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1970/03/17 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第5号
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1970/03/17 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第5号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第5号
昭和四十五年三月十七日(火曜日)
   午後一時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     内田 善利君     渋谷 邦彦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐野 芳雄君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                吉田忠三郎君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                高田 浩運君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                占部 秀男君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                柏原 ヤス君
   政府委員
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       厚生省公衆衛生
       局長       村中 俊明君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       厚生省医務局看
       護課長      永野  貞君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○社会保障制度等に関する調査
 (看護婦問題に関する件)
 (精神病院に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についておはかりいたします。
 去る十二日、渋谷邦彦君が一たん委員を辞任されましたので、理事が一名欠員となっております。
 この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に渋谷邦彦君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(佐野芳雄君) 社会保障制度等に関する調査を議題として質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○藤原道子君 私は、質問に入ります前に、視察の結果について問題を提起いたしたいと思います。
 去る三月の十二日の午後、佐野委員長、吉田理事、山崎委員、それに中沢委員及び私は、川崎市の生田にある医療法人新光会経営の生田精神科病院を視察した後、川崎市所在の関東労災病院を視察いたしました。関東労災病院は、目下、看護婦不足と病棟の縮小とをめぐって紛争中でありましたので、関係者から、今日までの経過、紛争解決の見通し等につき意見を聴取いたしました。
 以下、両病院の実情等につきまして簡単に紹介を兼ね、あわせて、若干の問題提起をいたしたいと存じます。
 川崎市の生田病院は、総病床数三百五十二床、指定病床数百五十床を有し、敷地内には准看護学院を経営している、民間経営としては中程度の普通の精神病院であります。三月十日現在で、職員総数百二十一名、うち医師は常勤五名、非常勤四名、非常勤歯科医師一名の合計十名がおり、看護婦は正看二十名、准看二十四名、看護助手十四名で、合計五十八名でありますから、医療関係職員の数は総病床数に対して基準定員を一応満たしております。また、入院患者数は、昭和四十四年一月−十二月間の平均数は三百五十八人で、内訳は措置入院百人、生活保護入院百十三人、社会保険入院百四十五人であり、三月十日現在の入院患者総数は三百六十五人となっております。
 当病院は、民間立のゆえもあって、重症患者はほとんどなく、比較的軽症者が多く、保護室に入室せしめるような場合もほとんどないと説明しておりました。したがって、最近、精神病院をめぐって社会的問題を提起しているような患者に対する非人道的な処遇事実はありませんでした。ただ、病院建築の約二分の一、二千平方メートルは鉄筋コンクリート建てでありますが、残りの二分の一強の二千三百平方メートルは木造建築であり、かつ、相当老朽した建物があり、その上、敷地が丘の上にあって、周辺の宅地造成に伴って一般民家も新築されておりますので、火災の防止と患者の待避の見地から検討の必要があると思われます。これに関して、病院側からは、精神病院の特質に着目した改築資金の特別措置を要望しておりました。次に、当病院のような軽症者の多い病院に対しても、重症者を収容するところと同様に一律の医療要員基準を強制されることの不合理が指摘されて、医療法の検討を望む希望が述べられました。
 次に、関東労災病院におきましては、紛争中のことでありましたので管理者側、病棟婦長代表、入院患者代表及び労働組合の代表者から、別々に、今日までの経過、これからの対策等について意見を聴取いたしました。
 管理者側は、現在当病院の職員の定数四百三十一名に対して、三百九十一名と、一割に相当する四十名の欠員があること、とりわけ看護婦については、欠員数が定員百九十七名に二十九名の不足という、一割五分もの欠員を早急に充足することが不可能である上に、加えて、年度内にさらに退職者も予定されており、これらの退職者は有給休暇の残りを退職前に消化する慣行があるために、看護婦不足は一そう深刻となるという実情が述べられました。その上に、看護婦の夜勤交代時間に関する協定が円滑に実施されない等の事情が重なって、現状のままの病棟配置では責任が持てないので、病棟を合理的に縮小したいと考えているが、労働組合、患者の協力が得られず今日に至っている旨の説明がありました。次に、婦長代表は、管理者側と看護婦の間にあってたいへん困っている。看護婦の協力が得られないときは、病棟における看護の責任があるので婦長みずから夜勤に従事している。このような事態が続けば、もはや、婦長として責任の限界にきた感がする。現在は、他の労災病院から応援の看護婦を派遣して急場をしのいでいるが、もうこれでも限界であるから、早急に現在の事態の解消が必要である旨の意見が述べられました。次に、患者の代表者からは、病棟縮小に伴う退院、転院または病棟変更は、よくなれている医師、看護婦から離れるので、患者として不安である。特に患者の了承を得ないで強制的に病棟変更を行なうことは承認できないという旨の意見が述べられました。最後に、労働組合の代表からは、当病院の今日の事態は管理者側の言うような看護婦の不足が重要な原因とは考えない。看護婦の退職が、昨年末から例年に比して多くなっていることをみても、問題は管理者側の看護婦に対する労務管理等の点にある。当院の従来の慣行等を中央の福祉業事団の指示により、一方的に変更を強行しようとすることが紛争を深刻にしていくものである。病棟縮小も入院患者や、看護従業員の了承を得ないで権力により強行しようとするから紛争は激化されるのである。こちらから話し合いを求めても、まだ話し合いの余地があると考えても十分に話しあってもらえないという管理者側の態度に問題があるという旨の意見が述べられました。
 以上視察の一端を申し述べたのでありますが、私は、この際、政府及び労働福祉事業団に対して問題解決のため質疑を行ないたいと思います。
 本日の委員会は、厚生省関係の日でありますから、精神病院及び看護婦問題に関して質疑を行ないます。
 私は、厚生省にお伺いいたしますが、最近、労災病院も病棟の縮小を約四割ぐらい予定し、あるいは慈恵病院等でも病棟の一部が縮小されておるのでありますが、この病棟縮小に至るまで看護婦の充足対策が放置されてきたと言わざるを得ませんが、私は、もうかなり前から、いまの状態でいけば看護婦が不足のために日本の医療は破壊されるのじゃないかということをしばしば申し述べてまいりました。ところが、現実に各所でこういう紛争が絶えない事態であることに対して、医務局長はどのようにお考えになっておられますか。
#6
○政府委員(松尾正雄君) 看護婦の絶対数が全体として不足いたしますことは、かねてから先生に絶えず御指摘いただいたところでございます。また、私どもいろいろな角度から検討いたしまして、やはり不足をしておるという観点に立ちまして、これを強化したい。人の養成でございますので、なかなか時間のかかる問題ではございますけれども、特に四十五年度を初年度といたしまして、早急にこの解決をはかりたいというように考えておるわけでございます。
#7
○藤原道子君 看護婦の充足について、養成がおくれてきたということも一つでございますが、看護婦が退職していく、やっと四月、卒業期に若干就職しても、それにほぼ匹敵するくらいの看護婦さんが退職していく。この原因はどこにあるとお考えでしょうか。
