くにさくロゴ
1970/05/07 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第18号
姉妹サイト
 
1970/05/07 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第18号

#1
第063回国会 商工委員会 第18号
昭和四十五年五月七日(木曜日)
   午前十時二十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     阿具根 登君
     向井 長年君     田渕 哲也君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     長田 裕二君     井川 伊平君
     久保  等君     小柳  勇君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
    理 事
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                竹田 現照君
    委 員
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                植木 光教君
                剱木 亨弘君
                平泉  渉君
                八木 一郎君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                林  虎雄君
                浅井  亨君
                矢追 秀彦君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省重工
       業局長      赤澤 璋一君
       中小企業庁次長  外山  弘君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   牧野 康夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局管理官   清正  清君
       文部省初等中等
       教育局職業教育
       課長       大崎  仁君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○情報処理振興事業協会等に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
  〔理事大谷藤之助君委員長席に着く〕
    ―――――――――――――
#2
○理事(大谷藤之助君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 五月六日、鈴木強君、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として阿具根登君、田渕哲也君がそれぞれ選任されました。
 本日、久保等君、長田裕二君が委員を辞任され、その補欠として小柳勇君、井川伊平君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(大谷藤之助君) 情報処理振興事業協会等に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○矢追秀彦君 昨日かなりいろいろな問題が提起されましたけれども、二、三重復する点もあるかと思いますけれども、最初にこの法律案の第一条の目的のところには「情報化社会の要請にこたえ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」と、このように定められてありますが、この情報化社会というもの、きのう大臣から少しお話がございましたけれども、非常にまあこれからの新しい社会でありまして、いろいろきちっとやっていかないと問題も起こってくると思うわけです。特に私がお伺いしたいのは、これは本年の四月ですか、国民生活審議会の調査部会で、情報化時代の国民生活ということで、いろいろ報告書というのが出ておりますけれども、この中に三点うたわれておりますが、一番特に言われていることが人間性の喪失という問題を強く出しておるわけですけれども、この問題について大臣はどのようにお考えになっておるか。あくまでも人間性を基調とした上での情報化社会をつくっていくためにはどうあるべきか、その点の御見解をまずお伺いをしておきます。
#5
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆる情報化社会の出現ということは、人類の歴史における一つの大きな変革ではないかというふうに想像をしているわけでございますが、この変革が人間にとって文字どおり幸福なものになるか、あるいは逆に不幸を招くかということは、結局情報化の進展に伴って、従来の、どちらかといえば単純な労働から人間が解放されて、そうして解放されましたその余暇、時間というものを、人間本来の、人間でなければできないような創造のために積極的に使っていけるか、あるいはむしろその余暇をもてあまして社会の進展から逆に人間が疎外されてしまうか、そのいずれかで私は勝負がきまるというふうに考えているわけでございます。したがって、情報化社会の出現によって生まれるはずの余暇あるいは単純な労働からの解放というものを、いかにして創造的に、クリエーティブに人間が使っていくかということに一つの大きな問題のかぎがあるというふうに考えております。
#6
○矢追秀彦君 まあいま大臣が答弁されましたけれども、結局、現在経済一つ取り上げましても、非常に高度成長をした。しかしその反面、公害という問題が出て、やはり人間性の喪失という問題が特に七〇年代の大きな課題になっている。特に日本の場合、その傾向は顕著ではなかろうかと、こう考えるわけです。だから、経済を発展させ、経済成長させていくという高度成長政策をとって今日まできており、確かにそれはいろいろな面でプラスになったと思いますが、人間性という面でとらまえると、非常にそういう問題がたくさん出てきておりまして、したがって、この情報化社会というものを迎えるにあたって、よほど私は現在のこの経済高度成長に対するひずみという問題をよく検討してやらないと、まずい結果になりはせぬかと、こう思うわけですね。特に新経済社会発展計画の中でも、八十ページのところに4として「情報化の促進」ということがうたわれております。この中にも非常にまあけっこうなことが書かれているわけです。「経済成長を進め人間性豊かな社会の建設への地歩を固めることにもなる」と。そのあとで、「政府は」として、「これらの点に十分配慮して、情報行政の横断的調整をはかりつつ情報化へ向かって民間を誘導するとともに、さらにすべての行政運営の面において自らのシステム化を推進しなければならない。」要するに、人間性ということを言いながら、そのあとこの横断的に調整、民間の誘導、それから行政運営の面におけるシステム化、こういうふうに言われておりますが、これはまあ経済社会発展計画でありますから、今度の法案で全部これを達成することば無理かとは思いますけれども、この立場がどう今度の法律案でそれが十分にこの目標に向かって前進するような方向づけがされておるのかどうか、その点お伺いいたしたい。
#7
○国務大臣(宮澤喜一君) それは昨日も一部申し上げたことでありますけれども、先ほど申し上げましたような情報化社会の出現ということを考えますと、実はそれに対処するための体制の整備というものは、私はこの情報化社会というのが人類の歴史における一つの大きな画期的な変革であると考えておりますだけに、いままでわれわれがとっておった体制というものをかなり根本的に考え直さなければならないようなことになるのではないかというふうに思います。で、基本法という構想について昨日も何度か御議論があったわけでございますが、そういうものが要るということは私は間違いがないと思っておりますが、基本的な体制の変化があるかもしれないと思いますだけに、なかなか基本法というものの方向がつかみにくいわけでございます、ただいまの段階では。そこで、このたび提出いたしました法律案は、そういう将来展開されるであろう体制の整備を間違った方向で先取りをしないために、かなり意識して間口を狭くした法律案でございます。すなわち、情報化社会の一つの大きなにない手になると思われるであろうハードウエアとソフトウエア、ことにそのうちでソフトウエアの開発というものを促進をいたしたい、こういう面から主としてこの法律案が書かれておるわけでございまして、これは、情報化社会におけるごく入り口において、限られた範囲で政府の力をかしてハードウエア及びソフトウエアの開発をはかろうという努力の一つのあらわれにすぎないわけでございまして、この法律案そのものから情報化社会の姿というものを描き出すことは実際できないわけでございますし、また、私どもそういういわば大きな構想による、大それたと申しますか、試みをこの法律案では意識してしなかったということが実情でございます。
#8
○矢追秀彦君 まあいま基本法の問題が大臣のほうから出されましたので、それはきのうも議論がありましたし、またいま大臣からもお答えをされたとおりだとは思いますけれども、基本法までいかなくても、振興法という考え方もあるわけですし、もう少し幅が広げられなかったものかと。また御承知のように昨日わが党として基本法を出しましたけれども、実際これはいろいろ各党の方から御意見を伺い、そしてたたき台にしてもっといいものに前進いたしたいと私ども考えておりますけれども、まあそれをつくるにあたりまして、私もいろいろ研究いたしましたけれども、どうも今回の協会法――基本法までいかなくても、もう少し次の段階といいますか、できたのではないか。特に、法案の内容になりますけれども、電算機の利用高度化計画ですか、これなんかは、むしろ、まあ私どものほうでうたっております情報処理振興基本計画というふうなものまでできなかったものなのかどうか。それからさらに、まあ協会と事業団の問題はきのうお答えをいただきましたので大体わかっておりますが、事業団の問題ですね。さらにまあ標準化の問題、あるいはプライバシー侵害の問題等、私はまだ基本法までいかなくても、振興法という形ででも、もう少し将来の整備への方向を出すまでの努力ができなかったものかどうか。もしこの法案だけで終わるなら、いままでやってきたものを何らか手直しをして狭いものでいくなら、もう少しいままでの体制の一部手直しでいけなかったものかどうか。基本法までいけなくとも、ここでやるならもうちょっと間口を広げてもよかった。それから、あとは基本法は何年度までやると、いろいろな計画を立てることもできたろうと。その点はいかがですか。
#9
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまお触れになりました情報処理基本法案、矢追先生のところでおつくりになった法案につきましては、昨日拝見をいたしました。詳細に私どもも内容を拝読さしていただきました。
 いまの御質問でございますが、この法案をつくりますときにいろんな考え方があったわけでございますが、基本法までいかなくてもというお話でございますが、たとえばプライバシーの問題一つとりましても、また教育の問題を一つとりましても、全体をとりましてやはりいろんな面で情勢が流動的と申しますか、技術の進歩が非常に早い情勢にもございますので、いまの時点でこういったものを具体性を持って法案に織り込んでいくということには、私どもとしてはやはりいろんな面で困難を感じました、率直に申し上げますと。こういったようなものが漸次固まりつつある、あるいは今後固まってくる状態をある程度見きわめながら法体系を整備をするというのがいいのではないかという考え方が一つと、もう一つは、そうではあっても、やはり昨日来申し上げておりますような非常なソフトウエア面におけるギャップと申しますか、立ちおくれがございますので、この面はどうしても看過できない、こういうまあ二つの面から、とりあえずそういった面を中心にいたしました法案を提出するということに踏み切ったわけでございます。
 で、従来、中小企業基本法でありますとか、各種の基本法がございますが、それらの経過を見てまいりましても、やはりそれに関する各種の具体的な実行法と申しますか、施行法と申しますか、そういったものがある程度各分野それぞれ積み上げられておりまして、そういったものがほぼある程度出そろうと申しますか、緒についた段階でそれらを総合して一つの法体系にまとめ上げるという、まあ基本法構想というものが、従来いろんな基本法がございますが、どうも経過としてはそういう経過を踏んでおるようでございます。私どもといたしましても、いま申し上げましたような面から、とりあえず看過できない、早急に対策を打たなければならないと考えております面をこの法案に盛り上げまして、あと、いろんな面で国会を通じて御審議をいただいておりますような各種の方策あるいは今後の考え方といったものが次々とまた実行されてまいると思いまするので、そういった面の熟し次第またそれぞれの省庁におきまして必要な法制の整備を行ない、それらが総合されて基本法になっていくんではなかろうか、こういったような考え方を持っておる次第でございます。
#10
○矢追秀彦君 いまの基本法に対する根本的なお話ございましたけれども、私はまあいろんな問題もあると思いますし、また、いま言われた点も確か一理あると思いますけれども、実行法が先にできて、ある程度やってから基本法ができるという。これは各省庁にまたがった場合は特にそうなるのか。もし一つの省でおさまる問題であれば、やはり基本法が先にできて、それからその実行法というふうにいくのではないか。要するに、いまの日本の行政組織が各省庁に分かれて、結局、そこでおのおのいろいろなことをやり、それをまとめるというのが非常に私はスムーズにいっていない、ここに問題があるのではないか。一つの原因は、ですね。まあほかにもいろいろあると思いますけれども。というのは、私どもは、この情報処理の基本法案以外にも、たとえば海洋開発基本法案というようなものをつくって、これは先国会にも出しましたけれども、また今国会にも出しました。あれと同じようなことが言えるわけです。結局、政府のほうでは時期がまだ早い、三年くらい早いと言われました。それからこの基本法にしても、これから様子を見てつくると、こういうことになるわけです。結局、それは各省庁にいろいろ分かれてやられているものの統合といいますか、そういうような点についての処理のしかたというものが、私は、日本の場合、非常にうまくないのではないか。それからまた、それを強力にすると、何か一体化とか独裁的ということになって、また何かまずい面もあったのかもしれませんけれども。そういった点で、基本法というものはどうあるべきか、特にこういういろいろと各省庁にまたがった大きな問題、これについては、いま言われたのよりも非常にそういうものが先行していたのではないか。これをこの際、やはりこういう情報化社会という新しい時代ですから、大臣の言われた点もよくわかりますけれども、やはり基本法のほうを私はもっと早い時期につくるべきではないかと思う。二年という説もありますけれども、大体どの辺を目途として考えておられるのか。それからこの法律案は、どういう変化が起これはどういうふうに改められるおつもりなのか、その点も含めてお伺いしておきたいと思います。
#11
○政府委員(赤澤璋一君) いまお話しのように、基本法という問題になってまいりますると、この情報処理に関する面は非常に多岐多様でございまして、いわゆる回線を使って行ないます遠隔情報処理の問題、あるいは教育の問題、あるいはプライバシーの問題、さらにはこのソフトウエアといったようなもの、プログラムといったようなものの権利の設定の問題、保護の問題、こういったいろいろな問題がございます。これら各種の問題につきましては、各省庁が別々だからなかなか基本法がまとまらないと申しますよりも、それぞれの部面におきます事柄の実態というものの熟し度合いと申しますか、進行度合いと申しますか、そういったものがまだまだふぞろいでございます。全体が一つの線に沿ってずっと成熟しておるというよりも、それぞれいろいろな多様多岐な部面で、それぞれの面がまだこれからいろいろな形で進展を見ていくという段階でございまするので、それらを一様に引っくるめて一つの法体系にするということについては相当な困難があろうかと思うわけでございます。そういった面が、実際問題として、この法案につきましても、もう少し範囲を広められないかというふうに私ども考えておりましたけれども、実態面を当たってみますると、いろいろな面でやはりそういった施策を行なうには、あまりにもまだ統一が欠けておる。熟成の度合いがふぞろいである。こういったことから、まあとりあえず必要なものだけをこの法案に盛って、これだけはやっていきたいしまたいけるであろう、こういう考えのもとに法案をまとめておるわけでございます。
 なお、将来そういったようないろいろな部面がだんだんと明らかになってまいり、施策の方向も出てまいるということで、いまお話しのような基本法構想というようなものがだんだんと明らかになってまいりますれば、そういった方策に沿って、必要があればこの法案につきましても、その基本法の一部の実行部面を受け持つ法案になるわけでございますので、必要があれば、その際は必要な調整一を行なうということになってまいるのではないかと考えております。
#12
○矢追秀彦君 その基本法にいま盛り込むのが非常にむずかしいと、そういういまの状況を把握するのがたいへんだと言われましたけれども、では、はたして基本法というものは、そういうかなり縛りつけたようなはっきりした線というものまでをつけなければいけないものなのかどうか。私は、ある程度の方向づけというものがあれば、それであとはそれを具体的にやる。実行法なり、またはいろいろな年次計画なり、そういうもので私はいけるのではないか。基本法というものは、あくまでも、言うなれば、精神法と言ったらまたちょっと語弊がありますけれども、原子力基本法というものはああいう簡単な法律で、今日、いろいろな原子力の新しい段階に応じて、高速増殖炉とか新型転換炉とか、おそらくあのときには、制定当時は、そう大きく問題にならなかったようなそういうプロジェクト自身も、いま現に着々と行なわれておるわけでございますし、これからは核融合反応とか、そういう段階までできるわけですね。基本法にはそれは入っていないわけですね。原子力と情報とは全然違うと思いますけれども、私は何もそう慎重にならなくても、基本的な方向というものをはっきりすれば、あとは実行法なり計画でいけるのじゃないか、こう思うのですが、この点はいかがですか。
#13
○政府委員(赤澤璋一君) 基本法というものの中にどういう考え方を盛っていくかということについては、いろいろ御意見があろうかと思います。いま矢追先生のおっしゃるような考え方も私は一つの考え方であると思います。またそういう考え方のもとに、いわば一種の機構の整備と申しますか、体制の整備と申しますか、そういったことだけをまず基本法に盛っておく、あとはそういった機構なり体制の整備によって逐次生まれてくるものをさらに追加をしていくというような考え方ももちろんあり得る考え方でございまして、そういうことも私どもも考えないわけではございません。ただやはり情報化の問題と申しますのは、昨日来も御議論がございますように、非常に広範多岐な問題でございます上に、単なる経済社会の問題だけじゃなくて国民生活全般にも非常に大きな影響のある問題でございます。そういったような観点からいたしますと、やはり基本法というものを少なくともつくる以上は、単なるそういう方向づけをするために必要な体制の整備ということにとどまらず、ある程度の具体性を持って国民の前に将来の情報化社会における権利義務と申すと大げさでございますけれども、たとえば権利義務の問題、あるいはそれのよって起こるところの各種の具体的な対策面にまで及んだものをやはり書き込むのがいいのじゃないか、こういう考え方を私どもは持っておりまして、そういった面から、先ほど申し上げたような判断をし、かつ、こういった法案を提出するに至ったという次第でございます。
#14
○矢追秀彦君 この基本法をつくるための段階としては私いろいろあると思いますが、もしできましたら具体的にお答え願いたいと思うのですけれども、項目別に。基本法をつくるには、たとえば二年後なら二年後、三年後なら三年後というものを一つのめどに置かれて、それまでの体制づくりというのは私はこの法案だけではこれはできないと思うのですね。したがいまして、たとえば標準化の問題はどういうたとえば委員会なり審議会というところで検討されて、どういうふうな計画を立ててその方向づけを示されるのか。それからもう一つは、官庁における体制の整備、これは非常に大きな問題、これも行官で出てくると思うのですが、それもただ行管のほうで、政府のほうでやるだけではなくて、何か委員会的なもの、審議会的なものから出てくるのか。それからその他の特に大きい問題は、電気通信回線の利用の問題があると思いますけれども、それからプライバシーの問題、あるいは教育の問題、いろんな大きな情報化時代に対する大事な柱を、どういう委員会、どういうものを通じてどういう計画を出して、そうしてこの基本法へ、試行錯誤と言っては語弊がありますけれども、持っていかれようとしておられるのか、そういうプログラムをできたらお伺いしたいと思います。
