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1970/03/19 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第8号
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1970/03/19 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第8号

#1
第063回国会 逓信委員会 第8号
昭和四十五年三月十九日(木曜日)
   午後零時四十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         近藤 信一君
    理 事
                長田 裕二君
                新谷寅三郎君
                松平 勇雄君
                永岡 光治君
    委 員
                植竹 春彦君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                菅野 儀作君
                久保  等君
                野上  元君
                森  勝治君
                塩出 啓典君
                村尾 重雄君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  井出一太郎君
   政府委員
       郵政政務次長   小渕 恵三君
       郵政大臣官房長  野田誠二郎君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会技
       師長・専務理事  野村 達治君
       日本放送協会専
       務理事      川上 行藏君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣送付、予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、郵政大臣から趣旨説明を聴取いたします。井出郵政大臣。
#3
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま議題となりました日本放送協会の昭和四十五年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣の意見を付して国会へ提出するものであります。
 まず収支予算について概略を申し上げますと、事業収支におきましては、収入、支出とも九百九億八千万円で、前年度に比し、それぞれ七十二億三千万円の増加となっており、資本収支におきましては、収入、支出とも三百七億三千万円で、前年度に比し、それぞれ九十二億三千万円の増加となっております。
 なお、事業支出のうち、九億五千万円を資本収支へ繰り入れることとなっております。
 次に事業計画につきましては、そのおもなものは、テレビジョン放送及びラジオ放送の全国普及をはかるため、放送網の建設を行なうこと、テレビジョン・ラジオ放送とも番組内容の充実刷新を行なうとともに教育、教養番組の利用促進につとめること、積極的な営業活動を行ない、受信契約者の維持増加をはかること等となっております。
 最後に資金計画でございますが、これは収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金の需要及び調達に関する計画を立てたものであります。
 郵政大臣といたしましては、これら収支予算等について、慎重に検討いたしました結果、これをおおむね適当であると認め、お手元にお配りいたしましたとおりの意見を付した次第であります。
 以上のとおりでございますが、何とぞ御審議の上、御承認のほど、よろしくお願いいたします。
#4
○委員長(近藤信一君) 次に、日本放送協会会長から説明を聴取いたします。前田日本放送協会会長。
#5
○参考人(前田義徳君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和四十五年度収支予算、専業計画及び資金計画につきまして、御説明申し上げる機会をお与えくださいましたことに対し、厚くお礼申し上げます。
 協会の昭和四十五年度の事業の運営につきましては、事業経営の長期的構想のもとに、テレビジョン、ラジオ両放送の全国普及の早期達成につとめますとともに、すぐれた放送を実施して、国民の要望にこたえ、国民生活の充実向上に資するよう努力する所存でございます。
 次に、そのおもな計画について御説明申し上げます。
 まず、建設計画から申し上げますと、テレビジョンにつきましては、難視聴地域の早期解消をはかるため、総合テレビジョン局二百四十局、教育テレビジョン局二百四十局の建設を完成するとともに、総合、教育両テレビジョン局ともそれぞれ百四十局の建設に着手することといたしております。これらにより四十五年度末におきましては、総合、教育両テレビジョン局とも千二百二十七局となり、全国総世帯に対するカバレージは、両放送網とも九七%となる予定であります。
 このほか、辺地における共同受信施設を八百施設設置することといたしております。また、県域放送を実施するためのテレビジョン局神戸等三局を建設するほか、東京、大阪におけるUHFテレビジョン実験局の建設を完成することといたしております。
 一方、ラジオにつきましては、放送の受信困難な地域の解消をはかるため、秋田第二放送大電力局の建設を完成することといたしております。
 また、超短波放送におきまして、県域放送を実施する放送局を含め五十局の建設を完成するとともに、五十局の建設に着手することといたしております。
 これらによりまして、四十五年度末の全国総世帯に対するカバレージは、第一放送九九・七%、第二放送九八・七%、超短波放送九二%となる予定であります。
 また、経営の近代化と業務の集約化を行ない、事業運営の効率を高めるため放送センターの総合整備に着手することといたしております。
 このほか、前年度に引き続き、札幌放送会館の整備を取り進めるとともに、奈良、神戸等の放送会館の整備を行なうほか、カラー放送の拡充に対応する設備の整備、研究用設備の整備、近代化のための機器の整備等を実施することといたしております。
 次に、事業運営計画につきまして申し上げます。
 まず、国内放送につきましては、テレビジョン、ラジオとも番組内容の向上刷新につとめることといたしておりますが、テレビジョンにおきましては、総合放送は、広く一般を対象として、番組の各分野にわたり調和のある編成を行ない、特に、七〇年代における内外の諸問題についての理解と展望に資する番組を重点とし、日本万国博覧会に関する番組及び札幌国際冬季スポーツ大会の放送等を実施することとし、教育放送は、学校放送、通信教育番組を中心に編成を行なうとともに、番組内容の充実につとめることといたしております。
 また、カラーテレビジョン放送につきましては、小学校向け理科番組などカラー放送に適した番組を対象に拡充することとし、放送時間を一日十四時間とすることといたしております。
 ラジオにおきましては、第一放送及び第二放送の全般にわたり番組の刷新をはかり、受信者の聴取態様に適合した効果的な番組の編成を行なうとともに、超短波放送におきましては、県域を基本とするニュース・インフオメーション番組等ローカル放送を充実強化するとともに、ステレオ放送等超短波放送の特性を生かした番組の充実をはかることといたしております。このほか、放送番組の利用促進等の諸計画を実施することといたしております。
 また、国際放送につきましては、前年度一日三十六時間三十分に対し、三十分増加して、一日三十七時間の規模により南アジア・アフリカ向け放送について拡充をはかるとともに、各地域の特殊性に即した番組を編成するほか、国際放送の周知の強化等により放送効果の増大をはかることといたしております。
 次に、営業関係につきましては、社会情勢の変化に即応した諸施策を積極的に推進することとし、受信者の理解と協力を得るよう、協会事業の周知につとめるとともに、受信の改善を積極的に行なうことといたしております。特に、UHFテレビジョンの普及の促進、辺地におけるテレビジョン共同受信施設に対する維持対策、電波障害防止対策等により、極力、受信契約者の維持開発につとめ、あわせて受信料の収納につきましても、一そう確実を期するよう努力することといたしております。
 一方、受信料の免除につきましては、新たに、母子寮、老人ホーム等社会福祉事業施設の入居者、重度の精神薄弱者を有する市町村民税非課税の世帯及び青年の家、児童文化センター等の社会教育施設に対し、全額免除を行なうとともに、重度の肢体不自由者、重度の戦傷病者に対し、半額免除の措置を講ずることといたしております。
 また、基地周辺に居住する受信者に対しては、受信環境の実情にかんがみ、免除範囲の拡大の措置を講ずることといたしております。
 調査研究につきましては、番組面において、国民生活時間調査、国民世論調査、番組聴視状況調査等を行なうとともに、技術面において、放送技術新分野の開発、放送衛星に関する研究、UHFテレビジョン及びカラーテレビジョンの改善研究等を積極的に実施することといたしております。
 経営管理関係につきましては、事業規模の拡大に伴う業務の増大に対処いたしまして、業務全般にわたり効率化を積極的に推進し、経費の節減につとめますとともに、業務の機械化及び職員に対する教育訓練の実施等により企業能率の向上をはかることといたしております。
 また、給与につきましては、社会水準に比し、適正な水準を維持するよう改善をはかる所存であります。
 最後に、これらの事業計画に対応する収支予算につきまして申し上げます。
 事業収支につきましては、収入において九百九億八千三百万円を予定いたしておりますが、昭和四十五年度における受信契約者の増減につきましては、契約総数において、年度初頭二千百八十八万三千件に対し、八十一万件の増加をはかることとし、このうち、カラー契約においては、年度初頭三百五十五万九千件に対し、二百四十万件の増加を見込み、普通契約においては、年度初頭一千八百三十二万四千件に対し、カラー契約への変更等により百五十九万件の減少となり、これによる受信料収入を八百九十五億一千万円と予定いたしております。
 このほか、国際放送関係等の交付金収入一億四千九百万円、預金利息等の雑収入十三億二千四百万円を予定いたしております。
 これに対する支出といたしましては、総額九百九億八千三百万円で、国内放送費に二百六十四億九千二百万円、国際放送費に七億四千五百万円、業務費に八十億二千六百万円、調査研究費に十四億八千七百万円、管理費に百一億三千五百万円、給与に二百六十九億八千二百万円、減価償却費に百三十二億九千万円、関連経費に二十四億七千百万円、予備費に四億円を計上するほか、資本収支へ九億五千五百万円の繰り入れを予定いたしております。
 次に、資本収支につきましては、収入において三百七億三千二百万円を予定いたしており、減価償却引き当て金、固定資産売却収入等を二百十三億七千二百万円と見込み、外部資金の借り入れにつきましては九十三億六千万円を予定いたしております。
 これに対する支出といたしましては、総額三百七億三千二百万円で、建設計画の実施に二百二十七億円、放送債券の償還に五十一億四千二百万円、長期借入金の返還に十四億円、放送債券償還積み立て金の繰り入れに十四億九千万円を計上いたしております。
 以上、昭和四十五年度日本放送協会の収支予算、事業計画等につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国経済文化の発展、国民生活の向上に放送の果たすべき使命が、ますます重要となっていることに思いをいたしまして、従業員一同総力をあげ、この職務遂行に努力する所存でありますので、委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞすみやかに御審議御承認を賜わりますようお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。
#6
○委員長(近藤信一君) これより質疑に入ります。
 本件に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○白井勇君 私はごく幼稚園みたいなことをお尋ねを申し上げるんでありまして、もしこの委員会におきまして、すでに他の同僚からお話がありまして話のついておるようなことがありましたら、それは繰り返しお答え願う必要ありませんから、いつ幾日の議事録を見てくれと、こういうふうにひとつお示しをいただきたいと思います。
 NHKの予算に入ります前に、私ちょっと郵政御当局に伺ってみたいと思うんでありまするが、この間、同僚の森委員の御質問に対しまして、局長さんの話によりますと、放送法・電波法の改正にいま取り組んでおるんだ、相当作業としては大きいものであるだけになかなかたいへんなことであるけれども、できるだけ急いで作業をやりまして、できるだけ早い機会に国会へ提出をいたしたいと、こういうお話がございました。私、しろうとでわかりませんけれども、電波監理局の仕事といたしましては、いろいろ問題が、たとえてみまするとVからUに転換をするあの道行きの問題、あるいはまた音声放送の再編成の問題、それにからみまして放送大学というような問題もあるわけでありまして、また、差し迫ってはCATVの措置の問題、いずれもたいへんなこれは問題で、まあ私たちしろうとから見ましてたいへんな問題である。そういう問題が山積をしておるわけでありまするが、これらの問題というものは一ぺんで、たとえば秋ぐらいまでに結論を出すというような作業がいま進められておるものなのか、あるいはそのうちでも、こういうものを先に取り組んでおるんだ、こういうかっこうになっておるものなのか、その辺をちょっと承りたいと思うんです。
#8
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 現在電波監理局では、お話しのように放送法・電波法の改正の問題、音声放送の再編成の問題、VHFからUHFへの移行の問題、その他確かに山積しているわけでありますが、この前、森先生にもお答え申し上げたわけでございますけれども、放送法・電波法の問題につきましては、これはもう従来からの最大の懸案でございますので、私どもといたしましては、現在鋭意その問題に取り組んでいるという状態でございます。これは放送だけの問題ではございませんで、一般無線の問題も非常に含んでおるわけでございますので、そういった点につきましても電波局をあげて、あるいは省をあげてということでやってまいっておるわけでございます。
 そのほかの問題につきましては、時間が非常にはっきりしている問題は、ことしの秋、十一月一日に放送局の一斉再免許がございます。それはラジオとテレビと両方あるわけでございますけれども、これはいずれにしても処理しなければならない。したがいまして、いま作業を進めておりますけれども、音声放送の再編成の問題につきましては、これはいまおっしゃいましたような放送大学の問題という問題が急といいますか、昨年あたりから出てきたということもありまして、それを含めましていま検討している段階でございますが、放送大学につきましては、御存じのように、現在文部省で放送大学準備調査会というもので、その内容をどうするかということを検討しておりまして、昨日も新聞に載っておりましたようなことで、やっと大学におきまする教育の課程、一単位何時間くらい放送をやるとか、そういったこまかい点がだんだんきまっていくという状態でございまして、それにつきまして波の点をどうするかというところまで、あるいはまた免許の主体をどうするかというところまではまだ煮詰まっていないようでございますけれども、昨日あたりの情報によりますと、七月一ぱいあたりまでには報告が出るということでございますので、私どもとしましてはそういったところと密接な連絡をとりながら準備を進めているというわけであります。やはり再免許の時期くらいまでには音声の再編成につきましての大きな方針は出したい、こういうふうに考えております。
 VからUへの移行につきましては、これはわりあいに長期的な問題でございまして、現在電波監理局とNHK、それからわりあい最近に民間放送も一緒になりまして具体的なその移行の計画を進めているという状態でございまして、これは時間的にいつごろになりますか、まだちょっとはっきりいたしませんけれども、しかし非常に大きな問題でありますので、この具体的な移行の計画といったものは再免許のときまでに出るかどうか多少問題だと思いますけれども、これも重大だと思いますのでできる限り早くやっていきたい、そういうふうに考えているわけでございます。
 簡単でございますけれども……。
#9
○白井勇君 そうしますと、その音声放送の再編成につきましては、大体十月の末くらいまでには結論を出すのか。それから、VからUに移ります大体のこういう道行きでいくのだという大綱みたいなもの、それがやはりそのころまでに出るのか。それから、放送法の改正の郵政省の考え方もその当時までには大体出るのだというふうに解してよろしゅうございますか。
#10
○政府委員(藤木栄君) 放送法・電波法の改正につきましては、私どもとしては鋭意努力をいたしておりますけれども、非常に大きな問題でもございますし、省全体としての結論がまだそれまでに出るかどうかは、ちょっと現時点におきましては、はりきり申し上げるわけにはいかないと思います。
#11
○白井勇君 VHFからUHFに移ります大綱みたいなもの、道行きは。
#12
○政府委員(藤木栄君) VHFからUHFへの問題につきましても、いま申し上げましたように、できるだけ早くと思っております。できれば再免許のときくらいまでには、はっきりさせたいと思いますが、これはいわゆる送信側だけではなくて、オールチャンネル受像機の普及といった問題とも関連いたしてきますが、御案内のように、NHKにおかれましても、年末ころには東京と大阪にUのテレビ放送局を設置するという計画でありますので、そういったUの電波が出ますと、東京、大阪といったような大都会におきます電波の伝播状況、サービスエリアといったことも具体的になると思いますので、そういったことを勘案いたしまして、こまかい計画を立てたいと思いますので、年内というのは無理じゃないかと思います。
#13
○白井勇君 その放送法の改正につきまして、この間のお話のとおり、いま鋭意検討を進めているんだというお話で、私もどういう体制のもとに進めているか知りませんけれども、地方に参りますと、困りますことは、放送法の改正というものは、放送法の改悪ということばになっているのです。言論の自由抑制であるというふうに宣伝をされておるわけです。そういうまた宣伝をしております団体があるのです。それが今度地方議会に働きをかけまして、議会の決議にしようじゃないかと、しょっちゅうそういう問題が出てくるのです。だからやるならやるで、こういうようなことを国民のためにやるんだということをある程度明らかにしませんと、いままでのところでは、郵政省の、政府の考えておるのは放送法を改悪している。こういうことで地方では徹底しているのです。だからもしいま進めておられるならば、少なくともこういう点が不備であるから改正をするんだと、少し明らかにしていただきませんと、非常に困るのじゃないかと思うのです。
  〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
しないならしないではっきり、それはとてもことしはそこまで手が伸びませんというなら、放送法を改正しなくてもおたくはいろんな現業をどんどん進めていらっしゃる省ですから、その必要がないなら当然現行法でやるとかいうことを明らかにしていただきませんと、いたずらに末端において混乱をきたしてくる。こう懸念をいたしますので御注意をいただきたいと思います。
 それからその次に、私どうもまことに幼稚園みたいなことで申しわけないですが、郵政省の電波監理局の権限というものですね。これは具体的に言いますと、どこらあたりまで郵政省でやれるものかと思うのですが、閣議決定でVからUに十年間で変更いたしますというふうにきまったとしますと、私たちしろうとから考えますれば、まあコンバーターの普及であるとか、あるいはオールチャンネルの受像機の普及というものはできるだけ早くするように郵政御当局がいろいろ手を打つべきじゃないかと私は思うわけです。ところが、それは受像機は通産省であるから郵政省は触れていかぬというものなのか、あまりそういうことについては郵政省は至ってのんきにかまえていらっしゃる。それから、たとえば、カラー化というものは天下の趨勢です。そうしますれば、カラー受像機というものは、国民のみんなの手に安く入るように郵政はまず考えてやらなければいかぬ、一つ例を言いますと。そういうことにも至って、これは通産省だというような姿ではないかと思うのですが、それは郵政省の権限外ということで割り切っておりますか。
#14
