くにさくロゴ
1970/03/05 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第3号
姉妹サイト
 
1970/03/05 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第3号

#1
第063回国会 商工委員会 第3号
昭和四十五年三月五日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村上 春藏君
    理 事
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                竹田 現照君
    委 員
                赤間 文三君
                剱木 亨弘君
                平泉  渉君
                八木 一郎君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                林  虎雄君
                浅井  亨君
                矢追 秀彦君
                田渕 哲也君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
       国 務 大 臣  佐藤 一郎君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       経済企画庁長官
       官房長      相澤 英之君
       経済企画庁長官
       官房会計課長   佐々木孝男君
       通商産業政務次
       官        内田 芳郎君
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業大臣官
       房会計課長    飯塚 史郎君
       通商産業省貿易
       振興局長     後藤 正記君
       通商産業省企業
       局長       両角 良彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (昭和四十五年度経済企画庁の施策及び予算に
 関する件)
 (公正取引委員会の業務概況に関する件)
 (昭和四十五年度通商産業省の施策に関する件)
○小委員会の設置に関する件
○輸出中小企業製品統一商標法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、まず、経済企画庁長官から所信を聴取し、続いて所管の予算について政府委員から説明を聴取いたします。佐藤経済企画庁長官。
#3
○国務大臣(佐藤一郎君) このたび経済企画庁長官を拝命いたしたのでございますが、当委員会の各委員の皆さま方には、これから何かと御指導をわずらわすことが多いかと存じております。どうかひとつよろしく御指導をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。
 きょうは冒頭に私の所信を申し述べたいと存じます。
 初めに、最近の経済情勢について申し述べます。
 わが国経済は、本年三月で通算五十三カ月に及ぶ景気上昇を続けておりますが、この過程において、経済活動が急速に拡大し、また物価の騰勢も顕著となるなど、景気の動向に懸念すべき現象があらわれましたので、昨年九月、金融調整措置が実施されたのであります。その後の推移を見ますと、金融面には影響があらわれているものの、実体経済面には、さほどの変化が見られず、また物価の騰勢も依然として根強く続いております。
 このような経済の基調を反映して、四十四年度の国民総生産は、実質一三・二%程度の伸び、規模にしまして六十二兆五千五百億円程度、国際収支は、総合収支で二十億二千万ドル程度の黒字が見込まれます。また、卸し売り物価は、前年度比三・二%程度の上昇、消費者物価は、最近の異常乾燥による野菜の高騰もあって政府見通しの五・七%をかなり上回る高い上昇が見込まれ、このまま放置するならば、わが国経済はインフレへの道を歩む危険もなしとしないのであります。
 このような内外の諸情勢にかんがみ、今後の経済運営にあたっては、経済政策の適切かつ機動的な運用により総需要を適正に保ち、わが国経済の持続的成長を確保することを基本としつつ、物価の安定に最重点を置いて取り組むとともに、経済の国際化・効率化の一そうの推進、社会開発の積極的展開につとめてまいる所存であります。
 このような経済運営の基本的態度のもとにおいて、四十五年度の国民総生産は、実質一一%程度の伸び、規模にしまして七十二兆四千四百億円程度と、四十四年度に対しかなり控え目に見込むとともに、国際収支は、米国景気の鎮静等による世界貿易の伸びの低下にもかかわらず、なお総合収支で十億七千万ドル程度の黒字となるものと考えております。
