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1970/04/15 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 予算委員会第四分科会 第3号
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1970/04/15 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 予算委員会第四分科会 第3号

#1
第063回国会 予算委員会第四分科会 第3号
昭和四十五年四月十五日(水曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     鶴園 哲夫君
     和田 静夫君     加瀬  完君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主査          塩出 啓典君
    副主査         田村 賢作君
    委員
                郡  祐一君
                初村瀧一郎君
                堀本 宜実君
                吉武 恵市君
                岡  三郎君
                加瀬  完君
                鶴園 哲夫君
                和田 静夫君
                萩原幽香子君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       自治大臣官房長  鎌田 要人君
       自治大臣官房会
       計課長      胡子 英幸君
       自治省行政局選
       挙部長      皆川 迪夫君
       自治省財政局長  長野 士郎君
       自治省税務局長  降矢 敬義君
       消防庁長官    松島 五郎君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    岸   要君
       大蔵省主税局税
       制第三課長    早田  肇君
       自治省行政局公
       務員部長     山本  明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十五年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十五年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十五年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(塩出啓典君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。
 この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木強君が本分科会の担当委員を辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(塩出啓典君) 昭和四十五年度総予算中、自治省所管を議題といたします。
 まず、慣例では政府側の説明を求める順序でありますが、説明はこれを省略して、お手元に配付いたしてあります資料をごらん願うこととして、直ちに質疑に入りたいと思います。またその説明の資料は本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○主査(塩出啓典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それではこれより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○和田静夫君 近ごろまあ自治省の所管の予算を見ておりまして、たいへん目につくことは、電子計算機関係の予算であります。昨年の予算委員会におけるこの分科会でも私はこの関係について野田前自治大臣に、自治省へのコンピューター導入と、それに対応する地方自治体の受け入れ体制の問題を中心として若干質問をしたのでありますが、この問題では専門家と自負されている新しい大臣でありますから、秋田自治大臣にこそコンピューター利用に伴う地方行政の将来について、どのように考えているかということをお聞きしてみることがふさわしいのではないか、こう考えています。確かに昨年の予算委員会の分科会の際の自治省の答弁にもありましたように、今日この問題はまだ試行錯誤の段階であろうと思います。しかし自治省は行政を企画をし、立案するものの最大の任務は、どの方法をとるのが最もよく目的を実現することができるかを究明することであり、自治省は元来地方自治の法律論、制度論、組織論の総本山ではあっても、施策論に縁遠かったり、片寄りをいまこそ脱皮すべきである。これは長野現財政局長が行政局長時代に執筆をされたものの中にあることばでありますが、こうした大きな問題意識でコンピューター導入に取り組んでおられるはずです。つまり、ここで電子計算機組織研究、電子計算組織運営事務費、電子計算機等借料、地方自治情報センター交付金、こういう形で組まれている約八千万円のコンピューター関係経費、この額だけを見た限りでは、単にあそこの自治省のビルにコンピューターが導入されて、これこれこれだけの事務が改善されましたという説明をされがちでありますけれども、また現に利用計画を聞くと、やれ交付税算定事務であるとか、やれ給与実態調査であるとか、具体的事務の名前があがるわけですね。しかし、私は、単にそれだけのものではないと思いますし、そのことはまあ明らかだと思います。自治省における電子計算機組織の導入、これは自治省内部における処理組織としてではなくて、単なる処理組織としてではなく、国、地方を通ずる全国的情報組織の一環を構成するものとしてイメージされております。そのイメージをまず冒頭お聞きをしたいと思います。
#6
○政府委員(鎌田要人君) 事務的な面も含まれておりますので、便宜私からの御答弁をお許しいただきたいと思います。
 御案内のとおり、行政事務といわゆる電子計算組織、これとの関連、地方公共団体でも国でもそうでございますけれども、大体四段階のステップがあるように思うわけであります。第一のステップは、先ほどから御指摘になりましたような統計資料でございますとか、あるいは給与事務でございますとか申しましたような、単純な大量の計算事務というものを機械的に高速をもって処理する、いわゆる大型そろばんみたいな機能の段階、第二の段階になりますと、さらにこの事務処理の近代化、内部管理事務というものにこれを応用してまいる。第三のステップということになりますというと、住民サービスの向上――地方団体の場合でございますと、たとえば住民登録情報、こういったようなものの管理。それから第四のステップということになりますと、予測でございますとか、あるいは計画業務、こういったいわゆる行政管理と申しますか、そういうものの近代化。こういう大体四つのステップがあるように思うわけであります。
 当自治省におきましては、昨年の四月からこれを導入いたしたわけでございますが、現在のところは、ただいま申しました第一のステップから第二のステップにようやく差しかかっておる、こういう形でございます。自治省内部の問題といたしましては、この給与実態調査でございますとか、あるいは決算統計でございますとか、あるいは課税状況でございますとか、あるいは固定資産税の船舶価格の配分、こういうような、先ほど申しました第一ステップの大量的な、単純機械的な集計作業というものを処理してまいる、こういうところで実は手一ぱいというところでございます。もう少しこの機械の容量というものがふえてまいりましたならば、第二の段階と申しますか、たとえば地方交付税の測定単位補正係数、こういったものにつきまして、いろんなモデルをつくりまして、最も適当とするものを選択してまいるといったようないわゆるシミュレーション、こういったものを考えたいと思っております。
 将来の方向といたしましては、自治省自体の業務につきまして、ただいま申しました四つのステップに当たるものを完成してまいりたい。と同時に、自治省といたしましては、地方団体の行政運営の適切な指導という重大な職責を負っているわけでございますので、現在都道府県なり市町村なりにおいて導入されておりますところのEDPS、これの何といいますか、ソフトウエアを中心といたします適正な指導というものも行なってまいりたい。これにつきましては、別途地方団体の発意をもちまして、この五月から発足が予定されておりますところの地方自治情報センター、これと緊密な連携を保ちながら、地方団体サイドの指導というものに万全を期してまいりたい。現在持っておりますところの大まかな構想といいますかは、そういったところでございます。
#7
○和田静夫君 情報化社会ということがいわれて、EDPSとか、いわゆるコンピューター利用に伴う整理システムの問題、これは私自身にとっても、人間としての一定の危機感、そういうものを覚えますから、今後一貫して取り上げていくつもりですが、いわゆる地方自治体の行政――地方行政という言い方をしますと、自治省の地方自治体対策と混同されがちでありますから、ここではあえて地方自治体の行政と言いますが、地方自治体の行政にとって、一体どこまでコンピューター利用が可能なのか、そうして、それと地方自治というものとの関連はどうなのか、このことは、今度は地方行政と言いますが、地方行政の任にある者がまず考えておかなければならないことだと思うのです。たとえば、アメリカの地方行政と情報処理をめぐって、自治省関係者などに語らせると、自治研究に書いていらっしゃいますから、都市問題は非常に複雑なものであり、これに対処するための施策の樹立、実施及び評価は、しろうとである一般住民や、その代表者の常識だけでは成り立たなくなってきているということがいわれるわけです。よくわからないのですけれども、それは一面そうかもわからない。しかし、しろうとである一般住民や、その代表者の常識が行政に反映されなくなったとしたら、民主主義というものは一体どうなるか、民主主義はなくなるか、地方自治はことば以上のものではなくなる。そういう疑いも出てくる。現状はどうなんだろうか、住民はいろいろ不満を持っています。ときには苦情も言う。これに対して自治体の職員は、善意にではあるけれども、専門家として、プロとして対処していく、このアマチュアの論理とプロの論理は、御承知のとおりすれ違っております。その結果どういうことになるのであろうかということをいろいろ考えてみたのですがね。そうすると、住民のほうは、自治体の職員は不親切でけしからんといって、職員の側は、そういわれるのをおそれて、一生懸命に窓口の応対をよくしようなどと心がけるといった、非生産的なことになっているわけですね。
 私は今日地方自治にとって、最も必要とされていることは、役所内部の正直なプロの論理と、住民のアマチュアリズムが変てこりんな理屈によって介在されずに、ぶつかり合ってみることだと思います。私はこのぶつかり合いの中に、地方自治が現実化する芽があると思うし、そうした場をつくるために、微力ながら努力しているわけですが、こうした地方自治というものの基本的な確立がない以前に、コンピューター導入などといったようなことが先行してしまうと、プロとアマチュアの亀裂はますます拡大して、たいへんなことになるのではないか、そういうふうに思うのです。その点いかがですか。
#8
○政府委員(鎌田要人君) おっしゃいます点は、私、非常によくわかるような気がするわけであります。率直に申しまして、電子計算組織というものは人間にとって、いわば、非常にきざなことばを申し上げて恐縮でございますが、バラ色の将来を約束するものなのか、あるいは働く人間にとって、これが君臨して、桎梏と化するものなのかという問題もあると思うわけであります。ただ、いまおっしゃいました行政におけるプロとアマという点でございますが、私はやはり地方自治体に対する住民の要求というものに対する行政サービスというものをよくしてまいる。この行政サービスと申しますことは、ただ単に窓口でにこにこするとかなんとかいったことではありませんで、やはり住民の要求するところを的確に、タイムリーにこたえてやることだと思うわけでございますが、そういった行政サービスというものを徹底して改善してまいるという意味におきまして、行政庁の内部というものは、むしろ、ことばは適切でないかもしれませんが、プロ化していかなければいけない。そういった面の一つの手段として、電子計算組織というものを導入されてまいっておるのではないだろうか、こういう気がいたします。
 ただくれぐれも、ただいま申しましたように、電子計算組織は、率直に申しまして、私どもの非常に取りつきにくいところがあります。そういうものを自由に一方において駆使して、住民とかけ離れたところで、ただ電算組織の専門用語だけがはんらんするといったような面での、そういった意味でのアマとプロとの断絶と申しますか、隔絶と申しますか、これは解消して、融合してまいらなければならない、全く同感でございます。
#9
○和田静夫君 つい最近行なわれた恒例の全国都道府県出納職員研修会、これにおいて、日本EDP株式会社専務取締役中島朋夫氏はこう言っているのですね。「データは幾らあっても情報にならないのは問題意識であるということがわかります。ある問題を意識したときに、そのデータが情報になるかならないかである。逆の表現をすれば、いま都道府県で持っているデータは、情報になる要素はあり余るほど持っているということです。しかし、それがデータでしかないとすれば、これは問題意識の不足であるということになります。」、現状を見てみますと、地方自治体の側にこの問題意識が成立しているのですね。どうも中央官庁の問題意識が先行して、自治体の側においては逆に迷惑しているのではないかと思われる節がある。しかも各省庁間ばらばらに、ばらばらのやり方でデータ収集が行なわれるわけですから、その迷惑の度合いはたいへん著しいものになっているのであります。
 たとえば労働市場センターでは、各職安にさん孔タイプを二台から七台くらい入れて、そして伝送回線を使って直接センターの磁気テープに入っている。ちょっと一歩歩いて社会保険事務所に行ってみますと、厚生省の社会保険庁の指導で、保険事務所では二台から五台のさん孔タイプが入って、紙テープをこれは郵送させているわけです。文部省や農林省などでは、統計調査報告を受けて、自分のところでパンチを入れて、今度は磁気テープに入れているわけです。ところが自治省は調査統計データを直接とりません。県や市にパンチをやらせて、そしてパンチテープと統計報告書を出させているのです。このための自治体の事務量というのは非常な勢いで増加していることは御存じのとおりです。さん孔タイプを自治体で購入するなり、民間に委託しておる、こういう状態です。大臣は、こうした状況について、たいへんばらばらなんですが、どのようにお思いになりますか。
#10
○国務大臣(秋田大助君) ばらばらなことはたいへん遺憾なことであって、これは統一をしていかなければならないと思っております。しかし、何分新しい機械技術の分野でございますので、最初の段階におきましては、多少のことはやむを得ないかと存じます。しかし、政府におきましても、各官庁、この方面の技術者の共同研究組織等もございまして、漸次これを組織的に統一をしようという考えを持っておりますので、多少の時間の余裕をひとつかしてやっていただきたいと思います。しかしながら、これは現状において放置すべきものではなく、その間の統一をはかるべきものと考えます。
#11
○和田静夫君 官房長からさっきお答えがありましたが、たとえば「地方政府と情報処理」というようないわゆる論文を読んでみまして、アメリカに行って勉強してくる。そしてあなたを含めて甲の官僚というものはたいへんりっぱだと思いますから、非常に優秀ですから、非常に優秀なものをまとめられてくる。まとめて直輸入してきたものを、消化し得る能力を持っていない、問題意識を持っていない自治体にさっとおろす。そういうところに私はたいへんな危険、そして混乱、そして各省ばらばら、こういう形のものが起こる、こう思うのですが、その点はいかがですか。
#12
○政府委員(鎌田要人君) 各省の縦の系列でばらばらに行なわれておるということにつきましては、ただいま大臣からも遺憾の意を表されたわけでございますけれども、行政管理庁におきまして、各省庁ごとにばらばらになっておりますこれを統一化する、こういうことを本年度から企画をいたしておられるようであります。私どもが別途いわゆる地方自治情報センターというものを考えました一つのゆえんのものは、少なくとも地方団体においてはそういうものを標準化した形で行なってまいりたい、また、そういうものを通じまして、各省のばらばらというものを下からいわば是正を迫ってまいりたい、こういう気持ちを持っておるわけでございまして、そういう両面の、行政管理庁のほうの中央官庁段階におきます標準化と申しますか、統一化と申しますか、そういうものと、地方団体間におきまする情報センターを通しての標準化、それから、その両方を結びつける努力、こういうものを早急に進めてまいらなければならないというふうに考えております。
#13
○和田静夫君 それじゃ、いま言われた地方自治情報センターについてお尋ねをしますが、私は、自治省の事務次官も発起人の一人になっていらっしゃいます地方自治情報センターなるものの設立趣意書、これを読んでみました。ここでいわれている「自治省は、地方公共団体における電子計算組織体制の整備を重点施策の一つとして推進することを決定され、これに呼応して、地方公共団体の総意により、昭和四五年五月一日を期して、財団法人「地方自治情報センター」を設立」する。ここでいわれておる「地方公共団体の総意」とは、一体いかなるものでありますか。どのような形で形成されたものですか。
#14
○政府委員(鎌田要人君) 都道府県、いわゆる知事会、あるいは市長会の中でございますというと大都市、それから中都市、それから町村会、あるいはそれぞれの議長会、そういったところがら、各地方団体の電子計算組織というものの利用、いわゆるソフトウエアの面の共同開発あるいは情報交換、あるいは要員の教育、訓練、こういったものを進めてまいりたい、こういう意見が盛り上がってまいったわけでございます。かたがた、それを促進する一つの動機になったと考えられますのは、御案内のとおり、自動車のいわゆる登録事務というものが、電電公社の回線によりまして、東京で全部一本で登録をされる。自動車税の課税標準というものを、これを各府県ごとにブレークダウンする。こういうことで、やはり単一の組織というところで、それをブレークダウンして、各都道府県に課税標準を分割と申しますか、通知をする。こういった組織の必要性というものが痛感をされた。それが一つの促進の動機になっておるように聞いております。
#15
○和田静夫君 それじゃ現在までのところ、幾つの地方公共団体が加入することによって、その創意は現実化をしていますか。
#16
○政府委員(鎌田要人君) 現在までのところにおきましては、電子計算組織を入れておりますのは四十六都道府県、六大市、これが参加を表明いたしまして、基本財産に対する出捐を決定をいたしておるというふうに聞いております。
#17
○和田静夫君 それ以外の市町村、これの参加についての取り運びといいますか、そういうのは、どういうふうな形でやられておりますか。
#18
○政府委員(鎌田要人君) 市につきましては、現在二十の市が入会申し込みをいたしており、町村につきましては、十四の町村が入会申し込みをいたしておる、こういう状況でございます。
#19
○和田静夫君 各県が加入金百万円を分担金として予算計上していますね。これは自治省の指導ですか。
#20
○政府委員(鎌田要人君) 地方自治情報センター設立準備委員会、会長は全国知事会の会長が就任をしておられるのでございますが、ここで決定をされた内容でございます。
#21
○和田静夫君 この財団法人の事務局はどこにありますか。
#22
○政府委員(鎌田要人君) 全国知事会のございます都道府県会館内にございます。
#23
○和田静夫君 このところで、いわゆるどのような人が配置をされますか。
#24
○政府委員(鎌田要人君) 組織といたしましては、財団法人でございますから、いわゆる理事、監事、そのほかに内部組織といたしましては、総務部と業務部、この二部の構成、総務部は、これはいわゆる庶務、経理、全体の運営の総括をする、業務部におきまして、先ほど申しました情報センターの目的を達成するための業務を行なう、こういうことで考えております。人員といたしましては、御案内のとおり、そういっては何でございますが、いままで事務をやっておられた方々がぽっとそこへ行ってすぐ業績を発揮できる、こういうたぐいのものではございませんので、現在地方団体におきまして電算業務に従事しておられる職員の方から、随時派遣の形で協力をお願いいたしたい、こう考えておる次第でございます。
#25
○和田静夫君 ことさら、地方団体の職員の派遣と言われましたが、自治省からは。
#26
○政府委員(鎌田要人君) 自治省の中に、御案内のとおり電子計算機室があるわけでございます。電子計算機室の実は陣容、従事いたしておりまする事業の内容からいたしますというと、まことに少ない人員でございますが、幸い新年度におきまして、若干の増員を認められました機会に、自治省といたしましても、もちろん情報センターの育成のために、そういった人的な面でも御協力を申し上げたい、こういうふうに考えております。
#27
○和田静夫君 いま、いみじくも言われましたように、自治省の中にあるコンピューターを使われる、この情報センターに。そういたしますと、この財団法人の地方自治センターといいますけれども、実質的には自治省の行政である、こういうふうに理解できますね。
#28
○政府委員(鎌田要人君) 重大な、私の言い間違いかもしれませんが、重大な点でございますので申し上げますが、自治省の電子計算機室の機械設備を利用する、使用する、こういうことではございません。あくまでも、これは情報センターといたしましては、直接の、現在の段階におきましては、まだ電子計算機を入れるという段階にはまいりませんで、先ほど申しましたソフトウエアの共同開発、あるいは御案内のとおり、現在府県市町村全部合わせまして、かなりの数の団体が導入をいたしておるわけでございますけれども、府県で三十八、市で三百八十市、特別区で二十四、町村で四百二十、こういうものがすでに入れておりますし、導入準備中のものが、県でございますと十五、市でございますと二十一といったようなところがあるわけでございまして、こういったところが、よその団体がかなり前に先行しておる、そこと同じ試行錯誤の段階を一からやるということでは、これはやはり全体的に見まして、あらゆる意味の資源のロスでございますので、そこで情報の交換というものをやってまいる、あるいは、ただいま申しましたソフトウエアの共同開発をやってまいる、あるいは教育訓練をやってまいる、こういった形で、現在の段階におきましては、そこで直接電算機組織を持つということは考えておりませんが、将来は独自の電算組織を当然持たなければならない。それまでの段階といたしましては、いま申しましたような、いわば連絡調整的な業務をやる。それで自治省の電算組織というものを使用する、こういうことは考えておりません。
#29
○和田静夫君 あまりこだわる必要はないんですが、現実は、たとえば情報センターが入れるまでは、自治省にあるものを使う以外にないわけでしょう。
#30
○政府委員(鎌田要人君) 実は自治省の電算組織と申しますのは、やはり容量が実はそう大きくございませんで、現在行なっておりまする給与実態調査でございますとか、決算統計でございますとか、課税状況調査でございますとか、固定資産税の船舶の価格配分、そういった業務で実はもう容量は一ぱいでございます。ちょっとこの上にいまの情報センターの組織分を引き受けるということは、機械自身が無理だろうと思うわけでございまして、もしそういった形での機械、電子計算組織というものを情報センターで必要とするという場合には、民間の計算センターに委託をするという形をとらざるを得ないわけでございます。
#31
○和田静夫君 時間がありませんから、委員会でさらに詰めますが、大臣、財団法人方式による行政などというものは、一体あり得るんだろうかという題問ですね。いわゆる地方自治センター、財団法人ですね。少なくとも自治省の中にあるところの機械室に勤務する自治省の役人がかんだ、そういう情報センターですから、そこには必然的に行政指導、いわゆる行政というものがとにかく介入をされてきますね。そういうことが一体よいことなのだろうかということが一つ。
 もう一つは、つまり参加した団体と、しない団体がありますね、自治団体に。参加した団体と、しない団体とに行政上の差別が及ぶことがないか。
#32
○国務大臣(秋田大助君) 私必ずしも地方自治情報センターの内容はつまびらかではございませんが、これは行政をするものではなく、むしろ政府に利用すべき技術の開発、あるいは研究、連絡、調整等の問題点の解明、そして研究等に主眼がある。それについて自治省の電子計算機室の経験を、最初の段階において、また必要の度合いにおいて御支援を申し上げる、こう私は解釈をいたしておりますので、行政がこれに関与をしていく、こういうものとはいささか内容を異にしておるのではないか。しこうして、この研究によりまして、業務の遂行によりまして開発されましたる知識、技術等は、これは出資してあるといなとにかかわらず、当然事の性質上広く地方行政一般に利用されていくものであろうと、したがいまして、出資のあるなしにかかわらず、その効果、恩恵はこれはひとしく波及さるべきものでありまして、その間に等差、格差等のつくべきものでもない、また事実上そういう余地はないものではなかろうかと、こう考えております。
#33
○和田静夫君 五千六百五十七万八千円というレンタル料、これは純粋に機械の借料だけなのですか。あるいは、あそこの部屋には二十数人の人が三交代で働いているようですが、同じ企業からいわゆるプログラマーやオペレーターの提供を受けているのですか。
#34
○政府委員(鎌田要人君) 純然たる機械の借料でございます。
#35
○和田静夫君 そうしますと、あそこの人々の身分はどうなりますか。
#36
○政府委員(鎌田要人君) 固有の電子計算機室の職員といたしましては八人おります。随時、ピークにおきまして応援を求めておる。この応援を求めておる人たちは、まことに残念でございますが、会社の職員の派遣をして応援をいただいておるという形でございます。まことに残念なことに思っております。
#37
○和田静夫君 そこで、会社から派遣をされている人のほうが多いわけです。これは一体公務員制度上どういうことになるんですか。
#38
○政府委員(鎌田要人君) 自治省が電子計算算組織を入れますときに、十分な人員の配置を持ってやればよかったわけでございますが、当時の導入のいきさつを聞いてみますというと、電子計算組織は入れるけれども、人員は既存の人員の中から出せと、こういうことであったように聞いております。そこで、既存の職員と申しましても、御案内のとおり、自治省の職員五百三十五名でございます。自治省、消防庁あるいは大学校全部を入れて五百三十五人という世帯でございます。その中におきまして、泣き言を言うようでございますが、三年間一律に五%やはり減らせということでございまして、その中からさらにまた電算機室に抜いてまいる、これは、私は率直に申しまして、不可能をしいられているものじゃないかという感じすらも持つものでございます。言い過ぎました点はお許しをいただきたいと思うわけでありますが、そういう中でやはり大きな希望を持って電子計算組織というものに私どもは取り組んでおる。そういうことになりますというと、どうしても手が足りない。機械がひとりで動いてくれればいいわけでございますが、足りない。そういうことになりまして、経過的に、まことに身を切られるような思いでございますけれども、会社からなれた職員の派遣をお願いいたしておる。で、私ども、毎年度の予算要求におきまして増員の要求を粘り強く繰り返しまして、こういう事態というものは一日も早く解消いたしたいというふうに考えておる次第でございまして、先生方の御援助もその点につきましてお願いをいたしたいと思う次第でございます。
#39
○和田静夫君 財政局長いらっしゃるから、前の行政局長として、何といったって、あなたの公務員制度というのはたいへん権威があるんですから、考え方が。一々読み上げませんが、こういう状態が起こっている。六十一通常国会でむちゃくちゃな採決でもって三年間五%削減法案なんというのが強行採決されて、とられていったのだけれども、見なさい。わずか半年もたたぬうちにこういう状態が起こる。公務員制度は根幹からくずれる。こういう状態について、いまの官房長の最後のくだりというのは、ある意味じゃ立場は同じくする形ですが、どういうふうにお考えですか。
#40
○政府委員(鎌田要人君) 財政局長へのお尋ねでございますが、私の所管でございますので、便宜お答えさせていただきたいと思います。
 そういうことで、いまいささか悲鳴めいたことを申し上げたわけでございますが、私は、これによりまして公務員制度が云々ということは実は考えておらないのであります。で、こういう非常に高度の技術あるいは知識の集積を必要とするようなものを導入してまいるという形になりますというと、どうしても経過的にはある程度その機械というものに直接習熟をいたしておりまするメーカーの職員というものの技術的な援助というものはやむを得ないところではないだろうかと考えます。ただ、それが、御案内のとおり全く定常化と申しますか、恒常化、恒久化するというような形になりますというと、これは私は御指摘のような点がある。そういった点を一日も早く脱却をいたしてまいりたい。そのためにはこの増員が先決である。ところが、片っ方におきまして、国全体といたしましては、別途の大きな目的から、機構、定員の抑制ということをいたしておるわけでございますので、その両者の調和をはかりながら、私どもといたしましては及ぶべき限りの努力をいたしてまいりたい。また現に、ことしも若干ではございますが、この増員ということが認められておりますので、逐次これを振りかえてまいりたいということがございますので、これをもってして公務員制度の根幹を乱すものと、こういうふうには私どもは考えておりませんし、また、そういうことがあってはならないというふうに考えておる次第でございます。
#41
○和田静夫君 公務に従事するアルバイトってありますか、しかし。
#42
○政府委員(鎌田要人君) まあ、公務に従事するアルバイトという形は、これはあるないというわけではございませんけれども、いまの場合、公務に従事するという考え方でございますが、これらの会社から派遣をされておりまする職員の方々がいわゆる行政事務をやるということではございませんで、やはりこの機械のいわばオペレーター、あるいはその保守、管理、こういった面で、まさにそういった意味におきましては、私ども技術的、中立的な業務をやっていただいておるというふうに考えるわけでございまして、これがいわゆる住民に対しまして、ある作為あるいは不作為を命ずる、こういった意味での行政事務に従事をしておるというふうには考えないわけでございます。
#43
○和田静夫君 私、まあこの問題論議しながら、考えながら思ったんですが、十二年ぐらい前、福山市なら福山市、山形市なら山形市に初めて事務一元化のための機械が入った。私はまあ福山担当で自治省の振興課とやり合ったことを思い出すのですが、たとえばあの場合にしてもアンドガードから機械が入った、故障した、それで、手っとり早いところ、近くにある会社の部品で埋めようとしたが埋まらなかった。しかも、その特定会社が旅費ぐらいまで出して、昼食も出して職員の教育をやった。あのことにたいへんな誤りがあるということで改められた。今度またコンピューターの時代に同じような誤りをいま繰り返されようとしている。で、メーカーからいわゆる職員が派遣される。それを受けなければならない状態に置かれている。そうすれば、自治省と特殊メーカーとの関係というものは、これは必然的に深まるでしょう。そういった点は一体どういうように配慮をされるんですか。
#44
○政府委員(鎌田要人君) 御指摘のような懸念は十分に予想されます。したがいまして、私どもといたしましては、そういう特定のメーカーというものとの関係ということにつきましては、直接担当いたしておりまする課長あるいは参事官、私ども、あるいは個々の職員、十分に留意をいたして、いささかの指弾、指摘を受けることのないように常時注意はいたしておるところでございます。また、そういった意味合いにおきましても、繰り返しになりますけれども、できるだけ早く、そういった他からの応援を求めないでやれる状態というものにこぎつけてまいりたいと、こういうふうに考えておるところでございます。
#45
○和田静夫君 たいへんくどいようですけれども、これは大臣から御答弁をいただいておきたいと思うんですが、特定企業に支配をされるような形に地方行政がならないように十分配慮しなければならないところですが、いかがですか。
#46
○国務大臣(秋田大助君) お説のとおり、何事によらず、この問題にかかわらず、特定企業のコントロールのもとに自治省があるような状態に置いておいてはいかぬわけでありまして、ただ、この問題につきましては、新しい技術の分野であり、新しい技術の手法を応用しなければならない分野でございます。したがいまして、実際のところ、この機械を操作し、この機械を十二分に駆使をいたしまして、目的意識を持ちまして十二分にこの機械を活用する技術者というものが自治省にいないということは事実だと思います。これはやむを得ない事情でございますので、また、新しい機械を開発いたしました会社がその機械を広めるためにこれに習熟した技術者をつけてよこすわけであります。また、需要者のほうはそれを利用いたしまして、そして一日も早くその技術習得の教育を行ないつつ、それらの人と取ってかわるべき処置をとらなければならないわけであります。そこで、いま過渡的な段階であろうかと存じます。したがいまして、ただいま局長からも御説明申し上げましたとおり、一日も早く機械に習熟をし、技術を習得いたしまして、会社サービスの人員派遣を求めなくていいような状態にすることが自治省に要求されておるわけでございまして、われわれはその点十分留意をいたしまして、ただいま先生が御心配のような事態、あるいはそういう心配を外からされるような状態を一日も早く解消いたしたいと考えております。
#47
○和田静夫君 今回、地方公務員月報及び情報発行費――「情報」ということばが初めて入ったんですが、ということで、予算が組まれていますが、この「情報」とは最近各県に配られている「公務員特別情報」のことですか。
#48
○説明員(山本明君) おっしゃいましたように、各府県に配っております「情報」でございます。
#49
○和田静夫君 そうしたら、これはもう昨年のこの委員会の速記録を読んでいただけばわかるんですね。資料はとにかく全部出していただくということになっているんですが、一向に届きませんから、配っていらっしゃるものをいただきたい。そこで、この「公務員特別情報」であるといまお答えがあったんですが、たいへんけしからぬことに発行所は不明、そして地方課長のゴム印で各市町村におりるなどというようなこそくなやり方をされるのはどういうわけなんですか。
#50
○説明員(山本明君) お答えいたします。特別な意図はございませんけれども、一応私どものほうで出しました「情報」でございますので、これからはっきりいたしまして流したいと思っております。
#51
○和田静夫君 それじゃ資料のほうはいただけますね、出しているやつは。
#52
○説明員(山本明君) 御要求の資料は出したいと思っております。
#53
○和田静夫君 時間がありませんから次に行きますが、人事管理問題等調査委託費ということで地方公務員制度研究会に三十九年に百十九万、四十年百四十四万、四十一年二百万、四十二年三百万、四十三年五百十一万五千円、四十四年七百七十一万九千円が支払われており、今年度もまた七百七十一万九千円が予算計上されております。そこで、四十四年度の七百七十一万九千円の研究成果は何であり、さらに四十五年度は何を期待をされていますか。
#54
○説明員(山本明君) これは地公研に対します委託費でございまして、地公研におきましてそれぞれ各団体の諸情報を集めまして、それぞれの団体にこれを配布しておるというものでございます。本年度も同じような方法でやってみたいと思っております。
#55
○和田静夫君 この地方公務員制度研究会に限らず、かなりの金をかけて研究なり調査の委託をしたら、その成果は私は国会に報告すべきものだと思うんですね。この地方公務員制度研究会への研究委託についても、さきの国会で私が資料要求をしたら、とても何百万円を使って行なった研究成果とは思えない、ほんの申しわけ程度の資料しか届かなかったんです。私は、まあ参議院の調査室にでもこれだけの金を渡したほうがよほど有効なものが出ると思ったほどであります。たとえば昨年約束されて届けられたものは、四十三年六月から四十四年六月まで九冊、これにかかったお金は何と千七百十一万五千円、この九冊の研究資料に千七百十一万五千円、これが成果である。こういうことに私はなるだろうと思うんです。そこで、四十四年度分について、なるほどこれは七百七十一万九千円の研究委託にふさわしいと思われる研究成果をお届けいただけるんだと思うんですね。それは期待しておいてよろしいですね。
#56
○説明員(山本明君) 先ほど申しました情報収集、その結果、印刷いたしますもののほかに、各地方におきます労使関係の正常化のための指導もいたしております。地公研自体のそういうものもひっくるめての予算が七百七十万というかっこうで委託になっております。先生のところに届きましたものは、あるいはその一部であろうかとも思いますけれども、四十四年度におきまして指導の資料といたしておりますものもございますれば、私のほうで十分な調査をいたしましてお届けをいたしたいと思っております。一昨年のことは私存じませんけれども、御要求がございまして残部を何か届けたというかっこうになっておるそうでございますが、今度はそのようなことのないようにいたしたいと思っております。
#57
○和田静夫君 新しくおかわりになったわけですし、あれですから……。きょうここで要求をして初めてこれから四十四年度が出てくるわけです。四十四年度はもう終わってしまっているわけですね。何で前の国会で約束をされながら、少なくとも研究の成果を私に研究をさせる条件を与えるために資料を提出をされなかったんですか。四十四年度分は一冊も来ないんです。四十四年度は何が行なわれたかさっぱりわからぬわけですよ。要求した分は十分に届けますという、こういう状態というのは、一体どういうことを意味するんですか。
#58
○説明員(山本明君) 四十四年度の資料につきまして、先生のところにお届けできなかったことをまことに残念に思っております。以後は、そのようなことがないように、資料が出ますればお届けするようにいたしたい、このように思っております。
#59
○和田静夫君 去る四月の十二日に「不自由なからだにうちかって国家公務員試験に見事パスした小児マヒの青年が八つも受けた官公庁の面接でいずれも「不採用」になった。それでも希望を失わず、さらに四つの官庁に電話で問い合わせたが、「身障者はダメ」とはっきり拒否された。」という記事が出ております。その中には、実は幾つかの地方自治体が含まれているのであります。それで、身体障害者雇用促進法に基づいてきめられている雇用率の地方自治体における達成状況はどうですか。
#60
○説明員(山本明君) 御質問の新聞の記事というのは、四月十二日の読売新聞の記事ではないだろうか、このように考えております。私どももこの記事を見ましたときに、身体障害者に対しましては、これを雇用することについて十分な配慮をしなくてはならないという法律並びに政令の規定もございますので、直ちに調べてみたわけでございますが、京都府、大阪府等につきましては、これは府の職員としてではなくて、いわゆる国家公務員の地方事務官の問題であったというふうに伺っております。といいますことは、この青年が国家公務員の初級試験の一般行政職に合格しておりますので、それぞれの国家公務員としての働く場所を求めて就職をしたいということを申し出たようでございます。そこで、国家公務員の立場におきましてこれは採用できなかったのだというふうに承っております。地方公務員につきましては、ただいまのところ、御質問のような事実はないというふうに関係のほうから、調査をいたしましたところ、そういう報告を受けております。
#61
○和田静夫君 新聞記事を聞いたのじゃない。私は、いわゆる地方公務員の雇用率を聞いている。
#62
○説明員(山本明君) これは雇用の状況を労働大臣に通報することになっておりますので、労働省のほうから伺いましたところによりますと、官公庁といたしまして、国と地方を合わせまして、非現業で一七・七二%、これは基準によりますと一・七%でございますので、基準はオーバーしているようでございます。ただ、現業のほうが、基準が一・六%でございますけれども、一・五四%、若干目標よりも下がっておるという通報は労働省のほうから承っております。
#63
○和田静夫君 いまのやつ、都道府県別と市町村別に。
#64
○説明員(山本明君) それは、先ほど申しましたように、労働省に、大臣のほうに通報がなされておりまして、私のほうでは、県、市町村別の実情はわかりませんでございます。
#65
○和田静夫君 官公庁等における身体障害者雇用状況調査によれば、昭和四十三年十月一日現在で都道府県の機関の雇用率は丁二九%、市町村の機関は二・七%。したがって、市町村は、身体障害者雇用促進法に基づいてきめられている雇用率は達成されている。都道府県の場合は非常に悪い。それから、現業の場合非常に悪い。こういうことになっている。それで、特に都道府県の成績が悪い。地方公共団体というものの本来の性格からいって、法定雇用率を大幅に上回って身体障害者をとっても私は当然だと思うのです。自治体にはそんなことはないと言われるが、ないことはないで、私自身も実例を持っています。たいへん優秀な成績で人事委員会の試験には受かっていたが、面接になると、何の理由も付せられずに身障者が落とされてしまう。たいへん優秀だから、面接をしない段階ではもはや採用が確定している。ところが、大学を出たのでありますが、行って会ってみると、何々という理由をつけて、とらぬとは言わんのだが、結果的には出てから一年ぐらいたってしまいますから、とらぬと一緒ですね。こういう状態にさせられている者がありますよ。したがって、私は、さっき申し上げたような形での自治省の指導を強める必要があると思うのですが、いかがですか。
#66
○説明員(山本明君) 地方公務員法は、公募は広く一般に国民に公開することとし、また、その採用にあたりましては、いわゆる能力の実証に基づいて採用しておるわけでございまして、そういう身体障害者であるからといって特別な考え方を持ってこれに対すべきではないというふうに基本的に考えておるわけでございます。したがって、御説のような問題につきましては、自治省といたしましても、地方公共団体に対しまして十分な指導をし、また、法の期待するところに沿うように、私のほうも十分な指導いたしたい、このように考えております。
#67
○和田静夫君 と同時に、私は、自治体として職業指導的なこともこれらの人たちに対して考えてもいいのだと思うのです。たとえば、大学を出た人あるいは高等学校を出た。しかし身障者だ。図書館の司書がいいだろう。しかし司書の資格を持っていない。司書の資格を取るのに半年ぐらいかかるというような場合の指導をして、図書館司書とする。あるいは人事とか給与とかいう担当をするということを考えてみれば、その身障者で意欲的な方がたくさんいらっしゃるわけですから、そういう採用を、自治体なるがゆえに、あるいは国の機関なるがゆえに、十分考えていくなどということが、私は積極的に行なわれてしかるべきだと、こう思いますが、いかがですか。
#68
○説明員(山本明君) おっしゃいますように、身体は障害があるけれども、頭脳の非常にりっぱな人がいるという問題もございます。先ほどお話しのございましたコンピューターの問題等につきましても、最近、身障者の方々はそういう方面で頭脳を使いたいという御意見もございまして、私、地方におりますときには、そういう方を採用するように努力をいたした経験がございます。したがいまして、そういう方々の身体の障害を克服しながら職務につける方法、地方公務員として働ける分野というものは、やはりこれは考えてあげなくちゃならないものがあるのではないだろうか、このように考えております。したがいまして、そういう点については今後とも十分地方公共団体を指導してまいりたい、このように考えております。
#69
○和田静夫君 これは、私も地方行政委員会からおたくのところへ視察に行って、いろいろ事務の状態なんか十分見せてもらったことから、たいへん期待しています。いまの答弁どおり、今後十分活用されるように期待しておきたいと思います。
