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1970/04/15 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
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1970/04/15 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号

#1
第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
昭和四十五年四月十五日(水曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮崎 正義君
    理 事
                平泉  渉君
                久保  等君
                矢追 秀彦君
    委 員
                岩動 道行君
                木内 四郎君
                源田  実君
                船田  譲君
                矢野  登君
                横山 フク君
                藤田  進君
   国務大臣
       国 務 大 臣  西田 信一君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        藤本 孝雄君
       科学技術庁長官
       官房長      矢島 嗣郎君
       科学技術庁研究
       調整局長     石川 晃夫君
   参考人
       宇宙開発事業団
       理事長      島  秀雄君
       宇宙開発委員会
       委員       吉識 雅夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宇宙開発委員会設置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮崎正義君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。宇宙開発委員会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
 久保君。
#3
○久保等君 宇宙開発委員会設置法の一部改正法案が当委員会にかかっておりますが、この法案に関連しまして、若干、宇宙開発関係についてお尋ねをいたしたいと思います。
 先般、当委員会で、科学技術庁の海洋開発関係の問題につきまして私お尋ねをいたしましたが、科学技術庁といたしましての一つの大きな、宇宙開発という問題、技術庁としても非常に御努力になって、一昨年は宇宙開発委員会というものが、設置法の制定によりまして発足をし、さらに昨年は宇宙開発事業団が発足をするといったようなことで、きわめて活発な体制整備を進めつつあるわけでありますが、しかし、まだ発足間もないことでございまして、日本の宇宙開発の体制というものは、まだまだこれからだと思います。そこで、ただいま参議院で昭和四十五年度の予算案が審議をせられて、最終段階を迎えております。
 最初に、わが国における宇宙開発体制の現状について、簡単でけっこうでございますが、大臣のほうから概括的な御説明を願いたいと思います。
#4
○国務大臣(西田信一君) 宇宙開発の機構、組織、その他概要についてお尋ねでございますが、局長から答えさせます。
#5
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。
 わが国におきます宇宙開発につきまして、どのような構想、機構、組織で進めていくべきかという問題につきまして、私たちは、大体四つの考え方があると思います。
 第一には、その企画、調整面を担当する部門、それから第二に、行政面を担当する部門、それから第三に、その実施機関と申しますか、開発を担当する部門、さらに、それをバックアップいたします研究部門、大体この四つの組織、機構が必要ではなかろうかと思っております。
 まず第一の企画調整面という点につきましては、中枢機関としまして四十三年の五月でございますが、宇宙開発委員会ができたわけでございます。また、宇宙開発委員会は、日本の宇宙開発というものを一元的に進めていくという体制をつくろうということでつくられたわけでございますが、この開発委員会の委員長は科学技術庁の長官が兼務することになっております。その下に、委員といたしまして、学識経験者四名から構成されている現在非常勤の委員がございます。この委員会におきましてのおもな仕事といたしまして、宇宙開発計画を策定すること、それから予算の見積もり等の重要事項につきまして、企画、審議、決定ということを行なうことになっております。で、この委員会において決定された内容につきましては、内閣総理大臣に意見を述べるわけでございます。内閣総理大臣もその意見を尊重するという義務を課せられているわけでございます。
 また、この委員会の事務局といたしましては、現在、科学技術庁の研究調整局が行なっているわけでございますが、また一方、この研究調整局は、宇宙開発の委員会がきめられました基本方針に基づきましてこの行政事務を担当するという機関になっております。この宇宙開発に関しましては、宇宙開発参事官一名と、それから課が二つございます。これによりまして、関係各省、関係行政機関との連絡、調整を行ないまして、そしてこの宇宙開発の行政に当たっているという現状でございます。
 さらに、宇宙開発の実施機関といたしましては、昨年の十月に宇宙開発事業団ができたわけでございます。これは開発の中核的な実施機関ということでございまして、主として実用分野におきます人工衛星、さらにその人工衛星を打ち上げるためのロケット、この開発を進めております。そのほか、科学衛星及び科学衛星を打ち上げるためのロケットというものにつきましては、現在、東京大学の宇宙航空研究所がこの実施機関としてございます。
 次に、研究でございますが、研究を担当する機関としましては、対象といたしまして、通信衛星、気象衛星、航行衛星、さらに測地衛星というものの研究が行なわれているわけでございますが、通信衛星につきましては郵政省の電波研究所で行なっております。また、気象衛星は運輸省の中の気象庁の気象研究所で行なっておりますし、航行衛星につきましては、運輸省の電子航法研究所、さらに海上保安庁の水路部が行なっておりまして、また、測地衛星につきましては、海上保安庁の水路部と建設省の国土地理院というところでこの研究を行なっております。そのほか、宇宙開発に関する先行的な研究、さらにまた関連の実験、試験研究というものにつきましては、科学技術庁の航空宇宙技術研究所、さらに通商産業省の工業技術院の各試験所がこれに当たっておるわけでございます。
 これらの各機関の中で、宇宙開発委員会につきましては、今後の宇宙開発の本格化に伴いまして委員会の役割りは一そう重要なものとなると考えております。
 以上でございます。
#6
○久保等君 いま御説明の研究部門、各関係の省の研究所においても研究しておられるわけですが、通産省ではどういうことをやっておりますか。いまちょっと局長の御説明の中にはなかったようでありますが、工業技術院でこの宇宙開発関係の研究について、どういうことをやっておられますか、わかりましたら、ひとつ御説明願いたいと思うのですが。
#7
○政府委員(石川晃夫君) その前に、先ほどの答弁、ちょっと訂正したいと思いますが、航行衛星は海上保安庁の水路部は関係しておりません。海上保安庁の水路部は測地衛星でございます。失礼いたしました。
 次に、通産省でございますが、通産省の工業技術院で行なっております研究は、一応宇宙開発の関連技術に関する研究ということでございますが、機械試験所におきまして、宇宙開発関連機械技術に関する研究というのを行なっております。また、電気試験所におきましては、宇宙電子技術に関する研究、それから大阪工業技術試験所におきましては、人工衛星軌道解析用スーパーシュミットカメラの試作研究、大体おもな項目はこの三つでございます。
#8
○久保等君 ところで、予算の問題ですが、本年度すなわち昭和四十五年度の予算のうち、宇宙開発関係の予算の額について御説明を願いたいと思うのですが、なお、できれば、前年度四十四年度の予算との対比をしながら、ひとつ御説明を願いたいと思います。また、主たる中身、内訳について、若干御説明を願いたいと思うのです。あまりこまかい点はけっこうです。
#9
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙関係の四十五年度の予算でございますが、総額は約百四十九億円ということになっております。これは前年度に比べまして一六二%の額になっております。その内訳としましては、宇宙開発委員会設置法第二条の規定に基づきまして宇宙開発委員会が経費の見積もりを行なう宇宙開発関係予算としましては、百三十一億でございます。いわゆる宇宙開発委員会の所掌に属するものというものでございますが、これは前年度に比べまして一六八%の増でございます。それから宇宙の利用等に関する予算で宇宙開発委員会が直接経費の見積もりを行なわない金額でございます。いわゆる通称宇宙開発委員会の所掌に属さないものと言っておりますが、この関係の予算経費が約十八億円でございまして、これは前年度に比べまして一二五%でございます。
 各省庁別の内訳を見てみますと、宇宙開発関係予算としまして宇宙開発委員会の所掌に属するものというのは、科学技術庁の分は約百十三億六千万円でございまして、そのほか、国庫債務といたしまして約六十七・八億円ということになっております。この百十三億六千万円の、昨年度、四十四年度の予算といたしましては五十七億一千万でございます。前年度の国庫債務は約五十億五千万円ということになっております。
 次に、文部省の四十五年度の予算といたしましては約十五億六千万でございまして、昨年は約十八億一千万でございました。なお、国庫債務につきましては、四十五年度は四億一千万でございますが、昨年度は六億円でございます。郵政省につきましては、四十五年度は四千万円でございますが、昨年度は一億一千万でございます。国庫債務につきましては、本年度は一億一千万でございまして、昨年度は四千万円でございます。運輸省につきましては、四十五年度は三千万円でございまして、昨年度は二千万円でございます。通商産業省につきましては、四十五年度が一億一千万、四十四年度が同じく一億一千万でございます。建設省は、ことしは委員会の所掌に属するものはございませんが、昨年度は三千万円でございます。
 次に、委員会の所掌に属さない宇宙関係の予算でございます。文部省といたしましては、四十五年度は約十三億円でございます。昨年度は十二億二千万円でございます。郵政省は、四十五年度は三億五千万円でございまして、昨年度は一億一千万円、国庫債務といたしましては、四十五年度が二億二千万円で、四十四年度が三億八千万円ということになっております。運輸省は、四十五年度は一億二千万円、四十四年度は一億円でございました。建設省は、四十五年度は一千万円、昨年度はゼロでございます。
 おもな内容としましては、科学技術庁関係といたしまして、宇宙開発委員会の強化ということで約二千万円の予算でございます。そのほか、航空宇宙技術研究所にロケットエンジンの高空性能試験設備、これをつくることになりまして、これは国庫債務といたしましては約十億円でございますが、四十五年度は一億円認められております。宇宙開発事業団への政府の出資金及び補助金というのがございますが、これが約百一億五千万円でございます。国庫債務といたしましては約五十八億円となっております。次に、文部省でございますが、科学衛星及びミューロケットの開発というものに対しまして十五億六千万円予算が計上されておりますが、その他、国庫債務としましては約四億円でございます。そのほか、一般ロケット観測というものに十三億円の予算が計上されております。郵政省としましては、通信衛星の研究がございますが、これが四千万円、国庫債務としては一億一千万円、それから電離層観測衛星が上がりましたときの管制施設でございますが、これの整備も行なっております。これに四十五年度は約二億三千万円の予算が計上されております。国庫債務としまして二億二千万円でございます。運輸省といたしましては、気象庁におきまして気象衛星の研究を行なっております。これが二千万円ほどでございまして、並びに航行衛星の研究も同じく二千万円ほどで研究を進めるということになっております。そのほか、気象庁におきます気象ロケットの観測業務というものに一億円の予算を計上しております。それから通産省でございますが、通産省は、先ほど申し上げましたように、宇宙開発関連技術の研究というものに約一億円を計上しております。建設省におきましては、外国の人工衛星を利用した測量業務という仕事をやっておりまして、これに約一千万円という予算を計上して実施しようということでございます。
 以上でございます。
#10
○久保等君 開発委員会の予算につきまして、事業団はもちろん昨年度、年度途中で発足をしたわけですから、年間予算ということにはなっておりませんから、きわめて金額的に少なかったと思いますが、本年度は、もちろん、まるまる一年間の予算を組んで、いま言われましたように百一億余の予算ということになっておるようでありますが、この中身の骨格をひとつ事業団についてお聞きいたしたいのと、もう一つは、科学技術庁の中にあります航空宇宙技術研究所、これが昨年に比べればだいぶ予算的には逆に少なくなっておるわけなんですが、こういった事情、というよりも中身について、研究所の予算の内訳を若干御説明願いたいと思います。
#11
○政府委員(石川晃夫君) まず、事業団の予算でございますが、事業団といたしましては、ただいま申し上げましたように、百二億近くの金額で四十五年度の事業を行なうことになっておるわけでございます。
 事業団で行ないますおもな仕事でございますが、これは、まず、ロケット開発に要する経費、それから人工衛星開発に要する経費、それからロケット実験のための打ち上げの経費並びに打ち上げるための施設の建設費、さらに衛星を追跡するための追跡経費、それから一般管理に使います運営費ということに分けられるわけでございます。
 ロケット開発につきましては、現在、この事業といたしましてはQロケットというものを鋭意開発を進めておるわけでございますが、このQロケットの詳細設計にかかるということが今年の課題になっております。さらに、ロケット各段につきまして、いろいろな試作、試験を行なうということになっております。さらに、Qロケットで一番重要な問題でございます誘導制御の技術というものの開発も行なおうということでございまして、これにも鋭意努力している次第でございます。さらに、従来から続けられております小型ロケットを用いまして、各種の実験を行なうわけでございますが、そのロケットの試作並びに打ち上げということもあるわけでございます。
 人工衛星の開発でございますが、人工衛星につきましては、電離層観測衛星、これには現在プロトタイプを製作中でございますが、引き続きプロトタイプを完成いたしまして、さらにフライトタイプにつなぐということでございます。そのほかに、Qロケットができました当初、このロケットの性能等をためすために、基礎実験衛星というものを使いたいと思っております。それの開発も行なっておりますし、また、その後、衛星の各種の実験を行なうために、この基礎実験衛星を使えるわけでございます。さらに、それの試験設備というものにつきましても鋭意整備を急いでおるわけでございます。
 次に、ロケットの打ち上げでございますが、このロケットの打ち上げにつきましては、小型ロケットを現在も上げておりますが、小型のロケットを打ち上げる実験というものを引き続き実施する計画でございます。さらに、その小型ロケットの打ち上げの施設を完備するとともに、さらにQロケットを打ち上げるための設備も逐次工事を進めていくという段階になっております。
 追跡につきましては、先般の「おおすみ」の打ち上げにおきましても、その追跡の性能を発揮されたわけでございますが、さらに、実用衛星が上がる段階におきましては、現在の設備以上の機能を持たなければ、いろいろむずかしい点も出てまいりますので、そのような設備、すなわち追跡設備といたしましては、RアンドRR方式の設備等を研究開発していきたいということも考えております。さらに、現在の追跡施設につきましてもさらに整備していく計画でございます。これにつきます予算といたしましては、――ロケット関係に、おおむね百二億の二分の一ほどの経費がかかるわけでございます。あと、衛星の開発、打ち上げ、追跡というものは、それぞれ残りの予算において実施するわけでございますが、当面、この予算の半ばはこのロケット開発に使われるということになっております。
 次に、航空宇宙技術研究所でございますが、航空宇宙技術研究所におきましては、従来から宇宙開発のために組織を強化しているわけでございますが、本年度からは、その航空宇宙技術研究所の中に約三十一名のメンバーをもちまして宇宙開発グループというものをつくったわけでございます。今後の宇宙開発の基礎的先行的な研究あるいは試験を、ここのグループにおいて実施していくということになるわけでございますが、御指摘ございました航空宇宙技術研究所の予算が昨年度に比べて減っているということでございますが、これは、昨年度まで引き続いてやっておりましたスピン燃焼装置の工事が終わりまして、そうしてその額が減ったということでございます。したがいまして、本年度からは、先ほど申し上げました高空燃焼試験装置というものが約十億円の国庫債務で行なわれるわけでございますが、当面、四十五年度におきましては、このうちの一億円でこれに着手するということでございます。したがいまして、四十六年度におきまして、この高空燃焼試験装置の工事が進みますと、また航空宇宙技術研究所のほうでも相当経費としてはふえてくるものと考えております。
#12
○久保等君 本年度の予算はいま御説明のあったようなことですが、毎年のことですけれども、予算の要求額というものは実際問題として対大蔵省との折衝過程で相当削減をされてまいるようでありますが、本年の場合も、いまお話のあった科学技術庁の宇宙関係だけの予算に限って考えてみた場合に、一体要求額とはどういうことになっておるのか、なお御説明をひとつ願いたいと思います。できれば、昨年度と比べて御説明願います。
#13
○政府委員(石川晃夫君) 科学技術庁におきます四十五年度の政府予算案でございますが、これは、宇宙関係につきましては、トータルで百十三億五千八百万円になっております。これの四十五年度の要求額は二百二十三億八千百万円でございます。昨年度の成立予算が、四十四年度の予算額が、五十七億一千百万円となっております。
#14
○久保等君 それを、委員会あるいは調整局、事業団という、各種別に分けて御説明願いたいと思います。いまのはトータルでしょうから。
#15
○政府委員(石川晃夫君) まず、四十五年度の予算におきまして、宇宙開発委員会に必要な経費といたしましては千九百七十四万四千円でございます。四十四年度は千七十四万七千円となっております。
 それから航空宇宙技術研究所の場合は、四十五年度の政府予算案が四億一千五百三十三万一千円でございます。そのほかに、国庫債務といたしまして十億でございますが、四十四年度は七億八千七百三十九万五千円となっております。
 次に、宇宙開発事業団でございますが、宇宙開発事業団の四十五年度の予算案は百一億五千四百万円でございます。
#16
○久保等君 ちょっと……。こちらの要求した要求額。
#17
○政府委員(石川晃夫君) 失礼いたしました。
 訂正いたしますが、宇宙開発委員会に必要な経費といたしまして、四十五年度の予算額が千九百七十四万四千円でございまして、要求額は三千百六十三万三千円でございます。前年度は千七十四万七千円ということになっております。
 宇宙開発事業団につきましては、四十五年度の予算額が百一億五千四百万でございまして、要求額は二百四億六千九百万でございます。前年度の予算といたしましては三十億五千九百万という数字になっております。
 航空宇宙技術研究所でございますが、航空宇宙技術研究所の宇宙科学関係でございますが、四十五年度の予算は四億一千五百三十三万一千円、要求額が十億五千四百二十八万八千円でございます。前年度の予算額は七億八千七百三十九万五千円ということになっております。
 以上でございます。
#18
○久保等君 いま三十億というような御説明があったと思うのですが、事業団の前年度の予算は四十五億四千五百万じゃないですか。もう一つ。それと、前年度の、いま言った予算が四十五億四千五百万だとすれば、それに対する要求額は幾らかですね。事業団の前年度の要求額は幾らだったのか、それをちょっと補足して説明を願いたい。
#19
○政府委員(石川晃夫君) 説明が不足いたしましたが、実は、この宇宙開発事業団は、昨年十月に発足いたしまして、先ほどの三十億と申しますのは、その事業団が発足してからの額でございます。その以前に、科学技術庁の宇宙開発推進本部におきまして、初めの六カ月間、宇宙開発を実施していたわけでございます。その分が十四億八千六百三十一万一千円という金額でございまして、両方合わせますと約四十五億になるということになっております。なお、昨年度の予算要求額がただいまちょっと手元に資料がございませんので、さっそく取り寄せたいと思っております。
#20
○久保等君 予算の要求額なり、また、それに対する予算の決定額、まあこれは一応御説明でわかりました。しかし、それにしても非常な大なたをふるった査定を食っておるわけですね。一割、二割査定になるのならばある程度わかるのですが、約半額ぐらいに削られておるということは、どうもちょっと解せないのですが、特に最近、今月の六日でしたか、宇宙開発計画について閣議で決定をせられたということ、私も新聞紙上等で拝見をしたのですが、先般の閣議で決定をせられた宇宙開発計画なるものは一体どういうものか。推測するところ、昨年の開発委員会でおきめになった宇宙開発計画というものが了承せられたということだろうと思うのですが、その中身は、ほとんど変わらなければ変わらないといった御説明でけっこうですが、簡単に御説明願いたいと思うのです。しかも、その出された計画がほんとうに決定をされたのならば、当然予算の面でもこれが了承せられなければ――金のことになると半分。抽象的な計画ならば一〇〇%認めるということならば、これはほんとうに宇宙開発計画について政府は責任を持って決定をしたということにはならないのではないかと思うのですが、まあそこらをひとつ、予算の面と、閣議決定の宇宙開発基本計画の関係を、事務当局並びに、大臣も閣議でもちろん出席をせられ、いろいろ御努力になっておると思うんで、それぞれちょっと御説明を願いたいと思うのです。
#21
○政府委員(石川晃夫君) 三月二十六日に決定せられました「宇宙開発に関する基本計画」でございますが、これは、この基本計画を出します経緯といたしましては、事業団法の二十四条にあるわけでございますが、事業団は内閣総理大臣が定める基本計画に基づいて事業計画をつくるということになっておりまして、したがいまして、この基本計画に基づいて事業団が事業を遂行するという体制が整ったわけでございます。この基本計画をつくるにあたりましては、二十四条にもございますように、宇宙開発委員会の議決を経るということになっておりまして、宇宙開発委員会におきましてはこの基本計画に対して議決を与えまして、そうして内閣総理大臣に送付したわけでございます。
 で、内閣総理大臣におきましては、この宇宙開発委員会の議決によりましてこの基本計画を策定したわけでございますが、内容を御説明申し上げますと、大体、宇宙開発委員会で昨年の十月一日に決定されました宇宙開発計画というものの方針を尊重した計画になっております。なお、この基本計画をつくる段階におきまして、構想といたしまして、宇宙開発に関する方針と、それからその方針を踏まえましての具体的な計画というものを盛り込むことになっておるわけでございますが、宇宙開発委員会におきましては、昨年十月に決定いたしました宇宙開発計画は一応昭和四十四年度決定ということになっておりまして、中にも書いてございますように、諸般の技術的な情勢、あるいは技術導入というようなものの情勢、さらに国家の財政的な見地、こういうものから毎年この計画を見直していくということになっております。したがいまして、この基本計画が三月にでき上がったわけでございますが、宇宙開発委員会では、もうすでに四十五年度の見直し計画に着手しようとしております。したがいまして、宇宙開発委員会としましては、おおむね七月ごろにはこの見直し計画というものを決定したいというスケジュールで進んでおりますので、この三月の終わりに基本計画が出まして、間もなく七月ごろにまた宇宙開発計画の四十五年度決定が出ますと、もし訂正しなければならない個所があれば、この基本計画の内容をまた訂正しなければいけないという事態になりますので、期間も非常に短期間でございますので、その四十五年度の委員会の宇宙開発計画ができ上がった時点において具体的なものを決定したいということでございまして、その旨をこの基本計画の冒頭に述べているわけでございます。読ましていただますと、「わが国の宇宙開発に関する基本計画を下記のとおり定める。なお、開発実施の基本となるべき具体的事項は、追って定めるものとする。」と書いてございます。「追って定めるもの」というのは、ただいま御説明申し上げましたような趣旨で、四十五年度の宇宙開発計画ができましたときに、その委員会の意見を尊重しながらこの具体的な内容を定めていこうという考えのもとに、このような表現をとったものでございます。したがいまして、この基本計画の内容は方針的なものを述べているわけでございまして、このあとに今後具体的な内容のものがさらに追加されるということになっております。
 なお、これは閣議で決定されたものではないわけでございまして、これは事務的な手続によってこの基本計画をきめたというものでございます。
#22
○久保等君 四月六日に決定というのはどういうことなんですか。
#23
○政府委員(石川晃夫君) 四十五年の三月二十六日に決定したわけでございます。ただ、これは手続の関係で、私たちのほうへ文書が来るのがおくれたために発表がおそくなったわけでございます。
#24
○久保等君 新聞等で報道せられたところによりますると、六日わが国の宇宙開発に関する基本計画をきめて発表したと、こういうようなことになっておったんですが、いまの局長の御説明で、そうすると六日というのは、文書が科学技術庁に参ったと、そこで発表になったのが六日だと、そういうことですね。
#25
○政府委員(石川晃夫君) そのとおりでございます。
#26
○久保等君 その事情はわかりました。事情はわかりましたが、先ほど私がちょっとお尋ねいたしましたように、少なくとも基本計画の方向に基づいて予算の要求等されておると思うんですけれども、当然、この開発委員会でいろいろ決定せられますこと等も、最終的には総理大臣のところにいって、総理大臣がこれを尊重して、さらにこれが実現のためにいろいろ努力をするというたてまえになっておるわけですが、そういう点からまいりますると、宇宙開発計画の大綱については、これは当然政府自体も了承したと、きめたということになっておると思うんですが、中身のこまかい具体的なことは、さらにいろいろできるだけ現状に見合った形で見直していこうというので、手続的には残っておると思いますけれども、いずれにしても、基本的な方針というものはきまっておると思うんですけれども、そうだとすれば、それの実現のためには、問題はやはり、百万言の議論よりも、突き詰めて言えば、予算、金の問題になるだろうと思うんですが、その予算のことになりますると、先ほどもちょっと指摘いたしましたように、また御説明の中からもうかがえますように、約半分という非常な削減のしかたなんですが、ここらに、内閣総理大臣が直接担当する、していると言ってもいいこういう科学技術庁の重要な一つのビッグサイエンスといわれます宇宙開発の問題について、どうも今日きわめてわれわれ隔靴掻痒の感が一面においてはあるほど、立ちおくれておると思うんです。できれば、何とか早く通信衛星でも打ち上げて、それによって放送も見られる、あるいはまた、通信も現実にこれが利用できるというところにまで一日も早く持っていかなければならぬ気持ちで一ぱいであるわけであります。そういうことで、鋭意、大臣はじめ、また事業団にいたしましても、開発委員会の委員の方々にいたしましても、努力をしておられると思うんですが、まあそういう中で予算の削り方があまりにも常識はずれの形になっておると思うんですが、大臣、たいへんいろいろ御努力はされておると思うですけれども、その経緯を御説明願いたいことと、それから、これからやはりもう少しこういったことについてよほどの御努力を願い、また、総理自体にももう少し認識を深めてもらわぬことにはいけないんじゃないかという感じがするんですが、大臣の所見をひとつお伺いしたいと思います。
#27
○国務大臣(西田信一君) 久保先生御指摘のとおり、要求額と決定額との間におきましては、かなりの開きがございます。一体政府は少し熱意が足りないんじゃないかというような御指摘でございますが、実は、ことし、予算編成にあたりましても、総理から宇宙開発についてはひとつ積極的にやるようにというような特別な御指示もございましたし、要求の半分にも足りないということは私どもも残念に思っているところでございますが、御承知のとおり、昨年十月にこの宇宙開発計画というものを委員会できめたわけでございます。事業団も昨年から発足したというようなことでございますが、実際に概算要求というのは、御承知のとおり、八月末に提出をいたしておりまして、委員会が開発計画をきめましたのが十月。これは申しわけにならないかもしれませんけれども、そこら辺の事情も若干ひとつ御推察を願いたいと思うわけでありますが、そこで、まあ事業団でも、島理事長、非常に懸命な努力を払っていただいておるわけでございます。実は私も、予算要求にあたりましては、科学技術予算全体の水準が諸外国に比べてかなり低いということ、さらに、ことにこのような未知の世界に取り組んでおるわけでございますが、まあ外国の技術を導入するといたしましても、重点を自主開発ということに置いておるわけでございまして、そういう意味におきましては未知の世界に取り組んでおるということが言えると存じますが、しかしながら、それだけに、やはりしっかりした予算をつけて、そうして推進をしなきゃならぬということにつきましては、私も御指摘の点全く同感でございますが、結果におきましてこのような予算しか獲得できなかったわけでございます。
 そこで、しかしながら、先ほど局長が御説明申し上げましたように、この計画のキーポイントになります重要な部分でございますね、これにつきましては、たとえば先ほど申しましたように、Qロケットの詳細設計を実施するに至るまでの予算がついておるとか、あるいは電離層衛星施設につきましては、もう実際に飛ばすのにひとしいようなフライタイプの作製が可能であるとか、あるいは、射場におきましても十分整備するに足る予算が確保できたとか、それから燃焼試験装置の建設が進められるとか、あるいは試験の面におきましても、筑波の試験センターの機器の購入、あるいは高空燃焼試験の装置の予算でありますとか、重要なポイントの予算はどうやら確保されております。そこで、この開発を行なってまいりまするために、ただいま申し上げましたような主要なものがついておりますので、今後、明年度以降、開発のピッチはさらに上げられるというふうに実は考えておるわけでございます。現在、若干の、何と申しますか、予算上のおくれを取り戻すために、理事長も非常に努力されまして、アメリカにも人を派していろいろな検討を加える、あるいはまた、技術導入の手当て等もなさっております。そこで、近く具体的な計画の見直しも行なわれますので、政府といたしましては、ひとつこれらの結果を見守って、その意見を尊重いたしまして、そうして明年度以降におきまして、これらの予算上のおくれというものを実質的に取り戻していく、こういうような姿勢で取り組んでいく、かように考えておるわけでありまして、ことしの予算が要求に比べまして懸隔がございました点は残念でございますが、先ほど申し上げましたような事情も若干ございまして、このようになったことでございます。御了承願います。
#28
○久保等君 この宇宙開発につきましての計画を長期的にお立てになって、いろいろ計画を実施しておられると思うのですが、六カ年計画で約一千五百億円程度の予算を要する、経費を要するんじゃないかというような計画もあるように聞くんですが、この構想をひとつお聞きしたいと思うのです。
#29
○国務大臣(西田信一君) 詳細は局長から答えさせますが、私もそのように承知をしております。Nロケットの完成ということを一つの目標にいたしまして、それまでには千五百億程度の金が必要である、こういうふうに承知をしております。また、局長から詳しく答えさせます。
#30
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御指摘の計画でございますが、この千数百億ということは、ただいま長官からも答弁されましたように、大体Nロケットを完成する、打ち上げる時期までに大体千数百億かかるという試算をしたわけでございます。これは、宇宙開発委員会の前身でございます宇宙審議会におきまして、わが国の宇宙開発計画を立てたわけでございますが、その時点におきましてNロケットというものの構想も出てまいりまして、それまでにどのくらいの経費がかかるであろうかということを試算した結果が大体千数百億――千五、六百億はかかるのじゃないかということになったわけであります。したがいまして、この内容について詳細を御説明する段階ではないわけでございますが、今後、この開発方式も、事業団ができまして、当時とだいぶ趣も異にしてまいりましたし、また、その内容につきましてもさらに高度のものを要求するということになってまいりますと、さらに金額がふくらむこともあり得ることでございますが、その点につきましては、現在、事業団のほうにおきまして、その開発をどのように進めていくかという点につきまして鋭意検討中であります。したがいまして、現時点におきましては、おおむね千数百億でNロケットの打ち上げまで持っていけるのではないかということで進んでおるわけでございます。
#31
○久保等君 希望としては、できるだけ計画もむしろ少しピッチを上げて、縮めてもらいたいという気持ちが非常に強いわけです。しかし一面、アポロの人工衛星も、どうやら、自信満々でございましたが、三回目の人工衛星、非常に何か、目下故障を起こしたといったような問題もありますし、大臣も先ほど言われたように、未知の世界の開拓でありますだけに、たいへんむずかしい面が、技術的な問題はもちろんのこと、その他においてもあると思うのです。したがって、きわめて科学的な――科学技術なんですから科学的なものでなければなりませんが、しかし、それにしても、四囲の情勢から申しますると、何とかできるだけ、慎重な上にもしかしピッチを上げてもらいたいという、きわめて矛盾をしたというか、私ども虫のいい強い希望を持っておるわけであります。したがいまして、いまの計画にしても、できるだけ精緻な計画をできるだけ早急におつくりを願い、その総体の計画の中で、さらに四十五年度、四十六年度をどうしていくかというようなことで、さらに御努力を願わなければならぬと思うんですが、それにいたしましても、金額が一千数百億、あるいはまたそれよりもふくらむかもしれませんが、そういう金額からすると、この四十五年度予算の実績なんかは、まことに遅々たる感じがすると思うんですが、ぜひひとつ、発足間もない開発委員会の場合、島理事長はじめ非常に御苦労になっておることも私よく承知いたしておりますが、特に、何といっても、長官のところで、これは私、予算関係については最大の努力をすべきだし、また重大な責任があると思いますけれども、いま計画の面については、これからさらにこまかい計画をお立てになるようでありますが、何とかひとつ、いま申し上げましたように、着実に、しかもできれば少し期間が予定よりも縮まったというようなところをめどにして御努力を願いたいと思うんです。したがって、長期的な計画についての予算確保等の問題についても、ぜひひとつ、いままでの実績ではなくて、要求したものについては、これがほとんど、まあまあ八十点か九十点くらいはとれたという形に、予算確保の問題について御努力を願いたいと思うんです。大臣のひとつ御決意のほどを伺いたいと思います。
#32
○国務大臣(西田信一君) 久保先生の御指摘並びに激励をちょうだいいたしましたが、私も全く同感でございます。少しでも早くわが国独自の衛星が打ち上げられるようにいたしたいということにつきましては全く切実な気持ちでございますが、しかしながら、先ほど申し上げましたように、わが国のみずから開発したロケットによってわが国が開発した衛星を打ち上げるというところに非常に意義もあると思うわけでございまして、そういう意味から申しまして早く打ち上げたいということと、それからまた、失敗なく成功させたいということと、両面ございまして、そのためには、時間をあまりかけたくないんでありますが、しかしながら、十分慎重な周到な用意のもとにこれを進めていくということが必要でございますので、早くやりたいということとあわせて、徴密な計画を立てていくということを念頭に置いているわけでございます。したがいまして、専門の立場に立って詳細な見直し等が行なわれましたら、その結果に基づきまして、それにふさわしい予算を確保するということにつきましては、ひとつ明年度以降は、いよいよその重要な段階に差しかかるわけでございますので、全力を尽くしてまいりたいという決意でございます。
#33
○久保等君 その技術の自主開発の問題に関連して、若干ちょっとお尋ねしたいと思うんですが、昨年、例のアメリカとの間に技術導入のことについて交換公文の成立を見たということですが、やはりこのかね合いが非常にむずかしいと思うんですけれども、日本の自主的な技術開発、これについてはだれしも異存がないし、そういうことでうまくいけばけっこうなんですが、そうもなかなかいかないし、ということで、技術の導入を考えられてアメリカと折衝されて、昨年交換公文の成立まで見たと思うんですが、この点について、局長のほうから、一体その関係をどう考えておられるのか、交換公文の中身について、簡潔に、あまり詳細な御報告は伺わなくてけっこうですが、主要な点だけの御報告と、それから自主開発との関係、これをお尋ねしたいと思うんです。
 特に民間においては、各メーカー関係で非常に活発にアメリカとの技術提携あるいは合弁会社の設立といったようなことにまで発展をしてまいっておると思うんです。こういったことに対して今後どう一体対処してまいるか、日本の政府として非常に重大な、私、場面にいま立っておるんじゃないかと思うんです。一面においては、何とかひとつ自主開発でということで努力をしておられるんですが、急の間に合わないという面も確かにあると思うんです。しかしまた、そこのところのかね合いが非常にむずかしいとは思いまするが、何でもとにかく早くやればいいんだということになってまいりますれば、今日は、国際関係における貿易にしろ、また交流関係にしろ、全く見さかいもなく非常に活発になることはけっこうなんですけれども、一体日本の自主性というものがどの程度確保してまいれるかということに、私ども非常に将来に対する一つの不安というか、危惧の念が感ぜられるわけです。そういった点から、発足間もないというか、やっと活発に動き出したという宇宙開発の問題についても、この技術提携の問題、技術開発の問題、非常にむずかしい問題ですが、局長のほうからでもけっこうですが、政府の考え方を承っておきたいと思うのです。
#34
○政府委員(石川晃夫君) まず、昨年の七月の三十一日に行なわれました日米の交換公文の要綱について御説明申し上げたいと思います。
 これに盛られております内容としましては、まず、アメリカ政府といたしましては、日本のQロケット、さらにそれに続きますNロケット、それからやはり日本で開発いたします通信衛星あるいはさらにその他の衛星というものに対して、アメリカで秘密でない技術あるいは機器はアメリカの企業が日本側に提供いたしましょうということが書いてございます。日本政府といたしましては、これを受けまして、この日本に移転された技術とかあるいは機器というものは平和の目的にだけ使用するのであるということ、それからまた、これらの機器等の商業機密に関しては秘密を守るということは当然でございますが、また、そのほか、米国と合意された場合にのみ第三国へ移転することができるというようなことを申しております。それからもう一つとしましては、米国と協力して、協力の結果開発された通信衛星は、現行あるいはさらに今後予想される国際通信衛星協定――現在はいわゆるインテルサットという協定がございますが、これと、さらに今後協定されるかもわからない恒久協定、こういうようなものの目的と両立するようにこの通信衛星は使いますという、この三つのことを日本政府としては約束いたしております。大体それがこの交換公文の要綱でございます。
 それからその次に、わが国の宇宙開発の自主性の問題でございますが、この交換公文によりましてアメリカから技術導入ができるという体制ができ上がったわけでございます。この技術導入に対する本質的な考え方といたしましては、もちろん、わが国といたしましては、現在自主的に宇宙開発を行なうというたてまえのもとに、宇宙開発委員会、さらに宇宙開発事業団というものによりましてわが国の宇宙開発を進めているわけでございます。しかしながら、わが国のように宇宙開発に立ちおくれた国におきましては、アメリカのような宇宙開発先進国におきましていままでの開発の段階において幾多の失敗を繰り返しているわけでございますが、その同じような失敗をわが国においても繰り返さないという考えのもとに、アメリカにおきまして、もうすでに安定化された技術についてはこれを技術導入をして、さらに日本の宇宙開発を促進しようという考えのもとに、この技術導入を利用しようというふうに考えているわけでございます。したがいまして、わが国の宇宙開発の自主性はそこにおいては何ら失われるものではないというふうに考えております。また、計画自体におきましても、当然、宇宙開発委員会におきます宇宙開発計画、さらにそれを受けましての宇宙開発事業団の実施計画というものがこれは自主的に作成されるわけでございますので、その間におきまして、宇宙先進国、特にアメリカからの技術導入によってわが国の宇宙開発の自主性がそこなわれるということは考えられないわけでございます。
 なお、これに関連いたしまして、この技術導入の可能性ができましたために、各メーカーにおきましては、従来各メーカーにおいてきわめて不得意とするような点についての技術導入は行ないたいという希望がございます。このために、先ほど御指摘ございました、あるいは新しい組織というものをつくって、この技術導入の受け入れという体制も整えてはいるわけでございますが、これは、メーカー側として効率的にその導入を受け入れるという体制でございまして、その点につきましては何ら支障はないもの存じております。政府といたしましても、先ほど申しましたような、わが国の宇宙開発を自主的に開発するという基本方針に立って、これを推進しておりますので、この技術導入というものが円滑に行なわれました場合には、わが国の宇宙開発というものがきわめて効率的に推進されるものと確信している次第でございます。
#35
○久保等君 この交換公文というものは、もちろん期間的な取りきめはないのだろうと思うのですけれども、今後の技術提携といいますか、アメリカからの技術導入に伴って、いろいろな予想しなかったような事態も出てくるような場合も考えられるのですけれども、この取りきめは、そういう時期的な問題については、どういうことになっておりますか。
#36
○政府委員(石川晃夫君) 一応、交換公文におきましては、時期的な取りきめはないわけでございます。しかし、わが国の宇宙開発を行ないます途中におきまして、この交換公文では支障がある問題が、あるいはさらにこれを改訂したいという問題が出てきましたときには、その時点において両政府間において協議するということが考えられるわけでございます。
#37
○久保等君 大臣が御退席になるようでございますから、ちょっと大臣にお尋ねをしておきたいと思うのですが、宇宙開発の実施機関ともいうべき組織は、宇宙開発事業団並びに東大の宇宙航空研究所というものがあると思うのですが、先般も衆議院の委員会でも、質疑の中でちょっと問題になっておったようでありますが、この研究所の、両実施機関の間における協力なり、あるいはまた連絡、その他調整問題というものは非常に重要だろうと思うのですが、当然、これは大臣のところで格別の御配慮を願わなければならぬ問題だと思うのです。先般も、東大の宇宙航空研究所の問題について、大臣が伊勢神宮に御参拝になられた際、記者団との間において、何か発表があったようでありますが、われわれも、発足間もない宇宙開発事業団でもありますし、従来の経過からいって、東大が草分け的な研究をずっと続けてまいった実績なり経過等もありますから、新しく発足したわけでも何でもありませんから、そういう関係で、そういった調整問題についてはなかなかむずかしい面があろうと思うのですけれども、今後のあり方について大臣は一体どうお考えになっておるのか、この機会にひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#38
○国務大臣(西田信一君) お話のように、実施に当たっておりますのが、事業団と東大の宇宙航空研究所でございます。そこで、先発しておるのが東大のほうでございます。そうして、この間、いろいろな失敗と申しますか、苦労と申しますか、重ねまして、そうしてあのような「おおすみ」の打ち上げ成功というところまでこぎつけたわけであります。そうして、東大のほうは科学衛星を担当しておりまするし、また、ロケットにおきましても、無誘導のロケットというもので、世界一安い衛星が上がったのだということでございまして、世界各国の相当の評価もあるようでございます。これが、全くわれわれ事業団のほうでやっておりますのと方式が違いますから、それがそのままそっくりこの事業団のほうに、将来のロケットにそのまま、重要な資料提供、また参考になるということではないかもしれませんけれども、しかし私は、いろいろ取り入れるべき面もあると思います。そこで、宇宙開発委員会のかさのもとに両方とも調整を行なっているわけでございまして、独自に東大がやっているわけではございません。また、東大の打ち上げにつきましても、宇宙開発委員会がいろいろ見直し等もやって、それによって行なわれておるわけでございます。
 そこで、将来の問題でございますが、先日実は私が伊勢に参りましたときに記者会見がございまして、いろいろお尋ねが、ございましたからして、それにお答えいたしましたが、一部の新聞に、私が申しましたことと少しちょっと違った報道がございまして、その後訂正があったようでございますが、私はやはり、東大のほうは科学衛星という一つの目標をきめておりまするし、そこまでは東大のほうでおやりになることが、むしろ、いま途中でこれを事業団どうかということは、かえってマイナス面が生じてはいけませんから、これでけっこうだろうと思いますし、将来、東大は、ある目標を達成しましたならば、それでロケットのほうは将来開発を行なわない、しかし、科学衛星のほうは東大が将来も続けて担当していくということに考えておられまするし、私もそれでけっこうだと思っております。で、新聞に出ましたのは、ある一部の新聞に、東大の宇宙航空研究所を吸収するような記事が出たのでございますけれども、そういうことは申しておりませんので、東大以外にも各省が担当しておるものもございますし、これらが一元化したほうがよいと思われる時期なら、そういうものにつきましては将来は事業団のほうが一本でやっていくことが適当だと思うということを申したのでございますが、東大につきましては、ただいま申し上げましたような方針でよろしいと、こう思っておるわけでございます。将来事業団がだんだん本格化してまいりまして、そうして事業団が、遠い将来の問題といたしましては、なるべく一元化するものは一元化してやっていくほうがよかろう、こういう考えを持っておるのでございます。
#39
○久保等君 わかりました。
 それでは次にまた質問を進めたいと思いますが、今回出されております宇宙開発委員会の改正法案なんですが、中身は、かねがねわれわれが強く要望しておった開発委員会の委員の方の二名の常勤制度の実現をして、さらに委員会の充実をはかりたいという御趣旨でありますが、かねがね科学技術庁の方面では、この宇宙開発委員会の強化策としてさらにいろいろとお考えになっておるようです。この委員の数の問題についても、もう少しふやしたらどうかというようなことも考えておられるようです。あるいはまた、宇宙開発局を新設するというようなこと、これはもう、もちろん科学技術庁の中の組織の関係であろうと思いますが、こういうことについて今回は委員会の中に常勤二名を置くという改正程度にとどまったのですが、宇宙開発委員会なりあるいは科学技術庁自体の宇宙開発に関する組織の強化充実ということについて、大臣はどういう御所見を持っておられますか、この機会にお伺いしたいと思うのです。
#40
○国務大臣(西田信一君) 宇宙開発委員会は、現在、私以外に四名の方々に委員になっていただいておるわけでありまするが、これを強化いたしまして、二名の常勤を置くということによりまして――いよいよこの宇宙開発が本格化してまいって、おりましていろいろ経費の見積もり、調整でございますとか、あるいは計画の見直し、あるいは修正、あるいは研究や開発の成果の評価、あるいは国際問題処理でありますとか、あるいは国会にもしばしばこうやって御出席を願っておりますし、また、民間業者の指導と、非常にたいへんな仕事がふえてまいると存じます。現に、もう年に、定期と臨時と合わせますと百回以上に及ぶ委員会が開かれておる現状でございまして、そこで、この常勤化ということを今回御審議を願っておるわけでございますが、これも実は、政府の機構の拡充ということにつきまして、一つの基本方針がございまして、すらすらとまいったのではないのでございます。なかなか難航もいたしましたが、これを理解をしていただいて、ようやくここへこぎつけたわけでございます。とりあえずこれでまいりまして、将来――原子力委員会のほうも最初は四名でございましたが、現在は六名にふえている。まあそういうこともございますから、将来また必要に応じまして、将来の拡充も考えておるわけでございますが、当面はひとつこれで進めたい、こう思っております。それからまた、科学技術庁の機構の問題でございますが、行政機構の問題でありますが、宇宙開発という大事業でございますので、やはりこれは現在の体制ではやや不十分であろうということから、宇宙開発局の新設を実は考えたのでございますが、御案内のような、行政機構の新設というようなことは極力これを抑制するというような行政簡素化の方向がございますものですから、今回は残念ながら実現を見なかったわけでございまするけれども、しかしながら、いま久保先生が御指摘をなさっておりまするように、このような、よその国と比べましても、いろいろな仕事をやっている一つの局の中で片手間でやるという形では不十分だというふうに思っておりますので、なお、この行政簡素化の趣旨に沿いながら、何とかそういう行政機構の整備と強化ということにつきまして、くふうをして、何らかの措置を明年度あたりひとつ講じたい、こういう気持ちでおります。
#41
○久保等君 さらに、当面は、いまお話しのように、二名の常勤を実現して、まあとにかくやっていこうということですが、委員会の開催の回数にしても、いま大臣からお話があったように、すでに百回以上お開きになって、たいへん活発に御活躍になっておるようですが、これは大臣のところでお考え願わなければならぬ問題だと思うのですけれども、処遇というか、待遇の問題ですね。これは、もちろん、常勤の方には、特別職のあの規定の中で、さらに特別に、一般の他の審議会の委員といったようなものと同じようなことで処遇を考えられたそうですが、非常勤の委員の方なんかの処遇については、まあ日当が出ることになっておるんでしょうが、これも月に一度か二度、二、三回という程度ならば、金額は少なくても、まあまあそこらでがまんしてやってもらうこともやむを得ないかと思うのですが、しかし、月にどのくらいになりますか、七回、八回、あるいは多いときには十回にもなるのじゃないかという気がするのですが、そういうことになってまいりますると、非常勤とは言いながら相当のロードもかかるわけですし、するのですが、そういったものが処遇の面では、非常勤という名前になっているから、一般的な非常勤と同じような扱いになるのでしょうけれども、そういった問題については、特に改めてまいらなければならない問題だと思うのですが、こういった問題について大臣どうお考えになっておりますか。開発委員会の開催の頻度等を考えあわせた場合に、委員の方にはたいへんな御苦労なり御努力をいただいているのですが、それに対して、名誉職というようなことで考えておられるのかどうなのか。その辺のざっくばらんな実情を承りたいし、大臣のお考えを承りたいと思います。
#42
○国務大臣(西田信一君) この法律をお認めいただいて常勤化を実施いたしました場合、常勤の方だけで運営されるものではないので、非常勤の方々にも従来と同様に御苦労をちょうだいしなければなりません。したがいまして、それらの均衡問題とか、いろいろございましょう。しかし、常勤と非常勤とはたてまえ上区別がございますので、そこら辺をどのようにいたしますか、十分御趣旨の点につきましては検討を加えまして、なるべく実情に合うように進めてまいりたいと考えております。
#43
○久保等君 きょうは委員会のほうから吉識委員にもおいで願って、御苦労なんですが、開発委員会の運営――いま大臣からもちょっとお話がありましたが、運営の状況――非常に重要な委員会でありますし、いたしますが、活発に委員会等をお開きいただき、いろいろ法に定められた重要事項について御審議になり、また決定をされ、さらに、これの実現のためにいろいろ御努力をいただいておるわけですが、委員会の中に参与、あるいは専門委員というのもおられるようでありますが、これはやはり委員会のほうで御説明いただいたほうが適当かとも思うのですが、どういう状況になっておりましょうか。その参与が何名、専門委員が何名、また、部会といったようなものもお持ちになっているのだろうと思うのですが、そういう状況について御説明をいただければお願いしたいと思います。もし科学技術庁の局長のほうから御答弁を願ったほうが適当であれば、そのほうでもけっこうです。どちらでもけっこうでございます。
#44
○参考人(吉識雅夫君) ただいま久保委員から御質問がございました、委員会の中に参与、専門委員がおるかというお尋ねでございますが、委員会といたしましては、先ほど大臣から御答弁がございましたように、原則といたしまして、毎週一回の定例の会議を開いておりまして、そのほかに、懇談会あるいは打ち合わせ会といったような名前で臨時に開かれている委員会が何回もあるわけでございます、正式の委員会ではなく。そういうものを合わせますと、先ほど大臣から御説明ございましたように、四十三年八月に発足いたしまして、現在、四月九日までに約百回近くなるわけでございます。本委員会といたしましては、そのうちの約半分の五十三回であったと記憶しております。
 それで、任務は、先ほど来、局長、大臣その他から御説明がございましたから省きますが、参与と申しますのは、宇宙開発に関連いたしまして学識経験をお持ちの方々に二十五名――現在二十五名だと思いますが、二十五名の方々に参与をお願いいたしまして、必要なつど、私どもで、ある計画を立案するとか、予算についての意見をまとめるとかいうようなときに、いろいろお集まりをいただきまして、専門的な御意見を伺っておる、こういうことでございます。
 それから専門委員と申しますのは、現在五十六名だと思いますが、これは、現在、技術部会というのと計画部会という二つの部会に分属していただきまして、それぞれ専門の事項を検討していただく、こういうことになっております。昨年までは、これがロケット部会と衛星部会というかっこうでやっておりましたものですが、今後のいろいろな情勢の変化等に対応いたしまして、ただいま申し上げましたように、現在においては技術部会と計画部会の二つに分けておるのでございます。それで、技術部会というほうは主として、名前のとおり、技術的な問題点を検討していただく。これで現在までにいろいろやりましたが、非常に大きな問題は、先ほど大臣からもお話がございましたが、評価という問題を、昨年、この技術部会のうちの分科会といたしましてやっていただきまして、その結果、先ほど来お話のございました一元化という問題、これは必ずしも非常にむずかしい意味はございませんけれども、東大の宇宙航研でやっておられる技術者、それから科学技術庁関係、あるいは事業団等の技術者との間で、技術的な意味での非常にいいコンタクトができまして、お互いに意見を交換し、持っておる技術を出し合って話をするという場にもなったと思って、非常に効果があったと思っております。
 大体簡単でございますが、以上でございます。
#45
○久保等君 いまの部会のお話ですが、部会は、発足した当初はさらに三部会ぐらいに分かれておったわけなんですね。それがその後、いまお話があったように、ロケット部会、衛星部会といった二部会になり、またさらに最近は、技術部会と計画部会というように変遷をしておられるようですが、いずれにしても、いわば機能的な役割りを専門委員の方々あるいは参与の方々の御協力を願って、最高方針等をおきめ願っておると思うのですが、いまお話が最後にありました、やはり科学技術関係の評価の問題なり、あるいはまた調整的な役割り、これが私は宇宙開発委員会として非常に大きな使命だろうと思うのですが、同時に、今後の宇宙開発の問題について重要な政策を総理大臣に具申するといったような問題もあるわけですが、宇宙開発委員会の運営を実際に担当しておいでになって、今日痛感をしておられまする今後の改善といいますか、改革、そういったようなことについて、もし御意見がございますれば、ひとつ、開発委員会を実際運営してこられた立場から、率直な御意見を承りたいと思うのです。
#46
○参考人(吉識雅夫君) ただいまの御質問に対するお答えは、あるいは個人的な見解になることがあるかと思いますが、その点御了承願いたいと思いますが、委員会といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、週一回の定例の会議と、そのほか必要な臨時の打ち合わせ会、懇談会等を開いておるのでございますが、何ぶんにも、この宇宙開発の問題というものは、政策的な面と同時に、技術的な非常に高度の内容と、両面を持っております。そうなってまいりますと、宇宙開発委員というものが、長官を含めまして五人という編成でやっていくにつきましては、非常にむずかしい問題もいろいろ含んでおる。そのために、先ほど申し上げました参与会あるいは技術部会、計画部会等の専門委員会の方の御意見ももちろん聞いて、それを参照してやっておるわけでございますが、やはり宇宙開発委員である私どもが常勤でないというために、何と申しますか、全精力をそれに注ぎ切れないという点は、私非常に一つの問題点ではないだろうかと思うわけでございます。
 一番最初に久保委員から御質問がございました、予算が当初の要求に対しまして約半減されておる、これに対しましては、局長あるいは大臣からも御説明がございましたとおり、ほぼ大きなポイントについては予算がついているという、そういう御説明でございますが、実際にこれを当たってみまして、昨年委員会として出しました計画どおりに遂行し得るかどうかというような詳しい問題になりますと、技術的にほんとうに詰めてみないと、はたしてそのとおりいくだろうかどうだろうか、おおよその主要な項目はついておりますけれども、問題点はやはり、なきにしもあらずと思うのでありますが、そういう点は技術部会の専門家の意見を聞きながら、さらに委員会としてももっと詳細にその結果を検討していく、そういう機構が必要じゃないかと私は思うのであります。そういう意味からしても、今回、二人ではございますけれども、常勤化ということをお願いしておるということは、非常に私、時宜に適したものだと、こう思っております。
#47
○久保等君 ありがとうございました。時間がないものですから、まだお尋ねいたしたい点があるわけですが、本日のところは、これで省略さしていただきます。
 開発事業団のほうから島理事長においで願っておりますが、私、ひとつ最後にお尋ねしたいと思いますが、事業団が発足して、まだ間がないわけでありますが、いろいろと御努力になって、しかも、具体的な成果も着々とあげてこられて、まことに心から敬意を表しますが、私、本年の二月上旬の種子島でのロケット打ち上げに、たまたま視察をする機会をいただきまして、現場等もいろいろ視察をしてまいりまして、勉強になったと思っております。
 ところで、あの種子島のロケットの打ち上げ場自体も、やっとロケットの打ち上げがどうにかできるという程度の設備のようであります。環境の整備等を考えますと、なかなかこれからたいへんなことだと思います。海岸でありますだけに、なかなか行き来するのにも容易でないような状態でして、たとえば、道路の整備等を行なうといったようなことも、まず基礎的な整備の問題として非常に緊急を要する問題じゃないかと思うのですが、今度の四十五年度の予算では一体どういうようなことになるのでしょうか。また、これからどういうようなおおよその構想で種子島のロケット打ち上げ場の整備等を行なわれる予定なんでしょうか。さしあたって四十五年度の、本年度の骨格的な事情を御説明いただければ幸いだと思いますし、同時に、私がいまお尋ねしたあの海岸ぶちの打ち上げ場の整備を早急にいたさなければならぬと思うのですが、そういったことについての今後の一応のお見通し等について承りたいと思います。
#48
○参考人(島秀雄君) お答え申し上げます。
 ただいま種子島でやっておりますのは、これから先大きなロケット、実用衛星を打ち上げますような大きなロケットをだんだん間違いなく打ち上げていくというための予備段階の仕事をいまやっております。大きなロケットを幾つかに分解したようなかっこうで、また、それをもう少し小さいようなものから始めまして、だんだんに打ち上げまして、各部分といたしまして間違いのないものをやりまして、それからまとめていこうという方針でやっております。いまのところは、何ぶん、小さいものばかりやっておりますが、それでも、ごく初めから考えますと、だんだん大きなものが打ち上げられるようなかっこうになっておりますし、また、それを精密にあやつっていくようなことができるようになってまいりました。
 ただいまやっておりますのは、あそこで実際的に飛ばさないで、もう少し、火をつけまして、ばあっとやらしまして――本式な大きなものをばあっとやるんでございますから、いいかげんなものをやれませんものでございますから、やっぱりああいうふうなところで、人里離れている、と言うと申しわけございませんが、他にも累を及ぼさないようなしかけにいたしまして、そういう燃焼試験をするようなところを鋭意つくっております。それには、ほんとうのロケットと同じようなかっこうをしましたものを横向きに置きまして、吹かせまして、それがどんなふうな力を出すか、どんなことになるかということでございます。そういうのを試験するという設備をつくっております。
 それからもう一つは、この次のQロケットというのを打ち上げます場所、これはつくりますのに相当な時間がかかりますものでございますから、整地をいたしましたり、そこへ行きます道路をつくったりなにかする仕事を始めております。これもだんだんと、その用地に多少の人家もございますのですが、そういう方々に補償をいたしまして、どいていただくというようなことも今年度にできますと思っておりまして、それを鋭意進めていこうと思います。
 それから道路の整備なんというのは、ああいうものでございますから、大きな場所にばらんばらんに置いてございますから、ずいぶん道路としては長い道路が必要なんでございますが、それを、やっぱり重いものを運び、精巧なものを運びまして、しかもああいうところでございますから、しっかりした道路をつくらなきゃならぬものでございますから、たいへんそれにお金が食いまして困るわけでございますが、そういうふうにしております。町のほうの道路も、むろん港に揚げましたものをそこまで運ぶものでございますから、これも本物の大きなものを運びます時期になるまでに、きちんと仕上げていただくようにお願いしてあるわけでございます。
 それからそのほか、やっぱり打ち上がりましたものを、どこにおりますかを、電気で受けまして追跡いたします場所でございますが、そういうのも、これはまた全く同じ所ではいけませんで、少し離れた所でないといけませんものですから、地を卜しまして、そういうのをつくりますように用地を確保するようなことになっております。
 それで、いままでのところよりも、これからもう、ちゃんと計画をきっちり定めまして、おくれることがないように、全般的にずっと押していくようなふうに、はっきりとしようと、いましているところでございます。いままでのところは、だんだんいろんなものをちょこちょこやっておりましたものですから、やっぱり全般的にきっちりして押していくというところに必ずしも十分でなかった。それでもって、結局、まあまあこのくらいでというつもりで砂浜に道をつくっておきますと、それが、風が強かったりなんかしまして、せっかくつくった道がぐさぐさしてきましたりなんかしていきますので、要るところにはちゃんと、お金を使うときに間に合うように入れるとかなんとかというふうに、きっちりやっていこうというふうに考えております。
 それから、何と申しますか、よく考えまして、要るものは初めからこれだけ要るんだということをはっきりいたしまして予算を請求して、ほんとうに要るものは要るということでやっていかなきゃ、何か間に合わせをいたしますと、あとでまたよけいな金が要るということになりますので、そういうことにいたしたいと思っております。これは、何と申しますか、ひとつまた何かとお願いいたすと思いますが、よろしくお願いいたしたいと思うんでございます。
 いまのところ、大体そういうふうなことでございます。
#49
○久保等君 ありがとうございました。時間があればまだ少しお尋ねしたいと思うんですが、時間もありませんので、私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。
#50
○政府委員(石川晃夫君) 先ほど御質問ございました昭和四十四年度の概算要求額でございます。これについてお答えいたします。
 昭和四十四年度の概算要求額でございますが、これは、委員会経費といたしましては三千七百六十万六千円を要求いたしております。それから同じく航空宇宙技術研究所の四十四年度の要求額でございますが、これは十一億三百五十五万四千円でございます。それから宇宙開発事業団といたしましては八十六億八千万要求いたしました。そのほか、国庫債務といたしまして、百三十二億五千八百三十万でございます。
 なお、このほかに、宇宙開発推進本部の予算要求があるわけでございますが、当初この概算要求を出しました時点におきましては、事業団法が成立いたしますれば七月から発足いたしたいということで三カ月分を要求いたしました。これは一般管理運営費として三カ月分を要求したわけでございますが、これが五千百十三万八千円でございます。しかしながら、この事業団の発足が十月一日に延びましたので、実際に四十四年度の予算額といたしましては、宇宙開発推進本部につきました予算といたしましては、十四億八千六百三十六万一千円という金額になっております。これによりまして宇宙開発推進本部から宇宙開発事業団に業務が引き継がれたということになっております。
 以上でございます。
#51
○久保等君 ありがとうございました。じゃ終わります。
#52
○委員長(宮崎正義君) 船田君。
#53
○船田譲君 私は、久保委員の御質問とあまり重複しないようにいたしまして、ごく簡単にお聞きしたいと思います。で、お答えは、どうぞ、政務次官でも、局長さんでも、また吉識さんでも、島理事長さんでも、どなたでも適当な方から適宜お答えしていただけば幸いでございます。
 一審最初に、ごく初歩的なことなんですが、宇宙開発委員会の国家行政組織法上の地位と申しますか、その任務、権限等に関しましてお聞きしたいと思います。
 たしか大臣は、この法案の提案理由の説明の際に、本委員会は八条機関ではあるけれども、普通の審議会とは異なっておって、企画、審議、決定するところの能動的な機関だと説明をしておられますけれども、その企画、審議、決定上のいかようなふうに能動機関であるかということについて、具体的に、簡単でけっこうでございますけれども、御説明いただきたいと思います。
#54
○政府委員(藤本孝雄君) 政府委員から説明いたさせます。
#55
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙開発委員会の任務でございますが、御承知のように、宇宙開発といいますものは、その性格上、非常に多額の国費を必要とされる、さらにまた、限られた人材を有効に活用しなければこの宇宙開発というものはできないということ、それから諸外国の情勢から見ましても、やはり短期間にできるだけ成果をあげる必要がございますので、わが国も、この宇宙開発というものについて本格的に取り組もうということで、この宇宙開発委員会が発足したわけでございます。これは、宇宙開発審議会が昭和三十五年にできたわけでございますが、その宇宙開発審議会を発展的に解消いたしまして、宇宙開発委員会を設置したわけでございまして、これは、いま御指摘のように、機関としては八条機関でございますが、性格的には、その内容におきまして宇宙に関する重要な事項を審議することになっております。委員会としましては、宇宙に関する重要政策あるいは総合調整というような非常に重要なものに対して、企画、審議、決定するというようなことで、発言権も他の審議会に比べて相当重要なものがあるわけでございます。なお、そのほか、この委員会は、意見を総理大臣に答申、具申いたしまして、さらに総理大臣もこれを尊重しなければならないというような性格を持っております。したがいまして、わが国の宇宙開発を推理するためには、この委員会の内容というものは、相当はっきりした、しかも相当強力なものと私たち考えておるわけでございます。
 この委員会におきます任務といたしましては、先ほど申しましたように、宇宙開発に関する総合調整、あるいは重要施策というものについて企画、審議、決定するということでございますが、わが国の宇宙開発の目的といたしましては、おおむねやはり実用分野における宇宙開発と、それから科学分野における宇宙開発というものがあるかと存じます。この実用分野におきましては、宇宙開発事業団が中心になって行なっておりますし、また、科学分野におきましても、現時点におきましては東京大学が中心になって行なっているわけでございます。そのほか、これをサポートするといいますか、その開発を進めるために、各国立の研究機関におきましても、この宇宙開発についての研究が行なわれているわけでございます。このような内容のものにつきまして相互に調整を行なう仕事が、この宇宙開発委員会に課せられているわけでございます。さらに、開発の途中の段階におきましても、やはり、その開発の段階を途中で評価し、調整を行なうという仕事もございます。これにつきましても、宇宙開発委員会はその任務として行なっているわけでございます。昭和四十三年の五月に総理府に設置されまして、それから以後、ただいまのような任務を持ちまして、ひんぱんに、定例的な、あるいは臨時的な委員会を開きまして、そのような業務を遂行しているわけでございます。委員会の任務につきましては以上のとおりでございます。
#56
○船田譲君 それで、この委員会の事務局は当分の間は研究調整局がおやりになると思うんですが、その研究調整局の内容を見ますと、総合調整ということを任務としておられるが、ただし大学を除くと書いてございますが、実際の問題として、その場合に、東京大学との調整について、この宇宙開発委員会の事務局たる研究調整局はどの程度の力を及ぼし得るものかということを簡単に承りたい。
#57
○政府委員(石川晃夫君) 先ほど申し上げましたように、東京大学においても従来から宇宙開発の研究を行なっているわけでございますし、また、それに伴いましての開発も実施しているわけでございます。この宇宙開発委員会におきましては、わが国の宇宙開発の中の衛星部門につきましては、当然宇宙開発委員会のかさの下に入っているわけでございます。したがいまして、宇宙開発委員会の庶務を担当いたします研究調整局といたしましても、そのような開発の実施面につきましては緊密に連絡をとりながらやっているというのが現状でございます。この委員会の下に幹事会というのがございまして、これには各省庁及び東京大学も入っております。文部省を通じて東京大学が入っております。したがいまして、この委員会の意思というものは文部省を通じまして東京大学に伝わるわけでございますし、また、東京大学の意見も出てくるわけでございます。
 現在、東京大学は、ミューロケットによります科学衛星の打ち上げということを計画しているわけでございまして、これをことしの夏ぐらいから進める予定になっておりますが、この計画の詳細につきましても委員会に報告があるわけでございまして、委員会といたしましても、それに対していろいろサゼスチョンを与えているわけでございます。一例をあげますと、昨年の九月にラムダロケットの打ち上げに失敗いたしました際におきまして、これは人工衛星を打ち上げるための前段階ということで、委員会としても、それについて非常に大きな関心があったわけでございます。したがいまして、ラムダロケットの打ち上げについても、いろいろサゼスチョンを与えております。九月の実験の結果を委員会で評価いたしまして――これは東京大学のロケットだけではなくて、当時の宇宙開発推進本部で行ないましたロケット実験についても同様に評価したわけでございますが、その結果、委員会の意思といたしまして、当初予定されておりましたことしの一、二月に東京大学がミューロケットを打ち上げるという予定であったところ、委員会のほうで評価、検討いたしました結果、やはりもう少しラムダロケットというものの基礎を固めてから打ち上げるべきではないかということになりまして、そのために、東京大学といたしましても、ことしの夏以降に打ち上げようということに計画を変更したわけでございます。そのように、東京大学の宇宙開発につきましても、この委員会といたしましては、相当いろいろな面において宇宙開発を指導しているという実態でございます。
#58
○船田譲君 そうしますと、委員会は、予算の見積もり、計画の見直しをすると書いてある。それは当然、間接たると直接たるとはともかくとして、東京大学をカバーしておるというふうに考えてよろしいわけですね。
#59
○政府委員(石川晃夫君) この衛星によります宇宙開発というものにつきましては、東京大学の予算も、この宇宙開発委員会におきまして調整を行なっているわけでございます。ただ、東京大学で従来から行なっております、垂直にロケットを打ち上げまして、いろいろ科学観測を行なう、こういうものにつきましては、大学の研究として、この宇宙開発委員会の所掌には属していないというふうに解釈しております。
#60
○船田譲君 先ほど久保委員の質疑に対しまして、大臣の御答弁では、宇宙開発局ですか、行政管理庁のほうとの問題が解決すれば、できるだけ明年度に何らかの措置をしたいというお答えでございましたが、かりに、明年度あるいは明後年度に宇宙開発局が設置されると仮定いたしまして、そのときには、いまある研究調整局はどのような形で残されていくのか。もう一つは、最近、海洋開発の問題が相当大きくクローズアップされておりますが、その場合に、海洋開発関係の部局とのからみを考えて、どのような形で研究調整局が残るのかということをちょっとお教え願いたい。
#61
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙開発局につきましては、四十五年度予算要求の際にも大蔵省へ要求したわけでございますが、先ほど大臣から御答弁がございましたように、実現を見ることはできなかったわけでございます。しかしながら、宇宙開発の現状という点から見ますと、やはり早急に宇宙開発全体の組織を強化しなければいけないという点において要求したわけでございますが、やはり今後の宇宙開発の進展に伴いまして、このような部門も必要ではないかというふうに存じております。現在、研究調整局におきましては、宇宙開発、海洋開発、さらに一般の研究調整というものの三つの大きな仕事を持っているわけでございますが、それぞれ内容においては、趣を異にしているわけでございます。したがいまして、宇宙開発局をつくり、さらに海洋あるいは研究調整というものをどのように配置したらいいかという点につきましては、これはまだ現在、中でも検討中でございまして、結論を得る段階には至っていないわけでございます。
#62
○船田譲君 その次に、先ほど久保先生もお聞きになりましたが、宇宙開発委員を二名に限って常勤化されるわけでありますけれども、これは段階的に、やがては、いまの原子力委員会のように、六名の委員のうち四名を常勤化するという形を目標にしておられるのか、今度、法改正で二名の常勤ができれば、一年は一服してもいいとお考えか、ちょっとお漏らし願いたい。
#63
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙開発委員会といたしましては、重要施策の問題、あるいは見積もり、調整という問題に加えまして、最近、宇宙開発計画につきまして相当業務がふえてきているわけでございます。ことにふえてまいりましたのは、わが国の宇宙開発が進むに従いまして、国際的な関係の仕事が相当ふえてまいってきております。そのほか、開発を進めるにあたりましても、いわゆる民間業界の指導という面もふえてきているわけでございますが、現時点におきましては、この四名の委員のうち二名を常勤化するということで、当面の業務はこれで処理し得るものと考えているわけでございます。で、将来その委員の数を、非常勤を含めまして増加するかどうかという問題につきましては、今後のわが国の宇宙開発の規模によりまして考えなければいけない問題とは存じておりますが、その時点になりました節は、またいろいろこの業務内容についても検討したいというふうに考えております。
#64
○船田譲君 多少私の希望意見も入りますけれども、宇宙開発事業団の役員の方の人事は閣議了解事項で、国会承認人事にされなかった。そのときの御説明が、その上をかぶるところの宇宙開発委員会の委員は国会承認人事でございますからということでございました。したがって、宇宙開発委員会が常勤的な性格を持たれまして、十分事業団を監督せられ、それによって国会の意思が宇宙開発委員会を通じて事業団に生きていく形でなければいけないと思いますので、この宇宙開発委員会の常勤化はここで一服でなくして、やはり原子力委員会程度のものにはされる必要があると思いますが、いかがですか。
#65
○政府委員(石川晃夫君) 業務上におきましては、宇宙開発委員会と宇宙開発事業団というものは、直接の監督被監督の立場にはないわけでございます。これは、事業団としましては、科学技術庁並びに郵政省が主務官庁となっているわけでございます。しかしながら、この宇宙開発と申しますのは、やはり一元的に行なわれるというたてまえでございますので、宇宙開発委員会と主務官庁と宇宙開発事業団というものが密接不可分な関係にあることは事実でございます。したがいまして、宇宙開発委員会の意思というものが十分宇宙開発事業団に伝わるように行政機関としても努力したいと存じております。
#66
○船田譲君 次に、島理事長にちょっとお聞きしたいのですが、宇宙開発事業団が技術者の人材を確保される上において困難がないかどうかということが一つと、それから、これは非常に先ばしった話でたいへん恐縮なんですが、アメリカのNASAがピークを過ぎまして、かなりなスタッフが海洋開発その他の分野に移動しつつあるわけですけれども、日本としてはこれから人員をどうやってふやしていくかという問題でしょうから、たいへん先ばしったことになりますけれども、将来そういう時点がいずれは来るとお考えかどうか、ひとつお聞かせ願いたい。
#67
○参考人(島秀雄君) ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げますが、わが国におきます宇宙開発に直接関係のある人材というのは、もう非常に少ないと思います。とにかくそういう事業が非常にまだいとけない状態にございますので、少ないのはこれはやむを得ないことだと思いますが、しかし、それを分解いたしますと、電気のことでございますとか、化学的な燃焼のことでございますとかなんとかいうふうな、そういう種類に分けますと、それぞれ相当の専門家もおるわけでございます。そういうのを何とかスカウトをいたしましょうと思って、目下努力をいたしておるところでございます。現在、私どものところは、もう私まで含めまして百五十人足らずでございます。それに多少臨時に助けてくれる人がいるという程度でございますが、今年度の予算では、それに対して九十何名の増員をお認めいただくことになっておると思っておりますが、しかし、それにいたしましても、それを現物化するということはたいへんむずかしいのでございます。大学出の方に来ていただきましても、それはこれから養成することでございますから、何とかもう少し、分解いたしましたそれぞれの専門家でもよろしいから、それを集めまして充足していきたい。それがだんだん、その素養に宇宙関係の知見を加えていって本物になってもらいたいというふうな、そういう順序で人を集めたいと思っております。しかし、いずれにいたしましても、たいへんむずかしいということは考えております。
 そして、先ほどお話のあった、NASAのほうがだんだんピークを過ぎて外へ散っていきつつあると申しますか、それはもう実際そういうことだと思っております。私どもはそういう時期に到達するようなことが宇宙開発の一つのねらいじゃないかと思うのでございますが、宇宙開発は、あのロケットで星を打ち上げるということだけじゃなくして、それができるような科学技術、あるいは工業のレベルにまで国の全体の状態を持ち上げるということにほんとうの意義があるのだと思いますので、そうすれば、その方々は、公害事件でも海洋の問題でも、あるいはさらに別に考えられるでございましょう将来のビッグプロジェクトにも応用がきくはずなのでございますから、そういう世の中になってくれましたら、純粋の宇宙開発、ロケットを打ち、星を上げ、それを追跡したりコマンドしたりするその最後のところは、それこそ非常に専門なものでございましょうけれども、全体をサポートするものは、どこにでも応用がきくものだと思いますので、そこまで上がってもらいたい、上がらなくちゃいけないことだと思っておりますので、そういうつもりで、できる限りの人をたくさん養成すれば、かりにそれがどっかへ散っていったって、これはしようがないことだ、とにかく寄せていきたいというふうに思っておりますのでございますが、それが、大言壮語するようなことでございまして、実際はたいへんむずかしいと思いますので、またいろいろと御支援を賜わりたいものと考えます。ありがとうございました。
#68
○船田譲君 もう一つ島理事長さんにお聞きしたいのですが、東京大学方式のいわゆる無誘導固体燃料ロケットが実用衛星打ち上げ計画に実際にどのように貢献し得るものかという点について。
#69
○参考人(島秀雄君) ロケットを上に打ち上げますということにつきましては、もともと誘導いたしますというのは、ロケットが思った方向からそれましたら、それをかじをとってもとへ戻していくということでございますので、だから、かじをとらなければどんなふうに飛んでいくかということを根本においては知っておらなければいけないわけでございますから、その意味におきまして、そういう裸の状態のものをよく知っておくということは、何にも増して大事なことだと思うのでございます。それが単にまっすぐ飛んでいくんじゃなくて、いまの重力ターンのような種類のことは、誘導装置のついておりますロケットでも、誘導せずにおきますと、そういうことをいたすわけでございます。それから誘導によりまして思った方向に修正していくようなことなのでございますから、その裸の状態というのを一つの研究題目として、それをむきになって一生懸命やってくださる方があるというのは非常にありがたいことなのでございまして、その意味において、もう一ぺん基本的なことを教えていただくものだと考えております。
 で、もちろん、私どもが計画いたしておりますような実用衛星を上げますにつきましては、どこにどういうふうな――どこにと申しますか、どういう高さに、また、どういう回り方をするというようなことは、非常にこう、むずかしく規定されておりますので、大体どういうふうに飛んでいくという程度ではとても済まないわけでございますから、どうしても精密な誘導をしなくちゃなりませんのでございますから、その点におきましては裸の状態のものだけでは済みませんのでございます。
 そして、その場合に、固体ロケットがいいか液体ロケットがいいかということがございますが、これは、根本的に申しますと、固体ロケットというのは、大体、火をつけますと、そのままぱっと一ぺんに燃えてしまうわけでございます。それで、それがどういう燃え方をしてほしいかというのは、そういうふうにつくって、そういう燃え方をさせる。ぱっぱっと燃えてほしいかどうかということは、初めつくるときに、そういうふうにつくっておいて火をつけるわけでございます。途中でもって、何と申しますか、「初めちょろちょろ中ぱっぱ」というように、ガス栓をねじって、ぼうぼう燃やしたり細くしたりするような手段はできませんのでございます。そういう点から申しますと、根本的には、そういう流体の燃料を使いまして、バルブか何かで、かげんするというのがいいわけでございますし、強きをかげんいたしますとか、つけたり、とめたりするということだってできるわけでございます。
 それから、かじをとります場合は、固体ロケットでございますと、大体、燃えております本体は、ぼっと炎をふく方向がきまっておるわけでございます。それを、こう、どっちかに曲げませんと、かじにはなりませんわけでありますが、それを曲げるというのは簡単なことじゃなくて、いろいろな別の液体、気体等を使いまして、横にふかしてみたりなにかして、補助手段を講じませんと回らないのです。それが、液体のロケットでございますと、ふっとふく口だけが、何と申しますか、ゴム管の先に火口をつけたようなものでありまして、ゴム管はふにゃふにゃいたしておりますから、火口を振りますと、炎の向きが変わるというような、そういうしかけができますものでございますから、かじをとるのが、根本的には、そっちのほうがやさしい。でごさいますから、そういう、しかけだけのことを考えますと、液体ロケットのほうが便利だと思います。
 ただ、液体ロケットでございますと、大体、いまのところ、冷たく液化した液体の酸素を使ったりいたしますので、魔法びんに詰めて飛んでいくようなものでございますので、その魔法びんに詰めて長い間置いておくというわけにいかないので、やはり、いつ打ち上げしようかと思いますと、予定をつけまして慎重に魔法びんに詰めるようなことをいたすわけでございます。それが、固体ロケットのほうでございますと、そんなに、こう、すぐにいたむわけじゃないのでございますから、つくりましたものをそのまま置いておきまして何とかやることができます。だから、そういう便利さみたいなもの、あるいは、魔法びんに詰めるときに、管でやりそこなったら、ついだものが外に出てしまうとか、魔法びんが割れたらどうしようかというような、おっかない点では、現在では液体のほうが慎重を要するということがございます。
 そういうことで、いろいろロケットでも、一段でやるのじゃなくて、何段かを組み合わせてやるものでございますから、いまのQロケットというのは、下のほうの、初めのほうの一段は固体でやりまして、途中に、よく制御できます液体を入れまして、それから最後には、また固体のものをつけて、それでやるようなことをしております。そのときに要求しております正確さとにらみ合わせまして、取り扱いが便利だとかなんとかということもあわせまして、適当に選択して、液体と固体のロケットを組み合わせてやっていくのだと思います。でも、根本から申しますと、制御のやさしさは、液体のほうにあるのだと私は思っております。
#70
○船田譲君 吉識委員にお聞きしたいのですが、昨年の十月に宇宙開発計画の見直しをいたされまして、電離層観測衛星打ち上げについても、実験用静止衛星打ち上げについても、それぞれ一年ずつ繰り下げられたようでございますが、その後の半年の経緯を見て、この計画はこれ以上おくれるおそれはないかどうか、まず、その点をお伺いしたい。
#71
○参考人(吉識雅夫君) いまのお尋ねでございますが、これは非常にむずかしい問題でございまして、委員会といたしましては、これ以上おくれはしないようにというのが念願でございまして、そういう意味からいたしまして、まず、一つには、技術的に問題点として解決していかなければならない問題はどういう点であろうかというような技術的な詰めの問題が一つにございます。それから、一方におきましても、先ほどもちょっと申し上げました、久保委員からも御質問ございましたとおり、予算的な制約の面もございます。両々の点から十分検討いたしまして、私どもとしては、できるだけ、もう繰り延べになるというようなことのないような事態に持っていきたいと考えておりますが、そこいらはさらに専門委員等に御調査願いまして、検討していきたい、こういうふうに思っております。
#72
○船田譲君 それで、一年ずつそれぞれおくらされたということによって、ことし三月からインテルサット協定の改訂に関する作業も進められておることについて、日本側のいろいろな権利主張に立場が弱くなる心配はないかということをひとつお聞きしたい。
#73
○政府委員(石川晃夫君) 簡単にお答え申し上げますと、弱くなることはなかろうということでございますが、このインテルサットの恒久協定をつくりますためには、前後三回にわたりまして予備会談を行なったわけでございます。これには、当面所管官庁でございます郵政省のほうから電気通信監理官が出席いたしまして、鋭意この交渉に努力したわけでございまして、その日本側からの主張といたしましては、ただいま御指摘ございました地域衛星の権利を確保するという問題、それからさらに、もう一つは、管理機関をどうするかというような、これは今度のインテルサットの会議での大きな問題になっていたわけでございます。
 この点につきましても、この地域衛星の権利につきましては、わがほうの代表が非常に各方面と接触し、また活躍いたしまして、おおむね各国の接触にも成功いたしまして、その権利を認められるような方向に進んでおります。
 なお、もう一つの大きな問題でございます管理機関の問題がございますが、これは、現在、インテルサットのマネージャーといたしましては、アメリカのコムサットがこのマネージャーをやっておりますが、このかっこうでいいかどうかという問題が焦点になったそうでございます。この問題につきましては、各国いろいろ意見がございまして、特にアメリカ側と欧州側と意見が対立したそうでございまして、この点につきましては、日本とオーストラリアが間に入りまして、その折衷案といいますか、解決策を講じまして、これもほぼ見通しがついたということでございますが、ただ、その意見のまとまりが会議の終わりになりましたもので――と申しますのは、実は二月の十六日から三月の二十日まで会議をやったわけでございますが、この会議の終わりごろになりましてようやくその意見がまとまったために、案文の作成までの期間がなかった。いわゆる時間切れになりまして、次の政府間会議にその案文の調印が持ち越されたということになっております。
 なお、正式にこの秋に開かれます政府間会議までの間に、一度中間会議を開きまして、その草案についてまとめるということになっておりまして、担当官庁の郵政省から、またその会議に出席して、最後の案文がまとめられるという段階になっていると聞いております。
#74
○船田譲君 コムサットの話が出ましたので、関連してお聞きいたしますが、インテルサットのいろいろな議決、表決といいますか、表決権について、日本はやはり一国一票方式を主張しておるんでしょうか。たしか、アメリカは資本の比でいくというようなことのように私は了解しておりましたが、その辺、どうでございましょうか。
#75
○政府委員(石川晃夫君) 現在ございますインチルサットの暫定協定でございますが、これにつきましての執行管理機関といたしましては、インテルサットの中に理事会がございまして、そこで決定されるわけでございます。今度の恒久協定の中におきまして提案されておりますのは、総会形式をとるということでございまして、最高機関として総会を置きまして、その総会においては一国一票という提案がなされておりまして、これについては意見がまとまっているというふうに聞いております。
#76
○船田譲君 それから、これは吉識委員にお聞きしたいんですが、赤道直上に打ち上げる静止衛星の数でございますが、六十と書いてある文献もありますし、やりようによっては百八十個だいじょうぶだというのですが、大体どの程度までだいじょうぶなのか。混信なんか考えまして、いまの通信技術といたしまして、いかがでございましょうか。
#77
○政府委員(石川晃夫君) 私のほうでかわってお答えいたします。
 いわゆる静止衛星と申しますのは、高度といたしまして三万六千キロと言われておりますが、正確には三万五千八百キロということでございまして、赤道上にその高さに打ち上げますと、地球の自転と同じようなスピードで回転いたしますので、いわゆる、とまったように見える。事実上とまったようなかっこうで使えるということで、静止衛星ということになっているわけでございます。したがいまして、地球のまわりでございますので三百六十度ということになりますので、衛星が二度置きに配置されれば百八十個。それから五度置きになりますと、また数が減ってくるということでございまして、その度数によって数がきまってくるわけでございます。
 この度数は何によってきまってくるかと申しますと、結局、衛星の性能ということになってくるわけでございます。たとえば、地球に向けまして、二度置きに、いわゆる地球の表面において二度の角度に対して電波を発射し、混信のないように発射できるというような衛星でございましたら、二度置きに配置できるわけでございます。ところが、それが性能上、やはり五度なり十度なりという大きな幅をカバーするようなものになりますと、その数が減ってくるということになりますので、それによって数が決定されてまいりますので、いろいろ、六十個あるいは八十個、あるいは百八十個といろいろな意見が出ているわけでございます。
#78
○船田譲君 もし、その最高の百八十できるとした場合には、たとえば、日本が主張している、あるいはELDOが主張しているような地域衛星が割り込める余地が若干あるわけですか。
#79
○政府委員(石川晃夫君) 現時点において、二度置きに設置するだけの技術ができているかという問題になりますと、私も実は専門家でございませんので、その辺の技術というものは、まだ詳細に承知してないわけでございますが、当初考えておりますのは、二度置きに設置できるであろうということで、一番数が多くて百八十個であろうというふうに考えられております。しかし、三万六千キロと申しましても非常に高層でございますので、必ずしも同じ高さに一メートルと違わずに並ぶというわけにもまいりませんので、その間に高さの差もございますし、また百八十個といいましても、ある部分によりましては、平等に衛星を配置するということができるか、用途によりまして、できるかできないかわかりませんので、その点におきましては問題が残るとは存じますが、地域衛星を打ち上げるという段階におきましては、やはり国際間の調整というものが必要になってくると思います。そのために、現在、各種のいろいろな通信関係の国際会議あるいは宇宙関係の国際会議において、その衛星をどのように配置するかということを検討中というふうに聞いております。
#80
○船田譲君 その次に、誘導制御技術の導入について若干お聞きしたいんですが、アメリカから導入する形になると思いますけれども、先方の軍事上あるいは企業上の秘密の保持との関連から、導入にあたってこちら側が何らかの条件をつけることを求められるのではないかという心配がある。また、どうしてもこちらが公開の原則でいく以上、導入できない部分が残っていく、それを自主開発で補って十分このタイム・スケジュールに到達できるのかどうかということについて、簡単にお伺いいたします。
#81
○政府委員(石川晃夫君) 昨年の七月に結ばれました日米交換公文の中に記載されておりますが、アメリカ側としてわが国に提供しようという技術並びに機器というものは、アメリカで現在開発しておりますソー・デルタ・クラスのロケットまでの技術を出そうということになっております。ただし、その中で秘密でないものについては出しましょうということでございますが、その意味は、現在アメリカの宇宙開発技術の中におきまして、いわゆる軍が開発いたしております秘密のものと、それから秘密でないものといろいろあるわけでございます。原文によりますと「クラシファイ」ということばを使っておりますが、アンクラシファイドのものは出せるということで交換公文の中でうたっているわけでございます。したがいまして、アメリカ側のほうといたしましても、ソー・デルタ・クラスまでのものならアンクラシファイドのもので十分であるというふうに判断しているわけでございます。したがいまして、われわれのほうで現在計画しておりますQロケットも、おおむねソー・デルタ・クラスのものでございますので、まずこれに必要とする技術は十分アメリカ側としても日本側に渡せるものというふうに考えている次第でございます。しかしながら、やはり、ものによりますると非常に精巧なものもあるかと存じます。その点につきましては、開発の段階におきまして内容を検討して、そうしてわが国の宇宙開発とアメリカ側の技術との間の調整をとらなければいけない問題もあるかとは存じますが、全般的な考えといたしましては、そのように、おおむね輸入し得るということを考えております。現に、現在までに相当数技術導入の契約が結ばれているわけでございますが、これなどにつきましても、別にいままでのところは支障なく入っているわけでございます。
#82
○船田譲君 その導入の場合ですね。これは、政府機関対政府機関で導入するのか、企業対企業で導入するのか。
#83
○政府委員(石川晃夫君) これは、交換公文の中に含めてございますが、企業間で行なうということになっております。
#84
○船田譲君 それから、誘導制御技術以外に、何か導入の必要のある分野があるんでしょうか。
#85
○政府委員(石川晃夫君) 現在までに入っておりますもので誘導制御以外のものといたしましては、たとえばロケットエンジンの地上燃焼試験設備等に使われますノーハウの技術等が入っております。
#86
○船田譲君 その次に、東大の開発では大体ロケットメーカーは一社であったと思うんですけれども、今後宇宙開発計画を強力に進めていく上において、関係メーカーが一社で負担し得るものかどうかということに、ちょっと私は心配を持つんですが、その一点と、もう一つは、せっかく導入したり自主開発したりした、この技術が、他の産業、特に平和産業に波及効果がなければ、あまりおもしろくないと思うんです。そういう意味で、どういった面に波及効果が期待できるかという二点についてお答え願います。
#87
○政府委員(石川晃夫君) 初めに、メーカーの問題についてお答えいたします。
 東京大学が宇宙開発を始めましたのが昭和三十年ごろからでございます。その当時は、単なるロケット研究ということから始まったわけでございまして、その当時におきましては、あまりメーカー関係も関心はなかったようでございますし、また、東京大学が開発するために積極的に応援しようというメーカーも国内では少なかったんではなかろうかというふうに推察しております。したがいまして、東京大学といたしましては、機構も、いわゆる全段固体燃料を使ったロケットでございますので、一社で――具体的に申しますと日産でございますが、日産がこれに参加いたしまして、そうして現在のロケットをつくり上げたということでございます。しかし、宇宙開発事業団といたしましては、御指摘のように、わが国の宇宙開発というものがそういう一社に片寄るということではなしに、やはり広く日本の産業界の向上のためにこの宇宙開発というものを行なうという趣旨もございますので、なるべく、できますれば、相当広範囲に、こういうようなことで宇宙開発に参加してほしいというふうには考えております。しかしながら、宇宙開発と申しますのは、いわゆる営利的に見ますと非常にむずかしいものでございます。したがいまして、これに参加し得るというメーカーについては、おのずから制限されてくるものだと思います。しかしながら、われわれといたしましても複数ということが好ましいことでございますし、また、現にQロケットの開発にあたりましては、やはり数カ所のメーカーがこれに参画いたしまして、現在開発のための試作を行なっているという現況でございます。
 次に、技術の波及効果でございますが、これは、現在まで、アメリカにおいて相当宇宙開発が進んでまいりまして、アメリカにおきましては種種の波及効果が出てきているわけでございます。その部分的なものは日本にも入ってきておりますし、またあるいは、われわれは現実にその宇宙開発の波及効果ということを知らずに使ってるものもあるわけでございます。たとえば、町でよく見かけます耳の中へ入れる補聴器のようなものでございますが、こういうものを小さくつくるというようなものも、これは宇宙開発の波及効果でございます。また、そのほか、人工心臓あるいは防熱被服、あるいは材料にいたしましても、抗熱材料あるいは断熱材料、こういったようなものにつきましても、現在アメリカで開発されました宇宙開発の効果が、日本に現実にわれわれの生活の中に入ってきているということでございます。わが国で宇宙開発を行ないますと、やはりこのような、また、きめのこまかい波及効果というものが、国内においても行なわれることを期待しておりますし、まあ必ずそういうふうになるんだと信じております。
#88
○船田譲君 原子力については原子力産業会議があり、それからさらに電力では、電気事業協会ですか、ああいうものが非常に積極的に、民間のサイドから協力をいたしておりますが、宇宙開発については、こういうような民間団体というのはないんでございますか。
#89
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙関係につきましては、現実に宇宙開発にわが国が取り組んだということは、非常に時日が浅いもんでございますから、そのようなしっかりした団体はないわけでございますが、しかしながら、現在、メーカーの団体でございます経団連におきましても、宇宙開発推進会議というようなものをつくりまして、この宇宙開発についても力を入れているわけでございます。これは、先ほどお話がございました、各メーカーがこれに従事することによって、さらに宇宙開発によって波及効果というものも考えて、宇宙開発を進めようという態勢で進んでいるわけでございます。宇宙開発そのものにつきましては、現在、宇宙開発事業団がほとんど金額といっていいほど政府出資でございますし、そのような性格から見まして、この宇宙開発というものはどうしても国で進めなければならないという点において、原子力関係とは趣を異にしておると存じております。
#90
○船田譲君 最後に、宇宙の定義についてちょっとお聞きしたいんですが、国連の宇宙平和利用委員会でも宇宙の定義についての審議をやっていると聞いているんですが、今日までの審議の結果と申しますか、簡単でけっこうですが、教えていただきたい。
#91
○政府委員(石川晃夫君) 国連の宇宙平和利用委員会におきまして、宇宙条約ができましたときから、この宇宙の定義というものについて検討を進めておるわけでございます。再三会合を開きまして、その中に、法律小委員会、さらには科学技術小委員会という二つのグループによりまして、この宇宙空間の定義を検討しておるわけでございますが、実はまだ、検討内容におきましても結論が出ていないというのが実態でございます。なぜかと申しますと、実は、宇宙空間の定義を規定するにあたりまして、いろいろな意見が出まして、おおむねこれをまとめますと、九つぐらい意見があるわけであります。これをまた大まかに分けますと、大体、物理的な現象から分けるという分け方、それからもう一つは、現実的なことでございますが、たとえば、航空機の飛行可能高度とか、バルーンの上昇可能限度とか、あるいは人工衛星が継続的に飛べる飛行高度とか、こういうようなものから分けるという考え方もございます。またあるいは、月から以遠を宇宙空間と定義すべきであるという意見などもございます。このようにいたしまして意見が分かれて、これをまとめるべく法律小委員会あるいは技術小委員会でやっておるわけでございますが、実際のところ、なかなか意見がまとまっていないというのが現状でございまして、現在も、ニューヨークでこの技術小委員会を開催しておるわけでございます。多分今回も、これについてはなかなか結論が出ないだろうと存じております。
#92
○船田譲君 それでは、本委員会の、宇宙開発委員会の、いうところの当面の宇宙開発の定義はどの辺にありますか。
#93
○政府委員(石川晃夫君) 委員会におきます宇宙開発の定義でございますが、これは、委員会の所掌に属するものについて、この設置法の中に述べております、宇宙開発とは次のようなものであるということで、「人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケットの開発並びにこれに必要な施設及び設備の開発」、もう一つは、「人工衛星等の打上げ及び追跡に必要な方法、施設及び設備の開発並びに人工衛星の打上げ及び追跡」、これを「宇宙開発」というというふうに述べてございます。これは、現在の宇宙開発委員会設置法の目的あるいは所掌事務というものから、このように定義されておるわけでございます。
#94
○船田譲君 しばらく前に、宇宙開発基本法を原子力基本法のように制定すべきだという議論が出ましたときに、まだ国連における宇宙の定義さえはっきりしないときであるから当分は無理であるということでござましたが、やがては制定すべき時期が来ると思いますが、大体その時期はいつごろというふうにお考えでございましょうか。
#95
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙開発基本法につきましては、かねがねいろいろ国会でも御審議をお願いしておるわけでございます。ただいま申しました定義につきましても、ただいま御説明しましたように、なかなかきまりかねる問題もあるわけでございます。しかし、この定義だけの問題ではなく、宇宙の開発利用というものをどのようなかっこうで進めていくかということは、やはり基本法の本質的な問題になってくると思います。
 一方、宇宙開発の世界の状況を見てみますと、わが国におきましては、あまり進んでいるというふうには言いかねるわけでございますが、しかし、わが国がこれを契機といたしまして今後宇宙開発を進めてまいりますが、諸外国におきましても、いろいろな形をもって宇宙開発を進めております。ことに、米国等におきましては、ポスト・アポロ計画というものを考えまして、そうして宇宙に宇宙ステーションを飛ばせようというような構想もございますし、また、先般新聞で拝見したところによりますと、ソビエトにおいても同じような計画がある。こういうことになりますと、宇宙がどのように利用されていくかという問題について、われわれ当初考えていなかったような現象がどんどん出てまいりますし、また、それを解決する方法が現時点ではまとまらない、われわれの側においてはまだまとまっていないというのが実態でございます。さらに、この宇宙開発にあたりましては、開発におきます――いろいろ国連等におきましても、宇宙開発による損害賠償協定の問題、あるいは宇宙汚染の問題、このような国際的な問題が最近どんどん出てきております。したがいまして、そのような点につきまして十分資料を集めまして、そうして、しっかりした基本法をつくらなければ、かえって、急いであまり簡単な基本法をつくったために、わが国の国益が外国から侵されるというような事態があっても困りますし、その点、慎重に検討したいと思っておりますが、従前から科学技術庁におきましてもこれについては鋭意検討を進めている段階でございます。
#96
○委員長(宮崎正義君) ほかに御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 宇宙開発事業団の島理事長、宇宙開発委員会の吉識委員のお二人の参考人に来ていただきまして、本日は、まことに御多忙のところ、ありがとうございました。
 なお、藤本政務次官、矢島官房長に、大臣がおいでになりませんで、お二人の参考人の方々から予算措置の問題と内容の組織問題等につきまして貴重な御意見がございましたので、大臣にお伝え願って善処をはかっていただきたいということを私からお願いいたしておきたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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