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1970/05/08 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第19号
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1970/05/08 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 商工委員会 第19号

#1
第063回国会 商工委員会 第19号
昭和四十五年五月八日(金曜日)
   午後三時二十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    理 事
                大谷藤之助君
                川上 為治君
                近藤英一郎君
                竹田 現照君
    委 員
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                植木 光教君
                剱木 亨弘君
                平泉  渉君
                八木 一郎君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                小柳  勇君
                林  虎雄君
                浅井  亨君
                矢追 秀彦君
                田渕 哲也君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        内田 芳郎君
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省重工
       業局長      赤澤 璋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       通商産業省重工
       業局電子政策課
       長        平松 守彦君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○情報処理振興事業協会等に関する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
  〔理事大谷藤之助君委員長席に着く〕
#2
○理事(大谷藤之助君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 情報処理振興事業協会等に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○林虎雄君 情報処理振興事業協会法案という法律案でございますが、私のような古い者にはなかなかぴんとこない法律であります。新しい情報社会に対処するために組織をつくるということであると理解するわけでございます。一口に言えば、電子計算機の利用の高度化をはかって、高度経済発展に寄与するという意味に解してよろしかろうと思いますが、もっとも修正案では、これに対してさらに「国民生活の向上」ということをつけ加えてあるわけですが、それで、この法律案の目的は、国民経済、国民生活の向上に寄与すると、こういうふうに解釈してよろしいわけでございますか。
#4
○国務大臣(宮澤喜一君) 先日も申し上げたことでございますが、私ども、できるだけこの法律案を間口を狭く書いておこうと考えましたが、事実問題といたしまして、電子計算機のハードウエア、ソフトウエアが開発されてまいりますと、それは経済の分野にとどまることではございませんので、衆議院の修正にもありましたように、広く国民生活というふうにお考えいただきますことのほうがむしろ正しいのではないかと、かように考えております。
#5
○林虎雄君 一九七〇年代は、国際政治の面においても激動の時代であるといわれておるわけでありますが、それはともかくとして、それ以上に最近の科学技術の著しい発達というものは、二十一世紀にかけて人類の社会生活は予想もつかないような、われわれの想像の及ばないような変貌が予想されるといわれておるわけであります。未来学なんという新しい学問までも登場してきている時代であります。いわゆる情報化時代というのがこれからの時代のようでありますが、この七〇年代という年代は大きな変貌の年代といわれておりますが、すでにこのことは六〇年代からかなりあらわれているような気がいたします。産業システムの変貌、交通機関の高速度化、人口の集中過密化、過疎化、それに反対現象として公害という新しい災害まで出てきておるわけであります。さらには国民生活、食生活の変化、あるいは平均年齢の向上というように、もうすでにわれわれの周辺にかなり変化が起っておることが感じられるのであります。しかし、これからの十年というものはさらにこの変貌に拍車がかけられて変わっていくのではないかと、そういう時代であるように、いろいろいわれておるわけであります。そこで大臣に承りたいと思いますことは、十年後の日本の社会が、十年を一つの区切りとして考えて、どのように変貌するであろうか、通産大臣として産業社会の変貌を中心とされましての見通しを承れれば幸いだと思います。具体例を一、二あげていただけばなおけっこうだと思います。もし電子計算機等でその未来十年くらいを予測した最近のデータ等があればあわせて伺いたいと思います。
#6
○国務大臣(宮澤喜一君) はっきりお答えができますような知識を実は持っておらないわけでございますけれども、想像し得る限りにおいて考えておることを申し上げますと、一九七〇年代という十年先をいま申し上げることはとても私にはよく見当がつかない点がございまして、七〇年代のどうやら半ばごろまでということで、ある程度予測が申し上げられるかと思います。