#15
○政府委員(赤澤璋一君) 非常にたくさんの問題をお出しになりましたので、一々詳しくはお答えできないかと思いますが、適宜申し上げてみますると、標準化の問題につきましては、御承知のようにJISの調査会がございます。この調査会の中に情報関係の部会を設けましてここ数年来鋭意標準化につとめております。現在まで標準化されましたものはハード、ソフト両面にわたりまして二十六の標準化が行なわれております。さらに本年度におきましてもこれに追加をいたしまして、数件の標準化を進めるべくいま作業中でございます。こういったことから、標準化につきましてもやはり技術の伸展が非常に激しいものでございますから、あまり陳腐化したものを標準化してもしかたがないし、といって、あまり具体性のないものでは標準化が行なえない、こういったような面もございまするので、年を追って具体的な内容を踏まえながら標準化作業を進めていく、しかもできるだけ先を見てと申しますか、技術の進歩の先を見ながら標準化作業を進めていくというのが現状でございます。また、通信回線の問題等につきましても、あとでまた御質問があろうかと思いまするが、審議会の答申に基づきまして、これまた段階的にと申しますか、まず通信回線の一部専用線あるいはこれに準ずるもの等を使いました開放というものから手がけていく、こういったような考え方で、これは郵政当局でいまいろいろと内容について審議をしておられる段階でございます。また、教育面も先般お答えがあったと思いまするが、文部省におきましては、本年度以降五つの大学あるいは高専、高等学校等におきましてもそれぞれ所要の学科を設けまして、これらの教育の充足に当たるようにつとめておられるわけであります。こういったような全般のことがございまするので、特に行政管理庁におきましては、四十三年度の閣議決定を踏まえまして、現在おもなる七つの省庁が委員会を持っておりまして、この行政管理庁における七省庁の連絡会議を中心にいたしまして、各省庁がそれぞれ自分の分担をしている分野において、実態に即しながら、また技術の進歩の行く末を十分見きわめながら、それぞれ必要な施策を強力に行なっていきつつ、かつまた連絡もする、こういう体制で現在進んでおるわけでございます。こういったようなものが今後ともますます進んでまいると思いまするので、こういった各省庁、各部門における施策の熟成度合いを見ながら、基本法の構想を漸次固めていくということになってまいるのではないかと考えております。
#16
○矢追秀彦君 その各方面で出てきたものをまとめる機関ですね、その責任者といいますか、それはどういうふうにされるんですか。
#17
○政府委員(赤澤璋一君) 現在はまだいわゆる基本法というものをまとめるための責任官庁というものは現在のところございません。おそらくこういったものが将来まとめようということになる段階になりますれば、内閣と申しますかあるいは総理府と申しますか、そういったところに何らかの担当部局が生まれてくるとかあるいはそこが担当するということになろうかと、私の個人的な意見でございますが、そういうふうに考えております。現状では、いま申し上げましたように、行政管理庁における七省庁の連絡会議というものを中心に、各省が緊密な連絡をとりながら、その施策の総合性、統一性をはかっておる、こういう段階でございます。
#18
○矢追秀彦君 大臣にお伺いしたいのですがね、いまの七省庁の連絡会議というものをもう少し強力なものにして、そして基本法をつくるためではなくても、要するに情報化社会への基本原則といいますか、そういうものを立てる委員会というものを、これは私のほうでは基本法でうたっておりますけれども、それができない場合にも、そういう委員会をつくって、いまの行管の内容だと、やはり政府関係のことあるいは官庁関係のことだけにとどまるんじゃないかと思うわけです、内容が。それをもっと一歩進めた方向への何らかの処置をとられる計画なりお気持ちはあるかどうか、その点ひとつ。
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどからお尋ねを伺っておりまして、いろいろな考えはあるわけでございますけれども、基本法というものをどの程度のものとして考えるかというのが一つの大きな問題であろうと思うのでございます。つまり今度私どもが御提案いたしましたものは、これはまことにある意味で技術的な、故意に窓口を狭くしておるものでございますけれども、しかし情報化社会というものが生まれたときの体制というものを基本的に基本法で扱おうということになりますと、それはとうてい一年や二年では私は見当のつくものではなかろうというふうに思っております。これは例をあげますと幾らもございますが、たとえば昨日どなたかの御質問の中にプログラムの値段というものはどのようにしてきめるのかというお尋ねがございました。これはプログラムがつくられるあるいは一つのプロジェクトがつくられるときの旅費であるとか電子計算機を何時間使ったとか、そういうレンタルであるとか、いろいろなものがございますけれども、やはり一番大きいのはいわゆる人件費でございます。しかしその場合の人件費というのは、もう先進国で見ておりますと、明らかにマンアワーというようなものではなくて、だれとだれとだれがおのおの何時間働くかということであって、その一人一人の一時間の単価は違うわけでございます。ですからそういう意味で、同一労働同一賃金という原則はなくて、そもそも頭脳労働というものが同一労働という観念がないということになってまいります。そういうようなことば情報化社会の一番入口のところで、すでに起こっておるわけでございますし、またこれは先般衆議院の委員会でお尋ねがあったことでございますが、商法とかあるいは税務関係であるとかという場合に、従来でございましたら証憑書類というものが当然必要とされるわけですが、証憑書類のかわりにフィルムではいけないのか、磁気テープではいけないのかというようなことになってまいりますと、これももうそのほうのたてまえを全部変えていかなければならない。これはごく一つ二つの例を申し上げましたが、情報化社会というのが進んでいけば、そういうことが随所に起こってくるはずでございまして、すなわち従来私どもが考えておった体制というものが、かなり大幅に改められなければならないということになるかと思います。そこまでを考えて基本法をつくるということになりますと、これはもうとうてい小手先で、あるいは一つのあるいは二つの役所がやってやれることではございません。そこで私自身としては、昨日もお話がございましたが、そのデルフィメソッドのようなもので情報社会における姿はどうなるかというようなことを、たしか行政管理庁は四千人と言われたか思いますけれども、そのようなことをやはり先にして、そして衆知を集めて情報社会のあるべき姿というものをばく然とでもとらえて、その後に基本法というものを考えるということがほんとうなんではないだろうか。これは私の考えております、ほんとうに本来的な意味での基本法というのでございまして、矢追委員の言われますようなそれと、現在の法律との間に一つステップがあってもいいじゃないかというように言われることになりますと、それはおそらく、私も本朝拝見いたしましたが、御起案になりましたこの法律案要綱に盛られておりますようなことが、現在のこの私どもの事業協会の法案と、将来考えられる基本法というものとの間のちょうどつなぎぐらいな性格になるのではないか。ここに盛られておりますような事柄がおおむねやはり私どもが中間段階としては考えていくべき事項ではなかろうかと思います。そうなりますと、これは先ほど政府委員が申し上げましたように、総理府が中心になりまして各省共同してこういったようなものをこの次の段階で考えていくということになろうかと思っております。
#20
○矢追秀彦君 アメリカの場合ですね。ブルックス法というのがあるわけですけれども、これについてもちろんアメリカの社会とだいぶ違いますので何とも言えないと思いますが、ブルックス法というのは、どう評価されておるのか、こういうのもやはり参考に入れるおつもりかどうか。
#21
○政府委員(赤澤璋一君) ブルックス法という法律は、私もごく大ざっぱではございますが、無知をいたしております。これは一九六四年にアメリカ合衆国で制定されたものでございまして、政府におけるコンピューター利用の合理化をはかるために合衆国財産管理法の改正追加条項として成立をした法律というふうに承知をいたしております。この法律に基づきましてアメリカでは大統領府の予算局あるいは共通役務庁あるいは商務省の標準局、こういったところが一つの委員会と申しますか、組織を持ちまして、そして今後の政府部内におけるコンピューター利用の合理化をはかっていこう、こういう体制をつくるための法律であるというふうに承知をいたしております。こういったような環境における電子計算機の利用効率化という面からいたしますると、やはり一つの着想と申しますか、考え方ではあると考えております。昨年私どものほうの関係者がアメリカへ参りました際に、アメリカ政府当局におけるこのブルックス法によるその後の運営状態と申しますか、どういうふうにこれが実際行なわれておるかということも聞いてまいっておりまするが、やはりこういった入れものをつくって実施をいたしておりまするが、それはそれなりにいろいろ困難な面もあるようでございまして、必ずしも所期の目的どおりいっているとは言えないといったような感想も、一、二の担当者から、個人的な感想でございましょうが、聞いてきております。もちろんこういったことも私ども将来十分研究をして日本における政府部内の電算機利用の効率化をはかっていくことが必要だと考えておりまするが、現在のところは、先ほどもお答え申し上げましたように、昭和四十三年の閣議決定に基づきまして政府における電算機利用の今後の方策ということについて、行政管理庁が中心になりましていろんな施策を現在行なっておるというのが現状でございます。あるいはこういったことも参考にしながら今後ますますそういう方面の政府部内における電算機の利用効率化ということをはかってまいる必要があることは言うまでもないことだと考えております。
#22
○矢追秀彦君 行管の方お見えですからお伺いしたいのですが、このブルックス法によって向こうは一括契約をやっておるわけですが、これは経費の節減にプラスになるであろうということだったのですが、結果はあまりはっきりしないようですが、日本の場合、こういう一括契約のやり方がいいのかどうか、現状と比べてですね。その点はどうお考えになっておりますか。
#23
○説明員(清正清君) 現在のわが国のコンピューターの使用状況はアメリカと違いましてワンシフト、いわゆる八時間しか使っておりません。連邦政府においてはツーシフトあるいはスリーシフトを使っておりますので、買い上げという問題も出るわけでございますが、わが国の場合におきましては、現在四十四年度から大蔵省と私のほうが協定いたしまして、導入にあたってはチェックしているのが現状でございまして、歴史が非常に浅いということが一つと、それとアメリカの場合においては以前にオルガニゼーション・アンド・マネージメント、組織管理という体制の道が開けておりました。しかし、わが国においてはそのマネージメントがまだ普及しておりませんので、コンピューターがそのまま入るという段階で、相当まだ完備されてないところに、仕事の標準化、そういうものが行なわれてないところに入ってきたという問題もございまして、いろいろと現在の段階においてはこのブルックス法を参考にしながら、先ほど赤澤重工業局長がおっしゃったとおり、試行錯誤の段階で、一応いまの方法を固めながら進めていきたいという考え方を持っております。
#24
○矢追秀彦君 行管のほうを続けますけれども、アメリカで検討されておるデータ伝送システム、これは非常に注目すべき問題だというふうにこの文献には出ておるわけでありますけれども、これはどういうふうにお考えになっておりますか。要するにアドバンス・レポート・システムというやつは。
#25
○説明員(清正清君) わが国においても現在ネットワークという問題で調査研究を進めておりまして、昨日も申しましたように、四十五年度に青写真をつくりたいと考えております。それを非常に参考にしながら、ネットワークを結ぶという考え方をとっております。
#26
○矢追秀彦君 アメリカと日本の間のコンピューターギャップということが非常に問題になっておりますけれども、やはりそれの大きな原因の一つは、国が徹底的に向こうは力を入れてやっておるということであります。で、そういう面で、行管のほうが、いまレンタルでありますけれども、私は買い取りにすべきだと、こう思うのですけれども、その点はいかがですか。そういうお考えはあるのか。しかしいますぐだと金がかかりますけれども、そういう点の予算編成とのからみ合いでできるのかできないのか。そういう方向へ持っていくのがいいのかどうか。そういう点をお伺いしたい。
#27
○説明員(清正清君) 現在も政府の小型のコンピューターはレンタルじゃございません。買い取っております。それで中型、大型がレンタルで使われておるわけでございまして、いま御質問の趣旨にのっとれば、ツーシフト――十六時間、あるいは二十四時間政府において使うようになれば、買い上げたほうが非常にコスト的にもようございますけれども、いまのところはワンシフトの段階で、まだその段階に至ってない。将来考慮しなければならぬという立場と考えております。
#28
○矢追秀彦君 大臣にお伺いしますけれども、アメリカの場合はもちろん軍事ということも関係しておりますけれども、アポロ計画等に見られる国をあげての研究開発体制が確立をして、そうしてそれに伴ってコンピューターの産業というものが発達をしておるわけです。日本の場合、まだそこまでいってないのじゃないか。しかし日本でも宇宙開発の計画もやや軌道に乗りつつありますし、これから海洋開発という問題も出てきます。そういった面でやはり政府がかなり大きなプロジェクトを持ってやる必要があると思います。一応大型プロジェクトの考え方も通産省のほうではあるようでありますけれども、そういうただ機械の問題ではなくして、要するに全般的な問題の計画というものを立てて、それに伴ってコンピューター産業が発展をする、そういう何か方向はおとりになるおつもりがありますか。
#29
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府というものの機能を考えますと、政府のやっております仕事の中には、確かに費用対効果の原則で割り切れる部門も幾つかございます。それから費用対効果の原則で割り切れない部門もまたございますので、たとえばアメリカの国防省あるいはNASAといったようなところは、目的がもう非常にはっきりいたしておりますから、一定の効果をあげるために最小限の費用はどれであるかというようなことは、いわゆるPERTのようなやり方でプログラムのエバリュエーションとレビューのテクニークというものが、わりに働きやすいと思うのであります。ですからわが国でも理屈だけから押していけば、公共事業のようなものにもそういうことがかなり行なわれやすいと思います。しかしながら政府自身のもう一つの大きな機能は、一つの価値観を持ってまいりますから、たとえば下水道を設けることと学校をつくることとどちらが国民のためにいいかということになれば、これはもう価値観の問題になりますから、そこでいわゆるマネージメント・インフォーメンション・システムでは割り切れない、マネージメントというようなものとはまた違ったものが入ってまいります。そこで、政府のいたします仕事にも、そういうシステムに合うものと、合わないものとあると私は思っておりますので、アメリカの場合、比較的早くそういうものが進みました分野は、費用対効果の原則が働きやすい部門であると考えております。ですから、アメリカの場合でも、国防省から外へ出て、同じような方法が、PPBSのようなものがどれだけ伸びていけるかというようなことには、私は実は問題があるのだろうと思って見ております。それはそうでございますが、そうかといって、わが国の場合、費用対効果の原則が働き得ると考えられる部門、公共事業が一番いい例だと思いますが、そういうものについても、まだまだこういう手法というものは入ってきていない。これは、こういう手法が入ってまいりますと、つまりシステムとしてとらえられるものはとらえよということになれば、これはもう各省の縦割りの行政だとか、いままでの予算要求の方法だとか、査定だとかというようなことば、非常に実は変わってくるはずなのでありまして、そうならなければならない。そういう部門についてはそうならなければならないと私は思っておりますけれども、現在までのところ、PPBSのやり方をこの二年ほど前に基本的に考え始めたばかりで、ごらんのように予算の項目に番号がつきましたのは、二年ぐらい前からかと思いますが、そういう非常に初歩的な段階からいま始めたところでございます。
#30
○矢追秀彦君 アメリカとのギャップの問題でお伺いしたいのですけれども、きのうも自由化の問題は少し出ておりました。もちろん自由化という問題も避けられないかもわかりませんが、それよりも、日本のコンピューター産業をどう強めていくか、保護ばかりするのじゃなくてね。特にソフトウエアの場合、向こうのものがそのまま日本へ入ってこないと思うわけです。特に日本の場合、非常に独特なこういう国でありますから。たとえばアメリカの公害と日本の公害とは全然様相が違う。日本の都市の発展のあり方と向こうの都市の発展のあり方も違う。いろんな面で相当の違いがあります。私は、日本独自の開発というものができると、また日本でやったものがアメリカに逆に輸出できれば非常にけっこうなことでありますけれども、そこまでいかなくとも、ほかの国にできる面がかなりあるのではないか。ハードウエアの場合は非常にむずかしいかもわかりませんけれども、ソフトの場合は、政府が強力にやっていけば、私はかなり日本的ないろんなものができるのじゃないか。それが、非常に日本とアメリカのギャップを一つは埋めることになりはしないか。いまデータが出ておりますのは、何か表面的な数字ですね。そればかりのように思うわけです。もっと質的な面で、もちろんそれはいま差はありますけれども、何とか埋められないかと、その点を私は考えるのですけれども、その点はいかがですか。
#31
○政府委員(赤澤璋一君) そういった点は、私、どうも御指摘のとおりだと思います。コンピューターが非常にいろんな面で使われるようになってまいりまして、そういった結果、やはりコンピューターのハードウエアあるいはソフトウエア両面にわたりまして、これを極力汎用化し、量産効果を高めるというような傾向にあるわけでございます。そういった面からいたしましても、やはり日本の場合には、いま御指摘のような、相当技術的なギャップがある。こういうことはもう歴然たる事実であろうかと思います。ただ、こういった面もございますけれども、わが国で、じゃ全然独自の創意くふうに基づく技術開発がないかといえば、これはそうではないのでございまして、これは日本独自の問題でございますが、たとえばハードウエアの面におきましては漢字表示装置、漢字というのは日本しかいま使いませんので、漢字の表示装置、あるいはかな文字の読み取り装置、こういったものはやはり日本独自のものとして開発をされております。またソフトウエアの面では、これも御承知かと思いまするが、地震を考慮いたしました構造技術計算用の。プログラム、こういったものも、これは日本が地震国でございますので、日本でまず開発をされております。また、最近新聞等でもだいぶ大きく報道されましたが、御承知の、NHKの放送番組の自動編成装置、これのプログラム、こういったものも、やはり世界に先がけてNHKが開発をした。こういったようなこともございまするので、何と申しまするか、汎用的な面であるいは基礎的な面でギャップはありながらも、やはり日本は日本なりに、いろいろな需要に応ずるべく技術者が一生懸命努力をしておる。そういった結果、いま二、三申し上げましたような例でもおわかりのように、ある程度日本独自のものも世界に先がけてできつつあるというような現状ではないかと考えております。もちろん今後、いま御指摘のような公害問題あるいはその他の面、日本独自の面もございまするので、そういった面の技術開発につきましては、関係者、私どもを含めまして、今後ますます伸ばしていく分野であろうと、こう考えておるわけでございます。
#32
○矢追秀彦君 まだ詳しいことはよくわからないのですが、イギリスの場合、それはICBMに対抗して、拮抗力というのですか、そういうのができておったといわれておるわけですけれども、これは、保守的な経済風土、あるいは投資促進法というのがここにありまして、それがプラスをした、あるいはユーザーの買い取り選好がレンタル制度の拘束を免れたと、そういうようなことがいわれておりますが、イギリスの現状と、これからどういう方向になっておるのか。あるいは、それは日本として学ぶべき点があるのかどうか。その点はいかがですか。
#33
