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1970/04/23 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第16号
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1970/04/23 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第16号

#1
第063回国会 逓信委員会 第16号
昭和四十五年四月二十三日(木曜日)
   午前十時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十二日
    辞任         補欠選任
     久保  等君     横川 正市君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     横川 正市君     久保  等君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         近藤 信一君
    理 事
                長田 裕二君
                新谷寅三郎君
                松平 勇雄君
                永岡 光治君
    委 員
                植竹 春彦君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                菅野 儀作君
                寺尾  豊君
                森  勝治君
                横川 正市君
                塩出 啓典君
                村尾 重雄君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  井出一太郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  野田誠二郎君
       郵政省郵務局長  竹下 一記君
       郵政省貯金局長  山本  博君
       郵政省簡易保険
       局長       上原 一郎君
       郵政省人事局長  中田 正一君
       郵政省経理局長  溝呂木 繁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨二十二日、久保等君が委員を辞任され、その補欠として横川正市君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(近藤信一君) 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○横川正市君 きょうは、簡易郵便局法の一部改正法律案と関連させながら、公社化の中で、小局の取り扱い方というのはどういうふうな取り扱い方をされるかについて、質問をいたしたいと思います。
 まず最初に、実はいろいろな関係を見たんでありますけれども、小局運営についての省側のまとまった意見というものがほとんど出されておりません。ことに、これは公社化への一つの事務的な問題として、いままで新聞等にあらわれた郵政事業公社化関係の記事の、大体一年くらいのものの集録なんでありますが、その集録の中で、東洋経済が四十四年の十月の十一日に社説を掲げて、公社化の問題と関連させながら、郵政省というのは経営についてもう少し抜本的な白書みたいなものを出す必要があるんじゃないかという記事があるわけであります。そこで貯金、保険、郵便と区分をして説明をしてもらうということではなしに、小局運営について経営的には一体郵政省としてはどういう考え方を持っていられるのかという点を、まず冒頭にお聞きをいたしたい。
#5
○政府委員(野田誠二郎君) この郵政事業の公社化につきましては、御承知のように、郵政審議会の中におきまして、約一年近く非常に熱心な論議がかわされたのでありますが、いま先生が御指摘になりました小局の経営という点につきましては、いろいろ記録を調べ、その他私調べましたけれども、それほど審議の中では言及をされていないようでございます。ただ郵政事業、これは郵便、貯金及び簡易保険を含めてでございますが、これら三事業が非常にむずかしい時期に際会しておる。したがって、これらの事業につきまして国民に対するサービスの向上ということ及び経営の効率的な運営といいますか、こういうことを目ざすということで、この公社化ということが論議され、かつ公社化が非常に採用に値する、あるいは検討に値する手段であるという趣旨の答申が出ておるのでありますが、その限りにおきまして、この小局の経営につきましても、現在やはり各事業が直面しております曲がりかどと同じような曲がりかどに来ておるように考えるのでありまして、公社化されました暁には、置局の問題なり、あるいはその小局の経営等につきまして、少なくも国営であるいまの時点よりは、なお私は、何といいますか、効率的に、あるいは機動的にできる面が出てくるのではないか、かように考えるわけでございます。
#6
○横川正市君 抽象的な考え方ということで聞きたいんですが、三事業という縦の割り方で検討することも、これは一つの検討だと思うんですが、私はやはり郵便ならば郵便の中の管理費、それから現業費、それから現業費の中でも普通局の段階と、それから特定局の段階と、少しこまかに分けて検討する必要があると思うわけなんであります。それは何かといいますと、主体として普通局等の取り扱いを中心として、管理費と特定局経費というのは、実は経営の中ではおんぶをされている状態にあるわけです。だから、もし経営的に見れば、管理費についてはどうあるべきか、あるいは小局の運営についてはどうあるべきかという、これをやらないと、郵便事業の収支だけをとったんでは、実は全体をとらえることができないんじゃないか、そう思うので、その点からあっちこっちひねくってみたんですが、小局運営についてはほとんど検討されたあとがないんじゃないかと思う。で、小局を検討されておらない最大の原因というのは一体何なのかという点をとらえてみますと、これはどうもやはり小局というのは特定局、特定局というのは特定局長を長とする局、これは郵政省ではいささかタブーの状態にあると、そういう政治的な面が強くてこの面の取り扱いがあまり十分にされておらないんじゃないだろうかというふうに思われる節があるわけです。普通、経営的に見まして、たとえば銀行であるとか、あるいはいわばチェーン等で経営されている支店とか分店とか、そういうようなものとの関係とかという場合には、これはおそらく郵政事業だけは特殊であって、そのほかのものは末端の窓口の経営状態、収支というものがどうあるかということは経営者にとって一番大切な問題なんじゃないか、ところがその一番大切な点がタブーで触れられておらないというところに、実は根本的な問題が隠されているんじゃないかというふうに私は考えるわけなんです。そこできょうは、実は非常に政治的な問題を含んでおりますけれども、これは切り離して論議したいと思います。なぜかといいますと、私どもの立場から政治的な問題を取り上げますと、これは経営とは別個に問題を扱われる危険性が非常に強いものですから、ぜひこの政治的な問題は切り離して論議をしたい。ですからこれは、ひとつ混同しないで考えていただきたいというふうに思います。その取り扱いは一応私のほうではそういう取り扱いをいたしますが、郵政では貯金とか保険とか郵便とかいう縦の系列で現在の郵政事業というものを見ているということだけでなしに、小局という立場に立っての運営をどういうふうに考えられているか、これは実は全然資料がないものですから、私としてもつかみようがないわけです。それをまずお聞きをいたしたいと思います。
#7
○政府委員(溝呂木繁君) ただいまお尋ねの中に、郵政省の中での小局関係についての経営的な分析がなされていないというふうに御指摘になったわけでありますが、事実そういった取り上げ方を期待しておりません。ただその理由は、政治的というふうな御発言がございましたが、実は私どものほうで普通局等についてはかなり突っ込んだ経営分析をいまなしつつあります。そこで、なぜそれでは特定局方面の経営分析は困難かと申しますと、実はその小局一つを全体としてながめるのに、どうしてもやはり郵便、貯金、保険という三事業別のそれぞれの経営分析をして、それを最後にまとめてその局の経営分析をせざるを得ないということになります。と申しますのは、たとえばその三つの事業を一本に把握するデータが出てこないわけであります。と申しますのは、貯金ならば当然そこの貯金の残高というものを見なきゃならないとか、貯金の受け払い件数を見なきゃならぬ。そして、それにかかったコストがどれだけであるか。郵便については非常にむずかしいんですが、引き受け、差し立て、到着、配達と、そういうような部門別に分析する。そしてそれぞれにかかったコストをそれに比較してみると、こういうことがどうしても必要になります。そうしますと、普通局のほうは幸いにして総合服務局も少しありますが、大部分が単独服務局で、しかも分課ができておりますので非常に分析の把握、各事業の分析をするための資料の把握は簡単でございます。したがいまして、そういう方面から気をつけております。御承知のように、特定局方面は総合服務でありますし、しかもそれらの経営分析をするための資料の把握ということが非常に困難をきわめておるというのが実情でございます。しかし、ある推定を行なえば、特定局方面の経営分析ということも可能であるというふうに考えております。と申しますのは、過般、衆議院においても、参議院におきましても、簡易局と特定局の経営比較ということをお尋ねになりまして、私、お答えしておりますが、ある一つの擬制をすれば、やや正確度ば不十分ではございますけれども、そういうことは可能かと思っておりますので、いずれその方面にも分析をしてみたいと考えておりまして、ただ、御指摘のように、現在そういう特定局関係についての詳しい経営分析資料はないということは確かであります。そこで今後われわれとしましては、現在やっております普通局関係の経営分析を小局方面に進めてみたいということで、一応計画はいたしておりますという段階でございます。
#8
○横川正市君 これはまた、ひとつさかのぼりますけれども、郵政審議会に答申をされたときに、これは非常に大幅に内容というのがいろいろ書かれておるわけですけれども、私は、実はこの審議会の答申を見て、答申の主文よりか付記として出された、たった四行というのが非常に大切な内容を持っているんだということを見ておるわけです。この付記の中に、一つは「公社化によるメリットが明らかでなく、」それから二つ目は、「今直ちに公社化すべしとの結論を出すことは疑義があり、」第三番目に「慎重に検討すべき問題である」というこの三つですね。全体の主文よりか、主文の中でいろいろ言われていることをきわめて端的にあらわした文章だというふうに見ておるわけです。一体なぜこういう付記のほうが問題かといいますと、実は、私は公共料金の関係についてもずいぶんいろいろ検討してみました。ことに水道料金だとか電気だとかガスだとか、そういうようなものと関連させながら、公共というのは一体何なんだろう。たとえば警察が担当している公共性というのは何か、あるいは消防なんという場合にはどうなるか、道路とか公団だとか病院だとか教育だとか、そういういろんなものを検討してみても、郵政事業の場合に持っている公共性というものは一体どういうことなのかという点を、いろいろ料金問題を関連させて考えてみたんですが、的確なものをとらえて、これだと言いあらわせない非常に複雑さというものがあると思うんですね。それが一つ明確にならない点だと思います。ことに、これは保険と預金と郵便との三事業が一体であるというところが、まず第二の複雑さを持っている。それから企業形態が、これがいま言ったように、主体である郵便あるいは貯金、保険という現業、これに対して管理部門とそれから請負その他を持っておる特定局部門と、どういうふうな関連性を持たせるかということも、なかなかこれはきちっと解明することはできない、そういう性質のもののようです。だが、これを非常にはっきりさせて答えを出すということが非常にめんどうなので、私は、この付記の中に出ているような性格が出てきたんじゃないだろうか、それがまた、先般予算委員会でもちょっと大臣に質問をいたしましたけれども、前大臣とそれから現職の大臣との間の取り扱いの違いというものも、実はこの複雑さの中から生まれてきているのじゃないかというふうに思うわけなんです。
 そこで、これを一つ一つどういうメリットがあるかということを分析をしていかないと、なかなかこの答えが出にくいので、その中でも、小局というのは一体どうなんだろうかという点を考えてみたわけなんです。一つ、たとえば、小局運営の一つの形としては、業務推進連絡会議というのがありますね。業務推進連絡会議というのは、これは言ってみれば、郵政局があって普通局があり、あるいは地方局があり、そういういろいろな形のものがあるが、その中の特定局部門を管理し、指導するためにつくられた一つの連絡機関というふうに実は私ども考えるわけなんです。ところが、その中の、これは特定局長も従業員も一切これは入っているわけですね。ところが、その一面に、特定局長だけの私設の会というのがつくられているわけです。その特定局長会と業務推進連絡会というのはどういうことなのか、これは歴史的に経過的に私どもの承知している分では、これは特定局長会というのは全く私的な団体であって、郵政省の関与しておらないものである。業務推進連絡会は、これはもう一貫して縦の流れを、これを伝達し、監督する、そういう意味のものである、こういうふうになっておるわけなんです。ところが、現行をちょっと見ますと、特定局長会というものと業務推進連絡会というものは、役所の、まずほとんど同一人が取り扱うような形態にだんだん変わってきております。ですから、最初の考え方の中にあった私設の特定局長会と、それから官製の業務推進連絡会というものとは、実は分けた時点から見ますと変形してきている。変形していることが時代の要請であり進化であると、こういうふうに見るのかどうかという意見もあるわけなんですが、一体、郵政省としては、いま現状の段階に立って、この二つの相関関係といいますか、あるいは内容とか、こういったものをどういうふうに判断をされておられるか、この点をひとつお聞きをいたしたいと思います。
#9
○政府委員(野田誠二郎君) まず、お話のございました特定郵便局長業務推進連絡会でございますけれども、御承知のように、特定郵便局――これは集配局、無集配局、これは全国に約一万六千局、全国津々浦々までございます。まず第一次的に、これら各地に存在しております特定郵便局の管理、監督、これは郵政局長が責任をもってやっておるわけでございますが、何にいたしましても、非常に大きな郵政局におきましては、二千をこえる特定郵便局を抱えております。したがいまして、なかなかこれを管理、監督、統括するといいましても、なかなか容易でないわけでございまして、こういう点から、特定局につきましては集団を設けまして、相互の連絡を円滑にしつつ業務の推進、連絡を行なわせるという、言うならば、郵政局の意向が特定局の末端にまで浸透すると同時に、特定郵便局の末端における実情が、十分中間管理機関であります郵政局にまでこれが反映をし、日常の管理業務に十分生かされる、こういう本来の管理監督の補助的なものとして、公的なものとして公達によりまして特定郵便局推進連絡会というものがつくられております。いわゆる業務推進連絡の内容につきましては、業務の正常運行、事務能率の向上、事故・犯罪の防止というのが第一点にございます。第二点は、講習会、業務研究会、レクリエーションその他能率増進のための施設、三番目としましては、最近非常にこれは大きなウエートを置いております貯蓄奨励でございます。第四点は、周知宣伝ということをその業務の内容としているのであります。これによりまして郵政局からいろいろ連絡、指導ができますと同時に、地域的な連帯感、あるいは特定局長ということによります相互扶助の精神といいますか、共助共励というような点から、特定局相互が業務上の連絡を緊密にいたしまして非常にこの制度というものが効果をあげていると、私どもはかように確信をいたしておるのであります。もう一つお尋ねのありました全特につきましては、これは御指摘のありました非常に古い歴史的な沿革もあるのでありますが、これは全く私的な任意団体でありまして、現在一万数千の特定郵便局長のうち、ほとんどがこれに加盟している、かように考えております。これはその規約にこの全国特定郵便局長会の業務なり目的なり、こういうのが規定してあるのでありますが、全特の目的とするところは、勤務条件の改善と特定局長の社会的、経済的地位の向上をはかるとともに、郵政事業の発展に寄与するということをうたっているのでありまして、先ほど来申し上げております私的な任意団体であります。
 御指摘がありましたように、この特推連につきましても、特定局長会につきましても、いずれも特定郵便局長を構成員としている点は御指摘のとおりであります。組織は全く別個のものであります。目的としますのは、特定郵便局長の勤務条件の改善なり、社会的、経済的地位の向上ということで郵政局あるいは本省といったようなものに、こういった観点からの、労働組合法上の組合ではないのでありますが、こういう意味でいろいろ折衝をする、こういう活動をいたしております。それから最近におきます傾向としましても、一部御指摘のありましたように性格は全然別でありますが、これは事実上、特推連と全特の役員というものがほとんどダブっているというのは、そのとおりであります。ただ特推連におきましては、連絡会それから地区会、こういうふうに分けておりますが、一部ほんのわずか区域が違う、そして構成員のメンバーも違うという地域がございまして、御指摘のようにほとんどの者がダブっている、こういうふうになっておりますが、これはむしろ結果的にそういうことになっていると、かように考えております。
#10
○横川正市君 これは非常に変な話だけれども、最近の労務管理の中に、全逓の組合員はいるけれども郵政職員はいないというようなことで盛んに職員意識を高揚するということがあります。しかし、実際にはこの特定局長会というのは、職員の中のいわば管理職に該当する立場の人たちですね、その管理職の立場に立つ人が――系列的に言えば郵政局長の任免、それから分限令それから懲罰その他の監督下にある地位ですね、身分は公務員である。だから、そういうことから言えば、特別に何か横の連係を持たなければいけないというようなことはないという判断があって、その上にできたのが業務推進連絡会である。こういう歴史的経過があるわけですね。当時の見方からすると、任意団体の特定局長会というのは、歴史的に古いからこれはなくせと言っても無理だろう。しかし、郵政省の機構の中の特定局の問題についての取り扱いは業務推進連絡会で行なう。これは私的なものである、こういうたてまえを貫かれてきたものだと私は思うのですが、それが最近非常にあいまいになってきたのは、いささか主客が変わってきているのじゃないのか。いわば上部に対する陳情でなくて上部を動かす団体というようになってきているのじゃないか。そういう点が一つの問題としてあるのじゃないかと私は思うのですがね。その点は、会議の持ち方一つ見ましても、業務推進連絡会を招集される。そうすると、その会議のあとに私設の特定局長会が開かれる。まあそれが逆の場合もあるという、前に私設の特定局長会が開かれ、あとから業務推進連絡会が行なわれるというような形態がとられておるように思うわけです。私は、これがいいか悪いかはひとつ判断は別にしたいと思いますが、いまの機構の中でもう少し折り目というものを立てたらどうか、郵政省としてですね。その折り目の立て方では、たとえば給与の支払いその他については統轄局が担務し、そこに職員を置き事務取り扱いをやっている。それから物品その他の問題についてもこれはその系統で処理がされている。あるいは年金、恩給その他の取り扱いも行なわれている。ただ特定局長は私設の局舎を提供しているというだけの違いであって、その面からは、たとえば渡し切り経費までは統轄局の問題、それから局舎料の値上げ等社会情勢の変化に伴って必要と思われる点については、これは家主としての連絡ぐらいに――まあごく小部分にとどまるべき形態のものじゃないか。そういうことをしないで全部混同してしまっているんじゃないかという点がひとつあるのじゃないかと思います。これは、いろいろな面から検討されるときの一つの素材として提供いたしておきたいと思いますので、これはここでどうということではありませんが、具体的に言えばそういう問題を経過的に指摘をいたしておきたいと思います。
 そこでもう一つは、この現在の全特あるいは業務推進連絡会――まあ全特のほうがきわめて強い力を持っておるようですが、この全特側からいわゆる小局運営をしている担当者として、公社化の問題について何らかの提言というものがあったのでしょうか。あればどういう内容のものか、ひとつお知らせいただきたいと思います。
#11
○政府委員(野田誠二郎君) この郵政事業公社化が審議せられました特別委員会における審議の過程におきまして、会議の席上特定局長側の意見を聞くということで、全特の代表者を呼びまして意見を聴取をいたしております。その際におきます特定局長側といいますか、全特の代表者の意見は、現在の特定郵便局制度というものが非常に何といいますか、いい制度であるということにつきまして、特定郵便局制度の存置ということの主張がなされております。そのほか事業に関しましては、郵政三事業の一体的運営ということ。その他貯金及び簡易保険につきましても、いろいろな意見の開陳がなされておる記録が残っております。
#12
○横川正市君 これは、全特の機関誌「全特」の四十四年の六月二十日の七月号なんですが、ここにこういう――名前を省略いたしますが、「公社化問題について懸念を持っておられる人もあるようであるが、しわ寄せが特定局にくるようなことがあってはならぬ。来月、会の意見聴取が行なわれるが、遺憾のないよう手を打ちますので、ご安心を頂きたい。」という、仲介の人がいろいろ世話をやいている記事が載っておるわけなんですが、これはどういう働きかけがございましたか。私はちょっとわからないんですが、公社化問題について特定局にしわ寄せがくるというのは、どういうことなのか。ちょっとしわ寄せというのはどういうことか、私は、実は局舎の提供義務だとかあるいは自由任用制度だとかいうようなものは、これは別個に切り離してものを考えております。そこで公社化されたらそういう局舎の提供義務だとか――これは局舎が直轄になるというのでしょう。それから自由任用制度、これは広く地域から適材適所で人材を選べるということだと思うんですが、それと公社化されたら急に変わらなければいけない要素というのは、実は私は考えられないわけなんです。そのほかに、しわ寄せが特定局にくることがあっては困るから、ひとつ私が郵政省側と話し合ってそういうことのないようにいたしましょうという約束をされておるわけなんです。そしてまた、こういうことになったから御安心いただきたいと、こういう話なんですが、一体これはどういう話があったのか、この際ひとつ明らかにしていただきたい。
#13
○政府委員(野田誠二郎君) この特定郵便局制度につきましては、非常に沿革的にも長い論議の対象になっておること、これはもう周知のとおりでございます。したがいまして特定郵便局長の集団であります全特におきましてもこの特定郵便局の将来につきまして非常に関心を寄せているのは当然でございます。したがいまして、制度に関する委員会というようなものを全特の中につくっておる。この制度の委員会の中におきまして、この特定郵便局制度の将来の方向、あるいは現状の検討というようなことをしておるように聞いております。その中におきまして、特に公社化の論議というのが非常に関心を呼んだようでありまして、先ほど御指摘の公社化のしわ寄せが特定局だけにくるのはごめんこうむりたいということの、その話といいますか、論議の意味でございますが、これは推測でありますが、公社化論議が出ましたそもそものもとは郵政事業の財政の硬直化というようなことが、直接の契機になっておるというような観点から、公社化即経営の、といいますか、企業の効率化あるいは独立採算制ということを非常に追求されるあまり、公共性という観点といいますか、これが非常に影が薄くなってくるんじゃないか。したがいまして、現在の特定郵便局の非常にへんぴな地域にありますあまり、業務の取り扱い量の少ない特定局等については、何といいますか独立採算制あるいは企業性の追求というような点から、非常にその存廃までが論議せられるのではないかという懸念があったようであります。したがいまして、全特の組織としてはそういう懸念にこたえる意味でいろいろ動きがあったように聞いておりますが、答申が出ました後におきましても、全特として正式に省側にそういう趣旨の申し入れ――公社化になっても、そういう取り扱い量の非常に少ない局をつぶすとか廃局にするとかいうようなことはしないようにというようなこと、それに限りませず、正式な申し入れというものはいままでございません。
#14
○横川正市君 私は、特定局長側の気持ちがたいへんよくわかるものですから、その気持ちをあまりいろいろな意味でせんさくをし、そのせんさくをかってに発展させることはいたしませんが、問題は先ほど言ったように、小局運営を経営的に見る場合と、それから従前の親方日の丸的に公共性を非常に高く追求される場合とでは、結果というものが違ってくることはあたりまえのことだと思う。しかし、あたりまえのことなんだが、現状の体制からすれば、公共性を失ってしまったらば利害関係で非常に大きな被害をこうむるから、その被害はできるだけひとつ避けたい、こういうことが主たる考え方で出されたということならば、これは非常に消極的な問題じゃないかと思うのですね。私は逆に、前回もたしか逓信委員会でも話をいたしましたが、小局を持っている強みというのをどうやったら発揮できるか、これは小局運営の立場に立っている特定局の局長さんは、これは管理職でもありますし、それからいってみれば企業の責任もあるわけですから、自分の利害だけでものをいわないで、どうすれば企業を拡大生産的に持っていくことができるのか、そのことによって自分の地位というものが有利になる。これはあたりまえのことですから、そういう持っていき方をなぜしないのかという、その体質を実は、私はお聞きをしたいわけなんですよ。いわば私は、業務推進連絡会がいいというふうに一方的には言いません。しかし、全特という組織の中にあるものは、実はこれはきわめて保守的であって、小局運営に前向きに意見を出すような機構になっていないのじゃないか。この点は、私はかえって一生懸命団結をしてやっていて企業にはマイナス点を稼ぎ、みずから墓穴を掘るという、そういう結果が時代の推移とともに出てきているのじゃないかというような気がするわけなんですね。だからそういう意味では、小局を経営するのには一体根本的には何かというと、二万に近い窓口を持っているということを、どうすれば拡大生産的にこれを使うことができるのか。その拡大生産的に使うために現行制度に支障がある、それならばひとつ公社化へこれは切りかえたほうがいいじゃないかという論議が、この中にあって実はしかるべきじゃないか、というふうに思うわけなんですよ。どうも先ほどから言いますように、小局についてはほとんど論議らしい論議をしておらない。私は、窓口をこれだけ全国に持っているということは非常に大きな強みだと思うのだけれども、その強みかどうかという評価については、郵政省はどういうふうにお考えになっていますか。
#15
○政府委員(野田誠二郎君) ただいまの郵政業務の窓口が、それこそ全国津々浦々二万近くもあるということは、先生御指摘のとおり、これは郵便事業に限らず郵便貯金事業、簡易保険事業につきましても、事業が国営であるということと同時に、津々浦々にまで営業網を広げて国民に日常親しまれる窓口を開いているということは、これは何といっても一番の強みだろうと、かように考えております。
#16
○横川正市君 私は、公社化の問題が論議をされる過程の中で、本来的には郵政省が一体どっちを向くだろうか、あるいは料金がどうなるだろうか、幹部の任期がどうなるだろうかという、いろいろなそんな論議よりか先に、いま持っている郵政省の経営上の困難さは一体どこに原因し、何が欠けていて、どうすれば解決するかという、そういう話の一番根本に実は小局運営というのが出てこなければいけないんじゃないかというふうに思うわけであります。この小局運営を無視しているところに、私は一番重要問題を手がけておらない欠点があるように思うのですが、この点はどうでしょうか。先ほどちょうど経理局長が答弁しましたように、縦の線でものを考えていると言うけれども、縦というのは業務のいわゆる流れとか推進だけを見るものなんです。成績が経済的に効率的にどうなっているかは末端の窓口を見なければいかぬわけですね。その窓口を見ておれば、特定局の窓口というものは、一体これはこのままでいいのかどうか、あるいはどうしなければいかぬのかという、そういう点が出てくるんじゃないか。私は一例を言えば、たとえば二人局で二人局の生産性と給与の関係は大体平均でいいんですか、どういうようになっていますか。
#17
○政府委員(溝呂木繁君) 二人局についてのお尋ねでございますが、生産性と給与というずばりお答えがいまちょっとできないんですが、たまたま簡易郵便局との関係で二人局の経営比較をするために集めました資料がございますので、それで申し上げますと、これは四十三年度のときの資料でございまして二人局は四十八局ばかりを抽出して、その一局平均を出したものでありますが、そのときの費用が一局当たり二百八十八万五千円かかっております。したがいましてこのときの費用全体のうち大部分が人件費と見ねばなりませんので、二百万以上のものが二人局の人件費というふうに見ますと、これは局長一人、それから事務員一人でございますので、当然局長の給与は一般事務員より相当高いので、局長の人件費は百万円をこえているというふうに推測されますが、個別にそういう資料がございませんで、一局平均の総費用という形でございますので、御質問に十分お答えできませんが、私の手元にはそういう数字が出ております。
#18
○横川正市君 そこで私は、局舎を置く場合に、そこへ責任者、いわゆる監督者というような立場の人がいなければならないという従前の考え方、これは経営面から見ると実に高い公共性だけは追及されるけれども、まず成り立たない。こういう結果が出ているんじゃないかというように思うわけなんですが、これは地域的に集団的に管理者を置いて、そしていわば次善の責任者を置くというような変え方をするとすれば、これは変え方に対して郵政省としてはどういうお考えでしょうか。もしそういうことでは監督が不行き届きで十分な業務その他の面から見て不都合が多い、こういうふうにお考えになっておられるでしょうか。その点をひとつお聞きをいたしたいと思います。
#19
○政府委員(野田誠二郎君) 非常に小さな特定局にまで監督者といいますか、局長を置く――局長を配置する必要があるかどうかということのお尋ねかと思うのでございますが、いずれにいたしましても、非常に小局といいましても、公共性の強い郵政事業サービスを提供いたしておる機関であります。たとえ人数は非常に少なくなりましても、やはり業務運行の管理のために何らかの形で管理者といいますか、責任者を置く必要はあろうかと、このように考えます。これをたとえば――いまでも各地にございますけれども、普通局の分局のような形、こういう形にいたしましても、これは鉄郵などにその例が多いのでございますが、やはりその事情は変わらないと、かように考えております。特に特定局長の場合には、ただ管理、監督の業務だけを取り行なっておるわけではないのでございまして、共通業務についても責任を持ってやっておる。あるいは窓口事務にも携わるという実務的な要因というものも相当あるわけでございます。したがって特定局長の給与の中には、ただ管理者としての分のほかに、いま申し上げましたような窓口事務に携わる、あるいは共通事務を取り行なう、こういうことの経費が含まれておるわけでございますので、たとえ監督者を置かないといたしましたような場合との経費の差というものは、それほど大きなものではないのではないかと、かように考えております。
#20
○横川正市君 ちょっと飛躍をした質問になったので、私の言おうとする点を明確にとらえておらなかったかと思うのでありますけれども、実は、私は主題が簡易郵便局制度の一部改正ですから、それとにらみ合わせながら小局運営というのを聞いておるわけでありまして、それじゃ簡易郵便局のいまのようなかっこうで、責任体制とれますかと逆に聞かなければいかぬことになるわけですが、それは取り扱い量が少ないとか、何とかいうことになるんじゃないかと思うのですがね。実際にいまの特定局の実態を見ておりまして、取り扱いの問題とは別個に局長を置く、局長が必要であるという、そういう考え方で置かれているという、そういう面があるわけですから、取り扱い量とか、あるいは責任の度合いとか何とかいうこととは、かけ離れて任命されておるんじゃないかと思うのですね。その点を改善する意見としては、たとえば地域性、これは何局になるか、十局になるか、十五局になるか、あるいは二十局になるのか、そういうような地域性を持たせた管理体制といいますか、あるいは業務指導責任体制といいますか、そういったものがつくられないかどうかということは、これはもうずいぶん前から試案として検討されてきておるところなんです。それは管理費をできるだけ縮めたいという意味がこの中に含まれておると思うのですが、そういうことがあるので、実は、私はそこへ質問を持っていったわけなんですが、従前の考え方で、局があるから局長が必要であるというだけでは、実は経営面からすればどうもやはり採算というものを度外視しなければならぬということになってきます。そのかね合いをどういうふうに解決するかということが、これからの小局運営の一つのポイントになるのじゃないか。これもここでは答えをずばり現行がいいということではない。それかといって、運営について問題があるということですから、監督者という立場に立っての管理形態をどうするかは、それを検討していただきたい、こういうふうに思います。
 それから、先ほどもちょっと触れました私設の局長会と業務推進連絡会の問題なんですが、これは郵政省としては私設の問題について関係しない、業務上は業務推進連絡会が主体であるというたてまえをもって、これからも続けられると思うのですが、これはどうでしょうか。
#21
○政府委員(野田誠二郎君) 御説のとおりでございます。
#22
○横川正市君 そのたてまえが貫かれることが業務推進連絡会をつくった趣旨でありますから、これはひとつたてまえは本音と違わないように、ひとつ明確にしておいていただきたい、こう思います。
 そこで、ちょっと触れましたけれども、給与関係では二人局で一つの見込みみたいなケースが出てきたわけなんですが、この特定局の面で、ただ、ちょっと私も制度的にどうなっているのかと、うろ覚えなんですが、たとえば借り上げ局舎の局舎料の支払いを行なう場合にはどういう形態の支払い方をしているわけでしょうか。たとえば統轄局を通じて契約金を支払う、これが筋じゃないかと思うのですが、どういうかっこうになっているのでしょうか。
#23
○政府委員(溝呂木繁君) 特定局の局舎料の支払い方法ですが、これは形態によって三つに分類できるのじゃないかと思います。一つは、郵政互助会で建てていただいている分についての局舎料の支払いですが、これは郵政局単位ごとにその地区の互助会本部に郵政局で一括支払いという形をとっております。したがって、現業の手をわずらわしておりません。それからいわゆる第三者所有の、いまの特定局長が持っているのでなしに、それ以外の者が持っているものについての局舎料の支払いは、これはいわゆる特定局の経理事務を一括して持っております指定局を通じて、その所有者に対して局舎料は支払われるというふうになっております。それから特定局舎の所有者が特定局長である場合につきましては、これは先ほどいろいろ議論になりました特定局長会のほうに各人が委任状を渡しまして、局舎料の受領委任を一括いたしまして、その地区の特定局長会に一括支払う、これはもちろん郵政局単位に支払うということで、ちょっと互助会支払い方式と同じような形になっております。
#24
○横川正市君 これは、局舎を提供する場合の契約はだれとだれとの間に行なわれるのですか。
#25
○政府委員(溝呂木繁君) 郵政局長とそれぞれの所有者との間に契約が結ばれております。
#26
○横川正市君 郵政局長とそれぞれの所有者との間に契約が結ばれているものを、なぜ私設の特定局長会が代理をするのですか。
#27
○政府委員(溝呂木繁君) 先ほど御答弁申しましたように、局長会が自動的に受領するのじゃなしに、各人が委任状を渡しまして、局舎料受領の委任をいたしまして、その上に立って郵政局のほうで支払うということでございまして、あくまでも委任関係ということでございまして、それがたまたまその地区の特定局長会の会長というものが委任されたものになっているということでございます。
#28
○横川正市君 これは、互助会に払われる一括支払い方式とは違いますね。互助会はあくまでも互助会が局舎を提供するという立場に立っておりますから、それが本部であれ支部であれ、一括した支払い方式というものがありますね。ところが郵政局長とそれから局舎提供者との間で契約をされたものが、それの加盟している別個の団体が委任を受けたからといって、支払いをするという形式は、これはどういう利得があるわけですか。どちらに利得があるわけですか。たとえば事務的に繁雑さがなくなるとか、あるいは別個の何か役得があるとか、何かがあるのじゃないでしょうか。
 それともう一つは、これは一括して私設の特定局長会に払ってもらいたいということは、これはどういう経路で、どういう契約条件で、いつからきめられたものでしょうか。
#29
○政府委員(溝呂木繁君) 先ほど互助会と同じ方式と言ったことについて説明不足でありますので補足いたしますが、郵政局から支払われるという点が似ているということでございまして、おっしゃいますように、互助会の分は、所有者そのものが互助会でございますので、その意味において、片っ方は委任状による受領であり、片っ方は所有者がみずから受領するという点について、違いますので、補足いたします。
 それからこれは、私担当でございませんので、けさちょっとその関係の御質問があるということで、あわてて勉強してきたようなわけでございまして、実はいつごろからそういう方式になったかということについては、いま確たる資料がございませんのでお答えを保留させていただきたいと思います。
 それから、その利便と申しますか、どういう理由で一括受領になったかということでございます。これも推測でございますが、いろいろ各特定局長が局舎を建てるにあたって、ほうぼうから金を借りており、それの支払いであるとかその他いろいろ内部の問題があって、一括受領したほうが特定局長会側としては便利であるということではないかと思います。したがいまして郵政省側といたしましては、それが正式のいわゆる委任という形が整っておるということに着目すべきでありまして、内部事情につきましては、私ども推測するのみでございまして、それ以上の確たることをお答えできないわけでございます。もちろんこちら側から一括して受領せよというふうに推し進めたものではありません。
#30
○横川正市君 これは、契約は郵政局長とそれから提供者との間で行なわれる。組織的に言えば、統括局、指定局、事務取り扱い局と申しますか、そこが支払いの担当者になるというふうにしておく必要があると思うのですが、どうでしょうか。
#31
○政府委員(溝呂木繁君) 結局、局舎料の受領者によってきめていいのではないかというふうに考えております。それが当然、特定局長あるいは第三者の所有のものをその個人が受け取りたいということであれば、支払いのルートはやはり指定局で支払ったほうが便利かと思いますが、一括受領であるとか、それから郵政局単位ごとに支払いが可能である場合には、郵政局で支払ったほうが会計的に便利な方法というふうに考えております。
#32
○横川正市君 これは、私は郵政省側には、このことによって何の利益になるものはないが、また個人で提供しておる局長にも別にこのことによって何の損得もない。ただこれを受ける第三者が利益を受ける。利益を受けなければそういう繁雑な仕事を受けるわけはない。そういう意味で郵政省は第三者が仲介に立って利益を享受することを認めて局舎料を支払う、そういう方式に賛成をした、こういうことになりますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#33
○政府委員(野田誠二郎君) 局舎料の受領につきまして、その貸し主といいますか、局舎の所有者が局舎料の受領について、代理受領についての委任状を郵政局に提出をいたしました場合には、いずれにしましても局舎料を支払う側におきまして、これを拒否はちょっとできないんじゃないか。それで、いま先生のおっしゃいました、委任をされた者が利得をするかどうかという点につきましては、われわれちょっと関知をいたしていない次第です。
#34
○横川正市君 不正があるということを言ってるわけじゃないんです、私は。そこで、まあこれはあなたのほうではお困りな点があることも私のほうで承知しているから、質問をちょっと別にかえますがね。当然支払うべき局舎料が、局舎提供者の手元に入るときに、いろいろな意味で正確な数字で入ってきていない。それは本人の自発的意思によらないで、いろいろなものが差し引かれて手渡されているという事実もあるんで、私は、これはひとつあなたのほうで十分検討していただきたいと思うんです。そのためには、いろいろなことがあるようですね。これは根本的には局舎を提供している側が局舎を提供することによって利得がある。局舎を提供することによって有形無形の利益がある。そこで、局舎を提供させるいろいろな工作が行なわれる、こういう一面が一つあると思う。
 それから、もう一つは、これは唯一の特定局長、いわゆる公務員であり、郵政省の組織規程の中でも管理者であり、そして服務規程その他については、一般の職員と何ら変わらない。いわば強い、そういう立場にあるけれども、民舎を提供しているということだけが一般職員と違う立場ですね。そういう立場から要求できるのは、これは一般社会の経済情勢に伴って変革をしていく局舎料の値上げを郵政省に対して陳情をし、要求することができる。そして、また郵政省は、それにこたえて適切な料金を払わなければいけない、これは当然の契約だと思うんです。そういうたてまえに立っているものと私どもは理解をいたしますから、この点は、やはりもう少し筋道を立てた解決策というものがあっていいんじゃないか。私は、なぜこの点に触れるかといいますと、局舎を提供している側と郵政省との関係は、これは大野さんが事務次官のときに明確にしてるわけなんですよ。これは、まあ提供者の意思によって変革されるものでなくて、借り上げている郵政省の立場、それは非常に高い公共性というものを追求する立場に立って、局舎を貸さないと言ったら郵便局がなくなってしまうというような、そんなものではなしに、借りた側の意思というものが十分に相手側に伝えられるという条件に立って、局舎というものは借り上げているのです。これは局舎の契約の中の郵政省側の有利性といいますかね、こういったものが明確にされておったわけなんで、私は、それだけに適正な料金を払う必要があるんだと、こういうふうに思うわけなんです。ですから提供義務がこの経済状態によって変化をするから、いやとっても私のところは非常に土地が高いですし、人通りがあるから、郵便局よりかたばこ屋のほうがもうかります、だから郵便局をやめますということを、簡単には受け入れ難い契約条件というものを持っている私は契約だろうと思うのですよ。だから局舎料は適正に払いなさい。これは、私はそういう点を当然主張しなきゃいかぬと思うのです。そのことと、それを受け取るということによって、何らかの有利な立場というものを得ようとすることについては、私はこれはいささか間違っているんじゃないか。だから当然契約者と提供者との間に、明確に契約をしなおしてもらわなければいかんと思う。なぜならば第三者が介入して、そんなきつい義務を履行させられるわけがない、それを履行させるということは第三者が責任を持って契約条件に判こを押すわけがないわけですから、だからもし、それがあるならば、委任条件の中にそれだけのものが入っていると判断していいかどうか、その点がやはり問題になるのじゃないか、こういうふうに思うわけで、これはひとついまの方式がいろいろ行なわれておりますけれども、検討していただくように、私のほうからお願いしておきたい。以上です。
#35
○政府委員(溝呂木繁君) 先ほど御答弁申し上げましたように、契約は省側と提供者との間に行なわれる。ただ局舎料の受領だけが委任されておるという形でございます。したがいまして、私のほうとしては、正規の委任状というものが出されておれば、その者に対して支払うのは問題ないと思います。ただ、そうすることによって委任受領された金額が正当本人のところまで届いてないというようなことがあるとすれば、これはわれわれとしても、せっかく委任受領を認めた以上問題がございますので、その点につきましては、委任受領した者に対して、そういうことがないように――よく今後、もしそういう事例があるとすれば、そういうことのないように指導していきたいというふうに思っております。
#36
○横川正市君 これは、いますぐどこでもいいですから、あなたのほうで支払った金額は幾ら、局長が受領したやつは幾らというのを出してみて下さい。そうすれば受領した金額というのがどれだけ低い金額になっているかということが明確になる。これはもう私設の特定局長会としては、いかにも費用がかかり過ぎています。もう少し私設の局長会として局舎料の支払いその他について中間で金を抜かないようなことをしないと――これは、局舎提供者は局舎提供をして利得を受けているわけではないのです。非常に少ない、通り相場からいえば低い金で受けているわけですから、これはひとつ郵政としては、当然契約しました料金が、ちゃんとその局長に入るように、そういうシステムにすべきだ。それから局長の得た利得の中から特定局長会の費用を幾ら納めるということは、私はこれはもう局長の任意ですからあたりまえ、義務行為として当然そうあってしかるべきだと思うんです。中間で抜かれて渡されるということを義務付けられているという立場は、これは、あなたのほうでは委任があれば金を払いますというけれども、決してそれは正常な状態ではないというふうに思いますから、その点は契約者とそれから被契約者との間の義務行為をもっと正確に行なって、あとは個人の自主的判断によって行動する、あるいは金を出すことにして一向かまいませんので、そういうふうなシステムに変えてもらうように、私のほうからこれは要望いたしておきたいと思います。どうでしょうか。
#37
○政府委員(溝呂木繁君) 委任受領した者があとどういうことをしているかということは、私どもの直接関知する問題でございませんが、もしその間に不正な問題があれば、これは私ども問題にしたいと思いますが、もちろんその当事者とその会との間に、いろいろな義務的な支払いがあって、それをその中から引くとか、いわゆる借り入れ金の利子をその中から支払うとか、局長会の中のいろいろやりくりがあるんじゃないかと思うのです。それはそれでもってその当事者間の合意の上で行なわれておるというふうに考えますので、もし御指摘のように、本人の意思にかかわらず不法に、そういうものが搾取されているということであれば、これはやはり看過し得ない問題であると思いますので、そういうことがないように今後指導していきたいと思います。
#38
○横川正市君 私は、不正とか搾取とかいうことではないのです、事務上の手続の問題ですからね。事務上の手続を実は自発的に自分から積極的にやる場合と、強制されて――違法ではない、不正ではないが、やられる場合とがあって、その後者だと私は思うのですよ。だからそういう強い意味で搾取しているのではないかと、そういうことではありませんから、これはそういうふうに理解しておいていただきたいと思います。
 そこで契約の場合の契約変更等の場合、たとえば、電電公社の合理化計画によって、局舎のスペースが縮小した、当然これは契約要件の変更をしなければいけないというような場合があります。それからこれはまあ人員によってスペースというものはきめられているわけでしょうから、そういういろいろな事情によって変更をしなければならない場合、こういうときにはこれはそのときそのときによって契約の変更というのが行なわれているわけですか。
#39
○政府委員(溝呂木繁君) 電通分離等によりまして、特定局のうち、不用になった部分ができました場合は、たしか借り入れの対象からはずして、その分については以後借料を払わないということになろうかと思います。ただ原状復帰義務というようなことがありまして、詳しいことはちょっと私担当ではありませんので覚えておりませんが、何か原状復帰については、省側もある程度責任を持ちますが、一応借料の対象としてはそこからはずすということになっているというふうに思います。
#40
○横川正市君 その借り上げの局舎の職員一人頭の坪数というものは、どの程度になっていますか。
#41
○政府委員(溝呂木繁君) 集配特定局ですと、一人当たりが十平米、それから無集配特定局が十六平米ぐらいになっているということのようでございます。
#42
○横川正市君 これは逆に、私は部分的にこの局舎の中の委託関係の業務が移転したあとを、これを局舎料の対象としないという、そういうことによって非常に契約者のほうで不都合を感じているわけですね。これはいままでの局舎というのは局長住宅とくっついている場合あるいは分離している場合と比べますと、くっついている場合が多い。いまは大体分離しているようですが、そのいままで使われておった部分があき家同然になって、そのまま放置されているというような場合もずいぶんあちこちで見かけるわけですね。これはどうかと思うんですがね。やはりある程度は従前の契約を履行する方向でいったらどうなんですか。そういう場合の、何といいますか、一人頭の局舎の広さということだけに支配されないで、一つの契約として見て、その点をたとえば職員の集会場所とかレクリェーションにするとかあるいは休憩室に広げるとか、いろんな意味で使うことにして、借り上げの対象からはずさないという方向はとれないのですか。
#43
○政府委員(溝呂木繁君) その局の局状によっていろいろ違うと思いますが、まあ現状はかなり狭くて、たまたまそこで電通の合理化によって、そこが出ていったというような場合には、その部分をいろいろ休憩室とかあるいはその他のものに転用するということについては、私どものほうもそれを借り上げの対象にするというふうにしておるようでございます。ただいろいろすでに広くて、そこへもってきて、郵便局舎におきましては、電通が出ていきますと大部分が出ていってしまうというようなことになりますと、それを全部借り上げの対象にするということは、あまりにも合理的な借り上げの基礎というか、理論がなくなってまいりますので、その分はやはり借り上げの対象からはずすというふうにしておるのが実情でございます。
#44
○横川正市君 これは実情をあっちこっちで私ども見まして、あき家同然にして放置されておる、これはもう提供者のほうではたいへんもて余しておる、しかも借り上げを何十年もしてきて電話分がなくなったからといって突き離されるということはどうかと思うので、その事情をやはりある程度しゃくし定木に考えないで運用されることが、この面ではいいんじゃないかと思うのです。その点はひとつ検討していただくとして、局舎の減価償却という面ですが、これは借り上げがたとえば木造モルタルの場合に二十五年というような耐用年数というのがあるわけですが、二十五年を過ぎた場合の借り上げ料というのは、どういうふうな取り扱い方をしておるわけですか。それとも経済成長がずっと高まってきて、一般的な物の値上がりその他がありますから、償却度とは実は逆に局舎料というのは高まっていっているのじゃないか、その比率は一体どういうふうになっているか、社会一般通念上からいきますと、安いといわれるのか、ある程度まあ適当な料金とされているのか、この点は都市とそれから農村とは違いましょうけれども、大体大まかに分けて、どういうふうな状態になっているのでしょうか。
#45
○政府委員(溝呂木繁君) 特定局舎の借料の乗率というものの中に、いままでは減価償却というものをいまお話しのように見ておりましたが、最近はこれを減価償却及び資本利子的なものを一本にしまして、元利均等償還率というようなものに置きかえております。考え方は同じことになると思いますが、一応それでいきますと、三十年の九分元利均等償還率というもので借料家賃乗率というものを計算しております。そこでいずれにしろ、この三十年均等償還率というのが出ましたのは、やはり一種の減価償却上の耐用年数を三十年に見たということ。こうなる前は、たしか木造二十五年、鉄筋六十年という耐用年数の減価償却率を見ておったように思います。そこでいずれにしろ、この耐用年数が済んだものについての借料というものはどうなるかと申しますと、これはもう一般の家賃と同じように、そのままずっと継続していくという形になろうかと思います。と申しますのは、当然われわれとしては借りておるものの現存価格的なものについての借料でございますので、二十五年なり三十年たった場合には、相手方がその家賃の中から使用に耐える形に常に修繕していく、あるいはそういうように、われわれのほうに使用価値があるように提供しておるという考え方になりますので、これはどうしても一般の家賃の考え方と同じように、償却年限が過ぎようと同じような形でもって家賃料率をかけていく、こういうことになっております。
#46
○横川正市君 これは、私は提供者の立場で直営がいいのか、それとも自営がいいかなんということの論議は抜きにして、償却年限が過ぎたら当然建てかえられなければならないことが契約者同士間で出てくるんじゃないかというように思うのですよ。当然払われているものが他に消費されて、積み立てられておらないという計算のやり方なんかも、変える必要があるんじゃないかというふうに思いますが、どうでしょうか、その点は。
#47
○政府委員(溝呂木繁君) 私どもは、やっぱり一つの家賃を払う場合は、一般の社会通念的な借料というものにならざるを得ないというふうに思います。したがいまして、一般の家賃等につきましてもその家賃の算出の中に、一種の耐用年数的なものを計算には入れておりますが、事実上はその耐用年数ごとにその建物を建てかえるという義務は、お互いの、その建物を借りる中には入っていないんじゃないか。ただ常にそういう状態に――こちらが住めるような、使用できるような状態にしておくということは家主側の義務かと思いますが、三十年たったら一律にもう建てかえるとか、そういうことまで義務づけることは、一般社会通念的にはちょっと無理なんじゃないかというふうに私は考えておりますが、そういう考え方で、まあ現在も家賃料率というものを考えているわけでございます。
#48
○横川正市君 最近、局舎を建てかえなければいけない立場に立っている局長側に、局舎を建てるための資金による犯罪行為というのがぼつぼつ出てくるわけですね。これは、私はやはり郵政事業の面から見て好ましいものではない。だから、そういう点を無理をしないための幾つかの方針、方策というものが考えられていいんじゃないか、普通の考え方からいくと。局舎提供義務というのは、これは政府が民間資金、これに一時的に依存をして、そして公共の用に供するための窓口を開く。これはもう一貫してそういう考え方で経営してきたわけなんですね。その場合に窓口が不必要になるという場合はまずないわけです。経済の変動、その他によって窓口を閉鎖するというようなことも、これは万々私どもやってほしくないというふうに思います。先ほどちょっと言いました契約というのには、もう少し普通のたな子と家主という関係ではない関係というものを契約の中に入れておく必要があるのじゃないか、こういうふうに私どもは思うのです。これは一つの犯罪を起こす要因をつくらないということにもなるわけで、そういう点は厳格なことをやっておけば、新局舎以外は、非常に局舎の建てかえ資金ということにあまり大きな予算を一々とらなくても、逐次環境整備というものができていくんじゃないかというふうに思いますけれども、これは、これだけ物価が上がっている時期ですから、非常にむずかしいとは思いますけれども、考えてみる必要はないでしょうか、実際に契約条項の中に。
#49
○政府委員(溝呂木繁君) 確かに特定局舎は一定の年限、かなりの年限がたちますと、いずれにしろ建てかえという問題が出てまいります。いま建てかえのためには、御承知のように相当なインフレ下においては局舎料というものだけで、その積み立てだけですぐに建物が建てかえられるかどうかという問題は疑問があろうと思います。というのは、借料はあくまでも投資したものに対する一種の償還的な考え方でございますので、百万円で建てた建物が三十年なり四十年なりたって建てかえるときには、同じ使用に耐え得る坪数のものを建てようとすれば、それが二百万円なり三百万円なりかかるという問題で、この問題を借料の中から解決しようとすると、相当の物価値上がり率を見た借料にしなければならない、こういうことになりますと、われわれ一般社会で見ているように償却を五年か十年ぐらいでしてしまうように、借料で取っておかないと、その物価情勢に即応した同等の建物を建てかえるための資金の手当てができないということになると思います。われわれの現在の借料というものをそこまで上げることについてはいろいろ財政上の問題もありますし、やはりいままでどおりの長い償還――木造で二十五年なり三十年償還というものを考えた家賃料率にせざるを得ないと思います。そういたしますと、どうしても特定局長なり建物の所有者がそれを建てかえるときには、相当の資金を必要とすることになります。この資金の手当ての問題でございますが、いろいろ特定局長会のほうでもそれを心配いたしまして、個人がなかなか資金の手当てができないというふうなものについて、いろいろあっせんをしているというふうには聞いております。そのあっせんによって、とにかくあまりにもひどくなっている局舎等については建てかえていくというふうにしていると思います。そこで、このいわゆる特定局長会等でやっているものは、それで何とかなりますが、特定局長会等を通さずに個人でやるために非常に無理をして、犯罪を起こしたという例を過去において聞いておりますが、しかしこれはちょっと、いわゆる借料で解決すべき問題ということではなしに、当然それぞれの資金ルートを通じてやるべきものでありまして、その犯罪防止のために借料で解決というのはちょっと無理なことじゃないかと思います。したがいまして、犯罪が起こらないで、局舎建てかえの資金を獲得するためには、やはり局長会でいまいろいろあっせんしているようなルートを通すとかということにならざるを得ないのではないかというふうに考えております。
#50
○横川正市君 そういう考え方で対処をされているのだろうと、こう私も思いますから、それならばこの提供義務に立っているものが、私設の特定局長会があっせんする金を借りたらいいのじゃないかというたてまえでいいかどうかという問題があると思うのですよ、私は。これは非常に善意で金を貸してくれているわけじゃないので、一説によりますと、やはりそこにもある程度借りた側と貸した側との間にいろいろな問題があるようでございまして、どうしてもやはりそういう公共性の強い窓口を提供する郵政省側が、もう少し長期年次計画を立てて解決をしていく問題じゃないのだろうか。それを提供者側の自由意思でございますといって、そのままにしておいていいのかどうかという点が残るのじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。
#51
○政府委員(溝呂木繁君) 現在のたてまえで、もし特定局舎の所有者が、どうしても自分で建てられないというふうに申し出た場合、また別の処理があろうかと思いますが、現段階では自分が建てます。ただ建てるための資金のあっせんを、自分個人が資金の獲得方に努力するか、同じような立場にある着たちのいわゆる福利厚生を願う特定局長会あるいは特定局長協会、そういったものが一つの団体としてそういう資金の獲得のルートをつくるということもあると思いますし、またそういうことであるならば、やはり団体的な形でもって資金の獲得をしたほうが比較的金利の安いものが手に入る、そういう形になっているのじゃないかと思います。そこで、当然そういうところから借りるより、自分で資金のめどがつき、どうも自分は特定局長会あるいは協会の世話になりたくないという気持ちの方は、当然自分で資金の手当てをして建設をされることになるのではないかと思います。どうしてもいまのように、その資金の獲得にまで国が直接入っていくことについては、ちょっと問題があるのじゃないかというふうに考えております。
#52
○横川正市君 そういう中へ国が入っていくことは問題がありますから、国がこれを行なうように変えたらどうですかと、こういうことを言っておるわけなんです。ことに集配局の場合は、これは個人で負担をしろというのは大体いまのような事情じゃ無理なんじゃないでしょうか。無集配局のような場合は、ある程度のものならば支弁できても、集配局の場合には非常にむずかしいということが言えるのじゃないでしょうか。それはどういうふうに判断していますか。
#53
○政府委員(竹下一記君) 特定郵便局の局舎は、特定郵便局長が自分で建てたいという意思がありますならば建ててもらう。これは従来その方針でやってまいりましたし、郵政財政の見地から申しましてもたいへん望ましいことでございます。ただ、お話がございましたように、経済情勢その他で局舎を建てるということがなかなかむずかしくなってきておる御時世でもございますし、また定員が多い局におきまする局舎は大きい局舎を建てなければならない。そのための資金調達はたいへんむずかしいという、そういう事情が最近ではだんだん濃くなってきておりますので、省といたしましては、一定の基準を立てまして、国費による特定局舎の建設ということもやっておるわけでございます。たとえば定員が三十名以上になればこれは国費で建てましょう、それから定員が三十名未満でございましても、市制施行地の中心部にありまして非常に発展性の強いところにおきましては、これまた国費建設にしていこう、こういったような一定の基準を立てまして、かつまた同時に年度予算も計上いたしまして、今日までやってきております。三十一年度から四十四年度までの国費建設の実績を見ますると、大体千二百局ばかりは国費でもってさっき申しましたような規模の特定局舎を建設した、こういう実績をたどっております。
#54
○横川正市君 私は、その面は承知をいたしておりますが、私の考えでは、集配局は国費で建てるというふうな方針をとれないかどうかという考え方ですよ。これは無集配局の場合は、これは国費の場合もあるし、それから自営の場合もあるということは現段階ではやむを得ないとしても、集配局の場合にはこれは国費で建てる、そういう行き方をするのが当然じゃないかというように思っているわけなんです。それは損得いろいろな関係があろうと思うのですが、いまどういうかっこうにしても、市場の金利を使って建てて、それを償却をしていくような計算方式をとれば、これは借料の面から言ってみても決して得にならない。先ほど言いましたように、耐用年数が過ぎてもなおかつ同一料金をはらっていかなければいけない。そういたしますと、当然環境整備というのがおくれてくる。そういうこともありますから、局舎についての当面の考え方を、いまは三十名というような員数に限っているけれども、これを集配局は郵政が国営で建設をいたしましょう、無集配局については混合で当分やむを得ませんというように、その方針を変える必要があるのじゃないか、こう思うのですが、どうでしょう。
#55
○政府委員(竹下一記君) 集配局にもさまざまございまして、大きい集配局もありますが、片一方定員五名などという集配局もあるわけでございまして、一律に集配局だから国営、こういう線を引くことはちょっと無理があろうかと思います。やはり相当程度の定員がおり、相当程度の規模の局舎を建てるという、そこの線をどこに引くかということにつきましては、これはもう少し実情を見まして、いまは三十名、特例的に二十名という線を引いておりますけれども、それは時代の情勢の変化に応じまして多少の操作はいたさなければならないことになるかもしれませんが、集配局は一律に国営でやるという線はいまの段階では適切ではなかろうと思います。それからまた、現実の局舎建設の実情を見ておりましても、集配局長が自費でもって局舎を建てておるという例は相当あるわけでございまして、集配局の建設については全部が非常な無理をして苦んでおるという実態でもない、かように存じます。
#56
○横川正市君 それは、局長さん方がやめられて、退職金をもらって、そしてどれくらいの土地を買って家を建てて、それを一体銀行ローンにしてどうやって払ったら、どれくらいの計算になるかぐらいみんな計算しているわけですよ。私は、実は身分上の問題が保障される裏付けのようなかっこうで、非常に強く局舎を自営にしようという思想が流れているのであって、その面は契約条項ですから明確ですということがあれば、局舎を国が建ててくれというのが、これは全部の局長の願いじゃないでしょうか。それをただ予算的にどうにも消化しきれない現状にがまんをしているというのが、実態なんじゃないですか。だから私は、そういう面からもう少し郵政省は、私的な財産に依存して経営していくという考え方を少しずつ改めて、自主的な経営の形態へ変えていくんですということをやらないと、その面からもちょっとやはり思想的にももう敗北感ですね。他への切りかえということができない、そういうふうに私は思いますね。だから私が、なぜぼつぼつと言っているかというと、やはり小局運営の中に既存して残っておるものを、どこかで切っていかないと、それは変えていくことはできないでしょう、いまのままの体制では。それで私は、根本的には、先ほど官房長にも聞きましたように、小局は郵政省の拡大生産をする窓口である、小局をどうにか変えていかなければ、いまのところ郵政省が拡大生産へ向けて体質的に転換し得るような要素というものは他にはないのじゃないか。それで既存のいろいろな関係というものがあるけれども、これを筋道を立てたらどうですか。たとえば特定局長さんがいま自分で特定局長であることを誇りに思い、業務に非常に貢献していると思うならば、これは、私は十分に買っていいと思うのです、その気概をですね。しかし既存の形態の中で前向きに行けないようなことがあれば、郵政省はこれは指導しなければいかぬだろうし、いままでの状態で放置することはできないだろうと思う。そこで既存の足かせは何が既存の足かせといったら、自由任用とか局舎の問題とか、それから経済効率の問題よりか公共性の追求の問題とか、そういったことが残っているわけですよ。それをもう少し改めていって、初めて一つの前向きの姿勢というものが出てくるのじゃないかと思うのですよ。いま特定局長さんたちが自由民主党に入って、そして一生懸命自分の立場を守ろうとしている努力ば郵政省が悪いのですよ。郵政省が何にもしてやらないから自分の頼り道を保守党、与党に求めてやっているわけですからね。そうでなしに、やはり行政庁の立場からすれば一つの末端機関なんですから、あらゆる面で責任を持つ必要があるわけですよ。それをやったらどうですか。そこで私は、たとえば局長さん方はもうたいへんな努力で貯蓄奨励をやっておりますね、保険の募集をしておりますね。そういうような剰余金は、これは預託利子で経営ができ、積み立て金がある程度経営上完全ならば、それよりオーバーしたものは局舎整備として無利子の投資をしたらどうか。そういうふうに思うのですが、これはひとつ大臣から答弁をいただきたいと思います。これはいまの法律やなんかではできません、大蔵省との関係でもできません。しかし、これが現行会計でできないというならば、私は公社にして公社化の中でこれだけでもひとつどうかと。これは民間企業と相争って一番争いをするなんということでなしに、やはり窓口サービスを強化し、事業としての本来に立ち直るためには、そういうこともやってみる必要があるのじゃないか、そう思うのですが、どうでしょうか。
#57
○国務大臣(井出一太郎君) きょうは横川さんのたいへん密度の高い御論議、私も非常に参考になりました。そこでいま御質問の出ました、郵便貯金にしてもあるいは保険の場合も同様かと思いますが、これを一元的に総合的に運用することによって、ある一定の分量をこえたものを局舎の資金に充てたならばどうか、こういう御意見でございます。これはまあ一理ある御意見と思いますが、ただいまの仕組みからいいますと、貯金は貯金として預金者の保護というふうなところに問題がございましょうし、保険は保険で支払いの準備金というふうな加入者保護の立場がございましょううから、これを混同しての運用ということは現行の仕組みからいえば、ちょっと無理であろうかと思うのでございます。したがって別途何か知恵をめぐらして、局舎の問題が先ほど来の御指摘のように、いろいろな悩みをかかえておるとすれば、それは別途考究をしなければならぬ問題と心得ます。したがいまして、いま即座に、まあ横川さんも、それは法律の問題もあろうし、すぐには無理だろうと、こうおっしゃっておられますが、そういう点は他にひとつ別途考究の道を求めてまいりたい、かように存じます。
#58
○横川正市君 これは、他の産業でいえば競争事業であります銀行とか保険会社というような形態を見ておりますと、非常にぜいたくに労働力を使っていますね。ほとんど大学卒業者でまかなっている、労働力を。しかもそれは優秀な者を選択する能力を持っていますね。官営と民営との違いこそあれ同じことをやっているわけですが、それが非常に大きな違いが出てきておると思うわけです。それから店舗の持ち方を見ますと、これは雲泥の差があるわけです。どこへ行っても銀行とか保険会社というのはりっぱな店舗を持っているわけです。私は、これは官営企業ですから何もあれほどりっぱなものでなくても店舗を持つ資格があるのじゃないか、そういう面で、一体これはどういうふうにして解決することができるか。それから優秀な労働力を確保するという面も、店舗を持つという面も、郵政の場合には官僚だから、いや、そういう必要はありません、残り物でけっこうですというわけにはいかぬのですよ、実際にはそれをほどほどに――労働力を確保し、店舗を持つとすれは、いまのままでいいかと――ほどほどのものであって、いまのままでいいという結論は一つも出てこないわけですよ。しかもそれが制度だ、歴史だと、そういうことに依存しておってできるわけはないですよ。だから、その制度とか歴史だとかいうものをもう少し分析をしながらこれに対する答えを探していくとすれば――むちゃな意見かもしれませんけれども、私はこの間、大蔵大臣に「保険とか貯金の最高制限額を取り払ったらどうでしょうか」、「いや、取り払ったら民間とたいへんに競合する」。「そんなことはないでしょう」、どうサービスすることがいいかという選択の中に郵政事業というものが入っていくのであって、その選択をするのは国民なんですから、サービスをよくしようということがどうしていかぬのですかと言って、大蔵大臣とやり合ったわけです。そうすると大蔵大臣は、どうもよくわからぬからひとつ教えてくれと言うから、教えてくれじゃなくて、あなたのほうでは積み立て金をみんな持っていって運用しているわけだから、そうすれば集めてくる側がどういうふうになっているくらいはよく勉強してもらって、こうしたほうがいいという意見を持ちなさいと言って、話をしましたけれども、その大蔵省との関係についても、これから非常にたくさんの大きな問題点が出てくるのじゃないかと思うのですがね。しかし、その中で少しだけ解決できるとすれば何かというと、これはやはり、もう少し貯金なら貯金がスムーズに増加し、預託利子がある程度オーバーして入った場合に投資額へ回すことができるかどうかの、少しの問題だと思います。これは何百億ですね。それはもう一年に百五十億くらいずつ五年くらい投資してくれれば相当改善策というのはとれるわけですよ。そのくらいなものが一体剰余金として出てこないか、それが実は財産なんですからね。銀行はみんなあの店舗は財産です、評価して。すると店舗として持っているわけですから、私はそういうような財産として持つこともいいんじゃないかというように思うわけですけれども、そういうことができるかできないか。現行官庁会計あるいは公社会計を切りかえてみたらどうかという一つのポイントになるのじゃないかと思うものです。いまのままじゃとてもできないわけですが、公社になって小局運営――しかも小局にある程度期待をかけるとすれば、その面も一つの目標に置けないかと、こう思うのです。もっともこれはずさんな計画――ちょっとしたあれですからいろいろな点が出てくるわけですが、一つの目標として検討してみる必要があるのじゃないか、こう思います。いまのままでいったら、これはどんどん上がっていきますし、それから生産性を守って支出ができないという状態もありますから、そういう点では長期に相当大きな金額を借金してこれを払うという、その苦労というものはたいへんなことになっていくのではないかと、そう思います。そういうことを見越して解決策を持たないということは、これはどうも省としては少し怠慢のそしりを受けるのじゃないか、そう思いますが、この点はどうですか。これは、大臣よりは事務当局が実際に担当しているのですから、いまのままでよろしゅうございますということが言えないのならば、それはどういう解決策があるのか。それはひとつ答えとして出す必要があるのじゃないでしょうか。
#59
○政府委員(溝呂木繁君) 郵便貯金の剰余金を資産として持つという御質問のように私受け取ったわけでございますが、御承知のように、郵政事業は郵便、郵便貯金、保険という三事業をそれぞれ独立した形で行なっております。したがいまして、郵便貯金で生じた剰余金というものは、それは第一義的にはその郵便貯金に必要な経費に充てるということだろうと思います。御承知のように、過去におきましてはいろいろな事情があって郵貯事業は大きな赤字を生じておった時代がございます。最近は郵便貯金の伸び等によりましてその伸びが支出の伸び以上に伸びたために黒字を生じております。しかしその点、郵貯会計にも書いてございますし、もちろん現行法規にも書いてございますが、この法規を改正するにしても、筋としては将来の郵便貯金の経費に充てるための剰余金として残しておかなければならないものではないかと思います。いずれ利子の値上げの問題も出てこようかと思いますし、郵便貯金の伸びはいつもベースアップよりもよけいに伸びていくかということにも疑問が出てまいりますので、その将来のために剰余金として、積み立て金として確保しておくということが必要ではないかと思います。
 そうしますと、二番目に考えられることは、その剰余金は現金で剰余金として持っていなくても資産として持っていくということができぬかということが出てこようかと思います。現に郵政事業特別会計におきまして収支に差額が出た場合、その資金を建設の財源にいたしております。自己資金として建設に回しております。その限りにおいてはその資金が利益金であったとしても建物としての資産という形で残るということが可能でございます。したがいまして、もし郵便貯金でもってできた剰余金の一部、それが資産という形で保有できぬかということならば、私はできると思います。そこで、じゃその繰り入れ方法はどういうことかということになりますが、現在は郵貯会計から郵政事業特別会計へ設備負担金という形で郵便局及びその他の地方貯金局とかへ、そういう貯金の持ち分から必要な分は郵貯会計から郵政会計への繰り入れという形で行なっております。したがいまして、そのルートを十分通すならば、いまでもその設備負担金をふやすことによって郵便局舎の建設に回し得るというふうに考えます。そういうふうに見てきますと、どうも問題は、郵政省が建てるべき郵便局舎というもののほうをまず先に限定して、それに必要な建設財源をどのように確保していくかという問題になろうかと思います。そしてその中で郵便貯金が負担すべき分があれば、これは当然郵貯会計にそれだけの経費支出を要請するという形でもって設備負担金でもらえるというふうになろうと思います。
 そこで話が前に戻るわけでございますが、集配特定局が建てられないのは金がないからだというふうに前提されて、そういう御指摘があったように思いますが、必ずしも――もちろん金があるないが大きなファクターではございますが、それだけではなしに、一つの方針の問題じゃないかというふうに考えます。先ほど郵務局長から答弁がありましたように、たとえば定員何名以上の局は、しかも本人がこうした場合は国で建てるということがきまれば、それに必要な建設計画というものを立てまして、そして現在でもそれに必要な経費ということで――自己資金がない場合は、財投からでございますけれども、ことし、四十五年度百二十億借り入れをいたしております。そういう形で行ないますので、いまの制度でも絶対不可能ではなくて、むしろ郵政省が国費で建てるべきものの限定のほうに問題があるのではないかというふうに考えます。もちろんその場合でも御指摘のように、公社化した場合のほうがそういうことの支出が楽ではないかという御指摘かと思いますが、実はこの点につきましても公社化特別委員会でかなり議論が出まして、やはり公社化されましても郵便、郵便貯金、保険というものの事業の筋は通すべきではないかということで、それぞれのやはり独立性は確保しなければならない。したがって、財政的にも郵便貯金の黒字をそのまま郵便のほうに使うわけにはいかぬだろうという声が出まして、やはり公社化された暁でもそれぞれの事業に必要な黒字はその事業において確保するという形になるということで、その点についてはいまとそう変わらないのではないかという感じがいたします。
 それから、資金の確保の問題ですが、私も初め公社になればその資金の確保等はもう少し楽になるのではないかと思いましたが、現在の電電公社あるいは国鉄あるいは専売等におきましても、かなり予算の面では楽になっておっても、この借り入れ金だけは、現在でも電電公社ですと公社法の中で借り入れば全部予算をもって国会の議決を経なければならないという形で、現在でも予算総則の中に会計限度額というものが出ておって、そして予算化されておるという形で、やはり外的な制約はたいして変わらないのではないかというふうに感じております。
#60
○横川正市君 私は、いま説明のあったような内容はほぼ承知をして、それでなおかつ、いまの状態にどう対処するかという点をお聞きをいたして――皆さんは専門家ですから、私は聞きかじり程度でなかなかいい知恵もわかないものですから、それで聞いているわけなんですが、剰余金の一部を資産として持てるかどうか、これは、私はやはり資産として持った資産が活動して、さらに大きな利益を生むようなものかどうかということによって、持てるか持たないかということの判断になるのだろうと思うのです。ですからそういう意味で、いままできわめて消極的な企業経営であったから、たとえば八カ年計画は――当初局舎が出たときの論議の中にもありましたように、ぼろの局舎でやっても百は百、新しくなっても百は百、新しくなっただけの投資額はそれだけ負担になります、だから建設計画についてはよっぽどの見通しがなければ建てられませんというのが出発点であったわけですね、五カ年計画のとき。それが八カ年計画で修正されて、なおかつ建築資金をいま借り入れを受けて拡大をしている。その最大の理由は何かといったら、やっぱり一般社会情勢からずいぶんおくれているのに、どうやったら追いついていけるかということが中心になって計画を立てられているわけです。それも私は、やっぱり頭打ちがきた、もう少し前向きの何か拡大するものはないだろうか。まさか郵便を出してくださいと御用聞きに行くわけにはいかない。何かほかにないだろうか。そういうことがやれる状態というものをつくるために、店舗としての投資というものが考えられないだろうか。そういう点で私はやはり、これは改革をしていく余地があるというふうな考え方に立って、この問題を解決してもらいたい。もちろんこれは先ほども、一番最初にもお断りしたように、政治問題は抜きにして、全く郵政省の経営をこれからどうしていくかというたてまえに立っての論議ですから、政治問題が加味してくると、またそれはいささか変わってくるかもわからぬし、与野党でこの意見はおのずと違ってくるかもわからない。しかし何にしても現状の郵政省の中で小局というものを運営するとすれば、どこかで一つの解決策を持たなければいけないし、その解決策を持つとすれば、一体何があるだろうかという模索は真剣にやってもらわなければいけないのではないか。非常に簡単なことで、私がいろいろなことを申し上げましたけれども、あるいは参考になるかならないかは、ひとつ検討した結果でやっていただきたい、こう思います。
 それからもう一点、問題としてありますのは、特定局長の任用の問題が最近出て、いろいろ変わってきていると思うのです。最初、実は私も手がけたわけですが、人事院の浅井総裁と、それから全逓という労働組合との間で特定局長の任用に自由任用というのを入れたのは、これも大野勝三さんが事務次官のときに明確に答えられたのは、人事院から一応の一つの基準みたいなものが出てまいりました。たとえば、何人以上の局には何年経験とか、あるいは何歳とかいうものが基準に出まして、その末尾に自由任用というのがやはり人事院の勧告の中にも入っているわけなんですが、そのときに郵政事務次官の答弁は、山間僻地であって、全く部内から任用をしようと思っても任用することができない。そういう場合に、その地域に適任者がいれば、これは適任者として局長にすることの道をふさいでは困るので、たしか五項目か六項目かにこれが入っているのです。こういう説明がされたわけです。これは当時、私どもは、それを一つの特定局制度というものの改革として、寄りどころにしておったわけなんですが、大体この期間も相当たってまいりまして、任用の考え方というのが大体変わってきたようであります。その変わり方をとやかく言うわけじゃありませんけれども、いまもって省側の考え方の中に、地域社会との密着性とか庶民性とか、それから運営の経済性、能率性、こういうようなことが一つの選択基準になっているわけなんですが、一体これは、そういう基準が現在やはり非常に重要だとお考えになるか、それともそうではないと考えるかという問題なわけですが、私はもう、たとえば駅の駅長さんは、顔が広くていいから一般民間からひとつ駅長さんになってもらう人をさがしましょうという話も、これはありませんし、それから民間でいえば、銀行の支店長さんを、これもまあたいへん有能な人で、この地域に顔がきくからこの人を採用しようということも、これはだんだんこれからなるかどうかわかりませんけれども、いままではなかったようであります。これよりかもっと、小局に要請される責任者というのは、非常にいろいろな意味でノーマルな人間であって、事務的にも、あるいは社交上も、サービスの面も、いろいろな面で適任者と思われる者がやはり選択をされるという基準に変わってくるべきじゃないだろうかと、こう思いますが、たとえば財産を持っているというような地域性だけでは実際上の適任者とも思えませんし、非常に如才がないということだけでも適任者と思われません。事務能力の問題も出てくるわけでございます。局長任用の基準というものを、将来展望のできる小局のあり方というものを考えながら、どういう人を持ってきたらいいかということと、それから、そういう責任者でなしに、もっと別な考え方でいえば、たとえば私どもは単に局の、いわば肩書きだけにとらわれないで、実務的に能力のある者、こういうことで部内者による局運営ということが出てくるんじゃないか、そうしてそれをつくり上げるための努力というものが、企業の中にあっていいのじゃないだろうかというふうに思いますが、依然として従来の任用条件で部外任用あるいは部内任用をする、こういう形式でいいのか。根本的な採用の問題で、これからどういう採用条件を満たしている者が任用になるか、その基準をお伺いしたい。
#61
○政府委員(中田正一君) 特定局長の任用問題に関して、国家公務員法あるいは人事院規則との関係でございますが、国家公務員法が戦後制定され、郵政職員に適用された場合に、特定局長についてどういうふうにこれを具体的に運用するかということで、いろいろ問題があったことは事実でございますが、現在の公務員法、人事院規則におきましては特定局長の任用については従前の例による。従来どおりということで公務員法、人事院規則において認めているわけであります。それに従いまして現在も任用を行なっているということでありますが、御存じのように特定局長の任用につきましては、戦前あるいは戦後一定期間までは財産の所有というようなことも一つの条件でありましたけれども、そういう面は削除されまして、年齢制限ということと、相当の学識才幹あるものという基準、そういうことによって運用されているわけでございます。具体的には、その地域において信望を受けているということ、また当然事務能力も相当なければならぬというようなこと、そういうことを含めまして運用されているわけでございますが、最近の情勢に応じて、特に小局についてどうかという御指摘でございますが、最近の運用実態から見ましても、格別これを現在どうしなければならぬということはない、現在の運用によって大いに業務成績をあげているというふうに存じております。
#62
○横川正市君 これは、あの実態から先ほどいろいろ論議をしてきたわけなんですが、たとえば二人局におけるところの諸経費と、それからそこでの生産性という面から見て、一体公共性は非常に高いけれども生産に見合った活動とか能力というものは期待できないじゃないか、しかしこれは非常に公共性を追求されるから置いてあるのです。そういうような既定の考え方で局長というものを任用する基準とすれは、これはいま局長の言われるようなことだろうと思うのですよ。そうではなしに、私はやはり将来は相当生産性を追求されて、そのワク内で人件費、業務費というものが支出されていく、そういうふうになってきますと、おのずと一定の金額を払うために生産性というものを高めていかなければならない。その能力を持つか、持たないかがこれからの要件になるのじゃないか、そういう要件が必要になってきたときに、既存の採用条件でいいか、あるいは部内から採用されるとどれだけ人の訓練が必要なのか。これがいまのままでいいかどうかについての問題点として、あげたわけなんですね。いまのままでいいですというのは全く四角四面で、間違いさえなければ――犯罪さえ起こさなければいいという形のことならば、別に質問をする必要はないわけですよ。どう私ども考えてみても、特定局というものは公共性だけは追求されるけれども、生産性はむずかしい。これは他で補わなければならぬと、さじを投げてしまうならば、これはもう現行でしかたがないということになるわけなんですが、私どももいろいろやってみましたが、一つはやっぱり貯蓄なら貯蓄を伸ばすとか、保険なら保険を伸ばすとか、あるいは他にやれるような方法があれば当然やっていけるとか、いろんなことを取り入れて考える必要があるんじゃないだろうか。たとえば二人局ならだめだけれども、三人なら三人のうち一人が貯蓄関係、保険関係の専務になったら、思わぬ収益があがってくるというような業務指導もあるかもわからないですよ。そういうことで、普通のありきたりのものでないというたてまえからすれば、一体いまのような局長の任用制度でいいのか、あるいは局長のあり方でいいのか。これは大体どう考えていますか、ということなんです。
#63
○政府委員(中田正一君) 先ほど官房長か経理局長の答弁にもありましたように、特定局長・小局の場合におきましては、単に管理だけを行なっているという面でございませんで、実際に実務を取り行なっているということでございますし、そういう観点から小局の特定局長あるいは特定局長一般の任用を行なっておるわけでございますので、単にそこの局の局長として在任する間に犯罪がなければ、それで管理、監督の責めが果たせるんだというようなことではございませんで、貯蓄成績あるいは郵便業務、各業務の成果が大いにあがるようにというような観点から局長を任用しておるわけでございます。その場合に小局であればあるほど、実務の経験を持った者、したがって部内者を任用すべきでないかというお説のようでございますが、特定局長の任用については、先ほど申しましたように、年齢制限というものがございます。あまりにも高齢の者は将来性が乏しいというようなことで年齢でもっていろいろ制限を加えている。将来相当長く、その局の長としてその地域の住民に対するサービスを責任を持ってしてもらうというたてまえでありますので、単に一定期間――一年、二年の間だけのことでなしに、これから十五年、二十年先を見通しまして、その者の将来性を考えながら任用を行なうということが肝心であろうと思います。したがいまして、そういう観点から見ますれば、単に部内に限ったほうがよろしいのか、あるいは部外においても相当の事務経験もある、地域に信望もあるという者から採ったらよろしいのかという点は、これはいろいろ問題のあるところでございます。総合勘案いたしまして、部内、部外を問わず、その局の長として将来性ある者を選ぶということで現在運用をやっておるわけでございますし、さしむき現在の運用をどうしなければならぬというような事態ではないというふうに考えております。
#64
○横川正市君 従来の十年間ぐらいの局長の任用状況というのが資料の中にもあるわけですが、これでいくと四十三年は九百二十三人中八百十人が部内から採用、百十三人が部外から採用。部外についてもいろいろあるんじゃないかと思いますが、実際上の採用状況は、全体から見て相当大きな比率が部内職員ということになってきております。部外から任用される場合、おもな任用基準――これに適格者としてあげられてきた地域社会との密着性や庶民性や経営の経済性や能率性――こういったものが適格だと判断をされて、部外者が任用されるということになるわけですか。それとも、これは何か推薦団体か何かありまして、推薦団体が推薦をしない場合には、適格者であっても任用しない、こういう場合があるわけですか、どういう人を採用しておるのですか。
#65
○政府委員(中田正一君) 推薦団体から推薦を受けるとか推薦を受けないとかいうようなことによって、採用されることはないことになっております。
#66
○横川正市君 ないことになっているのがたてまえなんですね。しかし現実にはどうなんですか。運用上はやはり推薦団体の推薦を必要とするという考え方でやっているんじゃないですか。
#67
○政府委員(中田正一君) そのようなことはございません。
#68
○横川正市君 それは、公の場所ですから、そういうことはないことにしておきましょう。
 この特定局の渡し切り経費という経理のしかたがあるわけなんですが、渡し切り経費というのはどういう性格の費用なんでしょうか。
#69
○政府委員(溝呂木繁君) 支出官から渡し切りで支出された経費ということになろうかと思います。と申しますのは、一般の郵便局等においては支出官を置いて一々の経費の支出が支出官をもってなされますが、渡し切りにつきましては支出官から一括そこに渡し切りされまして、あとはその渡し切りの中で経理されるというところが一般の経費と違う点でございます。
#70
○横川正市君 指定局制度の中にある項目と、それからその局所に渡された渡し切り経費との事務上の処理のしかたは、どういうふうになるわけですか。
#71
○政府委員(溝呂木繁君) 特定局あるいは普通局にも少しあるんですが、渡し切り費をもって支弁する局の経費につきましては、必ずそこの指定局の支出官を通して経費が令達――渡し切りについて令達されるということになっております。
#72
○横川正市君 私は、これは指定局というものの性格もあると思うんでありますけれども、この渡し切り経費というかっこうのものでなしに、もっと厳格な収支経理が行なえるようなものに改正できないですか。これは実際にはこの中でいろいろありますね、局舎の少額修繕費だとか、それから調度品の問題、あるいは薪炭費とか、通信費とか、これはそれぞれ局でもって収支経理をし、それの報告を受けてトータルをする、そういう指定局の中の業務になっているわけなんですが、渡し切り経費というのをもう少し明確な形にして、そうして指定局なら指定局の事務の中での収支決算ができるような、そういう形態にする必要があるんじゃないかというように思いますが、どうですか、経理上は。これは何かといいますと、このことは非常に小局の場合には事務負担になっていないかということですね。小局の場合の事務負担は、これは大きくまとまればそれほど事務負担にならないで処理できるが、項目があれば項目の金額はいかに小さくても一個は一個ですから、小局にいってこれがやられることによって事務負担というのが過重されてくる。それを数局まとまってやれるような体制でやれれば、どれほど労働密度その他からいってみても、事務処理上からいってみても容易じゃないだろうか、そういう考え方なんですが、渡し切り経費でなければその局所で会計収支としては不都合があるということならば、これはやむを得ませんけれども、そうでないならば、私は、これは小局での事務負担の面からは取り除いたほうがいいのじゃないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
#73
○政府委員(溝呂木繁君) 独立しました局所で使う経費につきましては、渡し切り経費が私どもとして一番簡単な方法であり、特に現業等については今後渡し切り方式を推し進めていったほうがいいんじゃないかというふうに考えております。と申しますのは、一般の経費ですと、一々支出官の支出を必要といたしますので、手続が非常に繁雑になってまいります。渡し切りですと、一応先ほど御説明しましたように、支出官のところから一括支出されて、あとはその渡し切り費を経理するだけになりますので、非常に手続は簡単になっております。したがいまして、私どもとしましてはなるべく現業局における経費は渡し切り方式をもっていくことが経営上は望ましいというふうに考えております。ただ御承知のように、この渡し切り経費もいままでは項目をかなり細分しまして、渡し切り費のいいところを少し殺しているような感じがいたしましたので、今度改正いたしまして、なるべくこういうこまかい項目別の内訳を廃止しまして、一括して総合的に、効率的に使えるようにしたいというふうに考えております。もちろん渡し切り費の中にもその局で総合的に使えない、当然義務費的に相手方に支払うような、私どもいわゆる乙類費といっておりますが、その分については、これはかってに余ったからといって、よそに使われては困りますので、これはある程度項目できちっと、幾らあって、幾ら使って、残が幾らあるということをはっきりさせておきませんと、これはいけませんが、そのほかの甲類費につきましては、なるべくAという項目で余った金はBという項目に自由に使わせて、その局の中で効率的に経費が使用できるような簡単なものにしたいというふうに考えておりますが、いずれにしろ、いまの郵政省の現業局で使う経費の中では渡し切り経費が経営的に見れば一番簡単な、いい方法と考えております。
#74
○横川正市君 これまであなたのほうでは、言ってみれば金を出すのをできるだけ押えていく一つの方便として渡し切り経費というのは使っているわけですね。だからそういうのではなしに、ある程度の必要経費については要求に従って出せるような形態をとっていくほうが、実際の運用上いいんじゃないかというふうに私ども思うのは、二万近くある局所ですから――特定局でも一万数千あるわけですから、そういう一万数千ある局は、局所、局所に特殊な事情というものがあるだろうと思うのです。だからそういう事情に従って、ある程度の裁量行為というものがあって、局長の権限内でもって右、左できますというような、そういうものにちゃんとしておくならば、この経費というのは、ある意味では生きてくると思うのですよ。ところがそうでないために、たとえば運送費を他の人件費に臨時に使ってしまったというようなことで、監察官から指摘される事件が起こったり、それから、こわれたということで使ったことにしてレクリエーションに使ってしまったとか、それから薪炭費の経費の中でガソリンになってしまったとか、いろいろなことが裁量によって、事実上はあまり効率的に使われているようなあとかたは見られないように私どもは思うのですが、しかもそれに何人という事務担当者というものを必要としているわけですね。一人これにかかり切りという場合もあるわけですけれども、そうではなしに数局やれば、これは一人の労働量として十分やり得るものであるし、しかも完全にやれるということであれば、そういう間違いを起こさずに的確に金を使うことができるんじゃないのかというふうに思うわけなんだけれども、依然としてこれは渡し切り経費、これだけでやりなさいという考え方で経費を使う、そういうことは、これからもそのほうがいいという考え方に立ってやっていくわけですか。それとも改善をされる意思があるかどうか、お聞きしたい。
#75
○政府委員(溝呂木繁君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在の郵政省としての経費の支出方法では、やはり渡し切り費が一番簡単な方法というふうに考えております。したがいまして現業における経費の支出方法については、なるべく渡し切り方法で進めていきたい。ただちょっと御指摘がありましたように、薪炭費であったものをほかの費用に使うとかというような問題は、これは内部の項目の内訳だと思います。それはいままででもいろいろ問題はあったのでございますが、小局については、ほんとうにいろいろ必要な経費区分というものが実際不可能に近い。しかし一応合理的に算出基準というものを設けて、この局は局舎の広さがどのくらいで、冬の温度が何度ぐらいで、というようないろいろなデータでもって大体この程度の薪炭費を配付すればいいだろうということで令達しております。しかし実際はその局において薪炭を購入する場合に、安く買える場合もありますし、郵政局なりが予定したよりも高く買わざるを得ない場合とか、そういうことがありますので、したがってその項目別のある程度の流用は、これはもう許すことになっております。したがってそういうことならば、かえってもうこまかく項目を分けてやることのほうが問題じゃないかということをいま検討しております。なるべくもう算出の基準というものは、われわれがつくりますが、特定局に対してこれこれの項目はこうだという金額別の内訳を付するのをやめていこう、そうして一括して必要の生じたものから必要なところに使っていくという形で、全体としてその局の運営がうまくいけばいいわけでございますので、そういう方向に改善を進めていきたいというふうには思っておりますが、渡し切り費を、一般の庁費のようなほうに持っていきたいという考え方は、いまいたしておりません。
#76
○横川正市君 これは、省の見解としては一つの総括的な制度に切りかえていくことは反対だというたてまえに立っているわけですね。そこでいまの簡易局として運営するためには、渡し切り経費というようなことで、渡し切りのほうがいいという結論なんであって、私は、いまの小局運営のあり方の中で、やはりいろいろな問題点としてあげられるのは、これはまた題目のように言う、特定局長を長としている郵便局の制度という歴史的、経過的なものが既存のものとして一番いいのだ、こういう考え方の上に立って改善案を考えようと思ったって出てこないわけですよ。だから渡し切り経費をどうするかといえば、既存の体制の中で一番いい経費ですという答えが出てくる。ですから人事の問題でどうですといったら、いまの形で一番いいということになってくるわけですね。小局の運営のしかたとして、私はやはりもう少し他に改善策というものがあるかどうかという点を重点として取り上げた場合に、いろいろな考え方というものが生まれてくるけれども、しかし既存のものそのものを肯定した上では、いい新しい考え方というものは出てこないけれども、しかし新しい考え方全部がいいというわけじゃありませんけれども、しかし私は、公社化への問題をいろいろ模索してみて、そうしていわば郵政省の既存の体制の起爆剤としては、現行と少しも変わらなくても、これはやるべきだ、こういうふうな意見はこれは乱暴だというふうに思われても、乱暴でもこれをやらなければいけないのじゃないかという考え方が根強くある。これは何かという点を見ていかないと、なかなか私は問題の解決の視点というものが出てこないような気がいたします。
 それからもう一つは、いまの郵政の経営的なもの、あるいは国民に対するサービスの改善の問題、いろいろな点をとってみて、もうこれはどうしようもない、しかしまあ他に方法もない。六級職で入ってきた者は郵政省がなくなっちゃおれは何のために郵政省に入ってきたのだかわからないから、郵政省は残しておくべきだ、それから貯金とか保険等は、これはもう全く独立でおれのほうだけよければいいのだ、経理上の問題も各局が分担をして一歩もこれは経理局にさわらせないなどというような既存のことをそのままにしておいて、一体体質改善というものがあるのかどうか、非常に疑問に思っているわけです。ですから、公社化の問題を考えながら小局運営というのはどういうことなんだろうかと思いをめぐらしてみますと、いま言ったような項目が各重点項目として出てきたので、考え方をお聞きいたしたわけですが、これ以上長くやりますと、大体聞いているほうが飽きてきているようですから、この辺でやめておきたいと思います。
#77
○委員長(近藤信一君) 午前中の質疑はこの程度にとどめまして、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時四十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時九分開会
#78
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日横川正市君が委員を辞任され、その補欠として久保等君が選任されました。
    ―――――――――――――
#79
○委員長(近藤信一君) 休憩前に引き続き、簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#80
○塩出啓典君 簡易郵便局法の一部を改正する法律案の問題について、いろいろ疑問な点についてお聞きしたいと思います。
 それで私、予算委員会の関係で、この委員会に最初から、ずっと出ておりませんので、多少質問が前に出た分と重複する点もあるかと思いますが、その点は御勘弁を願いたいと思います。
 それで、まず最初に、今回過疎地域対策緊急措置法案、そういう法案が提出されておるわけでありますが、今回の簡易郵便局法の一部改正法律案、これもやはり過疎地域の振興の一つの手段だと思うわけでございますが、まあこの過疎地域対策緊急措置法の精神にのっとって、郵政省としては今後どのような施策をとっていくのか、そういう点を具体的に御説明願いたいと思います。
#81
○政府委員(竹下一記君) 今度提案をいたしております簡易郵便局法の一部改正案は、受託の対象に個人を加えるということによりまして、さらに簡易郵便局を置きやすくすると、こういうところにねらいがあるわけでございます。先ほどお話のございました過疎地域対策緊急措置法は先ほど成立をみた法律でございますが、この法律と直接関連を持ちまして提案したわけではなかったのであります。と申しますことは、簡易郵便局法の改正法案はすでに四年前に出ておるという経緯もございますので、直接の関連はないわけでございますけれども、この過疎地域対策緊急措置法の中身を見てみますると、この法律の意図しております方向に実は簡易郵便局の改正法案があるわけでございまして、過疎対策の一翼をになうという面も持っているわけでございます。この過疎地域に対して郵政は今後どういうことをやっていくべきかというお尋ねでございますが、郵政事業は、この事業創業以来あまねくサービスを全国津々浦々、山間僻地にまで及ぼすということをモットーとして今日までやってきました関係で、過疎対策といたしましては各省の中で一番貢献しておると申しますと、多少語弊もございますけれども、過疎地域に対しましてやるべきことを一番やっているところではなかろうかと、かように存じます。この点につきましては、多少自負をしておる点もあるわけでございます。しかしなお、完全であるかと申せば多少まだ過疎地域の住民の方々に対して、もう少しサービスをしてあげたらいいんではなかろうかという面もないわけではございません。たとえば八十五条適用地がなお残っておるようでございますけれども、できるだけ、そういうものを解消して郵便を配達してあげると、こういったことも今後やっていくべきテーマの一つであろうと存じます。
#82
○塩出啓典君 それで、現在こういう簡易郵便局、それからまた特定郵便局、これの現在設置を要する場所が、これが特定局で千数百、簡易局で二千数百個所、そのぐらいあるように聞いておりますが、今年もしこの法案が通りますと、今年の予定では、簡易局は大体何局ぐらい、特定局は何局ぐらいふやす予定になっておりますか。
#83
○政府委員(竹下一記君) 四十五年度予算で成立いたしておりますワクでございますが、無集配特定局につきましては二百局、簡易郵便局につきましては三百局、これは成立いたしました。それを実施する予定でございます。
#84
○塩出啓典君 実際、しかし、簡易郵便局のほうは、資料をいただきますと、だいぶ多いときは五百ぐらいふえたり、またどんどん最近減ってきたりしておる。それはいろいろな事情があって、そうなったわけでありますが、それで今回個人受託を認めたわけですが、そうなると、かなり希望者も多いんじゃないか、やはりそういう国民の要望あるいはそういうのをやりたいという要望があって、三百じゃ――予算はきまっちゃったわけですが、非常に少ないんじゃないか、そういう点の見通しはどうなんですか。
#85
○政府委員(竹下一記君) まず、四十五年度は三百のワクでやってみて、模様を見まして、来年度においてワクをふやす。したがいまして四十五年度は緊急性の高いものをまず解決する、こういう方針でいかがであろうかと目下考えております。
#86
○塩出啓典君 今度この法案に「第三条の二」というのが追加になっておりますね。それで、この中には、「次の各号の一に該当する者は、受託者となることができない。」と、いろいろ一、二、三、四、五、六とあるわけですが、「二十五歳未満の者」、これはどういう基準で「二十五歳」にしたわけですか。
#87
○政府委員(竹下一記君) 受託者たるべき個人は、法律にも書いてございますように、十分な社会的信用を持った人であってほしい、また簡易局の事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人である、こういう条文がございまして、そういう縛りをしておるわけでございますが、これがあれば、別に年齢制限をする必要もあるいはないかと思いますけれども、一応二十五歳というラインを引くことによりまして、これに達した人は社会的にもあるいはいろいろな事務能力の面におきましても、社会的経験におきましても、簡易局の受託者として一応合格圏内に入るべき人であろうという程度の意味合いで年齢の縛りをしたわけでございます。また、これは実際問題でございますが、無集配特定局の局長の選考にあたりましては事実上二十五歳という線を引いて選考しておるという経緯がございますが、そのやり方も一方においては考慮に入れて、このような表現をしたわけでございます。
#88
○塩出啓典君 それで今度、第三条で「郵政大臣の委託により郵政窓口事務を行う者」というのが「地方公共団体、農業協同組合、漁業協同組合、消費生活協同組合」それから、その次に、「個人」が加わったわけでございますが、これは、この場合に、二つ以上の契約締結を希望する人があった場合には、このような順位、この第三条に掲げる順位の順に許可をする、そういうようになっておるわけですね。その場合に場所ですね、設置位置というものがやはり関連してくると思うのです。あまりへんぴなところで――やはり住民のためを思えば一番交通の便のいいところであればいいわけですけれども、そういう点はこの中には入っておらぬわけですが、そういう点はどうなんですか。
#89
○政府委員(竹下一記君) 場所も条件の重要な一つでございます。したがいまして二者以上が競合する場合ということは、契約条件が全く同一である場合と、こういう意味でございまして、郵政局のほうでこの辺に簡易局がほしいのだと、この地域を希望いたしました場合に、二者あるいは三者とも、いやその辺にちゃんと開局ができるのだということであれば同一条件でありまして競合という問題が起きてくるわけでございます。ところがおっしゃるように、地方公共団体あるいは農協あたりで開局しようとしまする場所が郵政局の希望する場所とはるかに離れておるというようなことになりますると、これは同一条件でなくなる、競合関係はなくなる。したがいまして郵政局が希望する契約条件にかなったものが優先してくると、こういう順序になるわけでございます。
#90
○塩出啓典君 そうすると、この順位というのは条件が同じ場合における順位であると、そういうことですね。それはちゃんとそういう順位決定というものがほんとうにやはり大衆の福祉に役立つようにするためには、この法案だけではちょっとそういう点が非常に不備なような気がするのですが、それはやはり別な通達を出すとか、そういうようなことは考えておるわけですか。
#91
○政府委員(竹下一記君) 通達を出しまして、この点をはっきりさしたいと思います。
#92
○塩出啓典君 それから、農協なんかが受託者となっているために貯金業務を行なわない、そういう簡易局、結局農協ではちゃんと農協のほうで農協貯金をやっているわけだから郵便貯金は扱えぬと、そういうわけでやってないと思うのですが、そういう局がかなりあると聞いているのですが、何局ぐらいあるのですか。
#93
○政府委員(竹下一記君) 現在簡易局を受託しております農協が局数としまして千五十七あります中で、貯金を扱わないものは六百三十五局ございます。
#94
○塩出啓典君 そうすると、そういうようなところで個人局をやりたいと、そうすると、個人委託の場合は貯金サービス――郵便貯金のサービスもやはり提供できるわけですね。そういう場合には住民福祉の点からいえばやはり個人受託のほうがいいのじゃないかと思うのですね。まあしかし、その場合にはいままですでに農協がやっているわけですから、そういうのを落とすということはちょっと問題かもしれませんけれども、そういう点をやはりどう考えているのか。
 それと、もう一つは、今度は新しくやる場合に、個人と農協というのが競合した場合ですね。この先ほどの順位から言いますと、農協ということになるわけですけれども、この場合は条件が違うわけですから、そういうときは当然個人のほうが優先すべきだ、そのようにはっきりしているのかどうか。その点どうですか。
#95
○政府委員(竹下一記君) 後段の新しく簡易局を設けます場合の競合につきましては、おっしゃるとおりでございまして、農協では貯金を扱いたくない、個人は扱いたい、はっきりとした差がございますから、これはもう同一の契約条件でなくなっているわけでございますから、その場合は個人にやってもらう。こういうことになると思います。
 もう一つの、現在あるものについての措置でございますけれども、今日まではまあ個人委託という方法がなかったものですから、やむを得ず農協委託の場合は一部貯金を扱わないということはやむを得なかったわけでございますが、今後はそういう道も開かれたわけでございますので、その簡易局の置かれました地況、それから住民の意思、貯金をやりたいかやりたくないかという、そういう需要の度合い、そういうものをよく調査いたしまして、契約の更改期に際して、あるいはこれに必ずしもこだわる必要はないのでございますが、農協のほうから個人のぼうに切りかえるということも実際の措置としてはあり得ますし、またそういうケースが出てまいろうかと思います。
#96
○塩出啓典君 それで個人を選定する場合の基準ですね。これは当委員会でもすでに問題になったと議事録で拝見したわけですが、やはりその運営いかんというのは非常にむずかしいわけで、これからどんどん数がふえてきますと、その場合のそういう選定基準というものを、ここに書いているように、ただ「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」と言いましても、たくさんいると思うのですね。希望者が非常にたくさんあった場合に、だれを選ぶか。こういうのは非常にむずかしい問題だと思うのですね。これはおそらく、郵政局長さんなんかが間に立って選定すると思うのでございますが、そういうやはり最も国民のみんなのために適した人を選ぶということは非常にむずかしいと思いますね。そういう点で私は、すみやかに郵政当局としてもこの法案ができてからつくるのじゃなしに、早くそういう基準というものをつくって、やはり公平を期していかなければならないということ、それを考えているわけなんですけれども、そのはっきりした基準ができているのか。あるいはつくるとすれば、大体いつごろまでにつくるのか。また、それにはどういう内容を入れる考えなのか。その点のお考えをお聞きしたい。
#97
○政府委員(竹下一記君) この選考基準は、なかなか大事なことでございますが、また同時になかなかむずかしい内容のものでございます。目下作業中でございまして、通達でもってできるだけこまかに具体的に地方へ流しまして、全国できるだけ同一の基準で正しい選考ができるようにしたい。こういうふうに考えて、いま作業しているわけでございます。この社会的信用の度合い、あるいは事務能力の度合いをどういう尺度で見るかということが一つのポイントでございますし、もう一つは、ある程度の資産あるいは経済力を持っていただかなければならない。その尺度をどう見るか。それからもう一つは、その経済力の保証ということを考えまして、私どもは連帯保証人のことを考えておるわけでございますが、連帯保証人にはどういう人を用意しているか、この点についての一つの基準でございますね。それから、簡易局の受託者は窓口を開いております時間中しょっちゅうその仕事にかかりっ切りでいるということは事実上できかねますので、その場合には代務の人を置いていただく。この代務の人はこれはまあいいかげんな人を置いてもらったんでは困るんで、身元が確実でやはりしっかりした人を置いてもらわなくちゃいけない、そういうことも考えまして、代務者についての一つの基準というものも置きたい、こういうようなことで、かなり内容がこまかくなりますが、極力具体的に書き上げまして通達をしたいと思います。しかし、実際の選考にあたりましては、いかにこの通達をこまかくいたしましても、最後はやはりいろんな角度からながめまして最終的に総合的に判断をするという場面が出てくるわけでございまして、通達だけではこの選考はできかねる性格のものではなかろうかと、かように存じます。
#98
○塩出啓典君 これは、契約は大臣がするようになっておりますけれど、そういう選考はやはり最高責任者は地方郵政局長になるわけですか。
#99
○政府委員(竹下一記君) 郵政局長でございます。ただ、実際の選考につきましては、郵政局長が部下に委任をいたしましてやることになると思います。
#100
○塩出啓典君 それから今回、第十条によりまして郵便年金法の次に国民年金法を追加になると、第六条ですか、「国民年金の給付の支払に関する郵政窓口事務のうち……省令で定めるものとする。」と、まあそういうわけでございますが、国民年金はいま八種類あると聞いておるんでございますが、大体郵政当局としては国民年金関係のやつは全部にするのか、どのようにいま考えているわけですか。
#101
○政府委員(山本博君) 国民年金にもいろいろ種類がございますことは、いまお話がありましたとおりでございます。ただ、簡易局で実際に取り扱いますものは、御承知のとおり一人の人間が扱っておりますので、国民年金のどの種類も全部取り扱うというわけにはまいりません。国民年金のうちのいわゆる無拠出の年金だけを扱う郵便局で扱っておりますうちの、約二割だけを簡易局で大体扱うということになろうかと思います。
#102
○塩出啓典君 無拠出といいますと、まあ老齢福祉年金、それから身体障害者福祉年金、それとあれですか、寡婦年金ですか。
#103
○政府委員(山本博君) 無拠出の年金と拠出年金と両方ございまして、拠出年金のほうはまだ適用者が非常に少ないのでございますから、これは厚生省が自分で取り扱いをいたしております。したがいまして郵便局、いわば郵政省で扱いますものは現在のところ無拠出ばかりでございます。その無拠出のうちの約二割――この種類はいまおっしゃいました年金全部、国民年金全部のうち無拠出のものだけを郵政省が扱っておる、そのうちの、現在まで簡易郵便局で扱わなかったものを簡易局で扱わせる、その量はトータルのうちの約二割ぐらいになるということでございます。
#104
○塩出啓典君 二割ということはあれですか、郵政省がいま扱っているのは年金のうち無拠出制のやつだけ扱っている、そのうち二割ということは、全部簡易郵便局で取り扱うけれども、普通郵便局でも扱うから、全体の額からいえば二割ということなのか、それとも郵政局が扱っている、これだけの種類のうちの二割だけを扱って、あとの八割は簡易郵便局では扱わないから、普通郵便局なりに行かなければならない、そういうことなのか、その点はどちらなんですか。
#105
○政府委員(山本博君) 二割と申しますのは、これは推定でございまして、現在郵便局で扱っております総件数は約一千万件、その一千万件のうち現在簡易局で扱っております為替年金事業の比率が大体二割になっておりますので、おそらく簡易局がこの業務を開始しましたら、そこへ取りにこられる方が約二割になるという推定で、いろいろこちら側でなさなければならない措置をその基準でやっておるということでございます。
#106
○塩出啓典君 そうすると、この無拠出制の年金については、簡易郵便局が近くにある人はそこへ行けばいいのだ、そこで取り扱わないから、わざわざ町の遠いところの郵便局まで行かなければならないということはないと、だから郵政局が取り扱っている無拠出制の年金については、これは全部簡易郵便局にやらせると、そう判断していいわけですね。
#107
○政府委員(山本博君) そのとおりでございます。
#108
○塩出啓典君 それから、これも当委員会で問題になったんでございますが、受託者のいわゆる身分の問題で、十一条には「公務に従事する者とみなす。」、その第二項には「国家公務員法の規定は、適用されない。」そのようになっているわけでありますが、やはり勤務中に強盗に襲われてけがをしたとか、お金を取られたとか、そういうようなことも過去にあったということも聞いておりますし、これからもそういう危険性はあるわけですね。そういうとき、いわゆる国家公務員の規定は適用されないなら適用されないなりに、もしその自分の受けた損害というものが不可抗力であり、しかも自分が簡易郵便局の受託者なるがゆえに受けた被害ならば、これは当然郵政局としてもそういう点は身分を保障しなければならないと思うのですよ。そういう点のはっきりした規定というのはちゃんとできているわけですか。
#109
○政府委員(竹下一記君) 従来は受託者が団体でございまして、かつまた実際の仕事をする個人は団体の職員、こういうことになっておった関係で、それらの方々が仕事をやっておりますときに受けました災害――強盗に襲われるとか、そういったたぐいのものにつきましては、省のほうでこれを補償するという道がなかったわけでございます。しかし、このたびの法律改正によりまして、受託範囲が個人に及ぶということになりますと、いままでとは実態が非常に変わってくるわけでございますので、そういう場合には何らかの保障を考える必要があるのではないかというようなことで、目下これも作業を進めております。その場合の考え方でございますが、これは身分は国家公務員というわけではございません、あくまでも民間人でございます。ただ仕事を執行しておりましたときに起きた災害でございますから、特別な扱いといたしまして何らかの補償の道を講ずる、これも見舞金といったような方式でもって補償をすると、こういうことを目下その方向で具体案をつくりつつあるわけでございます。
 それからもう一つ、この仕事をやっておりますときに受けました災害によりまして、お金をとられるとか、郵便物を盗まれるとか、何か国に損害を与えるというケースがあるわけでございますけれども、これは国家公務員についてやっておりますのと同じ趣旨をもちまして、その損害がその人の不可抗力によるものである場合には、もちろんその弁償をさせるとか、そういった求償はいたさない、やむを得ない措置として告訴の措置をいたしたい、かように存じております。
#110
○塩出啓典君 ただいま作業中ということでございますが、大体この法案が通りますと、あと三十日を経過して施行されるわけでございます。そうなると、どんどん契約もされるわけですけれども、当然私は、さっきの個人を選ぶ場合の基準にいたしましても、またこういう不可抗力の、勤務にかかわるような災害についての補償というような問題は、当然もっと早くできていなきゃならぬのじゃないかと思うのですけれども、それがまだこの法案の審議の段階において作業中だ、作業中というけれども、いつまでにできるんですか、これは。
#111
○政府委員(竹下一記君) この法律が成立いたしましてから三十日後に施行でございますから、それに間に合えばいいと思います。それと実は、新しく制度を開くというわけではございませんので、すでにそういう類似のものがあるわけです。たとえば集配請負人、運送請負人、この人たち、これは公務員でございませんが、仕事の執行中にそういう災害にあう場合がございますので、その場合に備えましてすでに見舞い金制度というものができておるわけです。したがいまして、私ども考えておりますのは、そういうサンプルもあるもんですから、あとは簡易局の個人受託者の場合の特殊事情を若干加味しましてモディファイすればもうできるわけでございまして、全然新しいものをいまからこしらえるというわけのものではございませんので、十分期日に間に合うわけでございます。
#112
○塩出啓典君 その点ひとつすみやかにお願いいたします。
 それからこの前、当委員会においても受託者の簡易郵便局長という、そういう名称の件が問題になったわけでございますが、これは法律上は受託者だけれども、簡易郵便局長という名前は呼んで差しつかえない。本人もそういう受託者になれば町の名士になっていろいろ新聞なんかにも随筆を載せるとか、そういうような場合にも受託者どこのだれべえというのじゃなく、当然簡易郵便局長だれそれと、こう出ると思うんですね。だから、これは受託者は簡易郵便局長と呼んでもいいという、そういう局長の答弁ですけれども、これははっきり政令かなんかに、呼んでいいんだ、そのようにしておいたほうが――法律は受託者だけれども、局長と呼んでも差しつかえないのだ――それではちょっとありがたみがまた減るのじゃないかと思うのですけれども、その点はっきりきめたらどうですか。これは、この法律できめなくてもいいにしても、政令とか、そういう形ではっきり簡易郵便局長、大衆から見れば簡易郵便局長である、そうしたほうがぼくはすっきりすると思うのですけれども、その点どうなんですか。
#113
○政府委員(竹下一記君) 個人の受託者の場合はすっきりすると思います。ただ従来ありますところのものを見ますると、受託者は団体の長である。しかし実際仕事をしておりますのは、そこの職員であるというケースの場合に、一体どう呼んだらいいかということも関連してまいりますので、これは政令でやるとか省令でやるとか、非常にかた苦しいもので縛るよりも、自然の成り行き――成り行きというとたいへん悪いのですが、自然発生的に出てきます。おそらく地元の住民の方々は、簡易郵便局長さん、局長さんと、こう言うに違いございません。簡易郵便局という表札を掲げるわけでございますから。実態がそういうことであれば、それでよろしいのではなかろうかと存じておりますが、これは発足いたしまして実情をよくながめまして、もし必要がございますならば、何らかのひとつ手を考えたらどうかと存じます。
#114
○塩出啓典君 ひとつ、局長と呼んでも差しつかえないということを、やっぱりはっきりそれは政令で定めなくても、ここで答弁されたことをみんな知っておけばいいわけですけれども、自分が局長と言われても、おれはほんとうは受託者なんだと、うしろめたい気持ちがあっては業務に差しつかえますので、そういう点は何らかの機会に、法律的には受託者であるけれども局長と呼んでも何ら差しつかえないと、ちゃんと郵政大臣も認めているのだ、そのようにしてもらうと、なおいいのじゃないかと思います。
 それから、先般もちょっと問題になっておりましたが、簡易郵便局のいわゆる受託者、まあ局長ですね。受託者に対する教育、指導、連絡というのですか、そういうような形で現在研修所を使って業務講習会、そういうのが行なわれておると聞いておるわけでございますが、現在は大体年間五百人くらいで三日間、そういうようなお話を聞いたわけでございますが、そうなりますと、現在三千何ぼの局がございまして、それは将来またふえると思いますが、そうなりますと、なかなかそういう講習を受ける機会というのも六年くらいに一回しかない。いまは技術革新の非常に早い時代ですから、そういう時代に対応していくためには、そういう業務講習会等も少なくとも年に一回くらいはできるようにしたほうが成績もあがるし、お互い仕事に役立つのじゃないかと思うのですけれども、その点はどう考えておられますか。
#115
○政府委員(竹下一記君) 現在までやってまいりました企画といたしましては、年間五百人程度の人を三日間ほど研修所に入れまして、そこで訓練をするということでございましたのですが、今後は局数もふえますし、受託者の数もふえますわけですから、幾らかこれを増すという方向で検討しなくてはいけないのかと、かように存じております。ただし研修所訓練はあくまでも、何と申しますか、これに入ってもらって勉強してもらうことが望ましいことでございますけれども、これを出ませんければ仕事ができないという性格のものではございませんので、受け持ちの集配局に詰めて、そこで見習いをするとかいうようなことでも、簡易局をやってまいるだけの実務能力というものはつくわけでございますので、また開局いたしました後においては受け持ちの集配局長と随時に連絡する、電話連絡するというような道も残されておるということでございまして、研修所における訓練がすべてではないわけでございます。そういうことや、いろいろなことの兼ね合いを考えまして、研修所訓練の今後のやり方につきましては、これはやはり少しは広げたほうがよろしいと考えますけれども、そういう方向でやってまいりたいと思います。
#116
○塩出啓典君 時代も非常に忙しい時代になって、なかなかそういう管理者と従業員との断絶あるいはまたその特定郵便局長との間にもやはりお互いに人間的なつながりというものがなければ、ほんとうにやはりこの簡易郵便局の業務も十分な効果をあげることができないと思うのですよ。そういう点で三日間――まあ十の研修所ですから、中国なら中国で一カ所というふうになっておるわけですけれども、それをさらにこまかく、たとえば県単位で一年間に一日研修とか、あるいは一泊して二日ぐらい、土、日とかですね、そのようにもっとこまかくやってほしいと、そういうような要望もあると聞いておるわけでございますが、こういった点は、私はもしそういう局長さんの方々の要望があるならば、当然県単位に年に一回くらい研修をやる、そういう方向に、しかもみんなが参加できるようなものにしていかなければいけないと思うのですよ。現在、いまのお話では、別に参加するしないは自由だし、三日間で十カ所ならなかなか参加できない人もあると思うのですが、やはりみんなが参加できるような、そんな零囲気、そういうものを私はやはりもっと検討していくべきじゃないか。これからどんどんそういう局もふえてまいりますし、そういう簡易局の方々の言語、態度、動作というものの国民の皆さんに対する影響力は非常に大きいと思いますし、そういう点、私はよくそういう方々の意見も聞いて前向きに検討してもらいたい、そのように思うわけですが、その点どうですか。
#117
○政府委員(竹下一記君) おっしゃいます点につきましては、この経費その他のことも関連してまいりますけれども、前向きで検討したいと思います。
#118
○塩出啓典君 現在、この特定郵便局長業務推進連絡会というのは、先ほどもやっておるというお話でございますが、こういうのを改組して簡易局の受託者も含めた業務推進連絡組織としてはどうかと、そういうような意見も聞くわけですが、この点はどうなんですか。具体的な問題としてそういう点は。
#119
○政府委員(竹下一記君) これは突然のお尋ねでございますので、まだそこまでは実は勉強していないのでございますけれども、いま特定局長の中にございますところの特推連は、午前中にもいろいろ話が出ましたように、郵政局の意思を伝える、相互の意思を連絡し合うという意味合いのものでございますけれども、あくまでも特定局長という世界における組織なんでございまして、簡易局になりますると、局長と称しましても身分は実は公務員でない。それから取り扱いの事務量も直轄の郵便局に比べるとかなりの隔たりがある。それから一方におきましては、特定局長は仕事に専念しなければならないわけですし、簡易局におきましては、これは何かはかの仕事と兼ねて行なっておる、兼業というのが、もうこれは大部分のところがそういう姿において行なわれておるのではなかろうかと、かように思います。つまり身分、それから仕事の取り扱いの中身、まあ一口に申しまして、郵便局ではありますけれども、かなり中身が違いますので、これを一緒くたにして、何か一つの連絡機関といったようなものを設けていいものかどうかにつきましては、なお若干いろいろなことと関連してまいりますので、掘り下げて検討をしなければいけないのではなかろうか、かように目下のところ考えております。
#120
○塩出啓典君 その点はひとつ簡易郵便局の受託者の方々のそういう質的向上のためにも大いにやってもらいたいと思います。やはり簡易郵便局の受託者は一人ですから、そこにじっとして、受け身ですから、保険の外交みたいにどんどん回るということはできませんですけれども、しかし本人の心がけ次第によってはどんどん成績をあげることもできるわけだし、たばこを買いにきたお客さんにいろいろな保険の話をしてもいいわけですから、そのようにしていくならば、これは郵政事業としても大きな前進であり、また本人にとっても収入がふえる道ですから、そういう点からも私は、ただ来るものだけでいいという形でなしに、一歩前進したそういうものをつくっていただきたい、そのように要望したいと思いますが、その点よろしくひとつお願いします。
#121
○政府委員(竹下一記君) おっしゃる点はよくわかるわけでございまして、簡易局は一人ぼっちで、断絶された形で日常の仕事をやるというのは、これは好ましくないと思います。私どもが考えておりますのは、受け持ちの集配局というのがございますので、受け持ちの集配局長と日常的に緊密に連絡をとりつつ仕事を運営していただくことが非常に望ましいことでございまして、今後受け持ちの集配局長にもその旨を十分徹底させてまいりたいと思います。
 それからもう一つ、簡易局長を一つのグループとして、何かお互いに励まし合うとか、お互いに意思を通じ合う、そういうことは、これはあっていいわけでございまして、無集配特定局長のグループとこん然一体となった形でやることにつきましては多少問題があるというように申し上げましたのですが、簡易局長の皆さんが相互に一つの団体をつくって、共同の目標に向かっていろいろなことをなさる、こういう形のものはあっていいのであろうし、またあったほうがいい、望ましいことではなかろうかというようにも私は目下のところ考えております。
#122
○塩出啓典君 その点、特定局長とは別個でいいと思いますし、やはり簡易郵便局長さんにはお年寄りも多いわけでありますし、しかも経営状態は無集配の特定局に比べれば、はるかに赤字も少ないわけでありますから、この前のお話では六千円ということでありますから、そういう点で旅費くらいはうんと予算の中に組んで、そういう人たちも励みを持って仕事ができるように、そのようなひとつ御配慮をお願いしたいと思います。
 それから、この簡易郵便局は、現在すでに都市ですね、佐世保とか長崎なんかでもかなり市内ですけれども、へんぴなところにすでに簡易郵便局ができている、そういう話を聞くわけでありますが、これはやはり将来の問題として、当然これはへんぴなところ、市内であっても当然そういう必要があるところにはどんどんふやしてもいい、これはこうなっているわけですね。別に市はだめだ、郡部でなければならない、そういうことはないわけですね。
#123
○政府委員(竹下一記君) 法律で書いてございますように、簡易局はへんぴなところに置くという明文がございます。しかし何をもってへんぴと言うかにつきましては、いろいろむずかしいところがあるのでございますけれども、非常に常識的に割り切りまして、都市内、都市の近郊地、これはへんぴとみなさない。ここは置くとするならば無集配特定局をもって置くと。したがいまして、それよりもその区域を遠ざかりました地域、そこをへんぴといいますか、山間僻地といいますか、そういうところに簡易局を置くと、こういう大筋でどうかと思います。
#124
○塩出啓典君 すでに市内でも――いわゆる市ですね、市の中でもそういう簡易郵便局が置かれておるところがだいぶあるわけでしょう、全国で。だから、現在すでに置かれているのですが、これを全部特定局に変えるというわけじゃないわけでしょう。だから当然、まあ都市といっても東京みたいな都市もあれば、いなかの市もあるし、これは一がいに言えぬわけですから、だから市内であっても当然常識的に考えて、これはへんぴな土地であると判断される場合には、当然これは簡易郵便局を置いていいわけであって、この何々市という、いやしくも市町村のうちの市の範囲内は簡易郵便局は絶対ふやしてはならないと、そういうようなことではないわけでしょう。
#125
○政府委員(竹下一記君) 地方に行きますと、この十年来やっております市町村合併というものの結果、同じ市でありましても郵便局が五つも六つもあるような市、非常に区域の広い市があるわけでございますが、そういうところにつきましては、すでに簡易局が置かれているところが現実にあると思います。しかし、私どもは、そういうところは非常な例外中の例外でございまして、いわゆるへんぴというものにつきましては、まあ常識的に見まして、都市性の強いところはへんぴとは言わないと。その限界はなかなかむずかしいのでございますけれども、一応都市性の強いところ及びその非常に間近な近郊地につきましては、簡易局を置くというのは避けたい、無集配特定局を置きたいと、かように存じております。
#126
○塩出啓典君 まあそれで、これは最後に大臣に要望しておきたいわけでございますが、今回こういう簡易郵便局法の改正によりまして、最近伸び悩んでおります簡易郵便局もかなりふえてくると思うのですね。やはり大衆福祉という面からいえば当然そういう局は今後ともどんどんふやしていかなければいけない。
 まあ、このいただきました資料によりますと、日本の国は、郵便局の数では世界第四位でございますが、しかし一局当たりの人口では世界では十七番目と。まあそういう点を考えれば、そういう局の増設にももっともっとやはり力を入れていただきたい。まあ一応先ほどのお話では、特定局が千数百、それから簡易郵便局が二千数百、そういう設置する場所があるというわけですけれども、まず現在の目標としては一刻もすみやかに設置可能な場所には設置できるように、まあそういう方針で当然進んでいくべきだと、そのように私も思うのでございますが、そういう点について郵政大臣としてどういうお考えを持っておられるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#127
