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1970/04/27 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
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1970/04/27 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 交通安全対策特別委員会 第4号

#1
第063回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
昭和四十五年四月二十七日(月曜日)
   午後二時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     渡辺一太郎君     玉置 猛夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         瀬谷 英行君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                二木 謙吾君
                千葉千代世君
                沢田  実君
    委 員
                木村 睦男君
                石原幹市郎君
                岡本  悟君
                吉武 恵市君
                玉置 猛夫君
                小柳  勇君
                永岡 光治君
                吉田忠三郎君
                原田  立君
   国務大臣
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房陸上交通安全
       調査室長     平川 幸藏君
       警察庁交通局長  久保 卓也君
       防衛施設庁施設
       部長       鶴崎  敏君
       通商産業省重工
       業局長      赤澤 璋一君
       運輸省自動車局
       業務部長     見坊 力男君
       海上保安庁次長  林  陽一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       運輸省船舶局首
       席船舶検査官   高田  健君
       運輸省港湾局計
       画課長      大久保喜市君
       運輸省自動車局
       整備部長     隅田  豊君
       運輸省航空局技
       術部長      金井  洋君
       労働省労働基準
       局監督課長    大坪健一郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策基本法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(瀬谷英行君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る四月二十五日、渡辺一太郎君が委員を辞任され、その補欠として玉置猛夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(瀬谷英行君) 交通安全対策基本法案を議題といたします。
 政府から提案理由の説明を聴取いたします。山中総理府総務長官。
#4
○国務大臣(山中貞則君) ただいま議題となりました交通安全対策基本法案につき、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
 近年におけるわが国の経済の著しい発展に伴い、自動車交通は急激な伸展を遂げておりますが、これとともに、道路における交通事故も逐年増加の一途をたどり、昨年一年間における道路交通事故による死傷者数は九十八万人を上回るというまことに憂慮すべき事態に立ち至っているのであります。またも鉄道及び軌道における交通事故並びに船舶及び航空機による交通事故は、幸いに必ずしも増加する傾向にはありませんが、一たび事故が発生した場合には、多数の死傷者を生ずるという重大な結果をもたらすものであり、その防止は、道路における交通事故の防止と同じく一刻もゆるがせにすることのできない問題であります。
 このような情勢に対処して、政府は、交通安全対策を最重点施策の一つとして取り上げ、諸般の施策を積極的に推進しているところでありますが、今後も予想される道路における交通事故の増加を抑制するとともに、船舶、航空機等による重大事故を防止するためには、総合的な交通安全対策をより強力に推進するとともに、国民のすべてがそれぞれの立場において、国及び地方公共団体の施策に協力するといういわゆる国民総ぐるみの体制の確立をはかることが、何よりも必要であると考えられるのであります。
 このような見地から、交通の安全に関し、国及び地方公共団体、車両、船舶及び航空機の使用者、車両の運転者、船員及び航空機乗り組み員等の責務を明らかにするとともに、国及び地方公共団体を通じて必要な体制を確立し、並びに交通安全計画の策定その他国及び地方公共団体の施策の基本を定めることにより、交通安全対策の総合的かつ計画的な推進をはかることを目的として、ここに交通安全対策基本法案を提案することといたした次第であります。
 次に、この法律案のおもな内容について、その概要を御説明いたします。
 第一に、交通の安全に関する国、地方公共団体、交通施設の設置者、車両、船舶または航空機の製造事業者及び使用者、車両の運転者、船員及び航空機乗り組み員、一般住民等の責務を明らかにするとともに、交通の安全に関する施策の実施に必要な財政措置等について規定いたしております。
 第二に、総理府に内閣総理大臣、関係行政機関の長等をもつて構成する中央交通安全対策会議を、都道府県に都道府県知事、関係地方行政機関の長等をもって構成する都道府県交通安全対策会議を置く等、国及び地方公共団体における交通の安全を推進する組織を整備することといたしております。
 第三に、国及び地方公共団体は、交通の安全に関する基本的な計画及びその実施のための計画を策定し、これらの計画の実施を推進することといたしております。
 第四に、国は、交通環境の整備、交通安全思想の普及、車両、船舶または航空機の安全な運転または運航の確保、気象情報等の迅速な収集及び周知、車両、船舶または航空機の安全性の確保、交通秩序の維持、救急医療の充実、海難救助の充実、損害賠償の適正化、交通の安全に関する科学技術の振興等をはかるため、必要な措置を講ずることといたしております。また、地方公共団体は、右に述べました国の施策に準ずる施策を講ずることといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(瀬谷英行君) 次に、補足説明を聴取いたします。平川陸上交通安全調査室長。
#6
○政府委員(平川幸藏君) 交通安全対策基本法案につきまして、補足して逐条的に御説明いたします。
 第一章は、この法律の総則を規定したものであります。
 第一条は、この法律の目的を定めたものであります。すなわち、この法律は、陸上交通、海上交通及び航空交通の安全に関し、国及び地方公共団体、車両、船舶及び航空機の使用者、車両の運転者、船員及び航空機乗り組み員等の責務を明らかにするとともに、国及び地方公共団体を通じて必要な体制を確立し、並びに交通安全計画の策定その他国及び地方公共団体の施策の基本を定めることにより、交通安全対策の総合的かつ計画的な推進をはかることを目的としております。
 第二条は、この法律に使用されております用語の定義を定めたものであります。第五号は、陸上交通について定めておりまして、陸上交通とは、道路または一般交通の用に供する鉄道もしくは軌道による交通をいうものとしております。第六号は、海上交通について定めておりまして、海上交通とは、船舶による交通をいうものとしております。第七号は、航空交通について定めておりまして、航空交通とは、航空機による交通をいうものとしております。
 以上のほか、本条におきましては、道路、車両、船舶、航空機、船員、航空機乗組員、指定行政機関及び指定地方行政機関の定義を定めております。
 なお、第六条以下に「車両等」という用語が用いられておりますが、車両等とは、同条の規定により、車両、船舶または航空機をいうものとされております。
 第三条は、国の責務を定めたものでありまして、国は、交通の安全に関する総合的施策を策定し、及びこれを実施する責務を有するものとしております。
 第四条は、地方公共団体の責務を定めたものでありまして、地方公共団体は、その区域における交通の安全に関し、国の施策に準じて施策を講ずるとともに、その区域の実情に応じた施策を策定し、及びこれを実施する責務を有するものとしております。
 第五条から第十条までは、道路、鉄道、港湾施設、飛行場等の設置者、車両等の製造事業者及び使用者、車両等の運転または運航に従事する者、歩行者、住民等の責務を定めたものでありまして、これらの者は、それぞれ必要な措置を講ずる等交通の安全を確保し、または交通の安全に寄与するようつとめなければならないこととしております。
 第十一条は、施策における交通安全のための配慮について定めたものでありまして、国及び地方公共団体は、その施策が一体として交通の安全に寄与することとなるように配慮しなければならないこととしております。
 第十二条は、政府の財政措置等について定めたものでありまして、政府は、交通の安全に関する施策の実施に必要な財政上または金融上の措置等を講じなければならないこととしております。
 第十三条は、国会に対する報告について定めたものでありまして、政府は、毎年国会に交通事故の状況、交通の安全に関する施策にかかわる計画及び交通の安全に関して講じた施策の概況を報告しなければならないこととしております。
 第二章は、交通の安全に関する組織について規定したものであります。
 第十四条及び第十五条は、中央交通安全対策会議について定めたものでありまして、総理府に、付属機関として、内閣総理大臣を会長とし、指定行政機関の長等を委員とする中央交通安全対策会議を置き、これに交通安全基本計画の作成及びその実施の推進、交通の安全に関する総合的な施策の企画に関する審議等の事務を所掌させることとしております。なお、中央交通安全対策会議には専門の事項を調査させるため、専門委員を置くことができることとしております。
 第十六条及び第十七条は、都道府県交通安全対策会議について定めたものでありまして、都道府県に、都道府県知事を会長とし、指定地方行政機関の長、都道府県の職員等を委員とする都道府県交通安全対策会議を置き、これに都道府県の区域における陸上交通の安全に関し、都道府県交通安全計画の作成及びその実施の推進、都道府県並びに関係指定地方行政機関及び関係市町村相互間の連絡調整等の事務を所掌させることとしております。なお、都道府県交通安全対策会議には、特別の事項を審議させるため、特別委員を置くことができることとしております。
 第十八条は、市町村交通安全対策会議について定めたものでありまして、市町村は、市町村交通安全計画を作成し、及びその実施を推進させるため、都道府県交通安全対策会議の設置の例に準じて、市町村交通安全対策会議を置くことができることとしております。
 第十九条及び第二十条は、交通安全対策会議の関係行政機関等に対する協力要求及び交通安全対策会議相互の関係について定めたものであります。
 第二十一条は、都道府県交通安全連絡協議会について定めたものでありまして、都道府県は、その区域における海上交通または航空交通の安全に関し、関係地方行政機関との連絡及び協議を行なうため、都道府県交通安全連絡協議会を置くことができることとしております。
 第三章は、交通の安全に関する施策にかかる計画について規定したものであります。