○政府委員(赤澤璋一君) イギリスがいまどうなっているかという現状につきましては、いま手元に資料がございませんので、必ずしも詳しい状態がわかっておりません。ただ、イギリスにおきましては、やはりこれはヨーロッパ各国同じでございましょうが、OECD機構を通じまして、いろいろな形で情報も交換し、また技術レベルも高めておるようでございます。イギリスでは、こういったことのいろいろな研究の開始がすでに十年ぐらい前から非常に熱心に行なわれておるということを聞いておりますが、やはり何と申しますか、研究の面では十年近くおくれをとっておる。また、いわゆるこれは工業化すると申しますか、量産すると申しますか、そういった面でも、やはり一、二年のおくれがアメリカにあるというふうに、これはOECDの技術格差報告書には出ております。こういった面から、やはりイギリスにおきましても日本と同じように、コンピューター技術あるいはソフトの面、こういった面でいろいろな努力が行なわれておるという現状のようでございます。日本と比べて一体どのような程度であるかということにつきましては、いま詳しい資料が手元にございませんのでわかりませんが、いずれにいたしましても、ヨーロッパ各国、イギリスをはじめフランス、ドイツにおきましても、やはりアメリカとのギャップを非常に意識をいたしまして、これに追いつき追い越せという努力が行なわれておるというふうに承知をいたしております。
#34
○矢追秀彦君 結局、国際競争力を強めるのには、どうしてもやはり政府が、かなり公共的な部門で積極的に、特に高い技術を要する需要を政府がつくっていく、公共的な部門で。そうして、金はかかりますけれども、技術開発コストも含めた価格で国産メーカーに発注をしていく、こういうことがやっぱり一つ考えられると思うのですけれども、もう一つは、やはり公共事業の場合は、先ほども買い取りの問題を言いましたけれども、やはり買い取りにしていく、こういう方向でやはり競争力を強めていかなければならないと、こう思います。
 それから、もう一つは、国産コンピューターの体制がはたして現状でいいかどうか。現在六社ありまして、これを一社に統合するというのはこれは私どもあまり感心しないと思いますけれども、この六社というのがどういうふうな方向にあるべきか、まあいっそのこと統合したほうがいいのか、あるいはそれをどう協調してやっていくか。要するに集中生産を促進するとか、あるいはソフトウエアについては共同開発をしてやっていくとか、そういうふうな問題もありますし、それからきのうも出ておりましたが、高性能のコンピューターの集団開発、そういうようなことが考えられると思いますが、そのほかまだあるかもしれませんが、要するに国際競争力を強め、これらのメーカーを強くしていくにはどういう方向を考えられていくのか、具体的な問題でお答え願いたい。
#35
○政府委員(赤澤璋一君) いまお話しのように、やはりコンピューターはIBMが御承知のレンタル制という制度をとっておりましたために、いろいろな影響を受けております。ただコンピューターにつきましても、やはりいま御指摘のように買い取り制度というものをできるだけ進めていくことが、ある意味ではコンピューターメーカーの資金繰りといいますか、資本の面からいたしましても、資金の面からいたしましても、それを楽にいたしまして、そうして今後の研究投資をさらに進めていくという体制を固めていく意味におきましては非常に重要なことかと考えております。
 こういった観点から、私どももやはりできるだけコンピューターの買い取り促進をはかりたい、こう考えておりまして、今年度から中型以上の買い取り電子計算機につきましては、税制でもって特別の優遇措置をとることにいたしております。すなわち、取得価格の五分の一の特別償却制が認められることになりました。その結果、初年度に五割の償却が可能になる、こういうことになっておりますので、今後はこういった償却制度の有利性に着目をいたしまして買い取りが増加するのではないか。また、さらにこういった方向に進んでいくことが私ども望ましいと考えておりまして、できるだけ多数のユーザーがこういった制度を使ってもらいたいと考えているわけでございます。
 また、コンピューターメーカーの体制の問題でございますが、何ぶんにもこういった関係の技術は日進月歩と申すよりも非常なスピードで進んでおります。同時にまた、日本は、昨日も大臣からお答えがございましたように、まだ資本、物、両面にわたりまして自由化をいたしておりません。こういった環境の中で、できるだけ各社の技術力を高めていく、そうして各社の独自の製品というものをつくり出していくという努力をいたしておるわけであります。で、コンピューターにつきましての需要はきわめて多種多用でございますので、そういった需要に応ずるために各社がやはりその創意とくふうを十分に発揮した各種のコンピューターがあるということは、今後の情報化社会の進展にも非常に有用なことでもありますし、また、いま申し上げましたように、各種の技術力というものがまだまだこれから発揮をされ、進んでいくべきものと考えております。そういった状態でありますので、私どもはにわかにコンピューターメーカーを、いわば数社に統合する――統合すると申しますことは機種の整理をするということになると思いますが――そういったことはかえって技術の開発力を弱め、また競争を通じて行なう各社の努力というものを減殺するという心配も持っているわけであります。こういった意味から、私どもはにわかに――いまコンピューターメーカー六社、多いではないかという議論も一部にはございますが、必ずしもマイナス面だけではなくて、むしろ現在の段階ではプラス面が多いのではないか、こういった感じを持っております。ただコンピューター本体ではございませんが、周辺機器につきましては、これはやはり合理化、標準化をはかるべきであろうということから、電子工業振興臨時措置法に基づきまして基礎的な周辺装置の集中生産カルテルを実施をいたしております。これでもってコンピューターメーカー六社が協定を行ないまして、現在紙テープ機器など七機種の生産を一機種当たり一ないし三社ということで分担をして集中生産をするというふうにいたしております。この周辺機器の集中生産につきましては、今後もなお機種の追加を行ないたいというふうに私どもも考えておりまするし、またコンピューターメーカー自身もその方向には賛意を表して努力をしておりまするので、こういった面から、やはりできるだけ周辺機器につきましてもまず多量生産と申しますか、できるだけ標準化を進めてまいりまして集中生産を行ない、これによってコンピューターメーカーの技術なりあるいは資金面における強化をはかっていきたい。こう考えておるわけでございます。何ぶんにも非常に大きなIBMという世界的な巨人が大きく支配しておりますから、私どもはこういった巨人に対しまして、あらゆる面からコンピューター技術の向上またその研究開発の促進といった面にあらゆる努力を続けてまいりたいと考えておるわけでございます。
#36
○矢追秀彦君 いま標準化の問題出ましたが、さっきも出ましたし、きのうも出ましたが、アメリカではUSASIというのが中心になって、NBS自身が計画的にこれを進めているわけではないが、USASIの一員として市場の一〇%を占める政府需要と伝統的な基礎研究をバックに中立的な立場で強い発言力を持っている、こういうふうにいわれておるのですが、日本の場合はこういう発言力がどの程度あるのか、あるいは中立的な制度になっておるのか、その点はいかがですか。
#37
○政府委員(赤澤璋一君) 先ほども若干お答え申し上げましたが、標準化の問題は御承知のように日本工業標準調査会というものがございまして、ここではメーカーあるいはユーザー、また官庁関係の技術者並びに学界等の方々も広く参加をしていただきまして、いわばそういった非常に広い視野で標準化を進めております。情報処理につきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、四十四年度から情報処理部会をこの標準調査会の中に設けまして、規格の制定を審議をいたしております。特に現在まではソフトウエア関係のものが多うございますが、全体といたしまして二十六規格が制定をされておるというわけでございます。
#38
○矢追秀彦君 次に、きのうも相当議論の出ました通信回線の利用の問題ですけれども、現在の電話線につけていく方法がはたしていいのか、まあ私はやはりこれからの大きな発展を考えた場合、別に敷くべきだ、別に新しいものを。そして現在の通信はそのままにしておいて、ある程度の利用は自由にする、そういう方向にしないと、現在でもなかなか電話の線、電話と電報の問題がある現状において、やはりうまくいかないのじゃないか。むしろそういうのを何とか修正したりいじくったりする費用よりも、新しいのをはっきりつくったほうが将来いろいろなものが全部つけられますから、これからケーブルの時代もくるでしょうし、いろんな社会を考えた場合、たとえおそくてもいいから別のものを、それは電電公社がどういうふうにやるか、どこがやるか、それはまた検討されるとして、そういう方向がいいのじゃないか。ただし、現在の電話線というのはある程度の小さなものについてはそれを利用していく、こういう方向がいいのじゃないか。ちょうど国鉄の場合、新幹線というものができて大きく日本の社会を変えてきたわけですからね。そういうふうな、ちょっと電話と性格は比較にならないかもわかりませんけれども、そういうふうな感じを私は受けるのですけれども、その点はいかがですか。
#39
○政府委員(牧野康夫君) お答え申し上げます。
 電気通信回線、ただいま日本で始められております電気通信回線は、昨日もお答え申し上げましたように、また先生がただいま御指摘のように、これは電報と電話を疎通させるためにつくったものが大部分でございます。最近に至りまして技術の進歩によりましていろいろと新しい情報手段というものが開発されてまいりますとともに、それらを多く疎通させたいと、こういう希望が多くなってきているのも事実でございます。これらの情報の質、電話とそれ以外のものとは、かなり質において、電気的性質において違った面を持っておりますので、同一の設備をもってこれを疎通させるということは非常にむずかしい面が出ております。そこでそれらを別々に、データ通信ならデータ通信のもの、あるいは画像通信なら画像通信のもの、その他ファクシミリのもの、それから電報、電話、それぞれ別々にやるほうが経済的により望ましいではないかというただいまの御指摘の点につきましては、もちろんわれわれもそういうことを検討しなければならない段階でございます。しかし電気の性質が違うといいましても、根本的に違うというわけではございません。似通った点も持っておりますので、幹線の部分については別にいたしましても、末端の市内の、東京の町の中、大阪の町の中を分配するような疎通する線路につきましては、これはある程度共用することができる。つまり高級なる回線を全部持たなくても、ある程度の回線でもってそれを疎通させることができるのではないか、ここらをわれわれは総合通信網というような概念に立ちまして、全体あらゆる種類、いろいろな種類の情報通信というものを包含してネットワークを組むことができるように、そしてそれがより経済的になり、国益に資するような形にネットワークを仕上げていくということ、総合通信網を形成することに努力しようということで、技術の進歩と相まちまして、それらを寄り寄り練っている次第でございます。
#40
○矢追秀彦君 やはり電気通信回線の利用に対して制度というものも整備していかなければならぬと思うのですけれども、それの将来計画はどうなっておりますか。
#41
○政府委員(牧野康夫君) 電気通信回線を整備するという点でございますが、これは年々増大いたします電話の需要に対してもちろん整備していかなければなりませんし、それから現在のいろいろなデータ通信を初めとする多様なる情報サービスに対してこれを充足できるように整備をはかっていかなければならないと、こういうふうに考えております。
#42
○矢追秀彦君 具体的なプログラムはないのですか。
#43
○政府委員(牧野康夫君) 具体的な問題は、現在の伝送線路、伝送線路というものはいろいろ種類がございます。無線もございますれば有線もある。有線の中にもいろいろの種類のものがございますが、それらも逐次整備していくということでございます。現在具体的に申し上げると――具体的という表現は、かなり一般論としては成り立ちにくい表現になるのでございますが――着々整備しているというふうにお答えさせていただきたいと思います。
#44
○矢追秀彦君 次にJECCのことを、きのうも出ておりましたけれども、新聞報道なんで事実かどうかあまりはっきりしませんけれども、JECCが内ゲバで揺れるとか、JECCの性格があいまいで企業努力に欠けるのじゃないか、あるいはJECCの最大の利用者は富士通信、日本電気計算機の両方で、利用度合いが平等でないという不満が隠されておるという記事が、これは昨年の十月でありますか、出ております。要するにJECCというのは現在の方向でいかれるのか、あるいはまた何かこれを改組するというような方向が出てくるのか、その点はいかがですか。
#45
○政府委員(赤澤璋一君) JECCは御承知のように電算機のメーカーがレンタルをいたします場合、一応このJECCというところで集中的にレンタル資金をまかなう、こういうためにつくられたものでございます。そういうことでございますので、JECCの利用先は広くわが国産業、官公庁全般にわたっておるわけでございまして、この制度に基づきますレンタル制度ということで、まあコンピューターを導入いたします企業、あるいは官公庁もそうでございますが、買い取りの場合に必要な巨額の資金負担というものから解放されるといいますか、免れるといったような意味で非常に大きなメリットがあるわけでございます。またJECCの出資メーカーのJECC資金の利用でございますが、これはマーケティングといいますか、販売の面は、いずれも各メーカーの競争にまかされています。JECCが販売をするということでございませんで、各メーカーがそれぞれ自分の開発した電算機というものを需要先に販売をいたしております。したがって、資金の利用の度合いといいますのは、それぞれメーカーの製品の開発力あるいは市場の開発力、こういったものの反映であるわけでございます。一方またJECCの出資の分担でございますが、これにつきましても、いま申し上げましたような意味でのメーカーの利用度合いというものを十分に加味をいたしましてこれがきめられておるわけでございます。そういった意味からいえば、JECCの資金が何かJECC自体の考え方のもとに一部の企業に偏在をしておるのではないかというふうには私どもは全然考えておりません。あくまでこれは各社が自社の技術開発力あるいは市場開発力といったものの反映でございまして、JECC自身がどうこうするというような問題ではないわけでございます。また、JECC自身の問題からいたしますれば、そういった多額の資金を必要といたしまするので、財政投融資の計画の中で開銀からもここにお金を入れておりまするが、そのほか市中銀行等の面からも相当な借り入れをいたしております。こういった面で、今後なおJECC自身が、資金調達の面、レンタル収入の増加の面等々で十分な努力をする余地はあると思いますし、また今後とも大いに努力をしてもらわなければならぬと私ども考えておりますが、現在のJECCの体制を根本的に変えるというようなことは私どもとしては考えておりません。
#46
○矢追秀彦君 またちょっとさっきの話に戻って恐縮ですけれども、コンピューター産業育成の問題でありますけれども、ソフトウエアの開発企業の育成をするためのやはり基盤というものを形成していかなければならぬと思うのです。それに対しては、政府としてはどういうふうな策があるのか。さらにソフトウエアの流通の促進、これはどういうふうにされていくのか。さらに周辺機器などの分野では、かなり中堅的な企業、こういうものの育成ということも言われておりますけれども、その辺の三点について政府としてはどういう方向をお持ちか。
#47
○政府委員(赤澤璋一君) いまの最初のお話の二点がまさにこの法律のねらっておるところでもございます。御承知のようにソフトウエア会社まだ揺籃期といいますか、ごく初期の段階でございまして、日本では二、三十社がまだあるにすぎないわけでございます。こういったソフトウエア会社が今後育っていくためには、何よりもまず必要なのは技術の問題でございます。こういった面は、もちろん文部当局あるいは私どもにおきましても、こういった技術者が、いわば学校教育、社会教育、研修制度、こういったものを通じまして技術を漸次伸ばしていくということが何よりも必要であろうと思っております。
 それから第二の問題は、ソフトウエアと申しますのは、何と申しましてもいわば知識の産物と申しますか、頭脳労働の産物でございまして、いわば固定財産として担保の対象にもなりにくい、こういったところからソフトウエアの開発資金というものが非常に困難を来たしておるという状況でございます。そういったことから、この法律にもございますように、今度の事業協会におきましては、こういった面の資金負担をできるだけ援助をしてやろうということで、この事業協会が、ソフトウエアの会社が借ります資金、ソフトウエアの開発資金、こういったものにつきましては保証してあげましょう、こういうことでソフトウエア会社が資金の調達が容易になるようにつとめてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 また、第三点でございますが、周辺機器の問題につきましては、お示しのとおりやはり中堅企業等が多いわけでございますので、こういった点につきましては、私ども先ほど申し上げたように、できるだけ周辺機器の集中生産体制をとるように進めてまいっておりますと同時に、電子工業振興臨時措置法に基づきまして財政投融資の面、特に開銀を通じましてこういったものの必要な設備資金を低利に貸し得るように努力をいたしております。四十四年度におきましても、この周辺機器だけで約八億円開銀資金が投下をされております。こういった面で、できるだけ周辺機器をつくっておりますメーカーが所要の設備を行ない、技術の向上をはかり得るようにつとめておる次第でございます。
#48
○矢追秀彦君 次に、これからだんだん情報がはんらんをして、現在でもはんらんをしておりますけれども、ますます多くなってくるわけでありますけれども、情報公害というのはちょっと適当なことばかどうか私もまだ結論を出しておらないけれども、こういう問題がこれから出てくると思うのですね。要するに間違った情報で世の中が変な方向に動いてしまったり、この間もタマネギが暴騰した、これは農林省の収穫予想が違っておったのだという新聞報道が出ておりましたですが、こういう問題がこれから出てきてもこれは野放しにしておくのか、それに対して罰則規定というものが検討されるべきなのか、その辺はいかがでしょうか。
#49
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は昨日長田委員のお尋ねに一部ございましたし、私が先ほど申し上げておりました基本法というようなものともやはり関連があると思うのでございますが、つまり情報化社会では、電子計算機等々の影響というものは非常に大きい。どの部分が影響を受けるかというよりも、どの部分が影響を受けないで済むかと考えたほうが早そうに思うくらい各方面に影響いたすと思います。その場合、そういう情報を悪用した者、それから故意ではないが過失によってあやまった情報を与えた者等々について、私はほんとうは何かなければいけないものだと思うのです。つまり社会の体制が全く新しいものになるといたしますと、この情報の使い方では、もういま想像できないようなことがいろいろ起こってくるに違いございません。そういたしますと、それらは何かの形で社会的な制裁の対象にならなければいけないであろうと思います。これを故意で悪用した、あるいはプライバシーを侵害したという場合にはことにそうであろうと思うのでございますが、それらについてはまだ全く私どもどういうふうにしてよろしいか、正直なところわかっておりません。問題があるということはもう御指摘のとおりだと思っておりますので、これらも先ほど申し上げましたように、基本法というものを考えますときには、やはり広く有識者の御意見を聞いてきめなければならないことだと思います。
#50
○矢追秀彦君 いまのような現状ですから、国民一人一人が結局情報の選択能力を身につけるしかないのじゃないかと、非常に消極的なあれになりますけれども、思うわけです。教育の問題はきのうも出ておりましたが、文部省の方にもお伺いしたいのですが、いわゆる将来ソフトウエアのプログラマーになるとか、そういうことではなくて、一般的に国民全体がこういう情報化社会に応じた人間になるような教育というのを、これは相当考えなくちゃいけないことだと思うのですけれども、単なる技術屋になるのじゃなくて。その辺についてどういう方向でされようとしているのか、具体的にいろいろな答申がどう出ておるのか、その辺伺いたいと思います。
#51
○説明員(大崎仁君) お答え申し上げます。
 情報処理教育のあり方につきましては、情報処理教育に関する会議あるいは高等学校段階につきましては、理科教育及び産業教育審議会等に御審議をわずらわしまして、その結論を尊重しながら施策を進めてまいっている段階でございますが、先生御指摘のように、単に情報処理教育というのを狭い意味での専門家の養成という観点からだけとらえるのは誤りではないかということで、できるだけ多くの学生生徒というものが、それぞれの専門を身につけますと同時に、あわせて情報処理に関する能力というものを養うことが重要であるというふうに考えているのでございます。ただ、具体的に当面の措置といたしましては、施設設備の点あるいは教員等指導者の点という種々の制約もございますし、当面の措置といたしましては、やはり情報処理教育の中核となる学科というものをつくってまいりまして、それを中心に漸次普及をはかってまいりたいというような形で進めている状況でございます。
