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1970/03/31 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第9号
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1970/03/31 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第9号

#1
第063回国会 商工委員会 第9号
昭和四十五年三月三十一日(火曜日)
   午後零時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     瓜生  清君     田渕 哲也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村上 春藏君
    理 事
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                山本敬三郎君
                竹田 現照君
    委 員
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                平泉  渉君
                八木 一郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                林  虎雄君
                浅井  亨君
                矢追 秀彦君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業政務次
       官       小宮山重四郎君
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省重工
       業局長      赤澤 璋一君
       通商産業省化学
       工業局長     山下 英明君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     本田 早苗君
       通商産業省公益
       事業局長     馬場 一也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 三月二十七日、瓜生清君が委員を辞任され、その補欠として田渕哲也君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村上春藏君) ガス事業法の一部を改正する法律案、機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を一括議題といたします。
 ガス事業法の一部を改正する法律案について、提案理由の説明を聴取いたします。宮澤通商産業大臣。
#4
○国務大臣(宮澤喜一君) ガス事業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 家庭用エネルギーの需要は、逐年増加の一途をたどっておりますが、そのうちガスは国民の日常生活に不可欠なエネルギーとして今後とも一そうその地位を高めていくものと考えられます。その過程において主要な供給源である都市ガス及び液化石油ガスは、それぞれの特性に応じた機能を果たしていくことが期待されます。
 このうち、都市部において重要な役割りを果たす都市ガス事業につきましては、近時、石炭から石油への原料転換等に伴い経済性の見地からガス発生設備等が高圧、大容量となりつつありますが、その反面において、事故発生の防止への配慮が要請されてきております。
 また、消費生活の向上に伴い各種のガス用品が広く普及するとともに、家屋構造も変化しており、このためガス用品による災害の発生の防止が重要な課題となってきております。
 さらに、近年、新しい家庭用ガス体エネルギーの供給方式としていわゆる液化石油ガス等小規模導管供給事業が目ざましい普及を見せております。これは、導管によりガスを供給するという点で、都市ガス事業と類似の性格を持っておりますので、消費者利益を確保するために、都市ガス事業と同様に公益事業規制を行なうとともに、都市ガス事業との間に所要の調整を行なう必要があります。
 このように、ガス事業を取り巻く環境は最近大幅に変化しております。政府におきましても、このような情勢に対処すべく、ガス体燃料の供給体制のあり方についての総合エネルギー調査会の審議等を通じて検討を進めてまいりましたが、その結果、今般ガス事業法について所要の改正を行なうこととしたものであります。
 次に、本法案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、一般ガス事業者に対する保安規制の強化であります。
 すなわち、ガス発生設備、主要な導管等一般ガス事業の遂行上重要なガス工作物について、工事計画の認可及び使用前検査の制度を設けるとともに、このうち一定のものは設置後も定期検査を行なうこととするほか、一般ガス事業者に対し保安規程の届け出の義務を課する等保安の確保と安定供給の達成等に万全を期することとしております。
 第二は、ガス用品の取り締まりを行なうことであります。
 一般消費者等が使用する都市ガス用のガス用品について検定制及び製造事業者の登録制を採用し、指定検定機関または登録製造事業者が付した表示のないものは販売してはならないこととするとともに、ガス事業者は一般消費者に対しガスの消費機器の設置及び使用に際して危険防止のための注意事項を周知させ、さらに一定の事項については調査を行なう義務を課する等の規制を行なうこととしております。
 第三は、液化石油ガス等小規模導管供給事業に対する公益事業規制であります。
 液化石油ガス等小規模導管供給事業のうち供給の相手方の数が七十以上のものについて、新たにガス事業法の中で簡易ガス事業として公益事業規制を行うこととし、通商産業局長は、一般ガス事業者が適切かつ確実なガスの供給計画を有する地域にかかる簡易ガス事業の許可を行なうにあたっては、通商産業局ごとに学識経験者により構成される地方ガス事業調整協議会の意見を聞いて、一般ガス事業との調整をはかることとしております。
 さらに簡易ガス事業に対しては、技術基準適合義務等を内容とする保安規制のほか、料金の認可等一般ガス事業に準じた規制を加えることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申しあげます。
#5
○委員長(村上春藏君) 続いて、政府委員から補足説明を聴取いたします。馬場公益事業局長。
#6
○政府委員(馬場一也君) ガス事業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 現行のガス事業法は、ガス事業の運営を調整することによって、ガスの使用者の利益を保護し、及びガス事業の健全な発達をはかるとともに、ガスの製造及び供給に伴う危険を防止することによって、公共の安全を確保することを目的として、昭和二十九年から施行されております。
 同法の規制対象となりますガス事業者の数は、昭和四十四年十二月末現在、全国で二百三十二を数え、その需要家数は、九百四十三万戸となっております。
 これらガス事業者につきましては、事業を許可にかからしめ、許可を受けた供給区域内においては、供給義務を課すとともに、その供給するガスの料金その他の供給条件について供給規程を定め、通商産業大臣の認可を受けなければならない義務を課しております。
 さらに、ガス工作物を国の定める保安上の基準に適合するように維持する義務及び事業場ごとにガス主任技術者を選任しなければならない義務を中心とする保安確保のための義務を課すほか、一定期間内に、ガス工作物を設置し、事業を開始する義務、許可なくしてガス事業以外の事業を営んではならない義務、許可なくして事業の全部または一部を休止し、または廃止してはならない義務等事業の開始から廃止に至るまでの事業活動について規制を行なう一方、これら諸義務を担保するため、国による立ち入り検査、ガス工作物の基準適合命令、供給区域の削減、事業許可の取り消し等の規定を置いております。
 以上が現行法の概要でありますが、現行法は、昭和二十九年に制定されて以来十五年余を経過し、この間ガス事業を取り巻く環境は大巾に変化しました。
 その第一は、ガス発生設備等の高圧、大容量化と都市環境の変化であります。都市における家庭用エネルギー供給のにない手として重要な役割りを果たす都市ガス事業のガス発生設備、導管等は、近時その原料が石炭から石油へと転換するとともに、経済性の見地から高圧、大容量化しつつあります。さらに、最近における都市の過密化、車両交通の激化等ガス工作物を取り巻く都市環境の変化も著しく、これらガス工作物の事故発生の防止が強く要請されております。
 その第二は、ガス用品の普及の拡大であります。
 消費生活の向上とともに各種の新しいガス用品が広く普及してまいりましたが、近年における家屋構造の変化と相まってガス用品による火災及び中毒事故の発生を防止することが重要な課題となってきております。
 その第三は、LPガス等小規模導管供給事業の出現であります。近年、都市周辺の住宅集団における新しい家庭用ガスの供給方式として、簡易な発生方式によりLPガス等を導管により供給する事業が急速に普及しております。これは、導管によりガスを供給するという点で都市ガス事業ときわめて類似した性格を持っておりますので、消費者利益を確保するため、一定規模以上のものについて都市ガス事業と同様に公益事業規制を行なうとともに、都市ガス事業との間に所要の調整を行なうことが強く要請されております。
 以上の三点は、現行法制定の際には予測されなかったものでありますが、これらを解決することは、いずれも消費者利益の確保に欠くことができないものであると考えます。このため、この法律案は、ガス事業法を次のように改正しようとするものであります。
 第一に、一般ガス事業者に対する保安規制の強化であります。現行の自主保安体制を抜本的に改め、ガス工作物の設置または変更の工事の計画のうちガス発生設備、主要な導管等一般ガス事業の遂行上特に重要なものについて、国が個別的に行なう工事計画の認可及び使用前検査の制度を設けるとともに、一定のガス工作物については、設置後も定期の国の検査を受けなければならないこととし、さらに、一般ガス事業者に対し、日常の保安監督体制等を定める保安規程の届け出義務を課し、通商産業大臣は必要に応じてその変更を命ずることができるものとする等保安の確保に万全を期することとすることであります。
 第二に、新たにガス用品の取り締まりを行なうことであります。ガスストーブ、ガス湯わかし器等のガス用品について、検定制及び製造事業者の登録制を採用し、通商産業大臣もしくは指定検定機関または登録製造事業者が付した表示のないものは販売してはならないこととすることにより、不良ガス用品の流通を防ぐこととしております。さらに、ガスの消費機器を使用する者に対し、ガスの使用に伴う危険の発生の防止に関し必要な事項を周知させ、また、一定の事項についてはみずから調査する義務をガス事業者に課することにより、ガス用品の使用に伴う災害の未然の防止に万全を期することとすることであります。
 第三に、新たに簡易ガス事業に対する公益事業規則を行なうことであります。総合エネルギー調査会ガス部会の答申に基づき、LPガス等小規模導管供給事業のうち、供給の相手方の数が七十以上のものを簡易ガス事業とし、事業の許可、供給義務、料金の認可、保安の確保等公益事業規制を行なうとともに、一般ガス事業者の供給区域内における簡易ガス事業の許可の申請については、消費者利益の確保のため、通商産業局ごとに設ける学識経験者からなる地方ガス事業調整協議会の意見を聞いた上で一般ガス事業者との間に所要の調整を行なうこととすることであります。
 第四に、消費者サービスの向上のための規制の強化であります。現行法では、消費者サービス向上のための規制が必ずしも十分でないことにかんがみ、一般ガス事業者に毎年度長期的なガスの供給計画を作成し、これを公表する義務を課し、通商産業大臣は、この供給計画について公共の利益の増進をはかるため、その変更または実施を勧告し得ることとするとともに、ガス事業者の業務の方法についても、ガス事業者に対しその改善を命令することができることとする等、ガス事業者のサービスの向上をはかるための規制の強化を行なうことにより、ガスの消費者の利益確保に万全を期することとすることであります。
 以上がこの法律案の主たる内容であります。
 政府におきましては、今後法の施行にあたり、ガス工作物の保安の確保及びガス用品の取り締まりにつきましては厳正を期しまして公共の安全を確保する一方、簡易ガス事業の規制につきましては、公正かつ適正な法の運用を確保し、もって消費者の利益の保護に鋭意努力する所存でございます。
 以上でこの法律案につきまして、簡単でございますが、補足説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(村上春藏君) 次に、機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案について通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、続いて政府委員から補足説明を聴取いたします。通商産業大臣。
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 現行の機械類賦払信用保険制度は、昭和三十六年に五年間の臨時措置として設けられ、その後、昭和四十一年にそれまでの実績が評価されて恒久制度となり、現在に至っているものであります。この間、この制度は、割賦販売に伴う代金不払いのリスクを保険することにより健全な割賦販売を促進し、中小企業の設備の近代化と機械工業の振興に大いに貢献してきております。最近においては、本保険に付保された機械類の割賦販売は年間一万三千件、金額にして四百億円にのぼり、また保険に加入している製造業者等の数は三百数十社に及び、中小企業者、機械工業界の双方にとって重要な施策の一つとなっております。
 今回の法律改正の主旨は、本保険制度を拡充し、新たに購入資金の融資を伴う機械類の販売――一般にローンによる販売といわれますが――これについても信用保険を行なうことであります。
 ローンによる販売とは、機械類の製造業者等があらかじめ銀行と提携し、機械類を販売するごとに銀行から購入者へ月賦返済を条件とする購入資金を貸し付けを行なわせ、その債務を製造業者等が保証するものでありまして、最近急速に普及する傾向が見られます。
 この販売方式は、割賦販売と非常に似ておりまして、購入者としては、月賦で機械を買うことができ、また、製造業者等の側から見ても、銀行に対して債務保証をするために、結局、割賦販売の場合と同様の資金的なリスクを負うことになります。
 他方、ローンによる販売は、割賦販売と異なり、製造業者等の資金負担を銀行が肩がわりすることになるため、現在の割賦販売の制約要因となっている資金負担問題が解決され、中小企業者が信用販売によって機械類を購入する機会が拡大されることになります。
 しかし、ローンによる販売の信用上の危険は、結局、製造業者等が負担しているものであり、製造業者等の担保力、信用力に限界があるため、これを負担し切れないのが現状であります。
 したがって、この担保力、信用力を補完するために、政府が保険制度を実施すれば、中小企業者にも機械類の製造業者等にも有益なローンによる販売の飛躍的な増大が期待でき、このような見地から本保険制度の拡充を行なうこととしたものであります。
 以上申し述べましたとおり、今回の改正は、最近のきびしい経済環境のもとにある中小企業者、機械工業界の双方にとってきわめて有意義な施策であり、ぜひその実現をはかることが必要と考えております。
 以上が、この法律案を提出いたしました理由でございます。何とぞ慎重御審議の上、御賛同をくださいますようお願い申し上げます。
#9
○政府委員(赤澤璋一君) 機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 現行法は、機械の割賦販売についての信用保険を行なっているものであります。この割賦販売は、中小企業にとっては購入しやすい販売方式でありますが、一方、機械の製造機者等にとっては購入者の倒産等による代金不払いの危険を負担することになります。この危険負担が割賦販売の拡大を制約している点に着目し、それに対する保険を実施することにより健全な割賦販売の拡大をはかることが現行制度の目的であります。
 その利用状況を見ますと、現在では、年間一万三千件にものぼる割賦販売が本保険に付保され、しかもその九七%が中小企業向けのものであり、本保険の目的である中小企業の設備の近代化と機械工業の振興に大いに寄与しているところであります。
 しかし、機械の割賦販売の拡大は、一方で製造業者等の割賦資金負担の増大をもたらしており、これが割賦販売の拡大の大きな制約要因となっています。最近、ローンによる機械販売が普及する傾向が見られるのも、この制約要因を除去することを主たる目的としているものであります。
 すなわち、この販売方式は、製造業者等の資金負担を銀行が肩がわりすることとなりますので、製造業者等の割賦資金問題が解決されるのみならず、返済は分割払いであるため中小企業が機械を入手しやすい販売方式であるという点では割賦販売と同様であり、本法の目的から見て割賦販売にまさるとも劣らず有意義なものであります。
 このように、ローンによる販売は、きわめて有益な販売方式でありますが、借り入れ期間中の信用危険は、割賦販売の場合と同様、製造業者等が金融機関に保証するという形で負担しているため、信用力、担保力に限界のある機械の製造業者等――特に中小製造業者等――が十分にこれを活用できないのが現状であります。
 したがって政府としては、かかる事態を解決する必要があるものと考えまして、今回、法改正を行ない、ローンによる機械販売に対して、次に申し上げるような保険制度を実施しようとするものであります。
 まず第一に、本保険の対象となる契約は、購入資金借り入れ保証契約であります。この契約は、製造業者等がローンによる販売を行なう際に金融機関に対して保証をすることを内容とするものであり、保証の対象となっている中小企業者に対する金融機関の貸し付け債務はその返済方法が、割賦販売の場合と同様、三回以上に分割し、政令で定める期間以上にわたることが要件となっています。
 これは、ローンにおける返済方法が割賦販売の支払い方法と同様、中小企業が支払いやすい長期の分割払いとなっていることが必要と考えるからであります。
 第二に、本保険は、包括保険制度をとっております。この包括保険制度とは、契約年度中に対象機種をローンにより販売した場合には、これをすべて付保することを約するものであり、その結果、保険契約者にとっては危険分散が可能となり、安い保険料で付保ができることとなるとともに、付保すべきかどうかを個々に判断するというわずらわしさから免れることができるなど、保険契約者が当保険を利用しやすいという観点から、従来の割賦保険にならって包括保険制度をとることとしたものであります。
 第三に、本保険における保険関係の具体的内容でありますが、これは、購入者が金融機関に返済ができなかった場合、製造業者等が金融機関に代位弁済をすることとなりますので、この代位弁済をした借入金の元本と利息の五〇%をてん補するという関係が政府と製造業者等の間に生ずるわけであります。これにより製造業者等は安心して中小企業に対して設備機械をローンにより販売することができることになり、また、信用力の不足している中小製造業者等が金融機関とローンに関し提携をすることができるようになるわけであります。
 第四に、回収金制度でありますが、割賦保険の場合と同様、保険契約者が事故発生時に保険金の支払いを受け、その後に損失額の一部を回収した場合には、その額の五〇%を国に返納するという制度であります。
 このような制度を設けている趣旨は、保険事故が発生してからその回収までの期間が長く、この間の製造業者等の資金負担が大きいので、その半分を国が肩がわりすることにありまして、事故にあつた製造業者等の経営の安定に大きく寄与することとなっています。
 以上がこの保険制度のおもな内容でありますが、これらの具体的運用にあたりましては、本保険制度の趣旨を中小企業及び関係業界に周知し、その利用の拡大をはかるとともに、利用者の便宜をはかるべく、対象機種の拡大等についても積極的に検討し、なお一そう利用しやすい制度となるようつとめてまいりたいと存じます。
 以上簡単ではありますが、この法律案に関する補足説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#10
○委員長(村上春藏君) 本法案についての質疑は後日に譲ることにいたします。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(村上春藏君) それではこれよりガス事業法の一部を改正する法律案について質疑に入ります。
 質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#12
○阿具根登君 大臣の時間がないようですから、基本的な問題を一、二お伺いしたいと思います。
 まず、万物が生きるためには太陽と空気と水が自然の恵みとして与えられております。しかし科学が進むにつれて、太陽の光線もさえぎられ、空気も濁り、水も汚濁しておる今日でありますが、きょうは公害問題ではございませんので進みますが、科学の進歩とともに人間の生活に欠くべからざるものとして電気がございます。さらにガスが今日問題になってまいりました。ところが御承知のように水や電気は国の強力な規制を受けておりまして、そして今日国民のあらゆる生活の部門に入っているわけです。ところがガスの浸透がおそかったとはいいながら、ガスが一番この中でも危険の多いものではないかと思うのです。その一番危険が多い、しかも国民の生活に欠くべからざるものとなってきた今日、これを電気のように九分割されて末端まで責任を持ってやっておる企業、あるいは水のごとく簡易水道等は地方自治体が責任を持って生活のかてにしておる、これとは逆に、ガスはたとえば一般都市ガス、この法律では今度は簡易ガス、あるいはそれ以下、こういうように分けてやられるところに私は疑問があるんです。一体ガスというものはそういう性質のものであろうか。なぜこれだけのものが電気のように、水道のように、もっと責任を明らかにした、また万人に与えられるような確固とした信念がまずなければならない、その点について大臣の御見解をお伺いいたします。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 非常に基本的なお尋ねでございますし、あるいはその次のお尋ねにもまた発展するのかと思いまするが、電気とガスと水道というものを三つ考えますと、国民生活にとっての必需度ということになれば、私はまず同じような必需度が高いと考えてよろしいかと思います。ただガスの場合には、ほかの電気あるいは水道に比べて比較的代替性が将来あったという事情が存したのではないか。燃料といたしましてほかのもので代替をし得る度合いが、電気あるいは水道よりも高かったのではないかという点が一点、それから集団的に供給をいたします際に、電力の配電といったことよりは、ガスの配管といったようなことがかなり集団地以外にはむずかしかったというような事情もあったかもしれないと思います。いずれにしても、御指摘のように、ことにガスの非集団地への供給度、普及度は、他の二者に比べて相当低うございますし、それからまた行政の面でも、保安関係の行政は特に分化されてはいない、こういう事情があるようであります。この最後の点は、おそらくは公益事業そのものが規制行政でありますので、両方一緒にしておるものと考えておりますが、いずれにしても、従来ガスの普及度が低かったこと、それから保安の点で十分でなかったという事実は、私どももいろいろに考えてみなければならないところだと思います。
#14
○阿具根登君 ガスの普及度が比較的おそかった、確かにそれはそのとおりでございます。しかし私が心配いたしますのは、自然今日の状態を続けていくならば、ガスは当然必需品として電気等に劣らない状態になってくると思うのです。それもそのときどきの、いまの状態でいまの法律、次の状態で次の法律ということを考えていくから、すべてものごとが起こってから法律があとを追っかけるというような形になるんじゃなかろうか、こう思うわけなんです。特にガスは、大臣も言われたように非常に危険度が高い、その危険度の高いのをわざわざ小さくこまかに切っていって、保安に対する責任が負えるかどうか、危険度が高いからこそ、これはある一面から見れば、一つの企業あるいは中小企業、そういう面から見ればこれはまだ異論がございます。しかし、いまの場合は基本的な問題を大臣にお尋ねしておるのだから、そういう問題は別にして、そうして受給者が一番安全にこれを利用できる方法は何かということをまず考えなければならないと思うのです。そういたしますと、保安の面から見ましても需給関係から見ましても、これは当然もっと打つべき手があったのではなかろうか、こう思うわけなんです。法律の中には入りませんでしたけれども、たとえば一般ガスの地域内において簡易ガスをやる場合は、みなすというような作文的な作為的な……。これが当然将来どういう弊害をもたらしてくるかということはわかっておるはずなんです、これはあとで質問いたしますけれども。そういう当然弊害が起こってくるであろうという問題を伏せておいて、そうしていまの場合はこれでいくのだと、こういう消極的な考え方が私は基本的に間違っておるのではなかろうか、ますます次々にやれなくなってくる。一つの既成事実は次の既成事実を生んでくる、私はこうなると思うのです。だから一般需要者の立場に立って、保安の立場に立つならば、もっと抜本的なものがいま出されてしかるべきじゃなかっただろうかと、私はこう思うのです。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) それは、いまのお尋ねをいろいろ考えておりますと、たとえばほかの問題は一応おきましてとおっしゃいましたから、まさに私もそういうベースで申し上げますが、たとえば全国を幾つかの、九つなら九つの地域に分けて、電力のような形での供給体制をとるとか、あるいは水道などのように地方公共団体の主たる事業にするとかということが、現在かわる方法としては考えられるかと思います。その場合、前者について申しますと、電力の場合には、申すまでもなく大規模な発電施設あるいは送電線等々の関係から、これは全国を大きなブロックに分けることが可能であったと思いますが、ガスの場合で申しますと、そういう大きな、たとえば非常に大きな天然ガスの発生があるとかということでない限りは、おのずから供給もやはりそう大きな規模になることが現実の問題として供給側の事情で困難であります。そういうことから、電力のような形にならなかったのではないだろうか。今度は他方で、公共団体の事業にしたらどうか、そういうところも御承知のようにございますけれども、自然発生的に私企業が他との兼業などもあわせて育ってきた部分が大都市には多いわけでございます。したがって、いま阿具根委員の言われましたようなことを考えてみますと、ただいま申しました二者のうちのいずれかという体制になるかと思いますが、どちらも現実の問題としては必ずしもわが国の実情に合わずに、こういう私企業の供給が主として行なわれてきたのではないか。その場合に、なおその弊害を防ぐとすればどういうことがあるかといえば、たとえば保安の規制でありますとか、あるいはこの法律にございますように、合併等の問題でありますとか、あるいはまたこれもこの法律にございますが、都市ガスが、従来供給地域だと、自分の領地にしておきながら、なかなか導管の布設を十分にやっていなかった、長年眠っておったというようなことを規制する、そういったような施策をやっていけば、現在の体制で阿具根委員の御指摘になったような弊害は防げるのではないかと、こう思っております。
 なお保安行政と規制行政、保安行政と産業行政、助長行政との関係で申しますと、これは公益事業局の所管でございますが、公益事業行政というものは、やはり一種の規制行政でもございますから、たとえばガスに事故が発生しましたときには、供給独占でございますから、その地域の供給はそれで不可能になるということがございますから、自然、事故の発生ということについてもその立場からも行政をする側も神経質にならなければならない、こういうことで今日までやってきて、弊害を除去していけばこの体制でいいのじゃないかということがただいまの私の考えでございます。
#16
○阿具根登君 私の質問が悪かったかもしれないけれども、あるいは水道のようにせよとかあるいは電気のようにせよとか公式的に言っておるわけじゃない。こういう例もあるじゃないか、たとえば一般ガス供給地域に簡易ガスというものを、これをみなしてつくったと。そうするならば、これは一般ガスのほうがここに大きな力を入れてくることは当然なんです。極端に言えば、ここにまだパイプができてないから、いずれあとでパイプができるだろう、そこまでここを一つのブロックにして簡易ガスで指定する、そうするとこれが既成事実ができてしまうわけなんです。なぜそういうことをしなければならぬかということです。いまパイプができないならば、その監督指導責任はどこにするかという問題でこれはやれると思う。供給地域なら供給地域の責任としてやっていくとか、これはまた別の言い方もありますよ。これはおそらく議員の中からも反論が出てくると思うんです。しかしそれは業者対この販売の問題なんです。私がいま冒頭から言っておりますのは、まず需給と安全とそれから将来の見通しに立って言っておるわけなんです。当然そうなってくるならば、なぜそうでないようにしないか、そういうことなんです。一つの供給地域がきまっておる。それに簡易ガス事業が申請された、これは一般ガスとみなす、こうなってくれば、当然この次にはこれは何になるかということになってくると、供給地域の一般ガスになってくるはずなんです。するとまたそこでトラブルが起こるんじゃないか、これは既定権利ができてしまうんじゃないか。で、また保安問題もあるから何も中小企業にこれをやらせるなというのじゃなくて、これは供給地のほうで一般都市ガスのほうで規制していけやしないか、そうすれば一貫していけるんじゃないか。何かそういうような方向がとられなければ、一方はプロパンガスの一本売り、片方は固めて簡易ガスにした、片一方は都市ガス、その都市ガス中にそれが含まれておる、こういうことは矛盾が起きてきはしないか、こういうことを伺っておるわけです。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) わかりました。御質問の趣旨はわかりまして、それについては幾つかのことを私どもはこの法律案の中でも考えておるわけでございますが、一つは、まず従来都市ガスがこれは自分の供給の領域であるということを、かなり広く網をかけて取っておるわけでございます。なかなかしかしおいそれと端のほうには供給をしないというような例が確かにございますわけでありますから、今後こういう都市ガスの非常に広い網の張り方というのはもう一度考え直させまして、現実に供給をいつまでにやるかという、そういう現実の観点に立って再検討をしたいと思っております。これによってまず都市ガスが供給地域の上に眠るという弊害をなくしていきたいと思います。
 次に、簡易ガス事業でございますけれども、これについても同じような考え方でございますけれども、ただ現実にこの地域だけを自分の領域にいたしますというようなことはこれは許さない、むしろ逆の観点から、従来公益事業としての規制を受けておらない一定規模以上の、これは一本売りでない、いまの簡易ガスでございますが、そういうものについてはこの際規制をすることがいいのじゃないか、それが需用者のためになる。本来から申せば、一番理想的な姿は、都市ガスが全部に普及するということであろうと私は思います。公益事業でありますから、消費者本位に考えるべきでありますが、それが現実にできない場合には、一本売りよりも簡易ガス事業によるほうが便利であろう、ただその場合、簡易ガス事業には公益事業としての規制をいたさなければ、事実上相当大きな供給をするのでありますから、消費者のほうがむずかしかろう、こういうふうに考えております。
 なお、都市ガスなり簡易ガスなりとの利害の調整という問題は当然起こると思いますから、そういう小規模な業者が大きな業者に地域を譲るというようなときには、当然それなりの補償という問題が起こってまいります。これは原則としては両方の相談にまかせたいと思いますけれども、必要があります場合には、この法律案にございます調整協議会等において調整をいたしたいと、こう考えているわけでございます。
#18
○委員長(村上春藏君) 速記をちょっととめて。
  〔速記中止〕
#19
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 この際、本法案の審議にあたり政府側の提出資料について説明を聴取いたします。
#20
○政府委員(馬場一也君) それではお手元に差し上げましたガス事業法改正に関する資料という横長の資料がございます。数字的な資料がございますが、これにつきまして御説明を申し上げます。
 この資料は最初に、いわゆる一般ガス事業、今度の改正法で一般ガス事業と呼ばれます、いわゆる都市ガス事業でございますが、これの概況の数字が出ておりまして、二枚目にこの法律で新たに設けられますいわゆる簡易ガス事業が、いまどういう状況にあるかという概況がございます。それから三ページには、この簡易ガスを一部含んでおりますが、いわゆるボンベ供給と申しますか、LPガス供給というものがどういう状況にあるかという資料がございます。それから四ページにガス用品の普及状況、それからガス用品によるいわゆる中毒事故等がどういう状況にあるかというのが四ページにございます。それから五ページは家庭における事故と申しますよりは、むしろガス事故と申しますか、いわゆるガスの発生施設あるいは供給中、ガスの製造、供給施設途中における事故がどういう状況にあるか、これは保安規制の問題にからんでおりますので、その資料を最後につけてございます。
 最初に、一ページの一般ガス事業の概況から補足して御説明を申し上げます。
 一般ガス事業者がどれだけあるかということでございますが、第一にございますように、いわゆる都市ガス事業者の数は四十年から四十三年までの推移をそこに書いてございます。事業者の数でございますが、この資料には四十三年までしかございませんが、まだ四十四年度は終わっておりませんけれども、四十四年度末におきましては二百三十二にこれがふえております。四十四年度中に許可されましたものがございまして、二百三十二ございます。このうち昨年八月に黒石ガスというのが許可されておりますが、まだ操業を開始しておりませんので、二百三十二許可事業者がございますが、操業を開始しておりますのは二百三十一でございます。それから事業者の数は、ここには四十年から四十三年までのものをあげておりますが、昭和二十九年にガス事業法ができてから、昭和三十年からの趨勢を見ますと、昭和三十年には都市ガス事業者の数は九十でございましたが、昭和三十五年には百四十九、それから四十年にはここにございますように二百十七というふうに、三十年から四十年にかけて非常に急激に数がふえております。これは一つにはいわゆる新潟等の天然ガス地帯、天然ガスの出ます地帯におもに公営によりますガス事業者が三十年以降にかなり多くあらわれたというのが一つでございます。それから二つには三十年以降、いわゆる石炭系の原料から、ナフサを原料とするプラントによりますガス事業というのがかなりふえております。それからまたさらに都市化が進みますと、ブタンを用いましたブタンエアー方式によるガス事業者というのが相当出てまいりました。これらがそれぞれふえてまいりまして、ごらんのような事業者の数がふえてくる、こういう状況でございます。
 次に二番目のガス事業者の大きさの区分分けが二にあるわけでございます。一千万円以下、一千万円超五千万円以下、五千万円超、それから私企業でなく、公営事業としてなされているものをこれを区分分けいたしますと二のような数字に相なるわけでございます。この中で特に中小企業という範疇に入りますもの、つまり資本金が五千万円以下であるもの、または従業員三百人以下であるものというものを拾いますと、百四十六でございます。それから公営事業七十三のうち一事業者を除きますあとの七十二はこれはすべて三百人以下の事業者でございますので、いわゆる私企業として中小企業であるものが百四十六、それから三百人以下の公営事業というものを合計いたしますと二百十八になるわけでございます。つまり、大多数のガス事業者はかなり規模が小さいということでございます。
 それから需要家がどういうふうに伸びておるのかというのが三番目の表でございまして、四十年から四十三年までの需要家の伸びが出ておりまして、伸び率が大体ごらんのように七ないし九%、大体八、九%という状況で伸びてきております。で、四十三年度は一部推計が入るということで、この資料は八百八十五万四千戸とございますが、その後実績をとりますと、これは八百八十六万二千件という実績になっております。それから昭和四十四年度末、今年度末はこれは一部推計が入りますが、年度途中までの実績をもとにいたしまして見込みをいたしますと、今年度末では九百六十三万二千件という見込みでございまして、これは四十三年に比較いたしますと八・七%の増加になっております。大体ごらんのようにここ二、三年は八ないし九%弱の割合で需要家が伸びてきておるという状況でございます。それでそれによりますと本年度末におきますいわゆる供給区域内の普及率は五六・八%ということに相なるわけでございます。それから、現在四十三年から都市ガス事業新五カ年計画というのをやっておりますが、それの終末でございます昭和四十七年度末には、この現在の九百六十三万二千戸という世帯供給戸数、需要家戸数は千二百十一万九千戸というのが計画の最終年次におきます見通しでございまして、大体年平均増加率はその期間八・二%という計算をいたしております。もう千二百十一万九千件までまいりますと、普及率は現在の五六・八%から六二・七%ということに相なるわけでございます。これが都市ガスの事業の概況でございます。
 それから次に二ページへまいりまして、簡易ガス事業の概況について御説明を申し上げます。
 簡易ガス事業と申しますのは、この改正法に定義されておりますように、いわゆる「簡易なガス発生設備」、LPGを原料とする簡易なガス発生設備をもちまして一定の集団に導管をもって供給する事業、しかもこの改正法では、それが七十戸以上のもの、こういうものを簡易ガス事業と称しているわけでございますが、それが現在どのくらいあるかということでございます。ここにあげました数字は四十二年に各通産局ごとにいわゆるこの状況を――法律がございませんので、通産局を使いまして調査をいたしました数字でございまして、供給区域内にございます簡易ガス事業、七十戸以上で区切りますと、七十戸から百戸、百戸から三亘戸、三百戸以上という区分分けをいたしまして、合計、供給区域内にございます簡易ガス事業が四百八十九、それから供給区域外にありますものが百八十六、合計六百七十五ということになっております。これが七十戸以上の現在つかまえております数字でございます。さらにこの七十戸以下のものがそれではどれだけあるか、いわる小規模導管供給事業というのがどれだけあるであろうかということでございますが、これも一応われわれのほうで調べましたのは二戸以上につまり導管をもって供給しておるものを小規模導管供給事情と称することにいたしますと、その供給地点群の数は全国で九千六百五十一地点でございます。このうち供給区域内にございますものが九千十一、それから供給区域外にございますのが六百四十ということになるわけでございます。この九千六百五十一のうち、今回の改正案でいわゆる簡易ガス事業として公益事業規制をしたいと申しますものがそのうち六百七十五あると、こういうことでございます。それから次に九千六百五十一、つまり二戸以上の小規模導管供給事業によって要するにガスを供給されている需要家の数が全部で全国で幾らあるかいとう数字でございますが、これは大体二十四万戸というふうに推定をされております。このうち、七十戸以上の、つまり簡易ガス事業の対象になります七十戸以上の、六百七十五の地点によって供給を受けておる需要家数は、この表の下にございますように、十万九千戸、約四割でございます。つまり数から申しますと、非常に小規模な導管供給まで入れますと、九千六百五十一。七十戸以上はその一割に満たない六百七十五でございますが、需要家の数から申しますと、この規模の大きい七十戸以上のもので需要家戸数は大体四割を占めると、こういう状況になるわけでございます。それで、なおこの七十戸以上のものにつきまして、さらにこまかく見てまいりますと、七十戸以上のものについて一地点当たりの平均戸数を見ますと、百六十二戸というのが平均になるわけでございます。以上がいわゆる小規模導管供給事業あるいは簡易ガス事業の概況の説明でございます。
 次に、三ページへまいりまして、LPガス販売事業の概況。これはここにございますように、鉱山石炭局の資料によります数字でございますが、便宜御説明申し上げますが、全国におきますLPガス販売事業、つまりいわゆる一本のボンベ売り、それから小規模導管供給合わせまして、いわゆるLPガス販売事業の数が幾らあるかというのが、そこにございますように、LPガス新法が施行されました時の届け出数、四十三年四月末現在におきましては、事業数が四万八千六百八、事業所数が五万四千九百九十九という状況になっております。なお、四十四年におきましては、この四万八千六百八というのは少し減っておりまして、四万六千七百四十五というふうに減ってきております。これが減ってきておりますのは、一人一人の企業者の共同化あるいは協業化がその間相当進んだという結果であるというふうに考えております。で、四万六千七百四十五になりまして、販売事業所の数は五万三千四百六というふうに四十四年度末ではなっておるわけでございます。
 次に、そのLPガス販売事業の規模が個人経営のもの、それから会社でございましても百万円未満、百万円以上五千万円未満というふうに、規模別にパーセンテージを出しております。この四三・三%は個人企業でございます。それから、法人企業のものでございましても、いわゆる中小企業の比率が、ごらんのように高いわけでございます。それから、このLPガスによる普及世帯数と申しますか、LPガスを使っております需要家数はどのくらいであるかというのは、そこ、に都市部、農村部に分けまして、第三のところに数字を示してございます。ごらんのように、全国をトータルいたしますと、四十年までは、前年度に比べまして一割以上の急激な伸びを示しておりますが、四十一年以降その伸びはかなり減っておりまして、四十一年以降で見ますと、ごらんのように、全国では大体四、五%の伸び率ということに相なっておるわけでございます。それで、四十三年の数字がそこにございますが、千三百六十六万八千戸でございますが、四十四年度末におきましては、これは推定でございますけれども、この数字が千四百四十一万世帯ということに相なって、四十三年に比べまして、五・四%の伸びということになっております。これを先ほどの都市ガスの四十四年度末の世帯数九百六十三万戸と対比いたしますと、LPガスによる供給を受けておる戸数のほうが都市ガスよりはかなり多いわけでございます。それから、伸び率を見てみますと、都市ガスは、先ほど申しましたように、ここ二、三年八、九%の割合で伸びてきておりますが、LPガスのほうは四、五%というふうに、それよりはかなり低い伸び率になってきておる。それまで、ごらんのようにかなり高い伸び率でございましたから、いわゆるLPガスの普及状態というのはある程度まあ山を越えたのではないかということが考えられるわけでございます。で、このLPガス販売事業所の数あるいはこの数字の中には、先ほど申しました簡易ガス事業、いわゆる小規模導管供給事業も含まれておるのでございます。
 次に四ページへまいりまして、ガス用品の普及状況、それからそれによる中毒事故の統計が四ページに書いてございます。それで、ガス用品の普及台数は、これはガス事業所からとっております都市ガス事業新五カ年計画の資料によりますと、湯わかし器、ふろ、それからガスストーブの三品につきまして、ごらんのような伸びでございまして、四十七年の数字は、いまの五カ年計画によりましてこのくらい普及するであろうといういわゆる見込み数字でございます。それで、かりにこの四十七年にごらんのような数字にまで普及いたしましたといたしますと、この伸び率は大体、三十七年から四十二年までの間で、湯わかし器は四・六倍、ふろは二・一倍、ストーブが二倍という伸び率でございますが、四十二年から四十七年までの間には、このとおりの数字になったといたしますと、湯わかし器は二・二倍、それからふろは一・九倍、それからストーブは一・七倍という伸び率になるはずでございます。
 それから次に中毒事故の統計、これはガス事業法に基ずく報告によって拾いました数字でございまして、四十一年から四十三年までの数字で出ております。一番下でございますが、毎年中毒者というのは数がふえてまいっておるわけでございます。四十四年度中の数字、これは最近とりました状況、これは四十四年中でございますが、湯わかし器による事故、中毒者が四十三人、それからガスぶろによる中毒者が二十一名、それからストーブによるものが十七名、その他五十二名、合わせて百三十三名ということで、四十四年度もまことに残念ではございますが中毒者の数は相変わらずふえ続けておるわけでございます。
 それから最後にガス事故の概況、先ほどの中毒者と申しますのはいわゆる家庭内におけるガス中毒でございますが、五ページのガス事故と申しますのは、いわゆるガスの工場それからガスの輸送中いわゆる導管の漏洩等による事故の概況が五ページの数字でございまして、これは四十一年から四十三年まで、まあ四十二年は少し減っておりますが、四十三年には八十三件になっておりまして、四十四年の数字をとりますとこれが八十八件ということになっております。
 それから次に、その八十三件は、四十四年は八十八件でございますが、事故のその原因別に若干ふえんして申し上げますと、この原因のうち毎年約三割の事故は、いわゆるガス管が埋没されておりまして、そこにいろいろな道路工事その他の、いわゆる他工事と称しておりますが、これが行なわれる際にそのガス管の上にいろいろ事故が起きておるということで、いわゆる他工事による事故がこのうち毎年約三割のものがございます。それから、いわゆる地下水のくみ上げ等による埋没によりその地点の地盤が不当に沈下したというような事故が若干ございます。それから、上を通っております交通量が最近非常にふえたということによって下のガス管にゆがみを生じて漏洩をしたというような事故もかなりございます。そういうことをつけ加えて申し上げておきます。
 それから、これらの事故によりましていわゆる発生いたしました死傷者の数は、四十一年から四十三年で推移を見ますと、六十七、五十九、五十、このほうはつまり数が若干年々減っておりまして、四十四年度におきましては四十六名ということになっております。したがいまして、上の事故件数は、これは必ずしもその人身事故を伴わない事故、つまりガスが単に漏洩をした事故ということも勘定いたしますと、先ほど申しましたように八十三件、四十四年には八十八件ということでございますが、実際にそれによって死傷者が出たというものは、ごらんのように、年々少しずつではございますが減ってまいっておる、こういう状況でございます。
 以上非常に概括的でございましたが、資料についての説明を終わります。
#21
○委員長(村上春藏君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#22
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 本法案についての審査は、本日はこの程度にとどめます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#23
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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