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1970/04/09 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第9号
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1970/04/09 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第9号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第9号
昭和四十五年四月九日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月八日
   辞任          補欠選任
    源田  実君      任田 新治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         園田 清充君
    理 事
                亀井 善彰君
                高橋雄之助君
                北村  暢君
                達田 龍彦君
                藤原 房雄君
    委 員
                青田源太郎君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小枝 一雄君
                小林 国司君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                田口長治郎君
                任田 新治君
                森 八三一君
                和田 鶴一君
                川村 清一君
                武内 五郎君
                中村 波男君
                前川  旦君
                沢田  実君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
   政府委員
       農林政務次官   宮崎 正雄君
       農林大臣官房長  亀長 友義君
       農林省農政局長  池田 俊也君
       通商産業省化学
       工業局長     山下 英明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○北村暢君 前回に引き続いて若干肥料の価格問題と、それの及ぼす農業所得の問題について御質問いたします。今度の白書によりましても、農家所得は若干伸びているのでありますけれども、それは農外所得の伸びが大幅に伸びておって、農業所得のほうは伸び悩みの傾向にある、こういうことが言われております。そこで農業所得の四十三年度の伸び、さらに四十四年度にはどういう傾向にあるか、まずその点についてお尋ねいたします。
#4
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまお尋ねの点は前年度に比べまして三・三%増でありますが、いままでの状況で見ますとやや落ちておる傾向のようであります。
#5
○北村暢君 白書ではっきりしていますから、農業所得の伸び率は四十二年度二三・四%伸びたのが、四十三年度は三・三%の伸びということで、大幅に農業所得の伸びは後退しておりますね。伸びることは伸びたが三・三%、伸び率は非常に低いわけです。それが四十四年度は、白書では四月から十二月までというのがマイナス二・
〇%というものが農業経済調査の結果出ている。農業所得の伸びは逆に伸びないで減退したと、こういうことが白書に出ていますが、これは十二月までの農家経済調査の結果ですが、三月までの調査の結果はどうなっておりますか、同じくこの傾向だろうと思いますけれどもね。
#6
○政府委員(池田俊也君) 手元にいま数字を持ち合わせておりませんが、まあ大体特に変わった条件はないように思いますんで、大体似たような状況を持続しておるというふうに私どもは理解いたします。
#7
○北村暢君 そこでこの農業所得の伸びが非常に減退をしているということ。それが農外所得は四十三年度、四十四年度ともに前年度よりふえてきているということです。で農家の所得は伸びるには伸びたが、農外所得のおかげで農家所得が伸びた。農業所得は大幅に減退した。その原因は農業粗収益が大幅に減退した。こういう結果が出ている。それはいままでの農業所得の増大は農産物価格の値上がりによってこの農業粗収益というものは増大しておった。ところが四十三年度は生産者米価五・何%、四十四年度は据え置き、来年度も据え置き、まあこういうことになりますというと、農産物価格の値上がりによる農業所得の上昇ということは、今後とも期待できないような状況にあると思うのですね。そこで農業所得の低下のもう一つの要素はですね、農業粗収益が、農産物価格の値上がりが期待できないことで、停滞するのと、反面、農業の経営費が、値上がりがしないにもかかわらず、経営費はやはり相変わらず相当のウェートを占めている。ここに問題があるわけですね。経営費はよけいかかるが生産者価格は上がらないということで農業所得は低下する、こういう結果になっているわけです。そこで、白書にもいっておるのですが、この農業経営費の内容についてどういう状況にあるのか、これちょっと説明願いたい。
#8
○政府委員(池田俊也君) 農業経営費は毎年従来一割――年によってかなり違うわけでございますが、一割ないし一割五分ぐらい毎年増加をしてまいっておるわけでございます。で、内容といたしましては、最近やはり機械が非常に入ってまいりまして機械の償却費がかなりふえてきているという点があるわけでございます。それからこれは全部ではございませんが、畜産関係がかなり伸びております関係で、えさ代がふえてきておる。まあそういうような事情がかなり目立っておるわけでございます。その他農薬等もございますけれども、まあ農薬は使用量はかなりふえておりますが、価格はわりあいに安定、やや弱含みでございますから、これは全体としてそう大きな影響はないと思いますが、一番やはり大きいのは先ほど申し上げました農機具の償却費とかそれからえさの関係というふうに私どもは考えております。
#9
○北村暢君 確かに農機具の償却費も大きいし、えさの飼料費も上がっていることは事実でありますけれども、そこで四十三年度を見ますというと、実はあなたの説明のようになっておらないので、白書にもそれは書いてないのでありますが、農機具の償却費、飼料費等の増加により農業経営費が引き続き一割以上上がっているというのが白書の説明なんです。ところがこれは肥料費が落ちているのですよ。四十三年度のあなたの出された資料を見ましても、農家の農業経営費の中で四十三年度で一番上がっているのは肥料ですね。対前年比から見て肥料が一番上がっている。農機具、えさ等は上がってはおるけれども、肥料が一番上がっておる。これは何か知らぬけれども肥料が抜かれておるのですね。資料を見ましても肥料が四十二年度四万二百円、それが四十三年度は四万六千百円で、これ六千円上がっていますね、大体。えさは三千六百円上がっていますね。それから農薬は二千円です。農機具はわずか千円しか上がっていません。だから農機具の償却費、飼料費、たしかに上がってはいるのだが、一番上がっているのは肥料なんですよ。肥料が六千円近く、五千九百円上がっているのですね。これを故意に書かないのか何か知らぬけれども、書いてない。一番上がったものを書いてないのですね。しかも四十二年、四十三年で総体の経営費は四十二年の二十五万三千八百円が四十三年は二十七万八千四百円、こういうふうに上がってきておるわけです。だからあなたの説明ではちょっと抜けていると思うのですがね。私の言ったことに間違いありますか。
#10
○政府委員(池田俊也君) 肥料が前年に比べまして金額でも若干、現金支出の構成比でも若干ふえたことは御指摘のとおりでございます。ただ私、ちょっといま手元に詳しい数字を持っておりませんので具体的な数字を申し上げにくいのでございますが、白書でいっておりますのは、農機具は現金支出ではございせんで償却でございます。それで現金支出といたしましてはごくわずか増加しておるのでございますけれども、いままで償却いたしました償却部分が経営費として出てまいりますのでそれがかなり大きいと、こういうことを実は白書は指摘しているわけでございます。
 肥料を書きませんでしたのはどういう意図か私よく存じませんが、肥料につきましても確かに御指摘のように経営費現金支出二十七万八千円の中で六千円程度は確かにふえているわけでございますけれども、傾向として特にあまり着目するほどのことでもないということで落としたのではなかろうかと思いますけれども、特別な意図があるわけではございません。
#11
○北村暢君 何だかんだと言ったって、一番上がっているのを落としているのじゃないですか。そういう答弁じゃ不満足ですね。あなたのところの出した資料に基づいて私は質問しているのですよ。その農家現金支出の推移の中で、農機具の現金支出というものは前年においても四・七%、四十三年も四・七%――各年度における現金支出の中に占める各費目別の割合からいえば、肥料が前年度一五・九%のものが一六・六%、これは上がっておりますね。だから四十三年度のことを聞いているのですよ、白書の場合においても。これは四十三年度の場合は農業経営費の中に占める農機具、飼料費、肥料費、その中の特に肥料費は増加が目立っているのですよ。これは現実にそうなっておるから私はそういうふうに言っているのですが、農家支出の中におけることは、これは明らかでしょう。それをなぜそういうたいしたことはございませんという答弁をされるのですか。
#12
○政府委員(池田俊也君) 数字がございましたので申し上げますが、先ほども申し上げましたように、御提出を申し上げました資料は現金支出の中のそれぞれの経費の傾向を出しておるわけでございます。で、一方白書のほうは、農家経済調査を基礎にいたしまして現金支出だけではなしに農機具等につきましては償却費を含めまして計算をいたしているわけでございます。農家経済調査の経営費の構成を見てみますと、経営費が一〇〇といたしますと、その中で一番大きいのはえさで、これが二三・二%、それから農機具は二二・六%、肥料は一一・四%、こういうことでございます。
 農機具につきまして申し上げますと、前年に比べまして〇・七%ほど構成比としては上がっておりますし、それから金額で申しましても一万一千円ぐらいふえておるわけでございます。それからえさで申し上げますと、えさも五千円ぐらいふえておるようでございます。それから肥料の場合は構成比で申し上げますと、前年に比べまして〇・四%確かに上昇をいたしましたわけでございます。ということでございまして、肥料も確かに御指摘のように上がってはおるわけでございますが、農機具等が傾向としてもこれはずっと最近ふえておりますので、そういう点に着目をいたしまして、白書はこういうような解説を加えたのではないだろうかというふうに実は考えるわけでございます。私申し上げたのはそういうようなことでございまして、肥料が上がったということを、もちろん否定を申し上げているわけではございませんで、肥料も御指摘のように支出がふえたわけでございます。
#13
○北村暢君 肥料費が上がったということは、五、六千円上がっていることは上がっているのですね。これは認められておるのだ。ところが肥料の生産者価格というのは、硫安、尿素はそれぞれ生産者価格は下がっておりますね。価格が下がっているが、農家の支出はふえている、こういう結果になっている。硫安、尿素等は価格は下がっているにもかかわらず農家の肥料負担、肥料費というものが上がっているということは、使用量がふえているということが一つあるだろうと思うのです。そのほかの原因で何か高度化成がふえてきたのか、あるいは過燐酸石炭あるいはカリの肥料の価格の値上がり、こういう問題と比較して、硫安、尿素の価格が値下がりしているにかかわらず肥料の負担額が上がってきているのはどういう原因なのか。ここら辺のことは分析せられておるかどうか。
#14
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように硫安、尿素につきましては、これはこの価格安定法の関係も私どもは寄与していると理解しておるわけでございますが、逐年下がってきておるわけでございます。ただ石灰窒素それから過燐酸石灰あるいは溶成燐肥といったような種類の肥料につきましてはむしろ若干上がってきておるのでございます。これは海上運賃とかその他のいろいろな理由があるわけでございますが、上がってきております。
 そういうことでございますが、一方肥料の施用量から見てまいりますと、これは当然増加をかなりいたしておるのでございます。たとえば、これは成分の数字でございますので、どの肥料が幾らということはちょっと申し上げられないのでございますけれども、たとえば窒素で見てみますと、四十年と比較いたしますと十アール当たり八・五キロ程度でございましたものが、四十二年には九・六キロくらいになっておる。あるいは燐酸、カリ等につきましてもほぼ似たような傾向でございます。そういうようなことで肥料の施用量がふえてきておるということがまたございます。
 それからいまお話もございましたが、やや農家の使い方が肥料の種類ごとにかなり変化がございまして、従来比較的単純な肥料の施用をやっていたが、高度化成を中心にやや価格の面から見ますと高いほうに移ってきておる。ある意味で申しますとややぜいたくな使い方になってきておるというようなことがございます。
 いま申し上げましたような要素がいろいろからみ合いました結果、先ほど御指摘になりましたような数字になったというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#15
○北村暢君 そういうことで経営費はあまり下がらない。これからも機械化がますます進んでまいりますし、畜産関係のえさもこれも輸入に仰いでいる。安くなる可能性ないわけですね。それから肥料も結局高度化成を使うことによって、効果の大きな肥料を使うわけでありますから労力は確かに軽減されると思うんです。肥料の技術が進んでいる。しかし、肥料費の増高ということは出てくるわけです。したがって、投資はどんどんふえてくるという結果になっておりますね。そういうことで農業所得というものに対する影響が非常に出てきておる。
 したがって、私はここで特に質問したいのは、いままではこの法律によって特定肥料として硫安だけ指定しておった、肥料価格安定法というけれども、これは硫安価格安定法で、ほかの肥料には何ら影響のない法律ですわね。アンモンニアというもので間接的にはあります。こういうものの問題はありますけれども、硫安の価格安定法といっても差しつかえない。今度尿素が追加されるわけでありますが、硫安、尿素という単肥に対する肥料のウエートというものは今後大幅に伸びるという可能性はなくて、高度化成あるいは燐肥、カリ、こういうものが伸びているわけでしょう。しかも燐肥、カリも高度化成のほうへいっている。そういう面においてこれらのいま言ったような肥料は上がってはいるが下がってはおらない。上がる傾向にあるんですね。したがって、硫安、尿素だけは今後合理化でもって大幅に値下がりするかどうかわかりませんが、とにかく合理化のメリットというものはある程度出てくるでしょう。しかし肥料の内容が変わってくるためにこの合理化のメリットの影響が、尿素、カリの値下がりが農家の肥料費支出にあまり影響なくて、かえって農家の肥料費の中には他の肥料のウエートが高くなってくるということで、肥料費の負担というものがかさんでくる。そういう面で肥料全体に対する施策として、この硫安、尿素に片寄った肥料の政策がこれでいいのかどうかということについて、私は今後の農家の経営費に占める割合からいって問題があるのじゃないか、こういうふうに思うのです。そういう点についていかなる配慮をなされておるのか、こういう点についてお伺いしておきたい。
#16
○政府委員(池田俊也君) 尿素を今回追加いたそうと考えておるわけでございますが、まあ私どもの考えでは、やはり硫安、尿素というものは肥料の一番基礎になる種類でございまして、また生産量としても非常に大きいし、また一方では輸出もやっている、こういうことで、この法律によります特定肥料ということにいたしまして、将来とも価格の低位安定とか、あるいは内需の確保とか、あるいは輸出をふやしていくというようなことをやりたいと思っておるわけでございますが、その他の肥料につきましては、大体硫安、尿素とのいろいろな成分の関係でございますとかその他の関係で、ほぼそれが固まりますればそれが他の肥料に演繹できる、こういう事情があるわけでございます。たとえば高度化成にいたしましても、御存じのいろいろな窒素糸でございますとか、燐酸、カリ等いろいろあるわけでございますが、これも基礎的な肥料の価格がきまりますならばおのずから積み上げ計算ができる、こういうことになるわけでございます。それから燐酸、カリ等につきましては、これも実際問題といたしましては、需要の大手でございます全購連がメーカー等と価格の交渉をいたしまして適正価格をきめているわけでございますけれども、これにつきましては硫安あるいは尿素等と違いまして輸出の問題がないわけでございますから、私どもはやはりこの一番主要な肥料でございます硫安なりあるいは尿素なりにつきまして、これを特定肥料ということで価格の安定を確保するならば、その結果というものがおのずから他の肥料に及びまして適正な肥料価格の維持ができる、そういうふうに実は考えておるわけでございます。もちろんそれだけでは十分でない点は、これはメーカー側とそれから販売業者でございます全購連等が適当な条件のもとにおきましての価格交渉をいたしまして、それで決定をするという現行の方式でまずまかない切れるのではないか、さように考えておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
#17
○北村暢君 まあ説明はよくわかるわけなんですがね、現実問題として複合化成肥料のうちの高成分粒状の肥料は、これは四十年がキログラム当たりですが九千八百五十円のものが四十一年は一万一千七百円、四十二年は一万五千六百六十六円と上がり方がはなはだしいです。これは農林省の統計ですから間違いないでしょうけれども、統計書に出ている。そういうふうに価格は急速に上がっておりますね。そういう点からいって、これはいまおっしゃられる基本である硫安、尿素が価格がきまれば他にその効果が波及していくのだと言われるのでありますが、現実問題としていまいったように価格は上がっているわけです、農家の肥料の購入価格というのは。したがってこういう点からいっても今後に占めるウエートは非常に大きい。特にこういう高成分の複合化成肥料の中でこれはもう数量も非常にふえている、したがってこれは肥料費が上がっていくということの一つの大きな要素になっていると思うですね。量も――農家の人たちの使う肥料の量もふえるし、と同時に硫安、尿素以外の高度化成その他の肥料の価格が上がってきているということも大きな影響があるのではないか、このように思われるのですが、あなたのおっしゃるような形に現実にはなっておらないのではないかというふうに思われます。こういう点についてはどうでしょうか。
#18
○政府委員(池田俊也君) 御指摘になりました数字が多少わからないのでございますが、私どもの理解では高度化成につきましても単価としてはむしろ下がってきていると、ただ先ほども申し上げましたように、高度化成等の施用量が非常にふえておりますので、あるいは個々の農家をとりましても価格の低下よりむしろ施用量の増加が非常に大きかったということがあるいは高度化成の支出額としては増大をしたということはあろうと思います。ただ単価から申し上げますと、実は私どもの手元にございます資料で申し上げますと、三十九年を一〇〇といたしますと四十四肥料年度では九五に下がってきておるわけでございます。この傾向は、たとえば硫安の傾向に非常に似ているのでございまして、先ほども申し上げましたように過燐酸石灰等が若干値上がりをいたしておりますので、その関係で硫安等の値下がりを若干打ち消しをいたしまして、硫安ほどは下がっておりませんけれどもそれにしてもまあ五カ年間に五%程度は下がってきておる、こういうことだと思うわけでございます。
#19
○北村暢君 これは、この統計書が悪いのかどうか知りませんが、農林省の統計にはっきりここに出ているのですよ。それは調査の方法が違いますからね。私、うそ言っているのではなくてここにちゃんとそういうことが出ているのです。だから、確かにあなたのおっしゃるような形のことは、この統計でどっちがほんとうかわからないのですが、ただ高度化成が五%ぐらい下がっているというようなことを言われておりますが、
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
四十一年から四十二年ではこれは問題にならない。やや同じですね、これは。それ以前から比べれば上がっておることは間違いない。四十三年、四十四年の数字がこの統計書にございませんからわかりませんが、あなたの言うように下がっているのかもしれません。いずれにせよ尿素、硫安の値下がりほどには下がっておらない、こういうように思います。それからその他の、高度化成ばかりでなしに、燐酸、カリ等においては、燐酸肥料は比較的上がっているようですね。燐酸肥料は原料費が多くかかって合理化がなかなかできない工業ですから値上がりしていくのはやむを得ない面も確かにあるだろうと思うのです。しかし、農家がそういう肥料を使う量というものはだんだんふえてきているということ、したがってこれは農業技術の点からいってこういう肥料のほうに、ちょっとぜいたくなような肥料であるけれどもという先ほど話があったのですけれども、ぜいたくなようだがこういう肥料を使うようになってくる、それはまあ肥料メーカーに指導されて農家が肥料を使うような形になるのかどうだか知りませんが、とにかく手が省けるのは事実ですわね、効果の多い肥料なんですから。しかし相対的に言って肥料費がかさんできて、しかもこれらの農機具だの、えさだの、肥料費という農業経営費に相当な投資をするがゆえに労働力が質的に低下しても農業生産は上がっている、こういう結果になりて、今日の農業生産は上がっているが農業所得は減っている、こういう因果関係を持っているのですよ。
 そこで私は、農業所得というものを今後考えていく場合に、一体肥料においても農機具にしても畜産費にしてもそうですが、農業経営費というものはこれから相当かかっていくわけでしょう。価格政策との関係で農業所得が低下していくという問題について、一体農林省はどういう見通しを持ち、どういう考え方でこの問題に対処していくのか、このことを将来の方針として何かいい方法があるのかどうなのかということを私はお伺いしておる。これは局長が答弁されてから大臣にもひとつ……、これ重要な問題ですからね、ひとつ方針を伺っておきたい。
#20
○政府委員(池田俊也君) 先ほどおあげになりました数字、私どもわかったわけでございますが、これは先ほど申し上げましたように農家の種類別の肥料の購入金額でございます。でございますから、高度化成の場合におきましては非常に数量がふえておりますので、支出金額もかなり増大をいたしておりますが、単価としてはやはり下がっておるのでございますので、その点は御了解をいただきたいと思います。
 それからただいまの御質問でございますが、まあ肥料の場合にはこういうような施策と相まちまして基礎肥料でございます硫安等につきましては、諸物価高騰のおりにもかかわらず若干の値下がりを見ているというわけでございますが、他のたとえば農機具等につきましてはやはり値上がりを若干ずつしておるのでございます。私どもはこういう資材対策といたしまして従来考えておりますことは、やはり基礎的にはメーカーのコストの引き下げということが一番基礎であることは申し上げるまでもないわけでございまして、特に肥料の場合には輸出の振興と相まちまして価格の切り下げを従来やってきている。もちろん設備の大型化をやりながらコストの切り下げをやってきているわけでございます。たとえば農機具について見ますと、これは業者がかなりたくさん零細な業者もあるわけでございますが、何分日本の場合には機械化がまだ進行段階でございまして、数量が必ずしもまとまらない。でございますので、ほかの機械と比べまして非常に割り高になっているという傾向がございます。たとえば田植機を取り上げましてもかなり高いのでございますが、これはやはり機械化がさらに進行いたしまして、大量生産ができるようになれば逐次価格の切り下げができるわけでございます。そういうことで生産対策はもちろん力を入れなければならないわけでございますが、同時に従来こういう肥料の場合もそうでございますけれども、メーカー価格は下がってもなかなか小売り価格がそれに応じて下がらない、メーカー価格がかりに一割下がりました場合に小売り価格では半分ぐらいしか下がらないというようなことがあるわけでございまして、これは流通経費の問題はなかなか合理化ができない。こういう事情があるわけでございます。ただ御指摘の資材対策といたしましては何とか価格の低位安定ということを実現しなければなりませんし、私どもは従来もいろいろと力は入れているつもりでございますけれども、なかなか流通の合理化ということができませんので、これは今後の一つの重点として、もちろん公共料金等の値上げは低位に押さえるということが基礎でございますけれども、同時にそういうことと相まちましてやはり扱い業者の段階におきますいろいろな合理化について努力をしなければならない、そういうふうに思っておるわけでございます。
#21
○国務大臣(倉石忠雄君) 肥料その他の農業生産資材の価格はここ数年ただいまお話し合いのありましたように下がるものもありましたが、若干上がるものもあるということで、数年間横ばいの状態で推移しておりますが、しかしいまお話のありましたようにその品質の改善は逐次行なわれていると思います。そこで今後農産物の価格は価格政策の面でこれを増大してまいるということはなかなか困難な事情もありますので、このような観点からも農業資材の価格の安定または低下をはかるということは絶対に必要であるとわれわれも考えるわけであります。政府といたしましてもそういうことに対する対策について積極的に努力してまいるつもりであります。また、ことに肥料につきましては全農家が必要とする最も重要な資材でありますので、肥料価格安定等臨時措置法を存続させまして、国内供給の確保と肥料価格の安定にさらに努力をしてまいりたい、このように思っております。
#22
○委員長(園田清充君) 他に御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございます。討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#25
○委員長(園田清充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 北村君から発言を求められておりますのでこれを許します。北村君。
#26
○北村暢君 私は、この際、ただいま可決されました肥料価格安定等臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を提出いたしまして、御賛成をお願いいたしたいと思います。案文を朗読いたします。
 以上でございます。
#27
○委員長(園田清充君) おはかりいたします。
 北村君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#28
○委員長(園田清充君) 全会一致と認めます。よって、北村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議することに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
#29
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと存じます。
#30
○委員長(園田清充君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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