 なお、高等学校段階につきましては、現在教育課程の基準となります学習指導要領の改定を検討中でございますが、数学の科目の一部等にも基礎的な理解を得させるための配慮をするという方向で検討をしている現状であります。
#52
○矢追秀彦君 問題は、これからの若い人たちはそういう学校の中でやられるとしても、現在のおとなですよね、これがいわゆる社会の中でいろいろないまのような問題が出てきた場合どうするか。それに対してどういうふうに教育をしていくのか。といって、学校をつくって出てこいというわけにもいかないと思いますし、それは結局マスコミとかいろいろな機会を通じて正しい認識というものをさしていく以外にないのじゃないかと思うのですが、そういう点について大臣どうお考えですか。
#53
○国務大臣(宮澤喜一君) 私はやはりこれは一口で申しますと文部省で問題意識を持っておられます生涯教育という問題になるのであろうと思うのであります。さしずめ、すでに学校教育を終わったわれわれでございますけれども、私はやはりそういう人を対象にした教育というものが事業としてもやがて成り立ち得るのじゃないかと考えております。すなわち、私どもの学校で受けた教育では、とうていこの情報化社会というものに対処していけないというふうに正直考えますので、その中で生きていくために、自分の負担においてやはり自分自身を教育をしなければならない。そうしなければどうしても世の中についていけないということになってまいりまするし、また、情報化社会になれば、それだけの時間的な余裕はある、また所得の余裕もおのずからある程度の年齢に達しますとございます。そこで、やはり国立学校等がクラスを開放してくれるということは最も望ましいことでございますけれども、生徒の側に負担能力があるわけでございますから、そうでなくても、事業としてもそういう教育が成り立つのではないか。私は情報化社会に伴う一つのやはり制度的な変化だと思うのでありますが、現に世の中でこのごろしばしば行なわれますゼミナールというものがございますけれども、これは二百とか、せいぜいその程度で行なわれておりますが、かなり高い金を取っております。これがつまり制度化していきますと、そういう成人の再教育という機関になっていくのではないだろうか。実はよけいなことを申し上げるようでございますけれども、今国会の冒頭における総理大臣の所信表明の中で、文教の部分で、ちょうどいま御指摘になりましたような問題が閣議で議論になりました。七〇年代を扱う所信表明の中で非常に大事なことは成人教育といいますか、あるいは生涯教育といいますか、そういうものにどういうふうに対処していくかということではないだろうかということがかなりいろいろ議論になりました。文部大臣としては、来年度までの間に文部省がそういうものについて、もう少し考えを固めて臨みたいというお話であったのでございます。したがって、政府としても、ただいま矢追委員の言われましたようなことを、文部省を中心に真剣に実は考えてまいっておるところでございます。
#54
○矢追秀彦君 これはまた行管に戻って恐縮ですが、またもう一つは、切実なわれわれ自身の問題として大臣にいろいろお願いもしたいし、また大臣はどのようにお考えになっているかお伺いしたいんですけれども、要するに、政府でいろいろ政策的な面、あるいはいろんな面でコンピューターを導入されておりますが、われわれが利用できるコンピューターですね、これがまだはっきり申しましてないし、まあ私自身、もし国会図書館のあたりがきちっと整備されれば、自分もプログラムを勉強してプログラミングぐらい自分でやって、できたら会館の部屋にコンピューターを入れてやりたい。というのは、きょうここで質問するにいたしましても、われわれで情報を集めなくちゃならぬ。あるいは大臣としても、やはり答弁の場合、あるいはこれからの施策をやる場合、相当情報というものを集めなくちゃならない。これは実際いま原始的な方法で、たとえば国会図書館のレファレンスというのは非常に時間がかかって出てくるわけですね。だから、早急に政府の中でもコンピューターの体制をとらなきやならない。いわゆる実務でなくて、そういう面でももっともっと利用しなきゃならないのじゃないか。お金もかかりますし、たいへんな事業だと思いますけれども、これだけスピードの早い時代ですね、しかも全世界の情報をわれわれは集めなくちゃならぬ、場合によったら宇宙の情報を集めなくちゃならぬ時代に入ってきているわけですから、われわれ自身もこのままでいったら非常におくれてしまって、国会におけるいろいろな議論というものも全部の情報をまとめられないままに、自分の目についた新聞とか、自分の知っている情報だけを持ち込んで討論している、質問している、これでは非常におくれてしまうのではないか、そういうように思いますが、たとえば国会図書館のあり方とか、そういう面について、行管としてどう考えているのか。また政府として、国会としてもこういう点は考えていかなくちゃいけないのではないか、このように思うのですが、その点はどうでしょうか。大臣自身はコンピューター使って情報を集めておられるかどうか、この点はどうでしょうか。これは大事な問題だと思いますので……。
#55
○国務大臣(宮澤喜一君) やはりまず第一にプログラムのための言語というのがまだ非常にむずかしいということに第一の問題があるのではないかと思います。まあFORTRAN、COBOL、ALGOLとかございますけれども、そしてわが国でもだいぶそういうものを知り始めた技術者の数が幾らか出てきたようですけれども、とうていこういうものを使いこなせる数はアメリカに比ぶべくもございません。したがって、こういうものは結局学校教育等々になりますが、を通じて勉強してもらうということが第一。しかし、これが普及版になるということが、いつどういう形でまいりますか、私にわかりません。なかなかプログラム・ラングェジまでわれわれがわかるというまでには、ちょっとなかなかたいへんなのではないかと思いますが、そういうふうにしていいプログラムをつくる人がたくさん出てきて、さらにその上にシステムエンジニアが多くなりまして、全体をシステムとして考えるという、これは学校教育でも私はかなりやれることだと思います。そういうことが先立たないと、なかなかいまのようなことにならないのじゃないか。もっとも、簡単なことでございましたら、それこそ公衆電気通信法が改まりまして、そうして家庭でもある程度の計算やなんかはターミナルを持っておればできるというようなことになるのは、そんなにむずかしくないかと思いますけれども、これはしかしおのずからできる範囲が限られてくるだろうと思います。結局しっかりしたデータバンクができて、そこへ照会することによって知識が得られる。図書館なんというものは本をたくさん持っておるところから、一部マイクロフィルムをかなり持つようになりましたが、それが今度はドラムなり磁気テープを持つということになって、それでわれわれが情報を検索することができる、こういうことになっていくのかと思います。また、そういうふうにならなければならないと思います。
 私自身はもちろん電子計算機を使う能力はございませんので落第でございます。
#56
○矢追秀彦君 最後に二点だけお伺いして、お昼ですから終わりたいと思いますが、一つはきょうも議論に出ておりましたし、先ほども少し出ておりましたがプライバシーの問題ですけれども、新経済社会発展計画の中にも「一方、情報流通の活発化が、プライバシーの侵害や企業機密のろうえいと結びつくことのないよう、モラルの形成等をはかるとともに、ソフトウエアの権利保護のための制度の確立に努める。」、こういう一項が設けられておりますけれども、これに対する具体的なお考え、特にそのソフトウエアの権利が、はたして著作権に近いものと考えたほうがいいのか、あるいは特許権のほうの権利というふうな方向でいったほうがいいのか、その点はどういうふうにお考えになっているか、それが一つと、もう一つは中小企業ですが、中小企業に対して、これからどういうふうに情報化時代に応じた中小企業の情報化の促進というものを考えておられるのか、この二点をお伺いして終わりたいと思います。
#57
○政府委員(赤澤璋一君) 情報化の促進に伴いますプライバシーの保護という問題は、いま御指摘のように非常に重要な問題だと思います。もちろん情報の増大、それの処理のスピード化、こういったものからいわゆる私どもの周囲に非常に大量の情報が流れてまいりますと同時に、各人各人の持っております個人の関係の情報というものがやはり処理をされ、整理をされ、そしてある意味では、うっかりするとこれが外に流れてしまう、こういうことになるわけでございます。そこで、こういった問題はどの程度までこれを防ぎ得るかということは、一つにはハードなりソフトなり両面にわたります技術的な問題が一つあろうかと思います。こういったような技術的な面でこういった機密の漏洩と申しますか、プライバシーの保護のため、あるいは企業の機密の保護のために必要な措置が何かできないかということも一つの研究課題であろうと思います。ただ、機密の保護という技術的な問題だけでは、この問題は片づかない問題あるいは片づかない面もあるわけでございまして、こういった面につきましては、逆の面から申しますと言論の自由であるとか、そういった面がまたあるわけでございますので、その辺非常にこの問題を法制化をしていくという点については、先ほどもちょっと大臣が触れられましたように、各般の有識者の御意見を十分聞きながら、また現状における各種の法律制度、こういったものの面も踏まえながら今後解決していく必要があるものと考えておるわけでございます。この点につきましてはおそらく今後十分な検討がなされる必要があると思いますが、あわせて御質問になりました権利化の問題、ソフトウエアあるいはプログラムというものがどういうふうに特別の権利として認められるか。いま特許権とか著作権とかいうお話がございましたが、現在まで私どもが検討いたしておりますところでは、どうも現行特許法の条文等から申しますと、直ちにこれを特許というふうに結びつけるには非常に困難があるというふうに見ております。また実際問題といたしましても、これを特許権というふうにいたしますと、実際問題としてこれが公開をされることになるわけでございます。特許の公開問題、こういった問題とからんで、やはり問題もあります。また特許の関係でこれを審査をするということになりますと、きわめて膨大な審査資料が必要であるということから、実際問題としてはなかなかこの審査が行ないにくいというような難点もあるように聞いております。それから著作権の問題でございますが、これは御承知のように表現形式というものが著作権の対象になっております。ただ、表現形式でございますので、表現の内容、これについては実は著作権の対象になりません。内容ということになってまいりますと、いまのプログラミングというものが必ずしも表現形式だけで保護されるかというと、必ずしもそうでないということになりますので、これまた著作権の対象とするにはいろいろと問題があるというふうに私ども承知をいたしております。こういった問題も今後の私ども情報化を進めてまいります場合の重要な課題でございますので、いま申し上げましたような点がどういうふうに解決されるか。現に先進国、こういった面での先進国と思われますアメリカにおきましても、現在特許の対象にもなっておりません。著作権ということで一応規定はしておりますが、これだけではきわめて不十分であるということから、放送学界またコンピューターの学界等からも、これでは不十分であって何らかの措置が必要ではないかということで、現在論議が重ねられておるというようなのが現状でございます。日本においてはまだそこまでもいっておりませんが、今後この点もまた十分究明すべき重要な問題であろうかと考えます。その点は御指摘のとおりだと考えております。中小企業の問題につきましては中小企業庁のほうから御答弁を申し上げます。
#58
○政府委員(外山弘君) 中小企業に対しまして情報化の促進にどういう対策を講じていくか、こういう御質問かと思います。
 情報化社会の進展に対応いたしまして、中小企業の経営を情報化していくということは、中小企業の経営力を強化していくというためにも非常に必要な要件であろうと思います。しかしながら、中小企業が人材の不足とか資金の不足とか、大企業に比べて情報化社会への適応がむずかしいという点がございます。この意味で中小企業の情報化対策といった点は、今後の中小企業施策の重要な柱としてますますその重みを加えていくのではないかと、こういうふうに考えているわけでございます。このため、従来から中小企業の情報化対策という点は進めておりますが、今後ともその拡充につとめてまいりたいと考えているわけでございまして、いろんな施策がそれぞれに中小企業にも恩典が与えられるというかっこうになると思いますが、中小企業庁として考えております点は、第一に中小企業に対する情報提供事業でございます。四十三年度から振興事業団におきまして中小企業に関連する内外の情報を収集し、都道府県の総合指導所といったものを通じまして中小企業に提供しておりますが、そういった点の拡充をはかることにしております。それが第一点でございます。第二に、中小企業の経営情報処理体制の確立といった点でございますが、従来から中小企業の経営者に対しまして中小企業振興事業団が都道府県と協力して啓蒙事業を実施しております。さらに四十五年度から振興事業団が都道府県の職員を中心としました経営情報処理指導担当者といった点の養成のための研修を実施することにしております。また四十五年度から新たに中小企業経営における標準的な情報処理システムといったものを開発いたしまして、中小企業の情報処理促進、電算機利用の円滑化といった点に資するようにしたいと、こういうふうに考えているわけでございます。それから第三には、中小企業の電算機の共同利用といった点を促進するために、従来からの共同計算センターといったものに対して中小企業振興事業団が融資を行なっております。この点を今後とも拡充してまいりたいというふうに考えておる次第であります。
#59
○矢追秀彦君 先ほど大臣にプログラミングをやれといった意味じゃないので、誤解しないでいただきたいと思います。これからコンピューターを使って情報を集めなければだめだということです。
 最後に中小企業の問題ですが、これは近代化ということにも関連する問題だと思いますが、要するに、中小企業が近代化するということは、逆に言えば中小企業を一面においては苦しめる面があるわけです、うまくやらないと。公害の問題もございましょうから、公害を防止しなければいけない。それで公害防止のための機器をつくる、お金がかかる、お金を借りる、借金がなかなか払えないという現状があるのです。だから情報化社会、情報化に応じて中小企業にいろいろの施策をやらなければなりませんが、それは逆に中小企業に対して非常に負担になる。こういう問題が絶えず近代化促進という面、あるいは公害防止の面に必ず出てきているのであります。そういう点を大臣はどういうふうに解決されようとしているのか、その点を聞いて終わりたいと思います。
#60
○国務大臣(宮澤喜一君) よく見当がつきませんが、中小商業あるいは工業、結局電子計算機によるサービスというものを、たとえば銀行が自分と結ぼうとする、あるいは大企業が自分のサービスとして結ぼうとする、私は案外そういう形になっていくのじゃないかという気がいたします。そういたしますと、そういうものからの支配ということからなかなか抜け切れなくなるという問題が出てくるのじゃないか。中小企業が自分の力で電電公社の力を借りて自分でやるということは、いずれ考えられますけれども、銀行が自分の、どう申しますか、取引との関係でチェーンストアを結んでしまうということは、ちょっと考えられそうなことでございますし、工業だって私はそういうことがあるのじゃないだろうか、ニュークリアコントロールのことは考えられるのじゃないかと思います。そういうときにそういうものの支配から脱し切れなくなることをどういうふうに考えていくかということが私は一つ問題だと思います。
#61
○理事(大谷藤之助君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#62
○理事(大谷藤之助君) 速記をつけて。
 暫時休憩をいたします。
   午後零時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十八分開会
  〔理事大谷藤之助君委員長席に着く〕
#63
○理事(大谷藤之助君) これより委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き情報処理振興事業協会等に関する法律案を議題とし質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次、御発言を願います。
#64
○須藤五郎君 通産大臣一々立って答弁なさるのもしんどいですし、私も立っているのはしんどいから、少しすわってやろうじゃないですか。
 私は、コンピューターを中心とするこの情報処理技術というものは、科学技術の発展史上大きな意義を持っておると、その点から、きわめて豊かな将来性を持つものであると、こういうふうに私は考えております。それと同時に、その進歩発展を望んでおるということを申し上げることができるのです。情報処理技術は、その性質から見ましてわが国経済及び科学技術、国民生活の各分野に広範かつ多岐にわたって重大な影響を与えるものであることは、これはもう明らかなことだと思います。したがいまして、だれが何のために、だれのためにどのようにこれを用いるかということを重視しないわけにはいかぬわけです。私はこの情報処理技術という科学技術上の成果が、国家権力による国民支配の道具としてではなく、また大企業による搾取と収奪、利潤追求の手段としてではなく、もっぱら国民の利益に奉仕することを目的として用いられること、また軍事目的のためではなく平和目的のために利用されることが何よりも大切であるとの立場に立ちまして、情報処理技術の研究開発利用が、すべてこの方向に沿って行なわれなければならないと、こういうように確信をいたしております。そこで、このような観点から、いわゆる情報化の問題につきまして幾つか質問をしてまいりたいと思います。
 まず第一は、情報化の現状についてお伺いしたいのでありますが、日本の電算機生産は年々急速にふえております。日本での使用電算機台数は六九年三月四千九百台。電算機設置金額は四千四百十七億円。一九七二年には一兆円をこえると推定をされております。現在電算機の産業別利用状況はどのようになっておるのか、これが第一問。それから中小企業ではどれほど利用をしておるか。この二点についてまずお伺いいたします。
#65
○国務大臣(宮澤喜一君) それではお許しを得まして着席のままで……。
 電算機の現在の実働台数はその後、須藤委員言われました数字よりももう一つ新しい数字は、五千六百台というふうに承知いたしております。そうして国産のメーカーが六社、全体の国産化率が五二%というようなことになっておりまして、この設置台数も年とともにふえてまいりますので、金額につきましても、先ほど須藤委員の言われましたような見通しになってまいるかと存じます。なお、産業別利用状況等につきましては政府委員からお聞き取りを願いたいと思います。
  〔理事大谷藤之助君退席、理事川上為治君着
  席〕
#66
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま大臣から申し上げましたように、昨年九月現在での日本におけるコンピューターの実働台数は五千六百一台というふうに記録されております。
 産業別にどういう利用状況かと申しますと、その中で特に大きなものを拾って見ますると、まず卸、小売り、商事という分類、つまり流通関係でございますが、これが一番多うございまして八百八十五台ということでございます。さらにそれに次ぎまして大きいのが電気機械この分野で四百八十六台、サービス業の関係で四百四十三台、それから金融機関これが三百八十七台、それから化学工業、石油業、化学と石油の部面で三百三十七台、その他たとえば運輸、通信、報道関係、これが二百四十三台、大学二百四十八台、その他多数の分野にわたってこれが利用されておるわけでございます。
 その中で、中小企業がどの程度あるかというお尋ねでございましたが、残念ながらこういった業種分類の中でいわゆる中小企業でどの程度使っておるかということについての詳しい統計が出ておりません。おそらく、私ども推定いたしまするに、全体の中小企業の中でまだ微々たるものではないか。たとえば日本電子計算機株式会社、これの販売先の調査等から推定をいたしてみますると、中小企業で独自に電算機を導入しているもの数は、まず三百社か四百社程度ではないだろうか、こういった推定をいたしております。このほかになおいわゆる計算サービスセンターと申しますか、そういったような計算センターなどが二百八十社余りございます。この大部分は中小企業でございますので、こういった全体を含めましてもまあ六百社前後というくらいな、数からいえばきわめて少ない企業がそれぞれ電算機を利用しているのではないだろうか、これはほんとうの推定でございまして、私ども確たる自信はございませんが、一応そういった状況と承知をいたしております。
#67
○須藤五郎君 ここに産業構造審議会のつくった答申の中に、少しそのデータがあるわけなんです。これ実際のところ六十八年までしかこれに出ておりませんので、新しいデータが出ましたら、中小企業のデータとともにひとつ資料として出していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
