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1970/04/02 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 建設委員会 第9号
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1970/04/02 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 建設委員会 第9号

#1
第063回国会 建設委員会 第9号
昭和四十五年四月二日(木曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     林田悠紀夫君
     岩動 道行君     小山邦太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大和 与一君
    理 事
                上田  稔君
                大森 久司君
                松本 英一君
    委 員
                小山邦太郎君
                斎藤  昇君
                高橋文五郎君
                塚田十一郎君
                中津井 真君
                柳田桃太郎君
                米田 正文君
                沢田 政治君
                田中  一君
                二宮 文造君
                宮崎 正義君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       内閣法制局第二
       部長       田中 康民君
       建設政務次官   田村 良平君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設省計画局長  川島  博君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省河川局長  坂野 重信君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
       建設省住宅局長  大津留 温君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局水道課長    国川 建二君
       通商産業省公益
       事業局公益事業
       課長       西田  彰君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提
 出)
○道路整備特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大和与一君) それではただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします七
 去る三月三十日、矢野登君、岩動道行君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君、小山邦太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大和与一君) 建築基準法の一部を改正する法律案、本院先議を議題といたします。
 本案は去る三月十日、すでに質疑に入っておりますので、これより引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
#4
○田中一君 先日、行政面の強化の点について質問しておりましたけれども時間がなかったのであと続いて申し上げたいと思います。
 いままでの建築基準法がいわゆる建築物に対する規制ということに重点に置いているので、そのために都市全体の計画というものがなされないでいわゆる部分的な建築物そのものに対するところのものであるために、都市の計画的な町づくりがおくれてくるという点があるわけなんです。かつて戦前の法律は市街地建築物法という名前で、いわゆる市街地に建つ住宅というものに重点があったために、建築物という点にあったために、都市計画そのものが相当考慮されておったということなんです。今度いろいろな意味で都市計画というもの、いわゆる町づくりの根幹をなすところのスタイルが、地域が指定されているわけです。そこで四つの地区指定が八つになっている。これを考えてみると、八つというのはもっと細分化したほうがいいかもしれません。そうしてその細分化の組み合わせでもって一つの地域に町ができるということになったほうがいいかもしれません。むろんその八つが十二になり十八になっても一向差しつかえないわけです。そういう点について単なる建築基準ではなくして、都市計画の要素が非常にふえているということからいって、建築主事がそれらの問題を建築技術家の立場からこれを判断するだけで足りるかどうかという問題です。しょせん建築技術家は建築家であります。また、その中にも都市計画を主要なる分野として学校を出た人もいますし、また都市工学という学科も各大学に持っています。そこで建築主事の資格というものがただ建築技術家ということに局限して考えられようとするのか、あるいは建築は知らないんだと、建築は知らないけれども、法律なら法律を学んだ者はその経験で建築主事の資格をとることが可能なのかどうか。したがって建築主事の資格というもの、資格というか、主事たらんとする試験を受ける受験資格というものはどのような形でなされているか、最初にそれを伺っておきたいと思うのです。
#5
○国務大臣(根本龍太郎君) いま田中先生の御指摘になりましたことは、非常に重要な問題でございます。これは現在のように都市化が急激に進んでいる、しかも都市機能というものが非常に複雑化している。こういう状況下における法の執行の第一線に当たる建築主事の資格、能力というものが非常に重大な役割りを演ずる意味において非常に重要な問題と思います。しかし、この建築主事に一切の権限を与えることは適当でございませんので、それで現在では各都道府県等もそれぞれの行政機構が整備されて、現在の建築主事は実際第一線における建築基準法の順守というところに一応の焦点を合わせてその資格認定を得なければならないと考えているのでございます。したがいまして、いま田中さんが御指摘になりましたように、これは建築主事だけのあれにせずに、もう少し都道府県あるいは第一線の市町村におけるいわば都市行政全体についての行政能力を高めて、その上に立って建築主事の資格をさらに高めるべきだ、こういうふうに判断するのでございまするが、建築主事の資格と申しますか、これについては事務当局から一応御説明申し上げます。
#6
○政府委員(大津留温君) 建築主事の資格につきましては、法律に「建築士又はこれと同等以上の実務の経験を有する者で、二年以上の建築行政に関する実務の経験を有し、又は建築の実務に関し技術上の責任のある地位にあったものでなければ」受験資格がないということになっております。
#7
○田中一君 そうすると、建築行政に二年以上実務ということになると、これは民間人は全然、建築主事の資格を得るための資格ですね、これはないということになるわけですね。その点はどうなんですか。
#8
○政府委員(大津留温君) 先ほど読み上げましたように、二年以上の建築行政に関する実務経験または建築の実務に関し技術上の責任ある地位にあったもの、こういうことになっておりますので、民間人も資格はございます。
#9
○田中一君 民間人の有資格は、二千何名のうちの何名くらいいるのですか。
#10
○政府委員(大津留温君) ただいま申し上げたのは受験資格でございます。そういう資格を有する者で、試験に受かりまして主事たる資格を有しておる者が、全国で約三千六百名おります。そのうち現に主事の職についておる者が約七百名、それから県庁なり市役所につとめておる人で、建築主事の資格はあるけれども主事の仕事をしていないというのが、やはり千人足らずおると思います。したがって、その余の方は現在は民間におられる方、こういうことになります。
#11
○田中一君 この今度の改正後の法律も同じだと思いますけれども、とにかく地域でそれぞれ建築主事の主管というものがある。むろんこれは法律に準拠するところの各地域の条例なり何なりでワクはきめておると思うのです。だからあえて建築主事だけの主管とは言いにくいけれども、ただ全国的に見た場合には相当その法律の解釈の食い違いがあるわけです。条例においてもそれなんです。これは非常に困るわけなんですね。で、私どもこの法律の改正によって、相当都市計画的要素が含まれてくるとまたここに問題が複雑化してくるのです。この基準法では、どこまでも三週間以内に確認をしなければならないんだというようになっております。なるほど呼び出されて手直しされる。非常な部分的な手直しをされる。そのために途中で中断されてまたそこから三週間ということもあり得ると思うのです。なぜ三週間の時限を置いて確認をしなければならないんだということになっているかというと、建築物ということの経済的価値というものというのは、一週間おくれて竣工すれば、あるいは一週間早く竣工すればというところに、大きな経済的な価値の差があるわけなんで、それが大体においては東京二十三区内ではこういう問題はこれでいいんだという形で設計して持っていくと、これはちょっと来てくれといって修正される。そうするとこれはもう常識的にどこから見てもそれでいいんだというようなもの、東京都は全部それを認めている。ところが一歩六郷橋から離れて川崎に行くと川崎ではそれは困る、こういうものがあるわけです。したがって、むろん地盤その他の地域差というものはありますからこれは認めます。これは当然です。類似の場所の地盤を調べればわかるんであって、いまではもはや都市化されたところは、自分がボーリングして地盤を調べる必要なんかないくらいに、あらゆる全都市がこの地盤というものは既成の建築物があれば地盤はわかっておるわけなんですね。それを調べてやってもなお手直しをされるということが多いわけなんです。したがって、そうした統一的な全国的な地盤なり、あるいは地盤ばかりじゃございません、いろいろな問題がございます。これをどういう形で調整していくかという、法の解釈というものはあまり幅広いと困りますが、あまりこまかいものであっては困るわけなんです。しかし、基本的な建築物の設計をする場合の要件というものが満たされておるならば、これはもう一々建築主事、それも経験の浅い、全く経験浅い、そんなに、ここに何万人かいる建築家がそれぞれに設計するところのものを批判するような目のある建築主事じゃないです。ただ自分の与えられている法律、法律によるところの条例、それらのものを中心に、これとどう違うかということと合わせればいいんです。建築技術の能力なんというものよりも、自分の手元に持っている法律なり条例なりに間違ってないかというところのチェックをする役目にすぎないわけです。いま言われているように、建築主事の資格は民間人にも与えられるんだと。これは非常にあいまいでありますけれども、そこの規定は。ただ学校を出て二年間その行政に従っていれば、従事していればその主事の試験に受験する資格があるのだとなっております。非常にその意味で確認の専門的な知識が本人の持つ、身につけている技術じゃなくして、この法律なり条例なりに合っているか合っていないかというところのチェックにすぎないわけです。これが各市町村、今度は二十五万人以上の市には付与されますから、相当――どのくらいになりますか、百近く、九十くらいの都道府県、市にふえるわけであります。また、特定の市では人口が少なくてもこれは建築主事が置かれるわけなんです。これは知事と相談すれば、二十五万人以下の都市だってできるわけですから。この建築主事の教育、それから建築主事の共通した問題に対するところの全国的な教育ですね、これはどういう形でいままで行なっておるか。今後とも非常に広範な技術になるわけです、同じ建築でも道路にも関係がございますし、河川にも関係があることなんです。その点についてのいままでの過去の連絡あるいは教育の実例と今後の問題について伺っておきます。
#12
○国務大臣(根本龍太郎君) 詳しいことは局長から御説明いたさせますが、御指摘になりました点は、非常にやっぱり重要なことだと思います。建築主事は、いわゆる裁判官が独立の権限で単独でやるということではありませんので、その意味におきましてはやはり類似の条件下にあるところで、しかも設計上非常に欠陥がないというものについては、やはり一つのレベルができておれば迅速にやってやろうということも、これ非常に大事なことだと思います。同時にまた一面におきましては、あまり粗漏になりますというと、何のために置いたかということで、今度は非常にそのためにそこに入居する人やあるいはまたその企業者それ自身にも大きな損害を与えるということで、なかなかこれは運営上むずかしいことだと思いまするが、少なくともそういう点を弾力的にかつ適切に運用させるためには常に指導、教育ということが必要だと思います。
 この点について今日までいかなる措置を講じ、また今後どういうふうな方針でいくかについては、事務当局から御説明いたさせます。
#13
○政府委員(大津留温君) 建築主事または建築主事になる見込みの技術者につきましては、毎年、建設大学校におきまして建築研修という科目を設けて研修を行なっております。また全国の建築主事会議というのを年に二回ほど開きまして、各県における実務上の経験を出し合って、お互いに取り扱いを披露しあって、その統一をはかるということをやっております。
 またさらに今回の改正によりまして新しい市に主事を置き、また新しい主事も出てまいりますから、標準事務処理要領というようなものを設けまして、どこにおきましても主事の扱います判断が区々にならないように全国的な統一標準を与えようと、こういうことでやっております。
#14
○田中一君 条例の制定は、これは本省は何か口ばしをいれる権限があるのですか。
#15
○政府委員(大津留温君) 条例は、都道府県なり市町村がこれは自主的におきめになることでございまして、こちらから積極的にどうこうということはございませんけれども、公共団体から技術的なアドバイスを求められました場合には、いろいろ指導に当たるということはございます。
#16
○田中一君 そうすると、条例をつくる場合には、まあむろんこれ条例に対する委任事項が法律で明記してあるのだから自由にできるけれども、それはこの法律によるところの解釈というものが狭義でも広義でも、それらの問題がむろん原則的には地域差というものを認めながらも共通のものがなくちゃならぬと思うわけです、技術的にはですね。そういうものがやはり条例に完全に委任しているのだからといって、てまえがってに――てまえがってというところがその地域差というものに入るかもしらぬけれども、当然共通なものであっていいものまでが、別の解釈でもって条例が出されているという例がございます。これらはどういうぐあいに調整するのか、調整しないでもいいのか。といって建築をしようとする者または建築を依頼されて設計をしようとする者等が、全国の条例を全部手元に買い込んで、それを一つ一つ勉強しながらそれを調べ合うなんということは、これははなはだむだであります。また建築技術家が手続上の問題で、これからまたふえようとするところの各建築主事を設置している特別市の条例、条例というのはしょっちゅう変わるもんですよ。それを一々買わなければならぬということになったら、とてもじゃない煩瑣で、しようがないです。技術的な問題なら別です。そうでない問題でそれぞれがそれぞれの条例をもってやった場合には、これはおそらく自分で建築をやったものが一番よく知っていることであって、とんでもない煩瑣なことになるのです。そのために基本法があるわけなんです。したがって、大体において技術的な面の全国的な統制と言ってはことばが激しいけれども、この法律はこの範囲からこの範囲でいいんだという基本的なものが示されないと、非常に国民は迷惑するんです。そういう点についての基準というものを建設省がまとめて、かりに設計なら設計をする者に熟知するような方法をとらなければ、一ぺんこれでいいと思って積算したものが、たった一つの問題でもう一ぺんやり直すんだというようなこともあり得るので、この点はそうしたことのないような措置をとってほしいと思うのですよ、その点はどうですか。
#17
○政府委員(大津留温君) 今回の法改正におきましても、各地域の特性に応じて建築基準を定めたらどうかという御意見も相当建築審議会でも出ましたし、また昨年の国会の御審議の過程においてもそういう御意見もございました。確かに地域によっていろいろ気候その他の特質もございますし、またその都市都市によってそれぞれの考え方もございましょうから、そういう自主性を尊重したほうがいいという面もございますけれども、御指摘のような構造耐力というような技術的な面につきましては、やはり全国的に共通した基準を設けるのがよかろうということで、こういうものは極力法律に残し、政令で技術基準をきめるというたてまえをとりました。また条例にまかした分につきましても、その技術的な面に関するものにつきましては一つのモデルを示しまして、差しつかえなければそういうモデルに準拠して条例をおつくり願ったらどうか、という指導をしております。また県におきましても県の条例と市の条例をつくるというような場合には、極力内容を統一するといいますか、共通にするように指導しております。
#18