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 受像機の生産自体は、これは通産省の所管だと思います。もちろん郵政省が生産自体を管理しているわけではございません。しかし、いまおっしゃいますように、VからUへの転換であるから、Uのテレビ局を多数免許したというようなことになりますと、当然受像機の普及というものがなくては、せっかく波を出しても受ける人がいなければ何にもならないわけでございまして、電波の効率的な利用という立場から考えても、省としては受像機の普及という点については責任があるものと考えております。したがいまして、たとえばUHF受像機の普及につきましては、いわゆる各地方監理局あたりを主体といたしまして、UHF普及推進会議といったものを、郵政省であるとか、NHK、民放連、電子機械工業会、あるいは電器小売商業組合連合会といったものを構成母体とする団体をつくりまして大いにPRその他をやっていく。あるいはまた大蔵省とかけ合いまして、オールチャンネルテレビの物品税の特例といったものが実は今月中に切れるわけでございますけれども、それをさらに一カ年延ばすということで、大蔵省と折衝いたしまして、それが決定したというようなこともございますし、また先ほど申し上げましたような、NHKからUの電波を東京、大阪に実験局として出してもらって、やはり電波が出ていないと普及といったことも非常に問題点がありますので、いまのところ全国でUの電波が出ていないのは東京と大阪だけでございまして、そういったところにこの電波を出してもらって普及をはかるというようなことで指導をしているという状態でございます。
#15
○白井勇君 やっていらっしゃるというお話なんですけれどもね。もし先ほどのお話のとおり、そこまでは郵政省がやる権限を持っているんだということになりますと、もうちょっとやってもらいたいものだと思うのです。税金の問題にしたって、この前の十四インチの値下げの問題にしましても、私の記憶では、今度の問題にしてもそうですし、これはほとんど郵政省というものは積極的に動いておりませんよ。まあ、オールチャンネルの受像機というもの、これは法律では制限しない、どこまでもやはり指導でいくという方針をきめたわけですから、そういうのは私たちの気持ちからいえば、普通の受像機よりもオールチャンネルのほうを安くするとか、それくらいの意欲を持って大蔵省に交渉すべきだと思うのですよ。テレビの物品税というものなどはたいへんなものですよ。毎年倍ぐらいになっておりますよ。それが、かりにあなた、一年ぐらい横ばいしてみたって、国がとにかくVからUに十年間に切りかえなければならぬという大方針をきめたのですから、そのくらいのことは郵政事務当局として当然やるべきものだと私は思う。何らその働きがないわけです。私どもの記憶では、係官の下の人がちょっと行ってやったぐらいのことは知っておりますけれども、ほとんど郵政省として動いたという姿のものではないと私は記憶しておる。それからたとえばいまのカラー受像機の問題にしたって、もしいま局長さんのようなお考えを持つなら、もうちょっとやっぱり積極的に、安い受像機というものが入ることをお考えになったらどうですか。いまとにかく十九インチなんて、御承知のとおり、金持ちの応接間にでもでかでか飾らなければならぬような装飾をして高く売っているわけですね。アメリカに輸出するように、実質的にカラーテレビが見られるようにすれば、少なくとも五万円安くなるわけです。秋葉原にいけば十万円割るでしょう、一九インチなんて。そういうような協力を求めるようなことにもっと積極的になるべきですよ。だから私は、郵政省というのは、ただ電波というものをもって、権力をもってやっているだけの話であって、放送事業のカラー化であるとか、Uに転向するなんという一つの方針をきめながら、一体そういうことについて何を考えているのかという気がするのですがね。これはまあひとつとりあえずそれは来年からやはり税金かかるのじゃないですかね、四十五年だけやっても一台で五百円しか安くならない、そんなものじゃ私はまるっきり政治としちゃおかしいと思うのですよ。これからやれることはそれはやるとして、カラーの受像機くらい安くなることを考えてください。返事は要りません。
 それからこれは前にも同僚の委員からお話あったと思うのですけれど、私はこれは重ねて聞くようなかっこうになるかもしれませんが、電波法の百四条の二の「予備免許、免許又は許可には、条件又は期限を附することができる。」ということに引っかけまして、そして再免許についての条件を通牒で出しておりますね。それぞれ放送会社によって違うわけでありまするけれども、教育関係何ぼあるいは科学技術何ぼというふうに一応ワクをつくって、その実態というものを確認をする意味合いにおきましてだろうと思いまするが、その四半期ごとに一週間の放送番組に関する実施状況というものを報告様式によって報告をさせることになっておりますね。これをどういうふうに活用するわけですか。
#16
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 先生のおっしゃる意味は、現在日本教育テレビと日本科学技術振興財団の二つに対しまして一定の教育番組、たとえば日本教育テレビでありますと教育番組五〇%以上、教養番組が三〇%以上という条件と、それから四半期ごとに一週間の放送番組に関する実施状況を報告、提出するという条件がついておりますけれども、そのことであろうかと思います。これは結局この免許にあたりましてその番組の基準、番組のパーセンテージを、特にこの教育局にあたりましては、放送局の開設の根本基準にもありますように特別のパーセンテージを義務づけるということになっておりますので、それに対しまして実際に実施をしておるかどうかということを省としても確認をしたいわけでございまして、その意味合いからこの報告をするということも条件としてつけておるという状態でございます。
#17
○白井勇君 ですから、それはわかりますよ。そこでその報告書をおたくじゃどういうふうに御活用、使うかどうかということを聞いているので、私も非常に行儀が悪くてすわっていますから、あなたもどうぞすわってやってください。
#18
○政府委員(藤木栄君) この報告を受けた私どもといたしましては、これを詳細に調べまして、たとえば日本教育テレビにおきましては、教育番組がその番組の五〇%あるいは教養番組三〇%になっておるかどうかということをチェックするということで、まあそれに場合によりましては、私どもとしましては、個々の番組につきまして一々その審査をするということではございませんけれども、大体の向こうから提出されましたものをチェックいたしまして、場合によりましては大臣の名前で警告を出すというようなこともしております。
#19
○白井勇君 そうしますと十二チャンネルの場合は十二チャンネルのほうから、これは科学技術関係であります、これは教育であります、教養であります、娯楽でありますと分類してくるわけでしょう、一週間分。それをだれが一体、なるほどこれは科学技術である、これは教育である、教養であるというふうにおたくで判断をするわけですか。
#20
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、個々の番組につきまして、これは確かに教育番組であるとか教養番組であるとかという判断はこちらではいたしません。しかし、放送法あるいはそれに基づく省令にもございますように、教育番組といったものはどういうものであるかということはあるわけでございますので、この各放送局としましても、それに基づいた報告をするわけでございますから、そこで放送局自体の注意も喚起されますでしょうし、また、御存じのように各放送局には番組審議会というものもございますので、そういったところにおきましても、そういった問題を審議していただくという意味合いもありまして、そういうようなことをいたしているというわけでございます。
