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1970/04/14 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第14号
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1970/04/14 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第14号

#1
第063回国会 逓信委員会 第14号
昭和四十五年四月十四日(火曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     菅野 儀作君     大谷藤之助君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         近藤 信一君
    理 事
                長田 裕二君
                新谷寅三郎君
                松平 勇雄君
                永岡 光治君
    委 員
                植竹 春彦君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                久保  等君
                野上  元君
                森  勝治君
                塩出 啓典君
                村尾 重雄君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  井出一太郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  野田誠二郎君
       郵政省郵務局長  竹下 一記君
       郵政省貯金局長  山本  博君
       郵政省簡易保険
       局長       上原 一郎君
       郵政省人事局長  中田 正一君
       郵政省経理局長  溝呂木 繁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨十三日菅野儀作君が委員を辞任され、その補欠として大谷藤之助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(近藤信一君) 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○久保等君 私は郵政当局に、簡易郵便局法の改正法案に対する質疑に入るにあたりまして、若干当面の問題についてお尋ねをいたしたいと思うんです。
 今日、郵政事業の問題については、先般来、当委員会でもいろいろ質疑が行なわれましたが、郵便遅配の問題が非常に大きな問題になっておるわけであります。一刻も早く国民の強い要望にこたえる意味合いにおいて、郵便遅配の問題を解消しなければならない重大な責任があると思うんです。先般、郵政大臣当委員会に御出席になられて、労使間における問題についても、当面トップ会談で一応話がついたようなお話もあったんでありますが、しかし実態は、郵政事業がほんとうに直面する郵便遅配の問題について具体的なやはり手を次々お打ちになって、いわば完全に正常に、郵便の今日停滞ないしは遅配になっております問題を解決しなけりゃならぬと思うんですが、そういうことについて私は少し実態について御説明なり、お話を伺いたいと思うんですが、年々郵便の物数が急激にふえてまいっておる、こういったことも今日の郵便遅配の一つの大きな原因だろうと思うんですが、この郵便物数のふえ方の推移について若干御説明を願いたいと思うんです。もちろん、詳細にわたっては、できれば後ほどまた別途資料ででもお出しいただきたいと思うんですが、たとえば十年前あたりと比べて一体一種から四種、あるいは小包等がどういう推移をたどってまいっておるのか、これはある程度まとめて、長期にわたった過去の推移をひとつ資料としてお出し願いたいと思うんですが、ここではきわめて簡単に、たとえば十年前でもいいし、五年前でもいいし、それと比べて昨年というか、ごく最近における現在の郵便の物数がどんなふうに移り変わってきているのか、数字的なことでひとつ御説明を願いたいと思うんです。
#5
○政府委員(竹下一記君) 四十四年度の郵便物数は百十億に達しました。これを十年前に比べますと、おおよそ二倍ということになります。十年前は大体五十億通とちょっとでありまして、その数字は、戦前の日本の郵便の総物数にひとしかったわけでありますから、今日の郵便物数は、戦前の最高時の郵便物数のざっと二倍になっておるわけでございます。伸びはきわめて順調でございまして、大体四%から五%の間毎年伸びてきておる、こういう実情にございます。小包のほうもきわめて伸びがよろしいのでございまして、これは毎年八%程度の伸び率を見せておりまして、今日では一億八千万個、年間に達しております。
#6
○久保等君 小包の一億八千万個。十年前はどんな状態だったんですか。
#7
○政府委員(竹下一記君) 昭和三十五年度におきまして九千九百万個でございます。
#8
○久保等君 郵政でこの物数の数字はいつ大体お調べになることになっておるんですか。年間どういう時期を選んで調査されている数字なんですか。
#9
○政府委員(竹下一記君) 平常月のものにつきましては、十月の三日間調査でやります。それにあとは夏期の繁忙、それと年末の繁忙に伴う物増分、これは別個に調査をいたしましてつけ加える、こういう操作をいたしております。
#10
○久保等君 その調査方法なんですが、ずっとそういう十月の分を同じ時期をとらえて調査を毎年毎年やっておるのか。年によっては若干そういう時期が違うのか。それからいまお話があった年末なり夏期の繁忙時のやつは、これまた同じ時期について毎年繰り返して調査をされておられる数字なのか、そのあたりの中身について御説明願いたい。
#11
○政府委員(竹下一記君) 平常月につきましては、十月期が郵便物数のしでは一番平均に差し出されるという月でございますので、十月月のある時期を選定するということにいたしております。それから夏期と年末の繁忙につきましては、毎日の物数の動きを調査いたしまして、それに加算するということをいたしております。
#12
○久保等君 その調査の時期の問題ですが、もう少し精密といいますか、的確に調査する方法も考えられるのじゃないかというふうに、しろうと考えですが、考えられるのです。というのは、それならば一年で比較的物数の少ない時期は一体いつなのか。それから年末あるいは夏期は、これはもちろんそういう特別に暑中見舞いなりそれから年賀の郵便物で、これは常識的に多いことはわかるのですが、それ以外の一般の郵便なり小包というものが比較的多い時期といったようなものについて、ある程度もう少しお調べになってみないと、何かある一年の一定の時期だけとらえて調査をしておられる程度では、はたして物数の正確な把握ができておるのかどうか。年々歳々十月のある一定の時期だけきわめて短期だけとって物数を調べておられるという程度の調査では、何か調査そのものがあまり正確ではないのじゃないかという感じがするのですが、どうでしょうか。
#13
○政府委員(竹下一記君) これはおっしゃるように、数多くやればいいわけでございますが、事務的なこともございますので、なかなかできかねておるわけでございます。ただ、物数が一面ありますのと、もう一面といたしまして収入というものがございますから、物数と収入とは相関関係にあるわけでございまするから、片一方の郵便収入のほうの数字を見て物数のほうも類推するということも多年の経験でできるわけでございます。
#14
○久保等君 いまの御説明でもある程度わかるのですけれども、たとえば郵便物の流れの問題、これはどういう方向からどういう方向に流れているか、こういう調査ももちろんおやりになっておると思うのですが、いかがですか。
#15
○政府委員(竹下一記君) これはいわゆる郵便の流れを把握するということは、仕事を進める上でまことに大事なことでございますので、試験通信の制度がございます。これは毎月のように試験通信をいたしまして、送達速度の実情を把握しておるわけでございます。ただし、物数といたしますると、これはやはり限度がございまするので、そうやたらに数多くの郵便物について見るというわけにはまいりませんが、限られた郵便物を抽出いたしますというよりも、そういう試験郵便物を作成いたしまして、そいつを発送して到着、配達の実情を見る、こういうことをいたしております。
#16
○久保等君 私もあまり事情をよく知りませんから、こまかいことはお尋ねいたしませんけれども、ただ、やはり調査といってもいろいろ調査のやり方があると思うのです。いま申し上げた物数の流れ、しかも、その流れがどことどことの間で比較的多いとか少ないとかいったそういう郵便物の流れそのものについても調査をするということになると、これは相当技術的にもまた専門的な調べ方も私はあるのだろうと思うのです。そういったことを調べないと、単にいま料金なら料金で、あがってくる料金で物数の推測が大体つくというお話ですが、これは確かにものの数だけはある程度推測がつくと思うのです。だけれども、やはり距離が長いか短いか、こういったことも郵政事業を扱っておる立場からすると、同じはがき一枚でも、負担のそれこそよけいかかるものと比較的負担のかからないもの、長距離、短距離、中距離と、全国とにかくピンからキリまで距離的にはあると思うのです。だから、そういったものが一体郵政事業にとってどういうふうな流れをしておるかというものは、よほど専門的な立場で調べないと、私はむずかしい問題だと思うのですね。だから、大づかみの物数と、それから大体の流れなり郵便の配達時分の問題、そういったことは試験的におやりになっておおよそのことはわかるでしょうけれども、もう少し何というか詳しい郵便物の流れというものについても調査をする必要があるのじゃないかと思う。その調査方法について十年前と比べると、今日はだいぶ調査のしかたについてもくふうをこらして変わってきておるのかおらないのか。調査の方法についても相当研究をする必要があるのじゃないかと私は思うのです。いわば科学的にというか、そういう専門的な調査方法等についても考えられる必要があるのじゃないかと思うのです。物数がとにかく郵政事業にとっては一番頭の痛い問題だし、量的な問題もこれは非常に頭の痛い問題ですから、それならそれなりにやはり調査の方法についてもいろいろくふうをせられて、専門的な方法も取り入れながら実態をできるだけ的確に把握をしていくという必要があろうかと思うのですが、調査方法についてだんだんと研究をせられて、方法なんか変わってきておるのですか。あまりその方法について変わっていないのですか。
#17
○政府委員(竹下一記君) 郵便物の流れを全国的に把握するという作業は、三年に一回これをやっておるわけでございまして、これは全国のほとんど全部の郵便局についてあて地別の郵便物数を調査するという大作業をいたしております。三年に一回では少ないわけでございますけれども、これは大がかりな調査でございまして、それ以外には東京中郵、大阪中郵、そういった大局におきまして発着郵袋数を調べる、また鉄道郵便局扱いの郵袋を調べるといったようなことで、これは全国的な精密なものとは申しかねますけれども、しかし、そういう大きい局の郵袋を調べ、一部開被いたしまして郵便物を調べる、そういった抽出の方法でもっておおよそのあて地別の郵便物数の把握ができます。日本全国どこの地域にどの程度の物が動いておるかといったような数を動態的に調べるということはできますし、それは必要に応じてやっておるわけでございます。
#18
○久保等君 先ほど最後にちょっとお尋ねした調査方法について、いろいろとくふうをこらしておやりになっておると思うのですけれども、そういったことについても大体同じようなことを繰り返すというのではなくて、いろいろとむずかしい問題もあろうかと思いますけれども、調査方法についてくふうを加えながらさらにいろいろ角度を変えた立場でお調べになるとか、調査方法についても方法を変えられておるのか、どうなんですか。
#19
○政府委員(竹下一記君) これは調査方法そのものは大きく変えるという必要も実はございません。従来のやり方でいいわけでございます。ただ、数多くの局について網羅的にやるか、一部抽出的にやるかという違いはございます。私どものほうで計画いたしておりますことの一つに、六月に入りましたらさっそく郵便番号制を活用いたしまして、郵便の区分方法を大改正したい、つまり全面的な番号区分に切りかえたいということを考えて目下着々準備をいたしておるわけでございますが、それをやりますにつきましては、全国の郵便局においてどこへどれだけの郵便がいくかということを調べませんと、各局において区分だなの調整、区分先の番号のつけ方、こういったことができませんので、これは精密にあて先の物数を調べました。そういうふうに定期的にやる場合もございますが、いま申しましたように必要に応じて臨機にそういう物数調査をする、郵便の流れにつきまして実態を把握するといったことはやっておるわけでございます。
#20
○久保等君 いま郵便番号制度の問題がちょっと出ましたけれども、郵便番号制度で国民のできるだけ協力を願って、ぜひ郵便番号をひとつ書き入れてもらいたい、あて先についてもそうだし、出すほうも下に小さい欄を設けて書いてくれというふうなことで勧奨しておられるようですが、最近における郵便番号を書き入れる比率というものはどの程度になってますか。
#21
○政府委員(竹下一記君) 平均いたしまして七六%のものに番号を記載していただいておりまして、わずかではございますが、記載率が上がってきております。その中で個人の方の差し出しは八〇%ぐらいまでのぼっておるわけでありますが、大口利用の方の差し出し、これは多量の郵便物を一度に出されるわけですが、そのほうの記載率が六〇%とちょっとという程度でありまして、総平均して七六%程度になっております。もう少しそれをあげたいと存じまして、いろいろとくふうをいたしておるわけです。ただし、せんだってやりました年賀郵便につきましては、年賀はがきの記載率が非常によろしゅうございまして、ざっと九〇%は記載率がございましたわけです。
#22
○久保等君 これは郵便番号記入の協力を求めるにしても、やはり私は郵便遅配問題を解決していかないことには、これはまことに片手落ちだと思うんですね。これは特に、いま言われたように、たくさん出す場合には相当やっぱり手数がかかるわけですし、そういったものを協力はするが、一体協力をしてみたところでどの程度郵便物が早くなっておるのか、ちっとも効果がない、むしろ常識では考えられないほど郵便物がおそくつくなんということになってくると、これはやはり国民の立場からいえば協力しようにもできなくなると、書いてみたところで全然意味がないと、時間を争うほど書いたことによって多少でもよくなったということがわかってくれば、これはもうもちろん積極的に協力をするだろうと思うんですが、今日のようにやはり郵便遅配がこう平常化してまいりますと、私はやはり協力を積極的に呼びかけてみても、その効果がなかなかあがってこないんじゃないかと思うんです。だから、こういったことを呼びかけることと相まって、片方においては従来よりも確かに早くなったというような実績をつくっていくことが非常に大事だと思うんですね。だから、そういうことを積極的におやりになる必要があればあるほど、一面においてはやっぱりみずからがまずその郵便遅配の問題を解消していくということにとにかくこん身の努力をしてまいる必要があるだろうと思うのですが、そういうことは言わなくてももうあたりまえのことなんですが、そういったことを、そういった問題を進めるにあたってもひとつさらに十分に頭に置いてやってもらいたいと思うのです。
 それで、この郵便物のたいへんな伸びですが、そういったことに即応して当然要員の問題も考えて少しずつふやしておやりになっておると思うのですが、この物数のふえるのに伴って要員配置の状況は一体どうなっておるのか。先ほど郵務局長のお話では、順調に物数は伸びているというのだけれども、はたして順調にということばを使っていいのかどうか知らぬが、要員のほうも順調に伸びているというのでしょうか、どうなんでしょうか。
#23
○政府委員(竹下一記君) 郵便物は、先ほど申し上げましたように、十年間にざっと倍になったわけでございますが、定員のほうは十年前が七万六千名ばかりございましたのに対して今日十二万名ですから、おおよそ六割増ということになっております。物数が二倍になりましたが、要員のほうは必ずしも二倍になることもないわけでございまして、六割の増を見ておるということは、私は能率の上から見ましても取り扱い事務量に大体マッチした要員がふえておる、そういうふうに考えております。
#24
○久保等君 大ざっぱな話ですから、そういったようなお話で御答弁になっているかもしらぬですが、しかし、考えてみると、何といったって、さっきも申し上げましたように、物の中身の変化の問題、これを一つとってみても、単に数だけの問題じゃなくて量の問題、これはもう前々から説明もされておりますように、一種当たりの郵便物とそれからいわゆる最近よくいわれるダイレクトメールの物数が非常に急激にふえておるといったようなことを考えますと、持ち運びをするのにあたっての物量、数量の面ではこれは比較にならない。これは非常な大きな推移、変化があると思うのです。だから、そういった点で、六割程度要員がふえたという程度の話で、十分であるのかないのかという説明には私はいささかならないと思うのです。従来かりに千通持ってあてておったが、いまは通数にすれば三百通しか持てぬとか、そういったような物量の問題との関係においてこまかいお話を伺わなければ、必ずしも郵務局長のお話だけで要員の問題は問題ないのだという説明にならないと思うのです。したがって、そういった問題をここでどうこうしようとは思いませんが、いずれにしても、要員の面についても、それならば定員どおりに要員が埋まっておるかということになると、これは要員は埋まっておらないと思うのです。定員そのものも埋まっておらないという問題が現実に東京あたりの場合ではあっていろいろ御苦労されておると思うのですが、その問題について、令達定員それから現在、これを各郵政局ごとにちょっと御説明願いたいと思うのです。
#25
○政府委員(竹下一記君) 令達定員の郵政局別の数でございますが、これ手元にちょっと数字がございませんのです。したがいまして、郵政局別にみな欠員をかかえておりますが、その欠員の数を申し上げてよろしゅうございますでしょうか。
#26
○久保等君 はい。
#27
○政府委員(竹下一記君) 東京郵政局は二百九十六名の欠員です。長野郵政局は十七名、名古屋郵政局が七十三名、金沢郵政局が十四名、大阪郵政局が八十五名、広島郵政局が二十八名、松山郵政局が十名、熊本郵政局が四十九名、仙台郵政局が三十三名、札幌郵政局が四十八名、計六百五十三名。
#28
○久保等君 いつ現在ですか。
#29
○政府委員(竹下一記君) これはことしの三月一日現在です。これは郵便だけでございませんで、貯金、保険共通、各事業を含んでおります。
 ちょっと申しおくれましたが、ただいまの数字は、欠員局における欠員でございまして、郵便局の中には過員をかかえた局もございます。いなかのほうの電通の合理化が行なわれておるようなところは過員局が相当ございますが、その数字は含んでおりません。
#30
○久保等君 これはそうすると貯金、保険全部含めて郵政局別の欠員状況の御説明ですか。そうだとすると、トータルして六百五十三名の全国での欠員ということですが、この数だけから見ると、あまり、その欠員という点だけから見れば問題がないというか、そうさした数字ではないような感じがするんですけれども、ただ問題は、郵便事業の場合を例にとって考えると、一体令達定員そのものが現状からいって適当であるのか、どうなのかというところにまず一つ問題があると思います。たとえば、よく言われる東京都内についても、約千人募集してもなかなか若い人たちの応募者が少ないといったような問題等がいわれておるのですが、東京の場合を例にとってみると、一体いまお話があったように、欠員は二百九十六名、三百名程度の欠員があるようなお話ですけれども、これはまあもちろん郵便だけじゃなくて、貯金もその他も一切含めての二百九十六名ということですが、東京の場合、この数字は、郵便関係だけに限って言うなら何名ですか。
#31
○政府委員(竹下一記君) 東京郵政局管内全員についての数字はちょっと持ち合わせございませんが、東京郵政局の中で、いわゆる首都圏の部分につきましては、内外勤合わせまして百七十名ほどの郵便の欠員がございます。これは昨年の九月ごろはもっと多うございまして、たしか八百名ばかり欠員をかかえておったと思いますが、その後いろいろと努力をいたしまして、今日では百七十名程度になっております。
#32
○久保等君 この問題は、何といっても郵便関係の要員確保の問題が最大の問題だろうと思うのですが、ここにあらわれた内外勤で東京の場合に百七十名の欠員というのですが、これはまあ非常に出入りが激しい面もまた一面においてあると思うのです。だから、こういう固定的な数字だけながめて、とにかく、人員だけからいけば百七十名という問題ではない、もう少し実態は複雑だと思うのですね。たとえば、一年ぐらいでやめる人が非常に多いという、いわば定着性が非常に少ないという問題があると思うんです。そういう動きなんかも突き詰めて考えていかなければ、ほんとうの中身というものがよくわからないと思うのですが、郵便事業で、昭和四十五年の定員増で千八百十三名という定員増が予算の中で考えられておるのですが、昭和四十五年度のこの定員関係の中身について、ちょっと御説明を願いたいと思うのです、定員増の中身について。
#33
○政府委員(竹下一記君) 定員増千八百十三名でございますが、その中身は、四百五十名という数字が管理職、つまり現場の課長、副課長、主事、そういった職務定員が四百五十名ございます。それ以外は物増に見合う要員の増でございます。
#34
○久保等君 この四百五十名がどういうところに、どういう形で配算になるのか知りませんけれども、千八百十三名の人員の中で、四百五十名の管理職定員という数字も、何か数としては比較的多いような感じがしますが、どういうところにこういった管理職定員が非常に数が多くなければならぬ理由があるのか、事情を若干御説明願いたい。
#35
○政府委員(竹下一記君) 中あるいは小局においては現在でよろしいと思うのでございますけれども、いわゆる大局におきましては、管理職の数がきわめて少ないのでございまして、その実情を申し上げますと、東京中央郵便局では、一課の平均人員は約百名になっておりますけれども、その中で普通部の第四普通課と申しますところは、百八十四名という多数の者をかかえております。一人の課長が百八十四名を管理しておる、こういう実情にございます。また大阪中央郵便局をながめてみますと、これはもっとひどいところがあるのでございまして、これは一課平均が二百三十名、最大の課は普通郵便課でございまして、四百五十八名でございます。したがいまして、これは管理要員に対して課員がこんなに多いということは、つまり管理が行き渡らない、管理が不十分である、ひいては業務の運行にも関係をしてくるというわけでございまして、何と申しますか、これは従来、この面についての要員措置が実は不十分であったわけでございまして、昨年から一部実施になりましたが、ことしはその方面に重点を置いて予算要求もいたしましたわけで、予算定員も四百五十名というかなりの多数の者が取れたわけでございます。
#36
○久保等君 昨年のこの管理職定員の増加は何名になっておりますか。それから本年にしても去年にしてもそうだと思うのですが、管理職定員の中に労務担当の関係者、これがどの程度含まれておりますか。
#37
○政府委員(竹下一記君) 昨年は五十名取れました。それから、いま労務担当主事といったようなお話でございましたが、私が申し上げました四百五十名は、郵便業務の連行にかかわる者でございまして、労務関係の者を含んでおりません。
#38
○久保等君 それはもちろん、郵便関係とは別個の種別になると思うのですが、労務担当主事何名、去年とことしでふえたのか、その点お答え願いたいと思います。
#39
○政府委員(中田正一君) 労務担当主事の増員でございますが、昨年の資料を私いま手持ちしておりませんが、四十五年度予算におきまして要求し、大体現在進行しておりますものは三十五名ということで取り運び中でございます。
#40
○久保等君 ここではお答え願えなければ、郵政局別の令達定員それから欠員状況等をひとつ別途資料でお出し願いたい。
 それからいまお尋ねしました定員増の千八百十三名について、さらにはその中に四百五十名の管理職も含まれておるわけですが、これの令達人員の、これまた郵政局別でけっこうですけれども、資料で後ほどお出し願いたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
#41
○政府委員(竹下一記君) 定員の郵政局別の令達につきましては、いまから実は作業にかかるわけでございまして、数字がまだできておりません。それ以外のことにつきましては作成して提出いたします。
#42
○久保等君 ないものはしかたがない、これから……。特に令達要員にしてもまだ現実に配算をしていないということだと思うのですが、予算がもちろんまだ通っていないのですから、だから、予定はもちろん大体でき上がった案があろうと思うのですけれども、きまってからでけっこうです、ひとつ資料としてお出しを願いたいと思うのです。
 それから先ほど御説明のあった昨年来いわば管理職定員をふやし、できるだけ膨大な課はある程度の適当な規模の課にしようということで管理職定員の要求をせられて、本年度の場合には四百五十名という数になっておるようですが、私はやはりこういったところにも若干問題があると思われるのは、もちろん四百名、五百名というような課ということになると、これはなかなかたいへんだろうと思うのですが、しかし、昨年あたりは、東京中央郵便局あたりにしても、一つの課を三つぐらいに分けたところもあるんじゃないですか。だから、それも一挙にそういう分け方をしなければ非常にまずいのだというようなことは、これはどうもわれわれ一般外からながめておる人にはちょっと理解できないと思うのですよ。もちろん五百名、六百名ということになると、なかなかたいへんだろうという感じはいたします。しかし、さればといって、いやそれを今度は四つか五つぐらいに分けるのだという分け方も、何かしら思いつきのような感じもするし、しかも、業務の内容そのものはそう複雑な内容じゃないと思うのですね。比較的単純と言っては何ですけれども、頭数は多い、人員は非常に多いけれども、職務内容というものはそう複雑多岐にわたるわけじゃない。そういうことになれば、人員が相当数おっても、私は管理の上から非常に問題があるというふうには考えておらないのです。要するに、労働組合というものがあって、非常にこれを何とかひとつできるだけブレーキをかけなきゃならぬとかいうような労務対策の立場から考えれば、できるだけ数が少ないほうがいいんで、もう多々ますます弁ずじゃなくて、少なければ少ないほどいいということになるのでしょうけれども、しかし、そういう考え方で、はたして遅配問題を解決していく立場からいってどうかということになれば、私はむしろ適当でないというような感じがするわけです。したがって、この定員をふやすならば、できるだけ郵便遅配を解決しようという立場で、できるだけ実際に物を扱う人、一般の職員、こういった者を一名でも二名でもふやすということになれば、直ちに多少でも郵便遅配解消に直接つながっていくと思うのですが、二千名足らずの中で五百名ぐらい管理職定員をふやしていくというふやし方では、定員をせっかくふやしてきたものの、あまり郵便遅配に効果的な作用は及ぼさないということになろうと思うのですが、そのあたりどうですか。
#43
○政府委員(竹下一記君) 郵便の仕事は単純、簡単ではないかというお話でございましたが、なるほど仕事の中身は単純作業かも存じませんが、いわゆる昼、夜通じて仕事をしなければならないという点、それから職員も交代制勤務でございまして、二十四時間を幾つかに分割して要員配置をしなければならない。個々の職員から見ますると、平常出勤があるのと、早出があり、あるいはおそ出があるといったように、服務の面から見まするときわめて複雑多岐なるものをかかえております。そういうことで、この課員を、どういう要員配置をするかというそれだけを見ましても、実は非常な仕事でございます。それと、夜も作業をするという特殊性から申しまして、昼間の管理体制と夜の管理体制とが非常に違うということでは、これはいけないのでありまして、夜も仕事をするわけでありますから、夜の管理者も実は要るわけでございます。それにつきましては、従来その面についての要員措置が実は足りなかったわけでございまして、それを昨年から一部実施いたしましたけれども、なおもっと手当てをしなければならぬ部分が今日まで多かったわけでございまして、四十五年度予算で、いままでの課題を相当これで解決しようという意図を実は盛り込んでおるわけでございます。そういう郵便の特殊性をひとつお考えいただきたいと思います。
#44
○久保等君 この四百五十名の問題については、いま申し上げたように別途資料で出していただきますが、その際にポスト別の点もひとつわかるようにしてもらいたいと思うんですね。課長が何名なのか、あるいは主事が何名なのかといったようなポスト別のものもひとつ明らかにしてもらいたいわけです。したがって、そういうような中身もこまかく検討をしてお尋ねしなければ的確な質問にはならないかと思いますが、いずれにいたしましても、一見して感ずることは、できるだけやはり直接郵便物数を扱う職員の方々を一名でも二名でも増員をするということに極力努力をすべきだと思います。管理職定員というものは、私はできるだけ少ないことをもってよしとすると思うんです。だから、そこらにも若干私と答弁者との間の考え方には開きがあるようでありますが、しかし、これも数字的な中身をさらに検討してお尋ねをしたほうがいいかと存じますので、その点はひとつ資料としてお出しを願いたいと思うんです。
 それから労務担当の三十五名、これはどういったところに配置をするかおわかりになりますか、人事局長。
#45
○政府委員(中田正一君) 労務担当主事は、従来の方針といたしましては労働組合員四百人以上あるような職場、そういうところに労務担当主事を一人以上配置しようというようなことで進めておるわけでありますが、そういうことでありますと、だいぶ現在配置していないところがございます。九十局ほどそういうところがございますが、現在そういう方向を目ざして増配置している。四十五年度においては先ほど申し上げたように三十五人配置いたすわけでありますが、なお四百人以上の局所については未配置局が残るということでございます。結論的に申しますと、普通局あるいは特定局においても、まとめまして四百人以上くらいのところに置いていきたいということでございます。
#46
○久保等君 現在郵政省の中における総員、本年度では約三十二万数千名おられるようですが、この数のうち労働組合の組合員、これは全逓なりあるいは全郵政といったようなものがありますが、そういった労働組合別の人員、それから管理者といわれる方、あるいはまた未組織者、労働組合員となり得る方で労働組合には入っていないといわれるような未組織者といったようなことはおわかりになりますか。
#47
○政府委員(中田正一君) 詳細な点につきましては資料に基いて後刻申し上げたいと思いますが、ごく大ざっぱに申し上げますと、職員三十二万のうち、組合に加入し得ないと申しますか、非組合員の立場にある者はおおよそ九%程度、一割足らずということでございます。
 それから労働組合組織の状況でございますが、全逓労働組合に所属しております者が二十三万弱、二十二万数千ということで、二十二万台でございます。二十二万七、八千だと思います。それから全郵政労働組合に所属する職員が四万弱、四万前後ということでございます。で、未組織のものはいま正確にわかりませんが、そういった全逓、全郵政、それから非組合員の者は先ほど申したような数でございますが、それとの関係で未組織の者が数字として出てくるわけでございます。
#48
○久保等君 まあこれは正確なところはまた資料でお出しを願いたいと思うのですが、したがって、こまかい質問はまた別の機会に譲ります。
 ところで、この労働組合の実情についても、私は郵政当局に反省を求めたいと思うんですけれども、やはり労働組合が二つに分かれる、あるいは三つに分かれるということになってくると、労働組合の行き方とかなんとかということは別として、当局の立場からいくと、いろんな意味においてわずらわしいというか、一ぺんで済むことが二度かかるという問題だけじゃなくて、いわば職場の中における空気といったようなものが非常に陰険になってくる、陰惨になってくると私は思うんですよ。まあこういった問題は、郵政当局の労働組合に対する考え方なり見方というものについて私もかねがね異論を実は持っておるんですが、そういった問題をここでやろうとは思いませんけれども、やはり何とか労働組合というものもすっきりと一本の姿であるほうが――労働組合のいい悪いは別にしてみても、こういう形で組合が二本に分かれておるという姿は、郵政事業にとっても決して好ましいことではないと思いますが、そのことだけについてひとつ人事局長のお考えをお尋ねしたいと思います。
#49
○政府委員(中田正一君) 申し上げるまでもございませんが、労働組合の結成につきましては、これは職員が自発的に決定するものでございますので、当局側において労働組合が一本でなければならぬ、あるいは一本のほうが望ましいとか、そういうことについての言明は、これは当局としていたしかねるわけでございます。
#50
○久保等君 私、だからいまの全逓、全郵政の問題についてどうこうということでお尋ねしたつもりじゃないんです。一般論でもいいから、一体常識的に考えて職場に労働組合が二つ、三つとあるほうが――好ましいとか好ましくないとかは別にして、できればまとまっておったほうが話もしやすいし、いわば職場の中での対立ということは当然なくなってくるわけですが、そういった意味からも好ましいとは思うんですが、しかし、いま人事局長の立場からすると、全逓、全郵政というものが現実にあることを考えられて、いま言うようにきわめて差しさわりのないような答弁しかできないと思うんですが、そこらに私は実は問題があると思っているんですよ。そういうような、きわめて形式的な、きわめて差しさわりのないような答弁をしなければならぬところに実は問題があると思う。私はここで人事局長が堂々と、全くそのとおりですというぐらいのことは、ざっくばらんに言えるほうが、むしろ非常に明朗だと思うんですけれども、労働組合に対しては管理者はくちばしをいれてはいかぬことになっておりますと、まことにそのとおりなんです。そのとおりやっていれば問題ないんですが、これは現実にはそうやってないのがむしろ実態じゃないんですか。人事局長個人がおやりになっておるとは言いませんが、とにかく郵政省全体の組織から見たときに、そういったことが実はいろいろ今日まで問題を起こしておる面が多分にあると思うんです。しかしそういったことも、人事局長を追及しようとは思っておりませんので触れませんけれども、まずそういったところから常識的な議論なり話ができるような環境にひとつしてもらいたいと思うんです。これは要望しておきます。