○田中一君 これはたとえばこれからきめようという地区指定にしても、川なり山なりというものが中にはさまってそれで違う行政区域なら、おのおのつくってもまだいいと思うのですが、陸続きで市街化された既成都市がくっついている場合があるんですよ、続いている場合があるんです。隣りが大牟田市でこっちが――何といいましたか、あの町――荒尾なんというところに行政地域が違うんだといって、もう町それは混然と一つの町になっている。こっちはこれでなければ困るという、また異なったもので、こっちはこれでなければ困るなんということになると、これは国民が迷惑するんですよ。だからそういう点をどうするかということなんです。たとえば東京なら東京でもって町田というものは神奈川県に入り込んでいる。町田市というものは、けれどももうお隣りが神奈川県で、自分が東京だという場合の地区の指定にしても、あるいは条例にしても、条例できまる地区の指定にしても、それから構造耐力その他の問題についても、そんなばかな話がないということを国民はそう思うんですよ。そこでそういう点の調整というか、それはことさらに社会党推薦の知事と自民党推薦の知事とが接点になると、どうもいたずらに抗争をやって、逆に少しかけてやれというような意識的なものがないとも限らないんですよ。こういうものから、政治から抜き出た一つの姿として都市は存在しなければならないと思うのであります。かつまた地上にあるところの構築物にしても、建築基準法という基本的な法があるのだから、それを条例というものでそれが歪曲されるということは困る、ということを感ずるわけです。これは実例として感ずるわけであります、実体として。何とかこういう点を政府がある点まで行政指導のできるという余地が、この明文上残されているのかどうか。またそういうことがむろん相手からきた場合には、それに相談に応ずることは当然でありますけれども、何かそういうところがないと、これから都市化される、また今度の線引きにおいても都市と都市の間の調整区域というものはいまでは消えてしまうくらいに一貫したものがなければならぬと思うのであります。もちろん調整区域をはさむ都市と都市というものの間における一貫性です。それが接点としてつながっている場合など、いままでどういうようにやっておったか、伺っておきたいと思うのです。それから今後それらの問題を公正な立場で、建築基準法の立場で国民の混乱を招かないような方法を考えるかということに関して伺いたい。
#19
○政府委員(大津留温君) 一般的に建築基準法の施行は、建設大臣の責任でございますから、それに基づきまして法の執行上ぐあいが悪い実例が出てまいりますならば、知事なり市町村長を指導監督いたしまして適正な運用をはかるようにする、そういうことはございますので、そういった行政指導に基づいて、従来とも一般の方々が建築をなさる際にいろいろな問題が出て困るというようなことのないように指導はしてまいったわけでございますが、いま御指摘の条例というのは、やはりその事柄の性質上、やはりこれは公共団体にまかしたがよかろうということにしてまかしておるようなわけでございますから、一応そういう趣旨から自主性は尊重しますけれども、おっしゃるように技術的な事項で、いたずらに甲乙になるということは、確かにこれは一般の方が迷惑するだけでございますから、そういう点は極力統一するように今後も指導いたします。ただ実体的にその都市の特色ある内容を持ちたいとおっしゃるのを、そこまで立ち入ってあまり画一的に取り扱うということも、条例にまかした趣旨からどうかと思いますけれども、おっしゃるように技術的な面は、極力統一するように今後とも努力いたします。
#20
○田中一君 これは建設大臣に伺いたいのだが、伺うと自縄自縛の答弁が出ると思うから、これはもう聞かないほうがいいと思うのです。せんだっても伺っているように東京海上というのが、何ら権限のない建設大臣や総理大臣がくちばしを入れるようなことがあってはいけないわけですよ。いまの大津留君に対する質問はどうだと言うと、あなたはやはり公正な立場でものを言うから、一体東京海上がどうしたのだということになってくるから、これはひとつ聞かないでおきましょう。それで要はそういう混乱が同じ地元であった場合に、何かそれをむろん条例にまかしたのだから自主的な、先ほど私が申し上げたような地域差であるということだけで片づけられない地域があるわけなんですよ。これは何かそういう点について基本的な構想というもの、全体を条例にまかせられているという前後を見れば、大体の構想があるわけなんです。大体の考え方というものが生まれてくるわけなんです。わけなんだけれども、実態はそうはいかないというようなことがあるんです。これは主として技術的な面に多いわけなんです。何かそういうところに混乱がないような姿ではっきりさしてほしいと思うのですが、何か方法ありませんか。
#21
○政府委員(大津留温君) 今回の法改正に先だちまして、建築に関係ある各種団体のいろんな御意見を拝聴いたしました。その際に建設業者あるいは建築主の方々から、法の執行に関していろいろぐあいの悪い点があったら申し出いただきたいということでいろいろ御意見を拝聴しまして、それでその中からいろいろ検討の結果取り上げてきたというようなわけでございますが、今後ともこの設計をなさる方がそういったおっしゃるような技術的な面で東京都と神奈川県が著しく違う、そういうようなことでお困りの点がございましたら、具体的に十分承りまして、法律上の措置が必要ならば、われわれの手で措置いたしますし、条例上の問題であれば、県なり市にその旨を申しまして十分指導していきたい、こういうふうに考えております。
#22
○田中一君 それから建築監視員、この監視員たる資格、それから業務、それは大体どういう程度のものを考えておりますか。そうしてまたこの監視員に任命するのは、むろん都道府県知事なりあるいは長が任命するわけでありますけれども、これもそれぞれにまかしてあるのですか。監視員という監視員だけでぽつんと出るけれども、監視員とは何かということになると、その点は何かこれは政令でしたか、説明してください。
#23
○政府委員(大津留温君) 建築監視員を設けた理由は、先ほど大臣も申しましたように、違反をできるだけ現地で早目に発見し、その場で工事の中止なり施工の停止の命令を出すという趣旨のもとに設けたものでございますが、この監視員たるところの資格は、政令で定めるということになっております。政令におきましては、相当年限の建築行政の経験ある者の中から公正な判断のできる者を選ぶというつもりでおります。相当な年限と申しますのは、おおよそ三年程度以上の経験ということが適当であろうかと考えております。御指摘のように、この建築監視員は、現場でそういった権限を自分の責任で行使いたしますから、そういう公平な判断ができるということが非常に要請されます。したがいまして、県庁なり市役所の職員の中からそういうものを選んで、その長が任命する、こういうことに相なります。
#24
○田中一君 今日人間が労働力が不足だといっている時代に、ことに建築行政などというものに対する各府県等の要員というものは多くないと思うのです。三年以上の経験を持っているものを監視員だといって自動車を与えるのか、あるいはオートバイで行くのか自転車で行くのかしらぬけれども、そんな人が、東京都の例をとっても、年間何万という申請があってそういうものをさがし回っているという人が、適格者がいるのですか。そういう人はいませんよ。建築行政の面において三年間の経験のある者などというものをですよ、そういう人をこれだけ広い東京都は何人つくるか知らぬけれども、先だってちょっとほかで聞いたのですけれども、都電廃止で都電のいままでの人たちが建築監視員になってほうぼうを歩いているという話も聞きました。それはもう建築行政に何にも関係ないのです。したがってそういう要員が求められるか、求められないのです。ただ不正建築に対するいろいろな面から非難をされるから、こういう制度をつくったのだということに尽きるわけですよ。おそらく建築主事と建築監視員とを比べて、その賃金なり労働条件なりは非常に大きな格差があると思うのです。建築主事は頭脳的な経験者だから、これはおそらく建築監視員よりも高級だろうと思う。建築主事くらいな力を持っておる者が建築監視員になって歩くならば、これは認めてもいいと思う。しかし配置転換されたそれぞれの立場の吏員が建築監視員として町に出た場合、どういう問題が起きるかということを想像してごらんなさい。おそらくこれは大津留君や沢田君あたりはどういうものが出るだろうと想定をされてこういう制度をつくったと思う。沢田君あたり建築行政ばかりを専門にやっておるのだからわかるだろうと思うけれども、こういう要員はいませんよ。こういう適格者が今日養われておりませんよ、日本の行政機関には。だれを求めようというのか、ひとつ明らかにしてほしいと思うのです。
#25
○政府委員(大津留温君) どういう点から監視員の要員がいないとおっしゃるのか、ちょっと理解に苦しむのでございますが、現在、建築行政に従事しておる職員が全国で約三千名おります。その中で建築主事が七百人でございますが、その建築主事を建築監視員に兼ねて任命するということもあり得ますけれども、主としていまの建築主事以外の職員の中から経験のある者を選んで任命する。また、建築の知識のある者を研修いたしまして、建築監視の何といいますかポイントというものがございますから、そういうところをよく教育訓練いたします。それからおっしゃるように足としては軽自動車程度のものを全員に持たせることにしたいと思っております。で、この軽自動車を用いましてその受け持ちの区域を巡回しながら建築現場を見つけて適法か違法かを見て歩く、こういうことで考えておるわけでございます。
#26
○田中一君 じゃ、東京都は何人くらい建築監視員を置くつもりですか。東京に二十人や三十人置いたところで、完全な監視ができるものじゃない。
#27
○政府委員(大津留温君) 東京都の区におります建築関係の職員が、現在約六百名おります。この中で建築主事が五十四名、その他の職員が約五百数十名おります。その中から任命されることになりますが、何人任命されるか、これは任命権者のことでございますけれども、おおよそ百名ないし百五十名任命されることになろうかと思います。
#28
○田中一君 東京都は各区部でもって百名ぐらいの監視員が置かれるらしいというわけですね。そうして従来ともに行なっておるところの確認申請の業務、そういうものに支障がありませんか。
#29
○政府委員(大津留温君) 現在の確認の事務も非常に件数が多うございまして、建築主事が非常に苦労しております。したがいまして、建築主事の増強ということは私どもとしては必要だと思っております。したがって、これは全国の数でございますが、全国の七百名の建築主事はおよそ千名程度にふやす必要があろうと思っております。また建築行政に従事する職員の数が現在三千名でございますけれども、これもやはり四千五百名程度には増加する必要があるというふうに考えております。したがって、これらの人員につきましては、三年ないし五年計画で逐次増強していく、こういうことで、その予算上の裏づけ等につきましても自治省と交渉しておるような段階でございます。
#30
○田中一君 現在でも官公庁につとめる若者が減ってきているのです。労働条件が悪くて、月給が安いから入りたがらないのです。また離職する者も相当いるわけなんです。私は、そんな大量の建築家の卵がそんなに求められるかということを心配するのです。おそらく困難だろうと思う。それから、それらの建築監視員は、いわゆる申請をした、届け出を出した者にする監視をやるわけでありますから、全然やみ建築――届けていない、無届け建築というものは、これは権限的にやはり当然持つと思うのです、権限を。そんなものを発見できるかな。申請あるいは届け出をした者のリストを持ってその部署にいるのでしょう、そういうわけですね。
#31
○政府委員(大津留温君) 確認をいたしました建築がそのとおり行なわれているかどうかということを見るのは、もう当然でございますが、受け持ちの区域を常時。パトロールしまして、建築しておる現場を見ましたら、それが手続が終わっておるかどうか、また手続どおりの工事であるかどうかということを見て回るわけでございます。またいろいろ一般からの通報もございますので、それらに従いまして現場をなるたけ歩くということで発見につとめる、こういう考えでおります。
#32
○田中一君 いまの資格が三年以上の建築行政歴ということになっているけれども、それはなかなか困難です、補充するにしても。そこでこれはいわゆる建築士ですか、建築士に相当な権限をゆだねるという方法はどうなんですか。そうして建築士に対する相当な規制を行なう。権限をある程度委譲する。これはいろいろ問題がありますよ、民間の者に権限を委譲すれば。必ず罰則がつくのですから。
#33
○政府委員(大津留温君) 今回の法改正にあたりましても、御指摘のように、民間の建築士をもっと活用したらどうかという御意見がありまして、いろいろ検討いたしました。まあこの法案の中にも、一部民間の建築士を活用するという条項がございます。たとえば定期報告とか検査の報告の際には、建築士が点検しまして、その責任で報告書をつくればそれでいいということにしておりますが、御指摘のように確認の段階で建築士を何か使う方法はないかということで、いろいろ検討したわけでございますけれども、建築士の資格のない方で建築の設計ができるという分野がございます。基準法上、この建築士の資格を有する方に特定の権限といいますか、任務を与えるということにいたしますと、その資格がなくて建築設計に従事しておられる方々が、何といいますか、職業上の分野を侵される心配があるというような御意見もございまして、建築士の方に確認の段階で権限をおまかせするというようなことは、今回は取り入れなかったような次第でございます。ただ、確認申請の書類の段階で、建築士が見たものは省略するというようなことは取り入れてまいりたいと、これはもう省令の段階でいろいろ研究したいと思っております。
#34
○田中一君 これは政府の関係じゃないけれども、少なくとも建築監視員が一応建築行政に三カ年の行政歴があるというだけにとどまらず、統一した、二十三区並びに都下の各市ですね、これらが統一した監視の方法と監視の対象と、それから解釈と、これらを教育する場がないと困るのです。やはりめいめいが自分の主観であるいは分任したり、拡大解釈したり過小解釈したり等をしたのじゃ困るので、各行政地方公共団体は必ずそういうものに対する、そういう人たちに対する教育は行なうように指導をするのかどうか。この点伺っておきます。
#35
○政府委員(大津留温君) 先ほどもお答えいたしましたように、建築基準法の運営が特定行政庁ごとに異なるようなことがあっては、はなはだ適当でないと思いますので、法律の解釈運用につきましては、できるだけ全国的に統一をはかっていく。これはもう私ども従来ともそういう考えでございますし、今後とも一そうつとめていくつもりでございます。なお、同じ県の中で特定行政庁が複数あるような場合、その県内で統一をはかる、あるいは東京都の中で区ごとに統一をはかる、これは当然のことだと思います。ただ実際問題として、東京の場合は各区に建築行政をまかしておりますので、各区の建築担当者の非常に熱心なところとそうでないとごろということで、その実際上の建築監視といいますか、取り締まりが非常に徹底しているところとルーズなところというのが現にあるということは、これは免れがたい現実でございます。これはよろしくないことでございますから、これは都が責任を持ちまして、各区の建築担当者を指導、督励いたしまして、これは都下であろうが都内であろうが、やはり違反の取り締まりは徹底して行なうようにこれは指導したいと思います。
#36
○田中一君 次に、この専用区域の説明を一応してください。
#37
○政府委員(大津留温君) 今回の用途地域の改正で、四つの用途地域を八用途地域に改めたわけでございますが、まず、第一種住居専用地域は低層の住宅地としての環境を良好に維持しようとする目的のもとに設けた地域でございまして、まあ一般的には都市のどちらかというと周辺部に位置することになろうかと思います。現在の住居地域の中で、住居専用地区というのを指定したところがございますが、おおむねその規制の内容は現行の住居専用地区の内容を踏襲いたします。ただ現行の専用地区に比べまして、大学、高等専門学校、各種学校及び特殊浴場というものの立地を禁止することにいたしました。
 第二種住居専用地域と申しますのは、中高層住宅にかかかる環境の良好な居住環境を保護するための地域ということでございまして、都心なり副都心の周辺部、交通の便利な駅の近くの住宅街というようなところで、現に相当な中高層住宅が建っておるところ、また郊外におきましても、新たに中高層住宅地区として開発するのが適当な地区、こういうところが指定されることになります。この用途の制限といたしましては、現在の住居地域に不適格な建築物のほか、工場、ボーリング場、パチンコ屋、マージャン屋、旅館、ホテル、自動車教習所等、こういうようなものを禁止することにいたしております。それから住居地域は現行の住居地域のままでございますが、用途の内容としましては、特殊浴場及び公害の多いプラスチック射出成型工場等を禁止することにいたしました。
 近隣商業地域と申しますのは、近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行なうことを主たる内容とする商業その他の業務のための地域でありまして、一般に住宅地に隣接して指定される、まあ郊外電車の小さな駅の周辺あるいは商業地域に接して住宅地域との間に介在してそういう日用品店舗が並んでおるところというようなところが指定されることになろうと思います。この内容といたしましては、現行の商業地域に不適当とされておる建築物の建築を禁止するほか、料理店、キャバレー、ダンスホール、劇場、映画館、特殊浴場、こういうものを制限する考えでございます。商業地域は、現行の商業地域と同じでございます。また準工業地域も現行のそれに同じでございます。工業地域は、現行の工業地域に同じでございますが、新たにキャバレー、ダンスホール、特殊浴場、観覧場というものを制限に加えました。
 工業専用地域は、工業地域としての環境を維持するといいますか、それ以外の住宅その他の立地を制限するものでございまして、現行の工業専用地区の規制のほかに、ボーリング場、パチンコ屋、マージャン屋、特殊浴場というものを制限に加えることにいたしております。
#38
○田中一君 これ、こまかい区域を指定して非常に前進だと思うのですが、これはむろん都市計画によってこれを指定したのですね。
#39
○政府委員(大津留温君) さようでございます。
#40
