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1970/05/07 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第19号
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1970/05/07 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 逓信委員会 第19号

#1
第063回国会 逓信委員会 第19号
昭和四十五年五月七日(木曜日)
   午前十時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     白井  勇君     鹿島守之助君
     長田 裕二君     石原慎太郎君
 四月三十日
    辞任         補欠選任
     石原慎太郎君     長田 裕二君
     鹿島守之助君     白井  勇君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     長田 裕二君     井川 伊平君
     久保  等君     小柳  勇君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     井川 伊平君     長田 裕二君
     小柳  勇君     久保  等君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         近藤 信一君
    理 事
                長田 裕二君
                新谷寅三郎君
                松平 勇雄君
                永岡 光治君
    委 員
                植竹 春彦君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                菅野 儀作君
                寺尾  豊君
                久保  等君
                森  勝治君
                塩出 啓典君
                北條  浩君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  井出一太郎君
   政府委員
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   牧野 康夫君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       郵政省電波監理
       局放送部長    太原 幹夫君
       会計検査院事務
       総局第五局参事
       官        本村 善文君
       日本電信電話公
       社総裁      米沢  滋君
       日本電信電話公
       社総務理事    庄司 茂樹君
       日本電信電話公
       社営業局長    武田 輝雄君
       日本電信電話公
       社運用局長    好本  巧君
       日本電信電話公
       社計画局長    浦川 親直君
       日本電信電話公
       社施設局長    北原 安定君
       日本電信電話公
       社経理局長    中山 公平君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会専
       務理事      川上 行蔵君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○日本放送協会昭和四十三年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 (内閣提出)
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (日本電信電話公社の運営に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る四月二十八日、長田裕二君が委員を辞任され、その補欠として石原慎太郎君が選任されました。
 また四月三十日、石原慎太郎君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君が選任されました。
 昨六日、長田裕二君が委員を辞任され、その補欠として井川伊平君が選任されました。
 また本日、井川伊平君が委員を辞任され、その補欠として長田裕二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(近藤信一君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。
 長田裕二君の委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(近藤信一君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に長田裕二君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(近藤信一君) 日本放送協会昭和四十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 本件に関し質疑のある方は、順次御発言願います。
#6
○新谷寅三郎君 簡単に質疑をいたしますが、先般NHKの予算、それからNHKの決算の審議の際に聞いておったのですが、非常に大事な問題について郵政省とNHKとの意見が食い違っておるように聞いたのであります。それは何かといいますと放送法七条に関する問題でございます。
 放送法七条は、言うまでもありませんが、NHKの公共放送としての唯一と言ってもいいくらい非常に大事な目的を掲げておる規定でございまして、全国民にNHKは放送を届けなきゃならん。「あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」こう書いてありますが、もちろんいろいろと事情の変化がありますので、この放送法制定当時には予見されなかったような事柄も起こっておると思いますが、しかし、この問題についての、この条文の解釈についての基本的な点が食い違っておったらば、これから非常に放送行政の上でも困るであろうし、NHKもその処理に困るであろうと思うので、この点は何とかして郵政とNHKの見解が統一されるようにしなけりゃならんと考えておりますので、あえて質問するわけです。
 この放送法七条に書いてあります全国民にあまねく受信できるようにするということは、どういうふうに考えておられるのか、郵政とNHK両方から、ごくこれは何と言いますか、簡明直截に願いたいのですが、いろいろ将来の立法論とかあるいは希望論とかいうようなものはやめて、この第七条についてはどう考えているか。これを両方からまずお聞きしたいと思います。
#7
○国務大臣(井出一太郎君) ちょっと私から概論的に申し上げておきたいと思います。ただいま新谷先生から御指摘の点は、やはり明確な統一見解というものを持ちませんと、放送行政、電波行政の上にも支障を来たすおそれのある重大なポイントでございましょう。郵政省の立場といたしましては、従来もここでおりに触れてお答えをしたことがあるかと思いますが、この第七条で「あまねく日本全国において受信できるように」という表現をとっておりまする点は、無線という点に限定をしておりまして、最近の有線放送をもって行なうCATVですか、こういうものにまでは及ばないという見解を述べてまいりました。ほかの条章にもわたりまして、いろいろ法律解釈上の問題もございましょう。そういう点はひとつきょうの御論議を通じて、いずれにせよ、一つの統一見解を得たいと思っておりますが、私どもはそういう立場でずうっとまいっておりますることを最初に申し上げまして、引き続き御審議をちょうだいいたしたいと思います。もうちょっとふえんして局長から。
#8
○政府委員(藤木栄君) 御説明を申し上げます。
 いま大臣から申し上げましたように、第七条は「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」ということが規定されておりまして、そこでNHKの目的というものをはっきりうたっておるわけでございますが、この放送ということばは、第二条の定義にもございますように、「「放送」とは、公衆によって直接受信されることを目的とする無線通信の送信をいう。」と、そういうふうに定義がはっきりうたってありまして、大臣から御説明がありましたように、いわゆる無線の送信ということでございまして、CATVのような有線放送施設を設置するということは目的の中には含まれておらないというふうに解釈しているわけでございます。ただし、都市におきまするビル陰障害による難視聴といったようなことを解消するために、この有線放送施設を設置するということは、第七条の目的達成と非常に密接な関係を有するわけでございまして、いわゆる放送法を直接補完すると、そういうふうに考えておるわけでございまして、第九条以下にこまかい具体的な業務が書いてございますけれども、NHKの任意業務と申しますか、の中でも重点的に行なってしかるべき性質を持っていると、そういうふうに考えるわけでございます。したがいまして、放送の全国的な普及という義務を負っているNHKが放送の普及のために有線放送施設の設置に力を注ぎ、難視聴の解消に当たるということは、まことにけっこうなことであると、そういうふうに考えておるわけでございます。
#9
○参善人(前田義徳君) ただいま大臣、電波監理局長から御説明のありましたように、日本放送協会の根本的目標である無線による放送を行なうということについては、私どもも格段の異議を持っているわけではございません。ただ、第七条の精神を現実に照らして考えるときに、それからまた同時に、NHKは聴視者から聴視料をちょうだいするという実質的な問題、並びに第九条――私は法律専門家ではございませんので、法律論をしようという気持ちはございませんが、第九条の中でも「あまねく全国において受信できるように措置をしなければならない。」という項目もあるわけでございます。したがいまして事情の変遷、自然現象、あるいはいろいろなこれと関連する事情の変遷によっても、NHKとしては、ただいま電波監理局長からお話のありましたように、補完的努力をすることは当然であるというように考えているわけでありまして、そういう意味でまあ現実の社会機構と申しますか、聴視者との関係という点を考慮するときに、私どもとしては事実上全く責任がないんだという、そういう立場をとることは、放送協会は、今後いろいろな社会の発展につれて従来の設置の根拠がきわめて希薄になるおそれがあるということについて重大な関心を持っているわけでございます。
#10
○新谷寅三郎君 この七条の規定をただ字句だけから解釈しますと、電波監理局長の言ったような解釈にならざるを得ないと思うんですが、ただしかし、それをほんとに文字解釈だけでまいりますと非常に困ったことができてくるのではないかと思うのです。というのは、かりにCATVとか、あるいはNHKの共聴施設ですね、山間僻地の共聴施設。これは電波ではまっすぐに各受信者の家庭まで届かない、途中でCATVの一種ですがね、共聴施設で音や絵を届けておるわけですね。そういうことは、字句的に見ると、これは、私は第七条に書いてある何といいますか法律の精神を生かして、NHKはこれを各受信者に届けておるというふうに考えてもいいんじゃないかと実は思っておるわけなんですが、電波監理局長のように考えていきますと、これは補完的なものにすぎない。だから有線で届けましても、これは放送法七条の義務を履行していることにならないのだ。また別に七条から言うと、無線による、つまり電波によって音や絵を届けなければ放送法七条の責任を果たしたとは言えないんだ、こういうふうになるんじゃないかと思うんです。この点については、前田会長の言われたことが私よく理解できないんですけれども、そういったことも含めて御答弁になったようにも思うんですが、この点はもう単刀直入に言ってください。どういうふうに考えておられますか、両者とも。つまり共聴施設とか、あるいはCATVなんかで実際は国民に音や絵を届けておる。しかし、これは無線によるものじゃないんだから、単に七条の義務を履行する補完的な性格のものにすぎないので、本来の義務というものは依然として残っておるので、無線によって、電波によって絵や音を届けなきゃならぬというふうに法律解釈をしておられるのか、この点どうですか。
#11
○政府委員(藤木栄君) 七条からの解釈は、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、もちろんNHKとされては電波によって放送を行なうということが主体であると思います。これはもう第七条だけではなくて、九条以下のNHKの個々の業務を規定している条文を見てもはっきりするわけでございますけれども、放送というものはあくまでも無線ということが主体であると思います。ただし山間僻地のような場合におきまして、電波によりまして行なうということが必ずしも適当じゃないというところもあると思いますが、そういったところにおきましては、現在NHKがやっておられるような共聴施設を使われて放送を流すということも、これはやむを得ないんじゃないかと思います。いずれにしましても、放送があまねく受信できるようにすればいいという目的には合致するわけでございますから、私どもとしましては、本質は電波であると思いますけれども、場合によっては補完的な意味ということを申し上げましたけれども、それが適当かどうかあれですけれども、補完的な意味におきまして有線施設においてやられるということはけっこうなことだと、そういうふうに解釈しております。
#12
○新谷寅三郎君 前田会長の答弁の前に、電波監理局長にもう一ぺん伺うんですけれど、山間僻地に波を届ける、電波によって届けるということは必ずしも適当でないと言われたが、これは法律解釈を、この間あなた方が法律論をやっておられた、その字句から解釈していって進んでくると、これは七条によって電波による波を届けなきゃならぬということが主になるならば、どんなに経費がかかっても届けられないというはずはないんですね。たくさん中継所をおく。非常に不経済なものになるでしょう、非常に技術的に困難でしょうが、これは不可能でない。しかし、そういうところでは共聴施設をつくって、それで絵を届ける。それはむしろ、あなたのことばを裏返して言うと、それが適当なんだ。適当だということは、言いかえると、そこのところを聞きたいんですね。七条は日本放送協会に対して公共放送を、これはもう第一義的な責任として負わしている。その責任を共聴施設によっても果たしているんだ、それで果たしているんだ、それでいいんだというふうに考えているのか。共聴施設は共聴施設だ、絵は届いているけれども、さらにまた本来の七条の精神からいうと、そのほかにどんなに経費がかかっても、別に電波によって絵を届けなきゃならぬ、こういう義務はいつまでもしょっているのか、そこの点ですよ。それをもう少しはっきり言ってください。
#13
○政府委員(藤木栄君) 七条の解釈といたしましては、先ほども申し上げましたように、「放送を行うこと」ということが書いてある以上は、この定義にもありますように、電波で放送をやるんだということが主体であると思います。これはあくまでも七条の解釈としては、そういうことだと思います。ただし先生のおっしゃるように、私も先ほども申し上げたわけでございますけれども、山間僻地のような場合は技術的には電波で放送するということは可能であるわけでございますけれども、山の中の一軒家までそのためにサテライトをつくりましてやるということは、いかにも不経済ということがあるわけでございます。先ほど不適当だという表現を用いたわけでございますけれども、現実の問題といたしまして、そういったこともできると――そういったことというのは、要するに共聴施設をつくりまして、そこでやったほうがはるかに経済的であり、適当であると、そういうふうに思われますので、現実の問題として、そういうふうにNHKがやられるということはけっこうなことである、そういうふうに思っております。
#14
○新谷寅三郎君 前田会長、どうですか。
#15
○参考人(小野吉郎君) 七条の解釈に関します限りにおきましては、放送をしておればいいのだというような感じも出てまいります。第二条の放送の定義は無線による送信と、こういうことになっておりますし、この放送の定義と、七条の全国あまねく受信できるように放送をしなければならないと、こうなっております限りにおいてはそうでありますけれども、第九条には、この七条の目的が完全に達成できますために具体的に受信できるような措置をとらなければならない。これは措置をとることができるではなく、NHKの業務としてはそうしなければならない――必要義務的な業務でございます。これをあわせて法の精神を考えますと、放送自体によってこれが受信できる、受信可能であるような状態が現出すれば、それで事は足りるわけでありますけれども、そうでない状態ができます場合には、いろいろな他の法令でそういう措置を禁止あるいは制限、制約しておられない限りにおきましては、そういう措置を用いて受信可能のような現実をつくり上げなければならないのがNHKの立場ではないかと思います。受信料徴収によって立っておりますNHKでもありますし、そういう面からも放送協会が公共放送としてのNHKの立場を堅持いたしますためには、ただ単に放送をしておれば――無線で放送をしておれば波が届かなくても、この点について何にも問題がないのだというわけにはいかないのでありまして、九条のそれによって他の手段を用いて、あるいはこれはタワーを高くするとか、共聴関係の施設もございましょう、あるいは新しい波の開発もございましょう、いろいろな手段をあわせて用いて有効適切な措置をしなければならない。これが必要業務であり、義務的な業務である、こう解釈をいたしますと、共聴関係のそれは、辺地、都市を問わず、そのような努力をしなければならない立場にある、このように解釈をいたしております。
#16
○新谷寅三郎君 どうも、すれ違いの議論ばかりでしようがないですね。小野君の言われたのは、これはまた別の問題なんです。私まだそこまで聞いていない。電界強度とかそういうことを考えて、ただ放送さえすればいいのだというような意見が郵政省の一部にあるようですが、私はそれには賛成しないのです。それはまた別の問題です。とにかく七条は、電波によってあまねく受信者にその波を届けなければならないのだ、こういうことが書いてあるのですね。あなたの言われた九条の四項でしたか、それはやっぱり七条を受けているのですよ。九条からは、「第七条の目的を達成するため」と書いてあるので、そこからは有線でもいいとか何とかというものは、ここからは出てこない。やはりこれは、七条を受けての九条ですから、そういったものじゃないと思います。ただ一般的に、さっき申し上げましたように、これはもう少し何といいますか、固くないかっこうでお答え願ったほうがいいのですけれども、結局郵政省の答弁を聞いても、NHKの答弁を聞いても、この点はっきりしないのですが、七条の目的を達成するのにはいろいろな手段がある。これは法律字句に非常にとらわれて実行していくことになると、不経済になり、また適当でないものも出てくるだろう、こういうことのようですね。ですから現在行なっているNHKあるいはCATVの共聴施設、こういったものによって音や画を届けるということは、これは七条の制定当時にはこういうことは予期しなかったけれども、七条の適用上――字句の解釈じゃなくて七条の適用上、これは有線によって届けても七条によってNHKに課しておる義務を果たしておるものと考える、こういうふうな柔軟性のある解釈は郵政省もNHKもできないのですか。これは、いまかりに立法するとなると当然そういうことを考えるでしょうね。いま現に、それでもさしつかえないじゃないかというので、そういう運用をしているのですね。七条というものを運用してきておるということは、そういうふうに解釈をしておるわけでしょう、立法当時にはできなかった……。だからこの七条というものは、ある部分は有線によって届けても、これは七条によって届けているのだ、七条の義務を果たすために届けているのだ。そういうふうに解釈し、運用していると、私はそう思っているのですけれども、どこまでも電波によってやらなきゃ七条の義務を果たせないのだ、こういうことになってくると、非常にむずかしい問題がたくさん起こってくるわけですね。その点はあまり固くならないで答弁してごらんなさい、どういうふうに考えているのか。またこれから先の問題もあるのですよ。
#17
○政府委員(藤木栄君) 法律の解釈という意味からいいますと、先ほど来申し上げておるとおりでございますけれども、そうしてまた、現在NHKがやっております辺地におきまする共聴施設といったものは、さっき小野副会長もちょっとお触れになりましたけれども、九条の一項と二項におきまして、九条の一項は、「協会は、第七条の目的を達成するため、左の業務を行う。」ということで、「標準放送」、「超短波放送」あるいは「テレビジョン放送」ということが載っているわけであります。それからまた二項のほうは、「協会は、前項の業務の外、第七条の目的を達成するため、左の業務を行うことができる。」ということで、十号までございますけれども、現在協会が行なっておりまする辺地におきまする共同聴取施設というのは二項の十号にあります「放送及びその受信の進歩発達に関し特に必要と認められる業務で郵政大臣の認可を受けたものを行うこと。」と、こういう号がございますが、それに基づきまして、まあ郵政大臣の認可によりまして辺地におきまする共聴施設を行なっているという状態でございます。したがいまして、第七条の目的を達成するということから申しますと、先生のおっしゃるように、第七条のあまねく放送を行なうということを目的とするということの中に含まれると、そういうふうになると思います。ただ先ほど申し上げましたように、第七条自体の解釈といたしましては、やはり無線でやるということが主体であると思いますけれども、この共聴施設も合わせて、それに含めてやるということは、解釈上それで目的を補完しているわけであると、そういうふうに解釈いたします。
#18
○新谷寅三郎君 よくわかりませんね。まあしかし、だいぶ答弁にも苦慮されているようだから、あまりこれ以上言いますまい。ただ大臣、これは従来の沿革があると思うのです。郵政当局もさっきNHKの小野副会長が言われましたように、一方ではただ波を送っていればいいのだ、その波の種類とか、強さとか、いろいろのものから電界強度というのがありますが、それが満足されていれば届いても届かんでもいいのだというような考え方が郵政省の中にもあるようです。そういったことについて、NHKとの間に、この間から聞いておりますと、どうも一番大事な七条の解釈運用についてぴったり一致しないのです。それで私は、きょうこういう質問をしているのですけれども、いまお聞きのとおりです、答弁は。ですから、これはここで解釈を変えますとか、法律には電波と書いてあるけれども、有線でもいいのですとかと言うことは、ちょっと勇気が要るだろうと思いますから、きょうはこの程度にしておきます。ところで大臣、関係当局者と、これはNHKも一緒になって、これについての解釈を統一し――解釈を統一するということは、運用もこれでいいのだとか悪いのだとか、なおNHKはまだ義務が残っているとか、もうこれで義務を果たしているのだという問題も、もう少し有権的な解釈をきめて、次の機会に報告してもらいたいと思います。これはあなた方、両方で話されても有権的解釈になるものではないと思います。やっぱりわれわれは立法府ですから、われわれのよく納得いくような解釈運用でなければならぬと思います。とにかく関係当局と主管庁が意見が違ったのじゃこれは困る。この問題については宿題にしておきますが、大臣の手元で十分検討をし、そういうことによって起こる弊害を避けるように措置してもらいたいと思います。よろしゅうございますか。
#19
○国務大臣(井出一太郎君) 私のほうはあまりきょうは議論をいたしませんが、いまおっしゃる御趣旨を体しまして、この有権的解釈といいますか、あるいは、これは運用ということも含めてということになると思いますが、少し話し合いをいたしました上、いずれまた申し上げたいと思います。
#20
○永岡光治君 ただいま新谷委員のほうから質問をされまして、答弁を聞いておりますと、やはりこの前の当委員会におけるNHK側の答弁と郵政省側の答弁がどうもすっきりしないまま、今日も依然としてまだ整理されていないように思うわけです。これは将来にわたる大きな問題だと思います。特にCATVの問題が出てまいりますと、なおさらのことだと思います。私はやっぱり、いままででも、この問題はそういう早い機会に意見調整されてしかるべき問題であったかと思うのですね。今日始まったことでないと思います。
 そこでもう一度、これを掘り下げてお尋ねしたいと思うわけでありますが、放送法の第七条ですね、第七条の精神というものも、もしこの放送法をつくる当時に、いまのような問題があったならば、こういう無線だけに限るというようなことじゃなかったんじゃないかと思いますし、あるいはまた、今日この放送法をつくるという段階になれば、これは私は、もうちょっと別な角度での法律の規定ができているんじゃないかと思うわけであります。それで公共放送という重大な使命を帯びているNHK、しかも聴視料をほとんど強制的と言ってもいいくらいの、そういう立場で聴視者から料金をいただいておるわけでありますから、その使命たるや私は、相当責任がNHKのほうにはあると思っているわけであります。そういたしますれば、運用の面を含めてでありますけれども、当然難視聴地域の解消については積極的にやるべきだ。物理的にそれが伴わない場合があったにいたしましても、その技術を全部生かして可能な限りサービスを提供するということでなければならないと思います。そういうことを考えますと、どうなんでしょうか。これは郵政省のように、いまの法律そのものを、この条文の解釈を忠実に狭く解釈するのではなくて、七条の精神をやっぱり公共放送の使命を負うNHKという立場で考えるならば、当然私はあらゆる手段を尽くしてサービスを提供するということでなくちゃならぬと思うわけでありますが、この私の考え方に誤りがあると思いますか。
#21
○国務大臣(井出一太郎君) たてまえから申しますと、永岡さんのおっしゃるとおりだと思います。先般来ここで問題になりました、たとえば、ビルの陰の難視聴の解消というような問題は、これはごく最近新しく出た問題でございますから、おそらくこの法の制定ないしは改正の時点では予想の中に入っておらなかった問題でございましょう。そういうことで山間僻地における共同アンテナ等の施設は現にやっていらっしゃるのだし、それはさっき局長から答えましたように、九条の第二項の十号ですか、それで大体事は足りておるのではなかろうか、こう思いますが、いま当面の話題になっております都市難視聴地域の解消というような問題になりますときには、これは相当多額の経費を要するというふうなことがございますので、従来は、一体それまでNHKの義務として課していいかどうかというような配慮もございましたようなわけで、ここにおける郵政省側の答弁がなされておったように思います。しかし、たてまえは永岡さんの先ほどおっしゃられたことであろうかと、こう考えております。
#22
○永岡光治君 私がそれをなぜ主張するかといいますと、現実の問題といたしまして、例の航空障害――飛行機の障害に対して減免の措置を現実に協会がこれを実施しているんですね。責任があるからこそ、そういう措置を講じていると私は解釈するわけです。であるとするならば、ビル陰においても当然こういう精神がそのとおりだとするならば、やはりその点についても責任がある。したがって、ビル陰の難視聴の解消についてもやはり責任をもってやらにゃならぬ、こういうことになるわけですから、検討され、意見を調整される方向としては、これはNHKが責任をもってやるんだという方向でいくのか、いやそうでないというのか、その点は方向としてはどうなんでしょうか。
#23
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。ビル陰のような問題につきまして、NHKが難視聴解消のために積極的な姿勢をとられていることは、たいへんけっこうなことだと思いますし、私どもも、方向としてはそういう方向で考えるべきである、こういうふうに考えております。
#24
○新谷寅三郎君 関連質問のほうが先へいってしまったんですが、この七条の問題については、大臣、ひとつこれは宿題として預けておきますから、さっきおっしゃったように、できるだけ早い機会に処理をしていただきたいと思います。そこでこれは法律解釈論から言いますと、義務の一部を履行しているんだ、有線放送にしろ、CAテレビにしろ、ケーブルビジョンにしろ。――こう言われるのか。あるいは、それは義務を履行しているんじゃないんだ、やっぱり電波を送るのが七条なんだから、義務は残っているんだけれども、実際上国民の要求を満たしているんだから、まあ義務は履行していないけれども、まあまあそれで黙っているんだ。こういうことになるのかしりませんけれども、どちらかでしょう。しかし、その議論はおきまして、いま永岡委員から質問された問題ですが、NHKの聴視料の免除規定ですね。これが実に、この間から言われる議論を聞いておりまして、不徹底なんですね。端的に表現すると不徹底。たとえば、基地の周辺は何か免除しているというんですね。国際空港とか、いま永岡委員も言ったような飛行機のことを考えると基地だけじゃない、それはどうなんです。それからもっと進みますと、このごろ東京を通っている高速道路、ああいう陰になっているところがありますね。これは公共施設です。そういったのは一体どうするのか。あるいは東海道新幹線で非常に電波の障害を受けておるところはどうするというような問題が、次々に起こってくるわけです。人工的な施設による障害ですね。そういったものにもやはり七条によって電波を届ける、あるいは有線放送を使って音や絵を届けるということが七条から出てくるNHKの責務である。いずれの解釈にしろ、そういうことですね。そうなってくると、基地と、そうでないところを区別するのは、おかしいじゃないかということが、すぐ考えられなければならぬわけでしょう。いずれこれから先、いまのビル陰のCATVの問題でありますが、何かその考え方を少し整理して、そしていまの七条についての考え方をもう一歩前進して、これをどういうふうに適用していくかということを考えて、統一した方針を立ててもらいたいと思うのですよ。今日まで――これはまあ時間があまりありませんから自分の意見を言ってしまいますと、たとえばいなかの共聴施設、これなんかについてはNHKは民間の村の方々の組合か何かつくらして――だから共聴施設の所有権はその組合にあるわけです。そこに補助金を出しておったですね。だからいまの七条から言いますと、実にこれはおかしなことですね、当然NHKが自分の手でやらなければならぬ――去年初めて、そういうことに気がついておやりになったというふうにも見えるのですね。いままでは間違ったことをしていたのだということにもなると思うのです、法律から言うと。だからこれの始末を早くしなきゃならぬでしょう。おそらく組合が自分で維持費を出しているんじゃないですか。今度やりかえるというときには、何か新しい施設と同じようにNHKが共聴施設をやって、引き込み線は各自が負担するということになるらしいが、とにかく昭和四十三年までは間違ったことをしていた、法律から言うと。そういうことになるわけですね。いまここでその責任を追及しようというような考えはないのです、私は。だから七条というものが、さっき郵政、NHK両方からお話しになったような、そういう基本精神だということであれば、いま提起したような問題を、もっと前進をして、統一した見解で早く処理されないと困るというのが、私の考えです。結論のようなものまで言ってしまいましたが、大臣や前田会長、こういう問題についてどう思われますか。
#25
○国務大臣(井出一太郎君) 私、冒頭にもお答えしました次第でございまして、ひとつ早急に新谷さん、永岡さんの指摘せられたような方向において、これに対する統一的見解を煮詰めてまいりたい、こう考えます。
#26
○参考人(前田義徳君) 御趣旨には全く共感いたしております。私どもは、重ねて申し上げるまでもなく、七条の従来の、狭義の解釈は無税によると申しますけれども、聴視者との関係でその無線の効果を発揮させるという意味では、御指摘のいろいろな方策を大臣の認可を得てとってきておるわけでございます。現在はこの問題を一貫した方向で郵政当局の御意見も伺いながら、やはりこれをまとめていくということがわれわれにとっても事業を行なっているという現実からきわめて緊急なことだと思っております。ただ、この際申し上げたいのは、私どもは無線による放送の中身を変更するものではありませんので、その点、一般に考えられるCATVとは全く考え方の異なる運営を私どもとしては目ざしているわけであります。また同時に、経費というような点から申しますと、私どもが末端でとり得る方法はきわめて多岐にわたっていると思います。そういう意味でも私は、現実に即した思想の統一が一日も早く成就できるように期待いたしたいと、このように考えております。
#27
○新谷寅三郎君 もうおしまいですが、NHKにもう一つ伺っておきます。一つはCATVの問題ですね。これは各地にできるであろうCATVとは必ずしも同じでないかもしれませんが、東京のケーブルビジョンですか、それでおとりになったような方法ですね、これを見ると聴視料というのは別にとられるわけですね、NHKが。それでその組合に入る場合に設備費を幾らか出させて、そしてやっぱり毎月ですか、幾らかずつ出させるわけですね。だからNHKに関する限りは、どうもこれは、いまの七条の解釈をごく平面的にずっと持っていきますと、おかしいということになる。電波が届かない。ビル陰だけれども、電波が届かないので有線で届けるのだという場合に、法律できめられた聴視料以外にいろいろなものが必要になってくる。そうしないと受信者のほうが見えないというようなことは、NHKに関する限りはこれは非常におかしなことですね。聴視料以外にまた幾らか出さなければ見えないのだということはですね。これは極端に言うと、NHKが何かの措置を講ずべきだということにもなるでしょうね、七条の目的を達成するのに必要な手段として考えているのだということになればですよ。ただ全体として民放も一緒なんだから便宜的にこういう方法がとられたのだ、そういう郵政省の提案に対して同意したのだ。こういうことであれば、そこまで窮屈に考えることはないと思いますが、これは将来ケーブルビジョンのようなものを各地につくられる場合に、郵政省もNHKも考えなければならぬ問題だと私は思うのです。というのは根本は、やはり内容から言うと人工的ないろいろなものができてきた、ちょうど基地周辺と同じように。これはしかし受信者の責任じゃないのですから、受信者に波を届けるという点からいいますと――結局その公害の原因をつくったものとNHKとの内部関係、これは別ですが、――NHKとしては波を届けるために必要な施設をしていかなければならぬというのが、七条のまっ向からの解釈から言えば、そういう読み方をすべきじゃないかと思うので、いまのようなことを言っているわけなんですが、NHKはそれに対して何か御異議がありますか。
#28
○参考人(前田義徳君) 私どもとしては全く異議はございません。
#29
○新谷寅三郎君 まあそれならば、その方向で今後ひとつケーブルビジョンのようなCATVの構成とかあるいはその運用のしかたにつきまして、郵政省のほうも、NHKがそれに異論ないとおっしゃるのですから、そういう精神でひとつやっていただいて、一般国民が――受信者といいますか、聴視者といいますかが特別に大きな負担をしないと、どうしても絵が届かないというようなことのないように、極力それを防ぐような方向で考えてもらわなければならぬのじゃないかと思うのです。ですから東京ケーブルビジョンのほうをどう直せということはここで申しませんが、各地にやはり同じようなことが起こってくるでしょうから、いまのような議論をひとつぜひ参考にされて対処されることにしていただきたいと同時に、繰り返しますが、郵政省、NHKともいまのこの受信料の免除規定というのが非常に不明確です。いまの前田会長の御答弁のような考え方で進みますと、新幹線の陰になっているところとか、あるいは高速道路の陰になっているところとか、そういったものにつきましても――何もビル陰ばかりじゃないのです、いなかにもあるわけです。そういったものについても、どうするかというようなことを十分具体的に検討されて、両方の統一した考えのもとに、なるべく早く対処されるように希望する次第です。
 私の質問はこれで終わります。
#30
○永岡光治君 いま新谷委員から質問がありまして、前田会長から答弁がありましたが、このビル陰その他の障害を受けるところについての減免規定なり、あるいはそれをよく見えるようにするための設備をする、しかしそれを設備しても聴視料については、他の一般並みで特に付加料金を取らないんだと、こういうふうに受け取れたのですが、そういう意味でしょうか。これは重要な問題ですから一応明確に御答弁いただきたいと思います。
#31
○参考人(前田義徳君) NHKに関する限りは、私どもとしては従来もほかの機会に御説明申し上げていると思いますが、なるべく聴視者の負担は加重させないというのがたてまえでございます。
#32
○永岡光治君 それでは一応それは明確な御答弁として承っておきますが、また話はもとに戻りまして、いま新谷委員の質問の中で答弁もありましたし、また私も、そういう趣旨で質問をして、答弁を大臣及びNHKのほうからもいただいたわけでありますけれども、ビル陰を含めて難視聴地域――その解消については、NHKがこれを解消する責任があるというたてまえに立つ限りにおいては、いま問題になっておりますCATVの問題と関連してまいりますが、それのあるなしにかかわらず、NHK自体がその解消の設備をしていくという方向で今後進めていく、このように解釈されるわけでございましょうか。
#33
○参考人(前田義徳君) 私どもの最終期待はその方向でございます。
#34
○永岡光治君 そういたしますと、私は、CATVのケーブルビジョンの、いま郵政省が認可しておる団体に対するNHKの責任の分担ですが、均等に八分の一ですね、それから民放が八分の一ということですから、言うならば放送界においては八分の二、つまり四分の一を負担しているということになるのですが、その比率については郵政省当局はどう考えておるのでしょうか、均等でいいと考えておるんでしょうか。もう少し私どもは主体性を持ってやるべきじゃないかというさっきの精神からするならば、そういう方向で考えてしかるべきじゃないかと思いますが、それはどのように解釈されておりましょうか。
#35
○説明員(太原幹夫君) 当初、現在の東京ケーブルビジョンをつくりましたときに八団体をもって構成をしたわけでございますが、郵政省の当初の考え方からいたしますと、再送信というものを最重点に置きました関係上、放送事業者すなわちNHK、民放というものに重点を注いでもらいたい、あるいはもっと言うならば経済的な負担をしてもらいたいという希望はございました、また意見もございましたけれども、実際に八団体が集まっていろいろ協議いたしてみますと、たとえばでございますが、新聞協会は放送事業者というものも含んでいるんだ、したがって自分のほうのウエートが大である等、いろいろな御意見がございました。あるいはNHKと民放につきましても、NHKのほうは二チャンネルだ、民放のほうは五チャンネルだ、五対二でいくんだ、あるいは半々でいくんだという御意見がいろいろ続出いたしましたが、とにかくそういう議論をしているよりは発足して早く難視聴を解消することに重点を注ぐことにしようということで、それぞれの団体にはそれぞれの御意見なり、あるいは意に満たない点があったと思うのでございますけれども、それぞれの御意見を押えていただきまして、均等で進め、事業をやっていくということにいたしたわけでございます。
#36
○永岡光治君 経過はわかりました。しかしまあ私の気持ちとしては、やはり主体は放送界が持つという方向で、もしその再放送ということに重点が置かれるとするならば、そういう方向でいくのが理屈が立つのじゃないかという考えは変わりません。こういうようなケースが起きた場合には、やはり相談をされまして、そういう方向でいくべきじゃないかと思いますが、その方針には変わりございませんか。
#37
○政府委員(藤木栄君) ケーブルビジョンといいますか、CATVにつきましては再送信というものを主体とする限りにおきましては、おっしゃったような方向であるべきだと思います。ただ御存じのように同軸ケーブルというものを引きますと、単なる再送信ということだけでは将来済まないんじゃないか。と申しますのは、そのほかの自主放送なり、あるいはもっとほかの種類の放送といったことも考えられるということがあるものでございますから、さしあたりは確かにビル陰問題の解消のための再送信ということになると思いますけれども、将来の問題があるということから考えますと、私どもとしましてもいまいろいろ検討しているわけでございまして、まだいま、それほどはっきりした方針があるというわけではございませんけれども、やはりそういったことの可能性ということを考えますと、単なる再送信だけというわけにもまいらぬと思いますので、そういったことも含めまして今後も検討していきたい、そういうふうに考えております。さしあたりはやはりそういったことを含めまして、まあいま放送部長からも答弁がありましたように大体、放送団体のバランスをとってやるのが筋じゃないかと、そういうふうに考えているわけでございます。
#38
○永岡光治君 十分それは協議をして今後進めてもらいたいと思いますが、東京のケーブルビジョンの会社が設立されましたことに関連をして、いま答弁の中にもありましたが、再放送以外の問題も考えている、こういうことでありました。あのケーブルビジョンを許可するにあたっての郵政省の方針は、当委員会で答弁をした限りにおいては、私の記憶に誤りなければ、やはりある一定地域には一つの団体をつくるという方針で進む、だからどんどんつくられたのでは経済性と申しますか、財政的にむだがあるのではないかという意味で、大体一つの地域に一団体という方針で進むのだという答弁がたしかあったと思います。そういうことを考えてきましたのですけれども、今朝来の新聞を見ますと、電電公社においては同軸ケーブルによるところの通信網を整備していく。各家庭までこれはどんどん入ってくるということになりますと、いままでの方針を若干変更しなくてもいいのかどうかという問題が一応検討の対象になると考えられるわけですが、その点はどのように考えておられるのですか。
#39
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。けさほど、おっしゃったように公社の総裁の、電電公社も同軸ケーブルを引っぱってCATVに貸すのだという記者会見の記事が載っておりましたけれども、私どもも実際具体的にCATVの団体が都市内にケーブルを引くということになりますと、これはなかなかたいへんむずかしい問題があるわけでございまして、特にこの大都会でああいう太いケーブルをということになりますと、いろいろ何といいますか、道路の管理上の問題、電柱の共架、あるいは場合によってはこれは電柱に共架することができなくて、地下にもぐらなければならないという場合もあるわけでございまして、こういった場合に電電公社がそういったケーブルを引いてくれまして、貸してくれるということになれば、たいへんけっこうじゃないかというふうに思っておるわけでございます。公社は現在でも東京におきましては、東京ケーブルビジョンの構成員でございまして、そういった点でも公社が大いに考慮するということはたいへんけっこうなことだと、そういうふうに解釈しております。
#40
○永岡光治君 電電公社でそういう設備をしてCATVに貸すということは、けっこうだというお話ですが、私は、それを聞いているんじゃなくて将来とも一定地域については一団体と、こういう方針でいくのか、公社のほうで整備してくれれば、一つの地域に二つ三つあってもいいのではないかという意見が生まれはしないかと思うんだが、その点についてはどう思うかということを質問しているわけです。
#41
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 私どもといたしましては、従来同軸ケーブルというものを都市内に引くということになりますと、先ほど先生からのお話にありましたけれども、非常に経済的な問題もあるし、また大体同軸ケーブル自体を引くことによりまして、そういったものを引けば相当数のチャンネル数がとれるわけでございますから、何本も引くということはまずあり得ないということで、いわば地域的な独占がそこに形成されるという意味から、一地区に対しましては一つの団体でいいんではないかと、そういうふうに考えていたわけでございます。しかし、公社がもし積極的にどんどん引くということになりますると――公社から借りればいいということになりますと、確かにCATVの団体といいますかをやる場合、必ずしも一緒でなければならない、一団体でなきゃならないということにはならないと思います。ただ、まだ公社の総裁がそういった構想を発表しただけでありまして、今後どういうことになりますか、私どもとしましても、十分にそういった点を検討しながら研究してまいりたいと考えております。
#42
○永岡光治君 東京ケーブルビジョンの場合の内容を聞いてみますと、それを利用する人は設備費を二万円ですか、それからあと月額五百円を負担するというふうに聞いているわけですが、公社が積極的に同軸ケーブルを建設していくということになりますと、この料金は、私は技術者でありませんからわかりませんが、感じとしてはずっと安くなるのではないかという印象を受けるわけですが、その点はそういたしますと、いまあるケーブルビジョンの会社の事業目論見書と申しますか、その問題について再検討する段階にくるかどうかという問題も、一つの問題点になるんじゃないかと思いますが、それは一応頭に入れておるわけでしょうか。
#43
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 公社としては、きのう総裁が初めてそういうことを言われたわけでございまして、いろいろ公社の人からも話はあるわけでございますけれども、まだ具体的にどう料金を――また、いまの同軸ケーブルを貸した場合、一体どれだけ料金をとるかということも、まだきまってないような状態でございますので、公社が引いた場合、あるいはたとえば東京ケーブルビジョンのようなものが引いた場合の経済比較というのは、まだ私どもとしては検討いたしてない段階でございます。したがいまして、いまのところ安くなるかどうかということはお答え申し上げかねまするけれども、いずれにしましても私どもが考えておりますのは、公社がこまかい一つ一つの加入者にまで同軸ケーブルを引くかという点は、どうもそこまではいかないのじゃないかというような、これはばく然とした考えでございますけれども、持っておりまして、公社がやられて実際に同軸ケーブルを引かれても、いまのところ、それほど料金ががたっと安くなるということはちょっと考えておりません。そんなような状態で、たいへんはっきりしない答弁で恐縮でございます。
#44
○説明員(太原幹夫君) 局長の答弁をちょっと金額的に補足さしていただきますが、現在の架設費は大体、密集地帯その他を平均いたしまして三万円、したがって飛び離れている地域を考えますと四万円近くかかるだろうという見込みでございますが、そういう前提に立ちまして加入料というものを一万五千円ということにしてございます関係上、まあ補修費の関係は五百円。そういう関係でございますので、電電公社のほうで幹線部分を引いて、それを安く貸すということにいたしましても、その差額というものが多少縮まるということにはなろうかと思いますが、直ちに加入料の一万五千円を一万円にするというふうにはなかなかいかないのじゃないか、現在の東京ケーブルビジョンがいろいろ事業目論見で実際に作業をやっておりますけれども、はたして一万五千円でどうなるだろうかというふうな危惧も多少持っているような状態でございますので、いま御質問にございましたように直ちに料金、加入料を下げることが可能かどうかという点は、まだ検討の余地が十分あろうかと思います。
#45
○永岡光治君 いずれにいたしましても、公社のほうであれだけの技術革新を行ない、そうしてあれだけの組織と財政力で拡充していくということになれば、かなりのスピードが期待されるのではないかと私ども想像するわけであります。その暁において難視聴地域の解消は、この同軸ケーブルを活用することによってかなりまた速度を早め、しかも広範な地域に解消の芽ばえが期待できるのではないかと思います。そうなりますと、NHKの立場としては、ある団体の出資者の一員として難視聴地域の解消をはかるということも一つの方法ではありましょうけれども、これはまあ収支計算をしなければ最終的な結論は出ないと思いますが、これを活用してNHK自体で難視聴地域の解消を主体的な立場でいけるという分野がかなり開けてくるのじゃないかと思います。その場合も予想されてNHKとしては対処する考えをお持ちでありましょうか、どうでしょうか。その点をお尋ねします。
#46
○参考人(前田義徳君) 電電公社のこれからの考え方については、まあ電電公社の独占がいいかどうかというような付随する問題もあろうかと思いますが、NHKから見ますと、私は率直にこれを歓迎したい気持ちでおります。アメリカ等におけるCATVの現在の重大な問題は、施設と番組の関係であって、番組の関係については特に言論の自由の問題が非常に大きく浮かび出てくるわけです。かりに電電公社のような実力のある企業体が同軸ケーブルを本格的に開発するということになりますと、現在アメリカのFCCで七対一の少数意見になっておりますが、CATVというものは元来施設会社である。この同軸ケーブルは二十ないし三十の間の線の使用の可能性がある。その場合にいろいろな独特の目的を持つ他の会社がこれを利用することが適当ではないか。これは言論の自由という点からも当然ではないかという御意見が現在非常にアメリカでも検討されている実情でございます。
 まあ言論の自由の問題については、われわれの直接関係するところではございませんが、そういう施設会社の施設を利用することによって、より確実に、かつより格安にわれわれの放送法上の第七条の最終目標が達成されることになれば、これに越したことはないというのが、大筋から見て私は、あの総裁の御発言の報道と関連して直観的に感じた考え方でございます。
#47
○永岡光治君 これはまあ将来の問題ですから、十分これも慎重な検討をされると思いますけれども、まあ私どもしろうと考えをしましても、CATVにこれを貸す場合でも、公社としてはそれ以外のものについても利用の価値があるわけですから、かなり安い料金で放送あるいはテレビのほうにある程度の料金で貸す場合は相当、まあ単独のケーブルビジョンの会社よりはかなり安いものが出てくるのではないかという期待もいたしておりますので、その点は将来の問題として十分検討していただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、新谷委員からも繰り返し繰り返し質疑があり、そしてまた要望されておりましたが、この放送なりあるいはテレビなりについての郵政と協会との間の意思統一を早くして、そして誤りのない方針を打ち出してもらいたい。このように思うわけでありますが、つきましては、長い間懸案となっていながらまだ日の目を見ないままに今日まできておりますが、放送法なり電波法の改正の問題は、どのように考えて、つまり展望はどういうことを考えて、いつごろこれを国会に出そうとしておるのか。これもやはりいまの問題とあわせまして早急に――やっぱり私は国会で審議をされることを早くしなければならぬと思っておりますが、その展望をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(井出一太郎君) 電波法、放送法の改正につきましては、昭和四十一年の第五十二回国会に提出をいたしました改正案を中心にずっと検討してまいったところでございます。きょうのような問題の起こりますのも、やはり現行法というものが時代の進運を、十分にこれをカバーでき得ないような面がある一つのあらわれでもございましょう。
 そういうことでございまして、従来お目にかけました案の上に、新たに検討すべき問題等を引き続いてプラスした上ということになるわけでございますが、ただいまたとえば郵政省もいろいろな問題をかかえておりまするし、この放送法なり電波法なりについては、大法案でございますから、そうどうも簡単にというわけにもまいりませんので、じっくり取り組むつもりでおりますが、まだきょうこの段階で、いつという時限を明示することは、もうしばらく様子を見た上にさせていただきたいと、かように存じます。
#49
○永岡光治君 毎国会郵政当局の予定される国会提出法案の中を見ますと、よく電波法とか放送法の改正というものが出ているわけであります。そういうことから考えますと、やはり早い時期にこれを考えていかないと混乱を起こすばかりであります。特にまたCATVの法案についてもしかりであります。これも電波法、放送法の関係と無関係ではないと私は思うわけで、これも先国会で流れ、この国会でついに提案に至らなかったのであります。いずれが先になるのか私わかりませんけれども、あるいは同時になるのかわかりませんが、早急にはっきりした態度をきめて国会に提案されるべきだと思いますが、CATVの法案についてはこの前も当委員会におきましても、なぜこの国会に出さなかったのかという、きつい質問がございましたけれども、それについてもまだ確たる見通しのついた返事をいただいていないわけでありますが、この法案は一体どういうことになりますのか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
#50
○国務大臣(井出一太郎君) CATVの法案につきましては、いま御指摘のございましたように、この国会においては残念ながら間に合いかねたというこの事情は、従来も申し上げたつもりでございます。
 そこで、これにつきましては、政府部内の意見の調整もしなければなりませんし、あわせて世論の動向などをもよく勘案をしなければいけまいかと思うのでございますが、まあ私としましては従来のいきがかりもあり、また今回手がけてまいった問題でございますから、少なくとも早いところ日の目を見なければならぬものだと、こう考えております。したがって、先ほどの放送法なり電波法なりの改正とまあどう関連づけるか、こういう点も考慮を払わなければなりませんが、少なくともこれはひとつ次の国会には具体化しなければなるまいかと、こう考えております。
#51
○永岡光治君 それではいま次期国会に提案したいという腹づもりのようでありますが、CATVの法案だけですか、それとも電波、放送もあわせて出すという考えですか。
#52
○国務大臣(井出一太郎君) これは、あわせてということになりますと、なかなか作業がたいへんでございますから、いま申し上げておる趣旨は少なくともこれはCATVは独立した扱いにどうもならざるを得ないのではないかという感じがいたします。
#53
○永岡光治君 それでは以上で放送法、電波法、CATVの問題についての質問は終わりまして、あと四十三年度の決算の問題について、時間もありませんから簡潔にお聞きしたいと思います。
 申し上げるまでもなく受信料は、やはり税金のようなものでありまして、この受信料でまかなっておるNHKの会計というものには、相当これは関心の深いものがなくてはならぬと思うわけであります。ところで国会で毎年度のNHKの予算が承認をされまして実行されるわけであります。その実行に当たっては適正かつ効率的にこれを使っていただきたい。そういうように考えるのは当然でありますが、いつも報告を受ける点については、その年度末におけるところの財務諸表とでも申しましょうか、一応の羅列をしたような形で国会に報告をされておるわけですが、その経過についてあまり詳しい御報告は、もちろん私ども不勉強の点もありましょうけれども明確でないわけでありますが、会計検査院においては逐一その経過について十分検討されておると思うのでありますが、適正、効率というこの二つの目標で使用されておるかどうかということをあらためて四十三年度の決算としてお尋ねしたいと思いますが、会計検査院のほうではどのような検討をされて自信を持たれたのか、その点をお尋ねしておきたいと思います。
#54
○説明員(本村善文君) お答え申し上げます。
 検査につきましては、ただいまお話しのように、常時、経費が効率的に使用されているかいないか、また個々の経理が当か不当かという点を十分検討しながら検査を実施いたしておるところでございまして、四十三年度の検査につきましては、たとえば放送会館の建設工事であるとか、あるいは放送用機器の調達、管理というような点に重点をおきまして、書面検査並びに実地検査を並行して実施いたしたわけでございます。実地検査につきましては、全国に検査をすべき個所が六十八カ所ございます、そのうち八カ所について検査をいたしました。延べ日にちは百七十三日という、こういう日にちを使いまして検査をしたわけでございます。その結果、特に違法、不当といたしまして検査報告に掲記したものはございません。私どもといたしましては常時、ただいまおっしゃいましたような線に従いまして、鋭意検査を実施しておるという状況でございます。
#55
○永岡光治君 その検査の方針でありますが、単に違法とか不当とか、そういう点だけに重点をおいて調べておるのか、私の言う適正、効率という観点を含めて検査をしておるのかどうか、その点を重ねて答弁をいただきたいと思います。
#56
○説明員(本村善文君) 検査の実施にあたりましては、個々の経理が当か不当か、あるいはその内容がいいか悪いか、そういう点を検討するのはもちろんでございますが、そのほかに経費全体の効率的な使用というような点に刮目をいたしまして検査をやっております。
#57
○永岡光治君 四月二十七日に会計検査院のこの方針が出ておりましたが、まとめて年度末に指摘をするということでなくて、そのつどこれを指摘して、適正にこれを運用してもらうように努力したい、こういうような意味のことだったろうと記憶しておりますが、もちろんNHKの会計検査におきましても、その方針で進むだろうと思いますが、その方針には変わりございませんか。
#58
○説明員(本村善文君) 検査の方針はNHKに限らず検査院全体としてきめることでございますので、NHKの検査にあたりましても、検査の方針は全く同じでございます。
#59
○永岡光治君 申し上げるまでもないことでありますが、NHKは財政法なり会計法の適用のないところでありますから、いわば国会の承認を得たその予算をNHK自体でこれを運用していくわけでありまして、往々にして、内部に監査機関があったりしましても、やはり他の公社公団とは違った、いわば自主性の強いと申しましょうか、そういう運用になりがちであります。それはまあ当然だと思うのであります。その点についてやはり他のものと違った角度でこれは十分検討していかないと、ルーズに流れるということはないとは確信いたしておりますが、また、事業の性質からいたしまして、臨機即応の措置を講じなければならないものもあるかと思います。その点についてやはり遺憾のない検査をしていくべきだと思いますが、その方針に従ってきたと思いますけれども、その方針に従って検査して、ちっとも支障がない、あなた方が見て、これはどうかと思うようなことはなかったということを、はっきりここで答弁できましょうか。
#60
○説明員(本村善文君) 検査につきましては、先般も申し上げましたとおり、経費の効率的な使用、その他検査院全体としての検査方針にのっとって検査を実施いたしておるわけでございまして、ただいままでのところ私どもがNHKの検査をした限りにおきましては、特に違法不当として当国会に御報告した事項はございません。
#61
○永岡光治君 これは、NHK予算でもそうでありますが、予算総則に基づいてずっと運用のまかされる点があるわけですが、増収ないし予備費の使用について、重要な項目でけっこうでありますが、私どもはあまり詳しく存じておりませんが、二、三の問題についてどういうように使ったかということについて、いまここで説明ができましょうか。それとも、いま直ちにここでできないというのであれば、そのおもなものについて後ほどでけっこうでございますが、文書をもって報告していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#62
○説明員(本村善文君) ただいまここで直ちに御報告申し上げるというのは、実は資料その他がございませんのでできませんので、後刻差し上げたいと、かように思います。
#63
○永岡光治君 それでは後刻お願いいたします。
 次に、これは政府のほうにお尋ねいたしますが、例の「よど」号事件についての国際放送関係でありますが、郵政大臣は衆議院の逓信委員会で、あの当時の国際放送について、これは政府命令とするかどうかということで検討したけれども、結局、相手側の国の関係もあってこれはNHKの本来業務として行なわせることにしたと、こういうような答弁があったようでありますが、政府命令でしてはぐあいが悪い点があるのでしょうか。むしろ私は、郵便とか電報とか、こういうものは――国際放送の問題は思想、主張のいかんを問わず各国の共通の問題として、もう少し高い見地で放送なりを、これが必要とあれば、人命の保護に関する問題でありますから、政府命令でやってもいいのではないかと思うのですが、その点はどのように考えておりましょうか。
#64
○国務大臣(井出一太郎君) 当時、いまおっしゃるような措置をいたしましたことは、衆議院の委員会でもお答えしたとおりでございます。そのとき私の脳裏をかすめましたものは、ああいう緊急非常の際でございますから何らかの措置をしなければならぬと、しかしその方法をどうするかという点でございますが、政府命令という手段も確かにございます、けれども、まあごく自然といいましょうか、素直な形で情報として国際的に伝達されるほうがまあ穏当ではなかろうかという判断を部内協議の結果いたしまして、さような措置を講じたわけでございます。
#65
○永岡光治君 国際放送の問題とこれは関連をしてくるわけでありますが、これはNHKの本来業務としての国際放送と、政府からの委託ということで料金というか補助金を出して放送しておるものと、一体的なものとして放送されているはずでありますが、国交のある国と国交のない国との間で何か特別な区別をしておるのでしょうか。実際問題として区別のあるような結果になるような放送をしているのかどうか。たとえば放送されることばにつきましても、国交のある国と国交のない国とでは区別のできるような、そういう受け方になっているようなことがあるのかないのか、これはどうなんでしょうか。NHKのほうがあるいはどうかと思いますが。
#66
○参考人(川上行蔵君) 電波の性質上、国境を越えてどこへでも飛んでまいりますし、またいろいろな情報をお伝えするということは別に国境を配慮しなくても正しい客観的な事実をお伝えするという観点に立つ限り問題はございませんので、そういう意味において、特にことばの上においては一切差別はございませんし、どこで聞いていただいてもいいという観点から番組を編成し、あるいは情報をつかんでおります。
#67
○永岡光治君 いまのNHKのほうとしてはずっと同じことばで出しているけれども、ある地域では通用しないですね。国交の回復ができてないところには、そのことを受けても、その国には聞いてもわからないことばになる場合があるのではないかと思うわけですね。たとえば北鮮と南鮮の今度の場合を例にとりますと、たまたま韓国語といいましょうか、朝鮮語で一致していると思いますが、かりに韓国のことばと北鮮のことばが違っていたとして、韓国には韓国語で放送する、国交のないほうにはまた北鮮のことばで放送するというのが平等な放送のように思うんですけれども、一つのことばだけでやっているからそれはかまわないじゃないかということにはならないという意味で、私は聞いておるわけですが、そういう国交のある国とない国との区別なしに、その国で聞けるようなことばで放送していると、こういうことに理解してよろしゅうございますか。
#68
○参考人(前田義徳君) 大体、御指摘のとおりであります。NHKの現在の海外放送は方向と国語の数――方向は十八方向、国語は二十三カ国語であります。国語がふえることが実は私どもの究極の目標の一つでございますが、現在行なっております二十三カ国語は必ずしも完ぺきではございませんが、世界じゅう十八方向に位置する各国民にほぼ理解されることばの数でございます。
#69
○永岡光治君 わかりました。どうぞこいねがわくば、こういう電波とかいうものは、あるいは郵便にいたしましてもそうでございますが、国交のあるなしにかかわらず平等に、日本の立場なりその他を放送する、こういうことであってほしいと思うわけでありまして、その点で私の懸念しておることが解消されれば問題ないわけですが、その意味で私は「よど」号の問題を取り上げてみたわけでありますけれども、こういう国際放送につきましては、特に人命の救助という重大な問題を控えている場合には、政府が出ていってもちっともおかしくないんじゃないか、そこまでこだわらなくてもいいじゃないかという気がしたものだから、あえて質問してみたわけであります。
 以上をもって私の質問を終わらせていただきます。
#70
○委員長(近藤信一君) 他に御発言がなければ、本件についての本日の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十三分開会
#71
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 これより郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 本件に関し、質疑のある方は順次御発言願います。
#72
○久保等君 きょうは主として、電電公社関係のことにつきましてお尋ねをいたしたいと思います。
 今国会には関係法案もございませんでして、電電公社の事業運営の状況についてお尋ねする機会がなかったのでありますが、きょうは若干お尋ねをいたしたいと思います。また時期がたまたま春の賃上げ問題の最終の山場と思われるような日でございまして、私できれば時間の許す限りいろいろお尋ねをいたしたいと思っておるんですが、しかしいま申し上げたような事情もありますから、予定よりむしろ時間を短縮いたしたいと思っております。したがって、できればお答えのほうも的確にお答えいただければ幸いだと思います。
 昨年、例の近距離通話の若干の値下げ、あるいはまた基本料の体系是正とかが公衆法改正によって行なわれたんですが、当時の御説明だと、収支の面から見れば、若干の体系是正を中心にした改正ではあまり収支の面に影響がない、そういうお話だったんです。おそらく結果のほうも、そういうことになっておろうと思うんですが、昨年十月から例の公衆電話の三分打ち切りというようなことも、その施策の中に含まれて行なわれたのですが、あの法改正によって行なわれた措置で、収支関係にどういう影響があらわれたか、そういったことを最初にお伺いいたしたいと思います。
#73
○説明員(中山公平君) 昨年の料金修正は、御承知のように基本料の引き上げと近郊市外通話料の体系合理化による引き下げ、こういうことが中心になっておりまして、基本料につきましては四月から二月までの数字を見ましても予算とほとんど変わりがございません。大体予定どおりでございますので、これは問題がございませんが、市内外の通話料の収入、これがどうなっておるかということでございますけれども、これにつきましても二月までの数字を見ますと、予定に比べまして約五%の増収ということになっております。しかしこれは料金の体系合理化が行なわれる前の四月から十月までの実績におきまして、すでに四・数%という増収をもたらしておりますことから見まして、あまり大きな差はございません。したがいまして、これは料金修正、料金体系の合理化による影響と申すよりは、秋口から非常に経済動向というものが春にかけまして上向いてまいっておりまして、これはいろんな経済指標においてもそれが明確になっておるわけでございますが、これによる影響であろうと思いますので、料金体系合理化によりましては、かねての予想のとおりプラス・マイナス・ゼロということでまいっておる、こういうふうに私どもは判断をいたしております。
#74
○久保等君 ところで、昭和四十四年度も終わって四十五年度に入ったわけですが、会社の規模の非常に大きい経理状況からいたしますと、まだ四十四年度の結末についての的確な数字は出ておらないだろうと思いますが、しかし昭和四十四年度の結末が大体どういう傾向になっているか、おおよその数字はもうぼつぼつ出るころじゃないかと思いますが、収支の結果がどういう状態になっておりますか。若干黒字が出るという当初の見込みだったのですが、その数字的なことを本日のところまでわかる程度を御説明願いたいと思います。
#75
○説明員(中山公平君) お答えを申し上げます。四十四年度の予算におきましては、事業収支におきまして三十五億の収支差額が計上されているのでありますが、四十四年度の決算につきましては法律によりまして六月末日までに完結することを義務づけられておりまして、目下作業を進めているところでございます。したがいまして、現時点におきまして四十四年度の決算書に出てくるであろう最終の数字というものを予測することは困難でございまして、ちょっとお答えとしては現時点では不十分なことになりますけれども、ただいまわかっております大筋の数字を申し上げますと、事業収入におきましては、年度初めから増収ということに努力をするということを公社の方針として、全社をあげてこれに力を傾倒した、こういうことと、経済情勢が非常にいい経過を示しております。この好況に支えられまして、二月までの収入の予定額は八千九十億円というふうに見ておったのでございますが、それを三百八十億円――率にしまして約四・七%の上回った数字を示しております。しかしながら一方、事業支出の面におきましては、損益の収支に関係のない建設勘定、職員の分を除きまして四十四年度の仲裁裁定の実施あるいは四十五年三月に支給をいたしました業績手当、これを合わせますと、約三百五十億円という額が予算に予定されていない費用の増加ということになってあらわれてまいっております。大筋はこういうところでございますけれども、もちろん決算におきましては、そのほかにも事業外の収支とか、あるいは予備費使用の詳細とか、あるいは流用の問題あるいは節約額、こういうものもございますので、それらを全部取りまとめて仕切った姿というものは残念ながら現在のところはまだ的確に把握ができない、こういう状況でございます。
#76
○久保等君 昨年もちょうどいまごろ、昭和四十三年度の年度末収支の状況等を承ったことがありますが、まあ昨年の場合を考えてみましても、結果的には予想せられたよりも、むしろ若干下回った程度の黒字というようなことになったように記憶いたしております。もちろん正確な数字はまだ出ていませんから何とも言えないと思いますが、まあかりに若干黒字が出たとしても百億をこすというようなことは、まずないんじゃないかというふうに、ちょっと私の目のこ算でそういう判断をするのですが、経理局長、そういうようなところはどうですか。
#77
○説明員(中山公平君) いま申し上げましたような、いわゆる予算との対比における姿から申しますと、黒字というものの額は総予定の三十五億に比較いたしまして大きくは出ないであろうということが言い得るわけでございますけれども、後段に申し上げましたいろいろの要素についての数字の取りまとめがございますので、これが利益に作用するほうに向いてまいるか、あるいは利益を少なくするように作用するほうに向いてまいるか、この辺のところはまだいまの段階では何とも申し上げかねるような状況でございまして、百億を上回るか下回るかということにつきましては、この段階ではちょっと私といたしましても予想を申し上げるのも困難な状況でございますので、御了承をお願いしたいと思います。
#78
○久保等君 昨年、公衆電話の三分打ち切り制を実施して、いろいろ世論の反響も若干あったようですが、まあこれも技術的な面から完全に全部実施をしたということにはなっていないだろうと思うのですが、これも昨年の公衆法改正の際における施策の点で、直接一般の公衆電話を利用される方にとっては一つの関心のあった問題だと思いますけれども、これがどの程度実施をせられておるのか、それで収入の面にどういう影響があらわれたか、多少こまかい問題ですがお尋ねしたいと思います。
#79
○説明員(北原安定君) 実施につきまして御説明申し上げますと、対象になりました公衆電話は全国で三十三万五千回線でございます。これに対しまして、三月末までに約三〇%の十万五千回線をいたしております。全国の県庁所在地級の大都市はほぼこれで済みまして、あとその他の地域及び東京のような大きな複局地、それが一部残っておりますが、それらを大体十二月を目途にして切りかえてまいりたい。その工事の実態につきましては、個々の取り扱い局の中においてこまかい工事をやるものですから、そのような時間を要しているわけでございます。実施の状況は以上でございます。
#80
○説明員(武田輝雄君) 実施いたしました後の利用状況でございますが、大体実施後の平均保有時分が一分三十三秒ということになっております。そして三分以内に大体九六%ぐらいの通話が終了をいたしております。そこで、したがいましてまあ大体四%近いものが三分打ち切りによりまして切られた形になっておるわけでございますが、この中で再びかけ直された方というのは、大体その中の半分程度であろうというふうに推定をいたしております。したがいまして、その面の増収ということは非常に微々たるものであるというふうにいえるのでないかと、こういうふうに考えております。なお、この三分制度につきましては、実施後いろいろ利用者の方々の御意見をお聞きし、また相談所等に対する照会もいろいろございましたけれども、大多数の人からはいい施策として好感を持って迎えられておるというふうに考えております。
#81
○久保等君 公衆電話による収入について少しお尋ねしたいと思うのですが、もちろん公衆電話といってもいろいろ種類があると思うのですが、ボックス方式によるのもあれば、委託公衆といったようなものもあるわけですが、そういったようなものを含めて、公衆電話による収入は年間どの程度になるものか。それから、ついでにお尋ねをしておきたいと思いますが、委託公衆の場合、これに対して取り扱い手当といいますか、取り扱い手数料が出るわけなんですが、これは個人委託の場合における一個当たり平均月収はどのくらいになるものか。それから昭和四十五年度の予算を見ますと、この取り扱い費について二十六億ばかり何か経費を増額しておるように見受けられるのですが、これは一体どういう意味で、この中身はどういうものか、一応御説明を願いたいと思います。
#82
○説明員(武田輝雄君) 公衆電話の収入でございますが、実績が出ておりますのは四十三年度でございますので、四十三年度の実績と四十五年度予算で予定しております額を申し上げたいと思います。
 まず、公衆電話のほうには大きく分けまして、一般公衆電話、これは俗に青電話、赤電話といわれておるものでございますが、この一般公衆電話とそれから農村公衆電話、それから第三にピンク電話がございます。ピンク電話は公衆電話というふうにいうのがいいのか、あるいは加入電話のただかけ制度というのがいいのか、制度的にはこれは加入電話のただかけ制度でございますが、料金が一度十円になっておる関係上、公衆電話として御説明いたしたいと思います。そこで、そういう意味におきます一般公衆電話の収入は、四十三年度の実績が三百六十七億ほどでございます。それから農村公衆電話が二十一億、ピンク電話が百八十八億、合計いたしまして五百七十七億ということでございます。四十五年度の予算では、一般公衆電話収入が四百六十八億、それから農村公衆が二十二億八千万円、それからピンクが二百五十億、合計いたしまして七百四十一億の予定収入になっております。それから公衆電話の委託手数料額でございますが、四十四年度の公衆電話の委託手数料は約五十億四千万円程度になろうかというふうに考えております。そして、昨年四月調査いたしましたところによりますと、一赤電話当たりの委託手数料は、月額で申し上げまして平均いたしまして千五百円、それから中には非常に多い人も、少ない人もございます。たとえば五百円といったようなものが七・九%ございますし、六千円をこえるものも一・四%ほどございますが、平均いたしまして千五百円というのが四十四年度の実情でございます。そこで、委託手数料でございますが、この委託手数料は、四十四年度で申し上げますと、市内通話一回ごとに二円の委託手数料を差し上げております。それから市外通話につきましては、三分まで三円、三分をこえます一分ごとに一円ということでございます。それから、いま申し上げましたのは手動の市外通話でございますが、自即通話につきましては一回ごとに二円、これは市内通話と同じ一回ごとに二円ということになっております。電報にきましては一通ごとに五円、こういう手数料でございますが、この手数料は十年ほど前に設けましたまま今日に及んでおるわけでございます。そこで、六、七年前から公衆電話の受託者の方々、また公衆電話の受託者の方々で結成されております公衆電話会がございますし、また全国的な組織として連合会がございまして、こういった受託者の方々並びに団体からこの手数料の問題について、手数料を上げてほしい――人件費も上がってまいりましたし、地代、家賃等も上がってまいりましたので、この手数料を上げてほしいという非常に強い要望がございまして、特にここ四、五年間毎年毎年強く要望されておりまして、公社といたしましても、こういうふうな御要望に対してはやはり実態に即した手数料をお支払いする必要があろうかと思いますが、いずれにいたしましてもできるだけがまんを願うということで今日までまいったわけでございますが、しかし、公衆電話はあくまでも公社の代理店と申しますか、代理業務をやっていただいておるわけでございますので、それに対してやはり正当な対価を支払うことは必要であろうということで、四十五年度予算を編成いたします際に、この手数料の引き上げについて大蔵省と折衝いたしました。それで、われわれの考えといたしましては、赤電話はもうかるところにつけるということでなしに、利用度の多いところ、あるいはどうしても赤電話がなければならないような公益性の強いところに置いておくわけでございますから、度数が少なくても置かざるを得ないようなところがあるわけでございます。また自動即時が進んでまいりますと、委託公衆電話の主たるものは置き賃というようなものになろうかと思いますので、従来のように利用度数に応じた、何といいますか、度数的な委託手数料の体系を改めまして、基本額とそれから度数料的な委託手数料ということにいたしまして、基本額として電話機一個につき四百円という新しい体系にいたしました。そして二円の手数料は二円五十銭に改めたわけでございます。したがいまして、これによりまして五〇%弱の委託手数料がふえるということになりますので、いまおっしゃいましたように、四十四年度予算と四十五年度予算とを比較していただきますと、いま御指摘のようにふえておるわけでございます。したがいまして、平均的に千五百円の委託手数料があると申しましたが、体系が変わりましたので、それがそのままというわけではございませんで、まあ五割近く上がることになるというふうにお考え願いたいと思います。
#83
○久保等君 全国で個人委託をしております受託者は、個数じゃなくて人の数にすると、どの程度になりますか、四十四年度についてひとつのちほど――まだ四十四年度については、さっきもお話があったように、経理の面でも数字がはっきりしておらないわけですから、いずれはっきりしたものについて、各府県ごとの個人受託者の数、それから金額、手数料、こういったものを一覧表みたいなものにして、別に期限を切って早急にということではなく、できたときでけっこうですから、資料として後ほどひとつお出しを願いたいと思います。そういうことで質問は省略しておきたいと思います。
 それから、いま公衆電話の設置基準の問題は、確かに、単に需要が多いからということだけで考えられない、非常に通話の度数は少ないにしても、どうしてもやはり近隣にあまり電話がないといったような地域には、度数の多い少ないにかかわらず、ある程度設置をしていくということは、これは非常にけっこうだと思いますが、ただそういったものを別にして、一般的に設置する場合、特に受託者のほうから積極的にひとつ置いてくれという希望が多いだろうと思いますが、そういうものについては当然ある程度、度数というものを条件として考えられると思いますが、一般的にどの程度の度数があれば設置をするということになっているのか、この標準的なものをちょっと御説明願いたいと思います。
#84
○説明員(武田輝雄君) 公衆電話の設置基準といいますか、設置標準と申しますか、公社の本社で一応定めておりますが、その運用は通信局長において、その地方々々の実態に即するよう、自主的に設置させるということになっておりますが、一応ボックス公衆電話につきましては度数は四十度程度あるところに設置をする。しかし、四十度未満でありましても、駅とか、公園等、多数の方々が出入りされる場所、あるいは団地、あるいは高速道路等主要道路、その他これらに準ずるような公共的な場所には度数にかかわらず設置するということにいたしております。それから赤電話でございますが、赤電話は原則的に一日十二度以上あるところということになっております。なお二個以上設置いたしますのは、一日の平均利用度数が五十度ごとに一個設置する。それから最繁時における待ち合わせが多い場所では、そういった度数にかかわらず待ち合わせを解消するように置くというような標準を本社で設けまして、通信局長の自主的な判断にまかせているような次第でございます。
#85
○久保等君 先ほど手数料の引き上げを昭和四十五年度から実施されるということなんですが、これはいつから――四月というわけにもいかないと思いますが、いつから実施されるのか、その点をお伺いしたいのと、それから公衆電話の、ボックス電話の場合は問題ないのですが、そうでない個人の商店、あるいはそうでない駅あたりに公衆電話を設置しているのですが、これの利用時間というのは、一応どの程度ときめているのか、もう全く受託者の恣意にまかしてあるのか、取り扱いというか、要するに利用時間というものにどういう標準を設けておられるか、お伺いしたいと思うのですが。
#86
○説明員(武田輝雄君) 委託手数料の改定につきましては、四十五年度予算に計上いたしましたので、一年間を計上してございますので、四月から実施をいたします。ただ、基本料のほうは四月から払われるわけでございますが、度数料的なものは翌月になるということでございます。
 それから公衆電話の利用時間でございますが、赤電話につきましては、店が開いているときに使っていただくという性質のものでございますので、店が開かれたときには必ず公衆の利用に供するようにという契約になっております。しかし、そこで夜間ということになりますと、どうしても普通のボックス公衆電話を置かなければならぬわけでございますが、このボックス公衆電話は、繁華街にいたしましても、あるいは駅頭におきましても、スペースをとるという関係でなかなか設置が困難でございます。そこで普通公衆電話の設置につきましては、われわれもさらに一そうの努力をいたしますが、赤電話につきましても、やはり夜間利用の道を開けるように、最近ぼつぼつ出てきておりますが、ポールみたいなものにプラスチックのふたのおおいをいたしまして外に出しておるものがございますが、できるだけ夜間の利用に供せられるように、そういうふうな措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#87
○久保等君 一つこまかい問題で恐縮なんですが、私、新宿を毎日通るものだから体験として感じておることなんです。それは新宿の京王の改札口のところの、特に南西になりますか、南西にあるところなんか、電話がよく夕方七時ごろになるともう締めてしまってあるわけですね。これは店頭にあるんでなくて、駅に並べて置いてあるんですけれども、たまたま市外通話のかけられる電話がそこ一カ所しか――南西のところにしかないわけです。私、市外通話でないとちょっと利用ができないものだから、市外通話を利用しようとするといつも――まあいつもというわけじゃないが、夕方七時ごろ締めてしまって、市内通話のできる電話機はあるけれども、市外通話のできる電話機は締めてあったり何かする。ああいうところを見ると、何であすこのところだけ締めてしまうんだろうかという感じがするんで、むしろ市内通話のほうを締めてしまって市外通話のほうをあけておいて、両方使えるようになっていればなにだけれども、ああいうところはきわめて恣意的に適当に時間がやられているような感じがするんですね。だからこれは、できるだけ夜間でも通話ができるようにしておくべきものだと思うんです。あすこの場合は、駅のほうでおそらく管理をしているか何かになっているのだろうと思うが、それにしても同じように扱って、全部締めざるを得ないという深夜なら別として、そうでなければ、別に無用心だとかということでもなさそうだと思うんですが、きまって早く、その七つばかりある電話を締めてしまっているわけです。こういったところは、もちろんこういうところだけでなくて、ある程度もう少し具体的に指導をするというか、公社側のほうで一つの基準をきめて、この時間帯にはぜひ電話が利用できるようにしてもらいたいということを、もう少しタッチして指導される必要があると思うんです。受託者の意向だけにまかせておくと、いま言ったようなことで、まあ受託者といってもいろんなケースがあるから、一がいには言われないと思うが、私の痛感している一つの問題は、あの新宿の大きな駅ですから、駅にある一般の並べてある電話と同じように使うことは当然できることだろうけれども、たまたま一カ所については、そういったように扱っていない。夕方七時ごろがくると締めてしまうというような形でやっているものですから、非常に不便を感じたり何かするのです。こういったことが全国的におそらく多かれ少なかれあるんじゃないかと思うんですが、公衆電話の利用について、もう少し指導を――指導というか、こちらがお願いするほうだから、お願いをしなければならぬことかもしれないが、公衆のひとつ利用しやすいような最大限の御協力を願うというような意味での要請なり、一面からいけばひとつ指導を願いたいと思いますが、いかがですか。
#88
○説明員(武田輝雄君) おっしゃるとおりだと思います。公衆電話は大衆の皆さん方に使用していただくものでありますし、また生活のレベルアップによりまして、開店時間というものがだんだん短くなる、そして生活時間は夜間に延びていくというような形でございますので、店にだけ、あるいは開店時間にだけたよっているような公衆電話は、皆さん方の利用上非常に不便を来たすと思いますので、いま御指摘のようなことで進めてまいりたい。特に夜間に出すこと、それからまた自即公衆電話の普及をはかることについて最大限の努力をいたしたいと思います。幸いにいたしまして、公衆電話の受託者のほうも、公社の代理店として通話サービスの向上に力を入れるということで、公衆電話連合会もそういうような気がまえになっておりますので、公社直接、あるいは公衆電話連合会と協力いたしまして、御趣旨のように、皆さん方の利便に供するように最大限の努力をいたしたいと思います。
 具体的な御指摘がございましたが、それにつきましても調査をいたしたいと思います。
#89
○久保等君 次に、夜間の料金割引制度を実施しておられるわけですね。この料金割引制度ができて何年になるか、私もちょっとあまりはっきりした記憶は持っておりませんが、いずれにしても、こういった制度を設けた当時の事情と今日の事情では非常に事情が違ってきているんじゃないかというふうに感じます。わけても、おそらく当初は比較的夜間の通話のすいておるときに有効にひとつ使ってもらおうと、それがためにはある程度割引をしておすすめをするということだったと思うんです。しかし、最近におけるその利用状況を御説明願いたいと思うんですが、六十キロ以上の市外通話等について四割の割引を行なっている。夕方八時から翌日の七時までという時間にやっておられると思うのですが、むしろ逆に夜非常に通話が集中してくる、そのことのために勤務をしている交換手、こういった人たちの勤務そのものが非常に当初予定した以上に密度が高くなってきている。それに対する要員なり定員なりも当初の予定とは違った考え方で服務も考えなければならぬというような問題も出てきていると思うのです。ですから当初、割引制度を設けた当時とは非常に事情が違ってきた。したがって割引制度そのものが、これは料金は安ければ安いことにこしたことは私はないと思うのですが、しかし一般的な料金との関係を考えて、一体、割引制度そのものが適当なのかどうかということについて再検討する必要さえあるのじゃないかという感じが私はしているのですけれども、この割引制度の問題について、現在の現状と、それから同時にこの割引そのものが、どの程度の割引に総体的な経費としてはなっておるのか。たとえば昭和四十三年度なら四十三年度だけでもけっこうですけれども、たとえば四割差っ引くところには四割安くなっているのですから、そういったものが満願取れるとした場合に、一体その差っ引かれた金額は――割引金額は総体的にどのくらいになるか、こまかい数字はけっこうですから、おおよそのところ、そういうこともひとつ御説明願いたいと思うのですが。
#90
○説明員(武田輝雄君) おっしゃいますように、市外通話の夜間割引制度は昭和二十八年の料金改定の際に実施をいたしたものでございます。で、この夜間割引制度の趣旨は、いまおっしゃいましたように、夜間は昼間に比べまして通話数が非常に少のうございます。したがいまして昼間の最繁時のために準備してある回線が夜間はほとんど遊ぶということになりますし、交換台も交換手も遊ぶ、したがいまして、そういった手あき時間あるいは手あき施設を使って、サービスを提供するわけでございますから、むしろ料金を割り引いて、安くして夜間に通話を誘引するといったような趣旨で設けたわけでございます。しかしながら今日の時点になってまいりますと、自動即時につきましては物的な設備は最繁時のために準備をしておりまして、夜間通話が多いといいましても、昼間にははるかに及ばないわけでございますから、割引制度の趣旨は自動即時通話につきましては、現在もその妥当性があろうかと思います。しかしながら手動通話につきましては、特に自即化におきます一〇〇番通話――DSA通話というふうに呼んでおりますが、これにつきましては夜間に最近呼びが殺到いたしまして、生活が夜行性になったということもあろうかと思いますが、呼びが殺到いたしまして、そのために夜間割引を開始いたします時点におきまして、特別に交換手を配置しなければならぬといったような状態になっておりまして、夜間割引制度本来の趣旨に反するような現象が出てまいっております。したがいまして手動通話につきましては、夜間割引の制度を制度として考え直さなければならない、むしろ廃止の方向にもっていかなければならないのではないか、あるいはそうすべきではないかというふうに考えておりますし、また公社といたしましては、そういうふうに実施をお願いいたしたい。郵政省に対して、認可料金でございますので、お願いをいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、夜間通話の割引をやめた場合に、増収額がどのくらいかということでございますが、正確な数字についてはただいま資料がございませんので、あとで申し上げさしていただきたいと思います。
#91
○久保等君 数字はまた後ほどお知らせ願うことにして、けっこうです。
 だから問題は、制度をどうするかの問題です、私の特にここでお尋ねしたいのは。それからいま営業局長の話だと、自動と手動を区別して扱っていこう、それに妥当性があるんじゃないかというお話だったようにも聞くんですけれども、私は、かりに自動であっても、一体昼間と夜間と、なぜ金額に差を設けなければならぬのか、電話を受けるほうの立場からいえば、そういう制度があるから、夜たたき起こされてみたり、電話がかかってきたりして、逆にいえばあまりありがたい制度だとは思わない。それは経済的な効果の面からいっても、夜働いた場合に昼間働いたよりも安くしてやらなければならぬという理由はないのでして、だから利用者の立場からいっても、別に昼間と夜間とで、夜かけたほうが安いんだということは、どうもそこに理由というものがあまり見出せないんじゃないかと思うんです。これをつくった当時は、公社側の立場からいえば、とにかくあいたものを使ってもらうから、安くしたって全然もうからないより、もうかったほうがいいんじゃないかという、いい意味での商売根性でやられたので、私はけっこうだと思いますが、今日の情勢は、さっきも申し上げたように、非常に違っていると思います。むしろ昼間働かんで夜働く商売もできてみたり、いろいろあるわけで、夜働く者に割引制度で恩典を与えるということについては、あまり今日必要ないんじゃないかという感じがする。もしそういうことで割引できるくらいなら、一般のやつを全体的な方向として料金を下げるとかいう方向で考えたほうがいいんじゃないかと思うのですが、これもいま金額としては相当な金額になるだろうと思う。割引制度による減収額というものはやはりある程度の金額になるだろうと思う。だから、夜間と昼間ということで料金に差をつけることも、この際はひとつ再検討願いたいということを申し上げておきたいと思う。賛否両論あると思いますが、私は、昭和二十八年当時と比べれば、経済情勢も、あるいは国民の生活状態も、あるいは勤務の状態もだいぶ変わってきていると思うのです。そういう点から、夜間の割引制度そのものについて私個人に言わせれば、廃止をしても差しつかえない。もしそのことによって多少でもふところぐあいがよくなって、何とかしなければならぬというなら、全体の料金を下げていくという方向でオーソドックスに考えていったほうがいいんじゃないかという感じがいたします。これは意見でございますが、ぜひひとつ、勤務の面でも非常にいびつな立場になってきているという面もあるだけに、この割引制度については再検討願いたいということだけ申し上げておきますが、総裁のほうから御感想があればお聞きしたいと思います。
#92
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 確かにただいま御指摘のありましたように、夜間割引につきまして、発足当時といまとは非常に事情が変わっております。特に手動関係の通話につきましては、私も割引制度を廃止したいと実は考えておるのであります。自動につきましては、なお実情をよく調べまして検討いたしたいと思います。
#93
○久保等君 手動、自動の問題については、なお付言すれば、私は、利用者の立場からすれば、手動であろうと自動であろうと、その間に差があっていいというものではないだろうと思う。そういった点で、ひとつ今後の再検討の際にはお考えを願いたいと思います。
 それから次に、若干話は違うんですが、ポケットベルの業務を開始して、逐次全国的に広げていこうという方針でおやりになっておるようですが、昭和四十三年から東京で始めたわけなんですが、これの今日の状況をひとつ御説明願いたいと思うんですが、東京の場合における、たとえば需要に対してどの程度こたえていっているのか、さらには大阪あるいは名古屋、こういった方面の手順はどんなふうに進んでおりますか、そういった点をお伺いいたしたいと思います。
#94
○説明員(好本巧君) 無線呼び出しのサービスは、昭和四十三年の七月に東京で実施されました。大阪では昨四十四年の十二月からサービスが開始されておりますが、お尋ねの東京、大阪の現状を申し上げますと、まず東京地区でございますが、四十四年度末――四十五年三月末の加入数は九千八百五十加入でございます。同じく四十五年三月末の積滞数は約一万でございます。それで、四十五年度中にまた新しい申し込みも見込まれますので、そういうものを合わせまして四十五年度の販売予定の数といたしましては、さしむき一万六千を予定しております。
 大阪地区でございますが、大阪地区は四十五年三月末の――四十四年度末の加入数は四千三百二十二加入でございまして、同じく三月末の積滞数は約七千五百でございます。これも四十五年度中の申し込みを勘案いたしまして、さしむき四十五年度中の販売予定の数は約八千加入を予定しております。
 以上でございます。
#95
○久保等君 これは電波監理局の波の割り当ての問題等もありますから、公社だけでというわけにもまいらないと思いますが、しかしこういった方面については郵政一般の電話と同じように、やはり積滞ということばがあまり普通に使われることのないように、需要に対してはこれをまかなってまいるという方向で取り組むべきでないかと思うんです。電電公社の場合には、扱う仕事が何でも積滞という印象を与えることは、私は非常にまずいと思いますし、特にポケットベルなんかの問題についてさえ、積滞というふうなことばでこの実情が報告されるというふうなことは感心しないと思うんですが、ぜひひとつこの需要には即応できるようなことに御努力を願いたいと思います。まあ大阪の場合についても、やはり相当積滞ができるようなことに数字的にもなるようですが、ぜひそういうことで御努力を願いたいと思います。
 なお、その他の地域について、おおよそ今後会社設立のめどがついておるところ、あるいはまたいつごろまでに業務を開始したいというように考えておりますか、そういうある程度の見通しのついたところがあれば、なお御説明願いたいと思います。
#96
○説明員(武田輝雄君) 会社設立ということでございますが、むしろベルボーイサービスの開始を予定しているというふうな意味でお答えさしていただきたいと思います。
 四十五年度でございますけれども、東京、大阪についてすでにサービスが開始されておりますが、四十五年度から東京の周辺の地域、たとえば横浜とか川崎、あるいは三多摩の主要都市、あるいは大宮とか川口、それから市川とか船橋とか松戸と言いましたような千葉方面に対しましてもサービスを開始する準備を進めております。なお、大阪周辺といたしまして神戸を予定いたしております。その他の地域につきましては、地元から、たとえば札幌は冬期オリンピックを機会に札幌にこのサービスを開始してほしい、あるいは九州の北九州、それから仙台、広島、金沢等から要望が出てまいっておりますが、これらは今後の問題といたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。
#97
○久保等君 まあ、その要望のある地域からぜひあまり手間取ることがない形で業務が開始され、その需要を満たしてまいれるように御努力を願いたいと思います。
 次に、電電公社で問題になっております電話の積滞問題が中心になろうかと思うのですが、今後の建設計画の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。それに際してぜひ大きな問題ですが、今後の長期計画、このことについてお尋ねをいたしたいと思います。昨年のこの委員会でも、私もいろいろとお尋ねしたことがございます第四次五カ年計画、これを一体どうしてまいるか。昨年当委員会での総裁の御答弁等を伺った際には、ぜひ昭和四十五年度あたりから長期的な計画を立てて取り組んでいきたいというふうなお話も当初はあったのですが、しかし、ぜひもう少し、準備期間をある程度置いてじっくりとひとつ御検討を願って、第四次五カ年計画、さらには第五次五カ年計画とも言うべき計画を考えていく必要があるのではないかというようなお話も申し上げたことがあります。ここまでまいりますると、昭和四十七年と言われた、かつて五カ年計画というものを計画いたしました最初の計画から行けば、第四次五カ年計画の最終年度であります昭和四十七年度というのも明後年という形で目前に迫ってまいっております。そういうことをあれこれ考えますと、第四次五カ年計画を修正する、そして第五次五カ年計画をも含めた七カ年計画というような計画で進めてまいるか、それとも第五次は第五次として、第四次は第四次として、とにかくできるだけやっていこうということになるのか、一つの時期的には岐路に私は立っておると思うのです。昨年以来約一カ年間かかって、そういうことについてのいろいろ構想等も練られてまいっておると思うのですが、明年度以降の長期計画についてどういう取り組み方をしてまいられる御予定か。もちろん計画といったようなきちっとした形にまでは成熟をしておらないかと思いますけれども、構想等をひとつ承りたいと思うのです。
#98
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 昨年この委員会でも電話の積滞についてもっと拡充計画を大きくしてやったらどうかということがございました。また、ただいまの御指摘がございまして、とりあえず第四次五カ年計画で、おもな工程といたしまして加入電話を九百三十万つけることにいたしておりましたが、それに百万個追加いたしまして第四次五カ年計画中に一千三十万個の加入電話をつけるということにいたしました。昭和四十五年度の予算につきましては先般国会で議決していただいたのでありますが、最初は百八十五万の加入電話、それに三十万の地域集団電話をつけることにいたしておりましたが、それに二十五万プラスいたしまして二百十万の加入電話を三十万の地域の集団電話をつけるということにいたしまして、いまその実行に入っておる次第でございます。ところで、昭和三十四年に第二次五カ年計画を改定いたしました折に、四十七年度末におきましては申し込んだらすぐつけることを目標にしたいということにしておったのでありますが、その当時予定いたしました昭和四十七年度の加入電話の数は一千七十万個ということになっておりました。ところがすでにもう現在でも加入電話の数が千三百万近くなっておりまして、四十七年度末ではさらにこれに四百万ぐらいプラスされるのではないかというふうに考えております。もともと電話事業をやる以上、申し込んだらすぐつけるというのは当然目標として必要なんでありますが、このような需要増に対しましていわゆる七カ年計画をこれから実はつくりたいと考えております。といいますのは、四十六年から五十二年にまいります七カ年に対しましてその計画を立てる。そうして七カ年の末におきましては全国的規模において積滞をなくすということにしたいと思います。すでに東京の二十三区等におきましては積滞がせいぜい二、三万しかない状態でありまして、積滞の非常に多いのは東京周辺とかあるいは大阪周辺、そういう大都市の周辺地域において起こっているのでございます。
 七カ年計画の構想につきましては、先ほど申し上げました五十二年度におきましては全国的な規模において申し込んだらすぐつけるようにする、いわゆる積滞をなくすということ。それから第二は、情報化社会の進展に応じましてデータ通信等のサービスを拡充すること。それから第三は、公社の経営基盤を拡充する。特に四十七年末に切れます時限立法になっておりました拡充法の延長というものをお願いしたいというふうに考えております。それからなお、そのほかに、料金体系合理化等につきましても七カ年計画の中で考えたいというふうに思います。それからまた技術革新が非常に激しいのでありまして、それらに対します技術の研究開発を進めたい、そのように考えておりますが、その具体的な計画をまとめる時期は昭和四十六年度予算を八月までに郵政大臣に概算要求として提出いたしますので、そのときまでに七カ年計画をまとめていきたいというふうに考えております。
#99
○久保等君 まあいま総裁の最後のところのお話で、ことしの八月、昭和四十六年度の概算要求を出される際には、七カ年計画というものを、どの程度の中身か知りませんが、計画を一応おつくりになるようなお話なんですけれども、まあ非常に盛りだくさんな計画もあると私は思うのですね。また非常にむずかしい問題もあると思うのです。それで若干おもな項目の一つ一つについてある程度お尋ねしたいと思うのですが、一番最初に言われた積滞解消の問題、これはもう長い間の――五カ年計画が昭和二十八年から始められた当初からの課題であって、まあそれがさらにいまのお話から伺っても七カ年――五カ年程度当初の予定よりもさらに延びる。すなわち申し込んだらすぐつく状態にするのには第五次五カ年計画の最終段階でひとつ実現をさせていきたいというようなお話だったと思うのですが、これも非常にむずかしい問題です。最近非常に住宅電話がどんどんふえてきている、住宅電話の需要が非常に急激に多くなってきていると思うのです。ところが一面においては、住宅電話ですから、あまり需要の度数は上がらない。むしろ全然利用せられないと言ってもいいような電話があるというような話も新聞等で私もちょっと見たり何かいたしておりますが、この実態はどういう状態なのか。昨年、関東通信局で何か調べられて、ちょっと私新聞で見たところによると、たとえば川崎市内でも二百本というか、二百以上の加入者が半年にわたって一ぺんも使っていない電話があるというような話も聞くわけであります。これは片や積滞があって取りつけなければならぬのでということで汗水たらしてつけるのですが、せっかくつけた電話が六カ月に一ぺんも利用されないというのは、これは全くどういう事情かよくわからないのです。六カ月にならなくても、一カ月に一ぺんも使われないという電話、これはちょっと私はやはり問題があるのじゃないかと思うのです。ぜひそういった点については大いにPRしていかなきゃならぬ問題かと思いますけれども、非常に片やつけなければならぬ積滞をかかえ、片やせっかくつけたが利用してもらえない電話というものが徐々にふえているという、こういうまことに珍現象が出てきている。これについて公社のほうで、ある程度その利用状況というものは、一年に一ぺんか二へんかしりませんが、適当な機会をとらえて調査をしておられるだろうと思うのですが、こういったことについて状況がおわかりになれば、できるだけ最近のデータで御説明願いたいと思います。
#100
○説明員(武田輝雄君) 電話が普及してまいるにしたがいまして、事業所電話というよりは、住宅電話の数が相対的にふえてまいるわけでございます。住宅電話の数がふえるということにつきましては、公社の収支上、事務用であろうと住宅用であろうと、要ります基礎の設備は同じでございますが、それからあがってまいります収入はずいぶん違うわけでございますので、料金制度としてあるいは基本料その他の料金制度として考えてまいらなければならぬ多くの問題があろうかと思います。
 そこで、いまお話のございました、全然利用していない電話があるのではないかということでございますが、私も昨年の七月ころの東京新聞の地方版で、川崎で、せっかくつけても、何か一度もかけない電話が二百二十本もあるというふうな記事がございますので、川崎につきまして調査をさしたわけでございますが、川崎の場合で申し上げますと、全然通話をしていない加入者が、この四月現在で五百七十三加入ほどあるようでございます。この五百七十三加入のうち五百五十三加入は一時撤去のものでございます。残り二十が一時撤去でもないのに全然使っていないわけでございます。一時撤去と申しますのは、事務所や店舗を改造したり、模様がえをされますために、その期間電話の利用を打ち切られるものでございます。あるいは休業とか転業のために長期不在になるというような、加入者側の御都合によりまして局預けにされる、番号だけは保有しておるけれども、局預けにされる。店舗が改造されたり、休業、転業が再開されました暁には同じ電話をつけるというふうなことで、電話の番号の権利だけは保有しておかれる。したがって基本料は払われるといった性質のものでございます。それが私の調べましたのでは、五百七十三のうち五百五十三といった数字で、あとの二十が全然使っていないわけでございますが、これは廃業、営業不振とかいったようなことでございます。したがいまして、川崎で六万四千ほど加入者がございますが、その中で二十が、そういったほとんど店がつぶれたといったようなものでないかと考えております。全国で申し上げますと、そういった一時撤去中の電話が四万六千ほどございますが、これらは大体一カ月ないし二カ月で通常に戻るといったような状態でございますので、新聞記事のあれは、その一時撤去のものを間違えて報道されたんじゃないかというふうに考えております。ただ住宅用全体の問題として料金制度上問題があることは御指摘のとおりだろうと思います。
#101
○久保等君 たまたま川崎市が話題になったのですけれども、公社としても、利用状況はもう少し普遍的に全体について、全国での利用状況というのは、何か時期をきめてお調べになっているだろうと思うのですがね。だからたまたま例として申し上げたんですけれども、全国的な加入者の電話の利用状況というものも、私はやはり適当な機会を選んで、相当正確に調査をされる必要があるのじゃないかと思うのです。いま総裁のお話にもあるように、今後の七カ年計画というものを策定するにあたって、やはりそういったことも一つのデータになるのじゃないかと思うのです。それから、いま申し上げたのは極端な場合ですけれども、六カ月に一ぺんも使わないというのは、私はどういう事情かと思って、非常に実はふしぎに思ったのですけれども、いま営業局長のようなお話だと、そういったことはあり得ることですからなんですが、それにしても月に二、三回か四、五回くらいしか使わないということになってくると――これはきわめて多いのじゃないかと思うのです。だからこれを事前に、一たんつけたら電話の使用度数が何回くらいあるだろうかというようなことを調べることは非常にむずかしいことですし、不可能なことだと思う。だけれども、少なくとも電話をぜひつけたいと言われる一般の方々には、いまの電話の需給状況というものについて十分なやはり理解をしてもらって、いわば急がないというか、そんなに電話を使うほどの必要がないならば、この際は当分――非常に積滞の、たまっておる状況ですから、あと回しにひとつ願うというようなことも一つの方法であると思うし、どうも電話を設置する場合に、並んでおる積滞の中で、できれば必要度の高いものから設置をしていこうということは当然だと思うのですが、そういうことで電電公社として十分周知さしていくということが非常に重要な問題になってくるのですけれども、それにしても実態がどういう実態なのかは、これはある程度過去のデータについて、できるだけ機会をとらえて、詳細にお調べになっておく必要が私はあろうと思うのです。だから、この点をこれまた要望になりますが、申し上げておきたいと思うのです。
 それから、いま言われなかったのですけれども、例の加入区域の統合、これは非常に大きな問題で、現にまた加入区域の統合問題についていろいろ施策を講ぜられておることは、私も予算を見ても承知しておるのですが、しかしなかなかこれもたいへんな問題だし、同時に金のかかる問題ですから、おいそれと簡単にいかないことはよくわかるのです。わかるのですが、今後の重要課題として取り組まなければならない、非常に大きな問題だと思います。
 ところで、これもきわめて地元の手近な話で恐縮なんですが、それとも関連しますけれども、東京都内における三多摩と二十三区の格差の解消問題、これはひとり電話に限らず、一般的な東京都政の問題として相当大きくクローズ・アップされ、またいろいろ苦労しておる問題なんですが、電電公社の場合にも管轄区域からいけば、東京通信局と関東通信局ということに目下のところは東京都で二つに分かれておるのですが、このことについて前々から不便と矛盾というようなことについて検討いただいて、近いうちに東京通信局のほうに三多摩のほうも移すという話を聞いておるのですが、そういったことについて御説明願いたいことと、さらにまた三多摩の中でも、これはきわめて区々にわたったというか、扱い方が必ずしも一律ではない。去年もこの逓信委員会で電話番号簿の問題が取り上げられて、私も総裁にお願いをしておいたんですが、電話番号簿の問題を例にとってみましても、都下が八つばかりの電話番号簿に分冊になっているわけですが、私もたまたま国分寺版というところに所属することになっておるのですが、国分寺版と言われると一体どことどこが含まれて国分寺版になるのか、どうもわからぬ。地域的に区切られた地区じゃございませんから、ちょっととまどっているのですが、そういう点を考えると、東京二十三区と三多摩まで含めてしまって一本というわけには、これはいろんな意味でとてもむずかしいと思いますが、何とか三多摩あたりは一本にして、電話番号簿なんかの問題も一本にしたらどうかなと思っているのです。職業別電話番号簿は一本になっているのです。それで七、八〇〇ページぐらいの厚さで、このくらいの厚さで一冊になっているのです。ところが五十音別の電話番号簿のほうは、いま言ったように八冊に分かれているのですが、二十三区とその他の三多摩というぐらいに大きく分けて扱ってもらうほうが国民の立場、都民の立場からいって非常に常識的でもあるし、便利がいいと思うのです。この電話番号簿の統合問題については、この前、総裁のほうから、ぜひひとつできるだけあまりこまかく分冊にすることはやめて統合していこうというお話を答弁としてお聞きしているのです。したがって、そういう方向で御努力願っておると思うのですけれども、たとえば県なら県の場合にも、確かに何冊かに分冊になっていると思うのですが、長距離なるがゆえに電話を使って通信をしたりするための便に供する電話番号簿が、歩いて行ってもたいしたことのない地域だけに区切った分冊では、これは利用するということになると、まことにその利用範囲というものは限られてくるわけです。だから、県単位ぐらいの電話番号簿くらいにはすべきじゃないかと思うのですね。一面から言うと、もっとも金の問題で、この印刷代やその他電話番号簿をつくることで相当苦労をしていることは、私はよく知っております。そういう点はあるのですけれども、せっかくつくられるのならば、使いやすい県単位くらいにする。東京版の場合には二冊にしてもなかなか大きなものですから、いろいろ問題になっているし、活字が小さいから何とかならないかという問題もあって、たいへん御苦労されていると思うのですが、その他の県については一県一冊にすると、これは金もたいへんかかったり、また各加入者に全部一冊ずつ配付するということになると、金もかかってたいへんなことになるのですが、何かひとつそういう方向で、単純な、利用者の便に供されるようなことにお考えを願いたいと思うのですが、昨年の御答弁以来やってこられた経過なりを御説明願いたいと思うのですが……。
#102
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 最初に、東京の二十三区と三多摩との格差の問題でございます。電信電話等における格差の問題でありますけれども、これはなかなか一ぺんにはいきませんけれども、これを逐次直していきたいというふうに思います。
 それから、番号簿につきましては、後ほど主管局長から答えさせます。
 それから東京の中では、すでに先ほど申し上げましたが、積滞が去年の十二月は一万五千くらいでございました。いま少しふえているかもしれませんが、大体二、三万程度ということになっております。ところが、東京周辺は、それに比べまして、非常に多いわけでありまして、三多摩地区もやはりその一つの例になっているわけであります。そのように、全体の、ことに電話の拡張の速度等が変わってまいりまして、公社の事務の面におきましても、あるいはまた東京都庁というものと道路の折衝とか、あるいは地方自治体とのいろいろな交渉を考えた場合に、三多摩地区も東京通信局のほうに含めたほうがいいのではないかということで、いまその準備を進めておるところでございます。
 なお、加入区域合併問題、それから番号簿につきましては、主管局長から答えさせます。
#103
○説明員(好本巧君) 電話番号簿の地域の集録範囲のことでございますが、社会経済活動の広域化と通話交流圏の拡大傾向によりまして、現在の従前の番号簿の分冊地域の集録範囲が狭過ぎるということをたびたび御指摘を受けまして、私どもといたしましては、従来の発行方法を改めまして、今後は、基本的には一県一冊、ただ非常に大きな県といいますか、一県で五十万も六十万も、それ以上も加入者があるというふうなところは、製本技術の問題あるいは活字のポイントの問題その他いろいろございますので、大半の県は一県一冊にいたしますけれども、非常に大きなところは二冊とか、そういうふうに地域的に非常に妥当なところで分けまして――しかし、たとえば一つの県が二冊になったという場合でも、片方の地域のほうは御希望の方には無料で配付するという、そういうふうなことをすべきじゃないかというふうな方針で、今後、整備の整った地区から逐次そういうふうに改めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 東京都の三多摩――都下の問題でございますが、これにつきましては、現在のところ相当加入数も多うございますけれども、何とか一本化の方向で考えたいというふうに思っております。
#104
○久保等君 東京都下八分冊と言ったのですが、正確には九分冊になるようでして、伊豆七島が入るとこれまた別なんですから。そういうことで、非常にわかりにくいわけです。
 同時に、今後の料金問題にも関連する問題ですけれども、その料金も、私は、できれば何とか東京都の場合についても、二十三区と三多摩まで一緒にしろとは言わないのですけれども、三多摩なら三多摩くらいは何とか一本にするように考えていくべきじゃないか。これは、従来ある電話局の配置状況から言って、いろいろ技術的にむずかしい問題もありますから、そう簡単にはいかないのですけれども、考え方として、やはり東京を一本にしろなんというような無理なことは言いませんけれども、三多摩は、せめて三多摩一つくらいの料金体系くらいに何とかすべきじゃないかと思うのですね。私のところなんかでも、ほんの少し歩いて行ったすぐ隣は日野市、すぐ隣が今度できる多摩ニュータウン、あのあたりもかなり地理的にも変化はしていくだろうと思いますが、いずれにしても、すぐ隣のところが市外通話で、警察は日野警察の所管なんですけれども、所管の警察へ電話するとなると、市外通話でかけなければならぬ。これも東京都内での話ですが、そういうことで私は、何とかもう少し大きなブロックで分けていくべきだと思うのですね。あまり地域々々でこまかく分けるということは、事務的な面でももちろん非常に煩瑣だと思います。ですから、いま言った電話番号簿の問題は、これはひとつまた別として、料金問題は非常に将来の問題として、ぜひ行政区域と一致させるようにして、どうしてもこれが一つに納まらなければ二つぐらいに分けることはやむを得ないですけれども、いまのように、非常に出入りのひどい地域が集まって三多摩という地域になっていますときに、隣はもうすぐ市外だ、市外通話だという形で非常にこまかく区切られると、非常に一般のしろうとから考えると、わずらわしいと私は思うのですね。料金が高いという問題に対する不満だけじゃなくて、非常に区々にわたっておるという感じがするのです。行政区域は何といっても東京都なんですから、そういった点をもう少し単純化するようなことを料金体系の面でもお考えを願いたいと思うのです。営業局長どうですか。
#105
○説明員(武田輝雄君) 市内、市外の料金の問題でございますが、公社は、町村合併促進法以来、同一行政区域の中につきまして加入区域の統合をはかるというようなことで今日にまいったわけでございますが、御指摘の三多摩につきましては、特に加入区域と行政区域と入り乱れておりまして非常に複雑な様相を呈しております。そうして、いろいろ地元からも御要望があるわけでございます。そこで、これは昔のように町が孤立しておりまして、町と町とが孤立しておりましたような時代には市外通話、市内通話といったような制度があっても世の中に受け入れられるものであったかと思いますが、最近のように生活圏が非常に拡大いたしまして、特に東京周辺地区のように、行政区域を越えてと言いますか、府県を越えて生活圏が拡大し、一体化しておるような時代におきましては、もう加入区域といったような問題で広げましても、やはりそこに新たな格差が起こってくるというようなことになろうかと思います。したがいまして、こういう新しい社会の実態に即したような料金体系を考えていかなければならないというふうに考えます。諸外国におきましてもこの問題は一番大きな問題として、アメリカなどはタイム料金制、あるいはタイム料金制の中における時分制を入れるといったようなこと、あるいはヨーロッパ等におきましても市内に時間制を入れるといったようなことで、いろいろこの解決には苦慮しておるところでございますが、この問題につきましては今後の料金問題、料金制度の問題として一番大きな問題でございますので、いま御指摘の点もよく勘案して七カ年計画の中におきまして料金体系を根本的に近代化するという方向でこの解決に最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
#106
○久保等君 それで加入区域の統合問題が非常に大きな問題ですが、この加入区域の統合問題として考えられる問題、それから現在公社で掌握をせられておる地域は何カ所ぐらいになりますか。それから、それに対して、これはなかなか簡単には――実現するといってもよほど時間をかけなければならない問題で、そう簡単にはいかないのですけれども、おおよそどういった程度の経費を要するものなのか、これも長期的な構想を立てる場合には、当然、電電公社として考えなければならぬ大きな一つの柱だと思いますが、先ほど来申し上げておるような具体的な問題を含めて、全国的に一体加入区域の統合、これはもちろん行政区域あるいは経済的な関係、そういったこととマッチさせるために電話の加入区域も統合しなければならぬということになるわけですけれども、どの程度ありますか。
#107
○説明員(浦川親直君) 四十二年度末で申し上げますと、全国の市町村数三千三百のうち同一市町村内に二つ以上の電話局が存在する市町村数は約千二百ございます。この中に所在しますところの電話局が二千九百ございますが、御承知のように一昨年まで、このうち局間距離が六キロ未満のものにつきまして、鋭意区域合併を行なってきたわけでございます。昨年からこれを十二キロまで広げまして加入区域の合併を行なっておりますが、十二キロ未満の局は、先ほど申しました二千九百局のうち約二千局でございます。第四次五カ年計画におきましては、このうち約千局について自動改式の上、加入区域の合併を計画したい、このように考えております。まあ七カ年計画の中では、これを全体的に解消していきたい、かように存じております。ちなみに第四次五カ年計画で、この千局につきましての加入区域合併は約二千億弱の金額になろうかと存じます。
#108
○久保等君 それは、昭和四十七年度末までで加入区域統合問題も考え方としては全部片づけたいという、いまのは四十七年度末までのお話ですか、だとすれば、四十七年度だけではなくて、要するに加入区域統合問題が大体全部終わるのだという時期は、いまのお話だと、大体五十二年あたりをめどにしておられるような話なんですが、その時期までの経費の全体のめどは、どの程度になりますか。あまりこまかい数字はけっこうですが……。
#109
○説明員(米沢滋君) ただいま、ちょっと説明が不十分だったかもしれませんが、四十七年度末までにおきましては、同一市町村内の加入区域の合併を十二キロの範囲まで拡大いたしまして、二千九百局のうちの千局について自動改式をして合併をする、それの経費が約二千億円と、こういうことでありまして、同一市町村内でありますから、先ほどお話に出ました三多摩あたりを全部一本化するという意味ではございませんので、ちょっとそこを補正させていただきます。
#110
○久保等君 それで四十七年度末までのお話はわかったんですが、問題は加入区域の統合問題、単に同一市町村のみならず、もうちょっと広範な地域で――三多摩の話はちょっと大き過ぎる話かもしれませんが、そういうことではなくて、全国的にいろいろあると思います。特に大都会、中都市、こういったところはなかなかむずかしいであろうと思います。だとすると、総裁の御答弁につけ加えて、五十二年度末までは第五次五カ年計画の中で加入区域の統合問題を片づけたいという、もし構想だとすれば、一体そういったものはどの程度経費がかかる見通しですか。おそらく五十二年度でもなかなかそう簡単に片づかないという問題も多くあると思います。だから、そこらのところを――私の言うのは加入区域をとにかく全部片づけるということになったら、どういうことになるだろうかということを、さらに伺いたい。
#111
○説明員(武田輝雄君) 加入区域の問題が非常にやかましく言われておりますのは、結局市内通話と市外通話の料金格差、しかもそれは時間による絶対的な料金格差にあるということになろうかと思います。そこで、加入区域をどんどん広げてまいりましても、全国を一つの加入区域にするということはできないわけでございますから、かえって料金格差が大きくなるということになろうかと思います。そこで生活圏がこれだけ拡大し、また都市が連帯をし、太平洋ベルト地帯などはどうせ一体の地域となって連帯してまいろうかと思います。また情報化社会の進展に伴いまして、そういった意味におきます料金につきましても新たな社会的要望が出てまいろうかと思いますので、そういった新しい事態を踏まえまして料金制度をどうしていくかという根本的な検討の中において、加入区域の問題も含めて七カ年計画の中で検討いたしたい、こういうように考えております。
#112
○久保等君 検討されることはもちろん必要だと思うんですが、だから私のお尋ねをしておることにまだ十分お答えを願うほどの準備がないということならば、それでやむを得ないと思いますけれども、先ほどお話があったのは、要するに十二キロまではやりたい。それが四十七年度までの一つの計画だというお話なんですが、そうすると、それ以上の、同一市町村であってもまだやり切れないという問題も当然あろうと思います。そういう問題もあろうし、それからもう少し現実にいろいろあっちこっちで起こっておる問題からすると、単に同一市町村だけの問題ではない問題もあると思います。それはなぜかというと、経済圏の面からいって――行政区域ではそうかもしれぬけれども、経済圏からいったら、これはぜひ同じ地域にしてもらいたいんだという問題もあろうと思います。そういう問題を考えると、単に同一市町村内の問題が片づけば加入区域の合併の問題が片づいたんだと言い切れない問題もあろうと思います。だから、いろいろ加入問題についてはケース、ケースによって違う場合があると思います。だから、私の言うのは、俗なことばで言えば、加入区域の統合問題という総括的なことばでお尋ねしているんですけれども、そういったことが四十七年度以降、すなわち第五次五カ年計画の中で加入区域の統合問題について、さらにどの程度お考えになっておられるか、お尋ねしたんですが、いまの御答弁を出ないとすれば、私の質問を打ち切りたいと思うんですけれども、しかしそれにしても加入区域の統合問題は、これは長期計画を立てられる場合には、私はやはりぜひ全部の加入区域統合問題について片づけるんだという気がまえで取り組んでいただかないと、六キロを十二キロに延ばしたもそれは確かに一歩も二歩も大きな前進だと思いますけれども、しかしそれで統合問題が片づいたということにはなりませんし、行政区域が必ずしも経済圏とぴったり一致しておるかというと、行政区域もこれまたそういう面でいえば、ああいう面も幾らもあるわけです。だから、電話の加入区域というものは必ずしも行政区域オンリーだけで割り切れる問題でもないという問題があろうと思う。だから、そういう問題を含めて、ぜひ加入区域の統合問題を片づけるように取り組んでいただきたいと思うんです。そのことをこれまた要望申し上げておきたいと思うんです。
 それで、さらに先ほど総裁のお話がありましたが、長期計画の中には、最近花形といいますか、非常に脚光を浴びてまいっておりますデータ通信、それから総裁がきのう新聞記者団に会われて、テレビ電話の話等もちょっと出されたようですが、この問題については、これまたこの問題一つだけでもたいへん大きな問題ですし、関係するところは非常に多いもんですから、われわれもいろいろ苦労しているわけなんです。特にきのうも商工委員会でこのデータ通信問題についてはだいぶやったわけなんですが、公社としてデータ通信と取り組まれておる労は多とするわけですし、ぜひまた私、国民の要望にこたえていく意味から積極的にひとつ取り組んでいただきたいと思っておるんですが、このデータ通信、それからデータ通信の場合には、もちろん四十五年度予算の中にも出ているわけですが、何ですか、テレビ電話のお話もきのう出たようですが、テレビ電話ということになってくると、同軸ケーブルの問題、さらにはCAテレビの問題、ファクシミリの問題等、だんだん幅が広がっていくわけなんですけれども、このデータ通信の問題について若干御説明をいただきたいということと、それからテレビ電話の問題がたまたま話題になっておるわけですから、総裁のきのう発表になられた中身というものは一体どういったことだったのか、簡単にひとつ総裁のほうからひとつお答え願いたいと思うのですが。
#113
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 最初にコンピューターを使ったデータ通信でございますが、すでに四十三年の十一月でございますか、地方銀行協会の為替交換業務のオンラインによるデータ通信を実施いたしました。その後、万博の管理運営事務、それから自動車の検査登録事務のいわゆる専用データ通信をすでに実施いたしております。予算といたしまして四十三年度百億円、四十四年度二百億円、四十五年度におきましては三百八十億円の成立を見ておりまして、現在これらの専用データ通信のほかに、たとえば加入データ通信と言われております科学技術計算であるとか、あるいは電話計算であるとか、あるいは在庫管理のデータ通信を、いま工事をやっておりまして、本年度中にそれらがサービス開始になると思います。公社といたしましてはデータ通信に対して、まず国の利益――国益と、それから国民の要望に沿うということ。それから第二は、これをいま直ちに独立採算というわけにはいきませんが、独立採算のベースでやっていくこと。それから第三点は、特にこれは新技術の開発を必要といたしますので、いまDIPSという新しいコンピューターをやっておりますが、それをやること。それから第四は、いわゆる情報を集めたりあるいは編集するデータバンクの業務はやらない。これがNHKと非常に違うところでありまして、公社といたしましてはソフトウェアを含んで設備を提供したいということでいきたいというふうに思っております。
 それから今後第四次五カ年計画の中では、いままでの投資も含めまして約二千億円くらいの投資を考えておるのでありまして、七カ年計画の中で五十二年度末までにどの程度にするかは、いまいろいろ検討を進めておる次第でございます。
 それからテレビ電話でございますが、これは、このテレビ電話というものは、この前、予算委員会の質問でもお答えしたのでありますけれども、顔を見るテレビ電話だけでは非常にもったいないのでありまして、やはり同時に、このテレビ電話のブラウン管の上に図形とか図面とか数字が同時に出るのがねらいであるというふうに考えます。したがって、テレビ電話を使いましても相当やはり高いものになるので、とりあえずこれが実施される段階は四十八年度あたりを目標にしていきたい。公社の中ではすでに総裁室と局長室の間に、これはバンド一メガサイクルのテレビ電話というものを持ちまして、いろいろ実用に供しておるのでありますが、しかし、数字とか図形等を見る場合には、私はこの一メガサイクルで十分であるかないか、非常に問題であると思います。アメリカのピクチュアホーンというのは一メガサイクルでやっておりますけれども、私は図形、図面を見るためには、あるいは現在放送で使っておる四メガサイクルのほうがいいのではないか。もしも一メガサイクルでございますと、これは市内ケーブルの心線六本あれば電話とテレビ電話ができるのでありますが、いま四メガサイクルを使いますと、どうしても同軸ケーブルを引っ張らなければならない。公社といたしましてはもともと総合通信網を提供するという構想を持っているわけでありますので、テレビ電話を一メガサイクルでやるか、四メガサイクルでやるかということは、どういうケーブルを引っ張るかということに関係があります。総合通信網の構想につきましては、これもいろいろ関係の局で検討いたしておりますけれども、そういう総合通信網の構想の問題を実は昨日の新聞記者会見で質問がありましたので、答えたのでありますが、五つか六つの新聞に出ておりますのを読んで見ますと、若干ニュアンスが違っておるようでありまして、私は総合通信網を提供する際にテレビ電話にもし同軸ケーブルが使われるならば、その同軸ケーブル自身を同時にCATVにも使い得る道があるのじゃないかということを話したのでございます。
  〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
#114
○久保等君 テレビ電話をやるとすれば、昭和四十八年ごろになるであろうという総裁のお話なんですが、その問題といま言った総合通信網同軸ケーブルの問題と、これは同じ時期をお考えになっておると思うのですけれども、そうすると四十七年度末までの第四次五カ年計画の中での計画ということに具体的にはなりませんか。しかし工事をやるにはもちろん相当な年月を要するわけでありますから、やはり四十七年の第四次五カ年計画の末ごろあたりにやはり頭を出すような計画としてお考えなんですか。そのあたりの時期的な問題について伺いたい。
#115
○説明員(米沢滋君) 先ほど申し上げました一メガにするか四メガにするかという判断を下すのは、私はちょっと一年くらいでは無理じゃないか。もちろんいわゆる外の線につながらない、たとえば公社の中であるとか研究所の中でやっているということは、すでにやっておるのでありますけれども、四十七年度程度にはやるにいたしましても、ごく地域を限って、いわゆる社用試験という程度でやって、本格的に料金を取ってやる時期は四十八年度以降にしたいというふうに思っております。
#116
○久保等君 それから話がまた、きわめて現実的な問題になるわけですが、電話の積滞、これが非常に――需要が従来より以上にどんどんふえてまいりますから、結果的にはむしろ積滞になる数が多くなるというような問題もあるわけですし、いま言ったように新しい、今後の新規的な仕事もおやりにならなければならぬことですが、いずれにしても資金の問題が一番大きな問題になってくると思うのです。年々歳々電話の増設を中心にした建設計画に対して、電話債券を非常に多額に発行いたしまして資金の調達をはかっておるわけなんでありますが、この資金の面で見た累積債務は、昭和四十四年度末あたりではどの程度になりますか、あるいは数字的にどうなっておるかわかりませんか。
#117
○説明員(中山公平君) 四十四年度は、まだ決算が出ておりませんが、予定でございますけれども、四十四年度末で固定負債の合計は一兆七千七百三十五億円、これくらいの数字に相なる予定でございます。
#118
○久保等君 そうすると、四十五年度末では二兆円をこすような累積債務になりますか。
#119
○説明員(中山公平君) そのとおりでございまして、二兆を少しこしまして二兆百十七億円程度になる予定でございます。
#120
○久保等君 債務償還の金額を見ましても、昭和四十四年度では五百億余りだったと思うのですが、それが四十五年度の予算を見ると、千三百億をこす債務償還の金額になっておったと思うのですが、いずれにしても、四十五年度あたりを境にして非常に急激に従来の電話債に対する償還をしていかなければならぬようなことになってまいっておるようですが、こういったようなことを考え、さらに爆発的なというか、たいへんな需要のある電話、さらには長い間の、多年の懸案である、先ほど来私のお聞きした加入区域の統合問題であるとか、あるいはそのほか新しい事業等もどんどんやっていかなければならぬということになってくるとなると、たいへん膨大な資金が今後必要だと思うのです。したがって七カ年計画をかりにおつくりになるにしても、一体不可分の裏表になる問題は、資金の確保をどうしていくかという問題だろうと思うのです。非常に電電公社の経営は今日まで順調で、したがって弾力性を持っておるという一般の評判であり、判断だと思うのです。しかし、おのずから限度があるわけでして、したがって長期的な計画を立てようとお思いになればなるほど、この問題が一体どうなるか。ここに成否が私はかかっておるのではないかと思うのです。したがって先ほどちょっとお話のあった拡充法の期限が昭和四十七年度末で切れることになっておりますが、これはもともと昭和四十七年度未で大体電話の積滞は解消するという一つの計画とも、一応前からの計画から言えば、符節を合わしておったわけですから、時期的にも一つの区切りであったと思うのですが、今日ただいまになってみると、この積滞解消問題一つをとらえてみましても、そうなっていないということになってくると――総裁のほうから先ほど拡充法の期限を延長したいというお話があったが、しかし、これはもちろん法律改正を要する問題ですから、その問題と一体不可分の問題として、さらにその他の一体資金をどう確保して、総体としてどういう計画になるかという問題が非常に大きな問題だと思うのです。料金体系の問題もありますが、体系は体系として、理論的には別個の問題だと思うのですが、とにかく、そういう非常に重要な問題をかかえて、七カ年計画を近々おつくりになるような話なんですが、七カ年計画といっても、厳密に言えば七カ年構想という程度を出ないんじゃないかという感じがするのですが、総裁いかがですか。
#121
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。七カ年計画を先ほど申し上げましたが、八月末の時点までにまとめたいと思っておりますが、その際に、いわゆる第四次五カ年計画に入る四十六、四十七年度は比較的こまかく、それから四十八年から五十二年に至る五カ年につきましては、少し荒くつくりたいと思っております。しかし、先ほど御質問がございましたように、問題はやはり資金が一番問題であります。これをつくる技術力とか、あるいは工事力とかいう問題につきましては、これは私十分やれると思います。資金につきまして、まず問題になりますのは、全体の建設投資の中で三〇%以上をいわゆる拡充法による加入者に――電話をつける方に負担していただいております。公社債を持っていただいております。加入者債券を持っていただいておりまするが、三〇%以上を占めておりますから、まず四十七年度末で切れますこの拡充法を、四十八年度以降に延長していただきたいというふうに考えておりまして、先般予算委員会で御質問がありましたので、そのように政府にお願いしたいと思いますということを答弁したのでありますが、そういうふうに考えております。
 その次に問題になりますのは、電報事業というものを今後どんなふうに合理化するか。これまでに、すでに全国の三十局にわたります中継局を自動化いたしまして、あるいは配達区域を統合することによりまして、第一次の合理化を完成いたしたのでありますが、しかし、電報事業につきまして、もう一度これを広い視野で見直していくということが、第二の問題でございます。
 それから第三は、先ほどお話が出ましたが、加入区域の統合問題でありまして、これは四次計画の中では、いわゆる同一市町村内に限定しておるわけでありますが、七カ年計画の範囲ということになりますと、必ずしも同一市町村じゃなくて、あるいは非常に密接な関係がある経済圏をどうするかという問題がどうしても出てくる。それをやる場合になりますと、もともとこの加入区域の合併は、普通ならば建設投資をいたしますと必ず収益を生むわけでありますけれども、この際は、建設投資をすると、それがプラスとマイナスが逆になりまして、かえって減収になる。ですから、直接非常に大きな財政的な痛手を受けるわけであります。しかしまた、公社としては、これはやはり国民の要望に沿ってやらなければならぬようなことでありまして、それをどの程度にやるかということが、七カ年計画の中の構想の非常に重要な要素でございます。したがって、その際に、たとえば、度数料を七円のものを十円にするものとか、あるいはまた、その他いろいろ新しい構想も入れまして、そうしてこれを七カ年計画の中でどんなふうにやったらいいかということも、いろいろ今後また検討をしたいというふうに考えております。
#122
○久保等君 ちょっと話がこまかくなるのですが、たまたまいま総裁の話の中に、電信、電報の問題が出ましたが、電報の中で、一般の利用、一般の電報と、それからテレックス加入電信とありますが、これの収入、支出面の、何といいますか、内訳ですね、テレックス関係はどうなるか。それからその他の一般はどうなるか。金額をちょっと御説明願いたいのですが、最近のデータでけっこうです。
#123
○説明員(好本巧君) 電信の中で、加入電信と電報との、収入及び支出を私どものほうで分計試算した数字を申し上げますと、四十四年度は現在取りまとめ中でございますので、四十三年度の数字で申し上げますと、電報では四十三年度の収入が八十六億円でありまして、支出が五百六十三億円でございます。したがいまして、差額が四百七十七億円で、赤字でございます。収支比率にいたしますと六五六%。それからテレックスの加入電信のほうでございますが、四十三年度の収入が八十六億円でございます。支出が九十一億円でございまして、収支の差額が五億円で赤、収支比率は一〇五%というふうになっております。
#124
○久保等君 わかりました。テレックスのほうでもやはり赤字ということで、電信はいずれにしても電信電話事業という公社の経営の中では、たいへんな経営の面では苦しい負担になっていると思うのですが、そういうことを含めて今後の全体的な施策をお立てにならなければならんと思うのですが、私はそれで総体についての結論的な一つの意見として申し上げたり、あるいはまたお伺いもしたいと思うのですけれども、先ほど来、伺った範囲内においても、たいへんな今後の課題を控えて、第四次五カ年計画のまだ途中でありますが、修正七カ年計画ということばを借りていえば、この七カ年計画をどう立てるか。あるいはさらにまた、その次の長期計画というふうなことも考えなければならん。非常に一面からいえば、上り坂の電信電話事業ということもいえると思うのですけれども、一面からいえば、また非常に時代のテンポにまだまだマッチしてない、追いついておらないという状態だと思うのです。こういうことは、日本の国内の産業の中でも私はあまり例がないのじゃないかと思うのです。もちろん多少のズレというのはあるかもしれんが、特に電話の場合なんかを例にとって考えると、だんだんだんだん目標が遠のいていくというか、だんだんだんだん高くなっていくという形で、四十七年度末には一応ゼロになるだろうという考え方だったのが、四十五年度末には約二百八十万くらいの積滞が――積滞というか、申し込み数が出るだろうというような御説明があるようでありますが、そういった点も考えると、何としてでもこのことだけは早急に解決する。それにプラス、だんだんと新しい新規的なデータ通信等の問題に取り組んでいかなければならない。あるいは先ほど総裁からお話のあった同軸ケーブルのようなものもやっていかなければならん。これは全くたいへんないろいろの事業をやっていかなければならんと思うのです。
 しかもこのことが、非常に大きな、あらゆる方面の一つの原動力になってまいると思うのです。言論、報道、あるいは文化、政治、経済方面の一つの大きな牽引力というか、先導力というか、非常に大きな力になっていくと思うのです。ですから、これを単に日本の経済社会発展計画といったようなものと相並行していかなければならんという立場ではなく、そういう計画そのものを一歩も二歩も先に立った形で進めていかなければならない、これは事業だと思うのです。昨年もそんなことをちょっとこの逓信委員会で申し上げたことがあるのですけれども、一般の総合的な国家の経済計画と相並行しながらという問題ではなくして、私は一歩、二歩先に出ていかなければならん責任を持っていると思うのです。そういう実態というか、そういう責任から考えると、いまのテンポはまだまだ要望に沿い得ていないという感じがいたします。そういう点からいかにこの長期計画をほんとうにしっかりしたものにしていくかということについては、非常な御努力を願わなければならん。
 郵政大臣にひとつお伺いしたいと思うのですが、先ほど来、総裁はじめ公社のほうからいろいろお伺いしたのですが、結局、結論としては非常に激動する情報化社会の中にあって、電信電話事業というものがどういう役割りを果たさなきゃならぬかという新しい情勢のもとにおける問題と、それからさらに電話の積滞に示されるように――昔からとにかく何とか積滞を解消しよう、しようと思って毎年計画以上のことをやるのだけれども、結果を勘定してみると逆に予定以上にむしろ電話の積滞がふえるというような点、これはやっぱり結局、やることはもう大いに計画以上のことをやっているんだけれども、なおかつ時の流れというか、いまの日本の経済発展のテンポには追いついていけないということがはっきり具体的に私、指摘できると思うんですね。そうだとすると電電公社では予定以上にやっておるのだから、よくやっているということが一面からは言えるが、しかし情勢の変化にはまだまだ適応できないテンポでしか伸びておらないということが、結論的に言えると思うんです。それは毎年毎年、計画そのものも非常に無理をしてやっているが、根本的な問題が解決していない。すでに御存じだと思いますが、数年来問題になっている、要するに、建設資金をいかにして確保していくかという問題なんです。一昨年から設備料の値上げを行ない、若干の建設費にこれが回ってまいっておるわけですが、これとてもほんの一部にすぎないという状態なんです。そこで根本的に今後、長期的に七カ年計画をつくるにしても、さらにまた、そのうしろがあるのだけれども、当面七カ年計画というものを策定していても、これに要する建設資金というものは従来程度の考え方では処理できない問題があるだろうと思うんです。したがってこれは郵政大臣単独で解決できる問題ではありませんけれども、内閣自体がもう少しやはりいまの電信電話事業と、それから経済発展、あるいは国民の要望、そういうものとにらみ合わせたときに、いままでのような態度ではいけないんだ、もう少し積極的に財政的な面での手当てをしなければならぬということを、ぜひ痛感をしていただかなきゃならぬと思いますし、同時に手を打っていただかなければならぬと思うんですね。これについての方法論はいろいろあるでしょう。方法論まで私は触れてここでは申し上げませんけれども、電信電話事業というものがそういう実情にあることは何人も否定できない。電話が年々歳々――電話一つとってみても二百八十万だとか、三百万だとかたまっておって、結局申し込んでも、ところによれば、いまでも三年ぐらいかかるという。こういうのは公共事業としてはおそらく他に例がないだろうと思うんですね。そのことがいろんな面におけるマイナスであることはもちろん申し上げるまでもないことでございますが、今日は自家用自動車にしても御承知のように爆発的なふえ方をしているのですが、ぜいたく品でも何でもない電話が思ったようにつけられない。つけてもらえないということでは国の事業としてやっている電信電話事業という立場からいうと、私は、これはもう政府そのものの大きな責任だと思うんですね。だからぜひひとつ、こういったところを――公共企業体というとすぐ国鉄を引き合いに出してきて、国鉄に比べれば断然いいんじゃないかという。確かに比較論からいえばいいんですけれども、しかし、確かに責任と任務という面からいえば全然また違った、いま申し上げておるような問題があるだろうと思うんですね。そういう点を大臣、就任してそう間がない井出郵政大臣ではございますが、ぜひ――私はちょうどこれまた、もうしんぼうし切れない極限にきているような感じがします。というのは私、これからちょっと申し上げたいと思っているのは、かつて電電公社で電信電話調査会というのに、昭和三十九年に長期計画に基づいて諮問をいたしまして四十年に答申が出ておる。その答申そのものが実現もされないで今日に及んでいるという問題があるわけですが、中身は主として建設資金、これは中身は料金値上げの問題が中心にあったのですが、そのほんの一部の設備用が、一昨年、法改正になって実現しているのですけれども、いずれにしても、そういうような形で取り残されているというところに問題があるのです。したがって、この資金確保の問題について格段の御努力なり英断を政府としてぜひいただかなければならぬ時期にきていると思うのです。これについての郵政大臣のひとつ御所見をちょっとこの際、伺っておきたいと思います。
#125
○国務大臣(井出一太郎君) 何もかもわかっていらっしゃる久保さんのこの問題に対する御指摘でありますが、おっしゃるとおりだと思います。家は建った、車は買えた、カラーテレビは入った、電話は私ども一番不自由をしているという状態は、これはほんとうにほうっておけないと思います。しからば、どこに一体、隘路があるか。やはり何といっても資金量の問題が一番中心だと考えております。そんなことで先般も、新経済社会発展計画を策定する際にも、佐藤新長官とこの問題もやはり協議いたしました。あるいは自民党のほうにも植竹さん中心で電信電話の調査会を持っていてくださいます。こういった方面とも十分ひとつ話し合いをいたしまして、いまおっしゃるPRが足らぬという点も確かにあろうと思うのです。そういう点にひとつ思いを新たにしまして、いま御指摘のような各方面でひとつこの突破口をつくり上げたい、こういう心がまえで臨む所存であります。
#126
○久保等君 大臣は、何といってもこういう重要な責任のある立場ですし、お願いしたいと思っております。特に郵政大臣と電電公社の関係を言えば、電電公社は申し上げるまでもなく公共企業体、いわば独立採算制という形で、政府が直接やられる事業とは違った意味で、ある程度の自主性と、それから経営努力をしなければならぬことになっているのですが、郵政大臣はしたがって、大蔵大臣と相並列してその監督、財源の問題については確保できる立場にもあるわけです。単に、すべては大蔵大臣の双肩にかかっておるという立場ではない、非常に重要な立場が郵政大臣の立場だと思うのですが、そういう点でひとつ御努力をいただきたいと思います。
 それで私、非常に大きなこういう問題でありますだけに、一体、七カ年計画というものをつくることについても、前には、先ほどちょっと申し上げましたが、佐藤喜一郎さんが会長になった電信電話調査会というものを持たれて計画をつくったこともございます。しかし、これが一〇〇%日の目を見ないで終わっておるのですが、やはり、これだけ大きな問題について国民なり、それから政府はもちろんのことですが、各方面の深い理解をぜひ求めることが必要だろう。そういう点では公社だけで計画をお立てになるということよりも、私はやはり、それこそできるだけ広範な権威のある方々を集めた調査会、したがって、ことばをかえて言えば民主的なというか、そういう調査会というようなものをつくって、そこで検討をする、あらゆる角度から検討をするというような練り方をしていって、結論を出すというようなことが非常に必要じゃないかと思うのです。
 これは、総裁にお伺いしたいと思うのですが、この前の調査会をつくられたときは、たまたま総裁は副総裁のときであったと思うのです。なくなられた大橋総裁が諮問せられたと思うのですが、非常に大きな問題、非常にまた国民に直接利害のある問題であればあるほど、何らかそういう権威のある、しかもこの前の佐藤調査会をそのまま私は再現するというようなことを申し上げているわけではありません。もう少し何といいますか、広範な人たちに参加を願い、いわば民主的な、しかも権威のある、調査会といわれるに値するような調査会をつくり、そういったところで十分にひとつ各方面から検討していただく、そういったような形の練り方をしていって結論を出していくということが、非常に大事ではないかと思うのです。しかし、総裁がさっきお話しになったように七月、八月ということになってくると、これはとても間に合わないと思うのですけれども、しかしそれはまあ、できるだけ早いにこしたことはないのですが、さればといって、中身はやはり国民や各方面からの理解なり協力というものが得られないのでは、これは困るわけです。できるだけ説得力を持たせるという意味合いからいっての調査会、しかも単なる前の佐藤調査会の復元という意味ではない、いま私が申し上げたような調査会をつくられて、検討していったらどうかというふうに考えるのですが、総裁の御所見はどうでしょう。
#127
○説明員(米沢滋君) 先ほど七カ年計画の際に四十六年、四十七年度はわりあいにこまかく、四十八年から五十二年は荒くということを申しました。いまの調査会をつくるかどうかにつきましては、さらに公社の内部の準備の問題等もございますので、それらも考え、また公社には経営委員会もございまして、いろいろ経営委員の方の意見も伺いながら検討いたしたいと思います。
#128
○久保等君 それでは時間があまりありませんから、違った問題に移っていきたいと思います。
 それは、有線放送電話と公社線との接続の問題について若干お伺いしたいと思うんです。これはかねてからの長い間の懸案でございまして、いわゆる三十三施設といわれる問題です。法律を途中で二年ばかり延長したりなどしながら、現実の三十三施設ある全国中継のできる有線放送電話の解決をはかってまいった経過もあります。その二年間の期限も一昨年の暮れで切れて、さらにその後公社として一種の便法といえば便法ですが、特殊な乙種地団といったような扱い方をし、これを一年間というような便法としてやってこられたような経過もあります。さらに年を越してことしになっておるんですが、状況はだんだんと、これは協力を願って三十三施設が三十になり、またさらにその後だんだん減ってはきていると思うんですが、しかしなかなかまだまだテンポはのろい、そういうふうに感ずるわけなんですが、一応まず最初にその状況について電気通信監理官のほうから御説明願いたいのですが。
#129
○政府委員(牧野康夫君) お答え申し上げます。
 有線放送電話の県外接続通話のうち、県外接続通話をやっておりますのは、いま先生のお話のとおり、三十三施設というものが特例として認められて、その後いろいろそれの法改正などがあって延長に延長を重ねてまいりまして、去年の末までに約七施設がそれぞれ地域団体加入その他で普通の有線放送電話等に変わりまして、いわゆる特例として認めております特例地域団体加入というものからはずれてきているわけであります。そこで去年の末、諸般の情勢からなお全般の解決を見られないので、ことしにその解決を延ばしまして延長しております。で、本年はこれの解決に最大の努力を払ってまいりたいというふうに存じておりまして、いままでは全体をまとめて解決しようという努力をしていたのでありますが、いろいろ個々の施設によってそれぞれ事情がございますので、その事情に従って個々に、ケース・バイ・ケースにこれを解決していく方向で極力努力している次第でございます。
#130
○久保等君 すでに片づいたのが三十三施設のうち七施設という御説明だったのですが、同時にほぼ話としては片づいておるというようなものもあれば、あわせてひとつ伺いたいと思います。
#131
○政府委員(牧野康夫君) そのほか、これは話が進んでおりましてすでにそのほかのいわゆる農集その他に変更になろうというものが五つございますので、合計十二、三十三引く十二で二十一施設がまだ未解決ということになろうかと思います。
#132
○久保等君 われわれ国会の場から見れば、非常に不満なんです。これはもう法律そのものを二年間延長したり、それから便宜措置でやらざるを得ないというようなことも、これはもう非常に私残念に思うわけなんです。しかし現実の問題は、現実の問題としてやはり考えていかざるを得ないと思いますし、目をつぶるわけにはまいらないと思っておりますから、われわれもできるだけ国会の場ではありながら側面的に何とかスムーズに問題が解決をして、新しい体制に移行していけるように努力もしておるつもりなんですが、監理官のほうから全国の電波監理局長等にも通牒等を出されていろいろ御苦労されておる点は、まことに心から御同情申し上げますと同時に、労は多といたしたいと思います。監理官はじめ関係の方々が非常に御苦労になっておるわけですが、問題は――いま監理官のお話にあったように、現場におけるケース・バイ・ケース、状況等を一つ一つ十分にくみ上げながら、その地域の御希望もできるだけいれながらやはり解決をして、移行をしていく以外にないと思うのです。だから千編一律、十ぱ一からげのように解決できる問題ではない。このことから考えても、これはちょっと話が横道にそれますが、これは電電公社が試行できる条章があって、これに基づいてやられることはけっこうなんですけれども、試験的に、試行的にやられることについて、やはり見通しも持ちながらぜひやってもらいたいと思うのですね。有線放送電話の接続問題がいい例だと思うのだけれども、実に何というか、われわれ国会自体も一緒になって長い間苦労しているのですが、必ずしもわれわれがここで立法なり、あるいはまた質疑応答をしている気持ちが素直な形で下部に伝わっていないという実情もあるわけです。したがって、公社がやられる場合にも、試行とはいいながら、そういった点については一つの見通しを持ちながら扱っていただきたい。このことをこれはここでは余談のような話ですが、お願いをしたいと思うのですが、この問題についてはいま監理官のほうからお話があったように、各地域の実情に応じたように一つ一つこれは解決していくようなことで、一そうのひとつ御努力を願いたいと思うのです。ただ残念といいますか、最近も陳情、請願等が国会に出てきておりまして、できればひとつさらに延長してくれぬかというような話もあるのですけれども、これはもう法律的には一昨年の暮れで切れた問題です。いまはもう便宜的な経過措置として、事実がただ存在するがゆえに、それを何とかひとつ過渡的な問題として、早期に根本的には法の趣旨にのっとって解決をすることを前提にして、過渡的な段階としてだけの便宜措置を認めていこう、国会のわれわれは公式でいえば目をつぶっている、行政措置でひとつしかるべく過渡的な側面についてはやってもらいたいというのが、われわれの正式の気持ちであり立場なんです。
 そこで、現実に行政的に解決をしていかなければならぬ立場にある郵政大臣、直接やられるのは監理官はじめ担当者の方々ですが、通牒を出されたその通牒の写しも私は拝見したのですが、問題はこの趣旨なり考え方というものがほんとうに農村の直接この電話に加入しておられる方々に浸透しているかどうか、また理解願っておるかどうか、ここらに一つは私懸念を持つわけなんです。たいへんな御苦労を願っておるのですが、ぜひひとついま一段と直接の加入者の方々、有線放送電話をお持ちの方々の直接なまの御意見を反映させながら、これに対する対策、対応措置をとっていくように、ひとつ一そうの御努力を願いたいと思うのです。
 それで、ちょっとお伺いしたいのは、あと残されておりまする二十一施設の中に、これまたいろいろ多種多様だと思うのですね。それからまた、それぞれの二十一施設の加入者の方々のお考えもいろいろ硬軟とりどりだと思うのです。しかし、硬軟とりどりの中で一番かたいほうにしても、一体話はいろいろやっておられるのかどうなのか、話らしい話もまだできていないのかどうなのか、その一番かたい、硬のほうの状況を、一つ一つでなくてもけっこうですけれども、大体どういう状況なんですか、話し合われた状況は。
#133
○政府委員(牧野康夫君) すべてただいま先生の御指摘のとおりなんでございまして、一番固いと申しますか、頑強なと申しますか、十施設ほどあるのでございますが、これといままで話し合いが十分でなかったきらいはございました。そこで今年に入りましてから十分話し合えるように、郵政側といたしましても幹部を出し、電電公社のほうも代替措置はこういうものがあるということを向こうの身になって親切に説明して、それを繰り返していくという努力を重ねていくように指示いたしまして、まだ顕著な成果は出ておりませんけれども、これからおいおいその努力を重ねて、これが解消していくものだろうと期待はしておりますが、とにもかくにもわれわれの努力が最大の一つの問題でございますので、努力を重ねてまいりたいと存じております。
#134
○久保等君 なかなか理屈どおりにもいかないことはよくわかりますが、私はぜひ、いま十ぐらいと言われておりますが、そういった方面には積極的に出かけていって、しかも非常によく事情のわかっている関係の方が行かれて、よく事情を私は話してもらえば、全くわからないという方はおそらくいないんじゃないかと思うんです。もちろん出かけていかれる方だけの努力で片づく問題でもないかもしれませんけれども、電波監理局長なり、地方電波監理局長のところへ来てもらうということだけじゃなくて、こちらから現場のほうへ出かけていって、関係者の方々に集まっていただき、そういったところにとにかく飛び込んでいって積極的に話をする、こういうような形でぜひお願いしたいと思うんですが、通牒もちょっと写しを見ましたが、まことに当然のような文言であるしするんだが、はたしてこれが実際の施設者、加入者の方々にそういった話が届いているのかどうかということになると、ちょっと私も懸念なしとしないんですが、ぜひひとつ――私もだから施設者の方面には私自体の考え方なり、いままでの経過も話をしてまいっております。あくまでも電信電話事業というのは国民の電信電話事業であるし、電電公社のやっておる電話も、もちろんこれは国民のための電話でありますから、電電公社のためにはなるが、地方のそういった方々のためにはならぬという電話ではないんです。だから、よく話をしてくださればわかることだし、有線放送電話自体を長くやはりやっていくということになれば、長い目で見た経費というのはたいへんな膨大り金がかかるわけですから、実に一面からいえば経済的な問題からいってもばかげた話だし、もちろん施設の面からいえば、どうしたってうまくないことははっきりしているわけですから、そういったような状況をよく話をしていただいて、十ばかり特にむずかしいと言われる方面についてもぜひ納得をしてもらう、理解をしてもらうということに、ひとつぜひ電電公社、それから郵政の電波監理局、この方面でひとつ御努力を願いたいと思いますし、そのことは単に本省あるいは本社というんじゃなくて、実際の施設されている現地の方面に手を積極的にひとつ出していただいて、話し合いを進めてもらいたいと思います。
 それでとにかく早急に解決できますように、個々の問題をこまかく検討してもらって、きめのこまかい対策――対策というか、代替措置を考慮しながらひとつ話し合って解決をしてもらいたい。非常にくどいんですけれども、これは数年がかりでくどいくらい話をしてもなかなか進まないものですから、私はきょうもちょっとお尋ねかたがたお願いしたいと思うんです。特に最近これについて若干の動きもあるものですから、私この機会に指摘をして、お願いをしたいと思うんですが、監理官のほうから一言……。
#135
○政府委員(牧野康夫君) 数年にわたりこの問題の解決がいまだにできないということは、ほんとうに遺憾でございます。ただいま先生のおっしゃいましたところはごもっともで、われわれ全員、中央も地方もあげて施設者のところに出向き、そうしてそれらの実際の事情をそれぞれ状況に応じてよくわれわれも理解して、それに対応する代替措置を発見して、それが彼らのために親切になるようにぜひ努力を重ねてまいりたいと思います。
#136
○説明員(武田輝雄君) いま監理官からお話のありましたように、三十三のうち十二はすでに片づき、十が近く解決の見込みで、残る十一が糸口がついていないわけでございますが、公社といたしましても監理官とよく打ち合わせて一生懸命やりたいと思います。特に通信部だけでなしに、通信局の営業部長が直接現地へおもむいてやるようにということでやっておりますので、最近になりまして、いま申し上げましたような状態になっておるわけでございますが、正直者がばかを見ないということにするためにも、ある糸口のついていない十一局につきましては、電波監理局とよく打ち合わせをして、通信局の営業部長を督励いたしまして早く解決するように努力したいと思います。
#137
○久保等君 それはそれでぜひお願いいたします。同時に、郵政大臣のほうでも十分そういう事情をお考え願って、ひとつ督励方をお願いをいたしたいと思います。
 それから最後に、私、劈頭にもちょっと触れましたが、公企体労働組合が明日全日ストとか何とかいうことも言われておるのですが、春の賃上げの問題が非常に重要な時期を迎えておるわけです。明日のそういう事態等も予想されるような段階で、公社当局も公社の職員の給与問題でもありますしいたしますので、全電通の労働組合とたいへん積極的にこの問題に取り組んで努力をされておることは、私もおよその事情は知っております。特に本年の場合には、先般あの四月の末に一応昨年並みという有額回答を公社、労働組合との間の話し合いで出されたことは、私は従来の経過から考えると、一つの非常に大きな進歩だと思います。昨年あたりは語るに落ちるような金額を示して、有額回答だといえば有額回答かもしれませんけれども、これは常識的に考えても問題にならないような金額を示して、形ばかりの団体交渉をやっておったのですが、今年は金額の多寡は刑としても、まず昨年並みの程度にしろ、ある程度まとまった金額を提示して、少しでも何とか話を前進させようという御努力をされたことは一つの進歩だと思って、その点では敬意を表します。ただしかし、昨年並みであって今年はいいのかどうかということになれば、これはまた客観的にわれわれがながめても、物価は非常な上昇を相変わらず続けておる。それからよく比較される民間給与にいたしましても、今年は昨年に比べても相当大幅な賃金の値上げが行なわれたということを考えますと、昨年並みということで済まされないということも、これまた常識的に私は言えると思うのです。いずれにしろ、そういう中身をもって、とにかくここまでやってきたわけですが、最後のそれこそ大詰めになってきておると思いますが、ぜひとも何とかひとつ最悪の事態が起こらないような形に、これは公労協全体に対して対処を政府として願いたいと思うのですが、きょうは逓信委員会の席上ですから特に全逓、全電通の労働組合に対する問題としてぜひひとつ解決をするように――しかも具体的な方法としては、昨年までは、よく最後のどたんばで仲裁裁定というところに持ち込んで、第三者機関の、しかも法的拘束力を持ったような結論に基づいて、労使が不満だけれども従っていくというような解決が、昨年までの状況であったと思うのです。しかしできれば、何とかやはり労使双方話し合って結論としてまとまった、お互いに非常な紆余曲折はあったけれども、結論としては話し合いで、団体交渉で解決したという形を私は何とかしてとるべきだと思うのです。そういう最後の、時間的にも最後になっておるわけですから、きょうの質問もできるだけ予定よりも早めて私打ち切りたいと思っておるのですが、どうでしょうか、ほんのわずかしか時間のない段階なんですが、何とか労使の間で話し合って解決をして、もちろん調停に出しておりますから、形の上からいえば調停委員会の調停という形になるかと思いますけれども、しかし仲裁裁定という、そういう拘束力を持っているからしかたがないから従うのだという形じゃなく、いまの調停段階での労使の間における話し合いでこの問題は片づけるということで、御努力を願いたいと思うのですが、全逓の関係についてはひとつ郵政大臣からお伺いしたいと思います。電電公社の場合については、これは総裁からお答え願いたいと思います。大臣には、まあ総裁に対する関係も無縁ではございませんから、当然あるわけでございますが、ひとつほんとうの意のあるところをお聞かせ願いたいと思うのです。
#138
○国務大臣(井出一太郎君) 郵政のほうと電電のほうと両建てであるわけでございますが、先般も総裁にはこの問題についてじかにお話し合いをいたしておりますが、したがいまして、できるだけいま言われるような、調停段階で事がきまればという持持ちを持ちつつ臨んでおるわけでございまして、久保さんの言われますように、ともかく有額回答で一歩前進だと言われますのですから、さらに錦上花を添えるような形が生まれることを大いに期待しておるわけでございます。
#139
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。ただいま郵政大臣からお答えがありましたが、公社といたしましても、調停段階において実質的に決着するということが望ましいというふうに考えております。
#140
○久保等君 まあ、こまかい話はいたしませんし、またこれは労使双方でそれこそ話し合ってもらう問題ですから、私も御要望だげ申し上げて終わりたいと思うのですが、ぜひひとつ百尺竿頭一歩を進めて、労使の間で話し合って結論がついた、結論をつけたということ自体も、これはまた金額の多寡にかかわらず、私は一つのいい先例をつくることになると思うのですね。年々歳々同じようなことを繰り返して、結局、労使双方では解決する能力がない。したがって仲裁裁定というものが出たから、しぶしぶとにかく従おうじゃないかというような結末は、あまりにもお互いに自主性のない、だらしのない話だと私は思うのです。しかも有額回答、昨年並みという回答をなされた上に、若干のものをどうするかという程度のことが、金額的に言えば焦点になっているの問題だと思うのです。そうだとすれば、もちろん企業によっては、それぞれのまた内部事情も財政的にはあると思うのですが、だからそういう若干のことについては、あくまでもやっぱり労使の自主的な判断において解決する、人の手をかりずに、お互いにひとつ自主的に解決しようじゃないか――解決させることが、これはまあ日本の労働行政の立場からいっても、私は非常に必要なことだと思うのですが、直接大ぜいの従業員をかかえ、また大きな労働組合を交渉相手にされる郵政大臣並びに電電公社の総裁、いまお話のあったような方向で、ぜひ結果がそういうふうになりまするように格段のひとつ御配慮、御努力をお願いしたいと思います。錦上花を添えるか添えないかという問題を、ぜひひとつ郵政大臣と公社の総裁に重ねて要望いたします。お願いいたします。
 これで質問を終わります。
#141
○塩出啓典君 それでは、データ通信に関する回線の自由化の問題につきまして、二、三お聞きしたいと思います。
 まず最初に、郵政大臣にお聞きしたいと思うのでありますが、公衆電気通信法の改正が本国会に未提出で終わったわけであります。この問題については他の委員会等においても問題になって、多少重複する点もあるかもしれませんが、昨年五月の産業構造審議会の答申においても、また昨年十一月の郵政審議会の答申においても、回線の自由化というものが強く主張され、特に郵政審議会の答申においては、できるだけすみやかに実施できるよう法制上その他所要の措置を講ずる必要があると、そのようなことをやはり述べておるわけであります。まあわが国の法制上の不備のために情報処理産業の進展がアメリカに比べても十年のおくれがある一つの原因である、そのようなことをわれわれも聞くわけでございますが、そういう点、私たちも立法府の議員の一人として非常に責任を痛感しているわけでございますが、私は郵政大臣として今回この法案が提出できなかった、そういう点についてはどのようなお考えを持っておられるのか、それをお聞きしたいと思います。
#142
○国務大臣(井出一太郎君) 二つの審議会の答申が昨年ございました点、いま御指摘のとおりでございますが、われわれとしましては特に郵政審議会の答申に重点を置きまして、その線に沿って公衆電気通信法の改正を企図したわけであります。問題は何といたしましても、この国会の短い会期というものにしばられまして、特に新しい分野の問題でございますので、関係方面といろいろ調整をしなければならない状況があったのでありまして、しかも提出法案最終締め切りが三月の二十日、こういうことでありましたがために、どうしてもその最終閣議までに間に合わせることが不可能な状態にあったということで、残念ながら見送ったわけでございます。しかし、それはそれとしまして、これはいつまでもほうっておける問題でございませんから引き続いて検討を重ね、なるべくすみやかにこの処理をいたしたいという考え方で、ただいまおることを申し上げまして、お答えといたすわけでございます。
#143
○塩出啓典君 この改正が行なわれなかったために、情報処理に関する産業の前進にとっては非常にマイナスであった、そういうことが言われておるわけでございますが、郵政省としてはそういうことを認めているのかどうか、こういう法案が通っても、通らなくてもあまり関係ないのか、やはり早く通すべきものが通らなかったと残念に思っているのか、この点担当の人から……。
#144
○政府委員(牧野康夫君) お答え申し上げます。
 この通信回線と電子計算機とを接続してやる、いわゆるオンラインの情報処理というものの要求がだんだん高まってきております。そこでいま先生の御指摘のように、現在の公衆電気通信法ではこれを十分にまかなっていくことができないので、われわれとしてはその現実の姿というものを見つめながら、しかも段階的にこれを処理していきたいという方針のもとで郵政審議会に大臣から諮問があって、この答申もいただいて、それに従ってやったんでございますけれども、いろいろなお考慮しなければならない問題が多々あると、大臣の御説明のような事情もあって、今度提案するまでに至らなかったことはまことに残念であったと考えております。しかし残念であっただけでは解決はないのでありまして、われわれは今後、いままでの状況をさらにレビューいたしまして、さらに多くの要素を取り入れて、よりいいものにいたしまして、わが国のデータ通信の発達と促進のためにさらに努力を重ねてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
#145
○塩出啓典君 それでは電電公社にお聞きしたいのでございますが、一つは、公社としてはこの法案の内容についてどのように考えておられるだろうか、それともう一つは、先ほどと同じ質問でございますが、この法案が通らなかったということは、今後情報処理、情報産業の前進に対してマイナスであったと考えておられるのか、この点お伺いしたいと思います。
#146
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。公社といたしましては、郵政審議会の答申が出た折りにも、この答申をぜひ尊重していきたいということでお話ししているわけでありまして、その点は郵政省と同じ考えでございます。それから法案は、私は国会をなるべく早く通したほうがよかったんじゃないかというふうに考えております。
#147
○塩出啓典君 それで、この現在の公衆電気通信法もすでに二十年もたっておるわけでございますし、当然やはりすみやかに時代に即応して変えていかなきゃならないことは、これはもう当然だと思うんですね。ところが、まあいろいろ利害の反することがあるわけですけれども、それでまた次の国会も同じようなことを繰り返してはならぬわけであって、私はやっぱりここで、郵政省として、通信回線の利用を制限しているあらゆる要因というものを、早急にやはり排除する方針をきめて――それもやはり一ぺんにはできないと思うんですが、
  〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕
やはりそういうことを段階的に内外の情勢に即応してやっていかなきゃいけない。そういう時期と方法、そういう明確な方針をやっぱりはっきり定めるべきだと思うんですよ、段階的な方法でですね。そうして、何としても必要なことは夜を徹してでも――夜を徹してということは徹夜してもということですが、徹夜しても通していくと、それだけのやっぱり熱意を持ってやらないと、何か三月二十日の期限に間に合わなかったといって――私は見ておって、これは非常に郵政省としても熱意がないんじゃないかと、そういう感じがするんですけれどもね。だからそういうひとつ長期的なタイムスケジュールを盛り込んだ、これはいろいろ各界の意見も入れなきゃならないと思うんですけれども、その方針に従って断固として前進していくと、そういうもっと強力な姿勢で前進してもらいたい。だから一つは、そういう長期的なスケジュールをつくるべきだと、それに対して大臣はどう考えておられるのか。もう一つは、今回時間切れで間に合わなかったような、そういうことではなくて、もっとやはり真剣に取り組んでいかなきゃならない。そのように私は主張したいわけですが、その点、大臣どうですかね。
#148
○国務大臣(井出一太郎君) 夜を徹してと言われましたが、事実夜を徹したこともあるんです。法制局との問題の最終の詰めの段階なぞは、これはほんとうに涙ぐましいものがあったことを私から申し上げておくわけであります。
 塩出さんのお立場としては、公明党として情報産業に関する基本法でございますか、これをお出しになったということも聞きました。そういう意味でたいへん御鞭撻をちょうだいするわけでありますが、その御趣旨を体して、いま言われるような線で、この問題と真剣に取り組む所存であるこを申し上げる次第でございます。
#149
○塩出啓典君 それで、この法案は今回見送られたわけでございますので、法案改正ということになると、こう次の国会になるわけでございます。そうなるとだいぶ時間的にはズレちゃうわけですね。まあしかし、社会というものは刻々前進をしいるわけでございますが、私は法案が通らなかったことはもう過ぎ去ったことだからしかたないとしても、法案の改正を待つまでもなく、その運用の面においていろいろ打つべき手もあるんじゃないかと思うんですけれども、そういう点で郵政省また公社として、具体的にどういうことを考えておられるのか、そういう点をお聞きしたいと思うんですが。
#150
○政府委員(牧野康夫君) お答え申し上げます。法案が通らなかったからやるという意味ではございませんけれども、現在の公衆電気通信法の中におきましても、十分その現在の状況に応ぜられるものはそれを一〇〇%生かしてやっていくということが、やはり時代の進歩に即応していくことだと考えまして、現在のところオンラインの情報処理、つまりデータ通信につきまして一つの企業があるグループを組んで共同して利用したいという場合、現在の法律でありますと、いろいろ国の機関とかあるいは地方公共団体とかいうほかには、緊密な関係のある企業相互間ということになっております。その緊密な関係ということについて、現在の状況に即応するように、近視的にこれを解釈するのではなくして、これを弾力的に解釈して、できるだけその企業のグループが活動のできる範囲に広げて運用してまいりたいと、そういうふうに考えて、公社からのそういう申し出に対しまして承認しておる次第でございます。
#151
○説明員(武田輝雄君) 現在、専用線につきましては単独専用が法律上のたてまえになっておりまして、共同専用が認められますのは六十六条に規定がございます。そしていま牧野監理官から答弁がございましたように、国の機関、地方公共団体を除きましては、「相互に業務上緊密な関係を有するためその間の通信を必要とする二人以上の者」というふうになっておりまして、従来この解釈につきましては、たとえば資本関係でほとんどまるがかりであるような親子関係くらいの資本関係があるところと、あるいは相互に委託契約を結んでいるというようなことで、親会社の仕事をほとんどそのまま自分全体の仕事にしておるといった親子関係のような緊密な関係がある場合にのみ共同専用を認めてまいったわけでございますけれども、オンラインのデータ通信の利用に伴いまして、そういった事態に対処いたしまして、現在の公衆電気通信法の範囲内において解釈によって広げられる部分は広げるということでございまして、公社としては第一には資本関係を五〇%以上といたしておりましたのを二〇%以上というふうに改めまして、これは会計法――いろいろの法律におきまして相互に関係のある企業というのが大体二〇%というふうなことになっていることもございますので、一つはそういう点を改めました。それから従来は企業全体が緊密な関係がなければならないということになっておりましたが、たとえば銀行の預金業務のように、ある銀行とある銀行とが、具体的に例をとりますれば、三井銀行と平和相互銀行は相互に預金について業務提携を結びまして、夜間営業をいたしております平和相互銀行の店舗で三井銀行の預金者が預金を払い出せるというふうな業務提携をやっておられますので、その提携された預金業務のために使われるのならば、その提携された業務については共同専用を認めようというふうなことで、企業全体じゃなくて、その業務について関係があれば、その業務に供するものは認めようということで、この二つの点の運用を緩和したいということで、郵政省に承認を求めまして、現在それでやっておるわけでございます。しかしまあ現実には、三井・平和にいたしましても何か事情ありとみえまして、申し込みがいま出ておらない状態でございますけれども、運用解釈といたしましては、その二点について緩和をはかっておる次第でございます。
#152
○塩出啓典君 ただいま、そういう第六十六条の規定の解釈で運用を広げた、このことをいま御説明いただいたわけでありますが、私は、なぜそのように制限を設けなければならないのか。そういうような共同利用というのは、共同利用したほうがよければ大いに共同利用――制限などはなくして自由に使えるようにしたほうが、より使用者のためにもなるわけだし、産業の育成にも役立っていくのじゃないかと思うのです。だいぶ緩和されましたけれども、依然としてそういう制限があるわけですね。そういう制限を設けた意図というのはどこにあるのですか。郵政省からでもお伺いします。
#153
○政府委員(牧野康夫君) この公衆電気通信役務、これは要するに他人の通信を媒介するとか、あるいはまた、他人の通信の用に供するものというわけでありまして、これは公衆法の精神からまいりますと、日本電信電話公社なり国際電信電話株式会社がこれを行なうということになっておる。できるだけそういう公衆電気通信役務というものは国家として一元的に行なうことがいいんだ。したがって、できるだけそうでないようなことにならないようにしようというのが、この立法全体の主眼であったと思うのであります。でありますから、有線電気通信法においても基本的にそのことを規定し、公衆法においてもそのことを規定し、やむなく、お互いに特別な関係があるから、その場合には非常に制限的にこれを許すというのにとどめたわけでございます。これは時代におきましても、電報と電話が主たる通信手段であったという時代に立法されておりますので、そういう形になって、現在においては、あるいはそぐわない点がなきにしもあらずというふうに思うわけでございます。
#154
○塩出啓典君 あるいはそぐわない点があるという。やはりそういう点は、非常に企業としてはそぐわないという、そういうものが出ているわけでしょう。だからそういう点は時代に即応して検討すべき問題じゃないかと思います。
 これはまた今後の問題としまして、また一つは料金の問題。先ほど営業局長のほうからあまり申し込みがないというお話でございましたが、共同専用の場合は割り増し料金をとっている。これは、ある程度やむを得ないにしても、たとえば二つの企業が、ある一つの回線だけを共同利用した、その部分の回線の使用料だけを割り増しするのはわかるけれども、ほかの全部の回線についても――それぞれ三百回線を使っておって、その一回線だけを共同利用した場合に三百回線全部割り増し料金になる、これはちょっと私も道理から考えておかしいんじゃないかと思うのですね。そういうことがやはりこういうワクを広げてもあまり申し込みがないという一つの理由じゃないかという気がするのです。そういう共同利用して使っている回線以外のものも全部含めて割り増し料金をとる、三割なり五割の割り増し料金をとる。私は、そういうものは当然是正したらいいんじゃないかと思うのですが、その点はどうなんですか。
#155
○説明員(武田輝雄君) 現在、公衆法の規定で共同専用の場合には割り増し料金をとるということになっております。そこで電話の場合でございますと全部を共同専用されるということでございまして、ある部分だけ共同専用するというようなものはほとんどないかと思うのでございます。しかしながら、オンラインのコンピューター利用の出現に伴いまして、コンピューター本体と本体との間、甲企業の設置しているコンピューターと乙企業の設置しているコンピューター、その相互間に共同専用が申し込まれる、こういうふうな事態が出てまいりました。そこで先ほど六十六条の共同専用の解釈を現行法の中で解釈を緩和すると申し上げましたが、その際におきましても、いま御指摘のように全回線についてとるということではなしに、コンピューターとコンピューターを結ぶ回線、これはほとんどは共同専用しておられるわけですから、その回線についてとるというふうなことを同時に実施している次第でございます。
#156
○塩出啓典君 これは、この件についてはもう緩和をしたときに料金についても是正をしているわけですね。――わかりました。
 それと、この料金の問題で、わが国の料金体系というものは、近距離は非常に安くて、遠距離は非常に高い。そういう料金体系になっているために、今後そういうデータ通信の専用料の問題においても非常に高い、そういう意見もあるわけですけれども、これは私もどちらがいいかわからないのですけれども、やはりこの情報産業というものをどんどん今後伸ばしていくために、私は初期の段階においてはどんどん育成していかなければならない段階ですから、ある程度やっぱり使えるような、そういう条件を整えて、そしてどんどん使ってもらう、そうしてある程度たてば――もちろん国民の福祉のためですから一つの企業だけ安くすることはいけないにしても、あまり高いために使用者が少ない。それでは結局、電電公社の収入も減ってくるわけで、それは国民としても損失だと思うのですね。そういう点で初期の段階として料金等もある程度安くするとか、そういうような方法を考えるべきじゃないかと思うのです。そういう点で、そういう情報産業の育成という国民的な利用の面から考えて、現在の料金体系というものに対して、公社としてはどのように考えておられるのか、その点お聞かせ願いたいと思います。
#157
○説明員(武田輝雄君) データ通信のための料金ということになりますと、まず回線の料金について申し上げたいと思いますが、データ通信のために使われる回線の料金につきましては、やはりこれは電話、電信その他の料金との均衡においてきめていかなければならないものだと思います。もちろんデータ通信、情報産業の進展に伴いまして、料金体系につきましても新たな観点から見直されなければならない点はございますけれども、データ通信のための回線の料金は、やはり電信電話の料金体系との見合いにおいてきめていかなければならぬ問題であります。したがいまして、いま御指摘のございました回線料金でございますが、一般的に考えまして市内は非常に安いと思います。諸外国と比較いたしまして市内は非常に安い。相対的に比較すれば、市内に比較してむしろ市外が高いということが言われております。先生いま御指摘の長距離の問題につきましては、昭和二十八年の料金の改定におきましては、通話料につきましても二千百キロまでの料金をきめておったわけでございます。二千百キロをこえれば同じ料金になりますけれども、二千百キロまで段階を二十何段階にいたしましてきめておりました。しかしながら昭和三十七年に現在の距離別時間差法を採用いたします際に、手動につきましては千百キロまでにいたしまして、千百キロ以上は同じ料金である。鹿児島から東京までと、鹿児島から仙台あるいは札幌は同じ料金であるというふうに手動通話についてはいたしました。同時に、自動即時の通話につきましては、七百五十キロ以上は同じ料金というふうにいたしております。したがいまして、傾向といたしましては、やっぱり遠距離を下げていくというふうな傾向に持っていかなければならないと思いますが、初めにも申し上げましたように、この問題は電信電話料金全体とのかね合いにおいてやっていかなければならない。市内を上げる、市外を下げる、遠距離を逓減していくという方向で料金全般の問題として検討していかなければならないというふうに考えております。
 なお、情報産業といいますかが初期の段階でございますから、ある程度料金を下げて、そうして育成をはかっていくべきじゃないかということでございますが、公社が提供しておりますデータ通信、また公社がデータ通信に、コンピューターを含めましてデータ通信にサービスを提供するというふうに踏み切りましたのは、公社といたしましては、この料金は業務用の、事業用の高度のサービスでありますから、独立採算の考えでやりますけれども、しかし公社がやりますればコンピューターもタイム・シェアリング等で多くの企業の方々に共同して利用していただくことができる。また予備機とか電力とか電源とか局舎とか、共通使用のメリットが発揮できる。したがって個々の企業がばらばらに設置されるよりはずっと経済的に安く提供ができる。特に中小企業等、単独では絶対にコンピューターは利用されないような方々に対しても公社のデータ通信を使っていただくことによって、コンピューターの共同利用という面で経済的にできるというふうな、そういうような自信がございますので、皆さん方の御要望にこたえる道であるというようなことでデータ通信をやるようなことにいたしておる次第でございます。
#158
○塩出啓典君 公社が今年度の試行サービスでやるデータ通信の予算が三百八十億円――先ほどお話がございました。で、公社からいただいた資料によりますと、加入データ通信サービスと、それから専用データ通信サービスをやると、こういうお話でございますが、この加入データ通信サービスは、販売・在庫管理サービス、科学技術サービス、電話計算サービス、こういう三つのサービス。昨年度継続のものが五システム、新たに二システムを今年度つくると、このようにおたくの予算書には書いてあるわけでございますが、これの採算の見通しですね、これはどのように考えておられるのか、それが一点。
 それともう一点は、公社としてこういうシステムを始めたということは、試験的な意味でやっておるのか、それとも本格的にもう将来発展させていく、そういうつもりでやっておるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#159
○説明員(武田輝雄君) いまおっしゃいました販売・在庫、電話計算の採算については、いま検討中で、具体的にきめておりませんけれども、しかし料金を設定いたします基本的な考え方としては、地銀協に提供いたしております為替通信サービスと同じような考え方で設定をいたしたいというふうに考えております。そこで、基本的な考え方といたしましては、資金面あるいはサービスを開始いたしました後におきます採算面におきましても、一般の電話の建設あるいは電話のサービスに支障のないようにする、そして独立採算をたてまえとしてやるということでいたしております。
 そこで、具体的な考え方を申し上げますれば、創設時の負担でございますけれども、データ通信のためには宅内の端末機械が要るわけでございますが、この端末機器の調達に要する経費――物品費とそれから端末調達に要する費用、これに相当いたします額をこの加入者引き受け債券によって引き受けていただくということにいたしております。地銀協の場合で申し上げますれば、二百ボーのデータ宅内設備になっておりますが、一台につき約四百八十万円の債券を引き受けていただいております。それから、端末機を取りつける必要があるわけでございますが、この取りつけ料といたしましては、取りつけに要します費用を現金で負担をしていただく。大体地銀協の場合で申し上げますと、これが一端末当たり四万円くらいになっているわけでございますが、取りつけ料は現金で負担をしていただく。
 それから、コンピューター等につきましては、加入者に負担をしていただくということにはまいりませんので、縁故債でまかなっていって、電話の拡張資金には影響を与えないということにいたしたいと考えております。
 それから、月々の使用料でございますけれども、コンピューター、すなわちセンターの設備の使用料につきましては、減価償却費、保守費のほかに資本報酬といたしまして八%の資本報酬を得るように料金水準をきめております。そして大体、公社といたしましては耐用年数を八年というふうに考えておりまして、料金体系は、為替一件幾ら、使用時間一時間につき幾らと、こういうきめ方でございますので、だんだんだんだん取り扱い数も多くなり、使用時間も年を追って長くなってまいりますので、八年のちょうど中間年度におきまして先ほど申し上げました金額が総体として回収できるように個々の料金をきめております。回線につきましては専用回線相当額をとっております。データ宅内設備につきましては、物品費に対応いたします減価償却費、保守費並びに資本報酬をとっておる、こういうふうなことでやっております。したがいまして、加入データにつきましても原則としてはそういう形にいたしたい。しかし在庫管理のようなものについては出し入れの伝票一枚につき幾らというような料金体系にならざるを得ないわけでございますけれども、料金水準といたしましてはそういうふうな形でやってまいりたいと、こういうふうに考えております。
 なお、このデータ通信は、公衆法の規定によりまして十二条の二の試行役務としてやっておりますが、これは公衆法上、法律の規定がないものは試行役務でやらざるを得ないということで、法律上そういうふうにいたしておるわけでございまして、公社が試験的にやっておるということではございません。公社がこれをやりますことは国益にも、そして皆さま方の国民の御要望にも沿う道だと考えておりますので、試験的にやって、将来本格的に取り組まないということではなしに、本格的に取り組むということでやっておる次第でございます。
#160
○塩出啓典君 郵政大臣にお聞きしたいと思いますが、こういう公社の加入データ通信サービス、専用データ通信サービス、これは現段階においては、先ほどの公衆電気通信法の問題等もあって、公社だけしかできないわけでございますが、将来の方針としてはこれは公社だけではなくして、むしろほかの企業にやらしていく。アメリカ等におきましてもATTがそういうデータ通信サービスをやるということは不当に有利な立場に立つことならよくないと、そういうような考え方であるそうでございますけれども、やはり日本の将来の方向としては、それはいまのまま公社だけがやるようにするのかどうか、あるいは当然民間と併存してやらせるような、そういう方向に持っていく考えなのか、あるいはまた、ある時期がくればむしろ公社としては回線を貸すと、まあそういうことであって、こういうデータ通信の業務はあまりやらない、そういう三つの方法があると思うのですが、いま郵政省としては、大体将来としてはどういう方向に持っていくつもりでございますか。これは大臣のお考えを聞きたいと思います。
#161
○国務大臣(井出一太郎君) まあ独立でいくのか、あるいはもっと開放するのかという問題になるだろうと思いますが、当面私どもの考え方は、いうならば両様とでも申しましょうか、あるいは併存といってもいいと思います。公社がともかく現在のところ設備その他を何としても最優先的に保有しているんですから、これで当面やってまいると同時に、要望があればこれを開放するということにもやぶさかではない。おのずからまあそこには段階があろうと思いますけれども、基本的な考え方は両様、併存といいましょうか、そういうかまえ方でございます。
#162
○塩出啓典君 まあひとつ、そういう点も含めて一番最初申しました郵政省としての長期的な、段階的なそういう開放の方向、そういう指針をひとつすみやかに検討していただきたい、そのことをお願いしておきます。
 それともう一点、これは電電公社にお聞きしたいと思うのでございますが、いわゆる電話線をデータ通信に使用するという、そういう要望も財界から出ているわけでございますが、この問題については非常に技術的な問題、容量の問題等で非常に困難である、そのような公社のお考えのように承っております。先ほども問題になりましたが、きのう総裁が記者会見されまして、総合通信網というものを新たにつくる、そういう意図もやはりそういう点にあるんじゃないかと思うわけなんですけれども、そういう点でまあ私は、電話線というものをほんとうに使うことができれば、それもやはり大いに使う方向に持っていったほうが国全体の二重投資という面から考えても好ましいんじゃないか、特に電話回線なんかは昼間は非常に忙しいですけれども、夜間は全然使うのが少ない、そういうような点をあるいはデータ通信に使うとか、そういうようなことを考えることも一つの国民的なそういう資源の活用という面において好ましいんじゃないか、私はそのように考えるわけでございますが、公社としてはそういう電話線をデータ通信に使うという問題に対しては、もう全然使わないという考え方ではっきりきめているのか、それとも使えるようにいろいろ実施上の問題点について検討をしておるのか、その点における公社の考え方をお聞きしたいと思うんですけれども……。
#163
○説明員(庄司茂樹君) ただいまの御質問でございますが、加入電話網をデータ通信に早く使ったらいいんじゃないかという話で、これも郵政審議会の答申の検討事項の第一番目にあがっていたことでございますが、現実におきましては先ほども公社側から御説明いたしましたように、われわれの電気通信網が電信電話というもので設計されておりますので、現実にデータ通信になりましたときに、先ほどの公衆電話の話にありましたように、公衆電話も大体三分以内で話が切れる、一分三十秒ぐらいだという一通話を考えてトラフィックを考えた通信網でありますが、データ通信のトラフィックはどうなのか、これは手当てをすればできないことはないわけでありますが、三時間も使うんだ、ある外国におきますと十二時間も使ったというような状態になりますと、現在のトラフィックが非常に問題になりまして、本来の電信電話のほうに悪影響を与えてはいけないと思いますので、そういう技術的な問題を十分考えなければいけない、トラフィック対策を立てなければいけない、それは設備増するとか、スイッチをふやすとか、いろんなことがあると思いますが、そういうことを考えなければいけないということと、それから先ほども総裁から御説明いたしましたように、将来は非常に多彩なサービスが要求されますので、その場合には現在のこういう電話網よりはもっとテレビ電話も通るとか、あるいは画像通信ができるとか、いろんなものを考えたハイスピードのデータ通信も考えるのであれば、現在の電話線では不十分でありますので、その辺は将来の問題として考えなければなりませんが、先ほども申し上げましたようなトラフィックの問題、品質の問題を含めて当然考えなければなりませんし、またいま委員の方からお話しになりましたように、やはりステップとしては、全体として早くいろんなものに利用されたほうがいい、それほど品質はなくてもいいというような問題もありますので、加入電話網をどう使っていくかということは、先ほども申しましたように郵政審議会の付帯事項にもあるように、技術的に検討して、いろんな対策を講じて、将来において段階的にそこまで持っていきたいというように考えております。
#164
○塩出啓典君 総裁にお伺いしますが、そうすると総合通信網というのは、これはやはりそういう電話線のいわゆるキャパシティーというんですか、その能力との関連において当然考えていく問題であって、まだ来年度の予算も組んでないわけですから、ずっと将来の問題だと思うんですけれども、大体こういうのを具体的に計画あるいは実施というのは、時間的にはどういうような見通しに立っておられますか。
#165
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 現在、通信網という立場から考えますと、いわゆる加入電話網、これは千三百万の加入電話がお互いに自由にかかり合うという一つの網がございます。それからまた加入電信網といって、これは加入電信が現在三万くらいございますが、そういう網がございます。それから電報の場合の中継交換網、そのほかにあと専用線という網があるわけでございます。ところで、これから出てくるものとして、たとえばテレビ電話であるとか、あるいはデータ通信であるとか、あるいは高速ファックスであるとか、あるいはいろいろなディジタルな通信が出てきた場合に、電話と違ってバンドが非常に広い、あるいは非常なハイスピードで通信量、情報量をはかなければならぬとか、新しい要求が出てきたときに、それらを一つ一つ線を引っ張っていたのでは非常に能率が悪いので、それを総合的に、計画的に設計するような総合的なネットワークをつくって、なるべく安い値段で国民の皆さんにそれを提供するというようなねらいを持っておるわけでございまして、具体的にどうするかということは、現在施設局なりあるいは技術局においていろいろ検討しておる、こういう段階でございます。七カ年計画をつくるときには、それが大体どうなるかというような青写真くらいはつくりたいと思います。こういうふうに思っております。
#166
○塩出啓典君 最後に、これはちょっと問題が違うわけでございますが、ピンク電話の問題。ピンク電話は現在五十万個に達しておるそうでございますが、ピンク電話は市内通話の場合はいいんですが、市外通話の場合は困るわけですね。一々一〇〇番に申し込まなければならない。そういう点でたとえば町内会長さんの家なんかにみんな集まった場合に、そこからちょっと市外に電話をかける、そういうような場合に料金も払わなければならない、そういうのに備えてこのピンク電話について、いわゆる大型ですね、公衆電話に大型の公衆電話がありますように、ピンク電話にもこの大型ピンク電話というものがほしい、そういう要望を私聞いたわけでございますが、これは日本の国全体の人がそういう要望をはたして、しておるかどうかしりませんけれども、もしそういう要望があれば、いま大型の公衆電話をどんどんつくっておるわけですから、あれを赤をピンクにすれば大型のいわゆるピンク電話というものが開発できると思うんですけれども、こういう問題については公社としては、そういうものは全然やらない方針なのか、調査の上、国民の皆さんから強い要望があれば、そういうものもやはり実施する考えがあるのかどうか、あるいは今後検討してみる気持ちがあるのかどうか、そういう点をお聞きしたいと思いますが……。
#167
○説明員(武田輝雄君) ピンク電話は、加入電話をただで他人に使われるということを防止してほしいという要望が出まして、ピンク電話の制度をつくったわけでございますが、料金が市内十円ということになっておる関係で公衆電話の扱いをいたしております。そこで公衆電話の設置につきましては、公社といたしましても最大限の努力をいたしておるわけでございますが、なかなか要望に応じられないという点がございまして、本来公衆電話をつけるべきところにピンク電話がついているといったことのために、いま言ったようなお話もそういう面があることが原因の一つかと思いますが、そういう点につきましてはできるだけ本来公衆電話をつけるべきところにピンク電話がついているならば、それは公衆電話にかえていくようにいたしたいと思います。それからピンク電話からの手動市外通話の収入はピンク電話収入の六%程度でございますが、利用しておられる設置者の方にいろいろお聞きしますと、やはり五〇%くらいの方はいまおっしゃったように、自動即時ができるようにしてほしい、こういう御要望もあるようでございます。したがいましてそういう要望をよく検討し、また赤電話を設置すべきところには大型の赤電話に切りかえていく措置をさらに積極的に推進することといたしますと同時に、一々一〇〇番に申し込まなくても自動即時ができるようなことにつきましても、検討をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#168
○委員長(近藤信一君) 他に御発言がなければ、本件に関する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時二十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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