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1970/03/27 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第2号
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1970/03/27 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第2号

#1
第063回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第2号
昭和四十五年三月二十七日(金曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     高山 恒雄君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     高山 恒雄君     田渕 哲也君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     瓜生  清君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     瓜生  清君     田渕 哲也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         川上 為治君
    委 員
                井川 伊平君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                竹田 現照君
                田渕 哲也君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業省鉱山
       保安局長     橋本 徳男君
       労働省職業安定
       局失業対策部長  遠藤 政夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   参考人
       石炭鉱業合理化
       事業団理事長   中島 征帆君
       産炭地域振興事
       業団理事     倉持  弘君
       石炭鉱害事業団
       理事長      天日 光一君
       雇用促進事業団
       理事長      堀  秀夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (石炭対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(川上為治君) ただいまから石炭等に関する小委員会を開催いたします。
 石炭産業関係の四事業団について、その業務の概況並びに昭和四十五年度の事業計画等について調査を行ないます。
 本日は、参考人として石炭鉱業合理化事業団理事長中島征帆君、産炭地域振興事業団理事倉持弘君、石炭公害事業団理事長天日光一君、雇用促進事業団理事長堀秀夫君、以上四名の方々が出席されておりますので、これより順次報告を聴取いたしたいと存じます。中島参考人からお願いをいたします。
#3
○参考人(中島征帆君) 石炭鉱業合理化事業団の理事長の中島でございます。本日、当委員会におきまして、参考人としてお招きいただきまして意見を申し上げる機会を与えていただきましたことを心から御礼申し上げます。
 当合理化事業団は、ことしの十月に設立以来満十周年を迎えるのでございますが、この事業団の前身でありまする石炭鉱業整備事業団から通算いたしますると、まさに十五年を経たことになるわけでございます。その間、当初のいわゆる旧方式によります炭鉱買収業務から始めまして、業務の範囲も逐次拡大されまして、今日におきましては閉山交付金の業務のほかに、近代化資金、整備資金等の貸し付け、近代化機械の貸し付け業務というふうにだんだん手広く業務を実施いたしております。これらはいずれもおおむね順調に遂行いたされておりますが、これは国会の皆さま並びに政府及び関係各方面の皆さま方の絶大なる御指導と御援助のたまものでございまして、この機会にこの席で厚く御礼申し上げる次第でございます。
 以下当事業団の業務のおもなものにつきまして、過去の実績並びに来四十五年度の計画等につきまして簡単に御説明をさしていただきます。
 お手元の資料に「業務の概要」、白い薄い資料がございますが、この簡単な資料に基づきまして、逐次御説明をいたします。
 まず第一に、石炭鉱山の整備業務についてでございますが、これはこの資料の第一ページのいわゆる一般閉山方式によります炭鉱の整理につきましては、昭和四十四年度といたしましては四十炭鉱、生産規模としまして四百二十万トンを整理いたしております。これを昭和三十七年の当初から通算いたしますと、合計で、ここにございますように四百三十七炭鉱、出炭規模といたしまして三千百十八万トン、かような数字に達するわけでございます。
 次に、いわゆる企業ぐるみ閉山、特別閉山の交付金でございますが、これは同じページの(3)の表にございます。ここにごらんになりますとおりに、明治、杵島、麻生、北星、この四社につきましてはすでに交付事務を遂行中でございまして、そのうち賃金債務、鉱害債務、一般債務につきましては交付金額も決定いたしておりまして、手続の終了次第逐次支払いを進めております。それから金融債務につきましては、なお取り立て不能額の推定等いろいろこまかい算定を要する事項もございますので、若干日数を要しますので、まだ決定しておりません。
 それからこの特別閉山の事務につきましては、これは御承知のように本四十四年度から新しく実施された制度でございまして、きわめて画期的な制度でございますので、この処理につきましては、当初いろいろな懸念もございましたけれども、幸いに関係各方面の適切な御指導と御援助によりまして、現在四社合計いたしまして離職者の労務者数一万八千人にのぼりますが、これにつきましての賃金債務の処理も順当に実施いたしております。このほかに、申し込み中といたしまして、表にもございますが、雄別、夕張、飲野と、この三社の炭鉱につきまして特別閉山交付金の申請が出ております。これらにつきましては、いずれもすみやかに交付決定を行なえますように手続を進めております。
 それから次に融資の関係でございますが、これは二ページのほうに移りますが、御承知のとおりにこの石炭鉱業に対しまする融資につきましては、最近におきまして金融関係から次第に炭鉱方面が疎遠されるような状況にございまして、昭和四十四年度からは従来開発銀行から貸し付けられておりました炭鉱に対しまする設備資金も、これも大幅に後退いたしております。したがって、合理化事業団からの無利子の融資であります近代化資金が、設備資金の最も大部分を占めるというふうな結果になっております。この資金につきましては二ページにございますように、四十四年度におきましては総額百四億の貸し付けの見込みでございます。これは政府からの出資金とそれから従来の貸し付けに対しまする償還金を含めまして、それを原資といたしまして大体百四億程度の貸し付けを行なう予定でございます。この間に、特に本年度におきましては炭鉱労務者用の住宅に関しましてその新築と改修のために大体七億程度のもの新築と改修のために大体七億程度のものがこの内数として貸し付けをすることが許されておりますので、大体その辺の数字がこの数字から出されることになります。それから、これの融資の比率でございますが、従来大体貸し付け比率は対象金額の五〇%というのが原則でございましたけれども、本四十四年度からはこれを七〇%を限度として貸し付けしてよろしいということになっておりますので、当初まず五〇%を貸し付けまして、その後の状況を勘案しながらふやし得るところはふやしまして、中小炭鉱を中心といたしまして七〇%近くなるところもかなり出ております。
 この近代化資金のほか、開発資金それから整備資金等、この二ページにありますが、これにつきましてはそれぞれ本年度十六億及び十億というものを貸し付けいたしております。
 それから次の三ページに移りますが、整備資金及び経営改善資金の保証業務でございます。これは本年度末におきまして両方合わせまして保証残高が三十二億円、三ページのおしまいから二行目にございますが、そういうふうな数字に達する見込みでございます。
 次に、近代化機械の貸し付けの業務でございますが、この制度は昭和四十一年度から実施しておりまして、近代化資金の貸し付けと並んで炭鉱の機械化に非常に役に立っておりますが、最近炭鉱の資金の不足を反映いたしまして、この機械貸し付けの規模も逐次増大いたしております。したがいまして、表にございますように、四十一年から四十三年までは二十一億円の実績になっておりますが、四十四年度におきましては三十億の予算を計上いたしまして、大体この金額一ぱいに近く貸し出す予定でございます。これにつきましては今後も希望は相当あるように考えられております。
 以上が大体今日までの業務の概要でございます。
 次に、四十五年度につきましての計画を簡単に申し上げますと、これも四ページの表の後半にございますが、閉山交付金につきましては現在国会で御審議中でございますが、補助金といたしまして百六十億円が計上され、要求されておると思います。これに事業団のほうで徴収いたします納付金を加えまして総額百七十億円程度のものがこの閉山交付金の規模として四十五年度としましては予定されております。
 それから、貸し付け業務につきましては、設備資金全体といたしまして政府出資金九十億円に、償還されてまいります五十七億円を加えました百四十七億円が全体的な貸し付け規模として見込まれております。で、この設備資金の割り振りにつきましては、関係方面といろいろと相談をいたしております最中でございまして、いまだに最終決定には至っておりませんけれども、かりに開発資金といたしまして二十億ないし二十五億、機械貸し付け用の資金といたしまして二十億円程度を予定いたしますというと、残りの近代化資金といたしましては大体本年度と同額の百億から百三億程度になろうかと思います。そのほか整備資金につきましては、一応十二億余りのものが予算といたしまして計上されております。
 以上四十四年度の実績と四十五年度の計画につきましてきわめて簡単に御説明させていただきました。
 当事業団といたしましては、年々石炭鉱業を取り巻く環境がきびしくなってまいりますので、ことに、ことし、来年と次第に困難を加えておる状況でございますので、われわれも新たな気持ちで業務に当たらなければならぬと思っております。この業務の遂行に関しましての予算並びにその他全般の問題につきまして、当委員会の諸先生の皆さま方から今後とも何かと御指導、御協力を賜わりますようお願い申し上げまして私の説明を終わります。どうもありがとうございました。
#4
○委員長(川上為治君) 次に倉持参考人にお願いします。
#5
○参考人(倉持弘君) 産炭地域振興事業団の理事の倉持でございますが、私、三月二十三日付で就任いたしました。新任でございます。今後またいろいろお世話になると思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それから、本日は理事長が直接参りまして御説明申し上げるべきところでございますが、定期健康診断で胃カメラをのむ日になっております。昨日から虎の門病院に入っております。私、非常にふつつかでございますが、理事長代理ということで説明をさせていただきます。
 お手元のほうに説明資料がお渡ししてあるかと思いますが、この線に沿いまして、概略、過去並びに四十五年度予算につきまして御説明を申し上げます。
 当団は昭和三十七年の七月に発足いたしまして、八年目を迎えておりまして、皆さまのおかげをもちまして事業は毎年増大、発展を見ておりまして、特にここ一、二年は非常に各界の御理解が深まりまして、また産業界も非常に活発な進出意欲を持つようになりまして、非常に当団に対する需要が増大いたしまして、造成地の売れ行きも非常に上昇いたしておりますとともに、進出企業の融資申し込み額も非常に旺盛でございまして、四十四年度はすでに手持ち資金も底をついておるというような状況でございまして、この点につきましては、八年間にわたりいろいろ御高配並びに御指導をいただきましたおかげと思いまして、この席をかりまして御礼を申し上げます。
 もう少し詳しく現状を申し上げますと、当団の仕事は柱が五つございまして、土地造成、融資事業、工業用水事業、出資制度、それからさらに工場建物貸与制度と五つございます。このおのおのにつきまして、若干過去の実績について申し上げたいと思います。
 第一の柱でございます土地造成でございますが、これは発足の昭和三十七年度より四十四年度末に至るまでの予算が百九十七億円でございまして、これに対しまして四十五年二月末現在で約百九十億円を支出いたしておりまして、その結果、すでに完成いたした団地が六十七団地ございまして、約八百六十八万平方メートル、二百六十三万坪、金額にして百十八億円というような実情でございます。このうち進出企業にすでに譲渡いたしましたものが二百三十一社、約五百二十二万平方メートル、金額で約六十一億円という実情でございます。さらに現在の時点におきまして六十七の企業から百八十三万平方メートルの申し込みを受けているような実情でございます。
 次の柱でございます融資事業につきまして申し上げます。これは四十五年二月末までにすでに九百三十件約二百八十五億円の融資を行なっておりまして、そのほかに審査中のもの及び申し込みを受けておりますものが約二十二億円ございます。この点で、先ほど申し上げましたように、四十四年度の融資ワクは底をついているという実情にある次第でございます。
 その次の柱が工業用水事業でございますが、これにつきましては鞍手用水が完成いたしまして、すでに給水を開始しております。
 次の出資制度でございますが、これは日本軽量骨材株式会社を設立いたしまして営業を開始しております。
 最後の、工場建物貸与制度でございますが、これは明神鉄工団地に引き続きまして、さらに第二号として直方地区の当団の団地におきまして中小鉄工会社の協業化によりましてポンプの一貫生産を行なうべく近く着工の予定でございます。
 このような実情でございまして、これらの事業の結果、現在までに進出企業は全国で合計六百九十二社になりました。そのうち百六十社は地元以外から新たに産炭地に進出したものでございます。それからさらに、これら企業による新規雇い入れでございますが、全体で三万九千五百人に達しまして、そのうち炭鉱関係者は二万九百人ということでございまして、企業の出荷額は四十五年二月末において年額約二千三百億円という実情でございます。
 以上が過去を振り返ってみた次第でございますが、しかしながら、産炭地域の現状については、なお問題がないわけではございません。今後さらに先生方の御努力によりまして、また各省の御協力等によりまして解決をしていかなければならない問題が多いと思います。
 その第一は、いろいろ炭鉱の閉山の影響を強く受けつつございますけれども、さらに今後産炭地域が安定的に発展していくためには、その地域の中核となるようなしっかりした企業の進出を強く推進する必要があるように存ずる次第でございまして、別に大企業でなくてはいかぬという意味ではございませんので、しっかりした、さらにでき得れば関連部門の多い企業が進出していただくと非常に産炭地域として安定的な発展に寄与するであろうということでございまして、当団といたしましてもその辺の努力を今後続けていくつもりでございます。
 その次は、特に北海道産炭地域におきましては、御承知のようにいろいろ立地条件等不利な点もございますが、この方に優秀な企業の進出を誘導することにさらにわれわれとしても特段の努力を払う必要があると思っておりますが、これは次に述べます関係各省等の御協力も必要でございまして、何といっても積雪地でございますし、季候の問題もございますし、この辺につきましても先生方の御理解をいただきたいと思います。
 第三は、これは先に申しましたことと関連いたしますが、土地を造成いたしましたりあるいは低利融資をいたしますばかりでは健全なる産炭地域の振興に直ちにつながるわけでもございません。やはりその環境条件といたしまして、道路の整備、港湾の整備あるいは工業用水等々の公共投資が関連して総合的に地域振興の形をとっていただきませんと、円滑なる振興にならぬわけでございまして、この辺は公共投資等について関係各省に従来からも非常にお世話になっておりますが、今後その推進方を特にお願いいたしたい、また、先生方にもよろしくお願い申し上げる次第でございます。
 最後に、これらの事業を行ないます根本は、やはり資金の問題でございまして、これは八年間にわたりましていろいろ御指導、御高配をいただいたわけでございますが、さらに今後とも計画的に資金の集中的な投入をはかる必要があると存じます。その辺で今後のことをお願いいたしますとともに、ここで四十五年度の産炭地域振興事業団の予算につきまして概略を申し上げたいと思います。
 皆さまの御高配によりまして、四十五年度は石炭特別会計より出資金といたしまして四十五億円いただいてございます。それから、そのほか財政資金からの借り入れ金が七十六億円ございまして、そのほか自己資金、債務負担等を含めまして、総額百七十一億円の事業費を政府予算においてお認めいただいたわけでございまして、この点につきまして厚く御礼申し上げます。これは四十四年度の予算規模総額百二十八億円に対しまして、総額四十三億円の増加でございまして、約三三%の増ということになっております。
 詳しい事業費の内容は別表にいたしてございますので、後ほど概略を申し上げてもよろしゅうございますが、第一の柱でございます融資事業でございます。これにつきましては増大しつつございます進出企業の資金需要をまかなうために設備資金及び運転資金を合わせまして百十六億円。内容的に申しますと、設備で百十億円、運転資金六億円でございます。大幅に増加をいたしております。ただ、この点は先ほど申し上げましたように、四十四年度末でもだいぶ底をついております。さらに最近におきましても需要は非常に旺盛でございます。この辺ひとつ御理解をいただきたいと思います。この点は四十四年度に対しまして約四一%アップということでございます。
 それから、この次の土地造成でございますが、これは一般の土地造成とボタ山の処理事業とあわせまして、約二十五団地を造成するために五十一億二千万円を予算化をすることになっております。これは四十四年度に比べまして約一八%のアップということでございます。
 工業用水道事業につきましては、田川地区の中元寺川の開発を引き続いて実施するための事業費といたしまして一億九千万円ということでございまして、前年度より六千万円の増加というようなことでございます。
 そのほかに出資事業として一億五千万円、工場建物貸与事業といたしまして五千万円という予算を含めまして、前に申し上げましたように所要事業規模百七十一億円の予算規模となっておるわけでございます。
 以上、概略でございまして非常に簡単でございますのですが、先ほども申し上げましたように、産炭地域振興の重要性は今後ますます高まってまいると思います。どうぞひとつ、当団といたしましても発足八年で一応軌道に乗った形で進んでおりますので、今後ともその使命の重要性を認識いたしまして、さらに地域開発の一助をにないまして全力を傾注する所存でございます。この席をかりまして諸先生方の御協力、御指導を切にお願い申し上げる次第でございます。
 なお、簡単に表のほうだけをちょっと申しますと、第一表が産炭地域振興事業団予算でございまして、これは四十四年度と四十五年度の対比となっております。非常に簡略な表にいたしてございます。
 その次の表が融資事業の実績でございまして、左のほうが地域別の実績でございまして、右のほうが年度別の実績でございます。合計九百二十九件約二百八十五億円ほどの実績表になっております。
 次の表が、これはちょっと資料が悪いのでございますが、四十四年度の予算のうち融資事業分だけの予算と実勢の対比でございますけれども、これは四十三年度決定分はちょっと落としていただきたい。これは非常に恐縮でございますが、ミスプリントとして落としていただいたほうがよろしいかと思います。
 その次が土地造成の地域別年度別の完成実績表でございまして、左のほうが地域別、右が年度別でございまして、合計百九十六億円ということで、対比表にしてございます。
 それから最後に、先ほどちょっと申し上げました進出企業の実情等を若干詳しく表にしてございますが、この表にございますように進出企業数六百九十二社ございまして、そのうち当団の融資付きでございませんものが百七社、当団の融資付きの貸し付け企業が五百八十五社でございます。その五百八十五社の内訳を申し上げますと、地元企業が、そのまん中辺のほうにございますが、四百二十四社でございまして、ちょっとカッコのくくり方が間違っておりますが、京浜、中京、阪神、その他と、要するに他地区からの進出企業が百六十一社ということでございまして、このような実情になっております。そのほか生産高、雇用状況等は先ほど申し上げたようでございますので、詳しくは申し上げません。
 どうぞよろしく御審議いただきますとともに、今後ともよろしくお願い申し上げます。
#6
○委員長(川上為治君) 次に天日参考人にお願いします。
#7
○参考人(天日光一君) 私は石炭鉱害事業団の理事長を拝命しております天日でございます。本日当委員会におかれましてはわれわれのところの業務の概要と、また四十五年度の事業もくろみ、またさらには将来に対する多少の見通し等につきましてお聞き取りに相なるように承りましたので、いま申し上げたような順序によりまして概略を申し述べさせていただきたいと思います。業務の概容等につきましてはお手元に差し上げましたごく簡単なものでございますけれども、要点を書き連ねておきましたからして、まずそれに従いまして多少の説明を付け加えてまいりたいと思います。
 御承知のとおり、私どもの事業団の根拠となっておりますものは臨時石炭鉱害復旧法とそれから石炭鉱業賠償等臨時措置法、この二法が根底をなしているわけでございまして、過ぐる四十三年度にこの二法の御改正をいただきました結果によりまして、従来ありましたところの鉱害復旧事業団即ち福岡、中国、東海、常磐の四つの復旧事業団を、すでに当時からありましたところの鉱害基金に統合合併いたしたのでありまして、統合合併によりまして吸収いたしました四復旧事業団の業務、権利義務一切を承継いたして今日に至っているわけで、統合後まさに二カ年をけみせんといたしておる状況でございます。したがいまして、業務の中枢をなしますものは、従来の鉱害復旧事業団の業務でありましたものと、また鉱害基金の業務でありましたもの、この両面の業務を総括的に運営いたすことを命ぜられておるわけであります。
 現況を申しまするというと、事業団の出資金はただいまのところ二十八億円の累積となっておるのでありますが、ただいま当院で御審議を願っておりますところの四十五年度の予算が幸いにして成立いたしましたならば、その結果十九億円の政府出資が追加されることになるのでありまして、累計いたしますというと四十七億円に相なるわけであります。この政府出資金は当初は毎年一億、あるいは三億、あるいは二億というふうな程度で政府出資がされておったのでありますけれども、四十四年度から十五億円に増大いたしたのであります。その理由といたしますところは、従来事業団に貸し出しますところの資金源としまして財政特別融資から借り入れをいたしておったのでありますけれども、諸般の事情からいたしまして四十四年度からは財政特別融資はやめることに相なりました。振りかえて政府出資する財源とされるに至りました結果、従来一億、三億というような程度の毎年度の出資でありましたのが四十四年度からは十五億円となり、四十五年度は十九億円を想定いたしておるわけであります。
 なお、機構についてごく簡単に申し触れますというと、ただいま当事業団は役員八人、うち一人非常勤でございますが、八人となっております。統合前は五つの団体の役員総数は三十人であったのでありまするが、これを統合の際圧縮いたしまして八人となったわけであります。なお事業団と心たしましては、鉱害復旧ということが最も大きな仕事の分野でありますし、かつまた九州方面が何と申しても事業量の九割、九〇%を九州方面で施行いたしております関係上、役員の配置等にいたしましても東京本部よりは九州のほうにより多くの役員を配置いたしておる。職員についてもまたしかりでございます。配置の場所はカッコして書いてございますからごらん願いたいと思います。
 なお、当事業団の一つの特異な姿といたしまして、鉱害復旧の基本計画等の審議に当たっていただくために評議員会というものが設けられておりますが、評議員の定数は三十人でございます。この評議員も統合前は全国で九十一人を置いたのでありますが、合理化の線に沿いました結果、ただいま申し上げたとおり三十人に圧縮いたしておるわけであります。
 なお、機構といたしましては、東京に本部は置きまするが、これはごく限られた少数の人員を置きまして、大部分は業務の多いところの九州――これは支部といたしておりますけれども――それから中国、常磐、東海、これらの支部に配置をいたしておるわけであります。
 業務につきましては、先刻申し上げましたとおり、復旧業務それから融資業務、それから鉱害の担保の管理と、この三つが大きな法定業務の柱でありまするが、細目にわたります点は印刷物でごらん願えればけっこうかと思うのであります。
 この業務のうちの一番大きな分野でありまするところの鉱害復旧、この点に少しくことばをつけ加えさしていただきますならば、御承知のとおり近年の石炭情勢の激変に伴いまして、いわゆる無資力鉱害というものが非常に大きな割合を占めるように相なったのであります。これは復旧法の制定当時に、あまり多く予見、予想されなかった事態と相なっておるわけでありますが、ごくかいつまんで数字的に申しますると、たとえば四十年度を例にとりますると、いわゆる有資力鉱害復旧というものが二十三億円で、無資力が十三億円のような程度で、またさような比率であったのでありますが、一例を、その後の経過を省略しまして四十四年度を例にとりまするというと、有資力は五十八億、無資力鉱害と申すものが五十一億、まさに相半ばせんといたしておる姿であります。四十五年度を想定いたしましても有資力は六十三億円と想定いたしております。無資力は六十二億円とほとんど同額、相半ばしておるという姿になってまいるわけであります。鉱害復旧業務は御承知のとおり、二十七年から施行してまいったのでありますが、年々各方面の御援助によりまして予算も増大いたしてまいっておるわけであります。四十四年度は復旧事業の総額は百十億円であったのでありますが、二十七年以降の累計をいたしますというと五百四十五億の復旧をいたしたことになっております。物価換算・インクレーターを加味いたしますと、もっと大きな数字になることはもとよりでありますが、四十五年、これはあとで総括して申し上げますけれども、四十五年度においては百二十五億の復旧業務を想定いたしておるわけであります。これを加えますると、四十五年度末におきましては六百七十億の復旧業務を遂行さしていただいたことになるわけであります。
 なお、次の四ページの表をごらん願いますと、申すまでもございませんが、復旧業務のうちの九三%は九州でございまして、事業の七%が中国、常磐、東海等の地区にわかれるわけでございます。なお、これもこまかいことではございますが、四十四年度の復旧業務の財源関係を申し上げますというと、国の補助金が七十八億円、県の補助金が十四億円、地方公共団体の負担されたものが一億九千万円、事業団が負担いたしましたものが一億二千万円、それから鉱業権者、炭鉱側が納付いたしました納付金が十四億円、これらをもって百十億円の復旧業務を遂行いたしたのであります。
 復旧業務につきまして最近の特に著しい現象は、前申し述べましたとおり、無資力鉱害というものの復旧が、復旧の半ばを占むるに至りますに伴いまして、この無資力鉱害はもっぱら当事業団がこの事業にあたらざるを得ないはめになってきております。この無資力復旧業務を団が直接施行いたしまして、団営工事と略称しておるのでごさいますが、この数字を申し上げまするというと、二十九年から四十三年までに事業団が直接施行者となりました工事は累計百五十二億円でありますが、四十四年度におきましては四十五億円となりますので、合わせて百九十七億円、なお四十五年度を想定いたしておるのでありますが、事業団直営工事として五十二億円を遂行いたさなければならぬかと、かように考えておるわけであります。これらやはり九割は九州でいたしておるわけでございます。
 次に、業務の一端といたしまして融資業務でありますが、これはまあ鉱害賠償資金の貸し出し、また鉱害発生予防のための資金の貸し出しをいたしておるわけでございます。こうして申し上げますというと、一言説明を加えますならば、抗内充てんでありますとか、あるいは廃水の処理でありますとか、あるいはボタ処理というようなことを大きな対象にされておるわけであります。貸し付け金、この融資金は当初は二年据え置きの三年均等償還というような条件を持っておったのでありますけれども、関係方面の御理解によりまして、最近は八年以内に償還ということで、おおむね三年以内を据え置き期間として、条件を緩和いたしておるわけであります。また、貸し付け金の利息は、従来は財政特別融資を財源といたしておりました関係で、これらは大蔵省に六分五厘の利息を納付いたしますからして、当然六分五厘の利息を徴しておったわけでございますけれども、諸般の情勢からいたしまして、貸し付け金の利息は三分五厘に低減されることになったわけであります。したがいまして、従来の利率の差額三分は政府から補給を受けるという仕組みに変えられたのでございます。貸し付け金はおおむね所要資金の七〇%、また終閉山につきましての貸し付け金は所要資金の八〇%までを貸し付け得る仕組みにいたしておるのであります。
 なお、業務の一端でありますけれども、書きましたとおり、復旧計画を樹立いたしまするための基本調査ということを政府の援助のもとに費用も出していただいてここ一両年施行いたしておるわけでございます。特に力を九州に置きまして、水系別に鉱害の発生状況を調査いたしました。あわせて残存鉱害量の把握にも資するという目的で施行いたしておるわけでございます。
 なおまた、終閉山、ことにいわゆる三鉱山の特別閉山に伴いまして、その三社の鉱害実績、今後の処理のしかた等のために、台帳整備というようなこともあわせていたしておるわけであります。
 以上で概略を申し上げたのでありますが、なお申し落としましたけれども、鉱害発生予防につきましては九州よりはむしろ北海道、ことに石狩川沿岸の炭鉱の汚濁水を石狩川に放水するのを防止するために相当の設備に対して貸し付けをいたした実績がございます。
 以上、申し述べましたとおり、おおむね触れたところでもございますが、要約いたしまして、四十五年度の事業計画を概略申し上げますというと、鉱害の復旧業務といたしましては百二十五億四千八百万円というものを想定いたしておるのであります。このうちの五十二億円は団施行ということにいたしておるわけでありますが、融資関係は、四十五年度におきましては二十五億五千万を貸し出しの規模に考えておるのであります。内訳は、賠償関係で十九億五千万円、防止関係で六億円、かような概数を想定いたしておるわけであります。それから「担保の管理」と申しまするのは、従前は、法令に基づきまして日本政府、法務省が石炭鉱業権者からいわゆる鉱害賠償のための担保という形で、御承知のとおり供託金という名で法務局に積んでおられたのでありますけれども、これが活用をはかるためにということからいたしまして、当事業団が法務省から引き継ぎを受けまして、自後は石炭鉱業に関しては、供託金という名前にかわって積み立て金という名前で、当事業団が受け入れてそれを管理いたし、通産局長の証明があればそれを還付するというようなことをやっております。預かりました金は死蔵いたすことはないのでありまして、貸し付け財源の一部に充てておるわけでありますが、おおむね担保のつまり旧供託金にかわるものは二十億円を累計受けておりますが、若干、年度、年度に返すのもありまして、本年度末にはおおむね二十億円程度を保留いたすことになろうかと考えておるわけでございます。
 さて、最後にちょっと時間をいただきまして、将来の見通しということもお聞きになるように承りましたので、一言申し触れさしていただきたいと思うのでありまするけれども、四十二年度に調査されましたときの残存鉱害量は八百五億円という数字が計上されておったわけでありますが、その後、四十三年に九十五億、四十四年に百十億、四十五年に先刻申しました百二十五億円を復旧遂行をいたしますると、算術的には残高は四百七十五億円くらいになるわけであります。しかしながら、ここに考えなくちゃなりませんのは、復旧工事費が年々おおむね一〇%くらいの値上がりを来たしておる現状でありますので、この算術的引き算の数字そのままでは将来を考えるわけにはまいらぬ、こう思うのであります。
 なお、先刻申し上げましたとおり基本調査ということで残存鉱害量調査をいたしておるわけでありますが、これも目下集計を急いでおるわけでありますけれども、いま申し上げましたとおり、従来統計にあらわれていなかったものであらわれてくるものがありましょうし、また工事費の値上りからくる数字の変動もあろうかと思うのでありまして、この時点での残存鉱害量というものはかなり大きな数字がやはりあらわれてくるのではないかと予想いたすわけでありますが、このかなり膨大な残存鉱害量、鉱害関係の法律の残存期間四十七年七月でありますけれども、この法律の存続期間内に工事を完了し終わることは、事実上はすこぶる困難な点があろうかと考えるわけであります。しかしながら、いずれにいたしましても、今後毎年復旧事業量を増大さしていただきまして、われわれも鋭意これに当たりまして、この石炭鉱業の宿命的に不可避的に発生しましたところの鉱害というものは、できるだけ早いうちに完了いたさねばならぬ、かように考えるわけであります。
 なお、今後の見通しに申し触れたわけでありますけれども、さらに一、二をつけ加えて申しまするというと、先刻申しましたとおり、無資力鉱害というものはもうほとんど復旧の過半を占めており、今後さらにその比率を多く増すのではないかという情勢にかんがみまするときに、これが対策はよほど考えねばならぬかと思うのでありますが、なお私見ではございまするが、無資力鉱害というものは国、大まかに申すと、国と県の費用で復旧いたすわけであります。したがいまして、加害者すなわち石炭鉱業会社と被害者との間の、私の間の損害賠償という観念、損害を与えたから賠償するのだという観念から、だいぶ違った姿になってきている。私のごとき頭をもっていたしますならば、その復旧費用が国と県の費用をもっていたすならば、いわゆる公共事業的な色彩を多分に持ってきたというふうに思わざるを得ないのであります。したがいまして、いまの復旧関係の法律が二十七年にできました当時は、加害者、被害者――法律には加害者ということばはありませんけれども、通俗にわかりやすく加害者、被害者と申しておきますが、その損害を与える原因作成者と被害を受ける被害者との間の損害賠償、そして損害賠償ならば御承知のとおり原則として民法関係の問題でありますが、私法関係の分野の問題であったわけでありますけれども、公共事業的色彩を持ってきた以上は、いまの法律に多少の事情の変遷に伴う補正が必要じゃないか、かように思っておるわけであります。
 なお最後に、皆さんの十分なお考えを、国会なり政府のお考えをお示しいただきたいと思っておりますのは、最近特にその声が高まってまいりましたところの総合農政の問題であります。総合農政の今後の進め方、あり方と、いわゆる鉱害復旧、なかんずく農地の復旧というものとの関連性をどの辺に置いて調和さるべきであるかということが一つの新しい時点の問題であろうかと思うのであります。これは私どもは使命といたしましては、法律の命ずるところに従いまして鉱害復旧というものに専念いたすことにはなっておるわけでありますが、しかしながら、法律に書いてありますように国土の保全、民生の安定という見地からいたしまして、新しく展開されんとする新農業総合政策と鉱害農地、水田、畑等の復旧と、どの点において調和さるべきかということの大きな基本線をやはりお示しいただきたいと、実は念願しておるわけであります。
 これらの将来の見通しについて三点ばかり申し上げたのでありますけれども、これは、いずれこの鉱害関係の法律の存続期間を延長すべきやいなや、また、延長は必然とは思いますけれども、何年延長が適当と御決定に相なりますか、さような点の御検討と、また来たるべき改正の時期までには、いま申し上げた復旧方式の検討でありますとか、また新農政との関連性について基本的な線を御審議、おきめいただけるものと、お願いし、かつ期待しておるのであります。はなはだ粗雑でありましたけれども、概略だけ申し上げました。
 ありがとうございました。
#8
○委員長(川上為治君) 次に堀参考人にお願いします。
#9
○参考人(堀秀夫君) 雇用促進事業団理事長の堀でございます。
 同事業団の業務につきましては、日ごろいろいろ御配慮をいただきましてまことに感謝いたしております。本日は、同事業団が所管する業務のうち炭鉱離職者援護関係につきまして、過去の実績と四十四年度の見込み並びに四十五年度の計画を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、三十四年の十二月十八日に、炭鉱離職者臨時措置法の制定に伴いまして、炭鉱離職者援護会が設立されまして、炭鉱離職者援護業務が開始されたのであります。三十六年の七月一日に、雇用促進事業団の設立によりまして、援護会は発展的に解消いたしまして、事業団援護部としてその業務を継承し、今日に至っているのであります。
 それがお手元に差し上げました炭鉱離職者援護業務の概要で、この資料につきまして、おもな業務の概要を御説明申し上げます。
 この資料の二枚目、最後のページでございますが、この真中から右のほうにあります三十四年度から四十三年度の累計でございますが、まず第一に、移住資金につきましては、人員にして八万五千六百名、金額にして六十一億二千万円、こういう実績になっております。次に、職業訓練手当につきましては、人員にして約三千五百名、金額にいたしまして一億七千六百万円でございます。それから住宅確保奨励金――一番下にございます――は、人員にいたしまして約一万九千八百名、金額にいたしまして十五億五千五百万円でございます。ざらに、三十六年度に新設されました――その上にあります――雇用奨励金につきましては、人員にして約三万九千名、金額にして二十三億八千四百万円でございます。また、三十九年度に新設されました再就職奨励金につきましては、人員にいたしまして約三万一千名、金額にいたしまして六億九千四百万円。その他職業訓練技能習得手当、職業訓練寄宿手当、特定職種訓練受講奨励金、自営支度金、開業資金債務保証等を合わせまして、この十年間の累計は、金額にいたしまして、百十一億五百万円にのぼっておるわけでございます。もとより、この間にいろいろな問題はございましたけれども、おおむね順調に援護業務を運営してまいることができましたことは、ひとえに関係各位の御協力のたまものであると衷心から感謝申し上げておる次第でございます。
 次に、四十四年度は、当初の予定一万一千四百七十人をはるかに上回る、約二万人を上回る離職者の発生を見たのであります。したがいまして、四十四年の、この見込みという欄に書いてありますように、これは、四十四年の四月から四十五年二月までの実績と、三月の見込みを含めたものでございますが、四十四年度の支給人員金額は、当初の予定よりもだいぶ上回る実績を示しておるわけでございます。
 次に、四十五年度の計画といたしましては、この資料の一番右の欄に掲げました人員と金額を一応予定しておるのでございますが、諸般の情勢を勘案いたしますと、四十五年度も四十四年度に引き続き、多数の離職者の発生が予想されるのでありまして、当事業団といたしましては、今後労働、通産その他関係機関と連絡を十分にいたしまして、過去十年、特に昭和四十四年度の経験を生かしまして、その対策に万全を期してまいりたい所存でございます。
 次に、当事業団の一般会計予算をもちまして、現在、全国の各地に五万一千二百八十二戸の移転就職者用の雇用促進住宅を設置、運営しておるのでございます。その入居者のうち約三割以上は、現在においても炭鉱離職者の方々が居住しておられるわけでございます。また、同じく当事業団が設置、運営いたしております高等職業訓練校は、本年の四月をもちまして八十一校に達するのであります。収容能力約一万八千名を有しております。今後におきましても、炭鉱離職者の方々の転職訓練に支障を来たさないように措置してまいりたい考えであります。さらに、雇用促進融資につきましても、新年度からは貸し付けのワクもおかげさまで増額いたされましたので、これにつきましても、やはりこの炭鉱離職者の援護あるいは石炭産業関係の雇傭促進のために、私どもは重点的に業務の運営をはかってまいりたい考えでございます。
 以上、当事業団が所掌いたします炭鉱離職者援護業務の概要及び今後の見込みについて申し述べたのでございます。今後とも先生方にはよろしく御指導のほどをお願い申し上げたいと存じます。
 以上で御説明を終わります。
#10
○委員長(川上為治君) 以上の報告に関し、質疑のある方は順次御発言を願います。
#11
○大矢正君 ただいま御説明をくださいました参考人の皆さん、また所属する事業団等の方々に、私は、困難な今日の石炭情勢の中で御苦労をされ、かつ、いろいろな意味で御配慮いただいておりますことを、石炭に関連のある議員の一人として心からお礼を申し上げたいと思っております。
 そこで、質問というよりも、むしろ私自身の希望的な意見といいましょうか、要請を申し上げてみたいと思うわけであります。
 まず、石炭事業団の中島さんにお願いをいたしたいと思いますが、御存じのとおり石炭産業は今日いろいろな困難な問題がありますが、その一つが労働力の確保ということであろうかと思います。後ほど雇用促進事業団の堀さんにもお尋ねをいたすつもりでおりますが、そこで、なかなか労働力が確保できないということから、この機械化の促進ということは、今日石炭企業それ自身が、熱心にしかも真剣に取り組まなければならぬ問題であります。しかしながら、御了承のとおりに、たとえば自走ワクのような最も新しい、しかも安全確保の上において効果のあがる機械を購入するといたしましても、ワンセット何億というようなことで、今日の一石炭企業の資力をもってしてはなかなか解決ができないし、購入も困難だということであり、そういうことから、機械貸与の予算も組まれ、徐々にではあるが機械化がその意味で促進をされておりますことは、非常にけっこうなことだと私存じております。ただ、機械化しようと思いましても、もちろんできない自然条件の山もありますから、こういうものは問題はないといたしましても、私ども山を回りましていろいろな意見を聞いて歩きますると、感じられることは、機械の、たとえば自走ワクでいいますと、自走ワクのような最も新しい機械の余分といいましょうか、そういうものがないわけでありまして、たとえば、どこか一カ所でその機械を使っており、その地帯が終掘になって他に移動する際には、これはもう一回おかに揚げて点検整備をして、あらためてまた中へ持ち込むというようなことで、その間何カ月間かのロスがあり、その間、結局は高価な機械を現実には使えないというような問題もあるわけで、そういう意味では、あのような非常に有効な機械でありますから、余裕があって、それはたとえば一山だけでという意味ではございませんが、近隣する炭鉱で余裕が持てるような形で、片一方、その機械を使いながら、一方においてはそれを準備するというようなことができれば、出炭面におきましてもまた保安確保の面におきましても、かなり有効であるというようなことがいわれるわけであります。が、残念ながら資金不足のために企業の自主能力では解決ができないことでありますので、もちろん四十五年度の事業計画ないしは予算の中にも、機械化促進のためにあるいは機械貸与のための内容が盛られておりますが、一そうひとつこの面についての配慮と御努力をお願いしたいものだというのが第一点であります。
 それから第二点の問題は資金の問題であります。先般この委員会でも、私、通産省のほうに申し上げたのでありますが、今日市中銀行からは完全に石炭企業は見放されておりまして、ごく限られた短期の、しかも裏打ちのあるものでない限りは金を貸さないというような状態でありまするし、一方、第一次、第二次という、二度にわたる肩がわりをしてやったんだが、実際に効果のある、それをまた直ちに抵当にして金を借りれるような質のよい抵当権をあるいは担保を抜けといっても、銀行は今日依然として抜かぬというような条件もありますし、一方、開発銀行の融資というものは、御了承のごとく急激に合理化事業団にかわってしまって、このままいきますれば将来ゼロになるということも想定されるのではないかと思うのであります。先般承りましたら、四十四年度は大体二十億、四十五年度は三十億ぐらいを希望していると、こういいますが、四十四年度はある程度実績に近い数字でありまするからこれは間違いないとしても、はたして四十五年度で三十億の開発融資が得られるかどうかということは、私自身非常に疑念があります。最近特に開発銀行は政府に関連をする金融機関でありながら、どうも冷たい態度をとって、金の回収にはまことにきびしい態度で臨んでいるようであります。そういうようなこともあって、合理化事業団の融資というものには非常に大きな今日期待がかかっておるわけであります。そういう意味では予算編成にあたって、われわれも事業団の資金の確保のために常に努力はいたしておるところでありますが、なお一そうひとつ事業団においても、そういう意味からも資金の確保に全力をあげてもらいたいということが第二点。
 第三点目は、先ほど中島さんがおっしゃられましたとおり、かつてこの事業団は炭鉱を整理することを目的として生まれたものでありますが、しかしその後、事業団の目的、使命というものが変わって、もちろん整理事業も行なうが、同時に生き残れる炭鉱に対して積極的に手を差し伸べるという業務、目的、使命もまた付加されたわけであります。そこで、相矛盾するこの仕事をやらなきゃいかぬことになったわけであります。もちろん、事業団がかってに山をつぶすわけじゃなくて、申請に基づいて事務的にそれをやるだけの話でありますから、表面上はそういうことになるとは思いますが、しかしながら、今日原料炭の必要性が叫ばれておるおりからでもありますし、私も具体的にどうのこうのということを申しませんが、やはり生き残れるものに対しては積極的に残らせるようなあらゆる意味における配慮を、事業団自身が通産当局等とも話し合っておやり願いたいものだというのが私の希望であります。いまここで具体的に何があるかということは申しませんが、基本的にひとつそういうこともお考えをいただきたいということであります。
 最後に堀さんにお尋ねをいたしたいと思いますが、これまた先般労働省からおいでをいただいて四十五年度の予算の説明を承りました際に、私は問題点として検討してもらいたいとお願いをしたことでありますが、それは今日の石炭産業は、先ほど述べましたとおりに労働力確保が非常に困難だといういう状況にあります。最近私が聞きましたところによりますると、先般、企業分離閉山をいたしました雄別炭磯のごときに至りましては、当初五百人ぐらいは他の炭鉱に転職をするのではないかという計算でおりましたところが、それが三百になり最近は二百になり、山の労働者の一割にも満たない程度の者しか炭鉱に残らぬというような、まことに残念ながら、石炭に関係する者としては残念な事態が出ております。そこで雇用促進事業団の使命は、もちろん炭鉱に人を集めるのが目的じゃないでしょうけれども、ともあれ、今日のそういう事態を幾らかでも解消するために、事業団自身が労働省等と話し合って、できる範囲の努力をしてもらえないものだろうか。今日炭鉱労働者が流出をするという、労働力が流出をするという根本原因は、何も雇用促進事業団の援護措置の内容がどうだからというのでは根本的にないわけでありまして、やっぱり将来がまことに不安定であるという問題や、それから生命の安全がなかなか保証できないという問題や、あるいはまたその他労働条件の内容が必ずしもよくないというような、そういういろんな要素が根本ではありますが、しかし、だからといってほかのことはしなくてもよいというわけにもまいりませんし、特に先ほど御説明の中にありましたたとえば移住資金の問題であるとか、あるいは雇用奨励金の問題であるとか、こういうものは考え方としては、当初の発想として、炭鉱で雇用するのではなくて、よそへ持っていって働かせるのだということが基本になって出発をしておるものでありますから、今日のようなこういう事態には必ずしも合っているとは思われない。やっぱりこの辺で、いかにして一人でも多くの炭鉱労働者を他の山に――もしかりにつぶれた場合――移動させるかということのための雇用促進事業団ができる範囲の何か考え方をひとつつくってもらいたいものだというのが私の希望であります。
 以上で終わります。
#12
○参考人(中島征帆君) ただいま大矢先生よりきわめて適切な、またかねてから私どもが考えておりますポイントを指摘していただきまして、私どもといたしましてもまさにそのとおりに考えておる次第でございます。
 まず第一点の機械化を推進するために行なわれております貸与機械、これは非常に効果をあげておりますが、なるほどこれを返還させまする際には、現在の規定によりますと、もとの姿で返していただくということになっておりますけれども、御指摘のように部品その他の関係で、なかなかスムーズにまいりませんで、かりにこれを他に転用いたします場合に、ここで経費の問題あるいは技術の問題等でロスが起きるということもよくあり得ることでございます。したがって、初めからそれだけの予備的なものを考えて調達すればよろしいんでございますが、御承知のようにこの機械は大体特定のもので、特別発注によるものが大部分でございますので、部品も各機械に共通というものはなかなか少なく、またその特定の部品につきまして特別に予備を設けるということは、最小限度のものは当然これは購入のときにあるはずでございますけれども、それ以上を予定しておりますだけの資金の余裕もないというようなことで、現在そういったようなことになっております。いま少し資金のゆとりがありまして、あるいは需要が少なくなればそういうこともできるかと思いますけれども、現状では御指摘のような状況でございまして、はなはだ遺憾でございますが、この点については、その線に沿うようにもう少し努力いたさなければならぬと思っております。
 それから第二点、第三点は、これは関連いたしますが、先ほど私も申し上げましたように、一般の金融機関が漸次後退いたしまして非常に炭鉱は金繰りに苦慮いたしておりますが、したがって当事業団に対します期待が非常に大きいわけでございます。資金ワクも昨年とことしはほぼ同額というふうに先ほども申し上げましたが、そういうような傾向になっておりますが、本来から言いますというと、こういう状況のもとでは、むしろこれを三割なり五割なりふやしてやる。あるいは貸し付けの比率を従来の五〇%から七〇%までのワクの拡大が行なわれましたけれども、実際全炭鉱に対しまして七〇%だけの資金をつける余裕はございません。したがって、それが十分できるようにということと、それからできますれば七〇%のワクもさらに広げるというふうなことができればきわめて望ましいわけでありますが、なかなかこれも思うようにまいりません。
 それからさらに一番私どもが困難と考えておりますのは、特に運転資金でございます。設備資金に関しましては、いまのようなとにかく制度がございますけれども、運転資金につきましても一般金融機関が非常に貸し渋っております関係上、この面から非常に炭鉱が窮地におちいるというふうな傾向もございますので、この点がもう少しスムーズに行なわれれば、よほど事情が変わってくるだろうと思います。これに関しましては事業団の事業といたしましては運転資金的なものについては、いわゆる中小炭鉱をねらいといたします経営改善資金の保証がございますが、これもきわめて小さなワクでございまして、対象も限られております。したがって、こういう面からもう少しこの辺の業務の範囲を拡大できるようなことができますればということで、これも役所のほうとも相談しておりますけれども、なかなか簡単にまいらないようでございます。これも炭鉱自体が近代化その他によりまして、だんだんとこれがそれだけの効果をあげて改善されつつございますけれども、残った炭鉱がいかに改善されましても、いまのような状況ではなかなか自立がむずかしい。すべて国家資金にたよらなきゃならぬということでは、これは企業の本来の姿でございませんので、それがまた従来の姿に戻るようにいたしますためには、やはり、炭鉱の内容がしっかりした場合には一般の金融機関も積極的に応援していただくというふうな考え方が必要であろうと思います。開銀あたりにおきまして、最近の貸し出し実績がだんだん低下しておりますことははなはだ残念でございますけれども、これも今後残った炭鉱の内容の改善によりまして、また逐次旧に復するようになることを私どもは期待しております。ただその場合におきまして、最後の点に御指摘がありました生き残れる炭鉱につきましての、できるだけの支援ということでございますが、これはもちろんそういうことでございますけれども、これは石炭政策の根本に関しまするが、どの程度の炭鉱をどの程度の範囲まで残すか。どの程度の範囲のものを国家として必要とするかという、いわゆる石炭の位置づけの問題からスタートしなければ、なかなか進行しがたい点もございまして、これにつきましてはまた今後いろいろと当委員会、その他で御議論があるかと思いますけれども、その辺の一応検討ができました上では、その必要とされる範囲内においては極力国としても援助をしていただきたいと、また私どもとしましても、現在定められた制度の許す限りにおいてやっておりますけれども、これもただ毎年、少し誇張して言えば、目標があいまいのままワクの中で活動しているという状況でございますので、ほんとうに信念を持って、これだけのものは必要だということになれば、この制度の内容なり、あるいは事業量ワク、そういうようなものにつきましても私どもも努力をいたしまして、さらに具体的な勇気が与えられるかと思いますので、やはり根本的にもう少し石炭そのものの認識というものを、私ども自身もわかりませんが、全体的に十分検討していただきまして、そうして位置づけをしていただきたいというのが私どものほうからの希望でございます。