○田中一君 私は新しくつくる新しい都市づくりとしては、これが画然と調和のとれた町づくりができると思うが、既成市街地における現況というものをどう扱っていこうとするのか、なるほどこういう指定は明文はつくった、現実においてどうして行なうのかということを伺いたいと思うのです。それは東京都なら東京都といううちの二十三区全部入れてもいいと思う。どの地点を、何でどう指定するか、これは非常に露骨に言えば、困難じゃないかということなんです。なるほどこういう地域の指定はするけれども、実際に行なわれるかどうか。しいて言うならば、これを画然と行なうには区画整理なり都市計画そのものは、都市改造がなされなければこれはならないのじゃないかということを懸念するわけなんです。それでこれを指定する都市局は、一体こういう建築基準法でこれがきまった、さて既成市街地における現状をどう是正してどう指定するか、これはむろん指定するのは都市局で指定するのでしょうけれども、一日も早くこの指定をしてほしいのです。なぜかというと、今日もう商業的なマンションづくりというものは、東京都心はおろか、周辺にも至るところにでき上がってきておる。これは大きな交通公害その他どうにもならぬ悪い環境づくりをしているわけなんです。低層の第一種住宅専用地域にも、これは早く画然と指定されないと、そこに侵入することになりがちなんです。しいて言うならば、これらを第一種住宅地域というものを住宅専用地域を指定しようとする場合には、もはや都心というか、二十三区にはなくなっちゃう、そういう地区はないということになるおそれが多分にあるわけなんですよ。そこでこれは都市局長、これらのものをこの法律ができ上がる前に、もう準備をしていると思うけれども、どの辺にどういう指定をしようとするか、その構想を伺いたい。考え方を具体的に私がいま質問しますから、質問する場合には、そこは何にします、これは何にします、そういう答弁をしてほしい。この地区はどう指定するか、いたずらに事実を制限するともうだめになっちゃいます、なくなっちゃいます、第一種住宅地域というものは。
#41
○政府委員(竹内藤男君) 先生御承知のとおり、新しい都市計画法におきまして、この建築基準法の改正を頭に置きまして、今度新しく八つの用途地域ができるわけでございます。この用途地域の指定は都市計画決定にあたりましては知事が決定するという部類の都市計画に入れております。したがいまして、東京都で申しますと、東京都知事が都市計画、地方審議会の審議を経て決定をしていくという形をとっているわけでございます。そういたしまして、実際にじゃ具体的にどういうところをこの八つの用途地域に指定するかという問題、先生御承知のように、東京都の区部につきましてはすでに容積地区制に切りかわっております。したがいまして、今度の新しい用途地域制の一つの大きなねらいは、容積地区制に切りかえるということ、これはすでに前にございました容積地区制によりまして東京都の区部は容積地区に切りかわっております。したがいまして、東京都の区部につきましては、それぞれの地域につきまして容積率というものはもうきまっておるわけです。そのほかに従来の制度でございます空地地区の制度でございますとか、あるいは高度地区の制度でございますとか、やはり現在の東京都の場合用途地域はきまっているわけです。したがいまして、第一種住居専用地区というのは現在東京都で住居専用地区をかけ、そこにさらに空地地区なり、高さ十メートルの高度制限をやっております。そういうような地区は原則として第一種住居制限の地区に指定されてくるということになろうかと思います。ただ現在問題になっておりますのは、そういうようなところヘマンションを建てたいというような機運が相当高くなっている地区もございますので、そういう地区につきましては再検討いたしまして、第二種の住居専用地区をかけるというところも出てくるかと思います。原則は先ほど申し上げましたような形で、第一種住居専用地区が指定されているというふうに考えております。
 それから第二種住居専用地区につきましても、住居地域で三種ないし四種の容積地区が指定されておるわけでございます。そういうような高密度の住宅地区を想定して、三種、つまり三〇〇%、四〇〇%の容積地区の指定を受けている住居地区あるいは住居専用地区というようなものが新しい第二種住居専用地域というものに原則としては指定されてくる。また新しくアパート等の進出が相当ありますところについては、新しく指定するということもございましょうが、原則はそういうような指定になってくると思います。それ以外の地域が、いわゆる一般の住居地域になってくるというふうに考えております。
 それから近隣商業地域につきましては、先ほど住宅局長から御説明がありましたように、私鉄の沿線の小規模な商店街とか、住宅地の中の商店連権地区というようなところが該当するわけでございますが、東京都では小売り店舗地区というものを指定いたしております。これは現行基準法で特別の用途地域として都が条例をつくって小売り店舗地区というものを指定している。小売り店舗地区に指定されておりますところは、当然近隣商業地域というものに指定されている。それ以外に先ほどお話がございましたような郊外の住宅団地の中心商店街というようなところも、近隣商業地域に指定されることになろうかと思います。それからそれ以外の準工業地域、あるいは工業地域というものは、大体現在の準工業地域、工業地域にそのまま原則としては指定されている。それから工業専用地域は、現在工業専用地区という指定をいたしておりますが、それが大体工業専用地域、こういうふうに考えていいと思います。ただ容積地区を指定しておりますのは、実は東京都の区部とそれから大阪市の中心部でございまして、それ以外の都市につきましては、容積地区の指定を現在いたしておりません。新しい基準法によりまして、三年以内に容積地区に切りかわるということでございます。これにつきましてはほかの都市につきましては相当入念な準備をいたして、円滑な切りかえが行なわれるように指導する、そういうふうに考えております。
#42
○田中一君 第一種住居専用地域は、高さどれくらいですか、十メートルぐらいですか。
#43
○政府委員(大津留温君) 第一種住居専用地域は高さ十メートルと制限しております。
#44
○田中一君 第二種、それから近隣商業地域、商業地域、これは全部容積でいくのだ、こういうような受け取り方でいいのですか。
#45
○政府委員(大津留温君) 高さの制限をいたしましたのは第一種住居専用地域だけでございまして、それ以外の地域は容積率で規定しております。いまお話しの第二種住居専用地域、それから一般住居地域、近隣商業地域、これは容積率が二〇〇、三〇〇、四〇〇と三つの段階を設けております。
#46
○田中一君 そこで容積率で高さをきめますが、それは自分の所有する敷地内の問題ですが、関連する道路等それらの整備はそのままでもいいという考え方ですか。これはわれわれが毎日高速道路の上からずっと見ると、それこそもう密集した低層住宅地区と見られるところに、続々とマンションが、八階、九階、十階あるいは十二階というようなものができている。ただ近隣の建築物の用地だけが、法律にかなっているものをつくっているけれども、これは人間が住むのでありますから、人間が住めないような細い道につくられている例がたくさんあるのです。そうして、特に近隣の人たちに、いわゆる交通その他の問題や騒音で非常に大きな害を与えているものが多いんですね。やはり並行して何か都市計画として、それが非常に大きな利益を受けるならば、受益者負担という形でもいいし、道路の拡幅なりあるいは下水の整備なりというような関連するところの施設を行なうべきであると思う。自分のところの建築基準法ですから、建築そのものを中心にものを考えた場合には、それはそれでいいのです。都市問題として考えた場合には、それじゃ非常に困るわけなんですよ。何らかの規制をしないと困る、条件をつけないと。そこで先ほども一番初めに申し上げたように、今日の大型化するところの住宅というものを考えた場合に、もうこれはどこまでも都市計画を考えない大型住宅、マンション、大建築というものは、ただ容積だけで合法だということであっちゃならないのじゃないかという気がするわけなんです。これはおそらく私ばかりじゃございません、多くの市民はそういう感じを持っていると思うんです。その点はそれはおれのほうじゃないんだといって逃げるのか、また東京都はそれを指定するんだとおっしゃるけれども、結局最後はその計画は審議会の議を経て云々というけれども、建設大臣がそれを認めるか認めないかの問題になってくる。したがって建設大臣の権限というものは最後にはあるわけなんですね。だから都市計画の一つとして建築基準法上の建築物を考えなくちゃならないということなんですね、その点はどうなんです。ある一定の高さを維持されているものならば、これは交通にしてもあるいは騒音にしてもそう近隣に迷惑をかけぬと思うし、また交通の障害にもならない面もあるかもわかりません。しかし大型化するところの今日のマンション等の住宅建築というものは、相当大きな迷惑を近隣の市民にかけているわけです。だから単に建築基準法上のもののみならず、都市計画の上から見て一ぺんこれをチェックする必要があるんじゃないか。その計画指定地区は最後には建設大臣のところに来るんだから、何か規制をしなきゃならないんじゃないかということを考えるんですけれども、これは建設大臣どうお考えになりますか。この点はこれはもうあなた自身が高速道路通って町を上から見ればおわかりのとおりですよ。密集した低層地域にばあんと高いものがある。のぞいて見れば道路というものは非常に狭いものです。そしてそれらに住むものは大体において車を持っていると思うんです。
#47
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま田中先生御指摘の点は、現実に非常にこれは問題だと思っています。その意味で、実は今度の建築基準法におきまして、道路とそれから建築物とのバランスをとらせるというところで相当苦心をしておる、容積制限もしておるということでございます。しかしこれだけで、この法律の運用だけではたしていいかというところも問題だと思うんです、田中先生の御指摘の点は、私もそう考えます。実はこれはここで申し上げていいかどうかわからぬが、実は私はいままでの都市計画法、都市再開発法等が出ていますけれども、これを裏づけする財政金融上の条件が整っていない、こう実は考えております。ところが、これは建設大臣だけの権限ではとうていできませんので、これは税制の問題とそれから金融の問題、二つの大きな問題だと私は思っております。その意味におきまして、先般来問題になっておる固定資産税の問題と、それから都市計画税の弾力的な運用を考えなければ、これはなかなかできないだろうということが一つ。それからもう一つは、私は従来から特に党におるときから主張しておりますのは、現在の日本開発銀行の機能に地域開発、この中には都市開発の金融の部面も相当これは与えるべきであるという主張をしておるのでございます。これについては、実は経済企画庁長官それから通産大臣にも内々に私の意向を申し上げて、基本的には大体合意の傾向が出てきているような状況でございます。そうしたようにいたしまして、都市の再開発なり、あるいはまたいま申し上げたようないろいろの矛盾というか、隘路を解決してやるための手段をも与えていかなければならぬだろう、こういうふうに考えております。で、今後そういうたてまえにおいて検討を進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
#48
○田中一君 この第二種住宅専用地域の指定を都から出してきた場合に、どんな基準でそれを認めようとするのか都市再開発は必要です。むろん再開発という大目的が並行しながら行なわれるところにおける住宅の大型化ならかまいませんけれども、そうじゃなく、ただ容積という面から大型のものが続々出てくるということになると非常に困難になる。だから抽象的にものを言ってもわからないから、具体的にひとつ伺うけれども、青山墓地の周辺は低層住宅地域になるのでしょうね。
#49
○政府委員(竹内藤男君) 大体第二種専用地域になるのじゃないかと思います。
#50
○田中一君 第一種住宅専用地域はどの辺を指定しておりますか。
#51
○政府委員(竹内藤男君) 例といたしますと世田谷区成城町、大田区久ケ原町というような純住宅地であります。
#52
○田中一君 そこに容積地区だから、容積によってかまわず……いやいや指定されるまではかまわないのですからね。だから大きなものはできないとも限りませんね。そこでいま成城の一部、あるいは大田区のどっか知らぬところに、その場所をそういうところにきめるとする。ほかは大体全部第二種住宅専用地域になる可能性があるわけですね。そうすると、これはたいへんなことになるのですよ。ちょっとそれじゃあもう少しみんなが理解できるような形で……。
#53
○政府委員(竹内藤男君) 先ほど申し上げましたように、東京都で申しますと、空地地区のかかっているところというのは区部の周辺部、それから十メートルの高度制限のかかっているところは都心に近いようなところにございます。いままでいわば環境のいい住宅地にあったところは、住宅専用地区で高度地区にかかっておる。そういうようなところは、一応原則としては第一種住宅専用地域になっておる。しかし、そういうようなところでも、相当地区の状況あるいは周辺の状況等から見まして、将来ここはそういうやっぱり高密度に先生おっしゃるような再開発をしていかなければならぬというような判断になりますれば、そこは第二種住居専用地域に指定せざるを得ないのじゃないか、そういうふうに考えておるわけであります。先ほど申しましたのは、実例といたしまして一つ、二つを取り上げて申し上げたのでございまして、相当広い面積にわたって一種住居専用地域が指定されるようになるだろうと、こういうふうに考えております。
#54
○田中一君 そうすると、大体環状線の内側はおおむね二種住宅地域になる可能性があるわけですね。そういうような理解でいいのですか。環状線の内側ですよ、二十三区のうち、これに一種の地域がありますか。
#55
○政府委員(竹内藤男君) 大まかに申し上げますと、環状七号線から内側はまあ原則的に高密度に開発する地域になっております。環状七号線の外側は一種住専というものが大きなものになってくる。ただ例外的に中でも現在相当環境のいい住宅地域だというところにつきまして一種住専で残るところがあるだろうと考えております。
#56
○田中一君 そうすると道路その他はそのままでもよいわけですね。
#57
○政府委員(竹内藤男君) 容積地区制というものを私どもは都市計画的なメリットとしましては、やはり道路の幅員あるいは道路の規模というようなものと、先生おっしゃいますように、建物というものは非常に相関関係が深いわけでございます。交通というのは建物から出てきて建物に帰るわけでございますから、道路あるいは都市の鉄道、あるいは先ほど先生おっしゃいました排水路というようなものと建物というものとは、非常に関係が深いわけでございます。先生おっしゃいますように、建築物というものは都市構成の一番大きな要因でございます。都市計画上は一番大事なものでございます。そういうふうな意味におきまして、いままでの建蔽率、高さというものを、ある意味では容積制限ではございますけれども、どちらかというと指定の際の考え方は相隣関係的なものが拡大したような形で指定されていたわけです。容積地区制を採用するということになりますと、その都市全体をそれぞれの用途なり人口密度なり、あるいは夜間、昼間人口なりの密度を考えまして、そして建物の容積、建物の延べ面積と、いま申し上げましたような公共施設との間のバランスをとって指定するということにならざるを得ない。そういうような考え方で、それぞれの地域につきまして用途をきめ、容積の最高限度をきめる、そしてそれが公共施設とバランスのとれるようにするという考え方で、容積地区の指定は行なわれるわけでございます。ただ実際問題といたしますと、相当地価が高くなっているというようなこともありまして、実際の権利者からの抵抗というものがございますので、必ずしも理想どおりにはいかないという面はございます。考え方としてはそういう考え方で指定いたしますので、容積地区制に切りかわっていけば、相当建築というものが都市計画的に制限を受けるというかっこうになってきます。それからそういうことで、たとえば道路の計画と容積地区制の指定というものは非常に相関関係を検討して進めていく。逆に言、えば、道路を広げなければならないという場合も出てくる。そういうことで都市計画決定をいたしますが、公共事業のほうは、先ほど大臣からお話もございましたように、なかなか財政問題とからみますので、すぐには整備できない。そこで都市計画上はやむを得ず都市計画制限というものをやりまして、そして通常木造二階建てぐらいの生活なり生業を営む範囲に満足できるようなものは認めますけれども、不燃建築物というものは道路の計画線には建ててはいけないということになっておるわけであります。そういうような形でなんとか建物と公共施設のバランスをとってまいりたい、こういう考え方をとっておるわけでございます。
#58
○田中一君 建設大臣に伺いますが、今度この法律を改正する、そうすると予算の範囲のものはいろいろ出てくるでしょう。この場合に都市局長の言うように公共投資、公共投資が並行してある点までなされなければよい環境は生まれないわけです。むろん昨年通った再開発法にいたしましても、これはただ単にいままでは公共団体等が事業を行なったのでありますが、今度はもうそれは組合施行的な、国民が共同してやるという形になって、しかしこれにしてもただそれだけでは促進されないですよ。そうして力関係、金の関係でもってどしどしとそういう環境をこわしてくるという傾向が強いわけです。建設大臣は今年度予算についての考え方に関連して都市河川の問題も言及されている。そこで私はちょっとこの基準法に関連して聞くわけですけれども、一つの計画される地区の中の優先するのは、河川局は河川だけが優先するという形をもって河川局に意何を聞かなければ何もできない、河川局がそれを指示する、地方公共団体にいたしましても、河川の管理者の側もあれば道路の管理者の側もある、それらがこん然一つにならないと、いい町づくりはできないわけですよ。それが建築基準法だけがこうして大幅に近代化されてきても、これに付随するところの道路それからたくさん河川があります、都市河川が東京にもあります、これらの問題が完全にいかなければいい環境にならないのです。これは住宅の部分で言っているのですけれども、また商業地にいたしましても、あるいはまた汚臭の出る川なんかあったのじゃ困るのです。そういう点はひとつ、どういう方向で進めていかれるのか伺っておきたいのです。それでばらばらの、あっちの窓口へ行かなければならない、こっちの窓口へ行かなければならない、道路も何とかしましょうと言って、河川はそのままうっちゃっておくというようなばらばらな計画が多いわけですね、この点、何というかフォームだね、都市建設、都市改造なら改造、あるいはそういった一つのフォームを確立していただきたいと思います。
#59
