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1970/02/25 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
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1970/02/25 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号

#1
第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
昭和四十五年二月二十五日(水曜日)
   午前十時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十日
    辞任         補欠選任
     竹田 現照君     久保  等君
 二月十三日
    辞任         補欠選任
     鈴木  力君     大矢  正君
     大和 与一君     沢田 政治君
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     鹿島 俊雄君     平泉  渉君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                平泉  渉君
                平島 敏夫君
                久保  等君
                矢追 秀彦君
    委 員
                鍋島 直紹君
                船田  譲君
                矢野  登君
                横山 フク君
                向井 長年君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      矢島 嗣郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○派遣委員の報告
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。まず、理事の辞任許可及び補欠選任についておはかりいたします。横山フク君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(宮崎正義君) その際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認めます。それでは、理事に、平泉渉君、久保等君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(宮崎正義君) 次に、科学技術振興対策倒立に関する調査を議題といたします。本日は、先般二班に分かれまして実施いたしました委員派遣について、それぞれ派遣委員の方から御報告をお願いいたします。まず、第一班の御報告を願います。久保君。
#7
○久保等君 矢野委員と私、久保の両名は、宇宙開発の実情調査のため鹿児島県に派遣され、二月三日に行なわれた種子島宇宙センターにおけるLSC型ロケット三号機の打ち上げ状況並びに内之浦の東大宇宙空間観測所を視察してまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 種子島宇宙センターにおける今回のロケット打ち上げは、宇宙開発事業団にとりまして、昨年十月発足以来初めての実験であります。特にLSC型ロケットの打ち上げは、事業団の前身である宇宙開発推進本部時代、一号機、二号機がいずれも完全な成功をおさめるに至らなかっただけに、その成否が注目されておりました。
 このロケットは、実用衛星打ち上げ用のQ型四段ロケットの第三段目に使用する液体ロケットのために研究開発を行なっているものであります。今回の三号機打ち上げの主要目的は、第一に、二号機から採用された軽くて性能の高い管構造エンジンの性能を確認すること。
 第二に、液体ロケットを精密に誘導制御するジンバル機構の作動特性等を確認することであります。
 従来、わが国のロケット開発は、科学観測用の無誘導方式による固体ロケットが中心でありましたので、液体ロケットの誘導制御実験は画期的なものであり、それだけに事業団の今回の打ち上げに対する意欲はなみなみならぬものであり、島理事長も実験に立ち会っておりました。
 二月三日、打ち上げ予定時刻が近づくにつれて、打ち上げ用ランチャーを中心として半径一キロ以内の警戒区域は緊迫感におおわれ、成功を確信しながらも、島理事長はじめ関係者の祈るような気持ちがひしひしと感じられ、発射秒読みの段階になると、私どもも一瞬息のつまる思いがいたしました。
