのでありますが、この観光事業体の一つ一つをよく檢討しまして、しつかりしておる重要なものにつきましては、やはりもう少し優先的に資金を融通するような措置というものを是非今から講じて頂く必要があるとこう考えますので、一つ重ねてその点のお考えを今少し御説明を願いたいと思います。
#30
○政府委員(野田信夫君) 只今のお話はよく分りました。先程私の申上げたのはちよつと言葉が足りなかつたのでありますが、全般的に資材が逼迫しておるから、むづかしいということをただ概括的に申上げたのであります。御説明が足りなかつたかと思いますが、今もお話のように各方面から見て、この施設が特に有効であり、又資材面から言つてもさきほどの資材がなくて済む。例えば道路を開発するという場合でも、どうせやらなければならん。國道の相当の部分利用でき、本当の観光用のために使われる道路というものは比較的短かくて済む。そうして非常に場合といい、その他の條件が観光客の誘致上有効であるというようなあらゆる角度から見て、ここが第一位に着手すべき地点であるというふうな結論が得られまして、そうしてその資材がどのくらいの期間にどのくらい要るかというような御計画も立ちまして、その上に適当に、例えば運輸省の観光課なら観光課を通じて、需要面としてのお申出でがあれば、これは十分に考慮することができると、そういうふうに思うのであります。外貨吸收上の観光事業というものの重要性につきましてはもう今更申上げるまでもなく承知しております。ただその資材の優先程度の問題でありますが、今のような点をよく御考慮願いまして、外貨吸收上の効果、それからそれに要する資材の必要量がどの程度で済むか。そうしてそれが最も少くて済むものであるというようなところで、よく御檢討下されば非常に実現がし易い。又資材につきましても、セメントは非常に逼迫中の逼迫でありますから、成るべくセメントの要らん御計画が一番実現性がある、こう申してもいいような次第であります。從いまして観光事業の如きは、近傍に石材が相当にあるような地点、或いは又木材にしましても、近傍に木材があつて、それを利用できるというような点もあると思います。そういうようにあらゆる点で、資材を節約するような方法で実現することを御計画下さることが一番実現力がある計画になるとこういうように存じます。
#31
○三島通陽君 この請願につきましては、小委員会において十分に審議をせられたことでもありますし、本委員会におきましては、この辺で質問を打切られまして、いずれかに決定あらんことをお願いいたします。質問打切りの動議を提出いたします。
#32
○委員長(山本勇造君) 外に御質問ございませんか。そうすると質問はこれで打切りまして御異存ございませんか。
   〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(山本勇造君) そういたしますと、全日本観光連盟から出ておりますこの陳情に対しまして、この委員会としてこれを採択するか、或いは採択しないかというのが議題になりますが採択に御賛成のお方は起立を願いたいと思います。
   〔総員起立〕
#34
○委員長(山本勇造君) 全部賛成でございます。そうしますと只今採択しました陳情は、本会議に付するを要するものと、内閣に送付を要するものとこの二つになりますが、これを一括して採決しますか、或いは別々に採決をいたしましようか。
#35
○三島通陽君 一括に賛成いたします。
#36
○委員長(山本勇造君) それでは一括して採決することにいたします。本会議に付するを要するもの並びに内閣に送付を要するものとこの両件に対しまして、御賛成の方は起立を願います。
   〔総員起立〕
#37
○委員長(山本勇造君) 全部起立であります。それではこの全日本観光連盟からの陳情は、採択と決定いたします。そうしてこれは本会議にかけ、更に内閣に送付するということに決定をいたしました。
 尚意見書案を附し、これが案文は委員長に一任いたされたいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(山本勇造君) ではそのやうに取りはからいます。
 第三にもう一つ陳情が出ておるのでありますが、陳情第一号及び第五号、京都にゴルフ場を設置するという陳情が出ておりますが、これに対しまして青木專門調査員から説明があります。
#39
○專門調査員(青木節一君) それでは京都にゴルフ場設置問題の陳情につきまして、陳情の趣旨と、それから調べましたところを御報告申上げます。
 この陳情は六月六日に京都観光施設促進委員会の和辻委員長より提出がございました。その要旨は、我が國の代表的観光都市である京都には、その近郊に適当な近代的休養施設としてのゴルフ場が欠けておる。ところがたまたま昨年京都駐屯の第一軍團におきまして、市の郊外六キロの地点にある上加茂にゴルフ場設置の計画をいたしまして、工事に着手いたしましたが、いくばくもなくして中止されたのであります。これは観光京都のために極めて遺憾とするところでありまして、一方工事等の費用も成るべく軽減して比較的容易に遂行し得る可能性もあるので右ゴルフ場建設計画はこれを是非とも継続して実現させるようにして頂きたい、こういう趣旨の陳情でございます。これにつきまして事情を調べましたところが、昭和二十一年の秋に京都駐屯の進駐軍第一軍團において、京都市の東北六キロの上加茂附近の林を伐採いたしまして、ゴルフ場を設ける計画を立つて、只今御説明申上げましたように工事に着手したのでありますがこの本年の二月に占領軍の軍用工事を一切全國的に中止するという一般命令が総司令部から出まして、この計画も中止せられたのであります。このゴルフ場建設工事の請負は鹿島組でやつておりましたが、本格的建設工事はまだ開始されておりませんが、地主及び鹿島組によつて予定地の一部の林が伐採されております間に、この工事中止命令が出たのであります。この間に行われましたことは、單に地鎭祭が行われた、或いは鹿島組によりまして人夫集めが行われた程度で、本格的な工事着手はされなかつたのであります。経費の支出の点でございますが、最初の計画の案によりますと二、三千万円の程度をもくろまれておつたのでありますが、具体的に計画を立てて見ますと、完成には一億円以上もかかるということがわかつたのであります。この司令部の工事中止命令によりまして、作業を中止いたしますまでの支出経費は約三百万円でございまして、これは政府からの支出になつております。調べましたところによりますと、この工事の請負の鹿島組当事者は、このゴルフ場建設工事は簡單なる工事や僅かな経費を以てしては到底実現ができないという観測をしております。そうして殊に地元民、上賀茂神社境内附近に住民は、この計画に対して必ずしも賛意を表しておらない、又一方この陳情を提出いたしました人達の間におきましても、必ずしも自発的、積極的な意図を以てこれを提出したものでないと思われる節があるのであります。この問題は右のような次第になつております。ちよつと御説明申上げました。
#40
○高田寛君 この陳情につきましては只今青木専門調査員から詳しく御説明がありましたが、私からは先般の小委員の打合会におきまして下審査をいたしました点について御報告申上げます。
 このゴルフ場の整備ということは、將來の観光事業の振興のために、成る程必要なものと考えられるのであります。併しながら國家の経済の現状におきましては、多額の経費を使いましたり、又國民の多くの負担を以て今日早急にゴルフ場を新設すべきや否やという点につきましては、十分に考慮する必要があると思うのであります。即ち観光施設の基礎的整備のために更に必要な問題、つまり宿泊施設の整備とか交通施設の改善とか或いは道路の改修とか、こういうような更に必要な問題が多々あると思うのであります。その上京都之附近には山科或いは茨木に戰後再開したゴルフ場がありまして、差当りこれを利用することも不可能ではないと思うのであります。このような関係からいたしまして、本問題は直ちに採択するということにいたすべきものでないということが打合会における多くの意見でありましたことを御報告申します。
#41
○金子益太郎君 大体高田小委員長の説明で十分理解を得たように思いますので、直ちに採択するかしないかを決めて頂きたいと思います。
#42
○委員長(山本勇造君) 只今金子委員からの動議がありましたが、それでは質問は打切りまして御異議がございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(山本勇造君) それではこの京都ゴルフ場設置に関する陳情につきまして、これの採否を決定いたしたいと思いますが、これは採択するというのに御賛成の方は御起立を願います。
   〔起立者なし〕
#44
○委員長(山本勇造君) 起立者はございませんか。それではこれを採択しないという方のお方は御起立を願います。
   〔総員起立〕
#45
○委員長(山本勇造君) 全部不採択であります。
#46
○梅津錦一君 將來、今の京都市にゴルフ場を設置するとかその他種々なる地域的な陳情書並びに請願書が出て來ると思うのでありますが、大体これを決定するのに、一方的に決定することは非常に危險がある、特にこうした場合、地図もなく、全体の地勢も、概要もわからないのに、そのことを單独に決定するということは非常に危險があると思うのです。恐らくそうした重点的にどこを観光地として最初に決定するか、その決定を見てABCというように幾つかの案が出ると思いますが、又全体を通して見て、特にここの土地にはこうしたものが必要である、この土地には特にゴルフ場を相当の費用をかけても必要である。この土地は何としても道路を直さなければならない、この土地は特にホテルを造らなければならい、こういうおのおのの性格があると思うのです。その土地々々の性格を決定して行くのに、單なる今の京都のゴルフ場の問題ではないのですが、京都には相当の設備がある、直ぐ近所にゴルフ場があるというふうなことを知らないでおると、直ぐ陳情を採上げたり或いは請願を採上げたりする危險があると思いますから、その点は各委員が愼重に檢討の後に採択を決定して頂きたいということを一言申し添えます。
#47
○委員長(山本勇造君) 今のような問題は、殊に観光の問題は小委員会ができましたから、小委員会で十分に練つて貰つた上で、そこで檢討をして貰うことになるだろうと思います。
 それではその次の議案は、天草に観光施設をしたいという請願が出ておりますが、これは内村清次君からの紹介になつておりますが、内村清次君からこれについての説明を聽くことにいたしたいと思います。
#48
○委員長外議員(内村清次君) 紹介議員内村清次であります。天草島各種観光施設促進に関する請願につきまして御紹介を申上げます。天草島は、九州の熊本縣に位しまして、宇土半島と一衣帯水を以て続く大小百余の群島から成つておるのであります。九州本土との間には、八代海、有明海の二海を抱きまして、一つは不知火の傳説を秘めた島々の彼方に肥薩の連峯を望み、一つは天草松島を配しまして雲仙岳を望みまして、山陽のいわゆる雲仙山耶の雄大無比な天草洋の巨濤がその裾を洗つておるのが、天草風景の大観であります。由來天草は、曾て西洋文化の門戸でありまして、日本におきましてキリスト教文化の発祥地であります。天草学林の存在と、天草版平家物語、対訳辞書等の刊行が日本の文化史に大きな足跡を印しておることは周知の通りであります。従つてキリスト教に關しまする遺蹟及び切支丹宗彈圧による、いわゆる殉教戰をめぐる史蹟は、その策源地である談合島、富岡の首塚を初め全島に亙つて随所にこれを探ることができるのであります。
