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1970/04/24 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第12号
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1970/04/24 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第12号

#1
第063回国会 決算委員会 第12号
昭和四十五年四月二十四日(金曜日)
   午後一時十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松本 賢一君
    理 事
                和田 鶴一君
                若林 正武君
                渡辺一太郎君
                高山 恒雄君
    委 員
                長田 裕二君
                佐田 一郎君
                菅野 儀作君
                田口長治郎君
                長屋  茂君
                温水 三郎君
                初村滝一郎君
                矢野  登君
                山本敬三郎君
                大橋 和孝君
                安永 英雄君
                二宮 文造君
                峯山 昭範君
                渡辺  武君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
       文 部 大 臣  坂田 道太君
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房会計課長    川田 陽吉君
       人事院事務総局
       管理局長     茨木  広君
       総理府総務副長
       官        湊  徹郎君
       警察庁長官官房
       会計課長     丸山  昂君
       皇室経済主管   並木 四郎君
       行政管理政務次
       官        黒木 利克君
       行政管理庁長官
       官房会計課長   増淵 亮夫君
       北海道開発庁主
       幹        村山  進君
       防衛政務次官   土屋 義彦君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   佐々木孝男君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   野崎 博之君
       法務大臣官房会
       計課長      伊藤 榮樹君
       外務大臣官房会
       計課長      柳谷 謙介君
       大蔵大臣官房会
       計課長      阪上 行雄君
       大蔵省主計局次
       長        竹内 道雄君
       大蔵省理財局長  岩尾  一君
       文部大臣官房会
       計課長      安養寺重夫君
       厚生大臣官房会
       計課長      横田 陽吉君
       農林大臣官房経
       理課長      白根 健也君
       通商産業大臣官
       房会計課長    飯塚 史郎君
       運輸大臣官房会
       計課長      中村 四郎君
       郵政省経理局長  溝呂木 繁君
       労働大臣官房会
       計課長      増田 一郎君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設大臣官房会
       計課長      大塩洋一郎君
       自治大臣官房会
       計課長      胡子 英幸君
        ―――――
       会計検査院長   山崎  高君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     小熊 孝次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十二年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十二年度特別会計予算総則第十条に基づ
 く使用総調書及び使用調書(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基
 づく使用総調書及び各省各庁所管使用調書(そ
 の2)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和四十三年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(内閣提出、衆議院送
 付)
○昭和四十三年度特別会計予算総則第十条に基づ
 く使用総調書及び使用調書(内閣提出、衆議院
 送付)
○昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基
