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1970/03/24 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第7号
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1970/03/24 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第7号

#1
第063回国会 商工委員会 第7号
昭和四十五年三月二十四日(火曜日)
   午後一時二十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     高山 恒雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村上 春藏君
    理 事
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                山本敬三郎君
                竹田 現照君
    委 員
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                大谷藤之助君
                平泉  渉君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                浅井  亨君
                高山 恒雄君
                須藤 五郎君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        内田 芳郎君
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省貿易
       振興局長     後藤 正記君
       中小企業庁次長  外山  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       外務省経済局総
       務参事官     有本 富三君
       特許庁審査第一
       部長       大久保一郎君
       労働省労働基準
       局家内労働審議
       室長       丸野  晃君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○輸出中小企業製品統一商標法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として高山恒雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村上春藏君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 産業貿易及び経済計画等に関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#6
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(村上春藏君) 前回に引き続き、輸出中小企業製品統一商標法案について質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○高山恒雄君 ちょっと希望意見を申し上げたいのですけれども、実はきょう繊維産業の問題について商工委員会で取り上げていただく、こういう予定だったようですが、大臣がどうしても予算委員会からこちらへ参加することが不可能だと、こういうことで延期になったようですが、御承知のように繊維業界の問題は非常に政治問題として重要な問題ですから、でき得れば二十六日でもおそいかとも考えるくらい切迫した問題かと私は思うのです。しかし、なかなか政治の問題ですから、そう簡単に動かないと思いますが、ぜひ二十六日に大臣の出席を願って各委員のやはり意見を聞いていただく、こういう手配をひとつぜひ実現してもらうことをお願いしておきます。
#9
○小柳勇君 この前の質問に続きまして、与えられた時間、質問いたします。
 まず第一は、外務省に質問いたします。この統一商標法がこの国会に提案されました理由の大きな一つに、発展途上国の追い上げがあって、いままでのような日本の軽工業製品では国際市場で競争で負ける、したがって品物を高級化するためにこの統一商標をつくるということでございます。そこでその論議の中で、現在の日本の製品というものが必ずしも外国の市場で高く評価されておらない。特に数年前までは、日本の製品は安かろう悪かろうというような批判もありましたが、最近はそうでもないけれども、日本の品物は必ずしもよいというものばかりではない。そこで外務省として、今日まで海外における日本製品の評価について御調査されておるのかどうか。また、調査して日本の製品の評価を定めなければならぬのであるが、将来この日本製品の評価などについてどのような施策を持っておられるか、お聞きしておきたいと思います。
#10
○説明員(有本富三君) ただいまの先生の御質問でございますが、まず海外における軽工業品等の製造についての調査ということでございますが、外務省としましても在外公館その他を通じましていろいろ経済問題に関する調査をいたしております。必ずしも全体の商品について調査をするということではございませんが、日本の商品が非常に多いところにつきましてはジェトロなんかと協力いたしましてできる限り調査を進めておるという実情でございます。なお、わが国の軽工業品は、ただいま先生御指摘のとおり、過去においては海外においてかなりいろいろとかくの批評を受けた次第でございますが、最近では関係業界の創意工夫によりまして品質が非常に向上しておりまして、また新製品の開発なども行なわれておりまして、最近では一般に日本製品の性能についてさほどたいした不評は聞いておりません。なお、こういう製品の振興につきましては、外務省といたしましても特に――もちろん海外におきましてもいろいろ問題もございますし、あるいは国内でもいろいろ問題があるというふうに承っておりますが――特に中小企業製品を主とする軽工業品の輸出につきましては、関係各省庁とも協力いたしまして、ぜひとも振興する方向に協力をしていきたいと思っております。
#11
○小柳勇君 協力ではなくて、外務省がやらなければならぬ分野がたくさんあるようだけれども、私聞いているのは、政策的な、政治的な判断ではなくて、具体的に今日までどういう調査をやっておられるかと、それからことしの予算で調査のための予算がどのくらいでございますか、こういうことを聞いているのです。
#12
○説明員(有本富三君) 具体的に商品の評価等についてどういう調査ができ上がっておるかということにつきましては、私残念ながら、いま具体的には覚えておりません。ただ、一般的にわれわれのほうでいたしております調査は、もちろんそういう商品の個々の調査もございますが、輸出の市場の性格とか、あるいは先方の業界の情報、そういう方面を主にして調査をいたしておりますが、大体現在われわれのほうで海外で調査をするための予算として考えられますのは約四、五千万円の海外における委託調査という費目は持っております。
#13
○小柳勇君 外務省きょうおいでることは前から聞いておったけれども、各省とも私の質問する場合には連絡員が聞きにくるわけだ。外務省、これは詳しく聞きに来られなかったような気がするな、私がいなかったかもしらぬけれどもね。やはり大臣に聞くときは政治的なものを聞くけれども、事務当局に聞く場合は数字など参考にするために聞きますから、ちょっと連絡員なんか電話でもいいから聞いといてもらわぬと、せっかく時間をかけて論議しましても抽象論になってしまいます。私のほうで調べたのがあるんですが、二百何十万だったと思うけれども、このくらいの調査ではしようがないと思ったものですから、わざわざ外務省から来てもらっているわけだ。で、外国の調査機関を使って日本の製品の評価を調査してありますよ。来年度の予算もありました。ありましたが、そういうものをもう少し充実してもらわぬと、通産省だけでは分野が少し違う面もありますから、おたくのほうの経済局の仕事だと思ったものですから、わざわざ来てもらっているのですから、何か具体的なものがありましたら御答弁願います。
#14
○説明員(有本富三君) ただいま申し上げましたように、具体的なものにつきましては私ちょっといまど忘れいたしまして記憶がございませんが、大体海外の調査機関を通じていろいろな問題の調査をさしておるわけであります。
#15
○小柳勇君 そのことはわかっています。概括的なことはわかっていますけれども、こういうふうな統一ブランドの法案を出しますこの機会に、もう少し通産省なり出先機関ともタイアップして、系統的な調査をやって、日本の製品というものが一体外国市場ではどういう位置を占めておるかということを、もう少し的確に政府が把握して、あと中小企業庁などが指導するというような体制でなければならぬと思ったものですから質問するわけですから、局のほうでもよく御相談になって、私の質問している意図を今後仕事の上に生かしてもらいたいと思います。私のほうの調査で、委託調査が四十五年度アメリカ、イギリス、西ドイツを対象にして予算二百五十万円組んであるようです。このくらいの予算ですね、二百五十万円かけましてもたいした調査できぬと思います、対象がたくさんですから。あとはもう通産省に聞きますけれども。せっかくこういう法律をつくって軽工業品の高級化をはかって日本商品の声価を高からしめようと努力しているときですから、政府は一体となってまず調査活動から始めて、PR活動のほうに前進してもらいたいと思います。これは希望条件ですから。
 もう一つ、せっかくですから、私の聞いたことで、外務省のほうにお願いしておきたいのは、先般南米数カ国回りまして、日本の自動車がほとんど南米の大陸に動いていない。特に大使館などでも日本製品の品物が、自動車がほとんどないわけです。で、ある大使などは、私どもが乗って歩きます車は日本の製品に乗りたいと言われるわけですね。そのほうがPRにもなるし自慢になると、だから日本の車に乗りたいが、外車に乗っていますと。ちょっと肩身が狭いと言われるのだが、そんなことお聞きになったことございますか。もしあれば、金もかかりましょうし手続もたいへんでしょうけれども、大使の希望をいれてやって、肩身広く乗り回して、それを日本の自動車産業のPRをかねてやってもらいたいと思うのだが、聞かれたことございますかどうかお聞きしたい。
#16
○説明員(有本富三君) ただいまの先生の御意見、全く私同感でございます。私自身もそういう気持ちに常になっておる次第でございます。ただ場所によってなかなか部品とかサービスとかという面で困難があるというふうに聞いておりますが、これも一昔前に比べますと、相当日本の車が在外公館あるいはその他の出先機関で使われるようになっておることも事実でございます。
#17
○小柳勇君 もう一つ、小さいことですけれども、先般ジェトロの副理事長さんに来てもらいまして、参考人の意見のときに私伝えておきましたが、ジェトロなど、なかなか日本の自動車を向こうに持って行くこともたいへんなようですけれども、向こうで買いますと、日本のたとえば五十万円くらいする車が五百万円もするということで、外務者に籍を置いて日本の車を持って行きますとそれが使えるというわけですよ。ジェトロなどから御相談あるかもわかりませんし、あっているかもわかりませんが、南米には日本の自動車産業のPRが足りないというのか、あるいはアメリカや欧州の自動車との競争のためにこのシェアが狭くなっておるのかわかりませんけれども、ほとんど日本の品物は走っていませんから、そういう面のPRも兼ねてその便宜をはかってもらうように担当局にお話しください。希望意見として申し上げておきます。
 それから、この日本の軽工業品のPR方法などについて外務省で話題になっていることがありましたらお聞かせおき願いたいと思います。これで外務省関係は質問を終わります。
#18
○説明員(有本富三君) 先ほど申し上げました、特に在外公館におきましては、まあ先生方御承知のように経済関係の担当官がそれぞれおりまして日常のいろいろな業務をやっておりますが、そういう面と、それから各在外公館で啓発宣伝の仕事を必ずこれは大使館、領事館を問わずやらしております。その中に、特に経済局から、最近のいろんな業界とか、あるいは新製品とか、あるいは日本の商品に関するできるだけ新しい情報を送ってやって、各館でそれぞれ適当な方法で啓発宣伝をするように指導をいたしております。なお、ジェトロなんかのあるところでは、直接出先のほうで両方協議しましていろんな対策を練っておるわけでございます。
#19
○小柳勇君 次は中小企業庁。この間からの質問でお聞きのように、中小企業、特にこの統一ブランドの対象になる組合などが、資金の面で、統一ブランド制定もけっこうですが、近代化資金その他の別ワクに資金を考えてもらえないかという要望がございました。通産省のほうでも、そういう方向に努力するという御発言がございましたが、中小企業庁のほうでどういう御対策があるか、聞いておきたいと思います。
#20
○政府委員(外山弘君) 中小企業に対します設備近代化融資につきましては、先生御承知のように、いろいろな制度がございますが、ことに統一ブランドの関係に関連して申し上げますと、二つの制度が現在予定されているかと思います。一つは、昨年、近促法の改正をいたしました際に創設されました構造改善特別貸付でございます。現に金属洋食器は、この統一ブランド法を策定する前でございますが、構造改善業種に指定いたしまして、それに伴いまする構造改善貸付というのをすでに実施しております。それからもう一つは、昭和三十七年に発足しておりますが、特定中小企業輸出振興貸付というのがございます。これは、特にそういう輸出振興を必要とする業種といったようなものを指定いたしまして、そして輸出振興のための設備貸付といったものを中心に、特利で運用しているわけでございます。で、現在、金属洋食器等につきましてもすでに指定されてやっておりますが、今後、統一ブランド法の指定業種につきまして、新たに、いままで指定されてないものがございますればこの対象に指定いたしまして、特定貸付を行なうということは、十分私どもとして前向きに考えてまいりたい、こういうふうに考える次第でございます。
#21
○小柳勇君 現在予定されておる業種は、先般ここに発表がありましたが、将来も、そういう恩典、特別な配慮があるならば考えようという組合も出ると思いますから、せっかくこの法律ができるのですから、中小企業庁のほうもこれを前進させる方向に資金の面で御配慮されるように希望をいたしておきたいと思います。
 次に、通産省に質問いたします。この前の質問の最後の、保留いたしておりました日本製品の評価の調査です。外務省のほうでは、いま御答弁がありましたように、調査するということでありますが、評価はまあまちまちのようです。その点についての調査、並びに、もう一括して、今後のPRの方向についても見解をお聞きしておきたいと思います。
#22
○政府委員(後藤正記君) 仰せのとおり、日本製品の海外市場におきまする評価は、漸次向上いたしてきてはおりまするが、品種により、それからまた地域によっていろいろまちまちのようであります。したがいまして、かねがね通産省といたしましては、特に直接担当いたしておりますジェトロを通じまして海外PRということに十分留意いたしてまいりました。ジェトロ関係の一般のPR関係といたしましては、たとえば展示場を開くあるいはまた展示場の資材材料費の補助をする、それからまた展示場の事業費の補助をするというようなことをいたしますし、業種別のPRといたしましては、あるいは海外向け、あるいはまた国内に向けましての種々の予算をジェトロ予算として計上をいたしまして、国内、国外を通じまして、たとえば新聞を通じ、あるいはテレビを通じ、あるいは雑誌を通じ、あるいはフィルムの映写会等々も開きまして、でき得る限りきめこまかく従来ともPRに意を注いでまいったつもりでございます。今後ともこの問題は在外公館のお助けもかり、さらにまたジェトロの機能の強化を通じまして、そのほかにもでき得る限り諸般の施策をきめこまかく考えまして、海外の正当なる評価を獲得するために努力してまいりたいと存じます。
#23
○小柳勇君 次は、先般の参考人の意見にもありましたが、外人バイヤーが適当に日本の品物を買いたたいて、また、そのバイヤーが商標まで向こうから指定してきてやっておる、こういうようなことですが、もちろん中小企業自体の、組合自体の責任でもありますけれども、ジェトロや政府が援助しなければ、なかなか急にこういう体制を変革できないと思うけれども、この問題についてはどういうふうに取り組んでおられますか。
#24
○政府委員(後藤正記君) 買いたたきの実情は、先般参考人の陳述にもございましたとおり、漸次日本の中小企業製品、特に軽工業製品の力がつき、品質が向上いたしてまいっておりますので、漸次その傾向はゆるんできてはおりますが、なお、現在においてそれがあることは確かでございます。それでまた、外人バイヤーが自分自身のブランドでそれを買い集めて、自分の国の流通ルートに乗せるという実情がございます。それで、そういった事態を改善いたしまして、日本の商品としての独自の商標をつけさして、そうして独自の流通ルートに乗せて、諸外国でこの日本製品の声価を向上させ、これが日本のものであり、日本の良質のものであるということになって、それが価格に反映をして、ひいては中小企業の利潤がより潤っていって、輸出の振興につながってくる、中小企業の振興に役立つ、こういうのがまさにこの法案のねらいとするところでございますが、何分にも、この外人バイヤーによる買い集め、それからそのブランドによる売りさばき、そのつかまえておる当該相手国のルートというものは、長年にわたってそういう日本の、残念ながら中小企業の過当競争というものと、一つ一つの中小企業が力が弱く、そうしてそれがまた、ときにいろいろな不況の波に洗われまして、その力を十分に結集できない、そういう弱みが、いわゆる悪循環を繰り返しまして今日の状態となってきておるわけでありまして、どこでその悪循環の輪を断ち切るかということが非常にむずかしいわけでありますが、これは何分にも長年にわたってきておりますので、今後これに対抗するための、本法案のねらいといたしまする統一商標制度につきましても、これは長い目で漸次品質の向上と、そのブランドの売り込みというものによって、これは長い目で浸透さしていくより方法はないかと存じます。速急にすぐそのまま現在の状態を改変いたしまして、そうして日本商品によるブランドを独自のルートに一気に乗せるというように、なかなか短兵急にはまいらない問題でございますが、これが将来長きにわたって漸次その効果をあげるようにつとめてまいりたいと存ずる次第でござい.ます。
#25
○小柳勇君 将来のことですが、統一ブランドができて、なお外人バイヤーなどがみずからの商標をつけさせるような場合は、政府としてはどういう措置をとりますか。
#26
○政府委員(後藤正記君) 外人バイヤーとその団体との関係は、これは個々のコマーシャルベースの商取引でございます。したがって、これに直接にそういうブランドをつけて売ってはいかぬとかいいとかいうぐあいの、政府としてそこまで干渉するのは、それはすべき問題ではないと存ずるのでありますが、しかし他面、こういった法律によりまして統一商標、自己ブランドというものをつけて海外に進出し、その製品を売りさばきたいという意図を持っておるわけでありますから、したがってこの統一商標をつけて自分の団体の生産にかかる製品というものを売りたいという団体ならば、これは従来と違って一つのこういうよりどころがあり、自分たちの統一商標というものを持っておるわけでありますから、したがってこれはその団体の自覚によって、漸次それは外人バイヤーのそういった力、力と申しますか、要求に対しては、これに抵抗してはね返していくという傾向が漸次進んでくることと存じます。しかしながら、これは政府の施策として、在人バイヤーが買い集めて、それを外人バイヤーのブランドで売っていくというのはいかぬというぐあいの性質のものではないと存じます。私どもは、この統一商標というものを自分でつけ、統一商標規程を申請して、それを大臣の認定、役所の認定ということで定義づけられたもの、しかもそれの輸出に関し、税関等のそれをチェックするという保護措置まで考える、そういう規程のルートに乗った業界団体であるならば、これは当然自分たちの自主的な発議によって、そういった外人バイヤーの意欲というものに漸次抵抗いたしていくものと信ずるものでございます。
#27
○小柳勇君 この法律に、統一ブランドをつける工場では、たとえばこれだけの製品ができるものとする――統一ブランドの製品をつくる工場では、ほかの商標をつける品物はつくってはならないということは、これにないわけですね。
#28
○政府委員(後藤正記君) ございません。
#29
○小柳勇君 そうすると、今度は統一ブランドができて、外人バイヤーが来て、今度はたとえば二割なら二割引きあるいは五割なら五割でその商品をつくってくれないかという場合にはどううことになるのですか。
#30
○政府委員(後藤正記君) 一にそれはその団体の統一ブランドというものに対する熱意の問題であると存じます。しかしながら、従来からの歴史がございますので、一時にそれをむげにいきなり頭から拒絶をして、いま一切そういうブランドのものはつくりませんということを、もしかりにその団体がした場合には、とたんにその取引というものが一応そこでストップをいたします。したがいまして、これは業者としてはある程度それは当方の実はこういう統一商標というものによって組合員の総意を結集して、こういう商品を売りさばくことにしているんだという事情を説明して相手方に納得させ、そうしてこの商品の販路を統一商標によって進めてまいるという以外にはないかと存じます。これはもう一にその統一商標を掲げようとしておる団体員のこれは熱意の問題であると存じます。
#31
○小柳勇君 では、特許庁のほうの審査第一部長に聞きますが、私どもちょっといまの局長の答弁は、なかなかこれはたいへんな問題じゃないかと思うんですが、ここに工場が一つある。燕の金属食器工場がありますね。ここで統一ブランドができた。そこでこれは一〇〇%商標をつけて売り出す場合は問題はない。しかし外人バイヤーが、特に力の強いやつが、同じ品質の商品に別の商標をつけろと言って注文した場合、製品は同じですね、統一ブランドをつける場合にはその品質に対するブランドですね、その場合に、外人バイヤーのその商標をつけた同じ品物が外国に行った場合には、これは統一ブランド侵害にはなりませんか。
#32
○説明員(大久保一郎君) 結論から申し上げますと、その場合は侵害にならない。といいますのは、結局、商標につきましては形状とそれから称呼、呼び名ですね、それから観念、この三つが類似になっておる場合において侵害ということになっておりますが、品質についてはとやかく言っておりません。侵害にならないわけです。
#33
○政府委員(後藤正記君) 若干補足して申し上げたいと存じますが、この統一商標をつけましたものは、この統一商標規程にございます品質の基準を持った特定貨物は、その統一商標ブランドをつけて税関を出ていくということが目安になるわけでありますから、同じような品質を持っておりましても、それがたとえば外人バイヤーのブランドに限りませんで、これは統一商標というものを組合員全部で考えたけれども、私のところはもう一つこれにくっつけて長い伝統を持ったもう一つの商標をつけるとか、あるいはまた、これは私だけはどうしても先祖伝来のこの商標があるんだから、これだけはどうしても要るというぐあいに、別の商標をつけて税関へ参りますときは、それはもうそれが別個の輸出検査法の基準に合っておるものでございますれば、これは出てまいりますから、商標法の問題なり、それから本法案との抵触はないと思います。
#34
○小柳勇君 いまの後藤局長の発言には問題が二つある。一つは、統一ブランドとその社のブランドと二つつけて出すことができるということを証言された。それはそのとおりですね。将来も、統一ブランドはきめますけれどもわが社の商標をつける場合は二つつけても出せます、これは税関、出ますということですね。それは一つわかった。もう一つは統一商標ですね、この工場でつくったやつはその商標で出せるというのが一つ、これはいい。ところがちょっと別にして、この商標をつけないで別の商標として出そうとする。この場合は税関は統一商標と見ませんね、見ませんがほかの商標をつけて出す。そうすると品物は、同じ品質の品物が外国へ行く。外国の市場ではこの統一ブランドの品物と、その外人バイヤーの品物が一緒に並んでおれば――実際つくっておるところは同じところなんであって、その場合に、この法案をつくる目的である統一商標をつくって品質を向上しようというような意図とは少し違うんじゃないか。それは外人バイヤーが、では統一商標は要りません、要らぬから自分の商標だけを持ってきて少し安くしてくれ、同じ品物を。そう言う危険性はないかどうか。
#35
○政府委員(後藤正記君) 御指摘のとおりそういう問題はあると存じます。同じ工場で同じ品質基準で同じ製品をつくった。一方は統一商標をつけまして規程に基づいて税関から出て行った、片一方のものは外人バイヤーのブランドで税関を通過した。それでこれを買った者が二つ並べまして、これは全然同じものじゃないか、しからば必ずしも統一商標でなくてもいいんじゃないかという意見が出てくる場合は確かにございます。その場合は、しかしこれはやはりもう少しそのメーカーというものが、それは外人バイヤーのどうしてもこれをつけろ、その圧力の力関係になってまいりますが、統一商標というものを確立して、自己ブランドによって外国市場を自分でつかまえて、そのルートに乗せて、外人による流通経路によって不当な利得を取られずに当然はね返ってくる利潤を得たいという自覚があれば、当然その問題は、やはり漸次外人バイヤーのマークなりほかのマークをつけるものは減ってくる。そこに私は一番根本になるものはその生産者、その生産者が構成員となっております団体の、統一商標に対する熱意の問題である。したがってこれはこの法律によって規制する云々の問題ではなしに、まさに下から盛り上がってくる団体の熱意に期待する以外に方法はないと存じます。
#36
○小柳勇君 わかりました。これからの問題ですから業者の熱意の問題は大切でしょう。いま一つは、いままで燕なども統一商標をつくって外国に出ていったところの品物がありますが、この間参考人として見えた方のほかに、現在どういう品物がありますか、近い将来に統一商標、ブランドをつくりたいと熱望しているような品物はどんなものがございますか。
#37
○政府委員(後藤正記君) たとえばモザイクタイルでございますとか、あるいはワイシャツの生地のギンガムでございますとか、あるいはまた作業工具ですとか、それからまたスカーフというようなものが希望を表明されておりますので、漸次その団体につきまして固まってまいりますれば、先般ここへ出席されました業界と同じように、漸次そのレベルが上がって、こういうものになってくるであろう、かように私どもは考えております。
#38
○小柳勇君 この法案が通りまして、統一ブランドを今度は特許庁に持っていくのでしょうね。特許庁へ持っていって統一ブランドをきめるのでしょうが、大体これからの作業工程ですね、大体どのくらいの期間が必要ですか。法案ができて、一番早いのは燕などでしょうけれども、この統一商標法案による適用を受けながら将来始めますね、今度。まだ全然今まで統一商標がないものがこれから商標を募集してつくって、そしてこれはどういうふうな手続で外国に出るようになりますか。その道順をちょっと説明してください。
#39
○政府委員(後藤正記君) この統一商標と申しましても、これはやはり商標の一種でございまして、その団体がまずその商標権を持っておるということが必要でございます。したがいまして、従来持っておった、持っておるその商標を、新たに統一商標という形にして、そして統一商標規程の中にそれを盛り込んで、その統一商標規程全般としての大臣の認定を受ける。商標を持っていない場合は、これはほかからそういう商標権というものの普通使用権を譲り受けるなり、商標法上のやはり手続を経なければならないと思いますが、まあ大体の場合はそれぞれ持っております。そのうちの代表的なのを自分の統一商標にしようかということになってくるかと存じます。そして統一商標規程の認定ということが行なわれますと、それに基づいて、その中にしるしてございます規定にのっとりまして、指定検査機関の検査が行なわれます。その検査に合格したものは所定の手続によってこれに統一商標をつけます。統一商標をつけたその特定貨物が税関へ参りますと、税関は、これも御承知のような手続によって、そうでないものとパスさせるものとチェックをしましてこれを輸出させる、こういう手続になっているわけであります。したがいまして、すでに商標権というものはたいていのものはすでに持っております。どれを統一商標にするかということがあれだと思いますが、かりに商標というものが一つもないという、そういう場合はないと思いますが、それだと、商標権のないものは商標権の設定、登記ですか、登録をすることから始まってくると思います。
#40
○小柳勇君 だから一番早いのが、今度この法律によって認定をされて、登録をして、税関をその商標をつけて出発するのは、最短どのくらいかかるかということを聞いているのです。
#41
○政府委員(後藤正記君) この法律がここで御可決願いますと、中でいろいろな政令とかそれから省令とか、いろいろな手続規定を命令の形としてつくり上げなければいけません。それをできるだけすみやかにつくるという形になっておりまして、諸般の法律なり法規なりというものが全部整いましてからならば、これはすみやかにそこへいくと思いますが、その事務手続等は、国会で御可決願いますれば、これはすみやかにできるように、すでに御可決の前提のもとに私どもいろいろ勉強を進めておりますので、そんなに長くかからない、こう思っております。
#42
○小柳勇君 それで、少し時間がありますから、逐条的に問題点を聞いていきましょう、その間にいまの問題は明らかになると思いますから。
 まず第一条は、「この法律は、輸出向けに出荷される中小企業製品のうち」と書いてありますね。軽工業品というものは必ずしも中小企業だけではできていないが、この第一条で「中小企業製品のうち」とはっきり限定してあるのはどういう意味ですか。
#43
○政府委員(後藤正記君) もともとこの法案のねらいといたしますものは、大企業の生産にかかるものでありますならば、大企業は自分自身の商標によって自分自身の宣伝力によって自分の商品を売り込むことができるわけであります。したがいまして、ねらいとするのは中小企業の製品ということをもともとねらいといたしておりますので、大企業関係を除いて特に中小企業製品ということをきめたわけでありますが、これを法律的に申し上げますと、この一条の中小企業製品といいますのは、二条の第一項で規定いたしておりますように、「その生産を行なう事業者の大部分が中小企業者である貨物」のことを示すものでございます。「大部分」と申しますと、少しばく然となりますが、大部分はおおむね全事業者の三分の二程度かと、かように考えております。
#44
○小柳勇君 いま第二条との関連も聞こうと思ったのですが、将来軽工業品で統ブランドをつけたいというようなときに、大企業でも必ずしも自分の商標で勝負するよりもその地域の統一商標でやったほうがいいというようなところもあると思うのだけれども、そういうときはいろいろ方法はあろうけれども、下請企業に持って行くとかあるいは卸業に持って行くとかいう方法もあろうけれども、無理に「中小企業製品のうち」と書いてあるものだから少しひっかかりがあったのですが、第二条との関連で、たとえばこの第二条のほうでは三分の一ぐらい大企業があってもこれは差しつかえないようにしてありますね。少しこれは第一条と第二条との関連がはっきりしていないように思いますがどうですか。
#45
○政府委員(後藤正記君) そういうことはございませんと考えておりますが、第二条におきましては、「その生産を行なう事業者の大部分」、これが先ほどお答えいたしました大体三分の二以上と考えておりますが、「中小企業者である貨物」云々と、こうなっておりまして、この中小企業者というのは申すまでもなく中小企業団体組織法にございまする第五条第一号または第三号に該当いたしておりますものを考えております。一条と二条との間に矛盾はないと考えております。
#46
○小柳勇君 第一条のところで、必ずしも中小企業製品とは限らないけれどもというふうに考えていいですか、かちっと「中小企業製品のうち」と書いてあるけれども。
#47
○政府委員(後藤正記君) 仰せのとおりでございます。まあ大企業の場合にもそういう場合があると考えますので、これは中小企業団体法あるいは中小企業等協同組合法等々の中小企業関係の法律にもあると思いましたが、その経済活動の二〇%以内であるならば、そこの中に中小企業以外のものを含めてもいいというたてまえになっておりますから、その規定によって大企業は一部この中に入ってくる場合もあり得るかと存じます。
#48
○小柳勇君 こまかい問題はたくさんありますけれども、ほかの委員に譲りましょう。
 第三条に「当該特定貨物の総輸出額に対する比率が政令で定める率をこえでいるものは、」云々とありますが、「政令で定める率」というのは、どのくらいを考えておりますか。
#49
○政府委員(後藤正記君) 原則として半分、五〇%と考えておりますが、しかし、品物によりましてはこれはその特別の場合を考える必要もあるかと存じます。原則としては大体五〇%、かように考えております。
#50
○小柳勇君 それから品質を定める基準というのは、この前もちょっと論議しましたけれども、品質を定める基準というのは検査機関もありますし、組合の機関も、いろいろございましょうけれども、その基準というものについては、政令なり、政府として定めるのか、あるいは組合に任意的に基準をきめさして、これを認めるというような方向をとるのか、その基準のきめ方について御説明願いたい。
#51
○政府委員(後藤正記君) この「品質の基準」というのは、統一商標規程というものを第三条によりまして団体が作成して、主務大臣に提出して認定を受けるということになっておりまして、その中の統一商標規定に、この第三条の二項二号で「品質の基準」ということがございますので、当然これはたてまえといたしましては、その団体が自分たちでよく相談して団体の総意に基づいて品質の基準をきめていくわけでございます。しかしながら、これの認定を主務大臣がするにあたりましては、もともと第一条ではっきりうたっておりますように、「中小企業製品のうち品質がすぐれたものについて、」、こういうことが書いてございますので、その団体があまりに品質の基準というものを低くして、そうして海外においてその中小企業製品が声価を獲得し得ないような、ずっと低い基準をつくってきた場合には、これはやはり認定に際して主務大臣が考えなければならぬ。そうすると、一体認定の基準というのはどこに置くかというのが問題になってくると思いますが、第五条の一項二号におきまして「特定貨物の品質の基準が主務省令で定める基準に適合するものであること。」、こう書いておりますので、特定貨物の品目ごとに、外観とか構造とか性能等について、これはこまかく、やはりこれ以上のものでないとすぐれた品物であってこの法の目的に合致するものにならぬというレベルはきめておかなければいかぬと思います。これがたてまえであります。
#52
○小柳勇君 役所のほうで一つの基準というものはちゃんとあらかじめきめておく。これ以上でないと統一商標はつけさせないということに考えてよろしいのですね。
#53
○政府委員(後藤正記君) 先ほどのお答えのように、この法律の趣旨にかんがみまして、あまり低い統一商標の品質基準をきめられましては、法の意図するところが達成できないわけでございますので、その最低と申しますか、統一商標としてのその品目についての最低のレベルは、主務省令にちゃんときめておく必要があると思いますが、しかしながら、特にこの際申し上げておきたいと存じますが、この法律自身が業者の自発的なとにかく熱意、盛り上がりというものによってできるわけでございますので、これは主務大臣が自分で勝手に、業界の意向も尊重せずに、適当なところにレベルを引いて、この上でなければいかぬとか、それから下ではだめだとかという性質のものではなくて、この際、基準をきめるときに業界の意向を十分に聞いてそれをきめるべきで、これ以下のものでは中小企業製品の声価をあげることにはならぬという基準を定めることが必要であると考えております。
#54
○小柳勇君 次は第七条ですが、「認定の有効期間は、その認定をした日から五年とする。」と書いてあります。五年とするように期限を切った根拠は何でございましょうか。考えれば、長期がいいような気がいたしますが、その根拠を御説明願いたい。
#55
○政府委員(後藤正記君) 商標権におきましては、この商標の有効期間というものは十年というぐあいにきめられております。この統一商標に関しまする統一商標規程の認定の有効期間を五年といたしておりますが、これはもともと統一商標というものは、一たび確立されますと、それによって将来長きにわたって統一商標をつけた商品というものの声価の向上というものを期待するわけでございますので、一応の区切りとして五年ということを考えます。これは現在の軽工業品関係というものは、日進月歩の状態でございますし、しばしば論議ございますように、発展途上国の追いあげ等ございまして、環境変化等がございますので、商標権と同じように十年ということを固定させることはいかがかと存じましたので、一応五年と区切ったわけでございますが、しかし根本的には、これは当然効果をある程度あげてきたものはそのままこれを更新――第七条二項にございますように、有効期間というものを申請によって更新する。更新するのがこれが大筋である、かように考えております。
#56
○小柳勇君 いろいろの考え方になりましょうけれども、これはどちらでもいいでしょう、更新していきますから。
 次は第十一条ですが、第十一条「認定の取消し」というのがありまして、第一項第三号に「認定規程に定める検査を行なう機関並びにその検査の能力及び方法が第五条第三号の主務省令で定める基準に適合しないものとなったとき。」とあります。前に認定したものが、あと検査機関などが基準に適合しなくなって――前の認定を取り消す必要はないじゃないかという気がするのですが、これはどういう関連ですか。
#57
○政府委員(後藤正記君) 統一商標に関する事業というのは、中小企業製品の中で品質のすぐれたものについて、その統一ブランドを使用することによって海外市場におけるその製品の声価の向上をはかりたいというものでありますが、これを確保するためには、やはり検査が適正に行なわれるということが必要でございます。検査の公正あるいは適格性というものが失われますと、この統一商標事業の目的達成は不可能となるからこの規定を置いたわけでございますが、この五条三号の主務省令で定めるものに適合しないものとなったとき、それで、この一項にございます「取り消すことができる」――取り消すとなっておりません。「取り消すことができる」。したがって、たとえば検査機関の「能力及び方法」ということになっておりますが、たとえば検査に必要な機械というものが一時こわれて、その基準というものから下がった。あるいは検査員というものが何かの都合で人員が足りなくなって、しかしそれは一時的に若干その能力あるいはその方法、まあ方法の、抽出率なんかの問題があると思いますが、一時的にそういう現象が起こっても、それがすみやかにそのあとを補充するようなことがありますれば、これは何も統一商標規程の認定を一々取り消す必要はないのでございます。しかしそれが、そういう状態が続いてくるということになりますと、これは品質の確保ができませんので、この法律に基づいて主務大臣としては認定を取り消さざるを得ない、こういうことになってくると思います。したがいまして、これは運用の問題も若干ございますが、しかし根本の精神としては、この検査というものは公正かつ適確に行なわれなければ統一商標の品質を確保することができぬというたてまえになっておる次第でございます。
#58
○小柳勇君 そこの統一商標認定、商標というのは、たとえば燕のマーク、この間も見ましたね。そういう一つのマークでしょう。そういう認定商標が一応きまっていて、それで、この前の、機関の前の号です、第二号にこういうことが書いてある。「認定商標が第五条第一号の通商産業省令で定める基準に適合しないものとなったとき。」とあります。だから、その品物が基準に適合しなくなることはわかるのですが、認定商標が適合しなくなるということは、一体これはどういうことなんですか。
#59
○政府委員(後藤正記君) 仰せのとおり、これはたいへんまれな場合であると存じます。つまり、統一商標をきめるときに、商標権による登録をした場合に、その商標権に何かトラブルがありまして、商標権の登録が取り消された場合などができますと、根拠となるその商標権というものがなくなってくるわけでございますから、そういった場合にはやめざるを得ないという、非常にまれな場合だと思います。それから、まあこれはちょっとそういう例があるかどうかと思いますが、商標権というものはできておっても、たとえばある外国あたりで、新興の独立国あたりでそれと非常によく類似したような国旗が制定されたというような場合があるんじゃないか。そうしますと、よその、外国の独立国の国旗と同じような商標というのはちょっと困りますので、こういった場合にはその統一商標が通商産業省令に定める基準に適合しないものだと、こういう場合が考えられ得ると思うのでございますが、これはきわめてまれな場合であると存じます。
#60
○小柳勇君 いまのあとのやつはそれは説明になりませんよ。この「通商産業省令で定める基準」というのはその品質の基準ですよ。この認定を――ああそうか、そうすると、この基準というものは、「通商産業省令で定める基準」というのは統一商標についても基準を定めるという意味ですか。
#61
○政府委員(後藤正記君) さようでございます。
#62
○小柳勇君 私この認定のところで、「認定の基準」というのは、統一商標というのは一つの組合などでつくりまして、これに品質がマッチするかどうかということを認定して定めると思ったけれども、統一商標も通産省令で一つの基準をもって認定するし、このきまった統一商標に対してその品質が合致するかどうかはもう一ぺん認定すると、こういうことになりますか。
#63
○政府委員(後藤正記君) それが同時に行なわれることになると思います。第五条の一項一号で、「統一商標が通商産業省令で定める基準に適合するものであること。」、こういうことがございます。基準というものは一体どういうものかというと、これは標標として登録されたものであるということ、あるいは仕向け国の工業所有権を侵害するようなことがない、それからまた第三に、一般的な判断からいたしまして、その統一商標が特定貨物の海外市場における声価の向上をはかるには適切でないという場合があると思います。
  〔委員長退席、理事川上為治君着席〕
たとえば、これは日本の国内における日本の国自体の評判について間違った認識を与える、たとえばちょんまげ印だとか大小チャンバラ印だとか、そういうのはちょっとまずいのでありまして、それからあるいは仕向け国における国情等に照らしまして、そこでその国に対する何か諷刺みたいなものにとられるというものが出てくるのは、これはちょっとまずい、こういう場合の基準をきめたいと思っております。
#64
○小柳勇君 わかりました。
 それで次は、同じ第十一条ですけれども、団体の役員が欠格となったとき認定を取り消すということがありますね。商標認定ですから、団体役員の一人が不適格になっても認定を取り消さぬでもいいではないかという気がしますが、これはどういうことですか。
#65
○政府委員(後藤正記君) 団体がその統一商標に関する事業を公正に遂行することを確保するという観点からもちまして、団体の業務実施機関でありまする役員にこの法律に違反した者が存する場合には認定を取り消すことができるというのがこの本条でありまして、したがいましてこの役員が法律違反のことをして欠格条項というものが出てきたときには、直ちにその役員を取りかえることにすれば、それで私はいい、しかしその役員が依然としてその座についているというような場合には、これは認定を取り消してその団体自身の業務の公正な遂行をはからざるを得なくなってまいる、かように考えます。
#66
○小柳勇君 私もそう、役員変更だけで問題ないのじゃないかと思っておりましたが、そういう御答弁でありましたから……。
 じゃ次は第十六条です。「特定貨物を輸出した者に対し、一年以内の期限を限り、」「輸出の停止を命ずることができる。」と書いてあります。この「一年以内の期限を限り、」というのはどういう根拠でございますか。
#67
○政府委員(後藤正記君) 輸出停止命令を一年以内といたしましたこれは、一種の行政処分で、行政罰的な意味のものでございますので、あまりこの期間を長くいたしますと、これは国民の権利をそこない過ぎるということになりますし、あまり短過ぎると行政罰としてのやはり意味がないということで、かりに一年ときめたわけでございますが、たとえば輸出検査法の四十二条あるいは輸出品デザイン法の三十九条等にもやはりこの輸出停止命令がございますが、それと見合って十四条のこの規定に違反して特定貨物を輸出した者に対する輸出停止命令を一年以内としたわけでありますが、この点はほかの法律との振り合いを考え、法務省とも十分にその辺のところを連絡して本案といたしたわけであります。
#68
○小柳勇君 これで条文的には最後ですが、第十九条ですね、立ち入り検査の権限が与えられております。いろいろ条件がついておるようでありますが、この第四項の「立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。」と、こうわざわざうたってありますね。この十九条の立ち入り検査などをやる権限及びその後の処理及び職員の心がまえなどについて見解を承っておきたいと思います。
#69
○政府委員(後藤正記君) お答えいたします。
 この十九条の「立入検査」は、十八条の「報告の徴収」と相まちまして、統一商標を付した特定貨物の品質が統一商標規程に定める基準に適合していることを確保し、同時にまた、団体が統一商標に関する事業を適正に遂行しているかどうかを確認するためのものでございまして、したがってその権限の限界、立ち入り検査の限界と申しますものは、犯罪捜査のために行なうというふうに解されるものでないことはもちろんのこと、その限界も当然この必要な範囲にとどまるべきものであると考えます。したがって、あくまでもこの立入入り検査というものは、この統一商標法の目的に合致した範囲内にとどまるべきでありまして、その外に逸脱するということは、これは十分戒めなければなりませんが、立ち入り検査を行なう職員が自分の身分証明書を携帯するというのはもちろんのこと、その際におきましても、その言語、挙動等十分これは自粛をして、あくまでその仕事の範囲内における検査であるということで、相手方に間違った印象なり不愉快な感じを与えないようにする心がまえは当然のことであると存じます。
#70
○小柳勇君 これで私の質問最後ですが、この法律ができまして日本の品物が海外で声価を得て発展途上国の品物に負けないような売り上げがあることを希望するのですが、法律ができましたあと、いま熱意をもって統一ブランドに進んでいる企業組合はもうわかっているのですけれども、その他の中小企業団体、軽工業組合などにわからして、一日も早くそういう政府の方向に企業が進んでいかなければならぬと思いますが、この法案が成立いたしましたあとの通産省当局の取り組みについて見解を聞いて私の質問を終わります。
#71
○政府委員(後藤正記君) 仰せのとおりであると存じます。これはこの法律が成立いたしました暁には、中の法律の規定に基づきまして、その統一商標規程の官報による公告とか、いろいろこういった統一商標ができておるということを周知せしめ、できる限りこれを広くその商品に関連のある人たちに利用させるような方向に進むべきはもちろんであります。他の業種につきましても、こういった方向をとっておる業種があるということをよく知らせまして、その方面に取り組んでまいりたいと存じます。その法律の効果につきましては、仰せのとおり、これは短兵急にはまいりませんが、長年にわたってこの効果が達成できるように通産省としては十分に中小企業庁その他関係のところと十分連絡をとって意を用いてまいりたいと、かように存ずる次第であります。
#72
○浅井亨君 今回このブランド法案ができましたことは、中小企業の輸出振興のためだと思いますけれども、いま聞いておりますと、全企業の三分の二ということでございます。そうすると、その中小企業の方々がこの法律ができましたならば、必ず促進効果を上げることができると、こういうふうにお考えになっておるでありましょうけれども、その効果をあげるという、具体的にこれとこれと、こういうわけだから必ず促進できるだろう、こういうような具体的な例をあげてください。
#73
○政府委員(後藤正記君) これは効果をあげるということになりますと、その効果、具体的には、まず統一商標をつけたその商品が海外で十分に評価をされまして、それでその効果があがっていく、そのはね返りとして。この統一商標をつけたものは優秀な製品である、したがってある程度値段が張るということが、その仕向け国において十分認識されまして、そうして結局高い値段で――高い値段と申しますか、高い品質にふさわしい値段で、たたかれずに売られるという事態が出てきて、そうしてそれが中小企業者にはね返ってくる、これが私は効果である、かように考えます。したがいまして、具体的に一つ一つ、この効果ということでなく、ねらいとしてはそういうことでございます。
#74
○浅井亨君 中小企業といいましても、三分の二ということになりますと、その方々の、いわゆる輸出振興策の一環としてでありますけれども、この法案ができてしまいますと、このあとの中小企業者は自主的に自分でかってに努力してやれ、こういうふうなことになるんじゃないかと考えるわけなんですが、そういうことに対する対策というのはお考えになっておりますか。
#75
○政府委員(後藤正記君) 三分の二と申し上げましたのは、あくまでこれ法律のたてまえでありまして、この統一商標をつけて自分たちの生産するものを売りさばこうとする意欲のある団体は、これは残りの人たちも包含されておるわけでありますので、そしてまた、たとえばその団体に参加をしてないという人たちでありましても、別にその団体に入っていなければこの統一商標というものは使えないということじゃなしに、自分たちもその統一商標を使えるように参加さしてくれということならば、その団体の使用許諾は得られる、アウトサイドでも得られるわけでありますので、この法律のたてまえとしては、その残った人たちが落っこっていくということにはならない、かように考えております。
#76
○浅井亨君 いままで雑貨が向こうにいくのは、先ほどもいろいろ話がありましたが、われわれとしてもそういうことは常に耳にしたんですけれども、いわゆる安かろう悪かろうというのですね。こういうような問題がありましたが、これを、いわゆる安かろうよかろうと、こういかなくちゃいけないのですが、そうすると、いまのいわゆる開発途上国の品物と非常に競合してなかなか伸展していかないというのでこれを考えられたんでしょうが、この法案ができますと、どれくらい伸びると予定しておられるのですか。
#77
○政府委員(後藤正記君) 浅井先生は安かろうよかろうということをおっしゃいましたと承りましたが、私は、むしろよかろう高かろうという形になるのがこの法律のねらいである。いいものができ、質がいい。したがってそれにふさわしい値段というものは払わなきゃいかぬということで、海外諸国で正当に評価されるのが必要である、かように考えます。
#78
○浅井亨君 じゃちょっとお聞きしますが、中小企業白書では、わが国の中小企業は先進国型中小企業へ移行していかなくては国際経済環境に立ちおくれてしまう、こういうふうに出ているわけでありますが、立ちおくれてしまうのだというふうに書いてありますけれども、今日まで当局としては、この中小企業の業界に対して、どのように積極的に品質の向上とか、またそういうことに対して近代化するとか、そういうことについて、どのようなことをやってこられたかどうかということです。
#79
○政府委員(後藤正記君) 通産省の仕事のうちで、中小企業対策というものは、これはきわめて重要なる大きな太い柱になっておるわけでありまして、いま先生仰せのとおり、中小企業対策というのは、その製品の品質向上も含めて、きわめていろいろな角度から詳細にわたってきめ細かい施策が行なわれているところであります。中小企業庁の次長にお答えをしてもらいたいと、かように考えます。
#80
○政府委員(外山弘君) 中小企業白書に申し上げておりまする先進国型の発展への道という主たる中身は、やはり品質で勝負するような製品の輸出をしてほしいというような中身になるわけでございます。そういう点につきまして、やはり高技術といったものが背景となって品質が高まる、それから設備が近代化することによって品質も高まるというふうなことが内容になるわけでございまして、中小企業政策のうちの重要部分が、そういった設備の近代化と技術の振興といった点を中心に、いろいろな施策を講じているわけでございます。御承知のとおり設備近代化につきましては、三機関の融資の問題あるいは構造改善貸し付けの問題、近代化資金貸し付けの問題あるいは小規模企業者にとっても特に配慮した設備の近代化助成、設備貸与制度、そういったものを含めまして設備の近代化の推進をはかりますと同時に、技術振興策につきましても公設試験研究機関の強化とか巡回技術指導の強化とか、あるいは企業者がみずから技術開発をやる場合の助成とか、そういった点でいろいろの予算を長年組んでいるわけでございますが、今後の状況にこたえまして、そういった方面への一そうの強化を今後ともはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#81
○浅井亨君 いまお聞きしますと、大体表向きのことはわかるのでございますけれども、根本的なものは結局労働力ですね、この不足が一つの問題になっていると思います。もう一つは、技術の振興ですね。また品質の向上に対しまして、いままでどのような対策を講じておられたか、具体的にそれを説明してください。
#82
○政府委員(外山弘君) 先ほど申し上げました中小企業施策を個々の業種が具体的に利用しながらその業種ごとの実態に即した技術振興なり設備近代化をはかっているわけでございます。私、いま、そのどんな業種がどんなふうに使っているかという実情は持っておりませんけれども、これは各業種別の原局がそれぞれの業種ごとの実態に即した指導によりまして、こういった中小企業施策を利用しながら具体的に振興をはかっていくというふうな実情にございます。
#83
○浅井亨君 どうもピントが合わぬのですがね。いわゆる中小企業の方々が、また国とか大学とかまたは研究所ですね、そういうところで技術的な面、または品質の向上のためにお互いに研究し合っているのじゃないかと思うのですが、そういうことに対しましてどのような方策を立てられておられるのですか。いわゆる、お互いに技術の振興、または品質の向上のためには、自分のところでつくった製品が一歩一歩前進して、よくなっていくということについて、いろいろ研究していると思うんですよ。そういうことに対して、当局においてはどのような対策を講じておられるか。一番先に申し上げましたのは結局そういうことでありまして、いわゆるこのブランドに加入される方はそれはいいとしまして、それ以外のほうで、おまえら、かってにやれと、自主的に努力してやれと、こういうようなことであっては、日本の中小企業全体からいって、名目である輸出振興をしようという大きな問題からとらえると、どうも納得できないんです、そこが。あとのほうはかってにやれ、こういうふうなことであってはいけないので、私としては一つでも多くそういうふうに統一ブランドをつくって海外に発展していくという、そういう姿をつくり出していくという努力がないといかぬと思うのです。国としてはそういうことに対してどのようにお考えになっているかと、こういうことなんです。いわゆる研究機関というのはあまりないんじゃないかと思うのです。たとえていいますと、産学協同というのがありますね。これは生産者のほうはどうしても利益があがることを考えています。勉強のほう、学問としては、これはお互いに研究し合っていくでしょうけれども、そこにちょっとズレがあると思うのです。だからそういうものをひとつ脱皮して、そして何かここのところに一つの機構があって、ほんとうの中小企業を今後育成していくという、そういう姿があったのかなかったのか。また、それを今後はどういうふうにしようとか、幸いにしてこういう統一ブランドという一つの方式をつくって、方針をつくって、わが国の軽工業雑貨の輸出が全部まあ発展していくというようなことを考えておられる以上は、その問題の先に、もっと中小企業の方方に対するそういう施策というものをはっきり打ち出して指導監督しなくちゃならないのじゃないか。こういうふうに私思うから、この点についてひとつ聞きたい、こういうわけなんです。私の言い方がちょっと納得できないかもしれませんけれども、意のあるところはそういうことです。
#84
○政府委員(外山弘君) 現在までのそういった面での施策は、先ほど申し上げましたように、たとえば上からの指導という点で申しますと、公設試験研究機関というのが各都道府県にございます。そういったところを強化していきまして、そこに基づく技術指導といったような指導体制を逐次強化してまいっておるわけでございます。それからもう一つ、下からという面で申しますと、中小企業者が自発的に技術開発をやりたいということに対しましては、技術の助成ということで補助金を出している。この制度を長らくやっているわけでございます。いま先生の御指摘は、そういったことのほかに、もう少しその技術振興をしたいという意欲と、それから技術振興させたいという意欲とが、もっと結びつく機構が必要じゃないか、こういう御指摘だと思います。私どももそういう点は、現在の制度が必ずしも業種業態の実情に即して完全に満たされているかという点になりますと、さらに勉強の余地が多いと思います。したがいましてそういう点につきましては、やはり各府県の総合指導所の技術指導診断員がおりますが、そういった人たちがもっとそういう意味で努力いたしまして、もっとどういう手がいいだろうかということにつきましても積極的な意見を持ちまして、そうしてわれわれの技術振興施策の中に加えるべきものがあれば、もっと考えていかなければいかぬと思います。それからもう一つは、技術をになう人は、やはり技能者の養成というのが非常に大事でございます。そういった点は教育の面からやはり手をかけていかなければならぬというような声が次第にあがっております。そういった点につきまして、現在中小企業指導法というような法律で、診断指導の計画は毎年つくっておりますが、そういった面での技能者の問題になりますと、もう一つ職業訓練計画といった面での協力が必要になってくるわけでございます。そういう点につきましては、もう少し労働省当局とも御相談いたしまして、いま先生の御指摘のような点につきまして、一歩でも二歩でも前進できるように私どもも努力してまいりたいと、かように考えております。
#85
○浅井亨君 国内のほうの当局の対策に対しては、大体の見当は、いま知らしていただいてわかってまいりましたが、続いて今度海外におきますジェトロの問題ですが、この問題についてお聞きしたいと思います。
 最近ジェトロの機能再検討というようなことを通産省ではやっておられますけれども、いわゆるいままでの輸出振興一本やりというのでなくして、もっと輸出輸入という関係性のそういう秩序といいますか、そういうことに対して日本の人はがめついというのですか、向こうへいくと売り込んでばんばんやるというわけで、だいぶ悪感情を持っているのじゃないかという点もちょいちょい聞くわけです。こういうことに対してはどのようにお考えですか。
#86
○政府委員(後藤正記君) お答えいたします。
 まさにジェトロの創立以来果たしてまいりました機能と申しますのは、従来わが国のとにかく輸出増進ということ一点にねらいを置いた、官民あげての努力の線に沿ったものでございます。そうして今日まで歩んでまいりましたところ、最近におきまして、幸いにいたしましてここ数年来非常に着実に輸出は伸びております。国際収支上の問題あるいは外貨保有の問題等も解決されてまいりました。しかしながら同時にまた、日本の経済的地位の向上に対しまする世界各国からのやはり期待と、同時にまた経済大国と申しますか、それだけの経済的地位に達したものとしての当然果たすべき役割りについての要求というものも強まっていることは事実でございます。したがいまして、従来の輸出一本やりという政策方針は、今後そういった日本の経済的国際的地位の向上というものに見合ったような形に、国の施策自体というものも漸次変更して、変更と申しますか、質的に改善されていかなければならぬと存じます。第一にまずなすべきことは、国際的に要請をされております発展途上国に対しまする経済協力、それからさらにまた、従来は単品といいますか一つのものを売りさえすればいい、こういうことでございましたが、これがもっと機能集積型の輸出と申しますか、一例をあげますならば、これは端的にプラント輸出という問題が出てまいるわけでありますが、これが国内のあらゆる技術面、資本面というものを動員いたしましたプラントというものの、主として発展途上国に対する輸出、これは当然やはり資金援助的な延べ払いという問題を通じて、資金援助と同時に経済協力的な意味も持ってまいりますし、発展途上国自体の基礎的な開発に寄与するという面で、やはり同じくこれは経済協力の意味を持ってまいります。諸般のそういったおおよそ従来の輸出増進というものの中からではなしに、経済協力的な意味を持ち、かつ日本の国としても、この世界情勢の中で、将来長きにわたって日本の経済的な地位というものの発展向上ということを通じて世界経済の伸展に寄与するという見地から、国の輸出政策、貿易政策というものは漸次変更されてくる必要があると思います。したがいましてジェトロといたしましても、当然やはりその方向に重点を指向していくことが必要でございまして、たとえば四十五年度の予算の編成におきましても、まさにそういったねらいからいって、そこに重点を置いて、海外PRにしましても、物を売るということじゃなしに、もっと海外投資の面あるいは発展途上国が売ろうとしてなかなか売れなくて、日本では逆にその物が非常にほしいという資源開発、開発輸入といったような問題への認識に対する一助としてのジェトロの役割り、そういった点に十分に意を注いで今後ジェトロとしても進むべきでございましょうし、国としてもその指導を進めていくべきであると存じます。
 先生言及されました対日感情、まあ一部におきましてエコノミックアニマルだとか、物ばかりがめつく売りまくるというような非難も、きわめて一部にはそういう声が出ているわけでございます。これが世界的な評価となって定着するようになっては、これはもう一大事でありまするので、そういう点で、発展途上国のみならず世界全般にただがめつく売るということだけじゃなしに、共存共栄と申しますか、将来長きにわたって経済的な紐帯がより強化するような方向に国の施策というものは向けていくべきである。そうすればおのずからそういった非難というものも漸次薄らいでいくだろう、かように考えております。
#87
○浅井亨君 そしてジェトロの充実については、この四十五年度の予算は四十九億五千四百万円を計上しております。そのうちで、今度はこのブランド法案のための補助金は六千七百万円、ちょうど一・三%にすぎないのですが、そのジェトロの中でやっております問題としては、いわゆるPRとか展示とか、こういうことでありますが、一・三%ですがね、これくらいの補助金でこのブランド法案というものの目的をほんとに達成できるかどうかとまあ危惧をしているわけであります。そういう点についてお話し願いたい。
#88
○政府委員(後藤正記君) 先ほどお答えいたしましたように、ジェトロとしてはたいへんそういったいろいろの今後の海外施策、貿易施策というものに基づいて種々の役割りを持っておるわけであります。それに基づいて活動いたしておるわけでありますので、したがってこの統一ブランドというものに対するPR、その周知徹底、あるいはまた直接の経費というようなものは、これは先生御指摘のように少ない、比較的少ないかと思いますが、ジェトロのいろいろな活動を通じまして展示事業、PR事業等々を通じまして、一般的な予算と申しますか、ジェトロの全般的活動を通じてそこの中に盛り込まれていくと、かように御理解が願いたいと存じます。
#89
○浅井亨君 そこで、この間もジェトロの副理事長さんですか、参考人としておいでになって、私はちょっとそれだけ聞いたのですけれども、いわゆる現地で採用された方、またこちらから行かれた方、この二通りあるわけですが、現地の方がこちらへ来て日本の国情またはその生産過程とか、または民情といいますか風俗といいますか、いろいろなことを知ることによって一そうの情熱をわかし、また真に日本の国柄というものを認識した上で、そして向こうでPRしていくというようなことを希望されている方が現地の採用の方の中にあると。これに対して何か方法ありませんかと、こう言ったら、予算がないと。予算がないと言われますとね、それはない袖は振れぬという昔からのたとえことばですから、どうしようもないんですがね。そういうふうに木で鼻くくったみたいな――鼻を木でくくるのか木で鼻をくくるのか知りませんが、そういうようなことを言われてしまいますと、いわゆる一番最初の名目のほう、日本の中小企業の振興と促進と輸出振興のためだと、その名目とちょっと反したような気がするのです。これは私の考えです。ほんとにやる気があるならば、そういうこともかてて加えて、そしてそれを前進させていくという姿でなければならないと。それを予算がないのだとこう言ってしまいますとね、何だかしり切れトンボでおもしろくないのですが、せめて金魚のうんこくらいで、あとをついて行ったほうがいいと思うのですがな。
#90
○政府委員(後藤正記君) 全く仰せのとおりであると思います。現在、ジェトロは海外に派遣している日本人がトレードセンター、事務所等を通じまして約二百名、それから現地採用がこれを若干上回ります二百四、五十名と存じます。で、ほんとうにこれが日本の国へ参りまして日本の国情、産業の実態、人情風俗というものを十分に知ったならば、これは日本人と同じように活動ができるわけでありまして、これに越したことはないわけでありまして、私どもも心からそういったことができるように、またジェトロの現地採用員も、自分たちの働いておるジェトロのトレードセンターなりあるいは事務所というものの本国の根拠というものはどうなっておるか、こういった、たとえば一つの商品をPRするにいたしましても、これは国民経済の中において、いかなる経済情勢の中において生産されておるものであるかということがわかれば非常に効果的であると、かように存じます。したがいまして、でき得る限り、もし金に糸目をつけず十分に予算がありますものでしたら、ほんとうに理想を申しましたら二百四十名の現地採用員を全部日本に連れてきて、そうして一定の研修をさせるなり社会見学なりということを十分に再教育してもう一ぺん出すということが、これは一番理想的な形だと思います。一部分につきましては、先般ジェトロの副理事長からお答えをいたしましたように、部分的にはこれはやっておるわけでありまして、将来とも現地人の日本国内における再教育という点には、いろいろな方法を通じてその面を強化いたしてまいりたいと、これは通産省でもそう思っておりますし、ジェトロ自身もそう思っております。したがいまして、先生のお受けになりました印象が、木で鼻をくくったようなという表現をおっしゃいましたけれども、そういう気持ちではございませんで、残念ながら予算の制約があるので思うところまではいかぬけれども、将来ともその方向で努力はしたいと、こういう意図で村上副理事長はお答えされたと思います。私自身もさように考えておる次第であります。何とぞ御了解願いたいと存じます。
#91
○浅井亨君 まあそう言われると、やはり話し合うと、そうかなと、これはまあ人情ですから。だけれども、このジェトロでまあPRをする、また展示会をやると、こういうのですが、この間の福井の村井さんのところですが、去年か何か展示会をやったそうです。ところが、どれくらい費用がかかるのですかと言ったら、一千四、五百万円かかるというのですね。ところがジェトロのほうでの展示会に要するこの予算としてですね、これは七百五十一万六千円ですか、展示会。これは余談になりまして、おかしな話ですけれども、一つの例ですがね、昨今散髪へ行きますとね、七百円取られる、安いところもあるかもしれませんが。さきに私が、安かろうよかろうと言ったら、あなたは高かろうよかろうという話でしたが、そういうことになりますと、高かろうよかろうでなければいかぬと思うのですが、展示会で七百五十一万六千円ということになりますと、散髪代一万人分、それくらいのことでいわゆるジェトロで展示会に応援しているのだ、ああしているのだとおっしゃっているけれども、私はあまり詳しい実情は知りませんけれども、何となく、それとなく、ほんとうにやっていく気があるのかないのかなという気持がするわけなんですが、それを納得するように私にひとつ教えていただきたいと思います。
#92
○政府委員(後藤正記君) ジェトロの予算にそういうものが計上されておるということは事実でございますし、これにはちゃんとした補助率というきめがございます。したがいまして、これは中小企業自体についてもさようでございますが、自分で伸びよう、自分で努力しようとする、そういう意欲は全部国がまるがかえにしてその展示会を開いてやるだけで、手取り足取りという世話までこれはしきれぬわけでございます。したがいまして、これはそういう業界自体の自助努力とそれと国のやはりてこ入れというものが両々相まっていかなければならないわけでありまして、先ほど例におあげになりました千四百四十万円と、こういうジェトロのPR事業にいたしましても、そのPRによって効果をあげて利益を反射的に受けられるのは、これは業界でございます。したがいまして、これは国がその半分の七百何十万円かを持つということで、業界の自助努力というものとそれから国のてこ入れというものとの半々でこの仕事がこうされていったわけで、こういうことがジェトロの現在補助率五〇%のこの仕事になっておるわけであります。考え方としてはさようでございますので、全部まるがかえと申しますか、ジェトロの予算といえどもこれ国民全般の財政の中にある国民の税金から出ておるものでありますので、そういうぐあいにひとつ御了解願いたいと存じます。
#93
○浅井亨君 ちょうど時間にしますと二分ほど超過しておりまして、まことに申しわけないのでございますけれども、締めくくりとして、現在焦点となっていますこの繊維の問題でありますが、こういうことがいわゆる家電製品とかまたは雑貨などについても自主規制を認めろという声が、アメリカでは出ておるものもありますが、これが、これからの中小企業の輸出統一ブランド、これに予定している業種にも波及しないということは言えないのじゃないかと思うのですが、そういう点はどのようにお考えになっておりますか。
#94
○政府委員(後藤正記君) とにかく輸出と申しますのは相手のある仕事でございますので、そのときその相手によって千変万化するものであると存じます。したがいまして現在の時点におきまして、いま繊維問題で非常に日米両国間で問題が起こっておるわけでありますが、これが統一商標というものを適用する業界で、それと同じような問題が起こるかどうかという点につきましては、これは何ぴとといえども現在の状態では予測のつかないところでございまして、要はそのときの事態に応じてこの法の意図するような方向に国も業界自身も考えて進むべき以外に私どもは方法はないと、かように考えております。
#95
○竹田現照君 いままでの質問に重複しない程度でお尋ねしますが、私はまだ現行の国内法でこういうことができるのではないかという認識を実は持っておったのですが、いろいろ御説明の中で聞いておりまして、新法も必要なのかという気もしていますが、なお釈然としませんが、この輸出品デザイン法ができたときに、私が、国内法で、言うところの商標法とかその他のことですけれどもも、そういう工業所有権関係の法律は、いずれも私法的な、権利保護を目的としたものであるから、当事者間の裁判によって保全を実現すべきものであって、輸出秩序の維持というような公法的な規制を行なったものの法律としては不適当だというようなことで新しい法律ができておりますな。この法律もまたそういうような目的も含まれて制定をされるものと理解してよろしいですか。
#96
○政府委員(後藤正記君) 竹田先生のおっしゃいます「そういうような目的」という御質問の御趣旨がちょっとわかりかねますのでございますが、おそれ入りますが……。
#97
○竹田現照君 この商標法とかなんとかというのでも、統一ブランドというようなものはやってできないことではないと私は思うのですけれども、あえてこういう新法をつくらなければならなくななったのは、いま私が言ったような工業所有権の私法的な問題でなくて、輸出秩序その他公法的な性格を考えると、現行の法律ではちょっと無理なので、あえて新法をつくらなければならないのかということなんです。
#98
○政府委員(後藤正記君) わかりました。現在の商標法あるいは輸出品デザイン法等ございますが、この法律の意図するところとはいずれも食い違ってまいりますし、法の意図するところも違ってまいりますので、あえてこの法案の提出に踏み切ったわけでございます。
#99
○竹田現照君 で、この新法がかりにできたとしても、私は即効的なメリットというものはあまり期待できないように思います。さしむきこの法律のねらうメリットというものは何があるのですか。
#100
○政府委員(後藤正記君) 仰せのとおり、これは即効的な効果というものは、すぐにはこれはあげられない、かように考えます。一例として、この法律をつくる際に参考にいたしましたドイツゾリンゲンの刃物、金属洋食器というものの例を見ましても、これは四十年前後の長い歴史を持っておるわけでありまして、したがいまして質のいい品物を海外においてそれにふさわしい成果を獲得せしめ、それにふさわしい価格で購入させるような販売ルートというものを確立して、その反映というものがこれらの生産に従事いたしておりまする中小企業者にはね返ってくるというためには、これは長い目で見て、根気強く着実に進めるということが心要だと存じます。即効的な面という点については、これは短兵急にはなかなか出てまいらないと、かように考えております。
#101
○竹田現照君 それで、ちょっと先ほどの質問に関連しますけれども、特許庁もお見えになっておりますが、先ほど小柳委員の質問で、この統一商標というのは、商標法による登録をするとおっしゃいましたね。それはちょっと私の聞き違いですか。
#102
○政府委員(後藤正記君) 私から申し上げます。
 統一商標、これは商標の一つであります。したがいまして、ある団体が統一商標をきめたいというぐあいになりますときには、その前提として商標法に基づきました正しい意味における商標権というものを持っていなければならないわけでございます。したがって、それを前提にいたして、もしその団体が統一商標として考えられる商標というものが、まだ登録されてちゃんとしたものがないならば、それは登録の必要がございますが、ただ実情におきましては、これはまた各地域、各業種におきまして中小企業者がそれぞれあるときは商標なしで外人バイヤーのブランドをくっつけられておるという事態もございますが――商標はたいていのものはみんな持っておりますが、要は、その団体としてどんな商標を選ぶかということが実態になってくるかと存じます。商標法との関係は、いわば統一商標もやはり商標の一つであるということで、統一商標としてこれを認定を受けるためには、やはり商標法上の商標であることが必要である、かように理解いたしております。
#103
○竹田現照君 とすると、この法律でいう統一商標と商標法にいう財産権ですか、これとはどういう関係になるのですか。
#104
○政府委員(後藤正記君) 全く商標法上の取り扱いは同じものであります。
#105
○竹田現照君 この法律のねらいが、まあ先ほどの質疑の中でも、よくて高いもの、いわゆる高級品、そういうところにねらいがある、そういうお答えでしたけれども、たとえばこの金属洋食器のような場合に、当初は業界がいわゆる自主規制といいますか、輸出規制をやっていたですね。しかしその後ワクがゆるやかになったというのですか、アメリカ側から、それは当初は日米の商品が競い合って、向こうのシェアが侵されるという面もあってそういうことをしたと思うのですけれども、そのワクがゆるやかになったということは、もう日本の商品が入ってきてもあまりたいした障害にならないというか、脅威にならない、そういう面もアメリカ側にはあったのではないか。まあこれは実情がわかりませんけれども、もしあったとすれば、高級品を対象にする統一ブランドというけれども、あまり食い込む余地がむしろないんではないか、金属洋食器に限定をしてちょっと聞いてみますと。むしろこの間の参考人の意見も、輸出は中級品以上で五〇%というようなことを言っておりましたけれども、そうすると、この高級品というようなことに目的を置いたものからは、かなりレベルダウンをしたというところに実際は置かれるのではないかと私は思うのですけれども、その点はいかがですか。
#106
○政府委員(後藤正記君) これは高級品あるいは中級品と申しましても、その間にこれは非常に連続的な差があるわけでございまして、こういうものが高級品、これが中級品、これが低級品ときちっときまっておるわけではございませんので、私どもの考え方としましては、これは米国市場がすでに高級品関係のたとえば金属洋食器では需要と供給とがもうマッチしてしまっておって食い入る余地がないというようには考えておりません。今後まだ中級、あるいはどこまでが中級、どこまでが高級といういろいろなものの見方はございますでしょうが、日本の国民経済と同じようにアメリカの国民経済というものの発展に従い、その消費人口、需要人口というものもふえていくので、おのずからその生活水準というものは上がって、むしろ中級品、低級品よりも高級品のほうを需要する市場のほうがどんどんふえていくというように考えますので、十分にこれは入っていける余地がある。たとえまた、もしかりに高級品、非常にばく然とした言い方でございますが、高級品関係が需給がぴっちり一致いたしまして、もはや入っていく余地がないといたしましても、その高級品の中には、先ほど来御議論がございますように、本来高級品であるにもかかわらず、外人バイヤーに買いたたかれて、日本のFOB価格は非常に低いけれども、向こうでは高級品ということで扱われている、その間の差額というものは日本の生産業者に一つもはね返ってこない、こういう事態があると思うのです。そういう場合に、当然そういう品質にふさわしい価格というものを、高級品という日本の統一商標をつけた商品でその大部分が代替されるというような余地もこれは考え得るのでございますが、ただ金属洋食器に関するいろいろ市場の、特に米国だけとりましても、その状況が詳細にわかりかねますので、私どもはそういう考え方をしておるということで御了解願いたいと思います。
#107
○竹田現照君 アメリカだから高級品ばかり使うというわけではないと思いますね。むしろアメリカの家庭というのは、われわれよりは一面けちな面がありまして、日本に来てもあまり高いみやげものなんか買っていかないというような向こうの連中の実情ですからね。そうすると、高級品じゃなくて中級品でかなり輸出できる面がまだまだあるのじゃないかと、そういうふうに私は考えるのですけれども、そういう中級品、まあ中級品クラスの販路とこの統一ブランドとの関係はどういうふうに位置づけて考えておられますか。
#108
○政府委員(後藤正記君) 先ほどお答えいたしましたように、中級品、高級品というものの区別が、つながっておりますので、なかなか判然とつけにくいと思うわけでありますが、確かに米国市場を例にとりましても、米国人だから高級品ばかり使うということでは決してないと思うわけであります。この中で、特別に一部、きわめて高級な特別の所得階級の者でなければ使えないというものをねらっておるというわけではございませんで、品質のすぐれたものと、これは私ども抽象的ではございますが、こういうように考えております。発展途上国製品とははっきり区別がつく、それからいわゆる先進国製品というものと比べてみて遜色がない、こういうものが私は統一商標法の対象になるにふさわしい商品であると、かように考えておりますので、アメリカの需要市場というものの構成に即してこの統一商標法に該当いたします商品の伸びていく余地は、私は今後とも十分に開けておると、かように考えております。
#109
○竹田現照君 この間、私、参考人の方にもお話ししましたが、たとえばめがねのワクですね、これは東南アジアに行くと、日本品は高級品として扱われるというのですけれども、欧米に行くと、もう品物がいい悪いにかかわらず、これは二級品か三級品にしか扱われていない。ですから、ジェトロの配付した中にわれわれ日本人でも、私の認識違いならば別ですけれども、ぼくらがめがねのワクを買いに行っても、東京のまあちょっとしためがね屋に行って出される、いわゆる高級品として出してくるのは外国ものですね、日本のものというのは、いわゆる高級品として出してこないのです。だからそういう面から考えると、国内の認識すら十分でないのに、いわゆる高級品として文殊か観音様か知らぬけれども、そういうブランドをつけて勝負でき得る実情に実際はあるのか、そういう気が私はしているのですけれども、その点はいかがなんですか。
#110
○政府委員(後藤正記君) 竹田先生のおっしゃいますとおり、私自身もそういう実例にぶつかったことはございまして、めがね屋へ参りまして、こういうめがね買いに行きますと、上等のものというと、これはアメリカのめがねワクですという場合にぶつかった経験がございます。これは残念ながら従来のいろいろ歴史的な推移もございますが、まだ日本の中に明治以来の舶来崇拝というのが残存しておるなごりかと存じます。先生御指摘のように、中小企業製品、たとえばめがねワクを一例にとりましても、国内の流通経路にも十分こういう品質の説明、欧州、米国その他の製品に負けないものがちゃんとできるというPRも必要でございますし、これは国内にもそういうPRをし、日本人の意識、それを取り扱う意識というものもだんだん変えていかなければなりませんが、外に至ってはなおさらのことでありまして、先般参考人の陳述にもございましたが、十分に欧米諸国の品物と遜色のない技術を持っておる、したがってそれにふさわしい値段でちゃんと買ってもらえるならば、そういうものをちゃんとみなつくり得ると、こういう陳情があったように私はうしろで聞いておりましたのでありますが、問題は、値段をあまりたたかれますと、そういう値段があまり安いものであると、そこまで手間も品質という点に留意してつくるわけにいかぬ、そういう悪循環、値段をたたかれるものだから品物の質が落ちる、値段がそれにふさわしければいい品物が出てくるという循環というものが出てまいると存じます。したがいまして、そういった悪循環を断ち切って、国内ももちろんでありますが、海外に日本の製品というものはいいのだと、まさに欧米諸国に比肩して絶対遜色ないものであるということを普及する、その一つの象徴、シンボルとしての統一商標をつけるべきであるというふうに考えておるわけであります。
#111
○竹田現照君 実際の品物が欧米に比較して遜色があるのかないのか、その判定はどこでやるかちょっとわかりませんけれども、もし遜色があるとすれば、統一ブランドをつけたって急に高級品になるわけじゃないですからね。なかなか判定はむずかしくなると思いますけれども、いま通産省がこの新法によって業種指定をしようとするこの業界の、業種別でもいいですけれども、いわゆる統一ブランドをつけて高級品として十分勝負ができるのだというシェアはどのくらいなんですか。割合でもいいです。
#112
○政府委員(後藤正記君) 非常にむずかしい御質問だと存じますが、高級品と申しましてもやはりむずかしゅうございまして、少なくとも現在私どもが業界から事情を聴取いたしておりまして、予定いたしておりますめがねのワクにいたしましても金属洋食器にいたしましても、あるいは西陣の織物にいたしましても、そういったものにつきましては、私はこれは欧米諸国に例のないもの、たとえば西陣などああいうものは、私はないと思うのですが、めがねのワク、それから金属洋食器というものは、十分に欧米のレベルに達しておるということで、これは業界の人たちが自分の競争相手として相手方の品質も十分に知っておることであると存じます。そのほかの、たとえば先ほどお答え申し上げましたように、たとえばモザイクタイルでございますとか、スカーフでございますとか、そういったものにつきましても、これはそれにふさわしい値段で買ってくれるということならば、ちゃんとそういった品質のものができる、かように考えております。
 ただ、シェアはどのくらいかとおっしゃいますと、これは非常に弾力的でございますので、問題は購入するやはり値段との問題だと思います。たたかれればだんだんと質は落ちてまいりますし、いい値段で買われればやはりいい質のものができると、循環はそういうぐあいになる、かように理解いたしております。
#113
○竹田現照君 どうもそれははっきりしないのですけれども、あとの品質基準の認定でちょっとお伺いします。先ほど外人バイヤーに買いたたかれている云々というお話がありましたけれども、この外人バイヤーにたたかれるという面は、この法律ができることによって十全に防げるものではないというような気が私はいたします。それで、そういう面の中小企業の振興対策というか、何と言いますか、そういう別な面でも十分考えておかなければならないのではないかと思うのですけれども、そういう点はどうなんですか。この法律ができることによって外人バイヤーの買いたたき、これがどの程度防げ、あるいはまた別の施策として中小企業庁あたりでどういう振興策を考えながらこの買いたたきを漸次でもいいし、うんと締め出していく、逆に締め出していくというようなことをお考えになっているのですか。
#114
○政府委員(後藤正記君) 中小企業対策は、これは非常に各方面にわたってきめこまかくいろいろな施策を通じて行なわなければならないのは、先ほど中小企業庁からお答えをいたしておるとおりであると存じます。したがいまして、この統一商標法というのももちろんその中小企業対策の非常に数多い中の一つでございますが、その他の施策につきましても、従前にも増して、これは中小企業庁を中心に通産省として十分これは意を用いていかなければならない、これはもちろんであると存じます。で、後段仰せの買いたたき問題というのは、ちょっとこれはこの法律では防ぐということには、先生仰せのとおり、なりかねるものだと思います。ただ私どもの考えておりますのは、そういった買いたたきというものによって中小企業のそういう生産業者が、当然自分のふところに入ってくるべきものが入ってこないという状態になることを防がなければいかぬ、この法律のたてまえといたしまして統一商標規程の認定を申請いたしてまいります団体は、それだけの自覚、何とかしてその悪循環の中からやはり上へ上がって、立ち上がろう、上がっていこうという意欲を持っておるわけでありまして、したがって、この法律では面接に買いたたきを規制する、押えるというぐあいの効果は持っておりませんが、この法律に乗ってこようとする業界、団体の自主的な盛り上がり、意欲というものが、この法律をてことして結集し、そして自分たちの正しい評価による正しい収益の増ということによるレベルアップになっていくということにつながると私は考えます。
#115
○竹田現照君 これは業種指定にも関係がありますからあとでお尋ねしますが、買いたたきによる被害の認定といいますか、いまの繊維の自主規制のアメリカ側の被害のあれじゃないですけれども、逆にこの業界が買いたたきで受けている、何というか、本来入ってくるべきものが買いたたきによって入ってこないという実情というものは、どういうふうになっているんですか。
#116
○政府委員(後藤正記君) これは中小企業の輸出製品が非常に多岐にわたっておりますために……
#117
○竹田現照君 四つなら四つでいいです。
#118
○政府委員(後藤正記君) 一例をあげますならば、金属洋食器につきましては、五十ピースのセット物でFOBで七・八ドルで日本から送ったものが、米国、欧州の小売価格ではちょうどその四、五倍にあたる三十ドルという値段が出ておるということであります。これは一例でございますが、そのほかについてただいま資料を持っておりませんけれども、この買いたたきによる被害というのは、先ほど来申し上げておりますように、買いたたかれますと、それは値段だけの問題じゃなしに、自然と品質の問題に悪循環いたしてまいりますので、そういったインビジブルの被害というものの算定はちょっと困難かと思いますが、たたかれずにおくならば、質のいいものほど売れるというのが、たたかれるために質を落とし、手を省いて悪いものを売っていくという、ちょっと算定しにくいそういう被害をいままで受けてきたのが実情であると私どもは考えております。
#119
○竹田現照君 値段が何倍もで売られておるということは聞いていますが、たとえば金属洋食器のような場合、この間燕の理事長がこのブランドの対象になるものは五〇%くらいだろう、輸出できる中級品以上は。こう言っていましたね。その輸出できる五〇%の商品のうち、買いたたかれているというものはどのくらいを占めているのかを私は聞きたいわけです。輸出できるもののうちの二〇%なら二〇%というものが買いたたかれているというふうなことになりますと、私はその業界の意識統一というものが必ずしもうまくいかないのじゃないか。統一ブランドの指定を受ける場合に、むしろそっちのほうが実入りがいいという業種が出てくるのではないかと私たちは思うものですから、ちょっと聞いているわけですが、それはどれくらい、たとえば燕なら燕でいいんですけれども。
#120
○政府委員(後藤正記君) 私どもの承知いたしておりますところでは、燕で独自の商標、例の燕じるしでございますが、これをやっておりますのは、燕の業者二百数十社のうちでわずかに十社前後が燕のマークをつけております。あとは大体外人バイヤーが十数社ずつを相手にして買ってきて、自分のマークをつけて自分たちの流通ルートに乗せていくということでありますので、非常に多くの部分が目に見えない、算定しにくい買いたたきの――買いたたきということばは程度問題でございましょうが――そういう被害を受けておる。それが反映して、この状態では困るということで、業界の中でも特に燕の洋食器の業界というものは統一商標というもので今後推進していきたいということに特別の熱意を持っておる。したがいまして、そういうはっきり算定はできませんけれども、大部分がそういう被害をこうむって、当然自分たちで期待できる利益
  〔理事川上為治君退席、委員長着席〕
を受けずに過ごしておるという自覚というものがこれにあらわれてきておるということだと存じます。
#121
○竹田現照君 これは、この間もジェトロのことを読み上げてお尋ねしましたけれども、いまのお答えでもかなりの部分の日本製品が相手側のブランドをつけて売られているということが現実なわけですね。そうすると、ここに書いている「米国大手メーカーの日本品買付の前にくずれかかってきたようにも思われる。」と、統一ブランド構想というものがですね、たとえば燕の場合においても。そうすると、法律ができても、先ほど即効的な効果というものは望めないだろうと言われたけれども、これはそういう相手側のメーカーの妨害その他ということを考えなくても、宣伝その他のことで即効的なことは期待できないだろうと私は言ったんですけれども、なおかつ現実の商売関係の中でいまお答えになったり、ここに書かれているような実情にあるとすると、法律ができても統一ブランドの実効というものはあげにくいんではないか。特に燕というものはおそらく一番先に指定される業種だろうと思いますけれども、その一番先に指定される業種すらそういう実情にあるとすれば、これは言うべくして簡単なものではないような気がするのでお聞きしているんですけれども、いかがですか。
#122
○政府委員(後藤正記君) 例におあげになりました「日本を見る世界の眼」「これからの海外PR」というジェトロで出しました中に、いま御引用になりましたのは、これは世論の大半を占めておるということではなくて、こういう意見もある、こういう意見もあるという目ぼしい一番日本の業界にとって今後反省し、改善し、注意していくべき方向についての記述であると存じます。したがいまして、こういった見方をしている人があるから、やはりこれも参考にしなきゃいかぬということでジェトロがこれをつくっておるものであると、私はかように読んでおりますので、これが全部の意見ではない。しかしながら、先生が御指摘になりましたように、事実従来いわゆる買いたたき、そのことばは適当であるかどうか存じませんが、そういうものによって日本の中小企業生産者にしわ寄せをいたしまして、その売買の過程を通じて自分たちで不当な利潤を得ておるという業界は、これに対して当然やはり抵抗し、いろいろな手段でやはりこれに圧追と申しますか、抵抗を示してくるであろうと思います。にもかかわらず、しかし将来長きにわたってそういった現状というものを是正して、日本の商品の正しい統一、正しい商標による正しい評価とそれにふさわしい価格による販売というものを確立していくことが大事なことである、中小企業者のためにも絶対必要なことである、かように私どもは信ずる次第でありまして、先般来先生の御意見にもございましたように、なかなか即効的な効果はあげられませんが、業界の自主的な熱意と、それからいろいろな面でそれを取り巻く国をはじめいろいろな機関の応援と申しますか、助成と申しますか、そういったものが一体となって、そういった抵抗を排除しつつ自分たちの市場というものをつくっていく以外にはないかと存じます。
#123
○竹田現照君 私はジェトロのは一部の意見のようには実は読んでなかった。燕なら燕の問題が直面をしている問題点を指摘しているように読んだんで、いま局長との取り方がちょっと違うんですけれども、それはそれで、時間がありませんから深追いしませんけれども、そうすると、さしむきこの法律によって業界が受付けると思われるメリットというものは、政府から補助金をもらったり、あるいは外国登録あるいはジェトロの使用、こういうようなものにある。あとは業界の、何というんですか、意識の向上というか、何かそういうものにまって着々と効果をあげることを期待をする、そういうことになりますか。
#124
○政府委員(後藤正記君) 大筋はそういうことであろうと存じます。しかしながら、これは燕の例を御引用になりましたが、燕でも先ほど申し上げましたように、十社前後は燕のマークで自分たちで売りたいという努力をいたしてまいったわけでありますが、これをその品質とそのマークというものを必ずタイアップさせて、それが海外市場に出ていくという保証、保証と申しますか、そういった歯どめと申しますか、保証がないわけでありす。で、この統一商標というものにひとたび認定をされますれば、この法案の中に書いてございますように、検査の段階を経、税関におけるチェックの段階を経て、これよりも品質の悪いものが違った商標をつけて出ていく、あるいはまた品質の悪いものが統一商標と同じような格好をつけて出ていくというような事態がないわけでありまして、税関を通っていく際のチェックによって正しい、正しいと申しますか、この法案の意図しております品質の基準を保っておるものはこの統一商標をつけて出ていくということで確保されるわけでございますので、従来の完全な実質的な運動、実質的な要望のみによって自己ブランドの普及宣伝というものをはかってきたのと事態はやはり変わってくると、かように考えます。
 そういったのがこの法律の主たるねらいでございますが、もちろんこの法案を立案いたしますその際に考えましたのは、この統一商標法というものが施行されるときには、今後そのPRその他政府の直接、間接あるいはその他の機関等も通じて、十分にそういった業界の自主努力というもの、その熱意というものがすみやかに浸透するようなぐあいに合わせて、種々の施策を構じてまいることが必要であると存じております。
#125
○竹田現照君 ちょっと先を急ぎますが、実は私この四業種というのはこの法律ができればすぐ指定をされて動き出すものというふうに理解しておりましたら、必ずしもそうではないのだそうですね。ところで、燕のように九〇%ものシェアを持っているところ、あるいは西陣というのは京都以外にはないでしょうから、これはさしむき問題ではないと思いますが、この間参考人としておいでになった福井と大阪ですね、そこで並んでお話をされたときには、意識統一がされておるかなとちょっと思っておりましたが、あとで話してみますと、必ずしもこの業界の意識統一というものはできておらないし、またいろいろと産地によるいろいろな思惑もあるようです。これが法律ができますと、四十五年中に四業種というものの指定は、指定というか、向こうから言ってくるのですが、そのことが可能なのかどうか。昨年度の予算にも、法律ありませんけれども、大体予算措置として四千二百万ぐらいは同じ予算措置がされていますね。ですから、昨年度も同額の予算措置がされ、ことしもされている。まあ先ほどちょっと聞きましたら、四業種が、私が聞いているところでは、西陣が少しはずれて三業種になっていると聞いておったのですが、先ほど通産省ではことしも同じ業種であるということですが、どっちが正しいかどうかわかりませんが、去年からいろいろ予算措置もされ、国会に出されるまでの間に業界ともいろいろ折衝されたと思うのですけれども、なおかつ、私の受けたような業界の感じがあるとすれば、なかなかすべり出しは順調にいかないような気がしますけれども、その点がどうなのかが一点と、それから燕のような場合は、業者と組合員数、それからアウトサイダーというものがあって、アウトサイダーというものが、私の聞いている限りでは、輸出品対象のようなものをつくっていないのだ、こういうお話ですけれども、福井の場合はかなり違いますね。ですから、そういう場合のアウトサイダーになっている理由というものは一体どういうことなのか。あるいはまた、そういうアウトサイダーというものを、結果的に、もし力があってアウトサイダーになっているものを締め出すというようなことにならないのか。もし締め出す懸念があるとする場合に、この法律の中あるいは省令その他の中で、アウトサイダーを締め出すということにならないのだというような規定というものを設ける必要も、場合によってはあるのではないか、そういうふうに思うのですけれども、以上の点についてお答えをいただきたい。
#126
○政府委員(後藤正記君) お答えいたします。
 大阪と福井のめがねワクの関係につきましては、これは業界に意思疎通、その業界の中にまとまりがないというのじゃなしに、私どもの聞いておりますところでは、大阪は大阪として、福井は福井として、それぞれの地域ごとにこれはまとまっておるようであります。
 そこで私ども考えまするに、同じようなものをこれはつくっておるわけでございますので、海外に、一つの統一商標をつけてこれの普及宣伝をする際には、この両者が十分に意見がまとまって、そうして地域は別といたしましても、同じ商標で出ていくのが最も望ましい姿であると存じます。しかしながら、この法律は、あくまでも業界の自主的な発意、熱意というものがこれは大事でありまして、自分たちであの業界とあの地域と手をつなぎたくない、こういういやであるものを無理やりにくっつけ合わして一緒にしようなんということは、これは全然私ども考えておりませんので、でき得るならば、今後の業界指導というか、話し合いによりまして、現在すでにそれは行なわれておるようでありますが、この福井と大阪の両地区の業者間に完全な意見の一致を見て、一つの商標をつけてお互いに手を携えて出ていくという方向が望ましいと存じます。最悪の場合、どうしてもいやだということならば、これはそれぞれがそれぞれの統一商標をつけて出ていっても、これは役所サイドとして、これをどうしても強制的と申しますか、押えつけるようなことにはこの法律はなっておりませんし、私どもさようには考えておりません。ただそういった場合には、この商標法の意図する効果があがりにくいんではないかということは、私どもとしてはよく話し合いたいと思いますが、業界としては、あくまで福井は福井である、大阪は大阪であるという意図を持っておられるならば、これはやむを得ないことであると存じます。ただしかし、つけ加えて申し上げますと、私どもの承知いたしておりますところでは、現在、福井、大阪の、もともとがこれは何か沿革的に福井が大阪から分かれて、あそこで生産を始めて、現在のシェアとしては福井のほうがより優勢になってきたというような沿革を持っておるそうでありまして、もともと同根より生じた同じものでありますので、話し合いの余地は十分あるし、それから私どもの知っている範囲では、団体の幹部の方はそういう意図を持って現在話し合っておられるようであります。私どもとしては、二つが合体されて、同じ意図で統一商標一つを持って出ていかれるのが望ましいと存じております。
 それから後段でございますが、四十五年度に一体どういう業種が指定されるのかという、確かに四十四年度にもすでに予算の計上がございました。しかしながら、これはあくまで統一商標のこの法律の国会を通過いたしまして成立することが前提でございました。当時の事情として、これはいろいろ事情もあったようでありますが、必ずしも業界との意思の疎通――業界の問題ではなしに、むしろこれは通産省サイドとして、準備が国会に法案を提出するまで整わなかった。あるいはまた国会へ、他の法律との関係、いろいろな点がございまして、前年度の予算を使い得るように法案提出がされなくて、本年に至りましてこれを提出したというようないきさつと私は聞いております。したがいまして、昨年度の予算はこれはから振りになったわけでありまして、ぜひとも本年度は、御賛同を得てこの法律が通りまして、予算を使ってこの効果を発揮したい、かように念願いたしております。どうかよろしくお願いいたします。
 第三の点でございますが、アウトサイダー、福井があるということであります。事実アウトサイダーが二百八十五社あるというように参考人は陳述しておられましたようでありますが、その二百八十五社の中で、非常な零細企業がありまして、組合を構成しております人たちの、いうなれば下請と申しますか、手足になってやっておられるということだそうであります。それからあと三十ばかりは、輸出額はあるけれども、恒久的永続的にこれが出ているのじゃなしに、きわめて量が少なくて断続的であるために、アウトサイダーになっておられるというように私どもは事情を承ったわけであります。そこで、このアウトサイダーを一体どうするのかという問題になってまいりますが、この統一商標規程というものが主務大臣によって認定をされまして、そうして統一商標をつけるということがきまった場合には、これは官報をもって公示すると同時に、こういう統一商標というものが使われている、業界はこれをつけて海外に進出していくのだということを十分にPRいたしまして、でき得る限りそのアウトサイダーの人たちもこれを使えるようなぐあいにしたほうがいい。それが業界の大同団結、結束のために、これは外人バイヤー対策としてもいいことだと思います。したがいまして、私どもは組合や団体が、その指導におきましても、でき得る限りそのアウトサイダーを包摂、包含していくような方向に進んでもらいたいと思うのであります。したがって、この中に、統一商標の使用及び管理の方法などということが、これは法律で法定しておりますが、その中で、たとえばこれはおまえさんはアウトサイダーだから、この統一商標を使うことは使わしてあげるけれども、その使用料はかくかくで、ほかの組合員なり何なりが、ここに入っているインサイダーとは特段に開いた使用料でないと困るといったような、不当な差別的なやり方をする場合には、これは十分注意をいたしまして、門戸はなるべく前向きに開放するようなぐあいにこの法律を運用してまいりたい、かように考えております。
 以上でございます。
#127
○竹田現照君 いまのお答えの中にもありましたですね。業界の中の零細企業、私は燕も福井もわかりませんけれども、業界から出された資料を見ましても、たとえば、福井などの場合は非常に一工場に働いている数が少ない。言ってみれば、家内工業みたいなものですね。これはまた、労働省の方にもおいでいただきましたけれども、基準法とかなんとかいうものは全然らち外だと。むしろ女房から子供から全部ひっくるめてやっているわけだから、夜を徹してでもだいじょうぶだ。それで、少しでも収入をあげようと、そういうような企業というものはかなりあるんじゃないかと私は思うんです。この実情、ちょっと労働者からお答えいただければいいのですけれども、もしそういうことが現実にあれば、こういうことによって一部の有力な企業というか、業者というか、そういう中の系列に組み込まれないと仕事ももらえなければ資金面の手当もしてもらえないというような中にあって、外国に向けて高級品をというようなかけ声とはうらはらに、非常に業界の内部というものは弱いものはまるっきりさらにおかしな状態に、およそ近代的ではないような状態に置かれておる事実、実情があるんではないか。それで、そういうようなものはかなりの数を占めているということであれば、この統一ブランドには期待を寄せる一部の有力な企業の方とは別の不満というものが、業界の内部の中に介在をすることがはたしてないのかどうか。ですから、そういう問題について、通産省なりあるいは労働省なりが、中小企業庁が進めている構造改善の問題もあわせて、私が心配をするような実情があるとすれば、かなり積極的な施策というものをやらなければならないのではないかと私は思うんですよ。その点はどういう実情にあるんですか。
#128
○政府委員(後藤正記君) 私の守備範囲においてお答えを申し上げたいと思いますが、これはもちろん厳然と労働基準法というのがございます。そして、その法律に基づいて仕事をしておるものと私どもは承知いたしておるわけでございますが、もし万一労働基準法に違反をして、そういった表面に出ておる中小企業者、といっても比較的粒の大きい組合員で構成しているそういったものの陰に隠れて、より小さく、組合員になっていない、かりに労働基準法を守らずにより押えつけられて仕事をしておるというものがあったと仮定いたしました場合を考えますと、これは私どもはそういうことはないというように承知いたしておりますが、もしこの法律というものとの関連において考えますと、たとえば外人バイヤーが買いただきまして値段をだんだん下げていく、下げていった場合には、これはその下請を通じ、それから下請なしに組合員である中小業者を通じて出ていった物のそのFOB価格というものが押えられた場合には、よりはね返りは一番下のところへよけいひっかかってくるというのが、これは常識であろうと思います。したがいまして、統一商標法というものができることによりまして、万一そういうものがあろうとも、その下請のほうに悪い影響を及ぼすことはないと。万一あった場合にも、またそういう事態はないというように私は考えておりますが、ただ、これは私の所管ではございませんが、私どもはそう承知しており、統一商標法によって、より弱い者がひどい目にあうという状態でなしに、これは逆の方向であると、私はかように信じております。
#129
○説明員(丸野晃君) 労働省の家内労働審議室長でございます。
 先ほどお話がございましたように、燕とかそういうところには家内工業的なものが相当広く行なわれております。その中で、一人でも人を雇っておるようなものは、これは先生御指摘の、労働基準法の適用を受けますので、これに基づいて使用者としての義務を果たしておるかどうかが問題である。ただ問題は、同居親族等だけでやっておるような、そういったものでございまして、こういう家内労働者というものの労働条件が、一般的には非常に低いものになりがちである。また場合によっては、雇用労働者の賃金を引き下げるおそれもあるというようなことは、ずっと前から指摘をされておりまして、昭和三十四年ごろから労働省では臨時家内労働調査会といろものを設けまして、また昭和四十一年からは、政府といたしまして労働省に家内労働審議会というものを設けまして、家内労働対策というものの御検討をいただいておるわけでございます。その結果、四十三年十二月にその審議会の答申をいただきましたので、政府ではこれを十分に尊重いたしまして、家内労働法案というものを立案いたしまして、今国会に提出をさせていただいております。この法案は、家内労働者の生活、労働条件の向上をはかるということをねらいにしておるものでございまして、一つは、かいつまんで中身を申しますと、たとえば家内労働者の権利の保護をはかるために、委託者は家内労働手帳というようなものによって、委託契約を契約の中にはっきりさせるようにする、それから工賃等につきましても、物を受け取ってから原則的には一カ月以内に必ず通貨で全額を支払う、それから工賃が非常に安過ぎるというふうな場合には審議会の御意見を求めまして、最低工賃というようなものを設定する、その他安全、衛生上の配慮とか、いろいろございますけれども、こういったものを通じまして、おっしゃるような非常にまずい事態がないようにしていきたい、こういうことでございます。
#130
○竹田現照君 時間がきましたから、いま私がお尋ねをしたようなことというものは、よく通産省でも中小企業庁でもお調べになって、適切なる施策というものを行なっていただくように要望しておきたいと思います。
 なお品質基準その他の認定、あるいはまた自主規制その他のこともありますけれども、最後の締めくくりのときにちょっと大臣に要望してあるので、ちょうど時間がきましたから、きょうはこれで終わります。
#131
○須藤五郎君 非常に言いづらいことですけれども、質問に入る前に、委員長に私お願いしておきたいのですが、私たちはこの法案に対して、反対する法案にしろ賛成する法案にしろ、慎重審議して審議に協力したいというのがこれが共産党の方針なんです。私たちは審議拒否は絶対しない方針です。そのためには、やはり審議の時間というものをやはり考えていただきたいと思うのですね。ある党の方は十分に審議ができて、共産党は少数だということで、せっかくしたいと思う審議ができないというような、そういう状態では困りますので、この点お含みを願いたいと思います。
 まず最初質問いたしますのは……
#132
○委員長(村上春藏君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#133
○委員長(村上春藏君) それじゃ起こして。
#134
○須藤五郎君 現在JISマークというのがありますね。今度統一ブランドができるわけですが、このJISマークの運営と統一ブランドの運営と、どういうふうに考えていらっしゃるのですか。
#135
○政府委員(後藤正記君) JISマークは、これは工業標準化法に基づくものでございまして、工業標準化法の第一条に法律の目的が書いてございますが、「適正且つ合理的な工業標準の制定及び普及により工業標準化を促進することによって、鉱工業品の品質の改善、生産能率の増進その他生産の合理化、取引の単純公正化及び使用又は消費の合理化を図り、あわせて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」かように書いてございます。したがいまして、これの第一条の目的に沿ったように工業標準化法というのは運用をされているわけでございまして、鉱工業品の品質、性能、形状等を全国的に統一することを目的として、国によって定められた標準表示でございます。したがってJISマークというのはそういう目的のために定められた表示でございまして、主務大臣が事業者の工場、設備検査及び品質管理の方法等を審査した上でその使用を事業者に対して許可するものであります。つまり、事業者はそういった、主務大臣から許可されますと、自分のところの製品にはそのJISマークをつけることができるというのは先生御承知のとおりであります。したがって、このJISマークというのは御承知のとおりにこれは一色しかございません。商品によって商標的な性格を持つものではございません。統一商標というのはあくまでこれは商標の一つでございまして、固有の一つの業種の商品にくっついていく性質のものでございます。JISマークとはおのずから違っている、かように考えます。
#136
○須藤五郎君 JISマークをもらう場合には、やはり政府にその向きを願い出て、そこでよく調査の上JISマークを与えるということですね。そうすると、今度統一ブランドももらおうと思うときはそれを政府に願い出て、そして政府でよく検討してそれに統一ブランドのそれを与えると、こういうことですね。同じ経路、形をたどるわけですが、私この間地方へ参りましたら、実はこういうことを聞いたんです、JISマークをもらう場合に非常に業者が運動をしなきゃならない、それで、ある業者はある政党の幹部にそれの運動をたのんで、そしてやっとJISマークをもらっているんだということを私は耳にしたんですよ。おそらくあなたたちはそういうことがあるとはおっしゃらぬだろうと思うし、そういうことがあってはならないことですけれども、しかし現在そういうことが業者間にやはり懸念を持たれているんですね。そこで今度の統一ブランドになりますと、また統一ブランドも同じような形をとって政府に出願して、そうしてそれを許可するということになりますと、同じような弊害が起こりはしないかと。JISマークでわれわれはこういう苦労をしておるんだが、今度また統一ブランドができたら、また同じような苦労をしなければならぬのと違うかということを、私はある業者から聞いたわけなんですよ。それで、そんなことがあるとはあなたたちおっしゃらぬだろうが、JISマークでもそういうことがあるとするならば、統一ブランドをやる場合もそういうことは絶対ないように心がけて、そうしてやっていっていただきたいんですね。だから、ここでそういうことは絶対ないということをはっきりおっしゃって、そして業者にそういう懸念を持たさないように政府としてやっていくべきだと、こう私は思うんですが、どうですか。
#137
○政府委員(後藤正記君) JISマークに関して、そういった運動をしなければ、あるいは特定のだれかにたのまなければ、そういう工業標準化法に基づくJISマークの使用を許可しないというようなことは、私どもは絶対ないと、それは何らかの誤解といいますか、JISマークというもの、工業標準化法の趣旨というもの、立法の精神なりということの理解が、工業標準化法制定以来すでにことしで二十数年になっておるわけでありますが、依然としてそういう誤解があるということならば、これは通産省といたしましても、そういった工業標準化法というものの趣旨、JISマークの趣旨というものをさらに十分に普及徹底せしめる必要があると思います。私は、もしそういう誤解があるならばまことに遺憾なことでありまして、私直接の所管ではございませんが、そういう趣旨徹底には今後とも省としてこれは努力すべきである、かように考えております。
 それからこの統一商標の関係というものは、この法案の意図しておりますのは、あくまでそれは業者の熱意が結集いたしまして統一商標というものをつけたいと、こういう熱意がくるのを当方で助成しょうという意図に基づくものでありますので、決してそれをてこにしてその認定、これは主務大臣の統一商標権の認定でございますが、その認定に何らかの方法、好ましからざる方法を通じ、その認定をしないなどということは絶対に私どもは考えておりませんので、その点ははっきり私はお答えをいたしておきたい。これは業者、業界の熱意に応じてむしろそれを促進する方向、引っぱり立てる方向に私どもは施策の方向を考えておりますので、御了解願いたいと思います。
#138
○須藤五郎君 いま外国へ輸出する場合は、やはり審査しますね。それで、現在輸出している商品で、そうしていわゆる今度の統一ブランドがもらえない商品というものが出てくる場合があるんじゃないかと思うんです、統一ブランドはもう一つ格を上げるというのだから。そうすると、現在輸出している人たちが、何というんですか、商売上マイナスの面が出てくるのじゃないかという、そういう懸念も業界にあるわけなんですが、そこはどういうふうに見ていますか。
#139
○政府委員(後藤正記君) 先生御指摘のとおりに現在輸出検査法というのがございまして、その輸出品というものがあまりまずいものが出ていきますと、日本の輸出全般に悪影響を及ぼします。したがって「輸出品の声価の維持及び向上を図り、もって輸出貿易の健全な発達に寄与することを目的」といたしまして輸出検査というものが検査法に基づいて行なわれているわけでございます。で、ただいま申し上げましたように、輸出検査というのは輸出してもいいという、言うなれば最低の水準、合格点すれすれのところにこの検査の基準がきめられているわけであります。そこでこの統一商標法というのはこれは優良である、発展途上国の製品とははっきり峻別ができる、欧米諸国の品物と比べて遜色はないと、そういったものがそれにふさわしい声価を得て、ふさわしい価格で売りさばかれるということをねらいとしたものでございますので、したがってただいま先生がおっしゃいましたように、統一商標法に基づくこの基準と輸出検査法に基づく基準の間に開きがあるのは、これはもちろんのことでございます。そこでこの法の趣旨に基づきまして、この統一商標の基準には合致しない、しかし輸出検査は合格するというものは、これは統一商標をくっつけるわけにはまいりません。しかしながら、統一商標をつけずに輸出されていくことはこれは自由であります。したがってこれが輸出されなくなるということじゃなしに、この統一商標をつけるところまではいってない、しかし輸出検査は合格するというものならば、これは統一商標をつけずに輸出されていくのであります。したがってそれにマッチするように値段が下がってきても、それは品質が悪いからしかたがない、こういう関係になってくると思います。
#140
○須藤五郎君 あなたさっきもおっしゃったし、この間、小柳委員の質問に対してもこういうことをお答えになっているんですが、輸出価格を有利にきめる上で輸出市場の在庫状況、それから販売価格を的確に把握することが私は大切だと思うのですね。ところが局長は、三月十七日に小柳委員の質問に対しましてこういうふうに答えているのです。一例としてあげた中に、スプーンが五十個一組FOB五ドルから六ドルだ、それがアメリカへまいりますと三十ドル、いわゆる五、六倍に高く売られておる、こういうふうに話をされておるわけですが、何でそういうばかげたことになっていくのか、いまの例によって、概略でいいですから、日本から向こうに、CIFが幾らなのか、それから輸入税は幾らなのか、流通経費はどうなのか、マージンがどうなのかというようなことをつかんでいらっしゃるか、つかんでいらっしゃるならば、ちょっとここでスプーンの例で話をしていただきたい。
#141
○政府委員(後藤正記君) 個々の商品につきましては、私は把握いたしておりません。
#142
○須藤五郎君 そうすると、こちらはもう五ドル、六ドルというふうにいわゆる買いたたかれて、そしてそれがアメリカにいくと三十ドル、五、六倍の値段になっている。それは向こうさんのかってだからわれわれの知ったことではないと、こういう態度なんですか。それでは逆に今度聞きますが、外国から時計が入ってくるとする、腕時計なんかその場合どのくらいの値段で買って、そしてそれが市販される場合には何倍くらい高くなっていっているのですか。
#143
○政府委員(後藤正記君) 前半について、それはどういうぐあいなCIF価格でどういう流通コスト、どういうマージンということは、私は現状は把握いたしておりませんけれども、しかし普通常識から考えましてFOB価格の五倍、六倍にのぼるような事例があるというのは、いささかこれは常識を逸脱する点である、かように私は了解いたしてさようにお答えを申し上げたわけでございます。輸入の場合でも個々の商品によりまして、これは数が無限と申してはなんでございますが、非常に数多くのあらゆる物品があるわけでございますので、これを一つ一つによっておのずから先方のFOB価格、日本でのCIF価格、それに国内の流通コスト、取り扱い業者のマージン、これは千差万別であると思いますが、少なくともそういった先ほどあげられましたような例は、非常に希有なものであって、数倍にのぼるというような事態というものは、私は特別な事態を除いては少ないのではないかと考えます。
#144
○須藤五郎君 そうすると、日本の金属食器が五、六倍の高値をアメリカ国内で呼ぶということは、それだけの価値のあるということだと私は思うのですよ。それが何でそんな低い値で買いたたかれていかなければならないか、そういうことをやはり日本の業者によく知らせて、やはり今度せっかく統一ブランドができるならば、この際アメリカで三十ドルで売られる商品ならば、日本が売る場合はもっといい値で売るという方向にいかなければならないと思う。そういうことをジェトロにしても通産省にしましても、向こうの値段、細部にわたる値段ですね、そういうことを日本の業者に一体知らしておるのかどうかという点、知らしておるのなら知らしておる、年何回ぐらい向こうの市場の調査を精密にして、そして業者に知らしているなら知らしているとおっしゃってください。こういう質問をするのは、かつて日本の豆電球ですね、クリスマス用豆電球、あれが一昨年非常に買いたたかれてしまったのですね。それで一個八円から九円ぐらいで売れるはずのものが買いたたかれて一個四円ぐらいになってしまった。もう非常な赤字をかかえて、それで豆電球の主産地である品川区においては自殺者が出るというところまで中小企業者が追い込まれた例があるのですよ。そのとき私は通産省に話をして、それで通産省からアメリカにおるジェトロの線を通じてアメリカの市場を調べてもらいました。そしたらジェトロの調査によると、決してアメリカに在庫品はそうかかえてないのだ、だから買いたたかれているのだ、だから日本国内において業者がダンピングといいますか、それを自主的に規制していったら値段が上がってくるのだということをジェトロから報告を受けまして、そして私は品川の業者にその話をしましたよ。そして業者は自主的にそういう規制をいたしました。その結果、昨年は値段が八円から九円でずっと立ち直って、そしてみな非常に喜んで年を迎えたということを聞いておるのですがね。私はこの日本のスプーンでも、それからめがねにしましても、こういうばかげたことが行なわれるというのは、われわれちょっと納得できないですね。だから通産省としてはこういう点をつぶさに日本の業界に知らして、そして業界が自主的に値段をちゃんとして、そして有利な条件で輸出するというその態勢を通産省としてはやっていくべきじゃないでしょうか。それを向こうさんは向こうさんだ、こっちはこっちだ、おれは知らぬぞというような、そういう無責任なことでは、せっかく統一ブランドをつくって、そして高級品だ、だからといっても、結果的にはあまりいい値に売れなくて、やはり従来どおり買いたたかれていく、そういうことが起こるのじゃないかと思うので、この点あなたのほうの意見を述べてください。
 それからもう一つは、現在、日本で統一ブランドのない品物がバイヤーに買われて、バイヤーは自分でブランドはつくっちゃうのでしょう、向こうで。これからもそういうことは私は起こると思うのですね。統一ブランドのついていない品物を買うてきて、ついておっても消すかもわからない、そして向こうがかってなものをつける、そういう場合どういうふうに処置するのか、それで、いまアメリカでそういうバイヤーが買っていって自分たちのブランドをつくって、それで最もいい値に、最もよく売れているというブランドはどんなブランドなんですか、アメリカでは。
#145
○政府委員(後藤正記君) 前半の御質問に対しましては、決して日本の品物、中小企業者の品物は安くてもこれはしかたがない、向こうで売られておる小売り価格は高くてもしかたがない、これは両方ともしかたがないことだなどという考え方は私どもは毛頭いたしておりませんので、輸出関係の諸法規、それから日々の私どもの行政態度としまして、そういうことがないようにという意図のもとに、私どもはいろいろなこれまでの輸出関係の諸法規の立法措置、運用措置、日々の行政態度についてもそういうことは心がけておる次第でございます。で、そういった海外の市場におきまして不当にそれが高くとも、不当に高くというか日本のFOB価格に比してそれが高く売られ過ぎておるという実情を当該生産者に認識せしめることは、まさに先生御指摘のとおり非常にこれは大事なことであると存じます。で、これは従来ともいろいろな機会を通じて私どもこれはやってまいってきておると思いますが、何せこの商品が凡百の広範にわたりますことと、それを生産いたしております生産業者、特に中小企業者におきましては数が多いということ、それからそういう一時的な需給状況による取引条件の不利というものを自分の力でカバーできなくて、やむを得ず安い値段で売らざるを得ないというような状況もあるかと思います。これは全般的なPR、海外におけるその商品のほんとうの値打ちということでそれが売られておるかどうかというものを知らせて、自分たちのつくっておるものの値打ちというものを十分に知らしめることも必要でありますし、同時に、諸般のいろいろな問題を通じて中小企業施策の一環として、先生御指摘の弊害が起こらないように今後これは措置してまいるべきことであると存じます。
 それから後半の問題、ジェトロにおきましても重要な仕事の一つとして調査をいたしております。これは業界からの要望に応じ、あるいは要望なくともそういうことを国内業者に周知徹底せしめるのがよろしいという品目を選んで、毎年金額的にその市場調査を通じまして努力をいたしておるところと、かように存じます。
#146
○須藤五郎君 そういうことをやはり業者に詳細に知らしていく上においても、CIF価格が幾らでこうと、こういう具体的な例をあげて、向こうがいかに不当な利益をあげておるのだということをやはり知らさないと、ばく然と五倍か六倍だぞと言うても、これはもう一つ不十分だと思うのですよ。だから、やはりこういうことをよく御調査になって、そうして日本の業者に実態を知らしていくということが私はやはり重要ではないだろうか、こういうように考えますので、その点お伺いします。
#147
○政府委員(後藤正記君) 補足して申し上げます。
 現状において、私は須藤先生のお話、御質問に的確にお答えできませんのは、これは私が現在その資料を持たず、現在その知識がないからお答えできないのでありまして、それぞれの所管原局におきましては、いろいろな製品につきまして、私の知識とは比較にならず、こまかい点まで十分承知をいたしておるはずでございますが、何ぶんにも品目が非常に多いものですから、私は現時点において、この場でお答えすることができないということでありまして、まるきり通産省がそういうことを知らずに、やみくもにやっておるということではございませんので、補足して申し上げます。
#148
○須藤五郎君 もう一問で終わります。
 そういういろいろな資料がありましたら、私は資料として出していただきたいと思います。
 それから統一ブランド実施希望業種の輸出依存度、これがどういうものかということです。金属洋食器、それから西陣織、めがねワク、メガネ類、作業工具、刃物、モザイクタイル、スカーフ、マフラー、ギンガム、それから陶器、絹、人絹織物、こういう種類の輸出依存度が何%で、何億円ぐらいであるかということをちょっと知らしていただきたいのですが。
#149
○政府委員(後藤正記君) お答えいたします。
 いま先生御指摘になりました品物について、ことごとくただいま手元に資料はございませんが、たとえば金属洋食器につきましては、昭和四十三年度の生産額は全国で百六十一億二千万円ございますうち、輸出額百二千九億六千九百万円ということになっております。これは七十何%ですか、パーセンテージが出ておりませんで、ちょっと計算はじいてみないとわかりません。
 それから西陣は、これは比較的国内需要に向いておるほうが多いようでございます。これは今後の問題であるというように考えます。先般の参考人の陳述でも、外国における例を引かれましたが、今後西陣織というものの持つ特色、それからその芸術的な価値というものが認識されてくれば、現在内需に主力の向いておりますものは、輸出商品として十分育っていくものと私は考えます。
 それからめがねワクでございますが、これはめがねワクといたしまして、福井県では三十三億二千五百万円の生産額中九億円の輸出実績を持っております。
 それからこれは、ワクにさらに加えまして、めがねの玉も含めた数字でございますが、大阪のめがね類総額といたしましては七十億八百万円の生産額中、輸出額が三十七億九千百万円、これは五十何%かにのぼっておると存じます。
 それからモザイクタイルは、やはり四十三年度の数字で百七十六億八千万円の総生産額中、輸出に向けられましたものが百三十一億二千二百万円でございます。これもパーセンテージで出ておりませんが、七、八〇%。
#150
○須藤五郎君 パーセントはいいです。
#151
○政府委員(後藤正記君) それからギンガム、これはワイシャツの生地でございますが、総生産額百二十五億四千六百万円のうち三十二億九千三百万円、これが輸出に向いております。
 それ以外に御指摘になりました品目は、ちょっといま手元に資料を持ちあわせておりませんので……。
#152
○平泉渉君 統一ブランドの法案に私は非常に賛成でございますけれども、ちょっとこの問題と離れて、これに関係が非常にあるのですが、これは輸出向けだけなんですね。そこが私どもがちょっと疑問に思うというか、本来、商標の保護というか、高級商品の保護というものは、輸出であるか輸入であるか、国内産品であるかを問わないはずなんです。この辺のところが私は……。本来優秀な商品というものは、まずその国内で非常に認められて、そうして、あそこの国に行けばああいううまいものが食えるぞということで、だんだん知られていくのが普通なんです。日本の場合は、いろいろな事情からいえば、外国人の生活、主義と、日本の生活、主義が違っている。それからさらに言えば、生活基準も非常に違っておって、外国向けには非常に高級なものをつくらなければならぬが、内需向けにはそうでもないというようなことで、だんだん特殊なものができたのかもしれないが、いまの日本の経済状況及び生活水準からいうと、必ずしもそうじゃないのじゃないかと思う、いまは。そうすると、国内でその商標が尊重されるという基礎がないのですね。国外でそういう商標がある、聞いたことはない、日本人は。これはちょっとおかしいのじゃないか。この辺どうですか。
#153
○政府委員(後藤正記君) 確かに御指摘のような点はあると思うのです。たとえば、しばしば引例いたしますが、ドイツのゾリンゲンの商標というものは、国内、海外を通じて出しておるというものでございます。しかしながら、この統一商標法では、これは特に輸出向けということでございますが、これはこの法律の仕組みといたしまして、一定の品質基準、これはもちろん業者の意見を聞き、業界側の申請に基づく統一商標規程の中に盛られた品質基準でございますから、その基準に合致しないものは、これは輸出させない、輸出をとめるというたてまえになっております。で、たいへんこれは、どちらの考え方をとるか、国内向けにおいてまずそういうことが評価されて、それが海外に出ていくというのが筋という考え方もございますし、一方においてはこういうチェック、コントロールを行なうということは、ある意味におきましてはこれは公権力によって私権を制限するということの見地もございます。したがって、これはもう一つ法律のたてまえから申しますと、現在の商標法というものがございまして、一般的にこの商標に対する保護措置というものは、商標法の規定によって国内ではこれでカバーされておるわけでございますので、今回の法律におきましては特に輸出向けのものに限ったわけであります。これは考え方はいろいろあると思いますが、それぞれの要請に基づきまして、私どもとして今般は商標法との関係もあり、輸出向けに限定をいたす、こういうたてまえに相なっております。
#154
○平泉渉君 いまのお考えもわかりますけれども、私非常にこの場合憂えますのは、私子供のころに、生活水準も低いそういう時分には、日本の町では手に入らないものがときどき、これは輸出向けのものをやはり売っているんだということで、非常に高級なものを手に入れてくることがある。日本でもこんなものができるのか、輸出に向けられて国内に向けられない。これは支那事変とかそういう時期で非常にそういうことが特殊であったのかもしれませんけれども、それが外国の目から見ればこれは不公正な感じを与えて、国内で知られていないものを特別に輸出奨励のためにつくっているんじゃないかというような感じを与えて、これは私かえってマイナスじゃないか。私は将来の日本の産業のあり方としては、こういう優良な中小企業というものは、実はいま考えられているものよりもはるかに重大な位置を占めるんじゃないかと思うのであります。そういう観点から言うと、日本にはもちろん既存の商標法によるもっとこまかいいろんなブランドがありますけれども、それ全体を統括する統一商標のような考え方の本質におきまして、こういうものはことに国内で非常に必要なんじゃないか。コニャックとかマルマニャックとか、ああいうものの保護についてはフランス国内で非常に厳格な保護が行なわれておる、ああいう優良商品というものについて国内での規格というものを確立しないと、まあこれは日本でも酒については非常に確立しているようであります。こういうもの、たとえばモンジュというもの、私は福井県でありますが、モンジュというものはあまり日本人は知らないですね、モンジュと言っても、はあというようなもので、なかなかわからないと思うんですね、西陣だとわかりますけれども。しかしこれはかえって将来壁がけとか、カーテンとかというふうに新しい用途を開拓しようというときには非常に大きな室内デザイン、インテリア関係のものを開拓しようということになると、これは従来の西陣の日本人の感覚とは別な日本商品として開拓される。そういう点も考えると、私はぜひ国内のマーケットにおいてもこういう統一商標をきめるような考え方が同時に守られないと、外人は知っているけれども日本人に聞いたらだれも知らなかったという、何かだまされたような感じを与えるのではないか。将来の問題として通産当局におかれましてもぜひ統一商標的なものがまず国内で尊重される、日本人自体が尊重するということが基本になければならないと思うんですが、ぜひそういうふうにお考えになることを希望いたします。
#155
○高山恒雄君 私は、きょうは質問はもう大部分終わって、きょうはこの法案上げるのかと思って実は来たんですが、どうも質問聞いてみますと、まだきょうが初めてのような状態で、五分ほど時間をお借りして、もうあまり時間もありませんから、私は心配になることだけを申し上げたいと思いますが、この特恵の問題と経済国際化の問題から、私はおそきに失したぐらいだと考えております。したがってこの法案には賛成ですが、ただ問題は、内容を見せてもらいますと、私は最初は企業メーカーだけが企業メーカーとしてこれを取り扱うことができるという統一ブランドかと、こう思っていたのですが、卸業もそういうことができるということになると、かなり企業と商社との競合になるのじゃないか、これが国内的に非常に中小企業に悪影響を与えるのじゃないか、この心配が一つあるのですが、この点を、簡単でいいですから御答弁願いたいと思います。
#156
○政府委員(後藤正記君) これはそういうたてまえにはなっておりませんので、生産業者を対象といたしておりますので卸業者とか販売業者は対象にいたしておりませんから、先生の懸念の点はないと、かように思います。
#157
○高山恒雄君 そうすると、この業種別の項目が出ておりますが、「綿糸、毛糸、人絹糸又はスフ糸の卸売業」というのは、これは別ですか。
#158
○政府委員(後藤正記君) この法律の対象といたしておりますのはメーカー、生産業者の団体であります。
#159
○高山恒雄君 よくわかりました。
 それからもう一つお聞きしたいのですが、商社は別だということになりましても、メーカーとして最近後進国における委託加工、しかも委託加工と同時に、委託加工以外のたとえば京都しぼり等は、いままではほとんど委託加工としてやっておったのですけれども、それがもう二六%減ってしまって、逆に企業ぐるみの投資をして日本に入ってきております。それをまた再輸出をしておりますが、そういう後進国の委託加工、そういう製品も再輸出をするという場合は、これを認めていくのかどうか、こういう点はどういうふうに考えますか。
#160
○政府委員(後藤正記君) その場合には、その委託加工をするという問題、たとえば一つの生産業者が国内で下請業者を使うという場合と、国外と国内との差異は、これはやはり同じことであると存じます。委託加工自体が持っております問題点というのは、これはこの法律の範囲外の問題でございますので、外へ委託加工と申しますと、これは下請ということで、ある程度の生産工程を外国に、特に発展途上国あたりに委託いたしまして、こう入れてきて、さらに生産工程を自分のところでやっていく場合には、これは生産業者として扱う、したがってこの法律の対象としていくのに私は支障はない、かように考えます。ただ、外でそういうものをつくらせまして、これは委託加工ということじゃなくして委託生産という形でまさに入ってきておる、それを集荷して再輸出するだけだという場合には、これは生産業者の範疇に入りませんから、そのときには、自分たちで、何と申しますか、先ほど来問題となっております外人のバイヤーの裏返しを日本業者が行なうということでありますので、この法律の対象とはこれはいたしかねると、かように解釈をいたしております。
#161
○高山恒雄君 はいけっこうです。
#162
○委員長(村上春藏君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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