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1970/04/10 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
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1970/04/10 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号

#1
第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
昭和四十五年四月十日(金曜日)
   午後一時四十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                平泉  渉君
                久保  等君
    委 員
                岩動 道行君
                源田  実君
                永野 鎮雄君
                鍋島 直紹君
                船田  譲君
                矢野  登君
                横山 フク君
                藤田  進君
   国務大臣
       国 務 大 臣  西田 信一君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      矢島 嗣郎君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   野崎 博之君
       科学技術庁計画
       局長       鈴木 春夫君
       科学技術庁研究
       調整局長     石川 晃夫君
       科学技術庁原子
       力局長      梅澤 邦臣君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (昭和四十五年度科学技術庁関係の施策及び予
 算に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十五年度科学技術庁関係の施策及び予算に関する件の質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 久保君。
#3
○久保等君 私、本年度の予算を中心にして、科学技術行政の問題についてお尋ねしたいと思います。
 科学技術庁の任務は、申し上げるまでもなく、科学技術庁設置法の中にも規定がありますように、科学技術に関する行政の総合的な推進をはかってまいるということが最大の任務ということになっておるわけですが、それを予算の面から少しお尋ねしたいと思うんですが、昭和四十五年度の予算の中で、科学技術振興費と申しますか、もちろん民間その他一般を含めてなんですが、総額にいたしますと、金額の面でどの程度になっておりますか。
 なお、私、便宜上これから坐って質問いたしますが、どうか長官はじめ皆さんも坐ったままで御答弁願ってけっこうです。よろしくお願いします。
#4
○政府委員(矢島嗣郎君) 昭和四十五年度の科学技術庁関係の予算は総額で六百一億でございますが、これを分けますと、第一番目は、科学技術振興基盤の強化、こういう柱のもとに八億六百万円の予算が計上されております。それから情報関係施策の強化といたしまして約八億七千万円が計上されています。それから、その他もろもろの研究開発一般の促進ということ、これは科学技術庁の本庁でやるやつと、それから各試験研究機関でやるもの、全部合わせて六十九億計上されております。以上の三つの問題が、いわばビッグプロジェクトを除きました一般的な科学技術振興の予算だろうと思います。それ以外に、原子力三百八十八億、宇宙開発百十三億、海洋開発四億八千万というようなものが計上されておるわけであります。
#5
○久保等君 私のお尋ねしているのは、もう少し広い――四十五年度ではまだわからないのですかね。民間を含めての要するに科学技術振興の全金額をお尋ねしているのです。何千億かになると思うのですが、そういった総体的な説明を、数字でわかればひとつ御説明願いたいと思うのですがね。
#6
○政府委員(鈴木春夫君) 国全体の研究費でございますが、その中には、政府の分、民間の分を加えたもの、これにつきましての統計といたしましては少しおくれておりまして、四十三年度の分が、昨年十二月総理府の統計局のほうで取りまとめたものがございます。それによりますと、四十三年度におきます研究費総額は七千六百七十八億円でございます。そのうち、会社が使用した研究費につきましては五千四十四億円でございます。政府関係研究機関につきましては千七十六億円でございます。大学につきましては千五百五十八億円という数字が出ております。
#7
○久保等君 その中で、特に政府の一千七十六億円という金額なんですが、これは、各省の試験研究機関の経費というものは一体この中でどの程度を占めておりますか、わかりますか。
#8
○政府委員(鈴木春夫君) 四十三年度におきます公的研究機関、そのうちの国立の分につきましての研究費総額は四百二十億でございます。
#9
○久保等君 政府全体の予算を取りまとめて技術庁のほうで御説明を願うとすると、四十三年度ということで、若干時期的には古い経費の話になるわけですが、その問題を、若干お尋ねしてみたいと思うのですが、この四百二十億の国立試験研究所の予算中に、さらにまたこれを研究、純研究の経費ということになると、またさらに少なくなるということになるのじゃないかと思うのです。タマネギの皮をむくようなことで、直接研究費ということになると、だんだん少なくなってまいると思うのですが、その金額はどのくらいになりますか。
#10
○政府委員(鈴木春夫君) 先ほどの数字がちょっと誤りましたので、訂正させていただきますが、四十三年度におきます国立試験研究機関の予算、総額で三百五十六億でございます。そのうち、純粋の研究費は四十二億円になります。人件費その他をはずしますと四十二億円ございます。
#11
○久保等君 さらに、一般的な研究といいますか、経常研究、それから特別研究というふうに分けると、どういうふうな比率になりますか。
#12
○委員長(宮崎正義君) 四十三年度の、実質的には済んだことについての質問なんですから、もう少しすみやかに出るはずですがね。
#13
○久保等君 実は、私、科学技術庁のほうに注文をしておきたいのです。いまお尋ねしておる問題も、昭和四十三年度の科学技術白書では、大体こういったことをある程度分析した報告といいますか、白書になっておりますね。ところが、四十四年度のこの間もらった膨大な白書は、だいぶん中身が従来の報告形式とまた違った角度から見た白書になっておるのです。もちろん、新しい面から見た白書もけっこうなんですけれども、四十三年度の白書の形式で、ある程度報告しておるものについては、やはり引き続き報告をしてもらったほうが、われわれとしは白書を比較して見ることができるのですが、全然その年その年によって白書の報告のしかたが、角度を変えた形で報告されると、前からの関連性というものがわからなくて、白書としては長い目で見て分析というものが非常にしにくくなるわけなんです。いまお尋ねしていることは、実は四十三年度の報告形式からいくと、当然数字的に御説明願えるはずなんだけれども、四十四年度のこの白書から見ると、なかなかわれわれ、見ておっても、どういういま言ったような比率になっておるのかわからないんです。白書の書き方の問題ですけれども、これは、ぜひ重要な問題等については毎年あまりそのときそのときで変えないようにしてもらって、やはり暦年数字がどういうふうに移っていくのか、予算の面、あるいは実行の面なり、数字的な面が、比較してすぐわかるような形の白書にしてもらいたいと思うんです。いまお尋ねしている点については、ここでもちろん、にわかに、各省にまたがる問題だから、あるいは民間にわたる問題だから、簡単に合計してその場で答えられるという問題じゃないと思って、私は無理からぬと思うんですが、ただしかし、前の報告なり白書の関係から見ると、ぜひひとつ明らかにしてもらいたいという数字です。したがって、別途私のお尋ねしている点については御報告を願いたいと思うんです。したがって、数字的なことについてのお尋ねをすることは省略します。
 ただしかし、直接科学技術庁の関係になる問題で、例の特別研究について、特別研究促進調整費というものを科学技術庁としても当然お持ちになって、これをそれぞれ配分をしておられると思うんですが、これについて、昭和四十四年度、それから四十五年度の――まあこれはまだ正式に予算にはなっておりませんが、予算案について、どういう配分を考えておるのか、その内訳について御説明を願いたいと思うんです。四十四年度もあわせて願います。
#14
○委員長(宮崎正義君) 西田国務大臣、いま久保委員のほうからお話のありました白書の件は、言われたとおりの行き方をしていただきたいと思います。毎年継続されていくその数字が一つの年間のピリオドになると思うんです。さらにそれからどうなっていくかということは、やはり白書の生命じゃないかと思うのです。こういう点についてはっきりしていただきたい。
 もう一つは、いまの久保委員から御発言があった資料の件は、よろしゅうございますか。
#15
○国務大臣(西田信一君) 白書のことについて御指摘をちょうだいしたわけでございますが、今度の白書が、社会の情勢に照らしまして、いろんなひずみの是正であるとか、公害とかいう問題が非常に大きな社会問題になっておりますので、そういう点にも配慮をいたしましてつくったわけでございます。そういう点は御理解をちょうだいするといたしまして、しかしながら、従来の白書と全く断絶してしまって、つながりがないというかっこうでは不適当だと存じますから、ただいまの御趣旨の点は、次の白書作成にあたりまして十分配慮いたしたいと存じます。
 それから資料の件は、直接答弁ができませんで、たいへん恐縮でございますが、資料として提出さしていただきたいと思います。
#16
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御質問ございました特別研究促進調整費につきましてお答えいたしたいと思います。
 この研究促進調整費は、これは重要な総合研究並びに緊急の事態に対処しての研究費ということで配分しておるわけでございますが、四十三年度におきましては、この総額が六億五千万円でございました。その内訳を申し上げますと、総合研究、重要な総合研究でございますが、これに対しまして三億九千三百万という金額でございまして、緊急研究というものに対しましては二億一千七百万という金額になっております。それから四十四年度でございますが、四十四年度は六億七千万でございます。この六億七千万のうち、総合研究費は四億五千八百万、それから緊急研究費に対しましては一億五千二百万という金額を配分いたしております。なお、四十五年度におきましては、予算といたしましては六億八千万をお願いしておるわけでございますが、これの内容につきまして、総合研究並びに緊急研究にどのくらいの配分をするかという点につきましては、今後関係各省庁と相談して、この項目並びに金額を決定するわけでございますが、おおむね目安といたしまして、緊急研究費といたしまして約一億八千万から二億程度を考えております。それ以外を総合研究というふうに考えております。なお、総合研究分の中には、海洋開発に関する研究並びに宇宙開発に関する研究も含まれておるわけでございます。
#17
○久保等君 配付先ですが、これはどういったところですか。四十三、四十四――まあ四十五年度の場合は、今後の問題として、まだはっきりしていないとすれば、四十三、四十四年度あたり、どういったところに幾らぐらいずつ配分したのか、そういった実情を御説明願いたいと思います。
#18
○政府委員(石川晃夫君) この配付を受けるところは国立の研究機関でございますので、各省にまたがるわけでございますが、そのどこにどのくらいの金額ということは、手元に現在資料がございませんが、この特調費の対象となります内容につきましては、大体十九項目に分類してこの研究を行なっておるわけでございます。おもなものといたしましては、防災関係あるいは環境科学と言っておりますが、これは公害と考えていただいてけっこうかと思いますが、公害関係の問題、それから海洋、宇宙、基礎電子技術、こういうようなものに分けて与えております。したがいまして、防災関係につきましては、科学技術庁の国立防災科学技術センター、それから建設省、それから国土地理院、このようなもの、あるいは地震研究所、こういうようなものが対象になっております。それから公害関係につきましては、主として厚生省関係の研究がおもなものでございます。そのほか、やはり都市公害の問題になってまいりますと建設省の研究所にも配分しておるわけでございます。なお、そのほか、海洋につきましては、これに関連いたします建設省、農林省、運輸省、このような研究所にも配付しております。研究所の具体的な名前は、さっそく調べて御返事したいと思います。
#19
○久保等君 この促進調整費というものの予算の編成の場合には、どういう方法で予算を編成せられるのか。これの配付にあたっても、そういったものの査定といいますか、をどういった形でおやりになるのか。科学技術庁が予算を出す場合に、当然、各関係の方面からの要求というか、そういうものが出てくるだろうと思うのですが、それをまとめられて大蔵省と折衝せられるということになる。予算がきまった場合に、また現実に配算をされる場合には何らかの形で査定をせざるを得ないと思いますが、そういったようなことがどういう手続で具体的には行なわれるのか、そういった一連の手続の問題について御説明願いたいと思います。
#20
○政府委員(石川晃夫君) この特調費の使用にあたりましては、年度当初、各研究機関を持っております関係省庁が集まりまして連絡会議を開くわけでございます。このときに、各省庁からは特に推進したい重要な研究テーマにつきまして、それぞれ項目が提出されるわけでございます。これは、その関係する研究所において検討いたしました結果、どのテーマを取り上げ、どれを捨てるかというような問題が決定されまして、その項目について担当の省庁が決定されるわけでございます。で、その項目あるいはその内容によりまして金額がはじかれるわけでございますが、その金額をわれわれのほうでは調整いたしまして――これは二省庁以上にまたがる研究ということになっておりますので、必ず複数の研究機関がこれに従事する、作業を行なうわけでございます。したがいまして、その関係省庁が要求いたします金額を持ち寄りまして、それを科学技術庁において調整いたしまして、そして最終的に項目及び予算金額の内容をきめて大蔵省と折衝する段取りになっております。で、大蔵省には科学技術庁が代表してその説明をいたしまして、そうして最終的に決定されますと、その金額をそれぞれの各省に配分し、移しかえるということになっております。
#21
○久保等君 まあ金額は非常に少ない金額なんですけれども、予算との関係ではどういうことに、四十三年、四十四年、五年はなっておりますか。その予算要求額と、それから実際の決定予算額とはどういう数字になってますか。予算要求金額をお伺いしたいと思うんです。
#22
○政府委員(石川晃夫君) 四十五年度に要求いたしましたこの特調費の予算要求額は八億三千万でございました。これに対しまして内示されましたのが六億八千万という額になっております。
#23
○久保等君 本年度予算の六億八千万円ですが、科学技術庁自体としての調整費といいますか、これは大体どのぐらいになる予定ですか。先ほどお伺いしたように、厚生省なり建設省なりに配分をし、海洋と宇宙だけ、すなわち一億三千万円ですか、これだけが科学技術庁自体の調整費ということになる予定ですか。
#24
○政府委員(石川晃夫君) この金額は、ほとんど科学技術庁には出ない金額、残らない金額でございます。ほとんど各省庁の研究機関に渡る金額でございますが、ただ、科学技術庁の中にございます、航空宇宙技術研究所あるいは国立防災科学技術センター、あるいはそのほか、金属材料技術研究所、こういうようなところにも、この中のほんの一部が研究費として渡されるということで、ほとんどはほかの省庁に研究費として渡される金額でございます。
#25
