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1970/05/06 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 交通安全対策特別委員会 第5号
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1970/05/06 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 交通安全対策特別委員会 第5号

#1
第063回国会 交通安全対策特別委員会 第5号
昭和四十五年五月六日(水曜日)
   午後一時二十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     玉置 猛夫君     渡辺一太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         瀬谷 英行君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                二木 謙吾君
                千葉千代世君
                沢田  実君
    委 員
                岡本  悟君
                松平 勇雄君
                吉武 恵市君
                米田 正文君
                小柳  勇君
                永岡 光治君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全調査
       室長       平川 幸藏君
       警察庁交通局長  久保 卓也君
       文部省体育局長  木田  宏君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       大蔵省銀行局保
       険部長      渡部  信君
       海上保安庁警備
       救難部長     貞広  豊君
       労働省労働基準
       局監督課長    大坪健一郎君
       建設省都市局公
       園緑地課長    川名 俊次君
       建設省道路局企
       画課長      井上  孝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○交通安全対策基本法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(瀬谷英行君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る四月二十八日、玉置猛夫君が委員を辞任され、その補欠として渡辺一太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(瀬谷英行君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 交通安全対策基本法案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(瀬谷英行君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(瀬谷英行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(瀬谷英行君) 交通安全対策基本法案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○小柳勇君 この前の当委員会で、総括的な問題と、各省にわたる具体的な当面の問題を質問いたしました。きょうは逐条的にこの法律の問題点を確かめてみたいと思います。時間が三十分でございますから、私は簡明に質問いたしますので、簡単に要領よく御答弁を願います。
 まず、総理府総務長官見えておりませんので、長官にもあとで質問いたしますが、調査室長に質問いたします。この前の当委員会でも質問いたしましたが、現在、交通安全のために本部が、現在までも相当の対策を立てて交通事故撲滅のためにがんばってこられたのであるが、いままでは主として自動車の事故、陸上の交通事故を中心にその対策を立ててこられた。今回のこの法律によりますと、陸海空にわたっておる。そこで第三条の国の責務のところで、「国は、国民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、陸上交通、海上交通及び航空交通の安全に関する総合的な施策を策定し、」と書いてございます。この総合的な施策ということばはいろんなものを含んでおると思うが、各省庁にまたがる問題の総合調整を意味するのか、あるいは陸上、海上、航空のそれぞれの安全計画を総合するというのか、また国と地方の相互の施策を総合するのか。どういうところに一番中心を置いてこの三条ができておるか、質問いたします。
#8
○政府委員(平川幸藏君) この総合的な施策の具体的な意味でございますが、ただいま先生が御指摘になりましたように、第一の段階といたしましては、陸上交通、海上交通、航空交通、それぞれにおきまして総合的な長期的な施策が講ぜられることを意味しております。次に、陸上交通、海上交通、航空交通の全分野にわたりましてバランスのとれた施策を意味しております。第三点におきましては、国と地方公共団体の総合的な一体性ということを意味しております。特に国と地方公共団体との一体性というのは、国の基本計画の中におきまして地方公共団体が実施すべき基準というものを書くことが要請されておりますから、その基準によりまして国と地方公共団体との一体性が保たれる。要するに、横の関係における一体性と縦の関係における一体性というものを確保する、こういう施策でございます。
#9
○小柳勇君 長官が見えましたから。
 いま質問を始めたのですが、この前の質問で、現在までにある機構、予算などでやる交通安全の対策と、この法律をもってやる交通安全の対策というものはどのように違うかと、この前も一回質問いたしました。そういう質問の趣旨をもう少しふえんして、この第三条に「総合的な施策を策定し、」とございますが、総合的な施策というのは、いままでは本部が主として自動車交通の事故を主体と考えてまいった。今度は陸上、海上、航空と、こういう陸海空の交通安全になりますから、総合的な施策というものについてはいろんな意味があると思うんですが、いま安全室長からは、縦の相互間の総合施策ということでございましたけれども、長官がいま頭に描いておるこの総合的な施策というものはどういうことを考えておられるのか。たとえば各省庁にまたがる問題の総合的な調整なのか、陸海空のそれぞれの安全計画を総合するというのか、あるいは国と地方との施策の調整をやるというのか。どういうところを中心にこれから交通安全の対策を立て、交通事故を絶滅しようとするのか、長官の決意を聞いておきたいと思うのです。
#10
○国務大臣(山中貞則君) いずれを先、いずれをあとということを分けては考えておりませんが、この法律はあくまでも国がまず国民の生命、財産、健康というものを交通というものから守るということでありますから、やはり国の責務が第一でありますし、国がなさなければならないことは、まず最初に国が姿勢を示すことが基本になると思います。ただ現状では、お話にもありますように、関係各省庁のそれぞれの行政分野が有機的でない形でそれぞれの目的を持ち、計画を持って進んでおりますけれども、先般もお話し申し上げましたように、道路五カ年計画を中途策定を変えつつやっておりますが、そのときに、交通安全に要する費用というものはおおむね何%、五ヵ年間で何百億であるというような計画になっておりませんでしたし、これからはそういうことにしてほしいものだと考えまするし、単に陸上のみならず、海上あるいは航空、そういうものも今後の日本の政府の、外から見てもおかしくない交通行政の基本たるべき施策を打ち出していくために、この法律によって有機的に総理府においてしぼって、各行政庁の参加を求めながら国の姿勢を明確にしていくというところに基本が置かれておると御了解賜りたいと思います。
#11
○小柳勇君 予算が若干ふえるだけで、いまの動き、現在の各省庁の対策とあまり変わらぬのではないかという気がするのですが、いまもちゃんと本部長がおりまして各省庁の意見を聞きながらやっておるわけだ。どんなに違いますかね、これからやるのと。
#12
○国務大臣(山中貞則君) 具体的にことしの予算でどうこうというのはこれは問題じゃありませんで、これから国がこの陸海空、多面にわたる交通問題というものにどのように対処していくかについては、その政策並びにそれを実行し遂行するための予算というものが当然伴ってくると考えます。先ほどは道路の例をとりましたけれども、さらに警察庁等の取り締まりを中心として具体的にさらに取り組んでいく安全施設等の問題につきましても、予算等でも、先生は聞いておられたことでありますから簡略に申し上げますけれども、いままでは緊急三カ年計画の二期目に当たっておるだけでありまして、これから先どうするか、道路五ヵ年計画との対応はどのような性格づけが行なわれておって、年次計画ではどうなっておるか等については、はなはだ不明確な点がございます。でありますので、道路五カ年計画に対応する道路がそれだけ完備されたことに伴って、当然多発し増加していくであろう交通事故に対して、予算面でもって、できるならば四十六年度予算より五カ年計画でもって、道路と一年ずれますけれども、道路がりっぱになることによって交通事故による死傷者がふえないという安全施策についても五カ年計画等で定めて、そしてそれの年次予算を道路五カ年計画の裏として取っていくような措置も一つの事柄かと存じますが、この法律ができたことそのことによって予算が幾らふえるということは、ちょっといまのところは私もそういう計算はいたしておりませんし、まず国の政治の姿勢、それに伴って当然必要なものは予算化していくということになろうかと思います。
#13
○小柳勇君 くどいようだが、私いま質問している中心ですから、もう一回質問しますが、この法律によりますと、総理が会長になりまして、関係大臣が委員になって会議が結成された。そこで中央、地方の施策を見ながら交通安全の対策をやっていくんだが、各省庁といっても、各省が大部分交通安全をされるわけにはまいらんのですね、平常のいままでの仕事がありますから。そうすると、何局の何課かが専門でやるわけだ。総理府は長官がここで提案者になっておられるが、今後若干変わるかもわからぬが、やはり総理府なり、室長なり、そういうシステムの中心になってまいりますと、私どもが提案いたしております委員会システムであれば、たとえば各県の教育行政というものは教育委員会でやられております。教育委員会というのはしょっちゅうこのこと専門で会議し、かつ施策を持ってこの教育行政をやっておりますから、これはもう日常――常に恒常的な仕事をやるわけです。この基本法は、われわれの委員会システムでなくて会議システムですから、現在の各省庁の一部が連絡をとりながら、総理府などが中心のそのシステムでやっていくんですから、どうしても各省庁の本来の仕事が中心になって、法律ができるときは、いかにも交通安全対策をこれこれやりますというふうに国民に一時の安心を与えるけれども、恒常的な対策としてはいままでとあまり変わらぬし、効果が少ないのではないかと、こういう気がするわけです。したがって、専門家の意見を聞くとかいろいろありますけれども、諮問委員会もないわけです。だから役所のほうで、ある一部の人が考えたものが、思いつきとは言いませんけれども施策になって、寄り集まってそれが流れていくと、若干のものにまかしておけというかっこうで、これから交通安全の対策を立てていくんだと、またあと処理をやっていくんだという気がしてならぬわけです。だから、今度この法律が一応一歩前進として出ますけれども、将来はこのような活動では、これからますますふくそうする交通難を解決する、交通安全を確保するには、これでは十分ではないと思うが、どうでしょうか。
#14
○国務大臣(山中貞則君) 私も交通関係をあずかっておるということだけで、ずいぶんいままで存じあげてなかった民間の隠れたと言っては、私の不勉強で知らなかったということかもしれませんが、専門的に勉強しておられる方々と対談する機会を一再ならず持ちまして、そのときに、やはりいろんなことを研究し、いろんなアイデアを持っておられる方々がたくさんおられることをしみじみと感じたわけです。
 そこで、行政機構の問題としておっしゃっているのは、三条機関にすべきであるということをおっしゃっているのかと思いますが、私も実は板ばさみ的な気持ちがございまして、つい十分前まで産業公害特別委員会で、これも公害紛争処理法案で三条機関をなぜ置かないかということでいままで御質問を受けてきたわけでございます。ところで、一方においては行政機構簡素化ということで、また一つの国民の声として、政府の姿勢としても遅々として効果が上がらないという批判を受けながら、姿勢は持っておるのでありますが、ことに三条機関というのは公取その他人事委員会、公安委員会と、たいへん大きなウエートのものでございます。したがって、交通問題も大きなウエートを持っておりますし、ことに平和な日本において戦争という名が冠せられておるのは交通だけでございますから、それだけ価値もウエートもあると思いますが、さて新しく三条機関を置こうとなりますと、相当なやはり決断と申しますか、十分の議論を尽くした後でなければならないと実は考えまして、私も三条機関で、たとえば公害紛争処理委員会等々も要求がございますし、三条委員会のあり方、あるいは現在の制度、私どもの出しております法律の制度では、どこまでいってどこまでいけないかという問題が今後残る問題になろうかと思います。これは原案を固執するという立場ではなくして、やはり一つのものを設けます際、事柄について十分の議論を経た後に決断する場合、政府の責任において決断すべきことであると考えておりますから、将来そういう事態がまいる日も、好ましくありませんがくるかもしれませんし、できればこの法律によって予算その他の措置なり、あるいは行政措置等を有機的に展開をしながら、少なくとも責任者が総理だというなら、政府の責任において政治の責任者がこの責任をとることになるわけでありますので、やはり三条機関等の問題も、この実施効果等を見ながら判断をする時期もあるいはまいろうかと思いますが、今日の時点においては、少なくとも海空を入れまして有機的、計画的な施策を前進してみるということについて御了解を得られれば幸いだと考えております。
#15
○小柳勇君 またあとのほうとも関連がありますから次に進みましょう。
 第四条で地方公共団体の責務がうたってありまして、「国の施策に準じて施策を講ずるとともに、」とこう書いてあります。地方公共団体の責任と中央との関連はどうか。また第十一条には直接的なもの、間接的なもの云々として、これを問わず、一体として交通の安全に寄与することとなるように配慮しなければならぬと書いてあります。この国の施策と地方公共団体の施策との関連というものは、予算など裏づけがありませんと、中央でどんなりっぱなことを言いましても、地方でなかなかついていけないのですね。中央と地方との施策の関連、一体化というのは具体的にはどういうことを言おうとしているのか。
#16
○国務大臣(山中貞則君) これは考え方、この法律の設定せざるを得ない背景、こういうものについては中央も地方も同じ認識を持って対処する。ただし地方においては中央、国の考え方どおり全部が同じ形態の中に入らないところもございましょうし、そこらには自治体の自分たちのあり方にふさわしい交通施策の展開ということが弾力的に自主性を持って行なわれる余地があるわけでございますが、財政的についてもそれらの普通的な措置については当然国が措置をしなければなりませんし、一義的には国自身の予算というものを考えていかなければなりません。いままで市町村単独の交通安全施策等についてはみんなほとんどが単独予算でやっておりましたものを、御承知のような反則金制度を制定をいたしまして、それも一ぺん国が徴収をして全額お返しをするという形をとりました。これなどはその徴収に当たる警察官が、県境を異にすることによって、ある県では追い越しを徹底的にやるし、ある県では一時停止を重点にやるということであっては、自分たちの予算をふやすためにやっているのだと見られてはいけないという配慮のもとになされた措置でありますが、こういうふうに地方自治体の独自の財源とも言うべき特定財源、目的財源ではありませんが特定財源というようなものを付与したこともその一つでございましょう。これからもやはりいろいろと検討を重ねながら交通安全施策についての予算というものを、国もしくは地方それぞれのプロパーの問題、あるいは補助金、その裏負担の問題、十分に一体となって考えていかなければならないものと考えております。
#17
○小柳勇君 反則金の問題をあげられましたけれども、反則金もあまりこれを奨励しますと、罰金取らぬから予算が少ないようになりまして、これはちょっともろ刃の剣になりますから、十分注意してもらわないと困ります。
 次は十四条で、中央交通安全対策会議という、これがまあこの法律のみそですね。われわれは行政委員会的なものを考えております。この対策会議なるものを、ただ総理大臣を会長にしたから強力とはわれわれは考えないわけですね。実質的に強力な対策会議とするには一体どういうことをするのか。いままでのもの、全部過去のものがわかっていますから、この対策会議のあり方なり今後の運営なりについて見解を聞いておきたいと思います。
#18
○国務大臣(山中貞則君) 私も総理大臣が会長と書いてあるから非常に強力なもので実質の裏づけがあるものだというふうにまともに考えてはおりません。これはやはり総理大臣が会長ということは、政治の責任者たる政治家、すなわち総理の名においてこの事柄については責任を負うということを明らかにしておるものでございまして、でありますから、この機構の運用にあたりましては、当然総務長官が中心になりまして、会議の構成員ではございますが、その機構は総理府におくわけでございますから、総理府においてこれを総理にかわって政治姿勢の個々の問題について具体的な施策を策定し、そのことの全責任は総理の責任として打ち出す、あるいはそれの国民的に足らざる点はこれは政治責任者の総理が会長でありますから、総理が責任を負うということになるものだと考えております。
