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1970/02/25 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 物価等対策特別委員会 第3号
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1970/02/25 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 物価等対策特別委員会 第3号

#1
第063回国会 物価等対策特別委員会 第3号
昭和四十五年二月二十五日(水曜日)
   午後零時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 フク君
    理 事
                小枝 一雄君
                竹田 四郎君
                阿部 憲一君
                中沢伊登子君
    委 員
                赤間 文三君
                上原 正吉君
                大森 久司君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                高田 浩運君
                山本  杉君
                吉江 勝保君
                鈴木  強君
                藤原 道子君
                山木伊三郎君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣  佐藤 一郎君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       経済企画政務次
       官        山口シヅエ君
       経済企画庁調整
       局長       新田 庚一君
       経済企画庁国民
       生活局長     矢野 智雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価対策の基本方針に関する件)
 (公正取引委員会の物価対策関係業務に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(横山フク君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 一言ごあいさつ申し上げます。
 このたび皆さま方の御推挙によりまして、本委員会の委員長に就任いたしました。まことに微力でございますが、皆さま方の御支持をいただきまして、その責任を全うしたいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#3
○委員長(横山フク君) 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、物価対策の基本方針について政府当局から説明を聴取いたします。佐藤経済企画庁長官。
#4
○国務大臣(佐藤一郎君) このたび経済企画庁長官に就任いたしました佐藤でございます。
 当委員会には、今後、わけてもいろいろと御指導願わなければならないと思います。どうぞひとつ、よろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
 それでは、物価対策、消費者保護対策につきまして、一言申し上げたいと思います。わが国経済は、本年二月で通算五十二カ月の景気上昇局面を迎え、ここ三年来、実質一三%をこえる高成長を続けております。しかし、このような急速な経済拡大の過程において、従来からの消費者物価の上昇に加え、内外需給の逼迫による卸売り物価の騰勢も顕著になり、物価の基調に新たな変化が生じようとしております。
 このような事態を放置するならば、わが国経済はインフレへの道を歩む危険もなしとしないのであります。
 政府としては、こうした段階において、物価安定を経済運営の最重点課題とし、一切の安易な態度を捨てて、その実行に取り組んでまいる所存であります。
 このためには、まず何よりも、総需要の急速な拡大が物価上昇圧力とならないよう財政金融政策を慎重に運営することが必要であり、また、このことは、とりもなおさず、次に述べる構造改善のための諸施策が効果をあげるためにも必要となるのであります。こうした総需要政策と相まって、低生産性部門の生産性向上、特に生鮮食料品の流通合理化のため格段の努力を払い、輸入の自由化や競争条件の整備をはかり、経済の効率化を進めてまいる考えであります。同時に、米・麦価水準の据え置きをはじめ、各種公共料金については極力抑制をはかり、また、地価の上昇に対しても総合的な対策を講じてまいる所存であります。さらに、今後予想される労働需給の逼迫化という環境においては、賃金と物価との関連についても十分な配慮が必要であろうと考えます。
 以上により、四十五年度については、消費者物価の上昇率を四%台にとどめるとともに、卸売り物価の鎮静化をはかり、これを手がかりとして長期的な物価安定を実現してまいる所存であります。
 こうした諸政策を実行するにあたって何よりも御理解をいただきたいことは、物価安定には必ずそれなりの代償が要求されるということであります。経済全体の効率化をはかり、物価の安定を達成するためには、従来の産業保護的な制度、慣行に大きな変化が要求される場合も数多く予想されます。このような問題を一つ一つ克服していかなければ、いかなる施策といえども机上の空論にとどまらざるを得ません。国民各層の御理解と御協力を心から期待いたしたいのであります。
 次に、物価問題と並んで国民生活に密接な関連のある消費者行政につきましては、消費者保護基本法の精神と同法成立の際の国会決議の方向に沿って施策を進めてまいっておりますが、今日までのところ、次第に成果をあげつつあると考えております。
 しかし、有害食品、誇大広告等から消費者を守る必要性がますます高まっている情勢に対応して、今後とも危害の防止をはじめ、表示、規格の適正化等の施策を推進するとともに、合理的な消費生活にとって必要な情報の提供、中央地方を通ずる苦情処理体制の整備を一そう強力に推進することによって、消費者利益の擁護と増進をはかる所存であります。
 また、急速な経済の発展、技術進歩に対処し得ないため、日常生活の各部面において国民の不満が高まりつつある現状から考えまして、国民との対話の場を確保し、市民の直面する消費生活上の諸問題について円滑な情報、意見の交流をはかることが肝要であると考えます。
 このような視点から、四十五年度予算において国民生活センターを設立することにいたしました。
 本委員会におかれましても、以上のような政府の考え方を御理解いただきまして、よろしく御支援を賜わりますようお願いいたす次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○委員長(横山フク君) この際、山口経済企画政務次官から発言を求めらておりますので、これを許します。山口経済企画政務次官。
#6
○政府委員(山口シヅエ君) このたび経済企画政務次官に就任いたしました山口シヅエでございます。
 委員の皆さま方の御指導をいただきましてお役目を果たしていきたいと存じておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○委員長(横山フク君) 先ほどの佐藤経済企画庁長官の発言を補足し、政府委員から説明を聴取いたします。
 昭和四十五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度について、新田調整局長。
#8
○政府委員(新田庚一君) お手元にお配りしてあります「昭和四十五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、四十五年度の出発点となります四十四年度の経済情勢について申し上げますと、年度当初以来、活発な生産活動、旺盛な設備投資、金融機関貸し出しの著増等、実体経済、金融の両面におきまして急速な拡大が見られ、景気の動向に懸念すべき現象があらわれましたので、昨年九月、日本銀行は公定歩合の引上げ等の金融調整措置を実施いたしました。その後、この措置の影響は金融面にはあらわれているものの、実体経済の基調にはさほどの変化が見られず、物価の騰勢も依然根強いものがあります。
 このような拡大基調を反映しまして、四十四年度の国民総生産は、ほぼ六十二兆五千五百億円程度の規模となり、経済成長率は実質一三・二%程度になるものと見込まれます。他方、国際収支は、総合収支で二十億二千万ドル程度と、前年度を上回る黒字となる見込みであります。
 物価について見ますと、卸売り物価は、旺盛な内外の需要と海外市況の高騰の影響を受けまして、鉄鋼、非鉄金属を中心に前年度比三・二%程度と、近年にない高い上昇が見込まれ、消費者物価は、季節性商品が高騰したこともあって、五・七%程度の高い上昇になる見込みであります。
 以上のように、経済は、なおかなり強い拡大傾向を示しており、消費者物価の騰勢に加えて、卸売り物価の動向も引き続き懸念される情勢にあります。
 他方、米国景気の鎮静等により世界貿易の伸びが低下し、これに伴い、わが国の輸出も鈍化するものと予想されますが、四十五年度の国際収支は、後ほど申し上げますように、なおかなりの黒字を続けるものと見込まれますので、国際的視点に立った経済運営の必要性が一段と高まるものと思われます。
 四十五年度の経済運営にあたりましては、以上のような経済情勢を考慮し、経済政策の適切かつ機動的な運用により総需要を適正に保ち、物価の安定を当面の最重点課題として取り組むとともに、経済の国際化、効率化の一そうの推進、社会開発の積極的な展開をはかることといたしております。
 とのような経済運営の基本的態度のもとで、四十五年度におけるわが国経済の姿を想定いたしますと、国民総生産は七十二兆四千四百億円程度の規模となり、その成長率は実質一一・一%程度になる見込みであります。
 この場合における経済の主要項目につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 まず、国内需要について見ますと、個人消費支出は、引き続き堅調に推移し、前年度比一五・九先程度の伸びが見込まれます。民間企業設備投資につきましては、金融調整措置の効果の浸透等により、増勢は鈍化し、前年度比一七・二形程度の増加になるものと思われます。民間在庫投資は微増にとどまるものと見込まれますが、民間住宅投資は、前年度比二四・四%程度の高い伸びを続けることが予想されます。次に、政府の財貨サービスの購入は、前年度に比べ一四・八%程度の増加になる見込みであります。
 このような需要の動向を反映しまして、鉱工業生産は、前年度比一五%程度の伸びが見込まれます。
 次に、国際収支につきましては、輸出は、世界貿易の伸びの低下から、その増加率は前年度よりかなり鈍化し、前年度比一四・六%増の百八十八億ドル程度になるものと思われます。一方、輸入は、前年度比一七・五%増の百四十八億ドル程度と見込まれます。この結果、貿易外収支と移転収支の赤字幅増大を勘案いたしましても、経常収支では、二十億二千万ドル程度と、前年度に続いて大幅な黒字が予想されます。他方、経済協力の進展、外国資本流入の落ちつき等のため、長期資本収支の赤字幅は前年度より増大するものと見込まれますので、総合収支では、十億七千万ドル程度の黒字となる見通しであります。
 最後に、物価につきましては、ただいまの長官のあいさつにありましたように、各般の施策を講ずることにより、消費者物価は前年度比四・八%程度、卸売り物価は前年度比一・九%程度の上昇にとどめるようつとめることといたしております。
 以上、昭和四十五年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして御説明申し上げた次第でございます。
#9
○委員長(横山フク君) 次に、物価と消費者行政について、矢野国民生活局長。
#10
○政府委員(矢野智雄君) お手元にお配りしてあります「最近の物価動向について」という資料と、「消費者行政の現状」につきまして概略御説明申し上げます。
 最初に、最近の物価動向について申し上げます。
 お手元にお配りしてありますグラフの一ページ、この下のほうに囲みになって数字が載っておりますが、まず、これをごらんいただきたいと思います。
 最近五年間の動きをここに掲げてありますが、総合指数を見ていただきますと、四十年度に六・四%上がりましたほかは、大体四%台の上昇におさまっておりますが、四十四年度につきましては、ただいま判明しております十二月までのところ、前年同期比の上昇率を見ますと、五・八%になっております。年度全体といたしましては、まだもちろん実績は判明しておりませんが、先ほど調整局長が御説明いたしましたとおり、五・七%程度になるものと見込んでおります。政府の当初見通し五%よりも、かなり上回る見込みであります。
 この一つの大きな原因は、季節商品の動きであります。そのグラフの二段目に、季節商品を除いた総合指数の数字を掲げてございますが、これによりますと、本年度四―十二月間の前年同期比は五%、これだけですと、政府の当初見込みとそう大差ないわけでありますが、季節性商品が四―十二月の一四・五%上がっております。これが全体を押し上げました一番大きな原因であります。季節商品について見ますと、過去五年間かなり波を描いております。かりにこの五年間平均いたしますと、年率六・三%でありますが、年によりましては一割以上上がる、ある年にはむしろ前年よりもわずかながらでも下がる、こういう波を描いております。で、本年度はかなりこれが大幅に上がったのであります。そこのグラフをごらんいただきますと、点線、ほぼ一直線に動いておりますが、この点線の部分、これが季節商品を除いた総合指数であります。この前年同期の上昇率を見ていただきますと、最近でも大体五%あるいはそれを少し下回る程度の動きをしておりますが、一番波の大きい季節性商品、この前年同期には非常に大きく振れております。たとえば、昨年の冬ごろは暖冬異変で非常に大きく下がっておりますが、本年度になりますと、かなり上昇率が、対前年同期比で高くなっております。時に、昨年末からことし一、二月ごろは、異常乾燥の影響もありまして、しかも、昨年暖冬で非常に安かった上に、ことしは異常乾燥、この両方のいわゆるダブルパンチを受けまして、最近では、前年同期を二割以上も上回るという、こういう変動をしております。そうした季節商品の上昇も大きな要因になりまして、本年度はかなり上昇率は全体としても高くなったわけであります。
 なお、二枚目の表をごらんいただきますと、これは、最近三年間の消費者物価指数のおもな類別の内訳を載せてあります。先ほどの一ページでお示しいたしましたのは年度で、こちらは暦年の数字で、ちょっとちぐはぐで恐縮でありますが、暦年のほうですと四十四年全体がわかるという関係もありまして、こちらは暦年を掲げてございます。
 一番右の欄に、上昇寄与率というのがございますが、最近三年間を見ていただきますと、全体を一〇〇にいたしまして、その消費者物価上昇のほぼ半分は食料価格の騰貴によっております。また、一番下の欄、雑費、これは主としてサービス関係のものが多いのでありますが、これは全体の騰貴の約三割になっております。ほぼ三年間同じような状況であります。なお、まん中の欄に、年々の上昇率そのものを掲げてございますが、ここで特に目立ちますのは、食料の騰貴の中で、特に生鮮魚介、これが年に一三%上がっております。それに対しまして、野菜、これはかなり年によって変動が大きく、四十二年は対前年二割上がる、四十三年はむしろ四%対前年で下がる、四十四年は五・八%上がっております。ただ、これは年度にいたしますと、もっと上がり方が強くなります。と申しますのは、四十四年の一−三月が暖冬異変で相当安くなっておりますので、暦年ですとその分が入りますので、わりあい低いのですが、年度にいたしますと、かなりこれが上がることになると思います。何といいましても、国民生活に非常に身近な、日常買うものとして緊密に関連のあります生鮮食品、これがかなり上がっている、あるいは年々の変動が大きいというところが目立った動きであります。
 以上が消費者物価であります。
 三枚目の表に卸売り物価の動きが載せてあります。暦年の数字でありますが、まん中の欄に、最近三年間の上昇率が掲げてございます。四十二年が一・九%の上昇、四十三年が〇・八%の上昇、大体卸売り物価は、過去五年、十年の間をとりましても、また、諸外国と比べましても、比較的安定しておりましたが、四十四年に入りまして二・二%上がっております。年度にいたしますと、先ほど調整局長が御説明いたしましたとおり、三・二%程度になる見込みであります。なお、最近一カ月の卸売り物価を前年同月に比べますと、四・五%ほど上がっております。従来比較的安定しておりました卸売り物価が、昨年に入りましてからかなりのピッチで上がり出す、これが一つ新しい動きとして注目されると思うのであります。
 その内容を見ていただきますと、まん中の欄の上昇率で、食料が、四十三年、四十四年は五%内外上がっているのが一つ目立ちます。それから鉄鋼は、四十三年はかなり下がりましたが、四十四年は六%余り上がっております。非鉄金属は、四十四年一一・八%、非常に大幅に上がっております。全体の卸売り物価上昇に対する寄与率でいいますと、一番右の欄でありますが、四十四年につきまして、食料が約三分の一、鉄鋼と非鉄金属がそれぞれ四分の一ずつ、鉄鋼と非鉄金属合わせまして約半分、こうしたところの上昇が目立っておるわけであります。
 物価の最近の動向につきましての御説明は、以上であります。
    ―――――――――――――
 次に、消費者行政の現状について概略御説明いたします。
 現在、政府は消費者保護基本法の精神にのっとりまして、各種の消費者保護施策を進めております。具体的な施策の基本的な方向につきましては、基本法成立の際の国会議決に示されておりまして、その内容に従いまして現状の要点を概略御説明いたします。
 まず第一は、消費者保護のための法令の制定、再検討及び運用の強化についてであります。
 その一つは、食品に関する危害を防止するため、食品衛生法の運用の強化を行なっております。特に最近問題とされております食品添加物につきましては、四十三年度において、ズルチンの使用禁止、過酸化水素の使用基準の設定、四十四年十一月にはチクロの禁止措置等を行ないましたほか、残留農薬につきましても規制を強化しております。
 また、四十四年七月には政省令等を改正いたしまして、営業に関する規制の強化、標示制度の充実、添加物の規制の強化等を行なっております。さらに、食品衛生パトロール車の整備などによります監視体制の強化、食品添加物の安全性、食品に残留する農薬に関する試験研究の拡充をはかっております。
 第二に、加工食品の合理的な選択に資するため、農林物資規格法により規格の拡充を行なっておりますが、さらに充実をはかりますため、対象品目に輸入品も含めること、表示義務制の導入などを内容といたしました改正案を本国会に提出すべく農林省で準備を進めております。
 第三に、食品の表示につきましては、景表法及び農林物資規格法、食品衛生法などの法律で適正化をはかると同時に、消費者の立場から見て統一的に運用されるように各省庁の連絡を密にして運用してまいっております。
 第四に、鉱工業品につきましては、工業標準化法によりまして合理的な工業標準を制定し、品質の向上をはかっておりますが、四十三年度には、産業基盤の強化と消費者保護の強化を目的といたしました工業標準化推進五カ年計画を策定し、この計画に沿って、消費財につきまして日本工業規格の制定改正を積極的に進めております。
 また、日本工業標準調査会では、四十四年一月に、「消費財の標準化の推進に関する建議」を行ないましたが、これを早急に行政に反映させることにしております。
 第五に、薬事法についてでありますが、医薬品の毒性、副作用の問題に関しまして、製造輸入承認段階での審査体制を整備し、あるいは製造承認段階では予測できなかった副作用による事故をすみやかに発見し措置できる体制の確立をはかるなどして、安全性の確保につとめております。
 第六に、不当景品類及び不当表示防止法についてでありますが、公正競争規約の制定促進について業界を強力に指導するとともに、加工食品を中心に不当表示の取り締まりを強化しております。この点につきましては公正取引委員長から御説明があるかと思いますので、詳細は省略いたします。
 第七は、消費者組織の育成についてでありますが、この点につきましては、生活学校の運営や日本消費者協会の活動、消費生活協同組合の事業などにつきまして指導や助成を行ない、組織の健全な発展をはかっております。
 第八は、このほか、法令の整備、再検討に関しましては、家庭用ガス用品の安全を確保すること等を目的といたしましたガス事業法改正案及び宅地建物の割賦販売、特に積み立て式割賦販売に関しまして、消費者保護の観点から新しい法案を関係省で準備しております。
 そのほか、消費者保護基本法に関連いたします国会決議におきましては、独占禁止法の運用強化、再販維持制度等についての項目がございますが、この点につきましては公正取引委員長から御説明があるかと思いますので、省略さしていただきます。
 なお、消費者行政関係の予算につきましては、最後に参考表を掲げてございますが、四十五年度は十四億一千二百万円でありまして、前年度の七億三千七百万円に対しまして九二%増加、ほぼ倍増に近い増加をしておりますが、こうした予算を有効に活用いたしますとともに、そのほかのいろいろな行政施策によりまして、さらに消費者保護行政の推進につとめてまいりたいと、こう考えております。以上であります。
#11
○委員長(横山フク君) 公正取引委員会の物価対策関係業務について説明を聴取いたします。谷村公正取引委員会委員長。
#12
○政府委員(谷村裕君) 昨年十一月十五日付をもちまして、山田前委員長のあとを受けて、公正取引委員会の委員長に就任いたしました谷村でございます。
 たいへん当委員会とはいろいろ関係も深く、また、常に御教示、御指導をいただく立場におる者でございます。大蔵省に在職いたしたことがございましたが、その節はまたいろいろと御指導にあずかったわけでございますが、今後ともよろしくお願い申し上げたいと存じます。
    ―――――――――――――
 昭和四十四年中におきます公正取引委員会の物価対策関係業務について御説明いたします。
 御承知のとおり、ここ数年来、物価問題が非常に大きな課題として取り上げられてまいりましたが、物価対策の面で公正取引委員会の果たすべき役割りは、独占禁止法等を厳正に運用いたしまして、公正かつ自由な競争を促進することにより、経済の発展を促進し、究極において一般消費者の利益を確保するという本来の任務に尽きるわけでありますが、具体的には次の四点に重点を置いております。
 第一点は、価格協定等違法なカルテルについて厳重な取り締まりを行なうとともに、独占禁止法の適用除外となるカルテルの許容についての主務大臣等からの協議にあたりまして、きびしい態度をとることであります。第二点は、再販売価格維持行為の規制についてであります。第三点は、いわゆる管理価格など硬直的な価格の実態を究明いたしまして、その対策を考えることであり、第四点は、商品の不当な表示を排除し、過大な景品つき販売を規制することにより、消費者の商品選択にあたっての価格意識を高めるようにつとめることであります。
 まず、第一点の違法な価格協定等の取り締まりでございますが、独占禁止法では、これと不当な取引制限といっております。すなわち、事業者が協定などによって価格を決定したり、維持したり、引き上げたり、あるいは生産数量、販売数量などを決定したりすることによって、一定の取引分野におけに競争を実質的に制限することがこれでありまして、第三条において禁止いたしております。
 昭和四十四年中における審査件数百七十四件のらち、価格カルテルに関するものが九十九件を占めており、また、審査いたしました事件のらち法的措置をとりましたものは二十三件でありますが、価格に関するものは十七件にのぼっております。なお、家庭電器製品についての違法な再販売価格維持行為等九件につきまして審判を行ないました。
 次に、独占禁止法では、原則としてカルテルを禁止いたしておりますものの、例外として、中小企業関係として、中小企業団体の組織に関する法律、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、貿易対策の見地から輸出入取引法など四十の法律によって合法的にカルテルを認めておりますが、その数は、昭和四十四年十二月末現在八百九十四件にのぼっております。これらのうち、中小企業団体の組織に関する法律に基づくカルテルが一番多く四百七十七件、次いで、輸出入取引法に基づくカルテルが二百二十三件、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づくものが百二十三件となっており、これらが大部分を占めております。
 公正取引委員会といたしましては、これらの認可にあたりまして、主務大臣から同意あるいは協議を求められました場合には、それが必要最小限度のものであるかどうか、あるいはそれが関連事業者や一般消費者の利益を不当に害するおそれがないかどうか、そういうことを厳重に審査して、同意または協議に応じておるわけでございます。
 このほか、独占禁止法においても不況カルテルの制度が認められておりますが、現在では不況カルテルを実施しているものはございません。
 第二点は、再販売価格維持行為の規制の問題であります。
 再販売価格維持行為は、製造業者が卸売り業者、小売り業者の販売価格を指定し、これを守らせる行為でありまして、これは原則として独占禁止法の不公正な取引方法の態様の一つとして禁止されているところでございますが、特定の商品につきましては、製造業者と卸売り業者間あるいは卸売り業者と小売り業者間の再販売価格維持契約を独占禁止法の適用除外といたしております。しかしながら、この再販売価格維持契約制度が安易に用いられる傾向がありますので、物価対策の見地から、昭和四十四年中には、医薬品、化粧品、家庭用石けん及び歯みがきにつきまして、リベート、現品添付等の実態を調査いたしましたが、今後も引続きその適否を検討するとともに、個々の契約内容につきまして、それが正当な行為の範囲を逸脱したり、また、一般消費者の利益を不当に害することのないよう厳重に規制を加えていく所存であります。なお、昭和四十四年中における再販売価格維持契約の成立届は七社、十件であり、これを累計いたしますと、昭和四十四年十二月末現在、九十三社、百二十八件となっております。また、昭和四十四年には十三件の違法な再販売価格維持行為について審査を行ない、三件について法的措置をとりました。
 第三点は、いわゆる管理価格の調査であります。これは、比較的少数の大企業が支配的な地位を占めているような業界におきまして、ある程度価格が硬直しているような商品につき、今その原因がどこにあるかということを探究することであります。最近、物価対策の見地から、大企業における生産性向上の成果の一部を消費者にも還元すべきであるということがいわれておりますが、いわゆる管理価格についての調査は、とのような要請にも寄与するものと存じます。公正取引委員会といたしましては、単に価格が硬直しているからといって価格の引き下げを命ずる権限を有するものではございませんが、調査の結果、たとえば価格協定などの事実が明確である場合、あるいは新規企業の進出をはばむ等の行為が行なわれているような場合には、いずれも独占禁止法違反の行為として排除措置をとるということに相なります。公正取引委員会といたしましては、いわゆる管理価格調査を、昭和四十四年中には写真用フイルム、アルミ地金につきまして実施しましたが、この問題の重要性にかんがみまして、今後とも一そうの努力を続けてまいりたいと存じます。
 第四点は、過大な景品つき販売及び不当表示の規制であります。
 過大な景品つき販売、虚偽誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、正常な品質や価格による能率競争を阻害することとなるため、公正取引委員会といたしましては、消費者の価格意識を高め、消費者を保護するという立場から、不当景品類及び不当表示防止法を厳正に運用することにより、これらの規制につとめております。昭和四十四年中には、過大な景品の提供十七件、不当表示五十三件につきまして排除命令を行ない、また、景品関係二件、表示関係四件の公正競争規約の認定を行ないました。
 以上が昭和四十四年中における物価対策関係業務の概要でありますが、今後、公正取引委員会の業務は一層重要性を増すものと考えられますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほど、お願い申し上げます。
#13
○鈴木強君 国民生活局長さんにちょっと資料で聞きたいんですが、二枚目の消費者物価指数の点は、暦年だとおっしゃいましたね。三枚目の卸売り物価の場合に暦年であるかどうか、これを念のために。
 それからもう一つは、「消費者行政の現状」の中で、最後の「消費者行政関係予算案を事項別に示す」ということでありますね。これは単位がないんですね。円だとか何とかが。さっぱりわからぬ。そういう点がちょっと不親切だね。
#14
○政府委員(矢野智雄君) 最初の点、卸売り物価は暦年であります。
 それから二番目の点は、単位を落としまして失礼いたしました。千円であります。
#15
○鈴木強君 それから公正取引委員長さんにいま御説明を伺ったのですが、この委員会でも非常に論議をいたしました寅士・八幡の合併の問題ですね。その後の経過を私どもは知りたかったのですが、一言も触れてないのですね。何か意図があったのですか。
#16
○政府委員(谷村裕君) 広い意味で申しますと、公正取引委員会のやっておりますことがすべて物価問題に関連していると思いましたが、特にいわば直接物価に関係ある問題といたしまして、この四点だけを申し上げたということで、別に他意はございません。
#17
○鈴木強君 認識の相違だから、また質問します。
#18
○委員長(横山フク君) 以上をもちまして、政府当局からの説明聴取を終わります。
 本件についての御質疑は、都合により、これを後日に行なうこととし、本日は説明聴取にとどめたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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