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1970/04/23 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第12号
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1970/04/23 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第12号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第12号
昭和四十五年四月二十三日(木曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         園田 清充君
    理事
                亀井 善彰君
                高橋雄之助君
                北村  暢君
                達田 龍彦君
                藤原 房雄君
    委員
                青田源太郎君
                河口 陽一君
                小林 国司君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                任田 新治君
                森 八三一君
                川村 清一君
                中村 波男君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                沢田  実君
                河田 賢治君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
   政府委員
       農林政務次官   宮崎 正雄君
       農林大臣官房長  亀長 友義君
       農林省農政局長  池田 俊也君
       農林省農地局長  中野 和仁君
       農林省蚕糸園芸
       局長       荒勝  巖君
       食糧庁長官    森本  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局乳肉衛生課長  神林 三男君
       農林省農政局参
       事官       岡安  誠君
       農林省農政局参
       事官       遠藤 寛二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農地法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○農業協同組合法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農地法の一部を改正する法律案及び農業協同組合法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 これより質疑に入ります。両案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○村田秀三君 本論に入ります前に一、二当面の問題でお伺いをしてみたいと思いますが、そのうちの一点は農薬の問題なんであります。昨日も新聞で、牛乳に残留する有機塩素系農薬が公式に発表になりました。だいぶ社会問題になろうとしております。それ以外にも最近どうも農薬をめぐる諸問題が多いようでございますが、その取り締まり等についても伺ってみたいと思いましたが、これはただいま都合で午後に回してもらいたいということでありますから、それは午後に保留をいたします。
 そこで次の問題は野菜の問題でありますが、最近野菜の値上がりが非常に高い。実は私も子供がライスカレーをいたしたいということでバレイショを買ったところが、一つ四十円だと聞かされたわけですね。これはややしばらく前のことでありますが、非常に驚きました。考えてみると若い娘の賃金は三万円ちょっとこえる程度だと思います。一日千円ちょっとという状態の中で、一人の労働者の賃金がバレイショ三十個か、四十個であるということはどのように考えてみてもどうも理解できない。そういう立場に立ってこの野菜問題について――実は非常に野菜問題というのはむずかしいということも承知いたしております。四十一年に野菜生産出荷安定法ができます場合もその審議に携わった一人といたしまして、たいへんむずかしい問題であるとは考えておりますが、しかしそれを放置しておいていいというものではないし、さらにはまた野菜生産出荷安定法が創設されました意義、目的というものを理解し、これを貫徹していこうという態度が私は必要ではないか、こう思いますので、非常にむずかしい問題であるけれども、それをどのようにしたならば、一〇〇%の解決が困難であるにせよ、ある程度の実効があがるようにできないものか、こういう観点に立って実はいろいろ質問をしたいわけであります。そこで前提となります問題でありますが、昨日新聞に野菜の最近の動向が農林省から発表されました。また閣議におきましてもきのうの新聞によりますと対策が講ぜられるという発表も実はあったわけでございます。それらの事情についてひとつお伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(倉石忠雄君) お話のございましたように、ことしは春野菜が出回ります前は、いろいろな御存じのような状況でたいへん品薄になり、またものによりましては値段の高騰があったということで、春野菜が出回ってまいりますようになりましてから、これもだんだん価格を安定してまいりましたが、私どもといたしましては、やっぱり安定的に供給のできますように、なるべく計画的にやっていきたいと考えておるわけでございますが、そこで、いまお話のございました昨日の物価関係の閣僚協議会等におきましても、やはり長時間、こういう生鮮野菜、生鮮魚介類等について、これは一つは生産者の経営を安定すると同時に消費者の合意を得られるような価格で供給のできることに最も力を注ぐべきである、こういうことで、この次にいたします政府の協議会までに、いままでもいろいろ調査検討は進めておりますけれども、これをひとつ、生産地から消費者までの経路等について、さらにもう一度再検討を加えてみようということをいたしたわけでありますが、やはり現在とにかく全国の大きな大消費地に向かいましては、計画的にまた安定的に野菜を供給する集団産地の育成につとめるというふうなことはいままでもやってきておるわけでありますが、生産者それから市場関係者等から構成されております野菜の指定産地野菜出荷協議会を開催するなどによりまして、いま申し上げましたような計画生産、計画出荷を進めておるわけでありますが、若干こういうことについて掘り下げて検討してみようではないか。
 それから御承知のように四十五年度予算編成にあたりまして、私どもは指定産地をふやしまして六百十カ所にいたしたわけでありますが、野菜生産出荷安定資金協会が行なっております価格補てん事業につきましても対象品目にキュウリその他をつけ加えまして、たしかこれは十品目に増加したと思うんでありますが、そのようにいたしまして、出荷の計画性それから消費地との直接の取引ができるようなシステムを検討してまいりたいと、こういうようなことについていままでも努力いたしておりますけれども、これをさらに掘り下げた検討をいたしまして、価格の安定、計画的出荷ができるようにやっていこうではないか、こう
 いうことでございます。
#5
○村田秀三君 私は農林省が努力をしてないなどということをいま言うつもりはないわけです。ただ、いま大臣のおことばにもありましたが、計画的に生産をし、計画的に出荷をする、との点でありますが、私が申し上げるまでもありません、野菜生産出荷安定法は主要な都市の五カ年先の需要動向を設定いたしまして、そうしてそれに対応する生産をいたしたい、こういうようなことであろうかと思うわけでありますが、しかし必ずしもそういう状態にはいまなっておらないようであります。したがいまして計画生産をし、計画出荷をしたい、もちろんそれは需要の動向に見合ってそうするということであろうと思いますが、その点の詳細な計画、少なくとも計画し、生産をするという体制をつくりたいということであるならば、いまなければならないと思うんですね。すでに需要動向の告示――公示がなされて四回目であります。その数量がはたして妥当であるかどうかという論議になりますると、これは非常に問題がありますから、私はそれにいま触れるつもりはありませんが、しかし少なくとも一定の数量は公示をされた。だとするならば、それに対してどういう展望を持って生産をしていこうとしておるのかという計画というのがなければならないと思います。その計画があればひとつ出していただきたいと思います。これは園芸局長でもいいです。
#6
○政府委員(荒勝巖君) お答えいたします。
 ただいま御指摘になりましたように、野菜生産出荷安定に関する法律ができます前は、都市近郊のいわゆる蔬菜農家群というものを対象といたしまして、農林省は、まあ少し言い過ぎかもしれませんが、野菜につきましては野放しで、都市近郊農家の副業的な野菜のいわゆるばらばら生産、ばらばら出荷ということを前提といたしまして野菜の供給が行なわれておったような次第でございます。それがやはり昭和四十年前後を契機といたしまして、都市の大量消費ということになりましたので、御存じのようにああいう法律をつくりまして、やはり産地の専業の野菜農家地帯を設定して、それと消費地とを結びつけていくということでこういう制度を設けたようなかっこうでございます。したがいまして、まだ十分に完全に成果をあげているとは私たちも思いませんで、年々こういうことにつきましては追加していきたいと思っておりますが 少なくともやはり指定産地と指定消費地との間にある程度の結びつきができまして、指定産地ではわれわれの目標といたしましては、やはり五、六〇%以上当該指定産地でできる野菜は当該指定消費地へ行くようにということで法律――全国的には七〇%ぐらいを前提といたしましたが、ただいま指定産地でできます野菜は、指定消費地に対しまして約六〇%前後の出荷があるように逐次固まってきております。ただ、産地も多少移動いたしておりますので、その間われわれとしましては指定産地を追加しまして、逐次近距離から中距離へ、中距離からまた交通網の整備等もございますので、逐次遠距離の方向へただいま指定産地が移動しているといいますか、指定産地の追加を行なっているようなかっこうでございます。その結果といたしまして、その野菜の指定産地のいわゆる面積等につきましても年々ふえてまいりまして、指定産地を指定いたしました四十一年におきましては、大体百五十四万トン前後の指定産地の野菜がございまして、それは全野菜の一五・二%ぐらいの比率でありましたが、四十二年には百九十万トン、一八・五%というふうに伸びてまいりまして、四十三年にはさらに二百二十万トン台になりまして一九・八%、四十四年の集計はまだいたしておりませんが、多分二〇%前後に指定産地の占めるシェアがなっているんではなかろうかと、こういうふうに思っている次第でございます。
 それで野菜につきましては御承知のように、まあ年々やはりこの消費者の需要増大に伴いまして、われわれは、端的な計数ははっきりいたしませんが、大体年五%くらいの生産の増強といいますか、供給が必要ではなかろうかということで計画を立てて、年々実施している次第でございます。
#7
○村田秀三君 年々実施しておるというそれだけでは、私は計画ということばを使うわけにはいかぬと思うのですね。少なくともこれは農林大臣の告示でございます。公表ですか。そうしますと五年先というのは私はこれは実際は少し伸び過ぎておるんじゃないかと、こう私は思います。ある程度来年のものがつかめるはずです。あるいは場合によっても二年先くらいにこれは縮めて改正をする必要があるのではないかと思いますけれども、少なくとも数字を出すわけなんですから、この数字を満たすための供給体制というのは、たとえば産地指定をして、そしてその産地から何%カバーする。都市周辺の野菜農家の動向はどうか、これは常に把握できるわけですね。そうすれば需要量に対する一〇〇%的な生産というものは不可能かもしれないけれども、少なくともそういう計画というのは私は成り立つと思うのですね。だからいま話をだんだんに聞きますると、私が仄聞した限りにおいては、この法律によって産地を指定して、そのカバー率は大体五〇%か六〇%目標を置いているという話でありますけれども、実際はこれは二〇%にまだなっておらないという状態。もうすでに五年目を迎えるわけですから、そうするとこの法律というものが完全に機能しているとはどうしても理解できないわけですね。したがってこれを完全に機能させるための計画というものが、当然なくてはならないと私は思う。それはまあだんだんに指定産地はふえてはおるようでありますけれども、少なくともこれは年次的に――一挙に一〇〇%というわけにはいかぬかもしれないけれども、四十五年度はこの程度、四十六年はこの程度、少なくとも三年か四年の間にこれが大体一〇〇%というところまで持っていけるという感じがするわけです、またやってできる、そう実は思いますので、そういう計画があるのかないのかということを聞いているわけです。
#8
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御指摘になりましたように、われわれ野菜の長期問題につきましては、ただいま御指摘のようにいわゆる需要の見通しを立てまして、それは毎年立て直しているわけでございますが、そのときもやはり五年先ということで、春先にきめることになっております。たとえばキャベツを一つ例に取り上げますと、四十二年、四十三年度もいわゆる野菜の指定消費地域の需要の見通しを平均値でいたしますと、実績でございますが、たとえば四十五万トン、大体キャベツについては需要の実績があった。四十九年度、いわゆる五年先というものの見通しを立てまして、ただいま私も御説明申し上げましたように六十一万トンぐらいの需要の見通し。したがいまして伸び率で言いますと一三六%というふうに需要の見通しを立てまして、それをいわゆる五大消費地域、札幌、京浜、中京、京阪神、北九州のそれぞれの指定消費地域別に見通しを立てまして、まあ三六%増の需要の見通しを立てる。そういったことを毎年、五年後ということにいたしまして、それに向かって指定産地の指定の追加なりあるいはキャベツ以外のキュウリとか大根とか、そういう野菜等につきましても同様な試算を立てまして年々過去の実績等を見ておりますと、キャベツとかあるいはキュウリとかあるいはレタスといった系統は非常に伸び率が高い。たとえば、大根あたりになりますと需要の見通しは一四一%ぐらいでありますが、レタスのような洋菜類で最近の需要が非常に高いものにつきましては五年後は二一七%という傾向値をつかみまして、それで翌年度分の指定のいわゆる追加をしているということで、ただ端的に言いますと、大体その五分の一といいますか、年度区分を目標にいたしまして各都道府県につきまして指導をしていると、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#9
○村田秀三君 どうも、前回もやはり同じような論議の繰り返しでしたね、遺憾ながら。どうしても私が申し上げていることが理解できないのか、ないしはそうきちっとしたお答えがいただけないのかわかりませんけれども、少なくとも需要見通しを立てただけでは、これは計画とは言えないわけですね。需要と供給の調節をとる、これが計画をしなければならない要諦であろうと私は思うのですね。だからそういう方向へ指向しているとは理解できますけれども、しかしながら需要に対して五年先の需要、これは私、先ほど五年先の需要などと言わないで、翌年度の需要の設定というのはやろうと思えばできるじゃないかということを実は申し上げたわけですが、いずれにいたしましても、需要が一〇〇である。これは内容的にいえば種別は多くあろうかと思いますけれども、少なくとも、バレイショ、キャベツ、白菜、大根、かりに指定品目だけでもその需要量というものをきちっと押えるとするならば、それだけは翌年出荷できるような状態をつくるということがこれが計画生産であり、計画出荷の要諦じゃありませんか、そうじゃありませんか。
#10
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御指摘になりましたように、われわれといたしましては、いわゆる五年先を見通しまして、それで五年先に即応して直ちに産地づくりに入る。指定産地を追加いたしましても直ちに当該年度から効果があがってこないということで、三年ぐらいかかりまして、大体われわれ農林省といたしましては補助事業の対象にいたしまして、基盤整備からかんがい系統、あるいは出荷設備あるいは都市との間のいわゆる取引指定消費地との流通の開始といったふうに三年ぐらいかかりまして、そういう準備といいますか、逐次効果をあげながら、五年あとに当該指定生産地でできます生産物を大体五〇%以上東京なら東京の指定消費地に入っていけるように、少しなまぬるいという御指摘があるかと思いますが、やはり三年ないし五年ぐらい時間的に余裕が必要だということで、そういう結びつけ方で指導、育成しておるので、五年先の需要の見通しを立てて、それから直ちに当該年度からその効果が発生しないものですから、五年先を見越しまして、先回りして指定産地をきめておると、こういうふうに御理解願いたいのでございます。
#11
○村田秀三君 そうしますと、いまちょっと報告をいただきました四十三年度の指定産地の出荷量ですね、これが一九・八%、四十四年度においては二〇%程度であろう、こういうお話でございますが、そうしますとこれは三年実行する。四年目の数字がいま出てこようとしているわけでありますが、そうしますと実際問題としてお伺いをいたしますが、ことし四十九年度の見通しを公表いたしました。必要量はここに数字として出ております。五年先の昭和四十九年において、法律に基づき指定されました産地において、この需要量に対して何ほどの生産を担当しようとしておるのか、あるいは担当させようとしておるのか。そのために逐次四十九年までの間にどのような経過をたどりながら産地指定をしていこうとしておるのか。そういう点について計画があるのかないのか、具体的にお伺いします。
#12
○政府委員(荒勝巖君) 先ほど私が御説明申し上げましたことにつきましてあるいは私の説明の間違いかとも思いますが、多少誤解があるかとも思いますので、ちょっと補足してまず御説明さしていただきます。
 先ほどのいわゆる指定野菜のうち、たとえば一五%とか一九%とかと申し上げましたが、それはいわゆる指定産地以外の野菜も含めまして、たとえばキャベツならキャベツは、日本じゅうでできます全キャベツのうち指定産地が占める生産の比率でございまして、当該指定産地だけを含めまして指定産地の中から東京に出される、指定消費地に出される野菜の比率ではない。いわゆる当該指定野菜の全生産量に対する指定産地が占める比率というふうに御理解願いたい。したがいまして、キャベツならキャベツが、日本じゅうでつくられるキャベツのうち指定産地の占める比率がふえてきておる、こういうふうに御理解願いたいのでございます。
 ただいまの御質問でございますが、たとえば五年後ということで、われわれそれぞれの指定野菜につきまして、五年後の需要の見通しを立てまして、指定消費地域をそれぞれ追加していくわけでありますが、これが大体当該指定産地ごとに、目標といたしましては指定消費地域へ向けて出荷される比率を大体七割というふうにしておりますけれども、実際は私が初めのころに御説明いたしましたように五割くらいにしかなっていない。あとの五割は地場消費あるいは指定消費地以外の中小都市向けの出荷になっておる。極力われわれといたしましては、指定の条件としては計画書を出させるときには七割くらいの出荷率を前提にして計画をつくって指定するわけでありますが、結果としてはただいまのところ五割前後にしか――たとえば、A村の指定産地でできるキャベツのうち、指定消費地に出てくるのは五割前後しかない。これをぜひ六割ないし七割に早急に引き上げたい。そのためには出荷の統一とか規格の統一とかいうようなことがまだなお今後努力さるべきじゃないか。あとの五割はどうも計画出荷ではなくて、ばらばらに農家から直接町の業者と結びついて出ておるのでありまして、計画のルートには載っていない。はなはだこの点についてはわれわれも残念に思っておる次第でございます。
#13
○村田秀三君 いま局長が説明されましたものは、私それはそれでわかりました。わかりましたけれども、私の一人よがりのこれは理屈なのか、問題意識の持ち方なのかわかりませんが、どうもいまの話を聞いておっても、私が望む答えが出てこないような感じなんですね。というのはこれは、四十九年度の需要量というのはこれは指定消費地の需要量ですね。ですから、もちろんこれは満たすためには出荷量が中心だ。その出荷量というのは、確かに生産地で生産されたもののうち、三〇%とか五〇%の出荷率ということもあろうかと思いますけれども、これを満たすためにもちろん出荷されねばならない。その出荷を含めて生産体制をつくらねばならないだろうということなんですよね。で、そのことが理解されるとするならば、四十九年度の需要量というのは明らかに数字が出ているわけですから、これを満たすための生産と出荷の計画というのは、具体的に年次別にもう立てられておるのですか。こういう意味のことを言って質問しているわけです。
#14
○政府委員(荒勝巖君) 具体的にただいまの御指摘のように五年後の見通しは立てますが、いわゆる当該初年度といいますか、たとえば四十九年度の見通しに対して四十五年度の具体的な生産の見通しというものが具体的なものがあるかという御指摘だと思いますが、それにつきましてはいわゆる政府で決定するような実は施策はないわけでございます。と言って何にもしないというわけではございませんで、先ほど申しましたように、いわゆる長期の見通しに立って、われわれとしましては、たとえばことしならことしめうちに指定産地を追加するなり、まず五年後の見通しの上に立って需要がふえるから指定産地をふやさなければならない、あるいは指定野菜の種類もふやさなければならない、こういうことになるわけでありますが、で、具体的にすでに指定されておる指定産地につきましては、この指定するときの条件といいますか、計画書を出させまして、それに対して補助金をつけておるわけでありますが、そのときにいわゆる年度計画といいますか、年次計画を立てさせまして、当初御説明申し上げましたように、最初の年から、たとえばその当該村でキャベツならキャベツを指定産地として指定する際には、初年度は東京にたった一〇%ぐらいしか出荷してないということを前提にいたしまして、ことしは一〇%ぐらいだ。従来の既存の指定産地のところは三年たっておりますので、大体五〇%ぐらい。年々生産量もその当該指定産地は大体一割ないし二割ずつぐらい生産量がふえるような計画になっておりますので、そういう計画を全部集計いたしますと、当該初年度の大体の生産の見通しが出てくる。供給の見通しがそれに基づきまして、われわれといたしまして、先ほど申し上げましたように、指定産地野菜出荷協議会を設けまして、東京都の野菜別に、また時期別に出荷協議会を開きまして、ことしは大体東京でキャベツならキャベツが十万トンなら十万トン要る。それに対して指定産地から出荷されるものはこれくらいの比率だ、指定産地以外のものはどの程度あるかというようなことを話し合いで大体見通しを立てていく。こういうふうになっておると御理解願いたいと思います。
#15
○村田秀三君 おやりになっている状態というのは、私も理解いたしました。そこで決定されたところの施策、方針というのがないような話を承っておりますがね。それが必要ではないかと思うんですね。どうでしょうか、非常にむずかしい問題だろうと思うんですが、それがあって初めて、つまり先ほど私が申し上げました、何回も申し上げるわけですけれども、とにかくこの需要量を供給する、確保するための計画、これは協議会を開いた結果、大体来年度の需要を見通す云々というようなこともありましょうけれども、計画的に生産できるということは、当初から把握できる、まあ豊作あるいは凶作、天候に左右される面は確かにあります。ありますけれども、その生産体制、供給体制というものをやはり需要に合わせて、もうつくっていく。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
それは積極的に助成なりあるいは補助なりをして、そうして進めていけるということが必要だということは理解できると思うのですが、まあ方向はそうだと言いますけれども、法律ができまして、私いままでの経過を見ましても、これが十分だとはどうしても考えられないので、もう少し徹底してやれないものか。まあこれは園芸局長の段階ではなくてあるいは農政局長の段階にもなるかとも思われますけれども、どんなものでしょうか。もう少し徹底的にやれないものかどうか。
#16
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御指摘がまさにありましたように、このわれわれの立てましたいわゆる野菜の需要の見通しの五年ならば五年後といったものにつきまして長い目で見ますと、長期路線と言いますか、その線からしますと、われわれの需要の見通しなり、供給の見通しはそう変わっていないということで、いわゆる農林省側のこの見通し作業としては、そんなに狂っていないということにつきましてはある程度自信を実は持っているわけでございます。ところが、単年度と言いますか、当該年度の野菜ということになりますと、ただいま御指摘がまさにありましたように、どうもせっかくつくってみましても、野菜の種類別あるいは供給地の地域別あるいは指定消費地域別には、まあやはり一割前後の、天候によります非常な豊凶の誤差がございまして、年間としては――よほど悪い年は別といたしまして、年間としては結果的には大体需給バランスは実は合うようなかっこうになっているのですが、いわゆる野菜の、われわれが具体的にきめます場合には、当該年度の場合には、年間のキャベツの供給量というわけにはまいりませんで、やはり春キャベツ、夏キャベツ、冬キャベツというふうに、地域別の野菜のいわゆる生産型別と言っておりますけれども、型別の需要供給の見通しを立てにゃいかん。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
そうなりますると、非常にたとえば冬のいわゆる白菜などというものは、面積的には当初のわれわれのつかんでおりました情報なり、統計調査部の御報告でも、それほど当初の計画と全然変わっていなかったのですが、結果として、一月、二月の寒波で全然生育がとまったどころか、枯れてしまったというようなことで、見通しが非常に狂ってくる、結果が。したがいまして、どうも当該年度ごとに発表するのは、非常にちょっと言いわけめくのですが、危険だ。見通しがあまりにも狂ってしまう、場合によりましては。ということで、やはり長期路線に合わせてやはり長期的な生産出荷の安定ということに力を注ぐのが一番適切ではなかろうか。したがいまして、指定産地を大いに育成していくということに一番力こぶを入れている。こういうふうに御理解願いたいのでございますが……。
#17
○北村暢君 関連して。いまの御答弁聞いておりまして、この長期の見通しを立てて、需要量というものを算定をした。それはあまり見通しにおいては間違いなかったと、こういう御答弁のようですが、それがことしの場合は異常乾燥で計画に狂いを生じて値が上がったと、こういうことのようですが、今度の一割減反の問題と関連して野菜の作付けに転換をしていくというようなことも考えられるわけですが、その場合に指定産地における指導というのは相当補助金等の関係で把握できるんだろうと思うんですが、指定産地外のところについてはどのようにいままで把握をし、指導されているのかわかりませんが、指定産地以外において今後野菜づくりに転換するというようなところが出てまいりますというと、先ほどお話のありました指定産地の生産量でどのくらいのシェアを占めるかという見通しをつけてるようですが、なかなかそこら辺のところが計画と実際面において食い違いが出てくるのではないか。
 御存じのように、野菜というのは一割増産になれば価格は二割下がっちまう、二割増産ならば半値もしくはただになっちまう、こういう性質のものです。また一割減産になる場合は二割価格が上がる、こういう非常に価格の上下の激しいものですね。ですから、どうもこの法律に基づいて農林省が非常に苦労して指導もし、計画も見通しも立てているようですが、一向に野菜の価格というものは安定しない。これは現実に価格が安定してないわけです。したがって、そういう点から言って、どうも説明だけ聞いておったんではこの問題の解決にはならないのではないかというふうに思われるんですが、そういう点から言って、いろいろ答弁されているんだが、ほんとうに野菜の価格というのは安定させる自信というものが、農林省の行政指導の中で可能なのかどうなのかということに、私どもは疑問を持たざるを得ない。それから、そういう点について一体どういう――いろいろ説明ありましたが、ほんとにいい方法があるのかないのか。ここら辺のところを一つ聞いておきたい。
 それからもう一つは、ことしの場合異常天候ということもあるようですが、出荷調整というような意味において値上がりをしているのに対して、逆に出荷団体のほうから、値上がりをいいことにしてかえって倉庫に入れて値上がりを待つといったようなことも万博等の関連であったというようなことが言われております。これはあったか、なかったかわかりませんが、新聞等にそういうようなことが出ております。出荷調整というようなことは、だれでも少しでも高く売ってもうけたいというのが農民の心理ですから、したがってそういう点についての配慮は行政指導上どういうことが可能なのか。また、そういう点についてあるのかないのかですね。こういう点について出荷調整という問題についての基本的な考え方と実際にどういう指導がなされ、どういう効果をあげているかというような点について若干お伺いしておきたい。
#18
○政府委員(荒勝巖君) まず価格の安定というものについて効果的に何か手が打てるかという御指摘かとも思いまするが、御存じのように、野菜はいわゆる非常に季節商品でございまして、やはりそれはそれなりの季節変動――価格につきまして季節的な価格変動が非常に激しい。やはり冬のキャベツと夏のキャベツの間にはおのずから作型も違いますし産地も違いますし、また反当の生産量も非常に違いますので、しょせん値段が同じキャベツでありましても逆に言えば異質のものというふうに理解せざるを得ないのではなかろうか、こういうふうに思っております。したがいましてと夏の価格の基準となるべき価格の水準と冬の価格のそれとは当然違ってくるということで、われわれもいわゆる野菜生産出荷安定資金協会という協会を設けまして価格変動対策のための価格補てん事業を行なっておりますけれども、やはりそういった過去のいわゆる夏のキャベツならキャベツ、冬のキャベツならキャベツ、それぞれ価格水準を異にいたしましてそして価格補てん事業を実施しておる。
 ただそこでなぜやっているかといいますと、不当な暴落という、いわゆる一定の過去三年なら三年間の市場の価格の水準がございますが、その水準と対比いたしまして一定の比率以下に下がるというのを不当な暴落というふうに理解いたしまして、非常に下がったときというものをとらえましてそこの時点でやはり補てん事業をやっておりまして、いわゆる単なる年間を通ずる価格をキャベツならキャベツについて一本価格といいますか、一つの基準価格に、同じところの水準に持っていくという考えは初めからございませんで、やはりそれはそれなりの季節的な価格の変動の中で極力過去の経験値に近いところで安定していきたいというだけでありまして、それから非常に水準が暴落したものを何とか防止する、補てんする、こういうことでいまの法律のたてまえは仕組んでおるわけでございます。
 また一方暴騰の場合でございますが、出荷調整で何とかならぬかという御指摘かとも思いますが、ことしの冬野菜につきましてあれこれと世間で御意見があるようでありますが、われわれの見ましたところ、むしろやはり野菜でございますので、そう長期にわたっていわゆる一種の思惑的に買い占めてするというわけにはなかなかむずかしいのではないか。たとえばバレイショでございますが、北海道のバレイショが、この冬のいわゆる一月から四月までの間のいわゆることしのバレイショの消費の大半といいますか、ほとんどを占めるのが従来の経験でございますが、バレイショについてそういったいわゆる思惑的にストックがどこかで行なわれたというような話はわれわれとしては取りたくないのでありまして、むしろ昨年のいわゆる秋の作況予想のときには比較的順調であったバレイショが実際の収穫のときには非常に冷害を受けまして悪かったということで、結果論としてさきにバレイショが七割前後でん粉にすり込んでしまって、あそこの北海道の業界の通常のいわゆる形態がございまして、さきにでん粉にすり込んでしまった結果、あとでそれほどバレイショがなかったということで、北海道は根こそぎこちらに、場合によっては毒ジャガ事件を起こしましたほど、バレイショが東京方面へ出尽くしてしまっておったというふうなかっこうで、むしろなかなか買い占めによる価格の暴騰ということは実際問題むずかしいではなかろうか、こういうふうに理解しているわけでございます。
 われわれといたしましては、いわゆる行政的に法律命令で野菜の出荷をすべしというふうなことはできないんでありますが、それとはなしに、ただいまでいう誘導行政といいますか、生産出荷協議会というものをひんぱんに開きまして、作物別指定地域別に、大臣からお話がありましたように、生産者あるいは出荷者、小売りというものが集まりまして情報を持ち寄って、このくらいまでいくのではなかろうかということで、そういう出荷の調整的な行政指導をしていく、こういうふうに御理解願いたいのでございます。
#19
○村田秀三君 どうも論議がかみ合わないので、実は私もこういううまい手、いい方法はないのかということでまさぐっているような状態でございまして、こういう方法がいいのじゃないか、こういうことがあるんじゃないかということで申し上げる以外にはないわけで、きめ手というものがわれわれないのであります。
 そこでもう一つそれに関連して申し上げるわけですが、葉菜類ですね、ホーレンソウであるとか、そういうものは全くこれは豊凶にも左右され、なかなか把握しがたいものがあろう。その保存野菜ですね、つまりバレイショであるとか、あるいはタマネギ、ニンジン、大根、こういうものはもちろん豊凶には左右されるけれども、しかしながら収穫の時期というのはある程度固定しているわけですから、固定してなおかつ消費は一定のある時期ずれてなされるというそういう性質のものであろうと思います。そうしますと、この保存野菜についてはもっと何かいいくふうがあるのではないか、こう思うんですが、その点はどんなふうに考えられておりますか。
#20
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御指摘にありましたような保存野菜のことでありますが、実はこれも役所でもこの法律をつくる当時も問題になりましたし、その後も実は問題になっておるわけでありますが、バレイショあるいはタマネギ、あるいはそのほかもう少し貯蔵性のきく野菜類について保管措置をとったらどうか、保管に伴ういろいろな行政指導をやったらどうかという話でございますが、これは大衆野菜でございまして、非常に大量にとれる、生産の占める比率も重量的には非常に多いんでありますが、当時何年かの間常々議論されながらもやはりいままでバレイショとかタマネギはどちらかと申しますと暴落といいますか、結局三カ月なり六カ月保存して、ふたをあけてみると結果的には保管経費もまかなえないという事態のほうが先例としては非常に多うございまして、したがいまして、あまり大量に、ある当該責任者の方が大量に保管した場合に、結果論としては損が大き過ぎるということで、またそのあと始末を――政府が行政指導をした結果そのあと始末を政府に持ってこられてもはなはだ困るという結果等から、実は役所的にはこの案は議論されながら実際問題として採択しなかった。非常に安い単価で通年ですとバレイショはキロ当たり十五円なり二十円くらいのものですから、六カ月も低温貯蔵庫みたいなところに、大都市の近辺の貯蔵庫に保管いたしますと、保管の経費だけでも十円くらい出てしまうということで、ふたをあけてみると逆に市場価格のほうが安いということでなかなかその辺の踏み切りがむずかしかった、こういうことであります。日本では野菜がないないと申しましても、北欧と違って、ちょっと時期がはずれるとすぐニューカマーと申しますか、たとえば六月に入りますと、いわゆる西のほうの春ジャガイモが出てまいりますが、タマネギにいたしましても七月に入りますと、もう名古屋地区あるいは静岡地区のタマネギが出てまいりまして、北海道の貯蔵ものとの間に競合関係がすでに出ておりまして、急激に値段が下がってきているようなかっこうでございまして、単価の安いものなるがゆえに、また大量に保管しなければならないものなるがゆえに、なかなかただいま御指摘のようなストックポイントの踏み切りができなかったという経過が実はございます。
#21
○村田秀三君 言われている事情はわかるのです。わかるのですが、しかしそのまま放置していいかどうかということになると決してそうではかいと思います。そこで何かうまい知恵はないのかというのがつまり私の質問の内容なんです。なるほど西のほうから出てくる時期というのは大体予測できるわけですね。それまでの間の必要量というものもある程度把握できる。その把握できる数量というものをこれは出荷団体、出荷業者あるいは小売りの団体であれば小売り団体、そういうものが相対でその時期に特別の契約をして、そうしてもう確実に流通に乗れるという見通しをその収穫の時期に立て得るような方法があるのかないのかという一つの問題がございます。これが一つ。
 それからもう一つ、先ほどからいろいろと聞いておりますけれども、追及をするという意味じゃございませんが、いままあ行政指導をして、そうしてはたしてどうなるものか予測できない非常にむずかしい問題である。むしろ損をこうむるほうが大きいだろう、行政責任を追及されたくない、こういうような感じ。先ほど五年先の需要見通しということでありますが、単年度、まあ翌年度、二年先ということになると危険率が大きいからばく然と五年先の目標を設定しよう、こういうようなかまえと似たところがあるような感がするのです。危険があろうとなかろうとかくしなければならないことが国民のためにいい結果をもたらすということならば、ある程度踏み込んでいかなければならないわけでありますから、そういう前提に立って、前半申し上げましたところの問題提起に対してどうお考えになり、なお可能性の問題についてもひとつ伺いたいと思います。
#22
○政府委員(荒勝巖君) まず最初の御指摘の相対といいますか、取引契約の点でございますが、実はこれは農林経済局のほうの御所管でございますので、あるいはちょっと言い過ぎといいますか、ちょっとむずかしい問題でございますが、われわれといたしましては、やはり従来からありました中央卸売市場というものをたてまえといたしましてあそこで正常なる取引が行なわれるということを前提といたしまして計画出荷ということで、すべて東京の、いわゆる指定消費地域の中央卸売市場に出荷すると、そうして出荷をしたときの暴落については業界として価格を補てんする、いわゆる指定産地が個別取引した場合の当該野菜については、いかに暴落しても価格の補てん対象にはしないというふうに割り切って実はきているわけでございます。ということで中央卸売市場というものをあくまで、あそこがいろいろな証拠書類の整備等が一番的確でありますので、やはりそういうことにならざるを得なかったといういきさつでございますが、しかし最近のいろいろな産地直流というふうな話等もございますので、いろいろ内部的には経済局との間で、どうやって今後こういった新しい取引形態についてもう少し検討するかというようなことで検討はいたしておりますが、本日ここでこういうふうにしたいという結論はまだ実は出ていないわけで、あくまで検討の対象というふうに御理解願いたいと思います。
 それからもう一つ、消費地域ですか、産地ですか、まだ十分われわれも検討いたしておりませんが、やはり少しストック。ポイントといいますか、貯蔵施設について政府は何ら助成的な関与をしていなかったということにつきましては、やはり行政的にはブランクであったというふうに理解せざるを得ない。これにつきましては、やはり今後、ブランクだったがゆえにあるいは問題が出てきたのかもわかりませんし、その辺を十分検討の上、産地のあるいは出荷倉庫について今後助成の対象にするのか、あるいは消費地域に持ってきてストックしておいたほうがいいのか、その辺等につきましてもなお深く一ぺんメスを入れてみたい、こういうふうにわれわれ思っているわけでございます。大体そういうふうに御理解願いたいと思います。
#23
○村田秀三君 どうもなかなかむずかしい問題でありますからこの程度でやめようと思いますけれども、やはり私はそこに問題があるだろうと思うのですね。集配センターが一つできているということを私も聞いておりますけれども、産地に貯蔵庫をつくるか、消費地に貯蔵庫をつくるか、このことば。それからあと集配センターというものがどのように現在実効をあげているのだということもありますけれども、これらについても、とにかく実効をあげるべく要所要所にたくさんつくってというようなことばは、これは四年も五年も前から実は聞かされていることばなんですね。それが実は行なわれておらない。そういうことにも私問題があるのじゃないか。行政指導をして失敗したならばその責任を追及されるというようなそういうやはり姿勢が、この野菜生産出荷安定法というものをつくって、なるほどその目的、意図するものはよいけれども実効があがらない、こういうことにつながってくるのじゃないかという気がするのですね。もう少しやはり積極的なかまえを持っていただくということを前提とし、要請をいたしまして、野菜の問題についてはこの程度にしておきたいと思います。
 次の問題でありますが、まあ本論に入るわけでありますけれども、私どもは実は農業協同組合法の一部を改正する法律案、それから農地法の一部改正案、まあ関連する部分はもとよりありますけれども、しかし徹底的に審議をするという意味合いにおいて、これの分離審議というのを実は希望したわけであります。しかしながら、結果的に並行審議だということに理事会において結論が出されたようでございますから並行審査せざるを得ないわけでありますが、そういたしますると、どうしてもやはり問題点がぼやけるというふうな可能性があると私は見ますので、主としてこの農業協同組合法の一部を改正する法案について論点を集中したいと思います。またこれを進めるにあたっても農地法と若干関連する部分も出てはまいりますけれども、この点は御了承いただきまして、農地法にもたくさんの問題がございますし、したがってその農地法に集中しての質問は後日に譲りたいと思いますので、委員長にその点ひとつ御了承をいただきたいと思います。了承してくださるようにお願いをいたしておきます。
 そこで、この農協法の改正は六十一通常国会にも提案をされまして相当に論議をいたされたようであります。そこで今回新たにまた出されてまいりました部分には新しい問題提起があるわけですね。いまこの問題提起についてとりわけ説明はいたしませんけれども、昨年の国会に出されまして以降今日までの間、わずか一年の間に相当重要な部分が改正、提案をされておるわけであります。それは一体どういう事情によるものかということと、同時に私は、過去一年の問題でありますね、その一年の間に相当重要な部分が新たに提起されなければならないような、何といいますか、見通しの暗さといいますか、もっともわれわれの立場からすればやっちゃならないということを持ち出してきたという感じでありますけれども、どうしてそういうことにならざるを得なかったのかということについてひとつ御質問をいたしたいと思います。
#24
○説明員(岡安誠君) 先般御提案申し上げまして審議未了になりました協同組合法の一部改正に対しまして、新しく追加といいますか変わった点は、すでに提案理由の御説明等で申し上げたと思いますが、農協が農地等を取得いたしまして、それを農地として売り出すような事業と、それから転用相当農地等の取得といいますか、につきまして売り渡しまたは区画形質の変更をするというようなことが新たに加わっております。これらの事業につきましては、実は従来から農業協同組合に扱わせる。そのためにそういう行為能力を与えたらいいかどうかということが論議されておったのでございまして、現に農協の系統におきましても先般農住都市構想というような内容で検討を進めるというように、農協が果たすべき役割りいかんというようなことが論議されておったのでございます。ただ、まだいろいろ問題が煮詰まっておりませんでしたので、先般の法案におきましては、その部分は行為能力付与ということにはならなかったのでございますが、最近の情勢は非常に急速に動いておりまして、やはり農協に行為能力を与えまして、農協にそれらの事業の一翼をになわせる、そのほうが農業者のためになる、農業の側におきましてもそのほうが計画的な土地利用に資するというようなことになりまして、先般改正提案を申し上げたという次第でございます。
#25
○村田秀三君 それらの問題は後ほどまた項目別に関連をして御意見を申し上げたいと思いまするが、この農協法の改正問題あるいは農地法の改正問題、これは過去におきましても改正を意図されたにもかかわらず、その法律の成立というのは相当な抵抗を受けておるということはあったと思います。それをなぜかというふうに考えてみますと、やはり外的要件の変化、そういう事情はわかるにせよ、農協の性格なりあるいは理念というものをどうして維持発展をさせるかというところにやはり大きなウエートをかけられたがためにいろいろな抵抗があったし、また私はその抵抗する立場の者に対しての理解度も相当あったのではないかと実は私は感ずるのです。決してこれはひとりよがりではないと思うのです。そう考えてまいりますと、前回の国会でもだいぶ論議をされておるようでありますけれども、もう一度この際農協というものの性格、そしてまた目的というものを見直してみたい、確認をしてみたい、実はこう考えるわけでございますので、その点についてひとつ、農林大臣もいまここにお見えになったようでありますので、御所見を伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(倉石忠雄君) 農協は農民の協同組織として、農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上をはかることを目的とする、これが農協法で示しておる性格でございますから、本来職能組織としての性格を持つものであることは申すまでもありません。現在こういう考え方に立ちまして農協がずっと発展してまいりましたが、やはり農協それ自身をめぐる一般的社会経済情勢の変化、そういうことに即応して農協の活動も徐々に近代化していかせることが必要ではないか。私ども農協中央会、また県段階、それから単協、それぞれいろいろな事情はございますけれども、単協傘下の多くの農業者たちの農協に期待いたしますいろいろな要望等を考えてみますと、やはりいま申し上げましたような農協の趣旨、しかも傘下の農業者たちの経済的向上をはかり、また農協それ自身の使命を果たしますにつきましても、ここで農協というものの時代に即応した活動をしやすくすることが必要ではないか、こういうことを痛感いたす次第でございます。したがって、このたびの改正案の中にも、やはり規模拡大のために農協の果たす役割りを期待いたしておりますし、それからまた地方地方によっていろいろ違いますけれども、地域によりましては、その農産物に対する特別な事業等についても、農協それ自体が購買、販売といういまやっておりますようなああいう仕事以外に、やはり組合全体の利益のために、またその地域の農業発展のために必要なものがあるのではないか、そういうことについて私どもといたしましては、農協本来の組合精神を逸脱しない範囲において、傘下の農民の人たちの利益増進のために活動してもらえるように指導することがいいんではないか、このように考えておるわけでございます。
#27
○村田秀三君 いま説明を聞いてまいりますと、農協は農民の協同体であり、職能団体である、そてし農協精神といいますか、農協精神を逸脱せずに農民の利益を守っていく、こういうふうに要約できるような気がいたします。そこでこれは前回の国会で、同僚議員である川村議員がやはり農協の性格、目的について質問いたしております。その中で、歴史的な経過を質問をいたしておるわけでありますが、その内容を見ますと、明治時代に法制化されましたところの産業組合が職能に分化してきた、こういう説明に受け取れる答弁をなさっているわけですね。この点についてはそうであるのかどうか、私も聞いてみたいわけでありますが、どうでありますか。
#28
○説明員(岡安誠君) ちょっと事実関係でございますので、私から御説明申し上げたいと思いますが、いま御質問がございましたとおり、わが国の協同組合の運動のそもそもは、明治三十四年に産業組合法がでまして以来続いているわけでございますが、その当時は、別に明治三十三年に農会令というものができまして、これは指導的な団体ということでできたわけでございますが、したがいまして産業組合は主として経済団体ということで発足をいたしまして、以来農民の利益擁護のため活躍をいたしたわけでございますが、御承知のとおり昭和十八年に、戦時中でございますので両団体が合併をいたしました。農業団体法という法律によりまして合併をし、農協ができたわけでございます。それが戦後まで続きまして、昭和二十二年新しい農協法というものになったわけでございますが、私どもは、やはり産業組合とそれから現在の農業協同組合というものは、その考え方、また活動の分野等におきまして、そう大幅に違っているというふうには考えておらないわけでございます。それぞれ時代の変遷によりまして、それに即応いたしまして活躍をしているというふうに考えておるわけでございます。
#29
○村田秀三君 そうしますと、大体前回の論議、農政局長の答弁を認めたような発言と私は受け取るわけでありますが、そこで、非常にこれはむずかしい問題であるわけでありますが、最近地域共同体であるという――農民の共同組織であると同時にこれは地域共同体である、そういうことがやはり確認をされるべきではないかというようなことであり、また政府側の答弁においてもそのように答弁されておるわけであります。その点についてはどうですか。
#30
○説明員(岡安誠君) 現在の農業協同組合につきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたとおり、本来は職能組織ということであろうかと考えております。ただ、まあ農業協同組合が存在いたします農山村の実情等によりまして、地域の住民の利便というものを考えまして、准組合員、員外両制度を設けておりますので、その面におきましては地域組織としての機能を持っているということは言えるのじゃなかろうか。しかしやはり本来は職能組織というふうに理解いたしております。
#31
○村田秀三君 そうしますと、私の考えが間違っておれば御訂正をいただきたいと思います。実は古い法律をさかのぼって研究をしたわけでもないわけでございますが、産業組合が、いわゆる当時は協同組合、協同組合精神、いろいろなことが言われておりまして、まあこれは一つの運動体だったと理解をしておるわけですね。つまり万人は一人のために、一人は万人のためにと言いますか、まあ資本主義自由経済体制の中で弱い者が肩を寄せ合って、そしてそういう強い圧力に対抗していくという、そしてこの農協に至ってはその集大成であるという答弁を実はなさっておるようでありますが、そういうものだと私は理解をいたしております。そのいわゆる共同体、まあずっと以前は、これはやはり地域共同体というようなつまり印象を強く持ったところの一つの組織、この組織が時代の変遷とともに分化をして、戦後農協という職能に分化され、あるいは中小企業等協同組合法というものに分化され、あるいは消費生活協同組合法というものに分化された。一つはちょっとそれとは違いますけれども、労働組合法なるものもできたわけでありますけれども、そういう経過をたどってきているんだといういわゆる流れは、もともとが地域共同体の組織、この組織を前提としながら、今日まで農協の組織であり、あるいは先ほど申しましたそれぞれのいわゆる資本主義自由経済下におけるところの大きな力に対抗する人のつながり、組織としてできたものであるというふうに理解しておるわけでありますが、これは間違いでしょうか それでよろしいということになるのか、お伺いいたします。
#32
○説明員(岡安誠君) 大体そのようなことであろうかと思いますけれども、私どもの理解しておりますのは、やはり産業組合の発足当時の経済的弱者といわれておりました農民が集まって、経済的また社会的な地位を確保しようというようなこととして、あるいはまた、その運動もそのようになされたというふうに理解しておりますので、その意味ではやはり地域住民の利益ということより、やはり農民という、そういう職能団体として活躍する使命を与えられたというふうに私どもは理解いたしております。
#33
○村田秀三君 その答弁で私の理解とほぼ統一されたと思うわけでありますが、これは間違いであるということになれば、後ほど御訂正いただきます。
 そこで、つまらぬことをお伺いするわけでありますけれども、法律用語といいますか、われわれが通常、何の考えもなく、不用意に使っておる表現といいますか、ことばといいますか、協同――協同組合の協同、それから協業――協業ということばは、これは農業基本法のときに初めて法律用語として出てきたようにも思うわけです。また共に同じくするという共同、こういうような表現が使われておるわけであります。一つ一つこのことばの意味、内容的に違うものを持っておるのかどうかということですね。非常にむずかしいことかとも思われますけれども、お伺いをしておきます。
#34
○説明員(岡安誠君) お話しのように、協業ということばは農業基本法で使われたのが大体初めだというふうに私ども理解しておりますが、この基本法、実は「(協業の助長)」ということで十七条に規定してございますが、この基本法でいう「協業」は私どもは非常に広い概念だというふうに考えております。と申しますのは、共同ということも含みまして、たとえば農作業の共同化、それから施設の共同利用、そういうようなものが従来はいわゆる狭い意味の共同というふうに理解をされておりましたけれども、それを「協業」はもちろん含みまして、さらに共同経営とか、それから農協が行ないます販売、購買、信用等の事業等も全部「協業」というものに入るというふうに私どもは理解をいたしておるのでございます。ただ、普通、慣用といいますか、普通の場合には、生産面におきます協業というのが普通協業と使われておるのが多いようでございまして、その場合には農作業の共同化とか、作業の委託、経営の委託、協業経営ということもあります、そういうものを含めて生産面の協業ということばをつかっております。
#35
○村田秀三君 まあこのことばにこだわるつもりはありませんけれども、ずっと資料を見てまいりますと、これは農林省のある方でありますが、やはり協同と協業というのを分けて理解をして説明をしておる。つまり集団組織、たとえば野菜をつくる場合、稲作でもあるいはそうかと思うのですけれども、協業でやる場合には失敗をする事例が多い。そしてその内容をずっと見てまいりますると、つまり老若男女、たとえば労働力を見ても女子もあれば男子もある、同じ男子であっても技術の差がある、こういうような状態の中では、いわゆる個々の能力を生かすようなそういうシステムでなければ成功をしないのだと、こう書いてあるのをちょっと見たわけですね。これが省全体の統一見解であろうかなどと私は言うつもりはありませんが、つまり協業というのはそういうものなのかどうかですね。私はこういう例を申し上げるわけですが、何年か前に長野県のリンゴの共選場を見てきたのですね。その場合にいろいろ調査をしてみますると、そこに働いている人々に聞きますと、生産されたリンゴをそのまま数量で受理して、それをベルトコンベアーにかける、出てきたものはどこのリンゴであるかわからない、市場に共同出荷すれば仕切りも一緒であれば精算も一緒である、全部数量で共選場の門をくぐるともう数量計算をして、結果的に数量で精算をする、非常に成功している、そういう例を聞かされてきたのです。何回かこの共選場を私も回っていろいろ聞いてみますると、農家が個別に共選する場合もあるわけですね。そうしますと、ベルトコンベアーは空間ができる、それだけ時間のロスができる、経費が節約できない、こういう関係もあるようでありますが、そういうことをいろいろ考えてみまして協業であればこれは成功しないというのは実際どういう内容を持っているのだろう、こういうことを実は考えてみたわけです。そうしますと、共同ということば、協同組合の協同でありますけれども、この協同作業、これは協同組合の組合を作業にしてもいいわけでありますが、私はむしろつまり一人は万人のために万人は一人のためにといいますか、つまり長野県の共選場を見てまいりまして非常に能率的にやっておられる。確かに個別的に見た場合には個々の農家に利害が若干ずつあるだろうと思う。と思うけれども、それを克服して、そして実際にその集団組織を維持し、かつ経営的にも成功させようとしている努力、この努力には単に利害関係――損した、もうけた、おれの技術がよい悪いという問題ではなくて、私は思想がそこには存在しておったと実は見てきたわけなんですね。そういうようなことがあるものですから、特別にこの協同組合の協同と、あるいはいわゆる協業と、あるいは共に同じくするの共同と、どう別に使い分けされておるのかということについてお伺いをしたわけでありますが、つまり私が一つの例を申し上げまして説明をいたしました協同の精神、これが非常に大切であろうということ、しかるがゆえにこの農業協同組合の協同というのはさような意味合いにおいていわゆる使われておるものと私は理解をしておるわけでありますが、その理解というのはまあ古いのか間違いなのか、ひとつ御説明をいただきたい。
#36
○説明員(岡安誠君) 先ほどお話のどういう論文だか内容を拝見しないとわからないのでございますが、先ほどの共選場の例でございますけれども、私ども理解をいたしますのはやはり共選される農産物の種類なり、それから農産物でも品種その他によりましてそれぞれやり方等が変わってくるのではなかろうかというふうに思います。しかしながらそれらを通じます問題はやはりおっしゃるとおり協同の精神といいますか、農家の利益を最大に確保するためにはどういう方法がいいかということからいろいろな知恵が出てくるのじゃないかと考えます。仰せのとおり私どもといたしましてはそういう精神によって農協が運営をされ、発展することを願っているわけであります。
#37
○委員長(園田清充君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十四分開会
#38
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き農地法の一部を改正する法律案及び農業協同組合法の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#39
○村田秀三君 先ほどいろいろとむずかしい質問をいたしまして、農協が創設に至りました歴史的経過ないしは目的、こういうことを私なりに確認をしたつもりです。そういうことを前提といたしまして、この農協の協同精神、そしてまた農協法第一条に示されたところの目的、これがより高揚されねばならない、そういう時期に今日きておると思います。いろいろな社会情勢の変化、経済情勢の変化、それによりまして著しく複雑な内容になってきている状態でありますけれども、その中にありましても、私はこの、先ほど来申し上げましたように、考え方なり思想というものは、どこまでも貫徹させることが必要だと、そう考えておりますので、その立場に立っていま提案をされておりますところの改正法、またそれに関連する諸問題について質問をしてみたいと思うのでございます。
 そこで、私の認識が間違っているということであれば御指摘をいただきたいと思いますが、あらゆる資料によりましてもこの共同体組織としての農協に依拠するところの組合員の意識といいますか、そういうものは変わってきておる。言いかえるならば、非常に組合員の組合に対する依頼度といいますか、依存度といいますか、そういうものが低下しておると、こう実は考えておるわけであります。で、その考えが間違いであればいろいろ具体的に資料を添えて御説明いただきたいと思いますが、私はどうしても低下していると思っております。そしてまた低下していると農林省としても考えておるとするならば、その低下している理由というのは一体どこにあるのかということについてひとつお伺いをいたしたい。
#40
○説明員(岡安誠君) 組合員の農協に対する評価ということだというふうに考えますが、実はこの点につきましては農林省といたしまして、ちょっと古い時点でございますが、昭和四十二年当時に組合員の農協に対する意識調査というものをやったわけでございます。いろいろこれは項目多数にわたってやったのでございますが、おもな点を申し上げてみますと、まず農協の事業運営に対する評価をどういうふうに考えているかという点でございますが、現在の農協が積極的に活動しているというような評価をしている者が約三分の一の三三%でございます。三三%という数字をどういうふうに考えるかという問題でございますが、私どもとしましては、まあいわば世間一般の農協に対する評価とそうは違っていないというふうに思っております。
 それから、それじゃあそういう農協に何を期待するか、積極的にやってもらいたいかという点につきましては、その二三%が営農指導体制を強化してもらいたいというふうに言っております。それ以外では営農資金の貸し付けを増大してくれとか、農業生産資材をもっと大量に供給してもらいたいということもございますが、やはり営農指導をやってもらいたいというほうが多いようでございます。
 それでは営農指導と関連しまして、それじゃあ営農指導というものを農民がどのくらい受けているかということにつきましては、農民の約六〇%はいろいろな形でもって営農指導を受けておりまして、その六〇%のうちの半分は農協の営農指導を受けているというふうに答えております。そういたしますと、やはりもちろんさらに営農指導の充実ということを望んでいる面もございますが、相当程度農協も営農指導には力をいたしておるというふうに私どもは考えるわけでございます。
 で、問題はやはり物資の購入その他でもって利用率が問題でございまして、物資の購入等で農協以外から物を買っている者がどのくらいいるかという調査では、九五%がいろんな形でもって農協以外からも物を買っている――全面的ではございません、いろんなそういうことがあったということを言っております。そういたしますと、じゃなぜ農協を利用しないかというような理由につきましては、サービスが悪いとか、ほかに比べて値段が高い、非常に農協まで遠くて不便だということもございますが、そういうようなことで農協を利用しなかったことがあるというようなことを言っているのでございます。
 まあそれ以外にもいろいろ調査をいたしましたけれども、大体まあすべての農協が農民の要請にこたえるような十分な活動をしているとは言えないと思いますが、相当程度の農協が農民の要望にこたえるべく努力をしているというふうに私どもは考えます。
#41
○村田秀三君 まあ非常に低下しておるということでありますから、これは年次別に比較をしてみるということであると低下の状態がどうであるかということがわかるわけでありますが、いずれにいたしましても、四十二年度といいますならばそう古いほうでもないと思います。四十二年度でこの状態であります。私は今日の状態はもっとやはり低下してるという想像をいたします。
 と申しますのは、今日農協の合併、そしてそれが大型化されておる、支所の活動がほとんど停滞をしておる、こういうふうな事情、それから都市周辺の農協というのはますますこれは農業的色彩というものが薄くなってくる、こういう傾向がどんどんあるわけでありますから、いま報告を聞きましたものよりももっと低下してると見ざるを得ない。そうしますと、はたしてこういうことで農協の活動がその法律に基づいて正しく機能しておるのかという点になると、どうもやはりいささか憂慮にたえない事態ではないかと思うんですね。
 そこで、これは質問の内容と苦干はずれるわけでありますけれども、先ほど来論議をいたしましたものとも関連するわけでありますが、その農協というのは事業体であるのか、企業体であるのか、あるいは運動体であるのか、この点のところをもう一度やはり確認してみたいと思います。――いま局長おいでになったようでありますけれども、発言の当初は聞いておらないと思いますから、どうぞ参事官のほうから……。
#42
○説明員(岡安誠君) 運動体であるか企業体であるかという御質問、なかなかこれ、一がいにお答えにくいのでございますが、私どもは、午前中も申し上げましたとおり、農協というものはやはり組合員の経済的、社会的地位の向上のために各種の事業をいたすということが目的でございます。で、究極的には組合員の利益擁護といいますか、確保のために許された範囲内の仕事をするわけでございますが、その範囲というものはやはり農協法の規定がございまして、それぞれの事業ということになっておるのでございますから、やはり私どもといたしましては、まあことばの点でございますけれども、運動体というように理解するのはちょっとなかなかむずかしいといいますか、そぐわないような感じがいたしまして、むしろやはり農協というものはその行なう事業を通じまして組合員に奉仕するということを第一の目的といたしておるというふうに考えております。
#43
○村田秀三君 別に論議をするわけじゃありませんが、私は農協の理念というのは高揚せねばならないと考えておりますし、さらにまた、先ほど来いろいろと申し上げてきたそのことは、実はここにあるんですね。なるほど、これは組合員が出資をいたしまして、そして事業を行なっておる、その事業を通じて恩恵をそれぞれ受ける、このことはわかりますね。しかしそれはそれ自体一つの事業であるかもしれないけれども、その事業というのは、つまり組合員とそれからその事業との相関関係の中でそれを拡大発展させていかねばならない、つまり組合員同士の農協に対する認識を高め、意識を強め、そして団結をしてころがっていく、運営をされていく、こういうものであろうと思うのですね。だとするならば、これは私は一つの運動体である、運動をする組織体である、そう理解しておるわけでありますが、いま参事官のおっしゃるのには、運動体としての規定のしかたというのはいささか問題があるような発言でございましたが、そうしますと、先ほど来いろいろ御答弁をいただきましたその内容と私はまた変化してくるような感じがいたします。その点どうですか。局長はこの問題については、六十一通常国会の中でも相当に論議をされて、答弁をされておられるのでありますから、その辺のところをひとつ明確にしていただきたい。
#44
○政府委員(池田俊也君) いろいろ御議論があったようでございますが、私どももその農協の事業全体をとらえてみますと、これはやはりいわゆる協同組合運動――一つの農業に関する協同組合運動ですから、そういう意味では運動体であるという理解もあり得ると思います。特に私ども考えますのに、産業組合当時はまさにそういう感じが強くて、従来かなり非常に恵まれない条件のもとにあった農村の経済的な改善をはかろうということで、一つのそういう理念がありましてその運動が活発に行なわれたわけでございます。で、そういう点においては農協でも私どもは同じだろうと思うわけでございます。
 ただ、これはどういうとらえ方をするかということだと思うのでございますが、いわゆる企業体でないことは非常にはっきりしておることで、要するにその事業を通じまして、組合員の利益につながるような事業運営が行なわれるということから、企業であれば当然事業自体が目的でありますから、そういう意味では企業ではございませんが、要するに組合員の利益になる、つながるというための事業でございまして、それは一つの協同組合運動としてやってまいっておる、そういうような意味で、ある意味では運動という、運動体であるというとらえ方もございますし、あるいはまた、ある意味では組合員の事業ということで事業体であるという言い方もできると思います。
 いずれにいたしましても、最近、特に戦後におきましては、過去からのつながりがございまして、もう協同組合運動としてはやや確立をしたというような形に相なっておるわけでございまして、そういう意味でややそういう感じが薄れてきているのではないかというあるいは御指摘であろうかというふうに考えておるわけでありまして、その点に対しましては、私ども常にそういう本来の趣旨に立ち返って事業をながめ直すことが必要であろう、こういう気がいたします。
#45
○村田秀三君 確立して、そのために意識が薄れる、これはあり得るわけですね。いまそこにあるものが常態としてあったというような感じを持って、空気のごとく、その利益であるとか恩恵の度合いというものを心の中に感じないという、そういうものもあろうと思いますね。これはいろいろな面でも言うことができる。しかし実際問題として、先ほども報告ありましたように、農協という農民の意識の結集体である事業体の中に、これがなければおれは生活できないんだ、これを強めていって、そしていわゆる外部のいろいろな圧力を加えるところの要因と対抗していこうというところの意識があるいは意識調査の中からも出てきておって、それがむしろ今日低下しているであろうと推測される。その原因は、ではなんですか、これは。
#46
○政府委員(池田俊也君) いまもお話があったわけでございますが、要するにいまの農協というのは過去のいわば蓄積の上に乗っかっている。それから農業会なんかはちょっと変形でございましたが、いずれにしてもそういう蓄積の上に乗っかるということが、新しく組合としての形はできましたけれども、実質的にはそういうことでございますので、特に自分たちが組合をつくってこういう点の改善をはかるという意識が比較的に薄いのではなかろうかと、こういう感じがいたします。
#47
○村田秀三君 いや、だからどうしてそういう意識が薄くなったのかということを聞いてみたいわけですが、しかし、私が、あろうという問題提起をしながらひとつ論議を進めてみたいと思いますけれども、これは法案とも関連する問題でありますが、農協合併助成法、これができました。そして合併が進んでいく。その結果は資料で出ております。大別しますと、やはり一千名程度の者が、あるいは二千名ですか、多いのではありますけれども。それ以上に五千名などというような組合も実はあるわけですね。そうしますと一であるから、総代会を設置して、総代会に相当の権限を与えるというような、これは法改正の趣旨であるわけですが、直ちにこれは大型化したというそればかりではなくて、かりに五百名、三百名であろうとも、総会を開催すれば成立要件に満たないというような、そういうこともあってこういう改正が行なわれようとしておる――ということを、前回の審議の経過の中の理由を聞きますると、承知をいたします。そうしますと、これは意識を低下させるところの一つの理由と原因を、むしろ行政的につくろうとしているんじゃないかというふうにさえ実は考えておるわけでありますので、結局この合併助成法を見てまいりますると、まことに表現としては適切な表現をされております。合併の規模は「適正かつ能率的な事業経営を行なうことができる農業協同組合を広範に育成して農民の協同組織の健全な発展に資する」、そして、組合と組合員の間における協力関係が強化されるものでなければならないような趣旨であると思います。それは、結果的に、これが実行の面で実現されておらないところにも私は問題であるんじゃないかと、こういうような感じがひとつするわけであります。この合併助成法が成立をいたしまして、実際に合併が進められるときに、しからば、適正にかつ能率的な経営規模というのはどういうものであるかというような一つの準拠をつくって指導に当たったのかどうか、その点をひとつ聞いてみたいと思います。
#48
○政府委員(池田俊也君) 非常にはっきりした、たとえば組合の数で申しますと、このくらい以上とかそれから職員の数にいたしますとこのくらい以上とか、そういう具体的な基準をお示しをして合併の指導をしたというふうに私どもは承知しておらないのでございますけれども、それならば全く何にもなくて、まあ適当に考えろ、こういうことであったかというと、必ずしもやはりそうではございませんで、一応の目安としては、これは一つの、常にあてはまるというわけではございませんけれども、おおむね戸数が一千人程度というようなことで、非常にはっきりした基準ではございませんが、そのくらいの以上のものが要するに一つの事業を行なう場合のいろいろな経済的な基礎と申しますか、単位としては適当であろうというようなことで、ごく抽象的な指導はしたわけでございますけれども、非常に具体的な基準をきめてやったということではございません。
#49
○村田秀三君 必ずしもこれは農林省の責任だなどというものの言い方をするつもりはありませんが、しかし、合併によって地域が、区域が広大になる。とりわけ、これは市町村の合併によりまして行政区単位に一つの農協というような考え方が成り立つとするならば、これは福島県の場合なんかは、いわき市という広大な地域があるわけです。もっとも、これは一つ行政区の中で全部合併をしたというような事実はまだないようでありますが、しかし、合併の動きはある。これは五千名、六千名という組合ができてしまって、そうして実際に支所の活動を見てまいりますると、それはそこにつながるところの農民の意識が低下するのは当然なんですね。だから、農協というものによって農民の共同を強めて、そうして農業生産を上げなければならないという目的とは相反するところの措置がいままで行なわれており、かつ、今日も行なわれようとしておるという点について、非常に問題があると私は思うわけです。
 とりわけ、そこから出てくる総代会の問題、これはもう、この前の論議の内容を見てみますると、労働組合の例なんかも出ておるようでありますけれども、これは労働組合とこれは違うのですね。少なくとも地域共同体という前提の中から生まれてきて、職能的に農協というものが創出をされたということであれば、これは一人一人とつながらなくちゃならない問題ですよ。もしも総会が開けない、参加しないということであるならば、役員は個別に訪問をしてまでも農協の精神を説き、かつ農協に対する協力を要請し、そうして総会に出てくるようにしなければならない。よしんば会場がないということであっても、五人までこれは代表権を持つことができるわけです。だとすれば、五人の人と個別に相談をして、あるいは意見を聞いて、そうして総会に出るということは可能であるわけです。その可能であるという前提に立ちながら、なおかつ総代会を設置して、しかもそれに権限を与える。言ってみれば、上層部だけで適当に運営できるというような、そういう良心を持っていない人は私はおらないとはと思いますけれども、しかしそういう道を開けという、これを肯定していこうということです。このことは、やはり農協の精神を低下させる一つの重大な要素を行政的に与えるものであると、制度的に。こう実は理解するわけでありますが、その点はどうですか。
#50
○政府委員(池田俊也君) そこのところはいろいろな考え方があり得ると思うわけでございますけれども、私どもはやはり組合員、の連帯感といいますか、共同意識といいますか、そういうことが非常に大事であるということはもちろんでございますけれども、同時にやはり経済がだんだん発展をしてきております社会におきましては、農協としてもあまり昔のままの非常に素朴なかっこうではなかなか対応できないという面が出てきておりますので、やはり組合の経営基盤といいますか、そういうものを強くしていかなければならないという、一方におきましては要請を持っておるわけでございます。
 そういう点から考えますと、やはり組合の合併というものを進めなければならないと、それで合併の結果、相当大きな規模になりました場合には、なかなか総会を開くというのが実際問題として非常にむずかしいという事情がございます。かりに、そういうことで全部の組合員が出てくるわけではございませんから、一応総会というかっこうは残しておいて、他の出席する組合の方にお願いして組合員の意識を総会に反映させるという手もございますけれども、実はどちらがいいだろうかという問題だと思うわけでございます。
 そうなりますと、たとえば非常に大きな組合が総会を開いたところが、ごく少数の人が常に出てくる、その方が多数の委任状を持ちまして実際に組合の意思を代表するという形をとるのがよろしいか、それよりもむしろ総代会というかっこうをはっきりさせて、そして総代の方は責任を持って、たとえば部落におきます意向を取りまとめてそれを総会に反映させるあるいは総代会に反映させるという形をとるのがいいのか、どちらかという問題でございます。どうも私は実態を見ていると、現在の規模の大きな組合の総会というものは、やや形式的に流れてしまってあまり討論をするとかいうことなしに賛成、賛成ということで終わるという例が比較的多いように思うわけでございます。それよりもむしろ総代会というものをはっきり確立をして、権限を広げて、そうしてそこでは権限を持ってやる、一面では部落会等を活用しまして十分意向の取りまとめをするということのほうがむしろ組合員の意思を的確に反映できるのではないかと、こういう考え方でございます。
#51
○村田秀三君 非常に疑問を持っているわけでありますが、論議を重ねても、それ以上は出ないと思いますので、次の問題に移ります。
 開拓行政といいますか、昨年臨時国会におきまして開拓者資金特別措置法が成立をしたわけでございます。そしてこれは新聞等の表現を借りれば、開拓行政の打ち切りというような、これは新聞ですから、農林省は決してそうは言っておらないと思いますけれども、少なくとも開拓行政の収拾といいますか、撤収といいますか、そういうようなやはり方向、道筋をいまとっておられると思います。そこでとりわけ資金特別措置法が制定されて以降、開拓農協の動向、これについて把握をしておればひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#52
○政府委員(中野和仁君) 必ずしも負債整理法ができましてからのあとの組合の状況ということではございませんけれども、概略申しますと、開拓農協は全国で約三千八百ございます。その中でわれわれの統計によりますと、十五戸未満で組織されている開拓農協が約千八百ございます。それからいわば経済事業、それから信用事業、その他総合的にやっております開拓農協につきましての数でございますが、これが約百、それから経済事業だけやっておりますものが四百ございます。それからそういう開拓農協の中で事実上休眠していると申しましょうか、休業状態にあるものが約千ございます。いずれにいたしましても歴史的にいいまして、入植者が当初入りました者だけでグループをつくりまして機能組合をつくったところから発展してきておりますので、非常に組合員の規模が小さいわけでございます。
 それがどういうふうに組合員が分布しておるかと申し上げますと、いま申し上げました現在開拓農家は全国で十一万一千戸ございますけれども、十五戸未満の組合に入っている組合員が一万二千一尺反面、百戸以上の組合に入っている開拓農家が三万五千戸というような状況になっております。こういうふうになっておりまして、当時開拓行政といいましょうか、開拓の公共事業その他で特別の対策として注ぎ込んでいる間は、いわばそれの末端の受け口ということになってきておりました。しかし先ほど御指摘がありましたように、大体開拓農家に対する特別の対策ということが終わってまいりましたあとは、そのまま放置をするということはもちろんできませんので、できるだけいろいろ一般農政で手厚い保護を加えておるのも、いろいろな政策を開拓農家にも適用したいという基本的な考え方をもちまして現在そういう事業を進めておるわけでございますが、そういうことになってまいりますと、必ずしもいま小さいものをそのまま残しておくということが無理かと思います。そこですでに四十四年度から、各都道府県の都道府県開拓審議会に総合調整部会というのを設けまして、開拓農協の再編整備を含みまして、今後開拓農家をどう持っていくかということを現在それぞれの地域の実情に即してやっております。
 その中で問題になりますのは、先ほど御指摘のありました開拓農家の負債整理の問題と、それからそういう農家をどういうふうにこれから農協に結びつけていくかという問題でございます。われわれは先ほどの――御説明で申し上げましたように、開拓農協、現在のままでこれを育成指導していけるという開拓農協も現在のわれわれの推定では約二百ないし三百という数になっております。あとの開拓農協は非常に小さいものですから、その開拓農協同士の統合という問題も必要かと思います。また、もはや開拓農協としての存立の余地はないということで、総合農協に吸収合併をするという必要があろうかと思います。そういうことで現在各県におきましてそういう開拓審議会の部会を中心にいたしまして、地域の実情に即してどう持っていくかということを現在取り進めている段階でございます。
#53
○村田秀三君 ただいまのような実情、これは概括的にお伺いいたしましたが、私も実は開拓農協が変化しようとする実情を一つ承知をいたしておるわけであります。非常にいろいろな関係がございますから、その実名は申し上げませんが、一つの例を申し上げますると、五十五戸の開拓農家があるわけですけれども、そのうちの三十五戸これが農公園という名称でありますが、これは新聞にも出ておりますから、あえてそういうことを申し上げてもいいと思いますけれども、農業生産法人を構成しようとしておるわけです。名称は農公園、こういうことでありますけれども、内容を私は詳しく知りません。しかしながら、その中でいろいろな問題が起きているわけですね。
 それを大別いたしますると、少なくともいままで一つの共同体として開拓事業に携わってきた農協の経営、そうすると、それが変貌をするために解散をする。そうすると、解散をする際の財産の処分、これがなかなか問題がある。つまり、残ってどこまでも農業をやっていこうとする者とそうでない者、農業をやっていこうとする者にとっては、開拓財産であるところの防風林であるとかそういうものを伐採されては困るという一つの意見が出てくるわけですね。ところが、これが解散をするについて財産を配分せざるを得ないという実情が出てきておるわけですね。それともう一つは、農業でずっとやっていきたいという者が、その二十戸が一カ所にまとまっておるわけじゃありませんから、点在をするわけですね。そうすると、つまりいわゆる解散をして別な形に変化しようとする者とあくまでも農業をやっていきたいという者との対立、あるいは営農条件の変化、こういうことが出てきて、むしろ営農をやろうとする者に対する圧力が強まっておるという話も実は聞いておるわけです。
 これはたいへんなことだと私は思うわけですけれども、いま私はそれに対して質問というよりも要望をしておきたいと思うのでありますけれども、営農をどこまでもやっていきたいという者は、営農の条件をくずされることのないように、やはり開拓行政の中では細心の注意を払うべきではないか、こう実は思っておるわけです。そして同時に、またその中にいわゆる総合農協に再加入するという問題も出てきましょう。しかし、部落間あるいはその組織内の人的対立がそのまま持ち込まれていく、こういうことにもなってくるわけでありまして、それがつまり総合農協にかりに移行していったとしても、やはり大きな事業体運営の隘路になる、こういうことも考えられるわけでありますから、それらの点については細心なひとつ注意を払いつつ、いわゆる農業者が困ることのないように指導してもらいたい、実はこう思うわけですが、その辺についての御意見をひとつ承っておきたいと思います。
#54
○政府委員(中野和仁君) ただいま例をあげてのお話でございますが、間々そういう例がございます。と申しますのは、入植いたしました当初に比しまして社会、経済条件も変わりまして、あるいは馬産が衰えて観光地になるとかいろんな問題がございます。その中で開拓農家がどう対応していくかということになりますと、引き続き営農を続けていきたいという農家と、それからもはや営農はやめて、そういう会社等に土地は売ってしまいたいという農家が出てくる例があります。その場合に、非常にわれわれは悩むわけでありますけれども、やはり開拓農家の指導という面からいたしますれば、残って営農を続けたい農家については、できるだけ具体的な――そういう事態に遭遇した場合にどう持っていったらいいかということを、県庁を通じあるいは直接農政局を通じまして具体的な指導をしていきたい。その場合に、残った者の農協をどう持っていくかといった場合、先ほど御指摘がありましたように、総合農協に吸収していただくのがいいのか、あるいは残った者だけで組合をやっていけるのか、その辺も含めて細心の注意を払って指導をしていきたいと考えております。
#55
○村田秀三君 その問題はその程度にとどめまして、次に都市農協の問題です。非常に都市農協についてはむずかしい問題がありまして、どの程度のところを都市農協というのか、その限界はいろいろむずかしい問題はあろうかと思いますが、この都市農協の実態というものをどのように把握して、そうして、ずいぶん抽象的な言い方でありますけれども、どう対処しようとされるのか、この点についてお伺いしておきたいと思います。
#56
○政府委員(池田俊也君) 都市農協のつかまえ方というものはいろいろあると思うわけでございますが、要するに私どもは都市の周辺にある農協で、組合員の中で農業をやっている方がむしろ少なくて、それ以外のことをやっておられる方が多いというような組合であるというふうに一応考えておるわけでございますが、そういうことで大体調べてみますと、現状は全体の農協数の大体二ないし三%程度、こういう状況になっているわけでございます。まあそういう都市農協の実態というものは、これは大体共通でございますけれども、要するに農業に関連した事業というもののウエートが非常に減りまして、信用事業でございますとかあるいは共済事業というようなもののウエートが圧倒的に多いと、そういうのが一応一般的な状況だと考えておるわけでございます。
 こういう都市農協について、一体農協制度の中でどういうふうに考えていったらいいのかという問題でございますが、これは非常に私どもむずかしい問題だと考えておるわけであります。といいますのは、そういう農協でございましても、その中でやはり一定割合の農業者の方がおりまして、農業を営んでおるということでございますから、そういう事実をやはり無視はできない。一方では先ほど申し上げたような色彩が非常に強くなってきている、こういうことで、それをどう調和するかという問題でございますが、私どもの現状におきまする考え方としては、いま直ちにこれを制度面でどうこうと、たとえば農協組織からそういうものを除外いたしまして、信用協同組合であるとかあるいは消費生協であるとか、そういうものとして再編成するというわけにもまいらないのではなかろうかと思います。
 特に、都市周辺におきます農業というのは非常にむずかしい問題がございますから、そういう農業者の方のめんどうを見るというと語弊がございますけれども、そういうための事業というものをやはり当分は考えていかざるを得ない、こういうことでございますから、どうも制度的にそういう別扱いをするわけにもいかない。しかし、そうかと言いまして全くそれについては何らの問題意識なしにほうっておいていいのかというとそうもこれはまいらないのではなかろうかということで、私どもはそういう実態に応じまして、たとえば今回転用農地の扱いができるような改正をお願いしておるわけでございますけれども、これも実際は私どもはやはり都市農協が非常に関係する面が多いわけでございまして、そういうやはりそれに順応する一つの体制もあわせて考えていく、将来はさらにもう少し分化がはっきりいたしますならば、これは制度的に何がしかの方向を考えざるを得ないのではないかという気持ちも持っておりますけれども、現状はそういう体制でまいりたい、こういうことでございます。
#57
○村田秀三君 非常に何と申しますか、すかっとしないような答弁なわけでありますが、まあ一部農家もおる、こういうようなことでございますけれども、農業をやる人がいない、したがって農民もいない、こういう、全くそういう状態というのはないのですか、お伺いいたします。
#58
○政府委員(池田俊也君) 私どもが承知しております限りでは、現状ではまだそこまでのはっきりした形のものはない、やはり全体の組合員の中でたとえば二割とか三割の方が農民で農業をやっているというようなのがほとんど大部分でございます。
#59
○村田秀三君 そうしますとこれが全く農業をやる者がいなくなった時点では改組しなければならないというのか、いろいろと問題があるから将来はこれは改正も検討していかなければならないというのか、そういうことについてもひとつ、なかなかむずかしいところだと思いますけれども、御答弁いただきたいと思います。
#60
○政府委員(池田俊也君) 制度的に申しますならば、十五人農民の方がおりますれば、組合としては存続できるわけでございますけれども、それは非常に極端な場合でございまして、かりにそこまでいかなくても、全体の組合員の農業者の方が一割以下であるというようなことになってきますれば、これはやはりもう性格としてはいささか農協とは言いにくいもののようではなかろうかと思いますので、そういうものにつきましては、あるいは他の組織に編成がえをするということも実際問題としては起こってまいろうかと思うわけでございますが、現状ではまだなかなかそこまではまいっておりませんし、特に私どもはやはり都市近郊の農業というものはなかなかむずかしい問題がございますから、やはりそのための農協の事業というのは当分は必要なのではなかろうか。しかし将来の問題といたしまして、かりにそういう事態が起こってまいりますれば、これはやはり考える必要があるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#61
○村田秀三君 大臣、どうですか。
#62
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど冒頭にお話のありましたように、社会情勢、経済情勢の変化に応じまして、いまお話のありましたような傾向が都市近郊にはだんだん出てきております。もうそれならば生活協同組合でもいいではないかというふうな考えも出るわけでありますが、これはそのところところに即しまして、やはりいろいろな事情もあると存じます。そこで私どもといたしましては、やはりそういうことを勘案いたしまして、そういう傾向に対してどう対処していくかということにつきましては、組合の方々とも接触いたしまして、慎重に検討して間違いのないように指導してまいりたいと思っております。
#63
○村田秀三君 その問題は後ほどまた触れてみたいと思いますので、暫時保留しておきます。
 次の問題ですが、法案に関係する部分ですが、農協による農業経営の受託の問題です。その中で表現としては、「委託を受けて農業の経営を行なうことができる。」、こうなっておるわけですね。非常に微妙な表現だと私は思うのですが、借地なのか、つまり小作なのか、あるいは端的に言ってこれは経営委譲なのか、あるいは部分的に委託を受けるという問題なのか、あるいはまた――まあいろいろ御答弁をいただいて新しい質問をしていきたいと思うのですが、聞くところによると一定のいわゆる作業最といいますか、全体を通ずる作業量あるいは部分的な作業量、これを農協がとって、そして収益は全部委託者に還元すると、いろいろ言われておるようでありますけれども、実際はどうなのかひとつ具体的にお答えをいただきたい。
#64
○政府委員(池田俊也君) これは、農協が組合員の委託を受けて農業経営をやるわけでございまして、そういう意味合い、逆に申しますと組合員自体が農業経営をやるということは考えておらないわけでございますが、それは別にいたしまして、いまのお話の点につきましてはこれはやはり農協と組合員との間のいわば取りきめの問題にはなるわけでございます。どういうようなかっこうで委託料を払うか、こういう問題でございますが、こういう方向で指導したらどうかと考えておりますのは、やはり初めに一定額の委託料をきめまして、そしてそれを農協に支払いをする、そしてそれ以外の収益といいますか、その農業経営をやりましたあとの、結果の果実といいますか、それは委託者に帰属をすると、そういうふうに指導するのが一番よろしいのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
#65
○村田秀三君 そうすると、これはあれですか、組合員と農協とが相対で話し合ってきめる、こういうことなのですか。そうするとこれはまあこういう方法がよかろうというようなことも言っておりましたが、それは請負と変わりないということになるわけですか。単年度でもよろしい、あるいは十年、二十年とやってもよろしい、そういう問題はどうですか。
#66
○政府委員(池田俊也君) 期間につきましては別段制度的な制約はございませんけれども、私どもは農協が引き受けてやる以上は、これは当然相当集団的に引き受けてやるのがその本来の趣旨にかなうと、そういうふうに考えておりますし、そういうことになりますれば、これは農協がたとえば大規模な機械を持って、そしてオペレータ一等を置いてやるということに相なるわけでございまして、そうなれば途中で一年だけやってみてそしてあとはまた考えるということでは計画も立たないわけでございますから、やはり相当の期間委託をするという取りきめをするのが本来の趣旨から見て望ましいし、そういう指導も実はいたしたいと、そういうふうに考えているわけでございます。
 それから、作業の委託と同じなのかということでございますが、私どもはこれは特定の作業だけを農協に委託をすると、こういうことを考えているわけではございませんで、たとえば水田なら水田につきまして、特定の水田についての経営を一切農協にまかせるということでございますから、たとえば水田で稲をつくるという前提の上にたとえばどういう栽培のしかたをするかとか、どういう品種のものを植えるとかいうことを含めまして一切の経営といいますか、いわゆる経営の管理を全部まかせるということでございますから、いわゆる作業委託とは若干違う、ただ、従来の作業委託の中で、特定作業の委託というものと作業の全部を委託する場合がございます、作業の全部を委託しております場合には比較的近くはなってまいりますけれども、やはり本質的には性格は違う、そういうふうに考えております。
#67
○村田秀三君 そうしますと、これは経営を委託を受けてやって、結果的に損害をこうむった、まあ凶作であったという場合ですね、その損害はどうなりますか。これは委託者が負担をするということですか、農協が負担するということですか。
#68
○政府委員(池田俊也君) これはまあたとえば定額の委託料を農協に払う。ところが凶作等でなかなか委託料をカバーできなかったという事態もあり得るわけでございます。そういう取りきめをしておれば、これは当然委託をした人がまあしようというか、そういうかっこうに相なるわけでございます。
#69
○村田秀三君 そうすると、その作業経営の全部は農協にやってもらう。作業量をきめて取るのだ、損害をこうむった場合には委託者が負担をするのだ。そうしますと、これは私は非常にむずかしく考え過ぎるのかもしれませんが、どういうことになるのでしょうか。経営委譲とはもちろん違うわけですね。これは請負ですね、一種の請負、そういうことになりますね。
#70
○政府委員(池田俊也君) 請負ということの意味をどう理解するかという問題だと思いますけれども、私どもはまあ請負というのは、たとえば作業のその果実がどういうふうにどちらに帰属するかということになりますと、まあいろんなかっこうがあるとは思いますが、今回の場合は、先ほども御説明いたしましたように、委託者に全部それが帰属をする、こういうことに考えているわけでございまして、いわゆる請負の場合にそういうかっこうになっておるのかどうか、ちょっとつまびらかにいたしておりませんけれども、まあそういうような点においてやや違う点があるのではなかろうかというように考えております。
#71
○村田秀三君 この請負というのは、私の理解では、とにかく個別に作業量をきめてそれで賃金を払って、年間幾らで契約をして取れたものは全部もらう。だから結果的にはこれは損害はもちろん委託者が負担をする。こういうことですから、だから形としてはこれは経営委譲でもないし、請負なんですね。
 そこでお聞きをしますけれども、これは農地法と関連する部分だと思いますが、農協に委託をして自分は東京に出稼ぎにいっておる。これが一年あるいは五年、十年、こういうことになる可能性というものもあるわけですね。農協が、いいや、おれはあそこつくったのだが、どうも苦労ばかりして困るからひとつやってくれというような話になればまた別でしょうけれども、まあいずれにしてもそういう形になるわけです。そうしますと、農地法の関係で――私の理解が間違っておれば指摘をいただきまするけれども、これは農協に経営を委託して、そして東京に引き揚げていった場合には――いわゆる東京とは限りません、居住地以外に移転をした場合でも、これはまあ制限がないことになるわけですね。不在地主は大体二十ヘクタール、これが一代限り、いわゆる後継者のあれですか、そうなっておるようでありますが、これは農協に委託した場合には、全然そういう制限措置といいますか、規制というものはない、こういう関係も出てきます。それからもう一つ考えてみますと、いま衆議院で審議をしております農業者年金、これは経営委譲した場合に有利な年金を受領することができると、こうなっておるわけでありますが、農協に委託をした場合、これは経営委譲とみなされるのかどうか、そういう問題も含めてひとつこの際御説明をいただきたい。
#72
○政府委員(池田俊也君) 前の御質問でございますが、要するに組合の地区外に転職等の理由で移転をいたしまして、農協にそのまま経営の委託をしておきたい。こういうような方もあるわけでございますが、そういうものにつきましては、これは法律の中で、改正法の中で、委託をいたしましたときに組合員であった者あるいはその同一の世帯員でありました方については、これはそれを認めるという特別な規定を置いているわけでございますからこれは問題がないわけでございますが、そうじゃないような場合にどうなるかという問題があるわけでございます。これは農協法のたてまえからいたしますと、員外利用につきましては別段東京に行った場合に云々という明文がないわけでございますけれども、まあ実態といたしましてそういうようなものが好ましいかどうかということになりますと、これはまた別の問題があるわけでございます。で、ただやはり一方では農協による経営受託というものをこれは存続させたいという希望もあるわけでございますから、そこらのことも一方では考えなければならないと思うわけでございますが、まあこの問題は農地法の運用にも実は関係をしてまいりますし、やはりあまりそういう方が非常に無制限みたいなかっこうで農協の経営委託というものを利用するというかっこうは好ましくございませんから、一定の範囲にやはり指導方針としては制限をいたしまして指導をするのが必要なのではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
 それから後段のお尋ねで、農業者年金の制度に関連いたしまして、かりにあの制度ができましたときに農協に経営委託をした場合に、それはいわゆる経営委譲に該当するのかどうかという御質問だと思うのでございますが、これは法律の上では必ずしも明文はございませんで、むしろ実際は政令をどうきめるかという問題だと思います。で、私どもが政令で定めるものといたしましては、実はたとえば生産法人に土地を譲渡した、あるいは使用収益権を移転をしたという場合はもちろん考えておるわけでございますけれども、これは今後の検討の問題だとは思いますが、やはり方向といたしましては、農協に農業経営の委託をした場合も経営委譲があったというふうに考えるのがよろしいのではなかろうかというふうに現在は考えております。なおこれはさらにいろいろの点を検討いたしまして、政令の中身といたしまして確定をしたいとは思っておりますけれども、方向としてはそういうふうに考えております。
#73
○北村暢君 ちょっと関連して。
 ただいまの農業経営の委託を受ける――受託をして経営をやっていくということが農協の事業として新たに加えられると、この場合、組合そのものが農地を取得するということは、農業協同組合としては農地の取得まで含めて考えておる、要望しておる、こういうようなことはないのですか。
#74
○政府委員(中野和仁君) ちょっと農地法との関係かと思いますので申し上げますが、今度農協が経営の委託を受けます場合に、委託契約そのものについては、その土地についての権利が移動するというようなことはございませんけれども、少なくとも農協が組合員から土地を預かりまして、そこで経営をやるという以上は何らかその土地についての使用収益権が要るわけでございます。子こで、農地法と農協法との関係上、農地法では農協が経営を委託した場合には何らかの使用収益権が移転がある。したがいまして、これは所有権の移転ではございません。使用収益権の移転があるというふうに考えまして、その部分を許可制にかけて、知事が判断をしまして、必要な場合には許可をするということになっておるわけでございまして、いま御質問のように土地の所有権まで農協に移るということは考えていないわけでございます。
#75
○北村暢君 考えていないということですが、農民側の要望はどうですかと、こう言っている。その要望はないんですかと、こう聞いている。
#76
○政府委員(中野和仁君) その場合は、むしろ今度の農協法の改正とあるいは関係があると思いますが、農協に農地を買ってくれという問題になるかと思います。それからもう一つは、土地を誰かに売ってくれというので、現行法にもございます信託制度を活用することになるというふうに考えるわけでございます。
#77
○村田秀三君 これはまあ農地局長のお話を聞きますと、使用収益権が出ている、こういうわけですね。農政局長のほうの説明では、これは内容的に聞く限りはこれは一種の請け負いだと私は思う。請け負いと収益権を設定して、そして一貫作業をして、その収益は全部農協のものであるというのとではこれは相当の違いがあるわけですね。その辺のところはどうなんですか。どちらがあってもよろしいというのか、使用収益権を設定して完全に長期契約をして、十年間の。そしてやった場合には、これはまあかりにみなし組合員であったとしても、農業者年金の支給要件にするとか、あるいは一年限りの措置にするとか、そういうことがなければこれはいま農政局長の説明する限りにおいては、具体的にどうかということを考えてみますと、これは農家が得しますよ、委託した農家は。だから一がいに、私も農家の立場に立って考えてみた場合、必ずしも反対云々というようなことには、にわかにならないわけですが、農地は全部一貫作業でひとつやってくださいと、確かに損害をこうむった場合には、それは払いますよというよりも、もうすでにその一貫作業の作業料は、これは豊作であろう凶作であろうと変わりなく払うと、豊作の場合にはばかっともうかる。一切まかせて請け負いさしておいて、みずからは東京に来て働いておる。何年でもかまわない。制限がない。しかも農業者年金を有利にもらうことができる。こういうことになったほうが、かりにできるとすれば、そのほうがいいのかもしれませんけれども、しかし法律の体系の中でそういう理解というものは出てこないのじゃないかという感じ、むしろ私は心配しているわけですが、その辺のところを統一的に大臣、どうですか。
#78
○政府委員(中野和仁君) ちょっと統一的にというお話でございましたが、現在請け負いとか委託とか言われている場合には、民法上の典型的な請負契約の場合その他、よく技術委任ということばを使われましたりあるいは経営管理の委託、いろいろなことばを使われておりますけれども、請け負いになる場合が多いと思います。しかしその場合に普通のいわゆる請負業ということの中で、農地を相手方に使用収益をさせませんど請け負いになりません。そのために先ほど申しましたように、農地法と農協法との関係でこれを許可し得る場合にするかどうかといった場合には経営の委託をすることにより権利が取得される場合というふうに書いてございます。その権利は何かと言いますとこれは普通、使用収益権であるというふうに考えております。それをもう少し解説いたしますと、使用収益権でありますから普通はこれはただでございます。そこでの借り賃というような問題になってくるかと思うのですが、この委託の場合には、請け負ったほうが一定の手数料と言いますか、実費をもらいまして、残りは委託者に帰属させるというふうになっているわけでございます。先ほどの農政局長の説明と私が申し上げていることとそれほど差はないというふうに考えております。
#79
○村田秀三君 わかりました。そこでもう一つの疑問ですが、全体の論議をずっと見てまいりますとたとえば委託をする農地、これは非常に困難な地域、あるいはつまりまあ兼業農家である、しかも零細なもの、そういう場合には地域が一定しないで散在するであろうという場合に機械化作業はこれは不可能ではないか、こういうような質問等もあり、そして結果的にはまあばらばらであっては困るのだ、十ヘクタールであるとかあるいは二十ヘクタールまとまって機械一貫作業ができる区域を受託するのだ、こういうような説明がなされておったように見受けました。そういう考えなのかどうかということと、それからそうしますとこれは相対で話をするわけでありますから、おたくが委託を希望しているようであるけれども、農協としてはどうもこれは請け負いかねますということが、状態としてあり得る、そう理解しないとちょっと困るわけです。そういうことですが、その点をひとつ。
#80
○政府委員(池田俊也君) 大体おっしゃるとおりでございまして、まあやはりこういう事業をやるということの意味は、単に兼業農家等がなかなか農地の経営ができないので、もう農協に委託したいということだけではあまり意味がございませんので、やはりそういうものをある程度集団化して、そしてそれを農協が委託を受けまして、機械等を入れてまあ生産性のあがった経営をするとか、あるいはそういうものをよりどころにいたしまして集団的生産組織とそれをつなげていくというようなことにしてやって、初めて十分その意味を持ち得るものでございますから、私どもはやはりいまお話のございましたような方向で指導をしてまいりたい。したがいまして非常に特定の農家だけがまあ労力との関係で農協に委託したい、こういうことがございましても、農協としてはそれだけではとても引き受けられないという、こういう事態はあるわけです。
#81
○村田秀三君 そこでこれを実際に実行いたしますると準組合員、みなし組合員、全く農協の運営とは関係ないような方々が、農民が非常にふえるであろうという、こういうことも想定されるわけであります。ここにも、私は農協に委託したから、私はこの農協を非常にたよりにしていますというような感覚を持ち得るかどうかということになると、非常に私は疑問である、こういうことを一つ申し上げてこの問題は終わりたいと思います。
 それから次の問題ですが、今回の提案で初めて新しく出されました部分でありますが、農協による転用相当農地に関する事業、これは先ほど来いろいろ端々には出てまいりましたけれども、転用相当農地に関する事業、これは多分に米の生産調整、その中で十一万八千ヘクタールの転用措置、こういうものと関連をしてにわかに出されてきた問題ではないかというふうに考えるわけなんです。この転用相当農地に関する事業というのは具体的にいかように考えられておるのか、ひとつ御説明をいただきたい。
#82
○国務大臣(倉石忠雄君) これは前々から農協では希望しておられたことでございまして、いまにわかに――お話のような十一万八千ヘクタールの問題からにわかに起こってきた問題ではないわけであります。しかしながら十一万ヘクタールの他用途への転用ということを考えましたに際しましては、農業協同組合においては一番心配されたことは優良農地がスプロール化することがあっては困ると、農業の立場でそういうお考えがまた強く働いたのは組合としては当然な考えであろうと思っております。そういうことが一つ。
 そしてもう一つは、いままでも構想がありましたいわゆる農住計画、こういうことは先ほど来もお話のございましたように、社会情勢の変化によりまして農村の状況もいろいろ変わってまいります。そういうことに対処いたしまして、傘下組合員の利益を考えるということの立場で農住構想というふうなものが当然出てくる、これも当然なことだと私どもは思っておるわけであります。そういうようなことを考慮いたしまして今度のような改正を考え出した、こういう次第であります。
#83
○村田秀三君 これは前々からそういう考え方があったと、こういう言い方ですね。しかし昨年これは農地法の改正提案がなされた。そしてことしは初めてこれが出てまいりました部分だと私は思うんですね。そうしますと、どうしても十一万八千ヘクタールと関連して考えざるを得ないのですけれども、昨年はそういうような趣旨のものは出されてこなかったし、今回あらためてまた追加をされた、こういう事情の中には十一万八千ヘクタールはどうしても関連がある、こう実は思うわけです。そこで、この十一万八千ヘクタールとかりに関連をして考える場合、この転用措置が政府の計画どおりに解決をするということになりますると、この二項五号という転用措置の農協の事業というものは消滅するとまではいきませんけれども、停止されるような時期があるのかないのか、将来ともにわたって、この事業をやらせていくのかどうかという問題提起なんですが、それはどうお考えになりますか。
#84
○国務大臣(倉石忠雄君) いまお話のような御意見、御観測が出るのは当然だと思います。たまたま農地法が前回審議未了になって新しく再提出をいたすというときにこういう改正案を織り込んだということでありますので、ただいまのお話のような御観測が出るのは出がちなことだと思いますが、私どもといたしましても、先ほど申し上げましたように、農業協同組合それ自体もやはり性格的にも――基本は変わりませんけれども、時勢の変遷に応じて対処してまいらなければなりませんので、農住構想というふうなものを持たれるのはよく理解ができることでありますが、たまたまその十一万八千ヘクタールの話が出ましたときに、組合側の方々が一番心配されたのは、先ほど申しましたように優良農地のスプロール化であり、自分たちはそういうことにも対処し、またかねがね考えているような構想もあわせてみると、これは今度の改正法案のような措置をとってもらうことは非常にいいことであるという御意見もござましたし、私どもといたしましてはいわゆる十一万八千ヘクタールが解決いたしましたといたしましても、それだけからもう農協がこういう事業をやっていただく必要がないというふうなことは毛頭考えておりませんで、これはまた話がちょっとそれて失礼でありますが、私どもといたしましては、やはり幾ら一生懸命で国民あげて自立経営農家を育成しようといたしましても、わが国の傾向ではきわめて長時間、しかも十分に長い間兼業農家が継続するでありましょう。そういうような人たちの労働力等も効率的に考えますというと、やはり地方にどうしても産業が分散していく傾向、そういうことを考えてみますというと、私はあれこれ総合して判断いたしますのに、組合が、農協が考えておいでになるような農住構想というふうなものは、けだし農業者、農村の住民たちにとってたいへん必要なものであり、また効果をあげ得るものではないか、こういうふうに考えておって、私どもも積極的にこういうことをやってまいりたいと思っておるわけであります。
#85
○委員長(園田清充君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#86
○委員長(園田清充君) 速記をつけて。
#87
○村田秀三君 農住都市ということは、最近、新しいことばとして私も承知しておるわけですが、そうすると、この農住都市というもののために、もちろんそれだけではないと思いますが、先ほど来端々に、今度の新しい改定部分は、農住都市構想というものを実現するための前提としてつくられたもののように理解するのでありますけれども、必ずしもそればかりではないと思いますけれども、主としてはそうだということですか、これをお伺いしておきます。
#88
○政府委員(池田俊也君) 先ほどこの問題につきましては大臣からお答えがあったわけでございますが、農住都市構想というのが、ここ一、二年の間に、農協方面からそうい構想が打ち出されまして、建設省、建設関係の方面でも、これは考え方としては非常にいい考えではないか、こういうような空気があったわけでございますが、今回農協法の改正をお願いいたしまして、こういう規定を置くということは、確かに非常にそういう構想が現にあるということを、そういう現実の上に乗っかってそういう改正を考えたという点がございます。もちろんそれだけではございませんで、たとえばこれはいま通産省等におきましても、私どもと連絡をしていろいろ御検討願っている工場の地方分散の問題等とも関連をいたすわけでございますが、現実的には確かにいわゆる農住都市構想と非常に関係が深いわけでございます。
#89
○村田秀三君 この農住都市構想というものは具体的にどういうものなのかということについて質問してみたいと思っていましたが、それは省略いたします。ただ、住宅事情の非常に切迫したそういう地域ということになるのではないかと想像されるわけでありますが、その際に、新都市計画法がございます。この新都市計画法との関係でどうなるのかということを考えてみるわけでありますが、線引きされました区域でありますと、これは農業用地の保有といいますか、それはきわめて困難になるということが一つ想像されます。それから区域外でありますると、農業のほかに使用する場合にはいろいろな制約等があるわけでありますが、それらの事情はどのように措置をされているかという点をひとつお伺いしたい。
#90
○政府委員(池田俊也君) これは私どもやはり事柄の性格からいたしまして、比較的大都市の近郊におきまして、住宅団地と農業との調和ということでございますから、いわゆる線引きが行なわれております地域の市街化区域の中で行なわれるという場合が非常に多い。また原則としてはそういう地域において実施をするというふうに考えてよろしいのではなかろうかというふうに一応考えておるわけでございます。ただそれならば市街化調整区域の中におきましては、そういうことが行なわれるということが全くないかというと、それは必ずしもそうは申せないので、たとえば先ほど申し上げました工場が地方に分散をする、もちろんこれは農業の土地利用との調整をはかりながら考えなければならないわけでございますけれども、そういう観点からもそういう工場立地、農村地域におきます工場立地が望ましいと、こういう結論になりました場合において、それがたまたま調整区域に該当しているというような場合において、都市計画法もしくは農地法なりの許可を受けまして、そういう地域でやるようなこともこれはあり得るわけでございます。しかし、原則としては市街化区域において実施するというふうに私どもは考えております。
#91
○村田秀三君 いずれにいたしましても、私どもがいろいろ聞く限りにおきましては、どうも農協が、言ってみれば組合の利益を守るという前提に立ちまして住宅を建設する、そういうことがはたしてこれは組合員の委託によって建設をするということになるのか、それは存じませんが、いずれにいたしましてもそういうような事業というものが農協事業としてなじみ、すなおに受けとられるのかどうかという問題、あるいは農地の転用ということになりますると、おそらく現在でも私は農協の役員が農地をどうする、こうするという世話役をされているのではないかと思いますけれども、土地ブローカー的な様相というものが強くなってくるのではないかというようなことが世上言われておるわけでありまして、そういう懸念というものがあるのかないのか、これはどうひとつ考えておられるのかという問題、それから同時にそこまで農協が事業を拡大するということは、先ほど来いろいろと論議をされましたけれども、どうも私どもといたしましては農協の事業としてあるべき姿であるのかないのかということを非常に疑問視するわけでありますから、その辺に対してどのようにお考えになっておるかお伺いをしておきます。
#92
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように私どもも従来の農協の事業からするとちょっと性格の違う事業であるということは、そういうふうに考えておるわけでございます。ただこういう事業を認めるのが適当であるという結論になりました裏づけといたしましては、当然これは都市近郊等におきまして、現在農家の方が従来農地として持っておりましたものを転用いたしまして、それを民間の業者に売り渡しをして、そしてその民間の業者がさらに需要者に売却をすると、こういう事業が現在すでに行なわれているわけでございまして、そういう事実の上に立ちますならば、農家の方が農地をどうしても処分せざるを得ないときに、どうしても農協は全くタッチをしないと、するならば民間の業者にお願いをしなさいというのは、はたしてそれがいいかどうか、むしろ農協があとに残ります農地の農業的な利用計画を十分考えながら計画的に転用を援助する、そして一方では農家の利益を守る、こういうことのほうが実際にもう農地の転用ということが行なわれているわけでございますから、その現実の上に立って見ればそういうことを農協がやるのがこの際やっぱりいいではないか、こういう全体的な結論でございます。ただ御指摘のようにやや従来の事業と性格が違いますし、非常に多額の金銭の出入りを伴うものでございますから、私どもはやはり農協はこれをやる以上は相当やり方に気をつけなければならない。また問題が起きないように、私どももそのやり方につきましては厳重に監督をする必要があるということで、かなり現実的には強い監督の方針をとりたいというふうに実は考えておるわけでございます。
#93
○村田秀三君 もっといろいろ問題がございまして、こまかな点を詰めてみたいような気がいたしますが、どうも何といいますか、私らの気持ちにすとんと落ちてくるものが実はないのですね、率直にいいますと。しかしこれは政府側の態度でありますからこれはこれといたしまして、先ほどからずっといろいろと質問をしてまいりましたが、確かに今日の農協活動の分野というものは他の条件の変化によっていろいろと事業が多様化、拡大をしてきておるという、そういう傾向は認めざるを得ないと思うのです。その反面、いわゆる地域共同体という、そういう認識を与えながらむしろ農協の精神が逆に住かされていっておらないというような傾向というものを考えてみた場合、何とかうまいくふうはあるまいか。実はそれをほんとうの農協法の第一条に示されておるところの農民の共同体であり、かつ日本の農業生産の大部分をこれによってまかなっていくのだというような精神が生かされ、かつ現在多様化しているそれぞれの問題を解決をしていく、こういうことでいろいろ考えてみたわけですが、こういう考えが成り立つかどうか私自身も実はまだしかとした考え方に立っておるわけではありませんが、少なくともこの農協の発生経過、出発を考えてみた場合に、どうもやはりこの地域共同体的な性格、それがいろいろと職能的に分化をしていったと、こう理解をできるわけですね。そうしますとこれはひとつその分化した、進化したその事情というものをこの際やはり純化していくという言い方はちょっとおかしいかもしれません、目的どおりのものにだんだんと整理をしていきまして、そしてそこからはみ出した部分といいますか、外部的な要求によって、影響によって出てまいります別な事業、これもやはり地域共同体の一つとして認めていかなければならないという感じはするわけです。そういたしますと少なくとも農業なら農業、あるいは住宅なら住宅、先ほど大臣は生活協同組合にするか信用組合にするかということは考えておらないと言っておりましたけれども、私は信用組合もあるいは中小企業協同組合も消費生活協同組合も精神的に発足しましたところの時点というものは一つだと思うのですね。だとすれば、それぞれの分野を純化しながら、しかも最終的には結合していくというようないわゆる体制、体系というものがとれないだろうかと実は考えておるのです。
 たとえばよく言われるのでありますけれども、消費生活協同組合と農協が連携、提携したならばどうであるか。たとえば農協は米の小袋詰めまでもつくって、これを直接、生活協同組合、消費生活協同組合のほうに回していく。そういう連携、ずっと末端で結合できるような考え方を持つとするならば、かりにいま農協の事業の中で、農協らしからぬ事業の分野、これをなくしたとして、改組したとしても、その精神というものはやはり残るし、むしろその精神というものは高揚できるんじゃないか。こういうような考え方に立って見たわけでありますが、はたしてそういう問題は検討に値するのかしないのか、私は最近の農協の傾向というものを見るにつけても、何らかの手を打たなければならないような感じを実は持っておるわけです。そういう点についてどう理解をされるかお伺いをしたいと思います。
#94
○政府委員(池田俊也君) いま御提示になりました問題はなかなかむずかしい問題だと思うわけでございますが、歴史的に見てみますと、これは前に御議論があったかと思いますが、産業組合、その当時はどちらかというと地域共同体的な色彩が非常に強かった。それが、戦後農協法ができたときに、職能農業者が主体になる協同組合になる、職能的に純化をしたわけであります。これは戦前のいろいろな地主制度等の関係がありまして、戦後特に働く農民の共同体、こういうことで性格をつくったわけでございまして、それがいろいろその後兼業化等が進みまして、特に都市化が一方では進みまして、いろいろ複雑な時代になってきたということで、一方では地域共同体というむしろ性格づけをしたらどうかという御意見があるわけでございます。かなり有力な御意見がそういうふうになるわけでありまして、私どもも農協法の制度改正をいたしますときに、いろいろ学識経験のある方の御意見を拝聴したわけでございますが、そういう意見もかなり有力な意見としてございましたが、やはり一方では戦後農協法ができて農業者の協同組合ということで性格づけをしたのに、また今度は地域共同体だというのは、いささか方向としてどうだろうか。特に現在の農家の実態というのは、非常にいろいろ動いております、これは。私どもは今後五年なり十年の間に、また相当動くのではないかという気がいたします。その段階で、これはもうはっきり地域共同体というようなことで性格づけをするのは問題でございますし、また一方、いま先生のお話のございました職能的に純化をして、むしろ余るところを切り捨てるというか、ほかの組織でカバーするという御意見もあり得るとは思いますが、それもまだどうもいまの農家の実態から言いますと、非常に分けにくい状態だと思います。でございますから、非常に宙ぶらりんでつかみどころがないという御批判は受けるかと思いますが、私どもは、現状におきましてはあまり大きな性格変更はできないので、やはりある現実面で対応すべきところは対応していくというのが、すっきりはしませんが、現実的な方法ではなかろうかと、そういうふうに考えておるわけでございます。
#95
○村田秀三君 誤解されても困るわけですが、純化せよと言ってみても、農協で購買活動をやっていると、その購買活動は消費生活協同組合に移行してはどうかと、その部分を――こういう意味では言っているわけじゃないのです。私はつまり、いままでの農協が農協らしい事業活動がなされている地域の状態を変革しようなどというようなことを言っているわけじゃないのです。先ほど信用事業だけの農業協同組合がある。これは一割の農民の加入であれば考えざるを得ないというような御答弁もあったようでありますが、そういう問題であります。あるいはまた今度の農住都市などという問題は私も明らかにそういうことが言えると思うんですね。住宅生活協同組合というものもあるわけですね。だからその中でこれはやっていけるんじゃないかという感じも持っておるわけです。しかし、住宅生協であろうと、あるいは一般の消費生協であろうと、これはやはりそこに居住する人々が団結をしようということには変わりがないわけですから、思想的には一貫していると思うんですね。そうしますと、出発点は同じである、必要によって分化した、分化したものがなお客観条件の変化によって複雑多様化する。そういう状態を整理して、そして結果的に一人一人の国民の中では最初の出発点に帰ることができるという、そういうものを機構的に実現する、こういう意味のことを私は申し上げておるわけであります。確かに非常にむずかしいと思います。むずかしいと思いますけれども、あまりにも住宅に手をつけましたり、土建屋をやってみましたり、信用事業ばかりになってしまったりということになれば、これは確かにいまの農協に結集される方法が、仕事をふやしたり一人でも組合員を獲得したい、そのように努力しようとする姿というものは理解はできるけれども、むしろそのことのためにいわゆる農協精神というものが低下をし、いろいろな条件が阻害されてきておる。この現実を考えてみた場合には、何らかひとつこの辺でくふうをしてみてはどうかというのが私の実は考えであったわけであります。先ほども答弁がございました。大臣いかがでございますか。
#96
○国務大臣(倉石忠雄君) 農協法の定め及び農協の生い立ち等から考えまして、ただいまのお話は私はりっぱな一つの御見識だろうと思いますし、御主張の中に流れております思想について私ども深く考えなければならない深い意味があると思います。そういうことにつきましては十分念頭に置きながら、今度改正していただきます農協の運営については十分そういう考え方を持ちながら指導してまいりたいと思っております。
#97
○村田秀三君 それでは厚生省が参ったようでありますから、次の問題に移りますが、冒頭申し上げましたように、農地法についての問題、委員長、これはあとに私は譲りたいと思いますから、いずれ時間をいただくようにしたいと思います。
 それでは厚生省が参ったようでありますから、農薬のことにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
 昨日の新聞を見ますると、これは厚生省発表でありますけれども、牛乳の農薬汚染の問題、これは厚生省発表でいろいろ確認をされたということでありますが、厚生省の方、ひとつその内容について御報告をいただきたいと思います。
#98
○説明員(神林三男君) お答え申し上げます。
 実は高知県におきまして、昨年の三月の時点で高知の衛生研究所で市乳につきまして調査をしたところが、BHCが含まれているということが一応確認されまして、それをなお国立衛生試験所に報告をしてまいったわけでございます。その確認を求めて報告をしてまいったわけでございますが、衛生試験所でもなお確認をしたところが、確かにBHCであるということがはっきりいたしまして、そういう事実につきまして厚生省のほうに衛生試験所から報告が参ったわけでございます。それが大体四月の時点でございました。
 そこで厚生省といたしましては、牛乳というものは乳幼児の主食であり、毎日摂取されるものであるというような意味合いもございましたし、また動物食品全般に対してどうなっておるかということの調査も必要であると、この際緊急に必要であるということでございましたものですから、一応厚生科学研究費の一部を、緊急保留分をいただきまして、そうして北から申し上げますと、宮城、新潟、愛知、それから大阪、高知、岡山と六府県に一応依頼いたしましてその調査を開始したのでございます。それが実際に開始を始めたのが七月ごろでございますが、そのうち特に高知と大阪と愛知には牛乳の調査を依頼しておったわけでございます。で、その中間報告が十月ごろ一部私のほうへ参りましたときに、やはりどうもBHCが相当に含まれておるということが確認されましたものでございますから、厚生省といたしまして農林省とも協議しまして、そうして一応BHCあるいはDDT等の製造の禁止というようなこと、製造を自粛してもらいたいというような話し合いになりまして、それが実際に行なわれたのが十二月九日と私記憶しておりますけれども、その間になお海外のいろいろ諸情勢から、まあアメリカでもって政府でもってDDTの使用しておるのは使用を一時保留するというようなことが情報として、これは新聞でございますが、伝わってまいりまして、厚生省の薬務局でも至急有機塩素系のものにつきましては新規の許可をしばらくとめるというような措置をやったわけでございますが、その後そういうような情勢も含めて、さっきの製造の自粛を求めるという形になったわけでございます。その間に調査をいまの三県についてやっておりましたのですが、ちょうど十二月の十五日に一部新聞でこの事実がスクープされたというようなことになりまして、これはぜひ私たちとしてもやはりなま乳がどういうふうに汚染されてきているか、汚染経路を追究して、その原因をはっきり突きとめる必要があるということでございまして、この際さらに北海道と長崎を加えまして、八道府県に調査を依頼し、この際はほかの食品はとりあえずやめて、なま乳の系統調査をやろうということになりまして、なお農林省にはえさのほうをひとつ分析をお願いしたいということで、両省協議の上で新しく調査のやり方を変えて出発したわけでございます。それでその結果、一、二月と、あるいは一部の府県におきましては三月までのデータがまとまりましたために、これを先般――今月の二十一日に食品衛生調査会の中の残留農薬部会というのと、それから乳肉水産食品部会というのがございまして、そのデータを先生方にお示しいたしまして、これをどう評価するか、安全性の問題はどうなのかというようなことをおはかりいたしまして、そして一応御意見をいただきまして、さらにその数字を新聞に公表したという次第でございます。
#99
○村田秀三君 時間もありませんから、端的にお伺いするわけでありますが、そうしますと、厚生省として今後の対策はどうですか。
#100
○説明員(神林三男君) 厚生省といたしましては、とりあえず従来八道府県へ依頼して厚生科学研究費でやっておりましたのですが、この八道府県につきましては一応やはり調査研究という意味の仕事もなお続行させていただきますし、なお衛生試験所もこれに加わってやっていただきますが、そのほかにこれのネットワークと言いますか、モニタリングステーションと言いますか、そういうものを広げまして、全国的に一応調査をやってみたい、そしてこれの漸減対策を考えてみたい、そういうふうに思っております。
#101
○村田秀三君 いずれにしてもこの農薬汚染は事実であり、そのBHC系統の農薬は影響があるという、そのことだけは確かですね。これはどうですか。
#102
○説明員(神林三男君) 一応調査会の御意見といたしましては、まあ高い部分のところも出ておりますが、この結果は必ずしも一府県の中の全般をあらわすものではなくて、やはりこれは件数も五件ぐらいしかとっておりませんから、それで県全部がどうというような評価もできませんし、それからこれは八府県でございますから、全部これをもって日本全国がどうだということもできませんが、傾向としてはやはり西のほうが高いということが言えるということであります。
 それから一応安全性の問題につきましては、やはり高いことは高いけれども、これはBHCの専門家に出席していただきまして、それからなお国立衛生試験所で三カ月間でございましたが、サルの実験をやりまして、これを毎日飲ませたのでございますが、実験をやりましたこの結果では、いま直ちに保健上問題があるということはないだろうと思います。しかし、こういうような値がずっと長く持続されていくということはやはり問題があるというような見解、そこで少なくともこれを至急下げる方策をとるほうがいいじゃないかということの見解をいただきまして、それに従って、いま農林省と協議しまして至急これを下げるべく措置していきたいと思っております。
#103
○村田秀三君 農林大臣にお伺いいたしますが、農林省としては英断を迫られていると思うのですね、率直に申し上げまして。それでいままでも農薬全般についての意見でございましたが、四十一年に予算委員会においてこの農薬問題が提起されて、そうしてこれは早急に対策を立てなければならぬという総理大臣の答弁もありました。それ以降おそらく農林省としてもそのまま放置しておったわけではないと思いますけれども、まあ二つの問題をお伺いいたしますが、今日まで農薬に対してどう対応しようとする対策を持っておったかということと同時に、いま厚生省から参りました方の説明によりますとおり、被害は確定的である、少なくとも自粛せよというような、そういうような問題ではなくて、もう禁止しなければならないというような時期に来ているのじゃないかという感じがするわけでありますが、大臣どうでありましょう。
#104
○国務大臣(倉石忠雄君) 特定毒物のパラチオン等の生産を四十四年未で中止いたしております。ほかの低毒性農薬の普及推進をはかっておりますし、低毒性農薬の比率が年々増加いたしておることは御承知のとおりでありますが、新聞の記事を私も読んでみました。ただいま厚生省のほうから御報告のありましたように、これは実験の結果について、ただいま結果も申しましたけれども、これから続いてBHCの入っておるようなものを家畜等に食わせないようにせよ、こういうことでございます。私ども今度こういう問題が起きます前にすでに厚生省と農林省の担当官は十分打ち合わせをいたしておりまして、いまお話のありました西日本の地域でたいへんウンカが発生をいたしまして、そのためにBHCの含有しているものの農薬を使ったと、こういうようなことでその地域の牛乳にわりあいにそういう含有量が多かったという報告を受けておりますので、その後その方面についてもこういうものは使わないようにということの注意を与えて、現在ではそういうふうにしているわけであります。したがって、ただいまの報告の結果、厚生、農林両省打ち合わせまして、もうこれを使わないようにという指示はとうにいたしておるわけであります。ただいまの御報告は、その前のBHCがわりあいに稲わらに含有の多かったものを食べさせた牛の牛乳の問題であることは御存じのとおりでございます。私どもといたしましてはそういうものを使わないように、しかも低毒性のものをこれからどんどん普及していくことに厚生省に協力して続けてまいる、こういう方針でございます。
#105
○村田秀三君 禁止をするという、そこまではいっていないわけですか。使わせないようにするということは、これは禁止をしたい、こういう内容でなければならないわけでありまして、どうですか。
#106
○説明員(遠藤寛二君) お答えします。
 畜産局と私のほうと両方関係しておるわけでございますが、飼料作物に対しまして――えさにする作物につきましては、稲わらを含めまして一切使用してはならないということにいたしております。ただ稲わら全般ということになりますと、えさに使わない稲わらにつきましては稲の生育の前半期、裏を返して申しますと、穂ばらみ期以後は使ってはならないということにいたしております。前半期だけ使いまして後半期に使いませんものは、後半期に使いましたものの十分の一以下ぐらいの濃度しかBHCは残りませんので、ほとんどネグリジブルでございますので、とりあえずそういう措置をいたしておるわけでございます。
#107
○村田秀三君 具体的にいまのお話のとおりですね、使わせないようにということではないんですよ。町村によって、ある府県はやむを得なかろうということですね。これでは私はだめだと思うんです。牛や動物に、これは食べさせます、これは食べさせません、こうやって区分けをして使いなさいなどということは、これは話にならない。同時にまた、かりにその稲を食べさせなかったといたしましても、その土壌にやはり浸透をする水がよごれる、これは四十一年の論議には、総理大臣のお話ではございませんけれども、フナやドジョウがいなくなるのは困った話であるから、フナやドジョウの住めるようなやはり農薬の開発をする、こういうことですから、これはもう牛に食わせない、稲は使ってもよろしい、しかもその稲は穂ばらみ期以降はよくない、こういうような区分けをした使い方などということが実際に行なわれるかどうかというと、私はこれはもうできませんよ。いわゆる流通にそのものが乗っておる限りは、これは農家は使うということです。これは使わせないようにしなけりゃだめですよ。その点はどうですか。
#108
○説明員(遠藤寛二君) ただいま稲わらのうち乳牛の飼料に使っておりますものは、全国で約大体一割以下程度と推定されております。それは、地域的にもある程度はっきりいたしておりますので、そういうところにつきまして重点的に指導いたしたいと思います。また、全面的にただいますぐに禁止ということになりましても、稲のほうの問題で、かわります農薬というものが完全にカバーできますまで、来年の一期作までは、穂ばらみ期以降の分くらいからはだいじょうぶでございますが、その前までは多少含まれておりますので、農薬のBHCの残留量を検定いたしましたところ、先ほど申しましたとおり非常に低い含有量でございまして、それがたとえ牛に入りましてもたいした含有量は残らないということを確認いたしておりますが、それはそれといたしまして、末端に私どものほうは、先生御承知だと思いますが、都道府県に病害虫防除所というのがございます。それに私どものほうの都道府県の補助職員を置いて、それが農薬の指導をいたしております。それから末端に防除補助員というものがおりまして、これは農協の職員等を委託しておりますが、これが全国で一万八百人ございます。そういうものが防除の共同組織というようなものをつくりまして、毎年厚生省の出先と一緒になりまして、安全使用につとめておりまして、大体農薬の使用につきましては、各その組織体におきまして防除暦というものをつくりまして、大体それに従って厳重にやるようにいたしておりますが、ただいまのところ直ちに禁止という段階ではございません。えさにするものについては、ほとんどそういうものは使わせないというふうに指導をいたしたいと思います。また大体においてそれはできると思います。
#109
○村田秀三君 どうも不徹底だと思いますね。どうして――時間がありませんから、これまた機会を見て御意見申し上げますが……。
 それからもう一つ、不徹底なのを私、指摘したいと思うんですけれども、三月十一日のこれは新聞ですが、宇都宮におきまして製薬会社が砒素有機燐入り農薬を大量に廃棄したという。しかもそれが川原に廃棄したということなんですね。それで問題になりまして、すぐに回収をしたそうでありますが、間もなくこれは、また新聞でありますから何でありますが、四月十二日の新聞を見ますというと、栃木県ではうまくなかったので福島県にこれを捨てさしてもらいたい。――どうですか、漫画みたいですね。これは実におかしいと思うのですよ。栃木県に捨てちゃいけないものを福島県でよろしいということにはならないと思うのですよ。(笑声)そうして川原ではよくない、山ならいい。山へ捨てても、それはずっと溶けて流れて(笑声)いくわけですからね。やはり牛やあるいは人間の飲料水になってくる。ずいぶん私は人を食った話じゃないかと実は思うわけです。だから、この廃棄をすることになりますから、農林省が、先ほど大臣の話ではありませんが、ある程度自粛を要請して、そうしていままで生産したものをどうにかしなくちゃならないという、それが関係しておるかと思うのですが、この農薬の取り締まり法の中ではいろいろ規制はありますけれども、残存量とか何かまでは実は何もいっておりません。法律に何もいっておらないからといって、まず劇薬をそちらこちらにまき散らしていいというようなことでは、私は業者の良心を疑いますと同時に、農林省それ自体、取り締まり当局といたしましても、少し手抜かりじゃないかという感じがするわけですが、この問題で、これは直接御存じであれば、どう処理をなさるのかお聞きしたいし、今後の問題も含めて答弁をいただきたい。
#110
○説明員(遠藤寛二君) 宇都宮におきましてPCBA剤――通称ブラスチンと申します農薬を川原に埋めるということで、捨てたという事件が起こりましたのは、先ほど先生の御指摘のとおりでございまして、そのブラスチンという農薬につきましては、それ自体は普通物でございまして、毒物でも劇物でもないわけでございますが、中に、EPN――これは有機燐剤でございます、それと、有機砒素が入りましたブラスチンと配合した薬というものが入っておりましたわけでございます。その劇物及び毒物につきましては、別に、私どものほうの取り締まり規定のではなくて厚生省所管の法律になっておりますが、毒物及び劇物取締法というのがございます。それには、厚生省の方がおられますが、非常に厳重な廃棄処理の規定もございますが、それには確かに違反しているのではないかと私ども思いまして、この点は遺憾である。それからもう一つ、たとえ低毒性ないしは普通物でございましても、大量の農薬というような問題、しかも農薬のメーカーであってそういうことについてかなりの知識を持っておるはずのものがそういうことをするとは、私ども夢にも思っていなかったのでありますが、そういう非常識なことをいたしまして、幸いにして事故が起こらなくて回収いたしたわけでございます。私どももその会社を呼びつけまして、きつくしかったわけでございます。自後の措置につきましては、先ほど先生のおっしゃいましたようなこと、はっきり承知いたしておりませんが、そういうことをちょっと聞いたことはございますが、福島県云々という話でございます。これは川でだめだから山でということではないようでございますが、まあ先ほどの劇物、毒物のほうにつきましては厳重な規定がございますので、厚生省及び県衛生部の御指導に従いまして、業者のほうでしかるべき処置をするように手配をいたしておるようでございます。それからもう一つのほうにつきましては、やはり私ども平生から、法規に書いてないから放任だというようなことはいたしておりませんので、ただ、今度のように大量の薬を回収したというような事実は、いままで歴史的になかったわけでございます。今度のような場合が起こりかねませんので、私どものほうでは、平生からそういうものの処置については県内ならば厚生関係、農林関係、それから国の厚生省、農林省とよく協議をして処分をきめろということは、かねがねよく言っておったわけでございますが、その矢先にそういうことをやりましたので、私ども非常に強くしかったわけでございます。今後もそういった点につきまして、いろいろ適当な、廃棄の方法、捨てる場所等につきまして、十分、先生の御指摘もございましたので、今後会社及び県を指導いたしまして、検討いたしてまいりたい、御迷惑をかけるようなことはいたさないつもりでおります。
#111
○沢田実君 大臣が留守のようでございますので、農地法についての質問はあとにいたしまして、ここ数日来報道されております食糧庁の汚職に関連いたしまして二、三お尋ねをいたしたいと思います。
 アルコール加工や染色工場で使うのりなどの原料用にしかならないはずの事故米が良質米にばけ、やみ米として不正横流しされ家庭に売られていた事実が、二十一日警視庁捜査二課の調べで明らかになったという新聞報道は、私どもに大きなショックを与えたわけであります。その汚職はさらに広まりまして上司の係長も逮捕になったということが報道されております。新聞はさらに拡大するんじゃないかというようなこともいっているようであります。食糧庁の長官は警視庁の捜査に協力をするというふうに訓辞をして、たいへん好評なようでございますけれども、食糧庁の汚職容疑はまことに残念なことでございます。予算委員会等におきましても古々米の払い下げについては不正のないようにというようなことでたいへん議論されたことがあるように記憶しております。まずこの事件の概要についてひとつお話をいただきたいと思います。
#112
○政府委員(森本修君) 御指摘のような事件が私どもの東京食糧事務所で発生をいたしまして、私どもきわめて残念に思っておりますし、またたいへん申しわけないと思っております。ただ、現在警視庁において取り調べ中でございます。また関係の書類等も多数押収をされておるというふうなことで、私どものほう自体で調査いたしますにもなかなか手がかりがないというふうなこともございまして、私ども限りで調べまして内容がわかるというふうなところまではいっておりません。もちろん種々の手段を講じまして私どものほうも将来こういったことのために備えなければなりませんから、引き続いて調べてみたいと思っております。何ぶんさような状況のもとでございますから、事件の内容そのものは、極端に言いますとほとんどまだわかっていないというふうな状況であります。
 かいつまんで申し上げますと、四月十六日に東京食糧事務所の業務部の業務第一課米穀売却第一係員――これは加藤稔という農林技官でございますが、この農林技官が警視庁の捜査二課に任出意頭を求められまして、担当する職務に関しまして収賄の容疑で取り調べを受け、同日の夜九時ごろ逮捕勾留をされた。さらに四月の二十日に、その上司でありますところの米穀売却第一係長の山田良雄という者が同じく同様の容疑で取り調べを受けまして同日逮捕勾留をされたということがございました。
 それから容疑の内容といたしましては、原材料用の米穀の割り当て、売却等に関しまして米穀粉業者に便宜をはかって金銭等を収賄したという模様でありまして、関係の職員がさようなことで取り調べを受けておる。関係の業者といたしましては有限会社田中商店及び西武農産工業有限会社、これはいずれも米穀粉の製造業者でございますが、それが東京食糧事務所から数量等の割り当てを受けておりましたが、これらの会社の責任者も同時に取り調べを受けて逮捕勾留をされておるということでございます。こういった関係の業者と私どものほうの先ほど申し上げました係官との間に業務上一体どういう関係があっかといったようなこと、また関係の業者が払い下げを受けました米穀等についていかような取り扱いをしておるかという点については、先ほど申し上げましたような状況にございますので、まだ詳細について私どものほうでも確認ができないというのが現在の状況でございます。いずれにいたしましても冒頭申し上げましたようなことで、きわめて私どもとしても残念に思っておりますし、今後十分部内に対しまして、かような事件の発生にかんがみまして、早急に事態の解明を急いで、再びかような事件が発生しないような措置をとりたいというのが現在の状況でございます。
#113
○沢田実君 御答弁にありましたいわゆる原材料用米というのは、事故米とかモチ米とかが入ると思いますが、事故米というのは一体年間どのくらいあるものですか。その処理方法等についても伺いたいと思います。
#114
○政府委員(森本修君) 事故米はちょっといま年間の数字はあれしますが、処分の方法としましては、たとえば運送中に水にぬれる、あるいは火災のために米が汚染をされるといったようなことで事故米として認定をいたしましたもの、これは売り方としましては指名競争入札ということで、それぞれ品質の程度に応じまして用途をきめて、そういった関係の業者に対しまして指名競争入札でもって販売をしておるというのが処理の方法でございます。
#115
○沢田実君 指名競争入札というお話でございますが、その払い下げの指定業者の資格とか数とか、その点はどうなっているのでしょうか。
#116
○政府委員(森本修君) 私どものほうで従来原材料用として売却をしております分野、それはいろいろございますけれども、たとえば先ほどあげましたような穀粉の業者でありますとか、あるいは染色のり、あるいは菓子とか、みそとか、そういった関係業者でございますが、さような分野に売却をいたします場合には通常の原材料用の売却をいたします際に業者の選定といいますか、それをしております。で、それをいたしますのは、一つは全国団体に直接加入をしております業者については食糧事務所といいますか、農林省のほうで指定をいたします。それから地方の団体に入っておりますものは都道府県知事のほうで認定をいたしましてそちらのほうへいってまいる。その他たとえば薬品の関係でございますれば、厚生省のほうの薬務局長のほうで選定をしてくるというようなことで、一応対象となる業者があらかじめ選ばれておるという関係になっております。特にアルコール用とか従来通常売っていない場合におきましては、これはそういった関係はございませんから、また必要な官庁ともよく打ち合わせをして指名競争をするということになっております。
#117
○沢田実君 その事故米の払い下げ価格というのはどんな程度ですか。
#118
○政府委員(森本修君) これはまあ、何といいますか、事故の程度によりまして、ある意味では千差万別ということになります。そこで現地現地でそれぞれ事故の状況を精査いたしまして事故の状況に応じて入札をやりますから、予定価格というのをつくって落札者には契約をするということになるわけでございます。
#119
○沢田実君 先ほど資格をお聞きをいたしましたが、数の点はなんですけれども、で、先ほどお話しになりました西武農産工業、三カ月間に八回で二十六トン払い下げを受けておるというようなことが新聞に報じられておりますが、相当数もあり希望者が多いという場合において、こんなに多く一業者が払い下げを受けるというようなことはできないようになっているのじゃないかと私どもは考えるのですが、そこら辺は、八回・二十六トン払い下げる、三カ月間に――というようなことは正常な状態だったのですか。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
#120
○政府委員(森本修君) ちょっといま御指摘になりましたような回数になるかどうか、私どものほうで手元の資料では確認ができませんけれども、入札でございまして、しばしば第一回で落ちないといったようなケースもあるようであります。そうするとまた再び札を入れてもらうというようなことで、必ずしも希望者が多いのに特定の人にだけ片寄っていくというような運用ではないのではないかと思います。なお、この点はよく調査をいたします。
#121
○沢田実君 それからその同じ業者が等外米を同じようなやり方でやみ米に流しているような疑い、があるようなことが報じられておりますが、そういうような問題については別に農林省としては知っていらっしゃるようなことはございませんか。
#122
○政府委員(森本修君) ちょっとそういう事実は私どものほうではまだよく調査しておりません。
#123
○沢田実君 きょうの新聞によりますと、食糧事務所の何か別館に数団体、十八社、その常駐員が出張しておる、ですから食糧事務所の職員と常駐員というのは非常に近い関係になっておるのだというようなことが報じられているわけですが、こういうような状態というのは東京以外の大都市にもあるでしょうか。
#124
○政府委員(森本修君) 東京の食糧事務所の庁舎の関係でございますが、これは昭和二十四年にビスケット協会からその事務所の建物の寄付採納の願いが出ておりまして、それの寄付を受けたというような関係になっております。これは本庁の庁舎ではございませんで、分室といいますか、俗称、別の建物になっております。そういう関係でございまして、個々の業者は特に入っておりませんが、主食の卸し協議会とかあるいは製パン協同組合とかいったような、あるいは食糧保管協会とかいったような関係の業界の団体が、私どものほうで貸し付けをいたしまして、その分室に入っておるということであります。
 なお、他の食糧事務所についてもさようなことがあるかというお尋ねでございますが、私どものほうでもまだ全部当たっておりませんけれども、若干さような関係があろうかというふうに思っております。
#125
○沢田実君 これはきょうの新聞ですけれども、毎日新聞ですが、いまおっしゃったようなことが数団体と書いてあります。米穀卸し関係だけでも十八社が入っておるという、それで各社一人ずつ常駐員が来ておって、午前中は会社におって午後はそこのところへ詰めておる、こういう関係になっているのだということが説明されているわけです。そういうことになっていなければけっこうでございますけれども、いまおっしゃったように、ひとつ各東京以外のところについてもそういう事故の起こらないように御注意いただきたいと思います。それで、このような事故を二度と起こさないために、どういう処置を食糧庁としてお考えになっていらっしゃるか、お答えをいただきたいと思います。
#126
○政府委員(森本修君) 冒頭に申し上げましたように、私どもたいへん残念に思っておりますので、まず一つは事務を担当しておりますところの職員の心がまえということも今後きわめて大事になりますので、業務を執行してまいりますところの執務態度につきましてできるだけ引き締めてやるようにということ。それから事件の発生の原因等についてもよく調査をいたしまして、業務の取り進め方といいますか、業務執行のあり方といいますか、そういう点について十分改善すべき点は改善をしたい。また部内の内部の牽制の方法といいますか、一人だけで、仕事が単独で進むということじゃなしに、やはり多くの人がよく相談をして、目を通して仕事が進んでいくような内部の牽制の方法といったような各種の点につきまして、今回の事件にかんがみて実態をよく調べて、そういったことのないようにできるだけ対処していきたいというふうに考えております
#127
○沢田実君 綱紀粛正の問題については御答弁でよくわかりましたけれども、モチ米の需要が非常にふえている、それに反して供給量が減量しているというようなことで、業者が奪い合いをしているというようなことも私は一つの原因になっているのじゃないかと思いますけれども、モチ米の増産対策ということで作付転換の一つとしてモチ米を加えるというようなことはできないものかどうか、どんなふうにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
#128
○政府委員(森本修君) いま私ども需給を担当しておりますが、最近モチ米のほうが不足をしておりまして、若干輸入を予定せざるを得ないというふうな状況でございますから、生産調整にあたりましてもモチ米から他に転換をする、あるいはモチ米の面積を転換するといったようなことは厳にやらないように、十分末端のほうに指導いたしております。また大部分が現在自主流通米ということで流通をしておりまして、本年はかなり値段も高いというふうなことがございますし、また自主流通の過程におきましても十分手に入らぬというようなこともございましたから、需要者のほうと生産者ないしはその団体のほうとよく事前に話し合いをいたしまして、さような取引の形態を通じて、生産のほうが刺激をされていくように私どもも十分ひとつ指導していきたいというふうに思っております。
#129
○説明員(岡安誠君) 大体、いま食糧庁長官から話がありましたように、この数字ははっきりと覚えておりませんが、モチ米の需給につきましては、少し足りなめではございますが、ほぼ需要に間に合うような生産が最近続いているというふうに聞いておるわけでございます。また流通につきましては、自主流通米のほうに相当いっているというこどもございますので、今後の需給の状況等も見きわめながら、なお住産の合理化等につきましては、農政局といたしましては十分配慮いたしたい、かように考えております。
#130
○沢田実君 モチ米の需給が間に合っているというのはうそで、四十五年度も足りないから三万トン輸入する計画になっております。要するに私の聞きたいのは、休耕すると反当たり三万五千円払うでしょう。そのたんぼにモチ米をつくっても三万五千円払うわけにいかぬかということです。
#131
○説明員(岡安誠君) 需給という点につきましては、私どもも少し足りなめであるというふうに考えております。大幅に需給が狂っているというふうには聞いておりませんけれども、いま休耕するかわりにモチ米をつくって三万五千円というお話でございますが、どうもやはり米全体の施策として、いまモチ米だから、モチ米をつくったことを転作にして三万五千円ということにはちょっと……。
#132
○沢田実君 いまここで突然申し上げてもお答えはできないかもしれませんけれども、この前の委員会のときにモチ米三万トン話が出たのです、確かに四十五年は足りないと。四十五年のモチ米ができる前に、足りないからやむを得ず入れるのだと、こういうような話です。四十四年度の分で足りないから買うのだ、やむを得ないと思います。四十五年度に買わなくてもいいほど増産対策をしているかというと、いま一生懸命つくるな、つくるなということは、やっていないわけですよ。ですから、そういうことでいまの事件も、モチ米の需給ということが逼迫をしているということで起こった一つの事件だから、そういうような方法を検討してもらったらどうかと、こういうことなんです。ですから、いますぐやるということはできないでしょうけれども、検討してください。どうでしょうか。
#133
○説明員(岡安誠君) まあ関係のところとも相談をいたしまして、ひとつ……。
#134
○沢田実君 次は、農協の関係のほうをお聞きをしたいわけですが、農協の問題につきましては、六十一国会で相当いろいろ議論をいたしました。で、いろいろな答弁をいただいているわけですが、御承知のようなことで六十一国会では流れてしまいました。で今回また提案をされたわけですけれども、私どもがいろいろ主張をいたしましたことは一切お取り入れになっておりません。違っているところは、農協で農地を買うということだけで、あとは一切無視をしていらっしゃるわけで、ここでいろいろ言ってもしようがないような気もいたしますけれども、あのときに答弁いただいたことで、努力をしてやります、こういう御答弁をいただいた点がそんなふうになっているかどうかだけをお尋ねしたいと思います。
 それで、農協で問題になりましたのは、農協で非常に事故が多いということで、検査、監査の体制が非常に弱いからだと、こういうことが非常に議論をされました。そういたしましたら、それについては全国の三百五十八名あるいは本省で二十九名の人員では不足しているので、人員を拡充したい、大臣もそういうふうにお約束をしていただいたわけですが、その後、各県の検査を担当する者あるいは本省の農協を担当する方々の人数が実際に増員されているかどうか、その結果をお尋ねしたいと思います。
#135
○説明員(岡安誠君) 検査官の増員でございますが、その後私どもも関係のところと折衝をいたしまして、四十五年におきまして本省において二名増員して七名ということになりましたし、地方農政局――農林省でございますが、地方農政局でも七名増員いたしまして合計三十二名、したがって三十九名ということで本省のほうの運営をいたしております。都道府県におきましては、これは御承知のとおり現在は人件費補助ということではございませんで、いろいろ必要な検査要員を確保するようにというようなお願いをいたしておりまして、現在私どもが聞いておりますのは、三百九十九名程度の人間で検査をやっておる。もちろんこれは検査を主たる任務としている担当官でございまして、これを補助する職員も相当おりまして、それらを合わせまして検査をしているというふうに私どもは聞いております。
#136
○沢田実君 それでその後の事故の状況はどうでしょうか。
#137
○説明員(岡安誠君) 農協の事故といいますか、不正事件ということかもしれませんが、私どもそういう事件がないようにということでいろいろ指導をしているのでございますが、なお農協の役職員の中にはまだいろいろ訓練不足、その他、そういう原因だと思いますけれども、件数はそう減っているというような状態でないことを残念に思っているのでございます。で、最近の数字を申し上げれば、四十一年が七十四件、四十二年が百一件、四十三年が七十三件と、四十二年はちょっと多いようでございますが、事故の金額で申し上げますと、四十一年が約十六億円、四十二年が四十億円、四十三年が十五億円というような数字でございます。四十四年はまだわかりません。
#138
○沢田実君 県で一人もふえていないわけでございますので、その点についても今後の努力をいただきたいと思います。
 それから、県購連といいますか、県連あるいは全購連――メーカーから全購連が物を買って県連を通じて単協に配給をするというようなことが、そういう仕事が非常に多いわけですけれども、組合の根本の精神、先ほどいろいろ議論があったようでございますが、そういう点から考えますと、そういう仕事の運営というのは手数料というかっこうじゃなしに、加盟の単協の負担金で運営するというようなことが本筋のように考える点があるわけですけれども、そういう点についてはどんなお考えでしょうか。
#139
○説明員(岡安誠君) おっしゃるとおり、農協の購買事業等につきましては、なるべく安い価格でもってこれを購入しまして、もちろん良質なものを提供するということがねらいでございますので、中間経費等につきましてはできるだけ節約をするというようなことでやるべきであるというふうに考えております。手数料はいかがかというお話でございますけれども、これはもちろん手数料でなければならないということではございませんけれども、一応一定の手数料というのをきめておきまして、それらにつきまして極力節約した結果、余剰が出ればこれをまた還元をするというような方法もあろうかと思いますので、運用につきましてはなるべく合理化をするという方向は賛成でございますが、一応特定の物資につきましては手数料という制度でいくのは当分はやむを得ないのではなかろうか、かように考えます。
#140
○沢田実君 さっきの私のお聞きしているのは、県連なり全購連なりという組織体があるわけですが、それを運営するには、物の販売の手数料によって運営するのが本旨なのか、あるいは加盟の単協の負担金によって運用するのが本旨なのか、そういう意味なんですけれどもね。
#141
○説明員(岡安誠君) それは購買事業を主とする連合会等の運営経費をどこから出すかというようなお話かと思いますが、おっしゃるとおり、賦課金という形でもって年々の経費を徴収する方法もございますが、ただ賦課金徴収だけで仕事をする場合には、仕事の弾力性といいますか、事業の活動をする場合の弾力性を欠くというような批判もないわけではないわけです。もちろん私どもはただマージンだけをかせぎまして、たくさん物が売れればよけいもうかる、そのもうかった金でもってぜいたくな運営をするということがいいとは思っておりませんけれども、やはり運営の経費を捻出する方法といたしまして、すべて賦課金というのも相当事業が大きくなった場合にはいかがかというふうに実は考えるわけでございます。
#142
○沢田実君 ただいまの御趣旨はよくわかりましたが、そこで、先ほどの御説明にもありましたように、手数料等についても、極力安い手数料で組合員のためにやることが本来のあり方でなかろうか、こういう意味の御答弁があったように思うわけですが、実はせんだって肥料の議論をいたしましたときに、全購連がメーカーから協力費をもらっているというようなことがあるので、そのことについての資料をお願いいたしましたら、その点についての資料をいただきました。それで見ましたら、七億三千八百万円という協力費がメーカーから全購連に出されているようです。それが実際に県連なりあるいは単協なりでもってどんなふうに使われているのか、その内容についてあまりつまびらかでないわけでございますが、どの点まで本省として掌握なさっていらっしゃるか、その辺の事情をお尋ねしたいと思います。
 なお、これは肥料だけではなしに、その他全購連で取り扱っているいろいろな商品にあるやに聞いておりますので、その点についても承りたいと思います。
#143
○説明員(岡安誠君) お話の肥料に関する奨励金でございますが、いまお話しのとおり、七億三千八百万円程度の金をメーカーから全購連が受けまして、これはすべて県連、単協のほうへやはり奨励金として支出をなされているわけでございます。で、これは一定のルールに従いまして全購連から支出されていることになっておりますので、最後にこれが何に使われているかということは、必ずしも私どもすべて明らかにいたしておるわけではございませんが、単協の組合員も承知をいたしている金でございますので、その相当部分はそれぞれの物資の価格引き下げ等を主にして充当されているものというふうに実は考えているわけでございます。
 それから、肥料以外でそういう種類のものがあるかというお話でございますが、私どもの調べたところによりますと、農業関係の機械の関係で優先予約メリット戻しというような名称で四億七千八百万円、これがそれぞれ機械の取り扱い高に応じましてこれも奨励金として出ているのでございます。
 それから農薬関係につきましては、合計七億五千四百万円でございますけれども、これも予約の金額とか生産の金額というふうなものに応じましてそれぞれ県連を通じまして担当のほうへ出ているというふうなことでございます。
#144
○沢田実君 それ以外にはございませんか。
#145
○説明員(岡安誠君) それ以外に大口な取り扱いといたしましては、えさが実はあるわけでございますけれども、これは大体全購連が委託加工というようなかっこうでもって製造をいたしておるものでございまして、いま申し上げましたようなメーカーから奨励金を受けてこれを支出するというような関係はございません。それ以外で全購連では御承知のとおり、生活物資の関係のものを扱っているのでございますけれども、これらにつきましては、なかなか種類も多く、相手先も多いようでございまして、現在手元にちょっとまとまった資料がないのでございます。
#146
○沢田実君 いまお話しのように、全購連では自動車も取り扱っておるようでございますし、それからテレビもあるいは冷蔵庫というふうにいろいろなものを取り扱っております。私はこういうことをやるのは、一番末端の消費者である農家の皆さんが安く入手できるようにすることが本質ではないのか、肥料のときもいろいろお聞きをしたんですが、これは実際に末端の価格がそれだけ安くなっているかどうかわかりません、追跡をいたしましても、各単協がみんなまちまちです。また農業機械についても、四億七千八百万円も、農林省でつかんでいるだけでこれだけあるわけですから、つかんでない金がどれだけあるかわれわれにはわかりませんけれども、なぜもう少し実際に農家の人が買う価格を安くしないのかということが私は問題だと思うのです。農薬についても、なぜこんなことをしなくちゃならぬのか。合わせましてこれだけでも約二十億あります。私は農協というものがほんとうに農民のための農協になっているかどうかということが、こういうことで非常に問題ですので、ほんとうは農協法の改正には、そういうような農協を根本的に体質改善をする抜本的な改正をしていただきたいことがわれわれの主眼です。しかしそういうような案が出ておりませんので、そのような議論をしてもしようがありませんが、こういうような実情でございますので、こういう問題を今後どんなふうに担当の局としては指導していこうとしていらっしゃるか、その辺の方針等も承りたいと思います。
#147
○説明員(岡安誠君) おっしゃるとおり私どももこういう種類の金につきましては、やはりなるべくその内容を明らかにすると同時に、できるならばこれがすべて価格に反映されまして、安い価格で供給されるような方向にいくということが望ましいというふうに実は考えております。特に農民の農協利用率が低いような物資につきましては、ガラス張りの経営による優良物資の供給ということが必要であろうというふうに考えますので、できるだけわかりやすい形でもって事業が運営されるようなことを私ども望んでおります。先般も大臣並びに局長のほうから、これらの奨励金等の扱いにつきましては、いろいろ商慣習等もございまして、一挙に全部やめるというわけにはまいらない節もございますけれども、できるだけこれは早い機会に整理をするように指導してまいりたいということをお答えいたしておりますが、私どもも近いうちに全購連の検査等をする機会もあろうかと思いますので、そういう機会を通じまして指導の充実をはかりたい、かように考えます。
#148
○沢田実君 私最初に手数料のことをお尋ねいたしましたのも、こういうことに関係しているのです。これは肥料についても機械についても農薬についても、手数料をちゃんと取っているわけです。手数料を取った上で、そういう金を取って単協に流している。それが末端に行ったか行かないかわからない、こういう現状ですので、いまの御答弁をひとつどうか実際にやっていただくように希望いたしたいと思います。
#149
○理事(高橋雄之助君) 速記をとめて。
  〔午後四時二十分速記中止〕
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
  〔午後四時四十二分速記開始〕
#150
○委員長(園田清充君) 速記をつけて。
#151
○沢田実君 戦前の農村と農民が旧地主制のもとにおいてどのようにみじめな状況におかれておったか、また戦後実施された農地改革によって、このような農村と農民がその苦しみから解放され、農村社会の民主化と農業生産力の発展がどのようにもたらされたかについては、いまさら私が述べるまでもなく、周知のことでございます。現行の農地法は、このような農地改革の成果を維持し、再び農村と農民が戦前のような状況に逆戻りすることがないようにするために制定されたものと理解をしているものでありますが、農地法が制定されて以来、すでに二十年近くになっております。その間に、農業とこれを取り巻く社会的、経済的な種々の条件も大きく変化しております。特に、最近における経済の成長発展によりまして、農業外の雇用の機会も拡大し、いまや農村におきましても人手不足の時代に入ってきております。その結果御承知のように、兼業農家が急激に増大をし、全農家の過半数を占めるに至っております。しかも農業外の雇用条件の改善などによりまして、第二種兼業農家の生活は、一般的には専業農家の生活に比べていささかも遜色がないような、いなむしろ統計によりますと、その消費水準は専業農家のそれをはるかに上回っているということがうかがわれる現況であります。
 他方、最近の米の需給関係に端的にあらわれておりますように、わが国の農業は、新しく多くの問題に直面しており、農業の近代化が急務となっております。したがいまして、このような問題を打開し、農業と農民の生活の安定、向上をはかるためには、従来の政策を根本的に再検討し、生産から加工、流通にわたり、大胆に新しい政策を展開しなければならない時期に入っていると思います。
 そこでまず、政府として農業の将来をどのようにお考えになっているか、そのビジョンを明らかにしていただきたいと思います。
#152
○政府委員(宮崎正雄君) 将来のビジョンにつきましては、予算委員会なりあるいは本委員会等におきましても、大臣からお話があったわけでございますけれども、御承知のように、今後とも発展成長を遂げるわが国の経済社会において、健全な一員として発展できるような農業と産業として確立し、農業従事者が他の産業従事者と匹敵する生活を営めるようにいたしたい。そのために、まず規模が大きくて、生産性の高い、高能率農業経営ないし農作業単位をできるだけ広範に育成したいと考えております。とりわけ農業の中核的にない手として、いわゆる自立経営農家を育成いたしまして、これが農業生産のかなりの部分を占めるようにしていきたいと考えております。
 国民に対しまして良質な食糧を豊富に供給することは、農業の重要な使命でございますので、米ばかりでなく、畜産や野菜、果実などの需要に見合った生産を進めていきたいと考えております。
 さらに、都市に比べて立ちおくております農村の環境整備に力を入れまして、整備された環境の中で、農業者が将来に期待を持って農業に従事できるような農村社会の建設を進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。
#153
○沢田実君 局長にお尋ねをしたいのですが、この農地局の統計と、いただきました調査部の統計と、相当数字が違うのですが、これはどちらを信用していったらよろしいのでしょうか。
#154
○政府委員(中野和仁君) 出しました統計、違っているように思いませんけれども、具体的にお示しいただければ、その違い等を明らかにしたいと思います。
#155
○沢田実君 四十二年度の農家の総数あるいは兼業農家の数等もこちらの統計と数が違っております。
#156
○政府委員(中野和仁君) たぶん、私のほうで出しましたのは、これは経営規模のこまかいのをお知りいただこうと思って、都府県のほうだけ出しました。そこで、四十二年の農業調査の専兼業別農家数は五百二十四万三千戸となっております。それから統計調査部で出しましたのは、北海道を含めまして全国の数でございます。ただ統計調査部のもの、裏をめくっていただきますと、都府県と北海道と分けてございまして、そこでの四十二年度は五百二十四万三千戸になっておりますので、この数字と私どものほう、ここにありますように同じもとの資料でございますから、変わりはないというふうに考えております。
#157
○沢田実君 これの百十三ページ、全農家専業兼業別農家数、その総農家数は、四十二年は五百四十一万九千、こちらのほうでは、四十二年は五百二十四万三千、これは明らかに違っているのですがどういうわけです。
#158
○政府委員(中野和仁君) もう一度、それじゃ申し上げますが、いまお話になりました百十三ページの分は北海道を含めます全国の数字でございます。それで、いまお開きいただきました百十四ページごらんいただきますと、都府県と北海道を分けて書いてあります。その中の都府県のあとのところでございますが、それの四十二年をごらんいただきますと、都府県の合計の農家戸数は五百二十四万三千戸です。その他が、私のほうの差し上げました参考統計資料に都府県の分として載っけてあるわけです。
#159
○沢田実君 わかりました。この統計によりますと、農家総数五百二十四万三千、その中で第二種兼業が二百五十四万八千、また〇・五ヘクタール未満の第二種兼業を見ましても百六十七万、このような実情になっております。専業農家の数はだんだん減って、第一種、第二種兼業が多くなっているというような状況です。しかも、その第二種兼業の中には非常に規模の小さい第二種兼業がたくさんあります。たとえば、主人がおつとめをいたしまして百五十万なり二百万なりの年収があり、奥さんが三反歩か五反歩のたんぼを耕作いたしましてちょっとした収入がある。普通ですと、それは内職程度の収入になるわけですけれども、この統計の上では農業者として世帯数に入っております。そういうわけでこういう統計になっているんだろうと思いますけれども、五百数十万の農家数というものは、そういうものを全部含んでおります。ところが、総合農政等で農林省が発表になられましたのを見ますと、自立経営農家は、水田稲作の場合には四ヘクタールというような一つの目標もお出しになっております。そういたしますと、農地法の改正によって規模拡大をはかっていこう、こういうことになっているわけですが、四ヘクタール以上の農家は大体どのぐらいにしよう、あるいは三ヘクタール、二ヘクタールくらいの農家は大体このぐらいにしたいと、日本全体としての耕作反別の農家の構成比といいますか、農林省として描いている私は一つの姿があるんじゃないか、こういうふうに思います。そういう点について、まずお話を承りたいと思います。
#160
○政府委員(中野和仁君) 先ほど御指摘ありましたように、農林省といたしまして、総合農政の推進にあたりまして、昭和五十二年の目標で、水田単作経営の場合には四、五ヘクタールくらい、酪農経営の場合には乳牛二十頭くらいを一応自立経営の目標にしておるわけでございます。それじゃ、それが一体どのくらい占めるかというお尋ねでございますけれども、現在われわれの作業といたしまして、それじゃ、それが半分でいいか、あるいは六割必要だというところまでまだ作業も進んでおりませんし、また実際問題といたしまして、なかなかそういう割合をきめるのはむずかしいのではないかと考えております。ちなみに、現在では一応白書にもお出しいたしましたように、昭和四十三年で自立経営の戸数と目されます農業所得百十八万以上の者、これが約一〇%ということになっておりますのでこれを相当程度ふやさなければならないというふうに考えておるわけでございます。現在の一〇%の農家がすでに農業生産額では三割、耕地面積は二割八分程度を占めております。それを伸ばすといたしましても、全部自立経営農家で日本の農業をやっていくというふうにもなかなか農村の実態からしてまいりません。われわれとしましては、現段階ではかなりの程度、この戸数をふやしていくということしかまだ現在申し上げられない次第でございます。
#161
○沢田実君 局長、それはわかるのですけれども、四ヘクタール以上がそんな何割もということはできないのはわかっています。四ヘクタール以上ですと百何十万世帯で、百何十万戸でたんぼなくなってしまうのですから、そんなにできないのですけれども、現状はいま統計になって出ております。それから自立経営農家の四、五ヘクタールというのも出ているのです。あとは中間のこと一はやってみないとわからないということでは――農地法を改正して規模拡大をはかっていくと言いながら、あとはやってみないとわからないというのでは、ちょっとわれわれの目標がはっきりしないように思うのですが、現段階でそういうことは全然わからないのだというだけでは、農地法を改正するという、規模拡大をはかっていくということがどの方向に行くのだということが全然わからないで――ということも私はいかがかと、こう思ってお尋ねをするわけです。
#162
○政府委員(中野和仁君) わからないと申し上げたのではなかったつもりでございますけれども、先ほども申し上げましたように、現在一〇%の自立経営農家があるだろうというふうに考えておりますが、それの戸数は、大体そうしますと五十万戸ぐらいになるわけでございます。しかし現在の自立経営農家、いろいろな経営形態がございますけれども、まだ先ほどの目標であります四、五ヘクタールという基準にはなっておりません。もう少しこれを大きくしていかなければならないはずでございます。したがいまして、戸数としましては、これはあるいは私個人の見解になるかもわかりませんが、五十万戸が百万戸になるというふうにはなかなか考えにくい面もあるかと思います。その辺は自立経営農家の戸数を若干でもふやしたい。と同時に、やはり農村の実態からいたしまして、零細な兼業農家が一度にはみ出すということもございませんので、そういう農家も一つの、先ほど政務次官からもちょっとお述べになりましたが、大きな、経営の作業単位と申しますか、生産単位を大きな経営に持っていく必要があろうということで、自立経営農家を伸ばすと同時に、やはり零細農家を含めた作業単位というものを大きくしていくという方策もあわせて必要ではないかというふうに考えております。
#163
○沢田実君 そうしますと、農林省が考えている農業政策の焦点といいますか、どの辺に当てて農業政策というものをやっていこうとお考えなんでしょうか。
#164
○政府委員(中野和仁君) ただいまも申し上げておりますように、農林省といたしましては、やはり産業としての農家、産業としての農業ということをになっていける農家を中核として育てたいということが中心でございます。しかし、それだけに重点を置くということには、先ほどからたびたび申し上げておりますように、農村の実態がそうはまいりませんので、あわせまして集団的な生産組織とよくいわれておりますけれども、そういう考え方で生産単位の拡大ということをはかりたいという考え方でございます。
#165
○沢田実君 私の申し上げたい趣旨は、いわゆる農業者という考え方ですね、その辺をどの辺にお考えになっていらっしゃるのか。先ほど申し上げましたように、第二種兼業で、普通だったら内職程度の収入しかない者も、いわゆる農業者として含まれているわけです。だけれども、この実態の統計に出ておりますが、その構成も、農業者全般にわたって何とかしようといったってうまくいかないわけでしょう。それで規模拡大をしたいとそちらでおっしゃっているわけで、規模拡大はどの程度の農家をこのぐらいにしたいのだ、第一種兼業は、第二種兼業はこのままにしていけばますますふえていきます。農業収入もあまりふえないでしょうし、農業外収入が多くなりますから、第一種兼業、第二種兼業はますますふえていきます。専業農家がますます減っていきます。こういうふうな構成にならざるを得ないと思うのですけれども、ほんの一にぎりの四ヘクタール以上の農家ができれば、それでいいのだというわけにはいかないと思うのです。したがって、日本全体としての土地を所有している構成、何ヘクタールぐらいの人がどのくらいという一つの構成ができると思うんです。そこで現在のような構成ではまずいのでこういうふうにしたいのだという方向があると思う。それをお聞きすると、産業として成り立つということは、おそらく自立経営農家の規模をおっしゃっているんじゃないかと思うんですが、それはほんの一部分しかできません。大勢としては第一種兼業農家、第二種兼業農家はますます多くなってきているということ、おそらく農地法を改正してもそういう傾向というのはこれはもう直らないと思うわけです。
 そこでいわゆる政府として、これだけの農業者の中の、この部分に特に力を入れてこういうものを多くしていきたいのだというものが私はあるんじゃなかろうかと、こう思うんです。その点どうでしょうか。たとえばいま申し上げましたように、〇・三ヘクタールぐらいで主人は官庁に行っているというようなことは非常にいなかへ行くと多いわけですけれども、そういう方々も、たんぼで、いわゆる農業で一生生き抜いていくんだといういわゆる専業農家も、たとえば生産調整といえばみんな同じようにたんぼをやめてくれと、こういっているわけですよ。ですから農業としてこういう方向へいくんだ、だからこの問題についてはこうしたいというものがなくて、いろいろな政策についてもまんべんなくやればいい、生産調整もみんな内職的にやっている人もそれを専業にやっている人も同じように減反すればいいんだ、休耕すればいいんだというようなことでは、これはいかぬじゃなかろうかと、こういう意味から、農林省として大体こういうものを描いているんだというものがあればそれをお聞きしたい、こういう趣旨でございます。
#166
○政府委員(中野和仁君) 沢田先生の趣旨は私もよくわかっているわけでございますが、ただそれでは私が先ほど申し上げました将来の自立経営農家が日本の農家戸数、われわれのおととしの長期見通しでは四百五十万戸になるんではないかという推定をしております。その中でそれじゃ一割でいいのかあるいは一割五分でいいのか、あるいは二割でいいのかそこまでは計算をいたしまして、こういう程度でよろしいと、たとえばそういうことができましても、それじゃあと残りの農家はどうなるかということになりますと、おそらくわれわれがかつて内部で計算をしてみましても現在の傾向はそれほど全体として変わっていないのではないかという推定を過去にしたこともございます。やはり第二種兼業農家あるいは第一種兼業農家として相当広範に残っていくんじゃないかということは考えられます。
 ただこれも一つの内部の参考程度の資料でございますけれども、現在の農業経営主の中でかなり高齢になってきておる農家がかなりあります。そしてそのあと継ぎがいなかったり、あるいはそのあと継ぎがもう会社づとめをしているというようなことで農業をやめたいというような事態になる農家が、昭和五十年を越えますとかなりふえるのではないかという見通しもあるわけでございます。その段階になりますと、かなり日本のいまの専・兼業別の構成等は変わってくるんじゃないかというふうに想像されますけれども、まだ残念ながら十年先を描きましてこういうふうな割合になるんじゃないか、というところまでは的確な数字が出てないわけでございます。
#167
○沢田実君 それでは、ただいまたいへんりっぱなビジョンについて御答弁をいただいたわけですが、それに向かってこういうふうにしてこういくんだという具体的な面まではまだ確立されていない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#168
○政府委員(中野和仁君) 最初に政務次官が御答弁になりましたそういうビジョンに向かって、農林省といたしましては、生産の面、流通の面あるいは構造政策の面、価格の面、各般にわたりまして施策を推進をしていくということで、先般も農林大臣から「総合農政の推進について」という具体的な施策も御発表になりましたし、また四十五年度の予算をごらんいただきましても、そういう方向を十分盛り込んでやっていこうとしておるわけでございます。
#169
○沢田実君 そういうふうに努力をした結果、たとえば五年先、十年先に専業・兼業の比率がどんなふうになるか、どの程度たんぼを持っている農家の比率がどんなふうになるかわからない、それはやってみなくちゃわからない、そういうことでしょう。そういう方向に向かって努力する、一応目標は設定されました、それについていろいろな政策をして努力をしていく、しかしながら十年なり二十年なり過ぎたときに、実際いま農地法の議論ですから、農地のことを言っているわけですけれども、農地をどの程度所有している農家がどの程度ということはわからないから、その方向に向かって努力してみる以外にないんだと、こういうことでしょう。
#170
○政府委員(中野和仁君) 現在の農地の流動化の状況を統計資料にも差し上げておるので、あるいはごらんいただけたかと思いますが、日本の耕地六百万ヘクタール足らずの中で農地が流動化しております量は、内地、北海道、かなり様相は違いますけれども、売買、貸借合わせまして約十三万ヘクタールです。われわれの見込みでは、このうちどうも大体七万ヘクタールぐらいが売買での動きでございます。この中身を見てみますと必ずしも、経営規模の小さな農家が五百数十万戸でありまして、それぞれの都合で土地を売り買いするものがあるものですから、全部が経営規模の拡大のほうに向いておりません。その点は農地法が改正になりましたから、それじゃ翌年からすぐ急速に進むかというと、なかなかそうもいかない面がございますけれども、現在でも若干上層の農家のほうが取得が多いという状況になっております。こういう事態が徐々に進みまして、そうして私が先ほど申し上げましたように五十年代に入りますれば、もう少し急速に動くのではないかという想定をしておるわけでございます。
#171
○沢田実君 これ以上とやかく議論してもやむを得ませんので、そのくらいにしておきますが、そういうようなビジョンに向かって努力をしていくと、こういうわけでございますけれども、いまいろいろお話がございました基本的な政策の中で、今回の農地法改正法というものは一体どのように位置づけているのかという、そういうお考えを明らかにしていただきたいと、こう思います。
#172
○政府委員(中野和仁君) 先ほどからも申し上げておりますように、総合農政を推進していきます場合に、やはり今後価格政策だけにウエートを置くというふうにもなかなかまいりません。米の状況を見ましてもそのとおりでございます。やはりいわゆる構造政策の推進、農業構造の改善をはかることが一番大事ではないかということを考えておりますが、そのためにはやはり農地の流動化をはかるということが最も必要ではないかと思っております。なお、その流動化をはかる場合に、どこへ流動化してもいいということではございませんで、やはりその農地が動く場合に農業経営規模の拡大の方向にこれを結びつけていく必要があるんではないか、構造政策を推進するためにも、われわれとしましてはこのことが構造政策推進の前提条件になるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
#173
○沢田実君 わが国農業の体質改善をはかるために農地法の改正が必要だという考え方に対してはわからないでもありませんし、今回の改正案がその意図するような効果をあげることがあるかどうかということについては、私はその運用が目的に沿って適切に行なわれるかどうかということにかかっていると、こう思います。その運用を誤りますと、現在以上に農地制度は混乱をいたしまして取り返しのつかないことになるのではないか、こんなふうに危惧しております。そのような場合でその運用に関して基本的な事項について政府の考え方をお尋ねしたいと思うんでありますけれども、今回の改正案では経営規模の拡大のために借地による流動化が進むよう、また小作地所有制限の緩和、賃貸借に関する規制の緩和等を行なうこととしておりますけれども、農業経営にとって自作地による規模拡大ということがはかられることがより望ましい、こういうふうに思います。
 そこで政府も自作農主義の原則は変更しない、こんなふうに答弁しているように承知しておりますけれども、一体、所有権の流動化については何らの施策も行なわれていないのですけれども、また当面、賃貸借による流動化が進んだ場合に、その借地を今後自作地に切りかえていく施策は講じないのかどうか、これらについての具体的な措置があれば承りたいと思います。
#174
○政府委員(中野和仁君) 耕作者が土地を持つことが望ましいという先生のお話、私もそのとおりだと思います。その点につきましては、今回の農地法の改正におきましても第一条の目的にそのことが書いてございまして、その点は修正をしておりません。ただそうかといいまして、いまのような農業を取り巻く事情からいたしますと、規模の零細なまま、そのままの自作農主義でいいということにはまいりません。そこでわれわれといたしましては、今回目的を改正いたしまして、自作農主義に並べまして、「土地の農業上の効率的な利用を図る」ということを入れたわけでございますが、この入れましたからといって、そのねらいとするところは、現在の自作農、それから自作地を中心にした経営に、なかなか土地の所有権の移動だけでは流動化が進みませんので、あわせて借地の面での移動をはかっていきたいということを考えたわけでございます。したがいまして、先ほど御指摘になりましたように、所有権の流動化についてはこれを無視しているということは、これは決してございません。たとえば農林漁業金融公庫から土地の取得資金というものの貸し出しをやっておりますが、昭和四十五年度におきましては前年に比べて大幅に増加をいたしまして、約三百五十九億という予算をもちまして所有権の移動の流動化に資したいと考えておりますし、それからまた、これはすでに四十四年度の予算から実行に移しているわけでございますが、農業振興地域法との関係で、あの条文にございますように、規模拡大の方向に向かいまして権利の移動の円滑化をはかるということで農業委員会のあっせんということも考えておるわけでございます。また、今回の改正案にもありますように、農地保有合理化法人ということを考えまして、その農地保有合理化法人が離農する、あるいは経営縮小をする農家から土地を買いまして、これを規模拡大する農家に売る、あるいはそういう土地を借りて貸すというようなこともいたしたいと考えております。いま申し上げましたような次第でございまして、決してその所有権の移動についてこれを何ら措置しないということではないと思っております。
 それからなお、もう一つお尋ねになりました借地になりましたあと、それをもう一度自作地化することについて何か考えがあるかというようなことでありましたが、これにつきましても、先ほど申し上げました土地取得資金の中で小作地取得資金というのがございます。これ現在の四十五年度の予算では約二十六億円という予定をしておりますけれども、こういうものを積極的に貸し出しをいたしまして小作農の土地の取得、すなわち自作地化ということもあわせて考えていきたいと思っております。
#175
○沢田実君 現行の農地法下において委託耕作とか請け負い耕作とかいう名目でやみ小作が広く行なわれていることは御承知のとおりでございます。しかし、政府も都道府県も農業委員会もこれを見て見ぬふりをして、みずから農地法の秩序の維持を放棄している。農家の保護にも積極的な対策を怠っているのではないか、こんなふうに考えます。今回の改正案では農地を貸しやすくして正規の賃貸借関係により規模拡大がはかれるようにしようとしており、その趣旨は理解できるのでありますけれども、その運用面で従来のような行政姿勢が改められなければ、結局ざる法になってしまうことは明らかでございます。特に従来からもやみ小作のほうが地主にとっては有利であるということは申すまでもないわけです。そこでこのようなやみ小作を正規の賃貸借に切りかえるために政府はどのような措置を講ずるつもりであるか、その決意のほどを明らかにしていただきたいと思います。
#176
○政府委員(中野和仁君) ただいま御指摘がございましたように、現行農地法に対します御批判の一つは、賃貸借に関する規制が強過ぎる。したがってなかなか貸したい、貸して他産業に転業したい農家が土地を貸し得ない。一ぺん貸しますと返してもらえない事態が多いものですから、そこでやみ小作が発生しているというような面もございまして、やみ小作の原因が、全部農地法にあるとも考えませんけれども、かなりそういう面があろうかと思います。
 そこで今度の改正案におきましては、そういう面をできるだけ改正をしたいと考えたわけでございます。いわばもう少し貸すほうも貸しやすくするし、借りるほうの小作権も安定するという考え方をとって改正いたしましたので、今回の法律案がもし成立いたしますれば、よほどやみ小作の発生原因というものを解消し得るのではないかとわれわれ考えているわけでございます。
 このやみ小作の問題は、いま御指摘がありましたように、確かに地主側は有利でございます。いつでも、民法のような賃貸借のかっこうになるものですから、いつでも返せと言えるようになりますと、逆に借りたほうの小作権は全然安定いたしません。そこでわれわれといたしましては、この法律の改正ができますれば徹底的な趣旨の普及をはかりたい、そういうことをひとつ考えております。そういうことをいたしまして、できるだけといいますか、全面的なといいますか、現在の不安定な賃貸借関係を農地法の秩序の上に乗せた安定した賃貸借の関係にいたしたいというように考えております。
#177
○沢田実君 さらにまた、今回の改正案を実施に移す場合に、農業委員会の運営をめぐる問題が重要になっておると思いますので、これについて二、三お尋ねしておきたいと思います。
 農業委員会は農民の意向を農地行政その他農業政策に反映して、農民の地位の向上をはかることを本来の使命としている行政委員会でございます。まことにたてまえはりっぱなんでありますが、現実にその役割りを十分に果たしているかどうかについては疑問を持たざるを得ないような事例がたくさんございます。また農地委員の選挙について公職選挙法が準用され、りっぱな選挙の制度があるにもかかわらず、十分それが活用されていないというように見受けられます。で、農業委員会はこのような実態であるにもかかわらず、今回の改正案では、その村の中で行なわれる農地の権利移動については、その許可権限をほとんど農業委員会にまかすこととし、さらに小作料の標準額をきめたり、その減額の勧告をしたりする権限を農業委員会に与えようとしております。これらの権限は、農地法の中では最も重要なことでありますし、それが市町村段階において、その農業経営の実態に応じて適正に行なわれるかどうかが農地制度を生かすか、あるいは眠らせるかという分かれ道になるんではないかと考えられます。そこで農業委員を選挙によって選出した農業委員会は何割くらいあるのか、農業委員のうち専業農家は何割くらい占めているか、農業委員の平均経営規模はどのくらいか等々についてお尋ねをいたしたいと思います。
#178
○説明員(岡安誠君) 昨年の七月に農業委員会の統一選挙が行なわれたわけでございますが、その際に改選が行なわれました農業委員会は、全農業委員会のうち約七割が改選が行なわれたわけです。で、改選が行なわれた委員会のうち、いまお話の、現に投票を行なったものはどのくらいかという御質問でございますが、私どもは農業委員の選挙は選挙区に分かれましてそれぞれ選挙が行なわれておりますので、選挙区ごとに立候補の数と定数を比べまして、投票、無投票の区別をいたしております。便宜、選挙区ごとの数字を申しますと、その二四%が現に投票が行なわれているというわけでございます。したがいまして、残りの七六%は立候補者が定数に満たなかった、無投票というような結果になっております。
 それから、この選挙によりまして選出された農業委員のうち、専業農家の占める割合はどうかという御質問でございますが、これは約七〇%が専業農家でございます。
 それから、当選者の階層別の分布はどうかという御質問でございますが、大体五十アールから百五十アール――一・五ヘクタールでございますが、その規模に入る農家の委員が全体の五三%を占めておるというのが現状でございます。
#179
○沢田実君 農業委員会に付与したこのような権限が適正に行使されるようにするためにどのような措置をお考えであるかお尋ねしたいと思います。
#180
○政府委員(中野和仁君) 御指摘ありましたように、今回の改正案では、村の中の所有権の移動あるいは賃借権の移動、そういうものについては、農業委員会の許可でよろしい。いままでは所有権は知事の許可であったわけでございますが、そういうことにいたしましたし、御指摘ありましたように、標準小作料の作成その他、かなり農業委員会としましては実質的の農地行政の責任が重くなったと私たちも考えております。そういうようなわけでございますので、地方の農業委員会につきましてはとかく国会でも御批判があるわけでございますけれども、われわれといたしましては、農業委員会に、この法律が通ります機会に、農地法の改正の趣旨と合わせまして、農業委員会の委員や職員の資質の向上のために研修会等を催しますとともに、いろいろな面での指導をこれからも強化をしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#181
○沢田実君 今回の改正案では、農業委員会が、農地の利用関係をめぐる紛争について、和解の仲介をすることとしております。本来、和解の仲介をするということは、公正中立の立場で問題の解決をはかる能力がなければならない。当事者の強い信頼を得ていなければ成功しないと思います。そこで、現在民事調停法に基づいて裁判所が農事調停をすることになっているにもかかわらず、農業委員会の委員にこれとに別に和解の仲介を行なわせようとしているわけでありますが、農業委員会による和解の仲介が公正中立に行なわれるためにどのような措置をお考えになっていらっしゃるか明らかにしていただきたいと思います。
#182
○政府委員(中野和仁君) ただいまお話ございましたように、現在でも民事調停法によります農事調停が年に約二千件近く行なわれておりますし、それから県におります小作主事が法外調停をいたしました件数等もかなりにのぼっております。しかし、実際問題として、農家同士のいろいろな争いをすぐ裁判所に持っていく、県に持っていくということがなかなかやりにくい実情もあるわけでございます。今回、農地法を改正いたしまして、和解の仲介制度というのを設けたわけでございます。実際問題といたしましては、農業委員会がこういう仲介と申しましょうか、和解と申しましょうか、そういうことは事実上やっておったわけでございます。それを法律的に明らかにしたわけでございます。そのために、今度のやり方といたしましては、農業委員会の会長が、起こりました事件ごとに仲介委員を三名指名するということにしております。いま御指摘のような問題は、この委員にどういうような人を選ぶかに一番問題があるかと思っておりますが、われわれといたしましては、一般的にはその紛争と利害関係のない、縁故関係のない者を指名するのがよかろうと考えますが、あるいは事件の性質によりましては、両当事者の言い分が非常によくわかるような委員を一人ずつ、それから全く中立の方が一人ということで和解の仲介をやったほうがいいのではないか、またそういう指導をしたいと考えております。
 それから、またいろいろ権利関係の調整でございますが、末端の農業委員会ではわかりがたいという問題がございますので、改正案にもございますように、小作主事――県に置いております小作主事が出向きまして意見を述べるということにもいたしたいと考えております。そういう面につきましても先ほど農業委員会のところで申し上げましたように、研修等を新しくやってみたいと考えます。
#183
○沢田実君 農地法を改正して、農業規模の拡大をしたい、そうして機械化によってコスト低下、あるいは生産性の高い農業をというふうに目ざしているわけですが、機械化の問題について若干お尋ねをしたいと思います。農林省としては機械化を担当している局はどこの局になるのでしょうか。
#184
○説明員(岡安誠君) 農政局でございます。
#185
○沢田実君 それは農林省の設置法にそういうことが記載されておりますでしょうか。
#186
○説明員(岡安誠君) 設置法を受けまして組織令というのがございますが、それによって農政局に肥料機械課というのが設けられて、そこで機械関係の仕事を処理するということになっております。
#187
○沢田実君 その担当部課でやっております仕事の内容というのはどんなものですか。
#188
○説明員(岡安誠君) 肥料機械課という名前でございますので、肥料を通産省の肥料関係の部局と調整をとりまして、農林省といたしまして肥料の全般の仕事、それから機械につきましての需給その他指導、これも通産省と関係がございますが、連絡をとってやっていることのほかに、二、三就業構造の改善等の指導もやっております。
#189
○沢田実君 トラクターは年間どれくらい現在ふえているのでしょうか。
#190
○説明員(岡安誠君) トラクターは大体歩行型トラクターと乗用型トラクターと大別されますが、いわゆる歩行型のトラクターにつきましては、先般来急速にふえまして現在約三百万台になっておりますので、これは大体頭打ちと申しますか、一応のレベルに達したように、最近のふえ方はあまり大きくはない、こういうことでございますが、乗用型トラクターにつきましては、四十三年度で約十二万四千台ということになっておりまして、最近の伸びは大体年間四、五万台というふうに考えております。
#191
○沢田実君 そのトラクターを運転する人を研修する体制というものはどんなふうになっているのでしょうか。
#192
○説明員(岡安誠君) 農林省といたしましては、トラクターを中心といたしまして、農業機械一般でございますが、内原に研修室を設けまして、これで全国的に研修をいたしておりますが、さらに畜産関係のトラクター中心の機械、それから果樹関係の経営に必要な機械等につきましては、それぞれの研修施設を設けております。なお都道府県におきましても、現在約四十にのぼるような県におきまして研修センターというものを設けて仕事をやっているのでございますが、農林省といたしましては、最近のトラクターの不足といいますか、需要増大に対応いたしまして、都道府県の研修センターの充実をはかりたいということで、四十五年度から新たに三カ年計画を設けましてその充実をはかっているという状態でございます。
#193
○沢田実君 私お聞きしたいのは、研修能力ですが、四十四年度でもけっこうですが、国ではどのくらい、県では何名――いま四十センターあるとおっしゃいましたが、その他団体なりメーカーなりで、その他合計でどのくらい研修ができるということでございますか。
#194
○説明員(岡安誠君) 大体国の施設で毎年研修をいたします能力といいますのは大体六百名ぐらいでございます。都道府県では大体一カ年間に八千名程度の人員を養成できるということになっております。
#195
○沢田実君 いま御答弁あったほかにあるいは農業団体なりメーカーなりの研修もあるようでございますけれども、合わせましても一万名足らず。ところがそのトラクターは年間四、五万台ふえる、これは一体どういうふうにするおつもりなのか。
#196
○説明員(岡安誠君) いまお話のございましたとおり、トラクターの導入台数に比べまして、私どもの系統の研修機関を卒業するオペレーターの数とはだいぶ開きがございます。それ以外は自己研修その他やっているわけでございますが、やはり一定能力を持ったオペレーターを確保するということは農作業の能率を確保する意味にも必要でございますので、先ほどちょっと申し上げましたとおり、この研修能力といいますか、その増大をはかりたいということで特に都道府県にあります研修センターの高能率化のための施策を四十五年度から始めたいという次第でございます。
#197
○沢田実君 大臣がいらっしゃったので、最後のところなんですけれども、実は規模拡大をして機械化をしていく、そしてトラクターも年間四、五万台ふえておりますけれども、これは研修については一万名ぐらいの能力しかない、こういうところから、この農業機械による事故というのが非常に起こっております。
 それで、先ほど大臣いらっしゃる前にお聞きをしたのですが、農林省において農業機械の指導を担当する部課については、私は設置法の法的な裏づけがないように思っているのですが、御答弁ではあるような答弁でございましたので、それならけっこうでございますけれども、非常に法的な裏づけといいますか、予算的な裏づけといいますか、そういう点が非常に私は弱いんじゃないか。そういうわけで機械化をはかりながら、これは機械を運転するための研修ということが非常におくれている、こういう現況でございます。そのために非常に事故も多くなっているわけでございますので、私はこの機械化についての農林省の担当部課といいますか、部局といいますか、その辺の拡充なりあるいは県と国とがばらばらというような研修の問題もございますし、その研修内容の統一もはかられてないような点もございます。そういう現況にございますので、そういう点について今後特に力を入れていただきたいことを要望いたしたいと思います。
 大臣いらっしゃる前に農地法の問題でいろいろお尋ねをいたしました。そこで一番問題になりましたのは農業に対する一つのビジョンについては御答弁をいただきました。それについて総合農政の上から四ヘクタールないし五ヘクタールが自立経営農家の規模ではないかという、これは総合農政の上の発表があったわけです。現在のいわゆる農業者の構成比を見てみますと、五百二十四万三千戸の中で第二種兼業というのが約半分、二百五十四万八千戸、こんなふうになっています。その第二種兼業の中で〇・五ヘクタール、五反以下の小さな第二種兼業が百六十七万戸ある、こういうような現況になっております。そういうようなところから四、五ヘクタール以下の農家をどのようにふやし、そうして三ヘクタール、二ヘクタール、一ヘクタール以下の農家をどのくらいに考えてこの政策を推進していくのだということをお聞きしたわけですが、そういう具体的に何ヘクタール以上は何ぼということは想定しがたい、一応目標に向かって前進をしていくという答弁があったわけですが、そういうようなことをいろいろ議論いたしました。
 それから農業委員会の問題についてもいろいろ議論をいたしましたが、ずっと大臣お留守でございましたので、時間の都合もありますので私の質問はやってしまいましたけれども、どうかひとつわれわれの趣旨を十分御理解をいただきまして、日本の農業がより発展するために一そうの御努力をお願いをいたしたいと思います。
 大臣、答弁がございましたら承って、私の質問を終わりたいと思います。
#198
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの機械化のことでございますが、これは私ども率直に見まして、やはりいろいろな産業界での、その他現実の進歩に行政はそれを追っかけて歩くというふうな傾向がとかくあることを、私は否定できないと思います。私どもは、いまさっきお話のございましたように、農業もやはり機械化がどんどん行なわれ、労働生産性を高める、こういうことが必要なのでございますので、そういうことにマッチするような強力な施策を農林省といたしてはしなくてはならない、こういう考え方で皆努力をいたしておるわけであります。なお一そうそういうことについて力を入れてまいりたいと思います。
 それから総合農政の方向についてただいまお話がございました。ほかの者からお答えもいたしておると思いますが、私ども一応自立経営農家として四ないし五ヘクタール、搾乳牛で二十頭程度というふうなことを目標にいたすと申しておりますけれども、かりにこれができ上がりましても、それが国際水準にはたして合うかどうかということになりますと、まだなかなか問題が多いと思います。しかもいま御指摘のように、兼業農家が非常に多いわけであります。したがって、そういう客観的な日本全体の情勢の上に立って、農業を国際競争力を持つ体質改善をしてまいるということにはなかなか困難な問題もたくさん伏在いたしておるわけでありますが、しかしながら私ども見ますところ、わが国の一般情勢というものは農業についてかなりな見込みのあるものでございますので、全力をあげて「総合農政の推進について」で申し上げておるような方向で最善の努力をしてまいりたい。それに必要なるもろもろの施策は四十五年度予算でもいろいろ計上いたしてありますが、さらに来年度以降においてもその方向で政府全体として努力をしてまいる決意でございます。
#199
○委員長(園田清充君) 両案についての質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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