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1970/03/26 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第7号
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1970/03/26 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第7号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第7号
昭和四十五年三月二十六日(木曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐野 芳雄君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                吉田忠三郎君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                高田 浩運君
                山崎 五郎君
                山本  杉君
                占部 秀男君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  野原 正勝君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       林野庁長官    松本 守雄君
       労働政務次官   大野  明君
       労働大臣官房長  岡部 實夫君
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
       労働省職業安定
       局失業対策部長  遠藤 政夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○勤労青少年福祉法案(内閣提出)
○労働問題に関する調査
 (失業対策事業に関する件)
 (白ろう病に関する件)
 (関東労災病院に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 勤労青少年福祉法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を求めます。野原労働大臣。
#3
○国務大臣(野原正勝君) ただいま議題となりました勤労青少年福祉法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 わが国の経済が高度の成長を続ける中で今後における労働行政の課題は、経済の成長と勤労者の福祉の調和をはかることにあると考えますが、なかんずく、勤労青少年はあすの社会をになう者であり、その福祉の増進をはかることが重要であることはあえて多言を要しないところであります。特に、今後わが国がさらに高度の産業社会として発展していくためには、勤労青少年がすこやかに成長し、希望と意欲を持って勤労に従事し得るようにすることがきわめて重大な課題であります。
 ところで、勤労青少年の職業生活の現況を見てみまするに、最近における経済、社会の急速な変動は勤労青少年の生活にも多くの影響を及ぼし、勤労青少年のなかには職業生活に十分に適応することができず、あるいは孤独感に悩み、あるいは安易に離転職を繰り返す等幾多の憂慮すべき現象が見られるところであります。また、近年これら勤労青少年問題に対する社会の関心は著しく高まってまいっております。
 政府といたしましては、このような現在の勤労青少年問題に対処するためには、この際、勤労青少年の福祉に関する立法措置を講じ、もって勤労青少年の福祉の増進をはかることが最も有効かつ適切な方策であると考え、婦人少年問題審議会にもはかり、この法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、この法律の目的は、勤労青少年の福祉に関する原理を明らかにするとともに、勤労青少年について、職業指導の充実、職業訓練の奨励、福祉施設の設置等の措置を計画的に推進し、もって勤労青少年の福祉の増進をはかるものであることを明らかにいたしました。
 第二に、勤労青少年の福祉に関する原理を明らかにするために、勤労青少年の福祉の基本的理念及び関係者の責務について規定いたしました。
 すなわち、勤労青少年の福祉の基本的理念といたしまして、勤労青少年が充実した職業生活を営むとともに、有為な職業人としてすこやかに成育するように配慮されるべきであり、他方、勤労青少年は、勤労に従事する者としての自覚を持ち、みずから進んで有為な職業人として成育するようにつとめなければならないことを明らかにいたしました。
 さらに、事業主、国及び地方公共団体がそれぞれ勤労青少年の福祉を増進する責務を有することを明らかにしております。
 第三に、広く国民が勤務青少年の福祉についての関心と理解を深め、かつ、勤労青少年がみずから進んで有為な職業人として成長しようとする意欲を高めるため、勤労青少年の日を設けることといたしました。
 第四に、勤労青少年の福祉に関する施策を計画的に推進するため、労働大臣は勤労青少年の福祉に関する施策の基本となる方針を定めるものとし、都道府県知事はこれを参酌して都道府県における勤労青少年の福祉に関する事業の基本となる計画を策定するようにつとめなければならないことといたしました。
 第五に、勤労青少年の福祉に関して、国、地方公共団体及び事業主が講ずる措置について規定いたしました。
 その一は、勤労青少年が職業に適応することを容易にするため、職業安定機関における勤労青少年その他関係者に対する相談指導の業務を、その業務について熱意と識見を有する者に委託することができることとしたこと等職業指導の面の充実をはかったことであります。
 その二は、勤労青少年が職業に必要な技能を習得することを促進するため、国、都道府県及び雇用促進事業団は、勤労青少年その他関係者に対し、職業訓練に関する啓蒙宣伝を行なう等必要な措置を講ずるようにつとめなければならないこととしたことであります。
 その三は、事業主は、その雇用する勤労青少年が職業訓練の受講または定時制高等学校等への通学のための時間を確保することができるような配慮をするようにつとめなければならないこととしたことであります。
 その四は、事業主は、事業場ごとに、事業内において相談、指導、レクリエーション等の事項を担当する勤労青少年福祉推進者を選任するようにつとめなければならないこととしたことであります。
 その五は、勤労青少年の勤労の余暇の有効な活用を促進するため、国及び地方公共団体は、レクリエーションその他の事業が実施されるようにつとめるとともに、勤労青少年の健全なクラブ活動を援助する等必要な措置を講ずるようにつとめなければならないこととしたことであります。
 第六に、勤労青少年のための福祉施設について規定いたしました。すなわち、地方公共団体は、勤労青少年ホームを設置するようにつとめなければならないことを明らかにしております。勤労青少年ホームは、地域の勤労青少年の余暇活動、生活指導の拠点となるものでありまして、その設置及び運営についての望ましい基準は、労働大臣が定めることとしております。また、勤労青少年ホームには、勤労青少年に対する相談及び指導の業務を担当するにふさわしい勤労青少年ホーム指導員を置くようにつとめなければならないこととしております。
 なお、雇用促進事業団が、勤労青少年にかかわる福祉施設の設置及び運営を行なうにあたっては、勤労青少年の職業生活の動向及び生活の実態に即応するように配慮しなければならないことを明らかにいたしました。
 その他、船員及び船員になろうとする者に関しては、運輸大臣が所管するものとする等所要の規定を置くことといたしております。
 以上この法律案の提案理由及びその概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#4
○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(佐野芳雄君) 労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○吉田忠三郎君 前の委員会で、国有林野事業について三つほど課題を提起しておきました。もう二週間たっておりますから、かなりこの問題についての専門的な検討を加えられてきたと思いますから、これをあとで聞かしていただきますが、その前に、法律的に非常にこれは関係いたしてまいりますから、その点の解釈を私自体が正確に認識しておかなけりゃなりませんから、基準局長にちょっと伺っておきます。
 基準法の全般ですね、五現業に対して適用するかしないかということについては、従来、あなたが衆議院社会労働委員会あるいは参議院の農水の委員会で答えておったことは多少誤解がありまして、この社会労働委員会で意見が一致をした。意見が一致したということよりも解釈上明確になった、こういうことが言えると思うんです。ただ、白ろうについては人体に危険有害であるかどうかについて、その原因というのは人体に急激な振動を与える、こういうことですから医学界で一お医者さんのほうですね。そうしたところでもあるいはその他の関係の人々もできるだけこの振動を与えないためには時間の制限をしなきゃならぬ、こういうこと等が種々いま問題になっていますね。そこで法律との関係で聞くんですが、林業については、基準法の四十一条でこの適用の範囲から除外しているように私は理解している。つまり労働時間及び休憩の特例、こういうことについて適用の除外を四十一条でして、そうしてこれが具体的には第六章の関係条項的にいえば、やっぱり労働基準法の第八条の六号で完全に事業体を除外をしている。こういうことになるので、これはいろいろあとで私はこの問題について諸外国等の例をあげて伺いますけれども、法律上の解釈とすれば、この第八条の六号で「土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業」、こういうことで規定されていますから、労働時間、休憩その他等々の基準法による諸規定というものは除外をされるものだ、こういう理解を実はしているんですがね。基準局長これはどうですか、この考え方、この解釈ですね。
#7
○政府委員(和田勝美君) ただいま先生が御指摘になりましたように、林業につきましては、基準法では第八条の第六号に「土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業」、こう規定をいたしまして、それにつきましては四十一条で適用の除外ということで、労働時間関係及び第六章関係につきましての労働時間、休憩及び休日に関する規定はその四十一条一号で、第八条第六号の事業に従事する者は適用を除外するということになっておりますので、労働時間、休憩時間及び休日については基準法の適用はないという解釈をいたしております。
#8