 最後に、私たちがいまたいへん悩む問題の一つに、病人を持った場合、非常に付添人等の問題で頭を悩まされなければならないわけです。しかるに、厚生省の告示、看護、給食及び寝具設備の基準は、完全看護を可能にするようなものになっているはずでありますけれども、多くの病院がこのいわゆる基準看護を守っていない現状が出ています。国会でもこれは何度も取り上げられているのですが、厚生省もその改善策を約束しておるところでありますが、改善状況というのははかばかしくありません。
 そこで、私はちょっと違った角度から取り上げてみたいのですが、自治体病院経営研究会の報告書によりますと、昭和四十三年六月一日現在で、実に四六・八%の自治体病院が基準看護を実施していないのであります。これはもうその後改善をされましたか。あるいはどうされますか。
#70
○政府委員(長野士郎君) おっしゃいますように、自治体病院の五〇%弱の病院につきましては、基準看護が実現されておりません。この点につきましては、病院の規模によりまして一つ問題がございますが、基準看護の実施できない病院は、大半が百ベッド未満の小規模病院であるという点が一つあるわけでございます。根本的な事情といたしましては、看護婦の確保といいますか、そういう問題がありまして、その点でなかなか実際問題としての充足に非常に悩んでおる。もう一つは、病院の経営状況というものが大きく影響しておりまして、そういう点で、現実はいま御指摘がありましたような状況になっておりますが、この点につきましては、私どもも鋭意府県におきましては――府県を中心にいたしましてでございますが、看護婦の養成という点に力を注いでまいりたいし、そういう関係もございまして、財源措置といたしましても、看護婦行政につきましては、逐年、予定経費について、財政計画あるいはそれに基づきますところの交付税措置等につきましても充実を期しておるところでございますが、現実との間にはなおギャップがございまして、そこまでいっていないという状況でございます。
#71
○和田静夫君 自治体病院経営研究会報告書の一四ページに、「基準看護、基準給食および基準寝具は、自治体病院の本来のあり方からみても、すべての病院が実施すべきであり、これらを実施することのできる施設、人員等は当然確保されなければならないものと考える。」、この自治体病院だからこそ、率先して基準看護を実施すべきだという考え方について、自治大臣どうお考えになりますか。
#72
○国務大臣(秋田大助君) 自治体病院としては、単に住民の医療に当たるというほかに、いろいろ医療行政その他特殊の医療の水準向上あるいは研究等に果たすべき使命を持っておるものと考えられます。したがいまして、そういう看護基準等の維持につきまして、当然この病院の機能に課せられた使命を、自治体としては、基準を守るべき義務があり、それに対するやはり財政上の裏づけを自治省としても考えていかなければならぬと思っております。
#73
○和田静夫君 大臣の非常に善意な答弁で安心したのですけれども、そうして、その努力と成果に期待したいのですけれども、ところが、私は、これは昨年の決算委員会でも実は取り上げたのですが、富山県立病院等の厚生省の指導ということについて具体的に取り上げたのですが、自治体病院に対する従来自治省の指導というものは、独立採算というものにこだわりすぎて、いろいろの面で厚生省の示す基準より低いのです。自治体病院だからこそ、むしろ率先して基準看護を実施するという観点に立って、指導を十分に強化していただきたい。時間がありませんから、それ以上のことを申しません。同時に、予算を伴うようないまお話しのあった具体策、たとえば看護婦の待遇改善というようなものが必要でありますから、そういう措置もひとつ十分にやっていただきたいと思います。
 きょう私が最後にあれしておきたいのは、特に絶対安静といいますかね、身動きならない病人あるいは老人たちに対して、厳格に完全看護、基準看護を実施すべきである、そういう立場に立った指導というものをやらなければならぬというときに来ていると思うのですが、なぜそう思うかというと、近来核家族化現象が激しいわけですし、あるいは政府の太平洋岸に偏重した地域開発政策の犠牲となって、住民生活や家族生活を日本海沿岸の過疎地帯では犠牲にしている、そういう人たちがいるわけですね。あるいは出かせぎに出ていかなければならない、自分の意思ではないけれども。身動きならない老人が残る。そうして発病する。病院に入る。ところが病院に入ったら、尿も取ってくれない、自治体病院で。夜幾らベルを押しても看護婦が来てくれない。これらの状態に置かれておる実態、こういうものは、看護婦さんの意思で来ないのではない。手が回りかねる。したがって付き添い人を自費でつけてくれという要求になる。こういうような状態については、私は、自治体病院だからこそ率先して解決をすることが、今日私は緊急な問題になってきていると思うのです。特に私のように、新潟だとか富山とかいう奥深いところをしょっちゅう歩いている者にとってぶつかる最大の、いま老人の悩みといいますか、というものは、こういうところにあるのですよ。これは他人ごとではありません。いつだれかが、ここにいるすべてがぶつからなければならない問題です。そういう長い間社会的な貢献をしてきたところの老人たちが、まさに生涯の一定の段階において、そういうみじめな思いで明け暮れなければならないなどということは、私は政治道徳的に許さるべき状態じゃないと思う。そういう意味で、自治体病院こそが率先をして、基準看護、完全看護というものの解決の努力をすべきだと思いますが、そういう指導の強化について、約束されますか。
#74
○国務大臣(秋田大助君) ごもっともなことでございまして、当然自治体病院の設立の趣旨にかんがみましても、その点に遺憾なきを期していくべきものであると考えますので、財政上の裏づけ等を十分考慮しながら、なかなか完璧を期することはむずかしい点もございましょうが、その目標に向かいまして努力をいたしたいと思います。
#75
○岡三郎君 きょうは時間が五十分でありますので、選挙に関してお尋ねをしたいと思います。
 予算委員会の総括で、私は、やはり民主主義を擁護するという総理の施政方針に対して、民主主義の一つの根幹である選挙の公正、これが国民に疑われておったのでは、肝心かなめのものが欠けているというふうに強く考えているわけです。そこで初めに、現在の選挙費用のいわゆるたてまえとして、最低と最高、現在の制度の中においてですね、これをまずお尋ねいたします。
#76
○政府委員(皆川迪夫君) ちょっといま数字を持ち合わせておりませんので、後刻御提出いたします。
#77
○岡三郎君 私はおかしいと思うのだが、いま選挙区が幾つかあるが、その中で、法定選挙費用の最高、最低、どの程度になっているかくらい、これは常識じゃないのかな、自治省の専門家の。
#78
○政府委員(皆川迪夫君) おおむねの数字は心得ておりますけれども、こまかい端数がありませんので、いま電話で取り寄せております。
#79
○岡三郎君 それから、昨年末の全国の当選者の最低、最高の得票数、これをちょっとお知らせ願いたい。
#80
○政府委員(皆川迪夫君) 恐縮でございますけれども、ちょっと数字を持ち合わせておりませんので、万台までは心得ておりますが、端数までちょっと申し上げかねます。
#81
○岡三郎君 だから、その端数はいいからね。大体のところでお答えをまず願っておいて、あとでこまかい数字は報告いただければけっこうです。
#82
○政府委員(皆川迪夫君) 最高が約十八万、最低が三万台でございます。
#83
○岡三郎君 それから法定選挙費用。
#84
○政府委員(皆川迪夫君) 法定選挙費用は大体四百万円台と二百万円台でございます。
#85
○岡三郎君 これはついでに調査してもらいたいことは、大体どこの地域が最低で幾ら、最高のところはどこの選挙区になっておるのか、そこをひとつお願いしたいと思います。これは、いま私がこれ質問することは、もう国民世論となっていることですが、十八万で最高、最低三万、特に強調されたのは、十万を越える票数を持って落選している人が目につくということですね。いまそのことを受けて、自治大臣のほうで審議会に対して定数の問題を御審議願うということでやっておられるようですが。非常に熱意がないですな。私は最近の参議院、衆議院、両方についての定数の是正、これは国民の一票、一票という選挙に参加する権利に対する非常な格差があり過ぎるということから、自治大臣も諮問をされて、それを審議をされておられると思うんですが、最近聞くところによりますと、参議院については、神奈川とか大阪、あるいはそれに東京を加えるとか、ごく小部分の修正で定数のアンバランスというものを、まあごまかすということばはどうかわかりませんが、それでお茶を濁そうというような話を聞いておる。これで選挙の公正が期せられるのかどうか、そういうふうな気持ちを強く持つわけですが、この答申というのはいつ出ることになっておりますか、大臣。
#86
○国務大臣(秋田大助君) ただいまの選挙制度審議会の任期は、五月の十九日とか承っておりまするから、当然任期切れになる前に御答申を賜わるものと、こう考えております。
#87
○岡三郎君 私は、選挙制度審議会というものが最近エネルギーを失ってきた原因はいろいろとあるけれども、政治資金規正法の答申をした――一応政府がいままで繰り返してきたことばは、どういう問題についても一応各省にいわゆる設けられている審議会におはかりしてと、こういうことで、国民がこれを首を長くして待っているというと、時間ばかりかかって、慎重、慎重はいいけれども、全く竜頭蛇尾的な傾向が最近強くなっている。政治資金規正法については、いろいろな論議の末にまとまったけれども、結局はたなざらしのままになっている。こういう状態で、国民が選挙に対して、公正という問題について深い疑惑というものを持っていることは事実です。だからそういう面で、衆議院あるいは参議院の定数の是正ということについて大臣はどういうふうに考えられておるのか。何でもかんでも審議会にまかす、都合のいいところは政府が取り上げる、ぐあいの悪いところはほっかぶり、こういうことになってきたわけですが、これは大臣、どうですか。
#88
○国務大臣(秋田大助君) 衆参両院を通じまして、いわゆる定数の非常な、これはもちろん世論の問題にされておるところでございまして、当然自治省といたしましても、現状のまま放置するわけにはいかない。これが是正をはからなければならないと考えております。そういたしますと、やはり選挙制度審議会の御答申を得て一それを尊重いたしまして処置をする、こういう順序になるわけでございます。ただいま定数是正の問題についても、表面上、はなはだ冷淡のように一見見えられるかも存じませんけれども、いろいろこの点につきましては、内部におきまして検討を加えまして、いかなるものがこの際妥当な線であるかという点につきましては内部的に研究をいたしているところであります。しかしながら、やはり審議会の答申を待たなければならないというわけでございまして、内部におきましても研究をしながら、御答申の結果を待つ、こういう段階でございます。
#89
○岡三郎君 私は、いまの制度の中で各種審議会というものが本格的に活用されるならば、これは非常にいいと思うのですが、いまの現状を見ているというと、政府の政治の隠れみのになっておる。根本的にいって、出発当初の審議会方式というのは、広く民間の意見を徴して、そうして一党一派に偏せずに公平なコンセンサスをつくるという意味でこれが活用されるということになっていると思うのですが、現状における状態を見るというと、大学の改革の問題等についても、中教審というものがいろいろとやられておる。もちろん慎重にやられなければならぬけれども、いまの状態でいえば何年たっていくのか、来年の本格答申があれば、それから十分予算を考えてというようなことで、見当がつかないという状況です。私は、いま選挙制度についてみても、大体論ずべき中身はもう過去から現在まで論議し尽くしたのじゃないか、論じ尽くしたのじゃないか。だからいまの委員は、あれはもう盲腸的存在であって、私は意味がない、もうちょっと別の角度からこれを再生させるためにやらなければいかぬというふうに思うわけです。定数の是正についてあれこれやってきて、いまの現状に対してごく微温的にやる、こんな会議に金を使っていること自体私はむだだと思うのです。これは佐藤内閣の責任でもあると思う。かんかんがくがく論議した。出した答申案については、これを一片のものとしてこれを弊履のごとくにたな上げしてしまう。だから結局いまの状況から見てみて、国民が期待している定数是正というものにはほど遠い問題になってきているのじゃないか。私は、だから全部が全部一つの数で割って国民一人一人ということが理想だけれども、なかなかそこまではいかぬとしても、とにかく三万で当選で十万票で落っこちている。まあこれだけ考えてみても、これは国民が選挙に対する不信感を持つのが当然だと思うのですが、これを一体どこで是正するのかというと、大臣は選挙制度審議会、選挙制度審議会はだらだらだらだら会議をやって、本格的にこれについてやろうとはしてない。逆にいうと、政府のほう自体がブレーキをかけているとも思われるのです。もうこういうふうな八百長審議会みたいになってしまったら、国民の期待に反するばかりではなくて、これは政府の隠れみのになっている。これは私は党派を越えて、民主主義の根本であるところの選挙の公正さというものについて、これは政党のエゴイズム等でやられている限りにおいては、国民、特に若い層というものは、政治に参加せよと言っても、とにかくまあかなり国民がいろいろと声を反映するように言ってみても、少しも改善されない。そうして、時がたつにしたがってもとのもくあみ的な存在のものになってきて、参議院選挙は神奈川県とか大阪とか東京を入れるか入れないか、こんなことで定数是正になると思っているとは思わぬが、これは審議会のことは別にして、自治大臣に定数是正とは一体何だということをもう一度お伺いしたいんです。
#90
○政府委員(皆川迪夫君) 選挙制度審議会のいま議論になっております状況を御参考までに申し上げますと、参議院の定数につきましては、地方区の定数を人口に比例した形で配分すべきものか、もう少し地域代表という趣旨を入れまして、総人口にスライドした形でなくて、ある程度段階を設けたような配当の仕方がいいのではないか、こういう基本的な観点においていろいろ意見が出されております。
 いまお話にございましたように、神奈川と大阪につきましては、人口がその下の福岡とかあるいは北海道よりも多いにもかかわらず定数が少ない、こういう現象はどうしても直さなければならぬという御意見は大方の一致するところでございますが、それ以外の点について、たとえば東京、人口がふえるにしたがってどんどんどんどんと定数を増加すべきかどうかという点については、考え方にかなりいろいろな御意見もございまして、まだまとまっていないわけです。
#91
○岡三郎君 私は、ここでこの問題を長くかけて論ずるわけにいきませんが、私は審議会というものの運営を一ぺん検討し直すべきである、抜本的に。これはひとつの政策をサボっている。国民不信のひとつの盲腸になっている。必要であるというものに対して積極的に取り組むという政府の意欲というものを国民に示さなくて、審議会、審議会。審議会はだらだらやっている。そういうふうなことで、出てくるものが慎重審議されて、ある程度これは公式的にいかぬ部面がずいぶんあることはわかります。わかるけれども、神奈川と大阪だけやってそれで定数是正が済んだなんて、そんなことはごまかしだ。もう少しやっぱり総体的に、一律的にやるということではないとしても、もうちょっと本格的にこの問題について直すべきだというふうに、これは私が考えているんじゃなくて国民が考えていると思う。審議会をもう一ぺん検討し直す必要があると思うんですが、大臣どうですか、これは。
#92
○国務大臣(秋田大助君) いろいろ審議会の今日のあり方につきましてはお説があろうと存じます。しかし、この時点におきまして、私どもから審議会の今日の現状について批判がましい言説をすることは、この際差し控えたいと存じます。
 なお、審議会におきましては、いろいろの御批判も世間にありましょうけれども、この問題につきまして真剣な御検討がなされることを期待しておるわけでございます。
#93
○岡三郎君 私は民主主義にはやはりルールがあると思うんですよ。ルールがけたはずれにゆがんでしまって、民主主義を守れ守れと言って、言うこと自体におかしさというものを国民が感ずるようになってしまったらおしまいだと私は思う。つまり法律というものに対して、政府がこれを守れと言うからには、やはり民主主義のルールというか根幹というものも、やはりある程度妥当に納得させるようにこれがなされでなければ、これは口で幾ら言っても、順法精神を説き、選挙の公正さ、それから民主主義の問題を説いても、これはから回りしてしまうんじゃないかという国民の強い声に対して、やっぱりある程度きちんとすべきである。そういう問題に対して選挙制度審議会というものは全然こたえてない。だから私は、あえてこれはもう抜本的に改正する、改正できなければこんなものは廃止して、政府の責任においてですよ、広く、いろいろな方法がありますから、民意を徴してきめていく。その中において、理想どおりにはいかぬとするならば、どの程度このゆがみを明確に国民が納得するように直すか、そういう主体的な政治の責任が政府にあるわけですから、いろいろなものを、制度を積み重ねて、それでその陰に隠れてしまうということでは、私は民主主義の擁護を総理が幾ら言っても、閣僚が幾ら言っても、これはだれも納得しないと思う。いまの若い層自体にしても、そういう面が非常に強いと思うのです。これはそれぞれ見解があるにしても、そういう方向というものをやるべきであるということを強くここで指摘しなければなりません。
 次にこの選挙費用について、いまの選挙は個人本位だから、政党色を加味して、小選挙区法とは言わぬけれども、という総理大臣のお答えの中で、政治資金というものを総体的に考えなければいかぬというふうに、大体最近はえらいごまかし方をしてきている。あの黒い霧の事件が起こったときには、佐藤総理はまあ本気になって政治資金というものを改善しにゃいかぬということを言った。のど元過ぎて時間がたつに従って、あれがどこかに行ってしまった、そういうふうな面があるんですが、選挙費用自体についても非常に多額になってきている。これはもう大臣も御承知のとおりだと思う。こういう点についてですね、まあ選挙公営を徹底しなければいかぬという声があっても、いまの状況で言うと、金のある者のほうが勝ちだというふうな状態ですね。私は、資本主義といっても、やはり資本主義の根底に民主主義というものがあるなら、民主主義の公正さというものがささえになってやはり政治というものが発展していくということは、ここで私が言うまでもないと思うのですがね。政治資金規正法について、総理大臣は出さぬ、出せない、こう言っておるわけですが、これは大臣に聞いても、総理大臣がそういうふうに言っているから、私は答えられないと言うにきまっておるから、答弁は求めようとはいたしません。いたしませんが、少なくとも公正な選挙をやるためには、こういう拡大して、そうして選挙に金がかからぬように、そこにあらゆる政治悪というものが結びついてくるということの観点から、これは国民に対する大きな一つの蒙を開くという意味においても、こういう面については秩序を立てていかなければならぬと思っているんですが、昨年の暮れの新聞等の記事等、あるいは一般的にいわれていることばの中で、いよいよ選挙費用も億になってきたかと、これは全部が全部そういうふうになったとは思いません。しかし、激烈なる選挙区とか相当の選挙区においては、もうわれわれが幾くら否定しても、法定選挙費用が四百万円から二百万円とか、こんなものを、この法律を信用している者は全然ございませんよ。それで選挙をやろうというんですから、大臣はここに五億何千万円ですか、五億六千万円で常時国民の選挙に関する啓発をすると言って金をつくっているけれども、一体啓発をする前に、いまの選挙についてはこういうふうに公正さが保たれているのだということがなくて何の政治啓蒙ですか。大臣、四百万、二百万というのは、これはインチキだと思いませんか。
#94
○国務大臣(秋田大助君) これはやはり選挙費用の公定費用として計算されておりまする準拠に即してやられたものでございまして、その限りにおきまして私はインチキはない、こう考えております。
#95
○政府委員(皆川迪夫君) 先ほどお答えを保留しておきました法定選挙費用でございますが、最高が四百九十二万五千八百円、最低が二百八十二万六千六百円、平均三百三十九万五千円となっております。
 なお、いまのお尋ねでございますが、一般に選挙運動に金がかかると言われる中には、いわゆる法律上の選挙運動費用でない事前の政治活動というようなもの、あるいは法定選挙運動の費用の中から除外されておる自動車に要する費用とか、そういうものを全部ひっくるめていろいろな金額が言われているものであろうと思いますけれども、まあ私たちはこの範囲で選挙をやっていただけるものと一応計算をいたしているわけでございます。
 なお、もう一つ先ほどお答えを留保しておりました点について申し上げますと、最高の当選人が大阪三区の得票数は十九万四百七票でございます。最低は千葉県の二区で三万一千八百九十九票でございます。
#96
