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1947/10/14 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 文化委員会 第6号
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1947/10/14 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 文化委員会 第6号

#1
第001回国会 文化委員会 第6号
  付託事件
○ローマ字つづりに関する陳情(第五
 十七号)
○群馬縣勢多郡敷島村の古跡発掘促進
 に関する陳情(第五十八号)
○物資愛護思想普及運動に関する陳情
 (第百一号)
○ローマ字つづりに関する請願(第百
 八十七号)
○天草島各種観光施設促進に関する請
 願(第二百二十八号)
○観光審議会設置に関する請願(第二
 百六十六号)
○神奈川縣下の観光施設整備に関する
 陳情(第三百七十二号)
○観光國策の樹立に関する請願(第三
 百十四号)
○映写技術者免許制度改革に関する請
 願(第三百二十一号)
○放送事業に関する請願(第三百三十
 一号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月十四日(火曜日)
   午後一時三十六分開会
  ―――――――――――――
   本日の会議に付した事件
○神奈川縣下の観光施設整備に関する
 陳情(第三百七十二号)
○物資愛護思想普及運動に関する陳情
 (第五十八号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山本勇造君) これから委員会を開会いたします。陳情文書表、第三百七十二号の神奈川縣下の観光施設整備に関する陳情の審査を行いたいと思います。その趣旨につきまして青本専門調査員から説明をして貰いたいと思いますが、いかがでありましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(山本勇造君) それでは青本専門調査員。
#4
○専門調査員(青木節一君) お手許に陳情の全文と要旨とございますが、全文をお読みいたしましようか。それとも要旨だけでよろしうございましようか。
#5
○三島通陽君 要旨だけで結構です。
#6
○専門調査員(青木節一君) それでは要旨の方を朗読いたします。
 神奈川縣下の観光施設整備に関する陳情
   陳情者 神奈川縣会議長
           堀内 萬吉
 我が國及び原料を輸入することが必要だが、このためには海外貿易業者、観光客の招致が急務である。神奈川縣は東京に近く、又自然の風致に富み、又観光資源に惠まれているが、國道その他の道路は観光神奈川の名に適せざる惨秘を呈しているので、これが補修改裝工事、その他観光施設を行い、且観光地自動車の増発を図ることが急務である。ついては全額或いは高額の國庫補助を與えられ、又自動車用燃料の増配を切望する。
それだけであります。
#7
○三島通陽君 本陳情はちようど観光小委員会が設けられておることでございますから、その小委員会において愼重に御審議頂きたいと思いますので、小委員会に付託するという動議を提出いたします。
#8
○委員長(山本勇造君) 只今三島委員から小委員会へ付託の動議がありますが、これに御異議がございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(山本勇造君) 御異議がないものと認めます。では陳情第三百七十二号は観光事業に関する小委員会へ付託することに決定をいたします。
 次に陳情文書表第百一号、物資愛護思想普及運動に関する陳情の審査に移ります。青本調査員から本陳情の趣旨について説明を願いたいと思いますが、いかがでございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(山本勇造君) それでは青本専門調査員。
#11
○専門調査員(青木節一君) それでは陳情書の全文につきまして、その要点を読み上げます。
 陳情者は名古屋市中区南外堀六丁目一番地、愛知縣廳内、社團法人愛知縣生活物資活用協会専務理事古川廣淳氏提出でありまして、その趣旨は、國民生活の現状は、敗戰の現実を忘却した一部國民の惡影響を受けて、次第に消費欲が旺盛になりつつある。從つて惡性インフレーションに拍車をかけ、物資、資材の涸渇と生産の低下のため、物價引下運動がいかに叫ばれても、逆に上昇に一途を辿つて、國民経済は破綻に瀕しておる。思想の混乱、道義の頽廃等世相の惡化も皆ここに源を発している。これを救う唯一の途としては、國民の一人々々に対し、もつと物を大切にし、利活用して、最高度に物の生命を延ばすことの考えを普及徹底認識せしめる以外にはないと確信する。我々は身辺の一物といえどもこれを大切にし、捨てて顧みなかつたようなものからも、十分それを活用すれば、立派な資源となり役に立つて行くものであるから、これを國民大衆の前に示して、徒らに賛沢に流れんとしている國民の風潮の轉換を図り、國民生活面における物資の消費を極力抑制し、國内に保有している乏しい資材をできるだけ、重要産業部面と見返り品として貿易品生産の面に振向けて、國民経済の安定に資せんとするものである。
 その実施方法としては、主として從來から熱心にこの運動を続けつつあつた中央及び地方の生活物資活用協会がこれに当ることとし、各種民間経済團体その他を全面的に協力せしめること。政府亦経済安定本部を始め関係各省及び地方出先官廳並に地方廳に対し積極的にこれを援助せしめること。
 宣傳方法といたしましては、東京において國民大会を開催すると共に、全國各都道府縣において都道府縣民大会を開催すること。公開実演、講習会、講演会、座談会を開催する。新聞雜誌、ラジオ等通信報道機関に協力を求めること。ポスター、立看板、ビラ等を作成すること。
 実施期間は、國内経済が回復するまで半永久的長期に亘り実施することが必要であるが、特に急速な普及を要するので、向後向う三ケ月間を最重点期間として全力を傾注すること。その後は中央地方の協会に主としてやらせること。
 本運動に要する経費は政府並に地方廳において臨時の助成金、関係各團体の寄附金等を以てこれに充てること。
 以上であります。
#12
○委員長(山本勇造君) 物資愛護思想普及運動について、生活物資活用協会の青木正氏から説明員といたしまして諸般の状況を伺いたいと思いますが、御異議はございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(山本勇造君) それでは青本さんに説明をお願いいたします。