#13
○参考人(堀秀夫君) ただいまお話がありましたように、今後のわが国の労働者雇用の情勢は、やはり一つの大きな曲がりかどにきておるような気がするのであります。今後におきましてはやはり必要な産業、必要な地域に労働力が確保されまして、よき環境と条件のもとで労働者が働く、このようなことを目標にして、国の雇用対策というものが行なわれなければならない時期にさしかかっている、このように思うわけでございます。そこで雇用促進事業団といたしましては、いまのような、国の労働力行政、が円滑に行なわれますように、役所でできないようなこまかな裏づけをしていくということが、当事業団に課せられた使命ではないか、このように思っているわけでございます。そこで石炭産業について見ましても、石炭産業の個々の炭鉱につきまして、今後合理化を行ない、近代化を行なうことが非常に必要だろうと思うのでありますが、そういうことを行なった後に、生き残る必要ありとして生き残る石炭産業、企業に対しましては、やはり必要な労働力が確保される、このように配意していかなければならない、したがいまして当事業団といたしましても、労働者がよき環境と条件のもとで働けるような条件、環境を今後つくってもらうことを期待しつつ、当事業団としてもその裏づけについてはただいまお話のありましたような精神をもちまして、大いに今後努力してまいりたい、このように思っているわけでございます。先ほどお話し申し上げましたように、たとえば雇用促進融資等につきましても、石炭産業に必要な労働者が働けるように、当事業団としても重点を置いて融資をしていきたいと思っております。あるいは住宅確保奨励金等につきましても、そのような運営に近く改善したいと考えております。その他一般的な問題につきましても、一般論といたしましては、いま申し上げましたような考え方をもちまして私どもとしては努力してまいる考えでございます。
#14
○阿具根登君 参考人の皆さんお忙がしいところまことに御苦労さまです。
 そこで時間もあまりありませんので、各参考人の方々に具体的な質問を一、二問ずつお伺いしたいと、かように思っております。ただいま堀さんいろいろ御答弁がございましたが、炭鉱の労働者に一番密接して個々の労働者を世話してもらっているのは、当然労働者関係でございますから雇用促進事業団でございますが、ただいまの発言でも、五万八千戸の住宅をつくった。それに三割ちょっとの炭鉱労働者の入居者がある。おそらくあると思うのですが、それが地方に分けた場合、どういう分散になっているか、たいてい各県に一つずつぐらいはできているのじゃないかと思うのですが、これあるいは御存じなかったらあとで私お尋ねいたしますからいいのですが、たとえば、ある県で雇用促進事業団の住宅をつくってもらいたいという労働者の切なる希望があった。ところがその県では雇用促進事業団の住宅はほしいのだけれども、住宅を建ててもらうと、県外移出の労働者が、出る場合に、一万円の補助金がもらえなくなります。だからこれは御遠慮申し上げる、こういう実例もあったわけであります。こういう場合、一体どういうように考えるのだろう、雇用促進事業団として特にどうこれに対処されるか、こういう問題が一つ。それからいわゆるレクリエーションセンター、最近のこの時代になりまして、これは労働省とタイアップして非常にりっぱなレクリエーションセンターをつくっていただいて、ことに雇用促進事業団の性格上、こういう外郭団体ができた場合に、非常にこういうことは言いにくいのですけれども、ほとんどその役所の方々がその要職につかれるけれども、雇用促進事業団に関する限りは、その一部に、やはり犠牲になった労働者が入って世話をされておる。しかも、一部では非常な成功を見ておる。この点私ども非常に感謝申し上げておるわけなんです。そこで、たとえば熱川なら熱川がりっぱに成功した。そして、労働者のいこいの場所として中小の企業も喜んで行くようになった。これを今度北海道にもつくられる、こういうことになっているのですが、北海道の場合でもそういう考え方でこの人事問題、運営等をやっておいきになる考え方であるのかどうか。さらに、次はどこなのか。あるいは宮崎にレクリエーションセンターをひとつほしいと、こういうこともいわれておるようです。熊本にも何もないじゃないか。大分やその他に関して――大分は最近できるようになったと思うのですが――今後どういうような方向でお進みになる考え方か、この点をひとつお教え願いたいと思います。
 それから、天日さんにお尋ねいたします。これは炭鉱のしわ寄せが一番かぶっておるところで、いわゆる炭鉱はなくなっていった、そして、鉱害だけ残った、こういうことで、極端に言えば一番貧乏くじを引いておられる、私はこう思うのです。ところが、一つの考え方を聞いてみますと、有資力炭鉱の場合には、いままでのつながりがある。長い間その炭鉱とつながりがあって、関係もやってきた。それで生活もしてきた。だから、鉱害についても徐々にこうやって続いてきているし、あるいは何というか、人間的つながりというか、そういう関係で、比較的鉱害もうまくやっておるけれども、これがいったん無資力となって皆さんの手にくれば、これは加害者が被害者に対する補償、賠償をやっておったのと違って、今度は加害者ではないけれども、国の力でこれを助けねばならぬ、こういうことで、非常に問題が発展してくる、こういうような状況をお聞きしておるところもございます。こういう点は非常にやりにくいところだろうと思うのですが、どういうお考えなのか。いまそういう現実はもうないのかどうか。さらに、大体四十二年度で八百数十億のこれは鉱害の費用が要るのだということで、大体あと四百億そこそこだと、こうおっしゃっておられたのですが、それは今後閉山、終山による鉱害なのか、現在残っておる鉱害なのか。しかも、それはやはり依然として五〇%五〇%の無資力炭鉱になってくるのか、あるいは今日のような閉山が続いて買い上げというようになってくれば、無資力のほうを望んで、無資力はもっとふえるのかどうか、そういう場合にどういう対策を立てるべきであろうかという問題をひとつお教え願いたい、かように思います。
 それから、産炭地事業団の倉持さんに一点だけお尋ねいたしたいと思うのです。当初は、私どもこの産炭地事業団が土地造成された場合に、この造成された土地が一体売れるだろうか、特に産炭地ということで、炭鉱そのものの、あるいはボタ山その他をやられる場合に、企業とのつながりは一体どうなるか。炭鉱があった場合は、確かにそれは住みかがあるからそこをやったのだけれども、炭鉱がなくなって、他の企業を持ってくるというようになれば、何も炭鉱のあとに行かなくても、なるべく港に近いところ、あるいは国道に近いところ、こういうことが望まれる。これは一体どうなるのだろうと思って心配いたしておりましたが、皆さんの御努力のおかげで、非常な最近は成功を見ておる。たまたま福岡等におきましては、造成された土地が、企業を持ってこられる方々の間で、相当な競争が始まっておる、かように聞いております。そうして、往々伺いますことは、何か産炭地事業団は官僚主義であって、そうして、申し込めと言っておられながら、申し込んだ人に対して返事もされずに、一部の人々が分割されておる、こういうような陳情も承っております。私はそれが全部だというふうな考え方はいたしませんけれども、往々にしてせっかく造成した土地が売れない場合は、非常に苦労されてこれを処理していかれるけれども、引っぱりだこになってくる場合に、不明朗な問題が起こってくることを私は心配いたしますが、そういう点が心配ありますかどうか、その点を一点お伺いいたしますのと、ボタ山処理につきまして、これも伺ったことですから、真偽のほどはよく知りませんけれども、ボタ山をせっかく処理して、そしてりっぱな土地にして、そうして企業を持ってくる。ボタはこれはもう何にもならぬのだ、これはただだという観念であったのが、最近、ボタが建設用材、道路用に使われるようになってきた。ところが、このボタを処理していく、そのために、そのボタに対する賠償というのか、買い取りというのか、そういうことまででき上がってきて、非常なこれは法律問題にまで発展するのじゃなかろうか、こういうことがいわれておりますが、ボタ山処理については一体どういうお考えなのか、それを承っておきたいと思います。
 最後に、合理化事業団でございますが、これは大矢さんより先ほど御質問もございましたが、政府の予算としては一番大きな予算でもございますし、しかも開発銀行の肩がわりのようなことを現在やっておられますから、いろいろ御苦労なことだと思います。いままでのところはどちらかといえば山がつぶれたところを、人の世話とかあるいは自分たちが加えたその鉱害に対するあと始末、あるいはそこがなくなったから土地を造成して新しい企業を持ってくるとかということだったのですけれども、あなたのところは今度は、将来伸びる炭鉱のために、あるいはつぶれていく炭鉱のために非常に御苦労になっておられるのですが、一応、予算だけは私たちも審議はいたしておりますし、皆さんの御意見も承っておりますが、これは決算委員会じゃないですから、ここで質問する必要もないのですけれども、資料で出していただきたいと思うのです。きょうでなくてもけっこうですから。四十四年度で近代化資金はどこにどれだけ出されたか、開発資金は一体どこにどれだけ使われておるのか、整備資金の貸し付けは一体どうなのか、全部無利子で出されているとするならば、大づかみに、どんぶりみたいに、これは何百億、何十億ということは審議をいたしますけれども、今度はそれが一年間でどの山にどれだけ使われたのか、どの山の機械整備のためにどれだけ金を使われたのかということは、私たちはわからない。わからない私たちが、一つの山がつぶれる場合には、皆さんのところに、この金を使ってもらいたい、こうしてやってもらいたいと、さんざん無理も言っておる。そして、この山はどうしても残してほしい、金を借してもらいたいとさんざん言っている。個々の問題はわかりますけれども、全般的に、たとえば百四億なら百四億の金が一体どう全部で使われたかという問題は、私たちに不幸にしてまだ資料をいただいたこともないわけなんです。決算委員会じゃないからそこはなかなかやっておらないのですが、せっかくお見えでございますから、私たちも皆さん方にずいぶん御無理を申し上げておりますし、御協力をしていただいておりますことも十分承知いたしておりますが、全般的な予算の配分が、一体どう使われておるか、どういうように重点的にやられておるか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
 以上で終わります。
#15
○参考人(堀秀夫君) 第一の雇用促進住宅でございますが、これは移転就職者を収容し、受け入れてもらうという産業、企業が京浜、京阪神あるいは中京地帯等にきわめて多い関係もありまして、したがいましてこの雇用促進住宅も京浜地帯あるいは京葉地帯、あるいは京阪神地帯、中京地帯等に相当多数設置されておりますが、またこれと同時に、たとえば北海道につきましては現在二千八十戸、福岡につきましては二千六十四戸というように、これらの県につきましてもやはり相当数設置しておるところでございます。そこで、今後の設置の方針でございますが、これはお話のように、具体的な地域を設定いたしまするときに、関係者がこれによって不利をこうむるというようなことになってはもとよりならないわけでございます。これにつきましては、今後労働省ともよく相談をいたしまして、あるいは各地元の府県及び関係地元の人たちの意見も聞きまして、具体的な地域の設定につきましては、お話のような趣旨に沿うように今後配意してまいりたい考えでございます。
 それから第二番目に、労働者の福祉施設でございます。これは当事業団といたしましても各産業、企業、特に中小企業等で働く勤労者諸君が、適当な福祉、レクリエーションの場所がないためにいろいろ困難を生じておるという実情にかんがみまして、なるべくそういう人たちにたくさん利用していただくということ、それからまた、今後におきましては、やはり産炭地域等においてその関係の方々にもそういう場が少ないわけでございまするから、そういうような施設を今後つくることに努力してまいりたいと思っております。お話のように、ただいま熱川に設置しておりますが、近く大分の湯布院あるいは愛知の蒲郡というようなところにも漸次設置してまいりたい。あるいは新産、工特都市の関係におきましては、これは設置の暁は県に委託するような形にしたいと思っておりますが、やはりそういう勤労総合福祉センターと申しますか、そういう施設を充実さしていくようにいたしたいと思っておるわけでございます。それから産炭地域につきましては、これは御承知かと思いますが、現在北海道の赤平及び筑豊地区に、その規模はそれほど大きくはありませんけれども、そういう福祉施設を設置することにいたしまして、現在すでに設計を行なっております。それで、近く着工するという予定で、ことしの秋ごろまでにはぜひオープンいたしたいと、このように思っております。また新しい年度におきましても、これも労働、通産省と相談いたしまして、似たような施設をなお若干さらに産炭地域の必要なところに設置していくことも考えております。それから、これらの施設の運営にあたりましては、これを利用する人たちに喜んでもらう、ほんとうに気持ちよく実情に即して利用してもらうということが必要でございますから、それの経営をいたしまする人たちにつきましては、現在もそういうふうに一部しておりますが、今後においても広く関係の各界に適任者を求めて任命していく、このように考えている次第でございます。
#16
○参考人(天日光一君) 阿具根先生のお尋ねの点でお答え申し上げます。
 炭鉱会社と被害者との間の関係、特に先生のおっしゃったのは、たぶんその減収補償とか年々の賠償関係のほうに比較的要素が多いんじゃないかと思いますが、そういたしますると、炭鉱会社が被害者に対して提供あるいは減収補償の意味というようなことで金銭を支払っている場合などを想定いたしますと、その炭鉱の鉱害が、無資力化した場合においては、従来の処遇よりは劣ってくるではないかという御指摘だと思うのでありますが、これは炭鉱会社は御承知のように、ことばは悪いのでありますけれども、いわゆる通俗に加害者という立場でおりますから、被害者に対しましては単に法律的、経済的な立場からじゃなしに、徳義的な観点からいたしましても、また長年の土地の慣習からいたしまして、相当程度のことはできる限りやってきたと思われるのでありますけれども、無資力化した場合には、そういうものを負担する炭鉱がないことになるわけですから、幸いにして、近年におきまして政府におかれましてもさようなはなはだしき処遇の差が出ることを防ぐために、いわゆる無資力鉱害になった場合の調整交付金というような名目で相当の金銭の支給をされることになってまいっておるわけであります。しかしながら、両者を比較いたしまするというと、どうしてもそれは炭鉱のほうで出しておったほうがいろんな経緯からいたしまして多くなるのであります。先生がそういう事例がないかとお尋ねでありましたけれども、ないと申し上げるわけにとうていいかぬわけであります。現実はどれだけの開きがあるかということは、土地によって多少違いますけれども、かなりの差額があるわけであります。そこで、被害者はよく私のほうにもこの落差を何とかならぬかと言って見える方が多いようでありますけれども、ただ鉱害復旧事業団は、創立の性格上、炭鉱にかわって鉱害賠償債務を肩がわりした性格のものではないものでありますからして、せっかくの要請に対して色よい返事ができないという実情であります。しかしながら、これはひとつ考えてみますと、先刻、新農政との関係で、たとえば新農政の見地から見た休耕補助とか作付転換とかいうような問題とあわせて考えて、それらの新農業政策のほうでの措置の厚薄と、それから無資力鉱害に対する調整交付金との落差があまり出てはもとよりよろしくないわけであります。この辺は今後農政のほうでの打ち出される度合いとの均衡、かね合いを、十分政府側においてお考え願いたいと、かように念願しているわけであります。
 なお、先生のお話の中で、私のことばが足りなかったとすればおわびをするわけでありますが、四十二年度の調査で八百五億とありましたのが、私が申し上げたのはその後四十三年、四十四年、四十五年とやってまいりまして、その分を算術的に引きまするというと四百何十億となるわけでありますけれども、私が申した趣旨は、その数字を頭に置いて今後の対策を考えていては大間違いである。もとより申し上げたとおり、年々一割程度の復旧費の値上がりもいたしまするし、また従来の調査で漏れておったもので、鉱害対策の中に対象に加えて考えなくちゃならぬことが出てまいります。また、こまかい数字でありますけれども、四十二年度以降の発掘に伴って生ずる鉱害も加わるわけでありますから、そこで、決して四百何十億という数字を頭に置いて対策を講ずべきではないという逆の面を実は強調したわけであります。よろしくお含み願いたいと思うのであります。それから残存鉱害量の半分以上は無資力になるということをさっき申し上げたように、おそらくは終閉山の進展に伴いまして無資力鉱害の比率がますます多くなってくるというふうに考えておるわけでございます。なおお尋ねがありましたら申し上げたいと思います。
#17
○参考人(倉持弘君) 御質問の点にお答え申し上げますが、私、最初に申し上げましたように着任早々でございますので、私の知り得る範囲でお答えいたしたいと思います。
 最初の第一点の、事業団の職員が官僚主義的ではないか、特に九州等におきまして、いろいろ申し込みを進めておきながら返事もしないで一部でやっておるんじゃないかというような御質問であったと思うのでございますが、私、着任早々でございますが、理事長並びに今理事を通じまして、そういうことのないようにいままでやっておったと思いますし、また私も、もしそういうことがございましたら、これは非常にけしからぬことでございます。極力注意いたしていきたいと思います。具体的にはよくまだ頭に入っておりませんですけれども、ただ、この際にちょっと補足的に申し上げたいのは、着任早々でございまして、まだ内部の事情はわからないのでございますけれども、私まだ実は事業団初めてでございます。いろいろ出向者が多くて、寄り合い世帯でございまして、やっと八年で軌道に乗ったようでございますけれども、地方にも少し支部、支所があるわけでございますし、その辺でいろいろ現地に御不満を与えている面もあるのではないかという気はいたすのでございますが、今後とも注意いたしまして、そういうことのないようにいたしたい。
 それから、お仕事がお仕事でございますので、ともかく売れるようになりますと、それだけに買い手も多くなるわけでございます。この点につきましては、国の機関でございます以上、できるだけ公正を期して、そういう何と申しますか、不公正な扱いがないように努力いたしたいと思っております。どうぞひとつよろしく御指導いただきたいと思います。
 それからボタ山の点は、実はまだ詳しく頭に入っておりませんのですが、若干、利用できる範囲で利用いたすように考えているようでございますが、もし私のお答えで不十分でございましたら、事業担当の理事が来ておりますので、そちらのほうから御説明させてもよろしゅうございます。
#18
○阿具根登君 あとで聞きます。
#19
○参考人(中島征帆君) 近代化資金その他の貸し付け保証、個別の実績ということでございますが、幸いと申しますか、たまたまいま年度末に迫っておりますので、四十四年度分につきまして至急資料を整理いたしまして、できるだけわかりやすい表にしてお届けするようにいたしたいと思います。
#20
○須藤五郎君 時間がありませんから簡単に二、三点質問しますが、まず振興事業団の方にお尋ねしたいのですが、造地して譲渡する場合の価格の問題ですが、造地に要った費用に何がしかのプラスをして譲渡なさるのですか、何年か前に造地するには比較的安かったが、今日は造地するのに非常に価格が高くつく。その場合に、何年か前につくった土地を譲渡する場合は、今日の価格で譲渡されるのか、そういう点をちょっと伺いたいと思うのです。私が疑問を持ったのは、あなたのところの資料の一ページに、「四十五年二月末現在で約百九十億円を支出しておる。その結果、完成したものは六十七団地、約八百六十八平方メートル、金額にして百十八億円、」こうなっておるわけですね。「そのうち進出企業に譲渡したものは二百三十一社約五百二十二平方メートル、金額にして約六十一億円」とあるのですが、土地の面積でいくと八百六十八平方メートル、うち五百二十二平方メートルですから、半数以上になっているわけですね。ところが、それを売った価格によりますと、百十八億円要ったが、金額にして六十一億円しかなっていないという、そういうことだと思うのですが、これはどういう関係でそういうことになってきておるのかという点を伺っておきたいと思います。まだいろいろありますが、あとまた政府当局に聞くことにします。
 それから、無資力鉱害がだんだんふえてくるということですが、これは石炭を掘るだけ掘ってもうけて、あとおれは知らぬぞといって、ほったらかして逃げていくというようなことだろうと思うのですが、こういうことは国に対する大きな損害をかけることになるのですが、こういうことはどうしたら防ぐことができるのか。そういう点も、現場でいろいろなことをつかんでいらっしゃるあなたから伺っておきたいと思うのです。
 それから雇用促進事業団の方ですが、私はこの前、植村さんの案が出ましたときに、北海道、九州を歩きまして、植村さんに、あなたいろいろな計画を立てていらっしゃるが今日のような保安状況、住宅の状況、賃金の状況ですね、労働賃金、これはあなたがせっかく石炭産業を守っていこうとおっしゃっても、労働力のほうから内部崩壊してしまって、石炭産業というものはつぶれてしまう運命にありますよということを私申し上げたのですが、今日だんだん、だんだんと、いろいろな問題が起こってまいりまして、私たちは、外の景気はどんどんよくなる。そうすると、ここに新聞の記事ですが、この間閉山の雄別炭礦で、もう老人でも何でもいい、社宅をつけて雇いますからということで、内地の企業が人集めに歩いたということを一方では聞いているわけですね。そうかと思うと、また一方では、閉山して、夫が職探し中に奥さんが二人の子供を殺して自殺したというような、こういう逆の新聞報道すらもあるわけですね。一体こういう状態をどういうふうにしていこうと考えていらっしゃるか。私たち、やはり石炭産業は守っていかなければならぬ産業だと思っております。しかし、この間炭鉱の臨時大会での結論をあなたも御存じだと思うのですが、こういういろいろの問題を総合して考えた場合、日本の石炭産業は一体どうなっていくのか、どうしたら守っていけるのか、そういう問題について、現場でいろいろ苦労していらっしゃるあなたからもひとつ伺っておきたいと思うのです。
#21
○参考人(倉持弘君) お答え申し上げます。
 最初の土地の価格の問題でございますが、譲渡の価格の問題でございますが、これは当団といたしましては、造成いたしました土地の原価、それからそれをもとにいたしまして、周辺地区の土地の値段を勘案いたしました値段で一応内定をいたしまして、それを土地が造成できまして公募いたしますときに、そのいま申し上げました原価と周辺のプライスを勘案いたしましたやつを公表いたしまして、それで決定をいたしまして、それを動かさないできめるということのようであります。
#22
○須藤五郎君 何年たってもそのとききめた価格ということですか。
#23
○参考人(倉持弘君) 要するに完成して公募いたしましたときの価格で一応やります。
#24
○須藤五郎君 何年たってもその価格ということ――その公募したときは、実際に売れるときは年限が経過してくると思うのです。公募したときの値段で、十年たってもその値段でお売りになるということなのか。
#25
○参考人(倉持弘君) 現在までは動かしておらぬようでございます。ただ、最近のように非常に土地の値上がり問題がございますし、今後周囲と比較いたしまして、一度公募の際に決定した価格でございますけれども、周囲と比較いたしまして非常に問題がある場合には調整しなければいかぬということで考えております。
#26
○須藤五郎君 現在はやっていないね。
#27
○参考人(倉持弘君) そういうことでございます。
 それからもう一点の御質問の数字の点でございますけれども、これは先ほど御質問がございましたように、そのうち、進出企業に譲渡いたしましたものが二百三十一社、金額で約六十一億円ということでございます。
#28
○須藤五郎君 あなた、つくった土地の七割くらいは売って、そうしてつくった金の半分しか手に入っていないと。そうすると、土地は、あとに残っているのは四割か三割五分しか残っていないのだと、つくったときの。それでなお金額は半分回収されていないという、この矛盾をどういうふうに理解したらいいのかと、こういうことなんです。だから、これからうんと高く売って、その残ったわずか四割か三割の土地の値段でその残った金の半分を取るんだと、こうおっしゃるのか、そこの私は矛盾はどうして理解したらいいかということなんですよ、私の質問は。
#29
○参考人(倉持弘君) 私が聞いております範囲で……。
#30
○須藤五郎君 おわかりにならなかったらいいですよ、政府のほうにまた私尋ねますから。
#31
○参考人(倉持弘君) たいへん恐縮ですけれども、数字の点、間違いますといけませんので……。
#32
○参考人(天日光一君) 須藤さんのお尋ねの御趣旨は、おそらくお気持ちは、炭鉱経営者が経営をやめた場合に、無資力鉱害ばかりを残して国家社会に迷惑をかけて、はなはだ社会正義の観念からけしからぬじゃないかというお気持ちの御質問かと私は拝察したのであります。これは実ははなはだ遺憾な問題でありますけれども、まあ炭鉱側を弁護するわけではございませんけれども、何にいたせ、大きく日本を考えますと、明治以来、話は大きいようでありますけれども、日本的には、地下資源の開発を、産業経済の発展のために非常に急務といたしたと思うのであります。そこで、そのあらわれが鉱業権の先願主義という原則がとられておったわけでありますが、時勢の変遷に伴いまして、ことに鉱害が大きくなってまいりましてから、昭和三十七年だと記憶いたしますが、鉱業法の改正のときには、鉱業権の付与、設定は単なる先願主義だけではいかぬのであって、あと始末もできる力、あと始末もできる能力を加味すべきじゃないかという論議をいたしたことがわれわれ委員としてあるのでありますが、これは必ずしも一〇〇%能力主義に全部が移行したとは言えないかと思いますけれども、しかしながら鉱業法の改正された精神は、その精神を加味いたしまして、と同時に、こまかい点でありますけれども、鉱業施行の場合の施業案などもチェックするという方式がだんだん加味されてきているわけでございます。もう一つは、御承知のとおり鉱業法におきましては鉱害賠償の責任を果たさせるために供託金という制度が設けられておったのでありますけれども、それは御承知のとおりトン当たり最高二十円というような、これも制度制定の当初はごく低い金額であったようでありまして最高二十円という数字になっておりましたが、平均いたしますと、たしか全国で五円六十銭しかならなかったように思います。それでは鉱害問題のあと始末を処理させるに足りないということからいたしまして、それでこの賠償担保法という法律を御審議いただきました結果、御承知のとおり、供託金は前年度の採掘に対して算定されたわけでございますけれども、制度が変わりまして、いまの法律では、何年から採掘を始めたか、それによって生ずる鉱害の累積がずっと出てまいりますが、毎年毎年通産局長はこの時点にさかのぼって幾ばくの鉱害であり幾ばくの復旧費が要るかということを判定される基礎にされまして、四十三年ごろは、大まかに申しますというと、ほぼ、大観すれば約半額が国庫補助で有資力の場合等も含めまして炭鉱の負担が約半額ぐらいに当たっておるわけであります、補助率の関係からいいまして。ありますから、その半分ということで四分の一、二五%程度が現在積み立てさせる金額の算定の大きな考え方の土台になっておるように思うのであります。ただ、これが今後これじゃ足りないと、供託金制度のときには不十分であったけれども、よほど土台が厚くなったわけでありますけれども、しかしながらこれでもなお足りないとなれば、今後石炭企業の負担能力の点等も合わせ考えながらさらに積み立てさせる限度を二五%から三〇%、四〇%に上げるかということは、政策の問題であろうと思うのであります。現実の姿は、はなはだ御指摘のとおり国民的にはいけないような感じがいたしますけれども、制度の行くえといたしまして、現在のところは、いま申し上げたようなところでおるわけでありますけれども、これがあとどういうふうに改善されるかということは、今後経済界の動向なり石炭企業というものの力のつき方なり、社会正義の観念も加味されましょうし、国の助長政策も加味されましょうし、その辺は、政府も大きく、また国会でも御審議を願いたいと、かように考えております。
#33
○参考人(堀秀夫君) 雄別の閉山に伴いましていろいろな問題が生じておることは御指摘のとおりでございます。一般的に申しますと、最近の雇用事情を反映いたしまして、各地から求人が相当殺到しておると、これも事実でございます。また、その反面、御家庭の事情、御本人の事情その他の事情で、なかなか具体的なその求人求職の結びつきになると、必ずしもかみ合わないという面が現地で発生しておることも事実でございまして、そこでこれらの問題につきましてその転職のあっせんそれから就職の紹介、これは労働省の職安で行なうわけでございますが、労働省の職安が中心になりまして現地に現在も相談所を開設して具体的な御相談に応じております。私のほうも札幌の支部から職員をこれに立ち会わせまして、私のほうとしてはこの労働省の職安が行なう就職のあっせんの裏づけを行なって御相談に応ずる、こういうことでやっておりますので、具体的に一つ一つについて親身になって御相談に応ずる、このような体制で進みたいと思います。
 それからまた、あとで御指摘がございましたように、今後において石炭産業の労働力を確保するにあたっての条件が問題であると、こういう御指摘もございました。私がお答えするのが筋かどうかわかりませんが、私個人といたしましては、これは今後この石炭産業の合理化、近代化が行なわれて、それで必要な炭鉱というものはやはり残る、それについては必要な労働力がやはり確保されなければならない、私どもはその裏づけを行なっていかなければならない、このように思っております。ただ、その際におきましては、もとより御指摘のようにその職場の環境、条件等が、労働者が不安なしに働けるような最低の条件は、これは確保されなければならないと思っておるわけでございます。私どもはそれを期待しつつ今後においても相談に応じていきたい、まあこの就職のあっせんをいたしまして、その裏づけをするにあたりましても、その行き先が不安であると、あるいは条件が悪いということならば、御本人が行かないことになることも御指摘のとおりでございます。そのようなことのために、やはりこれは政府、関係者が一体となってそのよき条件の確保には最大限の努力をこれから払っていかなければならないのではないか、このように考えております。
#34
○委員長(川上為治君) 他に御質疑もなければ、本日の調査はこの程度といたします。
 参考人各位におかれましては、本日御多忙中のところ御出席いただき、まことにありがとうございました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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