 午後三時三分、ごう音とともにロケットはランチャーを離れ、曇り空の厚い雲の中に突入し、十数秒後、肉眼ではとらえることができませんでしたが、第二段ロケットの点火、燃焼音を確認することができました。この瞬間、実験成功の安堵感が関係者の顔にうかがわれましたが、三時五十分の正式発表によれば、ロケットは正常に飛しょうし、第二段の液体ロケットエンジンも正常な燃焼を続け、ジンバル制御の作動試験及び応急停止装置の作動確認もあわせて行ない、所期の目的を達したのであります。現在、米、ソ、仏各国の人工衛星打ち上げ用のロケットはすべて誘導制御装置を積んでおり、この意味において、LSC型三号機の実験成功は、わが国の宇宙開発に明るい見通しを与えたものと言えましょう。
 種子島宇宙センターは実用衛星の打ち上げに備え目下急ピッチで建設が進められておりますが、これに比べますと、内之浦の東大宇宙空間観測所は、ほぼ完全に整備されており、東洋のケープケネディとして、その威容を誇っております。本観測所は、全国の大学及び研究所における宇宙科学者の共同利用研究のため、ロケット及び気球による宇宙科学観測に成果をおさめてきたのでありますが、さらに、高度五千ないし六千キロメートルの観測ロケットとして、また、科学衛星打ち上げ用のミューロケットの実験機として、ラムダ4S型ロケットの開発につとめてまいりました。このロケットの打ち上げ実験は、日の丸衛星打ち上げとして国民注視のもとに、過去四回にわたり行なわれました。しかし、ロケットの構成部分の不具合や上段ロケット追突のため、いずれも失敗に終わっております。
 私どもが視察に参りましたときは、二月八日の五号機打ち上げを目前に控え、曽田所長以下担当教授が、ロケットの整備や観測機器等の点検に慎重を期しておりました。特に、四号機の実験で、第三段ロケットが、切り離し後、残留推力により加速され、上段部に追突するという事故が発生したため、この五号機では、第三段ロケットに逆推進ロケット(レトロモーター)を取りつけ、追突防止策を講じており、説明に立ち会われた玉木教授も、今回は自信があるとは申しておりました。
 はたせるかな、私どもが帰京した後、気象条件のため予定よりおくれましたが、この五号機が十一日に打ち上げられ、初の日の丸衛星「おおすみ」を軌道に乗せることに成功したことは御承知のとおりであります。
 以上、視察してまいりました二つの宇宙センターの状況を御報告いたしましたが、以下、二、三所見を申し述べたいと存じます。
 まず第一に、宇宙開発に関する協力体制の強化についてであります。
 科学衛星計画は東大宇宙航空研究所が受け持ち、実用衛星計画は宇宙開発事業団が分担していることはわかりますが、二つの宇宙センターを視察して感じましたことは、衛星打ち上げ用ロケットの開発研究の面で両者が真に提携協力しているか、という点であります。
 確かに、ペンシルロケットから出発して十数年にわたり研究開発につとめ、自動車、造船、電子、化学等の民間産業の協力を得て、ほとんど純国産の機器や技術のみを使用し、無誘導方式で初の衛星「おおすみ」を打ち上げた東大関係者に対しましては心から敬意を表するものであります。しかし、「おおすみ」の成功も、昨年九月、ラムダ4S型四号機の失敗の実態を宇宙開発委員会の技術部会で取り上げ、東大側と事業団側がお互いに意見を交換し、技術交流を行なったことがその一因でもあると聞き及んでおります。
 東大宇宙研としては、「おおすみ」が予定軌道から大きくはずれたことにかんがみ、今後、二次噴射装置による推力、方向制御を考えていきたいと申しております。
 一方、事業団の目標とするQ型四段ロケットは、第三段以外は固体ロケットを用いることになっており、事業団もこれらの制御装置について研究を行なっております。
 宇宙開発委員会が策定した宇宙開発長期計画によれば、昭和四十九年までの六年間に千五百億の資金投入が見込まれておりますが、この多額の投資に対し、国民の側から、その経済効果及び投資効率について一部で問題とされている今日、両者が一そう緊密に協力し、技術交流を重ね、むだのない開発研究を着実に進めていくよう期待するものであります。
 次に、ロケットの打ち上げ時期についてであります。
 現在、打ち上げの時期は、一、二月及び九月の二回に限られておりますが、これは、約三千そうに及ぶ沿岸操業漁民との補償協定の中で定められているのであります。
 ロケットの打ち上げが気象条件に大きく左右されることは申すまでもありません。無誘導のラムダの場合は、平均風速五メートル以下でなければ打ち上げることができません。自主技術により世界四番目の衛星打ち上げ国となったわが国において、ロケットの打ち上げ実験が最も気象条件の悪い時期にしか行なうことができないという現状は早急に再検討すべきものと存じます。
 以上をもって報告を終わります。(拍手)
#8
○委員長(宮崎正義君) ありがとうございました。
 次に、第二班の御報告をお願いいたします。平島君。
#9
○平島敏夫君 第二班は、横山フク君、矢追秀彦君、向井長年君と私の四名で、期間は二月二日から三日間、視察しました個所は、原電敦賀原子力発電所、関電美浜原子力発電所、日本万国博覧会会場、関電総合技術研究所、同総合電子計算機センター及び松下電器産業中央研究所であります。
 以下、現地調査にあたり、特に私どもが印象を受けました点に触れながら、視察個所の概要について簡単に御報告申し上げます。
 御承知のとおり、わが国における原子力開発もすでに十余年を経て、本格的な実用期に突入し、各利用分野で目ざましい成果をあげております。そして、その開発の本命と目される原子力発電分野では、すでに営業運転に入っております原電東海発電所をはじめ、同敦賀、関電美浜一号、東電福島一号が、ともに建設の最終段階を迎え、本年中にはこれら四基で約百三十万キロワットの発電規模を達成する見込みであります。
 今回私どもが参りました二つの原子力発電所は、福井県敦賀半島の両端にあり、人家も少なく、何よりも地盤がよく、海水の使いやすいのが発電所立地の大きな理由とされております。両発電所とも、米国より軽水炉を導入しての建設でありますが、関電が加圧水型で電気出力三十四万キロワットであるのに対し、原電は沸騰水型で三十二万二千キロワットであります。−
 関電美浜一号機はすでに九〇%の進捗率で、五月には燃料を装荷し、営業運転は十月ごろを予定しているとのことでありました。この一号機に隣接して、二号機が工事の最盛期を迎えておりました一まだ三〇%程度の進捗率ですが、電気出力五十万キロワットで、四十七年六月完成の予定です。一、二号機合わせて八十四万キロワットが、この美浜地区で発電されることになっております。
 一方、原電敦賀は、昨年十月末原子炉の臨界を達成したあと、十一月十六日に一〇%発電をし、以後徐々に出力を上げて、一月二十二日には一〇〇%運転を行ない、早ければ二月中にも営業運転に入るとのことです。四十一年四月の着工以来わずか四十七カ月で、原子力発電所建設としては記録的なスピードであります。万国博には、この原子の灯が送られることになっております。
 発電原価は、たとえば関電美浜の場合、二円五十銭でありまして、新鋭火力の二円二十銭にはまだ及びませんが、今後技術の改良が進み、より大規模のものになれば、将来一円程度まで下がるだろうとの試算もなされており、原子力発電の重要性はますます増加するものと思われます。
 日本万国博覧会は、三百三十万平方メートルの広大な敷地に百十九のパビリオンがすでに外装を終わり、あとは内部装飾と展示を残すだけとなっており、当初最も心配された工事の進捗状況は、すこぶる順調だとのことです。
 参加国が七十六カ国と多いのも、また、そのうち発展途上国の参加が目立つのも、日本万国博の特徴の一つですが、これは日本が世界中から興味と関心と信頼をいかに集めているかを示すものであります。
 こうした万国博にとって最大の悩みは、宿泊施設であります。さきのモントリオール博も、この点で評価を落としたと伝えられておりますし、約五千万人もの入場者が予想される日本万国博で、はたして十分の宿泊施設が確保できるか、たいへんなことと思います。協会側の説明では、全体として不足はないとのことでありましたが、法律も整備され、監督官庁も明確化している警備、交通関係に比べると、宿泊関係は、法律も監督機関もないので、宿泊施設相互の自主的協力に待つほかはないと、その苦情を訴えておりました。
 最後に、関電総合技術研究所と松下電器産業中央研究所について申し上げます。
 民間企業における研究活動は、応用、開発研究を中心に近年とみに活発化し、四十三年度の実績で見ますと、研究費では国全体の六二%、研究者では約五二%を占めております。こうした民間企業の積極的な姿勢は、最近におけるきびしい国際情勢を反映して、自主技術開発の重要性についての認識が高まってきたことを示すものですが、それでも主要国の産業における研究費の対売り上げ高比率と比較してみますと、たとえばアメリカの四・三%、フランスの三・八%に対し、わが国は一%程度で、まだまだ相当の格差があります。
 しかし、松下電器などは、年間売り上げの四%、約二百五十億円を研究開発に投資しており、幅広く奥深く積極的な研究が続けられております。研究、開発部門は十二研究所から構成され、四十四年現在の工業所有権数は二万千六百八十五件、昨年一年間の出願数は特許四千四百十一件、実用新案六千百二十七件で、いずれもわが国企業のトップクラスにあります。
 一方、関電総合技術研究所は、松下電器のような製造業のそれとはかなり性格を異にしており、設備の運用、保守設備の改良等、主としてソフト分野での研究が中心のようでした。また、総合電子計算機センターは、電力の経済負荷配分計算や電気料金計算などの業務を大型電子計算機を導入して効率よく処理しようとするもので、省力化、コスト低減化にきわめて積極的に取り組んでおります。
 私たちの参りましたのは、ほんのごく一部の研究所でありましたけれども、民間企業が研究活動をいかに重要視しているかを知らされると同時に、政府が国の研究や助成制度の充実にもっと積極的になる必要があることを痛感した次第です。特に松下電器では、国としての統一的な長期計画を早くつくってもらいたいと強く要望されましたことを申し添えておきます。
 最後に、今回の現地調査にあたり御高配を賜わりました方々に厚くお礼を申し上げ、報告を終わります。(拍手)
#10
○委員長(宮崎正義君) ありがとうございました。
 別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午前十時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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