 当面の最重点課題である物価の安定について申し上げます。
 さきに述べましたように、最近の物価動向は憂慮すべき情勢にありますので、政府としましては、安易な態度を排しつつ、この問題の解決に積極的に取り組んでまいる所存であります。このため、まず総需要の急速な拡大が、物価上昇圧力とならないよう、今後財政金融政策を慎重に運営してまいります。
 次に、低生産性部門の生産性向上、特に生鮮食料品の流通合理化に格段の努力を払うとともに、輸入の自由化や競争条件の整備等の諸施策を積極的に進めてまいります。同時に、米麦価水準を据え置く方針とするほか、各種公共料金については、これを極力抑制するとともに、地価の安定化をはかるため、総合的な土地対策を講じてまいります。さらに、今後予想される労働需給の逼迫化に対処するため、賃金と物価との関連についても十分配慮してまいります。
 以上により、四十五年度の消費者物価の上昇率を四%台にとどめるとともに、卸し売り物価の鎮静化をはかり、もって今後の長期的な物価安定の出発点といたす所存であります。
 近年、国民生活を脅かしているのは、物価上昇のみではありません。最近における消費生活の急速な向上は、経済成長の一つの成果であることは言うまでもありませんが、これに伴いまして、公害、有害食品の増加、交通災害の頻発など各種の障害が表面化してきております。今後、国民生活を真に豊かなものとしていくためには、これら障害の解消・除去につとめることにより、国民の健康と安全を確保する等、いわゆる社会開発の推進に最大限の努力を傾注していかねばなりません。
 このような観点から、政府といたしましては、まず、市民の直面する日常生活上の諸問題を中心に、政府と国民との対話の場を確保することが肝要であると考え、今国会に、国民生活センター法案を提出する等、所要の施策を推進することといたしております。
 また、水質汚濁の防止については、汚濁源の多様化に対応しつつ、その規制の強化をはかるため、今国会に、公共用水域の水質の保全に関する法律の一部を改正する法律案を提出する等、実効ある水質保全行政を推進することといたしております。
 次に、対外面においては、従来に比べかなりゆとりのある国際収支条件のもとで、経済の一そうの効率化、物価の安定等をはかるため、対外経済政策を積極的に推進してまいりたいと存じます。
 このような観点から、四十五年度内において、かなりの品目につき残存輸入制限の撤廃を進めますとともに、資源開発等海外投資の促進、経済協力の充実、資本取式及び為普の一そうの自由化の推進等の諸施策を積極的に展開してまいる所存であります。
 以上、当面の重点施策について申し述べましたが、今後、わが国経済が長期にわたり安定かつ持続的な基調の上に発展を遂げていくためには、政府、民間を通じて、その指針となるべき計画を明らかにする必要があります。
 現在、昭和四十五年度から五十年度までを対象とする新しい経済社会発展計画の策定が進められておりますが、これにより、今後、わが国経済の進むべき方向を明らかにしてまいりたいと考えております。
 また、さきに政府は、さらに長期的展望に立って、昭和六十年度を目標とする新全国総合開発計画を策定いたしましたが、この計画に基づき、新しい発想のもとに、国土の総合開発を推進し、豊かな国民生活への基盤を形成してまいる所存であります。なお、これに関連して、国土調査事業を一段と推進するため、今国会に、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案を提出することといたしております。
 以上、重要な施策について申し述べました。
 本委員会及び委員各位の御支援と御鞭撻をお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。
#4
○委員長(村上春藏君) 相澤官房長。
#5
○政府委員(相澤英之君) 昭和四十五年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 総理府所管一般会計歳出予算のうち、当庁関係予算の総額は四百三十七億五千百六十三万円でありまして、前年度予算額三百七十九億五千二百七十六万円に比較いたしますと、五十七億九千八百八十七万円の増額となっております。
 これを予算の主要経費別に区分いたしますと、公共事業関係費以外の経済企画庁一般の経費では四十三億六千八百八万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと九億三千三百四十二万円の増額となっております。
 公共事業関係費では三百九十三億八千三百五十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと四十八億六千五百四十六万円の増額となっております。