 第二十二条は、交通安全基本計画の作成について定めたものでありまして、中央交通安全対策会議は、交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等について定める交通安全基本計画を作成しなければならないこととしております。
 第二十三条は、交通安全基本計画に関する内閣総理大臣の勧告等について定めたものでありまして、内閣総理大臣は、指定行政機関の長に対し、交通安全基本計画の実施に関し、勧告等をすることができることとしております。
 第二十四条は、交通安全業務計画の作成について定めたものでありまして、指定行政機関の長は、交通安全基本計画に基づき、毎年度交通の安全に関し、その行政機関が講ずべき施策等について定める交通安全業務計画を作成しなければならないこととしております。
 第二十五条は、都道府県交通安全計画及び都道府県交通安全実施計画の作成について定めたものでありまして、都道府県交通安全対策会議は、交通安全基本計画に基づき、都道府県の区域における陸上交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等について定める都道府県交通安全計画を作成しなければならないこととするとともに、毎年度その実施のための都道府県交通安全実施計画を作成しなければならないこととしております。
 第二十六条は、市町村交通安全計画及び市町村交通安全実施計画の作成について定めたものでありまして、市町村交通安全対策会議またはこれを置かない市町村の長は、都道府県交通安全計画に基づき、市町村の区域における陸上交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱等について定める市町村交通安全計画を作成しなければならないこととするとともに、市町村長は、必要があると認めるときは、その実施のための市町村交通安全実施計画を作成しなければならないこととしております。
 第二十七条及び第二十八条は、交通安全計画に関する地方公共団体の長の要請等について定めたものでありまして、地方公共団体の長は、都道府県交通安全計画または市町村交通安全計画の的確かつ円滑な実施をはかるため、関係指定地方行政機関の長、関係地方公共団体の長等に対し、必要な要請等をすることができることとするとともに、地方公共団体の区域における海上交通または航空交通の安全に関し必要があるときは、交通安全基本計画または交通安全業務計画の作成または実施に関し、中央交通安全対策会議及び関係指定行政機関の長に対し、必要な要請をすることができることとしております。
 第四章は、交通の安全に関する基本的施策について規定したものでありまして、第一節では国の施策について、第二節では地方公共団体の施策について定めております。
 第二十九条から第三十六条までは、それぞれ国の施策を列挙したものでありまして、国は、交通環境の整備、交通の安全に関する知識及び思想の普及、交通の安全に関する民間の健全かつ自主的な組織活動の促進、車両等の安全な運転または運航の確保、気象情報等の迅速な収集及び周知、車両等の安全性の確保、交通秩序の維持、交通事故による負傷者に対する医療等の充実、海難救助の充実、交通事故による被害者に対する損害賠償の適正化、交通の安全に関する科学技術の振興並びに交通事故の原因の科学的究明をはかるため、必要な措置を講ずるものとしております。
 第三十七条は、国が交通の安全に関する施策を実施する場合の配慮について定めたものでありまして、国は、第二十九条から第三十六条までに規定する措置を講ずるにあたっては、国民の生活を不当に侵害することとならないように配慮するものとしております。
 第三十八条は、地方公共団体の施策について定めたものでありまして、地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて、第一節に規定する国の施策に準ずる施策を講ずるものとしております。
 第五章は、第三十九条一条でありますが、同条は、この法律の適用については、特別区は市とみなすことを定めたものであります。
 附則第一項は、この法律の施行期日を定めたものでありまして、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 附則第二項は、中央交通安全対策会議の設置に伴い、総理府設置法について所要の改正を行なうことを定めております。
 以上が、交通安全対策基本法案のおもな内容であります。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
#7
○委員長(瀬谷英行君) これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○小柳勇君 私は、ただいま提案されました交通安全対策基本法案について質問いたします。
 まず、総論的なもの、それから具体的な各論、それから逐条的に若干問題がありますから、逐条的な質問をいたしますが、本日は、総論的なものから質問していきたいと思います。なお、各省庁関係者に御出席をいただきましたが、総理府総務長官は担当長官でありますから、終始そのままお願いいたしますが、順序は、警察庁、防衛施設庁、通産省、運輸省、海上保安庁、労働省、こういう順序であと各論を質問いたします。質問が終わりましたら、みな忙しいでしょうから、委員長の許可をもらって退席してください。
 まず、総理府総務長官に質問いたしますが、現在、この交通戦争と言われる交通事故をなくするために、わが党もここ数年来、交通安全基本法なるものを対案を持って、政府に交通事故の絶滅を期すべく迫ってまいりました。幸いわが党の考えを政府でも取り上げて、ここに交通安全対策基本法というものが出たのでありますが、交通戦争はいま始まったものではなくて、ここ数年来特に叫ばれ、しかも、昨今一年間の死傷者数は百万人になんなんとする。したがって、これから先の交通安全対策につきましては、ここに基本法が提案されましたが、今日まで交通事故をなくすために、政府としてどのような施策をとってこられたか、御説明を願います。
#9
○国務大臣(山中貞則君) 今日までの施策と言われますと、相当長期間の施策かと思うのでありますが、私、就任をいたしましてからは、私の所管上の重点項目の第一に取り上げまして、交通対策本部を招集いたしまして、百万以上都市の一方通行、八十万以上都市の右折禁止、いずれも幹線についてであります。さらに人口二十万以上並びに通過車両の多いと見られる都道府県の県庁所在地等の市街地における裏通りの細街路、ことに通学児童、買物客の多い商店街、通過車両が入り込みやすい小さい道路の時間帯による規制あるいは通行禁止、大型車両の通行禁止あるいは減速、十キロ程度の低速運転等々の問題を決定をいたしまして、第一回の出発といたしました。
 それから引き続きまして、交対本部の本部長指示ということによりまして、全国の小学校区単位に、それぞれの地域の住民の協力をいただきまして、祭日及び日曜等の子供たちが学校に行かない日につきましては、一定の路線を、距離その他を定めまして、その道路を子供たちの遊び場に開放し、車の進入を認めない。その道路も、付近住民の方々の御迷惑等もごもっとものことでございますから、騒がしかったり、いろいろありましょうから、適宜路線を変えていくなり等の配慮をすべしというようなこと等で、ことに大都会等におきましては、そのような道路の指定ができにくいような環境のところもありましょうから、これらは全国的な考え方のもとに、さらに校庭を開放するという教育委員会等の協力をいただくという等の点を具体的にやってまいりました。
 以上が私の就任以来の具体的にやってまいりました事柄でございますが、考え方といたしましては、これから昭和五十年までに歩行者の事故を半減したいという目的を一応掲げております。取り締まりの任に当たる警察庁のほうでは、それは少しくむずかしいかもしれない、増加することを防ぐことで精一ぱいではなかろうかという御意見もございます。これは私としても十分に耳を傾けなければならないのでありますけれども、やはり私たちは、このような激増してまいります死者あるいは負傷者というものが、どのように私たちの社会のそれぞれの場所においてそれぞれの人を暗くし、あるいは運命を変えてしまうかということを考えますときに、やはり政治の目標として、昭和五十年に歩行者の事故を半減したいと、いわゆる日本の自動車というものがアメリカの走る棺おけといわれるものに対して走る凶器であるということから、少なくとも凶器より人命を守るということに徹したいという考えを持って、この基本法の制定をいただきますれば、さらに具体的な施策、交通安全対策の予算の確立等、いろいろと努力をいたして、国民に対する責任をわれわれが果たしていかなければならぬと考えている次第でございます。
#10
○小柳勇君 次の問題は、長官でも安全調査室長でも答弁はかまいませんが、具体的に質問いたしますが、今日まで本部長が交通安全のためにとられた措置、現時点の長官が就任された以後の考えなり対策については承りました。それまでの交通対策の各省庁各地方機関に対する連絡など、いわゆる組織的な活動についていかようにやったか、なおそのための四十四年度の総括的な予算、交通安全に使いました国の予算はどのくらいあったか。
#11
○政府委員(平川幸藏君) 過去の経過について御説明申し上げます。
 昭和三十年に事故対策本部というものが設けられたわけであります。これは交通事故の激増に備えまして設けたわけでございますが、昭和三十五年に、さらに交通事故の激増に対処するために交通対策本部というものが設けられたわけであります。これは総理府に置かれたわけであります。従来の事故対策本部に加えまして、交通対策本部の任務といたしましては、交通安全と都市交通の能率化、円滑化も加えて任務としたわけであります。従来までこの交通対策本部による各省間の調整、並びに総理府に本来総合調整権がございますから、その本来の総合調整権と両者あわせまして、適宜連絡調整をしてまいったのであります。
 なお、基本的な施策といたしましては、昭和四十年に交通事故を防止するための緊急対策というものを交通対策本部で決定しております。それは四本の柱を立てております。まず第一は交通安全施策の整備であります。次に交通安全思想の普及徹底というのが第二の柱、第三の柱は交通秩序の確立、まあ取り締まりの面でございますが、それから第四の柱は、日本の特有の事情を考慮いたしまして加えたわけでありますが、被害者対策というこの四つの柱を加えております。そういうことで現在まで施策を講じておるわけでございます。が、交通安全対策に対する経費といたしましては、昭和四十四年度におきましては六百七十七億でございますが、なお参考までに申し上げますと、四十五年におきましては七百九十億でござい
 ます。
#12
○小柳勇君 今日までの事故防止対策、事故絶滅対策については大体のアウトラインがわかりましたが、この法案を立案をしていま国会に上程をされておりますが、いままでの事故防止対策の組織活動と、この法案のねらいはどのように違いますか。長官から答弁願います。
#13
○国務大臣(山中貞則君) 明らかに違うのは、陸上交通のみでなくて、海上、航空機等についても、今回はこの安全対策基本法案によって明らかに範囲を広げておるわけでございまして、さらに具体的にはそれぞれの機構というものを、中央並びに都道府県、そして地方自治体の市町村末端にまで有機的につないでいこう、海空につきましては、領域が、区域が判然といたしませんし、特殊な形態でもございますので、県境を越えた安全の会議を持とうというようなふうに違ってきておると考えます。
#14
○小柳勇君 私どもの出しました法案、こちらの参議院には提案しておりませんけれども、交通安全基本法案というものを出しました。政府がいま出しておるのは交通安全対策基本法案ですね。各省庁なり各地方機関に対する組織的な事故対策の活動、事故防止の活動は調査室長からいま説明がありましたが、これからこの法案になると、どういうふうに変わるか、私は私なりにずっと法案を検討してまいって、この名前が示すように、わが党は交通安全基本法として、医者で言うなら診察から治療ということで考えてまいった。ところが、この政府の提案は交通安全対策基本法、いわゆる治療面に重点を置いており過ぎる。いま長官も陸海空と言われましたけれども、その陸海空にわたる総合的な抜本対策なるものがこの法律ではできないのではないかという気がするわけです。したがって、今度総理が会長になりまして関係大臣が委員になられ、長官はその一番中枢の責任者になるようでありますが、いままでの各省庁の動き、特にさっき説明された予算によって、各省庁、各出先機関の動いてきたその動きに対して、この法案が通ったあと、予算的あるいは組織的にどのように抜本的な活動をするか、御説明を願います。
#15
○国務大臣(山中貞則君) いままでは私が木部長といたしまして、各省の事務次官クラスをもって構成する会議を開いて、そこで検討し、各省庁がそれぞれの分担に応じて都道府県との連絡なり、行政の一本化に協力してもらったわけでありますが、今回はただいまお話しのありましたように、総理を長とする関係行政機関の長をもって構成する最高の会議を新しく上に置きまして、そのもとにおいて実施官庁あるいは国、都道府県というふうに施策というものの徹底をはかってまいります。したがって、交通対策の安全、交通の安全の予算等につきましては、いままで議員立法から前期、後期三カ年の緊急対策費等が計上されておりますけれども、やはり政府全体が一本となって、道路五カ年計画の中にも安全対策費を十兆三千五百億のうちに幾ら見るのか、あるいは警察庁の取り締まりのほうに安全対策費を、しかも年次計画で道路予算に合わせてどのような形で対応していくとか等についての有機的な連絡予算の構成等は、いかんながらはかられがたい情勢にございました。これからは私のところを窓口のような形にいたしまして、それらの政府全体のあるべき当然の姿、国民から見るならば、セクショナリズムによって道路だけがりっぱになって、自動車をビュンビュンぶっ飛ばして、そうして死傷者がふえていくための対応の予算の五カ年計画はないということは、率直に言って素朴な疑問を持つはずですが、そういうような素朴な疑問にいままではこたえていないうらみがある。これからはそういう国民が素朴な疑問を持つことに対して私たちは素朴な姿を取り戻さなければならない。いわゆる施策の一体化予算等も有機的に展望された政府の姿勢のもとに一貫した姿で組まれるべきである、そのような努力をするつもりでございます。
#16
○小柳勇君 私が診断、治療と申しますのは、いま長官が説明のように、中央本部で計画を立て、あるいは業務計画を立て、各省庁と相談して各省庁、出先機関に流す、あるいは地方公共団体は中央に準じながらいろいろ計画をつくることを書いてある。それはいいが、現在の陸海空の事故がどのような原因で発生しているかということを各団体なり各関係者なり、そういう人から吸い上げ、原因究明、すなわち診断の面で、この法案としては広く国民的に、あるいは地域的にその下部から問題を吸い上げてこれに対処するという面がこの法案ではないと考えるが、長官はこの法案を読んでどういうふうにお考えですか。
#17
○国務大臣(山中貞則君) 案はいろいろよりよきを求めれば、機構その他についてもいろいろあり得ると考えます。しかしながら問題は、交通対策というものはこれはどういうわけでこういうふうになっているのだということの究明よりも、もういま何かしなければならない、ほうっておけない問題であるという性格の問題であると考えます。私予算委員会でも答弁をいたしましたが、政治は、やってない悪と同時に、やらなければならないことをなさざる悪というものがある。この交通対策というものを、機構その他の問題もありますけれども、要するに直ちにやらなければならないこととしてとらえるならば、総合的に国民がなるほどと思うような施策をとるということについて一日でも猶予することは、私はなさざるの悪の範囲であるというふうな考え方も持っておりました。要するに、政府が交通戦争といわれるこのたいへんな犠牲者を生ずる日々の実態に政治の姿勢として明らかに対処する姿勢と形と実体を示すことである、このことが先決だと考えて、まず行動すべきであると考えておる次第でございます。
#18
○小柳勇君 細部の問題はまた逐条的にやるとして、いま申し上げたような問題が私どもと一番対立する点です。その他の点は事故をなくするという点で同じです。事故をなくしなければなりません。
 そこで総括的な点で、この法案が通りましたら、現在一年間で百万件に及ぶ死傷事故というものがどのくらい減少することを目標に今後計画を立てていかれますか。
#19
○国務大臣(山中貞則君) これはどうもむずかしい問題でございますが、根本的な議論をする人は、自動車の増加を押える政策をとれということまで言う人もおられます。なるほどこれは事故を減らすのにはきめ手の一つであることは間違いございませんが、しかし、昨今の自動車の蔵出し等の実績を調査いたしてみますと、だんだん各種の公租公課というようなもの等が燃料源から自動車の車体自体に至るまでいろいろと賦課されてまいっておりますし、取得税等も発足いたしましたあと、あるいは保険料の料率が改定されました等のことが、自動車産業からいえばたいへんつらいことでありましょうが、増加率が鈍りつつあるというようなことも言われておるわけでございます。これはわが国の基幹産業の一つとして別途な意味で重大な問題になるかとも考えるのでありますが、交通事故をどれだけ滅らせるかということは、減らしたいという願望はありますが、ここで予測して、まさか趨勢値をそのまま伸ばしてそれの三分の二というふうに腰だめで議論するようなことではありませんし、死亡一と書かれておりましても、われわれの民族の一人の生命が消えたということをそこで意味している死亡一でございますから、それを私どもとしては少なくとも死亡の数を減らし、負傷者の数を減らすということに懸命の悔いなき毎日を続けるということで、見通しについては、先ほど申しました政治の大目標としては五十年までにはせめて死傷者を現在の半分に減らす努力をしたいという願望を持っておることにとどめさせていただきたいと思います。
#20
○小柳勇君 あと行政委員会的ないわゆる国民の意見を聞く問題、あるいは交通安全に対する諮問機関的なという問題は、この案と直接関係がありますから、後日意見を聞きたいのです。
 次は、警察庁に聞きます。まず交通事故の原因をずっと統計を見てまいりまして感じますことは、スピード違反とか酔っぱらい運転など、われわれが直接感ずるものが数字として非常に少ないわけです。この交通事故の場合、直接死亡なり重傷になる交通事故の原因というものは、私どもの考えでは、速度違反や酔っぱらい運転や無免許運転、そういうものが大部分ではないか、陸上の場合ですね。海上と空上はまた別といたしますが、自動車事故に関する限り、そのようなものが一番原因の最たるものではないかと思うが、この交通事故の統計のとり方ですね、ここにたくさん事故の統計が出ておりますが、統計のとり方について問題を持ちますが、いかがなものでしょうか。
#21
○政府委員(久保卓也君) まず一般的に申し上げますと、従来警察が事故の統計を取り扱っておった関係上、法律に関連させた事故原因が項目としてあがっておるというところに一つ問題がございます。したがいまして、たとえば総理府なら総理府が全般的な観点からやられる場合には違った項目があげられるかもしれませんが、私どもの立場から一応そうなっておるが、その場合でもいまお話のようなスピード違反が伴っておるのが大部分ではなかろうかという実感もあることと思いますけれども、私どもの統計上の整理では、主たる原因をあげる実際の事故の場合には、かりに法律的な項目でありましても三つ、四つ競合する場合がございますが、その中で主たる原因が何であるかということをとらえます。したがいまして、わき見運転ならわき見運転のほうが主であって、スピード違反が従であるというようなときにはわき見運転の項目に入るというようなことであります。したがいまして、私どもの今後の課題としては、広範な観点から事故調査をするのがとにかく現在では警察しかないとするならば、私どもは全国的な調査、全国的な統計というわけにはまいらないかもしれませんけれども、サンプル調査についてはこれは部外の学者なども動員をして、労働環境の問題、あるいは心理的な問題、道路環境は現在でも行なっておりますが、そういった広範な観点からサンプル調査をやって原因の追求をするということをやるべきではなかろうかというふうに考えております。これは本年から部分的に着手したいと思っております。
#22
○小柳勇君 総務長官に質問いたしますが、最近高速道路が進んでまいりますと、最高速度などの制限がございます。その最高速度がありますが、自動車の構造上の最高速度というのは、現在の日本の高速道路の速度制限よりももっと高くあるわけでありますね。特にオートバイなどについては自動車よりももっと簡単にスピードが出るようになっておるのですけれども、まず高速道路の速度制限、これは構造上からちゃんとある速度に牽制しておりますが、そうすると現在の自動車の最高速度を、特にいま自動車を売るためには高速を出すことを盛んに宣伝するわけですね。二百キロで走れますとか、そういうようなことでいつも速度制限のあるものが運転者にちっとも制限になっておらぬのです。速度が出るまで走っている。あとは警察がおるから少しスピードをダウンしなければならぬということで、構造上ちっとも制限しておらぬのですね。こういうふうに道路の構造による速度と、それから自動車の構造による速度と、それから運転者の頭による制限速度と、みなばらばらなんです。そういうものについて今後はこの法案ができた以上、各省庁衆知を集めて考えなければならぬと思うのですが、まず総務長官から、あと警察庁交通局長から意見を聞いておきたい。
#23
○国務大臣(山中貞則君) 全く私も同感です。ことにテレビコマーシャルあたりを見ておりますと、まるで自動車のレース場に出るための宣伝でないかと思うようなことが普通の乗用車で何の抵抗もなく行なわれておる。これは通産省の車両製造業の監督省としての立場、あるいは運輸省の立場等もいろいろございます。取り締まり方法でございますが、やはりスピードメーターというものが百八十までついておるということで、それを承知の上で前の車種は百六十だったけれども今度のやつは百八十であるというふうに、ことに若い青年諸君あたりがスピードメーターをそういう意識でもって車を買いかえたりなんかいたしますと、交通警官というものは本来は歩行者もしくは運転する人を保護するために立って取り締まっておるのでありますけれども、どうしてもそれを何かこうあなたのおっしゃるように、警官がおるからしかたがなくスピードをゆるめるのだというような気持ちで、むしろ敵みたいな目で見るようになっておる風潮は否定できないと思います。先ほど私裏通りを十キロ程度と申しましたが、最初これを思い切って五キロぐらいにダウンしょうと思ったのですけれども、スピードメーターは十キロ以下はないということ等もありまして、やはりメーターの問題も運転者のおっしゃるような心理に及ぼす影響というものは非常に大きい。ただ、これは輸出の関係がございますから、エンジンを量産いたしまする場合に、外国に輸出するときにアメリカ市場あたりにおいて百二十しか出ないという自動車を輸出した場合には、おそらくやはり買い手に――マーケットにならないだろうというふうにも考えられますから、ここらあたりは産業のあり方としても問題があるのかもしれません。それらの点を今後検討いたしてみますけれども、御指摘の点は全く私も同じように疑問を持ち、何とかしなければならないと思っておる点でございます。
#24
○政府委員(久保卓也君) 車のスピードは百何十キロ出るといういわゆる誇大広告の問題は二、三年前にも国会で問題になりまして、当時運輸省であったと思いますけれども、行政指導でもって誇大に扱わないようにという指導が行なわれたのですが、しかし現在でも小さいながらも百何十キロ出るということが出ておるわけでありますが、そこでスピード制限がある以上その制限内のエンジンを製作するということにしてはどうだろうかという御意見もわりあいに強いわけでありますが、技術的なことは私よくわかりませんけれども、少なくとも現在百キロの高速道路があるということですと、横風が吹く場合に百キロ出すというときに、車の安定性上四十キロ以上オーバーするようなエンジンをつけていなければいけないということを東大の自動車の専門の教授が言っておりましたが、その辺がよくわかりませんけれども、私どもの立場としましては、百キロという制限であれば最小限のそれをオーバーする程度のスピードを持つ程度のエンジンでいいんではないかという感じがするわけであります。輸出その他の問題がありましても、そういったものを区分するような生産体制ができれば、少なくとも私どもの立場からすればよろしいわけでありますが、いずれにせよ、そういった前提のもとに車が動いておる以上、私ども科学的な装備を使っての取り締まりというふうな方向に進んでまいらざるを得ないというふうに思います。
#25
○小柳勇君 まあ風の抵抗とかでもそれだけの馬力があればあまり影響ないと思うのですが、ただ輸出もありますから、最高百六十あるいは二百でも、性能としてはそうでしょうが、ただ内地を走るときは出せないのですから、法規上は出せないのに出せるようになってるところに違反があるわけですね。しかもその交通違反というのが速度違反というものが事故の大きな原因であると考えますならば、アクセル踏んでも――経済速度がありますから、六十なら六十を経済速度といたしますと、百四十出せる馬力で六十出すぐらいが一番経済速度だといたしますならば、そのくらいのところでアクセル踏んで、ちゃんとメーターで幾ら踏んでも六十なりあるいは六十五ぐらいしか出ないというような――風の抵抗とかは何とかなるでしょうから、そういうことでもう少し通産省も研究してもらって、初めから八十や百は出せないようにしておけば、もう速度違反だけは防げるわけですよ。速度違反というのは何も時間とか経済性だけの問題じゃなくて、交通事故をなくするために制限してやるのでしょう。そういうことを考えますと、もう少しこの法律ができた機会に、最高速度の問題も構造上からも一つ検討してもらいたいと思います。これは希望条件として、いろいろ文献にも出ていますから、私はただ架空のことを言っておるわけではございません。そういうことで御検討願いたいと思うのです。
 次は運転免許制度のことについても言っておかなければなりませんが、いま教習所というものがみんな民営ですね。利潤追求を主体にして試験もなるべく通りやすいように考えてある。たとえば国鉄などは機関士になるのは最少六年はかかりますね。あるいは電車の運転手もそうでしょう。航空機のパイロットになりますともっと時間がかかる。それに自動車運転手はあれだけの危険な高速度の機械の運転をしますのに、二ヵ月そこそこで正規の免状が取れるということ自体これは問題ではなかろうか。構造上の問題、たとえば大学の機械工学を出ましてもエンジンがやっとわかる程度です。エンジンの構造の事情もわからないで、ただ前後の運転だけわかってそれで正規の運転免許をやること自体に問題があるのではなかろうか。私は運転免許を持っていないから言うのではないのですよ。私はできるのです。私はきびしい試験を通って免許を持っていますからわかるのですけれども、いまはそうではなくて、やはり免許は持っていなければならぬということで運転免許証がそういう意味で取られますので、運転免許制度自体に問題があるのではなかろうか。職業の運転手はその会社でいろいろ訓練がありますけれども、普通の家庭におります免許所有者は再訓練などもございませんから、切りかえのときに検査はありますけれども、その再交付のときの検査の問題ではないかと思いますが、その点で警察庁として検討されたことでございますか。
#26
○政府委員(久保卓也君) 免許関係につきましては、今回道交法の改正の中に取り入れておりませんけれども、従来いろんな御要望があります。特に全般的には免許制度をもっときびしくしろということでありまして、私どもは従来からもそうでありまするし、昨年の夏以降ですか七月以降につきましては、いろいろな観点で指定自動車教習所における教科内容の改善を相当やっております。その成果が逐次出るものと私どもは期待しておりますが、しかし、それだけでなくて制度全般として考え直すということは、どういう結論が出るかは別といたしまして、いま検討中でありまして、この次の改正案の中には何らかの形で取り入れたいと思っております。ただし、一つ最近出ました数字を御紹介しておきたいと思うのですが、従来お手元に差し上げておりました免許年数、経験年数に応じた事故の数、これは一年未満が一番多かったわけです。一年未満二年末満というふうに若い経験年数の者が事故が多かった。ただしこの場合には一年未満二年未満という母数、絶対数がわからなかった。ただ結果出ました数字だけが一年未満が多かったのであります。それを最近電子計算機のほうで計算いたして一年未満――これは指定自動車教習所を卒業した者についてでありますが、一年未満の経験を有する運転者の総体の数、それから二年未満の総体の数それぞれに対して事故を起こした割合がどれくらいあるかという数字をとってみました。そういたしますると、一年未満の者が一・九%、それから二年未満の者が四・一%、三年未満の者が三・一%というふうに、一年未満の者が意外にも半分以下であったわけです。ほぼ半分と言ってもよろしいのですが、つまり経験年数が非常に短い者がかえって事故が少なかったということがこの数字では出ておるわけでありまして、私どもはこれをどういうふうに理解するか、今後もう少し勉強してみなければなりませんが、大ざっぱに申せば、一年未満の者は慎重に運転し、二年ぐらいになるとだんだんと大胆になって事故を起こすということになろう。そういたしますれば、この数字だけから考えますと、いままで私どもが指定自動車教習所の中身として考えていたものが一がいに悪かったものではない、問題はその以後のあり方の問題であるというふうなことを示すものであるというふうに理解することも可能であろうと思います。
#27
○小柳勇君 運転免許制度については、現在持っている方、将来運転免許をもらう方もたいへん直接的な問題ですから、一がいに私は試験をむずかしくせいとか、期間を長くせいということを申すのではございませんけれども、運転免許というものが非常に運転車としては責任があるということを何らかの方法でわかってもらわなければならぬと、こう思うのです。
 次は、道路の構造上の問題に入りますが、標識、信号、安全施設などの設置は現在法律で義務化されていないと理解しておりますが、これを必ず道路にはつけなければならぬと義務化する立法を考えておられるかどうか。
#28
○政府委員(久保卓也君) 現在、信号機の数が四十三年度末で一万六千、ただいま総務長官がお話になりました三カ年計画の一番最終、四十六年度末になりますと二万五千になります。ところで先般、車道幅員五・五メートル以上で相互に交わってる交差点、これを調べてみましたが、総数はまだ出ておりませんが、おそらく二十万以上になるであろうという感じがいたします。で、車道幅員五・五以上というのは私どもとして、まあ交通量の問題もありますが、少なくとも道路構造上信号機を設置することが望ましいと、しかし、まあ交通量が少なければそれをもっと削減してもよろしいという基礎数字になるわけでありますが、そういった前提のもとに今日立法化することがどの程度可能であるかという、まあ予算上の問題その他もございましょうかと思います。ただ、私どもとしましては、何とか一般市民の要望にこたえて信号機その他の標識を多く、しかもりっぱなものをつけてまいりたい。これは人の命を救うためのものでありますから、ぜいたくといいますか、非常に見やすいものをつけていくという方向に何とか持ってまいりたいという考え方を持っておるわけでありますから、立法化することは私どもの立場からしまするとたいへん賛成でありますが、いまの行政の関連からいうとなかなか困難な状況にあろう、もしそういった方向がもっと顕在化してくれば、私どもとしては非常に幸いであるというふうに思います。
#29
○小柳勇君 この法律ができるんですから、長官よく聞いておってもらって、矛盾点はどんどんやっていくということが一番必要じゃないかと思うんです。
 次は、大型コンテナなどの運行を道路条件を配慮して規制すべきであろう、無原則な大型重量化を規制すべきであると思うがどうかという質問です。
#30
○政府委員(久保卓也君) これは総務長官のお話にもございましたように、裏通りはもちろん、幹線道路の中でも特定の道路については大型車を規制するという方向で今後も進めてまいりたい。特に積載オーバーの車が非常にふえつつあるわけでありまして、そういったところについては、たとえば高速道路その他主要幹線の場所に積載オーバーのはかりを、機械を設置する、これはまあいまのところ道路管理者がおやりになるようでありますが、そういったものと協議をしながらそういう方向に進んでまいりたい、そういうふうに思います。
#31
○小柳勇君 あとは運輸省のほうに質問するんですが、交通局長に。タクシー料金上がりましたが、なかなか乗車拒否がなくならぬのですよ。私自身も、皆さんもそうだと思うけれども、先日十一時ごろ銀座で車をとめて、十台ぐらいから拒否されました。乗車拒否がなくならぬのですが、運輸省が活動しなきゃならぬのでしょうが、交通警官などもそこにおられるのにどうも乗車拒否やってるんですが、何か対策ないものですか。
#32
○政府委員(久保卓也君) さしあたっての対策は、現在国会に提案されていると思いますけれども、運輸省のタクシー営業近代化に関する法律でありましたか、東京と大阪についてはこの法律ができれば相当程度救われると思います。ところで、警察官が現場にいてなかなか取り締まれないというのは、これは不適当であろうと思いますけれども、少なくとも警察官が出て取り締まる場合に非常に困難な問題があります。それは結局たとえば、少なくとも乗客が調書に参考人として何らかの署名捺印をして書いてもらわなければいけないといったことでありますが、夜間でありますと、やはり酒を飲んだあとなどで非常にそういった協力は得られにくい。それからタクシー運転者のほうはまたその辺のコツを覚えておりまして、いまから帰るんだと、あるいは走行キロ数の制限がもうこえたといったようなこと、いろんな逃げ口実を考えておりまして、現在の訴訟手続の面からしますると、まあ民主化の反面非常に取り締まりそのものがやりにくいということがございます。しかし、警察官が出れば出ただけの効果は全般的にはあるようでありまして、毎日というわけにはまいらぬそうでありますが、日を変え場所を変えて警視庁のほうでは乗車拒否の取り締まりに非常に力を入れておるはずであります。
#33
○小柳勇君 運転手の労働条件の問題その他はあとで運輸省に質問いたしますから、ひとつ交通局のほうでもお願いします。たいへんみんな困ってます。私だけじゃないようですから、ぜひお願いします。
 次は、防衛施設庁のほうに質問します。港湾の特に岸壁などのふくそうは私など言うまでもございませんが、門司港の西海岸一号岸壁及び同背後地及び二号岸壁が現在なお米軍の使用の中にあります。先般二号岸壁だけは私のほうで交渉してもらって共用になっておりますけれども、一号岸壁その他はなお現在米軍提供施設になっておりますが、この岸壁を日本の使用にさしてもらいませんと、たいへんふくそうしておるんですが、米軍との交渉の今日までの経過及び今後の見通しについて御答弁願います。
#34
○政府委員(鶴崎敏君) ただいまお話ありました門司の港湾施設の共同使用の問題でございますが、これにつきましては、昭和三十五年に第二岸壁についてはすでに合同委員会の承認を得まして、現在日米間で共同使用をいたしております。残る第一岸壁につきましても、関係者からぜひ共同使用したいという御要望がございましたが、ことしの二月になりましてから、この問題につきましては、日米合同委員会の下部機関でございます施設特別委員会におきまして、日本側から米側に対して共同使用いたしたいという申し出をいたしております。その後、四月になりましてから米側の検討の状況を照会したわけでございますけれども、御存じのように現在在日米軍におきましては、特に米陸軍の補給施設について全般的に検討しておるというようなこともございまして、まだ確定的な結論が出ていないというふうに聞いておりますが、われわれとしてはこの港湾の利用状況その他から見まして、ぜひこの共同使用を実現したいということで今後も折衝いたしたいと、このように考えております。
#35
○小柳勇君 御存じのようにあの岸壁は非常に貨物船の出入りが激しいところですから、事故でも起こりますとたいへんでございますし、共同使用でなくて、ひとつ早急に返還するように強い態度で交渉してもらいたいと思います。なお、ただここで問題にするだけじゃなくて、ひとつ精一ぱいの折衝をしていただくように長官にもお伝え願いたいと思います。
 次は通産省に質問いたします。さっきからの長官の答弁にもありましたが、自動車生産台数が道路の拡張なり伸長状態に比べて激し過ぎるから、それだけに事故もふえるんではないかと思う。極端にいいますならば、自動車をうんと製造いたしますと、その本来の任務を遂行できなくなってふん詰まりになってしまいまして、もう自動車をつくっても動かなくなってしまいやせぬかという気がするんですが、国内自動車産業はますます競争激化いたします。また、近く通産省としては資本自由化の期間を引き上げて外国車とも競争させようといたしておるが、野方図に生産を上げてよろしいものであるかどうか、どういう見解を持っておられるか、お聞きいたします。
#36
○政府委員(赤澤璋一君) 自動車の普及率を見てみますと、日本はいま全体の自動車で八人に一台、乗用者の場合にはことしの一月でございますが、一九・四人に一台ということになっております。これに対しまして、御承知のようにアメリカは大体二人に一台、ヨーロッパあたりは大体四、五人で一台、こういう状況でございます。だんだんと自動車がいわゆる業務用と申しますものから家庭用といいますか個人用といいますか、そういった面にだんだんと普及が進んでまいっていることは事実でございます。これから先どういうふうになるだろうかということで、先般も経済企画庁が発表いたしました新経済社会発展五カ年計画、これでいろいろな検討をされておりますが、おそらく保有台数の面からまいりますと、五十年ぐらいにはいまの倍くらいの保有台数になるであろう、こういったようなことも大体計画値として出てきております。いまの倍ということは、販売の面から見ますと、だんだんこれが伸び率が落ちてまいる計画になるわけでございまして、たとえばそういった計画に合わせまして、自動車工業会が本年度から五十年くらいまでの毎年の生産台数の伸びを見ておりますが、四十四年度は対前年一四・一%の伸びであったものが、大体五十年ごろになりますと、対前年度一%くらいの伸びにまで毎年の生産の伸びが落ちてくる。こういったことはもちろん普及率との関係もあり、また先ほど御指摘の道路交通等との関係からも、だんだんと、こういったふうに生産の伸び率が落ちてくるものと私どもも考えております。こういったこと等を考えてまいりますと、やはり国民の足ということになってまいりますので、ただいたずらに生産の制限をするということにはやはり反面問題があろうかと私ども思っております。やはり安全でかつ公害のない自動車、できるだけそういった面に重点を置きながら自動車生産を適正なものにしていく。また自動車の販売等につきましても先ほどちょっとお話がございましたが、スピードが出ればいいということでは困りますので、実は昨年の六月にも私どものほうから自動車工業会あてに、いまのように使用者の過度の冒険心をそそるようなおそれのある広告宣伝はひとつ自粛してもらいたい、こういうことも厳重に文書をもって申し入れております。こういったようなことも考え合わせて、まあいまお話のように、今後いまのような調子でどんどん自動車の生産がふえてまいり、またそういったことからいろいろ問題が起きるということにはおのずからまたブレーキもかかってまいるんじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#37
○小柳勇君 長官に質問しますが、いまの問題ですね、さっきもちょっと触れられましたが、私はいまの現状から見まして、ここに統計が出ておりますが、道路の舗装状態なり拡張状態なりに比べて自動車の生産台数はもう全然違う。したがって外国に輸出し、外国貿易をやることについてはちっとも差しつかえない。そのほうにうんと力を入れなければならぬが、これは残念ながら二割程度です、現在。その八割の生産されたものがほとんど国内に全部買わされる、販売しなければならない、販売しなければ会社はつぶれますから。そこで自動車の交通から見ますというと、たとえばバスとかタクシーとか公共的な車、これはどんどんふえなければならないけれども、その他のレジャーを楽しむための車はこの際若干ブレーキをかけなければならぬのじゃないか。交通事情をよくし、交通事故をなくするという見地からは、そういうことが最も妥当な考えじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
#38
○国務大臣(山中貞則君) いろいろ説がありますが、自動車産業全体としては、自由化のめど等もいろいろと基本的には明示しながらも、さらに繰り上げ等の議論もありますし、かといってノック・ダウン工場すら拒否しているような業界の体質も、一方において二割といえどもアメリカ市場における伸長率は非常に高うございますし、ことに中型車においては飛躍的な伸びを見せておるようでありますし、東南アジアには、もう日本自体がノック・ダウン工場からさらには中古車の何だか市場みたいなふうにまで進出するに至っては、場合によってはやはり日本の自動車産業界のあり方自体の問題も国際的にも考えなければならぬことがあると思います。国内的には、今日日本の国民が、この狭い国土であって、しかも六〇%が山嶽地帯であって、人間が住む地域というものが非常に狭い上に、過密な人口が進んでいる。世界最大の過密人口の場所で、自動車の台数がどこまで普及していくことをあるべき正常な文化生活のものさしと見るべきかどうか。アメリカの二人に一台に日本が必ずいかなければならないものであるかどうか。ここらなどもこれから先は、大いに国力ないしは日本国民のあるべき国土並びに生活環境、そうして国民の生活の意識、こういうもの等に結びついていくところのものでございましょう。しかし、いまはまだ自動車について、来年度の道路財源等に関連いたしまして、いろいろと新たな課税構想なり、あるいは物品税の非課税のトラック、ライトバン等についての問題なり、いろいろとございますし、自動車の所有者に過負担をかけるというつもりはございませんけれども、しかしそれらの問題の議論がやはり一般大衆の立場から、借家住いをしていても、月賦であってもまず自動車を持たなくちゃあというような気持ちにいま走りつつある。そういう感じのございます世相の中で、やはり考えなければならぬものを一つ二つといまごろだんだんと提示されつつあるのではなかろうかと考える次第でございます。
 しかし、人間の欲望というものに、どの欲望は国としていけない欲望であるというて規制することもたいへん困難でありまして、いや、自分はまずいものを食べていても自動車だけはほしいのだ、なにしろカッコいいからなという若い者に、それはやめなさいと言うこともなかなかできかねることでございますので、ここらのところは、私どもの国会の論争、あるいは識者間の、いろいろのマスコミの手段を通じた浸透等において、国民一人一人が自分の胸に手を当てて考えてみることになるべき性格のものであろうと考えるわけでございます。
#39
○小柳勇君 通産省はもう一問でございますが、構造上の指導ですね。なかなかたいへんな問題だと思いますけれども、各社が競争しておりますから、その車が最高速度幾ら出るかということがまた売れ行きに影響しましょうから、なかなかたいへんな問題ではありますけれども、さっきからいろいろ意見が出ておりますように、最高速度は高速道でも八十、普通は六十だときまっておりながら、百六十の車をつくる、もちろん経済性などもあります。また外国に出ますと、百四十なり走っておりますから、これまた必要はございましょうが、国内においてはメーターをつけて規制する、速度の最高を規制するというような業者に対する指導はできないものであろうか。また、軽四輪などの排気が公害の原因になっているということも聞いておりますが、こういう構造の改造についていろいろ指導するというような立場はとっておられると思うけれども、現状についてはどうであろうか、御説明願います。
#40
○政府委員(赤澤璋一君) まずスピードの問題、エンジンの問題等ございますが、こういった安全上の問題、さらには排気ガス等の公害問題、こういったことに対しましては、私どものほうの工業技術院の試験所並びにメーカーがつくっております自動車の安全公害センター、こういったところで毎年相当の予算をかけまして、鋭意検討いたしておるところでございます。
 まずスピードの問題でございますが、私ども聞いておりますところですと、たとえば高速道路に進入をする、進入路から高速道路に入ります場合、あるいは緊急事態、こういったような場合等々いろいろな問題がございまして、やはり性能的にはある程度高速性能というものが自動車の性能上は要求されるというようなこともいわれておるようであります。それからまた、ある程度八十キロとか百キロといったようなスピードを出しております。そういうスピードを出しますときの高速性能といったものもまた追い越しの場合等々には要るわけでありまして、そういったことからエンジン構造上技術的な問題があるように聞いております。こういった点もございまして、輸出の場合等の問題もございますけれども、ある種のエンジン馬力、エンジン性能を途中でもって随時変更するといいますか、そういうことは技術的に非常にむずかしいようでございます。こういった点はどうも諸外国にはあまり例がないようでございまして、やはり私どもとしては、エンジン構造上の問題と、その性能を必要とする用途――用途と申しますかそういった事態、こういったものをどう組み合わせて一番適正なエンジン馬力、スピードの最高限度というものを考えるべきか、こういったようなことになってくるのではないかと思っております。非常にこの辺は技術的にもむずかしい問題であるというふうに聞いております。
 それから公害の問題でございますが、これは規制のほうは運輸省でいろいろとやっていただいておりまするので、あるいは運輸当局からお答え願ったほうがよろしいかと思いますが、特にいま問題になっておりますCOガスにつきましては、もちろんこれは規制がございますので、現在の新車は全部この規制値内に置いておるわけでございます。こういった規制もだんだんと強化されてくることになろうかと思いまするので、もちろんそういった強化の先行きをながめながら、鋭意この規制値を引き下げられるように、私どもの試験所におきましても、また民間の先ほど申しました研究所におきましても努力をいたしております。
 それから軽自動車の面は、これはやはり軽でございますのでエンジン馬力が小そうございますから、出てまいる排気ガスに含まれておるCOガスも勢い量が少ない。こういうこともありまするし、また非常に小型のエンジンでございますから、この中で完全燃焼をするように、つまりCOガスをできるだけ出さないようにする。これは完全燃焼すればいいわけでございますが、なかなか完全燃焼するような場合の構造上の問題、技術上の問題もあるように聞いております。こういったことからまだ現在では軽自動車は規制の対象になっておりません。おりませんが、将来やはりこの問題も重要な問題でございますので、現にこういったメーカーの間では、軽自動車についても将来必ずこの規制問題が起こるし、また規制しなければならないということから、いま盛んにこの問題の検討をしておるというふうに私は承知をいたしております。私どももその方向に沿いまして、できるだけ私どもの工業技術院の試験所等をフルに活用いたしまして、この面はできるだけ積極的に進められるように支援をしてまいりたいと、かような覚悟をしておる次第でございます。
#41
○小柳勇君 次は、運輸省の船舶局に質問いたします。
 船舶局の問題は一問でございますが、先日われわれがこの委員会で港湾の視察に参りましたときにも話題になったのでございますけれども、もしも東京湾の入り口でタンカーが座礁し、きずが入って重油が東京湾に流れ出したならばたいへんだという話をしてまいりましたが、たまたまけさの新聞で、「出雲丸」というのが胴体に亀裂があった、船体に亀裂があったのを隠しておった。それが大きくなって乗り組み員がどうしてもがまんできなくて、ついに本格修理に入った。こういうことが報道されているのでありますが、きょう海員組合の責任者にいろいろ意見を聞いてみましたところが、昨年から今年にかけて総理大臣並びに運輸大臣に、タンカーを東京湾に入れるべきでないという建言をしておる。特にこの点検の問題につきましては、「ぼりばあ丸」の問題、「かりふおるにあ」の問題があったから、タンカー十四隻についても総点検をすべきだということを運輸省に申し入れてあるはずだ。にもかかわらず運輸省としてはタンカーはだいじょうぶだということで総点検をしない。これは運輸省を頂点とした造船界全体の欠陥を示しておる。こういうことを非常に激しい口調で言っておられるのでありますが、このタンカーの総点検の問題についてどのようないきさつであるか。将来については、この十四隻についても全部総点検をしてもらいたいという全日海の要求があるが、これについてどういうふうに考えておられるか、御答弁願います。
#42
○説明員(高田健君) タンカーについて総点検をするかしないかという問題でございますが、ただいまのところタンカーにつきましては、運輸省から指示を出して総点検のような措置をとるということは考えておりません。その理由は、タンカーはわりあいに歴史の古い船でございます。それから大型化もわりあいに早くから行なわれておる。そういう意味で申しますと、構造上非常に問題があるというふうには私どもは考えておりません。これは政府だけでなくて、検査を直接やっております日本海事協会、それから各国の船級協会におきましても、大体共通の見解であると思います。本来点検と申しますのは、これは「かりふおるにあ」でもそうでございますが、船主さんがまず御自分の船はどうであるかということをいつも承知していてもらわなくちゃならない。で「かりふおるにあ」におきましては、鉱石専用船というものが問題があるかどうか、この際事故にかんがみまして率直に検討しようということで、点検を運輸事務次官から船主、船舶所有者に指示をしたわけでございますけれども、あくまでも点検の主体は船主さんにある、役所はこれを立ち会いして見届けるという措置をとったわけでございます。で、先ほど先生のお話の中にございました、隠しておったということはこれは非常に残念なことでございます。厳密に言いますと海事協会に、船体に異常を発見したときあるいは船体を修理するときは、軽微な修理でない限りはこれは協会に届けて検査を受けるべきであるというふうに規則に書いてありまして、それを承知していながらそういうことをしなかったというのは、これはまあちょっと論外の問題でございますが、そういうことがあるから、あるいはあるかもしれぬから点検というふうに考えるのは、これは私どもとしてはおかしいのでございます。で、「かりふおるにあ」では、重ねて申しますが、あの事故にかんがみまして、同型船でもしか問題があるかどうかという意味で点検を特に指示したということでございまして、タンカーにつきましては、いまの時点で総点検のようなものをするような構造上の特別の問題、これはないものと思っております。ただ、今度の「出雲丸」の内容につきましては、まだ調査中でございまして詳しいことはわかっておりませんけれども、衰耗速度が予想外に速かったということで、その衰耗部分を取りかえるという工事を今回するということになったについていろいろ問題があったのだというふうにいまのところは承知しております。
#43
○小柳勇君 首席検査官ですから、検査については責任者でありましょうが、海員組合の皆さんが言うのは、この前も八十四隻の総点検の結果溶接漏れなどという重大なミスが発見できましたと、こんなミスが多数ありましたと、検査官から考えると大したことはないかもしれぬけれども、非常に造船の仕事が繁忙で、しかも熟練工の少なさもあろうけれども、溶接漏れ、溶接忘れなどということすらわかりましたと。したがって、言うならば、現在の検査体制を新しい方法を開発しなければならぬのではないかということまで極論しております。その検査体制についてはどういうふうにお考えですか。
#44
○説明員(高田健君) 御承知のように、船舶がたいへん大型化してまいりまして、従来のように造船所が工員を指揮して船をつくっていた、今度は別の造船所内の検査部職員がこれを製造の立場を離れて第三者の立場で検査をする。そうしてこれならば海事協会あるいは政府の構造検査を受けてもいい状態であるということを確認した上で海事協会の検査員の検査を受けるというふうな形態は、ただいまのような大型化あるいは設備合理化による建造の短期間建造というふうなことから参りますと、実際問題として造船所の内部でもできにくいし、また検査員のほうも昔から比べまして特に人数が著しくふえているということもございません。検査に要する時間というのはだんだん縮められている状況から申しますと、検査の一番の根幹であるところの肉眼検査ということは事実上非常に困難になっております。それでこういう事態に対処して、どうするのかということでございますが、造船所の建造過程ではだんだん人手による工事というものをできるだけ減らしつつある。だんだん機械化するあるいは自動化するということで、品質の均等をはかるということをやっております。海事協会といたしましては、できるだけ社内検査を確実にやってもらって、その上で海事協会のほうがここぞと思うところの抜き取り検査をするという形にいまいきつつあります。そういうことのためには、よほど造船所の品質管理というものがよくなければいけない。そういうことに対しましては、船舶局自体といたしましても造船所の品質管理の向上については意を用いておりまして、船舶局自体で調査もいたしつつあります。これは昨年の「ぼりばあ」にかんがみまして、鉱石運搬船特別部会を通じての造船技術審議会の建議の中にも、造船所の品質管理の向上徹底ということをうたわれておりまして、その前提となる調査を私どももやったわけでございますが、その方向はますます強めていかなくちゃいけない。で、従来の肉眼検査によるやり方というものは、これは繰り返して申し上げますけれども、そのままの形で人手をふやしていただくという努力、これは一方でございますけれども、それにはおのずから限度がある。したがって、機械的な検査方法あるいは工学的な検査方法、そういったものをできるだけ活用して、やはり一次的には製造者の検査、これを徹底していただくということが一番大事なことだ。その方向で造船工業会に対しても、昨年の建議のあとで、造船工業会として造船所がどういうふうに今後品質管理をやるんだということ、それはもう一つさかのぼりますれば、そういう品質と相まって設計基準というものも考えていかなくてはいけない。そういうことも含まれるわけでございますけれども、そういう広い意味で、より安心して間違いのない船をつくるということについて指導をはかっておるところでございます。
#45
○小柳勇君 局長も大臣もおられぬから政治的な発言は求めませんが、技術的に調べていると思いますが、ただ海員組合のみなさんが、「ぼりばあ丸」だけ初め検査すると言ったのを「かりふおるにあ」型も加えてもらって八十四隻がやることになった。あとタンカーが十四隻でありますからこれもやってもらいます。乗り組み員がそう言っているのに、これはだいじょうぶだと言われていること自体私は問題だと思うから、もう一ぺんまた質問いたします。そうしてこれは海事協会にも知らせぬまま照国海運が使ってたんですから、そういう責任問題も当然次には問題になりましょうけれども、検査官の意見としては聞きました。何か御発言があったら……。
#46
○説明員(高田健君) タンカーについて点検を全くやる必要がない、こういうふうに申しておるのではございませんで、政府が声をかけて総点検の形をとれということはいまのところ考えておりませんと申し上げたわけでございます。海事協会自体といたしましても、特に「出雲丸」のような、これはどうも腐食が問題だと思うのでございますけれども、最近タンカーとか鉱石専用船とかのバラスト・タンクについて、腐食防止の措置をもっと徹底すること、またそれができない間は社内点検と申しますか、船主さんにおける点検を大いに励行していただくということを船主に要望いたしております。で、あくまでも申し上げたいのは、全くほうっておいていいのですよというように私ども申し上げておるのでないということだけ申し上げておきます。
#47
○小柳勇君 関係がありますから、海上保安庁の次長に質問いたしますが、現業の海員組合が二十万トンのタンカーを東京湾に入れるべきでないという主張をして、総理にも運輸大臣にも申し入れておる。それから飛鳥田横浜市長や埼玉、千葉、神奈川の三県知事も非常に心配をして、具体的にいろいろ心配をしておるようであります。それは、もしもあの海堡あたりでタンカーの事故があったら、もう東京湾は火の海であるということで、二十四時間で東京湾全部が一ミリ程度の重油が充満するというような非常に心配がある情勢であるということのようです。したがって、先般あの海を見せてもらいまして、海堡の撤去の問題などございましたが、保安庁としてこの海員組合の申し出などを御検討になったことがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
#48
○政府委員(林陽一君) ただいま先生から御指摘がありましたように、東京湾内で二十万トンなどの大型タンカーの火災が起きましたときには非常に大きな災害を引き起こしますので、私ども考えましただけでおそろしくなるような次第でございます。
 いま先生がおっしゃいましたように、東京湾には巨大タンカーを入れるべきではないという強い御意見がありまして、海上保安庁といたしましても当然これを検討いたしております。
 先生御承知のとおり、東京湾内には千葉、川崎、それから根岸等に大型の石油コンビナートがございまして、現に日本の輸入します原油の四割以上を東京湾に入れているような状態でございます。海上保安庁の安全行政だけの見地からいたしますと、巨大タンカーの衝突ないし乗り上げによる災害の可能性がございますので、これは入らないようにいたせばよろしいことになるのではないかと思います。しかしながら、日本経済の現在の体制と申しますか、湾内にそのようなコンビナートがあって、それに基づいて日本経済が動いておるということを考えますと、これは単に海上保安行政の見地だけからでは解決できません。産業立地等の大きな問題になるのではないかと思います。でございますから、その両方の要請を充足いたしますような方法があればよろしいわけでございますが、運輸省の本省におきまして、現在海上保安庁も入れまして、そのような対策を検討中でございます。まだ検討の初めの段階にございますので、具体的な案はございませんが、たとえば巨大タンカーは湾内に入れないような措置をとって、そこからパイプライン等によって湾内のコンビナートに油を引き入れるというようなことが可能になれば、最も理想的な形ではないかと思います。ちょうど鹿児島県の喜入にございますCTS――石油中継基地と申しますか、そのような方式がとれれば一番いいのではないかと、かように考えております。
#49
○小柳勇君 それから、海上航行のルールを設定するために海上交通法など、この法律の成立を非常に希望しておる、そういうふうにも組合の諸君も言っておりました。海上交通法を提案をされる意思があるのかどうか、現状、現在の考えをお聞かせ願いたいと思います。
#50
○政府委員(林陽一君) 海上交通法につきましては、二年前から海上保安庁におきまして立案をいたしまして、関係各方面と調整を続けております。例を東京湾にとりますと、浦賀水道を通航いたします船舶は一日平均約七百六十隻に当たり、しかも月末月初、それから朝晩のピーク時には非常なふくそう状態を呈しております。で、横断船舶にも旅客を同時に積載し、かつガソリンを積んだ自動車を積載しておりますカーフェリー等もございます。そのような状況でございます。それ以外に全国各地の狭水道にこれと類似の事態が惹起しておるわけでございます。港内に対しましては港則法によりまして、海上交通の規制、航行の規制を行ないまして、船舶の安全をはかる法的根拠はあるわけでございますが、浦賀水道等の狭水道に対しましては、法的根拠がなしに、センターラインに灯浮標、あかりのつきましたブイを置きまして、それで通航分離を行政指導の形でやっていただいておるというのが現状でございます。巡視船艇一隻を常時配備いたしまして、浦賀水道あたりでそのようなことを行ない、かつ横断船舶による危険のないように、たとえば横須賀に入る船が参りますときにはこちらから入れとか、あるいは千葉から船が来て横浜に行く回りルートと交流するときにはどこから交流せよというようなことを指導し、法的根拠はございませんけれども、ルールに近いものをつくりまして、これを周知徹底して水先いたしておりますわけでございます。しかしながら、根本的には陸上の道路交通法に相当します海上交通法を御制定いただきまして、これによって交通の規制を行なうということが交通事故の防止のためには最も重要なことであると思います。しかしながら、現在までのところ主として水産関係者との調整といいますか、御了解をいただくことができません。水産関係者の中には、海上交通法を国会に提出することに承知します前に、何らかの措置がとられることが必要であるという強い御意見がございまして、この点がいままで隘路になって今回国会にも提出いたせないような次第でございます。
#51
○小柳勇君 長官いまお聞きのとおり、もしタンカーが座礁しまして、東京湾で油が漏れるようなことがあってはたいへんだということと、現在乗り組み員の代表である組合も非常に不安を持っておるわけです。そういうような情勢であります。したがって運輸省でも相当問題を持っておるようでありますが、この法案ができますと、陸海空の交通事故を防止することでありますから、いま運輸省から言われたような問題の処理について長官としての見解を聞いておきたいのです。
#52
○国務大臣(山中貞則君) これは起こっている現象、起こってしまった現象も公害でありますが、起こったら公害になることは間違いのない性格のものでございますし、ことに輸送コストの低減、あるいは中近東の遠距離輸送等のことからだんだん大型化していく傾向であります。ことにまあ三十万トンから五十万トンまでになりますと、そうコストメリットはないらしいのでありますが、まあ三十万トンクラスは常識であるという海運国と申しますか、石油輸送の意味の海運国になりました日本として、やはりこの列島の中の入り組んだ入り海に対する輸送手段というものは相当問題があろうかと考えます。でありまするので、いま通産省を中心にCTSの適性地域というものをここ二、三年の研究の上に立って、全国で三、四カ所指定しつつあるようでございますが、沖繩島も近く返ってまいりますれば、やはりそういう対象の
 一つにもなり得る立地条件にございますし、要は、もとの小型のタンカーに移しかえて必要な産業立地の地点へのエネルギー配送を行なう巨大タンカーによる予測し得ざるりつ然となるような事故というものをなるべくそういう行政政策というものをきめこまかに考えながら手を打っていく時期に来つつあるということを感じます。でありますので、このような法律を制定していただきまするならば、これらの部門についても政府として総合的な事故防止という立場から、やはり考えていく一環にならなければならないだろう。これは一方においては公害問題とも密接に裏表の問題となるわけでありますから、当然の政治の姿勢として要求されてくるだろうと思います。また海上交通法等につきましても、水産関係者との調整がつかないまま二年くらい経過いたしております事情もよく知っておりますが、やはり運輸省と水産庁だけでは、あるいは農林省だけでは、これは話し合いはつかないと見ておりますので、ここらのところも私どものほうが今後あずかってよりよき方向に仲裁しながら、船員諸君の考え方、希望というものが入れられるような基本的な施策はすみやかに策定すべきものと考えておりますので、努力は惜しまないつもりでございます。
#53
○小柳勇君 その方向で努力をしていただきたいと思いますが、話の続きとして港湾局に質問いたしますが、浦賀水道に第一、第二、第三海堡がございますが、あの付近に船の衝突事件が起こっておるようでありますが、先日ちょっと聞きますところ、この第三海堡取り除きの計画があるように聞いております。したがって、正式にこの委員会の速記に載せたいと思いますので、第三海堡取り除きの計画なり予算について御説明願います。
#54
○説明員(大久保喜市君) お答え申し上げます。
 第三海堡と申しますのは、御承知のように東京湾の湾口のところ、千葉側から第一、第二、第三と神奈川県側のほうにあり、一番神奈川県側のほうの海堡でございますが、海堡とは名ばかりのもので、もうほとんど水面以下に没する、大部分が没しておるような状況でございます。そのために船舶が入港時にその航路が第二海堡と第三海堡の間を現在通る形になっておるわけで、船舶が誤認をいたしまして、よく第一海堡と第二海堡の間の浅瀬に乗り上げたり、また水没しかかっておる第三海堡のものですから、第三海堡に船舶がのし上げたり、こういうような事故がしばしば起こっておるのがこれまでの状況でございます。それでただいま先生から御指摘のように、第三海堡を取り除く計画がどうかということでございますが、これにつきましては、運輸省といたしましては、だいぶ以前にこれを取り除くということで、実施設計調査までいたしたわけでございます。しかしながら、その後いろいろな諸般の情勢の変化がございまして、現在のところ、第三海堡の取り除きというのは具体的には計画として計上はしておりません。しかしながら先ほど海上保安庁のほうから御説明ありましたように、東京湾の湾口航路は改良する必要があるということが今後の東京湾への出入口、船舶の量の増大の面から非常に重要なことになっておりますので、とりあえず第一海堡と第二海堡の間に航路を開さくいたしまして、それで大型船と小型船とその航路をできるだけ分けていくという方向を考え、少しでも航行の安全をはかろうということを現在のところは考えておりまして、現在昭和四十三年から四十七年までの港湾整備五カ年計画の中におきましては、この第一海堡と第二海堡の間の航路の開さく工事を計画に計上いたしております。現在まだ漁業補償等のことがございますので、着工までは至っておりません。それでこの第一海堡、第二海堡の間の航路の開さくと、それから第三海堡の撤去の問題をくるめまして、東京湾口の改良構想ということで、われわれといたしましては、その実現のための実施設計調査を昭和四十五年度におきましても九千万の調査費を計上いたしまして、実施することといたしております。それでなお、われわれといたしましては、この港湾部の地区の航路を根本的に改良するためには第一海堡と第二海堡の間を掘ることはもちろんのこと、第三海堡も撤去いたしまして、現在の非常にS字形になっております航路をすんなりした形の航路にいたしまして、航行の安全をはかり、また港湾交通量の容量の拡大をはかるということが必要だと考えておりますので、先生の御指摘のような方向で現在具体化のための諸準備を進めつつある状況でございます。
#55
○小柳勇君 わかりました。港のほうは以上にいたしまして、話をまた自動車のほうに返して、最後に航空局に移します。あと十分ばかりごしんぼう願います。
 自動車の旅客課長に質問いたしますが、タクシー料金の値上げが東京で許されたその条件として、自動車運転手の待遇改善ということがあったとわれわれは承知いたしておりましたが、労働条件の改善がなされたと把握しておられるかどうか、現在なお乗車拒否がありまして、乗車拒否の大きな原因は労働条件が悪いからだと、自動車運転手の給与体系などが悪いから乗車拒否が起こっておるんだという説がございます。旅客課としてどういう把握をしておるか、御説明を願います。
#56
○政府委員(見坊力男君) お答えいたします。
 乗車拒否をはじめといたしまして、タクシーのサービスの低下につきましては、その対策としまして、悪質運転者を排除し、逆に良質の運転者を確保するというような総合的な対策が必要であろうと思いますが、先般の大都市の運賃の改定にあたりましては、ただいまお話がございましたように、労働条件の改善といろことを非常に大きな要素としてこれを考えまして、十一月二十一日の閣僚協議会の決定に基づきまして、まず適正な賃金規程あるいは就業規則の提出を求める、労働省の関係機関の御協力でそのチェックも終わりました。また東京と大阪につきましては、さらにその実施状況が確保されているかどうかということもチェックをしていただきまして、その結果改定を実施いたしたわけでございます。さらに時間、距離併用制の採用と深夜割り増し制の採用というような運賃の改定を行なったわけでございます。労働条件を中心にいたしましていろいろなことを考えたわけでありますが、乗車拒否そのものがどういう原因で起こるかということにつきましては、いろいろな考え方、理由もあろうと思いますが、大きく分けまして、タクシーの需給のバランスがくずれている、それから二番目にはタクシーが流し営業であるという業務の形態から管理者の目の届かないところで営利的な営業行為が行なわれる、さらに道路交通の混雑の激化によりましてのタクシーの運行能率の低下がその原因でもある、さらにはタクシーを利用する利用者のマナーといいますか、そういう問題もからんでいると思います。これらにつきましては、先ほども申し上げましたような労働条件改善ということを中心にいたしました運賃改定のほかに、現在国会で御審議をいただいておりますタクシー業務適正化臨時措置法という法案を御審議いただいておりますが、その法律によりまして、登録制を採用して悪質運転者を排除すると同時に適正化業務を行なうというような内容にいたしておりますが、この法律によりまして乗車拒否というものに対しては効果をあげることができるというふうに考えております。
 それで運賃改定後労働条件は改善されたかというお尋ねでございましたが、運賃の改定にあたりまして、労働条件の改善につきまして労使の確認書が交換されております。それに基づきまして、労使交渉がさらに具体的に詰められると思います。現在その段階でございます。ただどの程度改善されたかという数字的なものは、実はまだ改定後日が浅うございますので、六大都市につきまして、まだデーターが集まっていないというような状況でございます。ただ、先ほども申し上げましたような労働条件改善の方法、さらにこれは労働省とも御相談して、現在もそれぞれ各下部機関に達したわけでございますが、道路運送法の違反と、それから労働省でおやりになる労働基準法上のいろいろな監査監督等につきまして、おのおの労働省と運輸省との間で相互通報制を行なおうということで御相談をいたしまして、具体的にその方法等もきまりました。今後はそれによってさらに労働条件の改善状況等は十分監督をしてまいりたいというふうに考えております。
#57
○小柳勇君 労働省のほうに質問いたします。いま自動車局業務部長からのお話がありましたが、労働条件の改善などについて二・九通達というものがございますが、その通達も使用者のほうで十分実施しておらぬという意見があります。いうならば、自動車運転手の労働条件が悪く、勤務時間が長く、非常に労働過重であるので事故が発生する可能性があるというようなことを申しておりますが、現在の自動車運転手の労働条件についてどういう把握をしておられるか。特に四十一年十月七日、労働省通達による労務改善推進委員三百名が任命されたが、ほとんどが社長、重役のみで実績は上がっておらぬ、ほんとうの意味の労務改善推進委員会になっておらぬという意見がございますが、この点についてどのような把握をしておるか、御答弁願いたい。
#58
○説明員(大坪健一郎君) タクシー、ハイヤー業の労働条件につきまして、先生から御指摘がございました。御承知のようにわが国のタクシー、主として大都市のタクシーは流し営業という形態をとっておりまして、たとえばタクシーの運転者が現在のような労働者の不足の状態の中で常時車に乗って営業するという形になっておりますので、それに関連いたしまして種々の問題があることはいなめない事実でございます。私どもといたしましては、原則として労働者が労働基準法の基本的な最低労働条件を守れるような状態で勤務できるということがまず第一に確保されることだと存じておりますが、なお、タクシーにつきましてはそういう法律の規定がございましても、それを上手に運用いたしますと過労を生ずるという可能性もございますので、御指摘のように、四十二年の二月九日に特別の通達を、これはILOの内国運輸関係の委員会が出しました覚え書きの趣旨に従いまして特別の通達を出しました。これは俗に二・九通達と言われておりますが、この通達によりまして、労働基準法で定めます最低労働条件プラスアルファの実質的な指導をかねた監督を従来実施してまいっております。
 御承知のように、労働基準監督官の数は現在二千七百名でありまして、労働基準法の適用事業場が二百六十万でございますので、全体の労働基準監督の実施状況は一〇%そこそこでございますが、タクシー業につきましては、ここ四年間を平均いたしますと、大体実施率は昭和四十二年から四十四年まで含めまして二〇〇%になっております。したがいまして、タクシー業の労働条件の監督は特に重点を向けて実施いたしたということでございますが、実施の結果は、違反の状態でございますけれども、違反の状態は残念ながら八割程度が何らかの形の労働基準法の違反になっております。その中で一番多いのが労働時間の違反でございまして、これは御承知のように、先ほど申しましたタクシー運転者の数が少ないこと、流し運転という特殊な営業形態をとっていること、それから近郊の方がタクシー運転者として東京に来られるような状態がありまして、宿泊施設その他の関係もあるというような状態が重なりまして、タクシーは、一般に一ぺんタクシーに乗って営業することになりますと、大体昼夜ぶっ続けで労働するという形がわが国の場合は伝統的な形になっております。で、労働基準法から申しますと、一日最低八時間でございますので、前日から引き続きますと、十六時間ぶつ続けにタクシーに乗れるという形に実はなるわけでございますが、そういう状態を許しておくわけにはまいりませんので、二日続きで勤務いたす場合の条件は、そういうふうに十六時間になります場合に超過勤務を非常にきびしく制限をいたす、あるいは一日の場合は超過勤務を含めまして十一時間程度で、もうそれ以上は原則としては労働してはいかぬような形に指導いたしておるわけでございます。なお、超過勤務等につきましては、すべて御承知の労働基準法上の三六協定を条件といたして監督を実施してまいっておるという状態でございます。
#59
○小柳勇君 労働省につきましては、ILO条約の批准の問題、改正の問題なり、労働基準法の別途制定の問題、こういう基本的な問題がありますから、次に譲らせていただきまして、あと自動車局整備部長に保安基準の整備の問題で質問をいたします。
 簡単に要点を言いますが、高速度化に対する保安基準の整備、大型化に対する保安基準の整備、公害防止に対する保安基準の整備に対して、簡明に現在のお考えをお聞きいたします。
#60
○説明員(隅田豊君) 保安基準のいま先生お話の高速の問題、それから大型化の問題、それから公害関係、いずれも保安基準の最大眼目の項目でございまして、いままでも何回となくそれぞれの場合場合に応じまして改正をいたしてきております。現在におきましても、まだまだいろいろな問題が残っております。一例をあげますと、高速の問題として考えますときには、現在の自動車が持っておりますブレーキの性能と申しますものは、これはちょっと非常に話が技術的になって申しわけないのでございますが、簡単に申しますと、満足すべき状態ではございません。考え方としては、これを非常に高速用として完全なものにする理論的な考え方というものは世界的にもかなり進んだものがございますが、実用的なものとしてこれを取り扱うということになりますと、まだまだ世界的レベルから見ましても、現在日本の自動車が採用しておるもの、あるいは世界中の自動車が採用しておるもの、大体同じようなレベルのものでございます。私ども保安基準を検討していきます場合には、そういう何と申しますか、学問的レベルと申しますか、技術的レベルというものを常に追っかけておりまして、それと実用化とかなりうまくかみ合わせなければ次の段階――大体一年に一回か二回ずつ改正をしておりますが、そういうような進め方をしております。たとえば、先ほどの例にあげましたブレーキでございますが、これも高速化だけの問題ではなくて、たとえば大型の自動車の問題でも同じようにこのブレーキの問題がございます。ちょっと例をあげて御説明いたしますと、現在の大型のトラックというのは、空車の状態と満載の状態では車両重量が三倍以上の差がございます。そういたしますと、満載の状態にブレーキを合わせて設計をいたします場合には非常に強力なブレーキが必要になります。それから空車の状態に合わせてブレーキを設計いたしますと、今度はそのままではブレーキがきき過ぎまして、とめたときの車両の安定性という立場から見ますと、それはかえって危険な、確かにとめたとき距離が短くなりますが、あまり距離が短くなりましても、今度は安定性が害されるという問題がございます。そういう関係がございますので、現在の設計の状態では、満載の状態の最小限の停止距離になるようなことはねらっていないだろうと思います。しかし実際問題としては、理想的なブレーキというものを大型車について考えていきます場合には、やはりいろいろな加重状態で、十分な理想的な停止距離になり安定性が保たれるようなブレーキができれば一番いいわけでございますが、こういうような問題が世界的にいろいろございますし、大型化、高速化両方含めましても、ほかのたとえばヘッドライトの問題一つ取り上げましても、安全ガラスの問題一つ取り上げましても、まだまださまざまな問題がございます。一つ一つ御説明いたしますと非常に長くなりますから、例をあげるのはこのくらいにいたしますが、そういうようなことを考えながら、われわれとしても高速の問題と大型の問題が最高の問題でございます。それを考えつつこれからの改正を進めていきたいと考えております。
 それから公害の問題でございますが、これも同じことでございまして、現在自動車が理論的に設計上できますような技術レベルと、それから生産上それを追いかけていけるだけの製造上の技術と、この両方が十分満足されましたものを取り上げて保安基準という形で矯正を続けております。現在の状態では、公害関係ではいまのままですと、一酸化炭素だけの規制をいたしておりまして、数字で申しますと二・五%という規制をしております。これを新しい新車だけに対して適用するようにされております。しかし、現在新車だけではなくて、すでに使われております普通の使用過程の車に対しましても、何らかの形で一酸化炭素の濃度の規制をやりたいということでいま検討中でございます。これは使用中の車になりますと、測定方法その他が非常に簡単でございませんと、車両過程、車両検査とかそういうことで簡単に実施できませんので、そういうようなきめ方は新車の場合とちょっと違った技術上の観点に立たなければならない問題でございます。ある程度成案を得ましたので、これもそのうちにできると思います。
 それから先ほど重工業局長からお答えがありました軽自動車の部面でございますが、先生御指摘のとおり軽自動車については現在公害排気ガス関係の規制は適用されておりません。しかし軽自動車も相当数使われており、小さいとは言いながらばかにならない量になっております。一方重工業局長も御説明になっておりましたが、技術的に小さいという意味でなかなかむずかしい点があるのでございますが、これもある程度解決がつきつつございますので、普通の車よりは一歩おくれた形ではございますが、来年一月あたりから軽自動車についても規制を加えたい、こういうように考えております。ちょっと二、三の例を御説明申し上げましたが、以上でございます。
#61
○小柳勇君 最後に航空局にお尋ねいたしますが、航空事故の調査が、この調査団の編成など若干問題があったようですし、なお調査報告が先般の727の全日空の調査も原因不明と出ておる。こういうことで、まあ事故があってはなりませんが、事故があった場合の事故調査団などの編成についての見解、それから管制官の労働条件について先般いろいろ要求が出ておりますが、当然条件がよくなるとは思いますけれども、管制官の労働条件の改善、その他関係職員の待遇改善について省としてどのように検討されているか。一括で済みませんけれども、私別の会議が待っておるものですから、御答弁を願います。
#62
○説明員(金井洋君) まず御質問の第一、事故調査のことでございますけれども、これはたぶん全日空のボーイング727に関することが主眼ではないかと思いますので、お答えいたします。
 727の事故調査の結論はまだ出ておりませんけれども、現在まで調査し得るすべての技術的なものを調査し、まだこれだと断定できる原因は発見されておりません。で、正式にはまだ事故調査団から運輸大臣のほうに答申がなされておりませんので、まだ事故調査は終了しておりませんけれども、現時点では、いまのところまだ断定できるものは発見されていない。したがって原因不明になる公算が大きいということは言えます。
 もう一つ事故調査団の委員会の編成にあたってはいろいろ問題があったのではないかという御趣旨の御質問かと思いますけれども、学識経験者十三名に参加していただきまして、公平な立場から審議してもらいました。それからさらにその学識経験者のみならず、現場で実際に油にまみれて仕事をしておられる方々の意見を全部入れて、そして現在までやってきたような状態でございまして、この間十分意見は聞いたつもりでおります。しかし、先生御指摘のように、今後事故が起こった場合に、いまのような体制のままでいいのかどうか、あるいは現在のような委員会の編成でいいのかどうかということについては検討すべき点もあろうかと思いますので、十分検討させていただいて、より望ましい方法が見つかれば、そのようなことにすべきではないかと思っております。
 それから管制官その他の待遇改善はどのようになっているかということでございますけれども、航空の場合には管制官のみならず、非常に業務の特殊性というか、困難、複雑であり、責任の程度が高いという特殊性もありますので、これについては勤務条件、それから給与の面、こういう面で毎年努力しているつもりでございますけれども、少しずつ徐々ではありますけれども、改善されているかと思います。たとえば管制官については八%の調整額がつくようになりまして、もちろんこれで十分ではございませんで、来年は八%を一二%に上げる。あるいはそのほかの特殊勤務手当として管制手当というものをつけておりますけれども、これも現行二百円程度のものなので、さらにこれを上げるとか、あるいは勤務条件としまして、現在四百五交代制、一日二十四時間を四つに分けまして、四人で六時間でしたけれども、これを五人でやる。四直五交代制、週三十六時間、こういう勤務条件になって、これも徐々に改善されてきたつもりでおります。しかしながら御指摘のように、これだけでもって十分ということではございませんで、さらにこれからも定員の確保の面、あるいは予算の確保の面について、より一そう努力しなければならないというように思っております。
 以上まことに簡単でございますが……。
#63
○小柳勇君 終わります。
#64
○委員長(瀬谷英行君) 私のほうからちょっと。管制官の手当について。二百円というのはこれはきまった日とか何とかというのでなくして、勤務している人について一日当たりですか。
#65
○説明員(金井洋君) そうでございます。これは東京管制部、札幌管制部、福岡管制部、それから東京空港、大阪空港、名古屋、宮崎、鹿児島等、計器進入着陸装置とか、そういう高度な管制施設だとかいうものがあるところに勤務している管制官は、そういう一種の技術手当が支給されているわけでございます。
#66
○委員長(瀬谷英行君) 一律に。
#67
○説明員(金井洋君) はい。
#68
○委員長(瀬谷英行君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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