○岡三郎君 まあ三百三十九万五千円平均と言われて、まあ五百万から三百万、おおよそですね。で、これは選挙期間内における選挙法に基づく費用である。それだけ考えてみても、ほんとうにそれで選挙期間内においてでもやれれば、かなり私は政治は、政治姿勢というものは直ると思う。ところが、現状において、これはもう私が言うまでもなく、だれもこの法定選挙費用というものを信じている者はない。ここに根本的にも問題があると思う。法律に対して信用していない。もう不信の上に選挙が積み重なっていくわけですから、こういう問題については、私は何もこれをうんと高くしたからどうというわけじゃなくて、やはり選挙の公営というものをもう一ぺんあらためて見直さなければいかぬ。特に最近におけるこの京都の選挙で、まあおびただしいビラのはんらんといいますか、これに対して、負けた田中幹事長が、公職選挙法を改正せにゃならぬ、川島副総裁も、あの選挙法ではまるで紙くずの洪水になってしまうなんといって、おったまげたことをいまさら言っているようですが、これはもう昨年の衆議院選挙においてもこれはおびただしいビラで、朝あければポストに入っている、通勤に行けば立ちどまらされて、それから帰り、帰宅のときにもそう。だれもたいして関心を持たないから、もらってもそこら辺に捨てていく。いわゆる前向きの選挙の自由さという問題を言われているけれども、これに対しては、国民に対して選挙公報というものが配布されておる。選挙公報を見ていても、官報みたいなものですね、実態として、全く。もう少しあれをいい紙を使って、色刷りにでもするか何かして国民の関心を引くとか、あるいは一ぺんではなくしてやっぱり三回くらいやるとか、まあ具体的ないろいろな方法があると思うのですが、いずれにしてもこの行き過ぎというものは是正をしなければならぬと言っておるわけですが、田中幹事長が勝ったときはそんなことを言わないで、負けたときにだけこういう問題を言うということ自体ね、聞く人間から見るというと、かってなもんだなあという気がするんですね。国民自体もしていると思うのですよ。それは、この点については、しかしわれわれ自体としても、ああいう状況が私は選挙の自由さ、前向きだと考えません、私自体も。つまり一億万枚に近いものが巷間いわれているようにまかれている。こういうふうな点について、有権者に政策というものを浸透する、そういうことについてこれはだれも異議がある者は一人もないと思います。これをどうするかということについて選挙法を改正して実現してみてやってみるというと、まあああいう状態になってしまう。これは田中さんのえてかってな論というばかりではなくして、これは美濃部さんが京都へ行って帰ってきてから、あれはたいへんなことだ、あれがまた東京に再現されるかと思うと全くこれは何と言っていいかわからぬというふうなことを所感を漏らしている、こういうわけですね。この点について大臣どういうふうに考えますかね。
#97
○国務大臣(秋田大助君) 公正な選挙が健全な民主主義、民主政治の確立発展のための基礎の要件であることは間違いありません。どうしても公正な選挙というものを確立しなければなりませんが、その基礎にまた自由に表明される国民の意思が阻害されてもいけない。また、選挙人、被選挙人の自由なる意思、いわゆる政党の自由なる意思、これも大切な公正選挙と並んで必要なことであろうと思います。しかし、この自由に表明される全体の意思というものが今回の経験あるいは幾多の経験から野方図に放置されていいのだろうかということが経験上反省されるわけでございます。特に今回の京都府知事選挙においてその感を深くする次第でございまして、自由なる選挙という必要を感ずるとともに、そこにやはりこの自由にもある程度の節度が必要だ。しかし、行き過ぎたからといって、これをまた制限するに余りあって自由な表明ができないということであってもいけない。で、ここはやはり時代とその事情に即しましてやはり節度ある自由が保たれるようなくふうというものが必要であろうと思います。したがいまして、公職選挙法の改正ということと関連をいたしまして、この点関係方面広く皆さま方の英知を集めまして何らかのくふうが必要ではなかろうかということを考えさせられるものでございます。
#98
○岡三郎君 ずいぶん回りくどい答弁だけれども、私は端的に言って、大臣に伺いますが、結局これはやはり私は是正すべきだと思います。これは勝った負けたは別にしてね。要するに、紙くずになってしまうように政策が片々たるものになってしまうというのでは、有権者がこれに嫌悪を持つということでは逆効果だと思うのですよ。だから、公正に政策が各有権者に浸透するような方策を、政策を政府のほうとしてもしっかりと考えてもらって、こういうめちゃくちゃな問題についてはやはり改正すべきである、私はそう思うが、大臣率直に言ってくださいよ。
#99
○国務大臣(秋田大助君) そのとおりでございます。
#100
○岡三郎君 これはまた選挙制度審議会にはかってなんと言わないでしょうね、大臣どうですか。
#101
○国務大臣(秋田大助君) 選挙制度審議一会からも、おそらくこういう点についてはいろいろ御意見が出ようと思います。そのときは、それに従い、それを尊重したいと思います。
#102
○岡三郎君 私は自治大臣秋田さん尊敬しているんだけれども、温厚過ぎる。行き過ぎはいかぬといっても、しかし、やはり一方の方向として行き過ぎてでたらめになってしまう状況というものはきちっと直すということについて、私は国民に聞いてもらえばわかるんですよ。われわれ一党一派がそれでプラスになるかマイナスになるかということじゃなくて、有権者自体が選挙に対してどういうふうにものを思うか、そういうふうなことについてのひとつ検討をして、いま大臣の御答弁があったわけですから、この点についてはひとつしっかりと秩序ある選挙が行なわれるように強く要望しておきます。
 それでもう一つは、選挙違反ですね。これは警察庁に伺いますが、選挙違反についていまいろいろと言われておりますが、この前の総括質問でいろいろと他の議員が質問しておりますが、現在の閣僚の中で選挙違反に関係しておられる方はどういう方々がおられますか。
#103
○説明員(岸要君) ちょっと資料を持ってまいっておりませんので、私の口から申し上げるのは遠慮させていただきたいと思います。
#104
○岡三郎君 いま国会でそんなことわからないような捜査二課長じゃ意味ないよ、あなた。これは私はいま象徴的なことを聞いておるだけで、やっぱり大臣やるくらいな人ならば、きちっと国民に対して節度を持たなければいかぬということから聞いておるわけです。人間は皆弱さを持っているから、いろいろ問題点あるにしても、一例として、選挙違反の数がどうだどうだということを聞いてみてもしようがないから、その点聞いたわけです。ほんとうにわからないのか、あるにはあるけれども言いにくいんだ、そういうことなのか、どっちです。
#105
○説明員(岸要君) まことに申し上げにくい問題でございます。
#106
○岡三郎君 おかしいと思うんだな。申し上げにくい問題だと言うけれども、何が申し上げにくいのか。要するに、名前を言うのが申し上げにくいのか、あるけれども、言えないのか、そこのところ問題だけれども、名前を言うのはひとつかんべんしてくれというのか、どっちなんです。あなたは捜査しなければいかぬのだよ。
#107
○説明員(岸要君) 何人かの方に違反が出た事実はございます。名前をあげることは、私の立場上ごかんべんいただきたい。
#108
○岡三郎君 捜査二課長がやはり苦しそうな顔しているから、私はこれ以上はほんとうは聞かなければいかぬと思っているけれども聞きません。ただ、議員は問題がある、大臣になったらこれは別格だ、こういうふうな形の警察の取り扱いということならば、これは異議がうんとあるんですよ。いいですか。一般の議員ならばおくめんもなくどんどん言いましょう、大臣になったら控えさせてもらいますということではないでしょうね、どうなんです。
#109
○説明員(岸要君) 違反行為につきしまては、私どもは厳正公平を旨といたしております。各候補者すべて公平に取り扱っておるつもりでございます。
#110
○岡三郎君 とにかく、かんべんしてくれというから、これ以上ここで言いませんが、何人かある。これはあるときに佐藤総理は、とにかく選挙違反のある者は閣僚に入れないんだ、そう言ったことが過去にあったと思うんですが、これは本人だけではなくていろいろと問題点があるから、これ以上私はここでは言いませんが、ここで端的に私が大臣に質問したいのは、いろいろ恩赦とかなんとかいって、選挙直前になるというと選挙違反がみんなパーになっている。まるで選挙違反を別の意味で言うと奨励しているような形になっている。奨励とは言えないけれども、違反したってそのうち何とかなるだろう、ちょっと植木等流の感覚の方が、そのうち何とかなるだろう、これじゃ幾ら厳正公平にといっても、私は意味ないと思うんですよ。しかし、いまの政治資金のあり方あるいは選挙の仕組みのあり方からいうと、もう日常茶飯事になってしまって、ある面については保守革新を問いませんよ。もう法規のズレですね、ズレということに問題があるわけですが、とにかく選挙が非常に苛烈になってくるというと、今度の京都のような場合についてもいろいろとその点が言われておるわけですが、なかなかつかみにくい。つかまった人を見るというと、まるで何というんですかね、計画的犯罪人のような行為をやる人はなかなかつかまらないで、たまたま常習者じゃないのがやった場合にへたでつかまってしまっているというのがかなりあると思うので、そういうようなことから選挙はうまくやれよというようなことばがはやってしまう。だから私は、そういう点で、いまの選挙の、いわゆる民主主義の根幹、議会制民主主義の土台というものに対して、これはフェアプレーというようなことを言っても、ほんとうにこれはだめだろう、そこまで到達するというより、こんな現在の制度はぶちこわせという反体制ということばが生まれてきておるわけですが、そういうことばが一つの真理をついてくるように感ずるときがあるわけです。しかし、世の中はそう一ぺんに一気にすべてのものが改善されるわけにはいかぬということで、漸進主義ということばがよく言われるんですが、漸進主義さえも選挙についてはなかなかとられていない。だから、この点について漸進主義という形をとらない限り、私は政治不信というものは免れぬと思っているんですが、そういうふうなことを考えていった場合に、これは自治大臣としては答弁するのに大きな問題でありまするけれども、ひとつ選挙違反というものに対して、全国的にこの選挙の啓発に必要な資金というものがこれは形骸化して使われているんじゃないか、生きて使われているような形にはなっておらないんじゃないですかね。もうちょっと、五億六千万ですか、この金を大臣もう少し生かして使うくふうを考えてもらわなければいかぬと思うんですが、少なくとも五億六千万という金なんかは微々たるものですね。もう少しやはり国民に対して、選挙に対するところの公正の問題に対する啓発というふうな点について、これはやっぱり有権者がりこうにならなければ選挙はよくならない、なるはずはないといわれておるわけです。だから私は、七〇年代が内政の年というが、いまのようないろいろな物騒な事件が起こってきておるという段階において、やっぱり内政面における基本的な問題について一歩も二歩も近代化し、合理的な一つの方法というものを考えてもらわなければいかぬと思っているわけですが、啓発費に対する使い方について私はいま言ったような意見を持っておるんですが、大臣これはどうお考えですか。
#111
○国務大臣(秋田大助君) 金がただ名前だけであって形骸化されてはいないだろうかということは、十分反省に値すべきことであって、われわれとしても、はたして有効に使われておるかどうか考えなきゃいかぬと思います。これが完全に形骸化されて何ら役に立てないとは考えませんが、それぞれの分野、それぞれの方法によって使われておるかどうかを考えなきゃいかぬと思います。選挙の公正を期し、民主政治の確立にある程度の貢献をいたしておると思いますが、しかし問題は、十分に利用されていないところがありはしないか、またこれ以外に広く選挙に対する正しい国民の全体の意識の向上に貢献するような方法がありはしないか、それをもう少し考うべきであろうという点は、十分反省させられます。啓蒙の方法、手段等につきましては、今後、マスコミをある程度有効に利用する方法等、考えればいろいろ余地があろうかと存じます。ひとつ、皆さまのいいお考え等があれば、もちろんそれを大いに参考にいたしたいと思いますので、御教授を願いたいと思いますが、われわれもその点、さらに考えてみたいと思います。
#112
○岡三郎君 ぼつぼつ時間がきましたので、最後に、私はなぜこれを言うかというと、私も教育出身ですから、学生、青年層、まあいろんな意見がありますが、その中で、やっぱり、戦後四分の一世紀、二十五年たって、非常に各方面に抜きがたき壁ができている。いろんな面に、制度的においても何でも。そういうふうな面について、大学生の暴力行為なんかについては、これは問答する必要がない、だめだと言うてみても、それならば、じゃあ大学人自身が大学の内部について積極的に改革に取り組むかどうか。たとえば、もうこれは世間常識になっておるけれども、医学部の体制なんか考えてみても、これはもう民主主義とは相反する、昔のでっち小僧を仕込む以上の封建性というものを持っている。一体、だれがこういう制度についてメスを入れて、もうちょっと民主的な明るい制度にするのかというと、これは大学人自体も、仕組みの中でなかなかやれない。文部省は、大学の自治という面で、これはできない。まあいろんな形の中で、学生がいろんな問題を考えて、こんなものはぶちこわさにゃいかぬと。結局、話し合いをしたり何かするということについても、非常に壁が厚いから、だから、急進的な学生層に、一般的な学生が常日ごろ持っている不平不満とか、そういうものがそれに倍加されていくので、騒動が大きくなる。
 選挙制度そのものについても、一体、この矛盾というもの、この不公正さというものをだれが改革するのか。国会議員の中においてですら、もう各種各様ですね。政党によっていろいろと利害得失がからんでくる。だから、第三者機関をつくってというと、第三者機関は隠れみのになって、これがまあ適当にお茶を濁して、そうして何とかいい方法で答申が出るというと、それがたな上げになってしまう。政治、教育、社会全般について――公害なんかの問題についても、最近あまりにもひどくなり過ぎたので大騒ぎになっている。しかし、四日市とか、あるいは川崎とか、横浜の鶴見あたりの状態というものは、もうこれはたいへんなものです。じゃあ、これを全部がほんとうに直すかということになってくるというと、いままではなかなか直し切れなかったけれども、事生命の問題になってきて、これがようやくいま緒につきかかってきている。だから、命にかかわる問題になってこなければやらないのか。もっと端的に言うと、この昭和の、一九七〇年代においても、人柱が立たなければ、それに対する対応策というか、行政的にも政治的にもとられていない。だから私は、社会の中の仕組みが一ぱいいろんな問題の矛盾があって、それを一ぺんに全部改革するということはなかなか困難にしても、著しく立ちおくれている部面とか、そういう面についてやはり積極的に是正していかない限り、若い者に対してわれわれが、道徳教育とか、道義の高揚とか、いろんなことを言うについても、非常にむずかしい問題があると思うんです。だから、そういう点について、私はきょうは選挙の問題を取り上げたわけですが、最後に、いまの中選挙区制の問題、あるいは大選挙区、小選挙区制の問題があるが、これはいろいろと党派の中においてもそれぞれの利害得失がありますけれども、総理が言っているように、政党本位の、全部とは言わぬけれども、できるだけそういう方向にしていくべきだという論に対して、私は積極的にやらにゃいかぬと。政党政治というものを標榜しておきながら、同じ党派の中で、選挙区の中でけんかをしているということの状態、ナンセンスですよ、これは逆に言うと、国民から言えば。だから、個人個人というものを非常に言うけれども、政党政治のたてまえから言えば、個人本位から政党本位に近いようにこれが是正されていくべきだと、そういう面について、比例代表制というような、比例代表的なものを加味して、いろいろとくふうしていって、死票をどう減少するとか、あるいは小選挙区制なんかについても、単純小選挙区制では反対だけれども、やはり相当比例代表制的なものを加味して、そうして著しく不公正にならぬような方向になるならば、ある面における、いままでの惰性といいますか、政党の内部におけるところのいろいろな利害対立とか、そういうものがもっとすっきりして、国民に対して、ほんとうの意味における政策の打開というか、そういう方向にいけるではないかということを強く指摘されてきておるわけですが、こういう点について、大臣はどういうふうに日常お考えになっておりますか。
#113
○国務大臣(秋田大助君) 選挙が政党本位にいくべきである、行なわれるべきであるということにつきましては、細部の具体的ないろいろ問題点は別といたしまして、大体の方向において、岡先生のお話はよくわかりますし、私も賛成でございます。しこうして、時期もいろいろ切迫をして、これが打開につきましては、民主政治が持っておるその欠点が出ないように、弱点が出ないように、むしろその長所を発揮いたしまして、お互いが英知と勇気を持って、やるべきときにある程度の改革をしなければならないという点についても、私は、先生のただいまの御言説、十分拝聴いたしまして、先生の御趣旨を尊重いたしまして、今後この問題に当たりたいと決意をいたしております。
#114
○岡三郎君 結局、私は、政党本位の、またそれに近い選挙システムというものをここに改革しない限り、日本の政党政治というものは飛躍できないのじゃないか、そういうふうにもう率直に考えておる一人なんです。ただ、問題は、その中において、従来岸内閣のときに行なわれたああいうゲリマンダー方式をとった単純なる小選挙区ということになったら、たいへんな騒ぎだと私は思うんですよ。だから、問題の焦点というものは、政党政治の方向へ行くと同時に、全国有権者の意思が議会にどう結びつくか、そういうふうな点について、小選挙区制というものにとらわれずに、いろいろといままで検討されてきたわけですけれども、この問題点については、私たちの党においても、なかなかいまの時代というものは、理想を言っても、現実になるというと先ほどのビラのようなかっこうになる。要するに、何というか、工ゴイズムというものがまる出しになる。したがって、われわれ自体が小選挙区を論ずるときに、結局落ちつくところは、政党のエゴイズムが出てきて公正さが保たれず、選挙費用も、安くなるどころでなく、かえって地域が狭くなればそれに伴って効果的だから金をかなり投ずるというふうなことも言われておるし、だから、そういう面についてはやはりいろいろな角度において討議されなければならぬとしても、私はそういう面についてひとつ積極的に御検討いただくということにして、とにかく国民自体がやはり政治的に少なくてもイギリスの議会政治程度にはぜひいかなきゃならぬものじゃないかというふうにも思っておるわけです。そういう点では、なかなか理想を言っても、現実は、その法律に対して、法律というものは守るべきだということよりも、もう法律はどうくぐるべきだということになっているので、ここでは端的に言いませんが、どうかそういう面について、私はまあ、政党の政治という形に対する方策と、それから国民の有権者の声が議会政治に直結してよく結びつくというふうな方法、いまの状況でいうと、いわゆる直接民主主義というものがかなり言われてきている、いまの間接民主主義というのはこれはごまかしだというふうな形の論議も非常に強くなっててきている現状ですから、この点についてはわれわれ自体のほうとしても十分検討すると同時に、政府のほうとしてもこういう問題について積極的に取り組んでほしい、このことを言って終わります。
    ―――――――――――――
#115
○主査(塩出啓典君) 分科会担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、委員の異動に伴い加瀬完君が本分科の担当委員に選任されました。
 午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#116
○主査(塩出啓典君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。
 午前中に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#117
○加瀬完君 二、三日前の新聞に、大蔵大臣の談話として、所得税と住民税の課税最低限を同じようにしようというような意味の御発表が載っておりましたが、これに対して自治大臣のお考えはいかがですか。
#118
○国務大臣(秋田大助君) そういう記事が載っておったのを私は寡聞にして聞いてもおりませんし、見てもおりませんので、どういう趣旨で大蔵大臣がさようなことをおっしゃったかはつまびらかにいたさない、むしろわからないわけでございますが、一般論といたしましては、御承知のとおり、所得税、住民税とは税の本質上の差異がございまして、住民税は、その地域、公共団体の必要費用を広く住民が分かち持つと、分担をするという趣旨からまいりまして、課税最低限は必ずしも本来一致すべきものであるという考え方はわれわれとしてはとっておらないわけでございますけれども、もちろん、税負担の軽減、公平を期する意味におきまして、ことに低額所得者の負担軽減の意味におきまして、また生活の最低生活費というものを考慮しなければならないという点におきましても、住民税の課税最低限はなるべくこれを引き上げ、かつ現実には所得税のそれとの間においてかなりの差がございますので、これになるべく近づけたい、できるならば、地方財政上の事情が許すなら、これを近づけるということが望ましいことで、それに向かって努力をいたしたい、こう考えております。
#119
○加瀬完君 税務局長にひとつ御答弁いただきますがね、二点御確認をいただきたいのです。
 この間私、予算委員会でも申し述べたわけでございますが、課税最低限というのは、生活費に食い込んだ課税はすべきでないという財政学の考え方が基礎になって課税の最低限というものを設けられたと。したがって、いま大臣も御説明ございましたが、生活費に食い込まない程度と、その線が課税最低限だと、こういうことであれば、地方税は生活費に食い込んでいいという理屈は成り立たないのじゃないかということが一点。
 それから、いままで自治省は、地方税は別なんだと、受益者全部が負担をするという形で、応益の原則ということから、課税最低限を違わしてもいいんだという御主張でしたが、負担分任といいますか、受益者負担ということであれば、均等割りで一応みんな住民税を払っているわけだから、すでに負担分任はしているわけです。ですから、それはちょっと理屈に当たらないと思うわけですが、この二点、どうですか。
#120
○政府委員(降矢敬義君) 第一番目の問題でありますが、いわゆる最低の生活費というものについては、これは課税最低限を考える場合の基準に考えてしかるべきものと私ども考えております。結局、まあ何をそういうふうに考えるかということが一つの問題ではなかろうかとは思いますけれども、理論的には、そういう考え方だろうと思っております。
 それから第二番目の住民税の考え方につきまして、大臣から先ほどお話がありましたように、地域社会の費用を負担をするという考え方でありますが、これはやはり能力というものを無視するわけにはまいらないわけでございます。したがって、応益原則というものを徹底すれば、いまお話がありましたように、利益との、地方団体のサービスとの比例関係ということを徹底すれば、あるいは手数料とか使用料とかいうものになるわけでございまして、そこまで応益原則一点ばりでいくわけにいかない。負担分につきましても、やはり能力というものを考え、どの程度の負担を住民の問において分かち合うべきものか、こういう観点に立って考えるべきものと、こういうふうに考えております。
#121
