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1970/05/06 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 運輸委員会 第15号
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1970/05/06 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 運輸委員会 第15号

#1
第063回国会 運輸委員会 第15号
昭和四十五年五月六日(水曜日)
   午前十時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月四日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     阿具根 登君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         温水 三郎君
    理 事
                岡本  悟君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                藤田  進君
    委 員
                木村 睦男君
                河野 謙三君
                重政 庸徳君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                渡辺一太郎君
                岡  三郎君
                瀬谷 英行君
                森中 守義君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
   政府委員
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
       運輸省自動車局
       業務部長     見坊 力男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       運輸省自動車局
       業務部旅客課長  菅川  薫君
       労働省労働基準
       局監督課長    大坪健一郎君
   参考人
       全日本交通運輸
       労働組合協議会
       事務局次長    甲斐国三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○タクシー業務適正化臨時措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る四日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として阿具根登君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(温水三郎君) タクシー業務適正化臨時措置法案を議題とし質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○三木忠雄君 タクシーの値上げの問題から私伺っていきたいと思いますが、最初に労働基準局のほうに伺いたいんですが、このタクシー料金値上げの際に労働基準局としての立ち入り監査が全業者の三分の一しか行なわれなかった、こういう理由について、どういう観点からそういうふうにしぼられたか、この点について最初に伺いたい。
#5
○説明員(大坪健一郎君) 私どもが事業所を監督いたしますのは、年間の計画に基づきまして、産業の各分野にわたって監督をいたしておるわけでございます。したがいまして、ある臨時の行政的な必要から特に特定の部門を限って監督をするというのはごく限られた例でございまして、たとえば、爆発が起こりました場合に、類似の工場、事業所に立ち入り監査を行なうというようなことはやっておりますが、今回のタクシー監督の場合には、すでに両三年、タクシーの場合には――ほかの事業所は残念ながら監督官の数が足りませんので、二百五十万の事業所につきまして大体一割程度の監督を毎年いたしておるわけでございますけれども、タクシーにつきましては、この三年間に大体全体を通じて事業所の数の倍の監督をいたしております。したがいまして、主要都市のタクシー業界の個々の事業所の実態というものは、私どもの監督署では非常にこまかく十分知悉いたしておりますので、今回の監督にあたりましては、特に交通災害等の問題の生じやすいと思われるような労働条件、特に労働時間等について問題のあるような事業所を選んで監督いたしたわけであります。いま三分の一というお話がございましたが、大体東京、大阪とも半数ほど選び出して監督いたしております。
#6
○三木忠雄君 その監査をされた内容といいますか、あるいはどういう点にわたっての監査が行なわれたか、それが一点です。
 それからもう一つは、タクシー業界に対していろいろ労働基準局で監督されているそうでありますけれども、これは例年、常時、労働基準局としてこのタクシー業界に対する監査が行なわれているのかどうか、これについて伺いたい。
#7
○説明員(大坪健一郎君) タクシー業界につきましては従来労働条件につきまして若干問題がございました。したがいまして、毎年私どもの行なう年間の監督計画の重点計画として取り上げまして監督いたすようにいたしております。毎年は大体交通安全週間前後に一斉の監督を行なうという方針を立てております。ただ、監督と申しましても、事前に通告をいたしますといろいろ明確な実情の把握が困難でございますので、大体そういう時期を定めて監督をするということだけを申し上げさしていただきたいと思います。
#8
○三木忠雄君 内容等について。
#9
○説明員(大坪健一郎君) それから今回の監督につきましては特に運輸省と御相談を申し上げまして、昭和四十四年の十二月十二日に特別の監督を行なうように指示をいたしました。その結果、監督を行ないましたのは東京で百八十三の事業所でございます。大阪では九十二の事業所でございます。監督の結果、私どもの事前の通知におきましては、私どもの監督では基準法の違反は見られるけれども、指導を行なえば結果として是正が可能であるような場合と、悪質な基準法違反であって改善の何と申しますか、実効があがりにくいと思われる場合とを分けて処置をいたしております。そのような分け方の処置の結果を申し上げますと、東京の百八十三のうち特に悪質だと見られるものが十、それから悪質だと見られるのが五十八ございました。六十八でございまして、この六十八の事業所が、結果として料金の引き上げが若干延ばされるような処置を運輸省がおとりになったということでございます。それから大阪では特に悪質が二、悪質が十二でございますが、監督の重点はどこに向けたかといいますと、労働基準法の三十二条、これは労働時間でございます。三十五条、休日、こういった点に重点を置いて監督をいたしております。特に休日労働、これが非常に多くなっておりますので、その点に重点を置いたわけでございます。
#10
○三木忠雄君 運輸省に伺いたいのですが、この労働基準局のあるいはまた関係法規に違反した会社については、運輸省の通達としては免許の取り消し、こういうふうな約束までし、不良会社を指導していくというような、こういうような通達も昨年末に運輸省から出されているわけでありますけれども、こういう悪質会社に対しては運輸省としてどういうふうな処置をとったか、あるいは免許等の問題等についてもどういうような考え方で臨んだか、この点について運輸省に伺いたいと思います。
#11
○政府委員(黒住忠行君) 運輸省といたしましては、悪質業者につきましては、これを監査等で発見いたしました場合にはそのつど行政処分をいたしまして、悪質なものは営業の停止というふうなことを考えてきたわけでございます。さらに、増車等の処分が行なわれます場合におきましては、これらについては増車を押えるというふうな、まあ悪質なものは労働条件以外のものもございまして、乗車拒否その他もありますけれども、概していいますと、そのつどその事犯に対しまして処理をさしていただき、そしてまた、増車等につきまして十分その内容を反映して処理するという考え方でございます。今回の場合につきましては、労働条件の関係で悪質なものにつきまして、東京では、先ほどお話がありましたように六十八事業所、これは会社の数にいたしまして六十二会社でございますけれども、その六十八事業所につきましてはこれの改善状態がさらに確認をされますまで、運賃の改定のいわゆる実施日の指定を保留いたしまして、労働省におきます監査の結果を待ちまして後刻指定をしたというふうに、その運賃改定処分につきましても、これらのものにつきまして十分反映いたしまして処理したつもりでございます。
#12
○三木忠雄君 いまの説明によりますと、料金の値上げだけを幾ぶん据え置いたと、この程度しか受け取れないわけですね。いずれにしましても、私たちは決してそういう会社をいじめろというわけではありませんけれども、やはり何というか、悪質な業者のために、まじめにきちっとやっている会社や、あるいはタクシー業界全体にどろを塗られるような、そういうことではこれはもう何にもならないのじゃないかと思うんです。こういう点について、やはり悪いところは指示をしてもらって、信賞必罰で、処分をしていくとか、そういう処置をしっかりしていかなければ、幾ら通達を出してみたって、ただ絵にかいたもちみたいになってしまうのじゃないか。陸運局はとかく通達行政が非常に多いと、こういわれているわけですね。こういう問題についてもやはりきちんと感じさせる何かを与えていかなければ、私はとてもこの問題は改善されないと思うんです。特に今回問題になっているこの問題に対しましても、やはり業界の問題あるいは運転手の問題、全部が全部私は悪いわけじゃないと思うんですね。何ぼかの人たちのためにこういうふうな悪評を招いている。こういう点は、やはりもっと運輸省としてこの違反したところ、あるいは条件にそぐわないとろ、こういう問題にはもっともっとびしびしと取り締まっていくべきじゃないかと、こういう点を私は感ずるんです。この点どうですか。
#13
○政府委員(黒住忠行君) 今回の運賃の指定を保留いたしました処置は初めてでございまして、従来ない特別の処置でございます。この運賃改定を半月延ばしたということは相当な処分であったと思っております。で、今後は、労働省と運輸省とでおのおの監査をいたしました内容を通告し合いまして、両省でもって将来の行政処分なんかにつきましてその結果を十分反映していくと、こういうふうな申し合わせになっております。したがいまして、われわれといたしましても、さらにこの悪質業者につきましては、先ほど申し上げましたように、厳格なる行政処分、あるいは将来の行政処分の場合におきましてそれらを十分反映する。そうして極端なものは本来営業所単位に事業を停止する、あるいは非常に極端に悪い、継続して悪いというものにおきましては免許の取り消しというふうな点もあるわけでございまして、それらにつきましては従来も考えておりましたけれども、今後はお互いに情報を提供して、十分な証拠を把握して厳格なる行政処分をしていきたい、かように考えております。
#14
○三木忠雄君 運輸大臣、こういう問題に対してはどうお考えになりますか。
#15
○国務大臣(橋本登美三郎君) おっしゃるように信賞必罰といいますか、これはぜひ今後とも実行していきたいと思います。ただ、業者等の中にもそういうのがありまして、一般の人に迷惑をかけておるわけでありますから、もちろん、これに対する信賞必罰の処置を講ずるという片方では、できれば行政処置をし、さらに指導して改善できるものならばこれを改善していきたいという親心も多少あったと思います。これもまた社会の円満なる運営のためにあるいは必要かと思います。が、しかし直らざるものはしようがない。やはりやるだけのことをやってできない場合は断固たる処置をとっていく、かように考えております。
#16
○三木忠雄君 次に、車の台数と運転者の不足という問題が非常に論議されておるんですが、東京陸運局において、二月の初めに、運転者数を確保しておるかどうかということについて、全業者から運転者数と台数の関係をチェックしたそうでありますけれども、その結果はどういうようなぐあいになっておりますか。
#17
○政府委員(黒住忠行君) 現在、会社によって違いはございますけれども、一割ないし一割五分のものが休車いたしておりまして、これはおおむね一台に対しまして二・四人の運転手を確保するということに対してそれが十分でないために、不足をしておりますために休車をしておるものであります。したがいまして、運転者の不足率も大体一割ないし一割五分、大阪におきましてもおおむねそのような数字であります。
#18
○三木忠雄君 私ども聞くところによると、毎日三千台ぐらい休車をしておると、こういうふうにも聞いておるわけですね。こういう点はやはりあとでいろいろ論議したいと思っておりますが、やはり運転手に対する待遇とか、将来の問題に対する希望というか、こういう問題に対してやはり運転手が――いろいろな調査によると、九割ぐらいタクシーの運転手がやめたいという、こういうような、調査をしても回答が出るくらい、やはりそういった運転手に対する待遇というものは非常に悪いのじゃないか。これはあとで論議したいと思いますけれども、やはり運転手の確保ができないということ、これについてやはりもっと行政面においてもいろいろ考えなければならぬ問題があるのじゃないか。具体的にいえば、法人会社の増車数についてはいまどういうふうな傾向にあるか。今後・法人会社の増車申請等はあまり出てこないと、こういうふうな話をこの間も局長から伺ったのでありますけれども、実際、法人会社の増車については今後どういうふうな考えを持っているか、これについてお伺いしたいと思います。
#19
○政府委員(黒住忠行君) 東京におきまするところの増車につきましては、一昨年の暮れに約三千七百両を割り当ていたしております。しかしながら、実際それが確保できない状況でございまして、会社によりましてはほとんどできなかった。われわれといたしましては、その当時も各会社で確保し得るかどうかということにつきましては、一応データを提出させましたのでございますけれども、実際問題といたしましては、直ちにそれだけを充足し得なかったような実情でございます。その後におきましては、増車の申請も法人のほうではございませんし、現在もそれはございません。
 しかしながら、これも信賞必罰といいますか、会社によりましては従来から運転手を確保する――これは地方等から募集いたします。そうしてまた、自社で養成いたしまして、継続して必要な運転者数を確保し、そして休車がないというふうな、会社が将来運転手を養成して確保するという十分な計画を出しまして、それらがもし可能であるという心証を得られれば、例外的にはそういうことも行なわれるということもあり得ると思いますけれども、現在のところでは必要な運転手を確保するという努力がまだ不十分でございますので、われわれといたしましては、まず休車率を減らしていくように各会社が養成をしていく、そしてその場合に、いわゆる運転手の取り合いということにならないようにしていきたい。それにつきましては、今後センターでもって登録制度が実施できますと、運転手の争奪というふうな点につきましては、実際上それらがはっきりいたしますので、行政上も増車の場合等におきます運転手確保の状況等を把握するのには非常に便利かと思いますけれども、要するに現状におきましては、必要な車を動かすために二・四人の運転手を確保するという努力をさすことを強力に指導していきたいと思っております。
#20
○三木忠雄君 その問題はそれにしまして、今回の運賃値上げによる収支の状況、この問題については運輸省はどのように掌握されておりますか。
#21
○政府委員(黒住忠行君) 三月の一日、あるいは若干残しましたものは三月の十五日でございますけれども、三月の一日から三月の三十日までにおきまして、運輸収入が一日平均一万三千二百五十八円――これは摘出の調査でごさいますけれども、このようになっております。四十三年度一年間の平均の一日の運輸収入が一万一千七百三十七円、それから四十四年の暦年を見ますというと、一月の一日から四十四年の十二月三十一日まで一万一千六百四十八円という数字でございます。したがいまして、後者の数字から見ますというと、一三・八%ということでございます。しかしながら、これは摘出の調査でもございますし、三月からやりましてまだ一カ月のデータでございますので、これが的確であるかどうかにつきましては、さらに調査をする必要があると思っております。御承知のように運賃改定をいたしました場合には、平年度すなわち四十五年度の収入といたしまして二二・五%というものを計算をいたしたわけでございますけれども、現在の状況におきましては、いま申し上げましたような数字でございまして、これにはいろいろ原因があると思いますけれども、目下のところでは、予定の増収率だけはあがっていないというふうに考えております。
#22
○三木忠雄君 それで、予定どおりあがっていない、いろいろな条件はあると思いますけれども、この値上げをする場合に、値上げを確実に運転手の待遇改善に結びつける、こういう条件で値上げを許可したと思うのですね。この点についての、値上げ分を運転手の待遇改善に結びつけるというこの保証は、どういうふうに運輸省として取りつけているかどうか、これについて。
#23
○政府委員(黒住忠行君) 今回は従来に比べまして、異例の処置といたしまして、改定の前に労働組合と経営者の団体とが確認書を交換いたしました。確認書の内容につきましては、給与水準の引き上げ、賃金の形態等、あるいは労働時間も含めておりますけれども、それらの点に触れられました確認書を交換いたし、閣僚協の決定事項について触れられておりますけれども、そういうような処置をいたしたわけであります。しかしながら、各社におきまして具体的にどのようにするかということは、労使間の協議、話し合いできまることでございます。で、現在におきましてはまだ実際に実施いたしまして日が浅いということでございまして、おおむね、この三月あるいは四月の営業の実績等を各社ごとに見まして、労使の交渉によって具体的には決定されるというふうな順序に相なるわけでございまして、われわれといたしましても、これらの改善が十分行なわれまして、運転者が確保できるように、今後労働省とも十分協力いたしまして会社の指導に当たっていきたい、このように考えております。
#24
○三木忠雄君 それで、今後やるという話なんですが、大体三月、四月と二カ月たっているわけですけれども、もうそろそろ各会社のある程度の値上げによる運賃収入の状況も大体固まってきているのじゃないかと思うのですね。こういう面について労使で取りかわした確認について、ある場合には業者が守らない場合も私は出てくると思う。料金値上げのための条件としてはそういうようなことをつけたかもしれないけれども、現実に運転手の言い分どおりに、あるいは労使協定したとおりに実行されなかった場合についての処置はどういうふうに考えておりますか。
#25
○政府委員(黒住忠行君) 三月、四月の実績でございますが、まだ四月は終わりましてしばらくでございますので、各社ごとに正確なるデータはいま集計をしているのではないかと思います。それによりまして、従来の確認書の内容に従いまして労使間で決定をなされるということでございますので、われわれはその実施の状況をこれから監視していきたい、労働省とともに監視をしていきたいと思っておる次第でございまして、現段階におきましては、それらのことが労使間で円満に解決することを期待しておる次第でございます。それらを見守りまして、その結果によりましてまた必要な指導をやるつもりでございます。
#26
○三木忠雄君 いつも適当な指導に終わってしまうのだけれども、具体的に、いつも国民は、料金値上げで今度はタクシーは改善されるだろうと非常に期待を持っているわけです。しかしながら、労使の間でかわされた問題も一部の業者によって守られない、そうなると、結局不愉快な目にあうのはだれかというと、国民だと私は思う。こういう問題について、やはりしっかり業者を監督していくべき運輸省が、いつも最後は指導をしていくという程度に終わってしまって、それでつじつまの合わないような結論におちいってしまう場合があるわけですね。この問題について、労働基準局のほうはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#27