#51
○永岡光治君 関連。
 人事局長のいまの答弁ですが、私の気持ちでは、やはり職員というものは一つの組合であったほうが運営しやすいと、体験をしてきているんですが、あなたは数多いほうがいいというお考えですか、どっちですか、明確にしていただきたいと思います。
#52
○政府委員(中田正一君) 一つの企業の中における組合の数の問題でありますが、これは職能別とか職務別、そういうふうに組織された場合とそうでない場合とで違ってくると思いますが、いまの日本のような組合の組織のしかたでありますれば、これは交渉の数から申しますれば、それは当局側としては数が少ないほうがよろしいわけでございますので、いたずらに組合がたくさんあるということを必ずしも歓迎するわけではございません。
#53
○久保等君 その問題についてやっておりますと時間がなくなりますから、この際は省略をいたしますが、先ほど来のいろいろ質問の中で、私は結論的に、郵政の郵便遅配の問題をどう片づけなければならないか、具体的な問題をいろいろお考えになっておると思うんですが、それにしてもいまからだいぶ昔――昔といいますか、十年近くなりますが、昭和三十六年に、遅配問題研究会というものをつくられて、そこから報告書も出ておるようですが、時間がありませんからきわめて簡単に、この研究会の報告といったようなものがどういった中身であったのか、ちょっと簡単に御説明願いたいと思うんですがね。もしここで御説明をあまりできないほど――だいぶ古い話ですから、しかし問題が古くても、なおかつきわめて新しい中身でもあるようですから、資料で何だったら報告書をお出しを願うと同時に、一体この報告書に対してどういう扱い方をされてきているか、結論的なことだけでも御説明願いたいと思います。
#54
○政府委員(竹下一記君) いまお話ございました研究会は、これは省といたしましては実はタッチしておりませんで、たしか全逓のほうでそういう発想をされて、部外の方々に委嘱をしてそういて会を持ってもらっていろいろな問題を検討してもらった、こういうことのようでございまして、その中身につきましても、私読んだことがございますが、正確には覚えていないわけでございます。省といたしましては、三十九年でございましたか、郵政審議会に郵便事業の近代化のあり方についてという諮問をいたしまして、それについての答申が出ております。これは相当項目が多うございますが、要員の問題、局舎の問題、郵便運送のスピードアップの問題等々、各般にわたりまして、相当内容の豊かな答申が出て、私どもはそれに沿っていろいろなことを進めてまいってきておる次第でございます。
#55
○久保等君 いろいろ遅配問題に対する対策は考えられておると思うんですが、問題はやっぱり実行することだと思うんですね。いろいろ原因についても指摘され、またもう郵政当局も長い間御苦労になっておるんですから、どういった点が問題点だということはよくわかっておったと思うんですが、問題は、それを実行しないだけだと思う。たとえば、具体的な問題でいえば、地方から大都市あたりに欠員補充のために若い人を採用する、それに対してたとえば宿舎を完備して迎えるか迎えないかといったような問題も、そういった要員確保の上からいって非常に重大なことと思うんですが、地方からこっちに若い人を採用した場合の宿舎といったようなものは、完全にこれはあてがうようなたてまえになっておるんですか、どういうことになってますか。
#56
○政府委員(中田正一君) 職員の確保、特に郵便外務員の雇用確保という観点から宿舎を整備しておりまして、東京に例をとりますと、東京以外の他の地域から職員を採用する、その場合にどうしても宿舎が必要である、そういう場合には優先的に宿舎の用意をする、必ず宿舎に入れるということで職員の採用に当たっておるわけでございます。現在そういうことによりまして、独身宿舎が全国で一万四千人分ほどございます。大体その半分近くが京浜地区ということになっております。
#57
○久保等君 ちょっと念のためにお尋ねしますが、独身なんかの場合にはどのくらいのスペースをあてがうことになっておるんですか。
#58
○政府委員(中田正一君) 六畳に二人というのが基準でございます。
#59
○久保等君 それから郵政の場合には宿舎にしても非常に私はお粗末だと思うんです。これはひとり独身者のみならず、宿舎関係をながめていて、私、昨年でしたか国立のほうへ行ったときに、あすこに、非常に広い敷地にずっと平家の木造住宅が建ち並んでおるんですが、人事局長はついこの間まで東京郵政局長やっておったから非常に事情明るいと思うんですが、具体的な問題ですが、あの国立の宿舎はその後建てかえるか、建設計画がどんなふうになっているんでしょうか。
#60
○政府委員(中田正一君) 宿舎の改善については逐次取り運んでおるところでございますが、これは郵政省だけで計画を取り進めるというわけにもなかなかまいりません。国家公務員の宿舎計画との関係でバランスをとりながらという制約が一つございます。しかし、その中におきましても、宿舎の増設あるいは改善を進めております。いま御指摘の国立あるいは国分寺ですか、その辺の住宅につきましても、これは平家でございますので、相当の敷地面積を持っております。でありますから、別の角度からすれば敷地として非常な価値を持っておる。そういうところを逐次四階建ての高層に切りかえますれば、現在所有しておる敷地だけを活用して相当宿舎をこれから増設できるというふうなことで、逐次四階建ての高層のものに切りかえるということで取り運んでおります。
#61
○久保等君 私、直接あすこへ一、二回行って非常に痛感したのは、郵政省の宿舎対策というものの何か実態をのぞき見たような感じがするわけです。いま局長の言われるように、非常に場所としてはいい場所ですね。それで相当な――あれ坪数が何千坪あるのか知りませんけれども、非常に広いところです。そこに建っておる建物は木造平家で非常にお粗末な建物。おそらくあれはふろ場もないんじゃないかと思うんですけれども、実にお粗末な建物ですね。だから、いま言われるように、高層のアパート式の建物にすれば、あすこに現在入っておられる方の数倍の方が収容できるんじゃないかと思うんですよ。せっかくいろいろりっぱな、立地条件も比較的いい場所にある、非常に静かなところにある敷地にまことにお粗末な建物です。あすこに住んでおられる郵政国家公務員の皆さんというものは非常な不自由をしておられると思いますね。雨漏りももちろんするでしょうし、横から吹きなぐりの雨でも降ればもちろん家の中へ入るでしょうし、まことにお粗末な建物です。宿舎関係をひとつ考えられるなら、人事局長一ぺん、国立どの程度御存じか知らぬけれども、あそこへ行ってごらんになったら、職員の人たちがほんとうにどういう注文をつけるか、なまの声が聞かれると思うんです、ああいうところを見ただけでも。私はこんなところこそひとつ思い切って、金はどっからでもいいから借りてきてや方法があるんですよ。それで、国家公務員の一般のレベルとの関係がありますから、問題あることは私もわかりますけれどもね。しかし、たとえば郵政互助会なり何なり資金を借りるところはこれはあると思うのですね。しかも、ああいう形で住まわなければ一般レベルとの均衡がとれないのだとか、いや、それはあれよりりっぱにしてもらったのじゃ困るのだとか大蔵省の連中が言うようだったら、私は言うほうが頭がどうかしておると思うのです。ああいう形で、職員の方に現物給与で宿舎は与えてありますなんということは言えるような宿舎じゃありませんよ。もう屋根は継ぎはぎだらけのようなスレートの屋根にかわらを――かわらというか、スレートのあっちこっち、それこそ取りかえているものですから、色が鹿の子まだらみたような形で違っているのですよ。それから横の壁ですね、板きれにしたところで、ほんとうにもう雨が横から吹き込むのじゃないかと思われるようなお粗末な建物ですね。これがとにかく、何百軒か知りませんけれども、とにかくたいへんな戸数があそこに建ち並んでおります。私はいま局長から、あるいはもうあれ取り払っていま目下建築中ですということばが聞かれるかと思っていたら、まだそこまでいっていないようですから、はなはだどうも残念に思います。これは私の直接見た問題ですけれども、ああいう宿舎に職員を入れているような宿舎対策では、これはもう語るに落ちると私は思うのです。何とかもう少し思い切った宿舎計画をお立てになる、それから若年労働者の諸君の確保の問題からいっても、宿舎くらいはこれは当然建ててその中に収容するというようなことを考えなければ来ないと思うのです。特に私は郵政の場合、要員確保が非常に困難だとはいいますけれども、一面からいくと、非常に実は希望の持てるのは、全国的に見ると非常に格差があります。まあ私は四国のことについて御無理をお願いしたりしてよくお願いするのだけれども、なかなか外務員にでも採用してもらえないということで実は困っておるのです。ところが、いま東京の話をすれば、東京のほうじゃ人手がなくて困っておるというのですから、これは四国あたりから、希望者も私は大ぜいおると思うのですけれども、ただ、自分でもって家は見つけなさい、それから郵便外務員になったら一生郵便外務員ですよというような処遇では、これはもう来ないと思うのです。
 郵便外務員の処遇問題ですが、これは郵便外務員で入ると、郵便外務員以外に配属、職転というものはできないということに郵政省はたてまえとしてなっているんでしょうか、この点お尋ねします。
#62
○政府委員(中田正一君) 郵便外務員の処遇に関連して、外務から内勤への配置がえの点でございますが、郵便外務員に入れば絶対に内勤にかわれないというような仕組みではございません。内勤に欠員がございますれば、外勤のほうから内勤へ配置がえするというような仕組みになっておりますが、ただ、何年たてば必ず内勤ししてやるというようなことを条件にいたしまするというと、そのとおりいかない場合に問題があるというようなことでございますので、三年とか五年とかはっきりした年数限れませんけれども、内勤に欠員があった場合に、外勤のほうからも内勤へかわれるというような仕組みでございます。また、たとえば研修制度などを通じまして、研修所へ入所しまして一定の訓練を受けたあと、その訓練の成果を生かすというようなことでポストをかわるというようなこともございます。そういうことで、特別閉鎖的、固定的というようなものではございませんが、はっきりと何年たったらというほどの筋道はまだできていないということでございます。
#63
○久保等君 いまのお答えで、全然外勤から、外務員から内勤にかわれないということではないというお話なんですけれども、それをもう少し、一歩二歩進めて、大体においてたとえば五年すれば内勤になれるんだという、職場配転ができるんだ、してもらえるんだというものをもう少し制度というか、そういったような形まで私はする必要があるんじゃないかと思うのです。だから新しく採用する人は、むしろ郵便外務員は一ぺんはやらなければならぬのだというようなぐあいにして配転する方法もあると思うのです。たまたま内勤に欠員ができたらなれるんだという程度では、これは原則的にいえばむしろなれないということにも私は通ずると思うのです。外務員の方は非常に多いわけですし、若い人がせっかく入って、しかもよほどの例外としては内勤に配転もしてもらえるけれども、原則としては大部分がなれないんだというたてまえに現在はなっているんじゃないかと思うのです、実際の運用上。規則、規程でそうはなっていないのです、現実問題として。そういうことなら私は希望が持てないと思うのです。そういったことを、若い人たちが郵便外務に喜んで希望する、いなかのほうはもちろんのこと、大都会においても希望するというふうに私はすべきだと思うのです。やはりもちろん中には一生外務員でもけっこうです、また、外務員が最も適当でそれ以外ではどうも必ずしも本人の適格性からいってもむずかしいんじゃないかという方もおられる。そういう方はそういう方で、そういうところで私は長く勤務してもらってもいいと思うし、それに対して給与その他の問題は考えるにしても、必ず、郵便だったら郵便外務から内勤にかわっていくというものでも困る面があると思うのですが、そこらのところもう少し、かたくなな人の使い方じゃなくて弾力的な運用をやっていくべきだと思うのですが、どうですか。
#64
○政府委員(中田正一君) ただいまお尋ねの第一点の、内勤に入る場合には外勤を経由してというような仕組みはどうかということでございますが、この点、一つの問題点でございます。省内においてもいろいろそういった問題を検討したことがございますし、なお検討中でございます。非常に効果を発揮すればよろしいわけでありますが、ただ一つ次のような点も考えられるわけでございます。現在は、外勤については、全国的にはそれほど問題でないにしても、東京近辺が問題であるという場合に、お尋ねのようなことで一つの仕組みをいたしますというと、現在は、内勤は格別問題はないという場合に外勤を経由するということにしますと、その最初の関所で二つの道筋をつけておけば内勤は問題はない、外勤だけに重点を置けばよいというものが、外勤を通じてということになりますと、来る人が最初から来なくなってしまうおそれはないかというような点で、現在はっきりとしたそういった筋道をつけにくい、もう少し見きわめてからお尋ねのような方法をとらなければならないのではないか、というようなことで現在検討中のことでございます。
 それから地方出身者が東京に出てきて、また一定年数たてば地方へ帰れるということであれば、地方からも東京その他大都市に職員を採用しやすいのではないかという問題もございますが、これも一定年数、三年とか五年というふうに年数を限りますというと、地方に欠員がない場合に約束を履行できないというようなことになりますので、なかなかその辺もはっきりと年数で区切れない。しかも、そういった地方と都市のアンバランスを何らかの面で調整しなければならぬということは、もうおっしゃるとおりでございますので、そういった点、現在、お説のようにもう少し弾力的な法方で何とかやれないかということで、せっかく勉強中でございます。
#65
○永岡光治君 関連。
 いずれ私も機会を得まして質問をいたしたいと思いますが、そのつど問題が出てまいりますれば関連して解決しておいたほうが後の質問の整理に好都合だと思いますので、お許しをいただきたいと思うのでありますが、いま久保委員からの質問にはきわめて重要な郵政の労務対策といいますか、労務確保といいますか、非常に示唆に富んだ質問があったわけでありまして、私どももその点を非常に前から郵政職員に希望を持たせる、特に外務の職員が最近は希望をなくしている、われわれは一生つとめても郵便配達で終わるのか、非常にいまの若い者には希望のない職場が郵政の外務の職場ではないか、こういうふうに実態を見て訴えられ、あるいは実情を聞いてそういうように感ずるわけでありますので、さらに私の意見を付しながら人事局長なり郵政当局の意見を開きたいわけであります。
 私は、いま久保委員からお話がありましたように、かつて鉄道の職員になるときには大学を出ても一カ月とか二カ月とか実務をやらした、期間はどうであるかは別問題といたしましても、やっぱり私は郵政の外務の職員は内勤になれるというのが一つの希望だと思います。そういう意味では、若い人ですから、そう一生郵便の外務だということでは魅力はないと思いますので、たとえば、五年がいいのか十年がいいのか知りませんけれども、一定の外務職の経験を経た者の中から内勤のほうにされていく、もちろん最初から内勤をされていくというのも採らないわけではありませんが、そういったものも加味してやったほうが運営がうまくいくのではないだろうか。なるほど、集配の道順組み立てとか、いろいろな問題があります。ある程度の経験を経なければならぬという問題もありますけれども、かえってあまり年をとりますと、これまた労働の量の上からいって、能率の上からいってダウンする職場もあるわけですから、これはひとつ真剣に考えていただきたいと私は思うのです。希望を与える、しかも効率的に郵便外務の仕事を運営するためにもぜひ必要ではないかと思うわけです。
 それからもう一つ、外務から内務にかわる希望のある者についてどうかというお話がありましたが、弾力的に運用をいたしたいという人事局長の答弁ですが、少なくとも、私ども今日までいろいろ、地方段階です、これは主として――現業の郵便局員が郵政当局にこういう外務から内務に希望する人がおる、そしてたまたまその局に欠員があるからどうだ、それはだめだ、やらないという方針なんだ、やることは例外だと、こう言うのですから、先ほど人事局長の話を聞きますと、例外でなくて欠員があればできるだけやりたいという積極的な方針のように聞こえるわけですが、そういう方針だと理解していいのか、それとも消極的にこれはやらないという方針なのか、その点をひとつ明確にしていただきたいと思うのです。これは全国の外務の諸君が非常に注目して聞いておる答弁だろうと私思いますので、この点をはっきりひとつ御答弁いただきたいと思うわけです。
#66
○政府委員(中田正一君) 先ほど私の答弁の中で説明不足の点がございましたので、補足を兼ねながら申し上げたいと思います。
 先ほど久保先生のお尋ねに対する答弁は、主として東京等の大都市の職員の確保という点から申し上げたのでございますが、全国的に申し上げますというと、地方では、内勤はもちろん外勤も相当希望者がございます。そして現在、公務員法上の仕組みは一応内勤と外勤に分けられておりまして、内勤は人事院の初級職試験の合格者でなければならない、外勤であればこの試験の合格ということは必要でないということになっておりますために、地方では初級職試験合格者が数多くあります場合に内勤に欠員がありますればやっぱり試験合格者をもって補充する、したがいまして、郵便外務員でも試験合格者であればこれは内勤へ当然かわれるわけでありますが、試験合格者でないという場合に、新しい試験合格者が列をつくって待っておるという場合には試験合格者をもって補充しなければならないという、これは大きな制約があるわけでございます。ただ、東京などの場合には、内勤職員についても人事院の初級職試験合格者だけではすでに補充できないという実態でございますので、その場合には、試験合格者でない者で郵政当局でしかるべきこれに準ずる試験を行なった者でよろしいということになっておりますために、外勤職員などからも内勤のほうへ配置がえできるということでございますが、国家公務員法を厳密に解釈し、また公務員試験合格者が多数存在するという地方におきましては、永岡先生のお尋ねのように、なかなかむずかしい点がございます。したがいまして、こういう点の解決も、これはやはり根本的にはかっていかなければならぬという点が一つございます。国家公務員法の運用について、郵政事業の実態に合うようにもう少し特例をつくってもらうとか、何らかの方法を講じませんと、郵政現業の最近の実態に公務員の制度が合わなくなっている面があろうかと思います。現在の制度ではなかなかむずかしい面は、別の方法をこれからさらに人事院とも折衝していかなければならぬということであろうと存じます。
#67
○永岡光治君 いま言った人事院の公務員試験の制度、あるいは先ほど宿舎の問題でも公務員とのつり合いの関係でなかなか思うようにいかないんだという御答弁がありましたが、そういうことを聞けば聞くほど、私は郵政のやはりいまのままの機構なり、組織法と申しますか、国家公務員法という法律のもとに、あるいは行政組織法のもとに置かれておる郵政というのがほんとうに機動的に機能を発揮できるのだろうかという心配が実はあるわけで、外務員のいまの問題について申し上げますと、もし内勤のほうに希望して、それが行けるような道が開かれれば、勤労意欲もわくし、郵政事業が円満にいくとするならば、そういう方法をとるべきがいいのであって、それについて公務員法というものが支障になるというのであれば、それを取り除く方向にいかなければならぬと思うのです。法律のために事業があるわけではないと私は思うのです。国民のために事業が円満にいくためにいろいろな法律や制度があるはずでありますから、支障になるものは取っ払うべきだと思う。そういう意味で私は郵政が公社に早く移行したほうが――もちろん郵政の独自の公社化のあり方があると思います。現在ある公社が必ずしも郵政そのものに適用していける公社組織とは考えておりませんが、郵政独自の公社化というものがあってしかるべきだと思うのですが、臨機即応に事業を効率的に円満に運用し得る方法を考えるということは、一番私は郵政当局の管理者の皆さん考えていただかなければならぬ現在問題だと思うので、そういう意味では公務員試験というものがあるにはあるにいたしましても、郵政独自でも特に大都市あたりは試験を行なって採用していることもあるようであります。もちろんその内容は公務員試験に及ぶほどのものでないようでありますけれども、私は、やはりそういう必要があればこそやるわけですから、その必要に応じたものをやってもらいたいと思うのです。
 そこでささいな質問にまた返りますけれども、外務員で希望者があって、その欠員があれば、内務員にしてあげようというお考えだが、その欠員に対しては、公務員試験に合格した初級職の合格者がおるから、それを優先的に採用しなければならぬということになると、しかし、それでも希望者がなくて、欠員があれば、それでは外勤者を内務にしてくれるのか、そういう積極的な姿勢であるのか、それとも、いや、原則として外務から内務にやらないという、そういうきわめて消極的な、例外的な方針なのか、その方針を私はいま聞いているわけなんです。いずれの方針なのか、積極的かどうかということ、これは職員にとって非常に大切な姿勢なんです、郵政当局の。希望の持てるような職場にしていただきたいというのが私どもの希望でありますが、これは関連いたしまして、郵政大臣も実情よくわかっておると思いますが、大臣にもひとつ人事局長と同時に私は方針をお聞かせいただきたいと思います。
#68
○政府委員(中田正一君) 先ほど国家公務員の試験合格との関係申し上げたのでございますが、公務員試験合格者がいない場合に備えまして、郵政部内ではまた郵政独自の試験を行なっておりますが、その試験二通りございまして、甲と乙に分けまして、甲は内勤職員の試験、乙は外勤職員の試験というふうにしておりまして、まあやはり現在内勤の場合にはこれは公務員試験との関連があるから、こういった甲、乙の試験をしておるわけでございますが、その甲の試験に通った者から補充をする、その場合に、これは部外からだけでなしに、外勤職員の諸君にもこの甲の試験を受けて内勤に希望する者はかわるようにということで指導しておるわけでございますが、まあこの甲の試験に通らない場合にはちょっと、部内に外勤の経験があるからといって、直ちにはむずかしいという仕組みになっておるわけでございます。まあ、ただそういった面をさらにこれからどういうふうに弾力的に運用するかという問題があるわけであります。
#69
○長田裕二君 関連質問の関連でたいへん恐縮でございますが、久保委員の御質問にも関連するという意味でお許しを願いたい。
 宿舎の問題あるいは外勤から内勤への転勤といいますか、ポストをかえるという問題についての御質問の中に、一般公務員との関係があるというようなお答えのようでございますが、たとえば宿舎なんかについていえば、一般公務員との関係で制約があるというのは、たとえば、どの程度のポストの者にどの程度の広さのものを与えるとか、そういう面での制約は私はまあうなずけるし、あり得ると思いますけれども、郵政で一番大事な外務職員、そういう人たちに対する宿舎をどうするかについて、一般公務員が何人中何人ぐらいに与えられておるから郵政職員はこれでは多過ぎる、もっと少なくすべきだというような制約があるとは私ほとんど思いませんし、また、現に十年近く前あたりから郵政省では国費と共済組合の経費で五十億、多いときは七十億ぐらいの宿舎予算を計上して実施したと思っておりますし、そういう心がまえをずっと継続するならば、私はそういうことは、一般公務員との制約とかなんとかという問題は優に克服することができるし、また克服し得ているものではないかというふうに考えるわけです。また、職種の転換なんかの問題も、内部にいろいろ給与とかその他の制約がありますけれども、人事院の人事院規則なり何なりはほんとうにこれが一番大きな制約になり、それが業務の正常化に非常に支障があるとほんとうに郵政省幹部が判断するならばそれこそ極端な表現を使うならば、人事院の首脳部と刺し違えるくらいの気持ちで交渉するならば、私は必ず道は開けるのではないかと思いますが、そういう自分でだめだとか、こうだろうとか思って、みずから事業運行の一番大事なポイントに触れない、避けるという、そういうことをやっぱり郵政関係の方としては相当やっておられると私は承知しながら、あえてこういう苦言を申し上げることをお許し願いたいのですけれども、ともかく非常な勇気と迫力を持っていろいろな困難な問題一つ一つに当たられることを、いまの御質問に関連して質問かたがた切望いたします。
#70
○国務大臣(井出一太郎君) まあ静かにただいまの御論議を承っておりまして、久保委員の御発言に関連をして永岡さんなり長田さんから非常に適切な御質問があったわけであります。私はまあ民間の人間として、さらに長い議会人としまして諸先生の御発言は非常によくわかるつもりであります。同時に、まあ役所へ入りましてちょうどきょうで三カ月たちますが、役所には役所でまあ一つのスタイルといいましようか、法律に従ってこれをなるべく誤らないように運営をしていきたい。古いことばで言えば、規矩準縄にどうしてもかかずらうという立場があるようであります。したがいまして、これをどう調整するか、これは私の任務であろうと思うのでございますが、郵政、特に郵便の事業は一つの危機にさしかかっておる、こういうことは皆さまもお感じになっておりましょうし、役所は役所でこれまた痛感をしておるところでございます。まあ公社化ということもその一つのあらわれとして出てくるでありましょうが、そういう点を御発言の御意思を体しまして、役所ともこれはよく相談をして善処をしてまいると、私はとりあえずそれだけお答えをいたしておきます。
#71
○永岡光治君 大臣、規矩準縄、これはもちろん法律的なものであれば守るべきだと思うのです。たいへん大臣も痛感されているように、特に郵便事業には危機というか――痛感されておるようで、非常に私敬意を表するのでありますが、そういう意味で、法律なり規定が支障になるというのであれば、私は法改正をすべきだと思うのです。ですから、その面も同時に考えてもらって、運用でできる面が――いま私が申し上げた面は運用でできるわけでありますから、外部のものを内部に採用するということは、決して私どもは絶対できないというものでもないと思うのです。いま試験の問題ありましたけれども、まあ試験をすることも一つの方法だろうと思いますけれども、郵便事業を動かすのにそういう法律でやらなければならぬほどむずかしい仕事でないと私は思うのです。そしてまた、いまの若い人は公務員試験で落第するような人しか入ってきていないと言うとたいへん恐縮な表現でありますけれども、そういう者に希望を与える方向は、やはり大臣やあるいは当局のほうで考えておきませんと、これは事業あっての人なんですから、事業をどうやったらうまく円満にいくかということを考えていただきたい、そういうことを申し上げているわけでありますが、試験までやって採らなきゃならぬというようなそういうおっくうなことをやらずに――それは試験という方法もあると思います。一定の公務員試験ほどのものでなくても、私は郵便を運営するにはそうむずかしい試験は要らぬと思いますから、そういうものを考えて、もし試験をするならば大体内部において差しつかえない程度の試験をやればいいのですから、何も一般国家公務員と同じ試験をする必要もないと思いますので、そういうものも考え合わせて積極的に希望を持たせる職場にしていただきたいと、そのことを大臣ひとつ考えていただきたいということを私申し上げているわけですから、決して私は絶対できないようなことを申し上げているわけではないのでありまして、事業あっての郵政省であり、郵便職員ですから、そういう面でひとつ考えてもらいたい。これは国民のためなんです。そういうことをひとつ大臣に要望しているわけですから、ぜひその点をひとつ早急に考慮していただきたいと思います。
#72
○久保等君 私もいま永岡委員から話があったような、結論としては、やはりもう少し弾力的な運営で希望の持てるような形に郵便外務員の場合についても考えてもらいたいと思うのです。もちろん、採用するときには採用試験をやられるわけですから、その採用試験、ある程度郵政職員としてふさわしいかどうかということについての能力テストは、これはやるのは当然だと思いますけれども、そういったようなことで採用されれば、あとは仕事によって一体適当でないということならばこれは話は別だと思うのですけれども、制度的にもう外部に入ったら原則として内部にかわれないのだという扱いについては、私は見方によっては差別待遇だと思うのです。ただ、国家公務員試験制度というものがあるからということを配慮しておられるようですけれども、しかし、外部に入って、たまたま試験の成績が芳しくないけれども、仕事をやらせているうちにだんだんと仕事の面では優秀だといった人間も相当いるだろうと思う。特に高校を卒業して相当むずかしい試験を受けて入っておる。東京のように特殊事情のあるところは別として、地方では相当むずかしいのです。とにかく数十名の中でわずか数名ぐらいしか採用してない。十名に一名ぐらいの試験を受けて入っている諸君も今日地方には多い。また地方ではそれが原則だと思う。だから、そういった諸君が、二十になるかならないぐらいで相当むずかしい試験を受けて入ったのだが、おまえさんは一生郵便配達をやっているのだというような人の使い方はむしろ今日の時代では時代錯誤だと思う。そういうことから、そういう面についての改善について、私はそれこそ国家公務員制度というものがありますけれども、こういった面についての法改正が必要なら法改正をするなり、あるいは運用面で、さっきも人事局長からお話があったように、特殊事情ということですが、これは特殊事情ということではなくて、全国的に求人難ということは御承知のとおりなんですから、そういう立場で運用面でも最大の努力を願って、ぜひ希望の持てる職場にする御努力をひとつ願いたいということをお願い申し上げます。
 それから次にお伺いしたいと思うのですが、何か若い人たちを訓練する青年訓練みたいなものをおやりになっているようなんですが、どういう形で郵政はおやりになっているのですか。青年訓練の問題についてお伺いしたいと思うのです。
#73
○政府委員(中田正一君) 現在郵政部内の訓練体系といたしましては、職員に採用された場合には職場で訓練を行なうことは当然でございますが、六カ月あるいは一年以内に初等部の訓練、これは全員受けさせるわけでございます。そういたしまして、初等の訓練を受けて職場で三年ほどたちました場合に、今度またもう一度そのアフターケアと申しますか、さらに青年訓練というものを行ないます。申しおくれましたけれども、初等部の訓練の場合には一カ月ほど、およそ一カ月弱でございます。それから青年訓練と申しますのは、これは非常に日数が短こうございまして、現在五日程度というような、いわば再訓練ですが、この五日の訓練ではなかなか効果を発揮し得ないのではなかろうかというので、もう少し日数を延ばさなければならないというような点が現在問題として考えられており、またそういうところを目ざしていま検討中でございます。
#74
○久保等君 これはいつごろから始めたのですか。それからいま大体初等訓練を受けた人というのはどのくらいおるのですか。いつごろからやっていたのか。また、どういう形でやっておられるのですか。それぞれ一カ月ということになれば学園、それから五日ぐらいというのもこれも学園ですか。どこでおやりになっているのですか。
#75
○政府委員(中田正一君) 初等部の訓練、青年訓練ともに場所は研修所で行なっております。各郵政局の所在地にある郵政研修所で行なっております。初等部は研修所の全責任において行なっておりますが、青年訓練は、場所は研修所の建物、寮を借りるわけでございますが、訓練の担当のところは、これは郵政局が計画し、郵政局が実施しておるということでございます。実施した年月でございますが、青年訓練と申しますのは大体四、五年前かと存じます。初等部訓練はこれはもうずっと前、十数年前になろうかと思います。
#76
○久保等君 その訓練の中身はどういう中身でどういうことを目的にして、どういったところをねらって訓練しておられるのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
#77
○政府委員(中田正一君) 初等部訓練は、職員が必ず経なければならぬという訓練として郵便局に採用になった後できるだけ早い期間ということでございますので、これはもう初歩的な全般にわたる訓練でございます。郵便貯金、保険――現在郵便を担当しておりましても、将来貯金、保険が担当できるように、郵便、貯金、保険、全業務にわたって業務のあらまし、日常の仕事を行なうに必要な法令の知識、そういったものから、あるいは職員として心得べき事柄、服務規律の問題、そういう全般について行なうわけでございます。
 青年訓練のほうは、これは一度初等部訓練を受け、また現場で三年ほどの実務経験がございますので、そういった実務経験にかんがみまして、それを補強するという意味で初等部よりもやや高度の訓練、と申しましても日数が五日ほどでございますので、まあ最近の郵政事業の動きとか、またさらに職員として心得べきことというようなものを重点的に行なうということになっております。
#78
○久保等君 このあとの、五日間程度というのですが、これは年齢的にはどういった年齢の、まあ制限ということはないのですが、どういった年齢程度を対象にしているのか。それから、教える先生も、これはどういう先生が教えるわけなんですか。五日間というのはどうもあまり長い日数じゃもちろんない。まあ幹部訓練じゃもちろんないし、若い人たちですから、だから、もう少し端的にいって何をねらっているのか。まあ訓練して悪いということは、これは抽象論としてはないと思うのですけれども、五日程度の訓練で一体主として何を目的にしているのか、しかも全員についてやられるわけなんでしょうが、年齢はどういった年齢の方ですか。