 次に、経費の内訳につきまして御説明申し上げます。
 第一に、(項)経済企画庁として十八億四千一百四十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと四億八千五百六十五万円の増額となっております。
 この経費は、人に伴う経費及び一般事務を処理するため必要な経費のほか、経済基本政策の企画立案及び調整、国民生活の充実対策、長期経済計画の策定、国土の総合開発、内外の経済動向調査及び分析等を行なうため必要なものであります。
 昭和四十五年度におきましては、特殊法人「国民生活研究所」を改組拡充し、特殊法人「国民生活センター」(仮称)を設立するとともに、地方消費生活センターの増設、水質保全調査の充実など国民生活行政の強化に重点を置いております。
 第二に、(項)国土調査費として十九億一千九百七十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと三億四千七百六十八万円の増額となっております。
 この経費は、国土調査法に基づいて地方公共団体が行なう地籍調査等の経費の一部補助及び基準点測量等を行なうため必要なものであります。
 国土調査事業につきましては、昭和四十五年度を初年度とする新国土調査事業十カ年計画を策定し、その促進をはかることとしております。
 第三に、(項)豪雪地帯対策特別事業費として一億三千四百三十三万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと九百三十三万円の増額となっております。
 この経費は、豪雪地帯において、地方公共団体が雪上車を購入する場合に、その経費の一部を補助するため必要なものであります。
 第四に、(項)振興山村開発総合特別事業費として一億七百万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと一千七百万円の増額となっております。
 この経費は、地方公共団体が、豪雪地帯にある振興山村において集落再編モデル事業を実施する場合及び社会開発のための模範施設として豪雪山村開発総合センターを建設する場合に、その経費の一部を補助するため必要なものであります。
 第五に、(項)地域開発計画調査費として八千万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと二千七百万円の増額となっております。
 この経費は、各種の地域開発計画に関する調査及びこれに関する各省庁間の調整を行なうため必要なものであります。
 このうちには、新たに、後進地域の開発に関する調査を行なうため必要な経費三千万円が含まれております。
 第六に、(項)経済研究所として二億八千五百五十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと四千六百七十五万円の増額となっております。
 この経費は、経済構造及び経済循環の基礎的な研究調査並びに国民経済計算の分析等のため必要なものであります。
 次に、公共事業関係費の内容につきまして、御説明申し上げます。
 まず第一に、離島振興関係事業費として二百五億四千五百三十五万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと三十八億六千六百万円の増額となっております。
 この経費は、離島における交通体系の整備と産業基盤及び生活環境施設の充実に重点を置いて必要な事業の推進を行なうためのもので、これによってできるだけ離島と本土との格差の是正をはかることとしております。
 第二に、(項)水資源開発事業費として百十五億三千八百二十万円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと五億九千九百三十八万円の増額となっております。
 この経費は、水資源開発公団が、利根川、淀川、筑後川、木曽川及び吉野川の各水系における開発事業等を継続実施するほか、新たに、完工施設の管理、霞が浦開発のための事業等の着工並びに琵琶湖開発及び寺内ダムに関する実施計画調査を行なうため必要なものであります。
 第三に、(項)国土総合開発事業調整費として七十三億円を計上しておりまして、前年度予算額に比較いたしますと四億円の増額となっております。
 この経費は、各省各庁の所管する開発事業相互間の進展の不均衡の調整及び新全国総開合発計画の推進をはかるために実施する大規模、かつ、広域にわたる開発事業の調査について総合的な調整を行なうため必要なものであります。
 以上、一般会計予算の概要を御説明申し上げましたが、次に、経済企画庁関係の財政投融資計画につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 まず、海外経済協力基金につきましては、最近における対外経済協力拡充の要請にこたえるため、事業規模として前年度に対し百六十億円増の七百三十億円を予定しております。この内訳は、直接借款六百三十億円及び一般案件百億円でございます。