○加瀬完君 この住民税の重圧感というものが非常にまあ、特にサラリーマン減税なんかで主張している方々は住民税の重圧感ということを訴えているわけですね。課税最低限を、いま申し上げましたとおり、最低生活費をカバーする限度と考えたなら、国と地方の税制でこんな大きな段差が生ずるということはおかしいじゃないかという問題なんですよね。それからもう一つ、課税最低限だけは区別をしておりますけれども、その理由が、それぞれの受益者負担を公平にするということであるなら、所得割りの課税を特に府県税などは比例段階にしてしまって、累進課税をやめたわけですね。それはちょっと理屈が合わないということにならないか、この点はどうですか。
#122
○政府委員(降矢敬義君) 地域社会の費用を住民に負担していただくという場合におきまして、どういう負担の求め方をするかということだろうと思います。住民税につきましては、所得税に比しまして、累進構造といいますか、所得税におきますような強い累進度を持って所得の再配分機能というようなことをあわせ持たせるということにつきましては、いろいろ議論がございまして、税制調査会の中でもしばしば議論になっているわけでございます。で、四十一年のときには、税制調査会の答申におきましては、約三百億程度市町村に所得割りとして移譲をして、その際ある程度フラットな税率を整理簡素化するという意味での答申もあったわけでございます。これは実現できませんでしたが、そういう意味におきまして、所得税についてはかなり高い累進度をとっておりますが、住民税におきましては、それに比較しましては、やはり、いわばある程度フラットな税率がいいんじゃないかという考え方で、税制調査会の答申にもそういう考え方が示されておりまして、私たちもそのように考えておるところでございます。
#123
○加瀬完君 当時、奥野税務局長の当時、どうしてこういうふうに、所得割りに対して、大所得のものに対して二%、四%というような比例段階を設けたかと言ったら、これは徴税技術の問題で、徴税をしやすくするためにこういう段階だけで処理をしたのだ――そのときにも、徴税技術の便、不便だけでそういう形をとって、所得の多いものは負担も多く負うべきではないかという原則をそれで、はずすということは、これはどうも、徴税技術の問題が優先して、納税そのものの原則がちょっとゆがみを来たすということにならないかという議論があったわけです。それはとにかくといたしまして、どう考えたって理屈に合わないわけですよ。
 で、問題をあらためて聞き直すなら、昭和三十六年までは住民税と所得税の課税最低限は同じだった。それを、三十六年の税制改正で、この住民税の課税最低限を所得税の課税最低限から切り離したわけですね。それは、地方財政が非常に貧困で、どうにもやりくりがつかないので、一応所得税の課税最低限と切り離して、しばらくの間とは言わなかったけれども、都合上住民負担をふやしていってもらわなければ地方財政のバランスがとれないということが、もうただ一つの理由であった。ですから、その当時は、所得税と住民税の課税最低限は同じであったわけですよ。初めから違っておったわけじゃないでしょう。その違わせる理由は、当時の地方財政の状態が非常に窮迫を告げておったからということであったわけですね。それなら、これ、財政部長のほうの担当かもしれませんけれども、地方財政の財源がふえてきた場合は、少なくも財政上の、所得税と住民税所得割りの課税最低限を切り離すという理由はなくなるわけですね。原則論ですけれども、そう考えてよろしゅうございますか。――もう一度申し上げるならば、財源が豊かになったという前提があれば、住民税所得割りの課税最低限は所得税の課税最低限のところに合わせなければおかしいじゃないか、こういう議論が当然成り立つと思いますが、どうでしょう。これは財政上の問題ですから、ひとつ財政局長に伺いましょう。
#124
○政府委員(長野士郎君) これはやはり、財政上の問題というより、地方税の一つの体系の問題だろうと思うのでありまして、これはいろんな考え方が、私はよくわかりませんけれども、税制においてはとれるということはもちろん言えると思いますが、すべて国と同じでなければいかぬという議論ももちろんありましょうし、また、地方の税は地域社会というものとの緊密な関係というものを前提にして考えていくという考え方でつくる場合ももちろんあります。どうも財政問題というだけで申し上げかねるわけでございます。
#125
○加瀬完君 それはおかしいですよ。大蔵大臣も税制調査会も、とにかく生活費に食い込むような税金というものはかけるべきじゃないということを課税最低限の線とするという考え方は、はっきりしているわけです。それならば、生活費に食い込ませないというところで課税最低限の線を引くというならば、地方税に限ってはこの限りにあらず、こういう考え方は成り立たないのじゃないか。所得税で課税最低限が何十何万ということであれば、その課税最低限は生活最低限ということとイコールだということになるならば、地方税だってやっぱり生活費に食い込ませないということになれば、そこまでの線はこれは課税最低限にしなければおかしいじゃないですか。初めはそうであった。ところが、あまりに地方の財政が窮乏であったから、便宜的に一応所得税の課税最低限を切り離した。地方財政はだんだんよくなってきているのだから、それ以後、完全に切り離したものをだんだん底上げしていって、幾らかずつ課税最低限を上げているわけです。上げることが理論上認められるならば、これは一緒にすることも当然理論上認められるのじゃないか、そういうことでしょう。三十六年に切り離したけれども、三十八年ですか、それ以後は幾らかずつ上げているのですが、所得税との課税最低限では差があるけれども、住民税の所得割りの課税最低限は上がっている。だから、税理論からすれば、所得税の課税最低限と地方税、住民税の課税最低限というのは、これは同じになるのが当然なんです。いまできるかできないかとかいう問題は別にしても、理論的には同じにすべきことが税理論からすれば当然だと、大臣はさっきこれをお認めになったわけだから、これは税務局長、理論的にはそうでしょう。いますぐやれるかやれないかは別にしまして、課税最低限は同じにすべきだ。国税、地方税で段階をつけるべきものではない。原則論ですからね。
#126
○政府委員(降矢敬義君) 課税最低限というものをどういうレベルに置くかという問題が私はあろうかと思います、住民税につきまして、逐次、財政あるいは国民生活水準の向上というようなことを考えながら引き上げてまいりましたけれども、なお開きがあります。開きがあるところにつきまして、完全に理論的に一致させるべきものかどうかということにつきまして、何回も税制調査会でも審議をいただきまして、住民税の考え方、性格というものから、これについては必ずしも課税最低限というものを一致させる必要はない、それは当然毎年毎年といいますか、当然地方財政その他の状況を考慮して、これを引き上げていくという考え方を基本にして私は考えるべきもの、こういうように思っております。
#127
○加瀬完君 それはおかしいですよ。大蔵大臣と税調の会長に、課税最低限とは何か、こう私聞きまして、税金をかける最低線、これ以下には税金を取らない線だと考えてよろしいかと言ったら、それでよろしいと、さらに、生活費に食い込んだ課税はすべきでないという、これは財政学の考え方が基礎になって課税最低限ということは言われておるのかという内容についてただしたのに、そのとおりだと、こういうお答えがあった。それならば、税金をかける最低線で、これ以下の場合には税金は取らない、しかもその線というのは、生活費に食い込んで課税をすべきではないという線だとすれば、地方税と国税で、課税最低限が、生活費に食い込んではならない線が二通りあるというのはおかしい。これはお認めになっておるのです、大蔵省も。ですから、自治省、その新聞発表の中にも、おそらく自治省が反対するだろうという説明がございました。そこで、あらためて大臣に伺いますが、地方税であろうとも国税であろうとも、――この場合は大臣の所管の地方税でいきます、不公平であっていいということは許されませんね。税は公平でなければならないという原則はお認めになるでしょう。大臣、ひとつお答えいただきたい。
#128
○国務大臣(秋田大助君) 原則として認めます。
#129
○加瀬完君 そうすると、地方税は非常に不公平ですよ。生活費に食い込むような階層からも税金を取っているわけです。ところが、固定資産税なんかは、地価の公示が行なわれましたけれども、その何分の一、何十分の一という評価で、財産のあるものからは取るべき税金が取られておらない。現在、固定資産税が適正に評価されて、適正に徴税していると思いますか。
#130
○政府委員(降矢敬義君) 固定資産税の評価並びに課税につきまして、私は、今回の課税評価がえにおきましても、また今後行なわれる課税につきましても、少なくとも法律、条例に従ってやっているものと、こういうように考えております。
#131
○加瀬完君 これはそう答弁しないわけにはいかないでしょう。私は不公平に取っていると言うわけにはいかないでしょうけれども、地域社会の費用を住民がその能力に応じて負担するということが、課税最低限を住民税で下げているただ一つの説明ですね。それならば、地域社会の費用を住民がその能力に応じて負担することが公平な税の原則のまた一つの条件だとすれば、土地をたくさん持っているものがその能力に応じて税金を負担していますか。
 具体的に言いますよ。この間、地価の公示がございました。市川市の大洲三丁目の公示価格は平米三万一千円ですよ。これは、固定資産の評価額はどれくらいだと、大体見当をつけて、どのくらいになっていると御想像ですか。
#132
○政府委員(降矢敬義君) いま具体のお示しがございましたが、場所によっておそらく違うので、具体のものについてどのくらいかというのは、ちょっと私は、これについてお答えする……。
#133
○加瀬完君 何分の一ぐらいだと見当をつけて……。
#134
○政府委員(降矢敬義君) この場所につきまして、どういう町かわかりませんが……。
#135
○加瀬完君 この間、建設省が公示価格を示しましたところを拾って見ますと、市川市大洲三丁目は、いま申しましたとおり、平米三万一千円、固定資産の評価額は六百七十九円ですよ。同じく市川市の本行徳は、公示価格は平方メートル二万五千円、固定資産の評価額は四百九十六円。一応調整をいたしまして、大洲三丁目は二千五百四十円、本年度。四十五年度二千五百四十円。本行徳は二千二百九十八円に税金をかけている。十分の一以下ですね。ほかでもたくさんありますけれども、みんな同じようなことですよね。そこで、土地公示価格というものを、自治省はどういうふうに判断をするのか。
#136
○政府委員(降矢敬義君) 今度の公示された土地公示価格につきましては、あの法律に示されたような手続によってやられたわけでございまして、個々の価格についてどう判断するかということにつきまして、あれ自身は専門家の判定で適正な時価ということになっておりますので、それ以上、これがいいとか悪いとかいう判断はちょっとできかねると思います。
#137
○加瀬完君 いや、建設大臣は、「固定資産税、都市計画税等を弾力的に調整しながら、地方自治体にもう少し、収入源を与えるべきだと思うのです。その意味で、実はこれは宅地あるいは住宅政策とも関連して、現在自治大臣、経済企画庁長官、大蔵省とすみやかにこの点について総合的な対策を講じようという、いま内々の話を進めているところでございます。」という説明を、この公示価格のときに、衆議院の建設委員会で、四十五年三月十一日に、根本建設大臣がなさっているわけであります。そうすると、この地価公示価格というものによって当然固定資産税の評価が変わって、固定資産税がよけい取れるという一つのねらいもこれはあると。そうしたいと、――自治大臣はそういう相談があったかどうかわかりませんが、そういう考え方が前提でこの公示価格というものが計画をされていることは事実ですね。これはお認めになるでしょう。
#138
○政府委員(降矢敬義君) 公示価格を評価する基準に直ちに触れるかどうかということにつきましては、この法律の立案の過程からいろいろ検討されたものでございまして、現在、御案内のとおり、約千地点についてこれが行なわれている程度でありますが、宅地の場合でありましても、全国、全体として約二十六万地点ぐらいを評価をしている固定資産税との間にかなりの開きがまだございます。したがって、技術的に向こうもある程度進みまして、次の評価がえの時期は四十八年でございますので、その間になお検討いたしまして、技術的な調整がつけば調整をしていきたいというのが考え方の基本でございます。
#139
○加瀬完君 固定資産税に限っては、実に評価額がずさんだと思うのですよ。公示価格と、税務署の扱う相続税等の評価額と、固定資産税の評価額、どういう関係になっているとお認めですか。
#140
○政府委員(降矢敬義君) 固定資産の評価をやりますときに、御案内のとおり、いわゆる相続税によってとられております基準値というものにつきましては、私のほうで、いわゆる市町村の基準値との間に権衡を失しないように調整をいたしておりますので、あと、それを基準にして個々の市町村が評価をするわけですが、個別の財産の相続に際して行なわれる相続税の評価ということになりますと、その点は、時点の相違もありましょうし、あるいは基準値からおろしてくるおろし方の相違もございましょうし、あるいはその時点が、固定資産税は三年に一回でございますので、とり方にもよりましょうが、そういうことで、具体の問題としては違うことがあると思いますが、基準値のとり方及びそれに対する評価につきましては、相続税と合わせて今回の評価もやったわけでございます。
#141
○加瀬完君 固定資産税の評価額というものは、現在公共用地の取得のときの価格の決定のときにも全然これが参考として取り上げられておりませんね。たとえば、私どものほうで、いま成田空港の用地買収というのが進んでおります。これは、畑は反一万六千円ですよ、固定資産の評価額は。この買収価格は百四十万ですよ。百四十万はどうして決定したのか、規定によれば当然固定資産税の評価額というものが一つの基準になるべきなのに、これが基準として取り上げられておりますかという点をただしてまいりましたならば、全然これ、取り上げておらないですよ。それは成田空港という特殊事情だろうというなら、そうでないところでも、田が固定資産税では二万四千円ですね。ところが、大蔵省の相続税の評価額は七十万円ですよ。税務署に参りまして聞きますと、固定資産税の二倍とか三倍とか二十倍とか、こういう形ですね。固定資産税の評価額の、低いところは二倍とか、大きいところは二十倍というような形で相続税の評価をしておりますね。売買価格じゃなくて、今度は公示価格を出した。公示価格だって、まるっきり固定資産税の評価額とは合っていませんよ。そうすると、少なくも、固定資産をたくさん持った者は、負担能力があり財産があるにかかわらず、不当に地方税の面では優遇されているというか、脱税をしている、と言っちゃ悪いけれども、不当に優遇されているということになりますよ。あるいは、取るべきものが取られておらないということが言えるのですよ。三年目に改訂をするということなんですけれども、それは、この間大臣がお答えになったように、市街化区域の中にあるからといって、現状農地を、すてっぺんから市街化の宅地価格で固定資産税をかけるということは、これはいけないことは当然ですよ。しかしながら、現状農地でありながらも、場所によっては、こういうように、もう固定資産税の評価額というものとはかけ離れた相続税を税務署はかけている。極端に言うならば、一万六千円そこそこの畑に対して百四十万という相続税の評価額を出している。これでは、国と地方の違いはあっても、あまりに税体系というものがむちゃくちゃじゃないか。高く税金を取れとばかりは言いませんが、繰り返すようでありますが、もちろん、農地に対してのそれぞれの保障をしなければならないことは当然でありますが、空閑地税とか、あるいは土地の増価値税とかいうような前に、どうして、当然売買の対象みたいに持っておるような宅地や、宅地の候補地みたいなところに正しい固定資産税をかけないのか、そうすれば、住民税の最低限を引き上げるとか引き上げないということはありません。財源があるとかないとかということにならない。幾らでも財源がある。あるのを取っておらない、こういうことにはなりませんか、現状は。
#142
○政府委員(降矢敬義君) ただいまの農地についての評価でございますが、固定資産税は、御案内のとおり、農地の移動制限というような状況のもとにおいて、農地は農地として評価をするということをたてまえとしておるわけでございまして、さらに、いわゆる農地の切り売り、買い足しという現状からいたしまして、評価額をさらに限界収益補正率というものによって約半分に落としておることも御案内のとおりでございます。相続税のほうで、農地についてどういうふうなことに評価をやっておるのか、詳細承知しておりませんけれども、少なくとも固定資産税についてはそういうやり方をやっておるわけでございます。
 なお、高い評価のものについて税を取るという御趣旨は十分理解できるわけでございますが、今回の負担調整措置におきましても、やはり前回の委員会におきましても、負担の激変の緩和というものにつきましての附帯決議もございました。それを基本に置きながら、いま御指摘のような、評価の著しく上がったところにつきましては、従来ない四割増しというものを新たに加えまして、できるだけ均衡化を前進するという考え方をとったわけでございます。
#143
○加瀬完君 誤解がないように。農地に課税をしろと言っているわけじゃないですよ。農地であっても、私は高い例だけやったのだけれども、ひどいところは、反一万三千円という評価額のところを、相続税の場合は百四十万と評価を大蔵省はしているところもあるわけです。そういう課税が正しいとは思いません。もちろん、正しくありませんけれども、一方の大蔵省は、地価公示を出した建設省以上に、相続税の場合なんかは、農地に対してすらも高い評価をしている。それならば、宅地候補地みたいな、あるいは雑地やなにかという名目であるが、当然宅地として売買するような土地については、厳格に、もっと固定資産税というものの評価額を引き上げて税金が取れるのじゃないか、取るべきじゃないか。四〇%なんというものじゃないでしょう。何十倍も上がっているような、固定資産税の何十倍も高い価格で売買されておるのに、二〇%の三〇%のということじゃなくて、固定資産税の取り方に、もっとくふうがあれば、地方財源というものは豊かになるのじゃないかということを言っているわけです。
 立ったついでに、もう少し具体的な問題を詰めますと、負担能力のないものから税金をとるということは、これは税金のたてまえとしていけないことですわね。しかし、七十五坪の宅地に十五坪の家を建てている者でも、固定資産税は、一万坪を遊ばせている大地主とにかかわりなく、税金はかかってきますね。しかし、負担能力というものからすれば、生活をささえる最低限の宅地なり家屋なりというものと、土地を一つの商品としてたくわえている者にかける税金が、同率や同じ方法でもっていいということにはなりませんね。こういう点も全然くふうがされておらないのじゃないですか。この点、どうですか。
#144
○政府委員(降矢敬義君) これは、前回のときにも先生のお話があったわけでございますが、固定資産税の性格をどう考えるかという問題になるわけであろうと思います。固定資産税は、われわれの考え方は、要するに、その資産の持つ価値というものの大小に応じてそこに担税力を見出して課税をしていく。だから、資産価値の高いものは、それなりの利用度とかあるいは収益度というものがあり、また半面、それなりの利用あるいは収益というものを期待されている。したがって、現実にそれがどういう用途に現に使われておるかということでなしに、その自体の持つ価値の大小に応じて比例的な税率で取るという考え方でございますし、したがいまして、いまお話がありましたように、個々の具体の用途ごとに課税の方式を変えるということは、この制度にはなじめないといううふに考えております。
#145
○加瀬完君 そういう固定した考え方でばかりいますから、税金の不公平というものも特に地方税ではひどいということになるわけですよ。たとえば、いま言った七十五坪の土地、二十五坪の家屋というのが大体平均だそうです。だから、二十五坪と言いませんよ、七十五坪と言いませんよ、たとえば、かりに五十坪の宅地に十五坪の家屋を建てている程度のものと、五万坪も十万坪もいわゆる宅地候補地として遊ばせて、いつでも分譲して売りますよという土地を持っているものと、負担能力が同じということには、これはならないでしょう。この点、どうですか。
#146
○政府委員(降矢敬義君) この固定資産の課税の考え方というものは、先ほど申し上げたとおりでありまして、したがって、資産の大小というものを基準にして課税をするというその背後には、利用度とかあるいは収益度というものを当然予想されておりますし、したがって、いわゆる低い税率で並列的に取るということでございまして、もしそういうような負担能力というものをこの税の中に取り入れるとすれば、その土地を取得するにあたって、かりに借り入れ金をもって取得したような場合、負債というものはまた別途これを考慮するというようなことをあわせて考えないと、なかなかこの事態について負担能力云々というわけにはまいらぬのじゃなかろうか、こう思います。
#147
○加瀬完君 住民税の課税最低限が所得税と切り離されたために、所得税に、国税に比べては地方税のほうが負担が重い、こういうことはお認めになりますね。これは、できるならば、大臣のおっしゃるように、同じ線になることが好ましいと、そうであるならば、同じ線にするために、収入の欠陥を生ずるわけだから、したがって、収入欠陥を補い、どこかに新しい税収というものがあればこの問題の解決はできる。新しい税源があるんじゃないか。固定資産税というのがあまりに野放しにされ過ぎている。もっとこれは固定資産税というものから大きな財源を生ますべく考慮をする必要があるんじゃないか。この前ちょっと私は文部省に聞いたんですが、千葉県市川市で宅地造成が行なわれました。そうすると、そこに入ってくる人口が大体七万人。そうすると、小学校六、中学校三、保育所六、二十八億八千万という財政投資をしなきゃならないということになるわけです。この財源が、当然これは固定資産税なんかから、新市域で開発されたところから、たくさん上がってこなきゃならないはずでありますが、現在の固定資産税の評価額あるいは固定資産税の課税方式では、これをまかなうようなものはどこにも出てきませんよ。人口急増地域にとりましては、固定資産税でも少しよけい取らなければ、いま言ったように取るべからざるところから取るというのじゃなくて、負担能力のあるものから、固定資産税の評価額でも上げて、固定資産税の収入というものを増さなければ、急増地帯にとっても条件整備というのがほとんど際限がないわけですよ。ですから、固定資産税というものについては、私はもう少し、くふうがあってしかるべきだと思う。端的に聞きますが、くふうをすればもっと取れる、現在あまりに固定資産税が不公平で、負担能力に応じた徴収がされておらない。当然これはくふうがあってしかるべきだということは、これはお認めになるでしょうな。大臣、どうですか、これは。