#21
○白井勇君 そういう程度のものであれば、何も私はとってみたってしょうがないじゃないかという感じがするんですね。それで、一方、再免許の場合においては、放送局の開設の根本的基準でしたか、あの政令の中に「再免許については、前項第四号に適合することは、過去の実績をもっても証明されなければならない。」ということは、これは十二チャンネルの場合なら、十二チャンネルが証明するだけの話でしょう。だから、そのときそれをあなたのほうで吟味するわけでも何でもないのだから、そのことだけでいいんじゃないですか。
#22
○政府委員(藤木栄君) もちろんこちらとしましては吟味はいたしますけれども、その個々の番組につきまして、これがほんとうの意味の教育番組であるかどうかという判断は非常にむずかしいわけでございまして、ことに教養番組といったことになりますというと、どこまでが教養であり、娯楽であり、あるいはまた教育であるといったことは私どもとしては非常にむずかしい問題でございますので、そういった個々の番組につきましては、一応はその審査はいたしますけれども、こういう理由だから、これは教育番組でないとか教育番組だというところまではいたしておりません。しかし、そういう報告の義務を課することによりまして、教育テレビ局のほうではやはりそれだけのいわば精神的な圧迫ということもございますし、先ほど申し上げましたような番組審議会あたりで議論の対象にもしていただきたいというこちらの希望もありまして、そういうことをお願いしているという状態でございます。
#23
○白井勇君 どうも私は全く無意味なように思うのですね。ここまで、こういう通牒までおたくで電波法にひっかけて出しているからには、おたくの内部だけの判断、委員会みたいなものではぐあい悪いでしょうし、たとえば第三者の何か権威のある一つの審査会みたいなものをつくって、そこに判断をさせるとか、そういうようなものをあわせてやらなければ、こんな通牒出してみたって一向私は意味ないように思うんですがね。私はだからこの再免許について証明されなければならない、こういうあたりについても、やはりそういうような権威のある第三者機関のようなものがあって、そこである程度の判断をするような体制をつくらなければ、いまお話しのようなものであれば、ただ通牒をぶっつけただけの話なんです。全くばかばかしいようなふうに私は思うんですが。
#24
○政府委員(藤木栄君) どうも非常にむずかしい問題でございまして、私どもとしましてもさらに検討さしていただきたいと思います。
#25
○白井勇君 次に難視聴地域の解消の問題に入りたいと思うのですけれども、郵政省から意見書としまして、いつも難視聴地域を解消せよという項目が入っている。私たち委員会におきましても、難視聴地域を解消しなさいよというようなことを毎年附帯決議みたいなものをよくやるのですがね。どうもそれでいいものかどうかということを私ども自己反省をしてきたわけです。一体この難視聴地域というものの解消というものは、これはあれですか、NHKさんの本来の責務であって、いかなるところであっても、NHKさんというものは、難視聴の地域というものはこれは解消しなければならないというような、これはそういう任務を持っているわけですか。
#26
○政府委員(藤木栄君) 難視聴地域の解消の件でございますけれども、放送法にございますように、NHKはあまねく日本全国において受信できるように措置をしなければならないという項がございますが、それに基づきましてNHKは極力中継局を置きまして解消しているという状況でございますが、私どもも意見書にもつけましたように、会計的に余裕があれば、そういった金は難視聴地域の解消に回すようにということで意見書をつくっておるわけでございまして、やはり理論的には一〇〇%までということになると思います。ただ実際問題としまして、ほんとうの山の中の一軒家までということになりますと、これは実際問題として非常にむずかしいという点があるわけでございまして、そこらあたりは何といいますか、非常にむずかしいこととしまして、私どももさらに検討していかなければならぬと思いますが、精神としては一〇〇%までということであろうかと思います。ただ都会におきまするビル陰といったようなことになりますると、これは難視聴ではありますけれども、いわゆる放送法にありますような、あまねく受信できるように措置をしなければならないというようなところがそのまま適用できるかどうかという点につきましては、そこまでは、そのビル陰の解消といったところまでは法律的には要求していないのではないか、そういうふうに考えております。しかし、もちろんNHKとされましては、そういった点につきましても努力をされるということは望ましいことであると考えております。
#27
○白井勇君 そうしますと、去年もちらっとそういうふうに聞いたのですが、七条からは、あまねく日本全国において受信できるように放送を行なうということで、放送だけやればいいのであって、いまのお話のように、都会地におきまするビル陰のものは、これも見えなくたってNHKの責任じゃないのだ、こういう解釈に七条からなるのですか。
#28
○政府委員(藤木栄君) 私どもとしましては、この七条は、放送ということは電波を出すことでございますから、それがせっかく電波はたくさん出ているのに、ビル陰のようなところでは反射やその他で、電波はあるのだけれども、良好な受信ができないというような現象が起きているわけでございまして、そこまでもNHKが義務として難視聴を解消しなければならない、そういうふうには解釈はしておりませんけれども、先ほど申しましたように、もちろんこの電波を出す以上は、それが良好に受信されるということが望ましいわけでございますから、NHKとされましては、できるだけそういった問題も大いに解決するように努力してもらいたい、そういうことを希望したいと思うわけでございまして、現実問題として、NHKもそういった面を盛んにやっておられると理解しております。
#29
○白井勇君 そうしますと第九条の4に、「協会は、標準放送と超短波放送とのいずれか及びテレビジョン放送がそれぞれあまねく全国において受信できるように措置をしなければならない。」ということばがあるわけですね。そうしますと、この4の、テレビジョン放送というものがあまねく全国において受信できるように措置をしなければならないというこの規定と、いまお話の、いやそれはビル陰は法律上、いいんだという七条からの解釈とは、どういうふうに食い違ってきますか。
#30
○政府委員(藤木栄君) まあ七条は、放送を行なうということだけしか書いてございませんけれども、九条のほうで具体的に、全国においてそういうふうにそれぞれあまねく受信できるように措置をしなければならないと書いてあるわけでございますが、結局これは七条と矛盾するものではなくて、やはり受信できるように措置ということは、そういった放送の電波を出すこととして私どもは解釈しております。
#31
○白井勇君 そうしますと、九条の4からは、都会地におきますビルの谷間の陰のテレビもこれは受信できるようにNHKはしなければならないということになるのですか。
#32
○政府委員(藤木栄君) そういうふうには解釈しておらないわけでございまして、たとえばビル陰であるとか、あるいはまた自動車の点火装置によりまして非常に雑音が出まして、道路の近くにいる人は、せっかく電波はちゃんと来ているのだけれども、雑音によってテレビがよく見えないということもあるわけでございまして、そういったところまでNHKは全部措置をしなければならないということになりますと、これはもう一台一台の自動車に対しましてそういった雑音が出ないように措置をしなければならないということになるわけでございまして、法律の立場からいいますと、そこまではNHKには要求していない、そういうふうに考えております。
#33
○白井勇君 そうしますと、NHKさんの難視聴地域の解消というものは、いわゆる自然状態におきまする地域の解消だけをやればいいのであって、都会地におきますビル陰でありますとか、あるいは自動車のために、いまお話のような障害があってもこれは放置しておいていいのだ――いいということはないかもしれませんけれども、とにかく法律上からはそういうことをやらなければならない義務は負っていないのだ。したがって、まず難視聴地域を解消するということはお宅のほうでもこの意見書につけておるわけでありまするが、いま言われております、約百万世帯ですか、くらいの難視聴地域のことを考えればいいと、こういうことですね。
#34
○政府委員(藤木栄君) 意見書についております難視聴地域の解消というのは、そういうことでございます。ただ、先ほど来申し上げているように、電波を出す以上は、やはりこれが良好に受信されるということは、もちろん望ましいわけでございまして、NHKにおきましても十分そういった点は努力されておりますし、私どもとしましても、これはNHKだけじゃなくて、民放のほうもございますわけで、そういったところにも指導いたしまして、受信障害の対策協議会といったようなものもつくりまして、受信障害を除去するように指導しているという状態でございます。
#35
○白井勇君 そうしますと、こまかいようですけれども、去年CATVの論議のときに出たと思っているのですけれども、ビル陰というようなものが将来、CATVというようなものができていって解消するでしょうと、だからそこらあたりはもうNHKが関与する必要はありませんよと、こういうことになる。ただ、たまたまその中に、いや、おれはCATVに入るのはいやです。放送法にちゃんと、あまねく、あるいは放送は完全に受信できるようにせいとあるじゃないかとNHKに文句を言っていっても、それはNHKとしまして、法律的には取り上げる必要はないと言うのですね。
#36
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 法律的にはいま申し上げましたようなことで、NHKにそこまで責務はないと思いますけれども、やはり先ほど来申し上げておりますように、CATVにつきましても、これはもしNHKに義務があるとすれば、CATVはもうNHKだけがやればよろしいということにもなるわけでございますけれども、しかしNHKだけの問題でもなく、民放もありますし、ということになりますと、これはいまのようなCATVという組織をつくって救済するといったようなことになるかと思います。したがいまして、私どもとしましては、法律的には義務はないのですけれども、もちろん電波を出す以上は、それらが良好に受けられるようにしなければならないという使命はNHKにあると思います。したがって、そういったふうな指導もいたしておるという状態でございます。
#37
○白井勇君 それをやっているとしようがありませんが、現在約百万世帯、たとえば難視聴地域があるわけですけれども、これはことしは、郵政省の意見書によりますと「中継局の建設促進については、万難を排してその実現に努力すべきである。」という、万難を排してというきついお達しがあるわけでありますが、その百万世帯について万難を排してやるということは、四十五年度中に百万世帯全部、一応解消せいという意味なのか、あるいはどの程度までやれということになるのか、ここらあたりどうなんですか。
#38
○政府委員(藤木栄君) この意見書には、四十五年度の収支予算、事業計画及び資金計画がおおむね妥当であると認めるということで、そういった前提に立ちまして、できるだけひとつ努力してもらいたいというわけで、特に収入が予算額に比して増加したときはその増加額はそういった方面につけてもらいたいというわけで、私どもとしましては、もちろん万難を排してやってもらいたいわけでありますけれども、この範囲としましては、ここにありますような予算の範囲と事業計画の範囲でひとつ万難を排してやってもらいたいという意味です。
#39
○白井勇君 そうしますと、NHKさんのことしの予算で八百施設と、こう記憶しているのですが、そうすると百万世帯を解消するには八百施設のほかにもう何ぼくらい残るのですか。
#40
○政府委員(藤木栄君) 八百施設というのは、いわゆる共同聴視施設であると思います。いわゆる中継局につきましては、二百四十カ所あったかと思います。その二百四十カ所と八百カ所を合計いたしまして、たしか二十万世帯近くが――正確にはたしか十七万幾らかと思いましたけれども、そういったものが解消できると……。
#41
○白井勇君 そうしますと、その残りは何ぼくらいですか。
#42
○政府委員(藤木栄君) ですからパーセントから言いますと、あれにもありますように、現在九六・五%までカバーしているところを〇・五%、四十五年度に解消するという計画になっております。
#43
○白井勇君 これはどちらに伺っていいのかわかりませんけれども、カラー化というものは急速にいくと思うのですが、放送をやります場合に、カラーよりも白黒のほうがいいのだというものが残っていくわけでしょう。
#44
○参考人(川上行藏君) 将来の番組傾向全体を見まして、白黒がいいのだということはいつごろの時点まで言えるかどうかということは疑問かと思いますけれども、ただ、現在でもカラーと白黒の写真と対照しまして、白黒のほうが、芸術的効果をあげているという面もございます。あるいは学習的には、たとえば英語会話というのはむしろ色にとらわれないで、その内容を専門に見る、画面としての内容ではなくて、その発音の内容あるいは動作の内容とかそういう点に専念して精神力を傾注するという点もあろうかと思います。ただ、長い目で見ますと、やはりカラー化が全体に普及していくということは、将来の方向として私は考えていくべきであろうと思います。
#45
○白井勇君 私のお尋ねするのは、放送します場合に、それは白黒でも間に合っていくというものもあるわけですが、そうではなしに、むしろカラーにするよりも白黒のほうがいいんだというものが残っておるかということです。いまのお考えでは、ないというんですか。
#46
○参考人(川上行藏君) 自然的な現象が全体色がついておりますので、テレビは現実的なものを写していく以上は、ほんとうの色が出ているかどうかということは研究を要する課題であろうかと思いますけれども、やはりカラー化というものは必然の方向かと思います。ただ、その番組の効果とそのねらい、そういうものをあげるためにむしろ白黒のほうがいいということは私どもまだ研究する余地はあろうかと思います。特に学習的な問題、児童の心理その他を考えまして白黒は残り得るのではないかと、このように考えます。
#47
○白井勇君 四十五年からはNHKさんでは十四時間ですかね、これが四十七年ですかには十八時間ですか。これを私は何といいますか、基礎もあまりありませんけれども、感覚としてちょっと四十七年に至ってもなおかつ一チャンネル、三チャンネル三十六時間中わずか十八時間しかカラー化できないということは多少時代におくれはしないか、少ないのではないかという感じがするんですがね。これはおたくでも多いほうにみているんですか。
#48
○参考人(前田義徳君) 同感でございます。白も黒も原則的にいえば色の一部でありまして、その他の色がカラー化であるということは申し上げられないと思います。したがいまして、基本的にいえば、川上理事が申し述べましたように、カラー化という全体の中で黒い色、白い色がどのような効果をあげるかというだけの問題でありまして、当然今後の社会生活の進展からいえば全時間カラー放送という原則が当然の方向だと思います。ただ、現時点におきましては、われわれの財政計画、収入と支出の問題、それらを勘案しながら漸次その方向に全時間カラー放送に持っていく、そういう段階で第三次五カ年構想の後期三年間においては、四十七年度末に御指摘のように二つの波を合わせて十八時間というところに一応目標を置いておるということでございます。
#49
○白井勇君 私はいま申し上げたように十八時間では少ないと思うんですが、カラー化の年ごとの増加の速度も、これはおたくでは経営上かたく見ておかれたほうが都合がいいんでしょうが、見方も多少少ないのではないかというわけで、私はあまり基礎はありませんけれども、そういう感じを持っているわけであります。
 話は違いますけれども、NHKさんというのは時代の先端を行くわけで、一番大事なことはやっぱり技術革新であろうと思うんですがね。ことしの予算をちらっと見ますと、何か調査費でありますとか、研究費でありますとかというものはみんな三角になっておりますような感じがするんですがね。あとからちょっとお尋ねしても、たとえば一番あなたのほうの技術関係の原動である技研に対する支出の割合をみましても、去年までは三%を越しておったものがことしは二・八%にしかならないんですね。これはちょっと時代に逆行するのではないか、いま私の感じですが、たとえば電電なんかにおきましては、年ごとに通信に対します施設は粗収入の幾らとパーセンテージをあげつつあるわけでありますね、ほかの会社の例を聞きましても三・七、八%、アメリカあたりのレベルでは四%近くやっておりますね。ちょっとこれは四十五年度の予算としては一番肝心のところを少し手を抜いているのではないかという感じを受けますが、その点どうなんですか。
#50
○参考人(前田義徳君) そういうことはございません。ただ、数字の面で申し上げますと、技術研究所で従来かなり力を注いできた、総合的に力を注いできた放送衛星研究については、事業団その他の設置のあとで、そのわれわれが分担すべき面をかなり正確に測定いたしまして、その限りにおいて、その面ではまあ研究費が一部減額されているという限度のものでございまして、御指摘の方針に従いまして、私どもは新技術の開発に全力を注ぐつもりでおります。
#51
○白井勇君 衛星関係の一億何千万か何か向こうに移って、おたくは手があいたそうですけれども、しかし総体の支出や粗収入に占める率が去年よりも少ないということは、時代の先端を行くNHKさんの姿じゃ私はないと思いますけれども、これは将来ともよくお考えをいただきたいと思います。
#52
○参考人(野村達治君) いま、先生のおっしゃいました絶対額では……
#53
○白井勇君 私は絶対額のことを言っておるのではありません。どこでも割合がふえつつある。したがって絶対額は減ることはあり得ない。
#54
○参考人(野村達治君) 研究費につきましては、運営費の約二・八%を占めておりますが、これはもちろん施設に対します減価償却費といったようなものは入っておりませんし、さらにそのほかに、建設の費用も施設の整備費としまして二億六千万円以上入っております。そういったものを入れますと三・一%以上になっておるということで、そう少ないとは私は考えておりませんですが、まあできるだけふやせれば望ましいことであると思います。
#55
○白井勇君 おたくの専門家の話では去年よりも下がっておりますよ。去年は三%ですか、それが二・八%に。
 それから、これはNHKさんにお尋ねしたいと思いますが、放送センターの整備ですね。最後のほうに、「財源は、内幸町放送会館、霞ヶ関分館等の処分により措置する。」というふうにありますけれども、もうちょっとこれは具体的にお話しいただけないですか。
#56
○参考人(小野吉郎君) 四十五年度の予算に出ておりますものは、霞ヶ関の不用の土地、建物の処分のみでございます。センター全体を通じますとおよそ三カ年を建設に要するわけでございますが、この関係の財源といたしましては、霞ヶ関のほかに、現在使っております内幸町の土地、建物がございます。それからさらにタワーの関係が関連をいたしまして、私どもの隣にございますNHKのタワー施設がございますが、その土地も当然処分の対象になろうかと思います。
#57
○白井勇君 それからあれですか、新しいタワーの建設計画というものはいまどういうふうになっておりますか。四十五年度の予算には関係なくなっておりますが、これはどういうふうになっておりますか。
#58
○参考人(前田義徳君) 四十五年度の予算におきましても、調査費二千万円を計上いたしております。したがいまして、私どもとしてはタワーを建設するという目標に向かって前進するというふうに考えておるわけでございます。
#59
○白井勇君 当初いまの代々木に、あの場所にできるような話に私は伺ったと思いますが、それがまたいろいろな打ち合わせの結果がそうでなくなっているというふうに聞いているのですが、今度どういうふうに敷地なんかなるのですか。
#60
○参考人(前田義徳君) その点についてはまだ確定いたしておりませんが、申し上げられることは、これは私のまあ感じ方という意味にもなるかと思いますが、やはり放送センターの周辺になるという予感を持っております。
#61
○白井勇君 これ、私、会長さんに一ぺん承りたいと思うのですが、よほど前から、会長さんからNHKの人員というものは最高一万五千人、それ以上は絶対ふやさないと、全部これは機械化によって理想的な運営をやっていくということを鼻高々と私に何べんか申しましたね。まことにこれはたいしたことだと敬意を表しておったんですが、今度見ますと、一挙に一万六千人になっていますね。これはまあFM問題なんか、いろいろ新しい問題もあるわけでしょうが、これはやっぱり従来会長さんが自慢していらした一万五千人ではどうにも追っつかないような姿に相なったわけなんですか。あるいはまた、どうもNHKさんの職員給与体系というものが、去年の話なんぞに、まあせいぜい毎日新聞ぐらいのものでたいしたものじゃないということで、あまりいい人も集まらないし、まあこの際は粒がそろわなければ人海戦術で数だけとっていこうじゃないかというようなことに変わったものなのか、そこらあたりをちょっと承りたい。
#62
○参考人(前田義徳君) 四十二年度に終わった第二次六カ年計画、この第二次六カ年計画の発足は、第一次五カ年計画を集約して第二次に繰り込んで、そして六カ年計画という形をつくったわけですが、その第二次六カ年計画にあたって合理化のため、あるいは近代化のための機械化を進めるという決定をしたわけです。その六カ年間の見通しによって事業の内容と量を測定いたしますと、その当時は、機械化を実施することによって大体一万五千名台でいけるという計算があったわけです。したがいまして、四十二年度末までの総定員は、おおよそその数字に該当する定員でございます。現在は第三次構想の、五カ年構想の、特に御審議いただいております四十五年度予算は、その三年度目になります。では一体この三年間どういう変化があったのかということを申し上げる必要があると思うのですが、これにはたとえばまあ東京、大阪のUHFの実験局の開設であるとか、あるいはかつて考えられなかったU局の親局の開設、たとえば高松等がそうでございます。それから御審議いただいている予算案の中にも、たとえば神戸であるとか、三つの局があり、さらにFMについてもたとえばステレオ何時間、あるいはこれが主として音楽的なものを扱う、それからFM放送については大電力化の県別放送もこれに含まれるという新しい行政方針と申しますか、これと関連して第二次六カ年計画の最終年度までは予想されなかった新しい事業が始まっているわけです。この限りにおいて一万五千名余りが今日一万六千名をこえつつあるということは、これは別に何と申しますか、いまから足かけ九年前に先生に対して切ったみえがまあ全く台なしになったというものとは全く性格が違うということを御理解いただきたいと思います。
#63
○白井勇君 ちょっと放送内容につきまして伺ってみたいと思うのですが、私はいつもニュースとか、ニュース解説ぐらいしか見る時間がなかなかないのですが、この間幸か不幸か朝から晩まで、十八時間テレビを見る機会がありましたので、おたくのテレビをずっと見ておったのですが、ずいぶんよくなったものですね。私まあこれはおせじじゃなしにほんとうによくなったと思いますし、1にしましても、3にしましても、もちろんそれは中にはこんなものは民放にまかしたらいいじゃないかというようなものもなくはありませんけれども、非常にまあ私よくなったと思う、こう思います。ただ私あれを見ておりまして、非常にこまかい点ですけれども、物価問題というもの、非常にやかましいわけですね。ところがおたくの物価の取り扱いは、午後にちょっとまあ高い物、安い物というような扱いで、あのあたりはもうちょっと主婦の助けになるような扱い方が、民放なんかもうちょっとやっぱりよくやっているのがありますね。手を加えてもいいじゃないかというふうにひとつ考えましたがね。それからちょっと私ふに落ちないのは、気象関係の扱い方ですよ。何べんも何べんも気象をおたくが直接やられるわけですけれども、六時五十五分から朝晩、その場合は気象協会の人が出てきまして、気象協会何のだれそれということであれ放送されますね。ああいう扱い方というものは、まあ私もわからないのですけれども、将来もだんだんああいうものは、たとえば物価でありますれば、物価を扱います場合に、何とか協会というものが出てきて、それがやるというようなことに将来なっていくものなのか、気象だけはあれは特別の関係、どういう関係であるのか知りませんけれども、ちょっとあれだけがNHKじゃない、気象協会から出ているのですね。ほかの時間はおたくが直接やっている。あれどういう関係なんですか。
#64
○参考人(前田義徳君) 第一点の物価の問題については、おそらく先生がごらんになった番組は……。
#65
○白井勇君 その日の毎日やるやつです。
#66
○参考人(前田義徳君) 市場の値段をそのまま知らせるのだと思います。
#67
○白井勇君 高い安いしか出さないよ。
#68
○参考人(前田義徳君) それはそうなんです。それからそのほかに一日何回か経済問題の中で、物価問題をとらえたもの、それからその他婦人だけの対象の幾つかの番組がございます。これでやっていると思いますが、いまの気象の問題は、昔は気象庁から直接われわれに資料がきたものなんですが、気象庁が外郭団体をつくりまして、そういう放送事業とか、その他に供給する。これはおそらく電電公社も電話による気象通報があると思うのですが、電話をかけますと、きょうは曇りだとか何とか、これはやはり気象庁が外郭団体をつくったと申しますか、気象協会というものをつくりまして、その供給部分を切り離したという点から起こった問題であります。このほかに、たとえば最近は交通安全協会というものができまして、交通情報もその形になってきております。物価問題について、まあそういうものが将来できて、これを使ってくれということになるかどうか、これはちょっと予測いたしかねますけれども、派生的にはそういう本体の機能が変化したことによって放送の面で、そういう形があらわれてきているということを申し上げたいと思います。
#69
○白井勇君 私、気にしてますが、気象は気象台しかできない。それは何か協会みたいなものをつくりまして、私が調べてみますと、民放もきれいなお嬢さんみたいなのが出て、やわらかにやります。これは民放の方じゃないんですね。気象協会の人だというんですね。そういうやり方に切りかえて気象協会というものを気象台の外郭団体にして養っているわけですね、よしあしは別として。たとえば、交通関係につきましても、警視庁だとか、権威あるものだけしかやれないわけですね。ところがそういうようなものはまだあまりはやらないのかもしれませんけれども、たとえばいまお話の物価問題なんというものは、今度は大きく取り上げなければならないようなかっこうになってきた場合、それは気象台みたいな一手販売みたいな物価関係のものができればいいんですけれども、そうでなく、あっちにもこっちにも団体があるということでは、これはなかなか扱いづらい面があると思います。あのあたりやっぱり検討を要する問題じゃないかという気がしたんです。
 それからこれは具体的な問題で恐縮なんですが、ついこの間やりました「現代の映像」ですけれども「ひとりになった受験生」というのがたしかあったと思うんですけれども、あれは何をねらったものなんでしょうか。
#70
○参考人(川上行藏君) あれは大学紛争、そういう過程において、大学問題の中に入ってこようとした若い学生たちが自己崩壊をしていく、そういいう過程を諷刺的に描いたものです。
#71
○白井勇君 どうも私はああいう特異のものをNHKが取り上げなければならない……。「現代の映像」にでもなるのかという感じがちょっとしたのですがね。私は、放送の基本方針の中に、「国民生活にいこいとやすらぎを与え、健全で明るい家庭環境を築くために役立つ番組を開発し、編成をする。」ということばがあるのですね。これは非常に、私こういう方針で少なくもNHKはやってもらいたい、こう念願をするものです。やはりわれわれ家庭に帰って見たあとが、何かあと味の悪いものが残るようなものになりますと、まあ「水戸黄門」か「銭形平次」を見て気楽にしておったほうがいい感じがしてしまう。どうか、あの項目の中にあるわけですから、これだけは厳守するようにしてやってもらいたい。このことだけ特にNHKにお願いして私の質問を終わります。
#72
○委員長(近藤信一君) 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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