#79
○政府委員(中田正一君) 初等部は大体高等学校を卒業した程度のものでございますので、十八、九ということでございますが、青年訓練はそれから三年程度実務経験を経た者ということでございますので、二十三、四、五、大体そういう二十代の者でございます。
 訓練の重点は――これは初等部の訓練は先ほど申したように全職員が受けるわけでございますが、その後の訓練体系の関係では現在中等部というものがございます。中等部というものは、これは非常に数少のうございまして、全国で五百人程度というようなことで、これは試験選考を行ないまして選抜して行なうものでございますので、なかなか全職員というわけにまいりません。したがいまして、その初等部訓練を終わったあとそのまま放置する、これは現場で日々これまた訓練ということであるわけでありますけれども、研修所の門をくぐるということがなかなかない、それではということで初等部を経た者、先ほど来繰り返して申し上げておるように、三年程度たった者を対象にして行なうということで、アフターケアでございます。初等部訓練のいわばアフターケア、初等部で一度教え、実務に携わっている者を三年ぐらいたった後、どうなっているのか、ほんとうに初等部訓練の効果があがっておるか、三年間の実務を通じて職員としてうまく軌道に乗っているかというようなことに重点を置きまして、郵便、貯金、保険の実務について補強する、それから職員としての心得、職場規律の確立の問題、そういう点に力を注いでやっておるわけでございます。
#80
○久保等君 私もこの青年訓練の問題については、実態がよくわかりませんが、いま程度の御説明ですけれども、できるだけあまり非難が出ないような、やはり訓練を受けてよかったというような中身の訓練にしてもらいたいと思います。それがいわゆる労務対策的なにおいなりあるいはまたそういった立場から訓練をやるというのじゃなくて、まあやはり五日という日数もはたして適当かどうか知りません、アフターケアにしても、やるならやはりそれは一カ月くらいやったって私はいいと思う。特に最初のは、事業知識を中心にした、最初の、役所へ入ってきての知識を教え込むといったようなことが中心になっているようですから、それも十カ月くらいが必要なのかどうか、訓練ということになればやはり二カ月くらいあるいは三カ月くらい必要じゃないかという感じもします。しかしそれも人の使い方で、先ほどのお話のように外務だけでもう一生過ごすのだというふうに人を使うということになると、そんな日数は要らぬということになるのでしょうけれども、貯金でも保険でも、それから内務でも一応やはりできるような、またそれに対するある程度の知識を得させようとするなら、ある程度の期間をかけなければならぬと思うのですが、いずれにいたしましても、後者の青年訓練の問題については、運用について十分にひとつ配慮を願いたいというふうに考えます。
 それから次に移りますが、局舎関係の問題で少しお尋ねいたします。
 局舎関係については、第二次五カ年計画をいま実行されているそうですが、この第二次五カ年計画の実施状況をかいつまんでひとつ御説明願いたいと思うのですが、これも一体計画に沿って、計画どおり実行できてやっているのかどうか。第二次五カ年計画はもう本年度で終了することになっているようですが、その状況について概略ひとつ御説明願いたい。
#81
○政府委員(竹下一記君) 局舎計画でございますが、第二次五カ年計画は四十一年度に始まりまして、四十五年度を最終年度といたしております。その中で普通局につきましては――普通局、特定局おのおの予定の規模及び所要経費を計上して、それぞれ実行してやってまいっておりますが、大体所期のものを達成してきております。ただ、局数につきましては、やはり諸般の事情がございまして、予定の局数に若干達していないという面がございますし、特定局につきましては、特に局数が、鉄筋造に切りかえるというようなそういう途中の予定の変更等もございまして、局数において若干当初の目標に達しなかったわけでございますけれども、おおむね成果をあげたと、かように存じております。なお詳細につきましては、こまかく数字がございますけれども、省略いたします。
#82
○久保等君 この五カ年間のトータルだけについてでもいいですから、計画局数、普通局と特定局、また特定局を集配、無集配に分けて、計画と実行がどういう数字になりますか。
#83
○政府委員(竹下一記君) 普通局につきましては、四十一年度から四十五年度の五カ年間に、局数にしまして二百十局、面積にいたしまして七十五万三千百平米を実施いたしました。土地の買収関係でございますが、百三局分二十四万四千平米の土地買収を完了いたしました。使いました経費は五百八十七億円でございます。特定局につきましては、使いました経費は八十億一千百万円ということになっておりまして、総経費は六百六十八億になっております。特定局の建設の内訳でございますが、この五カ年間に三百九十八局の国費建設を完了いたしました。
 以上でございます。
#84
○久保等君 さらに明年度から計画をつくっておやりになる予定があるのかないのか、もちろんまだ、来年度からのことですから、あまりこれにかまっていないかもしれませんけれども、どういう方向で今後の問題には対処しようとしておられるのか。
#85
○政府委員(竹下一記君) 明四十六年度からは、第三次の五カ年計画を樹立いたしまして、やってまいりたいと思います。局舎事情は、いままで、今度二次の長期計画、それ以前に八カ年計画もあったんでございますが、三十一年以降大体一千億ばかり使いまして、やってまいったのでございますけれども、なお不十分でございまして、最近の特に大都市内の物量の増加に対応する局舎の増設、改築、それから集中作業場、そういうものを建設するといったような面につきまして、なおなお資本の投下を必要とする面がございますので、さっき申し上げましたように、第三次の長期計画は不可避でございます。その方向でおります。
#86
○久保等君 当然そうだろうと思いますが、私はその計画策定にあたって、もう少しその実態を十分に掌握する、さらには将来の見通しについても、十分に掌握をしながら、ひとつ的確な建築計画等を立ててもらいたいと思うんです。若干いままでの実績を見ると、建てたがすぐまた建て増ししなければならなくなったとかいったようなところもあるようですし、そういったところはまた、一番劈頭にお尋ねした物量の問題に対する実態把握なりあるいはまた将来にわたっての見通しが甘かったというか、あるいは実態を十分に掌握できなかったというところに問題があるんだろうと思いますが、局舎をせっかくつくってみたが、狭くてどうにもならぬというようなことで増築をやった、やらざるを得ない、あるいはまた全然新しいところに局舎を、別の新しい局を増置しなければならなくなったとかいったようなところもあるようでありますが、したがって、第三次五カ年計画、長期計画でありますから、第三次五カ年計画を策定するにあたっては、いままでの経験を十分に生かしてもらって、的確な将来に対する見通しも立てながら、ひとつ局舎建築をやってもらいたい。
 時間がありませんから、さらに次に申し上げますが、局舎の中にも非常に古い局舎があるようです。六十年以上という局舎がやはりだいぶあるようでありますが、どのくらいありますか。特に特定局。
#87
○政府委員(竹下一記君) この三次にわたる長期計画を大体終えましたので、特定局の局舎事情もたいへんよくなったと思っております。お尋ねの六十年以上の局舎の数につきましては、いま持ち合わせがございませんが、非常に少なくなっておると思います。
#88
○久保等君 非常に少なくなっておると言うのだが、感じはどのくらいですか。
#89
○政府委員(竹下一記君) 当てずっぽうになってもまずいんですが、いま調べて、課長と相談いたしまして――わかりました、五十年以上が八百局あるそうです。ですから、六十年以上ですと、もう少し少ない。
#90
○久保等君 五十年以上たった建物といえば、これはもう寿命がきていると判断していいのじゃないですか、文化財として保護するような局舎は別として。そうでなければ普通局舎としてはもう払い下げという局舎があるのじゃないかと思うのです。それで八百局であれば少ないという見方もあるいはできるのかもしらぬけれども、普通の常識では少ないともあまり言えぬのじゃないですか。六十年以上という局舎も約二百局ぐらいあるのですね、私の調べた限りでは。だとすると、この局舎はいわば老朽局舎ですが、こういった局舎問題等も考えると、さっき宿舎の問題もありましたけれども、仕事をする職場の建物、これそのものをもう少しやはり強力に、第三次五カ年計画あたりでは従来のピッチよりもさらにピッチを上げてでも局舎計画をお立てになる必要があるのじゃないかというふうに思うのです。局長のさっきの答弁のニュアンスとはだいぶ実質は違うのですけれども、局長どうお考えになりますか。
#91
○政府委員(竹下一記君) 特定局の一部には非常に古いのがあることは御指摘のとおりでございますが、この四十一年度から四十五年度の第二次五カ年計画の実績を見ますると、国費で見ました分、それから所有者である局長が自費で建設をいたしました分、それから郵政互助会の建設にかかる分、合わせまして三千四百ばかりございまして、一年でおよそ六百局ぐらいは局舎の改善をいたしているという実績でございますから、そのペースを落とさないでやっていけば八百局は遠からざる将来においてだんだんよくなっていく、こういうふうに考えます。
#92
○久保等君 局長、まあそれじゃ大ざっぱな質問ですが、第三次五カ年計画は、いま私が指摘した五十年以上あるいは六十年以上という局舎について原則的に――これは特殊な場合があって、たとえばどうしても土地が確保できないとかいろいろな問題がないとも限らない、しかしこれは例外だと思いますが、しかし、そういう例外を除けば、郵政省としては、この第三次五カ年計画ではそういう少なくとも五十年以上たっている老朽局舎については、これは建てかえるという方針だと理解してよろしゅうございますか。もちろん、借り入れ局舎の場合には、これは所有者は国有じゃないですから、持ち主がどうしても建てかえぬのだといってがんばればしかたがないと思いますが、しかし、これはそういったところも行政指導、それこそ指導というか何らかの方法で、借り入れ局舎については、とにかくそういう古い局舎についてはこれはもう建てかえるのだ、ぜひひとつ協力してほしい、まっこうから協力しないという局長もまさかいないでしょう。そういうことについて協力しないような局長は、平素の郵政事業についてあるいはまた郵便事業などについて協力してないということになると思うのです。とにかく、いずれにしても郵政省とすれば、第三次五カ年計画でいま言った五十年以上の局舎については全部建てかえるのだ、また建てかえることについて協力してもらうのだという方針と承ってよろしゅうございますか。
#93
○政府委員(竹下一記君) そういう意気込みでやりたいと思います。
#94
○久保等君 これはひとつ大臣からも一言。
#95
○国務大臣(井出一太郎君) いま局長から答弁いたしましたその線に沿って私も鋭意努力をします。
#96
○久保等君 局舎問題についてはいろいろまたお尋ねしたいこともありますが、時間の関係で私午前中に済ませます。一時ちょっと前ぐらいに済ませます。
 それじゃ次に、簡易郵便局法案のことについて若干お尋ねしたいと思うのですが、現行の簡易郵便局法は昭和二十四年に制定をせられたわけでありますが、この簡易郵便局法の第三条を見てみますと、「郵政大臣の委託により郵政窓口事務を行う者は、左に掲げる者でなければならない。」というようなことで、地方公共団体、それから農業協同組合、漁業協同組合、消費生活協同組合、こういう順序に記載をしてあるのですが、この中にはもちろん当時個人に対する委託というようなことは書かれておらないのですが、この法律が制定せられた当時の趣旨というものはどういうことだったのでしょうか。要するに、個人を除外しておる考え方というものはどういうことだったのでしょうか。
#97
○政府委員(竹下一記君) 終戦後間もない時期でございまして、郵政事業が非常に窮迫をしておった時期でございます。片や大陸等からの後負者も相当数に達しておりまして、比較的いなかのほうにそういう人たちは生活の本拠を求めるというようなことで、いなかの地域におきまする郵政事業の窓口が非常に不足をした時代でございます。その当時の記録によりますと、郵政窓口がございません町村は、全国で千八百あったというわけでございまして、何とかして窓口を増設したいということで省は腐心をしておったわけでございますが、そのやり方といたしまして、委託方式というわりあい経済的な方式を編み出したわけで、その方式で簡易局の設置を始めた、こういう経緯でございます。
 どうして個人の委託をやらなかったかということでございますが、これは考え方といたしましては個人に委託する方式も当然考えたわけでございますし、諸外国でもその方式を非常に幅広くやっておるという実情でもございますので、これはやろうと思えばやれないことはなかったわけでございますけれども、当時特定局制度の問題が世間にかなり話になってきておりましたし、戦前の特定局制度の中の悪い面、これは全局がそうだというわけではございませんが、一部にいわゆる特定局制度の悪い面――職員を私設使用人のように使うといいますか、あるいは封建的な使い方をするといいますか、そういったあまり芳しくない話題が当時残っておった。ついては、この個人委託という方式は昔の特定局制度の悪い記憶につながる、できたらばそういう話題をこの際避けまして、市町村等の公共団体に限って委託をすると、そういう方式も、未設置町村その他を考えますると相当多数の窓口が置けるのだと、こういう判断がございまして、個人委託のほうは、考え方としてはあるのだけれども、この際これは避けるという意味で、制度としては取り入れなかったわけでございます。
#98
○久保等君 若干うがった説明のように受け取れるのですが、というのは、個人委託も考えられるのだがというところあたりは、立法当時の政府の答弁の中にもあるいは質疑者の中にも見当たらないのです。むしろ非常に、地方公共団体に原則としてかえるのだ、かえるとは言えないけれども、地方公共団体を最優先的に扱っていくのだと、農業協同組合、漁業協同組合という、そういう組合関係に対しても、いわば第二次的に考えていくのだという考え方が非常に強く出ていると思うのです。これは当時の速記録を読んでみると、そうした点が歴然と出ています。当時小沢郵政大臣ですが、郵政大臣の答弁等を聞きますと、原則として役場、こういったところを最優先的に扱っていく、したがって、協同組合関係についても補完的に考えていくのだという考え方がはっきりしていると思うのですが、郵務局長どう考えますか。
#99
○政府委員(竹下一記君) やはりお話しのように、まず市町村の役場がありました場合には、その役場を優先的に委託の対象とするという思想は受けておるように思われます。
#100
○久保等君 だから、個人に委託させる考え方も含まれておったのだという説明のしかたは、若干言い過ぎだと思うのですが、どうですか。
#101
○政府委員(竹下一記君) その当時の逓信委員の質問に対して、私が先ほど申し上げたような趣旨のことを当時の小沢大臣がお答えになった部分もございます。
#102
○久保等君 さらにその後、昭和二十七年の第十五国会、衆議院の郵政委員会ですが、この中での質疑を見てみましても、当時、廣瀬正雄委員のほうから、こういう簡易郵便局といったようないわば変則的な制度を将来いつまでも存続させる意思があるのかどうか、という質問に対して、当時の高瀬郵政大臣のほうから、「ただいまの御説まことにごもっともでありまして、郵政当局といたしましては、むろんできるだけちゃんと完備した特定局でやるのが本則なのでありますから、そのように促進して行きたいと思っております。ただ定員とか予算の関係がありますので、その方を努力してできるだけ早く特定局でやれるようにしたいという考えを持っております。」こういう答弁をしておるのです。これはだから、立法当時ないしその後の逓信委員会等における大臣の答弁を聞いておりましても、いわばどちらかといえば本筋じゃない、したがって、便宜的といっては何ですけれども、一つの過渡的な措置としてこういう制度を取り上げていくのだ、したがって、取り上げていくにしても、原則としてむしろ役場等で扱っていくのだというような考え方が非常にはっきりしていると思うのです。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#103
○政府委員(竹下一記君) お話のございました質疑応答につきましては、その前後の事情がよく私わかりませんので、どういう経過でそのようなお話になったか、十分見当がつきかねるわけでございますが、考えまするに、簡易郵便局はお話のございましたように、一般の特定局に比べますると取り扱い内容も不十分でございますし、りっぱな一人前の局とは言えないわけでございまして、そういう面からいけば、言い方によりますると、中途はんぱなサービスしかできないかたわの郵便局である。その地域における最も必要とする最低の仕事だけに限っておるというわけでございまして、決してりっぱな郵便局だとは思いません。そういう意味からいけば、まともな局を置きたいという気持ちは私どもとしては十分持っておるわけでございますが、ただ、経済性ということを考えますると、一般の特定局を設置するという場合の経費と、簡易局を設置する場合の経費、その経費比較をいたしますると、かなりの違いがございまして、簡易局方式のほうがよろしいわけでございます。非常に目標を高く置きまして、高く置いたために設置の数が制限されるということよりも、少し不十分ではあるけれども、そのかわりに窓口を多く置くという政策に傾くわけでございます。
#104
○久保等君 現在、無集配の特定局の設置すべきものがどのくらいありますか。
#105
○政府委員(竹下一記君) 地方郵政局から上申してまいりまして、無集配特定局を置く基準に合致しておると思われる局は、ざっと千三百ばかりでございます。
#106
○久保等君 その千三百もある特定郵便局の今後の設置計画といいますか、どういう計画をお持ちになっておりますか。
#107
○政府委員(竹下一記君) 無集配特定局につきましては、やはりその必要な向きには今後とも設置していく方針に変わりはございませんで、四十五年度以降の予算にも計上する、そういう方針でございます。今後つくるものはみな簡易局でいくんだということではございません。必要な向きには置いていくというわけでございます。
#108
○久保等君 そういうことをお尋ねしているのじゃなくて、千三百も特定郵便局を設置しなければならないところがある、それについては具体的にどういう計画で、その千三百の特定局設置をこなしていこうというふうに考えておられるのか、それをお尋ねしているわけです。少なくとも、簡易郵便局より以上に特定郵便局を設置しなきゃならぬという非常に強い要望もあるだろうし、需要もあるだろうし、条件も整っていると思うのです。だから、そういったところこそ、まずもって私はどんどん計画を立てておやりになる必要があると思うのですが、その千三百あるものについてどういう計画を具体的にお立てになっておるかということをお尋ねしているんです。
#109
○政府委員(竹下一記君) 四十六年度以降につきましては、最終的に省で決定を見ておりませんけれども、私の個人的な見解になりますが、従来同様、年間二百局ぐらいはやはり無集配特定局を設置するという方針はあっていいんではなかろうかと思います。
#110
○久保等君 あっていいんじゃなくて、もう少し、いままでは年間二百ぐらいずつでしたが、ひとつこれから二百五十なり三百なりという形で、さらに従来より以上にピッチを上げて、特定郵便局の設置を要するところについては設置をしていくという説明なら理解できるんですが、まあ従来やっておった程度はやるようになりましょうというような、そういうきわめて積極性のないようなお話なんだけれども、一面においては、いわば享便戸数はもちろん多いであろうし、非常に設置をしなければならない、設置基準にも適している千三百だとするならば、そういう計画については従来より以上にもう少し積極的に取り組んでいく必要があるのじゃないですか。
#111
○政府委員(竹下一記君) 財政事情も考慮いたしまして、その方向で努力をしたいと思います。
#112
○永岡光治君 いま、郵務局長の答弁がございましたが、従来は無集配局を大体私の記憶では三百局程度置いたと記憶しているわけですが、最近になって二百局に落とした何か理由があるんですか。
#113
○政府委員(竹下一記君) 以前は、御指摘のように三百あるいはもう少し多かった時期があったと思いますが、最近は少なくなってきておりまして、四十五年度約二百局――昨年、ことし二百局というふうに落ちてきております。全く財政事情――やはり設置に経費がかかるということで、郵便事業全体の予算のワクを考慮しました結果、少し数を落とさざるを得なかった、こういうわけでございます。
#114
○永岡光治君 そうすると、今後は、いま久保委員の質問によりますと、二百でなくてできるだけ多く置きたいという方針のようですが、大体そういう財政的な事情もあって置こうと、こういう方針になるわけですか。
#115
○政府委員(竹下一記君) やはりおっしゃいますように財政的な事情を考慮せざるを得ないかと思います。
#116
○野上元君 郵務局長、ちょっと聞きたいんですがね。いま無集配局を設置したいという地方局からの要請はおおむね千三百局あるということで、あなたの説明によると毎年二百ぐらいの無集配局を設置するという、こういう年度計画ということですが、そういう計画が将来も持続されるとすれば、千三百局を消化するためには約七年間かかるわけですね。したがってその七年間は、最初に設置された地方はおおむね救済されますが、あと六年間待たなければならない、こういうことになるわけですが、久保委員の質問は、簡易郵便局を設置する場所よりも、さらに人口も密度が高い地域における要望があるのだから、この点を、この地域を優先さすべきではないか、こういう意見ですね。これは一つの私は考え方だと思うのです。そこで六年間待たなければならぬという事実があるのですが、簡易郵便局を設置するという具体的な計画と、無集配局で六年間待たなければならぬという地域をどう調節するかという問題もあると思いますが、この場合、無集配局を六年間待たせるわけにいかないので、簡易郵便局をこれに肩がわりさせるというような、いわゆる計画のオーバーラップといいますか、そういうものは考えておられるか、その点聞いておきたい。
#117
○政府委員(竹下一記君) これは、さっき申しました千三百は無集配特定局でなければならないという、一律な扱いをしなければならないというものではございませんですから、五年、六年待てないという場所につきましては、あるいは簡易局をこの際設置いたしまして、時期が来るのを待つという考えもあろうかと思います。これはケースバイケースでありまして、一律にはできない、それから、従来からもそういうケースはあったわけでございます。
#118
○永岡光治君 いま野上君の質問で私重要な点に触れてきたと思うのです。簡易郵便局の設置基準の問題ですが、そうすると、無集配局の設置基準の中には、待てないところは簡易局を置くと、こういうことになるのですか。そうすると、一体設置基準は、従来からの衆議院段階での質疑応答を聞いておりますと、一人未満には大体標準化しておると、こういうのですが、ちょっとその方針が変更されたわけですか。
#119
○政府委員(竹下一記君) 変更したわけではございません。そこは無集配特定局は置けるのでございますけれども、諸般の事情ですぐには置けないから、しばらく簡易郵便局でしんぼうする、そういったふうにお取りいただければいいかと思います。不十分ですけれども、しばらくその方式でしのぐと、いずれ早晩無集配特定局に切りかえられる道が開かれておるわけですから、そういう方法もあっていいんではなかろうかと思います。
#120
○永岡光治君 これは簡易局の設置基準の基本に触れるわけですが、一人未満取り扱いが――大体享便戸数、局間の距離もあるでしょうけれども、大体一人程度のものはということじゃないんじゃないですか、これは二人以上になるところも簡易局を置くという方針なようにいま聞きますが、そうなるとどうも衆議院での答弁と全く食い違うわけですが、それはどうなんですか。
#121
○政府委員(竹下一記君) 簡易局の事務量はほぼ一人を標準とするということでございまして、多少の出入りはいいわけです。それから二名局に相当する事務量があるとしますると、それはもう無集配特定局の設置を急がなければならないところでありますから、無集配置局の優先順位はかなり高いと思われますので、これは簡易局方式をやるということより、むしろ無集配設置のほうを急ぐと、無集配設置のほうでいくと、こういう地況のところかと思います。
#122
○野上元君 郵務局長ちょっとややこしくなってきたんだけれども、かりに六年間待てないといって、残った千百局の地域の人たちが簡易郵便局でもけっこうですと、とにかく当面救済してもらいたいというような強い要望が片一方にあると、そうして郵政当局も簡易郵便局の設置場所よりも、無集配の設置場所により緊急性があると、こういうふうに認識されておるとするならば、その意見が一致した場合には、まず無集配局を設置すべき地域に、優先的に簡易郵便局を全部年度の計画をつぎ込んでいくということも、理屈の上からはやらなければならぬ、あるいは可能である、こういうことになるんですが、一方あなたのほうでは、簡易郵便局を設置する一つの年度計画を持っているわけですが、その年度計画との調節はどういうふうにやるんですか。その簡易郵便局の設置の年度計画を御破算にしても、緊急性のある無集配局のほうに全部切りかえて、簡易郵便局をつくって当面をしのいでいくという計画に変更する可能性があるのかどうか、その点はどうですか。
#123
○政府委員(竹下一記君) お尋ねの点が実はよく理解ができない面があるんですけれども、無集配局設置基準に合致しております千三百の場所といえども、全部が同じ地況にあるわけじゃございません。非常に緊急性の強いところと、基準には合致するけれどもやっとこさ達したという程度のところと、おのずから地況の差あるいは設置の緊急性の差はあるわけでございます。ですから、設置を急がれる場所につきましてはこれは無集配でいく、ことしつくる、ことしできなければ来年つくるといったような方針が出ると思います。
 それから、窓口を設置する、しなければならないけれども、その緊急性がかなりゆるやかなものにつきましては、先ほど申しましたように、簡易局で一時しのいで、何年か先に無集配に切りかえるという方法もあってよろしいと思いまして、ケースバイケースで扱っていいんじゃなかろうか。予算で計上しました無集配の置局の数、それと簡易局の予算上の置局の数、それぞれ矛盾なく、候補地は多いんですから、矛盾なくうまく消化ができると考えております。
#124
○野上元君 関連質問ですからこれでやめますが、私の言っていることがはっきり御理解いただけないと思うんですが、緊急性という問題は、これは相対的なものですよね。ところが無集配局を設置してくれという場所と、それから簡易郵便局でもけっこうですという場所との緊急性は、どちらが高いかといえば、やはり無集配局のほうが高いのじゃないですか。無集配局を設置してくれというところのほうが高いというふうにわれわれは認識するわけですね。そう認識しますと、先ほど言ったように、一年間で二百局の無集配局をつくるけれども、あと千百局は残る。この人たちはもう待てない。したがって、簡易郵便局でもいいからつくってくれと、こういうその土地の人たちの要望がある。あなた方も緊急性を認めるとするならば、一方にある簡易郵便局設置の計画は御破算にしても、この無集配局のところから要望された簡易郵便局の要望というものは全部受け入れてやる、実現するということになると――簡易郵便局の数は同じかもしれませんよ。年度におけるつくれる数は同じかもしれませんが、場所は根本的に変わってくる。あなたのほうが考えておられる簡易郵便局の設置場所は全然御破算にされて、いわゆる無集配局のほうから要望されたところに肩がわりしてつくっていくというようなことも可能ではないのか、そういうこともあり得るのではないかというちょっと疑問が起きたので聞いてみたんです。これは理屈上の問題ですから、現実の問題がどうなるかは別として、理屈上そういうことがあり得るのではないか、緊急性を重視すればです。そういう意味の質問なんです。
#125
○政府委員(竹下一記君) おっしゃるようなケースは理論的にも、また実際上も起きてくるのじゃなかろうかと思います。ただ、非常に利用発展性のございます都市内とかベルト地帯で毎日人口、戸数がふえている、そういう傾向の顕著なところにつきましては、後々のことを考えますと、無集配局を置く、いますぐ置けない、やはりいましばらく待ってもらうといったようなその待つ期間でございますけれども、そういう置局はそう長く待つということでもございますまいから、しばらく短期間待ってもらうということにして無集配局を置いていく、それ以外の比較的地況の変化がゆるやかで簡易局でも何とかしのげるというのは簡易局でやっていく、なかなか説明が不十分でございますけれども、そういったことになるほかないんではなかろうかと思います。
#126
○永岡光治君 関連質問ですから、私の持ち時間であらためてやりたいと思いますが、基本問題にきているわけですね。簡易局を置くところは大体標準として一人未満、一人程度の局員ですか、それを置きまして、そういう地況にしか置かないんですよ、こういう衆議院の説明ですね。附帯決議もそうなっているんです。これは郵政大臣了承してそのとおりやるというようなことですね。いまの説明ですと、無集配局の地況でも置くと、こういうことですから、全く基準が違ってくるわけですね。無集配局の置けるところでも簡易局でやるということであれば、簡易局で安いところなんかに無集配局をなぜ置くか、こういう質問が出てくるわけです。じゃなぜ安いものを無集配局の高いものに置きかえるんだと、こういうことになるわけですが、そうじゃないでしょう。簡易局を置くという基準があるわけでしょう。無集配局を置くところはこの基準があって、事務量でいえば二人以上になるでしょうね。こういうところしか置けませんよというものさしがあっているんじゃないですか。ただ便宜的に置くことがあると、こういうことですか。簡易局を便宜的に置くのですか。どうも私その点あまりはっきりしないものですから、簡易局の設置基準の基本問題に触れるわけですから、私くどく聞いているんですが、私の理解間違っているとすれば、これは簡易局の設置基準の問題について抜本的に衆議院とこう違った態度で参議院に臨んでいるというふうに考えなきゃならぬと思います。これは答弁の食い違い、政府の方針の食い違い、衆議院でうそ言ったことになる、こういうことになりかねないんじゃないですか。それはやはり基準は基準として別じゃないですか。たとえば簡易局は二千局程度あります、いまの計画。そういうものであって、この千三百局の無集配局をその基準でこれはどこに置くかと、そういう方針じゃないですか。
#127
○政府委員(竹下一記君) 衆議院の答弁と食い違いはないのでございまして、考え方も違っていないわけです。先ほど申しましたのは、そのような無集配特定局を置くにふさわしいところでも、一時的に、きわめて短期間ですが、簡易局を置いて一時をしのぐということがあってもいいのではないか。ただし、それはもう遠からず無集配特定局に切りかえるのですから、そのほうが本体でありまして、簡易局方式はそれまでの便法という姿でやられるわけですから、いずれはほんとうのものに切りかえられるわけですから、現実的な措置としてはそういう手があっていいのではなかろうか。また、地元のそれを利用される方々の立場からすれば、何も置かないで、数年間無集配特定局の開局を待つよりも、そういったことで不十分ながら簡易局を置いてもらったほうが好都合であるという、そういう考え方もあるのではなかろうかと思う次第です。
#128
○久保等君 だから、その点を私はさっきお尋ねしているのは、特定郵便局を設置する必要があると認められるところについては、従来よりもう少し積極的に特定郵便局、無集配の特定郵便局の設置のために努力をすべきではないかということを言っているわけです。いま郵務局長の言われるように、簡易郵便局を置いて、またひとつできるだけ早い機会に特定郵便局に切りかえるのだと言われても、これはなかなかそう簡単にはいかないのではないですか。立地条件その他の問題があって、本来ならば特定郵便局を置くならばもうちょっと局間の距離があるのですから、もうちょっとこちらのほうに置くのだけれども、簡易郵便局を置くのだったらこっちとこっちのほうにできたのだが、特定郵便局を置くのだったらこのまん中ぐらいのところに置くのだというようなことが実際問題として出てくるのではないですか。そう簡単に場所を変えるといっても、当然特定郵便局が置けるような場所があるならいいのですが、やはり局間距離とか享便戸数の問題なんかがあって、必ずしも簡易郵便局を置く場合と特定郵便局を置く場合の地理的な条件が一致しないと思うのですが、その点はどうでしょうか。
#129
○政府委員(竹下一記君) 簡易局から特定局に切りかえるといいますか、その例はかなりあるのでありまして、制度開始以来二百十二局、そういう例がございます。したがいまして、この簡易局から無集配局に切りかえるということを予定いたしますならば、そういうことを前提といたしまして簡易局の設置場所等については慎重に配慮をするといったようなことをやりまして、いわゆる計画的にひとまず簡易局をつくっておいて近い将来に切りかえる、こういうことも考えられますし、それはやり方の問題ではなかろうかと、かように思います。
#130
○永岡光治君 これはちょっと僕は郵務局長の考えはおかしいと思うのですが、簡易局というものは大体事務量にしてみれば一人未満のものとして当初置くわけでしょう、大体の基準が。しかし、事務量がふえれば無集配局に改定するということはいまでもあるし、その方針は私はそれを否定するわけではありませんが、無集配局を置いているようなところは最初から一人未満ではないでしょう。量が多いのですよ、これは。そうすると、設置基準が一人以上二人ぐらいになることもあるでしょう。そうすると、衆議院での答弁がおおよそ一人と、こういうことになっているわけですから、違うのですよ。それとは違うのですよ。もし簡易局で無集配局を置くようなところですと、そこに置くとなれば二人以上の量があるわけですから、それでも簡易局でやれるということであれば、これはあなた経費のかかり過ぎる無集配局を置く必要は経営面からいえばないのではないかという反論が成り立つわけですよね。だから、私はそうではないのではないか。一時便法で置くといっても、便法で置くその地域はやはりどこまでも無集配局の設置基準に達するところではなくて、やはり一人未満で量をはかせるというところですね。これは当初と言っていいか、何と言っていいか知りませんが、そういうところであるべきではないのか。最初から無集配局は二人以上のところに置くというのは、それはちょっと簡易局の趣旨に反するのではないか。それでは衆議院の決議や質疑応答からいって反するのではないかということ、それを認められれば、あなたの答弁はちょっと食い違ってくるわけですよ。
