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1970/04/28 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第16号
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1970/04/28 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第16号

#1
第063回国会 商工委員会 第16号
昭和四十五年四月二十八日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十五日
    辞任         補欠選任
     植木 光教君     米田 正文君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     米田 正文君     植木 光教君
     田渕 哲也君     向井 長年君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          村上 春藏君
   理 事
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                竹田 現照君
   委 員
                赤間 文三君
                平泉  渉君
                八木 一郎君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                浅井  亨君
                矢追 秀彦君
                向井 長年君
   衆議院議員
       修正案提出者   中村 重光君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        内田 芳郎君
       通商産業省重工
       業局長      赤澤 璋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○情報処理振興事業協会等に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○理事の辞任及び補欠選任の件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 四月二十七日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として向井長年君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(村上春藏君) 情報処理振興事業協会等に関する法律案を議題といたします。
 まず、通商産業大臣から提案理由の説明を聴取いたします。宮澤通商産業大臣。
#4
○国務大臣(宮澤喜一君) 情報処理振興事業協会等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 今日のように高度に多様化し、また急速なテンポで発展している経済社会におきましては、あらゆる活動は、複雑な外部環境の変化を予測し、その変化に機敏に即応していかなければならないことは、申し上げるまでもありません。
 このため、企業や行政機関などのあらゆる組織体は、日々に発生する大量の情報を迅速に処理し、その成果に基づき、的確な判断を行なっていくことが要請されております。
 電子計算機による情報処理は、このような要請から生まれたものでありますが、この発展のためには、ハードウェアすなわち電子計算機の機械そのもののほか、これを利用するための技術すなわちソフトウェアの進歩が不可欠であります。
 従来、政府といたしましては、電子工業振興臨時措置法の運用などによりまして、ハードウェアの技術開発などのための施策を講じ、その技術水準も国際的なものに近づきつつあります。反面、ソフトウェアについては十分な措置が講ぜられていたとはいえず、特にこの分野において進んでいる米国との格差がますます拡大しているのが現状であります。
 また、情報処理サービス業及びソフトウェア業は、情報処理技術の向上などをになうものとして、その健全な発展が望まれておりますが、わが国においては、いまだ歴史も浅く発展初期の段階にあるといえます。
 このような現状にかんがみ、わが国における情報処理を振興するためには、電子計算機、すなわちハードウェアの技術の振興のみならず、それに即応したソフトウェアの開発及び利用を促進すること、情報処理サービス業等の育成をはかっていくことが特に緊急を要する政策課題となっておりますので、これについて必要な措置を講ずるため、本法案を提出することとした次第であります。
 次に、この法律案の要旨について、御説明申し上げます。
 第一は、電子計算機利用高度化計画等についての規定であります。
 まず、情報処理の振興をはかるため、性能のすぐれた電子計算機の設置及び先進的かつ広く利用されるプログラムの開発についての目標を設定する電子計算機利用高度化計画を定めることといたしております。そして政府は、この計画の対象となった電子計算機の設置及びプログラムの開発の促進に必要な資金の確保などにつとめることといたしております。
 また、プログラムの円滑な流通をはかるため、プログラム調査簿を作成し、これを一般の閲覧に供することといたしております。
 さらに、情報処理技術者の技術の向上に資するため、情報処理技術者試験を行なうこととしています。
 第二は、情報処理振興事業協会に関する規定であります。
 まず、協会の設立につきましては、情報処理について専門的な知識を有する者十五人以上が発起人となって、通商産業大臣に設立の認可申請を行なうこととしております。この認可の申請が行なわれますと、通商産業大臣は、その事業の運営が健全に行なわれ、情報処理の振興に寄与することが確実であると認められるときは、一つを限り、設立を認可することとなっております。
 協会の資本金は、政府及び民間の出資によって構成されることとなっており、政府は、四十五年度予算においては二億円の出資を予定しております。
 協会の業務でございますが、これは、大別して二つあります。第一は、先進的かつ汎用的なプログラムの開発を委託し、その成果を対価を得て第三者に使用させることであります。第二の業務内容は、情報処理サービス業者等が業務の高度化に必要な資金を借り入れる場合及び一般事業者がプログラムの開発に必要な資金を借り入れる場合に、債務保証を行なうことであります。
 協会の業務のうち、債務保証業務に関しましては、資本金と、民間からの出損金によって構成される信用基金を設けることとしております。
 なお、協会の適正な運営を確保するため、通商産業大臣がその監督を行なうこととしております。
 以上、この法律案の提出の理由及びその概要を御説明申し上げました。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同をくださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(村上春藏君) 続いて政府委員から補足説明を聴取いたします。赤澤重工業局長。
#6
○政府委員(赤澤璋一君) 情報処理振興事業協会等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 御承知のように、電子計算機を用いた情報処理は、経済の健全な発展と国民生活の向上のかぎを握るものであり、その振興はいまや先進諸国を通ずる緊要の課題となっております。
 わが国における情報処理の発展の現状を量的に側面についてみますと、まず、電子計算機の設置状況は、昭和四十四年九月末現在において五千六百台をこえ、米国に次ぎ西ドイツと並んでほぼ第二位にあります。しかしながら、これも金額についてみますと、小型機が多いため、第二位の西ドイツとの間にもかなりの格差があるのが現状であります。
 また、電子計算機の適用業務については、給与計算、統計計算などの単純事務の事後処理的業務が全体のほぼ四分の三、計画、判断、予測などの高度な業務処理が全体の四分の一となっております。米国においては、これらの比がほぼ半々と推定されており、この点においても、著しい遅れを見せているわけであります。
 このような適用業務の格差は、ソフトウェアの格差によるところが大きいわけでありますが、この点について、コンピューターのコストに占めるソフトウェアの比率を指標としてとりますと、米国においては、すでにこの比率が五〇%をこえ、二、三年後には七〇%に達するであろうと報告されているのに対し、わが国においては、この比率が二〇ないし三〇%にすぎず、ソフトウェアの貧弱さを示しております。
 さらに、情報処理の専門業者である情報処理サービス業は、わが国では現在、企業数にして約二百社にすぎず、行なっているサービスも単純な大量事務の事後処理的なものがほとんどでありますが、米国では、約千七百の企業が、計画、予測などの高度かつ多様なサービスを提供しております。
 また、ソフトウェア開発の専門業者であるソフトウェア業についても、わが国の企業数は約三十といまだ揺籃期にあるのに対し、米国においては約一千社の企業が著しい成長を遂げつつあります。
 米国との間のこのような格差を解消するためには、広範、多岐にわたる措置が必要なことはもちろんでありますが、当面特に緊急を要する政策課題としては、ソフトウェアの開発とその流通を促進するとともに、情報処理サービス業及びソフトウェア業の育成をはかることが必要であります。
 政府といたしましては、このような点にかんがみまして、今回、次のような内容を盛り込んだ本法案を提案することとした次第であります。
 第一の部分は、電子計算機利用高度化計画等についての規定であります。これは、電子計算機利用高度化計画、プログラム調査簿及び情報処理技術者試験の規定からなっております。
 まず、電子計算機利用高度化計画は、情報処理の振興をはかるために利用を特に促進する必要のある、性能のすぐれた電子計算機の設置の目標と、先進的かつ広く利用されるプログラムについて、その内容と開発のスケジュールを定めるものであります。なお、当該計画は、政府としての施策の方向を示すものであり、民間においてはこれを指針としてプログラムの開発を進めることを期待するものであります。
 また、政府は、この計画の実施をはかるため必要な資金の確保等につとめることといたしております。
 次は、プログラム調査簿の規定であります。
 プログラムの利用を促進するために、プログラムの流通をはかることが必要でありますが、プログラムは、個々のユーザー企業の内部で開発されることが多いため、いかなるプログラムがいかなる者によって保有されているのかが明らかでないことが流通をはかる上での隘路となっております。プログラム調査簿の制度は、このような実情に対処して、政府がプログラムの概要を記載した調査簿を作成し、一般の閲覧に供しようとするものであります。
 情報処理技術者試験は、現在、量質両面においてその著しい不足が訴えられている情報処理技術者について、技術の認定試験を実施するものであります。これによって、情報処理技術者に対し目標を与え、情報処理技術者の技術水準を確保し、技術者に対する社会的評価を確立するなどの効果が期待されるものであります。
 本法案の第二の部分は、情報処理振興事業協会に関する規定であります。
 協会の設立は、民間がイニシアティブをとることとなっておりまするが、これは、情報処理の発展を推進する中心は民間であり、協会の設立及び運営についても民間の意思と創意くふうを生かしつつ行なう必要があるからであります。
 次に、協会の業務について御説明申し上げます。
 その第一は、電子計算機利用高度化計画に掲げられるような先進的かつ汎用的なプログラムのうち、企業等が開発することが困難なものについて委託開発を行なうことであります。第二は、このようなプログラムが企業等で開発された場合に、それを買い上げることであります。そして、第三には、これらによって協会が得たプログラムを、対価を得て第三者に使用させることであります。これら一連の業務によりまして、先進的、汎用的プログラムの開発及び利用を促進しようとするものであります。第四の業務は、情報処理サービス業者や一般事業者に対する債務保証を行なうことであります。これは、情報処理サービス業者等は、担保となる資産に乏しく、この業務の高度化に必要な資金の借り入れが困難であり、さらに、一般事業者についてもプログラムは担保とならないため、その開発に必要な資金の確保に円滑さを欠くという事態に対処するために実施するものであります。
 協会につきましては、このほか、その適正な運営を確保するため、管理、財務及び会計、監督等に関する規定を設けており、その監督は、通商産業大臣が行なうこととしております。
 簡単ではございますが、以上で、この法律案に関する補足説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#7
○委員長(村上春藏君) 速記ストップ。
  〔速記中止〕
#8
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 次に、本法案に対する衆議院の修正につき説明を聴取いたします。衆議院議員中村重光君。
#9
○衆議院議員(中村重光君) たいへんどうもお待たせしました。
 情報処理振興事業協会等に関する法律案に対する修正案について説明をいたします。
 情報処理振興事業協会等に関する法律案の一部を次のように修正する。
 第一条、「もって」の下に「国民生活の向上及び」を加える。
 第三条第一項各号列記以外の部分中、「電子計算機利用高度化計画(以下「計画」という。)は、次に掲げる電子計算機及びプログラムについて、」を「次に掲げる電子計算機及びプログラムについて、電子計算機利用高度化計画(以下「計画」という。)を」に、同条第二号中「に用いられることとなる」を「を目的とする」に改め、同条第五項中、「前二項」を「前三項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える、「4関係行政機関の長は、前項の協議を受けたときは、関係審議会等の意見をきくものとする。」。
 第四条に次の一項を加える、「2前項の措置を講ずるにあたっては、中小企業者に対する特別の配慮がなされなければならない。」。
 第十六条第一項中「専門的な知識」を「学識経験」に改める。
 以上でありますが、趣旨の説明をいたします。
 ただいま議題となっております情報処理振興事業協会等に関する法律案は、衆議院において一部修正いたしましたので、私からただいま修正点について申し上げたことについての趣旨を御説明申し上げます。
 第一点は、法律の目的の修正でありまして、本院の究極目的が「国民経済の健全な発展」にあるという政府原案に対しまして、これに「国民生活の向上」をつけ加えたことであります。これは申し上げるまでもなく、本法が経済目的のみにとどまらず、国民生活の向上に寄与するという使命を持つべきことを明定したものであります。
 第二点は、電子計算機利用高度化計画の規定に関する修正であります。その一は、原案の表現によれば、すべての電子計算機利用高度化計画が本法によって定められておるように誤解されるおそれがありますので、表現方法を改めたものであります。
 その二は、計画の対象から、特定目的のプログラムは除くという趣旨を原案より明確にした点であります。
 その三は、計画の策定にあたって協議を受けた関係行政機関の長に対し、関係審議会等の意見を聞くことを義務づけ、官庁だけの独断でなく審議会等を活用すべきこととしたものであります。
 第三点は、電子計算機の普及及びプログラムの開発の促進に必要な資金を確保する措置を講ずるにあたっては、中小企業者に対する特別の配慮がなされなければならない旨の規定を新設したことであります。中小企業における情報処理振興の必要性と資金調達力の弱さとを考えれば、きわめて有意義な修正であると存じます。
 最後は、情報処理振興事業協会の設立発起人の資格要件につきまして、原案では「専門的な知識を有する者」となっておりましたが、このように狭く限定するのは不適当であると考え、社会常識的に見て「学識経験を有する者」であれば発起人になれるように改めたことであります。
 以上、衆議院における修正の趣旨を申し上げました。何とぞ衆議院送付案のとおり御可決賜わりますようお願い申し上げます。
#10
○委員長(村上春藏君) 本法案に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(村上春藏君) この際、理事の辞任許可及び補欠選任についておはかりいたします。
 山本君から、都合により理事を辞任したいとの申し出がございました。これを許可することに異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、直ちにその補欠選任を行ないたいと存じます。
 選任は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じまするが、異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。それでは理事に大谷藤之助君を指名いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#14
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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