 七〇年代の半ばぐらいの時期には、おそらくわが国の国民生産が大体四千億ドルになるであろうと思われますので、そういたしますと、一人当たりの国民所得はほぼ三千ドルということになるわけでございます。この三千ドルと申しますのが、よく議論されます工業化社会が次の段階に入る一つのめどだといわれておりますが、そういう段階に七〇年の中期ごろには入るのではないかと思われるわけであります。そしてその所得の使い方でございますけれども、いわゆる衣食住というようなものにさかれる割合が、これは当然のことながら低下してまいりまして、現在雑費というふうに分類されておりますものの支出が所得の五〇%に近づいていくのではないかと思うわけでございます。そういたしますと、この雑費というものの支出先でございますが、現在でも旅行とかレジャーとか、あるいは教育、衛生なんというのが分類では雑費ということになっておりますが、もし国民の所得の非常に大きな部分がそういう方面に使われるといたしますと、その消費に対応するだけの供給がなければならない理屈だと思います。と申しますことは、現在の分類で申しますと第三次産業になるわけでございますが、その第三次産業というものが国民所得の半分程度の支出の対象になるだけに大きくなっていなければならないと思うのでございます。
 その第三次産業というのは少し分類としては私はいまのままでは不適当であろうと思いますけれども、かりにいまの分類のまま言わせていただくとしますと、それだけの投資が第三次産業に向かってあり、またそれだけの雇用が第三次産業になければならない理屈になりますので、その点がつまりいわゆる二次産業を中心とした工業の比較的のウエートが小さくなるというのでポスト・インダストリアル・ソサエティーといわれているのだと思います。
 それで、第三次産業の中身でございますが、いまのレジャーとか、旅行とかいうのはむろんでございますと思いますが、教育でございますとか、あるいは医療でございますとか、ことに私は教育なんかの持つウエートは大きくなるのではなかろうか。これは先だっても御議論のございましたいわゆる成人教育、生涯教育の問題につながっていくかと思います。それから電子計算機のソフトウェアの部分も一応ただいまの分類では第三次産業でありますが、そういう知識産業というものがそれだけ大きくなっていなければ、それらに向かう消費というものに立ち向かえるものがないわけでございますので、私は産業的にはそういう変貌をするであろうというふうに考えておるわけでございます。
 それから他方で、しかし現在われわれが未来産業と分類しておりますところの海洋開発でありますとか、あるいはこのような電子計算機の産業でありますとか、あるいは新しく材料を合成する材料産業でございますとか、それから先ほど御指摘のありました都市化に伴うところのもろもろの産業、それは都市の計画でありますとか、あるいは廃棄物でありますとか、公害でありますとかいうものがそれに当たると思いますが、そのような産業が伸びてまいるであろうというように考えております。
 それから数字的にということになりますと、たとえば原油でございますとおそらく五億キロリットルとか六億キロリットルというものになろうかと思いますし、鉄鋼はちょっと想像がつきませんが、いまのまま伸びてまいりますと非常に大きなものになるはずでございます。かりにいま五十年が一億八千万トンとかということを申しておるわけでございますが、もう少しあるいは大きくなるのではないか。しかしその場合に、それらのものを輸送する船舶などがどうなるのかということになりますと、いまの造船能力からいきますと、どうもその辺のバランスが少し合わない点がいろいろ出てまいるのではないかと思っております。
 それから工業立地は、おそらくいま申し上げましたようないろいろな関係から、わが国の現在はほとんどいわば未開の地方に、たとえば鹿児島の南でありますとか、四国の南部でありますとか、あるいは東北地方の北部、あるいは裏日本の一部、北海道等に非常に規模の大きな工業立地が行なわれるのではないかというふうに考えます。
 そうしてわが国全体は、おそらくその段階では、新幹線網がかなり発達しておりますことと、高速自動車道路がほぼ南北に縦貫をしておるということと、先だって以来お話のございます電信電話線の大綱によってデータ通信というものが、これもネットワークとして形成される、そういうふうに考えてほぼいいのではないかというふうに思うわけでございます。で、国際的にはこれはますます予想のむずかしいことではございますけれども、戦争のない状態を想定いたしますと、いわゆる現在の後進国がだんだん経済的にも向上をしてまいりまして、そうしてそのことはおそらくは世界貿易の量も飛躍的に現在よりも増大するということになるのではないか。
 つまり私ども考えられますことは、そのように一人当たり国民所得三千ドルになったときに、所得的にも余裕があり、時間的にも余裕がある、それらのエネルギーが、先ほど申し上げましたような方面に向かって使われるということで、人間らしいいわゆる創造をなし得るか、あるいはそれらのエネルギーと時間はもっと全くむだに無意味に使って、むしろ人間疎外が起こるか、これはもう私は心の持ち方の問題であろうと思いますので、この状態は非常にやりようによっては人類にとつて進んだ楽しい状態になるかもしれませんが、やりようによりましてはむしろ非常に悲惨な状態になり得る、そのいずれもの可能性を私は含んでおるのじゃないかと考えます。
#7
○林虎雄君 科学技術の発表は、生産力の飛躍的な発展を促しておるわけでございますが、いまお答えになりましたように、これからは非常に大量生産の時代となり、そうしてまた大衆消費の時代は、さらに進行するだろうと予想されるわけでありますが、いまお答えになりましたように、五年先の展望というのを承りますと、いわゆるバラ色の未来といいますか、そういうものが一応描かれるわけでありますが、しかし産業社会の発展とうらはらに、ちょっとお触れになりましたように、新しい公害の問題というものが出てまいっておるわけでありまして、さらには機械をフルに駆使するために人間疎外という新しい問題も社会問題として登場してくるのではなかろうかと思いますが、いわゆる公害、新しい時代に新しい公害の問題、あるいは人間疎外の問題という社会問題が予想されるような気がいたしますが、この点、どのようにお考えでございましょうか。
  〔理事大谷藤之助君退席、理事川上為治君着  席〕
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) それは先ほども申し上げましたように、非常に可能性がある。むしろ危険性があると申し上げるべきかと思います。つまり、それだけの解放された時間と所得とを人間が賢く使っていけるかいけないかというところで問題は分かれると思います。どうしても産業構造的には筋肉労働というものは少なくなりますし、そうして一生産単位当たりの人間の数も減ってまいりますから、職場において、とかく疎外感が起こりやすいことになるのではないか。それから職場から解放されたあとも余暇なり所得なりをじょうずに使いませんと、全く生きていることの意義がはっきりしないような状態になってくる。ことに情報化されましたときには、社会を動かす原動力の中心におりますものは、かなり限られたエリートになりやすいというふうになりますから、それからも疎外されるというふうになる危険性は相当に大きいのではないか。そういうことに対して、どのように対処していくかということが情報化社会というものが人間にとって幸福をもたらすかいなかということの分かれ目ではないかというふうに考えるわけでございます。