#14
○説明員(青木正君) 私は生活物資活用協会の專務理事をやつております青本正であります。議題になつておりまする件につきまして、私共不断考えており、そうして是非とも國家の力により又皆さんの御協力によつて、國民生活安定のためにやつて頂きたいと思いますることをごく概略申上げたいと思います。
 私共の協会は商工省の外廓團体になつておりまして、全國各都道府縣に知事若しくは経済部長或いは商工経済会議所の会頭等を会長といたしまする社團法人の生活物資活用協会がありまして、その各府縣の社團法人の生活物資活用協会を会員といたしまして、中央の社團法人生活物資活用協会というものができておるのであります。これは戰爭前からもその前身はあつたのでありますが、殊に戰爭後乏しい物資をどうして活用して國民生活の安定に寄與し得るかということに重点を置きまして、今日までやつて参つたのであります。
 その主なる事業といたしましては家庭日用品の修理更生と回收、それから交換、この三つを取上げまして、これによつて乏して物資を最高限に國民生活のために活用する、こういうことをやつて参り、又現にやりつつあるのであります。
 ごく概略を申上げますと、例えば現在の家庭生活に最も必要なる日用品の状態を見ますると、これは昭和二十一年つまり昨年の三月、全國の協会を動員しまして実態調査をやつたのであります。その実態調査の結果によりますと、これは家庭からの洋傘とか桶、樽、下駄など、そういつた物の家庭の手持品、それからその手持品の中にどれだけ修理を要するものがあるかということを調べて見たのであります。その総計を合せますと、それぞれ細かくなりますから省略いたしますが、大雜把に申上げますと、大体一世帶当りの修理料金というものを年に二百六十五円拂つております。これは公定價格であります。ところが闇はその三、四倍いたしますので、一世帶当り七百九十五円、これを全國の世帶で考えて見ますると、修理料金を拂う國民の負担というものは闇料金にすると、なんと百八十億の負担になつているのであります。公定料金にいたしましても、六十億という負担になつているのであります。一例を申上げますれば、例えば洋傘について見ますると、これは本年の動めでありまするが、神奈川縣で農村、漁村、山村、それから都市、又都市のうち戰災都市などにおいて百世帶を基準として実態調査をやつたのでありまするが、そうすると、神奈川縣の五十万世帶のうち洋傘を持つているのが全世帶の六九%三十四万持つております。そのうち張替えを要するものが二六%九万本は張替えを要する。つまり張替えをすれば洋傘が立派に間に合う、こういう状態にあるのであります。これは申上げるまでもなく、例えば洋傘について見ますると、從來日本は非常に洋傘が豊富にありました。御承知のように輸出もしておつた。こういう生活をしておつたために、洋傘は古くなれば捨ててしまう。これが一般の國民の観念になつておつたのであります。併の洋傘の古くなつたものを何も捨てなくても、これを張替えをすれば、立派に洋傘として役立つのであります。新らしい洋傘を作れば、それだけ資材も掛かる。古に洋傘を修理すれば、張替えによつて立派に國民生活を確保されて行く。こういうことが考えられるのであります。そのためには何としても政府の方に御協力を願つて、資材の潤沢なる放出、潤沢と申しましても今日困難でありますが、新品を作るよりは何十分の一、或いは何百分の一の資材で間に合うのでありますから、そういうものを出して頂くように骨を折つて頂く。同時に先程申上げましたように、古くなつた洋傘は捨てるという観念を國民からこの際脱却させて、古くなつた洋傘は張替えによつて、この耐乏生活を続けて行くというふうに國民に呼び掛けて、そういう新らしい認識を與えなければいかんのじやないか、これが私共の念願でありました。
 幸い商工省における私共の仕事の主管課は生活物資局の日用品課でありますが、できるだけ今日では修理用の資材の割当てを受けるようにいたしておるのであります。それにしましても、誠に乏しい資材で思うように参りません。参りませんが、國民側におきましても、そういう觀点になりさえすれば、まだまだやりようがあるのじやないかというふうに考えるのでありまして、この見地から私共の傘下の愛知縣の協会の方から陳情を出した次第であります。
 修繕は御承知のように、最近戰爭の後、大分修理業者が街に出て参つたのでありますが、それは併しそのまま放任しておいていいかどうかということになりますと、御承知のように非常な闇料金で、なかなか今日の生活にはああいう料金をとられては困るのであります。私共協会は國民の側に立つて修理を間に合わせるというので、專ら公益的な修理の仕事をやつているのであります。この仕事と併行しまして、國民の間に物資愛護の思想を普及して、相共に政府の施策と相俟つてこの耐乏生活を、乏しい物資によつてともかくも切拔けて行くようにする必要があるのであります。かように考える次第であります。
 時間をとりまして恐縮でありましたが、極概略申上げました。
#15
○委員長(山本勇造君) では次に同じ問谷につきまして、商工省の松田総務局長から一般的状況、或いは政府の措置等を聽いて見てはいかがかと思うのでありますが、どうでありましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(山本勇造君) それでは松田政府委員。
#17
○政府委員(松田太郎君) いろいろの物資につきまして今日の生産状況が十分でございませんために、日用品生活物資等につきましては、そういつた新品の製作等につきまして思うようにならない今日において、できるだけ古い物をある程度の修理によつて再活用できるように、是非政府側としても考えるべきではないかという御趣旨のように承りました。今更私から申上げるまでもなく、今日のあらゆる物資の生産方面を見てみまするというと、何分にも石炭を中心といたしまして或いま電力の関係、鉄鋼の関係、その他基礎的な産業の分野におきまして、その方面に対する全精力を、政府は勿論のこと、民間に皆樣方におかれましても御協力を願つておるような次第でございまして、これが意のごとく進んで参りまするならば、自然國民生活に必要な物資も順を逐いまして殖えて参り、自然公定價格というものも十分守られて、いわゆる適正な配給というものが着々緒につくことになるのでありますが、勿論そういう本來の姿に早く戻りまするように、政府側といたしましても、御承知のように石炭増産を中心といたしまして、折角の努力をいたしておるのであります。併しながら現実は、例えば鍋でありますとか、釜でありますとか、そういつたような一部の生活物資につきましては相当生産も上つて來ておりますけれども、生活物資全般を通じて眺めました場合に、必ずしもそういう調子には参つておりません。