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1970/05/13 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第20号
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1970/05/13 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 農林水産委員会 第20号

#1
第063回国会 農林水産委員会 第20号
昭和四十五年五月十三日(水曜日)
   午前十時五十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         園田 清充君
    理 事
                亀井 善彰君
                高橋雄之助君
                北村  暢君
                達田 龍彦君
                藤原 房雄君
    委 員
                青田源太郎君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小枝 一雄君
                小林 国司君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                田口長治郎君
                任田 新治君
                森 八三一君
                和田 鶴一君
                川村 清一君
                武内 五郎君
                中村 波男君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                沢田  実君
                向井 長年君
                河田 賢治君
   衆議院議員
       農林水産委員長
       代理理事    三ツ林弥太郎君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局長     吉田 文剛君
       厚生省年金局長  廣瀬 治郎君
       農林政務次官   宮崎 正雄君
       農林大臣官房長  亀長 友義君
       農林省農林経済
       局長       小暮 光美君
       農林省農政局長  池田 俊也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       厚生省環境衛生
       局食品衛生課長  鴛淵  茂君
       厚生省年金局数
       理課長      淵脇  学君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農業者年金基金法案(内閣提出、衆議院送付)
○農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(衆議院提出)
○農林物資規格法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○理事補欠選任の件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○基本農政の確立に関する請願(第一三号)
○造林事業の拡大強化に関する請願(第一四号)
○米の作付制限並びに生産者米価引下げ問題に関
 する請願(第一五号)
○米、牛乳の消費拡大に関する請願(第一六号)
○昭和四十四年度加工原料乳限度数量の確保に関
 する請願(第一七号)
○漁港の整備促進に関する請願(第七一号)
○米の生産調整に関する請願(第七四号)
○国有林野事業に従事する作業員の白ろう病絶滅
 対策等に関する請願(第一八〇号)
○果実及びその加工品の輸入自由化阻止に関する
 請願(第四九二号)(第七二六号)(第八四九
 号)(第一〇一八号)(第一〇一九号)(第一
 一六〇号)(第一二一〇号)(第一二四五号)
 (第一二八二号)(第一二八三号)(第一三一
 九号)(第一三九〇号)(第一六〇〇号)(第
 一六一八号)(第一六四九号)(第一六六二
 号)(第一八四六号)(第二二三七号)(第二
 五五三号)(第二八九三号)(第二九八七号)
 (第三〇七七号)
○総合農政施策の早期確立に関する請願(第一四
 二五号)
○米生産調整奨励補助金の三箇年継続交付に関す
 る請願(第一四二六号)
○農業者年金制度に関する請願(第一六八〇号)
○米の生産調整の実施に伴う諸施策の推進に関す
 る請願(第一六八二号)
○総合農政の具体的施策の確立に関する請願(第
 一六九三号)
○中国産食肉輸入禁止解除に関する請願(第二七
 九〇号)
○米の生産調整対策に関する請願(第二九四八
 号)(第三三三二号)
○造林事業の推進に関する請願(第二九四九号)
 (第三三三三号)
○基準糸価引上げ等に関する請願(第二九五〇
 号)(第三三三四号)
○多目的林道の改良舗装に関する請願(第二九五
 一号)(第三三三五号)
○生花市場拡大のため中央卸売市場法の改正に関
 する請願(第二九五二号)(第三三三六号)
○果実類等の輸入抑制に関する請願(第二九五七
 号)(第三三四一号)
○農業者年金制度確立に関する請願(第三二七九
 号)(第三二八〇号)(第三二八一号)(第三
 二八二号)(第三二八三号)(第三二八四号)
 (第三三二七号)(第三三二八号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農業者年金基金法案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○沢田実君 若干基本的な問題になりますけれども、二、三点御質問したいと思います。
 新しい憲法ができましてからの法律の形体は、なるべく政省令にゆだねる部分を少なくする、こういうような傾向になっているのじゃないかと思います。例をあげてみますと、食管法なら食管法を見ましても、非常に重要な部分を政令にゆだねておりますので、法律の改正をしなくとも、自主流通米もできますし、買い入れ制限もできますしというようなことで、非常にそういう法律のつくり方に私は問題があるのじゃなかろうかと常々思っております。で、今度の農業者年金基金法案を見ますと、政令にゆだねている個所が二十八カ所、省令が十四カ所、非常に重要な部分も政省令にゆだねている部分があるのじゃないか、こんなふうに思います。その点についてどんなふうにお考えか、基本的な考えを承りたいと思います。
#4
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように、政省令にゆだねている個所がかなり多いわけでございますが、私どもはやはりでき得るならば政省令にゆだねるというところは少なくしたいという基本的な考え方を持っていたわけでございますが、御存じのように、この法律は年金という形を、手法をとりながら、農業構造の改善という目的がある関係から、特定の農業者を対象にするとかあるいはこれとあわせまして農地のいろいろな取得あるいは融資等の規定を盛り込むというようなことがございますし、それからさらに、補完措置といたしまして、給付金制度というものも設けるというようなことがございますので、非常に内容が多岐にわたっているわけでございます。しかも、それがそれぞれかなり具体的な事態をこまかく規定をする必要がございますので、これを法律の中に盛り込みますと、非常にこまかい規定がたくさん入ることになるわけでございますし、またいまの段階で、なかなかそれを確定しにくいと、まあいろいろ実態に応じましてこれをきめていかなければならないという点がございますので、でき得る限り、法律の内容に取り組むという目標で努力はしたわけでございますけれども、どうしても相当の部分を政省令にゆだねざるを得なかった、こういう事情があるわけでございます。
#5
○沢田実君 第二十二条、これは被保険者の資格の問題で、農業者を、一体どの程度耕作している人を農業者にするかということについては、各法律によってみんな違っているようです。この農業者年金基金法において、どの程度の耕作をしている人が農業者かということをきめる条項というのは非常に重要な条項じゃないか、こう思うわけです。それで、それを政令で面積をきめることになっておりますけれども、こういうことは法律事項としてきめれないわけではなかろう、こういうふうに思いますが、そういう大事なことを、わざわざ政令にまかせておるということは、一体どういうことでしょうか。
#6
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように、これは非常に重要な規定でございますので、本来から申し上げますと、確かに法律で明記するのが好ましいというふうに私どもも思うわけでございますけれども、ただこれにつきましても、経営耕地面積というのは、かなり都府県の場合においてはある程度一定できるわけでございますが、北海道等につきましては、非常に都府県と事情が違うわけでございまして、北海道と都府県とは別に扱う必要があるわけでございます。その場合に、北海道でも何か明記をすればよろしいという考え方もあり得るわけでございますが、ただ私どもは、北海道の中におきましてかなりいろいろな農業事情の違いがございます。こういう例を申し上げるのはいいかどうかわかりませんが、たとえば根釧地方でありますとか十勝方面では畑を主体にいたしまして相当大きな耕地面積を持っておりますし、一方、北海道の南のほうでは内地にほとんど近いような面積でございますので、そういうものの扱いをやはり実態に応じて考える必要があるのではなかろうかということを考えているわけでございまして、こういうことを相当こまかく法律に規定をいたすというのはやや無理がございますので、そういうような観点からこれを政令にゆだねるという規定にしたわけでございます。
#7
○沢田実君 そうしますと、この「政令規定見込事項」の中に書いてあります「都府県にあっては五十アール、北海道にあっては原則として二ヘクタール」、こういうふうに見込んでおるということですが、北海道にあっては相当細部のことを政令できめよう、こういうお考えですか。
#8
○政府委員(池田俊也君) 北海道を一律に扱うのはいささか実態にそぐわないという考えがあるわけでございまして、そういう点から先ほど申し上げましたような地帯の実態に応じた扱いをするのがよろしいというふうに考えているわけでございますが、しかし一方、非常に細分化するということはいろいろまた別の問題がございますので、そこらを最も現実に合うような、しかもあまり細分化しないような何がしかの基準を見つけまして政令に規定をいたしたいという考えでございます。
#9
○沢田実君 都府県にあっては五十アール以上というふうにおきめになるようですが、そういう五十アールというふうにおきめになった根拠はどういうことでしょうか。というのは、統計を見ましても五十アール以下の農家というのが非常に多いわけです。あるいは三十アール以下でもこの前の農地法のときの統計を見ますといわゆる専業農家であります。ですから、五十アール以下の専業農家あるいは一種兼業というものは相当あるわけですが、五十アールとおきめになった根拠はどういうことでしょうか。
#10
○政府委員(池田俊也君) これはいろいろな点から検討をいたしたわけでございますが、一律にこういう基準でという考え方からということではございませんで、いろいろな面から検討いたしたわけでございますが、一つは、一体、農業経営といたしまして、たとえば一人の方がその農業経営に専念をするという規模としてはどのくらいを考えたらよろしいかという検討をいたしたわけでございますが、まず地域によりまして若干差異はございますが、一般的に都府県の場合には五十アールぐらいが考えられるのではないかということも一つ考えたわけでございます。
 次は、一体そういう五十アルー以上の農家をとりました場合に、それが農地面積なりあるいは農業生産、わが国の農業の生産量のそのシェアから申しましてどのくらいの割合を占めるだろうか。その五十アール以上というものの占める割合があまり少ないものであれば、それは非常に農業政策として全体はカバーできないということになるわけでございますから、そういうような点を考えまして大体八割、ものによっていろいろ差異がございますけれども、ほぼ八割とかあるいは八五%、そういうふうなシェアを占めるという一つの線を引きます場合に、それがほぼ五十アールくらいというふうに考えられますので、そこを一つそういうような点からも線を引くということを考えたらどうだろうかということをいろいろ配慮いたしまして五十アールということを予定いたしておるわけでございます。
#11
○沢田実君 当然加入のことですから、たとえば八割なら八割という線で一つの線を引いたこともわかりますが、その次の任意加入になりますと三十アールで線を引いているようです。先ほど申し上げましたように、三十アール以下の専業農家がある。一体、農業者というのはどういうものを農業者というのだというので、この前いろいろな議論が出ましたけれども、たとえば三十アール以下でもたとえば施設園芸等をやりますと、十分それで専業できるのだというふうに、面積は少なくてもそれで農業としてりっぱに自立している、こういう人もいるわけです。そういう人は任意加入もできないという、そういう規定ではたしていいのかどうか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
#12
○政府委員(池田俊也君) まあ私どもその点についてもいろいろ検討したわけでございますが、確かに施設園芸等では三十アール以下でも相当な経営ができるわけでありますが、いろんな実態を調べてみますと、
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
やはりそういうような農家の方でもまず三十アール程度の農地を持っている方がほとんど大部分である。そういうようなこともございますので、一応三十アールぐらいの線がよろしいのではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
 なお、この農業者年金の場合には、経営移譲ということを一つの支給要件にいたしておるわけでございまして、また同時にその中におきましては、離農する場合においてはその農地を第三者の経営規模に役立たせたい、こういう期待も一方にあるわけでありますので、そういう点を考えますと、農地をほとんど持っていない方を対象にするにはいささか農業者年金制度の趣旨からいきまして若干問題があるのではなかろうかというようなこともございまして、まず三十アールくらいの押え方をすれば、大体農業をもって将来もずっと農業経営に精進をするという方はほぼ押えられるのではないだろうか。そういうふうに考えてまいった次第でございます。
#13
○沢田実君 たとえば農協法等では十アールというふうなことで運用しておるようです。ですからいま申し上げましたように、反別は少ないけれども、専業の農家、そういう方が統計の上では相当あるわけですので、三十アールで引かなくちゃならない理由が一体あるのか、三十アール未満でも、そして農業としてりっぱにやっていこうという人がその年金に入れないということに矛盾がないのかということなんですが、いろいろ検討して三十アールに引いたとおっしゃるけれども、あるいは農協法のように十アールなら十アールに引くことはできないのか。その点はどうでしょうか。
#14
○政府委員(池田俊也君) これはなかなかむずかしいことだと思いますが、私どもこういうことも逆に考えてみたわけでございます。それは、かりに十アールに線を引きますと非常に農業、まあ施設園芸等をやっている場合は別でございますけれども、そうじゃなくてほとんど大部分兼業をやっている、ほんのわずか菜園程度の農業をやっている方ももちろん入ってくるわけでございます。そうすると、農業者年金の目的といたしましてそういうような農家がずっと将来継続をして、そして一定年限たちましたときに経営移譲をするということを促進するのがこの法律の一つのねらいでございますので、むしろそういうような、ほとんど農業にほんのわずかのウエートをかけているような農家を農業者年金の中に取り込むということは、農業構造の改善をはかろうという見地からいってよろしいのかどうか。むしろ零細、非常に非能率的な零細農というものを日本の農業構造の中に温存をするという逆の効果を招くおそれがないかどうか、こういう点も実は考えてみたわけでございます。そういう点につきましてやはりいろいろな学識経験者の御意見等も聞きましたが、まずあまり小さく押えるのは問題だ、五十アールくらいが妥当ではないかという御意見が多かったわけでありますが、そこに若干の幅を持たせまして先ほど申し上げましたようなことにしたわけでございまして、そういう問題があるわけであります。
#15
○沢田実君 局長、いまいろいろ事情をおっしゃいましたけれども、三十アール未満の専業農業が十万戸あるのですよ。その点の、数についても御検討なさったのでしょうか。確かにいまおっしゃったように、あるいは三反や五反を持っている第二種兼業がはたして農業かどうかというようなことは大いに議論になると思いますけれども、十万戸のいわゆる三反未満の専業農家がある。その十万戸の専業農家をここで切り捨ててしまって、はたしていいのかどうか。その点はいかがでしょうか。
#16
○政府委員(池田俊也君) その三十アール未満の専業農家というものの性格なんでございますけれども、私どもの理解では、そういう三十アール以下で専業というのは、これは確かに一部先ほどお話しのような施設園芸というようなものもございますけれども、そうではなくて、たとえば相当な老人世帯というようなものが、ほかの仕事もやるというような状態ではなくて、前から引き継いでおります若干の農地を持って、まあ自家菜園程度のものを農業としてやっているものも相当含んでいるわけでございます。でございますから、そういうような農家を農業者年金の制度の中に取り入れるということについては、私どもはやはりちょっと問題があるのではないか、こういうように考えておるわけでございます。
#17
○沢田実君 そういう人が、お年寄りでほんの少し持っているような人が、たんぼを譲って、そうしてこの年金によって経営移譲をするということがこの法律の趣旨じゃないですか。その十万戸からのこういう人たちをここで捨ててしまって、はたしてそれでこの法の精神に合うのですかね、それで。
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
#18
○政府委員(池田俊也君) この農業者年金で一応対象にいたしておりますものは、一応二百万の農家というものを予定いたしておりますけれども、これは、私どもは一応農業経営として将来農業を続けていくという可能性を含んでいる農家、もちろん中には途中離農する方もあるわけでございますし、そういう農家ももちろんありますけれども、原則的にはそう考えておるわけでございます。いずれもう近いうちに、たとえば五年後なり三年後なりに離農をするというような農家は予定をしておらないわけです。で、そういう農家は、これは当然あわせて行ないます離農給付金によりまして離農の援助をする、こういうことを予定しておるわけでございますから、まあそういうような考え方に立っているわけでございます。
#19
○沢田実君 そうすると、その離農給付金のほうの資格のある農業者というのはどういうふうになるのですか。
#20
○政府委員(池田俊也君) これは農業者年金の一応対象になっていないたとえば五十五歳以上の方につきましては、全部一応農地の第三者に対する譲渡等をいたす場合には、これは当然対象になるわけでございます。それから五十五歳未満でございましても、先ほどのお話しのような非常に零細経営の方で、規模が足りないというようなことで農業者年金にはいれない方は、広く、また若い方でも、一応対象になるわけでございます。
#21
○沢田実君 そうすると、この面積についてはどういうことなんでしょうか。
#22
○政府委員(池田俊也君) 面積につきましては、一応この三十アールという線は同じように引いておるわけです。で、その趣旨はどういうことかと申しますと、離農給付金の支給をいたしまして離農の援助をするということは、同時にその離農をする方の土地を他の第三者の規模拡大、これに役立てたい、こういう趣旨があるわけでございますので、あまり零細な規模ではそういう点からいってあまり期待ができないわけでございますので、一応三十アールという線を引いたわけです。
#23
○沢田実君 そうしますと、先ほど三十アールの議論をいたしましたら、そういう人は、三十アール未満の人は離農給付金で何とかする、離農給付金の面積はというと同じ三十アールだということであれば、その人たちは救済できないじゃないか。いまおっしゃると、小さな人たちは切り捨てごめんでしょうがないのだ、そんなところまで規模拡大に効果がないからこれはやむを得ない、こういうお話ですとまた別ですけれども、ほかの法律では十アールも農業者と見ているわけです。しかし三十アール以下の専業農家が十万もあるのだから、もう少しその点を、せめて離農給付金のほうだけでももう少し拡大するお考えはありませんか。
#24
○政府委員(池田俊也君) ちょっと私先ほど感違いをいたしました。あるいは若干間違ったお答えを申し上げたかと思いますが、先ほど申し上げましたように、やはりこの離農給付金というものを支給いたしまして、国がこれは全額負担でございますから、構造改善に役立てたい、直接的には離農の援助をしたいということは、それによりまして他の農家の規模拡大に役立つという限りにおいて支出をするという考え方をとらざるを得ないのではないかということを考えているわけでございますが、また非常に極端な場合を考えまして、たとえば非常に零細なものに対しまして、これは十五万というような金を支出するわけでございますから、社会的にそれがはたして皆さんの納得を得られるかどうかという問題もございますし、そういうような意味で三十アールという線を一応引いたわけでございます。
#25
○沢田実君 どうも局長のお考えとこっちの考え方が一致しませんけれども、これは政省令の部分ですからまだ検討する余地もあるのじゃないか、こう思いますので、その点を一つ御検討をいただきたいと思います。
 次は、農業者年金というものをつくることに反対ではございませんけれども、それ以外の職業とのいわゆる不均衡――法というのは公平で均衡のある運用をしなくちゃならぬ、こう思うわけでありますけれども、たとえば林業関係の方、漁業関係の方、あるいは自営している工業関係の方等々、いろんな事情の方があるわけですが、他の産業との均衡ということについてはどんなふうにお考えでしょうか。これは農林省としては農業者だけを考えればいいんでしょうから、いわゆる政府としてこういうふうに農業だけを特にやった、これはいまおっしゃるような、農業政策の上からおやりになったのでしょうけれども、他の産業との均衡については政府としてはどんなふうにお考えなのか、大臣にお考えを承りたいと思います。
#26
○国務大臣(倉石忠雄君) この農業者年金制度の考え方は御存じのように、わが国の農業の現状にかんがみまして、農業経営者の農業生活の安定に資すると同時に、優秀な経営担当者の確保、経営移譲の促進、経営規模の拡大など、農業構造の改善に役立てるという観点から出発いたしたものでございますので、いまお話の中の、林業などはこれに当てはまる面が大部分だと思います。私どもの所管であります漁業等につきましてはいま申し上げましたようなことになずまないものでありますから、当面これはその対象に考えることができません。そこで私どももちろん国民全体にできるだけ社会保障的な施策がふえんすることは好ましいことでありますけれども、いま申し上げましたように、農業者年金の考え方の一つの特殊性から考えますと、ほかのことについてはやはり他の公的年金によってそれぞれ施策が行なわれるべきであって、農業者年金制度というものは、いま私が申し上げましたような考え方に立っておるわけであります。
#27
○沢田実君 いまの御答弁ですと、林業関係も何かこの法律の適用を受けるみたいなお話ですけれども、別途にまた林業関係についてはそういう年金を新しくつくろうと、こういうお考えですか。
#28
○国務大臣(倉石忠雄君) 大体林業の人は御存じのように、農業を一緒にやっておられますからして、そのままでもこれに当てはまる該当者が多いのではないかと、こう見ております。
#29
○沢田実君 そういたしますと、いよいよ先ほど局長さんのおっしゃった非常に小さなたんぼを持ちながら林業をやっているというような方は、さっきのように抜けてしまうわけです。そういう面については何か特別なお考えございますか。
#30
○政府委員(池田俊也君) ちょっといま数字が手元に発見できませんので、具体的な数字があげられないのでございますが、特定の林業経営者といいますか、農地を全然持っていない方も中にはございますけれども、ほとんど大部分、私どもの理解ではたしか九十数%であったと思いますが、の方々は少なくとも三十アール以上の農地を持っておると私ども理解しておりますので、特定の大森林所有者といいますか、林業に専念しておる方で一部抜ける方はございますが、ほとんどの方は農業者年金の加入資格を持っておるというふうに私ども考えております。
#31
○沢田実君 それ以外の業種については、いわゆる国民年金でそれを補っていくしかないのだというお話でございますが、国民年金のほうも農業者年金ぐらいのところまで何とか前進させていこうというようなお考えは厚生省にございますか。
#32
○政府委員(廣瀬治郎君) この年金制度につきましてはただいま大臣から御答弁がありましたように、厚生省といたしましては国民全般を対象といたしまして、ひとしく年金制度の充実をはかっていくというのが基本方針でございます。
 ただ、この農業者年金につきましては、ただいま大臣からお話がございましたように、特殊な事情がございまして、それに対応するような資格のものをつくったわけでございます。そういう特殊な事情があったために、たとえば、年金の支給開始年齢を国民年金よりもこれは低くしております。ただ、私どもは一般的にはできるだけ働いてもらって、どうしても働けなくなったときに手厚い年金を出すというのが今後の年金のあり方であろうと思いますので、ほかの業種に、こういう特殊の事情のない場合にはこれと同じような内容のものをつくる気持ちはございません。ただ、一般的には国民全部を対象といたしまして、できるだけ年金の充実をはかっていきたい、そういうふうに考えております。
#33
○沢田実君 年金に対する基本的な考え方ですが、きのうもいろいろ議論されましたが、元利金にあるいは政府が若干助成をした金額等を一定の年数に達した場合に年金を支給すると、こういう考え方、それですと、いまきめたことが二十年なり二十五年後はそのつど改定するというお考えではございましょうけれども、物価の上昇に追いつかない場合がございます。ですから、いまのお年寄りに対しては、若い人たちの掛金で支給をする。要するに老後の生活の安定、福祉向上ということを考えれば、そういうふうな考え方が私はいいんじゃないか。そしてまた、いまの若い人たちが年をとった場合には、その時代の若い人たちの掛け金で老人に対しては支給していく、こういう考え方がいいんじゃなかろうかと、こう思うわけです。なるべくお年寄りまで働いてというようなお話が出ましたけれども、現在六十歳以上のお年寄りの方を考えてみますと、その方の青年時代はずっとたいへんな日本の戦争に次ぐ戦争というような時代でした。そしてあのたいへんな終戦、それからその当時が壮年時代、あの一番たいへんな日本の状態を現在の状態にまで一生懸命努力してくださった方々がいま六十歳以上の老人になっていらっしゃるわけです。その方が、たとえば五十五なら五十五の定年まで働いて退職金をもらっても、その退職金によって何とか生活をするなんていうことはできない現状ですね。老いの身にむち打って働いておる老人のいまの現況なわけです。
 そういうふうに考えますと、国民年金をもっともっと前進をさせて、いま農業者年金で考えているくらいの年齢から支給をし、しかも元気で働いているわれわれの保険料でその方に給付をするくらいのことを考えていくことが老人に対する考え方としては、私は非常に大事な考え方じゃないか、こういうふうに常々思っております。これとは直接関係ございませんけれども、いまお話がございましたので、そういう問題に対する厚生省の基本的な考えを承りたいと思います。
#34
○政府委員(廣瀬治郎君) ただいまお話がありましたように、年金のしかけ、特に財政の持ち方につきましてはいろいろな方法があるわけでございまして、年とった人に直ちに年金を差し上げる、その財源は全部現在働いておる若い方が負担するという方式もございます。これは私ども賦課方式といっております。それからもう一つの考え方は、やはり年金制度というものは長期保険でございまして、やはり自分が若いときに働いておるうちに保険料を積み立てておきまして、そして自分が老後になった場合に、自分が積み立てた年金で老後の生活をやるという方式がございます。これを積み立て方式といっておるわけでございます。それぞれ長短があるわけでございますが、わが国の現状を考えます場合に、諸外国に比べましてまだ老齢者が少ないわけでございます。人口構成から見まして老齢者は少ないわけでございますが、今後急速にわが国が少産少死ということになりまして、老齢者の人口がふえていくという事情が一つあるわけでございます。こういうような事情のあるときに、いま直ちに賦課方式をするということは、将来の年金制度を考えましたときに、非常に将来財源が過大になるという問題がございまして、現在は厚生省でやっております厚生年金にしろ、国民年金にしろ、積み立て方式を原則としておりますが、一部賦課的な要素をも入れておりまして、できるだけ働いておるうちに積み立て金をふやしておきまして、将来はその積み立て金の利息とそれからその足りない分は自分のかけた保険料、なおかつ足りない分は後代の若い人の保険料でもって老齢者の年金をまかなおう、そういう考え方でやっておるわけでございます。
#35
○沢田実君 そのお考えがわからないわけではございませんけれども、農業者に対しては政策的にちょこっと何かやろう、それからまたほかの業種について出てきたらそこのところをやろうというようなこそくな考えではなしに、いま日本で一番おくれているのがそういう社会保障の問題なんですから、基本的な考えを改めまして、そうしてわれわれの保険料が若干高くても、お年寄りに対してはやってあげることが私は大事な政策じゃないか、こういうふうに考えているわけです。これはなお、すぐ結論を出せる問題ではございませんので、大いに今後御検討いただきたいと思います。
 最後にもう一点お尋ねをしたいのは経営委譲ということについてなんですが、その辺ひとつ局長、具体的に御説明をいただきたいと思います。
#36
○政府委員(池田俊也君) この法律で使っております経営移譲というのは二つの意味を含んでおります。一つは後継者に対します経営移譲、これは狭い意味の経営移譲だと思いますが、それともう一つは第三者に土地の譲り渡し等をいたしまして、いわゆる離農というふうにわれわれ言っておりますが、それもこの法律の中では経営移譲として扱っているわけでございます。そういう二つの事項になるわけでございます。
#37
○沢田実君 その経営移譲については、実際には登記の面で行なうかあるいは事実の面で認定をするのか、その点はどうでしょうか。
#38
○政府委員(池田俊也君) これは私どもはやはりそういう経営移譲をはっきり確認する必要がございますので、それにつきましては、名義が移転するということをはっきり確認をする、その意味では登記というものをはっきり確認をした上で年金の支給をするということになります。
#39
○沢田実君 農家の場合は特におじいさんの名義になっているたんぼを孫がつくっているという場合があるわけですが、そういう点、実際に登記ということで実情に合うかどうか、その点の御検討はどうでしょうか。
#40
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように、私どもも確かに従来、なくなった方の名義のままになっているという事例がかなりございます。従来でございますと必ずしもその権利名義をはっきり直さなければならないという必要性が比較的少なかったわけでございますけれども、今回こういう制度によりまして、権利名義を移転しなければ年金の支給を受けられないということになれば、そういう一つの習慣といいますか、そういうことをするように私どもはなろうというふうに考えておるわけでございまして、それが実態的に見まして非常に不便であるということでは必ずしもないのではなかろうかというふうに考えます。
 なお、御参考までに申し上げますと、私どもの調査では現在経営主であります者が全く権利名義を持ってないという事例は一四%ぐらいでございまして、まあ八六、七%が何がしかの権利名義を持っております。それから、持っております農地の半分以上の権利名義を持っている経営者というのが大体七六%ぐらいでございます。
#41
○沢田実君 事実においてはもう子供が経営をやっている。しかし、登記面はおとうさんの名義になっている。そういう場合に、すでに経営移譲というのは、実際問題もう行なわれてしまっているわけです。そういう場合でも、登記を子供に変えれば、この法律では経営移譲として年金なり、あるいは離農奨励金なり、給付金なり支給すると、こういう考えですか。
#42
○政府委員(池田俊也君) この場合も農業経営主ということの定義といたしましては、やはり農業の主宰権を持っておるといいますか、というもので農地の処分権を同時に持っておるような方が農業経営主であるという定義がございます。いまの御設例のようなことでございますと、現に農業をやっている方がこの農地の処分権は持っておらないわけでございますから、実際には農業を手伝い程度やっているという方のほうが、やはり農業者年金の加入者としては資格がある、こういうことになろうかと思います。
#43
○沢田実君 経営移譲というのは相続を伴いますので、その相続税の問題が問題になると思いますけれども、免税の特例等を考えていらっしゃるかどうかですが、その点どうでしょうか。
#44
○政府委員(池田俊也君) これは現在の制度から申しますと、生前一括贈与の制度が一応適用になるわけでございます。したがいまして、これによりますと贈与税ではなしに実質的に相続税と同じような減税の措置が行なわれますし、それから、時期といたしましても相続時までの猶予ができるわけでございます。で、そういうことになるわけでございますが、これは租税特別措置法が、この規定は限時法でございますから、私どもはこの制度が当然将来も続くわけでございますから、やはり税制面のそういう意味の延長なり、しかるべき手当てが要るであろうというふうに考えております。
#45
○沢田実君 現在の新しい民法では均分相続というふうになっております。実際問題、農家はそういうふうにいたしますと、農地が細分されてしまいますので、大体長男が相続してほかの方は相続を放棄するというようなことをやっているようでございますが、このことでまた、経営移譲という場合に均分相続のことが争いのもとになるんじゃないかというふうな考えを持ちますが、その点に対する御配慮はどうですか。
#46
○政府委員(池田俊也君) これは民法が施行されまして以降農地の一括相続の問題と、それから均分相続制度との調整をどうするかという問題でかつては立法が考えられたこともあった問題でございますが、その後私どもの調査によりますと、ほとんど大部分の方が実際においては、農地につきましては単独相続が行なわれておるわけでございます。それで、ほかの共同相続人の方は、相続の放棄をするということもございますし、あるいは実際には結婚なりあるいは学校に入る場合に、相当な財産を事前に分けまして、そうして残りました農地等の財産は、農業を経営する、農業を引き継ぐ方が一括して引き継ぐというのが、こういうのが実際問題としてはほとんどそういうことで行なわれているわけでございます。そういうことに着目いたしまして、この制度では、後継者というものにつきまして一人を指定して、そのものに農業経営を移譲する、こういう制度をとっているわけでございまして、私どもはその間、いまの実態からいたしましても、それの不都合はないというふうに考えております。
#47
○向井長年君 まず大臣にお聞きしますが、一般論として、年金の概念というのはこれは何ですか。一般論としていえることは、年金の概念、先ほど国民年金局長からも若干言われましたけれども、年金の概論ですね、これはまずどういうように考えておられるか。
#48
○国務大臣(倉石忠雄君) 厚生省が来ておりますから、そのほうが的確かもしれませんけれども、私ども終戦以来、社会労働委員会に今日も籍を持っているわけであります。これはやはり社会保障制度の一つの考え方、一般の公的年金でしたらば、そういうことだと思います。私ども教えられておりますのは、大体年金というのは、みんなが掛け金をいたしまして、社会連帯責任といったような思想から発想を持っているのだと思いますけれども、そうして、国柄によっても違いましょうけれども、掛け金をする人たちは、自分たちは社会連帯責任という立場で掛け金はするのだが、それの恩恵に浴さずに済んでおるならばしあわせだという考え方を持つように教育をしておる国も多いようであります。私ども社会連帯責任という考え方から見れば、五体完全で、りっぱに生きていかれるものは、恵まれない環境だった人に対して、自分たちが零細な金を拠出したもので恩典にあずかれるということはしあわせだと思わなければならないという、これはりっぱな思想だと思います。けれども、年金という、一般社会保障についてはいま申したようなことが言われると思いますが、年金はお互いが健康で働かれる間はいいとしても、老後になって心身ともに疲労を感じてまいるような年代になりましたときに、やはり長期間零細な資金を積み立てておくことによって、しかも、それに対して国家もまた協力をしたりして、一定のファンドをつくりまして、それによって、その収入減を生ずるであろう時代に安定した生活が保障されるようにいたしたい、こういう考えが一般的に年金に対する思想ではないか、こう思っておるわけであります。
#49
○向井長年君 いま大臣が言われましたように、当然そうでなければならぬと私も思います。いわゆる連帯的な社会保障制度である。老後のやはり安定でなけりゃならぬ。生活安定ということが重点となってくると思うのですが、そうならば、これは農業者年金の場合においても、先ほども沢田君から質問がございましたが、全般はそうあらねばならぬと思うのです。たとえば先ほど言った漁業の問題にいたしましても、零細な林業にいたしましても、あわせてそういう方向で進まなけりゃならぬ。今回の場合は、これは構造政策の一環として重要視されたと思いますよ。その意味においては必ずしもわれわれはわからぬわけではございません。しかしながら、年金制度をつくっていこうとするならば、少なくとも先ほど言った農林省の場合においても、所管する漁業にしてもあるいは林業にしても、零細な形についてはそういう方向がたどられるべきである、こういう考え方を持っておるのですが、若干先ほど説明がございましたけれども、この法案では直ちに出ておりませんが、今後そういう諸君に対しましてもその制度をつくっていこう、こういう考え方を持っておられるのかどうか、お聞きいたしたい。
#50
○国務大臣(倉石忠雄君) いまお話のございましたように、農業者年金制度の大きな一つの目的が構造政策であるという考え方に立ち、またそういう経営移譲という要件を言っておるわけでありますが、これはわが国の農業が、将来やはりりっぱな産業として国際競争に立ち向かっていかれるだけに、それを考えていく場合に必要な施策であるということが大きな目的の一つであります。したがって先ほどお話がありましたように、漁業と――漁業についてもいまいろいろ問題があります。しかし漁業は非常に種類が多うございまして、遠洋もあれば沿岸もございます。ただ経営状態が非常に違っておるわけでありまして、そういうものについていま私ども農業に対する構造政策というふうなああいう理念で対処いたすためにまだ一つの決定した方針を持っておるわけではございません。非常に多種多様である。したがって先ほど厚生省からもお話ありましたように、国の財政事情等が許すようにだんだんなりますならば、この公的年金の内容について逐次改善を試みるということはもちろんあり得ることでもあるし、必要なことだと思いますけれども、ただいまこの特殊な事情のある農業者年金制度というふうなものに類似したものを漁業に当てはめるということは非常に困難である、このように考えておるわけであります。
#51
○向井長年君 もう一点は、先ほど前提を申し上げましたように、この年金の一つの考え方から考えて、今回のこの法案は非常に経営移譲に重点が向けられておったのですよ。まあ経営移譲主義と申しますか、こういう形に向けられておった。そうすればほんとうの老後の安定と申しますか、老後の保障という性格からくる問題については若干これは遠のいて、まあ事実上はそうなりますけれども、その点が本来この制度が発足した後においてはやはり老齢保障である、こういうような性格を強くしなければならぬと思うのです。その点について農林大臣としてはどう考えられるか、あまりにも経営移譲主義になっておらないか、こう思うわけでありますが……。
#52
○国務大臣(倉石忠雄君) しばしばお話し合いもありましたように、この農業者年金制度は農業者の老後生活の安定ということも考えておることはもう御承知のとおりであります。経営移譲を促進することによりまして農業経営の近代化と農地保有の合理化に寄与することを目的といたしておるのが主たる目的でありますが、経営の近代化や農地保有の合理化は単に当面の短期的な要請ではございませんで、将来とも農業構造改善の各段階に応じて対処していかなければならない問題であると存じます。したがって、農業者の老後生活の安定と農業構造改善の要請を結びつけましたこのたびのこの年金制度というものは、ただいまのところその性格を変更するようなことを考えるわけにはいかない、こう思うのでございます。
#53
○向井長年君 この構造政策の立場から考えてこの年金制度というものが考えられておりますが、〇・五ヘクタール以下の農業者とかあるいは五十五歳以上の人とかこういう諸君の去就については、これはもう要件が満たされないという形においてやはり離農ということ、こういう問題に重点が置かれておったわけです。これは制度的には一応そういうこともやむを得ないと思います。しかしながら問題は離農給付の額を、これは生活安定対策の重要な立場から考えなければならぬじゃないか、こう思うわけであります。その場合に政府がいま考えておる離農給付金については、ただいまのところは三十五万あるいは十五万、こういう形できめられておりますけれども、将来これは増額する考え方があるのか、まずその一点。
 あるいはもう一点は、先ほど申しましたように、老後の安定とあるいは保障という立場から考えるならば、こういうヘクタールで分けるということがいいのかどうか。やはり個人が生活し今日まで長年農業に従事していた人が、自分の耕作面積が少ないからこれだけだ、多かったらこれだけだと、こういう考え方がその保障のいわゆる思想に合っているのかどうか。私から言うならば、そういう諸君も一律にしてやるべきじゃないか、まあこういう考え方を持つわけでありますが、この点について大臣はどう考えられますか。
#54
○国務大臣(倉石忠雄君) 離農給付金の支給額は、農業者年金の受領額との均衡を総合的に勘案して私どもは妥当なところだろうと考えておりますので、ただいまのところその増額というふうなことは考えられないわけでございます。
 それからいまの三十五万と十五万のお話につきまして、これは御承知のように離農給付金は、離農の促進を通じて農地等の流動化を促進したり、経営規模の拡大に資しようといたすものでございまして、その目的から見て離農の態様それから農業への依存度、そういう点を考え、また農地等の面積に関係なくて一律に増額をやるということは、施策の目標がそれぞれ差異があるわけでありますから、これはやはり一律にするわけにはいかないではないか。御趣旨はよくわかります。そういうことだと思います。
#55
○向井長年君 まあやむを得ないという感じでございますけれども、実際こういうことですね、そうするとやはり一般の企業であるならば、民間企業であるならば、退職金が支給される、年限とその人のその当時の価値というか給与によって算定されると。農業はやっぱりそうだというものの考え方から、たくさんつくっておる人はこれだけ貢献したからこれだけやる、少ないからこうだと、こういうものの考え方ですか、そういう考え方では。私はそれに類似するのではないかと思うのです。そこで、それは一企業においての一つの政策としてはこれは当然かもしれませんけれども、国が行なう社会保障制度という精神から考えていくならば、冒頭に大臣が言われた精神から考えて、ちょっとこれははずれるのではないですか、社会保障制度の考え方から考えて。
#56
○国務大臣(倉石忠雄君) そういうお説も成り立つかと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、構造政策を考えてみましても、それから出てくる思想を考えてみますと、そういう施策に貢献し得る範囲というのは、やはりそれだけ一般社会保障のことのほかにそういうことも考慮に入れられるのが当然なことではないか、こう思うわけでありまして、社会保障制度については私は一人一人が区別をつけられる必要はないと思います。そういう意味でこれが貢献度に対しては若干の差異があるのは当然ではないかと、こう思っております。
#57
○向井長年君 その差が大きいのじゃないですか。〇・五ヘクタールは三十五万と、それ以下はとなればちょっと差が大きいのじゃないですか。どこかで標準を切らなければならないからこれはわからないことはないのですけれども、しかし一方三十五万だ、一方は十五万だ、二十万差があるのですよ。それじゃあ〇・五ヘクタールちょっと切れても十五万になってしまうのでしょう。これは線は引かなければならないことはわかるけれども、差が大き過ぎるじゃないかという感じがするんです。やはり小さくても長年これに貢献してきた従事者ですから、農業者ですから、ちょっとこれに不審を抱くのです、三十五万、十五万、こうぱちっと切っちまうとね。これはどうお考えになりますか。
#58
○政府委員(池田俊也君) 大筋は大臣からお答えがありましたとおりでございますが、なお若干補足して申し上げますと、いま御指摘の点、私どももいろいろ内部的には検討した問題でございます。ただ、三十五万、十五万という二種類の離農給付金を考えましたのは、一つには、先ほど来お話がありましたような、まあ農地の面積に無関係にやるというのがはたして、施策への貢献度等から、同じにするということ自体が若干問題があるのではないかということと、それから、やはりその方が、従来その農地の面積に応じまして何がしかの農業収入、農業所得をあげまして、それを生計に充てていたわけでございますから、その面積の多い方はやはり農業に対する依存度が高いと、それから、農地面積の小さい方は比較的依存度が少なくて、むしろ他の兼業収入等に依存をしてたという割合が多いわけでございますから、そういう依存度というものを一つ考える必要があるのではないだろうかと。それからこれは、十五万と三十五万という二つに分けました一つの大きな問題といたしましては、離農の態様の問題があるわけでございます。といいますのは、五十五歳以上の方につきましてはこれはもうかなりの年齢でございますから、他の職業に転職をするという可能性は非常に考えにくい、むしろ離農をいたしますと収入源が非常に乏しくなるものでございますから、これに対しましてはかなり手厚い措置を考えなければならない。ところが、比較的年齢の若い方でございますと、これは他に転職をいたしまして離農をするという方がかなりあるわけでございますから、そういう方にその老後の、離農後の生活保障を考えるというより、むしろ考え方としては離農がしやすくなるようにお手伝いをするのがいいんではないか。その一つの考え方として、まあ農業用資産の処分をされるわけでございますけれども、農業用資産の処分をされる場合には当然不利な処分しかできませんので、そういう不利な処分に対する何がしかの補給をいたしまして離農をしやすくしよう、こういうことで、比較的若年層といいますか、五十五歳以下の方につきましてはそういうようなことで十五万円ということをやったわけでございます。もちろん御指摘のように若干の、ほんのわずかの差で非常に違う扱いを受けるという矛盾は確かに一部にはございますけれども、それを面積に応じましてたとえば段階を設けていくというようなのも、いかにもこれは困難でございますので、若干のそういう矛盾はございますが、いろいろ申し上げましたような考え方からそういう制度にいたしたわけでございます。
#59
○向井長年君 まあその制度は愛情あふるる制度とは言えませんね、大臣。だから、非常に困難なむずかしい問題と思いますけれども、やっぱり不均衡な感じも持ちますし、したがって、あわせて離農後においての人たちに対しての問題でございますけれども、五十五歳以上は転職ということは困難であることは事実です。しかし最近御承知のように、平均寿命がうんと延びて、五十五歳で隠居するわけにいかぬ、働かなければならぬ、生活できませんよ。子供さんが、後継者がある程度は成長するにいたしましても、やはり五十五歳以上になっても何らかの職業を持たなければという状態に最近なってきておりますね。だから定年の延長という問題も出てきておるわけです、各企業においても。公務員の場合においてもそうだと思いますが。そういう意味において離農後の職業のあっせん、訓練、それに対するあらゆる、住宅とかあるいは生活保障の対策になるいろいろな施策というものを何か考えておられますか。
#60
○国務大臣(倉石忠雄君) 離農されてほかの産業に就業を希望される離農者につきましては、その方が未熟練労働者として就業することのないようにいたすことが必要ではないかと思います。
 私ども「総合農政の推進について」の中でも申しておりますように、われわれの構想いたしておりますものは、自立経営農家を中核にして、その周辺に小さな農家があり、あるいは自立経営農家を育成すると申しましても、きわめて長い時間、私どもの予測によれば兼業農家が存在すると思うのであります。そういう方々の余った労働力というものを十分に経済的に働いていただくことが必要でありますことはいまのお話のとおりでございますので、したがって、現在のような状況のままで放置しておきますならば、太平洋ベルト地帯といわれるようなところに国民の六、七割以上の人口が集中するであろうといまでも想定されておるようなことで、そういうことが国家としてはたしていいことであるか、悪いことであるか、私ども地方の方々と接触してみましても、やはり地方に産業の分配されることを待望されております。農協等においてもそういうようなことについて非常に関心をお持ちであることは御存じのとおりであります。したがって、いま昭和四十五年度予算にも通産省及び労働省にこういう考え方について検討いたしますべく予算を計上してございますが、そのような考え方から、まず産業を地方に分散して、農村にある労働力をできるだけそこで活用していただく。専業農家は専業農家、そこで、そういう方がいま申しましたように未熟練労働者のままであってはうまくいきませんので、事前にやはりその地方自治体や農業団体との相談をわれわれいたしておりまして、その地域に進出するであろうと予定される事業に対しては、あらかじめ職業訓練の制度を実施いたしたい、そういう間の訓練については訓練手当、これは石炭対策等でも実施いたしました、ああいうふうなシステムを活用いたしまして、十分に事前の訓練をしてあげるようにいたしたい、そういうことを考えておるわけであります。
 それから、離農後の生活保障対策につきましては、職業転換給付金制度を、いま申しましたけれども、一時的な所得の補償を行なうことも考えております。それからまた、なお各種の社会保障制度によってできるだけ救済されるように、十分にそういう場合のことを考慮しなければならないであろう、こういうふうに考えております。
#61
○向井長年君 いま大臣から特に石炭の離職の問題が出ましたけれども、石炭の場合におきましては御承知のごとく、国家的政策の中からああいう一つの措置をとっておるわけですが、石炭の場合においては離職手当十五万や三十万じゃないですよ。ある程度の額が石炭に渡されておりますし、住宅も特別にいろいろと給与いたしておりますね。それから職業訓練あるいは職業あっせんということを積極的に、この問題は倉石労働大臣当時からずっと取り組んでおる問題ですけれども、やられておる。そこで、いま農業の離職者に対しては、もちろん若い諸君あるいは五十五歳以上の人とあわせて、そういう問題は石炭のようなかっこうには直ちにはいかぬにいたしましても、同じ精神でやっぱりいまお話ございましたような形で、ぜひこれに対して真剣に取り組んでいただくことを私はこの問題については要望いたしておきたいと思います。
 それから次に、被保険者が受給権の発生前に、農業耕作の中で事故を起こす、疾病にかかる、こういう傷害あるいは疾病、こういう問題に対しては、これは障害年金といいますかね、こういうことが一般の企業だったらあると思うんですよね。労災もありますよ。ところでこの農業者の場合においては、最近は若干近代化されて、耕うん機等も使ってやっておりますし、いろいろな形で事故を起こす場合がありますね。不可抗力の事故、そういう場合においては、やはり一つの制度化をしていかなければならぬのじゃないか。言うならば、障害年金と申しますか、そういう問題についてはどういうように考えておるか。将来それを制度化しようとするか。この点いかがでしょうか。
#62
○政府委員(廣瀬治郎君) 厚生省の立場で考えますと、御承知のように、いまお話がありましたように、年金制度におきましては単に老齢のみならず障害の場合には障害年金、あるいは遺族の場合には遺族年金という制度がございまして、これはいずれも所得の喪失あるいは減少でございますから、それに対応いたしまして生活の安定をはからなければなりませんし、現に国民年金ではそれぞれの制度があるわけでございます。この問題につきましては、これは単に農業でありますとか、特殊の職業という問題には限定されませんで、すべての国民の人につきまして同様の取り扱いをしておるわけでございます。いまお話しのように、農作業上の事故ということになりますと、これはいまお話がありましたように、労働者災害に類似するような制度ということになると思いますが、厚生省といたしましては、一般的な事故に対する障害給付ということで、国民年金について行なっております。ただ、この問題は、特殊な職業によって区別はしていなくて、一般的に全国民を対象としてやっております。ただこの制度が、非常に、国民年金そのものができましてまだ十年ぐらいしかたっておりませんで、必ずしも給付の内容が十分であるとは申せませんので、今後、国民年金の給付そのものの充実につきましては努力したいと、このように考えております。
#63
○向井長年君 それから、受給権というか、権利を取得する直前に死亡したという場合ですね。この死亡した場合においては、死亡一時金という問題があるわけですが、これは内容的には、みずから掛け金をした、掛け金に対して――元金ですか、元金に対して、それに対する利子を入れてという程度ですね。そういうことですね。そうして、これは返したらおしまいだと、こういうかっこうになるわけですけれども、少なくとも、これは財政負担の、保険方式的な考え方が加わっていいのではないかという感じがするわけなんです。この点はどう考えておられますか。
#64
○政府委員(廣瀬治郎君) 年金制度の内容をどうきめるかという、いわゆる年金の設計につきましてはいろいろの考え方があるわけでございますが、やはりその制度の目的に最もふさわしい内容のものをつくるべきであることは当然でございます。そこで年金制度の目的から考えまして、やはり主たる目的は、死亡なり障害なりあるいは老齢なりという場合に所得が減少しあるいは喪失する、その場合の、本人なり遺族の方の生活を保障するというのが主目的でございまして、年金権のつかない方がなくなった場合、あるいは途中でやめられた、脱退された場合というものは、いわば年金制度から見れば主目的ではないわけでございます。ただ、そうは申しますものの、その方々も何年間かの掛け金を掛けてこられたわけでございますので、そういう場合に全く何の給付も出さないということは、国民感情から見ましても納得できないことでございますので、この案におきましては、少なくとも、掛け金はもちろん、財政の許す限りできる範囲の利子をつけて、一時金として出すと、そういう考え方でまいっておるのでございます。
#65
○向井長年君 それが大体愛情がないのですよ。私は、自分の掛け金掛けたのは返してもらうのがあたりまえですよ。これは、利益何にももたらさないのですから。しかし目的は、そういう形で努力してやってきた者に対しては、しかも権利直前において死亡した以上は、それに対する保険方式というものを若干採用していいのではないかという観点からこの問題を私は取り上げておるのですが、ただ機械的にものを考えて、これだけ掛けたから利子だけつけて返すぞということでそろばんをはじくというのは、これはちょっと納得ができないような感じがするわけです。今後もその問題についてはやっぱり検討しませんか。
#66
○政府委員(廣瀬治郎君) 一定の財源をどういう部分にどの程度の厚さ、重さで使うかという問題になるわけでございまして、充実した給付をやれば、またそれに所要な財源も必要になってくるわけでございますが、この年金はいまいろいろ申しましたように、いろいろな事故によります、その人の、あるいは遺族の生活を見ようということでございますので、しかもこれは、連帯してそれをやるということでございまして、必ずしも郵便貯金のように、何年掛けて、掛けた分だけは必ず戻ってくるというものではないわけでございます。したがいまして、この年金の年金権のついた方につきましても、年金権がついて不幸にして非常に早くなくなられた方は、もらった年金額が非常に少ないわけでございますし、平均余命を越えてうんと高齢まで生きた方は、掛けた何倍ももらえるということには当然なるわけでございます。そういうような意味におきまして、必ずしも郵便貯金のように、掛けたものにきちっともう利息をつけて、すべての人に絶対に損がないというようなしかけにはなかなかいかないわけでございまして、先ほど申しましたように、やはりこの年金の目的に沿った、それにふさわしい内容にすべきであろうと思っておりますし、そういう考え方でこれを考えたわけでございます。
#67
○向井長年君 それはまだきまってないのですか。算定していないのですか、年数と掛け金との問題については。いや、掛け金に対して利子をつけてということじゃないですか。――それは、年数等も考えて、勘案して、今後きめるということですか。
#68
○政府委員(廣瀬治郎君) いえ、一時金の額につきましては、法案の別表に、年数に応じて、その金額が定められております。これを利率で申しますと、掛け金期間の長い人と短い人と若干違っておりまして、例を引きますと、三年間かけた場合には、利回りにいたしますと七分二厘ということになっております。それから五年間の場合は四分五厘、それから二十年の場合は四分ということになっております。
#69
○向井長年君 短期間じゃなくて、二十年というような長い期間を持っておるのですから、そのときに、やはり直前の事故もあると思います。それで確かにそういう問題をやはり勘案して、先ほど言われるような、ただそういう還付だけじゃなくて、これに対しては、やはり俗にいう保険方式というか、こういう問題も財政上にらみ合わして考えるべきじゃないか。こういうことでございますから、これはひとつ、要望になると思いますけれども、検討を願いたいと思います。
 それから、続いて、同じこういう時期になくなられたときに、被保険者の資格がこれは継承されませんね。したがって本来、農家というのは、世帯主はもちろん名義人にはなっておりますけれども、これは奥さんも家族もそういう場合にこれが継承されないという問題については、私は一般的に考えてどうかと思うのです。一般の職業とちょっと違うのですよ。そうでしょう。労力だって、私は百姓していますといったところで、一人がやっているのじゃないのだ、家族が全部でやっているのですよ。場合によっては、零細であれば、奥さんが主になっている。こういう状態が多いでしょう。しかし名義人はやはり世帯主である、こういう形になっておると思いますが、こういう場合に、やはりこういう資格を配偶者に継承するという状態が考えられなければならぬのじゃないかというように考えます。この点について、いかがお考えでしょう。
#70
○政府委員(廣瀬治郎君) おっしゃられる意味あるいは実情はよくわかるわけでございますが、およそ年金制度におきましては、これは単に公的年金だけではございませんで、私的な年金におきましても、年金権あるいはその年金を受け得る権利というものは一身専属的な権利ということになっておりますので、自分の権利をほかの人へ途中で移すということは、年金としてはそれは非常に無理な問題だろうと考えております。
#71
○向井長年君 もう一点、これとよく似た権利取得後死亡されたという場合の問題もあるのですよ。この問題においても、先ほど言うように、遺族給付金はないでしょう。そうなってくると、直ちに配偶者が継続できないという状態になりますから、これは当然継続してやれるという形を権利の――直後においてもこれはやはり考えなきゃならぬのじゃないかと思う。これは特に長い年金制度という問題についてはそういう問題が起きてきますよ、事実。
 そこで私が言うのは愛情がないのじゃないかというのはそこから出てくるんだ。もっとほんとうに社会保障、冒頭に大臣が言われたような形で老後の安定、社会保障、またあわせて配偶者の問題も考えていくならば、あわせてその問題をここで継承してやるべきじゃないかと、こういう感じを持つんですよ。だから、これは直ちに考えてくれませんか。いまはこの法律の中では考えておらぬけれども、将来ひとつ検討して、やはり国民が納得し、あるいは農業者が意欲を持ってやれるようにやろう、そのための努力をするというぐらいのことは言っていいんじゃないですか、大臣。それは言っていいと思うのですよ。その点どうですか。私はこの答弁を、満足すべき答弁を聞いて私の質問終わりたいと思うんですよ。
#72
○国務大臣(倉石忠雄君) よく向井さんのお気持ちわかりますし、私どももそういうことについて考えさせられる問題であろうと思いますが、先ほど厚生省からも御説明ございましたように、年金は加入者そのものについておりますので、年金としての扱いはどうも現在のところ、いま考えておりますこと以外に出るわけにいかないと思うのでありますが、そういうことにつきまして、年金としてやるか、いずれにいたしましても、そういうことについて私どもも考えてみる必要はあると思いますが、現在はひとつ先ほど政府委員の御説明のように御了解を願いたいと思います。
#73
○向井長年君 満足できないのでもう一ぺん立ったのですけれどもね。この法律は私たちも賛成して通さなきゃならぬと思っておりますから、したがって、これはいいんですよ、やむを得ないと思いますが、しかし農業というものは大臣、特殊でしょう。一般のつとめというか、労働者と違うわけですよ。したがって、これは家族ぐるみでやっておるのですよ。その家族ぐるみの主体になるのはもちろん世帯主であるけれども、やはり配偶者がなっておるのじゃないですか。その配偶者の問題については、名義人が死んだからもうだめだという形では、これは納得できない。農業という特殊性から考えて、今後のひとつ努力として、これはぜひ検討願いたいと思います。終わります、検討すると言っていますから。
#74
○河田賢治君 今度の年金のことについて、大体加入者を二百万と想定されておるわけですが、この二百万というのは、資格からいいますと五反歩以上、それから養畜などはどのくらいの単位になっているか、こういう点をちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。
#75
○政府委員(池田俊也君) 二百万という一応想定をいたしておるわけでございまして、これは実際上必ずしもそのとおりになるか、若干あるいは増加をするか、減少するか、移動はあると思いますが、私どもが考えておりますのは、当然加入者といたしましては、都府県の場合五十アール以上、北海道の場合は原則として二ヘクタール以上、こういう考えでございますが、それのほかに任意加入者があるわけでございます。これは都府県の場合三十アール以上でございまして、こまかいことは政省令できめることになっておりますが、最低、都府県三十アール以上の農地を持っておる方は希望によりまして加入ができる、そういうものも見込みまして、合わせまして二百万程度ではなかろうかというふうに思っております。
#76
○河田賢治君 しかし第一種農家だけでも、五ヘクタール未満を除いて相当あるわけですね。そうすると、これではだいぶん入らぬという人が出るわけですか。
#77
○政府委員(池田俊也君) 御存じのように、農家全体では現在五百三十五万戸程度ございますけれども、その中でこの制度は国民年金の加入者につきまして適用すると、こういうことでございまして、国民年金の加入者が三百十八万戸くらいになるわけでございます。さらにその中で五十五歳未満の方が加入資格があるわけでございますので、その方を拾いますと二百五十七万戸程度になるわけでございます。さらにいまの二百五十七万戸というのは全農家ございますから、経営規模の点から一応、一部は落ちるものがございますので、先ほど申し上げましたような二百万戸、こういう数になるわけでございます。
#78
○河田賢治君 そうすると、これは厚生省のほうに聞きたいのですが、あるいはまあ農林省かもわかりませんが、農家の中で、国民年金、被用者年金に入っておる方はまた別にこれ出ておりますが、年金に入っていない方ですね、本来は全部入ることになっておりますけれども、いろいろな他の条件がなければ――その辺はどうなっています、入らぬ方はだいぶんありますか。
#79
○政府委員(廣瀬治郎君) 数字はあとで申し上げますが、たとえば農家をしながらまたどっかへつとめておられるという方もあるわけでございまして、その場合には厚生年金の被保険者になっておりますので、一部農家をしておられる方でも厚生年金に入っておりまして、国民年金に入っていない方があり得るわけです。その数字につきましては、数理課長から御説明いたします。
#80
○説明員(淵脇学君) 四十四年五月に調査いたしましたこの年金制度のための「農業者年金基礎調査結果概要」というのによりますと、全農家が五百三十五万というふうに出ております。その中で、国民年金に加入しておられる方が、後継者のあるなしに分かれておりますけれども、後継者のある方が二百八十七万、後継者のない方が三十一万、こういうふうに出ております。それから被用者年金であって、たとえば学校の校長先生をやっていながら農業をやっておられるというような場合ですね、そういうような方が、後継者のある方で五十八万五千、後継者のない方で十万というふうな調査が出ております。したがいまして、農家と申しましても、かなりの方が厚生年金なりあるいは地方共済なり、そういったほかの公的年金に加入しておられる方があられるということでございます。
#81
○河田賢治君 この数字を見ましても、これらの年金に入らない方が、農家全体としましても相当ありますし、また第一種農家でも九十二万ほどの数になるわけですね。これらの人々が今度年金ができましても、結局資格のない、つまり国民年金に加入しておるということが一つの条件になりますから、そうすると全然農民年金もない、あるいは年金にも入れない、あるいは国民年金被用者年金もない、したがって、農家の中でこういう年金によって多少でも老後の生活を安定し得るという条件のない方が、全然ない方がこの数字からだけはじいても約二十三万になるわけですが、今度の年金法の創設につきましては御承知のように、主として経営移譲、そして農地の流動化、できるだけまた自立経営農家、こういうところへ土地を集中するということの目的の一助としてこの年金がされておるんですが、他面また農民の老後の、老齢者の生活を安定させるということもうたわれているわけですね。そうすると、全然こういう年金に入らぬような人、こういう方がかなりおると見なくちゃなりません。こういう人には、もちろん国民年金に入っておりましても、今日支給される額はそうたくさんではありませんし、そして全然入ってない人がおるという場合に、一体この農業者年金の基金法にうたわれておる老後の農家の方々の生活を安定させるという、こういうことは全く無視されておるんじゃないかというふうにわれわれは考えるんですが、この点大臣いかがですか。
#82
○政府委員(池田俊也君) 厚生省からも御答弁ございましたが、年齢等の関係で国民年金の加入者にもなっていない方があるわけでございます。私どもはこういう方々に対する老後保障の問題としては、これは農業者年金という一つのワクの中で処理することは非常にむずかしいわけでございます。で、数字といたしましても、それはやはり社会保障制度としてその充実をはかってまいるということが、これに対する本格的な対処すべき方向であろうというふうに考えるわけでございますが、まあ今回の制度におきましては、構造改善を推進するという見地から、そういう五十五歳以上の方に対する措置もこれはあわせて考える必要があるということで、離農給付金ということをあわせて併用いたしまして、必ずしも金額的には非常に満足すべきものであるとは申せないかもしれませんが、国庫が全額負担をいたしまして、五十五歳以上の方に対しては、これは五反以上の場合には三十五万円の支給をいたそう、こういうことでございます。で、年金制度ということになりますと、これは一定の拠出制の年金でございますから、拠出期間を満たす必要がございますので、どうしても五十五歳以上の方を対象にするのは困難でございますので、そのような処置をとったわけでございまして、なお足りないところはやはり方向としては社会保障制度の充実、こういうことで対処すべき問題ではなかろうかと、かように考えます。
#83
○河田賢治君 大臣にお聞きしますが、もちろんこれは農林省として農家だけの問題ではありませんけれども、いわば閣僚の一人として先ほど来どうしてもこれは国民年金その他の給付等を改善しなければ全体の国民の老後の保障、あるいは生活の安定はできないということがいわれている、そういうふうにいわば農林省としては逃げられておりますが、しかし御承知のように、昨年国家公務員というのは非常に全体として見ますればそう高くはないと思うんですね。それで高校を卒業しまして入りますと大体八等級ですか、八等級の二号俸くらいが高校出て初任給になるらしい。二万三千余円です、計算しますと。大体今日農家におきましても、だんだんと核家族と言われるように大体の所帯単位が小さくなっているわけですね。親は親だ、子供は子供だというふうに所帯でもいろいろの経済、家計、こういうものが分かれる方向にきております。そうしますと、またこれらの一般の勤労者、労働者にしろ農民にしましても、大体そういい給与はとっておりません。これは御承知のとおり、経済成長をうたわれた日本におきましても、アメリカあたりと比べると五分の一とか四分の一とかいうふうに非常に低い生活水準、しかも社会保障はあまり進んでない、こういうところに二万三千円、これは昨年ですから、ことしはまた物価上がっておりますし、一般民間も上がりますからまた公務員も上がりましょうから、こういう場合に大体高等学校を卒業すれば親のすねかじりじゃなくて、どうにか家のことはほうっておきましても、食うことと着ることはどうにか最低の一人前だということで、高校を卒業したその程度の給与になっているわけですね。
 ところが、今度もくろまれたこの農業年金の基金などを見ましても、二十五年かけまして経営移譲年金は二万円それから六十五歳以上になりますと、掛け金をこれだけかけても二万二千二百円、つまり高校を出ましてどうにか親のすねかじりを離れて一本立ちをしようという、一人だけがようやく生活ができる、こういう条件しか今度の創設されます年金基金においては、これ以下になっておるわけですね。これでしかも一つの経営者ですから細君もいるでしょうし、ときには孫はいろいろなものを買ってやらなければならぬ場合もあるでしょうし、こういう人は結局名前は経営移譲だといいましても、これは利用されるのですけれども、しかしほんとうにこういうわずかな金ではほんとうの年金としての、第一生活そのものもできないという状態なんです。一体こういうものを――まあこの年金については非常にりっぱのように書かれておりますけれども、この事実を比較するならば、もう全くいまの高校卒業生一人だけが食える、これすら今日保障されていない、こういうような年金がここにいま試算されているわけですが、こういう問題について農林省はこの程度しかやむを得ないと考えておられるのか、これはもう最大のものだと考えておられるのか、これらをもっと急速にもっともっと内容的にも移譲の問題あるいは移譲しない問題についてももっと考える、こういうお考えがあるわけですか。
#84
○政府委員(池田俊也君) ただいまは高校卒の場合の給与との比較でございますけれども、私どもはやはり給与、まあ勤労いたしまして、それに対して給与の支払いを受ける、その金額とそれから社会保障制度なりとの支給の額とは一がいに比較はできないのではないだろうか、性格がかなり違う点があるように思うわけでございます。私どもが今回の給付水準をきめます場合に、いろいろ国民年金審議会等で御議論をいただきましたが、その基礎的な考え方としては厚生年金なみ、まあサラリーマン等と同じような給付水準を確保するのが望ましい、こういう御意見が大体ほとんどそういう結論でございますので、そういう線で検討いたしまして、結果といたしましては、私どもは厚生年金なみの水準を確保しているというふうに考えておるわけでございます。
 なお、もちろん一がいに比較はできませんが、たとえば外国におきます同じような種類の年金制度等もいろいろ検討いたしてみたわけでございますが、フランスなりあるいは西ドイツなりその他の諸国の離農年金あるいは経営移譲年金といわれているものもいろいろ参考にいたしましたが、その金額と比較いたしましても、決してこれは遜色はないわけでございます。むしろ一般の所得水準等からいたしますと非常に日本の農業者年金の給付水準というものは高いものでございまして、もちろんさらに高い水準ができればよろしいわけでございますが、これは掛け金とのいろいろ見合いの問題もございますから、現状におきましては私どもはかなり現在の制度におきましても一般の御納得を得られるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#85
○河田賢治君 非常に急がれるそうですが、もう二、三質問したいと思います。簡単に答えていただきたいと思います。
 この年金の被保険者の資格という点で先ほど来説明がありましたが、今度家族、細君の場合入れまして約二千円ですか、そうしますと相当また負担がかかるわけです。そうすると農民の中にはこれを拒否する、わしはこんな年金に入らないという場合には、これはつまりこれらの資格のある者については強制になるのですか。当然ということばを使っておられますが、保険料の徴収においてはすでに強制的にこれだけの延滞金をつける、延滞利子をつけて取り立てるという条文がありますが、この中には必ずしもこれに入らなければならないという項目はないように思うのですが、入らなかった場合にはどういう処罰をするとか、こういうこともないように思うのですが、この辺はいかがですか。
#86
○政府委員(池田俊也君) これは制度の趣旨からいたしまして、一応一定資格のある方につきましては当然加入というか、強制加入というか、そういう制度をとってきておるわけでございまして、したがいまして掛け金につきましても一定以上の規模でございますから大体そういう能力があるというふうに一応考えているわけでございまして、したがいまして制度の上からは、かりに掛け金の納付がない場合には、強制徴収というか、そういう措置がとれるようになっているわけでございます。ただ、これは実態に応じまして運用いたしたい考えでおるわけでございます。
#87
○河田賢治君 脱退一時金それから死亡一時金、さっき隣りの委員からも質問が出ましたが、これは三年以下は掛け捨てになるという、この理由はどういうことですか。
#88
○政府委員(廣瀬治郎君) 脱退一時金、死亡一時金は、先ほどの御質問に御答弁しましたように、この年金の目的から見ますと本質的なものではないわけでございます。ただ、こういう一時金制度を設けましたのは、やはり国民感情ということも考慮いたしまして財源の許す限り措置をしたということでございます。それで非常に短期間の掛け金の場合には、三年以内のような場合には出さないというのが一般の例にもなっているわけでありまして、それにならったわけでございます。
#89
○河田賢治君 一般はそうかもしれませんけれども、かってにいろいろな条件で脱退するという場合はやむを得ないといたしましても、たとえば死亡一時金などはたとえ三年でも掛ければこれは相当な額になるわけですね、それに利子も含めれば。しかも今日交通戦争とかなんとかいろいろな事情で人の生命というものが必ずしもそれは七十歳まで生きるんだというような確信を持てなくなった時代ですね。こういう場合には三年以下は普通どこでもやっていないから掛け捨てにするんだという――一体、国民年金なんかどうなっておりますか、そのほかの保険なんかについて。
#90
○政府委員(廣瀬治郎君) 国民年金につきましても三年未満はもらえないことになっております。
#91
○河田賢治君 それはもっと今日の人の生命ということを考えて、こういう考えは訂正してもらわなくちゃならぬと思います。
 それから評議員ですね、これは三十人で理事長の諮問機関ということになっておりますが、御承知のようにこの評議員会で理事長の諮問に応じてこの年金のいろんな問題やあるいは資産の運用等についても相談を受けるということになっておりますが、この三十人というのは主として経験者と被保険者ということになっておりますが、大体どの辺をめどにされておりますか。それを伺っておきたいと思います。
#92
○政府委員(池田俊也君) この年金基金の性格からいたしまして、なるべく被保険者といいますか、加入者の意向が反映するようにいたしたいという考えでございまして、まだこれは決定いたしたわけではございませんが、大体の考え方としては半分くらいは加入者の代表にいたしたらよろしいのではないだろうか。あと学識経験者ということでございますが、これは別段そうむずかしいことを考えているわけではございませんで、関係の農業団体その他の方をお願いするのがいいのではないかと思っております。大体はそういうようなことを予定しております。
#93
○河田賢治君 普通の、若干この基金は他の共済組合とは違いますけれども、しかし大体保険的な性格を持ったものなんですから、これらについても、資産の運用その他について、レクリエーションの設備をするとか何とかということもだいぶ御説明になりましたけれども、たとえば年金――共済年金などでやられておるいろんな施設なんかが十分利用されないし、また一般の組合員にも期待されないようなものがときおり出ておる、また赤字経営の一つの原因にもなっておるということが言われておるわけなんです。したがって個々の運営というものは、これは全く大臣が任命してそして決定する権利がないというふうな一つの諮問機関になっておりますが、これらの運用についてもっと民主的にやる考えはありませんか。
#94
○国務大臣(倉石忠雄君) 農業者年金基金は農業者の老後生活の安定と農業構造の改善をはかることを目的といたします年金事業のほかに、離農給付金の支給であるとか、あるいは離農者の農地の買い入れ等いわゆる公的色彩の多い事業を行なう国の機関に準ずるものでございますので、その役員はやはりそういう立場でありますから主務大臣の任命または認可によることといたしておりますが、われわれはなるべく加入者である農業者の御意向をも反映できるようにすべきではないかと、こう思っておりますので、基金の運営のためには評議員会というものを積極的に活用いたしてまいる、そのように指導いたしてまいりたいと思っております。
#95
○河田賢治君 この基金が農地の買い入れ及び売り渡しという一つの権利を持つわけですが、御承知のとおりにこの第二十条によりますと、主としてこの農業者年金の被保険者の資格、あるいは年金事業の給付の問題、それから農地等及び付帯施設の買い入れ及び売り渡しに関する決定、並びに農地等及びその付帯施設の取得に必要な資金の貸し付けに関する決定を除く、それ以外は委託の事業とするということが言われておるわけですが、この決定と、そうしての例の合理化促進法人ですか、ああいうものも同時に農地の取得もでき、あるいは売り渡し等もできるわけですね。この場合のときにはおそらく農業振興地域などにまず優先的にこれを運用するというお話でしたが、この場合にこの第二十条における決定というものと、そうしてこの第八十一条、離農の申し出があった場合にはこの手続によることになっておりますが、合理化促進のほうの事業が自主的にやる問題とは競合するというようなことはないのですか。その辺はどちらかに区別されておるわけですか。
#96
○政府委員(池田俊也君) これは形式的にはダブる面もございますけれども、私どもは実態的に両方が競合いたしまして非常に混乱をするということは、これはどうしても避けなければならない、こういうふうに考えているわけでございまして、基金の場合にはこれは離農者の土地の取得でございますが、まあ私どもはやはりそれぞれの地方の実態に応じまして合理化法人が活動をいたしております場合には、そういう活動の中で事柄が処理されるのが一番好ましいのではないかというふうに思っているわけでございます。したがいまして基金が積極的にそういうところに進出をしまして競合をするというようなことは、これはもうぜひ避けなければならない。ただそういうような合理化法人が必ずしも全部できるわけではございませんし、ほかに適当な買い手がないような場合には基金が申し込みに応じまして買い取るということを考えているわけでございます。これはいろいろ実態に応じまして競合しないような私どもは指導をいたしたいと思っております。
#97
○河田賢治君 そうすると、そういう基金が買い入れたりする場合は、直接農業者年金事業の、地方には支所的なものができるらしいのですが、これが、この職員がいってきめるということになるのですか。
#98
○政府委員(池田俊也君) 決定は別でございますけれども、実際の業務はやはり市町村あるいは合理化法人というようなものに委託をいたしまして、大体そこできめていただいて、それを基金の業務の基準に照らしまして適当であれば基金がそれを決定する、こういうことにいたしたいというふうに考えておりますから、そういうような意味でも実際問題として競合するということはあまりないように思いますし、またそういうようにいたしたいと思います。
#99
○委員長(園田清充君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
  一時四十分まで休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時九分開会
#101
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案者衆議院農林水産委員長代理理事三ツ林弥太郎君から趣旨説明を聴取いたします。三ツ林弥太郎君。
#102
○衆議院議員(三ツ林弥太郎君) ただいま議題となりました衆議院農林水産委員長提出農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案について提案の主旨を申し上げます。
 昭和三十六年に農業協同組合合併助成法が制定され、自来、同法によって農業協同組合に対する援助、助成の措置がとられてまいりましたことはすでに御承知のとおりであります。
 ところで、同法に基づく合併経営計画の提出期限は、昭和四十一年五月に三年間の延長を行ない昭和四十四年三月三十一日までとなっていました。この間合併は、相当程度進み、当初予定した計画は達成されましたが、今後、合併によってその体制をさらに強化する必要のあるものがなお相当数見込まれるのであります。このような事情にかんがみ、適正かつ能率的な事業経営を行なうことができる農業協同組合を広範に育成して農民の協同組織の健全な発展に資する見地から、この際農業協同組合の合併をさらに促進する必要性があると思うのであります。
 そこで、今後とも農業協同組合の合併を促進するため農業協同組合合併助成法の規定に準じ、昭和四十七年三月三十一日までに合併経営計画を都道府県知事に提出し、その計画が適当である旨の認定を受けることができることとして、ここに本案を提出した次第であります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#103
○委員長(園田清充君) 次に農林物資規格法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず政府から趣旨説明を聴取いたします。倉石農林大臣。
#104
○国務大臣(倉石忠雄君) 農林物資規格法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 近年、食品工業等の発展と相まって、食料消費の高度化、多様化は著しいものがあり、特に加工食品等についてその品質の向上と表示の適正化に対する要請はますます強まっております。このような状況に対処し、加工食品等につきまして適正な規格を制定し、その普及につとめるとともにその品質表示の適正化をはかることは消費者保護基本法の趣旨に沿って消費者保護対策を強化するという見地から現下の急務であるばかりでなく、食品工業等の健全な発展を期するためにも重要な課題であります。政府といたしましては、このような見地から、農林物資規格制度に必要な改正を加えることとし、この法律案を提出する次第であります。
 なお、この法律案は、第六十一回国会に提出し、審議未了となったものと同一のものでありまして、消費者保護対策の強化が急務となっていることにかんがみ、本国会に再度提出したものであります。
 次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。
 その第一は、今回の改正が単なる制度の手直しにとどまらず、消費者保護の強化という新たな観点からするものであることを明らかにするため、題名を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律と改めるとともに、目的に農林物資の品質に関する適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資する旨を明定いたしたことであります。
 その第二は、最近における加工食品等の輸入の増加の傾向に対処し、この法律の対象となる農林物資の範囲を拡大し、輸入品をも対象に含めることとしたことであります。
 その第三は、日本農林規格の運用に関する諸制度を整備改善することであります。すなわち、日本農林規格の普及をはかるため、加工食品等の工場生産の実情に即した格づけ方式として、いわゆる認定工場制を法律に明記することといたしますほか、登録格づけ機関の公共的性格にかんがみ、登録格づけ機関の格づけの義務、登録の要件等についての所要の規定を整備することとしております。
 その第四は、品質表示の適正化に関する措置を定めたことであります。
 日本農林規格におきましては、品質の基準のほか表示の基準をも定めているのでありますが、これによる格づけを受けるかどうかは、あくまで事業者の自主的選択にまかせることとなっておりますので、日本農林規格の制定のみをもってしては、表示の完全を期することはできないのであります。他方、一般消費者が商品を選択する際、品質を識別するために必要な表示を事業者に行なわせることは、社会的な強い要請となっているのであります。
 このような状況に対処するため、この法案におきましては、新たに、日本農林規格が制定されているか、または制定されると見込まれる農林物資のうち必要があるものについて、事業者が守るべき表示の基準を定めるものとし、また、これを順守させるため、農林大臣が、表示の基準を守らない事業者に対してこれを守るべき旨の指示をし、この指示に従わない者があるときはその旨を公表することができることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#105
○委員長(園田清充君) 次に補足説明及び関係資料の説明を聴取いたします。小暮農林経済局長。
#106
○政府委員(小暮光美君) 農林物資規格法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を補足して御説明申し上げます。
 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由において申し述べましたので、以下その内容の概略を御説明申し上げます。
 第一は、法律の題名及び目的の規定について所要の改正を加えることであります。すなわち、本法律案におきまして、後に御説明いたしますように、一定の農林物資について品質に関する適正な表示を行なわせる措置を定めることといたしましたのに伴い、法律の題名を農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律に改めますとともに、法律の目的にも農林物資の品質に関し適正な表示を行なわせることによって一般消費者の選択に資する旨の規定を加えることとしております。
 第二は、農林物資等の定義についての規定の整備であります。すなわち、「農林物資」の範囲につきまして、輸入品を含めることとするとともに、農林物資を従来個別に政令で指定することとしておりましたのを定め、飲食料品等は包括的に農林物資に含めることといたしております。また、日本農林規格により品質表示の適正化をはかるという趣旨から「規格」の定義につきましても、品質の基準とともに表示の基準がこれに含まれることを明確にすることといたしました。
 第三は、日本農林規格に関する規定について、表示の適正化と格づけの効率化をはかるため、所要の改正を加えることであります。
 その第一点は、一般消費者が品質を識別することが容易でない加工食品等にかかる日本農林規格は、必ず表示の基準を含めて制定しなければならないことを明確にしたことであります。
 第二点は、都道府県が日本農林規格による格づけを行なう場合における格づけの方法は、従来都道府県が各個に条例で定めておりましたのを改め、農林大臣が統一的に定めるものとしていることであります。
 第三点は、いわゆる認定工場制に関する規定を置くこととしていることであります。加工食品等工場制生産によって生産される品目につきましては、一次産品たる農林水産物とは異なる特殊性があり、その格づけについて特例を設けることが日本農林規格の普及をはかる上で必須となるのであります。このため、従来から認定工場制を採用し、運用してまいったのでありますが、これが法律上の制度でありませんために種々の問題が生じていたのであります。このような事情にかんがみ、今回の改正案におきましては、この認定工場制を法に明記することといたしました。すなわち、格づけを円滑に行なうため特に必要があるときは、登録格づけ機関は、農林大臣の承認を受けて格づけの業務の一部及び格づけの表示を製造業者に行なわせるとこができることとし、このような製造業者のうち農林大臣の認定を受けたものは、その容器、包装等にあらかじめ格づけの表示を附しておくことができることといたしたのであります。
 第四点は、登録格づけ機関につきまして、その公共的性格が強くなっている状況にかんがみまして、その登録の要件を整備するとともに、格づけを求められた場合における格づけの義務を規定していることであります。
 第四は、表示に関する制度を整備することであります。日本農林規格制度は、何ぶんにも業者の自主性を基調とした制度でありますので、その普及に徹底を欠く場合もなしとせず、これのみをもって表示の適正化に完全を期することはできないのであります。また、この制度は、規格の制定、格づけ体制の整備等の準備に時日を要しますので、消費者の要望にこたえて、適時適切に表示の適正化をはかっていくには、不十分な点があることも否定できないのであります。このような状況にかんがみまして、今回の改正案におきましては、新たに一定の農林物資について、適正な表示を一般に行なわせるための制度を設けることとしたのであります。すなわち、日本農林規格が制定されているか、または相当の期間内に制定されると見込まれる農林物資で、品質に関する表示の適正化をはかる必要があるものとして政令で指定するものについて、農林大臣は、製造業者または販売業者が守るべき表示の基準を定めるものとしております。こうして表示の基準を定めた場合には、これが一般に守られるようにするため、農林大臣は、表示の基準を守らない製造業者等に対して、これを守るべき旨の指示をし、この指示に従わない者があるときはその旨を公表することができるものとする旨の規定を設けております。
 第五に、以上のほか、農林物資規格調査会に関する規定、表示が適正でないと認める者の農林大臣への申し出及びこの申し出に関し農林大臣のとるべき措置に関する規定、認定工場にかかわる製造業者及び表示の基準の定められた農林物資の製造業者等に対する報告の徴収及び立ち入り検査に関する規定を整備いたしますほか、不当景品類及び不当表示防止法との関係その他所要の規定を整備いたしております。
 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明といたします。
 なお、お手元に農林物資規格法の一部を改正する法律案の、横長のものが配付してございます。時間の関係もあり、きわめて簡潔に資料の内容を御説明申し上げます。
 まず第一表は、主要加工食品及び林産物の生産の動向、三十八年から四十三年まで出してございます。
 それから四ページにまいりまして、主要加工食品及び林産物の輸入の動向、同じく三十八年から四十三年まででございます。
 それから第三に、六ページでございますが、主要加工食品の世帯当たり支出金額及び購入数量、人口五万以上の都市全世帯について表示いたしております。
 それから十ページにまいりまして、日本農林規格JASの対象品目及び規格数の一覧がございます。五十四品目、三百四規格の概略がこれでごらんいただけると思います。
 それから十一ページにまいりまして、JlS規格による農林水産物等の格付けの現況、四十五年三月一日現在でございます。それから十三ページにまいりまして、品目別登録格付け機関の一覧表でございます。いずれも社団法人または財団法人と相なっております。
 それから十五ページにまいりまして、認定工場制をとっている品目と品目別の認定工場数を示しております。
 それから十六ページに、JAS規格の品目別普及の状況がございます。きわめて普及度の高いものと非常に普及度の低いもの、かなりの差がございます。しょうゆ、マヨネーズ類がきわめて高い普及率のほうに入っております。それから合板等にもかなり普及率の高いものがございます。
 十八ページにまいりまして、加工食品のJASにおける表示基準の現状を出しております。
 二十三ページにまいりまして、JAS制度に直接関係いたします予算の推移が示してございます。四十一年度当時約二百万円ございます。四十五年度が二千二百万円というふうに相なっております。これは直接的な経費でございます。
 以上でございます。
#107
○委員長(園田清充君) これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
#108
○北村暢君 まず、この法律案の審議に入るにあたりまして、非常に会期も押し詰まった段階で、しかも衆議院の審議状況から照らしまして、時間的な関係からしても十分の審議ができるかどうか、非常に疑問に思うのでありますが、そういう点を配慮して、これから概略御質問いたしますが、まだ答弁者がそろっていないそうでありますから、消費者行政を含めて基本的な問題はあとのほうに譲るといたしまして、まず日本農林規格の内容についてお伺いをいたします。
 日本農林規格の発足当初は生産物の規格でありましたが、最近、加工食品が非常にふえてまいりまして、これが農林規格の中に入ってくるようになりましたが、歴史的にも非常に浅いので、不十分な点が非常に多いのではないか。また普及度等においてもまだまだ不十分な点が多いのだろうと思います。そこで、新しい品質の基準は、現行のものと比べて具体的にどういうふうに整備をされているのか、また新しく設けられます表示の基準から栄養関係の分を除いておるわけでございますが、その除いた理由、それから原材料、成分表示等の関係で明確な基準を定めることができるのかどうなのかという点、それから、ちょっと見た目で簡単に識別ができるもの、こういうもので表示の基準を定めない物資というのは一体どの程度の範囲のものなのか、こういう点についてまず御説明願いたい。
#109
○政府委員(小暮光美君) まず第一点のJAS規格の内容でございますが、御指摘のように、この制度が発足しました当時は、いわば素材と考えられますような一次的な原料について仕事が始まりました。その後逐次加工食品に及ぶということでございまして、加工食品におきます規格でも、これを品質の内容をあまりも高度にいたしますと中小企業が、このごろありますかん詰業者、びん詰業者等がついてこられないというような問題もございまして、初めは制度の趣旨を徹底するという観点から、比較的ゆるやかな規格を設けたようなわけでございます。最近、これらの点につきましては、加工製造面の技術も高度に発達してまいりましたし、消費者の面からもさまざまな要請がございますので、内容の向上に次第に心がけるようになりまして、逐次規格の内容を改めております。たとえば加工食品につきまして、四十四年度中にJAS規格の改正を行ないました品目を申し上げますと、モモかん詰、洋ナシ及び和ナシのかん詰につきまして規格を改めまして、単に内容となります果実の品質だけでなしに、二つ割りあるいは四つ割りといったような形状等の基準等についても特に規格を定めた。また、シロップづけの表示等についても、人工甘味料を使用したかしないかということを明らかにするというふうに、内容を詳細にいたしております。その他トマト加工品あるいは即席めん、干めんといったようなものにつきまして、それぞれ内容の改善をはかっております。なお、しょうゆ業界のように、先ほどちょっと資料で申しましたように、非常に普及度の高い業界でございますが、こういう業界も、ある程度の水準で九〇%以上の普及度までもってまいりまして、さらに業界打って一丸となりまして内容をよくしようということになりまして、ただいま内容、成分、これはたん白質等表示されるわけですが、そういうものの引き上げを寄り寄り協議中でございます。
 第二点の栄養の問題を表示から除いた点は、これは厚生省の所管に栄養改善法という法律がございまして、この栄養改善法に基づいて厚生省が栄養の観点から規制をいたしております。この点を厚生省の行政にゆだねるという趣旨でJASの表示からは除いてございます。
 それから原材料等の表示の問題でございますが、これにつきましては、技術的に可能な限りこれを盛り込むという方針でございます。ただ、ものによりましてまだ現在の技術では製造されましたあとにこれを正確に識別しがたいものもございまして、サンプリングをして検査しても、正確に識別しがたいものまで表示させることは、JAS制度の健全な運営の上から無理があると思いますので、そういったものは控えておりますが、技術的に検出可能なものは、できるだけ消費者の要望にこたえて原材料を明らかにするような方向に規格の改正を試みております。
 なお、簡単に識別できて、特に表示の義務を負わす必要がないと思われるものはどういうものを考えておるかという点につきましては、たとえば初期の段階からやっております素材、これはマクラギとか、あるいはカマスとか、そういう取り扱いますものが、一般消費者でなくて、要するに一次製品あるいは資材ですから、これを買うほうもいわば専門家であるといったようなもので、ものそのものが一次産品である。こういうものについては、特に表示の義務を課する必要はないじゃないか、表示の義務は一般大衆が消費する、購入する加工食品等に重点的にこれを行なうという考え方でございます。
#110
○北村暢君 答弁者がそろったようですから、最初に質問を戻しましてお伺いいたしますが、まず、この法律を提出するに至りました経過は、消費者保護基本法の制定に伴いまして、その附帯決議等において、農林物資規格法の改正をすべきであると幾つかの点が指摘せられて、この改正案が出てきておると思いますが、さらにその附帯決議の中で述べられている点があるわけでございますが、それは現行の食品衛生法あるいは栄養改善法、農林物資規格法、不当景品類及び不当表示防止法等を通じて食品の表示等においてそれぞれの担当官庁がこれを担当していくために、どうも食品行政がうまくいってないのではないかという批判がありまして、今後この行政のあり方について根本的な再検討を行なうことが必要であるという趣旨の附帯決議をされているわけであります。
 そこで、それぞれお伺いいたしたいと思うのだが、まず、この食品関係についてのそれぞれの担当しているものの間にどういうような行き違いがあるのかどうかということについて、第一点、それぞれに御説明願いたいと思いますし、この考え方に立って関係官庁の中でどういう打ち合わせが行なわれているのか。聞くところによると、公取等が中心になってこの食品の規制の問題について検討が進められているというふうにもお伺いしているのであります。これはそういうふうに言っている人がおるのであって、確実な出所がはっきりしているわけではございません。したがって、そういうことが事実検討されておるのかどうかこういう点についてお伺いをいたしたい。
#111
○政府委員(小暮光美君) 最初に農林省側からお答え申し上げます。
 食品行政というのはどれだけの広がりになるかということにつきましてはなお各省間でいろいろ検討いたしております。かなり幅が広くなり得る問題だと思っております。現在食品衛生法、栄養改善法、農林物資規格法、不当景品類及び不当表示防止法という現存の法律がございます。これは法律の運営につきまして、今日ただいま各省間で特段の見解の不一致があるというふうには私は承知をいたしておりません。きわめて緊密な連絡をとりながら、それぞれの法律の運営をいたすように努力いたしております。
 なお、ただいま御審議いただいております法案をこの前の通常国会に初めて御提案申し上げますにあたりまして、農林省原案の作成過程でさまざまな御意見があったことは事案でございます。これはやはり私どものほうで食品の規格あるいは表示の問題を特にその仕事の内容を深めたいというふうに考えまして、幾つかの原案を提示したわけでございますが、それぞれのお役所が所管しております仕事との関連についてやや分析不十分な点がございまして、それらについては御注意を受けましたので、十分関係の各省と御相談の上、これをそれぞれ修正をいたしまして、現在御提案しておるような形のものをこの前の通常国会に御提案したという経過はございます。
#112
○政府委員(吉田文剛君) では公取の立場から御説明申し上げます。
 私どもといたしましては、食品の表示の面の規制は不当景品類及び不当表示防止法という法律がございまして、それにのっとりまして規制をいたしておるわけでございます。ただ、食品行政の現状としましては、衛生面については厚生省、規格面については農林省、表示面については公正取引委員会というふうに所管が分かれておりまして、私どもいままでの不当表示の規制につきましては、これら関係各省庁と緊密なる連絡をとりながら、意思の疎通をはかりつつやってまいっておりますので、特に景表法の運用について格段の不便を感じたことはございません。
 ただしかし、食品行政の現状がそういうふうにいろんな省に分かれているということは、もちろんその間に連絡協調を密接にやればいいわけでございますけれども、やはり私どもとしては統一的な食品法というようなものがつくられることが望ましいことであるというふうに考えているわけでございます。
 それでことしの六月ごろ結論をまとめるという予定のもとに経済企画庁が座長になりまして厚生省、農林省、公正取引委員会の担当官が集まりまして食品行政検討会というのをすでに発足させ、鋭意検討を行なっておる段階でございまして、私どもとしましてはこの検討会における結論を待ちまして食品法の制定が必要であるということになりますれば、その判断に従っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#113
○説明員(鴛淵茂君) 厚生省の立場から御説明をさせていただきたいと思います。
 ただいま農林省、公正取引委員会からお話がございましたように、厚生省の食品行政につきましては食品衛生法とそれから栄養改善法の二つがあるわけでございます。食品衛生法は法の目的が食品による危害防止ということが目的になっております。この農林物資規格法の目的でいわれている物資の向上、改善、生産の合理化、取り引きの公正化等は食品衛生法の目的の中には入っていないわけでございます。したがいまして、立場が違いますので、こと衛生に関する限りは食品全体を対象といたします。それが販売される段階でチェックをするというような形になっておるわけでございますけれども、実際の問題といたしましては、ものによりましては二つの法律が同じものにかかるということはあり得るわけでございます。そういう面は従来から特に農林省関係と非常に関係が深うございますので、規格をおきめになる場合にはこちらのほうで厚生省のほうに御協議をいただきまして、十分な連絡のもとに規格についてはお定めを願っているというような状況でございまして、今後の法律改正に当たりましてもそういうふうな連絡協調のもとにやっていこうというようにお話し合いをしておるわけでございます。
 また表示に関しましても適正の立場からきめたものが公取でおやりになっています表示の関係と非常に関係が深い場合もございます。これもよく連絡をいたしまして現在この運用をはかっているところでございます。先ほど公取委員会のほうからお話がございましたような食品行政検討会で検討されておりますこの結論が出ましたら、その結論に従って措置をいたしたい、そのように考えておるわけでございます。
#114
○北村暢君 いまの御答弁で、この法案を提出する以前の問題として食品行政のあり方について検討されており、六月ごろ結論が出される、こういうことのようでございますが、若干内容にわたってお伺いしたいわけなんですが、検討会において論議せられておる状態を若干説明願いたいのですが、実はこの論議の内容が、結論が出る方向について現在それぞれ法律に基づいて担当している食品関係についての行政面において、新たに統一的な行政機構をつくって、そうして一元的に政府の機構として食品行政をやっていく、そういう見通しというものがこの結論の中に出てくる可能性があるのか、ないのか。そういう論議が行なわれているのかどうなのかという点についてお伺いいたしたいと思います。これはどなたでもけっこうでございますが、検討会における内容をひとつ御説明願いたいと思います。
#115
○政府委員(小暮光美君) 食品行政検討会は、経済企画庁が主宰者ということで農林、厚生、公取、三省が参加してやっております。これまで食品行政の現状をまず調査、検討し、それから長期的視点からいわゆる食品法制定の必要性を含めて、食品行政のあるべき姿とその実現の方途について検討しよう、こういうことで設けられたというふうに承知いたしております。昨年十月末に第一回の会合を持ちまして以来、おおむね月二回集まっております。これまでに表示の問題、あるいは食品添加物の問題、あるいは監視体制の問題、それから苦情処理の問題等食品行政の当面しております問題点について、それぞれ各省がかかえております問題点を出し合いまして、これらの問題について相互に理解を深めた段階でございます。
 なおこれまでの検討の経過から申しますと、きわめて短期間にいわゆる行政機構の改革までやって、食品行政の統一をはかるということは、現在の行政の仕組みから見まして必ずしも容易でないというふうに判断されます。ただ、統一的な行政機構を将来に向かって求めていくということの必要性は関係者ひとしく頭においておりますが、当面相互に所管の問題について連絡を緊密にしながら食品行政の統一的な運営をはかるということが必要なのではないかという認識が深まっておるというふうに承知いたしております。
#116
○北村暢君 これは公取、厚生省、そういう認識で差しつかえございませんか。
#117
○政府委員(吉田文剛君) ただいま農林省のほうから申し上げたとおりでございます。
#118
○説明員(鴛淵茂君) 厚生省のほうといたしましても同様でございます。
#119
○北村暢君 そうしますと、六月までに食品行政の改善の問題について検討はするが、その結論が六月を目途にやっておるようですが、短期間の検討では抜本的な政府行政機関の統一、言ってみれば農林省、厚生省、公取からこの関係のものが抜き出されて企画庁なら企画庁というところに行政の機構も一元化してしまうというようなことはとても可能性がない。そういうことではなしに、食品行政の統一的な運営について、関係官庁が意思統一ができるような機関を見出していこう、こういう程度のことであるというふうに理解して差しつかえございませんか。
#120
○政府委員(小暮光美君) 御指摘のとおりでございます。
#121
○北村暢君 そうしますと、この附帯決議で言っております食品行政を統一的な方向において検討しということは、いま言った程度のことはさしあたりできる、しかし将来について、このあり方についてなお検討を深めていく、相当長い期間かかるだろうと思うのですがね。統一的食品規制の制度を検討しということで、この統一的食品規制の度制というのが附帯決議に言われている。これが行政機構のことまで含むのかどうなのかというような点については、これは若干問題があるのだろうと思うのです。
 実は消費者団体の動きとして、生産者に直接つながりのある農林省が規格を設け、監督をしていくというのは思わしくないという考え方があるようです。したがってそういう点からいって、何か運動をやっている団体のほうからいうと、行政機構まで統一をして、生産者に直接かかわりのない消費者行政を担当するような役所に、この規制を一元化すべきであるとか、こういうようなことで、しかもそれが公取等において検討をされて近く実現するかのごときような説明を私ども聞いているわけです。こういうことは、そう簡単にはいかないということのようでございますがね。先ほど公取にお伺いしたのは、何か公取でそういうものを準備しているのだとかなんとかということを聞いておったものですから、この検討会とは別に公取独自として何か考え方があったのかなかったのか、ここら辺も含めて、見通しについては農林省から、それから後段の問題については公取から御答弁願いたい。
#122
○政府委員(小暮光美君) 消費者保護基本法の制定の際の附帯決議では、御承知のように統一的な観点から、食品の表示に関する制度のあり方、その運用について根本的な再検討を早急に行なうというような御指摘がございました。これらの点につきましては、先ほども申し上げましたような統一法の制定の必要性ないし可能性の問題も含めて、経済企画庁を中心に関係各省で協議をいたしておりますが、先ほど申し上げたような現段階での認識ということを申し上げたわけでございます。ただ長期的な視点に立って各国のさまざな制度等も十分精査し、その発生の沿革等につきましても理解を深めながら、今後に向かって食品行政を統一的に強力に行なうために、どのような仕組みがよろしいかということについて、関係各省で検討を続けることは私どもは必要だろうというふうに考えております。
#123
○政府委員(吉田文剛君) 公正取引委員会としては、先ほど先生御質問ございますように、消費者団体のほうからは統一的食品法をつくれという強い要望がございました。ただ、そういう要望はございましたけれども、私どもだけで先ほど申し上げましたように、関係各省庁の食品行政検討会と別個の立場で、公取独自の立場で、統一的な食品法ということは特に現在検討はいたしておりません。ただ統一的な食品法ができるということは私どもとしては非常に望ましいことであるというふうに考えておりますけれども、これは私ども単独でできることではございませんので、先ほど申し上げました検討会にわれわれも参加をいたしまして、そこでもって各省庁と十分意見を戦わせ、審議を尽くした上で、それでその結論に従っていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#124
○北村暢君 大体様子はわかりましたがね。どうも意見がへんぱになるといけないと思って私はしつこく聞いているわけなんですが、公取という役所は小さい役所なんで、農林省という膨大な、大きな役所にねじ曲げられてあまり公取の意見が通らない、それで消費者団体は農林省が一番けしからないのだ、こういう意見を率直に聞く。それからまた厚生省のほうも、食品衛生法の改正を消費者保護基本法のときに附帯決議で、改正しなさいという附帯決議がある。それを改正することによって、それが食品規制法という形で改正をされる、いまの農林省の行なっている食品行政というのが全部厚生省に移るかのごとき意見が、正直にいってわが党の中にもそういう意見があるわけです。そういうことでこの食品行政の一元化の問題をめぐって非常に困難な行政機構の改革を伴うような長い将来にわたっての検討事項が、何かしらどっかの省に一元化して簡単にいけるような錯覚を起こしている。これは私どもの党の責任者の中にもそういう感じを持っている人がおるわけです。だれが一体これをデマを飛ばしているのか、どうも非常に疑問を持たざるを得ない。
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
これはできもしないことがさもさもできるようにして、消費者をあおって消費者団体と称するものが実現可能なような錯覚を起こして、この農林規格法の改正についても反対をするという動きが出ているやに聞く。これはどうも私はあやまった情報に基づいてどこかの省がこの消費者団体に知恵をつけて運動をやっているというふうにすら受け取れるような動きがある。それはそういうことはない、あるべきはずでないのですが、そういうふうに受け取れるような動きがある、これに対して公取や厚生省でお気づきの点はございませんか。
#125
○政府委員(吉田文剛君) 私どもとしては、消費者団体等からそういう意見の開陳、陳情があったということはこれは聞いております。しかしそれを私どものほうで、すぐ簡単に統一的な食品行政あるいは統一的な食品法というものが簡単にできるというふうに申したことはないと思います。これは公取だけでそういうことは簡単にできるものではございませんし、やはり現在の、衛生は厚生省、規格のほうは農林省、それから表示は公正取引委員会、こういうふうに分かれておりまして、行政機構の問題もからみましてそう簡単にできる問題ではないというふうに私は考えているわけでございます。ただ、統一的食品法ができるということは、非常に望ましいというふうには考えております。したがいまして、私ども単独にこれを自分の役所の力だけでできるのだというようなことは申しておりませんし、またそういうふうに考えてはいないわけでございます。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
#126
○説明員(鴛淵茂君) 厚生省のほうでは先ほど御説明申し上げましたように、食品衛生法で衛生面の取り締まりを行なう各都道府県に監視員がおりまして、実際の消費者の方に密着した取り締まりをやっておりますために、法律の改正というと、まず手っとり早く食品衛生法を改正してそれで食品関係のものをやったらどうだというような御意見はすぐ出るわけでございます。
 それからいま非常に消費者の方が問題になさっておりますのは、うそつき食品を何とかしろというようなことが非常に御要望としては多うございます。ただ現在の食品衛生法では御存じのように衛生面からの規制でございます。この衛生と関係のない、ただ量目をごまかしたり、あるいは違う品物を入れたり、しかしそれは食べても毒にはならない、健康に害を及ぼさないということであれば、私どものほうでは現行法ではどうにもならないわけでございます。それを何とかするようなことを考えろというような御要望がございまして、特にその中で衛生的に説明がつくようなもの、これにつきましては、現行の食品衛生法の範囲内で政省令の改正をいたしまして、特に表示等については昨年の七月にたとえば容器、包装に入れられたすべての食品は表示をしなければならないというようなことでございますとか、あるいは栄養面の規制等をやったわけでございます。そういうふうな現在の厚生省でできることにつきましては最善を尽くしてやっているわけでございますが、将来の問題としては、やはり現在、先ほどお話しに出ました検討会の結論が出た上で処置をしたい。非常に大きな問題でございますので、その上でやりたいということで、法律の改正までは及んでないというのが実情でございます。そういう気持ちでおりますので、扇動等をいたした覚えはないわけでございます。
#127
○北村暢君 大体様子わかりましたが、どうも消費者団体の行動についても、理解の不足のために何か動きが、誤解されている面があるように思います。これは一つには、やはり消費者団体に正しくそこら辺の事情というものが説明されないというと、厚生省へ行ったときの説明と、農林省へ行ったときの説明と、公取へ行ったときの説明とが、お互いにニュアンスが、我田引水のような説明をするとこんがらかってしまう。したがって、そういう面に食品行政の混乱が私はあるんじゃないかというふうに思います。したがってそういう点が正しく政府の検討の状況なり、結果というものが消費者団体に伝わることによって、私はまた消費者団体の動きも変わってくるのじゃないかと思うのです。私どもの耳にする範囲においては、非常にゆがめられた形で消費者団体にそれぞれ伝わっているというふうに受け取れる節が多い。したがって、そういうところが消費者行政なり食品行政なりの一体化ということが言われるゆえんだろうと思うのであります。でありますから、こういう点については関係各省で十分この意思統一がなされて、ばらばらな、主観的な説明がなされないように、政府部内において連絡を密にしてもらいたいということを特に私は要望しておきたいと思います。これについて農林大臣からひとつ見解をお伺いしておきます。
#128
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま御指摘のことはたいへん大切なことだと存じます。農林省は単に生産者のことばかり考えているわけではありませんで、いまは特に物価のことにいたしましても消費者に対する行政に重点を置いて、流通改善等を試みておるわけであります。先ほど来お話のございました食品行政のことにつきましても、食品行政検討会にはわがほうも積極的に参加をいたしまして、その結論に従って措置してまいるというたてまえを堅持しているわけでありますので、御注意のありましたような点につきましては、政府部内において十分戒心をいたしまして、大衆の期待に沿うように政府としても努力をいたしたいと存じております。
#129
○北村暢君 次に、対象品目の範囲についてお伺いいたしますが、対象品目の範囲の拡大はどの程度になされ、そしてどのような効果を期待をしているのか、このことをまず御説明願いたいと思います。
#130
○政府委員(小暮光美君) 先ほども申し上げましたように、現在JAS規格が設定されておりますのは五十四品目、三百三規格でございます。ただこれだけでは国民生活に重要な意味を持ちます品目が全部網羅されておるというふうには考えられませんので、私どもといたしましては、加工食品を中心に、特に問題を生じやすい農林物資につきまして、なお、あと四十ないし五十品目について適切な規格を設ける必要があるんじゃないかというふうに考えております。そのうちさしあたり四十五年度におきましては、冷凍食品、それから即席食品の中の粉末飲料、それからアイスクリーム、チーズ、つけもの、食酢、水産ねり製品、ウニびん詰め等につきまして新たに規格を制定するところまで仕事を進め得るという準備が進捗いたしております。それらのものにつきましても、できるだけ準備を急ぐようにいたしたい、このように考えております。なお、あと四十ないし五十品目というふうに考えます場合には、やはりどのように急ぎましても、なお四年程度かかるのではないかというふうに観測いたしております。
#131
○北村暢君 次に規格の格づけの問題についてお伺いいたしますが、従来の各都道府県条例でもってきめてまいりました格づけを、今回全国統一的に格づけの方法をとることになったわけでありますが、その理由と効果についてお尋ねをいたします。
#132
○政府委員(小暮光美君) 規格につきましては、やはり農林大臣が定める規格でございます。ただ格づけの方法につきましては、実は都道府県が格づけを行なっておりますものは、主としていわゆる農産物でございまして、加工食品等ではございません。これらの農産物につきましては、沿革的にも実は農産物検査という法体系との関連で、各県がやってまいったというような経過がございます。それらのものが沿革的にJASの中に組み込まれたということでございまして、格づけの方法につきまして、たとえばサンプルのとり方とか、そういったものについては、それぞれの県条令に基づく仕組みがそのまま生きておったというような実情でございます。御承知のように、交通通信も発達しまして、よほどの特産品でない限り、やはり県を越えて流通するように相なっております。格づけの方法につきましては、農林大臣がこれを一律に定めるということに今回改めたいというふうに考えております。
#133
○北村暢君 次に、認定工場の問題についてお伺いいたしますが、認定工場はその品目によりまして、先ほどの資料説明にもありましたように、非常に差があるようです、工場数について。認定工場の比率というものは、非常に低い品目もあるわけなんですが、この認定工場制をとりまして、認定を受けない工場というものが相当数あるわけなんですが、こういうことでこの制度の目的が達せられているのかどうかということについて疑問を持つわけなんです。それから認定工場の場合、サンプルの抽出率を低くしたり、抽出も工場にまかせてやっておる、格づけ検査前にJASマークつきのものが、印刷がもうすでにできておったりするというようなことで、この認定工場制というものが、何かしら信用をとる道具になっているんじゃないか、いわばこの規格法、表示その他を含めて、どうもこのJASの信用度というものに隠れて――大メーカーの製品はJASなんか必要ない、かえって程度の悪い工場の製品がJASを悪用する、こういうようなことすら言われておるわけです。したがってこの認定工場制度というものが、どのような効果をあげ、今後の指導としてどのように考えているのかという、この点についてお伺いしたい。
#134
○政府委員(小暮光美君) 御指摘のように確かにものによりまして認定工場制に乗りやすいものと乗りにくいものがあることは事実でございますが、ただJAS規格は第三者格づけというのが原則でございまして、自分でつくったものに自分で格づけするというわけにまいりませんで、第三者機関である検定協会あるいはものによっては都道府県とか食糧事務所が格づけする、この大原則は曲げるわけにいかないだろう。そこでこの原則のもとでできるだけ工場生産制で大量に能率的に加工食品ができますようなものを第三者格づけというたてまえとどう調和させたらよろしいかというところから出てまいったのが認定工場制度でございます。したがいましてこれは品質管理が的確に行なわれている工場ということで認定工場といたしたいというのが方針でございまして、必ずしも有名であるとか有名でないとか、大規模であるとか小規模であるとかいう基準ではございませんで、きわめて小型の工場でございましてもやはりこれが品質管理を十分やっておるということが確認されますれば、これを認定工場にするというふうに考えております。
 それからJASの信用とこの認定工場制との関連から申しますと、御承知のようにJASはいわば第二義的にそういう格づけをいたしたいということをいわば名乗り出て第三者機関に格づけしてもらってやる仕事でございますから、JAS制度にあまりきびしい罰則は一般的にはないのでございますけれども、この認定工場につきましてはそういう第三者検定のものにつきまして格づけの下準備と申しますか、そういうものを自分である程度やれるように認めるわけですから、これが不適当な行ないがありましたときにはこれに罰則を適用するというような法体系にいたしてございます。従来それが申し合わせの仕事でやっておりましたので、罰則がはっきり適用できなかった、今度の法律の改正をお願いしてこれははっきりと法律上の制度にいたしますれば、そういう点についての監督も非常にめりはりがはっきりしてくるように考えております。
 なお、そのほかに別途JASにつきましては、第三者格づけによって格づけして流通しましたものを国の責任で随時抜き取り検査するという仕組みもまた別途ございます。これらの制度と相まちまして、品質管理が十分できる工場を認定工場というふうにいたします限りにおいては、JASの信用は担保されるというふうに思います。
#135
○北村暢君 次に、今回の改正で輸入品にまで対象を拡大したわけでございますが、国際的な規制というもののほうがはるかにすぐれておって、国内の制度とは非常に差があるというふうに言われております。それで一体輸入品についてJASを適用していくということについてどういう影響が今後考えられるのか、運用の方針についてお伺いしたい。
#136
○政府委員(小暮光美君) 御承知のように完成した加工食品という形での農産物の輸入も近年次第にふえてまいっておりますので、これらのものを消費者保護の見地からやはり格づけ並びに表示の義務という新しい法律体系のもとにこれを組み込む必要があるだろうという観点で輸入品についても本法を適用することにいたして立案しておるわけでございますが、その格づけの仕組みとしては規格は国内の同一のものの規格と同じようにいたしたい。日本国内に流通いたします場合には日本国内での規格に基づいてこれを格づけするというふうにいたしたいと思います。むしろ外国のそういう品質と国内の品質との統一と申しますか、それを合わせていくという問題は別途国際規格の問題として国際機関とも十分相談しながらわれわれとしても十分検討を進めていきたいと思います。その際輸入品は御承知のように輸入港に大量に船で入ってまいります。そこで税関その他の手続もございますし、必ず一度倉庫に入るというのが通例の形となっております。しかも日本のJAS規格についての加工食品の検定の仕組みとか、そういうものは実は輸出農産物、輸出林産物といったものと一緒に発達してきた経緯もございまして、格づけ機関の事務能力はおおむね港にも全部ございます。そこでこれらのものを輸入港におきまして倉庫で一定のサンプル理論に従って抜き取りましてその内容、品質等を確認してこれを格づけるということで行ないたいと思っております。なお国内で表示の義務ということを新たに設定いたしますとすれば、その面からも必要のある場合には輸入品を一緒に表示の義務の中に組み込むという必要もあろうかと考えております。
#137
○北村暢君 次に、今度新たに品質の基準とその表示の制度が義務制度として新たにできたわけでございますが、一体そのやり方について、新たな制度でありまするので、この表示の適正化を完全に期待するのにはどのような程度の期待ができるのか。さらにこの表示の問題についてでありますから、不当表示については公取の関係であり、それとの関連においてこの表示制度というのはどのような形で運営されるのか、この点お尋ねします。
#138
○政府委員(小暮光美君) 新たに表示の義務を定めました場合に品目を選ぶ段階がまず最初にあるわけです。やはり問題の性質上、これは品目の選定をまず農林省だけでやるということでなくて、先ほど来御議論もございました厚生省、公取、企画庁等とも十分協議いたしまして国民生活の安定のために特に必要があると思われるものを各省協議して品目を定めたいと考えております。したがって品目は政令指定ということになっております。それから農林物資規格調査会運営の面で、従来農林大臣が規格を定めるという仕組みでございますから、農林物資規格調査会はいわばそういうものについての高度の技術的専門家というようなものを大部分集めて審議いたしております。いまの表示の義務づけというようなことで品目を選び、あるいは表示の内容をきめるということになりますと、これは単に食品加工技術面だけの知識でなくて、消費者行政その他全般の問題について識見を有する者の活発な意見の開陳を受ける必要があると思いますので、そういった面からの意見の聴取ということも特にいたしたいというふうに考えております。これらによって表示の問題については十分これを適正に運用してまいりたいと考えます。
 なお、不当表示との関連は、これは申し上げるまでもなく公正取引委員会の仕事として、不当な表示がございました場合にこれを撤回させるという、きわめて強力な取り締まり行政が別途ございます。そこで、私どもが今回の法律で考えております表示の義務づけにつきましては、これに従わなかった場合の制裁を、むしろ、まず従うようにという農林大臣の指示、それでもなお従わないときに、しかるべき方法でこれを天下に公表するという、いわば経済的、社会的な制裁を加えるというような形で、公正取引委員会の不当表示に対する撤去命令、摘発という取り締まり的な行政との間に一線を画しておるというようなかっこうに相なっております。
#139
○北村暢君 今度の改正、または今後の見通しとしてもこの規格の問題、表示制度の問題という面において行政面が拡大をしていくという点について、当然制度の権威を持つ意味においても、その監視機構というものは、特別にやはり考えられなければならないんじゃないかというふうに思いますが、一つの方法として、国の輸出品検査所を活用して監督をするというふうな考え方もおありのようですが、この監視機構としては、管理体制としてはこれで十分なのかどうなのか。今後、この消費者行政なり流通行政というものについて重点的にやっていかなければならないというのは、従来こういう面について農林省が非常に手薄であったということは、もう何回かの農林省の機構改革の際にも言われているわけなんです。一体、この制度の運営に当たる監視機構というのはどういうものを考えられておるのか。現状では私は非常に不十分じゃないかと、こういうふうに思われるんですが、見解をお尋ねしておきます。
#140
○政府委員(小暮光美君) 監視制度の問題につきましては、私どもも、今後この制度が表示の義務づけという問題でもあり、質的に仕事の内容が広がり、それから先ほど申しましたように、今後約四年くらいの間に、さらに三十ないし四十品目の規格をつくりたい、大体問題のものをそれで網羅したいというふうに考えておりますことから、横に仕事も広がるということでございますので、これらの仕事の広がりに即応いたしまして、今後もできるだけ適切な業務の体制を確立したいというふうに考えております。
 ただ当面、現在行なっております行政の水準から考えまして、これも、今後さらに水準を高める場合のことはさておきまして、現在の行政の水準から考えますと、今回農林省設置法の改正をお願いいたしまして、全国十カ所で定員三百名の輸出品検査の仕組みがございまして、これは、先ほど申しましたように、加工食品、びん、かん詰め等を中心とするJAS制度の仕事の広がりから見ますと、立地的にもかなりうまくかみ合う。そこで、これらの仕組みを使いまして、十分に市販されておりますJAS格づけの商品をサンプルして、これを随時検査する、あるいは先ほど御指摘のございました認定工場等につきまして、定期的に巡回指導し、あるいは不意打ちに検査する、こういうようなことを、十カ所の輸出検査所を使って、正式にこれを行ないたいというふうに考えています。そのほかに国の職員が直接でございませんが、予算をもちまして食料品消費モニターという仕組みを現在考えております。まだ規模といたしましては全国で二十都市、千二百人という程度でございますが、今後これも逐次拡充してまいりまして、このモニターから随時持ってきてもらった商品、それをいまの輸検を使って検定するというような形での間接的な監視もあわせて行ないたい、かように考えています。
#141
○北村暢君 最後に私は、この食品行政について、最近不当表示等において、かん詰め等においても馬肉が牛かんになって出たりなんだりしておるような不当表示の問題が次々あがっております。これは公取がそういう指摘をするようなものが少なければ少ないほど、農林省の食品行政が徹底しているということになる。こういうものがどんどんどんどん出てきておるということは、いかに農林省の食品行政というものがでたらめであるかということを証明しておると思う。しかもそういうものが非常に多いわけです。また衛生面においても添加物の問題をめぐって非常に問題が起こっておる。
 で、私は見かけだとか色とかでもって物を買う習慣というものを、これはやはり消費者教育のほうも徹底してやらなければならない問題だろうと思うんですが、何でもきれいに見せればよろしいというので、さらし粉などを入れてさらしているために、衛生面からいっても望ましくない食品というものが出回っている。これは食品衛生の上からの監督の立場はもちろんありましょうが、品質管理の面からいっては、やはり農林省のほうに行政面においても私は非常に責任があるんだと思うんです。どこの官庁の責任のなすり合いでもないわけですが、とにかく農林省がほんとうに食品行政として、もっと徹底した行政が末端まで行なわれていれば、そういう問題は少なくなるはずです。それが今日、非常に騒がれているということは、消費者もまたそのために騒いでおりますし、当然のことなんです。
 そういう意味において、今回の改正をめぐって、私はこの農林省の食品行政に対する今後の態度として、もう少し行政のあり方として、いままでの不十分であった点について、重大な反省をすべきであると、このように思います。したがって、この法律改正をめぐって、そういう批判の内容に、消費者の立場というものを十分反映したところの行政をやっていただきたい、この希望を申し述べて、私の質問を終わります。農林大臣の所見をお伺いしておきたい。
#142
○国務大臣(倉石忠雄君) 御指摘の点は全く同感でございまして、われわれもその必要を痛感いたしておるところであります。幸いに御審議願っております法律が成立いたします機会に、十分意を体しまして、国民大衆に納得のいかれるような消費者行政をやってまいりたいと存じます。
#143
○沢田実君 消費者保護基本法が審議されました際、食品衛生法、栄養改善法、農林物資規格法、不当景品類及び不当表示防止法を通じて
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
食品の表示が、海外諸国に比して立ちおくれておる。かつ消費生活の実態にも適合しなくなっている、そういう点にかんがみまして統一的な観点から食品の表示制度のあり方とその運用について根本的な検討を早急に行なうことという意味の附帯決議が付されておりますことは先ほど来お話のあったとおりであります。さらに今年の三月七日には総理府の諮問機関であります国民生活審議会の消費者保護部会において食品法とも言うべき統一法をつくるべきだという議論がなされているようです。先ほど来の厚生省それから公取の御意見を聞きましても、そのような審議を待ってそして積極的にその方面に進んでいきたいという意味の御答弁がなされております。農林省だけが独走して、なぜこの法律を早く通さなくちゃならないと、こういうものを提案なさったかということなんです。農林省としては、まだまだ重要な案件がたくさんございます。米一つにしてもたいへんな問題でございますし、農地の問題にしてもたいへんな問題です。総合農政を推進するのにはたいへんな問題があるのにもかかわらず人手を要するこのようなものをなぜ農林省が独走しておきめになるのか、その点をまず大臣にお尋ねをしたいと思います。
#144
○国務大臣(倉石忠雄君) 法律を提出するに至りました経過につきましては先ほどお話し合いがあったとおりでございます。もちろん農林省はいろいろ仕事はたくさん持っておるわけでありますが、先ほど来お話の企画庁が中心になってやってくれます食品の検討会、これについて積極的にわれわれも参加いたしまして、その出ました結論を尊重してそのようにいたしたいという政府部内の一致した見解でございます。それまでの間にもやはり消費者大衆にいろいろな御不満を与えておるわれわれとして、また行政府として、いつも考えておることは、その間行政を渋滞させるということはよくないことでございますので、できるだけ早くそういう期待に沿うようにいたしたい、こういうことで本案を急いで提案をいたしておるわけでございます。
#145
○沢田実君 いま一番問題になっておりますのは、私はうそつき食品を追放し、国民の生命と健康を害するようなものをなくしようという問題だと思います。どっちかといいますと、農林省でお考えになっているのは、規格をつくってよりいいものをつくろう。よりいいものをつくることに反対ではありませんけれども、国民の健康と生命を尊重するという考え方が一番問題になっておるんじゃないかと思います。それで諸外国の食品法規等を見ましても、西ドイツあたりの食品法規等を見ますと、非常に厳格な禁止条項がございます。またフランスあたりの食品制度を見てみますと、疑惑行為について非常に厳格な規定をつくっているようです。こういうようにわれわれの生命と健康を尊重する、あるいはまたうそつき食品を追放するということが私は先でなくちゃならぬじゃないか、こういうふうに思うわけですが、この点について局長、どうでしょうか。
#146
○政府委員(小暮光美君) 御指摘のとおり、俗にうそつき食品といわれるようなものが間々問題を起こしておるわけでございます。これらのものにつきましては農林省といたしましても、たとえば食品衛生の立場からはかりに許容される添加物あるいは着色剤等であっても、やはり不必要にものの品質を誤認させたり、消費者を迷わせたりすることにそれが使われます場合には、これをやめたほうがよろしいのじゃないかというような角度から指導をいたした例もございました。これらの点につきましては私どももあらゆる機会を使って、生産面からの指導の強化につとめたいというふうに考えております。なお品質の規格を農林物資規格法に基づいて定めてまいります場合にも、たとえば人工甘味料等の使用をしているか、いないかというようなこと、これは商品価値としての判断をしてもらいますことのほかに、やはりその食品の品質そのものを消費者に確認してもらう、こういう意味もございます。そういった面について規格をできるだけ適切に定めるように努力してまいっておる次第でございます。
#147
○沢田実君 現在の食品衛生法ではそういうものがだめであることは承知しております。したがって、わが党では食品衛生法の改正案も提案をしておるわけですが、それと同時に、現在のうそつき商品については日本の刑法等ではなかなか詐欺罪というわけにまいりませんので、そういうものを取り締まることが大事じゃないか、そういう意味では私はフランスの食品制度なんというのは非常に参考になるのではないかと思います。そういうわけで総合的にやっていかなくちゃならないわけでございますけれども、この法案が通りますと、うそつき食品について、どの程度これが防止できるのかということのお尋ねをしたいわけですけれども、うそつきにも量目のうそつきもございます、ラベルのうそつき、成分内容のうそつき、品質、鮮度のうそつき、あるいは栄養効果等のうそつき、製造方法のうそつき、生産地のうそつき、値段のうそつき等々、数えあげればいとまのないほどいろいろなうそつきがあるわけですが、それがはたしてこの法律で若干でも防止できるのかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
#148
○政府委員(小暮光美君) あらゆる面をカバーできるかどうか、これはちょっと問題でございますが、何と申しましても食べ物の問題としてこれを考えました場合に、原料として何が使われておるか、消費者はぜひこれを知りたいと思うでしょうし、製造したものはそれを消費者に知らせるべきだと思います。そういった原材料の面あるいは添加物の面、こういったものにつきましては、当然規格の中にもこれを明らかにいたしますほか、表示の義務をつけます場合には当然これが表示の義務の一つの中心的な項目になるというふうに考えております。なお、そのほかにJASの場合には、利用方法あるいは貯蔵方法、そういったような商品としてこれを利用する面での手引きといったようなものまで表示の義務の中に入れておりますが、そういった面を含めましてやはり消費者が適切に商品を選択ができるようなもの、これをだんだんふやしていく、そういうよいものをふやしていくという角度から、逆に悪いものを駆逐するということにつながるのではないかというふうに考えます。
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
#149
○沢田実君 消費者保護ということをおっしゃいますので、消費者保護はたいへんにけっこうなんでございますけれども、はたして農林省という省の性格といいますか、立場上、はたして消費者保護ということがほんとうにできるのかどうか、その辺が私は疑問です。本来、産業育成の責任を持っている官庁でございますので、ほんとうに業者保護にならないかどうか、こういう点が疑問です。なぜそれなら消費者保護じゃなくて業者保護の疑いを持つかといいますと、まず食品衛生法を改正しようなんということですと、これは政令を改正するのでもたいへんな反対があります。ところがJASについては業者も非常に賛成しているらしいようなことを考えてみますと、消費者と業者とは利害が相反するわけですけれども、業者がみな消費者保護になるからけっこうですといって賛成しているのは、表面そう見えますけれども、実質は先ほど来申し上げておりますような国民の健康、生命と健康を守るというような面からあるいは義務行為を追放するというような面から積極的に消費者を保護するというような面は薄いんじゃないか、こう思います。
 それからもう一つは、農林省が業者保護に通ずるといいますか、そういうことを強く持っていらっしゃるというふうに判断をいたしますもとはチクロの問題ですけれども、いろいろ問題がありまして、最初は農林省もたいへん勇ましくのろしを上げたように記憶しておりますが、そのうち業者の製品等がたいへんだということで厚生省に対して農林大臣から圧力がかかったというふうなことが実は新聞に報ぜられております。そんなわけで、あのチクロの問題のときは非常に国民の健康ということよりも業者がたいへんな製品をストックしているからここで一ぺんに販売を停止してしまいますと業者が倒産をするということで厚生省に圧力をかけたというような記事が何べんか出ておりますことを考えますと、まさに農林省のほんとうの考え方は、消費者保護より業者保護だ、そういうふうに考えられる節があるわけですが、その辺についてはいかがでしょう。
#150
○国務大臣(倉石忠雄君) 農林行政の基本的な使命の一つは、国民に対する優良な食料品の供給の確保ということであることは申すまでもございません。したがって、食品の品質の向上をはかったり、食品に対する消費者保護にわれわれもまた万全を期することは農林行政の重要な課題であるという認識をわれわれは持っておるわけであります。ただいまのお話で、産業官庁が消費者行政を担当することは適当ではないのではないかというふうなお話でございますが、産業官庁と申しましても消費を考えない生産というものはおよそ考えられないのではないかと思うのでございます。私どもは、消費者に受け入れられるような適正な食品を生産者に供給してもらうということが言うまでもなく産業発展の基本でございますので、消費者の利益と産業の利益は決して対立するものではないと、このように考えておるわけでありまして、農林省が、先ほども北村さんに対するお答えにもちょっと申し上げましたが、なるほどわれわれはいま申し上げましたような製品で生産を強力に推進してまいらなければならない一面を持っておりますが、しかし、物価その他を考慮いたしまして、やはり農林省の予算でもその大半は消費者流通機構の改善等にも御指摘のように使っておるわけでありまして、私どもの立場はやはり一方に偏しておるという、そういう行政をやっているつもりはないのでございます。この消費者行政、ただいまフランスのお話がございましたけれども、やはり国民の口に入る食料につきましては、たとえばイギリスでもアメリカでも生産の品目によりましては農務省の担当に属しておるものもたくさんあるような次第でございまして、農林省といたしましては、もしわれわれが生産者にのみ偏しておる行政を考えておるというふうな御判断が一部にあるならば、それはたいへんに私どもの考え方を誤解いたしておられると思いますので、なお私どもの立場、政府の立場をこれからもよけい鮮明に出して消費者行政について十分な関心を持っておることを御理解を願いたいと思います。
#151
○沢田実君 大臣がそういう抽象的なおことばでおっしゃいますとそのとおりのように聞こえるわけですけれども、具体的な問題、これは局長でけっこうですが、いまチクロの例をあげましたが、こういうふうに非常にわれわれの身体に、健康にたいへんな影響を与えるというチクロに対して、先ほど申し上げましたような態度をおとりになったのはどういう根拠に基づくものか承りたいと思います。
#152
○政府委員(小暮光美君) チクロの問題につきましてはこういう経過がございます。
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
 昨年十月に、まず最初にチクロが問題だという話が入ったときですが、時期が十月でございまして、農産物を秋に大量に加工してびん、かん詰めにいたしましてこれから約一年間で売りさばく、こういう仕事がございます。そこでちょうどその仕込みの時期でございますから、その段階で問題となっておるチクロを使うか使わないか、これは生産に携わる加工業者にとっても、あるいは原料を供給しております農民にとっても、あるいはこれを取り扱う問屋にとっても重要な関心事であったわけです。そこで私どもとしては、そういう疑いのあるものはこの際新しい収穫期に農産物を加工する際には使わないことにしようじゃないか。まず使わないということによって問題のこれ以上の拡大を防ぐということを自主的にやりながら厚生御当局の御判定を待とう、こういう角度で、当時確かに農林経済局の企業流通部が中心となって、食品加工業者と相談してチクロ措置をいち早く自粛したという事実が秋にございます。ただその際に、それがまだ厚生省が禁止したわけでもございませんし、食品衛生法に基づいてはっきりと添加物として認めるとしたわけですから、きわめて合法的にチクロを使ってつくってしまった食品がたくさんあるわけです。これらのものにつきましては、私どもは医学的見地からの判定はわかりませんから、厚生省のほうでそれの食品衛生上の意味を十分御審査の上でそれに照らして可能な限りこの既製食品が無事に消費流通していくようにお取り計らい願えないだろうかということは、きわめて迅速に自主的に使用をやめるということと同時に、すでに合法的につくったものについてはその処理について医学的に認められる限りの御配慮をいただきたいということはそのときから申し上げておったわけであります。しかし規制の当初においては、きわめて短期間の猶予期間ということで厚生御当局が御決定になったらまあこれに従うということであったわけでございますが、その後においてアメリカ等におきましてチクロ入りの加工品の摂取の態様その他から見てもう少し猶予期間を伸ばしてもいいじゃないかというような動きが起こりました。それらのことを聞きまして、私どもといたしましては、もしそういう事実があるなら厚生御当局についてすでに合法的につくられたチクロ入りの食品の流通猶余期間について、食品衛生上の見地から再検討をお願いいたしたいということを前大臣が御発言になった、こういうことでございました。
 このような経過をお聞き取りいただけば私どもの態度は終始一貫しておったというふうに御理解いただけるのではないかと考えます。
#153
○沢田実君 事情はわかりましたが、なかなか理解できません、これを見ますと。それはそれでまた後日にいたしまして、次の問題にまいります。
 次は農林省がどういうふうに消費者の立場を取り入れていくかということなんですが、それについては実際の保証が必要なわけでございます。それでJAS制度の運営に当たって、消費者の意見を反映させる、こういうようなことで、農林物資規格調査会の構成というようなことを考えていらっしゃるようですが、その調査会について現在どういう運営をしていらっしゃるか、また将来消費者代表をもっとふやすようなお考えがあるかどうか、その辺のところを若干承りたと思います。
#154
○政府委員(小暮光美君) 農林物資規格調査会の特に加工食品部会でございますが、ここにおきましては従来、農林大臣が食品の規格を定めるその際に、その規格の内容について調査審議するという形でこの仕組みが発足いたしました。そこでこれは加工食品の含有量をどういう形で規格として表示するかといったような高度に専門的な問題でございまして、私をはじめ担当の課長あるいは食糧研究所のしかるべき担当者といったような、当該官庁の職員も正式にメンバーに入る、また関係の者といたしましてはメーカーの代表とおぼしき者がかなりの数入っております。そのほかに学識経験者が三名、消費者代表が三名といったような形でこれまで運営されておりました。ただ、私ども今回の法改正を契機といたしまして、先ほど来御指摘のような、たとえば表示を義務づける、その品目を選ぶといったような問題もございます。さらに消費者保護基本法の精神等にもかんがみまして、規格の問題を消費者保護の観点からも十分さらに検討する必要があるということで、委員の構成を大幅に直すことにしております。で、これは法律改正を持たずしてやれる部分がございますから、かつて三名であった学識経験者を現在六名にいたしております。それから消費者代表とおぼしき方が三名であったのを六名。ですから学識経験者と消費者はそれぞれ二倍にいたしました。メーカー代表と分類できる者がこれまでは七名でございましたが、これを六名ということに減らしまして、学識経験者六名、消費者代表六名、メーカー代表六名、それに私どもが参加する、こういう形に改めております。
 なお、その運営につきましては、すでに本年二回ほど全員懇談会というのを開きまして、具体的にたとえば乾めんの規格をきめるというような会議でございませんで、朝からJAS制度全体の運営について、あるいは添加物の問題についてといったような題目を選びまして、終日全員が発言するといったような懇談会をすでに二回持っておりまして、たいへん活発な御議論もございまして、また私どもさまざまな面から激励され、あるいはしかられ、非常に有益でございますので今後も可能な限りこういった催しはひんぱんに開きたいというように考えております。
#155
○沢田実君 いま消費者の最も望んでいるのは添加物の規制なり表示の問題であろうと思います。この点については食品衛生法との関係がありますが、JAS制度においては添加物問題をどう取り扱っていくのか考え方を承りたいと思います。
 また新たに設けられる表示義務制においては添加物を表示させることとするのかどうか、方針をお聞きしたいと思います。
#156
○政府委員(小暮光美君) 食品添加物につきましては、まず制度の基本は申すまでもなく厚生御当局が判断いたしまして、食品衛生法に基づいて添加してもよろしいものを公示するということが――一般的にはまず禁止しておいて、添加してもいいというものを具体的に告示する、こういうかっこうになっておりますから、JAS規格の仕事をやります場合にも大前提は、厚生省の指導に従って認められた添加物しか使っていないということでございます。
 ただ、その場合には先ほども申しましたように、いろいろ添加物というものも使い道があるわけでございますから、それが適切な使い道に使われておればよろしいんですが、消費者に品質を誤認させたりすることに役立つような形、あるいは全く保存のため、あるいはその他の観点からして必要がないのに品質を誤認させるために使うといったような使い方があり得るわけです。こういった問題につきましては、その添加物そのものは食品衛生法で認められておってもJAS規格の中では品目によってはそういうものを使わないということを規格の内容として定める、こういうことも心がけておりまして、たとえばトマト製品について御承知のように色を赤くするのは食品衛生法で認められた幾つかの赤色の色素があるんです。しかし、その色素も使わないということを規格の内容にすれば、そういうトマト製品の規格を守ったものでなければJASの表示はできない、こういう形になりますので、そういった点については食品の品質の向上という観点から十分配慮をしてまいるつもりでございます。したがいまして、これらの規格に基づいて表示の義務を設定いたします場合、必要に応じ添加物についても要表示事項の中に含めることは十分可能でございます。私どもとしては必要なものについてはそのように措置いたしたいと思っております。
#157
○沢田実君 最後にもう一点お尋ねをしたいんですが、これは先ほど北村先生からもお話がございましたが、食品行政を担当するには何といっても監視機構が大事になるわけですが、ところが農林省はその監視機構が非常に弱い、こういうふうに思います。そこで厚生省では全国の保健所に食品衛生監視員というのがたしか一人ずつおるらしいですけれども、それでも現在の健康に害ある範囲までがせいぜいでそれ以上のことはもうできない。うそつき食品までは手が出ないような状況です。したがって監視機構というものを拡充するのはこれはたいへんなことになると思います。
 そこで先ほどから農林省は若干独走したんじゃないかということを申し上げたわけですが、まあこういう、これはうわさですが、もあります。そんなことはないと大臣おっしゃると思いますけれども、先ほど来局長は四年くらい先まで見通して、その規制の食品も多くしていきたい。そうして体制も確立していきたい。ちょうどそのころ食糧問題もいまとは違った体制になって、全国の食糧検査事務所の人たちも手がすいてくるんじゃないか。そういたしますとその人たちをこちらのほうに回せばたいへん助かるというような、そういうところで農林省が独走しているんだというふうなうわさもあります。おそらく大臣、そんなことはないと御答弁なさると思いますけれども、そういううわさもございますので、監視機構の拡充ということと、それからそういううわさについてのお考えをここで明らかにしておいていただきたいと思います。
#158
○政府委員(小暮光美君) 事務的な点だけ先に私から申し上げます。監視機構につきまして先ほど北村委員からの御指摘のときにも一つお答えが落ちたと思います点もございますので、あらためていまの機会に申し上げておきますが、食品衛生法に基づいて末端で監視するという仕事と、農林物資規格法に基づいて第三者格づけの仕組みの、まず第三者格づけですから、自分で格づけをするのではない。財団法人なり社団法人なり公益法人が第三者格づけ機関として格づける。それをさらに国が随時サンプルを抜き取ってそのとおりであるかどうかということを国の責任においてチェックする。この仕組みとは仕事の性質がやや違うとは思います。しかし食品衛生の場合は御承知のようになまで冷やっこを食べる場合、あるいはさしみを食べる場合、あるいはお客さんに水を飲ます場合というのも非常に多いわけです。そのほかに加工された食品がまた加増される場合もありますが、それらのものについて文字どおり随時随所で抜き打ち的に立ち入って、食品衛生法が守られておるかどうかということを監視なさるという仕事と、工場等である品質管理のもとに生産されましたもの、これについて第三者格づけという仕組みを国の監視で補完するという仕事では、おのずからこの仕事の態様が違うんじゃないか。したがって全国津々浦々の町村に、たとえば一人ずつ配置しておくというような必要性はないだろうと思います。ただ長い将来を考えますと、現在は加工食品のことばかり言っておりますけれども、たとえば生産者団体がかなり本格的なプレパッケージの体制をつくるというような時期が私は来るんじゃないかと思います。何年先になるかわかりませんが、しかしそういうものは必ず出てくるだろう。そういうようなことになりますと、そこでの包装、量目、品質についての格づけといったものも日程にのぼってくるのではないか。そういうことまで考えますと、将来に向かっていまの体制でいいということは考えられない。しかし当面現在の技術の水準なり、行政の水準から考えられる仕事の範囲ということを考えますと、まあ定員三百名でございますが、十カ所に港に配置してございます輸検を十分活用するということで、従来に比較して格段と実績をあげることができるのではないか、かように考えておるわけでございます。
#159
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま法案を急いで出しておるのは農林省の独走ではないかというようなお話がございましたが、もちろん結論といたしましてはしばしばここでお話し申し上げましたように、食品行政検討会の結論を待って、その趣旨を尊重して実行に移すという政府全体の方針がきまっておるわけでありますが、ただいまの状態で私どもは消費者保護の行政の立場から考えてみまして不十分であるということを前々から考えておりますので、本案の提出をいたしたわけであります。この提出につきましても、各省間において十分協議をいたしておりますし、また、その運営に当たりましても関係各省と十分協議を整えて運用するわけでございますので、決してわれわれの独走ではないわけであります。
#160
○向井長年君 この法律を今国会にいつ提出されたのですか。あわせて、これは国会運営の問題で政府を追及しようとは思っておりません。一応この法案は、政府は国会にいつ提出されたか、まずそれを聞きたい。
#161
○政府委員(小暮光美君) 三月十六日の提出になっております。
#162
○向井長年君 この法案が、この会期のきょう一日――もう五、六時間しかないのですよ、会期が。ここで趣旨説明がきょうなされて、われわれがいま審議に及んでおるわけであります。この状態を過去の慣例から見た場合に、しかも参議院に回ったのは二、三日前だと私は記憶しておるのでありますが、その間には重要な農林法案があったはずであります。ということで判断いたしますと、農林省はこの法案をそう重要視していないのじゃないか。それであるならば、急いでこんな会期末にばたばたと――私もこの趣旨説明、先ほどから読んでいる範囲では何を質問しようかと一生懸命考えているのです。そういう審議のあり方はない。これは必ずしも政府の責任じゃありませんよ。国会運営の責任もあります、これは。しかし、やはり熱意というものがあって――しからば何ですか、大臣。農地法なり農協法の改正の問題、これについては農林省みずからが腰をあげて、各党のレクチュアにも、ぜひこれを趣旨説明したいからということで事前にやってきたはずなんです。そして、参議院ではこの間、本会議ではまだだけれども、委員会では議決したのです。だから、そういう法案内容においては熱意をもって農林省はこれに当たる。しかし、本案についてはそんなことは来たことがない。だからやはり、私はこういう法案はいろいろ消費者の立場もあるし、消費者団体の立場もある。したがって、こういう会期が迫った最後に、国会運営でわれわれも責任ありますけれども、しかし、政府の熱意というものが必ずしも今国会であげてもらわなければ困るという法案じゃないんじゃないかという私は推察をするのですが、この点いかがですか。
#163
○国務大臣(倉石忠雄君) 私どもは御審議を願って早く成立をさしていただきたいという立場に立っておるものでありますから、あんまりいろいろなことは言えないと思いますけれども、私どもは法案を提出いたします場合に、いずれも緊急な、大切な法律案であるという考え方に立っておることは当然であります。
 先ほど来申し上げましたように、本法についても私どもは当初からぜひ早く成立を期待いたしておったのでありますが、提出をいたしました後には皆さんのほうの国会に御一任ということではないかと思うのであります。われわれといたしましては、いままでの農地法、農協法その他の法律を審議中にも、担当の者どもはそれぞれ各党政調会のところに伺って御趣旨の御説明を申し上げたり、いろいろやるべきことはよく承知しておりますけれども、いま国のほうはこれこれこういうことをやっているというところで――いろいろ段取りもおありのようでありますので、気はあせっておるのでありますけれども、なかなかわれわれの思うようにいきませんでしたのはまことに私もどうもたいへん残念でございますが、御審議時間が非常に短かくて御迷惑ではありますけれども、どうぞひとつ、おくれて来たから云々という差別は全然ございません。何ぶんひとつ慎重御審議の上、ぜひ成立いたしますように御協力をお願いいたします。
#164
○向井長年君 いまもほかの委員から言われておるように、慎重審議といったところで、これはもう実際あと五、六時間――というよりも、理事会のほうでは質問時間をできるだけ短くして、早く、五時か六時ごろあげたいと、こういうような話もあるようです。しかし、そんな慎重審議している時間もないでしょう、事実上。国会議員というのは、大臣も同じでしょうけれども、それ以上忙がしいということはわかるのですが、非常に忙がしいですよ、おのおのが。国会開会中はその他の委員会もあり、あるいは過去において相当に予算委員会において日程がとられました。その予算委員会のあの忙がしいさなかに農林省からわざわざレクチュアに来てくれたでしょう。これは局長ここに来ましたか。来ないでしょう。いま大臣は各党の政調等にそれをやっていますとおっしゃっていますが、あの予算委員会の非常に多忙なときに、われわれがやっているときに、農地、農協法の問題は一生懸命に趣旨説明をしましょうと。きょうぐあい悪いからあしたにしてくれ。
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
それじゃあさってどうですか。こういう熱意をもって来られたわけなんです、あの法案については。ところが本法案については最終日になって初めて出た。だから、大臣は同じ法案として熱意をもってやっているのだということをおっしゃるでしょうけれども、慎重審議というならば、必ずしも今国会であげなくても、次期国会でもいいんじゃないか。趣旨には賛成です。趣旨には賛成いたしますが、そういう感じを持つわけです。そんなことをあまり言ってもしかたがないから、それは意見として聞いていただきたいと思う。
 そこで、一体JASというのは何ですか、これは。これはここにもありますように日本農林規格でしょう。そういう答弁になってくると思うのですが、このJASという問題について、なるほど農林省部内なりあるいはまたわれわれ議員なり一部の生産者なり各所では理解されていると思いますが、国民全般が実際これを理解しておるか、知っておるかというと、そういうJASに対するPRというか、農林省が真剣に取り上げているこの問題これについてどういう形において消費者あるいは国民全般にPRしているか、この点まずお伺いしておきたいと思います。
#165
○政府委員(小暮光美君) JAS規格の発生の沿革からは、先ほどもほかの御質問のときに申し上げましたように、わらかますとか木材とか、いわば素原料資材といったようなものから始まりまして、その当時にはあまりPRの活動もございませんし、また、消費者からの関心も薄かったことは事実でございますが、逆に、数年前から先ほど来御指摘のうそつき食品の問題、たとえば馬肉かん詰め問題、ああいった角度からいろいろのおしかりを受けましたが、逆にそういうおしかりの中からいろいろ御議論申し上げ、一体どういう仕事をたくらんでおるのかというようなことから種々業界等にも御説明し、そういう面でいろいろ御理解を深めていただいておるわけでございます。ただ、役所としては消費者に対しましてJASの問題についての啓蒙ということを直接役所がいたしますよりは、JASにつきまして協会がございます、その協会が消費者に対しますテレビ、映画等の利用による啓発あるいは特にアンケート等をとりまして、JASについての知名度を調べるというようなことをいたしております。この協会を通じてやらしております知名度の調査も逐年向上いたしております。しかし全体として確かにこの制度に対しては、一部では非常に強い期待があります。JASによって食品をめぐるあらゆる問題を解決しようということで、非常に強い期待と要望がございます反面、一般に知られていないということがあることは事実だと思います。私どもその点については、今後また特に工夫をいたしまして、趣旨の徹底をはかるように努力をいたしたいと思います。
#166
○向井長年君 時間がないようですから、また私自身も不勉強だから、質問はできるだけ簡略に終わりたいと思いますが、いま言われましたように、国民全般JASという問題についてはまだ理解しておりませんよ。これに対してせっかく国民の、あるいはまた消費者の保護、言うならば良質の品物を自由に選択してもらう、こういう立場から真剣に取り組んでいる以上は、国民にもっと理解できる、あるいはまたわかりやすい一つのPRというものが十分なされなければならぬと思うのです。実際私もこの間JASの問題で法案が出て、地方でJASを知っていますかと聞いてみた。何のことですかと、一般の諸君は知らない。特定の諸君は知っておりますが、したがってその問題は、農林省、所管庁として十分PRする必要があるでしょう、こういうことをまず要望として申し上げておきたい。
 そこでまず消費者に良質な信用ある品物を自由に選択してもらうという問題から、これは公取にもお聞きしたいのですけれども、非常に不当表示がなされておりますね、現在。これに対してはどういう態度をもって臨むのか、先ほどもちょっと答弁がありましたけれども、現実に私は、実はこんなのきのう買うてきたのです。宿舎に一人おるものですから。くだものじゃ困るものですから、かん詰めで買ってきた。私自身が、JASの問題知っているから、これを買った。これ見てみなさい。りっぱなものですよ。JASマークがちゃんとついてますよ。これがついて合成甘味料添加と書いてあるのですよ。いいですか。これでは先ほど沢田委員が言われたように、厚生省の問題があり、あるいはそれに対する農林省の問題があって、若干それに対するなには延期されているようだけれども、売れません、あれが出ている以上は。したがいましてこれをちゃんと張りまして、これ張ったらりっぱなものだ。「ミカン」、そして「全糖」と書いてある。こんな不当表示をし、消費者保護どころか消費者をごまかしている。こういう問題については、現在あるのですよ。こういうものがあるから、早くこれをやらなければいかぬのだと、おそらく行政庁言われると思うのだ。しかし現にこういう問題があるものに対してどういう調査をし、どういう取り締まりをやっておるのですか。特に公取もおるのだから聞きたい。りっぱなものですよ。そこで大臣、あなたこれはひとつ買って見本として持ちなさい。これは私買ったのだから私あれしようと思いますけれども、りっぱなものだ。JASマークだ。そしてこれを巻いて、消費者をごまかして、「全糖」だといって店に出ておりますよ。これについて農林省はどういう態度をもって今後取り締まろうとするのか、あるいは公取はこれに対して、不当表示に対してどうおやりになるのですか。これをお聞きしたい。
#167
○政府委員(小暮光美君) 後ほどその資料はお預かりして、製造年月日その他よく調べますが、こういう事柄があるということだけひとつ御理解いただきたいのですが、チクロ入りのかん詰をつくってはいけないということになりました時期がございます。御承知のように、先ほど来御議論があったとおり、急激にきまったので、チクロの禁止が。そこでその段階ですでに膨大な数量の空かんが空かん会社の手でそれぞれのパッカーの注文のもとにすでに印刷済みであった。十月というのは、それから突貫作業で一年分のミカンかん詰めをつくる時期ですから、その数カ月前に当然それぞれの製かん会社が色刷りのかんをつくっておった。たださえチクロの手持ちの在庫があるのが売れなくなる。そこにすでに膨大な数量のかんが発注してある。それを全部かんをつくり直すということは、企業にとっては耐えがたいショックである。そこで厚生当局と十分御相談の上、これについて、チクロを使わないで全糖ということでつくるのであれば、その空かんをわかりやすく書き直して、ですから印刷のものをペンキ等でその部分書き直しておるものもございます。それから全部をくるっと巻いてしまうというのもありますが、そういう形で使うことを認めた。そこで、その限りにおいては、もしその製造年月日等がそのように相なっておれば、いま申したような便法との関連があるかもしれない。いずれにいたしましても、現物についてよく調べてみたいと思います。
#168
○向井長年君 公取さんにはあとで答弁聞きますが、そんなことは幾ら言われても、少なくともこういう形になれば、全糖じゃないものを適当にカバーして売ってもいいということになるのですよ、事実上は。したがって、もしやるとするならば、かんが幾らあっても、その人工甘味料というのを消してほんとうならそこに全糖と書けばいいじゃないですか。そのくらいのことをやらすべきですよ。だから、中身は私は食べてないからわからぬけれども、中が全糖でなければ食ってみなければわからぬというようなそれだけではそれは審査になりませんよ。したがって、その問題については、少なくとも人口甘味料が出ておるならば、これを消して、こういう何をする前にそこで明確に表示するのがあたりまえじゃないですか。JASマークがついているのですよ。ついて、しかもこうカバーしておけば疑惑を持つのはあたりまえでしょう。こんなものはすぐはがれますよ。そういうものはごまかしですよ。言うならば消費者保護でなくて、消費に対して生産者が売れないためにああいうかっこうにしておるととられても何ら文句を言うあれはないですよ。だから、そういういま局長が言われたようなことじゃなくて、これについては事実そのものを明確に表示しろと、ああいうカバーだけじゃなくて、こういうことで指導するのがあたりまえじゃないですか。
#169
○政府委員(小暮光美君) かんそのものを抹殺して表示を直す方法とはがれないように張る方法を認めたわけですが、私どもとしては、これらの指導の徹底をさらに強化したいと考えます。
#170
○向井長年君 現にはがれておるし、はがれるんですよ、そんなことを言うたって。少なくとも明確にかんの表示を変えればいいじゃないですか、JASマークついておる以上は。そのことを行政府としても指導を的確にやっていくことが正しいじゃないですか。そうしなければ、業者は売ってしまえばしまいなんだから、かんあけたら買い戻さすことができませんから、したがってこれは全糧だなと思って買いますよ。中はそうじゃないというごまかしが出てくるじゃないですか。そんな頼りない不明確な形においてそういう問題の取り扱いは、私は行政上間違っておるのじゃないか。私自身がだまされたのだ、いま見ますと。だからその点についてお聞きしたいと思う。
#171
○政府委員(小暮光美君) ただいまのものについてもし人工甘味料が入っておれば、これには罰則を適用いたします。
 それからかんの問題につきましては、御指摘のような指導を強化することにいたします。
#172
○政府委員(吉田文剛君) ただいまちょっと現物を拝見いたしましたけれども、われわれといたしましては、不等景品類及び不当表示防止法の第四条で品質、規格その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であるというふうに消費者に誤認させる表示、これが不当表示であるといたして禁止をいたしております。これに違反する者があれば排除命令あるいは行政指導でやめさせるというふうなことでやってきております。過去におきましても、全糖というレッテルが張ってありながら中に人工甘味料が入っていたというものに対して排除命令を出した例はございます。したがいまして、本件につきましても、さっそく内容と表示が違うかどうか調査をいたしまして、不当表示防止法に照らしまして必要な処置をとりたい、こういうふうに考えております。
#173
○向井長年君 それは相当各所に出ていますよね。そういうものが今日まで調査されないことについては、やっぱり公取のほうも人は足らぬにしても、厳格にそういうものに対しては取り組まなきゃならぬじゃないですか。出たからこうだというのじゃなくて、待っているのじゃなくて、積極的にそういう一つの規定がある以上は、それに照らして各所でときどきそういうものを審査をすべきじゃないかと、こう思うわけなんです。だから内容が、農林省のほうから中は全糖になっているということになっているが、これはわかりませんよ。しかし、これまではその間に毎日やはりこれは消費されていっているのでしょう。消費されていっている以上は、早くこういう問題については審査をしなきゃならぬ立場にあると思うのです。だけれども局長のほうから、カバーするだけではいかぬから、今度はこうやると言っていらっしゃるから、今度はそんなことはないと思いますけれども、これは厳重にひとつ取り締まりをしまして、ほんとうに消費者が良質なものを自由に選択できるような保護の立場に立たなきゃいけない。これだったら、先ほどの沢田君の質問じゃないけれども、生産者を保護する以外の何ものでもないという感じを受けるじゃないですか、消費者は。だからその点は十分ひとつ判断されて善処をお願いいたしたいと思います。
 いろいろと申し上げたい点があるけれども、時間がないようですから、私はこれで終わります。
#174
○委員長(園田清充君) 他に御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(園田清充君) 御異議ないものと認めます。
 これで暫時休憩いたします。
   午後五時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時三十五分開会
#176
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 農業者年金基金法案を議題といたします。
 休憩前に質疑は終局しておりますので、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#177
○河田賢治君 私は日本共産党を代表して、農業者年金基金法案に反対する討論を行なうものであります。
 本法案は、去る昭和四十二年総選挙に際して、佐藤首相が行なった「農民にも恩給を」「老後の生活安定」という公約、宣伝とは全く異なり、真の老後保障の拡充を切実に要求してきた農民の期待を著しく踏みにじるものとなっているのであります。わが党は国民の老後保障は、本来、総合的かつ無拠出年金制度によって、すべての国民にひとしくなされるべきだと考えるものであり、当面、農民の老後保障は、国民年金の掛け金の引き上げを伴わない給付水準の大幅引き上げの方向で行なわれるべきものと考えるのであります。
 しかし、今日、わが国農民が、政府・自民党の長年にわたる反農民的な農政のもとで、「農業だけでは生活できない農民」「後継者のない婦人と老人にたよる農家」を数多くつくり出し、さらにいま、強制的な米作削減、食管制度のなしくずし、農産物自由化の急激な大幅拡大政策によって、中小農民を中心に、その経営と生活は、決定的な追い打ちをかけられ、政府の抜本的離農政策のもとにさらされているのであります。こうした条件のもとで多くの農民が、「農民にも恩給を」という強い要求を掲げていることはきわめて当然であります。
 以上の立場から、わが党は、農業者の年金について、
 第一に満五十五歳からすべての農民に老後の生活を真に保障し、安心して農業に従事できる給付を直ちに行なうこと。
 第二に、老後保障は国が責任をもって行なうというたてまえから、給付は大幅な国庫負担で行ない、掛け金はできる限り低額とすること。
 第三に、資金の運用は、農民自身の手で民主的に運営することを原則とし、農民の生活改善、福祉施設の拡充などをはかるために主として使用し、大企業などに回す財政投融資に使用しないこと
 などを骨子とした農民年金の創設を積極的に主張するものであります。
 しかるに、政府提出法案の内容は、
 第一に、農地法、農協法改悪と並んで、総合農政を農民に押しつけ、大多数の農民の切り捨て、一部上層農民育成をねらう離農促進年金であることです。被保険者を原則として内地五十アール、北海道二ヘクタール以上とし、離農政策の集中的攻撃にさらされている零細農民を除外し、離農一時金を向こう十年の期間つきで支給し、これをえさに早期離農をはかろうとしているのです。しかも、最も切実に老後保障拡充を要求し、運動を展開してきた高齢者農民については、五十五歳以上を除外するなど、農民の期待に著しく反するものとなっています。
 第二に、給付内容において、実質的に老後保障を放棄し、経営移譲年金給付に露骨な差別的給付を行ない、これを事実上唯一の目的とした内容となっている点であります。
 すなわち、同じ七百五十円の掛け金をとりながら、経営移譲農民には六十歳から六十五歳まで、月一万六千円、六十五歳から月千六百円の経営移譲年金を給付の三分の一国庫補助によって差別的に支給する一方、経営移譲しない、あるいは、し得ない農民に対しては、国庫補助のつかない老齢年金をかろうじて掛け捨てにならない金額、月四千円にとどめ、しかも農民の意思を無視し、任意加入である国民年金の所得比例給付に自動的に強制加入させるという老後保障のうたい文句とは縁もゆかりもないものであり、農民の間に、新たな矛盾と対立を持ち込まずにはおかないものと言わざるを得ません。
 第三に、このような社会保障原則から著しくかけ離れた差別的年金制度に加入を強制される上、農民は現在の国民年金定額給付分四百五十円の上に、所得比例分三百五十円、農業者年金七百五十円が上積みされ、妻の国民年金掛け金を合わせると、月二千円と、一挙に大幅負担増となるのであります。
 さらに、制度発足当初の掛け金減額措置に対する一人三百二十一円の国庫補助の打ち切りは、掛け金引き上げにそのままはね返り、老齢年金給付はスライド原則がない上に、給付に対する国庫補助が全くないことから見て、その引き上げもまた掛け金負担増によるしかない本法案は、現に過重な諸負担に苦しんでいる農民に将来大きな負担と犠牲を押しつけ、他の年金制度に例を見ないほど収奪的性格を持つものになっている点であります。
 最後に、こうして集められた年間約二百億に及ぶ基金財源まで、農民の生活改善、福祉事業にはほとんど回されず、財投運用はもとより経営規模拡大のための農地取得資金とその融資につぎ込むなど、本来の年金資金運用の原則を投げ捨て、上から下まで離農促進のねらいに貫かれた本法案にわが党は強く反対するとともに、わが党は大多数農民の強い要求である真の老後保障の確立を先に述べた骨子に基づき、早期に制定することを重ねて要求して討論を終わります。
#178
○委員長(園田清充君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 農業者年金基金法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(園田清充君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 藤原君から発言を求められておりますので、これを許します。
#181
○藤原房雄君 ただいま可決されました農業者年金基金法案について附帯決議案を提出いたしますので、御賛同願います。
 案文を朗読いたします。
#182
○委員長(園田清充君) おはかりいたします。藤原君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(園田清充君) 多数と認めます。よって、藤原君提出の附帯決議案は多数をもってここに委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
#184
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの附帯決議につきましては決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと存じます。
#185
○委員長(園田清充君) なお本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#187
○委員長(園田清充君) 次に、農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。御質疑のある方は御発言を願います。――別に御発言もなければ質疑はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#188
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#189
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#190
○委員長(園田清充君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお本院規則七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#192
○委員長(園田清充君) 次に、農林物資規格法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は先刻質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#193
○藤原房雄君 私は公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました農林物資規格法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行なうものであります。
 反対理由の第一は、現在食品に関する表示の規制関係法として、独禁法、不当景品類及び不当表示防止法並びに食品衛生法があります。一昨年、消費者保護基本法が成立いたしまして以来、これら関係法の抜本的な整備強化を要望しているにもかかわらず、本法改正案をもって既存の法体系の中で整備しようとすることは、制度の統一化に反し、行政上の混乱を助長するものと思うのであります。
 第二に、本改正案は、消費者保護のためのものであるとしていますが、昨年三月国民生活審議会消費者保護部会は、食品表示制度についての意見を政府に提出し、「農林物資規格法改正案のうちの表示義務制の措置は、表示の統一化への配慮を含めて再検討すべきものである」と批判しております。また各消費者団体もこぞって本改正案が真に消費者の利益にならないことを理由に反対の意思を表明しているのであります。
 第三に、国民の健康の保持増進をはかるために真に有効な食品法の成立を望む声が高まってきており、食品の表示に関する規制についても、この法制の中に盛り込むべきであることはすでに世論となっているのであります。
 わが党はこれら世論の動向を受けとめ、斬新的な食品法案を国会に提出いたしました。
 以上述べましたように、本改正法案によりましては各方面から指摘されている行政上の混乱を防ぐことができないのであります。その上今後新製品等がますます増加し、今日問題となっている弊害は一そう高まるものと思われ、これによって行政上の混乱が激しくなるばかりでなく、消費者の利益を著しく阻害することになることは明らかであります。
 以上の理由により、本法律案について反対の意を表明し、討論を終わります。
#194
○委員長(園田清充君) 他に御発言もないようでございます。討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#195
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 農林物資規格法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#196
○委員長(園田清充君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 北村君から発言を求められておりますので、これを許します。北村君。
#197
○北村暢君 この際、私から、自民、社会、公明、民社共同による農林物資規格法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。
 以上であります。
#198
○委員長(園田清充君) おはかりいたします。
 北村君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#199
○委員長(園田清充君) 全会一致と認めます。よって、北村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
#200
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと存じます。
#201
○委員長(園田清充君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#203
○委員長(園田清充君) 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。
 昨十二日、北村暢君の理事辞任に伴い、理事に一名欠員を生じておりますので、この際理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に村田秀三君を指名いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#205
○委員長(園田清充君) 次に継続調査要求についておはかりいたします。
 農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#207
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#208
○委員長(園田清充君) 次に委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 農林水産政策に関する調査のため、閉会中委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#209
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#211
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#212
○委員長(園田清充君) 次に請願第一三号基本農政の確立に関する請願外五十五件を議題といたします。
 本委員会に付託されております五十六件の請願は、一応専門員のもとで整理してもらい、本日の理事会において審査いたしました結果、総合農政関係三件、果実の貿易自由化関係二十四件、米の生産調整関係六件、林業関係六件、その他六件、以上四十五件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、農業者年金制度関係九件、畜産関係二件は保留とすることに意見の一致を見ました。
 つきましては、理事会の審査のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#214
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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