 これに要する資金には、資金運用部資金から三百十億円の融資を受けるほか、一般会計からの出資金二百九十億円を含めた自己資金等四百二十億円を充てることにしています。
 次に、東北開発株式会社につきましては、会社の経営基盤の整備強化をはかるとともに、大規模な開発事業に必要な調査等を実施することとし、事業資金として前年度と同額の十七億円を予定しております。これに要する資金には、産業投資特別会計からの出資金五億円のほか、公募債十一億円を含めた自己資金等十二億円を充てることにしております。
 次に、水資源開発公団につきましては、(項)水資源開発事業費で御説明申し上げました利根川、淀川等五水系における開発事業の推進及び愛知、豊川用水の管理等のため、総事業費として前年度に対し三十四億円増の四百七億円を予定しております。
 これに要する資金には、資金運用部資金から九十八億円の融資を受けるとともに、公募債三十五億円のほか、水資源開発事業費を含めた自己資金等二百七十四億円を充てることにしております。
 最後に、北海道東北開発公庫につきましては、資金需要の増大に対処するため、貸し付け規模として前年度に対し七十四億円増の五百二十億円を予定しております。
 これに要する資金には、産業投資特別会計からの出資金五億円、資金運用部資金等政府資金と公募債で三百七十五億円のほか、自己資金等百四十億円を充てることにいたしております。
 以上をもちまして経済企画庁関係の予算並びに財政投融資計画についてその概略を御説明申し上げました。
 何とぞよろしく御審議のほど、お願いいたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(村上春藏君) 次に、昭和四十四年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。谷村公正取引委員会委員長。
#7
○政府委員(谷村裕君) 昭和四十四年中における公正取引委員会の業務の概略につきまして、お手元に資料をお届けいたしましたが、そのうち主要な点につきまして御説明いたします。
 まず、わが国経済体制の変化に即応して、独占禁止政策を有効適切に推進し、そのあり方について広く有識者と意見を交換するとともに、その一そうの理解を求めるため昭和四十三年十一月に設置しました独占禁止懇話会は、昭和四十四年中において十回の会合を開催いたし、管理価格、独占禁止政策の当面する諸問題などにつきまして審議いたしました。
 次に、私的独占禁止法の施行に関する業務といたしましては、まず、国際契約などの届け出は千七百六十一件にのぼりましたが、企業合理化をはかるための技術導入契約が大部分を占めております。
 会社の合併、営業譲り受け等の届け出は、それぞれ九百八十件、四百三件となっており、その内訳は、中小規模の会社が、近代化、合理化をはかるために合併を行なうものが大部分を占めておりますが、大企業の合併も増加傾向を示しております。なお、このうち一件につきましては、私的独占禁止法第十五条の規定に違反する疑いがあるといたしまして、審判開始決定を行ない、審判手続を経た後、同意審決により処理いたしました。
 再販売価格維持契約制度につきましては、物価対策の見地から、昭和四十四年中には、医薬品、化粧品、家庭用石けん及び歯みがきにつきまして、リベート・現品添付などの実態を調査しましたが、今後も引き続き指定商品の再検討を続けるとともに、個々の契約の内容につきましても、それが正当な行為の範囲を逸脱したり、また、一般消費者の利益を不当に害することのないよう厳重に監視を続けていく所存であります。なお、昭和四十四年中における再販売価格維持契約の成立届けは七社、十件、これを累計しますと、昭和四十四年十二月末現在、九十三社、百二十八件となっております。
 私的独占禁止法に基づく共同行為につきましては、昭和四十四年中には、企業合理化のための共同行為として、合成染料など四品目について、いずれも実施期間の延長を認可いたしました。
 不公正な取引方法に関する業務といたしましては、不当な歩積み。両建て預金につきまして、その実態を把握するため、昭和四十四年五月末及び十一月末の二回にわたり、貸し出し先の中小企業者八千を対象にアンケート調査を実施いたしました。調査の結果によりますると、最近におきましては、拘束預金率は一〇%前後と、ほぼ横ばいの傾向を示しておりますが、まだ十分満足すべき状態ではないと認められますので、公正取引委員会といたしましては、大蔵省の行政指導と相まって今後さらにその改善を進めるようにつとめてまいりたいと考えております。