そこで我々といたしましても、何とか今御陳情の御趣旨に副いますように、できるだけ修理修繕等によつて、古い品物を再び使えるようにいたして行きたいという趣旨に基きまして。戰時中戰時物資活用協会という協会がございましたのを、終戰後いわゆるそういつた修理を中心といたしました物資の愛護、物資の更生利用という点に重点をおきました。いわゆる物資活用協会というものに姿を変えまして、而もこの物資活用協会に中央及び各府縣に亙りまして二種類に分けまして、只今もお話のように、一例を申上げますというと、洋傘或いは靴の修繕でありますとか、或いは鍋釜等に修繕でありますとかいうような國民生活に関係の深い、そうして又新品はなかなか手に入りにくいというようなものにつきまして主力を注いでいるのであります。尚その協会におきましては同時に、一例を申しますというと、例えば御飯蒸と申しますが、お櫃の中に電氣の仕掛をいたしまして、それによつて簡單に御飯が蒸せてそうして而もそこから直く御飯をよそうことができる、そういつたようなちよつとした改良等によつて便利な品物になる、そういつた研究もして貰つているのであります。
 その際に特に最初例に挙げました洋傘修理については綿の生地でありますとか、或いは絹の生地でありますとか、そういつたような繊維類がなかなか不足している、又靴等の例につきましても、例えば子供のゴム長でございますとか、又大人の靴にいたしましても、外で直して貰うというと、なかなか金が余計かかるというのを、所謂公定價格の範囲内におきましてできるだけ安く丈夫にこれを直して差上げるというような意味からいたしまして、何とかそういうふうなものに対しても、僅かな量でいいのでありますので、できるだけそういう修理補修のために必要な原料なり資材を物資活用協会の方に配分しようというので、只今のそういう物資面の配分計画の中にもそういつた趣旨のものに向ける分を組みまして、物資活用協会を中心にいたしましての、そういつた仕事のお手傳いを政府側といたしてもいたしているのであります。
 現に各地方等におきましては物資活用協会のそういう方の專門の方々が各家にお訪ねをしているようなところも実際あるのでありますけれども、何分にも國全体廣い中で物資活用協会として力を注がれましても、一々各家庭まで手が届かない点も多いのでございますが、できるだけそういうような便宜な処理も講じたい。それには今申しましたように、必要な範囲において極力そういつた修理補修のための原料なり、材料なり、資材なりというものを配分するということに力を注いでいるのでありますが、恐らく物資活用協会とされましてもまだまだ意に満たない点が多々あると思います。
 それが今日の御陳情になりました所以と思いますので、今日の御陳情の趣旨は十分我々も大賛成でございまして、できるだけ本來の姿に早く世の中が戻りますように祈ることは勿論、又努力することは勿論でありますが、その過渡的な経過にすぎましては、相並行してそういうことに十分努めることに今後も努力いたしたいと存じております。
#18
○三島通陽君 今政府委員並びに物資活用協会の方に御説明を伺つたのでありますが、本陳情の御趣旨を段々伺つて見ますと、大体物資愛護の運動を起すということに主眼があるように思いますし、又本委員会が取上げるのは、本運動の方法、それをいかにしてやるかということが一番問題になるのじやないかと思うのでございます。物資愛護の御趣旨においては、誰もが不賛成の者はないのでありまして、又商工省としても、それにできるだけ物資を配給なさろうとする御趣旨も分つております。尚將來と雖ももつとやつて頂きたいことでありますが、それよりも運動をいかにして起すかというところに重点があるのじやないかと思いますので、その点何か御案があるのでありましようか。こういうことは社会教育の方面に行くのじやないかと思いますので、文部省の社会教育局長にお話を伺えればどうかと思うのですが、それが第一点。
 第二点は、私は段々お話を伺つておると、結局それは物を修繕して生かして行くことは必要だけれども、それよりもつと以前に、物を愛するというか、物に親切にするという氣持を起させることが非常に必要だと思います。親切ということは、人間から人間に親切にするのみが親切でなく、私は生き物がない物に対しても非常に親切心が必要だと思うのでありますが、今の日本は非常に残念なことは、物にも人にも不親切で、殊に物に対する不親切ということは非常に残念だと思います。殊に自分の物に対しても不親切だし、公共物なんかに対しては非常に不親切で、汽車とか、電車がじき壊れるのは、そういう不親切さが端的に現れて來るところから起つて來るのが一番大きな原因だと思われる。又自分の物を使うのにも、使用法というか、親切心がないし、又無智が多い。例えば元、私の家に女中が参りますと、その女中が水道の螺旋を閉めるのに数ケ月掛つてしもう。ぎゆつと閉めて壊わすか、たらたら垂れるように閉めるか、丁度いい加減に閉めることができない。すべてがそういう科学的ななんといいますか、扱い方の基礎的観念と、それに対する親切心、不親切心が関係するのだと思いますが、そういつたことまでもこの運動は行かなければ意味がないのじやないかと思います。それから物を製造するときでも、じき取れるようなボタンを拵えたりしても、そんなものは意味がないので、どうも日本人の作る物資は不親切だということは外國人がよく言うことでありますから、そういう点まで及ばなければならん。物資愛護ということも、無論修繕して生かして、又廃物を生かすということは非常に必要でありますが、それと同時に、運動としては、こういう方面にまで行くべきものじやないかと思いますが、その点この提案者側ではどういうようにお考えになつておりますか。
 もう一度繰返して申上げますと、第一点は、運動のいかなる御案を持つていらつしやつて、いかなる方法を考えていらつしやるか。第二点は、物資愛護ということについてどこまでお考えになつていらつしやるか。この二点を生活物資活用協会の方に伺うことができれば仕合せでございます。
#19
○説明員(青木正君) 只今の御質問にお答えしますが、私共の方で考えておりますことを率直に申し上げますと、第一点につきましては、お話のように、どうしても物を大事にする観念を植付けなければならんというので、先程例に取りました洋傘の問題につきましても、そういうふうな今までの國民の考え方をこの際根本的に直さなければいかん、直すためにはいろいろの方法があると思うのですが、講演会を開くとか、或いはパンフレットを出すとか、或いはそのための講習会を開くとか、こういうことがどうしても必要だと思うのであります。これは先程も、東京で講談社と提携しまして、洋傘の張替えの講習会をやつたのでありますが、こういつた運動を全國的に展開して、洋傘がない、洋傘がないという前に、自分たちで洋傘を張替えることを、手持ちの物で工夫する。ただ呼び掛けるばかりでなく、実際に運動しなくちやならん。一般的の啓発、宣傳のポスター、講演会等と並行して、実際的に講習会とか、或いは又指導所を作るとか、そういうものをやつて行きたいと思つております。
 廣く一般的の物資愛護運動につきましては勿論そういう必要もあると思うのでありますが、尚私共として現在考えておりますのは、私共の與えられたる修理更生の分野について考えておるのでありますが、その前提としての物資愛護の精神を普及するようにお取計らい願えれば非常に結構と思う次第であります。
#20
○委員長(山本勇造君) ちよつと御注意いたしますが、この青木さんの方への御質問はこちらの時間の都合がありますから、後でゆつくりお聞きを願いたい。政府委員の松田さんは商工委員会の方に関係がございまして、あちらに行かなければならんそうでありますから、先に成るべく松田政府委員の方への御質問を願いたいと思います。
#21
○赤松常子君 私今日これが取上げられたことは本当に意味があることだと思つております。今の私共の家の台所の問題でもちよつと手を入れればそれが立派に生きる品物が随分ころがつておるのでありますけれども、なかなかそれが直しにやれば……例えばこの間も私の家で大変お金を掛けて損をしたことがございます。下駄の歯入れをして頂いたのでありますれども、三日目に歯が取れてしまつた。あれを密着させる糊が不足しているらしくて、随分高いお金を掛けて何もならないことになつてしまいますし、又染物屋に物を出せば、それがぼろぼろになつてしましますし、いろいろ染料の関係からうまく染らないということもありますけれども、そういうことに対しても、主婦がむしろ自分でできれば自分でしたい、私共も実際そう思つております。ですから、そういうところまでお考え下さいまして、主婦に科学的な技術、或いはそういう修繕の技術を教えて頂くということまでも含めてお考え下さらなければとても駄目だろうと思いますが、そういうことは一起飛びにはできないにいたしましても、現在そういう修理をしておる人々へももつと良心的な、呼び掛けと申しましようか、そういうようなことを何かお考えになつていらつしやるのでありましようか。そういう歯入れの直し屋さんとか、そういう人たちの仕組は今どうなつておるのでありましようか。ちよつと伺いたいと思います。
#22
○政府委員(松田太郎君) 只今のお尋ねの点でございますが、何分にも今日修理等の問題につきましては、或いは衣類の修理にしても糸がお入用であると思います。それから又、今お話のように、各家庭におかれて自分のところにいろいろそういう物があれば最も丹念に丈夫に直せるが、それを町の方に持つて行くと、どうしても非常に金も掛かり、又その修理が非常に惡いために、却つて新品を買つた方がまだ安くつく場合があるという御趣旨だろうと思いますが、それは全く私たち同時に家庭の者として考えました場合に、私もそういう実は経驗を持つておる者であります。そういう意味で、できますことならそういつた補修等の原材料につきましても、各家庭の方に直接配給いたすのが本來結構と思うのでありまするけれども、何分にも今日の現状からいたしまして、例えば繊維関係にいたしましても、本年度と申しますか、衣料切符が再発行になりましても、糸にいたしまして約五匁程度くらいしか差上げられんというような関係にあるのでありまして、從つて何処かそういつたものを修理せられる所、或いは又その修理を專門に指導せられ監督せられるところの一つ中心の機関を設けて、そこにできるだけそういうものをお渡しをして、そうしてそこで一つ徹底的に、眞面目に、丁寧に、廉くやつて頂きたいというのが、この物資活用協会の今日でき上つております趣旨なんでありまするが、その際に先ず考えなければならんことは、先程からお話のようにこの物資活用協会というものが本当にそういう仕事をしておるということは勿論でありまするが、同時に物資の愛護、又どうしてもそれが修繕を要しなければならんような場合に、修繕をするなら本当に心から丁寧に、いいものを作り上げるように修繕をする。終戰後すでに二年も經過しておるのでありまするけれども、やはりそこには私どうしても商業道徳の昂揚ということも当然相並行して考えなければならんかと思うのであります。
 この際何と申しましても、生活物資と申しますか、日用品関係等に最も関心の深い者は私は家庭の主婦方であると思うのであります。今日そういう意味で各家庭の主婦にそういうことを呼び掛けて参りますためには、どうしてもこの運動は婦人の方の運動として私は強く叫ばれることが必要だと思うのであります。勿論それに相呼應しまして、商工省或いは文部省その他教育方面を担当せられておりますところとか、或いは物資面を担当しております官廳、公共團体等も当然これに相呼應しなければならんと思いますが、できますことならば私はそういう仕事に最も関心を持たれ、中心となるべき本來の筋であるところの各家庭の主婦方が、やはり婦人運動としてこの問題を強く呼び掛けて頂く。それに政府の方もできるだけの御協力を申上げるというような運動が一つのやはり大事な運動と思うのであります。
 その際同時にこの物資活用協会等の方に対するいろいろの注文でありますとか、又物資活用協会自体でいろいろ仕事をせられる場合に、物資活用協会がその下請けとしていろいろ使つておられるようなところの、そういう修繕屋さんは勿論のことでありまするが、更に物資活用協会とも関係のない一般の修理屋さん等につきましても、そういつた運動から今申しましたような精神を十分に吹き込んで貰うようにやつて参ることが私は非常に大事なことであると痛感するのであります。
 その意味におきまして、今後商工省の方といたしましても、少い物資を何とか活用して頂く意味で、配給いたします以上は、その根柢として皆樣方にそういう氣持になつて頂き、又そういう氣持が國民全体に十分徹底いたしますように、これは私の思い付きでありますが、そういう方々がやはり中心となられて國民運動を展開して頂くことが私は必要じやないか、かように考えておるのであります。
#23
○松野喜内君 松田商工政府委員にお尋ね申上げます。この生活物資活用協会が中心となられてこうした國民運動を行われ、民間團体並に政治機関がこれに協力してというこの御趣旨は皆さんと共に大賛成なんです。併し先程三島委員から、これが趣旨徹底のためにする運動方法如何というお尋ねがありましたが、これは一面には思想観念の方面がある。一面には資材のことから実績を挙げなければならんと考えます。そうして先程赤松さんのお尋ねのごとくにやはり家庭の御婦人の方々に先達になつてやつて頂かなければならんことでありますが、私は文化委員のお互いが文化のためにこれを取上げて考えなければならんと共に、思うにこれが実績を挙げるためには、学校方面、教育の方面、從つて文教委員の方面にもこれをお諮りになることが必要かと思うのでありますが、政府委員はどう考えておりますか、これをお尋ねいたします。