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のことは、従来ややもすればばらばらにやっているため非常な矛盾があったと思います。私は、就任して間もないのでございまするが、建設省の各部局の責任者に対しまして、建設行政は全部総合的な施策をしなければその効果があがらない、さようにするように強く行政指導をいたしております。その一環として、従来は河川行政はほとんど大河川あるいは法定の河川にのみ重点を指向したとさえ一般国民から言われておりますもので、特に最近における都市の河川がたいへん荒れておりまして、このために起こる地域住民の非常な損害も多いということで、今回初めて都市河川に対する、地方河川に対する補助制度も設けると同時に、都市計画と河川並びに下水との関係は綿密な連携のもとにこれをやらしておるつもりでございます。道路については、すでに都市街路がそれ自体の権限として都市局に持っておるのであります、なおまた、都市のみならず道路につきましても従来は一級国道あるいは二級国道、地方主要道路等に重点を向けられておりまして、いわゆる五カ年計画の予算もそれぞれ五カ年計画に基づく予算の割りつけがなされておる傾向が非常に強いため、弾力的運用がない。ところが最近における社会経済の発展の態様がたいへん変わってきておる。たとえば首都圏近くにおいてどうしても拠点都市がつくられなければならない、新たな住宅団地をつくらなければならない、あるいはいわゆる総合農政の立場から集団営農地帯も設定される、あるいは新たなる工場の設備がなされるというような場合においては、たとえ市町村道であろうとも、公共予算をもってこれを補完していかなければならないという面が出ているから、その意味において予算を若干――私から見れば相当でございますが、その予算を私の手元で保留しておきまして、そうした態様に適応するような運用をするというような配慮をいたしておる次第でございまして、いま御指摘の点には、十分配慮しておるつもりでございます。
#60
○田中一君 そこで最後に伺っておきますが、今度の農地の転換、用途の転換、それから休耕等、この新都市計画法に基づく線引きがどのくらい進行しておって、そして、当然都市化される地域と調整地域が残るわけですが、そこに建築基準法が非常にこれ関係があるわけです。で、やたらに指定された用途地域というものと、新しく今度農林省案はどういう方針でどうするか、はっきり明確になっておらぬけれども、農協にやらせるとなると、そこに先だってちょっと大臣も言及したけれども、工場誘致するとか何とかいうようないろいろ意見が出ています、休耕地、転換地に対して。これはどういう形でもっていつごろ明らかになるのか、ひとつ伺っておきたいと思うのです。
#61
○国務大臣(根本龍太郎君) いわゆる農住の問題でございまするが、これはまだ具体的に出てこなければ、こちらがあらかじめどうこうするということは、いまの段階では困難だと思います。ただ、いま田中先生御指摘になりましたように、われわれの市街地区域と指定するところは、現に都市化しておるところと、さらに少なくとも将来十年間に都市化することがしかるべきであり、またそういう情勢にあるというところのものを、市街化地域にこれは指定いたすわけでございます。この市街化区域に指定したところにおいては、計画的に意欲的に都市開発を進めていくということになるわけでございます。そのかわり調整区域は原則として、これは市街化しないで、農業なり畜産なりその他の地区としてこれは保留しておくということが、原則としてしかるべきところと思っております。ただしそういうところでありましても、特に首都圏内におけるいわゆる調整区域には、産業並びに人口の急激なる膨張によりまして、それらの調整区域におきましても地方自治体あるいはいま御指摘になりました農業団体等が適切なる都市開発に対応する計画を持ちまして、条件がそろっているものについては、その調整区域内においてもそうしたところの市街地的な施設をなすことを許すことがございます。この際には、建設省のみならず農林省と十分に連絡をとりまして、従来政府資金で基盤整備をやっているところとか、あるいはまた集団的優良なる農業地帯として確保すべきところは当然これは除外するし、一つ一つのケースに基づいて厳密に連絡調整の上にこれを開発する、こういうふうにいたしている次第でございます。これによりましていわゆる投機的な、あるいはまた無責任なるスプロール化現象は厳にこれは抑制する、あるいはまた農地を保有することによって財産造成をして、そうしてあとは無責任な転売をするという土地騰貴の条件を、これをなくしていくという方針を進めたいと思っている次第であります。
#62
○田中一君 そうすると、要は調整区域、市街化区域の決定をした以上、たとえ農協等が独自に調整地域に対して都市化されるような、都市化というよりも建築物や工場や何かの誘致は、決定した以上それは認めません、こういう態度でいくというふうに理解していいのですね。
#63
○国務大臣(根本龍太郎君) それほど厳密には言えません。先ほど申し上げましたように、単独に農業団体等が計画すればそのまま許すということはいたしませんけれども、それが三十ヘクタール以上の面積にわたって十分なる都市化して、もうこれを認めてもしかるべきだという条件が整備されており、かつまた農林省当局から見ましても、そのことによって従来の政府が進めてまいりました優良なる集団農地、これが荒廃されたり、あるいはまた土地改良あるいは基盤整備等が政府の資金によってやられたものが、今度は住宅にしたほうがもうかるというだけで転換することはこれは許されない。どこまでもこれは農業政策と都市化政策との調和点においてケースバイケースによってこれが厳密に規制していく、こういうことでございます。
#64
○田中一君 そうすると、一定規模の許される規模の計画が立つならば、それは転換を認める、こういうことですね。
#65
○国務大臣(根本龍太郎君) 大体さよう御了承していただきたいと思います。
#66
○田中一君 私の質問はこれで。
#67
○沢田政治君 私、法案の内容には触れません。きわめて初歩的な原則的なことをお聞きすると思いますが、前々国会でもかなりこの法案については議論をして、ハプニングがなければ採決まで行なわれた可能性があったわけでありますが、そういう意味で内容にはこれからも同僚議員の質問があると思いますので質問いたしません。問題は、違反建築をどうするかという問題がある程度の比重をこの法案で占めているわけですが、私考えてみて、違反建築物というのはどうして起こるか。むしろ違反建築物の生まれる成因というものは土地政策にあるのじゃないか、土地政策の被害者が違反建築物じゃないか、こういうように考えざるを得ないわけであります。お互いに相当の悪意を持った人、偏見のある人でなければ、人に迷惑をかけぬ、自分も快適な日照を得たい、これは当然だと思うのですね。それが許されないところに一つの問題があるんじゃないかと思うのです。したがって、その前の段階を解決しなければ、法律で幾ら規制しても事実というものは解決されないと思うのです。つまり法律が先か、現実が先かということになると、これは常識的に考えても現実があるから現実のあとを法が追っておるだけで、法律のために現実の解明というものはなされないと思うのです。たとえばこのことが法律によっては、あの食糧事情の悪い戦中戦後ですね、やみ米を買っちゃいかぬ、売っちゃいかぬという法律があったわけです。ところが絶対量が不足だ、生存する、こういうことになると、法律以前の問題として、生きるために、結果的には法律違反という事実行為が出てくるわけですね、それと同じことだと思うのです。したがって違反建築をこの法律によってのみ解決する、できるというように考えておられるのかどうかですね、その点を住宅局長にお伺いしたいと思うのです。
#68
○政府委員(大津留温君) 先生おっしゃるとおり、建築基準法の違反が非常に多いということの前提といたしまして、社会的、経済的な変動が非常に激しかった。おっしゃるとおり、具体的に言えば地価が非常に上がって土地が得にくい。したがって、わずかの土地をやっと得た人は、それを何とかして有効に使いたいという、まあお気持ちになられる。これはもうごもっともなことだと思うのです。そういうことが前提でございますから、土地問題の解決ということが、基準法施行の大前提だと思います。
#69
○沢田政治君 まあ違反建築のよってきたるゆえんは、やはり絶対的な、宅地が価格の問題を含めて手に入らぬ、こういうところから出てくるわけですが、これは価格の問題だけじゃないと思うんですね。一体住宅地がないのかあるのか。これは、ある学者によると、この宅地がないないと言ってるんだけども、これは土地というのは円周にしてこう見たならば、まだもう百万戸や二百万戸あるんだと、こう言う学者もあるわけです。したがって、土地が足りないというのはどこからきてるかと思うのです。この点はどうお考えですか、非常に大切なことだと思うのです。
#70
○政府委員(大津留温君) おっしゃるように、物理的な土地はまだまだたくさんあると思います。宅地不足、宅地難といいますのは、有効に使える土地、つまり通勤、通学に可能な範囲で、しかも住宅地としての条件を備えた、道路その他の都市施設を備えた、あるいは鉄道なり水の供給が可能な、そういう土地が適当な価格で得られないというところに宅地難があると思います。
#71
○沢田政治君 まあ都市の住宅問題を解決する、あわせて土地問題を解決するということは、これは、もう税金ぶっかけて手放すような方法ならいいじゃないかという議論もあるけれども、これは、やはり税制問題だけじゃいかぬわけです。非常に多元的な要素が、これは農業問題とも関連してくるし、たとえば生活環境の格差をなくすということもあるだろうし、これは産業政策全般にわたってくると思うのですね。まあ工場の適正配置とかね、非常に多元的になるだろうということは、これはもう当然だと思うのですが、私、考えてみて、いずれにしても都市に人口が集中してくること、これは事実です。米の作付制限のよしあしは別としても、一つの契機になって、零細なこれは農家の方々が、いっそ農業やめてしまおうという方も、これはあると思うのです。よしあしは別ですよ。どんどん都市に人口が集中してくる傾向にあるのは、事実をもって示されておるわけですね。そういうときにおいて、いろいろな方法があるわけだけれども、これは私の、まあ質問というより提言ということになると思うのですが、憲法の、この二十九条の私有権の問題を、特に国民の六割、七割が重要な生活の影響を受けるという事実に立脚して、憲法二十九条の私有権というものをどう解釈するかという、この解明というものが必要になってきてるんじゃないか、こういうように、まあ私としては考えるわけです。もちろん現行憲法においては、財産権は侵してはならぬということになっておりますが、その条文の中にも二回にわたって公共の福祉ということが出ておるわけですね。したがって、私はいまのままの大都市周辺における土地所有制度というものを、いまの形態のままいったならば、どういう方法を講じても土地問題、住宅問題、違反建築が私は解決できないと思うのです。もちろん土地収用法があります。ありますけれども、土地収用法だけでは不十分なわけです。したがって、これは国民が全部このナショナルコンセンサスするような何かの機関をつくって、たとえば、私ども、憲法改正には反対でありますが、憲法改正につながるかどうか別としても、憲法調査会というのがありましたね。ああいうような、やはり大都市周辺における土地使用制度に関する調査会等で、これは官民もちろん学識経験者を入れて、やはり憲法上からいっても大都市周辺の土地私有制度というものは、かくかくあるべきなんだという一つの国民的な、大体、国民を代表した、そういう一つのあり方を示し、制度を私はつくる必要があるのじゃないか。そこまでさかのぼらなければ、都市再開発の問題にしても、新都計法の問題にしても、たとえば基準法の問題にしても、絶対的に足りないのだから、買いたくても高いのだから。しかも所有権というものは私有権があるのだから、売らぬということになったら、いまのままで売らなければ売らなくてもいいということであったら、これは私は絶対解決しないと思うのです。切り張り療法はあるけれども、成因から解決してこなければ、ガン細胞は放射線療法でちょっととめるとか、手術して摘出するとかいっても、やはりその成因をさかのぼらなければ、ガンというものはなくならないと同じように、やはり都市問題も住宅問題も、そこまでさかのぼらなければならぬじゃないかと私は考えるわけです。まあ、私は決して私の選挙区の同じ根本大臣でありますので、決して怠慢を難詰するとかそういうことじゃない。よしあしは別として、米でとった勇気をこの土地問題で私は何といってもやってもらいたいと、そういう期待をこめて、意見を提起しておるわけでありますから、ひとつ御所見というか、御決意のほどをお伺いしたいと思います。
#72
○国務大臣(根本龍太郎君) いま御指摘のように基本問題なんです。それでただ幸いにも、私が最近土地問題について、かなりいわば閣僚としては大胆な提案をいたしております。これに対しまして、各方面からの賛意と激励を受けておりますので、この機会に何らかの基本的な解決をいたしたい、こう思っておるのであります。御承知のように、戦後この地価が非常に高騰したことの一番大きなひとつの第一歩をなしたのが、御承知のように只見川の電源開発のあそこの用地買収に端を発しております。これが写真相場になりまして、今度はあらゆる電源開発にこれが写され、さっそくこれが今度は道路改修、軍用地の収用、さらには今度は土地改良、それ自身にすらあれが写っていっちゃった。それからもう一つは、都市におきましては、御承知のように銀行が各都市の最も目抜き通りのところを、経済的な合理性からは離れたと思われるような地価で、支店設置のためにこれを買った、これが全市街地の写真相場になった。銀行がこれをやったものだから、これがどうっと上がった、こういう条件です。そのときにあたって、基本的な問題はなぜそうなったかと言えば、いま御指摘のように、土地所有権については、絶対主義的な傾向が日本にあるわけです。これは学界においてもあるいは裁判においても、それから端的に、これは決して皮肉ではありませんけれども、むしろ革新政党というほうが、この土地収用とか土地を公共の用に供するときに抵抗した。これが今度逆になってきましたから、いまこそ私はいい時期だと思いますから、ぜひこの土地問題に対する土地所有権に関する国民的なコンセンサスをはかるべきである。これは立法だけではなかなかできません。いま私もいろいろ研究してみましたが、立法措置によって土地を公定することは困難です。そこで、最小限度の立法措置としてやり得ることというので、地価公示制度をようやく、これは皆さんの御支持によってできたわけです。これを基準としてやっていき、そうしてもう一つは、やはりでき得るだけ国もしくは公共団体が土地を持つことです。土地を持っておれば、これを代替地にし、あるいはそれに基づいて土地計画なり、いろいろの宅地政策がやれるということだと思います。
 それからもう一つは、これは先ほど田中先生から御指摘になったことに関連するのでありまするが、私は宅地造成についてもっと勇敢なる手法を講ずべきである。それには建設省自身がもう少し総合的な措置をやるべきだ、こういうことです。たとえば現在首都圏において、一番土地の少ないのは首都圏でございます。ところが、首都圏において、ある意味においてはそうしたところの一つの行政上の、ミスが幸いしまして、かなりの土地が残っておるということも事実です。それはどういうところかというと、丘陵地帯で水の処置ができないところ、そうしてまた道路、鉄道の通ってないところ、これは民間デベロッパーも手をつけないし、地方自治体も手をつけていない。こういうものを今度は思い切って、これは皆さん方の合意を得て土地収用法を適用して相当大幅なものを収用して、それに対して建設省が道路政策で道路をつけてしまう、運輸省と提携してここに通勤列車、通勤軌道をつくる。そうして水の足らないところは水資源開発公団の協力を得て、そうしてそこに上水道を持ってくる。こういうことをすれば、相当程度のこれができる。本年の予算措置ではこれはできませんでした。もう予算の大綱ができてから私、就任したものでありますから。そこで、来年はこの点についてはもう少し勇敢にやろうじゃないかということで、関係閣僚ともいま折衝しておるような状況でございまして、いま沢田さんが御指摘になりました点は、与野党こえての私は内政上の最大の問題だと思いまするので、確かに、いま先生から御指摘になった点は、私も真剣にこれに取り組んでまいりたいと考えておる次第でございます。
#73
○沢田政治君 ただいまの御答弁で非常に納得しているわけなんですが、なおこの際一言だけお伺いしておきたいわけでありますが、土地収用法ですね、運用強化していくのかどうか。また他の立法ということも考えられるが、その前にやはり土地の所有制度というのは国民全体としてこうあるべきなんだという、やはり国民の理解と協力を得なくちゃならぬわけですね、納得を得なくちゃならぬわけです。そのためには、政府がこう考えるのだということだけでは、一般の国民は、そうですがと納得しないと思うのですね。そういうことだから、与党とか野党とか、行政府とか立法府とかという単独な意思だけではなく、国民の全部の納得を、行政府はもちろん立法府にも共同で、何というか、合意をはかる憲法調査会のような、ああいうものをつくって、大都市のこの土地収用形態はこうあるべきだという一つの合意を得る思い切ったものを設ける必要があるんじゃないか。法律というのはあとの問題ですね、これは立法化しなくてもできるのかどうか、あとの問題だと思うから、その前のことはやっぱり大臣は任期中にはぜひともやってもらいたいと思うのですね。
#74
○国務大臣(根本龍太郎君) その構想も確かに有意義な御提案だと思います。研究しますが、現在は御承知のように住宅宅地審議会がありまして、これは各方面の学識経験者でやっておりますが、それだけではやっぱり足りない。ただ一面においてはこういうようなものを、審議会をつくるとなると、また一方におきましては、行政調査会のほうからなるべくそういうものをつくるなという議論もありまするので、これははたして公的な立法に基づく審議会でなくてもあるいはいいかもしれません。そういう点は実はいま経済企画庁長官と土地問題に関する閣僚協議会でいろいろこれから積極的に問題に取り組もうと思っていますので、その場においてひとつ前向きで検討いたしまして、何らかの形において国民の各方面の御意見が土地問題について反映して、しかもそれが立法並びに行政府にもその意見がスムーズに通じ、かつ国民の合意を受けるような一つのあり方を考えてみたいと存じます。
#75
○委員長(大和与一君) それでは午前中の審査はこの程度にとどめ、午後一時五分まで休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十二分開会
#76
○委員長(大和与一君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 建築基準法の一部を改正する法律案を議題とし、午前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#77
○二宮文造君 午前に引き続きまして建築基準法の改正案について質疑を続けさしていただきたいと思うわけでありますが、この基準法の改正にあたりましては、大臣の提案理由の説明の冒頭にもその趣旨が載っておりますし、またいろいろな変遷をたどりながら今回の改正案の提案をされたと私は思います。そしてその中身につきましては、提案理由の説明に四つほど柱を掲げてわれわれに説明をしていただいているわけでありますけれども、私、このような法改正をやってみたところで、しょせんはやはり違法建築をどういうふうに取り扱っていくか、どう規制していくかということが、今回の改正の趣旨を生かすあるいは殺す、こういうことになるのではないか、こう私は思います。また、従来この建築基準法が、当局には非常に気の毒な表現でありますけれども、ざる法だと、そのために相当な国民の中に被害者がいらっしゃる、こういう話も聞いております。また、一部の業界の方には、俗にいわれます一人親方あるいは町大工というのでしょうか、そういう方々は法の規制があまり厳格過ぎる、われわれの生活にも関係してくる、そういう面で非常にまた心配もなさっているようであります。しかし、ことはやはり法が改正され、法がこのように厳然とある以上は、法に違反していく違法建築に対しては、法のたてまえから取り締まりをしていただかなければならない。こういう意味で、せっかくのこの改正が違法建築によってくずされていくんじゃないか、こういう心配があります関係で、本日はこの建築基準違反という問題だけをとらえて私は質疑を続けてまいりたいと思うわけであります。
 最初に、提案理由にはございますけれども、たとえば、建築監視員の制度を設けるとか、あるいは違反是正を命令した場合には、現場に標識を設置しその旨を公示する制度を設けるとか、あるいは建築物の所有者あるいは施行者等に対し必要な事項について質問することができる、または、監督する行政庁にその違反是正命令にかかる建築物の設計者、工事請負人等を通知する、通知を受けた監督行政庁は、免許の取り消し、営業の停止等の所要の措置を講ずるというように、こういうふうに言われておりますけれども、この中身をもう一つ具体的に説明をしていただきたい。
#78
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま二宮先生から御指摘になりましたとおり、従来この建築基準法がありましても、実質上はこれは無視されておるという状況にあったことは、どうも否定し得ないと思います。その根本の原因は、やはり建蔽率の問題と、従来の法規自身が実際にこれをやるにはなかなかむずかしい条件を持っておりまして、これを実行することが不可能なような状況下にあったことが最大の問題だと思います。そこで今回はでき得るだけ建蔽率その他の点について、この程度は緩和するが、そのかわり一たん改正法ができましたならば、これはたれ人も守り得ることであるし守らせなければならない、こういう観点で、実はいろいろ御指摘があると思いまするが、ある面からすれば非常にこれは少しなまぬるいじゃないかという点もございましょうし、ある点から見れば少し行き過ぎるという面も、それぞれの立場からあるとは存じます。しかしながら、現在われわれは今日まで関係方面の御意見も聞き、あるいは一般国民のいろいろの要望事項等を客観的に把握した上で、現段階はかくのごときものがちょうど実行し得る、そしてまたこれを実行させ得る限界ではなかろうかと考えておるのでございます。内容については事務当局から説明いたさせます。
#79
○政府委員(大津留温君) 今回の法改正におきましては、ただいま大臣が申しました趣旨から、違反建築物に対する取り締まりを有効的確に行なうための措置を幾つか考えております。
 その一つは、建築監視員という制度でございまして、特定行政庁の職員の中から建築行政について経験を有する者の中から建築監視員を任命いたしまして、担当区域を常時巡回して違反建築の発見是正につとめる、こういう趣旨でございます。
 第二は、違反建築を摘発いたしまして、工事の中止あるいは使用の停止等の是正命令を出しましたならば、その旨を現場に標識を立てる等の方法で公示するということでございます。
 第三は、工事の施工者等に対する質問権を設けまして、建築監視員あるいは建築主事が、施工者、設計者あるいは現場の管理者等に対しまして所要の質問をすることができる、この質問に対しまして虚偽の答えをしたり、あるいは答えなかったりした場合には罰則がついております。またこの代執行を行ない得る要件を緩和いたしまして、必要に応じまして代執行をも積極的に行なうということにいたしました。また違反建築に関与いたしました建設業者あるいは建築士、宅地建物取引員等に対します行政処分の強化、これらのことを法案に盛っておりますが、法案に盛っておりませんことで行政措置として措置いたすことといたしまして、違反建築に対する水道、ガス、電気の供給の制限でございます。これは厚生省、通産省等の協力を得まして行政措置でそういうことをやろうということにしております。また、何ぶんにもこういう取り締まりを有効的確に行ないますためには、陣容の強化またそれに伴う予算措置も必要でございます。したがいまして、建築行政に携わる人員を三年計画あるいは五年計画で、それぞれ増強するような措置をとっておるような次第でございます。
#80
○二宮文造君 それぞれの項目について後ほどまたこまかくお伺いをしたいと思いますが、その前に、四十二年度でけっこうでございますけれども、確認申請の受付件数、それからその確認件数、それからもう一つは違反建築の内容を、たとえば手続違反とか、建蔽率の違反とか、あるいはその構造違反とか、あるいは道路に関する義務違反とか、こういう件数は一体幾らあったか、また、その違反建築に対してその処分はどういうふうな処分をおとりになったか、そのこまかい内容についてもひとつ、まずもってお伺いをしておきたい。四十二年でけっこうです、私のところに四十二年のデータしかありませんので。
#81
○政府委員(大津留温君) 四十三年の統計になりますが……。
#82
○二宮文造君 けっこうです。ゆっくり言ってください。
#83
○政府委員(大津留温君) 確認の件数が全国で百三万七百四十二件でございます。それから違反建築の摘発をいたしました件数が四万八百十件でございます。この中の事由別に申しますと、確認の手続をとらずに建築行為を行なったという無確認建築が三万一千三百一件でございます。それから建蔽率違反が七千二百四件、接道義務違反、道路に二メートル以上接しなければならないという義務違反をしているのが三千九百五十八件、道路内建築、道路に指定された敷地内に建築がはみ出しているというのが千八百五十六件、用途違反、それぞれの地域に指定されました用途に違反しました建築、これが千百十五件、その他が一万八千六百三十四件でございます。ただいまのこの事由別に内訳を申しましたものを総合計いたしますと、先ほど申しました摘発違反件数の四万八百十件を相当オーバーいたしますが、これは一件について事由が重複しているものがあるからであります。
 なお無確認建築は、そのほとんどが単なる確認を行なわなかったという手続違反ではなく、何らかの実質的な違反を伴っているから、手続をとらずに建築したというのが多いわけですが、その実質的な違反内容を調べてみますと、やはり建蔽率違反というのが一番多い割合を示しております。これらに対しまして、摘発した違反建築に対しましては、仮命令を出したもの、使用禁止とか等の仮命令を出したものが八百六十五件、本命令を出したものが千二百九十六件、本命令と申しますのは使用禁止とか使用制限等の命令でございます。それから工事の停止命令を出したものが二千四百三十八件、それからそのほかが二万二千六百二十三件、それから告発をいたしました件数が四十三年度で三十七件でございます。それから代執行を行ないました件数が九件、違反建築に関与した事由によりまして、建築士法に基づき行政処分をいたしましたのが四十三年度三十七件でございます。同じく建設業者の勧告処分を行ないましたうち建築基準法違反という事由によって行なったものが六十六件でございます。
#84
○二宮文造君 違反建築の概要というものをいま伺ったわけでありますが、これらについては項目別にまた後ほどお伺いをしたいと思います。
 まず私はその法案の提出のあり方について、冒頭にお伺いをしたいわけでありますけれども、御承知のように、先ほども申しましたように、この改正案は幾多の変遷をたどってきております。早い話が、一番近い話では六十一国会で衆議院で修正可決をしまして、参議院に送られてきて、御承知のような異例な国会になりまして、そのまま流れてしまった法案であります。で、私しさいにその法案の中身を検討しておりますと、今回政府案として出された法案を見ますと、衆議院で修正可決された部分、これがまた変更になっているわけでありますけれども、その辺のところをちょっとお伺いをしたいわけです。
#85
○政府委員(大津留温君) ただいま先生御指摘のとおり、昨年の通常国会で御審議をいただきまして、衆議院で六点にわたって修正してこられました。で、今回の……。
#86
○二宮文造君 全部は要りません、全体の部分は。非常に繁雑になりますから、特にお願いをしたいことは十二条の第四項のところの問題だけでけっこうでございます。
#87
○政府委員(大津留温君) その六点の修正の中で、建築関係職員が違反是正命令等をしようとする場合に、建築関係者に質問することができるという質問権を設けたわけでございます。その中で、質問を受ける者といたしまして「当該建築若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、建築物の設計者、工事監理者、建築物に関する工事の施工者若しくは建築物に関する工事に従事する者に対し必要な事項(建築物に関する工事に従事する者に対しては、建築物に関する工事の施工者の氏名又は名称及び住所に限る。)について質問する」ことができると、こうなっておりました中で、当該「工事に従事する者」したがって、このカッコ内で、それらの者に対しましては、建築主または工事の施工者の氏名または住所に限って質問できると、その部分を落としたものを今回政府原案として提出したようなわけでございます。
#88
○二宮文造君 中身はどうあろうとも、政府が提案をされて衆議院での審議の結果、それを修正可決をして本院に送ってこられた。それが、成立はしませんでしたけれども、それがまたもとの方向に帰って修正された部分がまた変更されて法案が提出される、こういう例はありましょうか、いままでに。
#89
○政府委員(田中康民君) 内閣が国会の御審議をいただくために提出いたします法律案のうちに、たとえば前国会におきまして、ある一院で――たとえば衆議院なら衆議院で修正をされまして、その修正された後、他の院に回りまして、審議未了になったというようなものについて、そのあとの国会におきましてそういう法律案を提出する場合に、どういう態度で臨むかという御質問だと思いますが、私たちのほうといたしましては、その修正がありました場合におきましては、その修正を満度に取り入れて、そのまま提出するというのが原則でございます。これは国会が唯一の立法機関であるということに基づきまして、われわれといたしましても当然その御意思を尊重することが当然であるからでございます。しかしながら、もし修正どおりに出した場合におきまして、非常に予算上やむを得ない場合があるとか、あるいはもっとほかに内容を改めたほうが合理的であるというようなこともないことではございませんので、そういう場合におきましては、やはりその合理性を追及いたしまして、ある部分につきましては修正をそのままやめて出すということもあるわけでございます。
 ただいま例はあるかということでございますので、その例を申し上げますと、修正をしないで出したという例でございますが、例は、たとえば一番新しいものは、六十一国会に提出されました「昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案」というのがございますが、この法律は衆議院で修正を受けました。修正を受けました点は、農林漁業団体職員共済組合法の適用対象団体に全国農業共済協会等を追加するものでございましたが、その追加する部分を第六十二国会でございますが、臨時国会に提出する場合におきましては、政府部内において検討の結果、厚生行政との関係が解決されませんでしたために、修正案をやめまして、そのまま政府原案を出したというようなことがございました。しかし、これは第六十二国会におきまして再び修正を受けまして、そのとおりに成立をいたしております。こういうようなことでございます。
#90
○二宮文造君 いまのお話を聞いておりますと、予算の執行上に非常に支障があるとか、特別な理由のある場合にはそういうふうにさせるけれども、合理的なという説明もございましたけれども、これはやはり衆議院で審議をし、そして満場一致で修正したわけでしょう。それを出してくるのに、その部分をはずすということは国会軽視になりはしないか、こう私は思うのですが、この点どうでしょう。
#91
○政府委員(田中康民君) ただいまの先生の御意見は、私たちといたしましても、国会の一院が修正をせられましたところでございますので、やむを得ない理由がある場合以外はこれを認めないというのは、確かに原則としておるところでございます。しかしながら、いま申しましたように、その修正案そのものの内容におきまして、やはり政府の提案権というものを考えます場合におきましては、その内容がある程度新しく出し直すところのほうが合理的であるというような場合におきましては、やはりそれによって出すということも、少なくとも法的には可能であるし、またそういう場合におきましては、大体、各党と申しますか、与野党間におきましていろいろ話し合いがあったところに従いまして、政府としても態度をきめるというのが普通でございますので、今回の場合におきましては、そういう話し合いの上でやられたものと思いまして、このように提出いたした、こういうことでございます。
#92
○二宮文造君 それでは、特に合理的というところを強調されるようですから、このように新たに提案をし直すことが合理的だという理由を聞かしていただきたい。
#93
○政府委員(大津留温君) 今回の提案で削りましたのは、先ほど申しましたように、工事に従事する者に関する部分でございます。これは言いかえますならば、現場で大工、左官等の工事に従事する、いわば単純労務者といっていいかと思いますが、質問の相手方になる者といたしまして請負人、工事の施工者ということが規定されておりますので、請負人はもちろんその下請人またそれらの権限の一部を代行する現場の管理人、現場監督というようなものはすべて対象になるわけでございます。したがって、いわば、日当をもらって、その日限り現場にやってくる単純労務者、こういう人たちをつかまえて、建築主あるいは施工者の名前や住所を聞くということは、実際問題として、それらの人がそういうことを知らないであろうことも相当多いと思う、現実の問題として。またそれらの方々は日当をもらってその現場に行くわけでございますから、そういう人たちを建築監視員がつかまえて、罰則を背景に聞くということも、いかにも大げさといいますか、ではないかということから、その部分は削除した、こういうことでございます。
#94
○二宮文造君 建築現場に大ぜいの工事の工事人がいますね。その工事人の中でどの人が日当をもらって工事に来ていて、どの人が責任者であるかということはわかりますか。だれかに聞かなければわからないじゃないですか、どうでしょう。
#95
○政府委員(大津留温君) もちろん聞かなくてもわかる場合もあるかもわかりませんが、おおよその場合はだれかに聞いてそれがわかるということかと思います。
#96
○二宮文造君 もしこのたてまえですと、そこの現場にいる工事人が、工事に携わっている人が、おれは責任者じゃないのだと、責任者でありながら責任者じゃないのだと、こういう言いのがれの口実を与える削除になりゃしませんか。
#97
○政府委員(大津留温君) もし御設問のように、責任者でありながら責任者でないと称したり、したがって質問に答えなかったということになりますと、正当な事由がなくて質問に答えないということの罰則の適用を受けることになろうかと思います。
#98
○二宮文造君 いや、そうではなくて、さっき局長は罰則を背景に工事に携わっている人に質問をするということはよろしくないというふうなたてまえのことをおっしゃった。私はそうではなくて、事が違法建築でしょう。そして施工者はだれなんだと、あるいは工事の責任者はだれなんだと、会社はだれなんだと、こうつかんでいくために、だれにでも質問をできるようにしておいたほうが、トラブルはかえって起こらないのじゃないでしょうか。むしろ削除する意義が、先ほどは合理性を主張されましたけれども、削除するほうが不合理になって、よけいなトラブルが起こるのではないか、私はこう思いますが、要するに質問をしていくという趣旨のほうから考えてみれば、削除するのは妥当ではないのじゃないか、こう思いますが、どうでしょう。
#99
○政府委員(大津留温君) もちろん任意に質問をすることはできるわけでございますが、法律に規定されたのは罰則を伴う質問権になることでございますから、先ほど申しましたように、それに答えずまたは虚偽の答えをしたという場合には罰則の適用を受ける、こういうことになりますので、単純労務者の方々につきましては、そういう形の質問というのはいかにも大げさ過ぎはせぬかと、こういうわけでございます。
#100