○吉田忠三郎君 そこでその解釈がないという理解は、これは私もこの法律の条文でそう解釈をしたのです。それを所管している監督局長もそのことはそうであると認めたのですが、そこで今度はこれに関係いたすものは、その運用は林野庁にある、基準法は除外していますから。したがって、林野庁の関係の諸規則で運用がなされる、こういう解釈でいいですか。
#9
○政府委員(和田勝美君) 基準法としての規制が、いま申しましたように、労働時間、休憩、休日にございませんので、その中身をどうするかというのは、具体的にはその仕事をなさっておる関係事業主と労働組合との話し合いの問題、あるいは関係事業主の問題ということになりまして、国有林の場合につきましては林野庁当局のほうでどういう働き方をするかということをおきめになり、あるいは組合と話し合いの上できめていただく、そのように考えております。
#10
○吉田忠三郎君 わかりました。それからもう一つ伺っておきますが、いま普通の民有もありますから民有はさておいて、国有林の場合、その内容、運用はいま答えられたように林野庁にある、こういう答えですから、一つの例を出しますよ。その場合に、たとえば従前五時間その機械を使用する、つまり稼働ですね。稼働時間が定められておった。それが今度――これは極端な一つの例でありますけれども、一時間なら一時間しかその機械を使用する稼働ができないというような話し合いができたとか、あるいは林野庁なら林野庁が――この白ろう病の問題というのはたいへんなわけです。ですからこういうことにいたしましょうということにきめた場合に、監督官庁である労働省、特に直接所管しています労働基準局長として、そういうことについてどういう見解を持っていますか、そのきめられることについて。
#11
○政府委員(和田勝美君) 先ほどお答え申し上げましたように、法律的にはそれぞれの事業主にまかしてございますので、いま先生のおっしゃるようなことであれば、林野庁がそうおきめになることにつきましては、私どもはとやかく申し上げることはございません。
#12
○吉田忠三郎君 一切干渉しないということでございますね。
#13
○政府委員(和田勝美君) はい。
#14
○吉田忠三郎君 それから、大臣が予算委員会のほうに参りますということですから、先に伺っておきます。
 最近、国会で失業対策事業についての質問等が衆議院並びに参議院でも行なわれております。そのことについて、政府側の答弁がそういうことをさせているのではないかと思いますが、御承知のように、ただいまちょうど三月というのは、全国一斉に各市町村自治体の中においても予算議会というものが行なわれていますね。失業対策の事業そのものは市町村自治体に大体委託された形で、委任されたような形で運用していますよね。ですから、むしろ問題はそういうところにぼつぼつ起きてくる。こういうことですから、私は、国会で扱う問題はどういう状態で扱われるか等々のことについてはとやかく言いません。言いませんが、この種の問題をやはり扱う場合に、的確にその基礎となるものをつかんで、そのことにきちんとした解明を与えてやらないと非常に誤解を招いて混乱をしていく、こういうことになるのじゃないか。現に、私は北海道の事情を申し上げてみますると、旭川の市議会でも問題になっている。それから小樽の市議会でも問題になっている。それから北海道の道議会でも問題になっている。あるいはどこどこの町議会でも問題になっている。それぞれ答えられていますが、これに対しての解釈はまちまちですね。ですからあえて伺っておきますが、一体失対事業というものは何がその基本となっているかというと、これは労働大臣――大臣に対して釈迦に説法でありますが、これは一つは雇用を安定をせねばならぬという立場からこの職業安定法というものが基礎になっていますね。ここにございます。これは時間ありませんから、しかも労働問題を所管する大臣ですから失礼にあたりますから、ぼくは内容は読みませんよ。目的とかあるいは職業の選択の自由という問題、あるいは均等な待遇を与えなければならぬ。こういうことが基本なんですよ、これは。それからこの次にこれと対応さしてその事業の推進を円滑にしなければならぬというのが、御承知のように、緊急失業対策法という法律なんです。ここにもそれぞれ書かれております。このことをきちっとやらないとたいへんな問題になる。あなたはきのう参議院の予算委員会でどなたさんかの質問に答えていますね。これは新聞の切り抜き持って来ている、これは朝日新聞でありますが。ですからこの点で地方議会に参りますれば、これだけでは不十分ですから非常に誤解を招く、そういうおそれがありますからあえてあなたに聞くわけですが、あなたは、地方議員の報酬は所得とみなすべきだというようなことを答えられてみたり――これは所得ではあるのでしょうけれどもね。それから一定以上の所得がある場合は、議員であろうと何であろうと就職できない、こう答えられておりますね。さて一定以上の所得というのは何か、失対の場合賃金だと思うのですがね。大臣、賃金というものの定義を私にちょっと教えてもらいたい。それから一つには、一定の所得というその一定ということは基準があると思うのですがね。その基準は一体どのくらいにきめているのか、こういうことですね。大臣は予算委員会へ参りますからさらさらと私聞いておきますがね。まず一つは失対の賃金というものの定義、一つには一定の額というのは何か、それから所得制限をどこでどういうふうに法律的につくられるのかどうか。少なくとも職業安定法というもの、私も労働運動やった者ですから、かなりこれは見て知っているのですがね。それからもう一つは、これに基づく緊急失対法ですね、失業対策法律ですね。このどこを見ても、失対につく場合――国会議員の私とか占部さんが失対事業には行けません。忙しくてとてもできませんがね。村会議員やあるいは町会議員、私も市会議員やったことありますがね。この人々がつまり所定の職業を持たないでいる場合、失業対策事業に行って働くことについては拒否するというものは一つもありませんよ、この法律の中には。もしあるというなら、その条項をお示ししていただいて、その解釈はかくかくしかじかだということを私に答えてもらいたい。
#15
○国務大臣(野原正勝君) ただいまの御質問は、きわめて専門の分野でございますので、とうてい私どものしろうとがお答えできる内容ではないと思います。
 ただ、一言申し上げておきますが、失業対策事業というものは、これはやはり失業しておる人で他に職業を求めておるがなかなか職業が得られない、そういう方々のために設けた緊急の事態であろうと思うのです。そういう方々といえども、それぞれ職業に類する仕事をしておる。たまたまそれが市会議員であるとか、町村会議員であるとかということになりますというと、そこで、問題は、報酬が得られるだろう、報酬が得られるからといって、直ちに失業対策事業に就労できないかというと、それにはやはり収入、所得の基準があると思うのです。これは、独身の場合、家族を待っておる場合あるいは扶養家族がある場合とみな個々によって違うのです。ですから、一定基準と申しましても、独身の場合はこうだ、夫婦で生活しているものはこうである、子供があればこうだと、おそらく個人によってみな所得の基準というものが一これならば生活がそれによって成り立つであろうということが大体わかると思います。そういうことは、実は、きのうは一定基準以上のものというふうなことで私は予算委員会でお話ししたわけでありますけれども、内容についてはむしろ事務当局がしさいにこれを検討して、各個人ごとに、これならばこの人たちは失業対策事業には就労すべきではないというようなことになるものもありましょうし、中には失業対策事業にも就労してよろしいというものもあるかもしれない。これは大体きのうの事務当局の説明によるというと、かれこれ半分くらいはもう失対事業に就労をすべきではない、大体一定の基準に相当する所得ありと認定するというふうな話であったわけでございます。
 で、いずれにしましても、失対事業というものの性格から見まして、これは非常な求人難というか、あらゆる方面で働いていればさほど大ぜいの失業者はいないわけでありますが、ただ問題は、中高年齢層で非常に就職の機会を得ることが容易でないという人たちもあるわけでございますから、そういう人たちができるだけすみやかに安定した職業につくまでの間、さしあたり、やむを得ず失対事業に御就労を願うというような意味合いで失対事業というものは設けられておると私は理解しておるのであります。そういうような点から見ますると、失対事業というようなものの性格等から考えてみまして問題が起きましたのは、地方議会の議員が議員の席にありながら失対事業に就労したというような問題が出てまいったことやら、あるいは中には失対事業の賃金をもらいながら一方においては出張しているとか、あるいは公務に、議会の用務に従事したというような事態があるとか――これはいろいろ認べておるようでございますが、そういうような問題が出てまいったものですから、一応労働省としましては統一した考え方のもとに立ちまして失対事業というものに対処する。これはやはり地方議会の報酬といっても、国会議員の歳費と同じように、やはりこれは一種の所得とみなすべきであるということで見解を統一したという段階でございます。各町村や市によってみんなそれぞれたいへんな差があります。中には十数万円の報酬をもらっておるところもあれば、中には一万数千円というような非常に低い地域もあるわけでございます。ただ、個人によりましても、独身者もあるあるいは家族もある、子供も何人かおる、みんなそれぞれの事情が違う。これをみんな同じワクの中で考えることは非常に困難である。いずれ実情を調査の上で適切な対策を考えて、もしもそれがはなはだしく不当であるというような事態になりますれば、これに対する対策は、いずれこれはもう失対事業に就労しておったというような問題につきましては別個に返納願うというふうな事態も起こり得る場合も考えておるわけでございます。そういうような状況でございます。一応、ただいまの吉田君の御質問のお答えになったかどうかわかりませんけれども、これはもうしろうとでございますから、あと専門のことは事務当局からそれぞれ御説明申し上げます。
#16
○占部秀男君 ちょっと関連して。いま大臣の答弁の中で、所得基準の問題から、失対関係でやってもいいのがそのうちの半分ぐらいだというようなお話を伺いましたが、これは現在失対に就労されておる方を対象としてやられたのか、そうじゃなくて市町村会議員ですか、そのうちの半分ということになるのか、どっちかひとつ明らかにしてもらいたいということと、もう一つは、もし市町村議会ということになると約三千以上町村議会はあるわけですね。そのうちの町村会議員、あるいは市なら市の議会議員の半数以上は失対をしなきゃならぬほどの低所得ということになると、これは労働関係以外の一つの大きな問題になると思うので、その点ひとつ明確にしていただきたいと思います。
#17
○国務大臣(野原正勝君) ただいま申し上げましたのは、これは地方議会議員にして現に失対事業に出ておるという者が百数十名あると、その中の人たちの所得は生活基準等、所得基準等から見ましてどうも失対事業に就労できないような人までが半数以上出ているらしいと、まだはっきりした数字は出ておりませんけれども、大体そういうことで御回答したわけでございます。
#18
○吉田忠三郎君 大臣、いまあなたのちょっと答えられた中で、これは地方議会でたいへんな問題になる点があると思うのですよ。たとえば議員の席にありながらと、こういうふうに答えたのですね。席にあろうとなかろうと関係ないのです、これは。この失対法なり、職業安定法のそれぞれの条項を見てもね。ですから、議員の席にありながらというふうにあなたが答えられるなら、問題があるなら指摘してください、この法律の中で。いいですか、ここに問題があるから地方議会で混乱を起こすのですよ。それから、あなたは議員の報酬ということばを使われましたね。一定の所得がある場合、国会議員と同じ所得だと、こう言うけれどもね、これは議員というものは、あなた御承知のように、国会議員だろうと地方議会の議員だろうと、これは職業ではないんです。ですから、俸給というふうには名づけていないわけでしょう。国会議員の場合は歳費、地方議会ならば報酬と、こう言っていますね。月給何万円、何千円支給するなんというものじゃないんです。そうなっておる。これをもう少し検討加えてみてくださいよ。議員の歳費、報酬は、その議員としての活動にかかわる経費を償うものだと、こうなっておる。だから、普通の俸給生活と、国家公務員や地方公務員とは違うんですよ。職業ではないんです、これは。あとは私は常識の問題だと思う。たとえば横浜のように、報酬二十万円くらいになっていますかね。私のところ、札幌市はたしか十五万くらいですかな。こういうところの議員は、ある程度その報酬で活動を償いながら――議員といえども生活しなければなりませんからね。しかし、こういうものは、つまりこの緊急失業対策法によって失業救済をする、こういうものから見れば常識的に、精神的に――この法律の精神から考えてですよ、これは進んでそういうことから抜けて、しかも指導者になるわけでしょうからね。そういうことが好ましいというだけであって、村会議員さんや町会議員さん、その市町村によって違いますが、五千円とかあるいは一万円とか、六千円とか三千円というところもありますね、これは。しかもその人は固定の職業を持っていないということになりますれば、失業対策事業へ行って働くことは何ら差しつかえないようにこの法律はなっている。しかも、これはただくれてやっているのじゃないんですから。これは働かずして賃金をもらっているというなら、これはもうそういうものはこの際改めてもらわなければならぬことも同感です。この中には、なにか働かなくともなんとかかんとかということであなた答えられていますが、そういうものはいかぬけれども、働いた場合は賃金ですからね。御承知のように、賃金というのは、労働の質と量に対する代償が賃金なんだ。行って働きさえすれば、かりに私が行って働いたら、やっぱり賃金もらうのはあたりまえです。その質と量に対する代償をもらうのはあたりまえです。ですから、ここのところを混同しないようにして的確にこの問題に答えを与えてやらないと市町村、自治体でいま混乱を起こしている。現にいまも、先ほども言うたように、議会で問題になっている、地方議会で。就労できるというところもあり、できないというところもあるのです。あなた方答えていることと逆な答えが出てみたり、あるいはまたその都道府県によって見解が違ってみたり、混乱を起こしているわけです。そうなると、この職業安定法という法律と、あるいはこれに関連した緊急失業対策法という法律とのかね合いから見て、ややともすると誤解を生じたり、間違ったこの法律の解釈になるんでありまするから私はあえて聞いているんですよ。もう一回あなたの見解を出してください。
 それからもう一つは、百十人以上おり、半数は所得限度額にひっかかっているという答えもしていますよね。具体的に出してください。ただこういうことではたいへん困るのでね。どこどこ市の市会議員の何の太郎べえ、これは大体常識的に考えてこの水準を越えています、こういうことになれば地方議会でなにも問題にならない。こういう抽象的な、半数以上というから、うちのほうにもいるんじゃないかというような話になって議論が起きてくるのでね。しかも、この出てきた問題の発想というのは、私はここで言いませんけれども、いろいろあるわけでしょう。だから、大臣、そういうことを勘案して誤解のないように的確にやっぱり事務当局と打ち合わせをして、こういう抽象的なことではなくて、あるならある――ないとは言えないと思いますよ。そう思いますから、それはもう明らかに出すなら出して、神奈川であるならば、横浜のようなところは当てはまらぬとか、札幌のようなところは当てはまらぬとか、福岡のようなところは当てはまらぬとか、そういうことと、そういうものが半数以上おるというならこういうものがありますと的確に出したらいいじゃないですか。そうすると、自分のところの市町村にはいないということになる。新聞にこういうでかい五段抜きで、就労できるというものとできないというものとさかさまの見解が出ちゃってえらい混乱をした。国会まがいになりましたとか、国会並みのエキサイトなんて、こんなことを書かれる必要はないんですよ。大臣、ちゃんと答えてくださいよ。
#19
○国務大臣(野原正勝君) 地方議会の議員の報酬というものはもちろん労働賃金ではございません。しかし、これはその人の所得であることは間違いないのであります。したがって、その人の所得がやはり相当あるということになるというと、これは問題が起こる。そこで、一体その所得でもって生活が可能かどうかという問題になると、これはやはりその人によって違う。独身の人あるいは家族持ちの人、あるいは子供がある人、みんなそれぞれ違うと思います。で、その一定基準と申しましたのは、それぞれの人に当てはめてみて、どうもこれは基準額以上の所得ありとみなされるような人が大体半数以上あるらしい、これはみんな調べております。いずれその点は当委員会等で詳しく事務当局から説明があると思います、そのうちにまた調べが終われば。こういう段階でございますが、ただ、いずれにしましても、失対事業というものの性格から見まして、相当の所得があるにかかわらず失対事業に出ておるという事実、これがあるとすればこれは問題だ。そういう点で、実は一定基準所得以上あるものについては失対事業に就労させるということの必要はないのではないかということが問題であります。これは各地方でこの際いろいろな問題が提起されて論議が行なわれている。むしろ好ましいことであります。失対事業の名のもとに堂々と所得がある人でも、おれは失対事業に行くのだというふうなことで行かれたんじゃ失対事業というものの立法の精神もおかしくなりますから、これはやはり厳格にこの際洗い直してみて、やはり失対事業というものは、あくまでも就労が困難でほかに適応できないというような人たちを最後のよりどころとしてやはり失対事業という名のもとに救っていこうということであろうと思う。そういう面から見まして、私どもは、なにも地方議会の議員だから失対事業に全部出ちゃならぬとか、あるいはどの程度に所得があったならばどうするかというような問題は、今後具体的にその問題が明らかにされた時点において十分に御論議を尽していただいてけっこうだ。まあ、いまそれぞれ調査をしておりますので、いずれその詳しい実態が明らかにされると思います。
 ただ、問題は、個人のことですから、あまりにもプライバシーを侵すようなことはできないという面もあろうと思います。実は、地方議会の議員にでもなろうというようなりっぱな方ですから、おそらく議会で報酬をもらうだけではなく、何らかの形で所得があるとこれはみなされておるわけです。それが堂々と失対事業に出ているのだ、あるいは出張中にも失対の賃金をもらっているという事実があったというふうなことがいわれまするというと、労働省当局としましては、やはりこの機会にあまりにもルーズな失対の扱い方というものに対しては、この際ひとつえりを正して厳格に調査をし、今後の対策を考えていく必要があるというふうに考えまして調査を命じておるという段階でございます。調査の報告が大体ぼつぼつ出ております。あまりここではっきりと全部にわたって詳しく申し上げるまだ段階ではございません。いずれそのうちに当委員会におきましてその辺のことは十分に解明されることと考えております。よろしく御協力あらんことをお願いします。
#20
○吉田忠三郎君 御協力もけっこうですがね、大臣。――いま予算委員会のほうから労働大臣に出席していただきたいと、私のほうにも言ってきておりますからこれで終わりますが、その扱い方についてえりを労働省としては正したいと、正さなければならぬですよこれは。私も、そういう点では同感ですよ。たとえば手当等についても一日出た者と二十日出た者と同じ額である、こんなばかげたことはないですよ。それが現実に行なわれているわけでしょう、この関係では。だから、先ほど賃金とは一体何だと、その定義を聞かしてくれと言ったのはここなんですよ。賃金というのは、再三言うようだけれども、その労働の質と量に対する代償が賃金なんだよ。だから、一日働いたら一日分やればいいんだ、二十日働いたら二十日分やればいいんだ。ところが、手当なんかは一日出た者も二十日出た者も同じだと、こういうことが行なわれているわけです、いまね。こういうものについてはきちっとしなさい。それから今度問題になっている議員が就労していることについて、一定額をこえているからけしからぬとかなんとか、これは常識の問題なんです。大臣、いいですか。議員だからといって就労ができないという、失対に行って働けないということはないんですよ。ですから、この問題については党利党略にかかわらず、私の言っている意味は、職安法と緊急失対法の法律に立脚して扱いなさい。そのことさえやれば、地方議会で混乱なんか起きないんです。大臣としては、そういう配慮をしていただくことを私から逆に要請しますよ。答えてひとつ、予算委員会のほうに行ってください。
#21
○国務大臣(野原正勝君) ただいま御指摘の問題等含めまして、この際十分にひとつ調査をして、あるいは態度を決定するということで事務当局に命令しておりますから、今後は失対事業に対するいろいろな問題を明らかにして、この方針についても誤りない対策を講じたいというふうなことで進めてまいりたいと思います。
#22
○吉田忠三郎君 失対部長来ているのですが、いま、大臣としてはあの程度で、あまりわかりません、なったばかりですからね。それはわかるわけないんですわ。そこで、あなた方専門としてその職業についているのでね、調査をして誤らないように運用していきたいというふうなことを言っています、いまね、趣旨として。で、きのう答えられた中では、三月一日付ですか、明確に通達をしたと、明確にと――新聞だけでは、われわれとてもどういう点が明確かわかりませんからね。いま言った手当の関係も含めて、あなた方事務当局として、いま私が指摘しましたたった一日出たやつも二十日出たやつも同じだと、こういうばかげた運用をしているところに問題があると思うので、そのことも含めてもうちょっとこの問題聞かしてください。
#23
○政府委員(遠藤政夫君) 吉田先生御指摘の点二点かと思いますが、第一点の臨時の賃金、いわゆる夏と年末の期末手当の支給のし方に問題があるじゃないかと、こういう御趣旨だと思います。この点につきましては、確かにお説のように、現在年間三十一・五日分の臨時の賃金が支払われております。この支払いの方法につきましては、月に一日出た人も二十日働いた人も同じように支払われるように現在なっております。この点につきましては、実は失業対策事業賃金審議会におきましても、各委員の先生方からいろいろこの支給の方法にきわめて問題がある、この支給の基準、支給の方法等について、賃金なら賃金らしくもっと合理的な方法をとるべきじゃないか、こういう御意見でございました。先般来、審議会でも御検討いただき、引き続き検討いたしまして、できるだけ早い機会に合理的な方法を生み出すように努力している最中でございます。
 それから第二点の、昨日の参議院の予算委員会の総括質問で答弁申し上げました三月六日の通達の件でございますが、先ほどから先生の御指摘にございました二つの問題が含まれておりまして、一つは地方議会の議員が議員としての報酬を受け取っておりながら失対に就労することについての可否の問題、それから議会活動に、議会の本会議あるいは委員会に出席し、あるいは議員として出張中に失対事業の現場で働いたことにして賃金をもらっておった、この点についての二つの問題が含まれております。前段の、第一点の議員でありながら失対事業に就労することの可否の問題でございますけれども、これは、私どもは、先ほど吉田先生御指摘になりましたように、職業安定法二十七条と緊急失業対策法と、この両法の趣旨からいたしまして、この規定からいたしまして、失対事業に就労する人は、地方議会の議員であるといなとを問わず、失業者であって一定の所得基準以下の人について失対に就労させる、こういうたてまえになっております。したがいまして、地方議会議員でありましても、その所得額がその一定基準以下であれば、これは失対事業に就労することは何ら差しつかえないわけでございます。私ども問題にしておりますのは、かなり高額のこの基準を上回った所得を持っている人たちが、地方議会議員という立場でありながら失対に就労しているという事実がありますので、この点につきましては、昨年末以来、従来からも指導してまいっておりましたけれども、いまだにそういう人がおるということでございますので、こういう人を失対の事業に就労させないようにという指示をしてまいっております。実は、本年の二月九日、十六日にも全国の労働所管部長会議、課長会議等におきましてこの点を厳重に注意いたしまして、それぞれの県、事業主体に対しまして、こういう所得基準を上回った人たちを失対事業に就労させないようにということを指示いたしたわけでございます。たまたま三月初めに当院の予算委員会におきましてこういった事実が一部にあることを御指摘を受けましたので、あらためて確認の意味で三月六日付けの通達を出して、厳正な処置をとるようにということを指示いたした次第でございます。それからもう一点の、こういった地方議会の議員が議会活動をしておりながら、一方、その当日失対現場で働いたということで賃金を受け取ったという事実を指摘を受けまして、私どものほうで指摘を受けた事実について調査を現在いたしております。その中間報告でございますけれども、御指摘のありました数件につきまして、議会の本会議あるいは出張というような事態と失対現場に就労して賃金を受け取ったという事実が一部にございまして、これは全体の調査が完了次第これに対する処置を決定いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#24
○吉田忠三郎君 たいへん明快な答え方ですからね、ようわかりました。そういうことをちゃんと大臣に教えて答えさせなきゃだめですよ、予算委員会なんかで。だからこういう誤解を生じちゃって新聞種になっちゃう。だから、いまの遠藤部長の答弁で私はその点は了解します。いずれにしても職安法というのはこのバック・ボーンであって、失対法というのはその枝葉だとぼくは思っておりますから、職業安定が中心になるわけですからね。だから枝葉の関係については、そういう問題があるとすれば、やはりその時々の流れといいますか、状況といいますか、そういうものにきちっと対応していくようにやるということが正しかろうと、こう思って聞いておる。たまたま大臣のこの答え方なんというのは、ややともすると、法律が非常にまあ妙なかっこうで解釈されるおそれがあるものですからこう聞いているのです。まあ、皆さんの意見を聞いてみたらわかりました。
 そこで、本題の白ろう病のことでございますが、四つ、それぞれどの関係の省庁にあてはまるか別として、課題を差し上げておるわけですから、これを聞かしていただきたいと思います。――どこが答えますか。もう一回、言ってみますか。この間の課題は、一つは、白ろう病の根本解決は症状発生の根源を断つことではないかということを、この委員会が労働実態調査をやった結果の報告として報告されているわけですよ。このことが一つ。それから二つ目は、現行の賃金形態を再検討する必要があるのではないかと報告をしている。これは二月の十九日に参議院の社会労働委員会に報告をしたものです。それから三つ目は、民間林業労働者の実態調査を全国的に実施し、患者の早期発見、治療につとめるとともに、業者に対する指導、規制を強めることが緊急の課題かと思う。――これは吉田忠三郎が言っているんじゃなしに、報告書ですよ。それから四として、なお、白ろう症状は振動工具作業に長期間携わることによって生ずるものと言われています。また、一説には、寒冷という条件が発症の誘因となると専門医が言っていますが、しかし、治療方法としては現在決定的なものはないものと言われています。林野庁としてただいま北大に温泉療法等委託しておりますが、問題は、患者は療養期間中、現在の賃金制度では、何といたしましても賃金ダウンする問題があります。したがって、十分の治療を受けさせるためには、全収入の補償など、これがための基礎的条件を整えてやることが大切ではないかと思う。また、このことを医学者たちも一番強調されておりますと。この四つが報告されて、これが皆さんに課題として差し上げてあるんですがね。一つ一つ答えてもらいたいと思うんですがな。その見解です。
#25
○政府委員(和田勝美君) 総括的なことを私から申し上げまして、林野庁プロパーの問題は林野庁のほうからお答えがあるかと思います。
 まず、白ろう病につきましては、根源を断つこと、要するに、振動のない状態で伐採その他が行なわれるという問題のことは、委員会の報告にありますとおり、まさに根源を断つことであります。そのためには、チェーンソーに使うエンジン等に対して、振動のないような状態のエンジンを使うという検討、そういう研究が進んで、それが実際に実行されることが何より大事だと思いますが、いまの状態で、その研究は林野庁でもおやりこなっておるようでございます。私どものほうでも、委託研究をいたしましたり、あるいは局所振動障害予防対策委員会というようなものを開きまして、いかにして振動を少なくするかというような検討をいたしておりますが、いずれの場合におきましても、なお確固なる状態が出てきておりません。しかし、そういう努力は相変わらず続けていくべきものでありまして、私どもは関係機関と十分連絡をとりながら、ぜひ、振動が少なくて、あるいは無振動で伐採ができるような状態に持っていきたい、かように念願をいたしております。
 賃金形態の再検討の問題につきましては、これは実は私どものほうでは、賃金形態はそれぞれの事業場におまかせしてございますので、林野庁については林野庁のほうでひとつお答えをいただきたい、かように考えております。
 それから民間の問題でございますが、委員会の報告にもありましたように、民間については実態がきわめてあいまいだという御指摘はそのとおりでありまして、私どもといたしましては、来年度、民間のための実態調査費を予算に組みまして、来年、調査を徹底的にいたしてまいりたいと考えております。
 それまでも、しかし、こういう病気が出ますことは不本意なことでございますので、現在中間段階としまして、この二月二十八日に基準局長名でもって各都道府県基準局長に対する通知を出しますとともに、林業災害防止協会にも通知を出しまして、当面の処置を指示をいたしております。その中身といたしておりますことは、根本的なことはいろいろと問題があるので言えないが、さしあたって、当面の問題としては次のようなことをやるように林業界を指導してほしいということを地方に言っておりまして、その第一は、チェーンソーの選定については、作業条件に合致したバーの長さのもので、軽量で振動の少い機種を選定するように指導しろ。第二は、チェーンソーの整備等ということで、チェーンソーの使い方及び整備状況によって振動が相当違ってまいりますので、そういうものに対する指示をしていく。それから第三番目は、チェーンソーの扱い方いかんによっては局所に与える振動の影響が違いますので、操作のしかたに対する指導をしろ。要するに、左右同型で同じような重さで使えるような作業動作を指導するように。第四番目は、チェーンソーの操作時間につきまして、確たる科学的な根拠はないけれども、従来の経験等からみると、一日二時間以内ぐらいにチェーンソーを使用する時間を制限したほうがいいように思いますし、一時間以上にわたって連続繰業しないほうがよかろう、こういうように俗にいわれておりますので、そういうことの指導をするようにしておくこと。それから五番目は、健康診断について六カ月に一回ごと健康診断をやり、その健康診断のやり方も二つに分けまして、第一次健康診断と第二次健康診断。第一次健康診断で一定の症状があると思われるものについては第二次についてやる。要するに、白ろう病におかされておるような状態の者に対しては特別な健康診断をするように、こういうことを言っておるわけであります。第六点は、休憩設備の整備等、特に冬季における、寒い時期におきますときにこの白ろう病の症状がよく出るといわれておりますので、暖房その他あるいは休憩小屋の問題についての指示をいたしております。それから第七番目は、保護具の使用等について指導するようにということでございまして、防寒衣あるいは防振防寒手袋、あるいは相当の騒音もありますので耳せん等の、要するに耳をおおうものを使用させるように。
 こういうような七項目にわたりますものにつきまして、二月二十八日に基準局長名で、各都道府県基準局長に指示をいたしまして、それぞれの事業主に行政指導をするようにいたしております。これはもちろん中間的な当面の措置でございまして、完全なものでございませんが、これは、研究分野が、研究面が進行いたしますにつれてこの密度をぜひ高めていきたい、かように考えております。
 それからその次は、治療中における賃金問題でございますが、治療中において休業というような場合には、基準法で休業補償というものがありまして、労災保険で休業補償を出しておりますが、その額を上げることにつきましては、他の問題が非常に入り組んでおりますので直ちにむずかしゅうございますが、しかし、このチェーンソーの使用以外の面での作業について、働きながら治療をしておる場合の賃金問題は、これは私どもはそれぞれの事業主におまかせをしてございますので、それぞれの事業主においておきめをいただくということにいたしたい、かように考えております。
 一般的なことについて私からお答えをいたしました。
#26
○政府委員(松本守雄君) 林野庁関係のことにつきましてお答えを申し上げます。
 順序不同になりますが、まずレイノー現象等は、振動機具を長期間使わせるということとの関連あるいは寒冷気候の関係、そういうこととの関連で対策をどうするかということでございますが、第一に操作時間の規制について原則的に労使間の協議が一致をみております。なお、詳しく申し上げますと、一日二時間規制をする専任制あるいは半日交代制をとるということ。一日二時間でおさまる場合は専任制をとりますが、そうでない場合は交代制をとるということ。それから機械を使用、操作する場合の基本動作を訓練指導するということ。それから防寒、保温のための防寒防振手袋、防寒衣、事業付属寄宿舎の寝具、そういったものの用意をいたします。
 それから、次は機械の開発について申し上げます。まず、機械振動障害を絶滅するための機械開発の方向としては三つございますが、その一つは振動を減少させる機械をくふう開発する、第二は振動の機械から人体を隔離する、第三は振動機械にかわる機械の改良開発を行なう、以上でございまして、それぞれ幾つかの新しいものを導入をいたしております。たとえばチェーンソーにつきましては防振ハンドル、防振のくふうをその機械につけ加えるというものを全機について実施をいたしております。それから、先般も申し上げましたかもしれませんが、これも一例でございますが、オーガーと申しまして、植林をする場合の穴掘り機械がございます。これも従来の振動の多い機械は全部使用を中止をしておりまして、そういった機械に防振装置をつけるということをこの使用期間までには実施をいたすということなどをいたしておるわけであります。
 それから、賃金補償のお話でございますが、これはまあ二つございまして、一つは療養期間中の休業補償でございますが、これは……。
#27
○吉田忠三郎君 七五%でしょう。この聞きまったやつ、労使の団体交渉できまったのは七五でしょう。
#28
○政府委員(松本守雄君) いや、チェーンソーの場合は八〇でございます。レイノーに関するものが八〇でございます。それから、仕事を転換してほかの仕事をする場合の賃金保障、前職賃金保障、これも労使協議が整いまして八五……。
#29
○吉田忠三郎君 七五でしょう。
#30
○政府委員(松本守雄君) 八五でございます。
#31
○吉田忠三郎君 まあ、いいです。それはあとで調べればすぐわかりますから。
#32
○政府委員(松本守雄君) そういうことで決定をしております。以上でございます。
#33
○吉田忠三郎君 あと、ありませんかな。
#34
○政府委員(島四男雄君) 国家公務員の災害補償法を実施しております人事院といたしましても、この白ろう病につきましては格別の重大な関心を払っておるところでございまして、先年、白ろう病を職業病に指定したわけでございます。その後、白ろう病についての根本的な治療基準というものが必ずしもいまだ確立されておらないという現状でございまして、私どもとしましても、その道の専門家によって構成されております研究会を設けて、随時この問題に取り組んでおる次第でございます。
 それから補償の関係でございますが、これは私のほうといたしましても、法定給付は百分の六十になっておりますが、特別に付加給付として白ろう病については二〇%それについて上積みをいたしまして、ただいま林野庁長官のほうからお答えがございましたように、百分の八十までこれを認めている次第でございます。なお、個々の治療につきましては、関係省庁から御協議がありますれば、具体的なケースによって判断しておるのが現状でございます。
#35
○吉田忠三郎君 この四つほどの参議院社会労働委員会が実態調査の結果報告されたものについて、それぞれ見解を述べられましたね。それで労働省にこの際ひとつこれからの問題として検討してもらいたいと思うんですがね。いまの基準法では八条の六号で、先ほど伺ったように、林野事業というものは時間の規制の適用が除外されている、こういうことですからね。ですから、直接には労働管はいまのところは法律的には関係ないわけですが、だからといって――はいなんといって首振っていますが、それで逃げようなんていったってだめなんですよ、これは。なぜかというと、そこで検討してもらいたいと私が言ったのは、この問題についての諸外国のデータがありますよ、これはね。チェーンソー使用に関する世界のおもな林業国の調査結果というのが私の手元にありますが、ソビエト、東ドイツ、カナダ、オーストラリアなどなどであります。特に、私、昨年機会がありまして十一月にソビエトに行ったときに、この問題について関心がありますし、特にこの職業病に対する対策としてはソビエトが非常に進んでいると、こういう話を伺っていたものですから、向こうの文献ちょうだいと言って、いただいてきたんです。この英文のやつですね。これあとで差し上げますから。これを日本語に直したやつがあるんです、ぼくのところにね。直していただいたんですがね、これを。これを見ますと、労働省がやはり所管していますね。ソビエトの場合でもね。もとより向こうの場合は、わが国の厚生省というのが保健省というんですかな、日本の厚生省のようなものは向こうは保健省と言っているんですな。そのようなのがありまして、両方でそれぞれやっていますが、この機械の監督規制ですね。そういうものは、わが国でいえば労働基準局でやっているようなんですよ、これはですね。ですから、ひとつ和田局長、法律の八条の六号で適用除外されているから、私のほうは関係ない、こういうことではなくして、これだけ社会的な大きな、しかも、非常にこの発生率が急カーブに高まってきた問題だけに、先ほどあなたが、民間については来年度予算化をして調査してみたいなどと言っても、私は、きょうのところは、はいそうですかと言うわけにいかないんですよ。まだ時間――委員長のほうから何時までやるんだという話もありませんが、あまりそう長くやれませんから、次々毎回やっていきますが、それはそれとして検討の余地があると思うんです、こういう問題は。それで、向こうでは機械の測定条件とかあるいは測定器等々、いろんな条件を法律に直している。あるいは規則に直していますよね、これはまあソビエトの例ですけれども。これをいろいろ調べてみましたら、ソビエトが一番進んでいるんだと思ったらそうではないんですよ。大体私の限られた調査でありますけれども、調査をした結果では東ドイツがこの問題で一番進んでいますね。先ほど林野庁から答えられた労働組合との妥結した内容、百分の八十あるいは七十といった補償の関係、それから時間規制についても二時間というようなことは去年の十二月でしょう、これは。長官、妥結したのは。それも参議院の社会労働委員会が実態調査をするという話になったからそこまで急激にやっただけの話で、非常にそういう点ではおくれておったんです。しかし、林野庁がいま労働組合と話し合ってある程度の結論を得て、これからのまた問題もあるようでございますが、それは国際的水準から見るとかなりのところにきているんです。ところが、問題はその振動を与える機械ですね。この振動をなくするということですが、お医者さんの話では、全然振動のない機械というものはないわけでございます。ですから時間規制とかいろいろあるんですが、そういう機械を製造されるメーカー等々についての指導といいますか、あるいは監督規制、こういうものは大体諸外国では労働省です。いまのところは、法律上は労働基準局は責任ないけれども、職業病というのは労働省ですからね。私は、むしろいいことは見習ったらいいと思うんですよ。労働省としても積極的にこの人体に危険有害であるという振動機械、器具等についての扱い方、これについては検討を加える時期にきているんじゃないか。そして基準法で手直しできるものであれば――基準法だって何回も変わっていますよ。昭和二十二年ですか、これが制定されてから変わっていますね。他の法令が変わると同時に、それに付随して改正していますね。ですからこの職業病、この病気一つで基準法全体の改正が困難であるとすれば、特別に法律を考えないと、たとえばCOの法律がそうです、けい肺がそうでしょう。特別立法になっていますね、基準法と違って。こういう問題も含めて、一つは機械に対する規制――いま規制をするということはできないんですね、これは。だから規制をどうしたならばいいかということも検討を加えつつ、それからもう一つは労働省が全く関係ないということになっていますね、法律的には。これではいかんと思うんです。いかぬと思いますから、この基準法を、せっかくいい基準法ですから、生かしていくためにはどういう法改正が必要であるか、あるいは単独立法なら単独立法でもいい、特別立法ならば特別立法でもいいが、私は、やっぱりここまでくると立法の措置が必要だと、こう考えるんですね。よその国はみなあるんですから。そういうことについて労働省の基準局として積極的に検討する段階ではないのか、検討してもらいたいものだなと、こう思うんですが、どうですか。
#36
○政府委員(和田勝美君) 先生御指摘のように、私どもは、もう職業性疾患、職業病というものをぜひ撲滅をしたいというのが念願でございますので、先生の言われました方向に従って、ぜひ白ろう病問題に対処していきたいと思います。ただ、実際的なことを申し上げてみますと、私どものほうの振動予防関係及び治療関係につきまして、昭和三十四年以来八回ほどすでに斯界の権威者に研究の委託をしておりますが、なかなか結論が出てきておらないというようなのが実際でございます。昨年から、私どものほうでは局所振動障害予防委員会というような委員会を、これはお医者さん及び機械工学の先生、あるいは実際にチェーンソーをつくっていらっしゃる会社の技術の方に入っていただいて検討を進めさしていただいております。そういうようにして、何としてでも科学的に実態をきわめて根本的に予防問題をやってまいりたいと思っておりますが、その基礎的な問題でいつもひっかかりますのは、振動の許容限度をどこまでに定めたらいいかということがなかなかわかりにくいというのが一点。もう一つは、振動をどうはかるかという測定方法、これが非常にむずかしい。ことしの八月に実は世界的な会議がジュネーブでございますが、その際には、全身振動に対する問題はある程度出るようでありますが、局所振動に関する測定方法その他についてはおそらく結論が出ないだろうと見込まれております。そういうように世界的に見ましても非常に問題の多いところでありまして、なかなか統一基準というものはできない。したがいまして、はかり方がわからない、許容限度をどこまで持っていったらいいのかわからない、科学的にはそれが実証されない、こういうようなのが現在の実態のようでございます。したがいまして、そういうような科学的な根拠を求めるのは非常にむずかしいというのが現状でございますので、なかなか法律でもって科学的にこれまでの振動ということをきめるのが非常にむずかしいというのが現状のようであります。先生御指摘のソ連のチェーンソーに対する安全衛生規則の中に一応の数字は出ておりますが、これは、いま申しましたように、世界的に承認をされたものということではないようでございます。そういうように科学的に確定的なものを求めることが困難ではありますが、しかし、困難だからといって予防措置ができないということでは申しわけないことでございますので、先ほども御紹介申し上げましたように、二月二十八日付で一定の予防を当面の問題として地方局に指示をし、業界の協力を得るような措置を講じておりますが、来年度におきましても、私どものほうの予算て実態調査をするとか、あるいは労働衛生研究所で振動に関する調査研究の経費をとったり、あるいはまた治療関係では私どものほうの労災のほうに治療関係の研究委託ができるような経費もとってあります。そういうようなことを具体的にいたしまして、ぜひできるだけ早期に科学的にかっちりとした根拠のあるようなものをつくっていきたい。もちろん、これは私どもだけではなくて、林野庁及び人事院でもそれぞれたいへん御熱心に御研究をいただいておりますので、これらの研究を総合したものの上に立って一日も早く画一的な正確なものをつくっていきたい、かように考えております。
 それから立法的な問題でございますが、実は治療問題等になりますと、国家公務員は人事院のほうでお扱いになり、民間のほうは私どものほうでやっておるということで、多少の食い違いは法律的にあるようでありますが、これは人事院と私どものほうで研究していきたいと思います。なお、林野庁に対する安全関係は、実はいまの現行基準法でも私どものほうの所管でございますので、その点につきましては、予防関係は私のほう、それから病気になった以降は人事院、こういうことになっておりますが、予防関係について重大な責任を私ども負っておるわけでございます。いままで申し上げましたような事態をにらみつつ、十分できるだけ早い機会に措置を講ずるようにしたい。そういうものができ上がりまして、立法的な措置がもし必要があれば、その時点で考えさしていただきたい、かように考えております。
#37
○上原正吉君 関連。だいぶ白ろう病の予防で科学的なデータを集めるために御苦労なさっていらっしゃると、大いに感謝するのですけれども、昔は白ろう病なんというものはなかった。だから、白ろう病がどういう場合に起こるかということだけはつかんだ。それで、昔白ろう病というものはなかったときは、つまりねじりはち巻きをして、のこぎりを引いておればだいじょうぶだった。それが白ろう病なんというものが生まれてきたのは、何か機械を使うためだ。そうしたら、根本原因がつかめて予防対策が立つまでの間、機械を使うことをやめさせれば問題は一ぺんに解決してしまう。そもそも産業の進歩発達というものは、人間の命や健康や、それに幸福や福祉の増進や、そういうことに貢献して初めて意味がある。産業の進歩発達が人間の健康や生命に危害を加えるようなら、産業の進歩発達は人類に害がある、こういうことになるかと私は思うのです。だからもう少し積極的に人間の健康や生命や幸福やを先において産業政策というものは行なわれなければならないものだと思うが、御意見はどうですか。
#38
○政府委員(和田勝美君) これは林業経営問題でございますので、私どもから答えますよりは、ほかからお答えいただいたほうがいいかと存じますが、私どもがチェーンソーの使用、ブッシュクリーナーの使用を現在禁止をしておらないという状態についての言いわけになるかと思いますが、ちょっと答えさしていただきたいと思います。実は、チェーンソーが使われ始めましてからすでに六十年の歳月が流れていると聞いております。日本で使い始めましたのは、林野庁が初めにお使いになったようでありますが、それほど長い歴史ではございません。あとで正確にお答えいただけると思いますが、大体三十年ごろからだと思います。この問題が非常に取り上げられるようになりましたのは、三十四年ごろからぼつぼつ問題が出てまいりまして、そうして現在非常な社会的な関心を引いておるという問題でございます。そういう状態で、確かに振動のあるところにレイノー現象というものが出てくることは事実であります。これは単に林野だけでございませんで、鉱山のさく岩機なんかにも同じ問題がございますことは事実でございます。それが、こういうことだから必ず禁止をしなければいけないというデータが、先ほどから御説明を申し上げましたように、必ずしも出ない。
 それからもう一つは、伐採の経営問題とのかね合いをどこでどう調整するか、危険な機械と伐採経営との関連でどういうように調整をするかということが、先ほどから申し上げているような振動の許容限度、振動の測定の問題と、それから科学的にこれでは必ずいけないということがわかれば私どもはびっしりとめられますが、蓋然性のなかで直ちに禁止をしていいかどうかという問題については、おしかりを受けるかしれませんが、多少自信がございませんので、科学的な検討をいまのところ先にさしていただいておるというようなことでございます。
#39
○上原正吉君 同じことを繰り返しますが、確実に害がある、確実に人間の健康や生命に危害を加えるというデータがそろわないから禁止できない――確実に無害であるというデータがそろって初めて使用を許可すべきものだというふうに私は考えるので、根底から見方が違っていますから、幾ら議論を繰り返してもむだですが、私は私の信念を疑いません。それだけにとどめておきます。
#40
○吉田忠三郎君 基準局長ね、上原先生は上原先生の考え方も含めて聞いているのです。ぼくの場合、まだ自分の考え方というものを一つも出してないわけです。出してないので、これからだんだん意見を含めながら聞いていくのだけれども、きょうはまだそこまで言いませんが、あなたの言う許容限度というのは一体何か、あるいは許容の基準というものはどこに置くかということが非常にむずかしいと思う。しかも、いま上原さんにおっしゃったのは、自信がないので、こう言っている。自信がないのに、いま直ちに自信を持てとは言ってないのだ、ぼくは。ソビエトでやられているのは、一つの参考の資料です、これは。しかもこれは国際的なものじゃない。私はソビエトで聞いてきた。それから日本の専門のお医者さんから聞いてきたのですけれども、大体国際会議でこれに対する統一的なものは八月ごろ出るだろう。日本の専門の学者は、出ますという断定も使っているのです。あなたは出ないだろう、こう言っていますが、そこのところはいいです。出るか出ないかは別として、しかし国際会議でもそこまで非常に大きな問題になっているわけでしょう。そうして、東ドイツにもそういうものがある。ソビエトにもある。それからその他のこうした林業国といわれるところでそれぞれ研究が進められているわけです。
 ですから、わが国も、基準法では適用除外していますから、労働省は関係はないといえば全くないのです、法律的に見れば。ですけれども、この職業病というものは、私は大きな意味ではそれは国民の病気ですから、厚生省も関係ありますけれども、とりあえずは労働省が所管しているわけですね。ですから、わが国なりの基準といいますか、そういうものをひとつ設けるべきだし、それから法律的に欠陥があるならば――もうすでに欠陥があります、欠陥ということよりも、古くなっています、新しい病気ですから。そういうものに対応する法律的な措置が必要でないか、こう考えて、あなたにこれを検討してみたらどうかということを言っているのですが、これは確かにソビエトのものなんですよ。しかしここには――私は学者じゃありませんから、こういう方程式などよくわかりません。わかりませんけれども、かなりこれは高等数学的なものが出されて結論づけられて、しかもソビエトの国柄はこういう国柄でございますけれども、これはその基準をきめるについては、ソビエトの閣僚会議、それから計量器についての測定委員会という機関があるのです。そこで検討されて、しかも研究されたものは科学アカデミーなどとか、こういうことが書いてありますが、いずれにしても測定の許容限度というものを示していますよ、限度というものを。それ以上の振動を与える機械は使っちゃいかぬ、こういうことなんです。これは一九六四年ですから、新しいものです。そうしてそれ以前のきめられた諸規定については廃止する。こういうことで漸進的にやはり直してきているわけです。
 だから産業が近代化されてあるいは機械化されて、合理化をされていくというときには、こういう問題が出てくるわけですよ。どこの国でも、全く使わないというわけにはいかないでしょう。いかないわけですから、したがって時間規制等についても、できるだけそういう障害を発生する誘因というものを、できるだけ作業全体の過程の中で隔離をしていく、そのための時間規制だと思うし、それから機械そのものが悪いということははっきりしているわけですから――機械が悪いのじゃなくて、振動を与える、これが最も大きな原因だというのですから、ですからその機械も、できるだけ振動の少ないようにということですから、林野庁長官言ったように、防護措置をつくってみたり、あるいはできるだけ振動の少ない機械を開発するために努力している、こういうことですからね。そういうことなんでしょう。だから法律的には、私は、あなたもおっしゃったように、許容量をきめる基準というのはむずかしいわけだけれども、例が幾つもあるわけですから。これはソビエトのはソビエトでけっこうですけれども、日本は日本的な許容量をきめて、やはり予防対策の一つとして立法化するなり、あるいは今日の行政の中で指導できるというなら指導監督したらいいじゃないか、積極的にやったらいいじゃないか。ところが、法律的には何もないから、いまのところ労働省は率直に言って何もやってない。何もやってないと言ったって過言じゃないのですよ。たまたまこういう問題がいろいろ衆議院の社労なり、参議院の農水なり、いままた参議院の社労で取り扱われているから、あなたおっしゃったように、つい最近でしょう、七項目にわたって指示したというのは。その指示した中では機械に対しては何もないわけですから、早い話が。機械を使っていいとか悪いとか、あるいは振動の許容量については何もうたってないわけです、今度の指示だって。あなたの答えられた中では。ですから、問題は、誘因なり、原因というものをなくすためにはどうするかということで、労働省の基準局としても前向きで、具体的に明らかになってきた原因というものを除外するためにやる必要があるんじゃないかと、私はこう聞いているので、これはソビエトのやつそのままやりなさいとかなんとか言っているのじゃなくて、今日的な段階で日本的なやり方をひとつ考えてみたらどうか、こういうことなんです。
#41
○政府委員(和田勝美君) まさに先生の御指摘のとおりでありまして、私どもも日本的な段階でできるだけ病気を起こさないような状態をつくりたい、こういうことでいままでいろいろな研究委託もし、委員会を設けて努力をしてきておるわけでございまして、先生からいま御指摘をいただいたように、二月の二十八日に七項目のことを当面の問題として行政指導する基礎をやっとのことで明らかにしたようなわけであります。その中には、御指摘のように、機械の振動はできるだけ振動のないものを使わせろというような、非常にあいまいといえばあいまいでありますが、そういう指導をしているにとどめております。それ以外には、たとえば防振手袋を使えとか、防寒具をつけろとか、健康診断をしろとか言っておりますが、機械そのものについては確かに御指摘のように指摘はしてございません。これにつきましては、実は一部の学者では障害が発生する振動数は一秒間に四十から六百までの振動であって、振動の幅が〇・一ミリから〇・二ミリのような場合には障害が発生するのではないかというような見解を述べられる学者もあります。しかし、それに対しては、ほかの学者は必ずしも賛成をしないというようなことでございますので、私どもとしては、行政機関として公的にこの振動でやれというほどのまだ確信を持ったものができませんので、先ほど申し上げたように、機械それ自体の振動を具体的にはやっておりません。林野庁のほうでもいろいろの機械を試作されて現場において何かと実験的な試みをなさっておるようでございますが、それらから出てくるデータ等もにらみ合わせまして、できれば私どもはこういう研究が進んで、早く機械に対する具体的な規制ができるようにしたい、こういうように考えておりまして、そのために労働衛生研究所や、私どもの労働衛生課のほうで研究委託をしたり、あるいは実態調査をする、こういう努力を今後とも重ねさしていただきたいということを先ほどから申し上げておるようなわけでありまして、私どもの念願は、とにかくこういう病気が出ないような機械の振動、それからその振動がからだに伝わってくることが問題でございますので、からだに伝わらないような姿、こういう総合的な施策をできるだけ確信が持てるものに早く仕上げたいという念願を持っているということを御了解いただきたいと思います。
#42
○吉田忠三郎君 努力していることについては御理解――ぼくは理解しないというふうには言えないと思う、しているほうだと思うのですよ。問題は、和田さんね、あなたもこの患者をごらんになったと思うんですよ。手が全く使えなくなるわけですからね。普通の病気のように、それが悪化していった場合に、直ちにあるいは心臓障害を起こすとか、あるいは内臓器官がおかされて生命がもうだめになるというものではないようですけれども、しかし考えてみて、あなたも私もそうですよ。人間として手が全く使えなくなる――特に労働者です。労働者として、働く者として手が全く、一生もう廃人と同じように使えなくなるということは、人間の生命が奪われたということと同じことじゃないでしょうかね、政務次官。大へんな問題なわけですよね。これからだんだん話していきますけれども、きょうはそこまでいきませんが、お医者さんのほうは、その病気のいま認定というものがあるけれども、その認定された段階では、もう不治の病にひとしいものだ。ですからその認定基準についても問題があるわけですよね。だからお医者さんのほうからいけば、初期の、つまり手がしびれを感じてきた段階なら完全になおる、こう言い切っているお医者さんもいますがね。それはお医者さんの分野ですから、いまここで認定基準をどうこうということを言いませんけれども、そこまでいきませんから言いませんがね。手というのは労働者にとっては生命ですよ。そこの認識の上に立ってやっぱり施策というものを打ち立てないと、たいへんだと思う。労働省としても、この問題はいま法律的には確かに関係ない、適用除外しているのですから。みんなそれぞれの機関、事業所に責任を、責任といいますか、しかるべき措置をとりなさいと、これはあいまいですよ。監督官庁とすれば。だからそれはもうこの間も言ったように、当初、こういう機械を使ったならばこういう人体に危険、有害を及ぼすものだという認識は、私も含めて何びとといえどもなかったと思うのですよ。これは何にも恥ずかしいことでもない。しかし、結果として、振動に十年も十五年も長時間接触しておると、こういう危険な病気になるということがようやく今日わかってきたわけなんです。そうすると、上原先生言うように、その原因がはっきりしてきたわけですから、その原因を取り除けばいいのです。取り除くためにはいろいろな問題があるわけですから、一挙にはいかないわけですよ。取り除くことが一つと、一つには賃金を保障してやること、あるいは病気にかかった者には徹底した療養期間を設けてやること、いろいろな問題があるわけですよ、この問題には。和田さんあなたが言っているように、総合的に検討しなければならぬことは私にはわかるのだけれども、ものの考え方の底意というものは、労働者が――たとえばいまここで速記をおやりになっている方がいますね。この方たちも手がだめになったら生命を奪われたと同じことになるでしょう。労働者にとって手が動かなくなったということは、つまり生命を奪われたと同じことだというのです。だから大切であるし、大事に考えてやるべきだと。そのためにそれぞれ法律的に欠陥があるならそれを補う、あるいは研究が足りなければ積極的に研究すればいいのです。労働省というのは、そういうものじゃないかと思うのですよ。基準法そのものは、大体労働条件の最低限かどうかは別として、労働省も守るようにできたのが労働基準法だと思うのですよ。これだけのりっぱなものなんです。このりっぱなものの中でも、八条六号で林業の労働者については適用を除外している。今度はこういう問題ができてきたから、これはそれを除外したならしたように、特殊な病気であるけれども、例がないわけじゃないのですから、COの問題にしても、あるいはけい肺にしても特別立法つくって救済しておるわけですから、そろそろそういうところにこの問題も前向きに取り組んで発展さしていく必要があるんじゃないか。そのためには、労働省というのは和田局長以下少しのんびりしているのじゃないかなと、こう感ずるものだから、激励する意味で言っているんだよ。これが一つ。それからきょうはこれでやめますが、医務局長、あなたはこんなかっこうして一かっこうはどうでもいいけれども。この病気はわが厚生省には関係ないような顔をしている。職業病といえども、これは国民の病気なんです。国民の健康、保健衛生は厚生省の所管だと思うんだがね。そういう意味で、まじめにちょっとあなたに聞いておくのだが、答はきょうばいいですけれども、そういうなまいきなことを吉田忠三郎言っても、お医者さんのことはちっともわからぬ――あなたはお医者さんだからね。そういう点で聞きますが、この病気を扱う場合、随所に局所振動障害ということばが出てくる。お医者さんの専門的なことばだと思いますが、いま、たまたま林業事業に関係しています白ろう病というものを私が言ったわけだが、それ以外にたくさんあると思うんですよ、この局所振動障害。たとえばさく岩機を使うものとかあるいは最近国鉄なんかではタイタンパーというものを使っていますね。あれはまだそういう病気が発生していないようなことをわれわれ聞いておりますが、しかし、あれを採用してからまだ五、六年ではないかと思うんですが、やがてああいうものにも出てくるのじゃないかと思います。とにかくこの局所振動障害というのは、これは白ろう病ばかりじゃなくてたくさんあると思いますが、そういうものをひとつ次のときに、こういうものとこういうものと、こういうものがあると、それでその病気が起きるのはどういう機械を使って、あるいは工具はどういうものであるか。この間も林野庁長官が国有林の中における工具と機械の種類を言いましたけれども、あなたには、一般的なそれ以外のものを教えてもらいたい。それからその病気が起きてくる作業との関係は一体どういう結びつきの中からそういう病気というものが出てくるかということも、われわれしろうとでわかりませんから、お医者さんという専門的な立場から教えてもらいたい。
 それから、今度そういうものを教えてもらった場合に――いまの和田さんのほうもその対策の一つなんですけれども、あるいは林野で時間規制したことも対策の一つでありますが、お医者さんという立場でこの対策をどう考えているか。つまり振動を防止するためには医学的に見てどういう対策があるか。それから林野の制限時間と関係あるんですが、振動と伐労時間、その伐労時間というものと制限時間というものについて、お医者さんとしての見解をひとつ次のときまでに教えていただくようにまずお願いしておきたい。
 それからもう一つは、これはこれからの予防のことと認定とも非常に関係してくるんですがね、やっぱり健康管理が非常に問題になると思うんですよ。早期にやっぱり発見することによって、お医者さんの立場からすれば、なおるという人もおるし、そうなっていない現在の仕組みがあるわけですから、健康管理ということについて一体お医者さんとしてどういうふうに考えるか、こういう林業事業に携わっている労働者の人に対して。一般的にはありますよね、健康管理。年に一ぺんは健康管理することになっておりますが、それでいいものかどうか。医学者として、科学者として松尾さん、専門的にあなたの見解をこの次にひとつまとめて教えてもらいたい。それからわれわれしろうとがまたいろんな意見を出して聞くと、こういうことにしたいと思います。以上です。いいですか、和田さん。
#43
○政府委員(和田勝美君) はい。
#44
○藤原道子君 私は、問題は違うんですが、ちょっと厚生省と労働省にお願いしておきたいことがあります。
 当委員会から、過日川崎の労災病院の視察に参りました。私たち行ってみての感じが、非常に感情的だという感じを受けたのです。部長も、病院側も、組合側もそれぞれ感情的になっているということを見てまいりました。
 そこで、この間から福祉事業団が私のところへ報告に来たので、私たちが見た感じでは話し合いの可能性はあると、話し合えば何とか妥結すると思うからよく話し合うようにということを吉田委員からも話しました。それで事業団がいる前で吉田理事が労働組合の小柳さんに電話をしまして、あんたたちも事業団が話し合うと言っているのだから感情的にならないで、この際は患者の生命が大事だからとくと話し合うようにという注意の電話をしたのです。そうしますということなんです。二十四日の十二時から会うということになっていた。その前に、病院側は病院側で全体の会議を開き、労組は全労組で会議を開いて、その結果を持ち寄って話し合おうじゃないかということだったんです。ところが、二十四日の十二時から会うというのが三時まで延ばされて、とうとう待ちぼうけで、やっと次長に会って話したら、きょうは副院長はじめ、みな事業団に行ってしまって話し合いができないということでお流れになった。それで、きのうですね、二十五日に話し合いの機会をぜひつくってほしいということを強く要望したが、二十五日中には何とかしょうということで、まだそのままになっているということなんです。
 それから、そうごたごたしているうちに、とうとう一番問題になっている七病棟の患者が一人死んだそうでございます。これは非常に重大だから早く何とか解決したいと思って、厚生省の総務課に問い合わせたそうです。ところが医事係りから、それは中原保健所の管轄であると教えられた。それで中原保健所へ電話をして、至急に病院の実態を見てもらいたいという連絡をしたが、所長に話して相談をして返事をすると言ったばかりで何らまだ返事がないということなんで、それで先生から、ひとつ厚生省の総務課が至急調査をするようにという指令を出してもらうように頼んでくれということが一点です。
 それから、ある病棟では十七名ぐらい看護婦がいて、それでいま問題になっている七病棟にはこれは看護婦が七名しかいない。もっとそちらから回してくれと言うと、おまえのところへやると組合に指導されるからいやだと言って、くれないのですね。それで七病棟の看護婦さんたちはへとへとになっている。こういうことでよろしいのでございましょうか、患者の生命を守る看護婦が、こういう問い合わせがあった。それで病院側は、現在の病棟の勤務配置は認められない、このままでやるなら処分をするというおどかしは聞いているけれども話し合いに応じてくれない、こういうことの連絡なのです。それから九時間以上の勤務が昼勤でなく勤務体制の中に組まれているが、これは労働基準法違反であると考えてその点聞き合わしたそうですが、神奈川労基局の服部課長に話したところが、衆議院社労の質疑の中で、事業団側から就業規則変更届けを出してあるということなんですという答弁があった。それで調べたらわからなかったけれども、さらに調べたところが、川崎の北監督署に届けが出ていた。ところが、それに変更届けの内容が、まあどういう勤務体制をしているかという資料が要るんだそうですね。その中に労組と話し合いを云々ということも入っているけれども、休憩時間が明示されている。九時間以上の勤務体制のときの休憩時間が、日勤は十二時から十三時三十分、中勤というんですか、これは十八時から十八時三十分まで休憩、夜勤は零時から四時まで休憩になっているんです。そんなことやられちゃいけないんです。やれるような体制ではないんですけれども、これが明示されているそうでございます。さらに届け出に添付する意見書、これは組合が出した質問書を一緒に出しているらしいと、さらに三月十九日に補足説明なるものが病院側から出されているが、内容がわからない、こういうことなんです。それで、この変更届けと意見書、補足説明書を私はどうも信頼できないので見せてほしいのです。あなたのほうから連絡をして、これをひとつぜひ見せていただきたい。私たちも実態調査しておりますから、これ見ればほんとうかどうかわかるわけです。それから福祉事業団でも、今後話し合いをする、すると言いながらやってないし、労働省も、これらに対しては何らの指導もしていないように思われると、何とか解決の糸口を見つけて私どもも安心して患者の看病に当たりたい、こういうことが、実は私留守のときに秘書が受けた電話でございますけれども、来ておるのでございます。それで私は行ってみて、皆さんも感じたと思うのですが、非常に病院側が官僚的な扱い方。それからわけがわからないのは、院長補佐というのが四名もいるのですよね。そんなに院長は無能力なんですか、おかしいと思うのです。まあ、それは何か理由があるのでしょうけれども、院長補佐が四名もおりまして、院長がだいぶ話がわかりかけても、院長補佐なる人がなかなかがんばるらしい。そういうことなんです。ですから、こういう状態を放置しておるのはおかしいと、いまの吉田さんの話をかりれば、医務局長にもひとつ何とか保健所からこの資料を取り寄せると同時に、何とか配慮があってしかるべきじゃなかろうかと、都合によったら委員長にお願い申し上げまして、次の委員会あたりに事業団と労働省と、それから病院側と組合側と、これを参考人に呼んで――放置できない状態にありますので、できまするならば、審議を進めていきたい。衆議院では労働省と事業団を呼んだんですね、参考人として。しかし、私は、これだけでは要領を得ないと思う。私は事業団が幾ら来て言っても、私のところに来る情報では違う。事業団は、病棟閉鎖をしないことに話し合いがつきましたから御安心くださいと、ちゃんとこの間連絡が来たのですよ、書類を持って。そうしたらその晩にもう騒ぎをしているのですからね。どうも私納得がいきませんので、あれだけりっぱな施設を持って、あれだけ各科総合の病院でありながら半分近い病床を閉鎖しなければならない。それでなおかつ――もう限界のようですわ、看護婦さんたちも。それで一つところには大ぜい病棟に看護婦がいて、一つところには看護婦の数が少ないのですよ。そこから貸してくれといえば、組合に何とかされるからそういうわけにはいかないと、はっきり言ったそうです。ですから、私は、今度の争議は組合ぶっつぶしが主眼ではないかという感じを受けております。その点についてのいまお願いした資料を取り寄せていただきたいこと、それから指導をどうされるか、真剣に考えてほしい。
 それからもう一つ労働省へお願いがございますが、この間、私のところへ入った資料によると、看護婦さんたちの労働基準法違反が全国で調査されて、まだ十八県ばかりが集約ができていないそうですけれども、集約された三十幾つかの県で労働基準法違反が九三%と出ているのですよ、私が見た資料では。これがはたしてほんとうかどうか。ほかから入った資料ですから、もし間違うといけませんので、その資料を当委員会へ御提出が願いたい、以上でございます。
#45
○政府委員(和田勝美君) 川崎労災病院につきましては、当委員会でたいへん御関心を寄せていただきまして、三月十二日の午後にはわざわざ調査をしていただきまして、まことにありがとうございました。その際の印象等につきましては、いま藤原先生から御指摘がありましたけれども、病院側にも、組合側にも、事業団側にも非常に有益な御指示をいただいたようでございまして、私のほうからもお礼を申し上げたいと思います。そのときの御指示は、いまお話にありましたように、双方が感情的にならずに話し合ったらどうかということを基調とした御意見であったようでございまして、私どもも、それは当然のことだと思います。
 翌日、十三日から十六日まで、実は病院側と全労災の関東支部と話し合いを持ったわけでございます。その持ちます一番大きな問題は、看護婦さんがだんだん減っていく、それに伴って患者に対する看護という問題は手落ちのないようにしなければいけない、そのためにはどういうようにしたらいいかということについての話し合いを進めたようでございますが、どうも組合とはなかなか話し合いが進まないということで、一方におきましては、患者さんからもいわゆる転床――病床を変えることについて反対だというような御意見も出ておったようでございますので、患者さんの自治会がございますが、その自治会と話し合いをいたしまして、自治会のほうは実は御了解をいただきました。それで十七日の日に三人の重症患者を除く方、十一人については病棟を変わっていただいたわけです。実は御視察いただいたのでおわかりいただけると思いますが、十一人の病棟のうちで非常に患者さんの少ない病棟と相当患者さんのいる病棟とがあり、患者さんがばらばらでございますと、実は看護の手がうまく行き届きませんので、同じような条件のある病棟のほうに移っていただく、そうして看護婦さんを集約して、厚生省から示されておる基準に合うような看護をいたしたいというのが病院側のねらいであると私ども聞いております。一方におきましては、もちろん看護婦さんの退職希望者が当時相当ございました。いまでも二十九人あるとか聞いておりますが、つい最近の事情はよく知りませんが、ある時期には二十九人くらいやめられる。そういうようにやめられるとどうしても病棟を集約せざるを得ないということでございます。その集約の話し合いをするけれども、組合とはなかなかうまくいっていないという話でございます。いま先生が具体的におあげになりました第七病棟は、実は患者さんは三人しかおらない病棟でございまして、看護婦さんが七人ですか、五十ベッドのところで三人というのはいかにも不経済だ。これはひとつお変わりをいただけないだろうかということを言っておるのですが、その病棟が、御存じのように、なかなか問題がある病棟のようでございます、看護婦さんのほうを見た場合に。そんなことで、三人の患者さんをどっか大ぜいいらっしゃる病棟に移していけば、したがって、第七病棟というのは閉鎮せざるを得ない。そこに働いている七人の看護婦は別の病棟に移って看護業務をやってもらいたいというのですが、これはいろいろ事情があるようでございまして、なかなか思うようにまかせないということで、むしろ看護婦さんが余り過ぎている状態が第七病棟のように聞いております。しかし、事実のことにつきましては、私、報告でそう聞いているわけでございまして、先生のところに電話がかかってきたのとはちょっと事情が違っているというように聞いておりますが、ここで確実だと申し上げることはできないと思います。
 それから患者の方が一人亡くなられたことは事実でございますが、これは看護問題で亡くなったというふうには私ども報告を聞いておりませんので、何か高血圧の方のようでございましたけれども、一人お亡くなりになったようでございます。
 それから届け出の件につきましては、私どもでも、資料としては、もちろん先生のほうにお届けをいたします、変更届けを。
 それから、休憩時間の明示の問題につきましては、実は藤原先生がお読み上げいただきましたようなことで、基準法としては差しつかえない。何時から何時の間に二人勤務をしておりますので、それを交互に与えられた時間、たしか二時間でございますが、休憩をとるようにということは、病院の実態からしてきちっと何時から何時というように具体的に指定しなくともよろしい、こういうことにしておりますので、法律的には問題はないことだと思います。
 それからもう一つは、これはすでに御理解をいただいていることではございますが、しいてつけ加えさせていただきますと、実はいま勤務体制で争われておりますのは、三十四の労災病院のうちで三十三までが――いま争われている新しい体制と言っておりますが、それですでに四十一年から行なわれておるのでありますが、関東労災だけが、中央の協定にかかわらず、関東支部だけがそれに従わないというところに実は問題点があるわけでございます。
 それで、労災の労働組合としては統制問題があるわけでございますが、いろいろの事情があって、関東労災がうまくいっていない。具体的に、先ほど申し上げましたように、話し合いを持とうと思いましても、話し合いを現実にやりましても、関東労災についてはなかなかうまくいきませんので、このところ事業団としては、実はそれならば事業団本部と全労災、全体の執行部と話し合いをしようということで、二十四日からその話し合いをしようということになっておるようでございまして、二十四日の具体的なことは実は報告を聞いておりませんが、本部同士はいつまでもごたごたしないようにしてぜひ早くおさめて、患者さんに対する看護が万全にいくようにしたい、こういうような気持ちでやっておりますので、そこはひとつ御理解をいただきたいと思います。
 なお、病院長のほかに院長補佐というのが四人もおるんじゃないかという御指摘がございますが、これは病院長が頼んだとか何かということではございませんで、病院長の相談相手がほしいという病院長みずからの意向がありまして、異例ではありますが、お医者さん同士が話し合いをされて院長補佐というのが四人できておるようでございます。そういう意味においては、集団指導主義をとっておられるようでございます。これも、院長としていろいろの意見を聞いてやったほうがよかろうというお考えのもとでのようでございまして、別にだれかれが指示したということでもないように聞いております。しかし、いずれにしましても、視察をいただきました御趣旨はそのとおりでございますので、私どもとしては、病院側と関東労災支部が十分話し合いをしながら、とにかく看護に万全を期する。それから病院側としては――病院側といいますか、事業団、病院側両方合わせまして、ぜひ早く看護婦さんの定員増を含めまして、あそこの病棟が全部普通の状態で運営されるようにというのが私どもの念願でございますので、私どもとしては、ずっとこのところ事業団にそういう姿勢で指導をいたしておりますが、今後とも委員会の御質疑なんかも十分伺わせていただきながら、十分そういう点も考えさせていただきたいと思います。
#46
○委員長(佐野芳雄君) 速記をとめて。
  〔午後零時二十四分速記中止〕
  〔午後零時四十七分速記開始〕
#47
○委員長(佐野芳雄君) 速記を起こして。
 他に御発言もないようですから、本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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