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1970/04/09 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第12号
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1970/04/09 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第12号

#1
第063回国会 商工委員会 第12号
昭和四十五年四月九日(木曜日)
   午後二時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     須藤 五郎君     渡辺  武君
    ―――――――――――――
    委員長         村上 春藏君
    理 事
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                山本敬三郎君
                竹田 現照君
    委 員
                井川 伊平君
                平泉  渉君
                八木 一郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                林  虎雄君
                矢追 秀彦君
                田渕 哲也君
                渡辺  武君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        内田 芳郎君
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       通商産業省公益
       事業局技術長   藤井  孝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○委員派遣承認要求に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (大阪市大淀区において発生したガス爆発事故
 に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 本日、須藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として渡辺武君が選任されました。
#3
○委員長(村上春藏君) この際、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 昨四月八日、大阪市大淀区において発生したガス爆発事故調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。つきましては、派遣に関する諸般の手続については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございせんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(村上春藏君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、四月八日、大阪市大淀区において発生したガス爆発事故に関する件について調査を行ないます。
 まず、宮澤通産大臣から報告を聴取いたします。宮澤通産大臣。
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨八日、大阪市大淀区天神橋六丁目付近においてガス爆発事故が発生いたしまして多くのとうとい人命が失われ、また多数の重軽傷者が出ましたことはまことに遺憾にたえません。この事故でなくなられた方々の御冥福をつつしんでお祈り申し上げる次第でございます。
 昨晩おそく公益事業局長を伴いまして東京を出発いたしまして、夜半に現地に到着いたしました。罹災者の救出並びに事故原因の究明に当たってまいりまして、先ほど帰京いたしました。なお、事故現場を視察し、事情を聞きましてからあと、なくなられました方に対しまして哀悼の意を表しに参上いたしました次第でございます。事故の概況でございますが、事故現場は大阪市大淀区長柄国分寺町十五番地先の大阪市道、市の道に大阪市が地下鉄二号線を建設いたしておりました工事現場でございまして、事故は昨日の夕刻発生したものでございます。
 現地で事故発生の前後について調べましたところでは、昨日午後五時二十分ごろガス漏れが発見され、直ちに周辺の人々が関係機関へこれを通報いたしました。事故は地下鉄工事のためオープンカットの工事をしておりまして、その露出いたしました部分、地表から二メートル五十センチぐらいのところに五十センチの鋳鉄管の導管がつり下げられた状態になっておるわけでございますが、そこからガスが何かの原因で漏れ、またそれが何かの原因で引火爆発をして惨事を起こしたものでございます。原因につきましての詳細は、今朝から大阪府警、消防当局等が調査を始めましたので、詳細はその究明の結果に待たなければならないと考えております。
 被害の状況は、死者、重軽傷等関係方面の調べによりまして多少数字に食い違いがございますけれども、今日午前十時現在で死者が七十一名であるということは各方面の調査が一致しております。なお大阪府警の調べによりますと、重傷者は百六十五人、軽傷者百十七人となっております。現場に臨みましたあと罹災者を弔問し、その後大阪市役所におきまして大阪市当局はじめ中央の出先の官庁の長、それから東京からその時間には多少各省の者も参りましたので、あわせまして報告を聞き、また政府関係でとるべき処置につきましては指示をいたしてまいりました。今朝、根本建設大臣が現地に到着されましたので、昼前にこの会議の第二回目を根本建設大臣参加のもとに行なう予定にいたしておりましたので、それはすでに行なわれたものと考えます。
 なお本日、政府におきましてこのたびの罹災者の方々への援助並びに今後の事故防止の対策を総合的に進めますために、大阪ガス爆発対策連絡本部を総理府に設置することに持ち回り閣議で決定をいたしまして、その本部長に通産大臣を任命いたすこととなりました。
 今回の事故について反省をいたしますと、昨年春、板橋で同じ種類の事故がございました。板橋の場合には、導管を埋め戻し後に、やぐらで受け防護をするという形で工事をしたわけでございますが、あのような事故になりました。今回は掘さくが非常に深うございましたから、受け防護でなく、上からつるつり防護をいたしたわけでございますが、その点の違いはございますが、いずれにしても、他の工事によって、埋設されておりました導管の状態に変化を生ぜしめたという環境は同じでありまして、その際に事故が起こったわけでございます。今回の場合、導管をつりますのは覆工板からじかにではなく、覆工板から下にさらにはりを設けまして、そこからつることによって車両等による影響を遮断するための工法をとっておるようでありますけれども、それにもかかわらず、何ゆえかガス漏れが生じたわけでございます。それから発火の原因につきましても、関係者の説明が食い違っておりまして、多くの関係者は、大阪瓦斯の修理車が、これは比較的早く現地に到達したのでありますけれども、到達したときにはすでに多少の火が出ておったというふうに申しております。で、修理車が到着して間もなくそれに火がついたというように多くの者は言っておりますけれども、この点、関係者の見解が全く一致しておるというわけでもないようでございます。それから、かねて私どもこういう、ことに他工事の際にもガス漏れを関係者においてできるだけしばしば確実にチェックをするようにということを指示をしてあるわけでございますが、瓦斯会社当局の説明によりますと、事件の起こります小一時間前に、ちょうどその地点でガス漏れのチェックをしておりまして、何ら異常がなかったということを申しております。もしそのとおりであるといたしますと、チェックの方法が不十分であったのか、あるいは小一時間の間に何か新しい事情が生じたのかといったような疑問も出てまいります。いずれにいたしましても、これらのことは警察、消防当局の原因の究明によって最終的に判明してまいるであろうと思いますので、その究明に協力するように関係者に申してまいりました。
 昨年、大きな事故があり、私ども反省しておりましたところですが、またさらに大きな事件を起こしましたことはまことに申しわけないと思っております。ことに、ただいまこの瞬間におきましても、同種の工事が全国で幾つか行なわれていることと思いますので、それらにつきまして、導管のつり方あるいは受け方、ガス漏れ等のチェック、ことに他工事の場合にも関係者が多数になるということから、ともすれば責任の所在が一元的になりにくいと考えられますので、現在行なわれております工事につきましても、その体制の総点検をいたしたいと思いますし、今後、新法も成立いたしましたので、さらに保安の規定の整備等につきましても鋭意早急に新しい体制を整えてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#9
○大矢正君 いま大臣から若干の経過の説明がありましたが、この際、まず責任の所在についてお伺いをいたしたいと思います。この種の事故は、いま大臣が説明をいたしましたとおりに、わが国において初めて起こったのではなくて、しばしば、規模の大小は異なりましても、あったことでございまするし、また過去におきましては、御承知のように、最終的な責任の所在というものが不明確になってきているわけであります。工事をやった者が悪いのか、ガス管の安全維持のための措置を土建業者にまかせておいたことがいけないのか、あるいはまた、これら土建業者に安全確保のための業務をまかせているガス事業者が悪いのか、あるいはまた、監督行政の立場にある通産省の監督の立場に責任があるのか、いろいろ議論のしかたによっては違いが出てくると思うのでありますが、いま報告のありました内容の具体的な事項に入ります前に、今回のこの事故の最も大きな責任を負わなければならない立場の者は一体だれだとお考えになりますか。あるいは、もしそれが企業体であるとすれば、どこであるべきだと大臣お考えになっておられるか、お答え願いたいと思います。
#10
○国務大臣(宮澤喜一君) 法律的な意味での責任につきましては、先ほど申し上げました警察あるいは消防当局の事情の究明を待って正確には論ずべきものであると思いますけれども、それを別にいたしまして、普通われわれが人間として考える責任ということになりますと、公益事業としての大阪瓦斯にも責任があり、また工事施行者にも責任があると思います。なお、工事の発注者である大阪市においても責任がございますし、また公益事業を監督する立場にあります私どもにおいても同じく責任があるかと考えております。
#11
○大矢正君 この事業を行なっている事業主に第一義的な責任のあることは申すまでもないことだと私は思います。しかし、私どもの保安確保の面から申しますれば、監督的、また指導的立場にある通産省としても重大な責任を感ぜざるを得ないのじゃないかと私は思うのでありますが、いまの大臣の御答弁からいくと、何分の一かの責任は通産省にあるけれども、それはあくまでも何分の一かであって、他に工事を現にやった者、あるいは発注した者、あるいはガス事業者等々、周辺一帯の者に責任があるんだと言わんばかりのお答えでありますが、しかし、根本的にはこの種の工事が行なわれておる際には、過去においても規模が小さくても事故があったという事実を考えまする際に、安全確保のための行政指導の立場にある通産省というものが最大の責任を負わなければならないということは、これは当然のことではないかと私は思うのでありますが、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は人間としての責任というものは、何分の一とかという、そういう計量的なものではないと考えております。関係者がすべて全面的な責任がある、通産省につきましては、通産省として全面的な責任を感じているものであります。
#13
○大矢正君 具体的にそれではお尋ねをいたしますが、いま大臣の説明を聞きますると、地下鉄工事中であり、そして私が申し上げるまでもなく地下を掘さくしておるのでありますから、ガス管は何らかの形で現状のままその位置において角度その他を変えず保持しておかなければならないという必要性があるし、そこに、上からつるすか下からささえるかは別にして、いろいろな措置がなされておると思うのでありますが、結局のところ、せんじ詰めていきますれば、原因は二つしかない。一つは、この導管というものがかなり以前にそこに埋められたものであって老朽化しているゆえに一部に亀裂を生じガスが噴出する、あるいはそうではなくてつぎ目がかりにねじ曲がるような状態の中でガスが噴出をするというようなこと等くらいしかまあ考えられないわけです。
 と同時に、ガスが幾らありましても火源がなければ爆発するわけはないんであって、そこに何らかの火源があったと思うのでありまするし、もちろん、こういう可燃性ガスが適当な濃度になりました際に、金と金をすり合わした程度でも直ちに爆発を起こすということは、石炭鉱山における事故の例が幾多それを示しておるわけでありますから、当然のこととしてガスが漏れかつそれが滞留をするというような事態が想定をされる際には、相当な注意が必要であると私は思うのでありますが、新聞の報ずるところによりますれば、ごく最近もこの種の、大がかりなもちろん事故ではありませんでしたが、ガスが滞留をし、そしてまた小さな、小爆発といいましょうか、小燃焼といいましょうか、そのような事故があったらしいという話を承っておりますが、その点はいかがでしょう。
#14
○国務大臣(宮澤喜一君) 何ゆえにガスが漏れたかということにつきましては、取り調べ関係当局の究明に待つよりほかはないと思うのでありますけれども、考えられる要因としては、ただいま大矢委員の言われましたようなことがやはり常識的に考えられるのではないかと思います。すなわち、従来地中に長いこと埋設されておった状態ではある意味での安定を得ておったものが、下のささえをはずされるということによって何かの影響を受けはしないかということは、こういう場合に当然考えられることでございますし、また次に、つり防護をいたしますときに覆工板と、遮断された意味でのはりにつりましたとしても、その遮断が遮断として、はたしてどのくらい有効であったのか。したがって、地表の動きがガス管に影響を与えたことはなかったかというようなことが、やはり究明の対象になろうと思います。
 なおまたそのときに、ガス管の材質あるいは埋設以来の経過年限といったようなものも、そういう際に影響することも当然考えられます。おそらくそれらのことが調査の対象になるであろうということは、私もそのように想像をいたしております。
 それから最近この工事地点において同種の小規模ではあるがガス漏れがあったという報道があるがと言われまして、実は私自身が現地に出ておりましたために、そのようなことを十分に見聞きする時間がないままにここに参りましたので、その点、残念でありますが私としては聞いておりません。
#15
○大矢正君 責任の問題はあとから集約をすることとして、先般成立を見たガス事業法ではなく、従来のガス事業法の中に、保安面についてのこの種事態に適合をする規定はどのようなものがあるかということを私自身なりに調べてみますると、第五章の保安の項目で、「(ガス工作物の維持)」第二十八条「ガス事業者は、ガス工作物を通商産業省令で定める保安上の基準に適合するように維持しなければならない。」と、こう書いてある。過去において、それが埋設後であるかあるいは掘さく中であるかは別にして、この種の事故が頻発をいたしておるのでありますから、当然のこととしてこの二十八条に基づく「保安上の基準に適合するように維持しなければならない。」というその「基準」というものがあったと私は思うのでありますが、この際、お示しを願いたい。
#16
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府委員からお答え申し上げます。
#17
○説明員(藤井孝君) お答えいたします。
 二十八条に基づく規則がガス事業法施行規則にございまして、この中の第四章保安、第十九条でございます。ここで保安上の基準をきめております。この中で、今回の工事等に伴う導管関係の条項と考えられますものは、この中の第六のところに出ておりますが、「導管は、左に掲げるものであって、その設置の場所において加えられる荷重に耐えるものであること。」ということで、幾つかの範囲が示されておりますが、これが大体一番対応する基準であると考えております。
#18
○大矢正君 そういたしますると、保安上の基準というものがその種の工事の場合に示されておるのでありますから、その基準を守っている限りにおいては事故は起こらなかったと、こういう解釈をして差しつかえないわけですね。
#19
○説明員(藤井孝君) 今度ガス事業法の改正ということで保安の強化ということが大きな項目になっておりますが、ただいま申し上げましたような条項では非常に不十分である、具体的な基準化があまりなされていないというところで、もっとこれは明細によっていくべきものをつくる必要があるというように考えておりまして、従来のこの基準で十分であるというふうには考えられないと私は思っております。
#20
○大矢正君 あなたのお答えはちょっと私は聞き取るわけにいかぬのでありますがね。過去においてこれに類似する事故がしばしば起きている。といたしますれば一といたしますれば、新法が制定され、そしてそれが施行されるまでの間に、ここに書かれている保安上の基準に適合して安全が維持できるような内容のものは、今度成立した法律ができようができまいがやらなければならない義務が通産省にあったのではないですかと、私は聞いているのです。あなたのさっきの説明では、それはありましたと、こう言っているのだから、あなたの答弁は新法の答弁をされている。私の質問はそうじゃないのです。新法はまだ施行されていないのだから、ですから旧法でもってあの種の事故が防ぎ得なかったのかどうかということを聞いているわけで、新法の話を聞いているのじゃない。
#21
○説明員(藤井孝君) いまの点につきましては、現行法の基準によりまして、十分な荷重にたえ得るものとしてそれに対応するつり防護とか受け防護というものを設けておるならば、通常の状態においてはこれにたえ得るものであると考えて運用をしてまいっております。
#22
○大矢正君 そうすると過去の、二十八条に基づく保安上の基準が、しばしば起こっております――今回のような、規模は違いまするが――事故に、もちろん適合するような内容のものがすでに通産大臣から示されておった。さらにそれを補強する意味において、今度は新たに法律の改正をあなた方はおやりになったと、こういうことですね。
 そこで、それじゃ新しい法律の方でお伺いをいたしますが、新しい法律では、従来の法律と内容的に今回の事故に関連をして考えてみた場合に、どういう違いがありますか。
#23
○説明員(藤井孝君) 今回の法律におきましては、御承知のとおり、工事計画の認可あるいは届け出、それから工事の事前検査、それから定期検査とか、いろいろ施設の保安に関する規定がございます。それからまた技術基準を明確にするという点もございます。それからまたガス事業者は、保安規程を届けなければいけないという義務を課しております。それで重要な工事につきましては、認可あるいは届け出によりまして、十分内容を事前チェックすることができますし、それから技術の基準におきましても、いろいろの状態、問題というものを考えまして、従来からもいろいろ研究してきた面もございますが、こういうものを技術基準の中にさらに盛り込んでいくことによって、このような他工事の場合における基準というものも、もう少し明確に基準化できるものは進めていけるのじゃないかと思います。それから今度は保安規程でございますが、ここで特に他工事関係の工事維持、運用、全面にわたります、たとえば受け防護、つり防護その他管種の変更とか、いろいろな施設についての取り扱い、そのほか工事の点検とか立ち会いとか協議のやり方とか、あらゆる面を網羅いたしましてこの保安規程の中にはっきりさせる、そういうやり方で必ずやりますということで届け出させるというようなことで、このような他工事に対応できると考えております。
#24
○大矢正君 あなたに具体的にお尋ねをいたしますが、新たに導管をされる場合に、それが高圧管であるか低圧管であるかは別にしても、新たに導管をされる際における事前の検査あるいはまた事後検査、そうして定期検査等々いろいろなものがこの内容として書かれておりますが、今回のようなこの種の事故、すなわち工事を新たに行なうわけではない、変更をするわけでもない、そういう事態における保安をいかにして守るかという問題は、新しい法律のどこにあるかということを具体的にお示しを願いたい。
 それから技術長は、私の察するところ電気屋さんで、ガスのほうにはさほどには立ち入っておられないようですから、十分ひとつ、だれかそこにおられるから、御相談の上お答えをいただきたいと、こう思います。
#25
○政府委員(高橋淑郎君) 一言申し上げさしていただきたいのでございますが、いま大矢委員のおっしゃいますように、ガスの担当者、それから担当局長、現地に参っておりまして、技術長も補佐の者からよく話を聞いて答弁さしていただきたいと思います。
#26
○説明員(藤井孝君) 今回の場合のような他工事に関しましては、新法におきましては、二十八条の維持義務とそれから三十条の保安規程の届け出、まあこれに対して内容によりまして変更命令を出すということができるわけでございますが、これが関係を持っております。
#27
○大矢正君 第二十八条の一項、それから二項、三項、これらの点は、私が検討する限りにおいて、従来のガス事業法とその内容において著しくガス供給業者に対して保安上の規制をしているとは思われません、私に言わせれば。ただ単にこれは字句上、文章上不適当なものを適当なものに改めているというに過ぎないのであって、この二十八条の修正部分については新たにガス事業者に対して保安上の義務を課すものでは私はないと判断をいたします。
 そこで、なぜこういうように私はいまの問題についてお尋ねをするかといいますれば、まず一つには、公益事業局長の談話として、法律がもっと早く成立していればこの種の事故は防げたかもしれないということが一つあり、もう一つの問題は、同じくガス課長が、板橋事故の教訓も取り入れて法改正を考えたのだ。施行が間に合わず成立の日にこの惨事とは何とも言いようがない、こういう、これはそれぞれ別々の新聞でありますが、両者言われておることは、新法がもっと早く、すなわち以前に施行されていたならばこの種の事故は防げたかもしれないという解釈になるわけであります。そうなると、この法律が早く施行できなかったのは国会の責任だと、一つには、そういう感じを私どもとしては持たざるを得ないわけだ。しかし旧法と新法というものは、この内容においてそんなに大幅に事故を未然に防止するような方策をガス事業者に義務として課している内容ではないわけだ。そこに私は一つの問題点があることと、いま一つの問題は、これだけの大事故が起きたのでありますから、やはり通産省それ自身も今国会中にいま一度この法律を検討し直して、もしこの種の事故がガス供給業者の注意があれば防げるという前提がありとすれば、そういう義務を課すことが必要なのではないだろうかという、この二つの立場があるから、私は先ほど来執拗にこの問題についてお尋ねをいたしておるのであります。大臣でもけっこうですし、技術長でもけっこうでございますから、お答えをいただきたいと思いまするし、技術的な問題はもちろん技術長答えていただいてけっこうですが、私がいま申し上げた二点について、大臣はどうお私えになっておられるかもあわせてお答えをいただきたいと思う。
#28
○国務大臣(宮澤喜一君) それは私がお答えを申し上げるのが適当だと思います。大矢委員の御指摘の点は、私もこの法文に詳しくございませんけれども、いま法文を見ておりますと、御指摘の点に、なるほどと考えられることがございますように思います。つまり、先ほど技術長が申し上げました省令の中で、いまのつり防護あるいは受け防護に関係のある部分は、先ほど読み上げました省令の十九条の六号というところでありまして、「導管は、左に掲げるものであつて、その設置の場所において加えられる荷重に耐えるものであること。」、これが該当の規定だということを技術長が申し上げておるわけであります。そういたしますと、おそらく従来この行政をやっておりました人は、「設置の場所において加えられる荷重に耐える」というのは、普通の土の中に埋設されておる状態を頭に置いてこの省令を書いておりましたようでありまして、これが宙につられる場合あるいは下からやぐらで支えられる場合というのは、どうもこの六号に正面から該当しないのではないか、はっきりは言えないが、これはそういう事態を考えて書く規定としては、少しくそれならばそういう書き方があったではないかというように考えておるのではないか、これは私、答弁を聞いておりまして感じることでございます。すなわち、他工事が行なわれた場合の、技術上の工作物の安全であるとかということについては、自工事で埋設いたしますときほど十分従来の行政において関心が払われていないというような状態で省令が書かれておったのではないかというふうに思うのであります。そこで、次に大矢委員は、旧法の二十八条をお読みになったわけでございますけれども、これは、「ガス事業者は、ガス工作物を通商産業省令で定める保安上の基準に適合するように維持しなければならない。」というのが法律の規定でありますので、どういう状態においてということはこの二十八条には限定しておりませんから、他工事が行なわれている場合でもある基準に適合するように維持しなければならないという省令は書けるはずである、おそらくそういうことにこれはなってくる、それが大矢委員の論理だと思います。それならばこの二十八条を受けての省令はもっと広く書けたはずではないか、こういう御指摘ではないかと思うのです。お話を伺っておりますと、私も詳しい背景はわかりませんが、ごもっともなのではないだろうか、こういうふうにまず第一段に思うわけです。それから、したがって公益事業局長が先ほど御指摘のようなことを申しましたかどうか私つまびらかでございませんけれども、それがいま大矢委員の言われた意味に解釈されるような発言であれば、私は適当な発言ではないと思います。おそらくただ公益事業局長なりが思って申しましたことは、いま技術長の申しましたように、従来自分たちの行政なりあるいはそのもとになる省令なりが他工事ということをあまり頭に置いていなかった、それが最近にはそういうことの危険をいろいろ感じまして、この際法律も改めてと、もう少し事前にそっちのほうの技術水準なり保安上の処置もとれるようにということで今回法律を御決定願ったわけですが、そういう自分たちのいままで至らなかった、姿勢なり考えの足りなかったところを、今度の法律にあらわしてそして保安規程についても届け出をさせる、そうしてそれが不十分であれば変更命令もできる、これは今回の新しい規定でございますから、そういうことを加えましたから、これならばなおいまの自分たちの行政の姿勢なりが発揮できたのではないかと、こういうことを言いたかったのであろうと思いますので、それはしたがって自分たちがいままで考えておりましたことが、最近の他工事等から起こる危険に対処するために十分でなかった、そういうことを私は申したのであろう、法律論で申しますと、大矢委員の言われることに私は十分理屈があるといま承っておりますから、かりに公益事業局長がそのような印象をお与えするようなことを申したといたしますと、これはまことに遺憾なことであったと存じます。
#29
○大矢正君 これは、通産大臣に申し上げることでもあるし、あわせて委員長からも御配慮をいただかなければならないことでありますが、私はこの機会に次のことを申し上げたいと思います。
 昨日大惨事を引き起こし社会に恐怖と行政不信を与えることとなった大阪瓦斯供給区域内における事故は、その事故の性格と企業が公益事業であることにかんがみ、まことに遺憾であります。特にガス事業の安全確保については、きわめて最近法律の審議を行なった当委員会の一員として、重大な関心を持たざるを得ないのであります。よって、指導監督行政の当事者である通産省として、次の諸点について明確な方針を表明されたいと思います。
 一つは、当該企業である大阪瓦斯の社会的道義的責任について、これはなくなられた方々あるいは傷害を受けられた方々の救済、救護措置、補償措置、そういうものもありましょうし、あわせてこの企業自身の社会的責任というものもあると思います。
 二番目は、行政指導監督官庁としての通商産業省の責任はどのようにして果たされるつもりか。
 第三点は、行政上また法律上の欠陥を是正し、補強するための対応策について、政府はどのように考えておられるか。ただいま私が質問の中で一部申し上げたことに関連をして、この面についての態度の表明を願いたいと思います。
 最後に、事故再発防止のための緊急の措置について、大阪瓦斯で起きたからもうほかでは起きないというものではなくて、あのような危険な状態というものは、東京においてもその他人口の集中している地帯においても起こり得る可能性のあるものでありますから、通産省として緊急にどういう措置をとられるつもりか。
 以上の四点は、事故を未然に防止するための最低の要件であると私は確信をしております。もしこの四点について、通産省当局の努力と誠意ある態度が当委員会に示されない限り、私どもは今後の法案の審議について協力をするという気持ちは生まれてまいりません。重大な影響が起こるであろうということを、私はこの際付言しておきたいと思うのであります。この面に関しての委員長の御配慮をいただきたいと思います。
 いま話し合いました結果、三時にはどうしても大臣を他の委員会でよこしてくれということでありますので、質問の内容に深く立ち入ることができませんでしたので、私は以上のことを大臣と委員長に申し上げたいと思います。
 それからいま一点は委員長にお願いをいたしますが、これだけの大惨事を引き起こし、社会に恐怖を与えた事故でありまするので、ガス事業者の代表――もちろん協会でありますが――と、当事者であります大阪瓦斯の最高責任者に、ぜひ当委員会に出ていただきまして、事実の説明と今後の対策等について、また責任のあり方等について明確な表明ができるような機会をつくっていただきたいということを最後にお願いをいたしまして、私は本日の質問は終わりたいと思います。
#30
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま大矢委員の御指摘になりました四点につきまして、所信を申し上げたいと存じます。
 第一点の大阪瓦斯に関する件でございますが、ただいま取り調べ当局によって行なわれております原因の究明いかんにかかわらず、公益事業として非常に大きな供給の地域を担当しております大阪瓦斯の社会的な責任は免れない、これは問われなければならないと考えております。
 第二に、通産省の責任でございますが、私どもは直接にこの大阪瓦斯を指導監督しておる立場であります。またガス事業法の目的の一つである保安確保対策について万全を期さなければならない立場であります。私どもの従来の努力にもかかわらず今回の事故が起こりましたことは、まことに申しわけないと考えております。反省をいたしております。
 第三に、これについての行政上、法制上の欠陥をいかにして除去するかという点でございますが、行政上におきましては、後ほど申し上げますように、ただいまの法制のもとにおきましても、現在行なわれつつあります工事に対して総点検をいたしたいと思いますが、これは第四に申し上げることでありまして、法制上につきましては先ほど技術長から申し上げましたように、工作物の維持あるいは保安ということについて法制上の欠陥をこの際改めていく必要があると存じます。それを現行法のもとにおいてとりあえずやり得る限りいたしますか、あるいは新法によることがむしろ省令を強く広く書きやすいということであるか、そのいずれかでありますが、新法となりますと、多少施行に時間がかかると従来考えておりましたけれども、その点をもう一度再検討いたしまして、場合によりましては新法によって保安技術上の点だけでも早く省令を公布するのも一案であると思います。いずれによることがより有効であるかはしばらく検討させていただきますが、できるだけ急いでこの辺の法制の整備をいたしたいと思います。
 第四の緊急の措置でございますが、これは同種の工事が今日ただいまでも行なわれていると考えますので、工作物並びに保安上の諸点につきまして行なわれております工事の現場に対して総点検を行ないまして工作物の基準並びに保安対策について、もう一度見直して点検をし、必要があればこれを改め、あるいはさらに保安上のチェック等を強化するということにいたしたいと存じます。
#31
○大矢正君 いま大臣からお話がありましたが、私は議論する気持ちはいまありません、時間がございませんから。ただ、いまあなたがおっしゃられたような抽象的なことばでもって、私どもは、はいわかりました、この四点について納得をいたしましたということにはならぬということだけは明確に申し上げておきたいと思いまするし、あわせて、いまの大臣の御説明は耳で聞いただけでありますからして、最も早い日に文書としてお答えをいただきたいと思いまするし、その上で、私どもが通産省の努力と誠意を認めるかどうかの判断をいたしたいと思います。念のために、もし大臣が、いま御答弁があったことで私どもがあたかも納得したがごとき錯覚を持たれたら困るので、念のために発言をさしていただきたいと思います。
#32
○委員長(村上春藏君) それではただいま委員長に大矢委員から注文がございましたので、これにお答えいたします。これはこの委員会後理事会を開きましてその大矢委員の申し出に対してわれわれは決定いたしたいと、こう考えます。
 本件についての質疑は本日はこの程度にとどめます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#33
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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