#9
○林虎雄君 どうもありがとうございました。
 局長さんに伺いたい。いま提案されております法律でございますが、このような法律は、先進国のアメリカをはじめ、西独、イギリス等ではどうなっておりますか、少し状況を承りたい。
#10
○政府委員(赤澤璋一君) この種の法律、いわば情報処理という問題を正面から取り上げておりますような法律は、ちょっと諸外国にも見当たらないようにも思います。ただ、この法律の中でも電子計算機利用高度化計画といったような条項を置いておりますが、これとはやや趣きを異にいたしますが、御承知のようにフランスでは有名なフラン・カルキュールというのがございますし、あるいはイギリス、ドイツ、それぞれ五カ年程度の期間を設けまして、イギリスの場合は十カ年でございますか、先進的なコンピューターあるいはそれに伴うソフトウェア、こういった両面にわたりましての技術の開発計画、こういったものが設けられておるようでございます。いわゆるソフトウェアの助成と申しますか、育成というものを正面から取り上げた法律は見当たらないようでございます。
#11
○林虎雄君 説明の資料によりますと、いわゆるコンピューターギャップといいますか、先進国にだいぶ立ちおくれをしておるので、この法律等によって解消する必要がある、そういうふうに言われておりますが、まあアメリカとのギャップはあたりまえといえばあたりまえでしょうが、アメリカの設置台数が四万八千七百台に比べて、日本では四十四年度が五千六百台でありますから、格差が非常に大きいわけであります。これはまあ当然として、西ドイツとかイギリスとの比較は、数字ではたいしたことはないと思いますが、やはりかなり日本はギャップがあるかどうか、西独、イギリスと。その点いかがでございますか。
#12
○政府委員(赤澤璋一君) いまお話しのように、日本では昨年の九月末現在で約五千六百台。設置金額で見ますと、約五千百億円程度のコンピューターが稼働しておるということでございまして、大体台数から申せば、ほぼ西独並みと思われております。ただ、設置の金額の比率で見てみますと、アメリカに比べますと非常にその金額が少ないのみならず、台数ではほぼ同じと思われます西独に比べましても、金額的には非常に劣っております。また人口一人当たりの設置金額で見てみましても、アメリカは日本の七倍でございますが、ドイツが約二倍、イギリスが一・七倍というふうでございまして、これらはいずれも日本のコンピューター装備率と申しますか、こういった面、ただ台数だけではなくて、金額の面からいえば、まだまだ劣っておるといわざるを得ないと思います。こういったことはいずれも日本の設置コンピューターというものが小型のものが非常に多いということからきておるわけでございますし、したがって、いまその利用状況につきましても、その適用業務についてみますると、統計でございますとか、あるいは財務計算、給与計算といったようないわば事後処理的な単純業務が全体の四分の三を占めておりまして、いわゆる計画、予測、判断、こういったようないわば高級、というと語弊があるかもしれませんですが、高度な業務に密着をしておるといいますか、そういったことに使われておる分野はまだ全体の四分の一にすぎない、こういったことからいたしましても、私どもは台数においては西独並みと申しましても、コンピューターの利用の実態面からいいますと、まだまだ西独には及んでおらない、こういうように判断をいたしております。
#13
○林虎雄君 設置台数だけで見るのは妥当でなくて、金額と総合的に考えなければギャップというものがはっきりしないわけですが、政府、国が、いまアメリカと比較した場合に、アメリカの人口、産業、国力等と見た場合、それを総合的に判断して、わが国において現時点ではどの程度の台数−台数で一応五千六百台というんですが、この台数で一応答えていただきたいと思いますが、おおよそでけっこうですが、現時点でどの程度ギャップが縮まったことになるのか、こういう点でございます。もちろんアメリカの四万八千七百台に達することが妥当であるとは思っておりませんが、日本が目標とするものが、現時点でどの程度になれば一人前というか、アメリカ並みだということになるか、そういうことに対して数字でお示しを願いたいと思うんです。
#14
○政府委員(赤澤璋一君) いま台数という御指摘でございましたが、私どもやはりコンピューターの台数だけで見ますと、今後とも日本のコンピューター設置の台数だけで見ますと、今後とも日本のコンピューター設置の台数は相当な勢いで伸びるものと思っております。たとえば台数面で見た増加率から言いますと、一年に三、四割というぐあいに非常な勢いで伸びております。ただ先ほども申し上げましたように、小型のいわば計算、事後処理的なものに使われておるものが非常に伸びておるということでございまして、これだけではどうも日米のコンピューターギャップは比較する指標にはなりにくいと、こう思っております。別の指標でございますが、たとえばコンピューターの設置額をGNPに対して見ますると、一九六八年現在で、アメリカではこれが二%ということになっておるのに対しまして、日本は〇・九%ということでございます。今後十年間ぐらいの間にGNPとコンピューターの設置金額、この比率をアメリカ並みに持っていくということになれば一体どうなるかという計算をしてみたのでございますが、たとえば一九八〇年にアメリカが現在の趨勢でGNPが伸び、それからコンピューターの設置額も伸びるといたしますと、アメリカでは一九八〇年には約一〇%ぐらいがGNP対コンピューターの設置額ということになろうかと思います。日本の場合にも同様に一〇%ぐらいにまで伸ばしていきたい、アメリカ並みのコンピューター設置額、GNP対比の設置額というところまで持っていきたいということにいたしますと、今後十年間、年平均いたしまして三四%、当初の五年ぐらいは四割ぐらい毎年コンピューターの設置額が伸びていかなければならない。こういった形になるという計算がございます。私どもとしては、今後やはり三、四割ぐらいの比率でもって、特に私ども今後のソフトウェアの開発状況いかんにもよりますが、いわば事後処理的なものから事前処理と申しますか、計画、予測、判断といったような高度の業務への移行、それに伴う中型以上の高性能の電子計算機の設置の促進、こういったことを進めてまいりませんと、日米間のギャップというものは簡単に埋まらないんじゃないか、かように考えております。
#15
○林虎雄君 このソフトウェアギャップでありますが、アメリカの場合は、説明にもありますようにアポロ計画など宇宙開発や軍事需要もあって、これは比較にはならないと思います。いまお答えになりましたコンピューターギャップを解消するにしても、結局膨大な資金需要が要請されると思うわけであります。いま御説明になりましたように、十年後にあたる一九八〇年までにGNP対比のコンピューターの設置額の日米格差を解消することを目標とした場合に、当初四〇%強、末尾時には三〇%弱の増加を達成しなければならないとありますが、この達成しなければならないということは、今度の法律、この法律だけで左右するものでもありませんけれども、この法律を成立させ、今後、国として当初四〇%、末尾時が三〇%の増加を達成する目標を努力する予定ですか。ただ、しなければならないという希望的観測であるのか、目標として進めていくか、そのお考えを承りたいと思います。
#16
○政府委員(赤澤璋一君) 私どもは、この法律の中でも電子計算機利用高度化計画というものをつくる考え方を明らかにしております。これは法律にもございますように、今後特に情報処理の振興をはかるために必要であると思われる電子計算機、それから情報処理の振興をはかるために開発を特に促進する必要があると思われるような汎用的なプログラム、こういったものの目標を計画として示していきたい、こう考えておるわけでございます。いまお話しの電子計算機自体の設置額、この面からギャップを埋めていこうということにいたしましても、やはり電子計算機の利用技術、ソフトウェアの面か追いついてまいりませんと、機械だけ設置をしても十分な利用ができないわけでございます。こういった面から、やはりハード、ソフト両面にわたりまして一応の目標をつくり、それに向かってやはり官民と申しますか、日本の国内のあらゆる技術的な頭脳というものが結集をされていく必要があろうかと思います。当面私どもこの計画は、目標といたしましては、当初やはり五年ぐらいの目標をつくり、さらにあと五年、さらに五年といったように、五年きざみぐらいで計画をつくっていったらどうかと、こう考えております。その計画をつくりますときにも、私どもとしては、いまのような、先生が御指摘になりましたように、何とか十年ぐらいでアメリカとの差を縮めるようなことを念頭に置きながら、この計画の設定をしていきたい、こう考えて、強くその点を要望しておるわけでございます。
#17
○林虎雄君 説明の中にありますが、ソフトウェアギャップの原因として指摘されております中に、「我国では、米国のような大規模なナショナルプロジェクトは当面なく、ソフトウェア開発は」「民間部門に期待せざるを得ない」、こういう状況のようであります。「当面なく」ということでありますが、それで、わが国ではナショナルプロジェクトが当面なくても、将来これを計画ないし考慮しているかという点を承りたいと思います。
#18
○政府委員(赤澤璋一君) アメリカとの国力も違いますし、国情も違いますので、アポロでありますとか、そういったような大ナショナルプロジェクトと言っていいようなもの、世界的なプロジェクトというものは、なかなか日本の実情から申しまして困難かと思います。ただ、私どもといたしましては、やはり日本としては特有の問題であり、かつ国民生活にも、経済社会にも全般に影響があるようなものとして、たとえば公害問題でございますとかあるいは全国の総合開発計画でございますとか、こういったようなものについて何らかコンピューターを駆使して一つの計画をつくることはできないだろうか。こういったこともこれから先研究問題ではございますが、十分考えていっていいことではないだろうか。かように私は思っております。もちろんこれはいま具体的にどうこう日程に上がっておるわけではございませんが、最近企画庁で発表いたしました新しい経済社会五カ年計画にいたしましても、新全国総合開発計画にいたしましても、こういったものを、実際具体的に実行していく場合において、何らかそういった大がかりな一つのプロジェクトというものが国全体の仕事として設定をされ、それを電子計算機を駆使して実行に移していくということが考えられるのではないだろうか。こういったふうに考えております。
#19
○林虎雄君 十年でこのコンピューターギャップなりソフトウェアギャップなりを解消するとした場合に、現在のように民間部門に期待せざるを得ないというような状態の中で、はたしてその目的が達成できるかどうか。この見通しいかがでございますか。
#20
○政府委員(赤澤璋一君) その見通しを聞かれますと、実はたいへんお答えがむずかしいわけでございます。やはりこれは何と申しましても、いわば頭脳の産物でございますので、教育の面あるいはそういった頭脳をフルに活用できるような社会環境、こういったものが全体そろってまいりませんと、なかなか思うようにまいりません。こういった点からいたしまして、この法律だけでもっていま申し上げたような各種のギャップを、十年なら十年で埋められるというふうには思っておりませんが、全体の施策をやはり並行して進めながら、私どもとしては十年なり何なりを目標といたしまして、あくまでできるだけの努力をしていくということであろうかと思います。
#21
○林虎雄君 結局いろいろの部門で力を合わせていかなければ解決できないわけでしょうが、何といいましても国が積極的になっていかなければなかなか容易ではないと思っております。そこで、この電子計算機の現在の適用業務についてお聞きしたいわけですが、その電子計算機を利用しておる各事業場においては、これは官庁も同じでありますが、どうも単純事務の処理というものが非常に多いようでありまして、全体のほぼ四分の三で、計画あるいは判断、予測というような高度の業務処理が四分の一という状態のようであります。電子計算機のような高度の機械は、もっと効率的に活用されなければならないわけでありますが、アメリカではこの比率が半々である、フィフテイ・フィテイであるというように推定されておるようでありますが、だいぶ日本においてはそういう点で立ちおくれはしておるわけであります。これは利用する場合に非常に非能率で不経済だということにもつながるものであると思います。この利用処理の業務においても格差があるということは、結局この日本においては技術者なりあるいは技術が低いということになるわけですか、その点承りたい。
#22
○政府委員(赤澤璋一君) 現状におきまして、いまお話しのようなコンピューターというものが事後処理的な事務に主として使われておる、こういった面はもちろん御指摘のとおりであろうと思います。ただこれにつきましては、やはり何と申しますか、コンピューターを使って行ないますような業務自体、こういったものがまだ日本では十分普及していないと申しますか、使われていない面があろうかと思います。この面は、やはりいまお話しのように、企業なりその他のいろんな事務処理、あるいは企業でいえば今後の計画、マーケティング、販売の予測、こういったいろんな面で今後は大いに使っていきたいわけでありましょうけれども、それを駆使するだけの要員というものがまだ企業の中に十分育っていない。また、そういった業務を行ないますために必要なソフトウエアの面、プログラムの面、この面がまだ十分開発されていないという両面から、まだ日本ではそういった点が広く産業界なり経済社会全体の面で利用されていないと、こういうことだろうと思います。したがいまして、私どもとしては今後コンピューターがほんとうに有効に活用される面というのは予測でありあるいは判断であり、こういった面であろうかと思いまするので、こういった面については、やはりソフトウエア技術の開発なりあるいは企業内におけるこういったものを駆使する要員の養成なり、こういったことが十分行なわれていく必要があろうかと考えております。こういった面が、やはり先ほどのお話にもありましたような、今後のいわゆる各国とのギャップを埋めていく重大なポイントであると考えております。
#23
○林虎雄君 電子計算機のメーカーの数でございますが、日本では六社だと言われておりますが、欧米のメーカーとの比較がわかったら聞かせていただきたい。
#24
○政府委員(赤澤璋一君) 日本では六社でございますが、もっともメーカーと申しましても、コンポーネントを輸入して組み立てておりますIBMを入れると七社ということでございます。そういう意味から申しますと、アメリカは大きなメーカーIBMを含めまして八社、その他のメーカーが十八社、アメリカにおけるコンピューターメーカーは計二十六社でございます。イギリスは数個の会社が合併をしましていわゆる国産技術のメーカーが一社と、それからIBMの会社が一社でございますので三社でございます。それからドイツも同じような形でIBMのその子会社を含めまして四社、フランスはこれもIBMの子会社を含めまして三社といったような状況でございます。
#25
○林虎雄君 コンピューターの機種でありますが、利用目的によって機種というものは異なっているのか、私はしろうとでまだコンピューター見たことがないのでわからないわけですが、たとえば宇宙開発用とか、あるいは工業生産関係であるとか、金融機関で利用する場合、あるいは医療診断の場合、いろいろ利用面はさまざまのようでありますが、大きい小さいは別として、機械の種類というものはかなり異なっておるのか、あるいはほとんど一定のシステムであるのか、その点、参考に承りたい。
#26
○説明員(平松守彦君) お答え申し上げます。
 プロセス制御用、たとえば化学工業だとか石油精製工場とかというところに使います。プロセス制御用のコンピューターにつきましては、みな専用でございまして、機種は異なっております。一般に使います事務用のものは機種は異なりませんが、たとえば国鉄でやっております緑の窓口、座席予約のコンピューターでございますとか、それから心電図の計測のためのコンピューターというものについては、若干専用のものもございますが、一般には汎用と申しますか、特にばらばらの機種ではございません。
#27
○林虎雄君 その性能についてでありますけれども、まあ全部対象にするのは無理かと思いますが、アメリカのコンピューターと日本のコンピューターと日本のコンピューターと同じ性能で同じ規格であると仮定する場合に、比較の優劣というものはわかりますか。
#28
○説明員(平松守彦君) 電子計算機のハードウエアにつきまして、性能の優劣をきめますカテゴリーというものは、演算速度でございますとか、記憶容量でございますとか、サイクル時間、アクセス・タイムといっておりますが、そういうものではかるわけでございますが、国産と外国機を比べてまいりますと、小型及び中型についてはほぼ同じ性能であるといってよかろうかと思います。大型機及び周辺装置の面につきまして申しますと、かなり差がございまして、たとえば先ほど申しましたサイクル時間というようなもので取りますと、国産の大型機でございますれば〇・五マイクロセカンド、外国機でいいますと〇・三マイクロセカンドというような差がございまして、大型機及び周辺装置では、性能的にまだ日本のほうがおくれておるというのが現状のようであります。
#29
○林虎雄君 この国産の場合でありますが、同一目的の同じ電子計算機である場合に、国内六社のメーカーがそれぞれ生産しておるわけですが、これはほとんどタイプというものは同じでありますか、かなりそれぞれの特徴というものがあるわけですか。この点承りたい。
#30
○政府委員(赤澤璋一君) この点はやはりメーカーそれぞれによりまして性能的にはやや違うものでございましても、それぞれ固有の技術を持っております。また一社以外のところはそれぞれ海外のメーカーとの技術提携もいたしております。そういったことから、同じような機種と申しますか、やや性能的に違う機種でございましても、内容的にはやはりそれぞれ特色のある機種と、こういうふうにお考えいただいたほうがよろしいかと思います。
#31
○林虎雄君 政府機関でそれぞれコンピューターを設置しておるところがあると思いますが、その場合に、国産を設置してあるところもございましょうし、外国産を設置してあるところもあると思います。その状況というものを承りたいし、同時に、同じような機種であって、国産と外国産を入れてある政府機関のコンピューターの価格といいますか、値段といいますか、それがおわかりでしたら承りたい。
#32
○政府委員(赤澤璋一君) 現在政府機関で持っておりますコンピューターの数は全体で百五十四台でございます。この政府の各官庁の持っております百五十四台の内訳を申しますと、国産のものが百三十七台、全体の八九%でございます。外国のものが十三台でございます。これは昨年の七月現在の調べでございますので、なおそれ以後四台の予定がございますが、たぶんこれは国産機できまったと思います。実は今日現在まだ資料が手元にございませんのでわかりませんが、たぶん国産できまったと思います。外国機の十三台と申しますのは、きわめて初期のころ、ちょうど三十二年から日本のコンピューターの国産が始まってきておりますが、ごく初期のころに、まだ国産機が十分使えないといった段階のときに輸入をしたもののようでございます。
 それから第二点に、外国機と国産機の価格差はどうか、こういう御質問でございまするが、これは性能もからみますし、それからソフトウエアのウエートが、機械と一体的に買い込んでおりますので、これがどういったものかといったようなことにもよりますので、必ずしも同一レベルで、同じか、安いか高いかということを調べることは実は非常に困難でございます。ただ、最近の例で私ども大ざっぱに申しますと、それほど大きな差はないと申しますか、特に国産機のほうが格安であるといったような、あるいは輸入機のほうがひどく格安であるといったような事実はないように承知をいたしております。
#33
○林虎雄君 政府機関が購入の場合に、いまお答えがあったように、外国のものは大体初期の時代である、ほとんどその後は国産のようでございますが、国産でもいろいろの機種がいろいろなメーカーから入ってきておると思います。その場合に、政府機関が購入する場合にはなるべく共通的な性能を持っておるコンピューターを購入したほうが、利用面から見て能率的で適当ではないかと思いますが、この購入の場合、各省あるいは各庁が何か連絡をとって購入しておるのか、あるいは国で一定の方針を持って購入しておるのか、その点いかがですか。
#34
○政府委員(赤澤璋一君) これは各省庁によりましてそれぞれコンピューターを利用いたします業務の内容が異なっております。こういった面からいたします点と、それからもう一つは、先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、国産の電算機をつくっておりますメーカーにいたしましても、それぞれ特色を持った電算機の開発をいたしておるわけでございまするので、この会社のこの機種がいいというふうに、統一的にきめてしまうのもいかがかと、こう思うわけであります。もちろんこういった各省の事務というものも相互に連関がございますし、昨日も行政管理庁のほうから他の委員の方の御質問にお答えいたしましたように、これからやはり各省庁間のいろいろな統計資料にいたしましても、データにいたしましても、できるだけ共通に使えるようにというような配慮もございまするので、私どもといたしましては、機種の統一ということは非常に困難でございますが、また逆に、いま申し上げましたような要請もございますから、言ってみますれば媒体の標準化でございますとか、あるいはプログラムの共用化、共通化でございますとか、あるいはさらにはコンバージョンプログラムの開発でございますとか、こういうことを積極的に進めてまいりまして、いま御指摘のような各省庁間の各種のデータなり仕事のやり方なりが、できるだけ総合性を持って行ない得るように努力をしていくべきだと考えております。また、その方向で行政管理庁を中心にいたしまして鋭意検討を進めておるところでございます。
#35
○林虎雄君 次に、この法律が成立いたしますと、協会の設立という段階になると思いますが、民間が発起して通産大臣の認可を受けて設立するただ一つの団体である、いわば公社公団のような性格のものであろうと思います。そこで、国が出資を二億円、民間が二億円計四億円、それに振興事業補助金として国が三億円出資することになっております。これは信用保証の基金とする、四億円は基金とすることになりますが、そのほかソフトウエア開発基金等融資が四十億円の計画を持っておるようでありますが、これは当初の事業運営の資金と思いますけれども、目標達成には将来十カ年の年月を要するわけですが、その場合、どの程度の資金計画が必要だと考えておられますか、わかりましたらお伺いいたします。
#36
○政府委員(赤澤璋一君) 四十五年度のこの協会の運用にかかわります予算につきましては、ただいま御指摘のとおりでございます。私ども当初四十億円の特別な金融措置につきましても、もちろんもっと多額のものが必要であろうかと考えておったわけでございまして、たとえば昨年八月に私どもでこういった面、つまりソフトウェア業者等における開発資金がどのくらい必要としておるか、ここ数年の間どのぐらいのお金が要るかということの調査をいたしてみました。その金額アンケート調査の結果は約百二十億円余りという数字が出てまいりました。こういった面からいたしましても、本年度の四十億円と申しますのは、特別な金融制度でございまして、これ以外にも市中金融機関等から供給されるお金がやはりあると思います。そういったものをひっくるめまして考えてみますると、やはり本年度においても、第一歩でございまするので四十億円という金額はやや少なかったなと、もう少し実は大きな財政的な措置というものが必要であったのではあるまいかと、こう思っております。しかしいずれにいたしましても、協会が国会の御審議を経ましてでき上がりまして、いよいよ活動するということになりますと、これが秋以降になると思われますので、いわば半年分といったような感じになるわけでございます。で、今後十年なり何なりの間にどのぐらいな資金が必要であろうかという御質問でございますが、これは先ほど来申し上げておりますようなコンピュータリゼーションと申しますか、日本のこういった面での適用技術というものがますます日進月歩に進んでまいりまするので、そういった面等からいたしまして、今日ただいま十年間どのくらいという予測を申し上げることはきわめて困難だと思います。私どもといたしましては、協会発足後、実際に協会の運用等も見てまいりまして、さらに今後可能な限りいろいろな予測もしてまいりまして、そういった数字を固めてまいり、それに必要な資金の獲得にあらゆる努力を注いでまいりたいと考えております。
#37
○林虎雄君 ソフトウエアの技術者でありますプログラマーといいますか、情報処理の技術者が不足であると、絶対量が不足であるというところにソフトウエアのギャップの一つの原因があろうと思いますが、この技術者の試験制度を今度とられるようでありますが、急速に発展する情報処理の事業に対して、現在これらの技術者の充足状況というものはどうなっておるか。また知識、技能の教育施設というものは現在どの程度になっておるか、その点承りたい。
#38
○政府委員(赤澤璋一君) 現状におきましてソフトウエア関係と申しますか、こういった関係のエンジニアがどの程度充足をされておるだろうか、需給関係はどうかということでございますが、一口で申しますと、高級なエンジニア、まあ私どもで申しますとシステムエンジニアと申しますか、そういったものはやはり充足率は非常に悪いと感じております。たとえばだいぶ前でございますけれども、アンケート調査をしてみますると、たとえばシステムエンジニアについて非常に不足しておると、どうもまだ足らないと感じております会社、企業等は、調査をいたしました中では約八割のものがやはりその不足を訴えております。あとまあキーパンチャーとかいったようなもの、あるいはオペレーターといったようなものにつきましては、それほど大きな数字はございません。これは企業内でもある程度訓練ができるものでございますので、そう大きな数字でございませんが、プログラマーあるいはシステムエンジニアということになりますと、やはりアンケートいたしました八割前後の企業というものが、やはり当該企業では非常に不足しておるという答えを出しておるのでございます。で、数字で申しますと、四十三年の数字でございますからちょっと古うございますが、私どもの産構審で行なった試算をもとにして見ますると、四十三年当時全国でシステムエンジニアと見られるものがほぼ七千五百名、プログラマーと称するものが約一万名でございますが、これが四年後の四十七年、いまから申しますともうあと二、三年後でございますが、これのときの需要がどのくらいあるかということの測定をしてみますると、システムエンジニアで四万五千人、プログラマーで五万四千人、大体四年後くらいにはこのくらいな人間が全国で必要とされるであろう、つまりエンジニアでは約六倍、プログラマーでも五倍強といったような人間が需要されるのではないか、こういう試算が出ておるわけでございます。こういったような需要に応じてまいりますためには、一方ではやはり学校教育の問題がございます。第二はやはり社会教育と申しますか、現在すでに企業内におりますこういったような技術者の再教育、研修の問題、この両面があるわけでございます。学校教育の面は先般来この委員会でも文部省から答弁がございましたように、非常にこの面の充実が急がれておりまして、四十五年度におきましても五大学、一工専等においてすでに専門の学科がつくられるということをはじめといたしまして、今後こういった面での拡充を文部省としても志向をいたしておる、こういうことでございます。一方、またすでに社会人となっておるこれらのエンジニア、この人たちをさらに高度の技術者として養成をしていく、こういったためにはやはり民間のそういったセンターが必要であろうということから、本年の三月――二カ月ばかり前でございますが、情報処理研修センターというものが財団法人として発足する運びに相なっております。このセンターでは、主としてシステムエンジニアそれからシニアプログラマー、上級のプログラマーでございますが、こういった人たちを、年、今後三百人程度再研修をしよう、再教育をしよう、こういうことでございまして、微々たるものでございますが、今後こういった面での研修というものをますます広めていきたいと考えております。なおそのほかに、現在文部省が認定したものあるいは認定をまだ受けていないもの等で、これは上級の技術者ではございませんけれども、いわゆる各種学校として電算機の技術者を養成しておる学校がございます。こういったものも今後ますますその需要がふえてまいると思いますので、文部省当局とも御相談をしながら、こういった面での施策を鋭意進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#39
○林虎雄君 ちょっと大臣にお伺いいたしたいのですが、この法律案は衆議院から送付されてまいりましたが、若干修正がございます。この修正の内容について御所見を承りたいと思います。たとえば中小企業に対する特別の配慮が必要である、それから国民生活に寄与しなければならない、その他ございますが、これは全面的に政府としてもむしろ積極的にこれを支持されてまいられるおつもりか、この点を承りたい。
#40
○国務大臣(宮澤喜一君) 衆議院の修正をされました点は、概して申しまして、私どもがこの法律案を作成するときに、いわゆる基本法等との関係で、かなり窓口の狭い法律案にいたしましたことについての多少の御批判、あるいは各省大臣、いろいろな各方面に権限がまたがりますので、各省大臣の御意見を聞くというときに、その各省大臣はおのおのの持っておられる審議会等の意見もよく聞いた上で返事をしろという、まあ各方面の意見をなるべく取り入れろといったような点、または中小企業に対する配慮といったような点等々でございまして、私どもが現実の行政の上で、法律に書きませんでも、そうありたい、そういたしたいと思っておりました点が多うございます。したがいまして、この修正に対しましては私ども特段の異存がない。行政をこの修正案に従ってやってまいりまして、当初私どもが考えておりましたことと別段の困った事態になるというようなことはございませんで、むしろ法律案の形で明確にしていただいたというような点が多うございます。したがって、この衆議院の修正に対しましては、私どもそれに沿いまして行政をやるつもりでございますということを申し上げたわけでございます。
#41
○林虎雄君 局長さんにお聞きしたいと思います。
 中小企業といっても、まあすぐに利用できる中小企業もあり、できないのもあると思いますが、しかし中小企業もコンピューターを利用するという面はますますこれは大きくなってくるであろうと思います。まあ将来の問題として中小企業の利用ということになりますと、資金は乏しいし、結局これを利用するという点だけだろうと思いますが、この中小企業が活用する見通しですね。そういうものはどういうふうにお考えになっておられますか。
#42
○政府委員(赤澤璋一君) まあ情報化社会の進展というと大げさでございますけれども、そういった情勢に対応いたしまして、中小企業の経営というものは、やはり情報化していくということは・いまお話しのように、今後の中小企業の経営力を強化するという意味からも非常に重要なことだと私ども考えております。他面また、中小企業自身は資金力も乏しい面がございまするし、また中小企業自身がこういったコンピューターを十全に駆使するだけの技術者を個別に養成をし、養っていくということにもいろいろ問題があるわけでございます。そこで私どもといたしましては、今後中小企業がコンピューターというものを導入し、これを企業経営の面でできるだけ使っていくということを進めてまいる必要があろうかと思うわけでございまして、従来から中小企業の経営者に対しまして、中小企業振興事業団が都道府県と協力をいたしまして、いわゆるまあ中小企業の経営情報処理体制、こういったことについての啓蒙事業をいまやっております。さらに四十五年度におきましては、中小企業振興事業団が都道府県の職員を中心といたしました経営情報処理指導担当者の養成ということの研修も始めることにいたしております。まずこういった指導員から研修をしてまいりまして、その指導員が十分中小企業のいわば情報化と申しますか、コンピューターを駆使しての経営の強化ということをやっていく、こういうことがまず迂遠のようでございますが、一番重要なことではないかと思っております。と同時に、また中小企業、ここではなかなか電算機が持てないといったようなことも考えまして、電算機の共同利用を促進するということで、従来から共同計算センター、こういったものに対しましては、いま申し上げましたような振興事業団から融資を行なっておりまして、従来まで、全国で八カ所の共同センターができあがっております。今後ともこういったような共同センターの設置に対しましては、振興事業団を通じまして積極的にこれらを進めてまいりたい、こういうように考えておるわけでございます。
#43
○林虎雄君 政府の資料にもありますように、中小企業が利用する場合に、タイムシェアリングサービスですか、同時利用といいますか、これなどはかなり活用されなければならないと思いますけれども、実験的段階であるとされておりますか。同時利用というものは、何といいますか、中小企業が利用を現在されておるかどうか、そういう点、おわかりですか。
#44
○説明員(平松守彦君) 現在、日本でタイムシェアリングということで使われておりますシステムは八つばかりでございまして、たとえば慶応大学でございますとか、大阪大学でございますとか、電気試験所とか、そういったようなところに、現在八カ所でまず試験的にやっております。将来は中小企業が一企業ごとにコンピューターを持つのじゃなくして、通信回線で一台のコンピューターに端末でつながるということになっていくだろうと思いますけれども、その際には、特にソフトウエアの開発、オンラインタイムシェアリングの開発を進める、それから回線の料金の適正化というような問題等、いろいろと解決すべき問題も多いと思いますけれども、そういった方向で今後タイムシェアリングは中小企業には必要なシステムになってまいるだろうと思います。
#45
○林虎雄君 いま局長さんからお話しのありました共同センターをだいぶ利用されておるようでありますが、中小企業に関連して共同センターの利用でありますが、一つの具体例があるわけでございます。中小のある金融機関で組織しておる共同事務センターが都内の全店舗と結んで普通預金のオンラインリアルタイムネットサービスでありますか、それを行なっておるわけでありますが、これは当然都市銀行あるいは地方銀行等も共通に行なっておると思います。このサービスセンターが将来都内とか小範囲でなくして、広い範囲、まあ全国的なネットワークといいますか、そういうものが今後必要になってき、開発されてくると思いますが、これは通産省にお聞きすることが適当かどうか別として、一つの障害ができてくるわけです。都内だけならいいわけでありますが、たとえばいま電電公社を利用しまして、いわゆる個別のデータ通信というものを、サービスを行なっておるわけですが、そのために都内の場合は電話料と同じように均一料金でありますが、将来、大阪、名古屋あるいはその他の都市と結ぶ場合には、電電公社としては一応の電話料金と同じような計算によって料金が決定されると思いますが、そうなりますと、一つの金融機関でわずかな金を地方へ送金する、あるいは受託するというような場合に、都市と地方とはコストの面でだいぶ違ってくる、それがひいては活用の面、利用する面にも支障が生ずるおそれがありはしないか、こういうことが懸念されるわけであります。現在では電電公社としては、いま申し上げたように、長距離は長距離なりの料金というようなことになっておるようでありますが、そこで通産省としてはこの問題を積極的に解決して、たとえば全国均一料金というようなことになれば、中小企業の利用面として非常にまあ拡大するのではないかというふうに思われるのでありますが、これは電電公社と通産省と関係しておりますので、きょうは電電公社を呼んでおりませんから、まあはっきりしたお答えは無理と思いますが、まあしかし将来の問題として、この料金の均一性なり、低額――なるべく低くして全国のネットワークを平均することが必要ではないかと思うのでありますが、これに対する御所見を承りたいと思います。
#46
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘になりました信用金庫協会が計画しておりますのは、ただいま計画中の段階だと承知をいたしております。これはいわゆる電電公社の個別オンラインサービスのいわゆる試行役務という段階でやられるように現在計画が進行中であるというぐあいに承知をしております。で、いまお話しの料金問題でございますが、昨年の五月に通産大臣あてに出されました産業構造審議会の情報処理のための答申の中に、やはり「通信回線に対する需要の増大を通じて、その利用の効率化を図り、料金の低廉化に努める。」ことという答申が出ております。私どもはやはりこの点に沿いまして、今後、電電公社ともよく折衝したい、こう考えております。特にいまお話しのようなオンラインによる遠隔情報処理というものが今後の情報化の進展の中の非常に大きな趨勢を占めてまいると思いますが、やはりその際に、中小企業は中小企業なりに十分それが活用できるような合理的な料金体系にしてもらいたい、こういうことで、今後、電電公社とも十分折衝してまいりたいと考えております。
#47
○林虎雄君 新しい情報処理というような全く新しいことを目的とする法律でありますので、私どもまだ勉強不足で、十分に自分でそしゃくしておらないので、かなり勘違いしていた質問もあったと思いますが、
  〔理事川上為治君退席、理事大谷藤之助君着席〕
この法律は非常に日本の将来にとって大きな役割りを果たすだろうというふうに思っております。
 そこで、最後に電子情報処理振興審議会とそれから郵政審議会に諮問してということを、衆議院の修正のように、「関係の行政機関の長は、前項の協議を受けたときは、」いまの二つの審議会は別として、当該の「関係審議会等の意見をきくものとする。」というふうに修正されておりますが、これはいわゆる官庁の独断のみでなく、十分に第三者の意見を聞くべきであるという趣旨であろうと思います。これからの一九七〇年代の大きな経済社会の展望の中に、この法律は非常に大きな役割りを演ずると思いますので、国民経済の発展のために、あるいは国民経済の向上に十分に寄与できますように努力をされたいということを希望しておきたいと思います。
 以上で終わります。
#48
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘の点は、第三条の三項の次に新たに一項を挿入されて、御指摘のような修正が衆議院でございました。修正の趣旨は、まさにただいま林委員の言われたような御趣旨と存じております。私どもいずれにいたしましても未知の分野に向かってこういう仕事をしてまいりますので、見当違いをいたしますと将来に悔いを残すことになります。できるだけ広く私どももまた各省大臣も、各方面の意見を徴しました上でこの計画を定めてまいりたいと考えております。
#49
○理事(大谷藤之助君) 本法案についての質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#50
○理事(大谷藤之助君) 速記を起こして。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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