 づく使用総調書及び各省各庁所管使用調書(内
 閣提出、衆議院送付)
○昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その1)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十四年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その1)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基
 づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額
 調書(その1)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(内閣提出)
○昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十二
 年度政府関係機関決算書(第六十一回国会提
 出)
○昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第六十一回国会提出)
○昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第六十一回国会提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松本賢一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件、昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外三件、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件、及び昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書、以上十二件を一括して議題といたします。
 これらにつきましては、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。
 昭和四十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十二年度特別会計予算総則第十条に基づく使用総調書及び使用調書、昭和四十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和四十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、昭和四十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、昭和四十三年度特別会計予算総則第十条に基づく使用総調書及び使用調書、昭和四十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書及び各省各庁所管使用調書、昭和四十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)、昭和四十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その一)、昭和四十四年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上十一件を一括して問題に供します。
 これら十一件について承諾を与うべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(松本賢一君) 多数と認めます。よって、これら十一件は多数をもって承諾を与うべきものと議決されました。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(松本賢一君) 次に、昭和四十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書を問題に供します。
 本件について異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#7
○委員長(松本賢一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決されました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき、これら案件の報告書の作成などにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(松本賢一君) 次に、昭和四十二年度決算外二件を議題といたします。
 これらの質疑は、すでに去る二十日、終了いたしております。
 それでは、これより討論に入ります。
 理事会におきまして協議いたしましたところ、内閣に対する警告決議につきましては、お手元に配付いたしましたような案文につき意見が一致いたしました。警告決議の案文を朗読いたします。
  内閣に対し、次の通り警告する。
 (1) 昭和四十二年度決算検査報告における不
  正、不当事項の掲記は二六〇件の多きに及
  び、公務員の収賄等による汚職事件また跡を
  絶たないのは遺憾である。また、一部高級公
  務員などの無分別なゴルフ等も寒心に堪えな
  い。
   綱紀の厳正な保持は行政の根幹である。
   政府は公務員が国民全体の奉仕者としての
