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1970/03/10 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第3号
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1970/03/10 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第3号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第3号
昭和四十五年三月十日(火曜日)
   午後一時十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐野 芳雄君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                吉田忠三郎君
    委 員
                高田 浩運君
                山崎 五郎君
                山本  杉君
                占部 秀男君
                大橋 和孝君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                柏原 ヤス君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
   政府委員
       厚生政務次官   橋本龍太郎君
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生省公衆衛生
       局長       村中 俊明君
       厚生省薬務局長  加藤 威二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       相原 三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○自然公園法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○社会保障制度等に関する調査
 (血液に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 自然公園法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。内田厚生大臣。
#3
○国務大臣(内田常雄君) ただいま議題となりました自然公園法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
 現在の自然公園法は、陸上の風景を保護し、これを適正に利用することを目的といたしておりますが、わが国周辺の海域には熱帯魚、さんご、海藻等美しい海中景観がありますので、これを保護するとともに、これを観賞し、もって国民の保健、休養に資することが必要であり、このため所要の改正を行なおうとするものであります。
 以下、改正の要点につきまして御説明申し上げます。
 第一に、厚生大臣は、すぐれた海中の景観を保護するために、現在のもののみならず、今後指定する国立公園または国定公園の海面に、海中公園地区を指定することができることといたしております。
 第二に、海中公園地区においては、熱帯魚、さんご、海藻等海中の主要な景観要素である動植物の採捕、工作物の新築、鉱物土石の採取、海面の埋め立て、物の係留等を行なうときは、厚生大臣または都道府県知事の許可を受けなければならないこととし、その景観を保護することといたしております。また、海中公園地区の周辺一キロメートルの海面においては、鉱物土石の採取及び海底の形状変更を行なうときは、あらかじめ、都道府県知事に届け出なければならないこととし、必要な場合には、これを規制することができることといたしております。
 第三に、海中公園地区内においては、ごみその他の汚物をみだりに捨てる等利用者に迷惑をかける行為をしてはならないこととしております。
 その他所要の改正を行なうことといたしております。
 なお、この改正法は、公布の日から施行することといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する提案理由の説明聴取のみにとどめておきます。
#5
○委員長(佐野芳雄君) 次に、検疫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。内田厚生大臣。
#6
○国務大臣(内田常雄君) ただいま議題となりました検疫法の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
 現行の検疫法は、制定以来大幅な改正を経ることなく今日に至っておりますが、近年とみに、わが国に来航する船舶及び航空機は増加を示すとともに、コンテナ船の就航、大型タンカーの出現など、輸送形態も大きく変化をとげつつあります。
 このような変化は、わが国のみならず世界的な動向であり、また、伝染病の近時における流行状況の変化にもかんがみ、昨年、世界保健総会において、現行の国際衛生規則にかわり、新たに国際保健規則が採択されたのであります。
 わが国といたしましても、この際、同規則の趣旨にのっとり、検疫制度をその内容に即したものとするとともに、あわせて検疫業務の合理化をはかることとし、この法律案を提案いたした次第であります。
 次に、改正法案の主な内容につきまして、御説明申し上げます。
 第一は、発しんチフス及び回帰熱を検疫伝染病から除くことであります。
 発しんチフス及び回帰熱は、近時、国際航行により伝染するおそれがほとんどなくなり、国際保健規則でも検疫伝染病から除くこととなりましたので、わが国においてもこれらを検疫伝染病から除くことといたしております。
 第二は、検疫所長が、検査を行なうため、貨物の陸揚げ等を指示できることとすることであります。
 近時国際輸送手段としてコンテナによる輸送が大幅に取り入れられてまいりましたが、この船舶内または航空機内での検査には、技術的な困難が伴いますので、その検査に当たり検疫所長が必要と認めるときは、これを検疫所長の指示する場所、例えばコンテナ埠頭等に陸揚げさせ、または運び出させて検査を行なうことができるようにし、貨物の検査を効果的に行なうものであります。
 第三は、衛生的に安全な船舶については、検疫区域で停船させずに、直接に、港に入れることとする道を開くことであります。
 すなわち、現在の検疫方式では、来航する船舶を検疫区域で停船させた上で検疫を実施することを原則としておりますが、衛生的に安全であると判断される船舶については、直接に港に入れる方途を講じ、効率的な検疫を行なえることとするものであります。
 第四は、検疫港及び検疫飛行場の衛生管理を強化することであります。
 現在、検疫所長は、検疫港または検疫飛行場において、検疫伝染病について一定の調査を行ない、衛生措置を行なうこととしておりますが、検疫伝染病に準ずる伝染病についても、これらの措置を講ずる等これをさらに強化することといたしております。
 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#7
○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する提案理由の説明聴取のみにとどめておきます。
#8
○委員長(佐野芳雄君) 社会保障制度等に関する調査を議題として質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○藤原道子君 私は、この際、血液行政についての政府の所信をただしたいと思います。
 まず、第一にお伺いいたしたいことは、血液行政に対する政府の基本方針、これを伺いたい。昭和三十九年の閣議決定に基づいてつくられたものでございますが、この基本方針、これをさらにこの席で明らかにしていただきたいと思います。
#10
○国務大臣(内田常雄君) 血液行政に関する私どもの基本方針でございますが、ただいま藤原委員からも仰せがございましたように、昭和三十九年でございましたか、閣議決定をいたしまして、従来、とかくの問題のありました売血等は、これを極力排除して、国民の皆様方の協力による献血制度を推進してまいるということになりました結果、一時その割合が少かった献血が次第に年とともにふえてまいりまして、最近では、保存血液の九三%でございましたか、九〇数%が献血によってまかなわれる、残りが預血というようなふうになってまいりましたことは、私どもも非常に意を強くいたしておるところでございます。しかし、この献血の量が必ずしも十分でないこともございますので、今度献血量の確保のためには、引き続いて献血思想の普及でありますとか、現在ありますところの献血組織の確立あるいは育成、こういう面にも十分意をいたしまして、そうして計画採血と申しますか、献血による保存血液の需給の円滑を期するような方途をさらに馴致をいたしてまいりたい所存でございます。また、この献血の受け入れ施設などにつきましても拡充整備を行なう必要があると考えておるものでございまして、昭和四十五年度におきましても、血液センターの出張所十五カ所を整備する等の計画を実はいたしております。また、医学の進歩とともに、今後ますます需要が増加すると思われます血液分画製剤の研究開発を進めなければならないと考えるものでございまして、これが実用化について積極的に取り組んでまいる所存でございます。このために、昭和四十四年度において約三千六百万円で国立予防衛生研究所の血液部門庁舎の新設をも行なっておるわけでありますが、血液の有効利用をはかるための冷凍血液の開発でありますとか、さきにも申しました各種血液分画製剤等の研究開発をこれによってさらに進め、昭和四十五年度においてこれに対する研究費をも相当予算案に計上をいたしておる次第でございます。いずれにいたしましても、政府としましては、今後とも献血をさらに推進して、将来は献血一本で、血液分画製剤を含めたわが国の血液需要を推進してまいるのが筋道だろうと考えております。
#11
○藤原道子君 献血に踏み切ったのは、当時、御案内のように、血清肝炎、黄色い血の問題が大きな社会問題になって、売血だから血清肝炎が多いんだ、献血にしたら血清肝炎が解消していくんじゃないかというようなこともあったと思う。そこで、最近まで血清肝炎が一時若干減りましたけれども、また再びもとに返って、現在では二五%程度の血清肝炎患者を出しておる。こういうことでございますが、それについての詳しい報告をいただきたいと思います。
#12
○政府委員(加藤威二君) 血清肝炎の発生につきましては、先生御指摘のとおり、私どもも、売血というものをやめることによって血清肝炎は減っていくだろうという見通しを立てたのでございますが、四十二年あたりは一時血清肝炎の発生の割合がだいぶ下回ってまいりまして、大体一六%、一七%程度の――それまでは二〇%をこえておったわけでございますが、血清肝炎の発生率が下がってまいりましたので、これはおそらく売血から献血に切りかえたその結果であろうというぐあいに観察しておったのでございますが、四十三年度に至りまして、ただいま先生御指摘のように、再びまた血清肝炎の発生率が増加してまいっておるわけでございます。大体二五%くらいにふえておるということでございます。その原因につきましては、この血清肝炎のビールスの実態というものがまだ正確に把握されておりませんので、どこの国でもまだわからない、治療方法もなかなか的確なものがないという状態でございますので、その原因等についてもはっきりわからないのでございますが、結局、献血を行ないます場合の身体検査と申しますか、以前に血清肝炎病あるいは黄だんにがかったというような者からは決して血液をとらないというような措置を今後徹底をしていくというようなこと、あるいは血清肝炎の起こらないような血液製剤というようなものを開発していくということによって、血清肝炎のふえていくことを防ぐよりしょうがないのではないかというふうに考えているわけでございます。
#13
○藤原道子君 私は、一時減ってきたのがまたふえてきたというのは、やり方が安易に流れておるのではないか、こう思うのです。それはなるほどビールスは把握できていない、その原因もわからない、だから世界各国で血清肝炎が皆無になっておる国はない。しかし、大体三%から五%くらいはやむを得ないだろうということになっておりますけれども、一時、一六%に減ったものが、これがまたもとに復活してくる。厚生省の調べでは二五%くらいだけれども、ほかの面での調べでは三〇%というような報告もなされておるのです。これらに対して、もっと真剣に対策を考慮してもらわなければならない。私の周囲にも血清肝炎で悩む人がずいぶんふえてまいりました。これはゆゆしき問題である。この献血問題、血液の取り扱いについても、さらに一そう慎重に検討され、対策をなされますことを強く要望いたします。
 そこで、お伺いいたしますのは、今回、世論を騒がしております東大の付属病院における血漿注射による有機水銀中毒事件、これは重大だと思う。この問題について、厚生省では、いろいろ新聞で発表され、さらにテレビ等でも放送されておりますけれども、どうもまだ真剣味が足りないと思う。基準がはっきり明示してあるのだから、使う人のほうで連続使用しないようにしてもらえばいいんだ、こういうふうなことが言われております。まあ、いずれにいたしましても、事件の経過の概要を簡潔に御説明願いたいと思います。
#14
○政府委員(加藤威二君) 東大で起こりました人血漿の使用事故の経過について、ごく簡単に御説明申し上げます。
 患者は十三才の男子でございまして、たん白質が非常に欠亡するという、これは病気としては非常に珍しい病気であり、また、治癒が非常に困難な病気であるというぐあいに聞いておるのでございますが、そのたん白質の欠亡症というのにかかりまして、東大に再三入院して治療をしておるということでございます。ことしの一月の十三日ごろから、その血漿のたん白が欠亡いたしますので、たん白を補給するということで静脈注射によりまして血漿を入れるという治療を東大のほうで行なっていたようでございます。
 まあ、最初は、東大の輸血部の血漿を使っておったようでございますが、非常に量が要りますので、それが足りなくなりまして、一月の十七日ごろから日赤中央センターでつくりました人血漿、液状の人血漿を使い始め、約二十日間使われたようでございます。それを使いまして約二週間ぐらいたちましてから、患者の状態が非常に悪くなって、胸のうちが非常に苦しくなるとか、その他、たとえば精神不安を起こしたり、あるいは手足や舌のしびれがあらわれ、最後には舞踏病といいますか、からだががたがたふるえるというような症状があらわれまして、最初は何による症状かということで東大で迷われたようでございますが、どうも水銀中毒らしいということで、その水銀中毒に対しまする薬で「BAL」という薬があるのでございますが、それを使用いたしましたところが、若干病状は好転したようでございますが、時すでにおそく、間もなく亡くなられた。二月の十七日に死亡された、こういうことでございます。まだ東大のほうから私どものほうに正式な報告がまいっておりません。再三督促いたしておりますけれども、現在病理学者とかあるいはその他の東大の学者、お医者さんたちが解剖の結果について検討いたしておられるようでございまして、水銀中毒の可能性が非常に濃厚である、しかし、まだ断定はしてないというような話を聞いておりますが、正確な報告はまだまいっておりませんが、水銀を非常に多量にからだに入れましたために亡くなられたという可能性が非常に強いんではないかというぐあいに考えております。
#15
○藤原道子君 水銀が非常に危険なものということはもうわかり切っているのですね。このごろ問題になっております水俣病でも、原因が水銀にあることは、これはもう御案内のとおりなんです。それなのに、薬の中にこれを入れなければ人血漿はできないものなんですか。これから伺いたい。
 同時に、保存血が足りないから、やむを得ず、これを使ったということになりますと、保存血の充足の努力がどのようにされておるのか、これをあわせて伺いたい。第一、献血のときでも、献血車は回っておるけれども、日曜日とか、祭日とか、こうした献血のやりやすい日にこれを回すとか、あるいは夜分にこれをやるとか、もっとPRをするとか、最近PRがあまりなされていないじゃないかと私は思うのですけれども、これらはどうなんですか。さらに水銀を入れなければ人血漿はできないものかどうか、これをひとつお伺いしたいと思います。
#16
○政府委員(加藤威二君) 人血漿は、水銀を入れなければ絶対にできないということではないようでございます。現に水銀の入っていない人血漿もあるわけでございます。厚生省でつくりました生物学的製剤基準というものにもA法とB法というものが書いてございまして、A法では水銀を入れないつくり方、B法では水銀を入れる、こういう二つの製造方法が書いてあるわけでございます。それでは、何のために有害なる水銀を入れるかということでございますが、これは、こういう血液製剤をつくります血が非常に新しい血である場合には、水銀を入れないで、非常に厳密な無菌的な操作で、比較的ロスが少なくて血漿ができるようでございまするけれども、ある程度血が古くなってまいりますると、水銀を入れないでも血漿をつくればつくれるようでございますが、非常にロスが多くなり、五十%ぐらいロスになるという話でございます。そのために血漿というものが――血液をもとにできるものでございまするから、そうたくさん原料があるわけではございません。それだけに非常にロスが多いということは、同時に血漿の絶対量が非常に少なくなってしまう、こういうようなこともありまして、非常に古い血を人血漿にいたします場合には水銀を、一万分の一でございますが、入れると、それによってロスが少なく血漿ができる。これは従来こういう人血漿を治療に使います場合には、たとえば大やけどをして非常にショックを起こした、あるいは手術によって大出血をした場合に一時的にそのたん白を補うというようなことで、これを連続して長期間にわたって使うという例は非常に少なかったようでございますので、そういう水銀を入れてつくった血漿についても、これはまあ二十年ぐらいやっておりますが、少なくとも、私どもはその事故を聞いていないのでございます。あるいは隠れた事故があるかもしれませんけれども、私ども厚生省で知った事故というものはないわけです。今回が初めてでございます。そういうことで、先生お尋ねの、水銀を入れないで人血漿ができないのかという御質問に対しましては、これはできないことではない、しかし古い血を使います場合には非常にロスが多いということでございますので、それをどういうぐあいにロスを少なくして、しかも、なるべく水銀を入れないでそういう人血漿ができないものかどうかということを今後研究する必要があるんじゃないかというぐあいに感じております。
 それから第二点の献血の努力が足りないのではないかという御指摘でございますが、私どもも、現在の献血の体制で十分だという感じはいたしておりません。今後ますます日赤とも連絡を緊密にいたしまして、もっと国民が献血しやすいような体制、こういうものを確立していく必要があるんじゃないかと、こういうぐあいに考えております。いまの体制が十分とは決して思っておりませんで、今後いろいろな方法を考えまして、国民が簡単にといいますか、献血に応じられやすいような体制というものをつくっていく必要があろうと思います。
#17
○藤原道子君 ロスが多いから、だから使わざるを得ない、これは納得がいかないのですよ。確かに人間の生命の一部である血液が献血されて、それをむだにすることは、これはもったいない。けれども、ロスがあるからと言って、危険な水銀を使ってこうした人体事故が起こるということになれば、これは私は直ちに禁止すべきだと思います。そうして足りなくばもっと努力したらいいじゃないですか。いまの体制で万全だとは思わない、だがしかし、いま放置されているじゃないですか。いつも委員会で問題になれば、その後はこうしました、ああしましたと言うけれども、しばらく問題にならないと、だんだん下火になってくる傾向があることは、私は非常に残念なんです。それから、こうしたことが起こったのは初めてだということを言われております。さらに、大臣が過日の衆議院の予算委員会で、近江委員から、回収、廃棄をする考えはないかという質問に対しまして「専門家の意見を総合いたしますと、いまこれを廃棄してしまうということは、応急の血液注射等の必要が大きな事態にかんがみて、それはとうていやれない。あくまでもこれは使用上の注意をこの際喚起しつつ、次のこれにかわるべき方法が開発されるまでは廃棄はできないであろう」という御答弁、あるいはまた、使い方が悪かったのだということを各所で厚生省は言っておる。ところが北海道朝日新聞の三月四日の記事を見ますと、北海道では問題が起きましたときに、昨年室蘭の病院で、百ccの血漿を一回点滴したところ、たちまち全身に赤い斑疹ができた、これは四才の少年です。それで異常を訴えた。それで当時まだ製造されていた民間の血液センターの無菌、無添加血漿に切りかえた。ところがその異常は出なくなった。そうしてその病院の小児科の先生から、日赤センターの血漿に含まれていた水銀が原因である、疑いがあるという連絡を受けた北海道の日赤は、非常に責任を感じて、そうして四名のスタッフが協力して猛烈な研究を始めた。そうして苦心の結果、無菌状態の人血漿の製造に成功しておる。努力すればできるのです。と同時に、中央日赤の、水銀を使わなければできないのだ、防腐剤は絶対必要なんだということに対して、北海道の日赤では、おかしい、やればできるのだということを言っておられるやに聞いております。だから、すでに昨年、四才の子供だからやはり反応が速かったのでしょうけれども、こういう例があるのです。同じ日赤なんです。なぜ、日赤同士で交流をしてその研究の結果などもあわせて検討して、中央日赤でもこの方法をやらないのか、やればできるのでしょう、大臣、怠慢なんですよ。やすきに流れている。水銀を入れれば楽でしょう、製造は。けれども、それが御案内のように、各所に水銀問題が起きているのですから、これはしかも薬ですよ、体内に入れるのですよ。これに水銀を使うということが安易に流れた方向でやられることは、私は納得がいかぬ。これは厚生当局の怠慢ですよ。と同時に、あなた、まだほかでもやはり言っているのですよ。水銀を入れることは、いまの段階では絶対必要だということを。大臣、そういう頭でいられちゃ困るのです。北海道にいい例が出ている、はっきり。あるいはほかに、名前は出ておりませんけれども、当時まだ製造されていた民間の血液センターの無菌、無添加血漿に切りかえたら、その症状はなおったと、こうある。ということになれば、どういうように一体連絡その他がいっているのか、私にはわからない。大臣の御所信を聞きたい。薬に対して水銀添加物は一切困る。勇気を持ってこの際ひとつやっていただきたい。中には出るかわからないと言っても、中にはじゃない、もうすでにこうして犠牲者が次々に出ているのですから、決断が要ると思うのです。これについてのお考えを伺いたい。
#18
○国務大臣(内田常雄君) 私の名前が出ましたし、また、私は大臣として当然今後の方向を指導すべき責任がある立場におりますので、私からお答えさしていただくわけでありますが、ただし、私はその道の専門家ではございませんけれども、私の勉強の結果、こういうことを厚生当局から聞かされておるわけであります。それは、保存血液というものの保存可能の期間は二十一日しかない、御承知のとおりであります。したがって、これが二十一日を過ぎんとした場合に廃棄してしまうということは、献血をしてくださった方々に対してもまことに申しわけないところでありますので、したがって、そういう古くなりかかった血液の活用方法の一つとして、いまの血漿をつくるわけでありますが、その際、いまの技術段階においては、この水銀の関係の防腐剤と言いますか、消毒剤を百万分の百ないし百五十PPMぐらい入れざるを得ないということである。ところが、いま、まことに先生がおっしゃったように、民間にはそういう水銀剤を添加しない人血漿があるということを私も聞いておるのでありますが、それがあるのにどうしてできないかということをただしましたところ、民間では、二十一日の保存期間が過ぎんとするものを人血漿にするのではなしに、初めから人血漿にすることを目的に買血する。これは初めにおいては赤血球も白血球も生きておるものでありますから、多少の細菌類などがあっても、これはみな血球が食ってしまうものだから、血液を集めた後短い期間に血漿をつくれば、水銀剤というものの添加も必要でない。ことに、またそれは粉末剤のようなものにする方法もある。こういうようなことのために、もっぱら初めから血漿をつくるために買血をしてつくっておる製品というものがある。
 また一方、北海道の日赤においては、これも、私は厚生省の当局から学んだんでありますけれども、御承知のように、水銀を入れない人血漿というものをつくっておる、こういうことも聞いておりまして、なぜそのとおりのことをやらないかということを、これもあとから補足をしてもらうつもりでおりますが、いまの血液センターの血液の需給調整のやり方が、北海道については全然別になっておると聞いております。北海道を除く内地におきましては、全土を七つですか、八つですかのブロックに分けて、そのブロックごとに保存血液の需給調整をやるが、しかし、最後にはインター・ブロックで中央の血液センターに集まってきて、そしてその古い血液を日赤の中央センターで処理するが、その場合、北海道は別格になっておって、北海道については北海道のものをこっちに持ってこないで北海道だけで処理する、こういうたてまえになっておる。したがって、これから先私はひとつ先生とともに――私は医者でも、薬のほうの専門家でも何でもないものですから、もう一ぺん事務当局からここで確かめて聞きたいところでありますが、北海道では、もちろん技術も研究しておるんでしょうが、中央センターでつくっておるような保存期間のまさに過ぎなんとする古い血液でなくて、比較的新しい血液で操作をしているために水銀を入れない、そういう血漿がつくられているんではないかと思います。この点については、もう一ぺんあとでこの場で私は説明を聞きたいところであります。
 ところで、私が、水銀の入っておる血漿をいまこの段階で廃棄する、あるいはその製造を全面的に中止することができないと申し上げましたのは、これも藤原先生御承知のとおり、血球を抜いてしまった血漿というものは、血液型に関係なしに輸血ができる。したがって突然の交通事故でありますとか、あるいは手術による大量出血の場合等に、その人に補給すべき血液型の血液がにわかに集まらぬ場合には、どうしてもいまのような水銀が入った血漿でも使わざるを得ないような事態が現に存する。その場合に、水銀は体内に蓄積性があるものでありますから、むしろ蓄積性を避けるようなことで一時的に注射をする。厚生省の製剤基準のしまいのほうにも注意書きとして書いてあるわけでありますが、体重五十キロのおとなについて二十四時間以内に二千ccをこえぬ範囲内で使われたしという注意は書いてありますが、そういうような場合には、血液型に関係がないものでありますために、急に使える。これは、今後、先ほど私が述べましたように、新鮮な保存血液が十分集まるような姿勢になってまいりますと、古いものの活用というものがもちろん要らなくなるでありましょうし、さらに古い血液につきましても、水銀を入れない血漿のつくり方というようなものもぜひ開発させたいということを、私は、その答弁でも実は申し上げておるわけでありますが、ぜひやってごらんなさいと、厚生省とか、衛生試験所だとか、その他大学の衆知を集めて、専門家がぜひやるべきである。そういうことに向かいながら、この時点においては、いままで申し上げましたような事情のもとにおいて、これが廃棄ができない。こういうことを実は申し上げたわけであります。いまの北海道の問題については、これはひとつ政府委員から補足答弁をさせたいと思います。
#19
○政府委員(加藤威二君) 北海道の日赤で水銀を入れない血漿ができているのに、東京の日赤中央センターではどうしてできないのかという御指摘でありますが、まことにごもっともだと思います。その理由は先ほど大臣からもちょっと申し上げましたけれども、北海道の日赤におきましては、北海道だけの血液をここで集中的に集めまして、そうして血漿をつくる。それから九州におきましては、先生御承知と思いますが、熊本に化学及び血清療法研究所というのがございまして、そこでこういう血漿等の製剤をやっておる。その他の地区のものが全部東京の日赤中央に集まってくる。こういうことでございまして、まあ、北海道の日赤に集まります血よりも日数がたっている。したがって、古い血が多いということは言えると思います。ただ、先ほど申し上げましたように、古い血をロスを少くして血漿にするということが技術的にむずかしいというような点もございまして、それが一つの理由であろうと思います。しかし、同時に、北海道の日赤が非常に、先生御指摘のように、この問題に真剣に取り組みまして、設備もずいぶん金をかけたようでございます。その努力の結果、四十四年度から製造量のうち約半分を水銀の入らないものに切りかえていく。四十五年度はおそらく全部切りかえるんじゃないかと思いますが、これは要するに、私が申し上げましたように、東京の中央センターは北海道よりも若干古い血があるということではございますけれども、しかし、それは努力によりまして、北海道でできたものが東京で、若干血が古いから、できないということはないと思うのでございます。やはりそういう点、東京の日赤中央は今後大いに努力をいたしてもらいまして、すみやかにこの水銀の入らない血漿をつくってもらうことに、いま最大限の努力をしてもらいたいというぐあいに考えております。
#20
○藤原道子君 北海道でも安易でできているんじゃない。新しい血を血液製剤に回しているわけではない。やはり廃棄血になったものを使っておる。そして若干日はかかるのです。ところが中央血液センターでは、ここも怠慢なんです。このごろ私どもが委員会でたびたび取り上げた結果、血液製剤にするために二、三の製薬会社に渡すことになりましたね、廃棄血を。ところがぐずぐずして出しているから半数以上は使えないのです。半数以上はそれこそ捨てちゃって、役に立たない血を製薬会社に渡しているんです。迅速さに欠けているんじゃないでしょうか。
 それともう一つは、北海道でも非常に苦労している。何回か失敗しながら努力に努力を重ねた結果が今日の成果を収めて、昨年七月に新築されたセンターには近代的な無菌室が設けられて、勢い込んで取っ組んでおるんです。これに成功したときの喜びというものは想像にあまりあるものがあると同時に、これがやはり日本の人血漿に大きな示唆を与えることになるのじゃないでしょうか。それを取り上げようとしない。北海道は努力している。中央では水銀を入れなければできないんだで、のほほんとしてそれを見過ごされては私は困るということです。これは厳重に考えてほしいのです。私は、これはきのう北海道の新聞が手に入ったわけです。それを見て、何だ、やればやれるじゃないか、北海道だってずいぶん広い区域ですからね。それを内地では各地から集まるものだから血が古くなるとおっしゃいますけれども、北海道だって、一つの村が、何というのですか、香川県くらいの広さの村を持っているし、あの広範な地域でやっているのでありますから、ただ取り組む情熱というものが違うのじゃないでしょうかと私は思います。
 さらに、あなた方、日赤に全部まかしてしまっているわけですね、いま血液問題を。それと同時に、日赤は、献血を集めるだけでも手が回りかねる。それなのに、なぜ日赤が血液製剤までつくらなければならないのか。聞くところによれば、血液製剤は、人血漿だけではなしに、一つの血液から五種類も六種類も取ったあとからやっていますよね、私たち、いつか社会労働委員会で視察に行ったことがございますけれども。ところが、日赤の場合には、それ一つ取ったらあとはパーにしているでしょう。それこそ大きなロスがあるのです。いま世界的に取っ組んでおりますのは、血液製剤で、これを取ったあとでまだ五つくらい取れるんじゃないかというのですよ。だから、それはむだになっている。このロスは、あなたはどう考えるか。日赤はよりすみやかに、より速く献血を充足させていく。配給ルートにおいても、日赤は怠慢だという批判がずいぶんございます。官僚主義でなしに、献血はどうしていったらより効果的であるのかという研究と同時に、いままで民間から配給を受けていた病院がありますね。こういうところも掘り越こして、配給ルートを正確にして――ある医者が言いましたけれども、日赤は困る、何型の血があるかと言うと、ありませんで済ましてしまう。それなら、かけずり回ってでも何とかしょうという努力が足りない。こういう不平がちまたにあるということもあわせて考えていただきたい。
 それで、いま聞きたいのは、日赤が製剤までやらなければならないのかということが一つ。それから、血液問題を日赤にだけ押しつけて、国はこれに対する何らの援助もしない。ただわずかに出したのは事務費ですか、大多数は日赤におんぶして血液問題を解決しようとしておいでになるわけでございますが、これは一体どういうことと理解したらよろしいか。
#21
○政府委員(加藤威二君) まず、日赤が血をむだにしている、ことに期限の切れた血をむだにしているという事実はその意図は別にいたしましても、結果的にそうなっているということがあることは、先生御指摘のとおりのようでございます。まことに遺憾なことだと存じます。
 それで、何でそういうことになるのかということをいろいろ調べたのでございますが、結局、日赤は、これは国民の善意に基づいた大事な血であるということで、それを民間の会社に譲り渡すということに何らかの抵抗を感じていたということのせいじゃないかという感じがするわけであります。私どもといたしましては、一番大事な献血をされた人々に報いる方法というのは、それが有効に保存血液なりあるいは血液製剤になって、ほんとうに血を必要としている患者さんにそれが有効に使われるということが一番の理想でございまして、私は、日赤が非常に血を集める能力も十分ある、同時に、りっぱな血液製剤をつくる能力も十分にあるのであれば、これは日赤が全部やるというのが理想じゃないかと思いまするけれども、遺憾ながら、現在の日赤の実態では、その血を集めるのに確かに手一ぱいで、しかも、まだ十分にいっていないという状況でございまして、りっぱな血液製剤をつくる能力というものが必ずしも十分ではないというのが現状だというぐあいに見ておるのでございます。そういたしますならば、少くとも、期限切れのそういう血液というものをりっぱな血液製剤をつくり得る民間の機関にこれはどしどし譲って、そうしてりっぱな血液製剤をつくってもらうということが私は必要ではないかという感じがするわけでございます。今後、私どもの日赤に対する指導もそういう方針でやってまいりたいと思います。日赤も、最近、この血液関係の人的面を一新したようでございまして、そういう点について、今後、私どもは日赤と十分に協力をいたしまして、そういう方向で努力をしてまいりたいというぐあいに考えております。
#22
○藤原道子君 私は、あなたのほうでも、まさか日赤が十分なあれがあるとは思っていないだろうと思うので、その点もあわせて検討していただいて、それこそ日赤が、一般国民の善意で集めた血だからむだにしたくないというので人血漿をつくったのだというけれども、それをさらに生かせる方法があるのに、それだけとってあとはむだにするというほうがよけい大きなむだになるのじゃないかと、私はこう思います。この点もあわせて考えていただきまして、国民の不安を取り除いていただきたい。さらに、このごろは分画製剤のほうに非常に力が入れられておりますので、これらについてもさらに検討を進めていただきたいと思います。
 そこで伺いたいのは、献血をもっと進展させるために献血者に対する何らかの処遇を考えたらどうでしょうか。アメリカあたりでも、献血者に対しては若干の休息を与える。ソビエトあたりでは、献血した人は一日有給休暇になっておる。それは、ソビエトとわが国では体制が違いますから、まさか有給休暇にしろとは申し上げませんけれども、若干の休息ですか、こういうものを、やはり大切な献血者でございますから、これらに対して何らかの処遇をする考えがあるかないか、この点をちょっと伺いたい。
#23
○国務大臣(内田常雄君) 実は、私もしろうとでございますけれども、藤原先生とやや同じような感を持つものでございまして、先般、この血液問題に関連いたしまして、そのことも少し勉強さしていただきましたところが、献血者に対して報いる道はまことにどうも少いようでございます。わずかにバスタオルを支給するとか、あるいはまあ事情によっては若干の交通費のようなものを支給するとか、あるいはごく貧弱な献血バッジのようなものを差し上げておるというような程度であって、一体それでいいだろうかという気が正直にいたすわけでありますので、これは何かいい方法がないか、売血にならないで献血者の好意が気持ちよく顕彰されるような何らかの方法はないものかと、私は正直に思うものでございますので、今後の検討課題にさしていただきたいと存じます。
 それから、先ほどの血液製剤の問題ですが、私が冒頭に申し述べましたように、予防衛生研究所に二、三年の計画でありました血液部門の庁舎が、いま大体最終段階の施設を終わりまして、四十五年度からはフル回転ができるようになってきたそうでございますので、そういうところでもいろいろ血液の有効利用に関する研究を十分進めさせまして、血液の製剤なり活用は全部日赤だけにおまかせして、政府はそれにおんぶしているということでなしに、政府ともどもこの問題の解決には前向きで私は努力するように指導してまいりたいと、あわせて申し述べます。
#24
○藤原道子君 ぐずぐずしたら、もう焦眉の急ですから、いつも研究研究でなしに、その心がまえで大いに前進をしてもらいたいです。
 それからもう一つ、売血のような商売を私は言っているのじゃない。何といっても血液をとるのですから、血液をとったあとの若干の休養ですか、こういうものが、何というのですか、遅刻したらチェックされるとかなんとかいうのじゃなしに、明らかにきょうは献血したということがわかったら二時間なり、三時間なりの――ソビエトあたりはああいう国ですから、一日有給休暇になっておる。そこまでやれとは言わぬが、そういう点もお考えになったらいかがでしょうか。まあ、ソビエトあたりでは一日有給休暇であると同時に、サナトリウムとか、休暇村へ行く優先的な権利が与えられる。こういうふうにしてやっておりますから、献血者がどんどんふえているようでございます。したがって、体制の違う日本でそこまでやれといっても、これはまあ大いに反論があると思いますから、一応これをあわせ考えるというようなことを私はやっていただきたいと思うわけなんです。
 それから、血液が足りないので、採血したあとの血球返還採血ですか、つまり分離したことによって赤血球を返す、それはいまどの程度にやられておりますか。研究は相当進んでいるはずですので、もう実施をどんどんやったらいいんじゃないかと、こういうふうに考えます。ところが、ある人は、厚生省の中でございますけれども、もしも違った血球を返した場合、他の血をこの人に間違って返した場合、そういう場合にはすぐ死んじゃうのですってね。そういう間違いがありますのでというようなことを言う人もございますが、それは慎重にやることによって防げるのじゃないですか。諸外国ではどんどん血球返還の採血をやっておりますが、日本は、いまどの程度に研究か進んでいるのか。あるいは実施はどの段階にきておるのか、これをあわせ伺いたい。
#25
○政府委員(加藤威二君) 血球返還採血の問題でございますが、これは採血をいたしましたときに、採血をされまして、血漿部分というものは二、三日ですぐ回復するようでございますが、赤血球をとられるということが献血をされた方には非常に肉体的に負担になる。そういうことで、しかも血漿の製剤をつくります場合に、赤血球は不必要でございますから、一応採血をいたしまして、それを赤血球と血漿とに分離いたしまして、その血漿のほうをまた直ちに採血、献血をされた――献血というか、血をとられた方に注射で戻す、そういうことをやりますると、非常に血を供出されました方の肉体的な負担が非常に少なくなる。そういうことで、しかも血漿は相当多くとっても肉体的に負担にならない。こういうようなことで、アメリカあたりでこういう採血方法がとられておるようでございます。ただ、問題は、献血でも、保存血液の場合には血球等、これは全部必要といたしますので、日赤等でやっております保存血液をつくります場合には、この方法はとれない。全部血球をお返しするというわけにはまいらぬわけでございますが、しかし、血液製剤をつくるという目的であれば、これはこういう方法が相当合理的な方法だというぐあいに考えられるのでございます。これにつきましては、私どもでまだ正確なデータございませんけれども、もうすでに民間の一部の採血業者においてそういう方法を採用しているということを聞いておりますが、これは、そういう血液製剤をつくるための採血方法としては、私は合理的な方法であろうというぐあいに考えております。
#26
○藤原道子君 それでは、すぐ使う新鮮血ですか、こういう場合には役に立たないのですか。
#27
○政府委員(加藤威二君) 新鮮血を使います場合には、おそらくこれは手術のときとか、そういうようなときですぐ多量に、ことに心臓手術とかいう場合に新鮮血を直ちに使うというケースが多いようでございまして、こういう場合は血液全体を必要とするという場合のようでございますので、新鮮血の場合にはこういう方法はなじまないのじゃないか。もっぱら血液製剤をつくります場合、要するに赤血球等を必要としない場合にこういう方法が非常に合理的であり、能率的であるというぐあいに考えております。
#28
○藤原道子君 そこで、血液問題が世界的に血液製剤に非常に重点が置かれつつある。日本ではそういう面で若干立ちおくれがあるのじゃないか、そういうことで血液製剤の研究開発と、それに対する助成、こういうことはお考えになっていないのですか。民間なら民間にまかせっきり、日赤なら日赤にまかせっきり、これで、将来、日本の血液製剤が世界的に太刀打ちができるのかどうか。少なくとも、国家のこれに対する研究開発と助成がなされてしかるべきではないかと考えますが、そのお考えはいかがでしょうか。
#29
○政府委員(加藤威二君) 確かに、わが国におきまして血液製剤に対する研究が若干立ちおくれているということは事実のようでございまして、やはり今後の血液対策といたしましては、先ほど大臣から申し上げましたように、血を集めるということに最大限の努力をすると同時に、血液製剤の開発ということが血液対策の二つの大きな柱だというぐあいに考えております。
 これに対しまする助成の問題でございますが、来年度の予算におきまして、大体千七百万くらいでございますが、予防衛生研究所に対しまして、そういう血液製剤の開発とかあるいは冷凍血液の研究、こういう問題の研究費といたしまして千七、百万ばかりを計上いたしておるわけでございます。それから、先ほど大臣もちょっと触れられましたように、四十三年度、四年度と両年度にわたったと思いますけれども、四千万ばかりの金を使いまして予防衛生研究所にそういう血液関係の研究の施設をつくった、こういうことでございます。民間の助成ということはいまのところまだ考えておりませんが、とりあえず予防衛生研究所でそういう研究を今後精力的にやってもらう、そのために来年度千七百万ばかりの予算を計上したということでございます。
#30
○藤原道子君 そこで、予研の話が出たのですが、予研の人員はどういうふうになっているのかということが一つと、それから最近予研の無菌検査というのですか、これが非常に停滞している。これはどういうことなんでしょうか。いま、はしかが流行期であるのに、非常に検査がおくれるために、ちまたには非常にその薬が品切れになっている。こういうことに対して、私は非常に残念だと思う。それで、あなたのところへも全国の医療機関から百三十一通に達する陳情書が行っているはずです。この滞貨のために、非常に病院で使いたくても使えない、早く何とかしてほしい、こういうふうな陳情が行っているはずでございまして、国立病院からも行っているし、群馬大学からも行っているというふうに、全国の医療機関から、この予研の検査のおくれの結果滞貨して、使いたくても使えないで非常に迷惑している、プラスマネートあるいは人血漿、アルブミンなどが非常に滞貨して、品不足で治療上大きな支障を来たしておる、こういうことを聞きまして、いろいろ調べたら、厚生省へも百三十一通の医療機関からの陳情書が出ておるというふうに伺っておりますか、これに対しては、どのような対策をとっておいでになるか。
#31
○政府委員(村中俊明君) 予研の仕事の体制、人員についてのお尋ねでございますが、現在五百二十名の――四十四年度でございますが、職員が研究と行政と両方の職種を持って仕事をしておりまして、御指摘の検定問題につきましては、無菌と定性と、それから発熱、この三つの検査については約四十名の職員が検定をいたしております。その他の検定については十の部に分れまして、それぞれの部で専門的な事項を扱っておる、こういう実態であります。
 なお、ただいまお話のございました無菌について検定がおくれたという点でございますが、これは昨年の八月に部屋の一部に故障がありまして、約一カ月検定を休んで修理をいたしました。現在そのおくれが若干残っておるわけでございますか、仕事はいたしておりまして、四十五年度には、予算を計上いたしまして、応急的に措置した分の完全復旧をやって、ほぼ正常な機能が持てるというふうに考えております。
#32
○藤原道子君 私もしろうとですから、大臣と同じように。勉強不足であるのですけれども、私、この間お医者さんから聞いたんでございますけれども、プラスマネートとかいうような薬の製造は、何だか六十度の温度で十日間ですかやって、さらにそれがまたあと三十二度くらいだと非常にばい菌が発生しやすい温度だそうですね。そこで、非常に長い期間、ばい菌が生きているかどうか調べて、それから密封しているものだ。それがかりに外に出ても、もしばい菌が残っているとすればすぐ濁ってくるのですってね。それでちゃんと注意書きしておるから、これは濁っておるものを使う医者はありません。ところが、それが無菌検査に引っかかって一向にちまたに出回ってこない。非常に何というか、いい薬だというじゃないですか。それで病院は非常に困っているのですよ。これは国立病院の先生のお話ですが、これらもやはり無菌検査を法規上ずっとやらなければならないものでございましょうか。
#33
○政府委員(村中俊明君) たぶんただいまのお尋ねは、先ほどはしかの点についてお触れになりましたけれども、人の免疫血清のグロブリンの製剤ではないかと考えております。このグロブリン製剤につきましては、現在七十五件の検定の申請が出ておりまして、そのうちの七十二件について検定をすでに終わっております。ただ、この七十二件の終わった検定の中に若干不合格がございましたが、この不合格の内容は、無菌的な点の不合格ということよりも、安定性の検査で不合格になった、こんなふうに報告を受けております。
#34
○藤原道子君 だから不合格はどんどん不合格にしていいのだけれども、あまりにも検定期間が長過ぎるのじゃないですか。聞くところによると、たいへん莫大な数ですけれども、このままでいくと会社はつぶれてしまうじゃないかというようなことを言っておるようなところさえあるのですよ。それであなたにきているでしょう、これ、たくさん。どっちがどっちだか私わからないけれども、細菌製剤課に対して出ている。だから、それは理屈は幾らでもつくけれども、もっと迅速にやれませんか。それがないために治療上非常な支障を来たすとか、はしかの時期にはしかの薬が足りないとか、こういう不便を与えないように、予研のスタッフが足りないなら、これは至急に充足するとかなんとかいう手も打てるのではないかということを伺っておるのです。
#35
○政府委員(村中俊明君) ただいま申し上げましたように、今年度受け付けました件数が全部で七十五件、そのうちで七十二件は検定がすでに終わっている。そういう点で、非常に人命に関係するということで迅速をとうとばれる、こういう製品でございますから、私どもといたしましても、できるだけ現地を督励いたしまして、そういう時間的なロスが省けるような配慮を今後もしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
#36
○藤原道子君 頼りないですが、しっかりやってもらいたい。迷惑を受けるのは業者よりも病人ですからね。人命を尊重する、尊重するというならば、それの治療に支障を来たさないだけのひとつ努力をしていただきたい。
 それからもう一つ伺いますが、血液事業を日赤にまかせきりでああだこうだと言う前に、ひとつこれを国家管理にする。血液事業の国家管理、あるいは血液法の制定、こういうことを大臣考えたらいかがでしょうか。考えておりませんか。
#37
○国務大臣(内田常雄君) いま日赤が中心になって血液事業をやっておるわけでありますが、これは聞いてみますると、おおむね世界的にそういうふうな体制になっておって、国際赤十字連盟でも、日赤を中心として血液関係の仕事を推進することを勧告をしてきておるそうでございます。これは別の事業団というようなものを――私もしろうとで申しわけございませんが、つくりましても、日赤以上のものができるとは考えられませんし、また国が直接取り上げるというようなことも、いま先生からいろいろ御批判がありましたように、これまた非能率のことがあってもなりませんので、せっかくここまで育ててまいりました日赤というものをやはり中心にして、その不備を補いながらこれを督励してやっていくことが、いまのところでは最良の方法だと私は言わざるを得ないと思います。
 それから血液関係の献血、集血、それの活用等につきまして法律をつくるべきだということも、私は考えるべきことだと思いますけれども、これまでの厚生当局の説明によりますと、これまたいろいろな広範な諸問題をかかえておる。たとえば献血の基礎的理念から始まって、血液の利用の適正、被採血者の保護、血液の確保、採血した血液の利用の範囲、採血の基準、血液の利用の種類による検査の基準、輸血用血液の管理と供給体制、血液及び血液製剤の研究機関、血液取り扱い機関、それに対しての財政措置というような、そういう面を全部検討を尽してやらないと、拙速主義の血液法というものはつくるべきではないので、この件につきましては、いましばらく当局に研究させてほしいと、こういうことが厚生当局の現状でございます。これは私も前向きで、せっかく先生のお話もございますし、私も、これは正直のところ、どういう法律構成でやっておるかと言ったところが、閣議決定と、もっぱらあとは行政指導や、日赤そのもののああいう特殊法人の全国的ネットワークを中心としてやっておる、行政的にやっておるのだと、こういう話でございまして、何らかそこに私は制度として確立すべきもう一つの筋を検討すべきような気もありますので、これも研究といってはおそれいりますけれども、ぜひひとつ研究させていただきたいと思います。
#38
○藤原道子君 前向きの姿勢で検討するとおっしゃるのですけれども、たびたび聞いているのです。血液法をつくる考えはないかというと、あなたと同じ答弁をしている。あなたがいま読みあげられたことは、非常にみな大事なことばかりじゃありませんか。問題は、赤十字が中心で国際的にやっていることは私も承知しております。けれども、それに対して国家が財政的に援助はしているのですよ、みな。ここに問題がある。日赤がやるからやらしたらいい、日赤にやらせるという慣行があるからとおっしゃるけれども、主体は日赤が中心でやるとしても、やはり国家がこれに対して援助するということの姿勢が足りないんじゃないか。ごらんなさい、いま血液代金は千五百五十円ですね、これは去年きめた。それでどんどん拡大していかなきゃならない。日赤ばかりやっつけたような形になるけれども、日赤だってやっぱり研究したり、施設をつくったり、人員をふやしたりすれば金は要るんですよ。日赤は財閥じゃないのですからね。そこに問題がある。ですから、国がもう少しこの血液の問題に対して財政的援助、こういうものをもう少しおやりになる必要があるんじゃないか。事は命に関係する。それに対しての大臣のお考えを聞きたい。
#39
○国務大臣(内田常雄君) 日赤の行なう血液活動につきましても、たとえば採血自動車でありますとか、あるいは支所とか出張所とかいうようなものの施設に関しましては若干の補助があるようでございますけれども、血液事業全体の運営のためにする組織的、総合的の補助がないことは、先生が御指摘のとおりでありますので、そもそも日赤なるものは、国の政府出資とかあるいは国の補助とかいうものだけでやっておるその他の特殊機関とは違いまして、それの資金の集め方などにつきましても、日赤固有のまたたっとばれる方法もあるようにも聞いておりますので、それらとの関連もございましょうけれども、先生のおっしゃる点、私にはよくわかりますので、これらのことにつきましては、総合的に私も勉強し、検討し、進んでまいりたいと思います。
#40
○藤原道子君 どうも弱いですね。このままでいいとは考えない、それならば、もっと大蔵当局に要求して研究機関をもっと拡大するとか、あるいは日赤に助成をしていくとか、そうしなければ、いつまでたっても肝炎の問題だって、血液の足りない問題だって解決はできませんよ。大臣がきちっとした考えを私は示してもらいたい。
#41
○国務大臣(内田常雄君) まことにごもっともなお話でありまして、これは、私が予算を担当いたしますならばさっとやれるのでありますけれども、いま、私がここで四十五年度の予算ができ上がったこの機になかなか申し上げにくいことでございますので、これは来たるべき予算の時期等におきまして、でき得る限り先生の御意見を前向きに進めるような、いろいろなひとつ態度を固めてまいりたいと考えるものであります。
#42
○藤原道子君 予算編成の時期と言っていたんじゃいつもおそいのですよ。平素から大蔵省に理解を求めて、こういう事件があったからこうしたいのだがこうだということで、不断の努力がなければ予算折衝のときにはやられちゃうのですよ。だから、あなたの考えが中心なんです。あなたの決意が中心なんです。これ以上あなたに言ったって、あなたはこれ以上言えないだろうからこの程度にしておきますが、とにかく事は重要でございます。ぜひこの点については真剣に考慮していただき、両局長におかれましても、この点、前向きで検討していただき、こうした不安を国民に与えないよう、少なくとも人命を守っていくという大切な役職におられるわけでございますから、一段の御努力をお願いしたいと思います。
 そこで伺いたいと思いますが、きのうの夕刊を見て、私、きょうは血液問題をやろうと思ったのですが、最近、血液のみならず、有機水銀がいろいろなところに使われているのですね。これを見てびっくりしちゃったのですけれども、着物類に対しても、赤ちゃんの下着類に対しても、いろいろなものに水銀が使われている。それで学者の中から、これらの水銀剤は取り締まる法律がない、このような毒物を衣料に使うのはもってのほかであるというので、厚生省にきびしく規制すべきだと要求しておられるということであります。これに載っておる。読んでみると、もういろいろなものに水銀が使われておる。着る物だから水銀使われていても影響がないと言うかもしれない。ところが、赤ちゃんはなめたり、しゃぶったりするんですよ。あれはおむつかぶれにも悪いということを学者が指摘しているんですが、一体、水銀に対しての考えが甘いんじゃないでしょうか。今度北海道のジャガイモ問題だって大きな問題です。出てくるのはほとんど水銀じゃありませんか。水俣病だって水銀でしょう。イタイイタイ病は、これはカドミウムですが、こういうことがわかっていても、最後の詰めがうやむやになっちゃう。企業側に押されちゃって、あなた方の初めの鼻息は相当なものだけれども、いつかぐにゃぐにゃになってしまう。また、こうした繊維類にまで虫を防ぐんだ、あるいは水銀でカビを防ぐんだというような理由でやっているそうでございますが、はたしてこれでよろしいのかどうか。水銀に対する姿勢をもっときちっとしてもらわなければならぬ。セーターや、毛布や肌着類、こういうものにまで使われておるということで、私びっくりしたのでございますが、これらに対して当局の御見解を伺いたい。赤ちゃんはなめるんですから。
#43
○国務大臣(内田常雄君) 幸か不幸か所管の環境衛生局長がおりませんけれども、水銀の問題につきましても、私は全く先生と同じ考えを持つものでございます。これも私が調べましたところが、水銀は毒物劇物取締法に基づく毒物指定になっておりまして、これは工業用、産業用あるいはその他の面に一般に使われているがゆえに、毒物劇物取締法の毒物指定になっております。その使い方、販売のしかた、取り扱い等につきましては、この法律による制約があるはずでございます。そこで、厚生省の関係の法律におきましては、少なくとも、食品衛生法の関係では水銀は一切使わせないことになっております。しかも、近年一歩進めまして、いまお話がございませんでしたが、おもちゃ、これも赤ちゃんがよく口へ入れるものでありますから、食べるものではないけれども、これの規制も食品同様にすべきだという発想から、たしか食品衛生法か何かにおもちゃに関する条項を設けまして、そうして水銀はもちろんのこと、それらに類するような毒物劇物の使用は全く認めないという仕組みを厚生省まではいたしておるわけでございます。この問題、先般のジャガイモにつきましても、あれが食用に供されるようなことで売り込まれましたので、食品衛生法の適用上違反であるということで、わがほうもさっそく食品衛生監視員をしてこれの回収とか、注意に当たらせたわけでありますが、あれが種イモであるということで、農薬取締法か何かの農林省の関係で毒物劇物取締法と競合するんですが、一定の注意のもとに、たとえば赤く粉で染めるというようなやり方のもとに、農薬として農林省がお認めになっておったようでありますが、これにつきましても、実は厚生省の所管でなくとも、イモは、究極におきまして、種イモといえども子を生んで食うものでありますから、私ども無関心ではいられないので、農林省のほうにも何らかこういうことは共同してやるべきだというような話を持ち込んだところでございます。
 いまの繊維に水銀がどう用いられているかということにつきましては、実は私は初めて聞きます話でございまして、これらにつきましても直ちに取り調べまして、それが国民生活に有害な事態にあるというような状態である限り、通産省のほうとも十分打ち合わせをいたしまして、過誤なきように処置をお願いいたしたいと思っておりまして、水銀について決して怠ろうと思う気持ちはございません。私ども、たいへん神経質になっております。
#44
○藤原道子君 これは非常に重大だと思うのです。ゆうべの夕刊ですから、大臣お読みになってください、朝日新聞を。東京歯科大の上田喜一教授が「厚生省は日用品衛生法を作って取締まるべきだ、と何年も前から厚生省にいっているのに動こうとしない」、こういうふうに載っている。「何年も前から厚生省にいっているのに動こうとしない」、これが事実であるかどうか。それから腐敗とか、メッキのためにこれを吹きつけているのだそうですが、フェニール水銀、農薬で使われていた有機水銀、こういうものが肌着から毛布、こういうものにまで使われているということはショックですよ。赤ちゃんはおむつかぶれなんか、水銀かぶれですか、こういうものもあるというようなことがこれに出ている。これはまだ、私、だれにも聞いていないから勉強不足でございますが、この新聞を見てびっくりしたので、最後につけ加えたい。とにかく水銀というものに対してのもっと取り締まりをきびしく、また規制すべきであるということが一つ。それから水銀入りの人血漿ですか、これは、私の希望としては、直ちに回収して使用をやめてもらいたい。命が大事だ。ロスになるから困るなどということは通用しない。いつどこでどういうことが起きるかわからないのでございますから、これをやってもらいたい。さらには、北海道でできているのだから、やろうと思えばできないことはないという気持ちがございますので、これの開発のために研究を強化していただきたいと思います。
 それから、大蔵省においで願っているわけでございますが、血液問題は、われわれから見れば、非常に重大な問題だと思います。ところが、予算不足というようなことが大きな原因で、日赤が一生懸命やっておりますけれども、まだまだ対策が足りないと思う。私は、どうしても大蔵省のほうで――日赤がやるのが本来の姿だという大臣の答弁は、これはあたりまえなんです。けれども、これに対して国が援助いたしておる、外国では。ところが日本では、いまいった採血車だとか何だとか、そういうものには金を出しても、まだ万全ではございません。まあ、若干出しておるけれども、こんな重大な血液問題に対して、国の何ら財政的援助がないわけなんです。それとあわせまして、血液製剤にいま世界では非常な努力をしている。アメリカでは冷凍血、ソビエトでは死体血、死体から採血している。これはもっぱら製剤に向けているようでございます。そういうふうにして、各国とも競争で血液製剤を急いでおる。日本でもやっておるところはあります。これは民間の業者でございますけれども、当委員会から視察に参りましたら、大した設備でびっくりしましたが、そこでも、血液が足りないためにお産したときの胎盤ですね、胎盤血さえとっている。そこまで研究してやっているわけなんです。したがいまして、私は、血液製剤の開発のために、あるいは献血をもっと増大していくという態度のためにも、血清肝炎を何とか追放したい。アメリカあたりはたしか五%くらいですか、血清肝炎の発生率は。日本は二五%の血清肝炎が出ている。血清肝炎がひどいのになると肝硬変になって死んでしまうのですよ。血清肝炎がまたずいぶんこのごろ多いんです。手術した人はだいてい血清肝炎、これでは困りますので、これが研究費、こういうものも出し惜しみをしないでやっていただきたいと思いますが、いかがですか。ことに厚生省はおたくに対して非常に弱いんですよ。それで看護婦の問題、この次私やろうと思っていますが、看護婦充足問題にしてもあるいは精神病、あるいは結核に対する国家の負担に対しても、あなたたちがあまり出さないものですから、対象をしぼってしぼって、そうしてちまたに気違いが満ちあふれている。中へ入ればああいうひどい扱いを受ける、こういう結果になる。厚生行政に対して大蔵省としてもっとお金を出してほしい、人間の命を守るために。それとあわせまして、その基本をなすこの血液問題に対して、あなたのほうでもっと援助しようというお考えはあるかないか。厚生省が要求しているのにあなた方が出さないのか、厚生省の要求がないのか、この点も明らかにしてほしい。
#45
○説明員(相原三郎君) お話は、きょうは十分拝聴いたしました。今後とも、厚生省ともよく勉強してまいりたいと思います。
#46
○藤原道子君 それだけ……。これ以上詰めても詰まらないかもわかりませんけれども、事は重大なんですから、わかるでしょう。私、質問へただけれども、とにかく真剣に私たちはやっておる。何も厚生省をいじめても私は一文の得にもならない。けれども、人間の命と健康が大事だから、何とかよりよき対策をと願ってやっておりますので、せひ大臣にもお伝え願いまして、しかるべき財政支出をお願いしたいと思います。
 で、大臣にはぜひ前向きの姿勢で取っ組んでいただきたい。大臣がここで幾ら答弁しても、すぐ大臣かわっちゃうから。厚生大臣は二、三年はがっちりやってください。それで、血液問題に対しては、特に私は大臣の決断を要望して私の質問を終わりたいと思いますが、最後に御決意をもう一度伺わしていただきたい。
#47
○国務大臣(内田常雄君) たいへん恐縮でありますが、私がくろうとだけに、先生と同じようなことを実は外から感じていることはたくさんございます。これは、私が厚生省の中で育ったものですと、あれもこういう理由でだめだ、あれもこういう理由でだめになっておるということで、みずから考えが起こってくるのをみずから否定しなければならない場合もあるかもしれませんが、私が、先生のおっしゃるように、厚生大臣の更迭がひんぱんで、外から参りましただけに、国民として厚生行政にこういうことをやってほしいということはいろいろ浮かんでおりますので、任期の長短にかかわらず、また、ただいま先生からだいぶ長い任期の辞令をいただいたような気もいたしますけれども、できるだけ私は委員の皆さま方の御勉励にこたえたいと思います。
 ただ、私は、予算等の問題につきましてここでいろいろ申せませんのは、私が日赤に対して補助をしたい、こう言えば、それは政府が言ったことになります。したがって、これはやはり大蔵大臣とも話し合ってのことでないと、私が努力をすると言う以外に言い方がない点をもひとつお含みおきいただきまして、今後ともよろしく御指導をいただきたいと思います。
#48
○中沢伊登子君 一つ関連して。藤原先生が先ほどから血液問題で切々とお話をしておられるんですが、私も一つだけ提案をしてみたいと思う。
 それはこれだけ血液が足りなくて困っているときですから、成人の日ですね、成人の日に、成人になられた人々に、強制するわけにはいかないかもしれませんけれども、成人になった記念に献血をする、そういうような何かいい方法を考えられることはできませんでしょうか。
#49
○国務大臣(内田常雄君) たいへんありがたい御示唆をいただきましたので、これもとくとひとつ頭に置いて、献血がより積極的にまた円滑に行なわれるように各方面にお願いをしてまいりたいと思います。
#50
○藤原道子君 大臣、この間衆議院の予算委員会で、佐藤総理が積極的な答弁しているんですね。だから、いいチャンスですからね。私が言うと政府の答弁になると言うけれども、あなた、政府の一員でしょう。それで、佐藤さんが幸い――私は文句もあるけれども、わりあいに積極的な意見を持っております。だから、この機を逸ぜず、おそらく福田さんも御同席だったろうと思いますので、積極的に進めていただきたい。
 ただ、厚生省は、そう言うと憎まれ口になるんですけれども、水銀問題もあるいは公害問題でも、水俣病にしても、あるいはイタイイタイ病にしても、積極的な意見を出して結論出すんですね。それで産業人に規制を要求する、そうすると向こうから切り返されて、通産省にねじ伏せられて、おしまいにはだらしのない結果になる。そういうことのございませんように、積極的に進んでいただきたいことを強く要望いたしまして私の質問を終わります。
#51
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もないようですから、本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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