#68
○政府委員(赤澤璋一君) 中小企業のほうは、残念ながらまだ、いま申し上げたように推定数字でございまして必ずしも正確なものではございませんので、なおそういったものにつきまして調査ができましたらそのときにお届けを申し上げます。それから設置台数、納入台数あるいは生産台数、こういったものにつきましては、歴年の四十四年あるいは四十四年上期、あるいは実働設置台数につきましては四十四年九月末現在の調査というものがございますので、後刻お手元に差し上げます。
#69
○須藤五郎君 次に、群馬銀行システム、万国博システムとか、データ通信システムが動き始めておるということを聞いておりますが、データ通信システムにはどういうようなものが動いているのか、また計画されているのか、お伺いします。
#70
○政府委員(赤澤璋一君) いまデータ通信と称するものが全部でどの程度かということについては、いまちょっと手元に資料がございませんので、詳細調べてなお御質問の途中で正確にお答え申し上げたいと思いますが、私の承知いたしておりますところでは、比較的大がかりないわゆるデータ通信と申しますか、電話回線を利用いたします情報処理、遠隔情報処理としては、地方銀行が為替業務について一つのシステムをつくっております。これが比較的大がかりな一つであろうと思っております。
 そのほか、なおこれに類するようなものが数件あるはずでございますので、その点、ちょっと調べまして、御質問時間中にお答えできるようにいたしたいと思います。
#71
○須藤五郎君 それじゃお答えは後ほどいただくことにしまして、次の質問にまいりたいと思います。
 電算機導入の目的について質問するわけですが、政府は、大企業が電算機を導入する目的につきまして、どのように御理解していらっしゃるのか。これは宮澤大臣から伺っておきたいと思います。
#72
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般にわが国でいままで電子計算機が利用されてまいりましたことに初期の段階では、計算でありますとか、あるいは統計表の作成でありますとか、比較的単純な目的に用いられてまいりましたわけですが、その後及びこれからは、ますますさようでございますが、計画でありますとか予測でありますとか、あるいはデザインでありますとか、そういう事後でない、事前の、人間の思考を助けるような姿で用いられる可能性が、今後ますます大きくなってまいると考えております。したがって、大企業において、企業の種類にもよりますが、給与計算、財務計算というようなものは、これはもうそんなことだけで電子計算機を使うことはもったいないことでございまして、将来のセールスであるとか、あるいは自分のところの品物のデザインであるとか、あるいは会社全体のマネージメントのあり方であるとか、それからさらには会社そのものをシステム・アナライズをすることによりまして、会社そのもののあり方をもう一つシステム化していくといったような方向に用いられる。さらには、場合によりましては遠隔にあります工場の機械を操作するためのいわゆるニューメリカルコントロール、数値制御といったようなことにも使われてまいることになると考えております。
#73
○須藤五郎君 日本経営情報開発協会のアンケートをもとにしましてつくったものでありますが、私の手元にあります資料によりますると、電算機の導入は人件費の削減、それから業務処理の迅速正確化など、人減らし、合理化を目的としておると、こういうふうに書いておるわけですが、具体的に私は、先ほど質問しました金融機関の場合を申しますならば、次の四つを目的としておるということがはっきりしておるわけですが、まず第一は、大量事務処理体系の確立です。それから二番目が人員削減などによるコストダウン、三番目が営業体制強化による顧客サービスの向上、四番目が経営管理仕様の充実高度化。これは明らかに労働者にとりましては強制的な配置転換や著しい労働強化をもたらすものにほかならないと考えますが、このような電算機導入のあり方につきまして、政府はどのように考えていらっしゃいますか。
#74
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が考えておりますことを率直に申し上げますと、電子計算機が導入されることによって人間の単純労働というものはかなり省かれていくことになると思っております。そうして、わが国の労働の需給関係から申し上げますと、したがって、一人当たりの労働の生産性は電子計算機を利用することによって非常に高められるであろう、ことに電子計算機が、先ほど須藤委員からも御指摘のありました経営の高度化、合理化といったようなシステムの開発に電子計算機が働きますと、それによってさらに経営全体の生産性が高くなる。と申しますことは、一人当たりの労働の生産性が高くなるということでございます。したがって私は、わが国の労働のこれからの需給関係を考えてまいりますと、電子計算機の導入によって労働の条件というものは非常によくなる。悪くなるのではなくて、むしろよくなるというふうに考えられます。ただ問題になりますのは、経過的に、従来単純労働を自分の特色、技術としておったというような人々が、電子計算機によるオートメーション等にどうやって対応していけるかという経過的な問題はあろうかと思います。これはしょせん社内教育の問題でございますから、その職業教育を受けながら、私は、日本の非常に質のいい労働力であれば十分にこれに対応していけると考えますので、結局、経過的なものをも含めまして、将来にわたって電子計算機の導入というのは、企業の生産性、したがって労働の生産性を高めていく効果があると、私はそういうふうに考えております。
#75
○須藤五郎君 私たちは社会主義の社会というものを目標に努力しておるわけなんですが、オートメーションの問題にしましても、この情報化の問題にしましても、やはり社会主義時代にもこれが十分生かされていかなきゃならぬ問題だと、こういうふうに考えております。しかし、今日このいわゆる資本主義制度の中で、このオートメーション化という問題がすぐ労働者の人減らし、配置転換とか、それから労働強化というような線につながっていくという点で、私たちはそう簡単にオートメーション化に賛成をしないわけです。しかしオートメーション化ということは進めていくべき性質のものであるから、その場合には労働者の人減らしとか、それから労働強化とか、そういうことにならないというその条件の中で私はそれを進めていく必要があると思うのですね。それからこの情報化の問題も、同じような立場でこれを進めていくということでないと、私は問題があるというふうに思うのですが、今日のいわゆる金融業などでまず取り上げているような、大金融業、それから大会社、企業で情報化システムを取り上げる。そこにはやはり利潤の追求という問題が中心になって、労働者の幸福とかということが私は中心になっていないように思うのですよ。もしもそれがほんとうに労働者の幸福という立場になるならば、オートメーションで物がどんどん生産されるならば、人を減らすのではなく、労働時間を短縮する、労働力をむしろ弱めたり少なくしていくという点でそれを採用して改革していかなきゃ、将来にわたっての方向とは、私たちがやっていこうという方向とは、逆の方向になってしまう、今日方々の工場でオートメーション化が採用されることに対して労働者が反対しているのも、通産大臣御存じだと思うのですが、やはりそういう立場に立って反対をしているのだと思うのですよ。だから、そういう懸念を労働者に与えない労働時間の短縮、労働の強化じゃなしに、むしろ労働を弱めていくといいますか、楽にしていくという点でこれを考えていくという必要が私はあると思うのですが、そういう点につきまして大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#76
○国務大臣(宮澤喜一君) 企業が電子計算機を導入いたしますのは、もうおっしゃいますとおり利潤を増大したいという動機がございますことは、現在のわが国の体制でそのとおりであると思います。そこで問題は、そのように増大いたします利潤がどのようにして分配されるかということになるのではないかと思います、この体制を前提にいたします限り。で、わが国の労働の需給関係から申しますと、もう労働は供給は逼迫するばかりでございますから、この利潤と申しますか、あら利益と申し上げておきますが、この分配が労働側に対して時間とともに厚くなるということは、私はこれは当然のことであろうと思います。企業にとって利潤がございませんでしたら、労働に対してそれを分配することもできないわけでございますから、これは利潤と申しますことがちょっと正確な表現じゃございません、ほんとうは労働のコストというものがそれ以外の節約によって上がり得るという意味でございます。つまり労銀が上がっていくということでございます。そういう意味では電子計算機の導入は、私は労働側にとって決して不利益ではない。失業者があふれておるような国でございましたら、これは別のことが言えるかと思いますが、わが国の現状ではそうではないと思うのでございます。そこで、労働側にとっての変化は、したがって給与水準が上がっていくということと、次にやはり時間の短縮ということは、これは私は必然であろうと思われます。及び労働の質と申しますか、内容が変化をする、つまり単純反復の筋肉労働から頭脳の労働のほうに移っていく、こういったような変化があらわれると思います。で、時間が短縮されるということは、これは労働にとっては歓迎すべきことであると思いますし、また単純反復筋肉労働から頭脳労働に移っていくということも、わが国のような教育水準のある国においては、これも労働の側に歓迎をしてもらっていいことであると私どもは考えております。
#77
○須藤五郎君 この法案のそもそも立法に際しまして、目的という条項に「情報化社会の要請にこたえ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」と、最初こうなっておったわけですね。そこへ衆議院のほうで問題になって、「国民生活の向上及び」という字句が入れられたわけなんですが、立法の精神そのものが、最初は国民生活の向上というようなことは、これが忘れられておったというよりも、頭の中になかったということが、たまたまこの法案の第一の目的のところに私はあらわれておると思うわけですよ。だから私はいまのような質問をしたわけなんですが、やはりこの法案の目的はもともと、「国民経済の健全な発展」ということばにはなっておるが、大企業の利潤追求というところにもともとの考えがあって、国民生活の向上なんということは頭になかったということがここにはっきり私は出ていると思うのですが、大臣どうですか。
#78
○国務大臣(宮澤喜一君) 実はこの点は私自身最初からちょっと気にしておったところでございます。と申しますのは、先日来いろいろこの基本法についての御議論が当委員会でございますが、私どもも各省の間でこの法律を議論いたしましたときに、基本法ということは当然だれの頭にもある。しかしそれがいまどういう姿のものになるかはだれもわからない。いわば情報といったようなものについて、これが最初の法律案でございますために、各省ともその将来の基本法の方向を間違って先取りをしてもらっては困るという気持ちがございました。そこで、けさほども申し上げましたように、でき上がったものは非常に意識的に間口の狭い法律案として御提案を申し上げるようになったわけでございます。で、本来でありますと「国民生活の向上」というようなことが言いたいところでございますが、そういたしますと、「国民生活の向上」ということであれば、これはもっと広い基本法的なものにつながらなければ目的としてはおかしいのではないかという議論になりまして、そこで、私どもそれではもう意識的に目的の範囲を縮めましょうということで国民経済に限ったわけでございます。国民経済に限ってこのハードウエアなりソフトウエアなりをその角度から育成していこうということで、わざわざ目的を狭く書いたわけでございまして、実は須藤委員の言われたようなことではなくて、ただいま申し上げたようないきさつから、より広い視野を意識的にとらなかった。これに各省の権限の問題もございますし、見解の相違もいろいろ複雑なことがございましてそのような結果になったわけでございます。
#79
○須藤五郎君 この点はもっと私は質問を続けたいと思うのですが、ここにばかりこだわっていると私は時間が足りなくなってまいりますので、次の質問に移りますけれども、しかし、それならね、大臣は何でこの衆議院の修正に応じたかということですよ。矛盾しやしませんか。やっぱりそういうことが頭になかったからこういうことになったと、そこが衆議院で指摘されて、そうして修正されて、そうして大臣はこれはもっともだというふうになってこの修正に応じたと、こういうことになるのじゃないですか。
#80
○国務大臣(宮澤喜一君) そこで、その次にまたいきさつが実はございまして、御承知のように、この法律案を出しますときには、主管大臣という観念がやはりございます。そうしますと、「国民生活」ということになりますと、これは通産大臣無関係ではございませんけれども、主管大臣ではないというのが、まあ何となく一般的な受け取り方でございまして、そこでまあ第一条をこういうふうにいたしましたところが、衆議院で御質問がありまして、この第三条の一項の二号でございますが、プログラムをつくるというところがございます。で、衆議院の御質問は、このプログラムは産業だけのことであるか、もう少し広く国民生活に関係のするようなプログラムというものはあり得ないのかというお尋ねがございまして、それは何もこの場合に経済産業に限る必要はないわけでございます。ほんとうに国民生活に、たとえば医療にいたしましてもあるいまあ厚生にいたしましても、プログラムがいいものができればこれはつくって一向に差しつかえないという、これは論理上そういうことになりまして、そうなると、この一条で「国民経済」と狭く言っているのはおかしいのではないか、こういうことへお話が返ってまいりまして、で、院の御修正でございますから、この政府の中での主管大臣とかというようなことは、院としてはこれは当然お考えになる必要のないことでございまして、結局私ども行政府の立場を離れて、主としてこのプログラムとの関係から一条の御修正があった。私はそれは首尾一貫したお考えであるというふうに考えましたから、政府といたしましてその御修正に異存はございませんということを申し上げることになったわけでございます。
#81
○須藤五郎君 まあ先ほど私が申しましたこのオートメーション化の問題にしましても情報処理の問題にしましても、やはりその主眼点は大企業、企業の利潤追求のみならずやはりそこに働く人たちの幸福、大きく言えば国民生活の向上ですね、幸福のために役立っていくんだ、こういうふうに大臣も考えていらっしゃるんでしょう。そのとおりですね。
#82
○国務大臣(宮澤喜一君) さようでございます。
#83
○須藤五郎君 そこで、現状におきまして情報処理技術が国民のために利用されることがきわめて私は少なく、情報処理手段を独占する大企業の利潤追求のために用いられているということを、私は今日指摘をしなければならないと思うんです。情報処理手段が特定の階層で独占されるのではなく、一般の人々に行き渡ることが必要である。岸田純之助さんという方が情報化時代と電算機の役割りという文章の中で、そういうふうに述べながら、次のように情報化社会に予想される一つの懸念というものを表明されていらっしゃる。大臣もお読みになっているだろうと思うんですが、その中でこういうふうに述べているんです、岸田さんは。「知的エリートと一般の人々のギャップあるいは情報を専有する一群の管理者層とそれにあやつられる市民との画然と分離される危険があげられる。もし情報処理手段が政府に独占されたら完全な管理社会になってしまう。それは独裁政治の社会にもつながる。また、企業にだけ情報処理手段があって一般の人々に与えられていなければ、人々は職場で機械の一部として働かされているという感覚しか持ち得なくなってしまう。」こういうことを書いていらっしゃいますが、これはことばをかえて言いましたならば、情報化に伴いまして、情報を独占をする国家や独占体が国民大衆に対し、情報を一方的に注入することによりまして、大衆操作を行なう危険性が同在することにもなると思うのです。この点、政府はどういうふうにお考えになるのか、このような懸念はないと断言されるのか。
  〔理事川上為治君退席、理事大谷藤之助君着  席〕
このような危険性はないと断言されるのか。どのようにして懸念を解消し、また危険性を打ち消していかれるおつもりか、この点伺っておきたいと思います。
#84
○国務大臣(宮澤喜一君) 情報が高度化いたします結果、社会をリードしていくのは、その情報に直接つながるところのいわゆる一群のエリートであって、それ以外の国民は社会を動かしていくというグループから一種の疎外感を持つようになるのではないかということは、私の記憶では最初に申しましたのはダニエル・ベルでございます。いま岸田純之助さんも同じことを言っておられるわけでありますが、そういうことは前から懸念されております。これが第一の問題でありまして、これに対処することとしては今朝も申し上げましたが、そのようにして労働から解放された人たちが、いかにしてその余暇と所得とを人間らしい有用な目的に使えるか、あるいは使えないかということで、そのような疎外感が生ずる、生じないということが分かれる。したがって人間が情報化によって解放されました所得と時間とをじょうずに使えるか、使えないかということで、私はこの情報化社会の成功、不成功が分かれるというふうに考えておるわけでございます。
 それから、第二の点でございます。第二の点は、そのようにして高度化した情報が少数者の手に握られることによってあるいは政府が独占することによって国民をどっちへでも向けていけるのではないかという問題は当然にございます。当然にそういう危険が私はあると思っておりますので、そこで情報産業というものが国家の独占事業であってはならず、それはやはり私企業の自由な競争の中に育たなければならないというふうに考えるわけでございます。この点との連関でしばしば問題になっております公衆電気通信法の改正ということがございますわけで、政府といたしましては、公衆電気通信法を改正しようという心がまえでございます。この国会にも提出を申し上げたかったわけでございますが、準備が間に合いませんで後刻御提案を申し上げるつもりでおりますが、これはやはり電気通信設備を開放すべきであるという考え方に立っております。すなわち電電公社がもし独占で情報のサービスをするといたしますと、これはやはり準政府でございますから、ただいま言われたような危険をおかさないとは限らないということで、開放するのが適当であるというふうに、基本的には政府はさように考えるに至りました。それは、須藤委員が言われましたような懸念が一部にでも存在してはいけないというようなことから私ども考えたわけでございます。
#85
○須藤五郎君 宮澤さんも青年時代にチャップリンの名作、
#86
○国務大臣(宮澤喜一君) 「モダン・タイムス」ですか。
#87
○須藤五郎君 そう。「モダン・タイムス」ごらんになったと思うのですが、ああいうふうに労働者の個々の創意というものが失なわれて、人間が機械にあやつられていくと、情報やコンピューターにあやつられていくというような社会になって、私は全くむなしい社会がくるのじゃないかと思うのですよ。今日ただオートメーションの工場に働いている労働者、まあ松下ならば松下電器、あの流れ作業で、ベルトの上にずっと流れてきますね、そこに働く労働者はネジくぎ、どこの位置にネジくぎ一本差し込むというこの仕事しか与えられていないのです。テレビをつくるネジくぎ一本の部門しかテレビに対する知識を持っていないのです。そういうことしかされていないのです。流れてくる、すぐまた同じところをやる。そこに働く労働者たちのやっていることは、もう非常に仕事というものはつまらないというのですね、その労働者には独創性が与えられないから。そういうふうになっていくならば、私はほんとうに働く人間にとってはむなしい社会ではなかろうかと思うのですよ。あの「モダン・タイムス」の中でチャップリンがそういう点をはっきり表現していると思うのですがね。そういうふうになっていって、そうして、そこで利潤をあげるのは、いわゆる独占企業といわれる大資本家、大企業が利潤をあげる。人間を機械化し、人間の独創性というものを奪い取って、その独創性はこのエリートだ。そうしてごく一部のえらい者がそういうものをやって、ほかの労働者は、人類の大部分、九九%までがそういうむなしい生活をしなきゃならぬというようなことになったら、一体どういうことになるでしょうかね、大臣、そういう方向に行く危険があるのじゃないですか、これは。私はその点を懸念を持つのですよ。そういうことをどうして断ち切っていくかという点です。
#88
○国務大臣(宮澤喜一君) それはまさしくダニエル・ベルが指摘している問題点であると思います。そこで、したがって問題の分かれ目は、そのような労働から得た対価と従来よりも余裕のある余暇とを、どうやって人間として使うかということが、この情報化社会が成功するか失敗するかの分かれ目だというふうに私は考えるわけでございます。つまり労働の質そのものは、筋肉労働から頭脳労働に転化していく、どちらかと言えばそういうことになると思います。そのことがいいことか悪いことかと言えば、そのことはまあ私は悪いことだとは思わない。労働の消耗度も少ないわけでございますから、悪いことと思いませんが、同時に、職場というものが非常に大きな部屋の中にボタン相手に一人か二人いるというような疎外感から言えば、これはまた、それで非常にさびしいものだろうと思います。そういう場合に、バックグラウンドミュージックであるとか、交代のときに、何かのレジャーを考えるとかいうことになるんだと思いますが、いずれにしても食うために拘束されている時間というものが短くなる、そして、その拘束のための消耗度も緩和されるということは、私は悪いことではなくて、そうやって得た所得と残った時間とをどうやって使うかということに意義を見出すべきではないかというふうに思うのでございます。
#89
○須藤五郎君 だから、そういう仕事で能率があがるならば、それならば働く時間を極度に切り詰めていって、そして、そこで失った独創性といいますか、――人間というものはね、だれでも独創性があるんですよ。だれでも芸術家になりたいつていう気持ちは持っているんです。衣食住から解放されたら私はもう大多数の人たちが芸術家になるだろうと、そういうふうにすらも極端に芸術家の立場で考えているぐらいなんです。それは例がたくさんありますがね。だから、やはりそういう労働時間をうんと短縮して、そしてその余暇を与えて、生活を保障して、そしてその人たちが十分楽しい生涯を送ることができるような社会に持っていくということが前提でないと、この世の中はもうエリートの独裁制といいますか、支配といいますか、われわれとしては認めていくことができない方向だと、こう思っております。
#90
○国務大臣(宮澤喜一君) その点、私も全く同様に考えております。
#91
○須藤五郎君 次に移りますが、情報革命は生産力発展の新時代を画する重要な意義を持つものである、第二の産業革命であると高く評価する見解も見受けられますが、政府は情報化の持つ意義をどのように考えていらっしゃるのか、これが一つ。それからまた、産業、労働、教育、国民生活などの、社会の諸分野に及ぼす影響につきましてどのように考えていらっしゃるか。三番目は、さらに、情報化社会とは一体どのような社会であると考えていらっしゃるか、これです。
#92
○国務大臣(宮澤喜一君) 第三番目の答えから逆に申し上げさしていただきますが、まあいろいろ説はあると思いますけれども、まあ経済のほうの分析から申しますと、およそ経済という行為が物質とエネルギーといわゆる情報から成り立っておると考えられますときに、物質はだんだん合成されるようになる、エネルギーも原子力等によって安くなりつつある、それと反比例して情報の持つ価値が上がってくる、こういうふうな、農業から工業、さらに脱工業と言われるような段階を経済は歩いてまいりましたと思います。したがって、これから先、情報の持つウエートというものが大きくなる。と同時に、その国の、その社会の状況にもよりますが、所得水準が三千ドルぐらいから上にまいりますと、所得の中で衣食住にさくところの割合は非常に小さくなりまして、いわゆる雑費といったような支出が多くなってまいるわけでございますが、そういう社会、そうしてその社会の進展というものが、たまたま電子計算機とソフトウエアが出現いたしましたから、それによって加速化されていく、こういう社会を普通情報化社会と考えてよろしいのではないかと思います。
 したがって第一のお尋ねになりますが、そういう情報化の持つ意味でございます。それは、先ほどちょうど須藤委員がまさしく御指摘になりましたように、そのようにして拘束される労働から徐々に解放される時間、上昇する所得というものを、人間がどのようにして創造――ものをつくる、自分の個性を生かしてものをクリエートするということに使い得るチャンスが非常に大きくなる、それをじょうずにやるかやらないかが、情報化が人類に対してプラスの意味を持つかマイナスの意味を持つかということになろうと思います。
 第二の、情報化が社会に及ぼす影響でありますが、けさほども申し上げましたように、人間の生活において、人類の生活において、画期的なこれはやはり一つの革新であると思いますので、社会のほとんどあらゆる部面に情報化というものの影響はあるであろうと思います。ない部面はどの部面であろうかというふうに考えますが、おそらく芸術とか文学とかという部門が一番直接の影響を受けにくい、受けないで済むと申しますか、受けにくいと申しますか、どちらが適当か存じませんが、受けないで済むであろう、しかし芸術の中でも建築はもう明らかに非常に情報化に支配されますし、衣服のデザイニングなんかでも支配されてくると思いますし、音楽はどうでございますか、ごく一部、これは御専門を申し上げておそれ入りますが、ごく一部あるように思います。絵画のほうはまあそれでも多少ありましても自由に歩けるのではないか、文学はひょっとしたらかなり自由に歩けるのではないかと思いますが、それ以外の分野でございましたら、ほとんど影響を受けてしまうのではないかというふうに考えております。
#93
○須藤五郎君 いまあなたが最後におっしゃった点がまあ一つの重要な面になると思うのですがね。この情報化の時代になればある一人のエリートの考えが他の人の思想の面にまで、文学といえば思想です、芸術というものは思想から出てくるわけです。その思想の面にまで大きな影響を与えてくるものだということをあなたいまおっしゃっているわけですから、それだけに私はよほどこれは重大な問題だと思うのですよ。ただ、オートメーションに機械をつくっていく、ものをつくっていくというだけじゃなしに、思想の面まで、脳みその中までそのエリートの考え方がこの時代に侵入してくる、支配力を伸ばしてくるということは、なかなか重大な問題だと、そういうふうに芸術家の立場に立って考えます、ここであなたと芸術論を戦わすと、私個人にとっては非常におもしろいのですけれども、しかしほかの方の立場もありますから、これは別の機会でひとつ話をいたしたいと思いますから、ここでその問題はやめることにいたしましょう。
 その次、昨年五月に出されました産業構造審議会の情報処理及び情報産業発展のための施策に関する答申は、その冒頭部分で「情報化社会は、これからつくられるものであり、それが如何なる社会であり、また如何なる社会であるべきかのコンセンサスも、これから作られるべきものであろう。このようなコンセンサスの形成とこれに続く社会の建設作業のためには、今後更に時間をかけ、各方面の英知を結集していかなければならない。」、こういうふうに述べられておりますが、そこで、政府はどのような方法で、どのような形で各方面の英知を結集しようとしていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
#94
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は産業構造審議会でも部会を設けまして、さらにこの作業を続けていくことになったわけでございますが、それと同時に、事は経済だけの分野、産業だけの分野でございませんから、先日ですかも御披露がございましたように、科学技術庁でこれからの社会の変貌について数千人の有識者にデルフィ法によって答えを求めるということがございましたが、そのような方法、あるいは経済企画庁で経済社会発展計画を新しくしました際にも、やはり同様な作業を学識経験者にやっていただいたわけでございますが、ただいまのところ、そのようなことから出発をいたしました。しかし、おそらくはやがて基本法というようなものをつくるということになりますと、いま申し上げましたようなことをもう一度よほど大がかりにいたしませんと、誤りをおかすことになるのではないかと思っております。
#95
○理事(大谷藤之助君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#96
○理事(大谷藤之助君) 速記をつけて。
#97
○須藤五郎君 それて、各方面の英知を結集するという点につきまして、私まあ多少意見もまじるかと思いますが、次の質問にまいりたいと思うのですが、情報処理技術が真に国民のために開発され、利用されるならば、公害問題を初め予防衛生、防災、交通、都市計画などの諸問題の解決や国民の日常生活をより安全に便利にし、生産流通面の合理的、計画的発展や科学技術の飛躍的進歩にも大きく貢献するという大きな期待が寄せられておると私は思うのです。その反面、人間疎外とか労働者に失業、配転、労働強化をもたらすとかプライバシーの侵害とか、その他数々の懸念が表明されていることも私は事実だと思います。したがいまして、政府は危険な事態を絶対に起こさないよう、関連する諸分野にまたがった総合的な計画を民主的につくり、あらゆる面について総合的な検討に基づく対策を講ずることが必要であると思いますが、どうですか。これが一問です。
 それから第二は、また、総合的な計画や対策を民主的につくるために、日本の科学者の、いわゆる内外に対する代表者であるところの日本学術会議にはかりまして、広範な科学者の意見を反映する民主的な機構を設けることが必要であると思いますが、どうでございますか。
#98
○国務大臣(宮澤喜一君) まず第一のお尋ねでございますけれども、人類の歴史上の一つの大きな変革であるような、そういう変化であるといたしますと、そのようにして変化した体制のもとにおいては、その体制を善用することもありましょうし、悪用することもありましょうし、乱用することもあると思うのでございます。そういたしますと、その悪用とか乱用とかいうことに対しては、当然社会的な制裁がこれはなければならない。少し極端でございますけれども、一番極端な場合には、やはりそれは犯罪を構成するとかいうことに私はならざるを得ないと思いますので、そういう新しいまたそのような制裁の体系が必要になるのではないかと思います。そこへまいりませんまでも、たとえばプライバシーの漏洩をどうやって防ぐかということになりますと、たとえば電子計算機の中に埋めております情報を、そのパンチを探索すればその情報がだれにでもわかってしまうということではいけないわけでございます。たとえば私なら私が私の必要な情報を埋めておいて、そして私の呼び出しに従ってその情報が出てくるという場合に、私が私だけの、自分しか知らないかぎのようなことばを持っておりますれば、それを人に取られない限りはその情報は取られないことになると思います。その次に、もう一つ、私が情報を埋めますときに一つコードにかけて入れておくのも一案だと思います。私が出てきた情報をコードで暗号を解読しなければいけないということにしておきましたら、これはほかの人に取られる心配はないというような、またそれはそれなりにいろいろなやり方、これは当然電子計算機の世界では考えておることでございますが、必要だと思いますが、しかし、さらには、もっといきますと、社会的な一種の制裁体系というものがやはり必要になってくるのではなかろうかというふうに考えます。
 それから第二に、学術会議でございますが、これは私は直接どういう関係になりますか、時間ございませんから申し上げませんが、いずれにしても日本全体の、あるいは国際的にも共通の問題がございますから、知のうを合わせて、情報化社会というものへの英知を尽くして結集しなければならないと思います。
#99
○須藤五郎君 いまちょっとプライバシーの問題が出ましたが、私この法案を見まして、プライバシーを侵した者に対して罰則とか、そういうものが一つもないわけです。例をあげますならば、ある大企業のもとに、請負わしている関連産業がたくさんありますね、A、B、C、Dと。そうすると、その面から産業はお互いにいろいろ競争するんですよ。そうしてAはB、Cの下請企業の欠陥というものを、内容というものを非常に知りたがる、そうして自分に有利な内容が入れば、それを親会社に持ち込んでB、Cの会社をそこから切り離してしまうというような関係で、自分だけが大きくなっていくというようなふうにも考えておるわけですね、今日。そうするとAの会社がB、Cの情報処理を使って、そうしてそこの内容を調べて、そうして自分に有利なように親会社に申告をする、そういうようなことが行なわれていくならば、私は非常な混乱が起こってくると思うのです、業界にも。そういう場合に、そういうことをしてはならないと、した者には罰則があるぞというふうにはこの法案はなっていないんですよ。それはどういうふうにして阻止していけるのですか。
#100
○国務大臣(宮澤喜一君) そればやはり基本法の一つの問題にどうしてもならざるを得ないと思っておりますけれども、いわゆる産業スパイのようなことが最も精緻完全な形で行ない得るということになろうと思います。現在産業スパイそのものは、まだ刑法上の罪にもなっておりませんわけでありますが、情報が進んでまいりますと、やはりそういうことも一つ社会的な制裁の体系の中に加えていかなければならないのではないか。ただし、ただいま御審議願っております法律案には、さしずめそういうものはございませんので、何も書かずに済んでおりますけれども、将来そういう問題は、やはり基本法の中で当然考えていかなければならない問題だと思います。
#101
○須藤五郎君 総合的な計画を民主的につくること、そのために民主的な機構をつくること、こうして広範な科学者、技術者、関係者の結集を保証しつつ、情報処理技術を軍事目的に使わないこと、国民生活の向上のために使うことなどを原則的立場といたしまして確認することは、きわめて私は重要なことだと考えます。このような根本的な政策を持たずに、いたずらに現実の情報化の進展が、緊急に多くの施策を必要としているという立場で情報産業の育成などに目を奪われることは、部分だけを見て全体を見ないということになりますので、大企業本位のいびつな形の情報化社会をつくることにしかならない、こういうふうに私は懸念を持つのですが、大臣はどうお考えになりますか。
#102
○国務大臣(宮澤喜一君) その前段に述べられました、前提がなければというお尋ねでございます。それで、その前提には、私ども先ほど申しましたとおり基本的に賛成でございます。ただその軍事的と言われますときに、これは少し理屈っぽいことを申し上げますが、自衛のために私どもは自衛隊を持っているわけでございますから、そのためにはやはり情報で発達した技術を最大限に使ってまいらなければならないと考えておりますことを、これは自衛隊への御見解が私どもの考えと違いますので、あえて申し上げるのでございますが、私どもは自衛というのは必要であると考えますから、その限りにおいては、当然自衛も高度に情報化されることが大切と考えております。それ以外の点については、言われますことに私ども異存がございませんで、やはり国民全体が幸福になっていくということのために情報産業を育成するということでなければならないと思います。
#103
○須藤五郎君 この場で自衛隊論を戦わせることは適当ではないと思いますが、私たち共産党も自衛という問題に何も反対しているわけじゃないのです。今日の国際情勢、今日の日米安保条約の中で、あなたたちが自衛自衛とおっしゃっているが、はたしてそれが自衛なのかどうなのか、こういう点なんです。私たちも日本がりっぱな、安保条約をなくして日本がりっぱな完全な独立国になった暁は、民主的な政府のもとでやはり私たちは自衛権を主張しますよ、そのときには。しかし今日あなたたちの言っている自衛権というものと私たちの言う自衛権というものは、おのずから違うわけなんです、内容も立場も。ですからそういうことをこの場であなたと論争するいわゆる時間的余裕はないし、この場は自衛権の論争の場と違いますから、その点は私は申し上げないで、この程度で打ち切っておきます。
 次に、法案の条項について私は多少質問をしてまいりたいと思っております。
 第三条に「利用を特に促進する必要がある電子計算機」とは一体何をさすのか。
#104
○政府委員(赤澤璋一君) ここで考えておりますのは、今後ますます電子計算機に関する技術が発達してまいりますし、その用途も多様化をしてまいります。そこで今後電子計算機の中でも特に高度な性能を持ったもの、こういったものを目標に掲げまして、特にその開発を進め、設置を促進する必要があると考えております。まあここで正確に申し上げるというわけにもまいりませんが、私どもこの案をつくりましたときに考えておりますのは、たとえば性能、演算速度にいたしましても非常に速度の速いもの、それから記憶装置の記憶容量にいたしましても非常に大量、現在考えております平均のものより高いもの、こういったようなものを想定をいたしております。こういったものを目標として掲げることによりまして、今後さらに多様化し、また利用が進められていく電子計算機に対して一つの目標を与えていこう、こういう考え方でございます。
#105
○須藤五郎君 「開発を特に促進する必要があり、かつ、広く利用される種類のプログラム」、こういうことが掲げられておりますが、このプログラムというのは一体何なのか、具体的にひとつ示していただきたい。
#106
○政府委員(赤澤璋一君) ここでもやはり第一号の場合と同じような目標を掲げたいと考えておるわけでございまして、むしろ具体的に一、二の例を申し上げたほうが御理解が早いかと思います。私どもが考えております具体的なプログラムの一例を申し上げますと、たとえば複数の中央処理装置、これを並行的に作動させ、計算能力を大幅に高めるために必要なプログラムでございますとか、あるいはまたハードウエアの故障個所、これを追跡・診断をいたしまして、障害を発見をするいわゆる障害自動診断のプログラムでございますとか、あるいはまた総合統計解析プログラムといったようなものでございまして、この一つの事業分野における情報処理を目的とするものではなくて、いわば汎用と申しますか、あるいは基礎的と申しますか、そういったような広い意味でこれが使える、それからさらにまた応用プログラムが出てくる、こういったようなものを想定をいたしております。
#107
○須藤五郎君 国民生活の向上、このためにはやはり公害問題、予防衛生、防災、交通事故、都市計画などの諸問題の解決が私は急がれておると思いますが、このような問題解決のためのプログラムの開発は、電算機利用高度化計画にも当然私は優先的に含まれるものだと思いますが、この点はどうでしょうか。
 また、プログラムは国民生活に役立つものを重点的に開発すべきものであると思いますが、この点はどういうふうにお考えになりますか。この二点について。
#108
○政府委員(赤澤璋一君) いま例としておあげになりました、たとえば公害防除でございますとか、そういったような点も、当然今後電算機を利用する部面が多くなってまいると考えております。こういったような部面につきましても、あるそれが特定のものということではなくて、こういった公害防除のプログラムをつくるにあたってのさらに基礎となる、たとえば公害と申しましてもいろいろな公害がございます。そういった多種多様の公害の防除のためにまず基礎的なもののプログラムが一つあって、それからさらにいろいろな具体的なばい煙であるとか、あるいは海水の汚濁であるとか、いろいろなものがあるわけでございますが、そういったような公害防除の面におきましても必要とされるような基礎的あるいは汎用的なプログラムについては、当然この高度計画に入るものと考えております。
 それから国民生活の面を優先をさせるべきであるという御意見でございますが、これは先ほどの須藤委員と大臣の質疑応答にも明らかでございますように、私どもも当然そういったことは念頭に置いておるわけでございます。ただ、ここに考えておりますのは、あくまで汎用的であり、かつ基礎的ということばも若干語弊がございますが、そういったような感じのものをまず手がけていこう。そういうものがございませんと、その上に立つ応用プログラムがなかなか組み立てられてまいりません。こういった意味でございまするので、そのものがある面では国民生活にも使われ、ある面では産業にも使われるというようなものになろうかと思っております。
#109
○須藤五郎君 私たちは、やはりプログラムは国民生活に役立つものをまず優先していくという、この精神が私は必要だと思うのです。それで、衆議院で修正案が出された点も、やはりその考え方の上に立ってあの修正案が私はつくられたものだと思います。この国民生活優先の原則に基づいて計画を定め、プログラムを開発していくのが当然だと、そういう点から私は思うのですが、大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#110
○国務大臣(宮澤喜一君) その点が先ほど申し上げました第一条の修正点と関係をするわけでありまして、衆議院の方々の御理解は、この場合の二号のプログラムというのをどういうふうにお考えになりましたか、国民生活に必要なものが一番大事ではないか、それはそのとおりでございます。そこで、しかし、このカッコの中の「一の事業の分野における情報処理」、「主として」云々というところですが、たとえばいま政府委員の申し上げました公害防除について、汎用のゼネラルユースのプログラムとはどういうものが考えられるかといえば、たとえば都市計画とか立地とかいうものが基本に考えられるものがあるかと思いますが、そういったようなものですと、このプログラムの中へ入ってまいる。しかし、もっと具体的にとなりますと、それは汎用ではない。むしろそういう母となるマザープログラムの上に展開をする応用プログラムになるのだと思いますが、それは厳密にいえばここには入っていない。しかし基本になるものはここに入るということでございますから、そこでやはり一条の御修正を衆議院はなさったものと、こういうふうに解釈しております。
#111