  自覚に徹するよう綱紀の粛正に一段と留意努
  力すべきである。
 (2) 昭和四十二年度決算検査報告において、補
  助金に関する指摘は一〇五件に及び依然とし
  て不当事項の大宗を占めていることは遺憾で
  ある。
   政府はこれら不当事項のよってきたる真因
  を究明し、実効ある対策をとるべきである。
 (3) 大口脱税が例年そのあとを絶たず、租税負
  担の公平の原則あるいは納税思想の上に及ぼ
  す影響は看過できない。
   政府はこれらの捕捉、徴収に格段の努力を
  いたすべきである。
 (4) 特殊法人並びに各種審議会の整理統合はま
  だ充分とは認め難い。
   政府はより積極的に検討措置すべきであ
  る。
 (5) 災害復旧補助事業については、当局の努力
  にもかかわらず、工事完了まで三年ないし四
  年の年月を要している実情である。
   これが一因ともなり再度災害を受ける事態
  が少なくない。その被害の増加額も、建設省
  所管分だけで過去一〇年間に九五〇億円に上
  っている。政府は、工期の短縮、事業の促進
  に一層留意すべきである。
 (6) 国立大学において、受託研究費の受入れが
  正規のルートによらず、経理の適正を欠いて
  いる事例がある。
   政府は、これら経理の適正に努力するのみ
  ならず、大学における研究費の確保について
  遺憾のないよう措置すべきである。
 (7) 商工組合中央金庫から東豊産業協同組合を
  通じ、稲村建設株式会社に対しておこなわれ
  た融資について、融資の審査が必ずしも十分
  でなかったなどのため、不良貸付となった事
  例がある。
   政府は、中小企業金融を円滑に実施するた
  め、債権の保全と融資の厳正に留意し、この
  ような事態の再発を防止するよう指導につと
  むべきである。
 (8) 自衛隊の装備について、納入期限を相当超
  過して未調達となっているものが多額にのぼ
  っている。予算の効率的使用の見地から、政
  府は善処すべきである。
 (9) 各省庁における電子計算機の導入につい
  て、本来行政の効率化のための電子計算機
  が、却って操作管理上各種の事務的混乱を招
  いている事例がある。
   政府は、電子計算機の導入が計画的かつ合
  理的に行なわれるよう、格段の配慮をいたす
  べきである。
 なお、議決案はお手元に配付してあるとおりでございます。
 討論をされる方は、賛否を明らかにして御意見をお述べ願います。
#10
○大橋和孝君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十二年度決算外二件につきまして、内閣に対する警告決議を除き、これに反対の意思を表明いたします。
 その理由の第一は、会計検査院の報告に見られますように、各省各庁の不正、不当事項が、数字としては若干減少しておりますが、依然として、あとを絶たないということであります。これらの不当事項は、いずれも綱紀の弛緩によるものであり、きびしく綱紀の粛正を要望せざるを得ないのであります。一例をあげますと、検査報告に掲載されております阪神高速道路公団の汚職の例でありますが、一公団の主査という、比較的若い職員が、かなりの期間にわたって次々と公金をごまかし、あるいは小切手を偽造したりして、ついに五千万円も領得したという例でありますが、このように多額な、たび重なるごまかしが、何の監督もなければ、監査される機会もなく、平気でまかり通るような行政組織というものに、私は常識的に考えられない綱紀の弛緩を認めるのであります。また、検査院に指摘されている防衛庁関係の航空機部品についての不当事項についてみても、各所の貯蔵倉庫を調べてみれば、所要部品はたくさんあったのに、たった一カ所だけの倉庫の在庫を見て、あとはどんどん新規購入し、あとになって同じ部品が各所の倉庫にたくさんあったのが判明したといった間の抜けたような話が指摘されているのであります。この一例をとってみましても、国民の血税でまかなった予算を使用する公務員の姿勢というものが、まるで親方日の丸式であることがよくわかるのであります。もう少し税金を納める国民の立場に立ってやってもらわなければならないと思うのであります。
 第二に反対の理由は、補助金の使用のしかたが適確でないということであります。そもそも補助金行政の現在のあり方が、いかに行政をゆがめているか、このことは政府に国会から要請されて久しいものがあるのでありますが、なかなか補助金の整理統合は適確な姿に立ち直るふうにまいらない状況であります。あの予算編成時の国会周辺の各種圧力団体の跳梁ばっこぶりを顧みてみれば、思い半に過ぎるものがあります。会計検査院報告の指摘事項の中でも、各種補助金に関係した不当事項が、その大きな部分を占めていることをみても、各種補助金のあり方について検討を要する部面が多いと思うのであります。このように改めらるべき補助金を含んだ決算を、われわれは断じて認めるわけにはいかないのであります。
 第三に、社会保障の不備を端的に物語る決算ということを指摘せざるを得ないのであります。なるほど社会保障関係費としては年々増加し、その伸び率も一般会計の伸び率を一応上回ってはおりますが、国民の期待する老人、母子、身障者対策や年金、公的扶助など、いわゆる所得保障の水準は、依然として低く、このような国民の熱望する社会保障が著しく立ちおくれを示しているような政府決算に対し、私は同意することはできないのであります。