#8
○政府委員(松尾正雄君) いろいろな理由があろうかと存じますけれども、やはり一番大きな問題は、結婚されたり、あるいはそういう家事のためというようなことで、いわば女性としての家庭をお持ちになったときの諸問題というものが、特に看護婦の勤務条件というものの中においてはなかなか両立しがたい、こういうことが私どものいろいろ調べておる中で問題になっております。しかしながら、そうは申しましても、そのほかにそういうことに至ります遠因とでも申しますか、そういうことの中には、一面には勤務の条件がかなり特殊であるということもございます。また、そういうことに比べて御自身が処遇上の満足が十分でないというふうにお考えになっておるということも伏在しておるかと思いますけれども、大きな点はやはり結婚とか、家事あるいは育児の都合というようなことが大きいように思っております。
#9
○藤原道子君 私は、充足の問題で政府が考えていることについては、日をあらためてお尋ねいたしますが、看護婦で退職する人があとを絶たない、これが一番大きな問題だと思うんです。そこで、看護婦の待遇に対してこれを是正し、引き上げていくという、看護専門職としての待遇についてお考えになっている点があるんでしょうか。
#10
○政府委員(松尾正雄君) 看護婦の仕事が、先ほども申し上げましたように、女性の職業としてありながら、夜間の勤務も患者のためにしなければならない。そういう特殊な条件に置かれておりますので、やはりそれに相応した処遇があげられるべきであるということが基本でございます。したがいまして、特に看護婦の給与問題につきましては、すでに御承知だと存じますが、国立の医療機関の看護婦さんのほうが民間の看護婦さんよりこの部分だけは逆に高いという実態がございます。しかも、なお歴年の様子は民間の看護婦さんが国立の看護婦さんの給与に追いつくというような傾向を示しておりますので、そういう実態からみますれば、何よりもまず国立の看護婦さんの給与が改善されるということが、ひいてはほかの看護婦さんもそれに追いつくという動きからみまして波及効果があるのではなかろうかというような考え方のもとに、人事院の毎年の勧告のときには、大臣みずから足を運びましていろいろお願いをするというように熱を入れておるわけでございます。昨年の勧告におきましても、一般が約一〇%程度でございましたが、看護婦についてはさらに一二%程度の引き上げ率になっております。また、わずかではございますが、四十年から据え置きました夜間看護手当を百円から二百円に一応倍額にいたしました。そういったことも一応御指摘のように、看護婦の処遇をやはり改善していかなければならないのだという私たちの努力のあらわれとおとりいただければしあわせだと存じます。
#11
○藤原道子君 そこで、私、納得がいかない問題がございますので、この点を納得のいくような御説明をいただきたい。
 国家試験を受けた第一回の看護婦さんのときにこの看護婦さんの位置づけを、結局、お医者さんは七級の一号俸ですか、それから看護婦と薬剤師と――あなたたち公務員ですけれども、これは六級の一号俸と規定されておる。国家試験を高く評価してきめられたものと思うんですが、国家試験に合格しなかった人、この人は四級の一号とか二号とか、こういうきめ方だったんです。ところが、今度職種別ということになったんですが、医療職、これに変えられまして今日に至っておるわけなんです。それは学歴を中心に検討されたと伺っておりますが、それはどうなんでございましょうか。
#12
○政府委員(尾崎朝夷君) 各職種におきます初任給の高さでございますけれども、やはりそれぞれの職種の民間におけるあり方というものの調査をいたしまして、それを重要な参考に一応いたします。それから他面におきまして、公務員の中におけるバランスというものがございます。それはやはり学歴がそれぞれ高ければそれなりの考慮を加えるということがバランスでございますから、そういう関係も中におきまして考える、そういう両面から初任給はやはり決定していくようにいたしておるわけでございます。
#13
○藤原道子君 そこなんですけれども、戦後、看護婦の位置づけは医者のただ単なる補助者ではない、看護専門職であるということで位置づけられてきておるわけなんです。ところが、学歴ということですが、看護婦さんは高校を出て三年教育を受けて、しかも国家試験を受けているのですね。それにしては非常に初任給等が安いと思う。聞くところによると、看護婦さんの学歴は高校卒だけしか認められないというふうにも伺いますが、その点は間違いなんですか。正しい位置づけをひとつ、学歴ということが出たのでお伺いをしたい。
#14
○政府委員(尾崎朝夷君) それは、やはりたとえば看護婦、正規の看護婦さんの場合には、高卒から学校に入りまして、三年して出るというのがたてまえでございます。さらに、准看護婦の場合には、それはそれなりの資格が必要とされております。そういう関係をもちろん見るということでございます。
#15
○藤原道子君 そこで三十二年の改定のときに位置づけられたものが――これはちょっと古いので、その後のものがあったらください。これは四十四年の四月一日の給与表なんです。ですから。その後にもし改定されていたらあとでそれをいただきたいと思います。これを見ますと、第一回のときの位置づけでは、看護婦、薬剤師、それから栄養士、これらが同じところに扱われておる。ところが今度改定になってから非常に差ができてきている。それで看護婦の初任給では二万五千六百円でございますが、医療職(二)ですか、これは二万三千円、それから二万四千百円と、こう違っているんです。これは看護婦のほうが初任給は高くなっておる。ところがずっと経過してまいりますと、看護婦さんは五万八千円でとまりになっておる。ところが看護婦長は七万二千六百円ですか、何年か後に。これは四十八歳、四十九歳、これで七万二千六百円になっておりますが、栄養士主任とか技師長は七万四千五百円でずっと高く伸びておる。看護婦は五万八千円でとまり。それからエックス線技師とか、栄養士は六万三千八百円までのぼるようにあなたのほうの表ではなっているんですが、初任給はなるほど看護婦は高くなっておる。なるほど二万五千六百円は二万三千円とは相当違っておる。けれども、経験年数というんですか、ずっとやっておるうちにこれだけの相違が出てくるというのはどういうことなんですか。
#16
○政府委員(尾崎朝夷君) 先生のお示しのはどういう資料かよくわかりませんけれども、現在適用いたしております俸給表は、看護婦さんの場合には医療職俸給表(三)という俸給表でございます。
#17
○藤原道子君 ええ、そうです。
#18
○政府委員(尾崎朝夷君) その表は看護婦さん、一応看護婦さんだけに対しまして支給するという形になっておるわけでございます。それに対しまして、栄養士とかあるいは薬剤師、エックス線等は医療職俸給表の(二)というのを適用いたしております。それぞれの職種がいろいろございますので、そういう職種に従いましてこの医療職(二)の俸給表の適用をいたしておりまして、したがって、医療職(二)の俸給表の適用を受ける職種が全部一番上まで上がるということではないわけでございます。それぞれ中におきましての適用基準というものを別の規則をもって定めております。それの職種は何等給まで上がれるとか、そういう形で職種に対する特別な適用をいたしておるという実情でございます。
#19
○藤原道子君 だから、その職種によって適用すると、そのときに看護婦はここでストップ、それから同じ年数でありながら、この昇給の状態を見ましても、エックス線技師あるいは栄養士、検査技師、これらの人が同じ年数で、出発は看護婦のほうが高いにもかかわらず、ここまでくると同じ年数で五万八千円、一方エックス線技師、栄養士等は六万三千八百円までいっているんですがね。だから、看護婦はこれだけでいいんだというきめ方はどこから出ているんですか。職種によってきめるというならば、同じ年数を働いて、初任給は看護婦のほうが高いんです。それで同じ年数でこれだけの差ができるというこの考え方はどこからくるかを聞かしてください。
#20
○政府委員(尾崎朝夷君) いま先生の表をちょっと見ないものですから……。
#21
○藤原道子君 だって、あなたのほうにあるでしょう、きめたんだから。
#22
○政府委員(尾崎朝夷君) 現在の俸給表はございます。
#23
○藤原道子君 それではどうなっているの。
#24
○政府委員(尾崎朝夷君) 現在の俸給表、これは昨年の八月に勧告をいたしまして六月から適用になったものでございますけれども、それによりますと、医療職俸給表の(三)というのがございまして、看護婦さんの場合には三等級から入るわけでございますけれども、二号の二万八千八百円から入ります。三等級の二号というところから入るわけでございます。そこから入りまして、昇給をいたしまして、看護婦さんの等級といたしましては三等級の最高号俸は六万三千円という形になっておるわけでございます。そうして、婦長になりますれば上の等級で七万八千九百円まで上がれる。さらに総婦長の場合には一等級九万六千六百円。さらに特大の病院の総婦長の場合には特一等級というのがございまして、十万九千七百円まで上がれるという形になっております。
 こういう俸給表をつくりましたのは、先ほどから申し上げておりますように、一つには、民間におきましてのそれぞれの職種の給与というものの調査を一方でいたしまして、他面におきまして、公務員の中におきます――それは行政職が中心になりますけれども、行政職とのバランスを通じまして、ほかの職種とのバランスということになるわけでございますけれども、そういうことでバランスを二つの面でとってきめていくということが現状でございます。
#25
○藤原道子君 それでは、ついでにエックス線技師とか、栄養士、検査技師の俸給はどうなっておりますか。
#26
○政府委員(尾崎朝夷君) エックス線技師の場合には、医療(二)の五等級に入りまして、短大二卒の場合には二万六千円に入ります。短大三卒として、看護婦さんと同じ学歴基準ということになりますと、二号の二万七千百円ということになるわけでございます。つまり看護婦さんが二万八千八百円に対しまして、二万七千百円という形になっておるわけですけれども、そこから入りまして、医療の(二)の五等級を上がりまして、さらに経験を積みますと四等級に上がるという形になるわけでございます。さらに主任ということになりますと、医療(二)の三等級になりまして、その最点号俸が八万二千四百円というふうに形づけられておるわけでございます。
#27
○藤原道子君 それから、途中のその医療(二)の四等級ですが、このときは幾らですか。
#28
○政府委員(尾崎朝夷君) 医療(二)の四等級の最高号俸は六万九千二百円でございます。
#29
○藤原道子君 やっぱりここへきても、そちらのほうが高くなっていますよね。看護婦さん六万二千円、それからこちらが六万九千二百円と、やっぱり差がかえって広がってきているのじゃないですか。それからその下を見ますと、看護婦の場合ですが、高卒後となって経験年数となっていますけれども、高校出て、さらに三年行った学歴をちゃんと見ているのですか、どうなんですか。
#30
○政府委員(尾崎朝夷君) もちろん見ているわけです。いまも申し上げましたように、たとえば医療(二)に入ります短大卒、かりに短大二卒の場合でも二万六千円でございます。それで看護婦さんの場合には、短大三卒ということで二万八千八百円ということになっておるわけです。
#31
○藤原道子君 それが、年数が経るに従って看護婦が安くなるのはどういうわけですか。
#32
○政府委員(尾崎朝夷君) この関係は、先ほど申しましたように、一つには民間の給与の関係、それから一つには、中におけるバランスの関係ということで二本立てで給与をきめていくというのが一般の原則でございます。看護婦さんの場合には、大体、給与の一般的な立て方が、民間においてもそうでございますけれども、初任給が比較的に高くて、そうして最高のほうはそれほどでないという形の、いわば専門職的な給与が一般の形態のように私どもは見ております。民間の給与との比較におきまして、看護婦さんの場合には、従前からむしろ公務員のほうが高いという形になってきておりますが、いま仰せられましたエックス線その他栄養士等につきましては、官民格差の比較をいたしますと、やはり民間のほうが高いという形になりまして、その民間の格差を埋めていくということで片方は改定をしていくということになっておりますけれども、看護婦さんの場合には非常に近づいている感じがしますけれども、まだ公務員のほうが相当高いという形がございまして、そういう関係で、若干反映しながら従前の給与はきまっておるという実情でございます。
 ただ、最近看護婦さんの需給関係が相当きびしくなってきておりますので、給与の関係からできるだけこういう関係は改善をしていくということもしなければいけないということで、たとえば昨年の場合には、行政職の改善額に比べまして約二百円アップという形で改善をしたわけでございます。
#33
○藤原道子君 私は納得いかないのです。民間が低いとおっしゃるけれども、平均ででしょう。このごろは民間のほうがはるかに高いところがたくさんできています。そういうほうに流れていく人が多いのです。民間のほうが高いという例を出してもよろしいですが、民間のほうが高くなっています。そうでなければ看護婦が集まらないのです。そういうきめ方をするのは、そもそも女の職種だからという頭があるのです。そういうところに問題があると思うのです。いままでが低かったから、それに比較すれば二百円上げましたというけれども、看護婦は特別にいままでは低かったからそうなった。低過ぎたんです。
 私は、きのう汽車の中で、これは有名な大学の医学部の教授に会いました。このごろの病院の看護婦はどうしても高い教育をしてもらわなければ困る、医療が非常に高度化してきた。したがって、看護技術も高度でなければ困る。それに比較して看護婦の給与が安い。夜勤があるのですよ、避けられない夜勤というものがあるのに、そういう面から言って看護婦不足になるのは待遇の面にあると思う、こういうことを言っていました。あなた方だって入院をしてごらんなさい。いまの病院でいいとは思われないでしょう。入院したことがないかもしれぬけれども、とにかく看護婦の問題は待遇の面で非常な大きなマイナスを来たしているのだということをひとつお考えになっていただきたいと思います。
 それから、もう一つ私が納得がまいりませんのは准看護婦の問題です。准看護婦の問題は、看護婦、准看護婦、看護助手とありますね。ところが、これを見ますと看護助手のほうが初任給が高いのです。これは四十四年の四月十五日の給与表でございますが、准看は中学を卒業して二年行って都道府県の検定試験に合格して准看になる。ところが准看のほうが二万六百円で、今度上がったでしょうけれども。それで看護助手は二万二千四百円、千八百円も初任給においてすでに差がある。そうしてそれがずっと並行してまいりますと、准看護婦は四万七千六百円でとまりでございます。ところが、そのときに看護助手はずっといって五万五千円までここに出ておるのですね。看護助手のほうが高くって准看のほうが低いという理由はどこにあるのですか。二年の専門教育を受けている……。
#34
○政府委員(尾崎朝夷君) 准看護婦の場合には、中学卒後二年の教育を受けておりますので、現在は二万三千四百円の初任給でございます。これに対しまして看護助手の場合には、高校卒でたてまえとしては二万二千百円でございます。で、准看護婦のほうが学歴は一年下でございますけれども、こういう形で初任給を優遇しておるということでございます。
#35
○藤原道子君 じゃ、看護助手は全部高校卒ですか。
#36
○政府委員(尾崎朝夷君) 高校卒の場合で二万二千百円でございます。中学卒の場合には二万四百円でございます。
#37
○藤原道子君 私はそういう位置づけがおかしいと思うのですよ。とにかく准看が、いまでは看護婦が足りないものですから、ずいぶん苛酷な労働を強制されているのですよ。それで看護助手は看護婦じゃないのですよ。あれは補助者なんです。雑務をやる職種なんです。それで看護助手のほうがどんどん上がっていって准看が頭打ちになっている。ずっとそういうことできめるところに納得がいかない。
#38
○政府委員(尾崎朝夷君) いま申し上げましたように、准看護婦の場合の初任給は二万三千四百円でございます。それよりも一年学歴の高い高校卒で看護助手に入った場合には、たてまえとして二万二千百円でございます。かりに中学卒で看護助手に入った場合には二万四百円でございます。したがって、看護婦さんの場合にはそれなりの職域的な関係を評価をしておるということでございます。さらにそれから昇給をしていくという場合に、准看護婦さんに比べて何といいますか、看護助手が非常によくなるということはわれわれとしては考えておりません。
#39
○藤原道子君 准看は、ずっと何年くらい本給は上がっていくのですか。
#40
○政府委員(尾崎朝夷君) 准看護婦は医療職俸給表の日の四等級を適用されるわけでございますから、四等級は現在は二十二号俸までつくってございます。なお、准看護婦さんを養成いたしましてから、それほどまだ最高号俸まで達しておりませんので、そういうふうになれば、またこの関係は再考慮をしていくということでございます。さらにこの問題は、准看護婦さんの等級が四等級だけでいいかどうかという点につきましては、厚生省からもいろいろ御相談もございますし、われわれとしても、こういう関係をさらにどういう方向にこれを改善していったらいいかということをいろいろ研究しているところでございます。
#41
○藤原道子君 それでは、このごろ准看の中にも相当高等学校を出たのがございます。高等学校を出て、それで二年の准看学校へ行ったのがございます。そういう人はどういう待遇になっていますか。
#42
○政府委員(尾崎朝夷君) 普通は中学卒で入るわけでございますけれども、超過の学歴があるという場合には若干の評価をするということで、次の号俸で、四等級二号俸で採るという形にしておる……。
#43
○藤原道子君 そうすると幾らになるの。
#44
○政府委員(尾崎朝夷君) 現在二万四千六百円でございます。
#45
○藤原道子君 看護助手は。
#46
○政府委員(尾崎朝夷君) 看護助手は、先ほど申しましたように、高校卒で二万二千百円でございます。
#47
○藤原道子君 私の資料によると、二万二千四百円になっているのは間違いですか。
#48
○政府委員(尾崎朝夷君) 先生の資料見ておりませんのでわかりませんが……。
#49
○藤原道子君 それから、私は問題点を伺っておきますが、看護婦というものに対する認識を私は改めてほしいということを強く要望し、これまでそれを黙っていた医務局もおかしいと思う。
 それから、もう一つ伺いたいのは、准看護婦が実務三年で、それから看護学校へ行きますね、それで看護婦の資格をとります。それからまたもとの病院へ戻ったときにはどうなっておるか、それが一点。それから、三年で行けるとは限らないのです、五年も六年も、八年も十年もたって行く。そして看護婦になった場合の、その人が職場に戻った場合の待遇はどうなるのか、これをひとつ伺っておきます。
#50
○政府委員(尾崎朝夷君) 准看護婦がさらに勉強をいたしまして看護婦になるという場合には、ある程度実務経験を得た後に行くという話でございます。もちろん正規の学校を出まして帰ってまいりますれば、看護婦の等級でございます三等級に入るということでございますけれども、問題は金額でございます。その場合に、従前の准看護婦としての経験というものを看護婦の経験としてどれだけ評価していくかという問題でございます。これはもうあらゆる商い免許を取る場合にすべてそういう問題が起こるわけでございますけれども、私どもとしましては、准看護婦の経験はすべてそのまま看護婦の経験であるという形にすることは、やはり上の高い資格を取るという意味におきましては、高い資格の経験として全部准看護婦の経験を見るということは理論的に問題があるというふうに考えるわけであります。やはり若干割り引いて、たとえば准看護婦の経験が十年ありますれば、それを若干割り引いて八割なら八割にして看護婦の経験とみなすといったようなことをあらゆる職種についてやっておるわけでございます。そういう関係でございますので、どれだけ経験を積んで帰ってくるか、勉強して帰ってくるかということによって、その経験年数によって違いますけれども、長くなりますと若干下がるところも出てくる。たとえば十年とおっしゃいましたけれども、十年もの長期になりますと下がってくるケースも出てくるということもございます。したがって、その問題、確かに、当面の一般的な問題としてはそれほどないと思っておりますけれども、看護婦さんの場合には、ちょっとその点は准看護婦と看護婦の関係におきまして問題があるというような感じがいたしますので、現在その関係を検討しておるということでございます。
#51
○藤原道子君 おかしいですよ、これ。一生懸命勉強して、それで正式に看護婦の国家試験に受かって職場に帰るとレベルダウンになる、給与が。それで准看さんのほうがいいということになる。こんな不合理なことはないと思う。この点については、医務局長はどうお考えですか。
#52
○政府委員(松尾正雄君) レベルダウンになるかどうかちょっとわかりませんけれども、俸給表というものは非常にむずかしい仕組みのようでございまして、いろいろ右左を入れるとかお考えになった上でバランスをとるように苦労しているように思いますが、いまの准看の経験年数というものを、かりに上に行った場合には、全部一〇〇%看護婦と同等に見ていく、これはやはり給与のたてまえからいうと、どうも少し行き過ぎではないかという感じがいたすのであります。上に行った人は、それと同じ経験年数で計算をいたしますと、それでは行けなかった人はどうなんだという問題がどうも出るような気がいたしますので、ちょっとまだ私自身も検討不十分ではございますけれども、上に行った場合に、その過去の経験年数を全部看護婦と同じように一〇〇%計算するということには、私はそれ正しいとはいま言いにくいような感じがいたします。
#53
○藤原道子君 厚生省は安上がり政策で漁者ばかりふやしてきた。それでいま看護婦長をやらしたり、病棟主任をやっている准看さんがたくさんあるのです。それでも准看と言われるから、本人たちは二年間休んで学校に行って勉強して、国家試験を受ける。そして戻ってくると、いままでの給与より安くなってしまう。これでは看護婦の充足は――ほかに行くともっといい給料とれるのですから。看護婦になろうという向学心、正しい医療に従事したいということで金を使ってやって、戻ってきたらば給料は安くなる。これはどうも私は問題があると思う。それと同時に、厚生省がもっと高等看護学院をふやせばいい。六倍も七倍も競争率があるのに、准看ばかりふやしてきた。いまや、四・四・二なんと言うけれども四・六くらいになっているのではないですか。来年あたりになるともっと看護婦のほうが下がってくる。医療法とはちょっと、その精神と反するような仕事を准看にどんどんやらしているのですから。こういう点からいきましても、せっかく苦労して勉強して、資格を取って帰ってきたらば給与が下がる、こういうことでは向学心にも影響するのではないか。看護婦の充足という面からいっても、たいへんな問題が起きるのではないか、こう思いますけれども、両方の御意見を聞かしていただきたい。
#54
○政府委員(尾崎朝夷君) 一般論といたしますれば、まあ一応やめまして、ほかの学校に行って高い学歴をとってくるという場合に、高い学歴、資格の場合に、前の経験をどれだけ評価するかという場合に、全く前を一〇〇%、十割評価していくということは問題があると思います。そういう原則論としては、当面の場合も同じだと思います。したがって、私どもやっていること自体は、原則論としてはおかしくないというふうに考えておりますし、いまおっしゃいましたように、給与が、帰ってきて下がると申しましても、下の等級にいる場合と、上の等級にいる場合とでは、やはり昇給関係が非常に違いますので、ずっと最後まで下がるということじゃないわけでございます。ただ、帰ってきたときの一時的な初任給が、帰ってきたときの金額が従前おった場合に比べまして一時的に下がるというケースがあるという話でございますから、その点につきましては、理屈としてはいいんじゃないかと思っておりますけれども、しかし、当面の問題として、やはりいろいろ看護婦さんの需給問題、あるいはおっしゃいましたように、さらに高い資格をとらせるという要請もございますので、なるべく下がらない、帰ってきて一時的にも下がらないほうがいいということだろうと思います。したがって、その関係はそういう方向でひとつ検討してみたいというふうに現在考えて、いろいろ検討しているところでございます。
#55
○藤原道子君 私は、この場のがれでなしに真剣に考えていただきたい、重大な問題ですからね。医療機関が閉鎖しなきゃならないという事態になっている。それから、このごろ大きな企業で診療所なんか持ちますね、そこへひっこ抜いていく。そっちは夜勤がないでしょう、給与がいいでしょう。看護婦にとって夜勤がないということは魅力ですからね。それで優秀な看護婦がひっこ抜かれてしまって、病院に非常な大きな支障を来たしている。それで、看護婦の職種は、どうお考えか知らないけれども、夜勤というものをどうしてもしなきゃならない。その夜勤手当の規定はどういうところからはじき出しているのか。これこそ民間が非常に高いんですよ。
#56
○政府委員(尾崎朝夷君) 看護婦さん方が夜勤を非常に長くやっておられるということは十分承知いたしております。で、なるべくその回数を少なくすることが望ましいということを、当面において、人事院としては要請をいたしておるところでございますけれども、しかし、実際問題として相当長くやっていらっしゃいますので、給与問題としてはできるだけ措置をしていくという必要があるわけでございます。そういう関係で、もちろん普通の成規の勤務時間を夜中にやりますので、いわゆる普通の給与に対しまして二割五分増しのいわゆる夜勤手当というものが出ます。さらにその上に交代制的な手当、夜間看護手当というのを最近といいますか、数年前に創設をいたしまして、昨年の勧告においてこれを二百円、一晩二百円ということにいたしたわけでございます。この関係を民間でどのようにやっているかということを調査をいたしまして、民間において、昨年の調査の場合には、約半分の事業所といいますか、病院、診療所におきまして特別な手当を出しているという事実をつかんだわけでございます。その平均が百三十五円という関係がございましたので、さらに夜勤の何といいますか、割り増し率の高いところも若干ございます。そういう関係も総合しまして計算をいたしましたところが約二百円と、二百円近い額になりましたので、その額、民間と均衡をとるということで、民間並みということで手当を二百円ということに昨年勧告をいたしたのでございます。
#57
○藤原道子君 民間民間とすぐお出しになるけれども、安い平均出されちゃ困る。慶応とか、慈恵のようなところは五割増しですよ。それにプラス食事代として百五十円出ている。看護婦さんたちに聞くと、両方合わせても五百円以内だというんですよ、夜勤手当が。その中から御飯も食べるし、タクシーにも乗らなきゃならない、住宅事情が悪いですからね。そうすると、夜勤したってパーだというんですよ。と同時に、普通の勤務時間が夜になるんだからとおっしゃいますけれども、夜勤というものがどれだけつらいかということをお考えになっているでしょうか。こういう点も加味した看護婦の給与というものがはじき出されなきゃならない。ほかと比例してとおっしゃるけれども、ほかの職種では、夜勤というのは交換手だけでしょう。ことに婦人の夜勤は禁止されているのですよ、正式にいけば。ただし、看護業務の特殊性から認めているということなんです。それに対して百分の二十五つきますよ。それで、一回について百円では安いじゃないかとさんざん責めたら、大幅に値上げしました、倍にしましたと。百円の倍は二百円ですよ。このごろ子供に小づかいやっても百円じゃあまりうれしそうな顔をしませんよ。こういう点に無理があると思うのです。給与体系そのものにも、こういうところまで加味した給与体系がつくられなければならないのじゃないかと私は思う。ところが、あなた方の官僚的な頭でいけば、ほかの職種を考えてと、こうなる。ほかの職種で夜勤が義務づけられている職種というのはないでしょう、どうですか。慶応と慈恵は間違いなしにこのとおりなんです。
#58
○政府委員(尾崎朝夷君) 仰せのとおり、看護婦さんの場合には、まあ女でございますから、夜間の関係があまり適当じゃないということの上に行なわれておるということでございます。もちろん国家公務員の夜間勤務というのはいろいろございまして、非常にたくさんございます。たとえば空港その他気象等におきましても成規の勤務時間がずっと夜中まで、二十四時間勤務やっておるところが相当ございます。そういうところにつきまして、昨年の勧告の場合には、そういうほかの原則として男がやっております二十四時間勤務の夜勤手当と申しますか、交代制的な手当につきましては、一晩といいますか、一回百円でございます。一晩ずっと長く続けてやるような場合には百五十円ということでやっておるわけでございますけれども、看護婦さんの場合には、去年民間の調査をやりまして、五百事業所も調査をいたしまして、その結果としまして二百円ということできめたのでございます。
#59
○藤原道子君 どうしても、看護婦の立場の特殊性というものはあまり考える必要はないというお考えですか。倍にしたといっても二百円ですよね。いまの百円、百五十円というのはどういう職種ですか。
#60
○政府委員(尾崎朝夷君) いま申し上げましたように、交代制勤務といたしましては、もちろん何といいますか警察、刑務所その他いろいろございますけれども、そういうのは特別の俸給表でなされているわけでございますが、いま申し上げましたのは、たとえば羽田の空港に勤務いたしております例をとりますと、あそこでは二十四時間の税関職員がおります。さらに管制官等空港職員のいろいろな職種がございます。さらに航空気象をやっている職員もございます。そういう職員はみな二十四時間勤務で交代をして、いわゆる四直三交代ということでやっているわけでございます。
#61
○藤原道子君 ではわずかな職種じゃありませんか。とにかく看護婦のいまの勤務状態からして、いまの待遇は悪過ぎるということなんです。看護婦は、七年なり十年選手になってほんとうの仕事ができるといわれる。そのころは家庭を持ちますね。家庭を持った看護婦さんが夜中の勤務をしなければならない。それも、あなたのほうではニッパチ制を出されたけれども、八日夜勤というのはほとんど少ないです、まだ。多いところは月うち半月くらい夜勤している。そうすると、家庭というものが成り立つでしょうか。さらにそれにプラスして五百円の夜勤がついても、自動車で帰らなければならない、交通機関はもうないんですから。夜食も食べなければならぬ。それで家に帰れば亭主にいやな顔をされる、子供の問題があるということになったら、やめていくのがあたりまえでしょう。私はやめるのがあたりまえだと思う。だからやかましくいうのは、早く病院内に保育所をつくるとか、夜勤の数を少なくするとか、夜勤手当をもっと思い切ってふやさなければ、看護婦の充足充足と言っても、学校をふやしても、やめる人が多ければ意味がない。それで引き抜きに病院の婦長さんたちが重い任務を持ちながら、きょうは東北に、あすは九州にと行くわけです。看護婦の引き抜きに歩いておる。引き抜かれれば向こうが困るんです。そういうことではなしに、喜んで誇りをもって働けるような魅力のある職場にするにはどうするか。これを医務局を中心に真剣に考えていただかなければ看護婦の充足は夢物語になると思いますが、さらに検討していくという御意思はあるんでしょうか、ないんでしょうか。
#62
○政府委員(尾崎朝夷君) 先ほどから申してまいっておりますように、やはり昨年の勧告におきましても、俸給表の金額の改定のしかた、あるいは夜勤手当の増額というような関係で、私どもとしましては、できるだけそういう方向で、改善の方向で努力してきておるつもりでございます。もちろん、当面の需給関係の改善ということは給与だけの問題ではないと思いますが、やはり給与の関係も非常に大事だというふうに考えますし、医務局とも十分相談をいたして、この改善には今後ともさらに努力してまいりたいというふうに考えております。
#63
○藤原道子君 最近は、中卒でも初任給が二万五千円とか三万円が一般ですよ、そういう時代なんですからね。頭を切りかえてくださいよ、お願いします。
 それから医務局長にお伺いしますが、こういう中で勤務している看護婦さんの労働基準監督署が調査した基準法違反、このデータが出ておりますが、十八くらいを除いた県で違反件数が平均いたしまして九三%と出ておる、労働基準法違反。これは国立を除いているんです。こういうふうにきめた、きめたというけれども、労働基準法違反をしなければやっていけないいまの実態なんです。したがって、処遇の問題をもう少し力を入れていただきたい。これは准看護婦が看護助手よりも低いような給与体系ではおもしろくございません。それから学校で試験を通って戻ってくれば、前にいたときより安くなるということもまた魅力を失うのではないでしょうか。これをひとつ真剣に考えていただきたい、強く要望いたします。この労働基準法違反の問題については労働日の委員会のときにもっと詳しく追及したいと思います。
 そこで、この看護婦の定着をよくするためにどういうことを考えていらっしゃるか、それを伺いたい。
#64
○政府委員(松尾正雄君) 定着率を上げますためには、いまお話がございましたように、また、従来から私たちも感じておりましたように、第一にはその処遇改善ということが基本である。それから第二には、やはり先ほど来お話がございましたように、特殊な勤務条件というものがございます。そういうようなときに夜勤をするということ、こういう勤務条件をなるべく早く解決してあげるというのがやはり大事なことであります。それから第三には、家庭を持っておられる方がふえてまいりました。こういう方々の職業と家庭がなるべく成り立ちますようないろいろなくふうをしていくと、こういうことに、大きく申し上げれば、大体尽きるのではなかろうかと思っております。
#65
○藤原道子君 いろいろなくふうの中には、どういうことが入っておりますか。
#66
○政府委員(松尾正雄君) 一つは、やはり全国一律ということにはまいらない問題だと存じますけれども、いろいろな職業構成の内容と看護陣営のいろいろな組み合わせの中では、たとえば勤務時間等についても、同じ職場の中でこれが一番いい方法ではないかというようなものがあれば、そういうことも一つ考えていく。これは決してすべての病院はどうこうということにはならぬと思いますけれども、たとえば交代の時間等も、それがみんなで非常にいいんだということがわかれば、そういうふうに進めていくのも一つでございましょう。それから、そのほかに、まあ保育所の問題等がございます。これは私どもいろいろ調べてみましたけれども、ものすごくたくさんの声があると感じておりましたが、具体的にいろいろ調べてみますと、なかなかそこへ踏み込めないという病院内部の実態もあるようでございます。たとえば子供さんの数が一病院としては非常に少ない。したがって保育所というものが成り立たないというような問題があるようでございます。それにいたしましても、やはりできるだけそういう院内の保育所というものを一般の保育所もうまく考えながら設置をしていく、こういうことが一つ必要だと思います。しかし、その中にも夜勤体制があるので、昼間の保育所と同じことではやれないじゃないかという議論もございます。現実に夜間の保育所をやっておる病院内の保育所もございますが、私ども、それらにもいろいろ問題があろうと思います。むしろこれでなければいかんということは言い過ぎだと思いますけれども、そういう実例もできる検討して、できるだけそういう方向でくふうをしていくことが一つの具体的な道ではなかろうかと思います。
#67
○藤原道子君 現在、保育所のある病院はだんだんふえていますよ。そういうところは、経営者が見ておるところは少ないのです。労働組合側がお互いに出し合って保育所をやっておる。その保育所があるところはわりあいにうまくいっておる。ところが、あなた方は私のいままでの質問に対して、幼い子供を母から離して、二十四時間保育は好ましくない、こういうことであった。好ましくないならば、それにかわるべきものを何か考えてやる。県によりましては、県が保母さんの二人分の費用を持つとか、いろいろやっていますよ。国は何にもしていないのですよ。それでまた、あなただったか、その前の医務局長だったか知りませんけれども、交通混雑のときに赤ちゃんを連れて病院へ来るということは危険である、こう言う。ですから、それならば地域に乳児保育所をもっとそれこそふやしていくとか何とかしなければ、子供が一人のうちはまだつとめている人が、二人になるともうつとまらないと言うんです。私たちの家庭経験からいうと、二人もいると、お母さんが夜中にいないではやっていけるはずはない。だからこれらに対する対策が考えられてしかるべきだと思いますが、それはどうですか。
#68
○政府委員(松尾正雄君) 私はやはり理想として、もしできますならば、子供はなるべく住宅の近くの保育所に預けて、おかあさんたちがそういうところへ行かれる、それが理想だと思います。おっしゃるように、満員電車の中に赤ちゃんを連れていくということは、確かに看護婦さんとしては問題がありますけれども、やはり子供のほうとして考えれば、専門家のほうでも問題にされておることでございます。そういう意味では、できるだけ家の近くにあることが望ましいと私は考えますけれども、御承知のように、乳児保育という問題は、ようやくやはり試験期に入ったというような段階でございまして、その数もきわめて少ない。したがって、第二のやむを得ずということで病院内の保育所をつくらざるを得ないと、こういうことになっております。私どもは、やはり地域保育所の整備をそういう面からも非常に強く要望いたしておりますが、同時に、やむを得ず病院内につくるということもございます。たとえば来年度におきましては、国立病院なり、療養所で約三十六カ所だと思いますが、その程度の保育所をつくるという計画に対して設備等の費用を出したいと、こういうふうに考えております。
#69
○藤原道子君 夜勤の場合は、出てくるときはわりあいにすいておるのです。帰る電車が込むのです。朝連れて帰るときにはそれが逆になるのです、大体。だから、あなた方言うことも必ずしも全面的に私たちは受けとめるわけにはいかない。それよりも母親が安心して働ける状態にするということが何より大事じゃないかと、こう思うのです。これに対して若干でも前向きにいま考えられているということは一応評価しますけれども、これに対してもっと積極的に――いろんなところでやって効果があるのですから、保育所持って悪かったという例はまだ聞いておらないのです、私も病院方々回っていますけれども。ですから、いいならば、それによって少しでも看護婦の定着率がよくなってくる、看護婦さんも安心して働けるというならば、そこまで親心を発揮していいんじゃないでしょうか。よほど思い切ったことをしなければ日本の医療は破壊されます。すでにその徴候が出ているのですから、これについては強く私は要求いたしておきます。
 この看護婦の教育その他については次回に譲るといたしまして、次にお伺いしたいのは、最近の新聞に精神病院の追跡調査が報道されて、私はあれを見るとまじめにやっている医療従事者はいやだろうと思うのです。あるいは精神病院へ入っている患者の御家族の人たちもどんなにつらい思いをしているかと思います。私がまず第一に伺いたいことは、精神病院のいまの実態ですね。
 それからもう一つは、精神異常とか、いわゆる精神病質等を入れまして、その対象となる人員はどのくらいあるのですか。そして、いま病床数はどのくらいあるのですか。
#70
○政府委員(村中俊明君) お尋ねの第一点の最近の新聞その他で報道されております病院の中の暴力、刑事問題についてでございますが、ただいま御指摘のとおり、ごく一部の施設だと考えておりますが、非常に私残念なことだと思っております。報道されております内容、私どもの報告を受けております内容につきましては、大体過去一年ないし二年以内に起きた事故の例数の報告が精神神経学会の雑誌に報告されまして、これが新聞その他に報道されたのがあったわけでございます。これらの問題の施設につきましては、それぞれ病院監査、それから勧告、さらに改善のできないものについては、精神病院の指定の取り消し、こういった措置を行なっておりますが、非常に残念ではございますけれども、できるだけこういう事態が起きないように今後も努力をしてまいりたいと考えます。
 なお、患者の数と、それから病床の数がどういう事情になっているかという点のお尋ねでございますが、現在、病院の数が千三百――これは昨年の六月でございますが、精神病院の数は千三百三十一ございまして、病床数が二十三万二千、この中に収容されております患者の数は二十四万六千人というふうな数字でございまして、全国的に一体患者の数がどれくらいいるのかという点になりますと、なかなか的確な資料がございませんが、昭和三十八年に行ないました精神障害者の実態調査の数字によりますと、総数が百二十四万人、そのうちで精神病が五十七万人、こういう数字になっておりまして、施設に収容することを必要とするという患者数の推計が百二十四万人のうち二十八万人というふうな数字が出ておりまして、現在私ども持ち合わせているのはそのような資料でございます。
#71
○藤原道子君 国立はどのくらいあるんですか、公立の精神病院は。
#72
○政府委員(村中俊明君) 国立は、単独病院と、それから総合病院に付設している精神科病棟、これも一病院という計算をいたしまして、全部で六十二施設でございます。
#73
○藤原道子君 民間は。
#74
○政府委員(村中俊明君) 概数でございますが、民間が千七十です。
#75
○藤原道子君 いま指定取り消し等をやっているとおっしゃいましたが、いままでで指定取消しをした数はどのくらいありますか。
#76
○政府委員(村中俊明君) 全般的な資料は私持ち合わせておりませんが、新聞その他で報道されております施設数が十でございます。十カ所ございまして、この十カ所の施設の中で現実に指定病床を持っているその施設の数が六カ所でございます。十施設の中で六カ所が指定病床を持っている施設でございます。この六カ所の施設の中で四つの病院について指定の取り消しをいたしました。一カ所はただいま指定の取り消しを考慮中。もう一施設については、これは職員の労働争議の問題で病院の医療にはそれほど影響はないというふうな判断で、これは指定の取り消しをいたしておりません。
#77
○藤原道子君 私は、百二十四万というのが少し内輪じゃないかと思うのです、精神病のお医者さんなんかに聞いてみると。これはもっと厳重に調査をしていただきたいと思います。
 それから措置入院ですか、措置入院患者を見ますと、公立の場合は退院がわりに早いですね。民間の場合は非常に長い間入っているように私の調査ではなりますけれども、これはどうですか。
#78
○政府委員(村中俊明君) 最近はだんだん入院期間が短かくなってまいりまして、はっきりした記憶はございませんが、たしか二年ぐらいじゃないかと思っておりまして、民間と公立の施設の関係につきましては若干の相違があるようでございますが、ただ一番入院を延ばしていると申しますか、患者の医学的な状態から判断して措置を解除してもいいというような指定がきても、患者の家族のほうの受け入れ態勢と申しますか、生活環境の問題で、なかなか医学的な条件だけでは解決されないというのが遷延の実情のようでございます。
#79
○藤原道子君 大体公立では平均どのくらいの期間か、私立はどのくらいかということはわかるのでしょう。
#80
○政府委員(村中俊明君) これは昭和四十二年の資料でございますが、ちょっとこまかくなっておりますけれども、厚生省の所管しております精神病院の入院患者の在院日数は、四十二年の六月の調査によりますと三百四十六日。その前に、総平均でございますが、四百三十日になっております、全国平均ですね。そのうちで厚生省の所管している精神病床に入っている患者の在院日数が、いま申し上げました三百四十六日。それからその他の法人、これは医療法人、医療法人では四百七十一日、これは民間的な色彩が強い。こんなような数字が出ております。
#81
○藤原道子君 それで、退院したあとの、何と言いますか、アフターケアというのでしょうか、追跡調査というようなものはなされているのですか。
#82
○政府委員(村中俊明君) 御承知のとおり、精神衛生法に基づきまして退院した後のアフターケアということで、通院医療に対する公費の負担、これが医療費の二分の一を公費で持っておるわけでございますが、大体四万七千円ぐらいの年間の予算に相なっております。
#83
○藤原道子君 たてまえはそうなっているけれども、実際に行なっていますか。
#84
○政府委員(村中俊明君) 四万七千円と申し上げましたのは予算上の数存でございますが、ほぼ予算に見合ったような実数がございます。
#85
○藤原道子君 私が聞くところによると、なかなか実際には問題点があるようでございます。私は新聞記事だけを承知してそれで質問のているのじゃない。新聞記事もさることながら、実際に、第一、国公立が六十二で民間が千七十でしょう。国の精神病に対しての対策はなってないですよ。単独病院でなく、病床のあるところまで入れて六十二とおっしゃるでしょう。そうですね、国公立が。民間が千七十。ところが、その民間がこのごろどういう状態にあるか、監視して歩く人はどのくらいあるのですか。
#86
○政府委員(松尾正雄君) 医療法の面からいきまして医療監視員というのがあるわけでございます。これが全国で三千百七十名程度でございます。
#87
○藤原道子君 東京都でこの間、三鷹ですか、これが問題になっています。東京都では監視員といったっけ、これは私の見違いかもわからないけれども、四人しかいないそうじゃないですか。東京はどのくらいいますか、医務局長。
#88
○政府委員(松尾正雄君) 東京だけの数はちょっとここに持っておりませんけれども、三人とか四人とか、そんな数じゃないことは間違いございません。そこへ行かれた人が、三人か四人の医療監視員が病院に行かれた、こういうふうに聞いております。
#89
○藤原道子君 これは精神異常者であり、精神病質の人ですから本人の判断で事はできないでしょうね。だから、よほど精神病院にはあたたかい親心というものがなければ、中で患者が何されているかわからない。これで国公立病院では赤字なんです、大体。精神病院が正確にやっていけば。ところが民間ではわりにそうでないのですね。どうしてその差ができるのか。実はきょうも陳情に来られた人たちの話に正規の――まあきょうも三鷹の出ていましたね、きのうですか。医者が二分の一ですか、看護婦三分の一。やはりきょう訴えられた中の一つに有資格者の看護人、看護士ですか、これが非常に少ない、ほとんど無資格の人。四・四・二という規定はいまや夢物語で、二・二・六に行っていればいいほうで、一・一・八ぐらいな状態じゃなかろうか、無資格者で、無資格者ということが中にいる人にはわからないのですね。そうすると、患者の扱いなどがどうしても粗雑になるか、看護すべきところへ手が回らない。だから、この看護助手の規定を特に精神病院ではきびしくしてもらいたい、こういう要求がございましたが、そういう点に対して御調査なすったことがございますか。
#90
○政府委員(村中俊明君) お答えが的確じゃないかとも思いますが、数字を申し上げますと、これは四十二年の十二月の調査ですけれども、看護従事者の数が全国の単独病院、これは単独の精神専門の病院ですが、これが八百十八ございますが、この中で看護職員の数が三万一千名、看護婦の数が一万二千八百、准看護婦が約六千、看護人――これは資格を持った者ですが、男の方ですが、看護人が約八百、補助者の数が約一万人、こういう数字が出ておりまして、私どもといたしましても、現在の病床に対する患者のオーバーというふうな実態を考えますと、極力いい看護ができるようなそういう力を入れていく必要があると、こう考えております。
#91
○藤原道子君 これはいつの調査ですか。
#92
○政府委員(村中俊明君) 四十二年の十二月の調査でございます。
 それから一つ申し落としましたが、先ほど私、国立の施設が全部で――これは病棟を持っている病院も、いま申し上げました精神病だけの専門の病院も合わせて千三百三十の中で、国立が六十二あると申しました。そのとおりです。そのほかに都道府県立、それから市町村立、それから日赤、済生会、そういう公的医療機関、こういったものが国も合わせて二百五十五ございます。これが公立あるいは国立の医療機関の数ということでございます。
#93
○藤原道子君 国立が六十二で、ほかに……。
#94
○政府委員(村中俊明君) ちょっと小さくなりますが数字を申し上げますと、都道府県立が六十一、それから市町村立が七十八、その他の公的機関と呼んでおりますが、公立の施設が五十四。
#95
○藤原道子君 これはどういう関係ですか。
#96
○政府委員(村中俊明君) これは日赤とか済生会、これが五十四でございます。これはたしか二百五十五になっておりますが、その残りが千七十六ございますが、これがその他の民間あるいは法人ということになると思います。
#97
○藤原道子君 私が申し上げたいのは、とにかく民間が千七十六ですね。それでそこの管理状況を見ると、病院長とか経営者が主体となって、患者とか従業員の問題は顧みられないというところに問題がある。しかも、それを監督する人はまことに弱体である。もう少し精神病院に国が金をかけてもらいたい。文化が進むというか何というか、公害はふえるし、いろいろ社会が煩雑になってきますから、やれノイローゼだ何だといって、そういうものがふえてくるのじゃないですか。それなのに国がいまのような冷たい状態では、これは精神病院はますます民間が横行してくるということです。もっとも民間にもいい人はおります。けれども、看護人の問題にいたしましても、看護人というのは男、これは看護士となったものです。これは資格があるのですが、資格のない人は幾らですか。
#98
○政府委員(村中俊明君) 約一万、一番終わりに申し上げました九千名でございます。
#99
○藤原道子君 九千、無資格がね。おかしいですね。だから資格を持っている人がきょう見えられまして、とてもやりにくいのですって。なぜかといえば、こういう人たちは腕力に訴える。これが患者に問題を起こす大きな原因になっている。だからもう少し無資格の看護人――これは看護人でいいと思いますが、こういう人たちももう少し何とかしてもらえないだろうかということでございましたが、これはいま聞くと約一万人。じゃ、きょうの陳情はうそではなかったということになりますね。これは何とかできる見通しはありますか。やはりこのまま放置しておくのですか。
 それから、精神病院には医療法のあれは適用にはならないのですか、看護婦のこれに……。
#100
○政府委員(村中俊明君) 看護補助者の九千、約一万人近い問題の措置についてでございますが、私どもといたしましては、できるだけ看護人ないしは看護婦、准看護婦あるいは准看護人、こういう有資格の者をふやすような、そういう配慮によってこれを減らしていく。ただ、これを減らして看護力の不足ということがあってもまずいわけでございまして、この点は非常に困難でございますが、方向としては努力をしてまいりたい、こう思います。
 なお、精神病院の勤務者についての研修を計画的に四十四年から実施しておりまして、これは今後も力を入れてまいりたい。これはただ医師、看護婦だけではなくて、たとえば事務局長、あるいは一般の医局の医師といったようなものにまで範囲を広げていくような研修を現在考えております。
#101
○政府委員(松尾正雄君) 精神病院につきましても、医療法の標準とされている職員の数というものが規定がございまして、ただし、その場合は一般病院と違いまして、看護婦等につきましては入院患者六人に一人、結核と同じような措置がとられております。しかし、これはあくまで標準でございますから、それを上回っても差しつかえないということでございます。
#102
○藤原道子君 これはぜひ努力していただきたい。普通の病院でも看護婦が足りないのですから、精神病院へなかなか来ないということはわかる。わかるけれども、こういう状態が許されていいはずはないと思う。ことに、精神病院、社会の偏見から、ああ、あれは気違いだというのは、それは酷過ぎると思う。社会復帰できるのですから。その人たちの処遇こそ非常に大事だと思う。ところが、行ってひどいのも私一度見ましたけれども、あれじゃますます気違いになっちゃう、そうでない人も。何かといえばなぐるんですからね。病室の中がぷんぷんくさくて、便所があるんですから。あれは新聞の誇大じゃございません。私も見ておる。こういうことをあなたたちがきょうまで見過ごしておいでになったということは怠慢だと思う。今後、社会生活がだんだん変わってまいりまして、こういう病気――私だって気違いにならないと保証できない。しかし、なおるんですから、そんならなおすような処遇をしなければ一つの大きな罪悪だと思うんです。それを経営者がほとんど実権を握っちゃって、従業員と話し合う機会もほとんどないというような状態が多いようでございます。一番金を安くあげるのは食事だと思うのです。こういう問題も絶えず監視していただかなければ問題の解決にはならないと思いますので、この点は強く申し上げます。もうまじめに病院で働いておる従業員たちはつらいと思うんです、こういう記事が出ると。最後にいい病院の例が出ておりました。その他入院さしておる家族だって非常につらいと思います。こういうことのありませんように監督を強化する、それからまた、国がもっと精神病院に金を出すということをまず第一に考えて、結局、精神病と結核は国が持ちますという大きなPRをしたんですよ、松尾さん、何年前でしたか措置入院を認めるというときに。ところが措置入院は認めたけれども買い殺しのようなつもりで放置されたんじゃかなわない。この点はぜひ考えていただきたいと思います。
 それからもう一つ伺っておきたいのは、このごろアルコール中毒の患者、それから麻薬の患者、この発生状況はどうなっておりますか、それからその対策。
#103
○政府委員(村中俊明君) 先ほど御紹介申し上げました全国の実態調査の推計によりますと、中毒患者が総計で七万人という数字が出ております。これはほとんどその大部分がアルコール中毒患者であろうというふうに考えておりまして、麻薬患者についてはごく少数のようでございます。
 それから、これらの患者の措置につきましては、御承知のとおり、現在、先ほど申し上げました精神病院の一部に収容をいたしております。なお、アルコール中毒患者の退所後の指導、あるいはそういう家族を持っている方々の相談、こういった窓口的な指導業務につきましては、昭和四十五年度からは予算案をただいま計上いたしておりますが、全国の保健所の一部にそういう相談室を設けるような約一千二百万円ほどの予算がありますが、この中で一部をそういう相談室を設けることに使ってまいりたい、こう考えております。
#104
○藤原道子君 アルコール中毒患者の特別な専門の施設というので、われわれやかましく言いまして、法に基づくものが久里浜に一カ所できておりますね。その後の状況を伺いたいと同時に、そのほかにもアル中患者専門の病床ができるやに聞いておりますが、それは一体どうなっておりますか。
#105
○政府委員(村中俊明君) 国公立の施設で収容している中毒患者の数がたしか百三十名前後となっております。そのほかに、民間の調べた範囲内でございますが、施設の中で約三百人、四百五十人程度の精神病院のベッドを中毒患者の施設として使っている形でございます。
#106
○藤原道子君 そうじゃない。民間の病院で混合で入れているところでは、アル中患者は困るという意見があるのです。そこで、政府は、私たちに対して久里浜だけでなしに、もっとほかにもふやすというようなことを言われたことがあるのですが、その後ほかにもできておりますか、あるいはできる予定がありますかということを伺っている。
#107
○政府委員(村中俊明君) 後ほど資料をお手元にさしあげたいと思いますが、総数で、いま記憶いたしておりますのは、たしか国公立で百三十ベッド程度だと思っております。それから民間のほうにつきましても、できるだけベッド数を区分けをして、病棟ごとに収容するような形で現在指導いたしております。その数が、把握しておりますのは、約三百床でございます。
#108
○藤原道子君 ぜひそれを調べてください。アルコール中毒はほうぼうに放置されておりますよ。私の近所にもアル中患者がいて、とてももう家族が非常な悲劇におちいっている。一人家出して大騒ぎになっている、家族が。そういうのもあるのです。あるけれども、やかましく騒いだから久里浜ができたのですよ。このごろちょっと手をゆるめていたら、もう御安泰のような顔をしている。もっと患者をさがし出して、社会に迷惑のかからないようにやっていただくのがあなた方の使命だと思うのです。アル中患者は相当ふえているということ。
 それから麻薬はたいしたことないとおっしゃいましたが、麻薬の実態は、また日を追うて御質問したいと思いますが、その場が済めばいいというのじゃ困る。私は医務局にも申し上げますけれども、たしか看護課長が――三十九年ですか、あなたが就任なさったのは。
#109
○説明員(永野貞君) 三十八年でございます。
#110
○藤原道子君 三十八年、そのときに医師会の幹部と会談していらっしゃるのが医師会雑誌ですか、これに出ているのを私拝見しましたけれども、それと同時に、私たちが看護婦の不足、これをずいぶんやかましく言うたびに、厚生省では、努力しております、ああいたしますという答弁だった。ところが今日の状態、あなたのあのときの見込みでも、一生懸命努力するから四十五年度には看護婦は余ってくるだろうというようなことを言っておるのを私持っていますから――つまり産業が機械化されるから婦人の労働力が余る。こういうことから計算していくと、看護婦は四十五年度になれば余るような状態になると思うということを言っていらっしゃる。結局、厚生省の考え方は甘いのでございます。むしろ今日では産業の高度成長とともに労働力が不足いたしまして、看護婦さんでもあらゆるところから引き抜きの手が伸びてきている。ホステスあたりからずいぶん伸びてきている。ホステスが一時間の夜のアルバイトで二千円だそうです。いろいろあの手この手でやってきている。それに対して厚生省は机上の空論で、いや大丈夫です、ふやします、こういうことを言っていたんじゃ、私は時代についていけないんじゃないか、こういう不安が去らないわけなんです。ですから、また看護婦問題については、あなたのほうでもお考えになっているようでございますけれども、私たちは私たちとして考えております。こういうことは今後の委員会で十分論議するといたしまして、容易ならざる状態にあるんだということだけはひとつ考えて対策を立てていただきたい。看護婦が働きいい職場、魅力ある職場にならなければ、潜在看護婦の掘り起こしといってもなかなかできるものじゃありません。潜在看護婦を掘り起こすといっても、働けるくらいならもっといい条件のところがあるのですから。けれども看護婦さんになろうと決意してなってこられた人たちは、一つの使命感というものを持っていますから、やはり職場で働けるならば看護婦としての職場へ帰りたいという考えはある。だが帰るについてはいまの職場ではやりきれない、ここへきておるのじゃないかと思う。だから潜在看護力の掘り起こしと同時に、まず定着するような職場を考えていかなければならない。私は、看護教育に対しましても、何だかんだと人事院では言っておりましても、結局、学校教育法にのっとらない看護婦の養成機関でございますから、何かにつけて不利な点があるのです。したがって、今後の看護教育は教育法にのっとったものに改めていくべきだと私は考えております。
 これは次回でやるといたしまして、とにかく看護婦充足についての御決意を伺いまして、きょうの私の質問は終わらせていただます。
#111
○政府委員(松尾正雄君) 率直に申し上げまして、ただいま御指摘のように、厚生省の過去におけるいろいろなものの見方が甘かったじゃないかということについては、私も否定をいたしません。いろいろな計算のしかたなり、見通しはあったと存じますけれども、結果的にはやはり甘かったと申し上げたほうが正しいと存じます。したがいまして、私どもは、この際、ひとつそういうふうな過去の苦い経験というふうなものも十分生かしまして、しかも、御指摘のように、いろいろな医療需要はまたこれからさらにふえてくるだろうと思います。決してこういう状態で医療というものはとどまっていくわけではございませんで、ますます患者の需要もふえてくる、こういうふうに考えられます。そういう動向を十分考慮した上で、しかも、先ほど申し上げましたように、本来勤務の条件というものも緩和してあげなければならない、それがまた看護婦全体の確保のためにも役立つ問題でございます。そういう観点を全部織り込みました一つの計画を強力に進めたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、いろいろと今後御審議を賜わるようになると思いますので、よろしくお願いいたします。
#112
○藤原道子君 精神病院に対しては、今後どのような対策を立てますか。新聞であれだけ内情が報道され、私たちが行ってみても悪いところが目につきます。近く委員会としても、いい精神病院、最も悪い精神病院を視察しようということを寄り寄り相談しているわけです。いまのままでいいと思うのか、もっと精神病院を充実していこうとしておられるのか、その計画等が考えられておれば、この際御発表願いたい。
 それから、いまのいろいろ指摘されております悪い病院等に対しましても、指定取り消し等はごくわずかですよね、さっき伺ったら。指定取り消しをしなかった病院がその後運営がよくなっておるかどうか、それもあわせてきょう伺っておきたい。
#113
○政府委員(村中俊明君) 精神病院の今後の指導についてでございますが、これは一月、二月、三月と病院長会議、都道府県の衛生部長会議あるいは精神衛生の主管課長会議が引き続いて年度の変わり目として行なわれまして、私、大臣、また担当課長から精神衛生業務の管理につきまして相当具体的な指示、指導をいたしております。なお、特に問題の点をあげまして、次官通達で都道府県知事あてに監督についての指導もいたしまして、できれば年度の変わったなるべく早い機会に、全国の特定の病院を対象にしまして指導的な監査を行ないたい。なお、新聞でごらんのとおり、先ほどちょっと触れましたけれども、東京都では百五の精神病院を中心といたしましてただいま監査をやって、大きな都市につきましてもそういう形を今後とって、監査を強めてまいりたい、こう存じます。
 なお、今後、精神病院をどんなふうな形で運営するかという点についてでございますが、これは多少蛇足になりますけれども、いま精神衛生対策の中で一番問題になっておりますことは、収容する施設が病院オンリーという実態があるわけでございます。言いかえますと、中に収容されている患者が、他の施設があれば当然そこで適切な手当てができるというような対象も当然あるわけでございますが、その辺の実態がまだはっきりいたしませんで、四十四年度の予算で現在調査をいたしております。未分化の状態の病院、精神障害者の収容施設をできるだけ機能を持たせた、そういう体質改善を進めてまいりたい。それの一つのケースとして、四十五年度には、社会復帰施設の予算もただいま予算案として計上いたしておりますが、この辺の点についても御審議いただきまして、こういう病院オンリーから、さらに患者の状態によって適切な施設に分けて収容していくというふうな方向で体質改善をはかっていく必要がある、こう考えます。
#114
○藤原道子君 私もそう思うのです。でも、結核にしても、精神病院にしても再入院が非常に多いのです。特に精神の場合は半分くらい再入院。だから社会復帰前の中間施設のコロニーのようなものを考えなければいかぬと思うのです。病院にとじ込められていて、いきなり社会におっぽり出されても社会には偏見がある。社会の偏見を取り除くと同時に、その社会へ帰る前の中間施設、これは絶対に必要だと思うのです。この間行った生田病院ですか、あすこでは、再入院の比率はどうだと聞いたら、約半数ということです。むだな金を使っているのですよ。ですから、措置費でもって、結核と精神は国の費用でということをうたっていらっしゃるのだから、それならば、せっかくよくなったものが、ちょっとここで社会復帰までの訓練機関があれば再発しなくて済むものが、いきなり混乱している社会におっぽり出され、社会には偏見がある、こういうことから再発する、そうして入院する。この悪循環は一日も早く断ち切る、そのためにコロニー施設というものを思い切ってつくってほしいということを強く要望し、さらに、看護婦さんの給与等については、もう少し医務局あたりも人事院にやかましく言って、もう少し考えてください。こういうことを要望しまして、私の質問を終わります。
#115
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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