#19
○小柳勇君 第十五条の中に専門委員を置くと書いてあります。この専門委員というのは、この会議がもろもろのことを調査される、こういうことでございますが、専門委員についてはどういう人を考えておられますか。
#20
○政府委員(平川幸藏君) 交通安全基本計画の内容は、事柄の性質上かなり具体的な問題が多くなってくるわけであります。したがいまして、この具体的な内容につきまして、民意というよりも専門家の意見を聞くということでございますが、われわれが現在予定しているのは、たとえば交通工学でございますとか交通心理学、あるいは脳外科、脳神経外科のお医者さん、そのほかに航空関係、それから国鉄関係、そういった専門家を予定しております。単にこれは学識経験者のみならず、政府部内においてのそういった権威者も予定しております。
#21
○小柳勇君 学問的なものも必要でしょうけれども、実際交通関係に携わっている働く人、労働者などですね。働いてみなければわからぬ点もあるわけですね、いろいろな経験など。だからいまの答弁では学者などを中心に考えておられるようであるけれども、たとえば労働組合の代表だとか、あるいは技術的なベテランだとか、そういう人たちもこの専門委員の中には入っておりますか。
#22
○政府委員(平川幸藏君) これは今後の選定の際における選考の問題でございますけれども、たとえばいま先生が御指摘になりましたようないわゆる労働時間とか労働条件の科学的な検討につきましては、国鉄の労働科学研究所というところで非常にいま精密に研究をやっております。したがいまして、そういった機関における責任者、専門家というものを任命することは考えられますが、具体的にいまだれだれにどういう研究を委託するということについてはお答えできませんが、いずれにいたしましても、そういった機関を通じまして吸い上げていきたい、このように考えておるわけであります。
#23
○小柳勇君 この前労働省にも質問しましたが、交通安全推進会議というのがございましてね。これは労働省が自動車運転手の労働条件をきめ、通達を出しました。この実施状況なり、事故をなくすための安全会議ですけれども、この委員がほとんど社長さんや重役さんで、労働省の通達というのは、自動車運転手の労働条件を過酷にすると事故が起きますから、過酷にしないというのが中心なんです。この通達を実施するという監視役の会議が、その委員会というものが社長や重役さんで労働者を使うほうの人たちということです。だから有名無実で実際的に効果がないという意見が現場から出ておるものですから、せっかく専門委員として設置されましても、ただこの労働者を働かせるだけの計画ではほんとうの安全にならぬのではないかという気もいたしますから、専門委員の選定については十分過去の問題も参考にしてきめてもらいたいと思います。また会議の運営につきましても、何度も言いましたけれども、社会党案のような行政委員会的なものがありませんから、役所の担当の課長さんや局長さんが出て意見を述べるでしょうから、十分に直接現場の意見も吸い上げながら施策を立てるように、このところでは希望しておきたいと思います。
 それから都道府県の対策会議にも特別委員というのが設置されます。十七条ですね、この第十七条の特別委員という方々もいまあなたの言われたような方を予定しておるのかどうか。どういう人を予定しておるのか。これは都道府県交通安全対策会議できめることでありましょうけれども、この法案を作成されたときの気持ちを聞かせておいてもらいたいと思います。
#24
○政府委員(平川幸藏君) 第十七条の都道府県交通安全対策会議に置かれます特別委員というのは、国の専門委員と異なりまして審議権を持っております。現在われわれの考えておりますのは、ずっと書いてございますが、たとえば指定地方行政機関の長とか、教育長、警察本部長、こういった方々は事務的な権限を持っておられる、これに並ぶ方々で実質的に権限を持っておられる方を特別委員にしたい、かように考えております。現在われわれとして予定しておりますのは、国鉄の支社長あるいは道路公団の支社長、こういった方は言わば権限として、自己の固有の権限としてその道路につき、あるいは国鉄につき権限を持っておられます。こういう方々を交通安全対策会議の中に入れておかないと、十分な完全なものができないということでございまして、中央における専門委員と性質を異にしております。
#25
○小柳勇君 それではこの都道府県交通安全対策会議の内容をちょっと説明してください。
#26
○政府委員(平川幸藏君) 会議の内容といいますと……。
#27
○小柳勇君 構成メンバーはどういう人を考えておるか。
#28
○政府委員(平川幸藏君) 会長はそこに書いてございますように都道府県知事でございます。それから指定地方行政機関の長でございますが、これはまず前提といたしまして、都道府県陸上交通についてございます指定行政機関を一応申し上げると、地方建設局長、地方陸運局長、これが入る。それからそれの指名する人、たとえば部長、こういう方先それから教育委員会の教育長、警察本部長。それから四号で都道府県知事が指名する者となっておりますが、これはたとえば総務部長でありますとか土木部長、こういう方々。それから五号におきましては、たとえば大都市の市長。それから六号におきましては、市町村長の代表という意味で、というのは都道府県交通安全対策会議では、市町村における交通安全の基準となるべき事項を書くとなっておりますから、やはり市町村長の代表者ということになっております。それから消防機関の長もこの専管事項として救急体制を受け持っておりますので、消防機関の長も入れなければならない、こういうことでございます。そのほかに、ただいま申し上げましたように、自己の権限として排他的な権限を持っておるたとえば道路公団の支社長あるいは国鉄の支社長、こういった方を入れて構成する、このように考えております。
#29
○小柳勇君 地方交通の対策を立てるには、たとえば県会議員であるとか、その他の交通関係の学識経験者などが委員として現在入っておりますね。この交通安全という端的な国民的な対策に対して、いま言われたのは中央官庁の出先機関の長ですね。地方対策会議に入るメンバーは特別委員として国鉄の支社長などをおっしゃいましたけれども、民意をほとんど吸収されないような地方の対策会議、こういうもので地についた交通安全対策というものができるでしょうか。中央からコントロールするには便宜がいいんですね、中央からの出先機関の長ですから。ところが、地方の実情は、もちろんそれは陸運局長といいましても課長さんが出るでしょう、会議には。実際地方県民なり市町村民の意思というものが直接的にその会議に反映するような仕組みになっておらぬですね。その点どうですか。
#30
○政府委員(平川幸藏君) 御指摘のとおりこの対策会議は、交通安全計画につきまして具体的に決定する権限を持っておる者を集めております。したがいまして、いわゆる県民の民意といいますか、そういったものを反映する機会は各都道府県の実情に応じて適宜つくられることは何ら差しつかえないわけでございますが、われわれとしてこの対策会議を考えましたのは、実質的に権限を持っておる者が具体的計画を立案する、こういう点に着目したわけでございまして、確かに先生御指摘のような点はございますが、その点では他に審議会なんかを条例で設置する、あるいは参考人としてこの対策会議に御出席をお願いして、そこで御意見をいただくということは決して排除するものではございません。そういう場合における民意の反映のしかたは十分あり得ると思います。
#31
○小柳勇君 その後段におっしゃった各地方のあり方についての何か構想などありますか。かってにやってよろしいということですか。
#32
○政府委員(平川幸藏君) 現在各県の実情を申しますと、各県には交通安全対策協議会というのができております。これは先生が先ほど言われましたように、交通安全に対する権限を持っておる者、たとえば県会議員でありますとか、そういった方方も入ったミックスした状態になっております。したがいまして、この交通安全対策協議会というものは今後も存続されてけっこうでございますし、この中の権限のあるものについてはこの対策会議に加入すると、こういう二本立ての組織、構想になるかと思いますが、しかし、ただいま申し上げましたように、こちらの機関は法律に基づく機関でございます。ただいまあります協議会は申し合わせの機関でございまして、この機関を十分活用するということは考えられると思います。
#33
○小柳勇君 そういう点は各地方でもこれから英知をしぼっていい方法を考えるでしょうけれども、一つの基準的なもの、モデル的なものはやはり示すべきだと思うのです、この中央からだけの仕事を考えますと、この法律では。あとは条例その他で地方でかってにつくってもらいますでは、なかなか対策会議もできぬでしょうから、ひとつモデル的なものを構想を描いて示しになるようなこともお考えをいただきたいと思うのでございますが、その場合に、この二十条の二項に「中央交通安全対策会議は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、」云々と書いてあって、地方のほうに「必要な勧告をすることができる。」と書いてある。どのようなことを期待しておるか、質問いたします。
#34
○政府委員(平川幸藏君) 二十条の二項は、「中央交通安全対策会議は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、都道府県交通安全対策会議及び市町村交通安全対策会議に対し、必要な勧告をすることができる。」、こういう規定でございます。これはただいま申し上げましたように、この計画は国、地方公共団体を通じまして総合的、一体的な統一性を保つことがやはり主眼点になっております。そういう意味におきまして、この法律の各所にいろいろな権限を与えております。一例を申し上げますと、都道府県交通安全対策会議において審議しておる事項その他につきまして、率直に申しますと不適当である個所が国の施策に順応しない、場合によっては抵触するという場合がないとも限らない、そういうおそれがあるときにつきましては勧告をしていくということでございます。中央も、内閣総理大臣は各指定行政機関の長に対しまして勧告することができるという規定もございます。一連の歩み寄った規定でございます。
#35
○小柳勇君 この法律がなくとも総理大臣が各省大臣にいろいろ指示することはできるのですからね。法律の体系上こんなものが入っておるものと思いますけれども。次に基本計画、第二十二条の二項に「交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱」とございます。まず総合的とはどういうことか。長期的というこの長期期間は一体どのくらい考えるか。それからその大綱ですね、おもなる構想について御説明願います。
#36
○政府委員(平川幸藏君) 第一号の「交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱」の内容について具体的に現在考えている構想を申し上げます。
 まず、第一といたしましては、陸上交通、海上交通、航空交通のそれぞれにつきまして現在考えておりますが、約五年程度の将来の事故予測をいたしたい、このように考えております。この予測につきましては、単に現在までの傾向を引き延ばすというようなやり方ではなくして、各国のいわゆる交通事故の型、タイプ、そういったものを参照しながら、かつまた自動車生産の伸び、こういったものを参照しながら、的確なできるだけ近い予測をいたしたい。それに対して、できるだけ少ない限度において交通事故を防ぎたいという目標の設定をいたします。これが第一点でございます。
 第二点は、それに対するたとえば交通安全施設の整備の拡充でございますとか、交通規制の合理化といった施策を実行する、その施策をこの中に書いていくわけでございますが、その施策は科学的に実証された施策でなければならない、このように考えております。したがいまして、この前の委員会でも御討議がありましたように、実態に則した実態調査をもとにしまして、一つの何と申しますか、法則というものを発見いたしまして、たとえば交通安全施策につきましては、その効果測定というものを十分やりながら施策を講じていくというのが第二点。
 第三点は、この基本計画が、いま申し上げましたように五ヵ年計画でございますから、各年度にわたって財政の裏づけがある計画をつくらなければならない。予算がきまりました段階におきまして、こまかい具体的な計画をつくっていくということと、もう一つは、各都道府県が準拠すべき基準、少なくとも交通事故がこの程度発生している地点についてはこういう施設はやるべきであるというような基準をこの中に盛り込みたい、このように考えておる次第でございます。
#37
○小柳勇君 それからいまの計画をつくられる場合の時期ですね、第二十四条に業務計画をつくるようになっておりますが、予算審議とのかね合いもありましょう。その計画をつくる時期、またどの程度の具体的な内容を盛り込むつもりでございますか。
#38
○政府委員(平川幸藏君) この二十四条におきます交通安全業務計画というのは、これは実施計画でございますから、この基本になるものは、先ほど申し上げました五カ年の基本計画に基づくものでございます。これが設定された後におきまして、各指定行政機関、すなわち行政大臣はその精神にのっとりまして毎年度予算要求をしていく。その要求の結果、予算の決定が行なわれ、あるいは議決されますと、それに基づいて具体的な計画を各省で実施しますし、府県にも関係部分は通知していく、このようになるわけであります。
#39
○小柳勇君 各条的にもう少し問題があると思いますけれども、時間がまいったようでありますから、労働省の基準局の監督課長が見えておるようでありますから、最後の質問をいたします。なお長官にも一緒に質問いたします。
 この交通事故のおもなるものは、パイロットなり、あるいは船長なり、あるいは運転手なり、直接交通機関を動かしている人の責任に起因する場合が多いのではないかと思います。車や船や飛行機が動かなければ事故は起こらぬのです。動くから事故が起こるわけです。だから、動くというのはその操縦者がおるということですから、操縦者、運転手などの労働条件というものが交通事故の発生に非常に大きな影響があるものと考えます。で、日本の交通関係労働者の労働時間、いわゆる労働条件を各国と対比して見ますと、悪い面が多い。そういうことで、交通事故をなくするためには、交通関係労働者の労働条件をよくし、労働時間を短縮するという方向に検討してまいるということも交通事故をなくする大きな一つの要素ではないかと思います。そういう意味で、労働基準の問題で労働省に質問をいたしますが、ILO六七号条約、これがいま申し上げたような交通労働者の労働時間の問題でございますが、これの改正が現在提案されておる。この改正の問題と同時に、改正した場合に批准をするかどうかについて労働省に質問いたします。
 同時に、長官には、飛行機あるいは船、あるいは車の運転手の労働条件の改善の方向に今後も、この法律ができた以後も最善の努力をしていただかなければならぬと思うのですが、見解を聞きたい。以上であります。
#40
○説明員(大坪健一郎君) ただいま先生のお話で、ILO条約の第六七号が改正される機運にあるというお話でございます。この点につきましては、まだ詳細具体的に私どものところに原案が届いておりませんので、その点につきましては、原案が届き次第検討させていただきたいと思うわけでございます。既存の六七号条約につきましては、職業的資格において路面運送用の車両を操縦する者、それから路面運送用の車両に乗り込んで、かつ職業的資格においてこれを運転する者、そういう者は原則として労働時間は一日八時間、一週四十八時間でなければならぬ。それからいかなる運転者も五時間をこえる継続的ハンドル時間と申しましょうか、継続的な時間操業をやってはいけないという原則が書かれておるわけであります。わが国の労働基準法の労働時間の規制は原則として一日八時間、一週四十八時間という点ではこの条約と同じ基準でございますが、交通運送に縦事する操縦者の継続的な操縦時間あるいは操業時間についての規制は御承知のとおりございません。したがいまして、私どもといたしましては、この六七号条約は実は戦前の条約でございまして、一九三九年の第二十五回総会で採択されたものでございます。御承知のように内容は非常にきびしい、ある意味では原則的な立場の貫かれた条約でございます。
 なお、これに関連いたしまして、この条約は従来中央アフリカ連邦、キューバ、ペルー、ウルグワイの四カ国しか批准をしていない状態の条約でございまして、条約の規制そのものに、こう申しては何でございますが、非常なきびしさがあるために、先進諸国でもまだ批准をしていないということではないかと思います。こういう状態を考えまして、一九五四年に第五回内陸運輸労働委員会というものが持たれまして、ここで路面運輸における雇用条件に関する覚え書きというものが採択されたわけでございます。で、この覚え書きに書かれましたもろもろの原則を、いわば日本の労働基準法とすり合わせまして、御承知のように、二・九通達というものがわが国で昭和四十二年の二月九日に通達されたということになっております。したがいまして、私どもといたしましては、当面この二・九通達の中にきめられました労働条件に関する諸原則並びに基準をぜひ完全に業界で守っていただきたい。あるいは労使交渉の場面でもぜひこの点については労使ともどもこれをお守りいただいて、その上に立って労働条件をおきめいただければ、過労からくる交通事故等は相当程度防げるのではないか、こう考えておる次第でございます。
#41
○国務大臣(山中貞則君) この法律が通りましても、私の段階では、雇用条件その他まで立ち入った行政分野は持ち得ないことになりますが、しかし、警察庁等で現在までの事故その他の統計あるいは原因追跡のしかた等の中に、いま御指摘になりましたような問題等もこれからお願いをいたしまして、事故を起こした原因については肉体的な問題もありましょうし、特殊な勤務ですから精神的な問題も多分にあるわけでございますから、そういうようなもの等もデータにいたしまして、労働省なり何なりの監督官庁のほうと有機的にこの基本法に従って進めていきたいと考えます。