○国務大臣(井出一太郎君) おっしゃいますように、できるだけ窓口をへんぴな地帯にまで押し及ぼしまして、国民に密着した郵便サービスをいたしたい。この意味において御趣旨の線に沿って努力をいたす所存でございます。
#128
○塩出啓典君 それから次に、この問題に関連いたしまして、郵便外務員の待遇の問題についてちょっと二、三お聞きしたいと思うのでございますが、まあ実はこれは福井県のある郵便局につとめておる外務主任の方から私に手紙が参りまして、その人は入局してすでに三十年、この四月二十日の郵政記念日に永年勤続功労者として大臣褒賞を受けたそうでございます。ところが、その人は昭和二十六年に外務主任になった人ですね。外務主任になった。ところが今日まで二十年間、外務主任というのはもうそれ以上のポストがないために今日まで約二十年間ずっとやはり外務主任なんですね。まあ三十年間黙々として非常にたいへんな外務の仕事に、そういうへんぴなところで一生懸命戦っておられるそういう人たちが希望の持てるような、そういう体制に持っていかなければならないのじゃないかと、そのように思うわけです。一刻も早くこの日陰の中でがんばっている人に夢と希望をと、そういうふうにこの人の手紙の一節にあるわけですが、私も現地のそういう内外の情勢というものは手紙だけでよくわかりませんけれども、こういう問題について郵政当局としては、これは人事局長さんの関係になると思うのでございますが、なぜこうなっておるのか、またそれに対して今後どうするつもりなのか。これはもうやむを得ない、死ぬまでこのとおりだということなのか、その点お考えをお聞きしたいのですが、どうですか、その点は。
#129
○政府委員(中田正一君) ただいま御指摘の事例はどういう規模の郵便局でありますのか、それによっていろいろ事情は違ってまいるわけでありますが、現在、郵便外務の場合には主任という役職の配置基準が、これは大体定員五人について一人というようなことで主任が配置になっております。で、さらにその上に主事という役職の配置基準でございますが、八人以上になりまするというと主事が一人置かれる。また十五人以上になりますれば二人置かれるということになっております。
 先ほどお示しの事例の場合には、たぶん主事のポストがないというのであれば、外勤職員が七人以下というところであるのかしれません。まあ、そういうところにも、さらに主事という役職を置けばよろしいではないかという議論がありますけれども、役職の配置基準と申しますのは、申し上げるまでもございませんで、監督関係の上に立って配置されますので、一定の職員を基準にして配置せざるを得ないというわけであります。したがいまして、そういった小規模の局の場合には、どうしても主事とかあるいはそれ以上のポストがないということがあり得るかわかりません。その場合にただ処遇の問題として、じゃ永久にそのままでなければならぬかと申しますと、そうではございませんで、できるだけ現在の郵政省としては職員の人事交流、配置がえによりまして昇進の機会を多くするようにということで考えております。その局においては主事のポストはないけれども隣の局へ行けば主事のポストがあるというような場合に、人事交流を推進することによって人事の刷新をはかる、処遇の改善をはかるというようなことであるわけであります。
 ただ、実際問題として職員がなかなか希望しない。隣にポストがあってもそちらへ配置がえを希望しないという場合には、これはなかなかその局におる限りはむずかしいという場合も出てまいりますが、まあそういう場合には任用上の面ではやむを得ませんので、あと給与の面で――昇任という機会はないけれども、給与の面で――勤続年数が長くなり、その職務に精通する度合いが高いというような観点から、給与の面で上のほうに上がってまいるような仕組みにはなっておるわけでございます。いずれにしましても、人事交流、配置がえというものを織りまぜながら昇進の機会、処遇の改善の機会をふやしていきたいというふうに思っておるわけでございます。
#130
○塩出啓典君 今度永年勤続で三十年の表彰をされたのですけれども、これは全国でかなり――私どもは逓信記念日に行かせていただきまして、賞状と何か賞品を渡しておりましたが、あれは別に三十年といってもあれですか、賞状と賞品だけで、別に恩典は何もないのですか、あれはお金でも入っておるのですか、あの中に。
#131
○政府委員(中田正一君) 現在郵政省では永年勤続の表彰の制度を三十年以上ということで行なっておるわけでございますが、まあ数にして五千数百名ほど毎年あるわけでございます。その被表彰者に対しましては、各郵政局ごとに式を行ないまして、郵政局所在地まで配偶者同伴で出席をしてもらうというようなこと、それからまたおっしゃるとおり、表彰状をあげまして、さらに記念品を差しあげることにしております。相当りっぱなものを記念品としてお渡ししておるわけでございます。
#132
○塩出啓典君 私はやはり、そういうまあ三十年、一口で言えば三十年ですけれども、ほんとうに長い長い年月黙々として外務に雨の日も風の日も戦っていくというのは、なかなかやはりできないことじゃないかと思うのですね。やはり郵政を愛すればこそ、またそういう仕事の重大さを自覚すればこそがんばってきたと思うのですよ。だから、そういう人たちがやはり長年勤めてほんとうによかったという、そういうものがやはりなければいけないのじゃないかと思うのです。それでこの給与体系を見ますと、主事の場合、主任の場合というのはちゃんとそのランクで、主事の場合は一級と特級、主任の場合は二級と一級、当務者は三級と二級、そのランク内では号俸はもちろん上がってまいりますけれども、当然やはりそういう主事になれば給与も違ってくる、また当然肩書きも違ってくるわけですから、そういう点で、特定郵便局長なんかは二人でも局長なんですから、先ほどのお話では簡易郵便局なんかは一人でも局長と呼んでいるわけですからね。そういう観点から言うならば、何も五人が主任で八人が主事だ、十五人で二人の主事だと、それは原則は原則であっても、まあ長くおる人に対しては、たとえ一人でも主事だと、一人でも局長なんですから、簡易郵便局の場合は。そういう点はもっと弾力的にやっていかないと、あまりにもそういう四角四面の考え方では私は、職員の皆さんに対してほんとうにかわいそうじゃないかと思うのですがね。そういう点、もう少し郵政局といたしましても、人員構成、年齢構成を見ましても非常に永年勤続のお年寄りの方が非常に多いわけで――そういう点はなかなか言うはやすく、実際はむずかしい問題だと思いますけれども、私は当然そういう問題をもっと弾力的に検討すべきだと思う。やっぱりほんとうに一生懸命黙々とやった人がほんとうに報いられるような、そういう職場でなければ、また仕事にも張りも出ないと思うのですね。そういう点でひとつ私は、郵政大臣が在任中にこういう点についてもひとつ、何らかの方向を見出して、しっかり実情というものをよく調べて検討してもらいたいと思うのですけれども、その点どうですか。
#133
○国務大臣(井出一太郎君) よく承りましたので、十分検討をさせていただきます。
#134
○塩出啓典君 ここに現在の内務、外務の役職別の資料をいただいたわけでございますが、内務に勤めている人は大体十五万人ですか、外務が大体十万七千人、大体三対二の割合なんですね。ところが、課長代理になりますと内務のほうは二千二百四十七、外務は五百五十七、人員は三対二ですけれども課長代理の数になってくると、これは四対一になってくるわけですね。主事も一万四千八百九十九名と三千六百二十五名ですから、これも大体四対一ぐらいになっているわけですね。そういう点を見ますと、非常に外務のほうの場合がやっぱり課長代理、主事の数も非常に少ない。また一年間の、現在の課長代理、主事への昇任の数、推定の資料、それを見ましても四分の一と三分の一、そういうわけで、非常に私は外務のほうが昇進の道が少ない、あまりにも内務に重点が置かれているような感じがするのですけれども、外務のほうは、特別手当か何かで相当給料が多いのだと言うけれども、それは千五百円ぐらいで大した金じゃないのです。大した金じゃないというのは申しわけないですけれども、そういう点を考えに入れても、私はもっと全体的に見て平等でなければならないと思うのですよ。ほんとうに外務のほうは、郵便配達は非常にたいへんだと思うのですね。時代の進展に伴い職業としてもあまりかっこういい仕事とは言えなくなってきているわけですね。そういう点で、私は内務、外務のバランスというものをもっと検討すべきじゃないかと思うのですが、人事局長どうですか。
#135
○政府委員(中田正一君) 役職者の内務、外務別の配置につきましては、大体同じような基準のもとにやっておるつもりでありますけれども、内務のほうは交代制というようなことのために、実際は配置される数が多くなっているという状況でございます。昼だけの勤務でなしに夜昼勤務があるというような複雑さのために内務が結果的には多くなっているわけでございます。そういうことでございますが、外務につきましても御指摘のような事情もございますので、主任、主事の配置基準などをもう少し考え直さなければならないのではなかろうかということで、現在省内でもいろいろ議論中でございますので、いずれ改善の道が講ぜられるのではなかろうかというふうに思っております。
#136
○塩出啓典君 それともう一つ、これは通信文化新聞の投書欄でございますが、「登竜門の開放を」というのですね。この方は香川県の無集配局につとめているわけでございますが、定員三名、二十四年間勤務していらっしゃるのですね。それで高等部というものの試験を受けたいと思った。ところが、その資格は四十五歳までで俸給は二級二十三号以上、主任経験三年以上とある。ところがこの人の場合は四十五歳まで――これはよろしい。俸給もこれも問題ない。ところが主任経験三年以上――ところがここは三人の無集配特定局ですから結局主任がおらぬわけですね。二十四年間つとめても結局主任のポストがない、主任になれない、そうすると、そういう人は試験を受けることができない。それでまあ主任無配置局なので、そういうことを書き添えて出願したところが、資格なしということで願書書類が返送され、高等部受験の道を中堅幹部となる夢は、試験の結果を見る前にもろくもくずれ去ったのです。近隣の集配局を見ると、小生と――小生というのはその人ですよ――前後して入局した人は、もうすでに数年前に主事になったり、十年あとから入局した者でも昨年主任になっている。そういうわけで実際いなかのほうの無集配局には主任がないわけです。主任経験が三年ないと昇進の道がないと。こういうのはぼくはもっと弾力的に考えたほうがいいんじゃないかと思うのですが、そういう点どうなんでしょうか。
#137
○政府委員(中田正一君) ただいま御指摘のような点につきましては、これから十分検討していきたいと思います。
#138
○塩出啓典君 まあひとつ、先ほど大臣からも検討するというお話でもありますし、人事局長さんもそういう検討をするというお話で、まあ黙々としてやってる人も、そういうことばを聞いたならば、大いにまた希望を持って仕事に精が出るのじゃないかと思うのでありますが、どうかその期待を裏切らないように、もう大臣がかわられたからあとは知らないじゃなくて、これはやはり郵政省の将来の発展のためにも、仕事をせいせいと育っても、やはり人間ですから、その待遇、将来に対する夢と希望、そういうものが本人の仕事の励みになっていくと思いますし、そういう点もっとこまかい配慮を使って、一生懸命やった人がほんとうに得するような、そういう零囲気にしていかないと、結局一生懸命やっても適当にサボっても待遇は同じだ。それではほんとうの活気のある職場にならないと思うのですね。そういう点、ひとつ今後ともその問題については真剣に前向きに、また早急に御検討していただきたい。そのことをひとつお願いいたします。その点、大臣よろしいですか。
#139
○国務大臣(井出一太郎君) はい。
#140
○塩出啓典君 それからこれは、実は郵便でうまい内職の話があるからと言って金を送らして品物を送った。三千円引きかえに受けたところが、それがとんでもない品物だと。そういう郵便によるいわゆる詐欺事件、それにひっかかった人が非常に多いらしいのです。これは犯人がつかまったわけですけれども、ところがその被害者からの投書が毎日新聞に載ってるわけなんですよ。これはどういう投書かといいますと、チラシによってうまい内職があるというので三千円のお金を入れて投函した。一週間後に品物を送ってきた。三千円引きかえにその品物をもらったわけですね。それで胸をはずませて、それを開いたところが中身はとんでもないものだと。大体約束と全く違う。三千円は向こうにいってしまった。郵便局に持っていったわけですね。それでみごとにひっかかったと思って郵便局に問い合わせたが、郵便局は開封してしまったからだめだ、そう言って断わられたというのですね。詐欺とわかっていながら支払った金はどんどん振替口座に振り込まれていくと、そういうわけでこの人は非常に憤慨の投書を出しているわけですね。同様の趣旨の投書が二十通ほど毎日新聞にきておるそうです、これは投書係にお聞きしましたら。私は、こういう問題はまあ郵便局としては利用されるだけですから関係ないでしょうけれども、ほんとうにインチキだとわかっておったら、窓口の人がそれを聞いて――その金はずっと郵送途中にあるわけで本人に渡ってないわけですから、そういう点もっと親切な手を打てないものかと、私たちしろうとですから、そういうふうに感ずるのですけれども、これは郵務局のほうとしては、そういうことはどう思われますか、竹下局長。
#141
○政府委員(竹下一記君) それがはっきりと詐欺行為であるということがわかりました後におきましては、もちろん関係の郵便局に通知を出しまして、これは代金引きかえ郵便でありますけれども、そういうものを相手方に渡さないようにと、こういう手配ができるかと思いますが、そういうことが判明いたしませんうちは、やはり代金引きかえ郵便物としてのきめられたる処置をいたさなければならないと思うのです。御指摘になりました新聞記事も見ましたけれども、郵便局側のやりました措置としては郵便法規、そういうものに従ってやっておるというので、これをとがめることはできないように思います。
#142
○塩出啓典君 そうすると、こういう場合は結局この事件がインチキだ、詐欺だということがはっきりわからなければできない。それじゃあそれを判定するのは、どこなんですか。
#143
○政府委員(竹下一記君) やはりそのほうの判定をいたします機関、警察ですね、こういったところの判断によろうかと思います。
#144
○塩出啓典君 そうなると結局、警察のほうが詐欺事件かどうかということを判定するのはずいぶん時間がたってしまうのですから、その間には金が向こうのほうにいってしまう。いまのところとしてはこういうのはどうしようもないと、郵便局としては手の打ちようがないと、そう言わざるを得ないわけですね。
#145
○政府委員(竹下一記君) 一般論としてはそう言わざるを得ません。
#146
○塩出啓典君 しかし、私はそれはそれとしても、やはり郵便局としては、もう少し親切に、開封したらだめだなんて言わずに、もう少し実態はどうなんだ、ほんとうにこういうことではとんでもない、ひどい、すぐ警察に行ってひとつ相談をして、警察のほうはぱっと手を打てばすぐできるわけなんですから、それくらいのことはやはりもっと親切にやってもらってもいいのではないか。どうも投書を見まして郵便局の窓口の方のやり方、ともかくこれは郵便局は関係ないのだ。確かに郵便局は関係がありませんけれども、やはり義を見てせざるは勇なきなりということわざからいっても、そういう問題は、大衆の皆さんに対してサービスしていくその精神が根本的に欠けていることがこういう結果になったのじゃないかと思っているわけです。だから、そういう点はもっと親切にやっていただきたい。そういう精神で当然いくべきではないか。そういうときにも、もっと内容を聞いて、封を切ったらだめだと突っぱねるのではなしに、事実はどうなんですかと、そのくらいのことは窓口が忙しければ、局長さんのところに行って聞いてくださいと。局長あたりがそういうこともどんどん聞くぐらいの、そういう体制にしていただきたい、そう思うわけです。その点どうですかね。
#147
○政府委員(竹下一記君) 封を切れば、これは普通の手紙、封書の場合もそうでありますけれども、これはもういたし方がないことなんです。ですからこの場合も封を切らないで、受け取らないという意思を表示してもらえば、これは差し出し人に送り返すという道が残されておるわけですけれども、いかんせん封を開いて中身を見ちまっているわけですね。これにつきましては、これは受け取る意思を持ったと郵便法上みなさざるを得ない、あるいは社会通念的にもそうだと思います。したがいまして手続としましては、これは郵便局の措置としてはいたし方のない措置だと思うわけでございまして、おっしゃる趣旨を私どもは前向きにみるといたしましても、郵便の取り扱いということでなくして、そういう事例があった場合には、取り扱い者、あるいはその場の主事、あるいは主任、あるいは郵便局長あたりが気がつくわけですから、どうもそういうことで被害を受けたお客さんがおる。これはどうもあやしいということは気がつくわけですから、その時点においてしかるべきところに――警察等に通報するといったようなことは、これは事実問題としてあってもいいし、そういうケースもあろうかと思いますが、これを法規的に、規則でありますとか、そういったもので、そういうふうにしろというふうに実はいま縛りをしていないし、その点につきましてはおっしゃるとおりでございます。
#148
○塩出啓典君 それはまあ確かに法的には……。これは、こういう犯罪は郵政犯罪――一般犯罪ですからね。郵政監察局としても関係のないことですけれども、私は、そういう住民に対するサービスの姿勢という面において、ただおれたち責任がないんだから知らぬぞと、そういう精神が郵政局にはあると思う。これから見て、そういうものは私はよくない、だから法的にどうの、こうのというわけじゃありませんが、そういう問題を持ってきたときには、それは局長でも出ていろいろ話を聞く、この前の新宿の郵便局の事件のときだって、やはり局長がもっとそういう一つの問題に対して親切にやっていればできたわけなんですから、そういう封を切ってしまったらもうだめなんだという、あなたのようなそういう考えを持っているからだめなんであって、やはり法的にはやむを得ないにしても、もう少し親切に皆さんの要望を何でも聞いてあげる。そしてそれに対して対処していく。結局こういう問題だって、こういうことが起きれば一つはやはり郵政事業に対する国民の不信感というものが――マイナスにこそなれ、プラスになることはないと思うのですね。そういう点はひとつまずトップからそういう考えを改めて、ほんとうに住民の方にサービスをしていく、その精神に徹してやってもらいたい。そのことをひとつお願いをいたしまして、質問を終わります。
#149
○委員長(近藤信一君) 他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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