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1970/03/25 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
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1970/03/25 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 交通安全対策特別委員会 第3号

#1
第063回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
昭和四十五年三月二十五日(水曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         瀬谷 英行君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                二木 謙吾君
                千葉千代世君
                沢田  実君
    委 員
                石原幹市郎君
                岡本  悟君
                木村 睦男君
                松平 勇雄君
                米田 正文君
                渡辺一太郎君
                小柳  勇君
                永岡 光治君
                原田  立君
                田渕 哲也君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房陸上交通安全
       調査室長     平川 幸藏君
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   寺田 治郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     占部 英雄君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  野上 正人君
       警察庁交通局交
       通規制課長    井口 孝文君
       法務大臣官房参
       事官       筧  榮一君
       法務省刑事局参
       事官       吉田 淳一君
       文部省体育局学
       校保健課長    田  健一君
       厚生省環境衛生
       局公害部公害課
       長        橋本 道夫君
       厚生省医務局総
       務課長      信沢  清君
       通商産業省重工
       業局自動車課長  大永 勇作君
       運輸省海運局定
       期船課長     富田 長治君
       労働省労働基準
       局監督課長    大坪健一郎君
       労働省労働基準
       局労災管理課長  桑原 敬一君
       労働省労働基準
       局補償課長    松尾 弘一君
       消防庁総務課長  宇土 条治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (昭和四十五年度交通安全対策関係予算に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(瀬谷英行君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、昭和四十五年度交通安全対策関係予算について質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○小柳勇君 きょうは、来年度の予算で事務的な問題、具体的な問題を質問いたします。交通事故撲滅のために直接御苦心なさっておられます担当官の皆さんにきょうは来ていただきました。政策的なものなり、将来の展望などはまた別の機会に大臣からいろいろ聞きますから、来年度予算が予算書に計上されておりますので、この内容を具体的に説明していただければいいわけです。時間が一時間しかございませんし、関係省全部呼んでありますから、私のほう質問を簡便にいたしますから、答弁のほうも具体的に数字をもって御説明願いたいと思います。
 まず、警察庁のほうから質問いたします。「交通安全思想の普及」という予算の中で「交通秩序の確立と交通安全思想の普及徹底を図るため、交通安全に関する広報活動を全日本交通安全協会に委託する。」と書いてあります。全日本交通安全協会の組織、機構、活動状況について、まず御説明を願います。
#4
○説明員(井口孝文君) 全日本交通安全協会は財団法人として設けられております。各県にそれぞれ各県の交通安全協会がございます。その連合体としての性格を持っております。一般的にはここにおきまして交通安全思想の普及のための地方の交通安全協会の指導あるいはその思想普及のための指導者の養成あるいはパンフレットその他の教養資料の作成あるいは映画による広報宣伝活動といったようなことをやっております。
#5
○小柳勇君 交通安全協会に運転者の手帳交付の権限を与えておりますか。
#6
○説明員(井口孝文君) 手帳交付というようなことを、いわゆる公式の権限としては何ら与えておりません。
#7
○小柳勇君 公式にはないかもしれぬが、便宜上運転者協会に手帳交付の権限を与えて、タイプの手数料などをとっているように聞いておりますが、たとえば手帳一冊については二百円ないし三百円の手数料とっていると聞いているが、いかがですか。
#8
○説明員(井口孝文君) 運転者手帳というのはどういうようなものであるのか存じませんが、あるいはその会員のための任意的な手帳などであろうかと存じます。
#9
○小柳勇君 運輸省に聞きますけれども、この自動車運転者手帳というのがありますが、その手帳の現在交付されておる範囲、及びその取り扱いをどうやっておるか御説明願います。
#10
○政府委員(黒住忠行君) 先生のお尋ねのもの、ちょっとはっきりしませんが、乗務員手帳の関係でございますと労働関係だと思いますけれども、もう少しこまかく御指摘願えれば調査したいと思います。
#11
○小柳勇君 労働省から出ている、これは長距離運転トラックの運転手など手帳を持っている。これはあとから聞こうと思うのですが、これは労働省の管轄だと思います。ただ運転者手帳というのを持っていまして、これは交通安全協会が取り扱っておりまして持っておる、これがタイプ料として手数料二百円ないし三百円取っているのですが、警察庁のほうではこれ把握しておりませんか。
#12
○説明員(井口孝文君) おそらく交通安全思想の普及のための、フリーな立場で買い求めたい者には買わせるというような性質のものであろうかと思いますけれども、私ただいま十分な知識を持っておりません。
#13
○小柳勇君 それでは調べてもらいましょう。これ一冊交付するのに手数料二百円ないし三百円取りまして、この収支が明らかでないし、これが安全運転の思想普及の費用に使われることは当然ですけれども、その他たとえば選挙なんかありますと、これが陣中見舞いになったり、政治資金のカンパになっているようなことも聞きますが、調べてください、課題にしておきます。
 次は、「安全運転の確保」のところで、「運転者の違反歴、事故歴、その他の資料を電子計算組織に集中管理する運転者管理センターの運営を行なう。」と書いてあります。この運転者管理センターについて御説明願いたいと思います。
#14
○説明員(井口孝文君) 運転者管理センター、警察庁に電子計算機を設けまして、各都道府県警察で交付した免許証につきましての必要な登録を一切ここで行なっております。したがいまして、運転免許取得後の違反歴あるいは行政処分、そういったものもすべてこの電子計算組織で記録し、処理いたしております。
#15
○小柳勇君 事故をやりますと点数減点されまして、いつゼロになるかわからぬもので運転する者が、事故をやった人が心配されて聞きにいきますと、いま残点幾らくらいあるかと聞きましてもなかなか教えてくれないそうです。残点が一点くらいになりまして注意すればいいのに、ゼロになりまして運転免許の停止になるというようなことがあるようですが、取り締まりはけっこうですし、しかも電子計算機に入れまして、事故をやったから自分の点数が減っているんだからしょうがないですけれども、尋ねにいったら教えてやるくらいの親切が必要だと思うのですが、いかがですか。
#16
○説明員(井口孝文君) ただいま御質問のございましたように、減点で残点が四点になりますと警告するたてまえをとっているのでございます。しかしながら、御質問にございましたように、個人個人の運転者の照会に応じていま何点くらいであるということをお教えするのが本来の姿であろうと思います。現在のところ計算機の能力が十分ございませんので、将来もう少し拡充いたしましてこの方向に持っていくようにしたいと思って検討いたしておるわけであります。
#17
○小柳勇君 そうしますと、いまのところは運転者が聞きに参りましても、残点については正確に教えることが機械の構成上不可能であるということですか。
#18
○説明員(井口孝文君) 機械の構成上は可能でございます。ただ、非常に多くの方からそういう御要求が出ますと、機械が能力上処理ができない、容量の上で処理できないという問題がございます。しかし御要望のあります方には極力御要望に応ずるようにつとめてまいりたいというように考えております。
#19
○小柳勇君 そうしたら、そういうことで親切に教えてやってください。そうしたらよけい事故をやらずに注意するでしょうから。
 次は、今度の道交法の改正に出てまいります交通巡視員制ですね、ここにも書いてございますが、交通巡視員を警察官と同じような服装をさして県警本部が採用するということになっておりますけれども、現在、町で緑のおばさんとか、その他町の有志の皆さんが同じ交通整理員の腕章を巻いてやっておりますね。こういう人のベテランを交通巡視員に採用して、いわゆる民間的な、警察官取り締まりのような立場ではなくて、民間の人で交通安全に協力するというような体制で発足したほうがいいじゃないかと思うのですが、この交通巡視員制度についての考え方と、採用する場合の人の基準ですね、そういうものをお教え願いたいと思います。
#20
○説明員(井口孝文君) 交通巡視員は、警察職員の中でいわゆる警察官でない一般職員、県の一般職の地方公務員ということで考えております。したがいまして、一応採用その他の基準は、地方公務員法の適用を受ける職員でございます。しかしながら、ある程度の法的権限を持っているわけでございます。常時街頭で民衆と接触いたすわけでございますので、採用につきましてある程度の適正な試験をいたしました上で一定の教育を、たとえば、警察学校で教育につとめるというような過程を経まして配置につくというようなことを考えております。
#21
○小柳勇君 そこで、説明会のときに御婦人など採用したいというお話がありましたけれども、いまおっしゃったように、地方公務員として採用しますと、警官でもなかなかたいへんですけれども、事故をなくすることはわれわれも賛成ですから、取り締まりも強化してもらうのは賛成ですけれども、警察官をふやしまして、現在のいわゆる交通巡査というものを別な方向に取り締まり強化一本に回すというような、そういう取り締まり強化のみによって交通事故をなくするという方向は少し行き過ぎではないかと思うし、できれば、こういうときに町で協力している緑のおばさんとか、交通安全協力者など交通巡視員に採用していただいて民間的な、民間の協力によって交通事故をなくするという態勢を大きく打ち出すべきではないかと思いますけれども、もう一回御意見を聞いておきたいと思います。
#22
○説明員(井口孝文君) ただいま先生の仰せがございましたように、交通事故防止対策といたしましては、単に取り締まりだけでなく広くいろんな施設面の問題、それから安全教育の問題、そうして民衆に対して道路交通の安全管理を十分にするということで幅広い体制をとっていくべきであろうと思います。ただ現状におきまして警察官が非常に人手が不足しております主たる原因は、いわゆる交通事故の処理に追われるという点がございまして、いわゆる街頭で交通整理をしたり、それから歩行者の指導をしたり、また中に目に余る駐車違反がだいぶふえております。こういったほうの取り締まりにつきましてなかなか手が回らないというような実情にあるわけでございます。したがいまして、そういった面での限定された権限を持った職員を設けてこの面の解決に当たっていきたいと、こう考えておるわけでございます。民間の協力を得て幅広く運動を展開していきたいということについては全く同感でございまして、従来から緑のおばさん、あるいは民間の方々の御協力を得ておるわけでございます。ただ、これはいわば道交法上当然停止しなければならない場合に、そういう状況であるということを合い図するといったような立場で御協力いただいておるわけでございまして、今度の巡視員の場合はやや権限的に、いわば法的権限に裏づけされた仕事をするという意味で多少違いがあろうかと思います。しかしながら適任者がございますならば成規の手続を経て巡視員に採用するということも当然考えられるところであろうと思います。そういった方向で考えてもみたいというように考えております。
#23
○小柳勇君 民間の協力というものが一面やはり必要でありましょうし、悪く言うならば警察官の定員を正式になかなかふやしにくいからひとつ交通巡視員という名目で取り締まり警官をふやすというように勘ぐられてもやむを得ませんから、あくまでもこれは交通安全の立場から交通巡視員というものを置くのだという方向でひとつ考えてもらいたいと思います。これはまた道交法の改正の問題でも委員会で問題になりましょうから、このくらいにいたしましょう。
 それからもう一つは、反則金の問題ですけれども、反則金を、これはおたくのほうが、たとえば町の運転手などは、私の秘書などもそうですけれども、ネズミ取りと言っているわけです。ちゃんと隠れておりまして、そして交通違反を見つけておいてそうして罰金は取る。反則金はあるワクをきめておきまして、これに、予算に追いつくまで取り上げるというような思想を見受けるわけです。この反則金を補導、指導中心の態勢でないと反感がありまして、交通警官が隠れておってやりますと、それに対して非常ににくしみがあるわけですね。せっかく親切に交通事故をなくしようという政策が警官対民間の反目の材料になってはまずいと思いますから、この点について見解を伺いたいと思います。
#24
○説明員(井口孝文君) 交通違反の取り締まりにつきましては、いわゆる悪質な違反につきましてはやはり厳重に取り締まりをしてまいらなければならないというように考えておるわけでございます。しかしながら、現在の交通実態に照らしまして、むしろそういった指導一辺倒の立場ではございませんで、取り締まり一本の立場でございませんで指導、監視ということを重点に置いて運転手の安全な運転ができるようにということで街頭の警察官が指導するようにわれわれとしても督励をいたしておるわけでございます。決して反則金に一定のノルマを設けましてそれを達成するようにというようなことは一度も言ったことはございませんし、またそういう考えは現場の警察官は持っておらないというように考えております。
#25
○小柳勇君 交通安全のための施設などを整備するように話しに行ったところが、ことしはどうも反則金が少ないものだから設備がなかなかできませんと答弁されたといっておこった人がありましたが、あるノルマをきめておいてやることも必要でございましょうが、交通取り締まりの警官などは、朝ちゃんときょうはどのくらい反則金を取れというようなノルマか何かきめてありますか。
#26
○説明員(井口孝文君) ある限られた地域の警察官がどれだけ取り締まるということでそこの交通安全施設に影響があるということにはならないと思います。したがって、一人一人がそういう意識を持っていることはないと思います。それから、たとえば警察署長とかそういう監督の立場にある者もそういった意識は持っておらないというように考えております。またいろんな面から考えまして、現在そういう意味の点数制ということは警察部内では行なっておりませんので、そういう事実はないとはっきり申し上げられると思います。
#27
○小柳勇君 この反則金の使い方は県警なり地方のほうに一任してあるのか、あるいは基準をきめて警察庁のほうで指導しておるのか、いかがですか。
#28
○説明員(井口孝文君) 御承知のように、交通安全施設整備緊急措置法という法律がございまして、各市町村と警察署が協議したものが各都道府県単位で道路管理者については国道分も含めまして一つの計画を県単位できめまして、これを国のほうへ持って上がるわけでございます。それを国のほうで調整いたしまして、その財源の一部として反則金が使われておる。反則金だけが財源でもございませんで、一般の交付税のほうからもごめんどうを見ていただいているわけでございます。また直接国費も使われておるわけでございます。そういう形で総合的な計画として組み入れられております。
#29
○小柳勇君 各県のほうで警察庁の親心というものを少し誤解されて、反則命を予算を一応きめまして、ちゃんとその年度の施設なり行事をきめておるやに承ります。したがって、さっき私が冒頭に言いましたような、ことしはどうも反則金が少ないものですから施設もできませんということになるのじゃないかと思いますので、まあ中には悪い運転手もおりますから罰則の強化もやらなければならぬ面もありましょうけれども、あくまで補導及び指導中心の反則金制度であるということで今後ひとつ各地方の指導を願っておきたいと思います。
 次は、運転免許の基準をこの際洗い直して検討すべきではないかと思うわけです。たとえばマイクロバスは普通免許でいいのですが、最近大型化いたしまして扱いも大型バスと変わらないわけです。大型バスは大型免許、マイクロバスは普通免許という、これは一例ですけれども、また高速道路ができまして、低速でいなか道を走る運転手も高速道路を走る運転手も、あるいはトレーラーなどを引っぱる運転手も運転免許の基準は昔のままということでありますが、こういうことで根本的に運転免許のあり方を考えるということで検討されておりますかおりませんか御説明願います。
#30
○説明員(井口孝文君) 交通の実態というものは、やはりときの流れとともに、たいへん変化してまいっておると思います。したがいまして、免許制度につきましても、常にその時代に合うように考えていかなければいけない、そうして、現在でもいろいろの問題を包蔵しているテーマであろうというふうに考えております。今回御審議いただくことになろうかと思います道路交通法の改正案につきましては、マイクロバスにつきましては、先生がおっしゃいましたような方向での改正案を提案いたしておるわけでございまして、その他の問題につきましては、確かにいろいろ問題がございます。一面そういう必要性があろうと思います。また、技術的な困難性もありまして、そういった点につきましては、早急に近い将来に検討の方向で処理していきたいというふうに考えております。
#31
○小柳勇君 全般的な運転免許のあり方として御検討願いたい。
 もう一つは、ペーバードライバー、これも私は不勉強ですけれども、ペーバードライバーは免許の切りかえ時期は別ですけれども、途中で審査がなく、いつでも乗れると思いますけれども、この点については御意見はいかがですか。
#32
○説明員(井口孝文君) いわゆる免許を取っただけで、実際に運転をしていないという運転者がたまにハンドルをにぎると危ないじゃないか、こういう御趣旨の御質問であろうと思いますが、確かにそういう実態がございます。したがいまして、免許交付後も何らかの方法で教育ができるというようなことができればたいへん望ましいわけでございます。こういう点は強制することもたいへん困難でございますので、その辺がむずかしいところであろうと思いますが、しかしながら、免許の取得後の運転者に対しまする何らかの方法での管理と申しますか、教養態勢、そういったものについても今後できるだけ有効な方法を考えてまいりたい。また、強制手段はなかなかむずかしゅうございますけれども、いわゆる教養と申しますか、広報と申しますか、そういった問題について十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
#33
○小柳勇君 具体的にいま御検討されておるのかどうか、いまの答弁でははっきりわかりませんがね。ペーパードライバー、免許を取りまして半年なら半年、ただ免許証だけ持っておりますけれども、全然乗っていないと、これは掌握できないのじゃないかと思いますね、現在の情勢では。それが半年目にたまたまさあ乗んなさいと言われて、ちょっと乗ってみたと、こういう者が事故があったかなかったか、ここにデーターがございませんけれども、われわれしろうとが考えましても、非常に危険だし、たとえば商売にやっている人は常に訓練がありますね。また、会社なんかではそういう訓練がありますから、それは事故はもちろん起こしますけれども、訓練された事故というものと、そういうふうに何らかの手を打てば事故が防止できたかもしれぬというものについては、やはり手を打たなければならないのじゃないかと思います。だから、初め免許をやるときに、もし三カ月間運転しない場合は届け出よとか、あるいは訓練を受けるとか何とか、免許をやるときに規制が必要じゃないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
#34
○説明員(井口孝文君) 確かに必要といたしましては、先生がただいまおっしゃいましたようなことが必要であろうというふうに考えるわけでございます。しかしながら、運転免許というものは、やはり一つの資格であり、個人の権利でございますので、何らかのその後、たとえばもう一ぺんテストを受けることによって、それに落第すればだめであるというようなことは、なかなか法律としては定めにくいことであろうと思います。実効を確保できる何か有効な手段があればよろしいわけでありますが、ただいまおっしゃいましたように、多少組織されている職場の運転者に対しましては、いわゆる運行管理者を通じての監督といったようなことで、ある程度掌握ができるわけでありますが、完全な個人個人の運転者に対しまして、その個人的な行動と申しますか、その間ハンドルをにぎっているかいないかということについては、それについては何かやる必要があるということについては感じておりますけれども、具体的な手段として私どももちょっと考えあぐねるというような形でございます。
#35
○小柳勇君 一ぺん検討してください。
 それから、今度の道交法の改正でも、酒飲み運転の取り締まりが非常に強化されますことは私どもも賛成ですが、無免許運転の取り締まり、その強化の方針というものは、今度の道交法ではありませんね。事故発生などの率を見ましても、酒飲み運転の取り締まり強化と同時に、無免許運転の取り締まりというものもなお一そう強化しなければならないと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
#36
○説明員(井口孝文君) 無免許運転がとうてい許すべからざる行為であるということについて、全く私どもも同様に考えておるわけであります。いわゆる法律的な措置として何らかの改正、そういったことは当面いたしておりませんが、無免許運転の取り締まりということにつきましては、今後ともますます強化してまいりたいというふうに考えております。
#37
○小柳勇君 次に、交通規制について六大都市では共通の規制審議会を設けてもらいたいという要望があります。取り締まり規制が各都市で違いますためになかなか取り締まりできないので、少なくとも共通の規制審議会などを設けてもらいたいと。そして、交通規制する場所は事前に告知する、公示してもらいたい、こういう意見が出ておりますが、この交通規制の問題で、少なくとも六大都市については共通の規制審議会を設けてもらいたいというようなことが話題になったことがございますか。
#38
○説明員(井口孝文君) 交通規制、特に地域社会に大きな影響を及ぼします大きな交通規制になりますと、これは各方面の生活にもたいへん影響してまいります。そういった意味で、その地域において何らか審議会のようなものを設けまして、そこで十分に審議してから実施に移す、こういう体制は従来からも採用しておったわけでございます。
 ただ、六大都市に共通な交通規制のための基準ということになりますと、一応私ども事務的にはある程度基準のようなものを大まかにはつくっておりますけれども、道路状況あるいは都市の状況、千差万別でございまして、なかなか共通の基準というものはむずかしいような気がいたします。これは審議会などが何か共通の基準を打ち出すというようなことについては、いままで考えたことはございません。
#39
○小柳勇君 そういう要望が出ておりますから、私、きょうは勉強十分でございませんから、もう少し勉強したいと思いますが、警察庁でも御検討願いたいと思います。
 あと、各省関係の問題、警察庁と各省関係の問題がありますが、各省の質問終わりましたあとでまたいたします。
 次は、文部省に質問いたします。
 ここに「交通安全教育センターの設置」というものがございます。「小学校における交通安全教育を効果的に進めるため、交通安全教育センター(46箇所)の設置に要する費用について補助する。」国庫補助二分の一でありますが、この内容について御説明願いたい。
#40
○説明員(田健一君) これは昭和四十三年度から始めましたものでございまして、交通安全のための教育を実施するためにこのセンターを設けたものでございます。
 内容は、道路あるいは踏切、街路というような施設と、それからここにございます信号機、道路標識、ガードレール、こういったような模擬の道路を学校もしくは公有地、どこでもいいわけでございますが、こういった場所に設けるための費用でございまして、百二十万円の二分の一、六十万円を補助いたしております。
#41
○小柳勇君 次に、やはり文部省ですけれども、「交通安全教育研究等委託」として「交通安全に関する効果的指導法等の研究および家庭向けの交通安全思想啓発資料等の作成を日本交通安全教育普及協会に委託する。」その委託として二百万円と書いてありますが、この構想について御説明を願います。
#42
○説明員(田健一君) 日本交通安全教育普及協会は、四十一年に任意団体として発足いたしまして、四十三年度に財団法人としてさらにその基礎を固めたものでございます。ここの協会の特色は、心理学者あるいは生理学者、教育学者、そういったようなスタッフをわりあいに充実しているということが特徴でございます。
 それで、四十一年発足以来文部省が行なっております学校における交通安全教育の実施につきましての非常に繊細な実践事例等、指導するような資料を出しましたり、あるいは学校の指導とうらはらになりますところの家庭におけるしつけの問題についての資料等も発行をいたしてきたわけでございます。
 今日、学校におきまして交通安全教育について一番問題になっておりますのは、具体的な効果のある指導方法ということでございます。たとえば飛び出し防止というような指導をどういうように具体的に指導したら最も効果があがるかというような指導法の研究ということが最も急がれているわけでございます。
 ここに先ほど申し上げましたようなスタッフをかかえておりますので、こういったような具体的な指導方法の研究を年度計画でもって委託をして、それを学校に資料として流して効果を高める、こういうような考え方でございます。
#43
○小柳勇君 いま一つ、文部省ですが、「学校における交通安全教育および交通安全管理を充実強化するため、教育関係者に対し、交通安全教育管理研究協議会および講習会を開催する。」とございますが、この内容について御説明願います。
#44
○説明員(田健一君) 交通安全指導の講習会のほうは、これは現場の学校の先生方の指導的な方々それから都道府県あるいは市町村に置かれております、主として市でございますけれども、指導主事といったような人を集めまして交通安全教育指導のための講習会を開くものでございます。これに従って各県でそれぞれ伝達講習をして学校までおろしてもらうというものでございます。
 それから交通安全教育管理研究協議会のほうは、これはいわば校長とかそういうような管理的な立場にある人を集めまして、このほうは子供たちを直接事故から防止するための具体的ないろいろな対策というものを研究協議してもらうという趣旨でございます。たとえば登下校の指導の問題、それからいろいろ通学路を指定いたしまして、それについての安全施設とあるいは諸般の安全対策について関係方面といろいろ協議をして推進しなければならないわけでございますが、そういったような具体的の問題についての方策を研究しておる、そういう趣旨でございます。
#45
○小柳勇君 文部省関係は予算としては以上三点でございますが、この文部省と警察庁との連携並びに総理府にあります交通対策本部との連絡、連携などはいかようになっておりますか。
#46
○説明員(田健一君) 警察のほうとの最も具体的な連携は、交通安全指導を行ないます場合に、警察にお願いをいたしまして、たとえば自動車などを校庭に持ち込んでもらいまして、自動車についてのいろいろ機能、構造というようなものについての指導をしていただくということが一番の具体的な御協力いただいている点でございます。これはたいへん積極的に警察のほうに御協力いただいております。
 それから次が、登下校の安全確保のために御協力いただくという点でございます。
 それから総理府の交通対策本部のほうでは、昭和四十一年に、集団登校の途中におきまして、ミキサー車が飛び込んだりいたしまして、非常に大きな事故が続けて起きたことがございますが、四十二年の一月でございますが交通対策本部で学童、園児のための、学童事故防止対策専門部会というものを中に設けていただきまして、子供たちの事故防止のための具体的な問題をそこで各省集まって話し合いをしていただく、この点が一番基本的な対策でございます。
#47
○小柳勇君 交通対策本部のほうの各省に対する連絡方法などについては、また別途質問いたします。
 次は裁判所関係でありますが、「交通事件裁判処理体制の整備」として、処理要員十人の増員をいたしまして、交通事件裁判処理体制の充実強化をはかる、と書いてございます。
 この交通事件処理の問題について、交通事件だけ別途お考えになっておるのかどうか具体的に御説明を願います。
#48
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) それでは、いま小柳委員からお尋ねがございました裁判所の交通事件処理体制について、ごく簡単に御説明申し上げます。
 裁判所の交通関係の事件は、御承知のとおり、民事、刑事、少年と、三つに分かれるわけでございます。その中で、刑事事件につきましては、これまた御承知のとおり、いわゆる道路交通法違反の関係の事件と、人身事故を伴います業務上過失関係の事件と、こういうふうに分かれるわけでございます。
 で、道路交通法違反の関係の事件は、先ほど来お話しのございました反則金制度の施行に伴いまして、ピーク時には年間約四百万件ぐらいございました事件が昨年度は約百万件と、四分の一程度に減少いたしております。これにつきましては、従来から交通切符制を設け、また大都会においては特別の交通裁判所を設けまして、警察、検察庁等連絡して円滑な処理をはかっておるという実情でございます。
 それから次に、人身事故を伴います業務上過失致死傷事件は漸増の傾向にあるわけでございます。いま御指摘のございました簡易裁判所判事五名及び書記官五名の増員は主としてこれの処理のための増員でございまして、昭和四十四年度におきましても百名余りの増員をお願いして、その増強をはかったわけでございます。これは各裁判所に刑事の専門部を設けまして、これによって処理いたしておる、こういう実情でございます。
 それから、少年の関係につきましては、御承知のとおり、家庭裁判所調査官というものが少年の具体的な個別的指導に当たるわけでございますが、交通専門の調査官を約二百名配置いたしまして、各庁で専門的に処理いたしておるのが実情でございます。
 最後に、民事事件の関係でございますが、これまた、最近民事の交通関係事件が増加の傾向にあるわけでございます。そこで大都会におきましては交通事件専門の部を設けまして、専門の施設を備えましてこれを処理いたしておるという実情でございます。なお、現在の交通事故との関係におきまして裁判所に持ち込まれます事件の、民事事件の数が必ずしも多くないということは、裁判所としては十分な国民の権利保護ができていないというような感じもいたすわけでございますので、そういう点から、調停につきましてかなり簡易な受理手続を設けまして、そして即日ある程度の進行ができるという処置を二年ばかり前からとっておるわけでございます。この結果、調停事件が倍増いたしておるわけでございます。そういうような方法によって、交通事件の処理をはかっておるというのが大体の実情でございます。
#49
○小柳勇君 あとで法務省からも意見を聞きますが、海難審判所のように交通審判所、名前は何でもいいですが、そういうふうに特別に交通事犯についての審査処理をやってもらいたいという要望も非常に強いのですけれども、このことについて御検討されたことがございましょうか。
#50
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 私どもとしては、現在の段階ではそういう別個の、裁判所と別個の系列に属します審判機関を設けることは適当ではないのではないかと考えておるわけでございます。裁判所の中におきまして専門的な体制をつくるということが実情に適するのじゃないか、一応かように考えておるわけでございます。
#51
○小柳勇君 法務省に質問いたしますが、交通事件検察処理要員、定員五十名を増員いたしまして、交通事犯取り締まり体制の充実強化をはかる、とあります。この内容について御説明願います。
#52
○説明員(筧榮一君) 増員の内容について御説明申し上げます。
 本年度交通関係での増員が、ここにございます五十名でございますが、その内訳は、副検事二十六名、検察事務官二十四名となっております。検察事務官二十四名のうち十三名は、副検事二十六人の二人に一人の割合での立ち会いその他の補助事務を行なう一般の検察事務官でございます。残り十一名が、軽微な事件にみずから捜査に当たります主任捜査事務官が十一名、以上で五十名となっております。この五十名につきましては、ただいまの計画では、東京、横浜、浦和、それから大阪、神戸、名古屋等、事件の非常に多い繁忙な庁に適当な数の増員をしたいというふうに考えております。
#53
○小柳勇君 裁判所関係と同じ質問ですけれども、海難審判所みたいに、交通事件というのは特殊な事件が多いので交通審判所的なものを設定してもらいたいという要望がありますが、法務省として検討されたことがございますか。
#54
○説明員(吉田淳一君) ただいま同じ御質問に対しまして裁判所のほうからお答えがございましたけれども、大体法務省といたしましても現在の段階では同様に考えております。現行司法手続との関係でいろいろ検討を要する問題が多数あると思いますので、この問題につきましては将来とも慎重に検討したい、こういうことで臨んでおります。
#55
○小柳勇君 次は、運輸省に質問いたします。
 自動車事故防止対策などとして「ダンプカーを使用する事業場に対する立入検査、ダンプカーの街頭監査等の事故防止対策を強化する」などのほか、「自動車運送事業者、鉄道事業者等の監査指導を行なう。」などとして一億円の予算が計上されておりますが、現状並びに具体的に申しますと、ダンプカーの運転監査の際にたとえば過積がありまして、その過積が運転者の責任も、もちろんこれは知って運転すれば運転者の責任もありますけれども、業者なり運行管理者の責任が重大だと思う。この点について運転者だけを酷に責めないで、むしろ運行管理者などに責任をとらせるべきだと思うが、いかがでございますか。
#56
○政府委員(黒住忠行君) ここに一億円とありますのは、踏切関係のものも含んでおります。自動車関係としましては、整備士技能検定を二千九百万円、自動車整備事業者の監査指導等七百万円、それから自動車運送事業者の監査指導等の二千八百万円、それにダンプ事故防止対策といたしまして千八百二十五万円余があります。それらを総合いたしましてここに一億というふうになっておる次第でございます。ダンプの件につきましては、ダンプに関する規制の法律がございます。ダンプ規制法の中に七条あるいは八条の規定がございまして、七条につきましては道交法に違反して人を死に至らしめ、あるいは傷をつけるというふうな場合におきます規定があります。いまの過積の点につきましては、これは警察関係の道交法におきまして、五十七条の第一項に過積を禁じ、そしてまた百二十三条の関係におきまして両罰規定が規定されておりますので、運転手とそれからそれを使用さした者が罰せられるという関係になっているわけであります。さらにそれによりまして、死に至らしめるという場合におきましては、ダンプ規制法の七条一項の三号によりまして、使用者に対しまして一定の期間すなわち六カ月以内におけるダンプカーの使用制限と使用禁止というふうな規定になっておるわけでございまして、要するに、道交法におきますところの運転手と使用者に対する罰則と、ダンプ規制法におきまするところの、死亡におきます場合における、過積等が原因になります死亡におきますところの使用者に対する使用制限、使用禁止によりまして取り締まるというふうな法規制になっておるわけでございまして、これはさらに警察当局にも十分この取り締まりをしていただきまして、われわれも通告によりましてダンプの使用禁止、使用制限というふうなことによりまして今後さらに万全を期してまいりたいと思います。
#57
○小柳勇君 次は、自動車審査センターの設置でございますが、自動車の型式指定審査などを強化するため自動車審査センターを設置し、運営することであります。その内容と同時に、自動車が高速道路を走る場合の保安基準が現在ない。たとえば極端にタイヤが摩耗しても制限はないし、チェックする方法もない。現在のように高速道路ができまして、高速で走る車についてはおのずから低速で走る車よりも保安基準は高くなければならぬけれども、保安基準について特別の差異がない。たとえば重心の低さ、高さその他いろいろありましょう。その自動車審査センターの設置と同時に、保安基準の改定など検討される必要があると思うが、この点についてはいかがでございましょう。
#58
○政府委員(黒住忠行君) 自動車の審査部のことでございますが、従来本省におきまして約十名の者をもって型式指定の仕事をやっております。工場に出向きまして車を審査するというたてまえでやっておりましたが、毎年約百三十件、あるいは四十五年度におきましては百五十件ぐらいの新型式の審査事務がございます。昨年におきます欠陥車問題等にかんがみまして、これの体制を強化する必要があるということで、四十五年度におきましては、新設される予定になっております交通安全研究所におきまして、人員も従来十名程度で本省でやっておりましたものを十六名でやる。純増といたしまして七名、振りかえ九名で十六名。それに本省といたしましては、四名の事務の者は残します。予算といたしましては二億三千三百万円で施設を新設し、それに機械を、ロードシュミレーター、ブレーキテスター等の機械を入れまして審査をするという予定でございます。ロードシュミレーターは走行状態を再現することが可能な機械でございまして、約三千八百万円でございますが、これによりまして来年度推定される百五十件の型式指定の仕事を処理いたしたい。
 型式指定規則等は、昨年も改正いたしましたが、さらに最近におきます自動車の新しい型式に対する安全の確保ということで万全を期してまいりたいというのが自動車審査部でございます。
 それから高速関係の保安基準でございますが、保安基準につきましては、これは昭和二十六年以来二十回にわたって改正をいたしておる。現在高速走行対策といたしましては、まず速度別の制動能力の規制、座席ベルトの規制、非常点滅表示灯の規制、非常信号用具の規制というものをやっておるわけでございますが、高速走行につきましてはいろいろ問題が多いわけでございますから、現在検討中の項目はガラスの安全化、それから車室内の安全対策、いわゆるエアーバッグ等がいわれておりますけれども、そういう安全対策、それからいま先生が御指摘になりましたタイヤの安全性というふうなものを保安基準にいかにして取り入れるかということを現在検討いたしておるわけであります。それから高速走行につきましては点検整備ということが非常に重要でございますので、一昨年の十月に高速走行点検要領というものを定めまして、燃料の関係をはじめといたしまして、高速時におきます点検の要領を定めて事故防止に役立てるというふうに処置しておるわけでございまして、御指摘のように保安基準につきましては早急に結論を得て、さらに追加をしてまいりたいと考えております。
#59
○小柳勇君 日本では、現在の最高速度は百キロ以下だと思いますが、そうでございますね、制限は。
#60
○政府委員(黒住忠行君) 高速道路におきましては百キロ以下の制限でございます。
#61
○小柳勇君 公正取引委員会にお尋ねしますが、テレビなどのコマーシャルで、この車は百二十キロなり百四十キロとか、百六十キロ走ると、一生懸命宣伝しておりますね。いま日本では百キロしか走れないのに、高速の夢を持たして、この車は百六十キロ走れますといってずっとコマーシャルをやっております。これは誇大広告になりませんか。
#62
○説明員(野上正人君) 私、審査部の者でございますので、その誇大広告のほうは取引部が所掌いたしておりますので、私、いまのところ、検討させていただきたい、こう思っておりますけれども……。
#63
○小柳勇君 高速道路のほうは、いま答弁がありましたように、日本では百キロの制限ですね。それにとにかく百四十キロ、百六十キロを宣伝しているわけですよ。一生懸命そのためにやっている。青年諸君になりますと、やってみたいわけですね。そういうものも自動車事故の一つの原因ではないかと思いますが、この誇大広告を取り締まる方法はないかと思いまして、これは公正取引委員会から言えば、誇大広告じゃないかと思いましたので……。
#64
○説明員(野上正人君) 景表法におきまして、品質または価格におきまして、著しく有利であるという点で規定をしておりますので、直ちにそれが景表法の問題になるかどうかについては、しばらく検討させていただきたいと思います。
#65
○小柳勇君 運輸省にもう一言。カーフェリーで、いま長距離輸送の場合に、車の運転手が一人乗って、たとえば九州を出ました車は神戸にとまりましたら、その運転手は運転しているのですけれども、これが運転手が乗っていなくてもよいじゃないかというようなことで、業者としては運転手をおろして、この送り運転、迎え運転でやったほうが経済的なものですから、その方法に変わりつつあるのですけれども、運輸省の見解を聞いておきたいと思います。
#66
○説明員(富田長治君) お答え申し上げます。カーフェリーは原則といたしまして、運転手と、それから自動車を一緒に運ぶというのが原則でございます。しかしながら、いま先生おっしゃいましたように、非常に長距離のもの、一昼夜を要するようなものにつきましては、ずっと運転者を乗せておくというのはむだでございます。特にトラックにつきましては非常にむだでございます。そういうことでございますので、特に長距離輸送に限りまして、運転者は乗せないでもよろしいという指導をいたしております。現在、これをやっておりますのは、阪九フェリーと申しまして、小倉から神戸まで、それからダイヤモンドフェリーといいまして神戸から大分まで、この二航路だけでございます。将来、長距離フェリーは日本でも整備されると思いますので、その暁には、全国的にこういう現象が起こるかと思います。具体的には、私のほうの無人車航送約款というものをつくりまして、そういうことをチェックしております。その中で、特に保管責任とか、安全責任について事業者のほうにずっとしっかりした義務づけをやっていくという形で指導いたしております。御承知のように、長距離フェリーでございますので、もうフェリーに乗ってしまいますと、何も無人車だけではなくて、自動車は甲板に乗せまして、お客さんのほうは上に上がって休んでいただくということでございますので、特に無人車であるとか、あるいは普通の自動車であるとかいうことによって、安全上の差は特にその点ではないと思います。ただ、現実論といたしまして、間違った人に車を渡すということになるとたいへんなことになりますので、だれでもかれでも無人車に乗せるわけにはいかないので、運送会社などと特別の契約に基づいたもののみを取り扱うということにいたしております。
#67
○小柳勇君 わかりました。これは運転者と業者のほうで若干意見が対立しているようでありますから、私、もう少し意見を聞きますけれども、御検討願います。簡単に指導強化だけでは問題は済まないように思いますが、御検討願います。
 最後ですけれども、私どもいま乗車拒否などやられまして、頭が痛い。また、事故など見まして、タクシー会社の運転手と個人タクシーの運転手などと比較いたしておりますが、一般的に、個人タクシーが非常に評判がよい。資料がありましたらお教え願いたいのであります。個人タクシーの事故発生率と一般タクシーの運転手の事故発生率とどちらが多いかということと、個人タクシーの営業免許は増加の方向に持っていかれるのかどうか、これだけを聞いておきたいと思います。
#68
○政府委員(黒住忠行君) 御指摘のとおり、個人タクシーのほうが法人タクシーよりも事故発生率が少ない実績になっております。最近の、たとえば四十二年度におきましては、法人タクシーの場合が車千台当たりの事故件数が四百十二件に対しまして、個人タクシーは四十七件でございます。それから四十三年度の法人千台当たり三百七十五件に対しまして、個人タクシー五十一件というふうに少ない比率でございます。しかし、個人タクシーは、都会におきましても一日の走行キロは半分でございますから、かりに個人タクシーの四十七件あるいは五十一件を倍にいたしましても法人タクシーより個人タクシーのほうが事故率が少ないという結果に相なっております。それで個人タクシーにつきましては、三十四年以来これを実施しておるわけでございますけれども、優秀な人を選んで個人タクシーになっていただいているというふうなこともございまして、評判が非常にいいわけでございます。したがいまして、われわれはこの評判を落とさないようにして個人タクシーをふやしていきたいというふうに考えております。すでにいままでやりましたものを三十四年度と四十三年度とを比較いたしました場合に、法人タクシーのふえた率が三十四年度を一〇〇といたしまして四十三年度は二七八でございますが、個人タクシーの場合には、その指数が五一八一ということに相なっておりまして、非常にたくさんふやしている次第でございます。で、いま申し上げましたように、個人タクシーの評判を維持しつつ、今後も増加をしていきたいというふうに考えております。
#69
○小柳勇君 わかりました。
 次は労働省に質問いたします。
 まず第一は、「自動車乗務員手帳制度の普及および自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導の強化等を図る」、この内容について御説明願います。
#70
○説明員(大坪健一郎君) お答え申し上げます。
 最初の御質問は、自動車運転者労務管理改善対策に当たるべき資料だと存じますが、まず第一点は、交通事故防止特別監督の実施でございます。これは従来春秋の交通安全週間の期間中に特別に、集中的に監督官を自動車監督に向けている監督でございますが、時期が時期でございまして、非常に効果があがっておりますので、昭和四十五年度も重点的にこれを行なうという趣旨のものでございます。
 それからその次が、乗務員手帳制度の普及指導でございます。これは先ほどちょっと手帳制度のお話が出ておりましたが、乗務員手帳制度と申しますのは、ILOの勧告等にございまして、欧米等ではすでに実施を見ておる制度でございまして、わが国では、この制度を特にトラック運転に導入をいたしまして、実際のトラック運転者の労働時間管理の適正化をはかりたいという趣旨でこの普及指導を、業界から約千五百ぐらいの事業場をあらかじめ指定いたしまして、そこに特にその制度を実施させるというたてまえで行なおうとするものでございます。
 それから三番目は、自動車の労務改善推進指導員制度というようなものがございますが、こういったものを含めました労働管理指導強化をいたしてまいるという趣旨の制度でございまして、これは業界等の推薦をまちまして全国で約五百、現在は四百二十九名になっておりますが、推薦人というものを置きまして、この推薦人に労働基準法及び労働基準法を受けました運転者の労働時間の改善等に関する実施事項がございまして、それを現実化するように指導させるというたてまえの事項でございます。
 その次は、賃金体系及び労働時間等と災害との関連調査でございます。
 これは全国で四千の自動車関係の事業所を選びまして、約四万人の運転者を対象といたしまして、これは主として自動車運送業とダンプ関係でございますが、賃金体系、労働時間の実情と災害との関連を詳細に調査をいたしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#71
○小柳勇君 あとはむち打ち症対策「特別の対策を講ずる」と書いてあります。このむち打ち症の特別対策とそれから出勤時及び退庁時の通勤途上の災害及び労災を補償するかどうかの問題について御答弁を願います。
#72
○説明員(松尾弘一君) 先にむち打ち症のほうから御説明いたします。
 御存じのように、現在むち打ち症になった者に対しましての業務上の疾病として補償されておりますが、これについての症状は個別でいろいろ違うものでございます。医学的にもなかなか治療法等が確立されておらないという点で、したがいまして、私どもといたしましては、関係省とも連絡をとりながら専門会議等を設けまして、治療方法の開発でございますとか、診断方法につきまして検討してまいりたい、これが第一。
 第二は、そういう専門会議のほかに、研究委託という面で、早期治療という観点から、いろいろな調査研究をお願いする。
 第三番目は、現状の段階ですみやかに治療ができるというふうな、私どもの労災病院等の治療のための機構整備、こういう三つにつきまして、現在鋭意対策を講じておるわけであります。
#73
○説明員(桑原敬一君) 通勤途上災害と労災を業務上にするかどうかの問題であります。
 昨年の八月、労災保険審議会から建議がございまして、通勤途上災害を業務上にするにつきましては、現在の労災保険制度でいいますと、いろいろな問題がございます。御承知のように、業務上にするためには、無過失賠償責任の立場に立っておりますので、使用者の管理下にある災害を業務上とすることがいまの労災保険のたてまえであります。そういう原理的な問題が一つございますし、また外部との関係、健康保険、厚生年金保険その他いろいろの保険制度が同じような形でかぶってきております。そういった諸制度との関係をどう見るか、実際に業務上にいたしました場合にそういった他の制度との調整なり求償問題でございますので、非常に実務的な面、あるいは原理的な面について相当突っ込んだ専門的な研究をする必要がある、こういう御提案がございまして、そういうことで調査会を設けまして、今後慎重に検討していきたい、こういうことでございます。三月に発足いたしまして、基準審議会の公益側の先生、基準審議会の公益側の委員の方、専門家その他そういう方々十六名をもって構成メンバーといたしまして、これからそれぞれの問題につきまして専門的に検討を進めていく、こういうような段階に入っております。
#74
○小柳勇君 いまの出勤途上及び退庁時の災害事項は、これはむかしからの問題でして、昨年審議会の答申も出ておりますから早急に結論を出してもらいたいと思います。それから、ほかの共済組合法などにも影響がありますけれども、大事な問題であろうと思いますので、早急に結論が出ることを期待いたします。
 次は、厚生省と自治省に質問をいたします。
 救急自動車の整備状況など、医療機関が救急医療問題について厚生省の現状の取り組みと今年度の考え方、並びに自治省からは、各地方団体における救急医療センターなり、救急施設の整備状況について御説明を願いたいと思います。特に厚生省の場合は、脳神経外科の充実ということが書いてありますが、この点についても御説明を願います。
#75
○説明員(信沢清君) 救急医療の体制といたしましては、事故が発生いたしました場合に、それに応急的に対処する初期医療を担当する医療機関を整備する、同時にいまお話ございましたような、脳神経外科等のりっぱな医療を行なうことができるような、そういう医療機関を体系的に整備する、こういう必要があるというふうに私ども考えております。前段の初期医療の問題につきましては、消防法に基づく救急病院あるいは救急診療所というものを逐次整備してまいっておるわけでございますが、現在のところ全国で約四千三百の公私の医療機関がこれに御参加をいただいております。後段の高度の医療を行ないます施設につきまして、私ども救急医療センターとこういう名前で四十二年度から整備をいたしております。この計画は人口がおおむね百万について一カ所、全国百十一カ所にそういった機能を持った病院を整備する、こういう考えでございまして、現在までのところ百十一カ所のうち八十四カ所の整備を終えております。来年度は国立病院について七カ所、その他の公的医療機関について十一カ所整備することになっておりますので、ほぼ来年度で百十一カ所の計画は完了する、こういう予定でございます。
 なお、御指摘の脳神経外科医の問題につきましては、実際問題として数がたいへん少のうございます。したがって、基本的には大学の医学教育の中でそれを十分御配慮をいただく必要があるわけでございますが、現在国・公。私合わせて四十九校ございますが、このうち講座を持っておるとか、あるいは研究施設を持っておるというものが二十四校しかございません。したがって、この問題につきましては、文部省サイドにその面の強化についてお願いをしてまいっておるわけでございます。そのほか厚生省自身といたしましても学会に委託をいたしまして、こういう医師の養成に努力をしておるわけでございまして、来年度は三十名の脳神経外科医の養成を委託する、こういうことを予定いたしております。
#76
○説明員(宇土条治君) 救急病院につきましては、救急業務の事務実施基準を拡大することが必要である。こういう考え方に立ちまして、当初十万の市に対する事務を四十二年に五万に引き下げ、四十三年度に四万に、四十四年度に三万と順次下げたのでありますが、今後さらにその基準の範囲の拡大をはかりたいということで、目下のところ人口三万以上の町、三万未満の町村で年間交通事故の件数が多いところ、これを政令で指定して事務実施をさせたいという考え方で準備をいたしておりまして、救急体制の整備に一段と力を入れたい、かように思います。
#77
○小柳勇君 最後に、交通対策本部に質問をいたします。この交通事故の実態調査が建設省、総理府、労働省など各省にありますが、各省の実態調査を一本化して総合的な事故防止対策を樹立する必要があるのではないか、こう考えますが、いかがでございましょう。
#78
○政府委員(平川幸藏君) 交通事故の実態調査につきましては、過去におきまして、担当省でございます警察庁あるいは建設省それぞれ実施しております。しかしながら交通事故に対する対策は総合的な長期的な計画が必要でございますので、来年度予算におきまして交通事故と交通安全施設の相関関係につきまして徹底した調査を実施したい、こういうことで予算を計上しております。
#79
○小柳勇君 時間が超過いたしましたから、これで質問を終わりまして、残りましたものは絶えずやらしてもらいたいと思いますが、質問しなかった省から御出席いただきましてまことに恐縮に存じますが、他の委員の時間もありますので、お許しを願いたいと思います。
 なお、第一線でいろいろ御苦労をなさっていますが、今後とも事故が少なくなりますように、皆さんの御尽力なり、御活躍を期待いたしまして、私の質問を終わります。
#80
○原田立君 あまり整理をしていないので、いろいろあっちこっちの質問になるだろうと思いますが、よろしくお願いします。
 一番最初にお伺いしたいのは、調査室長の平川さん、今回七百八十九億九千四百万の全体の予算がついた、一六%ばかし前年度から比べてみて多くなったというような総理府総務長官の説明が載っているわけですが、現在のように交通事故が非常に多発している、ないしは車の台数が非常に多くなっている。いままでにもそれなりに努力し、整備されてきているわけでありますけれども、総務長官が今度は一六・七%ふやしたんだから、たいへんりっぱな予算じゃないかというあいさつがあるんだけれども、実際にその衝に当たっているあなたとして、今回の予算で十分交通安全対策の実を結ばせる仕事ができる、こうお思いなのか、それともまだたいへん足りないというふうにお考えなのか、いかがですか。
#81
○政府委員(平川幸藏君) ただいま御指摘になりましたように、交通安全に関する総予算を合計いたしますと七百九十億になります。これは対前年度に比較いたしますと、一六%の増になります。ここで申し上げておきたいことは、昭和四十二年度における交通安全全体の予算が約四百億でございます。したがいまして約三年間におきまして倍になっておるということで、政府がこれに対する熱意をあらわしておるものと、このように考えます。
 なお、交通安全関係の予算の中で、特に交通安全施設等につきましては、緊急措置法による第二次三年計画で進行中でございます。そういう予算が実はこの予算の大部分でございまして、この予算につきましてはフルに予算がついておるわけでございます。将来の問題といたしましては、交通安全の問題は人命に関する非常に大きな問題でございますし、政府の最大重点施策の一つでございますから、実は交通安全対策基本法におきまして基本計画を樹立する際に、基本的に長期的な総合的な計画を検討する。その際にさらに洗い直して徹底した施策を講じたい、このように考えておる次第であります。
#82
○原田立君 予算もある程度の制限があるだろうと思いますけれども、いまの説明の中に、四十二年度から比べてみれば倍になったから、ずいぶんいいじゃないか、こういうことなんだけれども、そういう対前年度比ではなくて、現実の自動車保有台数がふえている、現実の事故発生件数の増加、こういう面からいって、あなたのほうは事故絶滅のお役所なんだから、そういう面で対前年度にこだわらずに、これではたして仕事が十分できるのかどうかということを聞いているのですよ。焦点が違うのだ。
#83
○政府委員(平川幸藏君) 御指摘のように、見方によりましてはこの程度の予算ではこれは不十分ではないかという御指摘でございますけれども、われわれといたしましてはできる限りの努力をいたしまして予算に充当したわけでございますが、御承知のように、ただいま申し上げましたような方向で近い将来、これは交通安全対策基本法の成立を待ちまして実は基本計画を樹立することになっております。基本計画の内容を申し上げますと、これは長期計画と単年度のいわゆる実施計画、業務計画、こういうことになっておりまして、この中で具体的に予算を基本計画に沿った線で樹立さしていきたい、このように考えております。
 御指摘のように、交通事故の最大の原因は、人と車と道路環境の三つが原因の要素になっているわけでございまして、人の問題につきましては安全運転の問題、それから道路環境につきましては交通安全施設の問題、こういうぐあいに総体的に総合的な計画を樹立していく、これが最大の問題でございます。ただいま申し上げましたような線に沿いまして交通対策本部で総合的にこの予算を有効に最大限に実施していきたい、このように考えているわけでございます。
#84
○原田立君 それは有効に使うのはあたりまえなんですよ、そんなことを聞いているのじゃないですよ、さっきから言うように。対前年度比ではなくて、現在自動車の保有台数がずっとふえている。事故もずっとふえている。これを絶滅するために現在の七百九十億の予算ではたして十分と思っているのですかということを聞いているのですよ。有効に使うのは、予算ですから、血税ですから、われわれの大事な税金ですから、大事に使う、そんなことはあたりまえの話なんだ。私は、あまり答えが出ないから、言うのですけれども、要するに足りないだろうと思うのですよ、こんなんじゃ。交通安全対策というのについてはもっと各省ともに予算をつけるべきだ、こうあなたの立場から言うならば強硬に主張したいところじゃないかと、こうぼくは憶測するわけです。じゃ、それ以上聞いてもしようがないでしょう。私の考えでは七百九十億、確かに前年度比では一六・七%の増加ではあるけれども、きわめて少ない、非常に不満だという気持ちなんです。それを申し上げておきたい。
 それからいまも申し上げたのですが、自動車の保有台数が非常にふえてきている。これはわが国の総合的な輸送体系の中でこの保有台数の増加ということを考えていかなければならない問題だと思うのですけれども、さて交通安全というそういう面から見た場合に、こういう現象を一体どんなふうにお考えになるか、自動車の保有台数がずっとふえている、交通安全という側面から見て、これをどうお考えになっているか、これを質問します。これは自動車局長に聞きたい。
#85
○政府委員(黒住忠行君) ただいまのところ自動車は約二〇%の年率の伸びで伸びておるわけでございまして、まあ文明の利器と称せられますところの自動車が伸びていきますのは当然の姿であると思うわけでございますが、一方におきまして自動車が凶器のような形で事故を起こすということもまたこれは重大なる問題でございます。われわれといたしましては、このモータリゼーションに対処いたしまして、事故防止、安全維持ということが非常に重要な施策でございまして、したがいまして、安全の点につきましては、これはひとり運輸省のみならず関係各省が協力いたしまして取り組んでおるわけでございます。それには交通環境の整備ということも一つの重要な点でございますし、そして今度は個々の車の安全ということ、これは主としてわれわれが保安基準その他で取り組んでおるわけでございますが、それらにさらに強力な施策が必要であるというふうに考えます。そしてまた全体的に道路交通におきますところの営業車、自家用車というのがあるわけでございますが、これをいかにしてスムーズにするかということで、これに対する規制の方法等もあるわけでございますが、これらの具体的な方法につきましては、総理府のほうで各省の意見をとりまとめていただいて検討していただいているわけでございます。われわれといたしましては、モータリゼーションというものが、ただ量的に自動車がふえるということではいけないのでございまして、これに対処いたしまして、安全ということを最も重要なる施策といたしまして自動車がスムーズに発達していくということで考えていきたいというふうに考えておる次第であります。
#86
○政府委員(平川幸藏君) 基本的にこの問題を考えますと、自動車政策そのものの問題にも問題が及ぶかと思いますけれども、一応現在の段階におきまして自動車の果たす役割りというものを考えますと、われわれといたしましてはこれを交通安全と関連して考えますと、ただいま自動車局長からお話がありますように、要するに保安基準の強化あるいは適正化によりまして、できるだけ事故を少なくするような方向で自動車を考えていくというようなことと、もう一つは、これを受けて立つ国民の側における安全防衛と申しますか、そういう点について政府としては力を至すべきである、このように考えております。先ほどちょっと触れましたように、自動車事故の原因が人と車と道路環境にございます関係上、この三者を総合的に勘案し、有機的な総合的な計画が立って初めて事故が防止できる、こういうことでございますので、ある一つの要素だけをつかまえましてこれに対する施策を講ずるということは必ずしも適当ではない、やはり全体的な立場で総合的に運営していく、対策を立てていく、これがわれわれ政府といたしましては最も留意すべき点である、このように考えております。
#87
○原田立君 自動車局長の先ほどのお話の中に、欠陥車の話がちょっと出ました。欠陥車、これは通産省のほうにお聞きする問題だろうと思うんですけれども、当時欠陥車の問題で、遠く外国にまで名をとどろかして汚名を持った問題でありますけれども、この欠陥車のその後の状況ですね。あるいはまた、あなた自動車局長の立場でこの問題にどういうふうに取り組んできておるか、その後の推移ですね、その両方をお尋ねします。
#88
○政府委員(黒住忠行君) 欠陥車の問題は、モータリゼーションの進行の過程におきまして、自動車国と称せられるものが経験をした事実でございまして、わが国におきましても非常に近来モータリゼーションが進行いたしておりまして、その過程におきまして取り組まなければならない一つの問題であったというふうに認識しておる次第でございます。昨年この問題が起きまして、自動車の保安につきましては、運輸省のほうで道路運送車両法に基づく保安基準というものがございます。そしてまた、一定以上の数が生産されますものにつきましては、型式指定という制度を実行をいたしておる次第でございまして、欠陥車というものはすべての車が欠陥があるというものでなくして、このまま放置しておけば事故につながるおそれがあるという車でございまして、これが発見せられました場合においては、すみやかにいわゆるリコールいたしまして回収をして点検をして、欠陥の車を調べるという措置をするということでございます。この問題が昨年の六月にわが国におきまして非常に強く指摘されたわけでございます。われわれといたしましては、この欠陥車対策は総合的な対策でなくちゃならないということで、昨年の六月の十七日に総合的対策を決定いたしまして、メーカーとしてとるべき措置、それから整備事業者としてとるべき措置あるいはユーザーとしての措置、関係官庁としての運輸省のとるべき措置というふうに分類いたしまして総合的対策を決定した次第でございますが、それによりまして昨年の八月に自動車の型式指定規則を改正いたしまして、従来の審査項目よりもこれをふやしましたり、あるいは耐久試験の義務づけであるとか、あるいは欠陥が発見された場合におきますリコールの措置等を定めたわけでございます。で、本年度の予算におきましては、先ほども若干御説明申し上げましたが、交通安全公害研究所を新設いたしまして、そこに自動車審査部を設けまして、新型式車の審査を完全な体制でもって実施をする。さらに研究所におきまして自動車事故の解析室を設置いたしまして、車両欠陥事故におきますところの技術的な原因探求を行ないまして、型式指定等にも役立てていくというふうに取り組んだわけでございます。で、昨年にリコールをいたしまして、六月に一斉に届け出いたしましたものが、対象車両数といたしまして二百四十七万台ばかりあったわけでございますが、これが昨年の十二月の末におきましては九七・七%が回収をされまして点検をされております。九七・七%と申し上げた数字は、あとで廃車になっておる等の車がございますし、現在ほとんど使ってないような車がございますから、ほとんど一〇〇%近いものが回収点検が終わったものと思っております。それから、さらにその後、一斉にやりましたものの後に、七月から十二月分につきまして届け出がありましたものが、十二月末現在におきましては九一・六%の回収が行なわれております。
 で、われわれといたしましては、先ほど申し上げましたように、モータリゼーションの進行におきましてはこういう安全対策というものが絶対に必要である。そしてまた、その過程におきます一つの試練であったと思うわけでございまして、わが国の自動車生産というものが世界的レベルに達しておるわけでございまして、決してわが国の生産技術が劣っておるというわけじゃございませんけれども、安全ということをさらに推進いたしまして、今後も一そう注意をし、メーカーも督励をいたしますと同時に、われわれといたしましてもこの問題につきましてはさらに真剣に取り組んでまいりたい、かように考えております。
#89
○説明員(大永勇作君) 昨年六月に欠陥車問題が起きましたのを契機といたしまして、業界におきましても安全問題に対する前向きの姿勢が一段と強化されまして、メーカー、販売業者、さらに整備業者で自動車安全対策協議会というものをつくりまして、設計製造面における品質管理の改善等々につきまして対策を協議しております。欠陥車が出ました場合には、その発生状況、改善対策等につきまして即座に報告を通産省としては求めることになっておりまして、必要な指示をいたすことにいたしております。
 なお予算につきましては、そのほかに当省といたしましては、安全に関する研究開発が非常に重要だというふうに考えておりまして、工業技術院の安全公害研究センターの充実、それから民間で組織しております自動車研究所というものがございますが、それに対する助成、さらに四十五年度におきましては、これはシャシー・メーカーだけでなくて、部品業者の安全公害面への品質改善も非常に必要でございますので、自動車部品安全公害共同研究所に対する開銀融資等の新しい措置をとってまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#90
○原田立君 総理府からいただいた「交通事故の概況」、この中の二ページの第二表、死亡事故の分析、その中の年齢別のところで十六歳以上五十九歳以下、これが一万七百八十九人で、六六・四%、それから六十歳以上二一・一%、こういうふうに出ているわけでありますが、最近六十歳以上の老人が非常にたいへん多くなっているのじゃないかとたいへん心配しているわけです。これは一体なぜこんなふうにお年寄りが多くなっているか、あるいはまた六歳以下の子供も八・〇%、これも非常に多くなっているのじゃないか。路上における死亡事故であると思うのですが、これはまず六十歳以上それから六歳以下、これが非常に多くなっている。その趨勢はどうなっているのか。それからいまも申し上げた十六歳以上五十九歳というこの幅が非常に広く区分されているんですが、ここら辺はもう少しこまかくできないものかどうか。また六六・四%、働き手の人がたいへん多く亡くなっているわけでありますけれども、一体どういうようなのが原因になっているのか、御説明願いたい。
#91
○政府委員(平川幸藏君) 御指摘になりました点で、特に幼児と申しますか、六歳以下の年齢層、それから六十歳以上の老人の年齢層に特に死亡事故が多いという御指摘の点でございますが、特に老人につきましては、最近伸び率が、一番右の端に書いてございますが、一般の伸び率よりも多いという傾向を示しております。しかも老人の場合は統計的に申し上げますと、普通事故全体の数といたしましてはわりあい少ないわけでありますが、事故にあった場合における死亡率が非常に高い。一般の人は十万人当たりにつきまして平均十五人の死亡率でございますが、老人の場合は三十一人というぐあいになります。そういうことはやはり肉体的な条件もあるわけでございますが、この原因をわれわれとしてはいろいろ探求をしているわけでありますが、やはり激しいモータリゼーションの進行についていけないという面もあるのではないかというように考えます。したがいまして、たとえばこの六十歳以上の方の実態を見ますと、歩行中の事故が約六割、あと二割五分ほどが自転車乗車中であるというような実態になっております。こういった点につきましては、いろいろな機会を通じまして子供、老人を含めまして弱者保護ということでわれわれとしては今後一そうに原因を探求いたすとともに、これの対策を講じていきたい、このように考えます。なお、年齢別につきましては、これは実は省略された表でございまして、こまかい年齢の表につきましては、別途資料を差し上げたい、このように思います。
#92
○原田立君 同じ表の中に、第一原因者別件数として自家用乗用が三〇・五%、それから自家用貨物が三四・二%。営業用のはそんなに多くないのですね。この表からいくと半分以上が自家用乗用及び貨物である。この自家用車に対する対策というものはもっともっと強化すれば交通事故というものはたいへん少なくなるのじゃないか。これはしろうと考えでそう思うんですが、これに対してどういうふうな処置が講じられておりますか。
#93
○説明員(井口孝文君) ただいま御指摘ございましたように、最近の交通事故の伸びのうち相当部分が自家用乗用車の激増という形であらわれてまいっております。したがいまして、一昔前でございますと、自動車交通事故の対策といたしまして、いわゆる営業の関係の企業を通じまして業者を管理するという方向を強化してまいるということである程度の成果をあげ得たわけでございます。だんだん個人の運転者が多くなってまいるということで捕捉が困難になってきておるわけでございます。なお、自家用貨物の中には、いわゆる事業用、実態としては事業のために使っておるというものが多いわけでございますけれども、自家用乗用にはいわゆるマイカーという種類がたいへん多いわけでございます。御承知のとおり、道交法の関係では安全運転管理者というものを設けておりまして、ある程度事業として何台かの車を持っておれば必ず安全運転管理者を置くということになっております。この方面の掌握を強化いたしまして監督を強めてまいる、あるいは啓蒙につとめてまいるということが実は可能でございます。しかしながら、全く個人個人のマイカーというものがふえてまいりまして、特に行楽地などにふだんあまりハンドルを持ちなれないものが殺到するという形のものになりますと、ほんとに一般的な広報というような手段以外にあまり効果的な手段がないわけでございます。そういった点で、一面取り締まりの面で強化をいたす、あるいは実際に走っておる街頭の中での整理、指導というものに力を入れていくということと、なお運転者教育というものをいろいろな形で強めてまいるということで対処する以外しかたがないんじゃなかろうか、かように考えます。
#94
○原田立君 まあそういうことなんでしょうね。
 もう一つの昭和四十三年、四十四年における発生件数の一覧表がありましたけれども、事故の発生件数及び死者ですね、それから負傷者数、死傷者数。ずっと統計とってみると、年度の一月から六月、いわゆる前半は非常に事故は少ない。ところが、後半になってくるとぐっとふえてくる。七月、八月あたりが非常に多いのと、それから十一月、十二月あたりがまたぐっと多くなってくる。こういうような数字が示されているわけなんですけれども、おそらくいまの自家用乗用、貨物なんか全部含めて、そういう一年間を通じての年度後半に事故が非常に累積している。これに対しては、統計で示されているわけなんですから、何らか具体的処置を講じないと、この形は毎年毎年同じように続くんじゃないか、非常に危険ではないか、こう思うんです。で、警察庁ではこういうことを現在掌握しておいて、具体的にどういうふうな指導をしているのか。
#95
○説明員(井口孝文君) 年々事故の形態を見ますと、いわば季節による変化という面もございますが、大勢としまして年度後半になるほど事故が高くなっているということが出てまいっております。これは一つには事故そのものが上昇の趨勢にあるということでございまして、前半より後半のほうが事故多発の状態が続いておる。また、翌年はそれより上回るという一つの傾向のあらわれでございます。また交通量とか、あるいは自動車の保有台数というものが刻々上昇してまいるわけでございます。特に後半になって事故の多発するという形が残念ながら繰り返されておるということでございます。その他季節的な変化ということになりますと、やはりいろいろの状況がございまして、たとえば年度末というようなときはたいへん社会活動が活発になりますので、その関係で年末に多く事故が発生するという傾向がございます。また夏季におきましてはいわゆる疲労運転あるいはレジャーのための運転というようなことが多くなってまいりまして、また特に夏休みなどで家族旅行などによる事故が非常に多いわけでございます。それから非常に短いある特殊な形をとらえますと、たとえばゴールデンウィークとかシルバーウィークですか、こういった飛び石連休のときの事故が非常に多いわけでございます。いわばふだんのビジネス的な活動の場合と、またレジャーの場合とたいへん状況が違ってまいりまして、レジャーの場合はたいへん広域的で、しかもふだんあまり車のないところに急に殺到するということで、対策としましても重点が違ってまいります。警察といたしましては、そういった状況をたえず把握いたしましてそれに応じた備え方を心がけるわけでございます。特に広域にわたります場合には、それぞれのブロック単位の一斉取り締まりを行なうとか、あるいは全国一斉の取り締まりを行なうとか、そういったことでも対処いたしておるようなわけでございます。もちろんまた事故の発生原因等も分析いたしまして、道路環境の悪い所あるいは安全施設の不備の所につきましてはそのつど補整するようにできるだけの努力をいたしておるわけでございます。しかしながら、遺憾ながら毎年事故がいまのところ増勢をたどっておりますし、一般的に同じ年でもあとのほうが事故が高いという趨勢にあるのはたいへん残念なことでございます。
#96
○原田立君 非常に残念なんですよね。当委員会もそういう交通事故を絶滅しようというそのためにできている委員会なんですから、ただ残念なだけで終わったのでは委員会をつくった理由も何もないし、また皆さん方一生懸命やられているのも意味をなさなくなってくる。それで、専門官として調査室長にも当然お聞したいんですけれども、専門官としてこれをほんとうに少しでも少なくしていこうというために真剣に取り組んでおいでなんだろうと思うんだけれども、はたしてどうしたら事故が少なくなるのか。ただ予算をつけたから、これで運用しているからいいじゃないかというわけにもいかないし、規制しているのだけれどもふえちゃったんだからしようがないというのも無責任のそしりをまぬがれないし、こういうことを聞いてもちょっと無理かとも思いますけれども、まあ何とかして事故を少なくしようということでもっと根本的な、あるいはもっと身近な具体的な、こういうことをやれば何とか少なくなるのではないかというような、そういうお考えはございませんか。
#97
○政府委員(平川幸藏君) 御指摘の点は、交通事故防止の基本的な問題に触れる点でございます。先ほどから私がたびたび繰り返しておりますように、交通対策というものは大所高所の考え方からの施策と、こまかい施策と、両者を合わせてやらなければならない、このように考えております。基本的には先ほど申し上げました原因の中で、人、車、道路環境の中で最大の原因は、これは学説的にも大体一致しておりますが、やはり人の問題が一番大きいということが言われております。特にドライバーにおける過失、これは人間の過失という要素を媒介といたしまして交通事故が発生する、ここに実は交通事故の処理の重大性と困難さがあるわけでございます。そこで実は私のほうといたしましては、これは政府全体の考え方でもございますけれども、いかにして事故を防止するかという基本的な考え方は、三つの原因をそれぞれ探究いたしまして対策を講ずると同時に、ドライバー教育というものをさらに考え直す必要があるのではないかというように考えます。この点につきましては、実は最近、たとえば一例を申し上げますと、指定教習所における路上講習というものを義務づけたわけであります。従来までは箱庭の講習で一応指定教習所の卒業証書を渡しておったわけでありますが、最近これを六、七時間義務づけた、こういった点をさらに強化するということ、あるいは基本的には交通事故は、実は一例を申し上げますと、普通の人でございますと、大事故は二十年に一ぺんしか起こさないという統計でございます。ところが、起こす人は二年ないし三年に一ぺん起こすというような統計も出ております。したがいまして、事故を起こした人に対する講習と申しますか、そういった点をさらに基本的に研究いたしたい、このように考えております。先ほど申し上げましたように、交通安全対策基本法ができました場合におきましては、それぞれの施策を強力に進めるような計画を作成するつもりでございますが、一番大きなポイントとなりますのは、やはり人間の過失、これをできるだけ最小限度に押えていく一つの具体的な方策を進めていきたい、このように考えておる次第であります。
#98
○説明員(井口孝文君) 先ほどから再々討議の過程で明らかにされておりますように、交通事故の原因をなすものは非常にいろいろなものがあるわけであります。原因と申しますか、いろいろな問題と因果関係があると申し上げたほうが正確であろうかと思います。しかしながら、今日の交通事故の多発の状況というものを一言にしてずばり申しますならば、やはり道路を急速に整備し、そうしてそこに自動車が急激な勢いで伸びてまいる。そうして自動車交通量の急激な増大を招いている。そこへ運転をしている運転者の数というものもたいへんふえてまいります。そういった点で大衆化してまいったわけでございます。したがいまして、全体の交通について非常に高い水準を求めるということがたいへん困難になってまいっておるということに尽きようかと思います。したがいまして、こういったことに対する施策全般が、従来のスケールとは異った形で大きく思い切って行なわれるということでなければなかなか事故は減らないと思いますが、また同時に、思い切って全力を傾けるということによって抑制も必ずしも不可能ではなかろうという希望をもって仕事をいたしておるわけであります。
#99
○原田立君 いまの調査室長のお話の中に、ドライバー教育というふうなことがあったわけでありますけれども、まさにそのとおりじゃないかと思う。それで免許習得のときの試験は、これは厳重になされているのだろうと思うが、先ほど小柳委員が質問した中に、免許習得をしたあとは、三年に一ぺんの更新で野放しみたいになっておる。これは野放しみたいなような状態を、そうではなくて、もう少し規制するようなそういう方法はないものかどうか、考えていないものかどうか、警察庁その点どうですか。
#100
○説明員(井口孝文君) 現在の制度のもとでは、一応、交通違反を起こした者あるいは交通事故を起こした者に対する講習と申しますか、そういう形で結果として悪い結果が出てまいった者に対する教育ということは、一つの体制ができ上がっておるわけであります。しかしながら、そうでない、そういった結果がまだ出ていない者に対しての、何か有効な手段ということになると、いわば強制手段によることはたいへん問題がございますので、十分な対策ができていないということになろうかと思います。
 しかしながら、こういった点につきましても、もう少しみずから習得をしたい、あるいは勉強したいという人に対して、容易にそういうことが可能であるような、たとえば運転者のための学校、講習を受けるための施設、学校というようなものができればたいへんいいのではなかろうかというようなことを考えているわけでございます。また、適性検査というようなことで、いわゆる運転免許のときの一番基本的な最低限度の適性検査だけでなしに、一つの業務に従事するのに、自分の適性が十分あるかどうかといったようなことについて、企業としてあるいは個人として審査を受けたいというような方があれば、これに応ずるような態勢をつくってまいるというようなことを、今後の問題として検討していきたい、かように考えておる次第でございます。
#101
○原田立君 別な角度からまた言うのですけれども、先ほどのお話で指摘したように、自家用乗用の場合の三〇・五%、自家用貨物の三四・五%、非常に事故が多いわけです。ここのところの捕捉のしかたをもう少ししっかりすれば、すなわちドライバー教育等をもっとがっちりやれば、もっと事故は減るのじゃないか。現行法の上からいってのいま説明があったわけですが、何らか部内でもう少しこれを規制するような、そういう方向の検討はなされていますか。
#102
○説明員(井口孝文君) いろいろむずかしい点がございまして、具体的な姿としていまこういう案を持っているということではないのでございますが、方向といたしまして、そういった自家用車の運転者あるいは組織されない運転者に対して積極的に呼びかけ、そうして教育を受けたい者については便宜を与えるというような方向で、いい仕組みを考えてまいりたい、そういうことで前々から検討いたしております。何とかその方向でもってうまい具体策を考えてまいりたいというように思っております。
#103
○原田立君 時間がないようですからこれで終わりにしますけれども、今回東京、大阪、各地でいろいろとタクシーの値上げが行なわれた。前々から、営業のそういうタクシーで事故の原因、これは労務管理が非常に悪いために、非常に給料が少ないためにいわゆる神風タクシー的なことをやらないと生活が安定できないからやるのだ、こういう事故が発生するのだ、こういうふうな説明を前に聞いたことがあります。今回の値上げによって、いわゆる運転者に対する労務管理、待遇改善が一体どういうふうなぐあいに実際の運転者に好影響が与えられているのか、その点の把握をなさっておられるのだったらば御説明願いたいと思う。
#104
○政府委員(黒住忠行君) タクシーの運転の場合におきまして、労務管理の重要性はいま御指摘のとおりでございまして、今回の大都市におきます運賃改定にあたりましても、この点を非常に重視いたしまして、特に東京、大阪におきましては、労働条件に関するところの就業規則、賃金規程等の提出を、確認をいたすと同時に、労働省におきましてこれをさらに、それの実際の実施状態を監査していただきまして、それらのものが完全に行なわれている者につきまして、まず実施をさせたわけでございまして、十分でない者につきましては、若干の期間、運賃改定の実施を保留をいたしたような措置をした次第でございます。
 今回の改定の値上げ率は約二二・五%、あるいは大阪におきましては二二%でございますが、現在、タクシー事業におきます人件費の割合は、六〇%以上経費の中で占めているわけでございます。今回の改定にあたりましては、少なくともそれによりまして半額以上のものは運転手のほうに、給与改善に充てるというふうに経営者側も確約をいたしております。しかし、具体的に幾らになりますということは、現在のたてまえでは労使間の団体交渉におきまして決定をいたすものでございますが、この運賃改定の前に、給与改善等につきましては、異例の措置といたしまして、労使間の確認書というものの交換もされているような次第でございまして、今後この給与改善につきましては、経営者のほうで十分措置するものと期待いたしております。なお、この給与につきましては、締め切りが大体月の二十日以降になっているわけでございまして、東京につきましては三月の一日に実施をいたした次第でございまして、今後この給与の改善状態等につきましては、それらの締め切りによりまして、毎月のものを十分見ていきたい。われわれといたしましては、この事業の改善のために、労働条件等も改善されまして乗車拒否がなくなることを期待すると同時に、また、最近国会提出いたしました近代化センターの設置というような施策も相呼応いたしまして、今後万全の措置を期していきたいと考えております。
#105
○原田立君 どうなんですかね、今回、こうやって値上げになったと。監査なさったんですか。監査したというような話がいまお話の中にあったけれども、新聞には、値上げになったけれども、実際働いている運転手の人にはちっともプラスにならない、非常に矛盾したものじゃないかというような新聞記事が一部出たことがあります。ただ単にタクシー会社を働かすという、そういう意味ではなしに、交通事故絶滅のためのいわゆる労務管理、そこにもっと今度の値上げが、重点が置かれてしかるべきだと思う。それで、いまの局長の話ですと、毎月報告書が出るようなお話ですけれども、もしそれが出て、きちっと労務管理のほうにはね返ってくるような方向に向いていないような業者が出た場合に、厳重な行政指導をやるのかどうか、その点はどうですか。
#106
○政府委員(黒住忠行君) 今回の運賃改定につきましては、従来とは非常に変わりまして、事前に確認書の交換、それから労働省におきますところの就業規則等の確認、そしてまた実施状態の監査というふうなものをやりまして処置したわけでございまして、それらにつきましては、労働条件の改善ということを財源的に取り上げておりますのは、いまのような措置をとったということで明らかであると思います。で、今後の状況につきましては、労働省と運輸省がこの方面の点については十分監督をする。お互いに監督いたしました、あるいは監査いたしました内容を交換し合いまして、運輸行政と労働行政というものを密接にこれを実施していくということで申し合わせもいたしたような次第でございます。したがいまして、今後はこの運賃改定に伴いますもろもろの関係、別して、労働改善の状況等は、お互いに十分監査いたしましてぜひ対処をしていきたいと、かように考えております。
#107
○説明員(大坪健一郎君) ただいま黒住自動車局長がお答えになりましたとおりでございまして、元来、労働基準法によりまして労働時間等がきびしく定められておるわけでございますが、タクシー業は、御承知のように、一台の車を二・四人で運転するたてまえになっておりまして、一人の方が昼夜運転をなさるという慣行がございます。したがいまして、どうしても労働条件が悪くなる。あるいは労働条件をそういう形できめた上で、しかも水揚げが多くなればなるほど運転者にたくさんの賃金が還元されるというような、累進歩合のシステムというようなことを従来とっております。今回の料金改定のときに際しましては、そのような累進歩合制は、一切刺激的な累進歩合制はやめていただいたわけでございます。今後は、いま局長も申されましたように、私どもが労働基準法に基づきますタクシー業の監督いたしました場合、あるいは運輸省のほうで業務上の監査をなさいました場合、お互いに情報を直ちに交換をいたしまして、問題があれば措置をいたすという方針に合意を見ておるわけであります。
 以上、簡単でございますが……。
#108
○田渕哲也君 この間衆議院の予算委員会で、山中総理府の長官が、交通災害を昭和五十年には半減させるということを言われましたけれども、きょうは大臣がお見えにならないので調査室長にお伺いしたいと思いますが、これは単にアドバルーンをあげても、お題目を唱えても、交通事故の半減ということは簡単には実現できないと思います。問題は、五十年に半減するならば、それに対応する具体的なやっぱり対策が必要だろうと思いますが、この点について、調査室長のほうからそういうものがあればお伺いしたいと思います。
#109
○政府委員(平川幸藏君) 総務長官の言明されました内容につきまして、補足して御説明申し上げますと、長官が申されましたのは、実は交通事故の中で、交通事故全体の件数は確かに毎年相当な率でふえております。昨年は死者におきまして一四%の率でふえています。それから負傷者については一六%の率、こういうことでふえておりますが、特にその中で半減をいたしたいという希望と申しますか、願望を持っておりますのは、歩行者事故につきましてでございます。一例といたしまして、一九三六年から一九五五年の約二十年間におきまして、アメリカにおいては歩行者事故が一万五千から七千名に減っております。この過去の例を範囲といたしまして、わが国におきましても、そういった線に沿って、特に歩行者事故は交通事故の犠牲者の一番重要な問題でございますので、ここに重点を置きましてひとつ努力いたしたいと、こういうことを表明されたわけであります。御指摘のとおり、問題は交通事故に対する対策の問題でございます。
 現状を申し上げますと、交通事故の原因が多岐にわたっておると同じように、対策も実は各省にわたっております。したがいまして、各省相互間の調整連絡ということが一番大きな重要な問題になっております。現在閣議の決定によりまして、昭和三十五年に交通対策本部という意思決定機関が設けられております。これは関係省庁が全部含まれておりまして、ここで交通の安全につきましては基本的に政策を決定していくという機構になっております。で、基本的には、昭和四十年に交通事故防止に対する緊急対策というものを交通対策本部で決定しております。これは第一の柱といたしまして、交通安全の施設の充実、第二に、交通安全思想の普及徹底、それから第三に、交通秩序の確立、第四に、被害者救済対策、この四つの柱を掲げまして、政府はこの線に沿って予算なり対策を講じてきておりますが、さらに十分ではございませんので、実はそういう社会的な条件を背景にいたしまして、政府といたしましては、交通安全対策基本法を実は準備しておるわけであります。この交通安全対策基本法におきまして、従来までの対策なり事故の実態なりを洗い直しまして、第一歩からひとつスタートいたしたい、こういうように基本的には考えておる次第でございます。
#110
○田渕哲也君 ただいまのお話ですと、事故の半減の目標というのは歩行者についてということですが、この歩行者の事故を減らす一番有力な方法というのは、やっぱり歩行者と車と分けることではないかと思います。これはすでに交通安全調査室のリポートからも、もし歩道率が一〇〇%になるならば、事故はゼロに近くなるというようなことも発表されておりますけれども、そうしますと、これを実現するためには、やっぱり交通安全施設の予算の、やっぱり歩道とか横断歩道橋に対しての予算をうんとふやさなければならない。少なくとも五十年半減ということになれば、年率一〇%強で減らしていかなければならないわけです。ところが、昨年を見ても、すでに一四%余りふえております、歩行者事故が。昨年は交通安全施設で、いわゆる第二次三カ年計画の初年度で、かなり多額の投資をしたといわれておりますが、それでもなおかつ一四%ふえておるわけです。ことしの予算は昨年よりまだ減っておるわけですね。これではたして四十五年で一〇%歩行者の事故を減らせるかどうか、これはほとんど不可能と思うのですが、この点いかがですか。
#111
○政府委員(蓑輪健二郎君) 交通安全施設につきましては、これは御承知のように、四十四年から二度目の三カ年計画で総額七百五十億、そのほかに地方単独事業六百数十億を入れまして実施するわけであります。その中で歩道、横断歩道橋を最重点として実施したいということで、いろいろ計画をつくっておるわけでございまして、昨年より減っておるということでございますが、三カ年の国が負担または補助する事業として七百五十億、これのちょうど三分の一の二百五十億ということにしたわけでございまして、去年が二百五十六億その分が多少減っておる状態でございます。ただ歩道につきましては、昨年、四十四年ではそのうちの百五十五億七千八百万を歩道に回しまして、ことしは百六十七億三千七百万円ということで歩道はふやす予定にしております。ただ全体に見ますと、私たち交通安全の施設につきましては、やはり道路環境の整備ということになりますと、何しろ交通安全施設三カ年計画にない一般道路の改良、これが非常に大きなウエートを占めておるのではないか。たとえばある町でバイパスをすれば交通はそっちに流れて現場は非常に楽になるというような全体の道路整備の中で、交通安全施設のこの計画の機会に、新設開始をする場合に、歩道、そういうものを重点的に整備していくというような考えで道路整備を進めていきたいと考えております。
#112
○田渕哲也君 いままでは歩道、横断歩道橋、一つの例ですけれども、私は事故半減ということをほんとうにやられるという目標であるならば、もっと一つ一つの原因を探究して、それに見合っただけの予算措置も必要であろうし、対策が必要ではないかと思うのです、現状を見ると。この予算の面については大体前年度何%増とかいうようなことで、漸増はしておりますけれども、とても事故半減するようなものではないんじゃないか。したがって、大臣の言われた目標と実際のこの予算というものは非常に大きな矛盾があると感じるわけです。この歩道の面一つとって見ても、確かに増額の方向にきておりますけれども、調査室が出された方程式によってもはたして半減するだろうか、絶対計数が合わないわけです。その辺どうですか。
#113
○政府委員(蓑輪健二郎君) まず、歩行者の死亡事故を少なくするというためには、これは先ほどお話ありました車道と歩道を区別する、これは第一だと思います。いろいろ外国の資料その他を見ますと、やはりアメリカのように非常に道路網が整備されておる、高速道路、そういう整備されておるところの事故の形態を見ますと、やはり自動車同士の事故が圧倒的に多くて、全体の死傷者の中で一九六七年のうちで見ますと、アメリカでは歩行者、自転車の死亡者の割合が一九%というようになっておるわけです。これが日本の一九六七年を見ますとやはり全体の死亡事故のうち四七%が歩行者、自転車になっておる。こういうような例を見ましても、やはり道路の整備というもの、全体の交通事情に合った車道、歩道を区別した道路をつくるということをやっていかなければ、私はなかなか歩行者の事故は減らないと思います。そういう意味で四十五年から五カ年計画も改訂いたしまして道路整備というものをもう少し積極的に進めて、交通事情に合ったような道路整備をするということと、その整備の際にはやはり歩道と車道をはっきり区別するように道路構造令を直しまして、今後歩道と車道の区別をするような道路の整備を進めていきたい。そういうことで交通事情に合った道路網の整備ということをいたしますれば、全体の死亡者の中の歩行者の割合はもっといまより減らせるというように確信しております。
#114
○田渕哲也君 全体の道路整備との関連は確かにあると思います。ただ全体の需要に見合った道路整備といいましても、現在の状況はすでに需要からははるかにおくれた状態ではないか、道路整備の状況は。それに今後自動車保有台数の伸びを考えますと、四十年度から発足した新しい五カ年計画、道路整備五カ年計画によってもそれほど楽観はできないのじゃないかという気がします。したがって、私はいまの御答弁総合的に聞きましても、大臣の言われに五十年半減というスローガンと実際にやっておることとあまりにもかけ離れが大きいのではないか、またはっきりしたこの裏付けというものがないのじゃないかという気がいたしますが、これ大臣が言われていますぐ整っていないかもわかりませんけれども、早急にこの大臣の方針に従って具体的な一つ一つの実施内容についての方針をつくっていただきたい。以上要望したいと思います。
 それから次に、総理府関係でお聞きしたいのは、交通遺児の救済のために交通遺児育英会ですか、これ去年ですか、できたのですが、その後の資金の集まり状況、あるいはその利用度、そのほかこれの問題点があれば報告していただきたいと思います。
#115
○説明員(占部英雄君) ただいま御質問のございました財団法人交通遺児育英会でございますが、主として高等学校の生徒で交通遺児である者に奨学金を貸与するという事業を行なうものでございますが、初年度、昭和四十四年度は、私の記憶でございますと約六百名くらいの、すでに財団ができたときに在学しておる高校生の交通遺児に資金を貸与しております。それから、この制度ができましたために高等学校に行きやすくなった、したがって、来年度から高等学校に入学するという交通遺児は非常にふえておるという報告を受けておりまして、その数は約千二百名が来年新入学したい、その際には月額五千円の奨学資金を借り受けたい、こういう申し出をしているということでございます。その財源といたしましては、財団設立の当初は年間、高等学校については三千人くらい、一学年、二学年、三学年合わせまして三千人くらいを対象に貸し付け事業を行ないたいというふうな寄付行為並びに事業計画でございまして、総理府のほうで文部省とこの認可をいたしましたときの資金計画といたしましては、資料を持っておりませんので私の記憶によりますと、約三十億円の基本財産が必要である、この三十億の基本財産がございますとその果実によりまして、将来年々の収入は見込まないでも、将来ずっとこの貸し付け額が維持できる。それから大学生につきましても、高等学校ほどではございませんが、約二百名くらいについては大学生にもかなりの資金を貸し付けできる、こういう計画になっております。現在その三十億の集まり状況につきましては、ちょっと手元に資料ございませんが、すでに財団のほうから一般新聞等に発表しておる数字でございますが、自動車メーカーの関係、具体的には自動車工業会を通じてでございますが、そこから十億円の寄付が決定しておるということでございます。なお、残りの二十億円については、これを一般財界、それから零細資金ではございますけれども、一般の篤志家の寄付によりまして、現在、財団のほうでこれを鋭意努力して集めております。それから国のほうからの助成金といたしましては、昭和四十四年度に二千万円の補助金を交付いたします。それから来年度におきましても同額を予算上予定しております。
 以上でございます。
#116
○田渕哲也君 それでは次に、被災者救済の面で自賠責保険について運輸省にお聞きしたいのですが、これは四十三年度で一千七百億円の契約ベースの赤字ということが言われておりますが、これは現在ではどのくらいの赤字になっておりますか。
#117
○政府委員(黒住忠行君) 昭和四十四年度末におきまして、収入千四百四十五億に対して支出二千八百十七億、これを加えまして推定いたしまして累積赤字は三千八十六億円と見込まれます。
#118
○田渕哲也君 去年の十一月に保険料を改定して約二倍近く上げておるわけですが、この倍近く保険料を上げてもこの赤字は解消できないわけですか。
#119
○政府委員(黒住忠行君) 大蔵省の推定によりますと、昨年十一月の料率改定による契約ベースで見ました場合の昭和四十四年度の収入は二千二十六億円で支出は三千三百三十二億円、差引千三百六億円の赤字でございますが、改定前に対しまして赤字は六十七億円減少をしているというふうになっております。
#120
○田渕哲也君 もし現在の保険料率のまま推移するとさらに赤字は累積するんじゃないかと思いますが、そうすると、やはり保険料の再引き上げということが必至になろうと思いますが、この辺の見通しはどうですか。
#121
○政府委員(黒住忠行君) 昨年の保険審議会が開かれました場合におきまして赤字の推定をいたしまして、最初二・七二倍改定をしなければいけないという数字が出たわけでございますが、赤字の償却を二ないし四年間で予定いたしておりましたものをさらに延ばしまして十年間に延長するということ、それから収支の是正というものが九五%見込まれておりましたが、これにつきましては、医療費の適正化その他制度の改善というものを見込みましてこれは半減にするというふうなことで、さらに医療費の適正化というようなものをかえまして約二倍の改定を実施したわけでございます。これは二・五倍をこえますものについては一年間二・五倍でとどめるというふうな措置をいたしたわけでございまして、さような措置をいたしましたのでございますが、ただいま申し上げましたような医療費の適正化その他の制度の改善ということを見込まなければならないということでございます。したがいまして、この制度の根本的改善につきましていま取り組んでいる次第でございますが、われわれとしましては積極的に制度の改善をいたしまして、その結果、改定後の収支の状態がどうなるかというふうなことを検討いたしまして将来の料率改定ということに取り組む順序でございますので、とりあえず、まず制度の改善ということに作業を進めていきたいというふうに考えております。
#122
○田渕哲也君 制度の改善につきましては、今度の国会に改正案が提出されると思いますけれども、その改正案の内容を見ますと、去年の十月七日の保険審議会の答申に比べましても、非常にわずかな部分しか改正はされていない。特に一番大きな保険制度の矛盾点である医療費支払いの適正化、これについてはあまり適切な改正がなされていないのじゃないかという気がします。
 それからもう一点は、保険料負担の公平という見地からメリット・デメリット制の導入ということで若干は改善されておりますけれども、基本的にはまだ問題が残っているのじゃないか。これは免許証保険の問題もからむわけでございますが、この医療費支払いの適正化の問題と免許証も含めたメリット・デメリット制の問題について今後どうされるつもりかお伺いしたいと思います。
#123
○政府委員(黒住忠行君) 昨年の十月七日の保険審議会の答申では、制度の改善につきまして約九項目につきまして指摘をされております。それでこの中では、いわゆる運用によって処理できるものもございましてそれらは運用によって実施する。それから法律改正を要する事項もございまして、今回国会に提案いたしました法律案におきましては、とりあえず実施可能な項目につきまして御審議を願うようにいたした次第でございます。
 御指摘のように、医療費の適正化の問題というものは非常に重要な問題でございますから、これにつきましては関係各省で、また関係機関等とも打ち合わせいたしまして、すみやかに結論を出すようにいたしたい。その暫定的な措置といたしましては、算定会にこの関係の調査室を設けまして医師会方面との折衝を開始いたしておりますと同時に、医療費の支払いの内容的な問題につきまして現在調査をいたしております。運輸省といたしましては、近くこの明細書の添付の奨励方につきまして省令を出す予定にいたしております。
 なお、根本的にはすみやかに関係省で取り組みまして結論を得たい。
 それから次に、メリット・デメリット制の問題でございますが、フリート契約の問題につきましては運用でもって実施をしたい。個別的な契約の場合におきましては運転者保険というものと総合的に検討いたしたい。われわれといたしましては、主たる要素をこの保険に導入する法律的な方法というものをこれからすみやかに検討をして結論を出したいと思っております。
 それからメリット制、デメリット制の中におきまして、自動復元の問題というものもその一環でございますが、死亡に至りました場合におきましては、事故後の保険期間に相当いたします保険料を追加保険料として追徴をするというふうな方法でもって実質的に自動復元制度の廃止という方向にいきたいと思っております。われわれといたしましては、この制度は被害者保護の制度でございますので、その原則を確立しつついま御指摘のような最も重要な医療の適正化の問題、それからドライバー保険を中心といたしますメリット制導入の問題について根本的にすみやかに取り上げて結論を出すようにいたしたいと思っております。
#124
○田渕哲也君 医療費支払いの適正化についてですが、明細書の添付の奨励ぐらいでこれが実現できるかどうか疑問だと思うんです。将来はやはり法的に何らかの法改正をしてそれをきちんときめておく必要があるのじゃないかと思いますが、そういうお考えを持っておられるかどうか。
#125
○政府委員(黒住忠行君) とりあえず基本的な問題が解決いたしますまでの暫定的な措置として明細書の添付ということを考えておる次第でございまして、基本的には現在医療の関係は自由診療制度になっております。したがいまして、健康保険の制度あるいはそれにプラスアルファする方法、それから労災保険のような診療の制度の問題をどういうふうにするかということがございまして、要するに、自賠法の現在の自由診療の制度に対して自賠法独特の診療制度というものを制度化しなければならない。それには法律の制定を要するというふうに思っておりまして、それらの問題といたしまして検討をすでにやっておりますけれども、すみやかに結論を出すように努力をいたしたいというふうに考えております。
#126
○田渕哲也君 最後にもう一点だけお伺いしたいのですが、これは排気ガスの問題です。排気ガスの公害問題が非常にやかましくなっております。これは公害委員会でも扱われる問題だと思いますけれども、自動車から出ておるということで、交通安全にも関係があろうかと思いますのでお伺いしたいのですが、これは厚生省にまずお伺いします。自動車から出るガスの中で有害と思われるものが、おもなものは一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、鉛というふうにあるわけですが、それぞれのガスについて具体的に現在どの程度の被害が発生して、もし具体例があればお示しいただきたいと思います。
#127
○説明員(橋本道夫君) いま御質問のございました具体的な被害例という点になりますと、これは非常にむずかしい問題でございまして、私どもは現在の汚染の水準という観点から一応判断をいたしておるところでございますが、一酸化炭素につきましては、大体アメリカの中等度汚染都市ぐらいの程度のものになっております。これにつきましては、むしろ非常に短い時間のことでございますので、一部の沿道住民の方で普通よりも少し一酸化炭素が激しくなっている、高くなるという事実はつかまえておりますが、中毒というものではございません。ただ、そういうことは好ましくないので、環境基準では二ないし三%程度以下に押えるという考え方でやっております。それから炭化水素とか、あるいは窒素酸化物、鉛という点につきましてはデータが比較的乏しゅうございますが、原始的には植物被害としてはこれは私どもは専門家の目から見ればあるということを指摘されておりますが、入間の被害の点につきましてはその面からこれの影響によるものだということを明らかにできる程度のものは現在のところは私どもはつかまえておりません。住民の苦情がいろいろございますが、それと汚染とを結びつけるということは非常に難点がございまして、むしろ住民の苦情は排気ガスも、音も、振動も、あるいはテレビの受像障害もすべてを合わせて非常に苦情が高い。その苦情はもっともなものだと思いますが、排気ガスとストレートに結びつけるということのできるものは目の刺激というようなことがときに起こるということにつきましては、これは関係があろうかと思いますが、その他の点につきましては私はストレートにその影響とは思っておりません。それから最後の鉛の問題でございますが、鉛の問題は私どもの判断ではアメリカよりも日本の鉛のほうが低いというふうに判断をいたしておりまして、鉛による影響が現在あるというような資料は一切持ちあわせておりません。
#128
○田渕哲也君 一酸化炭素については環境基準もできまして、それから自動車に対する規制もかなりのものが整備されているわけですが、ほかのものについてはいまのところはっきりしたそういう基準もないように思います。アメリカではニクソン大統領の公害教書に基づいて一酸化炭素、それから窒素酸化物、こういうものに対する規制の強化という方法は考えられておりますけれども、日本において今後こういう問題について基準を設定したり、一つのやはり規制をするという方針はあるわけですか。
#129
○説明員(橋本道夫君) いまの御指摘のありました環境基準につきましては一酸化炭素はきめておりますが、アメリカはまだ環境基準もなかなかきまらないという段階でございまして、環境基準のほうでは日本が一歩先にいっているというのが実情でございます。そのほかのものにつきましては順次一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物あるいは鉛というものをきめていこうと思っておりますが、鉛等につきましては、労働衛生の基準に対しまして大体三十分の一ないし百分の一というセーフティをかけながら、私ども基準がきまるまでの間一応その判断の尺度をもっておりますが、これはいずれこの一、二年のうちにはきまるものだというふうに思いまして、現在専門委員会での検討が行なわれている段階でございます。一酸化炭素、窒素酸化物の問題につきましては、これは両方に関係がございますので、この点につきましては、非常に環境基準をつくるということはむずかしい問題点がいろいろございますが、この点につきましては生活環境審議会の中で、本年の末ごろまでには両方合わせて検討を、専門の委員会を設けて進めるということでございまして、基準としての割り切りをするのにかなりかかるのではないかと思っております。
#130
○田渕哲也君 次に、通産省にお伺いしたいのですが、いずれこの排気ガスの問題は、だんだん世論としてもクローズアップされてこようかと思います。それから日本の国内の公害除去という見地から考えることは当然でありますけれども、一方、産業政策的に考えても、アメリカでだんだんこういう基準がきびしくなってくれば、自動車を輸出する上において、やはりもっと研究を進めなければならないし、現在のメーカーの排気ガスの公害除去についての取り組み方といいますか、あるいはこれに対する研究の投資の問題とか、その辺について調査されたことがありますか。
#131
○説明員(大永勇作君) 御指摘のように、自動車排出ガスに対する公害問題は、だんだん深刻化してまいりますので、自動車業界におきましても、公害対策研究は年々強化されてまいっております。個々の企業におきましては、製造の車種に応じましてエンジンの改善でございますとか、あるいは各種浄化装置の開発、それから最近の時点におきましては電子制御の応用といったような、いろいろな技術開発を行なっておりまして、将来の規制に適合し得るように研究開発を進めております。研究費の面では、われわれのほうで調査をいたしておりますが、公害関係の研究費はこれは自動車メーカーだけでございますが、四十四年度約四十八億円でございましたが、四十五年度におきましては六十四億円程度見込んでおります。そのほか業界が共同で行なう研究機関といたしまして日本自動車研究所というのがございますが、この予算につきましても業界の支出は増加してまいっているような次第でございます。
#132
○田渕哲也君 この面の技術開発とか研究について、日本はかなりおくれているのじゃないかと思いますが、たとえばアメリカなんかの研究に比べてどの程度なんですか、かなりおくれているわけですか。
#133
○説明員(大永勇作君) 御指摘のように、まだ全般的に見ればおくれているという面がかなりあるかと思います。そういう点もございますので、今回通産省におきましては、産業構造審議会の中に自動車公害対策小委員会というものを設けまして、将来の研究開発の目標等につきまして現在審議を行なっており、早急に結論を得たいというふうに考えている次第です。
#134
○田渕哲也君 それから重要なのは、共同研究の問題だと思いますが、これはなかなか実際問題として言うべくして行ないがたい問題ではないかと思います。やはり各社の秘密ということもありますし。問題はしかしそのおくれを取り戻すには、こういう安全、公害の問題こそ共同研究に力を入れるべきであるし、また共同研究の場合の国の助成措置というものを強化すべきではないかと思いますが、この点について、もし今後の構想としてあればお伺いしたいと思います。
#135
○説明員(大永勇作君) 先ほど申しましたシャシー・メーカーによりますところの日本自動車研究所に対しましては、機械工業振興資金から年々補助いたしておりまして、今後も継続して補助をするようにいたしてまいりたいと、こういうふうに考えます。それから同時に公害問題の研究開発につきましては、完成車メーカーだけではなくて、部品メーカーサイドにおきますところの研究開発もきわめて重要でございますので、四十五年度におきましては新たに自動車部品の公害についての共同研究所を設けます場合に、国産技術振興資金の中から開銀融資を行なうという制度を新たに四十五年度から設けることになった次第でございます。そういったシャシー・メーカーそれから部品メーカー全体を通じまして、共同研究に対する助成につきましては今後とも拡充してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#136
○田渕哲也君 以上で終わります。
#137
○委員長(瀬谷英行君) 本件に対する質疑はこの程度といたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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