#148
○国務大臣(秋田大助君) なかなか理屈はよくわかっておりますけれども、実際上の問題に至りますと、なかなか影響微妙なところがあり、固定資産税をもっと上げよという御議論とともに、あまりに上げられては、いろいろ家賃その他にはね返るんじゃなかろうかというような点についての考慮を促される面もございます。しかし、いろいろ土地価格の激変、あるいは土地政策に対する、したがっていろいろの考え方の差異等から、固定資産税の評価基礎になる土地の評価、いろいろの問題も生じ、いろいろの議論がされておるわけでありますが、大勢といたしましては激変緩和の措置を講じながら、何らかのくふうは要するものと考えております。
#149
○加瀬完君 やはり、私は、大臣の御心配のような点は、課税最低限というものを固定資産税でも設けるべきだ、それは資産に対する課税だからおかしいというけれども、負担能力のないものから税金を取らないという税体系のたてまえなんだから、だから負担能力の線というものをどこかに引いて、それから下のものは免税――ということでなければ、非常に低率な税率にすべきだ、そういう形にすれば家賃にはね返るとか地代にはね返るというものは、最低限の場合は防げるわけですから。それから純然たる資産で、売買の商品として土地を持っているような、家屋を持っているような、そういう物件に対しては、これはもっと固定資産税の評価というのを上げて正しく税金を取るべきだと思うわけです。そういう点で御検討をいただけますか。
#150
○政府委員(降矢敬義君) これは、先生のお考え方、わかるわけでございますが、やはりもう一つ、どうしても考えなきゃならぬことは、現在の資産の中で、つまり土地を持っている人と持っていない人のバランスというものも当然考えなきゃならぬわけでございまして、したがって、一定の土地の所有者についてある程度の考慮をするということについては、私はなお慎重に検討しなきゃならぬと、こういう気がいたしております。
#151
○加瀬完君 慎重に検討するというのは、固定資産税を大体段階的に激変緩和だけしてやっていこうとすることですね。それでは公平な税金をかけることになりませんよ。生活費に食い込むようなところから住民税の場合は税金を取っているのです。片っ方、寝せておいて値上がりを待ってぼろもうけをしようというようなものからは税金を取っていないでしょう、大して。だから、さっき申し上げましたような地価公示額からすれば、平米三万一千円、評価額は六百七十九円、こういうアンバランスを放置しておいて、慎重にということはおかしいじゃないですか。公示価格というものは、政府が出しておる。同じ政府の出した公示価格が三万一千円、片っ方は六百七十九円。激変緩和でだんだんやっていきますと言うから、激変緩和でやったところで、昭和四十五年は二千五百四十円、これは激変緩和にならないですよ。もっと正しく把握すべきことを希望をいたします。
 次の問題は、これは地方行政の関係で聞くのは当を得ないかもしれませんが、土地に対する認識というのは非常に自治省は薄いと思う。そこで、百坪土地を購入した者があるとすると、この購入費の中には公共面積に対する分が何%入っておると思いますか、平均で。――いいですよ、こっちから言いますよ。いま、一万の土地を百坪買いますと、大体造成費が一万五千円かかるという見当になりますね。二百五十万の価格の中に、二五%、六十二万五千円というものを公共面積その他の費用として、みな個人が負担をしているわけですよ。街路とか公園とか公共施設に取られてしまうのです。こういうふうにやらなきゃ、市町村がみんなかぶっちゃって、道路も、学校敷地も取れないわけです。住宅政策といったってこの二五%の公共面積に対しては何にも負担をいたしません。こういう状態というものを考えましたときには、宅地政策というものも、これは建設省でありますが、もっと考え直さなければなりませんし、公共用地に対する財源負担を一部何らかの形で国がめんどうを見るという方法をとらなければ、安い価格で宅地を購入するという希望はこれは達してこない。こういう実情というものも考えていただきませんと、人口急増地域は地方で負担をしない限り宅地が上がる、宅地をある程度安くしようとする限りは市町村の負担が増大をするという悪循環を繰り返さざるを得ない。そうであるならば、話が少し飛びますけれども、不動産業者みたいな不当な利得をしている固定資産に対して優遇をするということは考えられないじゃないですか。そういうところからうんと税金を取って、こういう市町村に回して、公共用地の分は宅地を購入する者にぶっかけないという方法をこれは政策としてとるのも当然じゃないか。そういうことが一応考えられるわけでありますが、こういう実情はあまり御存じありませんね。御研究ください。
#152
○政府委員(降矢敬義君) ただいまの現状の話でございますが、私はあまり研究しておりませんので、いまの話を参考にして今後検討してまいります。
#153
○加瀬完君 最後の一問。とにかく私はきょういろいろ伺いましたことは二点に尽きるのです。住民税の課税最低限を国税の所得税の課税最低限と同じにしろ、その財源の不足は固定資産税を適正に取れば十二分にまかなって余りある、ですからこういう方向に御検討をいただきたいということに尽きるわけです。最後に大臣、こういう方向でひとつ御検討いただけますか。
#154
○国務大臣(秋田大助君) いろいろ関係する部面も多々あるかと思います、また、土地政策に対するいろいろ社会経済情勢の激変と関連いたしましていろいろあるわけでございます。これらの点を十分勘案し、御趣旨を尊重しながら検討してまいりたいと考えます。
  〔主査退席、副主査着席〕
#155
○塩出啓典君 消防庁の方、私、まず最初に、救急業務の問題につきまして、これは主として消防庁関係にお聞きしたいと思いますが、最近非常に交通事故が年々激増いたしまして、それに対する救急業務が非常に重大になってきておる、これは皆さんも御承知でございますが、消防庁から出ております消防白書を読ませていただいたのでございますが、昭和四十三年においては五十九万四千八百六十二件出動をして、十年前に比べれば五・三倍にふえておる、特に、最近の増加率は六大都市のある府県は一三・一%前年度に比べてふえているわけでございますが、その他の都道府県のほうの増加率は二七・三%である、そういうように非常に救急業務の体制というのは中心都市だけではない、特に地方都市、そういうところの点も特に強化していかなければならないのじゃないか、私はそのように思うわけでございますが、そういう点については、消防庁としてはどのような対策を立てておられるのかお聞きしたいと思います。
#156
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、大都市のみならず地方におきましても、交通事故の増加に伴いまして救急件数も増加いたしてまいっております。消防庁といたしましては、こういった事態に対処するために救急業務を実施する市町村の範囲を逐次拡大をいたしてきております。救急業務が消防法上取り上げられましたのは昭和三十八年でございますが、その当時は人口十万以上の市が救急業務を実施しなければならないことになっておりまして、その後、人口の基準を五万に引き下げ、四万に引き下げ、さらに昨年度は三万に引き下げたのでございますが、今年も政令改正をいたしまして、さらに人口三万以上の市のみならず三万以上の町も実施をしなければならないことといたしますほか、人口二万以上三万未満の町村におきましても救急件数と申しますか、交通事故件数が一定数以上のものは救急業務を実施しなければならないという義務づけを行ないまして、救急業務を実施する市町村の範囲を拡大し、これに対処してきているわけでございます。
#157
○塩出啓典君 拡大はしていっているかもわかりませんが、非常にテンポがおそいと思うのですね。と申しますのも、これも消防白書の数字でございますが、死傷者数の増加に比べて搬送人員の率が年々低下しております。昭和三十九年二三・一%、昭和四十年二二・二%、四十一年二三・八%、四十二年二三・〇%、四十三年は二二・六%と、このように搬送率の面から見れば――搬送率というのは死傷者の数に対する救急車で運搬した人数でございますが、これはかなり年々低下している。これはどんどん増加していかなければならないと思うのです。そういう点で私は、この救急業務に対する施策あるいは国の姿勢としても弱いのじゃないか、そういう点で私はこの問題については特に自治大臣にもお願いをしたいわけでございますが、最近交通事故の問題というのは非常に大きな社会問題になっているわけでございますが、そういう点にひとつ今後ともさらに強力に財政的な援助をしていく決意があるかどうか、その点、大臣にお伺いしたいと思います。
#158
○国務大臣(秋田大助君) いろいろ社会経済の発展に伴いまして大都市はもちろんのこと、中小都市におきましても交通激甚をだんだん増してまいりまして、ために救急業務の整備というものは一そう時代的な必要性が増しておるわけでございます。したがいまして、これに対する財政的な裏づけをいたしまして救急業務の整備拡充強化に資したいと考えております。
#159
○塩出啓典君 そこで、消防庁にお伺いしたいのでございますが、昭和四十四年の四月十七日に消防法施行令が改正されまして、人口四万以上は三万以上に範囲が拡大したと、それ以上の都市は救急業務を実施しなければならない。私、おたくからいただいたことしの一月の資料ですかによりますと、大体この救急業務を実施しなければならない市におきましてもまだ四十八の未実施の状態でございますが、これはどういうわけで未実施なのか、これはもう現在ではすでに実施しておりますか、その点どうなっておりますか。
#160
○政府委員(松島五郎君) 救急業務の実施を政令で指定されましても、救急車の準備あるいは隊員の養成というような問題がございまして、若干おくれているところがございましたが、現在では、指定をされましたものは全部実施している段階でございます。
#161
○塩出啓典君 この未実施のところはすでにいま実施しておる、準備中であるというお答えですね。
#162
○政府委員(松島五郎君) 私のお答えがちょっと不正確でございましたが、ほとんど実施に移っております。一部まだ若干残っておるところがございますが、これも近く実施する予定でございます。
#163
○塩出啓典君 それで、現在法律によりまして実施を義務づけられているところが大体五百三十三、四、それからすでにそういう法律的に実施を義務づけられてはいないけれども任意に実施している市町村が百四十七あると、このようにおたくから聞いたわけでございますが、そうなりますと、全国で六百八十の市町村において救急車の体制ができておる。ところが、全国では三千二百九十八の市町村、これは現在少し違うかもしれませんが、そういう数でございます。そういう点から言いますと、約八割の市町村にはそういう救急業務がない。最近は交通事故もだんだん都市部からそういうへんぴなところまで、特に農村等においても車の数がふえておるわけでございますが、しかもある面から考えれば、都会は非常に交通も便利ですけれども、いなかのほうはなかなかタクシーもない。そういう点考えれば、私は、全国のあらゆる市町村にそういう救急業務の体制をしていかなきゃならないんじゃないか。これは一つの市町村ではそれだけのお金が、救急車もお金がかかるわけですから、まあ救急車一台入れればそれに対する要員も必要だと、そういう観点から相互応援あるいは事務委託あるいは一部事務組合、そういうようないわゆる共同的利用処理方式というものがとられていると聞いておりますが、大体これは全国の三千二百九十八市町村のうち、大体どの程度まで進んでおるものですか。大体の数でいいです。
#164
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のとおり、救急業務を行ないますには特別に救急隊を設けて行なうということになりますと相当の経費が必要でございます。現在、資料にもございますように、年間約六十万件の救急活動をいたしておりますけれども、この関係市町村の人口が約六千万ないし七千万ぐらいになっておりまして、大体百人につき一人ぐらいの割合でございます。したがいまして、小さな町になりますと、一年間のうちに何人もそういう事故がない、何件もないというところもあるわけでございます。しかし、一たん事故が発生いたしました場合に対処する道がなければなりませんので、私どもといたしましては、御指摘のような相互応援協定というようなものを極力結んで、共同してその実施に当たるように指導をいたしてきております。現在、他の市町村の応援を受けて救急事務を処理しておりますものが二百七十二団体でございます。
#165
○塩出啓典君 応援を加えてもその数は六百八十市町村プラス二百七十二で、せいぜい千そこそこだと思うのですね。これは私は、応援体制というのは全国的にあらゆる市町村に義務づけるぐらいの、そういうのが望ましいのじゃないかと思うのです。と申しますのは、これは広島県で、ことしの一月のことでございますが、広島県下の国道二号線の線上で交通事故がございまして、これは広島県賀茂郡の志和町という国道で交通事故があったわけであります。その隣りの西条署に電話二〇番の通報がございまして、そしてそこの西条、高屋、八本松という三町の組合消防本部から救急車が出動したわけですね。ところが行ってみると、その場所は西条町と志和町の境界よりちょっと向こうだったわけですね。志和町だったわけですよ。それで交通事故が目の前にありながら、その救急車が、管轄外だから私の一存では現場に行けないと、そう言って、そのまま引き返した。それでパトカーが現場に戻り、その救急車が帰ったものですから、パトカーが結局負傷者を西条町の病院に収容して事なきを得たわけですが、私はこういうようなことがあってはならないと思うのですね。なぜそういうことが起こったか。それは運転者が悪いと責めるわけにもいかない。いろいろ理由を聞いてみますと、火災やあるいは災害の場合は応援協定がなくても管外出動できるが、緊急救急業務は指定がないと出動ができない。これは管外活動中に職員が事故などで死亡した場合その補償をどうするかという問題があるからだ、そういうような救急業務の協定がなされていない。私は、まあこれはたまたま一つの事件でございますが、全国見ればそういうようなことが非常に多いのじゃないかと思うのですね。そういう点でやはりそういうような実態というものを私は消防庁においても総点検をして、一つの市町村で救急車を持つことができなければ、その応援協定でもよろしいのではないかと思うのでありますが、そういう体制はこれは別にたいした経費もなしにできるのじゃないか。そういうわけで、これはぜひ強力に広域協定の方向に自治省としても消防庁としてもひとつ推進をしてもらいたい。そのように思うのでございますが、長官のお考えはどうですか。
#166
○政府委員(松島五郎君) ただいま御指摘いただきました広島県下の事故の問題、私どもが報告を受けておりますところではそういう通報がありまして、西条地区消防組合、これは西条町と隣接の八本松町、高屋町と三町でもって一部事務組合をつくっておるものでございますが、ここから救急車が出動いたしております。ところが志和町に入りますと、無線の交信が途絶えたために事故現場を発見することができず引き返したと、こういう報告になっております。まあいずれにいたしましてもこういうことのないようにしていかなければならないわけでございまして、御指摘の点につきましては、私どもも今後極力努力を払って、こういう事故のないようにしていきたいと考えております。なお、ただいま御指摘のありました志和町に関しましては関係者間で協議をいたしまして、一月三十一日付で西条地区消防組合と、志和町との間に応援協定を新たに締結をいたしております。また同じく国道二号線の豊田郡の本郷町と三原市との間にも応援協定を新たに結んで、こういう事態をなくするという努力をいたしておる次第でございます。
#167
○塩出啓典君 そういうように一つの事故がありますと、すぐやるわけですね、やっぱりそういう事故があってやるんではおそいわけであって、私は一カ所にあった事故を参考にして、そういう志和町以外の町村についてもそういう方向にやればできることなんですから、やっていただきたいと思います。それでこの問題につきまして、行政監察局が昨年の十二月の月報の中で、こういう救急業務空白地帯を解消するための共同処理方式については、実施の方法や費用の負担等についての具体的方策が国から示されていないことを理由として、なかなかこれが積極的な対策が立ってない状態だと、そういうことを行政監察の勧告で載っておるわけなんです。私はそのあたりこまかいことはわかりませんけれども、やはり隣の市町村と救急協定をする場合に、そのときの費用はどうするんだと、もし事故があった場合には費用負担はどうするんだ、そういうようなこまかい問題もあるんじゃないかと思うんですけれども、そういう点は、私はこの答申のとおり、消防庁としてはちゃんと対策を立てておるのかどうか、その点どうなっているんですか。
#168
○政府委員(松島五郎君) 共同処理方式を進めます場合に、御指摘のございました費用負担の問題というのはしばしば問題になるわけでございます。これはたいへんむずかしい問題も中にはあるように思われます。と申しますのは、特に国道のような場合には隣の町と協定をいたしまして、この事故の起こったのが隣の町であった場合に、隣の町の住民であるという場合には、その町でも経費を負担するということについて比較的抵抗感は少ないわけでございますけれども、第三の町あるいはほかの県の車がたまたまある町で事故にあった、その場合の費用負担をその町がなぜしなければならぬのかというような議論があるわけでございます。そういう点から、なかなか費用負担の問題というのはむずかしい問題点がございます。私どもといたしましては、人口案分あるいは事故の起こった件数に対しまして実費弁償的な計算というようなことでもってやるように指導をいたしております。それがどういう場合にどうとるかということは、さっき申し上げましたように、その町の交通の事情によるわけでございまして、この方法だけだというふうな指示をするということはかえって実情に合わない場合もございますので、そういった点を考えながら指導をいたしておる段階でございます。
#169
○塩出啓典君 そういう第三者の、たとえばよその県の人が事故を起こした場合、そういう経費というのはそんなにたいした金じゃないと思うんですけれどもね。そういうことでやっぱり救急業務がおくれる。そういうことであるならば、私はいっそのこと、そういう費用は国から出すとか、もっと前向きに検討する方法はないものですかね。そういう点どうですか、自治大臣。これは大臣にひとつお答え願いたいと思うんですが。
#170
○政府委員(松島五郎君) 私から先にお答えさしていただきます。
 消防の仕事自体は、地方自治のいわば代表的な仕事として、市町村自治体の仕事として今日まで定着をしてきているわけでございます。そういう意味から申しますならば、やはり市町村の消防、その中に含まれる救急業務に要する費用というものも市町村が持つというたてまえであるべきではなかろうかというふうに考えます。ただ、いま申し上げましたように、今日の交通事情というのは、単に一町村、一県の問題にとどまらないという状態にございますので、そういったものに対する国としての交付税等における財政措置につきましては、十分そういった点も配慮しながら考慮していきたいというふうに考えております。
#171
○塩出啓典君 それでこれは自治大臣にひとつお願いしたいと思うんですけれども、もちろん地方自治は尊重しなければなりませんけれども、それ以上に私は人命を尊重すべきだと思うんですよ。だからそういう他県の人の救急業務に対する費用について抵抗を感ずるかとかいって、そういう協定を結ばないとか、そういうような市町村に対して私は、自治省から人命尊重という立場から国は断固もう少し強い指導をすべきだ。たまたまこういう事故が起こって、そして起こったらぱっとやる、いつもそういう……午前中も人柱という話が出ましたけれども、人柱が出ないとそういう話が進まないということではまことに残念だと思うんですね。そういう点で、その問題については、ひとつ自治大臣が先頭に立ってもう少し検討していただいて、救急業務の協定を結んでないような市町村はなくするように強力なひとつ指導をしていただきたい、かようにひとつ大臣にお願いしたいと思うんですけれども、その点どうですか。
#172
○国務大臣(秋田大助君) ただいま消防庁長官からお話がありましたとおり、交付税等で考慮をいたすことにいたしまして、ある面は人命尊重の意味から防災、人命救助、そういう問題につきまして互いに共同して、これが事に当たるように、その間に空白を来たさないように強い指導をしてまいりたいと存じます。
#173
○塩出啓典君 それで、その政令の改正はいつになりますか。
#174
○政府委員(松島五郎君) 昨日の閣議で御決定いただきましたので、近く公布をいたす予定でございます。なお、実施時期は準備の関係もございますので、十月一日を予定いたしております。
#175
○塩出啓典君 それからこの救急業務に対する財政援助の点でございますが、これは非常に寄付に多分にたよっているというような状態と聞いておりますが、今年度は大体何台くらい予定しておられるのか。またいままでのような、そういう寄付にたよるというやり方は非常に、あってもなくてもいいものならば寄付にたよってもいいと思うんですけれども、やっぱりそういう救急自動車の購入を寄付にたよらなければならないという、そういうこと自体私は現在の政治のあまりにも人間無視の姿のあらわれではないかと、そのように非常に残念に思うんですけれども、その点どうですか、長官。
#176
○政府委員(松島五郎君) 昨年度は国庫補助金でいたしまして、四十台ばかり補助の対象にいたしております。寄付の問題について御指摘がございましたが、これは関係の方面で交通事故対策等の見地からぜひ協力を申し上げたいという申し出をいただいて、お願いをしているのでございまして、私たちが、国庫補助金がないから寄付をぜひお願いするというような意味でお願いしているわけではございませんので、そういった方面の御好意は御好意としてありがたくいただいて、救急体制の充実をはかっていくということもあながち不適当ではないのではないかと考えております。
#177
○塩出啓典君 そういう点でひとつ援助をお願いいたしたいと思います。
 それから救急隊員が非常に不足をして、救急隊員で資格のない人が非常に多い、そういうことがやはり行政監察局の勧告に載っておりますが、消防法施行令では、四十四条、救急車一台につき三人以上の隊員とされるが、この基準を満たしていない救急隊が非常に多い、そういうようなことを勧告しておりますが、これに対してなぜそういう隊員が少ないのか、また今後消防庁としては、そういう人員を充足するために現在どのような方針を立ててやっておられるのか、その点をお伺いをしておきたいと思います。
#178
○政府委員(松島五郎君) 救急隊員の数は、専任は、御指摘のとおり、たいへん基準から見ますと少ない状況でございまして、救急隊の数が、昨年の四月一日現在で九百六十六隊、約千隊ございますが、専任職員は二千五百人でございますから、一隊当たり二・五人程度で、御指摘のとおり少ない状況でございますが、ただ、兼任を含めますと一万一千人ばかりおりまして、一隊につき十一人程度になるわけでございます。で、現在基準で定めておりますのは、一隊につき交代を考慮いたしまして七名といたしておりますが、そういった基準から見れば専任、兼任の差はございますけれども、一応そう大きな支障のない運営はできるものというふうに考えております。特に、御承知のように、消防の中にございますので、消防の職員も常時火災に出動しているわけでもございませんので、それらとの間に兼任関係で運営をしているというのが実態でございます。まあ救急事故そのものも、先ほど申し上げましたように、一日中、大都会の場合は別といたしまして、小さな町村では一日中出回ってるというわけでもございませんので、現在の数で非常に支障があるというふうには、必ずしも考えておりませんが、ただ、でき得べくんば、できるだけ早く訓練をした職員を従事させるということが必要でございますので、一昨年でございますか、消防大学校の中に救急科を特設をいたしまして、救急隊員の養成に当たらせております。また、府県の消防学校にも救急科をつくって救急隊員を養成するよう指導をいたしておる段階でございます。
#179
○塩出啓典君 救急業務の件は、なかなかたいへんな業務であると思いますが、ひとつ今後とも見えざるところにおいて、大いな努力をしていただきたい、そのことをお願いをする次第であります。
 次に、林野火災の件につきまして、最近非常に林野火災が激増しておるような感じを受けるわけであります。で、四十三年度の統計によりますと、六千六百二十八件、この件数は前年より減っておりますが、被害はふえて二十七億円、このようにおたくの白書で読ませていただいたわけでありますが、ことしに入ってから、新聞等でかなり林野火災があちこちで非常に数が多いんじゃないか、ことしはだいぶふえてるんじゃないか、そのような、私感じを持ってるんでございますが、もしことしになってからのある程度の統計等がわかりましたらお願いしたいと思います。
#180
○政府委員(松島五郎君) 先生御指摘のとおり、本年は一月、二月に乾燥期が続きました関係上、本年に入りましてから林野火災の件数が急激に増加をいたしております。三月分はまだまとまっておりませんが、一月、二月の合計で二千二百九十五件という、非常に多くの火災発生を見ておる状況でございます。
#181
○塩出啓典君 まあ、この火災が、山火事が非常にふえているという、そういう原因でございますが、これはやはりおたくから出ております消防審議会の答申であったと思いますが、それを拝見さしていただきますと、まあ圧倒的にたき火あるいはたばこの不始末が非常に多い。そういうような話であります。だんだん、この山の中も道路ができまして、マイカーに乗ってレジャーに行く人が非常に多い。そういうものは今後だんだん進んでいくと思うのですね。そういう点で、私はこういうたばこの不始末、非常に心なき人のたばこの不始末によって、とうとい国民の財産が灰になるということは、非常に残念に思うわけでございますが、特にそういう問題については、消防庁としては……、林野庁の方もお見えになっておりますか……。消防庁としては、どのような対策を立てておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#182
○政府委員(松島五郎君) 林野火災の出火原因は、たき火、たばこ、火入れ等、まあ人為的と申しますか、そういうものが大部分でございまして、四十三年の統計で見ますと、たき火によるものが三一%、たばこによるものが二五%、この二つを合計いたしますと、五六%でございまして、これだけで火災原因の大半をなしている、こういう状況でございます。したがいまして、これにつきましては、やはり一般の方々に対するPRと申しますか、そういうことを徹底させるということが何よりも大切であるというふうに考えられるのでございまして、そういう意味から、全国火災予防運動というような際には、この問題を特に重点項目として取り上げて、一般への呼びかけ、広報宣伝を行なっておるわけでございます。しかしながら、いま先生もお話しございましたように、最近の傾向から申しますと道がよくなる。そして山の中にもどんどん車が入れるというようなことから、山へ入る人が多くなってまいりまして、それらの人が不用意にたばこを捨てるというようなことによる火災が多くなっていることはまことに遺憾であります。いま申し上げましたような広報宣伝活動を通じて、この問題については、特に重点的に今後も指導をして、徹底をはかっていきたいと考えております。と同時に、火災危険期には、関係者間で巡視、監視を励行するように、林野庁とも共同で指導いたしております。こういったことを通じて未然に防ぐ、あるいは燃え上がらないうちに防ぐというような措置も講じておるわけであります。さらに引き続きこういった方向を強化していきたいと考えます。
#183
○塩出啓典君 対策を立てておられるけれども、依然として、特に今年度は二カ月で、昨年の四カ月分に匹敵するくらいの件数が出ておるわけでございます。そこで消防法の二十三条には、一定の区域内におけるたき火、または喫煙の制限ができる、このようになっているわけでございますが、私はそういう危険のあるところは、もうたき火や喫煙をかってにしてはならぬと、マイカーで来ている人でも、たばこは別に外で吸わなくても車で吸えばいいわけですから、吸いがらは外へ捨てなくても車の中に灰受け皿があるわけですから、そういう点は厳重にしても、別に人権じゅうりんにはならないと思うのですが、そういう点で現在、消防法二十三条を適用しておるところというのは大体どの程度あるものか。
 それともう一つは、制限をした場合に、この制限内でたばこを吸ってたばこの吸いがらを道ばたに捨てたという場合には、罰則はどうなっておるのですか、この二点をお伺いしたいと思う。
#184
○政府委員(松島五郎君) 消防法二十三条は、期間及び区域を限って喫煙とかそういったものを禁止することができるようになっておりますけれども、林野の場合に区間を限ってということは、実際問題としてなかなかむずかしい問題でございまして、幾つかの道があればどこからでも入ってこれるという状態、開放された状態にあるということが、一般の方の不注意にもつながり、また、一たん火災が起きましても、なかなかそれを見回って歩くということも困難なために、往々にして延焼火災に拡大するという危険を含んでおるわけでございます。消防法二十三条の運用だけで全部問題を片づけるということも、なかなか困難であると思いますが、現実には神社仏閣等の、主として重要文化財等のありますところでは、その付近の森林地帯と申しますか、林野地帯について制限をしておるというのが実情でございます。ただ、これはそういうふうにいたしましても、なげ捨てた人というのを、しょっちゅう見回って押えられなければ、結局は効果を発揮し得ないということにもなるわけでございまして、そういった面から非常に運用はむずかしい。結局はそういう方々の良識に期待するということになりがちでありますためになかなか実効があげにくいという面もあろうと思います。これにつきましての罰則は一万円以下の罰金または拘留に処されるということに法律上はなっております。
#185
○塩出啓典君 いままでこの件で罰金に処せられた人は何人おりますか。
#186
○政府委員(松島五郎君) 手元に資料がございませんので、その点については承知いたしておりません。
#187
○塩出啓典君 おそらくあまりぼくはないんじゃないかと思うんですけれどもね、スピード違反で罰金取られたという話は聞くけれども、たばこのすいがら捨てて罰金取られたという話はありませんから、ひとつその点は私はもう少し検討してもらいたいと思うんですよ。消防庁長官は良識に期待すると言うけれども、それは確かにそうですけれどもね、けれどもほんとうにちゃんと――車のスピードだってスピード制限は法定できめられているけれども、なかなか人間の良識というものは期待できない場合が多いと思うんですね。私もこれを研究して初めてこういう区域があるということを知ったわけなんですよ。そういう点でまだPRも足りないと思うんですね。山も入口があるというけれども、全部の入口にもうちゃんと表示を出して、一万円以下の罰金と、こういうぐあいに大きく出せば、そこへ入っていく人は、一万円取られるのは大きいから、じゃ捨てるのやめようかと、こういうことにもなるし、そういう点でぼくはもっと、そういう点の消防庁――これはもちろん消防庁だけでできるものではない、関係市町村の応援もなければならないと思うんですけれども、あるいは警察関係の応援も必要だと思うんでありますが、やはり年間二十七億円のとうとい財産がなくなっているわけですから、そういう点でこの強化、PR、そういう点にはもっとひとつ検討し、強力に推進してもらいたい、そのようにお願いしたいわけでございますが、長官どうですか。
#188
○政府委員(松島五郎君) 御趣旨まことにごもっともでございまして、私どももできる限りの努力はいたしたいというふうに考えます。しかし、実際問題といたしましては、結局そういう違反者をつかまえるためには、常にそのあとをだれかがつけていくというようなことでもしない限りは、結局、やはりそういう方々の良識に大きく期待しなければならない面も多いというふうに考えられますので、そういった広報宣伝というような面も通じまして努力をいたしてまいりたいと思います。
#189
○塩出啓典君 まあ全部――たばこの灰、すいがら捨てた者を全部つかまえることは、これは無理ですけれどもね、たまたま一人つかまえる――つかまえるといったら悪いんですけれどもね、その人を発見して、その人が注意なり受ければ、またそういうのが広がってやっぱり徹底していくわけですから、その点、しかししかしなんて言わないで、ひとつ前向きに御検討いただきたいと思います。それと林野火災の発生地域というのは非常に、出かせぎ等で人の少ない過疎地帯に多い、そういうわけでなかなか消防団の数もだんだん減っておるような状態で、おいそれとなかなか人が集まらないと思うんですね。そういう山林火災において――これは山林だけではない、一般的な火災でもそうでございますが、大事なのはやはり初期消火――これは山林火災だけではない、都市の火災の場合でも初期消火というのが非常に大事だと思うんですね。ところが最近は、都市の場合について言いますと、だんだん交通が繁雑で、この前大阪のガス爆発の場合も非常にやじ馬が集まった。必ず、特に東京なんかはやじ馬――江戸っ子はやじ馬的な性分が多いわけですから、そういう点で非常に交通の面で阻止される。昔は大体、十年前には一一〇番電話を受けてから五分で現場へ行けたのが、いまでは八分三十秒ぐらいかかる、そのような記事も見たわけでありますが、そういうようにだんだん交通がこれからますます激しくなってくると思うんですね。そういうような点、あるいはまた、過疎地帯におけるそういう山林火災、そういうのを防ぐためにはどうしてもこれはいわゆる空中消防隊というものを、これをやはり強化していかなきゃならないんじゃないかと思うんでございます。消防庁におきましても林野庁等といろいろ連携をとりまして、科学技術庁等とも連携をとってそういう研究をしておるようでありますが、全くその予算が少ない。また現在、消防関係でもヘリコプターが人命救出用にわずか二台しかないわけで、ことしはまだ予算もないわけですね。私は、今回の災害等も考えて、今後やはりこの消防の方向としては機動力、特に空中消火、しかもこれは一つの市町村では、あるいは広域的に国とかあるいは県、地域的にそういう方向にもっと推進をしていかなければならないのじゃないか、私はそう思うのでございますが、まあ今年度の予算等を見まして、はなはだそういう点の前進の度合いがおそいと思うのですね。私はもっとこれは大きな立場から、これは自治大臣にひとつお願いしたいと思うのですが、空中消防隊のような、そういう創設の方向に向かってひとつこれから努力をしていただけるかどうか、その点をひとつお聞きしたいと思うのでございます。
#190
○政府委員(松島五郎君) 空中消火につきましては、消防庁といたしましても、消防研究所を中心といたしまして数年来研究を続けてきているのでございます。最初は、市街地火災に対応するためにという研究から出発をいたしまして、市街地火災になりますと、火が屋根の上に出るまでに消すということになりますと、屋根のようなものを突き抜けるというようなものでなければ効果がないのではないかということで、最初投下弾方式ということで研究を始めたのでございます。しかし、ヘリコプターから消火弾を落とすというような方法によって屋根を貫いて消火をするという効果をあげることはかなり困難なようでございます。また、そういうものをさらに強力なものにいたしますと、もしも命中を誤った場合にはかえって大きな危険を及ぼすという問題もございます。そういったことから一応投下弾方式というのを途中でやめまして、現在では消火剤を撒布するという方針に切りかえて実験を行なってきております。たまたま昨年来林野火災の問題が起こりましたので、いままで研究いたしました結果等を総合いたしまして、林野火災にもこれを活用するという方向で、御案内のとおり、本年に入りましてから現地につきまして実験等を行なってきたわけでございます。その結果、かなりの効果のあることは一応実験的には確認されておりますけれども、しかし、それに用います器材につきまして、たとえば寒い地帯で空中に舞い上がった場合にはさらに温度が下がるということを考えますと、薬剤を撒布いたしますための撒布口をうまく開かせることができない、凍結するというような問題に対してどう対処するかというような新しい問題もできております。また、消火剤として何が一番適当かという問題もございます。特に市街地火災にこれを使います場合には、やはり人体に対する有害な影響というようなものがないように考慮いたさなければならぬというような問題も残っております。それから特に山林火災等の場合にはヘリコプターがどの程度まで火点に安全な範囲内で近づけるかという問題がございます。特に山の場合は気流がしょっちゅう変わりますので、そういった面からどこまで高度を下げられるか、高度を下げれば下げるほど命中精度はよくなるわけでございますが、一方危険が伴う、そういった問題を今後どう考えていくかというような問題、さらに実験で使いましたのは大型ヘリコプターでございますが、大型ヘリコプターはなかなか自衛隊も数多くございませんし、いつでも利用するというわけにいきませんので、むしろ中型のヘリコプターを使えるような開発をする必要があるのではないかというような問題等いろいろございますので、引き続きこういった面を研究していきたいと考えております。
#191
○塩出啓典君 研究費はことしは幾らですか、予算は。
#192
○政府委員(松島五郎君) いまちょっと資料を持ってまいりませんでしたので、はっきりしたことを記憶いたしておりませんが、一般経常研究費の中でやれることになっておるわけでございます。
#193
○塩出啓典君 大体の金額くらいわかりませんか。私たしか五百万とも聞いておったのですが、五百万くらいですか。
#194
○政府委員(松島五郎君) 従来は大体その程度でございました。
#195
○塩出啓典君 ひとつ自治大臣ですね、そういう山林火災でも、年間にいまさっき申しましたように二十七億ですね、また死傷者も五十数名、都市火災におきましても年間の損害額はたしか五、六百億、何百億とかいう単位であります。また、そういう都市火災で、なくなる人も年間たしか二千人前後じゃないかと思うのでございますが、そういうようなことを考えて、山林火災の場合は使える、また都市火災の場合でも、早く行ってそこが人間が降りて、案内誘導するとか、いろいろ使い道あると思うんですね。ところが、さっき言ったような、いろいろ問題点がありながら、年間の予算が五百万というのではちょっとさびしいと思いますが、そういう面も含めて、こういう問題については、人命尊重の立場から、自治大臣としてもひとつ関心を持っていただいて強力に推進していただきたい。私はそうお願いしたいのでございますが、その点どうでございましょうか。
#196
○国務大臣(秋田大助君) 消防につきまして、空中からの消防方式ということは、確かに今後さらに研究していかなければならぬ分野がたくさんあると思う。したがって、これに対する研究費等も十分考えなければならないと思います。総じて消防防災救急業務に対する予算関心というものは、従来比較的まあ弱かったのではないかと考えられるのでございますが、社会経済のいろいろ瀬の早い変化に応じまして、幾多の人命尊重から憂慮されるべき社会問題あるいは事件、続々発生をみておる今日、この点は一日もゆるがせにできないところであります。私も就任以来、特に消防関係、防災関係の予算につきましては、意を用いまして、多少大蔵省との折衝につきましても、四十五年度、意をつくしたところでございますが、もちろんこれでは十分ではございません。今後予算措置につきまして、あるいは防災救急消火の体制につきまして、一そう努力をいたしてまいりたいと思っております。さらに消火ばかりでなく、先ほども問題にされました火を起こさないようにするということにつきましては、もっともっとやっぱり大衆としても注意をする義務があろうと思いますので、この点を喚起することは必要だと思います。たとえば、林野における火災予防、ただいまお示しもございましたが、防火週間等につきまして、しょっちゅう人がついて回っているわけにはいかぬでしょうし、そういう特殊のときに、特殊の配慮をすることによりまして、一つの罰によって百のいろいろの警告を与えるという効果もあろう、こういう点につきましても、いろいろPRのくふうをいたしまして、いろいろとひとつきめこまかな措置を今後していきたいと考えております。
#197
○塩出啓典君 時間もありませんので、この地方自治情報センターの問題につきましては、午前中和田さんから質問もありましたし、時間もございませんので、これは後に譲りたいと思います。
 最後にまとめまして、消防庁長官に一問と、それから大臣に二つだけお願いしたいことがあるのでございますが、消防庁長官にお聞きしたいことは、そういう火災を都市における火災の発生の原因というのも、非常に不注意な不始末が多いわけでありますが、そういう点で、国民の皆さまにPRする一つの方法として、テレビなんかで一番最後の番組に、火の用心を出すとか、これはいままでやっておられたかどうか知りませんが、もしやっておられなければ、また前やっても、いまあまりやってないようですから、絶えずやはりNHKのテレビなんかを利用して、そうしてPRをすべきじゃないか、それに対するお考えを聞きたいと思います。
 それと自治大臣に対して、これは午前中の質問に関連いたしまして、身体障害者の雇用促進の問題が読売新聞の記事を通して、大臣に対してもいろいろ質問があったわけでございます。私も実はきのう労働省の関係のときに、そのことをお話ししたわけでございますが、特に東京の大久保製ぴんというような民間会社で半分以上身体障害者を使っているわけですね。先般も予算委員会で身体障害者の方が公述人でいらっしゃいまして、ともかくいまはもう仕事がどんどん分化して、非常に作業も単純になってきておるわけですから、どのような身体障害者の人でも、向かない仕事がないわけではないが、必ずその人にできる仕事はあるのだ、だから大久保製びんにおいては、身体障害児の知能指数――IQ一八の人々まで、自分の名前も覚えない、わからない、日曜もわからないから日曜まで仕事に来る、そういう人までやはり仕事に使って十分――月給二万一千円もらっておる、そういうような状態でございますので、ひとつこの各地方公共団体においても、身体障害者の雇用については、ひとつ真剣に取り組むように自治省としても強烈な指導をしてもらいたいと思います。先ほど局長さんの答弁では、身体障害者の雇用状況も、労働省のデータで、各府県ごとの状態はわからない、こういうことでは、私はほんとうにきめのこまかい指導はできないと思うのですね。やはりこの関係は、よくやっているけれども、この点は悪い、そういうよう婦実態も掌握した上で、強力に推進していただきたい、その点をひとつお願いしたい。
 それともう一点は、これは予算委員会のときに、私お願いした問題でございますが、水が、いわゆる上水道水が、全国で一番高いところは八十七円、これは岡山県の興除村あるいは藤田村というのは八十七円、トン当たり。全国で一番低いところは六円何ぼ、そういうように市町村によってものすごいこういう差があるわけですね。地方税の問題だって、やはり限界を越えている、あるいは学校教育の問題にしても、辺地のところは金はかかっても学校をつくっている。鉄道でも、いなかの赤字路線であっても、国民福祉の上からそれを推進していく、国のそれは政治だと思いますが、水だけは低いところと高いところは十倍の差があるわけです。工業用水の場合はちゃんと国のほうがある一定の値段をきめて、八円五十銭、それ以上高くならないようにする必要なだけの財政援助をしておる、工業用水の場合は。上水道水の場合は比率がきまっておるために、高いのはますます高くなっておるわけです。だから広島県の島のほうなんか、水がなくて、今度水道を敷設すると百円以上になるといわれているのです。私は上水道水はこんな差があることはよくないと思う。工業用水の場合は、何ぼかかってもこれはちゃんと経費として控除されて、それだけ税金が減るわけでいいわけですが、上水道水の場合は、全然これはそういう免除はないわけです。そういう点で、私はこれは大体トン当たり八十七円だと、毎日五トン使ったにしても三人であれば何千円というお金も要るわけであります。そういう点で、私は厚生省にもお願いしたわけでございますが、自治省としてもやはりこういう水道料金の問題、限度をきめて、それ以上高くならないように、やはり財政的な援助をするという、そういう方向に私は当然いくべきじゃないかと思うのですね。その点について、ひとつ大臣のほうで検討をしていただく決意があるかどうか、その点だけをお聞きして、ちょっと時間超過しましたけれども、質問を終わりたいと思います。
#198
○政府委員(松島五郎君) 御指摘のございましたテレビ等による広報につきましては、新聞、テレビ等に御協力をいただきまして、従来からも私どもとしてはできるだけやってきておるつもりでございます。御指摘のとおり、こういう方法によって一般に知っていただくということが一番効果のあがるところであると考えておりますので、さらに一そう努力をいたしてまいりたいと考えております。
#199
○国務大臣(秋田大助君) テレビ等を利用することについては、実は始終長官と私話をしているのです。いや、相当やっていますと言うから、もっとやりなさいということを、始終長官とも話をしているわけですが、今後さらにくふういたしたいと思います。
 それから私にお尋ねの、身体障害者の地方公共団体における雇用の問題でございます。この点は、今後も一そう強く指導していきたいと思います。
 水道の問題、生活に不可欠の物資でございますから、これにつきまして安いことにこしたことはない、ほんとうならば、ただにしたい。しかし、そういうわけにもまいらない。いろいろ建設の地理的条件も違いますし、物価のいろいろ変動期でもございますので、建設時期によりまして、いろいろ公共団体ごとに住民各位の負担に格差を生じていることは、ある程度やむを得ませんけれども、しかしながら、それがはなはだしくなることは、それはもう住民福祉の点からいって、もちろんいかぬのでありますから、従来、自治省といたしましても、基準財政需要額を考慮いたしまして、一般会計から直接に資本費の負担の超過を軽減すべく繰り入れを考えているわけでございます。また実行いたしておるわけでございます。その一部は交付税あるいは特別交付税で裏づけをいたしており、地方債の借りかえ債も設けまして、資本費のいろいろ条件の軽減にも資しておるところでございますが、それにしても、なおいろいろ御指摘を受けるような事態が生じているわけでございますから、今後もそれらの点につきましては、さらに一そう検討を加えまして、なるべく上水道の住民に対する経費負担が軽減できるように処置してまいりたいと考えます。
  〔副主査退席、主査着席〕
#200
○萩原幽香子君 いただきました時間が往復で三十分でございますので、できるだけ要領よく質問をいたしたいと思いますが、お答えのほうもできるだけ明確に簡明にお答えをいただきたいと存じます。
 去る十一日の一般質問の際に時間の都合で残しました点にしぼってお尋ねをいたしたいと存じます。
 まず、住民税の減免措置について適用されました具体例を承りたいと存じます。
#201
○政府委員(降矢敬義君) 地方税法の三百二十三条に減免の規定がございまして、これを受けて市町村におきましては、条例で減免の場合を規定しているわけでございまして、ここに書いてありますのは、災害その他特別な事情がある場合、あるいは「貧困に因り生活のため公私の扶助を受ける」場合「その他特別の事情がある」場合ということでございまして、実際は災害を受けた場合とか、あるいは生活保護法の規定による補助を受けている場合、生活扶助の場合はないわけでございますが、その他の扶助を受けている場合、あるいは事業が廃止になって所得が皆無となった、あるいはそのために所得が激減をして生活が困難になったというような場合は、条例で規定して減免をしております。
#202
○萩原幽香子君 それではさらに具体的にお尋ねをいたしますが、私は兵庫でございますが、兵庫、それから現在住まっております東京、それから東北の秋田、この三府県について、昭和四十年以降その減免措置を受けた件数、あるいは各府県の条例で定められた減免基準、そういうものを承りたいと存じます。
#203
○政府委員(降矢敬義君) 四十年以降の調査は実はございませんが、四十三年の調査で申し上げますと、東京都は千八百八十九件、兵庫県は三千七百八十四件、それから秋田県は六百二件ということになっております。それから条例の具体の例でありますが、事由は先ほど申し上げたような事由をあげまして、その事由に該当するかどうかにつきましては、市町村長の認定によるというのが条例の大かたのたてまえになっております。
#204
○萩原幽香子君 その条例は大体いつごろに定められたのでございますか。
#205
○政府委員(降矢敬義君) この市町村民税は二十五年からでございまして、それにつきましてのいまの三百二十三条の規定がありまして、これに基づいて条例を定めておるわけでございます。
#206
○萩原幽香子君 そうしたら、二十五年から大体各府県ともそういう条例を定めた、こういうわけでございますか。
#207
○政府委員(降矢敬義君) さようでございます。
#208
○萩原幽香子君 この減免基準ということでございますけれども、たとえば兵庫の場合、もう少し具体的に、こういったような状態で減免措置をした、こういう具体例を一つ二つおあげいただきたいと存じます。
#209
○政府委員(降矢敬義君) たとえば、生活保護法の規定による医療扶助あるいは教育扶助を受けた場合、あるいは事業の廃止等により所得が皆無になった、あるいは激減したために生活が困難になったものというようなことが具体的の事例になります。
#210
○萩原幽香子君 先ほどの生活保護法の適用を受けているとか、あるいは生活収入が皆無になったとか、そういったいろいろの例があるわけでございますが、そういうものを分けてみますと、どのような配分になりますでしょうか。
#211
○政府委員(降矢敬義君) 生活保護法の規定による扶助を受けている者の件数は、四十三年で全体では約二万六千九百件であります。それからいまの事業の廃止あるいは病気、死亡、解職というような事例によって、前年度において所得が皆無になる、あるいは激減をしたというようなことによる件数が約一万六千件ということでございます。
#212
○萩原幽香子君 では、次の質問に移ります。地方税法の住民税の、特に住民税徴収という方法についてお伺いをするわけでございますが、現行の住民税所得割りは、前年度中の所得金額を基準として翌年徴収されることになっておりますね。そこで、この徴収方法で困っている納税者が非常に多いということにつきましては、さきの十一日の私は一般質問で具体例をあげて申し上げ、そしてそういう人たちが非常に多いということを申し上げながら、住民税の現年課税方式に改正すべきではないかということをお伺いいたしましたわけでございます。あらためまして、もう一度現年課税にするための問題点がどこにあるのか、その一点にしぼって明確なお答えをいただきたいと存じます。
#213
○政府委員(降矢敬義君) 先般大臣もお答え申し上げたとおり、現年課税、所得の発生時において課税することが望ましいわけでございますが、それに関連いたしまして、一つは住民税につきましては、標準税率という制度をとっておるわけでございまして、したがいまして、特に現在源泉徴収、いわゆる市町村民税のほうでは特別徴収と称しておりますが、特別徴収をする側におきましては、税額の算定が従来に比して非常に負担が著しくなります。現在は御案内のとおり、市町村において税額を算定して特別徴収義務者のほうに通知をしておるわけでございますが、その点が一つございます。それからなお、これに関連しまして、いわゆる年末調整というものを考えますと、事務の増加というものがさらに著しくなるわけでございます。それからさらに、現年徴収でありますと、給与所得以外に、たとえば原稿料とか配当とかいうものにつきましての源泉の徴収の問題をどうしても別に考えなきゃならぬ、こういう問題があるわけでございます。
 そのほか現在の申告制度におきましては、いわゆる国税、府県、市町村の申告を一本でやっておりますが、現年徴収になりますと、事業給与所得者以外の方々に、さらに申告という別の手続を必要とするというような、事務的になお相当解決を要する問題がありますので、先般大臣もそういうことを踏まえまして、特別徴収義務者等の事務の増加などがありましてというお答えをしたわけでございます。
#214
○萩原幽香子君 確かにその事務的なものというのは、私もわかるわけでございますけれども、しかし、この事務的なものがたいへん多くて、そういったことに踏み切れないということでは、少し私は筋が通らないような感じがするんです。
 それで、退職手当というのも、実は現年課税ではなかったわけでございますね。それが退職手当の場合には、現年課税に改められたということなんですが、その間の事情をちょっと承っておきたいと存じます。
#215
○政府委員(降矢敬義君) 退職手当につきましては、退職後の生活というものと退職手当は密接に関連しております。したがって、先ほどおあげになりましたような、翌年度に課税をするという場合の、翌年の本人の所得というふうなものを考えますと、やはり発生時においてこれを徴収したほうがベターでございます。そこで、この点につきましては、税制調査会においても御審議をいただきまして、退職手当金につきましては、いわゆる税率を一定にしまして、そして簡易税額表に類する税額表を法律できめまして、それで退職のときに徴収するという制度に四十二年に切りかえたわけでございます。
#216
○萩原幽香子君 この退職手当を現年課税に改められたと同じような事情が、住民税の現年課税方式に改めていただきたいという中に、私は含まれていると思うわけなんでございますね。そういうことについてどのようにお考えでございましょうか。なかなかむずかしいとおっしゃいましても、やはり私は、これは検討していただくとできるんじゃないかという感じがするんですね。その点いかがでございますか。
#217
○政府委員(降矢敬義君) この点は退職所得という、ただ一つの所得をつかまえ、しかも、これは分離課税という方式によってこの点を解決したわけでございます。したがって、この全体について現年課税にすることにつきましては、たとえば、先般税制調査会におきまして、われわれは具体的にある大都市の一つにつきまして、かりにいまのままで現年課税をするとして、どういう問題があるかということでありますが、一つは先ほどあげましたような事務の問題、その他がありまして、結局ある程度といいますと、もう少しことばを強めれば、相当人員を増し、それを機械化で補うとしても、なお人員を増して対処しなきゃならぬというようなことも出たわけでございます。また反面、特別徴収義務者につきまして、実は私の役所におきましても、会計課がこの事務を毎月所管しているわけでございますが、会計課のほうにも、実際いまのままでこれをやればどの程度の事務の増加になるかということをやっていただきましたが、いまのままであれば、この私どものような少ない人数の職員のようなところでも、約六人ぐらいどうしても職員をふやさなければならぬというようなことでありまして、御案内のとおり、住民税は、全体としての約八割ないし八割五分は特別徴収の制度によっておるわけでございますので、先ほど申し上げたような特別徴収義務者の事務負担というものは、決して無視するわけにはまいらないわけでございます。したがって、そういう面から、なかなか直ちには踏み切れないということでございます。
#218
○萩原幽香子君 この問題について、サラリーマンなんかについて調査をなさったことがございますか。
#219
○政府委員(降矢敬義君) サラリーマンの方の調査をしたことはございませんが、むしろ現年課税にした場合に、特別徴収義務者の側における経費の増というようなものを、人を含めました経費の増というもの、あるいは先ほど申しました手間の増、こういうものについては調査をいたしました。
#220
○萩原幽香子君 やはり私は、この税金というものは、払う側に立って考えていかなければならない問題じゃないかと思うのです。
 そこで、そういう点から考えて、いまサラリーマンの税金の問題が非常に大きく取り上げられているときでもございますので、一応サラリーマンの人たちに対して、こういったようなものを調査されることも必要ではないかというように考えるわけでございます。
 それから税制調査会では、この問題について大体お話し合いがあったようですが、もう少し詳しく、この問題の論議がどのようなところにしぼられたか承りたいと思います。
#221
○政府委員(降矢敬義君) 税制調査会におきましては、この前年所得課税よりも、現年所得課税がもちろん望ましいのでありますが、この方法を採用する場合のいわゆる源泉徴収義務者の徴収義務、それから給与所得者以外の申告事務等について、先ほどあげましたような問題がありますので、なお引き続き検討すべきであるという結論になっております。
#222
○萩原幽香子君 では、税制調査会ではこの問題についてはもう少し論議を進めるという、そういうことでございますか。
#223
○政府委員(降矢敬義君) そのように了解しております。
#224
○萩原幽香子君 ぜひそういう方向で御努力をいただきたいと思います。それから進めていただきます前提といたしまして、やはり私はそういったような、サラリーマンとかといったような人たちからの意見を聞いて、そういうものも論議の中に入れていただいたら、まことにけっこうではないかと、こういうように考えるわけでございますが、いかがでございましょうか。
#225
○政府委員(降矢敬義君) 税制調査会の問題でありますので、それはそのほうとして処理されるものと考えております。ただ、先生おっしゃいますところのサラリーマン自体の御意見ということでありますが、これは先ほど冒頭に御質問があったような問題ではなかろうかと思います。この点については、私たちも十分特に二十九年以来指導をし、退職手当につきましては、分離課税という特別の方法を用いまして処理いたしたわけでございます。したがって、日常の税の問題ということになれば、やはり特別徴収義務者を中心にした事務負担の問題と、給与所得者以外の所得を有する人の申告事務の簡素化、ここに問題がしぼられてくるのではなかろうか、こう思っております。
#226
○萩原幽香子君 いろいろな方面から検討をいただくことは大事なことだと思います。しかし、やはり私たちの周囲の問題を見回わして見たときに、収入がなくなってなお翌年課税されるということに対しての苦しさは、ぬぐい去ることはできない。こういうように考えるわけでございます。そこで、私は高通な論争よりも、税を納める側には納めやすく、そして税を取る側には取りやすい方法というものが考慮されなければならないのではないか。これが税に対する私は基本的な考え方になるのではないかと存じますが、そのような点につきましては、どのようにお考えでございましょうか。これはひとつ大臣のほうから承りたいと思います。
#227
○国務大臣(秋田大助君) 先生、御指摘のとおりですね、税を取られる人の身になって考える。同時に、徴収の事務があまり煩瑣になる、これに要する経費があまり過大にならないように、その点も考慮しながらいく。しかし要は、納税者を主に考えていかなければならない、こう考えております。
#228
○萩原幽香子君 そこでひとつ私は、御提案をいたしたいと思うわけですけれども、退職所得と同様に一〇%の税額控除を設けて現年課税にすればどうだろうかと、こういうことでございますが、そういう考え方はいかがでございましょうか。
#229
○政府委員(降矢敬義君) 退職手当につきまして分離課税をして、いま御指摘の一〇%控除という考え方は、住民税全体が前年課税というたてまえの中で、これだけを例外として取り出して、いわば全体のたてまえからすれば、期限が到来する以前において、これを徴収するということでございますので、いわばその間の金利というと語弊がございますが、そういう点を考慮して普通の税率の九割という制度にしてあるわけでございまして、かりに御提案のように全体を、たてまえそのものを現年課税にするということになりますれば、これは全体としてやはり考えなければいかぬので、その際、一〇%控除というのはいかがなものかという感じを持っております。
#230
○萩原幽香子君 これは私の窮余の策ということなんでございます。できますれば、私はもう現年課税、こういう方向にぜひ早急に持っていっていただきたい。
 これは私は妻の座の一環としてこういうことをお願いしようと思って申し上げたわけでございます。と申しますのは、前にも申しましたように夫の給与がなくなってから、しかも夫に死なれてから、そういうときに、前年の課税でございますといって税金がかかってくることは、妻といたしましてはまことに苦しいんだということを十分御理解をいただきたいものだと私思います。
 さらに、退職所得の控除ということについて、ちょっとお尋ねをいたしたいと考えるわけでございますが、低額の退職金を受ける納税者に対しまして、当該年の給与というものを退職所得に上積みをして、退職所得控除の限度まで含めて考えていただくということはできないものだろうかということでございます。
#231
○説明員(早田肇君) ただいま退職所得のお話でございますが、退職所得は先ほど自治省のほうからお話がありましたように、簡単に申し上げますと分離課税、ほかの所得と合算しないで退職所得だけ別ワクで取り出しまして、それから退職控除を引きまして、さらにこれに金額を半額にいたしまして、それに通常の税率を掛けておるわけでございます。したがいまして、退職所得がありますときとほかの所得がありますときとは、課税方法が全く違う。これは税のたてまえから申しますと、退職所得と給与所得というのは当然に合算をして、合算した上で総合課税するのが税としては筋でございます。退職所得という所得の性格上、ほかのものと分離して退職所得の税額を算出して、その分については、ほかの超過累進税率の適用を受けないような緩和措置を講じておるわけであります。したがって、退職所得がございまして、かりに退職所得だったという場合には、確定申告書をお出しになると、もしその税額が取り過ぎておる、要するに課税最低限以下のような場合は全額これをお返しするという措置も講じております。退職所得については、ちょっと別の取り扱いをしておるわけでございます。したがって、他に給与がありました場合に、この退職所得と申しますか、退職金と給与を両方合計して計算するというのは、そういう制度から見ましてもちょっとぐあいが悪いのではないかと、こう思うわけでございます。
#232
○萩原幽香子君 非常に私は所得の少ない人たち、そういう者を中心にして考えているわけでございますけれども、そういうことになりますと、低額退職金でもやはり退職所得控除に達しないという場合があり得ると思うわけでございますね。そういうときに一つの方途として、たとえば四月に退職をいたしますと、一月、二月、三月、四月と、その分を上積みをいたしますと、いわゆるその退職所得控除に達するという場合も考えられる、そういうときにそういったような考え方ができないものなんだろうかと、こういうことを私は申し上げているわけなんでございますね。
#233
○説明員(早田肇君) 先生の御指摘の点、よくわかるわけでございます。通常三月なり四月なりまで給与がある、そこで退職せられる、たとえば、おなくなりになった場合もそうでございます。そうしますと、その方のその退職された分の所得というものは三カ月分しかないわけであります。これに対しまして基礎控除とか扶養控除、給与所得控除とか、こういうのが通常の税法どおりの控除額でございますので、おそらく三、四月で退職された方については、給与所得と申しますか、所得税の課税そのものが起こってこないと思うわけでございます。
#234
○萩原幽香子君 いろいろそういったようなむずかしい点もあろうかと思いますけれども、私はいつも大蔵大臣がおっしゃいます税の三原則、こういうものに対して考えてみましたときに、やはり所得税にしましても、あるいは先ごろ私がいろいろ申しました生前贈与の問題にいたしましても、あるいはまた相続税にいたしましても、いろいろな点から考えまして幾多の矛盾があるのではないか、こういう考え方ができるわけでございます。
 そこで私は、きょうは現年の課税方式とそのことにしぼって御答弁がいただければ私の目的は達するわけでございますけれども、先ほどそういう方向に向かっての検討を進めていると、こういうことでございましたので、私はもう目的が達せられたような感じもするわけでございますけれども、最後にお伺いいたしたいことは、こういう現年課税方式といったようなものが大体いつごろから実施に移されるのでございましょうか、その見通しについて承りたいと存じます。
#235
○政府委員(降矢敬義君) これはいつからという断言は、いまの段階ではできません。税制調査会において、ここ一、二年来議論がありましたものの、いま申し上げたようなことで引き続き検討するということで、なお問題点を詰めておる段階でございますので、もちろん結論が早く出れば、それに従って政府も改正を考える、こういうことでございまして、いまお話がございましたように、いつという期限を切って申し上げるという段階には至っておりません。
#236
○萩原幽香子君 大臣のお考えはいかがでございましょうか。
#237
○国務大臣(秋田大助君) 先日お答え申し上げましたとおり、現実のところの問題は問題、さらに税制調査会等で検討をわずらわすことになっておりますので、その結果を見なければ、いまいついつと、あるいは近くとか責任あるお答えはできないのでございますが、要はやはり課税技術上の問題もございますが、納税者の身になって考えるという趣旨を貫きながら考えてまいりたい、こう考えております。
#238
○萩原幽香子君 どうやらありがたい結論が出そうでございますので、私ちょうどいただいた時間がまいりましたから、これで質問を終わります。
#239
○主査(塩出啓典君) 以上で自治省所管に関する質疑は終了したものと認めます。
 これをもちまして本分科会の担当事項であります昭和四十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、科学技術庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管に関する質疑は終了いたしました。これにて本分科会の審査を終了いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#240
○主査(塩出啓典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて散会いたします。
   午後三時三十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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