 私的独占禁止法違反被疑事件につきましては、昭和四十四年中に百七十四件につきまして審査を行ない、そのうち法的措置をとりましたものは、勧告二十三件、審決二十五件、そのうち四件は四十三年中に勧告したものでございます。さようになっておりまして、消費物資の価格協定などがおもなものでございます。なお、家庭電器製品についての違法な再販売価格維持行為等九件について審判を行ないました。
 下請代金支払遅延等防止法の施行に関する業務といたしましては、昭和四十四年中に下請代金の支払い状況を中心に五千八百七十六の親事業所に対しまして調査を行ない、そのうち八件につきまして法第七条の規定に基づく勧告を行ないましたほか、二百二十六件につきましては行政指導による事態の改善措置をとりました。また、手形期限の短縮を促進するため主要業種ごとに標準的な手形期限を設け、関係団体の協力を得て、機会あるごとにその周知徹底をはかっております。
 不当景品類及び不当表示防止法の施行に関する業務といたしましては、同法第三条の規定に基づき、懸賞制限告示の改正をいたしましたほか、ルームクーラー業など四業種における景品類の提供に関する制限の告示を制定または改正し、また、第六条の規定に基づき、過大な景品類の提供十七件、不当表示五十三件につきまして排除命令を行ないました。そのほか、カラーテレビなど六業種、内訳は景品関係二件、表示関係四件でありますが、その六業種につきまして公正競争規約を認定いたしました。
 また、同法の運用に資するため、消費者モニターを選定いたしまして、景品つき販売、不当表示等に関する意見を求め、これを公正取引委員会の行なう消費者行政に反映させるようにいたしました。
 このほか、昭和四十四年中における経済実態の調査といたしましては、管理価格調査、流通支配調査、巨大企業の市場行動調査及び集中度調査を行ないました。
 最後に、昭和四十五年度の公正取引委員会の予算案でございますが、本国会にお願いいたしております公正取引委員会の予算は、総額五億七千百五十八万二千円でございまして、昭和四十四年度と比較いたしまして一億百三十二万六千円の増額となっております。そのうちに新庁舎新営に伴う移転等に必要な経費二千六百十三万六千円が含まれております。事務局定員九名の増員に伴う経費、私的独占禁止法施行経費、下請代金支払遅延等防止法施行経費、不当景品類及び不当表示防止法施行経費の増額などがそのおもなものとなっております。
 今後、公正取引委員会の業務は一そう重要性を増すとともに、従来にも増して繁忙の度を加えるものと考えておりますが、皆さま方の御支援を得まして重責を果たしたいと思っております。何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(村上春藏君) この際、おはかりをいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査の一環として、石炭対策に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、小委員の数及び人選並びに小委員長の人選は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 それでは小委員の数は十名とし、小委員に川上為治君、井川伊平君、剱木亨弘君、山木敬三郎君、阿具根登君、大矢正君、竹田現照君、矢追秀彦君、田渕哲也君、須藤五郎君を指名いたします。
 また、小委員長には川上為治君を指名いたします。
 なお、小委員の辞任及びその補欠の選任並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#12
○委員長(村上春藏君) 速記をつけて。
 通商産業大臣が出席されましたので、この際、通商産業大臣の所信を聴取いたします。通商産業大臣。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) おくれて御迷惑をおかけいたしました。おわびいたします。
 第六十三回国会における商工委員会の御審議をいただくに先立ち、通商産業行政に関する所信の一端を申し述べます。
 顧みますと、一九六〇年代は、わが国経済が急速な発展を遂げ、これに伴ってわが国の国際的地位が著しく向上した時代であります。一九七〇年代におきましても、この成果を踏まえた一そうの飛躍と前進が期待されておりますが、反面、内外の経済環境は大きく変動しつつあります。
 国際的には、残存輸入制限品目の自由化、資本取引の自由化の推進、特恵関税供与の問題をはじめ、わが国経済の国際化が課題とされており、また、国内的には、労働力需給の逼迫、物価、過密・公害問題等を早急に解決しなければなりません。
 このようなときに、通商産業大臣に就任いたしまして、責任の重大さを痛感いたしますと同時に、微力ではございますが、七〇年代における一そうの発展への端緒を開くため努力を重ねる所存でございます。
 このような見地から、今後の通商産業行政の重点につきまして、御説明申し上げたいと存じます。
 第一は、わが国経済の新たな飛躍を実現し、また、世界経済の発展に対しても積極的に寄与するため、わが国経済の国際的展開をはかっていくことであります。
 このため、まず、輸入及び資本取引の自由化を推進するとともに、わが国産業の自主性を保持しつつ、これらの自由化措置を円滑に進めるため、引き続き産業の構造改善と企業体質の強化を促進しなければなりません。特に、繊維産業等につきましては、最近における国際環境の変化にかんがみ、その構造改善を強力に推進することが必要であります。また、一次産品の開発輸入事業の拡大等、発展途上国に対する経済協力を一そう積極的に進めるとともに、海外投資を促進するため、輸出保険法を改正して海外投資保険制度の拡充をはかることとしております。
 さらに、このような経済の国際的展開を可能にする基盤としての貿易の振興につきましては、輸出会議を貿易会議に改組し、輸出、輸入等を総合した貿易政策を展開するとともに、日本輸出入銀行の資金の充実、日本貿易振興会の事業の拡充をはかるほか、輸出商品の高級化を進めるため、輸出中小企業製品の統一ブランド事業の推進に関する新たな立法措置を講ずることとしております。
 第二は、公害の発生、物価の上昇、消費者問題など経済の発展に伴うゆがみを解消するため、産業政策の目標として人間性の回復を重視し、関連施策を拡充、強化する必要があることであります。
 公害対策につきましては、防止技術の開発、企業に対する事前指導の強化等のほか、とくに緊急を要する大気汚染対策として、重油脱硫に対する関税軽減の措置を実施するなど低硫黄化対策を推進することとしております。
 さらに、公害・保安行政を総合的かつ強力に実施するため、鉱山保安局を改組し、公害保安局を設置したいと考えております。
 消費生活の安全性の確保をはじめとする消費者対策につきましては、引き続ききめのこまかい配慮を加えてまいる考えであります。また、消費者対策に関連して、最近の消費者物価の上昇は問題のあるところであり、中小企業、流通部門の生産性向上のおくれに基因するところも大きいことから、これら部門の近代化を中心とする対策を一そう促進するとともに、輸入政策の活用などにつとめてまいりたいと考えております。
 第三は、経済の急速な拡大に対処するため、経済発展の基礎条件である基礎資源、工業用地、工業用水などの確保をはからねばならない点であります。
 ますます大型化が予想されるわが国経済にとって、海外依存度のきわめて高い石油、非鉄金属をはじめとする基礎資源の安定的かつ低廉な供給を確保することは、その発展にとって不可欠の要件となっております。このような見地から、わが国企業の手による海外資源の開発を促進することが特に必要とされておりますので、石油開発公団、金属鉱物探鉱促進事業団の業務の拡充等につとめる考えであります。さらに、石油をはじめとする鉱物資源の賦存が有望視されている大陸だなの開発を促進するため所要の立法措置を講ずることとしております。
 また、産業立地政策につきましては、工業用水道の建設に対する助成を拡大するとともに、大規模工業基地の計画的開発、農村地域における工業の新規立地の推進など所要の対策を講じて産業立地の適正化をはかることとしております。
 第四は、中小企業、流通部門の近代化についてであります。資本自由化の進展、労働力需給の逼迫、物価の上昇など内外経済情勢の変化に対処するためには、生産性向上の面で立ちおくれているこれらの分野における近代化、合理化を強力に推進しなければなりません。
 現在、中小企業の側におきましても、その近代化、高度化に対する意欲が高まっておりますので、これを助長するため、中小企業振興事業団の高度化資金を大幅に拡充するとともに、中小企業関係政府金融機関の融資規模の拡大をはじめ金融対策を強化するほか、業種別の構造改善対策を引き続き強力に推進することとしております。
 また、新たに、下請関係にある中小企業につきまして、親企業の協力を得てその近代化を計画的に進めることにより、自主性の高い下請企業とするため、所要の助成措置を含んだ法律の制定を予定しております。なお、環境変化の影響を特に強く受ける小規模企業に対して、経営改善普及事業の充実など小規模企業対策の一そうの充実につとめる所存であります。
 流通部門の合理化につきましては、卸総合センター、卸商業団地、大規模ショッピングセンター、商店街の近代化等を引き続き促進するとともに、新たに、流通活動のシステム化を通じて流通機能の高度化と生産性の向上をはかるため、近代的集配送センターの整備に対する助成措置をはじめ所要の対策を実施することとしております。
 第五は、今後のわが国経済の発展にとって、独創的な技術の開発や、新しい産業分野の開拓など、いわば、未知なるものへの挑戦が必要とされていることであります。
