くにさくロゴ
1970/04/08 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 物価等対策特別委員会 第6号
姉妹サイト
 
1970/04/08 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 物価等対策特別委員会 第6号

#1
第063回国会 物価等対策特別委員会 第6号
昭和四十五年四月八日(水曜日)
   午後四時十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 フク君
    理 事
                小枝 一雄君
                竹田 四郎君
                阿部 憲一君
                中沢伊登子君
    委 員
                赤間 文三君
                上原 正吉君
                大森 久司君
                櫻井 志郎君
                高田 浩運君
   国務大臣
       国 務 大 臣  佐藤 一郎君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     矢野 智雄君
       農林省畜産局長  太田 康二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       農林大臣官房参
       事官       山下 一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (当面の物価対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(横山フク君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
 竹田君。
#3
○竹田四郎君 きょうもたいへん時間がないそうですから、非常に残念だと思っておりますけれども、ことばの上や政策の上では、たいへん物価の問題がやかましくいわれているわけですが、実際上は、委員会ですら、口ではやかましく言っているんですが、実質上の審議ができない。こういう状態も非常に遺憾だと思うんですけれども、しかし、物価に悩んでいる国民のことを考えると、まあ少しの時間でもやはり審議を進めていくということが必要ではなかろうかと、こういうふうに思いまして、急に、詰めて質問をしたいと思います。
 一昨六日の日に、物価安定政策会議が、御承知のように、行政介入と物価についての提言をまとめまして、これを政府に提出したわけであります。この内容を十分に検討するひまはございませんでしたけれども、まあ一べつしても、それはいずれも政府がやる気を出せばできるという措置を非常に具体的に述べていると思うわけでありますし、提言の中でも一いままで、政策会議あるいはその前の会議のいろんな提案というものが、提案はするけれども、ほとんどそれが無視をされてきたというのがいままでの実情であったと思うわけであります。提言でも、その点はかなりきつい釘をさしていると思うわけでありまして、「総理始め関係閣僚が率先して、物価対策閣僚協議会等の場において、スケジュールを作成し、本提言の具体化を積極的に推進し、一日も早くその成果を国民に明示することを強く要望する。」と、こう書いてありまして、おそらく、いままでにこれほど強い提言というものはなかったように思うわけであります。
 しかし、この提言が出まして、一昨日からのいろいろな新聞の報道あるいは予算委員会における関係閣僚の答弁というものを見ましても、何か、それはペーパープランに過ぎないんじゃないか、あるいは、そんなことを言ったって実情を知らな過ぎるのじゃないか、こういうような発言が閣僚及び物価の担当官から出ているような気がいたします。そういう点で、まさに提言が率直に述べているように、いままでの政府の介入というのは、物価を安定することじゃなくて、生産者団体の過度の保護政策というものが相変わらず抜けていない、というのが私現状ではないだろうかと思うわけであります。佐藤長官がこういうものに対して一体どう受けとめているのか。提言は、具体化のためのスケジュールまでつくれ、こういうふうに、物価対策の閣僚協議会に、げたを預けているわけでありますけれども、一体どうなのか。
 あなたの党の山村代議士は、この間の乗っ取り事件ではほんとうに勇気のある行動で、自分のからだを人質にして百名の命の安全ということを確保したんですが、長官も、やはりこの物価の問題では人質になった気持ちでやってもらわなければいけないのではないか。もっと多くの人の生活を守るという意味では、そうした態度が私は必要だろうと思う。佐藤さんは、この前も申し上げましたけれども、当初は非常に元気がありましたけれども、どうも最近はあまり元気がないような気がして、もっとふんばってもらわなければいけない、こういうふうに私どもは期待を寄せているわけでありますが、まあ長官も、初めはインフレということばを使おうとしたんだけれども、それがいろいろ、あちらこちらの障害で、インフレということばをだんだん避けてまいりましたけれども、しかし、そんな、インフレがどうのこうのということをことばの上で議論するよりも、国民は現実に、もうインフレだ、こういうふうに思っておりまして、そうしたインフレ意識というものが非常に定着しているわけでありますから、実際この提言を受けてもう数日たつわけでありますけれども、長官がこれに対応する具体的な計画なり、具体的な方法なり、あるいは何から手をつけていくのかというようなものが具体的にどんなふうに進んでいるのか、この点を明らかにして、ほんとうに物価の安定、国民の生活と福祉を守るという、物価の面からのあり方というものを一体どのように具体化するかという、その決意とスケジュールといいますか、まだあまりこまかいスケジュールはおそらくできておらないにいたしましても、優先順位とか、そういうような順位もあろうと思います。そうした面をお示しいただければ、この提言というものも生きてくるし、国民も、そうした政府の強い決意というものを、やはりこよなく期待している、こういうふうに思うわけでありますが、そうした点をひとつお聞かせいただきたい。
#4
○国務大臣(佐藤一郎君) いまのお話でございますが、御存じのように、この物価対策閣僚協議会、これが今日内閣で総合的に物価対策を推進していく、いわば唯一の機構であります。そこで、これをもう少し活用してまいらなければならないというふうに私考えておりまして、それにつきましても、この物価対策閣僚協議会へ、ただお役所の作文を持ち寄っても、これじゃしかたがないということで、先般閣僚協議会を開きまして、一ぺんひとつ各閣僚が陣頭指揮を行なうという気持ちで、率先して、各省所管の物価問題、物価に関係のある諸問題を、ひとつ政治的大局的見地から取り上げて、そして閣僚協議会に持ち出して、そしてその議論をしようじゃないか、場合によっては、事務当局が必ずしも進まないようなことでも、この際物価政策の重要性というものを十分に認識しておる閣僚が率先してそれを取り上げる、こういうようなやり方でひとつやってまいりたい、それで、その際には、いまここに言及されました、おととい私たちの手元にいただいた、物価安定政策会議からの提言であります「行政介入と物価について」、こういうものもひとつできるだけ検討を早くいたしまして、そうして次の閣僚協議会に持ち出せるものは持ち出してみよう、これからは閣僚協議会を少しやはりひんぱんに開かなければならない、まあさしあたって半月くらいあとぐらいにもう一回閣僚協議会を開きまして、そうした問題の取り上げ方をしてみる、そして、またその結果によりましてはさらにもう一回開かなければならぬかもしれませんが、そのあるものはできるだけ取りまとめて、そして具体的な政策として決定をする――このくらいの気持ちで、いま全体としての物価対策の樹立を急いでおる、こういう状況でございます。そして、いまお話がありましたこの行政介入の問題も、そこで一つ一つ検討したいと思っています。
 まあ、まだおととい受け取ったばかりでございまして、個々の中身について私まだ言及する用意がないのでありますけれども、全般的に言いまして、なかなかむずかしい問題もあるかもしれません。もともと、たとえば、お米が下がらないのは食管制度があるからである、こういうようなものの考え方に発想が出発をしておるわけであります。でありますから、現在までの介入の根拠というものをよく吟味する必要があろうと思います。同時にまた、これは衆議院であったかもしれませんが、物価と行政介入との関係については、委員会においては、また逆の意見も出ておりまして、たとえば牛乳の問題のごときは、むしろ介入をやめたために上がったじゃないか、こういうような質問を委員から受けたこともございます。ここいらは、まあよく実情を把握いたしまして、そしてできるだけこの際物価対策の見地からこれを取り上げてみる。まあ、率直に申し上げまして、いまの自由主義の手法をもっていたしますと、政府が直接に介入もできない。そのために、みすみす上がっておるものもあるのであります。でありますから、介入そのものをやめてしまうほうがいいのか、それとも、現在の介入のしかたを改めて、そして物価対策に沿うような運営のしかたをやっていくというほうがいいのか、そこいらのところはまたいろいろあると思うのです。いずれにしましても、しかし、この提言の趣旨は、根本の思想というものは、私たちもよくわかっておりますから、これを具体的にひとつ十分に検討してみたい。そして、できるだけ早い機会にこれらについての結論を出してみたい、こういうように考えております。
#5
○竹田四郎君 おっしゃっていることはよくわかるのですけれども、どうも何か骨がないような感じがするわけです。まあ、長官として、あなたの先輩ですけれども、宮澤さんは、この提言を受けて、もっと企画庁がしっかりしろと――自分のほうから問題を出していく、他の閣僚の意見を聞くというよりも、むしろ自分のほうから具体的に問題を出していくという強い態度が必要じゃないかというような趣旨のことをおっしゃっておりますけれども、私はもちろんこの提言が短時日に全部できるなどとは思っておりませんけれども、しかし、いま一番必要なことは、私は、この点だけはどうしても解決するのだ、こういう強い政府の態度というものが必要ではないかという気がいたします。
 たとえば、公正取引委員会では管理価格の問題の研究に入っておりますが、これはかなり大きく評価されていいと思います。企画庁としましても、たとえば再販価格の問題が一体いまどの程度必要なのか、どの程度のものは再販価格はやめていいのじゃないか、こういうものも私は具体的に国民の前に提示をすべきだと思うのです。あるいは、中小企業関係のカルテル等にいたしましても、戦後のあの時期の経済情勢と、いまの経済情勢というものは、経済情勢が違ってきておるわけです。しかし、かつてつくられたそういうカルテルとか競争制限的な法律というものは相変わらず残っておる。そういうものが過保護を生んでおるわけであります。私は、何らかの、一つのテーマでもいいと思います。それを徹底的にひとつやってみるという強い姿勢というものを特にお願いをしておきたい。
 それから、時間がありませんから、飛び飛びになりますけれども、最近の新聞によりますと、ビールや酒を秋からまた上げよう、こういうことを言っておるわけであります。一昨年の十月でありましたか、九月でありましたか、やはり、ビールの三円値上げという問題があったわけであります。あのときは、あの当時の長官の宮澤さんも、たいへんあれをくやしがっておりまして、後手に回ってくやしいということを当時言っておられました。今度ビールと酒の値上げというものは、これは提言の中にあるように、主税局を中心としての価格の安定をはかるという、お酒の税金の確保をするという観点から、かなり下ざさえをしているところの価格だ。このビールとか酒、これについては今度どうするつもりですか。この前と同じように、あとになって、公取がこれは価格協定の違反があるからといったようなことだけでは、今度は済まないと思う。具体的にこの問題をどういうふうになさるつもりであるか、はっきりさしていただきたいと思います。
#6
○国務大臣(佐藤一郎君) ビールと酒につきましては、まだ具体的なことは聞いておりませんが、そういうことが新聞にちらと出たということであります。もちろん、そういう話が具体的になるようになりましたら、これはわれわれとしても、できるだけ自粛してもらわなければ困る。まあ自由価格でありますから、政府がいま直接介入する手段はありませんけれども、しかしまあ国税庁あたりともよく連絡をとりまして、そういうことのないように、当方としても、やはりこれが上がるということは物価政策上好ましくない、こういう考えをいま持っております。
#7
○竹田四郎君 長官は、この間の物価対策閣僚協議会が終わりましてから――閣僚協議会の一つの項目にもあるわけでありますが、毎日新聞の報ずるところによりますと、長官は各財界の団体を歴訪いたしまして、賃金と物価の悪循環を断ち切るように協力をしてほしいと懇請して歩いたと、こういうような記事が載っておりますけれども、私は、いまの時期に長官がそういうことをされるというのは、何か一つの意図があったのではなかろうかと推測をいたしております。まあ財界に行って頼むことは、主体は、いま春の賃金闘争が行なわれておりますが、ちょうどいま、おそらく山にかかっている、頂点になろうとしているわけです。そういう時期においてこういう強い働きかけをされるということは、おそらく、賃金を抑制していかなければいけない、こういう趣旨ではなかろうかと私は思っているわけです。私は、それよりも、まず長官みずから、今日の物価の値上がりに対するところの一つの具体的な問題をとらえて、それを強くやっていくということが長官の大きな任務だろうと思う。
 で、一時、確かに賃金インフレというようなこともあったと思いますが、今日は、いろんな評論家の中でも、ある程度の賃上げはしようがないではないか、むしろ、それよりも、いまの低福祉の中におけるところの高物価政策というものを、これを直していくというのが政府に課せられた一番大きな問題ではないのかと、こういうことを言っている人たちもたくさんあるわけであります。そういう意味では、どうも、長官の主観的な意図はどうあったか、私はわかりませんけれども、そうしたことよりも、具体的な、いまの野菜とか、キャベツとか、大根とか、こういうものに対する対策というものが、これがいま一番国民が関心が高いことでありますし、一番困っていることであります。そういうことを私はいま一番されるべきであろうと、こういうふうに思うのであります。この前も、経済発展計画との関連におきまして賃金の数値というものを私質問をいたしましたけれども、私は、むしろ、いまおやりになることは、賃金そのものよりも、むしろ高福祉政策をいかに長官が打ち出していかれるのか。そのためには総需要の抑制というこの前の提言もあるわけであります。そうした面に私は中心を置いて動いていただくべきではないかと、こういうふうに思うのですが、その点はいかがですか。
#8
○国務大臣(佐藤一郎君) 非常に、私は、誤解があると思うんですが、先般の閣僚会議におきまして、まあ三つ柱を立てました。
 一つは、現在の物価情勢のもとにおいて、やはり総需要の抑制というこの対策はやはり絶対に必要である、そういう意味におきまして、現在の金融引き締め基調というものは、これをくずすわけにはまいらない、こういう点について議論もし、確認もしたわけであります。
 それからもう一つは、各種のいろいろな個別対策がございます。まあ、金融を引き締めたからすぐに物価が下がるというものではありません。むしろ、それは補完的な対策でございます。結局、金融はせっかく引き締めたけれども、その中でもって個別的な価格がどんどん上がるということであっては困るわけでありますから、個別的な価格対策というものをやはりあわせてやっていかなければならない。それには、先ほど申し上げたようないろいろのスケジュールによりまして、できるだけ早急に個々の価格対策をやる。また、それがあって初めて引き締めも生きてまいる。同時にまた、引き締めの政策をせっかくとっておるのでありますけれども、賃金の場合でございますけれども、これにつきましては、私どもはいわゆる所得対策をいまとるという考えは持っていない。これは国会でもはっきりそう言っておるのでありますけれども、しかしまた、生産性をあまり上回るような賃金上昇というものが続いてまいりますと、特に卸売り物価がいま上がりつつあるところでありますから、それに対する影響は、これは無視できない。全体としてやはり上がる。私は、上がることを抑制する、賃金について、別に抑制論をとっておるわけでもないし、抑制の立場はもちろんとっておりません。全体の経済の成長、あるいは諸物価との関係から見て、これが整合的に行なわれる状態が好ましい、こういうふうに考えております。ですから、先ほど竹田さんが指摘されました管理価格についても、同時に財界の連中にわれわれの意向を示し、そうして協力を求めておるのでございます。そういうことで、全般の、いろいろと考えられる要素につきましては整合的に処理をしていくということが、やはり結局価格にとっての重要な要素であろうと思っております。決して賃金だけを抑制するとか、別にそういう考え方に立ってやっておるのじゃないのでございます。
 御存じのように、もちろん、現在の卸売り物価につきましては海外要因というものが何といっても一つの大きな要因には違いありませんが、また、国内における物資の需給が逼迫してきておるということも大きな要因であります。そういう際でありますから、賃金が生産性の上昇に吸収できないような大きな上がり方をするということになれば、これはもう、現在すでにそういう傾向があらわれているのですが、いわゆる物価に転嫁してまいる、製造業ですと、卸売り物価に直ちにはね返ってくる、こういう傾向も、これも決して無視できない問題であります。そういう意味におきまして、経済全体を広く見て、そうして今後の経営に望む――管理価格もそうでございますし、一部の特殊な企業が、生産性が自分のところだけ高いからといって、そうしてどんどん賃金だけを上げていく、そういうことでなくして、むしろ付加価値の配分にあたって、消費者に還元すべきものをもっとふやすようにしなければいかぬのじゃないか、こういうことでもって話をしたりしたのでございます。話はそういうふうに非常に総合的でありまして、決して特定のものだけを取り上げてやったと、こういうわけではありません。まあ私は、価格については、率直に言いまして、今日のようになかなかむずかしい時期には、いろいろと考えられるものは考えられるだけひとつ手を広げてやっていかなきゃいかぬ。それからまた、やはり民間のコンセンサス、これがやはり大事であろうと、こういうふうに思っております。まあそういう意味で、ちょうど適当な機会がありましたので、そういう話をしたと、こういうことでございます。
 いま竹田さんが指摘されましたように、賃金だけを取り上げるというような態度では、なかなか価格政策というものはうまくいかない。したがいまして、いま申し上げましたように、個々の個別対策についてもできるだけひとつこれを、閣僚協議会等も開き、やってまいる。また、先ほどお話がありましたけれども、これはまあ自明のことでありますから、特に私は新聞には発表しなかったのですが、あの閣僚協議会において私が言ったことは、とにかく企画庁がむしろ名ざしでもって、こういうふうにやれと言うぐらいの気持ちで各省に折衝する、こういう態度であります。幸い、宮澤通産大臣も、協議会においてこのわれわれの考えに賛同の意を表してくれたのであります。そういうことで、向こうから出るのを待つと、こういうことじゃなくして、こっちからも持ちかける、しかし、もちろん、この実行にあたっては各省の協力が基本的に必要でございますから、ですから、企画庁だけで作文をつくってもしかたがない、そういう意味において各省も一緒に参加してやってまいる、しかし、これは決して各省から出てくるのを待つ、そういうような態度ではないのでございますし、また、この提言なんかもその一種でございますけれども、各省から来るのを待っていたら、いつまでたってもおそらく出てこないというおそれもなきにしもあらずでございます。そういうことでございますから、できるだけひとつ積極的にやってまいる心づもりを持っているわけであります。
#9
○竹田四郎君 もう時間がありませんから、質問を減らそうと思います。
 一つは、いま国民の間に定着しつつある、いわゆるインフレマインドといいますか、もうインフレなんだと、どうせ何をしたってしようがないのだから、いまのうちに金をうんと借りておけ、貯金なんかしたってこれはどんどんその価値を減らすのだから、というわけで、いまの若い人なんかはほとんど貯蓄ということを考えないで、全部使ってしまっている。こういうインフレマインドというものが出てきておる。あるいは、一方では、土地をとにかく買っておこう、土地の値上がりは先に行ってかなりな価格で売れるだろうという形で土地を買う、宝石を買う、こういう形がかなり私は出ていると思う。あるいは競馬、競輪なんかで売り上げが上がるというようなことも、非常にせつな的な形でお金というものを考えていくという形で、かなり私はそういうインフレマインドというのは広がるし、もう定着をしている、こういうふうに思うわけでありますが、こういう形で進んでいくということになりますと、経済の安定成長にも相当大きい問題があるだろう。幸か不幸か、日本の国民というのは非常に貯蓄率が高いということで世界的にも有名であります。こういうものが今日の経済の拡大というものをやってきた、こういうふうに思うわけであります。こういうインフレマインドを一体どう征伐をし、政府の経済施策というものをどう信用さしていくかということが、これは私は非常に重要なことであろうと思います。これは具体的にどうおやりになっていくのか、そうした面の消費者教育といいますか、――これは私は消費者教育だけではありませんけれども、政府の経済政策を信頼させて、それに協力をさせていくというものをやはりつくり上げていかなければ、幾ら佐藤長官が身がわりになったつもりで仕事をしようと思っても、これは円滑にいかない。そういうインフレマインドをどう征伐していくか、こういう企画庁の考え方、これについてお答えを願いたい。
 もう一つ、ついででありますから、あと時間がありませんから、一つお答えを願いたいと思いますが、比較的、生産関係の問題というのは、いままで各方面で研究をされ、生産コストを低めるという形では、これは研究もされ、かなり実行もされてきたのです。しかし、流通問題に対する研究というのは、まだまだおくれているのじゃないか。これをいかに近代化して、中間経費やあるいは流通経費というものを安くしていくか、これは、日本の場合でも流通経費というのはたいへん高いと思う。特に、生産者から小売り店へいくまでの経費というのは、外国に比べれば四倍から五倍ぐらい高い。こういうものをどう切り下げていくか、あるいは小売り店におけるところの経費をどう切り下げていくか、こういう問題の研究というのは、どうもまだあまり十分できているとは私思いませんけれども、そういう問題についての一つのモデルというものをつくって、それを普及さしていく、こういうようなことも直ちにやっていかなければ私はいけないことだろうと思います。この辺について、一体どうお考えになっているか。
 それからもう一つ。これは、この前あるいは質問したかもしれませんけれども、政府の物価安定政策というものが国民に不信を買ってインフレマインドを起こしてるというのは、私は消費者物価指数そのものにもあると思う。これがあまり実態からかけ離れ過ぎている。しかも、こうした指数を選ぶところの調査品目といいますか、そういうものもかなり以前の生活の中で出てきたものですから、数年たちますと、いまの経済成長の中で、国民の生活のビヘービアというか、そういうものもかなり変わってきている。消費の内容も変わってきている。食品の内容も変わってきている。そういうものをもっと消費者物価指数の中に入れていく。たとえば、今日の消費者物価指数の中には、カラーテレビなどはかなり普及してきておりますが、そういうものは入っていない。あるいは、この前も指摘を九州で受けましたけれども、土地の問題は入っていない。あるいは自動車の価格の問題は入っていない。こういうような形で、かなり指数というものが実態に合っていない。だから、その指数から出てくるものというものは、国民の感覚から見れば、どうせ政府の言っていることはうそばかり言っているのだから――こういう感じを抱かせると思います。そういう意味では、指数というようなものももう少し実態に近いものを、これは企画庁じゃなかろうと思いますが、そういうものをつくるように、政府としてやはり考えていくべきではないか。そういうことが、一つは、やはりインフレマインドをなくしていく要因の一つにも私はなるだろうと思う。
 たとえば、第一銀行の調査部でやった実際の所得階層別の数値を見てまいりますと、政府のほうは六・四%とかなんとか、いろいろと言っておりますが、実際には、この数字だけで見ても、一〇何%、一一%くらいの物価の上昇率は出てきているわけです。このほうが私はまだ真実に近いように思うわけです。そういう意味で、こういう統計数字というものも、古い形のものでなくて、新しく組成をした品目によって、実態に合うような形のものを考えていくほうが、私は、もっと、国民に物価を安定させるという全体の運動、こうしたものにも役立つと思うのです。いま、物価を抑制し安定するための資料として、政府の資料というのはおそらくあまり使われないだろうと思う。実感が全然わかないわけです。そういう点についてひとつ。
 この三点について一括してお答えをいただきまして、長官に対する私の質問は終わりたいと思います。
#10
○国務大臣(佐藤一郎君) インフレマインドの問題でございますけれども、土地などに確かに一部そういう傾向があるように私ども思います。竹田さんの言われるように、まだ全般的にインフレが定着しているとは私は考えておりませんけれども、しかし、今後の情勢によって、そういうインフレマインドがますますびまんをするおそれがある。それだけに、私たちも、ここでもってよほどの努力を必要とすると思うのであります。いずれにしましても、そうした傾向が生じてきておる。そういうことで、われわれとしては、ただただ物価政策をできるだけ実行していく、いわば物価政策との競争になるわけであります。それによってあらゆる手を打って、そうした傾向というものを防いでいく、これ以外に私は方法はないと思っております。もちろん、いま御指摘になりましたように、いわゆる消費者の対策、消費者の防衛対策、こういうようなことも、教育問題とあわせて非常にやはり重要なことだと思います。これらにつきましては、いろいろとこれからもさらに力を入れていかなければならない面である、むしろ、安易な考え方であるためにかえって不必要に便乗値上げを招いているということもなきにしもあらずでございますからして、そういう点は、われわれも大いに力を入れなければならぬと思います。
 それから流通の問題でありますが、これは確かにむずかしいのです。各方面で、個別的な、いろんな部分的な調査はずいぶんあります。そうして、民間なんかでも、やはり今日においては、いかにして流通経費を切り詰めるかということは、産業界にとって、あげて大きな問題でございますから、ずいぶんそれぞれの分野においてくふうもあり、研究もされておるのであります。しかし、特に問題なのは、やはり、低生産性部門といいますか、加工食料品の分野でございますとか、あるいは農産物の分野でございますとか、中小企業製品の分野でございますとか、そういったところにおいては、なかなか複雑でもあるし、非常にまちまちでもある。こういうことで、総合的な研究がなかなかできない。私のほうでもって流通についての調査をもう三年ばかりやっていますけれども、まだ確固たる技術的な定型づけができないのであります。これは、一つのものをとことんまで追及していくというむずかしさというものがあるようでありますが、しかし、一方において、できるだけそういう意味の調査を十分にしなければいけませんし、それから、その調査を待つまでもなく、この流通というのはあらゆる商品に影響する問題であります。特に最近は人件費の増高が激しい。それに対して、必ずしもいわゆる人手を省くという意味での能率化というものは、なかなかそれに追いつくくらいには進まない傾向がありますから、そういった点でもって、この流通経費については、いま御指摘のような、いわゆる流通制度の改善、こういうことによって新しい価格対策に即応できるように、これは各省に私のほうから特に強く今度も要望もしている点でございます。すべての物価に非常に影響が大きい、こういうふうに感じております。まあ、先ごろ来の野菜等の問題で、実は流通の問題が一つの大きなポイントになってくると思われます。そういう意味で、今後私たちもできるだけすみやかにこうした問題について手を打たなければならない、こういうふうに考えています。
 それから、指数の問題でありますけれども、御存じのように、いま統計局でやっておりますのは五年ごとに改めております。ちょうど四十五年がその時期に当たっております。で、いままでの物価指数が四十年度をもとにしてやっておりますから、その後の急激な社会情勢、経済情勢の変化で、ずいぶん商品のウェートその他も違ってきておるはずであります。そうしたものをできるだけ新しいデータに基づきまして変えていきますと、また、だいぶ感じが違ってくると思います。まあ、物価指数というのは総合的に見ているものですから、たとえば、毎日毎日主婦がひんぱんに買っておる野菜やなんかの上がりとか、そういうことで、はだで感ずるものと、総合的に的確に数字で出るものとで、どうしても感覚上の相違が出てくるのは私はやむを得ないんじゃないかというふうに感じています。まあ、主婦からいたしますと、毎日三回も四回も小売り店に行って買っておる、自分が現に買っている物が非常に高い、ですから、それでもって物価全体というものを判断する、そういう感覚が出てくるのは、これは当然であろうと思いますが、しかし、物価と申しますと、広い範囲であります。ですから、物価指数が決してうその事態をあらわしているわけでもない。総合的に見ると、こうなってしまう。
 ですから、たとえば、御指摘の第一銀行の問題なんかでも、そうなんです。四十四年の一月か二月のあの指数、第一銀行の出したものも私も見ましたが、あれで見ますと、こういうふうに第一銀行のように非常に苦労してやらなくても、結局、あれはほとんど季節商品を選んでいるのです。野菜とか、季節商品、それに食料品や理髪料金を加えたものなんです。そこで、政府の発表している数字によりましても、食料品の部分だけをとってみますと――全体としては六・幾つですけれども、食料品のところをとってみますと、やはり一〇・幾つと、ほぼ一一%という数字が出ているのです。ですから、この指数の見方、とり方にも私はよるのだろうと思うのであります。明らかに第一銀行と同じような数字が出ているわけであります。まあしかし、この指数というものについてはこれは継続性が要りますし、いろいろな意味で作成に統計局も苦労しているようであります。御指摘の、たとえば住宅関係のものなんかも、いま統計局で検討をいたしておるようであります。そうして、これの入れ方がまた非常にむずかしいのですけれども、結局、住宅関係の費用というものを償却費でもって入れてまいるか、いずれにしてもウエートを高くすることによって、今日のただ家賃と地代だけであらわしているものをもっとウエートの高いものにして、住宅費が相当負担になっていることがあらわれるように、結果としてなるように、いまそれを入れるかどうか、くふうしております。ただ、土地だけは、これは世界じゅうどこも入れてないものですから。これにはいろいろの理屈もあるようでありますが、いずれにしても住宅については、それを入れるようにしてまいりたい。まあ、政府の数字がみんなでたらめで、全体として物価政策に対する不信を招くじゃないかという御心配、これはまあ、でたらめではないのですけれども、どうもそのあらわし方、あるいはつかまえ方において、確かに足らないものがあることは、われわれもこれは反省しなければならぬ。もう少し物価の正しい姿というものをやはり皆さんに知っていただくことについて努力しなければいかぬ、こういうような感じを強く持っております。指数につきましても、今後なお十分にひとつ検討をして、御要望のような点も考えてみたいと、こう思っています。
#11
○竹田四郎君 じゃ、長官、あと何か次官が待っているようでございますから、どうぞひとつ。
 何か、四月五日の東京新聞の記事でありますけれども、千葉県でサツマイモ、おそらくこれは種サツマイモだろうと思うのです。それの保存のために農薬を使って、それが神戸のほうで売られた。幸い消費者のところまではそれがいっていなかった、こういうことでありますが、これはどういう業者が出荷したのか、その点、私ども明らかにしていないわけでありますけれども、この前は種ジャガイモですか、これでやはり同じように、何か芽のところに水銀系の農薬でありますか、農薬が残っていたということで、たいへん新聞も騒いだわけでありますけれども、確かに、記事によりますと、この種サツマイモを出荷した一番もとの動機というのは、これはきわめて何といいますか、留守番の子供が金を何とかしたいということで、このサツマイモを売ったということらしいのですけれども、真偽のほどは新聞の報道でしかわからないわけですけれども、ただ、それを受けた業者が、買った業者が、種ジャガイモであれだけ問題になったのを、気づかずにそれを出荷したというあたりに、どうも、何といいますか、農薬というものに対する、農薬と食品という関係の頭の回転といいますか、そういう関係というものが断ち切られてしまっている。騒ぎがない前なら、初めての問題というなら問題は別ですが、その辺がどうも私ども解せないわけであります。一体どういう業者がどういうつもりで出したのか。そういう点検というのはしないのか。いまの時期においてサツマイモが生産されて新しいのが出るということはないと思うので、おそらく種サツマイモだろうと私たちは思いますけれども、そういう農林省の指導といいますか、こういう指導をこの前出されたと思うのですが、何か、それが重ねてこういうふうに行なわれるということは、一番初めの行為は子供の行為だったかもしれませんけれども、それを買って出荷をするという、そういう業者というものに対して、やはりもう少し農薬と食品という形の立場で明確に指導をしておかなければいけないのじゃないか。幸い、これが口に入らないで済んだことは不幸中の幸いだと思いますが、そういう形の指導とかいうようなものは、どういうふうにしてやっていらっしゃるのですか。
#12
○説明員(山下一郎君) 御指摘のございましたように、最近、千葉県の一部の地域から、有機水銀剤「シンメル」、粉剤でございますが、この有機水銀剤の付着いたしました種子用のカンショが一部食用に混入して出荷されまして、これが神戸市の中央卸売り市場において発見されたという事実がございました。こういう事態が発生いたしましたのは、最近、食用カンショの価格が非常に堅調でございましたために、一部の取り扱い業者、これは千葉県の佐原市の業者でございますが、これが佐原市周辺の農家の庭先で有機水銀剤の付着しました種子用のカンショを買いつけまして、これを神戸地方へ出荷、販売したために、このような事件が起こったわけでございます。
 兵庫県などでは、市場からの報告に基づきまして、入荷いたしました百八十一ケース、一ケース十キログラム入りでございますが、これを調べまして、そのうち有機水銀剤が付着いたしておりました二十一ケースのカンショにつきまして廃棄処分の措置を講じております。千葉県におきましては、有機水銀剤の付着いたしましたカンショの販売の中止など所要の措置を講じますとともに、農協、出荷組合などを通じまして食品衛生知識の普及徹底を期するように、保健所、病害虫防除所などに指示をいたしております。農林省といたしましても、直ちに、有機水銀剤等によりまして処理された農産物を食用として販売しないように厳重に通達をいたした次第でございます。
 御指摘のございましたように、先般北海道のバレイショでこのような事態の発生がございまして、直ちに私どもも、食用になりますものについて有機水銀粉剤が付着しておりましては、これは食品衛生法上当然の問題でございますので、このようなことがございませんように関係方面に厳重に指導をいたすように通達をいたした直後でございまして、今度カンショでまた、ごく少数の例とは申せ、このような事態が発生しましたことはまことに残念に存じまして、重ねて通達をいたした次第でございますが、有機水銀粉剤につきましては、事故防止のために、農薬としての登録を廃棄することにしておりますけれども、今後とも農薬一般の適正な使用と危害の防止等について、なお十分の指導を行なってまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
#13
○竹田四郎君 どうもその辺が、私ども、農林省で出した通達というのが徹底していなかったのじゃないのかということを考えざるを得ないわけなんです。これは、具体的に、どういうふうな通路といいますか、段階を経て徹底させるというようにしているのですか。たとえば、農協のあたりに最終的な責任を負わしているというのか、あるいは、もっとほかの、市町村の農産課といいますか、そういうところで徹底をさせているのか、最終的には一体どの辺で徹底させているのですか。
#14
○説明員(山下一郎君) 具体的には、地方農政局を通しまして各県に指導いたします。各県では、これを受けまして、市町村農協、それから植物防疫関係で病害虫防除所がございます。この関係。それから一般的に、農業の改良普及の指導をやっております農業改良普及員。結局、最後の末端は、ただいま申し上げました病害虫の防除員でありますとか、それから農業改良普及員、さらに農協の職員、こういう生産関係での指導の徹底を期しますとともに、さらに今度は、流通の場面では、消費地の市場、それから産地の、まあ農協が中心でございますけれども、そのほかの出荷業者、この方面でも指導の徹底を期しておる次第でございます。
#15
○竹田四郎君 これは、有機水銀に限らないで、ほかの問題でも、こういう問題というのはこれからあると思います。そういう点では徹底してやっていただきたいと思います。まあ、子供の行為はしかたがないと思うのです。どこかでそういうものがチェックできるように、指導を徹底させていただきたい、こういうふうに思います。御苦労さまでした。
 それから畜産局のほうにお伺いしたいのですが、この間の三十日ですか、ハム、ソーセージの一部を値上げをしたというわけであります。新聞によりますと、値上げの情報入手が後手に回って、どうも押えるのは無理だと、こういうような談話があるわけなんですが、新聞記事によると、値上げの大きな原因は、輸入のマトンですか、これが海外市場で非常に値上がりをして、それを原料としているところのハム、ソーセージというものが上がったというのですけれども、どうもこの辺、日本の市場の中で急遽上がったというならばわかるのですが、そういう輸入品が上がったからこれが上がってきた、しかも、農林省が事前にその情報をチェックできなかったということは、私はどうも、物価を安定さしていく、消費者を保護していくという、そういう立場からいきますと、若干怠慢じゃないかと、こういうふうに思うわけですね。国内で急に、何とかという突然の災害か何かがあって、上がったという分なら、これはしようがないと思うのですが、そういう点で、農林次官の発言として、「監督の立場にある農林省が情報の入手が遅れ、事前に指導できなかったのはまずかった。値上げが実施されてからでは、これを押えようとしても技術的にむずかしい」と語ったと、こうあるわけなんですが、実際は知っててやったんじゃないですか。こんな情報が農林省に入らないというようなことは私ども考えられないわけですね。輸入マトンの値上がりが影響したという、むしろこれは上げることを農林省が手伝っている、こういうふうにさえ疑ぐりたくなる。実情はどうなんですか。
#16
○政府委員(太田康二君) まことに申しわけないお話でございますが、われわれ実は全然承知をいたしておらなかったのでございます。もちろん、先生御指摘のように、輸入マトンが、従来はキログラム百二十円くらいでありましたものが二百円にも上がっておる。これは、ソ連とか東欧圏でことしに入りまして豪州、ニュージーランドに相当大量の買い付けをやったというようなことが大きく影響をいたしたようでございます。御指摘のように、プレスハムとか、ウインナソーセージ、こういったものは、実は主原料のうち大体六割強がマトンによっておるわけでございます。しかも、ハム、ソーセージ類は、コストのうち原料価格が七、八割を占めておるというような実情でございますので、羊肉を主原料とする製品につきましては、いま申し上げたような事情で羊肉価格が上がりましたので、私のほうも直ちにその関係業者を呼びまして、こまかい話を伺いまして事情調査をいたしたのでございますが、いま申し上げたような製品価格に占めますところの羊肉価格のウエート等を考えますと、この程度の値上げはやむを得ないというふうに実は考えたわけでございます。
 ただ、御承知のように、現在豚肉価格が非常に安定をいたしておりますので、豚肉価格が主原料でございますところのロースハムとかボンレスハム等についての値上げはもちろんいたしておりませんし、むろん、昨今の状況では卸売り価格が下がっておるというような状況でもございますし、私のほうも業界関係者を呼びまして、その際も、当然といえば当然のことでございますが、将来マトンの入手価格が下がれば当然下げるということにつきましても業界から確約を得ておりますので、今後は十分これらの推移を見まして、適切な行政指導をやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#17
○竹田四郎君 いきさつは大体わかったんですけれどね、先ほども、ビールのおととしの三円値上げの話をしたんですけれども、これは農林省じゃなくて、国税庁なんかでしょうけれども、これも後手に回ってしょうがない、経企庁が知ったときにはもう後手だ。今度のこれも、マトンを材料とするハム、ソーセージは後手に回ってしまった。農林次官が言っているのですから、ほんとうでしょう。そういう点では、もっと農林省も、価格安定に対して、事前にそういうものをキャッチして、それを使うか使わないか、いろいろなことはあるでしょうけれども、やはりもう少し価格安定に協力する態度を示してもらいたいですな。確かにそれは値段のものでありますから、必ずしもどうというわけにはいかぬかもしらない。しかし、もう少し物価安定に対して協力する態度を示してもらわなければ、幾ら物価安定が必要だと言い、佐藤総理が本年度の第一の任務だと、仕事だと、こう言っていても、実際には、そういうことが実際わからないで後手後手に回っているという、そういう態度といいますか、姿勢といいますか、そういうところに私は一番問題があるのじゃないかと思うのですが、ひとつこういうような形が今後起こらないように、これ、ちょっと気をつけていれば、私はわからないことじゃないと思うのですね。これ、わからぬですか。はるばる海を渡って輸入されるのに、そういう情勢というのがつかみ得なかったとしたら、その部署の人たちが正当に自分の仕事をしていなかったのじゃないだろうか、なまけていたんじゃないか、こういうふうにさえ思うわけですが、その情報をつかみ得なかったというのは、どこに原因があるのですか、わかりますか、それ。
#18
○政府委員(太田康二君) 先ほども申し上げましたように、本年の一月に入りまして、ソ連、東欧圏の諸国が大量の買い付けをした、その結果マトンが値上がりいたしたというようなことは、実はある程度われわれもわかっておったわけでございますので、今回の場合の値上げにつきまして、事前にこれを十分キャッチをいたしませんでこういう結果になりましたことにつきましては、まことに申しわけない次第であると思っております。ただ、内容的に申し上げますと、先ほど申し上げたような理由もございまして、それではいま直ちに実は打つ手もないような次第でございますが、今後は十分事前にわれわれもこういった点の経験も積みまして、十分業界指導の点に遺憾なきを期してまいりたい、かように考えております。
#19
○竹田四郎君 以上で終わりますけれども、きっと、もうけているときもあるのですよ。少しばかりの値上がりで、すぐぱっと上げる、そういう意味では一種の便乗値上げ的なものであろうと、こういうように思うのですけれども、もうけるときにはもうけておいて、今度は少しそろばん勘定が合わなくなると、すぐ値を上げる、こういうことは私はあまりにもひど過ぎると思うのですね。実際、いま確約されたそうですから、マトンの値段が下がったときには必ずその分だけ値下げをさせるように、強力な指導をお願いしたいと思います。
 終わります。
#20
○委員長(横山フク君) 本件に関する質疑は、本日はこの程度にとどめたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト