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1970/04/24 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第17号
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1970/04/24 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第17号

#1
第063回国会 逓信委員会 第17号
昭和四十五年四月二十四日(金曜日)
   午後一時十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         近藤 信一君
    理 事
                長田 裕二君
                新谷寅三郎君
                松平 勇雄君
                永岡 光治君
    委 員
                古池 信三君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                菅野 儀作君
                寺尾  豊君
                野上  元君
                森  勝治君
                塩出 啓典君
                北條  浩君
                村尾 重雄君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  井出一太郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  野田誠二郎君
       郵政省郵務局長  竹下 一記君
       郵政省貯金局長  山本  博君
       郵政省簡易保険
       局長       上原 一郎君
       郵政省人事局長  中田 正一君
       郵政省経理局長  溝呂木 繁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○村尾重雄君 本六十三国会に提案されました簡易郵便局法の一部を改正する法律案なんですが、昨年の六十一国会においても、衆議院で質疑並びに議決を得られまして参議院に回ってきたのですが、大学法等の紛糾から、これが廃案となりました。その前の、五十三回か五十八回かの国会においても提案されまして、それがたな上げとなりました。まあ関係者にとってはやはり問題の法律案だと思うのですが、これが今日まで、提案されて日の目を見るに至らなかったということについては何かひっかかるものがあると私は感ずるのです。郵政部内とはあまり関係のないことなんですが、この法案が今日まで日の目を見なかったことに関して、関係者としてお考えがあればひとつ伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(井出一太郎君) 簡易郵便局法につきましては、ただいま御指摘のように長いいきさつがございます。ことに、ここ両三年、上程をいたしましたものの審議未了になったというような経緯があるのでありますが、それというのも、昨年はいまお話のようにああいう事態でございましたから、特別の事情と考えてよろしかろうと思います。昭和二十四年でございますか、この法律の最初の審議にあたりました際にも、個人に許してはどうかという御意見もないわけではございませんでした。しかし、当時、特定局の問題等もございまして、まあ当面は市町村やあるいは農協その他の団体をこれに当てるということでやってまいったわけでございますけれども、その後長年月を経まして、事情の変化もございます。たとえば市町村の合併、農協の合併等が行なわれますと、勢いその窓口が少なくなる。こんなこともございまして、まあこの辺でひとつ個人に窓口を持たせたらどうかという意見となってまいり、しかも外国の事情などを調べて見ますと、相当な数の国においてこれに似た制度をやっておるわけでございまして、特に、へんぴな地域の住民の各位に郵政事業の窓口を公開すると、こういう必要性をわれわれとしては感じておるのでございます。ここ三、四年の間、ときに挫折はいたしましたものの、ずいぶん熱心な陳情、請願等もただいまあるわけでございまして、今回かような形で提出をいたしたと、かような経緯でございます。
#5
○村尾重雄君 私のお尋ね申し上げたことと少し焦点が違うのですが、これはおきますが、実は法律案の対象が山間僻地、しかも農漁村の、人口の特に希少な地域を対象とした法案だということなんですが、その点から、国民一般の関心もそうですが、われわれ――とは言いません、私自身、少し責任を感ずるほど無関心で、関係が少し薄いのですが、この法案が提案されてから、私も何かと関心を持っている関係から、何か団体でこれを特に推進しようとする動きがあったり、また反対にこれをチェックする動きがあるやと伺っております。また、組織労働団体においても、これは労働組合の立場から非常に強烈な反対等もありまして、それらの関係から、この法案がまあ自重されて今日まで審議にならなかったということに対して、郵政当局のとられた態度というものもよく理解できるのです。ところが、今日までついに、四十二年からだと思いますが、今日のような審議に至らなかったということについては、やはり根強い反対の意見というものにまた郵政省としても耳を傾けるべきものがあると、こう思うのです。そういうような点から、一体どういう反対意見が今日までなされたかということについて、私は少し意見を反対意見の人たちからお伺いいたしまして、すでに当委員会並びに衆議院の委員会等においてやはり論議が尽くされた感がするのですが、私は一、二点、少し立場を変えて、ひとつ当局にそれに対する見解を伺いたいと、こう思うのです。
 その前に、この法律の従来の受託団体のワクを広げて個人に受託者としてのワクを設けられたと。このことですね、私少し疑点を持つのです。当局の御意向を承りたいと思うのですが、まあ年輩者は大体、郵便局というもの、郵政事業に何かと関連を持つものなんです。いまのような高度成長された社会で、あらゆる企業が人手不足という時代ではなくして、郵便局というものが、たとえば二等郵便局だとかあるいは三等郵便局だとか、そうした関連において、何らか年輩者は関連を持ったものなんです。私も実は、私の家が戦災を受けるまでは、道路の向い側の素封家が局長であって、その三等郵便局のへいが路地を隔てた私の隣ですが、そういうような点から、長年そこの局長なりまた家の方ともおつき合いしております。また私の近所全体にわたって、郵便局に対する、どういうのですか、信頼というのですか、非常にその局に対する信頼感というものが厚かったのです。
 また、この間、簡易郵便局の実態を近くで見せていただく機会がありまして、便乗した自動車が日交のタクシーだった。それで半日行動を共にしたものですから、その運転手と話し合ったのですが、運転手のほうから「郵政省の方ですか」という質問があった。「そうだよ、関係者だ」と、こう言うと、実は、私は青森県弘前の者だが、おやじが早くから郵政省につとめている。また兄貴もそうだ、弟もそうなんです。自分一人だけが家から東京へ出てきて、こうして日交にごやっかいになっているのだということで、話を伺っている間でも、郵便局といいますか、郵政事業に対する非常な熱意と尊敬を持っているタイプなんです。弘前の人です。非常に感心したのですが、やはり郵便局の仕事というものは零細貯金を非常に気やすく行なえるとか、また故郷への送金もかなり手軽に、作業着のまま郵便局まで出かけていってやっていただけるとか、非常に郵便局に対する信頼感というものは、いまの世でも私は非常に深い大きいものがあると、こう思うんです。こういうような点から政府直轄窓口によるやはり最小の無集配特定局ですか、こうしたものにしても、簡易郵便局の拡大ということを考える前に、政府直轄の窓口というものをば増設していく方針というものがとられるべきではないか、こう思うのですが、そういうことに対してひとつ見解を承りたいと思います。
#6
○政府委員(竹下一記君) いなかのほうに郵政事業の窓口を広げていくやり方でございますが、一つは、いま提出をいたしております法律案のやり方でございまして、簡易郵便局という形で窓口を広げていくというやり方が一つございます。
 もう一つは、いまお話がございました無集配特定局を置いていく、こういうやり方がございまして、これも従来からずっとやってきておるやり方でございます。どこが違うかと申しますと、無集配特定局の場合は、事務量はかなり多うございまして、一名をオーバーする事務量がある場合には無集配特定局でやっていく。まあ大ざっぱに申しまして、そういう区別をしながら今日までやってきておるわけでございまして、逆に一名に至らない少ない事務量の場合には簡易郵便局方式でやっていく、こういうことを考えておるわけでございます。事務量が非常に少ない場合でございますと、そこへ直轄方式でやりますと、人間を一名配置しなければならない。まるまる一名の人件費でございますから、かなりなものにつくわけでございまして、経済的なことを考慮いたしまして、一名に至らない事務量の窓口に対しましては、直轄でなくして委託方式でやっていくということ。つまり経済性を考慮いたしまして、簡易局方式でもってやってまいる、こういうわけでございます。
#7
○村尾重雄君 いまの御答弁もそうなんですが、経済上の――郵政経済の予算の立場から特定局設置よりも簡易郵便局の設置の方向でいったほうが四分の一で済むとか、いろいろ当委員会並びに衆議院の委員会で、また資料等において私も承知しているのですが、それを承知の上であえて先ほど申し上げましたことを言うのですが、直轄方式でいかれることが私はいまの郵便、郵政として正しいんじゃないかと思うのですよ。またそれが経済上の事情からこうした簡易郵便局というのが昭和二十四年にとられ、今日まで二十一年になるので相当な歴史を持たれるが、やはり国民への窓口というものは、われわれは進んでやはり直轄方式によって、郵便局として国民から信頼されている窓口についてなお高めていく必要があると思うので、簡易郵便局も現状以上、受託者団体のワクを越えて個人にこれを広げられていくという行き方は、私は間違っているんじゃないかという見解を往々にして聞くものですから、なお再度、個人受託者に窓口を広げられた理由について、もう少し御説明を伺いたいと思うのです。
#8
○政府委員(竹下一記君) 現在でもへんぴな地方におきまして郵政窓口がほしいという要望が相当強いわけでございます。そういう御要望に対しまして郵政省といたしましては、無集配特定局を置くとか、簡易郵便局を置くとか――簡易郵便局は昭和二十四年発足しまして今日までのうちに、三千二百九十三カ所に置いてあるのですが、それでも窓口はまだ足りない、もっとほしいという要望は非常に強いわけでございます。それに対しまして、しかるべき地況に対しましては、無集配特定局を置いております。これは年に百数十カ所――二百カ所ばかりのものを置いてきているわけでございますが、先ほど申しましたように直轄方式にするのでは、経済面から考えましていろいろ問題もございますので、簡易局方式でまいりたいという方針で臨んでおりますが、簡易局を置いてしかるべきではないかという個所が、地方の要望等を見ますると、なお今日二千百カ所ばかりあるわけでございます。その個所に対しましては、簡易局方式でまいりたいと存じますが、問題なのはその中の七割ばかりのところには町の役場もないし、農業協同組合等の施設もない。従来の方式でいきますと、そういう団体に簡易郵便局の仕事を委託するという方式をとってまいってきたわけでございますけれども、このやり方では、もう委託をする相手さんがいない、こういう実態になってきたわけで、ついては委託の相手は個人に求めるほかないではないかというのが、この法律の趣旨でございます。
#9
○村尾重雄君 どうも私の言おうとする表現がまずいのか、どうもお取り方が少し違っていると思います。そういうことは、実は私もこの委員会に席を置いておりますから、わかっているのです。わかっておりましてあえて私が申し上げようとするのは、積極的に郵政当局としてはやはり直轄窓口方式というもの、これに積極的に私は進むべきだ、こういう精神論をちょっと申し上げたのです。そういう点で、ひとつこの気持ちを十分に受け取ってもらいたいと思う。そういう立場で、ちょっと私逆説になるのですけれども、いますでに受託団体として市町村団体、それから協同組合として農協とか漁協、それから消費組合という現存の受託者団体、この受託者団体に簡易郵便局をば受託さす、またその受託者が現在これをば再委任という委任方式になって、現在簡易郵便局の八五%とかと言われておりますが、実質においてはやはり半数以上というものが再委任の形になっている。すでにこの法案というものが出されているが、法案の個人の委託というものはすでに現在五〇%前後実行されているということを聞いております。また私の知りました範囲内でもそんな形の簡易郵便局というものが存在していることも知っております。そこでこうした少し逆説ですが、こうした地方自治体並びに農協、漁協、消費組合ですか、こうした団体がみずから進んで当初のときのように千八百ですか、どうしても一つの村に郵便局がないということから、簡易郵便局の設置を要望された。当初、この法が制定された当時の事情というものは、経済面を離れて受託団体から進んでこれを受けられたと、こう思うんです。その後数は二千にふえ、少し減ったが、現在三千三百近い簡易郵便局というのが存在するのであって、これがなお二千百ばかり、郵務局の見られた立場では、簡易郵便局というものを設置して、国民への窓口を広げたいと、こうおっしゃるんですけども、その受託団体が現在片手間でやっている郵政の委任された仕事というもの、その仕事ぶりに最近私は疑問を持つんです。この法律の改正が、かえって、この法律の改正のねらいであるたとえば社会的な、いろいろうたわれている、また考えられている人たちに委託領域を広げるということは、まあ、郵政の仕事を非常に国民にサービスする点ではかえってこの法を持て余すというと大げさでございますが、片手間でしかも再委任するような受託者団体に――もう限度がきているという話ですが――なお、やらしていくというのか。新しい見地に立って選考された社会人に――その地の相当信望ある人たちに、これをば請負制度で進められるというほうが、かえって精神的に郵政の仕事というものが国民に尽くす方向をたどるんではないかという一つ考え方を持つんですが、これはどうでしょう。
#10
○政府委員(竹下一記君) この法律が成立した暁には、従来やっておりましたような団体委託の方式よりも、むしろ個人委託という方式一本にしぼってその方向でやっていったほうが実態に合っているし、適切な措置ではないかといったような御趣旨かと思うのでございますが、私どもといたしましては、この法律でもって過去二十数年簡易郵便局を運営してまいっておりますし、受託団体である市町村あるいは協同組合は非常に熱意をもって簡易郵便局の仕事をやってきていただいておる。実際の運営の中身にはいろいろございまして、いまおっしゃったような再委託というようなところ、そういう姿の非常に強いところもございますが、全部が全部そういうわけでもございません。総じて非常に熱意を持って、かつ責任を持ってやってきていただいておると、こういう長い間の実績もございますし、私どもといたしましては、その点はたいへん感謝をいたしておるわけでございます。したがいまして、今後この法律の成立をいたしましたあと、実態をよく見きわめる必要があると思いますけれども、いき方といたしましては、従来どおり団体でもってやっていきたいという熱意のあるところにつきましては、従来どおりのことをお願いしてまいりたい。団体におきましていろいろな内部事情がありまして、この際受託方式を個人のほうへ切りかえてもらいたい、こういう御意思のあるところは、これはそのケース、ケースによりましてその方向で処理をする。やはり従来二十数年間非常によくやっていただいてきているという実績を尊重してかかっていいのではなかろうかと存じますし、そういうことを見きわめるためにもこの法律の成立のあと、しばらく実態をよくながめてみたいと、かように存じておる次第でございます。
#11
○村尾重雄君 私の申し上げておることのとり方が違ってとられていると思いますが、これは議論しません。私は、この個人に踏み切られたことに対して、これは決して間違った行き方じゃない、こういう見解を述べただけなんです。決して現在の受託団体方式をば、これを変えろというのじゃないのです。受託団体にさらに個人を加えられたことにも、やはり精神面から見て相当いい方向もあろうということを申し上げただけなんです。それをひとつお含み願いたいと思うのです。そこで先ほど申し上げましたように、いままでこれは団体からの要望があってこれを進めることをチェックされたり、なお推進する運動もあったり、また現存団体等から反対等があったこと以外に、やはりこの簡易郵便局方式並びに簡易郵便局をば現在の受託団体から個人にまで広げていくという行き方に対して、相当私は根強い反対というものが展開されてきたと思うのです。そこで私は、自分なりに取り上げて一つ一つ申し上げて、ひとつ御意見を伺いたいと思います。
 個人委託はかつての請負制度の悪弊につながるおそれが十分あるという論点から、昭和二十四年の簡易郵便局法の審議の際に、政府は、逓信委員会において、戦前の特定局における請負制度については非難が多かったので、個人への委託は認めないことにしたという趣旨の答弁を行なわれ、当時みずから請負の弊害を是認しておられたのであって、今回、政府は社会事情等の変化を理由にして個人請負制度を復活しようとしているのではないかという反対意見が、かなり衆議院においても、また当院においてもございました。これに対して、あなたとしての見解ひとつ承りたいです。
#12
○政府委員(竹下一記君) お尋ねの点につきましては、衆議院の質疑にも強く出たわけでございます。この制度が開始されました昭和二十四年は戦争直後でございまして、戦前あるいは戦中にございました特定局の請負制的なあり方、これについてかなり論議があった時代でございます。すでに戦争直後におきましては、請負制というものは姿を消しておったわけでございますが、姿を消した直後でありましただけに、まだ昔の請負制的なことについての記憶が新しく、いろんな話題になって出てきておったわけでございます。職員を私的従業員のように使うとか、封建色が強いとかいったようなことが話題になっておった経緯がございます。片やその当時、へんぴな地方におきまする窓口に対する要望でございますけれども、これは先ほどおっしゃいましたように、郵便局がない町村が千八百もあると、こういう実情も片一方のほうにおいてあったわけでございまして、この際――つまり昭和二十四年、制度開始のときでございますが、この際はそういう事情を勘案して、市町村あるいは組合、こういった団体に受託をするという方式で持っていったほうが適当であろう。へんぴなところに窓口を置くやり方としては、この際はそういう方式をとりまして、この請負制的なにおいのする個人委託の方式は、この際はとらないと、考え方としてはそういうやり方もあるし、外国にもその例が非常に多いのでありますけれども、この際はとらないということを繰り返して当時の大臣は答弁をされておったわけでございます。以来二十数年たちまして、今日におきましては、すでに特定局における請負制、こういったものの復活は、これはもう想像してもできない事態になってきております。つまり事情の変更が非常に大きいわけでございますので、個人委託というアイデアを打ち出してもいまでは弊害がない、かように存じましてこの法案が出されたわけでございます。
#13
○村尾重雄君 そこで、まあこのたび個人委託に進められた。この改正案によりますと、新たにワクを広げられた個人受託者は、「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」ということに定義されました。この規定ですが、見方によりますと、非常に抽象的であって、具体的な内容については明確になっておらないと思われるのです。極端な言い方をしますならば、ここにあります欠格事項に該当しない者であったらだれでも受託者になれるとさえ受け取れる面すらあるわけです。私は、先ほどから非常に表現もじょうずでなかったのですが、郵便局というものに対する国民の信頼度合い等から見まして、大切な窓口事務を委託すべき個人の資格はあやふやなものであってはならないと思います。十分地域住民が安心して利用できるような状態でなければならないと思うのですが、また通信の秘密の問題が個人にワクを広げられて守られるかどうかというようなこととか、あるいは貯金だとか保険等の現金の取り扱いをば安心してまかされるかどうかというようなことについても、大きなひとつ不安がかもされるのではないかと思います。これもちょっと触れたのですが、郵便局に対する地域の零細貯金というようなものを、相当これは尊敬してひとつ郵便局としては扱ってもらわなければならないことだと思います。大阪や東京や、その他の都市に故郷から就職した少年たち、長い間にはいろいろと世の悪弊にならされて、人が変わってくる人もあるか知りませんが、大体地方から出られた少年たちの郵便局を通じての零細貯金なり国元への送金というようなことなど、たいていどこの土地においても非常に気やすく郵便局を利用する子供たちが多いのです。これは都会の話だけでなくして、今後山間僻地、農漁村の非常に人口の少ないところに設置されるという基準になっておりますが、現状必ずしもそうじゃないと思います。また現在存在している簡易郵便局の利用者というものは非常に多いのです。これがこれからの都市の再開発というものと関連いたしまして、やはり簡易郵便局との関連等も私は深いものがあろうと、こう思うのです。そういうような点から、これらに対しかなり、いま申し上げたような新しいワクを広げられた簡易郵便局の受託者として人を選ばれるときに、安易な方法がとられていくのじゃないかという不安を持たざるを得ないので、当委員会におきましても、いや内規をこうつくるんだとか、いろいろと述べられたように思うのですが、これについてひとつどういう方向でどうした人を対象として選ばれようとしているかということを伺いたいのです。
#14
○政府委員(竹下一記君) 大事な郵便を預かり、また大事なお金を預かるところでございますから、地域社会に絶大なる信用を持ったりっぱな人格者を選ぶということでかからなければならないと思っております。人を選ぶということはなかなかむずかしいことでございまして、私どもといたしましては、全国の郵政局が同一の基準で適正、適格な選考をやってくれる必要があるということをねらいまして通達を用意しておるわけでございます。その通達の案につきましていろいろといま作業を進めておるわけでございますが、その中では、できるだけこまかく具体的に選考の基準というものを明らかにしておきたい。その人の過去の経歴、家族状況、ただいまの職業、地元での風評、それから経済力の有無、こういったことにつきましてできるだけこまかい基準をつくりたいと思いますが、いざ実際に選考するということになりますと、文字に書きました基準だけでほんとうにりっぱな選考ができるかどうかにつきましては、これは問題がございますので、実際その人に面接し、その地域社会の住民の方々にも接する、こういったことを通じまして、総合的にその人の人物判断をする。そういったことになろうかと存じます。ともかく受託者の選考につきましては十分注意をしてやってまいりたいと思います。
#15
○村尾重雄君 その受託者の選考について、たとえば家族構成であるとか、地元の信用、風評であるとか、その人の経済力であるとかということで十分選考するようにということの通達を出されるということですが、これはまあ私は当然のことだと思います。ただその中で私が少しお伺いしたいのは、その社会的信用の度合いなんですね。とかく地域の、特に過疎地帯というと別ですが、山間僻地といいますか、農漁村、特に僅少の人口といいますか、特に現在簡易郵便局が置かれようとするような地域において、社会的信用となると、かなり片寄ると思うのです。戦争前、三等郵便局の請負で置かれておった局長さんは、みなまあ町のボスといいますか、そういう方たちだった、そういうことになりかねないきらいがあると思います。私は、それよりも進んで、たとえばすでに話が出ております、郵政局で長く苦労された――しかも上層の人々には他になお転職される余地もありましょうが、その他の下積みで長年つとめられた、わずかな退職年金――退職年金ということばは語弊がございますかしりませんが、退職後の年金等を受領される方々もあると伺っておりますが、そういう人たちは簡易郵便局の受託者としての選考の中には考慮に入れられておらないのかどうか、これはこの委員会でも御審議があったかどうか知りませんが、ひとつ伺いたいのです。
#16
○政府委員(竹下一記君) いまお話がございました人につきましては、十分選考の対象に入るものだと考えております。以前公務員をやっていま退職をしている人につきまして 恩給生活者、わけても郵便局の仕事をやった人というのは、事務能力という点から見ましてまさに適格者でございますので、数あるこの受託希望者の中に当然入りまして選考されてしかるべきでございますし、その人の過去における事務経験ということはたいへん有利な条件の一つになってくるのではなかろうか、かように存じます。
#17
○村尾重雄君 その場合にですね、けっこうな御意見だと思うのですが、経済力の問題ですが、これはどの程度ということになるのですか、たとえば、たしか私伺ったように思うのですが、その人の固定資産の問題でありますとか、そういう経済力はどうなるのですか。ただ恩給をいただいていることだけで適格者になるのでしょうか。
#18
○政府委員(竹下一記君) やはり個人の経済力の判定というわけでございますので、これも最終的にきめたわけではございませんし、いろいろ御意見も承りたいと思うのでございますが、役場の固定資産台帳を見せてもらうとか、そういうこともできたらやりたいと、かように思っております。しかし、それは全部ではない。それからもう一つ、連帯保証人を立てていただくように考えておりますが、この連帯保証人の人につきましてもある程度の資産、経済力を持った人であってほしいと、そういうことを考えております。
#19
○村尾重雄君 私、非常にけっこうな答弁をいただいたのですが、そういうひとつ方向に進んでいただきたいと思うのです。たとえば、限られた公務員また郵政関係の事務に非常なたんのう者の場合、やはり経済力において――私は人格的にはまあ郵政省で三十年つとめられた方ならば、これはもう問題ないと思うのです。ところが、その経済力においては、これはやはり問題になると思うのです。そういう点で、いま連帯保証人ということばがございましたが、確かにこれは保証人がとられることだと思います。その保証人が、たとえばある程度の銀行定期預金があるとか、あるいは固定資産も持っているとか、経済力があるとかいうことである場合においては、たとえば公務員並びに郵政、そこからやめられた方が経済力だけに事欠いた場合においても、保証人を置いて、相当な経済力のある人が判を押される場合においては、これはぜひともこの人を採用される方向でひとつ進んでもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#20
○政府委員(竹下一記君) 受託者たる個人として広く人材を求める、一番適した人をさがすという方向でおりますので、りっぱな人がおりますのに、その人の経済力がやや劣るということのために、それがだめになるということになりましてはいかがかと存じますので、その点につきましては運用上気をつけてまいりたいと思います。ただし、経済状況につきましては、これは全然無視するわけにはまいりません、大事なお金を預かるところでございますので、ある程度の線は引かしていただきたいと思う次第でございます。
#21
○村尾重雄君 御答弁いただく必要もございませんが、ただいまの件ですが、まあ連帯保証人が相当な固定資産なり経済力のある人の場合においては、この人と思う人があれば、経済力の点においては少しまあ同情ある立場をとられるような内規というのですか、通達というものをも考えていただきたいという希望を申し上げておきます。
 その次に、三つほど現存の簡易郵便局を見せていただいたのですが、私は、規約に基づきますと、週三十時間を下らない範囲で定めるという、すなわち窓口事務の取り扱いの時間でありますが、この点の解釈なんですが、非常に個人委託の方向に進められると、その人がかなり煩瑣な仕事またサービスも、他との兼業というか、本職を持たれているのですから、そこで兼業でやられるのですが、やはりわれわれも本来の仕事にもついていただきたいという希望を持つのですが、週三十時間を下らない範囲ということの場合、これが現在厳守されているのでしょうかどうか。なおその上に、これは個人受託者がこれから窓口業務を開始される場合、地域住民の方々にこの時間を守ってもらうためには相当の当局としての努力がなければ私は地域住民に迷惑をかけることになると思う。たとえば局の窓口を開く時間は朝何時で、何時に終わるのか、こういうことがかなりまちまちになる心配があると思うのですが、こうしたことに対しての指導方針というものを十分持っておられるのかどうか。こんな憂いは持っておられないのか、ひとつ……。
#22
○政府委員(竹下一記君) 窓口時間につきましては、週三十時間を下らないという基本線がございまして、個々の簡易局につきまして契約書の中で窓口時間を明記するということにいたしております。つまり郵政局の承認を事前に得る、こういうたてまえ、仕組みになっているわけでございまして、今日までその方式でやってきておりますが、窓口時間につきましては特に問題、トラブルがあったことを聞きません。契約書に書いてあるのにかかわらず窓口が締まっておったとかいったようなことは聞かないわけでありまして、むしろ窓口が締まったけれども、ちょっと時間外だけれどもやってくれたということのほうが話としては聞くわけでございまして、窓口時間につきましては私は地域住民に不便をかけていないというふうに考えております。
#23
○村尾重雄君 私は、この時間の問題ですが、これが現状はそうだという話ですが、個人受託者に移った場合、その受託者の意向によって時間というものが定められる度合いが非常に多いと思うのです。その点、直接に監督指導される、また局との契約においてこういう点を明確にされるということになれば、間違いないことだと思いますが、十分に利用者の利便をひとつお考えになって、時間というものに対しては厳守されるように、ひとつお願いしたいと思います。
 次いで、この個人委託のことについて、老婆心かしりませんが、事故や犯罪というものは、これから現在よりも簡易郵便局の事故及び犯罪なりが、個人にワクを広げられた場合において、これがふえるのではないかということを憂うる一人なんです。そこで政府が、もう二十四年に創設されてから今日までちょうど二十年をこえるのですが、簡易郵便局の犯罪数は、私は今年一年とは申しませんが、何か調べられた計数がございましたら、ここ五年間、三年間でもけっこうですが、できるだけごく最近の犯罪件数、その被害総額をひとつお知らせいただければ、いただきたいと思います。
#24
○政府委員(竹下一記君) 簡易郵便局におきまする犯罪の発生状況でございますが、最近五カ年間の数字を申し上げますと、三十九年度におきまして五件、六十万円、四十年度におきまして十五件、二百二十二万円、四十一年度におきまして十二件、五百五十三万円、四十二年度におきまして十件、九十一万円、四十三年度におきまして十一件、七百一万円。平均しまして一年間に十一件、三百二十六万円という数字が出ております。その犯罪の中身は大部分が貯金関係の犯罪であります。
#25
○村尾重雄君 いま御報告願った数字について私はとやかく言うんじゃないのですが、これは受託者が地方公共団体等であった場合なんですが、これは受託者にこれから個人も加わるわけなんですが、人を見たらどろぼうと思えというような、いやな考え方から見るわけじゃないんですが、これが個人にも委託された場合、私はこの数がふえるんじゃないかと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#26
○政府委員(竹下一記君) そういう御意見も、いままでにずいぶん出たわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては受託者たる個人の選考をいやが上にも厳格に、厳正にやらなきゃいけないと考える次第でございます。りっぱな人を受託者として得ますれば事故、犯罪の発生はないと思われます。しかし傾向といたしましては、団体の場合に比べまして個人の場合がどうしても事故、犯罪の発生が多いのではないかということは、そういうふうに考えられますのも、また自然でございますので、事故、犯罪の防止につきまして十分注意を徹底する方策として、あるいは受け持ちの集配局の局長あるいは管轄をいたしております監察官等によりまして実情をよく考査する、あるいは随時指導する。こういった面について十分気をつけてやってまいらなければならないかと、かように存じます。
#27
○村尾重雄君 当然のことなんですが、これはりっぱな人を厳選するとおっしゃるから、本人の過失から、または本人の本意からくる事故、犯罪ということは私はないと思うんですが、かなり外部事情といいますか、個人受託者の行動といいますか、そういうような面からくる事故とか犯罪というものがかなりある危険が予想されると思うんです。こういう点について、とかく従来論議になっておった監督というようなものは、ただその人の犯罪を防ぐということのみに、事故を防ぐということのみに向けられているんですが、私は広く外部的な、その人以外の人から加えられる犯罪並びに事故というものについても十分に御注意ありたいと、こう思うんです。そういう点から簡易郵便局に対する監督について伺うんですが、第一には集配局の局長及び地方監察局の監察官がこれに当たっておられると聞いておりますのがこれまでの実情ですが、必ずしもそうでなくて、集配局長による監査、指導は年四回程度にとどまり、監察官による定期考査は二年に一回程度しか行なわれておらない。私は、二年に一回程度と申しましたけれども、二年に一回しか行なわれていないというのが実情だと思います。また随時に行なわれる特別考査も年間、金簡易郵便局のわずかに五%ぐらいにしか及んでいないというのが実態であると思うんです。このような状態では簡易郵便局の監督に万全を期し得ないのは当然でございまして、個人受託の場合の犯罪防止に備えて、また指導等の体制としてははなはだ私は不満足、また不十分だと、こう思うのですが、今後の指導監督というものについて、そこまで考慮を払われておるかどうか、ひとつお聞きしたいのであります。
#28
○政府委員(竹下一記君) 簡易局に対します指導、監督ですが、受け持ちの集配局長が年に四回、受け持ちの監察官が二年に一回という定めが従来あったわけでございますけれども、この点につきましては実情に合いますように今後措置してまいりたいと思います。特に受け持ちの集配局長は非常に身近におりますし、電話連絡でもって連絡が容易につくところでございますし、また実情を見ますと、何かこうお互いに自転車に乗りまして、あいさつして、いろいろ連絡しているというようなことで、距離的にも人間的にもたいへん密接な関係の立場にある人ですから、この人に対して十分簡易局を善導するような方向でやってもらいたいということにつきまして、今後趣旨を徹底さしてまいりたいと思います。
#29
○村尾重雄君 この簡易郵便局の受託者を団体から個人にワクを広げられて拡大された、この方向は私の好むことではないのですが、犯罪なり事故というものが大幅にふえるということ、これは考慮に入れていただかなければならないと思います。この点は十分これの監督指導対策等について樹立していただきたいと思います。もちろん都市周辺の過密地帯のドル箱となっている窓口と違って、国民へのサービスをする簡易郵便局の窓口というものでは、ごくわずかな、僅少な犯罪なり事故かもしれませんが、これはこういうことがないように、郵便局としての信頼度合いに影響してまいりますから、なお十分な対策を立ててもらわなければならないと思います。これはことのついでに御答弁いただければけっこうです。
 次いで、簡易郵便局の置局の今日の実情と手数料に関してでありますが、本委員会におきましてもこの点はたびたび論議を続けられてきましたが、この制度が発足してから今日までの間、簡易郵便局は三千二百九十三局、四十四年として数字が出ております。この間、途中においてはもっと多数の局が置かれたのですが、廃止された局も五百件に及ぶということから最終の数字として三千二百九十三局というのがここに出ておるのでありますが、この五百の廃止局の廃止された理由について当局は答弁に立って市町村合併、鉱山、炭鉱の廃鉱等、また環境条件の変化等によるものもある、また取り扱い事務量がかくかくの事情から僅少になって維持困難というものが二五%に上るというお答えをば伺っているのですが、実情はどうなんですか。それでいいのかどうか。
#30
○政府委員(竹下一記君) それはそのとおりなんでございます。さらに詳しく申しますと、ことしの二月末日までに廃局になりましたのが五百局ありまして、その中で取り扱い事務量が非常に少ない、そういう理由で廃局になりましたのが百二十五局、つまり二五%、こういうことになっております。
#31
○村尾重雄君 そこで私は、廃止された理由の中で、手数料の問題、経済上の問題から魅力を失ってみずからやめられた方もあろうと思います。そういう人も多数あると思いますので、その簡易郵便局の手数料の実績なんですが、四十四年度において予算としてのここに大体数字が出ておりますが、これは当委員会においても論議されたことだとは思いますが、大体予算で出されているこれは、おそらく平均額だと思いますが、これは大体この程度の数字が実収として正しいと見ていいのかどうかということ、また過去の実績においてこの予算が大体ぴったり収入と見合っているかどうかということを、ひとつ伺いたいのです。
 それと、この平均額の中で非常に成績のいい簡易郵便局においては一体、月額でもけっこうですし、年額でもけっこうですから、幾らくらいの手数料を得ておられるかということ。それからまた、最低が当委員会で一万五千円程度と聞いたと思うのですが、この程度も確かなことであるかどうかということを、ひとつお知らせいただきたいと思います。
#32
○政府委員(竹下一記君) お手元の法案の末尾に書いてございます数字二万八千三百五十七円は四十五年度の予算において成立いたしました額でございまして、全局の総平均月額になっております。実際は多少出入りがございます。四十三年度の実績について申し上げますと、簡易局の中で手数料の最高額の局は年額としまして百十八万八千円、月に直しまして九万九千円ばかしになっております。最低は――貯金業務を扱います局の最低は月に一万三千五百円、それから貯金業務を扱わない局の最低は月額九千八百五十円、
  〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
こういうことになっております。
#33
○村尾重雄君 月額の最高額は別といたしまして、最低が貯金を扱うものにおいて一万三千五百円、貯金を扱わない局においては九千八百五十円ということですが、これは見る人によって違うでしょうし、また他に職を持たれ、他に収入を持たれ、他に事業を持たれるという点から考えて、多いとか少ないということはかなり見方が違ってくると思うのですが、今後、いままでの団体受託者と違い、個人受託者の場合は、最低の収入一万三千五百円なり九千八百五十円という数字では基本料より少し下がるから、これはこの上に上積みされてもらえるわけでしょう。私は、そういう収入であっても非常な熱意を持って契約を行ない、簡易郵便局をば進んで設置されても、こういう低い収入が続く場合、個人の受託者においては少し魅力を失ってきてやめる人が相当多くなってくるのではないかと、こう思われるのです。この収入が少なくなってくること自体は、その受託された方にはほかの兼業なり他の収入があるから、そう困らないと思うのですが、仕事の面でちょっと意欲が失ってくるんじゃないか、こういう点はやはり郵便局という――たとえ、これは簡易郵便局でももちろんのことですが、いままでの団体委託から離れて個人受託者というのが担当される場合、やはり郵便局の国民の信頼というものに対して十分意識を持っていただかなければならないと思うのです。こういう点で、相当収入との関係等でその人の仕事に対する意欲に個人受託となった場合には影響してくると思う。このような点から、手数料の算定なんですけれども、だいぶ最近は以前と比べて郵政に働く方々の、賃金ベースの関係だとか、その他社会の経済の上昇に見合って収入を引き上げる、スライドさせる方法というものをとられているわけですが、その辺に対してのこういう措置意欲というものを、ひとつ当局に伺いたいのです。
#34
○政府委員(竹下一記君) お手元の法案の末尾の表にも書いてございますように、四十年度以降毎年のように手数料の引き上げをやってきております。四十五年度は前年度に対しまして予算上一一・三%上げている実情でございます。
  〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕
私どもといたしましては、やはり簡易局を張りを持ってやっていただきたいと、かように存じますので、取り扱いのいかんにかかわらず、最低保障といいますか、そういったものをかなり重く手数料の中に見てあるわけでございまして、四十五年度の予算におきましても、基本額――これはつまり取り扱い量のいかんにかかわらず、たとえ扱い件数がゼロでありましても支給する額といたしまして一万五千円ばかし見ているわけでございまして、おっしゃいますような御趣旨に対しましては十分見ているのではなかろうかと、かように存じます。ただ、そういたしましても基本額に幾らも上積みにならない局は、取り扱いの非常に少ないところにおきましてはやはり出てくることはやむを得ないわけでございますが、これはやはりこの仕事を専業とされるという、そういう姿がやっぱり無理でございますので、やはり何かと兼業して、そういう形で簡易局を運営されるということに事実上落ち着きましょうし、私どもも実はそれを期待しているわけでございます。
#35
○村尾重雄君 いわゆる再委託の問題なんですが、この再委託はもちろん現行においても法違反でありますけれども、もうすでに事実上の再委託が相当数にのぼっていることは、別に審議の中でお話がなくても事実が現存しておることは、これは免れません。そこでこの改正案は、法律違反の再委託を合法化するためのものだとさえいわれていることを聞くのですが、こうした疑問はおくといたしましても、個人受託はこれに拍車をかけて、場所によっては簡易郵便局の受託が一種の利権化される可能性さえあるのではないかということが考えられるのですが、これは少しうがち過ぎた見解だとおっしゃるかもしれませんが、先ほどあなたの御答弁の中でも、今後の個人受託者に対してはいろいろ社会的条件というものが勘案されるが、事前にやはり一、二、三という優先的順位で市町村公共団体、それから農協、漁協、消費組合、そういう団体というふうに一応考えて、そこに個人ということになってくるのだと思います。こういう点が非常に経済的にはそう大した利権でないにしても、やはり社会における地位ということでは私は地域においては信用度合いからいって相当重要視される権利だと思うのです。そういうような点から、個人で非常にいい人があっても、競争相手がたとえば市町村団体の嘱託になって、それより先回りしてやはり権利を受けるということになってくると思うんです。だから、こういうような点について一種の利権化される再委託というのはあまりよくないことだと思うのですが、こういうような点についての見解、どうです。あると思われますか、ないと思われるか、そういうことは全然ないとおっしゃるのか。あるとするならば当局の方針をひとつ伺いたいと思います。
#36
○政府委員(竹下一記君) 再委託という姿は現実にあるのではないかというお話でございますが、私どももいろいろと実態を調べておりますと、私どもの把握した範囲内では全簡易局の中の三分の一ぐらいがそういう姿に相当すると思われるところがあるわけでございます。ただ省といたしましては、再委託というものを承認いたしたわけではございません。法的にはあくまでも契約の相手方は市町村その他の団体でございまして、団体の内部の事情としてそういう姿になっておるというわけでございます。そういう意味の再委託の形において行なわれております簡易局の業務につきましては、省といたしましては十分平素から注目をしておりますし、その人たちの氏名等もちゃんと報告を求めておりますし、間違いのないような運行に留意をしておるわけでございますが、幸いにいたしまして今日まで特段のトラブルはなかったわけでございます。今後、個人委託になりました場合、受託を希望する個人と再委託の形の団体との衝突ということが予想されるし、それについていろいろ弊害が出ないかというふうに御心配のようでございますけれども、その点につきましては特に名案は今日持ち合わせはございませんけれども、よく今後の実態を見まして誤りのないように処置してまいりたいと存じます。
#37
○村尾重雄君 その点、御配慮いただきたいと思います。
 そこで私は、大臣に最終的にひとつごく簡潔に当局の方針なり御意見を承っておきたいと思うのですが、この簡易郵便局の取り扱いの事務の範囲をさらに拡大する方向へお考えになる意思があるかどうか。私はここに、参考書の中で取り扱い業務についての調べを拝見さしてもらっているのですが、マルとペケじるしがあるのですが、これの二十八ページに、たとえばペケじるしになっています「積立郵便貯金の預入、払いもどし」でありますとか、また次のページの「年金恩給等の支払」でありますとか、また三十ページの「各省庁の歳入金、歳出金の受払」また続いて「遺族国庫債券、引揚者国庫債券等の償還金の支払」というぐあいに、かなりこれは簡易郵便局として一人ないしお手伝いなさる人を入れて二人のところで非常に無理な事業だと思いますが、いかがでしょう、現在の事務の範囲が限度であって、なおこれを拡大される方向というものはとられるのか、とられないのか、お伺いしたいのです。
#38
○国務大臣(井出一太郎君) 当面は、国民年金の支払いの一部を受け持つという程度の拡大でございますが、事務分量をおよそ一人未満というふうに考えておるものですから、はたしてその範囲でどこまで拡大できるか、この辺は法改正の上スタートをいたしました際に、十分これからの模様を見ながらこの程度は拡大してもいいではないかというふうな見当がつきましたら、当然これは窓口サービスの改善でございますから、国民大衆の御要望に沿わなければならぬ、こういう意味で前向きには考えていきたい、かように存じております。
#39
○村尾重雄君 いまお考えのようなことを、当局としてよろしいですね。
#40
○政府委員(竹下一記君) 大臣のお話のとおりでございます。
#41
○村尾重雄君 そこで、簡易局の取り扱い事務の範囲なんですが、現状ではこの限度があろうと思いますが、なお今後の拡大方向について十分な配慮を大臣にいただきたいと思います。
 それといま一つは、受託者の範囲をこのたび個人に拡大されたのを機会に、これはもうたびたび御確認をいただいている問題ですが、現在の特定局の、特に無集配等の縮小を行なわないということについて、従来御確認いただいている線を、大臣、われわれが信じてよろしいかということなんです。と申し上げますのは、これも討議されたそうですが、特定局の施設については、新しい置局について行なわれる国家予算ですね、これはわずか四分の一以下ですか、簡易郵便局の置局において行なわれる――こういう点から考えます場合に、何でも経済的、経済的という考え方が、とかく郵政事業を少しそれても経済的要請ということが先にとられるきらいが最近非常に多いのです。こういう点からこういう憂いを特に持つのですが、簡易郵便局の受託者の範囲拡大を機会に特定局の縮小を決して行なわないという御意見をたびたび伺っておりますが、それを再確認さしていただいていいものか、どうでしょう。
#42
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま御発言のとおりに御確認くださってけっこうでございます。
#43
○村尾重雄君 けっこうです。終わります。
#44
○永岡光治君 二十八日の逓信委員会での質問も予定がありますが、少し基本的な問題に触れて郵政大臣以下関係者の皆さんに御質問申し上げたいと思うわけでありますが、その基本的な問題というのは、いま簡易郵便局法の一部改正法案を審議されておるわけでありますけれども、国会で四年がかりの法案であるわけであります。地方の過疎地帯に対する通信のサービスについて郵政当局は熱心にこの実現に努力するということを私ども反対しているわけではございません。当然のことでありまして、それは、サービスの改善をしていくのはもとよりでありますが、ただ私どもが反対しているのはそのサービスの機関のあり方について、将来の郵政事業の運営について禍根を残すことにならないかどうかという問題について危惧があるからこそ、これに反対しているわけでありますが、それはいずれ二十八日の委員会に譲るといたしまして、私がここで問題にいたしたいと思っておりますのは、四年越しの長きにわたって郵政当局は熱心に過疎地帯についての通信の疎通と申しますか、郵便サービスの向上改善について努力されております。にもかかわらず、一体四年の間、今日混乱を来たしております大都市通信について、いかような手を打ったのか、過疎地帯に対する通信は熱心であることは私ども否定するわけではないのでありますが、通信はだれが見ても大都市通信が一番問題であり、これを円満に解決することが郵政に今日課せられた至上命令ではないかと思っておりますが、それに対する熱心な施策が一向見られないのはどうしたことか、このことについて郵政大臣、郵務局長に私はお尋ねいたしたいと思うわけであります。
#45
○国務大臣(井出一太郎君) 過疎地帯にばかり力を入れて、その割りにはさっぱり過密地帯のほうはなおざりにしておるではないか、そういうアンバランスはいかようなる次第かというお尋ねと存じます。まあ都市における施策といえども、決してこれをなおざりにしてきたというふうには私は思わないのでございまして、それなりに努力は払ってきたやに見受けるのであります。それにしましても郵便事業自体の本質になかなか解決のむずかしい問題を幾多含んでおりますことは、永岡さん御承知のとおりでございます。具体的に、しからばいかようなる努力のあとをたどってきたかという点については、郵務局長からこまかく申し上げることにいたしますが、私自身決してこれで十分というふうには思わない。まだやるべき事柄はたくさんあるというふうに思うのでございまして、及ばずながらこういう問題とひとつ取り組んでまいろうという気持ちは十分持っておるつもりでございます。
 そこで、とりあえず、省内に郵便事業基本問題対策協議会といいましたような仕組みを設けまして、実はきょう午前にそのスタートを起こしたような次第であります。この辺で問題を煮詰めまして、これもただ便々と日を送っておってはいけませんから、なるべく早い機会に省内の衆知を集めて、一つの対策を持ちたい、こういうつもりでおるわけでございます。
 なお、詳細は郵務局長から。
#46
○政府委員(竹下一記君) 大筋は大臣のお答えのとおりでございまして、あまりつけ加えるものは実はないのでございますが、四十一年度の郵便法改正によりまして種別改定――郵便の種別を近代化、合理化するというようなことをやりました。四十二年には航空搭載を大幅に広げて送達速度を早めるということもやりました。四十三年七月からは番号制に踏み切りまして、同時に自動区分機を導入いたしまして機械化を開始いたしました。さらに、毎年平均四・五%程度増加してまいります郵便物数、これを処理するために要員措置を講じてまいりました。郵便物数は、御承知のように、十年前に比べますると、今日物数が二倍とちょっとになっておりまして、年間百十億になっております。それに対しまして要員措置を怠っておったではないかという声もあるようでございますが、そうでございませんで、物数が二倍になったに対して要員措置としては一・六倍の要員を、これは全国でございますけれども、そういう措置も講じてまいりました。あわせて賃金のほうも昨今では年間四百万人分、延べでございますけれども、こういう賃金の予算的な措置を講じまして労働力の確保につとめておるわけでございます。
 いろいろとやっておるのでございますけれども、東京、大阪等の大都市の都市化現象というものは異常に急激であるということ、それから近郊地帯がいわゆるスプロール現象と申しますか、東京等を取り巻くドーナツ地帯が異常なる人口・戸数の増加であります。また、この地域に出入りをする人口の移動でございますが、これが激しい。交通難。それから住居表示の変動が著しい。さらに労働力が非常に逼迫して、採用難。欠員が出ました場合のあと補充がむずかしい。こういったような、数え上げますと幾つもあるのでございますが、泣き言になりますからこの程度にしますが、隘路が幾つかございまして、郵便の運行が正常に参らないという今日の事態でございます。これにつきましては、まことに私どもの力の足りないことを感じますし、申しわけないと存じておりますが、今後におきまして、十分努力してまいりたいと存じます。
#47
○永岡光治君 郵政郵務当局のいろんな対策について、私も以上述べられた諸般の項目について敬意を表したいと思います。ただ、私がここで問題にいたしたいのは、いま郵務局長からも御答弁の中に述べられておりましたように、異常な過密地帯になる大都市に対する通信の疎通に対する改善措置と申しますか、それがやはり抜本的にはされていないうらみが私は非常に強いと思うんです。過疎地帯における老人その他に対する福祉の関係をはかって窓口機関を置くということは、これは否定する何ものもないと思うんです。数は少ないにいたしましても、しかし同時にそれ以上に大切なことは、この過密都市における通信の疎通の阻害、これを抜本的になぜ考えなかったんだろうか、これは今日に始まったことではないんです。簡易郵便局について四年間の熱心な皆さんの運動があるわけでありますが、それに比して大都市に対する措置というものが非常に手ぬるい感じを、どうも私は感じてしようがないのであります。航空機を使ったとか、あるいは機械化を行なったとか、いろんな問題があるにいたしましても、現実はやはり郵便の遅配というものは解消されておりません、非常に残念なことでありますが。これにもっと取り組むべきではないか。そこで私は、それらを考えたときに、何か郵政当局の事業の運営について、根本的な欠陥があるのではないか。それは何か一つには国家事業であるべき郵政事業を小局にまかす、小局運営をしていく、委託者にまかすということに熱心なその裏には、何か私は、長い間の経過からして、やましいものを感ずるわけであります。特に政治的な何か動きがあるのではないか。そのことによって郵政事業が国民から負託を受けて、中正であるべきものが曲げて運営されるようなおそれがないかどうか。そのことは過去の歴史から、そして現在ある特定局の実態から考えて、私は、疑念なしと、これをさっぱりと割り切るわけにはまいらないわけでありまして、国家事業であるがゆえに、そういうどうもおかしな動きをしては困るという一面があると同時に、大都市通信に対しまして国家事業であるがゆえに、独占事業であるがゆえに、あぐらをかき過ぎているのではないかといううらみが実は感じられるわけであります。この遅配についての労使双方の紛争を見ていると、国民はまさにその感を強くするのであります。もしこの事業が民営だったらどうでしょう。私は、とっくの昔に破産をしてつぶれていると思います。独占事業、国家事業なるがゆえに、労使関係でもやれ何だかんだということでじんぜん日を暮らして成り立っているわけであります。こういう国家独占事業ということをもう少し本質的に掘り下げて、郵政事業というものが将来どうあるべきかということを、小局運営を含めまして、抜本的に私は考えていただかにゃならぬと考えておりますがゆえに、以上のような質問をいたしたわけでありますが、この私の気持ちを十分考えていただいて、将来の郵政事業のあり方について、誤りのない方針を確立していただきたいと思うわけであります。その点について、まず大臣の総括的な答弁をいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(井出一太郎君) さきごろも横川委員から小局運営と申しますか、それを中心にしたきめのこまかい御質問に接しました。おそらくただいまの永岡さんもそういう基調に立ってのお考え方と拝察をいたします。で、いまお触れになりました、これが何か政治的にゆがんでいるのではないかというふうなあたりは、これは私ももう少し問題を詰めてみないとにわかにお答えはしにくい点ではありますが、まあ何としても郵便事業そのものが人手を要するというところに基本があるのでございまして、これを近代化、合理化する、機械化すると申しましても、一つの限界がございましょう。したがいまして、これはヒューマンリレーションをよくすると、こういうところに基調を置きながら解決をはかっていくべき筋合いであろうと、まあ当面私の感想を申し上げればそんなことでございます。
#49
○永岡光治君 まあこれは小局運営についてはあらためて二十八日の委員会で質問いたしたいと思いますが、私が触れようとしたのは、どうもある――端的に申し上げまして恐縮でありますが、政党の下部の組織にこれを利用すると申しますか、そのおそれなしとしないのが過去の例であったわけでありますから、そのようなことになってはならぬぞと、そのことはやがて郵政事業全体に禍根を残し、波及してたいへんなことになるということを申したかったわけでありまして、これは二十八日に譲るといたしまして、とにかくそういうことには熱心な郵政当局であるけれども、この都市通信の抜本的な改正についての努力が足りない、これは非常に残念だということを申し上げたわけでありまして、国家事業というものはその意味で非常にむずかしい問題がここの簡易郵便局法の改正をめぐってあるのだということを御認識いただければけっこうであります。
 そこで問題は、次に移りたいと思うのでありますが……。
#50
○野上元君 関連質問をさしていただきたいのですが、いま永岡委員から基本的な問題について質問があったわけですけれども、それに対して大臣から総括的な答弁がありました。あるいはまた郵務局長からも補足して若干具体的な御答弁があったわけですが、私は、問題はそういうあなたの感じであるとか、そういう何といいますか、非科学的な答弁ではどうしても納得できないものがあるんですね。というのは、私も、郵政事業は一体どうなるのだろうかということを日夜考えているんですよ。そうして自分なりに何とかいい方法はないものだろうかということを探し求めておるのですが、私自身もまだ暗中模索の事態なんです、残念ながら。
 そこで郵務局長にちょっと聞きたいのですが、先ほどあなたが最近における郵政事業のネックについて幾つかの要因をあげて、将来はこれをなくしていくのだ、こういうふうに言われたわけですね。その中に、まず第一には予想せざる異常な経済の成長を見た、これに郵政事業としては対処できなかったのだと、あるいは第二にはこの異常な経済の成長の具体的なあらわれとして都市のスプロール的発展があった、無計画きわまる都市の発展があった、この問題もネックになっておる。第三としては、労働力の不足が非常に問題になっておるのだと、したがって、従来の郵便物数の比較から見れば二倍になっておるが、要員措置は遺憾ながら一・六倍、そうしてそれを補うために機械化をやり、あるいはまた賃金要員でこれを補いつつあるのだ、しかしこれだけではどうしてもうまくいかないから、将来、先ほど述べられた幾つかのネックを解消していきたいと、こういうふうに言っておられるわけですね。はたして、そのあなたがあげられたネックは、あなた方郵政省で解決できる問題なのか、それをひとつ答弁してもらいたいと思うのですね。異常なる経済の成長ですね、郵政省の望むように経済の成長をコントロールできるのかどうか、あるいはスプロールしていく都市の発展をとめることができるのかどうか、あるいは労働力の不足を解消することがはたして郵政省独自でできるのかどうか、これらの問題を解消すると言われても、私には納得できない。したがって、ますますひどくなっていくのではないかという懸念がしてならないのです。と言うのは、もうすでに御承知のように、経済企画庁は経済企画庁なりの将来の経済の姿を図式化して国民に発表しております。あるいはまた、経済団体は経済団体なりの経済の成長の青写真を出しておる。あるいはまた、銀行は銀行なりの経済の発展の将来の姿を出している。これはどれを見ても昭和五十年代においては国民総生産は大体二・五倍ぐらいになるということになると、郵政省における従業員の賃金もそれにつれて上がっていくでしょう。はたして現在の状態で続いていって、郵政事業の従業員の賃金が国民総生産の伸び率に比例して伸びていった場合に、郵政事業というのは一体どういう姿になるのか、はたしてそういう財政的余裕が出てくるであろうかということを実は心配をしておるわけですよ。したがって、今日の段階においては、おおむね自分の感覚ではとか、おおむねこうなるだろうということではなくして、もう少し科学的に郵政当局も分析をしながら、近い将来どう郵政事業を立て直すかを真剣に検討されなければ、これは取り返しのつかぬことになるのではないかというふうに考えるのです。そこで竹下郵務局長に、さっき言ったようなネックの解消方法はどういう解消方法があるのか、お聞きしたいと思うのです。
#51
○国務大臣(井出一太郎君) まあ野上さん御自身があれこれと模索をしておられると、こういうお話ですが、ましてや不慣れの私としてはまだ模索にもいかない、たいへん悩みの深いところにおるわけでありますが、そういう点でたいへん科学的でないとおっしゃる、もうちょっと具体的な答弁をせいとおっしゃる。まあきょうの段階ではなかなかその要請に応じかねますけれども、そのまあ一つの方針としまして、さっき永岡さんにお答えしたように、ひとつ急速に省内の知恵を結集する対策協議会をつくった、こういう次第でございます。そして、いままあ都市化現象その他非常に大きな問題、これが郵務局長からも答弁がございまして、これをまあ御追及なさっているわけだが、これまたなかなかその事務的な段階でお答えするのには非常にまあ荷の重い諸条件のもとに置かれておると思うのでございます。まあそういうわけですから、基本的にはもう少し事務段階で地ならしすることはもとよりでありますが、問題はもう少し高度な政治問題にもなるのではないか、まあそういう点だけ私から申し上げまして、あと郵務局長からお答えをいたします。
#52
○政府委員(竹下一記君) 経済の成長に伴いまして郵便物数がふえていくということは、これはもうどうしようもないことで、お国のためにはたいへんしあわせなことでしょうけれども、郵便の立場からしますと、これは私どもの手でどうしようもない現象でございますから、いや応なくこれに対処しなければならないと思います。また、労働力の逼迫ということも、これは今後避け得られない現象でもありますし、人件費の増加ということもまた出てくるわけでございます。そういう中でやり得ますことは、いまのままではまことに限られた虫食い程度のことしかできないのでありまして、労働力が得られないから婦人労働力に頼りますとか、ママさん配達をやるとか、アルバイトを中高年齢層まで広げるとか、あるいは機械化をもっと促進するとか、そういった省力化の方向を進めておるわけでございますけれども、この圧倒的な物量に対処し得べくもないというわけでございまして、これから先はよほどの大手術をして大なたを振いませんと、どうにもならないと思われるわけでございまして、そうなると従来の郵便のサービスの基準といいますか、郵便物のいろいろな扱い方の基本といいますか、そういうものに大きくなたを入れるというようなことも、これは今後そういう方向でやっていかなければならなくなるのではなかろうかと、かように思われるわけでございます。これは私個人に限りません。省の者たちは個人個人としてはいろいろなことを考えているわけです。ここで申しましたらばあっと驚くというようなことも、これは一人一人の頭の中にはあるわけでございますが、これは非常な大問題でありまして、そう簡単に御披露はできないので、そういうこともございまして、これはやはり省として、省の組織におきましてこれをよくそしゃくして、煮詰めていかなければならない性質のものでございますので、先ほど大臣が申された基本問題の協議会といった、そういう組織の中で今後十分練られていく性質のものでございます。いろいろと模索をしておることには相違ございませんが、お先まっ暗ではございません。今日の危機は、仕事がだんだん先細りになって、だんだん物数が減っていっておしまいには店じまいをしなければならない、そういう危険ではないのであって、逆に物数はふえて行っている。小包などはもうその典型でございます。通常郵便物もふえていますが、小包はものすごくふえている。こういう、どっちかというとうれしい悲鳴でありまして、同じ危機でありましても、そういう前向きの危機である。それに対処する姿勢といたしましては、これはむしろたいへんやりがいのあることであり、問題はむずかしいけれども、その対処する姿勢といたしましては、いま申しましたような積極的な姿勢でもってかかれる性質のものでございますから、そういう方向で今後努力をしてまいりたいと存じます。
#53
○野上元君 私も、郵務局長の言われるように、相当思い切った手術をしなければ切り抜けて行かれないだろうというふうに考えるわけです。まあお聞きするところによると、郵政当局には、まあ本省だけでも数千人のスタッフがいるわけでありますから、われわれのように委員個人ではないわけですから、十分に資料を集めて科学的分析も行ない、青写真もできるはずですから、まあ幸いにしていま局長のお話によりますと、あっと驚くような改革案をいま持ちつつある。こういうわけですから、私もその点では意を強うするわけです。ただ問題は、あっと驚かすのが目的ではないわけですね。それによってりっぱな効果を生まなければならぬと思うのです。しかし、その効果を生むためには、あっと驚くような出し方をしては私はまずいように思うのです。こういう問題は。したがって、徐々にあなた方は青写真を出しながら、大衆の何と言いますか、メンタルマッサージといいますか、そういうものをやりながら、あるいは相手の労働組合の刺激を緩和させながら、徐々にあなた方の目的を達成していくというような方法をとられることが賢明ではないかというふうに考えるわけなんです。したがって、いつまでも出し惜しみせずに、あっと驚かさないで、いつの間にか大衆が納得するというような方向で逐次誘導していくことが、この際必要ではないかと思うので、そういう点も考慮しながらひとつやっていただきたいことを希望としてつけ加えておきたいと思います。どうもありがとうございました。
#54
○永岡光治君 四月十三日の「サンケイ」新聞で、全逓という労組が事業研究会を持って郵政再建案なるものの研究をする会議を持ったことが報道されておりました。私まだ細部にわたってその内容を承知しておりませんが、この新聞の記事による限りにおいては、たとえば国家行政の一環として行なわれている郵便事業を企業的色彩の強い公社へ切りかえる、それから現行郵便料金の再検討をやる、それから地方自治体の市民サービスを全国二万の郵便局の窓口で委託業務として行なうというような、いろんなことが研究の課題になっておるようでありますが、一体こういうことになった背景を、実は、私は私なりに考えておるわけでありますが、おそらくは職員団体といたしましても、今日このままの希望の持てない郵政事業であってはならぬ、職員として一体われわれが携わるその職場はどうあるべきであろうかという、そういう悩みの中からこういう機関が持たれたものと私は思うわけでございます。特にまた、最折は、労使関係で一応解決はしたとはいうものの、ごく最近までは御案内のとおり、まさに国民不在のと言えば言い過ぎかもしれませんが、そういう労使紛争の状況で事業は放置され、しかもそれに対する郵政管理者当局の職員に対する態度は、特に外務に対しましてもあまり希望の持てない職場にむちをあてるというようなやり方をやっていたといわれていますが、全面的にそれが全部ではないといたしましても、そういうきらいなきにしもあらずで、郵政当局はそれを円満に運営するために、やはり職員の中に管理者の言うことを聞けるような職員をつくろうとして努力したことも、私自身として認めたいと思いますが、今日はもはやそういう産業報国会的な職員団体に期待をいたしましても、私は、今日の若い青年の気持ちからいたしましても無理であるし、それは失敗に終わると思いますが、いずれにいたしましても、そういう紛争にあきあきとし、このまま放置できないという、そういう気持ちからこの研究会が持たれたのであろうと想像するわけであります。言ってみれば、事業の再建について職員団体として積極的に取り組んでいこうじゃないかという姿勢が、ここに芽ばえてきたといっても差しつかえはないと思うわけであります。してみると、先ほど郵政大臣の答弁では、基本問題の対策協議会が設けられたということでありますが、私は、どのようなりっぱな政策が確立をされましても、そのことが第一線の現場段階で効果を一〇〇%ないしはそれ以上に発揮するためには、働いておる職員団体の理解なり協力なくしてはなかなか思うようにいかぬという経験を持っている一人でありますだけに、申し上げるわけでありますが、これほどの意欲的なものを示しても、職員団体とすればやはり私は郵政には経営参加と申しますか――表現は適当でないかもしれませんけれども、経営の主体が郵政当局にあることは国民だれしも否定しませんし、職員もこれまた否定しないと思うんです。しかし今日の事態から考えますならば、もはやその経営に対する協力という意味での参加的な力を得なければ、私は簡単にその事業の再建はできない事態に郵政はきているんじゃないか、こう思っているわけでありますが、この経営の参加を含めて、郵政当局は抜本的な問題の解決のために、どのような具体的な方針をとろうとしているのか、御説明をいただきたいと思いますが、私の言う、この意見を聞くあるいは協力を求めるという意味での、そういう経営参加的なものは、大臣としてはいいのか悪いのか――私は、それはとるべきではないだろうか、このように思うわけであります。もちろん、私の経営参加は、協議が整わなければそれを実施してはならぬとか、そういうつまらぬことを言っておるわけではございません。しかし、できるだけこの再建を、労使双方が国民に対してこたえるという意味での経営参加を、やっぱりやっていかなければ、この事業は再建できないという意味で、私は申し上げているわけでありますが、大臣の所見を承りたいと思うわけであります。
#55
○国務大臣(井出一太郎君) いまお示しの全逓における研究会の模様は、私も新聞で拝見したという程度でございますが、そういう積極的な意欲を持たれるということは、これは十分敬意を表するに価することだと考えております。そこで、いま経営参加というおことばがございましたが、まあこのこと自体が一体どういう形式と内容を持つか、また日本の場合、ほんとうに十分完熟していない段階であろうかと思うのでございますが、いずれにもせよ、職場で働く諸君のそういったエネルギーをくみ上げるといいましょうか、こういうことは経営責任者として十分に意を用いなければならない問題だろう、こう考えております。したがいまして、今後、省のほうはさっき申し上げました協議会を発展させますが、これがただ独善的におちいるということであってはならない、こう思いますので、職場における現場第一線の意見というふうなものをも、どういうパイプ、どういうアプローチのしかたになるかは別として、これにも意を用いてやってまいろう、こういう考え方でおります。
#56
○永岡光治君 私が、旧来のある観念にとらわれやすい字句を使って経営参加と言ったから、それを非常に警戒しての御答弁のように思いますが、そうではなしに、抜本的に郵政を立て直すには一体どうするのだ、職員団体はどうしてくれるのだ、どういう協議をしてくれる、郵政はこうやりたいというやり方をしないと――これはどうも疎外感があってはこの事業は成り立たない、特に魅力のない職場であるから、これから魅力を持たせるように基本的問題を調査されるんでしょうけれども、そういう意味でとにかくこの意見なりを――職場で苦労している一人ですから十分わかるわけでありますが、十分私は経営参加的な私の気持ちはわかっていただけると思いますが、そういう意味でひとつぜひ検討していただきたいと思うわけであります。
 そこで、基本問題対策協議会というものを設けられたようでありますが、これは私の従来から主張しておることを、そういう名目で設置されたのじゃないかと思いますが、私はいま、郵政の省全体を含めて考えてまいりますと、特に中央段階における問題が一番私にとっては不満なのでありますが、経営的な研究をする部局はあっても非常に小さいし、あまり大きな期待をかけられないのではないかと思うわけであります。電電公社の例をとって恐縮でありますけれども、これには経営調査というりっぱな一つの機関を持っております。この、これだけ大きな郵政事業、特に七〇年代を迎えまして情報化社会、そして二万に近いこの窓口機関なり郵便機関を活用して、郵政の発展をはからなければならぬという時代になってまいりますと、それぞれの郵務局なり貯金局なり保険局なり、あるいは電波監理局、いってみればみんなそれぞれの立場で苦労されておることは私はよくわかりますが、それだけに経営の面について総合的に高い見地から、長い展望で、これを計画することはなかなか無理であろうと私は思うんです。そういう意味で本省段階あるいは地方郵政局段階までを含めてしかるべきかどうかは、まだ私も判断に苦しみますけれども、経営に相当の頭脳を入れて、調査研究を行なうという機関をつくるべき必要があると、このように考えて、かつての委員会では小渕政務次官が出席されましたとき、私の要望を申し上げましたところ、ぜひ検討してみたいというお話でありましたが、大臣は、単なる協議会程度でなくて、一つの部局としてりっぱなものをつくっていく必要があると考えておる私の意見には、どのように考えておいでになりますか、答えていただきたいと思います。
#57
○政府委員(野田誠二郎君) 永岡先生御指摘のように、郵便事業につきましても、貯金事業及び簡易保険事業につきましても非常に大きな企業体でございまして、これが特に郵便事業を中心にいたしまして必ずしも円滑に運用をされていない、こういう現状におきまして、これらおのおのの事業のかかえております問題点を十分に掌握をいたしまして、さらに長期的な展望に立ってこれらの三事業をどのように推進していくかということにつきまして、まさに先生のおっしゃいますとおり管理部門を強化し、経営調査機能を十分に発揮できるような部門を各事業ごとに持つと同時に、これらの総合調整を必要とする面につきましては官房なり、その他の所要のところにこういう経営調査的な部門を当然つくるべきだと、かように考えるのでありますが、たとえば電電公社等におきましても大きな経営調査室というようなものを持っております。その他企業体にはそれぞれ将来の展望を十分つくり得るような、そういう部門を持っておるようでありまして、御指摘のとおりわれわれの郵政事業につきまして、その点いささか欠けるような点もあったかと、かように考えるのであります。先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、郵便の関係につきましては基本問題の対策協議会というようなものを新しく発足さして、その中でいろんな基本問題と同時に、これらのものを解決していく基本計画をどのようにつくっていくか、あるいはつくる組織をどうするかというようなことも含めまして、今後検討を進めていきたいと、かように考えております。同様に貯金及び保険等につきましても、今後の非常に重要な課題として検討していきたい、かように考えております。
#58
○永岡光治君 趣旨を御理解いただいて、御共鳴いただいたようでありますから、ぜひこれを実現するように大臣以下関係の皆さんにお願いを申し上げておきたいと思うわけであります。
 私は、先ごろ、郵便問題改善対策協議会というのが民間団体でつくられたから、ちょっと顔を出してくれというお話がありましたので、ちょっと顔を出してみたわけでありますが、非常に郵便のおくれておる原因が那辺にあるのか、そして今日郵便が多量に出てまいるが、高等信がどうなっておるのか、非常に心配されておりました。いろいろ相談の中で私も聞いたのでありますが、私どもの考えと変わっていないように考えました。私は、今日の郵便の定形、非定形という問題になってきたいきさつはわからぬわけでもないのでありますが、高等信が非常におくれておるという事態、平たいことばでいえば封書、はがきということでありますが、これはやっぱり特別な扱いをして、他のダイレクトメールと言われております第三種以下ですか、ああいうものと区別をした特別な取り扱いをしてあげるべきではないだろうか、それは国民の要望じゃないだろうか、それについてもし料金の引き上げが必要であれば、これは国民といえども私は理解をして協力をしてくれると思います。そういう意味で今日郵便の体系と申しますか、それをもう一回洗い直す必要があるのではないかと思います。料金の問題にしろ、速度の問題にしろ、そういうような気がしてならないわけでありますが、これは基本的な問題に触れるわけでありまして、全逓の研究機関でも何かそのようなことを協議研究されたようでありまして、第一種、第二種の郵便は特別な扱いをして、これはウーマンパワーを採用する場合でも、それではなくて、正規の従業員にこれを配達さして国民にこたえるべきだ、料金についても考えるべきだということを研究しておるようでありますが、私もここまできて、交通事情の問題とか物量の増加等を考えますと、体系的な再検討――料金の再検討も含まるのでありますが、それをやるべきだと思いますが、どのように考えておりますか。大臣ないしは所管の郵務局長から御答弁をいただきたいと思います。
#59
○政府委員(竹下一記君) 御指摘になりました点につきましては、私どもも全くそのように考えておりまして、この定形、非定形という制度に改めましたことにつきましては、それなりの理由があり、また効果をあげてきたわけでございますが、異常なる郵便物数の増加と郵便物の中身の変化といいますか、需要構造の変化というものは、この五年ばかり経過をいたしました今日におきまして、かなり当初予想いたしましたところのものと違ってきておるわけでございます。定形郵便物と一口に申しますけれども、これはいわゆる信書がありますし、業務用通信――これは企業にとりましてはまことに重要なもので、緊急性の強い内容の郵便物です。それにいわゆるダイレクトメールと申します広告みたいなものを内容とするもの――普通そう急がないはずではなかろうかと思われる郵便、これが一緒くたになりまして、定形郵便物という形であらわれてきておりまして、これがいわゆる一種郵便物の中の八七%まではいま言った定形であります。それ以外のものは非定形と言っておるんですが、定形郵便物そのものにかなり膨大な量をかかえていると同時に、いろんな種類の内容の郵便をかかえている、緊急性の強いのもあるし、急がないというものもある、ただ、機械にかかるには便利でございます、これは定形でございますから。そういうことで定形郵便そのものの扱いに実は音を上げているということでございまして、いまお話がございましたように、信書的なものと、そうでないものとを何か少し区別して扱ってはどうかといったような発想もございます。そうしますと、いまの定形、非定形の考え方をがらりと変えなければいけないということでございまして、いわゆるいまの種別体系の核心を突かなければならないのでございます。そういうことにつきましても今日の当面の課題だと考えております。
#60
○永岡光治君 ぜひ検討していただきたいと思いますが、次いでこれは郵政事業の窓口機関を活用いたしまして、今日生じておる赤字をできるだけ解消する方向で、事業拡大という方向で検討する必要のあるものもあるのではないかという意味で検討もしていただきたいと思うわけでありますが、これは、これまでも委員の皆さんからいろいろ述べられましたことでありますから重複を避けるわけでありますが、何と申しますか、地方の市町村でやっているような窓口事務を郵便局で少しそれを展開したらどうかとか、あるいは郵便局でメッセンジャーとか市街のガイドなんかをやったらどうだとか、中小企業のいろんな商店の会計事務あるいは統計事務とかありますが、それを郵便局で引き受けたらどうだろうかとか、いろいろあるようでありますが、それらを含めまして、私はこの際、将来性のある問題として二万に及ぶ郵便局、このオンライン化によってかなり必要の部面が出てくるんじゃないか、開発されるべき分野もまた多く出てくるのではないかと思いますが、それらの問題についても検討するという考えを持っておるのか、いまここで私の話をはじめとして検討してみたいということなのか、その点はどういうふうになっておりますか。特にこの点に触れまして、郵政が二万に及ぶ窓口を持っておる、それを活用して事業の赤字解消にできるだけ努力したいという気持ちがあると思いますが、そういう考えがあれば、今日わかっておる程度でよろしゅうございますが、構想をお聞かせいただければ幸いだと思うわけであります。
#61