#131
○長田裕二君 ちょっと関連して。
 ただいま各委員がたいへん衆議院の決議やいままでの郵政省の御答弁との関連で心配しておられるわけですよ。まあ前の実績からいえば、確かに簡易局を置いてそれが無集配局になったという数も、昭和二十四年以来の例を見れば、あなたのお答えのようにあるかもしれません。無集配局が五十局しかなかった時代がずいぶん続いたわけですね。しかも、窓口の需要も非常に多かったわけですから、過去にはそういうことがあったと思いますが、いまこの法案が審議されている段階で、郵政省の方針として、その無集配局を設置すべき場所に事情があれば簡易局を置いて、その後予算が成立してから割り当てるのだ、郵政省の方針としてそういうことがあり得るというようなお答えがあったので、皆さん非常に決議の問題、衆議院の決議なりあるいは従来の郵政省の方針としての御答弁との関連で心配しておられるわけです。現在そういうことでは私はないのじゃないかと思うのですが、たとえば、無集配局設置の要望がある、適格地が千三百局あるといっても、それが全部本省の段階に顕在化しているわけでは私はないと思うのです。いろいろな地況や何かの郵政局、郵便局の調査を経て、本省では千二、三百局あるという確信は持っていても、現実に強い要望を背景にして、郵政局の段階を経て本省に来ているものの中で設置基準にぴったり合っているというものが現実に千三百そろっているわけではなくて、現実にはまあ二百の倍の数とかあるいは二倍半ぐらいの数しか私は出ていないと、経験からして考えるわけで、六年間、みんな適格地がもう郵政基準に合ったりそのほかに達しているものが六年から七年待たなければつくらないというような状態でメジロ押しではない。そういう状態で、倍ぐらいあるいは倍半ぐらいはあっても、一年か二年待てばそういう郵政基準に合っているもの、適格地のものはもうつく。そういう事情が片一方にある。片一方には簡易局の適格地というものに簡易局をつくるという方針があって、したがって、二、三年先に無集配局にすぐなるというようなところについては、まず簡易局をつくってくれ、それから無集配局にしてくれというのは、これは非常に例外的にはあるにしても、省が郵務局長の答弁として方針のように、そういうことも一つの段取りとして組織的に考えるのだというほどにはない。だから、方針としてはないというようにお答えができるというようなのが私は実情じゃないかと思いますが、ちょっとお答えをしていただいて、早く皆さんの御心配を解消していただきたいと思います。
#132
○政府委員(竹下一記君) また非常にむずかしいお尋ねがございまして、何と答えていいか困っているわけでございますが、こういう気持ちです。無集配を置いたほうがよろしいと私どもも考えるし、地元の御要望もある場合に、なにも私のほうは無集配は予算の都合その他で置けないから簡易局でやりなさいと、無理押しをして強引に簡易局でやりなさいよと、そういうことまでは考えておりません。ただ、地元の皆さん方が、むしろそのほうがいいというふうなお気持ちを積極的に持ってこられる場合にはそれを受けざるを得ないのでありまして、それはだめだ、ここは無集配の置かるべきところであって、あと六年か十年先に無集配を置いてやるからそれまで待ちなさい、こうも言えないものですから、それまでの一時の便法として簡易局方式、これはもちろん従来から見ますと十分ではございませんけれども、そういうしのぎのやり方をやることもありますということ、まあ非常に問い詰められればそういう知恵も授けてあげることもあろうか、こういうことです。
#133
○永岡光治君 その場合に、事務量はほぼ一人程度でしょう。その場合には二人以上の量ではなくて、やはり一人程度のものでしょう、簡易局というのは。
#134
○政府委員(竹下一記君) これはもう事実を申し上げますと、事務量がまるまる二名あるところはこれは絶対無集配局です、これは今日までの取り扱いからいたしましても。
#135
○久保等君 少しまだ質問が残りましたから、また午後若干質問をいたしたいと思いますが、ちょっと途中ですからお尋ねしておきたいと思うのは、簡易郵便局を設置すべき設置基準に合っているところが約二千二百ぐらいあるといわれておりますが、これはどういう根拠で二千二百という数字が出てきたんですか。先ほど来質問されておる、現在は無集配特定郵便局はない、したがって、簡易郵便局を設置する必要があるところが一体どのくらいあるだろうかといって調べた際に、そういう無集配特定局でも置かなきゃならぬようなところだけれども、簡易郵便局を地理的に点々と置いていく、そういったところも含まれてそれで二千二百という数字になっておるのかどうなのか。この二千二百というものは特定郵便局を設置すべき場所はもう全然除外してしまってそれで二千二百という数字が出ているのかどうか。この簡易郵便局の二千二百という数字の出た根拠、これをちょっと御説明願いたいと思います。
#136
○政府委員(竹下一記君) 簡易郵便局の設置標準というのがございまして、これはもよりの窓口から八百メートルの距離があって、利用する戸数が二百戸あれば簡易局が置けるということになっております。かつ、もよりの郵便局からの距離がだんだん遠くなるにしたがいまして享便戸数が減少していってもよろしいということになっておりまして、五千五百メートルの場合に百戸というのがこのリミットになっております。この基準がございまして、この基準で各郵政局が図上で案じまして求めた場所が、先ほど申しましたように二千二百――昨年が二千二百でございますが、ことしは二千百ぐらいになっているようでございますが、そういう数が出ているわけでございます。片一方のほうの無集配特定局との触れる面があるんですけれども、無集配のほうは設置基準が別になっておりまして、これに接触する面は大体市街地でございますけれども、無集配につきましてはもよりの窓口から二キロ、享便戸数六百という標準がございますから、それをまず、これも図上で案じまして、無集配の置局の場所を求めまして、そのあとで今度は簡易局の設置標準というものを基礎にいたしまして、この無集配局と接触、交錯しないような方法で場所を求めれば簡易局の設置場所というものが出てくるかと思います。
#137
○久保等君 だから、結論としては、特定郵便局の享便地域と簡易郵便局の享便地域とはダブっていない、ダブらせないようにしてはじき出した数字だというように理解してよろしゅうございますか。
#138
○政府委員(竹下一記君) そうでございます。
#139
○久保等君 簡易郵便局の設置基準の問題で、いま御説明があったように、局間八百メートルですか、それから享便戸数二百戸という基準で簡易郵便局を設置するというのですが、私はその実際需要が、需要というか利用物数ですね、郵便物数あるいは件数、そういったようなものを全然抜きにして、ただそういった地理的なあるいは戸数だけ、そういったものだけでは設置基準としては根拠があまりどうも強くはないのじゃないかという感じがするのですね。同じ二百戸あっても、二百戸で実際利用する度数が多いか少ないかというのは相当開きがあるだろうと思うのですが、ただそれだけで設置基準をきめておるのもどうも不十分じゃないかと思うのですが、どうですか。
#140
○政府委員(竹下一記君) せっかく設けましても利用がなければ意味がないわけでございまして、いま申しました八百メートル、二百戸というのは、過去の実績、経験等からはじき出しまして、それだけのもよりの窓口からの距離があり享便戸数があればまずまずある程度の利用があるのではなかろうかという、まあ経験からまいりますところのものを基礎にして考えて決定したわけでございます。
#141
○委員長(近藤信一君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#142
○委員長(近藤信一君) 速記をつけてください。
 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時五十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時九分開会
#143
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き、簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案に対し質疑のある方は順次御発言願います。
#144
○久保等君 簡易郵便局法が制定をせられて十年余りになりますが、年々簡易郵便局を設置してまいっておる反面、簡易郵便局が廃止になっております局数をトータルすると、四百八十五局ですかになるようですが、これはどういうような理由でこういう廃止局数が出ておるのか、できるだけ簡潔にひとつ御答弁願います。
#145
○政府委員(竹下一記君) 四十五年二月末日までに五百局が廃止されております。そのおもなるものを申し上げますと、近所に無集配特定局が設置されたに伴って廃止されたものが二百十二局でございまして四二%の率になっております。その次は町村合併等がございまして、団体の施設がなくなったというような事情から廃止に至りましたものは九十七局でございます。それから取り扱い事務量がきわめて僅少になりまして、これは地況の変化があったと思いますが、簡易局を置くに至らない程度の地況になりましたために廃局しましたものが百二十五局ばかりございます。それから炭鉱が閉山になったりダム工事が完成したといったようなことで廃局になりましたのが八局、事故、犯罪のために廃局いたしましたものが十一局等々でございます。
#146
○久保等君 事故、犯罪というのはどういう事故、犯罪で廃局になったんですか、事故、犯罪の中身をちょっと説明願いたいと思うのですが。
#147
○政府委員(竹下一記君) ほとんどが貯金の取り扱いでございまして、貯金されましたものを横領したという事件が八件ございます。為替金の横領が一件、資金横領が二件、そういうことになっております。
#148
○久保等君 こまかくお尋ねすることは省略しますが、金額的にはどの程度にトータルでなりますか。
#149
○政府委員(竹下一記君) 大きい被害で申しますと四百七十余万円というのが一つございます。小さいのは一万円というのもございます。総額はちょっと出してございませんが、時間をお借りしましたら、総額をいま出します。
#150
○久保等君 それからこの廃止になった中に解約申し出というのもあるようですが、これは一方的にどういう事情で解約申し出があったのか、その事情を少しお尋ねしたいと思うのです。
#151
○政府委員(竹下一記君) これは受託側、つまり市町村あるいは農業協同組合等におきまして、これ以上の継続を望まないということでございますが、おそらく取り扱い事務量が少ないということが大部分の原因ではなかろうか、かように存じます。また、もう一つの事情といたしましては、簡易郵便局を継続するにつきましては施設の提供をしなければなりませんし、職員をそのほうにさかなければならない、相当程度の経済的な負担があるわけでございますが、取り扱いの事務量に対して片一方の経済的な支出とを比較いたしまして、市町村としては負担が重過ぎるというようなことから解約の申し出になってきたものと思われます。
#152
○久保等君 現行法からいけば、委託は、午前中もちょっとお尋ねいたしましたように、地方公共団体、ないしは協同組合なりあるいは農協、漁協、こういったところに限定をされているんですが、現状はそういったようなところがさらに個人に委託というか、役場等でその従業員を嘱託という形で関係をつくって、そうしてその嘱託者に実際の仕事はやらせるというふうになっておるのが相当数にのぼるようですが、こういう嘱託というか、実態的には再委託というか、そういう形になっているんだと思うのです。こういう形のものは、この簡易郵便局法が制定せられた当初から実行せられているのか、あるいは簡易郵便局法が施行せられた後、ある程度期間を置いて、こういったような形になってきておるのか。実際は個人が委託を受けてやっていると変わらないような簡易郵便局制度というものが現実にあるんじゃないかと思うのです。この間の経緯を少し御説明願いたいのですがね。
#153
○政府委員(竹下一記君) いまおっしゃいますような形のものが簡易郵便局三千三百ばかりの中で約三分の一あるように思われます。これは当初はそういうことでございませんで、私どもが予定しましたように、地方公共団体あるいは農業協同組合等が受託をいたしまして、そこの職員が事務の取り扱いをやるといったような姿でやっておったと思われますが、今度時間の経過します中で、いま申しましたような姿、そういうものがだんだん出てまいった。いつからそうなってきたかということにつきましては、正確に記憶をいたしませんけれども、次第にそういうふうに移っていったように思われます。そういうことが世間にございますと、新たに簡易郵便局を受託する場合に、最初からそういう方式をとりまして、そういう形で受託をすると、そういうケースも出てきたように思われます。
#154
○久保等君 そこのところですがね、郵政省そのものは何らそういったものにタッチしないが、自然のうちに、自然発生的にそういう形に移行したというふうないま御説明に受け取れるのですが、そういうことですか。それともこういう形でやりたい、自分のところの職員を実際使って簡易郵便局を運営するわけにはまいらないから、あるAならAという特定の個人にひとつやらしたいと思うのですが、郵政省ひとつ認めてもらいたいというような話があってやったのか、普通考えれば、当然郵政省がそういったことを事前に了承を与えるというか、許可を与えるという形で移行したというふうに理解するのが常識的ではないかと思うのですが、とにかく特定の仕事だけやっておれば、だれがやってもかまわない、看板さえ役場なり漁協、農協等の組合という形になっていればいいという考えですか、そこらはどういうことですか。
#155
○政府委員(竹下一記君) 簡易局の委託契約の相手方は、これはあくまでも法律に書いてございますように、地方公共団体もしくは協同組合ということでございまして、それ以外の話はしていないわけでございます。したがいまして、嘱託というような形で、仕事は非常に個人色の強い運営のやり方といいますのは、あくまでも委託を受けました団体の内部事情によるものでございまして、省といたしましてはそのことにつきましてはあずかり知らないという形になっております。省といたしましてはあくまでも受託団体の理事者、責任者を相手といたしておるわけでございます。
#156
○久保等君 そこらは少し私は考えなければならぬ点じゃないかと思うんですが、簡易郵便局法の第十二条を見ますと、「委託事務取扱の基準」という条文があります。「受託者は、公共の利益のため、誠実に自ら委託事務を行わなければならない。」、みずから委託事務を行なうという解釈なんですが、看板さえ、役場なりあるいは農協その他の団体の名義にさえなっていれば、あとはどうなっておろうと関知しないんだという一体考え方で、この第十二条というものが解釈できますか。
#157
○政府委員(竹下一記君) みずから誠実に営むということばでございますが、これは委託を受けました市町村あるいは協同組合の責任者の方が責任を持ってやってもらうという意味合いに私どもは解しておるわけでございます。したがいまして、理事者御自身が簡易局の仕事をやる場合もございますし、その団体の職員を使って事務を取り扱わせる場合もあるわけでございますが、いかなる場合にしろ、簡易局のことについては、受託者である団体の責任ある方が全責任を持ってやっていただく、こういう意味合いでございます。
#158
○久保等君 そこらは法解釈が少しずれておると私は思うんですが、少なくとも「自ら」というところは責任問題とはまた別問題だと思うんですね。したがって、何と言いますか、同じ庁舎の中で役員あるいは職員がやっておれば、これは問題ないんです。ところが、相当距離を離れたところに、全く役場とは関係のない形で建物をどこか一部を借りて、しかもやっておる人は、全く役場の職員でも役員でもない。委託関係があると言えばこれは委託関係はもちろんあるんでしょう。嘱託関係もあるんでしょう。しかし、それは少なくともみずから誠実に郵政関係の仕事をやっておるという執行体制では私はないと思うんですね。
 そこで施設ですね。簡易郵便局の施設が役場なり、それから団体の所有であれば問題ないと思いますが、それ以外の団体の所有、特に嘱託を受けた人がその建物も持っておるという関係のものは、数字的に言いますと、どういうことになりますか。要するに団体以外の施設を使ってやっておる簡易郵便局というのは、局数にしてどの程度になりますか、全体の中で。
#159
○政府委員(竹下一記君) 嘱託といった身分をもちまして、かつ局舎はその人が用意する、準備する、そういう形でやっておりますところは、千三百個所ばかしございます。
#160
○久保等君 その千三百カ所のうちで実際事務をやっておる人の所有にかかるもの、それからさにあらざるもの、これはどういう比率になりますか。
#161
○政府委員(竹下一記君) 所有権の所在までは実は調べておりませんが、いま申しました千三百局は、おそらくはその取り扱い者の所有に属するものと想像いたしております。
#162
○久保等君 簡易郵便局法を制定した当時の考え方と、現実に運用せられておる現在の実態というものは、相当私は変わってきているんじゃないかという気がします。いまお話にあったように、先ほどもちょっと私が申し上げましたように、とにかく郵政省として委託している相手方といえば、法律に定められた団体ということになっておるんですが、実際の運用は、そういった団体の関係者でない、全く団体関係者以外の人、それとの間の委託関係というか、嘱託関係というか、そういう関係によって簡易郵便局が運用せられておる。さらに施設もいま御答弁があったように、その運用しておる個人がその施設を持っておる。したがって、場所もおそらく少なくとも役場その他の団体と場所を異にするところにあるのじゃないかと思うのです。そういうようなことになってきますと、しかも、それがいつからかよくさだかでない、それから、要するに役場の、まあ向こうさんの考えでやっておられることで、その内部まで立ち入ってどうこうタッチをしておらないし、よくわからないというような先ほどの御説明なんですが、それでは少し郵政事業を扱う、しかも責任を持つ郵政省としては、私は多少無責任じゃないかと思うのです。仕事さえうまくいっていれば、中の実態がどうであってもいいんだということでは相ならぬと思うのです。ということは、簡易郵便局制度ならば制度というものが、一体、今後どう推移していくか、また一体どう考えていかなければならないかということは、そういう実際の運営がどうなされておるかということまで郵政省が少なくとも把握していなければ、仕事さえうまくいっていればいいのだ、あとはだれに委託しようと、かれに委託しようと、そんなことはもう関係ないんだ、あるいは関係ないとは言わぬけれども、とにかく無関心でもいいのだということにはならぬと思うんです。早い話が、今度のようなこういう法改正をするとするならば、これは実態を把握した上に立たなければ法改正だってあり得ないことだと私は思うのですがね。だから、仕事さえうまくいっていればいいというような――その仕事も必ずしもうまくいっていないので、先ほどお尋ねした、たとえば事故だとか犯罪だとかいうような問題も出てくるわけです。一体それがいかなる理由によって出てくるかということになれば、その嘱託関係なり委託関係なり、少なくとも郵政省が手が届かない分野における実態がどうなっておるかわからないで犯罪防止、事故防止と言ってみたって、これもナンセンスだと私は思うのですが、したがって、少なくとも郵政事業というものがどういう形で、実際どういうふうに運行されているか、これは私は十分に把握していなければならぬ問題だと思うのですが、どうですか。
#163
○政府委員(竹下一記君) 先ほど千三百局ばかしにつきましては、たいへん個人色の強い形で運営が行なわれておると、こういうように申しましたけれども、さればと申しまして、受託者である市町村あるいは協同組合が全然局務を顧みないかと申しますと、そうではございませんで、契約書に盛られておりますところの義務は果たしてもらっております。月に二回でありましたか、現金監査をやるという契約でございますが、これは理事者あるいはその代理の人が行きまして厳格に簡易局の現金検査をやる。そういう義務づけもございますし、特に事故、犯罪の発生につきましては、これはもう受託者が責任を持ってやってもらわなくちゃいけないということは、契約書もございますけれども、繰り返しそういう注意はいたしておりますので、最終的な責任というものは、正当の受託者である団体が負う、この一線ははっきりしておるわけでございます。そういう形で今日までやってまいりましたが、さしたる支障もなく、もちろん事故、犯罪が皆無というわけではもちろんございませんけれども、わりあいと順調に良好な仕事ぶりできておるように思われるわけでございます。
#164
○久保等君 郵政事業というものを、少なくとも郵政省が責任を持って運営をしていくということになれば、簡易郵便局自体がどういう運営がされておるかということについて、これは郵政省は当然、私は関心があるだけではなくて、実態を、終始というか、始終把握をする立場にあるんじゃないかと思うんですね。ただまあ運営は、郵政省がみずから、経済的な問題その他を考えて、やらないにしても、いま言った実際の運用者そのものが、当初予想しておった人とは全く違った人がやっているということもあり得るわけです、ただし、まあ何とか間に合ってるといえば間に合ってるんでしょうけれども。そういう関係ですね、委託関係のことについての実態だけは、当然郵政省が知っていなけりゃならぬ問題じゃないかと思うんですね。いまのような、いつからだれにどう移っていったかわからないというようなことでは、郵政省そのものが怠慢だと言われても私は弁明の余地はないんじゃないかと思うんですが、どうですか。
#165
○政府委員(竹下一記君) 私どもが把握しておりますところは、いま申し上げたようなものでございますけれども、地方の郵政局長はもっと詳細なる、正確なる実態把握をしておるものと思います。
#166
○久保等君 まあ実態把握というか、そういう委託関係の問題についてもきちっと少なくとも郵政省なり、まあその郵政省ということは現場の局を含めての話でありますが、無集配特定局ですか、あるいは特定局、そういったところでそういった関係についてきちっと了承しておるというか、了解を与えておるというか、そういったことを少なくとも私は手続的にも踏むべきだと思うんです。職員がやり、役職員がやれば法律に規定してあるとおりなんですからこれは問題ないと思います。しかし、それ以外に何かやらせるということであるならば、その関係というものは少なくとも郵政省に届け出るか何かして、きちっとそういった手続関係を踏むべきだと思うんです。その点はいかがですか。
#167
○政府委員(竹下一記君) その点につきましては、私説明が足りなかったわけでございまして、契約書の中に、その団体の職員の中で簡易局の事務を実際に取り扱う人の氏名を書き込むことになっておりますから、事実上の事務取り扱い者がだれであるかということは郵政局よくわかっておるわけでございます。
#168
○久保等君 それならば、その職員でない場合の、嘱託という関係なら嘱託という関係のその人の名前はわかっておるわけですね。
#169
○政府委員(竹下一記君) 私がいま申し上げましたのは、その嘱託になっておる取り扱い者の人の名前でございます。
#170
○久保等君 まあそれならそれでわかります。だから、その問題が、何か嘱託の場合については、正規の職員なり役職員でなければ、嘱託という関係についてはわからないような御答弁だったんですが、いまの御答弁でそういったものはきちっと事前に届け出られて、具体的な個人の名前もきちっと掌握をしておるというお話ですから、それならそれでわかりました。
 それで、簡易郵便局を設置することについて、積極的にこれを設置するようなことについて郵政当局ではこれを勧奨していくというような態度を従来とってこられたんですか。どういうことで簡易郵便局が現実に設置せられてきたのか。非常に強い地元からの陳情、要望、こういったようなものに基づいてやってこられておるものなのか、先ほども伺った、例の設置基準に該当するところにはひとつ置いたらどうですかというようなことで勧誘をして、それで簡易郵便局を設置するような方針をとってこられておるのか。簡易郵便局を設置する場合にとってきておる郵政省の態度なり方針、これをお聞かせ願いたいと思うんですがね。
#171
○政府委員(竹下一記君) 地方では自発的に何らかの郵政窓口機関がほしいという希望を持ちまして、そういう要望を持ってこられるところもあるわけでございます。郵政局といたしましては、そういう要望を受け付けると同時に、何も言ってこられないところでありましても、郵政局として地図を案じまして、窓口を置くにふさわしい場所、簡易局を置くにふさわしい場所がありましたときには、そのことを地元のほうに知らせまして、簡易局を置いたらどうであろうかというようなおすすめもしておるというのが実情でございます。
#172
○久保等君 そのおすすめをしたのが、たまたまいま私がお尋ねしておった役場その他の名前を使って個人がやられたようなことに発展をしたんじゃないですか。
#173
○政府委員(竹下一記君) おっしゃいますことは、郵政局のほうで勧奨すると、地元のほうでは郵政局の勧奨があるものだから、やむなくそれを引き受けざるを得ないと、そういう中から先ほどの再委託といったような姿が出てきたのではないかと、こういうお尋ねかと思いますけれども、私どもは必ずしもそういうふうには考えないのでありまして、地元のほうから簡易局を置いてもらいたいという非常な熱意を持ってこられたところ、これは制度開始以来間もなくそういうところは幾つも簡易局を置いたわけでございますけれども、そういう中からも先ほどのような再委託的なものが出てきたという事情を考えますと、必ずしも郵政局の勧奨にその原因があるというふうには思わないわけでございます。
#174
○久保等君 それじゃ最後になりますが、手数料は幾らになっておるのか、その手数料の中に基本額というようなものもあるようですが、そういった手数料の中身の金額をそれぞれひとつお聞かせ願いたいと思うのですが。同時に、その算出根拠のようなものもあわせてお願いします。
#175
○政府委員(竹下一記君) 手数料は、基本額、取り扱い手数料、加算額の三本立てになっております。四十五年度の予算について申し上げますと、一局平均月額といたしまして、これはお手元の資料の三十二ページに書いてございますが、二万八千三百五十七円という数字になっております。手数料の中身について若干簡潔に御説明申し上げますと、基本額、これは数字を申しますと一万四千九百七十円でございますが、これは簡易局を開局するに必要なる経費でございまして、取り扱い事務量のいかんにかかわらず必要なるいわば固定費に相当するものでございまして、局舎備品費、準備、整理の人件費、そういったものでございます。それから取り扱い手数料は、取り扱います事務量に応じまして支給されるスライド的な手当でございまして、郵便ですと一件十三円、貯金ですと一件二十一円の単価を取り扱いの事務量に掛けまして得られました数値でございまして、これは一万六十四円という予算単価になっております。それから加算額は、数字で申しますと月額三千三百二十三円でございますが、これは貯金及び保険の契約を取りました場合の募集手当、扱います現金の現金手当相当分ということになっております。
#176
○久保等君 この基本額について、一万四千九百七十円、これもだいぶこまかい数字もついているわけなんですが、いろいろこまかい、またさらに内訳というか、算出根拠というものがあるんでしょうね、若干それをお聞かせ願いたい。
#177
○政府委員(竹下一記君) たいへんこまかい説明になるわけでございますけれども、基本額の中にはいろいろございます。薪炭費、雑用費、光熱費、局舎料、準備、整理のための人件費、こういったものがございますが、非常に大ざっぱに申し上げますと、無集配特定局の維持のためにもこういった経費は要るわけでございますが、それの大体七割見当を見ておるというわけでございます。局舎料を例に申しますと、無集配特定局の場合は、たしか十七坪でございましたか、それに対して簡易局の場合は五坪というものを予算単価として見込みまして、それの維持費を出しておると、こういうことでございます。取り扱い手数料につきましては、これは無集配特定局において現実に採用しておりまする単価を数値的に求めまして、それをやはり簡易郵便局の基礎の数値として採用しておる、単価として採用をしております。加算額につきましては、これは少しこまかくなるのでありますが、定額貯金、定期貯金の預入額の千分の六とか千分の三とかいったような、これは一般の郵便局の場合に用いておりますところの率を使って加算額を算出してございます。少しこまかくなりまして説明が不十分でございますが、以上でございます。
#178
○久保等君 最後に、この手数料を少し引き上げるというような予定でもあるのかないのか。当面、手数料の値上げ問題についてどういうふうに考えておるのか。
#179
○政府委員(竹下一記君) 手数料は、基本額及び取り扱い手数料にいたしましても、ここ数年、毎年と申していいくらい率を上げております。やはり一年おきに物件費も上がりますし、ベースアップもありますので、そういう一般の経済情勢、物価情勢を勘案いたしまして、予算措置といたしまして値上げをしてきておるわけでございます。先ほどの基本額二万八千三百五十七円と申しますのは、前年の予算単価に比べまして一一・三%のアップになっております。
#180
○久保等君 いいです。私は終わります。
#181
○森勝治君 引き続いて簡易郵便局の問題について質問をしてみたいと思うのでありますが、そもそも簡易郵便局法の改正案が提案されてから、今度で、御承知のとおり四度目でありますね。五十五国会、五十八国会さらに五十九国会ですね、さらに六十一国会では、ということでありますが、本来ならば、こう累次にわたる廃案等の場合は、いわゆる審議未了の場合は、常識的な判断をもっていたしますならば――これは私の言う常識です、私側から言う常識的な判断でありますが、常識的な判断をもっていたしますならば、これは改正提案というものは断念してしかるべきものというふうに私は素朴に考えておったところが、さらにまた今次提案をした。まさにそれは強引そのものであります。こうなりますと、私は、一国の最高の権威をつかさどる国会というものの権威の問題も、この辺にいろいろな問題が波及してくるような気がしてならぬわけでありますが、一体、郵政大臣としてこの点をどうお考えになっておられるのか。これはもちろん基本的な考え方を伺いたい。
#182
○国務大臣(井出一太郎君) まあ仏の顔も三度ということばもありますように、いきさつを考えてみれば、少し顔を洗って出直したらどうかという御趣旨のようでありますが、まあ私としましては、前大臣からの申し送りでもございますし、かつはまた、前回の国会を考えてみますと、衆議院においては御論議の末に通過させていただいておる、こういう経緯も考えましたときに、やはりこの法律の必要性といいますか、この段階においてぜひ実現をいたしたいと、こういう気持ちで提案をした次第であります。
#183
○森勝治君 いまの大臣の御答弁だと、非常に他力本願的な御答弁、衆議院のほうでそうやったからお願いしたと、こういうわけでありますが、そういうなまやさしいしろものではなさそうであります。したがって、このように強引に再三再四にわたって提案される趣旨、目的というものが那辺にあるのか、私はこの点も聞きたいのです。
#184
○国務大臣(井出一太郎君) 強引とおっしゃいますが、やはり現状を考えてみましたときに、約二千ぐらいこれを設置すべき場所もある。そういう主としてこれは僻陬の地でございましょうが、そういうところの利便におこたえをしなければならない、これが一番中心課題であろうと思っております。
#185
○森勝治君 私の立場から申し上げますならば、立法的な疑義を解明せずに、そちらはそちらでほっといて、再三再四提案されている、そういう点が非常に明確を欠いているということです。いまどうも大臣は、あげ足を取るようで恐縮でありますが、再三再四強引に出してきたのは、私の強引ということばを大臣も不本意ながら受けとめたらしいのでありますが、衆議院で審議が済んだから、いまは二千カ所にわたる新規希望があるからと、こういう本論の本質というものを少しも触れないで、外郭ばかりをなでている気配がありますね。私はそう思うのです。だから、まず国会で、このように審議もしないで廃案に当時五十五国会でなりました、御承知のように。そういう点からいたしまして、やはりこれも歴史的な過程があるわけですから、国会で再三にわたって廃案にしたものを四たび出してきたというのも、そこにやはりそれ相当の郵政の固い決意と申しましょうか、あるいは郵政の立場からいえば、時代に即応という、ことばは平面的なことばで説明されるかもしれぬけれども、そういう何らかのよってきたる根拠というものがあるはずなんですよ。ですから、それをひとつもう少し明確にお示し願いたいと、こう申し上げておるのです。
#186
○国務大臣(井出一太郎君) 先ほどお答えをいたしましたことに尽きるのでございまして、どうも森委員の言われるように、何か別に魂胆があるわけでもございませんし、まあ従来のいきさつもございましょうけれども、当面やはり窓口業務を広範に広げることによって国民大衆の利便をはかる、これに尽きておると思うんであります。
#187
○森勝治君 それでは大臣に角度を変えてお伺いしましょう。御承知のように前々大臣以来、郵政公社化案なるものが省の内部でも省外におきましても論議されているわけでありますね、御承知のとおりでしょう。その問題と、この簡易郵便局というものは、この公社化案というものの中にどういう機構的な位置づけをするつもりなのか、当然それの一環として論議されてしかるべきものだと私は考えているわけです。
#188
○国務大臣(井出一太郎君) まあ簡易郵便局というものは、すでに十年余りの歴史をけみしておるものでございます。一方、公社化の問題は昨年答申をちょうだいをしたと、こういうことであって、これはまあ必ずしも同じ体系というふうには考えなくてもいいと思うんであります。そうして今回の改正案は、市町村であるとかその他の公共団体であるとかというものに従来限定をされておりましたものを個人にまで広げるということでございまして、その法体系というものと公社化の案とは、まあ必ずしも関連があるものではなかろうと、同時並行的に考えていいのではないかと思っております。したがって公社化の問題は、省内にも検討機関をつくって慎重にこれを吟味をしておるさ中でございますが、かりに公社という方向え踏み切るといたしましても、この簡易郵便局は、その公社という方向の中で、そうなった場合は、それなりに位置づけが可能であろうと、かように考えます。
#189
○森勝治君 大臣はいま、この簡易郵便局というものは郵政公社化という機構とは別個に考えるべきだ、こういうふうに御発言なさったと思うんですが、そういう発言だというふうに受けとめてよろしゅうございますか。
#190
○国務大臣(井出一太郎君) まあ別個ということばの意味でありますが、私は、先ほどちょっと同時並行的にというふうに申しましたが、簡易郵便局はこれなりに進めていってしかるべきであろう。そして公社化の問題が具体化するという場合には、その中におのずから占める地位というものがあり得るであろうと、こういうふうに考えるのであります。
#191
○森勝治君 そもそも郵政公社化というものは、単に看板の塗りかえだけにとどまるしろものではないと私は思うのであります。したがって抜本的な機構の改革というものが当然その中に包含されてしかるべきもの、簡易郵便局というこの制度も、そのいま論議されている郵政公社化案の全般の中の一つのものとして、総体的な中で論議がかわされてしかるべきもの、私はこのように考えているわけです。したがって、やはりこの郵政の事業の近代化という、この一環から簡易郵便局というものをどうしても切り離すことはできない。簡易郵便局というもののほうが抜け出したくても、このワクの中から、いまの段階では事業の近代化のワクの中から、構想の中から抜け出すことができない。しからば、その全般的な事業の近代化という構想の中で是非論が論議されてしかるべきもの、こういう考え方が是認されるものとするならば、この公社化案はいま作業の過程であるでしょう。あるいはまたデスクプラン、論争の域を出ないかもしれない。しかし郵政近代化という国民の期待される郵政事業のあり方を求めて、皆さんは一生懸命努力されておるわけですから、何もせっかちに、四回も国会でそういう問題になっておるわけですから、何もこれだけぽこんと出さずして、全般的なワクの中で当然考究をされてしかるべきもの、私はこう考えておるのです。
#192
○国務大臣(井出一太郎君) まあ森さんのようなお考え方もあり得るでございましょうし、また、われわれのように公社化というものがまだ決定的な段階にまでなっておらない、その時点において、これはこれなりに、簡易郵便局をこういう形でさらに増強をしていくというたてまえもあるであろう。そしてそれはわれわれのとっておる後者の方針も、もしかりに――後者というのはあとのほうでございます――あとのほうの方針も、公社化ということに踏み切った暁においては、その中へ取り入れて、一つの全体の体系の一環として処理することができるであろう、かように考えるわけであります。
#193
○森勝治君 これは担当局長にお伺いしてみたいんですが、法第一条及び提案理由の説明の中では、郵政事業の役務というものをへんぴな地方に広め、住民の利便に供する。そういううたい文句になっておるわけですが、それでは簡易郵便局というものによって、特に今回は個人に委託をするわけでありますから、そうした個人の委託によってどれだけのメリットをもたらすのか、その辺を明らかにしていただきたいと思います。
#194
○政府委員(竹下一記君) 現在、簡易郵便局は全国で三千三百ばかし設置されておるのでございますけれども、なお二千百カ所ばかし簡易局を置いてしかるべきところはございますし、地元からの要望も強いものがございます。ところがその実態をながめてみますると、簡易郵便局法が予定をしております受託者の相手方である市町村あるいは協同組合等の施設がございませんところは、先ほど申しました二千百カ所ばかし中の七割がそういった施設がございません。そういうところにはこの簡易郵便局の委託契約を取り結ぶ相手方がいませんので、簡易局を置けないということになってきておるのが実態でございます。
 それからあとの三割は市町村あるいは公共団体の施設がございますけれども、これは何らかの事情がございまして、受託の意思がない。受託していただければありがたいんですが、そういう意思がないと思われるところでございますので、これに対しましても簡易局を置く手だてがもうないわけでございます。これはどうして解決をするかと申しますと、やはり個人委託の道を新しく開くということによって、委託契約を取り結んでいくという、そういう方向しかないわけでございまして、今度の法改正のねらいはそこにございます。
#195
○森勝治君 ですから、個人委託によってどの程度の効果をもたらすことができるかということ、それを聞いているのです。
#196
○政府委員(竹下一記君) やはりへんぴな地域に従来よりも大幅に郵政事業の窓口の設置ができる、そういうメリットがあると、かように存じます。
#197
○森勝治君 さらに聞きたいのでありますが、今回の法改正の内容を見ますと、「営利を目的としない団体」という表現を削って、「この法律で定める者」と、こういうふうに改める提案をされているわけですが、この辺の趣旨はどういうことですか。営利を目的とする人々の手にゆだねてよろしいというふうに、郵政当局が常に得意なことばで言う広義に解釈すると、そういう理解も成り立つわけですが、そういうふうに読みかえてよろしいですか。
#198
○政府委員(竹下一記君) 第一条には従来御指摘のように「地方公共団体その他営利を目的としない団体であつて」という縛りがございまして、それを第三条で制限列挙的に地方公共団体、農業協同組合、漁業協同組合、消費生活協同組合と、こういうように制限的に列挙をする、こういう方式をとっておったわけです。今度新たに委託の対象を個人に広げまして、それを法律で規定するわけですが、これは法律の条文をどういうふうにつくるかというきわめて技術的な問題になるわけでございますけれども、従来のように、第一条に大まかな方針を示して、第三条にこまかい縛りを制限列挙的にやるという方式もございまするけれども、個人を入れますると、第一条の表現がとても複雑になるということも考えまして、第一条はこの際「地方公共団体その他」といったような簡明なる表現にいたしまして、第三条のほうに受託の対象となるべきものをはっきりと明記する、こういう方法をとったわけでございまして、いまおっしゃいましたように、この「営利を目的としない団体」云々という字句を削除することによりまして、今後は営利を目的とする個人あるいは団体、そういうものが受託の対象になるおそれがあるのではなかろうかという御懸念は、実は要らないものだと私ども考えております。
#199
○森勝治君 要らないといっても、文章というもの、特に法律の文章というものは古来冷たいものです。紙背に徹するということばがありますが、紙背に徹するほど熟読玩味いたしましても、裏解釈は許されません、法は。御承知のとおりであります。したがって、従来は、いま申し上げたように、営利を目的としない団体にのみ委託をしておったやつを、それをことさら削ったわけですから、利潤を追求しようとする団体でもよろしいという解釈が成り立つでしょう。御心配、御懸念御無用などと言っておるが、そういうことができるんじゃありませんかと私は言っておるのですよ。いままで営利を目的としない団体を対象としていた、昭和二十四年に委託した、いまから二十一年前に委託したわけでしょう。そうでしょう。ところが、それを削ったんですから、営利を目的とする団体だって、あるいは個人だってよいじゃないかと、私はそれを聞いているのですよ。そんな心配ないとおっしゃるが、心配があるから聞いているのです。
#200
○政府委員(竹下一記君) そういう御懸念もあるかもしれないということを考慮いたしまして、法律では第三条に地方公共団体二番、三番、四番と、従来掲げておりました団体の次にはっきりと「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」という表現をいたしまして、これこれの個人に限ると、こういう一項を加えておるわけでございます。したがいまして、受託の相手方はこの五つの項目、掲げられました五つの団体及び個人であると、それ以外にはあり得ないということでございますから、おっしゃいましたような利益を目的とする団体が入り込む余地はないと、そういうことを十分考えましてこういう条文をこしらえてあるわけでございます。
#201
○森勝治君 私がお伺いしているのは、利益を目的とする団体及び個人ということです。したがって、いまあなたがいみじくも読み上げた第五号の個人の問題に関しましても、社会的信用を有する者、郵政の窓口事務を遂行する任にたえ得る者という精神規定があるわけですね。ですから、そういう精神規定に、条件にかなう者の個人であるならば、利潤追求を旨として郵政と契約を結んでも可能ですかと、そういう意味のことを聞いているのですよ。取り違えられると困るのです、すりかえられると。
#202
○政府委員(竹下一記君) そういうことでございましたら、私のほうでちょっと誤解があったわけでございまして、この第三条の五に掲げてあります個人は、十分な社会的信用を有する、また窓口事務を行なうための能力を有する個人でございますけれども、これは裏の解釈といたしましては、この個人は必ずしもこの仕事に専念をしなければならないというわけのものではございません。別に兼業の形で、何か仕事を持っておられてもよろしいという意味がこの中に含まれておるわけでございます。ただし、利益を目的とする団体はいかなる場合にもこれには入らないと、こういう意味合いでございます。
#203
○森勝治君 だから私は聞いているんです。兼務、兼職を許しておるわけでしょう。衆議院でも片手間論争が出たでしょう、島本君と大臣の間でですね。前大臣との間で片手間論争。島本君はこれは片手間でできるじゃないか。大臣のほうでは片手間とは失敬だというふうなことで、やり取りがあったでしょう。兼務兼職がきくのだから、よその仕事どんどんやれるのですよ、その合間に。合間と言うとまた失敬だと言うかもしれぬが、合間に仕事できるのですから、損することはだれもやらないでしょう。社会公共の美名をもっていたしましても、今日のように物価高騰の時代には、精神規定だけでは、社会奉仕だけではやっていけないでしょう。したがって、あれでしょう、金もうけのためにやることもできるのじゃないですか。特にあなたは質問しないのに兼務兼職きくと言った。専業ならば、この人を専業にして、それで社会公共のために、郵政事業の推進のために、一定の給料でも俸給でも、報酬を与えて、やってもらおうというならいざ知らず、兼務兼職がきくのですから、利潤追求をもって目的としたって可能でしょう。これを聞いているのですよ、私は。
#204
○政府委員(竹下一記君) 兼業という形で簡易局の運営をやっていただくというケースは非常に多かろうと思いますが、簡易郵便局の運営につきましては、これは営利の対象にされては困るのでございまして、またそういう手数料は差し上げないことになっております。あくまでも国家事務の一部をやっていただきますという公共的な一つの使命感をもって仕事をやっていただきますと同時に、省のほうといたしましては、簡易郵便局の仕事の実体に見合う実費的な手数料は差し上げると、こういうたてまえにはいたしておるわけでございますけれども、これを営利の対象にしていただくということは法律も予想しておりませんし、手数料のほうでもそういう趣旨の手数料は差し上げないと、こういうことになっております。
#205
○森勝治君 営利の対象にしないと言いながら手数料を差し上げるということばであなたは立証されているじゃないですか。何かそれは億万の富を蓄積するようなぼろいもうけではないかもしらぬ。あるいはもうけてということばを適用するのはあながち不適当かもしらぬ。しかし手数料というのは、当然そこに何がしかの報酬を与えるわけですね、そうでしょう。いまから二十年前の当委員会における速記録をここへ持ってきておりますが、時の郵政大臣はそういうことを言っていないんですよ、あなたみたいなことを言っていないんですよ。違うことを言っておる。時間がないから言いませんけれども、違うことを言っておる。その当時の精神は、現行の簡易郵便局法の中で脈打っているでしょう。そうでしょう、当時の精神。私はそう思う。従来は個人に委託をしないと命令しておる。この国会で、速記録に絶対そういうことをしてはいかぬと書いてある。損得などということは考えなくてやってもらう、そのために個人には損得ということがどうしてもつきまとうからと、そういう意味のことが書いてある。だから個人は切ってしまって、営利を目的としない団体のみにこれを委託するいうことを明確に表現しておる。自来二十年の歴史が流れて、物価高騰の折柄ですから、それはなるほど個人に委託という一つの突破口を開いたのでしょう。二十年前のこの法制定の精神が生きておるとするならば、あなたがいま言ったように利潤を目的としないとおっしゃるならば、従来どおり団体でよろしかろうと私は思うのです。ところが「営利を目的としない」という項を削って、「この法律で定める者」と、こういう項目をつけ加えたということは、新しい時代に対処する意味だというような御答弁をいただけるものだと思ったら、そうじゃなくて、利潤を追求しないと、利潤を追求しないと言うその裏で、手数料を払うと言っている。手数料だから、生活保障をしないから兼務兼職は差しつかえない、こういうことばが私は含まれているんではないかと思うのであります。それは何がしかの手数料であろうと何であろうとも、その人のふところに入るでしょう、契約した人の収入になるんでしょう、大蔵省はこれを利益として計上するでしょう。そうでしょう。課税の対象になりませんか、なるでしょう。個人収入としてなるでしょう、当然。当然そういう意味で広い意味に解釈すれば、いわゆる広義に解釈するならば、利潤というものを生まない限り引き受ける者はないでしょう、ありますか。物価高のせちがらいこの現今において、そういう御奇特な方がいますか。切手の売りさばき問題でも、皆さんがなかなかやっていけないから売りさばき手数料を値上げしようという要求がしばしば出てきているんじゃありませんか、数年来。今度もまた何か出しそうですが、つい先般手数料値上げしたばかりじゃないですか、そうでしょう。当然そこに利潤追求の根拠があるでしょう。私はそう思うわけですが、全然利潤追求が――もっとも私の利潤追求ということばを、そのままきつく受け取ったのかもしらぬけれども、損してやるばかはいないでしょう。昔のように、法制定時のように役場に置く、そのために月に一万、二万損してもよろしいという、そういう時代と時代が変わってきたでしょう、そうでしょう。赤字でだれがやってくれる人がありますか、そこには幾ばくかの収入があるから、実入りがあるからやろうとするんじゃないですか。だからこれが課税の対象になるんでしょう。資本主義社会のもとにおいては当然利潤でしょう、そうじゃないですか、そういう理解は全く当たりませんか。
#206
○政府委員(竹下一記君) 利潤とおっしゃいましたことを少し大げさに受け取りましたので先ほどのような答弁になったと思いますが、手数料の中には当然のことといたしまして、固定資産的なものに対する金利部分、あるいは手間賃に相当するものの中には利潤的なものも、それは世間並みのものが含まれておるわけでございまして、それはおっしゃるとおりでございます。全くの実費であるというわけのものではございません。
#207
○森勝治君 それでは次へ移りましょう。立法の趣旨は、へんぴな地方、まあへんぴなところと申しましょうか、へんぴなところにおける郵政の窓口の救済――窓口の救済ということばで当てはまるかもしれぬですね――郵政窓口を開設して国民の生活の利便に供する、こういう目的だとうたっておりますが、これは昭和二十四年、この法制定以来の一貫した思想でしょうか。
#208
○政府委員(竹下一記君) 法第一条の精神は、今日まで一貫しておると存じます。
#209
○森勝治君 それではお伺いいたしますが、つい先だって、昭和四十四年の七月二日に、当時の担当局長でありました現曾山次官が衆議院の審議の過程の中で、大都市周辺にも置けると言明された。ここへ速記録を持ってきておる。そうなれば現在の担当局長であるあなたの発言と前郵務局長の発言は明らかに食い違うような気がしてならぬ、この点を明らかにしてほしい。
#210
○政府委員(竹下一記君) 簡易郵便局は法一条に書いてございますように、へんぴな地域に置く、これが本旨でございますが、曾山前局長が申しましたことはその本旨をたがえておるわけではないと思うのです。ただ大都市の周辺部分、従来はいなかでありまして、かなりへんぴであった、へんぴ性が強かったところが、都市の膨脹、そういったものがございまして、都市性が非常に強くなってきておるところがございますのですが、そういこうとろに例外的に置かれた例もありまし、例外措置としては全然これを認めないということもなかろうというほどの趣旨かと思います。
#211
○森勝治君 どうもあなた方は、組合弾圧だの、そういうかってなときは例外例外とおっしゃる、まことに都合よくそういうことばかりおっしゃる。しかしはったり言っておきますが、先ほど申し上げたように法は二重に解釈することは許されないのです。そうじゃないですか、私はそう思うんですね。二重に解釈することはできない。だから冒頭にあなたに、へんぴなところというこの立法の精神はいまでも変わりないかという質問をしたら、変わりないと言う。変わりないとあなたは言っておるのに、前にいた局長は、半年前に都市周辺にも置けると言っている。これではへんぴなところというのと違ってくるのではないか、あなたは都市周辺のへんぴなところと言っておる。私は大都市周辺と言っている。しかもあなたはそのあとで、例外として過去に認めたと言っている。本来法律に例外というのがありますか。かってな解釈をして、かってにあなた方が都合のよいように、局長、設置したんじゃないですか。どう思いますか、この点。例外例外、それでいいんでしょうか。
#212
○政府委員(竹下一記君) 簡易局はあくまでもへんぴな地域を予定しておるわけでございます。ところが東京周辺にも現実にそういう例がございますように、都市周辺の地域でへんぴであったところに簡易局を置いた。それが昨今の都市の膨脹によって都市化してきた。そういうところを依然簡易局のまま残されておるところも若干あるわけでございまして、これは事務屋は相当多くもなってきておりますので、また無集配特定局の設置基準にも当たってきておるので、これは当然のこととして無集配に切りかえられていくものだ思います。しかし、例外的にそういったものが簡易局のままで今日ありますことも事実でございまして、そういうことを前次官は言ったのではなかろうかと、かように思う次第でございます。
#213
○森勝治君 重ねてお伺いしますが、法律で例外解釈ということをしてよろしいかと聞いているんです。その実体の報告をお伺いしているんではないんです。
#214
○政府委員(竹下一記君) 曾山政府委員がこういうことも言っております。「いわゆる東京都区内等にできました団地に簡易局をつくるということは絶対やらしておりません」と、ここでは非常にはっきりしたことを、都市及び都市部分については簡易局を置かないということを、はっきり言っておりますので、簡易局の設置についての方針というものは、私と前の局長とでは違いはないんじゃないかと思います。
#215
○森勝治君 都合のよいお答えをしちゃだめですよ。ほかにも書いてあるでしょう、そこも読み上げてください、ついでに。そっちも読み上げなければだめですよ。ほかの段を読んでください、十二ページを読んでください。――局長、議事進行上私のほうから申し上げます。あなたが都合のよいところを読んで都合の悪いところを読みませんから、私はあなたのほうにとって都合の悪い意地悪な質問をいたしますが、いまあなたが読み上げた前後でありますけれども、曾山局長はこういうことを言っているんです。「その点につきまして、いわゆる都市の周辺地域において団地等ができまして急速に伸びて通信需要のあるところ、そういうところにいわゆる特定局の設置基準には満たない、しかし簡易郵便局の設置基準には満つるというような場合におきましては、そこに簡易郵便局を置くということも、私この法律に反しておるとは思いません。この法律の一条には「経済的に、郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広める、その辺ぴな地方に置くということを必ずしも限定しているわけではございません。非常に広義に解釈いたしますと、いまお示しのような特定局の設置基準には満たぬけれども簡易郵便局の設置基準に満つるというようなところにおきましてはこれを置いてもかまわぬと思います。」と、こう言っているんです。あなたの御答弁と明らかに食い違っております。
#216
○政府委員(竹下一記君) 御質問の委員の方が、これは都市内にも簡易局を置いたらどうかという御意見の持ち主でございまして、それに対する回答になっておるようでございますが、そのうちの十二ページの最後の段の中ほどあたりを見ますと、そこでは前の局長は、「東京都内の二十三区内等におきまして特定局の設置の要望がなかなか満たされない、さしむき簡易郵便局を置いてくれということに対しましては、私どもはしばらく待っていただいて、そのかわりそういう特定局を置いていくということに現在もいたしておりますし、将来もその方針は守っていきたいと」、こう言っております。都市については無集配局設置を原則とするということをここでははっきり言っておるわけであります。
#217
○森勝治君 それでは答えにはならぬではないですか。私がいまちゃんと読み上げたでしょう。私は声がでかいからあなたの耳に届いたはずです。すりかえては困るんですよ。へんぴな所でも置けると言っている。こう言っておるんです。そうでしょう。あなたはへんぴな所以外には置けないと言っている。だから私は、この法制定当時のへんぴな所というのは、精神は生きているかと言うと、生きていますと言っている。だから曾山前局長とあなたの御答弁の内容が明らかに食い違うから、食い違いはただしておかなければなりません。だから私はくどく質問しているわけです。そうするとあなたは、その後、例外として認めて、例外として許可したこともありますと、こうおっしゃっておられる。だから法というのはやはり立場で解釈するのはいいが、紙背に徹するほど熟読玩味してください。法を曲げることはできない。へんぴな所以外に設置することはできません。私はそう申し上げている。そうでしょう。あなたも基本的にはそうだ、ただ例外もある。しかし私は例外は認めるわけにはいかぬだろうと言っている。この点どうなんですか、前局長とあなたとの食い違いは、法律のかね合いはどう対処されるつもりですか。
#218
○政府委員(竹下一記君) 法律は趣旨を貫くべきであります。例外であるとか、あいまいなことを申しちゃいけないと思います。ただ、へんぴというものの解釈ですが、都市とへんぴな地域と、どこでへぴんの線を引くかということが非常にむずかしいと思います。したがって、東京周辺の発展地域におきましては、いままでへんぴということで置いてきました無集配というものが、今日へんぴでなくなっているという現象が起こっているのは事実でございまして、さればと申しまして、ここ二、三年間そういうあいまいな所は簡易局を置いているというわけではありません。過去の遺物として若干残っているということを申し上げているのでありまして、今日の方針としては都市内及び都市の周辺部分で発展傾向が著しくて、将来だれが見ても無集配特定局の置局がしかるべき地域におきましては、簡易郵便局は置かないというのが、これが今日の省の姿勢でありますし、前の局長もその方針に変わりがないと思うのでありますが、都市とへんぴと微妙な境い目のところの扱いについて過去にそういうこともございましたので、その辺に関連して多少あいまいな表現になったのかと思います。
#219
○森勝治君 さきの局長、前任者をかばってあいまい的表現でありますから、この点については私はそれほど深追いしたいとは思わないんでありますが、同じこの日に社会党の島本委員の質問には「法第一条にもございますように、僻陬の地に置いていくということが目的でございます。」と、はっきり片一方で言っているんです。いいですか、質問者が違うと逆なことを言っているんですよ。だからあなたの言うのは、これはあいまいと言うんでしょうな、どういうことなんですか、これは。島本委員が言うとこういうことを言う。政党が違って、違った人から質問が出ると、いま言ったように、いま私が申し上げたように必ずしも僻地と限定しないんだと、こういうことを言っているんですよ。あいまいと言いながら、同じ委員会で同じ日にこんな違ったことを言う。なぜこういうことを言うのですか。全くわかりませんな、これは。この根本思想が那辺にひそんでいるのかわかりませんね。どういうことですか、これは。あなたそこに速記録あるでしょう。なければこれ上げますから……。
#220
○政府委員(竹下一記君) 先ほど私が申し上げましたのが省の方針でございます。多少私の説明にもあいまいな点がございましたし、私が申し上げましたのは、へんぴとそうでないところの線をどこに引くかについて、従来からこれはもうここ近年という意味でございません。かなり前たからそのへんぴ性の線の引き方につきまして、実は多少明確を欠く点、ややあいまいなところがなかったわけではない、そういう気持ちを申し上げたかったわけでございます。
#221
○森勝治君 それではへんぴということばのもたらす意味が明確でないから、あいまいな答弁に前局長もあなたもおなりになったと、こういうお答えでありますので、それではへんぴということばの持つ意味、内容、それはどういうことですか。それをお聞かせ願いたい。
#222
○政府委員(竹下一記君) 無集配特定局というのがございまして、これは都市にも置きまするし、いなかのほうにも置くわけでございます。市街地に置きますときには、これは基準がございまして、もよりの窓口から二キロ、六百戸といったような基準がございますが、そういうところには無集配局を置いていくわけでございますが、簡易郵便局はその基準にも当たらないところ、それの外回りの、さらに人口がまばらであり、田園性の強いところ、まあそういったこと、非常に事務的でございますけれども、へんぴというのはそういう言い方もあろうかと思います。
#223
○森勝治君 非常に文学的な表現が豊かであります。へんぴとは田園情緒豊かなものだ、こういう御答弁だと聞きました。私はそれよりももっと素朴に申し上げたいんです。田園情緒豊かだというより、もっと私は素朴だ。なぜかと言いますと、へんぴのぴというのは、いわゆる俗に言うひなびたという、こういうことばですね。そうでしょう、ひなびたという。こういう意味でしょうね。
 そこで、理屈を申すわけでありませんが、大言海をひもといてみました。大言海の中のへんぴというところにこう書かれてあります。「都ニ比シテ、文化ノ程度ノ低キトコロ。カタヰナカ。邊土。邊地。邊境。」、二項として「邊都ニ在ル人、アヅマヅ。アヅマビト。」。当時の都は京都でありますから、関東は東でありますから辺境の地といわれていた。大言海では以上のとおり。言海では「カタヰナカ。邊土」その他の辞書では、都から離れて開けていないところ、片いなか、こういう表現でございます。
 したがって、大都市周辺はこの中に入りません。私はそう思うのですよ。御答弁もあいまいだと率直に認めておられますから、私はこれ以上言いたくはないんでありますが、そもそもこの法制定の場合に、安きについたきらいがあるんじゃないですか。傾きがあるんじゃないですか。へんぴということばの語源のよってきたるゆえんを、失礼でありますがものさしを当てない。社会通念でおやりになったと私は思う。だからいまになって私のようなこういうげすな質問が出るわけであります。少なくともへんぴというところは都を遠く離れた不便ないわゆる片いなか、俗に山間僻地と申します。したがってそういうところに簡易郵便局を設けて国民の福祉に寄与する、生活の向上に寄与する。こういう立場だろうと思うのであります。したがって、まああいまいだと言われましたから私もあまり言いませんが、都市の周辺に置くような問題は、この法の中では一片も知るよしもないと私は理解する。大都会の周辺、たとえば新興都市の団地等に、郵便局が遠いからそこに置くなんということは、いままでやっておったらしいということを告白されましたが、これはこの法制定の、この法律の趣旨から言えば全くこれは相反する。あえてこれは法律を矛盾して解釈をしておる、冒涜している、拡大解釈をしている、こういうことばを私はこの席上で用います。したがって今後そういうことは改めてほしい。この点は改めてほしい。したがって、あいまいだと言われるところは、この辺で、法改正のこの機会に、もう二十年たつのですから、提案されて可決されてから。へんぴとはいかなるものぞやというような論議はこの席上で今後もう全然出てこないように、僻遠の地あるいはまたへんぴというものがいかなるものが、ちゃんとそれはものさしを当てて、何メートル五十センチなどということは言いません。三十センチとかそんなこまかいことは言いませんが、少なくとも僻遠の地などと呼称されるものは、大都市周辺ではないというくらいは、社会通念上おわかりのはずだと私は思うのであります。したがってこの辺についての明快なお答えをひとつ大臣からいただきたい。
#224
○国務大臣(井出一太郎君) へんぴのぴはひなである。こういったまあ非常に文学的な論争がなされたわけでございますが、まあこの法律の沿革を考えますと、できましてから相当長い時間がかかっておりますので、その間には事情の変化というものもあろうかと思います。たとえば東京都といわれる中にも、多摩国立公園みたいな地帯もございます。したがっておそらく森さんも、東京都だからそういうところも都市周辺だとはまさか仰せられないだろうと思います。したがいまして俗に都会にいなかありなんということばもありまして、従来は東京周辺にも何か非常に静寂なまばら地帯もあったと思いますが、今日はそういうものはもうほとんど解消されておる。こういうふうに理解をいたしますので、まあ過去の速記録等に若干の食い違いがあるといたしましても、このところはすなおにこの法文を読み取りまして、そうして解釈をしていったならば至当である、こう思います。
#225
○森勝治君 大臣はすなおに言われましたから私はすなおに理解します。しかし、すなおに理解するためには、ひとつ私もここで発言をして、わが心にも言い聞かせておきたいのです。それはどういうことかと申しますと、いま大臣が末尾で言われたいわゆる法文をすなおに解釈してほしい、こういう表現でございましたから、私もすなおに解釈いたします。文字どおりへんぴな土地というのは、いわゆる山間僻地であるということ、こういうふうに素朴に理解いたします。これでよろしいですね、大臣。
#226
○国務大臣(井出一太郎君) さように御解釈いただきたいと思います。
#227
○森勝治君 それではあまりへんぴな話はいたしませんで、次に移りますが、昭和三十二年に行管から出された勧告によりますと、経営経済上簡易局の活用のほかに出張所あるいはまた分局等の採用を考えなさい、こういう案が出されておりますが、その問題についてはどう今日まで対処されてこられたのか、この点をお伺いしたい。
#228
○政府委員(竹下一記君) 行管の先ほどの勧告は昭和三十二年十月になされたわけでございますが、ちょうどそのときに、その年の五月から特定郵便局制度調査会というものが設置されまして、郵政大臣の諮問機関といたしまして小局制度のあり方について検討中でございました。したがいまして、先ほどの行政管理庁の勧告は、この制度調査会の中で十分検討審議されました結果、結果としては分局分室制は採用にならなかったわけでございますが、行管の趣旨は十分ここでそしゃくをされ検討されたことになっております。
#229
○森勝治君 それでは分局や分室、出張所制等と今回の個人受託による簡易郵便局とでは違う、そのメリットや経営管理面においてどれだけの違いがあるのか、その点をお伺いしたい。
#230
○政府委員(竹下一記君) ここで申しております分室、分局制は、これはあくまでも郵政の地方組織の一つでございまして、つまり直轄経営の方式でございます。行管が申しておりますことは、定員も郵政職員を配置するということでございます。それに対しまして簡易郵便局で申しておりまする個人受諾の個人は、これは委託契約によりまして郵便局の仕事をやってもらう、こういうたてまえでございますので、性格が全く違うと思うのでございます。また直轄方式でやりますのと請け負い式の委託方式でやりますのとの違いからいたしまして、ひとしく小局の運営でございますけれども、両者の間には経済比較をいたしますと、相当経費の開きがある。つまり分局、分室制のほうが直轄方式でございますから相当お金がかかる、こういう違いがあろうかと思います。
#231
○森勝治君 重ねてその点についてお伺いいたしますが、いまいみじくもお答えになりました経済上の理由があるというお話がありました。なるほど直轄の場合は、いわゆることばがげすで恐縮でありますが、直轄はまるがかえであります。受託のほうはいま働いた分だけ報酬をやるわけでありますから、その線を逓信事業の中に取り入れて推進するということは、従来の社会公共に奉仕するというたてまえから、企業性というものを一歩前進せしめたものではないかという疑念が生まれてくるわけでありますが、この点どうですか。いま経済上の問題もという言及をされましたから、私はあえてこういう質問を申し上げたわけです。
#232
○政府委員(竹下一記君) 私が申しました経済性ということばは別のことばで申せば企業性といっても差しつかえがないことばだと思います。
#233
○森勝治君 企業性を一歩前進させたということは、国民の生活の安定という国民福祉の見地から申しますならば、行政が一歩遠のいた感じをややもすれば受けがちでありますが、この点はいかがですか。
#234
○政府委員(竹下一記君) 私が申し上げましたのは企業性あるいは経済性だけを追求するという趣旨ではございませんで、その方式によりましてねらいますところは、郵政事業の窓口を設置するという大きい公共性を目ざしておるわけでございます。従来の直営方式でございますると、窓口を設けることはたいへんけっこうでございますけれども、出費が相当多額にわたりまして、経済性ということから申し上げますとなかなか問題がございます。勢い置きたくとも窓口が置けないという事情もあったわけでございますが、簡易局方式によりますると、経済性のほうがかなり充足されますので、片一方の窓口の増置という面ではたいへんぐあいがよくなってくる、つまり窓口をよけいに置けるという結果になろうかと思います。
#235