○二宮文造君 そうしますと、非常にここは局限されますね。法案を見ますと、建築物の敷地の所有者でしょう。それから管理者、それから占有者、それから建築主、この人たちはたいていおりませんね、現場には。それから建築物の設計者、これもままおりません。それから工事監理者、大きな工事ですと、大規模な工事ですと監理者の名前も表示しておりますし、油断もなりませんから常時いると、こういうふうに考えられますけれども、建築物に関する工事の施工者、この施工者という私は内容がどの範囲に施工者というのがあるのか、これを質問をしたいわけでありますけれども、施工者というと局限されてきます、おそらく。それからもうそれだけですね。次は、前の修正のときには建築物に関する工事は、工事に従事する者に対しと、これが削除されるわけですから、この施工者というとどの範囲になりますか。
#101
○政府委員(大津留温君) 先ほども申し上げましたが、工事の施工者という中には、工事の請負人、下請人さらにそれらの者の権限または責任の一部を分担しておる現場の管理者または現場、いわゆる現場の監督というような請負人の立場で仕事をやっておる責任者というものは全部含まれます。
#102
○二宮文造君 待ってくださいよ。そうしますと、法人の請負業者は法人の代表者ですか。現場監督というのはどういう法的な規制があるのでしょう。
#103
○政府委員(大津留温君) この現行法の百一条に、罰則の規定に関しまして、法人の場合のことを予想いたしまして、「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をした場合においては、」その法人とあわせて、その行為をした者が責任を負うという規定がございます。この規定からいたしまして、工事の施工者である何々建設会社という法人と、その法人の代表者なり代理人なり、使用人その他業務に関してその責任と権限の一部を委任を受けた者というのが対象になるわけでございます。
#104
○二宮文造君 もっと具体的に、どういう役職にある人というように、もっと具体的に説明していただけませんか。従事員となりますと、こういう分け方になるんでしょうか。常用の給料をもらっている者は全部従事員でしょうか。それから当日だけ出勤する、いわゆる日当ですね、日当で作業に従事している者は従事者になる、そして月給をもらっている人は、下請企業であろうとあるいは請負業者であろうと、給料をもらっている人は従業員と、こう見るんですか。
#105
○政府委員(大津留温君) その会社の責任と権限の一部を分担している者ということになるわけで……。
#106
○二宮文造君 たとえばどういう……
#107
○政府委員(大津留温君) いまおっしゃいました、給料をもらって働いているその会社の従業員でございましても、いまの会社の権限と責任の一部を分担していない者もおりますから、そういう者は当然に入りません。したがって具体的に申しますと、現場の監督人ということになりましょうか、一定の範囲あるいは一定の種類の仕事について、その現場について責任をもって労働者を指揮監督して、工事の施工を進める者ということができると思います。
#108
○二宮文造君 非常にあいまいになってきましたですね。建築監視員あるいは建築主事が違法建築の内容を質問しようと思っても、当該工事現場へ行って――まあ事務所があればいいですよね、事務所があるような大規模な工事ならいいんですが、普通の小さな工事をやっている、特に違反建築の場合はそういう例も非常に多いわけですね。そうすると、だれに質問をするかということで、監視員が手も足も出なくなる、こういう難が出てきませんか。
#109
○政府委員(大津留温君) 先ほども申しましたように、工事の施工者の責任と権限の一部を分担しておる、ここで言う工事の施工者に含まれる人がそうでないというようなことを称して答えないということになれば、この規定によって罰則を受けることになります。したがって、だれが責任者であるかあるいは責任者であるかないかということを尋ねることは、これは任意行為としてもちろん前提として必要になってこようかと思いますが……
#110
○二宮文造君 答える必要もないですね。
#111
○政府委員(大津留温君) それに対しまして、法律上答えるべき立場の者が答えなかったり、虚偽の答えをしたというときに罰則の適用を受ける、こういうことになります。したがって、その関係は現場について見ればきわめて明瞭であろうと、私は思います。
#112
○二宮文造君 これは水かけ論みたいになりますけれども、要するに監視員の制度を置くとか、あるいは、今回の改正で執行体制を明確にするとかというふうな今回の改正の趣旨から言いますと、この一項をはずすということは、違反建築を適正に措置していくというたてまえの今回の改正の趣旨からいきますと、これは後退ですね。こう断ぜざるを私は得ないと思うんです。ただ任意に質問するのは自由ですよと、こう局長は言いましたけれども、なるほど任意に質問するのは自由でしょう。ところが、それに答えないのも自由です。当該本人に、責任を持つべき立場にある当該本人にたまたまぶっつかって、そして質問して、本人がおれは知らぬぞ、おれじゃないよ。こういう虚偽の発言をした場合はおっしゃるとおりのことになりましょうけれども、その工事をやっている人に聞く、監督さんいますか、いませんぞ、相手もいませんぞと言っても、この人には何らの責任もないわけですね。かえって、監視員の方々が法を運営し、執行していくのに混乱を起こす、そういう削除になるんじゃないか。これは非常に大事な問題ですので、もう一ぺん御答弁いただきたい。
#113
○政府委員(大津留温君) ただいま先生が例におあげになりました、現場の労務者に対して監督さんいませんか、監督さん、だれですかという御質問ですね。それにかりに答えなかった、あるいは、いるのにいないとうそを言ったりという場合は、前の原案でもそれは無関係なんです。でございますので、前の原案、昨年の修正案によりますと、建築主の氏名、住所を聞くということでございますから、そういう法人が、一般に建築主の氏名等についてはまあ知っておる場合もありましょうが、知らない場合が普通じゃなかろうかというようなことを考えまして、その分は落とした、こういうわけでございます。
#114
○二宮文造君 おかしいですね。だれから金もらうか、わしは知らぬぞと言って働く人はいませんよ。ですから、これは水かけ論にもなりますし、私、この問題は非常に重大だと思うんです。ですから、また各党の委員の皆さんにもお話をして、これはしかるべく処置をお互いに検討すべき項目ではないか。こういうふうに申し上げまして、次のほうに移っていきたいと思うんです。
 それから、先ほど違反件数の内容を伺いました。特に昭和四十二年と比較してみますと、建蔽率が、昭和四十二年の場合は建蔽率の違反が三千百七十五件であった。それが何と四十三年には、それがもう倍以上になりまして、七千二百四件になった。こういう報告を伺ったわけです。そこで、ちょっと議論が変わりますけれども、行政代執行ですね、行政代執行が四十三年の場合は九件だったわけです。ところが今度は、先ほどの説明ではそれを緩和する、こういうようなお話でございますが、もしこの改正案によって、この改正案が成立した場合はどのように行政代執行がしやすくなるのか。これ、ひとつ説明いただきたい。
#115
○政府委員(大津留温君) 今回の改正案におきましては、行政代執行法の特例といたしまして、現行法ではこの代執行法の第二条で、「法律により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、」この代執行ができる。こういう規定に基づいてやっておるわけでございますが、今回の改正法案におきましては、この第二条のいわば特例といたしましてここにあります「その不履行を放置することが著しく公益に反すると認められる」という要件の適用をはずしたわけでございます。したがって、この法案からいいますと、建築基準法に基づく是正命令を義務者が行なわない場合は、直ちに行政代執行の手続に従って代執行ができるということになるわけでございます。つまり言いかえますならば、この建築基準法違反がございまして、命令を出したけれども、従わない。代執行をやるべきかという段階におきまして、執行者がこれをこのまま放置しておけば、著しく公益を害するかどうかということをそこでもう一度検討して、いよいよ代執行をやるという決意をすることになるわけでございますけれども、今回の法改正によりましては、そういうことを必要としないということでございますから、従来よりも積極的にこれを行なうことができるようになると思います。
#116
○二宮文造君 それで私の手元にいま建設省の建築基準法の改正に取っ組む姿勢を明らかにしたものが幾つかあります。たとえば四十二年の九月十三日の建築基準法の法制整備基本方針、この基本方針を見ますと、相当に厳格な違反建築物に対する考え方というものが出ているわけです。たとえば、もう御承知ですが、第四のところに、「工事中止命令は建築物に封印をすることによって行なうものとし、封印を破棄した者については刑法上の封印破棄罪の適用があるものとする。」あるいは第二号には「確認及び検査を受けていない建築物、違反是正命令を受けている建築物で違反のいちじるしいものについては、水道、電気、ガスの供給義務が免除されるものとする。」「3 違反建築物の設計及び工事施行に対する建築士法及び建設業法上の規制を強化する」あるいは第四に「建築物には工事完了検査済証を表示しなければ使用してはならないこととする。」「5 違反について執行罰制を設ける等罰則を強化するものとする。」「6 一定の資格を有する者を特別司法警察職員とするものとする。」こういうふうな、当時非常に違反建築が多い、それをまた一方では、冒頭でも申し上げましたようにざる法だと、こういうような非難もあって、法のきびしい改正を要求する国民の声も強い。それらを勘案してこの基本方針をお出しになったんですが、今回の法案を見ますと、この重要な部分が抜けていると私は思うわけです。なぜこのように変遷をし、改正の段階でいろいろ移り変わってきたか。しかも世間では違反建築が非常に多い、その是正を求める声は、この昭和四十二年当時よりも今日のほうが強い。にもかかわらず、政府が出されてきた案は、御承知のようにずっと後退した。いきさつはどういうわけでしょう。
#117
○政府委員(大津留温君) 御指摘のように、建築基準法違反が非常に多い、この執行が適正に行なわれていないということにつきましては、私どもも非常に遺憾に存じまして、それを何とか守れる、守りやすい法律にするとともに、これをひとつ厳格に執行しようということで、いろいろ検討いたしまして、今回の改正法案になったわけでございますが、数年来いろいろ検討してまいりました過程におきましては、いろんな御意見がございました。ただいま御指摘になりました法制整備基本方針というようなものも、その過程におけるある段階での考え方をまとめたものでございます。そこで建築審議会にもおはかりいたしまして、いろいろ御意見をちょうだいしてまいったわけでございますが、建築審議会の御答申の中に盛られたことも、必ずしも全部今回の法案には入っておりません。いろいろ御答申をいただきまして、法制局なり法務省ともいろいろ法律上できるかどうか、またそれを実行いたしました場合に、違反の取り締まりとして効果がほんとうにあがるかどうかということを、十分検討したようなわけでございますが、ただいま御指摘の、この工事中止命令をした場合、封印をするというやり方、これも一つの有効な手段だと思いますが、これはこの法律上、非常に難点があるということで、この原案に入っております建築監視員という制度と現場における中止命令並びに現場に対する標識の掲示ということになったわけでございます。また、この水道、ガス、電気の供給義務の免除につきましては、幸い厚生省、通産省におきましても、非常に協力的にやってもらえまして、行政措置としてそういうものについては供給をとめるという確約を得ておりますので、そういう線で措置いたしたい。また建築工法あるいは建設業法に基づく行政監督処分につきましては、この法案の中にございますそれぞれの監督権者に対する通報並びに何らかの措置をとって、回答を受けるということによって確保できるんじゃなかろうかと思います。また執行罰につきましても、非常にいろいろな点から検討いたしたのでございますが、まだ有効な方法、確信を持った方法を得るに至っておりませんので、今後引き続き検討したいと考えております。また特別司法警察権というようなものも、もし与えていただけるならば、取り締まりの側といたしましては相当有効なことかと考えますけれども、これは他のいろんな関連した問題が出てまいりますので、なかなかそれに踏み切るに至らなかった、こういう事情でございます。なお今後こういった問題につきましては、さらに研究を重ねまして、将来成案が得られましたならば、次の機会にまた織り込みたい、こういうふうに考えております。
#118
○二宮文造君 大臣が途中でちょっと退席されるようなんで、いまの二つの点についてお伺いしたいんですが、先ほどの工事の従事者に質問することができる、これを削除した。私は復活したほうがいいんではないか、そのほうがかえってトラブルを起こさない、また建築監視員も法の運営が非常にしやすくなるんじゃないか、これに対する大臣の御意見が一つと、それからもう一つは、執行罰をやっぱりここできちっと採用したほうが、違法建築、違反建築を食いとめていくと申しますか、それに適切な措置をしていくのに必要ではないか。参考人の方々も前回そういうようなお話もあったようでございます。その点についての大臣の見解を二点まず伺っておきたい。
#119
○国務大臣(根本龍太郎君) 二宮さんから御指摘のあった点は、それとして非常に意味のあることだと私は思っております。ただ私、この大体の内容を聞いてからのぼくの判断として、せっかく修正されたけれども、現在御審議願っているところでもいいんじゃないか、というふうに私自身が自分で納得したゆえんのものは、第一の点については、どうも最近におきましては大工さんとか左官という方々は、非常に人手が足りないために、現場においてはたらい回し的に、ずっと次から次へと、下請の下請負みたいな形でピースワークをやっておるという点が非常に多い。したがってそういう点では、自分が頼まれて行っておるところに、ずっとでき上がるまでおるということが少ないために、なかなか発注者なりその他がわからない。ところがそこに来た監督官に、おまえのあれはどこだと言われると、ついこれらの人も、どうも知らないと言う、知らないとは何事か、こういうふうに言ってかえってトラブルが起こる。そこでまあ現在の建築物等は、やはり現場にかなりの責任ある者が大体おるというように承知いたしましたので、そうするとその点においてこれが救済されるのではないか、そういうふうに説明も聞き、なおまた、せっかく与野党一致で衆議院段階で修正されたものが削除されると、相当なこれは重要な問題点ですから、私は立法の立場としてそういうものは好ましくないと思うんです。ただこれを削除して出すにあたっては、事務当局がそれぞれの党の委員会のほうにもしかるべく了解を得て出したと、こういうように私も大体聞いておりましたので、それならば、みんなの合意のもとであるならば、これはまたいいではないか、こういうふうに考えた次第です。
 それから第二点のことは、これはもう本来相当の責任をもって、これは執行罰をやらせるべきものが至当だと思います。ただ、現在も、訴訟関係なんかで見ると、この最高限が十万円以上のものは全部裁判にいってしまう。ところが、それより以下のものを、個々の執行罰的なものを、こういう行政法規でこれをやるということになると、どうしてもそれ以下の軽度の罰則をつけなきゃならない。それを現実に今度十万円程度のものをつけるとなると、結局正式の訴訟手続になる。こういうような点からいたしまして、これも、まあかなり妥協的な、便宜的な、その手続上、裁判の手続上、それから時間的な問題等を考慮して、現実に即していったほうが、理論的な正確性よりも、そのほうがより能率的だと、こういうふうな解釈に立ちまして、御指摘の点は、理論としてはまさしく、私は二宮先生の言うとおりだと思いますけれども、何しろ、この案件を一々今度訴訟とかなんとかでやると、押える点よりも手続の点において、非常に今度たいへんな時間的なロスが多くなってくるということで、まあ、たいへんこれは便宜的な考えでございまするが、この程度でやって、もうこれできないとなれば、もう一回考え直そうじゃないか、こういう点でございまして、理論的にはまさしく二宮先生御指摘のとおりだと、私も感じております。
#120
○委員長(大和与一君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#121
○委員長(大和与一君) 速記つけて。
#122
○二宮文造君 前段の大臣の説明、もし、私これ一言申しませんと、大臣の説明を了解したことになりますから、まあ前段の分につきましては、むしろそのほうが、工事従事人に質問をするという、あの修正の趣旨を生かしたほうが、現場の事情を頭に浮かべると、そのほうがトラブルがないんではないか。まあ、大臣のお話の中に、いわゆるお役所式な、昔のおいこら式な建築監視員の態度というものを、もし大臣が頭に置かれてたら、いまの人たちはそういうこともありませんし、むしろ、おっかなびっくりで違法建築のほうへ入っていくわけですから、おそらく当たりさわりのない質問のしかたをしていくんじゃないか。だから対象が広いほうが、法の趣旨が生かされてくるんじゃないか。こういう、私の申し上げたことは、いまだにやっぱり撤回する意思はございません。これはまた、各党に御承知を願いたいと思うわけです。
 それから、後段の説明につきましては、一応これでやって、なおかつ運営がうまくいかない場合は将来の問題として考えるんだと、そういう姿勢を確認して、次に進みたいと思うわけです。
 で、先ほどの違反建築、違法建築の中身を伺っておりましたときに、ちょっと私、聞き漏らしたんですが、建築士あるいは請負建築業者、それの行政処分の件数があまりにも少ないのではないか。ちょっと聞き漏らしましたんですが、行政処分三十七件というのは、対象は何に対する行政処分でしょうか。
#123
○政府委員(大津留温君) 建築士に対しまして、違反建築の設計をしたという事由で建築士を行政処分にしたのが三十七件、こういうわけでございます。
#124
○二宮文造君 ちょっと確認になります。次の六十六件というのは……。
#125
○政府委員(大津留温君) 建設業者に対しまして、同じく違反建築の施工にあたったという事由で行政処分をしたのが六十六件、こういうわけです。
#126