○政府委員(野田誠二郎君) いま先生のお話の将来の構想は、非常に大きな構想でありますし、われわれたとえば検討いたすといたしましても、非常に長い期間を要する問題ではなかろうかと、かように考えるのでありますが、その第一点の、例としてあげられた一つでありますが、地方公共団体の窓口事務といいますか、地方公共団体でやっておりますいろんな事務を郵便局の窓口で引き受けて、これを行なったらどうかという一つの提案でございます。これにつきましても、先ほど来お話が出ておりますように郵便の引き受け物数といいますか、取り扱いの物数は、年間相当のパーセンテージで伸びてきておりますし、貯金、保険の伸び、これも金額的に申し上げますと、大体双方とも二割以上あるいは二割前後の伸びを示しておるような実情であります。そのほかに社会保険関係の収納あるいは支払い、あるいは国、公社等の、要するに国庫金の出し入れ事務あるいは年金、恩給等の支給、こういうものも非常な率をもってふえてきておるような実情でございまして、まあ定員的にも必ずしも余裕がない現状でございまして、ただいまの時点を限って申し上げますと、これもちょっと不可能ではなかろうかと、かように考えるのであります。ただ、先生御指摘になりました郵政事業の赤字解消、これを郵政のサービス窓口においてこれを救済する手段としましては、やはりいまおあげになりましたいろんな方法が考えられようかと思うのであります。こういう点は今後検討を進めていく、こういうことを申し上げたいと思うのであります。さらに二万の郵政サービス機関、これの窓口をオンラインによってつなぐという問題につきましては、これまた非常な資金量、いまの技術といいますか、そういう点からいきますと、非常に大きな資金量を要する問題であろうかと思いますし、さらにまた、この二万全部をそういうシステムでつなぐほどの事務量があるかどうかということも当然検討の対象になろうかと思うのでありますが、いずれにしましてもそういう問題につきまして、われわれほんとうに真剣に取り組むべき段階であろうかと、かようには考えております。
#62
○永岡光治君 もちろん地方の、利用の少ないような局までオンラインにすることはどうかと思いますけれども、まあ有効な限り、これはやっぱり活用の範囲において御検討いただきたいと思っているわけであります。
 そこで、いろいろ問題を申し上げましたが、すでにもう各委員からもしばしば触れられている問題でありますから、あと一、二にしぼってみたいと思うわけでありますが、それは当面こういうことはすぐにでもやれるじゃないか、郵政大臣がやろうと思えばやれるじゃないかという問題について御質問してみたいわけでありますが、これもどなたか同僚委員のほうから質問されたようでありますが、職員に希望を持たせる一つの方法として物心両面の問題があるわけでありますが、私は特に外務の職員の処遇の改善を精神的な面、たとえば昨日の質問では主任をどうするとか主事の数をふやすとか、課長の数をふやしたらどうかとか、昇進の道について一つの具体的な提案がなされまして、検討をするという人事局長の答弁をいただいたわけでありますが、私もその点はぜひ必要と思うわけでありまして、高校を出た青年が一生集配員で過ごさなければならぬという制度であるとすれば、耐え切れない気持ちになるであろうことは、理解にかたくないわけであります。外務の職員であれ内務にもかわれるし、能力いかんによってはどんどん管理職にあがっていけるという制度を確立すべきだし、ある意味では一定の年限がくれば、もう希望があれば内務員にもかわれるというようなところまで考えたらどうかという考えを持っておりますが、これはすぐにでもできる問題だと思いますが、これが一つ。
 それからもう一つは、私ども職場でこれは感ずるわけでありますが――私ども郵政当局にお願いして、地方の高校を出た若い青年をお世話するわけでありまして、その人たちからいろいろ聞いて感ずるわけでありますけれども、一カ月程度の郵政研修所の訓練期間があるわけであります。一カ月を経てやっと正職員と申しますか、正規の職員になるわけでありますが、私は一カ月くらいの訓練で本物の郵政職員になれるだろうかという疑問を実は持っておるわけであります。これはある職場で私の体験したことでありますが、私ども郵政に職を奉じて、非常に郷愁を感じておるからかもしれませんが、郵便行のうなんか足の先でぽんぽんやられておる。何か中に入っておる信書に対して申し訳ないという、そういう気持ちがあるわけであります。そのことが訓練によって直るかどうか、それは別といたしまして、私は、この郵便を愛する精神なり、事業についての取り組み方の規律を確立するなり、そういう意味ではこの職員の訓練期間というのは少し短いんじゃないか。わずか一カ月ばかりの訓練期間で混乱した職場にそのまま投げ出されますと、相当迷ってくる青年がかなりいると私は思うのであります。そういう意味ではまあそれは六カ月がいいのか一年がいいのか、それは財政の事情もありましょうから、その適切な期間は申し上げられませんけれども、いずれにしてもいまの訓練期間では短い。職員採用にあたってはもう少し研修所で長い訓練期間でこれを養成すべきじゃないか。その訓練の内容も、ときおり耳にします単なる反動的な教育ではなくて――報国団式なそういう教育ではなくて、ある意味で――事業知識をつぎ込むことはもちろん必要でありますが、人間教育をやはりやるべきではないか。こういう感じがしてならないわけであります。そういう意味での訓練期間を長くする。それにこれは教官の責任もあろうと思います。できるだけりっぱな教官、人格的にもそういう者を置いて、そうして若い青年に魅力のあるそういう訓練をして、職場に出ていく。そして事業に取り組むという、そういう訓練が必要だと思うのでありますが、大臣はこの二点について、どのように考えておいでになりますか、所見を承りたいと思うのです。
#63
○国務大臣(井出一太郎君) 最初にお示しになりました、まあ特に外勤の職員に希望を持たせる意味で、昇進の道を開いてやる。これは、この間も局長から御答弁申し上げましたように、これは私も大賛成でございますから、さような方向に取り計らいます。
 それからいま、教育ないしは訓練の問題について後段でお触れになりましたが、これも御趣旨には全く同感でございます。ただおそらくは、まあ部内の事情としましては、どの程度の期間がいいのか。そこにあまり長期間固定すれば、当面仕事にも差しさわるというような実際の事情があるかと思います。この辺は、人事局長からお答えいたします。
#64
○政府委員(中田正一君) 少しく事務的に補足させていただきたいと思います。
 第一番の外勤から内勤への配置がえの問題でございます。
 先般も申し上げたかと思いますけれども、積極的に前向きの姿勢で検討するということで答弁申し上げたわけでございまして、郵政省限りでいますぐ直ちにできるということではございません。これからいろいろ人事院等とも打ち合わせの上、人事院の了解をとりつけながらという条件がございます。そういうことをお含みいただきたいと存じます。
 それから第二点の新規採用の訓練でございますが、これは長ければ長いほどよろしいという見方もあろうかと思いますが、しかし、おのずから新規採用の際にはどの程度という常識的な線も出てくるわけでございます。現在の一カ月でいいかどうかという点については、これはなお検討しなければなりませんが、そうこれを何倍にもすれば効果が直ちに出てくるというものでなしに、私どもといたしましては、こういう訓練を何回もいろいろの場において重ねていくということが重要であろうというふうに思っております。最初の新規採用訓練、そしてまた一年ないし何年かたった後にアフターケアの再訓練、またそれとかみ合わせての職場での日々の訓練――訓練というものは、すべて一定期間、研修所などに入れた訓練だというふうに考えずに、職場の監督者これすなわち訓練官であるというふうな考え方に立って、実務と直結しながらの訓練を常時続けていくというふうなことも考えていかなければなりませんので、単に現在の新規採用の訓練一カ月、これを何カ月にすればよろしいというものではなかろうと。いろいろな角度から検討していかなくちゃならぬと。――いずれにしましても、現在郵政省内でこういった訓練体系についてもう一度この段階で再検討しようということで、ただいま議論を進め始めておるところでございます。
#65
○永岡光治君 私はやっぱり、郵政当局の考え方が非常におざなり的だと思う。抜本的な改正をやってやろうという取り組み方がないと思うんです。いまの訓練一カ月で足りると思いますか、私はこれはだめだと思うんです。あなたのように途中でまた主任なりあるいはその前でもいいですけれども、ある一定の期間を経た人を訓練すると、それも必要だと思います。私それは否定するわけじゃないのですが、最初が大切なんです。最初職員がどういう気持ちで郵便に取り組んでもらえるかという、そのことをやったほうが――最初の三カ月はあとの一年にも相当すると私は思いますよ。そういう意味で、最初入ってくるその人の気持ちをしっかり押えるような訓練をしなきゃだめですよ。そしてまた規律もその際十分尊重してもらうような訓練もぜひ必要でありましょうし、最初のそのことこそが一番重要でありましょうから、そこに一番重点を置きなさい。あとは職業訓練ですよ、これは人間教育というよりも、むしろ主事とか主任とか、そういう見方でしておるわけですから。幸い訓練体系の検討を始めるそうですから、ぜひ大臣この点、私は必要だと思いますから、検討していただきたいと思うわけでございます。よろしゅうございますね。
#66
○国務大臣(井出一太郎君) はい。
#67
○永岡光治君 それと人事局長、人事院が了解するかどうか――そういう考えでは私は郵政はなっちゃおらぬと言うのです。あなたがたは郵便を国民のあれで預かっておるのでしょうが、これはこうだということになれば、それをなぜあなた方はやらないのですかね。非常にいまたとえば、よく質問しますけれども、いま法律がこうなっておりますからこうなりますと、よく答弁するのですよ。だから法律を変えてでもこうしなさいという質疑応答を私はしているわけですから、あまりそういうことを考えずに――あなた方はもちろん人事院の三級職の試験に受かってきた人を採用することは当然でありますけれども、何もそれだからといって、それ以外の皆さんを事業運営にあたって自主性化されないこともないと思うのです。だから私は、そういうことを言い始めると、もう少し独自性を持った機構改革を、あるいはそういう自主性を持った企業体とするには、どうしたらいいのかということに発展してくるから、一つの公社というものを考えざるを得ないわけです。たとえば臨機即応の機構をつくる、臨機即応に財政を使いたいということになると、財政法があったり、組織法があったり、それはできませんと、こう言う。法律があるために組織がある、郵便局があるというのじゃないですよ。これがあって後に、これに合うようにつくるのであって、それに支障があるなら、それを撤廃するか改正するか、そのどっちかにしなければならぬわけですよ。そういう意味で、あまりよそを気にしないで、この際、思い切って奔放不覊な、そういう政策を打ち出したらどうかという御発言を私もたいへん感銘深く聞いておったわけですが、そういうようにやらないと、これは人事院が、あるいはどこかの官房長官が郵便事業の責任を負うわけじゃないのですよ。郵便事業がうまくいかなければ、国民は郵政大臣はけしからぬと、こういうことになるわけですよ、最終的には。郵政省がけしからぬということになるわけだから、そういう意味であまりよそに気がねせずに、支障があれば抜本的にこれを改正していくという方向で対処してもらいたいと思うわけであります。これは要望として申し上げておきます。
 そこで、以上いろいろ私申し上げましたが、最後の質問に移りたいと思います。いろいろ考えてやって、こうしたいというその結論が出る、その施策を行なうにいたしましても、今日ごく最近まであったような、そして今後また起こるかもしれません、そのような労使関係の不正常では、きめたことが一〇〇%効果をあらわすというようにはならないだろう。そこで私は、最終的にはまた基本問題でありますけれども、労使関係の正常化というものが非常に大切なんだ。そういう意味で私は、経営参加に職員団体に責任を持たすという意味で一つの方法を考えたわけでありますけれども、労使関係の正常化についてもっともっとやっぱり真剣に考えてもらわなきゃならぬと思います。まだまだその余じんは残っておると思うわけでありまして、特にこの不信があったり、そして憎しみだけではだめなんです、残念ながら。不信と憎しみの中に事業の協調なり効率は上がるはずはありません。この委員会の冒頭にも申し上げましたけれども、いまのままでは郵政事業はすっ飛んでしまって、つぶれてしまいますよ。競争事業だったら、もっともっとりっぱな事業ができておると私は思うんです。あんな労使関係の状態に放置して、そのままのんべんだらりとしておる管理者は一人もいないと私は思うのです。そういう意味で、特に職員側の協力を求める体制を確立しなきゃならぬわけでありますが、いやしくも私がここで指摘して、皆さん特に人事担当の責任者に答弁願いたいと思うんでありますが、まだ人事局長、地方に参りますと第二組合をつくることに狂奔している管理者もかなりあるようです。それは、気持らは私わからぬわけでもないんです。ストライキやられちゃ困ると、郵便を正常化してもらわなきゃ困るから、だからその職員にそういう組合に行かないでくれとか、第二組合をつくれだとか、そうすると昇進させるとか、いろいろな手だてをつくってやっているようでありますが、しかしそれはそういう無理をして、ある程度の切りくずしはできたにいたしましても、最終的にはやはりいまある組合というものはなくならないはずであります。それがまた禍根を非常に深くするわけでありまして、決して郵政にいい結果を私はもたらさないと思うのでありますが、一番私が残念に思いますのは、だれしもやっぱり出世もしたいし、栄転もしたいし、給料も上げてもらいたいという気持ちには変わりないわけでありますが、そういう職員を、あるいは人間的の欲望と申しますか、ある意味では恥部ですね、これを快くくすぐって、この組織にゆさぶりをかけたり、あるいは報国団的な組合をつくらせようという動きがまだあるわけでありまして、これであっては永久に労使は協調はできないと、実は考えておるわけでありまして、卑劣という一つの表現ができましても、卑劣どころか、事業に根本的な禍根を永久に残すであろうということを私は心配するわけでありますから、労使協調ということばをあえて使いますけれども、職員との話し合いによる円満な運行を確立するという、正常化ですね、一言で言えば正常化ですが、それについて、早急に下部まで徹底をして、これをつくり上げていただきたいと思いますが、どのようにお考えになっておりますか。これに反対ということではないだろうと思う。問題は、今後の具体的な行動であり、その成果を期待する一つの保障であるだろうと私は思うんですが、どのようなお考えを持っておりますか。人事局長、最終的には大臣に御答弁をいただきたいと思います。
#68
○政府委員(中田正一君) 労使関係の安定の基本原理ということにつきましては、かつてこの委員会においてもいろいろ議論されたところでありますけれども、私どもといたしましては、何といっても、これはルールを守っていく。お互いに取りきめたルールはもちろんのこと、その前提になる法律、そういうものを守りながら労使が相接する、これが基本原則だということを常に労働組合側にも申しておるわけであります。したがいまして、組合として、やはり、違法な行為、ストライキその他の行為は控えてもらわなけりゃならぬ。同時に、当局側としても、不当労働行為と目されるようなことは、これは従来とも行なっていないつもりだし、そういうことがあってはならない。そういうことは強く地方各機関に指導するということで、先般の労使紛争も収拾を見たわけであります。その後、郵政局長会議を招集しまして、本省の意図を徹底しておりますし、また本日、引き続いて、地方の担当課長会議を招集して、事務的な方法でもってさらに徹底をはかるというふうなことで、十分、中央の意図が郵便局のすみずみまでしみ通るような方策を講じつつあります。そういうことによりまして、お互いに労使関係安定に持っていこう。また、いわゆる労使協調と申しますか、労使間の話し合いの点につきましても、先般の収拾の際に、いろいろ、単に労働条件ではなしに、広く事業運営についても組合側の意見については聞くにやぶさかでないし、また、当局の考えがまとまった段階においてはこれを組合にも説明して、十分意思疎通をはかっていくというふうなことで、こういった面についても基本的な意見の合致が見られておるわけであります。こういった点を今後引き続いて、お互いに誠実に実行に移していくということによりまして、労使関係の安定を期していきたいというふうに思っております。
#69
○永岡光治君 ぜひそうしてもらいたいと思いますが、まだ、私も地方に行きますと、人事局長のおっしゃられるようなことにはなっていないものがあるものだから、特にいま申し上げたわけでありますが、最近の例だったから申し上げたわけであります。そういうことのないように、やっぱり今度の労使関係の紛争は、ある意味では組合側にも一つの教訓があっただろうと思うし、特に、大臣をはじめとしての管理者当局においても、私は大きな教訓が生まれただろうと思うわけでありまして、ぜひ、この労使の正常化については格段の努力を払っていただきたいと思うわけであります。この点、大臣は異論はないと思いますが……。
 そこで私は、いまの機構のあり方について、やっぱりそういう原因を生んでいるのではないかと思うわけでありますが、人事と労務と、本来分けていかなけりゃならぬものが一つにまとまっているところに、どうも労務でおかしなものがあると人事面でやっぱり差別をしていくという、こういうものがあるために、そうなっておるんじゃないかと実は思うわけでありまして、これはやっぱり切り離すべきじゃないか。同時に、労務担当についてでありますが、私は、郵政の頭脳として、新進気鋭の、若い、大学を卒業された方々をその頭脳として採用したと思うんですが、実際の地方の段階を見ておりますと、三十二、三や三十四、五の、言うなればこれは青年ですが、民間企業ではとてもそういうものを部長だとか課長だとかに使わないだろうと思うんですが、そういう経験の比較的浅い――比較論ですけれども、比較的浅い者をこういうポストに置くよりは、むしろ経営の頭脳にこれを吸収して、先ほど申し上げましたような経営調査のようなもの、あるいは経営の研究だとか、あるいは運用の研究のほうに当てるべきであって、長い間現場で苦労して、すいも甘いもかみ分けたような苦労人を労務の当面の責任者にしたほうが、事業がうまくいくのではないか。また長い経験を持っているだけに、知り合いも多いし、話もたくさん通ずる場面があると思うのでありますが、そういうことについて、大臣、どのように考えておられましょうか。私は、ぜひそのような方向に進んでもらいたい、このように考えておりますが、いかがでございましまうか。
#70
○国務大臣(井出一太郎君) 私も、民間の長い経験からすれば、いま言われることはたいへん肯綮に当たっておるという感じがいたします。まあ役所には一つの従来からのしきたりというものも、これはございましょう。それだから、あながち、すべてこれを頭から、頭ごなしに否定するというわけにもいかない面もあろうと思います。ですから、その辺の調整を、永岡さんの御意見も、十分に御示唆に富んだ御意見と了承して、今後の参考にいたしたい、かように存じます。
#71
○永岡光治君 それじゃ最後に、以上、いろいろ申し上げましたが、要は、郵政事業の、抜本的な改善をはかるために、この際、思い切ってやっていただきたいということに尽きるわけでありますが、それをやるためには、やはり労使の理解と協調と申しますか、これがやっぱり必要だ。そして、いろんな教訓を得たわけですから、今度は思い切ってひとつやってもらいたい、こういうことを申し上げたいわけであります。それにはやっぱり大臣の決断が一番大切でありますから――私は、この委員会を通じて初めて大臣の姿に接することができたわけでありますけれども、ひとつ思い切った施策を講じまして、国民の期待にこたえられるように、ぜひお願いを申し上げたい。そういうことを要望いたしまして、本日のこの委員会では私の質問を終わりたいと思います。
#72
○野上元君 ちょっと関連をして質問をしておきたいのですが、いま、永岡委員と当局との間のやり取りがあったんですが、特に、訓練等について、あるいはまた労使のルール等について当局の見解が述べられたわけですが、私も、永岡委員と、訓練の問題については同じような意見を実は持っておるのです。というのは、一月ぐらいで事業知識をあそこで与えるというようなことは、もちろん意義がないとは言いませんが、しかし、あまり大きな効果は生まないだろうというふうに思っておるのです。というのは、事業知識なんというのは、もうしょっちゅう変わるものですから、したがって、中田人事局長も言われたように、これはもう職場にある間やはり生涯教育を必要とするものだと思うのです。したがって、一カ月せっかくやられるとするならば、もっと普遍なものをあそこでたたき込まれることが必要なんじゃないかというふうに思うわけです。先ほど永岡さんも初めが大切なんだ、こういうふうに言われましたが、私も同感なんで、「初めにことばありき」といいますか、あるいは「初めよければ終わりよし」といいますか、とにかくひとつあそこで感銘を受けるということは、その人の生涯にとっても幸福なことだと思うし、ひいては郵政事業にとっても、これは非常に好ましいことではないかと思うのです。したがって、私は、あそこにおける教官というのは、もはや愛することもなく、迷うこともない人はもう埋葬すべきだという、ゲーテのことばをまた出しますが、こういうふうに言われているわけです。そういう人がややもすると、偉い人なんだ、人格者なんだというふうに言われるのですが、そういう人たちは残念ながら若い人たちにとっては魅力がないのですね。もう人を愛することも知らないし、迷うこともないというような人は墓場に行ってもらいたいのだというのがゲーテのことばなんですが、私も同感なんです。そこまでいったら生きておる必要はないと思うのです。そういう人たちをそろえて若い人を教育していく、事業の知識を教えていくということも必ずしもマイナスじゃありません。これはプラスもあるでしょう。せっかく一カ月の訓練期間を設けられるならば、人間的なものをあそこでたたき込むというよりも、もっとお互いに訓練し合うような人を私は配置すべきだと思うのです。というのは、もう事業の知識なんかあそこでやらないで、お互いに散歩に行ったり、討論したり、酒を飲んだり、歌を歌ったり、とにかくひとつ思い切った訓練をやってみたらどうだ。教育をやってみたらどうか。そうして大臣も行かれるし、あるいは人事局長も行かれるし、郵務局長も貯金局長も保険局長も行って、若い連中と酒を飲んで人生を語り、これからの情報化社会における人間復権の問題をあそこで討論されたらどうですか。そして彼らが職場に出たとき、なるほどあそこの訓練はよかった、あの教官にまたひとつ相談に行こうか、飲みに行こうかということが、かりにあそこに出たとするならば、私は事業にとっても大きなプラスであるし、その人個人にとっても非常に幸福なことだと思うのです。私は皆さん方だってそうだと思うし、若い人はあの人にもう一ぺん会いたいという人がいるとすれば、その人にとって非常に幸福なことだと思うのです。そういう刺激のない人はまことに不幸だというふうに思うのです。そういう点についてもひとつ思い切ったことをやってみたらどうですか。試行錯誤すればいいと思うのですよ。私の言ったことが正しいかどうか、やってみなければわかりませんよ。そんなものはだめだ、とんでもない話だということになれば、また、もとに戻してもいいんだし、いろいろ方法があると思いますが、いずれにせよ、いまのような状態でやっていくと、何だかちぢこまったような従業員ばかりできてしまうというような気がしてならないのです。その辺、研究課題として一ぺん検討してみてもらいたいと実は思っておるのですよ。
 それともう一つは、労使の問題で人事局長は――これは立場上わかりますよ、立場上よくわかりますが、とにかく一つのルールなんだ、このルールに従ってひとつお話し合いしましょう、そうすればうまくいくんだ、こういうことですね。私もそのとおりだと思いますが、このルールが正しければ、それでいいわけです。しかしルールがどちらかに傾斜しておったり、あるいはゆがんでおれば、そのルールはあまりルールではなくなるということを私は実は考えるわけです。その点をこの間、私は質問でいろいろと申し上げたのですが、これまたジェファソンのことばをひとつ御披露申し上げたい。彼はこういうことを言っておる。成文法に厳格に従うことによって国家を失うのは、生命、自由、財産とともに法律そのものを失うことである。それは手段のために目的を犠牲にするまことにばかげたことである。こういうふうに言っておるのですね。だから私は、その点は考えなければいかぬと思うのですね。だからルールにこだわって、いつまでたっても労使の間がうまくいかないということになれば、そのルールを検討してみなければいかぬのじゃないかという気がするわけなんです。法律というものは、御承知のように男の老人がつくっておるわけですから、したがって法律に対して青年が反抗し、婦人がそっぽを向いておるというのが今日の実情なんです。それは、この立法調査機関にすわっておられる御年配の方を見られればわかりますね。大体男性であり、いわゆる年寄りの人たちですね。中には例外もありますよ。例外もありますが、大体において男性であり、そして老人が法律をつくる。そうしてもう人口の半数以上を占める昭和生まれの人たちを規制していこうとするところに、やはり問題があるわけです。そういうことを考えると、ルール、ルールもけっこうなんですが、ルールを用いてやってみてうまくいかないときには、そのルールに反抗する人たちを問題にするのじゃなくて、ルールをひとつ問題にしてみたらどうですかね。そういうことが必要なんじゃないか。でないと、うまくいかないように思うのです。今日シュレジンガーなんかに言わせれば、参加に対する熱望というものは根本的な社会思想であって、これからは参加に対する戦略ないし戦術を編み出すということが最も緊急な課題である、これに成功したものが勝つというのだ。こういうふうにさえ言われておるわけでありますから、少なくとも何らかの形で若い人たちが――従業員たちがこの郵政事業に参加するのだというような気持ちがないと、なかなか事業の遂行もうまくいかぬのじゃないかというような気がしますので、そういう点について御検討を願えれば幸いだというふうに考えるわけでございます。その点ひとつ大臣も、人事局長も――たいへん妄言を呈しましたが、一応検討してみていただきたいと存じます。
#73
○国務大臣(井出一太郎君) いつもながら非常に高遠なお話を伺いました。私はほんとうに野上さんを尊敬して申し上げておるわけですよ、率直に感想を言わしていただきますならば。感想というと、さっきあなたはもっと客観的にものを言えとおっしゃった。まあ郵政省の幹部は、これは私は実に有能な行政官だと思うのです。したがって、政治家野上先生と少し次元はこれは違ってしかるべきだと思うのですよ。
#74
○野上元君 どっちが高いのですか。
#75
○国務大臣(井出一太郎君) それはだんちであります。片や行政の立場はルールに忠実でなければいけませんし、それからより高い政治の立場は、そのルールについて十分な御批判をいただくことが必要だと思います。でおそらく、ここにおられる幹部は私とそう年配は違いませんけれども、昔の旧制の高等学校をみんな出ておるわけであります。いま、よき古き時代を回顧してみてもしようがないが、あの三年間の高校生活というものは非常なブロークンな――言うてみればあそこでそんなに職業訓練をされたわけではありません。そういう経験をみんな持っておられますし、そういうものをやはり生かして、もっと若い人なんかとも接触をすべきだと思うのですね。私もまだ訓練機関などを見ていないのです。一ぺん郵政大学に行きたいと思っておりますがね。時間さえ許せば私自身もひとつ講師の一役くらい買って、話をしてみようくらいの実はつもりでおります。したがいまして、先ほど来の御発言を十分胸に体しまして、きょうはこの辺でお開きにしていただきたいと思います。
#76
○委員長(近藤信一君) 他に御発言がなければ、本法律案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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