 他面、また私どもふだん町を車で走っていて思うのですけれども、一時停車をよく守り、あるいは信号をよく守るのは、比較的に陸上で言えばタクシーの運転手さん、プロの人のほうがむしろ規則はよく守っているようでございまして、免許取り立ての連中のほうがよほど乱暴な赤寸前に突っ走ったり何かすることをよく見かけますけれども、やはりこれらのことも交通教育の問題もありましょうし、十分な配慮をいたして、当然自動車は実際は他動車でございますから、動かす人の問題についても、車だけでなく配慮していくべきは交通政策のやはり一つの前提であろうと考えます。
#42
○鬼丸勝之君 数点について簡潔にお尋ねをいたしますので、簡明にひとつ率直にお答えをいただきたいと思います。
 まず、総務長官の提案理由の御説明で、初めのほうにございます「国民のすべてがそれぞれの立場において国及び地方公共団体の施策に協力するという、いわゆる国民総ぐるみの体制の確立をはかる」ということが交通安全対策を国や県が強力に推進することと同時に非常に大切なことであるということは、御説明のとおりに私も考えるものでございますが、この法案を見ますと、この国民総ぐるみの体制の確立をはかる根拠条文といたしましては、第三十条がかなり国の施策措置として書いてございます。地方公共団体もこの三十条の規定――国の措置に準じてやるということになっておりますね。そのほかいろいろ努力義務の規定が八条から十条に規定されておりますが、そこで長官にまずお伺いいたしたいと思いますのは、これらの法律の条文に基づいて、あるいは行政措置によって、この国民総ぐるみの体制の確立をはかることをどういうふうに具体的にされるか、その御構想をまず伺いたいと思います。
#43
○国務大臣(山中貞則君) 交通問題に対するとらえ方でございますが、結局たとえば交通そのもの、すなわち自動車なり、自動車を運転する人の心得ももちろん大前提として必要でありますが、歩行者というものが交通にどう対処しなければならないかという面も一方にはありましょうし、交通事故そのものが、本来自分は加害者になってやろうと思って運転して加害者になったんだというのではなくて、あるところで突然自分が加害者になり、何も関係のなかった人が被害者の立場に置かれるということが大体の形態であろうと思います。そうすると、一番弱い者は年寄りや子供でありましょうし、子供は学校教育と言いましても、学校だけではとてもだめですから、そうすると今度は家庭のしつけ、幼児から交通問題について親が注意しなければならないというようなことで、やはり交通問題は全国民的なつながりを持つものでありますから、好ましくない統計の結果でありますけれども、百万近い人々が現実に交通事故によって被害者の立場に置かれている今日、そうすると脅威を受けている人口というのは、あるいは日本人口の一割、一千万ぐらいの人々が脅威を受けたのかもしれませんし、極端に言うと、運転する人も含めて、一億の国民の中で半義務的に家を出て、何らかの手段によってほかの場所に行って帰ってくる人が三千六百万と大体いわれておりますけれども、それらの人々は家を出たが最後、絶えずそういう脅威にさらされていると極言もできると思うのです。そういう意味で、これは国の施策や公共団体がやっただけではとてもとても追っつかないことでありますから、国民総ぐるみという表現がいいか悪いかは別にいたしまして、この平和な日本で戦争という名の存在するのは交通だけですから、私たちはまず日本の平和な国の体制の中からせめて戦争という名の、そういうことばだけでもなくするような努力をしなければならぬ。これは政治の問題であり、国民全体の一人一人の問題であるということを理念として申し上げている次第でありまして、そういうことを踏まえて政策も多面的に有機的に展開していかなければならぬと考えます。
#44
○鬼丸勝之君 ただいま総務長官の御答弁で御趣旨はよくわかりましたが、そこでいま総務長官も言われましたように、多面的に有機的にひとつ国民がそれぞれの立場で交通戦争をなくそうという意欲を持って協力する。そのために私は実効性のある行政措置をひとつ思い切ってどしどしやっていただきたいと思います。これはもう明敏な、しかも実行力のたくましい総務長官に私は心から期待いたしているのですが、どうもいままではただ看板を立てたり、あるいはビラを配ったり、あるいは中央から通達を流すということで能事終われりということになっている面が相当あるように思う。あるいはかえって害がある、よく地方を歩きますと、交通安全宣言都市というような立て看板が立っております。それも非常に交通事故の危険の多いようなところに立てられている。それなどは私はまず意味のないことじゃないかと思う。あるいはこれは市町村がやっているのでしょうけれども、そういうものは一種の交通安全施設の整備のおくれていることの責任回避とさえ受け取られる節があると思うのでございます。
 そこで二、三この点について伺いたいんですが、民間の健全かつ自主的な組織活動を促進するという点で、御承知のように各県に交通安全協会というような組織がございます。これは大体警察中心の警察の外郭機関というふうに私ども認識いたしておるのでございますが、こういうもののもっと活動分野を広げて、地域住民の有識者、経験者を参加さしていくというふうに育成していくお考えはございませんか。この点ひとつ伺います。
#45
○政府委員(久保卓也君) 安全協会は全国のレベルで行なっております日本安全協会、それから県単位の安全協会、さらに署の単位の地域的な安全協会と三種類ございます。そこで中央と県単位のものは業者中心でありますが、地域のもの、署を中心としておりまするものは、これは運転者が入っておりましたり、それからいまお話のように有識者などが入っておりまして、必ずしも業者単位ではございません。むしろ業者のほうが少ない場合が多いのじゃないかと思います。ただ問題なのは、私ども現在のところ安全協会については比較的一般的な指導をしておりまして、具体的にたとえば財源の問題、組織の問題、あるいは事業の問題、それから構成員、参加者の問題、そういった問題について具体的にかくあるべしというふうにまだ指導いたしておりません。そこでお気づきだと思いまするけれども、各県あるいは各署非常に区々の内容になっております。これはもう少したちまして、総合的にいまお話のような問題も含めまして再検討し直してみると同時に、市町村あるいは県自身がどういうふうにそれに関与するかということも含めて考えてみたいと思っております。
#46
○鬼丸勝之君 いまの問題は警察庁だけでなく、総理府が中心になって、総合的な観点からひとつ検討していただきたいと要望いたします。
 それから一般的な国民に対する協力を求めるためのPRと申しますか、広い意味の社会教育も含めての問題でございますけれども、私どもいろいろ聞いたところでは、やはりテレビ等でNHKがたとえばときどきスポットで放映しておりますですが、あるいはスタジオ一〇二で、交通局長も出られたことがあったと思いますが、ああいうテレビの放映等も相当効果があるようでございます。これは民放については経費の要る問題でございましょうが、こういうことをもっとひんぱんに行なわれるように考えられたらどうかと思うのでございます。この点についても総理府が中心になって、今後中央の安全対策会議で当然取り上げていただけるものと思いますが、念のために伺っておきます。
#47
○国務大臣(山中貞則君) これはもうすでに私も意見を表明したところでありますが、NHKがスポットでわかりやすく、動いている横断の状態をばっととめて、そして適切なことばで、子供たちにもわかるようなものをやってくれております。これは政府が依頼したわけではありませんが、NHKが公共放送の使命にかんがみてやってくれておる自発的なプログラムであろうと思っておりますけれども、これを民間放送に、おっしゃるとおり各時間帯を買うことにいたしますと、ちょっとしたスポットでも相当な金になりますが、将来はそういうことを考えながら、新聞その他もすでにこれは有効に啓蒙宣伝等を広告ページでやっておりますが、大体拒絶反応なしに交通問題はみんなが読んでいただいておると思います。総理府でやりませんでしたもので、この二、三日前に東京都の交通PRのページがございましたが、私どもの考えていることとそう違ってはおりませんけれども、ことに東京都では裏通りその他を漫画的な絵を書きまして、道幅いっぱいに車が通る、そこに幼い子供がへいに手を広げてへばりついているのがかいてございましたけれども、やはりわかりやすく、子供もおとなもみんなが自分たちの問題としてとらえるようなことをいろんな方面にわたって展開していかなければならぬと思います。ことに、お茶の間で別段新聞を広げたりなどする必要もなく、ある劇映画なら劇映画を見て、見終わった瞬間に交通事故のPRが十秒なら十秒ぼっと入るというだけでも非常にすなおに入っていくものだと思いますので、今後予算等の問題もございますが、これは十分検討に値することとして進めてみたいと考えます。
#48
○鬼丸勝之君 ただいま総務長官のお話のとおり、ひとつぜひこれは積極的に今後お進めを願いたいと思います。
 次に、交通安全対策会議と交通安全計画の問題について二、三伺いますが、先ほど総務長官から小柳委員に対する御答弁もございましたので、大体了承いたしましたが、交通安全対策会議が作成しまするこの交通安全基本計画の長期の施策は五ヵ年計画で考えておる、こういうお話でございましたね。これは最初の五カ年計画は何年から四十五年度から始まるというふうに考えておられますか。
#49
○国務大臣(山中貞則君) 安全施策そのものにつきましては、先ほども申し上げましたように第二回目の三カ年計画の第二年目に当たっておりますから、できれば四十六年度の第三年目を初年度とした五カ年計画の安全施設の全体予算並びに初年度予算を、財源問題等もございますので、道路財源等ともよく議論をしながら詰めていく必要がありますし、いままでは警察庁だけでやっておりました予算要求も、これからは総理府も全体的な立場でこれに関与しつつ、バランスのとれた予算を組んでいきたいと考えますが、事柄によって、四十六年度予算から出発できるものが大部分であろうと思いますが、その施策のおもな予算化する内容についてまだ十分煮詰めておりませんので、道路問題はどの程度ということについては、いまのところちょっと御説明申しかねる段階にございます。
#50
○鬼丸勝之君 そうしますと、交通安全基本計画全体としては、四十六年度から第一次五カ年計画ということに了解してよろしゅうございますね。
 そこで、いま長官からお話のありました安全施設の整備事業計画、これがこの「陸上における交通事故」という白書によりますと、四十三年度末、去年三月末でほぼ最初の三カ年計画は実行ができた。今後、いま長官からお話がありましたように、年次の改定の問題がございましょうが、次の三カ年計画ではさらに千六百億ぐらいでしたかな、千六百数十億を擁してやっていかなければならないというふうに書いてございますが、ほぼいままでの三年は達成できたということは、いままでの交通量あるいは交通事故のデータからいって、この七百八十二億という去年三月末までの計画は妥当であった。しかしその後の交通事情の大きな変化に伴って、さらに千六百億余の新しい三カ年計画を立てなければならないというふうに考えられておるのか。さらにこれをも再検討の時期になってきておるというふうにお考えになっておるか、この辺ひとつ要点だけをお答えを願いたいと思いますが。
#51
○国務大臣(山中貞則君) これは警察庁としてはちょっと来年度予算のことをあまり責任を持って言いかねる段階にもございましょうから、私のほうでこれを引き取った形で申し上げますと、いままでの三カ年計画の金額にとらわれずに、新道路五カ年計画の実態に応じて考えました場合には、交通安全施設そのものだけで三千五百億ほどの金が要るのではなかろうか。警察庁のほうはこれに人件費その他のほうは加えておりませんので、やはり施設だけをつくっても人というものもございますから、それらのものを加味いたしますと、やはり四千億をこえるような金額のものが五カ年計画の設定の目標になっているのではなかろうか。でありますので、十兆三千五百億の道路財源の第二年目が非常に窮屈な歳入状況にございます。しかし、新構想その他たいへんにぎやかでございますので、その一環に道路五カ年計画の裏には必ず安全設備の予算が要るんだ、それは五カ年計画でどのくらい道路の開発の裏予算として要るんだということをはっきりこの際体系づけ、理論づけたいと、こう考えておりますので、警察庁だけの予算でなくて、国の、政府全体の姿勢として今後はその予算獲得に当たってまいりたい、こう考えております。
#52
○鬼丸勝之君 ところで、その交通安全施設等整備事業三カ年計画は、いまお話しのように道路整備五カ年計画との関連において、この中にも相当入れていかなければならぬ点がございますが、どうかひとつ三千五百億円か、金額の問題はなお今後御検討いただくといたしまして、警察庁関係の費用、また施設そのものの費用については十分他の長期計画に織り込んでいただくように、これはひとつ総務長官に今後一そうの御努力をお願い申し上げたいと思います。特に歩道橋の設置、あるいは歩車道、分離歩道をつくるという、こういう事業がかなり進んできておりますけれども、都市の人口集中、あるいは交通量の激増に伴って、まだまだこれが既定計画に比べると、今後なお相当の事業量が新たにふえていく傾向にあるように思います。場所によってもちろん必要性の度合いは違いますけれども、歩道橋を設置することと、歩車道の分離歩道をつくるということとあわせまして、建設省の今後の計画の構想をひとつ伺いたいと思います。
#53
○説明員(井上孝君) ただいまきまっております新しい三カ年計画の中身について御説明しますと、御指摘のように、私どもといたしましては交通上最も弱い立場にございます歩行者、これを自動車事故から守るということを当面の重点といたしております。御承知のように、道路関係の現在の三ヵ年計画は総額七百五十億でございます。このうちの八割以上にあたります六百二十億をさきまして、歩道五千キロ、それから歩道橋を千二百橋かけるという計画を持っております。この三カ年計画終了後も、先ほどお話が出ておりましたように、私どもの道路整備五カ年計画はことしから四十九年まででございます。今回の基本計画にのっとりまして、新しい五カ年計画の中での特に歩道の設置につきまして、重点を置いて中身を考えていきたいというふうに考えております。
#54
○鬼丸勝之君 次に、これは交通環境の問題でございますが、その交通環境を整備することの重要な施設としては、児童公園、特に交通公園がございます。さらに、これは厚生省の所管になっておりますか、児童遊園という、ちびっ子広場というようなものが一連のものとしてあるわけでございますが、私も当委員会におきまして東京都内の交通公園等も視察をいたしましたが、こういうものがまだ特に大都市においては非常に不足しておるのではないか。最近四十二、三年ごろからですか、ようやく公園の用地費も補助の対象にされたようでありますけれども、やはり子供のときから、子供に実際に目から耳から吹き込む、あるいは自分の手足を動かして身につけさせるということが将来の交通安全対策としては非常に有効でもございますし、交通安全のためだけでなく、児童遊園地が子供の人間性を形成していく上に必要なことは、もう御承知のとおりでございますが、交通環境の整備の施設として、これをももっと大幅にこの施設の整備を考えていただきたい。これは何といってもやはり予算を伴う問題でございますが、今後の基本計画なりあるいは年次計画、児童の安全計画におきまして、当然これも具体的に取り上げてまいらなければならぬと思いますが、この点についての構想の御説明を願いたいと思います。
#55
○説明員(川名俊次君) 児童公園、交通公園につきましては、御指摘のとおりでございまして、人口の集中によりまして遊び場がますます不足をしてきておるということと同時に、交通事故が発生をいたしまして安全な遊び場対策が必要とされておるわけでございます。建設省といたしましても、四十五年度予算におきまして、総事業費約百十億程度でございますが、そのうちの四八%をこういった関係の子供の遊び場、あるいは交通公園ないしは青少年の野球広場といったものに振り向けております。先ほど先生御指摘になりましたように、子供のときからそういう環境の中で育てていくというような努力をいたしているわけでございます。児童公園につきましては、昨年末でございますが、全国で約八千四百十五ヵ所ございます。これを人口一万人当たりに標準といたしましては四カ所必要といたしますが、この八千四百カ所では大体一万人に対しまして丁五カ所でございまして、まだ二・五ヵ所程度の不足がございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、この種の公園の増設につきましては鋭意努力をいたしておりますが、われわれといたしましては、目標でございます人口一万人当たり四ヵ所というものを、六十年を目標といたしまして整備をいたしてまいりたいというふうに考えております。交通公園につきましては、現在三十七カ所で開設をいたしております。現在七ヵ所が工事中でございますので、合わせまして四十四カ所程度のものが近く開設運営される運びとなりますけれども、これらにつきましても今後十分努力をいたしまして進めてまいりたいと思っております。
#56
○国務大臣(山中貞則君) 根本建設大臣もたいへんいままでの道路予算だけの概念ではいけないのだということで、道路をりっぱにし、その舗装キロ数が延びれば安全施設も伴なわなければならないのだというような理解を強く持っておられるようでございまして、ただいま関係の責任者から申し述べました子供たちの安全を守るための場所を提供することについても熱意があるようでございます。当然これらの構想は本部においてよく相談をいたしながら各省庁に協力し、さらにリーダーシップと申しますか、足並みそろえて進むようにしたいと考えます。先般金の要らないことでできることはやろうというので、本部長指示で全国の小学校区ごとに、人口二十万以上の都市並びに県庁所在地においては必ず一本ないし二本の日曜、祭日には自動車の絶対通らない道路をつくるように協力してもらいたいという指示を流したわけでございますが、さっそく東京都下の日野市の教育長さんから電話がかかりまして、あの新聞記事を見たので直ちに市内の校長先生方に全部集まってもらって、まず日野市は小学校の校庭を日曜、祭日には全部開放しよう、こういう提案をしたら猛反対を食ったそうですが、やはりボール投げをしてガラスが割れる、そんなことは見てくれないじゃないかとかいうようなことが主だったそうでありまして、そこでその教育長は、まあたいして金もないけれども、それは自腹で、もし子供たちが学校のガラスその他を割ったら全部教育委員会が持ちますから、校庭を開放してくださいということで、交通対策本部の本部長の指示による子供たちに日曜、祭日の遊び場を、遊び道路、遊び校庭開放というようなことを説明したら、最後にはそのあとで金さえめんどう見てくれればけっこうですということで、日野市は全部やるようになりましたという御連絡を電話でいただいて、たいへんうれしかったのですが、とたんに私少し憂うつになったのは、学校の校庭開放ひとつでさえもやはり金はどうしてくれるのだという問題にぶつかるのだな、そうすると、やはりおまわりさんにお願いをして、簡単に言えば、なわを引っぱって道路を遮断をして、段ボールの上にマジックで書いても通行禁止が守られて、子供たちの遊び場が金をかけないですぐ実現するのじゃないかと思ったことも、そうそうなかなか末端では簡単にいかぬのではないかということも感じましたので、これからさらに会合を重ねまして、直接御協力願う警察庁並びに文部省ともう少し細目について打ち合わせをしてみたいと考えております。まあ、金のかからない手段、金を必要としてもやらなければならない手段、いずれにしても、われわれは何かをし続けなければならない今日の交通戦争のもとにあることは絶えず念頭に置いて、責任者として進んでまいりたいと思います。
#57
○鬼丸勝之君 ただいま総務長官のお話のように、金のかからない手段が一番それはけっこうなことですけれども、なかなか金をかけない施策では思うようになりません。まあ金のかからない手段として、あるいは都下のある市では、遊休地と申しますか、地主から土地を、いつでも建物を建てるときは返すということで借りて、ちびっ子広場をつくっている市もございますが、どっちみち多少の金は少なくとも要る。もっと用地買収までやれば相当な経費が要りますが、せっかく今回中央の安全対策会議から安全基本計画と、地方にもそれぞれの計画が立つわけでございますので、やはり計画は幾らりっぱでもそれの実効があがらなければ、仏つくって魂入れずになるわけでございますから、どうかひとつ総務長官を中心に各省庁、単なる調整による計画ではなく、実効性のある、実効のあがる計画を中央においても策定されまして、また、都道府県なり市町村の交通安全計画の作成についても強力な御指導なり援護をお願いしたい。要望いたします。
 ただ、この計画の問題で先ほど小柳委員からも質問されましたが、実は実際の地域住民の民意を市町村の計画なり都道府県の計画において取り上げる。あるいはそれぞれの都道府県、市町村の交通安全対策会議で十分民意を反映するという方策につきましては、さっき平川室長からの御答弁もありましたが、これはやはり通達等の行政指導で、一つの標準的な指導を十分徹底されてしかるべきではないかと考えます。
 そこで、そうやって地方の府県なり市町村の会議なり計画に反映いたしました場合に、ちょっと私は十分これを理解できておりませんが、この法案の二十七条、二十八条、二つの条項で、地方公共団体の長が一まあ詳しく読みませんけれども、それぞれ他の機関の長なりに必要な要請をすることができる。あるいは交通安全基本計画――中央の基本計画や業務計画の作成、実施についても中央交通安全対策会議に要請ができるということになっておりますですね。そこで、この要請が一体どうなるのだろうかということを、私は条文を見ながら考えたのですが、たしかこの法案の第十一条で、「国及び地方公共団体は、その施策が、直接的なものであると間接的なものであるとを問わず、一体として交通の安全に寄与することとなるように配慮しなければならない。」、これは総務長官が再々強調されておりますように、今回の基本法の性格なり、あるいは会議が縦横の関係において有機性あるいは一体化というものを非常に重視されておられることは、いままでの御答弁で十分承知いたしておりますが、私は地方の計画なり地方の会議からの上級――上級といいますか、国の段階における会議の計画に、これはやはり合理的なものは十分反映させながら、中央においても基本計画をつくっていく、こういうふうに考えなければいかぬと、ただいままでの長官の御答弁からもそういうふうに考えるものでございますが、そこでお尋ねしたいのは、この法案の十一条と二十七条、二十八条の関係は、地方公共団体の意見、要請を十分取り入れるという趣旨で配慮するというふうに理解してよろしゅうございますか。
#58
○国務大臣(山中貞則君) そのとおりでございます。
#59
○鬼丸勝之君 わかりました。大体時間になりましたので、これで私の質問を終わりたいと思いますが、最後に一言。この法律案は水難救済の問題も対象になっております。そこで、沿岸の小型船の水難に対する救助体制、これが日本では昔から、たとえば社団法人で日本水難救済会というものがございますが、現実にはほとんど動けない。動いているところでも一般の水難救済団員はほんとうに手弁当の奉仕をしております。まあ奉仕していくのが人命救助の仕事では本来的ではないかという意見もあるようですが、今日の御時世ではやはり出動に対する経費、あるいは船が必要だということになれば、船になりますと相当な費用もかかります。あるいは船を動かすガソリン代も要る、重油代も要る、こういうことで、実際には沿岸の小型船舶の水難は陸上にほとんど接岸してこういう水難が起こることもございますし、この救助体制をもう少し現実に即して動きやすいように水難救済会そのものを援助するというよりも、水難救済体制は海上保安庁が中心でございますか、今後もう少し積極的に育てていく、こういう御意向はないか、伺います。
#60
○国務大臣(山中貞則君) 水難も山の遭難等の救済もみんな善意でやってくださるのですが、やはり実際の経費、危険な仕事その他をやってくださっている者に対して、現体制で十分だと言えない点があることはよくわかります。先般銚子沖でイペリットのカンが浮上してくるという問題がありまして、漁船の乗り組み員の方々が何とかしろというお話であったのでありますが、それでも四百五十回の予定の掃海を大体三百六十回くらいで打ち切らざるを得なくなりましたのは、やはり自分たちの漁獲の場所、時期、あるいは出動するときの手当等をよこせとか、油代だけではだめだとか、いろいろの具体的な問題、無理からぬことがございます。そこで、たとえば海難、水難あるいは山の遭難等を含めまして、そういう救助体制というものは単に陸上交通等の救急センター、そういうものばかりではなくて、いつどこで隠れた働きをしていただくかわからない人々でございますので、これは関係省のほうからも答弁はありましょうが、全体としては、それらの人々の善意が善意のままにすなおに行動にあらわれ得るようなことを私たちは配慮しなければならないとかねがね考えておりますが、具体的にいま私のほうで、たとえば山の遭難に出動された山岳会の人には幾ら出すというところまでの論議としては詰まっておりません。
#61
○説明員(貞広豊君) 御説明申し上げます。
 いま先生の御指摘がございましたように、日本水難救済会の財政の基盤は、救助活動をしてくださった方が安心して、あるいは満足とまではいきませんでしょうけれども、ある程度救助の出動手当等の支払いができるというふうな状況ではございません。できるというふうな財政基盤ではございません、残念ながら。それで海上保安庁といたしましては、やはり海上保安庁が行なっておりまする海難救助業務の補完的な役割りを果たしていただくこれらの人々に対して、何がしかのことをしなければいけないと従来考えてきたところでございます。たとえば具体的には海難救助器具の貸与、それから関係機関からいま先生が御指摘ございましたような救助の船、それから救助の器具、またこの水難救済会の運営資金等について手当資金を引き出すように努力していたところでございます。特に現地のそういう救助隊員の声は出動手当等について御希望がございますように、この件につきましては、昨年来日本水難救済会と海上保安庁と緊密な連絡をとりましていろいろ検討いたしまして、一応具体的な見通しもつかみつつある現状でございまして、本日の先生の御指摘を契機に、さらに私ども今後とも一そうそういった方面に努力して、この日本水難救済会の運営がいままで以上によりよく行なわれるように努力いたしたいと、かように考えておる次第でございます。
#62
○沢田実君 交通事故につきましては、すでに御説明にありますように、年間百万に達するほどの死傷者が出るということは非常に残念なことでございます。われわれといたしましても、昭和四十三年以降交通安全対策基本法を主張いたしてまいったわけであります。長官は、就任以来その問題に積極的に取り組まれて、歩行者の交通事故死を半分にしようというふうな一つの目標を掲げて御努力をなさっておることについては、まことにけっこうなことだと思います。また、再三お話もございましたし、これにも発表になっておりますように、いろいろな規制等もさっそく実施なさって、事故を防ぐ三つの具体策等もおやりになっていらっしゃることはよく存じておりますが、さらにまた、この法案の制定によって一そう交通事故をなくする努力をまずお願いしたいわけです。
 そこで、もうすでにいろいろなことが議論されましたが、私はこの問題に入る前に一つお尋ねをしたいわけですが、それは春の交通安全運動、四月の六日から十五日まで、例年より一カ月繰り上げまして実施されたわけですが、その春の交通安全運動の運動方針、それからその成果等について、まず最初にお承りをしたいと思います。
#63
○政府委員(久保卓也君) 春の交通安全運動の概要は、私が御説明してもよろしいのですが、総理府主催でありますので、平川室長があとで御説明になると思うのですが、その前にデータそのものを私どもでまとめましたので、数字を申し上げてみます。
 春の安全運動は、ことしは四月の六日から十日間やったわけですが、この間におきまする死者の数は、本年は三百七十二名、一日平均で三七・二名であります。この時期におきまする昨年の同期は四十二人であります。したがいまして約五名ばかり減少であります。それからこの四月六日より以前十日間、つまり同じ期間中をその前の時期と比べてみますると、その前の時期は一日当たりで四十六人でありますから、この期間中は相当減っております。それから子供の事故の死者は、ちょっと手元にいま数字がございませんが、たしか二十名ばかり減少、老人及び子供の数字は二十名ないし七十名それぞれ減少したと記憶いたしております。
#64
○政府委員(平川幸藏君) 春の交通安全運動の実施の目的及び内容について御説明を申し上げます。
 まず本年度は時期といたしましては、十数年来毎年五月にやっておったわけであります。ところが、実態で調べますと、この十数年来五月よりも四月のほうが圧倒的に事故件数が多かったわけです。そういった客観的な反省と、一つには入学時における児童を保護する、こういう二つの大きな目的から本年度は一ヵ月繰り上げまして、四月六日から十日間とした、こういうことでございます。成果はただいま交通局長から御説明したとおりでございまして、やり方といたしましては、大きな目標を三つ掲げまして、まず子供と老齢者の交通安全の確保をやるということが第一点、それから第二点は正しい横断の励行と、歩行中、横断中の歩行者の保護といったのが第二点、第三点は飲酒運転取り締まり、こういう三つのスローガンでやったわけでございますが、具体的なやり方といたしましては、その十日間それぞれ一日一項目重点主義ということでやっております。で、こういったことでかなり成果をあげておる、このように考えておる次第であります。以上でございます。
#65
○沢田実君 十日間六万二千名の警官を動員して、全国二万六千カ所でたいへんなことをおやりくださったわけですが、その結果についてはいまお話がございまして、いまのお話ではたいへん成果があがったようなお話ですが、私がお聞きしているところでは、あまり思うような成果も出なかったように実はお聞きしているわけですが、なかなか安全運動というものはたいへんなことだということをしみじみ感じます。そこで、ただいまお話がございました子供と老齢者の交通安全の確保ということが一つの目標になっておったわけですが、その期間に十五歳以下あるいは六十歳以上の人が相当なくなっていらっしゃるようですし、私は運動方針の目標の達成ができなかったのじゃないかというふうに実は思うわけです。それから正しい横断の励行と横断中の歩行者保護の徹底というこの二番についても、同じように歩行者が相当たくさんなくなっていらっしゃると思いますので、これも不十分であったのじゃないか、第三番目の問題については成果をあげていらっしゃるように思うわけですが、私は、これだけ大がかりなことをやって、一生懸命みなやっておるのだけれどもなかなか思うようにいかないという、目標の達成ができないその理由、原因等について大いに検討しなくちゃならぬのじゃないかと思いますけれども、その点に対して長官はどんなふうにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
#66
○国務大臣(山中貞則君) 私の最も信頼する久保交通局長にしては、ややずさんな答弁をいたしたようでございますが、珍しいことでございますけれども、実は一ヵ月繰り上げてやりましたのは、新入学児、新入園児、いずれも初めて親の手元を離れて、監視なしで、よその場所に定期的に一定の時間に子供たちが外に出てひとり歩きをするシーズンでございますので、そこで一ヵ月繰り上げてやったわけです。その結果ははっきりと数字に出ておりまして、前年同期に比べますと、六歳以下の幼児でございますが、これで三六・二%死者が減っております。それから七歳から十二歳までの間は二五%の減でございます。十三歳から十五歳までは増減なしで、結果十五歳以下の子供全体を見ますときに、二九・九%死者が減っております。老人のほうは別段その時期に初めてうちから外に出るわけでもございませんでしょうが、重点にやったつもりですけれども、効果は子供のようにはまいりませんで、五一三%の六十歳以上の老人については件数減にとどまっておりますけれども、子供たちにつきましては三〇%ということは、やはり安全運動をやらなかったならば、あたら学校に初めて、あるいは幼稚園に初めて父母の手元から外に出ていった子供たちの幼い命が失われたであろうものが、これだけ減ったという結果が出ておりますので、したがって、私はやはりやってよかったと思っております。これは来年からもやはり春の取り締まりはこの時期にすべきだという私は確信を持っておるわけです。今後につきましても、さらにゴールデンウイークに次いで、なお次の山としての警察にお願いをした取り締り等もやっておりますので、前年のゴールデンウイークと、春の運動を一カ月繰り上げた余勢をかってゴールデンウイークに突入したことしと、どのような結果が出るかはたいへん期待をいたしておるところでございますけれども、要するにこういうことは、やればやるほど効果があがることはわかっておりますし、できるならば一年中交通安全の年間でなければならない。これは私ども国の義務であると考えますが、限られた取り締りの立場の人たちだけでは、こういう春秋の旬間とか、あるいはゴールデンウイークを重点的に行なうという形で傾斜的にやらざるを得ないと思いますけれども、なるべくそのような重点的な取り締りをたびたびやって、そして多くの人は、ほとんどの人と言ってもいいでしょう、これは善意の人たちが突如として加害者になる性格のものでございますから、絶えざる教育の繰り返し、あるいはまたPRの徹底等によって件数が減じていくことにより、交通局あたりは、たいへんむずかしい目標で、先生それはたいへんですよと言ってくれますけれども、われわれ政治の良心が目ざす目標としては、六年後の昭和五十年にはせめて歩行者の事故を半減したいと、このような悲願を持って進めてまいりたいと考えている次第でございます。
#67
○沢田実君 その運動はたいへんけっこうだと思うのですけれども、その運動のために警察官を動員いたしますと、それ以外の事故に困ってしまうというようなことで、いつも警察の本部長さんなんかおっしゃるのですが、交通安全運動期間中それに動員したために、こういうようなことで弊害が起こって困っておるのだということがございましたら、警察庁のほうからお伺いをしたいと思います。
#68
○政府委員(久保卓也君) 警察官が一般に街頭に出る場合には刑法犯も減ってまいります。したがいまして、こういった運動に出ることは必ずしも全般に悪影響を及ぼすわけではございません。なお、一般の治安問題等に相当数の警察官の出動を要する場合には、これは時間を総理府とも相談しながらはずしておりますので、この点も問題はございません。しかしながら、やはり警察全般としては、いろいろな取り締りもありまするので、十日間なり二十日なり、あるいは三十日なり継続するということになりますと、相当な影響が出てまいると思いますけれども、十日間ぐらいがせいぜいのところであろうという感じがいたしております。
 なお、この十日間の取り締りによりまする死亡事故の減少あるいは負傷者の減少といったような問題は、単に十日間のみで評価すべきではないと考えます。たとえば時の記念日というのはその日だけ時間を守ればよろしいということではなくて、その日を契機にして時間を守っていこうという運動であります。したがって、私どもはこの十日間に減少したかどうかでもって六万名の警察官を出し、あるいは何十万人以上の民間の人たちの協力を得たことの成果をその期間のみで判断いたしません。つまりその後にどういう好影響を与えたかということがこの運動の評価になるべきであろうということでありますが、幸いにこの四月の初めに春の安全運動をやりました結果であろうかどうかわかりませんといたしましても、四月中における死亡者が前年の時期に比べて一・六%減り、それから負傷者の数が四・六%減っておるということは、春の安全運動というものが相当に効果があった。つまり昨年に比べて本年も負傷者の数が相当数ふえつつあるときに、四月は減少しておるということだけは御報告ができるかと思います。
#69
○沢田実君 それでは本論に入りまして、まず、その財政措置の問題についてお尋ねをしたいと思います。この前も議論があり、きょうもいろいろ議論がありましたし、長官の御説明もありましたが、道路五カ年計画の十兆三千五百億に対して大体道路計画の三%あるいは三・五%になることがいま議論されておったようでございますが、それで、ちょうど建設省の方も来ているようでございますので、まず建設省の方にお尋ねしたいのですが、道路建設費に対して何%ぐらいあれば、建設省としてはいわゆる交通安全の一応納得できる安全施設が建設できるか、その点建設省の方にお願いしたいと思います。
#70
○説明員(井上孝君) お答え申し上げます。
 その御質問が私どもの実は一番答えにくい御質問でございます。と申しますのは、私どもいま交通安全施設整備三ヵ年計画というように交通安全施設というものを特定して整備を進めております。これはすべて既存の道路に対して歩道をあとからつける、あるいは歩道橋をつける、こういう既存の道路に対するあとからの手当ての事業費でございます。これが先ほど申し上げましたように七百五十億というようにございますが、大きく申しますと、私ども大きなバイパスをつくりましたり、渋滞や交通事故の多いところは迂回路をつくるというような一般の道路整備を盛んにやっております。これも実はひいては交通安全に非常に大きく寄与するものでございます。しかし、こういうものは一般の道路事業と称しまして交通安全施設とは申しておりません。したがいまして、極端に申しますと、この十兆三千五百億の大部分があげて交通安全のために今後計画され実施されるということでございますが、ただそう申しましても、幹線道路、高速道路をつくるようなものまで交通安全施設といわれますというと、そうとも言い切れません。私どもたいへんいいかげんと申しますか、自信のない資料でございますが、ただいまの交通安全施設として狭義の安全施設整備費、それから今後これからつくります道路に、たとえば二十メートル幅の道路をつくりましても、かりにその両側に二メートルの歩道をつくるといたしまして、その歩道分だけの用地費、施設費、工事費、そういうものを積算いたします。それからがけくずれ等を未然に防止する災害防除事業、これは全く交通安全のための施設です。それからもう一つは、非常に大きな事業になりますが、踏切を立体交差にする。これは踏切事故を絶滅するのに最も効果がございます。こういった一般の道路新設、改築事業に伴いまして狭義の安全施設に一体どのくらい金を使おうとしておるかということを積算をいたしましたところが、先ほどの七百五十億の三カ年計画の安全施設費を含めまして、四十四年から四十六年の三カ年に約三千二百億計画するということがわかっております。この間の一般道路事業、これは維持管理費も全部含めております。そういういわゆる道路に使われました金、これに対していま申し上げましたようなカテゴリーの安全施設三千二百億というのは大体一四%に該当をいたします。したがいまして、私どもとして道路整備事業の中で一四、五%あれば安全な道路ができる一というふうに申し上げるところまで自信のある数字ではございませんが、一〇数%ないし二〇%くらい歩道とか踏み切りの立体交差、そういう事業費があれば安全な道路がつくっていけるということが一応はまあ申し上げられると思います。
#71
○沢田実君 いまのお話ですと何ですか、車の通る道路のわきに人間が通る道路をつくれば、その建設費も交通安全の施設費だということですか。――とすればということですね。
#72
○説明員(井上孝君) おっしゃるとおりでございます。
#73
○沢田実君 で、交通安全施設が道路の必需品だと言われておりますけれども、いまのような御説明になりますと相当大幅になりますので、これは解釈によっていろいろむずかしいかもしれませんが、長官は大体三%くらいとおっしゃっているんですけれども、これはどんな考え、どの程度の考えに基づいておっしゃっているんでしょうか。
#74
○国務大臣(山中貞則君) 私はパーセントを言った覚えはないんで、荒木さんが閣議でそういうパーセントをおっしゃったんです。そのときに、道路五カ年計画の中のパーセントなんであろうか、すなわち安全施設に、既定道路五カ年計画の閣議決定の際に、それを三%くらいよこせとおっしゃったのであろうか、それとも別な問題であろうかということを、そのあとで警察庁と相談をいたしましたところ、別な計画を準備しているんだということがわかりまして、したがって根本さんのほうは、いままでの道路五カ年計画の改定の際には、道路をつくれば安全施設にどれくらいのパーセントの予算を道路予算プロパーの中からさかなければならないのか、そういう議論等が実はなかったと、あるいは政策として欠けていたという点もあるので、その点はうちのほうでも勉強しよう、こういうこともありまして、三%を言ったとすれば、荒木さんの発言をかりてあるいは言ったことがあるかもしれません。そういう意味だと思います。三%といえば約三千五百億くらいになるかと思いますが、これはそうパーセントでいくべき問題ではなかろうと、私自身は思っておるわけです。
#75
○沢田実君 調査室長にお尋ねしたいんですが、各国の例はどうでしょうか、御存じありませんか。
#76
○政府委員(平川幸藏君) いわゆる交通安全施設とは何であるかということにつきまして、各国におきます考え方が必ずしも明確になっていないわけであります。御承知のように一例を申し上げますと、たとえばただいま御指摘がありました信号機等も、日本におきましては警察所管になっておりますけれども、他の諸外国におきましては、大体において道路の付属物と申しますか、道路をつくる、管理する、そういった人たちの権限に属することがかなり多い。こういうことでございまして、たとえば道路標識等がまあサービス標識もございますし、規制標識もございます。そういった個々の問題をいろいろ追及いたしますと、率直に申し上げまして実は私のほうにはそういう資料はございませんが、今後交通安全基本計画をつくる場合におきましては、先ほど申し上げましたように諸外国の例も参照しながら見ていかなければならぬと思いますので、十分検討してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#77
○沢田実君 そういうように、いろいろなものではっきりしていないようでございますけれども、長官の大体お話を読んでみますと、四十五年度の道路環境の整備に関して六百八十九億六千六百万円、このくらいの金額で大体よさそうだというようなお考えのように見えるんですが、私どもの考えとしては大体五%くらいほしい。そうして考えますと、年間一千億円くらいのものは必要ではなかろうかと、こんなふうに思うわけですが、この基本法ができて、ことしには間に合いませんけれども、来年いろいろな計画が樹立され、予算措置を講ずるということになれば、長官としてはどのくらいの予算を確保してやろうというお考えを持っていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
#78
○国務大臣(山中貞則君) これは道路五カ年計画の中の安全施設予算と、それから補完する安全施設そのものの主として警察庁予算というようなもの、さらにそれに対する啓蒙宣伝その他もありましょうが、そういうものをセットしてこれから議論をしていきたいと思いますので、最終的に確定するのはやはり一般予算の締め切りの八月末か、もしくは重点項目で残ることの了承を財源省と取りつけることができれば、もっと入念に詰めたもので財源論争なども適当に中にはさみながら、あるいはセットしていくのがおくれるかもしれませんが、要するに五%がいいか三%がいいかというような言い方をいたしますと、大蔵省なかなか難物でございますから、簡単に、じゃ四%にしろというような話になる可能性がありますんで、そういうことでなくて、結果論としてどれくらいのものが五年間に投じられなければ日本人のとうとい生命というものは守られないという、あるべき姿から金額をはじき出した結果何%になったという議論にしたいと考えております。
#79
○沢田実君 それから信号機のことをちょっとお尋ねしたいんですが、信号機にもいろいろなのがございまして、一様には言えないと思いますが、二百四、五十万から七、八十万まであるようでございますけれども、私どもしろうと考えですと、何か特殊な特許があって特別高くなっているような気がするんですが、ああいうものを大量につくればもう少し安くなるような気がしますが、この問題については警察庁いかがですか。
#80
○政府委員(久保卓也君) 安全施設については値段を値切るべきではないと考えます。従来私ども、特に警察の場合には非常に貧乏根性でありまして、数をととのえる、これは地方からの御要望もありますので、なるべく簡単な信号機にして、しかも数をふやしていく。金額に一定の限度がありますると、お話しのように八十万はおろか六十万ぐらいに下げても要求をして整備をするといったような事例がございました。しかし、外国に比べて私どもの劣っているところはそこでありまして、信号機の高度化ということがきわめて重要なことでありまして、町をごらんになりましてもわかりまするように、時間帯に応じあるいは交通量に応じて信号機の表示が変わっていく、あるいは右折、左折の青い矢じるしがついている、さらに歩行者用の信号機を付加するのみならず、一カ所の交差点において四つの信号機だけでなくて八つにする、あるいは両方から見られるような両面式にするといったように非常にいいもの、つまり運転者なり歩行者から見て非常に見やすいものにする必要がある。さらに交通量がふえてまいりますると、信号機が単独に立っているだけではなくて、連動させる系統式のものにしまして、スムーズに車が通過する。車がスムーズに通過するということは車がとまる機会が少ない。したがいまして追突の機会も少ないということになって、円滑はすなわち安全につながってくるということで、私どもの計画としましては金をけちることなく、安全のためには惜しげなく金を投ずべきである。したがいまして信号機の高度化ということが一つの眼目でありまして、その点が第一次の緊急整備計画と第二次の違いであり、さらにまたただいま長官も申されました、私どもの五カ年計画の中で考えておるものと従来との相違であります。
#81
○沢田実君 交通安全の施設を値切りなさいと申し上げておるのじゃなくて、私が申し上げているのは、いまおっしゃるように感応式の信号機は二百四、五十万します。高いのはわかっております。それから定周期の信号機でも八十万ほどしているようですが、その値段も聞いておりますけれども、われわれしろうとから考えると、非常に定周期の信号機が八十万もどうしてするんだろうと思うんです。いろいろ聞いてみますと、パテントの関係とかいろいろ聞くものですから、その点については何とかくふうして、たくさんつくることですから。ということは、この間もお話ございましたように、たとえば五・五メーター以上の交差点につければいまの十倍もつけなければならぬという話もあったわけです。予算はどうかと見れば、制限がある。そうして考えてみると、何とかよりいいものをより安く、そして一日も早くたくさんの個所につけるというようなことを考えれば、私はそういうことを聞いたことがありますので、そういう点はどうなっておりますか、御存じがあったらお尋ねをしたいと、こう申し上げたわけで、決して値切りなさいなんと申し上げているわけじゃありません。悪いものをつけて交通事故が起こってはたいへんですから、いまおっしゃるように信号機の高度化、特殊なものが高いのはあたりまえですから、そういう意味で申し上げているのですから誤解のないように……。
#82
○政府委員(久保卓也君) 実は一般の定周期の信号機についても大体普通は八十万ぐらいからあります。ところが予算単価は六十万ということで、むしろ非常に低い査定をされているのでありますが、ただ、いままでの信号機メーカーに対する私どもの指導が必ずしも十分でなかったというように反省をいたしております。やや独占企業的でありまして、この点については幾つかの新しいメーカーも出つつありますので、そういったところに対する団体をつくったり、あるいはそれに対する指導をしたりするように最近改め始めました。
 なお、当然今度の新しい五カ年計画によりまして、量的に非常に伸びてまいれば、当然単価的にも安くなろうかと考えます。
#83
○沢田実君 そういうふうに言っていただくとわかります。
 その次は交通安全教育についてお尋ねをしたいわけですが、文部省の方が来ていらっしゃいますので、まず幼稚園や小学校、幼稚園は違いますか――幼児に対する交通安全教育は現在どのように対処なさっていらっしゃるか。そして、この基本法ができて、将来はどんなふうにしようと思っていらっしゃるか、承りたいと思います。児童に対する交通安全教育です。
#84
○政府委員(木田宏君) 学校、特に小学校、中学校におきます交通安全教育につきましては、昭和三十七年から交通安全教育という名前での教育を奨励をいたしてまいりましたが、特に昭和四十年代に入りましてから指導資料その他を整備いたしまして、また学校で取り扱う教育課程の中で、保健体育等の教科でまた指導いたしますこともありますけれども、特に特別教育活動の時間等を積極的に使って交通安全教育の指導を行なうという奨励をいたしてまいりました。現在ほとんどの学校で、これは小学校、中学校ほとんどと言ってよいと思うのでございますが、年間十数時間の交通安全教育につきましての指導を行なっておるところであります。そのため、昭和四十三年度からこちらにかけましては、父兄の側のほうも、学校でかなり交通安全教育が十分に行なわれるようになったという反響をモニターの調査等によって承知をいたしております。そのためには学習指導要領と申します教育課程の指導資料の中にも交通安全の問題を取り上げますし、また文部省では必要な指導資料をつくりまして、その指導資料に基づく具体的な指導事例等をたくさんつくりまして、学校の教師に持たせていくような措置を進めておるところでございます。今回、この基本法ができまして、また新たな施策を進める段階に入ってまいったわけでございますが、ちょうど教育課程の改定の時期に入っております。小学校は昭和四十六年から教育課程の新しい内容を実施することになっておるのでございますが、新たな教育課程につきましては、小中学校とも一段とこの交通安全の指導を充実強化するように、いま教育課程の内容の指導資料をあらためてつくり直して奉るところでございますから、従来の指導の実例に即しまして、交通安全指導の手引きをよりいいものをつくっていきたいということが一つございます。
 それからいままでまあどちらかと申しますと、高等学校段階のところまで手が十分に回っておりません。高等学校の青年期に入ってまいります子供たちに対します交通教育というものにつきまして、どういう観点から必要な指導をしていくかということが今後の大きい課題になろうかと思っております。そういうふうに小、中と進めてまいりました交通安全教育を高等学校の段階で充実させるということがこれからの課題になろうかと考えておるところでございます。
#85
○沢田実君 いまお話しのように、特別教育活動として交通安全教育をおやりになっていらっしゃるようですが、それを必須科目としてやるというようなぐあいにはいかないのでしょうか。
#86
○政府委員(木田宏君) これは沢田委員も御承知のことと思うのでございますが、実際に小学校で一番大事なことは、先ほど長官からもお話がございましたが、学校が新学期になりました際に、どのようにして子供たちを安全に登下校させるかということが一番大事な具体的な課題になります。こういうことのために、いまこれは都市部を中心にしてでございますが、全国で登下校の指導を、通学路の指定等を行なっておる学校は、小学校で約九割あるのでございますけれども、その指定につきまして、子供たちにちゃんと周知徹底させる、また集団登下校を行なっておる学校も小学校で六割近くございますけれども、そういう場合の班の編成その他をやるというような現実の課題が非常に大事だと思うのであります。これは学年あるいは学期の初めにその必要な時間数をとりまして、子供たちの班編成をし、登下校の通路を知らせ、その現実の歩行を指導するということに相なってまいります。ですから、この交通安全の教育を学校で実施いたします場合には、必ずしも毎日の日課表の中に時間をとって一時間教えるということよりも、むしろ現実に即して指導していくということが必要かと思いますので、そういう意味でいままでも特別教育活動の時間を十分に使って、実際に即応した指導を行なうということをやってきた次第でございます。まただんだんと高学年になりまして、知識として必要なものを教えなければならないものにつきましては、関連の教科の中でそういう指導を考えていくということはございますけれども、現在の段階では、これは児童生徒の学年発達段階に即応することでございますから、一律に一週間の中で時間のこまを持ってというのは必ずしも現実に即さないというふうに考えておるところでございます。
#87
○沢田実君 文部省のお考えはわかりましたが、基本法の中にも交通安全に関する教育の振興ということで国の責任になっておるわけでありますし、私どもとしてはそういうふうなほうがいいのじゃないかと考えておるわけです。長官のお考えいかがでしょうか。
#88
○国務大臣(山中貞則君) 教科科目の設定については、多くの要望の中で最低必要なものを設定して、小学校の低学年から逐次高学年へ向けて現在組まれております。現在のところ、さらに改定もしているようでありますが、この交通教育の大事なことはもちろん言うまでもありません。しかし、この教科課程の中に必須科目に入れるかどうかにつきましては、生徒の心身鍛練の科目を、かつての剣道の中学校の正科とか柔道の正科とかいう議論等も一方にはあるわけですけれども、普遍的にはやはり交通問題教育は一番必要なことの中の一つだろうとは思いますが、私といたしましては、まだ坂田大臣とも話してはおりませんけれども、すぐにこの交通安全教育を必須科目にせよというのには、まだ懸案で検討中で取り残されておって、前々から言われておって、取り入れなければならないだろうと、取り入れるにはどういうふうにカリキュラムの中に入れていくかという問題の、残された問題のほうが先じゃなかろうかという気もいたしますので、ちょっとよその省の分野にそれ以上は立ち入れないので、今後なるべくその教育が学校において、もしくはその延長である家庭のしつけにおいて実施されていきますように、相談をしてまいるつもりでございます。
#89
○沢田実君 子供の次に大事なのはお年寄りの交通安全教育だと思うのですが、お年寄りに対する交通安全教育はどこで担当してどんなふうにやっていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
#90
○政府委員(久保卓也君) 子供の場合には学校その他いろいろな機会がございますので、比較的教育は容易であります。したがいまして、事故統計の関係で申し上げましても、子供の死亡事故はそれほどは伸びておりません。大ざっぱに言って横ばい、やや多い目という程度であります。ところが老人の死亡事故、特に六十歳以上につきましては非常に事故がふえておりまして、五年前に比べて千二百名、全体の構成比が五年前は一七%、ところが昨年は二一%にまで伸びているということで、しかもこれは累増の傾向にあるということで、最も問題とせざるを得ないところであります。しかし、また反面一番教育のむずかしいところでありまして、私どもが老人に対する教育と言いますと、すぐ警察署長のほうでは老人ホームに行って何らかの講習を行なうという程度にとどまりがちであります。そこで、最近たとえば警視庁で行ないましたのは、春の安全運動の期間の前に、老人のおられる家庭に戸別訪問をするということで、その家庭の方に、老人についてこういうふうにして注意してくださいというような具体的な注意をしていくということ、それから単に老人ホームという特定の場所ではなくて、やはり老人の方々のお集まりの場合、あるいは婦人会、それから学校その他特にいろいろな集まる機会、地域団体の方々が集まる機会に、警察署長あるいは市町村長がその場に出て、老人に対する事故の防止のための注意をするということを私どもは各県に指導しておるところであります。特に問題なのは都市部よりも地方部でありまして、地方部においては道路がだんだんよくなってくる。よくなるにつれて車のスピードが早くなる。それに地域の子供とか老人とかが追いついていけない。そういった地域に重点を置いて指導しなさいというような指導方針を私どもは昨年来言っております。
#91
○沢田実君 長官、いま局長からお話をいただいたような現状ですが、お年寄りの集まるところへ警察署長さんが坊さんと一緒に行って、その坊さんの説教の中間に交通安全のお話をしてくるというようなことが、お年寄りに対する交通安全教育の実情だそうです。警察署長がはたしてそんなことをやっていていいのかどうかということがありましょうけれども、私は交通安全の教育、社会教育をどこが担当してどうやるかということが問題です。交通安全教育だといえば警察だという考え方は、この基本法ができる以上は改めて、取り締まりのほうは警察のほうでやらなければいかぬかもしれませんけれども、そういう考え方でなく、もう一歩前進した考え方にたちませんと、署長さんがとんでもないことに労力を費やすことになるのじゃないかと思いますが、お年寄りに対する交通安全の教育についてはどんなふうに長官お考えになっていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
#92
○政府委員(木田宏君) 文部省におきましては、いま御指摘のございました社会教育という観点からも交通問題で旗を振るべき立場にあるわけでございます。すでに、この交通安全問題が問題とされましてから、婦人学級でありますとか家庭教育学級でありますとか、あるいは私どもの担当しておりますのは、老人学級としては非常に数が少ないのでございますけれども、そうした社会教育の場で交通安全の問題を積極的に取り上げるようにという指導をいたしてまいります。婦人学級は全国で二万四千学級ほどでございますけれども、その中で特に安全問題、これは必ずしも交通だけではないかもしれませんが、安全問題を中心にした学習をいたしておりますのが約一割、二千三百学級ほど報告をされておるのでございます。また家庭教育学級は子供の問題、結局親、特に母親ということになると思いますけれども、母親を中心にして意識の高揚をはかっていかなければならぬというふうに考えておりまして、家庭教育学級の中で約三割ほどの時間を子供の安全と親の指導のしかたという方向に向けて指導しておるという報告が全国的には集まってきておりまして、こういう学習の実情がございますほかに、文部省では録音教材というテープをシリーズにしてつくっておるわけでございますが、交通安全の指導、これはおとな用でございますけれども、家庭教育のシリーズとして、すでに十三本ほどつくって関係者の学習の便に供しておるというような努力を、ささやかではございますけれども行なっておるところでございまして、これからの社会教育の重点は、おのずからいま御指摘がございましたように、老人の学習という方向に、安全問題だけでなくて進めていくべき時期にきている。また、特にそのスピード感覚その他交通安全の問題について一番ふなれな方たちでございますので、そういう機会にできるだけ必要な指導資料その他を配り、また指導者の意識の涵養等を通じまして、成人あるいは老人に対する交通安全指導ということに力を入れてまいりたいと考えております。
#93
○国務大臣(山中貞則君) 年寄りというのは、健全な判断力と肉体を持っているおとなのなれの果てでございますから、自動車はあぶない、こわいものだということはよく知っているはずであります。知覚をされましても、いわゆる細胞がいうことをきかない、反射神経が鈍くなってきているわけですから、おそらく私は分類をまだ見ておりませんが、年寄りの飛び出しというのはあまりないのじゃないかと思います。だから渡り切れないうちにはねられたとか、あるいは渡っている途中で追い抜くようにして来た車のためにはねられたとか、とっさに身を処することができない。肉体機能が反射神経と同時に衰えている人たちですから、これらの人たちについては、お年寄りを対象にすることも必要ですけれども、運転する人たちについて、そういうことはお年寄りには当然気をつけるでしょうが、気をつけさせること、あるいは道路交通法や運転者の教育等についてさらにそういう配慮を重点的にやること等が必要なことではないかと思います。私はある会合で、大学の助教授の方でありましたが、久保交通局長も一緒だったのですが、車と人間との対話がない、つまり歩行者と車との対話がないんじゃないかと言うので、最初私はそれは何だろうと思ったのですけれども、結局、自動車がブレーキを踏んだらテールランプがついて、うしろの車には合図されているわけだが、横断中の人が走ってくる自動車というものを見て、その自動車がとまろうとしている状態か、とまり得る状態か、突っ走ってくる状態か、全くわからない状態ではないか。その先生は何種類かに分けて、優とか良とか可とか悪とか、一番悪いのは凶器の「凶」というので、一番たちの悪いのには全部旗を立てて走らせるというお話もありましたけれども、そこまで行きますと人権問題等もありましょうし、掬すべきアイデアとしては、ブレーキを踏んだときにテールランプばかりではなくて、ヘッドのほうにも何か信号がつくようにすることが私は可能性があると思いますし、これは通産省、運輸省等と生産者団体、メーカーの問題にもなりましょうが、ブレーキを踏んだ場合においては歩行者が、あの車はとまろうとしているのだ、ブレーキを踏んでいないのは矢じるしの点滅があって、左のほうに左折をしようとしているのだということが、少なくとも歩行者から自動車を見てそのときの状態がわかる、判断がにぶくなっておっても、その状態を判断することによって反応することが可能になるというようなこと等もやはり必要なことだと思います。そのことはまだ私は指令とかなんとかいう形では申しておりませんが、メーカーその他の人たちの御意見も聞きながら、通産省等とも相談をして、そういうものを取りつけることが老人や子供たちのために、ことに判断能力があって、からだがいうことをきかない老人には大いに参考になる意見だと思って、私としてはそういうことも考えていきたいと思っております。
#94
○沢田実君 警察の署長さんがやること、あるいは文部省の社会教育局がやることはほんの一部分じゃないかと思います。ですから、この基本法ができて交通安全教育ということを取り上げていくわけですので、その点もまた十分御考慮をいただきたいと思います。
 次に、第六条の関係になりますが、「車両等の製造事業者の責務」というのがあります。それからその次に「車両等の使用者の責務」というのがあります。そこで、交通事故が起きた、これは自動車のいわゆる欠陥車がその交通事故の原因だ、いやそれは運転者のほうが原因だというようなことの争いが起こっております。そういうようなことが起こり得る可能性が、特にこういう条文ができてまいりますと私は増すんじゃないかと思いますが、その点についてはどんなふうにお考えでしょうか。
#95
○政府委員(久保卓也君) これは事故のたびに必ず運転者に責任があるか、あるいは車の整備不良によるも一のであるか、これはチェックいたします。そこで、特に車のほうの問題があるような場合には、これは陸運事務所あるいは警察の鑑識課、その他技術者に鑑定をさせます。これは鑑定の技術の能力のある二級整備士あるいは三級整備士といった人たちに鑑定をさせるわけでありますが、その際に車の運転者には責任がないということであれば、まず運転者については責任は追及されない。そこで、昨年の欠陥車以前におきましては、車の製造責任といったようなもの、あるいは整備責任というようなものは問題として私どもは意識しておらなかったわけでありますが、欠陥車問題が起こりました以後につきましては、そういった問題が具体的に起これば一つ一つの刑事事件として追及をするということになっております。きわめて顕著な事例といたしましては、京都におきましてニッサンエコーでありましたか、この事件は鑑定を科学警察研究所に依頼をいたしまして、その結果をもっていま京都府警で最終的な刑事責任を追及しているところであります。
#96
○沢田実君 いま御答弁のあった事件ですけれども、そこでメーカーの主張は、こういうふうに警察のほうでは欠陥車による事故だといって起訴をしましても、車体の欠陥と交通事故との因果関係をはっきりしないことには私のほうでは責任を負えないと、こういうことを言っているようなことが新聞にも出ておりますので、この辺のところが私は相当問題になるんじゃなかろうかと思いますので、また御一考いただきたいと思います。
 その次にお尋ねしたいのは、西ドイツでは交通事故が非常に減ったというようなことを聞くわけですけれども、交通秩序違反法ですか、その実施によってたいへん減った。日本でもその反則金制度をまねて実施したけれども、日本のほうはさっぱり減らないというふうなことなんですが、その点思い合わしてどういうようなところにドイツが減った理由があるのか、また日本はどんなふうに直していけば交通事故を減らすことができるのか、そういうふうな対外国関係でいろいろな御所見がございましたら、この際長官に承っておきたいと思います。
#97
○政府委員(久保卓也君) 私が先に御説明いたしますが、ドイツで新しく法律をつくりまして、この内容は私も存じませんけれども、結局反則金、日本の反則金の適用範囲をもっと広くしたようなものである。その結果減少したのであるというふうに責任者の発表になっている旨が毎日新聞に出ておりましたが、これは必ずしも因果関係をはっきりいたしておりませんのでありまして、私どもが非常に大幅な施策を必ずしもしませんでも、過去十年ぐらいの間には年間三回ぐらい死亡事故が減少した年があります。したがいまして、対策と結論というものは、これは全国であり、かつ年間を通じてでありますので、必ずしも明確な関連がよくわかりません。しかし、ドイツの場合にどうであったかということについて、外務省を通じて調べてもらうようにいたしております。その結果をもって私どもは参考にしてみたいと思っておりますが、単に一つの法律でもって総体的な波を非常にそこで食いとめるということだけではなくて、やはり総合的な施策の結果ではなかろうかということを私ども感じております。
 そこでドイツと日本の違いというものは、これは安全施設その他で道路環境が相当違いますけれども、最も違うのは、私どもの立場からして感じますのは、社会の人の目の監視があるということがヨーロッパの人と日本の人の違いであって、日本の人は何か違反の歩行者あるいは運転者がありましても、知らぬ顔をしていくわけであります。ところが、ヨーロッパの場合には多くの非難の眼をもってその違反者を見る、したがって警察官がいなくてもそういう非難に耐えられなくて何とかルールを守っていこうというようなことが一つ。もう一つは先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、家庭教育の相違であるということ、つまり外国の場合には子供のころから車に乗せられておる、あるいは家庭の中に運転者が非常に多いということで、交通事故防止のことが問題になるし、子供が車に乗った場合に、おやじさんから事故防止についていろいろ聞かされる。そういった子供のころからの教え、あるいは家庭内における談話といったものが事故防止につながってくる。そういうふうな社会的な関心といいますか、社会性といいますか、そういうものが日本国民に欠けているというところが大きな違いではなかろうかというふうに感じております。
#98
○国務大臣(山中貞則君) 西ドイツの資料というものは私どものほうの手元では一九六五年までしか出ておりませんので、その限りでは、一九六一年に死者一万三千八百二十四名が、一九六五年には一万五千五百六十四名ということになっております。その後に何か措置がとられたのであろうと思います。むしろ注目すべき現象はイタリアで、自動車台数はほぼ三倍になったのに、一九六一年の死者が九千六百七十九名で、一九六五年に至っても一万九百五十八名と微増にとどまっている。ここに何かが政策としてあるのか、ここらもこれからの研究の余地があると思います。悪いほうの手本では、自動車の台数がほぼ横ばいをずっと続けて、もう行き渡り尽くしていると思われるアメリカで、一九六一年には三万八千九十一名の死者が、これは一九六六年が出ておりますが、一九六六年になりますと五万三千四十一名と相当な増加になっております。これからは外国の増減の資料ばかりでなくて、なぜふえたのか、なぜ横ばいか、なぜ減ったのか、ここらの点を勉強をする必要が大いにあると考えます。特に日本は狭い国土の中で人間の住める環境というものが、その意味では世界最小の面積の中に人口がひしめき合っておる中を凶器が走るわけでありますから、日本こそ外国から最も理想的であるといわれるような安全体制をつくる必要があると考えますので、今後は勉強してみたいと思います。
 なお、反則金の問題は、これは反則金の効果があがったといって喜んでいいかどうか、さっき小柳委員からも指摘されたとおりでありまして、当初出発の年は百十億ぐらいの収入と見ておりましたのが、予算でございますからそのときは一応百十億を交付いたしましたし、翌年は百十七億予算で組んで、そのまま一応出しましたが、実績が四十五年度の予算のときに出てまいりまして、実は三十億ぐらい減じておるということで、これは法律の命ずるところでございますので、しかたがございませんで、ことしは大体推定百十八億と見ておりましたものから三十億を差し引きまして、八十八億ということになりまして、交通関係予算ではただ一つ反則金予算だけが府前年に比べて減っているという現象が実は起こっております。これは実績が出て初めて組んだ予算がことしの予算であるということで、これから先の議論は八十八億から始まっていくことになると思いますが、これは見積り過大とか過小とかいうべき問題ではなくて、一億総前科者になるおそれがありましたから、その制度から反則金程度で前科者にならないような範囲で、しかも交通違反というものが少なくなるような願いを持って出発したのでありますけれども、金額の面から見るとどうもあまり感心しない傾向にあるようでございまして、一体この金額が百億、百五十億とふえていくことを喜べばいいのか、あるいは反則金があまり集まらないで、違反者がそれだけないんだということで金額のふえないことを喜ぶべきなのか、ここらのところには多分に問題があると思いますが、しかし、これを当てにして安全施設その他を組んでおりました末端の市町村にとっては、実質上交付される財源が減るわけでございますので、ここらは問題のあるところとして、来年度あたりは新たなる角度からの検討が必要になると思っておるところでございます。
#99
○沢田実君 日本システム開発研究所というのがありまして、交通事故を計量的に分析をいたしまして、事故と安全対策との関係を研究している。で警察庁ではたいへん協力をしていらっしゃるようですが、その結果の発表がございましたらお尋ねしたいと思います。
#100
○政府委員(久保卓也君) いまのお話の点、私資料を持っておりませんので、後刻調べてお話しいたします。
#101
○沢田実君 交通安全対策、そしてその事故の絶滅、これが一番大事なことでございますが、不幸にして交通事故にあわれた方に対する完全なる救済ということが非常に大事なことだと思いますので、こちらの条文にも出ておりますけれども、自動車損害賠償責任保険の補償限度を引き上げるということについては、長官はどのようにお考えでしょうか。
#102
○国務大臣(山中貞則君) 引き上げると書いてあるわけじゃありませんが、五百万円に死亡事故並びに後遺症の限度額を引き上げたことは御承知のとおりでございます。しかし、これも人の命は価格ではきめられないものでありましても、その尊厳に対する議論よりも保険財政の赤字の穴埋め議論に終始した感があることは反面残念なことであったと思います。そういうことで議論をいたしまするから、ことしもどうやらまた相当な大幅な赤字が予想されて、また引き上げになるんじゃないかというような意見等もあるようでございまして、単にこれは損害保険の財政赤字論ばかりでなくして、人間の命の価値というものは金にはかえられない、あるいは金できめることはできない。しかし、少なくとも今日の国民の所得生活の現状から考えて、五百万が正常なる金額であるかどうかについては多分に議論のあるところでありましょうし、一方、飛行機などでも、同じ羽田で墜落して死んで、一方が日本航空の飛行機であって一方がアメリカの飛行機であった場合に、同じ日本人でありながらもらった金額は相当な開きがあるというようなことなども、やはり国際法上の取りきめの金額の問題もありましょうが、大いに問題とすべきところだと考えます。また日本も国民総生産のみを誇るのでなしして、これらの人命の尊厳に対する国家の価値観というものについては諸外国にひけをとらないものにしなくちゃならないと思いますが、いまのような保険の考え方のみではこれはたいへん困難だと思います。もうすでに答弁もいたしておりますが、やはり免許証を持っておる人たちは何のために免許証を持っておるのだといえば、きょうか今夜か自分の車を買うかもしれないし、友人の車を借りるかもしれない、レンタカーを操縦するかもしれない、要するにハンドルを握る意思を持って免許証をとっておるわけでありますから、それらの人が車を持っている持ってないにかかわらず全部保険へ強制加入をさせる。いまの対車保険では陸運事務所のチェックしかありませんから、どの人が何回事故を起こしたかもわからないままに全く単一、悪平等の保険になっておりますけれども、これは警察庁のほうの事故報告を保険のほうの業務にも連絡するというたいへんむずかしい仕事が解決できるかどうかが残っておりますけれども、やはり対人保険について、自動車の免許証を持っておる人全部保険料を納める、そして事故を起こした人はその回数ごとに飛躍的なデメリットを加える、何年も事故を起こさない人は逆にメリットを加えて保険金を少なくしていくというようなこと等を、これは一例でありますけれども、保険についてこれから考えていかなければ、赤字論だけでもって人間の生命の価値を判断するような議論では私たちあってはならないという反省を持っておる次第でございます。
#103
○沢田実君 時間でございますので、これで最後にいたしますが、その交通事故が起こって一番困るのは交通相談、これは非常に困ります。ですから交通相談等についてもお考えをいただきたいと思います。
 それから交通遺児、この交通遺児の生活等についても非常に心配な問題がたくさんございます。市町村によっては交通遺児手当の制度をつくりつつあるところもございます。あるいはまた生活つなぎ資金貸し付け制度というようなことを実施している市町村もございます。それから最近は全国的に交通災害共済制度というのがだいぶ普及してまいりました。そういう問題から、あるいは医療関係ですと、脳外科の問題が交通事故にはどうしても必要な問題になってまいります。等々ございますので、これから基本計画、安全計画、実施計画等、中央、地方において樹立をされるわけでございますので、その点にも十分御考慮いただいて、一日も早く交通事故の減ることに御努力を願うように大いに希望いたしまして、私の質問を終わります。
 最後に長官、答弁がございましたらお願いしたいと思います。
#104
○国務大臣(山中貞則君) ただいま一問一答形式の質問から時間の都合上取り残されて、要望の形において発言されました点は、私も大体において同感でございます。そのような方向に向かって、困難がありましても進まなければならないのが交通事故に対する政治の姿勢だと感じておる次第でございます。
#105
○田渕哲也君 もうすでに各委員から詳細にわたり質問がされておりますので、できる限り重複を避けたいと思いますけれども、ただ前後のつながりで若干重複する面も出てくるかと思いますので、この点はあしからず御了承いただきたいと思います。
 まず、この交通安全対策基本法、これができればかなり政府としての取り組みが強化されるということでございますけれども、たとえば機構の面でも現在の交通対策本部が中央交通安全対策会議になって、総理大臣が長となられて、各閣僚がそのメンバーとなる、こういうことを聞けば確かに強力な活動ができるという感じがするのでありますけれども、しかし具体的にどういうふうに違ってくるかとなれば非常にばく然としておると思います。もちろん基本法ですから、そういうばく然たるものでいいかもわかりませんけれども、具体的にどういうメリットがあるのか、どういう効果があらわれてくるか、こういう点もし具体的に説明いただける面があればお答えいただきたいと思います。
#106
○国務大臣(山中貞則君) いままでの陸上交通対策本部は主として陸上交通、なかんずく大都市の交通を重点にやってきたわけでありますが、今後ともこれは大都市交通を中心に残しておくべき分野であろうかと考えます。この基本法では、今日まで国としての全体的な総合的な姿勢なり施策が示されにくかった、すなわち統合性に乏しかった海上並びに航空という分野まで加えまして、すべての領空、領海、領土内という問題の一切の考えられる交通というものに対処していこうということでございますから、その限りにおいては、空の問題は運輸省でやりなさいとか、あるいは海の問題は運輸省と水産庁で適当に話し合ってやりなさいという程度のことでなしに、基本的な国の姿勢がまず生まれてきて、それに対してそれぞれの行政主管庁というものが対応した政策をとっていくということで、相当前進していくと私は考えております。
#107
○田渕哲也君 確かにいま海上、陸上あるいは空の交通安全を総合的に考えることが必要だと思いますけれども、私は今日この日本の中において交通災害の中で最も重大なものはやはり自動車事故ではないかと思います。これは年間非常に多数の死傷者を出しておりますし、この自動車事故にやはり最重点を置いて考えるべきではないかと思います。そこで長官に、現在のこの自動車事故が非常に増大をしておるその原因について、これは詳細にあげれば切りがないと思いますけれども、ごく大まかにお伺いをしたいと思います。
#108
○国務大臣(山中貞則君) 最大の原因はやはり自動車の台数の増加ということであろうと思います。しかもその台数の増加していきます多くの分野は、運転者としての技術なりマナーなり一応の試験は通っておりましても、たとえば自分は何とか運転はできるが、修理とかそういうものは全くわかりませんと、エンジンの構造も全然知りません、したがって、飛び出してきましたときにハンドルをかわすとか何とかいうこともとっさには何の対応策もない、すなわち応用問題は何にも解けない人たちで、何とかアクセルを踏んでハンドルを右左に動かしておれば走れる人が相当ふえてきておる。ここらのことが、それらの人があるときには加害者になり、あるときには被害者になるというのが交通事故の原因だと思います。しかし、あまりにも日本的な原因というのは飲酒運転が多過ぎる。一番先に飲んで麻痺するのは理性であるということを考えるならば、理性と反射神経が麻痺していく薬、毒物というものを自分が運転しているのに飲むというのがまず第一に非常に間違いであるということを考えますが、私はどうも日本人の一人一人の心がけ、モラルの問題等もございましょうし、このままの状態であってはならないということで、今国会でも別に法律で、飲酒をすすめたりなどしてはいけないとか、あるいは運転手の登録制度をとるとか、いろいろの法律も別途出されておるわけでございますが、とにかくわれわれが毎日毎日新しい教訓を得るならば、次々と法律ばかりつくるのが能じゃありませんが、それに対応する弾力的な措置をとっていかなければならない。まあ人の心がまえの問題と、車の台数の増加というのが一番大きな原因ではなかろうか。こまかくあげれば切りがないことだろうと思います。
#109
○田渕哲也君 私も長官の御意見に大体同感でありますけれども、ただ、自動車の台数の増加ということがございますが、私はそれに対応する一つの政府の施策、そういうものに一つ問題があるのではないかという感じがいたします。たとえばまず第一には、交通政策が立ちおくれているのではないか。といいますのは、需要と供給とのアンバランスの関係だと思います。日本の経済がどんどん伸びていく、あるいは国民生活の水準が向上していく、これは必然的に交通需要の増大をもたらすわけですが、反面においては交通施設の供給の面でこれは少しおくれているのではないか。ですからこのアンバランスの問題を生じておる。
 さらに交通政策の問題の第二点としましては、交通に対する需要が質的に高度化しつつある。昔は満員電車の中にすし詰めで運ばれて、電車の駅からは目的地に歩いていくというのがこれが普通の交通に対する需要でありましたが、生活水準の向上に伴ってもっと非常にぜいたくになっていく。電車も毎日はいやだ、もっと冷房とか暖房を完備しろとか、あるいは電車からおりてから目的地までは自動車で行くとか、あるいは電車を使わずに戸口から戸口までは自動車で行くのだ、こういう交通に対する欲求の高度化が質的変化をもたらしつつある。これがいわゆる自動車の普及になってあらわれていると思います。ところが、こういう情勢の変化に対する環境整備が非常におくれておるのではないか。ここにいま申し上げました交通政策の立ちおくれが交通の混雑は招くし、また一面においては歩行者と自動車とが狭い中を一緒に動いて接触して、歩行者の事故が増大する、こういう点が一つあろうかと思います。現に裏通りの事故が非常にふえておりますけれども、これは裏通りを通っちゃいかぬからシャットアウトしろというのも一つの方法ではありますが、元来裏通りを自動車が通るべきでない所をなぜ通るかというと、肝心の自動車が通るべき道路を走れないので、しかたがなしにオーバーフローして裏通りに回るということもあると思います。この辺の対策を考えるべきではないかと思います。
 次には都市政策の失敗というか、無策ということがあげられるのではないかと思います。日本の大都市は世界的にも非常に過密状態にある。しかも非常に無計画な拡大をしております。現に大都市の周辺のベッドタウン、新興住宅地を見ましても、スプロール化現象が起こって、道路の状況を見ます場合に、駅から住宅まで歩いていく道路がすでに歩道のない道路であります。どんどん無計画に危険道路がつくり出されつつある。したがって、片方では歩道とか横断歩道橋をかけたりして一生懸命やっておられますが、反面では無計画の道路がますますたくさんつくられつつある。
 さらには流通問題があります。大都市の混雑した中に地方から大型トラックで物をどんどん運んで大都市のまん中に集めて、さらにそれを地方に持っていく。混雑した都市そのものが一つのそういう流通機構の中の運用施設になっておる。その辺の問題もあろうかと思います。
 さらには、都市政策の問題で道路投資なりあるいは安全投資をやっておられますけれども、非常に土地代が上がって都市効率が悪くなりつつある。こういう総合的な政策の欠陥というものがこの自動車交通の中に大きなウエートを占めているのではないか。私はこう思いますけれども、こういう根本問題にメスを入れることについて長官の御意見をお伺いしたいと思います。
#110
○国務大臣(山中貞則君) 御意見は私も全く同感と言ってよろしいと思います。ただ、借家住まいをしながら月賦で食うや食わずというのもちょっと何でしょうが、ほかのものはがまんしても自動車を持って、そうして日曜日朝早くから家族全部で行くことに喜びを感じておる、小市民という表現もまたおかしいかもしれませんが、一般の人たちのささやかな希望と申しますか喜び、ソ連あたりにおいては、車を申し込んでも何年たっても買うこともできないということから考えれば、日本人のそういうある意味では少し背伸びをしておると思うんですけれども、車を自分は持っているんだ、あるいは車に乗った親子の写真をいなかのおとうさんおかあさんに送って上げることにも一つの喜びを持っているような、小市民的な日本人のすなおな喜び方というものもこれをとめるわけにはなかなかいかないと思いますが、ただ、アメリカで何人に一台の車であるから日本もまだどんどんふえていいんだ、アメリカと絶対同じ水準に自動車の保有台数がいかなければならないんだということは、日本の場合にはどうであろうか。先ほども申しましたとおり、もともと狭い四つの島国の中で六割は山岳地帯でありますから、その残りの分野に世界最大の過密度をもって人間が住んでおる。この全く極端な状態の中で自動車のみがどんどんふえていく状態というものは、幾ら輸出に貢献する基幹産業でありましても、やはり大きな問題の存するところでありましょう。したがって、たとえば現在は自動車を購入する際は車庫証明が要ります。これはみんな車庫証明をとって自動車を買っているはずですが、何と路上駐車の多いことか。しかも、それは確かに車庫証明をとっているけれども、この人は架空の、あるいは友だちの、あるいはつとめ先のどこかを申告しただけであって、事実は自分のうちの前に平気で朝までとめておくのだ。私はこの委員会でしたか、大雪の朝に自動車の天井に一尺近く雪を乗せているやつは全部とっつかまえて、車庫証明はうそだというので取り締まれと。ただ、二度目はみんな雪を払ってきますから、一ぺんでだめになるだろうと言って、半分笑い話のようなことでしゃべったことがありますが、これらの問題等から考えても、やはり日本人が車を必要以上に持っているんじゃないかという疑問をどうしても私は抱かざるを得ません。かといって、これを所得幾ら以上の者でなければ車を持つべからずということも言えないところでございましょうから、これらのことは、今後日本の国民生活と車という問題について一人一人国民の問題として、また政治の問題として当分議論の続くところであろうと考えます。
 なお、都市政策につきましても、これほど車がふえるものとは都市政策の比較的新しいところでも考えていなかったでありましょうし、戦後一番戦災の中から模範的な都市計画をしたと思われます名古屋市でも、自動車の脅威が全くない都市とは言えないということを考えますと、これからの東京を中心とする大都市における自動車というものに対してどのような見方でとらえなければならないのか、自動車というものが必需品であっても、それは動いて物と人を運ぶ時間だけの必需品であって、これがとまって、それも乗っていないときには路上の障害物であるということを考えた場合に、障害物たらしめないで道路の上に車がとまっていない状態にするためには、地上もしくは地下に徹底的な国家政策を持った駐車場というもの、一般市民が利用できるようなものをつくらなければならない事態もくるであろう。あるいはアメリカあたりみたいに、都会のすぐ外郭部に相当大きなスペースを持ったショッピングセンターみたいなところが、あるいは私鉄その他と連携をいたしながらマイカー族の広い駐車場を提供して、そのかわりそこの場所からは大量輸送の鉄道もしくはバスでもって都心の勤務地へ運んでいくというような形態等は、すでに外国においては見られる例でございますので、日本の都市計画も幾らおくれたとはいっても、これからやっていく場合には少しでも先手に回るような政策をとっていく必要がある。そうでなければ、いまに中央自動車縦貫道路等が完全開通などいたしますと、日本じゅうの至るところの県のナンバーが東京に殺到することを考えただけでも、りつ然たらざるを得ないわけでありますから、われわれみんなで知恵をしぼって、これからの新しい都市政策のあり方、ことに立体的な構造についての十分な検討を先手をとる政策の展開が必要であると考えます。
#111
○田渕哲也君 私が申し上げたいことは、結局いままでの交通安全対策というのが、ややもすれば現象面に対する対策にとらわれがちであった。したがって、どちらかというと非常に狭義に交通安全対策なり交通安全施設というものを考えてきたきらいがなかったか。したがって、これがややもすれば対症療法的にならざるを得ない。したがってわれわれは、この交通安全基本法ができたのを契機にして、もっと抜本的な問題から洗いざらい交通安全のために結びつけていただきたい。特に道路計画とか、単に交通安全施設だけではなくて、道路整備計画あるいは都市整備計画、さらには総合的な運輸体系の問題とか、そういう問題も含めて、この交通安全対策会議でいろいろ検討し、指示ができるという体制にもっていっていただきたい、この点を特に要望したいと思うのであります。
 今回、総務長官も交通安全設備整備五カ年計画の構想を出しておられますけれども、この予算なり計画については具体的なものはまだできていないというお話でありますけれども、私はこの中で扱われる範囲について質問をしたいと思います。どの程度のことを扱われるのか。
#112
○政府委員(久保卓也君) 交通安全施設と申しますと、当然道路管理者の分と公安委員会の分とございます。そこで、道路管理者の分は先ほども御説明がありましたように、十兆三千五百億という五カ年計画の中でしかるべき金額が見られようと考えます。公安委員会の関係といたしましては、先ほど総務長官のほうからのお話では三千五百億あるいは四千億といったような数字も出たところでありますが、中身として私どもが考えておりますのは、道路幅及び交通量を考え合わせながら、人と車の安全のために信号機をつくっていく。その信号機というのは単に信号機を置くというだけではなくて、それぞれ連係させていく。ことに中都市以上におきましては、これを電子計算機に結びつけて交通の安全と円滑を期していくというような、相当膨大なシステムでありますが、そういったもの。それから道路標識が非常に重要でありまして、現在のような路ばた式でありまして見にくいものでなくて、もっとたとえば道路上に差し出すような、いわゆるオーバーハングあるいはオーバーヘッド式のものにする、あるいはそれに光を当てる灯火式のものにする、あるいは反射鏡のものにする、そういった歩行者なり運転者から非常に見やすいものにする、あるいはまた道路表示、つまり道路にペイントでいろいろのルールを書く、したがって、運転者というものは標識と表示を見ておれば、おのずと運転ができていくというようなこと、われわれはこれをペイント作戦と申しておりますが、そういったことを総合的に実施をしていく。かたがた、やはり交通の取り締まりと指導の面、それから運転者の教育、これは特に警察が中心になってやるわけでありますが、運転者の教育のための安全運転学校の整備、これは数的にも質的にも考えられるわけでありますが、そういったものを取り上げてまいりたいというふうに思っております。
#113
○田渕哲也君 ただいまの説明を聞いた範囲では、交通安全設備整備計画の中の考え方というのは、私は非常に狭義なものだろうと思います。したがって、これにとどまる限りにおいては従来とそう変わったことはない。もちろん予算の面でかなり大幅にふえるとか、そういうことはあるでしょうけれども、考え方として基本的にはそう変わらないのではないかと思います。したがって、先ほど申し上げたように、たとえば流通センターの問題にしましても、全部交通安全に関係しておるのですから、せっかく交通安全対策会議ができて関係閣僚が出られてやるというなら、そういう問題についてもぜひこの中で交通安全の見地からいろいろ論議をして、強力に推進していただく体制をとっていただきたい。この点についての大臣の意向をお伺いしたいと思います。
#114
○国務大臣(山中貞則君) そういうことももちろんやりますし、たとえば陸上をから車で新車を輸送する専門の諸君も、女性まで含めておるようでございますが、荷物を積み、あるいは新車はから車で走る、そういうものもたとえば長距離カーフェリーみたいなものが、路線申請はすでに出ておりまして、これらが受け入れ地の接岸バース埠頭の設備が整いますれば、直ちに動き出すわけでございましょうし、そうすると、陸上交通網の発達と同時に海上における自動車ごとの大量輸送手段も、やはり単に運輸省の許認可のみではなくて、それがやはり交通事故その他に対して貢献する度合い、あるいはそれに対し国家的意義があるなら開銀融資その他性格のいいものについては援助をするなり、その他の応援をするような全般的な体制というものを整えていかなければならないと思いますが、すでに閣議においても、この法律で会長になるからでもありますまいが、佐藤総理大臣から物価の問題と流通問題に関連をいたしまして、カーフェリー等の問題は、ことに生産地帯から東京へのカーフェリーという性格の議論でありましたけれども、すみやかに進めろという指示もありました。しかし、カーフェリーの欠点は、片側がからになる、片道だけの貨物という心配が多分にあるわけです。そこで帰りには、いま総理の話で私が申し上げましたように、東京、大阪から下るものは、すなわち冷蔵コンテナによるコールドチェーン構想で、そのような設備が整ったところで、大都会、大消費地に向かって生鮮食料品が適時適切に供給がなされるというような、裏表組み合わせた形でいくことが私理想だと考えておりますので、これは農林省、運輸省全部関係各省集まって相談いたすのでございますから、高度な政治的な立場でそういう新しい多目的な性格を付与されるものができるかどうか、そういう検討もしてみたいと考えます。
#115
○田渕哲也君 現在日本の自動車の保有台数は千五百万台をすでにこえておると言われておりますけれども、将来まだまだ伸びるのではないかということが一般的には予想されております。たとえば昭和五十年には大体何台くらいになる、あるいは六十年には何台くらいになるであろうか、その辺に対する政府の見通しをお伺いしたいと思います。
#116
○国務大臣(山中貞則君) これは通産省と運輸省、それから警察庁、公安委員会でそれぞれおそらく台数が違うと思うのです。
  〔委員長退席、理事千葉千代世君着席〕
実は反則金制度をつくりますときに、一体どれくらいの収入があるだろうかと議論をしたことがあるのです。そうしたら、通産省のメーカーの販売見込みを前提にした生産台数の見通しと、運輸省の車検というものを基礎にした伸びと、警察庁とは全部数字が食い違っておるのでありまして、ですから私からここで申し上げてもちょっとどうかと思いますが、一応私のところの見通しでは、五十年度末には二千九百万台になるだろうと思っておりますが、おそらく各省食い違うと思います。これは反則金のとき幸い一ぺん経験いたしましたので、反則金の出発しましたとき見通した台数、各省関係省の違った台数と実際の台数とはどういうふうになったか、経験値を用いることになりますので、これからもっとこれをもとにして大体積算が可能であるか、やってみたいと思いますが、先ほどから申しておりますように、自動車の許容面積の少ない日本でありますので、ただ、いまの趨勢値で伸びていくことが喜ばしいことだと言えない点がありますから、ここらのところは政策を加味しない数字、政策が加味されて伸びる場合、伸びない場合、伸びない場合は、公租公課等の負担がさらにふえていったことによりまして、いま若干乗用車の国内消費の伸びは、伸び率においては頭打ちと申しますかダウンしつつありますので、ここらのところを総合判断しないと、一応のこの二千九百万台というのは、私自身も、書いてはありますが、自信がないという数字でございます。
#117
○田渕哲也君 確かに今後の政策によって変わってくると思いますけれども、一応例としてあげられました総務長官の予想でも五十年には二千九百万台、現在の約倍であります。そうすると、いま片方建設省で第六次の道路五カ年計画をつくっておりますけれども、この第六次五カ年計画ができる、これが四十九年ですか、まあ大体同じような時点ですが、そのときに現在の倍近い自動車と対応して考えた場合、この道路計画で十分なのか足りないのか、その点をお伺いしたいと思います。
#118
○説明員(井上孝君) 先ほどから御指摘のように、道路交通需要に対する供給サイドであります道路の整備がたいへんおくれております。御承知のとおり昭和二十九年から私ども五カ年計画を立てて道路計画をやっておりますが、第一次以外はすべて三カ年で改訂をしております。その原因の一番大きいものは、予想以上に自動車台数がふえたということで道路整備事業を拡大改正しなければならない、供給を大きくしなければならないということで改訂を繰り返しております。第五次の昭和四十二年から六年までの計画も御承知のように昨年三年目で打ち切りまして、本年度から十兆三千五百億、五カ年計画に改訂をすることになったわけでございます。こういうふうに数回改訂をやりました。その間建設省としましては、いま先生の御指摘のような点を反省をいたしまして、もっと長期にわたる自動車交通需要の予測の上に立って道路整備計画を立てる、五年では短過ぎるということでございまして、私どもが二年ほど前つくりました長期の予測、これはただいま経済企画庁中心に総合交通体系等からいろいろと予測をやり直しておられますが、その結果が出ましたならば、私どもの予測と違っておれば改訂をするつもりでございますけれども、私どもなりに建設省が予測いたしましたのは昭和六十年に三千五百万台、これは軽自動車及び二輪車を除いておりますので、先ほどの総務長官の数字二千九百万とぴたり同じベースのものであるかどうか自信がありませんが、三千五百万台という予測を立てまして、昭和六十年三千五百万台の自動車が動き回るのにたえ得る道路整備をやるということで昭和六十年度までの道路整備の長期計画を立てる。その長期計画を昭和六十年度実現いたしますのに、当面の五カ年計画で何ほどの道路をどのようなところにつくったらよろしいかというような観点から、実は第六次の十兆三千五百億という五カ年計画の規模がきまったわけでございます。したがいまして、いま御質問のございました昭和五十年に何台か、五十年にそれにたえ得る道路が供給できるかと申しますと、実はそうではございません。私ども最近つくります道路は非常に大規模な道路でございまして、一つのバイパスをとりましても七、八年はかかる。そういう大規模な事業を毎年やっております。昭和五十年に需要に見合った供給ができるということは申し上げかねますが、私どもの長期の計画といたしましては、昭和六十年の三千五百万台の時点にはそういう需要に見合った道路整備をやりたいというふうな計画を持ってやっておるわけでございます。
#119
○田渕哲也君 それから次に、やはり建設省の道路企画課長にお尋ねしたいのでありますけれども、歩道率は現在交通安全指定道路については二九%という数字が出ております。これが三年後昭和四十六年には五四%まで上げるという計画がありますけれども、この場合少し疑問に思うのは、交通安全指定道路というのは、これは交通安全整備緊急措置法で指定された道路だと思いますけれども、具体的にどういう基準できめられたか、お伺いしたいと思います。
#120
○説明員(井上孝君) 交通安全施設整備緊急措置法によりまして指定道路をきめておりますが、これは二項目ございまして、第一の項目は自動車の交通量でございます。それから第二の項目は交通量にかかわらず、保育所幼稚園、小学校あるいは児童公園等に接近する道路でございまして、交通事故の多発するおそれのあるもの、この二つであります。
#121
○田渕哲也君 そうしますと、これはちょっと私はこの数字だけの説明では十分ではないと思うのであります。というのは、昭和四十三年度末の指定道路の延長は、ここに書いてあるように七万三百八十九キロ、それから四十六年も同じように七万三百八十九キロ、ほんとうはこの指定道路に該当すべき道路というものはもっとふえるのではないかと思います。交通量もどんどんふえるでしょうし、あるいは保育所とか幼稚園、小学校もどんどん設備されるとするならば、この指定道路の延長がほんとうはもっとふえなければならぬと思いますが、この点いかがですか。
#122
○説明員(井上孝君) 先生いまおっしゃいました七万三百八十九キロは、交通安全施設のただいま申し上げました基準で指定した道路で、一番初めに先生のおっしゃいました二九%の歩道設置率、これは指定道路に対する設置率ではございません。指定道路のうち市街部にある延長ということでございます。若干その点誤解がございますが、ただ御指摘のように、確かに今後指定道路がさらにふえれば、それに伴ってその指定道路のうち市街部の延長もふえてまいります。今後の指定の追加というようなことは、ただいまの資料には加味してございません。
#123
○田渕哲也君 そうしますと、大体この市街地の延長の部分もほんとうはふえなければならないわけです。同じ基準で交通量やその他の施設の面を考えても、また今後市街化する地域がふえれば当然これがふえるわけです。したがって、この二九%が五四%になるということ自体非常にこれはあやしいものであって、ほんとうは五四%にもならないのではないか。むしろ歩道がない市街地の指定道路がどんどんふえてくる可能性が多いのではないかという気がしますが、この点どうですか。
#124
○説明員(井上孝君) 今後ふえる道路についての歩道設置率というのは出しておりません。ただ二九%が昭和四十六年末に五四%になると申しますのは、いま指定道路のうち市街部に当たります二万五千数百キロ、この二万五千数百キロだけの歩道の設置率が二九から五四になる、こういうことでありまして、新しくできる道路、先生いま御指摘の市街化区域にできるもの、こういうものはおそらくはこの交通安全施設、既存の道路に対する歩道の設置という狭義の交通安全施設ではなくして、新しい道路をつくりました際の、今後は建設省といたしましてはすべて市街地においては歩道をつけるという、これは交通安全施設とは別に、道路整備の一般の改築事業の中で申し上げましたように、市街地にはすべて歩道をつけるということをきめておりますし、構造令の改正をいま検討中でございますので、そちらのほうで処理するということになるわけであります。
#125
○田渕哲也君 どんどん新しい家が建って、住宅地化しつつある区域もあるわけでありますけれども、私があちらこちら行ってみましても、大体たんぼの中にどんどん住宅が建って、歩道のついた道路の建設も後手後手になっておることが非常に多いわけです。これでは片方で幾ら安全施設をつくっても、先ほど申し上げたように自動車と人間とが混雑しながら同時に中を走るというような危険道路がどんどんふえていく。そういうことで建設省のほうは先手先手で道路計画をやっていただくようにお願いしたいと思います。
 それから時間もありませんから、最後に大蔵省にお伺いしたいと思いますけれども、最近、二、三日前NHKのニュースで自動車の損害保険、任意保険の保険料の引き上げの点が報道されておりましたけれども、その時期やあるいは率についてお伺いしたいと思います。
  〔理事千葉千代世君退席、委員長着席〕
#126
○説明員(渡部信君) 先生すでに御存じのことと思いますが、昨年十一月一日から強制の自動車保険の料率を平均約二倍に引き上げたわけでございます。この理由は、四十年を基準としまして、いわゆる事故というものが急激にふえてきたということが第一点、それから第二点は、保険金の支払い単価が賠償水準の上昇とかあるいは医療費の増高というようなことによって非常にふえてきたということで、いわゆる四十三年度末までで強制保険のほうは約千七百億円にのぼる赤字が出てきた。四十四年度単年度をとってみても収入保険料、純保険料でございますが、これに対する支払い保険金の割合が一・九五倍に達するというようなことで、約二倍になったわけでございますが、同じような理由が任意の自動車保険についてもあるわけでございます。したがって、その点につきましては、われわれ事務当局といたしまして目下検討中でございますが、その引き上げの幅を幾らにするとか、この実施の時期をどうするかというような点につきましては、まだ結論を得ておりません。
#127
○田渕哲也君 これは任意保険ですから、ほんとうはコマーシャルベースで組み入れられればいい問題ですが、現在の自動車損害補償については強制保険だけではどうしても足らないわけです。だから一般的には強制保険プラス任意保険というかっこうで補っておるのが普通じゃないかと思います。したがって、この任意保険といえども非常に社会性のある保険ではないか。そういう意味からこの保険料の値上げについても、単に保険業界から大蔵省に申請があって大蔵省がぽんときめるというのではなしに、やはりできるだけたくさんの人、自動車ユーザーとか運送業界とか、そういうところにも納得のいく形で行なっていただきたいと思うのでありますけれども、引き上げしなければならない原因については大体わかりますけれども、その具体的な理由とか内容とかいうものをできるだけ明らかにしていただきたい、こう思いますが、現在のところ説明いただける資料はございませんか。
#128
○説明員(渡部信君) 先生すでに御承知のことかと思いますけれども、先ほど申し上げました任意の自動車保険について対人賠償、他人の身体または生命を害した場合に支払われる任意の保険金額というものは、四十四年度に例をとってみますというと、収入純保険料に対して約二・一五倍にのぼっております。したがって、先生先ほどお話しがありましたように、これは任意保険でございまして、保険会社というものはこういう状態を長く続けるわけにはまいらないと思います。そういう状態を続けますというと、先生これまた御存じのことかと思いますが、昨年来いわゆる任意の自動車保険の契約拒否というような問題が発生しております。そういうようなことになってまいりますと、被害者救済という観点からも問題がございます。大蔵省といたしましては、これを引き上げる場合には、もちろんいわゆるユーザーの立場に立って、はたしてその引き上げの幅が適正かどうかということを十分に検討しなければならないと考えまして、私どもも目下そういう点において日夜事務当局として検討を続けておる次第でございます。
#129
○田渕哲也君 いま御説明がありました契約拒否の動きは、特に営業用トラックとかタクシー等において行なわれておりますけれども、これは非常に重大な問題ではないかと思います。この点について保険料の引き上げによってこの点は完全に解消されるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#130
○説明員(渡部信君) この点につきましては、前の衆議院の委員会におきましても問題となった点でございますが、契約拒否には大きく分けまして二つの種類がございます。というのは現行の料率体系におきましては、過去の契約者の事故歴によりまして、非常に事故が少ない、あるいは起こしていないというような場合には、最高六割まで基準レートから割引できるということになっておりますが、一方過去の事故歴が非常に高いというような場合には、基準レートに対して三・三倍までの保険料を納付してもらうと、こういう制度になっております。ところが、契約者の中にはいわゆる保険期間が切れまして、保険会社に行って新たに保険契約を締結する際に、保険会社がその契約者の過去の事故歴を見て、あなたの場合はどうもこれまでの事故歴が高い、したがって二倍あるいは三・三倍までの保険料をいただかなければならないというお話をすると、契約者のほうからそんなにたくさんの保険料を納めるわけにはまいりません、それでは契約を結びませんということで、契約者のほうから辞退していく事例と、もう一つはいわゆる最高三・三倍までの保険料をかりにいただいたとしても、そういう契約者が過去の例を見ると改めない、そういうことで三・三倍では引き合わない、むしろ他の善良な契約者との公平の観点から考えて問題があるという事例がございます。したがって、この二つが世間で一律に契約拒否とこう言われておるようでございますが、前者は保険会社が契約を拒否するのではなくて、契約者みずから契約しないという問題、あとのほうは保険会社がいわゆる契約拒否しておると、こういう問題でございます。しかしながら、大蔵省といたしましては先ほど申し上げましたように、この保険の必要性というようなものから考えて、一律に何らの理由なしに契約を拒否するというようなことはよろしくないということで、一昨年銀行局長の通達を出しまして、そんなことがないようにということで業界を指導いたしておるわけでございます。ただ、そういう三・三倍を取ってもなおかつ引き合わない、契約を締結できないというような契約者に対しましては、先生これまた御存じのことと思いますが、諸外国におきましては、業界全体が一つとなってそういう方々に対して特別に高い保険料を徴収して、そしてその損益をプールするアサインド・リスク・プールという制度を設けておりますが、わが国におきましても、こういう制度を設けなければ被害者救済の観点から問題が残ると、こう考えまして、その点について事務当局と業界といま検討中でございます。
#131
○田渕哲也君 時間がありませんので、最後に一点だけ確認をしたいと思いますが、NHKのニュースやあるいは新聞等の記事によりますと、大体六月一日実施、それから料率も出ております。対人一・七、対物一・四、これはいまの御説明ではまだきまっていないということでしたけれども、全然根拠のないことですか。
#132
○説明員(渡部信君) 大蔵省といたしましては、そのような発表をいたしたことはございません。したがって、NHK並びに新聞の報道がどこから取材されたものか、そういうものについては責任を持てない状況でございます。いずれ部内におきまして検討した上で大臣の御決裁をいただく、こういう問題でございます。
#133
○田渕哲也君 終わります。
#134
○委員長(瀬谷英行君) 本案に対する質疑は本日はこの程度として、これにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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