#24
○政府委員(松田太郎君) お話全く私は同感でございます。こういう事実は要するにもう國民の各層と申しますか、あらゆる方面でこの氣持にならなければならんことは当然であります。從つて早い話が、これは余談のようになりまして大変申訳ありませんが、私の家の子供なんかがよく傘を持つて行つては、学校に行く途中でバスの中に忘れて参りましたり、いろいろそんなことがございまして、大騒ぎをしてやつと見付けることもございますし、到頭そのままなくなつてしまつたこともございまして、結局手に入らない。子供なんかにそういうものを持たさなければならんような物につきましては、全く弱りきることが多いのであります。そういう実例でありますが、從つてその点から申しましてもやはり物を大事にする、言い換えれば物をなくさないようにする、又それをなくさんまでも、できるだけ大事に使つてそれを壞わさないようにするということは、幼稚園から小学校に入りましたような子供のときから、そういうことを十分今後の日本としては教育しなければならんことは当然と思います。又だんだん大きくなりました子供といたしましても、又我々といたしましても、ついうつかりとしてなくしてみたり、壞してみたり、いろいろすることがあるのでありますが、要するに子供であろうが、青年だろうが、壯年だろうが、いろいろな階級に應じまして、その運動の内容はいろいろ変りましようけれども、いずれにしても國民あらゆる層についてそういつた物資の愛護をやつて頂くということが、物資を活かす意味から申しましても、又同時に我々そういつた物資の生産方面に関係さして頂いております役所といたしましても、誠にこれは大事なことでありまして、從つて今お話のようにそういつた文化面からいたしますと申しますか、教育面の上から申しましても、そういうことについては重大なる御関心を持つて頂くことが私は誠に必要に思うのです。
 從いまして運動等につきましても、文部当局等におかれましても亦、私は当然と思いましたから申上げなかつたのでありますが、この國会、國会の中でも特にこの方の御担当の委員会あたりが、そういう問題につきましては十分御協力頂くなり、又婦人の方々と共に中心になつてこの運動を展開して頂くことが、お話の通り極めて大事なことと思うのであります。
#25
○松野喜内君 もう一遍今のと関聯して政府委員の松田さんにお尋ねいたしますのは、これまで各地方、例えば東京都の例といたしましても修理班というものを巡回班といたしまして、更生修繕に努めたこともありましたが、私は各個人も自分でできるものは自分で、各家庭でできることは各家庭でもやらなければならん。併しながら修理の道具、例えば靴直しなら靴直しの道具にいたしましても、自分銘々に持たんでも共同で持てばよいと思います。そういうことをだんだん考えて参りますと、これは即ち教育に俟たねばならんという点からこの趣旨に賛成であると思いますが、これまでの修理班は相当の成績を挙げましたけれども、必ずしも消費者、各家庭の面に行かなかつた場合があるようですから、これが実現のために更に考えなければならん。例えば先程靴の例がありましたが、靴なら靴の街頭に、靴の直し屋が沢山に出ております。これを協会の力でやつた方がよいのか、ああいう自然の靴屋に委した方がよいのか、又あの靴屋等がああして資材等を持つておりますが、あれはどういうふうにして商工省側が配給なされたのか、こういう資材の配給状態と、これが協会等に対して何か具体的に成案を持つておいでなのか、過去の実績と今日のそういう状態とを勘案の上で、これが今の精神方面でなく、物資方面についての供給方並びに修理活用の実績を挙げるについての御当局のお考えを伺いたいと思います。
#26
○政府委員(松田太郎君) 現在この修理、補修等に対します原材料の配給のやり方につきましては、一方先程來お話がございました物資活用協会等に対する配給をいたしておりますると同時に、又例えばそういつた靴屋さんその他につきましても、修理を專門にせられた業界のいわゆる協同組合というような組合ができておるのであります。そういうようなものに対しましては、例えばこの東京都内にいたしますれば、商工省から東京都に対して配給いたしました中から、或いは今申しました修理関係の組合等の方に修理材料として配給するというようなことになつておるのであります。併しこれは正直に申しまして、現在街頭その他でやつておる靴の修繕屋さんが、みんながみんなそういう組合に入つて正規のルートで物を受取つておられるかどうか、これはもう多分そうあらねばならんとは思つておりますが、いわゆる例外もあるかと思います。只今仰せのように、折角そういう貴重な材料を使つて修理をして貰うのでありますから、今後は本当に正規のルートで廻り、それから價格等についてもできるだけ適正な價格でやつて貰うようにしなくちやならんと思つております。今日公定價格、その他につきましても、一方におきましてだんだんと縛り付けるというようなことを一部の品物については排除して行くような傾向にもなつて参つておるために、自然その辺につきましては、やはり各業者の商業道徳と申しますか、そういう点に訴えなければならん点も多々あると思います。又同時にそれと並行して、ただ商業道徳だけに委せるのでなしに、物資の配給ができるだけ余計に行つて、自然の需給関係からしまして、適正な價格に立戻り得るように政府側としましても努力しなければならんと思つております。そういう意味におきまして、今後もこの生活物資の需給状況が円滑に至りますまでの問題としましては、できるだけ補修用の資材として、それが又適正なルートを通じて、そうして適正な値段で各需要者の方のお役に立つように、我々といたしましても、政府側といたしましても、できるだけの努力を講じて参りたい、かように考えております。
#27
○委員長(山本勇造君) 今実は商業の委員会の方から松田政府委員に來て欲しいという通知がございますのですが、この問題は恐らく今日一回では無理であろうと存じますから……。
#28
○梅津錦一君 ほんのちよつとお聞きしたいのですが、生活物資活用協会に現在配給になつておる資材、種類並びにその数量はどのくらいの程度でありますか。その点をちよつとお聞きしたいのですが……。
#29