○久保等君 予算の面からながめてみると、だんだんと話を詰めてまいりますると、科学技術庁自体の使われる金額というものはほとんどなくなってしまって、まことに心もとない気がいたすわけなんですが、先ほどちょっとお話がありましたが、科学技術庁予算全体で六百一億ということに本年度予算案ではなっておりますが、そのうち、原子力関係が三百八十七億、宇宙開発関係が百十三億、約五百億ばかり占めておりますし、残された百億のうちに、しかもいま言われた科学技術庁で調整費に使われる金額はわずかに六億八千万円というようなことに数字的にはなっておると思うのですが、特に各省庁でやっておる研究は研究として進めるにいたしましても、やはり科学技術庁自体がやらざるを得ない部門が非常に多いと思うのです。私、後ほどお尋ねしたいと思いますが、海洋開発の問題なんかにしてもそうだと思うのですが、ほとんど予算面ではとりたてて指摘するほどの金額にもなっていないような感じがいたします。特に試験研究の問題にいたしましても、当然、これは年々むしろ上向きに強化をしてまいらなければならない部面だと思うのですが、これもはたしてお答え願えるかどうか、昭和四十年あたりからお伺いできれば幸いなんですけれども、そういったことも無理かと思うのですけれども、自然科学関係の研究費、これも先ほどちょっとお尋ねしたこととやはり関連があるかと思うのですが、単に科学技術庁だけでなくて、自然科学関係の研究費といったようなものの推移をある程度ながめてみる必要があると思うのです。少なくとも私の承知する限りでは、この研究費そのものがむしろ年々、政府関係あるいは大学等を含めても言えると思うのですが、年々相対的な率の中では低下しているのではないか。民間の研究費の占める率が多くて、逆に年々若干ずつ研究費に占める比率が少なくなってきているのではないかというふうに考えるのですが、数字的にもし御説明ができれば願いたいと思うし、もし数字的に御説明願えなければ、これまた後ほど資料でひとつ、四十年度から四十一年度、四十二年、四十三年、四十四年はまだ集まっておらないようですから、四十三年度なら四十三年度まででもけっこうですが、ひとつ金額と比率をお示し願いたいと思うのです。いま申し上げましたように、民間の研究、それから政府並びに公共的な研究機関の比率、金額、それから大学等を含めて、そういったものの数字的な御説明を願いたいと思うのです。そういったことの数字的なご説明が願えなければ、傾向だけでも、私がお尋ねしたことがはたして指摘どおりなのかどうなのか、そこらの御説明を願いたい。
#26
○政府委員(鈴木春夫君) まず第一に、先ほど御質問にありました国立試験研究機関の研究費の内訳につきまして、数字が出ましたので御説明したいと思うのです。
 国立試験研究機関の研究費総額、この中には、施設費、人件費、研究費が入っておりますが、その総額は、先ほど申し上げたとおり、三百五十六億円でございます。そのうち研究費だけをとりますと、これは経常研究費、特別研究費、その他でございますが、トータルで百二十二億でございます。その内訳としまして、経常研究費は五十三億円、特別研究費三十六億円、その他――その中には特調費など入っておりますが、三十三億円でございます。
 それから第二の御質問でございます、国の中の公共的な研究あるいは民間の研究、これの四十年からの推移について御説明申し上げます。
 国全体の研究投資でございますが、四十三年度は七千六百七十八億円でございまして、前年度比は二六・五%の増でございます。四十二年度は六千六十二億円でございまして、前年度比二四・一%の増でございます。四十一年度は四千八百八十六億円で、前年度比一四・八%増でございます。それから四十年度は四千二百五十八億円で、前年度比一一・五%というように、国全体の研究投資につきましては逐年非常な勢いでふえてきております。
 この内訳を見ますと、第一に、公的研究機関の研究費でございますが、四十三年度につきましては千七十六億円でございまして、前年度比二一・七%増でございます。四十二年度は八百八十四億円で、一四・〇%の増でございます。四十一年度は七百七十六億円で、前年度比一三・四%の増でございます。四十年度は六百八十四億円で、一二・九%前年度よりふえておる、こういう傾向でございまして、公的研究機関の経費につきましては、四十三年度にはたいへんふえておりますが、これに比べまして、民間を申し上げますと、民間の伸び率は非常に高うございます。四十三年度における民間企業の研究投資の総額は五千四十三億円で、前年度比三三%増でございます。四十二年度は三千七百八十九億円で、前年度比二九・七%増でございます。四十一年度は二千九百二十一億円で、前年度比一五・八%増でございます。四十年度は二千五百二十三億円で、三・五%前年より伸びております。もう一つ大学がございますが、大学の数字は、省略いたしまして四十三年度だけ申し上げますと、千五百五十八億円でございまして、大学につきましてはその伸び率はだんだん減ってきております。
 こういうような状況で、民間企業の研究投資は非常な勢いでふえておる、公的研究機関は横ばい程度である、大学のほうは減ってきておる、こういう三様の形態を示しております。
#27
○久保等君 だいぶ明らかになったのですが、なお数字的に、できれば民間と公共研究ですか、これとの比率、そういったものも、これはあわせてまた後ほどひとつ資料でお出し願いたいと思うのですが、まあ傾向としては、私が先ほどちょっとお尋ねいたしましたように、民間の研究熱というものが非常に旺盛である。それに比較して、一体政府関係機関の研究というものが数字的にどうであろうかということを考えてみますると、やはり問題があるんじゃないかという感じがするんですが、いずれにいたしましても、今後一そうの研究を、民間といわず、さらには政府は一そうの御努力を願わなきゃならぬと思います。数字はここでお伺いしたばかりで、あまりこまかく分析することもできかねますが、そういった要望を特に申し上げておきたいと思うのです。
 ところで、問題は、最近やかましく言われております公害関係の問題、これに対する技術研究という問題も非常に当面の焦眉の問題だと思うのですが、ひとつ当面の問題で長官にもお尋ねいたしたいと思いますが、例の一昨日起きたガス爆発の問題、大阪の地下鉄工事の現場においてのガス爆発の問題なんですが、この問題についてはいろいろ真相の究明が行なわれている段階で、一般的な問題はさておき、まあけさの本会議における緊急質問の中でも言われておったんですが、たいへんなガスの漏洩をしておった、しかし、なかなかそういう状況をつかみ得ないで、発火の原因は何であったにしろ、とにかくたいへんな死傷者を出したわけなんですが、科学技術庁の立場からすると、こういったような災害を未然に防ぐという立場からいっても、このガスの漏洩を一刻も早くやはり探知する、そのための技術的な面に努力をしなければならぬという問題がやはり提起されたと思うのです。それで、このガスの漏洩を探知する測定器、こういったようなものは現状ではどういう状況になっておるか。少し専門的過ぎて無理かと思うのですが、何でも現場での聞いた話では、あまり実は優秀な器械はないんだ、人間が鼻でガスのにおいをかぐ以上に非常にすぐれた器械というものはまだないんだというようなことも言われておったというのですけれども、そういうことでは、きわめて心もとない話だと思うのです。まあきわめて具体的な問題で、なんですが、ガス漏洩探知器といいますか、そういったような測定器の開発も今度の事故を契機に、非常に考えさせられる。また、緊急に研究開発をしなければならぬ問題の一つではないかと思うのですが、長官、どんなふうに考えておられますか。お尋ねしたいと思います。
#28
○国務大臣(西田信一君) 万国博覧会開催都市の大阪で、あのような、まことに想像もつかないような大事故が発生をいたしまして、多くの人命を失い、また、数多くの重軽傷者を出しましたことは、まことに残念でございます。再びかかることの繰り返しをしてはいけないということにつきましては、私どもはもとより、政府部内におきましても、真剣にこのことと取り組んでいるわけでございます。実は、けさの閣議におきましても、関係各大臣から率直な実態についての報告もございました。それに対しまして総理からも特に指示がございました。地下に埋設されているガス管あるいは水道管、あるいは電気のケーブル線、その他いろいろのものがございますが、これなどもいかにあるべきかということにつきまして、共同溝の問題も出ましたし あるいは共同溝の中に電気とガスが同居することがいいのか悪いのかという問題の究明も必要である。あるいはまた、このガス管の接続ですね。連結してボルトで締めて、あとコーティングするというようなやり方をやっているようでございますけれども、これらにつきましても、何かもう少しこれをさらにくふうするというようなことが必要であろう。いろいろな反省がございますが、このように地下に埋設されている、水道もよくはずれて水をふき出すというような所もございますし、特にガス漏れがあって、これが今度のような大事故を誘発したということにかんがみましても、何かその点検をするという、地下埋設物であるから安全であるというような安易な気持ちではいけないのではないかということで、それを点検する手段というものが考えられてしかるべきではないか。いま御指摘の、これを何か探知するというようなことも含めての話だと思います。あるいは電気も通しておりますが、これなども、あるいは腐食をしてどうかというようなことも、それからまたガスのほうにどうかということの結びつきも考えられるというようなことを考えますと、こういうような点につきまして、私どもの立場からも、もちろん、いま御指摘のような点について、相当掘り下げた研究が急速になされなければならぬというふうに存じます。また、いろいろな面につきまして関係各省はそれぞれ真剣な取り組みをしなければならぬと実は考えているわけでございます。
 科学技術庁は、かつて五年ほど前でございますけれども、パイプライン、これはガスばかりでなく、大きな、上水道から、一切のパイプライン、油から、そういうものを含めましてのパイプラインに対するいろんな安全その他につきまして研究した相当のものがございまして、資源調査会から当時の科学技術庁長官に勧告がございまして、それに基づきまして各省にこれを示し、かつまた、その後私どもが中心となりまして協議会を開くとか、いろんなことをやりました。もちろんこれはガスも含まれるわけでありますが、そういうことをやっておって、その中になかなかいいことが書いてあるのでございます。たとえば、パイプのこれの平面図、位置を、どこに入っているかという全体の平面図をつくってみる、あるいは縦横断面図をつくって、その位置というものを明らかにしておく。いろいろ技術的なこまかい点がございまして、そういうことをすでに実施しておる市もあるようでございます。現に、四日市とか川崎市あたりでは、そういうものを実施しておるということもございます。また、いろいろ安全性について指摘いただくという点につきましても、過般改正を見ましたガスの安全立法に取り入れられている面もございます。
 このようにいたしまして、かなりこういう問題につきましても配意をいたしておったのでありますが、こういう事故が起きましてたいへん残念に思っておりますが、さらに、もう一歩掘り下げた、ただいま御指摘のようなことを含めました真剣な取り組みが必要であろう、かように考えまして、探知器のみならず、その他材質の問題とか、いろんなことがあると思いますので、これから真剣に私どもも取り組んでまいりたい、こういう決心でおります。
#29
○久保等君 ああいう大事故については、当然、保安問題、特に保安設備なり、あるいは保安に関する技術面の御検討を願わなければならぬ問題が非常に広範な面であると思うんです。私先ほどお尋ねしたように、具体的な問題ですけれども、きわめて敏感なといいますか、高度のガス漏れあたりを探知できる機器、測定器といったようなもの、これはきわめて具体的な研究課題として取り組んでもらいたいと、かように考えるんですが、けさほど総理の御答弁でも、ぜひ適切なそういった測定器開発に努力したい、極力ひとつ努力したいというふうなお話もありました。したがって、直接やるのは、あるいは通産省あたりのところかとも思いますけれども、いま言ったような事故の起きたときであるだけに、科学技術庁あたりが少しイニシアをとってもらって、これが開発についてもひとつ格別の御努力を願いたい。このことをひとつ具体的な問題としてお願い申し上げたいと思うのです。
#30
○国務大臣(西田信一君) よく承知をいたしました。昨日でありましたか、衆議院でもやはり科学技術特別委員会におきましてこれに関連した御質疑がございました。私も、原因がわかれば、なおそれに対する対策を講じなければならぬと存じまして、そういう場合に必要があれば特別研究促進調整費の配分ということも考えるということを申し上げたわけでございますが、ただいま具体的な問題として、測定器の開発ということについての御意見でございます。十分ひとつ御趣旨のように関係各省とも協議の上取り進めてまいりたいと思います。
#31
○久保等君 ところで、公害防止の技術に関係した研究開発予算についてお尋ねをしてみたいと思うのですが、昭和四十二年度では、この白書等を拝見してみますと十一億四千万円、四十三年度が十三億八千万円というようなことになっていると思うのですが、四十四年度、それから本年度予算案では幾らになりますか、わかりますか。
#32
○政府委員(鈴木春夫君) 国におきます社会開発、技術研究開発のうち公害防止にかかわります研究開発、それに出されております研究費総額を申し上げますと、四十四年度は十億七千四百万円余りでございます。
#33
○久保等君 四十五年度はわかりませんか。
#34
○政府委員(鈴木春夫君) 四十五年度は、現在のところ、手元に資料がございませんので、必要があれば後刻提出いたしたいと思います。
#35
○委員長(宮崎正義君) 鈴木局長、必要だから聞いているので、必要ならばということはない。鈴木計画局長、いまのおっしゃったことは、必要ならじゃなくて、久保委員は必要だから数字を示してもらいたいということなんですがね。
#36
○政府委員(鈴木春夫君) たいへん申しわけございません。四十五年度の集計がございましたので申し上げます。
 四十五年度の公害関係の研究費総額は十一億九百万円余りでございます。
#37
○久保等君 この金額、まことにこれまた微々たる金額だと思うのでありますが、四十三年度から比べても四十四年度はさらに少ない金額である、三億ばかり前年度よりも少なくなっている。本年度の予算についても、これまた四十三年度に比べてもだいぶ金額的に少なくなっている。こういうことでは、公害防止に関して十分な熱意と努力をしているということにはならないと思いますが、長官いかがでありますか。いまの金額自体を。
#38
○国務大臣(西田信一君) 確かに、御指摘のとおりでございまして、さらに充実をはからなければならないという点につきましては私も痛感をいたしておりますが、ただ、ただいま申し上げておりますのは、公害に関します直接の技術研究費でございまして、国の予算全体といたしますと、公害対策予算はかなり計上されておりまして、四十五年度は百九十八億、昨年よりも三十四億ほど増加をしているわけでございます。また、少し幅を広げまして、公害関連事業、これは下水道なんかも含めるわけでありますが、そうなりますと五百六億円で、昨年より百十四億くらいふえているかと思います。それからまた、財投関係等においても公害防止事業団あるいは開銀、中小公庫等の融資が三百十六億くらい計上されておりまして、これは前年度よりも大幅に百二十億くらいふえているかと思います。そのほかに、重油の脱硫を助長するための原油関税の軽減なんということも、これは別途、税制の問題でございますが、はかっておりまして、実質的にはその面で三十九億くらいの助成になっているわけでございますが、決して、いま御指摘のとおり、公害に対して十分であるということは言い切れないと存じます。将来、私どもまあ白書でもそのことをかなり指摘したつもりでございまして、公害、あるいは広義に申しますと、いろんなものが公害の中には含まれますが、あるいは交通災害なんということもその中に含まれると思いますけれども、こういったことを含めまして、公害の対策予算というものにつきましては、ひとつ積極的な取り組みをしてまいりたいと、かように考えております。
#39
○久保等君 まあ、長官ね。公害対策は、これはもちろん科学技術庁の所管というよりも、建設省なり厚生省なり、こういった方面で本格的に取り組まなければならぬし、それはたいへんな予算が当然必要だと思う。私は、特に科学技術庁に対する注文としてお尋ねしているのは、やはりそういった公害関係の技術開発の問題です。これが直接あなたのほうの所官でもあるし、したがって、それに対する予算問題を実はお尋ねしているわけですからね。まあ一般的な問題は別として、少なくとも、先ほどちょっと具体的な問題を申し上げましたけれども、やはりそういった公害防止のために技術的な立場からどうすればいいかという問題になってくると、これは直接科学技術庁がやはり本格的に取り組まなければならない問題ですし、いま申し上げたように、予算面で見ると総額十億円前後のわずかな予算に過ぎない。その予算すらが、ここ数年の経過を見ると、実は金額的に少なくなってくるという傾向は、これは何としてでも、もう少し積極的に取り組んでもらわなければならぬ問題だと私は思う。そういう立場でお尋ねをしておりますし、同時に、科学技術庁のほうで今後がんばっていただきたいということでお願いしているわけですから、長官、ひとつそういう意味で御理解を願って、一そうの御努力をぜひ願いたいと思うのですがね。
#40
○国務大臣(西田信一君) 久保先生のお気持ちはよく理解しているつもりでございます。公害対策については、これは政府全体が真剣に取り組んでまいらなければなりませんし、そのための長期計画というようなものも国の重点的な施策として織り込んでいかなければならぬと存じますが、その公害防止の対策として、まず、御指摘のように、一番大事なことは公害防止技術の開発ということになろうと存じます。こういう意味でも、これもまたそれぞれの各省が技術開発を進めておるところでありましょうけれども、科学技術庁といたしましては、技術をあずかる立場から、これらをおのおの評価をいたしまして、そうしてこれが効率よく推進されるような、そういう技術開発をやっていかなければなりませんし、それにふさわしい予算の増加も極力はかっていきたい。こういうつもりでございます。
#41
○久保等君 まあ、それから先ほどお尋ねをいたしましたこの研究開発の予算、これをまた後ほど別途研究項目の中身について、四十四年度、それから四十五年度について科目ごとに金額がどうなるとか、こういったことをひとつ資料でお出し願いたいと思うんですが、これも、四十三年度の技術白書の中には、そういったことについての分析といいますか、数字も載っておるのですが、先ほど申し上げたように、やはり四十四年度にはそういった点が見当たりませんので、いま申し上げたところを、中身について項目ごとにひとつ金額をお示し願って資料として別途出していただきたいと思うんです。それじゃ、その点はよろしゅうございますか。
#42
○政府委員(鈴木春夫君) さっそく取りそろえて提出したいと思います。
#43
○久保等君 私は、次に、海洋開発の問題について若干お尋ねをいたしたいと思うのです。
 今日、科学技術庁として、原子力開発なりあるいは宇宙開発、こういった方面にいろいろ御努力を願って、着々と具体的なプランを立て、実行に移されておりますし、ある程度成果をあげつつあると思うのですが、一面、非常に大きな一つの柱であります海洋開発の問題、これは三本の開発関係の柱の一本だと思うのですが、この方面がだいぶ、まだまだ緒につくには時間的にも間があるのではないかという感じがするのですが、政府ですでに昭和三十六年に総理大臣の諮問機関として海洋科学技術審議会というものをつくられているようですが、その後、昭和四十二年には答申等を出されるといったようなこともあったようであります。しかし、昭和三十六年にこの審議会が発足をして、一体今日までどういう経緯をたどってきておるのか、その審議会の構成メンバー、それから発足後主としてどういったことをやってこられたのか、まず、そのことからお聞きをしたいと思います。
#44
○政府委員(石川晃夫君) 海洋科学技術審議会についてお答えいたします。
 海洋科学技術審議会は、これは昭和三十六年に総理府の中に設けられた機関でございまして、これは内閣総理大臣の諮問に応じまして、海洋に関する科学技術に関する重要事項を調査審議するということを所掌業務といたしております。それには、委員と専門委員というのがございまして、員といたしましては、これは現在でございますが、現在は、会長は東海大学の教授であります速水頌一郎教授が会長をやっておいでになります。委員の名前をあげますと、香川大学教授の大島教授、東京水産大学の佐々木教授、それから東京大学の西脇教授、同じく東京大学の藤井教授、東洋大学の本間教授、それから東京大学の吉沢教授、それから日本造船研究協会の佐藤会長、株式会社日立製作所の杉本技術管理部長、日本水産株式会社の中井社長、東京芝浦電気株式会社の原田専務、日本海洋掘削株式会社の松沢専務、石油開発公団の山内理事、山下新日本汽船株式会社の山下社長、それに、関係省庁から、科学技術庁事務次官、農林事務次官、防衛事務次官、通産事務次官、文部事務次官、運輸事務次官、このメンバーから委員が構成されております。なお、そのほか、専門委員といたしましては、学識経験者の中から専門委員が任命されておりまして、これは、その内容によりまして、それぞれその得意の部門において参加することになっております。なお、この海洋科学技術審議会の幹事といたしましては、関係省庁からそれぞれ担当参事官あるいは担当課長というものが幹事会を構成いたしております。これに関係しております官庁といたしましては、総理大臣官房、防衛庁防衛局、文部省大学学術局、厚生省大臣官房、それから水産庁、工業技術院、工業技術院地質調査所、運輸省大臣官房、海上保安庁水路部、気象庁海洋気象部、建設大臣官房、科学技術庁資源調査所、科学技術庁研究調整局、こういうようなメンバーで幹事会をつくっております。
 この海洋科学技術審議会におきましては、現在までに諮問が三つ総理大臣から出ております。この三つの諮問につきましては、すでに諮問の審査を終わりまして、それぞれ答申が出されているわけでございます。そのほかに建議が二つ行なわれております。現在の海洋開発におきましては、この第三号諮問に対する答申が現在わが国の海洋開発計画というものの大もとをなして進められているわけでございます。
 第一号の諮問は、これは昭和三十六年の七月に出たものでございまして、「海洋科学技術推進の基本方策について」というのが三十六年に諮問されたわけでございます。この第一号諮問に対しましては、第一次、第二次、第三次と三回に分かれて答申がなされております。
 それから諮問第二号は、「海洋科学技術を推進するための緊急に行うべき重要な研究及び調査について」というのが、やはり三十六年の七月、同じ時期に一号、二号が出されたわけでございます。これにつきましても、答申が得られております。そのほかに「海洋科学技術に関する昭和四十年度重要施策についての意見」、これが昭和三十九年の十二月に建議されております。これは諮問に応じてではございません。
 その次に、諮問第三号が出たのが昭和四十三年の十月でございます。これには「海洋開発のための科学技術に関する開発計画について」ということで開発計画の諮問があったわけでございます。その諮問が出ました直後に、「海洋開発のための科学技術に関して、当面国として早急に促進すべき重要施策についての意見」というのが四十三年の十一月に建議として出されております。ただいま申し上げました諮問第三号に対する答申は、昨年の、四十四年の七月の四日に総理大臣に対して答申がなされたわけでございます。その答申に基づきまして、現在この答申を尊重いたしまして、関係各省庁間に官房長をメンバーとしまして連絡会議をつくりまして、ここにおいて、この答申されました開発計画をどのように具体的に進めていくかということに対する実行計画案がつくられまして、現在実行計画を進めるべく各省庁において努力中でございます。
#45
○久保等君 非常にメンバーは大ぜいの人で構成されているようですし、さらに中には部会みたいなものを設けておられるような感じもするんですが、部会は、どういった部会が幾つぐらいあるんですか、小委員会というか。
#46
○政府委員(石川晃夫君) 部会は四つ設けてございます。部会長にはこの委員の方がなっていただいておるわけでございますが、内容といたしましては、まず、海洋環境を調査するような部会、それから、海洋開発におきます重要な問題でございます、いわゆる石油あるいは天然ガスを掘削するような部会、それから水産の部会、それから機器の部会、この四つの部会をつくっております。部会の正式の名前は、調べて後ほど申し上げます。
#47
○久保等君 いまの御説明で、ほぼ事情がわかりましたが、この審議会も、すでに設置をせられてから相当な年数がたっているのですが、昨年七月に「海洋開発のための科学技術に関する開発計画」というものが出されて、それを契機にいろいろ計画が進められているようでありますが、この審議会そのものも、どういう性格のものですか。もちろん法律によって設けられたものではない。したがって、この委員の方々も常勤の方はもちろんおられないだろうと思うのですが、そういった審議会の性格、それから審議会の運用といった面から見ても、必ずしも十全だというふうにも感じられないのですが、性格はどういう性格――要するに、法律に基づくものではないと思うのですが、その点いかがですか。
#48
○政府委員(石川晃夫君) 御答弁いたします前に、先ほど申しおくれました足りなかった点について補足させていただきます。
 名前としましては、第一部会、第二部会、第三部会、第四部会となっておりますが、第一部会は通称鉱物資源部会と称しております。第二部会は生物資源部会、第三部会は海洋環境部会、第四部会を共通技術施設部会、このように称してきております。
 次に、この審議会でございますが、この審議会は実は総理府設置法の中に載せられているわけでございます。その運用につきましては、海洋科学技術審議会令という政令によって運用されております。これは、ただいま申し上げました委員の方、いわゆる学界、業界、官界、この三つの方面からの学識経験者を集めまして構成しているわけでございますが、ただいま申しましたように、この四つの部会においてそれぞれ専門委員を置きまして運営をやっております。この海洋科学技術審議会は、おおむね総会は年に二回ほど開かれるわけでございますが、そのほか、その諮問の内容に応じましてひんぱんに部会を開催したわけでございます。現在は、この三号答申が出ましたあとは、部会はまだ開いておりませんが、いずれこの予算がきまりまして実行計画を運用する段階になりました際には、この部会を開いてそれぞれのところでまた内容を検討していただくということになっております。
#49
○久保等君 海洋開発問題を非常に重視してまいらなければならぬという立場で、最近、海洋開発官といったものを置こうという計画があるようですが、これはどういった程度の人員の配置を考えておられるのか。その設置の事情について御説明願いたいと思うのですが。
#50
○政府委員(石川晃夫君) 先般来、海洋開発が非常に重要な問題として取り上げられるようになりまして、昨年、研究調整局の中の総合研究課の中で従来海洋開発を取り扱っておりました部門を海洋開発室というかっこうで進めたわけでございます。ところが、これでもやはり十分ではございませんので、このたび予算要求をいたしまして、海洋開発官というものを新設していただくようにお願いいたしたわけでございます。現在の計画でいきますと、予算をお認め願いますと、この七月一日から発足させたいというふうに考えております。海洋開発官はおおむね課長待遇でございますので、当然、課長の仕事をすることになるかと思います。大体、計画といたしましては、それに補佐、あるいは専門官を三名ほどつけまして、その下に係を三つほどつくりたいというふうに存じております。総人数といたしましては、海洋開発官を含めまして大体九名でこの海洋開発の仕事をやっていきたいと思っております。――失礼いたしました。五月一日発足をめどといたしております。
 この九名の仕事と申しますのは、庶務関係の仕事もございますが、そのほか、ただいま申し上げました審議会の事務局的な仕事もございますし、また、各関係省庁間相互の計画の調整、そのような仕事もございます。また、科学技術庁独自といたしましては、現在海中作業基地を建造中でございますし、また、四十五年度の予算要求といたしましては、シミュレーター、海中環境をそのまま再現いたしますシミュレーターも要求いたしております。このようなものを扱う係も必要かと存じております。なお、この計画につきましては、これ以外に、四十三年度につくりました潜水調査船の「しんかい」というのがございます。これは現在海上保安庁で運営することになっておりますが、これを運営するにあたりましては、関係各省庁の連絡会議においてこの運営方針を決定するということになっておりますので、当然ここでその運営会議の事務も行なうことになるかと存じます。
#51
○久保等君 いま海洋開発官を置くことに関連しての組織的な御説明を聞いて、まあ現状の事情はわかりました。しかし、海洋開発の問題と取り組むにあたっては、きわめてまた広範、各省にわたる事業だと私は思うのですがね。そういう点を考えると、もちろん、人ばかりを初めから集めてもしかたがないと思うのですけれども、もう少し強力な機構なり組織を今後考えていかなければ、とても処理し切れないのじゃないかと思うのです。一応五つのプロジェクトを持って、それぞれ手順を進めてまいることになっておるようですが、そういったことについてもこれからお尋ねしたいと思うのですけれども、従来、この海洋関係と言えば、交通関係は運輸省、したがって船舶関係は運輸省ということになっておると思いますし、資源関係、特に漁業問題になれば農林省関係といったようなことになっておると思うのですが、全く新しい角度というか、新しい分野の開発であるだけに、これはなかなか容易でない大事業だと私は思うのです。それには、各省がそれぞれ従来の所管という範囲内で扱うのにはあまりにも広範多岐にわたる部門だと思いますし、しかも、それには非常にまた高度な技術をまず開発して調査に当たらなければならぬといったような問題が、前段の問題として、開発の以前にある大きな問題だと思うのです。そういったことで、具体的な計画は、いま言われる潜水シミュレーターといったようなもの、あるいは海中基地の問題だとかいうようなことがあると思うのですが、いろいろな設備なり道具なり、そういったものをまず開発してまいらなければ海洋開発の問題には取り組めないという事情にあろうと思うのですが、それにしても、海洋開発を担当するのに課長あたりを一人責任者に置いてというのでは、まあ発足早々であればこれもやむを得ないことだと思うのですけれども、もう少し、三年計画、四年計画、五年計画という計画を持ちながら機構組織の問題等も考えていく必要があるのじゃないかと私は思うのです。そういった今後の大まかな構想といったようなものでもあるのか、ないのか。さしあたってこれでやってみようという程度のことなのか。今後五年ですか、昭和四十四年度から始めて昭和五十年度までの間に一応五つの問題について、日本周辺の大陸だな海底の総合的基礎調査だとか、海洋環境の調査研究及び海洋情報の管理、三つ目に資源培養型漁業開発のための研究であるとか、四つ目に大深度遠隔操作掘削装置の技術開発であるとか、五つ目に海洋開発に必要な先行的・共通的技術の研究開発といったような問題を取り上げて、これから着々と具体的に取りかかっていこうという計画もあるようですが、そういった六カ年計画になりますと、もう今年度から数えれば五カ年計画ということになりますか、こういったこととの関連で、やはり私は機構組織の問題等についても考えていかなければならない問題があるのじゃないかと思うのですが、中身のほうがあとになって、組織機構のほうが先になった質問なんですけれども、どういうことを考えておられますか。
#52
○国務大臣(西田信一君) 海洋国日本といたしまして、海洋開発の面がきわめて大事であるにかかわらず、まあ三大プロジェクト、原子力、宇宙などに比べましても、たいへん立ちおくれを見ていることは御指摘のとおりでございます。そこで、実行計画というものは、とりあえずここ五年間くらいの一つの見通しを持っておるわけでありますが、いま仰せになりましたように、ようやく海洋開発官というものが新設されたという段階でございまして、これは一つの課に匹敵するものでございますけれども、とうていこの程度のことでは十分ではないということは御承知のとおりでございます。ただ、実は、率直に申し上げますが、宇宙開発局というものはぜひ設けたいということで、実は具体的に持ち出したのでありますけれども、いろいろな行政組織の抑制というようなことで、これも実現を見なかったわけでありますが、これは決して海洋開発のほうを後順位に考えてよろしいというものではないと考えられますので、ひとつこれから、これらの問題につきましても、真剣な検討を加えまして、そうして十分わが国の海洋開発を推進するに足る機構の整備ということにつきましても真剣にひとつ取り組んでみたい、こう考えております。
#53
○久保等君 今日までの具体的な問題、したがって各省で、他の省でやっているような問題について若干お尋ねしてみたいと思うのでありますが、たとえば、運輸省で現在建造を進めておる大型観測船、これは大型観測船といいますが、どういった船なのか、わかれば概略、できるだけ簡潔でけっこうですが、御説明を願いたいと思うのです。
#54
○政府委員(石川晃夫君) 運輸省で考えておりますのは大型測量船でございますが、これの詳細につきましては、私どもまだ手元に資料を持っていないわけでございますが、現在までに聞いたところによりますと、従来、海底の地形、あるいは海底の磁力でございますか、こういうようないろいろな測量をやるには三百トン程度の船しかなかった。そのために、日本全国の測量をやるには約二十年かかるということで、ひとつ大型測量船を持ちまして、そうしていかなる天候の際にも測量ができるようにという構想のもとに、これが出てきたわけでございます。大きさといたしましては、おおむね千八百トン程度というように聞いております。これによりまして、現在の程度でございますと約二十年かかる日本周辺のいろいろな地質図、あるいはそういうような地勢図、地形図が、こういうようなものができ上がりますと、大体五、六年で調査を完了できるというような見通しを持ってこの船を要求したわけでございます。
#55
○久保等君 その観測船にしろ、あるいはいまの場合は測量船ですが、いまお尋ねしますと、海底の地形の調査だとか、あるいは磁力調査、こういったようなことの測量船として建造を進めておるというようなお話なんですが、こういったような問題になると、われわれあまり深く研究をしたわけではありませんが、やはり、科学技術庁あたりで船をつくられて、こういったことを直接やられる必要があるのではないかという気がするんですが……。たとえば、気象観測だとかいうことになれば、これは従来から運輸省でやっておるし、当然また今後も続けていくべき問題かもしれませんが、いわば海洋発開の基礎的な調査とも言うべき海底の地形、あるいは地質、あるいは潮汐調査、その他いろいろ基本的な調査等の問題になると、基礎的な調査になると、科学技術庁の所管になる問題ではないかと私は思うのですが、こういった問題をあげれば幾つかその他にもあると思うのですけれども、こういった問題そのものも、従来からの経緯と歴史的な経過がありますから、当然よく協議をした上で科学技術庁に統轄すべきものは統轄をするというふうにして、将来どんどん整理をし、あるいは統合していくという必要があるだろうと思うのです。こういったような問題も、したがってなかなか役所間の話も、単に研究調整局というものはあるけれども、そういういわば行政万般にわたっての整理を行なうということになると、これはなかなか実際問題としてはむずかしい問題だと思うのです。そこで、こういったことについても、しかるべき審議会でもって研究をしてもらうというふうにしないと、ただ単に、各省がそれぞれやっているものを科学技術庁が計画を机上でまとめて知っておるという程度では、なかなかこれは強力に、海洋開発なんか、私は今後進めることはむずかしいと思うのですね。まだきわめて初歩的な段階だと思いますから、ある程度、いままでの経過はやむを得ないとして、やはり今後の推進にあたっては、よほど強力に計画を立て、また強力に統一的なところで進めていく、また音頭をとっていくというふうにしなければならぬと思うのですね。
 そこで、具体的に、お尋ねしたような一つの問題を例にとって考えてみても、これはただ単に運輸省の所管という形で、まあ片手間に――運輸省の立場から言えば、まあ片手間にやられるような仕事だろうと私は思うのです。が、しかし、そういうことではなくして、この五つのプロジェクトそのものを強力に推進する立場で、さしあたって船がなければ、これは調べるといったって調べようがないわけでありますから、そういう計画についてぜひ年次計画でも立てられて今後計画を進めていかないと、いまお伺いする限り、あるいはまた手元にいただいております薄っぺらなプリントがありますけれども、これを拝見する限りでは、どうも強力に今後の海洋開発が能率的に推進されていくとは考えられないのですが、その機構なり組織の問題――単に科学技術庁の中での組織をつくるとか、いじるとかいう問題じゃなくて、各省庁にまたがる問題をも含めての組織改変なり、あるいはまた機構改変などの問題、あるいは機構拡充と言っていいかもしれませんが、そういう問題について、長官、どんなようにお考えになりますか。
#56
○国務大臣(西田信一君) 確かに、現在ありまする機関は、これは海洋の科学技術に関する審議会、あるいは連絡会議でございまして、ただいま久保先生の御指摘になりましたような、もっと高い次元に立っての総合調整、そうして能率のある海洋開発をやるという手段ということにつきましてのお話しであります。しかしながら、従来のいきさつ、経過というものもございまして、そう簡単にはまいらないと思いますけれども、十分そこらの問題をこれからの海洋開発の一つの課題にして、政府部内においても連絡会議もあることでありまするし、また、審議会の活用等によりましても、ひとつ十分取り組んで検討していきたいと思います。
#57
○久保等君 それから昭和四十五年度の海洋開発関係予算といいますと、五億七千五百万円になりますか、金額が計上せられておるようですが、この中で、日本海に関する総合研究を見てみましても、わずかに一億円といったような予算が考えられておるようですが、これも金額的にきわめて微微たるものだと思います。最近、新聞をちょっと見ておりましても、何か、東海大学でもって海洋科学博物館といったようなものをつくられたという話ですが、約十億円ばかりの資金を使って大学でそういったものをつくられたのですが、たとえば、ああいった方面には科学技術庁あたりから、補助金といいますか、交付金というか、そういったものがああいったものには配算になっておるのですか、おらないのですか。
#58
○政府委員(石川晃夫君) 現時点におきましては、そのような種類の博物館なり、あるいは民間の施設に対しては、まだ科学技術庁のほうからは出しておりません。
#59
○久保等君 そうすると、一つの私立大学で十億円ばかりかけてそういった博物館等をつくったりなどして、海洋開発の今後の一つの啓蒙といいますか、一般の知識普及の計画が進んでおるようですが、そういった点から見ましても、海洋開発について科学技術庁はわずかに五億円余りといったようなことで、まことにお話にならない金額だと私は思うのですけれども、これも、もう少し計画規模というものを強力に大きくして――私は、具体的に何をどうこうとまでは、時間もありませんから申し上げませんけれども、この計画そのものも、これをただ引き伸ばしていくと、さらに二年、三年と重ねていくことによって海洋・開発も徐々に進展をしていくという程度の取り組み方では、これまた今日の世界的な情勢からいっても、なかなか時流に即して進んでいくことはできないのじゃないかと思うのですけれども、こういった予算面から見た程度の計画では、これまたはなはだどうも寒心にたえないのですが、この海洋開発について、もう少し何か、しっかりした計画をおつくりになることを具体的に検討される御意思があるのかないのか、承っておきたいと思うのです。
#60
○国務大臣(西田信一君) 科学技術庁の局室の予算ははなはだ貧弱でございます。きょう参りましたフランスの話を聞きますと、機構もなかなかしっかりしておりまして、国立の海洋開発センターとして、そしてその予算が、日本貨に直しますと三十七億という話を、きょう午前中聞いたのでありますが、そういう点と比較しますと、フランスは非常に海洋開発に熱心でございますし、非常に先進国でございます。われわれも非常に学ぶところがあると実は感じたのでございます。われわれといたしましても、いま御指摘のような方向で今後積極的な努力をいたしたいと存じます。ただ、海洋開発はいろいろ多角的にやっていかなきゃならぬのでございまするが、現状におきましては、水産資源あるいは鉱物資源、こういった開発等が、大体現状におきましては主でございまして、したがって、関係各省も、そういったところへ一番の力を入れておるわけでありますが、しかし、最近また民間の海洋開発の熱意というものが、非常にこう、盛り上がってきておるように思います。いわば、国も民間も、あげて総力を結集して推進をはかっていかなければならない国家的事業であるということが言えるかと思うわけでございます。その意味におきまして、海洋開発の基礎になる科学技術、こういう点につきましては、いささかもの足りなさを感ずるわけでございまして、私どもといたしましても、いままでのおくれをなるべく早く取り戻すというような意味におきましても、ひとつ積極的な姿勢で取り組んでまいりたい。来年度予算等におきましても、そういう気持ちで取り組んでまいりたいと思っております。
#61
○久保等君 ずいぶん未知の世界のことを調査したり、あるいはまた、高度の技術をもってそういった真相の究明をしなければならぬ世界だと思うのですが、先ほどお話があった海洋科学技術審議会、こういったようなものを十分に活用するというか、専門的な知能をぜひ駆使して、私は、いろいろな具体的な問題を諮問すればいいと思うのですね。まあ、はたして先ほどのメンバーの方々がどういった見識と経験を持っておられるのか、私、もちろん、いま名前をお伺いしただけでは、ちょっと判断しかねるのですが、このつくられた経緯をながめて見ますると、昭和三十六年に発足して、その間、先ほどお話があったように、二回ばかり建議がなされたり、あるいはまた諮問も三回にわたってなされておるのですけれども、約十年間に、いま言った四、五回くらいの建議や諮問しか行なわれなかったというのは、どちらに原因があるのか知りませんけれども、あまり真剣にこの審議会が取り組んで活躍をしてきたとは、残念ながら、どうも申し上げられないのじゃないかと思うのです。したがって、審議会そのものの構成なり、運用に問題があるとすれば、そういったことも、これまた再検討しなければならぬと思うのですけれども、いずれにしても、日本の国内における学者、学識経験者、しかも最高水準の方々の御協力をぜひ願って、審議会そのものも精力的にいろいろ建議もしてもらうし、また諮問もし、答申もしてもらうというふうなこともしながらやっていかなければ、もちろん、科学技術庁の担当部局で考えてやっていけるといったような、そんな簡単な問題じゃないと思うのです。したがって、そういった点からも、この審議会の問題についても、十分にそういう配慮をひとつ願いたいと思うのです。私自体が具体的にこの審議会そのものをどうこう言う知識も実は持っておりませんししますが、ただ、従来の実績だけを見てみると、表面的に見ると、十二分にこの審議会が活用せられたとは、ちょっと考えられないわけです。また、さらには、海洋科学技術開発推進連絡会議といったようなものができて、各省の官房長の皆さんで構成されておるようですが、これは、いわば、集まって協議をし、連絡をし合う組織だと思うのですけれども、これもなかなかむずかしいところだと思うのですけれども、先ほど申しましたような組織的な問題、あるいは機構的な問題、こういったことについても、さらに寄り合い世帯で話し合うというだけじゃなくて、一元化できるものは一元化していくということに、さらに百尺竿頭一歩二歩進めて考えていく必要があるのじゃないかと思います。
 そういったようなことで、とにかく、ここ一、二年に基礎的な体制をつくり上げていくということの必要が、いまの段階では、まだ痛感されるのじゃないかと思うのです。したがって、具体的な成果をあげるとかなんとかいうよりも、そういう体制づくりなり、前段的な準備をする。それも、できれば、何か短期の二、三カ年計画でも立ててやってまいる。どういったことを重点的に取り組んでいくかも、これも総花的なような面もないではないのですが、やろうと思えば、無限にビジョンを描けばあるだろうと思うのですが、海の上に都市をつくるというようなことも夢物語り的な話だけれども、とにかく考えられておられないわけでもないようですが、そういった問題はずっとずっと先のこととして、もう少し、だから基礎的な調査をやる、そのために船をつくる、あるいはまたいろいろ設備をつくる、器具等を開発しなければならぬという問題が、特に科学技術庁としての私は当面の重大な目標でなければならぬと思うのですね。だから、そういったことを、少し具体的な計画を立てられて、おやりになる必要があるのじゃないかと思うのですね。三カ年計画か五カ年計画か、そういった計画をお立てになって、海洋開発の問題にひとつ真剣に今後取り組んでもらいたいという要望を強く申し上げて、海洋開発関係の問題についての質問は、私はきょうはこの程度にいたします。
 それで、最後に、新聞でちょっと見たのですが、例の濃縮ウランの研究開発の問題について何か画期的な発明がされたように新聞で報道せられておるのですが、そのことについて簡単にちょっとお尋ねしたいと思うのです。
 私も全くのしろうとで、何もわかりませんけれども、例の濃縮ウランをつくるのにあたって、イオン交換樹脂でつくる方法が今度新しく東京工業大学の垣花博士によって開発せられたということが新聞に報道せられておるのですが、従来、濃縮ウランについては、遠心分離法であるとかガス拡散法であるとかいったことがいろいろ研究が進められて、しかも、そのいずれが将来経済的に見ていいのかといったようなことで研究がずっと続けられておると思うのですけれども、最近、いま申し上げたような垣花博士の開発せられた技術を考えてみますると、これが一体従来との考え方にどういう影響があるのか、また、この研究そのものが専門的な立場から見るとどの程度の評価ができるものなのか、簡単にひとつ御説明を願いたい。
#62
○政府委員(梅澤邦臣君) 濃縮ウランにつきましては、いま先生おっしゃいました遠心分離法とガス拡散法、それから化学的分離法、あるいはノズル法とか、いろいろな方法が考えられております。その中で経済的にいく方法としてヨーロッパあたりで考えているのが遠心分離法でございます。ガス拡散法につきましては、軍事用といいますか、やりやすさということで、ある程度値段が高くても、アメリカが使ってつくっておりまして、それを日本も供給を受けておるわけでございまして、その間に、化学的分離法についての研究も逐次やられておるところでございます。われわれのほうも、化学的分離法の研究を、原研で四十二年までにある程度やっております。その中の一環といたしまして、いまのイオン交換樹脂が、化学結合いたしますときに、ウランの二三五と二三八が重さがちょっと違います、結合する度合いが違いますので、その差を利用いたしまして何とか分離できないかということを垣花先生はおやりになったわけでございます。それで、その分離がある程度できるのじゃないかという見きわめのところが出てまいりまして、この間のお話のようなことになった。しかし、いまの遠心分離法であるとか、そっちのほうの過程と比べてみますと、まだ基礎の基礎の基礎の段階でございまして、これは、もうしばらく注目させていただいて進んでいきたいと、そういう現状でございます。
#63
○久保等君 全くの今後の推測になるわけですから、はっきりしたお答えはいただけないと思うのですけれども、期間的には、どの程度将来時間をかければ、ある程度の見通しというものがつくとお考えになりますか。
#64
○政府委員(梅澤邦臣君) 私の非常に個人的な御説明で申しわけございませんが、非常にこの問題は、私もしろうとでございますが、考えましたときに、量産化するときにどうするかということが一番問題点じゃないかと思います。したがいまして、これをほんとうに企業として生産工程として持っていくために、ウランを濃縮する場合に相当量産しなければなりません。そういう場合に、科学的にはでき上がりましても、量産するときの非常にむずかしい問題点の究明に、まだおそらく時間がかかるのではないかと思います。
#65
○久保等君 私の質問は以上で終わります。
#66
○委員長(宮崎正義君) ほかに御発言もなければ、本件に関する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#67
○委員長(宮崎正義君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 宇宙開発委員会設置法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(宮崎正義君) 異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(宮崎正義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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