○二宮文造君 ちょっと頭に浮かべても違反の件数が四万八百十件、そして中身はいろいろございますけれども、また木命令を出されたり、仮命令を出されたりしたものを合計しますと約二千件をこえますですね。これに対して行政処分というのがあまりにも少ないのではないか。いわばやはり法には規制されていても、業者並びに建築士に対する規制というものはあまりにもなまぬるいのではないか。結局、建て売りを買ったり、それからまた違反建築が行なわれたその周囲の関係者、そういう人たちの立場というものが守られないではないか、こういう感じがするのですが、この点はどうでしょう。
#127
○政府委員(大津留温君) 従来、建築基準法違反に対する処分は、建築基準法に基づいて特定行政庁が行なう立場から、建設業者の違法または不当な行為に対しましては、建設業法で処分するというふうに法律が別になっておる関係で、それぞれ別々に運用されてきたというきらいが確かにございました。したがいまして、今回の改正におきましては、基準法違反の設計をした建築士、違反建築を請け負ってあえてそれを行なった建設業者という者に、必ず何らかの処分がなされるように、連携を密にするということで、通報制度を設けたわけでございます。従来、確かに御指摘のようにその間の連携といいますか、連絡が必ずしも円滑にいってなかったという点がございますので、今回の改正でその点を措置した、こういうわけでございます。
#128
○二宮文造君 従来の法律で、連絡が不十分であったから、今度は通報をして、それで連携を密にした、いわゆる違反建築に対する業者、あるいは設計士、そういうものについての責任の追及がきびしくなる、こういうふうな答弁でありますけれども、いま御答弁になりましたように、建設業法、建築基準法によらないで、建設業法とか建築士法には、建築に関する法令に違反した場合は、取り相しなりあるいは何らかの処分ができる、こういうようになっておるわけですね、でしょう。
#129
○政府委員(大津留温君) 現行法の建築基準法にはそういう建設業者に対する行政処分の規定はございませんです。
#130
○二宮文造君 そうしますと、建設業法あるいは建築士法における処分の免許の取り消しとかいう処分ができる場合は、どういう場合でしょう。
#131
○政府委員(大津留温君) 建設業法について申しますと、「建設業者が故意又は過失に因り建設工事の施行を粗雑にしたために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼす虞が大であるとき。」「建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき。」、建設業者が「その業務に関し法令に違反して罰金以上の刑に処せられ、又は建設工事に関する他の法令に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき。」というような規定が建設業法の二十八条にございます。建築士法についても同様の規定がございます。
#132
○二宮文造君 いま言われた「故意又は過失に因り」それが全然建築基準法と関連はありませんでしょうか。建築に関するその一切の基準、そういうものを規制をしたのが建築基準法でしょう。そうして「故意又は過失に因り」ということになりますと、基準法に違反したときも、これはいま局長が言われた前段の「故意又は過失に因り」と、これは十分に私はそれで援用できると思うんですが、できないんでしょうか。
#133
○政府委員(大津留温君) 建築基準法に違反の工事を行なったということで、建築業法に基づいて先ほど読みました条項によって処分を受けることがございます。それは先ほど読みました最後のほうで、建設業者は「その業務に関し法令に違反して罰金以上の刑に処せられ、又は建設工事に関する他の法令に違反し、」、「他の法令」の中に建築基準法が入ると思いますから、「建設業者として不適当であると認められるとき。」ということによりまして、建築基準法違反の行為があったものに対して、この建設業法に基づいてその建設業者が行政処分を受ける、こういうことになろうと思います。
#134
○二宮文造君 そこで、今回の法案を見ますと、建築主事なりあるいはまた監視員そういう人が、違反建築をした場合に建築主事がその建築士、建設業者等について監督官庁の長にそれを通知する、通報する。当該の長は営業の停止等の措置を講じ、その結果を建築主事に通知する。こういうふうに住復の規定がなされておりますけれども、ここでもっとこの趣旨を生かしていくためには、建築士法あるいは業法、宅建業法そういうものもあわせ改正して、そして違反建築に関係した建築士やあるいは建築業者、あるいは宅建業者について監督官庁は必ず何らかの処分をしなければならぬ、営業停止を含んで処分をしなければならぬというふうに義務づけをしないと、せっかく通報してもやるほうは特定の官庁ですから、処分をするのはそっちの自由なんですね。そうしますと、せっかく改善されてみても、実際の効果というものがいまのやり方では出てこないんじゃないか。必ず建築主事から通報する。その通報、通知に基づいて何らかの処分をしなければならぬという義務規定をここで明確にしておくべきじゃないか、こう思うんですがこの点はどうでしょう。
#135
○政府委員(大津留温君) 先生御承知のようにそういう意味もございまして、今回の改正法によりましては、そういう通知を受けた場合は監督権者である建設大臣または都道府県知事でございますが、その監督権者は遅滞なくその通知を受けたものに対しまして、建築士法または建設業法あるいは宅建業法に基づく免許または登録の取り消し、業務の停止処分その他必要な措置を講ずるものとし、その結果をまた通知するという規定を設けたわけでございます。したがって、何らかの通知をいたしますためには、何らかの処分をしないことには通知がおそらくできないと思いますので、そこで必ず何らかの措置をとらせるということになろうと思います。
#136
○二宮文造君 その判定のウェートは建築主事の通知のほうにウェートがあるのですか、あるいは特定の官庁の行政庁の判断にウェートがあるのですか、その点はどうですか。
#137
○政府委員(大津留温君) これはやはり建築士法なり建設業法なりあるいは宅建業法なりの所管する監督官庁の判断によるということにはなりますが、幸いなことに、この三法とも建設大臣が直接監督者である、あるいは都道府県知事が監督して、その指導に当たらせておりますので、この行政運営につきましては十分都道府県といたしましても、御趣旨のようなことが十分達成せられるように指導したいと思います。
#138
○二宮文造君 どうもその辺が私もすっきりいたしません。そういう問題についての現場の意思が、さらに強力な立場の意思によってしばしば阻害されるという例がいままでにあるわけです。だからせっかく監視員が懸命にやる、それを主事に報告する。そうしてそういう悪例を将来に及ぼさないために通知をする。ところが、その通知を受けた官庁の判断に基づいて処分がなされるといたしますと、やはり現場の意欲というものが相当に阻害されるのじゃないかという心配がありますから、この運営については、そういう趣旨において厳正に運営をするという当局の姿勢を私は確認しておきたい、もう一度御答弁を願います。
#139
○政府委員(田村良平君) お答えします。
 監視員の報告を上のほうで、報告を受けた者がかってに解釈するというようなことは慎むべきであります。やはり法の趣旨が正確に実施されますように、われわれは十二分に取り扱っていきたいというふうに考えます。
#140
○二宮文造君 それから先ほどお話がありましたガス、水道、電気、これも通産省なりあるいは厚生省と覚え書きをかわして、そうして供給義務を拒否する道を開いたかのごとき答弁がありましたが、これは実際にこの覚え書き程度のもので違法建築の水道やガスや電気の供給がとめることができるでしょうか、法の実効はどうですか。
#141
○政府委員(大津留温君) 昨年のこの法案の御審議の過程におきましても、ただいま御指摘になりましたような点、いろいろ御論議いただきまして、私どもといたしましても厚生、通産両省と十分連絡をとりまして、建築基準法に基づきまして違反建築の工事中止あるいは使用禁止を命じ、かつその旨を公示したものにつきましては、まだその家が人の居住に供されていないという段階におきましては、電気、ガス、水道の供給の申請がありましても、それを受け付けないということについて、十分両省間に打ち合わせができておりますので、きょう両省からも見えておりますので、その辺確認していただけばけっこうだと思いますが、そういう行政措置によってこの点は十分行なえ得るものと考えております。
#142
○二宮文造君 では両省から説明してください、厚生省、通産省。
#143
○説明員(国川建二君) お答えします。
 違反建築の給水申し込みの取り扱いの問題でありますが、ただいま建設省から話がございましたように、行政措置といたしまして、居住していない建物に対しまして、違反の実態があります、また、その違反是正の命令が出ている、その他十分な措置が講じられております場合には、給水申し込みにつきまして、水道事業者を十分監督指導いたしたいというふうに考えております。
#144
○説明員(西田彰君) 私どもも建設省のほうから今回のこの基準法の趣旨をよく承りまして、建設省の御方針に沿うように御協議をいたしまして、ただいま建設省のほうから御答弁がありましたような場合におきましては、電気、ガスの供給の保留をいたす措置を講ずるべく準備をいたしておりまして、各業界のほうにもその趣旨をすでに徹底して、ございますけれども、あるいは成立の際には通達、その他によりまして、その徹底を期するつもりでございます。
#145
○二宮文造君 何かうまく運営ができるようなお話なんですけれども、厚生省と建設省との、環境衛生局長と住宅局長との覚え書き、あるいは通産省の公益事業局長と住宅局長との覚え書き、これを見まして、はたして所期の目的が達せられるかどうか、非常に不安な点も出てまいります。たとえば同じようなことになるだろうと思いますけれども、通産省との覚え書きの中に、第二項にこうあるんです。「特定行政庁が電気またはガスの使用の申込みの承諾前に当該建築物が建築基準法の規定に違反しているため、当該申込みの承諾を保留するよう電気事業者またはガス事業者に公文書により理由を附して要請している」、こういうような要件があるわけでしょう。また、あるいは昭和四十二年の大阪地裁の判例によりますと、これは水道に関するわけですが、大阪市が被告になりまして、建築基準法違反の建築物に対する水道給水停止、これの訴訟事件がありまして、昭和四十二年の二月二十八日に判決が出ておりますが、この場合は、水道法をたてにとって被告のほうは負けておりますね。要するに大阪市です。これは道路の上に、道路予定地の上に基準法違反の建築物を建てて、そうしてその水道の給水装置が布設されたわけです。それに対して大阪市がこれは違反建築だから給水の申し込み受けても拒絶すべきであるのに、これを行なわないことを理由に大阪市に対し給水の廃止および損害賠償の請求を行なったわけです。ところが――ちょっと待ってください。ちょっと事実を読んでみましょう。「広島県に住む原告Nは大阪市東淀川区に土地を所有していたが、昭和三十六年三月に当該土地は被告大阪市を施行者とする新大阪駅周辺土地区劃整理事業の施行区域に含められ道路予定地とされた。ところが当該土地を朝鮮人三〇名が不法占拠した上、建築基準法違反の建築物をたて、昭和三十八年二月より七月までの間、給水装置を設置するために大阪市水道局長に対し、給水工事の申込みをし、結局は給水管その他の給水装置が布設された。そこで原告Nは水道の業者である大阪市はかかる不法占拠者に対し、また更に都市計画法、および建築基準法に違反する建物に対し給水の申込をうけても拒絶すべきであるのに、それを行なわないことを理由に、大阪市に対し給水の廃止および損害賠償の請求を行なった。」ところが、この判決は棄却です。要するに水道法に基づいて、水道法十五条は水道事業者に対し施行者から給水契約の申し込みを受けた場合には正当な事由のない限りこれに応じなければならない義務を課しているのであり、そこにいう正当な事由とは配水管がまだ布設されていない区域である場合、正常な企業努力をしているにもかかわらず給水量が著しく不足している場合、特殊な地形等のため給水が技術上著しく困難な場合等で、原告の主張するような事由は給水を拒否する正当な事由に当たらない、こういう判例が出ておりますが、この点も御承知の上で建築基準法違反に対して水道の供給は、給水はできない、こういう法的措置が可能でしょうか。
#146
○政府委員(大津留温君) 御指摘のように水、電気というのは生活に不可欠のものといえると思いますので、水道法または電気事業法でそれぞれ正当な事由がなければ給水しなければならない、こういうことになっております。しかし、一面違反建築の取り締まりの上から電気または水道等の供給を制限いたしまするならば、これがきわめて有効であるということでいろいろ法的にどの程度なら可能かということを検討いたしまして、先ほど御指摘の覚え書きによりまして、まだ居住の用に供せられていない建物であって建築基準法違反として工事の中止なり使用の停止が命ぜられ、その旨が公示せられておる、そういう状況におきまして給水義務者の供給の停止を要請いたしましたときには、その後に給水の申し入れがあってもそれに応じない、こういうことでございます。これは法制局とも十分御相談の上可能であるということで、この線で措置することにいたしておるわけでございます。
#147
○二宮文造君 いや、私が言いますのは、そういうことじゃなくて、むしろ積極的に違反建築を排除していく、こういう趣旨から言えば水道法なりあるいは電気ガス、公共事業法ですかね、あるいは建築基準法なり関係法律を整備をされて、そしてこの問題に取っ組むべきではないか、それはできないことはないと思うんです。それを、そのほうの法の整備をなさらないで、ただ通達とか覚え書きとかいわゆる行政の範囲内だけでそれを作業していこうとしても、いまおっしゃったように数々の私は難点が出てくるんじゃないか。むしろ法のほうを完備してこの問題の解決に当たるほうが先ではないか、こう思うんですが、この点はどうでしょうか。
#148
○政府委員(大津留温君) 先ほど申しましたようなやり方で、両省とも十分御協力いただくという約束になっておりますので、私は十分に効果があがると思いますけれども、もし実効上いろいろな面で法的な整備が必要だということがわかりましたならば、また十分研究してそういうことも考えたいと思いますが、現在の段階では、先ほど御指摘の覚え書きに基づいて十分その目的を達し得ると考えております。
#149
○二宮文造君 またここでも建設省が後退されて、いわゆる当初臨んだ姿勢がここでも後退しているということが明確になったわけですね。せっかく改正なさるんですから、まあ法律というものは漸次改正していくというのもひとつの趣旨でしょうけれども、違反建築というのがこれほど大きな問題になっている今日としては、取っ組む姿勢が少し弱過ぎるのではないか。何か建設省を取り巻く風の風圧が強いので、何だか姿勢がぐにゃぐにゃしてきたんじゃないか、という印象を私は持たざるを得ないわけです。
 それからさらに、いま局長は、まあこれで一応やってみて、そして実効があがらなければ法的規制をすると、こういうふうに考えるというふうな御意見なんですから、これはこれで私のところはとめておいて、次のもう一つ大事なことは敷地の問題です。現在、先ほども説明をいただきましたけれども、建蔽率の違反というのが相当に大きなパーセンテージを占めております。これはいろいろ手続に脱法行為があるんですね。隣の人の土地を一時借地するというようなかっこうで建蔽率の制限をうまく抜けていく、あるいは敷地が狭いために建蔽率どおりの建築を建てたんでは十分な間取りが取れない。そこで確認申請に対して隣の庭を借りたようなかっこうにして、そして自分の敷地内に計算をして申請をする、あるいは同じ敷地を何回も重複して利用して、そしてその申請をする、こういうふうなことがいままでも行なわれてきたわけですね。ですから御承知のような宅建業者の建てた建て売り住宅、これはもうたいへんなものです。もうそれこそ袋小路になって、火事でも起きたらそれこそ消防車も入らない、みすみすその一画が灰じんと帰してしまうというふうな、われわれが見てぞっとするような建物が、市街地周辺あるいは市街地にずいぶん建っております。こういうふうな敷地の二重使用を今回の改正にあたってはどう考慮されたのか、この点をお伺いしたい。
#150
○政府委員(大津留温君) 建蔽率違反が非常に多いということは御指摘のとおりでございます。これの制限を免れるために、いまお示しのような庭を一時借用したような形にするというようなやり方が、往々見られます。これらの違反をどうやってあらかじめ見出して、これをなくするかということでございますが、建築確認の申請書が出てきました場合には、その申請書にいま申しましたように他人の庭を借りているというようなことを、自分の庭のようなかっこうで出してくるということがございます。そういう場合には建築主事がこの確認申請書を審査する場合に、やはり敷地と建物との位置、かっこうなんかを見まして、何かそういうインチキをやっているのは、どこか不自然な配置になるということがよくありますので、申請書を審査する段階においてこれを発見する。またこの建築監視員が建築現場を巡回いたしまして、確認申請どおりの工事を行なっておるかどうか。また確認なしにそういう建蔽率違反の建築をしていないかということを、巡回査察によって極力発見するというようなことで、この予防に対処したいと考えております。なかなかこの有効適切な方法がわれわれとしてもいろいろ考えたんでございますが、御意見としては敷地台帳制でもとったらどうかという御意見もございます。一たん建築物の敷地として使用したものは、二度と他の敷地に供さないために、そういった台帳を――公簿を備えたらどうかという御意見もございますが、これはなかなか実際問題としてたいへんな人員、予算も要することでございまするし、また現在の不動産登記簿との関係もございます。そういうことで確認をいたしました書類は整理をいたしまして、そういった台帳的な作業に使うということは、これは実際問題としてやりますけれども、あらたまった法定の台帳というようなことになりますと、いろいろ問題がございますので、今回はそこまでは取り込むことができませんでしたが、今後なお十分そういう方法も検討してまいりたいというふうに考えております。
#151
○二宮文造君 御意見というふうな話でございましたけれども、先ほど私あげました基本方針の中にです、四十二年九月十三日の建築基準法制整備基本方針、この中にいまおっしゃった意味のことは書かれているわけですね。「敷地を登録簿に記載することにより敷地の重複使用による違反を防止する制度を設ける。」私はこの昭和四十二年の基本方針を見ますと、これはまことに違法建築に取っ組もうとする建設省の姿勢というものが明確にあらわれておりますし、これなら国民の皆さんもほんとうに納得すると思うのです。これはりっぱなものです。ところがいろいろな移り変わりで、今回提案された法案を見ますと、肝心な部分が全部消えているわけです。そして一応これでやって、まずければ次の段階に進みますというふうな、積極姿勢から消極も消極、とにかく当面を糊塗するというふうな姿勢に変わったというそしりを私は免れることはできないと思うのです。当然この敷地の問題についても、いまこの基本法案にありますように、台帳を整備して、そして重複使用を避けるように前向きにすべきではないか、こう思います。これはひとつ、同じ答弁が予想されますので、別段答弁は要求しませんけれども、これも大きな問題として、疑問として、私、ここに残しておきたい、こう思うわけです。
 それから、もう時間もたってきましたので、もう一つは、とにかく違法建築で困っていらっしゃる周辺の方が、もう相当数にのぼる。そして、まああるグループをつくって、そしてその姿勢を改めてもらいたいと、精力的にお忙しい中で努力をされているグループを私、知っております。そこで、そういう違法建築で被害を受けている人を救済していくその手段がいま欠けているのじゃないか、こう思います。たとえば、九十四条によって建築審査会に不服の申し立てができるのは、特定行政庁の処分を受けたもの、たとえば確認申請を求めたのに確認されなかったものとか、あるいは是正命令を受けたものに限られているようであります、九十四条の不服申し立てができる範囲は。いわゆるその範囲にとどまるのかどうか、その範囲をまずお伺いしたい。
#152
○政府委員(大津留温君) これはまあ、法文にございますように「特定行政庁又は建築主事の処分又はこれに係る不作為」ということでございますから、いまお話しのように、建築確認申請に対して確認をしたあるいは確認をしない、またこの法律に基づいて特例の許可を特定行政庁がする条項がございますが、それに基づいて許可をした、あるいはしないという申請の相手方に対してこの不服の申し立てができる、こういうことになっております。
#153
○二宮文造君 これらの違法建築の被害者というのは、一体だれでしょうか。だれだと思います、違法建築の被害者は。
#154
○政府委員(大津留温君) 違反の態様にもよりますが、直接的にはその違反建築によって、たとえば御承知のように日が当たらなくなったとかいう、あるいは違反の工場があれば、非常に隣で騒音に悩まされているというような方が、直接の被害者と言えるかと思います。一般的に、その地域の町として健全な環境を維持するために、いろいろ建蔽率ないしは容積率という制限がございますので、そういうものに違反しておればそういう良好の環境がつくれないという意味では、周囲の住民の方々も何らかの形で違反建築の被害を受けているということが言えないこともないと思いますけれども、まあ法律上の利益を害されたというようなことばに該当するものとしては、北側の隣に接しておる方というようなことになろうかと思います。
#155
○二宮文造君 第一義的には隣の人、まあその範囲を広げていけば、付近の住民の方が被害者になる。じゃ、それらの被害者の方々は、これらの違反建築、違法建築をどう、それらの被害者が救済される方法はどこにあるのでしょうか。
#156
○政府委員(田中康民君) ただいまの御質問でございますが、まず一つは、その人たちがたとえば日照権というような権利がある程度認められておりますけれども、そういうものを害されたことに伴う損害賠償請求というものがございます。これは、相当の裁判所でも認めておるところでございます。
 それから第二に、ただいま住宅局長から御答弁がありました見解は、確かに訴訟なり不服申し立てを認めないというのがいままでのやり方だと思いますけれども、最近におきましてはたとえば違法な建築確認処分によりまして第三者の権利利益が直接に害されたというような場合におきます第三者からの訴訟によりまして、裁判所はこの違法な確認について裁判をしておる例がございます。で、そういうことから考えまして、私たちはやはり不服の申し立て制度というものをある程度広く認める趣旨から申しまして、異議申し立てなり審査請求につきましてはやはりそういう違法な建築確認というものによって権利を侵害された人たちに対しましてもこれを認めていくべきものではなかろうか、こういうように考えておるわけでございます。
#157
○二宮文造君 法制局のそういう見解に対して、建設省はどうお考えになりますか。
#158
○政府委員(大津留温君) 私どももただいまの法制局の第二部長の御意見ごもっともだと思いますので、私どももそういう解釈でまいりたいと考えております。
#159
○二宮文造君 そういう解釈というのは、いわゆるこういう建築審査会それに審査の申し立てをする、その申し立ての範囲の中に加えていく用意があるという意味に解してよろしゅうございますか。
#160
○政府委員(大津留温君) 先ほど法制局の第二部長が答弁されましたように、違法な確認処分によりまして直接利益を害されたもの、こういうものに対しまして不服の申し立ての権利を認めるということはけっこうだと思います。
#161
○二宮文造君 ちょっと待ってください。その何かただし書きがついたような――私はいわゆるその違法建築、その被害を受ける隣人あるいは付近の住民の方が被害を受ける、困った、何らかの措置を講じてもらいたい。――なるほど監視員の制度も今度設けられましょう、それからまたその意味で巡回をして違法建築の摘発に努力をするという趣旨はわかりますけれども、これもやはりその人手の問題でして、なかなかスムーズに動かない。近所の人はこれはもう不特定多数ですから、被害があれば、目の前に行なわれているわけですからすぐわかる。違法建築と確認された場合に、被害が確認された場合にのみ申し立てを受けるという趣旨に私は解したんですが、そうではなくて、目の前に起こりつつある問題についても、これが違法であるかどうかという趣旨に対して不服の申し立てができるのでなければ、せっかくの趣旨が私は生かされないと思うのですが、この点はどうでしょうか。
#162
○政府委員(大津留温君) この行政不服審査法に基づく不服の申し立てにつきましては、先ほどお答えしたとおりでございますが、ただいまの御質問の、その近所に違法建築が行なわれつつある。それによっていろいろ影響を受けるという立場の方、こういった方々は実際問題として特定行政庁といいますか、都で言えば区役所とか都庁に御連絡いただければ、建築監視員の十分目が届き得ないようなところに、そういう違反建築が行なわれているということで通報いただければ、監視員が出かけて行って工事の中止を命ずるということになろうかと思います。いろいろ違反建築被害者の会という団体がございまして、そういう申し出をしてもなかなか特定行政庁で取り上げてくれない。また命令を出しても、それが一向行なわれないままに放置されているという御不満を、再々聞いております。それらの違反が非常に多くて十分取り締まりが行なわれないということが、今回の改正によってそれらの事態を打開しようということで、法律の改正と相まって人員の増強、予算の増強ということで対処していきたいということでございますので、取り締まりに当たる特定行政庁のほうに申し出をしていただくというのが、まず第一だと思います。それでもなお十分な措置がとられないというときのことでございますが、御指摘のように建築審査会というのは、そういうことのために設けられた機関ではございませんけれども、建築審査会が特定行政庁に対して、いろいろ建築基準法上の扱いについて建議をするという権能もございますので、審査会のほうにそういうことのお申し出があれば、いろいろ伺った上で、それは個々の事案の措置ということでなくて、特定行政庁の基準法施行の一般的なあり方として、特定行政庁にいろいろ意見を申し出る、建議するということになろうかと考えております。
#163
○二宮文造君 何か、あれですね、かゆいところに手が届くのが、私は法律ではないかと思うんですが、どうも――補足するところがあれば。
#164
○政府委員(大津留温君) 大臣からこの点残っておりはせぬかとの御指摘がございましたが、建設省にそういうことの御指摘があれば、建設省が都なりまた都を通じて区に行政指導するということもできます。
#165
○二宮文造君 非常に、重大な大臣の御発言――大臣の示唆に基づく御発言をいただいたわけです。まあ建築審査会がそういう趣旨のものでないということは、よく私わかります。わかりますが、とにかくいま違法建築による被害者が全国に非常に多い。そうしてせっかくの自分の生活の本拠が脅されている。こういう事実を勘案された上での本改正であったならば、そういう方々を救済していくことの何らかの措置が、今回の改正に組まれるべきであったが、それは見送られてしまった。まことに残念なことですけれども、もう建設省へそれを言ってきてくれれば、当該官庁に対して積極的に活動を慫慂する、そうしてその被害者の方々の立場を積極的に救済していく、そういう趣旨の答弁をいただきましたので、これは私もう突っぱりません。ぜひその趣旨を、忙しいとか、あるいはお役所というのはえてして窓口が、どこへ窓口を通していいかわかりませんし、窓口の体制をしっかりしていただいて、いまのお話が無にならないように、ひとつ改正を組んでいただきたい。そういうことで私はこの問題を終わりにしたいと思います。できれば、審査会に不服申し立てをするような道を開いていただけばどうか、こういう考えもありましたけれども、こだわりません。
 要するに、あと日照権の問題もありますけれども、時間が相当に延びてまいりましたので、結論に入らしていただきますけれども、何点か私この法改正の問題で不十分な、不満足な点を指摘いたしまして、その際の当局の答弁は一応これにしておいて、そうして実効があがらなければ、次の段階を考える、こういう前向きの答弁でございました。その中でも譲れるものと譲れないものとございます。どうしても今回の改正に組み込んでもらいたい、こういう面も私そのつど留保してまいりました。ひとつ、大臣のほうも、私がいま指摘をし、お願いをしました部分を振り返りながら、この法の運営にあたってどう措置をされていくか、大臣の決意を伺って、本日のところは私終わりにしたいと思います。
#166
○国務大臣(根本龍太郎君) あらゆる法律というものが、理論的な完全を期しても、実情に沿わなければ、これは空文になります。したがって常に法律というものは比較的、総合的に見て効果があがるということで立法されなければならぬと思う。したがいまして現実にこの改正案が提出された後、いろいろの矛盾が出てくると思います。これは特に都市化現象が非常に急速に進んでおるこの社会構造の変遷の過程において、これは必然的に起こると思いますから、それに対応して、法律もまた常に運用面においても立法の面においても、これは弾力的に改正並びに運営の改善をはからなければならぬと思います。そういう前向きで今後も運営してまいりたいと思います。
#167
○委員長(大和与一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#168
○委員長(大和与一君) 速記をつけて。
 本案に対する質疑は、本日は、この程度にいたします。
    ―――――――――――――
#169
○委員長(大和与一君) 次に、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。根本建設大臣。
#170
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま議題となりました道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 政府におきましては、従来から長期的な視野に立ち道路整備事業の一環として有料道路の整備を推進し、今日まで相当の成果をあげてまいりましたことは、御承知のとおりであります。
 しかしながら、自動車交通量の伸びに対し道路の総合的な開発と交通事故防止のためには、一般道路とあわせて有料道路についてもさらに強力にその整備を推進する必要に迫られている次第であります。
 このような観点から、政府といたしましては、有料道路の整備の効率化とその管理の適正化をはかるため、種々の施策を講じておりますが、とのたび道路整備特別措置法の規定に基づく有料道路の料金徴収の特例を設ける等の措置を講ずることとし、この法律案を提出することとした次第でございます。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず第一に、日本道路公団または道路管理者は、高速自動車国道を除く二以上の有料道路で、交通上密接な関連を有すると認められる等の一定の条件に該当するものを、建設大臣の許可を受けて、一つの道路として合併採算して料金を徴収することができることといたしました。
 第二に、道路管理者は、日本道路公団が管理している都道府県道または指定市の市道である有料道路については、日本道路公団と協議し、かつ、建設大臣の許可を受けて、その管理を引き継ぐことができることといたしました。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#171
○委員長(大和与一君) この際、引き続き補足説明を聴取いたします。蓑輪道路局長。
#172
○政府委員(蓑輪健二郎君) ただいま提案になりました道路整備特別措置法の一部を改正する法律案を逐条的に御説明申し上げます。
 まず、第三条の次に新設いたします第三条の二の規定でありますが、これは、日本道路公団が第三条第一項の許可を受けて料金を徴収している二以上の道路につき、その通行者または利用者が相当程度共通であるか、相互に代替関係にあることにより、交通上密接な関連を有すると認められ、かつ、料金の徴収を一体として行なうことが適当であると認められる特別の事情が存する場合には、建設大臣の許可を受けて、これらの道路を一つの道路として料金を徴収することができることとするものであります。
 次に、第四条の改正は、第三条の二の規定の新設に伴なう形式的な字句の修正であります。
 第六条第一項の改正は、第三条の二の規定の新設に伴い、日本道路公団がこの規定に基づく許可を受けようとする場合には、許可を受けようとする道路の道路管理者と協議等を行なわせることとするものであります。
 第八条第一項及び第八条の二の改正は、新たに第八条の二の規定を設けるための形式的な字句の修正であります。
 第八条の次に新設いたします第八条の二の規定でありますが、これは、都道府県及び市町村である道路管理者が第八条第一項の許可を受けて、料金を徴収している二以上の道路につき、前述の日本道路公団が管理する道路の場合と同じく第三条の二第一項各号に掲げる条件が存する場合には、建設大臣の許可を受けて、これらの道路を一つの道路として料金を徴収することができることとするものであります。
 第九条第一項の改正は、第八条の二の規定の新設に伴う形式的な字句の修正であります。
 第十条第二項の改正は、第二十七条の二の規定の新設に伴い、この規定による協議に基づき日本道路公団が道路の新設または改築に関する工事を廃止しようとするときは、あらかじめ、その旨を公告させることとするものであります。
 第十一条第二項の改正は、第三条の二及び第八条の二の規定の新設に伴い、これらの規定による許可にかかる料金の額は、当該許可にかかる道路の通行または利用により通常受ける利益の限度を越えないものでなければならないこととするものであります。
 第十二条第一項の改正は、第三条の二及び第八条の二の規定の新設に伴い、これらの規定による許可にかかる料金は、当該道路を通行し、または利用する道路交通法第二条第八号に規定する車両から徴収することとするものであります。
 第十三条第一項の改正は、第三条の二及び第八条の二の規定の新設に伴い、建設大臣は、これらの規定による許可をしようとするときは、第三条の二第二項第二号の料金にかかる部分について、あらかじめ、運輸大臣と協議等を行なわなければならないこととするものであります。
 第十四条の二の改正は、第三条の二の規定の新設に伴い、この規定に基づく料金を不法に免れた者から、割り増し金を徴収することができることとするものであります。
 第十五条第二項の改正は、形式的な字句の修正であります。
 第二十三条の改正は、第三条の二及び第八条の二の規定の新設に伴い、第三条の二第一項及び第八条の二第一項の規定に基づく料金は、それぞれ日本道路公団及び道路管理者の収入とするものであります。
 第二十五条の改正は、第三条の二の規定の新設に伴い、同条第一項の規定に基づく料金については、道路法第七十三条の規定を準用して、強制徴収することができることとするものであります。
 第二十七条の次に新設いたします第二十七条の二の規定でありますが、これは、都道府県または指定市である道路管理者は、日本道路公団が第三条第一項の許可または第三条の二第一項の許可を受けて、新設し、もしくは改築し、または料金を徴収している都道府県道または指定市の市道であって、かつ、当該道路管理者が日本道路公団に支弁する費用を含む当該道路の新設または改築に要する費用の全部または一部が償還を要するものについては、あらかじめ、道路管理者である地方公共団体の議会の議決を経て日本道路公団と協議し、かつ、建設大臣の許可を受けて、日本道路公団が新設し、または改築している道路にあっては当該道路の新設または改築及び料金の徴収を、その他の道路にあっては料金の徴収をみずから行なうことができることとするとともに、これに伴い必要な改正を加えることとしたものであります。
 最後に附則でありますが、第一項は、この法律の施行期日を定めたものであります。
 第二項は、道路整備特別会計法の一部を改正するものでありまして、第八条の二の改正に伴う形式的な字句の修正であります。
 以上、道路整備特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、逐条的に御説明申し上げ次第であります。
#173
○委員長(大和与一君) 本案については、本日はこの程度にとどめ、質疑は後日に譲ります。
 本日は散会します。
   午後三時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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