○政府委員(松田太郎君) 只今ここに本年度即ち昭和二十二年度の第二・四半期の商工省関係の資材の割当表がございます。これは札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、中國、四國、福岡、いわゆる八ブロックに分けて数字が出ておるのでありまするが、便宜上それを合計いたしまして申上げますと、修理更生用として、セメントが三トン、木材が一万二千五百石、ソーダ灰が一トン、苛性ソーダが三トン、板硝子が三箱、釘が二トン、針金が一トン、鉄線が一トン、亞鉛鉄板が二トン、磨帶鋼が六トン、半田が七百キログラム、軽金属圧延品が四トン、硫黄が〇・五トン、錫が一トン、銅合金鑄物が六トン、靴修理用革が百五十トン、印刷用紙が千ポンド、塩酸が二百二十トン、晒粉が二トン、ソルペントペンゾールが一トン、石炭が十六トン、亞炭が四十トン、コークスが十トンというような数字になつております。
#30
○委員長(山本勇造君) ちよつと私からお尋ねいたしますが、時間がありませんから、この点を先にお尋ねいたします。この陳情には実施の方法とか、実施の宣傳とか、実施の機関といたしまして、それは先程專門委員から御説明があつたから御承知になつたと思いますが、最後のところに経費の問題がございますが、「本運動に要する経費は政府並に地方廳に於てする臨時の助成金、関係各團体の寄附金等を以て之に充てる」ということになつております。これに要する経費はどのくらいでありますか。まだ明示されておりませんが、今ちよつと聞きますと、凡そ二百万円くらい必要とするのではないかということでありますが、そういうふうな金、これは寄附等も含めての金かとも思いますが、政府としてそういうふうなものに対する助成金見たいなものが出る途がございますか。
#31
○政府委員(松田太郎君) 從來この助成金につきましては、誠に僅かでありますが、大体総計いたしまして一年間に百万円でございまして、中央が四十万円、それから地方が六十万円というようなものになつておるのでありますが、今後もこういう仕事の誠に大事な性格のものでございますので、今申しました程度の少くとも補助金は継続して参りたい、かように考えております。
#32
○委員長(山本勇造君) 併しこれは協会に対する補助金でありますね。そうしてこの運動に対して補助金が欲しいというふうにこの陳情では取れますが、そういうものまで別に出すというようなことは政府としてはできますのですか、できないのですか。
#33
○政府委員(松田太郎君) この協会に対する補助金でございますから、その用途につきましては、この協会が本当に協会としての目的を達成する以上は、その補助金につきましてもその利用ということについては十分考えられると思うのです。從いまして新らしくこういう運動をするということになりまして、又國会等におかれましてもそれについて非常な御賛成を得ることになりましたならば、我々といたしましても又そういう補助金を更にプラスして計上することもでき易いのじやないかと考えます。何分にもこれは他の省もございましたり、又関係筋等もございますので、ここではつきり申上げることはできませんけれども、從來の経緯等から推しまして、そういう運動が大事と思いますので、御趣旨に副うように十分とは申せないかも知れませんが、できるだけ御趣旨に副うようにし、又それは実現し得るのじやないか、私はそういうふうに考えます。
#34
○委員長(山本勇造君) それでは生活物資活用協会の方に対して何か御質問がございましたら……。
#35
○岩本月洲君 この問題はさつきから各委員からお話がありましたように、非常に大事な問題でありまして、いろいろと本委員会として考えて見ねばならんことが幅廣くあろうと思いますから、今日はこのくらいにして置いて頂いて、後日に亘つて考慮を拂うようにして頂いたらどうかと思います。この旨の動機を提出いたします。
#36
○委員長(山本勇造君) 只今岩本委員から、今日はこの程度に止めて、尚重ねてやるようにしたらどうかという御動機がありましたが、いかがでございますか。
#37
○金子洋文君 ちよつと質問がありますが、只今の政府委員の方から、協会に配給したといいますか、協会が商工省の方から貰つておる物資についていろいろありましたが、その物資がどういうふうに今まで活用されておつたのか。我々の家庭ではまだそういうお蔭は受けたことはないが、それはどういうふうに民間に活用されておるか、一つお話願いたい。
#38
○説明員(青木正君) 御質問の点でございますが、私共の協会でやつております修理は、殆んど全部が修理劵によつて修理いたしております。と申しますのは、配給された資材が苟くも横流れをせんように、そうして最後まで正しく行くように修理の方法をやつております。修理劵の発行の順位といたしましては、こういうような情勢でありまして、とてもこれだけの乏しい物資では全般に間に合い兼ねますので、戰災者であるとか、引揚者であるとか、或いは又重要産業であるとか、大体そういう順位がありまして、その順位で切符を発行しております。ただ東京について申しますと、東京には生活物資活用協会がございまして、戰爭前までは細々ながら各区役所を支部といたしまして巡廻をやつておりました。今日は残りました区役所を、例えば大森であるとか、澁谷とか、僅かのところはやはり各隣組單位に巡廻修理をいたしております。併し全面的に見ますと、誠に微々たるものでありまして、例えば一番大事な家庭金物の修理といたしましては二トンの配給でありますが、これを各縣に割当てますと僅かトタン板三枚か四枚、この程度にしかなりませんので、なかなか廣く行き兼ねるというので弱つておるのであります。
 尚これは指定生産制でありまして、配給と申しましても、すべて最終需要者が受取ることになつておりますので、中央協会は斡旋いたしまして、現品は全部地方の方の現実に仕事をやつておる所にそのまま行くわけであります。途中に中間的な手数料を取るとか、そういうふうなことは絶対にいたしておらないのであります。
#39
○梅津錦一君 現在やつておる修理状況は、洋傘とか鑄掛けというものの外にどんなものがありますか。
#40
○説明員(青木正君) 現在政府の方から指定されて來ておりますのは六品目あります。鑄掛け、洋傘、履物、履物の中にはゴム靴、革靴が入つております。又桶、樽、衣料というようなものも入つております。それに修理ではありませんが刄研ぎが入つております。
#41
○松野喜内君 青木さんにお伺いいたしたい。今お話の通り東京で巡廻班を作つて修理をされて歩いたということは、私大変よいことだとその当時感じておつたのでありますが、今おつしやる通り実際資材が乏しいので、何か直すにもトタン等が少なけれがなかなか一軒で数多く直せない。又糸その他も非常に乏しい上に、使つても直ぐ切れ易いとか、誠に遺憾な状態で、先程おつしやつたように良品を安く賣るという趣旨に合うようにするには程遠いものがある。協会の御苦心はお察ししますが、値段も必ずしも安く行つてないので、これはもつと安くして行くようにしなければならんと考える。街頭の靴、履物の修繕等を見ると、これ又闇で資材を買つてやるためえらく高いので、私は先程資材がどういうふうな配給になつておるかをお尋ねした次第であります。これは死藏物を使つた、物を活かすためには非常に良い運動であると共に、又國民生活に役立つ仕事でありますから、助成金を増し國民大衆のためになるようにと念じてかようなお尋ねをしたのであります。修理の値段も安くないのでもう少し安くして貰わなければならんと思う。これについては婦人の方々その他のお力により、又学校方面の教育と相俟たなければならんが、靴一つ見ても私共の家庭では自分で直せない状態である。ですからこの死蔵物や壊れたものを活用するようにお考え願いたい。一つの古靴の例ばかりではありません。例えば古靴下のようなものも、これこそ婦人や女学生の力によつて活用したいと思うのですが、各家庭においても実は調べて見ると驚くべきほどある。私の関係方面でこれの実態調査を、私自身の手においても昨今やつておる点もありますが、まだ結果を御報告するまでに至つておりません。各家庭においていかなるふうに衣食良の品をお持ちになつておるか。それを最小必要限度だけ置くならいいが、家庭に沢山あつてそれを活していないという事情、燒けざりしもので現在あるものを活用するという点において考えざるを得ない。この協会はここに着眼しておることであり、誠に廃物利用、死物を活すという、こういう運動を起して頂きたい。実際を見て頂きたいと思う。お話は誠に結構であると思います。今申す通り資材の配給を貰わんでも持つておる資材を活す途を何かお考え願つたらどうかと思います。何かそれについてお考えがあれば伺います。
#42
○説明員(青木正君) 私共の考えておりますのと全く同樣でありまして、前から配給を受ける資材が乏しいということは我々も重々承知いたしております。そういうことばかりに頼らず、何とかしてやつて行けないかというので、各地方協会でも今日までの放出物資につきまして、特殊物件につきまして非常に縣廳の協力を得まして、例えば実際使えない、東京の例で申せば、鉄兜の中に張つてある極く小さい革、あれを活用しまして子供の靴を作る。それから藥莢入れの袋、これを拂い下げまして、これによつて靴の皮にするとか、そういうふうにできるだけやつておるわけです。尚現在のこういう特殊物件以外につきましても、例えばお話の靴でありますが、各家庭に殆んど使えない靴が沢山あるのであります。もうどうにもならん靴、それを四つ五つ合せるとそれで一つの靴ができるのであります。これも横濱協会でやり、現在横須賀協会でもやつておりますが、これで非常に困る点は、そうしますると作り上げるのに非常に手間が掛かり、新品より高いものができてしまう。極く革のいいところを継き合せまして一つの靴を作るのですが、そうすると非常に高いものについてしまう。資源愛護の見地からそれは止むを得ないが、そういう高いものになりますので、需要の方がなかなかそれでは満足しません。私共の希望としますれば、できればこういうものは或る程度國で面倒を見て、金を使つても資源を活すという意味において、そういうものを活用することが必要じやないか、こういうふうに考えるのであります。尚又先程赤松先生がお話になりましたが、始めの中に役立たせるように考えなければいかん。家庭の物をできるだけ大事に使わせるというふうにしなければならん。これも御尤もでありまして、実は工藝指導所の方に頼みまして、家庭で使つておる物の買に方、使い方、もつと長く保たせるにはどういうふうに使つたらいいかということを一般に廣める必要があります。又修理につきましても、先程お話がありましたように、私共は家庭でできないものを扱つておるのであります。靴下のようなものはこれは何も協会に頼まんでも家庭でもできるのでありますから、そういうものを家庭でこういうふうにやるのだという指導書のようなものを作つて一般に宣傳したらいいのではないか、かように考えております。実はそういう模範的な物の扱い方、そういうものを一つの本に纏めようと思つて、原稿も工藝指導所に頼んで作つたのでありますが、ちようど戰爭の末期の頃作りましたが、戰災で燒けまして原稿がなくなりました。
#43
○松野喜内君 あなたの御説明は誠に御尤もです。先程学校の例もありましたが例えば学校の中に修理所を作つて、子供の手によつて靴の修理をやつて行く、これも亦教育上よろしいと思う。又物資を活し、家庭の方でもいろいろ古に物を集めたりして、子供自身が自分の手でやる習慣をつけ、これを修理し利用するような活きた教育を講ずるというふうに頭を向けて頂きたいと思います。
#44
○服部教一君 私は遅れて参りまして済みませんが、折角よい議題が出ておりますからちよつと申上げたいのですが、外の方から段々話があつたかも知れませんが、只今お話がありましたように、私がここに一つ申上げたいと思うことは学校を利用するということであります。アメリカあたりに行つて見ると、もう自轉車の修繕でも、自動車の修繕でも上級生には教えております。学校で教えております。日本の学校というものはこれからいろいろ改革しなければいかんと思うのでありますが、ただ入学試験をやるとかいうような机上の学問だけで、電燈一つ切れてもどうしてそれを直したらいいか知らんというようなことで、技術上の教育というものは欠けておる。これは教育上非常に遺憾でありまして、その問題は今ここで申上げる必要のない問題であります。文部省の問題でありますが、子供を利用するということは私はいいと思うのであります。これは今年や來年の問題ではない。一生の問題です。子供に下駄の修繕をやらせるとか、靴の修繕をやらせるとか、そのやり方はどうしたらいいかとか、或いはその他の物、ここにある鑄掛け、そういうようなものを子供の時代から、子子供といつても余り小さい子供じやいけませんけれども、もう十歳、十四五歳、初等中学くらいになつたら皆子供の手で鑄掛けはどういうふうにしてやるとか、洋傘の修繕とか、履物、下駄類等に至るまで或る程度よく私は行くと思うのであります。それで学校を利用するということ、これは物資の愛護ということは二年や三年の問題でなくて、これから五十年、百年の問題ですから、それぞれ学校教育において修繕をやらせるといいと思う。それから各家庭にはいろいろな物がありますから、子供に持つて來いと言うたら持つて來ますから、そういうことをやらせる、こういうことが必要だと思うのです。
 それからもう一つ、この前のときに私申上げたと思いますが、私は十年前にアメリカに行つたときに非常に感じたのでありますが、ロスアンゼルスあたりに行つて見ますと、毎週木曜だとか金曜だとかに一回、ガラス屑とか釘屑とかいうような一つの屑ですね。紙とか反古というのは違うのです。それは又別にやるのですが、そういう危い物を毎週一回ずつずつと集めて廻る。もう午後の一時になれば各家庭が外へ出す。出さなかつたら又一週間待たなければならん。ある者は外へ出す。そこへ自動車で來て、それを皆集めて廻ります。そういうような習慣ができておる。私はそれがいいと思う。それを学校でやつてもいいと思うのであります。家にあるガラスのかけらというようなものは持つて來い。或いは釘の屑で家庭で使えない物は持つて來い。或いはよく方々で見ますが、バケツの穴が開いたような物、潰れたような物が溝に捨ててあります。ああいう物を私は子供に集めさすのが一番いいと思います。そうすればあれは捨てなくなると思います。そういう物を学校で集めてやるといいと思うのであります。物によつては又子供に修繕さす物もあるし、又学校で貰つてしまつて集めて利用する場合もあるだろうし、いろいろと処分にもよりますが、学校の兒童を利用するということを大いにやる必要があると思う。
 一体日本人というものは、この間も電燈の話が出たのですが、夜寢てから電燈を灯しておるのは日本全國到る所で見受けられます。私は三、四十年前から絶対に寢て電燈は点けないのです。やかましく言うて消さすのです。ここで申上げることも、長くなつてもいけませんから申上げませんが、これはですね、泥棒を防ぐ上と経済上非常にいい。もう一つ、外國へ行つて日本人が嫌われるのは、水道の水を余計使うということを言われる、いろいろの欠点を日本人は持つておる、そういうわけでありますから、單にこういう目に見えたものだけでなしに、そういうものに至るまでもつと節約するという習慣をつけさせることが必要だと思うのです。ちよつとこのことを申上げます。
#45
○金子洋文君 お宅の方の協会で、配給された物資を、かくかくかように使つたというふうな報告的の書類ができておりますか。
#46
○説明員(青木正君) できております。
#47
○金子洋文君 それは是非委員会に頂きたいと思います。
#48
○説明員(青木正君) ただ今年度に頂きました指定生産資材は、全部使つた先がはつきりせんければいかんものですから、これは指定生産資材になつてからの分はぼつぼつ集まりつつあるわけであります。二十一年度中の成績はここに表になつております。
#49
○金子洋文君 後で頂きます。
#50
○梅津錦一君 はつきり分らないのですがね、こういうことがあつたのです。縣の商工課から靴の修理券、半張券が出たことがあるのです。これは物資活用協会の方から出たのではないのですか、違いますか。
#51
○説明員(青木正君) 靴の関係は私の方で直営的にやつておるのと、靴の組合の方でやつておるのもあります。
#52
○梅津錦一君 靴の組合じやなくて縣の商工課から半張券が出たのです。非常に安いですよ。一足直して二十円ですね。
#53
○説明員(青木正君) 何縣ですか。
#54
○梅津錦一君 群馬縣です。そういうのが物資活用協会か、物資課かちよつと分らない。縣の方でやつておるのか、その縣が物資活用協会の仕事の一部分としてやつておるのか、縣が單独でやつておるのか、これは同じく洋傘の壞れたのを直すんですね、そういう券が出たことがあるんです。非常に安くてそうして値段の幅が決まつておるんです。これこれこれだけという額が決まつておるんです。それが物資活用協会でやつておるのかどうかという問題です。それをお聞きしたい。
#55
○説明員(青木正君) それは多分私の方の生活物資活用協会の方の仕事でございます。と申しますのは、私先程申上げましたように、地方の各協会とも修理券によつて修理をやつておるのであります。その修理券の発行は、常に地方廳と打合せて、地方廳の指示に基いて修理券を配付しておりますから、多分私の方の協会の仕事でございます。
#56
○服部教一君 それからもう一つは……。
#57
○委員長(山本勇造君) 成るたけ簡單に……。
#58
○服部教一君 配給になる品物に不用品の配給があるんです。例えば燒酎の配給があつたり、誰も……組合員十一人集つたところが一軒も燒酎を使うことがないのです。ところがそういう配給があつたから貰つて置こうかというので、籤を引いてそれを当てたという実例もあるんです。それから大人のところに向つて子供の靴が籤で当つたというのがある。それをどうするかというと、それをすぐに賣りでもすればそれで間に合うんですけれども、又要ることがあるだろうというので、いつ要るやら分らんような物を取つておるというようなことがあつたりします。この配給ということも或る程度私は無駄でないようにする必要があると思うのです。
 それからもう一つですね、この頃、これは御承知でしようが、物の交換です。あれを民間で勝手にやつておりますが、あれを廣くやれば、欲しい物が無くて要らん物があるというのでありますから、ちよつとこれもいい工夫はないものでしようか。
#59
○委員長(山本勇造君) 今日は物資愛護思想普及をいかなる宣傳方法でやるかという問題が議題になつておりますので、そのつまりでお尋ねして下さい。
 大分時間も経つて参りましたし、先程岩本委員からもあれがありましたから、今日はこの程度で止めて置きまして、相当に重要な問題だと思いますから、重ねて御研究になつた方がいいと思います。後は打合会にいたしましてお話を続けたいと思いますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(山本勇造君) 今日は委員会はこれで閉じて置きます。
   午後二時五十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     山本 勇造君
   理事
           金子 洋文君
   委員
           赤松 常子君
           梅津 錦一君
           徳川 頼貞君
           松野 喜内君
           大隈 信幸君
           岩本 月洲君
           高田  寛君
           服部 教一君
           三島 通陽君
           三好  始君
           羽仁 五郎君
  政府委員
   商工事務官
   (総務局長)  松田 太郎君
  説明員
   生活物資活用協会
           青木  正君
  專門調査員
           青木 節一君
ソース: 国立国会図書館
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