 又地質学的立場から見ましても、全地域に亙る水成岩層及び海水の浸蝕作用による諸相は殆ど他に類例を見ない貴重な学理的資料であります。天草は前に述べました通りにその景観におきまして、又地質学的乃至史的方面におきまして観光地として、優れているばかりでなくして他に幾多の必要な條件を備えておるのであります。即ち海陸の天産豊かでありまして、特に外人の嗜好に適しておりまする食糧、例えばミルクは大矢野地方を初め各地に酪農計が進められております。肉は神戸牛のレツテルの下にその生産を誇つております。「いちじく」、「びわ」、オレンジ等の果物は四季を通じて生産しております。海老と宝玉眞珠はその養殖計画が進められておるのであります。
 次に観光地の要素であります島民の性格は、純情敦厚でありまして、而も一面諸外國との交渉が頻繁であつた関係から、知らず識らずの間に外人との應接に馴致されておるのであります。
 元來天草は大陸、南洋方面との交通上から見まして特殊な位置にある関係もありまして戰前は外人の観光客が殺到したのでありまするが、終戰後日本が平和國家として再出発いたしまして観光國策を標榜するに及びまして、日を逐うて観光の來島する者が多いのであります。先般一松厚相一行は観光ルートの視察に來られまして、温泉公園を経まして天草に立寄られたのでありまして、全島を視察されました結果その景勝の絶佳な点におきましては非常に讃歎せられましたが、その具備すべき諸設備の未だ十分でないということに対しましては、その必要性を痛感されておられたようであります。この度本委員会の御詮議、御協賛を得まして、幸に國立公園に指定されまして、その價値が正しく天下に認識され、且つ天草の有しまする天然の條件に人爲的施設を加えましたならば、天草は日本の代表的観光地として、外貨の導入に、國民文化の昂揚に、國民保健の増進のため、十分に國策を具現することができるると信ずる次第であります。
 國家当面の問題といたしまして特別の御詮議を以ちまして三角駅と天草駅との國営連絡船、温泉公園との空中交通島内道路の國道編入、本渡、牛深、鬼池、富岡、大浦等の港湾修築、観光ホテルの建設、その他各種の文化施設を重点的優先的に実施下さいまするように二十五万縣民の熱望をここに披瀝いたしまして請願する次第であります。
#49
○高田寛君 この問題は、請願も本委員会に付託されたばかりでありましてまだ小委員としても研究も何もいたしておらないのであります。でこの問題は、観光事業に関する小委員会に付託されるのが適当であるという動議を提出いたします。
#50
○委員長(山本勇造君) 只今高田委員から天草観光施設設備に対する請願は小委員会の方に付託して、そこで十分に研究する方がいいであろうという動議が出ました。これに対して付託することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(山本勇造君) それではこれは観光小委員会の方に付託することに決定いたします。只今梅津君から御注意がありましたようですが、どうかこういうふうな問題につきましては、小委員会の方において十分一つ御研究を願いたいと存じます。
 尚先程羽仁委員に発言を許しました件についてちよつと申し上げます。百四十二條に、「議員は、自己の表決の更正を求めることができない。」というのがございます。勿論羽仁委員が申しましたことを、あとより取替えるということはできませんし、又私もいたしません。又先程私もそういう意味において、あれは表決を変えるという意味で発言を許したのではなくて、御当人において、本來あの趣意には贊成をしておりながら、何か手続のところで自分に少し腑に落ちないような所があつて、その点だけのために起立しないで、全体に反対のごとき結果を來たしておるのですから、それは如何にも氣の毒といいますか、矛盾しておるようなふうにも見えますので、その意味で私発言を許しましたのですが、表決は取替える意味ではございませんから、この点御了承を願つて置きたいと思います。そうしてそういう意味においてならば、違法にはならないのだということを、今議事部の方で調べて頂きましたので、そういうような答弁でありまして、さように御了承願います。
 それでは本日はこれをもつて閉会いたします。
   午後三時一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山本 勇造君
   理事
           金子益太郎君
           久松 定武君
   委員
           赤松 常子君
           梅津 錦一君
           三木 治朗君
           若木 勝藏君
           徳川 頼貞君
           松野 喜内君
           大隈 信幸君
           藤森 眞治君
           高田  寛君
           三島 通陽君
           羽仁 五郎君
   委員外議員   内村 清次君
  政府委員
   経済安定本部生
   産局長     野田 信夫君
   文部事務官
   (教科書局長) 稻田 清助君
  説明員
   運輸事務官
   (観光課長)  間島大治郎君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト