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1970/04/24 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 物価等対策特別委員会 第8号
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1970/04/24 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 物価等対策特別委員会 第8号

#1
第063回国会 物価等対策特別委員会 第8号
昭和四十五年四月二十四日(金曜日)
   午後一時十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 フク君
    理 事
                小枝 一雄君
                林田悠紀夫君
                竹田 四郎君
                阿部 憲一君
                中沢伊登子君
    委 員
                赤間 文三君
                上原 正吉君
                大森 久司君
                櫻井 志郎君
                高田 浩運君
                吉江 勝保君
                鈴木  強君
                竹田 現照君
                田代富士男君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣  佐藤 一郎君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局長     吉田 文剛君
       経済企画庁国民
       生活局長     矢野 智雄君
       経済企画庁総合
       計画局長     八塚 陽介君
       厚生省環境衛生
       局長       金光 克己君
       農林省畜産局長  太田 康二君
       食糧庁長官    森本  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局乳肉衛生課長  神林 三男君
       農林省農林経済
       局市場課長    石川  弘君
       農林省農政局参
       事官       遠藤 寛二君
       農林省蚕糸園芸
       局野菜花き課長  小原  聰君
       林野庁指導部長  海法 正昌君
   参考人
       国民生活研究所
       所長       浅野 義光君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○国民生活センター法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(横山フク君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 国民生活センター法案の審査のため、本案審査中、国民生活研究所所長浅野義光君を本委員会の参考人とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(横山フク君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(横山フク君) 国民生活センター法案を議題とし、これより質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
 竹田四郎君。
#5
○竹田四郎君 このセンター法案の目的に「国民生活の安定及び向上に寄与するため」云々と、こういうふうに書かれているわけであります。国民生活という範囲は各種各般にわたっていると思うんです。たとえば、税金の問題も国民生活の一部でありまするし、あるいは医療問題もまた国民生活のかなり大きな部分を占めておるわけでありますが、こういう各般の全体のものにわたってセンターが情報の提供あるいは調査研究を行なうのだ、このようにおっしゃっているわけでありますが、一体、百数十名の人数で、すべてのことが私はできるわけがないと思うのです。むしろ、そうした点では、この国民生活センターというのは、本委員会にもかかっている面もありますし、そういう面では、私は、消費者保護という立場を明確にしていただかないと、どうもその焦点がぼけてしまう。何でもかんでもやるのだということでは、かえって上つらな情報提供や調査研究におちいってしまうのじゃなかろうかというふうに思うわけですが、消費者基本法ができてから、まだ日もたたないのでありますが、むしろ、そうしたものとの関連において明確に目的を置いていただいたほうが、私は、センターの将来の発展の方向、運営のあり方というものから見ましても、そうしたところを明確にすべきじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、その点は一体どんなふうにわれわれが考えていいのか。これでは、ぼうばくとして、何かつかまえどころがないというような感じが実はするわけでありますけれども、その辺について一体具体的にどうお考えになっているのか、基本的な考え方をひとつお示しいただきたいと思います。
#6
○国務大臣(佐藤一郎君) まあ、御指摘のように、こういうものをせっかくつくりましても、あまりぼうばくとしたものになって、運用上困るようなことがあっては、もちろんこれはいけないと思うんでありますが、同時に、今回国民生活センターということでもってお出ししましたのは、まあ消費者保護という概念のとり方にもよると思うんでありますが、従来比較的狭くとられがちであったこともございます。そこで、たとえば商品であるとか、あるいはサービスであるとか、そういうようないわゆる消費者行政と、直接その内容となる問題のほかに、今日私たちは、あるいはまあ住宅の問題あるいは公害の問題、それからまた、場合によっては社会保障関係の問題というふうに、国民の皆さんにとりましては、その間にしかも相互の関連を持ちながらいろいろとした悩みを持たれる、いろんな不満、あるいは直接困られたことにもぶつかられるわけでございます。そういうことで、その場合に、まあ今後国民の皆さまとの対話という気持ちでこの窓口というものも設定しよう、こういう際でございますから、せっかく御相談を受けて、いやそれはわれわれの所管ではないんだと、こういうこともなかなかいかないと思います。そういう意味で、現在の生活というものは、なかなか区切りのつきにくい部面もございます。しかし、もちろん中心は、消費者の保護、こういうようなことがやはり大きな眼目になっていることも事実でございますし、そこで私たちが、しいてあまり問題を限定はしないけれども、この運用を行ないながら、そこにおのずから一つの原則というか、ルートみたいなものができるんじゃないかというふうに私は期待はしております。しかし、われわれとしては、決してあまり狭いものに、しいてみずからを局限することはない。ただ、御心配いただいたように、現実問題としてスタッフの問題があります。これも、私たちの考えとしましては、比較的小規模なスタッフでとにかく出発してみまして、そして逐次これに手を加えて、よりよきものにしていかなければならない、こういうふうな気持ちでおるわけであります。
#7
○竹田四郎君 大体見当はようやくついたわけでありますが、まあそれにしても非常に守備範囲が広くて、しかも、きわめて少ない人数によってそれを担当するということであって、そうした面からは、ほんとうに国民が消費者保護という立場で期待できる、そういうものになるかどうか、私は実はまだ疑問が解消していないわけでありますけれども、おっしゃっていることはよくわかったわけでありますが、まあ、これは長官もしばしば言われておりまして、その努力はしていると私も思っておりますけれども、消費者行政というのはもともと一元化さるべきものであるということで、私もこの前、そういう一元化のために一つの機関をつくったらどうだということをお尋ねした経緯もございますけれども、この消費者行政の一元化という問題と、この国民生活センターの考え方というものが、おそらく構想の当初は、私はこれは一本のものであったんだろうと思うんです。しかし、いろいろな経過がありまして、なかなか各省との関連というようなものもあるでしょうし、縦割り行政の非常に強い中で、総合的な一元的な行政をするということも、実際上はなかなか骨が折れたことであろうと、私もその点では御同情申し上げているわけでありますけれども、こういう国民生活センターというもので一番必要なことは、やはり商品テスト機関というものを備えるべきである。まあおそらく、初めの構想にはそういう構想もおありだったんではないだろうかと、私ども実は仄聞しておるわけであります。実際上には、そういう商品テストというようなことが実現できなくなってきたということは、国民生活センターとしての存在理由の大半を失ったんではないかとさえ私たちは思っておりますが、そのセンターがテスト室がなくなってしまったんではないかと私は思うのですが、どうしてつくれなかったのか。初めの構想にはそういうものはあったのかなかったのか。もしそういう構想があって、なくなったとしたら、一体それはどういう経緯で削らざるを得なかったか。その辺の経緯についてひとつ御説明いただきたい。
#8
○国務大臣(佐藤一郎君) これは私もあとから聞いた話なんでありますけれども、いろいろとそういう構想も一部になきにしもあらずであったようであります。しかし、これはまた、御指摘のように、各省とあまり重複した行政をやることについては、一方において配慮すべきである、こういうような考慮もあったように思いますし、いずれにしましても、まず、現在商品テストをやっておりますところの、たとえば通産省関係の機関あるいは厚生省系統の機関というのがございます。それで、それらのテストの結果というものを、率直に言いますと、必ずしもフルに活用はされておらないと思います。そうしたものをまず採用して、そうしてそれをもってできるだけまずやってみる。もしこの結果として、いま御指摘になりましたような不十分な点が出るということであれば、私は、またそこでもって十分検討していいと、こういうふうに考えております。
#9
○竹田四郎君 その商品テストの問題、各省の縦割り行政の総合性の問題、こうした問題については、さらに今後こまかくお伺いをしてみたいと思いますが、実はこの間、物価関係の閣僚協議会ですか、おやりになって、某大臣が若干他省に関係のあることをおっしゃられたら、だいぶしっぺ返しをその場でくらったという記事が、ある新聞に出ておりましたけれども、そういうこと一つとってみましても、何か、いまの、厚生省にもそういうテスト的な機関がある、それから通産省にもある、こういうのは一体ほんとうに両者の関係というのがうまくいくのかどうか。むしろ、そういう点では、商品テスト室というものを持ってもいい。実際商品テストをやっておる商品の点数といえば、決してそう多くはやれないわけです。そうした商品テスト室というものは相当あってもいいだろう。また同時に、民間ももっと商品テストというものをやるべきではないか。消費者保護という立場の中で、安く買うという一つの問題もありますし、一つは、良質なものを買う。消費者運動というものも、世界的には、こういうことを中心とする二つの大きな流れがあるように私は聞いております。そういう意味では、むしろ国民生活センターが独自の立場で商品テストをやるべきではなかろうかと、私はいまも考えておるわけであります。この前も、電子レンジの問題で、ある電子レンジについては危険性があるといいながら、実はその商品名といいますか、メーカー名というものがはっきり示されない、こういうこともあったわけであります。こうしたことは、おのおのの各省においてはかなりあるのじゃないか。こういう観点から見ますと、国民生活センターとして消費者保護の立場を基本的に貫いていくという立場では、商品テスト室を持ち、しかも、その結果、成果というものですか、あるいは情報収集の成果というものをどしどしと公開をしていく、公開の原則というものが、こうしたセンターになければいけないのではないか、こういうふうに私は思うわけでありますが、今度の国民生活センターの場合に、公開の原則というものを一体どの程度やっていける自信がおありなのか。私は、あくまでもこうしたものは公開して、この商品が悪いのだという、そういうことが必要でありますし、場合によれば、このA社の甲という商品と、B社の同種類の乙という商品と、C社の丙という商品、これは一体、使用者の立場に立てば、こうした観点で見れば、点をつければどういう点がつけられるのか、こういうようなことをもして、実際には消費者の商品の選択に非常に便利な情報を与えるというようなことも実は私はすべきであろうと思うのです。そうしたものが、ほんとうに消費者保護の立場ではなかろうかと思うのですね。そういうような、商品名あるいはその便利さというものですか、そういうものを一つの評価として出すというような、消費者が非常に信頼をもって選びやすいような情報の提供、こういうことを今度のセンターの場合にはおやりになるのかならないのか、この辺をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
 たとえば、厚生省あたりで、BHCの問題が二、三日前に新聞に出ておりましたけれども、BHCの農薬の残留がかなりあるといいながら、これが、新聞の報道によりますと、かなり長い間、公にされなかった。こういうようなことは、食品行政の中では特に疑わしきは罰するという立場というものが保たれていかなければ、国民生活というものが健康で文化的に保たれていかない、こういうふうに私は思うわけでありますが、そういう意味では、公開の原則というものをはっきりさしてもらわなくちゃいけない。とかく、いま申し上げましたように、各省では自分の所管の問題については若干伏せようとする。そういうようなものも、国民生活センターでは、当然各省の情報をお集めになって、それを公表していくということになるだろう。そういうようなことをどの程度おやりになるのか、ひとつ明快に御答弁いただきたいと思います。
#10
○国務大臣(佐藤一郎君) まず、商品テストの問題でありますが、これは、私は、いままでの経緯はあるいはいろいろなことがあったかもしれませんけれども、率直に言うと、幾つあってもいいと思うのです。多いにこしたことはない。一カ所でもってそう全部やれるわけではありません。ただ、われわれも、出発点にあたっては、先ほど申し上げましたように、現在それぞれのところで商品テストが行なわれているけれども、そのデータが必ずしも活用されているとは思えません。これをさらにフルに活用する、それからさらに、物価政策という見地から、消費者保護という見地から、これを活用する、こういうことが大事なことでありますから、まずそれからひとつ始めていきたい。そうして、それで足りないということであれば、みずからまた商品テストを始めるというようなことも私は十分考えてもいい。これはまた、同時に、逆に言えば、われわれは各省が商品テストをやることについて少しも反対はしません。また、生産者の立場に立って商品テストをすることも一つの考え方であります。同時に、われわれはわれわれでもって、そうしたテストを行なう必要があるということになれば、これをまた行なう道を開いても差しつかえないのじゃないか、私はこういうふうに考えています。
 そこで、いずれにしましても、まず、現在商品テストを行なわれたりしておりますが、これにつきましては、当然のことでありますけれども、いろいろな刊行物その他の形で公開を原則とする。これがまあ、こうしたことの機関からいって当然だと思います。ただ、最近この方面については国民の皆さんの関心も非常に強くなってきています。で、こういうふうな情報の時代でもございますから、まあ役所が、ただ隠すという目的で発表をおくらせるというように実は考えたくないのでありますが、また、一面あんまり早急に、つまり軽率に取り上げられるのを心配する、こういう面もあるでしょう。それらはこの実際の運営の問題であります。まだ科学的に結論が出てないのに、ただ、だれかが言ったからすぐ取り上げて大ぴらにする、こういうまた逆の傾向が多くなっても、これはまた人騒がせでありますが、いずれにしましても、われわれがしっかりした結論の上に立って――これを公開しないということ、これはまた決してよくないことでございます。私たちは、公開の原則ということをもちろんはっきりさせていきたい、こういうふうに思っています。
#11
○委員長(横山フク君) 竹田現照君。
#12
○竹田現照君 私は、商品テストに関連し、ちょっとお尋ねしますが、この二、三日新聞に出ています牛乳のBHC問題ですが、両院できのう来いろいろと質問もあったようでありますが、この問題について簡単にひとつ説明していただきたい。どういうことになっておるのか。そうして、それについてどうしようとしているのかですね。農林省ですか、厚生省ですか、どちらでもいいです。ひとつ最初に報告してください。
#13
○政府委員(金光克己君) まあ、牛乳の中にBHCが残留しておることにつきましては、厚生省におきまして、昨年の七月に、国立衛生試験所を中心にいたしまして、八つの都道府県の衛生研究所の協力を受けまして調査を進めてまいっておったわけでございます。そういう経過でございますが、昨年の暮れに、一部、その中間過程の資料につまして発表いたしたわけでございますが、牛乳の中のBHC、特にベータBHCの含有量がかなり多いという、まあ一部の試料に見られたということで、とりあえず農林省のほうにも御連絡を申し上げまして、一部――一部と申しますか、そのBHCとかDDT等、有機塩素の農薬の原末の製造について業者に勧告しまして、製造の停止ということが自主的に行なわれたわけでございます。それとあわせまして、まあ農林省に対しまして、いずれにいたしましても、これは家畜の飼料から入ってくるものであろうということは予想されましたので、それにつきましての調査もお願いし、また、それに対して減少対策ということも進めていただくように要望いたしたわけでございます。一方、厚生省におきましても、引き続き牛乳の中身の中のBHCの残留量を調査し、研究をしてまいったわけでございます。その結果がこのほど一応まとまりましたので、その結果を食品衛生調査会にはかりまして御意見を聞いたわけでございます。その結果、BHCの中のべ−タBHCがかなりの量に含まれておる。これについては早急に減少対策をしなくちゃならぬということでございます。
 健康に対する考え方といたしましては、現在の量から考えて、これが健康に害を及ぼすということで牛乳の飲用の禁止をするとかといったような問題では、現在の段階ではない。しかしながら、この量を長くいつまでも継続するということにつきましては、これは健康の障害を起こすおそれがある、こういう結論でございました。そういうことでございまして、委員の先生の中の御発表の一つといたしましては、ほかの病気でなくなられた方の体内におきます有機塩素系との関係の障害の問題、これを研究をされてきておられる方がおられましたが、現段階、いままでの調査では、さようなものは障害が起きてない、こういうようなことの御発表もあったわけであります。さようなことでありまして、いずれにいたしましても、外国におきましてはDDTの蓄積が多い、日本におきましてはBHCの蓄積が多い、というような実態がわかってきたわけでございます。
 なお、このBHCの分布につきましては――分布といいますか、牛乳の中の残存量の地域的な関係におきましては、全般的な傾向としては、関東から北のほうは少ない、それから西のほうにおきましては多い傾向が見られる。全般的には見られるわけでございます。ただ、地域的に見ますと、一つの県内におきましても相当のバラつきがございまして、高いものが出た、その次には低いものが出るということでございまして、汚染のしかたには、いろいろとそのときの条件によりまして相当の差異があるということでございます。
 なお、厚生省といたしましても今後引き続き調査を続けてまいり、また、農林省において早急に減少対策を進めていただく、かようなことで進んでまいりたい。かように考えておるわけであります。
#14
○政府委員(太田康二君) ただいま厚生省の局長からお話もありましたような事情でございまして、実は十二月――十一月末でごさいますか、そういったことを私どもに知らせがございましたので、農林省といたしましては、御承知のとおり、十二月初めにBHCの国内向け製造の中止を指導いたしたわけでございます。農薬メーカーとしては、これの自粛をする、停止をするということに相なったわけでございます。
 そこで、われわれといたしましては、なぜBHCが牛乳中に残留しておるかということの原因を調べねばなりませんので、十二月下旬から一月にかけまして、牛乳に関する汚染経路を探求するために、乳牛に対しまするところの飼料の給与構造、稲作でのBHCの施用の状況を考慮いたしまして、生ま乳、稲わら等のサンプルを採取いたしまして、汚染経路の調査検討を行なったのでございます。その結果によりますと、ただいま厚生省の局長からお話もございましたように、えさにつきましては、たとえばサイレージとか、イタリアンライグラスとか、乾草とか、配合飼料を用いたものにつきましては非常に汚染の程度が低い。稲わらについては高い。特に稲わらにつきましても、BHCの施用を後期まで使ったもの、これが非常に高く数値が出たということが実はわかったわけでございます。先生も御承知のとおり、昨年西日本のほうは非常にウンカ等が出まして、例年に比較いたしますと、かなりBHCを大量に施用したということもあったようでございます。
 そこで、こういったことがわかりましたので、われわれといたしましては、牛乳の保健食品としての性格にかんがみまして、厚生省の依頼もあったわけでございまして、牛乳中のBHCの汚染をできるだけ減少させるということで、今年の一月二十八日、それぞれ関係局の通達をお出しいたしたわけでございます。
 まず、私どもの畜産局といたしましては、飼料作物に対しまして.または畜舎内において、現在までにBHCあるいはDDTはほとんど使用されていないものと考えておりますが、今後とも一切使用をしない。それから、放牧地等の家畜に寄生するダニの駆除のために一部にBHCが使用されておりますが、今後はこういったものは低毒性の有機燐剤に切りかえてもらいたい。それから第三に、四十四年産の稲作において栽培の後期にウンカ等の防除のためにBHC及びDDTを含む農薬を散布した稲わらは乳牛に給与することをやめてもらいたい。こういった通達をいたしたのでございます。
 それから農政局におきましては、有機塩素系の殺虫剤の使用に関しまして、乳牛の飼料に用いる作物には今後とも一切使用しない。これはもちろん稲も含めてのことでございまして、稲わらを給与されるというような地帯におきましては稲にも使わないで、他の低毒性のものに置きかえてもらいたい。それから、酪農と直接関係のないようなところにおきましては、稲につきましては、BHCとかDDT剤の、穂ばらみ期以降の施用は一切行なわない。穂ばらみ期までだけしか使わないというような指導をいたしたのでございます。
 さらに、事務次官通達をもちまして、四十五年春夏作の技術指導等に関しまして、農薬使用上の、いま申し上げたような指導を行なったのでございます。
 さらに、とにかく、いずれにいたしましても御協力を賜わらなければならないわけでございますから、ブロック会議等を通じまして、県の担当官にこの旨をお話し申し上げると同時に、関係の乳業界あるいは生産者団体等を通じまして、とにかくこの趣旨の徹底をはかるということにつとめてまいったわけでございます。
 そこで、実は、厚生省の局長が仰せられたような経過で、今回厚生省がおやりになった結果が発表になったわけでございまして、いま直ちに危険であるとは考えがたいが、このような状態が長期間続く場合は保健上支障を来たすおそれがあるという意見が発表されまして、今後とも早急に牛乳中のBHCの汚染を減ずることを強く要望されたのでございまして、われわれといたしましては、従来続けてまいりました施策をさらに強化してまいる、これが絶対必要であるということで、これからは、とにかく汚染度を引き下げるためのいままでの指導方針の徹底を繰り返し繰り返しやってまいりたいと思っております。
 ただ、たまたまこれは、先生も御承知のとおり、一、二月のものでございまして、このころはやはり稲わら給与を西日本のほうではかなり行なっておるというような実態にいままであるわけでございまして、まあ、四月にもなりましたことでございますし、今後は、牧草、飼料作物、野草等も十分給与できる時期にもまいっております。実験データ等におきましても、こういったものを給与いたしますれば、三週間ぐらいでかなり低下するというようなことも言われておりますので、われわれとしては、いままでの指導の効果にもかんがみつつ、厚生省とも十分連絡をとりまして、BHCの残留度の急速な低下ということを徹底的にこれから指導によってやってまいりたい。かように考えておる次第でございます。
#15
○竹田現照君 それで、きょうは時間が制限されていますから、この問題について具体的に二、三お尋ねしたいと思います。
 牛乳のことばかり新聞に出ていますけれども、この牛乳からとるバターやチーズ、特にBHCというのは脂肪分にだけ蓄積するのだと言われていますが、この脂肪分から摘出するバターあるいはチーズ、これは、この残留の可能性というものが当然に考えられると私は思いますけれども、その点について専門家の分析等というものは実際問題としてなされているのか。この点はいかがですか。
#16
○政府委員(金光克己君) 昨年スタートしました調査研究班は、牛乳のほかに、乳製品等につきましても調査することにいたしておるわけでございまして、ただ、昨年七月にスタートいたしましたが、いろいろと技術的な検査方法等の統一の関係もございまして、実際に調査が始まったのは十一月でございまして、そういうこともございまして、昨年から現在までは、もっぱら牛乳に力を入れたということでございます。そういうことでございますが、今後引き続き、乳製品、肉類等につきましても調査をしてまいる所存でございまするが、高知県等では、あるいは大阪等で一部そういったものにつきまして調査をいたしております。そのデータだけから考えますと、やはり御説のように、BHCというのは脂肪分にたまるものでございますから、やや蓄積は多いわけでございます。これはまあ当然、もう全般的にそういう性格のものでございます。ただ、量的には、これは人としての摂取量は少ないものでございますから、特に問題とするほどのことはないと思いますが、しかし、全般的な摂取量という関連を考えなきゃならぬという問題でございまして、これは今後引き続き調査いたしまして、それぞれその方針を固めたいと思います。それから特に、現在のバター等につきましては大体北海道で、まあBHCの汚染の少ないところの生ま乳を原料としておるというような関係上、理論的にはもっと蓄積するはずでございますが、実際にはそれほど蓄積してない、こういう現状でございます。
#17
○竹田現照君 それほど蓄積してない現状だということですけれども、いまのお答えでは、具体的な調査というものはされておらないわけですね。これからやられるというわけですけれども、きのうの朝日新聞の席談会を見ましても、石舘さん――国立衛生試験所というのはこれは厚生省ですか、「バターには高濃度で含まれるおそれがある。チーズは心配ない。」云々というようなことが書いてありますけれども、この発言でいきますと、バターにはかなりたくさん入ってるというふうに思うんですけれども、ただ、われわれが食べる量が牛乳を飲むほど多くないから、まあさしむき大したことはないだろう、こういうことなんですけどね。たとえば、チーズなんていうものは、一箱を十五きれぐらいに切って一つで牛乳びん一本ぐらいあると、こう言われてるんですね。そうすると、それほど、御説明のようにあまり心配がないんだなんていうふうには私はちょっと理解ができませんけれども、その点、もう少しはっきりしていただきたいですね。
 それから、東北、北海道の牛乳を使っておるからあまり心配ないといいますけれども、バターやチーズを買うわれわれは、あの箱を見たって、北海道の牛乳を使ってるのか東北の牛乳を使ってるのか、あるいは九州の牛乳を使ってるのか、わからぬわけですよ、消費者としてはね。ですから、心配ない心配ないといったって、北海道、東北の牛乳を使ってるものは心配ない。じゃ、そっちのほうのものを買おうと思っても、消費者にはそういう選別のあれがないわけですから、そういうお答えだけでは、私はやはり国民全般に、牛乳のBHCに関連して、バターや牛乳について、これは絶対安心なんだ、こういうふうに思わせるってことは、ちょっとそのまま合点がいかないんですけれども、その点はどうなんですか。
#18
○政府委員(金光克己君) 国立衛生試験所長の言われたのは、一般論的に、バター等には、やはり脂肪分でございますから濃度が高く残留するであろうということを言われたわけなんであろうと私は思います。ただ、濃度でございますから、普通PPM等で表現しておりますが、たとえば高知の例をあげましても、牛乳の中に残存しております濃度と大体同じぐらい――ここにあります成績では、これはベータBHCで一・四PPM、こういう成績が出ておるわけであります。これは牛乳の中の残存量と同じでございます。普通なら、もっとたくさん含まれてもいいと思うのですが、原料の関係であろうと想像しておるわけであります。こういった点は今後全国的に調査してみなければ、はっきりしたことは言えないと思います。いままでにわかっておる範囲では、そういう意味で実は申し上げたわけであります。
 チーズにつきましては、輸入品が多いということで、外国はBHCの使用量は少のうございます。BHCによる汚染は少ないということでございます。したがって、かなり低いということでございます。
#19
○赤間文三君 関連。
 ちょっと申し上げますが、食品衛生調査会の意見なりを聞くと、いまの量ぐらいであればたいしたことはないからいいが、いまのことでも相当長期にやると衛生に害があるというような報告に聞いておるのですが、相当長期というのは大体どれぐらいの期にわたるのか。牛乳はこれから飲むというのではなくて、いままで国民の必需品で、相当長い間飲んできた。国民の中には、二本も三本もずっと前から飲んできている。いま竹田さんがお尋ねになったように、朝パン食が多い。バターも相当食べておる。チーズも相当食べておる。これは、ああいう新聞記事が出ますと、みんなやっぱり心配しながら食べ物を食べるという状態が続くということは、非常に国民生活の安定からいって、いけない。で、お尋ねしたいのは、要するに、相当長い間やると害がある、いまの量でも短かければいいというような、相当長い期間にわたるというのはどれくらいの期間か、これははっきりしないと困るのです。なるべくひとつ、はっきりと言ってもらいたい。参考までに。
#20
○政府委員(金光克己君) それでは、考え方の根拠を御説明さしていただきたいと思いますが、このBHCの毒性につきましては、WHO、FAOにおきましては、いわゆるガンマBHCというものにつきましての一日の安全許容量というものをきめておるわけでございます。それが、〇・〇一二五ミリグラム・パー・キログラム、こういうことでございまするが、現在日本の牛乳の中に多く残存いたしておりますベータBHCにつきましては、国際的なそういった基準がまだつくられてないのでございます。それで、ベータBHCはガンマBHCよりは残存しやすいということで、ガンマBHCよりは、やはり毒性を重く考えなければならぬ、こういう考えであります。そういう考えでございますが、基準は、まだできてないということでございます。しかしながら、そういったことを考慮しながら考えた一応の数値をもとにいたしますと、今度発表になりました牛乳のBHCの含有量の最高値と比較いたします場合に、それに対しましては、この最高値はややこの基準を上回るということでございます。しかし、この基準というのはどういう考え方かといいますと、大体一生食べ続けて安全な量をまず出す、その百分の一の安全量を出した数値でございまして、そういう数値でございますので、これが数倍あるいは十倍というように、その基準をオーバーいたしておりましても、これが一年や二年でどうこうという問題ではないと私どもは考えておるわけでございます。
 それからもう一つは、現在、国立衛生試験所で、実はサルの実験をいたしております。三カ月になりまして、先般、一応の中途の段階でございますが、結果が出ておりますが、そのサルの実験から判断いたしますと、現在の牛乳の最高値と比較いたしましても、これは安全許容量の範囲内に入る、大体入るであろう、すれすれだという段階のものでございます。まあ考え方でございます。それで、サルを特にやりましたのは、ラットとかマウスというのは非常に感受性がBHCに対して強いということでございます。やはり安全許容量が必ずしも人間には適用されないかもしれないということで、人間に非常に近いサルを使っておりますが、その結果が出つつありますので、そのほうがより信頼度は高いかと思います。したがいまして、引き続き国立衛生試験所で研究いたしまして、そういった面をはっきりしてまいりたいと、かように考えておりますが、そういうような状態で一応考え、また、従来長年にわたっていろいろと人体に対する影響等も調べてまいりました先生方のこの御意見を総括いたしますと、ここ半年や一年これを続けたからといって害が起こるものではまずないと、こういうように考えております。しかしながら、いままでも摂取いたしておるわけでございますから、やはり、ここ、たとえば半年以内には下げてしまうといったような――皆無にするということは、すぐできないと思いますが、少なくとも半分に下げるといったような措置をとれば、これは絶対に心配はないと私自身としては考えておる、かようなことでございます。
#21
○竹田現照君 その牛乳でも、BHCというのは、生ま乳に、食べれば八〇%がた、そのまま出てくると言われているんです。愛知県の衛生研究所おたくのほうの依頼で調べた愛知県の衛生研究所の……。そうすると、許容量というのは現実に牛乳で非常に赤信号が出ているわけですね。それが八〇%もそのまま出てくるという牛乳を飲ませておいて心配がないという、絶対心配がないというような言い切ったようなお答えですけれども、それではちょっとぼくは納得しないんですよ。そうして、きのうかおとといの発表も、そういう各衛生研究所で調べた具体的な問題というのは詳細に出ているわけじゃないんですけれども、そういう各地方、地域の格差もあるわけです。ですから、その点をはっきりしないと、東日本はいい、西日本はあぶない――そのあぶないなら、一体どこがあぶないのか。長崎はどうだ、高知はどうだ、あるいは愛知県はどうなんだ。何か、私のあれで言うと、長崎が一番あぶないのです。ワラを食うのが一番多いから。じゃ、長崎の牛乳というものは、大体あぶないのかあぶなくないのか。そういうことも具体的にやっぱり国民の前にはっきりさせて、これに対する心配というものを解消する手だてというものは私は必要だと思います。それは、いま十ぱ一からげ、日本じゅうのやつをまとめたようなかっこうで言っておりますけれども、それだけでは私は理解できないんですよ。それはどうなんです。北海道はいいけれども長崎はいけないんだ、こういうようなこと。
#22
○政府委員(金光克己君) 先ほど申し上げましたことは、今回調べました牛乳の中のBHCの一番高い濃度を比較してのお話でございます。したがいまして、非常に低いところもあるわけでございまして、そういうところはもちろん安全だということになるかと思います。ただ、牛乳そのものは純性であることが望ましいと思いますが、できるだけ下げていかなきゃならぬ問題でございますが、まあ低いのは心配ないということでございます。
 それから、長崎県が多いかということでございますが、この調査は全国の八都道府県の調査でございますので、全般の傾向は一応見られると思います。したがって、西日本が多いということは言えると思いますが、長崎県におきましても、多い数値は出ておりますが、低いのも出ている。平均して少し高いことは高いですが、まず、まだ調べた数も少のうございますので、その辺は確かなことは言えない。それからもう一つは、同じ農家の乳でも、日によりまして非常にばらつきが多いわけでございます。やはり、飼料の使い方ということ、日による、といいますか、非常に格差が多いわけでございまして、そういうようなこともございまして、まあ、長崎に高い数値が出ておるから長崎が一番汚染されておるのだ、そういうことはこの数値からは言えないということでございます。
#23
○竹田現照君 そこで、農薬の、何というのですか、使用基準、これは、現行の農薬取締法というのが、われわれ人間に対するいろいろなことというよりは、この法律にも書いてありますけれども、水産動植物、こういうものに対する毒性その他に力点が置かれてできている。ですから、この牛乳の問題がいろいろと世上問題になって、安全使用基準というような問題に対する次官通達も、ことしの一月の末になって出ておるというような実情のようですけれども、現行の農薬取締法に定めるいろいろなことを、いわゆる人体に対する影響力その他というものに、そっちのほうに優先して、人間優先、こういうような立場に立って、その取り締まり法を含めるいろいろな改正措置――食品添加物あるいは医薬品等に対する、そっちのほうの法律の場合は、大臣告示というようなかっこうでかなり強い形のものが出ていますね。この農薬に関する限り、あまりそういう……。最近になって、つけ焼き刃のようになって出ておりますけれども、農林省だけではできないと思いますが、厚生省あるいは科学技術庁とも連絡をとりつつ、早急にこの問題に対する具体的な対応策というものを私は立てるべきではないか、そういうふうに思いますが、この点はどうですか。
#24
○説明員(遠藤寛二君) お答え申し上げます。
 農薬取締法におきましては、規定によりまして、農薬の採用をいたします段階、つまり登録をいたします段階で、一回安全性のチェックをいたすわけでございます。これは、公的の試験研究機関二カ所以上、二年以上のもののデータをつけまして提出を受けまして、それを農林省の農薬検査所が一応検査、分析、それから場合によりまして、急性残留毒性等につきましてはマウスを使いまして試験をやるわけでございます。それでなお、慢性毒性の問題もございますので、そのやりました結果を厚生省へ文書をもって正式にお送りするわけでございます。厚生省のほうで、衛生試験所かと思いますが、そこでまた三カ月、場合によりましては二年くらいの長期にわたります慢性毒性の検査をされまして、それで私どものほうへ、この農薬は登録してよろしいというオーケーを出されるわけでございます。その段階で初めて登録する。その段階が一回チェックの段階としてございます。
 それからもう一つ、ただいまでは十二作目八農薬につきまして厚生省のほうで残留の許容量というものをおきめになっておられる。もちろん私どもも御相談に乗っておるわけでございますが、それを逐次増大していく方向で、あらゆるものについてきめていきたいと思っておるわけでございます。それがきまりますと、厚生省のほうから私どものほうへ、厚生省告示でそれをお出しになるわけでありまして、私どものほうは、それを受けまして、農薬使用の安全基準というものを定めまして、それを地方に流します。これは、おっしゃいますとおりに、告示ではございませんが、まあ私どもといたしましては次官通達の依命通達として出しておりますので、効果といたしましては告示と大差はないと思っております。そういう形をとりまして末端に流しまして、私ども末端に、県に数百カ所の防除所というものがございますので、それから防除所補助員が一万八百人ほどおりますので、そういうものを通じまして、各末端におきます防除組織の防除暦にそれを織り込んで、たとえば、何PPM以上残ってはいけないということになりますと、後期の使用というものはやめさせるとか、あるいはゼロということの許容基準になりますと、その使用を禁止する、そういう方法をとってやっておるわけでございます。
#25
○竹田現照君 農薬の問題については、鈴木委員が具体的にお尋ねになるようですから私は触れませんが、先ほど触れましたバターの問題ですね。消費者は、どこでできているかわからない。そういう実情なんですけれども、それを消費者が選択できるように、製造工場なり生産地というものがわかるような措置をとられるほうが私はいいのではないかと思いますが、そういうお考えはありませんか。
#26
○政府委員(金光克己君) バターにつきましては、本社につきましては氏名と所在地を標示させることになっております。それからその本社に属します工場につきましては、厚生大臣に届け出た略号を使ってもいいことになっておりますから、少なくとも標示の上では、本社が、どこの会社がつくったかということはわかるようになっておるわけでございます。
#27
○竹田現照君 それは私もわかっている。しかし、つくった工場がその記号でわかるというのですが、私なら私が、買う者が、どこの工場でつくったというように消費者が選択できるような措置をすべきではないか、こう言っているんです。たとえば、札幌でできるのか帯広でできるのか。――そんなことは会社の事情であって、われわれはどうでもいいわけです。われわれは、帯広工場なら帯広工場でつくったということがわかるような措置をとられたほうがいいのではないだろうか、こういうことです。
#28
○政府委員(金光克己君) いまのこの問題として、すぐその工場の所在地を標示させることが必要かどうかということは、もう少し調査してみないと判断できないわけですけれども、従来、本社と工場の関係で、本社の所在地を標示してある、工場はどうも略号でわからないというので、いろいろと意見は出ておる問題でございます。そういう意味におきまして、こういった問題も検討いたさなければならない、かように考えておるわけでございます。
#29
○竹田現照君 いまのお答えでは私は納得しないのです。箱の裏に何とかKKとか書いてある。このことを言うんだと思うのですけれども、これは、会社の都合で出ているのか、消費者を対象に箱の裏に書かせているのか、どこに力点があるのか。なぜ、また検討しなければならないというようなお答えになるのですか。消費者が選別ができるようにすることがより親切ではないか、そういうことを私は言っておるのです。これから調査しなければならないというのがわからない。消費者のことを考えたら、そうすべきだというようにお答えになるのが筋だと思うのですけれども、何を調査しなければわからないんですか。たとえば、ここに雪印乳業の何々工場というようなことを出すのは、別にたいした問題はないと思うのですが、どうなんですか。
#30
○政府委員(金光克己君) この略号のなににつきましては、確かに仰せのように、消費者からいえば、できるだけわかったほうがいいわけでございます。ただ、いままでの経過から申しますと、食品衛生法におきまして、このバターだけでなく、ほかの食品につきましても、たとえば容器、包装に入ったもので、製造所それから氏名を標示させるということにつきましては、このバターも、ほかの食品も、同じような扱いになっておりまして、全般的に製造者の氏名、所在地を書かす、それからそれの付属工場は略号ということになりまして、バターだけでないものですから、全般的な問題だということでございます。
 それから、何で略号を使うかということでございますが、この考え方は、食品中毒事件が起きましたときに、すぐそれをキャッチすることができる、どこにある工場だということがわかるようにするというために実は略号をつけさしておるというのが、いままでの経過でございます。したがって、略号は行政当局に知らせてある、かような形になっておるわけでございます。ただ、消費者保護という、消費者の立場から、先生の御指摘の点は十分私どもわかるわけでございます。この点につきましては十分早急に検討したいと思っております。
#31
○竹田現照君 これは、ほかのほうにも関係あるのですが、問題は、牛乳のBHCの問題が世上こう、やかましいから、そして、しかも毎日毎日、先ほど赤間委員が言ったように、朝から晩まで食べたり飲んだりしているものだけに、しかも、地域によって非常に差があって、先ほど御説明があったように、東日本のほうはいいけれども西日本のほうは非常に心配だというようなことを言われるとすれば、われわれ、このバターが、長崎の牛乳を使っているものか、北海道の牛乳を使っているものか、実際はわからないわけですよ。だから、消費者にも安心をさせるような意味で、消費者が選別のできるような措置をとられること、そういう行政指導をされることが、より親切なことではないのか。だから、こんなことを、研究する必要もないし、調査する必要もない。北海道の牛乳を使って、北海道の帯広工場でつくっているから安心だ、長崎の工場でつくっているからわれわれとても安心して食べられない、心配だから買わない、そういうような判断をする余地というものを与えたっていいのではないか、そういうようなことをやられるべきではないかというのが私の質問です。
#32
○政府委員(金光克己君) 先生の御趣旨は十分わかりましたので、その趣旨も十分考えまして、全般の問題としましてひとつ検討いたしたいと思います。
#33
○竹田現照君 じゃ、時間が制限されますから、ほかにもいろいろお聞きしたいのですけれども、これから特に需要が多くなります乳製品の中で、アイスクリームの問題を一つ私は取り上げてみたいと思いますが、アイスクリームといえども、このBHCの問題に私は関係がないとは言えないと思いますが、この三十九年の十一月に出した厚生省の乳肉衛生課長の通達というものは、いまでも生きていますか。
#34
○政府委員(金光克己君) 現在も生きております。
#35
○竹田現照君 厚生省の係官が、アイスクリームの原料に還元脱脂粉乳というものが使われているということを語ったという新聞報道がありましたけれども、これは、この通達なりあるいは現行の法令等で認められておることなんですか。
#36
○説明員(神林三男君) 一応、アイスクリームにつきましては、牛乳、加工乳は非常に厳格に取り締まりを従来からやっておりまして、ほかのものを使わせないようにしておりますが、アイスクリームというようなものにはもともと当初からいろいろの原料が使われておりまして、そういう規格は現在ございません。したがって、脱脂粉乳を使うこともけっこうでございますし、特にアイスクリーム原料に至りましては、現在一切成分の規格がきまっておりませんから、原料についての規制はできませんが、アイスクリームという名称を使う場合には、少なくとも乳脂肪分は八%以上なければならないというような規格になっております。
#37
○竹田現照君 使っても、法的には何でもないと言うのですね。
#38
○説明員(神林三男君) 現行法ではかまわないわけでございます。
#39
○竹田現照君 いま国内の乳資源というものがだぶついているというのに、そういうものを使うということを認めておるということは、私はおかしいと思うのですよ。もう少し、アイスクリームというのは牛乳からとられるのだという素直な受け取り方にそのままマッチするような製品というものを出す必要があるし、私は、そういうような行政指導というものが行なわれてしかるべきだ、そう思うのですけれども、これはどうなんですか。
#40
○説明員(神林三男君) 一応現行の、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の中に、アイスクリームというものは少なくとも乳脂肪分三%という規格できめておるわけでございますが、アイスクリームと一般に言われているものの中には、必ずしも乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に関連のない、昔のキャンデーというようなものが含まれております。これは、アイスクリーム類と、いう――この名称は必ずしも私たち適当とは思っておりませんが、――もので一応くくってきておりまして、そのアイスクリーム類というようなものは、必ずしも牛乳乳製品を使うというようなもの、もともとそういうものではございませんものですから、一応まあ原料はある程度乳脂肪以外のものを使ってもよろしいようになっている、あるいは乳製品以外のものを使ってもよろしいようになっているわけでございます。
 これにつきましては、私たちは、かねがね、もう少し、先生の御指摘のとおり、すっきりさせたいということで、いろいろ努力も実は昨年来やってまいったわけでございますが、一つは、現行法の中で非常にこの改正につきまして問題がございまして、まあ牛乳なんかは逆に乳脂肪とか乳固形分というような規制がございますが、これは、一つは戦前からあったのと、それからまあ乳幼児の主食であるという一つの割り切りがございまして、そういう、いわゆる化学的成分の純然たる衛生上の問題とは必ずしも言いがたいような、あるいは人の健康というか、健康増進の面の規制がございますけれども、片一方、アイスクリーム類というのは、この省令の中に入ったのが最近でございまして、そしてそういう健康増進という、いわゆる危害事故防止という面から見ますと、必ずしも、乳脂肪何%とか、あるいはどういうものでなければいけないというような規格をつくることは、いまの現行法ではちょっとむずかしかろうという議論がございまして、そして、私たち、やむを得ないために、急遽これにつきましては、現在、アイスクリーム協会という厚生省の認可団体がございまして、ひとつそういうもので自主規格をつくっていただきたいと、その自主規格ができまして、世の中のアイスクリームというものがおよそこういうものだというようなことでひとつがんばっていただきたいということになりまして、ことしの製造からは、かなりそういうものが出回ってくるのではないかというふうに考えております。
#41
○竹田現照君 私が指摘をしたことを、おたくのほうもかねがね考えておった、まあことしからは少しはよくなるだろうと、こういうことですけれどもね。私は、そういう行政の姿勢というものは、先ほどのBHCの問題も、いままでどこかから指摘をされて問題にされないと行政官庁が本腰を入れないという、そういうことに通ずると思うのですよ。ですから、いろいろとここでやりとりしますと、アイスクリームの問題について法的にいろいろな御説明がありますけれども、食べる者は、このごろアイスクリームは子供ばかりじゃありません。子供がすなおに飛びついていくようなアイスクリームであろうと、あるいはアイスキャンデーであろうと、あるいはまたアイスであろうと、十ぱ一からげにアイスクリームだと思って消費者はそれに飛びついているというか、まあ食べているわけです。ですから、いま説明がありました、アイスクリームならアイスクリームとして、はっきりしたおたくのその通達に合致するようなものなら合致するようなものを、すっきりしたものとして製品として市場に出す、そういうような行政指導というものを的確にやられる必要がある。
 どうも、牛乳問題に端を発したいろいろなことについて、まだ突っ込んでお尋ねをしたいのですけれども、おたくのほうの、この問題に対する態度というものがすっきりしたものがない。ですから、いまお答えのあったようなことについて、もう少しはっきりした行政指導をとられる必要があると私は思うのですけれども、業者に――業者というか、業界での自主的な判断にまかせて、お前のほう、もう少しがんばってくれと、そういうような形では、行政指導、行政だとは言えないのです。
#42
○説明員(神林三男君) 食品衛生法の現行法では、一応、第一条の目的から、危害事故防止という観点が、はっきりワクがはめられておるわけでございます。
 で、先ほど申し上げましたとおり、牛乳、加工乳というのは乳幼児の主食であるという観点から、たん白であるとか――たん白というか、脂肪であるとか乳固形分の規制というようなものをやってきておるわけでございます。これはまあ、長い間これを飲んでいる間に、そういうものが足りなければ危害事故が起こるだろうという解釈でやってまいったわけでございますが、アイスクリームにつきましてはちょっとその点が適用がむずかしい点がございまして、私どものほうも、この規格につきましては、いま外国のWHOとかFAOでかなり規格がつくられておりますから、それを参照しまして、ひとつこういう規格でもって今後進んでくれ、国際規格を十分準用して進んでくれということで、私たちも一応の案を示しまして、向こうに今後これでいってくれということで、近くその成果があらわれてくるのではないかと考えております。
#43
○竹田現照君 この問題は、また掘り下げて、いずれかの機会にやりますが、時間ですから、あと一つだけ、アイスクリームに関連して聞きますけれども、牛乳は重量を示すように指導されているかどうかわかりませんが、書いてありますが、アイスクリームというのは脂肪分のパーセンテージだけは書いてありますが、これは重量表示がありませんね。どの容器を見ましても。このごろは、どうも感じで、そういうふうにひねくれて見るのか知らぬけれども、値段は据え置くけれども、量のほうで何か減っているのじゃないかというような気がする。上げ底みたいなもので、空気をよけい入れれば同じかっこうでもいいのじゃないかというようなことで。――これはあれですか、重量表示制に改めるように厚生省のほうで指導するお考えはありませんか。
#44
○説明員(神林三男君) 乳脂肪は法規制がございまして、アイスクリームには乳脂肪を何%入れろということでございますが、計量問題は、あるいは計量法の対象になるかとも思いますが、これはほかの省の法律ですから、はっきりしたことは私申し上げられませんが、できるだけ私どものほうで今後アイスクリーム協会を通じましてそういうような形に持っていきたいというふうに考えております。
#45
○竹田現照君 バターのほうは、あなたのほうの関係でしょう。これは農林省ですか。
#46
○説明員(神林三男君) 重量につきましては、少なくとも直接法律の対象外になっておりまして、その重量を入れるというのは、バターなどは戦前から、かなり何かそういう形のものが行なわれておったのじゃないか、一つの慣例になっているのじゃないかと思います。あるいは計量法がどうなっておるか、これは私ほかの省の法律でございますから、はっきり申し上げられませんけれども、少なくとも食品衛生法のほうでは、バター、チーズに限らず、牛乳も同じでございますが、入れろという規定はございませんが、できるだけの指導は私どもしていきたいと思っております。
#47
○竹田現照君 戦前からの規定じゃなく、いまは、量目その他というものははっきりしなければいけない時代ですから、まあどこの所管かわかりませんけれども、計量法といったら通産省だ。通産省のあれだからということじゃなく、そういう行政指導をやられて何も差しつかえない。計量法のほうは通産省だからおれのほうの所管じゃないという、そういうものの言い方じゃなく、やはりこういうものははっきり書いてある、同じ乳でできているものには。だから、アイスクリームにも書いたらどうか。単純な意見です。それはどうですか。
#48
○説明員(神林三男君) 一応そういうふうに私も考えておりますから、協会のほうに話をしたいと思っておりますが、ただ、これはことしのものからというと、すでに容器に手当てをしてしまっておるので、ちょっと無理かと思いますけれども、なお来年度あたりからは至急そういうような方向で持っていきたいと思っております。
#49
○竹田現照君 長官、いまも聞いているように、これは戦前から云々ということじゃあれですから、やはり生活センター法案にまで考えていただいて、そういうような問題にまでぴりっとするようなかっこうで、国民生活云々という名づけでやられるのであれば、そういう、各省でばらばらのような返事をしなければならぬという、いまのやりとりのようなことのないように、やはりこれはされるようなことが政府としての私は仕事だと思うのですが、長官にこの点について一言お尋ねして、質問を終わります。
#50
○国務大臣(佐藤一郎君) あるいはこれは国民生活センター以前の問題だと思います。むしろ、JISとかJASとか、こういう問題だろうと思いますので、これは農林省のほうで、規格について、またその表示について研究してもらわなければならぬ問題だと思います。今後は表示の問題あるいは計量の問題が消費者にとって重要な問題になるわけですから、われわれとしても、いまそうした問題を研究している際ですから、ひとつ十分に検討してもらいたい、こう考えております。
#51
○委員長(横山フク君) 中沢君。
#52
○中沢伊登子君 まだ竹田理事の質問がこれから続いていくところですけれども、私の時間の関係で、お先にやらしていただきますので、的確に御答弁をいただきたいと思います。
 いま私は、これは自分の質問ではなかったけれども、いまの金光環境衛生局長のいろいろな答弁を伺っておりまして、私もちょっと一言触れなくてはいけないような気がいたします。といいますのは、いまのBHCの牛乳の問題ですけれども、一年か二年でどうにかなるというようなものではないというような答弁でありましたけれども、それは一日にどのくらい飲んでいる人がそういうことになるのかわかりませんが、三本も四本も、三合も四合も飲んでいる者が一年か二年でどうにかなるというものではないということでは私ども非常に不満ですね。何か心配でしようがないのと、それから牛乳のBHCだけではなくて、いろいろの添加物や農薬を私どもは自然にからだの中に入れているわけです。それだけではどうということは言えないかもしれないけれども、漫性毒性とか相乗作用というものがあるものですから、こういう点は、もう一ぺんどうしても農薬とかあるいは添加物の総点検をやって、ほんとうに私どもを安心をさしてもらいたいと思うのです。これは私はいまお答えを要求いたしません、時間がありませんから、ちょっと要望だけを申し上げておきますが、そういう点で、私は厚生省の考え方が少し根本的に甘過ぎるんじゃないか、少しルーズじゃないか、こういうふうに、私はほんとうは、きょうは苦言を呈したいと思うのです。
 それからもう一つは、いまいろいろBHCの問題でここでやりとりがございましたけれども、畜産局長さん、それはいまどこのわらが汚染されているんだ、どこがどうだということではなくて、どっかが汚染されたということであれば、もうすぐにその飼料を変える、その方向をなぜとらないのかということなんです。それで、すぐ飼料を変えるといったって、なかなかそれはいま急激に、たくさんの乳牛の食べる飼料がとってあるわけではありませんし、すぐにクローバが大きくなるわけでもあるまいし、たいへんその点では私の言うことは無理であろうかと思います。しかし、もういつ何どきどういうことが起こらないとも限らないときに、いや、こっちは汚染された、その発表がずいぶん手間取ったということでは、国民はちょっと心配になって牛乳なんて飲めないということになるし、ほんとうにわれわれからいえば、一人が一日牛乳二本か三本飲みたいんですけれども、値段の問題もありますから、一ぺん汚染されたことがはっきり出ますと、みんなやめてしまう。これは小売り屋さんも非常に迷惑しているわけですよ。ですから、もしそういうニュースが出たら、手当てをする方向に私は考えてほしいということを一つ要望を申し上げたい。
 それから、この間私、これは兵庫県のある農村のほうですけれども、そこへ行っていろいろお互いに話をしておりました。そうしたら、その農薬というものを、人手も足りないし、このごろ部落共同でヘリコプターで農薬をまくんです。そうすると、いなかのほうでは用水池がありますね。まだ井戸水を飲んでいる。その用水池にもその農薬が入ってしまう。農薬をまくときには、ただいまから農薬をまきますから窓を締めてくださいと言って広報車が回る。だから、家は締めるけれども、それから一時間か二時間くらいたってから、やっと農薬が落ちてくるというのです。ヘリコプターでまいているときは、いきなりそう、すうっと落ちてくるものではない。そうすると、その用水池などの水に農薬が入る。これを何とかしてもらえませんかという要望がございました。ですから、私は、農薬の問題はもう一ぺん総点検をして、そういうときにはどういうふうに手当てをするのか、そういう上から降ってきた農薬でまたクローバーが汚染されるかもわからない、その辺のところを私はもっと根本的に考えていただきたいと思います。
 それから、いまのアイスクリームの問題ですけれども、竹田委員は、いま、値段は変わらないけれども上げ底みたいになっておると言われましたけれども、私はもう一つ違う考え方は、ちょっと一つ食べたら多過ぎるんですね。アイスクリームで胃袋が冷たくなるほど大きくなって、五十円くらいのアイスクリームが八十円ぐらいになっているんです。そういうことのあることも一つ御承知おきを願いたいと思います。
 いずれ何らかの機会に、私はこれらの問題について、じっくりと質問をしてみたいと思いますが、きょうはそれが本筋ではありませんから、国民生活センターのことについて御質問をいたします。
 私どもは国民生活庁というものを非常に希望して、何べんもこういうことを質問の中で繰り返してきたわけですけれども、今度国民生活センターというものが設置されることになりました。ところが、いままで、たとえば通産省とか農林省、あるいは厚生省、そういうところでも個別に情報の提供を行なっておりました。一例として申し上げますと、厚生省では国民生活の実態調査というものを行なって、結果報告をいままでも出してきておりましたね。そういう中で国民生活センターの設立は、このような業務の一そうの煩瑣を招いて、国民をしてかえってその去就に迷わせるおそれがないものかどうか。なおそれでも、あえてこういう研究所を解散してセンターを設立しなければならない理由はなぜだろうか。こういうこと、それが一つですね。
 それから、むしろ研究所の質的向上をはかって、対外的には実際面を担当する各省庁と密接な連携を保って、センターの新設によって招くほかの省との摩擦を避けて、事の円滑を期したほうがよかったのではないか、こんな感じが私はしておるわけです。そこら辺についてお答えを願いたい。
 いま二点申し上げました。それから、各地方に生活センターみたいなものございますね。そういうものと、今度できるセンターとの関係はどういうことになっておりますか。その三点をひとつお願いしたい。
#53
○国務大臣(佐藤一郎君) まあ、各省にもこれに類似のものもあるし、いわゆる国民生活に関係した行政もある、実際こういうものをつくると複雑化するのではないか、かえって煩瑣になるのではないか、こういうお話でございましたが、私は、これはむしろ国民の皆さんの御要望を直接に伺う、あるいは直接にお話し合いをする。そうして、実際御存じのように今日の行政は非常に複雑になっています。われわれでさえ、どこでどういうことをやっておるか、しばしばわからないという状況でございます。でございますから、私は、こういう窓口は各省にあって、なおこっちにあってかまわないという実は気がしておるのです。むしろ、そうして窓口が相当広くなれば、一応国民の皆さまの商品に対する知識というものもふえていくものである、私はこういう考えを持っています。
 それで問題は、それを承ったあとの処理の問題であろうと思います。われわれは、もちろんこれを関係行政庁に的確に伝えて、そうしてその実行にあたって、煩瑣な、あるいは重複的なことが行なわれないように、そういう点については十分に考えていかなければならない、こういうふうに考えております。でありますから、各省で相当いろいろやっておることは、私はそれはそれでもっていい、それからまた、多少見方の違うものもあります。そういうことも頭に入れていいのではないかと、こういうふうに考えております。
 それから地方との関係でございますけれども、これは、一方においてわれわれにとって今度の地方センターが大事ですというのは、中央に、東京にだけしかないというのでは問題になりません。でありますから、われわれのところでもって収集蓄積したところの情報というようなものを、逐次整備されたものを地方にも流す、それからまた、地方の窓口を通じていろいろと得るところの情報、そういうようなものがございます。そういうものが、ある意味においては、いたずらに積もっておって活用されてないうらみがあるのです。それがまた中央に、こっちへよこしてもらいまして、それをもう一回今度われわれの目で見直して、またそれを地方に流すというようなことも考えております。それから、これの運営の協議会というものをつくりたいと思いますが、それには地方の代表も参加してもらいまして、そして一体として運営できるようにやってまいりたい、こう考えております。
#54
○中沢伊登子君 いま私はもう一つ申し上げたかったのは、苦情処理ですね。それは、各省がいろいろありますと、苦情の処理のときに、お互いに責任のなすり合いみたいな、隠れみのみたいな、あるいはたらい回しみたいな、こういうことになるのではないかということも一つ気になります。その辺をひとつお聞かせいただきたいのと、先ほど竹田委員が、テスト機関がつくられないということを言っておられましたけれども、確かに、もしも何か品物でも持ち込まれたときに、それをどういうふうに処理されるのか、それはやはり私はテスト機関みたいなものをほんとうは置いておいていただいて、その場で処理をしてもらう、こういうふうなことが非常に私どもは望ましいと思うのですけれども、その辺はいかがですか。
#55
○国務大臣(佐藤一郎君) いまの御指摘になった点が、実は私は今度のセンターで非常に重要だと思います。つまり、どこかへ苦情を持っていきたい、ところが各省に直接に行くと、ちょうど、まりをてんてんとされるように、おれのほうじゃないからあちらへ行けと、こういうことでもって、ほうぼうに行って疲れてしまうという事情がしばしばあると思います。そういうときに、やはり企画庁のような総合官庁に関連を持つこのセンターというものがこれを承って、そしてこれはどこの問題なのかということで、ほうぼうにまりの投げ合いをしないようにやっていくということが必要なんじゃないかと、そこらがむしろこのセンターの一つの大きなねらいになっておると、こういうふうに考えております。
 それから、いまの商品テストの問題ですが、これは商品テストについての一種のネットワークというようなものを私はつくりたいと、こう考えております。ですから、私のほうは、窓口になりましたら直ちにそれを、他の省の所管であってもいいのですが、テストの機能を持っているところにすぐにこれを委託しまして、そして回答がすみやかに行なわれるようにしていきたいと、こういうふうにさしあたって考えております。将来の問題として、先ほど申し上げておりますように、また今後必要があるならば自分自身でこういうものを持てるようなことも研究しなきゃならぬ段階があるかもしれません。
#56
○中沢伊登子君 そうすると、今度、この国民センターでは消費者教育みたいなものをやられますね。たとえばラジオだとかテレビ、映画、スライド、あるいは消費生活展覧会ですか、あるいはパンフレットを出されたり、こういうふうなことをいたしますが、たとえば、この間のチクロの問題ですね。チクロの問題で、私どもはもう、チクロ、チクロと言えば、何か皆さん、ちょっとどきっとするわけですけれども、それを今度は、ラベルを張るときに、これ、わざわざサイクラミン酸塩と、こういうふうに書かせる。しかも、活字の大きさは新聞の活字体だと、こういうふうなことで、これでは、一般の消費者はサイクラミン酸塩と書かれたら何のことかわからない。そういうことまでもこういう教育の中に織り込まれるのかどうか、そういう情報があれば……。それからあるいは、人工甘味料の入っておるかん詰めがありますね。つまり、人工甘味料というのはチクロのことですね。そういうものが入っていたのが、今度二月一日からやめになりましたね。ところが、実際問題、現物は九月まで売ることができるのですね。ですから、そこにはサイクラミン酸塩と書けというわけですけれども、それを書かずに全糖というような大きなラベルが張ってあるから、ラベルを見て全糖だと思って買ってきた。そして家に帰ってきて、どうもおかしいなと思って、よく見たら、ラベルをはいだら、その下に人工甘味料が添加されているというのがちゃんと書いてある。こんなごまかしをされたんではかなわない。しゃくにさわるから、そのかん詰めを捨てましたという人もあるわけです。ですから、そういうときに、現実にそういうところまでなかなかほんとうは情報が流れてこないと思うのですよ。なぜといえば、チクロと書けばみんなが買わないから、サイクラミン酸塩と書く。そうすると、人のいい人、少しわからなかった人は、それを買ってくださるわけです。そういうようなことまでも、ラジオやテレビの中で流してくださるかどうか。私はそういうことはぜひやってもらいたい、そういうふうに思うことが一点。
 それから、まとめて御質問申し上げますけれども、そういう中で、苦情の処理だけではなくて、消費者が商品やサービスを選択するときに役立つような情報を積極的に流すようにひとつ私要望したいと思う。
 それからもう一つは、監視員制度ですね、この監視員が非常に足りません。この法律案をつくるのと同時に、その中で監視員を思い切って強化するようなことも盛り込んでいただきたい。このことを要望したいと思うのですが、いまの三つについてお答えを願いたい。
#57
○国務大臣(佐藤一郎君) 最初のチクロの表示等の問題は、率直に言いまして、これは厚生省自身の行政として行なわなければならないことであると思います。その行政の執行にあたって、御指摘のような点について不十分であれば、これは今後大いにそういう点について検討してもらわなきゃならぬ、こう考えます。しかし、そうした事情について、たとえば、いまのような問題が起こったというようなときに、私のほうでもっていろいろな情報を流す際に、そのときどきのトピックとして、必要、重要であると考えれば、当然その中に入れてしかるべき問題であると、こういうふうに考えます。
 それから商品選択にあたっての情報をできるだけ積極的にやるように、こういうお話でありまして、これはわれわれも大いに御意見を参考にしたいと思っています。
 それから監視員の問題は、これは食品衛生関係のことで、これはむしろ厚生省に属する問題でございます。いま厚生省関係官も来ておりますから、むしろそちらでお答えするほうがいいと思いますが、厚生大臣も、この監視員の増員については非常に熱意を持って、閣議等で私もそれを承知いたしております。
#58
○中沢伊登子君 それでは厚生省の方、お願いいたします。
#59
○政府委員(金光克己君) 地方におきます食品衛生監視員は、都道府県あるいは保健所を設置する市、いわゆる政令市と称しておりますが、その市に配置されているわけでございまして、交付税の対象職員になっているわけでございます。そういうことでございまして、厚生省におきましても、自治省と協議いたしまして交付税の積算人員を一昨年から増員をはかっております。それに伴いまして、各都道府県でも若干の人員の増をはかりつつありまして、昭和四十四年度では約二百名ぐらい増員になっておるというようなことでございます。それから四十五年度でも増員計画をかなり持っているようでございます。こういうようなことで、逐次増員をはかってまいりたいと考えております。
#60
○中沢伊登子君 国民生活センターは、非常に皆さんが期待をされているやに私も伺っております。一般消費者がですね。それと同じように、これは少し問題としては違うのですけれども、長官がこの次にはお見えにならないかもしれないということを承っておりますので、少し筋が違うかもしれませんが、どうしてもきょうは質問さしていただきたいと思うのです。
 同じく神戸のほうの市民、あるいは阪神間の市民から非常に要望されてできたのに、神戸の中央卸売り市場の東部市場というのがございます。たまたまこの間から、野菜の物価の値上がりの問題やなんかで、担当官会議だの、いろんな会議がそちらで持たれておりますね。そういう中で、私ども新聞でいろんなことを見たわけです。物価対策閣僚協議会ですか、こういうようなもので、そこでどういう問題が出たかというようなことも新聞でずいぶん拝見をいたしております。そういう中で、特に私は、野菜の問題やなんかが台所を脅かしておりますので、たまたま昨日、神戸の中央卸売り市場の東部市場を見てまいりました。そうしますと、この市場ができたときは、はなばなしい開店をして、そしてずいぶん市民の皆さんが期待をされたわけですけれども、行ってみますと、遊休店舗が相当あるんです、あの中にね。それで、どういうわけかといっていろいろ聞いてみますと、仲買い人が充足できないんだ、仲買い人が足りませんと、こういうような話でございました。で、一体これはどこに問題があるのだろうかと。仲買い人が来ませんと、あるいはそこに買参者ってのがありますね、そういうのもほとんどないものですから、非常に活気がない、こういうことで、皆さんが期待されるほどの機能をいま果たしていないわけです。それで、行ってみますと、きのうなんかは、だいぶん青物なんかが一ぱい残ってるわけですね。それは買い手がつかないということじゃないと思います。これだけ野菜物が高くて皆さん困ってらっしゃるときに、もっともっとあそこで機能を発揮してもらって、野菜物をとってもらって、それがぱあっと売れれば、もう少し台所に野菜が回ってくるんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺の機能が、全然じゃありませんけれども、十分果たされていない。普通、こういうものが民間企業であれば、とっくの昔に倒産をしてしまってるわけですね。そして、この市場が開設されてから約半年たっております。半年間もこのようなことで放置してありますと、その仲買い人といいますか、そういう人が、ここに店舗をあけっぱなしになっておりますと、いままで早くから、六カ月も先に入ってきた人たちに、何か、しにせみたいなものがついてしまって、あとから今度どこからか引っぱってこようたって、なかなかそこら辺に利害関係が出てきて、むずかしいんじゃないか。それですから、もう早急に、これは神戸市がやることであろうとは思いますけれども、つくっただけではなくて、行政指導を早くやってもらって、――これは非常によいサンプルなんです。広域圏の市場になっている。だから、芦屋とか西宮とか、私のおります宝塚だとか、三田とか、それからもう少し奥の丹波まで販路を広げようというようなことで、非常に期待を持たれた市場なんです。これがこのままになってるということに私は非常に疑問を持ちながらきのう帰ってきたものですから、その点を、きょうは長官に伺ってみたい。たまたま卸売市場法案という法律案が出ますね。そのほうも私はこの間の予算委員会で多少さわってはみたんですけれども、その辺でお答えをいただけるものなら、ひとつお答えいただきたい。
#61
○国務大臣(佐藤一郎君) ちょうどいま農林省が見えてますから、まず、農林省の説明を具体的にひとつしてもらいたいと思います。
#62
○説明員(石川弘君) 神戸の東部でございますが、開場いたしまして、当初約六十万くらいの消費人口を見込みまして、四十五年度で年商約五十七億ということを前提にして開場したわけでございますが、先生御承知のように、卸売り人の営業活動が若干不活発でございまして、現在、目標に対しまして約八〇%前後の活動でございます。いまおっしゃいました仲買いの店舗の遊休の問題でございますが、開場いたしましたとき、約六十万の対象人口と申しますと、やはり仲買い人の経営規模をあまりに零細にいたしますと、将来仲買いの経費が増高する。私ども約一億円程度の年商、売り上げるのが最低の仲買い規模と考えておりますので、仲買い店舗を約六十数戸つくりました業務計画を認可いたしたわけでございます。現在入場いたしておりますのは五十人でございますから、約十数戸あいているという事情でございます。ここで特に西宮方面の仲買いをさらに入場させることが適当ではないかということで、神戸市及び兵庫県がそのあっせんをいたしておりますが、残念ながら、現段階では、まだ私どもが想定いたしますような規模を持ちました営業活動の可能な人が少ないわけでございます。これは、先生おっしゃいましたように、仲買いの買参活動を活発にいたしますことが供給を円滑にするゆえんでございますけれども、だからといいまして、非常に零細なものを入場させました場合に、かえって禍根を残すという事情もございます。実は数日前に、われわれのほうから、開場後の経緯を詳細に報告し、営業活動の内容を明らかにするようにということを開設者に対して通達をいたしておりまして、その結果を待ちまして、おっしゃるような方向で、しかも決して零細な仲買いが発生しないというような、両方にらみました指導をいたしていくつもりでございます。
#63
○委員長(横山フク君) 竹田四郎君。
#64
○竹田四郎君 たいへんあちこちに問題がわたってしまいまして、特に浅野さんには長い間お待たせをして、たいへん申しわけないと思いますが、もうしばらくお願いしたいと思います。
 大臣に一つお伺いしたいのですが、国民生活センターというものが、いまもお話が出ましたように、たいへん国民から、消費者行政の一元化ということで、大きな期待が持たれているだけに、私は、センターの仕事というものはたいへん重要な仕事である、いままでのやりとりを聞いておりまして、はたしていままでのやりとりに対応できるような力をセンターが実際に持つだろうかという感じを実は深くするわけです。せっかくセンターをつくっても、むしろ、各省の間に入って、もまれてしまうのがせい一ぱいで、何をしたらいいかわからないというようなことで、あるいは権限を侵したとかなんとかと言われて、実際には何もできないというふうになる心配すら、いまの議論の中でさえ、それを感じたわけでございます。それだけに、私は、国民生活センターの法律というものは非常に重要な法律であるというふうに内心思っております。この法律の案ができるまでの経過を見ましても、初めの勢いと、でき上がってきたものというものは、たいへんに違ってきているように私は受け取っているわけでございます。そういう意味において、私は、むしろ国民生活法案というのは、いきなり国会に出すという前に、それ相当な審議会というようなものもおそらくおありだろう、国民生活審議会等もこういう問題を審議する一つの場ではないか、消費者行政、消費者相談というものを適切にやっていく一つの場ではなかったか、そういう場にかけられて、この法案を各方面から討議をして、その上でできてきた法案であってほしかった、こういうふうに思っておりますが、そういう意味で――おそらく審議会に諮問されなかったと私は思うのです。もし、されなかった場合には、なぜそういうものをしなくてもよかったのか、私は、もう少しいろいろな方面の公正な意見をこの中に含めて、各省のなわ張りというものがこの中に持ち込まれないようにすることが必要でなかったかという観点で、そう思っているわけでありますが、もし、かけていなかった場合には、かけなかった理由は何であろうか、教えていただきたい。
#65
○国務大臣(佐藤一郎君) これは、いわゆる正式に諮問をしておりませんけれども、ここの国民生活審議会には消費者保護部会というのがありまして、そこに特に説明に行きまして、意見を十分聴取をしています。その際多少の質疑がありましたが、大体異論がないということで済んだわけでございます。ですから、国民生活審議会に全然はからなかったわけではないのでございます。まあ、いま御心配になるような点は、あるいはこの法案の成立過程でいろいろあったことをお聞きになった上での御心配なんだろうと私思うんですが、今後の運営につきましては、いまの御心配のようなことがあっちゃ、もちろん困りますから、私としては責任を持ってそういうことのないように、万一そういうことがありましても、われわれがそれを排除して、そうして円滑に実施をはかっていく責任があると、こう思っております。
 なお、これは自分だけで一人よがりしてもしかたのない組織で、やはりそれぞれ行政の実施に当たる各省との連絡ということも十分密にしなければなりませんから、この運営協議会に各省の代表にも入ってもらって、そしてその下に連絡の下部機構もつくる、こういうようなこともするつもりでおります。そして、いま御心配のようなことのないようにやってまいるつもりでございます。
#66
○竹田四郎君 浅野さんにお伺いしたいと思うんですが、いままで国民生活研究所としてたいへん御苦労をされてこられたと思うんです。それが今度センターへと発展的な解消を遂げるわけです。発展的な解消を遂げる上には、いままでの研究所の成果と欠陥というようなものが当然検討をされ、所長さんとして、すべていままでの研究所の欠陥をよりいいものに発展をさせていくというふうなお考えは当然おありだったろうと思うんです。国民生活研究所といたしまして、今度のセンターに対しまして何か御意見の意見具申等私はされたと思うんです。された内容を御発表できるということであれば、ひとつそういう御意見を私どもも聞かせていただきたいと思うんです。
#67
○参考人(浅野義光君) 国民生活研究所といたしましては、法律に示してありますように、総合的な基礎的な研究を進めてずっとまいったわけであります。何か欠陥があるんではないかというようなことを御指摘のお話のようでございましたが、われわれ別にそう、何か非常に運営上問題があったとか、そういうようなことではなくて、この際、われわれ基礎的な研究をやっておったわけですが、そういう研究だけじゃなくて、センター法案に示されておりますように、そういうものにほかのものも加え合わせて、そして一般の国民にほんとにお役に立つ情報を提供していく、国民と対話をはかるというようなことでございますので、われわれも非常にそれはいいことだというふうに考えております。
 それからもう一つ、そういう研究所とセンターとの関係で、やはり研究所の研究というものが、国民の対話なりいろんなことで、問題意識というのがはっきり出てまいりますので、そういう問題意識を十分にとらえて研究をやっていくということになりますと、一そうためになるような研究ができてまいるというようなことにもなりますので、そういう点がやりやすいような形でなるべくセンターに移行していただくというようなことを寄り寄り経済企画庁のほうにもお話ししておった次第であります。
#68
○竹田四郎君 実は寄り寄りお話をしていたというようなことで、あまりはっきりなされないのでありますけれども、私は、当然、いままで長い間研究所を経営してこられたわけでありますから、そういう研究所のいままでの成果はもっと伸ばしてほしい、こういう面は確かに若干足りなかった面がある、こういうようなことがあってしかるべきだと思うんです。今度の法案の要綱を見ますと、総合的な調査研究という文字はあります。前の国民生活研究所の場合には「基礎的かつ総合的」と、「基礎的」ということばが一つ余分に入っていたわけです。今度の法案を見ますと、基礎的ということばは一切ない。いまおっしゃられましたように、いままでの研究所は、どちらかというと基礎的な部面に重点があったというふうに……。私ども、研究所が出されたパンフレット、案内を拝見しますと、いろいろな研究の題目が載っておりますけれども、どちらかというと基礎的なもののほうが多かったように思うわけです。そういう意味では、今度の新しいセンターというのは、「基礎的」という字が抜けてしまっている。そうしますと、いままで中心にやってきた基礎的研究部門というのは一体どこにいってしまうのか。私は基礎的な研究部門というものは必要だろうと思います。それはセンターでやるのが適切か、あるいは他の場所で、企画庁の経済研究所でやられるのが適切か、それは場所はいろいろあると思いますが、今度の場合には一切そういう基礎的研究という字が抜けている。予算的に見ましても、いままでの業務の内容には、「情報及び資料を収集」というようなことばがあったわけでありますが、今度は資料の収集ということばが抜けてしまうということになると、研究所とセンターとの関係はかなり変わったものになってくる。予算的に見ましても、今度の一番大きな仕事は、マスコミを通じて情報を国民に与えるということが一番お金の面で大きな仕事になってくると思います。そうしますと、研究所の性格とセンターの性格はかなり違ったものになってくる。そういう基礎的な研究所というものがなくなったということは、その基礎的な研究というのは今後どうしていくのか。こういう点について、ひとつ所長さんの御意見も伺い、また、企画庁の長官にその辺の仕事の内容を、いままでのものは今後どうするのか、こうした点、お二人にお聞きしたいと思います。
#69
○参考人(浅野義光君) いまお話しのように、国民生活研究所は、従来とも基礎的、総合的にやっていた。基礎的にやったということがかなり強調されたことにつきまして、われわれといたしましては、国民生活上のいろいろな問題を解明する場合に、やはり深く突っ込んで基礎まで持っていき、そうして底がわかるような研究分析をしていくということはずっとやっておったわけであります。しかも、もう一つ広い視野で総合的な立場で考えていくということもやっておったわけです。
  〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕
だから、広い視野で問題を設定し、研究分野も大きな広い視野で問題を解決していく、そうして深く突っ込んで基礎的な問題に迫るという態度で研究しておったわけであります。センターのことは、はっきりそう、われわれがとやかく申し上げるわけにはいかぬかもしれないが、センター法に書いてあるような「総合的」ということになって、従来の研究から基礎が抜けたので、性格が変わってしまうのじゃないかというお話でありますが、おそらくセンターになりましても、そこでの研究は、やはり基礎的なものを十分に突き詰めて考えていくということはどうしても必要ではないか。しかし、大きな広い視野で問題を処理していくことも必要である。われわれが説明を聞いている範囲では、基礎的というのは、どちらかというと、アカデミックな面に多く考えられやすいということで、それを取り込んだという感じにもなっておりますので、われわれとしては、基礎的なこともやり、総合的なこともやる、どうしてもそういうことで、情報源あたりもそういう角度で研究して使っていくという面もありますので、決して、研究所がセンターになったから研究が完全に性格が変わっちゃって、あるいはレーゾンデートルがなくなる、あるいは影が薄くなるというようなものには絶対にならないというふうに確信をしている。むしろ、先ほどちょっと申し上げましたが、センターになりまして、国民のなまの声あたりを聞きまして、問題意識もはっきりしてまいります。そうした、そういう問題意識を踏まえて研究を十分に進めていくということになりますれば、われわれとしても、研究所が本来の目的が少しも逸脱しないで、ずうっとつながっていくというふうにも考えているわけであります。
#70
○国務大臣(佐藤一郎君) いま浅野所長のお話がありましたとおりだと私も思います。「基礎的」というのを取りましたけれども、要するに、実際的な、実用的な、具体的な研究もさらにそれに加えようという意味でありまして、別に基礎的な研究そのものを否定しているという気持ちではございません。これはこれでもってやはり進めるものを進めてまいる、こういうことであります。しかし、国民生活センターということで、いろいろと実際的な情報、実際的な問題にも接する機会が多くなるわけでございます。その中で研究部門は独立いたしておるわけでありますけれども、また同時に、やはりその中の組織の一部として、そして実際的な空気に触れてまいる、こういうこともまた研究部門にとっても刺激にもなり、一つの非常にプラスになる面もふえるんじゃないかというふうに考えております。
#71
○横山フク君 ちょっと関連して。
 今度の新経済社会発展計画ですね。あれは、経済の成長率を何%にしたら物価は幾らになるというような形の大まかな数字、マクロ的というのかしら、そういうのでは出していますね。だけど、そういうのだと、実際の今度、そういうような計画は立てるけれども、さて現実に一年たってみた場合には、それと同じ形にいかないという線がずいぶん出てくると思うんです。そうじゃなくて、実際に国民生活はどのくらいかかる、どういうふうな、といったような形の基礎的な資料を寄せ集めて、そのデータの上に立って、それならどうなるというような形の、ミクロ的というんでしょうか、そういう形に計画を出すのが私はほんとうはしかるべきものだろうと思うんです。ところが、そういうふうに積み上げる形になると、非常に機構も大きくなるだろうし、資料もいろいろな面で予算面も大きく要求された形になったりして、なかなかいかないし、そういう点は捨て去られたという形で私たちは聞いているわけです。そういう点で御婦人から、今度のセンターにもからんで、不満が出てきて、そういう点はどういうふうに考えているかというふうに出たわけなんですが、これはいまの研究部門にからんでいることだと思いますが、どういうふうになっているんでしょうか、現実には。
#72
○国務大臣(佐藤一郎君) いま御指摘のような誤解があるとしますと、私たちもよく一般にも御説明をしておく必要もあると思います。ただいまの経済計画は、間接的にはもちろんそうした研究資料を採用するという意味で多少の関係はございますが、計画の作成そのものに直接の関係は研究所はございません。これはこれで、もっと長期的な研究をうんと別個にやってきているわけです。
 経済計画につきましての作成のしかたということになりますと、これは率直に言いまして、いろいろと議論がございます。そして、現在経済企画庁がやっております作成方法というものは、少なくとも今日の日本の第一流の経済学者等の知能を集めてつくりましたモデルによりまして、計画の作成が行なわれておるのであります。もちろん、しかし、そうは言っても、それに対して批判もあるし、現実にまた時代と計画の乖離という問題も起こっております。それで、われわれとしても、その作成については検討を怠らないように今後ともやっていかなければならないと思っております。まあ数字を扱う問題でありますから、単にこういうふうに思うとか、こういう方向で考えるとかいうことではないものでありますから、現在としてはマクロ的な手法を用いてやってきておる。そうして、一応あれ以上の手法はないと言われております。しかし、これはいろいろと今後検討を十分していく、こういうつもりで私もおりますし、いずれにしても、この計画の作成の問題は国民センターとは直接の関係がないわけでございます。
#73
○横山フク君 関連ですから、そう私もくどく言うことはないと思うのですが、一般の社会というか、婦人社会の中では、経済企画庁はああした数字をこねくり回して、学者の学問上で研究された結果ではあろうけれども、現実というものは学問のとおり必ずしもいくものじゃないのだ、それなのに、学問的な数字的な理論だけでもって、もう数字をもてあそんでいる役所じゃないかというような極端な言い方もするわけでございますね。それで、国民生活研究所をセンターに変えるという形からもそれにからみ合せてきまして、そうしていろいろと言われているし、私が委員長だというので、陳情の形でいろいろと言ってきたのだと私は思うわけでございます。それがからんでないならばけっこうであるし、センターはセンターとして一般的にあると思いますが、同時に、国民生活がどういう形にあるかといったような形の研究もしていかなければならぬだろうし、それを積み上げた後にほんとうの社会の発展計画というものがあるのであって、学者の理論だけに固まるという形でもいかぬだろうし、そういう点は長官においてよくあんばいしながら、将来の機構の面や陣容面やなんかのほうにもお考えをいただきたいと私は思うわけでございます。
#74
○国務大臣(佐藤一郎君) いまの御趣旨は私も非常に注意をしなければならない点であると思います。ひとつ今後も、計画の作成等につきましては十分注意をしてまいりたいと思っております。
  〔理事林田悠紀夫君退席、委員長着席〕
#75
○竹田四郎君 いま御両所の御説明を私伺ったわけですが、今度のセンターというのは、各省からの情報がおもな収集の材料になる、こういうふうに考えてみますと、どうも、いま言ったように、だんだんと基礎的な部門というのはおそらくこれからはずされていってしまうであろう。浅野さんが次のセンターの所長――理事長ということですか、ということでまた再任されるだろうと私たちは期待しておりますけれども、そのときに、一年一年と基礎的な部門というのは、おそらくはずされていくのではなかろうかということを私は最も懸念するわけであります。その問題はまたこの次に、こまかくお聞きすることにいたしまして、もう一つ、私は、どうも今度のこのセンターというのは、これは企画庁だけだとは思いませんけれども、政府の高級幹部の将来の天下りの一つの島になるのじゃないか、こういう感じを実は非常に強く持っているわけであります。おそらく、これに関係ある各省から、そろそろ定年になるという方々がここへ天下っていって、このセンターを運営していくというような姿が、まあほかでも出ておりますから、これから出ていくと思います。そういう形になってくると、このセンターのほんとうの役割りというのは実はなくなってしまう。相変わらず各省のなわ張りがこの中に持ち込まれるということであって、実際の仕事というものが進んでいかないようなことになってしまうようなことになるわけであります。私は、あくまでもこれは国民のものであろうと思うのです。そういう意味では、退職した高級官僚の天下りの隠居場所にしてもらっては困る。むしろ、個々の役員というような方には国民から人を選んで、適切な人が、実際にそうした面に深い経験を持ち、実際に消費者運動、あるいは消費者保護という立場で仕事のできるような人が、このセンターにはすわってもらわなくちゃいけないと思います。いまの形で各省から来た人たちが全部すわるということになれば、いまの縦割りの消費者行政というものがそのままこの中に入ってしまうと私は思うわけでありますが、その点について、ひとつ長官に、この際、ここは天下りの場所にしない、こういうふうにはっきり私は明言をしておいていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#76
○国務大臣(佐藤一郎君) 私も、竹田さんの御質問を伺っていまして、非常に各省のなわ張りということを強く御心配なさって言っておられますので、実は予想外に感じたのですが、実は、この構想というのは、私の前任者である菅野さんの、単なる研究所でなくして、企画庁というものはもっと実際との関連を強めたほうがいい、こういう構想から出てきていまして、いわゆる役人筋から出たものではございません。そこで、むしろ、今日とかく縦割り行政というものが行なわれがちであるだけに、こうした一つのところにいろんな者が集まって、また各省の関係の者との連絡ということもそういうものを通じて行なう、こういうことがかえって必要なんじゃないかというふうに実は私は感じているのです。役所そのものが統合しなくても、こういう窓口みたいなもので、現場でもって、国民生活センターというようなところでもって、各省のいろんな問題をあわせてお聞きし、そうしてそれをあわせて検討し、あわせてお答えする。こういうことで、現在の縦割り行政の補正しなきゃならぬ面を、たとえ一部であっても、補正する一つの場になる、こういうような気持ちを私はむしろ持っておりますし、また、そういうふうに運営されなければならない、こういうふうに思っております。そしてまた、そうした発想の経緯がありますから、もちろん最初から天下りの場にするとか、なんとかいうことでできたものでもございません。まあ何といいましても、私も、これが生まれる以上は、うまく運営されることが、これが一番の私の願いであるばかりでなく、皆さまと御一緒に実は心配をしております。何とかうまくやってもらわなきゃいかぬ、こういう気持ちを深く持っております。そういう意味においては、会長、理事長というところの人選、特に会長の人選には私も頭を痛めております。そして、その会長というのは、学殖も豊かであり、経験も豊かであり、視野の広い方をできるだけお願いしなきゃならぬ、そして、その会長に人選をお願いする、まああまり役所がかれこれ言わないで、その会長のもとにその設立の趣旨が貫徹できるような運営が行なわれるように、いろんな点でもって会長におまかせしなきゃならぬ、こういうふうに私は考えております。そういう意味で、新会長のもとで今後人選が行なわれることになろうと思うのであります。われわれとしましても、これは別に天下りの場に考えるということは一切排したいと思います。実際問題として、たとえば、特に関係の深い省というものとの連絡、そういうようなことも考えて、もし適任者があればそれは役人の中からも選考される、こういうことは十分あり得ることでありますけれども、決していまそれを特定して考えておるつもりはございません。新しい会長にできるだけその選任というものを自由にやっていただく、この趣旨に沿ってやっていただく、こういうふうにいま考えております。
#77
○竹田四郎君 長官はなるほどそういうふうにおっしゃっておられるわけでありますが、それらの面を見てきますと、やはり各省の関係というものは非常に強そうに思う。たとえば、運営協議会の委員は三十名以内で組織すると、こう書いてあります。これは、との前にちょっと御説明いただいたわけですが、関係行政機関の職員というのがこの中に入るという話でございます。十五名か十六名入る。そうしますと、三十名以内の中で十五、六名入るということになりますれば、現実にその運営協議会の大半というものは、それは各行政機関によって運営されるということで、運営協議会も各省の出店的なものになっていく可能性がある。
 それからもう一つ。今度はこの法案で変わってきたことは、いままでの出資金、こうしたものは返すと書いてある。百四十万円ですが、全部で。これは返されるということである。いままでの主婦連とか、消費者団体も、すべて出資金が、金額はわずかでありますが、これがなくなるわけであります。出資金がなくなれば、当然そこに発言権もなくなる。はたして運営協議会の委員に、そうした消費者団体からどれだけ入れられるか。これも、お役人で半分は占められるということになれば、あとは地方の行政機関の長のうちからも何名か出さなければならない。あるいはその他の一般的な学識経験者というようなものもこれは出さなければならない。そうなってまいりますと、実際上一番関係の深い消費者団体というようなものがこの中に入っていく余地というものは、もうほんとうにごくわずかしかない。こういう感じが私はいたすわけであります。そういたしますと、このセンターというものは、国民全般からのいろいろな不平不満を聞いて、その相談に乗り、あるいは情報を提供するということでありますが、私は国民の不平不満がこれからますます集中的に集まってくるような気がいたしますけれども、それをこの国民生活センターというので乱反射してしまって、各省にはあまり強い不平不満や要求がなくなってくる一つの緩衝地帯にこれがなってしまうような、そういう心配が非常に強いわけです。そうした不平不満というものをほんとうに解決してやる道案内の役割りになればいいのですけれども、どうも乱反射してしまうような方向に向かうという心配が私は非常にあるわけです。そういう点で、一体、なぜ運営協議会に役所の各省の出先をそんなにこの中に入れなくちゃならないか。あるいは、あえて百四十万ばかりの出資金をここでどうしても返さなければならないのか。私は、消費者の意見をこの中に入れずに、はねのけてしまうというようなことを、むしろねらっているのじゃないかと、こういうふうに思うわけですが、その辺を解明していただきたいと思います。
#78
○国務大臣(佐藤一郎君) どうも、この国民生活センター、何か趣旨そのものについて疑問をお持ちになっているようでありますが、私は実は、過去の経緯はともかくといたしまして、これからやってまいりますのに、各省の弁護役に立とうと、そういう気は一切ございません。むしろ、乱反射というおことばがありましたけれども、これでもって各省への注文が減るくらいにこれが活用されるのならば、これは望外のことだと思うのですが、むしろその逆で、なかなかそこまでいかないのじゃないかという心配ぐらい持っているような状況であります。いずれにいたしましても、窓口でもって承ったものを、農林省なら農林省、厚生省なら厚生省に伝える、そうしてこれが着実に行なわれるように、われわれの注文が行なわれるように、そういう意味から言えば、私はやはり役所の人が運営協議会に参加しているということは、むしろ、こちらからしてそうしたところにパイプをつないで、そうしてわれわれの考えているところが実現されるように、そういうふうに動くようにという意味でもって、もし参加していただくときには参加していただくつもりであります。それが、そこでもってその役所の弁護をするとか、あるいはその役所のために働くとか、そういうふうなことであるならば、われわれは協議会の委員なんかになってもらう必要はないわけでありまして、これはひとえに、これからの運営の問題でありますから、ある意味で御信頼をいただかなければいけないのでありますけれども、もしそういうような人がおったり、そういうふうな動き方をするということであれば、私は、むしろそういう者を排除していくべきであると、こう考えております。役所の人も、連絡のパイプということで、大事な関係の多い役所の人たちに来てもらうかもしれませんが、どのくらい入るかというようなことは、まだ具体的には詰めておるわけではございません。そうした、仕事が円滑に行くようにという配慮でもって入ってもらうとすれば入っていただく、こういうことでございます。
 それから出資の問題ですが、いま私も伺いまして、消費者団体からの出資も相当あるという話でありましたが、その方面からあるのは主婦連だけなんです。むしろ大部分が、財界、経済団体の出資なんです。それで、今後われわれが活動する上において、そうしたところの出資をいただくということは必要ないと、こういう判断で、むしろ出資を断わる、こういう趣旨に出ているようであります。でございますから、そうした点は、今後われわれも、しかし御心配の点がわからぬでもありませんから、できるだけ運用において御指摘のようなことのないように、ひとつ考えてまいりたい、こう思っております。
#79
○竹田四郎君 このセンターと消費者の運動というものとの関連というものを私は考えてみなければいけないと思うのです。いまも、何か非常に統一的で総合的な案内所だというような感じをお話しになったわけであります。先ほどの話を聞いておりましても、たとえばアイスクリームに目方が書いてないと、聞いてみれば、それは私のほうの管轄じゃございません、こういう状態ですね。国民が生活センターに相談に行った、いろいろアイスクリームの苦情を述べた、それで、これについて聞こうと思ったら、今度は、それは向こうに行ってくれと、おそらくもっといろいろな疑問が出てくるでしょう。あるいは、それはそっちの役所に行ってくれ――おそらく、五十六名なり百六十一名程度の職員では、私はそんなものこたえ切れない。そうなってくると、結局、不満を持ってきた国民団体、それをたらい回しにして疲れ果てさせてしまうというような結果に陥らなければいいが、これが一番心配です。そういう意味で、私は、どうもこの機関は、へたをすれば、国民の要求、不満を乱反射してしまう、こういう感じを深くしたのです。この点は私だけの心配では実はなかろうと思います。その点を一つちょっとつけ加えておきたいと思います。
 センターと消費者運動との関係を一体どう見られるのか、私、外国の消費者運動のいろいろな文献も見せてもらいました。外国の消費者運動というのは、大体政府が中心になってやっている消費者運動というのは比較的少ない。そのセンター的なものというようなものも少ない。英国あたりにいたしましても、政府は金を出すけれども口は出すなということで、なるほど補助金だけは出すけれども、実際上その運営というようなものには口を出さない。そういうことが、いま世界の消費者運動、消費者運動と政府機関の所管面というものでの私は大体常識になっているように聞いている。ところが、おそらくこれは特殊法人でありましょうし、直接の政府の機関というわけではないと思います。間接的な政府の機関ではあります。しかし、これはやはり消費者運動との関連というものが一番強く出てくるだろう。そういう意味においては、先ほどの運営協議会の委員がまだ人数がわからない、きめてないというお話でございますけれども、しかし、大体半分くらいは入るというふうに私どもは聞いております。そうしてみますると、この国民生活センターというものと消費者運動というものをむしろ切り離していく、そういう性格のほうがどうも強いのじゃないか、こういうふうに私には思えてならないわけです。大臣は、国民生活センターと消費者運動というものの関係を一体どう御理解になっておるか。まあ私の理解は先ほど申し上げましたが、長官はどのように御理解になっていらっしゃるか、御説明いただきたいと思います。
#80
○国務大臣(佐藤一郎君) まあ、一番最初の問題は、先ほどもお答えしましたように、むしろ各省各省ばらばらである、そこでもって、たまの投げ合いが行なわれるということになりかねない。まあ私どものところで受けて、これはどこのものだということをはっきりすれば、それだけ問題の解決にもかえって役に立つと、こういう意味で、こういう各省に片寄らない窓口というものがかえって必要なんじゃないか、こういう気持ちでおりますから、また運営もそういうふうにやってまいりたい。結局、どこに行ったんだかわからぬというようなことのないように今後も運営をしていかなきゃならぬ、こう思っております。
 それから、消費者運動は、まさしく御指摘のように、これは政府みずからが手を染めるというものでは私はないと思います。やはり、民間の自主的な、自発的な活動にまたなければならない、そういうふうに私も感じます。ただ、残念なことに、今日そうした各種の消費者運動のための諸団体がございますけれども、しかし、必ずしも情報を的確に、しかも豊富に入手するという機会に私は恵まれていないと思うのであります。そういう意味で、私どもといたしましては、できるだけこの情報、資料というものを整備いたしまして、そうしてこれをそれらの団体にも十分活用していただく、それらの団体に提供する機会を持つ、このことは私はむしろプラスになるのじゃないだろうか。それからまた、消費者団体が行なわれるところのいろいろな講習会とか、その他の啓発的な機能を営んでいるところがありますが、そうしたところが、率直に言いまして、今日場所に非常に困っておるようであります。そうしたときに、たとえわずかではありますけれども、その場所の提供等をわれわれがもし行なうということになりますれば、多少の便宜をおはからいすることができる。こういうようなことで、まあ消費者運動そのものはあくまで自主的なものであり、われわれとしては、そのいわゆる情報その他について側面的に便宜を提供する、こういうような形になろうかと、こういうふうに思っております。
#81
○竹田四郎君 私、くどいようなんですがね。もう一つ、この点を解明していただければ、私のたいへん疑い深い心も若干取れてくるのじゃなかろうかと思うのでありますが、いままで国民生活研究所に対しては補助金という名目で出ておりましたね。今度は交付金という名目にするそうなんです。私、交付金と補助金という名目というのはあまりよくわからないのですが、どうして、いままでは補助金であって、今度は交付金という名目にお変えになるのか、どうもその辺にも、このセンターの自主性ということよりも、むしろ企画庁の下請機関、あるいは政府の下請機関というようなにおいが私には強く感じられてならないわけです。たいへん疑い深くて申しわけないのですけれども、この点でも解明していただかなければ、どうもほんとうの自主的な機関にはなっていかないのじゃないか。なぜ補助金という名目を今度は交付金に変えたのか。
#82
○国務大臣(佐藤一郎君) この財源の調達の問題なんですが、補助金という場合には、むしろ、その団体が別に主たる財源を持っておりまして、そうしてそれに対してその一部を補助する、こういうのが普通のたてまえになっておるわけであります。それで今般は、この団体はそれ自体として、たいして財源がございません。政府がこれを全額の出資をいたしますし、そうして結局金銭的なめんどうというものを見なきゃならぬわけであります。そういう意味で、全部の金額というものをこちらから出すわけでありますから、そこで、一般のそういう場合の出し方の通例といたしまして、交付金と、こういう名前になっているわけであります。
#83
○竹田四郎君 私は、それはいままでの生活研究所の場合と大差はないと思うのですがね、そのことは。確かに寄付金は若干ありましたね。業界あるいは各都道府県からお金は確かにあったと思いますが、今度の場合にも、いろいろな仕事の受託をすることができるということによって、収入もこの中から出てくるでありましょうし、そういたしますと――賛助収入というものは今度は書いてありません、これはなくなるだろうと思います。これは金額にしてもそうたいした金額じゃないですね。四十四年度の国民生活研究所の予算にいたしましても、たった千二百万円ですか。政府の補助金が六千七百万円、受託調査収入が千四百万円。そうしてみると、私はそんなに大差はないと思うのですね。ほとんど同じだと見ていいと思うのですね。そういうのに、補助金が交付金に変わるという、この何か質的な変化というものがこの中にあらわれておるというのは、どういうことですか。
#84
○国務大臣(佐藤一郎君) この金額が少ないとおっしゃいましたけれども、やはり賛助収入を当てにする、こういう性格は基本的に違うと思われます。今度は、そういう意味では、もう民間の出資もお断わりをする、そして、いわば本来国のやることの肩がわりをしてもらう、そして民間の金はできるだけ使わない、こういうことでありますからして、普通の用例に従って交付金と、こういうことにしたわけであります。
#85
○竹田四郎君 どうもその辺の御答弁がすっきりしないのが私は非常に遺憾でありますけれども、もう一つお聞きしておきたいと思いますが、今度、生活研究所からセンターに変わっていく、この過程におきまして、役員の人数ですね。こうしたものも非常にふえているようなんです。他の特殊法人と比較しましても、かなり多いと思う。こんなにはたして多く要るのかどうなのか。たとえば、アジ研と称しているアジア経済研究所ですか、これは、定員が二百三十名に対して役員が七名。貿易振興会、これは六百九十二名に対して十一名。海外技術協力事業団は三百三十名に対して役員の数は十一名。農地開発機械公団、こういうものと比べてみましても、どうも役員が非常に多過ぎるのじゃないか。船頭多くしてという形も、この辺に出てくるのじゃないかと思います。そうした点で、九名の役員というのは、定員一ぱいの百六十一名に比べましても、どうも少し多いのじゃないか。実際に仕事をする役員であれば、百六十一名に対してそんなに多い人数はむしろ要らないのじゃないか。いまも大体六名――幾らですか、五名か六名だと思いますが、少し多過ぎやしないかと思いますが、どうですか。
#86
○国務大臣(佐藤一郎君) いまの御指摘の点でありますけれども、現在すでに研究所で三人いるわけです。それで、研究所は今度は研究部ということになって、四つか五つある部のうちの一つになるわけであります。そういうことを勘案いたしてみますと、理事の五人というのは私は多くないと思っております。まあ、ほかの団体いろいろございますが、ほかの団体、いま御指摘になさった諸団体には多く相当の現場を持っております。そういう状態で、こういう性格のものと多少違うものもございます。ほかの政府の関係機関と比べてみましても、この理事の五人というのは決して多いものではないというふうに感じております。
#87
○竹田四郎君 大臣に対する私の質問はこれで終わりたいと思います。まこかいことはまたいろいろありますが、私は最後に大臣にお聞きしたいと思いますが、今度三十六名の方々が新しいセンターにとりあえず引き継がれると思うわけです。この人たちの労働条件というようなものは、むしろいままでは、価の研究機関に比べましても若干低い状態であったろうと思います。今度の場合には、もちろんいままでの労働慣行、それを侵すというようなことはおそらくなかろうと思います。むしろ、いままでと違った形でのセンターということになれば、他のそうした機関の労働条件と格差があっては、この際まずいと思うのです。そうした格差の解消、あるいはいままで研究所ときめられておりましたいろいろな労働慣行、こうしたものが変化を受けるのか受けないのか、私どもは、当然そういうものは尊重されて引き継がれていくべきものである、こういうふうに思いますが、その点はどうなりますか。
#88
○国務大臣(佐藤一郎君) 私も詳しいことを聞いておりませんが、しかし、当然従来のやり方が引き継がれるものと思っております。
 ほかとの比較ですが、これは、それぞれの機関それぞれの事情がありまして、また、事業の内容も違います。それから平均年齢も構成も違います。いろいろなことで、簡単な比較は私はむずかしいと思います。まあ、予算単価だけで見れば、従来の研究所より低い政府機関もあるようであります。そういうことで簡単に比較はできないと思いますが、しかし、今度これを吸収するということになりますれば、またひとつ新しい目でもって、よくその運営については検討をしてまいらなければいかぬ、こういうふうに考えております。
#89
○委員長(横山フク君) 鈴木君。
#90
○鈴木強君 きょう、私は、国民センター法案の問題については基本的な問題だけを伺って、逐条的なことは次の機会に譲らしていただきたいと思います。ただ、一つ長官に伺っておきたいのは、国民生活研究所の歴史を調べてみますと、社団法人として国民生活研究所ができたのが昭和三十四年でございますね。そして、三十六年には経済企画庁から委託調査というようなことをやるようになりました。それから三十七年に、御承知のように、現在の特殊法人国民生活研究所というものが法制化されて今日に至っていると思うのですね。きょう、私は佐藤さんから、もう少し、一億円もの国費を投じて三十七年以来やってきた国民生活研究所というものが、具体的に国民生活安定のためにどういうふうな仕事をやってこられたか、たとえば、どういう研究をなさって、その研究が一体国の行政の中にどう生かされてきたか、こういうこともあると思います。それからPRについても、一体どういう点が情報として国民の納得できるようなことがやられてきたか、便宜をどれだけ供与してきたか、こういう利害得失の面について、もう少し私は竹田委員の質疑に答えてほしかったのです。ただ、時間もあまりないものですから、おそらく十分な御質疑ができなかったと思いますので、たいへん恐縮ですけれども、次の機会までに、いま私が申し上げたようなことについて、ぜひ資料としてお出しをいただきたいと思います。
 それからもう一つ、これは長官にお願いをしたいのですけれども、今度の国民生活センターというのを見ますと、目的の第一条に、いまの国民生活研究所の目的を反対から書いているんですね。「基礎的かつ総合的」というのを、「基礎的」だけ削っておりまして、あとは、上から書いてあったのを下から上に書いたということと同じでありまして、ひっくり返しただけというのであって、われわれが期待する食品テストですね、商品テストといいますか、そういう問題についても、もう少しこの中でやってほしいと思うのですね。実際に、いまいろんな品物が出てくるわけでございますけれども、それを個人においてテストをすることもできませんので、どこかでテストをしてもらって、この品物が非常にりっぱなものだということの情報を国民に提供していただくほうがいいと思いますね。そういうことをなさっておると思いますけれども、今度のこの中で、はたしてそれがやれるのかやれないのか、非常に問題です。疑いたくないんですけれども、竹田委員もおっしゃったように、資本金一億を二億にふやす、役員は現在、会長、理事二名以内、監事二名以内、まあ全部を入れて五人ですね。それを今度は、会長一、理事五人以内、監事二人以内というふうになるんで、まあ人をふやすわけでして、そこらにねらいがあるのじゃないかということを、これを悪く考えれば疑いたくなるのですね。そうでないということならば、いまの特殊法人である、法律に基づく国民生活研究所というものを何がゆえに国民生活センターにするか、そのねらいは何かということを、もっと具体的に国民に知らしていただかなければいかぬと思うのです。ですから、そういう意味において、「情報の提供及び調査研究を行なう」と言いますけれども、一体ここで情報を提供するのは何なのか、調査研究をしたその成果をどう生かすかということについては、何らわれわれが納得できるような条文がないんです。ですから、そういう意味において、たいへん疑義を持つし、しかし一面、長官がおっしゃるように、ほんとうに崇高な目的を持っておやりになるというならば、これはだれも私は賛成しない人はないと思うのですよ。むしろ、もっと独立した官庁をつくってほしいというぐらいわれわれは考えておるわけですから、そういう意味においては賛成しなきゃならぬのですが、ただ、そういった従来の三十四年以来の国民生活研究所というものの歴史をいろいろ考えてみたときに、はたしてこれで独特の活動ができるものかどうか、どうしても役所に包まれてしまって、自分の言いたいことも言えない、あるいは公開の原則というものが実際にあるのかないのか、いろんなことについてお役所がその上に来てそこのいろんな研究をある程度ほごにしてしまうのではないかという、そういう心配も実はあるわけです。ですから、私が言うように、実際に研究所は、こういう税金を納める国民のために役立つとすれば、一億円の税金がこう成果をあげましたというものをやっぱり出していただいて、なおそれを二億円にし、また国からも必要なものを出して運営をしていくべきだと思うんですよ。そこの基本的な筋金が一本はっきりしないのですね。だからして、いろんな疑義が持たれるわけですから、これは長官、何といったって、特殊法人というものがいろいろな意味において天下りの場所になっておるからして、これは国民から見れば批判があります。こういうときにこそ、そうでないということをはっきり宣明することが、この法律案を前進させるか後退させるかということのキーポイントだと思いますので、それだけきょう……。あとは、関連する問題でひとつ伺いたいと思うんです。
#91
○国務大臣(佐藤一郎君) 御趣旨はよくわかりました。まあ私は、これはある意味においては、法律の案文の問題じゃないと思うんで、問題は運用の問題だと思います。そうして、最初が私は大事だと思います。公開の原則をはじめ、いまいろいろと竹田さんからも質疑が提供されましたが、そうした問題について、またいたずらに各省の制約、制肘を受ける、こういうようなことのないように運営のルールというものを実際において確立していく、これが私は大事だと思います。いろいろと御質疑がありましたが、そういう趣旨をもって運用するように、まず出発点が大事でありますから、そういう気持ちで運営していきたいと、こういうふうに覚悟しております。
#92
○鈴木強君 それから、研究所のさっきの資料、出してください。
#93
○参考人(浅野義光君) 御期待に沿えるかどうか知りませんが、国民生活研究所事業活動の概況というのを一応つくっておりますので、それでよろしければ。
#94
○鈴木強君 それからもう一つ資料をほしいんですけれども、いま竹田委員の質問の中にあった職員の待遇問題ですけれども、現在職員の数は何名いらっしゃるか、それから給与は、基準内外に分けて、平均何ぼになっておるか、これを一つほしい。
 それからもう一つは、宿舎等はどの程度提供されておるか、これだけをひとつ資料として出してもらいたいと思います。これはよろしいでしょうね。
#95
○国務大臣(佐藤一郎君) 資料、お出しします。
#96
○鈴木強君 それから最初に一つだけ。これは予算委員会で私御意見を承ることができなかったものですから、まあ卸売り物価のことなんですけれども、御承知のように、四十四年度中の卸売り物価、五%、たいへんなところまで来たわけですけれども、したがって、政府がことしの経済見通しの中で一・九%と考えておるわけですけれども、日銀の調べによると、もし四十五年度中に現在の卸売り物価五%上昇が全く横ばいに推移したとしても二・五%上昇になるというわけですね。そこで長官は、消費者物価のほうは、木村委員の質問に答えて、九月ごろ手直しが必要になるかもしれないとおっしゃっておるんですね。そこで、卸売り物価の最近の動きと、それから長官は、政府が現在きめている経済見通しの中の御売り物価一・九%と、これから予想される二・五%とのギャップをどうするのか、ギャップが出てくれば直さなければならぬと思うが、その辺の見通しを、ちょっとむずかしいかもしれぬが、伺っておきたい。
#97
○国務大臣(佐藤一郎君) まあ、この卸物価と消費者物価は御存じのように違いまして、たとえば非鉄金属なんか、上がり下がりが非常に激しいんです。しかも、これはなかなかウエートの高いものでございます。そういうようなことで、一時非鉄金属は非常に下がったんですが、ストライキがあって、いままたストライキがありますが、まあこれがストライキが終わってどういうふうになるか、ここらのところは実は相当激しく動くと思います。そういうようなことで、なかなか予測の困難なものがあります。まあ、最近におけるあれは海外の異常高という影響が非常に強うございます。そこで、それにはいろいろと臨時的な要素も多い。まあ各国ともいわゆる景気の鎮静策をいま一生懸命とっておるところであります。こういうふうなことで、海外の経済状況というものが年度の進むに従ってどういうふうになってまいりますか、卸売り物価の場合にしても、たとえ現下二・五%でありましても、下がることも十分ありますからして、今後の状況の推移を見守らなければいけないと思います。そうして、九月ごろになりまして、それがどういう結果になりますか、経済の成長全体、あるいは生産指数あるいは消費者物価指数、卸物価指数、こういうもの全体をながめまして、その時点に立って、もう一回将来を展望しながら、もし必要があればあわせ考えることでありまして、いまから別に改訂するとかなんとかいうことを予測いたしておるわけじゃありません。
#98
○鈴木強君 わかりました。
 それからその次に伺いたいのは、最近物価が非常に高騰しまして、特に野菜、生鮮食料品を中心に物価が上がっておりますね。六。四%をおそらく突破したと思うくらい、政府の五%を大きく上回っておるわけでして、そこで私は、今度の予算委員会を進じてもいろいろ論議いたしまして、たいへん嬉しかったことは、おそまきながら総理が、経済企画庁長官とも御相談なさったようですけれども、もう一回できるものからひとつやってみろということで、二十二日にも二回目の閣僚協議会を開いて、物価の問題についてきめられておるのです。かたがた、中山先生の物価安定政策会議からの提言もあるという中でそういうふうな方向に進んだということは、ほんとうに私は嬉しいことであって、率直にお礼を申し上げます。ほんとうは、社会党がもう少し強かったら、佐藤内閣はこの物価だけで倒れているわけだが、社会党がちょっと弱いもので、国民に申しわけないのだが、そのくらい私は重要な問題だと受けとめなければだめだと思うのですよ。
 せっかく二十二日に皆さんがお集まりになって、いまここにいただきましたけれども、いろいろきめられたのだが、たとえば、国内消費の二%までの輸入を促進するとか、ケネディラウンドの関税引き下げの時期を早めるとか、ノリの流通機構を改革し、効果がなければ輸入を自由化するとか、あるいは野菜の卸売り市場の改革及び産地と消費者の直結をはかるなどの基本的対策をきめ、今後これを具体化していくというようなことをきめられているわけです。まあこの4の生産地と消費者を直結するなんということは、これは非常にけっこうなことで、何回も流通機構の改革で言われておりますけれども、なかなかできないことですけれども、これは一つの試みとして、たいへん重要なポイントだと私は見ている。ところが、どうですか。こういうものをきめましても、すでに二%までの輸入促進については、農林省のほうでは何だかもたもた言い出して、反対であるような反対でないようなことを言い出してきている。それからケネディラウンドの関税引き下げにしてみたって、これは、四十六年一月、四十七年一月と、二回まだ残っているのを繰り上げよう、こういうことだから、いますぐには間に合わない。だから、問題は、いま申し上げた国内消費の二%までの輸入促進とか、ノリの流通機構、野菜の卸売り市場の改革、産地と消費者の直結――産地と消費者の直結は、これは私は、そうなれば中間がなくなるわけですから、一つの大きな魅力を持っているわけです。こういうものを一体あなたが一生懸命やっても、もうそれにけちをつけるような動きがあるわけです。それからもう一つしゃくにさわったのは、ことばがちょっと悪いのですけれども、中山委員長が提言したことについても、行政介入の問題については、何かまた、これは行政監理委員会が、そんなことは影響ないということを言い出した。こういうふうに、せっかくやろうとしても、それがあっちからもこっちからも文句がつく、足を引っ張るようなことでは、これはだめです。ですから、その辺は長官が相当決意をして、総理と相提携をして、総理の最高職権ぐらいでやるような気持ちでないと、せっかくやろうとすることが絵にかいた餅になるような気がしますけれども、その辺は、私は具体的な内容はきょうは時間がないから聞きませんけれども、ひとつ長官としても、決意だけはこの際伺っておきたい。どういうふうにこれからやっていこうとするのか、大まかなスケジュールを含めて、明らかにしていただきたい。
#99
○国務大臣(佐藤一郎君) 新聞等に、各省の言い分といいますか、議論も少し紹介されているようですけれども、これは、事務当局がその一存で話したことがあるいは伝わったのだと思います。これにつきましては、農林大臣もこれをやる、こういうふうにこの場で言っておるわけですから、ここで決定いたしましたことはこれを実現するように、今度閣僚協議会をまた開きまして、具体的にそういう点を確認をしなければいけない、こう思っております。
 もちろん、いま御指摘のように、ケネディラウンドにつきましては、四十七年の分の繰り上げなんかは、この次の国会に法律案を出さなければならないから、それまで待たなければならぬものもございます。
 それから卸売り市場の改革等につきましては、これは先ほども神戸のお話が出ていましたけれども、実際は、それの経営者であるところの地方団体とよく密接に呼吸を合わせて国がやっていく、こういうものもございます。しかし、とにかくこうした方向をきめましたから、できるだけそうしたことを実現するように、万難を排して各方面を説得する、そうしてこの方向に沿ってやっていくように、これは閣僚協議会できまったことでありますから、私はぜひともこの方向で実現するものというふうに考えておりますし、また、そういうふうに努力しなければいかぬ、こういうふうに考えております。
#100
○鈴木強君 いつ、この次やるのですか。
#101
○国務大臣(佐藤一郎君) 今度は、五月の末ごろにこれをまたやろうと思っています。それからさらに、今後またいろいろと、ほかの対策も、追加するものは対策として追加していきたい、こういうふうに考えます。
#102
○鈴木強君 私は、毎年皆さんのほうから出しております国民生活白書というのをずっと読ましてもらっているのです。こういうものの中にも何回か同じようなことが、繰り返し繰り返し言われているのです。ところが、それがさっぱり効果をあらわしてないですね。そうして結局、もとの木阿弥で、イタチごっこになってしまう。だからどこかで区切りをつけて、どこかでだれかがほんとうにカーブを切ることをやらなければだめです、いまの行政組織の中では。同じことを毎年毎年繰り返しておるわけでありまして、そういう意味において、私は、国民生活センターという法案についても非常に問題があるような気がしてならないのです。
 そこで、さっき竹田君からもちょっと質問がありまして、中途はんぱになっているようですけれども、私は、汚染牛乳の問題について、もう少しはっきりさせておきたいのです。
 それは、私は朝日新聞を、ちょっと二、三日前のを読んでみたのですけれども、非常に過去の経過についてよく書いてありました。これは私は間違いないだろうと思いますけれども、念のために確認したい点が二、三あるのです。
 四十一年に、高知県の衛生研究所の上田技官が、牛乳中にBHCなど有機塩素系農薬が含まれている、このことを突きとめた、検査の結果。そうして、厚生省に対して、国として全国的に牛乳中の農薬の調査をすべきだというふうに要望した。しかし、厚生省は、あまりこれに対しては関心を示さなかった。そうしておる間にBHCが全国の田畑に大量にまかれてしまって、環境が汚染され、そういう結果がどんどん進んでいってしまう。そうして稲わらなどの飼料を通じて乳牛の体内にBHCが入って、牛乳の中に入ってきた。――これは間違いないですね、さっきから聞いておって。
 そこで、去年の初めにスウェーデンでDDT禁止の方針が明らかになった。そして各国が相次いで有機塩素系農薬の規制をやりだした。そこで、おそまきながら、昨年の夏に厚生省はやっと腰を上げた。そうして、大阪、愛知、高知など六府県の衛生研究所に、牛乳、バター、チーズ、卵、肉などの脂肪性食品中にどのくらいBHCが含まれているか調査させ、その結果、牛乳中にはWHOの許容量を大幅に上回るBHCを検出した。――これは一体、現在WHOの許容量が幾らであるか、その、検査の結果大幅に上回っているという、BHCの検出はどの程度のものか、これをひとつ明らかにしてもらいたい。
 そこで、新聞の記事を私は拝借しているのですけれども、驚いて国立衛生試験所でも検査したところが、地方衛生研究所の検査を裏づけるような高濃度のBHCが含まれていることがわかってきた。そこで、厚生省は、この事実を国民に知らせることをおそれて、このことについては「秘」扱いにした。それで、上田技官には、学会で講演したり雑誌に公表することをやめてほしいと、その他の関係者にも口どめをした。その上で、昨年の秋に、極秘に農薬メーカーに働きかけて、国内向けBHCの生産を自主的に中止させたが、使用禁止ということには踏み切らなかった。――これは農林省のほうからもひとつ聞きたいと思いますから……。
 そうして、できるだけひた隠しにしておったんだが、牛乳のBHC汚染のデータが昨年十二月に新聞にスクープされた。それで厚生省はたいへんあわてて、だいじょうぶだというふうに、また開きなおって安全宣言のようなことをやった。当時、斎藤厚生大臣とか農林大臣が閣議でわざわざ、健康に有害ではないというような発言をし、牛乳が売れなくなると業界から泣きつかれた農林省の申し出でもって、厚生省は、昨年の暮れに全国の都道府県に、健康上有害とは考えられないという、神林乳肉衛生課長と小島食品化学課長の連名でもって私信を出している。――これは、調べて内容を見せてもらいたい。
 これについて、厚生省のほうはこう言っているそうだ。日本人が飲む牛乳の量は少ないので汚染牛乳を飲んでもBHCの一日摂取許容量をこえないというものだから、心配ないと、こう言っている。しかし、日本人が一日に食べるのは牛乳だけじゃないですよ。野菜もある。したがって、一体総合的に一日摂取する量の中にBHCというのはどれだけ入っているのか。ただ牛乳だけを考えてはこれは困る。
 それから、二十一日に出した、あとから聞きますけれども、残留農薬部会と乳肉水産食品部会の合同部会の意見の中に、――子供は牛乳を一つの食糧としてとっているわけですね。だからして、非常に心配だということも書いてある。これは二十一日に出したやつですけれどもね。乳幼児とか病人は主食である、最も重要な食品である、この安全性についていささかの不安があってはならないものであり、農薬その他の異物の存在を容易に容認し得ないものである――これは二十一日にやった部会が出している。こういうふうな過去のいきさつがあるわけです。
 それでまた新聞を見ますと、農林大臣は、消費者はこの牛乳の汚染問題について、この問題について特に心配されないようお願いするという談話を二十二日に発表している。一方、厚生省では、いま直ちに危険であるとは考えられないが、このままの状態が長く続くと保健上支障を来たすおそれがあると言っている。われわれしろうとがこういう問題をとやかく言う筋合いじゃないと、こう思うのです。やっぱり科学的なデータに基づいて実際健康に支障があるとするならば、早いうちに使用禁止するとか、何かの行政措置をとらなければいけないのであって、いままでそうじゃないですか。過去にも例があった。からだに害があってから、びっくりして、禁止する。佐藤内閣の人間尊重という、そういう考え方からいっても、専門家が集まって研究した結果、かなりのデータが出ておるんだから、いまどき農林大臣が心配ないというようなことを言い、一方では、長く飲まなきゃだいじょうぶだというような、あぶないんだかあぶなくないんだかわからない――厚生省のほうも、かなり配慮してものを言っているわけだけれども、残留農薬と食品の合同部会では、こういうことでは実際安心して牛乳を飲めない、いいかげんなことで見のがすわけにいかぬと……。いま私が尋ねたことはどうですか。ひとつそれぞれ関係の局長から答えてください。
#103
○政府委員(金光克己君) 最初に、高知県衛生研究所の上田技官が昭和四十一年に厚生省に牛乳等の残留農薬の調査をするように要望したということでございますが、これは、厚生省が要望を受けたという事実は、私その当時いませんで、調べましたが、承知いたしておりません。それから、国立衛生試験所等でも、そういう話は別に聞いていないのでございます。
 それで、上田技官から厚生省のほうに話があったのは、これは国立衛生試験所のほうに話があったわけでございますが、これは昨年の夏でございまして、昨年の夏に、かねがね上田さんは残留農薬の研究をしておられまして、それについて、牛乳の中に残留BHCがかなり多い数値が出たということで相談がありまして、そこから問題が実は発したわけでございます。それと同時に、その当時、外国におきましても、御承知のように、先ほど御説明ございましたように、DDTの問題につきまして問題が提起されまして、DDTの散布について制限を行なう必要があるというようなことが提起された。それとあわせまして、昨年の七月に、国立衛生試験所を中心に、各県の――最後には八つの府県の御協力をいただいたわけでございますが、各都道府県の御協力をいただいて、調査研究班をつくりまして調査を始めた。こういう経緯でございます。実際に調査にかかったのは十一月でございます。十一月から実際に調査に入ったわけでございます。
 そういう経過をとってまいっておりまして、途中におきまして、中間的な資料も新聞に出るというようなことで、厚生省としましてもまたこの研究班の中間的な資料を発表いたしまして、この資料はまだ固まった資料ではないけれども、中間的にはこういう傾向だということを発表したわけでございます。と同時に、農林省に対しましても、これはやはり農薬BHCの残留量がかなり多い傾向が見られる、したがって、これに対する対策をすぐ講じてもらう必要があるということで申し入れをしたというのが昨年の十二月のことでございます。そういうようなことでまいっておりまして、先般、一応、一月、二月の資料がまとまった、また、一部におきましては三月の資料もまとまったということで、その結果を食品衛生調査会におはかりして御意見を聴取した、こういう経過でございます。
 その間におきまして、上田技官が講演をするのを口どめしたとかいうお話がございましたが、決してさようなことは厚生省といたしましてはいたしておりません。それから、もちろん、これは調査研究班を国立衛生試験所を中心に編成いたしまして調査を始めたのでございますから、あくまでこれは――あくまでといいますか、隠すとかなんとかいう問題じゃないわけでございまして、やはり調査研究でございまして、この検査というのは、かなりいろいろと技術的にも誤差の出やすい問題でございます。そういう意味で、やはり発表というものは調査班として発表すべきものだ、こういう考え方は持っておったものでございます。それが逆に、そのために何か隠しておるのじゃないかというような誤解を招いたことが、あるいはあったかと――具体的な事実は私承知いたしませんが、あったかと思います。そういうようなことでございまして、その点は御了解いただきたいと思います。
 それから安全性の問題でございますが、この安全性が、ややもすると、また誤解を実は招いておるのでございますが、WHO、FAOで、いわゆる実態残存量というものを提示しておるわけでございます。これは現在決定的ではございませんが、一応案として提示されておりますが、それが、これはガンマBHCにつきましてきめられておりまして、〇・〇〇四PPMとか〇・〇〇八PPMという数値でございますが、これは現在は〇・〇〇八PPMというように訂正されて一応の案になっておりますが、これは実際にガンマBHCが実態的にどの程度残存しておるかという実態をあらわす数値でございます。したがいまして、これは安全許容量だとか許容限度だ、そういう意味ではないわけでございます。それで、WHOとFAOでございますが、安全許容量といたしましては体重一キログラムにつきまして〇・〇一二五ミリグラムを一日の摂取許容量にしているときめているわけでございます。これは、ガンマBHCについてきめているわけでございます。それで、今度の調査で、牛乳の中に残存しているのはガンマBHCもございますが、ベータBHCというのが多いのでございまして、それで、ベータBHCはガンマよりか脂肪の中に蓄積率が高いということでございます。で、今回の牛乳の中にベータBHCが残存しているということでございますが、そういうことで、現在ベータBHCにつきましては国際的には安全許容量というものがきめられていないわけでございます。そこで、専門家の間では、ガンマBHCの安全許容量と、それからベータBHCとガンマBHCの毒性の関連というものを考慮いたしまして、現在の量でどうであるかということを判断しているわけでございます。
 それからもう一つは、先ほども申し上げましたが、国立衛生試験所でサルの実験をいたしておりますが、三カ月間サルの実験をいたしまして、その結果から、現在出ております数値の一番高い数値をとって比較いたしましても大体に安全である、いまの段階では安全であるということは言い得ると思うのでございます。ただ、この問題が……、
#104
○鈴木強君 質問したことに答えてください。
#105
○政府委員(金光克己君) それで、おとなとか子供とかという問題でございましたが、これは、一番高い数値をとった場合、もちろん子供を含めて考えまして、長くこれが存続しない限りは心配はないと、こういうように考えております。
 そういうことでございまして、しかしながら、当然牛乳の中のそういった残留農薬といったようなものは減少を早急にしなければならぬ性格のものでございますので、対策としては強力な対策を進めていくべきだと考えております。
#106
○委員長(横山フク君) 金光局長、一日の許容量をおっしゃったけれども、一年間を通じての許容量というものがあるんじゃないですか。それがないというと、長い間のつながりがつかぬと思うのです。
#107
○政府委員(金光克己君) 舌足らずの説明を申し上げて申しわけございません。
 一日の許容量でございますが、この一日の許容量というのは、動物実験で、動物が一生食べても安全だという安全量を出しております。それに百分の一の安全量を掛けている、こういう性格のものでございます。それが大体一日の安全許容量ということでございますので、かなりの安全量を掛けてある。それを人間に換算してあるということでございます。
#108
○鈴木強君 ポイントに一つも答えないんだね。よけいなことばかり言って。
 WHOの許容量はわかりました。〇・〇一二五ミリグラムだということが、一日。私が聞いているのは、大阪、高知、愛知、そのほか八県の衛生研究所で、牛乳、バター、チーズ、卵、肉などの脂肪性食品中にどのくらいの有機塩素剤が含まれているかという調査をなすった。その調査の結果、WHOの許容量を大幅に上回っている。これはここに書いてある。それが幾らか。ベータ、アルファとかガンマとか言ってみたってわからない。〇・〇一二五ミリグラムとか、〇・〇〇何グラムとかいうことを言ってくれなければ私にはわからない。
 それからもう一つ。神林乳肉衛生課長と小島食品化学課長が連名で私信を出したことについてどうかということを聞いているわけです。そういう大事な、聞いたことに答えなければだめですよ。
#109
○政府委員(金光克己君) 〇・〇一二五ミリグラムということに対する比較でございますが、これはガンマBHCでございますので、現在の牛乳の中にはベータBHCが多いわけでございまして、これが問題になるわけでございます。そこで、このベータBHCの安全許容量というものは国際的には現在きめられてないのでございますが、それを日本の――日本のといいますか、国立衛生試験所等の専門家で換算いたしますと、まあ〇・〇〇五ミリ・パー・キログラム、このように考えております。これは実際上まだこれからの検討に待たなければならぬわけでございますが、一応の数値でございます。そういうことでございますが、これは一応の推計でございます。
 これと比較するということになりますと、子供が――いわゆる乳幼児でございますが、一リットル飲みますと、これに対しましては約三十倍くらいになってまいるということでございます。そうすると、三十倍ということになりますと非常に心配じゃないかということでございますが、いまの数値は、今度の調査の一番高い数値をとっての計算でございます。そういうことになりますが、ラットの実験――ラットというのは非常にBHCに感受性が強いわけでございます。そこで、そういう問題等がございまして、サルの実験を行なったわけであります。サルの実験を行ないました結果は……。
#110
○委員長(横山フク君) ちょっと、発言中ですけれども、時間がないんだ。それで、サルのこと聞いているんじゃなくて、長崎の中にどれだけあったかを聞いているんだから、それだけ答えて、ほかのことをあまり言うと焦点がぼけて、あなたのほうはぐあいがいいだろうけれども、聞いたことだけ簡単に言ってください。サルはいい。
#111
○政府委員(金光克己君) それで、ただいま申しました調査した最高値というのは長崎の数値をとった計算でございます。その一番高い数値をとった結果が、ただいま申し上げたような結果でございまして、サルの実験によりまして人間と比較をいたしますと、長崎の一番高い量をとりましても大体安全許容量になる。かような考え方でございます。
#112
○鈴木強君 また聞いていることだけを答えない。私信のことですよ。
#113
○政府委員(金光克己君) 私信につきましては、これは内簡を出しております。ただいま御説明のとおりに出しておりまして、これは、農林省におきましてとっておられる対策、とろうとしております対策を全国に通知するということと、現段階、その段階における、ものの考え方というものを各府県に通知した、こういうことでございます。
#114
○鈴木強君 それでは、あとでそれは資料で出してください。
#115
○委員長(横山フク君) いいですか局長、資料を……。
#116
○政府委員(金光克己君) あとで提出いたします。
#117
○鈴木強君 時間が全く、委員長が言われるように、私も阿部先生に待っていただいているから気が気じゃないんですよ。七時、八時までやるわけにはいかぬでしょうからね。
 そこで、委員長にお願いします。高知県の衛生研究所の上田技官が、さっき申し上げたように、BHCなど有機塩素系農薬が含まれているということを研究して厚生省に対し要望した。これは要望しないと言うから、これはひとつ参考人として上田技官を呼んでください。これは理事会で、あとで検討してください。
#118
○委員長(横山フク君) あとで……。
#119
○鈴木強君 それからもう一つ。この問題は、われわれしろうとですから、論議がかみ合わない。これは少なくとも人命に関する重大な問題ですよ。それを、かりそめにも軽く扱うということがあったら、これはたいへんですから、ですからして、国立衛生試験所の所長さんもぜひ来ていただいて、残留農薬部会と乳肉水産食品部会の合同部会でまとまった意見等も勘案いたしまして、一体現状はどうかということを、専門的な立場に立っての意見を私は伺いたいと思うのです。そういたしませんと、どうもよくかみ合いませんから、そういうふうに、ひとつ委員長、取り計らっていただきたいと思うのです。
 そこで、ここで一つ二つ、さらに伺っておきたいのは、少なくとも、環衛局長、二十一日に出された意見の中に、これは皆さんのほうからもらった資料ですが、こう書いてある。「しかしながら、牛乳は他の一般食品と異なり、乳幼児および病人の主食であって、最も重要な食品であり、その安全性についていささかの不安があってはならないものであり、農薬その他の異物の存在を容易に容認し得ないものである。」、こういうことが一つですね。それからもう一つ大事なことは「今回の調査によって判明した牛乳中のBHC量は諸外国におけるより全般的にはるかに高くBHCによる環境汚染がかなり進んでおり、このような牛乳中のBHC量の人体の健康に及ぼす影響については、いま直ちに危険であるとは考えがたいが、このままの状態が長期間続く場合は、保健上支障をきたすおそれがある。」――はっきりしていますね。「おそれがある。」、だから、少なくとも、だいじょうぶだということではなく、おそれがある。そこで、その原因は、「牛乳中BHCの主な汚染源は飼料であることが判明しており、また、時期的に青草を飼料として得る時期も近いので、強力な対策の下に、遠からず汚染を低下せしめることが期待される。」、こういうふうに書いてあるわけです。ですから、確かに冬の間に飼料に、わらを多く食べると思うのですよ。これからは自然の青草を食べていくので、そういう面からいくと、この言われていることは正しいと思うのですけれども、だから、少なくとも、その飼料のわらを食うことは直ちにやめていただくというような、そういう方法をやはり積極的にやらなければうそじゃないでしょうか。これに対して、農林省のほうで、それを受けてやっていただかなければならないと思うのですよ。だから、絶対に心配ないということじゃないですよ、危険性というものはあるわけなんだから。そうであれば、やはり人間のからだですから、万一のことがあってはいけないから、事前にその対策を立てるということはあたりまえのことでしょう。このことについて、もう少し厚生省としても、全然根拠がないわけじゃないから、こういう科学的な根拠があるわけだから、これに立って強力に指導していただきたいと思うのです。農林省のほうも、その気でやっていただきたいと思うのですが、その点をひとつ伺いたいのです。
#120
○政府委員(金光克己君) ただいま御説明がありましたとおり、厚生省としましては、この減少対策は強力に進めるべきだと考えております。やはり、との半年ぐらいには、もう半分以下くらいには必ず下げてしまうということが必要であろう、かように考えて、農林省にもお話ししておるわけでございます。
#121
○政府委員(太田康二君) 先ほどの竹田先生の御質問にお答え申し上げるわけですが、厚生省から連絡を昨年の十二月に受けまして、私のほうは、なぜ牛乳中にBHCが存在するかということの汚染経路を調査をいたしました結果、稲わらがどうも原因であるらしい、こういうことがわかりまして、これも先ほど申し上げたわけですが、一月二十八日に、畜産局、農政局、それぞれが、いま先生がまさに御指摘になりましたような、いろんな指導をしたわけでございます。指導だけでは実は十分でないということもございますので、われわれといたしましては、ブロック会議等も開きまして、繰り返し繰り返しこの趣旨の徹底をはかってまいっておるわけでございますが、確かに、今後におきましては、いまの調査会の意見にもございますように、ああいった地帯におきましては、飼料作物とか、青草とか、牧草も出てくる時期でございますので、これが利用できる。これによりまして、かなり急速に下げ得るだろうというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、厚生省で、ああいった調査会でああいった御決定をいただいております。いま直ちに危険ではないけれども、とにかく長期に使うと危険であるということが言われておるわけでございますから、至急この低下を見ますように、徹底的に繰り返し繰り返し指導に当たってまいりたい、かように考えております。
#122
○鈴木強君 その点はぜひよろしくお願いします。私は少ししゃべり方がへたなものですから、たいへん失礼なことを言いますが、腹の中はそうではないのですから。ただ、願わくは、そういう危険だという空気があるなら、これを何とか、両省が一致協力して、不安がなくなるという方法をとってもらいたい。これがただ一つの願いで私は言っているわけです。
 佐藤さん、いまお聞きになっているとおりで、やはりもう少し的確な行政指導というものをやっていただかないと、牛乳を飲ましているお母さんたちも、いまから非常に心配しているわけですよ。三合、五合、ときには一升ぐらい、育ち盛りになると、飲みます。そういう大量に飲んだときに、だいじょうぶなのかということをいつも不安に思っているわけですから、何とか、そういう人たちに向かって、これこれこうしているからだいじょうぶだ、こういう点は、もしだめなら注意してください、こういうことを適切に指導してやってください。これを、今度の国民生活センターで、そういうところまで実際情報を提供してやっていただくと、これはセンター万歳ということで、みんな喜ぶと思うんですよ。両省の局長さんも非常に熱心にやってくれるということですけれども、きょうは大臣がいないものですから、農林大臣、厚生大臣が。大臣はあなただけですから、しかも、取り締まりの元だから、ひとつあなたからも聞いておきたい。
#123
○国務大臣(佐藤一郎君) 食品衛生も含めて、消費者行政の立場から、私自身もこれには強い関心を持たざるを得ない、そういう意味で、両省からの御説明も聞きました。なおひとつ、これが実行が徹底いたしますように、われわれからもそれぞれお話し合いをしたい、こういうふうに思っております。
#124
○鈴木強君 残念なことですけれども、ここでほんとうは終わればいいのだが、もう一つあるんですね。
 これは新聞に出ましたから、長官もお読みになったと思うのですが、農林省の方においでいただいておりますから、農林省のほうから聞きたいのですが、実は、島原で、BHCをヘリコプターで散布したんですね。有明町というところの町有林でありますが、約六十ヘクタールに、上空約百メートルから一時間にわたってBHC二・四トンをヘリコプターで散布したところ、七メートル前後の北風に乗って、約一キロ南の島原市礫石原一帯の放牧場と飼料畑約十五ヘクタール、野菜畑約五ヘクタールに流れおりた。そうして、そこの鉄本さんという方の乳牛十五頭をはじめ、放牧していた五十五頭の乳牛を避難させなければならないようなことが起きた。――これはさっきも民社党の中沢さんから質問がありましたけれども、この鉄本さんの話を聞くと、事前に何の連終もなかった、それで上からBHCがまかれて降ってきたわけですね。こういうのは時節柄どうなんでしょうかね。牛乳汚染という問題もあるしするのに、やるほうも、むとんちゃくだと思うんだな、農林省。だれがやったか知らぬけれども、やり方がまずいですよ。事前に何かの連絡をすれば、それぞれ予防措置ができた。こういう事件もあるわけですけれどもね。せっかく、厚生省でもそういうような考え方、農林省でもそういう考え方で、汚染についていろいろ対策を立てられているときにこういうことをやるということは、どういう感覚なんですかね。われわれ国民にはわからない。まず、これは農林省の方、来ていると思いますから、伺いたい。
#125
○説明員(海法正昌君) ただいま御質問がございました島原の問題でございますが、最初無風状態で散布を始めたわけでございますけれども、その後若干風速が増しまして、上空と違ったものが出て、若干風が出てまいりました。この連絡の件、いろいろございましたけれども、実施市町村の連絡は十分いたしておったようなわけでございまして、ただ隣接町村への連絡に遺憾な点があったということでございます。そのために、飼料にBHCが散布されました度合いでございますけれども、それから見ますと、わずかながら飼料畑に飛散した事故が発生した模様であります。なお、この点につきましては、実態をよく調査をいたしたいと思っております。
#126
○鈴木強君 関係市町村に知らせたけれども、隣接に知らせなかったということなんですが、何メートルの風が吹いたらこのBHCはどっちへどう舞っていくかということは、科学的にそれはわかるでしょう、物理的に。だから、当時無風状態でまいたと。そうじゃないでしょう、七メートルでしょう。途中で風が吹いてきたら、そういうことがわかっておれば、たとえば二メートルであった場合にはどこへ行くか、これはいかぬということなら、やめるべきでしょう。六メートルになろうが、七メートルになろが、ところかまわずまいたらそういうことになったのでしょう。だから、やり方に全く計画性がないですよ。科学的な世の中なんだから、もっとものごとを物理的、科学的に考えてくださいよ。そんな説明じゃ納得いきませんよ。なっていませんよ。風があったことは、これは間違いないでしょう。そんなことはないですよ。
#127
○説明員(海法正昌君) 新聞に七メートルということがございますが、非常に注意しておりまして、先ほども申し上げましたように、ちょっと上空と違った方向だと。風速は、あとのほうで大体三ないし四メートルということであったということでございます。いずれにしても、若干風があったということがございまして、遺憾な事故であったというふうに存じております。今後もなお注意をしてまいりたいと思います。
#128
○鈴木強君 私は十四、五年お役人さんの答弁を聞いているんだけれども、自分のやったことに対して間違いがあれば、それを正していこうという考え方がないんだな。人間だから私は間違いはあると思うんですよ。われわれがここで取り上げることは、そのあやまちを繰り返してもらいたくないから言うわけですよ。だからして、実際に無風状態であればいいけれども、少なくとも違う方向に行ったというなら、なおおかしいんじゃないですか。これは、ヘリコプターに乗って、そしていま何ぼ吹いておるか、風速の測定ができるわけです、機内において。そうでしょう。そうであれば、もし反対に風が吹いてきたならば、やめるべきじゃないですか。そういうやり方について無計画だよ。実際無とんちゃくですよ。そんなことをやっておって、少しばかりけがしたようなことを言うのは、あなたけしからぬですよ。もう少し、悪い点は悪い点で反省し、われわれは何も責任だけ追及しようというのじゃないのだから、ほんとうに国民に申しわけなかったなら、だから、これからは……。指摘される点については、ぼくの言うことが間違っておったならば、あなたのほうで言ってくださいよ。あなたの言っている点が間違っているんだから、あなたの間違っていることを私は国民にかわって言っているんだから、そういうふうなことを取り入れてやるということでなければ話が合わないじゃないですか。そんな官僚みたいな答弁は私は要らぬのだ、ほんと言って。もう少し責任というものを感じて、悪いことは悪いと、そして今後は直していくという、そういう気持ちになってもらえませんかね。
#129
○説明員(海法正昌君) いま先生のおっしゃいましたこの問題につきましては、私どもも十分考えていかなければならぬということを痛感をいたしておりますが、「森林病害虫等防除事業における有機塩素系殺虫剤の使用について」ということで実は通達を流しまして、地上一メートル五〇、風速三メートルというようなことで指導はいたしておるわけでございます。ただ、この場合におきましてちょっと考えますと、風向が普通上部の方向が下と違ったこともございまして、こういう面にやはり今後の万全を期することを考えていかなければならぬと思います。先生のおっしゃいましたとおり、私どもも、こういう面をさらに詰めまして、今後対処してまいりたい、決して軽く考えておるものではございません。
#130
○鈴木強君 はい、わかりました。一月末の通達に違反をしておるのだね。極端に言えば、そういうのは処罰をしなければならぬのだな、ほんとうから言うと。しかし、これは実情をもっと調べないとわかりませんから、よくひとつ現地の実情を調べて、もう少し的確な資料を私にいただきたい。その上で、もう一回これはお伺いいたします。
 それから時間はもうないですか。
#131
○委員長(横山フク君) はい、きょうは。
#132
○鈴木強君 それではもう一つだけにして申しますが、さっきも最初にお伺いしましたが、野菜の値段のことですけれども、まだやっぱり大根が高くて、半分に切らなければ買えないという状態が続いておるわけですな。これは困ったものですよ。冬野菜が異常乾燥でやられた、春野菜が寒気でまた出荷がおくれてきている、いろいろ理屈を言っておるのですけれども、何とか、これ、もう少し値下がりできないものですかね。最近の値動き、これはどういうふうに見ておりますか。下がらない原因はどこにあるのですか。
#133
○説明員(小原聰君) ただいまの御質問にお答え申し上げたいと思います。
 農林省の統計調査部が調査をいたしております東京神田市場の卸売り価格で見ますと、三月下旬に比べまして、四月上旬、中旬と、かなりの値下がりをしております。消費者にたいへんに御迷惑をおかけいたしましたタマネギの例で申しますと、三月下旬の卸売り価格でございますが、一キログラム当たり百二十二円ということでございましたが、四月の上旬は九十一円、四月中旬は六十四円、今週に入りましてからの価格で申しますと、五十円を割るというようなことになっておりまして、五十円というのは私ども正常価格に近づいておるというふうに考えております。それからバレイショについてでございますが、バレイショにつきましては、国産のバレイショが出回りますのが五月になるわけでございますが、一部まだ玉が小さいのですが、新ジャガが出回ってまいっております。それで、価格の動きを申し上げますと、三月下旬には一キログラム当たり百五十八円ということでございましたが、四月上旬には百二十七円、中旬の価格は百円、最近では七十円というところまで落ちてまいっております。大根も、これ、切り身で大根を売るということで、たいへん消費者には御迷惑をおかけするような値上がりになったわけでございますが、東京神田市場の千葉の二年子大根で見ますと、三月上旬には百円以上の値段でありましたものが、その後値下がりをしまして、現在四十円というような形まで値が下がっております。
 いま申しましたのは卸売り価格の値動きでございますが、小売り価格のほうにつきましては、価格平均のものとしましては、四月上旬のものしか私ども公表された数字としては持っておりませんが、東京都が調べております標準小売り価格で申しますと、たとえば、タマネギの場合ですが、四月の一日には一キログラム当たり百四十円というのが、本日の東京都の標準小売り値段は六十五円。六十五円でも、現在の卸売り価格で仕入れたものを、十分採算をとって売れるというような価格を東京都のほうでは公表しております。大根について申しますと、四月一日ごろは八十二円――百円以上いった日もあったわけでございますが、現在は一キログラム当たり四十二円ということになっております。それからバレイショについては、まだ値下がりの程度がおそいわけでございますが、これも東京都の標準小売り値段で申しますと、四月の初めは二百円近い数字でございましたが、二十四日――きょうの数字では百八円というふうになっております。で、東京都の標準小売り値段のとおりに実際に小売りの店舗で売られているかどうかにつきましては問題がございますし、卸売り価格が下がったのに多少おくれて小売り価格が今後下がっていくというふうに私ども見ておりますが、たいへん御迷惑をおかけしました野菜の価格も、四月に入りまして、以上申しましたような足取りで下がり始めております。
#134
○鈴木強君 課長、これはあなたの、何というのかな、実態の調査というのは、東京都の小売り価格だとか、または卸売り価格だとか、いろいろいま並べましたけれども、私はゆうべ、たとえばキャベツが実際に幾らしているかと思って、八百屋に行って調べてみましたが、あなた方にも、行って実際調べておきなさいと言っていたんです。ところが、他人のふんどしで相撲をとるようなことではなくて、もっと、あなた方が実際に目で見たらどうですか。現実にどうなっているかというと、キャベツで見ますと、あなたのほうからもらった資料だと、四月の中旬、二十日、二十一日、二十二日の平均が一キロ当たり四十九円だ。行ってみると七十七円で売っている、小売りは。そうすると、二十八円の、日が一日ずれているけれども、差がある。それからタマネギを見ますと、卸売り価格が六十二円ですね、一キロ当たり。ところが実際には百二十円、新が。古いやつは百五十三円していますよ。新しいやつは皮をむくと無駄になるから安いんだろう。古いやつは百五十三円している。バレイショだって八十七円だというから、行ってみれば百五十三円していますよ。それからキュウリ百十五円だというのが、行ってみますと二百円している。こういうふうに、小売り価格は全部卸売り価格から見ると高いんですよ。じゃなぜ卸売り価格がそれだけ下がっているのに小売り価格が下がらないのか。そういう流通面における実態調査をもう少しよくやってほしいんですよ。
#135
○説明員(小原聰君) 私どものほうでも事例的には調べたものはございますけれども、それは代表性の問題でいろいろ問題があろうかと思いまして、申し上げておらないわけでございます。それで、野菜につきましては、鮮度なり大きさでいろいろ値段に開きがあることは先生十分御承知だと思いますけれども、きょうも実は私ども買ってみたりしておりますけれども、一時に比べれば、どこの八百屋さんもかなり値段が下がっておるというふうに申しております。
#136
○鈴木強君 だから、皆さんは、卸売り価格がだいぶ下がったと、だから三月から見ると四月はだいぶよくなりました、こうおっしゃるんだが、実際には卸売り価格は下がっても、小売り価格は下がっておらないじゃないですか。一体これはどういうわけですか。農林省は五千何百億かの物価安定費を予算の中に組んでおる。とにかく九千億ですか、全部で九千億の物価安定費があるそうですが、そのうち一番大きいのは農林省。額はちょっと、メモを置いてきたんですが、相当な額が組んである。したがって、そういうものを使って物価を安定するためにどういうことをやっているのか。いまこそ、こういうような問題を解決するために予算を使ってもらいたいんですよ。
 それから、さっき私が指摘したように、大消費地と生産地を直結する、これは国鉄も協力してくれるそうなんだが、そういうものを考えながら野菜をどうしたら安くできるかということを考えてほしいんですよ。そこまできょう発展すると問題ですから、とりあえず小売り値と卸売り値の問題を聞いているんですけれども、たとえば上野のアメや横丁、台東のあそこで売っているのを見ると――これは新聞で私も見たんで、行って見たことはないんですが、一般の八百屋さんから比べたら半値ぐらいで安く売っている。どういう大根か知らぬが、十本一束で二百円、キュウリが一箱三百円、レタスが大玉三個で百円、カブが三束百円、こういうふうに、とにかく安いらしいんですね。しかも、八百屋さんに聞いてみると、ちゃんと市場を通ってきた野菜だよ、だからそんなにべらぼうに高く売らなくてもいいんですと言っているんだね。こういうのが実際に東京の上野のどまん中で商売をやっているわけですから、こういうことを聞けば、何だ、これは政府の野菜政策は、どこで一体不当なもうけをしているんだ、こういう疑問がわくんです。そういうのにこたえてやるのが、あなたの仕事でしょう。これは卸売りだけ言ってもだめで、私が言ったように実際高くなっているんですから、あなたが言うようなものじゃないんです。どうしてこういう食い違いが出てくるんですか。
#137
○説明員(小原聰君) アメヤ横丁で売られておる野菜の件ですけれども、私どもの調査ですと、かなり規格外のものが非常に安く売られておるということがあるようです。たとえばキュウリなんかにつきましても、最近ですと、まっすぐ伸びたキュウリしか一般の小売り屋さんが扱わないのが、そういう残品――と申しますと語弊がごさいますけれども、少し曲がったキュウリでも安く売る。そういう小売り屋さんの売り方にも私問題があろうかと思いますし、先生がおっしゃるような小売りの指導につきましても、農林省といたしましては今後もっと指導をするというたてまえでおります。まあなかなか、いつも、こういう値段が下がるときに、卸売り価格が下がったほどにはすぐに小売り価格が下がってまいらないということがございますけれども、野菜は、いままでの例としましても、多少のズレはございますけれども、卸売り価格につれてだんだんと下がっていくというふうに私ども確信をしております。
#138
○鈴木強君 もう、雨が降らなかったとか寒かったというようなことがあるけれども、そんなことは、ハウスを活用していけば、どんなに雨が降ろうと、かんがいがちゃんとしていれば、心配ないのです。寒ければあったかくすればいいんですよ。ビニールハウスをやればいい。そういうところに金を使ったらどうですか。そういうところにどんどんやってくださいよ。それはひとつお願いしておきます。
 それじゃ一つ聞きますけれども、キュウリも実際このごろビニールの袋に入っています。必ずしもあなたの言うようにちゃんとしていない。グニャグニャしている三本くらいので、それが高いのだよ。もう少し実情を見たらわかるのです。必ずしも私はアメや横丁のやつが全部規格外だとは思わない。だからして、そういうものが売られていれば、おかしいじゃないかという疑問を持つんですよ、国民は。そういう指導というものはどういうふうになるのか。たとえば、キュウリが四月の二十日から二十二日の平均が百十五円でしょう。私がきのう行ってみたら、一キログラム二百円しているわけです。八十五円高いわけです。そうすると、神田からかりに百十五円で買ってくれば八十五円マージンをとっているわけです、八百屋さんが。そんなことはないと思うんだな。いま一体キュウリは生産地で百姓は幾らで売っているんですか。荷受けの集荷仲買い人にいき、仲買い人が東京の市場に持ってきて、東京の市場からまた消費者に渡るわけです。そういう経路の中で、流通機構は複雑なんですけれども、キュウリは幾らで生産地でやっているか、それをひとつ教えてくれませんか。
#139
○説明員(小原聰君) いまお話がございましたキュウリですが、現在のキュウリは冬キュウリでございまして、先生がおっしゃるようにビニールハウスの中で栽培をされたキュウリでございます。こういうキュウリのようなものは、ことしの冬野菜の値上がりの中でも価格が安定しておりまして、昨年よりも値下がりをしたり、上がった時期も――上がったと申しますか、高くても前年度並みということでございましたが、私どもの調査で四月上旬の数字をここに持っておりますが、卸売り価格はキログラム当たり九十八円でございましたが、これに対しまして小売り価格、これは統計調査部のほうで店舗十店くらいきめてやっておるものでございますが、その平均の価格は百五十八円ということでございました。したがいまして、グロスのマージン率で申しますと三八%という荒利益率になりましたけれども、これを小売り価格を一〇〇にいたしまして農家の手取りがどういうふうになっておるかということにつきまして産地のほうにも問い合わしまして、運賃なり包装資材費、それから卸売り市場での荷受けに対する手数料、現在八・五%というふうにきまっておりますし、キュウリにつきましては、高知の園芸連というところが共販で出しておるものの割合が非常に大きいわけでございますが、その農協の手数料が、卸売り価格に対しまして一・七五%ということでございますが、そういうものを差し引きますと、農家の手取り額は六十四円二十二銭ということで、小売り価格に対しますと四〇・六%というような数字の結果が出ました。
 以上、これは事例でございますので、これを一般化することには多少問題があろうかと思いますけれども、私どもが調査をした結果はそういうことでございます。
#140
○鈴木強君 その点は非常に勉強していただいて感謝しますが、やっぱり追跡をして、どこにどういうレートのマージンが出ておるのか、それが不当であるかどうか、そういうものをどうしたら下げていけるか、そういうことを研究してもらいたいと思います。
 今度あなたのところで、標準小売り値というのをきめたですね。たとえばキャベツが六十円。二十一日の都内の店頭値段というのが九十円から百円。農林省できめた小売り値に合っているのは何にもない、一つも。ニンジンだけかね。タマネギもジャガイモもキュウリもトマトも大根も、みな、あなたのところできめた標準小売り値というのを無視して、どんどん高い値段で売られている。これは、どういう効果があると思ってこれをつくったんですか。
#141
○説明員(小原聰君) 一部の新聞で誤報されましたけれども、私どもが記者に御説明したときには、東京都の標準小売り値段はこういうことになっておりますということを御説明をしたわけです。農林省が標準小売り値段をきめて、それで小売り店を指導するということは、現在そこまではやっておりません。
#142
○鈴木強君 これは野菜の問題だけでなくて、生鮮食料品、お魚のこともありますが、きょうは後半に伺いたかったんですが、時間がないようですので終わりたいと思いますが、ただ一つ、食糧庁長官においでをいただいておりますので伺っておきたいんですが、最近、どうも米はどんどん余るし、御苦労をいただいておると思うんですけれど、片や、そういう食糧、米穀、米の食糧行政の中でそういう問題があるにかかわらず、行政監理委員会からは、食糧事務所を廃止しろとか、統計事務所はなくしたほうがいいとか、そういうような勧告もあるようですし、それから、われわれ弱ったことには、どうもそういう米が余っておるものにまつわって、食糧庁に汚職が出てきている。そして、係長までが逮補された。しかも、これは上にもっと広がっていく。加工業者に良質米を安く払い下げたというような、こういう残念な事件が出てきている。一体、この汚職事件というのは、どういう行政のひずみから出てきたのか。それに対して、あなた方はどういう対策を持っておるのか。事件は、いませっかく警察が調べているようですから、内容に私はあまり立ち入ってはやりたくないんですが、毒ジャガイモが、野菜のほうだけれども、出てきたり、農林行政、ここのところマイナスだらけだな。
#143
○政府委員(森本修君) 御指摘のような事件が発生をいたしまして、私どももたいへん残念に思っております。また、皆さまに対しましても、まことに申しわけないというふうに思っておるわけです。
 事件の内容は、現在、関係の職員も逮捕勾留をされておる。また、多数の書類も警察のほうに押収をされておるという状況でございまして、私どものほうでも、内部で調べようと思いまして鋭意手を尽くしておりますけれども、さような関係で、まだ十分詳細は判明をいたしておりません。何ぶんにも、御指摘のような国民食糧を扱っておるという役所におきましてそのようなことが発生いたしましたことは、私ども非常に残念でありますので、できるだけ今後は本件の実体を究明いたしますとともに、今後再びかようなことのないように、できるだけ業務運営のあり方、あるいは事務所における内部牽制組織、その他綱紀の粛正、各般の面でひとつ引き締めまして、再び発生のないようにしてまいりたいと考えます。
#144
○鈴木強君 事故米というものが良質米に化けて、そうして消費者に渡るというようなことは、これはとんでもないことだと思うのです。おっしゃるように、ここには内部牽制組織の不備もあったでしょう。問題は、職員の心がまえもあったでしょう。上司の指導もあったでしょう。いろいろ原因はあったと思いますが、少なくとも、こういう時期にこういう問題が出るということはまことに残念しごくですよ。ですからして、要は、再びこういうことのないように、ひとつ姿勢を正して、問題点の追及と今後の対策を立ててほしい。いずれまた、事件が進んでまいると思いますから、またの機会に私はお尋ねしたいと思う。
 最後に、私、ちょっとしろうとなんですけれども、古米とか、古々米というものが現在どの程度あるか。そのうちに、モチ米がだいぶ重宝がられているようですが、モチ米というのはないのかどうか。それから、そういう古米、古々米がカビをはやしてきたというのです。その保管のしかたについて、ちょっと伺いたいのですね。全国にたくさんの倉庫があって、その中に古米、古々米が入っていると思うのですが、その保管のしかたというのは、私は、米を玄米にしないで、もみのまま保管するようなことを考えておいたら、カビなんかはえないのじゃないかと思うのです。そのために倉庫が倍になるのかわかりませんけれども、しかし、少なくとも、いまただみたいに米を処理しようというのに、五百万トンとか、六百万トンとかいうものがあるといったわけですから、それを考えていけば、そういう倉庫を建てても、私はそりゃむだにならぬと思うのです。将来のためにも、そういうふうなくふうを具体的に考えておられるかどうかですね。これは、私は、しろうとの考え方ですから、わかりませんけれども、そんな気がするわけです。
 そうして、米を入れるのも、昔は俵というものをつくりまして、それに入れておった。俵に入れて保存したほうが長持ちするのか、あるいは紙のほうがいいのか、あるいは、何と言いましたか、麻袋がいいのか悪いのか。これも当然研究されているのだろうと思うのですけれども、何とか保管の方法を、少しでも貯蔵の方法を変えることによって長持ちができないものかどうか。まあ、カビがはえるのは、当分、六万トンですか、加工用のやつは放出しないということをきめられたようですからいいようなものだけれども、そのカビがはえたということになると、これはまた、やはり全体に影響があると思うのですからね。そういうことについてひとつ教えてもらって、きょうは時間がありませんから、終わります。
#145
○政府委員(森本修君) 在庫の数量でございますが、四十四米穀年度へ持ち越されました古米、古々米の数量、これは約五百五十万トンということでございます。そのうちのモチ米は千八百八十トンということで、不足をしておりますので、在庫数量も非常に少ないという状況であります。
 それから保管のやり方でございますが、カビ等の発生がないようにというお話で、私どものほうも毎月倉庫を見回りまして、カビの発生のおそれありということになりますと、薬品による燻蒸ということで燻蒸をしております。したがいまして、いま持っております米の在庫量の中には、カビの発生ということはほとんど私どもは懸念が少ないというふうに思っておりますが、ただ、先般来ああいった学者から御指摘がございましたので、いま厚生当局と、どういうふうな処置をしていけばいいか、慎重に打ち合わせをしておる。なお、私どものほうで、すでにああいった有毒物質がないかどうかということは、四十三年、四十四年、二回にわたって調査をいたしまして、発見はされておりません。しかし、念を入れるために、いま申し上げましたところで打ち合わせをしておるということであります。
 それから保管の方法でありますが、御指摘のように、もみ貯蔵というのは、昔は非常に虫の発生とか、あるいはカビの発生の防止のために一つの有力な方法であったわけです。また、現に若干の地帯ではなおやられておるという例がございます。しかし、最近のように科学が発達してきますと、いわゆる低温倉庫、こういうもののほうがそういった貯蔵に対して有効であるということになっておりますので、私どもとしては低温倉庫の普及にいま尽力しておるという状況であります。
#146
○鈴木強君 入れものは……。
#147
○政府委員(森本修君) 入れものは、最近は御承知のように俵が非常に少なく、麻袋ないしは紙の袋というのが多いのですが、貯蔵性の点では麻袋のほうが多少長持ちをするということでありますけれども、三年ないしは四年の貯蔵ということになりますれば、両者それほど差異はないということでございます。
#148
○委員長(横山フク君) 阿部君。
#149
○阿部憲一君 時間もありませんものですから、長官に二、三御質問いたしたいと思います。
  〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕
 いま手元に配付されました、四月二十二日の物価対策閣僚協議会においてしかじかのことの検討が行なわれたと書いてありますが、この中に一、二、三とありますが、これは、新聞面から拝見しますと、それぞれ長官が非常にこの点を強調され、主張されたように承っておりますが、そのとおりでありますか。
#150
○国務大臣(佐藤一郎君) 申しわけないのですが、御趣旨がちょっとよくわからなかったのですが、私が強調したといいますのは、新聞の発表についてですか。
#151
○阿部憲一君 内容についてですね。たとえば、輸入制限物資の輸入拡大とか、あるいはケネディラウンド云々というようなことが、あなたの主張のように承りましたので……。
#152
○国務大臣(佐藤一郎君) 失礼しました。
 これは私どももちろん主張しておりますが、特に通産省は、輸入関係についてかねがねこうした主張を持っております。また、経済企画庁、通産省、あるいは外務省も、やはり当然そういう主張を持っております。それから農林省自身も、もちろん、ものによっていろいろと事情がありますから、一がいには言えませんけれども、しかし、できるだけこういう体制に将来は持っていく、ただ、それにはいろいろの事情があるということで、多少ニュアンスはもちろん違いますけれども、ものによってはやむを得ないものもある、こういう感じであります。
#153
○阿部憲一君 まあ、物価問題については、私から申し上げるまでもなく、一番緊急な問題だと思いますが、それについて、いまわが国の最高の頭脳の協議会が、まあ目先のことはほとんど触れないで、将来のことばかりといいましょうか、そんなような対策だけしか講じられないのは、ちょっと残念に思っておりますが、それはそれといたしまして、いまの、一番、二番、三番とありますが、一番の「輸入制限物資について国内消費の二%まで輸入拡大を行なうこと。」とありますが、これははたしてどの程度物価の抑制に効果があるというふうにお考えですか。
#154
○国務大臣(佐藤一郎君) これは、もちろん、ものによりましては、すでにもう二%をこえておるものもあります。しかし、たとえばソーセージなんか例にとってみますと、いままで五十トン以下しか入っていなかった。五十トン前後ですか。それが、これによると二千トンになる。やっぱり相当大きな輸入ワクの拡大になります。ベーコンなんかもそうでありますが、そういうことで、ものによっては、もし輸入を実行すれば、やはり相当国内のものについても大きな刺激を与える、こういうふうに考えております。
  〔理事林田悠紀夫君退席、委員長着席〕
#155
○阿部憲一君 何ですか、ベーコン、ソーセージのことを伺いましたけれども、現実に、例のノリですね。朝鮮からだいぶ輸入されましたけれども、結局、ノリの値段を引き下げる効果がないというようなことから考えますと、やり方によっては、案外、輸入物資はふやしたけれどもそれほど物価を押えることにならなかったというようなことになるような感じがいたしますし、それだけに、その輸入をする場合に、輸入機構といいますか、販売機構、国内のですね。それに対して、もう少し整備というものが必要じゃないかと思います。現実に、たとえばくだものの輸入問題なんかもそうですけれども、輸入をするときには安くなるだろうということになっても、結局、ある時期が参りますと、それほど効果がなくなってしまって、結局、ただ国内の生産者が苦しむというような事例もございますので、その辺のことについて、単に輸入ワクをふやしたから物価の引き下げ、安定に効果があったというふうには受け取れないんでございますが、この辺、いかがでございましょうか。
#156
○国務大臣(佐藤一郎君) ちょっとこの印刷、不完全であったと思いますが、実は、その点の議論も、当然のことながら出たわけでございます。せっかく輸入しても、その次にあるところの機構がそれを一手に独占したり、流通機構が不完全だったり、そういうようなことでもってそれが安くならなければ何にもならぬ、こういうことでありまして、いま御指摘のノリなんかの例につきましても、これはやはり流通機構に相当問題がある。そういうことで、倉石農林大臣も、特にこれについては研究会まで設けてやっておるんですが、まだ結論が出ないのであります。できるだけこの結論を急いでいただくということになっておりまして、ただ、その中間的な感じとして、たいへん複雑であるという報告だけありましたが、まあ、これらもこういう際にやはりあわせて結論を出したい。そういう点は、ただ一回の協議会ではなかなか無理なので、いまこれを詰めて、来月の閣僚協議会にもし間に合えば、できるだけそれを出してもらって、そうしてそこでもってあらためて結論を出すと、こういうことになっております。
#157
○阿部憲一君 この一番につきましては、ぜひそれだけの、輸入を拡大しようというような英断をもっておやりになるからには、必ずメリットがあるようにしていただきたいと、こう思います。
 それからケネディラウンドのことでございますけれども、これもたしか一昨年、昭和四十三年七月一日に一次、二次を実行しておりますけれども、これについても、当時やはり物価に影響があるというふうに考えられたようですけれども、現実にはあまり物価に関係しなかった。要するに効果がなかったように思われますけれども、その点、当時長官でおられなかったんですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
#158
○国務大臣(佐藤一郎君) 事実、御指摘になったような関係があったと思います。それで、今度も特にこれを繰り上げるというからには、やはり、いま御指摘になったような面を配慮しなければいかぬということで、通産省関係の物資なんか多いんですが、これをトレースしていく、こういうことを通産省としても考える、こういうことをやっております。
#159
○阿部憲一君 せっかく閣僚協議会でもって取り上げて、そしてこれを実施に移し、少なくとも物価騰貴を押えようというような姿勢でおられるからには、ぜひこれが効果のあるように、そうして少なくとも、いま物価で苦しんでおる国民の生活を安定させるということにお願いしたいと思います。
 なお、この法案について一、二お尋ねしたいと思いますけれども、この国民生活研究所を、言うならば昇格といいましょうか、組織がえをして、国民生活センターを設立されるということでございますけれども、どうも私、先ほどまで伺った範囲におきましては、なぜ一体国民生活研究所をわざわざ改組して生活センターにするのかということに対して、あまりその必要性というものを強く感じないんですけれども、長官、もう一度ひとつ御説明願いたいと思います。
#160
○国務大臣(佐藤一郎君) これは実は、前長官のときにこの構想が生まれたんです。まあ、いろいろと今日まで御質疑を受けておりまして、いろんな御意見、見方があるということを私も感じたんでありますが、従来純粋な研究機関であった、そこでまた国民生活センターという、いわゆる国民との対話の場を持つ必要が一方にあるということで、御存じのように、近ごろなかなか新しい機関はつくることがむずかしいんですが、これも行政管理庁が相当なかなか渋ってたのを、やっと認めてもらった経緯があるんです。御存じのように、政府機関、なかなか新設ということがむずかしいんです。そういうことで、やはり消費行政の推進という意味からいって、こういうセンターの設立をぜひ希望しておると、こういうこともありまして、一方に研究も継続する、こういうことでこれを吸収するという形になったのが経緯だと思います。
 まあ、このセンターの存立意義ということになりますと、実は、これからの運用によって実績を示して納得していただく以外にはないんでありますけれども、率直に言いまして、先ほどからしばしば御指摘がありましたように、各省のそういう方面の施策も必ずしも十分でございません。あることはありますけれども、何といっても各省単位のものであります。そして、私のほうの所管ではないといって断わる、それだけで涼しい顔をしておる、というのではわれわれとしてはいけないんじゃないかと。そこで、あるAの省の所管かBの省の所管かわからない国民の皆さんが窓口に来ましたときには、これは的確に、Aの省のものであるということで、こちらからも連絡して、もしその主張が正当なものであれば、これは何としてでもあっせんして実現して差し上げる。あるいはまた情報を提供する。どうも実際問題として、国民の皆さまの中には、役所の複雑さということもあり、中から見るときわめて簡単なことがおわかりにならぬこともあるわけであります。そういうようなことで、消費者行政の一環としてこれを推進していくことは私はたいへん意味があろうかと、こう考えています。
#161
○阿部憲一君 これ、先ほどもちょっとその疑問が投げられましたけれども、国民生活の安定及び向上に寄与するための、要するに「総合的見地から」といううたい文句ですけどもね、これ、やはり非常に、何かこう、範囲が広過ぎるような印象を受けます。ですから、重点的に、もっとはっきり――まあ、もちろんうたい文句は別としましても、現実に、かりに生活センターを設立する場合には、もう少しこの目的をはっきりさせて、あまりだだ広い範囲の大ぶろしきでないほうが実効があがるんじゃないかと私ども思います。特に先ほど来竹田委員からもお話がありましたけれども、テストですね。試験、検査というようなことの業務が入ってないわけですね。これはやはり私ども、この国民生活センター、いわゆる消費者を守るっていうような立場からいいますると、いまの非常に多様にわたっている商品をテストするというような業務はぜひ加えるべきじゃないかと、こういうふうに思いますんですけども、その点、やはりあれですか、いまのところお加えにならない。将来はいかがでございますか。
#162
○国務大臣(佐藤一郎君) 総合的見地ということばが非常に問題になっておりますが、まあこれは各省のとは多少違う、各省のわりあいに局限された立場での消費者行政というものよりも、もっと広い見地からわれわれ扱うという気持ちで、ここに入れてございます。しかし、先ほどの御指摘もございましたように、現在のスタッフの関係もあり、そう大ぶろしきをわれわれが広げてもかえって実効があがらないと思いますから、そこにはおのずからある程度のルールというものが実際の運営にあたって出てくるというふうに私は期待をしております。
 それから商品テストのお話もございましたが、これも、現在各省庁で行なっております商品テストというものを、むしろ資料はできておるけれども、それが必ずしもフルに活用されてないといううらみもあるわけでございますから、できるだけひとつそちらの資料を活用する、あるいはまた、今後委託に応じて各省にこれを委託して、そうしてこの商品テストをやっていく、そうしてさらに、それで不十分であるということになれば、この付帯業務ということで、また将来みずから商品テストをやることを研究することも不可能ではございません。そういう意味で、しばらく、とにかく各省の既存の機関を活用いたしまして、そうしてやってまいろうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#163
○阿部憲一君 いまの商品テストと、もう一つ特に私が強調したかったのは、消費者の苦情ということでございます。この受け入れでありますが、これは、昨年でしたか、おたくのほうでアンケート調査をおやりになった。そうすると、この苦情の経験があると回答した者が九三%、非常に多かったということが言われております。ほとんどの人が何らかの苦情の経験があるということを示しておるわけでございますが、ところが、そういった苦情を各人が持ちながら、結局苦情を持ち込む場所がない、あるいは持ち込んでもしようがないと思ってか、現実に苦情を持ち込んだのは三%しかないというふうになっております。この辺、われわれ、消費者がいかにたくさんクレームをつけたいと思っているけれども、現実には、適当な場所、取り上げてくれる場所がないというような一種の欲求不満の状態に置かれていると思います。ですから、これをぜひこの機関で救うべきだと思うわけですけれども、さらに、おたくの調査によりますと、三%しか苦情の処理の窓口へ持っていった者がないというのに、じゃどうかというと、大部分六四%の人たちが苦情窓口は知っているということは、結局、いま申し上げましたように、せっかく持っていってもしようがないといいましょうか、実効がないというふうなことじゃないかと思います。ですから、ぜひこのような有効な窓口、単に窓口をふやすということではなくて、実際に苦情が持ち込まれるような、また苦情が処理されるような窓口にしていただきたいと思います。そんな意味で、積極的な情報の収集とか、あるいは商品の監視体制というようなことに特に重点を置いていただきたい、こう思うのでございますけれども、長官の御意見はいかがでございましょうか。
#164
○国務大臣(佐藤一郎君) 苦情の処理ということも非常に大事でございます。が、情報の収集と、それの提供ということは、特にこういう機関として力を入れなければならない点であろうというふうに感じております。比較的広範囲に消費者行政としては効果を生むやり方ではなかろうかというふうに考えております。まあ何か、敷居が高いとか、そういうような感じ、あるいは所管についてはわかっておるというものの、具体的にぶつかってみると、やはり御相談にあずかることに意味がある、こういうことはたくさんあろうと私は思っております。まあそういうことで、これの運用についてはひとつできるだけ実際的に効果が出ますように、われわれもせいぜいつとめなければならない、こう思っております。
#165
○阿部憲一君 ぜひ気やすく行って苦情を述べ、また、苦情が処理されるような施設にしていただきたいと思いますが、先ほども、竹田議員からでしたか、牛乳の問題が取り上げられました。それからバターに発展して、バターの産地が、同じ雪印でも産地の名前が書いてないということ、それからまた、何か重量が表示されていないというようなことに対して、なぜだというようなことがございましたけれども、あのようなことは、単にわれわれだけでなくて、一般の人たちも相当考えている。要するに、ミルク問題が出てきてから相当真剣な問題だと思いますので、こんなようなことも、やはり一般の国民の消費者の人たちが、すぐその苦情を、あるいは自分らの希望を申し述べるような機関、これが私はぜひ必要だと思っておりますし、また、それだけに、そういった、たよれる、国民が信頼を置けるような窓口にしていただきたいと思います。
 なお、消費者から直接意見を聞くモニター制度というのがありますが、これはいま、おたくのほう、企画庁をはじめ、通産、厚生、農林というふうに、各省、それからまた公正取引委員会にも、ばらばらに行なわれておりますが、これなども統一して強力に進めていくべきじゃないかと思います。本来、消費者保護のための一つの省といいましょうか、庁といいましょうか、それが必要だと思いますけれども、その段階において、このようなセンターができて、それが推進していく、消費者の声も反映できるというようなセンターになることを希望しているわけですけれども、ぜひ私ども、このような機構が、単に窓口が大きくなったとか、いままでの研究所が広がって、それで業務に従事する人の数がふえたというようなことでなくて、ぜひ実効のあるセンターをつくっていただきたい。これを強く希望しておきます。もう一回長官から御決意を承りまして、私質問を終わりたいと思います。
#166
○国務大臣(佐藤一郎君) 先ほどからもそういうお話がございますし、これの運営を、できるだけいわゆる国民一般の希望が反映するように弾力的に機動的に運営されるように、そういう機構のあり方でなければいかぬと、こういうふうに考えておりますから、いま御指摘の点等も十分われわれ考えなければいかぬ、こう思っております。
#167
○委員長(横山フク君) 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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