○森勝治君 いま置きたくとも置けませんということばがありました。私は本来私の乏しい頭脳をもっていたしますならば、社会公共に奉仕する逓信事業というもの、もちろん国家事業でありますから営利を目的といたしておりません。したがって、いわゆる理想とするものは、企業の理想的な形態というものは、そういう僻遠の地であっても国民がひとしく郵政事業の恩典に浴することができる。恩典ということばはちょっと国民に対して失敬かと思いますけれども、そういう平べったい表現を用いますが、恩典に浴するのが正しい。したがって、直轄局等をもってするのが一番よろしいのであるけれども、経済上の理由をもって次善の策を用いた、これが簡易郵便局法であると、こう説明されたというふうに理解してよろしいですか。
#236
○政府委員(竹下一記君) これで私の申し上げたことをおっしゃっておるわけでございます。さらにもう少し申し上げますと、この直轄方式でやることはサービスという面から申しますると一番望ましいことではないかと思います。つまり無集配特定局がやっておりますようなあの方式を山間僻地までもっていくということは、利用される住民の利益ということだけを考えますると一番それは望ましいことではないかと思いますけれども、いかんせん、そういうところは事務量がきわめて乏しい、そういう事情がございますので、事務量に対して投資いたしまするところの額は多過ぎる、つり合いがとれない、こういうところに限って簡易局を置く、そして経済性をねらう。こういう趣旨のものでございます。
#237
○森勝治君 今回出されたこの改正案の目的というものは、従来の地方公共団体あるいは農協等の受託者の範囲というものに個人を加えることという説明が、先般来も当委員会の応酬等の中でしばしばされておりますが、この立法当時、第五回国会でありますが、その第五回国会に、わが党の千葉信委員の質問に、当時の小澤郵政大臣が答えられている内容を見ますと、個人の請負は絶対許しません。こういうことを明言されておるわけであります。しかも公共団体の中でもごくしっかりした公共団体、そのうち協同組合というものは第二次的に考えている、原則として役場にのみやらせるのだ、こう言っておるわけです。しかもさらに、これに付言されまして、この法律案は最終の目的ではありません、そう言っているのです。できるだけたくさんの特定局あるいは無集配局を設置することが国民の要望と期待にこたえることである、そしてそのことが逓信事業の持つ当然の責務だ、こういうことを明言されております。ここにも二十年前の速記録を、第五回国会のときの参議院逓信委員会における速記録を持ってきておりますが、立法当時はこういうことを言われておるわけであります。当時個人に許可しないというものが、今回個人対象ということになりますならば、時代の趨勢というものもさることながら、逓信事業のこの当時の立法の精神からはるかに変わった姿が出てきた、すなわち当時の方針の変更というふうに解釈されるのだが、そのとおり立法当時と精神が変わってきたのかどうか、この点をお伺いしたい。
#238
○政府委員(竹下一記君) 精神は変わらないと思うのでございますが、社会情勢が変わってきた、したがって省の政策が変わってきたと、こういうことは言えるかと思います。二十四年当時におきましては、個人委託という方式も考えられたわけでございますけれども、その当時の情勢といたしまして個人委託にすることは避けた、そういう政策が一つございます。と申しますことは、戦前、戦中の特定局の請負制にからまるいろんなあまり芳ばしくない記憶というものが、当時なおあったわけでございますので、そういう記憶を呼び起こすような方式は避けようという考慮があったわけでございますが、二十年を経ました今日、そういったことはいまや社会的にも考えられない時勢になってきておるわけでございます。そういう時勢の移り変わりということが一つあろうかと思います。もう一つは、簡易郵便局を広げる方式として公共団体に限ったわけですが、その当時としてはそれでよかったわけでして、郵便局がない郵便局未設置の町村が全国で千八百もあったという事情がございますのですが、今日ではそういう未設置町村というのはほんのわずかになったということが一つありますのと、これ以上窓口を広げるという場合に、従来の簡易郵便局法が予定しておりますところの方式、つまり公共団体受託という方式ではもう窓口の増置ができなくなったという、これは大きい事情の変更だと思いますが、そういう二つの事情がからまりまして、法改正の方向が出てきたというわけでございます。
#239
○森勝治君 どうも私は、げすですから、ことばがわからぬのでありますが、心は変わらないけれども、政策が変わったというのはどういうことでしょうか。精神はそのとおりでありますが、政策が変わりましたと、冒頭にそういうお答えでありますが、その持つ意味はどういうことですか。
#240
○政府委員(竹下一記君) ことば使いがあまり適切でなかったかと思いますが、申し上げたかったのは、個人委託という考え方はその当時においてすでにあった、あったけれども、その方向はとらなかったと、こういうことを申し上げたかったわけでございます。
#241
○森勝治君 それは昭和二十四年当時、第五回国会当時に事務当局としてはいわゆる個人経営を認める、個人請負を認めるという事務当局の考え方があったが、当時の社会的情勢という背景があって、それは個人というものには踏み切らなかった、こういう説明ですか。
#242
○政府委員(竹下一記君) この郵便の窓口をへんぴなところまで極力広げていくという、そういう精神は変わってないわけでございます。それからまた、その広げ方のやり方でございますが、これは日本だけではございません。外国にも例がございますように小局の運営のやり方といたしましては、諸外国にもその例がございますように請負方式でやっておる。これはむしろ、そういう方式をとっている国が世界では多いわけでございまして、それはそれなりに一つの合理性と根拠があるわけでございますので、昭和二十四年の当時におきましても、小局運営の方式の一つとしては個人受託という方式が事務的にも考えられましたし、また大臣とせられても、そういうやり方があるということは十分御承知になっておったわけでございまして、ただ法定をするという段階ではその方式をおとりにならなかったというわけでございます。
#243
○森勝治君 どうも二十年前――十年一昔と言いますから、二昔前のことを持ち出して恐縮でありますが、大臣の心の中、当時小澤佐重喜大臣だと思いましたが、大臣の心の中にも個人請負というものは認めるわけだが、それをとらなかったというふうな説明と承ったわけでありますが、この当時の速記録をもってしますと、そういうことをうかがい知るよしもないのですよ。個人は絶対認めないと言っているのだから。そういう意見もあるが、今回個人を認める、今回はこうしたということなら別だが、個人は絶対認めないと。時間がないから前後のやりとりは言いませんけれども、絶対に個人請負は認めないという思想で一貫されているのですよ。これは失礼だが、局長、あなた方が今日個人請負という提案をされている立場上、いまちょうど苗しろどきでありますから我田引水的な御答弁だと承るのですが、もう少しまともと言っては失礼でありますが、正直に答えてくれませんか。はっきり言ったのですよ。絶対だめだと言っているのですよ。もしあなたの言われたように事務当局にそうした背景があるならば、こういう言動というものはなかったはずですよ。そうだと私は思うのです。ですから、その辺をあまり都合のいいようなことを言わぬでほしいのですな。もっと赤裸々に、もっとも、あなた方その当時担当者ではないのですから、昔の先輩のことばを推しはかって答弁しろなんという思い上がったことは言いませんけれども、記録を見るとそうなんですよ。あなたの言っていることが全然出てきてないのですよ。
#244
○政府委員(竹下一記君) 当時の大臣が、個人にも許したらいいじゃないかという意味の、当時の逓信委員の御質問に対しまして、こういうお答えをしておられるわけでございます。この特定局制度の封建制というものがいまやはり話題になる、そういう時期に個人委託というものを取り入れるということは適当でない。何だか昔の請負制時代に逆行するような印象を与えることは適当でない。つまり特定郵便局についてのいろんな非難というものが、その当時まだ残っておりましたので、そういう非難の論点にはできるだけ避けないでいきたい。そういう意味合いでこの際は公共団体だけに制限したのでありますと、こういう意味合いの御答弁もございますので、私が申し上げたのは、それをふえんして申し上げた次第でございます。
#245
○森勝治君 どうもその点は、私は率直に承るわけにはまいりません。当時のこの公式の記録では――そういうことは時間もありますからあと回しにして次に移りますが、この問題が二十年来、もしあなたがおっしゃるように個人の請負を認めるという事務当局の案が、今日まで二十年間うごめいておったとするならば――失礼な表現でありますが、そういう考え方が根底にあったとするならば、当然特定局を含めた小局合理化という問題についてしばしば評議の対象になっているはずだと思うのです。抜本的な対策という問題も出てまいるでありましょう。この種の制度の再検討の問題も出るでしょう。どのような経過をたどられたか、お伺いしたい。
#246
○政府委員(竹下一記君) 先ほどの行管の勧告がございましたのは三十一年の十月でございますが、その中に、すでに行管はその当時の簡易局の実態を把握いたしまして、無集配特定局の運営方式よりも簡易郵便局の方式というもののほうが経済性という見地から見れば有効であると、また簡易局の運営については個人委託という方式を考えたらどうかと、こういう意味合いの勧告がなされております。それが第一点でございます。
 それから、その当時、先ほどちょっと触れましたが、特定局制度調査会の答申が引き続いて出されておるわけでございますが、その中にははっきりと簡易郵便局の性格あるいは簡易郵便局の利点というものをたたえておりまして、簡易郵便局をもっと広げることを考えるべきである、同時に個人委託ということを実施に移すべきであるという答申がなされてきておるわけでございます。自来、省といたしましてはその方向でいろいろと検討をいたしまして、実施に移すことを検討いたしてきたわけでございますが、それが四十二年のこの改正法案の提出ということになって出てきたわけでございます。
#247
○森勝治君 前々の小林郵政大臣が、かつて郵政の公社化案なるものを発表いたしましたときに、公社化にあたっては労働組合の賛成が必要である、こういうことばを付言されておったわけでありますが、過去のいきさつから見ますと、たとえば特定局の問題等についてもすでに労使間で話し合いが行なわれているわけであります。そういう話し合ってきたいきさつもあるわけでありますが、いま申し上げたような小局運営の検討に当たって、大臣は、この問題について組合と十分話し合う考えがおありかどうか、この点お伺いしたい。
#248
○国務大臣(井出一太郎君) 事ここに至るまでには、もう通年しまして四年くらいになるわけでございまして、その間には労働組合ともこの問題を話題の対象にしたことはあるようでございます。まあしかし、これは最終的には郵政当局の責任においてやるべき事柄でございます。かように心得ております。
#249
○森勝治君 私の申し上げているのは、簡易郵便局等を含めた小局運営の検討にあたっては、当該労働組合と話し合う用意があるか、こういう意味であります。いまのお答えでは、いま出されたこの簡易郵便局法に、このことについて限るというような御答弁と承った。私は、小局運営の全般的な対策についてお伺いしているのです。
#250
○国務大臣(井出一太郎君) 先般の紛争の際にも働く側の諸君と対話をしなければならぬ、これは私の基本的な方針でありますことは御承知のとおりであります。したがいまして、この小局運営全般の問題は今後も十分に話題に供して相談をいたすつもりでございます。
#251
○森勝治君 それでは次に移ります。今回の個人受託につきましては、この受託者の資格認定という問題が出されたわけであります。「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」、こういうことになっているわけですが、一体具体的にはどのような人間をさし、その選考方法等はどうされるのか、基準というものをどこに求められるのか、その点が開催ではないわけであります。ですからその点を明らかにしていただきたい。
#252
○政府委員(竹下一記君) 受託者の選考基準でございますが、これは事の性質上、まことに基準をつくるのがむずかしいのでございまして、勢い抽象的な表現にならざるを得ないのでございますが、極力具体的にこれを規定いたしまして、通達でもって地方郵政局へ流して、趣旨の徹底をはかりたい、かように存じております。どういう人が十分な社会的信用を有し、かつ窓口事務を行なうために必要な能力を有する個人であるかということにつきましては、例示をいたしまして、次のような人たちがそれにふさわしい人ではなかろうかというように申したいと思うのですが、民生委員をやっているとか、司法保護司でありますとか、かって公務員であった人で今日恩給生活をやっておられるような人、その中には学校の先生をやっておられた人、郵便局に勤務経歴を持っている人、そういったものを例示的に書きまして、理解をしてもらう、こういった方式を考えておるわけでございます。それ以外の方式はなかなかむずかしいように考えております。
#253
○森勝治君 そうしますと、そういうワクというのは、これから考えていくということですね。
#254
○政府委員(竹下一記君) そのとおりでございます。
#255
○森勝治君 いま出された民生委員とか司法保護司という方々の繁忙度はおわかりですか。たいへんなお仕事ですよ。これは民生委員とか保護司という方々は、失礼でありますが、これらの方々が兼職という名のもとに簡易郵便局を取り行なうことがあった場合には、両方うまくいかなくなってしまうんじゃないですか。これは保護司さんとか民生委員の方々は、私もよく知っておりますが、たいへん御苦労を願って、これはたいへん繁忙な方々ばかりですよ。なるほど社会的な信用度、知名度、こういう点はおそらく太鼓判を押すことができるでありましょう。しかしこれらの方々は、失札でありますが、あまりにも仕事が繁忙過ぎる。こういう人にあまり期待をかけるということは、簡易郵便局の経営を委託する一つの規範にはなるかもしれませんが、こういう人の中からとるということは、お互いに忙しさという問題から見まするならば、相当困難が伴うんじゃないでしょうか。
#256
○政府委員(竹下一記君) おっしゃるようなこともございますので、一律にこうしたらよかろうというしばり方はむずかしい、適切でないと、かように考えます。あくまでも簡易郵便局の事務量を勘案いたしまして、それと兼業することによって両方とも立ちいかなくなるといったようなことでございますと困りますので、そういう人は避けなければならない、やはりケース・バイ・ケースでもって最もその局の運営にふさわしい人というものを選考してまいるということになろうかと思います。
#257
○森勝治君 なるほど社会的信用も大事であります。もちろん大事でありますが、特にこの種の業務に携わってもらう方々には、相当高度な専門的知識というものが求められるわけですね。だれでもいいというわけにはいかぬでしょう。したがって、この専門的な知識というものを持った人でなければ、郵政が期待する簡易郵便局制度というものをもって国民の負託に十分こたえることはできないような気がするのです。たとえば、いま適格な方々の範囲の中の第四項にあげられたように、かつて郵便局の職員であったというのは事業の推進者ですね、こういう方々ならばいざ知らず、いかに社会的に高邁な理想をお持ちであっても、郵政事業の中身についておわかりにならなければ、その人は戸惑ってしまうような気がしてならぬわけであります。したがって、そうなるならば勢い、これらの業務を委託する人々の範囲というものはおのずから限定されてくるような気がしておるのですが、この点はどうですか。
#258
○政府委員(竹下一記君) 郵政窓口業務についての知識、経験でございますが、これは知識が豊富であればあるほど、けっこうなわけでございますけれども、お話がございましたように、その知識はきわめて高度なもの、あるいは専門的なものというほどのものではない。それほど高度なる事務能力を求めておるわけではございません。それは簡易郵便局の性格及び実態からいたしまして申し上げられるわけでございますが、したがいまして従来、郵便局の仕事に全然経験がない人でございましても、ある程度の訓練期間を置けばその能力を修得することはできるわけでございまして、そういう程度の事務能力を私どもといたしましては予定しておるわけでございます。
#259
○森勝治君 そうすると、俗にいうしろうとさんにつきましては訓練を条件とするわけですね。
#260
○政府委員(竹下一記君) 受託いたしました場合にはその簡易局を受け持つ集配特定局がございますので、そこへある期間詰めまして、いわば見習い的な形で勉強をするという機会がございますし、また郵政局ごとにこういう人たちの研修を――研修所における研修を計画しておりまして、それに参加することもできるといったようなことで勉強の機会はかなりあるわけでございます。
#261
○森勝治君 勉強をさせてから使うとおっしゃるわけです。ならば、さらに具体的にお伺いいたしますが、たとえば国会の中に簡易郵便局を、これはたとえなんですよ、仮定で申し上げておるのですが、国会の中に簡易郵便局を設置するときに、片や郵政の多年の経験者、たとえば定年等で退職をされた方、片や社会的な知名度は高いが郵政事業には訓練をしなければ使えない、こういう方が同時期に名乗り上げてきた場合にはどう対処されますか、具体的に聞いているのです。
#262
○政府委員(竹下一記君) この事務を行なうに必要なる能力だけを比較いたしますると、これは郵政の仕事をやった人のほうがすぐれておることははっきりしておるわけでございます。ただ受託者の選考にあたりましてはそのほかに、一番最初に書いてございますように、その地域社会の信用を持った人でなければならないというワクがございまして、この点につきましてはいろいろと見方も出てまいりましょう。要するに事務能力だけでは――それは非常に大事な条件でございますけれども、それだけでは不十分でありまして、信用の度合いその他の評価を総合的にしなければならないと考えます。
#263
○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#264
○委員長(近藤信一君) 速記をつけて。
#265
○森勝治君 いま私は、担当局長に郵政を定年退職した職員と他の信用を置ける一般社会人の例を引例して申し上げましたところ、事務に精通する、これはそのほうがよろしいけれども社会的な信用の度合いはどうだということを言われたが、私はこれを聞いて全職場のあなたの部下は嘆かれるだろうと思うのであります。なぜならば三十年、四十年の長きにわたって逓信事業にその全生命を打ち込んで功なり名遂げて定年退職した諸君が、なぜ一般社会人に比較して劣ることがあるのでしょう。りっぱな職員ではないでしょうか。あなたは第三者的な立場でおっしゃったかもしれませんけれども、私は、失礼でありますが、そういうところに上司と部下の断絶の姿が全国至るところに散見される、そんな気がしてならぬわけであります。これはあえて郵政の職員の名誉のために、私は発言しておるわけですが、もう少しその点について釈明をいただきたい。
#266
○政府委員(竹下一記君) かつて郵便局につとめた人が簡易郵便局の受託者になりたいという希望を申し出られた場合、事務能力という面では文句がございませんし、おそらく信用、社会的信用という面でも瑕疵はありますまいから、実際の問題としてはそういう方々が受託者になられるケースは非常に多かろうと思います。しかし先ほどからのお話を聞いておりますと、かつての郵便局の勤務者をほかの人たちよりも、何といいますか、抜きん出て最優先的に選考の対象にすべきであるという非常に強い抱負をお示しになったように考えますので、法律のたてまえ、それから手続の上から申しますると、そういう強い方向を打ち出すのは簡易郵便局の性格等から見まして適当ではないんではなかろうか。法律でもやはり冒頭に「社会的信用」という表現を用いておりますし、そのほうをまず最優先的に考慮するのが法律の精神に忠実ではなかろうかといったようなことを申し上げたようなわけでございまして、郵便局にかつて勤務した人たちがこの受託者といたしまして非常に順位が下であるとか、社会的信用を有しないとか、そういうことを申し上げたわけではございません。
#267
○森勝治君 そこで、わかりましたが、私は強く郵政省の職員を全部とれという表現は用いませんでした。ただ、社会通念上、社会的にりっぱな信用のある方々は、長きにわたってこれは逓信事業に尽瘁した人たちにはじめて社会的評価が冠せられるわけでありますから、そういう面については社会的な評価からいっても申し分ないだろう、事業に精通している面からいっても申し分ないと思います。したがってそれらの競合した場合の選考対象では、当然そういう社会通念に従っても第一順位にあげられてしかるべきだという一般論を私は用いたわけです。当然そうでしょう。片一方では社会的信用があっても事業に精通しない、初めから逓信事業のいろはのいの字から教え込まなければ使いものにならぬ、質的な問題もございます。片一方は長い間鍛え上げたのだから選考対象としてそのほうが強くなる、これは当然の姿だろうと、私はそういう意味で実は申し上げたのです。したがってこれ以上、この問題について論議はいたしません。
 次に移りますが、さてこれから個々の方々と契約を結ばれる、あるいは簡易郵便局の、個人の場合ですよ、個人契約の場合、施設の基準というものはどうされるのか。たとえば窓口の形態、局舎の面積、あるいは設置場所等、それぞれ制約があるものと、こう考えていますが、その基準をお示し願います。
#268
○政府委員(竹下一記君) 第一番目に、地域住民の方々が利用する局でございますので、利用上便利な場所に建てられなければならないということが一つございます。かつ、局舎の中には公衆室、事務室、カウンター等の設備をつくってもらいたい。また、郵便物、現金、書類等大事なものを扱いますので、それを保管する金庫は必ずこれは設備をしてもらいたい。面積につきましては、これは取り扱いの事務に応じました面積でけっこうでございまして、特段のしばりをいたしておりません。それから簡易郵便局という標識ははっきりした場所に掲出してもらいたい。そういったことを要求いたしております。
#269
○森勝治君 それは提供ですか、特定局設置の基準と同様な扱いをするのですか。
#270
○政府委員(竹下一記君) 局舎は受託者の提供と、これを簡易郵便局の一応原則といたしております。
#271
○森勝治君 提供ということばは、法律的に解釈してどういうことですか。
#272
○政府委員(竹下一記君) 受託契約を結びます場合に、局舎の提供は受託契約の重要な条件になる、こういうことでございます。
#273
○森勝治君 ですから、法律的な用語では、提供というのはいわゆる貸借なのか、現物を郵政に寄付するのか、その辺のことを聞きたいと質問を申し上げたわけです。
#274
○政府委員(竹下一記君) これは国が借りる、こういう意味合いでございます。
#275
○森勝治君 それでは貸借ですね。貸借に支払ういわゆる家賃というのは、月大体どのくらいですか。
#276
○政府委員(竹下一記君) 私、法律用語といたしましては、先ほど貸借と申しましたらあるいは正確でないかもしれません。その点、私、実力不足でございまして、後ほど法律上の正確なる用語につきましては申し上げたいと思います。
 ただ、そういう意味合いの貸借につきましては使用料を払うわけでございまして、毎月の手数料の基本額部分にその分の貸借料が入っておる――見込まれておる、こういうことでございます。
#277
○森勝治君 そういたしますと、一定の年限が経過して改造等の場合には、特定局の局舎の改造のときに資金を貸しつけるような方法で、これらの簡易局にも貸し付けることをするのですか。
#278
○政府委員(竹下一記君) 特定局の局舎建設の場合の貸し付けというお話でございますが、これは実は省は直接関与していないわけでございまして、特定局が相互に自主的な共助・共援の組織を持っておりまして、そこで資金を調達し、あるいはおのおのが資金を拠出する、そうして相互にそれを貸し付ける、こういうことをやっておるのでございますが、そのことをおさしになったかと思います。簡易局につきましては、省が直接に貸し付けるということはいまのところ考えておりません。
#279
○森勝治君 そういうことは一切ないということですね。したがって、もちろん国の事業でありますから、まあ法律解釈、用語の解釈はあとにいたしましても、貸借等の場合にいかなる名目をもっていたしましても、権利金等の支払いということはないということですね。
#280
○政府委員(竹下一記君) ございません。
#281
○森勝治君 そういたしますと、今度は山田さんなら山田さんなる人と郵政が――もっともこれは出先の局ですが、地方局が契約を結ぶのでありましょうけれども、そのときのいわゆる受託者本人の身分というものは、どういう立場になるのですか。
#282
○政府委員(竹下一記君) 受託契約の相手方でございまして、俗に民間人、普通の人でありまして――と申しますことは、公務員であるとか公務員に準ずるような身分であるとか、そういうことは予定していないわけでございます。
#283
○森勝治君 なるほど公務員扱いはしないということ、すなわち公務員ではないということ、そうなりますと、法第十一条に示す「公務に従事する者」ということばがありますが、この公務に従事する者の持つ権限、責任などというものはどう規制されるのですか、仕事そのものは、郵政の職員と同じ内容に従事しておりながら、いまもおっしゃったように、一般民間人だということになるならば、その辺のかね合いはどうされるおつもりですか。
#284
○政府委員(竹下一記君) 民間人でございますけれども、簡易局の仕事、つまりこれは公務でございますが、公務に従事するときには公務員とみなす、こういう規定が十一条にございまして、いわゆる法令公務員でございます。その効果はどういうことかと申しますると、公務に従事中に何か危害を加えられる、妨害を加えられる、こういう場合には、公務執行妨害罪が適用になりますし、また逆に、公務に従事する者が文書偽造など、そういったことをやりました場合には、公文書偽造の罪に問われると、こういうことになります。
#285
○森勝治君 いまのことばに公務に従事する間とありますが、勤務時間はないのでしょう。兼務、兼職ですから、勤務時間はありませんね。しからば公務に従事している間というものは、だれが、いつ、どこで認定されるのですか。
#286
○政府委員(竹下一記君) 公務に従事している間と申しましたが、あるいは公務に従事するについてと申したほうがあるいは正確かと存じます。それから公務に従事している間の時間でございますけれども、これは一週三十時間を下らないという縛りがございまして、具体的には郵政局長が個々のケースにつきまして許可をするということになっております。そのことは契約書に明記をするということになっております。
#287
○森勝治君 いま日本の労働者は週四十時間制ということを、その運動の一つに掲げております。いまおっしゃられた週三十時間ということになりますと、日曜を除きますと、土曜を含めて一日に五時間勤務ということに相なります。そういうことですね。
#288
○政府委員(竹下一記君) 週日同じように窓を開くということになりますと、おっしゃるように一日五時間ということになりますが、地方によりましては、そのような画一的なきめ方でなくして、一年の中の季節によりまして、窓口を開いておる時間を違えておるというケースもあろうかと思います。
#289
○森勝治君 それでは、従来の郵便局という観念から離れて、受託者本人の都合のよいように夜でも、いつでも窓口を開けばよいと、週間通じて三十時間ならよいということになりますので、これは後々問題になりますから――大事なことですから、お伺いしたい。
#290
○政府委員(竹下一記君) 一週三十時間のワクがございますのですが、一日のうちの何時から何時まで開くかということにつきましては、社会通念から見まして、その地域に最もふさわしい窓口時間の設定ということでございまして、ケース・バイ・ケースで地方郵政局限りできめております。
#291
○森勝治君 いま社会通念上とおっしゃいましたから、社会通念上われわれが働くのは昼間ということになっておりますね、おしなべて。したがって昼間に営業をする――営業ということばはちょっと語弊がありますが、その局を開く、こういうことですね。
#292
○政府委員(竹下一記君) 大部分のところは昼間開いておると思います。
#293
○森勝治君 大部分というのは――一つのこれは規定にあるんでしょうからね、社会通念上とおっしゃる以上。それなら観光地とか温泉地帯は夜ということですか、そうじゃないでしょう。社会通念上ということになりますと、昼間は働き、夜間はいこいの時間、これが社会通念でしょう。したがって大部分のところはというよりも、社会通念上とおっしゃれば、当然そうあるべきではないですか。
#294
○政府委員(竹下一記君) 大部分が昼間は開いておるようでございますが、場所によりましては、夜の部に少しかかる。その地方が農業地帯でございまして、帰宅する時刻が少しおそくなる、ついては窓口をおそくまで開いてもらいたいという要望がございますようなところにつきましては、窓口の締め切り時刻を少し夜間にかけておる、こういうところもあるようでございます。
#295
○森勝治君 そうなりますと、利用者は、いつ開いているか、その局の前まで行ってみないと、わからぬのですね。
#296
○政府委員(竹下一記君) 簡易局はいずれも非常にへんぴなところにございますから、もうその局が窓を開いておる時刻というものは、最初は周知を要するかもしれませんが、十分住民の間では承知のことでございます。
#297
○森勝治君 この法十一条でいう個人の受託者、いわゆる郵政が請負を結んだ当事者であります、この個人の受託者が病気その他の理由をもって執務することができなかった場合、いま説明になりました週三十時間というこの規定の中で、どう次善の策を講じようとされるんですか。
#298
○政府委員(竹下一記君) 受託者個人、これはいずれもなま身のからだでございますので、病気をしたり、あるいは急用で遠方へ旅行をするということも起きてまいりますので、そういう事態に備えまして、代務者というものをきめてもらって、それは郵政局の許可を得てもらう。それもいま考えておりますことは、二人ぐらい代務者というものを、名前を申請していただきまして、それについて郵政局としては身元を確認し、代務者として認めるという手続をとりたい、かように存じております。
#299
○森勝治君 その代務者とか代理者とかいうものは、法律的にいって、どういう根拠があるのですか。
#300
○政府委員(竹下一記君) 簡易局の委託契約の上では、あくまでも郵政局長と受託者たる個人との間の契約でございまして、受託者個人と代務者との間は、いわゆる民法上の代理、そういった関係になろうかと思います。
#301
○森勝治君 ですから、代理者が公務を行なうときには、公務員という身分を与えるのですか。
#302
○政府委員(竹下一記君) 代務者につきましては、公務に従事するについて、「公務に従事する者とみなす。」という適用はございません。
#303
○森勝治君 そういたしますならば、たとえば代務者ですか、代理者ですか、二名を家族を選んだ場合に、もしそこに公務執行妨害のような事件が発生した場合には、いわゆる法令公務員と同様の公務執行妨害罪等が成立をするのですか。
#304
○政府委員(竹下一記君) その場合には公務執行妨害の対象にならないと、そういうわけでございます。これは若干説明を要しますが、いまおっしゃるような方向で十分検討し、法制局等にも協議をいたしたわけでございますけれども、諸般の事情がございまして、法令公務員は受託者たる個人に限る、こういうことになったわけでございます。そうなると代務者の場合どうなるかという問題が残るわけでございますけれども、公務執行妨害の対象にはなりませんが、多くの場合威力業務妨害罪の対象になりますし、そのほか暴行傷害、そういった一般刑法の対象になるということでございまして、実質におきましてはそう違いはないのではなかろうか、こういうふうに考えます。
#305
○森勝治君 それでは、さらに具体的にお伺いいたしますが、麹町協同組合という仮の団体があります。これと郵政当局が受託契約を結びます。その場合の契約者は最高責任者でありますその団体の長でありましょう。ところが、この長がなるほど契約した当事者かもしれませんが、その団体の中のある職員をもってこの仕事を行なわせた場合には、いまのような事件が発生した場合には適用にならない、こういうことでありますね。
#306
○政府委員(竹下一記君) 第十一条の趣旨はおっしゃるとおりでございます。
#307
○森勝治君 そういたしますと、個人を除いて、団体ではいま申し上げたような公務執行妨害のような場合には、そこに従事する職員には法の恩典や保護というものは一切ないということになりますが、そういうことですね。
#308
○政府委員(竹下一記君) そういうことでございます。そのことにつきましては先ほど申し上げましたように、均衡上に若干の問題がございますので、いろいろと折衝をしたわけでございますが、法務省等といたしましては法令公務員の幅は極力狭めたい、広げたくない、こういう見解を従来から持っておりまして、その結果代務者につきましては法令公務員とはしない。こういうことに結果的になったわけでございまして、少しく片手落ちでございますけれども、従来郵政省におきましては似たようなケースがあるのでございまして、集配の請負人あるいは運送の請負人、こういう人たちは公務に従事しますけれども、いわゆる公務に従事するについて公務員とみなすという保護を受けていないわけでございます。それから郵便運送自動車がございます。――赤自動車。これの運転手、助手、こういう人たちは郵袋を取り扱っておりますけれども、これもいわゆる法令公務員とはなっておりません。そういうケースもございますので、代務者につきまして若干バランスがとれない面もございますけれども、いたし方なかろうかと思います。
#309
○森勝治君 そうなりますと、契約者のみがそういう制約を受けて、この契約者の代務ということで――法律的な委任行為を郵政当局と契約当事者が結んでおっても、その代理者が行なう――いまは被害者でありますが、かりに今度は郵政当局に加害をする場合であっても、これは一般法律を適用するのみで、公務員としての処罰その他は一切ないということですね。
#310
○政府委員(竹下一記君) 一般刑法の適用を受けるわけでございまして、いわゆる郵政省の職員、公務員等に予定しておりまする行政的な処分、そういったものの対象にはなりません。
#311
○森勝治君 この種の代理行為は、特に個人の財産を扱う、金品、為替、保険等の重要な業務を扱うのに、そういう法律的にあいまいとしたもので、加害の場合あるいは被害の場合であっても、法の保護、またその逆に法の制約を受けない。いわゆる一般公務員としての制約を受けない。こういう人をかりそめにも郵政事業の運営の、たとえ一時間といえども、その運行の衝に当たらせることが、はたして事業の長期的な展望に立った場合に妥当であろうかどうか。私は、こういう点に多大の疑問を寄せるものですが、さしつかえないですか、それでも。
#312
○政府委員(竹下一記君) 御懸念の点はごもっともでございますけれども、先ほど来るる申し述べましたように、ほかに救済の道もございますし、実益としてはそう変わりがないということで、それでやっていけると、かように存じております。
#313
○森勝治君 実益ということばは郵政の側から見た場合の実益でありましょう。その簡易郵便局で何か被害があった場合には契約者から損害賠償を取れば事足りるでしょう。ところが変な話でありますが、今度は契約者が外出して、代務者が執務しているときに強盗等に襲われた場合に、それは一般の刑法か何か適用されるだけで、国家公務員が法のもとに受ける恩恵というものは全く受けられないということになれば、これは何かその辺がどうもわれわれはぎごちないわけでありますが、この点はこれにどう対処されようとするのですか。
#314
○政府委員(竹下一記君) その場合は、代理者あるいは代務者が公務員でないというばかりではございませんので、受託者である個人その人が実は公務員ではないわけでございまして、公務員でないという点におきましては、受託者個人であると、その代務者であると同じでございます。そういうわけで公務員としての保護をやるべきであるという考え方は確かに一つの考え方としてあるわけでございますけれども、そうなりますと、これはこの契約は郵政省との雇用契約になるわけでございまして、簡易局の運営として委託方式あるいは請負方式、こういうものとまっ正面にぶつかる。これはもう基本的にこの構想を変えなければいけないということになるわけでございます。私ども、あくまでも委託契約方式で貫いてまいりたい。こういうことでございます。
#315
○森勝治君 いまのお答えの中で、契約者も公務員に一切関係ないとおっしゃるが、先ほどの説明の中では公務を取り扱う場合には公務員とみなす、こうおっしゃっておられたのだが、前言をひるがえされたのですが、その点。
#316
○政府委員(竹下一記君) 受託者たる個人はもともと公務員ではございません。ただ公務に従事するにつきまして、その関連においては公務員とみなすと、こういう制限があるわけでございまして、もともと公務員でないわけでございます。
#317
○森勝治君 そうすると、あなたの言われる公務員というのは、いま説明されたのは社会通念上郵政の国家事業に参画するからいわゆる社会通念の公務員だ、中身をあけて見たら請負だから全然他人さまだ、こういう説明ですか。
#318
○政府委員(竹下一記君) かりに私が受託者であるといたしますると、私はそれだけで公務員であるというわけではございません。ただの民間の人間でございます。ただ簡易局の仕事を行ないますについて、郵便を引き受けたり保管したり、貯金したり払い出したり、そういった仕事をやるにつきまして、その場合には公務員とみなすと、こういう制限局な規定でございます。
#319
○森勝治君 ですから、仕事をやっている間は公務員でしょう、いまの説明では。
#320
○政府委員(竹下一記君) 仕事をやってる間は公務員でございます。
#321
○森勝治君 そうでしょう。したがって、くどいようでありますが、そうなれば、その仕事に従事してる期間中におけるもろもろのできごとというのは、すべて公務員法によって保護され、公務員法によって制裁を加えられる、こういうことですね。
#322
○政府委員(竹下一記君) 私の説明は、まことに不十分であるんですが、その人は身分が公務員でございませんので、国家公務員法あるいは規則、それを受けましたいわゆる公務員に適用される一般的な規制は受けないということでございます。
#323
○森勝治君 私は、最初から法律的な立場でお伺いしてるんです。あなたのいまの説明だと、公務員でないということが明確になりました。そうでしょう。それを公務員、公務員と、仕事に従事してるときは公務員だとおっしゃる。そうでしょう。ところがいまの話では、一切法の制約を受けなければ、これはれっきとした公務員ではないでしょう。その辺のことをひとつ明確にしていただかないと、われわれは混乱いたしますからね。ちょっと整理してください。
  〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
#324
○政府委員(竹下一記君) 公務員でないのでございまして、公務に従事するにつきまして公務員とみなすという規定でございますが、その内容は、先ほど申しましたように、公務執行妨害あるいは偽造公文書、虚偽の公文書作成、こういった刑法上に規定されておりますところの公務員法令、公務員に適用を予定されております条項の適用を受けます。したがって、身分が公務員でございませんので、一般的に身分法的なもの、国家公務員法、こういったものの適用は元来受けないと、こういうことでございます。
#325
○森勝治君 広義に解釈するならば、週三十時間という拘束時間がある以上は、それは勤務時間の短縮だけでありまして、六十時間であろうとも七十時間であろうとも、同一扱いが本来法の精神ではないですか。仕事するだけ公務員、その他は公務員扱いにはしないということになれば、それは何かしら扱い上の処理に手落ちといっては失礼ですが、若干不備なところがあるような気がしてならぬわけです。勤務時間が三十時間という拘束時間があるでしょう。私は、勤務時間というのはないんだと、こういうお話ならばわかるが、週三十時間を下るべからずという勤務時間まで明記してるならば、当然これはそういう法の制約があると同時に、法の保護が受けられてしかるべきものだ、私は、こういうふうに理解するんです。
#326
○政府委員(竹下一記君) 十一条に第二項がございまして、「前項の者には、国家公務員法の規定は、適用されない。」と、こういう規定がございますので、この人は、公務に従事するについて、刑法上公務員の扱いを受ける。ただし、国家公務員法上の公務員ではないというわけです。
#327
○森勝治君 刑法上、いわゆる処罰の対象の場合には国家公務員として扱うが、その当事者が身分上享受すべき問題についての権利というものは与えない、こういうことですね。
#328
○政府委員(竹下一記君) そういうことです。同時に義務も課さない。たとえば国家公務員に要求しておることには、職務に従事していないときについても、ある程度の縛りがあるようでございます。そういう縛りはもちろん受けない。
#329
○森勝治君 あなた、いま、いみじくも義務は課さないと言ったが、国に迷惑をかけたら国家公務員法で取り締まると言ったじゃないですか、義務を課しているじゃないですか、制約対象になるじゃないですか。
#330
○政府委員(竹下一記君) 私が申し上げたいのは――いまおっしゃったのはちょっと私思い出せないんですが、申し上げたいことは、この人は身分的には公務員でないんでありますから、いわゆる国家公務員としてのいろんな義務は負わないというのです。繰り返しになりますが、そういうことでございます。
#331
○森勝治君 どうも、くどく質問して恐縮でありますが、どうもわからないんですよ。説明が二転三転しています、失礼でありますが。私の設問の内容が欲ばりなのかもしれぬ。どうも、あなたの話は公務員のごとく、公務員ならざるごとく、たなごころを返すがごとく、返さざるがごとく、これを称してぬらりくらりという、まことに失礼でありますが、もう少し明快にお答えいただきたい。たとえば契約であっても何でも、これは労務の提供でありましょう。そうでしょう。特にここで明記されていることは、この労働時間は週三十時間を下るべからずという契約の内容が一つ入っておるでしょう。それは拘束時間でしょう。拘束時間というものがありながら――だけど普通局には四十何時間という制約があるでしょう。交代制の場合にはそれは上回る場合もあるでしょう。それはやはり職場々々のケース・バイ・ケースによって勤務時間をきめるわけです。そうでしょう。ですから請負という契約を持つが、これは労働ば週三十時間であるという、一週間の拘束時間を設けておるわけです。仕事も一般職員と何ら変わりない。それで国家公務員扱いをしない。法律的にいってどういう解釈を下すんですか。その点、勤務時間がないというのならいざ知らず、勤務時間は一週間に三十時間を下らず。開局の時間は何だと言ったら社会通念上という、それなら社会通念上というのは、われわれ昼間働いて夜寝るのだから昼間が開局の時間ですねと言ったら、ごく一部を除いてそうであります。そこまでさだかにきめておきながら、仕事をするときは国家公務員、処罰の対象は国家公務員、被害を受けたら対象にならない。あなたも先ほどいみじくも法的に若干疑義があるかもしらぬという発言をされておるから、私はこれ以上言いたくないのでありますが、その辺をもう少し明快にしていただかないと、私のような頭では理解できませんわ。
#332
○政府委員(竹下一記君) 私の説明がうまくないものですから、誤解を与えておるようでございますが、窓口を開いておる時間が週に三十時間、一日平均五時間、五時間の間その人は公務員であると、こういうふうに申し上げたつもりはないのでございまして、何かそこでちょっと誤解が起きておるようでございますが、はっきり申し上げますけれども、勤務時間は法令公務員には関連がないわけで、勤務時間といいますか、窓口開局、窓口時間は関連はございません。十一条に書いてありますことは、窓口時間のことは何にも触れておりません。ただ公務に従事する、それに関連して公務員とみなすという規定がございますので、窓口時間とは関連がないわけでございます。その点につきまして、私の説明があるいは不十分でございまして、御納得をいただけなかったかと思いますが、訂正をいたします。
#333
○森勝治君 それではさらに、奥の深い話を質問いたします。具体的に公務に従事する時間というのは週三十時間のことをさすんでしょう。拘束時間ですか、それは何です。その点がわからないです、あなたの言っていることが。
#334
○政府委員(竹下一記君) 週三十時間の窓口取り扱い時間は郵政局長と個人との間に取り結びましたる契約書にうたわれておる契約の内容、こういうことになっておるわけでございます。
#335
○森勝治君 先ほどの説明では、週三十時間を下るべからず、勤務する時間は一週間三十時間以上ですよと、こういう説明でありましたから、日曜を除いて土曜を普通に数えても、一日に五時間以上勤務するんですねと申し上げたら、そうですという答えがはね返ってきたわけであります。あなたの言うように、百歩譲って国家公務員でないとおっしゃったとしても、かりに一般労組法との関連からいたしましても、拘束時間週三十時間という契約があるならば、勤務時間は、それは職場職場によって違うんですから、形態は違うでしょう。しかしそうであるならば、当然これはもう労務、いわゆる役務提供、労務契約として認定されてしかるべきもんです、一般労組法の見地からいっても。私はそういうふうに理解している。それならばそれは郵政の職員としてみなしていいんじゃないですか、一週三十時間拘束するならば。勤務時間がありませんというなら理解をするのです。拘束時間がないというなら理解をするのですよ。物がきたら物だけ扱います、百通きたら百通分だけ扱いますというなら話はわかるのですが、一週に三十時間勤務するのですよと明言されるから私はわからない。そうすれば、職場によって、山田という会社は五十時間、青島さんところは一週間十時間、青島さんは財閥だから、職員は勤務時間が少なくなる。これは個々のケースでよろしいんです。しかしそういう契約を結べば――拘束時間を設ければ雇用になるんでしょう。雇用になるならば、それは一般職員の四十八時間で、労働協約とかその他の結びつきもあるように、個々の結びつきからいってもそれは郵政の職員扱いをしてしかるべきもの。そうすれば一般労組法の適用ではなくて、国家公務員法の適用があってしかるべきものだと思うのです。三十時間の拘束があるとおっしゃった、だから私のこういう設問になってくるのですよ。その点、明確にしてください。
#336
○政府委員(竹下一記君) 三十時間を下らない時間窓口を開いておくということは、これはある意味においては拘束でございますけれども、つまりお客さんが来る、その間に――お客さんが来た場合にその事務を処理しなさいと、こういう民法上の契約でございまして、
  〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕
いわゆる公務員の場合あるいは会社の労働者、そういった雇用契約に基づきまして、労働を提供する人に適用がある労働時間あるいは拘束時間、そういうものとは全く性格が別のものでございます。一日に五時間、この間窓をあけておきなさい。そこにいろいろな、郵便を出しに来たり、貯金をしに来たりしますから、その間は受け付けなさい、こういう趣旨のものでございまして、五時間勤務をしなさい、そういうものとは性格が違うわけでございます。
#337
○森勝治君 たとえば一日に五時間なら五時間、窓をあけなさいと制限を加えて、来るもの拒まずでしょう。全部受け付けなきゃならぬでしょう。いつ来るかわからぬでしょう。使いに行っていいんですか。それはいけないでしょう。本人がいない。よんどころないときでない限り代務者は使ってはいけないのですから、法の精神からいって。当然拘束されるでしょう。そもそも拘束とは何ぞやというと、一週間三十時間拘束する、完全なそれは労務契約じゃないですか。あなたの言うことがおっしゃるとおりなら、郵便局にいる、一般国家公務員の諸君でも仕事しているときだけが公務員で、仕事していない、こうやってお客が来るのを待っている時間は勤務時間に入れないという説になるのですよ。どうなんですか、この点。
 委員長、若干整理してもらってください。五分間休憩を要求します。
#338
○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#339
○委員長(近藤信一君) 速記をつけて。
#340
○森勝治君 私は、一週間三十時間を下るべからずという役務提供の契約がありますから、くどいようであるが、これは三度発言しますが、そうなれば日曜を除いて土曜日を平日扱いにいたしまして一週間を六日と換算いたしますと、一日がすなわち五時間だけ窓口をあけておくということであります。そうでしょう。窓口をあけましたが、よそへ使いに行ってよいということではないでしょう。そうでしょう。そうですね。窓口をあければそこにいなければいかぬでしょう。
#341
○政府委員(竹下一記君) 整理をいたしましたのですが、整理の第一点は、いま御指摘のことでございまして、そこに一つ私の説明の不十分から誤解が一つあったようでございまして、週三十時間窓口をあけておくこと、これはいかにも契約でございます。平均しまして一日五時間ということですが、この間は窓をあけておきまして、やって来ましたお客さんに応待しなければいけない。これは確かに契約上の義務でございますが、その五時間に受託者は専念しなければならないというしばりは実はないわけでございまして、通例はその人はおるでございましょうけれども、生理上の都合であるとか、いろいろなことでその場を離れることがあるわけです。これは日常そういうケースは多分に出てくるわけでございまして、ちょっと町まで出かけてくるとか、そういったことがございますし、もともとこの受託者たる個人は兼業ということも予定しておるわけです。簡易局の仕事をしながら片やこちらのほうで雑貨商をやるとか、たばこを売るとか、そういったこともこの契約の上では認めておるわけでございまして、いわゆる雇用契約に基づく勤務時間、拘束時間というものとは基本的に性格が違うということを申し上げたいと思います。その点不十分でございました。
 それから法令公務員でございますが、刑法の適用についてのみ公務員とみなす、公務に従事する際の公務員と申しますことは、刑法の適用についてのみ公務員とみなす、これははっきりとしました定義でございまして、したがいまして国家公務員法上の公務員とは基本的に相違するわけでございます。
#342
○森勝治君 先ほど私の質問の中では病気その他の場合にのみ代務という制度を活用する、こういうお答えをいただいておるのですよ。だから、いまのような質問になるのです。そういうことじゃなくして、たとえば〇〇協同組合の理事長さん、理事長さんと結んだけれども実際の郵政事業の協力者はそこの職員でしょう。個々の場合でもそういうことでいいんですよという説明なら私はこだわらないのですよ。あたかも個々の個人契約と団体契約では役務の提供が違ったかのごとく私は印象づけられたから、週三十時間という拘束時間があるということは、それはもう契約だ。労働協約という団体の名において勤務時間を契約するのも契約でありますが、個々の契約も契約であります。すなわち労働組合のないところは個々の面接で契約をきめるでしょう。そうであっても一般労組法の適用を受けるわけです。ある者は三十時間、ある者は二十時間をきめるわけです、多い少ないはそのときの話し合いできめるわけですから。そうなりますと一般公務員と同じ扱いをしてよいのではないか。そっちの説明はけっこう……。そういう気がしてならぬから私は申し上げた。ところが、いま整理したとおっしゃって刑法の適用についてのみ国家公務員であるとおっしゃるのだが、国家公務員たり得る資格というものは国家公務員法に認定されたもろもろの条件を具備しなければ国家公務員とみなすことができないわけであります。処罰するだけ国家公務員であって、報酬とかその他については契約だから知らない、これでは法というものは片手落ちではないか、私はこう思うのですよ。先ほどから法の不備だとおっしゃるから早晩この問題で私の投げかけたこの問題があるわけですから、当分これは関係方面と協議していただいて、ひとつ整理をしてもらいたい。いいですね。整理をしてもらいたい。それだけお約束願いたい。あとは次の質問に移ります。
#343
○政府委員(竹下一記君) 今後とも整理に努力いたします。
 で、ただ、刑法上の公務員――法令公務員は、ここで申しております受託者の場合がそうでございますけれども、世の中にはほかにも幾つか例がございまして、たとえば簡易保険福祉事業団の役員は、この事業団法の中に規定がございまして、この法令公務員――公務の執行につきまして刑法の罰則を受ける公務員である。事業団の職員は、もうすでに公務員ではございませんけれども、いわゆる刑法公務員という規定を受けております。それから日銀――日本銀行の職員、これは民間の人ですけれども、何ですか、国庫金の取り扱いにつきましてはいわゆる公務員と同じような扱いをこれは受けておるようでございまして、そういった例も間々あるわけでございます。
#344
○森勝治君 局長、いま他の団体の話をされましたが、そう広範な話に持ち込もうなどとは、私は毛頭考えておりません。逓信事業というこの国の、国家事業の一分野についてのみ言及しているのですから、間口を広げないでおいてほしい。これは私のほうからお願いです。
 同じ職場で契約をされているものの扱い方が違うから、私は疑問点を率直にぶつけているわけですよ。まあ整理されるという話ですから、これ以上深追いはいたしませんが、どう考えても、私は適用条文のどこが間違っているか、どこか穴が抜けているような気がしてならぬ。私は率直にそういう印象を受けました。私のほうも勉強いたしますが、そちらのほうも、ひとつぜひとも、博学の皆さんに勉強せいなんという思い上がったことは言いませんが、とにかく、もう少し研究をしておいて、あとで……。
 最後にちょっぴりへりくだった発言をしておいて、次に移りたいと思うのでありますが、この参考資料を見ますと、この年度別簡易郵便局数の調書の中にあります廃局という問題が何局かありますが、この廃局をされた理由は何ですか。先ほどのように、何か特定局か普通局の開設の場合に廃止するなんという話がありましたが、その廃局の理由をひとつお聞かせ願いたい。
#345
○政府委員(竹下一記君) 簡易局は、制度開始以来、ことしの二月末日までに五百局廃止いたしておりますが、その理由は一番大きいものは、その場所に無集配特定局を置くようになりましたので、片一方の簡易局をやめたというのが二百十二件ございます。これは廃止の最大の理由になっております。そのほか町村合併、役場の支所が廃止になったといったようなことでやめましたのが九十七局ございます。それから地況の変化によりまして取り扱い事務量が非常にわずかになった、もう経営をする意味がなくなったというようなことでやめましたのが百二十五局、それから炭鉱が閉山になったり、ダム工事が終わったというようなことでやめましたのが八局、事故、犯罪が起きまして、それで閉鎖をいたしましたのが十一局、それから受託者のほうから解約の申し出がございまして、それでやめましたのが四十四局になっております。
#346
○森勝治君 改正案の第十九条ですか、「委託契約の解除」という条項がありますが、これは契約の解除ということは、その局が直ちに廃止ということになるのでしょうか、ならぬのでしょうか。その点。
#347
○政府委員(竹下一記君) 十九条で申しております「委託契約の解除」は、イコール廃局と、そういうことでございます。
#348
○森勝治君 その場合に、廃局はけっこうでありましょう。時代の推移とともにそうなるでありましょうが、しかしその窓口を利用した国民の迷惑はこの上もないわけでありますから、この窓口機関の確保についてはどうされるおつもりですか。
#349
○政府委員(竹下一記君) この委託契約を解除して廃局するにつきましては、よほどの事情がなければやらないという方針でございまして、無集配特定局に切りかえられた、これはもう当然でございますけれども、そのほか、この取り扱い事務量が僅少のゆえをもって廃局する場合におきましても、ほんとうにその利用の実態を眺めてみまして、置くに値しないものかどうかをよく調査をいたしまして、慎重の上に慎重を期して廃局に踏み切る――最終的には踏み切る、廃属します場合にも。そういう配慮をもってかかりたいと思います。
#350
○森勝治君 慎重、もとよりそれは賛成でありますが、当該局がなくなったことによって周辺の利用者の不便がそこで派生するわけでしょう。国民の利便のために提供していて、省の一方的な都合によって廃局すると、迷惑は周辺の住民にかかります。これをどう対処されるのですか。
#351
○政府委員(竹下一記君) お話のように、廃局することによって地元の皆さん方に非常に不便を与えるというようであれば廃局しないわけでございます。廃局するということは、地元の住民の方々にさほど不便をかけないのだという確信に基づいて廃局をすると、こういうことでございます。
#352
○森勝治君 そういたしますと、社会通念上、廃局するのは、特殊な問題、事件のある場合ですね。通常の場合は、特定局もしくは普通局というものが近隣にできない場合には大方廃止をしないであろう、こういう理解をもって、よろしいですね。
#353
○政府委員(竹下一記君) 大体それでよかろうと思いますが、地況に大きな変化がありまして、部落がごっそりいなくなるとか、あるいは委託をしておりました市町村の施設がなくなるという場合には――もっとも、この法の改正によりまして個人委託という道が開かれたわけでございますが――従来ですと、そういうケースが多かったわけでございますが、委託すべき施設がなくなったという場合には、これはやむを得ませんから廃局しておったわけでございます。
#354
○森勝治君 局長、いかに山間僻地の話をしておるとは言いながら、その部落に何人も生存をしないのに簡易郵便局だけは厳として据えておけなどという頑迷固陋な設定をもっての質問は行なっておりません。そういうことはさておきまして、この個人委託によって、簡易郵便局というものがいわゆる事業の私物化というような印象、もしくはそういう傾向をたどることがないかどうか。もしそういう懸念がかりにもあるとするならば、その結果、その地位の売買というような不祥事も派生しないとも限らぬわけであります。あながち、これは私の杞憂であれば幸いでありますが、その辺のかね合いはどうされようとされるのですか。
#355
○政府委員(竹下一記君) この法律にのっとりまして、この法律の精神を十分身に体しまして、これを実施に移していくにつきましては、御指摘のような地位の売買であるとか利権の対象になるとか、なんとか、そういったものは起きないと存じますが、かりにもそういうことになりましてはたいへん遺憾なことでございますので、絶対にそういうことのないように十分運用上留意してまいりたいと思います。
#356
○森勝治君 従来、郵便局という名を聞けば局長さんはたれぞということになります。いわば局の代表者であります。簡易郵便局の場合には、団体契約の場合におきましても、この簡易郵便局を代表するものを局長の呼称をもってするのかどうか、いわゆる代表者を局長と呼ぶのかどうか、このことを聞きたい。
#357
○政府委員(竹下一記君) 契約の上では受託者ということでございますが、今日までの実情、実態を見ておりますと、地元の住民の方々から局長さんと、こういうふうに言われている例もあるわけでございまして、その辺のところは、その地方、地方のやり方、自然な呼称、そういうものにおまかせをしておいていいのではなかろうか。局長と通称申しましても、正式の郵政省の組織の上の局長ではもちろんございませんが、通称として局長という名前が使われてもけっこうではなかろうかと、かように存じます。
#358
○森勝治君 使われるのはけっこうでありましょうけれども、まぎらわしいということ。国家公務員でないという立場からいたしますならば、局長という名を冠すること、社会通念上呼ばせることも、これはいけないのではないでしょうか。当然この辺も慎重な対処があってしかるべきものと私は考えます。あなたのほうのひとつお考えを聞かせていただきたい。
#359
○政府委員(竹下一記君) その場所には簡易郵便局という表札を――これはりっぱな表札を掲げてほしいと思いますが――掲げてもらって仕事をやっていただくわけです。それから受託者である個人の方々には、やはり国家の仕事、国の仕事をやっておると、簡易郵便局の仕事をやっておるんだというプライドと、何と申しますか、自信と、そういったものを身につけてやっていただけますならば、局長というような名前で地元の人たちから呼ばれるということは、むしろたいへんな誇りでございますし、そういう名前で呼ばれますと、さらにプライドを持ちまして、張りを持ちまして仕事を今後ともやっていただくと、そういうメリットもあろうかと存じまして、たいへんけっこうではなかろうかと思います。
#360
○森勝治君 局長と呼ばれることが誇りだとおっしゃる。それは少し安きについたことばではないでしょうか。国家公務員でないものを局長、局長と言って庶民の心をあたかもくすぐるがごとき言辞を弄することは、行政的に必ずしも私は賛意を表しがたい。あまりにもそれでは通俗的だ。逓信事業という高邁なる理想を掲げておるその総本山の担当局長のことばとは思えない。いまのはざれごとと思って私は受け取らない。そういうふうに自信と責任を持たせるならば、なぜ国家公務員としての道を開いてやらないのか。処罰するときだけ国家公務員にする。国家公務員法の抵触は、一般刑法のほかに、国家公務員として重罪を二重に手かせ足かせになるでしょう。処罰するときは非常に苛斂誅求であって遇する道を考えない。局長という名前で呼ばせて喜ばせる。これで得たり賢しとすることは、私の立場からいたしますならば拍手を差し控えたい。したがって、そういう点についても、いつまでも地元に局長と呼ばしているからいいんだということではならぬ。局長であるならば名実ともに、内も外も、精神的にも物質的にも遇する道を開いてやるのが、これが正しい行政のあり方だと私は思うんであります。
 そこで、さらにお伺いするんでありますが、この契約の場合にいわゆる世襲というものをお認めになるのかどうなのか、当事者一代限りなのかどうか、このことをお伺いしたい。
#361
○政府委員(竹下一記君) 世襲ということは考えておりません。やはり現在やっておられる受託者の個人が何かの事情でやっていけなくなった場合には、別の受託者を選考するということが筋道だと思いますし、また手続といたしましてもそういたさなければならないわけでございますが、実際上の問題としては、後継者にたいへんりっぱな人、社会的信用があり、事務能力もあるという人がこの受託者たることを志願されました場合には、結果としてその人があとを継がれるというケースはあろうかと思います。
#362
○森勝治君 それは理論的にはっきりと区分できますか。
#363
○政府委員(竹下一記君) 理論的には区別ができるわけでございまして、つまり委託契約の相手方がいなくなるわけでございますから、その委託契約は解除しなければならない。代を変えるについては、新たに契約を結び直さなければいけないわけでありますから、理論的にも手続的にも区別ができるわけであります。
#364
○森勝治君 しかし、契約を受けた者は、その約束に従って、そこに新たに局舎をつくるわけでしょう。先ほどのお話にもありましたように金庫を置く、カウンターも置く、いわゆる窓口というものを設置する。投資ということばは必ずしも適切な表現でないかもしらぬが、いまのことばで言って何がしかの資本を、最低の開業に要する費用をそこへ投下しているわけですから……そうでしょう。だから、それを今度は別な角度から、そう簡単に、山田さんだめだから、じゃあ岡田さんにと、そうちょろちょろいくわけにいかぬでしょう。そうすると、私がそのものずばりで世襲という表現を用いたら、それは表現上ないとおっしゃるけれども、このままでまいりますと、理論上はともかく実際上はそういう姿が随所に見受けられるような形になってしまうのではないですか。その点をどう割り切られるのですか。
#365
○政府委員(竹下一記君) ある程度の金額を投資されたということはそのとおりでございます。ただし、それにつきましては手数料で見ておるわけです。いわゆる基本額は局舎に対する投資、あるいは備品、そういうものに対する投資に見合う償却費あるいは金利等を見込んで基本額を算出して支給いたしますから、経済的な面についてはペイして差し上げておる、こういうことがいえると思います。そういうことを内容とするお互いの契約ですから、そういう契約もあっていいのじゃなかろうかと思います。
#366
○森勝治君 それではさらに、開きますが、第十九条の2の四号ですが、受託者の制裁規定がここに出されております。受託者が委託事務の処理をことさら怠ったときは云々とありますが、これを認定する基準というものはどうですか。先ほどの話では、その局におっても、おらんでもよろしい、だれがやってもよろしいと言っている、代務者ならよいと、こうおっしゃった。ことさら怠るとはどういうことですか、どうやるのですか。一週間に三十時間窓口を開けとおっしゃっているのですから、看板をかけて、ドアをあけておけばいいと、そうおっしゃっているわけでしょう。ことさら怠惰な姿を、だれがそういう認定をするのですか、それは住民の申告ですか、密告ですか、通告ですか、それとも監察等をもってするのですか、制裁規定の基準というのはどこから出てくるのですか。
#367
○政府委員(竹下一記君) ことさら委託事務の処理を怠るという事例は、そうめったにないと思いますけれども、そういう事例が起きました場合には、必ずやその地域の問題になるわけでございまして、そのことは受け持ちの集配郵便局長の耳にすぐ入るわけでございます。そこで事実の認定はできると思っております。
#368
○森勝治君 ですから、ことさら事務の処理を怠ったという基準――たとえばどういうときに怠ったと認定するのですか。
#369
○政府委員(竹下一記君) ことさらというのは、いわゆる故意にということでございまして、委託事務を処理し得るにかかわらず、故意にそれを扱わないというわけでございます。まあそれに相対するものといたしましては、事務をやりたくとも天変地異等の何か特別の事情がございまして、不可抗力的にできない場合があると思いますが、ことさらといいますのは、そういうわけでございせんで、受託者個人がわざとやれるにもかかわらずやらない、こういうケースでございまして、これは特に申し上げるほどのことはないと存じます。
#370
○森勝治君 しかし、大切な郵政事業を、かりに契約の内容というもので万全を期することができないにしても、こういう間違った行ないをしたときには、これこれだという基準が当然示されてしかるべきです。ですから具体的な制約を――どういうときにどうするのか、ただこれは取り消すとあるばかりです。訓告もあるでしょう、戒告もあるでしょう、口頭注意もあるでしょう、文書注意もあるでしょう。それはどうして基準を定めるのですか。地域住民の申告といったって、それじゃ空空ばくばくたるものじゃありませんか、つかみどころがありませんね、よってきたる基準というものがあるでしょう、基準というものが。郵政のものさしがあるでしょう。
#371
○政府委員(竹下一記君) これは郵政局と受託者との間に取りかわしております契約書の中身にかかってくると思います。開いておくべき窓口時間を契約書の上ではっきりしておるにかかわりませず、それを著しく開閉の時間を契約どおりに行ないませんで、地元の人たちに不便をかけるというようなことは、その一つかと思います。また代務者を立てまして郵政局にちゃんと登録をしておく、こういう手続があるにかかわりませず、代務者がいなくなった場合に交代を怠ると、そういうことになりますと、本人が不在のときに代務をする人がいない。勢い窓口で仕事ができない。これもあるいはこの懈怠の一つになるかもしれません。契約書の履行の関係になってくるかと思います。
#372
○森勝治君 ですから、契約書の内容を十分履行させるためには、相手方に罰則規定も明示する責任があるでしょう、いま言われた、たとえば故意に窓口をあけなかった、何時間あけなければ処罰の対象になるのか、戒告の対象になるのか、契約を取り消す対象になるのか、そういう目安というものがなければ契約を結べないでしょう、そうじゃないでしょうか。法律というのはすべてそうでしょう。そのかわりその約束を果たした者にはこれこれの報酬を与えてやるんでしょう、そうじゃないでしょうか。片一方ばかりに押しつけてはならないでしょう。反対給付する場合には、あなたがこれこれの約束を果たした場合には、こういたします、この約束に違反した場合にはこうやりますと、それぞれ適用があるでしょう。適用の基準を示さなければならぬでしょう、基準を示す責任があるでしょう。著しく怠ったときに罰則になると、何か基準を――三日休んだのが罰則になるのか、一カ月休んだのが罰則になるのか、そこがさだかでないでしょう。当然契約を結ぶ場合には、省の態度を明らかにすべきじゃないですか。これが制約の対象になりますか。
#373
○政府委員(竹下一記君) おっしゃるような契約の不履行といいますか、契約書に書き上げてありますようなことをやらないという場合のペナルティといたしましては、この法律第十九条に書いてございますように、解約をする、契約を解除するということに方針をきめたわけでございます。考え方といたしましては、一挙に解約にいたしませんで、その前にいろいろ罰則みたいなものが考えられますけれども、これはやはり簡易郵便局の性格から見まして、国家公務員に適用されておりますような行政罰、こういったものをこれに適用いたしますことは、簡易局の性格上不適でございますし、いろいろ考えました末に、ペナルティといたしましては、この契約の解除一本にしぼる、こういうことにいたしたわけでございます。
#374
○森勝治君 だから、契約の解除に値する、契約を怠ったという基準がなければ、約束を果たさない場合には解除する、解除すると一方的に言ったって、片一方は資本を投下しているわけですから、そうでしょう、そんな言いがかりをつけられては困るんですよ。こういうときには、だめですよと――たとえば理由もないのに一週間窓口をあけないことはいけませんよと、よってきたる基準というものがなければ、十九条の具体的な内容がないじゃないですか。これでなきゃならない。解除すると言ったって、具体的な基準があるでしょう、それを明示してほしいということです。
#375
○政府委員(竹下一記君) これにつきましては、実は契約違反の場合には、契約を解除するということだけで、そういう契約の取りきめでもって二十数年来やってきているわけです。その実情から見まして、別に支障を感じませんし、また先ほど申しましたように、簡易郵便局の性格及び実態から見まして、これで十分ではなかろうか、かように存じます。
#376
○森勝治君 なるほど権力を持たれている郵政当局として、しかも生殺与奪の権をお持ちですから、何ら痛痒は感じないでしょう、そのことは。しかし、やられるほうの立場も考えてやってください。そうでしょう。約束不履行は職員にだってあるでしょう。たとえば欠勤何日以上は次期昇給をどうするとか、延伸するとか、いろいろ制約があるでしょう。それで、あまり一方的な権限を行使するばかりじゃないでしょう。ですから、同じ契約違反にだって情状酌量はいろいろあるでしょう。ただ、じゃあすべて契約を少しでも違反したら解除ですか、そんなことないでしょう。やはりそこに情状酌量すべきものは酌量する、陳述を受けるものは陳述する、事態収拾をはかるためにたくさんあるでしょう。ただいきなり、約束を果たさないからばんばんとやるなんて、そんな強権をもって臨むがごときことはやめてもらいたい。だからひとつその基準を――もし基準がないとするならば、やはり早急に基準をつくってください。そうしなければ安心してそこでやれないでしょう。金を何十万、何百万か知らぬが、少なくとも何十万という金をそこへ投下するわけですから、一方的に約束を破ったからといってぱぱっとやれるものじゃないでしょう、実際上、そうでしょう。ですから、一つのある程度の基準が――目安というものがなければならぬでしょう。痛痒がないというのは、あなた方権力をお持ちだから痛痒がないのですよ。生殺与奪の権を握っておられるからですよ。だけれども、これを受けた人の立場をやっぱり考えてやらなければならぬでしょう。われわれの立場ではそうですよ。法律というものは、片一方にばかり加担してはならないのですから、あなたのほうも受託者側にも権利義務というものを明確にしてやるのが一番正しいあり方でしょう。そういう面から私は発言しているわけです。基準などはないというならば、あなた方の勘でおやりになるんでしょうか。勘でやっては行政はいかぬというでしょう。勘でやられてはいかぬという、そこに強権を生むおそれがあるからいかぬ、権力者があぐらをかく下地が出てくるからいかぬ。規則をつくりなさいという、そのことを申し上げている。
#377
○政府委員(竹下一記君) 法律の運用のことだと思いますが、もちろん法律をそのまましゃくし定木にやることは適当でないと思います。いかなる場合にも情状の酌量ということは考えなければなりませんので、やはり運用の問題かと思います。従来、この点につきましては情状酌量のことですから別に――なかなか基準をつくるということは技術的にもむずかしゅうございまして、やっておりませんけれども、御指摘の点につきましては検討いたしたいと思います。
#378
○森勝治君 それでは次へ移ります。
 現行の簡易郵便局の中で最高の事務量、これはどのくらいになりますか。
#379
○政府委員(竹下一記君) 四十二年度の実績がございますが、最高は、年間取り扱いが郵便につきまして二万二千三十三件、貯金の取り扱いにつきまして年間五万一千八百二件、こういうことになっております。
#380
○森勝治君 それでは特定局の最低の事務量は、いかがでしょうか。
#381
○政府委員(竹下一記君) お尋ねしますが、特定局ですか、簡易局ですか。
#382
○森勝治君 特定局です。特定局の最低の事務量。
#383
○政府委員(竹下一記君) これは、実は持ち合わせがございません。
#384
○森勝治君 それでは、その点をあとで御調査をしていただいて、私の手元に報告をお願いいたします。
 いまのお話にもありましたように、簡易局の最高の事務量はここで明言されましたが、特定局の最低の事務量については、まあこれは資料が手元にないとおっしゃって、ここで御説明がいただけません。私はそこに、特定局と簡易郵便局との分野が明確でないような気がしてならぬわけであります。したがって先ほども何件か簡易郵便局から特定局に昇格さしたというお話もありましたが、どの程度の事務量があるならば特定局に昇格させるのかどうか、まあ昇格ということばがはたして適切かどうか知りませんが、簡易郵便局がこれこれだった、特定局を設置することになれば、この簡易郵便局がどのくらいの事務量を扱えば特定局の線まで引き上げるのか、そのことをお伺いしたい。
#385
○政府委員(竹下一記君) 簡易郵便局の事務量は、ほぼ一人あるいはそれ以下ということを予定しております。したがいまして事務量が二名以上になるという地況におきましては、無集配特定局に切りかえられる条件を一応持ったところではないか、かように考えております。
#386
○森勝治君 そうなりますと、その簡易郵便局が一定の年月を経ていわゆる郵政側で見た特定局の設置基準に合致するようになりましたときに、それを特定局に、いわゆる通俗なことばで言う昇格をさせた場合に、その請負人であります契約者に対する扱いというものはどうされるんですか。
#387
○政府委員(竹下一記君) その時点におきまして簡易郵便局は廃局、別に無集配特定局の設置開局、こういうことになりますが、従来の簡易郵便局の受託者である個人は、そこで一応解約される、縁が切れる、こういうことになります。
#388
○森勝治君 そうなりますと、いまのは理論的なお答えでありましょうけれども、先ほどの世襲の問題で私が若干説明したときと同じように、この簡易郵便局の請負の方が特定局の経営に当たることもあるのでしょう。
#389
○政府委員(竹下一記君) 新しくできました無集配特定局につきましては、新しく特定郵便局長を選考しなければなりません。その場合には内規がございまして、特定郵便局長任用規程というのがございますから、それに照らして選考するということになります。従来の受託者でありました個人は、もしその意思がございますならば、新しくできます無集配特定局長たるべき地位を志願をする、そして選考の対象になるという道はもちろん開かれておるわけでございます。
#390
○森勝治君 もしそういう選考の基準に合致しなくて、やむを得ずして簡易郵便局が第十九条二項によって廃止を決定した。しかる後の局舎に対する、そこへその契約者が資本を投下しているわけですから、これらに対する費用弁償等という問題は、どう考えておられるんですか。
#391
○政府委員(竹下一記君) これは、先ほどちょっと申し述べましたが、局舎その他に対する投下資本に対しましては月々の手数料、その中の基本額という部分で見てきておりますので、契約を解除いたしました時点において、そのほかに特別の措置は要らないではないか、ということを考えております。
#392
○森勝治君 そうすると、利用するだけ利用して、用がなければ情け容赦もなく切って捨てる、企業性の最も顕著なあらわれだ、こういうふうに理解してもよろしいですか。
#393
○政府委員(竹下一記君) 今度の法改正で個人委託の道が開かれましたので、若干事情が違うと思いますけれども、従来やはりその方針でやってまいりましたし、この月々の手数料には投下されたものに対しまして十分ペイするだけのものを見ておるつもりでございますので、いまのところ、それ以上のことを考えておりません。
#394
○森勝治君 いまの御説明で簡易郵便局設置に当たる、その報酬として十分見返りを用意しているとおっしゃるが、その基準をお示し願いたい。ふえんします。基準ですから、一通幾らというのが出ていますね。そうでなくて、一つの標準があるわけでしょう。まさか千や二千で人をこき使うというわけではないでしょう、何十万円という資本を投下したのだから。一定の基準があるわけでしょう、その基準をお示し願いたい。個々の問題はよろしいです。
#395
○政府委員(竹下一記君) 月々の手数料の基本額に、先ほど問題になりました投下資本に対する支払いを見込んであるということでございますが、この基本額の算出につきましては、非常にこまかい数字の羅列になりますので、詳細は省略いたしますが、この局舎料の算出といたしましては、この算定上一律に五坪というものを予定しております。実際は五坪ではございません。三坪弱が実情かと思いますが、予算上五坪と、甘く見て基礎単価といたしておるわけでございますが、その局舎の耐用年数を見まして、その償却及び金利部門を見る。大体、特定局の局舎料の算出に対して七割見当のものが算出できる。これは私どもかなり余裕を見て、この局舎料の算出をいたしておる、先ほどの坪数を五坪にしたという点もそうでございますが、かなりの余裕を見込んでおるわけでございます。そのほか雑用費、薪炭費、備品類、これに対しましても購入単価及び耐用年数等々につきましては、適正なる基準単価を採用いたしておりますし、さらに準備整理のための人件費は毎年のベースアップの事情を織り込みまして――これは人件費だけではございません。物件費につきましても毎年単価の改定をする、したがって、予算を増額してまいっておりますが、そういうことを積み上げてやっておりますので、この手数料の算出につきましては、実態に即応した十分のものを実は見ておる、こういうふうに考えておる次第でございます。
#396
○森勝治君 簡易郵便局を設置することによって、いわゆる事業の支出ですね、黒字か赤字かというこの一言で片づけますと、どのくらい郵政事業の中で負担になるのですか。
#397
○政府委員(溝呂木繁君) ただいまから申し上げます数字につきましては、一つの前提がございますので、いろいろ誤解を招く場合も多いものですから、一応その前提を言わしていただきます。
 実は、このくりました資料は四十三年度においてつくったものでございます。それから、つくる目的は一つの郵政窓口を設置するのに簡易局を置いたほうがいいか、無集配特定局のうちの二人局――一番いま配置の少ない二人局を置いた場合、どちらが経済的に有利かということを基準にしてつくったものでございます。したがいまして、そこで経済比較をする場合の収入等につきましては、一種の擬制的収入をいたしております。これはあとで、どういう擬制をしたかは詳しく説明いたしますが、一つの擬制をして収入というものを見込む。それに簡易郵便局手数料を支出し、片っ方の特定局のほうは局長、局員の人件費等を支出するということになりますが、いずれにしろ、一つの擬制が行なわれておる点が一つのポイントでございます。
 それから、これは簡易局につきましては百九十五局を抽出したということでございまして、抽出局数はあまり多くないということでございます。それから特定局につきましては、二人局につきましては四十八局を抽出した。こういう前提を置いて計算いたしました結果は、郵便、貯金、保険すべてを入れまして、収入、費用を差し引きますと、簡易局では一応六千円という赤字の数字が出てまいりました。二人局では百二十七万一千円という赤字が推計されました。
 そこで先ほど申し上げました、この赤字が出たもとの収入というものを、一応どういうふうに推定したかということをごく簡単に御説明しますと、まず郵便につきましては、そこの局で――調査局でありますが、一局平均の郵便の引き受け物数というものを全部調べました。大体窓口で引き受けますので、書留通常とか普通速達とか、あるいは小包というものがその窓口で引き受けられるのでありますが、その通数を調べまして、それに配付収入とわれわれは言っておりますが、書留が一通ありますと、ほんとうは書留というものは六十円、それに通常一種でありますとそれに十五円で、七十五円というものが収入になるわけでありますが、そういう収入をかけちゃいますと、その局だけのメリットでないものが出てきますので、一つの郵便物を引き受けますと、その引き受けた収入というものは配達部門まで全部ペイするための収入でございますので、その引き受け部分に相当するだけの分をその局に配付し直す、そこが一つの擬制になります。そういう意味の配付収入単金というものをそれぞれの物数にかけまして、したがいまして、無集配特定局におきましても、同じようにその調査した一局平均のそれぞれ同じような引き受け通数というものにそれぞれの同じ配付収入単金をかけまして、それぞれの収入をとったということであり、それから貯金につきましても、同じように為替振替等につきましてはそれぞれの一局平均の口数を出しまして、これを同じように収入配付単金というような単金をかけました。それから貯金につきましては、いささかちょっと芸をこまかくいたしまして、その簡易局の一局平均の貯金残高というものを一応推定いたしました。無集配局においても同じように一局の平均の貯金残高を出して、その貯金残高に一定の利子率というものをかけまして、それがその局での収入源になるというように考えた率を出しまして、それで収入というものは推計しました。こういうようにいたしまして、郵便あるいは貯金、保険につきましても、そういったような一定の件数というものを出まして、その件数に同じように配付収入単金をかけた。そしてそれぞれの収入を推計しました。支出のほうは、これはもう簡易局に対しましては簡易局手数料、これは私のほうから払うわけでございますので、郵政省側としてはそれが支出になります。それから特定局のほうは、ずばり局長、局員の人件費、あるいはその局で扱った支出というものは、直接費的な支出はそのまま調査ができますので、それを充てる。それに支出のほうは、さらに管理共通の負担分と申しますか、間接費をそれにそれぞれ足しまして、そして支出というものを推計した。そうしたいろいろの推計をいたしました結果、簡易局についてはその収支が六千円の赤字、二人局の無集配特定局については百二十七万一千円の赤字が出たと、こういうことでございまして、この数字は現実的にその局の赤字という意味でなしに、一つの経済比較上の収支上の赤字と、こういうふうに御了解願いたいと思います。
#398
○森勝治君 まあ、るる御説明があったわけでありますが、簡易局を置くことによって周辺の局の減収の見込みというのは、年間どのくらいになるんですか。
#399
○政府委員(溝呂木繁君) そういうものは、いま調査したものはございません。
#400
○森勝治君 それはぜひ調査してお示しを願いたい。お約束をいただきたい。
#401
○政府委員(溝呂木繁君) 実は前に、そういった問題についていろいろ議論があったんでありますが、いままで一つの局の窓口がありまして、その周辺に一つの郵便局なり簡易局ができた場合に、それがもう一つのほうの局にどう影響を与えるかということは、実はそれだけの原因で増減というものは不可能だというふうにわれわれ考えております。ということは、その一つの局の増減というものは単なる局ができたことだけによる増減でなしに、社会的ないろいろな事情によって増減されますので、その増減のうち、この分だけが新しく局ができたための増減ということはまず不可能に近いんじゃないかということで、調査はいたしておりませんが、しかしそれはおおよそ特殊な例で、ある特定局で近くに簡易局ができたためにこういうものは減ったというような、何か具体的な事実がそこでその局から申し出があれば、これは調査をしてみる方法もあろうかと思いますが、一般的にはほとんど不可能に近いんじゃないかということで、いままで調査をしておらないわけでございますが、もう一回その辺を研究してみて、もしお説のような調査が可能であれば調査してみたいと、こういうふうに思います。
#402
○森勝治君 不可能ということでは私はないと思うのです。いまのお話の中を私なりに勘ぐってみますと、局が一つよけいにふえたんだから、利用者の数が多くなったんだということを印象づけようとしておっしゃっているような気がしてならぬわけです。これは私の邪推でありますけれども、しかし局がふえようが、ふえまいが、国民は必要なときに必要なつど郵便局を利用するわけですから、ぜひともその調査をしていただくことによって、この簡易郵便局の必要性あるいはまた特定局、普通局とのもろもろの対策等の資料になると思うのです。もちろん私は、全国すべてその対象にせいなどとは言いません、費用もたいへんでしょうから。先ほどのお話にも抽出報告がありましたが、抽出でけっこうでありますから、その流れる筋を私は追ってみたい。したがって、そういうことをいまお願いしたわけであります。
 そこで人事局長に定員問題でお伺いするのでありますが、この簡易郵便局を置くことによって、周辺の特定局と普通局も含みますよ、その事務量が私は減少するような気がしてならぬわけであります。調査は不可能とおっしゃるが、これはまた別な角度で調査してくださるというお約束ですから、それに期待をかけますけれども、利用する国民のその利用度合いは当然同じでありますから当然減少するような気がする。そうなりますと、従来の郵政のいき方だと、直に定員を減少するということにややもすればなりかねないような気がしてなりませんから、私はこの点、とくと担当局長にお伺いしておきたい。
#403
○政府委員(中田正一君) 簡易郵便局が設置された場合のその周辺の特定局あるいは普通局の定員の算出につきましては、これは郵務局の指導によりまして郵政局が行なっております。人事局は直接タッチしておりませんので、郵務局のほうから詳細答弁があろうかと思います。私のいままでの経験からいたしますれば、簡易郵便局が設置されたことによりまして、その周辺地域の郵便局の定員をどうするかというのは、具体的に業務量の状況を見ましていたすということでありますので、簡易郵便局が設置されようと、されまいと、別の資料によりまして算出が適正に行なわれるというふうに存ずるのでございます。
#404
○森勝治君 私は、定員の問題はあなたのほうの所管だろうと思うから、基本的な問題をお伺いしたわけです。いま簡易局が設置されようとされまいと、ということばがありましたが、当然定員を算出する局としては、それぞれの現業部門からの要求をまつまでもなく、そうした総体的な関連のもとに定員の測定というものをされてしかるべきではないか。いま経理局は資料がないとおっしゃるが、物の流れ、郵便物の流れ、人口の動態をかねてからおやりになっているじゃありませんか、皆さんは。おやりになっていることを、どうして簡易局をつくるということについて、まあ他を刺激してはならぬという深い配慮があってそうおっしゃるのかもしれませんけれども、ぜひそういうことをおやりになって、簡易局のできた効率というものを、効罪――罪まではいきませんが、つくることが事業の進展になるのか、つくることによって周辺の局に何か及ぼすのかどうか、こういうことは当然把握されてしかるべき問題と私は考えておるわけです。事業の全般ですね、郵便の部門とか保険部門とかいう小なる部門ではなくして、郵政事業の全体的なあり方としても当然これは把握されてしかるべきものと、私はこう思うのですがね。たとえば恩給をとる場合、年金等の受給者の場合でも簡易局でおやりでしょう。そうすると、向こうにいくのに、近くだったらこっちにくるでしょう。そこで当然月末の累計の点に影響を及ぼすことは明らかでしょう。特に山間僻村でありますから、人口の動態というものはあまり急激な流れはないはずでありますから、当然把握されれば――まもなく把握されるような気がしてならぬのです。私は、しろうと考えで申し上げているわけですから、しろうとの考えは必ずしもくろうとの皆さん方の胸にうんとうなづかせることはできませんけれども、しろうとから見ても把握ができそうな気がしてならぬわけであります。これは事業の全般的な――簡易局を設置する賛否という立場を離れても、事業の流れというものは当然明確に把握しておくべき責務があるだろうと思うのです。その点についてお伺いをしたいと思います。
#405
○政府委員(竹下一記君) 人事局におきましては定員の全体の経理をいたしますが、郵便、貯金、保険の事業定員の算出、その取りまとめにつきましては郵務局がやっておりますので、その立場からお答え申し上げます。簡易郵便局が新たにできました場合、考えられますことは、郵便の取り扱う事務量につきましては、これは多少の影響は近隣局にいくであろうと存じます。貯金の取り扱いにつきましては、これは必ずしも近隣局の事務量を減にする要素にはならない。と申しますことは、その局ができることによって、その地域に新しい貯金の需要を換起するという面があるわけでございまして、その簡易局ができましたらば、そこで新しく預金をするという人が出てくるわけでありますから、必ずしも近隣局の事務量の減を来たさないとは思いますが、何がしかの事務量の変動があろうかと思います。そういうことをひっくるめまして結論を申し上げますと、そういう多少の変化はございますけれども、省といたしましては、簡易郵便局の設置に伴って近所の特定郵便局の事務量の変化等をつかみまして減員をするとか、あるいは特定局でありましたものを事務量の減を理由といたしまして簡易局に切りかえるとか、そういった措置は絶対にいたさないということを、方針として堅持いたしておるわけでございます。
#406
○森勝治君 現在の、現行の簡易郵便局の定員の配置状況、それをお示し願いたい。
#407
○政府委員(竹下一記君) 配置人員の多い局が、少数でございますけれども若干ございます。これは二月末日の調査でございますが、四人局という簡易局が全国で一局ございます。それに三人局というのが五局ございます。二名局というのが二百四十局ございます。これには説明を要しますが、いま申しました四名、三名、二名というものがかかりっきりで簡易局の仕事をやっているというわけではございません。役場の仕事をやる、あるいは協同組合の仕事をやる、同時に、お互いに共同しまして簡易郵便局の仕事を交代でやる。ともかく四名の人がかわりばんこに簡易局の仕事をやる、役場の仕事もやるというような形の四名局であるし、三名局でございます。
#408
○森勝治君 それはあれじゃないですか、兼務ですから役場の仕事もやり、郵政の仕事も手伝うということでありましょうけれども、やはり二名の担当よりも四名の担当のほうが事務量が多いという、そういう姿ではないでしょうか。
#409
○政府委員(竹下一記君) 傾向として申しますと、そういう面がございます。
#410
○森勝治君 それでは二人でやっている簡易郵便局の事務量と無集配局における最低配置定員の事務量との比較、これはどうなっておりますか。
#411
○政府委員(竹下一記君) 二名配置の簡易局は、先ほど申しましたように二百局ちょっとございますが、これは内容はみな一名未満の事務量に該当する局でございまして、ただ二人の人たちがかわりばんこに仕事をしているという意味における二名局でございます。片一方の無集配特定局・二名局の事務量との比較でございますけれども、これは詳細に調べたものは実はないのでございますけれども、概して申しますならば、やはり二名の無集配特定局のほうが、事務量としては多いのでございまして、非常に平均的な話を申し上げますと、簡易局は二名の無集配特定局の事務量のおおよそ半分、これは総平均の話ですが、半分でございます。ただし、簡易局の中には、特例的に非常に事務量の多い局、これが若干ございまして、二名局の無集配局よりも事務量が多いといえる局が全国で百局ばかりはあるように見ております。
#412
○森勝治君 無集配局の定員二名の配置局、これは全国で何局あるのですか。地域別の分布状態をお聞かせ願いたい。
#413
○政府委員(竹下一記君) 全国で九百七十局ございます。
 郵政局別の数でございますが、申し上げますと、東京郵政局管内が二百六局、長野管内が九十九局、名古屋管内が二十九局、金沢が四十六局、大阪が百十四局、広島が七十四局、松山が六十六局、熊本が九十五局、仙台が百十一局、札幌が百三十局、そういうようになっております。
#414
○森勝治君 そこで、いま二名局の無集配局の分布状態の、各局別の数字をお聞かせ願ったわけでありますが、これらの二名局等について、将来、かりそめにも簡易局等に格下げするような――俗なことばでいう格下げするようなことはないでしょうね。
#415
○政府委員(竹下一記君) 簡易局ができたということを理由に格下げするということは、全然考えておりません。
#416
○森勝治君 先ほどのへんぴということばの意味が、私のほうから提供したわけでありますけれども、へんぴな土地の国民に郵政事業のサービスというものをあまねく公平に提供するためには、一体どれだけの窓口が必要なのか、展望をお聞かせ願いたい。
#417
○政府委員(竹下一記君) いまのお尋ねは、なかなかむずかしい問題でございまして、どこまで窓口を提供すれば十分であるかということにつきましては、客観的な基準というものは実はございませんのです。
 ただ、日本の場合、一局平均五千名程度の人がこれを利用しておるという実情でございまして、北欧のスウェーデンでございましたか、一局平均が五百名というものに比べますると相当開きがございます。この一局平均の受け持ち人口の順位で申しますると、日本の場合は世界で第十七位だそうでございますから、世界の情勢に照らしますと、もう少し日本でも窓口をふやしてよかろうではないか、そういうことがいえると思います。
#418
○森勝治君 世界で十七番目だから、もう少しサービスをしたいという話であります。これは当然あるべき姿であろうと思うのでありますが、そうならば、国民のサービスのために、窓口というもののあり方というものですね、どういうような局の形態によって、どれだけ局の数を増加させれば、皆さんが考えている、当面する事業の、国民に対して、まあまあこれで郵政事業は当面、事足りる、満足するという状況が生まれるのですか。
#419
○政府委員(竹下一記君) これも非常にむずかしいお尋ねでございますが、へんぴな地域におきましては、簡易郵便局方式によりましてもう少し増置をする。目下の調査によりますると、二千百局ばかりを予定しておりますが、もう少しあってもいいんじゃなかろうかと、かように考えます。片一方の都市あるいは都市近郊地におきましては、これは無集配特定局の増置をやっていかなければなりませんが、これは正直に申しまして、特に東京、大阪等の発展地におきましては、団地が対人口に比べまして不足をいたしておりますので、そのほうは無集配局をもっとふやしたい。さて、どれだけふやせばいいかということになりますと、最終的な数をいま持ち合わせがございません。
#420
○森勝治君 いまのお話にもありましたように、今回の提案では二千百局、これを設置したいと言っておりますが、この二千百局をもっていたしますならば、当面する僻地対策というものは一応その目的を達することができるのですか。
#421
○政府委員(竹下一記君) 一応の目的の達成にはなると思います。
#422
○森勝治君 いまの御答弁の前の答弁の中で、増加云々の問題が若干言及されたやにいま拝聴したわけであります。二千百局を設置すれば当面の目的は足りるが、さらにということのお言葉がありましたので、さらに聞くわけでありますが、あるいは基準を変更したり局数などを増加させるような考えをお持ちのもとに、先ほどのようなお答えがなされたのですか。
#423
○政府委員(竹下一記君) 簡易局の設置につきましては、その基準を変更するということは考えておりません。ただ郵政局では、非常に荒い作業で、いま申し上げた二千局ばかりのものを、地図を案じて非常におおよその場所として選考したような状況でございますので、もう少し精密に実情を見ますると、もう少し場所がふえる可能性が強い、そういうことを申し上げたわけでございます。
#424
○森勝治君 最近、経済企画庁等からは新全国総合開発計画、さらに自治省からは広域市町村建設、建設省からは地方生活圏構想などと、いずれも人口の過度集中化を防いで過疎現象の深刻化を防ぐ、さらに希薄化する山村地域に対しましてもより高い水準を維持するために、地域内住民の日常生活の需要というものを充足させる、そういう機能を備えた地域生活センター等の設置充実などということが盛んに言われておるわけであります。さらには首都圏整備委員会等におきましても、郵政の窓口、いわゆるサービス機関等を著しく増強して国民の期待にこたえよう、こういうことを言われています。つい、せんだっての首都圏整備委員会の論議の中でも、首都圏整備の中で、五十年度で約四十五万通、外国郵便が一億二千万通にも達する見込みであるというようなことで、首都圏構想の一環として期待される郵政事業のあり方というものを、私どもはその委員会で検討を重ねたことがあるわけであります。こうなりまして、このように郵政の窓口機関というものも、御承知のように公共事業でありまするから、当然その一環として積極的に事業に協力を要請されるだろうと思うのであります。したがって、そういう見地からいたしましても、郵政事業というものがますます重要視されるでありましょう。これら時代の要求に対応するために、一体どういう措置をされようとされておるのか、この点についてひとつお伺いをしたい。
#425
○政府委員(竹下一記君) 経済審議会が作成いたしました新経済社会発展計画を見ますると、郵便は電気通信と並びまして、経済活動の基盤であるというふうに見られておりまして、重要視をされておるわけでございます。かつ昭和五十年度に至りますると、郵便はいまの一・三倍になるという需要の増大が見込まれるわけでございます。もちろん、この数は私どもが算出いたしました数でございますけれども、そういうことで、この新しい国づくりの中で、日本の国、特に都市につきましての社会資本の充実整備ということにつきまして、郵便をはじめとする通信の整備というものに対しまする世間の期待というものは、非常に大きいわけでございまして、私どもといたしましては、国力の成長、経済力の膨張、そういったものに見合うような実力をつけていく。昭和五十年における経済力にフォローできないでは困りますので、フォローできるようないろいろな施策を講じてまいる。特に、この労働力の確保ということは最大の問題でございますし、労働力の確保ができないために事業が非常に混乱をするというようなことではいけませんので、郵便事業の最大の目標は、労働力の確保あるいは省力化あるいは近代化というようなことを、実はここにうたわれておるわけでございます。
#426
○森勝治君 今回出された中で、二千百カ所程度というのでありますが、その設置場所の明細をひとつお示し願いたい。何町目何番地などという、こまかいことはけっこうでありますが、少なくとも各県別にどれだけの数が設置されるのか、ひとつお答えを願いたい。
#427
○政府委員(竹下一記君) 郵政局から報告を徴しましたのは昨年の三月末日現在のものでございまして、それによりますと全国で二千百八十七局です。東京管内が二百六十六、長野管内が二〇二、名古屋は三百四、金沢が百四十四、大阪が八十五、広島は二百六十二、松山が九十二、熊本が二百四十九、仙台が五百四十五、札幌が三十八ということに相なっております。
#428
○森勝治君 そういたしますと、二千百というのは、すでに地方の局から設置の希望の出ている総数とやや同数ということでありますね。そうなりますと、郵政が、これは事業の進展のためにということでの提案でなくして、希望者がそれだけおるから希望者の数に合致させるために二千百程度という説明だと、こういううがった理解のしかたでよろしいですか。
#429
○政府委員(竹下一記君) 郵政局が算出しました根拠は、地元からの要望というものをもちろん入れてございますけれども、簡易郵便局を置きます基準というのがございまして、それに適合した場所を選んだわけでございます。簡易郵便局の設置基準といたしましては八百メートル二百戸という基準がございまして、もよりの局から距離が延びるに従いまして表面戸数は落ちていきまして、最終は五千五百メートルに対して百戸、これが基準になっております。こういう基準をもちまして地図を案じて要設置場所を求めた、こういう作業ももちろん加わっておるわけでございます。
#430
○森勝治君 そういたしますと、当面二千百程度を設置すれば当面の目的を遂げることになるから、あとのことは別に考えないと、こういうことですか。また出てくればそのたびに、次から次へとおやりになると、こういうことでしょうか。
#431
○政府委員(竹下一記君) いまの設置基準は、実情に照らしましてたいへん合理的なものだと考えておりますので、それによって出ました二千百局ばかりのものを設置いたしますると、一まずよろしいのではなかろうか。かように考えております。
#432
○森勝治君 しばしば質疑応答の中でもかわされましたように、簡易郵便局というものはいわゆる山間僻地、そこに居住する国民の福祉の寄与のためにあるものであるから、したがって都市近郊――大都市にすぐくっついているところとか、人口の著しい増加が予想されるようなところにおきましては、当然普通局あるいは特定局、従来の――これはことばが必ずしも合わないかもしれませんが、正常な事業の運行の窓口を持つ従来のものでやる。そういう態度で当然臨むだろうと、私は約五時間近いやりとりの中で理解をしてまいりましたが、そういう理解でよろしいのですね、基本的には。
#433
○政府委員(竹下一記君) そのとおりでございます。
#434
○委員長(近藤信一君) 他に御発言がなければ、本法律案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後六時四十四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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