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1970/03/27 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第7号
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1970/03/27 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第7号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第7号
昭和四十五年三月二十七日(金曜日)
   午前十時五十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         園田 清充君
    理 事
                亀井 善彰君
                高橋雄之助君
                達田 龍彦君
                藤原 房雄君
    委 員
                青田源太郎君
                河口 陽一君
                小枝 一雄君
                櫻井 志郎君
                田口長治郎君
                川村 清一君
                武内 五郎君
                中村 波男君
                村田 秀三君
                沢田  実君
   政府委員
       農林省畜産局長  太田 康二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       農林省畜産局食
       肉鶏卵課長    関谷 俊作君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (畜産問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(園田清充君) これより農林水産委員会を開会いたします。
 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 畜産問題に関する件について調査を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○川村清一君 本日は大臣が御出席されておりませんので、畜産局長に対して御質問したいと思います。私は乳価問題について質問をいたします。時間が非常にございませんので端的に質問をいたしますので、どうかひとつ局長も端的に、問題点をそらさないではっきりお答えをお願いいたします。
 まず最初にお伺いしますが、四十五年度の加工原料乳の保証価格等についてはすでに畜産振興審議会に対して諮問をしたのかしないのか、この点ひとつお答えをいただきたい。
#4
○政府委員(太田康二君) 二十八日、すなわち明日の畜産振興審議会の酪農部会に諮問いたすことにいたしております。
#5
○川村清一君 法律は、この保証価格等を決定するにつきましては畜産振興審議会の意見を聞くことと、こう定めてありますが、この法律の趣旨を農林省はどのように受け取っておられるか。
#6
○政府委員(太田康二君) 従来とも、農林省として、審議会にかけます事項は、加工原料乳の保証価格、基準取引価格、あるいは限度数量、安定指標価格、これらを定めるにあたり留意すべき事項というものを諮問いたしておるのでございまして、その際、あわせてわれわれの試算をお出しいたしておるわけでございますが、その御意見を伺って、それを尊重しながら決定してまいるというふうにいたしておるのでございます。
#7
○川村清一君 法律第十一条の第六項に「保証価格等を定めようとするときは、畜産振興審議会の意見をきかなければならない。」と、こう定めてあります。こう定めた法律の趣旨を農林省はどういうふうに解釈されておるかということを伺います。
#8
○政府委員(太田康二君) 十分慎重に審議する意味におきまして、行政当局だけの独断できめることは適当でなかろうということで、審議会にはかりまして審議会の御意見を伺ってきめる、こういう趣旨であろうと解しております。
#9
○川村清一君 そこで、価格の告示は何日にする予定でおりますか。
#10
○政府委員(太田康二君) 例年の例でございますと、大体三月三十一日ということにいたしております。
#11
○川村清一君 ことしも三月三十一日にする、すなわち、この法律に基づいて会計年度の終わりの日にすると、こういう御意向でございますか。
#12
○政府委員(太田康二君) そのとおりでございます。
#13
○川村清一君 そこで、畜産振興審議会の答申はいつまでになされるか。これはまあ向こうがされることでありますが、農林省としてはどう期待されておるか。
#14
○政府委員(太田康二君) 従来の例ですと、大体酪農部会が開かれましたその日のうちに答申をいただいております。
#15
○川村清一君 そうしますと、あす二十八日に諮問をされまして、ただいまの局長の御答弁では、当日、すなわちあすじゅうに審議会の答申がなされることを期待しておる、こういうことでございますか。
#16
○政府委員(太田康二君) そのとおりでございます。
#17
○川村清一君 そうしますと、法律に定められておるその趣旨が、あす一日で十分なされると、こういうふうにあなたは理解されておりますか。
#18
○政府委員(太田康二君) 従来とも大体一日の審議で審議が尽くされまして答申がなされるというのが例でございます。
#19
○川村清一君 これだけの大きな問題、四十五年度の「保証価格等」が、「等」というんですが、保証価格だけじゃございません。「等」がどうきまるかということにつきまして、全国の酪農家がたいへん御心配されておる。聞くところによると、全国から東京にこれはもう数千人といいますか、ずいぶん集まっていらっしゃる。そうして御心配されておるということを承っておりますが、その全国の酪農家が御心配されておる、期待されておる、その期待にこたえる結論を出すために、あす一日で審議会がそういう十分な審議ができるとあなたは解釈されておりますか。
#20
○政府委員(太田康二君) 大体決定するルール等はほぼ毎年同じようなルールできめておりますので、委員の方々もそれぞれベテランの方でございますので、十分やれるというふうに解しております。
#21
○川村清一君 あなたのそのお考えを、裏を返して解釈することは失礼かもしれませんけれども、大体農林省の考えておられるスケジュールというものは、大体もういろんなものができ上がっておる、お考えはすっかりでき上がっておる、これをあす出される。そして、ただいま局長のおっしゃっておるいわゆるベテラン委員なるものは、農林省が出されたその案そのものをまあこれはオーケーということで出される、こういうことであればあすじゅうに出ると私は思うのであります。しかしながら、この法律の趣旨は、局長は、農林省の独断を避けて広く民間の意見を聞くと、民主的な手続をへて十分審議されたものをいただいて、それをさらに農林省が検討して、農林大臣が三月三十一日に告示すると、これが法の趣旨であるし、たてまえであると私はさように解釈をしておるわけであります。このようなことが一体あす一日でできるものでしょうか。それは政府の出したものを直ちにオーケーという、オーケーを与えるだけならこれはできると思いますが、全国の酪農民の期待にこたえて、いろんな角度から――いわゆるベテランだというのですから、長年、酪農の問題につきましては御苦労され、そして知識を持たれておる、長い経験を持たれておる、これをもとにしてあらゆる角度から検討して、最終的に結論を出す、こういうことがあす一日の作業でできると、局長はそれをまともに考えていらっしゃるんですか、どうですか。
#22
○政府委員(太田康二君) 私は、従来の例でございますと、そういうふうに取り運びができたということを申し上げておるのでございますが、先生の御質問の中に、若干誤解があるんではないかと思います。実は私どもは数字を一応試算としては出しておりますが、審議会としてはその試算がいいとか悪いとかというようなことは――具体的に数字に即してもちろん議論はされるわけでございますが、答申の、従来の例でございますと、定める場合に留意すべき事項というふうにいっておるわけでございますから、むしろそういったものをきめるにあたって、いろいろこういう要素を勘案したらどうかというような趣旨の答申をいただいておるということでございまして、十分議論は従来とも尽くされておるというふうに考えております。
#23
○川村清一君 試算に基づいて数字ができておると、それをあす提案されると、いろいろ検討されるけれども、その農林省の出した数字が妥当であるかどうかといったようなことに触れるのではなくして、いわゆる考え方といいますか、意見といいますか、それを具申する、答申する、それが従来の例であると、従来の例はこれはまあ承知いたしました。いい悪いは別として承知いたしました。しかし、従来の例がそうであるからといって従来の例そのものがそれじゃ法律で考えておる趣旨にそれは即応しておる、こういうふうに理解されておるわけでありますか。私はそれでは足りない、十分検討すべきである、数字についても十分検討すべきである。そしてこの法律は決してただ単なる意見を述べるのではなくして、いわゆる保証価格等について意見を聞かなければならないというのでありますから、どういう意見を出されるかというその意見は一つも拘束されていないのであります。その意見は審議会自身が主体的にきめるべきであって、その意見をいれるかいれないかは、これは政府の処置であります。しかしながら、審議会がどういう意見を出すかは審議会独自できめるべきであって、こういう意見だということを拘束する一体政府にはそういう権限があるのでありますか、どうですか。
#24
○政府委員(太田康二君) 私、そんなことを申し上げているわけではないんで、委員の方々は私のほうの諮問事項につきまして、留意すべき事項につきまして各自それぞれの立場から自由なる御意見の御開陳を従来ともいただいております。
#25
○川村清一君 十分検討をいただくためには、やはり審議会に検討の時間を与えるべきであると、さように考えるわけであります。でありますから、ほんとうならば農林省で試算された数字その他を含めてあす諮問をする。そうするとあすは二十八日でございますから、二十九日、日曜はさんで三十、三十一ともう二日しかないわけであります。ですから、もっと早くそれらのものをこの審議会に諮問をいたしまして、そうして十分審議会で審議をしていただく、これが当初局長がおっしゃいました、われわれの独断を避けて、広く民間の意見を聞くと、関係者の意見を聞くと、こういう趣旨に合致しておるものと私は考えるわけでありますが、あす出してすぐきょうのうちに、その答申が出ることを期待しておる、そういう期待感を前提にして、そうして十分審議していただくと、法律の定めに従ってこの趣旨に即応した審議会の機能を十分果たすなんということは私はできないと思うんですが、どうお考えですか。
#26
○政府委員(太田康二君) 私も乏しい経験しかないわけでありますが、昨年の例を申し上げますと、それぞれ部会の部会長が順次委員の方々の御発言をいただきまして、自由濶達なる御意見が各人から開陳されるわけでございますが、それらが全部終わりまして、最終的に意見の取りまとめが行なわれるというようなことでございまして、その限りにおきましては十分審議は昨年の場合におきましても尽くされたというふうに解しております。
#27
○川村清一君 いただいた資料の中に畜産振興審議会の酪農部会の委員の方々の名簿があるわけでございますが、あすこれが開かれますというと、そこへもってきて局長が農林省の諮問する事項についていろいろ説明をされ、また資料についても説明をされて審議をいただくというふうになろうと思うのでありますが、ここにあげられておるお名前の方々の中には私も承知しておる方も二、三人おるわけでありますがどうでございますか、例年の例によるというと、これの出席状況はどうでございますか。全委員が出席されておりますか。そうしてまた全委員がみなこれはベテランだとおっしゃるのですが、そのベテランは十分な意見を開陳されておるのでございますか。これをひとつ御説明いただきたいと思います。
#28
○政府委員(太田康二君) 大体の従来の例でございますと、委員の方々は特別な理由のない方を除きましては、出席されて十分意見の開陳をなさっておられるということは先ほど申し上げたとおりでございます。
#29
○川村清一君 まあ大体ではわかりませんが、それじゃ端的に私お尋ねしますが、言うまでもなく北海道は酪農、特に加工業、それから飲用乳の日本一の主産地でございますが、この北海道の行政責任者の町村金五さんがこの部会に名を連ねておりますが、町村金五さんはどうですか、いままでこの委員会に出席されておりますか、どうか。そうして意見を述べられておるかどうか、これをひとつお尋ねいたします。
#30
○政府委員(太田康二君) 町村知事はたしか昨年はお見えにならなかったかと思いますが、その際自分としての意見というものを代理の者をして出席せしめて朗読して意見の開陳ということをやっておるのでございます。
#31
○川村清一君 まあこれ以上それは深く聞きません。私の最後のこの問題について意見を述べておきますが、納得いきません、端的に言って。畜産振興審議会の任務はきわめて重大である。したがって、この委員会において十分審議してその機能を果たすべきである、かような見解を持っております。そういう意味において、あす招集し、あす諮問をいたしまして、その日のうちに答申を期待しておる。それに基づいて政府は検討し、三十一日に農林大臣は告示をする、こういうような作業日程というものが、いわゆる法のこれを定めた趣旨に沿うものではないと私は考えております。したがって、これらの問題につきましては、まあこれはことしはやむを得ないといたしましても、従来の例――従来の例が絶対正しいものである、こういうような考え方をまず改めていただきたい。従来の例は間違っておる。だから、もっと早く審議会を招集し、ここに諮問をいたしまして、十二分に審議をいただいて、そうして国民の期待しておるこの審議会の機能を十分に果たしていただくべきである。このために行政当局はこれに協力すべきである。そうしてまた悪く勘ぐれば、いわゆる農林省は民主的手続を経たということを世間に誇示するために、いわゆる隠れみのにこの審議会を利用しておる、こう言われてもやむを得ないような、こういう手続日程である、かように考えておりますので、明年度は十分この点はひとつ検討していただきたいと思います。私の言っておることを明年はぜひいれていただきたいと、これは強く要望しておきます。
 次に私は問題をしぼりまして、時間がございませんので、加工原料乳の限度数量についてお尋ねいたします。四十五年度の限度数量を幾らと定めてこの補給金の交付予算を組んでおられるか、この数字をお尋ねいたします。
#32
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、予算に組みます段階におきましては、前年度の大体十二月で想定をいたしておるわけでございまして、しかもそのときの一応の補給金の単価も前年度の単価を踏襲するということで、本年度は六円四十九銭の百四十五万トンということで四十五年度の当初予算には計上しておるわけでございますが、これらはいずれも、あくまで審議会の議を経まして最終的に決定されたものによって最終的には確定と、こういうことに相なるわけでございます。
#33
○川村清一君 その辺が実にうまい考え方なんですね。まあ百四十五万トンに組んである、それで交付金の予算を組んであると。しかしこれはあくまでも審議会の意見を聞いて最終的に決定したいと。それほど審議会というものは重大な使命をになっておるとするならば、審議会のやる作業というものにもっともっと時間を与えなければならない。政府はこう決定した。政府の考え方はこれは考えであって審議会の意見を聞いてきめるというのですが、しかしいまのところ局長は審議会の意見があなたの考えどおり答申されることを期待しておるのでしょう。
#34
○政府委員(太田康二君) 実は審議会には需給の見通し等も、当然限度数量をかける場合にはおかけするわけでございまして、これらを十分御審議いただきまして御答申をいただいておる。その際、たとえば限度数量等につきまして、そう具体的に政府が言ったものが即そのままけっこうであるというような答申というよりも、もっと全体の趣旨があらわされるというような答申をいただいておるというのが従来の例でございます。
#35
○川村清一君 それはそれといたしまして、次にいきますが、四十四年度の限度数量百三十五万トンに対しまして、現在の段階で超過数量はどのくらいになると農林省は推定していらっしゃいますか。
#36
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、昭和四十四年度は百三十五万トンということで限度数量を定めたのでございますが、生産のほうがかなりやはり伸びたのでございますが、われわれが現在把握しております本年度の四月から二月までの間の認定数量は百二十三万三千八百トンということに相なっております。そこであとは三月一カ月になるわけでございますが、どの程度になるかという問題でございます。御承知のとおり、三月は飲用乳製品につきまして学校給食がないということもございまして、これは推測することはなかなか困難でございますが、まあ一応現在時点において予測すれば、三月の加工原料乳の認定数量が約十三万二千トン程度になるのではあるまいか。そこで四十四年度の全体の数字が約百三十六万六千トン。したがいまして、限度数量に対しましておおむね一万六千トン程度のオーバーが見込まれる。しかしこの点につきましても、まあ三月の事情がどうでございましょうかよくわかりませんが、若干これよりも落ちるというようなことをわれわれは期待いたしておるのでございます。
#37
○川村清一君 一万六千トンよりも落ちるということはこれより少なくなるということですか。
#38
○政府委員(太田康二君) さようでございます。
#39
○川村清一君 先ほどの御陳情でいうと、酪農家のほうでは大体二万一千程度超過するという推定をされておるようでありますし、農林省のほうでは一万六千トン程度。五千トン程度も開きがここにあるわけで、これはまあいろいろ見方があるのでその点はわれわれわかりませんが、それはそれとして承っておきましょう。
 次いで、この超過した分についてどうするかということが一つの問題でありますが、四十四年度よりもまず四十三年度、これはすでに終わった点でありますので、この点についてお尋ねしますが、四十三年度は限度数量百七万一千トン、超過分八万五千トン、不足払いの交付金四億七千万、こう承知しておりますが、この数字間違いございませんか。
#40
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、四十三年度は限度数量が百七万トンであったわけでありますが、最終にわれわれが三月末で掌握した数字が百十五万トン、約八万トンほど限度数量をオーバーいたしたのでございます。
 御承知のとおり、この加工原料乳の不足払い制度のもとにおきましては、生産者交付金というものが国家財政上無制限に交付されるものではないと、需要の増大に即応した牛乳の生産を確保するという制度の趣旨に立脚して酪農経営の合理化を促進することとなるように配慮して定めなければならないということに相なっておるのでございますが、実は、この不足払い制度ができまして四十一、四十二年の時期におきましては、生産が非常に鈍化をいたしまして、逆に需要はかなり高い需要で推移したことなどから、限度数量という制度があるにもかかわらず、実際はみなその以内におさまったというような実態にあったわけでございまして、限度数量というものの趣旨というものが必ずしも徹底をいたしておらなかったというようなこともあったわけでございます。そこで、四十三年は七・五%という相当の量にもオーバー分が達したというような事態も考えまして、いろいろ検討いたしたわけでございますが、畜産振興事業団の補助事業といたしまして酪農安定対策事業というのを実施いたしまして、ただいま先生のおっしゃいましたように、オーバー分の生産者補給金に見合う半額につきましては、生産者給付金として生産者に交付する。それから残り半額見合いの相当分につきましては、各県に指定生乳生産者団体がございますから、これらが行ないますところの牛乳の合理化の施設、あるいは消費拡大等の事業に対しまして助成するという措置をとったのでございます。
#41
○川村清一君 本日いただいた資料によりまして、この四十三年度の限度数量超過分について特別事業を実施した実績を承知したわけでありますが、ここで約四億七千万というものの事業内容でございますが、これはこれなりにまあ理解できますし、行政当局のこれをやった御苦労について、これは全然だめだというそういう考え方はない。これはこれなりに御当局の努力はこれを評価するわけでございますけれども、さて、このせっかくやられた事業についてのこの交付金というものが、一体いつどういう形でもってそのいわゆる生産者団体なり、また生産者個人の手元に交付されておるのか、この点について一体御承知でございますか。
#42
○政府委員(太田康二君) 私詳細については十分承知いたしておらないのでございますが、夏ごろから交付を始めて、現在は全部農家に行くものにつきましては農家に行ったというふうに理解いたしております。
#43
○川村清一君 その辺はひとつ十分調査してください。
 それから、この問題について、過日委員会で北村委員の質問に答えまして、――これはたしか畜産局長ではございませんでしたかな。御答弁は、四十三年度のこの分につきましては、農林中央金庫から畜産振興事業団が借用して、そしてこの操作をし、四十四年度の予算を補正したいわゆる補正予算によって、この借り入れた分については事業団に返済したと、こういうふうに承ったのでありますが、これは事実でございますか。
#44
○政府委員(太田康二君) 北村先生の質問に対して私がお答え申し上げましたのは、実は、昭和四十三年度の予算のことだと思いますが、御承知のとおり、四十三年度予算は、当初予算といたしまして、不足払いの補給金の財源としては、一般会計で二十億しか、実は用意いたしておらなかったわけでございます。そのとき、ある程度輸入物が需給がアンバランスになって輸入をせざるを得ない。それによって輸入差益が生ずるであろう。御承知のとおり、この不足払い制度におきましては、差益も生産者に対する補給金の財源に使えることになっておったのでございますが、四十三は、先ほど申し上げたような需給の事情でございまして、輸入を全然事業団が行なわなかった。したがいまして、不足払いの財源に充てる金が、一般会計からの交付金では不足をいたしましたから、この分につきまして、農林中央金庫から金を借りて事業団は支払いをいたしました。こういうことを申し上げたのでございます。
#45
○川村清一君 それはそれとしてお聞きしておきます。
 次に、この約四億七千万に及ぶ金の内訳、いわゆる集送乳合理化促進事業に対して約二億二千万、小団地草地改良事業、消費拡大促進事業、こういったものに合計で二億三千万出ておりますが、いろいろ行政措置でなされたと思う。これは深く聞きません。聞きませんが、私の言いたいことは、先ほど、よく調査してくれと言いました。私の知るところによるというと、この支給はきわめておそいんです。いまようやく手元に入ったか入らないか、まあ、ちょっと前でありますが、私の聞いたのではまだ入っておらない。半分ぐらいは入っておるけれども、半分ぐらいは入っておらないというようなことも承っておる。先ほど、局長は、夏ごろには半分行ってしまって、あとは、もうみんな、現在もう行ってるはずだといったような御答弁です。これは四十三年度の、いわゆる措置なんです。四十三年度の不足払いの措置なんです。今日において、もう一年たってるわけです。四十四年度も終わって四十五年度に入ろうとしている、この段階で、ようやく生産者団体あるいは生産者にその金が交付されたかされないかといったような状態だということを承っておるわけでありますが、これの実態を把握されておらないとするならば、私は、いささか責任がないではないかと思う。
 私が言うまでもなく、現在の酪農家というものはどんな状態にあるかということを、ひとつ、これは承知されておるでしょう。承知されておらないとすればとんでもない話だ。政府は、総合農政の柱は酪農である、そうして酪農の振興を大きな政策として、あなた方はやっておる。これはもう酪農というものは一つの投資ですよ。私らの北海道等におきましては、酪農家というものは、もう五百万から八百万、一千万、平均して五百万くらいの、みんな負債をしょっておるんですよ。その利子の返済に四苦八苦という状態が現実の姿なんです。
 そこで、こういう事業団から法律に基づいて交付されるこの金というものは、貴重な金なんですよ。大型機械を導入しておる、借金しておる、この利子払いに困っておる。したがって、こういう名目で事業費として出されるならば、もっと早くなければ、せっかくの、あなた方のこの行政措置というものが生きてこないんですよ。死んでしまうんです。だから酪農民が期待しているように、こういう行政措置というものは、もっと早急に進めていただきたい、ひとつ調査されまして、もし、私の言っているような姿が現実としてあるならば、少なくとも四十四年度においては、こういうことがないように厳重にやっていただきたいということを強く要請しておきます。
 次に四十四年度の超過数量でございますね。まあ局長のおっしゃった一万六千トンにとどまるか、酪農団体が出されているような二万トン台にいくかは別といたしまして、この超過分に対しましては、四十三年度と同様の措置をとる方針であるかどうか、これをお尋ねしたい。
#46
○政府委員(太田康二君) 実は四十三年度は先ほど申し上げたような事情で、この事業を特に仕組んで処置をいたしたのでございますが、四十四年度におきましては、この加工原料乳の不足払い制度における限度数量というものの意味も十分徹底したことでもございますので、さらにその趣旨の徹底を年度当初にはかりまして、限度数量をこえたものは、原則として対象とするわけにはまいりませんということを申し上げておったわけでございます。
 そこで、それでは一体四十四年度はどうするかということでございますが、われわれ制度のたてまえからいえば、そういうものはめんどうは見るべきではないというふうに考えておるのでございます。そこで一体どのくらいの数量になるかというようなことを、まだ最終的に確定をいたしておりませんから、一応のたてまえはそういうことでございますが、事態がもうちょっと明確となった段階におきまして、なお、慎重に検討いたしたいというのが今日の考え方でございます。
#47
○川村清一君 まあ政府のほうはいろいろあるでありましょうから、突っ込んで私はお尋ねすることはこれは避けます。制度上いろいろ困難があるとあなたがおっしゃるならば、しからば法律にきちっと規定してあるように、十一条二項の八号ですか、「農林大臣は、物価その他の経済事情に著しい変動が生じ又は生ずるおそれがある場合において、特に必要があると認めるときは、保証価格等を改定することができる。」というこの条項に基づいて、当然超過数量分につきましては、これは限度数量を改定して、その中に入れるべきではないかと思うのですが、それが一番筋が通っておる。いろいろな行政措置をすると、なかなかめんどうな点があるだろうから、法律に基づいて限度数量を改定するならば、一番筋が通るのではないかと思うが、この点についてはどうですか。
#48
○政府委員(太田康二君) 実はその問題は昨年もいろいろ議論になったわけでございまして、四十四年度におきましての御審議をいただく際に、酪農部会では「生産者補給交付金の対象となる加工原料乳の数量の最高限度については、需給の通常の変動を考慮して、これを適正に定めること。」という御答申をいただいております。この実は異常な変動ということでございますが、本年の場合には、百三十五万トンに対して、われわれのいまの段階の見通しでは一万六千トン程度、しかもそれが大部分北海道にあるわけでございまして、ほぼ他の県におきましては、大体、みな限度数量の中に入るというような事態でございまして、数量的に見ますと、わずかに一%強というようなことでもございますし、われわれは実はこの限度数量を設けた趣旨として、毎度申し上げておるのでございますが、経済事情の著しい変動とございますのは、たとえば生産が非常に伸びておる。これをこえるほど需要が伸びまして、そのために安定指標価格を守るための輸入をせざるを得ない。そういった場合に限度数量を定めて生産がオーバーした。しかし、なおかつ需要に追いつかない場合にこそ、まさに限度数量の改定の事態であろう、こういうような解釈をいたしておるのでございます。
#49
○川村清一君 あなたがそういう議論をされるならば、私もさらに聞きたいのですが、定めた限度数量そのものに誤りがありませんか。限度数量を定めてそれでオーバーする。そうすると初めからオーバーするような限度数量を定められているんじゃないか。限度数量そのものがどれだけ客観性があるのか。四十五年度の限度数量百四十五万トン、その定められるにつきましてはいろいろ試算されるんでありましょうが、それを試算するその基本において、過程において間違いがあるんじゃありませんか。きちっとそうしておくならば、もうこの限度数量をオーバーするような、そういう限度数量をきめておかなければ、あとになってそういう行政的にも苦労せぬだろうし、法的にむずかしいということもなく、すなおにずっとそれを出たもの全部をちゃんと不足払いの対象にすることができるんじゃありませんか。私はむしろそこを聞きたい。
#50
○政府委員(太田康二君) 不足払いの制度がとられている各国の事例等を見ましても、やはり財政によってこれをまかなうというようなたてまえでございますから、限度数量をこえたものは何でもかんでもこれをめんどうを見るというようなことは制度になっていないわけでございまして、場合によっては、限度数量をオーバーしたものは、たとえば補給金単価を半分にするとかいろんなやり方があるわけでございます。そこで確かに試算でございますから十分問題があるということは御指摘のとおりでございます。しかし、これらにつきましても、実は十分御検討いただきまして最終的に決定してもらう。四十五年度の数字につきましても、私たちが予算の編成の段階において百四十五万トンと一応推定したというだけでございまして、この点につきましては審議会等におはかりして最終的に決定するということは先ほど申し上げたとおりでございます。
#51
○川村清一君 そういうようなお考えを基本的に農林省が持っていらっしゃるならば、総合農政の柱は酪農でございますなんという、そういうことを言うのをおやめになったらいかがですか。米は余ってきてどうもならない。そこで米をつくるのをやめろ、そこで酪農をやりなさい。この間の委員会であなた方の考えていらっしゃるところのいわゆる農業のビジョンというものは、酪農については搾乳牛二十頭以上の酪農家を育てるような政策をとりたい、それに重点を志向してやりたい。そして酪農振興、酪農振興でいったら牛乳の生産が伸びるのはあたりまえで、さあ伸びてくる、伸びてきたら需給の関係をいろいろ操作して、そして限度数量は予算の範囲内にと、これは法律に予算の範囲内とあるけれども一予算の範囲内ということでそれは押さえてしまう。それならば、そんなことならとても牛乳づくりなんかできない、酪農なんてやめたと、こういうことになるでしょう。なって、酪農振興というそのあなた方の農政の柱のアドバルーンは一体どういうことになるんですか。議論が全く矛盾しておるんですよ。矛盾でないんですか、もう一回説明してください。
#52
○政府委員(太田康二君) 私たちが酪農振興と言っておりますのは、やはり国民の生活水準の向上に伴いまして、米などとは違いまして、酪農に対する需要はかなり強いであろう。これは先進国の例を見ましても、食生活の向上に伴いまして牛乳、乳製品の需要が伸びることは当然でございます。われわれも昭和五十二年の需要と生産の長期見通しにおきまして一・九倍ないしは二・一倍くらい伸びるであろう。しかしその程度の伸びを実は期待いたしておるわけでありまして、これをこえるような生産が、ありますとやはりそこには問題があるわけでございますので、何と申しますか、モデレートな形で生産を伸ばしてもらうということが基本であろうかと思います。
#53
○川村清一君 それではお尋ねしますが、酪農振興を奨励されておる。もちろん牛乳の生産は伸びてくるのはこれは当然であります。そこであまり伸びられたら困る、こういうことでございます。しからば、その酪農振興というものにはひとつの頭打ちがある。そこで搾乳牛二十頭程度を持つ酪農家を育成したい。そこで一体生産というものはどの辺でとめるのか。これを昭和五十年ということを言われたが、昭和五十年では牛乳の生産はこのくらい見込んでいる、それ以上は押さえるんだ、それ以上押さえるということは、要すれば、それ以上酪農は進めない。ちょうど米と同じだ。米は千四百万トンとれるとこれは多過ぎる。そうしてことしあたりで見るというと買い上げは六百五十万トン。そうして自主流通米が百七十万トン。それから今度は減産が百五十万トン。自家保有米を入れて大体一千万トン、一千百万トンといったようなこの程度に押さえてしまうという、これが一つの米対策である。これと同じような思想のもとに今後も酪農を進められるというお考えでございますか。
 それともう一つ、この限度数量をこえてくるということは、これは需給がアンバランスになる、生産は伸びてくる、これに対して需要は必ずしも伸びてこない、並行してこない。そこで飲用牛乳がだぶついてくる、乳製品がだぶついてくる、こういうことになる。需要が伸びればそういう心配はなくなる。そこで需要が伸びることを期待している。私も期待している、期待することにやぶさかでない、何とか伸びてくれないかとしろうとですが期待している。しかし私の期待とあなた方の期待とは筋が違う。あなた方は行政の責任者として、単に期待するだけではとどまらない、期待を実現するためのいろいろな努力が要る。またそういう努力を具体的にどういうことをされていくのか、需要を伸ばすために政策の上にどういうことを具体的にやっているか、これを明らかにしていただきたい。
#54
○政府委員(太田康二君) 私たちの五十二年度の生産数量の見込みは八百九万九千トンということでございます。
 それから消費増進の問題でございますが、まだ牛乳が四十一年が一日一人平均が〇・三一本というような状況でございます。五十二年の数字で申し上げますと、それが確か〇・六三本くらいになる。一本にならない状況でございます。この程度の需要はぜひ達成いたしたいものだというふうに考えているわけでございますが、これはまず御承知のとおり、学校給食等につきましては、これをできるだけ早い機会に全量なま乳に切りかえるということで、昭和四十五年度におきましても政策需要としての学校給食は六十万石ふやして五十万六千ということにいたしたのであります。なおその際あわせて従来の一八〇CCを二〇〇CCに切りかえて、補助単価を五円から五円八十銭に上げるという措置も講じているのであります。
 もう一つは、牛乳の消費がやや鈍化しているということにつきましては、小売り段階における問題が非常に努力されましてかなり合理化が進んできておりますし、製造メーカーの段階におきましてもまあまあ合理化が行なわれているというふうに考えるわけでございます。小売り段階におきましては人件費の占めるウエートが非常に高うございまして、小売り段階から値段が上がるというおそれが非常に多いわけであります。最近、一昨年の十月ごろ小売りの値上げが行なわれたということでこれが需要にはね返る。そこでいかに小売り段階の労力を省力化するかということが問題でございますので、われわれとしては大型容器の採用、さらにびん容器を紙容器にかえる。この点も充てん機等につきましては従来関税が一二%かかったのをゼロにするというような形で、最近急速に普及しつつある紙容器の充てん機の関税を免除するという措置も講じているわけでございまして、さらに消費者の納得を得ながら隔日配達をするというような形で小売り段階の合理化をはかってまいるということが、今後われわれが価格を安定的に推移させ需要を伸ばすための要諦だろう。
 それから生産者、処理業者、販売業者が一体となって行ないますところの消費宣伝活動につきましては、畜産振興事業団等を通じまして年々助成もいたしているようなことでありまして、これらの三者一体となっての消費拡大運動等につきましては、われわれも側面から御援助を申し上げて消費の拡大をはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#55
○川村清一君 飲用牛乳その他牛乳の需要拡大についてとられようとしているお考えについて二、三御説明を承りまして、まあ理解できましたが、まだ非常に足りないと思われます。基本的に、いまお話しされましたように、現在日本人が一人一日〇・三一本である、それが五十年段階では〇・六三本である。非常にこれはみみっちい話でございまして、経済高度成長で、生産においてはもう世界第二位、第三位まで発展した日本、そうして相当食水準も進んでおる日本国民、一億の国民、これが一本の牛乳を飲めない。一体どこに問題があるか。この点を為政者はもっともっとこれは考えてみなければならぬ。もし一本飲めば、一日で一億本です。一億本の牛乳が消化される。欧米先進国では一人二本だ三本だと、日本よりもいわゆる経済がずっと低い欧米の国においてそういう国がある。それが一日一本消費できないなんというのは情けない話なんで、この点をもっとどうしたらいいかということを真剣に考えてみる必要がある。
 その方法として、いまのお話では、学校給食の問題、あるいは小売り段階における合理化、流通機構の改善の問題等によって値段を下げるというようなお話、これまことにけっこうです。さらに一歩進んで、還元牛乳や合成牛乳をもっときちっと規制する、そういうことをやらせないという方法やら、あるいは消費拡大のために良質な牛乳を多数消費市場に出すという考え方から、生乳から脂肪分を抜き取るといったような、そういうことを厳重に禁止させる、そうして良質の牛乳を市民に提供する、こういうようなことも、やろうと思えばできるではありませんか。さらに一歩進めて、わが北海道におきましては、十勝の農協と札幌の生協とが連携いたしまして、そうしてほんとうに良質の牛乳を低廉で市民に供給するということを実際にやっておる。いわゆるメーカーの牛乳よりもずっと良質でいわゆる低廉であるということ消費が拡大しておる。これが実情であります。そういうことをやる必要があるのではないか、もっと真剣にいろいろ検討してみる必要があるのではないかと私は思うのです。
 さらに先般局長も何か話をしておったし、新聞で承知をしておりますが、北海道のほうではいわゆる原料乳があり余り、したがってそれが皆加工用のほうに回ってしまう、したがって加工用原料乳が限度数量をオーバーしている。一方、本州、府県のほう、特に東京、大阪と、こういう大都市においては飲用牛乳が夏においては不足する。したがってそれをカバーする意味において北海道から一年間五千頭、五年間で二万五千頭の成牛を移入して、それでその一方においては加工用原料乳のふえることを防ぎ、一方においては飲用牛乳の不足をカバーしていく、こういうようなお考えが示されておったようでありますが、私をして言わしむるならば、そんな施策をするならば、むしろ北海道のこの良質の牛乳を鉄道のコンテナ輸送等によって東京、大阪のようなこういう大消費地にどんどん輸送する、こういうようなことをもっと積極的に検討すべきではないか、かように考える。そういうことによって需要を拡大し、そうしてそうすることによってこの限度数量をオーバーするということも防げるし、あるいはまたこのことによって日本の酪農全体の振興に非常に寄与することがあるのじゃないかと思います。
 そうして最後に、私は少なくとも知事の認定したこの加工用原料乳につきましては、全量これを交付金のいわゆる対象にすべきである、たとえば四十四年度、先ほど局長のお話によるというと約二万トン近くオーバーしておる、これは北海道である、他府県にはない、こういうような御説明であるとするならば、なおさらこの二万トンというものの操作をすることによって知事の認定したものは全量交付金の交付対象になるという道が開けてくるのじゃないかと思いますが、この辺についてどういうふうにお考えになりますか。また、私の申し上げましたこういうようなことを、私は時間がないのでもっと突っ込んで言えませんが、私が言ったようなことを検討してみる御意思があるかないか、この点だけ明らかにしていただきたい。
#56
○政府委員(太田康二君) 御指摘の還元乳の問題でございますが、わが国の生乳の生産の実態、需給の実態を見てまいりますと、やはり地域的、季節的にアンバランスがあるわけでございまして、大消費地におきましては、夏場の消費のふえる時期には飲用乳が不足するということもあるわけでございます。そういった時期にいわゆる加工用の一としての還元乳というものが出てくるわけでございまして、これは現在の段階においてはやむを得ざる実態であろうというふうに考えるのでございます。
 それから北海道からの生乳の輸送を大いにやったらよかろうということでございまして、これは過去において国鉄が協力をして、生産者団体、乳業メーカーが協議会をつくりまして実施した事例があるわけでございます。これにつきましてわれわれ検討をいたしましたが、なお経済的あるいは技術的に解明すべき問題点が残されているだろうということで、昭和四十五年度におきましては、そういった予算、実験事業を一千万円ほどの経費を計上して実施することにいたしております。
 それから四十四年度の不足払いの限度数量をこえた知事の認定した数量についての処置の問題でございます。この問題は先ほど先生に御答弁申し上げたとおりのことでございまして、事態が明らかになった段階において慎重に検討いたしたい、かように考えております。
#57
○川村清一君 私に与えられた時間がもう過ぎるようでございますので、これ以上突っ込んで言いませんが、最後にあと一点だけ少し時間をいただきたいのですが、これはあしたの審議会に諮問するまで資料を出されませんので何を考えていらっしゃるのか、ここであなた方に聞いても言わないでしょうから、むだですから聞きません。ただ一点だけ聞いておきたいことは、保証価格を幾らに試算しておるかということを聞いても言わないでしょう、したがってそれは聞きません。そこで保証価格を試算するについていろいろなものを算定しておりますが、それを幾らに算定したかということも、聞いても言わないでしょう、だからそれも聞きません。ただ一点聞きたいことは、先ほどの陳情にもありましたが、自給飼料の飼料費中の自家労働をどう評価しておるかということ。昨年と同じかどうか、これは言えるでしょう。いや、昨年とは違っております、昨年と同じでありますという程度は言えるでしょう。
#58
○政府委員(太田康二君) 最終的にまだ数字が確かにきまっていないわけでございますが、自給飼料の労働の評価は昨年度と同様の方法で実施いたしたいと考えております。
#59
○川村清一君 それは昨年と同じように評価することが正しいのだと、妥当なんだという理論的な根拠をひとつ説明していただきたい。私はいろいろ検討してみたが、何としてもここのところが納得いかない。
#60
○政府委員(太田康二君) 御承知のとおり、昭和四十一年は全然評価がえをしないで実施をいたしました。四十二年から一部、飼育管理労働費の評価がえを実施いたしまして、四十三年度から飼育管理労働費につきましては、その労働の性格が年じゅう無休である、また一日の中でも長時間拘束する労働である、かつ一般の雇用労働にはたよれない労働が多いため他産業労働をもって評価がえをするということで、今日まで一貫してきておるわけでございます。
#61
○川村清一君 その自家飼料を生産するということ、また生産するために投ぜられる労働というものは、局長は非常に単純労働である、臨時雇いでもできる単純労働である、こういうふうにあなたは受け取っていられるのですか、どうですか。
#62
○政府委員(太田康二君) 一般の工場労働と同じような酪農の飼育管理労働に比べますと拘束性も低いであろうというようなこと、あるいは雇用労働でも十分充足し得る労働ではないかということで評価がえを行なわない。
#63
○川村清一君 あなたは将来二十頭の搾乳牛を持つ農家を育成したいと言われておりますが、そういう多頭飼育しておる農家においてのこのえさ――飼料の生産というものは一体どういうような作業形態であるか、だれでもできる、日雇いでもできる、――そんなようなことで一体でき得るのかどうか。どうですか、もう一回聞かしてください。
#64
○政府委員(太田康二君) 価格政策の運用の問題でございまして、確かにそれぞれの政策目的に従って、たとえば労働の評価がえをするものはいかなるものが適切であるかということは、それぞれの制度の目的に従って決定さるべきであろうというふうに考えられるわけでございます。御承知のとおり、酪農の場合には米などと違いまして、いまだ発展過程にございまして、現に技術の向上というのも年々かなり顕著に向上しつつありますし、経営の構造改善も着々と進展をいたしておりまして、多頭化の進展も顕著に見られるわけでございます。こういったものにつきまして、直ちにいま全部評価がえをいたすということになりますと、いわゆる生産費所得補償方式を採用したということにもなるわけでございますので、そういったことは現在の酪農の実態から見まして、必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#65
○川村清一君 私の聞きたいことは、そこなんですよ。飼料生産の自家労賃といううのは、農村における日雇い労賃と算定しておる、そしてそれはこの飼育管理労働とは違うんだ、こういう考え方をほんとに持っているのか。しかしながら、そういうことにそれを評価がえすることによって非常に価格が上がっていく。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
そうすると、需給の均衡というものがますます破れてアンバランスになっていく、こうした経済状態なり、需給関係なり、こういったような広範な考えからその労働というものを臨時日雇い労賃に評価しておるのか、労働の質が違うんだ、こういう基本的な考え方で一体そういう措置をされておるのか、どうですか、それは。
#66
○政府委員(太田康二君) 私が申し上げましたのは、飼育管理労働は私ども申し上げたようなことがございますし、自給飼料の労働は先ほど申し上げたような理由で評価がえをしない、こういうことでございます。
#67
○川村清一君 とんでもない私は間違いではないかと思うのです。現在の日本の酪農のネックは一体何であるか。そしてその乳製品の輸入によって非常に圧迫されてそれが酪農振興の阻害要因になっておる基本的な原因は何か。国際競争ができない、国際的な製品と太刀打ちができないその問題の根本はどこにあるか。それは生産コストが非常に高いというところにあるでしょう。そこで生産コストを下げるいろんな措置をしなければならない。これがこの行政の柱でなければならないと私は思うのですよ。したがって生産コストを下げるために、こういう措置、こういう措置、こういう措置、いろいろあります。これを申し上げている時間的余裕がありませんからそれは避けますが、最大の問題としてえさの問題――飼料の問題を私は解決しなければならないと思うのですよ。この飼料の自給度をできるだけ高めていくということが生産コストを下げ、ひいては日本の酪農を振興させるこれが不可欠の条件であると私は考えておる。こういう立場で意見を申し上げておるわけでありますが、このために酪農家は合理化に非常に努力しておるのですよ。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
そして機械等も導入して、あなたはいま技術も進歩して合理化されてきた、――だからして私はこの自給飼料の生産管理というものは重大だと考えておる。飼料作物の作付計画、作業計画、あるいは天候に合わせて臨機応変の措置をとらなければならない、草地の大規模化に伴って大型、高性能の機械が入ってそれを操作していかなければならない、したがってこの飼料生産に投ぜられる労働というものは決して単純労働ではないのですよ。そんな日雇いでできるわけがないのです。したがって、この飼料の生産管理、これは酪農経営上の最大の部門だと私は思う。あなたは酪農の仕事というものは乳しぼりだけだと思っている。いわゆる飼育管理労働とえさをつくる労働とは質的に違う。質的に違うからこちらのほうは日雇い労賃でいいのだ、こちらのほうは工場労賃だ、こういうばかな考え方で一体、日本の酪農を振興させることなんかできますか。これは誤りですよ。そう思いませんか、どうですか。あなたのそのお考え方は絶対変えられませんか。
#68
○政府委員(太田康二君) 自給飼料が生産の基盤であるというようなことは私たちもよくわかっておるわけでございまして、このために現に草地改良事業に七十七億というような多額の金も投じて草地改良に取り組んでおりますし、既耕地における飼料作物等の生産に必要な導入事業も実施いたしまして、飼料作物増産対策として五億九千万というような多額の金も投入をいたしておるわけでございまして、それ以外に草地改良機械等も今回助成の対象にするというようなことで、いろいろいわゆるコスト引き下げの措置につきましては現に政府が実施してきたことは御承知のとおりでございます。
 そこでお尋ねの点でございますが、われわれは先ほど来申し上げているような考え方に立って従来運用してまいっておるわけでございますが、これらの点につきましても十分審議会において議論が戦わされることと思いますので、これらを十分参酌いたしまして最終的に価格の決定に当たりたい、かように考えております。
#69
○川村清一君 ぜひ従来までとってきたその考え方は間違いですから、現実の酪農の実態に合わないですから、一頭や二頭の牛を農家が副業的に飼っておったそういう酪農と、いまはもう酪農専門で、そうして北海道あたりでは何十頭という牛を飼っておるというそういう経営実態から合わせて絶対間違いですから、これはひとつ十分検討してください。私どもは過去において四十二年度までは、飼育労働につきましても飼養飼育管理労働と付随労働に分けて、乳をしぼる労働はそれは飼養飼育労働である、それから敷きわらをかえたり、あるいは牛乳を今度は運ぶ、運送する、こういう労働は付随労働であると言って、この評価がえをしておった、違っておったこれを徹底的にただしまして、そうして四十三年からこれを変えたのですよ。こういういきさつがある。だからひとつ、四十四年度までは自家飼料中の自家労働というものの評価を農業の臨時雇い賃金によって評価したけれども、少なくともその考えは間違いでありますから、四十五年からはぜひこの自家用自給飼料を生産する自家労働の評価というものは、飼育家族労働と同じように、これは工場労働者の労賃と同じように評価すべきである。ぜひ、その間違った考え方を是正して、そういうふうにやっていただきたい。私はこれを強く要望しておきます。
 まだまだ、いろいろ突っ込んでお尋ねしたいのですが、私に与えられた時間が終わりましたので、私の質問はこれで終わりますが、いろいろきょう大事なことを要望しておきますので、この要望は、ひとつ審議会の答申を得て政府のあれを決定するまでに、ぜみひとつこういう点を検討して、是正していただきたいということを心から強く要望して、私の質問を終わります。
#70
○河口陽一君 ちょっと関連……。
 先ほど、川村委員の御質問に対して局長は、昭和四十四年度の限度数量については百三十五万トン以上は考えないというきびしい答弁があったわけでございますが、後段では、まだ確定していないので慎重を期していきたいという答弁で、これで理解はできるんですが、私は、いまの確定しない段階でここで確答を得ようとは考えませんが、酪農民に与える影響が大きいので、確定する段階で十分配慮して、不安のないような取り扱いをしていただくことを要望いたしまして、私の発言を終わります。
#71
○中村波男君 乳価問題を中心に川村委員から相当突っ込んだ質問がありましたので、乳価問題については、私は二、三補足的に質問をいたしたいと思うわけでありますが、四十五年度の需給見通しをこの機会に明らかにしていただきたいと思うわけであります。
#72
○政府委員(太田康二君) 四十五年度の需給の見通しは、実は、いま試算をいたしておる段階でございますが、試算の過程における概略を申し上げますと、生乳の生産は、四十四年度より七%強の伸びで四百九十万トンをやや上回る数字になるのではないかと見込んでおります。
 それから飲用乳のほうの消費の問題でございますが、先ほどもお答えを申し上げましたように、容器の軽量化とか大型化を中心とした流通段階の改善、合理化を進めているわけでございますが、これらの施策と相まちまして、価格等の条件が安定的に推移いたしますれば、関係者もせっかく消費拡大の努力をなさっておることでもございますので、例年ベースの伸びには回復するではないか。
 さらに学校給食につきましては、これまた先ほど申し上げましたように、五十万六千トンというようなことで、前年度より十一万トン程度ふやしておりますので、四十四年度より全体で三十万トンぐらいふえまして、二百八十万程度の消費を見込んでおります。
 それから特定乳製品需要も順調に伸びてきておりますが、ほぼ百四十五万トン程度になるのではないか。それは本年度の数字に比較いたしますと十五万トン程度の増を見込んでおる。大体大筋はそういうようなことでございます。
#73
○中村波男君 いまの説明によりますと、生産総量が四百九十万トン程度、そこで飲用向けが二百八十万トンを見込んでおる。そうしますと、不足払い限度数量というのを百四十五万トン程度に見込んが出されるのでありますか。
#74
○政府委員(太田康二君) それ以外に自家消費量、あるいはその他乳製品でございますね。こういったものもあるわけでございまして、これらの数字もまだ流動的でございますので、最終的には確定いたしておりませんが、一応いまの段階におきましては、その辺が一つのめどではないかと、もちろん若干動き得ると思いますけれども、まだ最終的な数字は固まっておりません。
#75
○中村波男君 けさの「日本農民新聞」を見ますと、昨日の衆議院の農林水産委員会で、太田畜産局長の答弁として、限度数量を百五十万トンぐらいにするというような内容の記事がありましたので、確認の意味でお尋ねをいたしたのでありますが、まだ固まっておるということではないわけですか。
#76
○政府委員(太田康二君) 私、昨日の衆議院の農林水産委員会におきまして、百五十万トンということを申し上げた覚えはないわけでございますが、まだ最終的には固まっておりません。
#77
○中村波男君 そこで生乳の生産量が四十四年度に比べて七%ぐらいの増だと踏んで、飲用の消費拡大が一丁二、三%になるのじゃないかと思いますが、それを見込むということについて、私は、よほど消費拡大の具体的な政策と、それを裏づける予算的な措置行なわれなければ、消費拡大はなかなかはかれないのではないか。というのは、御承知のように、還元牛乳、加工牛乳というものをそのままにほうっておいて、そうして容器の改善とか集団飲用とかというような施策だけで、いまの政府の試算のような消費拡大がはかれるとは私考えられません。したがって、そういう点からも、いろいろ御意見がありましたが、米の作付転換の主柱として畜産の中に酪農の比重が多く占めておると思うのでありますが、予算はどうかといいますと、四十四年度の予算に比べて、全くほんのわずか伸びておるにすぎない。農林省のあれを見てぼくは申し上げておるのですが、牛乳関係ですよ。この資料、「昭和四十五年度農林予算の説明」を見ますと、「酪農の振興」というところがありますね。四十五年度は七億三千百四十八万一千円、四十四年度は七億二千六百八十四万七千円、こう書いてありますね、これ間違いですか。
#78
○政府委員(太田康二君) ちょっと私先生の持っておられる資料をお持ちいたしませんのでわからなかったわけでありますが、ただいまお示しいただいたのは、農林省の予算課でつくっておりますところの「予算の説明」でございます。その数字は間違いではございません。しかし私たちはそこだけを酪農振興と申し上げておるわけではございませんので、畜産局予算全体で四百三十二億、昨年度に対しまして一三三二%に伸びております。その中で、実は酪農関係の経費が三百四、五十億でございまして、畜産関係予算の大半はもう酪農関係の予算だ、と申しますのは、学校給食で百四十億、それから不足払いの財源に充てるための一般会計の交付金が九十億、さらに先ほど申しました土地基盤整備で七十七億、それ以外に、いま先生が御指摘の個々の生産対策もあるわけであります。あるいは流通合理化対策等もあるわけでございまして、畜産局予算の八割以上は酪農関係の予算だというふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。
#79
○中村波男君 きょうは時間もありませんから、予算の内容について具体的な議論はまた別な機会にいたしたいと思いますが、少なくとも国会に出しておる資料に、酪農振興費として並べてある数字というのはほんのわずか伸びておるだけにすぎないわけでありますから、ここにも私はほんとうに、政府の酪農振興ということは掛け声だけに終わっているのじゃないか。この予算がいみじくもその実態というのをうつし出しておるのではないか、こういう意味でひとつ取り上げてみたわけでありますが、そこで私のただしたいと思いますのは、今日いわゆる余剰乳製品の在庫がどれだけあるかという点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
#80
○政府委員(太田康二君) バターが御承知のとおり、昨年たしか二千トン、本年度四千トン買いまして六千トン、それから脱粉が去年が一万二千二百トン、ことしが一万三千トン、約二万五千トン、こういうことでございます。
#81
○中村波男君 私が調べた資料によりますと、大体在庫見込みが五十万トン生乳換算であるのではないかというふうに思うわけです。
 そこで先日の本委員会でも質問をいたしまして、時間がないために質問を残したわけでありますが、四十三年度にナチュラル・チーズの輸入量は二万六千七百六十トンにのぼっておるのではないかと思うわけです。これも牛乳で換算いたしますと三十五万九千五百トン、一つの例でありますが、したがってチーズの完全国内自給体制を確立すれば五十万トンの過剰の大半を、いわゆる国内の牛乳によって国内のチーズが生産できるという、こういう比較が数字の上で出せるのではないかというふうに思うわけです。したがって今日、乳糖、ナチュラル・チーズ等の輸入乳製品を主原料とする製品が市場にはんらんをしておる。したがってその結果として生乳の需給に不測の圧迫を加えておる。これをしっかりと見詰めなければ、今後の酪農振興の方策というのは確立されないというふうに思うわけです。
 そういう観点に立ちまして、国内酪農の安定的成長を政府がはかるというならば、以上の乳製品を畜産事業団に一元的に輸入品目に加えまして強力な輸入規制をする道を開かなければ、さいぜん私が質問いたしましたように、飲用牛乳が昭和四十五年度は一一・二、三%伸びるという、こういう見通し、見込みも私は見通し、見込みに終わってしまって、また四十五年度は加工原料乳の限度額をオーバーするというような事態を繰り返すにすぎないのではないか。こういう点について、予算はたいへんふえたというお考えでありますが、予算をふやしていろいろな施策をやることも大事でありまするけれども、まず国内の酪農を圧迫しておる根元を押えなければ私は根本的な解決につながらないのではないか、こういう立場であえて重ねて質問をいたしたわけです。
#82
○政府委員(太田康二君) 先般も先生の御質問に対してお答え申し上げたわけですが、プロセス・チーズの原料になるナチュラル・チーズとか、乳糖、カゼイン、これらはいずれもAA品目にすでになっておるわけでございまして、乳糖等につきましてはいろいろ問題がございましたので、四十三年の八月からAIQ品目に変えまして、関係各省におきまして用途確認を行なっております。乳糖にいたしましてもカゼインにいたしましても、それぞれ医薬用あるいは工業用の用途があるわけでございまして、これをいま直ちに事業団の一元化の対象にして輸入を制限しろと言われましてもなかなか困難でございます。しかし、私たちがそういったAIQに振りかえたということで、これも先般お答え申し上げたわけでございますが、四十四年におきましては乳糖、カゼインの輸入量は現に減じておる。それからナチュラル・チーズの問題でございますが、これはまことに残念なことではございますが、現在原料乳につきましては不足払いの対象にいたしておるわけでございますけれども、まだ外国の製品と国内の製品との間に非常に価格差がございまして、二倍ちょっとというようなことになっておりますので、どうしてもそちらの原料にたよるというのが実態でございます。そこで、今回国産チーズの育成化措置というようなことで、関税割り当て制度を採用いたしまして少しでも国産化を進める。まさに先生の御指摘のとおり、ナチュラル・チーズというものは、プロセスの原料として、あるいはそれだけのものの製品としてもおそらく乳製品の中でも最も需要の期待の持てる部門でございますから、これはぜひわが国の市場として確保してまいりたいという気持ちはわれわれ十分持っておるわけでございまして、これらの施策の強化につきましては今後ともさらにつとめてまいらなければならないだろうというふうに認識をいたしております。
#83
○中村波男君 まだ乳価問題を中心にいろいろ質問を考えておったのでありますが、時間がないので次へ移らせていただきたいと思います。
 この機会に、いま畜産振興審議会に諮問になっております指定食肉の安定価格の、いわゆる豚の基準価格につきまして若干御質問をいたしたいと思うわけでありますが、今度の諮問になっております算式を見まして、ほとんど昨年の方式が踏襲されておると見受けるのであります。申し上げますならば指数化方式として農家販売価格をもとに生産費の変化率で修正して、価格決定年ベースの枝肉に評価がえしたもので、これを中心価格と考えて、安定基準価格はこの中心価格の一〇%下に設定するという、いわゆる農林省の考え方は市価主義の考え方であることには間違いありません。そこでこの算定方式では、絶対的基準となるのは肉豚の生産費ではなくて、過去の肉豚の販売価格である。生産費指数は単に過去の販売価格と労賃、資材の変化に応じて現在時に修正したものであり、これをもって生産費に関係あるというわけにはいかないと思うわけであります。
 そこで、いろいろ問題がありまするけれども、時間がありませんから、特に問題にいたしたいと思いますのは、四十四年度の生産指数も〇・九八五と一以下になっておったのでありますが、これは飼料や資材等の値上がりが実際起こっているのにかかわらず、生産費が下がっているという見解をとっているためにこういう指数を私は使ったというふうに思うのであります。農家の自家労働を正当に評価しない不合理な流通機構のもとで価格形成をとろうとしておるところに一番問題があるのではないかというふうに思うのであります。そこで、ことしは価格決定年度の豚肉需給調整係数というのを、四十五年度は豚の生産がいわゆるだぶつく、過剰傾向にあるということを前提にして計算を出した思想的な根底があると思うのです。そういうやり方をいたしますならば、ことしはわずか下がるという結果になると思いますけれども、今後豚の生産が増大すればするほどこの指数というのは低くなってくる、下げていく道を開いた、こういうふうに私は考えて、これは問題がある。いわゆる完全に国内で自給するという、こういう政策目標を養豚に置くならば、本年度こういう算式を導入するということは、これは私は本末転倒ではないかというふうに考えるのでありますが、この問題について局長のお考えを明らかにしていただきたい、こう思うわけです。
#84
○政府委員(太田康二君) 先生御指摘のとおり、実はいわゆる生産費の積み上げ方式ではなしに、豚肉の場合にはずっと需給実勢方式をとっておるのでございます。そこで、今回需給調整係数というふうに名前を改めまして、従来の促進係数を変えたのでございますが、従来は御承知のとおり供給不足が見通される場合に供給を促進するための係数として一以上の値を採用いたしておったわけでございます。一以下の場合には一にする。たとえば一・〇三の場合には一・〇三にするというようなことで、供給促進係数ということで使ってまいったのでございますが、従来と同じような方式で算定された係数が〇・九九にことしはなったわけでございます。
 御承知のとおり現在子とり用雌豚の頭数が対前年同月、これは二月でございますが、すでに二五%までいっている。これは近々統計調査部から発表になるはずでございます。そして子とり用雌豚の頭数が全飼養頭数の一三%をこえるというような状況にも実は相なっておるわけでございまして、こういった状況は、われわれの過去の経験からいいますと、非常に危険というとやや大げさでございますが、かなり警戒信号が出ておるような状況であります。
 実は先般の「総合農政の推進について」という、農林省の二月二十日に閣議決定いたしました方針でも明らかにいたしましたように、価格政策の運用にあたっては、やはり需給を無視した価格の形成というものは行なうべきではないのではないかというようなことが言われておりまして、なお先生お手元に数字をお持ちかと思いますが、「算式1」と「算式2」を比較していただきますと、「算式2」がいわゆる肉豚の推定生産費ではじいた方式でありますが、これが今度私たちの試算では三百七十三円三十二銭で、〇・九九を用いてはじいたいわゆる需給実勢方式による試算が三百八十四円一銭と、こういうふうに肉豚の農家販売価格が推定生産費を下回っていないというような点も考慮して価格に需給関係を反映させるべきではないかというような意味におきまして、実はこの係数を用いた次第でございます。昨日審議会が実はあって、食肉部会が開かれたわけでありますが、そこでも議論があったわけでございます。で最終の答申におきましてはきわめて抽象的でございますが、「昭和四十五年度の指定食肉の安定価格については、最近における肉豚生産費の動向、」――あるいはただいまそこに出ております係数によりますと、一〇二・三というふうに飼料の値上がり等にもよりますが、推定生産費が上がっております。それらの動向、それから「肉豚の需給事情の推移および物価に与える影響等を考慮し慎重にされたい。」というような答申をいただいておりますので、そこでもずいぶん議論をいただきましたが、おおむねの委員の方々の意見としては、やはり需給の動向は反映させるべきではないかというような御意見が有力であるというふうにわれわれは承知をいたしておるのであります。
#85
○中村波男君 これは豚肉に限らず、「総合農政の推進について」という基本方針を見ましても、需給の安定それから外国の農産物にさや寄せをするというこういう考え方を強く求めて、農産物価格の今後のきめ方というのにあらわれておるわけでありますが、そういう考え方が、ことしの豚肉の安定価格にも、まず第一番に、まっ先に出てきたというように私は考えておるわけであります。そこで四十五年度のいわゆる豚肉の需給動向をどのように試算をし、見通しておられるのか、それを明らかにしていただきたいと思うわけです。
#86
○説明員(関谷俊作君) 需給の動向につきましては、昨日畜産振興審議会食肉部会においても御説明申し上げたわけでございますけれども、まず需要の関係につきましては、前年の生産数量それから輸入量を基礎にいたしまして、それに経済企画庁の「経済見通し」に出ております来年の消費支出の伸びの状況それから人口の伸びの状況を勘案いたしまして、来年の需要量をまず推定するわけでございますが、大ざっぱに申しますと、昨年の豚肉の生産量と輸入量を出しました需要量が約五十六万二千トンでございますけれども、それに対しまして、来年は一六・二%の伸びを示します。六十五万三千トン程度という需要の推算になっております。
 これに対しまして、供給量のほうは近く統計調査部から発表されますが、二月一日現在の豚の総飼養頭数、それから同じ二月一日現在の子とり用雌豚の総頭数と、これから来年度に出てまいります豚の屠殺頭数との関係が、非常に関係の度合いが高いものですから、従来の傾向から推算いたしまして、来年におきましては、どのくらいの豚の屠殺頭数があるかということを推算いたしまして、それに一頭当たりの枝肉産出量をかけますと六十六万一千トンという推算になっておりまして、全体から申しますと、約二%というようなことになりますが、若干需要に対して供給量が上回るというような推定を私どもはしております。
 これを価格関係の面から申しますと、やはり需要が供給を上回るのに応じて、価格関係におきまては〇・九九と算定いたしておりますが、一%程度の価格の不落にそれが反映するというようなことを算定いたしておりますのが、昨日の食肉部会でおはかりいたしました需給調整係数ということで、若干の需給の緩和が見通されているわけでございます。
#87
○中村波男君 この〇・九九を出す基礎になっておりますのが、上半期は屠殺頭数、二月の豚総飼育頭数、これ二つを親にいたしまして計算を出しておるところに〇・九九が出てきたと思うんですが、そこでいまの見通しからいいますと、豚においては、完全自給がとれる。若干供給が上回る、そういうことになればもちろん四万トン近く四十四年度に豚肉を輸入したと思うんですが、四十五年度においては豚肉の輸入はゼロでよろしいということになると思うわけであります。
 これは一年間たってみなければその見通しが正しいか、正しくないかはいまここでとやかく言えない問題でありますが、私が問題にしたいと思いますのは、豚肉がそういう見通しであればあるほど豚肉以外の食肉の輸入を規制し、抑制をするということが、豚の安定的成長をはかる一つの道ではないかというふうに思うわけです。私が調べたところによりましても、マトンが十三万トン、馬肉が三万七千トン、豚が四万二千トン、ブロイラーは二万トン等々で約二十五万トンという食肉を輸入しておる。その用途はほとんどがハム、ソーセージに回っておる。ハム、ソーセージというものの原料はこれは豚肉が何といいますか、本命でありまして、そういうところから供給過剰であるという見通しがあるならば、これらに対する輸入規制というものを強力にいまから考えて手を打っておかないとまた国内豚の価格は暴落し、畜産事業団の買い入れ発動、こういう結果を招かざるを得ないのではないか、こういうことについて農林省はどう考えてどう見通し、どう対応されようとしておるのか具体的に明らかにされたいと思うのであります。
#88
○政府委員(太田康二君) 豚肉につきましてはまさに国内自給ということをたてまえにいたしておることはお説のとおりでございまして、国内が不足いたしまして、政府が示した安定上位価格をこえて騰貴する場合、今回一部法律改正をいたしまして、騰貴するおそれがあると認められる場合にも輸入をいたしまして、免税措置を講ずるというような措置も考えておるわけでございますが、そういう緊急輸入に限っておることは御承知のとおりでございまして、まあいままでの経過をたどってみましても、四十三、四十四、国内の旺盛な需要に対しまして供給が不足であるというような結果、一部輸入にたよったことは事実でございます。先生御指摘の馬肉とかマトン等はすでにAA物資でございますが、牛肉につきましては確かに代替関係の問題もございますが、やはり旺盛な需要がありまして、これに対して国内供給が十分ではない、また逆にあまり輸入を押えますと、国内の資源の食いつぶしということも行なわれるおそれもあるわけでございまして、現在豚肉と並んで消費の旺盛な牛肉については、現状におきましては一部輸入にたよらざるを得ないということで輸入を実施しておるわけでございます。
 そこでわれわれの対応のしかたといたしまして、いま申されましたように、確かに馬肉、マトンが自由化だから幾ら入ってきてもしようがないのだというような態度ではいけないと思いまして、まさに自由化でございますから、これらを全く押えてしまうというわけにはまいりませんけれども、プレスハムなど何と申しますか、一般大衆のハムもあるわけですけれども、もっと豚等を大量に使った、品質の高いハム、ソーセージをつくってくれというようなことで毎度業界の指導に当たっておるようなわけでございます。まだこれらの指導が十分でないのを遺憾とするわけでございますが、やはり国民といたしましては質のよいものに対する要望もかなり強いわけでございますので、今後もこれらの指導に遺憾なきを期してまいりたい、かように考えております。
#89
○中村波男君 いま局長の御答弁、理解できる面もありますが、マトンとか馬肉等々は自由化されておりまして、具体的に規制する手というののむずかしさもわかりますが、それが政治だと思うわけです。したがって、自由化されておる中でも規制する方法はあるわけでありますから、措置を一段と強める必要を強く要望いたしまして、時間もありませんから次の質問に入ります。
 畜産事業団の買い上げには私は二つのルートがあると思っておるわけです。すなわち、出荷販売計画を前提とせず、そのときどきの自由価格に盲従する無差別、無計画な買い上げ。二つ目は、全般的な需給情勢を加味して、養豚農家と直結しながら保管、販売計画を実施している生産者団体から買い上げを対象とするものと二通りあることは言うまでもありません。そこで、二つのルートの実績といいますか、それをお示しいただいて次の質問に入っていきたい、こう思うわけです。
#90
○説明員(関谷俊作君) 前回、昭和四十一年から四十二年にかけまして、畜産振興事業団の買い入れを実施しておるわけでございますが、その中の数字からいまお尋ねがありました中央卸売市場における買い入れと産地における買い入れ、その内訳を申し上げますと、全体が頭数で八十八万五千頭ございまして、内訳は市場からの買い入れが四十九万四千頭、産地からの買い入れが三十八万四千頭、このほかに産地ということではございませんけれども、生産者団体による調整保管からの買い入れが約七千頭ばかりございます。
#91
○中村波男君 でき得れば、事業団の買い入れ発動というような措置をとらなくて需給が安定し、しかもその価格が生産費所得補償方式を基準にしたような安定帯で需要と供給が進むことが一番望ましいと思うのであります。しかし従来の経験から言いましても、ここ一、二年わりかたブタ肉は安定をしておったわけでありまするけれども、それが急速に生産の増大につながらないというこういう結果を招いてきましたのも、いわゆるビッグサイクル、この悪循環を生産者もおそれてよく知っておりますから、なかなか需要に見合う生産というものが伴わなかったのではないかというふうなことがあるわけです。したがってそのためにも計画的生産、計画的出荷の体制を確立することが私は大切だと思うのでありますが、それに対する政府の見解と対策ですね、具体的に示していただきたいと思うわけです。長局にお願いします。
#92
○政府委員(太田康二君) 実はブタ肉の需給の安定をはかることはたいへん大事なことでありますし、買い上げの場合にも、できればまさに農業団体等の計画生産、計画出荷をまず優先的に対象にすべきであるというような議論はしょっちゅう繰り返されるわけでございますが、現在の買い入れの制度が市場における買い入れということになっておりますので、原則が。なかなかそういうわけにもまいらぬというのが実態でございます。
 そこで、私のほうは計画生産、計画出荷の指導の適正化をはかるために生産出荷の動向調査というものを実施いたしておるのでございますが、まず何よりもこれの精度を高める、そしてその周知徹底をはかるということで、まずこれをひとつ指標といたしまして各県に御指導をいただくということをはかっておるのでございますが、そういうことで、われわれは従来出荷動向調査もやってまいりましたが、さらに本年四十五年度から新しく肉豚の計画的な生産に資するために新たに肉豚の計画生産推進事業というものを実施いたしまして、先生御指摘のように計画的な生産、計画的な出荷というようなことが行なわれるように考えてまいりたいと、それ以外に農業協同組合等が最近におきましては営農団地構想というのを打ち出しておられますので、われわれは営農団地におきますところの素豚の導入あるいは肥育豚の導入等につきましても、農業近代化資金の対象に加えるというようなことを実施いたしまして、これらの育成をはかってまいる、やはり産地を大型化するというようなことが全体の計画生産、計画出荷の指導をやる場合に、またやりやすいというようなこともございますので、こういったものの育成もはかってまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#93
○中村波男君 いま局長が市場買い入れが法の精神だとおっしゃいましたけれども、私は、法はさいぜん申し上げました生産者団体から買い上げを対象にしているところのこのルートですけれども、これを優先するという規定が法の中にはっきりあると思うのですよ。したがって私の言いたいのは、この二のルートを通じて買い入れをするような具体的な運用面における改善をはかってもらいたい、そのためには実際問題として指定場所の認定は豚の枝肉の部分加工処理場が併設または隣設しておらなければいけないという条件がありますから、したがって指定場所をふやそうと思いましても、そういう加工施設がない場所には指定ができないという、こういう実際問題としての隘路が横たわっておると思うわけです。したがってそういう面におけるやはり施設の拡充ということを畜産事業団を通じてやらせる、そういうことも考えながら、具体的に二のルートの拡大をはかる道を考えてもらわなければいけないのではないかと、こう思うわけですが、それに対する局長の御見解を伺いたい。
#94
○政府委員(太田康二君) 先生のおっしゃる御趣旨全くよくわれわれもわかるわけでございまして、将来そういった方向にもってまいる必要があろうということで十分検討さしていただきたいと思います。
#95
○中村波男君 それから本委員会に配付をいただきました「豚肉上物以外の買い上げの経緯」というのがありますが、これは私が内容を説明するまでもなく局長御存じだと思いますが、かつて本委員会でも檜垣畜産局長時代に取り上げまして、質疑をかわした記憶があるわけです。したがって檜垣局長は、上物以外の肉を買い入れるような法律改正をいたしたいと、こういう言明があったことも記録に残っておると思うわけです。しかし、その後全くそういう措置なり、あるいは前向きの検討がなされたということは聞かないわけです。
 そこで、実態として私が指摘するまでもなく、御認識はいただいているのでございますが、上物以外は事業団の買い入れ対象にならないということでありますから、したがって上物以外の肉というのは今度は逆に業者から買いたたかれるという、したがって全体を通じて事業団が買い入れようというのが、生産養豚家の経済面、経営面で差し引きをいたしますとどうだろうかというような、こういう疑問が持たれるような状況にあるということも現実の問題として見落してはならぬと思うわけです。したがって買い入れ対象の中に上物以外を加えるということを積極的に検討をして、いわゆる法律改正をしなくとも、たしか省令でできるわけでありますから、そういう点について、いま政府として全く考えに置いておられるのか、おられないのかただしておきたいと思うわけです。
#96
○政府委員(太田康二君) 実はこの問題は畜産振興審議会で問題になりまして、あるいは檜垣次官が局長時分にそういう発言をなされたのかと思いますが、そういったこともありまして、四十二年に畜産振興審議会に指定食肉の省令規格の検討に関する小委員会というのを設けまして、そこでこの問題についての御検討をいただいたわけです。検討の結果は、先生も御承知だろうと思いますが、一つはやはり品種改良というものを進めていく場合に、中の買い入れということをやりますと、必ずしも肉豚増殖に、種豚の改良なんかにいい結果をもたらさないのではないかというようなこと、それから中には質的に大きな偏差がございまして、その資質別に価格動向を把握することが困難である、上に対する中の適正な価格差を設定することが不可能じゃないかというようなことが実は結論になったのでございます。そこで実はその問題はきのうもずいぶん議論になったわけですが、最終的にはこの審議会としては、一応すでに結論の出たことだ、まあそうは言ってもとにかく現在上ものが非常に少なくなっているということは遺憾な状況であるから、建議としてこれを処理しようということで、「最近における肉豚資質の現況にかんがみ、優良純粋種豚の確保等改良増殖体制の整備を一層強力に推進すること。」、こういう建議をわれわれいただいておるわけでございますので、なお一そう家畜の改良及び増殖につきましての施策の強化を今後はかってまいりたい、こういうことでございます。
#97
○中村波男君 予定の時間がたいへんオーバーしたようでありますから、最後にもう一つだけ質問をいたしまして、本日は終わりたいと思うのでありますが、豚肉の安定基準価格の試算の中で、素畜費があまりにも実態とかけ離れて安過ぎるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、この素畜費のこの数字を出されました根拠をいま少し詳しく説明を願いたい、こう思うわけです。
#98
○政府委員(太田康二君) 素畜費の問題は、毎度やはりこれも議論になるのでございますが、これはもう先生には釈迦に説法ですが、子豚の価格というのが、たとえば肥育豚の飼育管理労賃のように一般物価や賃金水準によって動くものではなくて、まさに子豚に対する需給関係によって動くという性質のものでございますから、他の費目のように肥育経営におきますところの生産性の動向を反映しているとは言えない性質のものである、そこで従来と同じように、今回におきましても生産費の中におきますところの肥育豚の占めているウエートを出しまして、それで試算をいたしているわけでございますが、今回の場合にはたしか三七・二ということで、前年に比べますと、比率としては上がっておるわけでございます。そこでこの点につきましても、昨日ずいぶん議論がございまして、一応付帯事項として「安定価格の算定に当たっては、素畜費の取扱いにつき実情に即し所要の改善を図るよう十分検討をすゝめること。」というような付帯事項をいただいているわけでございますので、われわれはなお検討を進めてまいりたい、このように存じております。
#99
○中村波男君 きのうの付帯事項に対する答弁で、これ以上私の意見を申し上げる必要はないと思うのでありますが、いま局長自体も認められましたように、第一次生産費に占める子豚代というような考え方で、この価格を出すということは私は誤りだと思うわけです。御承知のように、最近は比較的大きい子豚を素豚に回しておりますし、また肥育養豚家の大部分というのは、子豚を購入しておるのが現状でありますから、したがって素畜費というのは購入子豚価格を採用すべきであるということは言うまでもないと思うわけです。したがいまして、この点については前向きで検討するということでありますが、少なくとも来年度の価格算定に対しましては畜産振興審議会の付帯事項にもありますように、また私が申し上げましたような趣旨にのっとって、修正をしていただくことを強く要求いたしまして、本日はこれで質問を終わります。
#100
○藤原房雄君 たいへん時間がございませんで、局長は一時にお帰りになるそうでありますので、私もこまごまとした問題についてお伺いしたいのでありますが、一点にしぼってその所見をお伺いしたいと思います。
 いま、ずっと先輩議員の方々からお話がございまして、畜産のことが中心になって話が進んできたのでありますが、非常に大まかな話でありますけれども、総合農政の中で酪農振興というのは非常にこれから重要な立場になり、また役割りをになっているわけでありますが、この酪農も現在当面するこの乳価問題を中心といたしまして大きく転換が迫まられておるという、こういう現状に来ているわけであります。率直な酪農に携わる方々の意見によりますと、政府の指導どおりにいろいろ規模拡大、こういう問題について努力して今日までやってきているという非常に変わり目が早いといいますか、御存じのように酪農がたいへんに年月を要し、またたいへんな費用を必要とし、また規模も非常に大きいということから、ほかの産業とは違って、ほかの農産物とは違ったものがあるわけでありますが、こういうことから考えますと、やはり長期的な上に立ってものごとを進めなければならないと思うのであります。
 特にいまこの乳価の問題でありますが、先ほど川村議員からお話がございましたが、どこの農家の方々も何百万という借金を背負ってその仕事に携わっておる、こういう現況であります。非常に規模が大きいということから規模拡大といいましても、また国からの補助がどんなにあるといっても、たいへんな金額になるわけであります。これが全部乳価によらなければならないと、こういう非常に苦しい立場に酪農に携わる方が立たされておるわけでありますが、こういうことから乳価の決定ということは、非常に重大な問題だと思うのであります。算定の基準、算定のいろいろな問題につきましては先ほども先輩議員からお話ございましたが、この何百万という借金を背負ってなおかつ規模拡大に努力しなければならない、ほんとうにどうしようもない立場にある農家の方々の立場に立って、この乳価の問題は真剣に取り組んでいかなければならないことだと思うのであります。こういうことを考え合わせまして、農家の方々の立場に立って、北海道では現在は大体五十頭から八十頭ということが言われておるわけでありますが、いままでには考えられない非常な大きな規模拡大がこれからなされんとしております。こういうときに乳価の問題が非常に大きな問題になるのは当然なことだと思うのでありますが、局長といたしましては、このような立場に立たされておる農家の方々の立場をよく参酌して、この乳価決定についてはお考えいただきたい、こう思うわけでありますが、その辺のことについて局長のおことばを一言お聞きいたしたいと思うのであります。
#101
○政府委員(太田康二君) 先生の御指摘のように、酪農は他の後進農業と違いまして、非常に資本装備が要求されるわけでございますので、そのために多額の資本投下も行なわれるわけでございます。これらにつきましては、実は、その借り入れ金がりっぱに運転しておればまことにけっこうでございますが、ともすると、経営から脱落して固定化負債になるというような問題もあるわけでございまして、そういったことがないように、われわれは指導の万全を期さなければならぬわけでございますが、いずれにいたしましても、酪農家の主たる所得源は乳代にあるわけでございますので、われわれは、今回の加工原料乳の保証価格の算定にあたりましては、十分そういった実情等も踏まえまして、適正に算定いたしたものを審議会に試算としてお出しいたしまして御審議をいただきまして、御答申をいただいた上は慎重に決定してまいりたい、かように考えるわけであります。
#102
○委員長(園田清充君) 本件についての質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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