 第四に、この機会をかりまして予備費について一言触れたいと思うのであります。政府の国会に対して予備費使用の承認を求める議案の形式については、多年総調書のみが正式に提出され、各省調書のほうは「参照」として議案の中に含まれなかったのであります。が、今回より各省調書も議案の中に含めて提出するよう改定が行なわれ、財政法の規定するとおりに、すっきりした形で提出するようになりました。これは財政民主主義の上からいってしごくけっこうなことと存じます。国会側の要望にこたえ御努力になった大蔵省当局に対しまして、私はこれを多とすることにやぶさかではないのであります。しかし、これは形式の上であります。内容は、近年、政府は公務員給与を予備費に入れて処理しようとしたり、予備費にふさわしくない費用まで予備費でまかなおうとする気配が見えてきたことは、われわれの注意しなければならないところであります。私は、政府が予備費は予備費として本来の姿を厳守し、予備費としてふさわしくない費目は堂々と真正面から補正予算を組んで国会の承認を得て実施するというふうにやってもらいたいと思い、ここに要望を申し添え、あわせて警告をいたしたいのであります。
 最後に、本決算委員会において昭和四十二年度決算審査の途上において取り上げられました諸点、すなわち、海外技術援助費の使用上の問題、水道その他の公営企業の立ちおくれを中心とする問題、国有財産の払い下げをめぐる諸問題、各種公営金融機関の不当貸し付けの問題、国民の立場から見た各種食品衛生行政、薬事行政の批判的検討等丸の諸問題を顧みてみまして、いずれもかなりの問題点を含んだものばかりでありまして、政府はこれら審査の上にあらわれた、われわれ決算委員会の意図を十分くみ取られて真剣に善処されんことを警告かつ要望するものであります。私はここに、本案に対し警告には賛成しますが、本決算に是認できない意思を表明し、討論とするものであります。
#11
○若林正武君 私は、自由民主党を代表して、昭和四十二年度決算を是認するとともに、警告決議案に賛成するものであります。また、国有財産増減及び現在額総計算書外一件についてもこれを是認いたすものであります。
 決算の審査にあたりましては、予算の執行が適法であったかどうかという点のみでなく、それが効果的であったかどうかという点についても検討を加えてまいりました。これらの検討結果は、当然予算の編成の際に反映されるべきであるという観点に立って審査を行なってまいったのであります。決算の審査は、予算のそれとうらはらをなす重要な意義を持つものであり、いわゆる財政民主主義が全うされるかどうかの重要なかぎをなすものであります。決算の審査はこのように重要なものでありますが、その結果、財務行政上改善が望まれる幾多の事項がこれまで指摘されてまいりました。その一部が先ほどの警告決議案として集約されたのであります。政府は、これらの指摘事項に対し、謙虚な気持ちで真剣に対処され、実効ある措置をとられんことを要望いたすものであります。
 次に、昭和四十二年度会計検査院の検査報告にも指摘されているとおり、不正不当事項は依然としてそのあとを断たず、国費のむだづかいもこれまた少なくないのは、はなはだ遺憾に存ずるものであります。これらはいずれも綱紀の弛緩によるものであります。政府は綱紀の粛正に一段と努力されるよう要望いたすものであります。
 次に、会計検査院が、近年とみに膨大化した国家予算の執行状況について、財政監査の重責に当たっておられますことは、その労を多といたすところであります。また、国民の会計検査院に寄せる期待も実に大きいものがあります。ますます厳正かつ中立、その職責を全うせられんことを要望いたすものであります。また、財政の執行に対して監督の責任のある大蔵省や行政の執行に対して監査の責任のある行政管理庁等、国の財政監査機能を持つ諸機関が、それぞれの職責に応じて相協力、相補完しつつ、有機的な連携のもとに、財政執行面の適正化に努力されんことを強く要望するものであります。
 以上数点を指摘し、私は決算並びに警告決議案に賛成の意を表します。
#12
○峯山昭範君 私は、公明党を代表して、昭和四十二年度決算について、否認の意思を表明するものであります。
 否認理由の第一は、御承知のように、憲法に基づいて「国の決算は会計検査院がこれを検査し」とありますように、検査は会計検査院だけの重大な権限と定められております。すなわち、会計検査院の検査を了して、初めて内閣は決算を決算として国会に提出することができるのであります。したがいまして、この決算の是非の判断の最大基準は、会計検査が厳正になされたかいなかによってきまるといっても過言ではないのであります。このような観点から、会計検査院の姿勢、体質を見るとき、はなはだ残念ではありますが、私は、厳正公平を欠くものがあるとの疑いを禁じ得ないのであります。すなわち、昨四十四年の暮れ並びに本年四月にも、受検庁側と会計検査院検査担当者とのなれあいを思わせるような事件が報道され、国民の疑惑を深めているのであります。会計検査院と受検庁との間のこのような関係は許さるべきものではなく、これでは、会計検査院法の示す内閣からの検査院の独立性が危ういといわざるを得ません。検査院は、この点に深く留意され、いささかの疑惑も残されることのないようにすべきであると申し述べておきたいのであります。
 否認の第二の理由は、国民の血税の使用をまかされた行政主体に対するぬぐいがたい国民の疑惑と不信があるということであります。すなわち、公務員の贈収賄容疑事件はあとを断たないばかりでなく、国民の常識からかけ離れた官界の特権的公私混淆の事例は枚挙にいとまがないのであります。このような不信と疑惑に包まれた行政の姿勢が改まらない限り、国民は決算について是認の意思を表明しないものと考えるのであります。
 第三の理由は、政府が政治資金規正法の根本的改正を怠り、高級官僚の天下りを野放しにし、各種審議会の整理統合などの処置をないがしろにしたことであります。これは行政、政治のけじめを正し、国民の信頼をかち得る根本的な施策であります。これを断行できない政府の姿勢は容認することができません。
 第四の理由として、わが党は四十二年度予算に対して、これが物価政策不在の予算であり、公害対策がほとんど顧みられていない予算であることを指摘したのでありますが、四十二年度決算の上から見ますれば、国費がはたして国民のために使われたかとの疑問を抱かざるを得ないのであります。わが党は人間不在の決算として、断じて承認することはできないのであります。
 以上四点から見て、四十二年度決算を否認する意思を表明するものであります。
 以上をもちまして討論を終わります。
#13
○高山恒雄君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十二年度決算外二件を是認する意思を表明するとともに、先ほど委員長御提案の警告決議案に対し賛成するものであります。
 私は、昨年来この昭和四十二年度決算の審査に当たってまいりましたが、この際、その審議の実感に基づき、所懐の一端を申し述べたいと存じます。
 第一点は、昭和四十二年度決算報告に掲記ざれた不正不当件数が二百六十件、金額にして十二億五千三万円に及び、行政上重大な綱紀が依然として乱れている印象を強くしたのであります。
 第二点は、この決算検査報告の指摘事項中、補助金関係が百五件、金額にして三億七百六十万円で、依然として大宗を占めている点であります。
 会計検査院はみずから指摘したこれら不当事項につき厳格なる処置をとるべきはもとよりでありますが、政府においてもこれら指摘を受けた補助金については単に指導のみにとどまらず、その真因が那辺にあるか徹底的に検討し、今後同じあやまちをおかすことのないよう格段の努力をされるよう要望いたします。
 第三点は、政府が本委員会の指摘に対し、遺憾の意の表明が、単に口先だけの口頭禅などと私は毛頭考えておりませんが、要は実効があがるかいなかにかかっておるのであります。実効に見るべきものなく、国民からその誠意と熱意とを疑われるがごとき結果を招かないようせっかくの御努力を願いたいものであります。
 以上で終わります。
#14
○渡辺武君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十二年度一般会計決算、特別会計決算外二件について、これを承認できないことを表明します。
 その理由の第一は、この決算が、もともとわが党が反対した四十二年度予算そのものの執行の締めくくりだからであります。この予算執行の結果、わが党が予算審議にあたって指摘したとおり、日本のアメリカに従属したもとでの軍国主義復活とアジア進出は、一そう促進され、大企業は肥え太った反面、苛酷な重税、物価値上がり、公害、交通事故、住宅難、社会保障制度の立ちおくれなど、国民の苦しみが激しくなったことは明らかなところであります。
 それだけではなく、第二に、この予算執行の過程で、租税特別措置その他による大企業に対する税の特別な減免が大規模に行なわれ、大企業、大資産家の大口脱税は見のがされたが、勤労者の所得税は予算よりざらに二百五十八億円も増収となるなど、大衆収奪はさらに激しくなり、逆に支出では、生活保護、失業対策などを含む社会保障費が五十八億円も削られるなど、人民に対する支出の引き締め、打ち切りが強行されております。
 また、第三に、政府は一般会計で約五百二十七億円、特別会計ではさらに膨大な予備費を組みこれを災害復旧など予測できない緊急やむを得ない支出だけでなく、軍事警察費、旧勲章年金、産業投資などにまで使っているが、これは憲法八十七条の予備費に関する規定の乱用であり、財政法の民主的条項を踏みにじる危険な傾向と言わなければなりません。
 第四に、会計検査院の検査報告にもあらわれているように、政府各機関の予算執行は、依然として乱脈であり、大小の汚職はあとを断たず、高級官僚の腐敗は著しいものがあります。
 第五に、特に政府関係機関について言えば、これは高い専売価格と、労働者に対する合理化攻撃から生まれた専売納付金の大幅な黒字、独占企業・米軍のための低運賃と輸送力増強をおもな原因とする国鉄の大幅な赤字、大企業の海外進出を促進する輸出入銀行出資額の大幅な増加など、いずれも大企業奉仕と国民収奪の結果を示す決算にほかなりません。
 以上が、わが党が四十二年度決算を承認できないおもな理由であります。
 次に、国有財産の増減及び現在額総計算書についてでありますが、これは日本輸出入銀行、石油開発公団など、主として大企業のための、出資、投資の増加を内容とするものであり、これを承認することはできません。
 また、国有財産無償貸付状況総計算書については、本来、国有財産のおもな使途の一つは、公園、緑地など人民の福祉のための無償貸し付けでなければならず、わが党は、この無償貸し付けそのものには賛成するものでありますが、現実には、この貸し付けの実行において、必ずしも賛成することのできない内容が含まれておりますので、棄権の態度を表明するものであります。
 また、警告決議については、決算本案と警告案とを分離して採決を行なら結果、警告は、決算の採決結果ないし是認を前提として行なわれることになり、また、その性質上附帯決議とは見なされておりません。したがって、決算に関係のない警告決議となって、政府に警告する論拠を弱めるものと考えます。この立場から、この採決方式は再検討の余地があると言わねばなりません。
 しかし、この決議内容については、わが党の見解を全面的にあらわすものではなく、また十分には満足できない点を含んでおりますが内容そのものには一致できますので、賛成の態度を表明するものであります。
#15
○委員長(松本賢一君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認めます。
 これより採決に入ります。昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和四十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十二年度政府関係機関決算書につき採決をいたします。
 第一に、本件決算は、これを是認すると議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#17
○委員長(松本賢一君) 多数と認めます。
 第二に、内閣に対し、先刻朗読のとおり警告することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#18
○委員長(松本賢一君) 全会一致と認めます。よって、昭和四十二年度決算につきましては、多数をもってこれを是認することとし、内閣に対し、先刻朗読いたしましたとおり警告すべきものと議決されました。
 次に、昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算書につき採決いたします。
 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#19
○委員長(松本賢一君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって異議がないと議決せられました。
 次に、昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書につき採決いたします。
 本件につきまして、異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#20
○委員長(松本賢一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決せられました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき、これら案件の報告書につきましては、ただいまの本委員会の議決内容によりこれを作成することといたしまして、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○委員長(松本賢一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、関係大臣等から発言を求められておりますので、順次これを許します。
#22
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまいただきました御決議の点は、十分尊重いたしましてその趣旨に沿うよう、関係各省各庁と連絡をいたし、遺憾なきを期してまいりたいと存じます。
#23
○国務大臣(坂田道太君) ただいま御指摘いただきました文部省所管の事項につきましては、御決議の趣旨に沿うよう、一そうの努力をいたす所存でございます。
#24
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま御指摘を受けました事項につきましては、今後とも十分配慮いたしてまいる所存でございます。特に災害復旧事業につきましては、工事の早期完成のため格段の努力をいたし、再度の災害防止をはかってまいる所存でございます。
#25
○政府委員(湊徹郎君) 御指摘のございました官庁綱紀の厳正な保持、粛正につきましては、従来から職務執行にあたって責任体制を明らかにすること、あるいは服務規律を確保すること、さらに、部内監察制度を強化することなどによって実効をあげるようにつとめてまいったわけでありますが、一昨日も各省庁の人事管理官会議を開いて綱紀粛正の徹底を期した次第でございます。今後とも決議の御趣旨を体し、信賞必罰を徹底し、セクショナリズムの打破につとめ、またメリットシステムの確立をはかるなど、今後ともあらゆる機会を通じて一そうの努力をしてまいりたいと存じております。
#26
○政府委員(黒木利克君) ただいま御指摘のありました特殊法人及び各種審議会の整理統合の促進並びに電子計算機の計画的かつ合理的利用の推進の事項に関しましては、行政管理庁といたしましても、御趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
#27
○政府委員(土屋義彦君) 防衛庁関係として御指摘のあった装備費等の調達で予定時期までに取得のできないものにつきましては、今後一そうその促進をはかる等、最善の努力を払い、もって予算の効率的使用を期する所存でございます。
#28
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘のございました中小企業金融につきましては、御警告の御趣旨に沿いますよう、指導監督につとめてまいりたいと存じます。
#29
○委員長(松本賢一君) 以上で関係大臣等の発言は終わりました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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