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1970/05/12 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第19号
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1970/05/12 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第19号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第19号
昭和四十五年五月十二日(火曜日)
   午前十時五十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         園田 清充君
    理 事
                亀井 善彰君
                高橋雄之助君
                北村  暢君
                達田 龍彦君
                藤原 房雄君
    委 員
                青田源太郎君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小枝 一雄君
                小林 国司君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                田口長治郎君
                任田 新治君
                森 八三一君
                川村 清一君
                武内 五郎君
                中村 波男君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                沢田  実君
                向井 長年君
                河田 賢治君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
   政府委員
       厚生省年金局長  廣瀬 治郎君
       農林政務次官   宮崎 正雄君
       農林大臣官房長  亀長 友義君
       農林省農政局長  池田 俊也君
       食糧庁長官    森本  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       厚生省年金局企
       画課長      山下 真臣君
       厚生省年金局数
       理課長      淵脇  学君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定
 措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済
 組合法の規定による年金の額の改定に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○農業者年金基金法案(内閣提出、衆議院送付)
○理事辞任の件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は御発言を願います。
#3
○川村清一君 ただいま議題になっております外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案について御質問いたしますが、時間もだいぶ過ぎましたし、またきのうの委員会で委員の皆様方からたいていの問題には触れられて質疑がなされておる模様でございますので、私は問題点をしぼって御質問申し上げます。
 問題は基本的政策論議ではございませんので、御答弁は大臣でなくてけっこうです、政府委員の方にひとつしていただきたいと思います。
 最初にお聞きいたしますことは、この法律案は食糧管理法第六条第一項に基づいて立法された特別立法と理解しておりますが、それに間違いございませんか。
#4
○政府委員(森本修君) 御指摘のように、米の海外に対する輸出は食糧管理法の規定でできるわけでございますが、その際の支払いの条件の態様をこの法律案で定めるという関係になっているわけでございます。
#5
○川村清一君 第六条の第一項に基づいて立法された特別法律案かということをお尋ねしたわけでございますから、それであればそうだと、違えば違うと、こう端的にお答えいただけばけっこうです。
 次に、昨年度国会におきましては沖繩へ米を輸出することができる立法をいたしました。すなわち、沖繩における産業の振興開発等に資するための琉球政府に対する米穀の売渡しについての特別措置に関する法律という長たらしい法律案を立法いたしましたが、この沖繩へ米を輸出するという法律は、これも食管法の第六条第一項に基づいて立法されたものであるかどうか、その法的根拠をお伺いいたします。
#6
○政府委員(森本修君) 沖繩に対します特別の措置法案も、食管法第六条に基づいて米を輸出をいたします際の特別の条件といいますか、それを定めた法律であるというふうに御理解いただきたいと思います。
#7
○川村清一君 次に、韓国に対しても米を輸出しております。これは四十四年度に三十三万トン、それから四十五年度に三十万トンを輸出する予定になっておるようでございますが、この韓国に米を輸出するこの法的根拠は食管法の第何条に基づくものでありますか。
#8
○政府委員(森本修君) 食管法第七条であります。
#9
○川村清一君 そうすると、韓国へは、これは「輸出」とありますけれども貸し付けである、現物貸し付けであると、こういうことで第七条を適用されておるわけでございますか。
#10
○政府委員(森本修君) 韓国に対しましては貸し付けの形態をとっております。
#11
○川村清一君 それではまずこの法律に基づいて外国に米を輸出することができるということと、それに昨年立法いたしまして沖繩に米を輸出しておりますこの関係について若干お伺いしたいと思うわけでありますが、本法に基づいての輸出する輸出先は、提案理由の説明等をお伺いいたしまして、おもにこれは低開発国になっておるわけであります。したがって代金の支払いは、低利であり、しかも長期の延べ払いである、こういうことになっておりまして、実質的には海外援助的性格が強いものになっておると、こういうふうに理解するわけであります。そういう意味では沖繩への輸出とこの法律の性格はあまり違わないのではないか、こういうふうに理解もされるわけでございますが、沖繩への輸出とその他の諸外国への輸出とは、法律の構成が別になっておる、この点についていささか理解しがたいところもございますので、もう少し詳しくこの点御説明願いたいと思います。
#12
○政府委員(森本修君) 沖繩に対します特別措置法は、法律にもございますように、沖繩に対しますところの経済援助の一環といたしまして、沖繩における産業の振興開発等に要する資金の財源を確保する、そういうねらいに即して延べ払いの輸出をする、かつまた金利も無利子というようなことにいたしておるわけであります。今回の御審議をいただいております法案は、過剰米の対策というふうな観点から輸出を円滑に行なっていこうというために長期の延べ払いを行なうということを規定いたしておりまして、さような観点からいきますと、法案のねらい等については異にするものがあるということが言えるかと思います。
#13
○川村清一君 もちろん本質的には異なるものがあることは承知できますが、この法案の輸出先は低開発国である、そこに日本の過剰米を送るわけでございますが、低開発国であるということから、多分に海外援助的な性格を持っておる、だから輸出条件というものも低利であり長期の延べ払いである、こういうふうになっていると思うわけであります。そういう点からいえば、沖繩への輸出とも共通する点があるのではないか、かように考えるわけであります。
 そこでさらに進めてお尋ねしますが、この法律ができまして、その場合に沖繩はやっぱり昨年の立法によって今後も行なうのか、沖繩もこの法律によって今度は輸出ということになるのか、この点をはっきりしていただきたいと思います。
#14
○政府委員(森本修君) まあ沖繩のあの法律は、御案内のように琉球政府の強い要請といったような立法の動機もございまして、また先ほど申し上げましたように、法案をつくりましたねらいも、経済援助といったような観点が強く前面に出ております。また延べ払いで輸出をいたしました米の売り払い代金の管理並びにその資金の融通の使途といったようなものについても法律上書かれておるといったようなことで、私どもとしては本法案とは性格において異なるものと。ただ御指摘がございましたように本法案は直接対外的な援助を目的とはいたしておりませんけれども、結果的にはこういった長期の延べ払いをいたしますことが援助的効果をもたらすであろうという点については否定はいたしておりません。さようなそれぞれ相違がございますし、沖繩については単独の立法が御審議をいただいて成立をしておる、また強い先方の要望によってできたといったような観点からいたしますれば、私どもとしては沖繩に対する輸出は沖繩の特別立法で行なっていくのが適当ではないかというふうに思っております。
#15
○川村清一君 沖繩への米輸出につきまして、もう少しお伺いしたいと思うわけでありますが、ただいま長官の御答弁によりますと、琉球政府からの強い要請があってこういう立法をすることになったという御答弁でございます。その点は否定するわけではございませんが、しかしそういう観点に立って考えてみると、もう少し突っ込んでみなければならないと思うわけであります。と申しますのは、御承知のように、沖繩県民の米の需要は八万トンからあると私は伺っておるわけであります。これに対しまして昨年ようやく国内産米を三万トン、この法律に基づいて輸出されることになった。日本の米需給関係というものにおきましては、四十二年度産米から過剰米を多量にいまかかえておるわけであります。その中から昨年ようやく沖繩に送ることができるようになったということでありました。で、沖繩県は申すまでもなく日本の領土である。この米を食べる県民はわれわれの同胞、日本人である。この日本人の県民が八万トンの米を需要しておるにもかかわらず、ようやく三万トンだけ輸出することができるようになった。しかも、本土においては米がむしろ余り過ぎて困っておる。こういう状態の中で、ようやく三万トン送ることになった。私は非常に矛盾を感ずるわけでありますが、ただいまおっしゃったような考え方から言うならば、なぜ沖繩で需要のある八万トン全量を日本から送るような措置をとらなかったのか。また、するような努力をしなかったのか。この点について政府の御見解をはっきり伺っておきたいと思うわけです。
#16
○政府委員(森本修君) 私どもとしましても、御指摘のような事情でございますから、つまり日本の本土における米の需給状態、また沖繩側の事情等もございますから、沖繩側から要求がありますれば、それについてできるだけ希望に応じたいというのが私どもの従来からの考え方であります。昨日もさような御質問がございましたけれども、その方針にはもちろん変わりはないということをお答え申し上げてまいりました。従来の経緯からいきますれば、もちろん琉球政府並びに民政府等が御相談の上でこちらのほうには正式には申し出があるということでありますから、そういった正式の申し出がありますものについては、私どものほうで数量を減ずるというふうなことはいたしておりません。また、さようなことを今後においてもしないというつもりであります。
#17
○川村清一君 琉球政府からの要求があればそれは送るわけでしょうけれども、要求がないから、要求のあった分だけは送ったと、こういうふうに受け取られるような御答弁であったわけでございます。まあ沖繩県民にしてみれば、アメリカさんの米を食うよりも日本の本土の米を食べたいという気持ちは十分持っていると思うわけです。ただ価格差が問題になりますが、その問題は昨年日本政府がとった処置によってそれは問題は解決するわけであります。それで八万トン必要なものを三万トンひとつ本土政府に対して送ってくれという要請のかげには、ただいま米民政府と琉球政府との話し合いによってその数量が決定されるというような御答弁でありますから、裏を返して、じゃ悪くそれを解釈するならば、八万トン要請すべきものをアメリカ民政府のチェックによって三万トンということになったのだというふうに解釈されます。食糧庁長官としてはどういうふうに受け取っているのですか。それで簡単にあなたは、三万トンしか要請がないから三万トン送ったのだと、そう簡単に片づけられておりますが、なぜ八万トン要るというところを三万トン送ってくれということになったのですか。そうするとチェックをしたのではないか。この辺はどういうふうに解釈しますか。
#18
○政府委員(森本修君) 先ほど来しばしば申し上げておりますようなことで、私どもとしては国内における需給事情並びに沖繩本土における最近の関係といったようなことから言えば、沖繩側から要求があればその需要に対して数量を減ずるというふうなつもりは従来もありませんでしたし、今後もないつもりであります。ただ御指摘がございました沖繩側が正式の要求をこちらのほうにしてまいります過程でいかなる話し合いが行なわれているか、それは必ずしも私どもつまびらかにしておりません。
#19
○川村清一君 食糧庁長官は役人的な御答弁で、どうも私どもとしては納得できないのですね。要すれば施政権がいまだにアメリカにあるから、琉球政府が日本政府に対して要請するとしても、琉球政府は一方的にきめられない。民政府と相談しなければならない。こういうようなことからこういう問題ができておるのだと私は考えるわけであります。まあこれに食糧庁長官がはっきりお答えできないとするならば、倉石農林大臣はひとつ政治家としてどういうふうにこれを判断するのか、お答え願いたい。
#20
○国務大臣(倉石忠雄君) 事柄はいま政府委員からお答え申し上げましたとおりでありますが、このことの始まります前、日本の米を食糧という意味だけでなくて、これを琉球政府は売却をいたしたその資金を他の開発に使いたいというふうないろいろな希望をつけてお話し合いがありました。しかし、今度法律ができまして御存じのようなことで米を沖繩に輸出することにいたしたのでありますが、いままで琉球政府としてはわがほうの政府に向かっていろいろ内部的に折衝はあった模様でありますけれども、実現いたしましたのは、ただいま御存じのとおりであります。その間におきましては、やはりいまお話のございましたように、今日なお完全にわが国に復帰いたしたわけではありませんので、琉球政府はそれぞれ相談すべき筋があるでありましょう。そこでその相談の結果わが国に要望いたしてまいったと、こういうのが経過のようであります。わが方といたしましても、やがて遠くない間に復帰できてわが国の一地域になるわけでありますから、
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕いまのうちにできるだけ日本の米を使用してもらえるようにいたしたいのはやまやまでありますけれども、いまお話のございましたように、価格の点においても差もございますし、しかし希望に応じてできるだけ有利な条件でやる、こういうことでありまして、今後もやはり琉球政府とわれわれとの間に折衝をいたしまして、たぶん向こうからもいろいろ希望が出てくるでありましょうが、そういうことに応じてわがほうとしては所要量の全部がわが国の米でまかなえるようにだんだんもってまいりたい、こう思っているわけであります。
#21
○川村清一君 次に私は韓国への米の輸出についてお尋ねをしますが、先ほど冒頭にお尋ねいたしましたように、この今度の法律は、さらに沖繩への米の輸出の法律、これは食糧管理法第六条に基づいて立法している。韓国のみは第七条の政令によって現物貸与という形で米を輸出しておる。しかも数量は四十四年度においては三十三万トン、四十五年度では三十万トン予定されておる。そして貸し付け条件というものは無利子、無担保、十年据え置きの二十年返済、こういう形で非常に有利な貸し付け条件でもある、この点からちょっと理解できない。韓国のみはどうしてそういう有利な条件を与えたか、この法律ができました以上は、当然この法律に基づいて諸外国と同じように、韓国に対しても輸出すべきではないか、かように考えますが、これに対しての御見解をお伺いしたい。
#22
○政府委員(森本修君) 御審議をいただいておりますところの法案は、今後米を海外に輸出をいたします際の一般的な方式として確立をしたいということで、現在御提案をして御審議をいただいておるわけでありますから、私どもとしては海外に対して米を輸出する場合におきましては、こういう一般的な方式で原則としてやってまいりたいという考えであります。
#23
○川村清一君 そうしますと、今後は韓国への貸与という方式はとらない、一般的輸出という形でこの法律の適用によって行なうという御意見でございますか。
#24
○政府委員(森本修君) 現在における需給事情からいきますれば、私どもとしてはいろんな手段でもって輸出をしたいという感じは持っておりますけれども、先ほども申しましたように、この法律による輸出が一般的な一つの輸出の形態として確立をしていきたいという感じでございますから、できるだけこの法律のもとに輸出をやっていきたいという考えであります。
#25
○川村清一君 どうも質問しておることに対する御答弁がピントが合っていない。
 農林大臣、それではお尋ねしますが、これは多分に政治的な問題を含んでおりますから、韓国に対しましては無利子、無担保、十年据え置き、二十年現物償還ということで現物を貸し付けておる。非常に諸外国に比べて有利な条件で韓国にだけは処置をしておる。ここがどうも納得いかない。そこで私は、今度いま審議している法律が成立いたしますれば、韓国に対しても一般国と同じように輸出という姿勢でもって行なう、いままでのような現物を貸し付ける、こういうような形をとらない、こういうふうに解釈してもよろしいかということをお伺いしておるわけでございます。大臣のお考えをひとつ伺わしていただきたい。
#26
○国務大臣(倉石忠雄君) これは国と国との間に外交折衝で特別な取りきめがある場合はそれに従わなければなりません。たとえばケネディ・ラウンドなどで、わが国も参加いたしておるところで食糧の援助というふうな、ああいうふうなものがある場合は、具体的にわれわれのほうにも相談があってわれわれの要望を申すことは当然でありますが、いまお話のありましたような、韓国に貸し付けるというふうな、ああいう形で、将来ともに、われわれとしてはいろいろな事情で海外に対する米の供与がこれからもあるかもしれぬし、また輸出ができることは好ましいことでありますので、そのためにはやはり今度御審議を願っておりますような法律で一般的に取り扱うことがわがほうとしては望ましいと、こういうことでこの輸出に関する法律を御提案申し上げておるわけでありますから、これからの輸出につきましてはこの法律に基づいて処置をしてまいりたい、これが農林省の方針であります。
#27
○川村清一君 たとえばナイジェリアにおきますところのああいう国内における悲惨な状態の中から難民を救済するというようなことで食糧援助をする、あるいはただいま大臣からお話がありました、何か国際機構の中でいろいろ話し合って、そうして日本政府はその国に対して米をひとつ貸与するとかあるいは援助をするとかいう形ならば私はわかるのですよ。しかし韓国だけ別扱いにするということにはどうも了解ができないので、この際この法律ができれば、いままでの韓国に対する処置はやめて、一般国と同じようにこの法律に基づいて行なうのかということを聞いておるのでございますから、大臣の御答弁を聞いても、私の言っているようなことをするとも聞こえるし、またそうでもないようにも聞こえますので、端的にこの法律ができれば韓国に対する貸し付けというものをやめて、一般国同様に輸出するのだ、こういうふうにお答えいただけばけっこうなんですが、そうするのですか、しないのですか。
#28
○国務大臣(倉石忠雄君) この間の三十万トンのときにも、私どもは近く輸出に関する法律を制定したいと思うので、それから、その法律ができてからではどうだろうかというふうなこともお話しをいたしたような次第でありまして、これから農林省としてはこの法律によって輸出をいたしたい、こういうことであります。
 いま前段で川村さんおっしゃいました、たとえばナイジェリアその他で、国際機構の中で日本が参加いたして決定する方針があれば、これは政府全体としての措置ですから、輸出に対してはこの方針でいずれの国とも折衝をいたしてまいるつもりであります。
#29
○川村清一君 まあわかったようなわからないような御答弁ですが、一応その程度にして先に進みます。
 それでは、七十二年に沖繩が完全に日本に復帰した場合においては、当然これはもう日本の産米を沖繩に、今度は輸出じゃなくて移出でございますから、日本の食糧によって沖繩の県民の方々は生活をするというふうになると私は考えております。その際やはり価格が大きな問題になると思うのです。現在の国内産米の価格は国際価格の二倍でございますから、したがって沖繩県民はアメリカのものを食べておりますが、本土価格の二分の一の価格で食べておる。そこで完全に復帰した場合における沖繩に対するお米の価格はどうする考えであるか、いまからお考えになっていらっしゃると思うのですが、その点ひとつお答えいただきたいと思います。
#30
○政府委員(森本修君) 沖繩が本土に復帰をいたしました際に、どのような食糧管理のあり方を考えているかということに関連をするわけでございますが、御承知のように、管理制度自体、沖繩と本土では相当違っております。また御指摘のように、米の価格にも大きな開きがあるということでございます。したがいまして、今後それをどういうふうにしてまいるかというのは、もちろん沖繩の本土に復帰をいたしますことに伴う一体化の措置と関連をして、その一環として考慮をしていかなければならぬという問題でございます。いま具体的にどのようにするか、必ずしも政府部内でまとまってはおりません。今後の検討に待つべき部門が非常に多いということでございますが、いずれにいたしましても沖繩県民の生活に急激な影響を与えることは問題でありますから、さような点を十分配慮しながら、一体化施策の一環として私どもとしても取り組んでいきたいというふうに思っております。
#31
○川村清一君 それでは次に問題を進めますが、ただいまこういう法律案を国会に提案されまして、われわれにいろいろ審議を求めております以上は、本年度に大体日本のお米がどの程度外国に輸出されるのか、その国とそれから量というところを大体見通されていると思うんでありますが、どこの国にどのくらいの量を輸出される見当でございますか。
#32
○政府委員(森本修君) 昨日も御質問がございまして、私どもとしてはもちろんこの法律案が成立いたしますれば、日本の米の輸出の可能性について、あるいは見通しについてかなり大きな手段といいますか、有力な手段が与えられるということでございます。しかし一面、輸出の見通しということになりますと、今後の国際的な米の需給の関係、特に東南アジアにおける需給の関係いかんということも大きく影響をいたします。また当然これは相手側との話し合いといったようなことにもなりますから、相手側からどのような需要があり、交渉が持たれるかということにもかかるわけでございますから、正確にいまどの国に何万トン輸出ができるというふうな形でその見通しを申し上げることはむずかしいということでございます。ただしかし、御案内のように昨年来約一年の間にいろんな形態で米が約八十万トン海外に供与をされておるといったような関係を考慮し、また私どもも今後の米の市場の調査並びにPRについてできるだけ努力をしたいというふうに思っておりますので、さような観点から言えば、相当輸出の可能性があるのではないかというふうに思っております。
#33
○川村清一君 いや、昨年から八十万トンというのは八十万トンをすでに輸出してしまったということでございますか、それともこれからの期待量を含めて八十万トンでございますか。
#34
○政府委員(森本修君) すでに輸出をし、それから成約を見て輸出をしつつある数量であります。
#35
○川村清一君 さらに四十五年度じゅうに輸出する見通しの量というものは全然ありませんか、現在の時点では。これから輸出先を開拓していくということですか。それはもう法律を国会に提案する以上は輸出の行き先が大体あるんでないですか。あるからしてこういう法律をつくろうとしているんじゃないですか。全然やみくもでやったわけじゃない。ですから、これからどこの国に今年度はどのくらいということは、それがはっきりしなければ過剰米の始末がつかないではないですか。それで私はお尋ねしているわけです。全然わかりませんか。
#36
○政府委員(森本修君) とりあえずの見込みとしましては、先ほど言いましたように成約になるかどうかはこれからの交渉の問題でありますが、この法案が成立いたしますればこういった長期の延べ払いによって輸出をしてもらいたいといったような申し出がありそうな情報ですね、それがありますのはパキスタン、これが約四十万トン程度。それからインドネシア、これは数量ははっきりいたしませんけれども、やはり相当量といいますか、若干程度といいますか、さような情報は得ております。
#37
○川村清一君 どうも政府は、何せ親方日の丸でございますからね。企業としては、これはもうたいへんだと思うんです、企業であったら。在庫――あとから聞きますが、過剰米どのくらいかかえておるのか。これ普通のメーカーであったら、売れもしないそんな品物をそんなにかかえておったら、これはもう倒産ですね、完全に。食糧管理特別会計というのがつぶれないのは、やはり日の丸の親方がいるからつぶれないんであって、これは株式会社であったらとっくに倒産しているわけですね。
 そこで、その過剰米をどう始末するかというのは、これは重大な問題でございましょう。これはそこでやはり需要を拡大していく、国内においての需要の拡大はもちろんのこと、海外にも向けてこれを輸出する。何とかこれをさばいていこうという、そういうことでこういう法律を提案されておるんでございませんか。ところが法律は提案したけれども、さてどこへ売れていくかということ、皆目わからぬという、少なくとも企業であるならばこういうものをこれだけつくればどこへ反応があるといったようなことで、企業計画というものがあるだろうと思うのですが、この法律は出されたけれども計画がちっともないんじゃ全くやみくもじゃございませんか。その点を私は申し上げておるんですが、もう一度御答弁をいただきたい。
#38
○政府委員(森本修君) 現在のような情勢でありますし、それから米を輸出した経験というものは、先ほど申しましたような過去一年間におけるような状況であります。したがいまして私どもとしては必ずしも米の輸出についてそう長期の経験を積んでおるというわけではないわけであります。それからまた先ほど言いましたように、相手側の事情なり需給事情というものはやはり変動しておるといったような要素があるわけでありますから、確かに御指摘がございましたように、かような法案を出せば幾らくらい輸出できるかくらいはわからなければいかぬというお話も十分わかるわけでありますが、具体的にどういう見込みを立てるかということになりますと、そこはそこでまたなかなかむずかしい問題がございますから、かような席上で何トンということを正確に申し上げることはなかなかむずかしいということを繰り返し申し上げておるわけであります。御指摘のような論理は私どもとしても決して否定をしておるわけではありません。現実の見込みということになりますと、かような状態であるということを御理解いただきたいと思います。
#39
○川村清一君 それではいただいた資料を検討しますと、現在過剰米を多量にかかえて、非常に困って、その始末に悩んでおるのが政府の実態だろうと思うのです。そういう情勢の中において、この資料によりますと、四十二年度において三十六万五千トン、四十三年度において二十六万四千トン、まあ四十四、四十五年度は確かにちょっと減りましたけれども、それでもいかにわずかとは言いながら、四十四年度には四万八千トン、四十五年度には三万トンの米の輸入を見込んでおる。この点が非常に了解できないわけです。米が余ってしまって、その始末に全く困っておる。そこで輸出をはかるためにこういう法律案を提案して審議をやっておる。その中で四十二年度産米からうんと余っておるわけですね。この余った時点において米を輸入しておる。四十四年度においても、昨年度もこれはほんとうに僅少でございますがやはり輸入しておる。この点がどうしてこういうことをしなければならないのかわからないんですがね。これはどういう理由によるんですか。こういうばかなことをするんですか。
#40
○政府委員(森本修君) 四十四年度におきまして六万三千トン輸入をいたしておりますけれども、これは主として国内の需給関係から言いましてもち米が不足をするというような関係から、もち米の価格の高騰を押さえる。あるいはもち米需要に対して適正な供給をするというふうな観点から、やむを得ず輸入をいたしておるわけであります。
#41
○川村清一君 何年度ですか。いや、はっきり申し上げますと、これは食糧庁で出されている資料ですね。これの一三ページに輸入の数量があるわけですね。四十二年度に三十六万五千トン、これ、間違いないでしょう。四十三年度に二十六万四千トン、それから四十四年度は四万八千トン、四十五年度は予定で三万トンと、こういう数字が出ているのですね。そこで日本の過剰米というものがたくさん出てきたのは四十二年度、この年度から出てきているわけですね。四十二年度の、いまで言うならば、四十五年から言うならば古古米でなくて古古古米になるわけです。こういう時点において三十六万五千トンも輸入し、四十三年度には二十六万四千トンも輸入している。この辺がわからないというのです。これはどういうわけなんですか。
#42
○政府委員(森本修君) 四十二会計年度ということになりますと、食べる米の年産としては四十一年産米の年度に当たるわけであります。したがいまして、この当時におきましては、なお政府の需給関係も苦しい、それから在庫量もわずかであるというふうな状態であったわけです。それから四十三年度のほうは、これは会計年度でありますから、先ほど言いましたような状態がなお引き続いておるといったような需給関係ということで、二十六万トンばかり輸入をしておる、こういう関係になっておるわけであります。
#43
○川村清一君 それでは次にお尋ねしますが、米の輸出につきましては、やっぱりこの資料をちょっと検討いたしますというと、タイであるとかビルマであるとか、こういう低開発国、しかも、この国の輸出品目としては第一の品目である米、こういう国々が東南アジアにあるわけです。日本の米の輸出先もおもに東南アジアに指向されておると思うわけでありますが、そうしますと、そういう低開発国と競合するようなことになるのではないか。もちろん大臣の提案理由の説明の中におきましても、そういうようなことで刺激し、迷惑をかけるようなことは十分避けたいというような考えが述べられておりました。そういう考えのもとに、それではどのような具体的な処置をとるのか。たとえば、どっかの国で輸出を希望して競争入札をするというような場合におきまして、日本はそういうタイとかビルマとかいったこういう低開発国とは競争入札をしないとか、そういったような具体的な方策ですね、そういう国々とはできるだけ競合を避けるという立場で、それじゃどういう方策をおとりになろうとしておるのか、この点を。
#44
○政府委員(森本修君) 本法案によりますところの輸出の形態でございますれば、現在御承知のように、国際機関等におきまして、たとえばFAO等におきましては余剰処理に関する原則といったようなものが立てられております。したがいまして、さような原則に基づきまして米を日本が輸出をいたします際には、たとえば関係国に対する協議でありますとか、あるいは余剰処理小委員会といいますか、そういう国際的な一つの委員会に対しまして通報をするとか、さような手続もきめられております。そういうふうな関係からいきまして、できるだけ対外的な協調に配慮をしながら輸出をしていくということであります。
#45
○川村清一君 次に、アメリカとの関係をお尋ねしますが、この資料を検討しますというと、世界一の輸出国はアメリカになっておるわけでございます。このことは先ほどの沖繩の問題とも関連してくるわけでありますが、やはりアメリカとも競争しなければならないということになると思うのです。一方においては低開発国とは競争をできるだけ避けると、こういう基本的な姿勢をもって臨む。それから世界において一番の米の輸出国はアメリカである。このアメリカに対してどういうようなことになるか。アメリカと競争していくということになりますれば、ますます価格の面で国際価格が引き下げられるということになると思うわけであります。そういう競争をして輸出するということは、ますます食管会計の赤字をふやすことにならないかということを、一面考えるのでありますけれども、この世界一の米輸出国であるアメリカに対し、どういうような立場をとられようとしておられますか。
#46
○政府委員(森本修君) 現実に私どもが将来米の輸出をしてまいるということになりますれば、当然いままで日本側としては、最近まで国際的な輸出国としては参加をしていなかったわけでありますから、輸出に対する米の競争関係というものが、その分だけある意味では激化をする要素になるということは否定はできません。先ほど言いましたように、諸外国との政策的な協調の関係は協議をするなり通報するなりということでとっていくわけでありますが、コマーシャルな意味の競争の激化にどう対処するかというお尋ねのようでございますので、その分はある程度国際的な競争の激化といいますか、そういうふうな要素になることは否定をしません。しかし、御指摘がございましたように、わがほうとしてもできるだけ輸出者の立場としては商業的にも有利な関係を持って対処すべきであるということは、これは当然でありますから、国際的なこういった関係についての情報も十分整備をさせて、また相手国の関係で、いたずらに過当競争にならぬといったような商業上の配慮をしていきたいというふうに思っておるわけであります。
#47
○川村清一君 次にお尋ねしますのが、大臣の提案理由の御説明によりますれば、政府の古米の持ち越し量は、昨年十月末に約五百五十万トン、本年十月末にはこのまま推移すれば約八百万トンに達する見込みとなっている、こういうふうな御説明がありました。約五百五十万トン、約八百万トンという数字は、いただいた資料の五ページの一番右端のほうにあります。「差引持越国内米のうち古米」という欄、すなわち四十五年で七百七十四万六千トン、四十四年で五百五十四万四千トン、この数字のことをさしていらっしゃるのか。
#48
○政府委員(森本修君) そのとおりでございます。
#49
○川村清一君 それではこの四十五年十月の七百七十四万六千トン、大体七百七十五万トンですか、この七百七十五万トンというものについて、ひとつ長官から産米年次別区分を御説明いただきたい。
#50
○政府委員(森本修君) 年産別の区分でございますが、四十二年産米が約百十二万トン、それから四十三年産米が約二百七十万トン、それから四十四年産米が約三百九十二万トン、それから四十五年産米が約二百八十九万トンという内訳になっております。
#51
○川村清一君 時間がまいったようですが、四十五年産米が二百八十九万トン持ち越されるということは、これは今年度の農政の一番大きな柱になっておりますところの生産調整で、百五十万トン減産する、その百五十万トン減産が確実に実現してもさらに二百八十九万トンは持ち越すということになりますか。
#52
○政府委員(森本修君) いま申し上げましたのは、もちろん古米ではございません、四十五年産ですから。ただ御案内のように最近米の出回りも非常に早くなってきておりまして、八月ごろから出回りをする、いわゆる早場の米が十月までにかなり大量に出荷をされるというふうな関係から、十月時点でとりますと二百八十九万トンという在庫になるということであります。
#53
○川村清一君 そうしますとこの七百七十五万トン、四十二年産米、四十三年産米、四十四年産米とこうありますが、そこでこの法律が成立する、ここから外国に輸出することが始まりますが、この輸出に使用する米は何年度産米から使われますか。
#54
○政府委員(森本修君) これは必ずしも何年産ということを固定的に考える必要はないかと思います。と言いますのは、相手の嗜好等によりまして、たとえば古米で乾燥のいい米のほうが嗜好に合うといったような国が現実にございます、いままで折衝した過程では。またもちろん新米のほうがよろしいという国もあるわけですから、さような相手国の要望に応じて私どもは年産別の区分を折衝していきたいと思います。
#55
○川村清一君 そこで、食糧管理特別会計の赤字についてお伺いいたしたいわけでありますが、四十五年度予算の中におきましてこの一般会計から食管会計への繰り入れ金、これは幾らでありますか。
#56
○政府委員(森本修君) 食糧管理のために食管会計への全体の――食糧管理全体に伴う赤字の額は三千二十六億ということになっております。
#57
○川村清一君 その食糧管理特別会計の一般会計からの繰り入れ金、いわゆる赤字が三千二十六億、このうち四十五年度における食管会計の国内米管理勘定、これの赤字は幾らありますか。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
#58
○政府委員(森本修君) 二千九百六十三億であります。
#59
○川村清一君 この二千九百六十三億につきまして赤字要因別の内訳をひとつ、数字だけでいいですからちょっと……。
#60
○政府委員(森本修君) 端的に申し上げますと、売買の差損と言いますか、そういう額が千二百二十五億、それから経費分に相当するものが千七百三十八億ということになっております。
#61
○川村清一君 これをひとつ……これはわかりませんか。過剰米分について約七百七十五万トン、この過剰米分についての赤字が幾らか。それから輸出をするわけですが、輸出につきましては結局金利がかかりますね。その金利の分をこの食管会計が見なければなりませんね。そうすると輸出はする、輸出はするけれどもすぐそれはお金は返ってこないわけですから、その金利はこっちのほうで見なければならない。そのためにこの勘定に赤字が出てくるわけですが、この分で幾ら出るか、過剰米分で幾ら出るか、そして国内消費の通常分で幾ら出るか、これをひとつわかったら御説明いただきたい。
#62
○政府委員(森本修君) 厳密な意味で過剰米に伴う損失がその中に幾ら含まれておるかというのはなかなか経理処理としてもむずかしい問題でございます。したがいまして厳密な意味で過剰米に伴う損失はその中に幾らあるというのはなかなかやっかいでありますが、通観をいたしますと、過剰米の一年間……、過剰米といいますか、およそ米の一年間保有する場合の経費部分はそれは約一万円というふうに見られておりますから、私ども過剰米の在庫数量を約七百万トンと押えまして、七百億ということになろうかと思います。それから過剰米の売買に伴う損失ということになりますが、現在の予算では過剰米処理についての計数的なめどといいますか、そういうものが必ずしも明確に確立をされていないというふうな現状で予算編成をいたしておりますので、売買に伴う損失としてとりあえず七十億円を計上しておるという状態であります。
#63
○川村清一君 もう一つ、輸出に伴う利子負担。
#64
○政府委員(森本修君) 輸出に伴います利子負担、これは論理的にもちろん発生するわけでございますが、先ほど申し上げましたようなことで、輸出の的確な数量的な推計というものは必ずしもできないという状況でありますから、その分を分離して計算をするということは現状ではできかねるということでございますから、全体の金利負担の中に金利予算でもって支弁をするというふうなことになろうかと思います。
#65
○川村清一君 それは非常にずさんな勘定だと思うのです。私がなぜこういうことをお尋ねしておるかというと、いま国民の中に食管会計に非常に赤字がある。この赤字を一般会計から埋めておる。いわゆる国民の負担でもって食管会計の赤字を埋めている。これに対して非常な不合理を感じている国民の皆さんが多数いらっしゃるわけです。ですから、たとえば生産者である農民の方々が生産者米価の引き上げのようなことを要求されるとしますね。そうすると、これはもう政府はその辺はわかっていらっしゃると思いますけれども、必ずしも国民大衆はその真意がよくわからない。新聞等の報道を見ましても、現在も三千億も赤字があるじゃないか、これを生産者農民がまた生産者米価を上げたら、さらに赤字がつり上がっていくじゃないか、それが消費者にはね返ってくるじゃないか、物価をつり上げ、国民大衆の生活を苦しめる、だからこういうことを要求する農民はめちゃくちゃだ、自分さえよければいいのかといったような、そういう反撃の声が国民の中から起きてくるわけですよ。だから私は食管会計が持っている赤字の実態というものをもっと国民の皆さん方に明らかに示さなければならないと思う。そういう立場で私は聞いておるのです。
 三千二十六億というこの食管会計の赤字がある、しかしそれじゃ米のほうの赤字は幾らか、米は二千九百六十三億であるという、こういう御説明であります。そうすると、二千九百六十三億という四十五年の予算に組まれているその内訳をさらに検討してみると、これは過剰米を七百七十五万トン現在かかえている。このかかえている七百七十五万トンの過剰米についての経費というものは莫大なわけです。いま長官の御答弁ではそれが七百億。どうも私は七百億という、一トン一万円という数字もこれは了解できないのですが、私も専門家でないから、あなたに反撃するだけの資料を持っていませんから一応それで了解するといたしましても、少ないですよ。
 それから外国に輸出するでしょう。輸出する分の金利というものを負担するわけでしょう。その点を先ほどから問題にしている。また今後、国内価格が下がってくる。アメリカのような国が自分の国のものをどんどん売るためには、競争相手を負かしてしまうために価格を下げるというようなことになって、それと競争するということになると、ますます赤字がふえてくるのです。こういったようなものをひっくるめますというと、私は一千億とまでいかなくても、九百億くらいの、過剰米についてあるいは輸出に伴ってのこの赤字がここにあるんじゃないかと思う。そうしますと、二千九百六十三億という、まことに三千億というここに数字が出ておりますけれども、それらを引きますというと、実質的に通常米分では管理費を入れても二千億程度ではないか。そこで三千億あるのはこれは事実といたしましても、過剰米というものは一体だれの責任か。私は農民の責任ではないと思うのです。過剰米を、米を残しておるというのは、これは私は政府の責任だと思うのです。
 いまごろようやくこういう法律を出してきている。もしも過剰米をもっと早く始末しなければならないと思うならば、積極的な姿勢があるならば、もっとこういう法律を早く出してきて、そうしてどんどん外国に輸出して、そうして需要を拡大していったらいいじゃございませんか。そういう政策はちっともとらない。そうして韓国には無利子、無担保で貸してあげる。利子は韓国からはもらわんけれども、日本の国では利子を負担しているわけですよ。それから沖繩のほうは、これは一般会計に、総理府の予算から組み入れられてきますけれども、それにしても、とにかく国民の皆さん方にはこの三千億、これが無制限にふえていく。そうしてこれが全部国民が負担をしなければならない。こういう原因をつくるのは、農民の、生産者米価の要求によるのだ。けしからんのは農民だ。こういうように責任を全部農民にかけてくる。こういう傾向があるので、これは間違いである。そこでこの数字を私は明らかにしていただきたいということを質問しているのです。
 そうでしょう。過剰米によって起きているものがずいぶんあるわけでしょう。だからこの過剰米の責任というものは、決して生産者米価に責任がないと思うわけです。ましてや、米が相当余っておるにもかかわらず外国から輸入しておる。ちゃんと数字が、あなた方が出した資料にちゃんと数字が出ておる、こういう点。ですから、もう少し食管会計上の赤字というものを、赤字がある、赤字があると膨大な数字だけ発表しないで、その内容というものをもう少し国民に明らかにしていただきたいということを私は申し上げたい。それで私の質問を終わりますが、この答弁をいただきまして質問を終わります。
#66
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま米の生産調整に一生懸命で努力いたしておりますので、さらに過剰を生じないようにいたしたいと思っておりますが、いまお話しのように、食管会計の損失の中には、これまでの過剰米に伴う損失が含まれておる。そうして年々その額が増加いたしておることは、御指摘のとおりであります。そこで、ただいまお話しのような点につきまして、過剰米の処理にあたりまして、政府は民間の学識経験者の参集を求めまして、広く意見を承っておるところであります。したがってその際、いまのお話のございましたような食管会計の赤字とあわせて、いわゆる過剰米にかかる財務処理の問題についても並行して御研究を願いたいと思っておりますので、そういうものが出たところで十分に検討してまいりたいと思っております。
#67
○委員長(園田清充君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。
 これにて午後一時……。
#69
○向井長年君 議事進行について。
 私は理事に出ておりませんので、打ち合わせの内容は存じておりませんけれども、この法案が、いま委員長が発言されましたように、質疑が尽きたということのようでございます。質疑が尽きれば直ちに討論採決をする、あるいは附帯があれば附帯をつける、こういうことが本来の議事の進め方かと思う。私は政府に特別協力する意味じゃございませんけれども、いわゆる会期末二日、あす一日になって、質疑が尽きたものを採決せずしてそのまま持ち越そうということはどういうことか、ひとつ説明を聞きたい。(「理事会できまっているのだよ」と呼ぶ者あり)だから、その理事会できまった理由を聞いている。
#70
○委員長(園田清充君) 私からお答えいたします。
 午前中理事会を開きまして、ただいま私が進行してまいりましたようなことを一応理事会としては決定をいたしましたので、理事会の決定の線に従っていま議事を進行してまいっているわけでございます。なおここで、午後一時までの休憩の間に、あとの進め方について、理事さん方と重ねて理事会を開きたいということで、休憩中に理事会を開いて午後の進め方について協議をいたすことにいたしております。さようひとつ御了承いただきたいと思います。
#71
○向井長年君 理事会でいろいろ話し合ってもらってけっこうでございますが、大体この法案は、共産党を含めて各党が賛成のようです、私が伺うところによると。そうすると、質疑が尽きた場合は、これはやはり委員長なり理事において、やはりすみやかに討論採決を行なってもらうのが当然かと思います。その点を私は強く要望しておきます。きょう午後三時過ぎから本会議があると思います。これも問題の多い、相当問題のある法案であるならば、これはまだ質疑を尽くさなければいかんし、あるいは修正意見を出さなければならん場合もあるかもしれない。しかし聞いてみますと、大体各党みな賛成のようでありますから、そういう法案を午後に持ち越して、理事会にはからなければならん理由は、私はあまりわからない。その点を、まあいま委員長から御答弁ございましたので、ひとつ十分理事あるいは委員長の間でその趣旨を生かして検討していただきたい。
#72
○委員長(園田清充君) わかりました。
 これにて午後一時まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十一分開会
#73
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農業者年金基金法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#74
○村田秀三君 冒頭、大臣に質問申し上げたかったわけでありますが、十五分までに衆議院に行かれるということでありますから、帰ってまいりましてから十分にひとつ御意見を賜わりたいと思うわけでありますけれども、物事には順序がありますから、だぶる面もありますけれども、それはひとつ御了承いただきたいと思います。
 そこで、今回の農業者年金制度、これは従来も農民から強い要望が出されており、政府も約束をして、ようやく今国会に一つの制度として法律案を提案されてきたわけでありまして、まさにこれは画期的な一つの農政の重要な柱であろうと私は思います。そういうことでありますから、十二分にその審査をいたしまして、またこれについてはすでにいろいろな意見が出されておるわけでありますから、
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
そういう意見等もかみ合わせながら、ほんとうに農民の期待にこたえるような制度にしてまいりたい。こういうことで私どもが考えておったわけでありますけれども、しかしながら、もはや六十三国会も明日で終了ということでありまして、その審議時間わずかに六、七時間もあればというふうなことで、きわめて遺憾であります。まことに残念であるわけでありますけれども、それだけに短い時間で効果的な質問をしたい、こう思っております。同時に、また先ほど申し上げましたように、改善意見等がたくさん実はあるわけであります。したがって、この改善意見に対して、政府側が現状のところに拘泥をして、それよりも一歩も出ないような答弁を繰り返していただくとするならば、これはなかなか前に進まない、こういうことにもなるわけでありますから、その質問の真意をひとつお考えいただきまして、率直に簡明にひとつ答えていただきたい。こういうことを前提にこれから質問をしていきます。
 あらためてお伺いをいたしますが、農業者年金制度、これをどうしても創設をしなくてはならないという目的、必要性といいますか、またその背景といいますか、そういうものについてあらためてひとつお答えをいただきたいと思います。
#75
○政府委員(池田俊也君) 今回の農業者年金制度の基礎的な考え方といたしまして、私どもは現在のわが国の農業構造を基本的に今後改善をしていく必要があるというふうに考えておるわけでございますが、もちろんこれは農業者年金だけではなしに、各般の施策、先般御審議をお願いいたしまして成立をみました農地制度の問題あるいは農協制度の問題、あるいは前国会におきまして成立をいたしました農業振興地域の整備の問題、いろいろな面から農業構造の改善をはかってまいらなければならないわけでございますが、その中で特に今回の農業者年金制度におきましては、現在のわが国の一つの農業構造の特色であると同時にまた非常に問題の点であると思うわけでございますが、それは経営規模が非常に小さい、こういうことでございます。やはり将来、農業経営というものを確立する場合には、これは規模拡大をはかってまいらなければならないわけでございまして、これは、もちろん農地法その他と密接に関連をいたすわけでございますが、その零細経営のまま従来ずっとそういう状態が続いてきている一つの理由といたしまして、やはり農業者に対する老後の保障が十分でない。でございますから、いま直ちに農業から離れるということが非常にしにくい事情が一つあるわけでございます。もしそれが促進をされまして、老後が保障されまして、農業から離れてもいいような条件の方が農業から一応引退をすることができますならば、その農地はさらに規模拡大に振り向けることができるわけでございますから、そういうような意味で、農業者の老後保障というものを充実していく必要があるという点が一つあるわけでございます。それと同時に、やはり現在の農業経営主の年齢構成等を見てみますと、かなり老齢化しているわけでございまして、もちろん年とった方が全部悪いというわけではございませんが、やはり今後若い人たちが希望を持って農業にいそしめるという環境をつくるということからいいますならば、もう引退をしてもいいような条件の方には引退をしやすくする、こういうことが必要なわけでございまして、そういったような観点から今回農業者年金制度を創設いたしたい。それによりまして経営移譲というものを促進をいたすと同時に、国民年金があるわけでございますが、それとあわせて老後保障の充実をはかる。そういうことによって農業構造の改善をはかってまいりたい。これが制度の創設の考え方でございます。
#76
○村田秀三君 それではここで明らかにしておきたいと思うのでありますが、提案理由の説明あるいは本会議の質問における大臣答弁等をお伺いをいたしておりましても、老後の保障に加味しながら構造政策の推進をはかるというような答弁のしかたをしているわけですね。だから、聞きようによっては老後の保障に重点を置いているようにも聞き取れますし、いまの局長の答弁を聞いておりますると、これはあくまでも農政上の要請だ。構造政策を政府の期待どおりに進めるためには規模拡大が必要であり、規模拡大をするためには零細農を規模拡大のために協力させねばならない、こういう意味を持っている。もちろん協力させるためには、経営移譲をしやすくする、離農をしやすくする、そういうことがある。こういうふうに聞くわけでありますが、少なくともこの制度創設の意義、目的というのは、あくまでも農政上の要請である、規模拡大のために零細農をこれに協力させるという理解が主に理解されるべきである、このように理解していいのですか。
#77
○政府委員(池田俊也君) 実は衆議院におきましても、老後保障ということと、それから経営移譲の促進ということと二つの――農業者年金制度の一つのつかまえ方の問題でございますけれども、二つの側面があるということで、むしろ老後保障という点からいえば、それを従来の国民年金制度に加えまして充実をしていくということで、まあ目的は達せられるのではないかという意味の、いろいろ御意見があったと思います。私どもは、今回こういうふうな制度の御審議をお願いしておりますのは、老後保障という見地だけから申しますならば、御存じのように国民年金制度が現在あるわけでございまして、この制度を一般的に充実していけばよろしいということになるわけでございますが、今回農業者に限ってこれを取り上げましたものは、やはり基本的には老後保障を充実するということによりまして、農業構造の改善を導き出してくるようなそういう見地から老後保障の充実も必要でございますし、それから経営移譲ということを促進いたすということは、これは一見老後保障とは関係ないようでございますけれども、もちろん一般のサラリーマンの方が退職いたしました場合に、退職をしたことを要件にいたしまして年金の支給が行なわれるのと、ある意味では同じような経営移譲をした場合に、その老後の生活の安定をはかるという見地から年金を支給するわけでございますから、これも老後保障とは密接不可分でございまして、この二つの要請を切り離すということではなしに、むしろ非常に密接に関連しているということを私どもは実は申し上げておるわけでございますが、そういうこととは一応ややそれから離れまして、終局の目的というような点から申すならば、やはり私どもは農業構造の改善をはかりたいという農政上の要請が基本である、こういうふうに御理解いただいてけっこうだと思います。
#78
○村田秀三君 実は私もそのように考えております。両者密接不可分ではあるけれども、これは農政上の要請である。そのためにこの年金制度を創設する、こう端的に理解をいたしたいと思います。またその前提に立ってこれから質問を続けていきたいと思います。
 そこで先ほどもお話ございました農地法の改正と、そしてまた農協法の改正、今国会で成立をいたしたわけでございまして、構造政策を進める上においてはこの農業者年金も一つの柱として重要である。この考えにはお変わりないと思います。そこでこの農業者年金の目的を達成しなければならないという問題がこれから出てくるわけでありますが、この制度ができまして以降どの程度その効果というものを期待できるであろうか、また農林省として期待をしておるかということですが、その点についてはどのようにお考えでございますか。もっともこれは農地法の審議あるいは農協法の審議の際にも日本の農業の将来のビジョン、その中における生産規模といいますか、生産様式といいますか、そういうものも含めて種々論議をいたしたところでありますけれども、それがなかなか困難であるようであります。しかし私が考えますのに、この農業者年金をつくりまして以降というものは、大体これに参加する農家の状態というものは一目でこれは掌握できるわけです。把握できるわけですね。その運営いかんによってはどうにでもなるという実は感じを持っておるわけでございまして、この効果をどの程度期待するのか、実効というものはどの程度に見込まれるのかという設問ですが、いかがお考えでございますか。
#79
○政府委員(池田俊也君) これは率直のところを申し上げましてわが国におきます初めての試みでございます。私どもは老後保障を経営移譲と関連いたしまして保障することによって、経営担当者の若返りなり、あるいはさらには、ひいては経営者の引退を機会に経営規模の拡大をはかってまいりたいということを考えておりますが、率直なところを申し上げますと、実施をいたしてみないとよくはっきりわからないという点が、非常に率直なことを申し上げて恐縮でございますが、ございますが、いろんな従来この制度を検討いたします段階で、いろんな関係のたとえば農村社会学等の学識を持っておられる方々のいろいろ御意見をお伺いいたしました段階で、やはり全然従来こういう制度がなかったわけでございますから、こういう制度ができるということになると、今後引退ということがかなり促進されるのではないだろうか、一般的に申し上げますと。大体その方々の比較的集約した御意見としては五年程度大体経営移譲が早まるのではないだろうか。従来のわが国の場合の経営の移譲が行なわれますのは大体六十五歳ぐらいがいわば中心になっておるわけでございまして、それよりかややおくれる可能性があったわけでございます。それが大体五年程度早まりまして、従来六十五歳がピークになっていたものが六十歳程度までは早まるということが期待できるのではないだろうか。こういうことをそういう方々は一応言っておるわけでございまして、私どもも実はそのような期待をいたしておるわけでございます。
#80
○村田秀三君 どうもやはり農林省の姿勢、良心的に厳密に言って、どうしてもしかとした答えが出ないだろうという意味だと思いますが、農地法の場合もそうですが、やってみなければわからぬというのが多い。だけれども、この制度を出発させたならば、わからないということはこれはあり得ないと思うのです。実は。
 次は、年金設計についてお伺いするつもりでありますが、もう年金設計をする場合には、これは長期展望に立って出すのでありますから骨格というのはきめてかからなければならないですね。そのきわめてかかるものが予想であることは間違いないと思います。計画ではないと思います。しかしながら、これは予想であると同時に、ある程度の計画性がなければ、これは数字を扱うなどというわけにはまいらないし、しかも保険の定めで徴収するということにはならないわけでありますから、だとすれば、私はある程度の展望は可能だと思います。それは次の段階で申し上げます。
 そこであらためてお伺いをいたしますが、この構造政策を進めるについて、まあさまざま要件がありますけれども、少なくともこの国会に出されましたところの農地法、農協法、この農業者年金基金法というのは三本の柱である。一面的に言うと、この農業者年金基金法は、補完するものだという言い方もされておりますけれども、実際にはそのどちらが先行するのか、構造政策を進める上において農地法が先行するのか、農協法が先行するのか、あるいは農業者年金法が先行するのか、どう考えますか。
#81
○政府委員(池田俊也君) これも非常にむずかしい御質問でございますけれども、この農業者年金制度は、制度といたしましては年金支給が始まるのが若干先になるわけでありますから、そういう意味では、年金制度そのものとしては直ちに効果を発現するということを期待するのはむずかしいわけであります。また一方で、年金制度を補完いたします措置といたしまして離農給付金制度というようなものもあわせて考えておりますので、そこらの面に着目いたしますならば、これはむしろ農地制度の今回の改正――農地の流動化促進というような措置とこれはあわせてその効果を発現していくべきものだと私は思いますが、年金制度だけに着目いたしますならば、これは五年後になるわけでございますから、そういう意味では、むしろ引退後の所得を保障するという、一つの安心感を与えると思いますが、むしろその前にいろいろ農地の流動化あるいは農協によります経営の受託でございますとか、そういうものの一つの腹ごなしみたいな条件の整備ができまして、その上でこれが初めて老後生活の保障という面を年金が担当いたす、こういうことでむしろそういう点では若干あとを追うみたいな感じがいたしますけれども、しかしそういう展望ができまして、初めて農業者の方はいろいろな判断ができるというふうに考えますので、そういう意味で言えばどちらが先ということでなしに、全体として一つの仕組みができていることが私どもは必要ではないかというふうに考えております。
#82
○村田秀三君 これもどのように考えるかということは非常にむずかしい問題だろうと思うのですが、いずれにしろ五年後にこれは実際の効果が年金それ自体で出てくるわけです。当面の問題としては農地法、農協法で流動化をはからなければならない。したがって農地法、農協法によって流動化を促進し、そのアフターケア的な要素というものをこれはやはり農業者年金の中に私は認めることはできると思うのですね。これをそうあってみた場合あと五年間という問題をどうするかという問題これはあとに残しておきます。五年間の空白ができるわけです。これはあとに残しておいてひとつ御意見を申し上げたいと思うわけでありますが、いずれにいたしましても、私次の年金設計についていろいろと詳細にお聞きいたしますけれども、その際におそらくお気づきになっておられると思いますけれども、むしろ年金が先行して、そうして経営移譲が促進されるという面というものが、私は必ず出てくるのではないかと思う。そういう感じを実は持っておるわけです。したがってこの制度の運用のいかんというのは農地法やあるいは農協法よりも人の考え方を左右する一つの何といいますか大きな動機を与える、まあ強いことばかもしれませんけれども、剣を持っているとこう理解してもいいと思います。使いようによってはよくなるけれども、しかし場合によっては剣にもなりますよというものをこの農業者年金というものは持っておる。というのは強制加入だからこそ私はそう言うわけでありますが、したがってこの運用はよほど注意しないと、これはもうたいへんなことになるのではないかということを懸念するわけでございまして、それらの点についていまどうお考えになっておるか、私はまあ私がいま申し上げましたような立場に立って、これからこの制度をながめてみたいとこう思うわけでありますがどう考えておられますか。
#83
○政府委員(池田俊也君) これはいま御指摘のございましたように、私どもといたしましては一つの農政上の要請から出発をいたしておることでございますから、当然、将来継続して農業経営をやるというような方は原則的には全部入っていただきたいということで、制度の仕組みといたしましては当然加入という制度をとっておるわけでございます。ただいろいろな個々の経営に当たっておる方としてはいろいろな事情のある方がございまして、そういったような意味ではあまり画一的な仕組みではなしに、一定の資格は持っていても、もう将来農業を継続する考えはあまり持っていないような方とか、そういったような方はこれは比較的自由に抜けられるような制度をもあわせて考えますし、それから現在の農業経営としては非常に小規模で、この制度で考えておりますような経営面積を持っていない方でも、将来農業経営の規模を拡大していくというような計画を持っている方はこの年金に加入できるような仕組みをあわせて考えたいということで、原則は先ほど申しましたような加入制度になっておりますが、幅としてはかなりそこに幅を持たせたいと、こういう気持ちを持っているわけでございます。
 同時に私どもはやはりたとえば今後離農をするという意思を持っておられる方もこの農業者年金制度ですべてをカバーするわけにはまいらないわけで、これは先ほどのいろいろな構造政策のいろいろな関連諸制度もございますし、同時にまた一方では転職したいという方もあるわけでございますから、そういう方に対しては転職対策等も充実をしていくということで、そういういろいろな方面から、多方面からこの問題に接近をするということと、でき得る限りあまり画一的でないような仕組みにしたい、こういう気持ちで制度の立案に当たったわけでございます。
#84
○村田秀三君 ただいまの御答弁、幅を持たせたい、あるいは多方面から運営を検討する、こういうことでありますから、これは別途被保険者の資格獲得の問題について詳細にお尋ねをいたしたいと思いますから、その際にひとつ言及いたします。
 いずれにいたしましても、とにかくこの制度の運用は、それは農林省の期待するところにぴたっとこれは追い上げることは可能ですよ、言ってみると。が、しかし農業者個々からして見るならば、自由な選択というものを阻害される場合というものが当然起きてくるわけですから、そういう意味ではある程度の幅というものを持っていただかなければならぬと同時に、真に農業者のため、農業者の現時点における生活、ないし将来の生活、こういうものを十二分に考慮して運用されなければならない性質のものである、こういうことをひとつきちっと確認をしていただきたいと思うのです。その点いかがですか。
#85
○政府委員(池田俊也君) 御意見のとおりであると私どもも考えております。
#86
○村田秀三君 それでは厚生省にお伺いいたしますが、年金設計についてであります。私もしろうとでありますから、いま使いますことばがはたして専門語になっておりますのか理解に苦しむ場合はお尋ねをいただいてけっこうでございます。それで年金設計、この中には財政計画も当然あると思うのですが、年金を組み立てる諸要素と財政というものを別に切り離しまして、この際は年金設計と、それから財政計画、その二つに分けて質問をしたいと思います。私の考えていることが間違いであればひとつ御指摘をいただいてけっこうであります。
 そこで、数理保険料は出ているわけであります。これは財政計画とも関連をするわけでありますが、この数理保険料を求めるための基礎要件というものは相当たくさんあろうと思いますが、しかし私どもしろうが考えてまいります場合には、当然この加入人員、つまり将来を展望いたしまして、年次別の加入人員であるとか、あるいは保険料であるとかいうものが当然あると思うのです。それからこの年金の性質上、これは国民年金や厚生年金と違いまして、少なくとも被保険者を減らしていこうとする努力というものをこの年金はしなくてはならないわけですね。そうすることになるわけです。そうしますと、被保険者が拡大をするということではなくて、減少をしていくだろうということを当然予想されるとするならば、つまり何年は離農率といいますか、経営移譲率といいますか、そういうものがすべて数字で出ておらなければならないと思います。したがってそれをひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
#87
○説明員(淵脇学君) 厚生省の年金局の数理課長でございます。ただいま村田先生から御質問されましたことを詳細にちょっと時間をいただきまして御説明申し上げたいと思います。実はこの年金制度が発案されました当初から考えなければならないわけでございますが、厚生省といたしましては、これらの年金設計のために必要な基礎資料を得るために、昭和四十四年の五月に約二万世帯の農民を調査いたしまして、農業者年金のための基礎調査をいたしました。その調査の結果を国民年金審議会の専門部会でございます農業者年金専門部会の先生方にいろいろとお知恵を拝借いたしまして、基礎資料等の手直し等をいたしまして、年金を設計いたしたわけでございます。
 まず一番先にお尋ねでございました数理計算のための基礎資料、これはいろいろあるわけでございますが、一番最初にどのくらい加入するであろうか、任意加入制もございますので、任意加入を含めまして加入者数は二百万人というふうに踏んでおります。
 次に、最もこの制度の根幹になります経営移譲率というものがどういうふうに変化するであろうかというお尋ねだと思うわけでございますが、この調査時点におきましては、約六十歳のところにおきまして現状で一四・二%の経営移譲率があるというふうに出てまいったわけでございますが、この年金制度を実施するために経営移譲率が促進されるということで大体年齢分布が五歳ずれる。五歳ぐらい早まるという仮定をおきまして、その経営移譲率のカーブの訂正をいたしましたところが、六十歳時点における経営移譲率が、まあ各歳における経営移譲率があるわけでございますが、六十歳における経営移譲率が一四・二%が二五%程度にふくらむというふうに踏んで計算をいたしました。
 なお年金計算をいたしますにあたりましては、加入者の方々が年々どのように減少していかれるかということも考えなければなりませんので、経営移譲率だけではございませんで、当然なくなる方もございますので、死亡率というものも考えなければなりません。死亡率は厚生省で作成しておりますいわゆる国民生命表の第十二回の男子の死亡率のカーブを使用いたしました。
 なお経営移譲ということでなしに、離農をされる方も途中においてはあると想像されますが、これは農家就業動向調査、昭和四十年でございますが、農林省によるものでございますが、これから推計いたしまして、男子の世帯主で主として農業に従事した者の離農率を計算して推定したわけでございますが、この数字を申し上げますと、二十歳において五・四%程度、四十歳において二・〇%程度、五十歳において一・一%程度というふうに離農率を踏んでおるわけでございます。
 この経営移譲それから死亡、離農というものが三本のカーブとなって年齢別に出てまいるわけでございますが、このカーブを合成いたしまして、脱退残存表というものを作成いたしまして、年齢別に脱退カーブが出てまいるわけでございますが、それをいたしますと、年金計算が可能になってくるわけでございます。
 で、この際になお有後継者率というものが必要でございまして、後継者がどのくらいあるかということでございますが、これは農林省による調査で農業者年金実態調査というのが昭和四十四年に行なわれておりますが、五十歳から五十五歳までが七五%、五十五歳から五十九歳までが七七%、六十歳がら六十四歳までが八四%、後継者と農業経営主との年齢差というものは約二十八歳と出ておりますので、これをつなぎまして年金の計算をいたしました。
 なお、先ほどお尋ねにありましたが、農業者は年々減っていくであろうというふうなことでございますが、この最初二百万の加入者がどの程度減少していくであろうということは非常にむずかしい問題でございますが、いろいろと統計から推定いたしまして年率一、五%程度の加入者の減少といったふうに踏んでおります。したがいまして、約三十年の後には百四十万程度、五十年の後には百万程度、その先少しまた減りまして、安定的には、最終的には約九十万程度に落ちつくということで一応の設定で年金計算をいたした次第でございます。もちろんこれは現在得られる情報からあとう限りの精密な計算をしてみたわけでございますが、年金制度というものは五年目ごとの再計算によって手直しをしていくということになりますので、この諸基礎が変動いたしました際には、五年目ごとに手直しをしながら運営をはかっていくのが年金の常識でございますので、最初のめどとしては大体この程度というふうに考えておる次第でございます。
#88
○村田秀三君 およその作業の手順ですね、いまお伺いをいたしました。もちろん結果的な数字は年次別の予想を置きましてその集計がいまお話しいただいたものになっていると思うのですが、その年次別の基礎データというものは発表していただけるものですか。
#89
○説明員(淵脇学君) ございます。
#90
○村田秀三君 それでは、これは年金計算上の問題としては、私らはしろうとでございますから、そろばんを入れてみてもはたして数理計算が妥当であるかどうかなどということは非常にむずかしいと思います。むずかしいと思いますけれども、私がやはり知りたいと思いますことは、先ほども農業者年金というものがもろ刃の剣になるぞということを申し上げましたが、いま年金設計上一応の推測されるすべての条件を加味合成をしてその結論を導いた、こういうことでありますけれども、これはつまり三十年度後、五十年後の話でございますから、はたしてそれが妥当な推測であるかどうかということは非常に問題でありますが、少なくとも日本の農業者は結果的に九十万になってしまう。現在は九百三万人ですか、四十四年度。十分の一に減ってしまう、極端な言い方。これは農政上と関連をさせて私どもは重要視しなければならん問題だろう、こう思いますがためにこれを年次別に実はほしいのです。五年区切りということになっておりますけれども、五年区切りでもけっこうだと思いますが、それよりもこまかいものが実は知り得るだろうと私は想像しますけれども、それは実はこれがほしい。ほしいけれども五年きざみでもいいのです。そうすること、この農業者年金制度それ自体と農政というものをどうかみ合わせていかねばならないかということが農政上の一つの重要なポイントとして出てくるであろう。同時にまた、ここから農林省はいわゆる日本農業のビジョンというものは明らかにされない。されないけれども、この中から一応のものがたたき出されてくる、この制度をつくったがために当然そこへいくためのいろいろな計画というものが新たに追加していかねばならない。重要なものをこの年金設計上の中に私は見るわけなんです。でありますから、ひとつなかなかたいへんではございましょうけれども、非常にこまかい計画をちょうだいしたいと思います。
#91
○説明員(淵脇学君) 詳しい年次別の資料がございますので、資料として御提出したいと思います。
#92
○村田秀三君 ここまではおそらく厚生省としては考えておらないと思うのですが、この間これは経営上でも分類されるわけですね、後継者へ移譲するということ、それから第三者へ移譲するということ。だから、年金設計上は後継者移譲も第三者移譲も同じでありますが、それを分類してとってありますかどうか。
#93
○説明員(淵脇学君) 保険料を計算する段階におきましてはその差別が必要ございませんので、分類しておりません。一本でございます。
#94
○村田秀三君 それじゃ、農政局長にお伺いしますが……。
#95
○政府委員(池田俊也君) これは私どもが調査をいたしました聞き取り調査でございますが、対象になります農家の方に一体どういうことを考えているかということをいろいろ調査したのがございますが、それによりますと、概略の数字でございますが、大体八五%くらいの方が後継者に移譲をしたい、それから残りの一五%くらいの方が後継者がいないというようなこと等がありまして第三者に移譲することになるであろう、こういうことでございまして、大体私どもといたしましてはやはりそういうようなことになるのではなかろうかというふうに考えております。
#96
○村田秀三君 その問題ですが、これまた私はきわめて重要だと思うのです。農林省は農業者年金をつくるわけでありますから、そこまで予測しながら対策を立てる必要がありますということを申し上げてみたいと思うのですが、いま確かに経営者に移譲したいという希望は持っておる。それはわかります。しからば希望どおりになるかどうかという問題になりますと、決してそうでありませんね。先ほど数理課長からお話がございました、つまり後継者がおるかおらないか、これは四十年度の調査でありますから、年次何年をとっておりますかわかりませんけれども、五十歳から五十四歳までは七五%の後継者がおる。五十五歳から五十九歳は七七%。六十歳から六十四歳までは八四%。つまり、これを裏返せば五十歳――五十四歳は二五%後継者がおらない。五十五歳から五十九歳までは二二%後継者がおらない。だから、六十歳から六十五歳までは一六%後継者がおらない。そしてこれは数理課長の答弁にはありませんでしたが、それ以前の若い年齢の層の後継者がおる率がどの程度であるかというと、これは見当がつかないのです。東京に働きに行っておる父親は、十年か十五年かたって帰ってきて後継者になってもらいたいと思うけれども、息子の気持ちがどうかわからない。したがって、この答弁をいただきました八五%移譲したいという父親の気持ちはあったとしても、後継者が八五%おるということにはならないのですね。だとすれば、これはやはり後継者対策というものも何らかの形で別に当然出てこなくちゃならないわけでありますし、そうしてまた経営上の形態――後継者移譲か第三者移譲か、そうしてこの農業者年金の主として目しておるものは、これは何でしょう。
 第三者移譲、機関移譲、そのうちでも機関移譲というものに法案の条文をずっと見た限りにおいては、これは生産法人等に重きを置いておるように見受けられる。私の感じが間違いであれば、これは御指摘をいただきたいと思いますけれども、少なくとも、経営移譲、その移譲の形態別、これをこの農業者年金制度を発足させ、そうして農地法、農協法というものが対置されておる。だとすれば、農林省とすれば、当然保険料給付を云々という、そればかりではなくて、年金設計上の中にそういうものを予測して、そうして農地法と農協法、農業者年金法、三者一体としての農政の視点というものを出してもいいのではないかと、私は考えるのでありますが、それはございますか。
#97
○政府委員(池田俊也君) 前段の御指摘は私どももそのとおりだと思います。いろいろな条件の変化がございますし、八五%現状の調査ではそうなっておりますが、そのとおりになるか、あるいは若干それを下回る数字の結果が出てくるかは、これは的確には何とも言えないわけでございます。ただ私どもはやはり従来こういう制度というものがなかったわけでございますから、こういう制度ができるということに相なりますと、これは若い方も農業に対して、ひとつ今後一生を通ずる仕事として農業をやっていこうじゃないかという、こういう一つのきっかけにもなるわけでございます。従来のいろいろな条件のもとでは、必ずしも農業に対して情熱はわかないけれども、今後いろいろにこういう制度が整備されるということであれば、今後これは本腰を入れてやろうという気分も出てまいるわけでございますから、必ずしも減少するわけではなしに、あるいはまたふえるという要素も全くないわけではないのでございます。もちろん後継者対策としては、このほかいろいろな制度を充実していかなければならないわけでございますから、そういう制度と相まちながら、これは若干の数字が動くわけであると私どもも思っております。
 なお、後段のいろいろな、たとえば経営移譲の形でございますとか、あるいは生産法人に対する、生産法人というようなものがその中でどういう役割りを持つかといったようなことにつきましては、実は率直のところを申し上げて、なかなか想定しにくい問題でございまして、非常に率直に申し上げれば、的確なお答えができないわけでございますけれども、私どもといたしましては、やはりここにこの対象に考えております農家というのは二百万戸ございまして現在私どもの試算では昭和五十二年に四百五十万戸に農家数がなるであろうという試算をいたしておりますが、それがさらに将来若干の減少を示すことは見通されるわけでございますけれども、とにかくこの二百万戸の農家というものは、やはり日本の農業の主たるにない手になる農家になるのではないだろうかというふうに考えておりますので、そういうものが非常に広範に離農していくということは実はあまり考えておらないのでございまして、比較的多数の、その中の多数の農家というのはやはり経営移譲、経営規模の拡大をしながら一定の年代にまいると経営移譲をしてむすこに引き継ぐ、こういう形になる分野というのが非常に多いのではなかろうか、必ずしも画一的には申せませんがむしろこの年金の対象にならない農家の離農率というものは非常に高くなるのは、これは当然でございます。
#98
○村田秀三君 それでは年金設計についてはその程度にいたしておきまして、次に財政計画、財政計算といいますか、それについてお伺いをいたします。
 まず初めに、この保険料のきめ方でありますが、これは第六十五条三、四、五項によって定められることになっておりますね。これは政令によってきめるということですね。ところがこの最初の保険料は附則第七条によって定められておるわけです。七百五十円、これはどういうわけですか。
#99
○説明員(山下真臣君) 本来本則のほうで定めておりますような平準的な保険料の姿は、その前提となります給付の内容、額、あるいは国庫負担、国庫補助の方法ないし割合、こういったものが法律で明確に定められておりますし、かつまた収支均等の原則という考え方もきめてありますために、それだけの条件がそろいますると保険料の額は客観的に出てまいりますために、これを政令で規定しておるということであっても格別問題はないのではないか、各種共済組合等におきましても保険料は規約等できめている例があるわけでございます。しかるに当初の間は平準的な保険料ではなくて、農業者の方々の御負担を考えて乗りやすくするためにという配慮だと思うわけでございますが、それ以外の要素によりまして特別に低い保険料七百五十円という額をきめておく必要がございまして、そうでありますためにその部分につきましては法律において定めていく、このような関係に相なっておるというふうに理解いたしております。
#100
○村田秀三君 ちょっとひねくれた聞き方をするわけでありますが、この財政計算、計画を立てるために必要なのは、これは給付、それから補助金、保険料と大体おおよそ三つだと思うのですね。これはどこに重点を置いてまず七百五十円というのが出てきたのですか。
#101
○説明員(淵脇学君) 先ほど申しました基礎によりまして計算いたしますと、この農業者年金制度を実施いたしますために必要な保険料というのは千二百九十八円の必要経費でございます。これが必要な費用でございますが、この千二百九十八円という中で、経営移譲を要件とする年金に六百八十円の費用がかかるわけでございます。経営移譲の有無を問わず六十五歳以降支給する年金に必要な保険料が五百二十六円必要であるわけです。なお死亡、脱退一時金に九十二円の金が必要でございます。合わせて千二百九十八円という計算の結果が出てまいるわけでございますが、七百五十円の根拠は、経営移譲年金費用に対する国庫負担が六百八十円の三分の一、二百二十七円の国庫負担がつく。経営移譲年金に要する費用の六百八十円に二百二十七円の国庫負担がつく。それで本人が負担する保険料はこれを引きますと千七十一円ということになります。千七十一円でございまするが、先ほど申しましたように、千七十一円の保険料というのはなお負担が重いということで、保険料の三〇%を当初減額するという意味でございまして、千七十一円に〇・七をかけますと七百五十円という保険料が算定された次第でございます。
#102
○村田秀三君 それはわかりました。わかりましたのですが、たいへん意地の悪い設問で恐縮ですが、給付基準をこの程度維持したいということが前提なわけですが、そうじゃありませんか。
#103
○政府委員(池田俊也君) 農林省のほうからむしろお答え申し上げたほうがいいかと思いますので――私どもが農業者年金を、そういう御指摘のありましたような問題を考えるにあたりましての一つのポイントは、これはもちろん給付が一つの大前提になるわけでございます。この点につきましては農業者の経営移譲後の所得の補いをするという点で、どの程度の水準がよろしいかということを、いろんな学識経験の方々の御意見を伺いましたし、それからこの問題は同時に国民年金審議会でもいろいろ議論をされたわけでございます。それの集約した御意見としては、大体サラリーマン並みの、厚生年金並みの給付水準にするのが望ましいというのが集約された意見でございます。厚生年金並みの水準と申しましてもなかなかそこに幅はあるわけでございますけれども、まずそいう観点で一つの前提を置いたわけでございます。それから先ほど厚生省から御説明がありましたような計算によりまして数理保険料が出るわけでございますので、その数理保険料というものが、一体農家の負担に、出せるかどうかという問題を検討いたしまして、そこはなかなか判断の問題が入るわけでございますが、私どもがいろんな機会に農業に関係いたしております農業団体の方々等の意見も伺い、また私どもなりあるいは関係しておられた学識経験者の方に現地調査等お願いいたしまして、
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
そのときに農家の意向等を聞きましたときの大体集約された意見というのが、安ければ安いにこしたことはないけれども、ぎりぎりいって国民年金の保険料とあわせて二千円をこえては非常に困るという御意見が集約されたように私どもは承知したわけでございます。そういたしますと、その次に国民年金の掛け金が夫婦合わせまして千二百五十一円でございますから、農業者年金に充て得る分というのは七百五十円になるわけなんで、そのものを次の段階に置きまして、千二百九十八円をどういうふうに国庫なり本人負担等を分け合うかという問題になりまして、さっき数理課長からお話がありましたような結果で調整をいたしますならば、当面大体そういう範囲におさまるのではないか。一方では現在一応考えております給付水準というのは、ほぼ厚生年金並みの水準というふうに一応理解されますので、まあ大体そういうことで一般の農家の方々の納得を得られるのではないかと、こういうふうな経緯があったわけでございます。
#104
○村田秀三君 給付をある程度押さえて、そして整理した結果次の段階では千二百九十八円に出てきた、こういう結果になると思うんですね。そこで重要なことは、先ほど企画課長から政令で定める云々というお話がありましたが、その話は後ほどまたお伺いいたします。お伺いいたしますが、これは五年で再計算するということになっておりますね。そうすると、当初保険料は七百五十円だというけれども、この「当初」というのはいつまでを当初とするのか。四十五年度、四十六年一月から出発する、その際の四十五年度の分であるのか、あるいは四十六年度も含まれるのか、五年を一期とする再計算期間内は七百五十円とするのか、こういう点はどう考えられておるのかという点。
 それからさらに問題は、やはり国庫補助が一番問題です。今回の国庫補助率というものをどういう角度から出されたのかは、作業の手順はいま聞きましたからわかりましたが、その額はどういう角度から出されたものか私はわかりませんけれども、この国庫補助率というものがやはり将来非常に大きな影響を与える。だからわれわれからするならば、給付はこれはきめられる、そしてその次に政府側からいうならば保険料と、こう言いたいところであろうけれども、やはりその次にわれわれが考えたいのは、国庫補助がどの程度確保できるのかということが一番深い関心が持たれるわけです。そういうことで保険料は安いほうがいい。しかしそうはいっても限界がある。しかし、保険料は減額する方向で検討せよというような、国民年金審議会の農民年金部会か何かで何か答申が出されているように記憶しているわけですが、そういうことと関連いたしまして非常に関心が持たれるのは国庫補助率である。だから国庫補助率というものもまた五年間の一期間だけのものなのか、将来ともにこれはずっとこの程度でいくのか、この点はやはり一番知りたいところであるし、今後の財政計画にきわめて重要なポイントを私は与えるのじゃないかと思うんですね。その点についてひとつお伺いします。そしてまた最終的には大臣のひとつ御答弁をいただきたいと思うんです。
#105
○国務大臣(倉石忠雄君) 農業者年金制度の発足当初のいまお話がございました七百五十円の保険料、おおむね年金財政の均衡を保ち得るものとして定めているものでございます。その前提となっている条件が変わってまいりますというと、年金財政の均衡という見地から所要の調整措置がなされなければならないでありましょうが、
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
特別の事情のない限りは改定時期としてはおおむね五年後になろうかと考えられております。それからまた保険料についての三百二十一円の国庫補助は、最初の七百五十円の保険料が適用される限りはそのとおり行なわれるもの、こういうふうにわれわれは解釈しております。
#106
○村田秀三君 大臣はそう言われましても、そうすると、私二つ申し上げたのです。五年間の計算期、一計算期と、こう言いますがね、その中における七百五十円、三百二十一円、これは変わらないのか、これが一つ。これは専門家でけっこうでございます。農政局でも厚生省でもけっこうでございますから……。
 それから、その給付額の三分の一、これを出すことになっておるわけですね。が、しかし、給付というものは、五年後にならないとこれは現実問題として起きてこない。したがって五年後以降支出が生ずると思うんです。だから、この給付に対する三分の一補助というのは、五年以降の分について約束されたのだろうと、私はこう思っております。そうであるとお答えをいただきたい。ほんとうはもっとふやしてもらいたいんですがね。同時に、結局保険料の七百五十円、これは再計算期になりましてから、これは先ほども大臣、論議をいたしましたが、発足後五年間は被保険者はふえる傾向にあります、これは。まあ当然のことであります。新しい対象者が出てくるわけでありますから。ところが五年以降になりますと、これは給付事実が生ずるわけでありますから、経営移譲して被保険者が下がってくるということが出てくる。だから五年たちますと減ってきますね。減ってきますと、これは少なくとも給付を維持し、国庫負担金を維持するという二つの条件であるならば、掛け金はふやさなくちゃならぬ、こういうことにもなりますし、同時にまた、掛け金を下げたいということであるならば、給付を下げるか、あるいは国庫補助を高めるか、いずれかこれは操作しなければならないのですね。だから、その点をひとつしかとお答えをいただいておきたいと思いますし、私の気持ちとするならば、これは大臣、先ほど来、お留守のところで論議をいたしましたが、あくまでもこれは農政上の要請によってつくります制度であるという前提、それから大臣は本会議におきまして、時宜に即した改善をしていくと、こういう答弁をなさっておるわけでありますから、そういう意味では結局掛け金は――物価の上昇もあります、いまの七百五十円というものがそのままの状態であっていいとは私は言いませんけれども、物価の上昇や何か見ましても、水準としてはもっと下げていく方向にこれは姿勢としてはいくべきであろうと思いますね。そういう場合には国庫補助が当然高まる、こういう問題も出てくるわけでありますから、それらの点についてひとつ、しかとした御答弁をいまいただいておかないとやはりうまくないと思うんです。
#107
○政府委員(池田俊也君) 前段のことについてお答え申し上げますが、前段、まず、経営移譲年金の給付に要する費用の三分の一を国庫が負担する、このことは六十四条にはっきりと書いてございますようにこれはずっと継続をするわけでございます。それから三百二十一円の国庫補助は先ほど大臣からお答えがありましたとおりでございまして、
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
これはもう附則にそのことがはっきりと書かれておるわけでございます。七百五十円が続いております限りにおきましてはそれも継続をすると、こういうことでございます。
#108
○村田秀三君 この七百五十円を続ける限りは三百二十一円と、こう言いますが、五年たちまして保険料七百五十円を前提として再計算をするという意味ですか、それは。その点伺います。
#109
○政府委員(池田俊也君) これは五年後に再計算をいたす予定になっておりますが、その際にいろいろ条件の変化等がございますならば、先ほど厚生省からお話がありました数理保険料というものも変化をする可能性があるわけでございます。そうなってきますと、この保険料の額も将来変化をする可能性があるわけでございますが、そういうことで変わるまでの間は、七百五十円に対する三百二十一円の国庫補助は継続をすると、こういうことでございます。
#110
○村田秀三君 その御答弁をいただいている限りではわかるのですね。
 で、私が心配をしておりますのは、五年たちまして再計算するわけですね。それじゃ、五年目は被保険者がふえてピークに達する時期でありますから、あるいは保険料に手をつけるという話にあるいはならないかもしれませんね。しかし、それ以降五年たちますと、これは被保険者というものが下降線をたどるわけでありますから、これはそういうことでしょう、下降線をたどっていく。そうして、給付も維持しますわ、国庫補助率も同じですわということになりますると、これは財政計算上は保険料を上げざるを得ないということになってくるんじゃないですか。これはしろうとの考えですけれども、そうじゃありませんか。だから、そうなった場合に、七百五十円が続く限りという言い方をされておりますと、それじゃ七百五十円を八百円にする場合には、三百二十一円よりも多くするのか下げるのかという問題が、これは出てくるわけでございますから、そういう意味で決して現状水準よりも悪くはしませんよ、それよりも上向きに考えていきますと、抽象的に、答弁できなければその程度の答弁でも私はかまいません。よくしていかなければならぬという気持ちがあるとするならば、これはやっぱりいま私が言いましたような答弁をしていただかないとちょっと困ってしまうわけです。
#111
○国務大臣(倉石忠雄君) いまのお話しの期間が経過した場合には保険料についての国庫補助をどうするか、こういう問題だろうと思うのでありますが、年金財政全般につきまして十分検討いたさなければならぬと思います。それからまた、関係のあります農業者の負担能力等を勘案いたしまして、そのときにどうするかということを十分検討しなければならないと思っておりますが、支払いが始まってくるのはかなり先であります、御存じのとおり。
 そういうことで、私どもといたしましては、一定の期間が済んだ後に、先ほどお話しの期間が済んだ後には、これはほかの公的年金との関係もありますが、政府においては他の公的年金につきましても、逐次改善する努力をしておられるわけであります。したがって、この年金制度におきましても、私どもは国の財政その他の事情を勘案いたしまして、だんだんと改善していきたいというのが基本的な考えでございます。いまのような場合に、十分そのときの事情を勘案して処置していかなければならないんではないか、こう思っております。
#112
○村田秀三君 いまの段階で大臣に御答弁いただくにいたしましてはその程度じゃなかろうかと思います、実は。が、しかし、これは先ほど来いろいろ論議をいたしましたが、これは農政上の要請によって少なくとも零細農家の方に協力をさせるんだという性質のものであります、言ってみれば、これは。しかし、協力を得るための代償というものは、これは大きければ大きいほどいいわけでありますし、また、それを期待しなければならぬと私は思います。したがって、ほんとうに効果あらしむるためには、いま大臣がおっしゃいました改善の方向、真に農業者の立場に立つところのやはり給付なり掛け金というものを考えていっていただきたいということをひとつこの際申し上げておくわけなんです。
 それから、次にお伺いいたしますが、衆議院において修正をいたしました。それはちょっと古い資料でございまして、これは厚生省の方にお伺いいたしますが、「農業者年金積立金推移」でございますが、これは修正以前のものであろうと思うのですが、たぶんこれは衆議院のほうには出されたと思うのです。ただ、参議院の場合は、これと同じ資料が来ておりませんね。これは農林省と厚生省で一緒に資料を出しておるわけでありまするが、まあ出さないのがけしからぬという意味じゃありません。この資料が衆議院の修正部分を加えるとどう変化するのか、これを知りたかったわけであります。
#113
○説明員(淵脇学君) ただいまの御質問でございますが、まず衆議院の修正によりまして保険料が先ほど申し上げました五百二十六円と計算いたしましたのが五百八十四円に値上がりいたします。一人当たりの月額で五十八円の保険料が増になります。財源が必要でございます。――失礼いたしました。保険料でなくて五十八円の財源の不足を来たすわけでございますので、五十八円よけいどこからか調達しなければならないことになるわけでございますので、まだこの財政収支計算というのは非常に時間がかかりまして、一人々々の被保険者についてずっと計算してまいらなければならぬわけですから時間がかかりまして、まだただいまのところこの収支計算をした数字はまだ参議院にも衆議院にも全然私どもはお届けしていないわけでありまして、ちょっと時間がかかります。いずれ計算いたさなければならないわけでございますけれども、ちょっと時間がかかります。
#114
○村田秀三君 最終的に決定いたしましたらその資料等はちょうだいをいたしたいと思いますが、そうしますと、これはいま作業中であろうかと思いますけれども、数理保険料一千二百九十八円というのも動くことになりますか。と同時に、七百五十円、これは法律を修正していないようですから動くとは思いませんが、財源をどこから捻出なさろうとしておるかちょっとお伺いしたいと思います。
#115
○政府委員(池田俊也君) 衆議院で修正が行なわれまして、御指摘のように老齢年金の給付額を増額されたわけでありますが、これに見合います金額は、一人当たりにいたしまして先ほどお話がありましたように五十八円ということでございますから、当初千二百九十八円という厚生省から御説明のありました金額は、千三百五十六円になるわけでございます。しかしながら農家負担の状況から申しまして、現在七百五十円の引き上げをするということは困難でございますから、これは据え置きにいたしておるわけでございますが、計算上から言いますと五十八円分だけは財源手当ができていないと、一応こういう理屈にはなるわけでございます。ただこの年齢年金が支給されますのはかなり先の事態でございまして、六十五歳からの支給でございますから、現在一番年金に入る年齢の高い方が五十五歳未満でございますから、十年くらい先のことだということに相なるわけでございます。それでそれまでの間に当然再計算が行なわれるという事態があるわけでございますから、その再計算の際に、法律施行後におきますいろいろ運営の状況等も十分勘案をいたしまして、五年後なり十年後なりの財政再計算にあたってそれをどう処理するかということについての結論を出すということで当面はやむを得ないのではなかろうかということでございまして、そういう考え方で私どもはこの問題の適切な処理に当たりたいと、こういう考えでいるわけでございます。
#116
○村田秀三君 積み立て金の運用利率ですね。この資料を見ますると、四十五年度保険料収入四十五億、四十六年度は百八十八億になっております。国庫補助も当然出ておりまして、利子収入というものが書かれております。この利子収入というのを、運用利回りはどの程度に計算をされておるか。
#117
○説明員(淵脇学君) 予定利率というのは、公的年金制度ではすべて五分五厘を使用しております。
#118
○村田秀三君 ちょっと課長さんね、この表、これ間違いじゃないかと思うのですがね。どうも私が持っている資料もこれは政府側から出た資料なんですが、ちょっと内容が少し違うようであります。したがって、また質問も若干変えなければならないわけでありますが、衆議院の修正をいたしまして、その財源措置――私が仄聞をいたします限り、最初の財政計画は運用利子は四分九厘でしておった、そして修正をいたしまして、五分五厘で運用するならば、その財源はある程度充当できるんじゃないかという話、これは仄聞であります。正式に聞いたわけじゃありませんからわかりませんが、その点はどうですか。
#119
○説明員(山下真臣君) 予定運用利率は当初から五分五厘で終始やっております。いまの四分九厘という話は、いわゆる経営維持をしない方にも出る農業者老齢年金でございますね。あれの二十年のところの利回りが五分五厘はあるんじゃないか、何分に回っているかというような話の際に、四分九厘とかあるいは四分七厘というような数字が出たことはございますけれども、予定運用利率のほうは最初から五分五厘一本でまいっております。
#120
○村田秀三君 それじゃ私も仄聞で、確かな資料じゃありませんから、失礼をいたしましたが、後日調べてみたいと思います。そこでこの五分五厘、まあ年金あるいは保険関係の積み立て金、これをいままで実際に何分で運用しておったか。これは厚生年金、国民年金、いろいろございますが、その運用は計画上と実際上、これをひとつお知らせいただきたいと思います。
#121
○説明員(淵脇学君) 六分五厘の実際の運用利回り――六分五厘ちょっとは欠けるんでございますが、ちょっと六分五厘を欠けるというのは、運用上のちょっと短期間のやりくりの間の利子がございまして、六分四厘八毛でございますか、ちょっと欠ける程度でございますが六分五厘程度に回っております。
#122
○村田秀三君 そうしますとこの運用利回りは計画は五分五厘だと、実際は六分五厘ちょっと下回る。この一分の差というのは大きいです。百八十八億ですから、百八十億といたしましても一分で一億八千万、非常に大きな利差だと思う。これを保険料を安くするとかあるいは給付を引き上げるとか、そういう試算をした場合にどの程度になるかは別でありますけれども、私も試算をいたしておりませんから。相当私はこれは影響を与えると思うのですね。大体どの程度ですか、ちょっとわかりませんか。前もって申し上げておかないで申しわけございませんが。
#123
○説明員(淵脇学君) この利差は一分でございますが、お尋ねになかったことでございますけれども、再計算のときに元金に繰り入れるようにして計算いたしております。それが保険料の引き下げかあるいは給付の改善かに回って、公的年金はすべて五年目ごとにそういう計算をいたしておるわけでございます。制度の成熟度によっていろいろ違いますけれども、御指摘のとおり一分の差と申しますのは、かなり大きな数でございまして、少なく見積りましても保険料について一割程度ぐらいの影響――一割程度以上の影響があると思われます。これは制度によって、いろいろと成熟度によって違いますけれども、客観的に申し上げまして、少なくとも一分の差というのは、保険料に影響いたしますと一割程度以上じゃなかろうかというふうに概算されます。
#124
○村田秀三君 この一分の違いというのは非常に私は大きいと思うのですね。いつぞやも厚生年金の問題に触れて、これは再検討せよというような話をしたことがあるわけであります。これは全部年金関係、そうでありますから、農業者だけのものを引き直すというわけにまいらぬかもしれませんが、これはぜひ検討していただきたい。と申しますのは国民年金であるとかあるいは厚生年金というのは言ってみれば将来を開いていく、何といいますか、制度自体が拡大されていく方向にあるわけですね。ところがこの農業者年金だけはこれは将来は閉鎖されていくというような方向を持っている制度でありますから、それだけにこれは別に扱って私はいいんじゃないかと思うんですね。だから一般の年金と区別して扱っておるわけでありますから、中身の問題として。だとすれば、これは財政計画上運用益というものはこれに少しおまけを出してもいいということでありますから、これは将来の問題としてひとつ検討してもらいたいと思います。普通の年金と違うんですから、これは。農政局長、そうでしょう。かすり取ると言ったらちょっと語弊がありますが、言ってみりゃそういうことなんですから。そういうものじゃなくて、やはりそこから得た利益は全部還元してやるというたてまえをとりながら、なおかつ補助も返しながら改善をしていくという、そういう考え方に立たないと私はいけないんじゃないかと思う。農政局長、いかがですか。
#125
○政府委員(池田俊也君) おっしゃるとおりだと私ども考えておるわけでございまして、そういう運用によりまして予定以上の収益があがるわけでございますが、先ほど厚生省から御答弁がありましたように、私どもは終局的にはやはり加入者に還元をされるという方向で考えるべきだと思います。
#126
○川村清一君 関連。ただいまの村田委員の質問に対する答弁をお聞きしまして、ちょっと疑問が生じましたので、関連して農林省にお尋ねいたしますが、この基金ができますと、この基金は先般われわれが農地法の改正法律案についていろいろ審議をいたしました。その中に農地保有合理化促進事業を営む非営利事業を行なう団体というのがありますね。この中にどういうものが入るのかということをお尋ねいたしましたら、農協も一つでございますし、それから市町村、地方団体が入りますし、それから公社、公団といったものが入りますね。それから農業者年金基金が入る。またこの基金の内容を読んでみますというと、そういう事業を行なうわけでありますね。基金が行なう資金の貸し付けば農業者年金の被保険者が離農しようとするものから一定の区域内に土地を取得しようとする場合に行なうものとしておりますから、したがって、農業経営者がその経営をやめて離農する方があった場合に、その方の土地を取得する場合に、この基金が金を貸してくれる、こういう仕組みになっておりますね。それでただいま聞いておりますというと、この基金の運用利子は五分五厘、それがまあ表看板五分五厘であって、実際は六分四厘何毛かといったようなお話で非常に高利でございますね。そうすると、農林省といたしましては農地法を改正した、そこで小規模農業者の離農を促進する。そしてその土地がさらに生産拡大する方向に利用される。したがって、当然そういう政策を行なうならば、土地取得資金というものが大幅に、しかもその資金の利子は低利であって長期資金、こういう資金制度をつくって、これをつとめて推進してまいらなければ、せっかくの農林省の意図がそこに実現されないということに結びついてくるわけですね。そこで五分五厘、実際は六分四厘何毛というものを、そういう金利をお聞きしまして、そしてこれが農地保有合理化促進事業を行なう非営利事業団であると、こういうものの範疇にこれを入れるということに非常な疑問を持つわけでございますが、農林省としてはどういう御見解を持たれているんですか。
#127
○政府委員(池田俊也君) 農地法の改正によりまして、農地保有合理化促進事業というものが行なわれるわけでございますが、この基金は農地の取得をいたしますものは必ずしもそういう事業としてということではございませんで、まあ、この基金法によります保有農地の取得を農地法の改正をいたしまして認めると、こういう仕組みになるわけでございますが、いずれにいたしましても、その農地を基金が買い取りをしたり、あるいは農地を取得しようとする方に、これは加入者でございますけれども、貸し付けをいたします場合には、私どもは長期低利というふうにいたしたいということで、現在考えておりますのは、大体農地取得資金よりかもっと条件のいい、利率にすれば三分程度、それから期間におきまして三十年ぐらいの期間を実は考えておるわけでございます。そういうことになりますと、基金といたしましては、これは積み立て金を安全確実それから効率的に運用するという一方の要請がございますから、必ずしもその要請にぴったりそぐわないということになるわけでございます。そこで、それに対する措置といたしましては、予定されております基金の運用の利回りと、実際に貸し付けられます場合の金利との差額については国が利子補給をすると、こういうことによりまして、基金の運用の原則と、それから私どもが考えておりますこの基金の事業を農地のそういう離農者の農地の移動にも使おう、こういうことの二つの要請を満たすためには、その間を利子補給でつなぐということが一番妥当な方法であろうということで、これは本年度の予算措置にはございませんが、来年度以降の予算措置では、そういうことを確保したい、こういうふうに考えております。
#128
○川村清一君 関連ですから、これでやめますけれども、大体わかりましたが、そこで私確認いたしますが、この基金は、農地保有合理化促進事業を営む法人である、したがって、この法人そのものは土地を買収し、またこれを売り渡すこともできる、それからこの基金が農地を取得しようとするものに資金を貸し付けることができる、しかしこの基金は自己の持つ積み立て金を運用する場合において、やはりこれは積み立て金そのものは農民の方々の積み立て金であるからして、この農民の方々のやはり利益を守っていかなければならないということで、運用資金は五分五厘あるいは六分四厘何毛ぐらいの高利でもって運用していく、しかしこれを農地資金として貸す場合においては、こういう金利で貸したのでは、とてもじゃないけれども農地は借り受けられないから、したがって、その分については政府が利子補給をしていく、したがって、基金の一般の利子収入は相当高いけれども、実際に土地取得資金に使う場合には低い、その間の差額については政府が利子補給する。それから、できるだけ低利の、そうして長期の資金でなければならないから、政府の考えておる土地取得資金というものは金利三分程度、そして期間は三十年といったようなことを考えておる、こう確認してよろしゅうございますね。
 それでもう一点つけ加えて申し上げますが、昭和四十年、四十一年に政府は国会に農地管理事業団法案というものを出しました。あのときの農地の取得資金は三分、四十年でした、三分、三十年、そうでしたか。――それじゃ私の思い違いですから取り消します。とにもかくにも、政府はあの管理事業団の土地取得資金の条件よりも悪い条件にはならないように。いまわかりました。この差額は政府は利子を補給するということで承知しました。
#129
○中村波男君 私も関連でこの機会に聞いておきたいと思うのですが、川村委員がいまお尋ねをいたしました件に関連して基金が農地等の取得ができる。それからいま池田農政局長は衆議院においても同様の御答弁をなすっていらっしゃいますが、基金の運用の面で農地取得資金として年三分、三十年償還の資金を考えておるというお話でありますが、と言いましても基金が発足をいたしましても、実際問題、そういう基金の資金の余裕の出るのは一定の年限がたたなければそういう資金の運用はできないと思うわけですね、そうでしょう、違いますか。掛け金を徴収してそれで基金の余裕金と申しますか、そういう金が出た上で業務の範囲というのがおのずから運用されることになると思うのでありますが、そうでしょう、違いますか。
#130
○政府委員(池田俊也君) 私ども実は逆に考えているわけでございまして、基金の支給が始まりますのはむしろ先でございます。経営移譲の年金の支給が始まりますのは五年以降、それから老齢年金でございますと十年以降、こういうことになりますので、当面は掛け金、保険料といいますか、それが入ってきてむしろ基金としてはそれを積んでおくというかっこうになるわけでございます。でございますからむしろ逆にもちろん金額はそう非常に大きな額ではございませんけれども、差しあたり五年程度の間はもっぱら使い道が農地の事業を除きますと、使い道がないというと語弊がございますけれども、というようなことになりますので、私どもが十分農地等の業務量がどの程度になるか、これはいろいろ今後問題がございますが、支障はないとそういうふうに考えているわけでございます。
#131
○中村波男君 発足しますが、しかし掛け金ではたいした積み立て金といいますか、余裕というのはありませんね。しかし需要の面では農地を取得したいから基金の金を借りたい、あるいは基金自体が農地を取得する申し込みを受けるという場合もあり得ると思うんですね。そういうときには国で特別に融資するような考えがあるのかないのか、いわゆる掛け金の範囲だけで運用させるということを考えておるのかどうか、こういう私はお尋ねしておるんですよ。
#132
○政府委員(池田俊也君) 四十六年の一月に掛け金の徴収が始まるわけでございますが、四十五年度におきましては三カ月の分の掛け金が入ってくる。それから四十六年度以降はまるまる入るわけでございまして、その平年度の掛け金、保険料の収入が約百八十億でございますから、最初の年はその四分の一程度ということになりますので、私どもは四十五年度は四十五億ぐらい。四十六年度以降は毎年百八十億くらいプラスされる、もちろんそれには利子がついてくる。そういうことでございますから、一方、事務費等は当初の年度におきましては、これは全額国が負担するということで予算措置を講じておりますけれども、大体いま申し上げましたような掛け金というのは積み立て金として残るということになりますが、その全部を使うということは私ども考えておらないわけであります。その一部につきましては農地等の取得あるいは融資等の措置に充てることは、基金の資金運用といたしましてもそう無理なくできるというふうに考えているわけでございます。具体的にちょっと申し上げますと、四十五年度におきましては約三百ヘクタールくらいの買い入れを予定いたしているわけであります。資金量といたしましては約七億くらいを考えておりますが、大体カバーできるという考え方でございます。
#133
○中村波男君 関連でございますから、もう一問だけこの機会に聞いておきたいと思いますが、基金の業務範囲を読んでみますと、農業者年金の被保険者の「福祉を増進するために必要な施設で政令で定めるものの設置及び運営を行なうことができる。」という規定を設けておりますが、この「政令で定めるものの設置及び運営」という、この政令で規定されようとする具体的な内容についてこの機会にお話を願っておきたいと思います。
#134
○政府委員(池田俊也君) 政令の事項といたしましては、これは御提出申し上げていると思いますが、「見込事項」として私どもが予定しておりますのは、たとえば休養施設ということでこの加入者の方々の休養のための施設等を基金が設けまして、その運営をするということを予定いたしているわけであります。
#135
○中村波男君 その他の年金あるいは厚生年金の関係等についても、福祉施設として保養施設、療養施設等をつくっておりますが、この施設が全く被保険者のためにならないというふうには私は言いませんけれども、しかしこの基金というのは、できるだけ農業生産を拡大する最も有効適切な政治目標に向かって使う、こういうことに重点を置くべきではないかというふうに私は考えている次第であります。そういう意味で、さいぜん池田農政局長の答弁にあります、少なくとも土地取得資金は、農業近代化資金は年三分五厘、償還期限二十五年という制度でありますから、それ以上に制度を、この余裕金の範囲はおのずからあるようでありますが、そういうような使い方に重点を置くように監督官庁として指導されることを意見として申し上げて質問を終わります。
#136
○村田秀三君 いま関連で出た分はできるだけ省略いたしたいと思います。
 次に給付、とりわけ経営移譲の老齢年金。先ほど運用利子は私は勘違いいたしました、四分九厘というのは、経営移譲の部分、百八十円、それに二十年積み立ての運用利率の問題であったわけでありますが、それが二十円プラスしたために五分五厘二毛になった。そういう意味ですね。――わかりました、勘違いいたしましたから。それにつけても、この修正に政府が快く応じたということは、なるほど不合理を認めたからにほかならないと思います。私はまだ不合理があるような気がいたします。
 そこでお伺いをいたすわけですが、この私の理解が間違っておれば御指摘をいただきたいと思いますが、経営移譲の有無を問わず六十五歳以降支給する年金に要する経費は一人当たり五百八十四円、この五百八十四円きり使われていないのですね、使われていない。ところが、これは三百二十一円の掛け金の補助率とどういう関係があるのかということです、一つは。
 それからもう一つは、この七百五十円を二十年間積み立てて支給をする際には四千円、四千円を若干こえるわけです。その数字的関係がほんとうにわからないわけです。私も研究はしておりませんが、この関係はどういうことになっておるのかという疑問が一つあるわけですが、その点ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
#137
○説明員(淵脇学君) 七百五十円の保険料を月々納めていただきまして、これを五分五厘にかりに回しまして、六十五歳に達したといたしましたときに、そこに元利合計がたまるわけでございますね。それを年金化するということになるわけでございますから、これは平均余命で割りますと、それが平均余命だけ生きるといたしまして、平均余命だけ年金を受けるといたしまして、六十五歳までためていくと、元利合計たまったところから老齢化になりますから、年金を支給するといたしましたときに四千円という月額の年金を払わなければならないということの御指摘があったわけでございます。
#138
○村田秀三君 またお前の表が違うなんて言われると困るのですがね、私の表には、この経営移譲の、要するに年金に要する費用は六百八十円と、こうなっておりますね。それから老齢給付は、これは修正をして五百八十四円、そして結果的に千三百五十六円ですね、先ほどの説明ですと、結局局。経営移譲を要件として年金給付には三分の一の額の補助がある。この六百八十円の中には二百二十七円というのは含まっているわけですか、当然。その考え方に立って考えるならば、この掛金三百二十一円、これは経営移譲の有無を問わず六十五歳以降支給する年金にどう作用しているわけですか、これ。だから私がいま申し上げましたような言い方からするならば、三百二十一円全部この掛け金に影響を与えるという計算をするならば、これはどういうことになりますかね。これちょっと言い方間違えましたが、結局四千円の給付をするのに五百八十四円でよろしいのだというそういう理解、そうじゃありませんか。
#139
○説明員(淵脇学君) 四千円に修正されましたのは、七百五十円ずつ保険料を出しまして経営移譲をしなかった人でございますね、それはどうなるのか。経営移譲した方は、ここに法案にありますように、経営移譲年金というのを六十歳から、あるいは経営移譲した時点から受給できますので、自分のかけた元利合計よりもはるかに多い金額をお受け取りになるわけでございますけれども、七百五十円ずつ掛けていって、経営移譲をしなかった場合に、そのときは普通の年金しか出ないわけでございます。老齢年金が六十五歳から出るわけでございます。その年金額が幾らであるか、幾らでなければならないかということに問題があるわけでございまして、七百五十円を月々納めていって、諸種の事情によって経営移譲に協力できなかったという、政策に協力できなかったというときに、みすみす損をするような、掛け捨てになるのはいやだというわけでございまして、しからば七百五十円掛けていって、六十五歳から損をしない年金というなら幾らの年金がいいのかということで、修正案では四千円という案が出たわけでございます。
#140
○村田秀三君 それでは端的に聞きますが、そうするとこの四千円の額の算出、その原資の計算、それには、掛け金に補助されたことになっても、三百二十一円というのは全然関係がないということになりますか。
#141
○説明員(淵脇学君) 本人の掛け金ということになります。
#142
○村田秀三君 そこで、わかりました。なかなかややこしいことをお伺いいたしまして恐縮でございますが、経営移譲したくもできないという人がいるわけですね、いろいろな事情によって。経営移譲の条件というのは限定してある。だから諸種の事情というのはここで例示いたしませんけれども、経営移譲できない事情があった。協力しようとして被保険者になった。なったけれども経営移譲しなかったものだから三百二十一円も影響されない、二百二十七円も影響されない、こういう組み立て方というのは、はたして私は農業者年金かどうかということを実は考えております。経営移譲する分に対する三分の一の補助、これは経営移譲したものに対してのみ適用しますということは理解できます。しかし掛け金に三百二十一円補助しますよと言っておきながら、いざ給付を受ける段階にはそれももいで、自分が掛けた分のみ、これを貯金しておって、利息を使って、そうしてあなた、六十五歳になってから、毎月計画的にもらうのと変わりはないわけですから、老齢保障だとか、そういう体裁のいいことばをこの部分については使えませんよ、はっきり言って。そういう観点から、私は経営移譲の有無を問わず、支給される六十五歳以降の老齢者年金に対しても、少なくとも三百二十一円を付加されたところの計算において給付額を算定してもいいではないかという考え方を持っているわけです。もっと私は極端な考え方を持っているわけですけれども、しかしこの際はそこまでは言わないにしても、少なくとも掛け金の三百二十一円というものを付加したかっこうで、これは老齢者年金を策定すべきであろうという考え方です。これはどうですか、農政局。
#143
○政府委員(池田俊也君) この年金の仕組みにつきましてはいろいろ御意見はあり得ると思いますが、私どもの理解といたしましては、特に今回衆議院で修正された点も加味して考えますと、非常に手厚い年金ではないだろうかというように考えているわけでございます。と申しますのは、確かに先生の御指摘のように、経営移譲がいろいろな理由で非常にしにくいという方もあると思います。あると思いますが、まあ一応事情が許すならば、経営移譲という機会はそれぞれの方が持っているわけでありますから、経営移譲がありました方には六十歳から厚生年金並みの水準の年金を支給いたします。さらに六十五歳からは国民年金の上積み分の支給をする、こういうことになっているわけでございます。それで一方、経営移譲ができなかった人に対しては、経営移譲を促進するという観点に非常に強い力点を置きますならば、これはいわば経営移譲しなかった人でございますから、それに対しては若干の不利な扱いはやむを得ないのじゃないかという考えもあるわけでございますけれども、しかし今回修正されました案によりますと、これはたとえば二十年掛け金を積んだ方には、それに五分五厘程度の利子を加えたものを年金の形にしてお返しをする。少なくとも銀行に預けておいたのよりか不利な扱いに全くならない。さらにこれはこまかい話になりますが、二十年よりもっと期間の短かい方には、もっと高率の利子が回るわけでございまして、たとえば非常に短かい場合、五年程度の方の場合を考えますと、一割以上の、一割三分ぐらいにたしかなると思いますが、利子が回るわけでございます。でございますから経営移譲を促進するというある意味の政策的な要請を持っている年金にもかかわらず、その経営移譲を実現しなかった方にも、いま申し上げましたような利子をつけて掛け金をお返しすると、こういうことでございますから、私どもは、これは見方にもよると思いますが、年金制度としてはかなり手厚いものではないだろうかと思います。
 なお、老齢保障という観点だけで、たとえば相当な国庫負担をつけまして、さらに国民年金の上積みをするという考え方もあり得るとは思いますけれども、これは、いまの年金制度の体系からいたしますと、老齢年金については国民年金でカバーをするというのが大原則になっておりますから、その上積みに、さらに農業者だけ特別の国庫負担をつけるというのは、制度の仕組みとしては非常にむずかしいことに相なるわけでございます。
#144
○村田秀三君 これは経営移譲しない場合というのを実は考えてみたわけです。そうすると、経営移譲を六十五歳以上になってもしないのはどういうことかというと、これだけの制度をつくられて、なおかつ経営移譲をしないということは、これはやりたくてもできない事情があるということが一つ想定できると思う。というのは、たとえば子供らがみんななくなったとか、東京に出て帰ってくることはないとか、孫はまだ十五、六歳というようなこと。子供も孫もおらない。自分はここでもって土になるのだと、
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
しかし経営移譲したからといって、一万八千幾らじゃどうしようもない。だから、死ぬまで、やはり土になるまでここを耕さなければならないのだという、そういうこと、むしろ私はそういう例のほうが多いと思います。だとすれば、制度の根本的な趣旨からするならば、そのときにこそもっと優遇して、ほんとうに農業を離れても暮らしが成り立つのだという状態にしてやることが、私は制度の根本の考え方じゃないか、実例を想定してみるわけですが、おれはやっぱり土地を手放したら子供がむごく扱うだろうからというのは、かりにあったとしても、ごく一部ですよ、そういうことじゃないですか。やはり経営移譲したいと思ってもできない理由というものがあるから経営移譲しない。その人こそ優遇をする必要があるという私は想像をしてみるわけですね。そういうことを考えてみると、私はやはり掛けた金きり戻ってこないということは、どうしてもむごい。やっぱり今度の再計算の時期までには、少なくとも掛け金の三百二十一円が影響する給付金が出せるように段階的に考えていくべきだと私は思いますが、これは農政局長、また大臣も今度来られてからも論議の経過聞いておられるわけでございますから、どうお考えになりますか、お伺いしておきます。
#145
○政府委員(池田俊也君) 経営移譲がもう客観的にと申しますか、物理的にできないような事情にある方もおると私どもも思うわけでございます。で、そういう方に対しては、特にやはり何がしかの所得、老後保障の施策があってよろしいではないか、こういう御意見だと思いますが、そういう方に着目いたせばそういう議論が出るということは私どもも理解できるわけでございますけれども、それはやはり国民全体の老後保障の充実という問題ではないだろうかというふうに私どもは考えているわけでございまして、単に農業者の場合に、そういう経営移譲ができない方につきまして、特に老後保障のための何がしかの措置をするというのは、制度の仕組みとしては実は非常にむずかしいわけでございまして、今回は農業構造の改善に資する、そのための一つの具体的な手段といたしまして経営移譲を促進するということを取り上げたわけでございますから、どうもそういうようなやり方ではなかなかカバーできない問題ではなかろうかというふうに私どもは考えるわけでございます。
#146
○村田秀三君 いまの問題は、別途機会を改めて、その時期になりましたならば、そのときに質問することにいたします。
 次の問題ですが、事務費ですが、この事務費は財政上どのように将来考えられているわけでありますか。人件費は国庫で負担する、事務費は国庫で負担する。四十五年度分はほとんど予算措置はされておるように見受けられますが、将来はどう考えられるか、ちょっとお尋ねいたします。
#147
○説明員(山下真臣君) 先生おことばのとおり、今年度の予算におきましては、事務費全額につきまして国の助成が行なわれておるわけでございまして、私どもといたしましては、現在のところ、今後もこの線で考えることができますように努力をいたしたい、そういう気持ちでおります。
#148
○村田秀三君 努力が実現されるように、要望いたしておきたいと思います。
 次の問題ですが、時間がございませんので、はしょるほかありません。――被保険者資格の取得と喪失でありますが、数点ありますが、ひとつ顕著なものを一点だけお伺いしたいわけですが、法律上は〇・五ヘルタール以上は当然加入と、こういうことになっておりますが、特に例外で被保険者とならなくともよろしいという項がございますね。それを具体的にどのように考えられておるかということ。
 それから、もう一つは、それと関連するわけでありますが、五年程度はやるけれども、それ以降はどうなるかわからない、そういう方が五年たちまして、周囲の事情が変わって、そうしてまた農業を継続しなければならぬというような、結果的にずっと押していきましたところが十年、二十年たってしまった。そういう場合でも、これは当然加入と特例との関係においてどう理解をしたらいいかということをお伺いいたします。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
#149
○政府委員(池田俊也君) 当然加入という制度をとっているわけでございますけれども、冒頭にいろいろお話ございましたように、わりあいに幅のある運営を私どももいたしたい、こういう気持ちでこの当然加入者が基金から脱退をするという道を考えているわけでございますが、具体的には二つございまして、一つはその方が持っている農地等にいろんな事情が変わってきたような場合、たとえば持っております農地が市街化区域に編入をされたということで、将来農業を継続するということが非常にむずかしい、こういう事情になってまいったような場合、これは農業者年金から脱退をすることができるわけでございます。それからさらにそういう農地の事情ではなしに、その加入者自体がいろんな事情がございまして、まあ農業を続けるというのが非常にむずかしい。たとえばからだが悪くなったというようなことで、まあ普通の状態でいればいいけれども、農業をやるというのにはたえられないような状態であるというような場合でございますとか、あるいはもう将来農業を継続するということが非常にむずかしくなったんで、むしろ他産業に転職をいたしたいというようなことで、そういうことがはっきりめどがついたような場合、そういうような場合には、これは基金の承認を受けまして、農業者年金から離脱をする道が設けられているわけでございます。で、そういうようなことで脱退ということに相なりまして、一応ほかのほうの、たとえば二次産業なり三次産業なりのほうへ行った者が、またいろんな理由で、今度はまた農村に還流をしてくるというような事例も間々あるわけでございますけれども、そういう方につきましては、これは条件が一応整っておりますならば入れるわけでございます。で、それは継続するわけでございますけれども、ただこれの加入の資格といたしましては二十年間の積み立てが必要と、こういう、制度発足当初は別にいたしまして、一般的には二十年間の拠出が必要でございますので、二十年間の拠出を満たすという年齢でないということでございますと、それは加入するということはできないわけでございますけれども、そうでない限りはまた再び入るということができるわけでございます。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
#150
○村田秀三君 それから年金受給資格の取得の条件ですが、この「廃止し又は縮小」という表現、この縮小というのはどういうことをいいますか。政令事項になるんだと思いますが、その辺のところをひとつお聞かせ願いたい。
#151
○政府委員(池田俊也君) これは後継者移譲の場合は直接関係ないわけでございますけれども、第三者移譲をいたしますような場合――全部を第三者の方に土地を譲り渡すというようなことをやりました場合には、これは農業経営の廃止ということになるわけでございますが、中には老後の生活の楽しみというようなことで、若干はやはり畑を持ちたいというような方もあるわけでございます。また日常の生活のための菜園等を持ちたいという方もあるわけでございますので、そういう意味でいわゆる自留地というものを認めることにいたしたわけでございます。一反とかあるいはその程度のものでございますが、そういう自留地を持った場合には農業経営の廃止とは言えないわけでございますから、制度的には縮小ということばを使っておるわけでございまして、自留地を除いた廃止と、こういう意味でございます。
#152
○村田秀三君 そうしますと、いろいろ政令に盛られる事項等を見る限りは、大体一割と、こう言いながら、最高は〇・二ヘクタール程度というようなこともあるようでありますが、その辺のところをどこへ置くのかということが一つ。
 それからまあ縮小ですから、これは廃止じゃございません。そうしますと、統計上は農業者としてこれは見られるのか、そうでないのかという問題が一つ。
 それからこの農協の組合員になることができるのか、あるいは組合の役員等にもなれるのかどうか、つまり一般的な農業者としての扱いというものを受けられるのかどうかという問題がございます。その点はいかがでしょう。
#153
○政府委員(池田俊也君) 大体私どもが自留地の規模として考えておりますのは、一般的には十アール程度でよろしいのではないだろうか。ただ相当大きな経営をやっております方につきまして十アールというのは、いかにも狭過ぎるという御意見もあり得ると思いますので、そういうような方につきましては最高二十アールぐらいは一応考えてもいいのではないだろうかという気持ちを持っておるわけでございます。いずれにいたしましても、そういうことで自留地を持ちます場合には、これは私どもはやはり従来の農家、いわゆる農家の定義には大体該当するということになりますので、農業者年金制度の上からいうともう大体農業をやめたという考えでございますけれども、一般的な扱いとしてはなお農家として取り扱われる可能性が、そういう場合には非常に多かろうと思います。特に農協の組合員資格というのはいろいろ例はございますが、一般的には大体十アールで切っておる例が非常に多いわけでございますので、そういうような点からいきますと、農協の正組合員としての資格を持つ場合がほとんどであろう。多少制度として矛盾のような感じもいたしますけれども、やはり目的が違うわけでございますから、私どもはそれでもやむを得ないんではなかろうかというふうに考えております。
#154
○村田秀三君 それからもう一つ、具体的にこれをお伺いするわけでありますが、これは農協法の審議の際にも触れておるわけでありますが確認をしてみたいと思います。
 農協に委託をした場合は、これはどうなるんでございますか、これは普通の賃貸借とか経営移譲とは若干違うようでありますから、それをどうするか。
#155
○政府委員(池田俊也君) これは前回も御質問がたしかあったと思いますが、私どもが現在大体検討いたしておりまして、これは政令で定めることに相なると思うわけでございますが、その場合の考え方といたしましては、農協に農業経営の委託をいたしました場合、これを経営移譲として扱うかどうかという問題があるわけでございます。ただこれは非常に短期の経営委託でございます、たとえば二年といったようなものを考えますと、それでもう経営移譲が行なわれたというふうに取り扱うのはいささか実情に合いませんし、本来の目的からいっても問題があると思うわけでございますが、相当長期のもの、たとえば十年間農協に経営を委託するというようなものにつきましては、これは経営移譲というふうに扱いまして、むしろ農協に対する経営移譲というものを促進するということが、制度としての趣旨の上からいいましてよろしいのではないだろうか、こういうことで実は検討いたしておる次第でございます。
#156
○村田秀三君 そうしますと、こういう例があるかどうか別ですが、農協委託をいたしました、そうして移譲年金を受領しておる、十年たちました、またそれを自分で経営する、支給停止と、こういうことになるわけですが、そういうことがあっても差しつかえないわけですな。
#157
○政府委員(池田俊也君) いまお話しのように、年金法上の扱いといたしましては支給停止という措置になるわけでございますが、私どもも理屈から申しますと、そういう事例が全くないとは申せないと思うわけでございますが、かりにあるといたしましても、そういう事例はきわめてわずかではないだろうか。十年程度もう農業から離れております場合に、また再び還流をして、従来農協に委託しておりましたものを返してもらいまして農業をやるという時代は、絶無とは申せませんが、あまり大体考えなくてもよろしいのではなかろうかというふうに考えております。
#158
○村田秀三君 では、次の問題に移ります。
 離農給付事業ですが、一つは、十年間に限定をした理由であります。十年間に大体構造政策のめどがつくとかなんとか、何か意図があるのかどうか。区切りがいいから十年としたのかどうか。何も十年にする必要がないような気が実はするわけです。その理由をひとつお伺いします。
#159
○政府委員(池田俊也君) これは、年金制度との一つの関係があるわけでございまして、一方におきまして、年金制度を補完するという性格を持っておるわけでございます。年金は、先ほども申したわけでございますが、その効果が発現いたします場合には時間がかかるわけで、経営移譲の場合、一番早くて五年以降というわけでございますから、その間かなり農業事情も変わってくるわけでございますので、私どもは、年金の支給が始まるまでは休業というわけにはまいらぬというふうに考えておりまして、この離農給付金制度というものを併用してまいりたい考えでございますが、その時期としては、一つの考えとしては、五年という考え方もあり得るわけでございます。それからまた、別の考え方からいたしますと、無期限といいますか、期限を設けないという考え方もあり得るわけでございますが、しかしやはり、こういう制度をやる以上、一つの目標期間を定めましたほうがその効果を集約的に発現をするという点からいいましていいのではないだろうかということが一つありますことと、それからやはり、今後十年間にかなりいろいろ農業事情が変化をいたします。これは農業事情だけではなしに、農業界の事情もかなり変化をいたしまして、特に第二次産業、第三次産業の高度成長によりまして、それに対する労働力の吸収という事態もかなり強く出てくると考えられますので、大体十年間を一応の目標期間に置きまして、その中で、離農する意思のある方については計画的にそういう離農をしていただく、それを御援助するというようなことが制度としては一番いいのではなかろうか。こういうような経過でございます。
#160
○村田秀三君 大体趣旨はわかりました。これは別に質問する点と関連いたしますからあとに譲ります。
 そこで、被保険者が中途で離農する場合は脱退一時金、それが、「九年以上一〇年未満」では十一万円支給されるわけです。それから、被保険者になり得ない者、つまり五十五歳以上、五ヘクタール以上は三十五万、離農給付金。それ以下、その他の者はこれは十五万と、こうなっておるわけですね。そうしますと、被保険者で積み立て金を積み立てておった方々がわずか十一万で、同じ離農で、被保険者にならないで、一銭も積み立てておらない者が十五万円支給を受けるという、そういうことになるのだろうと思います。間違いであれば御指摘をいただきたいと思いますけれども、私はそうだと聞かされておるし、また文書面からもそう見ておる。そうすると、だいぶこれは不合理があるのじゃないかという気がいたします。したがってこれは、被保険者に対して併給してもよろしいじゃないかということが一つ。
 次の問題といたしましては、バランスのとれるように手直しをしてはどうか。こういう問題になるわけでありますが、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#161
○政府委員(池田俊也君) いま御指摘になりました問題は実は非常にむずかしい問題で、私ども政府部内で検討いたしましたときにもいろんな議論があったところでございます。ただ私ども、いま基本的な考え方として考えておりますのは、農業者年金の加入者という方は、これは将来とも農業経営を継続するという一応前提で年金に入っていただくというのが基礎的な考え方であろうと思います。でございますので、そういう方は原則的には継続をしてまいる。何がしかの理由がありまして途中脱退する方もございますので、そういう方に対しては脱退一時金というような制度も設けておるわけでございますけれども、一方離農給付金というのは、離農したいという方の援助をするというものであり、ある意味の奨励金でございます。そうするとその併給ということを考えますと、農業経営を継続するという前提で農業者年金に入っていただいて、それに対してしかるべく国庫の助成もするということになっているのに、その方が離農することを奨励するような奨励金を併給するというのは、制度としていささか自己矛盾なのではないだろうか。こういう考え方があるわけでございます。片一方は掛け金を出しているのに、むしろ掛け金を出していない人よりか少ないということは、確かにそのとおりでございますけれども、バランス論から申しますと、いまの、要するに農業者年金に入っておられる方は、これは将来とも農業経営を継続して、そしてしかるべき時期に経営移譲をいたしますならば、これは相当多額の給付を受けられるわけでございますから、そこに十分、何といいますか、保護の可能性を持っておるわけでございます。その保護の潜在的な権利というものを放棄して、途中で離農された方でございますので、その方に、さっき申し上げましたような趣旨で併給をするというのは、いろいろな問題があるのではないかということで、現在は併給という考え方をしておらないわけでございますが、ただ、脱退一時金というのは、三年以上拠出をした方でございますので、三年未満の方は脱退一時金もないわけでございます。これは、制度として、脱退一時金の支給をしない方に離農給付金を支給しないというのはいかにもこれは不利でございますので、そういう三年未満の方につきましては離農給付金の支給をするという方法でよいのではなかろうかというふうには考えております。基本的には、そういう考えでございます。
#162
○村田秀三君 いまのお話をお伺いしていまして、いかにも何か矛盾があるような気がするのです。というのは、最初は、十年間にいたしました理由というのは、制度を実際に運営をされます期間、十年間――五年と五年で十年でありますけれども、それを補完する意味を持っておると、こういう説明がありましたね。この十年間に切った理由というのは、そうすると、補完する意味ということと、それからいまおっしゃられました離農給付金事業というのはこれは離農の援助、補助の意味が強いのだと、こういうことですね。だから、ここにやはり矛盾があると思うのです。だから、補完をするということであるならば――つまり、離農給付金十五万と三十五万でぶっ切る。これは全く純粋な意味の援助であるということであるならば、これは私もある程度了解します。しかしながらこれは、補完する云々ということになりますと、つまりその空間を埋めるために、もっと何か新しい手法というものがあるじゃないか。これは十五万円でもう果たしてしまう、これは離農援助です、こういうことじゃなくて、経営移譲を促進させるために、この五年間、あるいはプラス五年間の間の対策というものが考えられていい。この五年、十年というものは、やっぱり農政上の問題、流動化の問題としては、きわめて重要な時期になってきている。ですから、もしも補完するという意味で離農給付金をつくられるとするならば、私は別にこれはまあ六十歳から一万六千円くらいということにならぬかもしれませんけれども、たとえばですよ、その十分の一くらいすでに来年の一月一日発足すると同時に経営移譲される方にはしかるべき福祉年金を差しあげます、こういう意味での補完であれば、私はわかるのです。だから離農給付金を十五万あるいは三十五万出して、そうして十年間の空白を補完する、こういう考え方であるとするならば、私は非常に問題であると思うし、まあ私がいま申し上げましたような手法でひとつこれを埋めていこうというのが正しいやり方ではないかと、こう思うのです。でなければ私は離農給付金について一つの提言を持っておるわけでありますが、時間がございませんが、ほんとうにこれ、ただ単に援助とか補助とかいう考え方でなくて、これを一つの政策として位置づけようとするならば、これはほんとうに諸外国ではこれはそれこそ離農年金と称して、全く無拠出で何年間か生活保障をしておる、営農保障をしておる、こういう事例があるわけであります。そこまで私はいくべきではないか。だから全く開拓農家が山から下がりたいけれども、金がなくて下がれない。だから引っ越し料くらいはひとつ見てやろうじゃないかという、そういう考え方に基づく離農給付金であれば十五万、三十五万いいでしょう、ぶっきり。しかし補完をするとなればこれはやはり五年、十年を補完しようとするならば、こういうやり方というのは私はいけないとこう思うのです、どうでしょうか。
#163
○政府委員(池田俊也君) これは非常にむずかしいところでございまして、先生のような御議論も私ども当然あると思うわけで、農林省の部内で実は検討いたしたときにもいろいろ議論があったわけでございます。ただ私どもが考えておりますし、かつまたそういうことを一応予定いたしておりますのは、いま農業者年金の加入者というのは二百万戸の農家を予定いたしているわけでありまして、こういう農家は私どもやはり将来とも日本農業の主たるにない手になるのではないかというふうに考えているわけでございまして、そういう農家が非常に離農を思い立つということは、まあ比較的もちろんいろいろな事情の変化等で離農いたす方もあるかと思いますが、むしろ今後農業から完全に離脱していくという方は、従来のいろいろな傾向から判断いたしましても、農業者年金に加入しないような方がその主流をなすのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
 で先ほど申し上げましたようなことで、この二百万戸の農家というものは将来とも農業経営を持続するということを一応前提にしまして、制度の仕組みを考えておるわけでございますから、そういう農家が離農をいたすのをむしろ促進するようなことはどうも自己矛盾ではないかというふうに考えますし、またそれが非常に多数の農家がそういうことになるということははたしてよろしいかどうか、私どもは若干疑問を持つわけでございます。やはり日本の農業としては相当数のりっぱな経営担当者を確保する必要があるわけでございますから、一概に離農だけが無条件にいいのだというふうに考えるわけにもまいらないわけでございます。そういうようなことで一応考え方としてはそういうふうな仕分けをしておるわけでございますけれども、たとえば三年以内のものをどう扱うかどうか、そういったような問題点はなおあるわけでございますので、私どもも十分さらに検討はいたしたいというように考えておるわけでございます。
#164
○村田秀三君 議論のあるところでしょうが、ひとつ検討をしていただくということにしておきたいと思います。とりわけいわゆる制度発足いたしまして五年そうしてまた五年、十年間というものは、これはもうこの制度自体は目的は明らかなわけですからね、他の年金とは違うわけですから。だとすれば、この空間を埋める一つの手法、手だてというものが当然考えられていいと思うのですね。社会党の案、これは衆議院で否決になりましたけれども、あれにはやはり空間を埋めるために、月千五百円、年間一万八千円の福祉年金というものを置いてあるわけです。だからそういうことでひとつ検討をしていただきたい。何も社会党の案によってほしいというつもりではございませんけれども、この空間を埋めることがやはり制度の目的を達成する一つのポイントでもあろう、こう実は見ているわけでありますから、真剣に検討していただきたい、こう思うのです。
 それと、こまい問題でありますが、離農給付金は支給の対象ですけれども、所有地を移転する場合、これは転用はもちろん対象になるわけですが、第三者移転ではだめなわけですか、たとえば他の農家に農地として売って離農する。私ども聞く限りでは、農地保有合理化法人であるとか、あるいは基金とかいう何か対象を固定しているように聞いておるわけでありますが、それはそうであるかどうか、一点。
 それからもう一つ、所有農地だけを対象にするのか、使用収益権を設定されているものの移転、そういうものも含むのかどうか、この点をひとつお伺いしたい。
#165
○政府委員(池田俊也君) これは経過的にはいろいろ考え方があったわけでございますが、現在の考え方といたしましては、必ずしも合理化法人に譲渡した場合というようなことに限らないで、他の第三者の方に、もちろんそれは合理化法人でございますとか生産法人でもよろしいわけでございますが、一般の農家に譲渡した場合でもよろしいというわけでございます。
 それから後段の御質問につきましては、たとえばこれは所有権――所有にかかわる農地等の移転、こういうことでございますので、たとえば賃借権等の設定と、こういうようなことでは一応これに該当しないわけでございます。その基礎的な考え方といたしましては、国が全額負担をいたしましてこういう給付をいたしますというねらいは、やはり離農をしたいというような意思を持っている方を援助する、そうしてその人の持っております土地が農地保有の合理化に役立つ、具体的にはたとえば経営規模に結びつくというような趣旨で支出をいたすわけでございますので、そういうふうな考え方からいま申し上げましたような措置をとるのが一応考え方としては常識的な扱いではないだろうかということでそういうことに相なっておるわけでございます。
#166
○村田秀三君 次に、基金の経営といいますか、運営といいますか、農地の売買、保険事業、すべて経理区分を明確にするということでありますからそういうことでありましょうが、とりわけ土地の売買事業ですね、買い入れたからすぐに売れるというものではないと思う。そうすると、先ほど同僚委員からも同じような質問があったように思いますけれども、利息もこれはつくわけですね、それからずっと売れないでしまうという場所もある。あるいは買い入れるかもしれない。もしも、離農をしたいけれども、あの土地は売れそうもないから基金は買い入れませんよなどというようなことがあったのでは、これは一般の土地会社も買わないわけですから、私はそんなことを言うはずはあるまいと、こう思いますけれども、いずれにいたしましても、とにかく不良農地というとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、少なくとも基金に売り渡したい、売りたいというような農地というのは、まあどういうところかという一応の想定はつくような気がいたしますね。そういたしますと、やはり買いだめするということになる。利息はとられるは、経営は動きがとれない、そうしてこの損害のいわゆる責任をだれが負うかということになると思うのですよ。まあ保険料、保険事業益金、事業ではだいぶこれは計画的にいっておるけれども、しかし土地のほうはどうも思わしくないという状態のときに、その赤を埋めるのは、こちらからさっと持ってくるわけにはまいらぬと私は思っている。そういう意味でどこが責任を持つのか。国がその責任を持とうとするのか。一定の期間売れないというような、そういう農地は国が買い入れるのか。そういう点についてもやはりこの際明らかにしておいたほうがよろしいのではないかと思います。
#167
○政府委員(池田俊也君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、一つは私どもはいま先生御指摘のような離農をしやすくするようにという目的で土地の買い入れ等をするわけでございますから、そういう限りにおいてはあまりうるさいことを言わないでも、すべて買い入れすると、こういう考え方になるわけでございますけれども、一方ではこれは基金の積み立て金を使いまして、その一つの運用という形になるわけでございますから、そういう点から言うと、安全、確実と、こういうことになるわけでございまして、利子の点につきましては、先ほど申し上げましたように利子補給をいたす考えでございます。いずれにいたしましても、その二つの要請を同時に考えて処理しなければならないわけで、そういうことから私どもは離農を希望する方からの申し出があればすべての土地を買うというわけにはまいらないのではなかろうか。
 で、まず考えておりますのは、一つは将来とも農業が相当盛んに行なわれるような地域に限るということで農業振興地域を原則としているわけでございます。それから当然その買いました土地が農地保有の合理化に役立つということを目標に買うわけでございますから、そういう可能性がないような土地について買うというのははたしていかがなものかと、こういうことでございますので、いろんな事情変更はあると思いますが、原則的には私どもは基金が持ち込みになりまして、その際には補償を考えなければならないような土地を買わなければならないようなことになることはあまり好ましいことではない。そういうような買い方はしないように指導いたしたい、こういう考え方でございます。
#168
○村田秀三君 考え方としては若干問題があるわけです、私の気持ちといたしますと。しかし時間がありませんから別の機会にまた譲ります。
 そこで保険料積み立て金の運用、これは先ほど中村委員も述べたのでありますけれども、福祉事業に使うということも一応言われているようですね。福祉事業というのは、どういうことかというふうにお聞きしてみたいわけですが、私の意見もこの際申し上げてみたいと思いますけれども、百八十億という金は相当な金だと思うのですね。だからこれを農村の環境整備に使ってみてはどうか、まあ保育所も託児所も福祉事業の一つであろうと思いますけれども、公民館、水道事業、新しい村づくりのための環境整備、これは市町村が、自治体が計画をしたものに、起債に応ずるという形になるわけでしょうけれども、これは資金運用部の中に入って、大ワクとしてはそれにこたえられるということになるかもしれませんけれども、しかし少なくともこの制度の持つ目的からするならば、主としてはやはり農村の問題に集中して金を使ってほしい、こういう気持ちがあるわけです。それらについてひとつ見解をいただきたい。
 同時に、関連をいたしますのでこの際お伺いいたしますけれども、審査会の設置がございます。これには相当権限が付与されるのではないかと思いますけれども、この構成であるとか、あるいは社会保障制度審議会、国民年金審議会等との関係についてひとつお伺いをいたしたいと思います。つまりこの農業者年金制度は、厚生省、農林省が提案をつくって厚生大臣が、国民年金審議会は一つの答申を出しましたけれども、それは社会保障制度審議会のほうにいっているんじゃないかと思います。事実どういういままでの経過がありますかわかりませんが、大体年金というのは、そういう経過が大体常態としてとられているように感じます。したがってこの審査会というのは保険料もきめる、財政計画もきめる、財政計画の変更も全部やるのじゃないかという、実は私はそう感じたわけですが、その理解で間違いがないかという点についてお伺いをいたします。問題は二つあります。
#169
○政府委員(池田俊也君) 前段の福祉事業でございますが、私どもは先ほどちょっと申し上げましたように、たとえば休養施設の設置をするというようなことを、当面頭に描いているわけでございますが、いまの御提案は、範囲を広くして、農村の環境整備も対象に考えたらいいのではないだろうかという御提案だと思いますが、この問題につきましては、この農地の運用の問題にやや類似の性格がございまして、 の有利な運用を確保するという趣旨がございますので、そういうような条件を満たすということでございますと、農村の環境整備という点にこの資金を充当するというのにはなかなか困難があるのではなかろうかという感じがいたします。この問題につきましては、今後の問題でございますので、私どもも非常に狭く限るつもりは現在持っておりませんけれども、具体的にどういうふうな事業がよろしいか、これはひとつ関係の方の御意見も伺いまして、省令もいろいろ検討してみたいと考えております。
 なお後段の審査会というお話でございますが、この法律によります審査会は、これはいろいろな不服の審査等の機関でございますので、実際に年金の事業運営なりあるいは事業計画というようなものに参画をいたすことはあまりないわけでございます。むしろその点からは評議員会というものが、これは理事長の諮問機関でございますけれども、基金の運営に関する重要事項を調査審議する、こういうことになっておりますので、私どもはむしろいま先生がおっしゃられたような趣旨から申しますと、評議員会を活用するというのがよろしいのではなかろうかというふうに考えているわけでございまして、評議員会というのは三十人でございますが、この構成につきましては私どもはやはり第一義的には加入者の代表というふうなことを考えているわけでございますが、同時に関係の学識経験者、と申しましても非常に狭く解釈をしているわけではございませんで、広く農業団体等の関係の方でございますとか、そういうような方も広く加えまして、妥当な構成をいたしまして、実際上基金の運営についての最高の相談の機関にしたい、こういうつもりでございます。
#170
○村田秀三君 いろいろあるわけですが、時間がありませんからもう私は終了いたしますけれども、最後に大臣にお伺いしてみたいと思うのですが、これは五年目、五年目に再計算、再計画をすることになるわけでありますから、あまり将来の政策をいま申し上げると、ちょっとあるいはぴんとこないと思うのですが、この年金は政策年金であることは間違いないわけですね。年金的政策だということになれば別ですけれども、少なくとも農政の要請に基づく年金である。これが構造政策上必要であるからこの制度をつくる、こういうことであります。そうすると、その政策目標というのは一定の時期がまいりますならば、これは消滅するという言い方はどうか知りませんけれども、非常にこれは希薄になると思うのですね。そのときにこの年金制度というものをどう処理していくのかという問題であります。またその他の年金制度、これもどんどん改善の要求というものが出てまいっておりまして、よくせざるを得ない社会情勢というのがこれはあるわけでありますから、その際に展望としてどうこれは展開していくのであろうかという疑問をいまから持っておるのです。どうお考えになりますか、ひとつ大臣からお聞きしたい。
#171
○国務大臣(倉石忠雄君) この制度は農業者の老後の安定及び福祉の向上に資するということと、先ほど来お話のございました経営移譲を促進いたすことによりまして農業経営の近代化をはかってまいりたいと、そういうことを目的としておるのでありますが、農業経営の近代化がだんだん進み、また農地保有の合理化が単に当面の短期的な要請ではございませんで、将来とも農業構造改善のこれからのいろいろ客観情勢の変転に伴って、農業構造の改善においても各段階において対処していかなければならない問題であると、かように考えております。したがって、農業者の老後生活の安定と農業構造改善という要請と結びつけたこの年金制度の性格は変わらないものではないか、このように私どもは理解しておるわけなんであります。
#172
○中村波男君 時間が切迫しておりますが関連がありますので、この機会にお聞きしておきたいと思うのでありますが、いま村田委員が基金で行なう農地売買事業について質問をいたしたのでありますが、この種の農地流動化の対策事業としては、農地法の今回の改正によりまして、これが通りますれば、農地の保有合理化法人が同じような目的で事業をやる。さらにこれに関連して農協も農地の供給事業が行なえる。そういう中で基金にこのような事業を行なわせるという目的ですね、またその理由等について理解に苦しむわけでありますが、したがって政策目標としてこれを重視しておるのか、あるいは基金の運用という面にこのような事業を考えておるのか、これらの点を明らかにされると同時に、いま指摘いたしましたような農地保有合理化法人あるいは農協の行なう供給事業等々から見て、あえて基金にこのような事業を付与する必要は私はないんじゃないか。そういうことのほうが混乱をして、保有の合理化ということが結局うまくいかないような結果になるのではなかろうか、こういう立場で御質問をいたしたわけでありますが、いかがですか。
#173
○政府委員(池田俊也君) これは私どもは端的に申し上げまして、基金の運用の一分野ということで農地保有を考えたということは必ずしもないわけでございます。むしろ農業構造を改善をするというその一つの分野を担当するのが農業者年金であるというふうなことでございますので、農業者年金はいわば単独だけではなかなかその成果があがらない。他のいろいろな諸制度と結びつけまして、いろいろな面からの施策を講じまして、農業構造の改善に結びつけていく、こういう基礎的な考え方がございますので、むしろ農業者年金制度というのは、単に年金の支出をするだけではなしに、そこに相当多額の積み立て金があるわけでございますから、そういうものが農村の農業の近代化のために使われる余地があるならば、それはいろいろな条件がございますけれども、そういう条件を満たした上で使うという方向で考えていいのではなかろうか。特に年金加入者に対しましては、これは先ほど来御説明申し上げておりますように、一般の公募資金等よりも有利な運用をいたすわけでございますから、これは考え方としてはいわば還元貸し付けといいますか、要するに加入者に対する一つのサービスである。こういう考え方を合わせ持っておるわけでございます。もちろん、農地保有合理化法人等との事業の調整ということは十分留意してまいらなければならないわけでございまして、私どもも基金がそういうものがやっております一つの秩序を乱すような運用をするという考え方は毛頭ございませんが、先ほど申し上げましたように、加入者に対する一つのサービスという面と、農政上のそういう要請に対してはいろいろな面からの接近の方法があってよろしいのではないだろうか、こういう考え方でございます。
#174
○中村波男君 もう時間がありませんから深い議論はいたしませんが、私が申し上げるのは、農地を取得する資金を、この基金の一部をこの運用面で低利で長期に貸すというようなそういう事業は大いにやるべきだと思います。
 そこで私が追及をいたしました一番問題点というのは経営移譲を促進する、それが基金の大きな目的でありますが、農業の近代化ということを考えます場合に、やはりその地域における農協なりあるいは農業委員会等で合理的な計画を立てて、そうして共同経営、機械化、経営規模の拡大というような、そういう一定の方針に基づいて農地の保有合理化をはかっていかなければ、私は効果があらわれないのではないか。そこでいま指摘したように三つの組織団体で同じような事業をやるというような、そういう必要は毛頭とは言いませんけれども、少ないのではないか。したがって、こういう条文が入られても、今後農林省として指導監督される立場では、こういう点にあまり重点を置く指導というのは、やはり避けられたほうがいいのではないか、こういう立場で意見を申し上げて、一応質問を終わります。
#175
○委員長(園田清充君) 本会議が開会いたしますので、この間休憩いたします。
   午後四時九分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時二十六分開会
#176
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 理事の辞任についておはかりいたします。
 北村暢君から文書をもって都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#177
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ―――――・―――――
#178
○委員長(園田清充君) 外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案を議題といたします。
 本案は午前の審査で質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(園田清充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 高橋君から発言を求められておりますので、これを許します。高橋君。
#181
○高橋雄之助君 この際私から、各会派の皆さんの御賛同をいただきまして、外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案に対する附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 以上であります。
#182
○委員長(園田清充君) お諮りいたします。
 高橋君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(園田清充君) 全会一致と認めます。よって、高橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
#184
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重の上、開発途上国との関係にも配慮しつつ本件に対処していく所存でございます。
#185
○委員長(園田清充君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
     ―――――・―――――
#187
○委員長(園田清充君) 次に、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は前回で質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#189
○委員長(園田清充君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 達田君から発言を求められておりますので、これを許します。
#190
○達田龍彦君 この際私から各会派の皆さんの御賛同をいただきまして、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 以上であります。
#191
○委員長(園田清充君) おはかりいたします。
 達田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#192
○委員長(園田清充君) 全会一致と認めます。よって、達田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
#193
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして善処してまいりたいと存じます。
#194
○委員長(園田清充君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#195
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#196
○委員長(園田清充君) 次に、農業者年金基金法案を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#197
○中村波男君 たいへん時間が経過しておりますから、本日は経営移譲と税制、さらに業務委託の範囲等についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。
 農地または採草放牧地につきましては、租税特別措置法第七十条の四によって、いわゆる農業用資産の一括贈与の場合には、贈与した者が死亡したときまで贈与税の延納が認められることになっているのでありますが、したがって経営移譲に伴う一番大きな税法上の問題は、この規定によって救われると考えまするけれども、しかしながら、農地と採草放牧地については納期限が延長されるけれども、果樹、家畜、農業用機械、農業用建物については延納が認められないのであります。したがって、おのずから贈与された農地等を転用し、もしくは第三者に譲渡した場合には納期限の延長措置が停止される。あるいは転用しあるいは離農する場合は当然でありまするけれども、農業生産法人に土地を提供する場合も該当するのであります。そういうようなことを考えますと、その是正を何らかの方法で措置する必要があるんじゃないかというふうに考えるのでありますが、問題を二つにしぼって、お答えをいただきたいと思うわけです。
#198
○政府委員(池田俊也君) ただいま御指摘があったわけでございますが、農地等につきましては、これは生前一括贈与の制度の適用が原則的にはあるわけでございます。もちろん租税特別措置法は限時法でございますから、この期限の延長を考慮しなければ適用にはならないわけでございますけれども、これは方向といたしましては私どもはそういう方向でいき得るというように考えております。また、そういう方向で財政、税務当局とも協議をして、そういう方向を実現したい、こういう気持ちでございます。
 で、お話がありました農地以外の農業用資産の問題でございますけれども、これは現在の税制のたてまえからいたしますと、同じような方式を適用することは、税制の面から見ますと非常に困難でございます。ただ実質的な問題といたしまして、私どもはやはり土地だけではなしに、そういう農業用資産につきましても直ちに贈与税を適用するということではなしに、何がしかの実態に即した取り扱いをいたすことが望ましいわけでございますので、そういう点につきましては、税務当局とも十分相談をいたしまして、農地に関します生前一括贈与と実質的に近いような何がしかの扱いにつきましてくふうをいたしてみたいという考えを持っております。この点につきましては、今後税務当局ともよく相談をしてまいりたいと思います。
#199
○中村波男君 大体了解いたしましたけれども、いま私が指摘いたしましたように、農地等の相続税、贈与税の関係で租税の特別措置が行なわれることになっておりますが、もちろん時限立法でありますから、大蔵当局とも具体的にお話しいただいて、延長をぜひしてもらいたいということが第一点と、実際問題として手続がかなりめんどうでありまして、一カ月以内に申請をしなければならぬというようなこともありますので、何らかの救済措置というものを、経営移譲という政策目的を高めるという立場からも考えてよろしいのではないか、こういう観点から質問をいたしたわけであります。
 それから所得税の関係でありますが、第三者に経営を移譲した場合で、所有権を移転するものに対しましては譲渡所得税が課せられることは当然であります。土地譲渡所得税については一般に百万円の特別控除が認められておるのでありまするけれども、離農給付金の大部分が結果として税金で取られてしまう、こういうことでは第三者への経営移譲というのがネックになるのじゃないかというふうに考えるのでありますが、この問題についてはどのようにお考えでありますか、お尋ねいたします。
#200
○政府委員(池田俊也君) 離農給付金の非課税の措置でございますけれども、これは私どもは税務当局ともいろいろ相談をいたしておるわけでございますが、現在におきます考え方といたしましては、一時所得という扱いをいたすことが適当ではないだろうか。一時所得ということでございますと、現在特別控除の金額が三十万円でございますんで、大部分はカバーされるわけでございます。ただ離農給付金は、御存じのように三十五万円というのがございますんで、若干カバーできない部分もございますが、実質的にはほぼカバーできるのではないだろうか。ただ現行法ではそういうことでございますが、さらにもう少し徹底した措置をとるということでございますと、これは、この法案が成立をいたしました段階におきまして、四十六年の税制改正の問題として私どもが税務当局と相談をいたすということに予定しておるわけでございます。いま申し上げましたように、当面は一時所得という扱いにするということが考えられておりますけれども、必要がございますならば、さらにもう少し抜本的な税制改正を行ないたいというふうに考えております。
#201
○中村波男君 次は業務の委託の問題でありますが、二十条によりまして、業務の一部を「市町村」、「農業協同組合」、「前二号に掲げるもののほか、主務大臣の指定する者」に委託することができるという規定がありますが、ここでお尋ねをいたしておきたいのは、具体的にこの第一号から第三号まである団体にどのように業務を委託される考えがあるのかどうか、具体的に御説明をいただきたいと思うわけです。
#202
○政府委員(池田俊也君) これは市町村なり、あるいは農協その他ございますけれども、そういう団体に基金の業務の一部を委託したいということでございまして、具体的にそれぞれの団体の意向も十分聞きまして御相談をした上できめたいということでございますが、一般的な考え方から申し上げますと、私どもは、たとえば農業者年金の被保険者の資格に関する問題、これは現状がどういう経営規模の農業をやっているかといったようなことを一応資料の御提出を願いまして、最終的には基金が決定をいたすわけでございますけれども、そういう資格に関する事前の調査みたいな事務につきましては、性格上やはり市町村等にお願いをするのが大体はいいのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 なお、農地あるいはその付帯施設の取得等の関係でこれも基金が事務所を設けて末端業務をやるということはあまり考えておりませんので、そういうことに関しますいろいろな買い入れの具体的な事務等につきまして、決定権を除きましてまあ市町村等にお願いするのがよろしいんではなかろうか、こういうふうに考えております。
 なお、農業者年金の給付でございますとか、あるいは掛け金の納入等に関します事務につきましては、これは農協等がその性格上最も適しているのではないかというふうに私どもは考えてまいったわけでございますが、これにつきましてもいろいろ農協の御意向もあるようでございますから、その農協の希望なりを十分聞きまして、場合によれば市町村にお願いするということもあるかと思います。
 いずれにいたしましても、よく現地におきます事情を聞きまして、そういうような事務につきまして委託をいたしたい考えでございます。
#203
○中村波男君 いま局長から御答弁をいただいて、意外に思ったのでありますが、われわれは新聞その他で掛け金の徴収等は農協へ委託になる。したがって農協では、このような農業者年金の内容では責任が持てない。そういう意味で難色を示されておった。こういうふうに新聞等から聞いておるわけでありますが、まだそういう点については非公式ではありましょうけれども、農協等との具体的な話し合いと言いまするか、打診というようなことはなされておらないわけですか。
#204
○政府委員(池田俊也君) これは事業の委託でございますから、相手方の団体が了承をいたしませんと、もちろん合意がありませんと委託ができないわけでございますので、私どもは、事業の性格から言いますならば、やはり掛け金の徴収でございますとか、あるいは給付等の関係では、現実に信用事業をやっております農協でございますから、一番それがふさわしいのではなかろうかという考え方を現在も持っておるわけでございます。ただ、いろんな事情で、ちょっと引き受けにくいというものにつきまして、これはどうしても農協以外に考えないので、農協に必ずやっていただきたいというところまではちょっと申し上げにくいものでございますから、そういうよく農協等の御意向も聞きまして、でき得れば、農協にやっていただくのがよろしいと私ども思いますけれども、これはある場合には市町村等にお願いをすることもあり得るのではなかろうかという気持ちは持っておるわけでございます。もちろんこれにつきましては、制度を立案いたします段階で農協等の御意向をも聞きまして、いろいろ予算編成等にも相談をしてまいっておるわけでございますけれども、まあいろいろ農協の希望等もあるようでございますので、そういうふうに現在は考えているわけでございます。
#205
○中村波男君 そうしますと、いまの段階では非公式ではありまするけれども、農協がこれを給付あるいは掛け金の徴収等の業務を引き受けるという話し合いがついておらない。したがって、さらに今後政府としては給付とか、掛け金の徴収は農協に委託したほうが望ましいという立場でお話し合いに入られる。こういうふうに理解していいですか。
#206
○政府委員(池田俊也君) これは末端農協にお願いをいたすわけでございますから、私ども従来いろいろ御意見を伺っているのは、全中というようなことでございますので、必ずしもその全中がすべての単位農協の意向をそのままきめるという筋のものではございませんので、具体的には単位農協の御意向も十分相談をするということになると思いますけれども、従来の全中の考えとしては、もう農協以外は全部考えない。農協が全部やるのだ。多少いやがる単協にも無理にやってもらうのだと、こういうのはいささか困ると、こういうことも伺っておりますので、まあ私ども無理に押しつけるという気持ちは必ずしもございませんので、今後十分そういうことを含みにして相談をいたしたい考えでございます。
#207
○中村波男君 衆議院の年金に関する審議の議事録を見ておりませんけれども、新聞で見たところによりますと、池田農政局長は、農協にその滞納等までやらせるのかという質問に対して、滞納等の業務は市町村にやってもらう。こういう答弁をなすったというふうな記事があるわけでありますが、いまのお話を聞いておりますと、個別とはいかないにしても、農協でやってもらえるところは農協でやってもらう。農協でやってもらえない場合は市町村でやってもらう。こういうようなあれですか。具体的に折衝をして、いけるところはやってもらう、いけないところは市町村でやってもらう、こういうふうにおやりになるのか、これは全国的に統一してやってもらうという方針のもとに今後折衝をされるのか、その点はどうなんですか。
#208
○政府委員(池田俊也君) いまおあげになりましたのは、滞納処分のお話もあったようでございますが、滞納処分は、これは農協にお願いするのではございませんで、七十三条以下に規定がございますけれども、これは性格上市町村にお願いをするわけでございます。で、滞納処分以外の一般的な掛け金の徴収、あるいは年金の給付というようなことにつきましては先ほど申し上げましたようなことでございますが、私どもの端的な希望といたしましては、やはりなるべく一元的にやりたい。そのほうが事務の処理上非常に便宜でございます。いろいろ上部機関等におきましてこれを集約するというようなことの、そういう点の便宜もございますので、できればやはり単協にお願いをするのがいいのではないだろうかというふうに原則的には考えているわけでございまして、ただこれは先ほども繰り返し申し上げておりますように、同意を得られなければ委託はできないわけでございますから、そういう方向でいろいろ今後御相談をしたい、こういう気持ちでございます。
#209
○中村波男君 私は、こういう業務というものは、給付、掛け金の徴収、さらにその徴収が規定の期間に支払われない場合は、やむを得ず滞納整理という業務をおのずからやらなければならぬというふうに思うわけです。したがって、国民年金等が市町村に委託してあるのでありますから、国民年金の場合は委託ということばが適切かどうかは別にいたしまして、市町村がやっておるのでありますから、この農業者年金につきましても市町村一本でおやりになるであろうというふうに考えておったのでありますが、いまの御説明によりますと、給付あるいは掛け金徴収業務は農協のほうが望ましいという考え方でありますが、その理由が私には理解できないわけです。
 なぜ農協が行なうほうが掛け金を集めたり給付をするのに市町村の業務よりはいろいろな面でよろしいという価値判断ですね、もう少し具体的に御説明いただけませんか。
#210
○政府委員(池田俊也君) 確かに市町村にお願いするという考え方も、私一つの有力な考え方としてあり得ると思うのですが、私どもが農協を最初に考えましたのは、やはり農協というのは御存じのように農家の金庫みたいな性格を持っているわけでございまして、もちろん農協以外を利用する向きもございますけれども、農協に余った金を預け入れて、そして必要な金はそこから払い出すということを現にやっているわけでございますから、やはり農協にやっていただくのが農家の立場からも一番便利なのではなかろうかというふうに実は考えたわけでございます。もちろん掛け金の徴収という面から見ますと、これは何といいますか、農協にすれば保有しておる預金が減少するというようなこともあるとは思いますけれども、一方から言えば給付が始まりますれば農協が基金にかわりまして現実に年金を農家のふところにとどけると、こういうことでございますから、そういうような意味でも農家に喜ばれる役割りではないか。だからいろんな意味でやはり一番農家が身近い農協にお願いするのがいいのではないかということで、従来の国民年金等の経緯もございますけれども、特に農協ということを考えたわけでございますけれども、いろいろな事情があるようでございますので、今後よく相談をしてまいりたい、こういうことでございます。
#211
○北村暢君 関連。その点非常に便宜主義であると思うんですよ。これは公的年金だから基金を設けてやるということにして、徴収したものは農業協同組合等が運営するということについてはだめだと、こう言うんですね。で、料金の徴収のほうは、一番徴収するのに便利だから農協でやる。公的年金の料金の徴収は農協には責任はないんですよ。徴収するというだけの義務を与えられる。まあ若干の事務費その他やるんでしょうけれどもね、これは筋が通らぬですよ。やはり国民年金と同じような形で運営されるんですから、国民年金の掛け金徴収と同じ制度でやるべき筋合いのものだと、私はそう思います。したがって農協としてはまた徴収するのについても責任がないんですよ、大体。その運用等その他徴収したものについては何ら農協はタッチできないんですよ。ただ徴収するだけで元へ納めなくてはならない。こんなやっかいな仕事は農協だってありがた迷惑ですよ。ということは、まあ農協がどういう意思を持っておるか知らないけれども、そういうことはけじめをはっきりしたほうがいいと思う。したがって、二本立てでどっちでもできるようになっているんですから、私は運用としては農協がやるべきじゃない、このように思います。したがってこれは国民年金の徴収と同じような方向で処理されるのが妥当である。滞納のときだけは町村でやるとか、こんな便宜主義な徴収というのはないですよ。徴収する責任というものについて、やはりその年金なら年金を管理しているものが徴収の責任を持つのはあたりまえです。その委託をするということは、もう農民のためだから、こういうことかもしらぬけれども、あまりにも便宜主義過ぎる。そのために農協としてもこの問題については相当異見があるわけですよね。ですからいまの局長の答弁では私は簡単に納得するわけにいかぬと思うんですがね、大臣いかがですか。
#212
○政府委員(池田俊也君) ちょっとおことばを返すようで恐縮でございますけれども、私どもの考えは必ずしも便宜主義で考えているのではございませんで、むしろ農家の立場からそれが一番いいのではないか、こういう考え方が出発点であったわけでございます。農協の立場と農家の立場というものは、これは離れてあるべきではないんで、やはり農協というものは組合員である農家の利益を中心にして考えていただいていいんではないか。で、農家とすればやはり一番農協で扱っていただくのが手間がかからないのではないだろうか、こういうふうに実は考えてまいったわけでございます。資金の運用等につきましては、これは公的年金でございますから、おのずから運用の方法が範囲があるわけでございますから、農協等に委託するという話も実はありましたけれどもこれはできないわけでございまして、そういう経緯でございまして、私どもは必ずしも便宜主義ということではなしに農家の便利ということを中心に考えて、そういうことを農協も扱えるような仕組みを実は制度としては考えているわけでございます。
#213
○中村波男君 政府として専門的にいろいろな業務設計をされて検討をされると思いますが、農協に委託をすると言いましても、これは特殊な例ですけれども、農協に入っておらない農家がないというわけではないんです。それから一行政区画に二つ以上の農協があるところもあるわけですから、そういう点を考えますと、これは相当検討をされる必要があるんじゃないかということが一つ。
 それからもう一つは、私たちから言えば農協が喜んでそういう業務を引き受けられるような農林年金の内容であってほしいと。農林年金を農協が委託をしぶります大きな原因というのは、内容が悪過ぎるということなんです。
 もう一つは経営上の問題で、なるほど農協が掛金を徴収することは、おのずから当座預金から毎月振りかえて払い込むという、そういう点ではたいへん納めるものも便利でありますし、取るほうは簡単である。そのために今度はあまり農民の喜ばない年金を農協が扱って、そうして今度は農協は預金がそれだけずつ年金に振りかわっていくのでありますから、利息その他の信用事業の運用上マイナス面が多い、こういうころにも難色を示しておる理由があるように承っております。
 したがって、これを具体的に業務を開始するにあたりましては、まだまだ問題が煮詰っておらないようでありますので、慎重に御検討いただきまして、遺憾のないような方法を最終的には決定をいただきたい、こういうふうに思うわけであります。
 最後に、年金の積み立て金の問題について先刻関連でお尋ねをいたしましたけれども、年金の積み立て金は相当量に達すると思うんでありますが、その相当量に達する、いわゆるピークに達するのは何年ごろというふうに見ておられますか、そういう設計が立っておると思うんでありますが……。
#214
○説明員(淵脇学君) 事業年度が発足いたしましてから二十五年後にピークに達します。
#215
○中村波男君 幾らぐらいになりますか。
#216
○説明員(淵脇学君) 六千八十一億でございます。
#217
○中村波男君 相当膨大な積み立て金が出るわけでありますが、そこでさらに念を押してお尋ねをいたしておきたいと思いますのは、その金をいかに運用するかということであります。この点については私も意見を申し上げましたし、同僚からも指摘がありましたので、指摘された事項については重ねて申し上げませんけれども、運用の面で将来被保険者の負担軽減等のためにこの資金をうまく運用するということを考えなければならないのではないかというふうに思うんでありますが、さいぜんの御説明では、農地の取得資金に貸すとか、あるいは資金そのものが農地等を取得し、売買するとかそういうことと、それから被保険者の厚生施設等をつくるというような御説明がありましたけれども、そのほかに被保険者の負担を軽減するために有効にこの積み立て金を運用するという方法があるのではないかというふうに思うのでありますが、そこらなどの点についてはどうでありますか。
#218
○政府委員(廣瀬治郎君) 積み立て金の運用につきましては、これは他の国の場合も同様でございますが、原則は、安全であってかつ有利であるというのが原則であります。したがいまして、安全にしてできるだけ有利で運用すればその利息がすなわち給付の財源になるわけでございまして、それはとりもなおさず給付の財源にも充てられますし、また必要な保険料の軽減にもなるわけでございます。したがいまして、いま被保険者の掛け金をできるだけ少なくするという意味におきましては有利に運用するということになるわけでございます。
#219
○中村波男君 有利に運用する具体的な方法ですね、何か考えられておるのでありますか。これから検討するということですか。
#220
○政府委員(廣瀬治郎君) これはまあ有利と申しましても、安全というもう一つの問題があるわけでございますし、それからもう一つは、その範囲内におきましてできるだけ農業者の福祉にも還元できるようにといういろいろの要請がございまして、また一方、農地の売買、融資等にも一部使うという問題もございますので、いま現在のところ、この積み立て金のどの程度のものをどういう方向に使うかということまでは現在はまだきまっておりませんで、今後関係省庁と十分相談してきめることになっております。
#221
○中村波男君 最後にお尋ねしておきたいのは、監督権ですね。もちろん主務大臣が監督をされるわけでありますが、この場合は、主務大臣とは厚生大臣と農林大臣になるわけでありますが、したがって監督権ということだけではわかりまするけれども、その具体的には業務内容というのを分けて監督をなさるのか、あらゆる点で合意をした上で監督をされるのか。そうなりますと、一つの機構的な組織が必要になるようにも思うんでありますが、その点はどういうふうになっておりますか。
#222
○政府委員(池田俊也君) これは九十六条に規定がございますけれども、基礎的な考え方といたしましては、年金そのものに関します事業は両省の共管でございます。それから農地の取得等に関連いたします事業と、それから離農給付金に関します事業は農林省の専管と、こういうことでございまして、いまの二つの事業を除きましたその他のことにつきましては両省が協議をして監督をしていくということでございますが、ただ実際問題といたしましては、それぞれ所管の性格からいいまして、たとえば年金の掛け金率というようなことになりますと、これは厚生省が一番本来の業務としている点でございますので、実際のウエートは厚生省にかかると思いますけれども、いずれにいたしましてもよく相談をしてまいりたい、こういうことでございます。
#223
○委員長(園田清充君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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