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1970/04/28 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第18号
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1970/04/28 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第18号

#1
第063回国会 逓信委員会 第18号
昭和四十五年四月二十八日(火曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         近藤 信一君
    理 事
                長田 裕二君
                新谷寅三郎君
                松平 勇雄君
                永岡 光治君
    委 員
                植竹 春彦君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                菅野 儀作君
                寺尾  豊君
                平井 太郎君
                久保  等君
                野上  元君
                森  勝治君
                塩出 啓典君
                村尾 重雄君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  井出一太郎君
   政府委員
       郵政政務次官   小渕 恵三君
       郵政大臣官房長  野田誠二郎君
       郵政省郵務局長  竹下 一記君
       郵政省貯金局長  山本  博君
       郵政省簡易保険
       局長       上原 一郎君
       郵政省人事局長  中田 正一君
       郵政省経理局長  溝呂木 繁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       郵政大臣官房首
       席監察官     中根 敬一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○簡易郵便局法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 郵政大臣から本法律案の趣旨説明を聴取いたします。井出郵政大臣。
#3
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま議題となりました郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 郵便切手類及び収入印紙の売りさばき人に対して支払う現行の売りさばき手数料の率は、昭和四十三年四月に改正されて今日に至ったものでありますが、その後における労賃の増加傾向を勘案いたしまして、適正なものに改めようとするものであります。
 改正内容は、売りさばき人の買い受け月額一万円以下の金額に対する手数料の率を百分の九から百分の十に、一万円をこえ五万円以下の金額に対する手数料の率を百分の五から百分の六に引き上げようとするものであります。これによりましてすべての売りさばき人に対する手数料が増加することになるのであります。
 以上がこの法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(近藤信一君) 本法律案に対する質疑はあらためて行なうことにいたし、本日は説明聴取にとどめたいと存じます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(近藤信一君) 簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○永岡光治君 簡易郵便局初め小局の運営について若干伺いたいと思います。
 まず、簡易郵便局法が昭和二十四年の国会に提案されました当時の速記録を私拝見さしていただいたわけでありますが、当時の国務大臣でありました小澤大臣からその提案にあたっての質疑応答の中で、次のようなことが明確にされておるわけであります。すなわち、その地方公共団体なり農協その他に請け負わせるのは、結局、どこかの職員なり嘱託に事務を行なわせることになって、その労働搾取ということが行なわれないだろうか、そういうことは心配ないのか、心配があるのじゃないかという千葉委員の質問に対しまして、いや、そういうことはないんだ、そういうことをさせないためにも個人の請け負いを差し控えたのだと、こういう実は説明であります。その項を読み上げますと、「むしろ労働を強化するというような形にしなければならんというようなことを考えておるのではありませんで、むしろそういうことがあつてはいけないから個人には許さん。而も公共団体でも、極くしつかりした公共団体、而も協同組合というようなものは第二次的に考えて、原則として、役場にこれをやらせるという考え方でありまして、」と、こういうことを明確に言っているわけですね。引き続きまして、第十五国会の、昭和二十七年の十二月六日、衆議院の郵政委員会で自民党の廣瀬正雄委員から時の高瀬郵政大臣に質問した項がありますから、これを一応続み上げてみたいと思うのでありますが、「簡易郵便局の問題につきましては、ただいま政府委員からの御説明でわかつたのでありますが、こういう変則的な制度を将来いつまでも存続させる御意思があるかどうかという点も承つておきたいと思うのであります。いろいろ定員の関係もあると思うのでありますけれども、私はこんな変則的な、郵便局とも何ともつかないような制度は一日も早く捨てて、新しい特定局を置くべきだと思つておるのでありますが、これについての当局の御見解を承つておきたいと思います。」という質問に対する高瀬郵政大臣の答弁は次のようであります。「ただいまの御説まことにごもつともでありまして、郵政当局といたしましては、むろんできるだけちゃんと完備した特定局でやるのが本則なのでありますから、そのように促進して行きたいと思つております。ただ定員とか予算の関係がありますので、その方を努力してできるだけ早く特定局でやれるようにしたいという考えを持っております。」ということであります。したがって、郵政省の方針としては簡易郵便局というものはきわめて例外的に考えておるものであり、置く場合でもこれはしっかりした地方公共団体に――つまり市町村ですね、それに重点を置いておきたいという意向が明確になっておるわけでありますが、この方針がどういう事情でこの個人の請負に範囲を拡大するということになったのか、具体的な事情の変化、従来の郵政省の方針が変わった具体的な社会情勢、そういうものはどういうところからこういうふうに変わったのか、お尋ねをしておきたいと思います。大臣無理であれば、所管の郵務局長でもけっこうであります。
#7
○政府委員(竹下一記君) 簡易局の委託契約の相手方といたしましては、昭和二十四年にこの法律ができました当初から市町村、それに農業協同組合等でございますが、わけても市町村に委託をするということを第一のねらいにしてあるわけでございます。その方針でまいったわけでございます。そういうことで、その方式でやってまいりまして、だんだん成果をあげまして設置局数もふえるという実態を続けておったわけでございますが、昭和三十年ごろになりましてよく実態をながめてみますると、公共団体委託という形ではございますけれども、その中身をよく見てみますると、嘱託というような形で非常に個人色の強い形で、いわゆる私どもは再委託というようなことばを俗に使っておりますけれども、そういった形で簡易郵便局の仕事が行なわれておる、こういう実態がだんだん明らかになってまいったわけでございまして、そういう実情をも勘案いたしまして、昭和三十三年に郵政審議会が小局のあり方を大臣に答申いたしました。例の特定局制度調査会の答申の中にもこの問題を取り上げておりまして、簡易郵便局はその実態をながめてみると、個人色が非常に強くなって、いわゆる個人委託という色彩が強くなってきておる。さすればその実態に着目して、むしろ個人委託というようなことを正式に認める方向で簡易局を今後設置していくべきではなかろうかという意味合いの答申もなされたわけでございまして、法律のねらいはあくまでも市町村にあったわけでございます。それが時代の変遷と同時に、いま申しましたようなことで市町村委託ということが維持できなくなってきておるというのが今日の姿であろうと思います。中身もこれは千差万別でございまして、市町村の中には簡易局を非常に熱心にみずからの仕事としてやっておられるところもあるわけでございますが、中にはやや荷やっかいに感じておる。と申しますことは、経済的な負担がかかるということ、職員をさかなければならないという、これも経済的な負担の一つだと思いますが、そういうことのために簡易郵便局の仕事をだんだん敬遠しておるという実態があるわけでございます。
 それから、二十七年の国会におきまする経緯でございますが、当時の高瀬大臣の御答弁は、これはただいまの郵政省の小局運営の姿勢とそう変わっていないように、私はただいまの御説明を聞きまして感ずるわけでございますが、これも何回もこの場で繰り返しておりますけれども、特定局を設置しましてやっていったほうがいい地況につきましては、あくまでもこれは特定局を設置してやっていくわけでございまして、特定局をもってやるべきところを簡易局で肩がわりするという考え方は実はないわけでございまして、簡易局を置きますのは、あくまでも取り扱い量の非常に少ない、へんぴな地方に限って置いてまいるという趣旨でございますので、私どものとっております方針と矛盾がないように考えるわけでございます。
#8
○永岡光治君 いまの郵務局長の御答弁でございますが、二十七年当時、高瀬大臣から答弁がありました方針はいまも変わっていないということであれば、簡易局という変則的な制度はやめろと、こういう廣瀬さんの質問に対して、そういうようにしますということですね。ですから方向はやはり消極的に――積極的とは反対の消極的にしか考えられないのが簡易郵便局であるはずなんですね。できるだけ特定局――いわゆる直轄機関を置かなければならない。ところが、これが今度の場合は、そうでないように私は考えられるものですから、その消極的のものが積極的に変わったのかどうかということを、まず御答弁いただきたいのと、もう一つは、特定局制度調査会の答申を引例をいたしておりましたが、私は、その経緯の問題についてとやかく言うものじゃありませんけれども、やはりその中にも反対意見もかなりあるわけですね。簡易局を置くべきでない、こういう個人請負にすべきでないという意見もかなりあるわけです。その意見を私ども非常に考えなくてはならぬと思うのでありますけれども、こういう公共機関というものは、やっぱり個人に請け負わせるべきでない、直接国民に接する機関でありますから、できるならばそういうものを考えないほうがいいのじゃないかという意味の反対意見が実はあるわけであります。そこでいま答弁の中に、地方公共団体あるいはその他農協、漁協等に請け負わしておるけれども、実態はそこの職員がやっているではないかという答弁でありますが、だから個人でいいということにはならないのであって、むしろその職員であればこそ、地方公共団体なり、あるいは農協なりという一つの公共機関が郵政省に対して責任の持てる態勢にあるわけですよ。だから個人でやってもちっとも差しつかえないということが言えるのであって、それのワクをはずされてしまったらば、これはたいへんなことになると私は思います。そういう意味で、私どもは個人の請負というものについては、非常に警戒すべきじゃないか、こういうことを従来から申し上げておるわけであります。断わっておきますが、窓口機関の普及については、私どもごうもこれを否定するものでありません。むしろ、まだ足りないことは十分承知をしておりますし、それを拡充しろという意見にはちっとも変わりはないのでありまして、その取り扱い機関の形態なり、内容において個人請負というものは問題があるのではないか、たとえば出張所なり、あるいは分室なり、いろいろ考えれば方法があるはずだけれども、そういうことを抜きにして一躍飛躍して個人が請け負うということにやはり問題がある。特に再三繰り返しますけれども、当初、提案された当時の趣旨も健全なる地方公共団体、特にしっかりした役場に重点をおきたい、これが原則なんですということを言っているこの提案の趣旨からいいますと、非常に大きくはずれてきておるわけですよ。だから、それがどうも私は具体的な事情の変化というものはいまはないじゃないか、あるとすればどうだと、これを質問しているわけですけれども、御答弁では、個人が実態としてやっているじゃないかというお話ですけれども、個人は、それは団体の中の職員であって、個人ではないわけであります。だからそこに意義があるわけであります。あるいは為替業務やその他においていろいろな金銭上の不祥事件が起きた場合なんかも、それは個人のほうがあぶないにきまっているわけですよ、それは。だから、そういう意味で私は事情の変化はないと見ておるのだけれども、あなたは事情の変化があるとすれば、どういう具体的な情勢の変化があったのかということをお尋ねしておるわけです。
#9
○政府委員(竹下一記君) この法律改正案を持ち出しました発端といいますか、そのほうは実はもう一つあるのでありまして、これはへんぴな地方で郵政窓口がほしいという要望の強いところ、これは全国でざっと二千カ所ばかりあるのでありまして、それに簡易局を置くことにつきましていろいろと検討いたしましたところ、そこには市町村の施設がないという実態がございます。そうしますと委託契約の相手方がいないわけでありまするから、これはもう個人委託という新しい道を開くほか開局の方法がないという問題にまずぶつかったわけでございまして、それが第一なんであります。
 第二の点は、先ほどからのお話にございますように、市町村を契約の相手方にしております中で、その実態が個人請負のほうに移っておるという、その問題でございますけれども、私どもの気持ちといたしましては、市町村役場は従来どおり開局を引き受けてやってもらうということが望ましいのであります。ただ、しさいにその市町村の内情を私ども伺いますると、先ほど申しましたように、開局の運営については非常にまあ荷が重いたように、台湾といったような気持ちも見えますし、かりに個人委託という道が開かれるならば、そのほうへ切りかえたいというような意向を率直に漏らされるところもあるわけでございましてまして、私どもとしましては、この制度の開始いたしました二十四年当時の思想から申しましても、できるだけ市町村にやってもらいたいという気持ちはいまなお持っておるわけでございます。そういうことで市町村には従来どおりのことでやっていただくように今後も話をしますし、お願いするつもりでいるわけでございますが、中にはこの際個人委託の道が開かれたのであるから、そのほうへ切りかえたいという要望が出てくることは予想されるし、これは防ぎようがなかろうと、その程度のことを考えておるわけであります。
#10
○永岡光治君 質問と答弁がかみ合わないわけで非常に残念ですけれども、いまおっしゃいました市町村の機関には普及の限度があって、個人でなければなかなか受けない地域しか残らなくなった、だからそこをやるんだ――それは初めからわかっているわけです。そういうことは、この簡易郵便局の当初から一体どういう地域にあるかわかっているはずでありますから、私は事情の変化ではないと思うのです。当初からそれはきまっているわけです。それは今日まで閉鎖した分が多少あったかもしれませんけれども、それは本質的に事情の変化ではないと思う。だから、具体的になぜ個人に請け負わせなければならないかという事情の変化はないと実は判断しているわけですが、食い合いませんから、これ以上追及いたしましてもこれは平行線をたどると思います。しかし、当初簡易郵便局を地方公共団体を重点に置いて委託するということになったその基本的な考えは何か。これはあらゆる郵政事業の基本であると思うのですが、まずこれが公共事業だということ、それから独占事業だということ、この二つがすべてこの事業の基本になって運営され、計画されなければならないという信念を持っておりますから申し上げるわけでありますが、それゆえにこそ国民に迷惑をかけてはいけない。だから、できるだけ監督を強化し、指導をしなければならぬということから、地方公共団体という一つの責任を持てる団体を選んだと私は思うのです。そして若干いまおっしゃるようなところがかりにあったとしても、これは教育の場合でもそうですが、やはり地方公共団がそういう公共的な使命のあるものについて若干の負担をすることは、私は郵政当局もお願いしてちっとも差しつかえないと思っているわけです。その地域の住民の便利になるについて、郵政省の財政でまかない切れぬとすれば、その地方の財政が一部これの負担をしていくというのは、そう私は無理な注文ではないと思う。ですから、これは公企業であり、独占機関だというこのことを重点に置く限りは、やはり簡易郵便局なるものもやたらに個人にぼんぼん広げるということは決して称賛さるべきことでは私はないと思う。ある意味ではこれは邪道だと思っております。だから、いま局長は、これはできるだけ公共団体のほうにもお願いしなければならぬという話でありますから、ぜひこれは、もう頼み込んででも公共団体なり、それから農協なりその他にお願いをして、この維持を続けてもらいますと同時に、新しく置かれる場合でも、まず地方公共団体その他に、ぜひあなたのほうで引き受けてくれるだろうかという私は積極的な行動があってしかるべきだと思うわけでありますが、この点についてはいかがなものでしょうか、これは大臣のほうがかえっていいかと思うのでありますが、いかがでございますか。
#11
○国務大臣(井出一太郎君) 永岡さんの言われますことは、非常に理論的な厳密性を追及されるという感じに承りますし、一方、仕事をしておる郵政当局からいえば、地域住民の利便という現実的な要請、これがあるだろうと思うのでございます。しかし、おっしゃるような方向において公共団体あるいは農協その他の非営利法人、こういうものにまず優先的な順位を置きまして、そして施策を実施してまいりたいと、こう考えます。
#12
○永岡光治君 そこで、これまた簡易郵便局の設置されました基本に触れるわけでありますが、私が繰り返し言うことは、これだけ重要な公企業でありますが、独占企業でありますから、指導監督というものをりっぱにつとめていかないと――これを励行していかないと、思わざる方向にいって混乱を来たす。そういうことがありますよということを申し上げてみたいと思うのでありますが、その意味において質問をいたすわけであります。今日特定局というものが全国で約一万五千ですか、あるようですが、この監督指導というものは、具体的にどういう監督指導をやっておいでになるのでしょうか。
#13
○政府委員(野田誠二郎君) 特定郵便局は、御指摘のように数は多うございますけれども、一応第一次的には、組織上、制度上では地方郵政局長が管理監督をいたしております。そのほかに、いま申し上げましたように、非常に数が多いこと、しかも津々浦々といいますか、非常にへんぴなところまで特定郵便局が存在しております。そういう関係上、補助的なものとして特定郵便局長業務推進連絡会というものを設けまして、これを集団的に管理をいたしておるわけであります。これはあくまで特定郵便局長の管理監督の補助をする補助的な機構、こういうことでございます。
#14
○永岡光治君 特推連と私ども言っておりますが、そういうことだろうと思いますが、それについての指導監督は、そういう組織をつくったからそれでいいというものではないと思うのです。どういうふうに監督指導しているかということなんです。一つの郵政局管内にいたしますと千三百から千五百だろうと思うのですが、とてもじゃないが、私はいまの体制では指導監督は行き届かない。このように考えておるものの一人でありますが、具体的にどのように指導監督をしておるかということです。具体的な方法ですね、これを承りたいわけです。
#15
○政府委員(野田誠二郎君) これは地方郵政局長の監督の方法としまして、これはいろいろあろうと思うのです。またこれの性質によりましていろいろ変わってくると、かように考えるのであります。具体的に指示を与える場合もある、いろんなやり方について事前に承認を求めさせるという方法もあるわけです。また事後に報告の提出を求める、こういうこともあろうかと思いますが、いろいろ何と申しますか、法律なり省令なりその他規則、通達等でおのおのきまっておること以外につきましては、地方郵政局長にこれらの具体的な方策につきましては一任をいたしておる、こういうことでございます。
#16
○永岡光治君 やはり具体的な明確な、私の質問しようとする質問に対して御答弁がないのは非常に残念に思うわけでありますが、私ども地方に参りまして、いろいろ局を歩いてまいりますと、どこの県に限らず、非常に私ども地方へ参る機会があってそう思うのでありますが、まず十局歩いて三局ないし四局はたいがい不在です。きわめて勤務がルーズです。その反面、職員に対する締めつけとか、出勤が一分おくれたならばそれも青欠の対象にして、一分・三十回おくれると三十分の青欠の処理をしている今日の実情でありますのに、非常に管理者の、特に特定局に対する監督なり指導のルーズさには実はあきれておるのであります。冒頭私が触れましたように、公企業である、独占事業だということをぜひ考えてほしいということは、ここに意味があるわけでありますけれども、特にいろいろグループをつくっておりますが、いまの特推連というような、これは官製機構のように承っておりますが、そうですね。そうでなくて、特定局長会という会合もあるように聞いております。そういうものの動きは今日どうかというと、適切な指導監督をしておるとは私はどうもお見かけできないのです、勤務体制にしても、あるいはその他の団体の動きにいたしましても。国家公務員ですし、しかも特に厳正中立を守らなければならない管理職の地位にあるものでありますが、それが今日どうでありますか。私は、これは相当反省をし、郵政当局もこれに対する指導監督を強化してまいらなければならぬのではないかという気がしてならぬのであります。そういうことについてどういうように考えておるか。大臣は就任早々でありますからあまり詳しい実情を御存じないと思いますから、所管の責任者のほうから、私はこれについての御答弁をいただきたいわけです。
#17
○政府委員(野田誠二郎君) いま特定郵便局長の服務といいますか、あるいは執務態度等について御質問があったのでありますけれども、たとえばおのおの全特の構成員になっておると思うのでありますが、いずれにいたしましても全特の構成員も国家公務員であります。活動については当然にいろいろな制約があるわけでございます。役員が会の仕事のために遠方に旅行する場合には当然年次休暇なりあるいは欠勤の手続をとる。これは累次にわたって郵政局長から通達を流す、あるいは会議等で指導いたしておりますが、一般の服務規程の順守というようなことについては十分これを要請いたしておる。しかも相当といいますか効果があがっておるようにわれわれ考えておるのでございます。先生がお回りになるときに十局のうち三局ぐらいの局長が不在だというお話があったのでありますが、御承知のように貯金なり保険なりの奨励関係の事務につきまして、特定郵便局長の働く分野が相当多かろうと思うのであります。特に貯金業務につきましては、特定郵便局が大体年間の郵便貯金の総純増の約七五%程度を集めているように記憶いたしております。保険につきましても大体年度目標の三分の一くらいは特定局方面で消化をいたしておるように記憶をいたしております。そういう面での局外での奨励活動というようなことも相当数が多いのではないかと考えております。また現在のように何と申しますか、服務関係でも非常にやかましい時代、あるいは非常にあらゆるものが民主化された時代に、一般の従業員にだけこういう服務規律の厳守ということが要請せられて、管理者である局長が野放図にやっておるというふうにはわれわれ考えていないわけでありまして、いま申し上げましたような奨励活動というようなことの面にさかれる時間というものは相当多くを占めておる、かように考えておるのであります。
#18
○永岡光治君 まあ貯金、保険を集めるために少し出勤がルーズになってもいいのではないかということは、これは管理者のみならず職員についても同様に言えるのでありまして、それは片手落ちだと思います。管理者だから出勤はよろしい、しかし職員が貯金を集めるときには一応局に出勤して、それから出なければならぬ、こういうことになると思うのです。それはちょっと不合理だと思うのですが、そういう子供の論議をしようとは思っておりません。ただ私が感ずることは、これは地方を回りましても、局長さんどこへ行くのだ、これから山へ行くのだというのがおるのだから……。それは牧歌的でほほえましいところもありますが、やはりそういうふうな野放し的な郵政省の管理というものがやはり今日の小局を担当している管理者について野放図な動きをさしているのではないかということを、実は感じとれるのであります。たとえば一例といたしまして特定局長会館というのがございますね、あの役員は特定局長ではないのですか。
#19
○政府委員(野田誠二郎君) いまお話しのあれは全特会館かと思うのでありますが、これの関係といいますか、全特会館を維持経営している団体の役員は特定局長であります。
#20
○永岡光治君 それは、役員になる場合は郵政省の認可を得ているわけでしょうね。
#21
○政府委員(野田誠二郎君) そのとおりでございます。
#22
○永岡光治君 そうしている以上は、その特定会館について――公務員ですからね、公務員としてああいう郵便局の仕事以外のことをやっているわけですから、相当なやはり関心を持たなければならぬと思っておるのですが、その経営なりその他について、実は私も地方に参りまして、いろいろ話を聞くわけでありますけれども、今度相当欠損を出しまして、文句を言わさずに各郵便局長から一万円ずつ取り上げるのだというようなことで非常に困っているというような話も聞くのでありますが、そういうことを郵政当局は御存じでございますか。
#23
○政府委員(野田誠二郎君) 一応承知をいたしております。
#24
○永岡光治君 それは公務員として、郵政当局が放任しているというふうに考えておりますか。
#25
○政府委員(野田誠二郎君) いまお話の全特会館でございますけれども、これは建設資金のうち、特定郵便局長以外からの借り入れ金が一億五千七百万円、こういうことになっております。で、現在この借り入れ金に対する利息の支払いと元金の返済というものが今後の全特会館の運営に相当大きな影響を与える、こういうことが予想せられるということから、これは全国の各特定郵便局長から一万円ずつこれを借り入れるということにいたしまして、いま申し上げました、部外からの一億五千七百万円というものを全部解消する、こういうことをきめたようにわれわれは聞いておるのであります。この一万円の資金の拠出につきましては、とにかく一万数千の特定郵便局長がおるわけでありますので、中にはある程度不満の者があろうか、こういうふうに一応考えることはできるのでありますが、いずれにいたしましても、これは全国特定郵便局長協会連合会というものがこれらの設置維持の主体でありますが、郵政大臣が認可をしております公益法人であるこの全国特定郵便局長協会連合会の内部の問題である、かようにわれわれ理解しております。
#26
○永岡光治君 私も、その内部のこまかいことにとやかく言うことは差しひかえたいと思いますが、やはり国民に郵便事業を通じてサービスをする管理者の責任ということを考えると、やたらにそういういろいろなものをつくって、欠損を生じて、それをまた特定局長に割り当ててしまう、それはやはりどうしても不満がありますね。やはりその意味でも、指導面で緊張を欠いているのではないかという気がしてならないのであります。独占事業である公共企業に携わる管理者であれば、もう少し身を慎んで処していかなければならぬのが、私は当然じゃないかと思うのですが、それがどうもルーズになっておる。これは小局の運営についてやはり監督が不十分ではないかという感じが強くしてならぬのであります。だから、そういうことを考えてまいりますと、どうしても簡易郵便局長におきましても、ましてやこれは公務員ではございません、個人でございますから、これは政治的な行動も自由でありますだけに、政治的な動きがどんどんやれるということになると、私はこれまたたいへんなことになると思うのであります。そういうことを考えますと、どうも郵政当局は政治権力に弱過ぎるのではないか。国民の負託にこたえて、独占企業である公共企業というものをどうして皆さんはしっかりと腹をかまえて、これを指導していかないのだろうかという不満が多いのであります。だから同様に、この小局、簡易郵便局についての指導監督については、よほどこれはしっかりと監督をしませんと、鬼っ子になってしまう。事業がどこか変な方向に走ってしまう。そういうことになってしまうおそれがあるわけでありますが、指導監督については、どういうような腹がまえでおり、具体的な方法を考えておるのでございましょうか。この際、お聞きしておきたいと思います。
#27
○政府委員(竹下一記君) 省といたしましては、あくまでもへんぴな地域の人たちに郵政業務の窓口サービスを提供するというのが最終のねらいであるし、唯一無二のねらいでございます。したがいまして、その面につきましては今日までもいろいろなことをして、簡易郵便局業務が間違いなく正しく行なわれるための措置を講じてきておるわけでございますが、今後もその姿勢に変わりはない。その方向でまいらなければならないと考えておる次第でございます。ただ、簡易郵便局を個人受託いたしました場合に、この人たちは公務員でございませんので、いろいろの面でいわゆる公務員が受けますところのいろいろな束縛、規制というものを受けないわけでございますから、そういう中からいまおっしゃいますように政治的な動きが出てまいって、業務運営の面で問題が生ずるというようなことがあってはいけないと思います。この人たちは民間人でございますから、どのような政治的思想を持ち、また政治活動をするかということは、これは自由でございまして、郵政省はこれを束縛する何らの根拠がないわけでございますけれども、そのことのために簡易郵便局の業務がうまくいかない、サービスが悪くなるということがありますと、これは一大事でございますから、その面につきましての規制につきましては、今後さらに個人受託に切りかえるわけでございますから、さらに厳正なることを措置してまいりたい、かように考えております。
#28
○永岡光治君 私も労働組合に関係した一人でありますから、たとえばこういう場合が予想されないとはだれも保障できないと私は思いますけれども、請負料が安いので引き上げようと団体をつくって、簡易局の皆さんが上げてくれないかとストライキをやる、これは規制はできませんよ。ほかにかわるべきものがないと思うんですよ。へんぴなところでは窓口を締めてしまいます。そういうことも否定はできない、またないという保障も私はないと思う。そういうこともあろう。そこで私は申し上げたいわけですが、おそらく局長はそういうことを絶対しないということを私は確信いたしておりますが、そういうことも予想されますがゆえに、公共的な仕事であるので、そういうことを請け負うものについては、よほどしっかりした監督指導というものが必要なんだ。こういうことを私は申し上げておるわけであります。しっかりした指導といいますけれども、いま実際に簡易郵便局の指導監督に当たっているのは特定局ですか。簡易局所在の近くの郵便局の主事さんなどが一日かそこら回ってやっているそうでございますが、その程度ではやっぱり私は不十分だと思いますが、これはどういうように考えておりますか。
#29
○政府委員(竹下一記君) 簡易局の監督につきましては、簡易局を十九条でもって第一次の監督を受け持つ集配局長がやることになっております。法律の規定はそれだけでございますけれども、内部措置といたしましては、かなり事こまかに簡易郵便局の日常の仕事につきまして受け持ちの集配局長がこれを注目し、検査をするという仕組みになっております。ちょっとこまかくなりますが、そのことについて申し上げますと、毎月の取り扱い手数料の請求事務がございますが、このことにつきましては簡易局から請求書及び計算書というものを分任支出官あてに提出するわけでございますけれども、そのときに受け持ち集配局長がこれをまず点検する。そうして要求の内容に間違いがないか、間違いがありました場合にこれを訂正させることもできるわけでございます。そうしまして、受け持ち集配局長の証明付で分任支出官あてに請求書が出される、こういう中から受け持ち集配局長が簡易局の運営ぶりにつきまして検査監督をするという仕組みがつくられておるわけでございます。それから、毎日の仕事につきましては出納日報を統轄局の調査課に送るという規定になっておりますが、これにつきましては日報に証拠書類をつけて受け持ち集配局長にまず提出するわけであります。集配局長はこれを点検いたしまして間違いないというところで調査課へ送付すると、こういう毎日の仕事になるわけでありますけれども、そういう措置をとるような規程をつくってあるというようなことで、日常の業務運営につきましてはかなりこまかい点につきまして、いま申し上げましたような監督の手続を規定してございますので、まずまず個人受託になりましても、これだけの措置を講じていけば誤りなく運営ができるのではなかろうかと、かように私どもは確信しておるわけでございます。
#30
○永岡光治君 確信を持っているようでありますから、これ以上の追及はいたしませんけれども、どうぞ指導監督にはよほどしっかりした体制で、しかも具体的に指導していただかないと、たいへんなことになると思いますが、そこでお尋ねしておきたいのですが、かりに簡易局が個人受託になりますと、どんどんふえて、相当な数になると思うのですが、その人たちが団体をつくって、ある一部の政党と緊密な結びつきが強くなるということは望ましいことと思っておりますか、それとも公共的な仕事をやっておる人の立場から考えれば、望ましいことでないと思っておりますか、どちらでございますか。
#31
○政府委員(竹下一記君) なかなかむずかしいお尋ねでございまして、返答に苦しむわけでございますが、周囲を眺めてみますると、簡易局とそっくりではございませんが、多少似かよったものもあるのでございまして、切手類の売りさばき人の集団がございます。これは組合をつくっております。郵政大臣の認可を得て組合をつくっております。そして多少団体の利益向上のために活動もしておると、こういう実態もございますが、そのことのために私どもは特に、その人たちの活動はたいへん穏健、常識的なことでございますので、特に問題としては問題意識がないわけでございます。そのほかにはあまりこういったものはないのでありますけれども、簡易局の場合に受託する個人の方々がそういう団体を結成されるということがありましても、これらの人たちは選考の中においてたいへん人格者を選考し、りっぱな人を選考するわけでございますので、そういう人たちが結成される、そういう組合ができましても、その活動はきっとたいへん常識的なものであり、健全なものであると確信するわけでございます。
#32
○永岡光治君 これは大臣にお尋ねしたほうがいいかと思っておりますが、私は団体をつくることがいけないということはないのだけれども、そういう団体をつくって、その団体の幹部の諸君が一部の政党の運動をやるためにあっちこっち飛んで回っているというような、そういうようなことになりかねないことを、他の地方局の運営について私ども見ておるわけでありまして、そういう公共事業をほったらかしてということになりかねない実情にあるのでございますが、そういう政治的な活動を行なうということは――団体をつくることはけっこうですが、そういう性格になること、そういう団体的行動が一体望ましいのか望ましくないのか。いやそれは郵便局の仕事だといえばそれまでのことで、それは運動をどんどんやってもよろしいということなのか。――むしろ私は、そうでなくて、そういうことのないようにということが望ましいのじゃないかと思うんですが、いかがですかと、こういうことを聞いているわけです。
#33
○国務大臣(井出一太郎君) 簡易郵便局の受託者は誠実、かつまた適正に窓口の業務に専心当たっていただかなければならぬと思うのでございます。ただ公務員という立場でございませんから、政治的な自由を束縛するというわけにはまいりません。ただ省として、先ほど来御指摘の十分な監督をせよとおっしゃるわけでございますから、あえて政治的な活動をしなくても、十分に窓口業務が適切に運営されるような配慮、これは省としてしなければならぬものである。したがって、そういうような団結をして政治的な要求をされなくても済むような配慮は十分にいたしたいと考えております。
#34
○永岡光治君 私もやはり、個人とはいえ、やはり公共サービス機関の仕事を引き受けてその付近の住民にサービスする立場にあるわけですから、中立的な態度で臨むのが望まれているわけでございまして、そこで私の意見には大臣も一〇〇%賛成しないかもしれませんが、その趣旨はいいということであると思うのです。そうして見ますと、一体今日の特定局長会の動きなど、私は決して望ましい、政治的な動きをするとすればあまり望ましいことではないのじゃないか、実はこう思うわけであります。この点については大臣、答弁しにくいでしょうが、ひとつ質問しておきたいと思います。
#35
○国務大臣(井出一太郎君) 特定局長会が事実どれだけ政治的な関心を持って動いておるかどうかという点は、私まだそれほどつまびらかではございませんけれども、先ほど来申し上げておりますように、仕事は公共性に属した非常に重要な仕事でございますから、さっき簡易局について申し上げましたと同じように、そういうことを極端にしないで済むような配慮を郵政当局としては常に心がけなければならぬものである、こう考えます。
#36
○永岡光治君 特定局長会というのがあります。これはどういう性格の団体でございますか。所管の局長さんでけっこうでございます。
#37
○政府委員(野田誠二郎君) 全国特定郵便局長会でございますが、これはおおむね全国の特定郵便局長が組織をしておる団体でございます。おおむねでございますので、ごく非常に少ない数の特定郵便局長がこの組織に入っていないわけであります。目的としましては、会員の勤務条件の改善、社会的、経済的地位の向上をはかるとともに、郵政事業の発展に寄与すること、これを目的といたしております。組織としましては、全国組織として全国会、その下に地方会、これは地方郵政局の管轄区域ごとに地方会がございます。ただし、東京郵政局につきましては、東京と関東というふうに二つの地方会に分かれております。さらに、その下部組織としまして、地区会、これは全国で百八十二の地区会がございます。
#38
○永岡光治君 これは任意団体と解釈してよろしゅうございますか。
#39
○政府委員(野田誠二郎君) お説のように、これは任意団体でございます。
#40
○永岡光治君 特推連というのは、これは郵政省の組織団体というか、郵政省の承認を得て、幹部には特定局長の会の幹部がみなほとんど横すべりに特推連の会長をやっている。たとえば会長なり副会長をやっているということは御存じでありますか。
#41
○政府委員(野田誠二郎君) いまお話のように、特推連の役員と全特の役員、これはほとんどの場合ダブっているといいますか、そういう形になっておりまして、ごく一部が別の者である、こういうことでございます。
#42
○永岡光治君 そして、その任期がきわめて長い。たとえば十二年、十一年――十年以上というのが大半を占めておると思いますが、特にこれは会長、副会長クラスでありますが、大体そういう傾向になっておることも御存じでありますか。
#43
○政府委員(野田誠二郎君) たとえば、全国の全特について申し上げますと、全特の会長あるいは副会長、その他役員につきまして、平均的な役員に在任しております年数につきまして、いま正確には記憶いたしておりませんけれども、御指摘のように、ある程度長期にわたってその職についておる、かように記憶いたしております。
#44
○永岡光治君 これはどの組織でも言えることでありますが、あまり一つのポストに長くついていると、会長なんか特にボス化する。これはどの団体でもそういう傾向が強いわけでありますが、ボス化する傾向にやっぱりあるのではないか、そのことがやはり郵政当局の指導監督なりというものが及びにくい。その指導監督の立場にある郵政当局の意向とは離れて、あるいはそれに従わないと言ってはたいへん言い過ぎでありますが、別な立場で動く。その監督の及ばないきらいが非常に強いと私は見ておるわけであります。それが今日いろいろと特定郵便局長会に加盟している会員の皆さんにも影響して、勤務なりその他のことにいたしましても、これがほんとうの公務員だろうかと思われる節がしばしばある行動を私たちは見ておるわけでありますが、そういうことについて、やはり郵政当局はもう少し指導したらどうかと思いますが、この点はどのように考えておりますか。
#45
○政府委員(野田誠二郎君) 先ほどお答え申し上げましたように、全特は任意団体でございます。したがいまして、理事の選任その他の活動につきましては、郵政省が直接にといいますか、ダイレクトに監督する、こういう性質のものではないわけでございまして、ただボス化して、それがいろいろ業務運営等について支障を与える、もしこういう点があるといたしますれば、これは当然でありますけれども、全特の構成員、これは役員も含めましてでありますが、特定郵便局長であります。国家公務員でございますので、この規定の順守、その他あらゆる面で指導いたしておりますし、また今後とも指導していきたい、かように考えております。
#46
○永岡光治君 特定局長会の会長というものが特推連の会長になるわけで、したがって特推連の役員も、十二年なり十一年なり長い期間やっているんですが、私が心配するのは、これは事業を思えばこそ言っているんです、個人的にどうこうということはごうもございません。私は、郵政事業が国民のためにまずよかれと思えばこそ申し上げておるわけでございます。そういう長いポストは、郵政当局が指導監督をする場合でも好ましいものではなく、むしろそれはマイナス面が多いと言っているわけであります。だから、あまり長くなりますとどうかと思いますので、できるだけ、そういうボス化するような年限にならないような指導をする必要があるのではないか。聞けば、特推連は皆さんの指導のもとにできておる会だそうでありますから、その特推連の役員について、もう少し指導性を発揮したらどうかということを申し上げて、その点についてのお答えを求めておるわけであります。
#47
○政府委員(野田誠二郎君) 全特のほうの役員の任期は、これは二年でございます。また選任は互選であります。互選であります限り、先ほど申し上げましたように、直接われわれがどうこう言うことはできないのであります。特推連の役員につきましては、お話のように、これは毎年郵政局長が指名をすることになっております。いまお話しのように業務上非常に弊害が生ずる、非常に支障があると、こういうことがあります場合には、当然郵政局長は互選によります全特の役員以外の者を特推連の役員に任命する、かようになるだろうと考えております。
#48
○永岡光治君 それは特に指名するけれども支障があるようであればかえる。これは通り一ぺんの答弁だと思うのです。そうでなくて、ほんとうにもう少し自主性を持った郵政当局の姿勢があってしかるべきじゃないかということを強調したいわけです。特定局長会の役員がそっくりそのまま特推連の役員になるのが今日の実態です。ですから、十年も二十年以上も特定局の会長をすれば、そのまま横すべりで特権連の会長をやっているわけです。それを指名せざるを得ないような状態に追い込まれているのも事実だと思うのです。だから、そういうことのないように、あまり長い期間すれば決して好ましいものとは言えないと実は思うわけです。だから、そういうことについて格段のひとつ配慮を願いたいということを申し上げているのであります。もうこれ以上私は、この問題についての追及はやめることにいたしますけれども、どうぞひとつその意味で十分事業のために自主性を発揮した方法でやってもらいたいと思うわけであります。
 そこで、特定局につきましても、簡易郵便局につきましても、ましてや個人請負になります簡易郵便局の場合は、私はどうも郵政省の監督指導を離れやすい動きをするのではないだろうかという心配が実はあるわけであります。私は、冒頭この簡易郵便局が設置されるときの経緯を申し上げて所見をただしたわけでありますが、個人に請け負わせるというのは、これは例外である。請け負わせても消極的である。財政のしっかりした地方公共団体を考えているのだと、あと付随的に農協だとかその他の団体を考えているというのが、当時の小澤郵政大臣ですか、逓信大臣ですか、当時のポスト名は記憶がありませんが、そういうような立場でこの法案を提案しているわけでありますから、その精神はやはり私はくむべきだと思うのです。個人にこれを請け負わしたあとは監督指導にも、おのずから地方公共団体の職員を指導監督するのとは、もっと違った手の届かないところに行きやすい存在であることには間違いはないと私は思うのです。だから、どんなことがあっても、原則としてはまず地方公共団体に頼むのだ、ぜひやってくれと――どうしても、もうそれはやむを得ない、できないという場合にいわゆる消極的にしかそのことを考えない。この方針でいくべきだと思いますが、もう一度この点をひとつ郵務局長あるいは郵政大臣のほうに御答弁をいただきたいと思います。
#49
○政府委員(竹下一記君) 御趣旨の方針でまいりたいと思います。また、法律でもその趣旨を入れまして、同一条件で開局の設置を希望する場合には、まず地方公共団体であると、その次が協同組合であると、個人は三番目であるという順位規定がございますが、その趣旨を尊重したいと思います。
#50
○永岡光治君 その趣旨を貫くとすれば、現在、地方公共団体あるいは農協に委託をしておるところも個人に請け負わせることに変更するということもきわめて消極的にやらなきゃならぬと思うのです。ぜひ現状で維持してもらいたいということを、これはまあ郵政当局として熱心にこの運動を続けるべきだと思いますが、その点にも変わりないと思いますが、いかがでございますか。
#51
○政府委員(竹下一記君) 二十数年やってきてもらっておりますし、その間たいへん成績を上げていただいてきておるわけでございますので、従来どおり、市町村及び協同組合等にこの仕事を続けていただくように話しかけをし、十分頼み込みたいと考えております。
#52
○永岡光治君 ぜひそうしていただきたいと思います。それから、したがって個人請負の場合における委託者の問題ですが、これもやはりこの精神から言うならば、この仕事に明るい、そして国民に、住民に迷惑をかけない、そしてできるだけ公務員たるべき経験をうんと持っているほうがより私は望ましいと思うのです。むしろ逆にこの特定局制度調査会の答申にもありますけれども、自由任用というのにあまり――反対意見では非常にこの点を気にしているわけでありまして、そのことは公共性を非常にゆがめる結果にならないかという心配をしている意見もずいぶんあるわけですから、私どももそのことを心配するわけであります。自由任用、信用ということをあまり重く見ますと、どうしてもこれはおかしな方向にいかざるを得ないようになるのが過去の例だと実は思っているわけであります。したがって、なるべく中立性を維持するためには、そして国民にサービスの適正を期するためには、経験者というのがより望ましいと実は私は考えておるわけですが、もちろん、その前提として信用のない者は、これは別問題です。それはもう根本的にその問題ははずしてしまわなきゃなりませんが、信用があり、かつ事務経験と申しますか、そういう、私申し上げましたような中立性を維持する、いま住民に十分サービスできる、そういうような人を極力選ぶべきだと思うのですが、この点はいかがでございますか。
#53
○政府委員(竹下一記君) 大事な郵便を預かりますし、また大事な預金を預かるという仕事をやっております。そういうことからいたしまして、やはり簡易郵便局の仕事をやっていただきます人は、その地域社会、地域住民の方々に絶大な信頼を持っている人が望ましいと思います。そのことを法律では第三条に明記したわけでございまして、まず「十分な社会的信用を有し、」という表現になっておるわけでございます。それからいまお話がございました事務能力の問題でございますが、私どもは正直に申しまして簡易郵便局の仕事は一人を標準とするということで件数も少のうございますし、事務能力につきましてはさほどむずかしい注文をつけたくないのであります。ちょっと勉強していただければ、これはこなせる程度の仕事だと思いますけれども、それにいたしましても、かって郵便局に勤務したとかいうようなことで郵政事業の内容に詳しい、取り扱いに精通しておると、こういう人がございまして、その人が地域社会において非常に信用を得ているというようなケースもございましょうから、そういう場合には事務能力につきまして十分のものを持っておられるということは、いわば鬼に金棒でございますから、たいへん有利な条件の一つになってくると、かように存じます。しかし、まず先立ちますものは地域住民の方々からいかに信頼を得ておるか、いかに信用があるかということがやはり先になるのではなかろうかと存じます。
#54
○永岡光治君 もちろん、信用の点は私も否定するものでありません、信用のない者は基本的に誤まりでありますから……。けれども、同じ信用があって、事務の経験者と二人競合した場合にどちらをとるかということになれば、やはり事務経験者のほうを優先させるべきじゃないかと、かように思うのですが、それはどうでございますか。
#55
○政府委員(竹下一記君) これはやはりケース・バイ・ケースで、個々の実態に際しましていろいろな点を総合判断をしてきめるべきものではなかろうかと考えるわけでございまして、大体いまおっしゃいましたような信用度合いは全く同一である、その場合に、事務能力につきましては差があるというときは、もうお答えを申し上げるまでもないことでございまして、その信用の度合いの実態につきましてケース・バイ・ケースで十分考えて、そして判断をすべきことかと思います。
#56
○永岡光治君 このことは、すでに同僚の議員や他の委員の方から皆すべて質問した事項でありますから重複は避けますが、ただ、やっぱり長年実態の問題として、特定局なり普通局に勤めて定年退職をされる、あるいは定年に近い年でやめる。その中には統轄局長だとかそれ以上のポスト、あるいは課長も含むかもしれませんけれども、比較的郵政局段階なり統轄局段階の最高の管理者あるいはそれに近い人は、それぞれ退職されましても外郭団体その他に行ける道があるわけでありますけれども、特に特定局の場合は、今日の実際の問題としては局長代理になっても局長にはなれない。あるいは主事になっても、やめる年齢まできてもなかなか局長にはなれない。これが郵政事業の魅力を欠いている大きなものの一つであると思いますが、そういう人はやはり長年郵政事業に携わって奉公してきた人でありますから、その人方の処遇ということを考えてみても、私は当然希望者があれば――なきゃ別でありますけれども、あればそれらの方々にやっぱり配慮してあげる必要があるんじゃないかと思いますが、この点は大臣のほうに聞いたほうがいいと思いますが、いかがでございましょう。あなたの部下がそういう非常に希望を持っておるとすれば、やはり考えるべきじゃないか、かように考えておるわけでありますが……。
#57
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま永岡さんと郵務局長とのやりとりがございました。その線で私も了承をしておりますが、それに加えてまた、いまのような御発言がありましたので、そういうお考えをよく尊重をして事に当たる所存でございます。
#58
○永岡光治君 実務能力でありますから、もちろん私は、いま現職にある人がやめた場合の、その人の経験、実務能力というもののみには限定をいたしません。もちろんいま簡易局で実際にその嘱託なり市町村の職員としてやっている人で希望される者があれば、これは一つの実務能力として十分の証明ができるわけでありますから、それはもちろん考えてあげなきゃいかぬと思いますが、それを含めて、とにかく経験者というものに重点を置いていただきたい。このことを特にお願いしておきたいと思います。そのことがやはり公共事業を円満に運行させるためにまた必要なものでもあると私は考えておるわけでありますから、特段にそのことをお願いしておくわけであります。
 時間もだんだん過ぎてまいりましたが、実は小局運営についてもう少し触れてみたいと思うわけでありますが、先ほど郵務局長は、簡易郵便局の個人請負について、特定郵便局制度調査会の答申があって、この中の項目に個人請負をやったらどうかということがあったので、これを取り入れたということを情勢の変化の一つにあげております。そこで、これはこの際、郵政当局の考えをただしたいと思うんでありますが、そういう項目も確かにあるわけです。ありますけれども、また他の小局の運営についての答申もかなりあるわけですね。普通局への改定もどんどんやったらどうか、基準はいろいろあるけれども。こういうようなこともありますし、私は、御都合のいいところだけをピックアップして、あとは知らぬという答申のとらえ方は、私は不公平だと実は思うわけであります。そこで同じ小局の場合でも、大都市における窓口機関でいま特定局で運営されているところがかなり多いんです。たとえば大きな何々火災ビルだとか、何々ビルディングというような大きなビルの中に設けられる郵便局は必ずしも特定局でなくてもけっこうだと思うんです。その建物が提供してくれるのですから、そして特定局よりはより普通局のほうが事務運行にとって望ましいことは郵政当局も否定をしないだろうと思うんです。であるとするならば、それらのところはどんどん大いに普通局なりあるいは郵便局の分室なり、そういうものをつくっていったほうがいいのじゃないかと思いますが、この分局その他について大いに活用しなさいという答申が出ているのですが、これについては、方向が出ていながらやっておりませんね。これはどのように考えておりますか、将来の方針で。
#59
○政府委員(竹下一記君) 最近東京都内あたりで、ビルの一室に郵便局を開くといったケースがだんだん出てまいっておりますが、この場合には、その事務量が大きい場合には普通局を置くこともございます。無集配の普通局を置くこともございます。それからその土地の状況によりまして、分室を置くこともございますし、特定局を置くこともございますが、おっしゃいますような、何でもかんでも特定局にしておるということはございません。
#60
○永岡光治君 私は、普通局そのものを置けというのじゃなくて、特定局でない制度でどんどん、答申にもありますようにこれを活用したらどうか、こういうことを実は申し上げているわけです。なるべくならば直轄が望ましいわけですね、方向としては。いま財政が許せば全部直轄にしたいのが私は郵政当局の気持ちであろうと思いますが、そういう一つの積極的な方向が出てしかるべきものだと思うのだが、その点についてあまり出ていないということを申し上げているわけでありますから、ぜひ分局なりあるいは出張所なり、あるいは普通局なり――特定局長の運営にまかせるのでなくて、その方向を大いに活用すべきじゃないかと思いますが、どのような方針ですかということを申し上げているわけでありまして、重ねて回答をいただきたいと思います。
#61
○政府委員(竹下一記君) 先ほど申し上げましたように、東京都内のような場所におきましては、いわゆる直轄方式、分室方式で今後だんだんいくものだと思います。またそのほうがベターであると考えます。ただそれ以外のところにつきましては、この特定局制度というものはたいへん長所がございまして、歴史も古いし、たいへん利点がございますので、これにつきましては一がいに言えないと思うわけでございます。
#62
○永岡光治君 私も、特定局制度を活用する面もあることを否定するものじゃありませんけれども、これはむしろ農村地帯のほうがより効果的なんですね。大都市内における特定局長というものの性格というものはそうあまり期待できない。たとえば貯金を集める場合もそうですが、そんなのは大した問題じゃ私はないと思うんです。これは十分検討していただきたいと思うんです。答弁は求めません。
 そこで、この答申の中にもありますけれども、人事の面に触れておりまして、特定局長の任用の問題ですが、「地方郵政局長が個々の特定局長を選考するに際しては、これらの影響を排し人選の公平・適切を期するため、必要に応じて選考委員会の如きものを設けこれに諮問することも一案である。」というようにしているわけですね。これは答申に出ているわけですが、その面はどのように検討されますか。
#63
○政府委員(野田誠二郎君) この点につきましては、現行の任用規定で十分に人選の公平、適切が期せられる、こういう考えに基づきまして、特に調査会から出ております選考委員会というようなものを設ける考えはございません。
#64
○永岡光治君 しかし答申を幾つかしているんだけれども、御都合主義で、都合のいいところだけピックアップして、あとは知らぬということのないようにすべきじゃないかと思うんですが。それからこれは、私が繰り返し申し上げていることに適合するわけでありますが、「特定局長の地位は止むを得ない特例を除いては一般職公務員たるに徹する方針をとるべきで、したがって、特定局長を特別職としてその地位の政治的中立性を失わしめるような措置をとることは適当でない。」と、はっきりこれはいっているわけですね。このことはやっぱりいろいろな小局の団体をつくる場合にも十分考慮していかなければならぬ問題でありまして、そのことを私はもう繰り返し繰り返し申し上げているのでありますが、こういうこともやはり政治的中立性を尊重している答申でありますから、その答申を受けるならば、小局の運営のいろいろな団体その他についても、やはりこのことを基本的な姿勢としてやはり考えておくべきじゃないかと思うんですが、これも何回も繰り返した話でありますけれども、この際、関連をいたしまして、姿勢の問題としてもう一回ただしておきたいと思います。大臣の御答弁をいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(井出一太郎君) そういう方向が望ましいというふうに理解をしております。
#66
○永岡光治君 そこで特定局舎の整備の問題でありますけれども、これもちょっと資料を持ってきておりますが、読むことは省略いたしますけれども、かつて簡易保険の運用権の一部を郵政省に持ってきたときの、あの法律案の通過した際の附帯決議についてでありますが、積み立て金の三%ですか、三%は郵便局舎の整備に充てるべきである。そのうち半額は特定局、つまり小局でありますが、それの整備に充てよということが附帯決議で議決され、出時の郵政大臣は、これを尊重いたしてそのようにやりますという答弁をしているわけですが、私の調べでは、どうもそのようにいっていないのではないかと思いますが、どうでございますか。その附帯決議を尊重するという大臣の答弁の決意を食言しておるのではないかと思いますが、いかがでございますか。
#67
○政府委員(溝呂木繁君) お尋ねのように、昭和三十年七月十九日に附帯決議がなされまして、そのときに「郵便局舎の建設を図るため、来年度以降、毎年度積立金運用総額の百分の三を下らない金額を国に対して貸付けること。」という附帯決議がなされております。その分につきましては、昭和四十五年度の予算におきまして、この局舎建設財源としての借り入れ金は百二十億でございまして、一方、四十五年度における簡保資金の財投計上額は三千九百三十億円でございまして、一応三%強という形にはなっております。
 それで、次にお尋ねの、その半分は特定局舎にという問題でございますが、これは附帯決議ではございませんで、その附帯決議がなされたときの質疑応答の中で、当時の松田国務大臣が答弁されたくだりということでございまして、その中に、ただ、いきなりその半分程度ということを答弁しているのではなくて、ちょっとその点を読ましていただきますと、「局舎の改善計画の建築につきましては、特に普通局、特定局の区別なく、その緊急度に従って公平に処理して参るつもりでございますが、先般来当委員会において御説明申し上げました改善計画、建設計画を遂行いたしまして、順調にこれが進みますならば、特定局関係にも年平均約八億円程度の資金を必要といたしますので、お尋ねのようにこの積立金の百分の三の資金中、少くともその半額程度は特定郵便局舎の建築に充当していきたい」という答弁でございまして、当時の答弁の中にも、大体特定局に八億円程度予定しておったようでありますし、しかも、一方、借り入れ金は当時十数億ということでございまして、たまたま三%の建設に回すための借り入れ金が十数億。そして当時の特定局舎の改善に充てる額が八億程度ということから、大体その半分は特定局の建設に回せるだろうというふうな答弁というふうに私ども理解しておりまして、その後四十五年度におきまして特定局舎の予算は十七億になっておりまして、一応当時の八億に比べましてかなりのアップにはなっております。しかし全体の建設勘定のワクは四十五年度二百四十八億でございまして、その意味ではとても半分というふうにはなっておりませんが、これはどちらかと申しますと普通局方面とか宿舎とか、そういう方面にあの当時に予定し得ないような大きな建設が必要になってまいりましたので、したがいまして特定局舎も八億から十七億とふえてはまいりましたが、それ以上に建設としてやらなければならない分野が多くなったために、総体としての半分ということにはなっていないということでありまして、当時の特定局舎に回すという趣旨は尊重しながら進めているというふうに考えております。
#68
○永岡光治君 御答弁がありましたけれども、やはり特定局の改善に使う局舎整備の予算としては非常に私少ないと思います。それで、これもひとつ考えていただかなければならぬ問題でありますが、やはりできるだけ国の予算でまかなえるものはどんどん局舎の整備もしていかなければならぬ。同僚議員の方からも質問がありましたけれども、六十年をこす局舎もかなりあるようであります。それを考えますと、そういうものは一気に解決してもそう予算的にはたいした金額ではないと思いますし、そういう意味では――八億が十七億ですか、ことしは。そのくらいの金額では当時の予算の価値から比べれば――八億が今日では十七億といっても二倍程度でありますが、そのくらいのものじゃ私はないと思います。ですからこれも、ひとつ思い切って整備してもらいたいと思うことが一つ。
 もう一つ、これはひとつ貯金局長のほうにも御協力を願わなければならぬ問題だと思うのですけれども、貯金の剰余金、というとへんな言い方でありますけれども、かなりの金額、一千億近いものがあります。約一千億のものがありますが、特に窓口機関の事務量の配分を見ますと、貯金の分野が占めるのは約六、七〇%あるわけでありますから、貯金事業としてこの特定局の局舎の運営についてはかなり経費を支出してもいいのではないか、あるいはめんどうを見てもいいのではないかと実は考えておるわけでありまして、その意味ではこれを何か積み立て金――この剰余金を活用して特定局の局舎整備に貢献するようなものができないものかどうか。私はあるのではないかと思っているわけでありますが、その点はどのように考えておりますか。また、これは経理局長のほうにも関係があると思いますが、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
#69
○政府委員(溝呂木繁君) 御承知のように、現行制度でまいりますと、一応郵便貯金の剰余金は郵貯会計の中で積み立て金としてこれを計上するようになっております。御承知のように、郵便貯金につきましては、過去においても赤字を出した例がございまして、なお今後郵便貯金の利子がどういうふうに変遷をするか、そういったようなことを勘案しますと、一応現行法上では、やはり郵便貯金の剰余金は、将来の郵便貯金事業の悪くなったときの予備のために利益を積み立て金として残しておくということが筋であろうかと思います。したがいまして、これを郵政事業のほうにそのまま繰り入れて使ってしまうということは問題があろうかと思います。ただお尋ねの点はそういうことではなくて、何かその積み立て金の資金を郵政会計の中で局舎資金に利用するということかと思いますが、その点になりますと、一応いまの郵政事業特別会計の中の建設勘定の財源といたしましては、御承知のように自己資金でやる場合の減価償却費、そういうものを引き当ててなお不足する場合は、借り入れ金によっております。この借り入れ金は簡保のほうの積み立て金の運用を受けて、それを借りるという形になっております。したがいましてその簡保積み立て金の借り入れ金にプラス郵貯の、いわゆる一種の積み立て金になりますが、その運用を受け入れるということになりますと、受け入れ側といたしましては、郵政事業のほうも同じ形でございまして、やはり郵便貯金のほうにおきましても、その積み立て金は運用部で六分五厘に運用しておりますし、私のほうで簡保から借りておるのもそれ相当の利子を支払っておりますので、やはり同じような状態になるのじゃないかという感じがいたします。
 それからさらに、そういう真正面な言い方ではなしに、運用である程度郵政会計の自己資金的な扱いができるのではないかという点も考えられるわけでございますが、それはいまでも郵便貯金の会計から建設財源として設備負担金というものを出しております。ことしも五十九億出しておりますが、この設備負担金というものは、言うなれば郵貯会計の中の損益収支差額の一部と考えられますし、私のほうからいえば、郵政省の中でいろいろ建物を建てているうちの郵便貯金の分担分を郵貯会計に回して繰り入れているわけでございまして、その意味においては一種の資本借り入れという形で、無利子で郵政会計の建設財源になっているということでございます。ただ、この場合でもやはり理論的な付けを回しませんと問題になるわけでございまして、ことしの五十九億も一応、郵便貯金会館を建てる経費とか貯金局を建てる経費のほかに、郵便局を建てる場合にはそれ相当の分担分を回しております。特に、先ほど永岡委員から御指摘がありましたように、特定局関係につきましては、かなり貯金の占めるウエートが大きいという理論的な点が出し得ますので、その辺はかなりのパーセンテージをかけて、特定局をこれだけつくればそのうちの分担分はこれだけですよ、ということでもって郵貯会計のほうに付けを回してもらっております。いまの分担のしかたは面積比でやっております。まあ、ことしあたりの特定局の分担率は二四%を貯金にかけておりますが、この点ももう少し何かいい理由があり得るならば、少しでも郵貯会計のほうに、理論的に許す限り回し得るものは回したいというふうに考えておりますが、現状では一応二四%という形でもって、郵貯会計のほうから分担をもらっている、こういうふうになっております。
#70
○永岡光治君 私の申し上げるのは、いまの特定局の局舎の新築の場合、個人の新築の場合でもその受け入れ料の算出は――つまり借料の算出は、それはやはり償却を見込んでの算出ですから、あまりたいしてありがた味がないわけですから、それならば直轄化したほうが望ましいという方針であるのだから、その資金に相当するものを貯金の積み立て金やその他のほうから、もうちょっと大幅に借りてきてやっても、その分だけ利子を返済すればいいわけですから、償却分を含めて、ちっとも個人に提供させて得にならないものであるならば、そういう意味の資金を貯金なり保険の会計のほうから借りるということ、そういう方法も考えていいんじゃないかということを申し上げているわけであります。これはもちろん、それぞれの法規がありますから、そう一気に簡単にできるとは私も必ずしも考えておりませんけれども――そういうような方向でやはり努力するという、その方向がちょっともない。現状維持じゃないか――これが郵政事業の共通した姿勢だと思うのです。積極的に飛び出していこうというものがちっともない。そういうものを考えたらどうか、こういうことを申し上げているわけでありますから、十分検討してもらいたいと思うが、いかがでありますか。
#71
○政府委員(溝呂木繁君) ただいまのお尋ねの点でございますが、一応国費で改善するという問題については、先ほど私、御説明申し上げた方法でやり得ると思いますが、ただいまの私費でやっている分についても、やはり家賃の中に償却、そういったものが含まれているのだから、ほとんど同じであるから、それを私費でやるよりも国費でやるような方向で、という点であろうかと思いますが、実は御承知のように、国費でやる場合には金利負担、これは簡保から借りているわけですが、六分五厘、それに減価償却は大体二十五年でやっておりまして、三分六厘くらいということで、御承知のように建物の関係の金利負担は一割一厘ですか、になろうと思います。ところが御承知のように、自費の場合は家賃乗率が一割二分七厘になっておりますが、一方、地代は四分で払っております。したがいまして、特定局のほうの自費のものについては、いまのところ地代が非常に高いものですから、一応比較いたしますと、いまのところは借料でやったほうが、結局、安いような値料を払っているということになるわけです。一応、現在の値料方式によったほうが、国が自分で値りるよりも金利負担としては安くなっているというのが現状でございます。しかし今後いろいろ問題が起こってくれば、当然お説のような問題を検討しなければならぬと思っております。
#72
○永岡光治君 それは確かに多少の金利の開きがありますが、それの犠牲に比較をして――まだ個人経営だと考えている局長もいるのですよ、実際問題として局舎を提供しているがゆえに。その辺が事業の面に非常に悪影響を及ぼすものが多いのですよ。ですから、その金利の犠牲と比較するならば、もっともっとおつりがくるくらいの運営になるのじゃないかという意味のことを私は考えているから、将来の問題として検討していただくようにお願いをしておきたいと思います。
 それから普通局への改定の問題も一応基準があるわけでありまして、それからそれと関連をしてきますけれども、国営でやるべき特定局の基準も、二十五名でしたか、定員が一応あるようでありますが、私は将来、普通局がだんだん整備されていく時代になりますと、何百億かの予算で使い残しがあるとは言えませんけれども、順次整備されれば、特定局段階に相当国費で手をつけたほうがいいのじゃないか。したがって二十五人の基準をもう少し下げるべきじゃないか。また、そういう時代が必ず来るだろう。こういうのは、どこの郵政局でも建築を遊ばすわけにはいきませんので、それに応じた一つの局舎計画というものを立てなければなりませんので、基準をこの際考え直したらどうかと思っているわけですが、これは郵務局長ですか、経理局長になりますか、ひとつお答えいただきたいと思います。
#73
○政府委員(竹下一記君) この問題は財源がからみますから、経理局長も発言をすると思いますが、私の立場から申し上げますと、現行基準は大体適当だと思いますけれども、ずっとこれで長年通していいとも思っておりませんけれども、実情の推移を見ながら実態に合わせていかなければならないと考えます。ただ、特定局長がみずから局舎を建てたいという意思は、ながめておりますとかなり旺盛なものがございますので、そういう意思がある場合に、あえて国費で臨むということも、これは政策としては望ましくございませんし、従来国費と自費建設と二本立てでやってきた経緯もございますので、そういう実態もながめ合わせまして、今後慎重に検討してまいりたいと思います。
#74
○永岡光治君 時間がまいりましたから最後の質問に移りますが、いろいろ申し上げましたけれども、小局の運営については、現状を私は必ずしもいいとは思っておりません。まだ検討を加えべきものがたくさんあろうかと思います。簡易局を含めました小局運営の全般のあり方については、また、先ほど申し上げました東京都内における特定局に相当するものは、これは分室なり出張所で十分間に合うものもありましょうし、あるいは地方の特定局のあり方、運営についても、あるいは指導監督につきましても必ずしも私はいまで十分と思っておりませんし、ずいぶん問題のあることも聞いておるわけです。それらをいろいろ考えてまいりますと、小局運営は財政の問題もありましょうが、公共事業と独占と、それから収益性というものをどう考えていくかということをからみ合わせた郵政当局の、小局の今後のあり方について、もっと抜本的な検討をする必要があるのではないかと思うのでありますが、それらの問題について郵政当局は検討をするだろうと思いますが、心がまえはどういうものでありますか。ぜひ私は、そういう検討をしていただきたいと思うわけでありますが、この際、御答弁を大臣及び郵務局長等からいただきたいと思うわけであります。
#75
○政府委員(竹下一記君) 小局は郵政の窓口機関の中で圧倒的にその数が多いわけでございますし、かつて特定局制度につきましていろいろと論議をされた歴史もあると思っております。いまお話がございますように、小局をいかに能率的に、かつ経済的に運営していくかにつきましては、これは古くして新しい問題、また今後の問題でもあるわけでございまして、小局運営について基本的なポイントに絶えず私どもはメスを入れながら、今後小局問題に対処していかなければならないわけでございまして、きわめて重要な項目であるし、郵政事業全体の運営の上から小局問題はきわめて大事だと考えておりますので、今後十分この問題については対処してまいりたいと思います。
#76
○国務大臣(井出一太郎君) この間も申し上げましたが、四月の二十四日から郵便事業の対策協議会を発足させました。この機関を通じまして、先般来特に永岡さん御指摘の小局運営の問題もひとつ十分な検討をいたしてまいりたいと、かように存じます。
#77
○永岡光治君 その際に、やはり実際これに携わって経験をしておる職員側の意向を――どうあるべきかという段階における政策を決定するにあたっては、やはり意見を聞くべきだと私は思いますし、これにはもちろん御異論はないと思いますが、そのように理解してよろしゅうございますか。
#78
○政府委員(竹下一記君) 小局問題につきましていろいろと検討を加えていかなければなりませんが、最終的のものの判断は郵政省の判断によって、かつ省側の責任においてこれをきめるという姿勢はくずしていけないと思います。ただ、その過程におきましては、職員あるいは組合等の意見には十分耳を傾けなければならないと考えます。
#79
○永岡光治君 これで最後の最後になるわけでありますが、私、冒頭に問題にいたしました郵政事業の独占性と公共性という問題を考えて、この小局の指導監督については十分もっと配慮していただきたいということを申し上げたわけであります。この質疑応答の中で、郵務局長の答弁ですと、この簡易郵便局の取り扱いはきわめて簡単だというふうに割り切っておるようですが、これは事務量は少ないけれども内容はきわめて大きいものがたくさんあるわけでありまして、あなた方が出しましたこの表でも、金銭に関係するもの、信書の秘密に関係するもの、たくさんあるわけでありまして、決してこれはないがしろにする簡単なものではございません。量こそ少ないけれども、なかなかこれは重要な仕事であるということを真にひとつ御銘記を願いまして、その住民なり国民に及ぼす影響というものをとくと勘案いただきまして、特定局制度調査会の答申にもありますけれども、こういう公務を扱う者があまり政治的な動きをしてはよくないという、そのとおりでありまして、あるいはまたその運営にあたりましても国民に迷惑をかけないように十分指導監督を行なうべきだと思いますが、このことを特に要望し、この点について大臣の最後のお答えをいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
#80
○国務大臣(井出一太郎君) 数々承りましたことを、一つのアドバイスとして受けとめまして、この簡易郵便局法の運営はもとより、小局全般にわたって、御指摘の点を十分注意してやってまいるつもりでございます。
#81
○野上元君 ちょっと関連質問をさしてもらいたいのですが、いまの永岡さんの最後の質問の問題と関連があるのですが、監督、統制の問題ですが、簡易郵便局というのは郵便官署ですか。
#82
○政府委員(竹下一記君) 郵政省設置法上の郵便官署ではございません。
#83
○野上元君 そうしますと、完全な請負事業である、こういうふうに認識してよろしいですか。
#84
○政府委員(竹下一記君) 法律等では委託ということばを使っております。委託ということばの内容はいろいろと定義があるようでございますが、請負ということばとたいへん似通ったところがあるようでございまして、通常、委託は請負みたいなことばでいわれることもあるわけでございますが、厳格に申せば多少の違いがあるようでございます。
#85
○野上元君 そうしますと、簡易郵便局でかりに事故を起こした場合、利用者と簡易郵便局との関係、あるいは利用者と郵政省との関係、これはどういうふうになるか。委託した、あるいは請け負わした事業主と利用者との間の事故の問題については、これをお互いで解決する義務がある、郵政当局には直接の責任はない、こういうふうな理解でありますか。
#86
○政府委員(竹下一記君) 委託関係で、郵政事業の一部をやってもらっているわけでございますが、利用者に対しましては郵政省がやったと同じ効果があるわけでございます。したがいまして、簡易局の取り扱い者と利用者との間で何かトラブルが起こると、損害を与えるというようなことがかりにありました場合には、その賠償は省がいたします。
#87
○野上元君 いままで簡易郵便局で事故が起きた場合に、郵政当局が利用者のこうむった損害については賠償する、しかしその郵政当局と、今度は受託者との間の最終的な問題を解決しなければならぬわけですね。その場合にいままでは、地方公共団体あるいはその他の公共機関と郵政省との間に契約関係があるのだから、ここで責任関係が生ずるわけですが、その場合にさらに個人に地方公共団体が下請みたいなことをさしておるという場合に、そういうふうな関係はいままではどうなっておったのですか。と同時に、地方公共団体は実際に直接仕事をやっているわけじゃない、またさらに委託をしてやっておるということになると、地方公共団体は直接責任がない、したがって事務を行なっておる受託者から金をとって、そうしてそれを郵政当局に賠償すると、こういう手続になるのですか。
#88
○政府委員(竹下一記君) 従来ですと、かりに個人が再委託を受けたような形でやっておりましても、実態的に契約のたてまえといたしましては、受託者はあくまでもその市町村であり、協同組合なんです。したがいまして、事故が起きました場合の責任につきましては、省と、その契約上の相手方、つまり市町村あるいは協同組合との間の関係になってくるわけでございまして、団体の中で内部事情として個人に再委託をしておるとか何とかいろいろなことがあったにいたしましても、そういうものはその団体の内部事情でございまして、省との関係では直接に姿は出てこない、あくまでもその市町村との関係になるわけでございます。
#89
○野上元君 過去の経験によると、損害を与えた金を回収できなかったという事例はないのですか。
#90
○説明員(中根敬一君) 事故、犯罪に基因するものにつきましては、過去の例に徴しますると全部回収されておりまして、回収未済というものはございません。なお、回収の分担につきましては、具体的な事例を見ますると、分担の問題といたしまして当人と半々でやっておる、あるいは当人が全部負担しておる、当人というのは親戚、同族の関係も含めまして、全額持っておるというのもあります。形式は一応、受託者のほうが責任者になっておるものですから、受託者から回収をするということでございますが、実態はそういうことになっておるわけでございます。
#91
○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#92
○委員長(近藤信一君) 速記をつけて。
 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○委員長(近藤信一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#94
○永岡光治君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対し、反対の意を表明するものであります。
 郵政事業の使命は、国民の日常生活に密接な関係を持つ郵便、貯金、保険等のサービスを全国あまねく公平に提供することでありまして、きわめて公共性の強い事業であることは申すまでもないところであります。したがいまして、郵政事業にとりまして、窓口サービスの全国普及、特に僻地に対するサービスの均てん化ということが一つの重要命題であることも、また多言を要しないところであります。
 このような観点から、わが党は、かねてから僻地における窓口サービスの普及については、いささかもこれに反対するものではないのであります。ただ、従来から委託方式の簡易郵便局制度によることには反対の立場を貫いてまいったのであります。それは、このような委託制度は、利用者へのサービスが十分でなく、また国民に対する国の責任をあいまいにするばかりでなく、後に述べるような多くの弊害を伴うものでありまして、したがって、われわれは、国民に十分なサービスを提供し得る直轄機関としての郵便局またはその分局ないし出張所などの制度によることが、本来の正しい郵政事業の姿であるという基本的立場をとるからであります。
 しかるに、今回の改正は、われわれのこのような主張に反するばかりでなく、委託範囲を個人にまで拡大しようとするものでありまして、その本旨においてとうてい容認しがたいところであります。このような改正に伴う委託制度にまつわる矛盾や弊害につきましては、すでに先般来の質疑で明らかにされておりますが、私は、以下最も重要な点にしぼって、本法案に反対する理由を申し上げます。
 その第一は、個人委託はかつての請負制度の悪弊の復活につながるおそれがあるということであります。戦前の請負郵便局制度は、きわめて前近代的な雇用関係と労働者の犠牲の上に成り立っていたもので、これに由来するもろもろの弊害につきましては、いまさら申し上げるまでもないところであります。簡易郵便局法の制定当時、政府もこのような経緯を十分理解され、個人委託は行なわないことを明言されていたのであります。にもかかわらず、今回政府は、社会事情の変化等に藉口して、旧弊再現のおそれのある個人請負制度を復活させようとしているのでありますが、このような時代逆行の施策に対しては、われわれはもちろん、郵政従業員もひとしく不安を抱かざるを得ないところであります。
 第二は、この制度が政治的に利用されるおそれがあるという点であります。
 現在、特定局長の連合体と一部の政党との間には、特別な緊密関係が温存され、相互にその勢力の維持、拡大のために活動が続けられておりますことは、隠れもない事実であろうかと存ずるのでありますが、私は、かくては天下の公器が政党の私物化されるという批判を免れないことを優うるものであります。このことは、特定局長の任用と深い因果関係を持つものでありまして、従来からその選考は、実務経験などよりも、いわゆる社会的信用に藉口して一部政党勢力を代表する地方有力者に偏向していたことが大きな要因をなすものと考えられるのであります。
 ところで、今回の改正案による個人である受託者の選考について考えますと、法文上の表現はきわめて抽象的でありますので、その運用は特定局長の場合と同様か、あるいはそれ以上に、いわゆる有力者のほうに傾斜することさえ懸念されるのでありまして、かりに本法案が成立された場合におきましても、われわれは簡易郵便局の事務の実体にかんがみ、特に実務経験者を優先させることを強く主張するものであります。言うまでもなく、これらの受託者は完全に政治活動の自由を有するのでありますので、その人選いかんによっては、特定局長の場合以上に、政治団体的な色彩の濃い組織体となって一部の政党と結びつき、その下部組織として拡大強化されてゆくというような事態も想像に難くないのでありまして、もしそうなれば、それこそ公共性を生命とする郵政事業の将来にとりまして、重大な禍根を残すものであることを警告せざるを得ないのであります。
 以上、わが党が本法案に反対する理由を要約して申し述べたのでありますが、四年にわたってうたかたのごとく消え、消えては生じ、本法案が提案されたのでありますが、かりに万一、本法改正が可決実施されるようなことがありました場合には、郵政事業を愛するがゆえに持つ私のこのような危惧が単なる杞憂に終わりますことを強く期待いたしまして、私の討論を終わります。
#95
○長田裕二君 私は、自由民主党を代表いたしまして、簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表するものであります。
 申すまでもなく、全国あまねくサービスを提供することは、公共事業たる郵政事業の最大使命の一つでありまして、事業に要求される経済性との関係をいかに調和させつつこの目的を達成するかということは、事業運営に当たっての重要な課題であると存じます。簡易郵便局制度は、郵政事業の持つ公共性と企業性との調整をはかりながら、へんぴな地方における郵政窓口の普及に今日まで多大の成果をおさめてきておるところであります。
 しかしながら、最近における傾向を見ますと、全国になお二千カ所以上もの要設置地区が残されているにもかかわらず、地方公共団体その他の団体に委託することによってこれらの地区に設置することは困難な状態であります。
 今回の改正案は、このような実情にかんがみ、受託者の範囲に一定の要件を備えた個人を加えることによって簡易局の設置の促進をはかり、あわせて、その取り扱い事務に老齢福祉年金等の支払いを加えること等によって、地方住民の利便を一そう増進させようとするものであります。時あたかも、いわゆる過疎地域の振興対策が重要な国策となりつつある今日、この施策はまことに時宜を得た措置であると認めるものであります。
 しかしながら、簡易郵便局制度の運用にあたりましては、特定局制度との関連等、慎重かつ適切な配慮を要する点があると考えられますので、この際、これらの諸点について、附帯決議をもって政府に要望することを提案いたしたいと存じます。
 まず、附帯決議の案文を朗読いたします。
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の実施にあたり、次の各項につき特に配慮すべきである。
 一、郵政窓口普及の現状にかんがみ、直轄窓口機関の設置についてもこれを推進するとともに、受託者の範囲拡大を機会に特定局の縮少を行なわないこと。
 二、簡易郵便局の事務量はほぼ一人を標準とすること。
 三、個人に委託するときは、十分な社会的信用とともに郵政窓口事務を適正に行なうため必要な実務能力に重点をおいてこれを選考すること。
 四、受託者の範囲等の拡大に伴い、簡易郵便局の指導監督について、さらに適切な措置を講ずること。
 右決議する。
 ただいま朗読いたしました附帯決議案は、先般来の本委員会における審査の経過を参酌して起草いたしたものでありまして、その趣旨につきましては、委員各位の御了解をいただけるものと存じますので、あらためての御説明は省略させていただきますが、何とぞ全会一致御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 最後に、簡易郵便局の取り扱い事務の範囲をさらに拡大することについては、それぞれの地域住民の強い要望があり、本委員会の審議過程においてもそういう趣旨がたびたび強調されたことは御承知のとおりであります。郵政省は、支障のない限りそういう方向で今後さらに検討されることをこの機会に強く要望いたします。
 これをもちまして私の賛成討論を終わります。
#96
○塩出啓典君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対して、賛成の意を表するものであります。
 簡易郵便局法においては、その第一条に「郵政事業の役務を辺ぴな地方にまで広め、」とその目的を定め、第二条には、その事務量が著しく少いため、委託することが経済的であると認めるときと、その委託する場合の条件を定めております。
 今回の改正は、過疎地域における要望に答え、簡易郵便局という弾力的な制度をさらに一そう活用して、これら地域に対して郵政窓口サービスを普及させようとするものであります。
 現在、全国において簡易局の設置を必要とする個所は、二千二百カ所も残されておりますが、そのうち千七百カ所には受託すべき地方公共団体もしくは組合の施設がないため、現行法では簡易局の設置は不可能の状況であります。今回、法律を改正して、受託者に個人を加えることにより、これらの地域に郵政窓口サービスをあまねく公平に提供することが可能となり、より一そう簡易郵便局法の目的を達するものと理解するものであります。
 また、世界第二の国民総生産に象徴されるわが国の高度経済成長は、そのひずみとして、地方農山漁村に過疎化の現象をもたらし、今日その対策が強く叫ばれているにもかかわらず、その具体的施策は遅々として進まない状況であり、残念ながら過疎現象は今後もなお、当分は続くものと思われます。したがいまして、へんぴな地方にまで郵政窓口サービスを提供する簡易郵便局制度は、今後ますますその重要性を増してくるものと考えます。
 政府は、今回の受託者の範囲等の拡大に伴い、へんぴな地方生活者に対して、郵政窓口機関を積極的に普及させ、住民のサービスにつとめるよう強力に推進してもらいたい。
 なお、個人受託に対する選考基準及び委託者に対する国の保障基準等についての細則は早急かつ適切にこれを決定し、運営に万全を期していただきたい。
 また、簡易郵便局の指導監督については、さらに一そう留意せられるとともに、特に委託者の向上のための研修会等には、格段の努力を払われ、この制度の本来持っている機能と特質とを十分に発揮させ、地方生活圏の発展と向上に寄与せられんことを要望して、私の賛成討論といたします。
#97
○村尾重雄君 簡易郵便局法の一部を改正する法律案に対しまして、私は民社党を代表いたしまして賛成いたします。
 この改正法律案は、簡易郵便局の受託者の範囲を広げて個人を加えることによって、窓口機関の増置を促進するとともに、二つには簡易郵便局の取り扱い事務の範囲に老齢福祉年金等の支払いの事務を加えることによって利用者の利便をはかろうとしているのであります。今日の簡易郵便局の実情から見て適切な措置であると考えます。
 まず、簡易郵便局の受託者に個人を加えることでありますが、これについてはいろいろ経過もあり、また心配される向きもあるのであります。戦前の請負制度に戻るのではないか、こういう心配が特に強いのであります。また、たとえば、二、三人の無集配特定局の設置基準を変えるようなことがありはしないか、設置基準を変えて、簡易郵便局と同じように契約制度に変えて、契約制度を拡大するのではないか、こういうような心配が出されました。これらの質疑に対する当局側の、その心配はないとの答弁を私は信じます。
 また、現在の簡易郵便局の設置状況並びに実情等から見てこの改正法案をば是認する立場をとるのであります。もちろん、本改正案実施に当たりましては、いずれの法もそうであるごとく、法を運用していくのは人であります。取り扱い業務はすべて個人の秘密に属することで大切なことであります。人選にあたりましては十分な配慮を特に要望しておきます。
 次に、簡易郵便局設置の条件並びに手数料等の算出基準あるいは指導監督の強化等については、委員会審査の過程において指摘された意見を十分尊重して今後検討されたいのであります。
 以上を要望申し上げまして、賛成いたします。
#98
○委員長(近藤信一君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#99
○委員長(近藤信一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 簡易郵便局法の一部を改正する法律案(閣法第五六号)(衆議院送付)を問題に供します。本案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#100
○委員長(近藤信一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました長田君提出の附帯決議案を議題といたします。
 長田君提出の附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#101
○委員長(近藤信一君) 全会一致と認めます。よって、長田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#102
○国務大臣(井出一太郎君) 本件に関しましては、慎重なる御審議の上、御可決いただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、今後の郵政事業を進めていく上におきまして、御趣旨を十分尊重してまいりたい所存でございます。
#103
○委員長(近藤信一君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#104
○委員長(近藤信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 別に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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