○説明員(大坪健一郎君) 御質問の点は、要約いたしますと三点の問題が含まれていると思います。
 一つは、最初に申されました政府の覚え書きの問題でございますが、これは業界ないし労働組合に対してそういう方針で政府が臨むということの宣明でございます。
 二番目は、そもそも労働条件は、やはり原則的には労使が全く自主的な立場でおきめいただくのが最も正しいあり方でございます。現在は御承知のように、春闘のまっ最中でございまして、現段階で労使が本来自主的におきめになる内容について、私ども政府からとやかく申し上げるのは筋ではないと思います。
 ただ御承知のように、先ほどからお話が出ておりましたように、運転者が現在非常に不足をしておられること、それから一般的に申しますと、ほかの産業に比べまして、運転者の給与は若干高いわけでございます。これは統計で申し上げますと、私どもの労働省が行なっております賃金構造基本統計調査というのがございまして、もちろん労働時間であるとか、労働態様であるとか、そういうこととの関連がございますので、一がいに比較はできませんが、タクシー運転手の場合は、旋盤工なり全産業の男子労働者に比べますと若干高くなっております。なぜそういうことを申し上げるかと申しますと、運転者の数が不足しておる、そして運転者の給与水準が高いというような条件の中で、一般的に運転者の条件を切り下げたままで長い間――そういうコストの条件をよくして、不公正競争を行なうようなタクシー営業者が存続し得る条件は、わが国にはもう次第に少なくなってきておると私どもは考えておりますので、春闘がこの七月、八月に終わりまして、それ以後の経過をずっと長期的にごらんになっていただければ、おそらくそういう劣悪な労働条件の経営者のタクシー運転者の方々はほかのほうへお移りになるというようなことの機会も幾らでもあると思いますし、たぶんそういう経営者は存続をしていくことができないんではないかと私どもは考えております。
#28
○三木忠雄君 それはいま給与の体系を旋盤工とか、それと同じような条件で、タクシーの業務に携わっておる運転手を見るのは、私はちょっと考え違いじゃないかと思うのですがね。何でもタクシーの運転者と、事務所で働いている男子の職員と同じような形に基準を見ていくということ自体は、これはもう誤りじゃないかと思うのですよ。やはり過酷だと思う、それでは。こういう点、やはりもう少し労働基準局のほうも考え直さなきゃならない問題じゃないかと思うのですけれどもね。この点、どうですか。
#29
○説明員(大坪健一郎君) 私が申し上げましたのは、タクシーの労働者が不足しておられて、ほかの産業と比較してタクシーの賃金が高いということは、タクシー労働者の不足の状態がなみなみならぬことであるということで申し上げたわけで、したがいまして、同業者がタクシーの運転者について高い給与を払う、あるいは給与水準の引き上げを行なってやっておるのにかかわらず、一部の業者の方が低い条件で、悪い状態でいつまでもやっていけるわけがないということを申し上げたわけでございます。
#30
○三木忠雄君 それで、運輸省として労働条件のよしあし、これが乗車拒否やあるいは事故タクシーに結びつくかどうかという、こういうデータについて何か分析したことがありますか。
#31
○政府委員(黒住忠行君) 労働条件の悪い点につきましては、たとえば、労働時間を超過いたしまして働く、あるいは休日労働が規制以上に行なわれているというような場合におきましては、過労というふうなことでございまして、運輸規則にも結びつきますし、これが事故あるいは乗車拒否等の遠因にもなるというふうに考えるわけでございます。労働条件の関係とわれわれのほうの運輸規則の関係では、非常にうらはらといいますか密接不可分のような関係になっておりますので、そういう意味におきましては、労働条件の改善ということによりまして、タクシー企業というものを改善をしていくというふうに考えております。ただ、いま御質問の、そのためにどのくらいのパーセントにそれが反映しておるかというふうなデータにつきましては、現在数字を把握いたしてはおりません。しかしながら、われわれといたしましては、タクシーの体質改善のためには閣僚協におきましても指摘されておりますように、労働条件の改善ということが非常に重要なことだと思っておりますので、この面におきます行政の改善につきましては労働省の協力を得て、将来万全を期していきたい、こういうふうに考えております。
#32
○三木忠雄君 私も労働条件の一つとして走行距離の問題をここで考えてみたいと思うのですがね。三十三年にタクシー一日の走行キロ三百六十五キロメートルですか、こういうふうにきめられたんですけれども、現実にこれが合っているかどうかという問題ですね。労働条件あるいは走行キロの問題等について、労働省はどう考えますか。
#33
○説明員(大坪健一郎君) 走行キロは最高限度をおきめになっておると了解しておりますので、当然その範囲内で労働していただく筋合いだと思っております。現実にそれを越えておるものがあるとしますれば、私どもの監督では長時間労働という形でこれが出てきておると思います。その分につきましては、先ほど申し上げましたように、私どものほうで把握して処分をいたしております。
#34
○三木忠雄君 自動車局長、この問題はどうですか。
#35
○政府委員(黒住忠行君) 三百六十五キロといいますのは、当時神風タクシーの問題が非常にやかましくいわれましたときに最高乗務距離といたしまして指定をいたしたものでございまして、したがいまして、これ以上は動いてはいけない――平均ではございませんで、最高、これ以上動いてはいけないということでございます。
 それで、昨年一年間の、四十四年の一月一日から十二月三十一日までの統計によりますというと、平均三百五十三・五キロというふうに統計ではなっておりまして、この平均三百五十三ということは、三百六十五キロを超過しておるものがあって、そういう平均になるのではないかというふうに考えます。それで、これを超過いたしますというと、実際には労働時間の超過ということにも結びつくわけでございまして、その点については、今回の労働省の監査におきまして、最重点に見ていただきました。その悪い会社につきましては、先ほど申し上げましたように指定を保留したわけでございますが、現在におきましては、三百三十八・八キロというふうに一応実績が出ております。これも抽出の調査でございますので、全会社につきましては、さらにこれから調査をはっきりして明確な調査をいたすつもりでございますけれども、この点につきましては相当改善をされておる。労働時間の点につきましても改善をされておりますことは、労働省のほうでも確認をしていただいておりますが、われわれのほうにおきましても、走行キロにつきましては相当改善をされておるものと思っております。現在スピードも次第に減ってきているというふうな状況でございますので、これらの点につきましては、走行キロの平均はさらに今後減少をしてくるのではないか、労働時間の減少と同時にこれらの点につきましても、われわれといたしましても十分監督をしなければならない点であると考えております。
#36
○三木忠雄君 それでこの間ですか、東京都議会の議員の方々が実際にタクシーに乗られて、そして走行キロの調査をされたそうでありますね。これを見ると、安全運転を規則どおりやってみると、二百八十キロしか走れないと、こういうようなことで、実際に水揚げの問題あるいは会社の営業方針もあるでしょうし、タクシーの運転手の給与体系にもからんでくるでしょうし、こうなってきますと、現実に安全運転をし、サービスのいい運転をしていれば、実際に二百八十キロぐらいしか走れないというのが結論らしいのです。そうすると、運転手はこれでは生活できない。また、会社はそれだけじゃ成り立たないといってもっと酷な労働をしているような形になってくる。こうなってきますと、どこに基準を置けばいいかということになってくるのですね。三百六十五キロまで認められて、そのぎりぎりまでは追い込まれると思うのです。実際に、三十三年の当時と現在の東京都心部の状況を比べてみれば、交通の状態なんか雲泥の差になっているはずです。こういう問題、いつまでも同じような条件で続けていっていいかどうかという問題になるのですが、これについてどうお考えですか。
#37
○政府委員(黒住忠行君) 御指摘のように、十年前の神風問題のときに三百六十五キロといたしまして、それは当時の平均スピードから割り出した数字でございます。現在の平均スピードは相当もう減少いたしておりますので、三百六十五キロは再検討をする必要があると思っておるわけでございます。今回まず労働時間を改善いたしまして、これを正当に直すというふうにいたしましたので、その結果といたしまして走行キロも減少をいたしておるわけでございますし、われわれといたしましては、全数的にこれを把握いたしまして、これを適正化する方向にいかなければならないと思っております。さらに、交通状況も高速道路等ができましてよくはなっている面もございますので、一律的に最高走行キロを規定するということがいいのかどうかというような基本にもさかのぼりまして、これからしばらく実績を調査いたしまして再検討をいたしたい、さように考えております。
#38
○三木忠雄君 それはよく検討していただきたいと思うのですが、具体的に、これは朝日新聞の四十五年の二月七日に、大阪の模範運転手が首になったという例があるのです。これはお読みになったと思いますが、安全運転で模範的な運転をしている運転手は会社では首にされるというのです。現実に首にされているのですよ、非能率として許せぬとして。模範運転で安全運転をしている運転手等に対しては、会社の予定する水揚げにいかないのでしょう、その点で首にされる、こういうふうな矛盾があるわけですね。実際に多く走らないと会社も成績があがらないから、実際に運転手を酷に追いやる。ところが、そのきめられたワク内で走った場合には、実際に会社の営業方針に合わない。そこで運転手は首にされる。これでは実際にどこをとって走ったらいいか、まじめな運転手はどうすればいいかというふうな量見になりかねないと思うのです。この点について局長どう考えますか、この問題は。
#39
○政府委員(黒住忠行君) これらの点につきまして、たとえば走行距離、労働時間の点につきましては、遺憾ながらタクシーの内容は前時代的といいますか、当然守るべき労働基準法等が守られていないというのが現実の姿でございまして、それにつきましては労働省も非常に御苦心でございますが、今回のようなそれに関する措置を強力にとることによりまして、やはり改善の実があがっておるわけでございますので、今後これらの点につきましては従前に増して厳格にやっていきたいと思っております。そうなりますというと、法律なり規定を守って働くということが当然のことでございまして、そのことだけを理由にしてその運転手の首を切るというようなことはもってのほかであると思う次第でございまして、それらの点につきましては、やはり経営者の認識を改めるということが最も基本的に必要であるかと思います。そしてまた、全部がそういうふうに改善されない以上は、先ほど申し上げましたように行政的にも厳格な態度でもって臨んでいくということ、指導と同時に厳格な行政措置をもって臨むということがやはり必要であると思います。基本的に経営者が頭を切りかえるということとともに、役所のほうの措置でもって改善をさしていく必要があるというふうに考えております。
#40
○三木忠雄君 それから賃金体系の問題で、こまかなことは時間もあまりありませんのでちょっとできませんが、具体的に、私はこの間タクシーに乗った。ところが、そのタクシーの方は運転者協会のほうから派遣されていると言っておりました。ところが、実際になぜそういうふうになるかというと、常時、会社につとめておると、十三日出ないと固定給がもらえないわけですね。十二日になると、いろいろな角度から固定給が削られるという例が非常に多いらしい。こまかなことは私は調査もしておりませんし、わかりませんけれども、具体的に、この固定給をもらうためには十三日間つとめなければならない。一日休んでも固定給は相当消られてくる。あるいはいろいろな名目であれを削られこれを削られして、何のための固定給かということになりかねない。それであれば、一日、二日休む運転手にとっては、むしろ臨時雇い的なといいますか、そういう日払い制度の恩典でやったほうが得だ、だからおれはそっちのほうにいっているのだということをこの間聞いたのです。そういうところから考えてみますと、やはり賃金体系にちょっと問題があるのじゃないかと私は思うのです。十三日完全につとめなければ固定給をもらえない、あるいはその固定給が世間でいわれるところの固定給なんかと全然違った内容を持っているのですね。この点は労働をしているための、あるいは労働を強制するための固定給になってしまっている。何も好きこのんで十三日働くところを十日あるいは九日間しか働かないということではないと思うのです。あるいは病気で休んだり、あるいはいろいろな状況で十一日か十二日しかできないことがあるかもしれない。そうなると、固定給は相当削減されてくる、こうなると生活が脅かされて、むしろ日雇い運転手のような形で歩合の半分をもらっていったほうが得だ、こういうようなことを私は現実に、二、三日前にタクシーに乗ったときに聞いた。こういう固定給の体系あるいは賃金体系についても、これは各会社でいろいろやっているわけですから云々はできないかもしれませんけれども、もう少し配慮をすべき問題があるのじゃないかと思うのです。この点についてはいかがでしょうか。
#41
○政府委員(黒住忠行君) これはたとえば、本給につきまして一カ月十三日出番の勤務者に対して俸給を支給する、ただし欠勤非乗務につきまして、たとえば十分の一とか十三分の一を控除するというふうな賃金体系が行なわれているわけでございまして、この点につきましては、先般の確認書におきましても、正当な理由による欠勤の場合、賃金が大幅な減額とならないように、欠勤による歩合給の算定は日割り歩合制の採用を主とするというふうな点にも触れておりますが、これらの賃金形態の点につきましても、労働省のほうでもいろいろ指導をしていただいておりますし、御指摘の点は改善をしていくべきだと思っております。
#42
○三木忠雄君 労働省のほうはどうですか。
#43
○説明員(大坪健一郎君) 一種の皆勤手当のような制度がございまして、たとえば、十三日の出番で二万六千円払うといたしますと、十二日出ました場合にはそのうち二千円を差し引くというようなことは、これはやむを得ない制度だと思いますが、一日休むと二千円ではなくて四千円引く、二日休むと八千円引くというふうに累進的にこれを引いていくということは、制度としてはまずい制度だと思います。私どもは、実はそういうことも含めまして、昨年の十一月に閣僚会議の決定が出ました前後に、タクシー業界の方に来ていただきまして、その点を特に申し入れたわけでございます。やむを得ず欠勤した場合の月間所得が急激に減少するような賃金制度、これはタクシー運転者の生活安定に非常に問題がありますので、ぜひこういうことはやめてもらいたいということを申し入れてございますが、残念ながら賃金制度の問題も労働条件でございまして、基本的には労使でおきめいただく問題でございますので、業界の指導は相当私ども執拗に行なっておりますけれども、実質的にはやはり経営者の方々の御理解と、運転者の皆さんの積極的な経営者との協議によってきめていただく以外にはないと、こう思います。
#44
○三木忠雄君 それで、運転手の労務改善等を含めて、今回この近代化センターの問題が取り上げられているわけでありますけれども、この運転資金ですね、この問題については、これは各業者あるいは個人タクシーの関係者は全部納得済みのことでしょうか。いまだに一部では、法人会社等は反対を唱えている業者もある、あるいは個人タクシーのほうも納得してないんだ、あるいはこの近代化センターの内容なんかわからないんだ、こういう声も聞くわけでありますけれども、実際にこれは業界あるいは個人タクシーにも納得をされ、趣旨は説明されているのかどうか、この点はいかがですか。
#45
○政府委員(黒住忠行君) 本件につきましては、運輸省はおのおのの関係協会、法人のほうでは東旅協、それからハイタク協議会という、まあ大部分は東旅協でございますけれども、まあ二つ団体がございます。それから個人タクシーのほうも大きく言いまして二つの団体がございまして、昨年来、あるいは一昨年からもこの問題が議題になってまいりましたので、説明をいたしまして、特に昨年の秋ごろからはこれの内容につきまして関係協会のほうに再三再四説明をしてまいりました。特に東旅協におきましてはこれのための特別の委員会をつくりまして、その委員会の人たちに対して説明を繰り返してきたわけでございまして、関係団体におきましてもそれらの趣旨は十分認識をし、了解をしていただいた次第でございます。ところが、最近に至りましていろいろ、この運賃改定をいたしましても予定どおりの運賃が収受できないというふうな点等もございまして、今後実際の運用につきましては、法律が通りますというと事業計画、資金計画その他につきまして運輸大臣に認可申請があるようになっておりまして、方向といたしましては関係業界もわれわれの考え方に一致いたしておりますけれども、将来の運用の方法につきましては現実に即して適正にやるというように考えておる次第でございまして、そういう点を総合いたしまして皆さんの御了解も得ておるものと思っております。衆参両院におきましても参考人の意見等を聴取されましたが、運用につきましてはいろいろ、今後実態に即して考えてもらいたい、しかしこれの実施につきましては賛成であるというふうな意見も正式に表明されておりますし、われわれといたしましても従来の経緯からさように考えております。
#46
○三木忠雄君 登録制度の問題については衆議院でも相当論議されましたので、私は省きますが、この近代化センターの中に福利厚生施設の改善、これをよくうたわれているわけです。登録制度と福利厚生施設の改善をはかるんだと、こういうようなことになっていますが、具体的に、まあこれは事業計画がきまってからやられるんでしょうけれども、大体この福利厚生施設の改善は具体的にどういう方向で進める予定なんですか。
#47
○政府委員(黒住忠行君) 福利厚生施設で非常に現在不足しておりますのは、運転手の住宅問題であるかと思います。住宅問題につきましては、共同的なものをつくる方法と、それから資金をあっせんをする――金融公庫等からの資金のあっせんもございますけれども、このセンターでもって住宅の資金を融資、貸し付けするというような方法があるわけでございまして、それにつきましては、大阪につきましてはすでにそれらの金額の計画も考える予定でございます。そういう方向を将来これから実施していきたい。
 それから休養施設等の面につきましては、まあ東京、大阪等につきましては非常に土地代がかかるわけでございますので、なかなか困難な面があるかと思いますが、それらの点と、それから郊外といいますか、保養地に休養の施設をつくって、休日に家族と一緒にそこで休養するというような、休養の施設等も計画をいたしたいと思っております。初年度は短期間でございますから、まず初年度は運転手の登録と、それから研修の関係は施設をまずつくっていきたい。特に研修につきましては、運転手不足の現状でございますので、研修をし、養成するという施設を最優先的に初年度においてはつくるように指導をいたしたいと思っております。
 福利厚生施設につきましては、先ほど申し上げましたような考え方を基礎にいたしまして、初年度は、たとえば、東京におきましてはいろいろの調査を行ないたいというようなところでございまして、これから具体的にセンターにおきまして計画をされますので、十分相談いたしまして、適正にやっていきたいと思います。
#48
○三木忠雄君 それはひとつ、運転手の福利厚生施設の問題については厳重にやっていただきたいと思うのです。特に個人タクシーが近代化センターに加入してメリット――個人タクシーに対しては拠出金一年間六千円ですか、徴収されるわけですが、実際に個人タクシーについての部局をつくるとか、あるいは個人タクシーに対するいろいろな施設を考えるとか、個人タクシーについてはどういうようにこの近代化センターでは扱おうと考えておるのか、これについて。
#49
○政府委員(黒住忠行君) 法人タクシーの場合と個人タクシーの場合におきますメリットは相違があるかと思いまして、したがいまして、負担金につきましても相当の差をつけるというふうになっているわけであります。しかし、個人タクシーの場合におきましては、一つは代務運転手を使うわけでございまして、長期におきまする病気の場合におきましては、役所のほうの許可を得まして、代務の運転手を使うということになっておりますが、その代務の運転手につきましては法人タクシーの運転手と同じようにこのセンターに登録されるわけでございまして、その点におきましては当然メリットが出てくるわけでございます。それから休養施設等につきましては、その代務の運転手はもちろん、個人タクシーも使用できる。それから、センターでやりますところの仕事といたしまして、一定の場所にタクシー乗り場を設置いたしまして、将来は一定の場所におきましてはタクシー乗り場以外には流しをしてはいけないというふうなことをやるように法律でもなっておるわけでありまして、そういう場合におきましては、そのタクシー乗り場には法人タクシーはもちろんでありますが、個人タクシーも入ってくるわけでございます。それから、街頭指導等、個人タクシーは比較的乗車拒否がないということで好評でございますけれども、街頭指導の場合においては法人タクシー、個人タクシーを問わず、業務が適正に行なわれますようにこのセンターで指導いたすわけでございますので、いま申し上げましたような諸点につきましては個人タクシーの場合におきましてもメリットはあるわけでございますので、このセンターに加入をしていただくというふうになっております。しかし、総合いたしますと、メリットの程度は違いますので、それは負担金の額等におきまして適正に考えていく必要が興ると思っております。
#50
○三木忠雄君 運輸大臣に、個人タクシーの免許の問題について最後に伺って、私の質問を終わりたいと思います。
 この個人タクシーの免許、認可の基準ですね、過去、タクシーの運転手であった人に対して過去三年間無事故、無違反と、こういうふうにいわれているわけですね。これを考えてみますと、走行距離の多いタクシーの運転手と乗用車あるいはトラック業者ですか、そういう人たちと比べてみると、やはり走行距離が二倍も三倍も多いという運転手については個人タクシーの免許がおりる率が非常に悪いのですね。こういう点は改善すべき問題じゃないかと私は思うのです。現実に個人タクシーの認可の状況を調べてみますと、半数以上はタクシー営業の経験のない人、こういう話なんですね。やはり無事故、無違反と、こういう問題は確かに重要な問題でありますけれども、タクシーに従事しておったということは経験の中で相当重く見る必要があるのではないかと思います。これが第一点の問題です。
 それから第二点の問題は、個人タクシーの業務を開く場合に、準備が整っても二十三区内に居住してないと免許がおりない、こういう不都合があるのですね。たとえば、三多摩になれば二十三区に在住してないから個人タクシーの免許はおりない。最近の住宅事情から考えてみましても、三多摩や、あるいは神奈川から通っても、個人タクシーのほうは、そのくらいの条件は少し認めてもいいじゃないか、こういう感じもするんですけれども、この問題について御答弁を願って私の質問を終わりたい。
#51
○国務大臣(橋本登美三郎君) タクシー経験があるほうがより個人タクシーをやる場合においても適切だとは思うのでありますが、ただ、全体の町のタクシー運転手を、あるいは車をふやすという場合に、法人タクシーから右から左に移ったというだけじゃ意味がありませんし、しかし、一方においてはタクシー運転者として長年の経験を持っておって、今度は個人タクシーやるんだという意欲もありますから、これも無視するわけにはまいりませんので、それらを適当に調整しながらやってまいりたいと思います。
 第二の問題ですが、原則として、これはできれば郊外に住居を持っておっても認めてやるほうがよろしいと思います。ただ、ガレージを市内に持つという必要はあると思います。そこまであるいは小さな自分の車で通う。最近私もタクシーに乗ってみましたが、その運転手さんは小さい車で事業者のところまで乗ってくる。そうしてあとは会社の仕事の車を使う、こういうことをやっているようでありますから、住宅事情が悪いおりからでありますからして、その点は緩和措置を考えたらよろしいと考えております。
 ただ、私この機会にちょっと二、三の意見を申し述べたいと思うのですが、タクシーに関連して考えてまいりたいのですが、どうも私タクシー事業というものは原則的に近代産業としてはなかなかむずかしい仕事である。言うなれば、タクシー運転手というものは、ある意味においては企業家的性格を持っている。その人の考え方いかんではだいぶ収入にも関係があります。いわゆる企業家的な性質をタクシー運転手というものは持っておる、こういうことが一つ。
 それからもう一つは、近代化するためには思い切った合理化が行なわれなければならない。ところが、タクシー事業というものはなかなか合理化しにくいということですね。それがために結局は、中小といいますか、小さな業者には管理費の増大とともになかなか事業としては成り立ちにくい、こういう意味において、これからやはり将来の研究課題ですが、将来の研究課題として、いまの事業者が――いまの法律じゃできません、規定でもできないのですけれども、相当数、これは私ももう少し勉強してみたいと思いますけれども、おそらく近代産業として管理費が収入の割合に対して比較的ペイをしないために、千台とか二千台というものを持たなければ管理費の関係は出てこないのじゃないか。それが五十台、百台という場合になりますというと、やはり管理費が収入に対して割合が多過ぎる。そういうことのために、なかなかタクシー運転手さんのいわゆる待遇改善に手が及ばないという実際問題がある。そういうところから考えますというと、いわゆるタクシー事業者というものを、あるいはこの個人タクシーを一つに集めたようなものがあってもいいのじゃないかと思うのですね。たとえば五十台、百台のタクシー管理事業者は、すなわち管理費を幾らかちょうだいするとか、あるいはガレージ代として幾らかもらうとか、そういうことでもって半分は個人タクシーの仕事をするわけですね、性格的には。そういう形で合理化をする以外には百台、二十台程度のタクシー事業というものは将来できないのじゃないか。さっき労働省から説明があったように、劣悪なる条件のタクシー事業者は当然いわゆる社会から消えていくだろう。私は劣悪な条件というものが――きょうは運転手諸君の皆さんもおいでになっておりますから、自分の経験でお考えになればわかると思いますけれども、いまは大体タクシーの料金の収入というものはガラス張りになっておる。自分で働いてくるのですからわかるのですね。社長は幾らもらっている、重役は幾らもらっている、これは大体においてわかる。ですからして、いわゆる労使関係の争点というものはわりあいに明らかじゃないだろうか、内容の配分については。問題は、大きな会社というものと小さな会社ではその管理費の占める割合というものがやはり差がある。それがために、待遇改善を組合の諸君が努力しても、実際上ない袖は振れぬという問題が出てくる。そういう意味において、思い切った制度の改善、事業者としての制度と、もう一つは、今度は完全なる個人タクシーと半個人タクシー的なもの、こういうものを将来考える必要がありはしないか。もちろん、これは私が公式にここで申し上げましたけれども、全くの個人的な意見でありますから、それをいまここでもってどうということではありませんが、やはりこのタクシー自身と申しますか、タクシー運転手の仕事というものがある意味では企業家的性格を持っておるということと、中小企業としては成り立つ性質のものではない、こういう意味からして、もっと繊細ないわゆるタクシー事業というものの考え方を持つ必要がありはしないか。それがある意味においては、またタクシーの運転手としてつとめていく上において、将来の自分の意欲を持つことのできるもとになる、こういうことも考えます。
 先ほど走行距離の問題が出ましたが、私はタクシー事業者も労働時間の厳守はあくまでしなくちゃいけませんが、走行距離を個人タクシーの場合でも法人タクシーでも一応きめられております。ところが、いわゆる高速道路がどんどん発達してくる、あるいは非常に混雑するいわゆるアイドルタイムが出てくる、こういうことになると、走行距離というものはあまり問題にならないのじゃないか。走行距離を限定されるために運転手諸君がかえって仕事のやりにくい点が出てきてはしないか、あるいはそういう意味においてもう少し大幅に延ばすなり、あるいは労働時間というものについては厳格にこれをしていく、しかし走行キロ数については、これは制限を緩和するか撤廃するかというような思い切った措置をとったほうが、働く運転手さんのためにいいのじゃないかという気もいたします。今回の近代化センターの法案が通りますれば、できるだけ政府としては最善の措置を講じつつ、運転手の諸君の待遇改善を中心にして業界の指導をやってまいりたい、かように考えております。
    ―――――――――――――
#52
○委員長(温水三郎君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 タクシー業務適正化臨時措置法案審査のため、本日、全日本交通運輸労働組合協議会事務局次長甲斐国三郎君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#54
○委員長(温水三郎君) 引き続いて質疑を行ないます。
  〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕
#55
○森中守義君 ここに、提案理由の説明の中で、「本来タクシー事業者の責任とタクシー輸送に従事する運転者の自覚によって」現在のいろいろな問題は「是正されるべきである」、こういったように当局では認識をされておるよう、でありますが、具体的な事実問題として違法行為の頻発あるいはタクシー事業者の責任、この辺についてどういう追及が行なわれてきたか、まずこの辺から最初にお聞きしたい。
#56
○政府委員(黒住忠行君) 最近におきます問題点は乗車拒否等が行なわれているということでございまして、乗車拒否の事犯につきましては、警察からの通報あるいは直接利用者からの通報等によりましてこれの事犯を発見する、それに対しまして、車両の使用停止でありますとか、文書の警告等の処理をいたしております。それからさらに、悪質事故等が起きました場合におきましては、特別監査をいたしまして、それに対する適正な行政処分を行なう。それからさらに、定期監査を実施いたしておりますので、その定期監査の場合におきましては、会社といたしまして法律規則に従った運営状態にあるかどうかということにつきまして監査をいたしております。その結果といたしまして行政処分に反映し、あるいは現在では、東京ではほとんどございませんけれども、増車の処遇をいたします場合におきましては、過去におきます悪質事故の状況あるいは乗車拒否その他の法律違反の状況等を勘案いたしまして行政処分に反映をいたすというふうな措置を講じております。
 それからこの事業者の責任を十分認識さすという点でございますけれども、いまのような悪質事犯に対しては厳格な行政処分をもって臨むわけでございますが、全体といたしましては、やはり自主的にそれらの改善をすべきであると思いますので、関係の事業者団体を指導いたしまして、事業者団体のほうでいろいろの委員会等を設置いたしまして、そこで具体的な指導を行なわすというような考え方を持っております。したがいまして、この事業者団体によりますところの自主的な方法というものも持たせたいと思っておりますが、しかしながら、それらの点は、自覚のみでは是正できませんので、こういうふうな法案をお願いいたしまして、法律でもって適正な規制もしていく必要があろうというふうに考えておるわけでございます。
#57
○森中守義君 大体経過的なもの、あるいは概念的なものとしてはわかりますが、非常に短い時間の中で資料の提出も無理なような気もしますが、できますならば、四十二年度以降くらいの、どういう行政措置がとられてきたか、結果としてどういう行政効果があがったのか、この辺のことを少し数字によって示してもらいたいと思うわけですが、資料の用意ができますか。
#58
○政府委員(黒住忠行君) 乗車拒否等によりますところの処分状況につきましては、現在、四十年度から四十四年度までの数字を持っております。たとえば、四十四年度につきまして、東京の都区内におきましては、車両の使用停止処分を百六十二件やっておりますけれども、それの理由の一番大きなものは乗車拒否でございまして、これが百五十七件というようになっております。それから使用停止処分に至らずして、文言の警告にとどまったものが四十四年度におきましては百四件でございます。全国的におもなる都市におきますそれらの処分状況につきましては、ただいま申し上げましたように、昭和四十年度から四十四年度までの数字を把握いたしております。
#59
○森中守義君 いま主として乗車拒否のことのようですが、そういうものも含めて、いま、要するに免許の欠格条項が発動されて免許停止、あるいは免許剥奪、そういう行政処分に付されたものはありませんか。
#60
○政府委員(黒住忠行君) 免許の取り消しというものは最近やっておりませんが、営業停止はやりました。ごく最近、大阪におきまして、免許の取り消し、または営業停止という処分の内容はきまっておりませんけれども、それでもって勾留いたしまして、所定の聴聞等の手続によりまして処分を決定いたしたいという件が、ごく最近大阪において一件ございます。
#61
○森中守義君 それからさっきの乗車拒否の問題ですが、これに関連をする問題として、東京都内で、調査室から出された資料では、タクシーの稼働率では四十四年度で九〇・二%、こういうような数字が出されておりますが、運輸省のほうではどういう数字をつかんでおられますか、完全な稼働状態にあるのかどうか。
#62
○政府委員(黒住忠行君) ここに御指摘の資料は、東京の法人タクシーの稼働状況の三十五年度からの推移だと思いますが、この数字は運輸省で把握いたしております数字と全く同様でございます。
#63
○森中守義君 この率でなくて、台数に直して何両くらいになりますか、一日平均。
#64
○政府委員(黒住忠行君) 一割でございますから、三十五年度からの実際の車両に対します一割でございますから、各年度によって違いますけれども、現在におきましては、法人タクシーが約二万五千台でございますから、法人タクシーだけで見ますというと、その約一割でございますから、二千五百台というようになります。しかしながら、現在におきましては、会社によりましては一割ないし一割五分程度のものもあるようでございまして、その状況によりましては、三千台前後のものが休車をしておるというように考えております。
#65
○森中守義君 そこで「大衆交通機関」ということをうたわれているわけですが、実際問題としては、乗車拒否もさることながら、車が現在動いていないというのが一日三千台ということになると、これはまた別の角度からも問題が当然論議されてもいいんじゃないかと思うのですね。それで、具体的なものとしまして、車は休ましている、しかし増車の申請をした、その申請に従って増車が行なわれた、こういう実例はどういうことになりますか。
#66
○政府委員(黒住忠行君) 昨年来からは増車をいたしておりません。一昨年の暮れに約三千七百両のものを割り当てをして、その場合におきましては、増車をして、そういうものを稼働することは可能であるというような資料を提出させたわけでございますけれども、書面審理でございまして、結果といたしましては、なかなか増車をいたしましても、それだけのものは完全には稼働しなかったという結果に相なっておりますので、その後におきましては増車をいたしていない次第でございます。今後も、かりに増車するにいたしましても、個々に十分運転手を確保できるかどうかということを調査してでないと、実際問題としては認可をしても稼働しないというようになりますので、将来におきましては、それらは慎重に考えていきたい。で、東京以外につきまして、名古屋なり大阪におきましては、一律的な増車でなくして、個々の増車申請がありました場合に、調べまして、運転手の確保状況が十分証明できると。過去におきましても自動車を確保させておるし運転手を確保しておるというもの、そして将来に向かいましても養成をして確保できるというもののみにつきまして増車を大阪、名古屋において認めている例がございますので、今後の大都市におきます増車につきましては、そのように一件一件調べて、確保できるということが可能な場合におきまして初めて認可するというふうな処置を考えていきたいと思っております。
#67
○岡三郎君 ちょっと関連で。
 いまの答弁の中で、大体三千車両動かないと。その中に、たとえば、動いている車の中で臨時運転手とかそういうものがどの程度使われているかどうか。要するに、稼働しておっても正規ではなくして臨時運転者というものによって運行されている車があるのかどうか。どうなんですか。これは陸運局のほうで通達を出しておいても、臨時運転者の概念の把握がなかなかむずかしい。この点、どういうふうに調査してありますか。
#68
○政府委員(黒住忠行君) 御指摘の点は、いわゆる日雇い運転手のことだと思いまして、日雇い運転者につきましては、自動車運送事業等運輸規則の第二十五条の七に、こういうものを日雇いという――それで、それは、「選任してはならない」、事業用の運転者として選任してはならないという規定がございまして、われわれといたしましては、現在はこれの規定に触れるものは直接雇用はしてないというふうに考えております。
 まあ監査等におきましてその把握があるいは不十分かとも思いますけれども、監査等の場合におきましては、直接これに触れるようなものは現在はいないというふうに一応はなっておりますけれども、まだ内情の確認等も不十分でございまして、今後この登録制度が実施できますというと、それらの確認が十分できますので、十分な行政指導、監督をしたいと思っておりますが、現在の監査の範囲内におきましては、直接二十五条の七に触れるような人は雇っていないというふうに考えております。
#69
○岡三郎君 いまの答弁、少しあいまいなんですがね。現実にタクシー会社が車を休ましておったんでは商売にならないわけだ。それがしかも一割から一割五分あるということになれば、それだけ遊んでいて仕事がスムーズにいくわけがないし、それで営業成績があがるわけはない。そうするというと、やはり日雇いという概念の問題ですがね、その日雇いでなくて、二日、三日あるいは四日、または最近の流行語で言うパートというやつがあるのかどうか。しかし、これは一がいにきめつけて、いけないとばかりは言えないという話もあるわけです、一説には。それはどういうことかというと、自分が商売やっていて一定の時間があくという場合に、正規な免許証を持った者がたえば、ある一定の日にちのある特定の時間内に正規の免許を持って商売をしたいという者もあるようですが、しかしそこら辺の点について、たとえば、東京でも横浜でも、かなりこの日雇い的な形の、まあ臨時ということばが適当か、適切かどうかわからぬが、そういう運転者がかなりあるし、またそれを使わなければタクシーの経営ができぬところまでいま追い込まれていると。つまり、運転者の不足ですね。だから、そういう点について局長では実情がわからぬので、陸運事務所長か、陸運局長もよくわからぬと思うのだがね、陸運局長のほうでその点把握しておるかどうか。われわれのほうで聞くところによるというと、相当数あるということなんです、いわゆる臨時的な運転者ですね。近代化センターができなければ、それは登録しないからわからないということになれば、そんな監査ではいいかげんなものになってしまうんでね。これはどうなんです。それはあるけれども、いまのところそれをぎゅうぎゅうやるというと商売が成り立たなくなるんで大目に見ているけれども、通達はそういうふうに出しておかなければまずいからと、こういうことなんですか。そこら実態を少し報告してもらいたいと思います。
  〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕
#70
○政府委員(黒住忠行君) 運輸規則で禁じられておりますところのいわゆる日雇い運転者の範囲は、「日々雇い入れられる者」それから「二月以内の期間を定めて使用される者」それから「試みの使用期間中の者」それから「十四日未満の期間ごとに賃金の支払いを受ける者」等でございまして、これらに直接触れるものは、強制的な捜査ということができませんので、監査の場合におきましては関係諸帳簿によって見るわけでございますけれども、それが的確に十分把握しておるかどうかにつきましては一〇〇%と申し上げるまでに至っておりませんが、一応最近におきます監査等の結果では、直接これに触れるものは雇っていない。しかし、この種の供給のあっせん機関がございまして、これには労働省のほうで許可を受けるものもございまして、そういうところからあっせんされて雇用をしているという人たちはあるように聞いておりまして、これは正当に、この範囲に触れない場合でございましたら問題がないわけでございまして、われわれといたしましては、直接これに触れるというふうなものにつきましては現在まあほとんどないというふうに考えておる次第でございますけれども、これからさらにこの登録制度等によりましてその実態が十分把握できるのではないかと思います。
#71
○岡三郎君 私の言わんとするところは、端的に、これは調査してもらえばわかるけれども、そこら辺については経営が苦しいから、かなりいわゆる通達ですか、そういうものに適合するような形で何とか苦肉の策でやっている、これを一がいにとがめられないのが現状ですね。こういうような現状の中で一割ないし一割五分、たとえば、百両持っていて十台ないし十五台遊んでいるということで健全な経営ができるわけでは私はないと思うんです、実質的にね。もしもそれができるというならば、これはまあ非常に甘いということになるのかもわかりませんがね。私はその点で、端的に言って、増車は認めた、一昨年の暮れに三千七百両認めて、大体三千両近くいま遊んでいる、そういうふうな現状の中から、何としてもこの運転手の確保ということが最大緊要な問題であろう。幾ら登録をして何かかんかやろうといっても、これは一種の官僚的な統制方法であって、結局根本的においては優良なる運転手諸君を集める、それには待遇の問題もあるけれども、端的に言って免許証の問題があると思うんですよ。
 いま、看護婦さんが非常に不足がちであるということで、いろいろとこれに対する対応策というものが患者を中心にして考えられておる。医療機関のいわゆる存立という問題から考えられておる。タクシー会社の存立ということ自体は、私は明確にタクシー会社が公共性を持ってきているというこの現実ですね、公的な一つの輸送機関であるということになってきた場合に、これに対してそれを動かしていくところの運転者の養成、確保、こういうものについて抜本的な一つの考え方を持たなければ現状はいかぬのじゃないのか。だからいまの、第一をとってから第二をとるまでに期間が三年ということですか。三年でしょう。これを画一的に施行するということがどういう意味があるのか。これは運輸大臣考えてもらいたい。一種の免許証をとって昼寝しようが何をしようが三年たてばそういう資格が出てくる。これは先ほど、個人タクシーの免許証の資格の中においても、事故が起こらなければいいのだ――適当に使っている人は、事故は起こらないのですね。だから、三年という画一的な期間というものについてどう対処していくのか。たとえば、二年であっても一年であっても厳重な国家試験によって――いまのタクシーの養成所というものは私はまことに不可解だと思う。というのは、運転者の養成所の、タクシー、自動車学校へ行くというと、実地は免除なんだな、あとはテストだけだ。だから、私はそういう点についても、もうちょっと技術のテストというものを厳重にして、一種取ってもすぐ実力がある者は二種取れるんだ――そうするというと、いままでの権利を持っていた者が侵されるということをよく看護婦さんなんか言いますが、私は反対なんです。やはり実情に即して車の台数に合うように運転者を確保しないというと、不良運転者とかそういうものを排除することは私はできないと思うんです。ですから、三年という画一的な期間はこの際はやめて、とにかく一種から二種に免許証を切りかえる場合に、国家が、運輸省なら運輸省の直轄試験場をつくって、ここへ来る者は期間にかかわらず厳重なテストによってそれに合格した者は二種を与えるということによって……。それから二種を持っている者でもずいぶん危険な運転者が中にはおるということを聞くことがあるわけなんですが、この点について運輸大臣の明確なる答弁はほしいんですよ。これは運輸当局だけではできないと思うんです。画一的に三年という期間ではなくて、一年でも――まあ最低一年でも経過したならば、それに伴って試験を受けて、その技術によっては二種の免許証を与えて少しもおかしくない。こういうふうな個人差がずいぶんありますから、こういう点についてひとつ抜本的に検討を私は要望したいんですが、これは運輸大臣どうですか。これは考えてもらわなければいかぬ。
#72
○国務大臣(橋本登美三郎君) 御承知のように、現在は道交法できめられておりますから、しかし、おっしゃるとおり、日本は少し実地試験のほうが甘いんじゃないかというお話、アメリカなんかの場合を聞きますと、実地試験というのは非常に厳重なんですね。その点、いまおっしゃったように、今度は近代化センターができればあるいはそういうところで、いわゆる国家の機関ですから、まあこれは警察等とも打ち合わせなければなりませんけれども、道交法の改正等と相まってこれは検討すべき御意見だと思います。いまの御趣旨はひとつ検討を進めてみたいと思います。
#73
○岡三郎君 いまの二種免許証の所有者、これはいつだか私は忘れたけれども、三十何年ですか、自動的に一種から二種に全部したときがあるんですね。だから、二種の免許証を持っている人の中でほとんど役に立たない二種を持っている人が相当数おりますよ。これは黒住さん知っているかね。ある段階、三十何年の段階で一種を持っていた人を自動的に二種に切りかえたときがあるんです。そういうふうな数を見て二種の免許証を持っている人が相当数おると言っているけれども、これは間違いだ、実態的に動いていない人が相当あるんです。そういうことの実態から見て、運転者の急速な量と質の確保という問題について、いま近代化センターと言われましたが、これが近代化センターでもいいけれども、現在のいわゆる試験というものが、実地試験というものがほとんど免除されていますね。だから、私はこういう点については自動車学校といものを奨励する意味において、ある段階の措置としてはいいと思っているんですが、ここまできてそういうふうな二種の免許証が少ないということになってきている現状の中で、空車がずいぶん出てきている、こういうことになっていれば増車は意味をなさない。これに対する対応策というものを考えるといった場合に、くどいようですが、ひとつ期間というものにこだわらないで、国家試験で腕を検査して、そしてそれに基づいて免許証を出す。いま学校でもこれから飛び級といって、一年から三年にいくということを考えているんですよ、国家で。これはいいかどうかは別ですよ。しかし、少なくとも能力のある者が期間で押えられている、三年間はだめなんだ、これは一つの矛盾ではないかと思うんですよ、いまの不足の時代、運転手さんが余ってきて、第二種の運転免許証を持っている人が一ぱいだぶついて、これどうするかといった場合には、ある程度しぼるということもあるかもしれない。しかし、いまのような現実に不足しておる場合における措置としては、この点をひとつ期間三年間ということにとらわれないで抜本的に検討してもらいたい。これは私は強く要望申し上げておきたいと思います。もう一ぺん大臣答えていただきたいと思いますが、これは黒住さんの御意見聞きたいところなんだ。
#74
○政府委員(黒住忠行君) いま先生が御指摘のように、二種免許証の数自体は相当ございまして、約二百万人おるわけでございます。一種と二種を合計いたしましてはおそらく二千五百万人くらいだと思います。ところが、持っておってもこれはタクシーなりバスの運転手になるべくして持っておるのではないいわゆる架空のようなもので、いま先生御指摘のようなものがあることも事実だと思います。その点につきましてはおっしゃるとおりでございます。画一的に年数だけで経験でやらないで、実際の技術を持っておれば、年数よりもそのほうがより有効ではないかという御意見でございます。ただ、試験等を一々やるというふうな問題等もあるかと思いますが、直接実はこちらで所管をいたしてはいないわけでございますので、これらの点につきましては警察庁の意見も十分聞かなければならないと思いますけれども、年数を一律的にやるという点につきましてはやはり検討をすべきものだと思います。しかしながら、的確に私から答弁はできませんけれども、警察庁の意見も徴しまして相談をいたしてみたいと思います。
#75
○森中守義君 さっきの休車現象というものは、降ってわいたような、きのうきょうあらわれたものではないと思います。それで自動車局のほうでは大体いつの時点くらいから休車現象が発生しておるという理解をされておるか。それと、甲斐参考人にちょっと聞いておきますがね、皆さん方のほうで、要するに権利売買というのかな、ナンバーを売ったり買ったりと、こういうことがよく町のうわさに聞くのですが、そういうのが実際に業界において行なわれておるかどうか、ひとつあなたのほうからお答え願いたいと思います。
#76
○政府委員(黒住忠行君) タクシーの場合におきましては、車検なり代替等の整備等がありまして、九五%以上の実働率であればさほど問題はないわけでございまして、そういう意味におきましては過去におきまして、四十三年の暦年の間におきましては、たとえば、東京におきましては四十三年の八月に九三・二という数字でございますが、おおむね、まあまあ四十三年は通常の姿で推移してまいっております。それが四十四年になりましては九〇%前後になっておりますので、数字的に見ますというと、四十四年の一月ころから従来よりも五%くらい休車率がふえてまいっておりますので、これが問題だと思います。大阪につきましては、すでに相当前から九〇%を切っておる数字でございますから、これはもう数年前からの問題点であると思います。
 それから経営者がかわる点でございますけれども、これは最近においてもございます。ただ、従来と性格を異にしておりますのは、従来では、赤字ではなく黒字の場合におきまして、その権利金といいますか、のれん代というものをある程度算定して売買が行なわれるというふうな現象があるやに聞いております。これは直接役所のほうの認可の内容ではございませんけれども、そういうことは聞いておりましたが、最近におきましては、会社の存続が中小規模の場合に危うくなってくるというような場合に一おきまして、大企業のほうがそれらの会社を買収する、その場合に会社の収支残から見まして赤字になっているわけでございまして、借金等を肩がわりする、その借金と資産を差し引きいたしましたときに赤字が残る場合に、これを吸収して引き受けるという場合に、これを要するに割り算しますというと、経済的にはあたかものれん代のような観念が出てくるかと思いますけれども、前のようにプラスいたしまして、それを権利金、のれん代というものを算定するという形でなくして、借金を肩がわりするという形におきましては、昨年からことしにかけましても、大会社のほうが中小企業を合併なり買収するという例は東京におきましても聞いております。
#77
○参考人(甲斐国三郎君) 突然の呼び出しでありましたので、ごあいさつ抜きにして申し上げますが、いつ、だれが、どこで、幾らの額で買収したということは、私、確証を得ておりませんが、一般風評として、今日なお百万、二百万という数字、金額のうわさがあるということは聞いております。いまの御質問がいつ、だれが、どこで、幾らだということの確証の御質問かもしれませんが、一般的傾向として、今日なお系列会社あるいは買収ということがどんどん進んでおるし、また新免についての申請者が非常に多いということで、かなり赤字でもうからないというようなタクシー企業といいながらもまだ業者の面から魅力を持っておるということは、そういう面からも推測できるのではないか、こういうふうに理解していただいたらどうかと思うのです。
#78
○森中守義君 黒住局長、先ほど休車の、まあ私は聞き違いかもわからぬけれども、大体一企業に対して五%程度ならばというお話があったようですが、あれですか、もちろん免許基準からいけばそういう休車というものが、たとえ率がどうであろうと許容されてはいないと私は思っているのですが、しかし、五%程度は行政サイドにおいてもまあやむを得ないであろう、こういう認識をお持ちだということですか。
#79
○政府委員(黒住忠行君) 実際は実働車にプラスいたしまして予備車をもって一〇〇%の仕事をやるべきでございますけれども、実際問題といたしましては車検がございますとか、それから建故の場合、車の故障のような場合もございまして、一〇〇%というものはなかなか実働できない。しかし、九五%以上実働しております場合におきましてはさほど問題がないのではないかというふうに考える次第でございます。
#80
○森中守義君 大体確実に運転者の確保が困難なために休車の状態にあるという数字はどういう数字になりますか、整備等ではなくて。
#81
○政府委員(黒住忠行君) 従来の実績から申しますと、九五%から六%の実働の場合におきましては運転手の不足ということをさほど顕著には感じないわけでありまして、やはり理由としましては車検であるとか事故であると考えます。ところが、九〇%あるいはそれ以下になりますと、これは明白に運転手が不足である。御承知のように、二・四人がタクシーにおきます現在の三交替制でやります場合の数字で、あるいは十分年次有給休暇等をさらに余裕を持ってすれば理想的には二・五人ぐらいになるかと思いますが、一応二・四人といたしまして九〇%、あるいはこれを下回るような場合におきましては、明白にその数が不足しているというふうに把握しております。
#82
○森中守義君 これは全自交の組合でアンケートをとっておられる数字が出ているのですよ。これは昨年の十一月二十一日、物価閣僚協、それから交通関係閣僚協、ここの決定が行なわれたあとで、要するに近代化を促進しなくてはならぬ、そのためには二二%ないしは二三%の料金の改定も認めよう、つまり料金の改定と引きかえに、閣僚協でいろいろ決定されたあとのことなんですがね。したがって、その後その趣旨にのっとってどういうように改善をされたか、こういう数字が出ている。一例を例示しますと、確認事項に基づく協定、これの中の給与水準の引き上げで協定が成立したものは三十八社、これは都内で約四百近いものの中の全自交に入っている組合だと思うのですが、それから協定をまだしていないというのが三十七。大体以下こういう数字を示しているのですよ。
 それで、私が言いたいのは、冒頭にお尋ねしたように、乗車拒否をはじめ脱法あるいは違法の頻発は企業者の責任が追及されねばならぬ、あるいは乗務者の責任の自覚がより喚起されねばならぬ、こういうことが規定づけられておりますけれども、後者のことは別として、一体いままでの責任の追及のしかたによってどういう行政効果があがったかということは、はなはだ私は遺憾ながら称賛すべき結果になっていない。同時に、こういういろいろな決定に対して企業者が与えている答えというものは、残念ながら行政指導に対応するような内容にはまだまだほど遠いのじゃないか。そういう空気が少なくとも業界に充満してきているかどうかということについては、はなはだ残念に思うのです。したがって、これからどういう指導をしようと、どういう法律効果をもたらそうと期待しようと、なかなか所期の目的を果たし得ないのではないか。こういうように判断をするのですけれども、いま運輸省における業界に対する認識はどういうことでしょうか。要請をする、要求をするということは、少なくともはね返りが期待できるかどうか。その辺に対するお考えはどうなんでしょう。
#83
○政府委員(黒住忠行君) 労働条件の改善につきましては、内容的にはいろいろございまして、その中で給与水準の問題、それから給与の賃金制度の問題がございます。それと、労働時間の短縮の問題等があります。労働時間の短縮、休日労働の点につきましては、先般来の厳格な処置によりまして、これは労働省のほうでもその改善の実が非常にあがっているというふうにとっておられますし、われわれもさように考えております。心ある業者は、社長が先頭に立ちましてこれらの点で改善努力をされておるところでございます。そこで、この問題につきましては、今回のような運賃改定に際しまして異例の措置をとることによりまして相当改善の結果が得られるというふうに考えます。
 給与水準の引き上げ、それから賃金制度の問題につきましては、先ほども申し上げましたように確認書が交換されまして、それに基づきまして、いま先生がお示しのように協定等が行なわれているところもあるわけでございますけれども、まだ協定に至らないところも相当数でございます。これにつきましては、これから三月、四月の実績等を基礎にいたしまして労使の間で話し合いが進められるというわけでございますし、本件につきましては、労働省とともにその経過を監視、監督をしていきたいというふうに考えて、基本的には、その給与水準なりの問題につきましては労使の話し合いの問題でございますが、それは先ほどの確認書が実施されるように監督をしてまいりたいと思います。それから保障給部分の引き上げということ、これは従来の保障給部分を四割のものを三割以内とするというふうに閣僚協了解でも触れておるわけでありまして、これらの点が適確に行なわれるように監視をしていかなければならないと思っている次第でございまして、要するに、これらに対する姿勢といたしましては、まだ事業者のほうで十分ではないという認識をいたしております。今回異例な措置をとったわけでございますけれども、これから先も労働省と運輸省とで資料を交換し合いまして、両省でもって忍耐強く強力にこの面の改善指導をやっていきたいというふうに存じておる次第でございます。
#84
○森中守義君 その辺がこれからの非常に大きな問題になっていくんですがね。
 もう一つ、じゃ、そういうことの中身をちょっと聞いておきますが、運転者の一つの事業所における定着年数といいますか、勤続年数というのか、私の認識では、大体――私の郷里のことですがね、大体三年から四年くらい、こういう数字が出ているようですが、全国的に、あるいは東京を見た場合に、何年くらいになりますか。
#85
○政府委員(黒住忠行君) いま手元の資料によりますというと、ハイタクの場合、四十三年度におきます在職年数の平均が三・四年でございます。六大都市はこれが三・二年ということになっております。全国的には三・四年でございまして、六大都市だけを抽出をいたしました場合には三・二年ということでございます。
#86
○森中守義君 この三・四年の平均、六大都市三・二年ということになりますと、これは他の二次あるいは三次産業に比べてどういう比率になりますか。
#87
○政府委員(黒住忠行君) 他の産業全体につきましては労働省のほうで把握されておるようでございますが、労働省のほうの把握されております数字によりますというと、平均的には全職種計、これは男子の場合八・六ということになっております。それから、これは昭和四十四年の賃金構造基本統計調査、四十四年の六月に行なわれたものでございますので、そのときにおきますところの数字では、タクシー運転手の場合、男は四・一年ということになっております。われわれの数字は、申し上げましたように、四十三年度の数字でございますから、調査のあれに若干狂いはございますけれども、この統計によりますと八・六年ということになっております。われわれのほうの調査によりますというと、乗り合いバスとかトラック、これらは路線、区域がございますけれども、それらに比べましてもハイタクが一番在職年限が少なくなっております。
#88
○森中守義君 甲斐参考人にちょっとお尋ねいたしますがね、皆さんの側でもこういう運転者の不足、勤務動態の調査が行なわれているようです。それで私の知り得たものでは、大体東京都内三十五万人の二種免をお持ちの方がおいでになって、十万人がハイタクで働いている。そういう中で、傾向としてどうなりますか。要するに、定着度というものは非常に厚くなっていこうとするのか、あるいは薄くなっているのか、傾向としてどういうように見ておられますか。
#89
○参考人(甲斐国三郎君) 傾向としては、この近代化センターができればどういう効果があらわれるかは別として、私の見通しでは悲観的じゃないか。なぜならば、先ほど先生の御指摘のありました運賃改定に伴う労働条件の改善について、先ほど全国調べの統計を御質問なすったように、改善されておらないというのが多いわけです。これはまた運輸省並びに労働省の関係当局の皆さん方の要員不足からくる――業種の数が、事業所の数が多いわけですから、完全な監督、監査が行き届かない点がありましょうけれども、かなりいままでに例のない当局の監査あるいは監督指導の結果にもかかわらずそういう数字が出ておるということからいきましても、私は見通しとしてはあまりよくならないというふうに言いたい。それはなぜかというと、何年つとめても魅力がないからなんです。先ほど労働者不足という御質問がありましたけれども、なぜ足りないのか、なぜ運転労働者がハイタクにいかないのか。いっても定着年数四・何年という傾向のお話がありましたけれども、事実の傾向はもっと低いと思います。たとえば、休職中の扱いがそのデータにどうあらわれているか。解雇はしませんけれども休んでおる期間、いなかに帰っておるというのがかなりおりますから、事実上の在職年数はかなりあの数字より低いと思う。なぜかということをついでに申し上げたいのですが、簡単に言って魅力がない、非常にきついということに尽きるのではないでしょうか。あとまた御質問があればいろいろ意見言いたいところがありますけれども、いまの御質問に答えればそういうことだと思います。
#90
○森中守義君 逐次お尋ねしますのでお答えいただきたいんですが、さっきの黒住局長のお話のように、多少数字を扱った時限が違うということですけれども、大体全体的に八・六、これに対して三・二というような、二分の一に満たない、約三分の一程度なんですね。しかも、いま甲斐参考人の御所見からいけば漸次短縮の方向にいっている、つまり定着の度というものは非常に脆弱性を持っている、こういう予測を立てておられるのですね。したがって、今回の登録制等をはじめどういう結果がもたらされていくかということが見どころだというお話のようでしたが、三・二という、こういう極端に短い数字であり、しかも実際もっと短いのだという、こういう甲斐参考人のお話を基礎にすれば、乗車拒否等の問題とは別に、運転者の確保がますます困難になる。逆説的に言うならば、さらに休車現象というものは増加の方向にいくのではないか、こういう予測ができるのではないかと思うんですが、運輸当局ではどういう見解をお持ちでしょうか。
#91
○政府委員(黒住忠行君) わが国におきます労働需要といたしましては、この種は全体的に不足しておるということでございますから、それの反映であるということも否定できないことであるかと思います。また、その中でもタクシー運転手は街頭におきましてお客と契約するという、朝から晩まで流しておるという特殊のことでございまして、やはり定着をするためには労働条件というものが総体的によくならなければ運転手さんにたくさん来てもらえないということでございますから、その職場を、よりよい職場を提供するということにつきまして経営者側も、またわれわれといたしましてもできるだけの努力をする必要がある。で、まあ役所といたしまして、異例のものといたしまして今回のような近代化センターの構想を持ち出したわけでございます。また、運賃の改定の場合におきましても、労働条件を改善するということが基本的な問題になっています。労働条件の改善ということは、魅力ある職場にいたしまして運転手を確保するということに尽きるわけでございますので、それらの努力を重ねていかないと、おっしゃるように定着率というものが下がってくるわけでございますから、あらゆる努力をいたしまして定着率を維持し、さらに向上するということにならなければならないと思うわけでありまして、経営者もその点につきましては十分自覚をしてもらう必要はございますし、あらゆる施策を進めていかなければならないと思っております。
#92
○岡三郎君 ちょっと関連して。
 参考人に聞きたいのですが、最近における収入ですね、運転者の。われわれが聞いておるところによるというと、大体まあ奥さんとこへ持っていくのが七万円ぐらいないというと、子供さんがあるからなかなか生活が困難であるというふうなことを聞いておるわけですが、しかし、いまから数年前はかなり、こんな車の状態でもなかったし、他の産業から比べて比較的にタクシーの運転者はある程度待遇が保障されていたということもあった。最近における状況は、ことに過密になってきたために、交通渋滞が非常に起こる、そういうふうな問題から非常に神経が疲れる、労働は過重になる、そして賃金は前よりも思ったように伸びていないというふうないろんな背景があるわけですが、この交通労働者の同じ一つのサークルの中で考えてみますと、要するに、トラックの運転手さんが二種持っている、こういう人々がタクシーのほうにはいかなくて、トラックのほうがいいんだという声もまたあるわけなんですが、これは、その間についてはどういうふうに把握されておるのですか。要するに、賃金の実態、待遇の実態ですね。それから他のいわゆる同じような産業ですね、そういうふうな輸送産業で働いている人々がどういう動き方に最近なっておるか。
#93
○参考人(甲斐国三郎君) 額としては、先生おっしゃる七万円というのは一般企業と比べれば低くないと思う、一般的な考え方からいけば。ですけれども、私は先ほど申し上げたくて言い忘れたのは、今度の運賃改定が行なわれて、当然、基本給部分の賃金の是正とか歩合給を直すということが閣僚懇談会できめられて、労働者筋もその筋の指導をされたのですが、実際は、値上げの営収分の予想が少し経営者に狂った点もあるようですけれども、二五%くらいは営収増になる――しかし実態は一三%くらいの営収しかあがらなかった。今度の運賃改定でその思惑もあったのでしょうけれども、かえって今度の運賃改定後の賃金改定が行なわれたところは、賃下げになっている事実がある。それはなぜかといいますと、いままでは十万円までは足切りということで、十万円以上かせいでいる人に歩合給をつけていた。ところが、今度の運賃改定が行なわれてから、十三万円までは足切り、十三万円以上でないと歩合給がつかない。そうすると、歩率をスライドしておりますから、たとえば、賃金改定前の賃率で月に八万あげた場合、七万五千から八万になったとする、もっとなったかもしれない。それがかえって減る、少なくなるのですから、ばからしいということで、それが安全運転につながればいいのですが、その辺の悪がかえって出てきている。ですから、組合のあるところは、今度の春闘でそういう賃金の体系是正要求で戦っておりますが、一般の未組織の場合はそういう形、つまるところ、私に言わせれば、タコメーターも法律できめてつけさせているわけですから、労務管理としてはそういう道具をつけられているわけですから、完全固定給にしてなぜいけないのか、そうすればだれもあせらないわけですから。そうしたら営収が減る、赤字になる。それならば、そこで初めて運賃値上げのものさしができるのじゃないか。いま歩合給がついているために一定のマキシマムまで、お客さんを乗せたら四十キロを五十キロで走る、あるいは帰庫時間を守らない。必然、走行キロをオーバーするか、労働時間を延長して、それだけのマキシマムを達するか、その悪循環の繰り返しですから、それを断ち切らない限り、今度のセンターで登録しようが、しまいがそういう悪はなくならぬのではないかという心配を持っている。ですから、根本はそういう賃金体系の悪いところを直すということ、言うならば、当局の――私当局の皆さん方とは何度も折衝しているわけでありますが、労使間の問題ですけれども、あまりにも法律で定めた基準すら守っておらない業者が多い。それもまた処罰が弱い。いまの運転手不足で十台、二十台切っても痛くもかゆくもないというような処分の状況です。業者のほうとしては直そうという姿勢がない。この間の衆議院の参考人の場合でも、聞いておりましたけれども、あれだけの業界の代表の意見を聞いていてもがく然とすることを言っておられるわけです。この際は、そういうことは抜きにして、この問題、大英断をふるってこそこの法律も生きてくるのではないかということを考えます。
#94
○森中守義君 それで、こういう一面が出てくると思うのですね。要するに、なぜ運転者の確保ができないかということは先ほどからお話しのとおり、私もそのとおりだと思う。そうなりますと、企業者にも非常に格差があり過ぎる、つまり大手、あるいは中どころ、小どころというふうに体質がばらばらだということだと思うのですよ。それで、若干の料金改定を行なっても、さてそういうものが労使間の話し合い等により、あるいはまた当局の行政指導によって体質の改善をはかろうとしても、ことに賃金体系を処理しようとしてもあげられた収益はみんなそっちに持っていかれるというようなこういう現象もないとは言えない。そこで、企業のばらばらな体力をどう調整していくのか、そこまで陸運行政としてめんどう見るべきかどうかということも、これは一つの問題じゃないんでしょうか。むしろ私はその辺に今日の企業の近代化、まあ言ってしまえば根本的に直さねばならぬということはそれも一つの側面だというように思うのですね。ただ料金を上げてやればいい、むろんこれは運送料金の収益ということで規定されているわけですから、この規定事項が守られているかどうかは別問題といたしまして、そういったように経営の体力が非常にばらばらである、凹凸があり過ぎる。この辺のことをどういうようにお考えになっているのか、ひとつ正確にお答え願っておきたいと思う。
#95
○政府委員(黒住忠行君) 御承知のように、戦争中に統合いたしまして会社の数が非常に少なくなったわけでございますが、戦後、逐次、資材配分等の統制がなくなってまいりました。それで、既存業者の統合会社だけでなくして、新しい意欲があるものには免許をして大いに競争をさして能率を向上すべきであるという考え方が非常に強く出てまいりまして、それで、その後新免を相当程度やりました結果、現在におきましては、東京部内におきまして約四百社、特別区と三多摩、三鷹と武蔵野を加えたいわゆる流し地区におきましても約三百五十社の法人の事業者があるわけでございまして、三百五十の中で五十両以下のものが声二十五業者、三五・七%、それから五十一両から百両までの間のものが五一・一%、したがいまして、いわゆる百両以下のものが八六・八%というふうな数でございまして、さらに、まあ五百両以上というものを大会社と観念いたしておりますが、五百両以上のものは五業者ございます。したがいまして、百両以下の中小のものが大部分であるという現状でございます。われわれといたしましても、これらのものに対してさらに事業者をふやす必要があるとは毛頭考えておりませんが、何ぶんにも会社の統合合併というようなものは、現在の法体制におきましては強制的に行なうべきものではございませんので、行政指導といたしましては、この統合合併というふうなものも考えて指導をいたしている次第でございます。
 企業の合併協業化につきましては、昨年に、運輸省から、大都市におきますタクシー事業、タクシーサービスの改善対策といたしまして一つの考え方を発表いたしたわけでございますが、その中にも触れております。でき得べくんば、そういう場合におきます助成措置を検討する必要があるのじゃないかということは税制面と金融面でございまして、これらを推進する必要というものを指摘しておるわけでございまして、現在ではまだ十分でございませんけれども、これらの面における助成措置を講ずることによりまして、側面から協業化というものを進めるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
 それから一部の都市におきましては、業者みずからが協業化の案をつくりまして、役所のほうにも相談しに参っているところもあるわけでございまして、われわれといたしましては、なるべくこの協業化というふうな――中小企業は協業化ということによって力がつくわけでございますから、それらのものにつきましては今後も促進するように努力いたしたいと思っております。
#96
○森中守義君 これはさっき申し上げましたように、体力をどういったようにつけさしていくのかということにかなり一つの比重を持たないと、簡単に近代化を促進をするといっても、うまいぐあいにいかないと思うのですね。それと、いまお話しの協業化を促進をするということですが、免許の基準あるいは申請の内容、つまり企業の存立の状態からして、そう簡単に協業化ということはできないんじゃないですか。少なくとも、たとえばバスであるとか、あるいはトラックであるとか、こういうものの性質とタクシーの場合にはこれこそ体質が異なっている。だから協業化にしても、これは限度がある。協業化によって体力をにわかにつけさせるようなことにはならぬと思うんですね。そうなると、じゃどういう方法があるか、私はいまお尋ねしたかったんですが、むしろその前に答えが出ましたから重複するようなことになりましょうけれども、衆議院のこの法案に対する決議の六項「助成措置を講ずる」と、こう言われていますね。ここでは「引き続き」と、こう言っているんですが、「引き続き」ということになると、いままで何かあったということなんでしょうけれども、じゃ、いままでどういう助成措置が講ぜられてきたのか。いま、たとえば税制あるいは金融の面からめんどう見るんだと、こういうことなんですけれども、衆議院が決議の中でこういうように指摘している以上、具体的にこれから何をやろうとするのか。ことにいま税制、金融という二つの項目があげられたわけですが、その他に何か助成の方法が考慮されているのか、少なくとも衆議院のこの附帯決議に何をもってこたえようとするのか、この辺検討が急がれていると思いますが、現状の認識でけっこうですから、お答えをもらっておきたい。
#97
○政府委員(黒住忠行君) 衆議院の御指摘の点は、おそらく、今回の近代化センターに対しまして、国のほうから五千万円、東京三千万円と大阪二千万円の研修施設に対します助成といたしまして、合計五千万円を支出する予定に予算を計上いたしたのでございますが、それでは十分でないんだから、将来さらにそのこと自体も拡張しろというふうな御趣旨かと思います。
 それと、われわれといたしましては、従来、金融面につきましては、中金の関係等につきまして現地現地ではそれのあっせんといいますか、協力をしてまいっているわけでございますけれども、トラック事業とか、整備事業なり、あるいは通運事業におきますものは近代化促進法の対象企業といたしまして、これが指定になっておりまして、それによります融資の面等がございます。タクシー事業につきましても、その点をいろいろ相談したわけでございますけれども、あの場合の近代化の場合には共同車庫であるとか、あるいは機械設備であるとかいうふうなものをつくる場合におきまして、そのメリットがあるかということが中心でございました。ところが、タクシーの場合には、機械化というものは自動車それ自体でございますので、トラックにおきますターミナルの施設のようなものと性格を異にしておりますのと、各社が車庫は一応持っておりますので、共同車庫を持ってそこで共同運営をするというに至らなかったのでございまして、事業者のほうからも積極的な希望がありませんし、そういう性格上、近代化促進法の対象業種にはなっていない次第でございますが、ここにおきましては、それらの点につきましてはだいぶ情勢が変わってきておりますので、検討をする必要もあるのではないかと思うのでございますが、それとは別に、合併、協業化の場合におきます租税の特別措置法によりますところの方法であるとか、政府関係金融機関からの長期低利の融資等につきまして、もう少し積極的に進めていく必要がある。住宅の問題等につきましても、個々の業者につきましては住宅資金を借用いたしまして、住宅設備を提供しておるところもあるわけでございますけれども、これはごく一部でございまして、これらの点を強力に進めていく必要があると思うわけでございまして、それには個々の業者ごとでなくて、全体といたしまして協会が考え、われわれが応援をしていくという態勢、それから近代化センターにおきましても、先ほど申し上げましたが、住宅補助の貸し付け等につきましては、ここでやるように計画をしつつあります。中小企業としてやれないような面につきましても、近代化センターのほうでもできるだけやっていくというふうにも考えているわけでございまして、何ぶんにもタクシー・ハイヤー事業に対しますところの金融なり税金の措置につきましては、ほかの業種に比べましておくれておりますので、われわれとしても今後重点的に検討し、努力をする必要があるかと思っております。
#98
○森中守義君 そうなりますと、衆議院の附帯決議の六項というものは、だいぶ私の考えていたのと違うことになりますがね。結果的に、いま自動車局長の御説明によれば、目下のところ他に体力をつけさしていく方法はない、言いかえれば、料金以外にないのだ、こういうことに相なろうかと思うのですね。そうなりますと、たとえば、閣僚協の決定である東京地区の二二・五%、大阪地区の二二%、これの料金改定ということは、根拠はどういうところに求めているのですか。
 それといま一つ、何も私は料金の値上げを是認するわけじゃないけれども、道路運送法の八条の二項の一の規定でですね、これを踏まえていくならば、三十八年あるいは三十九年の改定以降、そのまま据え置かれている、要するに、タクシー業界の経済事情というものは、四年ないし五年、六年というように、長期に据え置かれ得るような経済事情にあったのかどうなのか、その辺のこともあわせてお答えいただきたい。
#99
○政府委員(黒住忠行君) タクシー・ハイヤーの運賃は、ほかの運送事業と同様に、先生御指摘の道路運送法第八条によりまして認可をするわけでございますが、その二項の第一号に、「能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」ということがございまして、これが審議の場合におきます基準でございますし、また、可否を論ずる場合におきましても、まずこれが基準になるわけでございます。今回の場合におきましては、前回の改定が三十九年の一月でございまして、三十九年度からはほとんど改定の効果というのは大きくあがりませんが、四十年度、四十一年度というふうに毎年度におきますところの収支率というものを計算いたしております。収支率が一〇〇%、要するに、収入一〇〇に対して支出が一〇〇であるということでありますというと、配当は別にいたしまして、とんとんでございまして、配当を加えますと、東京の場合おおむね一〇二でございます。支出一〇〇に対しまして収入が一〇二あれば一割配当は可能である。いわゆる適正利潤が確保できるということを基準にいたしております。この数字から見ますというと、四十一年度におきましては、収支率が一〇一・九、四十二年度は一〇一・八ということでございますが、四十三年度におきましては、九七・三%というふうに一〇〇%を切っております。それで、われわれの計算では、過去の実績から計算をいたしまして、今回の場合におきましては四十五年度を平年度にいたしております。過去の実績からこのままで推移すれば、四十五年度の収支はどうなるかという計算をするわけでございまして、その収支を八条の条件に合うように改善するためには、何%の改定をする必要があるかという計算をいたすわけでございます。
 それを具体的に申し上げますというと、東京の場合におきましては、現行の運賃のままで四十五年度をかりに計算いたしますというと、八三・五%の収支率になるというわけでございます。これを一〇二%にいたします場合には、雑収入――広告費であるとか、いろいろ雑収入がございますが、これの計算を別にいたしまして、運賃面がこれは中心になりまして、これを二二・五%上げることによりまして、四十五年度の収支は一〇二%になる。そうなるというと、四十五年度におきましては、適正な利潤が得られて配当は可能であるという計算でございます。それはそのままであれば、四十五年度の三百五十社の収入は、約千七十一億でございますけれども、二二・五%改定することによって千三百十二億九千八百万円が得られるであろうという計算をいたすわけでございます。それが二二・五%でございます。
 そこで、今度はまた二二・五%の内容といたしましては、経費がどのようにふえるかということによりまして、そういう数字が出るわけでございますが、それを経費の面から言いますというと、特別の経費と一般の経費とに分けまして、特別の経費の中ではLPGの税金が上がるとか、自賠責の保険料が上がるとかいうふうなもの、それから運転手の特別の待遇改善――通常の意味における待遇改善にプラスした待遇改善等を算定いたしました結果が特別経費でございまして、これが六・二一%でございます。それから通常経費――人件費をはじめといたしまして、通常経費の増加額は一六・二九%で、合計いたしまして二二・五%というふうになるわけでございまして、これが全体に対する割り振りでございます。
 今度はこの二二・五彩をどのようにしますかという点でございますが、従来でございますと、基本料金と別個料金の爾後料金というものに割り振りするわけでございますが、今回の場合におきましては、時間併用メーターとそれから夜間の二割増しという、十一時以降の二割増しというのがございまして、今度は運賃制度に対しましては、その二二・五%を配分をしていくというようなやり方をしたわけでございまして、これは要するに二二・五%を改定いたしますことによりまして、四十五年度平年度はこの法律で規定しておりますような内容に相なるということに決定いたした次第でございます。
#100
○森中守義君 実は熊本が大体一六%ぐらいだろう、こういう想定をもって局長、私も一応試算をしてきた。熊本を仮定をした場合一六%、それでいけばたいしたことないのですよ。それで、いまお示しになったのを午後ひとつ出してくれませんか。それと、その中に一体労賃をどのくらい見ているのか、それから、ことに自賠あるいはLPG、こういうものと、大体一台の一日の水揚げをどのくらい見ているのか、そういうものを全部ひとつ出してもらいたい。それによって――何としてもこれは体質の改善をはかれと言っても、魅力を持たれる仕事にしなければ運転者の確保はできない、こういう一つの問題を背景に持っているわけですから。それと、いま一つは、六年ぶりに二二%上げた、いまのお話でいくと、いかにも二二%というのは暫定的なものであって、四十五年度はかろうじてこれでいける、あとはあとで、できるだけ早急に検討したいというふうにも受け取れる。その辺のことが、今回の改定されたもので何年間ぐらい経営は安定したものになっていくのか、その辺を一ぺん煮詰めてみたいと思う。したがって、午後それをひとつ出していただいて、もう少し内容を詰めさしていただきたいと思いますが、提出できますか。
#101
○政府委員(黒住忠行君) いまの数字につきましては至急用意をいたします。
 それから、四十五年度と申し上げましたのは、四十五年度であとはどうなるかという問題じゃなくて、いまやっております運賃の改定は四十五年度を平年度にいたします場合におきましては四十四、五、六という三カ年のいわば平年度でございまして、少くとも四十六年も含めまして平年度の計算をするわけでございます。平年度と申し上げましたのは四十四、五、六という三カ年を平均した平年度という意味でございます。しかしながら、実績を見ますというと、四十四年度の実績はもうあと一、二カ月で出ると思いますし、四十五年度におきましても予定どおりになるかどうかというふうな問題につきましては、その実績を見て検討するわけでございまして、一応平年度、四十五年度といたしましては、四十四年から六年までをにらんでの平年度計算でございますけれども、実績によってさらに検討する必要があると思っておりますが、われわれがやっております運賃作業は、バスの場合でもタクシーの場合でも、四十四年度に認可いたしておりますものは四十五年度を平年度で計算するといいます意味はいまのようなことでございます。数字につきましては、整えまして提出さしていただきたいと思います。
#102
○森中守義君 約束の一時がきましたから、もう一つ資料だけお願いしておきたい。
 閣僚協の決定の中の、つまり、料金改正に伴った条件の中で、給与水準の引き上げ、それから累進歩合制の完全廃止、保障給部分の引き上げ、労働時間の短縮、日雇運転者の雇用禁止、この五項目が全部あるいは大阪において全体の企業者が何%実施をしたのか、この要請にこたえたのか、これがすでに報告も届いていると思いますから、この内容をお示しいただきたい。資料を出してもらいたい。
#103
○政府委員(黒住忠行君) この中では、給与水準の引き上げ等につきましては、現在、交渉は逐次されているものもございまして、現在まででわれわれが把握いたしております条件につきましては、資料を整えましてすぐ提出申し上げたいと思います。
#104
○委員長(温水三郎君) 暫時休憩いたします。
   午後零時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十分開会
#105
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、タクシー業務適正化臨時措置法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#106
○森中守義君 休憩前の資料ですがね、出ていない分、御説明でもかまいません、このほかに。
#107
○政府委員(黒住忠行君) 午前中、先生から御指摘いただきました資料、二つございまして、一つのほうは「東京における運賃改訂増収額の内訳」、これはお手元にその内訳を、パーセントを差し上げております。
 それからもう一つのほうは、閣僚協で了承された事項の実施の状況はどうかという点でございます。その点につきましては五つございまして、第一点は、給与水準の引き上げについてでございますが、これにつきましては午前中から申し上げておりますように、確認書が交換されて、その後運賃が改定をされましたが、現在両者の間で交渉が継続中でございます。
 それから第二点の、累進歩合制の完全廃止の点につきましては、これはいわゆる従来指摘されておりますような累進歩合は廃止をされております。
 それから第三点は、保障給部分の引き上げの点でございましたが、労働省の二・九通達におきましては六〇%を固定給にしろということになっておりますが、その六〇%につきましては実施済みでございます。ここの閣僚協で指摘されておりますのは、歩合給部分を三割以内とするということでございますので、固定給部分は七割になるわけでございますが、それにつきましては一と同様に現在交渉が行なわれておるところでございます。
 第四点は、労働時間の短縮の点でございますが、この点は、今回の運賃改定につきましても最重点事項としまして監査が行なわれました。必要な就業規則等が提出され、さらにそれの実施状態が監査によって確認をされましたので、一応この関係は適正化されたものと思っておりますけれども、今後はしかし監視、監督をする必要がございますので、労働省関係と運輸省関係とが出先機関におきまして、相互に通報を行ないまして、それの完全実施をさせていきたいというふうに考えております。
 それから五番目は、日雇い運転者の雇用禁止の点でございますが、いわゆるわれわれの監査の範囲内におきましては、直接それに触れるようなものは見当たらなかったわけでございますけれども、さらに、これは監査を厳格にやりますと同時に、登録制度によりまして実態が把握できますので、今後十分これは監督をしていきたい、かように考えております。
 閣僚協了承の実施状況につきましては以上でございます。
#108
○森中守義君 そこで少しピッチを上げますがね、今回の東京、大阪の改定率ですね、これはどうなんですか、現在の業界の推移、あるいは経済事情等から勘案をして、大体何年ぐらいこのままの状態で推移できるという判断をしていますか。
#109
○政府委員(黒住忠行君) 一応の推算としましては、四十五年度を平年度としておりますので、その四十五年度が平均でございますから、四十六年度まではカバーできるという推定の数字になっております。
#110
○森中守義君 そうなると、大体四十五年から六年度にわたるきわめて短い期間というので、そのあとまたやる意思ですか、これは。要するに、私が聞いているのは、今回の二二・五%及び二二%という料金の改正は何年ぐらいこのままの状態で推移できるのか、こういう意味ですよ。
#111
○政府委員(黒住忠行君) その点は、いま申し上げましたように、四十六年度まではこの数字でならばやれるという推定でございます。したがいまして、そのとおり収入があれば、四十六年度後において、四十七年度におきまして、四十五年度、四十六年度の数字を検討するというふうに相なると思います。
#112
○森中守義君 そうなると、逆説的に言えば、四十七年度以降についてはあらためて検討し直す、つまり料金の改正をその時点において検討すると、こういう意味に受け取っていいですね。
#113
○政府委員(黒住忠行君) いまおっしゃるとおりでございますが、作業といたしましては、経理の内容等を毎年把握をする必要がございますので、四十四年度はどのようになっているのか、四十五年度はどのようになっていくかということは毎年調査検討はいたしますけれども、現在二二・五%という数字は四十六年度までカバーできるであろうという推定の数字でございますから、そのとおりいきますと、四十七年度以降におきまして数字を検討するということに相なります。
#114
○森中守義君 そこで、この事業の料金それ自体が何としても認可事業だけに公共的であることは、これはもう言うまでもない。そこで、この種の料金がいろいろ議論をされる際に、先ほどから二回ほど申し上げましたが、つまり道路運送法の八条、この事項というものが常時行政当局の認識の中にあって、それで料金問題が絶えず検討研究されているのか、あるいは一般消費者物価のかね合い等によって、つまり政治的に判断をされる。むろん、在来のこの委員会で問答を展開をしてきたところからいけば、法律よりもむしろ政治的な判断、こういうふうに私は認識している。しかし、午前中来問題にしている、あくまでも事業の近代化を促進する、つまり、そうしなければ運転者の確保ができない、ひいては需要者に対するサービスのアップもできないという、この事実に照らして言うならば、政治的な判断による料金の手直しをすべきであるのか、あるいはあくまでも八条を中心にして相当の収益を保証しながら近代化を促進していくかという、かなり大きな根本的な問題にぶつかるのですが、要するに、運輸省としては一般消費者物価の動向のいかんにかかわらずあくまでも料金事項は料金事項として、そういう政治的な配慮を抜きにして検討していこうという考えであるのかどうか。これは後ほど大臣見えたら大臣にも確かめておきたいと思うのですが、行政の責任者としてはどうお考えでしょうか。
#115
○政府委員(黒住忠行君) 事務当局といたしましては、道路運送法に従います仕事をやるべきでございますので、道路運送法の第八条の規定に即するような調査検討をするべきだと思います。したがいまして、そのような調査につきましては、事業の経理内容を把握していくことということは常に必要でございますし、また、運賃改定の申請がありますというと、それに照らしまして判断をする必要がありますので、常に検討はしておる次第でございます。
 ただ、七大都市のハイタクの運賃、まあバスもございますけれども、それにつきましては、閣僚協議会に付議するということが閣議で決定になっております。それから、そのほかの都市につきましても、閣議には付議しませんが、物価問題との関連のもとに企画庁に事前に協議する、事前連絡をするというふうな措置をとる必要がございますので、七大都市の運賃につきましては、その必要性が認められました場合におきましても閣議に付議いたしまして、その事前におきましては企画庁と協議をしなければならないというふうになっておりますので、われわれは、事務当局といたしましては道路運送法に従う仕事をやりますけれども、いまのような手続を要しますので、所要の手続は必要である、その場合におきましてはまあ物価問題との関連におきましていろいろ論ぜられるというふうに相なると思います。
#116
○森中守義君 そうなりますと、企画庁ちょっと呼んでいないんで聞けませんが、大体今回の二二・五%及び二二%の一般消費者物価への寄与率はどのぐらいになりますか。それが一つと、三十八年及び三十九年、その後はずっと据え置きだから、それを、今回の二二・五%と二二%をその期間、年率に直して大体何%でありますか。
#117
○政府委員(黒住忠行君) 今回の二二・五%なり二〇%でございますが、物価指数の総合指数に及ぼす影響は〇・〇四%でございます。東京、大阪と名古屋、京都、横浜、曲尺六大都市を合計いたしまして〇・〇四%でございます。といいますのは、いま申し上げました六大都市のタクシーの運賃料金の総合物価指数におけるウエートが一万分の二十でございます。それを平均二割アップと計算いたしました。東京、大阪は二割二分でございますけれども、横浜その他は二割ぐらいのものでございますので、二割と計算いたしました場合に、合計〇・〇四%でございまして、これがその二二・五%が総合指数に及ぼす影響でございまして、これは経済企画庁の数字でございます。
 で、これはいま先生御指摘のように、三十九年の一月以来やっておりませんで、したがいまして、まあ六年間やらなかったわけでございまして、そういたしますと、まあ毎年単純に平均しますというと、六年でございますから、一年に割りまして三・七五%になるわけでございます。そうなりますというと、まあ〇・〇四%を、われわれといたしましては、物価に及ぼす影響というのは軽微であるというふうに考えておりますけれども、六年に一ぺんでございますのでいまのような数字に相なるわけでございまして、一応まあ軽微な影響である、こういうふうに考えております。
#118
○森中守義君 そこでね、三十九年が一つの時期でしょう。当時と現在――まだいま春闘で、賃金問題がしきりに交渉に入っていますから、現在をずばり出すのは少々無理かわかりませんが、その賃金でどのくらいアップになっていますか。
#119
○政府委員(黒住忠行君) 三十九年と四十四年を比較いたします場合に、これは規模十人以上の場合でございます。タクシー運転手の場合には、平均月間の定期給与額が三十九年を一〇〇にいたしました場合に四十四年は一五七でございます。
#120
○森中守義君 そこで、〇・〇四%という寄与率であれば、これは四十七年段階でもう一回洗い直すという場合に、おおむね〇・〇四%ぐらいの物価への影響力ということであれば、大体企画庁のほうで了解とれるのですか、あるいは世論の非難を受けずに済むのですか、その辺はどういうふうに受けとめているのですか。
#121
○政府委員(黒住忠行君) 大都市特に東京、大阪のタクシー運賃料金につきましては、相当詳細な資料をもちましてわれわれは道路運送法に照らして必要性を強調するわけでございますけれども、企画庁のほうは物価の、数字的にはいまのような数字ではありますけれども、タクシーというものは非常に一般的に利用されておりまして、東京のタクシーというものは大衆の足になっているというようなこともございまして、相当長期間忍耐強く折衝をいたすわけでございます。今回につきましても、われわれは運賃だけでもってものが解決するのではなくして、運賃をやると同時に、ほかの政策も総合的にやらなければならぬ。たとえば、いまお願いしております法案、近代化センターというようなものをつくることによって総合的な政策でもってやるのであるから、その総合的政策の一環として運賃の改定はぜひ必要であるということを強調いたしまして、それで閣僚協にも付議いたしまして決定いたした次第でございます。したがいまして、われわれといたしましては、必要な運賃改定については十分主張をいたしますけれども、いまのタクシーというものの利用の形態からして、企画庁方面におきましては相当いろいろ審議というか、意見があるところでございます。しかしながら、われわれといたしましては、運賃につきましてはやはり法律に従いまして審議すべきが正当であると思っております。ただ、企業の能率的な経営のもとにおける云々ということになっておりますから、能率的に事業者が経営努力をするという点につきましては十分運輸省といたしましても指導をしなければいけないというふうに考える次第でございます。
#122
○森中守義君 そこで、この資料で大体理解できますが、二二・五%、東京を見た場合、要するに閣僚協の決定及び労働省の通達、こういうものを総合的に見た場合に、二二・五%というのはどういう配分を一応想定しておりますか。つまり賃金体系の是正をはかる、その他厚生施設の拡充充実をはかっていく、つまり、運転者を確保できるように、問題が解決できるような方向に指向していくには二二・五%をどういう配分を予定していますか。
#123
○政府委員(黒住忠行君) これは差し上げました資料が、それだけ必要である、その内訳でございまして、資料をちょっとごらんいただきますと、増収率が二二・五%でございますが、その内訳は特別経費六・二一%、通常経費一六・二九%。ここで特別経費と申しますのは、一番下の「注」としてございますその上に、内訳としまして特別人件費、特別物件費と分けておりますが、一番下に特別経費の内訳がございまして、自賠責の保険料が二・〇七%でございます。これは、昨年十一月一日から本年の十月三十一日までは、東京におきまする一両のタクシーに対しましての保険料が十二万五千百円でございまして、従来の約五万円に対しましてそのようにアップになっております。さらにこれは、四十五年の十一月一日からは十五万二千三百円というふうになっておりまして、それを月割りに計算をいたしております。それが二・〇七%でございます。それからLPGの増税につきましては、これが四十五年一月一日から、従来、リッター当たり五円六十銭でありましたものが九円八十銭、四円二十銭上がりました。これが算入をしております。それから運転者の待遇改善といたしまして一・六八%、実はこれは従来のタクシー運転手の実績を伸ばして計算いたしますものは上にあります通常人件費のものでございますけれども、ほかのトラックであるとか、バスであるとか、同種の自動車運送事業の運転手に比べまして、タクシー運転手のアップ率が実際問題として低かったために、われわれといたしましては、それを補うという意味におきまして一・六八%、これは二・五%通常のアップに対して加算をいたしました。それが反映いたしまして一・六八%という数字でございます。それから次は、近代化センターに対するいわゆる負担金といたしまして、年間三万円というものを一応試算にいたしておりますので、その分が〇・七二%。合計いたしまして、六・二一%が特別経費でございます。
 それから、通常経費の一六・二九%を分けますというと、まん中に「内訳」とあります。そこに、「通常人件費」が「一一・〇四%」、「通常物件費」が「五・二五%」とございまして、通常物件費は、ガソリン代であるとか、車両の修繕代、タイヤ・チューブ費、車両償却費等が通常の物件費でございます。それ以外のは、人件費と厚生費等が通常の人件費でございまして、それが一一・〇四%であります。
#124
○森中守義君 これちょっといま私、計算をしてみたのですがね、課長のほうでもかまいませんよ。二二・五%の処遇改善のために直接費で何%、間接費で何%、そういう数字は出ませんか、二二・五%の配分内容として。
#125
○説明員(菅川薫君) 恐縮でございますけれども、直接費、間接費という……。
#126
○森中守義君 直接・間接費が出しにくいとも思うのだけれども、大体しかし概算で出るでしょう。
#127
○説明員(菅川薫君) コストの中の内訳から申しますと、人件費に相当する部分が約六〇%ぐらいを総コストの中で占めております。そのほか、燃料・油脂費、車両修繕費、タイヤ・チューブ費、車両償却費その他諸経費等が運送に直接関係するものでございますけれども、まあそのほかは、先生のおっしゃる意味で、間接費として考えれば、一般管理費的なものと営業外のいろんな金利関係の支払い等が総コストの中では約一〇%強を占めていて、そのほかはいろいろ直接運行に関係する経費であり、そのうち人件費のファクターが、先ほど申しましたように、総体の約六〇%を占めているというような原価構成になっております。
#128
○森中守義君 それで大体わかりましたが、これで東京、大阪はよいとして、それ以外の地方都市等についてはどういうような措置をするのですか。据え置くのですか。
#129
○政府委員(黒住忠行君) 一昨年の四月以降におきまして運賃改定作業をやっておりますが、今回の分で、全部で全国を百二十九ブロックに分けております。百二十九ブロックの中で一昨年の四日以降申請がございましたものが、百十一ブロックでございます。あとの十八ブロックは申請が現在まで出ておりません。で、その百十一ブロックの中で、現在、この五月二日までに改定をいたしましたものが七十七ブロックでございます。あとの三十四ブロックにつきましては、現在各陸運局で申請を受け付けておりまして、陸運局の審議が終わったものにつきましては、本省のほうに認否を求めてきておりまして、したがいまして、この三十四ブロックにつきましては、本省内ないしは陸運局でもって現在審議中でございます。
#130
○森中守義君 そうしますと、すでに申請が出て地方陸運局で審査中のものも最終の決定においては企画庁の同意が要るのですか、相談しなくちゃならぬのですか。
#131
○政府委員(黒住忠行君) これはいろいろ実は分かれておりまして、七大都市のものは閣僚協議会に付議する。それから、人口が五十万以上の市と、ある県を一緒に、一度に改定をする、その当該都道府県全域を同時にやります場合におきましては、事前に企画庁と協議をいたしております。それから、人口三十万以上で五十万に足らないような町の場合等におきましては、事前に連絡をいたしております。その他の場合におきましては、こういう改定をするということを決定いたしまして、事後に連絡をするというふうな、場所によりまして、事務的な扱いが違っております。
 タクシーは、法律上の権限といたしましては、陸運局長の権限でございますけれども、陸運局長が処理いたします場合には、ただいま申し上げましたような部門に従いまして、本省に事前に連絡があり、本省がこの区分によりまして、経済企画庁と相談をして処理するというふうなたてまえでやっております。
#132
○森中守義君 それで、私の聞いている範囲では、今回の二二・五%などの資料の扱いですね、おおむね二年前の資料を扱ったように聞いておる。したがって、すでにこの種閣僚協の決定によって二二・五%が一通りまとまったときには、すでに時間的なズレを来たしているのじゃないか、こういうことを私は認識するのですよ。にもかかわらず、局長の答弁からいけば大体四十五、四十六年度はこの率でいける。したがって、四十七年度にあらためて検討するということのようですけれども、扱う資料としては最も新しいもの、そういう自信をお持ちなのか、あるいは、私が指摘するように、二年前の資料によってこの数字を、つまり積算の根拠として扱われているのか、資料の扱いはどうなんですか。
#133
○政府委員(黒住忠行君) 一番正確に言いますというと、当該年度が終わりまして、大体各会社で総会が開かれますのが、まあ年に一回決算の場合は五月でございますけれども、会社によりましては年二回のところもございます。しかし、われわれのほうでは、各年度が終了いたしまして、その資料を一番基礎にするわけでございます。四十四年度に審議をいたしまして、四十四年度の終わりごろでございますけれども、東京、大阪について決定いたしました場合におきます全体の把握の資料は当然四十三年度になるわけでございまして、四十四年度は、まだ資料は出ておりません。まだ四十四年度中でございますから、当然四十三年度の資料でございます。しかしながら、その資料の前の四十二年、四十一年というものをもさかのぼって検討すると同時に、四十四年度につきましても費目によりましては明白なものがございますし、傾向というものがある程度わかるものがございますものですから、それは四十四年度に入ってからの現実の姿は参考にいたします。いたしますが、基礎資料は、今回の場合は四十三年度でございますので、運賃の改定は、午前中に申し上げましたように、それから四十五年度を推定をいたしまして、四十五年度を平年度としまして、その平年度におきましては二二・五%なり二〇%というものが改定の必要があるというふうな数字をはじくわけでございまして、要するに、現在あります当該年度は年度の進行中でございますから、その前の年度のものを基礎にいたしまして、それを一番の基礎にいたしまして、さらに二年ぐらいさかのぼるといいますか、過去のものも調べると同時に、最近のものも補足の資料としてこれを使うというふうなやり方をいたしております。
#134
○森中守義君 これはお話を聞いて大体わかりますが、この審議には間に合わないけれども、二二・五%の、さっきちょっとお述べになりましたね、ああいうものと、私はやっぱり二年ズレているという認識が非常に強いし、いやそれは実際問題としてかけるものはかけている、見るものは見ているから、ほとんど現行のものだという、こういう説明ですが、できればそれを資料でひとつ出しておいてくださいませんか。この法案の審議には間に合わないけれども、一通りその辺のことも見させてもらいたいと思う。
 それで、大臣お見えになりましたからちょっとお尋ねしますが、自動車局長の説明によれば、大体今回の運賃の改定は四十五、六年ごろに置いている、したがって、四十七年度段階で新しく見直すんだという、いま答弁があった。だから、私はこれはあくまでも道路運送法上の根拠を基礎にしたものじゃない、つまり一般消費者物価の動向であるとか、あるいは世論の趨勢とか、そういうものをかなり重要なファクターとして出されていく政治的な料金だ、こう思うんですね。しかも今回の場合、閣僚協の決定も、一つの見方からすれば、サービスの改善をしなくちゃならぬ、そのために料金を手直しをする、まあいわばそのかけがえみたいなものでしょうから、だから、あくまでもこれは政治料金だという判断をしたほうが適当だと思う。
 そこで、四十七年にきた場合にどうしますか、経済事情の変化もありましょうがね。まあ残念ながら、いまのところは、物価はにわかに安定をするという予測は立たない。大体五%平均で上昇していけば、やはり四十七年には相当窮屈になる。したがって、そのことがやはり運転者の確保はできないということに通じていくような気がするんですね。四十七年段階になったらどうするつもりですか。まあ、いまそこまで先を見通して議論するのは少々早計のきわみかわかりませんが、一応あなたの意見としては聞いておきたい。
#135
○国務大臣(橋本登美三郎君) 私、答弁の中で二、三ちょっと基本的な問題に触れておりますが、タクシー運転手の給与制度というものと企業のあり方というもの、これはやっぱり根本的に考える必要があるんじゃないか。まあおそらく自動車局も調べておると思いますが、ヨーロッパあたり、たとえば、パリでもロンドンでも、どういう形で他の近代的な産業形態に伍してタクシー業というものをやっておられるのか。やはりこれは根本的に、この前の答弁で協同の組織ということを言われておりましたが、これも一つの方法であります。しかし、いまのように、タクシーに一人乗ろうが四人乗ろうが同じ運賃であるということはどうであろう、あるいはまた、いわゆるタクシー業務というものは一種の不定期ハス的なものの考え方はできないだろうか。そういう根本的な問題と、それから業者としてのあり方、最初、先ほど申しましたが、はたして五十台、百台等の中小企業的なものでやっていけるかどうか。そういう場合に、個人タクシーといわゆるタクシー業者とのあいのこのような存在がはたして可能かどうか。こういう意味で、いわゆる物価等の問題もありましょうが、それは別個の立場で根本的なものをなるべく早い機会に考えていかなければならぬのじゃないか。
 いまの運転手の待遇の問題は、この前もちょっと触れましたが、二十四、五歳の人でも四十歳の人でも水揚げは変わりない。これは実はどの企業においてもほんとうはそうなんです。二十五歳の人が能率が低くて、四十歳の人が能率が高いということは原則的にあまりない。ことに、最近のようなモータリゼーションの時代においては、が人間をある程度まで引っぱっていきますから、そういう意味で、水揚げに従っての料金制度という考え方を、やはり近代的なサラリーマンといいますか、月給取りと同じように、その同一仕事に対してある程度のいわゆる勤続年限といいますか、そういうことを考えていいんじゃないか。そういう近代的な給料のあり方というものをまず考えて、そこで初任給なりあるいは定期昇給なりという制度を考える。あるいはまた、閣僚協で言っておるような、一種の歩合制度はこれを廃止するという前提に立つならば、そうした近代会社における収入と同じような形をとらざるを得ない、とらなければだめだ。そのためには、やはりある加入が一方において確保されなければならない。その確保のしかたも、ただ個人のお客さんにのみおんぶすることがいいのかどうか、あるいはもう少し考え方を変えていってもいいんじゃないかとも思うわけです。そういう意味において、タクシー問題研究所の問題とひとつ歩調を合わせつつ、基本的な問題を考えて、近代的なあり方というものはなるべく早急に早く結論を出して、いわゆる料金値上げという形式じゃなく、料金調整といいますか、そういう方式からこれを考えていく必要があろう、かように考えておるわけでございます。
#136
○森中守義君 そういう御意見ですと、これはまた非常に範囲が拡大してくるし、むしろそういう意味からいけば、これはあくまで暫定的なもののようです。いずれいま大臣の言われるような基本的な構想のものが出てくると思う。それはどうなんですか、実際問題として、単なる委員会の答弁でなくておやりになる意思があるのですか。
#137
○国務大臣(橋本登美三郎君) もちろん、私はいま私見を述べておるにすぎません。そういう考え方をしない限りは、タクシー問題は解決つかないんじゃないか。ただそれはいままで百三十円を百五十円にした、二百円にした、こういうことだけでもう問題は片づかないでしょう。少し前から入っていかなければ、もうタクシー業あるいは運転手の近代化はできないと私は自信を持っております。そういう意味において、単にこの答弁ではない。私は何年やっておるかわかりませんが、たとえ短期間であろうとも、その礎石といいますか、研究の一つのテーマだけは与えて、そうしてなるべく早い将来には、そうした料金だけではなくて、そういう意味の合理的な調整、そうして運転手としての近代的なあり方、こういうものをこれはぜひひとつ提言していきたい、こういうように考えております。
#138
○森中守義君 それは、そういう意見には全面的に賛成ですよ。本来ならば、こういう機会にそこまで実は範囲が拡大されたものがほしいのです。しかし、実際は時間的にそういう余裕もないでしょうから、これはひとつぜひやってもらいたい。同時に、いま大衆的な交通機関という、そういう用語が用いられて、まさにその公共性という非常に強い認識があるようですね。そこで、タクシー事業というものを一体どういうように社会的に位置づけていくか、あるいは産業部門としてどういう価値評価をしていくか、本来ならば、そこまで言及されていくべきじゃないかと思うのですがね、これも私の意見にすぎませんけれども。ただ、在来の自由業、こういうことではもうやはり済まなくなってきていますね。だから、これは早急にいい方法をお考えいただいて、できるだけすみやかな機会にそこまで発展をするよりどころはつくっといてもらいたい、こう思うのです。しかし、いまそこまで議論を進めるのは内容的にございませんから、これを中心にしていま少し聞いてみたいと思うわけです。
 この中の登録の問題ですが、これはどうなんでしょうか、この法案によれば、運転者個々人がすると、そういうようになっているのですがね。御承知のように、関係の皆さん方で組合もできていますね。こういう団体あるいは組織が個人にかわって届け出をする、そういう登録業務に参加するということはどういうようにお考えですか。
#139
○政府委員(黒住忠行君) この法案の第五条で、登録は、当該地域におきまして「タクシー事業者に雇用されている者でタクシーの運転者として選任されており、又は選任されることを予定されているものの申請により行う。」というようになっておる次第でございますが、したがいまして、登録をいたしますのはその運転手個人でございます。しかし、組合等に委任状を提出しまして、委任を受けた者がかわってやることはもちろん可能でございますけれども、たてまえといたしましては個々の運転手が登録をするというたてまえにいたしておる次第でございます。
#140
○森中守義君 そうしますと、結局たてまえはたてまえなんだが、委任状によって代理で行なうことができる、こういうように認識をしとっていいですね。
#141
○政府委員(黒住忠行君) さようでございます。ただ、たてまえをそうしておきませんと、会社のほうが登録するというたてまえでございますると、それの登録の自由、あるいは登録抹消、転職というような場合におきまして自由がございませんので、たてまえとしては、会社がしないで運転手がやるというたてまえにいたした次第でございます。しかしながら、組合員等が委任状によりましてかわってやるということは可能でございます。
#142
○森中守義君 それから、センター業務の中で指導業務という事項がありますね、これはむろんそういうことはないと思うのですけれども、ほとんどその実際の指導業務というものを運輸省は委任をしてしまって、本来果たすべき運輸省はそのセンターに対して指導助言を与えるということにとどまるのか、運輸省は運輸省としてみずから指導監督の業務を進めるのか、その辺はどうでしょうか。
#143
○政府委員(黒住忠行君) たとえば、街頭指導その他の指導業務がございます。従来から役所は役所の立場におきましてそれをしておったわけでございますが、会社のほうは協会が会員の指導というふうなことをやっておったわけでございますが、今回はその協会等が行なっておりますところのものをこのセンターで行なうことでございまして、役所として行政監督上やるべき指導の仕事は、当然役所は従来どおり継続してやることに相なります。
#144
○森中守義君 それから、その登録が取り消しをされた場合、この際にちょっと気になることがあるのですよ。それはまあ、かなり旧聞に属しますが、三井三池の炭鉱争議のあとに大量に馘首された。ところが、当該地の大牟田周辺ではほとんど三井の関連産業が多い。そのために他の産業部門に就職をしようとしても、関連産業全体が画一的にチェックしているものだからついに採用されなかった、まあこういう実は先例が幾つもあるのですね。そこで、この場合に、取り消しを受けた場合、東京都内の業者が、まあいわば共同行為といいますか、どこの会社の何某はかくかくの非違行為等のために登録の取り消しが行なわれたというようなことで、他の社に就職の機会を失うという、こういう危険性が多少生まれてくるのじゃないかということを私は懸念するのです。で、もしそこまで発展していくと、明らかにこれは憲法上の職業選択の自由を奪うことになるのです。これはどうなんです。まあよほど用心をしなくちゃならぬ問題ですけれどもね。そういうことがないように、何か行政指導なり何なりできますか。
#145
○政府委員(黒住忠行君) 法律的にはこれは指定地域、これを政令でもってきめるわけでございまして、今回の場合におきましては東京、大阪地区でございます。したがいまして、法律的には、その地域内におきましては、取り消しをされた場合においては一定の期間登録はできないということでございます。したがいまして、指定地域内のハイヤーの運転手あるいは指定地域外のタクシー運転手になることは、別に法律的には直接は禁止してないところでございますし、また、それらの就業をこちらは禁止するという趣旨でもございませんから、当然これは法律的にも可能だと思いますし、また、いま御指摘のような弊害が起きるということはまずいことだと思います。といいますのは、乗車拒否が行なわれたのは、やはりその土地の環境、その交通状態よる環境によって起こるわけでございますから、そのほかの地域におきましてはそういう心配がないわけでございます。したがいまして、他の地域に対する就業のチャンスをなくしてしまうというふうなおそれがないように、今後注意して実施に当たりたいと思います。
#146
○森中守義君 そこで具体的な問題になりますが、九条の一項二号ですね、「一般乗用旅客自動車運送事業の用に供する自動車の運転者の職務に関して著しく不適当な行為をしたと認められるとき。」、これは具体的にどういう事項を指摘しているのでしょうかね。
#147
○政府委員(黒住忠行君) 道路運送法の関係の法律違反等は前号の一号でございますが、二号におきましては、そういう道路運送関係でなくして、刑法等に該当するものでございまして、そういう点について「著しく不適当な行為」ということでございます。したがいまして、例として申し上げますと、旅客に対する行為といたしましては、傷害であるとか、殺人であるとか、強姦であるとか、強盗というふうな、まあそのような刑法犯でございます。それから、通行人をひきましてひき逃げをするというような場合におきましては、これは道交法等におきましても厳罰をもって臨むということになっておりまして、それらを「著しく不適当な行為」というふうに考えております。
#148
○森中守義君 いまの御説明ですと、これはやはり刑法上の問題なんだな、そういう刑法に関係すれば、これは論外ですからね。で、そういうことのためにわざわざ二号を起こしておく必要は私はないと思う。しかも二号というのは、これは非常にあいまいな表現ですよ。いま速記録に局長から、傷害あるいは殺人、強盗、こういう実例があげられましたから、非常にはっきりしたわけですが、これはただこのまますんなりと言いますと、あまりにも抽象的であり概念的ですよ。したがって、こういう事項については、よほど取り扱いに用心を加えないと、要するに、認定者といいますか、不適当だという認定をする人の多少の判断にもよるわけですからね。むしろこの二号というのは、私はいまの解釈からいくならば、不適当じゃないか、不要ですよ、これは。刑事訴訟法があるし、刑法に触れるような事柄をわざわざ二号にあげる必要はない。これは実際、法案として削除すべき条項だと思うのだけれども、この運用は正確に、いま局長が言われたように、殺人、傷害、強盗などをさすものであるというようにもっと明確にしておいてもらいたい。そうしませんと、たとえば、不適当な行為ということは、どうでも拡大解釈ができるのです。したがって、こういうことが、ある意味では労使の紛争の原因をつくらないとも限らない。私はこういうようにこの条項については非常に危険を感ずるのですが、いかがですか。
#149
○政府委員(黒住忠行君) 道路運送法関係の規定に違反する場合におきましてはこの一号でございますけれども、やはりさらに刑法に違反するような事案というものが最近起こっているわけでございまして、そういうたとえば、ひき逃げをしたような人が同一地域でハンドルを持つというようなことはまずいことでございまして、これを排除しようとするのが二号でございまして、これは必要な規定であると思っておりますが、さらに、この運用の点につきましては、われわれが刑法違反を判断するということではございませんで、刑法に違反してこういう行為があったかどうかにつきましては、当然、警察庁の判断を待たなければならないわけでございます。したがいまして、この条項の運用につきましては、警察庁の交通局長と私との間にその運用の適正化につきまして覚え書き等も交換いたしております。その中に、この九条第一項第二号に該当するかどうかにつきましては、その運用の範囲に関して警察庁と十分協議をして実行にあやまちがないようにするというふうにいたしております。で、われわれといたしましても、登録取り消しというようなことは非常に重大なことでございますから、これはセンターにまかさないで直接国がやるわけでございます。その場合におきましては、警察庁と連絡を密にいたしまして、明確なる事案に対しまして、先ほど例で申し上げましたようなものに限りまして、しかも、それも警察庁と連絡して明確にした後におきまして運用をしていくということでございまして、われわれといたしましてはこの件の運用は十分注意をして行なうつもりでございます。
#150
○森中守義君 それだけ正確にお答えいただいておくと心配はないと思いますが、なおこの点は、実際の運用にあたってはよほど用心してもらいたい、少なくとも拡大解釈をしないことをこの際特に要望しておきたいと思います。
 それから四十三条でちょっとお聞きしたい。この四十三条は何としても現場で働いておるドライバーの関係ですから、なかなか机上でああでもないこうでもないという議論のあげくに特定の場所を選定するとか、こういうことも私はどうかと思う。したがって、こういう問題はもう少し慎重というよりも、当該の関係者あるいは組合側等とも十二分に協議が必要じゃないか、こう思うんですが、そういうお考えはお持ちでございませんか。
#151
○政府委員(黒住忠行君) 四十三条はタクシー乗り場を指定します、同時にその乗り場以外においては流しをしてはいけない、乗車をしてはいけないというふうにしているわけでございまして、この実施につきましては、この四十三条の第三項にありますように、都道府県公安委員会、それから道路関係の管理者に協議することになっておりまして、たとえば、東京の銀座でありますとか、新宿でありますとかいう場所で実施いたします場合には、その地域を限りましてはっきりしてやっていくということでございます。これらのことは、やはり一定の地域においてはそういうふうにすることによって、そこらの通行の混乱を避けて、しかもお客が乗りやすいようにするという必要性についてはつとにいわれておるわけでございますが、この実施がなかなか従来できなかったわけでございます。で、今回この法律によりまして関係の各省と連絡を密にしてやっていきたいと思っております。その関係につきましては、関係省も理解をしていただいておりますので、今後円滑に実施をできるものと思っております。
#152
○森中守義君 この点でちょっと甲斐参考人にお尋ねしますがね。全交運側におかれまして、こういうようなことが実際問題として行なわれている場合、要するに、少なくとも運転者の立場をよくするものであるか、あるいはまた、こういうことをやる場合に、対案といいますか、試案といいますか、あるいは協議に参加をするということ、そういうことを望まれますか。それとも当局の措置におまかせになりますか。
#153
○参考人(甲斐国三郎君) いまの先生と黒住局長の答弁で考えられることは、当然そのようにお願いしたいと思います。一番知っておるのはやはり運転手でございますから、先生のおことばをかりれば、机の上でこの地域は流し禁止、このところにタクシー乗り場をつくるということは、ある程度実態がわかった上の措置とはいいながらも、いろいろ今日の交通状態を考えますと、やはり実態を無視したような形で流しを禁止したりすれば、かえってトラブルが起こりますから、十分組合側の意見を聞いてもらいたいと思います。
 しかし、ここでもう少し流しの問題について基本的なことを申し上げますと、いま、タクシーについての流しの要望が強いといいましょうか、いわゆるいつでもだれでもどこでも乗れるような運行が求められているわけですね。夜中であろうが、極端に言って、とめてはいけないところで手をあげてとめる要求があってみたり、大衆の足としてのタクシーですから、だれでも乗れる、たとえば、子供が五人二十円ずつ百円のところを乗っていくというような輸送までしなければならぬ形態がございますから、ですから、私はもう少し、こういう交通事情が悪くなればなるほど、流しそのもののあり方を抜本的に、大臣もおっしゃったように検討してもらって――四六時中流していなければならないということについて私ども不満を持っております。ですから、さかのぼって申し上げて恐縮ですが、大臣おられますから、私ちょっと申し上げたいのですが、抜本的と大臣言われる内容は、一体タクシーの輸送任務は何なのか。東京にはタクシーとハイヤーがございます。社用族はハイヤーを使っております、かなり料金も高い。ところが、一般大衆の使うタクシーは、夜中であろうが何であろうが、今度の運賃改定がなされるまでは、同じ料金で深夜も働いているわけです。しかも流していなければならない。こんな非生産的な、非能率的なあれはないと思うのです。ですから、無線も最近はあることですから、もう少しタクシーの運行というものについて、大臣が言われるように位置づけというものを――何を輸送するのか、そのためには料金はどうであったらいいのかというようなことも、さかのぼって位置づけて考えなければ、私は、大臣がおっしゃる一つの答えは出てこない、何の解決策も出てこない、こう思います。ですから、衆議院の参考意見でだれかも言っておりましたように、私も効外ですけれども、十時半過ぎた場合に、雨の小降りの日なんか一時間ぐらい並びます。ピストン輸送です。そういうものについていろいろ問題があるわけです。バス輸送との関係、あるいは乗車拒否が起こったから深夜バスを新橋から走らせましたけれども、タクシーの運転手からいえば、酔っぱらいのあと始末をするのか、タクシーの運転手からいえばタクシーだけが世にやならぬのか、こういうお互いの反発もあるわけです。もっと抜本的にタクシーの任務というものを位置づけて、そこから流しの問題にしても、運行の時間帯の問題にしても、それから給与の体系にしても、台数の問題、営業形態の台数の問題にしても、営業の成り立たないような二台か三台の法人タクシーが認可になっておりますが、そういう洗いざらいのことをこの機会に、いわゆる運輸省の皆さん方も先生方もこの法律の成立いかんにかかわらず、今後検討してもらいたいことを強く要望しておきます。
#154
○森中守義君 それから、個々の条文にわたって多少こまか過ぎるかわかりませんが、三十四条と三十五条の関係で、在来、事業団ができるできないにかかわらず、個々の事業者が当然補償すべき事故がたくさんあるわけですね。これが今回の適正化事業機関によって行なわれるという場合、ややもすると、個々の事業者が手抜きをするかわからぬ、こういう懸念も私は全然ないとは言えないと思うんですね。まとめて共同施設ができたのだから各社ごとにやる必要はなかろうというような、そういうこともあり得ると思いますが、しかし、こういう共同施設をつくったから個々の事業者がやらぬでもいいということは、これは全くおかしな話ですから、そういうことがないように適切な措置が在来どおり、経営者は経営者としてなすべきことはなさせるという、そういう将来の保証がありますか。
#155
○政府委員(黒住忠行君) 必要な厚生施設、仮眠施設等につきましては、現在の運輸規則でもそれを行なわなければならないことになっております。したがいまして、それは当然、今後も従来に増して行なわれるべきであると思います。それから、全体といたしまして、当然企業がやるべき点もこの中に相当あるわけでございまして、しかしながら、大企業の場合におきましては、比較的余裕等があって実施しやすいけれども、中小企業の場合におきましては、なかなか実施もむずかしいというふうな点もございます。したがいまして、そういう点につきましては、この近代化センターで実施をはかるということでございますが、企業者が当然やるべきことをこれに全部まかせというふうなことでは、これでは目的に反するわけでございますから、企業者は当然やるべきことをやる。さらに、この適正化事業につきましては、このセンターにおいてもそれを行ないまして、両々相まっていかなければ、この大東京のタクシーの改善でございますから困難と思うわけでございます。したがいまして、われわれはこの適正化実施機関におきますものをりっぱにやると同時に、会社に対する指導監督につきましては、十分厳重に今後もやっていきたい、かように考えております。
#156
○森中守義君 それは事実そうしてほしいですね。
 それから、九条の三項ですが、登録の削除が行なわれる決定の問題です。これはどういう手続になるのか、よく聞いておりませんが、一方的に削除するということじゃないでしょう。たとえば、聴聞を開くというような方法が講じられておるのですか。もちろん、聴聞が開かれるという場合には、本人もしくは委任を受けた代理人によって該当事項に対する陳述あるいは弁明、釈明、こういう機会が当然与えられてしかるべきだと思うのですが、どうですか。
#157
○政府委員(黒住忠行君) 第九条の第三項のことでございますが、まず第四項におきましては、聴聞のことがあげられております。聴聞におきましては、十分事実を述べていただくわけでございますけれども、われわれといたしましても、取り消しの前に警察なりからの通報がありました場合、それから利用者からの通報がありました場合におきましては、十分証拠に基づいて厳格に審議をして決定するべきでございますから、まずそれをやりたい。それから四項の聴聞のときにおきましても、十分この意見を述べていただくというふうにしたいと思いますが、この聴聞は事実の確認を行なうものでございまして、したがいまして、本人の出頭が必要でございます。本人が出頭いたしまして、自分が十分有利になるように陳述をし、主張をするということが必要であるかとも思うわけでございます。しかしながら、この場合、弁護人等の付添人を連れてこられるということを拒むものではございません。なお、この取り消しの場合の時効でございますが、三項にありますように、「二年以内の期間を定めて登録を行なわない旨の決定をすることができる。」とありますけれども、一律的に簡単に考えておるものではございませんで、これの運用につきましては、われわれといたしましては内部基準的なものをはっきりいたしまして、その内容によりまして単純なものから、そうではないもの、それから数回繰り返すいわゆる累犯的なものと、それから初犯的なもの、そういうものは性格が違いますし、また、内容につきましてもひき逃げとか酔っぱらい運転とかいうふうな場合におきまして、それは常習的であり、改俊の見込みが薄いというふうな場合におきまして、初めて二年間というものを適用するわけでございまして、われわれのほうでは事故の内容と、それから初犯、累犯という、そういうものに応じましてきめていくというふうにいたしたいと思います。それでなお、初犯等の場合におきましては、なるべく指導によりまして改めてもらうというふうにしたい。そのためには、一カ月ぐらいの場合におきましては研修所で研修をしてもらって、今後は繰り返さないというふうなことでありますというと、厳重の処分等はしないで済ましたいということでありまして、厳格にやりますと同時に、また、そういうような指導によりまして改善をいたしていきたいというふうに思っております。
 要するに、これを実施の場合におきますわれわれの考え方を、公平、厳正にやるということ、それから聴聞のときにおきましても十分意見を述べてもらう、また、処理いたします場合におきましては、十分な証拠に基づいて不公正にわたらないように処理をしていくというふうな点につきまして万全を期してまいりたいと思っております。
#158
○森中守義君 さて、そういう幾つかの問題点がやや明らかになってきましたが、いよいよこの法案が一人歩きするような段階になった場合、完全に乗車拒否の問題が、あるいは経営者等の違法脱法行為などが全く完全にチェックできるような、そういう自信がありますか。私は、これはできたけれども、事実問題として監査機能というものが十分でないんじゃないか、こういう気もするんですけれどもどうですか。
#159
○政府委員(黒住忠行君) 乗車拒否対策、これは総合的にやらなければならないのでございますが、その一環といたしましてこの法案をお願いを申し上げておる次第でございます。この法案におきましては、良質運転手を確保するということで、それのために登録の制度の実施、あるいは研修の制度の実施、あるいは適正化事業の実施というふうなことを行なうのがこの法律の目的でございます。しかしながら、経営者のタクシー事業に対する改善努力ということは従来にも増して必要な現状でございますから、それに対する行政指導、監督というものは十分やっていきたい。それが十分でないものに対しましては、午前中からもお話がありましたように、厳正なる態度でもって臨んでいきたいと、かように考えております。
#160
○国務大臣(橋本登美三郎君) この法案と関連してよく乗車拒否の話が出るんですが、私は少し甘いかもしれませんけれども、運転手は私はかわいそうだと思うんですよ、乗車拒否をやかましくいままでいろんな意味で言われるのは。私は何回か、最近、自分の車がいま休んでおりますから、一年ほど寝ておるものですからして、タクシーを使う場合が多いんですが、私はかつていままで一回もあったことはないのですが、そこでいわゆるここでいう乗車拒否というのは相当悪質なものをいうんだろうと思うんです。さっきも参考人の人がちょっと触れたようでしたけれども、酔っぱらいのあと始末までやらせてそれが乗車拒否だというようなことは、私は運転手に対して酷じゃないかと思うんです。ですからして、やはり世の中のことでありますから、お互いがやっぱり理解し合わなければ乗車拒否はなくなりはしますまい。そういうような運転手をつかまえて、何か人間扱いしないようなものがあれば、だれだって腹が立ちますから断わるということも出てくるでしょう。ですから、やっぱりお互いが理解し合う、そういう立場でやるなれば、私はそういうような一般的な乗車拒否は絶対なくなると思います。それでもなおかつやる運転手は、これは運転手の資格がないんですから、これはもうしょうがない。そういう人はもちろん乗車拒否をする人の中の、百人に一人ぐらいいるかもしれませんが、これは人間の性格の問題でやむを得ませんが、私は世間でいう乗車拒否というものが必ずしも運転手だけの罪ではないのじゃないか。そういう点においては、お互いが理解し合えば、いわゆる乗車拒否は原則としてなくなるものである。ある意味においては、この法案は運転手諸君にとってはきつい法案です。登録制度という一応看板をつけるわけなんですから。しかしながら、やっぱり接客業ですから、お客さんを扱う業ですからサービスは完全でなければならない。同時にサービスは、相手も人なんですから、そういう考え方から接してくれば、私はこの法案の大部分の目的を達することができるんではないか、かように考えておるわけで、そういう意味で、運輸省としては善意を持って指導していきたい、罰則だけが能じゃない、かように私は考えております。
#161
○森中守義君 そのいまのお話はそのとおりでしょうが、その前にちょっともう一つ聞いておきますが、これは時期を追って実際の効果を見ながら現在の適用地以外にも拡大をしていく考えがおありですか。全国的に、さらにこの適用地域を広げていく、そういう将来の見通しをお持ちですか。
#162
○政府委員(黒住忠行君) この段階におきましては、政令でもって指定地域を指定するわけでございますが、東京、大阪に限るつもりでございます。そのほかの地域におきましては、この法律を実施しなくても、その必要がないように事前において十分指導、監督に努力していきたい。また、それは可能ではないかというふうに考えております。東京、大阪に関してのみこの法律を実施したいというのが目下の考え方でございます。
#163
○森中守義君 ですから、逆な言い方をすると、先々東京、大阪以外には適用する意思はないと、こういうふうに確認をしていいんですね。ほかの地域には適用しない、その辺をはっきりさしてもらいたいですよ。
#164
○政府委員(黒住忠行君) 目下の情勢におきましては東京、大阪以外には適用する考えを持っておりません。
#165
○森中守義君 そうしますと、これはあくまでも臨時措置法ということなんですから、本来ならば時限法でもいいような気がするのですね、たとえば、三年であるとか、あるいは五年であるとか。しかし、別段日限は付していない。だから、先ほど来いろいろお話を聞いていると、道路運送法は依然として健在である、これはこれでやっていくということになりますと、つまり道路運送法と措置法との両建て、二本建てですね。この二つのものを併用してとりあえずやっていきたい、こういうことのようでありますが、こういう措置をしたときに、法の運用で都合のいいときには道路運送法で逃げる、都合が悪いときには臨時措置法に逃げ込むという使い分けがあるものだから、運輸省というわけじゃないが、十数年の経験の中でもしばしばあったのです。私は、こういう同じ目的を持った法律というものが両建て、二本建てということはあまり好ましいとは思わない、法律の体系からいたしまして。だから、今回も体質的に考えるならば道路運送法の改正のほうがいわゆる筋だと思うのです。しかし臨時措置法が出てくる。だからといって、これは日限を付した時限立法ではない。この辺が少し、立法上の見解というものが皆さんと違うわけですが、先ほど運輸大臣のお話の中に抜本的に検討を加える時期にきている、それをやりたい、こういうことを述べられた。そうなりますと、いずれかの時期には道路運送法の抜本的な改正をおやりになる考えがあるのですか。むしろ、運輸大臣の見解からいくならば、道路運送法の抜本的な改正が筋だと私は思う、その点どうですか。
#166
○国務大臣(橋本登美三郎君) ちょっと道路運送法とこの法律の性格は違います。目的は御承知のように、研修といいますかね、運転手の研修がかなり重要な役割りをしている。それからまた、タクシーというものの運転手に原則が限られている。旅客を対象とする運転手、これはバスもそうですが、タクシーは特に個々の場合がありますから、タクシーという一つの業種に限っているということ。登録制というものをやってみる。こういう意味で、道路運送法を改正してやるのとは少し事情が違うと思います。ただ、暫定法ということでありますからして、このような研修の実があがる、あるいはタクシー登録をせぬでもりっぱなタクシー運転手ができればこの法律の必要はなくなる。それで厚生施設等の共同利用ができれば永久に必要とは言いません。そこで、暫定ということでありますけれども、暫定といいましても二年、三年ではこの仕事はなかなかできそうにもありませんから、おそらく七年前後のところは考えざるを得ないのじゃないか。その間に、たとえば抜本的な措置ができましても一斉にそれらの事業が変わるわけじゃない。やはり何年かの育成期間が必要でございますから、新しい抜本的な施策が講ぜられても、やはり五年、七年というものは必要な期間じゃないだろうか。こういう意味において、この法律の存在価値というものは十分あると、かように考えております。
#167
○森中守義君 大臣せっかくのお答えですが、私は承服できない。それは五十九条に至るまで道路運送法のどの条項にも該当するのがあまりに多いのです。そういう意味で私はさっき意見を言ったのです。全く道路運送法と無縁のものだということはありませんよ。むしろ、これを直すことが実は本筋だという私の意見は、これはもう大臣も理解してもらえると思うんですがね。しかし、法の体係はともかくとして、これはやはり抜本的なものをやるならやるように、両方にらみをつけて手直しをしなければできませんよ。それをおやりになるかどうかということなんですが、まだそこまで御意見が固まっていないようだから、ここであえて答えをもらおうと思いませんが、しかし、これは早急にやってもらいたい。
 それと、先ほど来幾つか各条項の不明な点等も明らかになりましたから、それで私も一通り審議はこれで終わることにいたしますが、これは先ほど大臣が言われたように、運転者諸君の地位を守る、利益を守るというところにこの法案の特殊な意味合いもある、こういう御説ですが、私はそれをあくまでも尊重し、それを貫いてもらいたい。そうしませんと、まだまだ各条項に至っていけば、へたな運用のしかたをすれば利益の擁護とか地位の保全などという問題じゃございません、これは逆用すればどうでも逆用できるような個所があまりにも多過ぎる、その点を懸念するのですよね。だから、私は大臣の先ほどの御所見をあくまでも信頼をしたいし、信用したいと思う。まかり間違っても運用のあやまちのためにたいへんな混乱が起きないように、ほんとうに運転者諸君が安んじてその業務に精励のできるように、しかもこの種産業が社会に貢献のできるような法律の運用をやってもらいたいと思う。たいへん当然なことですけれども、このことを最後に要請をして、私の質問を終わりたいと思います。
#168
○委員長(温水三郎君) それでは休憩いたします。
   午後三時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時二十二分開会
#169
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、タクシー業務適正化臨時措置法案を議題とし、まず質疑を行ないます。――別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認めます。よってこれより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#171
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 タクシー業務適正化臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#172
○委員長(温水三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#173
○藤田進君 私は、ただいま可決されましたタクシー業務適正化臨時措置法案に対し、自民、社会、公明、民社、第二院クラブの共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
  タクシー業務適正化臨時措置法案に対する附帯決議(案)
  本法の施行にあたって、政府は、特に左の事項に留意し、その運用に万遺憾なきょう措置すべきである。
 一 乗車拒否その他利用者の不満を一掃するため、タクシー業務の適正化を図り、交通関係及び物価等対策閣僚協議会の決定(昭和四十四年十一月二十一日)並びに労働省通達(昭和四十二年二月九日)の完全実施に務め、特に労務管理の近代化、賃金制度の改善等適切なる措置を講ずること。
 二 登録制度の実施に当っては、個々の運転者の権利が侵害されることのないよう格段の配慮を行ない、近代化センターの民主的運営に努めること。
 三 本法並びに道路運送法、労働基準法等関係法令違反の悪質事業者に対し、免許の取消をも含め、厳重なる処分を行なうこと。
  右決議する。
 以上であります。
#174
○委員長(温水三郎君) ただいま述べられました藤田君提出の附帯決議案を議題といたします。
 藤田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(温水三郎君) 全会一致と認めます。よって、藤田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#176
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。運輸大臣。
#177
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいまは、タクシー業務適正化臨時措置法案について慎重審議の結果、御採決いただきまして、まことにありがとうございました。また、決議されました附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重し、誠意をもって実施に当たる所存でございます。まことにありがとうございました。
#178
○委員長(温水三郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#179
○委員長(温水三郎君) 速記をつけて。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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