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1970/04/14 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第13号
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1970/04/14 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第13号

#1
第063回国会 商工委員会 第13号
昭和四十五年四月十四日(火曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     須藤 五郎君
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     剱木 亨弘君     土屋 義彦君
     大谷藤之助君     菅野 儀作君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村上 春藏君
    理 事
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                山本敬三郎君
                竹田 現照君
    委 員
                赤間 文三君
                菅野 儀作君
                土屋 義彦君
                八木 一郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                林  虎雄君
                浅井  亨君
                矢追 秀彦君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        内田 芳郎君
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省貿易
       振興局長     後藤 正記君
       通商産業省重工
       業局長      赤澤 璋一君
       通商産業省公益
       事業局長     馬場 一也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       消防庁予防課長  永瀬  章君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (大阪市大淀区におけるガス爆発事故に関する
 件)
○機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○輸出保険法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 四月十一日、渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として須藤五郎君が選任されました。
 四月十三日、大谷藤之助君及び剱木亨弘君が委員を辞任され、その補欠として菅野儀作君、土屋義彦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村上春藏君) この際、おはかりいたします。大阪市大淀区において発生したガス爆発調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 ついては、その日時、人選等につきましては、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(村上春藏君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 この際、去る四月九日に行ないました大阪市大淀区において発生したガス爆発事故の実情調査について、派遣委員から報告を聴取いたします。近藤君。
#7
○近藤英一郎君 それでは大阪市におけるガス爆発事故に対する委員派遣について御報告申し上げます。
 去る四月八日夕刻、大阪市大淀区で発生したガス爆発事故の重大性にかんがみ、当委員会から村上委員長、竹田理事、赤間、矢追委員と私の五名が派遣されることになりました。
 調査日程を申し上げますと、四月十日、空路大阪に到着、まず、大阪通産局のガス爆発災害対策本部を訪れ、大阪通産局、大阪市、大阪瓦斯会社、鉄建建設会社の関係者から事故の状況、善後措置等について説明を聞いた後、天六の事故現場を視察し、その日のうちに帰京いたしました。
 次に、事故発生等の概要について申し上げます。事故発生は、去る四月八日、午後五時二十分ごろ、大阪市大淀区国分寺町の地下鉄二号線工事現場で、ガス導管につり防護を施して地下掘削工事中、露出された鋳鉄管のガス導管からガス漏れが生じ、五時四十分から五時五十分の間に爆発を起こして、災害を発生したのであります。
 大阪瓦斯会社の説明によると、五時二十分ごろ、同社北営業所が、現場付近を通りかかった同社のパトロールカーからガス漏があるとの連絡を受け、直ちに緊急車と作業員を出動させ、ガス漏れを防ぐ作業を行なうとともに、通行人の避難、誘導に当たり、さらに続いて本管部からも応援の緊急車が出動、百名の作業員がガス漏れを防ぐ処置に当たった。
 五時四十分ごろ、路面上に炎が出て、パトロールカーが炎上し、次いで五時五十分ごろ、地下坑内で爆発が起こった。
 ガスをとめる作業を続け、中圧ガス導管(三〇センチ)はバルブがついているため、その操作によってとめることができた。
 低圧ガス導管(五〇センチ)はバルブがついてないため導管の一部に穴をあけて、ゴム.バッグを使って九時三十分ごろとめることができ、火事も消えた。
 この地下鉄工事は、オープンカット方式を採用しており、ガス管、水道管等は宙づりにして工事を行なっているが、危険な工事なので、常に大阪市、工事施工者と緊密な連絡をとっている。なお、当日午後三時三十分ごろから一時間にわたって現場のパトロールを行なったが、異常はなかった。
 鉄建建設会社の説明によると、五時二十分ごろ、同社の労務者がガス漏れを発見し、直ちに通報、警察パトカー、少しおくれてガス会社のパトカー到着。職員と労務者で付近に駐車中の自動車を手で押して避難をさせる。ガス会社のパトカーがエンジン始動したところ、その附近より発火、五時二十五分から二十七分ごろ、職員が備えつけの消火器で消火、成功する。消火すると見てガス会社パトカーは再びエンジンを始動、再発火する。
 五時四十一分から四十二分ごろ大爆発が発生した。なお、三時三十分ごろから四時三十分の一時間にわたってガス会社がパトロールを行なったが、異常なしとして帰った。
 以上が両社の説明であります。
 爆発により、歩道に敷いてあったコンクリートの覆工板が飛び散ったため、附近にいた市民及び工事作業員から多数の死傷者が出るとともに、道路の両側の商店、住宅が延焼したのであります。
 爆発事故発生とともに、大阪府警、消防署はパトカー、消防車、救急車を出動させ、消火、救出作業に当たり、負傷者を市内の病院に収容したのであります。
 市街地で起きた事故で、しかも発生時刻がラッシュアワーとかち合ったため、一般市民、通行人が巻き添えを受け、十日現在、七十四人(うち、男六十二人、女十人、不明二人)の人命が失なわれ、負傷者は重軽傷者合わせて二百三十人(うち、男百七十七人、女五十三人)の多くを数えており、市内二十五カ所の病院に入院、手当て中とのことでした。
 次に、災害による被害者に対する補償措置として、事故関係者である大阪市、大阪瓦斯会社と鉄建建設会社の三者が事故の責任とは別に、話し合いにより、三者負担で、とりあえず、死亡者に五十万円、重傷者に十万円、全焼家屋に三十万円、半焼家屋に十万円、水により損害を受けた家屋に五万円を、また、負傷者には、三千円相当の見舞い品を贈ることに決定し、それぞれの被害者等に届けたのであります。
 さらに、罹災した中小企業者に対する金融上の措置として、国民金融公庫、商工中金について、資金の確保、貸し付け条件の緩和等の特別措置を講ずることといたしております。
 大阪通産局で関係者から説明を聞いた後、天六の事故現場に至り、近くにある大阪市立北市民館の現地災害対策本部で再び市当局、大阪瓦斯会社の関係者から事情を聴取し、事故現場へまいりました。
 現場では、大阪府警の現場検証が九日に引き続いて行なわれておりましたが、事故発生後二日たっておりましたので、覆工板も取り除かれており、水道管、下水管、中圧、低圧のガス導管等多数の地下埋設物がつり下げられている状況をはっきり見ることができました。地下にある鉄骨のけたや、各種の導管が熱と衝撃によって焼けただれたり、折れ曲ったりしており、地下には覆工板が落ち込んでおり、道路の両側の商店、住宅が火災や爆風を受けた破損したままの姿で、なまなましく残っており、今回の爆発の規模がいかに大きかったかということをうかがい知ることができたのであります。
 百メートルにも及ぶ距離にあった重さ四百キロ以上もある覆工板が爆発により飛び散ったのであるから、相当多量のガスが漏れていたと想像されるのでありますが、この点については、今後の警察当局等による原因調査で明らかにされるでありましょう。今回の調査で感じましたことを申し上げますと、いまだ事故の責任が明らかにされていない今日、大阪市、大阪瓦斯会社、工事施工者の三者が話し合いによって迅速に弔慰金等を支給したことはまことに適切な措置であったと思います。
 事故に対する問題としては、地下鉄工事は現在オープンカット方式を採用しているため、ガス導管を宙づりにしているので、この工法に無理があるのではないかと思うのであります。また、今回の事故のように、一般の住民、通行人に多数の死傷者を出したのは、爆発規模が大きかったことはもちろんでありますが、同時に、群衆の整理方法にも問題があったのではないかと思われます。今後ガス漏れ事故の現場における交通規制、群衆の整理方法、避難措置等についても十分検討する一方、ガス会社においてもパトロールカーには拡声器を備えつけ、現場の住民、通行人へのPRを行ない、加えて、常日ごろからガス器具使用上の注意だけでなく、ガスは危険なものであるということを一般市民に周知徹底させることがきわめて必要であると考えるのであります。
 また、事故発生の一時間前にパトロールを実施したにもかかわらず、しばらく後にはガス漏れがあり、さらに三十分後に爆発事故が起きていることから見て、ガス会社のパトロール方法に疑問を抱くものであります。今後、ガス会社は、十分訓練された技術職員を派遣して、ガス導管を常時監視させるとともに、ガス漏れ検知器を設置することが必要であり、現在適当なガス漏れ検知器がないのなら、その技術開発を急ぐ必要があると思うのであります。
 事故発生後、中央において通産大臣を本部長とする大阪ガス爆発事故対策連絡本部が設置されましたが、今後は、この本部の適切な事後措置と事故防止策の徹底によって、大阪に限らず、全国至るところで地下工事が盛んに行なわれている今日、今回のような悲惨な事故が二度と再び起こらないよう、官民あげて万全の注意を払うよう切望するものであります。
 最後に、不幸にしてなくなられた方々の御冥福をお祈りいたしまして、派遣報告を終わります。
#8
○委員長(村上春藏君) ただいまの報告に関連して、質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○大矢正君 ただいまの報告に関連をし、二、三質問をいたしたいと思います。けさの新聞によりますと、政府の今回の事故対策本部が、事故の再発を防止する立場から、数点にわたっての問題点を出し、関係各省との間に検討をするというようになっておるようでありますが、その内容はいかようなものであるかまずお答えをいただきたいと思います。
#10
○政府委員(馬場一也君) 政府に設けられました大阪ガス爆発事故対策連絡本部が、昨日第二回の会合を開きまして、今後この種の事故の再発を防止いたしますための方針というものを、ある程度検討することになったわけでございます。
 その観点について申し上げますと、大きく分けまして、今後の事故再発を防ぐための、いわば根本的なといいますか、抜本的な対策として、そういう範疇に属する検討項目といたしましては、一つはこの種のガス管が通っております地点で、いろいろ地下鉄工事その他の工事を行ないますときに、その方法といたしまして、現にこの個所でもいわゆるオープンカット方式という、ガス管を露出してつり下げておきまして、その下を地下鉄が通るという方式でやっておりますが、こういう方法にかえまして、いわゆるシールド工法といいますか、縦坑を掘りまして、上の埋蔵物をそのままにしておきまして地下を地下鉄が走るというような、いわゆるシールド工法といわれておりますがこういう工法をもっと活用する方法はできないものか。そのシールド工法を活用するためには、どういう技術的、経済的問題があるかということを検討するということが第一点でございます。
 それから第二点は、いわゆる共同溝と申しますか、この種の工事を行ないますときに、各種のガス管その他の管を、ふだんから事前にいわゆる共同溝というものに収容いたしておきまして、地下鉄工事等は道路の別の側を掘るということにいたしますれば、この種の事故は防げるわけでございますが、その共同溝というものの建設を推進することについてのさまざまの問題点というものにはどういうことがあろうかという、推進についての問題点の検討というものが第二点でございます。
 それから第三点は、この種の地下鉄工事等を行ないますときに、その都市に埋没されておりますガス管を、できれば別の道路に移設をいたしまして、その後に地下鉄工事を行なえば、いわゆるこういう事故の発生は防げるわけでございますので、地下鉄工事等のガス導管を他に移設するということが、どういう程度まで可能かということについての検討、以上一、二、三がいわゆるこの種の事故の可能性を防ぐという意味での検討項目になるかと思うのでございます。
 それから第四点といたしまして、この種の地下鉄工事をガス導管のある現場で行ないます際に、そのガス事業者以外の他工事業者、地下鉄工事業者の側におきまして、もし不幸にしてガス漏れ等、事故の原因になるような事態が起こりました場合に、その他工事業者のほうに、もっとガスの保安あるいはガスそのものについての知識を有する、いわゆる技術者と申しますか、こういう者を養成をいたしまして、これをその工事の現場に配置するというようなことが可能であろうかどうか、そういうことについての技術者の養成方法、あるいはそれの配置ということについての検討というのが第四点でございます。
 それから第五点は、今回成立を見ました改正ガス事業法を基盤にいたしまして、これに基づく保安規制を強化してまいるという点でございますが、これはさらに区分をいたしますと、この成立いたしました改正ガス事業法の施行は一応六カ月以内、こういうことになっておりますが、これをできるだけ早く施行するということについて努力をするというのが第一点でございます。
 それから第二点は、その改正ガス事業法の完全施行までの間におきましても、いわゆる主要なガス事業者から、社内の保安規程、特に他工事にかかわる場合の保安規程を行政指導により提出をいたさせようということについて指導いたそうというのが第二点でございます。これは、御承知のように改正ガス事業法が施行されますと、ガス事業者は保安規程を通産大臣に届け出まして、不十分な場合にはこれに勧告なり改善命令ができるという法規制になるわけでございますが、施行されませんうちにも、保安規程を事実上行政指導によって早期に提出させて、不十分な場合にはこれの改善について行政指導してまいろうという点が第二点でございます。
 それから第三点は、このガス事業法によりましてガス事業者に課せられます技術上の基準、特に導管等の他工事にかかわる場合の安全の基準、これを早急に検討をいたしまして、これは具体的にはガス事業法の施行規則の改正強化になるかと思いますけれども、これをすみやかに行なう。これは法律的に申しますと、必ずしも改正ガス事業法の施行を待ちませんでも、省令を改正することは可能でございますので、ただいまの他工事にかかわる保安基準というものを早急に具体案をつくりまして、これを省令に追加しようということについて検討しようというのがガス事業法関係の問題点でございます。
 それから大きな第六点といたしまして、ただいまも御報告にもございましたように、この種の事故が不幸にして発生をいたしました際のいろんなガスの安全性と申しますか、逆に言いますとガスの危険性といいますか、ガスというものはどういうものであるかということについて、もっと一般人にふだんからいわゆるPRと申しますか、基本認識のもっとレベルを高めようということについて、これは政府ももう少しそういう点についての方法をやったらばどうかということの検討でございます。
 それから、あわせまして、今度はガス事故が発生をいたしましたときの、いわゆる事故時の緊急な通報体制、並びにその現場におきます事故拡大防止のための相互の事業者のいわゆる訓練と申しますか、応急処理対策の訓練というようなものをしっかりやろうではないか、こういうことで、これらについての具体案というものを検討しようというのが第六点でございます。
 それからその次の第七点といたしましては、現在一部に使用せられておりますガス漏洩の自動警報機なり、あるいはガス管の遮断の装置というようなものにつきまして、まだまだ現状のものではいろいろ実用にするのに不十分なものが多々ございますので、急速にこれらのものにつきまして、もっと高度に実用にできるものの技術開発と申しますか、実用化についての研究開発というものを一そう推進をいたそうではないかということにつきましての検討が第七点でございます。
 それから最後に第八点といたしまして、ガス事故を防止いたしますためのいわゆる役所としての保安監督体制の整備強化と申しますか、これはガス事業法の施行の任に当たります通産省、あるいはそこに地下鉄等の現場がございますので、それらの労働安全という立場から労働基準関係の職員というようなものも含まれるかと思いますが、これらの業者の保安監督に当たります体制の整備強化について、不十分な点を一そう強化するように検討してまいろうというのが第八点の検討項目でございます。
 これらの八項目につきまして、それぞれ連絡本部を構成しております各省がおのおの持ち分をきめまして、それぞれ、いま申し上げましたような点について今後どういうぐあいに考えるべきかという問題点を詰めまして、そうして大体目安といたしましては今月一ぱい、まあおそくとも来月上旬までという、大体一ヵ月前後というのをめどといたしまして、ただいま申し上げました点についての具体的な検討案をつくりまして、連絡本部に持ち寄りましてこれを検討してまいろう、こういうことが昨日の連絡本部の会議で合意されました事項でございます。
#11
○大矢正君 次に、昨年の四月の十六日、省議決定に基づいてガス導管防護対策会議というものを設置し、同年十二月二十五日、同会議議長から報告書の提出がなされ、それに基づいて公益事業局長名としてそれぞれの関係者に事故防止のための要望をいたしておるのでありますが、私の手元には、どういう関係者にそれが送付されたかということは、資料としてまいっておりますが、このガス導管防護対策会議が出しました答申、これの概括的な説明を願いたいと思います。こまかいことはけっこうですから、大づかみに御説明をいただきたい。
#12
○政府委員(馬場一也君) 昨年通産省に設けましたガス導管防護対策会議は、昨年の十二月末に御答申をいただいたわけでございますが、この内容につきましては、これは報告書は総論と、それから三節の各論に分かれておりまして、非常に広範なものでございますが、検討いただきました事項といたしましては、まず他工事施工の際のガス導管の防護方法といたしましてこの報告書で言われております事項は、一番理想的なのは、他工事の際には、ガス導管を他工事によって影響を受けない場所、つまり別の道路に移設をすることをまず検討すべきであるということが最初に言っておられることでありまして、もしそれが道路等の事情でどうしてもできない場合には、やむを得ずガス管をそこに置いたままガス工事を行なうことになりますので、その場合におきましては、それぞれの道路状況に応じまして、工事中はつり防護、それから工事が済みましたあとには受け防護を行なう、あるいはそれに際しまして管種変更を行なうというようなことをやるということになるわけでございますが、それらの工事を行なう際におきまして、最近の車両交通のふくそうしておる状況とか、あるいは工事施工の実態に適合するように現行の防護方法についてさらに検討すべきであるという結論になっております。この最近の交通状況なり施工方法の実態に適合するような防護方法を検討すべきであるという点に関しましては、いわゆるつり防護、受け防護等につきまして、それぞれ詳細な技術的検討あるいはモデル実験等を行なっていただきまして、今後検討すべき問題について具体的に技術的な御示唆をいろいろいただいておるわけでございます。
 それから第三点といたしまして、他工事施工の際のガス導管の維持管理に関しましては、他工事業者はその工事を行ないます際に、事前にガス事業者と十分協議をいたしますとともに、また同時に、他工事業者とガス事業者はお互いに協力をいたしまして、工事中はその導管の状況につきまして立ち会い、見回り等を十分行なわなければいかぬ。さらにまた、工事が終わりまして埋め戻しをいたしましたあと、土質層が安定をいたしますまで、ガスの漏洩の検査の頻度を普通の状態よりももっと高めるということをいたしますように、つまり他工事施工に際しまして、ガス導管の維持管理についての措置ということを、現状より一そう強化すべきであるということが、大体答申に盛られましたおもな内容でございます。この他工事業者との協議事項あるいは相互の見回り、立ち会い等につきましても、現在の状況を詳細にレビューしていただきました上で、この報告書で指摘されておりますことは、この立ち会い、見回りにつきましても、両方の業者のできるだけ責任者が、立ち会い、見回り等におきましていろいろふぐあいを発見いたしました際に、相互にそれが徹底し合うように、できるだけひとつ相互の責任者同士の間で立ち会い、見回りというものを十分やらなければいかぬということが強く指摘をいたされております。これを受けまして、先生いまおっしゃいましたように、本年の二月に公益事業局長名で、道路管理者、それから土木工事協会、帝都高速度交通営団総裁、それから五大都市交通局長等に対しまして通牒の趣旨に基づいて強力な事故防止措置を進めていただくように、報告書を添えまして依頼をいたしておるわけでございます。それからガス事業者に対しましても同様のことを指示いたしておるわけでございます。私ちょうど事故の当夜通産大臣に随行いたしまして現地に参りまして、市庁内でいろいろ地元の御説明を聞きました際に、大阪市の交通局長からは、この二月の通牒の趣旨に基づいて今回の工事にあたっても相互の連絡協調ということについては十分意を用いておったつもりであるという御説明があったように承りました。
 それからもう一つ言い落としましたが、防護対策会議におきましては、そういう他工事の際の問題点といたしまして、共同溝の問題、これを推進するためにはどういう問題点があろうかということにつきましては、この対策会議の中に小委員会をつくりまして別途御検討をいただきまして、さらに諸外国の状況に至るまで調査をしていただきました。共同溝に対する問題点といたしましては、共同溝については前向きに検討すべきである。ただし、ガス管を共同溝に入れるに際しましては、二、三技術的な問題点がございますので、共同溝にガス管を収容します場合、それらの技術的な問題点を十分検討をした上で共同溝の問題については前向きに対処すべきである。こういうのが防護対策会議のもう一つの結論になっていることを申し添えます。
#13
○大矢正君 いま対策会議の答申と、それから先般の事故にかんがみて政府に設けられました災害対策本部の当面の対策のたたき台とも言うべき考え方の表明がありましたが、そこでお尋ねをいたしますが、たとえば、共同溝というのを一つ取り上げてみましても、これは直ちに大阪においても東京においてもそうでありますが、都市におけるこの種のガス事故が防止されるというのではなくて、共同溝をつくるにいたしましても、相当長期にわたらなければ完全な状態にはならぬだろうということは思われますし、工法を変えてより安全なシールド工法を用いるといたしましても、建設関係その他との間における経費その他の問題、コスト高の問題等もありましょうし、あるいはまた地下鉄を設置するための掘さく工事を行なう場合におけるガス管の移設の問題にいたしましても、いま直ちにこれができるわけのものではなく、これまたやはり資金と、それから日時を要する問題なわけです。そこでこの種の事故というものは、いま申し述べましたような抜本的なと申しますか、将来にわたる問題としてこれらのことを検討され、かつ実行に移されることはけっこうなことでありますけれども、しかし、この種の事故は、現に他工事が東京都心においても、また他の地域においても行なわれている限りにおいては、再発する可能性というものを残しておるわけであります。よって抜本的なこの種の事故対策というものと、当面緊急対策と申しますか、そういうものがあわせて必要なことは申すまでもないと思うのでありますが、先ほど対策本部の会議の結論として、三点までは将来にわたる基本的な事項、四点以降は当面の緊急措置と申しましょうか、といいますか、でき得る限りの検討と同時に対策を講じていこうと、こういうことであろうかと思いますが、私ども考えてみまして、この種の事故は二つの場合が想定をされます。一つは、すでに地下鉄工事が完了して、埋設をされた導管からガスが漏れて事故を起こす場合と、現に掘さく中でいまのようなオープンカット方式をとっている限り、つまりつりないしは受けの防護措置を講じつつ導管をはだかのままにしておいた状態での今回の事故ということが想定をされるわけです。そこで、第一の埋設以降における事故の場合に、その責任の所在、あるいは埋設後における保安維持の責任というものは、おそらく、私は正確にはわかりませんが、工事事業者とガス事業者との間に、このような条件のもとにすでに埋設をしたということで、おそらく協定がかわされて、十分な安全管理がこのとおり行なわれておりますということで、ガス事業者が受け継ぐわけでありますから、当然のこととしてその最終的な保安上の責任というものは、私はガス事業者にくるのではないか。作業の結果を認めた上で、これでよろしいということになっておそらく引き取るのだと思うわけでございますから。だといたしますれば、最終的な責任というものは、工事業者というよりも、むしろガス事業者が保安上の責任を負わなければならぬという問題になりますが、そうでなくて、この種の導管が裸のままでつられたり、あるいは受けられたりする形においてかりに事故が発生した場合に、ガス漏れそれ自身を探知し、ないしは措置する責任等というものは、工事業者にあるのか、ガス事業者にあるのか。一体どちらにこれはあるのでしょうか。これをお尋ねいたしたいと思います。
#14
○政府委員(馬場一也君) たいへんその辺のところがむずかしい問題点であろうかと思うわけでございます。直接の御答弁になるかどうか存じませんが、現に本件につきまして、この工事を始めますときに、大阪市の交通局長、つまり起業者、他工事起業者でございます大阪市交通局長と、大阪瓦斯の社長との間に「高速鉄道建設工事における埋設物保安業務の計画策定について」という、かがみをつけた文書がかわされておりまして、そのいわゆる他工事に当たりますにつきましてのいろいろ各段階における契約書ができております。これを参考までに、かがみの文を読んでみますと、最初のところは省略をいたしまして、「さて、このたび高速鉄道建設工事における既設埋設物の保安に関する相互連絡業務について、起業者である当局と埋設物関係企業体各位と相互に充分なる協力とともに、建設工事に起因する既設埋設物の今後の事故発生防止に万全を期すため、別紙のとおり計画策定しました。この計画策定にもとづき、建設工事における既設埋設物の保安業務について当局は責任をもって、今後共これをおし進めますので、埋設物関係企業体各位におかれましては、公共工事としての重要性を考慮されて当局の建設工事における既設埋設物の事故防止のための責任業務遂行に対し今後ともますます積極的なるご協力を頂けますようお願いいたします。」というのが、交通局長と大阪瓦斯の社長との間にかわされました文書のかがみでございます。埋設物企業体と申しますのは、これはガス管のほかに下水、あるいは上水道、それから電電公社の通信線、それからその下には関電のいわゆる送電線もございますので、これらの企業体との間におそらく同じような趣旨の文書がかわされておるのではないかと思いますが、こういう文書にかがみをつけまして、そして工事計画から、ただいまの工事中のつり防護、それから工事後の埋め戻しにつきまして、この諸企業体がやります事業が明記をされておりまして、この表によりますと、右の「各埋設企業体特記事項」というところでそれぞれ上下水道等各埋設物企業体の特記事項がございますが、その中で、都市ガス事業者のやることが書かれておるわけでございます。その内容を双方で合意している、こういうことで工事を進めております。したがいまして、工事中におけるガス漏れその他のガス管の保安責任というのが最終的にどこにあるかというのは非常にむずかしい問題でございますが、交通局長と大阪瓦斯との間に、工事期間中の保安業務につきましては、当局――大阪市交通局――が全責任を持って当たる。ガス会社はこれに協力せられたい、こういう趣旨で双方は合意をしておるようでございます。しかし、むろん都市ガス企業体といたしましては、ガス管を露出をいたしますので、ガス漏れにつきましては、ガス事業者は当然ガス工作物の維持義務を法律上負っておりますので、ガス事業者といたしましては、こういう協定書にあるといなとにかかわらず、協定事項としてではなく、毎日当該部分の巡回点検をして、ガス工作物の保安点検に当たっておる、こういう状況のように承知しております。
#15
○大矢正君 このことは、事故の究明、そうして今後の対策を立てるという面と、いま一つは、おそらくこれ以降、刑事責任ないしは民事上の責任が追及されるであろう事態における非常に重大な問題点であると私は思うのであります。ガスを需要家に供給をしているガス会社が、保安上の責任と義務があるということは明確でありますから、単にそのことだけから考えてまいりますれば、それが他工事が行なわれていようがいまいが、そういうガスによってかりに事故が発生する場合には、これは当然のこととしてガス事業者にその責任があるという解釈が成り立ちますが、一方においては、なるほど導管防護のための措置を十分講じ、かつまた、工事業者自身の故意もしくは過失によるような状態におけるガス事故というものでない限りは、当然のこととしてガス会社が責任を負わなければならぬ。しかし反面において、なるほど導管供給をいたしておるガス会社に事業責任があるとしても、保安上の責任があるとしても、それは埋設をされている平常の状態において言えることであって、工事との関連ということになってくると話は別だという解釈も当然また生まれてくると思いまするし、おのおのこの種の問題は水かけ論に終わる可能性が非常に多いわけであります。特にその際一番問題を起こすのは、被害者に対しての措置がそこから問題点として出てまいります。これは単に先般の大阪だけの問題ではないのです。東京都内においても何回かそういうことが繰り返されておるわけでありまして、事故原因の究明は、いま言ったような対策の問題とあわせて、刑事、民事上の責任、そうして被害者の補償という問題に発展していくことなんで、その点では私はこれ以上こまかく立ち入ってここで質問いたそうとは思っておりません。むしろ、これは検察庁ないしは警察当局が十分原因究明をされていくべきことであると思いますので、申し上げませんが、ただ一点、私に言わせていただきますならば、やはり法律上明記さるべきであるかどうかは別といたしましても、この種の工事は今後も続きますからして、埋設してしまった、すでに工事完了後の導管の事故は別として、まず裸導管の場合における保安上の最終的な責任というものはどちらにあるのかということを、何らかの形で明確にしておかないと、この種の事故が再発した場合に、責任のなすり合い、そうして被害者が泣かなければならぬという事態が必ず出てまいると思います。そういう面における通産当局の御検討を心からお願いをひとつしたいと思います。
 それから次にお尋ねをいたしますることは、旧法に基づきまして保安基準というものを通産省令で定めることになり、「保安上の基準は、左の通りとする。」というこの内容が、私の手元におたくの局から届けられておりますが、かつての東京都における事故等から見まして、当然のこととして、この省令の中に、あのような裸導官の状態における保安対策、安全対策というものが出てなければならないのではないかと実は思っておるのでありますが、遺憾ながら、どうも私の読んだ限りにおきましては、現在の省令の第四章の「保安」の項目の中には、先般大阪における事故の際に、それを未然に防止する意味における保安上の基準というものがなかったような感じがいたしますが、しかしそうなりますと、昨年も事故を現に起こしているわけでありまして、あの種の事故は想定をされることでありまするし、特段この保安基準は国会の議決を要することではなくて、政府が省議その他政省令できめられる事項でありますから問題はなかったのではないかという感じがいたしますが、この点はいかがでしょう。
#16
○政府委員(馬場一也君) 先生御指摘のとおりでございまして、現行のガス事業法にきめられております保安上の基準、それからその保安上の基準を具体化いたしましたガス事業法施行規則に定められております具体的な省令事項、この中にもこのガス導管の備うべき性能といいますか、要求事項というのが書いてございますが、きわめて抽象的でございまして、おそらくこの施行規則をつくりました当時は、いわゆる埋没されております状態におけるガス導管の備うべき基準ということを予想して書かれた省令であるかと思います。いわゆるそれが今回の他工事の場合のように、それが暴露いたしまして、いわゆるつり防護等でささえられておる状態における、あるいは埋め戻された状態におけるガス導管の備うべき基準というものを律します省令といたしましては、きわめて抽象的に過ぎる、具体的ではないということについては御指摘のとおりでございます。われわれとしましては、先ほど申しましたように、先般のガス導管防護対策会議においていただきました結論を十分そしゃくいたしまして、最近の交通情勢等に応じまして、そういう特殊な場合におけるガス導管の備うべき基準というものを、この省令に追加補強したいつもりでおるわけでございます。これは言うまでもなく、先生御指摘のようにガス事業法の改正前と改正後とにかかわりなく行なおうと思えば行なえる事項でございますから、その点について検討が非常におくれておりますことについてはまことに残念に存じております。今後できるだけ早くその部分の省令を具体化いたしたい、かように考えております。
#17
○大矢正君 次にお尋ねをいたしますることは、事故発生の段階におけるガスの供給を停止するという機能の問題についてお伺いをいたしたいと思うのでありますが、新聞等の報ずるところによりますると、中正管のほうは短い時間の間にバルブを締めたのかどうか存じませんが、ガスをとめておるのでありますが、何か技術的な問題があって低圧管のほうは事故後もかなり長時間にわたってガスの出っぱなしというふうに聞いております。そこで、まあほんの少量のガス漏れでありますれば、これは技術を習得している者が飛んで行って解決をするということ、その部分の何らかの措置を講ずることは可能でありましょうけれども、しかし噴出するガスの量が多いということになりますれば、当然のこととして素面でそこに近づいていくことは不可能なことであります。これは炭鉱なんかでもあることでありまして、可燃性ガスが、ある一定量ある場合には、当然のこととしてそのそばに近づいて行けないのではないかと思うのであります。その際に、たとえば工事をいたしまする場合においては、その措置を講ずるための仕事をする者の安全を守れるようなものが何かなきやならぬと思います。炭鉱の場合には救命具をつけまして、ガスを吸わないような形での現場の措置というものがとられますが、あまり都市ガス供給の保安上の問題としては、そういう点は見受けられないようでありますが、もしそういうことで、ほんとうにわずかの漏れであり、そばに寄って処置をすることができるような状態ではないという場合においては、ガスをとめる以外には方法がないのじゃないかと私は思うのでありますが、技術的に今日の段階でガスをとめることができないということになりますれば、一たん噴出したガスは、結局のところ、この間の大阪のような事故を起こすまではとまらないということになってしまうわけでありまして、その面についての不安感が私としては残るのでありますが、このような面をどのように措置をされるつもりかお伺いいたしたい。
#18
○政府委員(馬場一也君) 今回、どちらが先かはいま調査中でございますが、現場には中圧管と低圧管とが通っておりまして、それで中圧管につきましては、いわゆる停止のバルブがついておりますので、事故後比較的早い時間にバルブを作動いたしましてとめることができたのであります。低圧管については、そのバルブがついてないので、これはいわゆる低圧管に穴をあけまして、バッグを入れてガスそのものをバッグをふくらましてとめるという方法しかない、それにかなりの時間がかかるということで消火が非常におくれたという状況でございます。そこで、問題はその低圧管になぜ従来バルブがなかったかということ、あるいは今後ともなくてよいかということでありまして、私どもといたしましては、この低圧管につきましても、これからもやはり早急にとめることのできるバルブといいますか、そういう遮断装置をつけさせる方向で、先ほど申しました省令の問題も考えていきたいと現在思っております。で、低圧管に従前バルブがついてない理由は、低圧管は急にとめがたい、と申しますのは、低圧管は直接家庭の中に入る導管につながり、一番消費者もよりの管でございますので、これを早急にある事由でとめますときには、十分関係の需要家先に周知徹底をした上でございませんと、一たん事故のガス漏れの修理が終わりまして、ガス管を、低圧管を再び開きました場合に、今度は各消費者の手元で従前とまっておりましたから、うっかりしておりますと消費者のほうで、各家庭のせんを締め忘れまして不用意にガスが出まして、需要家先で中毒事故を起こす可能性がございますので、低圧管はなかなか用意をいたさないと早急にはとめるべきでないというような事情がございまして、したがって、そのバルブがついてなかった、こういう理由のようでございます。その辺のところも、実際にバルブがつくときにどうやるかということが一つの問題点でございますが、その辺のところも含めまして、十分今後省令を検討してまいります際に、低圧管に私どもとしてはやはりすぐとめることのできるバルブをつける方向で考えてまいりたいと思っておりますし、またそれに伴いまして、ただいまのような需要家先における中毒事故の防止、それに対して早急なPRをどうするかということにつきましても並行して検討を進めてまいりたい、かように考えております。
 それから、修理作業中に防毒マスク等が必要な場合には、これは必要に応じて用いることになっておるわけでございます。今回の場合にそれをどういうふうに利用いたしましたか、ちょっと状況はつかんでおりませんが、作業中に必要でございますれば防毒マスクの用意はしてあるわけでございます。
#19
○大矢正君 いろいろと技術的には困難な問題がおありになるだろうことは私もわかりますが、十分ひとつ検討をしていただきたいと思いまするし、保安基準、あるいは事業者が提出する保安規程の中で、どのような形のものが現実的にもまた技術的にも好ましいかということをひとつ御検討いただきたいと思います。
 最後に、政務次官に、質問というよりも、むしろ希望意見として申し上げておきたいと思うのでありますが、今回の事故は十日現在で、先ほどの報告にもありましたように、死者七十四人、けさの新聞ではまた一人ふえまして七十五人になりました。重軽傷者がかなりおりまするところから見て、この種の事故は一週間ないし十日間ぐらいのうちにかなり死亡する例が過去において多いわけでありまして、まだ死亡者が増加する可能性というものはあり得るわけでございますし、あわせて負傷者の数が二百人をこえるという膨大なものであります。これらの方々に対してそれ相応の補償をする、こういうことになりますれば、これは家屋その他の損害をあわせて考えればたいへんな金額になるわけであります。したがって、この事故の最終的な責任が、たとえば大阪瓦斯にあるということになりましても、あるいは建設業者ということになりましても、あるいはまた市ということになりましても、いずれかが刑事上最終責任を負わなければならぬことになりましても、これはたいへんな負担ということになります。場合によっては企業自体あるいは市の財政自体がひっくり返るのではないかというような心配すらされるような大事故であります。私はどこに責任があるかということをここで申し上げる気は毛頭ございません。それだけに、負傷者の方々に対する、あるいはまた犠牲者の方々に対する措置というものにつきましては、万全を期してもらわなければならない。これは民事上の責任というものは、かりに犠牲者が訴訟を起こしましたとしても、刑事責任が明らかにならないうちには最終的には明確にならないということだと思います。だといたしますれば、かりに結果としていずれかの事業主が刑事責任を負うことになり、さらに民事上の責任を負わなければならぬということになりましても、期間的に相当長期を要するものでありまするし、あわせて、はたしてそれだけの支払い能力にたえ得るかどうかという経済的な問題もあるわけでありまするからして、この際、政府みずからもどのようにしてそれらの問題を解決されるのか。もちろん通産当局だけで犠牲者に対する、あるいはその他の方々に対する措置が講ぜられるとは思いませんけれども、各省、各担当者とも十分協議の上、この種の事故のために、犠牲者に経済的に非常に苦痛を伴わせることのないように、十分にひとつ通産省みずからが、ガス事業者の監督官庁であるという立場において、配慮を講じてもらいたいということを、希望意見として申し上げておきたいと思います。
#20
○政府委員(内田芳郎君) 先生御心配のように、いま、なくなられた方の数字も変わっておりまして、きのう午前八時現在でまた二人なくなられまして、男六十六名、女が十名で計七十六名でございます。御心配のように、今後のいろんな補償、遺家族、被災者、こういう方々には、私どもも昨日の対策本部でも協議をいたしましたけれども、万全を期するように、そして御心配がないようにしたいと思います。
#21
○竹田現照君 最初にちょっと消防庁にお尋ねいたしますが、最近こういう事故が相次いで起きておりますけれども、これについて消防庁としてどういうふうにお考えになっておるのかお聞かせ願います。
#22
○説明員(永瀬章君) この種の事故が最近あちらこちらで起きております。今回の事故を見ますと非常に多数の方々がなくなられ、あるいは負傷なさっておりまして、私どもといたしましても非常に申しわけないと申しますか、また御同情申し上げている次第でございますが、私どもといたしましては、この種の事故ができるだけ起こらないことを望んでおります。また対策といたしましても、できるだけ早く漏れが発見され、そして私どものほうへも御通知いただきまして、現場活動におきまして特に爆発の防止、すなわち、あらゆる火源になりますところの火気を早く停止していただく。また、危険が感じられます場合には、周囲の人たちに早く避難していただく。このような措置をとりたいと考えておりまして、これにつきまして現場活動をいかにすべきか。いままでの事故につきましてはかなり小さな事故が多かったのでございます。今度の事故に際しましても、当初出動いたしました部隊がかなり数が多いとは必ずしも申し上げられませんし、これらの体制につきまして今後も検討を続けていきたいと考えております。
#23
○竹田現照君 消防庁は、ガス漏れが起きたり火が吹いたりしたら消しに行くということですが、事前の工事査察、そういうことがいまの法令上は消防庁に何もないわけですね。そういう点で、東京消防庁あたり、事前査察ということについて消防庁にも権限が付与せられるということがあってもいいんじゃないかと思いますが、こういうことはどうですか。そして、これは対策本部の中に消防庁も入っていらっしゃると思いますけれども、そういう点は消防庁の見解として述べられておるのか、対策本部の中に。けさの新聞で拝見する中で、消防庁が所管することについてそういう問題について触れられておりませんけれども、そういう問題はどうなんですか。
#24
○説明員(永瀬章君) ただいま御指摘の事前の状況、あるいはその状況を知ることにつきましては、私どもといたしましても、現在のところ法的には権限が与えられておりませんが、いろいろな事故が各種各様に起こってまいります。今回の事故にかんがみまして、いままでも努力はしてまいりましたけれども、できるだけガス事業者の方たちと連絡を密にいたしまして、事前に、ガス配管の埋設状況、このようなものを御協力によりましてとりたい。
 次に、開さく工事を行なっておりますものがかなりございます。これの状況も、実のところ報告等の義務はございませんが、しかしながら、先ほど申し上げましたように、事故が起きますれば直ちに出動いたしましていろいろな措置に当たらなければなりませんし、また、先ほどは申し落としましたけれども、現状におきましても火気の停止あるいは避難等についての権限も多少ございますので、これらを行なうために、工事の状況あるいはそれの進捗状況、このようなものを御協力によって当面の間は事情を把握していきたい、かように考えております。
 なお、今後の法令改正等による権限の付与等につきましては、なお検討を続けてまいりたいと考えております。
#25
○竹田現照君 これは通産省のほうにお尋ねいたしますが、どうもこの間現地を調査をしましても、一時間前にガス会社は検査したと言っておりますね。いろいろとやってみると、検査をして三十分後ぐらいからどうもガス漏れなども起きたようなんですね。機械も見せてもらいましたけれども、検査をして三十分ぐらいあとにガス漏れが発生したと想定されて、それであれだけの大事故が起こったというのは、一体何を検査しているのか私は理解に苦しむわけです。どの程度の検査をしたのか。毎日やったというけれども、毎日はやっていませんね。そうすると、消防庁はかなり職員も第一線に配置して火災予防その他についてふだんからたいへんな努力をされていますけれども、消防庁なんかにもそういう権限というものを与えて、こういう事故の未然防止のために何らかの措置をすべきではないか、そういうふうに思いますけれども、いかがですか。
#26
○政府委員(馬場一也君) 最初にガス事業者が、今回もいろいろ大阪瓦斯の報告によりますと、当該個所につきましては毎日巡回点検をいたしておったという由でございまして、現に当日も、ただいま先生御指摘のように、事故の一時間前に、一時間にわたりまして、これは大阪瓦斯の本社におりましてこの種の経験を約二十年間にわたって持っております三十九歳の工手補が長になりまして、四名でパトロールしておる、こういうことに相なっております。その当時、何らの異常がございませんで、一時間の間にこれだけ多量の爆発を引き起こすようなガスが漏洩をしたということがなぜ起こったかということにつきましては、私どもきわめてわからない、現在最も疑問とする点でございまして、その辺のところを、今後の調査で十分――一時間の間にどういうことか起こりましたかということを早急に詰めてもらいたいと思っておるわけでございます。
 それからただいまの消防との関連で申し上げますと、昨日の本部の会議でも議論されたのでございますが、消防庁のほうに事前にこれらの配管の状況なり、工事の状況について、御連絡、御通報しておくということにつきましても、今後検討しなければならぬと思いますが、同時に、不幸にしてこの種の事故が起こりまして、消防庁なり警察なりがかけつけていただきましたあとの事故拡大防止のためのいろいろ通行人を遠ざける問題でありますとか、応急のさまざまの措置ということにつきましては、昨日の本部の会議におきましても、ひとつ全国各地でそういう事故を想定いたしましたときの相互の通報体制なり、あるいは現場におけるいろいろな作業のしかた等につきまして、できればひとつ今後訓練等を行ないまして、不幸にして事故が起きましたときの災害の拡大をできるだけ少なくするということについて、お互いにふだんから消防庁、警察のイニシアチブで訓練等を行なうということがいいのではないかということで、その具体案を消防庁なり警察なりのほうで御検討していただくということに相なっておるわけでございます。
#27
○竹田現照君 検討検討でまた事故が起きないように、早急に対策を練っていただきたいと、そう思います。
 そこで、時間の関係がありますから、二、三簡単にお尋ねしますからお答えをしていただきたいのですが、先ほど対策本部の総合対策として共同溝の問題が出ていますね。三十八年にできた共同溝の整備等に関する特別措置法が、何か伝えられるように、まだ十キロぐらいしかできていないそうですね。しかもこういう問題について一番だめだったのが、一番これについて抵抗したのがこの大阪で、特にまた企業の中ではガス会社が冷淡であった。こういうことも伝えられているわけですね。大阪でガス会社となると、大阪瓦斯なんです。一番冷淡だった。この会社がこんな一番でかい事故を起こしたわけですけれども、現行の法律がなぜできないのか。金がかかるとか、いろいろありますけれども、こういう点とあわせて、すでに法律があるはずですけれども、この総合対策としてその辺をどういうふうにお考えになっているか。
 それから科学技術庁に五年も前に都市ガス保、安整備勧告というものが出されているそうですけれども、これはお蔵になってしまって全然顧みられない。科学技術庁に、たいした権限のないところに勧告をされたこういう答申というものは、政府としてあまり重視していないんだと。まあ、しかし科学技術庁に勧告されていますけれども、本来は通産省がこの勧告にもう少し積極的に取り組むべき性質のものなんですね。それがお蔵にされているというようなことでは、私は非常に問題がある。いくらこんなものを審議会をつくっていろいろな勧告を得ても、何一つ実行されない。それで人柱が立ってはじめて何だかんだと騒いでみても、これは始まらないと思うのです。だから、事前にこういうものが出されているわけですから、ガス事業法の改正ばかりじゃなくて、こういう問題を真剣に取り組むべきことで、いま設けられている災害対策本部が抜本的に取り組むべき問題ではないか、そう思うのですが、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
#28
○政府委員(馬場一也君) 共同溝の法律ができましてから、御指摘のようにまだ全国的に見ますと非常に共同溝の実績が少ないわけでございます。特に大阪におきましては非常に少のうございます。この共同溝に特にガス管を収容します場合に、ガス事業者、特に大阪瓦斯が非常にこれに対して消極的であったという御指摘でございますが、私、大阪瓦期の場合、具体的にどういうケースであったか詳細に承知しておりませんが、共同溝にガス管を入れますについては、経済上の問題のほかに、先ほどもちょっと申し上げましたように、ガス導管防護対策会議でも指摘されましたような技術的な問題を詰めなければいかぬという点が数点ございます。たとえば共同溝にガス管を入れました場合に、その共同溝から枝管が出ますけれども、その枝管の貫通部と申しますか、共同溝を貫いて出る部分に特に荷重がかかってまいりますので、その部分におけるいわゆるガス漏れというのをどうやって気をつけるかという基本的な問題、あるいは共同溝の中に温度変化がございまして、その中にあるガス導管が膨張もしくは収縮してガス漏れを起こしたときの対策措置あるいはガス漏れがございましたときの緊急の警報あるいは緊急手段というような点、技術的な点が数点ございまして、これらを詰めて共同溝の問題を考える、こういう御指摘でございますので、これらの点を今後十分検討してまいりたいと思います。共同溝そのものには、これからガス事業者その他ともども抜本的な問題としまして前向きに対処してまいりたい、さように指導したいと思っております。
 それからパイプ・ラインの資源調査会の勧告に対する問題でございますが、これは四十年に資源調査会から科学技術庁長官に、さらに科学技術庁長官から関係の各省にもまいっておるわけでございますが、この報告が眠っておったわけでは決してございませんが、この報告の趣旨は、いわゆるただいまのような都市ガスの供給導管についてどうこうということが直接の問題ではございませんで、いわゆる京葉工業地帯あるいはそういう新規のコンビナート地帯における相互のいわゆる工場間の原料ガスのパイプ・ライン、これを計画的に設置しなければいかぬ。そのときにおけるいろいろな保安上の問題ということを主テーマにした勧告でございまして、若干、今回の地下鉄工事における防護方法その他というような即物的な保安問題を直接取り上げられておりませんので、今回の問題とはちょっと次元が違うのではないかというふうにわれわれ思っておるわけでございますが、ただ趣旨といたしましては、この報告に盛られましたパイプ・ラインをさまざま引きます場合の他工事、他のパイプ・ラインとの保安問題その他について十分注意しろという御指示につきましては、全くそのとおりであると思っておりますので、十分それらの精神を参考にいたしまして、いろいろ保安問題を考えておるわけでございます。決して眠っておったわけではございません。
#29
○竹田現照君 最後に、大阪でもちょっと感じたのですけれども、どうももうそろそろ責任のなすり合いがというか、言い方が悪いのですけれども、そういうような方向がちょっと感ぜられるのです。きのうの政府調査団のけさの新聞に出ておるようなことを見ましても、どうもそういうような気がしますけれども、今度だけは徹底的にその原因究明をして、その責任の所在というものを明らかにするように最大の努力をしていただくことに、政務次官強く私からお願いしておきます。
#30
○小柳勇君 この間の本会議の総理大臣の答弁を聞き、きょうまた局長の答弁を聞いて、その対策の問題で、時間がないようですから要点だけを質問していきたいと思うのですが、どうも一口に言いますと、悪いことばで言うと、その場のがれの、事件が起こってからこれこれこれと言いさえすれば、それで大体国民が納得するというような印象を受けるものですから、具体的にどうするかということを聞いておきたい。
 いま五つ言われた。総理も大体このようなことを言われたのですがね。第一から第四までは将来の問題ですね、これは。第五だけがいまのとりあえずの対策ですよ。したがってこの第一から第四までの、たとえば工法の変更、共同溝をつくるというようなこと。それからガス管の移設をすること。それから工事者にガス管の知識を十分訓練するということ。これはいますぐ必要であるにもかかわらず、長い将来でなければなかなか実効のあがらない問題です。そこで、このような対策は、いまやっておる工事には一体どういうふうに適用してまいるのか、これが一つ。この四つの問題をいまやっておる工事に対してどういうふうに具体的に適用してどういうふうに実施するのか。それは工事主体とそれから工事施工者と下請業者がありますから、現地の工事をずっとわれわれが想定してもたいへんな問題ですよ。言うのはやすくとも実施するのはなかなかたいへんです。現にもう地下鉄工事は方々で進捗しておりますから、その現在の工事にはどういうふうにこれを実施するのか。第一の工法の変更について、一体どれだけ費用が違いますか。オープンカット方式とシールド方式ではキロ当たりの工事費はどのくらい違いますか。それから共同溝をつくるにはキロ当たり一体どだれけ経費がかかりますか。ガス管を移設するといっても、地下鉄をつくるのにこのガス管を裏町を通ってまたもとのように引くには一体どのくらい工事費がかかりますか。それからガスの知識を訓練するということでございましたけれども、いますぐ人もおりません。現在の職員を早急に訓練しなければならない。これには一体政府はどういう対策をとりましたか。このような具体的なものをもう少しわかりやすく話されませんと、非常にこれは聞いただけではりっぱですよ。りっぱですが、現在もう工事が進捗しております。あすまた、きょうまた爆発事故が起こらないとも限らない。そういう問題について政府は一体どういうふうに考えるか。具体的に金の裏づけのないというような施策というものは口頭禅ではないかと思う。施工者は、はい、はいと聞きますけれども、それが下請のほうにいくと、実際金がかかりますからなかなかやらないでしょう。当面の問題の最後のほうの、ガス漏れを知る自動警報機を買う場合に、政府は一体警報機を買ってただで貸すのか、買う人にはその資金の金融上の保証をするのか。何か具体的なことをやりませんと、これは政府の通り一ぺんの国民に対する言いわけのような気がしてならない。この間の総理の答弁から私はそういう気持ちを持っております。この一問しか質問しませんから、具体的に答弁してください。
#31
○政府委員(馬場一也君) 当面、地下鉄工事が大阪はじめ各地で現に進行しております。これらのものにつきましては、御指摘のようにシールド工法にいま切りかえるわけにはまいりません。当面進行しております各現場の地下鉄工事につきましては、事件後すぐ第一回の対策本部できめられたことでございますが、それぞれの工事の主管官庁、地下鉄で申しますならば運輸省その他関係の各省庁が、とにかく現在進行中の工事に対して、いわゆるふぐあいがないかどうか総点検するように指示いたしまして、これは実行に移されております。と同時に、通産省といたしましては、ガス事業者に対しましては、現に進行中の他工事関連の工事につきまして総点検するように、全国の各ガス事業者に通達を出しまして、これも現在進行中でありまして、もしその間、総点検の結果、改善すべき事項があればそれを改善して、どういうふうに改善したかということを通産局に届け出まして、通産局はそれはそのとおり行なわれたかどうかということを、これもできるだけ実地について検証するようにという通達をガス事業者と通産局にいたしておりまして、現在進行中でございます。それからさらに昨日ガス導管防護対策会議のときも、学識経験者としてお入りいただきました東大の星埜先生はじめ四人の先生方に現地の工事そのものを御視察願いまして、現に行なわれておるこれらの工事の中で特にふぐあいな事項、改善を要すべき事項があるかどうかということについて、専門的な立場から御視察をいただき、きょうあすのうちにその御所見を各省と一緒に伺って、もし何か直すべき緊急問題があればすぐ手を打つつもりであります。緊急に、現在進行中の工事につきましては、そのようなことで各省をあげてやっておるわけであります。同時に、ただいま御質問のありました恒久対策というか、共同溝あるいは移設あるいはシールド工法等の場合にどれくらいの負担がかかるかという問題でございますが、これは私、それぞれ当該省庁でこれから具体的に御検討いただくことでありますので、正確にお答えできませんが、たとえばシールド工法につきましても、昨日、本部の御議論を聞いておりますと、比較的深い地点で地下鉄工事をやりますときはシールド工法をとるほうが安いという事例もあるようでありますが、比較的浅い地点でシールド工法を行いますときは、その土地土地の地形、地質等にもよりますけれども、いわゆる現在のオープンカット工法に比べて相当割り高につく。三割から五割くらい割り高につくというお話が当該省庁からありましたから、御報告申し上げます。
#32
○小柳勇君 補足ですけれどもね、これだけの大きなガス爆発が起こりまして、通産省としては、対策本部として特別に緊急要請でもしたようなことがございますか。
#33
○政府委員(馬場一也君) これは通産省といたしまして、先ほど申しましたこれから各省で検討すべき八項目、それぞれ具体案がだんだんできてまいりますと予算措置をお願いしなければいかぬ事項もそれぞれあるのではなかろうかと思っております。それらの問題を予想しながら、これの八項目については、検討の結果に基づいて前向きに対処していこうという基本的な考え方は本部できまっておるので、そういう問題がだんだん具体化してまいりましたならば、いろいろ予算的に要求をするというような問題も出てまいろうかと思うのであります。さしあたり通産省の分について考えますと、先ほど申し上げました八項目の中で、いわゆる保安監督体制の強化と申しますか、おもに人員の問題になろうと思いますが、そういう点もさらにわれわれは詰めまして、できるものならばひとつそういう点についてもなるべく早くそういう措置を講じていただきたいということを考えております。
#34
○小柳勇君 要望ですけれどもね。まず、総点検を始めておるようですけれども、そういうのがいつごろ大体見通しがつくのかということですね。それからあとオープンカット方式とシールド方式、これは専門家がやっておるのですから、簡単に、変更してもガス爆発はなくなりませんと、そういうものではないと思うのです。技術屋は技術屋のちゃんと見識を持ってやっておりますから。たまたま起こったからオープンカット方式をシールド方式に直すんだと言って国民の心をごまかすことはできぬと思う。だからオープンカットとシールド工法の一キロ当たりの単価でもいいから、いまおっしゃったように、深いところではシールド工法でやる、浅いところはオープンカット方式でやる、経済的な問題もありましょうから、そういうものを資料で出してください。共同溝をつくるのも、法律がありましても公共団体としてもなかなかたいへんなようです。これは技術的なものもありましょうけれども、早急に資料を出していただく。どこに隘路があるのか、法律はできたけれどもなかなか賛成しないという意見も、竹田君の言うとおり、私ども聞いておりますから。どういうところに隘路があるか、それを一つ一つそういうものを解決しなければ、いつまでも大都市のこういう事故はなくなりません。それは資料で出してください。
 それから最後のほうの自動警報機の問題も、下請に中小企業などがやっておりますから、それを自動警報機を買えと言っても簡単にいかない。たとえば炭鉱爆発のあとは直ちに政府が金を融資したりするように、これについては政府が特別に買ってやりましょう、買って貸しましょうとか、特別に融資しましょうとか、具体的にきめて、それをこの委員会に報告してください。
#35
○委員長(村上春藏君) 速記を止めて。
  〔速記中止〕
#36
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
#37
○浅井亨君 今月の二日の日に、私から保安の問題また工事をする場合の各当局との連絡の問題またガス管の戸籍の問題ということについて種々質問をしたわけでありますが、不幸にいたしましてそのような問題が五日後に起きたわけであります。まことに申しわけないと思うのでありますが、都市の開発は次々行なわれていきます。また開発されなければならないのであります。しかし都市の開発と同時に災害というものは必ず並行して起こるものだということは、人知の及ばざるところを考えますと、これは当然のことかと思われるわけであります。そこで、時間も過ぎましたし、先ほどから各委員の方々から細に入り微に入っての御質問がありましたので、私はそれに重複した質問をしたいとは思いません。ただ、私がいま感ずるところのものを総括して一言だけ質問さしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 それは、先日のあの問題は五時間前にもうガス漏れがあった。だから、近所の人にたばこを気をつけてくれと、こういうような話があったと、私はちょうどからだが悪くて堺のほうにおったので聞いたわけでありますが、先日質問いたしましたように、このガスの探知機というものはいろいろあるけれども、あの都市ガス、いわゆる一般ガスについての特種な探知機はないんだと、やはり一つの例を引いて私は質問したわけでありますが、そういうように、科学の進歩があるにもかかわらず、なぜこのガスに対して特殊ないわゆる探知機がないのだろうかと、これは私の古い頭から考えて、現在の科学の進歩の上から見るとまことに不審と思わざるを得ないのであります。人命の尊重といいますけれども、いわゆる共同溝をつくるとか、またはこうだとか、いろいろな方策はあるでしょう。しかしながら共同溝といっても、聞いてみれば一緒にすることは難事中の難事だと、なぜかならば、ガスというものはもしものことがあったならばそこの中に充満すると、こういうような話も聞きます。別のところにつくらなくちゃいけない。それと、先ほどの質問がありましたとおり、なかなか費用の点においてもたいへんだと、こういうようなお話も聞きますが、こういうところから見まして、もっと人命尊重を基本にするならば、この一般ガスについて特にその研究機関なり何なりをつくってやってよかったんじゃないかと思うのです。で、今日まであまりにもそういう点にルーズであったのじゃなかろうかと、こういうふうに思うわけであります。ガスなんかは、特に水、いわゆる上水下水とは違いまして、これは一つ違いますと今度のような大きな事故を起こします。人命をそこなうものであります。だから、一家庭の中におけるところのガス漏れというものはよく気がつくわけであります。しかし、大きなものになりますと、なかなか気がつかないと、こういうわけでありまして、いわゆるその責任感といいますか、そこに私は問題があると思うわけであります。それにつきましては、この工事をやるにあたりまして、監督官は常勤しておって、そうしてそれを検査していたということであります。しかし、五時間前からにおいがしたと、こういうことになりますと、これはほんとうに監督していたのであろうかなかろうか、あれほど爆発を起こす問題でありますから、もはやそれは気がつきそうなものだと思うのです。いわゆるにおいをかいでというあの話がありましたけれども、そういう点から見ても、パトロールにいたしましても何にいたしましても、いわゆる人命の尊重という、ガス自体の性質からいって、もっと真剣な態度で監督しなくちゃならないのじゃないか、そういう点で当局はよほどその指導監督をしなくちゃならないと、こういうふうに私は思うわけであります。
 次に申し上げたいことは、この工事でありますが、今後都市開発が進むにつれまして次から次へと工事が進むでありましょう。その工事に対しまして、下請、下請ということでだんだん下へ行ってしまうのじゃないかと、こういうような感じが非常にするわけであります。こういうことに対しても、もっと安く上がるだろう、早くできるだろうと、そういう方向ばかりに気を取られまして、そしてこのような災害が起こるんじゃないかということも、今後よくよく気をつけなければならない問題じゃないか、こういうふうに考えるわけであります。そういう点からいたしまして、このたびの、とうとい犠牲者を出しましたが、そのとうとい犠牲者に対します補償のことは、先ほどからも質問ありましたけれども、これはもちろんその遺家族に対し、また御本人の霊に対しましても、万遺憾ない対策を講じていただくことはもちろんのことでありますけれども、今後の対策こそは、真にその霊に対するほんとうのわれわれが行していくべき道ではないかと、このように考えるわけであります。こういう点からいたしまして、今後の政府のあり方、また担当である通産省の方々の御意見を伺いまして私の質問を終わりたいと思います。
#38
○政府委員(馬場一也君) 先生おっしゃるとおりでございまして、当事者のいろいろの保安意識の問題、それからそういう警報機その他の開発の問題等につきましては、まさに御指摘のとおりでございますので、私ども一そう当事者の保安意識の高揚ということに監督官庁といたしまして努力をいたしてまいりたいと思っております。また、犠牲になられました方々の補償につきましては、先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、責任の所在を究明することはもちろんでございますけれども、それらに応じまして、ひとつ当事者のほうから犠牲者に対する補償が十分に行なわれますように十分に監督指導してまいりたいと思っております。
 工事に関しまして下請をいろいろ使っていくという問題につきましては、通産省として申し上げる筋合いのことではございませんが、以上、保安意識の問題、補償の問題につきましてはそのように考えております。
#39
○委員長(村上春藏君) 簡単に願います。
#40
○浅井亨君 はい。下請の問題でありますが、ここで、その労務者の方々は出かせぎの方々が多いということであります。だから、よほどこのガスの問題は周知させていかなければならないと思うのです。何にしても五時間たって爆発した、こういうふうに私は現地で聞いておるのです。こういうことから考えますと、近所の人がたばこを気をつけろと、それで、パトロールはしている、どうもここに理屈が合わないんです。そういうところからしまして、近所の方々の意見といいますか、そういう知らず知らずの間に受けたところの感覚ですか、そういうものを、やはりその監督者であるものならば探知していくべきものじゃないかと思うのです。ただ、自分でにおいをかぐくらいのあんな危険きわまりないことをおっしゃっていましたけれども、よほど大きな工事をする場合には、その近所の人々の話の中から真実をつかんでいくという、そういう切実な気持があっていいんじゃないか、こういうふうに私は考えるわけで、そういう点をひとつ今後気をつけていっていただきたい。今後のために申し上げておきたいと思います。以上です。
#41
○赤間文三君 私はこのガスの爆発事故のところに二度ほど参りました。市役所に参り、またガス会社にも参っていろいろ実情を聞き、現地も二度ほど視察いたしたのでございます。本日局長から承りますと、連絡本部の会議で八項目をきめられたことは、非常に私は重要なけっこうなことである。これをぜひひとつ効果のあがるように積極的にやってもらうことが非常にいいことだ。ぜひ実効のあがるように、今後よく研究されて、内容は変わっても大体の本筋としてはりっぱな案である、これをひとつやっていただきたい、かように考えております。なおまた市役所、市長、ガス会社の幹部、それから現地にも聞きましたが、それから私の聞いたところでは、市役所にしてもガス会社にしても、なかなかよく努力をされている。私はなかなかよくやっておられることに敬意を表して帰ってきておる。ただ、私はしろうとでございまして専門のことはわかりませんが、二つほど痛切に考えておる。それは、今後、やっぱり都市でありますると、いろいろな大きな災害が、幾ら用心しておっても起こり得る。こういうときに、災害をできるだけ小さくするということが今後の一つの大きな問題である。今度の事故にいたしましても、あの事故が夜中の二時ごろ起こっておったならば、あんな何百人というような災害はなかったんじゃないかと私は思う。時間が五時二十分からガスが漏れるようなことがわかってきて、五時五十分ごろ爆発したと聞いた。ちょうどラッシュのときにひっかかったからあの災害が非常に驚くべき大災害になった。私が特に一つお願いしたいことは、質問よりお願いしたいことは、あぶないと気がついたらば、もう徹底的にマイクなり何なりで、ここはあぶないかもしれぬぞ、用心をしなさい、わからぬけれどもあぶないかもしらぬということを、現地で徹底させるということが非常に私は大事なことじゃなかったか。今度もやっぱりあぶないと思った人も相当おったんじゃろうと思うが、一般の人にそれの周知徹底方がどうも不十分じゃなかったか。今後においては、こういうふうなあぶないかもしれぬというときには、ひとつ思い切ってこれはあぶないかもしれぬというようなことを言うような、設備といってもたいしたことないと思うんだがね。マイクか何かがあり、まず作業員に、作業のうちで詳しい人があぶないと思えば、作業内で徹底するように、作業の従事員にあぶないかもしれぬから早く退避せいということを、それから外部の人に対しても、見ている人に、あぶないから早く退避せいということの周知徹底方をやったらば、災害がいまよりも少なくて済んだんじゃないか。こういうことを考える。この点について、将来ひとつこれは重大な――今度の事件については専門の、事業に関係のある人は、私が聞いたところでは四人か五人か、七十五人のうちの四人、五人というと、七十人というのは何も関係のない人が見物しておったのか、やじ馬ということばはあまりよくないから言いませんけれども、こういう事故で、特別の事故であることをよくひとつ御認識願いたいということが第一点。これはよほど私は大事なことに考える。
 もう一つお願いしたいことは、大矢委員がお話しになりましたように、低圧の管が長い間とめるとまた爆発をよけいするかもしれぬというので、長い間どんどんあれが出た。あれが私にはわからない。いま聞いて半分わかったような気もしますが、家庭の者にまず災害を起こすかもしれぬということ……
#42
○委員長(村上春藏君) 簡単に願います。
#43
○赤間文三君 私、三分間の予定だ。それで、この点はやっぱりああいう危険なものについては適当なところでとめられるというようなことをひとつ今後御研究になって、ガスが低圧であろうが高圧、高圧はもう……。低圧でも適当なところでとめられる。そうして周知方法を講じられる、これ二つが、われわれ技術者でないしろうとから考えると非常に重大なことじゃないかと思うので、この二つについて局長の――次官のほうから聞きますかな、御感想を。
#44
○政府委員(馬場一也君) 事故の拡大防止につきましては御指摘のとおりであると思いますので、昨日の連絡本部におきましても、こういう場合を想定いたしました日常の訓練、その他具体案を練ろうということでございますので、考えてまいりたいと思っております。
 それから低圧管の緊急停止につきましては、先ほど大矢先生にお答えを申し上げましたとおり、これを停止できるようなバルブをつけるという方向で検討してまいりたいと思っております。
#45
○委員長(村上春藏君) 本件についての調査は後刻に譲ります。
#46
○委員長(村上春藏君) 次に、機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#47
○竹田現照君 だいぶガスで時間を食ってしまいましたので、時間がありませんので、二、三お尋ねいたします。
 最初に、この法律ができました際の審議経過を会議録で読んでみますと、この法律の目的が、機械工業のいわゆる多品種少量生産をやめて、できるだけ専門化して良質なものをコストダウンさせるということ。そして生産された機械を中小企業の設備近代化に役立たせる。この二つが大きなねらい、目的になっておりますけれども、端的にどういう実効があがっているのか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#48
○政府委員(赤澤璋一君) この法律が施行されましたのが昭和三十六年でございますが、自来相当年数経過いたしております。この法律の経過をずっと見てまいりますと、たとえば契約いたしました企業数も、三十六年度の百二十二企業数から、昨年度、四十四年度には三百七十八というぐあいに、約三倍以上に増加をいたしております。また保険の件数でございますが、これあたりも三十六年度はわずか千三百件余りでございましたのが四十三、四年度におきましては一万三千件というふうに、非常にふえてきております。こういったことからいたしまして、やはり契約企業者いわゆる機械のメーカーあるいはディーラーでございますが、この面も、この保険を非常に活用いたしまして量産化を励んでおりまするし、またユーザーでございます、大部分中小企業でございますが、これあたりも年間一万三千件をこえる機械の購入がこの保険の施行によりまして非常にスムーズに行なわれておる。こういうことでございまして、私どもといたしましてはここ八、九年の間に保険といたしましては非常な成果をあげつつあるものと、かように考えておる次第でございます。
#49
○竹田現照君 この二つの目的のうち、どっちのほうを重視をするかというのはそのときの経済環境あるいは社会情勢によってウエートの置き方が違う場合もあり得る、そういうふうに当時お答えになっておりますけれども、この十年間、ウエートの置き方をどういうふうにされてきたのか。これはもう最近の経済環境、社会情勢に照らして、現実にはどういうウエートのかけ方をもってこの法の運用に当たっていかれるのか、この点ひとつ……。
#50
○政府委員(赤澤璋一君) 法律の第一条にございますように、この法律は中小企業の設備の近代化と機械工業の振興と、二本の目的を持っております。機械の面で申しますと、やはり機械自身が賦払いによって販売が行なわれておるということをまず前提といたしまして、そういったものがいわゆる普通の取引形態と申しますか、当該機械の通常の形態として売られつつある、また今後機械業者がそういう形態で売っていきたいという意図を持っておるという機械をまず対象といたしまして、三十六年度にはわずか四機種でありましたものが、現在では御承知のように二十五機種の指定をいたしておるわけでございます。こういったふうに逐年経済情勢に応じまして機械の範囲を広げてきております。こういった面が一つの面でありまして、この面からも機械工業の中で特に重要なものであり、また賦払い制度というものが実際その機械の販売になじんでおるというものを、私どもといたしましては積極的に取り上げてまいって機械の振興に役立てたいと考えておるわけでございます。一面、中小企業のほうは、先ほど来申し上げておりますように、当初わずか千件ばかりであったものがこの八年余りの間に一万三千件、十倍以上件数がふえてまいりまして、中小企業の近代化にたいへん役立っております。経済情勢によりましてというお話もございましたが、私どもといたしましては両々相まってこの法律の目的に沿うようにつとめてまいったつもりでございます。今後もこの両方の目的が兼ね備えられるように努力してまいりたい所存でございます。
#51
○竹田現照君 通産省から出ますこの法律にしてもあるいは今度出てくる情報の問題にしても、中小企業、中小企業ということをすぐ口に出しますが、まあ通りがいいのですけれどもね、この法律でいうところの中小企業というのは大体どの程度のものを対象にしているのか、わかったようなわからないような経過ですけれども、あらためてひとつここでお尋ねをしておきます。
#52
○政府委員(赤澤璋一君) この法律には特に中小企業の定義がございませんので、厳密な意味におけるいわゆる中小企業基本法等に定められております中小企業の定義ということには相なっておりません。実際問題といたしまして、この法律によりまして、保険をつけて購入をいたしました購入者――先ほど申し上げましたように昨年度でございますと約一万三千件余りをこえる購入件数があるわけでごさいますが――その購入者の比率をサンプルで調査をいたしてみますると、いわゆる厳密な意味で中小企業、つまり三百人以下あるいは五千万円以下の資本金のものというものが全体の九八%でございます。残りの二%はどの程度かということで、これもサンプルで調べてみますると、従業員千人未満、千人以下という企業が二%でございます。いわば中堅企業と申しますか、そういったことでございます。なお中小企業の内訳といたしまして、いわゆる零細企業、従業員二十人未満というのがどのくらいあるかということを、これもサンプルで調べてみましたが、先ほど申し上げました九八%のうち一七%余りがいわゆる二十人以下の零細企業というような区分けに相なっております。
#53
○竹田現照君 いまの御説明ですがね、私が資料としていただきました「包括保険契約企業の規模別分布状況」と、いまの御説明とは違うのかな。九〇何%というのとこの点は違うのですか。
#54
○政府委員(赤澤璋一君) ちょっと質問を私が取り違えて御答弁したかと思いますが、私は中小企業の設備の近代化という法律の面で、いわゆるユ−ザーとしての中小企業の比率を申し上げたわけでございます。いま先生の御指摘になりましたのはたぶん、この契約者が、一体中小企業がどのくらいあるかという資料で御質問になったのかと思います。契約企業で申しますと、中小企業の属する機械メーカー並びにディーラーが契約者でございますが、この面で申しますと、従業員三百人以下、資本金五千万円以下というのが全体の五四%に相なっております。
#55
○竹田現照君 そうすると衆議院のやりとりの中でもありましたけれども、いまのお答えはお答えとして、ほんとうの意味の零細企業がこの法律の恩恵をどの程度受けているか。たとえば二十人未満等については資料がないようなことのお答えが衆議院でされておりますね。そういう点の調査というのは事実上通産省としてはしていないんですか。
#56
○政府委員(赤澤璋一君) 衆議院の御審議の際にそういう御質問がございまして、実はそのときにはまだ調査ができておりませんので、いずれ調査を申し上げてというふうに御答弁しておったわけでありますが、そういった御指摘もございましたので、全体を調査する時間はございませんが、部分的に関係の企業等に頼みましてサンプル調査をいたしてみました。その結果をきょうここで御報告申し上げたいと思いますが、まず契約者の面で申しますと、いわゆる機械のメーカー、ディーラーでございますが、これは二十人以下の小規模事業者が全体の九%でございます。それから購入者、機械を買いますほうの面で申しますと、先ほどもちょっと申し上げましたが、全体の九八%の中小企業のうちで従業員二十人未満の小規模事業者が一七%、それが私どもとりあえずサンプルで調査いたしました結果でございます。
#57
○竹田現照君 両方ともほんとうの意味の小さいところは、率からいって非常に低いわけですが、その論議はちょっと時間がありませんからやりませんが、その資料をあとで出してください。
 それから経済企画庁の機械発注実績調査によると、機械受注が昨年からことしの三月にかけて連続して減っておる。このことと今度のこの保険制度とはどういう影響が生ずるのか、全然そういうことは心配ないのか、この点はどうですか。
#58
○政府委員(赤澤璋一君) いまお話しの機械受注でございますが、いわゆる船舶を除く民需というので統計をとってみますと、いま御指摘のように十一月、十二月、一月とそれぞれ対前月の伸び率が減になっております。これは季節修正値でございますが、ところが最近出ました報告によりますと、二月におきましては電力と鉄鋼の発注が大幅にございまして、二月は対前月比三六・四%の増ということで、非常な増加でございます。電力と鉄鋼業を除きましてもなお二月におきましては前月比四・一%の増加というのが、実はごく最近出ました統計数字でございます。こういったことから経済企画庁等におきましても依然としてやはりまだ内需と申しますか、国内需要は堅調であるという判断をいたしたようでございます。いずれにいたしましても、こういったような機械の受注の動きとこの割賦保険の制度の運用とはやはり関係があるようでございますが、一口には申せませんが、機械受注の全体が減ってまいりますと、やはり割賦にかかる機械の分も総体のワクの中からやはり減少に向かうということは考えられることだと思います。ただ、これとは若干関係はございませんが、現在のような金詰まりと申しますか、金融引き締め下にございますと、私どもは、むしろ金融引き締め下におきましては、従来現金で買っておりましたユーザーも漸次割賦で機械を購入するというふうになってくるのが全体の趨勢ではないか、かように考えておりまして、その面から申しますと、現在の金融引き締め下におきましては、やはり割賦販売がふえ、したがってこの二十五機種に関しまする限りこの保険が有効に増加をしていく、こういった傾向が見られるのではないかと考えております。
#59
○竹田現照君 次に、支払い保険金がここ数年、四十年、四十一年をピークにして、ずっと減ってきておりますね。これはあれですか、景気がよくなったということだけが原因になりますか。
#60
○政府委員(赤澤璋一君) 御指摘のように、保険金の支払い額は四十一年度の六億七千九百万円を最高といたしましてずっと減ってまいっております。この点につきまして、私ども特に保険金の支払いにつきまして制限を加えるというようなことは一切いたしておりませんので、先生がいま御指摘のように、いわゆる景気の動向と関係あるものと考えております。
#61
○竹田現照君 今度のこの法律改正案を出された背景に、日本機械工業連合会からこういうローンつき販売に対して云々というような要望が四十五年度の新政策に関連して出ておりますけれども、こういう業界からの意見は出ていますが、利用者側である中小企業等の意見というものはどういう形で吸い上げておるのですか。
#62
○政府委員(赤澤璋一君) 利用者側でございます中小企業者の声でございますが、実際問題として非常に多数の分野に分散いたしておりまして、これらを一まとめにした団体というものは特にないわけでございます。これらの声を聞くにつきましては、私どもかなり意を用いたつもりでございまして、特に中小企業庁並びにこれらの意見を大体普通とりまとめております商工会議所の意見をいろいろと聴取をいたしました。また個別には、現在すでに機械類の割賦購入をいたしておりまして、この保険を利用してユーザーになっておる中小企業者等にも意見をただしましたが、今後こういったローン保険というものが出てくることが非常に望ましい、自分たちとしても今後引き続き割賦で機械を購入したいと考えておるので、そういった場合に、従来の割賦保険のほかにさらにローン保険ができるということはきわめて好ましいという意見を、現在の割賦保険を利用いたしております中小ユーザーから聞いております。こういったことを総合いたしまして、やはり今回のビジネスローンを対象といたしましたローン保険をやることがやはり中小企業者の要望にも沿うのであろうと、こういう確信を持った次第でございます。
#63
○竹田現照君 いま御説明願ったようなことは、あれですか、一目わかるような何かあるのですか、こういう機械工業連合会から出ておる要望書のようなもの。商工会議所に聞いたとかユーザーに聞いたとかいうのは……。
#64
○政府委員(赤澤璋一君) 特にいま申し上げたように、ユーザーが非常に多くの分野に分散をいたしておりまして、まとまったこれらの団体というものが特別にございませんので、いま日機運からの要望書のようなものはございませんが、ただ日本商工会議所からこういった保険制度についてはかねがね意見を出しております。こういった意見を背景といたしまして、書きものとしては、この保険法がかかっております今年に入りましてから、特にこの保険制度が中小企業の設備の近代化に役立つものであり、また取引の実態に照らして非常に有効であるからぜひこの法律の制定を今国会においてすみやかにされるように努力方要望したい、こういう要望書がまいっております。
#65
○竹田現照君 この法律が通って機械販売の伸びというのはどの程度見込まれますか。
#66
○政府委員(赤澤璋一君) この点は法律を立案いたします際に、関係の業界等にもいろいろと調査をいたしました。昨年の七月でございますが、こういった調査から推定をいたしまして、四十五年度におきましては、大体ローン保険に付保されます機械の販売額はほぼ百億円程度ではないだろうかと、かように一応の推定をいたしております。
#67
○竹田現照君 それでは、この保険料の収入についてお尋ねしますけれども、ずっとこの資料を見ますと、保険料収入の見込み額と実績は必ずしもとんとんになっていませんね。かなり減ってますね。四十二年が一億九千万、約二億円に対して一億一千万、四十三年が二億九百万に対して一億二千五百万円、四十四年が一億九千万、約二億に対して一億五千万。そうすると、四十五年の二億という見込みと実績はどういうことになりますか。
#68
○政府委員(赤澤璋一君) いまお示しのように、大体過去数年間の実績は一億三千万円前後といったような数字でございます。当初の見込みと申しますのは、やはり予算を立てます時期、四十五年度で申しますと昨年の七、八月ごろに大体四十五年度いっぱいの機械生産の見込みをまず立て、それからいろんな指標を引っぱり出しまして、当該二十五機種に関する生産の規模をほぼ想定し、また景気の動向等にもよるわけでございますけれども、その中での保険の比率、こういったものがどのくらいあるかというような想定をし、いろいろな想定数字を組み合わせまして、まあ四十五年度で申しますと昨年の八月段階に、予算要求の基礎数字をつくるわけでございます。そういったような基礎数字をつくりました上で、予算折衝を経て保険の全体の予算がきまってまいるわけでございますので、若干その辺の見込み等につきましては、たとえば四十四年度におきましても景気が相当いいというふうに見込んでまいりまして考えたわけでございまするが、さらにそれ以上景気が非常にようございまして、御承知のようにたいへんな好景気でございますので、どちらかといえば現金購入のほうがふえて、保険のほうは実は考えておったよりもふえなかったというような結果になったわけでございます。四十五年度に、いまお話がございましたように、私ども三億円という想定をいたしました。これはある程度現在の金融引き締め措置が続くというようなことも考えまして、四十五年度においてはややそれよりも多いのではないか、こういったような感じで昨年の八月段階において想定をいたしました数字でございます。現在若干見直しておりますが、現在の見直し段階ではやはり実態面におきましてはこの予算要求段階よりも幾らかこれは下めになるのではないか、いまの段階ではそういうような感じを持っておる次第でございます。
#69
○竹田現照君 それじゃローン販売についてお尋ねをいしますが、四十五年度はこの五百億のうち約一割の五十億円がローン融資に想定されていると、こう言われていますね。それと、保険の支払い限度が三億六千万円ですか、そのうちローン分が六百万円、この金融機関のワクというのは、これはどういうふうになるんですか。最初からきめておくのですか。銀行がたくさんあるわけですが、その点の調整というものは、一行なら一行に片寄るというようなこと、一行と関係をするメーカーその他との間に片寄るというようなことはあり得ないですか。その金融機関の融資のワクというものはどこで調整するんですか。
#70
○政府委員(赤澤璋一君) これはもう先生御存じのように、この制度そのものがいわゆる保険でございますので、まあ言ってみれば、私どもとしては受け身の立場でございます。したがいまして、機械メーカーのほうが、取引のある銀行とまずローンに関します基本契約を結びまして、その基本契約の金額の範囲内におきましてそのローン販売をする。その際に売りました相手先から保証の依頼がまいる、その保証についてその保険をかけてまいる、そういう仕組みになっております。そういうことでございますので、一々こういった二十五機種のメーカーが、どういったような金融機関に対して、どのくらいの金額でローン保険を実施してまいるかということにつきましては、実は私どもとしては先ほど来申し上げておるように受け身の立場でございますので、いわば利用者が出てくるのを待っておる段階でございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、この制度を立案いたしますに際しまして、昨年の七月あたり調査をいたしましたいわば希望見込み等からいたしますと、ローン保険を制定いたしましたならばこれを利用したいと言っておるものが約百五十社余り希望もございまするので、金融のワクということは別といたしまして、相当程度この制度の実施後いわゆるローン販売というものが行なわれてくるように私ども考えておる次第でございます。
#71
○竹田現照君 時間がありませんからあれですが、この間林委員からもこのローン資金融資の問題について、あるいはこの制度の利用について、少し積極的なPRをしなくちゃいけないだろうというようなことも言われていましたけれども、それからこの金融機関の融資先への信用調査、これはまあないというような、私の聞き違いであれば別ですけれども、それはやらないのだというようなことを言っていましたけれども、金融機関の性格からいって、そういうようなことが全然行なわれないということはちょっと考えられませんけれども、そういう場合に、実際に行なわれた場合に、金融機関の面からの制約というものが実際に出てくる心配がほんとうにないのかどうか、この点はひとつあらためてお聞きしたい。
#72
○政府委員(赤澤璋一君) いまお尋ねの点につきましては、まず第一点の問題でございますが、この制度を立案をし、実施をしたいというにあたりまして、全国銀行協会その他銀行の各種の団体において、こういった制度を実施するにあたっての、何と申しますか、意見の聴取をいたしております。で、いま銀行のほうの御意見は、いままでビジネスローンと申しますものが、大体業務用の電化製品を中心に始まってまいりまして、逐年これがふえてきております。それに加えまして、ここ一、二年、ごく最近でございますが、こういったような設備機械においても、ビジネスローンをやりたい、こういうことで、銀行側としては、むしろビジネスローンという制度を積極的に、いわば市場開拓と申しますか、進めてまいりたいという意向を持っておるような意見の表明を承っております。それに加えまして、このような制度ができ上りますと、銀行としてもある程度安心すると申しますか、ビジネスローンの開設ができるわけでございまするので、非常にこの制度の拡大を希望いたしております。
 第二点の、いまのユーザー側について、特にユーザーの九七、八%が中小企業でございますので、銀行側がそちらの面でも信用調査をするのではないか、こういう御質問でございまするが、こういう点につきましては、やはり銀行は、まずビジネスローンの基本契約を結びます。機械メーカー、これについてはもちろん十分な調査もし、日ごろの取引がございますので、信用上の意見があろうかと存じまするが、そこが保証いたしまして、機械を売った先にお金を貸すということでございまするが、その点につきましては、特に売り先の中小企業についてまで調査をすることはないということをはっきりと私どもには言明をいたしております。また制度の仕組みそのものが、やはりそういったことでございますので、いま御心配のように特に売り先の中小企業についてとかくいろいろな調査をしたり制限をしたりということはいたさないものと私ども考えております。
#73
○竹田現照君 そのほかいろいろとお尋ねしたいのですけれども、制約をされましたから、最後に
 一つお尋ねしますが、改正法による新しい年度の契約、これはどういうふうに運ばれるのですか、このローン利用を含めまして。
#74
○政府委員(赤澤璋一君) この制度ができ上がりますと、やはり広く関係の中小企業の業界、さらに契約者でありまするメーカー、ディーラーまた銀行筋、こういったところにこの制度の趣旨を、まず十分に徹底さしてまいりたいと思います。その趣旨の徹底の結果、メーカー、ディーラーのほうにおきまして銀行との間でローン基本契約というものが成り立ってまいりますと、それに従って私どものほうに保険契約書の提出があります。私どもといたしましては、こういったことで、従来の割賦販売に加えてさらにローン販売ができる、いわば販売の様式が多様化をするということで、メーカーのほうもぜひそういうことをやりたいという積極的な意図を持っておりまするので、おそらくこういった制度ができ上がりますと、私どもの普及についてのPRと相まちまして相当の期間内にこのビジネスローンに関する保険契約が成立してまいると、こういうことになるものと考えております。
#75
○浅井亨君 時間もありませんので、ただ一つ二つお聞きしたいと思います。
 それはこの保険約款ですが、この第八条の中の「使用人の」「重大な過失」とこうあります。「重大な過失」というのは具体的に言いますとどういうことなんでしょうか。
#76
○政府委員(赤澤璋一君) これはいままであまり例がございませんので、私ども具体的にどうかということは――たとえば代金を支払います場合、そういったものの使用人がその代金を持ち逃げをしたとか云々とかいうようなことがもしあればやはり問題ではないかと思います。従来、実は例がございませんので、あまり具体的な例に実は当たっていないわけでございます。
#77
○浅井亨君 盗難ということがよくあるのですが、盗難は、これは重大問題で、過失になるのじゃないかと、こういうふうに思うのですが、盗難の場合はどうなりますか。
#78
○政府委員(赤澤璋一君) 約款上の過失といっておりますのは、契約相手方である機械メーカーのほうでございますが、盗難といいますのは買ったほうの機械が盗難にあったと、こういうようなことを御指摘になっていると思いますが、こういうこと自身で別に保険金を支払わないということはございません。盗難という理由でもって保険金の支払いをしないということにはならないと考えております。
#79
○浅井亨君 具体的に申しますと、埼玉県の戸田市下笹目ですか、この埋め立て現場から小松製作所のD50型ブルドーザーが三月十四日から十七日の間に盗難にあっているのですが、これはどういうふうになりますか。
#80
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまの具体的ケースはわかりませんが、その購入者が盗難にあったために、いわゆる機械の割賦販売代金が支払えなくなる、その支払いが不能になる、こういったことで事故が発生をするという結果であろうかと思います。そういった場合に、いわゆる賦払いの金が払えなくなりました原因が盗難であったからということでもって、いわゆる事故に対する保険金の支払いをしないというようなことはございません。いずれにしても賦払い金が払えなくなったということで事故が発生すれば、その原因のいかんを問わず保険の契約があれば保険金の支払いをいたします。
#81
○浅井亨君 補償はあるということですね。
#82
○委員長(村上春藏君) 他に御発言がなければ、これにて本案についての質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。よって、本法律案についての質疑は終局いたしました。
 本案についての審議は後刻続行いたします。
    ―――――――――――――
#84
○委員長(村上春藏君) 再び産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。
 この際、竹田君から発言を求められております。これを許します。竹田君。
#85
○竹田現照君 私は自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党各党共同提案による他工事施工に伴うガス導管の事故防止に関する決議案を提出いたしますので、御賛同を願います。
 案文を朗読いたします。
   他工事施行に伴うガス導管の事故防止に関
   する決議(案)
  今次の大阪市における地下鉄工事現場のガス
 爆発事故の発生により、一般住民にも多数の犠
 牲者を出したことは、極めて遺憾とするところ
 である。
  今次の事故発生にかんがみ、政府は他工事施
 工に関連するガス爆発事故の再発を防止する等
 のため速やかに次の施策等を講ずべきである。
 一、今次の大阪市におけるガス爆発事故につい
  ては、その原因究明を図ること。
 一、今次の事故によって生じた犠牲者の遺家族
  及び被災者に対し、今後の生活に不安なから
  しむるように、補償その他について十分なる
  対策が講ぜられるよう万全を期すること。
 一、今次の事故発生にかんがみ、特に地下鉄工
  事等の他工事に関連するガス導管の保安につ
  いて、総点検の実施を図ること。
 一、改正ガス事業法の施行に当たっては、都市
  環境の変化を考慮し、改正法の趣旨である保
  安の確保に万全を期するため、今次のような
  事故の防止に関し所要の規定の整備を図るこ
  と。
  右決議する。
 以上です。
#86
○委員長(村上春藏君) ただいまの竹田君提出の決議案に対し、賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって、竹田君提出の決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、宮灘通産大臣から発言を求められております。これを許します。宮澤通産大臣。
#88
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの御決議に対しましては、政府といたしましてその御趣旨を尊重して施策を進めてまいりたいと存じます。
#89
○大矢正君 ただいまの大臣の答弁に関連をして議事進行をかねて若干発言をいたしたいと思いますが、差しさわりのある個所もあっては困りますので、委員長のほうにおいて速記をとめてもらいたいと思います。
#90
○委員長(村上春藏君) 速記をとめて。
  〔午後零時五十八分速記中止〕
  〔午後一時二十分速記開始〕
#91
○委員長(村上春藏君) 速記を始めて。
 再び機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本件については先ほど質疑は終局しておりますので、これより討論に入ります。
 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 機械類賦払信用保険法の一部を改正する法律案を議題に供します。
 本案に賛成の諸君の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#93
○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#95
○委員長(村上春藏君) 次に、輸出保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、続いて政府委員から補足説明を聴取いたします。宮澤通産大臣。
#96
○国務大臣(宮澤喜一君) 輸出保険法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 近時わが国経済の急速な発展に伴って海外資源の確保が緊要となっている一方、内外の経済環境の変化に対応して、わが国企業の活動の場を広く海外に求めることが必要となってきており、このため海外投資の積極的な促進が要請されております。
 また、南北問題の進展と、わが国の国際的地位の向上に伴い、わが国に対する経済協力拡充の要請は一段と強まってきておりますが、海外投資は効果的な経済協力政策の一つであり、この面からもその必要性を増しております。
 わが国としては、このような要請にこたえるとともに、外貨の有効活用という見地からも海外投資の積極的促進をはかる必要があります。
 海外投資保険制度は、海外投資に伴って投資者がこうむる政治的危険の負担を分散し、軽減することにより、海外投資を円滑に行なわせることを目的とする制度でありますが、現行の制度は、今日の国際環境下におけるわが国経済の実態に十分対応し切れない点があり、国際的にも立ちおくれている面がありますので、かねてより各界からその拡充、改善を強く要請されていたのであります。
 このような実情にかんがみ、現行の輸出保険法に所要の改正を加えることとし、本改正案を提案した次第であります。
 次に、改正法律案の概要を御説明いたします。
 改正点の第一は、付保対象の範囲の拡大であります。
 現行法におきましては、付保の対象となる投資元本は、株式その他の持分に限られておりますが、これに加え合弁企業等に対する長期貸し付け金、合弁企業の発行する社債及び海外直接事業を新たに付保の対象とすることといたしました。また、投資利益につきましても、配当金に加えて長期貸し付け金及び社債の利子を付保の対象とすることとしております。
 改正点の第二は、担保危険の拡大であります。
 現行法におきましては、投資元本については担保危険は戦争危険と収用危険に現定されておりますが、今回投資元本の回収金について、為替制限等の送金危険も担保危険とするよう改正することといたしました。また、投資利益につきましても送金危険に加えて戦争危険及び収用危険を担保危険とするよう改正することとしております。
 改正点の第三は、てん補要件の拡大であります。
 現行法におきましては、被投資企業が解散するかまたは投資者がその持ち分を処分することを保険金支払いの要件としておりますが、この要件を緩和し、被投資企業について事業の継続不能等の事由が生じた場合には保険金を支払い得ることとしております。
 改正点の第四は、てん補率の引き上げであります。
 現行法におきましては、てん補率は七五%となっておりますが、今回これを九〇%に引き上げることとしました。以上のほか、保険金算定方式の合理化、海外投資元本保険と海外投資利益保険の一元化等所要の改正を行なうこととしております。
 以上が今回の改正の概要であります。
 何とど慎重御審議の上、御替同下さいますようお願い申し上げます。
#97
○委員長(村上春藏君) 後藤貿易振興局長。
#98
○政府委員(後藤正記君) お許しを得まして、本法案に対する若干の補足説明を申し上げます。
 海外投資保険は、昭和三十一年に創設され、翌三十二年に海外投資元木保険と改称されるとともに、新たに海外投資利益保険が設けられて現在に至っているものであります。
 その利用状況を見ますと、昭和四十三年度末までに海外投資元本保険が件数にいたしまして三百五十二件、保険金額にして二百二億八千九百万円、海外投資利益保険に至っては、件数にしてわずか四件、保険金額にして八百万円という低い水準にとどまっております。
 このように海外投資保険制度の利用が低位にとどまっているのは、現行制度の内容が必ずしも現実の必要に適合していないことによるものと思います。
 しかるに、近時海外投資の必要性が増大するとともに、海外投資保険制度の重要性が認識されるようになり、各界からの拡充、改善を強く要請されてまいりました。このような実情にかんがみ、政府といたしましては、今回御審議いただきます改正法案を提案した次第であります。
 まず、改正点の第一であります保険対象の拡大についてでありますが、投資受け入れ国である発展途上国におきましては、外資の持株比率について制限を加えております場合が多いにもかかわらず資本蓄積が乏しく、また金融市場も確立しておりませんために必要な資金を現地において調達することが困難な場合が多々あります。このため、合弁企業等に対する長期貸し付け金、合弁企業の発行する社債を新たに保険の対象とするほか、資源開発投資等におきまして近時重要性を増しつつあるいわゆる海外直接事業も新たに保険の対象に加えることといたしました。また投資利益につきましても、投資元本について長期貸し付け金、社債を対象に加えることといたしましたことに対応して、これらの利子を保険の対象とすることとしたわけであります。
 第二の担保危険の拡大についてでありますが、従来は投資元本と投資利益におきまして担保危険の範囲が異なっておりましたが、投資元本、利益のいずれにつきましても欧米諸国並みに、戦争危険、収用危険、送金危険のいずれも担保危険とすることとしました。また、この結果、従来のように海外投資元本保険と海外投資利益保険の二本建てとする必要がなくなりましたので、これを一本化して、海外投資保険とすることとしております。
 第三に、保険金の支払い要件を緩和することといたしましたのでありますが、現行の海外投資元本保険においては、戦争、収用等の事由が発生した場合、被投資企業が解散することあるいは、投資者がその持ち分を処分することを保険金支払いの要件としております。しかしながら、このような「解散」、あるいは「持分処分」というような当事者が決定し得る行為を保険事故といたしますことは、保険事故の偶然性、支配不可能性を前提といたします保険理論の立場から見ても疑問のあるところであります。また、このような要件を付することにより、一方におきましては非常危険により重大な損害を受けたにもかかわらず再建を行なおうとする企業に対しましては、救済の道を閉ざすこととなりますのに対しまして、他方では被害をかぶった場合に直ちに投下資本の引き上げを行なうような投機的色彩の強い企業に対しましては、容易に救済の道を開くという結果となり、わが国の発展途上国に対する経済協力という面から見ましても問題があります。このため、今回被投資企業につきまして、戦争等の非常危険により事業の継続不能等の事由が生じました場合には、必ずしも、解散したり、持分を処分しなくても、保険金を支払い得るよう改めることとしたのであります。
 第四のてん補率の引き上げにつきましては、現行のてん補率が七五%と国際的に見て低い状態になっており、これが従来海外投資保険制度の利用率を低くしていた大きな理由でありますので、諸外国の制度も比較検討いたしました結果、これを九〇%に引上げることといたしました。
 第五に、現行の海外投資元本保険においては、保険金額から年々の配当金または配当見込み額のいずれか多い金額の半額を控除していくいわゆる元本逓減方式をとっておりますが、投資者の負担軽減の立場からこの方式を廃止することとしております。
 以上簡単ではございますが、若干の補足説明を申し上げました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
#99
○委員長(村上春藏君) 本案についての質疑は後日に譲ります。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#100
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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