 このため、まず、技術開発力の強化につきまして、大型プロジェクトに大深度遠隔操作海底石油掘削装置を新テーマとして追加するとともに、工業技術院傘下の試験研究所における特別研究を拡充するなど、施策の強化、充実を行なうこととしております。なお、特許制度につきましては、時代の進展に即応し、出願の処理を迅速化するため、出願の早期公開制度の導入などに関する特許法等の改正につきまして、再度御審議をわずらわしたいと考えております。
 次に、情報化の進展に対処して情報処理の振興をはかるため、ソフトウエア開発資金の貸し付けにかかる債務保証、汎用プログラムの開発等を行なう情報処理振興事業協会の設立等、情報処理の振興に関し所要の立法措置を講ずるとともに、日本電子計算機株式会社の国産電子計算機レンタル資金の確保、情報処理関連技術の研究開発の推進等施策の強化につとめ、七〇年をわが国における情報化の幕あけの年としたいと考えております。
 さらに、新しい産業分野の開拓につきましては、次期民間中型ジェット輸送機の開発助成を行なうほか、海洋開発産業、住宅産業等に対する金融上の助成、関連技術の開発等の振興対策を講ずることとしております。
 最後に、石炭対策につきましては一昨年十二月の石炭鉱業審議会及び中央鉱山保安協議会の答申に基づき、いわゆる第四次石炭対策を実施しつつあります。昭和四十五年度におきましても、石炭鉱業の再建と保安の確保をはかるため、所要の対策を講ずるとともに、やむを得ず発生する終閉山につきましては、これに伴う社会的影響を緩和するため、十分な配慮を払ってまいる所存であります。
 なお、このほか、ガス事業法の一部を改正する法律案と機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を提出いたしておりますので、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
 以上申し述べました施策を中心として、昭和四十五年度一般会計予算に九百七十三億円、石炭対策特別会計に八百六十六億円をそれぞれ通商産業省分として計上するとともに、財政投融資計画においても通商産業省関係として一兆一千四百七十四億円を予定しております。
 私は、以上の諸施策の実施を通じて、豊かな国民生活の実現とわが国経済の繁栄のため最善を尽くす所存でございますが、委員各位におかれましても一そうのご理解と御支援を賜わりますようお願い申し上げます。
#14
○委員長(村上春藏君) ただいまの所信表明に対し、質疑のある方は御発言を願います。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#15
○委員長(村上春藏君) 速記を始めて。
 この際、輸出中小企業製品統一商標法案を議題といたします。
 まず、通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、続いて政府委員から補足説明を聴取いたします。宮澤通商産業大臣。
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) 輸出中小企業製品統一商標法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、わが国の繊維工業品、雑貨工業品等の中小企業製品の輸出は、国内にあっては人手不足に起因する生産コストの上昇により、また、海外にあっては発展途上国の工業化に伴う激しい追い上げを受けて、近年伸び悩みの傾向にあり、これらの生産にかかわる中小企業にとって大きな問題となっております。
 このような情勢に対処してわが国の中小企業製品の輸出振興をはかるためには、発展途上国の製品と峻別し得る先進工業国にふさわしい優良高級品を、その品質に相応した価格で輸出し得る体制を確立することが必要であります。
 しかしながら、従来、わが国の中小企業製品は、ややもすれば仕向け国の輸入業者の主導権のもとに輸出されてきたために、わが国製品独自の商標をもってする市場開拓に欠けるところがあったのであります。
 本法案は、このようなわが国中小企業製品につきまして、特に品質のすぐれたものを対象として、中小企業が結束して統一商標を定め、これを海外に普及せしめることにより、わが国の中小企業製品の優良高級品としての声価を確立し、輸出の振興と中小企業の振興をはかることを目的としております。
 次に、法律案の要旨を御説明いたします。
 まず第一に、生産を行なう事業者の大部分が中小企業者である貨物のうち、海外市場における声価の向上をはかるには、品質の向上と商標の適切な使用とが特に必要である貨物を特定貨物として政令で指定いたします。そしてこの特定貨物の生産を行なう者を構成員とする商工組合等の中小企業団体は、統一商標を付する特定貨物の品質の基準、特定貨物の品質の検査を行なう機関、統一商標の使用及び管理の方法等を内容とする統一商標規程を作成し、主務大臣の認定を受けることができることといたします。
 第二に、統一商標を付した特定貨物は、検査機関により統一商標規程に定められた品質の基準に合格した旨の表示を付されたものでなければ輸出してはならないこととし、これを輸出通関に際して税関において確認することといたします。
 第三に、以上のほか、主務大臣が統一商標規程を認定した場合に、その要旨を公示すること、認定の取り消し、輸出制限の適用除外、罰則等について所要の規定を設けることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#17
○委員長(村上春藏君) 続いて後藤貿易振興局長。
#18
○政府委員(後藤正記君) お許しを得まして、若干補足説明をさせていただきます。
 この法律案では、まず第一章の総則におきまして、この法律案の目的及びこの法律が適用される貨物等の範囲を明らかにしております。すなわち、この法律案は、輸出向けに出荷される中小企業製品のうち、品質がすぐれたものについて、海外市場における声価の向上のため、統一商標の使用の保護に関する措置を講ずることにより、その適切な使用を促進してこれらの製品の輸出の振興をはかり、あわせて中小企業の振興に資することを目的とすることを第一条に規定いたしているのであります。
 次に、この法律が適用される貨物の範囲でありますが、第二条第一項の規定によりまして、その生産を行なう事業者の大部分が中小企業者であるところの中小企業製品のうち、海外市場における声価の向上をはかりますためには、品質の向上と商標の適切な使用とが特に必要である貨物を特定貨物として政令で定めることといたします。
 このように特定貨物として指定され得るものを限定いたしましたのは、現在わが国において、賃金コストの上昇と発展途上国の追い上げの影響を最も強く受けて、品質の高級化とそれにふさわしい価格による販売の実現が最大の課題になっているのが中小企業の製品であるからであります。
 また、第二条第二項の規定により、この法律の対象とする「団体」につきましても、商工組合をはじめとする中小企業団体であって、特定貨物の生産者をその構成員とするものと定めております。
 第二章では統一商標規程の認定に関する規定を設けております。すなわち、第三条第一項および第二項の規定によりまして、さきに述べたような中小企業団体であって、特定貨物のわが国輸出額においてその構成員の輸出額が相当のシエアを占めておりますものは、統一商標、統一商標を付すべき特定貨物の品質の基準、統一商標を海外市場に普及するための宣伝、展示会等の事業計画を含む統一商標規程を作成し、主務大臣の認定を受けることができることといたします。
 ここで統一商標規定の認定を求め得る中小企業団体をこのように限定いたしましたのは、この法律によります統一商標の普及及び統一商標を付した特定貨物の輸出取引等に際しまして、多数の中小企業が結束してこれを行なうことが必要であると考えたからであります。
 団体から統一商標規定の認定申請が出てまいりますと、主務大臣は、その統一商標規定の内容につきまして、第五条の規定によりまして統一商標を付すべき特定貨物の品質の基準が発展途上国製品と峻別され、先進国製品に比肩し得るような相当高い水準にあるかどうか、統一商標に関する宣伝、展示会等の事業が統一商標の普及のために効果的なものであるかどうか等を審査いたしまして、これらが海外市場における声価の向上のために適切なものであると認めましたときは、統一商標規程を認定することといたします。
 第三章は検査等についてでありますが、第十三条の規定によりまして、団体から統一商標を付して輸出する特定貨物の検査の委託を受けた検査機関は、統一商標規定に定められた検査の方法により検査を行ない、その品質基準が統一商標規程に定められた基準に適合しているときにのみ特定貨物またはその包装に合格の表示を付することができることとし、その他の場合には、何人も表示を付してはならぬことといたします。
 そして、統一商標が付されました特定貨物は、この合格の表示が付されたものでなければ輸出してはならないという輸出制限の規定を第十四条に設けまして、統一商標を付した特定貨物の保護措置とするわけでありますが、現実のチェックをいたしますのは、関税法第七十条の規定によりまして、税関が行なうわけでございます。
 こうした仕組みによりまして、すぐれた品質の特定貨物のみが統一商標を付して輸出されることが確保され、統一商標の海外における広告、宣伝等と相まって、当該特定貨物の海外市場における声価の向上をはかることが期待できることとなるわけでございます。
 以上がこの法律案の主体となる規定でありますが、そのほか第四章では統一商標規定に記載すべき事項、統一商標規定を認定した場合の公示、認定の有効期間、認定の取り消し要件、輸出制限違反に対する通商産業大臣の輸出停止命令等について、第五章では罰則について所要の規定を設けております。
 以上が本法案の概要でございます。
 よろしくお願いいたします。
#19
○委員長(村上春藏君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト