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1970/04/23 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第15号
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1970/04/23 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第15号

#1
第063回国会 商工委員会 第15号
昭和四十五年四月二十三日(木曜日)
   午後零時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     須藤 五郎君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         村上 春藏君
    理 事
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                山本敬三郎君
                竹田 現照君
    委 員
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                植木 光教君
                平泉  渉君
                八木 一郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                林  虎雄君
                浅井  亨君
                矢追 秀彦君
                田渕 哲也君
   衆議院議員
       発  議  者  海部 俊樹君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        内田 芳郎君
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省公益
       事業局長     馬場 一也君
       中小企業庁次長  外山  弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   参考人
       大阪市助役    下村  進君
       大阪市交通局長  黒田 泰輔君
       鉄建建設株式会
       社社長      大石 重成君
       大阪瓦斯株式会
       社社長      西山  磐君
       大阪瓦斯株式会
       社理事営業部次
       長        藤田 彰男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○電気工事業の業務の適正化に関する法律案(衆
 議院提出)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
 (大阪市におけるガス爆発事故に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 四月二十日、須藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村上春藏君) この際、衆議院議員海部俊樹君外七名提出の電気工事業の業務の適正化に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員海部俊樹君。
#4
○衆議院議員(海部俊樹君) 電気工事業の業務の適正化に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、国民生活の高度化によって各種の電気用品が広く普及し、家庭の電気の使用が著しく増大するとともに、家屋構造の変化、屋内配線技術の革新等と相まって一般家庭等に設置される一般用電気工作物は、著しく複雑化、大型化してきております。これに伴いまして、一般用電気工作物の保安の確保の必要性は、ますます高まっているのであります。
 現在、これらの一般用電気工作物に関する保安の確保をはかるための法律的措置としては、電気用品取締法によって配線材料等に関して必要な規制を行ない、電気工事士法によってその設置の作業に従事する者の資格及び義務を定めているほか、電気事業法においても保安上必要な規制を行なっております。
 しかしながら、一般用電気工作物の設置者である一般国民は、通常、電気工事に関する専門的な知識に乏しく、その設置の工事を行なう電気工事士をみずから監督指導してその安全性の確保をはかることができないのが実情であり、また、電気工事士は通常電気工事業者の従業員としてその作業に従事しているため、電気工事業者の規制を行なっていない現行法の体系は、遺憾ながら一般用電気工作物の保安を確保するため十分であるとは言いがたい状態にあります。
 したがって、一般用電気工作物による災害の発生の防止に万全を期するためには、一般国民から依頼を受けて電気工事士を使い電気工事を行なう電気工事業者の責務を法律上明らかにする必要があるのであります。
 ここに提出しました電気工事業の業務の適正化に関する法律案は、このような最近の事態に対処して一般用電気工作物の保安の確保をはかることを目的としているものでありまして、このため電気工事業を営む者の登録及び主任電気工事士の設置その他の業務の規制を行ない、電気工事業を営む者の業務の適正な実施を確保しようとするものであります。
 次に、本法案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、電気工事業を営む者の登録に関する規定であります。
 すなわち、電気工事業を営む者は、通商産業大臣または都道府県知事の登録を受けなければならないこととし、何人も登録を受けないで電気工事業を営むことを禁止したことであります。
 第二は、電気工事業者の業務に関する規定であります。
 電気工事業者は、その営業所ごとにその業務にかかる電気工事の作業を管理させるため、電気工事士免状の交付を受けた後、電気工事に関し三年以上の実務経験を有する等その職務を遂行できる要件を備えた電気工事士を、主任電気工事士として、置かなければならないこととするほか、電気工事士以外の者を電気工事の作業に従事させることの禁止、電気工事業者でない者に電気工事を請け負わせることの禁止、電気用品取締法による所定の表示が付されていない電気用品の使用の禁止、必要な器具の備えつけ、標識の掲示、帳簿の備えつけ等の規定を設けて、業務の適正な実施を確保させることとしております。
 第三は、苦情の処理のあっせん等の規定であります。
 通商産業大臣または都道府県知事は、その登録を受けた電気工事業者と注文者との間の電気工事に関して生じた苦情の処理のあっせん等につとめなければならないこととしております。
 そのほか、危険等防止命令、登録の取り消し、報告の徴集、立ち入り検査等の監督、手数料、罰則等所要の規定を設けたことであります。
 なお、建設業法の適用を受けている建設業者には、本法案の登録及び登録の取り消しにかかる部分の規定は適用しないこととするとともに、その者が電気工事を営むときは、本法案の登録を受けた電気工事業者とみなして、本法案の業務、監督等の規定を適用することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(村上春藏君) 本法案についての質疑は後日に譲ることにいたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(村上春藏君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、大阪市大淀区において発生したガス爆発事故に関する件につき調査を行ないます。
 本日は、本件について大阪市助役下村進君、鉄建建設株式会社社長大石重成君、大阪瓦斯株式会社社長西山磐君、以上三人の方々に参考人として御出席をいただいております。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。参考人の皆さんにおかれては、現在きわめて御多忙の中と存じまするが、国政審議のため御協力をいただき、感謝申し上げる次第であります。
 なお、議事の進め方でございまするが、初めに各参考人の方々から十分程度ずつ御報告を述べていただき、続いて委員からの質疑に答えていただくことにいたしたいと思います。
 それではまず下村参考人からお述べを願います。
#7
○参考人(下村進君) 私、大阪市の助役の下村でございます。
 本日はたいへんお忙しい中を私ども現場のお話をお聞き取りいただくことになりまして、まことにありがとうございました。たいへん感謝にたえません。委員長からお話がありましたように、去る八日に私どもの地下鉄の現場でガス爆発が起こりまして、多数のなくなられた方、負傷された方、家屋を失われた方、たくさんの被災者を出しまして、大阪市長といたしましてはまことに恐縮する次第でございまして、心からおわびを申し上げる次第でございます。なお即刻その晩には通産大臣、翌朝には建設大臣、また国会の多数の方々からお見舞いをいただき、また現地の御視察をいただきまして、たいへん御心配をおかけしまして、お礼やらおわびをあわせて申さしていただきたいと存じます。
 災害の起きました状況並びにその後私たちがとりました、あるいは現在とりつつあることにつきまして、概要を御説明さしていただきたいと存じます。
 四月八日の午後五時十五分過ぎに大阪市の大淀区の地下鉄現場で、鉄建建設株式会社の施工しておられる二号線の現場で掘さくしたる坑内につるされておりますガス管からガス漏れが始まりました。工事現場の作業員の通報によりまして大阪瓦斯の緊急車の御出動を願ったのでございますが、それに引火をしまして約三十分後の五時四十五分に大爆発が起こりまして、なくなられた方が現在まで七十八名、負傷された方が重軽傷合わせまして三百九十六名、全焼家屋が二十四戸四十八世帯、半焼家屋が六戸十五世帯、そういうふうなばく大な被害が起こったのでございまして、大阪市といたしましては、まず直後に何をおいても消火に専念しますとともに、すぐ災害対策本部を設置しまして、死傷者の方の救出、被災者の救援ということに全力を傾注いたしました。遺憾ながら夜のことでありますし、また事件が非常に大規模でございましたために、被災者の方々に十二分の手当てができなく、また市民の方々に非常に不安を起こさした点も多々ございました。私たちここに深く反省をいたしておるものでございます。さっそく本市、大阪瓦斯、鉄建建設株式会社の三者が翌九日に協議いたしまして、まず事故の責任の問題は別にして、この際はひとつ被災者に対するわれわれの救済策と申しますか、さしあたりの措置というものを、大阪市が窓口となりまして、手厚い対策を進めたいということで、三者で協議いたしました。また私ども一方市会におきましては、さっそく当日関連の常任委員会あるいは全員協議会を開きまして、この問題についてはあるいは一々事前に議会におはかりできないような事態もあるかもわかりませんので、ひとつわれわれの措置についてはしばらくおまかせをいただきたいというようなことで、特に議会側については積極的なこれに対する施策の施行ということについては御了承をいただいた次第でございます。
 その後、事故災害がありまして間もなく、また三者が寄りまして、いわゆる大阪市では事故対策本部というものをつくりまして、先ほど申しました被災者等の御相談をする窓口に――というのは大阪市が両者の御了承を得て、もちろん両者の応援をいただくわけでございますが、――なって、やるというための機構を整備いたしまして、十七日に被災者全員にお集まり願って、市長、両社長さんより直接その際のおわびを申し上げますとともに、これからひとつどういう御相談をするかというような基本的なお話を申し上げ、また、さらに二十日には罹災者七十七柱の合同慰霊祭を施行いたした次第でございます。この間、災害がありました翌日、さっそくなくなられた方には五十万円の見舞金を、入院重傷者には十万円、軽傷者には五千円、それからまた、その当時方々からお見舞いいただきましたものを、十一日以降お見舞い金の配付をそれぞれいたしました。なお、入院者につきましては、破傷風の予防接種を行ない、あるいは傷病状態の調査を行ないました。引き続きなくなられた方の御遺族並びに入院患者にはそれぞれ職員をつけまして、専任の相談員を配置いたしまして、あとのいろいろな御相談をいたしております。
 一方、家のほうでございますが、事故発生後、その晩は小学校に罹災した方々を収容いたしまして、これに対するお世話を申し上げましたが、翌日は学校のほうにはおれませんので、それぞれ各旅館にお移りいただいております。その方が約五十名おられるわけでございます。それから九日には、こういう家を焼かれた方々にも全焼三十万円、半焼十万円のお見舞い金を差し上げることにいたしました。また、各方面からいただきましたお見舞い金の配付につきましても、各なくなられた方々なりあるいは負傷された方と同様に配付をいたしました。家のほうはさっそく十二日から修復をすることにいたしまして、小さいものはもう完了いたしましたが、やはり全焼されておられる方については、市のほうで付近に仮設住宅をつくっておりまして、五月一日ごろには全部お移りいただけることにいたしております。なおその後、あの長い距離の道路閉鎖が十七日に現場検証が済みましたので、さっそく復旧いたしまして、去る二十二日から道路面の交通が復旧をいたしました。
 申すまでもなく、今回の事件に関連して、まず地下鉄は工事を全面的に停止いたしまして、さっそく総点検をいたしまして、現在まだ工事は再開をいたしておりません。危険な個所は全部防護措置を強化してから事業を開始するということにいたしております。また、その他の土木その他の関係の工事も全部一時停止いたしまして、それぞれ総点検をいたしまして、比較的危険度の少ないものはいま再開をいたしましたが、やはり若干気になるものは防護措置を進めつつありまして、そういうのが完了いたしまして再開をいたすことにいたしておる次第でございます。
 また、いろいろ政府におかれても技術調査を始められておりますが、私のほうでも事故対策の技術委員会をつくりまして、原因の究明はもちろんでございますが、やはり恒久的な対策を早くまとめたいと、せっかく検討中でございます。
 まあ事件の概要はさようでございますが、最後に重ねて罹災者の皆さんに心からおわびを申し、また国会、国民の多数の方に非常に御心配をおかけしましてまことに恐縮に存じております。私たちはいま申し上げた罹災者の救済をできるだけ早く大阪市が窓口になって取っ組んでいくということ、同時に、その工事が再び今度のような危険なことが起こらないように万全を期するという決意をしておる次第でございます。
 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
#8
○委員長(村上春藏君) 次に、大石参考人にお願いいたします。
#9
○参考人(大石重成君) 私、鉄建建設社長の大石でございます。
 このたびは弊社の施工しておりました大阪の地下鉄現場におきましてガス噴出、点火、爆発というようなたいへん大きな事故を起こしました。ただいま大阪市の助役さんからお話のございましたように、多数の死者、負傷者、焼失家屋その他有形無形に、沿線の方々はじめ大阪市民全体の方に恐怖を与えましたことにつきましては、心からおわびを申し上げたいと存ずる次第でございます。市助役さんのお話と重複いたしますので、経過その他につきましては省略をさせていただきまして、ただいま私たちもいま市からお話のございましたように、市が中心になりまして、とにかくなくなられた方、けがをされた方その他お家を失われた方々の応急の措置、またお弔いを、人間として丁重に行なうべきであるというようなお話でございますので、全面的に私たちもその御趣旨に御賛成を申し上げまして、ただいまその御指示を仰ぎまして、しかるべく行動を起こしておる次第でございます。
 事故の経過は省略さしていただきまして、私のほうの直接仕事をやっておりました仕事につきましてお話を申し上げたいと存じます。私のほうの仕事は昨年の九月に市から発注を受けまして、私のほうで施工いたすことに相なったのでございます。しかしながら障害物の立ちのきその他がございまして、実際に着工ができましたのが今年に入ってから、二月過ぎに仕事が一部着工ができたのでございます。全面着工はいまだできませんで、一部着工をしたのでございます。そういたしまして着工の順序といたしますと、皆さん御承知のことを申し上げて恐縮だと存じますけれども、われわれのほうにいろいろ参考図というようなもの、お示しをいただいておりますようなものにつきまして、現実に合ったような、また私たちが直接やりますような仕事につきまして設計図をつくります。それを御当局に提出いたしまして御認可をいただく、こういうことがまず第一の段階でございまして、その手続を踏みまして着工に取りかかったのでございます。そういたしまして、もちろん毎日御当局の監督の方々の御監督のもとに、私たちがこれを施工するのでございますが、こういう順序でこの工事を施行いたしましたのでございます。後ほど御質問がございますかと存じますけれども、私のほうの仕事のいままでの経験を申し上げますと、地下鉄工事を私たちのほうが始めましたのは約二十年前から地下鉄の仕事をやっておりまして、全国にわたりまして仕事をやっております。工区にいたしまして約三十五、六カ所いままでに経験いたしました。大阪市におきましても約九カ所工事をいただきまして、ただいままでに完成をしておるのでございます。そういうようなことで、十分私たちも注意をいたしまして、こういうような事故のないように現場にも十分伝達をし、また、現場の者もそういう経験を持ちまして、十分注意をしてやっておったのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、大きな事故が起きたということで、まことに申しわけないと深く反省をしておる次第でございます。
 国会の先生方におかれましては、さっそく当委員会の委員長をはじめ先生方におかれましては、国務多端にもかかわりませず、直接現場においでいただきまして御調査いただき、また、親しく、足の踏むところもないような現場までおいでいただきましたことを厚くお礼を申し上げまするとともにおわびを申し上げたい、かように存じます。
 原因その他につきましては、ただいま検察当局で調査中でございます。私たちといたしましては、現場の者のことばをもとにしていろいろ考えておるのでございますけれども、そういうような事情でございまして、まだはっきりしてないというようなことだと推察しておる次第でございます。
 まことに簡単でございますが、以上をもちまして私の説明といたします。
#10
○委員長(村上春藏君) 次に、西山参考人にお願いいたします。
#11
○参考人(西山磐君) 大阪瓦斯の社長の西山磐でございます。
 このたびの大事故によりまして、まことに多数のとうとい人命を失い、また多数の負傷者、家屋等の被災者をもたらす事態を招きまして、諸先生方をはじめ世間の皆様に非常な御迷惑をおかけしましたことは、まことに申しわけないことでございまして、つつしんでおわび申し上げます。
 特に多数のとうとい人命を損傷しましたことは、何にもまして痛恨のきわみでございまして、まことに申しわけなく存じております。なくなられました方々には、衷心から深く哀悼の意を表しまして、つつしんで御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷者の御快癒と被災者の御再起が一日も早からんことを切に願い、また私どもでできますことにつきましては、御遺族をはじめ被災者の方々に対しまして、できる限りの償いをしたいと考えている次第でございます。
 事故の状況につきましては、先ほど大阪市の下村助役さんから御説明がございましたのでございますが、重複をいたすかもわかりませんと思いますけれども、私どもといたしまして御報告をお許し願いたいと思います。
 事故の状況をかいつまんで申し上げますと、去る四月八日午後五時二十分、大阪市大淀区吉山町の地下鉄工事第四工区におきまして、帰社途中の当社パトロールカーから、現場でのガス漏れ発見の無線連絡がありまして、即刻、緊急車、工作車三台が営業所から出動いたしまして、先行車は同二十八分に現場に到着いたしまして、直ちにガス漏れ個所の発見と、警官、消防隊とともに付近住民及び群集の整理、避難活動に従事いたしました。同三十五分ごろ消防署の指示によりまして、避難活動のため緊急車が移動をはじめましたところ、車の後方付近から発火しまして、この火は緊急車の乗務員や消防署の方々と消火器を使っての消火活動をいたしまして完全に消し止めましたが、約三分後再び車両が炎上しました。同五十分、その車両から二十メートルほど東の鉄建建設のホッパーの東側付近を中心に爆発が起こりまして、たまたま夕方のラッシュ時と繁華街に近いという最悪の事情が重なりましたため、覆工板の飛散、家屋の火災等によりましてあの惨事を引き起こしたことになったのでございます。これは、この工事現場に架設されておりました当社の三百ミリの中圧管の接続部分がはずれ、地下鉄工事構内に短時間のうちにガスが噴出、充満いたしまして、その後の着火、爆発を招き、さらに平行する五百ミリ低圧管の漏洩を招いたのではなかろうかと推定をされる次第でございます。
 事故の原因につきましては、御承知のように、現在当局の手による調査が進められておりますので、その結果を待ちたいと考えております。しかしながら、このたびの事故が、その原因がいずれにあるにいたしましても、当社の供給するガスによって起こったものであります以上、社会に対し多大の御迷惑をかけました責任はきわめて重大であると私は深く反省をいたしております。同時に、私どもといたしましても、予想もしなかったかかる事故がなぜ発生したかという根本原因につきましては、今後万全の対策を講じますためにも必要でありますので、徹底的に究明するよう全力を尽くしておりまして、事故発生後、直ちに事故原因調査委員会を設けまして、あらゆる角度から事故原因の追求につとめております。
 事故後の善後措置でございますが、事故発生後の措置につきましては、私どもは、事故発生とともに直ちに事故対策本部を設けまして、何よりも第一に災禍の拡大を防止するということと死傷者の救出、救急活動、付近民家のガス設備の保安作業等に全力を尽くしまして、約一千人の社員を動員いたしまして、不眠不休の努力を続けてまいりました。続きまして、かかる事故の再発を絶対に防止するために、とりあえず最も問題の多い地下鉄工事現場の総点検を行ないまして、さらに十四日までには全域にわたる第三者工事現場のすべての点検を実施し、無事を確認いたしました。一方、地下鉄、地下街等の重要工事現場約八カ所でございますが、それには、四月十日以降当社社員による常時の立ち会いを実施をいたしております。
 同時に、四月十日には、当面の事故防止対策といたしまして、今回の事故発生の状況から得ました教訓をもとにいたしまして、ただいま申し上げました地下鉄工事現場等への当社社員の常時立ち会いをはじめといたしまして、今後第三者工事を伴う場合には、第三者工事の企業者と協議をいたしまして、できるだけ導管を地下鉄工事と関係のない他の道路に移設を行うこと、それから低圧管につきましても、大規模な第三者工事の行なわれる場合には、緊急遮断用バルブをそのつど臨時に設置をすること、それから保安待機要員を増加すること、さらに、パトロールカーなど関係車両のうち、マイクの取りつけてないものには、全車両にこれをつけること、その他研究開発中の新しい継手工法の採用を促進するといったような、九項目にわたる緊急対策を決定いたしまして、実施できるものからさっそく実施をいたしております。
 次に、被災者に対する応急措置でございますが、被災者の方々に対しましては、大阪市御当局と密接緊密な協力体制をとりまして、とにかく早く手厚くお見舞するという基本方針のもとに、できるだけの手を尽くしております。すでに御案内のとおり、被災者に対するお見舞その他あらゆる補償は、大阪市当局を窓口にいたしまして行なうことを三者間で申し合わせいたしまして、事故翌日から、さっそく被災者に対するお見舞金をお届けいたしますとともに、十七日には、先ほどもお話がありましたように、私ども当事者の最高責任者が同席をしまして、被災者の方々と最初のお話し合いをさせていただいております。また、二十日にはなくなられました方々の霊を弔う合同葬儀を行ないました。さらに、入院中の負傷者の方々に対しましては、当社社員を昼夜を分かたず終日病院に待機させまして、できる限りのお手伝いをさせております。また家屋等の復旧につきましても、一日も早く復旧するように、窓口の大阪市御当局にお願いをいたしまして、とりあえず当社の手をもってこの工事を進めております。
 いずれにいたしましても、今後とも被災者の方々に対しましては、補償を含めまして、できる限りのことを三者が協力して行いまして、一日も早く皆様に御安心をいただくよう処置をさせていただくよう決意をしております。
 最後に、事故防止の根本対策でございますが、事故防止のための根本対策につきましては、事故原因を明確にすることが先決でございますが、このような事故があるということ自体が、私どもガス事業者としての社会に対する基本的責務にかかわる重大問題でございます。特に私といたしましては、かねがね事故防止こそ会社の最重点施策として力を尽くしてまいりましただけに、深刻に反省をいたしまして、従来進めてまいりました保安施策のすべてにつきまして、考え方の基本に立ち戻りまして、全面的な強化対策の再検討と総点検を推進しなければならないと決意をいたしまして、会社をあげまして保安強化を進めるべく、四月十四日に全社員に、この旨を指示いたしまして、現在検討中でございます。
 なお、今回の事故の真因が判明しました暁には、その原因に関連する一切の保安対策につきましては、会社の総力を結集いたしまして、関係各位の御協力を得まして、万全を期す所存でございます。
 終わりに、今回の事故によりまして、多大の御迷惑をおかけしましたことを重ねておわび申し上げますとともに、今後の事故防止のために全社一丸となって万全の対策を行なう決意を持っております。何とぞ御了承をいただきまして、本委員会の先生方並びに通産御当局におかれましても、今後よろしく御指導くださいますようお願い申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
#12
○大矢正君 ただいま述べられました各参考人の説明の内容と、先般当委員会が現地におもむきました調査経過の報告に関連をいたしまして二、三お尋ねをいたしたいと思います。具体的にお尋ねをいたしまする前に、質問をする立場にあります私の考え方と申しましょうか、あるいは意思と申しましょうか、皆さんに申し上げたいと思うのでありますが、私どもがあえて参考人各位御多用中のところを御出席をいただきましたその理由とするところは、先般の災害があまりにも大きな惨事であり、しかもこのまま放置するならば、過密地帯において、なお発生を見る危険性がひそんでおるからでありまするし、また、一方においてはこの災害がどのような原因のもとに発生をし、よってだれに責任があるのか、どの会社、どの団体に責任があるのか、こういう問題はそれが過失によるものであるといたしますれば、司法当局においてしかるべく処置される内容でありますから、私はそういう司法当局が究明をする原因の内容であるとか、あるいは判断等に立ち入る気持ちはいささかもありません。また同時に、特定の団体が責任を負わなければならないと、ここできめつけるというような考え方もございません。願わくば、このような事故が再び起こらないようにするためにはどうしたらよいかということのための、ある意味における真相と原因の究明。いま一つは、多数の犠牲者の方々、あるいは被災者の方々に対する今後の救済についてどのような方策が考えられるか。以上二点にしぼってお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 最初に政府側にお尋ねをいたしますが、三月の十日、衆議院の商工委員会におきまして、当時ガス事業法の一部改正の質疑が行なわれました際、某委員から、他工事に伴う導管の安全確保について監督の権限をもっと法律上も明記をして強化をすべきではないかとの質問が行なわれましたが、政府側の答弁は、私が速記録を読む限りにおきましては、今日の時点ではガス事業者に全面的な他工事中における導管の安全確保のための監督の権限を与えることは事実上困難であるという御答弁がなされておるのでありますが、これは一体どういう点に難点があって、ガス事業者に他工事中における導管の安全確保についての監督の最大の権限というものを与えることができないのか、お答えを願いたいと思うのであります。もちろん、これは大臣から御答弁をいただく内容ではなくて、当面の関係者であります局長からお答えをいただいてけっこうだと思います。
#13
○政府委員(馬場一也君) ガス事業法の改正法案が審議されておりますときに、衆議院におきまして、ただいま大矢先生の仰せになりましたような御質問がございまして、大矢先生のいま御指摘になりましたような内容の御答弁を私が申し上げたわけでございます。そのときに私の御答弁いたしました趣旨は、いわゆる地下鉄等の他工事が行なわれ、その他工事の期間中、あるいは期間後におきまして、その地点におきますガス導管が埋設状態から掘り起こされ、あるいは埋め戻しをされるわけでございますが、これらの工事は、現在の実情におきましては、他工事をやっております工事業者が、本来の他工事そのものとあわせまして、それと並行いたしまして行なっておると、ただ行なうにつきまして、そのガス導管その他また他の埋設物がございますときはその埋設物の適当な防護方法等につきましては、それぞれ工事当局と当該ガス事業者との話し合い、協議、いろんな形式がございますけれども、それによりまして適当な防護方法を相互に協議をいたしまして、それを他工事業者が、他工事とあわせまして行なっていると、こういう実態にございまして、したがいまして、ガス事業者と他工事業者との間にガス導管防護方法について適切な取りきめがなされ、それが他工事業者の手によって実行されるということが確保されれば、それが現在の実態にも即し一番適当な方法ではないか、かように存じまして、そのような答弁を申し上げたのでございます。
#14
○大矢正君 重ねてお尋ねをいたしますが、私のようなしろうとが考えてみましても、地中に埋設中の導管が掘り出されて、内圧と外圧に大きな変化が生じた際には、そこにいろんな意味における技術上と申しますか、化学上と申しますか、変化が生じてまいると思うのでありますが、たとえば今回の例でまいりますると、すでに裸導管となったその導管の防護方法は、これで十分であるという技術的な判断、そしてその能力を持っているのは一体どこなのだろうか、そしてまた、そういう力学的な問題もありましょうし、工学的な問題もありましょうし、そういうものもくるめて、これだけの措置をすれば絶対に裸導管にいたしましても安全の確保はできるのだという判断をするその場所、機関、そろいうものがあったらこの際お答えをいただきたいと思うのです。
#15
○政府委員(馬場一也君) ガス導管が埋設状態から掘り起こされるわけでございますが、その掘り起こされた状態におきましては、先生のおっしゃいますように、通常の状態とは異なる環境に置かれますので、その掘り起こされている状態、露出しておる状態の間の防護方法につきましては、十分な協議が当事者間、この場合で申しますと、ガス事業者と、それから地下鉄工事当局、あるいはその当局の発注によりまして工事を行ないます業者との間に、防護方法について話し合いが行なわれ、かつそれができるだけ明確な形で規定をされまして実行に移されるということが望ましいと思うのでございまして、その話し合いは、当然他工事をやります業者とガス事業者との間の協議ということを通じて行なわれるということになろうかと思うわけでございます。
#16
○大矢正君 これは地域別に、たとえば東京あるいは名古屋あるいは大阪というように、地下鉄工事が進められておる際において、今回のような場合でまいりますと、ガス事業者と、それから地下鉄を建設する側との間におけるたとえば話し合いなり申し合わせなり、あるいはまた安全維持のための義務の履行なり、こういうものについてそれぞれが個別にきめられるわけでありますが、これには、たとえば、政府のほうで、こういう内容のもので業者が協定をするか申し合わせをするか話し合いをするかしなさいというような、何らかの基準というものを、監督行政の立場にある通産省としてお持ちになっておられるのかどうか。これは単にガス事業者がみずからの安全維持の責任上最小限度これだけのものをしてもらわなければ困ります、しかも、それはいろんな研究の結果、これならば十分でありますというものを示す、それに基づいて交互にそういうものがかわされる、こういう形になるのか、その辺のところをお答え願います。
#17
○政府委員(馬場一也君) 現状におきましては、ガス事業者と地下鉄工事業者が適正と考えます内容を協議をしてきめるという実情でございます。しかし、今回の事故にかんがみ、あるいは私どもといたしましては昨年の板橋事故等にもかんがみまして、この種工事が行なわれますときの適切な防護方法につきまして、何らか国といたしまして、こういう内容の防護方法を講ずべきであるという具体的な基準をつくることが適切であろうという意識は、実は昨年以来持っておったわけでございまして、昨年通産省につくりましたガス導管防護対策会議で詳細に御検討をいただきました結果を尊重いたしまして、ガス事業法の施行規則等におきまして、その間の防護方法について適切な基準をきめるという考え方でおったわけでございます。ことに今回の事故にかんがみまして、その作業をできるだけ急ぎたいというふうに考えております。そういうものを業界に示しまして話し合いの基礎にしてもらいたいと思っております。同時に、ガス事業者のみならず、今後は、それを受けて相手方になります他工事業者の監督官庁に対しても、同じような方向で御指導を願いたいというつもりでおるわけでございます。
 それから、内容の点と同時に、そういうことを当事者が話をいたしまして、そしてそれを約束し合う、あるいはそれをインフォームする形式等につきましても、これはこれから各関係省庁と相談をいたしたいと思いますが、何らかの方法で、確かにそういう形式が整っておるということにつきましても、もう少し現状よりしっかりしたものを考えてまいりたい、かように考えております。
#18
○大矢正君 私は、法律あるいは政省令等を、また保安基準等を詳細に検討させていただいたのでありますが、これは先般の法律審議の際もそうでありますが、埋設中の導管についての安全確保の責任と義務というものはガス会社にあることは申すまでもないのでありますが、他工事中における露出した導管のような状態、あるいはまた埋設直後の導管、こういうものに対する安全確保の最終的な責任もしくは義務というものがどこにあるかということになりますと、まことに不明瞭で、どこにもそういうものは出てこないということが言えると思うのであります。
 そこでお尋ねをいたしますが、これは大阪市の助役さんにお答えをいただきたいと思うのでありますが、私の手元に、今般の工事計画が実行されるにあたりまして、おたくの交通局長から大阪瓦斯会社に出されました「高速鉄道建設工事における埋設物保安業務の計画策定について」、カッコして依頼と書いてありますが、その中の後段に、「この計画策定にもとづき、建設工事における既設埋設物の保安業務について当局は責任をもって今後共これをおし進めますので、埋設物関係企業体各位におかれましては、公共工事としての重要性を考慮されて当局の建設工事における既設埋設物の事故防止のための責任業務」、すなわちこの局の責任業務の「遂行に対し、今後ともますます積極的なるご協力を頂けますようお願いいたします。」と、こういう文書になっておるわけでありますが、もしこの文書に間違いないといたし、しかもガス事業法の中で、いま私が申し上げましたような他工事中における露出した導管に対しての保安の責任、あるいは監督その他についての明確な規定がないとすれば、あるいはまた、ないからこういうものになったのではないかと思うのでありますが、一義的なそういう状態の導管の安全維持の義務は、結局はおたくにあるという解釈になるわけですが、その点はいかがでしょう。
#19
○参考人(下村進君) ただいまのお尋ねの件につきましては、交通局長である黒田君を参考人として発言をさしていただきたいと存ずるのでございますが、よろしくお願い申し上げます。
#20
○委員長(村上春藏君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#21
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 それではこの際、大阪市交通局長黒田泰輔君を参考人とすることに取り計らいます。
 黒田参考人に発言を許します。黒田参考人。
#22
○参考人(黒田泰輔君) 大阪市の営みます交通事業の直接管理をいたしております責任者の黒田でございます。
 このたびは、たいへん私の責任ある工事現場におきましてガスの爆発事故が起こりまして多数の死傷者を出しましたことに対しまして、深くおわびを申し上げる次第でございます。
 ただいまお尋ねをいただきました点でございますが、私はまず実情といいますか、私らの考えておったことを申し述べ、反省をその後にあわせて申し上げたいと思うのでありますが、御指摘いただきましたように、依頼をし、そうして承諾をするという回答をいただいた文書形式になっております。それで、内容はすでに御承知いただいておるわけでございますが、工事計画策定時から工事に着手して、そうしてその工事が終わるまでの間においてそれぞれの工程におきまして交通局より依頼した場合にはひとつ御理解を願いたい、それからその他こういう工程におきましては一部ガス会社の自発的な御巡視もいただきたい、まあ大ざっぱに申し上げれば、こういう内容になっておるわけであります。それとは別途に、その管を工事中かりに保持する方法といたしましては、標準的なつり下げの工法、すなわち上にボルトでつりまして、何ぼかの合い間を置いて横ぶれをとめるための保持さくをつけます、こういう図面を参考にしておるわけであります。それで、いま御指摘のようなことでございますが、そうして取りかわしました内容については交通局が責任を持って推し進めます、こういう意味でございます。したがいまして、何ぶんの御協力をいただきたいという結びになっておるわけであります。これは申し添えますが、いままではそういうことがなかったわけでございますが、昨年の板橋のガス事故の後に、本省より注意するようにという御通知をいただきましたので、昨年の八月にこういうことであらかじめ工事に先立ってガス会社と御協議をさしていただくほうがいいのじゃないかということで、別段基準もございませんが、私の手で考えました内容によって御照会をして御回答をいただいて進める方法をとったわけであります。これは地下鉄工事を今後営みますことについての取りきめでございまして、御指摘の、事故が起こりました四工区につきましては、そこに着工するときには、これと同様にそこの現地に即した照会をし、御協力を求めて、個々の工区でもまた打ち合わせしてやっていく、こういう運びでいっておるわけでありますから、私の理解といたしましては、そういうように照会をし、御回答いただいたことを責任を持って遂行してまいる、かように解釈をしておる次第であります。
 それから、それが絶対的なガス管ならガス管の保持について最終的にまでぴったりいかなかったのじゃないかという反省をいたしておりますが、それは先ほど申し上げましたように、そういう考えでおりましたことに対する反省でございます。今後につきましては、事実そういうことを言っておっても、事故そのものは起こったのでありますから、さらに詰めてやる方法につきまして、全力を集中しなければならぬじゃないかということを現在反省しておる次第でございます。
#23
○大矢正君 先ほども私申し上げましたように、この委員会で事故の責任はいずれかの企業もしくは団体にあるといったことをここで決定づけようという意図があるのではないということを、あなたの頭の中に入れていただきたいと思うのであります。でありまするからして、私は委員長にお願いしたのも、市当局の最高責任者である市長にぜひおいでを願いたいと思ったし、御答弁をいただきたいと思ったのでありますが、いまのあなたの話を承ると、この文書に書いてあることだけは十分にやったのだ、そのことをやることだけがこの中にある責任という文字になってあらわれているのだ、こういう聞こえようですね。これだと、どうもあなたの責任をむしろ私は追及したくなるのです、気持ちとして。すなおにそうではなくて、この時点におけるこの導管の安全確保の義務は市当局にございましたと、そういうふうにすなおに認めていただけば私はそれで事が済むと思うのです。しかし責任はあなたの市だけではない。ガス会社ももちろん責任があるし、ほかに本責任があると私は思うのであります。だけれども、あなたが役人的な発想で逃げを打たれて、この文書に書いてあるものだけが責任であって、ほかに責任はないと言われると、私は黙っちゃおられませんがね。助役さん、どうですか。
#24
○参考人(黒田泰輔君) したがいまして、私は分けて御答弁さしていただきましたので、実情はそうでございます。しかしながら不十分な点はあるということを、後段で反省として認めておるわけでありますので、私は決して当初から責任回避のために御答弁申し上げた次第でないということだけは御理解いただきたいと思います。
#25
○大矢正君 まあどうも不満足ですが、私は、少なくともこの委員会においては、三者三様の責任をおのおの考えていただきたい、また政府においても、当然のことながら、責任を感じていただきたいと思う。責任を感じるということは、具体的にどういう責任を感じるかということになりますれば、市当局と企業体なり団体との力関係もありましょうし、また政府は、何らかの措置をするといたしましても、法律その他予算上の問題もありましょうが、だがしかし、お互い四者がそろってこの問題については再びかかる事故が起こらないことと、それから被災者に対して最善の努力をするという気持ちを、この場所で発揮をしてもらいたいというのが私の質問の中心的な課題であるということを御理解願いたいと思います。そういう立場でお尋ねをしますが、もう一度お答えを願いたいのです。
#26
○参考人(黒田泰輔君) 重ねてのお尋ねでございますが、この問題についての私の先ほどの答弁は、そういう理解でおったのが実情でございます。これは手抜かりがあるという反省をいたしておる、こういうことでございますので、その点、御了察賜わりたいと思います。
#27
○大矢正君 まああなたがそうお考えになっておられるということでありますから、これはしかたのないことでありますが、私どもが常識的にこの文章を読めば、一次的な責任というものは交通局長にある、すなわち市当局にあると判断するのが妥当ではないか。そうして、それに対し、そのきめられたワクに従って、それを順守することによって事故防止をする責任と義務は鉄建建設にあり、同時にまた、巡回、立会その他を通して事故防止のために一そうの努力をする義務が大阪瓦斯にも課せられているという解釈を私はいたしておりますが、その問題は私がここであまり明確にいたしますと、かえってこれから皆さんがお話し合いをされる際に障害になっても困りますから、この程度で終わりたいと思います。
 続いて馬場局長にお尋ねいたしますが、各社のこの種の協定を私も手元に取り寄せましていろいろと比べてみますると、それぞれ多少異なった点があるわけであります。たとえば東京瓦斯の場合には導管の掘さく中における露出導管等の巡回検査、そういうものについては特別にその建設業者が金を支払って、言うならばガス会社に巡回をしてもらっておるというような形をとっておりますが、この大阪瓦斯の場合には、そういうことはなされていたのかいないのか。東京瓦斯の場合には一キロメートル当たり幾らというような形でガス会社が、建設業者からか、もしくは施工業者からかわかりませんが、それに要する費用として料金をもらっておったということになっておりますが、大阪の場合にはどんなふうになっておったのでございましょうか。
#28
○政府委員(馬場一也君) 今回の大阪瓦斯と交通局の話し合いによっていまのような関係ができておるわけでございますが、ただいまお尋ねのガス会社が自主的に巡回点検いたしますときの費用につきましては、交通局もしくは工事業者のほうから大阪瓦斯のほうに何らかの代金の支払いがあったという実情になかったものというふうにわれわれは聞いております。
#29
○大矢正君 市当局のほうにいま一度お尋ねをいたしますが、これは先日の読売新聞にも一部掲載をされたところでありますが、ガス管の懸垂について依頼書が大阪瓦斯にまいりましたが、その際、大阪瓦斯は三百ミリ中圧管のT字部に抜けどめを施工することということを条件として付記しておった。ところが、現実にはこの抜けどめの施工をしていなかったということが報道され、これが一つにはこの種の大惨事になった原因ではないかともいわれておるのでありますが、この工事は事実行なわれておらなかったのかどうか、行なわれていなかったとすれば、いかなる理由なのかお尋ねをいたします。
#30
○参考人(黒田泰輔君) ただいまのお尋ねでございますが、そういう条件といいますか、それがガス会社から要望されてまいりましたので、それを建設業者のほうに通知するといいますか、そういう通知をしながらやってまいったわけでありますが、南側の曲り部分については、その曲がり部分というのが明確でございましたが、北側につきましては、問題の個所でございますが、溶接された鋼管でかなり長いものでございますから、その必要もないということで、その北側については特段の手当てをしていなかった、こういう実情にございます。
#31
○大矢正君 いまあなたのお話を聞くと、片側のほうはやる必要があるが、もう一方の北側のほうをやる必要がないという判断をしたというのは、それは大阪瓦斯がそういう判断をされたのか、それともあなたのほうが独自で判断をされたのですか。
#32
○参考人(黒田泰輔君) 当局と施工者の間で判断をした問題でございます。
#33
○大矢正君 そういたしますと、ガス会社からの要望事項は現に実行はされていなかったということになるわけですね。もしこれがかりに事故の原因であった――これが両方とめてゆれがないようにすることが必要であるということを認めたから大阪瓦斯がそのことを要望したのでしょう。しかし、あなた方のほうは自主的にそんなことをしなくても事故が起こるはずがないという前提でやらしたと、こうおっしゃるのですから、そうすると、その部分がもしかりに原因であったとすれば、これはたいへんあなた方が手落ちをしたということになりはしないでしょうか。いかがでしょう。
#34
○参考人(黒田泰輔君) そこの補強のための深さくがその主たる原因であるということになりますれば、計画上といいますか、施工上といいますか、あまんじてその責めは負うべきであると考えております。
#35
○大矢正君 時間もだいぶ経過してまいりましたので、次に鉄建の社長さんにお尋ねを二、三いたしたいと思います。
 私は先般来各所に手を回しまして、東京あるいは大阪等各地におけるガス事故の例を拾いあげてみたのでありますが、残念ながらおたくの会社では昨年来かなりの回数の工事上のミスによる導管の折損その他の事故を起こしておられるようでございますが、もちろん、これはあなたの下請あるいはさらにその下請、孫請というところまでの段階での仕事でありますから、あなたが直接おやりになったわけではないと思いますが、そういうようなことが私の手元にまいっておりますが、その点はいかがでしょう。
#36
○参考人(大石重成君) ただいま先生から御質問ございましたが、私が承知しております限りにおきましては、うちがやりました地下鉄現場におきましてさような事故を起こしたことは聞いておりませんです。
#37
○大矢正君 それでは、鉄建さん自身がおわかりにならないとすると、市のほうにお尋ねをしなければならないのでありますが、私どもの手元には、昨年の九月以来かなりの回数の折損事故その他が克明にまいっております。ですから鉄建に責任ありと私は申し上げておるのではない、ないのですが、鉄建自身の仕事ではないにしろ、下請のまたその下請等がやられた仕事ではあるでしょうが、かなりの事故があったということは事実ではないでしょうか。私の調べが間違いであるなら、私はもう一回正確に調べ直してもいいんです。
#38
○参考人(黒田泰輔君) 私は、総括的に、こういう曲がり部分でありますとか、T字型になっておりますもの、こういう部分は、そこを大ざっぱに調べたのでありますけれども、この地下鉄の建設を急ぎましたこの数年の間に百五十ほどその個所を経験してまいったわけでございますが、まず一般に考えておりますように懸吊と申しますか、つるす作業でもって今日までやってまいりました。いま御質問の、その中に特別の事故というのは私承知しておりませんので、したがいまして、鉄建株式会社のほうの御担当でいかほどそういう危険な状態があったかということについても存じません。
#39
○大矢正君 たとえば、私の手元に入っておる中を見ましても、ある場合には四割以上の事故を一社でお出しになっておるというような資料も実は入っておりますが、しかし、このこと自身を私はとやかく言うつもりはありませんが、現実に掘さく作業というものが行なわれておる。その行なわれ方が他の工事業者に比べて乱暴だというか、乱雑だというか、保安面を無視したようなそういう点が往々にしてあったのではないかという実は私自身疑念を持っておりますが、鉄建の社長さんいかがですか。特に聞くところによりますと、おたくの請け負った部分の工区は、かなりおくれておったために非常に無理な作業がやられていたのではないかという一つの見方もあるやに聞いておるわけですが、その点はいかがでしょうか。
#40
○参考人(大石重成君) ただいま御質問の私どもの現場は、先ほど申し上げましたように、昨年九月に請け負いまして、実際に着工いたしましたのは年がかわってからでございますけれども、特に無理をすると申しましても、ただいままだ作業が緒についたばかりでございまして、特に無理をして急ぐ――まだ大部分のものは工事の中止を食っているわけでございまして、そこだけ急ぎましても全体の問題ではまだ工期を支配するというところまでいっておりませんが、私のただいままでに聞いておりますところでは、特に無理をしたということはまだ私の耳にまで入っておりません。
#41
○大矢正君 大阪瓦斯の社長さんに二、三お尋ねをいたしますが、先ほど私の読み上げました交通局長からあなたあての内容の書面の中で、たとえば「懸すい」という項目がありますが、この「懸すい」といろ項目の中では、瓦斯会社に対して「自主的な立会および漏洩調査」ということが書かれております。想像するところ、若干大阪市当局の考えと私は違いますが、第一義的責任は発注者側にあることは間違いないところではあるが、埋設物関係企業体としての大阪瓦斯として、自主的に立会及び漏洩調査というものを積極的にやってくれ、こういう希望だと思うんです。それに対して、あなたのほうとしてはどのような措置をこの事故が起こる前においてとられたか、この際、明確にしていただきたいと思うのです。
#42
○参考人(西山磐君) ただいまの先生の御質問でございますが、「懸すい状態の確認」というのがこの文書の中にございますですが、これは業者がやられましたこの懸垂状況を大阪市が検査をされまして、そのあとの状態を私のほうが大阪市の要請によりまして確認をする、状態を確認をするというふうに往復文書の中では解釈をしております。そういうふうに、また向こうから要請のあった場合に、懸垂については、懸垂状態の確認ということは、そういうふうに聞いております。
 それからなお先ほど御質疑のありました自主的なパトロールということは、これはむろん工事は市でございますが、そこから要請があるのではなしに、私のほうはガス事業者の責任といたしまして、これは地中に埋設してあります導管につきましては、この導管に漏れがあるとか、あるいは導管にひびが入っておるということは常に見て回らぬといけませんので、これをパトロールをしておるわけでございまして、それで地下鉄工事現場におきましてもパトロールのおもな任務というのはガスが漏れてはぜぬか、それから導管にそういうふうに漏れるような状態があるんじゃなかろうかというふうなことを見て回るのがおもな任務でございまして、そういうことで大体毎日一回ということでやっておりますが、これは調べてみますと一カ月の間に二、三日行かなかったこともございますけれども、そういうことで、自主的パトロールというのはそういう意味でございます。さようにしております。
#43
○大矢正君 これは技術論的なことを申し上げるつもりは毛頭ありませんが、例の事故の個所と思われるあるいはそれではなかろうかと世上いわれているT字型部分といいましょうか、Z型部分といいましょうか、このカーブのところ、こういうところをかりに掘さくする際においては、直線の導管の安全維持よりも非常に緻密な作業をしなければならないし、特にその部分は、継ぎ目をその他から考えて重要な個所と思われる。よってそういうような場合には、個々に立会、自主的ではあるけれども、立会あるいは漏洩調査の積極的な協力ということをあなた方自身がお認めになっておられるんだから、私はああいうような際においては、やはり重要な部分の掘り出しの期間中だけでも、あなたのほうから、瓦斯のほうから技術者なり責任者なり立ち会わして、事故防止をするというふうな考え方をむしろ積極的に私は持つべきではなかったかという感じが、これは終わってしまった今日でありますからそういうことは言えると思いますが、これは今後の問題にもつながりますので、この際、あなたの御所見を承っておきたいと思います。
#44
○参考人(西山磐君) 確かに先生の御指摘のとおり、今回の事故を顧みまして、先ほども大阪市御当局から御発言がございましたが、相互の関係をもっと密にいたしまして、明確にするというようなことをいたしまして、事故防止をはかっていくという必要があると私は考えております。
#45
○大矢正君 それからもう一つ問題だと思われますことは、なるほどこのガス漏れが起こる、ガスが噴出する。そういう原因をつくることが一番悪いには間違いない、一番悪いには間違いないのですが、幾らガスが出ましても、火元がなければ燃焼もしくは爆発はしないことは、私もかつて経験をしておることでありますからよく存じておるところであります。しかも、大量のガスがありますれば、何も火を持っていってつけなくても、鉄板と鉄板のこすれたその火花でも引火する、爆発するということであります。よって炭鉱等におきましては、坑内において金属と金属の接触は絶対にしないというまでやられておるわけで、そういう意味で考えますると、あの際に火元となったものは一体何であるかということになれば、なかなかこれはむずかしい問題があると思います。が、しかし一般世上はどうもガス会社の自動車が、下からガスが上昇してくる、その上でもって自動車のスイッチを入れた。それがどうも火元ではなかろうか、こういわれているわけであります。しかし、これは将来にわたって十分原因を究明されなければならないところではありますが、かりにそういうことがあったとすれば、安全業務をモットーとするガス会社の巡検員その他がなすべき行為ではなかったのではなかろうか。うわさに聞きますと、何か広報活動をしなきゃならぬ、呼びかけなきゃならぬというふうな理由でもって、自動車の位置を早急にかえて、マイクで避難させなければならぬという使命を警察か消防かから与えられた。そのため、やむなく、あわてて自動車を動かしたというようなことがこの自動車のエンジンをかけた原因のようでもありますが、しかしながら、ガスの安全について一番細心の注意をしなければならないガス会社の巡検員なり検査員なりが、かりにそうでなくても、そのような疑惑を持たれるだけでも私は非常に問題があるんじゃないかという感じがいたしますが、いかがでしょうか。
#46
○参考人(西山磐君) この問題につきましては、先生の御指摘のとおり、私どもいままで聞いております範囲では、私のほうの緊急車がマイクを持っておりましたので、とにかく押し寄せてくる群集をマイクで整理しなきゃならぬから、たまたまマイクを持っておりました緊急車を群集のほうに向けて整理をせよということを消防のほうから御要請がございましたので、一応その車は北側の道路に待避をしておりましたけれども、マイクを群集のほうへ向けますために車を動かして、そのほうへマイクを向けるような措置をとって、そうしてそれに着火をしたというのは事実でございます。それで、この火は一応先ほども私が初めに申し上げましたように消しておりますけれども、また三分ぐらい後に着火をして、その後爆発が起こったということになっておりますので、これが着火の原因ではなかろうかということを私どもは新聞紙上その他で承知しておりますのですが、こういうことになりますというと、これは私どもといたしましては非常な不注意でございまして、そういう点に対しましては、事情が、これはとっさにそういうことをやったというふうなこともございまして、これは深く会社としては反省しなきゃならぬと私は考えております。
#47
○大矢正君 大臣にお尋ねをいたしますが、いまいろいろと私は短時間ではありますが、私が感じた問題点を指摘をし、そしてまたそれに対してお答えをいただいたわけでありますが、いまのお話にもありましたとおり、他工事中における導管の安全維持の義務、そして責任というものは、今日の段階では法律上も不明確であるような、慣例的にそれぞれの業者間において、あるいは団体間において取りきめがなされておるということで、これからの事故再発の防止の見地から推しまして、私は非常に問題があると思うのであります。もう一歩突き詰めて申しますれば、そういう状態に置いておいた政府にも一半の責任が私はあると思うのであります。その責任は、何も大臣個人に責任があるとかいう意味ではなくて、政府自身も、この種の問題の再発の防止と、それから多くの遺族や被災者の方々に対して、何らかなさなければならない責任と義務というものが私はあるのではないか、このように考えるのでありますが、この二つの点についての大臣の御見解を、この際承っておきたいと思います。
#48
○国務大臣(宮澤喜一君) 先般も申し上げたことでありますけれども、私どもはガス会社を監督する責任があり、しかもその監督のもとにあのような工事が行なわれておって、それを少なくとも私どもは干渉をしなかった、黙過しておったということは、行政上の責任があると考えております。で、これは私どもはじめ全部について言えることかと思います。つまり非常に危険なものを危険な状態において扱っておるということについての認識が欠けておったというふうに反省をしておるわけであります。従来、それで事故がなかったので、今日もそれでいいんだというものの考え方の中には、世の中が非常に激しい変化をしておるということへの認識が不足であったというふうに考えて反省をいたしております。したがって、昨年の板橋事故以来、通達等によりまして、行政措置はいたしましたものの、全体の監督体制としては不十分でございますので、先般来、新しい措置をできるものから講じつつあるわけでございます。で、罹災者等に対して、したがって私どもはガス会社を監督する立場での責任があると考えておりますが、その責任をいかに具体化するかということにつきましては、取り調べ当局によるところの事故の原因がはっきりいたしましたら、私どもとしてすべきことを考えなければならないというふうに思っております。
#49
○大矢正君 大臣、私が一番心配をすることは、先ほど来申し上げておるように、一つには事故の再発をどのようにして防止するか、それに必要な法律はどうか、それに必要な行政権に属する政省令なり規則、保安基準等はどういうものが必要か、あるいはまた二、三年、実験その他を通しての科学的な対応策はどうか、こういうものはもちろん根本的に大事なことであります。だがもう一つ大事なことは、御承知のとおりこの災害に巻き込まれてとうとい生命を失った方々や、あるいは三百数十名の現に加療中の人、あるいは家屋を焼失したような人々をどのようにして救済をするか、補償をするかということは非常に大事な問題だと思うのであります。もしここで、私あえてここで四者と言わしていただきますが、政府を含めて四者それぞれが責任のがれをするというようなことになって、おれの責任ではない、おれの責任ではないというようなことになってまいりますれば、せんじ詰めていくと、結局のところ、この被災者の方々は民事の訴訟その他でもって損害賠償の請求権が確保されるのをまたなければその解決はしないということになるわけであります。しかしながらこれとても、それでは刑事上の責任があるかどうかという原因の究明なりその他の結論が出てこないと、これまた明確にならない。さすれば、この被災者はそれまでの間一体どうやっていろいろの生活ないしは日常の必要なことをやっていくかということになりますと、非常に多くの心配があるわけであります。よって私は、この際大臣みずからが対策本部長を買って出られたのでありまするからして、当然のこととしてあなたが中心になって、だれが責任だというようなことではなしに、やはり四者四様に力を合わせてそれぞれの資力に基づいて被災者に対しては万全の補償措置を講ずるように全力をあげてもらいたいという希望を申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
#50
○国務大臣(宮澤喜一君) 事故が起こりました翌朝、私ども、あえて四者とお話しくだすってけっこうでございますが、相談をいたしまして、ともかく、法律上の責任の決定には時間がかかることであろうが、そういうこととは別に、犠牲者、罹災者等が困られないように、ひとつお互いに救済の措置を考えようではないかということを私が申し上げ、関係者の方々からも御同意を得ております。したがって今回は、そういう警察当局の取り調べとは別に、ともかくこの際一緒になって救済に当ろうではないかということで、いわゆる責任のがれというようなことは起こさずに今日まできておりますし、これからもそうすべきものと考えております。
#51
○阿具根登君 もう持ち時間がないそうですから、私は関連して一問だけ質問いたします。
 きょう新聞で、毎日あるいは読売で鉄建さんの工事になるアパートで、入居直前三十五カ所もガス管に穴をあけられておったと、これが殺人未遂の疑いで警察が調査しておるということが書いてある。さらに詳細読んで見ますと、ガス管の配管が終わったあとでガス会社が調査したときには異常はなかった、その配管をコンクリで塗りつぶしてしまって、いよいよ入居寸前になって空気を通してこの配管を調べてみたところが、空気の圧力が非常に少ない、だから、コンクリをはがして調べてみたところが、そのガス管に故意に穴を、のみをもってほがしたと思われるところが数十カ所出てきたと、だから、全部はがしてみた、そういうところがたくさん出てきた、もしもこれを入居してガスを送っておったならば完全な殺人事件が成立するであろう、こういうことが報じられているわけです。もちろん警察の手で調べられておりますから、私どもがここでそれをだれの責任だという資格はございませんけれども、私はりっ然たる気持ちでこの新聞を見たわけなんです。もしもこれが、新聞でいわれたように、これは確かに故意でやらなければ穴はほげない、ある器具を当ててみれば完全に一致するやつ、これをたたいてほがさねばならないのが何十カ所とあった。それがコンクリで塗りつぶされた、たいへんな問題だと思うのです。もしも何かの関係でそういうことが行なわれたとするならば、ひるがえって今度のガスのこの大爆発を考えてみても、あるいはそういうことがあったとしたならばこれはたいへんな問題だと思う。それに対してどういうお考えであろうか。これはある見方をすれば、非常に鉄建さんも気の毒だと思うのです、最初は完全な配管であったのですから。しかしだれかがやらなければそういうことにならない、やるためには何かの目的がなければやらない、こういうことについて、ひとつその実情を大阪瓦斯の社長さん並びに鉄建建設の社長さんに御意見をお伺いしたいと思います。
#52
○参考人(西山磐君) 私もその話は少し聞いておりますが、ただいま阿具根先生の御指摘のとおり、市の供給公社がつくっておる鉄筋コンクリートのこれはアパートでございます。二百六十幾つの部屋を個々に売るアパートでございますが、それにこの四月の二十八日に契約者の皆さまお入りになっていただくことになっておるそうでございます。で、それをお引き渡しをする前に、やはりこのガスの配管につきましては私どもは厳密な検査をいたしまして安全を確かめにゃなりませんので、それを検査いたしましたところ、ただいま先生のおっしゃるようなことで、この空気テストでわかったわけで、これはまあ何かある、パイプに何か欠陥があるということで、めくってみますと、ただいまお話しのとおりパイプの中にたくさん故意に穴をあけておるということで、それで調べてみますと、だんだん、だんだんそれがふえてくる。しかもこの穴があいているほかに、穴あき寸前になっておるというのがございますので、これはもう入るのを全部とめていただかなければいかぬということで、供給公社のほうへお願いをいたしまして、入居者に御了解を得たわけでございます――得るようにするということで、私が聞いておりますのは、まだそこまで話が個々に進んだ、済んだかどうか知りませんですが、きょうの新聞は私は見ました。それで、これはもう単に悪戯というのじゃなくて、きわめて悪質な行為というふうに私ども思っておりますので、これはもう徹底的にひとつ究明をしていただかにゃいかないというふうに考えております。状況につきましては、私より先生のほうがただいまお話しになりましたように詳しいようなことで、私はその程度に報告を受けておりまして、お話のありましたそれが今度の事故との関係があるとかいうようなことは、私はちっとも聞いておりませんでございます。
#53
○参考人(大石重成君) ただいまお話のございました件につきまして御説明申し上げます。決して私責任のがれとかいろいろなことを言うわけではございませんが、あの建物は付帯は私のほうで確かに施工いたしました。が、ガスのパイピングは私のほうでやっておりません。東京の新聞にもさよう出ておりましたが、建物は私のほうがやりますが、管を引くことは私のほうの施工ではございません。そうして、ただいまやっておりますことは、公社のほうから至急直さなければならぬから、こわす作業をおまえのほうも手伝えというお話がございまして、これは私のほうは当然でございますので、でき得る限りの人間を動員いたしましてそのコンクリートをこわす作業をお手伝いをしておる、こういうような状態でございますので、ひとつさよう御承知願いたいと思います。かように私は報告を受けております。
#54
○阿具根登君 確かにそのとおりです。工事は工費四億四千五百万円で請け負いになったようですが、配管工事は大阪瓦斯が請け負ったと書いてあります。ただし、何かこれはもう故意であって、決して自然なものではない、こういうことが私たちにはどうしても了解ができない。これは大阪市でやっておるのですか。大阪市の分譲住宅ですか。
#55
○参考人(下村進君) 大阪市の直営ではございませんけれども、大阪市の外郭団体である住宅供給公社というのがございますが、そのほうでやっております。
#56
○阿具根登君 私のほうの時間は過ぎておりますからこれでやめますが、最後に一問だけ。
 先般の大爆発のときに、約一時間前に大阪のガス会社からガス漏れを調査された。そのときは何でもなかった、こういう報告なんですね。そうすると、約一時間の間にあれだけのガスが充満するほどガスが出るということになれば、徐々に出たということは考えられぬ。何かの事故が起きて多量のガスが出てきたんじゃなかろうか。また極端に考えれば、一ぺんに多量のガスが出てきたとするならば、中で工事をしておった方々はおそらく出る機会はなかった、こういう見方も成り立つ。だから大体専門家の西山社長さんから見て、どのくらいの量のやつが出たのかおわかりですか、それをちょっとお伺いしておきたい。
#57
○参考人(西山磐君) 私は技術者でございませんので、どれくらい出たということはわかりませんけれども、あの地下鉄工事の現場は約二百メートルでございます。その中で爆発の限界に達するガスが出たというのでございますから、相当の量が出たと思いますが、三百ミリの継ぎ手が破れて一ぺんに出るということはあるまいかと思います。これは初め徐々に出まして――これはもう相当圧力が一・二キロというような圧力でございますから、出まして、それで結局最後に切れたんじゃなかろうかというふうに何しておりますが、これはあくまでも推定でございまして、現に工事をやっておられた方は上に出られた。ガスの漏洩を発見して上に出られた余裕があったのでございますから、これはあくまでもそういう推定でございます。
#58
○矢追秀彦君 時間があまりありませんので、今後の対策のために、原因の追究はその方面でおやりになっておりますけれども、まあ私どもいろいろな不審な点がありますので、この際、できるだけはっきり今後のための上からお答えを願いたいと、このように思うわけですが、いまさっきも問題が出ておりましたけれども、私が非常にふしぎに思うことは、一番最初に大阪瓦斯さんにお伺いしますけれども、群衆は整理できなかったと、やじ馬が来たというので、一応ある程度整理はされておったようですけれども、実はこの写真をちょっと見ていただきたいのですけれども、まあこの写真はすでに一般紙にも報道されましたので、あるいは御承知かと思いますけれども、その写真をよく見ていただくと、順番がちょっとごたごたして申しわけないのですけれども、ほんとうにその群衆を早くどけろ、こういうふうに言っている様子が見えないわけですよ。それで連続写真ですから、はっきりわかると思います。で、第一次爆発が起こって、最後の大爆発が起こるまでの間、というのは、自動車に火がついてそして燃えたと、これだけの大きな爆発が起こるためには、どれくらいのガスが充満しておったか、いまから計算できると思うのです。で、最初自動車が燃えて、その横のほうにも火が出ていますよね。そうすると、かなりこの中には相当のガスがあったということは、一般の人はもちろんわかりませんけれども、ガス会社の方ならこれはわかるのじゃないか。もしわからないようであれば、ふだんガス爆発に対する知識というか、それに対してどういうふうに処置をするかという点の指導訓練というものを全然怠っておると思うのですね。だから、最初自動車が燃えた時点で、どれくらい燃えたかと、それでその次の私は大爆発というものがある程度予測されると思う。そうしたら、これはたいへんだというわけで、どんどんその回りの人をどけろ、とにかくたいへんだと、命がなくなっても知らないぞと、必死になってやれば、要するに向こう側の人はとにかくある程度もうちょっとどけられたのじゃないか。写真によりますと、手前のほうの人は、これはかなりどうもないわけですからね。問題は向こう側の何通りだったですか、向こうの人がおもになくなったわけですから。その点で、そういうガス爆発の、ある程度爆発を最初起こした地点から二次、三次の爆発を起こす。その辺のガス爆発に対する知識をどの程度ここにおられた方はお持ちであったのかどうか、その点まずお伺いしたいんですけれども、いかがですか。
#59
○参考人(西山磐君) ただいま先生の御質問でございますが、最初にこのガス漏れの通報を聞きましてから、私どもの従業員がそこに九台の車に乗ってかけつけました者は二十二人でございます。それで漏洩の状況を見まして、これは群衆を避難させなきゃいかぬということで、まあそういうふうに私のほうも訓練をしておりますのですが、二十二人が両方に分かれまして、一生懸命これはやったというふうに私は聞いております。そしてこれは押し出すようにして、暴力をふるわんばかりのことでやりました。そうしてそのうちの三人が死んでおります。そして八人が重傷をいたしまして、軽傷がさらに三人ということになっておりますので、これは事実やったと思います。そういうことで、先ほど先生から御指摘のありました緊急時の訓練というようなことにつきましては、私のほうは十分やっております。ただ、初めにも申し上げましたように、その時間帯がラッシュアワーでありましたので、たくさんの群衆が来たというようなことで、手に合わなかったというような事情であったのじゃないかと思います。
#60
○矢追秀彦君 一生懸命やられた点を私は全面的に否定するわけじゃないですけれども、この写真から見ますと、あまりにも一番近い人というのは、じっとしているわけですね。もちろんこれは写真ですから、ストップした時点ですからやむを得ませんけれども、もう少しできたんじゃないかという気がすることが一つと、それから緊急事態に対して訓練をちゃんとしていると言われますけれども、もし訓練が行き届いておれば、ガス会社の車が爆発するということは起こらなかった。なぜこんな一番中心部まで車が乗り入れたのか。要するに、いま言われた訓練がきちっとしておれば、こういうことはなかったんじゃないか。ガス漏れの場所はわかっていたわけです。その車の運転手さんというのは、この付近でガス漏れがあることは知ってたわけです。全然知らないでここにおってやったんならこれはしようがないですけれど、知った上で行ったんですから、運転手は非常に不注意だったと思う。とにかくガス爆発というのはわずかのパーセントでも爆発するわけですから、そんなことはだれでも知っているわけですから、その点は、要するにガスの引火というのは何でも起こるわけですから、どうしてここまで車が入ったのか。そういった点の訓練を怠っていたのではないかと思うんです。これはいじめているんじゃなくて、今後のために言うわけですが、その点はどうですか。
#61
○参考人(西山磐君) これは、先ほど私が申し上げましたように、マイクを群衆のほうに向けるということで、不注意に車を動かした。その運転手は、聞いてみますと、そこには漏れがなかったというふうに思うので車を動かしたということを言っておりますので、これは非常に不注意であると思っておるのです。この点につきましては私ども深く反省をいたしまして、さらに教育、訓練をするように、これから強化するように考えております。まことにこの点は申しわけなかったと思っております。さらに教育、訓練につきましては今後ともより以上力を入れてやるつもりでおります。
#62
○矢追秀彦君 それからもう一つは、いわゆる原因といわれるその継ぎ目のところですね。先ほども大矢委員からも出ておりました。この辺のガス漏ればやはり前の日に出ておるわけですね。そのガス漏れが前日に起こった。そのあと、こういう継ぎ目をこのままほうっておけば、何らかの形でこういう結果になるということは全然予測をされなかったのか、あるいは四日にガス漏れがあった、ここはやはりもう一回ちゃんと調べて徹底的に究明をして何らかの対策を講じなければならぬということを考えておったけれども、すぐ実行できなくて不幸にして八日の日に爆発になってしまったというのか。要するに、四日のこの付近の漏れの際、それに対するどういう対応策をやろうとされたのか、それを一つお伺いしたいわけです。
 それともう一つは、技術的な問題で、いままでこういう例はなかったと思うんですが、こういう個所がどれくらいの年月がたった場合、それが露出した場合どういう支障がくるか。それがはずれるとか漏れるとか、そういうことはいままで研究されておったのかどうか。この点は鉄建建設のほうと両方にお伺いしたいのですが。
#63
○参考人(西山磐君) ただいまの矢追先生の御質問は、これは技術のことになりますので、私にきょう随行しております技術者が御説明を申し上げたほうがよくおわかりになるのじゃないかと思いますので、営業部次長の藤田彰男、これは導管管理の最高の責任者でございます。ただいま随行しておりますので、お答えさしていただいてよろしゅうございましょうか。
#64
○委員長(村上春藏君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 それではこの際、大阪瓦斯株式会社営業部次長藤田彰男君を参考人とするよう委員長において取り計らいます。
 藤田参考人に発言を許可いたします。藤田参考人。
#66
○参考人(藤田彰男君) 大阪瓦期の導管の技術を担当いたしております藤田でございます。
 ただいま先生の御質問の件でございますが、初め、はずれました継ぎ手部の構造でございますが、これは麻と鉛の上にゴム輪を用いまして、これを押し輪で水取り器本体とボルトで締めつける構造になっておるわけでございます。この構造は鋼管を使用しておる場合でも、約八トン以上の力で引っぱらないと抜けないようになっておるわけでございます。当時のガス供給の圧力は、一・二キロでございまして、その圧力を換算いたしますと、内圧にいたしまして約一トンの力がそのベンドにかかるわけでございます。したがいましてあのベンドには八倍の安全率があったわけでございます。なお熱応力につきましては、温度差を十五度というふうに考えますと、約二・六ミリ、冷却した場合には縮まったり、あたたかくなりますと伸びるわけでございますが、その力を換算いたしますと約五百六十キログラムということで、問題はないわけでございます。なお振動につきましては、あの現場におきましては、懸垂けたは覆工板とは別になっておりまして、私どもでいままででもはかっておるわけでございますが、ちょうど路上を重量車が走りましても、約二十ミクロンから三十ミクロン、と申しますと〇・〇二ミリぐらいの振幅が管体の上にかかるわけでございます。かようなことで、あの継ぎ手の構造につきましては問題がないと私どもは考えておるわけでございます。
 また、先ほど御質問ございました四日の漏れ、それから六日の漏れの修理の件でございますが、当時、四日につきましては、当日地下鉄現場のほうから、夜でございますが、当社の宿直に連絡がございまして、現地に参りましてその状態を見たわけでございますが、いわゆる私どもではカニあわと申しておるわけでございますが、石けん水を塗りますと、ちょうどカニがあわをぶくぶくと吹くような状態でございまして、ぷくっとこうあわが出るのでございますが、そういう状態の漏れでございましたので、当社といたしましては、押し輪とボルトを変えて締めつけた、ボルトを締めつける作業をやったわけでございます。六日につきましては、さらにそれよりも小さなほんとうにぷつっとするようなカニあわでございましたので、ボルト一本だけを締めるというような状態でございまして、あの今回はずれておりましたところへの影響は全然なかったわけでございます。さらに四日、六日の日に、当社のそういう修繕員が参ったわけでございますが、そのときには、あの継ぎ手、水取り器の継ぎ手部分は土中に埋まっておりまして、完全に固定されておったということで、私どもとしては安全なものと考えておった次第でございます。
#67
○矢追秀彦君 ということは、これ要するにT字型といいますかね、Z字型の個所については、工事の最初からあるいはいままでこの部分については全然注目はされていなかったわけですか。今回事故が起きて初めてこういうふうなことも起こり得るということがわかったのか。いままで直線の場合と曲がった場合とでは、これがはずれるということは検討はされていたのかどうか、その点はどうですか。
#68
○参考人(藤田彰男君) ただいまの御質問でございますが、私どもとしましてもああいうふうに将来の空間にパイプが露出します場合には、どうしてもいろいろな外力がかかるというおそれが考えられますので、まあ先ほどからいろいろございましたように、図面上の承認参考図でございますが、返却する場合にベンド部には抜けどめをつけていただきたいということを御依頼しておるわけでございます。
#69
○矢追秀彦君 鉄建建設のほうはどうですか、四日のガス漏れの……。
#70
○参考人(大石重成君) まことにお恥ずかしい話でございますけれども、われわれといたしましてはガス管につきましては一切知識がございませんので、最初申し上げましたように、参考図を基本にいたしました設計の詳細図を御承認を得まして、それを忠実に行ないまして、事後はガスが漏れたらすぐにガス会社に御報告をする、こういうことで、ガス管にはさわらないというようなことをモットーにしてやっておるわけでございます。また、いまのようなむずかしい点につきましても御指示がございませんものですから、私たちとしてはまことに知識がない点でお恥ずかしいんでございますけれども、いままでのようなことで御認可をいただきました方法でいいものだと確信をして、また労務者も、ここに多少の不安があれば、生命に関係することでございますので、なかなか作業をいたしません。また、本人たちも十分これで安全であるということを確信をいたしまして作業をしておったのでございまして、いろいろ詳しいようなことは存じておりませんで、この設計図でいいものだと確信をしてやっておった次第でございます。
#71
○矢追秀彦君 時間がありませんので大阪市のほうにお伺いしますが、一点だけちょっと府警察関係のことが入りますので、ちょっと市のほうでは無理だと思いますが、この際要望していただく意味においてもちょっと含まれますけれども、一つは当日の問題と今後の問題と二つに分けて申し上げますが、当日、要するに八日の事故が起こった場合に、私もすぐ参りました。現地で対策本部がつくられて一生懸命おやりになって、非常に大阪市が中心になってやられた点については敬服しておりますけれども、ただ一点、その被災者の家族に対する窓口といいますかね、それをもっとああいう事故の場合には協力していただきたい。というのは、やはり報道人も詰めかけますし、いろいろな人がたくさん参りますし、非常な混雑をするのは、これはやむを得ないことですけれども、やはりその家族に対していろいろ問い合わせ、それに対する応答がやはり十分でない面を私も二、三目撃もしましたし、また私自身も家族の方からうんとおしかりを受けました例もありまして、たとえばうちの親戚が死んでいるかどうかさっぱりわからなかったと、自分で病院を回って初めて死んでいることがわかったと、もうちょっと早くわかっておれば、死ぬにしても気が済んだとか、そういう場合には往々にして家族の方も興奮されていますので無理もないかと思いますけれども、あの現場の対策本部の窓口、特に被災者に対する窓口、これをひとつはっきりもっとやってもらえばよかったんじゃないか。市のほうも非常によくやっておられて、そこまで一〇〇%というわけにはいかないと思いますが、それが一つです。
 それに関連して、これはまあこの間予算委員会でも国家公安委員長には申し上げておいたんですけれども、死体の検死が非常におくれまして、家族の方が死体を家に引き取るのが非常におくれました。夜中の、そうですね、私が引き上げたのが午前三時過ぎだったですから、そのころようやくひつぎで持って帰られた。あの近くの鶴満寺、あのお寺で、そこに私が行ったときにしかられたわけです。この死体どうしてくれるんだ。しかもそのときの処理が、ござでも敷いてあればまだいいんですけれども、お寺の板の間の上に置いて、その上に新聞紙かぶせてあるだけなんですね。こんないわば人間扱いじゃないような死体の置き方をして、そうしてしかも検死がおくれて、ひつぎはきているわけですよ、棺おけはきているわけですよ。だけども収容できない。それで相当頭にきておられる方が何人かおられまして、私が入るなり、おまえ何しに来た。しかられることはかまいませんけれども、市警本部でも、検死が、どこでやっているか、家族が連絡取られて、そっちにもいないと言うんですね。そういう点、やはりああいう人たちが、たくさんの方が死んだ場合の検死のやり方がもっとスムーズにできないのかという点、非常に痛感しました。その二つです、当時の対策で私の気のついたことは。
 今後の問題として、やはり一番問題は補償の問題になると思うんですけれども、やはりこれは一番心配するのは、裁判になった場合に非常に長引く、これは各業者の方にも、その点をやはり政府が責任をもってやるなりあるいは市が責任をもってきちっと何らかの形で話し合いでやるほうが私は早いように思うんです。もし裁判になれば長引いて、公害裁判に見られるようになかなか結論が出ない。結局、その家族の人はその間負わなくちゃならぬ。応急的にはされておると思いますけれども、その点がどういうふうな今後の方針になっているのかどうか。それが一点です。
 それから、やはり御主人がなくなられた人、あるいは一家の中心の人が非常になくなっております。ああいう夕方ですからサラリーマンの方がたくさんなくなっております。その家族に対して市長も御相談に乗る。私もお葬式に参りました。いつでも相談にいらっしゃいと、こういうお話をされておりましたけれども、むしろ市のほうが人を派遣して、そのうちをたずねてやられるようにぜひやってもらいたい。この点についてはどうなっているか。
 それから、総点検のほうはおやりになると思いますので、この問題は省きますが、特にやじ馬がたくさんなくなった。特に子供がだいぶ死んだわけです。非常な不幸なことだったわけですが、こういう一般の民家も含めて、学校あるいは幼稚園に、保安教育といいますか、安全教育、やはり都市の中に起こる災害についてのやはりある程度の教育、それからそういう民家いわゆる町単位の自衛手段といいますか、そういうこともある程度やらなくてはならぬのじゃないか。幾らパトロールをふやそうが、人手不足の時代ですから、全部人間でやることはむずかしいと思います。ある程度はやっぱり一般の民衆のほうが考えなくちゃならぬ、そういう点、どういうふうに考えておられるか。
 それから負傷者の後遺症について、先ほども少し報告されましたけれども、専門のお医者さんがちゃんとできているのかどうか。専門の病院できちっと、この問題についてはちゃんと解決をしていくというような体制になっておるのかどうか、その点をお伺いして私の質問は終わりたいと思いますが。
#72
○参考人(下村進君) まず第一に、当日の対処のしかたが非常にばらばらでなかったか。私たち、先ほども申し上げましたようにいろいろ手を尽くしましたが、正直に申し上げまして警察、消防、市の災害木部という連絡は非常にスムーズにいかなかった。言いわけがましくなりますが、実はあの火が二時間ほど消えなかったわけなんで、したがって片方は消防活動、消火活動が行なわれて、救済がおくれる。またそのために、なくなられた一方あるいは負傷された方を、どこに安置したか、あるいはどこの病院に入ったかというようなことについて、実は非常に消防、警察、市との連絡も円滑を欠いたという点がございまして、これは非常に恐縮に存じ、また将来に向かってずいぶんわれわれ反省することがたくさんあろうかと存じますので、いまの御指摘の点は十分ひとつ将来意を用いて対処してまいりたいと思います。それからまた同時に、死体検視の問題等につきましても、実は市のほうではさっそく、たくさんの死傷者が出られたということで、まず御遺体にお着せする衣類、それから棺おけの準備をいたしましたが、御承知のように三カ所に御遺体がある、検視は太融寺で行なわれておる、何かその辺のことも多少ちぐはぐがございまして、ちょっと先ほど申し上げましたが、非常に御遺族なりあるいは負傷された方々あるいは御家族に御心配、御不安をかけまして申しわけなく存じております。いまの二点についてはこれをひとつ参考にして、十分将来気をつけてまいりたいと存じます。
 それから補償の問題につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたが、一番最初に皆さんからいろいろ御指摘がありますように、ことに今回三者の関係でございまして、これが市長としては一番心配のあった点でございまして、さっそく両者に御相談して、相談は市の窓口で受けましょう、どっちへ行っていいかわからないというようなことではいけないということで、両者の御了解を得て市が窓口になってやりますということで、北市民館に事故処理を設けていたしております。先ほどのお話のように、いろいろ補償が長引くと、その間いろいろお困りの方が出るのじゃないか、私らもその点十分心配をいたしております。これも先ほど申しましたように、三者のいろいろ責任関係が分明でなくても、補償の問題はやはり市が窓口になって、両者と御相談しながら、責任問題は別にして補償問題は進めていくということを三者で打ち合わせ済みでございまするので、御了承をいただきたいと存じます。それから補償問題で、あるいは相当長引くということも考えられますが、これも実はたくさんの方々の中にはやはり生活にお困りの方もございますので、そういう方々については一部前払いというようなこともいたさなければならないという考え方でいま進んでおるわけでございます。
 それからその後遺症等々の問題につきましては、市の衛生局で患者一人一人について病院と直接専門家が当たりまして、非常に重傷な方であると病院を動かせない、患者のほうからは早くどこか特殊の病院にという話もありますが、動かせない。動かせる人は、そういうふうに患者なりあるいは家族の御希望に沿っていっておりますが、動かせない人は医者を派遣するというようにいたしております。これらの御遺族につきましても、特に重傷者の入院患者につきましては一人一人特定の人を、相談員と申しますか連絡員と申しますか、つけておりまして、それで本部のほうに、たまに行くのでなく、担当の人がついておりますので、いま御質問のようなことは、できるだけ万全を期したいと存じております。
 それから学校、幼稚園等の教育、ガスの問題についての知識普及という問題につきましては、もちろんこれを契機に十分ひとつPRと申しますか、教育と申しますか、いたしたい、かように思っておる次第でございます。
#73
○浅井亨君 きょうはお忙しい中をまことにありがとうございました。
 実は今月の二日にガス事業法の一部改正法案につきまして、いろいろ保安の問題について私は質問をいたしております。このときのことについて一、二まず最初に馬場局長にひとつ御返事を願いたいと思うのでございます。実はこの二日の日に、私は保安について、事故防止ということについての確信と自信がありますか、お持ちでございますかという、こういう質問をいたしました。ところが馬場局長からは、いわゆるガスの問題は三通り注意しなければならぬ問題がある。一つにはいわゆる製造する場所においての問題、またそれを輸送する導管におけるところの問題、またそれを需用家が使用するとき、そういう三通りにわけられて、事故の件についてお話がありました。それについて第二番目の問題として今度の問題が起こった、このように考えているわけであります。人命の尊重という点から考えまして、一つの例をあげて、下水のことでありますが、この例をあげてまで私はいろいろと御質問申し上げたわけであります。それについて局長の御答弁を、時間もありませんので読んでみます。その第二点のところでありますが、導管の事故でありますが、「第二点の、そのガスを輸送する過程で発生する事故、これに対する保安の問題でございますが、これは従前におきましても、現在の法律におきましても、導管の漏洩検査などにつきましては法律で義務づけられておりますけれども、今回新たに主要な導管につきましては、先ほど申しました発生設備と同様に工事の認可制をしいて強化いたしたい、かように考えております。それからガスの導管の事故はもう一つ、導管自身に落ち度がございませんでしても、御承知のようにガス管は地中に埋没されておりますから、いろいろな道路工事とかあるいは地下鉄の工事というような他の工事をやります際にガスの導管の防護が十分でございませんと、他工事に伴って事故が起こるという場合がございます。そこで今回の改正法におきましては、保安規程というものをガス事業者から届け出をさせましてこれを順守するように義務づけておるわけでございますが、この届け出られる保安規程におきまして、そういう他工事が行なわれます際の他工事をやる業者との連絡体制とかあるいは協議体制、ガス事業者が十分他工事の把握ができるようなことを保安規程に定めさせるということによりまして、この輸送途中における保安の問題も一そう強化していきたい、かように考えております。」、このような御返事でありました。この問題につきまして、それからちょうど六日たってこの事故が発生したわけであります。そう考えてまいりますと、ここに御答弁がありましたように、このいろいろな工事でありますが、いろいろと御連絡があった、先ほどからも聞いておると、毎月こうだとか、きょうのあれにも出ておりますが、必ず各企業者の立ち会いを受け、確認を得ると、こういうように話し合いができるということになっておるわけでありますが、この点について、いわゆる当事者の方々がいっその話し合いをしておられたのか。それは上だけでやったのか、それとも事業を担当しているその現場の人々の立ち会いの話し合いでおやりになるのか、その点をお聞きしたいと思います。まず、この点につきまして局長からひとつ御答弁を願いたい。この問題をこのように確約されておりましたが、こういう工事がいろいろありますが、それについてさっそくに現地のほうへいろいろなそういう面について協議を特段にやるようにという御通知を出されたのかどうか。それを出されていないとすると、やはり人命の尊重ということを叫ばれてはおりますけれども、いつ起こるかもわからないそういう事故に対して、その通知なり報告をしていなかったということになりますと、われわれに対する返事はともかくといたしまして、ほんとうにこういう事故が起こるかもしれないという、また起こり得るのだということから、切に考えられなければならないことではないかと思いますが、そういうことに対してやはりルーズに、マンネリズムにお考えになっていたのではないか、もっとさっそくにこういう工事面はあちらこちらやっておるわけでありますから、そういう会社に対して御注意をされたのかどうか、指導監督されたかどうか、こういうことでございます。それをまずお答え願いたい。
 それから、各担当の方々がいつそれを協議せられたか、また現地で事業に携わっている人はお話し合いをときどきやっておるのか、また、その監督についてはほんとうに緊密な連絡をとっておやりになっていたのかどうかということについてお話を願いたいと思います。
#74
○委員長(村上春藏君) 簡単に。
#75
○政府委員(馬場一也君) まず四月八日の事故後に政府としてとりました措置でございますが、先日来からお答え申し上げておりますように、実際に現在進行しております各工事現場の総点検ということをガス事業者に指示をいたしましたし、また他工事をやっておる側のほうにもそれぞれの監督の立場にあります各省から一斉に同時に御通達願いまして、それぞれ各地で総点検が行なわれております。各事業者に対していたしました指示の結果につきましては、四月十日に通産省のほうでは各事業者のほうに通達をいたしましたが、特にこういう地下鉄等の大規模の工事の行なわれております地点のガス事業者は、四月十七日でございますが、総点検の結果を、各事業者を本省に呼びまして関係通産局と一緒にその総点検の結果の報告を受けておるわけでございます。
 それから、ただいまの当事者間の話し合いについてでございますが、これはむろん従前ともいろいろなかっこうで行なわれておったと思いますけれども、今回特に連絡対策本部のほうで話し合いをいたしまして実行しております。これは各事業者がそれぞれの立場で総点検いたしますだけでは、結局それぞれの立場だけの総点検になってしまいますので、その結果を各地の道路管理者はいろいろ県でありますとか、あるいは市町村というのが道路管理者であるわけでございますけれども、それぞれの関係の道路管理者のところで、各自の総点検の結果を持ち寄りまして、お互いにふぐあいのところがあれば話し合いをしまして改善の方策を一緒にやっていくということは従前から道路管理者を中心として協議会はあったわけでありますが、その機能を一そう強化をいたしましてやろうという申し合わせをやっておるわけでございます。事故後にとりあえず通産省を含めまして、各省、政府全体でとっております措置はそのようなものでございます。
 それからただいま先生の仰せになりました改正ガス事業法が施行されますときの保安体制の強化につきまして、ただいま先生お述べになりましたようなことでお答えをいたしまして、私どもそのように考えておりますが、特に改正ガス事業法の施行をまちませんでも、ただいまのその保安規程を各ガス事業者から届け出てもらうような問題、それから特に他工事をやりますときのガス導管の保護についての明確な基準というようなことにつきましては、法律の全面施行前でも少しでも早くそれをきめて実行に移したいということで、現在鋭意作業をいたしております。私どものただいまの見通しといたしましては、少なくともここ一、二カ月の間には、そのようなものを、ガス事業法の施行に先立ちまして、問題になりました点の実行をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#76
○委員長(村上春藏君) 参考人の方、簡単にひとつ。
#77
○参考人(西山磐君) ただいま他工事の場合に連絡をどういうふうにしておるかという御質問であったと思いますが、これは連絡協議会を持ちましてお互いに協議をしております。現場で主としてやっております。
#78
○参考人(大石重成君) 建設業者の立場を申し上げますと、私のほうは先ほど申し上げましたように、契約のときに参考図をいただきまして、これを私のほうの現場で現地に合ったようなものを詳細に設計をいたしまして、これを市御当局の現場の事務所に提出をいたします。そうして御認可をいただいて、これに基づいて施工をいたします。施工する場合には現場の事務所の監督員の方が毎日来ておられますので、この方の御監督のもとに施工しております。瓦斯会社のパトロールは、直接私のほうは瓦斯会社さんとは連絡協議その他の点はございませんが、随時瓦斯会社の方がパトロールをされておりまして、何か御注意があれば御注意がいただけると、こういうことになっておりますが、いままで御注意はございません。
#79
○田渕哲也君 それでは、再びこういう悲惨な事故を起こさないように事故防止の見地から若干の御質問をしたいと思います。
 すでに各委員からの質問がございまして数々の点が明らかになっておりますけれども、それでも私としまして、まだ若干ふに落ちない点あるいは不明確な点が残っておりますので、こういう点を中心に質問したいと思います。
 今回の事故の原因は、やはり第一義的にはガス漏れの原因となった導管の破損ではないか、これの問題が一つあります。それからもう一つは、やはりガス漏れを発見したあとの処置が適切であったかどうかの問題、この二つに分けて考えられると思いますけれども、まず第一の原因であるガス漏れの原因となった導管の破損の問題ですが、先ほども大矢委員から質問がされまして、この工事中における導管の保安の責任がはたしてどこにあるか、これは交通局長もお答えになっておりますけれども、私としてはもう一度これをやはり確認しておきたいと思います。これはやはり事故の責任追及ではございません。事故があろうとなかろうと、工事中の導管の保安の責任あるいはこれに対する監督権というものは、基本的にどこが持つか、これがはっきりしていないと、ややもすればこの監督、管理というものがおろそかになって、再び事故が発生するおそれがあると思います。したがって、この大阪市の地下鉄工事の場合の保安のほうの責任の所在というものをお答えいただきたいと思います。まず大阪市の下村助役さんにお願いしたいと思います。
#80
○参考人(下村進君) 交通の事業は交通管理者が専決いたしておりますので、黒田参考人からお答えさしていただきたいと思います。
#81
○参考人(黒田泰輔君) 先ほど大矢先生の御質問についてお答えをしておるところでございますが、昨年の板橋の事故以後、本省から注意するようにという御通達をいただいております。こちら側からは予想される工程に従った時期に御立会なりを要請し、また自発的な御巡視もいただくようにお願いをしながら、工法といたしましては懸垂する方法で保持をすると、こういう別の参考標準図面をととのえましてお願いをして、それでやりましょうという御回答をいただいて今日までまいっておるわけであります。したがいまして、先ほど申し上げましたように、それの遂行に責任を持って当たるということでこちらが理解してまいったわけでありますけれども、反省をいたしますると、もう少しガス管についての知識をわれわれも持って、そうしてみずからその危険を感じたときにはガス会社に特に折り入っての御協議を詰めていくことが必要じゃなかろうか、かように反省をしておるという実情を御答弁申し上げたのでございますが、実際そのとおりでございます。
#82
○田渕哲也君 私がお尋ねしておるのは、まず第一義的な責任の所在、いわゆる最高の、最高のといいますか、最終の監督権、そういうものはどこにあるかということです。今度の場合も、先ほどの御答弁の中で私がふしぎに感じたのは、仕様書を大阪瓦斯のほうに出されて、ガス会社のほうからこれに対して付記があります。ところが、それを市のほうでは必ずしもこの付記というものには従わなくてもいいんだという御解釈ですか。いわゆる抜けどめをするということで付記されておるにかかわらず、市と施工者の判断でそれはやらないということになったわけです。ということは、やはり最終的な責任というものは市当局にあるのではないかというふうな気がするわけですけれども、この点だけを確認したいと思います。
#83
○参考人(黒田泰輔君) 御指摘の点は、私は、反省として今後どうやっていくのかということを詰めて考えなければならぬと思うのでございますが、何分、ガスの施設保持について固有の勉強が足りませんものでありますから、懸垂する方法でやっていくということを一般的に御了解願い、この問題の四工区の場合には、そういう補強措置を必要とするということ、その部分にかかりましたのは、事故の直前の日付にその工程に入ったわけであります。そういう御通知を四月三日にいただいているわけでありますので、私どもはそれについて判断が、先ほど申しましたように一部曲がっている部分については、これは何らかの対処が必要ではないかということで、直径の厚い鉄棒を入れたりしたわけでありますけれども、問題の個所については溶接した鋼管の長い部分でありますので、そういうすっぽ抜けというものは起こらないだろうという判断をしたわけであります。したがいまして、実情はそのとおりであります。それをさらに進んで、先ほど鉄建の社長さんもおっしゃいましたが、ガスについて特段の措置を必要とする場合は、具体的にどうするかという協議をもう少し講じなければ、そのやり方について、方法論について、私らの間に持ち合わせている知識が不足しているから、瓦斯さんのほうの知識も借りて具体的な仕様というものを今後研究していかなければならぬじゃないか、かように考えておるわけでございます。
#84
○田渕哲也君 こういう問題は基本的な問題で、私は、本来ならば市長あるいは助役さんで答えらるべき問題じゃないかと思います。これは今度の事故についてどうこう言うよりも、今後も地下鉄工事はどんどん進んでいくわけですから、その場合の導管の保安について最終的に責任はどこが持つのか、これがはっきりしていないと、事故が起きるたびにああでもないこうでもないということになるわけです。したがって、この点について、今後どういうふうにされるか、やはりこれは市で責任を持って保安をやるんだと、そのために必要な知識あるいは専門的な技術が必要ならば、これは大阪瓦斯のほうに委嘱してもいいし、あるいは施工上必要なことであるならば建設会社に委嘱してもいいけれども、最終的な監督権なり責任というものはどこにあるのか、これははっきりさせなければおかしいじゃないかと思います。この点について助役さんの答弁をお願いしたいと思います。
#85
○参考人(下村進君) 私からお答えいたします。交通局長にと言ったのは、決して責任を回避する意味ではございませんので、御案内のように、市の交通事業というものは、公益事業の管理者、市長は交通局長を任命しますけれども、あとの一切の事業は交通局長が専決でございまして、まあ正直に言うて、何にもわれわれは日ごろ事業上の連絡を持っていないわけなので、そういうことでまあ交通局長にお願いしたわけでございます。しかし、お尋ねの点は、交通局長から申し上げますように、今後責任の明確をどうしていくか。何と申しましても事業をやっているのは私たち大阪市がやっておるわけでありますので、どこがどういう責任を持つにしても、内容的に、あるいは打ち合せの上で、はっきりしたものを打ち合せながらきちっと職務分担をしていかなければいけない。局長からも申し上げましたように、多少向こうにたより過ぎると申しますか、そういう点が少しあったのではないかという気もいたしますので、市長の立場としては十分交通局の従来の行き方についてさらに検討、反省をせしめて、御質問のような趣旨に沿うて十分われわれ掘り下げてもう一ぺんやってみなければいけないと存じておるわけでございますので、御了承を願います。
#86
○田渕哲也君 現在地下鉄では工事をやっておる業者が二十幾つあると聞いておりますが、この業者の選定の要素、これはもちろん見積もりで入札してきめられると思いますけれども、そのほかいろいろな要素があると思いますが、これ、ごく簡単にどういう要素を参考にしてきめられておるかお聞きしたいと思います。
#87
○参考人(黒田泰輔君) これは局内でいろいろとやっておりますので、各企業者において基準が違うかと思いますが、しかしいわゆる常識的に申しまして、総合的に土木工事を施行する能力の高いりっぱな会社ということで、しかもその中で、日本で全国的に仕事をしておられる中で、できるだけ地下鉄の工事の経験がよその個所であるような実績等を私どもは勘案しまして、自主的にきめておるわけでございます。
#88
○田渕哲也君 先ほど大矢委員の質問にもありましたけれども、私もこの鉄建建設株式会社さん、いままでの大阪の地下鉄の工事の中では比較的事故、まあ今度のような大きな事故ではありませんが、導管とかそういうものに対する破損事故が多いという資料を手に入れたのですけれども、これを、先ほど交通局長のほうは御存じない。ただ私は、こういう危険性の伴う工事であればあるほど、安全性というものをやっぱり重視すべきではないかと思うのですね。ということは、建設会社の事故のそういうデータというものを、市において当然とっておかなければならないと思うのですが、その辺の点、ちょっと抜かりがあるんじゃないかと思いますが、どうですか。
#89
○参考人(黒田泰輔君) 業者の選定といいますか、それは毎年一回にきめまして、まあそのつど個々の契約にはどの会社、どの会社が加わっていただくか、こういうことになるわけでございますが、その毎年一回やります業者の選定につきましては、過去の実績をやはり選定の基準の一つに加えまして、一つの目じゃなしに局内でそういう委員を命じまして選定をしておりますので、そこら御指摘の点の評価も入っての上でやっておるシステムになっております。
#90
○田渕哲也君 それでは現在地下鉄の工事をやっておる各建設会社の先ほど申し上げたような過去における事故、そのデータもお持ちなんですか。
#91
○参考人(黒田泰輔君) ただいまこの席には持参しておりません。
#92
○田渕哲也君 でも、そういうデータはあることはあるわけですね。
#93
○参考人(黒田泰輔君) ございます。
#94
○田渕哲也君 それから鉄建建設の社長にお伺いをしますが、おたくの工事の中で、建設会社はどこでもそうですが、かなりの部分を下請にやらせておられると思うのです。現在その下請比率といいますか、全部の売り上げの中でどれくらいのパーセンテージが下請がやっておるわけですか。
#95
○参考人(大石重成君) 私どものほうの会社は方針といたしまして在来は直営を主にしてやっております。しかしながら直営と申しますと、やはり人間も、いわゆる工長という名前で呼んでおりましたが、それを社員にしてやらしておりましたけれども、四十年から四十一年にかけまして、そういう連中が、やはりこれでは少しうまみがないと言っては語弊がございますけれども、働きがいがない、自分たちのわずかな、たとえばくぎだとかシャベルだとか、ごくこまかいものは自分に持たしてくれないか、そのかわり、これは専門的なことばになりますけれども、作業を、切り投げということばを使っておりましたが、そういうことにやらして、働けば働くだけ、月給ではなくてやらしてほしいということが出まして、四十年から四十一年にかけまして、そういう経営能力また意欲のある工長を主にしまして小さな会社組織につくらせまして、それを主にして使っております。今回のいわゆる錦城建設というのも、その工長からでき上がったのでございまして、これは四十一年に一応独立をいたしまして一つの会社になったのでございまして、いわゆる下請というのは、まだそこまで成り立っておりませんので、同日も労務者が二十一名錦城建設のほうで働いております。うちの職員が二十七名これについて指導し、ほとんど直営的な工事をやっておった、こういうことが主でございまして、全体の何%と申しましても、ほとんどがそういうことで、はっきり何%がどうという数字はございませんが、概略といたしまして私のほうの会社のやり方は、直営を主にしたやり方をやっております。
#96
○委員長(村上春藏君) 他に御発言もなければ、参考人の方々に対する質疑はこの程度といたします。
 参考人の方々には、本日お忙しい中を遠方から御出席いただきありがとうございました。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#97
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十三分散会
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ソース: 国立国会図書館
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