○須藤五郎君 まあこれは私の希望であり、また主張でありますが、やはりプログラムをつくる前提条件としては、国民生活の向上に最も重要な面というものを私は優先さして開発していくべきだ、こういうふうに私は強く要望しておきます。
 それから計画の決定に際しまして、何のために、だれのために、どのようなプログラムを開発するか、国民生活の向上の上に大きな影響を持っているその計画を開発するということが私は重要だと思いますが、この計画は民主的に定められなければ私はならないと、こういうように思っておりますが、大臣はどういうふうにお考えなのか、どのような方法で計画を定めていかれるお考えなのかです。
#112
○政府委員(赤澤璋一君) これは法律の手続にも条文にも明記してございますように、この計画を定めるにあたりましては、あらかじめ関係行政機関の長に協議をすることにいたしております。と同時に、また通産大臣あるいはオンラインの情報処理の関係につきましては郵政大臣が、それぞれ電子情報処理振興審議会、郵政審議会の意見を聞くことに相なっております。また関係行政機関におきましても、やはりその分野独自の考え方があるわけでございますので、衆議院のほうの御修正によりまして関係行政機関の長がこういったことにつきまして意見を述べます場合、所要の審議会等の意見を聞いた上で通産大臣にそれぞれ意見を申し述べる、こういうことでございますので、いわばまあ内閣が一体となりまして、かなう限り部外の学識経験者等の意見も十分聴取をいたしまして計画の策定に当たる、こういう仕組みに考えておるわけでございます。
#113
○須藤五郎君 関係行政機関の長との協議とかおっしゃった。関係審議会の意見を聞くだけで通産大臣が計画を定めるというのは、言ってみるならば、政府とその関係先という狭い範囲の意見しか私は反映されないということではないかと思うんですよ。そういうことで計画が与えられる。国民生活や国民経済への影響の大きさから見ますと、きわめて私は不十分なものである、民主的であると私は言うことができない問題だと思うんですね。そこで、計画を民主的に定めることの内容といたしまして、できるだけ広い範囲の科学者や技術者、その他関係者の意見を反映することが含まれると私は思いますが、政府のやり方でこれらの広い範囲の意見が取り入れられる法的といいますか何と申しますか、そういう保証があるでしょうか、どうでしょうか、これが一つですね。
 さらにまた計画を民主的に定めることの内容の一つといたしまして、民主的に選ばれる計画作成のための機関を設けるとか、日本の科学者を結集している日本学術会議にはかることが考えられるかどうか。これは先ほどの質問と少しダブる点がありますが、法案の中でも私少し固めておきたいと思いますので……。
#114
○国務大臣(宮澤喜一君) まず民主的ということでございますけれども、私どもは民主的に選ばれて政府を構成しているというふうに考えておるわけでございます。政府につとめております役人は国民の公僕としてつとめておるわけでございますので、政府そのものが民主的に構成されているというふうに考えております。しかし、それでもまたそれはそれなりの癖を持ちやすいものでございますから、各省にいろいろな審議会がございます。その審議会の意見を聞いた上で各省大臣は意見を申し越してこられるようにということを、ただいま法案に書いてございますことを政府委員が申し上げました。そこで、後段に須藤委員の言われましたそういうものとは別に、民主的に選ばれた機構でこの計画を定めたらどうかとおっしゃいます、その民主的に選ばれたということでございますが、私どもは、やはりこの選挙で選ばれる場合が一番民主的に選ばれたものであるというふうに考えます。
#115
○須藤五郎君 あのね、それはそういう理屈も成り立つかわかりませんがね、こういう問題を審議していくその情報処理というようなものの知識をわれわれはみんな持っていないわけですね。そういう中で、選ばれた多数がそういう問題を審議していくのに、はたして民主的に選ばれた人かどうかということは、これは少し強弁過ぎはしませんかね。だから私たちはそういう能力を持った科学者の中から民主的に選ばれた人と、こういう私は意味で民主的ということばを使っておる。それを選挙するように、国民全体から選挙していくということを私は言っておるわけじゃないのでございましてね。
#116
○国務大臣(宮澤喜一君) その点はおっしゃるとおりでございます。私どもが十分学術上の知識を持ってはおりません。これは言われるとおりでございますが、そこで電子情報処理振興審議会でありますとか、各省に学者がたくさんお入り願った審議会がございますので、そういうところの御意見を聞きたい。
 なお、学術会議の問題でございますけれども、これは学術の研究そのものではございません。非常に現実的な行政に関係をいたしますから、学術会議そのものが適当でありますのかどうか、その構成員の方はいろいろな場合にいろいろな審議会にお入り願っておりますし、またこれからもそうお願いしたいと思っております。
#117
○須藤五郎君 学術会議は、宮津さん、日本の科学者の中から科学に十分の知識を持っていらっしゃる中から民主的に選ばれた人たちで構成されておりますね。だから私の言ういわゆる民主的ということは、そういう意味においてやはりあれが一番日本の民主的に選ばれた科学者団体だと思いますよ。だからそこの人たちをこの中に交えて、その人たちの協力を求めていくということが私は一番重要な問題ではないか、それを一方的に、科学の何たるかを御理解ないというとこれは言い過ぎで失礼かもしれませんが、政府の代表が指名するような形でこういうものを組織していくということは、これは大きな誤りが起こってくる、そういうような意味で私は申し上げておるわけです。それで、より民主的に、より自主的に計画を定める機関なり体制をつくっていくような努力をすることが政府のなすべき役割りだと、こういうように私は考えておるのですが、宮澤大臣はそれに対してどういう御意見をお持ちでしょうか。
#118
○国務大臣(宮澤喜一君) 確かにこういう問題につきましては私ども不案内な点が多うございますので、その方面でわが国の権威を持っておられる学識経験者、その多くの方は学術会議のまた構成員でいらっしゃると思いますが、そういう方々の専門的な御意見は、十分審議会等を通じてこの行政に反映してまいるべきだと思います。
#119
○須藤五郎君 まあ審議会を通じてというよりも、その審議会にじかにそういう人たちに入ってもらって、そうしてその審議会の中で直接そういう人たちの意見を求めていくということが私は一番正しいことだと思います。まあぜひそういう方向で政府も考えていってもらいたいと、これは意見として述べておきます。
 それからそのプログラムには特許権があるかということが、午前の公明党の矢追君の質問の中に出ました。政府の答弁はないという答弁でした。それから、それでは著作権はあるかという質問に対しまして、著作権もないという答弁であったと思うんですが、しかし、私はこの間文教委員会で著作権法の審議に参加をいたしました。電子音楽に著作権があるかという質問を私はしました。というのは、電子音楽は五線譜に書くことができないですよ、記録することができない。そういうものに著作権があるかと言ったら、あるというのですね。それではその著作権が争われたときに書きあらわすことのできないものを前にして、著作権があるかないかということを、著作権法に触れておるかどうかということを、どういうふうにして争うんだという論議をいたしました。そうしたら、政府はそれに対して回答をしないんですよ。そこで、政府が回答しなければぼくが回答してあげましょうと。楽譜にあらわすことのできない電子音楽とか、まだいろいろなものがこれから出てくると思うんですが、著作権があるということは確実だという政府の回答ですね。それならば、その著作権はやはりそれを楽譜にあらわせなければ、テープなりレコードに入れておいて記録をしておくということが必要だと、そういうようにあなた答えなさいと私は言ったんですよ。そうしたら、そのとおりでございますということになったわけなんですがね。これから見ますると、いわゆるプログラムにも私は著作権があるというのが当然だと思うんですよ。先ほども大臣は、プログラムには音楽の面も文学の面もいろいろなことができるようになるんだと、こういうお答えでしたから、それから申しますならば、プログラムにも著作権があるというふうにお答えになったほうがぼくは適当だと思うんですが、どうですか。
#120
○国務大臣(宮澤喜一君) これは何か特許権のほうにも、著作権のほうにも非常にむずかしい理屈がございまして、私どもプログラムというものは財産であるということは疑いもなく財産権だと考えておるんでございますけれども、現行の著作権法あるいは現行の特許法では、なかなかしっくりうまくそれにはまらない、何かはみ出したり足りない部分があるのだそうでございます。これは私正直申し上げまして、両方の法律を深く存じませんので、これ以上お答えする力がございませんが、しかしこれは財産であって、その財産の侵害も起こるであろうしということは、先ほどから申し上げておるとおりなのでありますから、何か保護をしなければならないということはどうも確からしいと関係者がみんな考えております。しかしそのための法制ができていない。これもやはり基本法でひとつ議論をしなきゃならない問題だなという意識をただいま持っておりますのですが、ただいますなおに特許の対象になる、あるいは著作権の対象になるというのには、何か法律的なむずかしい理屈がございまして、ちょっとそのとおりということが申し上げられないらしゅうございます。私もこれ以上詳しいことはわかりませんので、はなはだ恐縮でございます。
#121
○須藤五郎君 大臣、お答えできなければ私意見として述べておきましょう。先ほど大臣は、プログラムは思想の面も入るんだということをおっしゃいました。著作権はやはり思想、感情ですね。この面から独創性、創作性というものを重視して、そして財産権と人格権と二つを守るのが著作権の中心なんです。原則なんです。そういう点から申しますならば、このプログラムにも思想の面も出てくるのですね。それから独創的な面も入ってくるんですよ。そうすると、文学者が文字で字を書くのと、絵かきさんが絵を書くのと、音楽家が楽譜を書くのと何ら違わない面があるわけです。それで、これには著作権がないというふうにお答えになりますと、そういう面で非常に矛盾が起こってくると私は思うんです。だから、これはいまはっきりした意見が述べられないから今後研究してとおっしゃるならば私はこれ以上言いません。これは私の意見として述べておきますがね、やっぱりこのプログラムにも著作権がありという方向にいかないと、いろいろの問題が起こってきますよ。まず第一、電子音楽ね、あのコンピューターの中からおもしろい声が出てきたり、歌すらもプログラムに入れればできる時代がくるわけなんです。歌も歌うようになってくる。創作的な歌も歌うようになってくる。それではそれに著作権がないかというと、あるという回答を文教委員会では申しているわけですから、だからまあいま通産大臣があるとお答えできなければ、私はそれ以上追及はしませんけれども、やはりこれはあなたのほうでも大いに研究をして、やはり著作権ありという方向で検討していかないと、私は将来大きな問題が起こってくるということを申し添えまして、この質問はこの程度にしましょう。あるんですよ、大臣。現にあるんですから、ちゃんと。
#122
○国務大臣(宮澤喜一君) よくこれは研究さしていただきます、どっちみち将来大きな問題になることははっきりしておりますので。
#123
○須藤五郎君 どうぞ研究してください。それから、一般にプログラムにはどのような法的保護があるんですか、法的保護、プログラムの。
#124
○政府委員(赤澤璋一君) 法的保護という御質問で、たいへんお答えがむずかしいんですが、いま申し上げましたように、現状の特許法あるいは著作権法のもとにおきましては、これは特許になりましたり著作権になるという形での保護はむずかしいと思います。ただ、これ自身は一つの財産的価値を持ったものであるということは事実でございますので、こういったものをではどういうふうに今後保護していくか、これはいま大臣がお答え申し上げましたように今後の研究課題でございます。現状では、ではどうかと申しますと、やはりこれはプログラムをつくりました者が、いわゆる第三者、自己以外の者との間に契約をいたします。その契約上、たとえば相手に売り渡しました場合に、その者以外の第三者に譲り渡してはならないとか、その他そのもの自身が使われます場合の民法上の契約に基づく債権と申しますか、性格を言えば債権だと思いますが、そういった面での保護はされておる、こういうふうに考えております。
#125
○須藤五郎君 そうすると、朝あなたがおっしゃったように、特許権のような保護は受けない、こういうことが言われるわけですね。これはやがてまたこの委員会で特許法が出されたときに、そこで大いにひとつ論議することにいたしましょう。で、ここに言うプログラムは、情報処理振興事業協会の委託によって開発したプログラムだけをさすのか、それとも企業の開発したものであって汎用性を持つものも含んでおるのかどうかということですね。
#126
○政府委員(赤澤璋一君) プログラムにつきましては、この法案では第二条の二項にその定義をいたしております。そういったことで第三条にもプログラムにつきまして計画をつくることになっておりますし、また第五条にはプログラムの調査簿というものを置くことになっております。また第二十八条には、いま須藤委員から御質問ございましたように、協会の業務といたしましては、「開発を特に促進する必要があり、かつ、その開発の成果が事業活動に広く用いられると認められる」いわゆる汎用的なプログラムであって、そして個々の企業では開発がむずかしいというものの委託開発をする、これを協会の業務の第一号としてあげております。それから第二号には、そういったようなプログラムであって、個別の企業がみずからも開発をした、こういったものについて業界に売り渡していいというものがあれば、それについても対価を支払って利用に関する権利、これはそのプログラムを開発した企業と協会との契約になると思いますが、そういった契約によって権利を取得する、こういうことになっております。したがって協会の業務といたしましては、いま須藤委員の御指摘の両方のプログラムが入っておる、こう考えております。
#127
○須藤五郎君 その企業の開発したプログラムが非常にすぐれたものである場合に、何の保護もなしにプログラムを企業は調査簿に載せることに同意するでしょうか、どうでしょうか。
#128
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまの御質問の点はたいへんむずかしい問題だと思いまするが、ただ、企業といたしましては、自己が開発いたしましたプログラムでございましても、さらにその後、企業内容の変化でございますとかその他によりまして、さらに新しいプログラム、こういったものをどんどん更新してまいっておる場合があると思います。また現にそういう例がございます。そういった場合に、かつて自分が、何と申しますか、つくりましたプログラムでも、これはほかに買い手があれば、適当に対価を支払ってくれれば譲り渡してもいいと思うようなプログラムを保有しておる例が相当数あるのではなかろうか、こういうことを考えまして、この調査簿に概要をしるしてもらうということでプログラムの流通の円滑化をはかりたい、こういう考えでございます。
#129
○須藤五郎君 そうすると、買い手があって、そしてそれを対価を払ってもらって売るというなら、これはあり得ることですが、調査簿に載せるということは、これは何も条件つけているわけじゃないんでしょう。無条件で調査簿に載せるのでしょう。その調査簿は一般の人が見ることができるんでしょう。そうしたらそのプログラムをつくった人のいわゆる財産権ともいうべきその権利が、無条件で公開されてしまうことになるのでしょう。そんなこといたしますかどうかということなんですよ。
#130
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまの点、ちょっと私の御説明が足りなかったと思いますが、法案にもございますように、このプログラム調査簿に記載をいたしますのは、プログラムの概要でございまして、プログラムについての一件書類の全部をここに差し出すわけではございません。概略こういったものである、こういったことを調査簿に記載をいたします。したがいましてその調査簿を見ただけで直ちにそのプログラムが何人も使い得る状態になるとは考えていません。そういう意味から、先生の御心配はないように思います。
#131
○須藤五郎君 そうすると、概要だけを発表して、その調査簿を見ても絶対わからないと、こういうことですね。私はその内容にまでわたって調査簿に載せるものだというふうに理解しておりましたので……。そうすると、せっかく企業が開発した企業の秘密ともいうべきものを、それをそう簡単に発表することができるかどうかということですね、そうしてまた通産大臣はこれをどのような方法でプログラムの存在を知り、かつそのプログラムが円滑な流通をはかる必要を持っているかどうかということをどうして認定することができるのかという、こういう私は疑問がわいたわけです。
 それからもう一つは、企業の開発したプログラムにつきまして公開させる強制力が大臣にあるのかどうか、こういう二点を私は疑問を持ったのです。どうですか、こういう私の疑問は持つ必要がないんですかどうですか。公開させる強制力が大臣にはあるんですか、どうですか。
#132
○国務大臣(宮澤喜一君) これは全然そういう権限は通産大臣にはございませんで、先ほど政府委員が申し上げましたように、もう自分のところで一応仕事を果たしたので、しかし同じような段階にある人で、ほしい人もあるだろう、そういう場合には譲ってもいい、ただ持っておるのも宝の持ちぐされであるというような向きに対しては、それはひとついわば仲介をいたしましょう、どういうアイデアのものですかという概要を調査簿に載せておきまして、世の中で何かそういうものをさがしている人があって、これはひとつ自分のところで使ってみたいがということになりましたら、プログラムのいわば売り買いが行なわれる、そういったものの便宜に資しようということでございますから、この五条は強制規定ではございません。したがって、これがどの程度に利用されるか、この制度が。これはやってみませんとなかなかわからないことでございますが、一種の便宜をはかろうという規定で、全く任意の規定でございます。
#133
○須藤五郎君 これも特許法と非常にやはり関係のある点だと思うのですね。これは一つの私は特許のようなものだと思っているのですよ。プログラムというのは。特許は一つの権利があって守られていく、これは権利が何も守られる法的な措置がないということになってきますと、いろいろの問題が特許法との関連で起こってくるのじゃないか、これも私は特許法が審議されるところで、少し論議を深めてみたいと思っているのです。
 多少議論になりますがね、この「広く利用される種類のプログラム」は、目的に応じまして修正を加えれば、主として一つの事業の分野における情報処理の目的を達するプログラムに変わることができると思うのですね。そうでしょう。広く利用されるところの種類のプログラムですよ。これは目的に応じまして修正を加えたら「主として一の事業の分野における情報処理を目的とする」ところのプログラムに変えることができるのじゃないでしょうか。そのまた逆も私は言えると思うのです。ほんとうに企業の開発した主として一つの事業の分野の情報処理プログラムに円滑な流通をはかる必要の認められる広く利用される種類のプログラムが私はあると思うのですがね。それはどういうふうに考えられますか。これは私の一つの議論ですが。
#134
○政府委員(赤澤璋一君) 第五条の点を御質問でございますが、まあ私どもここで考えておりますのは、特殊用途のプログラムと申しますものは、その企業企業によりまして若干ずつやはり企業内容が違いまするし、用途も違ってまいるわけでございます。そういったものは比較的汎用性がないわけでございますが、まあ普通の場合、一般的な業務計算に使うようなプログラム、どの場合にでも一応当てはまるあるいは大体この程度の規模のものであればどの企業にも使い得るといったようなものがあるわけでございます。いまお話しのように、ある部面を修正すればというお話でございましたが、私どもの感じからいけば、修正するということじゃなくて、そのプログラムをベースにおいて、もう一つ別の応用プログラムをつくる、そういうことだろうと思います。そういったような点から申しますと、この条文の書き方、必ずしも正確と申しますか、条文的にはこれでよろしいわけでございまするが、読み方としては、私どもはそういったようなことをやることによって汎用的なプログラムの円滑な流通をはかりたい、はかることが目的である、そういう目的でございますから、そういう目的に沿ったプログラム、こういったものを調査簿に載せるのだ、こういう考え方でここに書いているわけでございます。
#135
○須藤五郎君 この広く利用されるプログラム、それから一つの事業分野でのプログラム、これが相互関係があるのじゃないですか。どちらにでも流用できるような一つの相互関係が私はあるように思うのですが、あるのですかないのですか、どうですか。
#136
○政府委員(赤澤璋一君) これはまあ特殊用途と申しますものの範囲のとり方ではないかと思います。非常に厳密な意味で申しますと、いわゆる特殊用途、一つの目的のためのプログラムというのは他に転用できないというものであろうと思います。したがいまして、汎用的なものと申しましても、おのずからここに、何と申しますか、汎用の限度もございます。反面、いままたお話しのように、特殊ということで大企業が開発いたしましたものでも、それと同種の企業であれば、それだけではなくて、他のものにもある程度使い得るというものもあると思います。その辺は個々のプログラムに当たってみませんと、ここで抽象的な議論はちょっといたしにくいかと思います。
#137
○須藤五郎君 十六条に「学識経験を有する者十五人以上が発起人となることを必要とする。」と、こういうふうになっているんですが、どのような分野の人々が考えられるんでしょうか、発起人としては。
#138
○政府委員(赤澤璋一君) 第十六条の規定にございますのは、いわゆる情報処理についての学識経験があればどなたでも発起人となっていいわけでございます。たとえて申しますと、情報処理サービス業、あるいはソフトウエア開発業等を営む方々、あるいはそういったことに従事をしておる方々、あるいはまた企業の情報処理に携っている者、あるいは情報処理の振興あるいは情報技術者の教育、こういったことに携っておる方々、こういう企業団体、学校、研修機関、こういった非常に広い意味で割合考えておるわけでございます。
#139
○須藤五郎君 この第十条に資本構成の問題があるわけですが、ここに民間の出資者として予想されるものは一体どのような分野の会社、団体、あるいは個人かという点を伺っておきたいわけです。
#140
○政府委員(赤澤璋一君) これは特にただいまどういう会社とか企業ということを想定をいたしておりません。ただ、この出資金、資本金につきましては、最後にこの協会が解散いたしますときに、その出資金の限度に応じて返還を受けることができるという権利を持っておるだけでございまして、いわゆる株主のように配当を受けるとか、その他の権利があるわけではございません。したがいまして、いずれにしても、この募集に応じまして、この協会の趣旨を十分了解をし、そしてまあ言ってみれば日本におけるソフトウエアの開発にひとつ協力をしようという方であればどなたでもけっこうである。したがいまして、ハードウエアとかソフトウエアの供給者、製造業者だけではなくて、これらの利用者を含めた広く各分野から出資をされることが望ましいと考えております。
#141
○須藤五郎君 十八条の情報処理振興事業協会の設立申請が一つ以上同時になされる場合には、ほんとうに設立の認可条件を満たしている場合、通産大臣はどのように処置されるか。条件を備えた同時に一つ以上の設立趣意書が出た場合、それを通産大臣はどういうふうに処理されるか、そういうこともあり得ると思うんですが。
#142
○政府委員(赤澤璋一君) 第二節の設立の手続によりまして、この法案が成立後、同じような形で発起人が別個にまたお集まりになる、別個に出資の募集をされ、定款、事業計画をつくりまして、さらに二、三とか、三、四とか出てくるというような場合どうするかというようなお尋ねであると思いますが、そのときにはよく内容を私ども審査をいたしまして、最も適当と思われるもの一つに限ってこれは設立の認可をする、こういうことになると思います。
#143
○須藤五郎君 そういうときに問題が起こりがちになると思うのですよ。争いも起これば問題も起こる。だから、そういうときにはよほど慎重に対処していかないと、また攻撃の的になりますよ。よく慎重に対処してもらいたいと思うのです。
 第二十八条についてちょっと私不審な点があるので伺ってまいりたいと思うのですが、この第一項一号の「特定プログラム」という点がありますが、この「特定プログラム」は一体だれがきめるのですか、第三条の計画で定めるプログラムと同じものなのか違うものなのか、どうなんですか。
#144
○政府委員(赤澤璋一君) 全く同じものということでもございませんが、ただ一応第三条によりまして目標とするプログラムが掲げられるわけでございますので、協会といたしましてはその計画に記載されております種類のプログラム、この線に沿ってこの特定プログラムを決定することになると思います。具体的に申しますと、この特定プログラムの決定、それにあたってのその内容と申しますか、そういった種類のものを一つ選ぼうかということにつきましては、毎年当該事業協会から事業計画として提出をされてまいります。したがいまして、その事業計画を私ども見る上におきまして関係省とも協議をすることになっております。広く政府全般の目でこの「特定プログラム」について考え方をきめてまいる、そういったことで事業計画の認可に基づいてこの事業協会が特定プログラムを定め、委託開発をする、こういう手順になってまいるわけでございます。
#145
○須藤五郎君 「特定プログラム」が第三条の計画で定めたプログラムと同じものかどうかという点、私は同じか、そうでないという、どちらかの回答が実はほしかったわけです。どちらでもないというのですか。
#146
○政府委員(赤澤璋一君) 厳密な意味で全く同じものというふうに申し上げるわけにはまいりません。しかし大づかみに言ってほぼ同じ種類のものというふうにお考えいただいてけっこうでございます。
#147
○須藤五郎君 同じ種類のものであるということになりますと、計画の決定がますます国民生活に大きな意味を持ってくると思うのですね。それだけに計画の決定が国民各層の要求を取り入れ、広範な科学者や技術者の意見を反映して民主的に行なわれるような仕組みを確立することがますます私は重要になってくると思うのですが、この点、政府の見解を私は重ねて伺っておきたいと思うのです。大臣、どうぞお答え願います。
#148
○国務大臣(宮澤喜一君) これはもう一度第三条に返っての関連での問題になるわけで、先ほど申し上げましたように、よく須藤委員の御発言の御趣旨を体しまして、気をつけてやってまいりたいと思います。
#149
○須藤五郎君 この第二十八条の第一項一号の「特定プログラム」の点で、「その開発の成果が事業活動に広く用いられると認められる」ものという条件がついていると理解しますが、ここでいう事業活動とは、企業の行なう事業活動と理解してよいのですか、どうですか。
#150
○政府委員(赤澤璋一君) いまの御質問は、企業の行なう活動というふうに御質問があったかと思いますが、これは単なるいわゆる法人企業だけを考えておるものではございません。事業活動でございますから、もっと広く、いわゆる一つの事業として政府の行なう事業もあると思います。とにかく特定の事業活動、こういうふうにお考えいただきたい。企業ということではございません。もう少し申しますと、いわゆる営利企業というふうに考えていただかないほうがいいと思います。もっと広く事業というふうに。たとえば非営利のものであってもいいし、研究所とかそういったところも当然入ってまいるわけでございます。
#151
○須藤五郎君 わかりました。
 この協会の業務問題ですね。第二十八条第一項一号の「特定プログラム」の委託開発料、この委託開発料につきまして私ちょっと質問したいのですが、やはり協会に出資するのは国の財政から出すんですから、だから協会の費用はもちろん国民の税金から成り立っておるということが言えると思うのですが、だからそういう点からいったら、むだなしに正しく有効にこの費用が私は使われていかなければならぬと、こう思うのですが、まず一つは委託開発料はどうやって算定するのか。二番目は、委託開発料と実際の開発料とが同じ場合、また同じでない場合、こういう場合が出てくる……
#152
○政府委員(赤澤璋一君) 実際の、何ですか。
#153
○須藤五郎君 委託開発料はどうやって算定するのかというのが一つ。
 それから、委託開発料と実際の開発料とが、実際の開発に要した費用と委託開発に出した料と同じ場合はよいとしても、同じでない場合が起こってくるだろうと思うのですよ。その場合、実際の開発料が委託開発料より安く済んだ場合たとえましたならば委託料が五百万円、実際に要した費用が三百万円と。そうすると、二百万円の差額が出てくるわけですね。その場合に、その差額の二百万円は返還させるのかどうかということですね。それから高くついた場合、委託料が五百万円、実際に八百万円要ったというときには、やはり追加支払いをするのかどうかと、こういう点ですね。
 それから実際の開発料が委託開発料の三倍、四倍とこういうふうにかさんでくる場合、協会は限度を設けずにどんどん追加支払いをしていくのかどうかと。まずそれだけ。これは具体的に聞くんですから具体的に答えてくださいよ。
#154
○政府委員(赤澤璋一君) 須藤委員も御承知のように、現在二十社から三十社に及びますソフトウエア開発のための専門の会社がございます。これらの会社は、主としてユーザーから委託を受けると申しますかユーザーと契約をいたしまして、このユーザーが使うプログラムを開発をしておるわけです。こういったようなことから、現在すでにそういったようなまあいわば専門の機関がございまして、ユーザーとの契約のもとにプログラムを開発をしておる事実がございます。この協会におきましてもやはりいま現にそういったような一種の商行為でございますが、そういったことがございまするので、そういったことも参考にしながら今後委託開発をすべきプログラムの内容等に応じて一体どのくらいそれがかかるかという、まあ見積もりを取って、そしてその委託先との契約をすることになると思います。その場合には、これはプログラムの開発の場合、概してそういうことでございますが、概算払いの契約をいたします。その上で、でき上がりました際に、その当初いたしました概算契約の内容に従いまして内容を審査をし、その上で精算をして所要の金額を確定をする、こういうことになってまいると思います。したがいまして、当初の概算契約のやり方がよほど突拍子もないものでない限りは、まずまずいまお話のように三倍、四倍になっておかしいというようなことには、まあならないんではあるまいか。現にそういうことで専門のソフトウエア企業もございまするし、またソフトウエアを専門にやっておる団体もございます。こういったものを広く参考にいたしましてまず概算契約をしていくというようなやり方でございますので、まあたぶん精算をいたすということになりますれば、その辺、概算契約のときの金額を基準にいたしまして、詳細審査の上でさらに追加のものがあれば払うし、あるいは安くあがればこちらに返還をさせるということになってくると思います。
#155
○理事(大谷藤之助君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#156
○理事(大谷藤之助君) 速記を始めて。
#157
○須藤五郎君 委託開発料を払いますね。そして特定プログラムの開発を委託する。しかしそれに成功しなかったときは、それはまる損ということになるのですか。その場合の所要の費用は一体どういうふうに処置されていくのですか。
#158
○政府委員(宮澤喜一君) その辺が先ほどもちょっと申し上げかけておったんですが、アメリカでNASAとか何とかいうものがあったためにソフトウエアが発達したということは御承知のとおりでございますが、いろいろ話を聞きますと、全部の金がもう必ず成功して返ってきたということでは必ずしもなくて、ある程度善意であれば、結果としてむだになってもそれは何かのやはり将来への土台になるという考え方がございましたので、ああいうソフトウエアが非常に進んだというように聞いておるんでございますが、ことにアメリカなんかの場合ですと、こういう場合の開発費の計算というのは、これはもう材料プラス労金というようなわけにまいりませんので、人一人について一時間幾らというその人の能力に従ってのコスト計算があるようでございます。わが国はまさかそうもいきなりまいりません。でございますから、全然結果が出なかったからもうそれはまる損だと、金を全部返せと言ってはならないんではないだろうか。ただ、また逆にそれを悪用しましたら、これ全く無体のものでございますから、人の頭脳というのは、幾らでも払うのかということになりまして、これはまた問題外でございます。その辺のところは、事が事でございますので、多少の余裕は与えてやらなければならないであろう。しかしそれだけにまた十分注意もしていかなければならない、そういう性格のものではないかと私思いますが。
#159
○須藤五郎君 「企業等が自ら開発することが困難なプログラム」ということが問題になっているようですが、その開発するのに困難なプログラムというのは一体どういうものなんでしょうか。
#160
○政府委員(赤澤璋一君) まあ申してみれば、企業がみずからの負担で開発をいたしましても、それだけの採算が取れるかどうか。いま申し上げましたように、ソフトウエアを専門にいたしております企業が相当数ございますけれども、やはりそれは私企業でございますから、そういうものを開発してそれがそれ相当の対価を得て売れるというものでなくてはいけないわけでございます。
 ここで考えておりますのは、先ほど来ちょっと申し上げておりますように、汎用的なものでございますから、特定の企業、つまりユーザーが特定の目的のために開発するものではないものでございますので、いよいよもって企業としてはそれがはたしてかかっただけの費用プラス利潤で売れるかどうか、こういったことが判定が非常に困難でございますから、なかなか手がけてもらえない、しかし今後の情報化を促進していきますためには、どうしても、やっぱりそういったような汎用的であり基礎的なプログラムが必要であると、こういったようなものであろうと思います。そういった意味から、企業が開発することば困難である、こういう表現をしておるものと思います。
#161
○須藤五郎君 この二十八条の第二、第三号にあります「特定プログラム」、この「対価」についてちょっとお尋ねしたいんですが、この対価の基準がない場合には、安いものを高く買うとか高いものを安く売るということが起こってくると思うんですね。プログラムの対価の算出方式、どういうふうにして対価を算出していくのか。これが一点です。
 それから続けて尋ねますが、ある会社、A社が特定プログラムを開発しまして協会が対価を払う。その利用に関する権利を協会が握る。かりにA社が腹黒で、協会には五百万円で売っておきながら、同時にB社には百万円で売りつけたときは――つまり二重、三重売りの場合ですね。プログラムは見分けがつかないので、B社も知らぬ顔をして使用するとなると、協会はこれをどうやってチェックしていくことができるのか。これが第二の質問。
 それから第三問。(「まだあるの」と呼ぶ者あり)いや、もう続けてやっていきますよ、あなたたち、やかましゅう言うから。二十八条の第一項第四号の、協会が債務保証する、しないの判断は、何を基準として行なうのかどうか。こういう点が第三点。
 もうあと一問残りますから、そのつもりで……。(「やってください、続けて」と呼ぶ者あり)どうぞ答えてください、それだけ。
#162
○政府委員(赤澤璋一君) まず、二号、三号についてお答えを申し上げます。
 まず、対価の算出方法でございますが、この二号の規定ば、あくまで三号でもって利用に関する権利を取得したプログラムについてそれを一般に普及させる、普及し得るという前提で、まず権利の取得をするわけでございます。そこで、ここで需要と供給という問題が出てまいるわけでございますが、まず、そういったものについていかなる評価をするかということは非常にむずかしい問題でございますが、本来言えば、そのプログラム自身を当該保有者が取得するに要した費用、これがまず一つの基準になろうと思います。同時に、それをどういうふうに、何年使っておったか、また、現にそれが有効なプログラムであるか、いまそれを別途開発するとすればどの程度費用がかかるものか、こういった点が評価をします一つのものさしであろうと思います。それからさらに、第三号でこれを普及するということになってまいりますると、その場合には、もちろん、いまちょっと例が出ましたが、かりにそのプログラムを五百万円で買い取り、五人の需要者があったとすれば、一人当たり百万円でこれを供給し普及しても、協会としては差し引き勘定合うわけでございます。そういった意味で、第三号の場合の「対価」という問題につきましては、これは需要者の数、可能性も含めた数等も勘案しまして普及販売の場合の対価をきめていく、こういうことになろうと思います。
 それから、いま、第三者に販売した場合というようなことがございますが、これは第二号の、権利を取得します場合の供給者側との契約によると思います。したがって、普通の場合であれば他の第三者には譲り渡さない。協会のみに権利を譲り渡すという条項をつけておそらく買うことになるのではないかと思います。もちろん、それは違反する場合があり得るわけですが、違反した場合には、民法上の損害賠償の請求ができると思います。この場合、お互いの契約でございますから、契約違反でやれると思います。
#163
○須藤五郎君 チェックができるかどうか。チェックがなかなかむずかしいんですよ。
#164
○政府委員(赤澤璋一君) いまお話しのチェックができるかどうかという問題は、非常に困難な問題でございますが、形式的には当然契約違反として損害賠償の請求ができるものと思います。
 それから保証でございますが、保証につきましては、もちろんその対象でございますサービス業者、あるいはソフトウエア業者等が、私どもの判断基準−私どもと申しますより協会の判断基準として適当なものであり、かつ、その融資を受けた内容が適正なものであるかどうか、そういうことを十分協会として審査をいたしまして、その審査の結果、適正なものであれば保証をする、こういうことになると思います。
#165
○須藤五郎君 最後に一問。
 チェックをすることがむずかしいんですよね、実際には。だから、こういうことになってくると、実際には、そういうことが行なわれたらもうどうにも手が出せないということなんですよ。それを私はどうチェックするのかと、あなたはチェックできないと言うから、それ以上責めてもしようがないから認めておきます。
 最後に私は申し上げたいんですが、この修正案の中に、第四条の第二項として、「前項の措置を講ずるにあたっては、中小企業者に対する特別の配慮がなされなければならない。」と、こういうふうに修正がされておりますが、中小企業が債務保証を申し込んだ場合に、協会は債務保証を行なうのですかどうですか、そこを聞いておきたいのです。
#166
○政府委員(赤澤璋一君) 四条の場合と、二十八条の場合とは、おのずから規定のしかたが違っております。第二十八条の、協会の業務といたしまして債務を保証いたしますのは、「情報処理サービス業者等(情報処理サービス業又はソフトウエア業を営む会社又は個人……)」、こういうことでございますが、これが金融機関から資金を借りるときに債務保証をするということでございまして、第四条の場合にはこれとかかわりなく、この計画に掲げております「電子計算機の設置」あるいは「プログラムの開発の促進に必要な資金の確保又はその融通のあっせん」、こういうことでございまするので、この計画に掲げられておりますようなものを中小企業が設置をしたい、あるいは促進をしようという場合には、政府として相当の資金の確保についての努力をするという規定でございまして、二十八条とはその趣旨を異にいたしております。
 最後に、先ほど御答弁漏れがございましたので、その点の御説明をさしていただきます。
 先ほどの御質問の中で、電電公社が行なっておる通信サービス、オンラインデータ通信と申しますか、これはどんなものがあるかという御質問でございましたので、その後調べてまいりましたが、電電公社が個別データ通信サービスとして現に提供しておりますものは四つございます。一つは、私が申し上げましたように、地方銀行協会のシステム、それから第二は群馬銀行のシステム、第三が万博のシステム、第四が運輸省の自動車登録システムでございます。そのほかに、電電公社が通信回線の専用線を提供しているものといたしましては、四十四年六月末で七十三社、電算機九十二台でございます。
 以上でございます。
#167
○須藤五郎君 最後に、希望として述べますが、第四条に修正されているように、中小企業にも特別に関心を持つように修正案がされているのですよ。そのためには、あなたのようなすげないことを言わずに、第二十八条の債務保証という点を、中小企業も含めて、やはり私は中小企業のために考えていく必要があると思うんですよ。それでなかったら、この修正案が生きてこないんですよ。生きないと思うんですがね。大臣、最後に中小企業に対する態度を表明していただいて、私は質問を終わりたいと思います。
#168
○国務大臣(宮澤喜一君) 結果として、それは須藤委員の言われるとおりでよろしいと思いますのは、この二十八条の、いま言っておられます四号でございますが、情報処理サービス業者、たとえばこれは何々計算センターというようなものがそれに当たりますが、これはほとんど中小企業でございます。実際、各県に幾つかございます。そういうような場合に、この債務保証をするということができるか、これはもう当然やってやらなければならないと考えておりますし、四条の場合は、先ほど政府委員が申し上げましたとおりでございますので、中小企業が、こういう関係の仕事をやってまいりますときには、私ども十分に配慮いたしますし、また、この法律案はそれができるようにつくられております。
#169
○理事(大谷藤之助君) 本法律案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#170
○理事(大谷藤之助君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト