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1970/04/09 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第11号
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1970/04/09 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第11号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第11号
昭和四十五年四月九日(木曜日)
   午前十時二十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐野 芳雄君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                吉田忠三郎君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                山本  杉君
                横山 フク君
                占部 秀男君
                中村 英男君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       労 働 大 臣  野原 正勝君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       総理府人事局長  栗山 廉平君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       林野庁長官    松本 守雄君
       労働大臣官房長  岡部 實夫君
       労働省労政局長  松永 正男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  東村金之助君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (公務員の労働基本権に関する件)
 (白ろう病に関する件)
○中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 労働問題に関する調査を議題とします。
 大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野原労働大臣。
#3
○国務大臣(野原正勝君) 昨夕、大阪におきましてガスの爆発事故が起きましたので、その状況を御報告申し上げます。
 本災害は、昨夕四月八日、午後五時四十五分ころないし五十分ころ、大阪市地下鉄二号線の作業現場におきまして、都市ガス管から漏洩したガスに引火して惨事が生じたのでありまして、被災者数は、現在判明したところでは、死者七十一名、重軽傷二百八十三名という数に達しております。この原因につきましては、目下関係省と協議して、詳しい解明につとめておるところであります。とりあえず、昨晩労働基準局長を通産大臣と一緒に同行させまして、現地に急派いたしました。さらに、本朝大野政務次官を大阪に向かわせまして、現地の指揮に当たらせております。
 このたびの災害におきまして多数の死傷者を出しましたのでありますが、特に、亡くなられた方々に対しましては慎んで御冥福をお祈りする次第でございます。
#4
○委員長(佐野芳雄君) それでは、これより質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○占部秀男君 私、質問する前に、実はILO八七号条約の批准に関連をして、公務員制度審議会の問題点とからめて総務長官にお伺いしたいと思っておりますが、きょうは来られないというんで、やはり内容が、人事局長じゃ軽いというじゃありませんけれども、長官から聞かなきゃならぬ問題があるので、そういう機会をつくっていただきたいということを委員長にお願いをして二、三質問をしたいと思いますが、公務員制度審議会の経過はいまどうなっておるか、それをひとつ報告してもらいたい。
#6
○政府委員(栗山廉平君) 御承知のごとく、公務員制度審議会は、ただいま第二次の審議会に相なっております。この第二次の審議会は、昭和四十三年の十月二十四日から発足いたしておるのでございます。委員の任期は二年でございまして、したがいまして、ことしの十月の二十三日には終了するというかっこうに相なっております。そこで、十月二十四日に発令になりまして、翌日から会合が始まったわけでございますが、月に二回原則として会合を行なおうというような申し合わせができておるわけでございます。
 そこで、いままでに行ないました会合は、二十五回会議を持っておるわけでございますが、ごく簡単に申し上げますと、最初の一回から四回までにつきましては、ILOの関係で国内法が変わりましたその関係の在籍専従の問題を審議いたしまして、五回目から、この審議会の本来のと申しますか、審議会が本来的に課せられております公務員関係の労働基本権の問題の審議に入ったわけでございます。その冒頭におきまして、どういうふうな審議の方向に持っていこうかという相談が当然あったわけでございまして、労働基本権というものは、いろいろ分けては考えられますけれども、非常に密接に入り組んだ関係がございまして、単独にこれを引き分けて取り上げて審議するということはなかなか困難である。しかしまた、他面、これを同時に審議するということも、やはり審議をするという整理の上から考えますと、いろいろ混乱を起こす面もあるという前提をわきまえながら、結局、審議の整理の関係からしまして、まず団結権というものを中心にまず取り上げて、それから交渉権なり争議権なりの方向へ持っていくということの審議上の整理をいたしまして、団結権という問題を中心に入っていこうということになったわけでございます。そこで、五回から九回ぐらいまでにこの団結権の基本論議をいたしまして、十回目から個々の団結権の問題を取り上げていこうということで、公務員の中で団結権を法律上禁止されているグループがあるわけでございます。警察とかあるいは自衛隊、それから地方公務員の消防、それから国家公務員のさらに海上保安庁とかあるいは監獄の職員と、それから入国警備官といったような種類がございますが、そういう団結権を禁止されておるグループにつきまして、これはみんな事情が違いますので、個々にこの事情を調査し、審議をしていこうということで、その問題でいままでずっと詳しく、これは当然交渉権その他の問題にも響くわけでございますけれども、団結権を中心に審議をいたしてきたわけでございます。この審議は二十四回をもちまして終わったものというか、一応この審議を打ち切りまして次の段階に進む、すなわちこの間の三月三十日に開かれました第二十五回から次の段階に進もうということで、団結権の次の交渉権とちょうど間くらいの問題、つまり登録制度とか、あるいは在籍専従等も入ってまいりますが、そういった問題をどういうふうに審議していこうかということで、この前の二十五回におきましては、それの総括的な審議が行なわれたわけでございます。したがいまして、この次の二十六回からはこれの個々の審議に入りまして、それから続いて交渉権なり争議権なりに入っていくというふうに大体見通しがついておるわけでございます。
 ごく簡単でございますが、概略を申し上げました。
#7
○占部秀男君 そうしますと、団結権の問題は、ある程度審議を終えて、いま団交権関係の問題にやや入っておるというお話ですが、今度の公制審は、あなたが言われているように、十月二十三日にはもう答申をして終わらなければならない、できれば答申をして終わるようにする、そうなると、おそらく答申をまとめるだけでも二カ月くらいはかかるんじゃないかと私は思うのですが、そうすれば、実際の審議というのは四、五、六、七、せいぜい八、大体この四カ月かそこらしかないと思うのです。この中で、交渉権の問題に入ったとはいうものの、ストライキ権の問題がまだあるわけですから、答申の見込みはあるのかないのか、そういう点ひとつ聞かしてもらいたい。
#8
○政府委員(栗山廉平君) 先生御承知のごとく、この審議会はきわめて独立的と申しますか、がっちりした構成になっておりまして、審議の進め方その他万般につきまして、ほとんど審議会が独自にいろいろお進め願っておるわけでございます。したがいまして、だいぶ先のことにつきましてどうなるといったようなことをはっきり私から申し上げられる立場にないのでございますけれども、いままでの審議のぐあいから見まして、わりあいに円滑に、また能率的に進められておるのではなかろうかという気が私はいたしておるわけでございます。
#9
○占部秀男君 公制審がほかの審議会よりは政府側の、何というか、影響力というか、ある程度強いということは私もよく知っておるのですが、なぜこういうことを言うかというと、御案内のように、ドライヤー勧告があって、政府もこれを受け入れ、総評その他中連もこれを受け入れて、そして今度の公制審となったわけです。これは内容はもちろん公務員関係――国公、地公、公企労、地公企労関係の労働基本権の問題ですけれども、公制審そのものは、これはやはり国際的な関係のある中から生まれた問題であって、したがって、あまりこれが長く延びていくということは、これは国際信義の上からもおもしろくないと私どもは考えておるわけです。そこでお尋ねをしたわけですが、おそらく第二次では完全な答申は出ないと私は思うのですけれども、もし出ない場合には続いて第三次と、こういうことになるわけですか。
#10
○政府委員(栗山廉平君) ただいまの先生の御質問は、結論が出ない場合にはどうかということでございますが、結論が出るか出ないか、これはちょっと先の問題でございまして、先ほど申し上げましたように何ともわれわれとしては判断できかねる問題でございますが、しかし、なるべく終結に持っていきたいということで委員の皆さまが非常に御努力をなさっておられるということは、これはわれわれ感じておるわけでございます。そこで、もしもかりにこの第二次で結論が出ない場合に第三次に持っていくのかどういうのかという御質問でございますけれども、この点もわれわれ事務当局でこうなるのだというような断定的なことは申し上げられない立場にございますけれども、第一次の審議会の例等から判断いたしますれば、そういう事態も考えられるのではないかというふうな気がいたすわけでございます。
#11
○占部秀男君 いまで団結権の問題点についてある程度審議が行なわれたというのですが、その審議の内容は、きちっとはまとまらなくとも、三者構成になっているわけですから、三者である程度の意見がまとまったというものと、まだまとまらないものと、あるいは全体的にまとまったか、そういう内容の点についてちょっと……。
#12
○政府委員(栗山廉平君) ごく簡単に申し上げますが、団結権の問題につきましては、これまでの審議は、先ほど申し上げましたように、一般的な論議が数回ございまして、それから禁止をされているグループの個々につきまして審議が行なわれたというのが現実の実情でございます。そこで審議の内容としましては、主として労働側と、それから使用者側というものが意見を出されまして、お互いに質疑等もございましたということで、結論を出すというのは、最初に申し上げましたように、いわゆるこの労働三権は非常に密接な関連にございますので、団結権なら団結権というものだけを取り上げて、それだけについての結論を出すということはそう簡単にはできない、それで、三つなら三つにつきまして論議を尽くした上で最終的に同時のかっこうで出すのがいいであろうという大体成り行きになっております。したがいまして、団結権そのものについての、これだけ取り上げての結論というものはまだ出しておらないわけでございます。しかし、お互いの論議は相当出しておりまして、それの取りまとめ等もいまいたしておるわけでございますが、論点を明らかにいたしておきまして、最終的に三つなら三つの問題につきましての同時的な結論を出そうというような進め方でやっておるわけでございます。
#13
○占部秀男君 私もそう思うのですが、団結権、交渉権、スト権は、これは一連の問題ですから、結論的な答申ということになると総括するようになると思うのですけれども、いまの団結権の問題で、局長の御答弁ではまだちょっとわからないところがあるので教えていただきたいのですが、この団結権の問題の一般的な論議というお話なんですけれども、これはどうせあとで詳しく整理したものはいただけると思うのですが、この一般的な論議の、何というか、傾向ですね。いま御存じのように、労働法規の上では同じ団結権でも、労働組合法上の団結権といわゆる職員団体としての団結権と二色あるわけですね。一般に国家公務員、地方公務員等の一般職は職員団体という形の団結権しかない。ところが、公営企業あるいは現業のそれは、地方、中央を通じて労働組合法上の団結権の扱いを受けているわけです。そこで、いままで審議された一般的論議の傾向は一体どういう形になっておるのか。
#14
○政府委員(栗山廉平君) 団結権につきましての一般的な論議、審議会ではフリートーキングといったようなことばを使っておったのでありましたが、ごく簡単にかいつまんで申し上げますと、労働側からの論議といたしましては、官公労働者の基本権というものは、諸外国では相当広く認められるような傾向になってきておる、そういう点から見ると、日本のほうはやはりそれを相当な参考として考えるべきではないかといったようなことが第一に述べられておったわけでございます。それから管理職員の範囲の問題とか、団結権と関連があるわけですが、登録制度、在籍専従といったようなことについても、どうも法律による規制が加えられておる、これは不適当であるといったような発言、それから争議行為等に対する罰則や懲戒処分が重過ぎるといったような、団結権そのものじゃございませんが、関連していろいろ、フリートーキングですからほかの問題も入ったわけですが、なお警察職員等についてやはり団結権は認める方向で考えるべきではないかといったような――これはごくとりまとめでございますが、そういうようなフリートーキングが労働側からなされておるわけでございます。要するに、言わんとするところをごく一まとめにいたしますと、公務員等につきましても民間と同様に労組法一本にして取り扱うべきだ、特別の立法をするのはやはり好ましくないのではないかというようなことがその根本にあってのことにとれるわけでございます。使用者側からの発言といたしましては、諸外国の公務員制度というものは、やはりそれが成り立つその国その国に特有の社会的背景とか土壌というものがあって、公務員制度と一口に言っても国によってみんな違うということを念頭に入れて考えるべきではないか、わが国としましては、したがって各国と異なる特有の背景とか事情がやはり存在しておるので、したがって、まずわが国のそういう特有の背景なり、土壌なりの上に立った現状認識から出発するのがいいのではないかというような論がなされておるわけでございます。それからさらに、したがって、公務員等につきまして労組法一本でなくて、民間と異なる取り扱いがなされておるというのはそれなりの特殊性があるからであって、やはりそういう点からして、公務員等はなぜ民間と異なる特殊性があるかという点の認識をまず行なう必要があるのではないかというような点がごく大ざっぱでございますが、そのフリートーキングの中のおもな論点であったわけでございます。
#15
○占部秀男君 この問題については、政府側の委員の発言はなかったのですか。
#16
○政府委員(栗山廉平君) 先生のいまの御質問、ちょっと私的確にとらえ得たかどうか疑問なんですが、委員は、御存じのように、いわゆる三者の構成でございまして、学識経験者、つまり中立と申しますか、公益と申しますか、この委員が八人、それから使用者側、労働者側それぞれ六人という、大体三者的な構成になっておるわけでございます。したがいまして、政府側の委員の発言とおっしゃいますけれども、政府側の委員というほうは、政府側のほうから求めて発言するということはございませんで、たとえば、警察なら警察、自衛隊なら自衛隊の団結権禁止ということについての論議をするにあたって、警察なり自衛隊なりのたとえば職場の構成なり、そういったような現状の説明を求められるということで、いろいろ法律的な説明、実際的な説明といったようなことは、これはもう審議会の委員の方のお求めに応じましていたすわけでございますが、政府側から、特段にこちらのほうから積極的に意見なり何なり申し上げるというようなことには相なっておりませんのでございます。
#17
○占部秀男君 なぜこういうことを言うかというと、いま諸外国の問題が出ましたけれども、これは局長御存じのように、ほとんどの国では、団結権について日本のような扱いをしておるところはめずらしいわけですね。ほとんどが、労働組合法上のいわゆる団結権としては、皆働く労働者という立場から団結をしておる。しかし、交渉権あるいはストライキ権の問題については、それぞれの職種別といいますか、あるいは業務の状態によって制限されておる問題もあるし、禁止されている問題もある。しかし、およそ団結権と団交権のある程度までは、ほとんど同じ扱いをしておるのではないかと、われわれ一般的に見てそう考えておるわけです。今度の公制審の途中でも、御存じのように、当面のILO関係の処理の問題でごたごたが起こって、そうスムーズに公制審がいっているわけではない。そういう中であのごたごたが起こったときにも、政府側の、使用者側の立場は相当強く出ていたと思うんですよ。したがって、今度の公制審の審議全体の上に、必ずしも政府が全然意向を入れてないというふうには、われわれは考え取れなかったわけですから、したがって、そういう質問をしたのですが。そうすると、この問題は、いまのところ団結権の問題としては、両方が言いっぱなしの状態になっておると、簡単に平たいことばで言えば、そういう状態というふうに理解していいわけですか。つまり労働者側と使用者側がそれぞれの立場から団結権の性格の問題については言いっぱなしの形になっておると、ことばはちょっと荒いですけれども、その点いかがですか。
#18
○政府委員(栗山廉平君) 言いっぱなしとおっしゃいますと、何かこう一方的というかっこうにとられるわけでございますが、両方からそれぞれ発言がございまして、これに対しまして質疑といいますか、質問といいますか、そういう点は活発に行なわれているわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、結論をつくるような討論には至っていない、これは最後に残されているというふうにわれわれは考えているわけでございます。それから、もう一つ最初におっしゃいました外国の問題等でございますが、審議会でもこの話が出まして、共同調査をやっぱり行なおう、外国のですね。政府側の資料は一方的と申しますとたいへん恐縮なんですが、要するに共同で調査した資料を参考にしようというようなことで、共同調査の話が出されておるわけでございます。おそらく三者共同で調査がなされることであろうとわれわれ考えております。
#19
○占部秀男君 それから、禁止されておる個々のグループの問題で発言がされたと、こういうことですが、その禁止をされておる個々のグループの発言をされたというその対象になっておるのは、およそどういう問題でしたか。
#20
○政府委員(栗山廉平君) 簡単に申し上げますが、法律上団結権が禁止されておるグループと申しますのは、国家公務員で申し上げますと自衛隊、それから警察は国家公務員と地方公務員両方――ほとんど地方公務員が多いわけでございますけれども、一応国家公務員もおりますので警察職員、それから海の警察としまして海上保安庁の職員、それからさらに刑務所でございますが、監獄職員、それから入国警備官というのがございます。これは法務省にございます。それから地方公務員といたしましては、ただいま申し上げました警察職員の中で非常に多くの部分が地方公務員におられるわけでございます。これは当然そうなっております。それから消防の職員でございます。そういうふうな現状に相なっておりますが、これにつきまして、まず一番何といいますか、国民として一番わかりやすいといいますか、身近といいますか、そういう関係で警察職員の団結権問題につきまして最初に審議に入ったわけでございます。審議のやり方としましては、先ほどちょっと申し上げましたように、警察の仕組みなりあるいは作業の現状なりといったようなもの、それから法律の上で団結権が禁止されておるという、それの理由といいますか、原因といいますか、そういうものにつきましても詳しく関係当局から聞きまして、その上でいろいろの御意見をお出しになって審議をなされたというようなのが審議の進め方の順序でございまして、そうして意見が大体出ましたところで両方の要約をするというような作業を実際しているわけでございます。ごく簡単に、警察のことを例にとって申し上げますと、労働者側からは、やはり警察職員といえども、憲法二十八条で労働基本権が認められているのではないか、したがって、団結権も認められるべきであって、諸外国でもそういう例もあるように聞いておるというような発言もございますし、また、団結権が認められないとかえって不満が高まって、職務を行なう上に支障を来たすのではないかといったような点。それから、団結権を与えると職務と何か対立するようなことがあるというようなことを言う方もあるけれども、そんなことであってはいけないと、団結権というものはそういうほうにいくべきでないというような御議論等々あったわけでございます。それからまた、使用者側のほうからの御意見といたしましては、警察職員につきましても、憲法上そういった労働基本権を有するものだとしても、職務の関係からしまして、つまり国民の生命と財産を守ったり、それから国の安全秩序を直接維持するというきわめて重要な職務であるという特殊性からしまして、特にその厳正な服務あるいは規律の保持が必要であると。したがって、そういう場合に団結権を認めるということは、やっぱり職務遂行上困るのではないかといったような議論、それから、いまの官公労働組合の現状から見ますと、法律上のれっきとした争議行為の禁止があるにもかかわらず、争議行為が行なわれるという現実の問題がある、そういう点から見て、警察職員等にそういう団結権を認めるというようなことに相なった場合に、非常に国民が迷惑をこうむるような事態の発生するおそれがあるのではないかというような点が、いろいろ論議として出されておったわけでございます。
 ごく簡単に申し上げました。
#21
○占部秀男君 労政局長にお伺いしたいのですが、たしかILO八七号条約だったと思うのですけれども、軍隊と刑務所関係、これは別ですが、そのほかは団結権、交渉権を認めらるべきである、こういうふうになっていたと思うのです。その点が一点。
 それから、いまいった諸外国の例なんですけれども、われわれも現実に目で見て、また話もしてきたのですが、消防にストライキ権があるところはほとんどなかったようですけれども、いずれにしても、警察官も、消防もほとんどの国で労働組合法上の組織をもって団体交渉もできていたように考えているのです。そういう点いかがでしょうか。
#22
○政府委員(松永正男君) まず、最初の八七号条約でございますが、この条約におきましては、結社の自由及び団結権の保護、二つのことを規定いたしておりますが、御指摘の除外例といたしましては、軍隊及び警察に関してこの条約の適用を除外する、こういうふうにいたしております。
 それから各国の例でございますが、これは、ただいま人事局長からも一部御説明申し上げたのでございますが、それぞれ独自の制度を持っております。それからもう一つは、私どもの常識では、たとえばイギリスのように、労働運動が非常に長い期間にわたってなされました国においては、法律には明定されていないけれども、慣行上の問題があるというようなものがございます。大陸におきましても、やはりそういうような傾向がございますので、制度を比較いたします場合には、やはり法律上の明文と、それから実際上の慣行というものをやはりあわせて見ないといけないのではないか。これは先ほど御報告ございましたように、三者構成で共通の認識を持つような調査をなされるということでございますので、そこで詳しくだんだん判明してくるかと思うのでございますが、私ども承知しておりますところでは、団結権を全く否認していない、法律上否定する規定がない、それは警察官等につきましてもそういう国はございます。それからまた、たとえばアメリカのように、FBIについてはいかぬというような、あるいはCIAについてはいかぬ、こういう明文の規定がございます。それから、連邦法ではそうなっておりますけれども、州法でその問題を扱っており、州によってまたそれぞれ違うというようなところもございます。それから、フランス等におきましては、たとえば軍人は団結してはいかぬ、これははっきりいたしておりますけれども、警察等については団結権は認められておる。賃上げでフランスのおまわりさんがストライキをやったという記事も出ておりますが、これはストライキが合法か違法かということになりますと、多少問題があるかと思いますけれども、法制上は団結権というものは認められておるのではないかというふうに見られます。それから、イタリア等におきましては軍人、警察官、それから公安のために働く官吏、これは団結権が否認されておる、しかし、消防については団結権が認められているといったような、これは法制上の制度を私ども文書の上で調べましたものでございまして、そういうような点が見受けられるのでございます。その国によりましていろいろ違う。
 それから、ILO八七号条約におきましても、ここで認められた権利を行使するに際しては、労使とも、国内法を尊重しなければいけないというような規定も入っております。そこで、少し余分な答弁になり恐縮でございますが、私が考えますのに、日本の場合には、御承知のように、戦後、急遽いろいろな立法がなされまして、最初は労働組合法が制定されたわけでございまして、国家公務員についても労働組合法が適用されるという時期があったわけでございます。二・一ストを契機といたしまして政令二〇一号が出る、国家公務員法が制定される、公労法が制定されるというように、だんだん整理といいますか、法律が緻密になってまいりました。現在の体制では、国家公務員、地方公務員という一つのグループ、それから公共企業体のグループ、それから民間のグループといったような大きな区分けをいたしますと、そういうような三本立ての区分けになっておるというのが現状であるわけであります。したがって、歴史的にはそれぞれの理由があって、そしてつくって制定されてきたわけでございますけれども、二十年以上たちまして、現在、公制審において、それを総理大臣の諮問に応じて全体をこう見直そう、こういうことでございますので、私どもといたしましては、先ほどの御質問で非常に審議が遅々としているじゃないかということでございますけれども、やはり制度といたしまして二十数年定着してまいりましたものを見直すということになりますと、やはり相当じっくりと審議をしていただくことのほうが、内容の充実した審議をしていただくほうが重要じゃないか、感想といたしましてはそういうふうに考えております。
#23
○占部秀男君 これ以上は、やはり長官を呼んでもらわぬと……。労働大臣に聞いても、具体的問題で深く入っていくわけですから、きょうはこのぐらいにして、あと機会をひとつつくってもらいたいと思うのですけれども、ただ一言だけ労働大臣や、労政局長にお願いしておきたいんですが、いま局長がおっしゃったような事情は、われわれもよく存じておるわけですね。特にいままでの慣行あるいは労働組合のあり方、それがまた対政府、対資本側との間のやり方のいかんによっていろいろ動いているという事情もよくわかっているんです。ただ、局長も指摘されたように、新憲法になってから、組合法ができた当初は、一般職も全部労働組合法上の組合であり、わずか三カ月か四カ月でありましたけれども、国家公務員あるいは地方公務員がストライキ権まで持っていた時代があったわけですね。それを労調法関係ができてストライキ権が制約され、さらに二・一ストを契機にして、いま言った政令二〇一号でしたか、あれからずっとこういう形になってきておる。その一番の原因は、当時労働運動そのものが敗戦後の動乱の時代の中にあって、組合運動そのものも非常に未熟であった。しかも占領下という背景の中で、その動乱の社会の中でそういうものの影響を非常に受けやすかったというところにマッカーサー書簡なんかの基本も置かれておったと私は考えるのです。今日は、もう労使関係というものは二十何年間かかってきて、いま労働組合のほうがおとなで、この間の全逓のストライキ――けさの三時ごろ宝樹君と郵政大臣の間で話がまとまったそうですから、きょう私はこれは質問しませんけれども、あれを見ると、使用者側のほうが子供で、組合側のほうがおとななんですね。もう時代が違うんですよ。だから、ひとついま言われたような問題点については、もちろん公制審の問題であって、政府側として干渉してはならないと思うんですけれども、いまの諸外国の情勢を公制審の各委員、特に政府側のほうにもひとつ労働大臣のほうから啓蒙していただいて、そうしてりっぱなひとつ労働基本権と、そうして労働慣行ができるようにぼくはばかってもらいたいと思うのです。
 いろいろ聞きたいことがあるのですけれども、それはまた長官が来てから聞きたいと思いますから、それだけひとつ希望だけしておきます。
#24
○委員長(佐野芳雄君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#25
○委員長(佐野芳雄君) 速記を起こして。
#26
○吉田忠三郎君 医務局長さん、この間の課題どうですか、どのように勉強しましたかね。まず、これをひとつ松尾医務局長から……。
#27
○政府委員(松尾正雄君) 先般四つほどの大きなテーマにつきまして宿題をいただいておりました。いろいろ内外の文献等も要約いたしまして御報告申し上げたいと思います。
 第一の問題は、いわゆる局所振動障害と言っておりますところの体の障害がチェーンソー以外に何が起こるかという問題でございます。振動工具によりますところのいわゆるレイノー症候群というものは、欧米でも早くから注目されておりました。一九一一年にロリガという人が報告したのが最初のようであります。それ以来、さく岩工とか、あるいはびょう打ちをします作業員、あるいはかんをつくります製かん員でありますとか、あるいは鋳物の作業の関係者などからもいろいろな報告が出ておるわけでございます。振動工具の種類といたしましてこれに関連しますのは、チェーンソーのほかに、さく岩に使いますロックドリルというもの、あるいは鋳物を製造いたします場合、あるいは製かん等に用いられておりますところのピッチングハンマー、あるいはびょう打ちに使いますリベッテングハンマー、鋳物の型を込めるために使いますランマー、線路等の保線のときに使います枕木のタンパー、それから造林のときの刈込み機、こういうものが振動工具としてこれらに関連するといわれておるところでございます。一般に振動工具というものには、ピストン運動をいたします打撃工具と称せられるものと、それから回転をいたします回転工具というものの二つの種類に分けられるようであります。そのいずれにつきましても、手で持って使います手持ち工具、固定をいたしまして使います固定工具と分けられると思います。言うまでもなく、固定工具のものでは白ろう病の発生は非常に少ない、こういうことが報告されております。
 それから、第二の問題としまして、白ろう病の発生と局所振動がどのような結びつきになるかというものでございます。一般に白ろう病の症候群は、外国では、いわゆる圧搾空気等を用いましたハンマー病とでもいうような、そういう表現が使われております。それにあらわれておりますように、振動工具を日常使用するということによりまして、腕の関節の周辺の骨に変形を来たしましたり、あるいは前の腕の筋肉の変性、肥大というものが起こるというふうにされております。特に手の指に発作性の血行障害が起こりまして、漸次これが血管運動障害に発展をいたします。最後には要するに寒さに曝露しただけでも、いわゆる白ろう症状を呈する。こういうふうになっているものでございます。
 この関係といたしましては、振動が有力な問題ではありますけれども、同時に作業環境、それから器具の持ち方、保持の方法というものがそれぞれ関係をしておる。どの程度の関係であるかということは非常にむずかしいようでありますけれども、その三つともが関係をするというふうに考えられておるわけでございます。そのほかに、同じ作業条件の中でも、白ろう病を発病するものとそうでないものとがあるということから、本人の体質的な素因というものが相当関係するというふうに考えられておるわけでございます。それで、この白ろう病の変化というものが実際にチェーンソーを使用しているというときょりも、むしろ単車でたとえば通勤をしておりますとか、あるいは雨にぬれましたとか、こういうときに起こりやすく、また、そういう仕事と関係のない睡眠時間中にも起こるということが報告されておりますことから見て、そういう何らかの振動が加わるということあるいは寒さの問題のほかに、精神の興奮状態というようなことにもこの点は関連しているのではないかということが示唆されているわけでございます。
 なお、後ほどの問題にも関連いたしますけれども、そういう振動工具というものじゃなくて、バイクによりまして日本でこういう症状を呈した報告が昭和四十一年、四十二年、それぞれ二例、一例というような報告をされておるわけでございまして、これはいろいろな問題を考える上に、比較的少ない例ではございますけれども、参考になる症例ではなかろうかと存ずるわけでございます。その意味におきまして申し上げますと、四十一年に報告された二例につきましては、三十二歳と十九歳の健康な男子が、日常業務として、自動二輪車で一日平均二時間ぐらい山道をずっと走っておった。こういう場合に、約一年前後で指に蒼白現象を来たしたというのが報告されております。
 それから、もう一つの例は、保険の外交員でございますが、一日三時間ぐらいずつを約三年間バイクに乗って走っておった。そのときのバイクが非常にいたんだものでございまして、手に相当振動を感じるということが言われております。そういったことによっても、チェーンソーに関係なく起こったという例がわが国でも報告されておるわけでございます。
 第三の問題としましては、振動の防止、それから就業時間との関係等でございます。いままでに申し上げた報告にもございますように、振動を少なくするということが、一番白ろう病の発生防止のために必要でございまして、そのためには、やはり振動の少ない工具の開発が第一であろうと思われます。それから振動数と白ろう病との関係につきましては、イギリスのアゲートという人や、アメリカのディ・タカツという人が、大体振動数が毎分二千四百から二千七百サイクルというような場合にはレイノー症状が起こる。それから毎分九千六百サイクル以上というような高い振動になりますと、むしろ神経症状や筋肉、骨のほうに萎縮があらわれてくる、こういうふうな報告がございます。わが国の例としましては、ピッチングハンマーを使用したところで、振動数が毎分やはり二千から三千サイクル、一日の使用時間平均二時間ぐらいで、ハンマーの使用者十九名のうち、十名にそういう症状を発見したということが四十二年の報告に載せられております。振幅との関係も、実は先般もいろいろ議論されておりますが、先ほど申し上げましたアゲートというイギリスの人の研究によりますと、二千四百から七千サイクルの間では、大体振幅が四ミリから〇・一ミリメートルぐらいの程度のものが最も起こしやすいのではないかというような報告がございます。使い始めてから発病までの期間は必ずしも一定しておりませんけれども、一般には大体二年から三年で症状が頂点に達しまして、その後はほぼ横ばい状態を続けるということがイギリスのジェプソン等の報告で、一九五四年に報告されております。また一方では、この一万サイクル以上のような工具の場合には、毎分四千サイクル以下のものに比べまして、そういう症状の発現が数カ月前に出てくるという報告もございました。これは一九四六年の報告ですけれども、さような報告もございます。さらに伝達防止の問題としましては、振動自体がからだに伝わることを防ぐということで、工具の取っ手に何らかの緩衝物をつける、あるいはゴムやバネ等を用いたり、非常に厚い手袋を使いまして、そこで振動が手に伝わらないようにするという方法等が考えられておるわけでございます。
 それから第四の問題としまして、就業者の健康管理の問題でございます。この一番の目的といたしますところは、やはり疾病を予防するというところに置くわけでございまして、広い意味では労働管理、工具の改良等も含まれるわけでございますが、また、作業環境の改善ということも非常に大事な問題でございます。アメリカにおきましても、工具の改良とかオートメーション化によって手作業というものを省略する、あるいは労働時間の短縮、あるいは工具の間欠的な使用及び振動に対する感受性の強い者については転職というようなことが大事である、これはペコラという人の報告によるものでございます。したがいまして、健康診断といたしましては、一つは医学的に振動に対する感受性の強い者を発見するということが次善的には非常に大事な考えではなかろうかと存じます。この振動に対する感受性の強弱につきましては、自律神経の不安定な者が非常に多いということが言われておりますので、そういう自律神経系統の安定性というものについての各種の検査を取り入れておけば、ある程度こういうものの発病しやすい人々というものを早く発見することができるのではないかと思います。それからもう一つは、あくまでそういう症状を早く発見をするということによって、早期発見、早期治療という方向へ持っていくべきであろうかと思います。これらの点につきましては、昭和四十一年、四十二年の厚生の科学研究費によります研究の結果といたしましても、単に末梢神経の障害――末梢循環障害だけに着目するんではなくて、もっと全身的な自律神経系の機能障害でありますとか、あるいは末梢の神経障害ということにも着目をして十分配慮する必要があるということを報告されておりますので、そういう観点に立って健康診断、管理ということを行なう必要があろうかと感ずるわけでございます。
 なお、これらに関連いたしまして、たとえばそういう適性を発見することが可能かどうかという問題がございますけれども、いろいろな医学的な検査の中で、こういうものについても適用できるというような検査が幾つかあげ得るようでございます。もちろん自律神経系統の機能の検査といたしましては、一定の薬を与えまして、それによっていろいろな反応を見るという、薬物による検査方法もございます。それから皮膚の温度を測定いたします方法、たいていレイノー現象の方々は、指先の温度が腕の温度に比べて平常の人よりもはるかに低い、温度勾配の急なことも報告がされておりますが、そういったことがある程度客観的に把握する上に役立つかと思います。
 それから、そういう適性と申しますか、いま一つの早期発見の診断といたしましては、指を冷たい水の中につけておきますと、最初は指の温度が急速に下がります。なお一定の間たちますと、逆に水中でも温度が上がってまいります。それから手をさらに水の中から出しますと、その後さらに温度が上がる。こういうことは冷水摩擦等の経験でよく知られておるわけでございます。こういったような問題をとらまえますと、白ろう病の場合には、いわゆる最初に水の中に入れて、次に上がってくる温度上昇ということが非常にあらわれにくいということが言われております。また水から出しましても、それからあと温度が上がるということが非常に緩慢であるということが言われておりますので、これらもやはり客観的な判断のものさしになろうかと存じます。そのほかにこまかい指の先の血流の状態というものが、通例の脈搏等ではかるわけにまいりませんので、手の指の容積をはかる方法がございます。こういったものを使いますと、一般にレイノー関係の方々、白ろう病の方々は、冬には非常に強い血管収縮がある、要するに指の容積が小さくしか出ない、こういうこともわかっております。それからこういう症状のある方では、夏でもそういう血管収縮状態が強く見られる、冬にはさらに増悪するということが言われております。それから症状のない方では、夏にはそういう血管収縮状態が見られないのでございますけれども、冬になれば相当程度が血管収縮が見られるということが言われておりますので、こういったような検査を適時使うことによりまして、先ほど来申し上げましたような早期発見なりあるいは振動に対する適性ということの判定に用い得るのではなかろうかと感じておるわけでございます。
 たいへん簡単でございますが、要約いたしまして以上のとおり御報告申し上げます。
#28
○吉田忠三郎君 医務局長から医学者の立場で、この三つの問題をある程度解明していただいたわけですが、非常に詳細に医者の立場からいろいろ検討されて、あるいは諸外国あるいはわが国のいままでの医学者が研究されてきたことを報告された、その点非常に私感謝しております。
 おおむね三つ報告されましたが、これは日本ですでに渡辺教授とか、三浦教授とか、いろいろなこの関係の学者が発表いたしておるものだと私は判断をいたします。一九四三年に、産業医学という面で渡辺教授がやはり所見を発表しております。それから同じく高松という方、これは産業医学者でありますが、産業医学の面で出しております等々、最近では一九六六年に「北方林業」という課題で北大渡辺助教授が白ろう病について取り上げています。総括でいま報告されたと思いますが、医学の面ではかなり進んできたと思うのであります、この問題が。しかし、そこまで進んでまいっているのでありますが、法律的にはさっぱりこれが改善のために、この問題打開のために所要の改正等々が行なわれていない、こう見ていいんじゃないかと思います。その証拠に、先般の委員会でいろいろ私のほうから質問を展開して、あるいは課題を差し上げて、その結果、たとえば労働省におきましては、ようやくこの二月の二十八日にこれに関係いたします都道府県の労働基準局長あてに「チェーンソー使用に伴う振動障害の予防について」という通達を出すに至っております。労働大臣、私、中身を読ましていただきました。七つの項目になって大体この通達が出ております。しかし、この中身を読んでみますと、いままでのように、こうした通達が全くなかったときから見ると、多少これはよりベター、こう言わざるを得ないと思いますが、いま医務局長が医学者として、医療の面からいろいろ言われた事柄から考えてみると、この問題の解決に多少これからは役立つのではないかと思うけれども、まだまだ抜本的なその解決策にはならないと思うのであります。あとの大半は機械を使用するための心得、そういうものが羅列されている程度であります。それから林野庁のほうから、これは局長のこの間の答弁をさらに文章化をしてもらったのをちょうだいしたのですが、これを見ましても、林野庁のほうはこの振動機械の開発を中心とした予防のことだけが主になっておられるのではないかと思うのです。現に白ろう病にかかっております者に対して抜本的な治療、補償等々について何らこの中ではうかがうことができない、こういうものです。これはソビエトでもそういういろいろな経過をたどってまいりまして、一九五五年に暫定的な立法化をしているのであります。ですから、ちょうどいま労働省の基準局で、暫定的であるかどうかは別として、初めてこういう通達を出すに至ったのでありますが、やはりそういう暫定的な法律的なものだけでは解決しないということで、産業界あるいは官界、特にこの問題はお医者さんの分野でありますから、医学の分野等々で総合検討されて、一九六六年に決定版と言うべき法律改正をいたしておるわけであります。これは、私が日本語に直してもらったものを労働省のほうにも一部差し上げたはずでありますが、法的にはやはりこの際、労働大臣、労働基準法を改正するか、それが非常に困難であるとすれば、悪いことをまねる必要はありませんが、ここまで白ろう病というものが社会的な問題として大きくなってきた段階では、やはり抜本的な問題解決のために法律改正が必要であろう、あるいは単独立法が必要であろう、こういう課題を労働省のほうにこの間あげてある。かなりこれは日数もたっていますから検討されたと思いますが、きょうは大阪の問題で局長おいででありませんので、大臣がせっかくおりますが、大臣にこまかなことを聞いてもこれは無理だと思います。そのためにわざわざ課長が来ていると思いますから、その見解を私はこの際求めたいと思います。なぜこういうことを言うかというと、COの問題についてもこれは単行法がございますね、COの問題にしてもこの基準法から取り除いてある。けい肺法にしてももとよりそういう法律をつくったことがあります。だから白ろう病についても、基本的には、私は、労働基準法というものを直すべきだと思いますけれども、いろいろな問題がありますから一挙にそれが困難であるとするならば、それは、ソビエトでもそういうものから取り除いてこういうものをつくっているわけですから、わが国でも、よいことならばまねたっていいじゃないか。全部が全部じゃなくても、日本的にとり得ることをできる範囲でこの法律というものを制定する必要があるのではないかと、こう思うのですが、どうでしょうか。検討されましたか、この間から。
#29
○国務大臣(野原正勝君) 白ろう病の問題、先ほど来いろいろお話がございまして、まことに重大な問題であり、しかも、まだ必ずしも十分に解明がされていないということでございますが、この対策を講じ、あるいは振動障害についてのいろいろな労働基準法にもはっきりとそういったことを取り上ぐべきだという御主張は伺ったのでありますが、いま直ちにこれを取り上げるということができるかどうか。まあ時間がかかると思いますが、しかし、いずれにしましても、この林業の問題については非常に大きな問題であるというふうに考えております。ただ問題は、先ごろの委員会でもお話があったと思いますが、民間林業のほうは、どうもかなりの台数を使っているらしいけれども白ろう病というものはあまり多くない、実はあると思うのであります。よく調べれば必ずあるはずだと私は予想いたしますけれども、どうもその辺が林野庁の国有林労働者のほうはかなり明確になっておる。しかし、民間の企業のほうではどうもこれがはっきりしていないという点は問題だと思います。労働省でも、この点の調査もすることになっておりますけれども、これは民間であると役所であるとを問わず、このチェーンソーなどを使う場合においてはかなりこういうものがあるということを考えますと、この対策を講ずることは当然であります。したがいまして、根本的には振動の少ない、白ろう病の心配のないような機械に改良してもらうことが必要でありますけれども、これもなかなかむずかしいものであります。しかし、いずれにしましても、白ろう病対策というものはしっかりとひとつ検討を願い、そして何らかの基準を設けまして今後の対策を講ずる必要があるというふうに考えております。
 目下、この問題については関係者の間にいろいろな対策が検討されておるということを聞いておりますので、一日も早く対策ができ上がりまして、白ろう病に対する遺憾のない措置を講じていく。その一環として労働基準法も必要があれば御改正をいただきまして、この問題を取り上げるようにいたしたいと考えております。私は、この白ろう病に対しましては、いままでのことでいいと決して考えておりません。むしろこの際問題を明らかにして対策に遺憾なきを期したいというふうに考えているわけでございます。
#30
○吉田忠三郎君 部長、ちょっとお考えがあれば……。
#31
○説明員(東村金之助君) ただいま大臣からお答えございましたとおりでございますが、この問題につきましては、医学的にもなおいろいろ研究しなければならぬ問題が残っております。しかし、それでは現実の問題の処理になりませんので、ただいま先生御指摘のように、昭和四十五年二月二十八日付をもちまして「チェーンソー使用に伴う振動障害の予防について」、ただいま先生御指摘の通達を出して、当面この徹底方をはかっていこうという姿勢で臨んでいるわけでございます。いろいろ医学的にむずかしい問題、あるいは許容限度の問題等が逐次出まするならば、さらにその対策の充実を期していきたい、このように考えております。
#32
○吉田忠三郎君 大臣もこの問題非常に熱心に研究されて、今後の課題についてさらに努力するという意味のことだと思うのですよ。それから部長も、医学的にまだ幾つかの問題を究明していただかなければならぬ問題があるから、したがってそれはそれとして、これから基準局としてもそれ相当の措置をとらねばならぬ、こうおっしゃっていますから、これでそれ以上には出ないと思うけれども、諸外国だって医学的な問題になってくると、そういう問題がやはりこれはソビエトの場合だってあるのですよ。しかし、この間あなたのところで出したこれを見ますと、一つは「チェーンソーの選定について」、二番目は「チェーンソーの整備等について」、三つ目は「チェーンソーの操作について」、四つ目は「チェーンソーの操作時間について」、これは国有林も、全林野の労働組合がこの問題を積極的にやはり取り上げて、抜本策とは言えないけれども、時間制限を二時間にしていますよ。ですからその二時間の範囲内でこの作業を進められるように、そういう指導をしなさいという意味のことを四番目で通達していますね、それから五番目は「健康診断について」、これも第一次の診断、第二次の診断、これはすでに北大の渡辺助教授が提唱しているものですよ。一次診断、二次診断、これはもうそういう所見に出ています。そのことを羅列した程度です。それから六は「休憩施設の整備について」、七は「保護具の使用等について」、これは今度の通達の内容なんです。そういうことなんですが、ソビエトあたりの場合は、そういう医学的にまだ多少解明が残っているけれども、振動障害によって身体にやはり有害をもたらすということははっきりしているわけですから、その関係では、やはり先ほど来申し上げているように、一九六六年にちゃんと基本的な法律をつくっておる。その中では一日の使用時間、あるいは連続する場合に、一時間操作をすると十分から十五分間の休憩を与えて、その振動から中断をさせる、こういうことなどを具体的にきめられているのであります。また、女子の場合などは一日に四回、十五分間くらいですから、トータルすればこれは一時間ですよ。こういうことなども具体的に規制されている。だから先ほど言ったように、すべてでなくても、日本的に――的にと言った意味はここなんですがね。四回などということにはなかなか一挙にできないと思うけれども、こういう問題だって大いに参考にして研究して、具体化していくのに値するものではないかと、こう思う。こういうものがすでにある。ところが、今度の労働省の通達ではそういうものをさっぱり規制されていない。勧告もされていない。国会で問題になって、われわれから指摘されたから、おそまきながら本年の二月の二十八日のこの程度のことはしておかないと、こういうような程度より私はうかがえない。ですから、ぜひひとつこういう点については、大臣せっかく答えられたわけですからね。もう少し関係の向きと積極的に協議を進めて、すみやかにこの程度の規制は、あるいは施策はとらなければならないのじゃないか、 こう思うのです。大臣も民間のほうには、そういうものは出ていますけれども数少ない、これから調べて見よう、こういうことですから、大いに調査してもらいたいと思いますけれども、民間のほうがむしろ多いと思う。ところが、患者も、それから民間の企業家もこの病気を隠したがる傾向がある。これはみな扱ったお医者さんがそれぞれの文献でやはり指摘していますよ。この民間の患者の数とか何かの把握というものは労働省の所管です。だから来年度予算か何かでやると思う。この間、基準局長言っていましたがね。たいへんこれは労働の基準をきめたり、きめたことを指導したり監督をしていく所管の労働省としては、まことにゆるやかなやり方ではないかと思うのですね。後手、後手を踏んでいくような気がするのです。私は、むしろこれからの産業経済あるいは各企業等々考えてみたって、やがて労働がたいへんな問題になってくるような気がするのです。労働力不足の問題も含めましてね。特に林業などにはあまり好んで来ない。いまのような賃金の制度、あるいは賃金の体系、作業の状態、職場の労働条件の環境等々考えると、とりわけこれは労働事情の問題がたいへんな状態になってくるんじゃないかというふうに考えるんですが、むしろこういう問題については、労働省が先手先手を打って、法律的にもあるいは制度的にも先がけて、まあ一種の労働問題でいえば先取りですよ。そういう前に前に進んだ施策というものが必要じゃないか、こう思うんですよ、大臣。この見解どうですか、こういう考え方。
#33
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘の点は、まことにごもっともであると思います。林野庁も一生懸命対策を講ずるということでございます。労働省側でも、この際徹底的にこの問題を究明いたしたいと考えております。ソ連でやっておる対策を先ほど見ておりましたが、やはり非常に参考になると思う。日本でも、やはり基準局のほうから出しましたこの二月二十八日の案では、大体そういう考え方のもとに一応の取りまとめをしておる。チェーンソー使用に伴う振動障害の予防についてということは、御指摘のような点をある程度対策を講じようという積極的な意欲で出されておると私は見ておるのでありますが、このチェーンソー問題は、今後の林業の問題、特に大事な働く人たちのためにも、一刻も早く究明いたしまして対策を確立したいと考えております。御指摘の点は全く同感でございます。大いにこの問題と取り組みたいと思います。
#34
○吉田忠三郎君 大臣の誠意ある答弁をいただきまして、しかも私の考え方と同感だと、こう考え方が一致したわけですから、あとはこれからどうするかという問題を、研究の問題を含めましてひとつ御検討を願いたい。
 そこで大臣、いま部長からも答えられましたが、私ども、医学については全くのしろうとでありますが、先ほど来、医務局長のほうからも御報告がありましたが、医学的にも幾つかの研究課題も残っているわけですよ。それから、もう一つは機械の検定、測定、認定――これは機械ですよ。こういうものについては、日本には日本の事情がありますから、そういう問題はまだ研究の問題として残っておる。それから、いまのところ機械開発については林野庁、これは組合との話し合いもあるんでしょうが、かなり積極的に進めていますよ。振動の少ない機械の開発ですね、林野庁がやっている。それから、この機械開発についても、これはただひとり林野庁だけにやらしておく問題ではないと思うんです。それから療養の問題についても、やはりいまのところほとんど林野が自主的にやっておるというような状況なんです。ですから、こういう問題についても、ひとり林野の問題じゃないと思う。労働省でも考えて、先ほど言った基本原則−労働というものの基本原則に立つと、やはり労働省だって考えなきゃいかぬですよ。病気ということになると、これは厚生省だって考えなければならない。職業病だから、これは労働省の仕事だなどと言っていられない問題だと思うんですよ。こういう問題が未解決のまま残っている。研究せなければなりませんね、こういう問題は。それから療養中の補償をどうするかという問題ですね、この問題もある。それから、いまのところは病気が発見されてそんなに長くないが、どんどん患者がふえていく傾向にあるわけです。しかも急カーブにふえていく。去年が四百数十名、これは九百名くらいになる。さらに絶対減るということはない。急激にふえていく。なぜかというと、十年間もこういう機械を使っておったために、病気が潜在的なものになっているから、これが出てくるということになる。だから、当面さしあたってはそういう問題はない。いま、病気が発生中だからないのだけれども、さて、これが治癒というときに、その治癒認定をどうするかという問題も出てくると思います。いまは患者の認定の問題でこの間聞いてみても、まだまだいいかげんなんです、白ろう病であるかどうかという認定が。いろいろこれからそういうものが出てきて、はたしてこの患者が完全に治癒したかどうか、その認定をどうするかということもいまからやっぱり考えていなければならない。これは大臣の分野じゃないですよ。これはおそらく――人事院来ていますか。人事院の問題になると思うのです。その治癒認定をした場合に、さて補償というのは、五現業ですから、人事院が災害補償法等々を所管している。こういうことになっていますから、治癒認定と同時に、さてその後の補償はどうするのだというような問題が起きてきますね、これから。ですから、そういうものを洗いざらい総合的にやっぱり国としても研究しなければならぬ。これは、各お医者さんの文献見ても、最後には研究機関が必要だと、どの先生も、この問題を研究されたお医者さんは言っていますね。それがばらばらである、ばらばらどころか、いまのところそういうものがないのだ。多少林野庁で研究をしたりあるいは、九大とかあるいは北大とか、あるいは関係の大学に研究を委託している程度です。あるいは労働省の労働衛生研究所ですか、そんなところでやっている程度で、まとまった研究というものはないのですよ。大臣、せかっく閣僚ですから、いつかこの問題を閣議で提起して、国としてやっぱり総合的な研究機関を設けるというような方向にいかなければならないのじゃないかと思うのです。これは人事院の場合だって――これからだんだんあなたのほうに聞くのですが、あなたのほうは、いまのところは表向きは林野のほうに患者の認定をまかしたようなかっこうでありましたが、かなりあなたのほうは陰で制約しておりましたよ。ところが、どうにもならないから、そこのところは意見が一致して、一年有余にわたっていろいろ検討した結果、これもまた、人事院はおそまきながら認定についても、各それぞれのお医者さんの認定したものをそのまま認めるということにようやくなったですね。そういうことで、いまの患者を認める場合の認定でさえ、そういう各省庁が見解を異にしている。それがわざわいして患者がさらにふえていく、こういう傾向にあったわけです。ところが、だんだんこれが進んでいきますと、今度は治療するわけですからね。なおるわけでしょう。そこへ治癒認定というものが出てくる。同時に補償の問題が出てきますよ、そのときに。幾らお医者さんが手だてをしても、これ以上なおりませんというときに、何かの認定しなければなりませんね。そうすると、完全になおった人であればその補償はないわけです。就業するわけですからね。しかし、いくらわが国の医学のあらゆる面を動員して治療に専念しても、これ以上はなおらないというものが出てくると思う。これはちゃんといままでの研究の中にも各先生がそういうことを書いています。だからそこで結果的にはこれ以上なおらない、そこで治癒認定をどうするかという問題と、そうした場合に今度はその人の補償をどうするかという問題が必ず出てくる。これは沖繩返還じゃないが、両三年というものじゃない、ここ一両年じゅうに出てくる問題だと思うのですよ。こういう問題を研究したことはありますか、検討したことはありますか、人事院で。その答えと、それから大臣が先ほど言ったように、総合的にこれは国としてこの問題についての研究機関を設けて研究をしたり、その機関を通してつまり患者の認定あるいは治癒認定、補償の問題等々をやっていかなければ、これは非常にいままでのような状態では問題の多い事柄ではないかというふうに思うので、私の意見を入れながら伺っているわけですよ。
#35
○国務大臣(野原正勝君) 吉田委員のお説のとおり、まことに白ろう病の問題は重大でございます。なお、白ろう病のみならず労働災害の問題、また、勤労者の健康保持のための、労働に関係のある問題は非常に重大でございまして、現在は労働衛生研究所におきましてやっておりますけれども、将来はやはり産業医学全体の総合的な研究機関を設けたいと考えておるわけでございまして、今後のわが国の産業経済のますます成長発展の過程において労働力が非常に必要である、また労働者の健康という問題は非常に重大な関係がございますので、これらにつきましては遺憾のない十分なひとつ機関を設けまして検討をいたしたいと、とりあえず白ろう病に対しましてはできるだけ早く結論を得るように努力いたしたいと考えております。
#36
○政府委員(島四男雄君) ただいまお尋ねの白ろう病についての認定基準、それから治療基準、それから治癒認定基準、それぞれまだ必ずしも確立されていないということは御指摘のとおりでございます。私どももこの問題については非常に重大に考えておりまして、その道の権威者を集めまして振動障害補償基準研究会というものを設けて数回検討してまいっておる状況でございまして、一刻も早くこの問題について結論を出したいと、鋭意検討中でございます。
#37
○山本杉君 ちょっと関連して。大臣がただいま産業医学研究所を設けてとおっしゃったのでございますが、当局に質問しますが、いままでにそういうものはないのですか。
#38
○説明員(東村金之助君) ただいま大臣お答え申し上げましたように、現在は、労働省の付属機関として労働衛生研究所というのがございます。これは主として職業病の予防等を扱っておりますが、それだけではなかなか十全を期し得ないというので、もう少し広く総合的な観点から産業医学に関する研究機関を設置することを検討し考えておる、こういうことでございます。
#39
○委員長(佐野芳雄君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十六分開会
#40
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、労働問題に関する調査を議題とし質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#41
○吉田忠三郎君 午前に続きまして、質問をさらに続行いたしたいと思います。
 労働省の安全衛生部長に伺いますが、前に局長にも、諸般の国際内外の状況等を勘案して新たなこの問題に対処する法律的なものを、いま直ちにこの国会には間に合いませんが、やがてそのことが急がれていいんではないかということで、参考に私がソビエトに行ったときにちょうだいしてきた向こうの法律、諸規則あるいは基準等々差し上げてありますが、それは直接に局長等がやるものでなくて、部長とか、課長のところで検討してみるのだと思いますが、検討してみているのかどうか、この点ひとつ聞かしてください。
#42
○説明員(東村金之助君) 先ほども申し上げましたとおり、この問題は、医学的な観点からの検討が十分なされないとなかなかうまいぐあいに対策が前進しないというものでございます。私どもといたしましては、そういう観点からわがほうにございます労働衛生研究所、それから民間の専門家、さらには専門委員会等をつくって、いろいろそういう専門的な研究を進めているわけでございます。ただいまお話しのソ連の規定につきましても、拝見いたしまして十分検討の資料にさしていただいているわけでございますが、何しろ具体的なわが国の実情に合ったような効果的なものを開発し、発見するという問題でございますので、私どもといたしましても、何とか早くやりたいとは思いますが、さらに時間をかしていただいて、一日も早くりっぱな基準が設定できるような努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
#43
○吉田忠三郎君 考え方はうかがわれたが、確かに医学的には多少まだ解明されない点がありますね。病気そのものはほとんど解明されたと思うのですよ。問題は認定の基準をどうするか、あるいは機械を使用するにあたって制限を加える基準ですね、そういうもの等については、多少まだされてないんですね。病気そのものは医学的に解明されたと思うのですよ、これは国際的にも、日本の場合でも。だから、それに対応する法律的なものはできないとは言えないと思うのです。しかし、今国会でこれはやるといったって間に合いません。だから、少なくともそういうものを検討されて、やはり早目に、できれば次の国会あたりをめどにして法文化をしていくんだということでなければ、今日これを取り上げて、しかもこんなに大きな問題になっている問題の対処にならない、こう思うのです。われわれ仄聞するところによると、たとえばいま言ったような二つ三つの問題についても、国内の医学界でも大体ことしの七月か八月ごろには大体それぞれのお医者さんの統一された意見といいますか、統一された見解といいますか、基準等々についてもでき上がる見込みだということをわれわれ聞いているのです。そうして国際的にも、この問題だけじゃないのですが、職業病について国際会議がある、たしかことしの八月ごろだと思いますよ、私の仄聞するところによると。そこで、わが国の学界の方々が出て国際的にもやっぱり統一されるという趨勢にあるわけですよ。そういう状況だけに、職業病ですからこの白ろう病だけじゃなくて、それ以外にたくさん職業病はございますが、労働省は、そういうものも一応この段階で洗い直してみて、基準法でやれるものはやればいい、できないものはできないように、それから白ろうなら白ろう――これは幾つか単行法で整理していますから。そういうことで来国会あたりをめどにして法体系を整備していくというような前向きの考え方に立って、つまり具体的に制度として取り組んでいくことがなければ、もう病気がはっきりしている患者はどんどんふえてきている、これは全国的にまた出てきている、こういうものに対して対処し、あるいは対策を立てていくということについて非常にのんびりしたような感じがするので、あえて聞いているのですが、どうですか。
#44
○説明員(東村金之助君) 午前中に申し上げたことのふえんになるかもしれませんが、いわゆる白ろう病を規定をするという場合には、ただいま申し上げましたように、医学的にむずかしい問題があること、具体的には許容限度をどう定めるかということと、それからその振動の測定の方法をどうきめるかというような問題があるわけでございます。この問題につきましては、おっしゃるように、いろいろ検討もしておりますし、国際的にも動きがあることは聞いておりますが、ただ国際的な問題は、私どものほうで聞いておりますのは、本年の夏ジュネーブにおいて開催されまする振動に関する国際会議のことを御指摘だと思いますが、これは局所振動許容基準について議論されることは御指摘のとおりでございますが、日本におきましては、実はこの問題以前に、さらに局所振動を測定する方法についてもう少し統一した方法はないものか、それを検討すべきじゃないかというような動きも出ておる次第でございます。いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたとおり、来年度の予算で民間の実態調査をする、非常におくれておるのではないかという御指摘でございますが、ただいま通達を出して指導を進めていこう、さらには実態を把握していこうという段階でございまして、早くこれを徹底して、ただいま先生の御指摘のように、一日も早く十全な対策がとられるように努力しているところでございます。
#45
○吉田忠三郎君 あなたにこれ以上聞いてもそれ以上に出ないのかもしれませんがね。努力と言ったっていろいろある。努力に限界があります。いまあなたがおっしゃったように、対策としてはやはり現状を的確に把握して評価をしなければならぬ、これは当然なんです。したがって、振動の評価の方法をどうするかという問題、いまこれは許容量の問題に入りますね。そうすると障害についての基準、この解明がやはり急がれなければならぬということになるでしょう。そういうものを解明して、一方においては振動の条件というものを正確に、しかも統一的に把握をしなければならぬ。それがなされていない。ところが、やや国内の場合、たとえば人事院も勉強しており研究もしておる、林野は林野で独自な研究をしておる、労働省は少しおくれておるけれども、労働省もおそまきながら研究しておる。それ以外に日本の各地の大学でもこれは研究しているのです。ですから、そういう研究がかなり統一的に進んできたのです。あと残されておる問題は、この振動の計測器の規格をどうするとか、いまあなたも答えられたように、計測の方法であるとか、許容量をどの程度に定めるか、こういうことだけですね。そのことは承知しておるのですよ。しかし、それをはずしておいて、たとえば国際的に、再三申し上げますけれども、ソビエトといえどもこの種の問題については、あなたが答えられたように、今年の夏のジュネーブの会議で統一見解が出されなければ解明されぬ問題として残っているのですよ。だけれども、一九六六年といったら、いまから見ると四、五年前です。四、五年前にもう病気というものがやはり医学的にはっきりしてきたのであるからということで、ソビエトらしいやはり諸規則というものを新たにつくってそれだけの整備をしておるわけですから、わが国の場合だって、これまで患者がもうふえてきちゃって、今後減るということじゃないのです。今後どんどんふえていく傾向がある。だからその程度のことは、いまこの国会で直ちにというわけにはまいらぬでしょう、そんなことは私は承知している。ですけれども、少なくとも来国会あたりをめどにして、これは何もソビエトの出されているものをそのまま右へならえしなさいなんで言いませんがね、日本には日本的な条件もあるわけですから、日本的な、つまり日本らしいそういう法体系というものをそろそろ準備していいじゃないか。そのためには労働省が中心になって、人事院でも研究されているし、厚生省でも、これはおそまきながらここで指摘されて初めて医務局長などもいま勉強してきたんだけれども、先ほどここで答えられたものは、いままでのわが国の医学会で数多く発表された内容をまとめてきて、ここで答えたというだけに過ぎない。こういうことではいけないわけですから、どっかが中心にならなきゃいかぬですよ。その中心になるのは、職業病は労働省の問題ですから、この際労働省が中核となって、人事院でせっかくいま研究しているものがあるんです、林野自体も研究しているんですから、あるいは厚生省でもある程度所見をまとめていますからね。そういうものを総合的にまとめて十分話し合ったり、協議をして、来国会あたりその最大公約数を求めた限度で、やっぱり法律的なものを考えていく必要があるんじゃないかと、こう言ってるんだ。ただ努力じゃわかりませんよ。これは関連しますから、人事院の局長も何かありましたら意見を言ってください。
#46
○政府委員(島四男雄君) 私のほうの立場といたしましては、災害補償法の実施の責めに任じている役所といたしまして、白ろう病についてなるべく手厚い補償をするということがわれわれとしての任務かと思っております。これについては、先ほども申し上げましたように、いろいろ治癒認定基準あるいは治療基準等が必ずしも明確でないという意味において大いに研究し、また今後も検討していきたいということでございまして、ただいま先生のお話にございましたように、国家機関でどっかまとめてこの問題を総合的に検討するという必要は、私どもも十分感じておる次第でございます。
#47
○吉田忠三郎君 どうですか部長、人事院の局長さんは総合的にまとめていくことを痛感していると……。
#48
○説明員(東村金之助君) ただいま申し上げました医学的な基準なり、具体的な対策の進め方については、午前中、大臣からもお話を申し上げましたように、現在、労働省の付属機関に労働衛生研究所というものがございますが、何しろこれは総合的な観点から問題を進める研究機関ではございませんので、ただいま先生御指摘のような問題を含めて、職業問題といいますか、健康問題といいますか、もちろん白ろう病の問題を含めまして、総合的にひとつ医学的な研究を推進していこうという観点から、産業医学に関する総合的研究所の設立について考えているところでございます。
#49
○吉田忠三郎君 そこで、総合的にそういうものを研究する機関を考えていく、これはたいへんけっこうなことですがね。ぼくの言ってるのは、そのこともそうだが、それ以外に、つまりいまだいぶん認定の問題は緩和をされて、一つには予防にもなるし、あるいはこの病気の撲滅の対策にもなるんでたいへんけっこうなんですがね。午前中にも言ったようにね、やがて治癒認定をしなければならぬ、補償もしなければならぬという問題がもう目の前に起きてくるんですよね。これは人事院の局長もおわかりでしょうが、その基準がいまないんですよ。だから、その点について人事院としてもいろいろ研究しているのだが、まだ結論出ていないんですね。早めに出したいという先ほどの答えですがね。そうすると、そういう問題も含めて、労働省として、各関係のところと相談協議をして、やっぱり法律でそういうものを処理していくようにしなければならぬじゃないか。それを次の国会あたり、あるいは次の国会に間に合わないというのならその次でもけっこうですがね。そういう意味からやっぱり手だてをしておく必要があるのではないか、こう聞いておるんですからね、あなたには。
#50
○渋谷邦彦君 関連で。いまずっと質疑のやりとりを伺っておりますと、確かにいままで努力もされてこられたと思うんです。しかし、はたしてその努力というものが前向きであったかどうか。この白ろう病というのが、案外、世論としていままで若干喚起したことがございました。ところがイタイイタイ病にしてもそうでありますけれども、相当長年月かかってやっと世論がやかましくなってきたときにはじめて役所が腰を上げるという、そういう従来の姿勢というものはやはり正さなければならぬのじゃないか。早くやることはけっこうですけれども、午前中から再三にわたって同様趣旨の質問が繰り返されているわけです。そこで、やはり一つのめどを立てる必要があるんじゃないか、それがやはり役所としての姿勢であろうと、こういうふうに思うわけですね。せめて一、二年ということを吉田委員も午前中の質問で言っておられました。そこらあたりのめどを明確につけて、この種の問題解決に労働省が中心になって積極的に取り組まなければならないんじゃないか。そこらあたりのスケジュールを明確にお示し願えたならばと、あわせて私はいまの問題に関連しましてお尋ねをしたいわけなんです。
#51
○説明員(東村金之助君) 医学的な具体的な問題になって恐縮でございますが、ことしのジュネーブにおける国際会議におきましても、全身振動の許容基準については何らかの決定が出るであろうけれど、局所振動の許容基準についてはまだこれから検討をしなければいけない、国際的にみてもそういう状況にあるということをわれわれ聞いております。ただ、それはそれといたしまして、ただいま御指摘もございましたように、非常にむずかしい問題ではあるけれど、現実に白ろう病の方が出ておるということにどう対処しているのか、こういう御指摘でございまして、われわれとしては、当面、中間的な通達を出して指導というスタイルをとっておりますが、実はそれをすぐ法律という形に結びつける前に、現実に労働基準法というものがございまして、それで規則その他についてもいろいろ考えられることがございます。そういうものを合わせてこの対策の万全を期していきたい、こういうふうに考えております。
#52
○渋谷邦彦君 そこで、いま労働基準法等のいろいろな規制があるだろうと思います。そこで、私は、従来の法律というものをこの際に整理なさっていただいて、あるいは単独立法ができるということであるなら単独立法という形にするもよし、そこらあたりも十分御配慮いただきたい、こう思うわけでございます。
#53
○説明員(東村金之助君) ただいま申し上げた趣旨はそういうことでございまして、規則その他でもやれるものもあるし、許容基準の決定のしかたによってはいろいろ考えなければいかぬ、こういうわけでございます。
#54
○吉田忠三郎君 部長、あなたは国際会議で行なわれるものは全身振動に対する考え方の統一だと、こう言っているんですよね。だから、レイノー現象は局所振動障害だというまだ認識なんだ、あなたはね。ところが日本のこの病気を扱った、研究した学者は、これはみんなお医者さんですがね、異口同音に全部この方々ば当初は局所振動による障害だというふうに見てきたけれども、やはりこれは局所振動障害じゃない、全身振動障害だと規定づけていますね、いまここで出している文献。そこに多少あなた方の認識とお医者さんの認識のズレがある。だからそのズレをどうこうというわけじゃないのですが、これはソビエトだけじゃなくて、東ドイツでもあるいは林業国である諸外国でも、こういう段階でちゃんとそれぞれ法的な措置をとっているのですよ。この病気を予防することが第一ですよ。それから出た患者に対して、この病気を撲滅する等の法律的措置がなされているのですよ。ですからソビエトなどは、過渡的過程における処置として暫定法律を十年くらい前につくった。ところが、それでもなおかつソビエトも非常に患者が多いのですよ。多いので、その結果、まだ医学的にあなたの言われる全身振動であるのか、局所振動であるのかというような問題が幾つか残っていますけれども、やはり抜本的に機械の規制をする法律であるとか、それから認定の基準にしたって、それから先ほど来あなたが答弁していますが、振動の許容量、こういうことについても、ソビエトはきめているのだよ。それはソビエトはソビエトの国の体制もあるし、制度も違いますから、それはそれで、ソビエトのことがすべてだと言っているのじゃない。しかし、この病気を未然に防止をして出た患者の病気を撲滅をしなければならぬわけでしょうから、そういう立場に立てば、多少よいものは日本的に改めたとしても、やはり法体系というものをそろそろ整備をしたらいいんじゃないか。渋谷先生は、関連をして、二年でもよいし、三年でもいいから、めどをつけたらどうか、私の場合は、次の国会というのは来年だ、それでできなければその次の国会でもいい。これは大体二年くらいを想定して言っているのだが、当面、職業病を扱う労働省が、ただ努力をするとか、まだ局所振動であるか、全身振動であるかわからないから、そういうことをずっとこれからにらみ合わせて万全な策をとると、どこに万全ということが出てくるのか。はっきり出てこないんじゃないか。これは目標を持たなければだめでしょう。その目標を聞いている、あなたには。
 それから人事院の局長さんに聞きますが、人事院で検討されていますね、委員会を持って。ここで早目に結論を出したい、こう言っておりますが、そのめどはいつごろですか。ことし中くらいか、早目にというめどは。
#55
○政府委員(島四男雄君) 委員会の構成メンバーは、主として医学界の方々でございますが、したがってそういうお医者さん方の出す結論がいつになるかということにかかっておるわけでございまして、ただいま先生御指摘のように、たとえば本年一ぱいというような日限を限って結論を出す見込みがあるかということになりますと、私ども事務当局としては一日も早くという希望は持っておりますが、いつまでということをここで責任あるお答えはいたしかねる次第でございます。
#56
○説明員(東村金之助君) 先ほど来申し上げるとおりでございますが、法規制ということについては、現在、通達で指導しているわけでございますが、これをいまの労働基準法の体系の中に、つまり規則というような形でも盛り込める部分がありますし、あるいはそれが問題になる部分もあるでしょう。いずれにいたしましても、繰り返し申し上げますように、医学的な一つの結論なり、われわれのほうのこの通達を実施する過程で把握した実態なりを踏まえて、前進する姿勢を前向きでとっていきたい、こういう次第でございます。
#57
○吉田忠三郎君 まだあなたの答えでは私は納得しませんよ、ですから、あらためて関係者に来てもらって、私も勉強しますけれども、もう少しあなた方も検討してみてください。それだけで、私は、はいそうですかというわけにはいかない。
 それで島局長にお伺いしますが、つもり構成メンバーがお医者さんだ、医学者だ、だからあなたの気持ちは一日も早く結論を出していただきたいと思うのだけれども、そういう学者が集まってやっていることですから、ここでそのめどを申し上げることはできません、という趣旨の答えがいまありましたね。そういうものかもわかりませんよね。ですけれども、その医学界が、これは国内でも国際的にも、御承知のように、大体ことしの夏ごろには統一見解が出されるような方向、趨勢にありますね。だから、あなたのところのその委員会のメンバーの先生方はどういう先生方か存じ上げていませんが、大体そういう動きは知っているのじゃないですか。あなたのところの委託している委員会、諮問機関でしょう。おそらく人事院の、そういうやはり趨勢にあるのじゃないですか。
 そのことを一つ聞かしていただきたいことと、同時にいま委員会に付記をして諮問している内容の中に、いまのはいいとしても、先ほどから私が述べているように、将来治癒認定をどうするかというようなこと、それからおそらくや、いまそこで諮問している内容の一つには、振動の許容量のことなども諮問しているのだと思うのですが、その中に、繰り返して申し上げますけれども、将来、といってもそう長い将来じゃないと思いますが、そういう後遺症の問題とか、病気がなおったか、なおらないかという判定をしなければならん、治癒認定ですね、そのこと等を諮問しているのかどうか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#58
○政府委員(島四男雄君) ただいまのお尋ねの最初の問題でございますが、当然、研究会議を構成しております各委員の方々の頭の中には、内外のそういった趨勢といいますか、これはもう当然検討されておることは事実でございます。ただ、先ほども申しましたように、これが本年一ぱいに結論が出るかということになりますと、ちょっと私ども事務当局の立場としては、はっきりしたことを申しかねておるということでございます。
 それからもう一つの、どういう内容を諮問しているかということでございますが、私のほうは、あくまでも国家公務員災害補償法という立場でこの問題に関心を持っておるわけでございますので、まず第一としては、療養補償の問題が一つございます。したがって、白ろう病についてはどういう療養が適切であるのか、どういう療養が必要であるのかということがまず第一に問題になるわけでございますので、一体、白ろう病をなおすためにはどういう治療が必要かという点をまず諮問しております。それからもう一つの問題としましては、公務災害を受けてなおったときに、いわゆる障害が残っている場合には障害補償を出すということがございますので、一体いつの時点でなおったと見るのかという、治癒認定基準と申しますか、この二つの基準について私どもは諮問しておるわけでございます。
#59
○吉田忠三郎君 諮問の内容はわかりましたがね。事務当局ですからそのめど等についてはいまのところは答えられない、こうおっしゃっていますから、それ以上私聞こうと思いませんが、諮問されている先生方は学者の方々ですね。それから日本の医学界で各所でそれぞれの立場で研究あるいは委託研究をされておりますが、全く連係なしにこの病気の研究をしていると私は思っていない。それはなぜかというと、それぞれこういう書物を書かれている先生の文章を読んでみても、みな連絡をとりながら研究しているようなことになっていますね。そういう意味でお願いをしておくのですが、国内的な学会、国際的な学会に出るわけですよね、こういう先生方出ますからね。その段階で、いつも学者先生の意見を聞いているのですが、大体八月ごろには国内的にも、国際的にもひとつの統一見解が出ますと断言している先生がいますよ。だとすれば、あなた事務当局だから答えられないならけっこうですが、諮問している人事院の機関においても、できるだけ国内、国際会議に間に合うように結論を出すように事務当局としては努力する責任があると思うんです。そういう努力についてどうですか。
#60
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御趣旨を十分体しまして努力してみたいというふうに考えております。
#61
○吉田忠三郎君 大体、労働省についてあるいは人事院については、まだまだあとに少し残しておきますけれども、きょうのところは聞くべきところは聞いた。
 そこで、具体的に今度は林野庁長官に伺いますが、この間あなたのほうからこういうものをちょうだいしました。かなりこの機械の開発とか何かは積極的に取り組んでいます。これからも取り組むようにこの文書の中にはございますし、その限りでは、当面非常に林野庁は患者をたくさんかかえていますからね、熱心にこの問題を取り扱っていると思っているんですよ。そこで、そういう認識の上に立ってまた二、三聞くんですが、チェーンソー、ブッシュクリーナーについてはかなりになっていますが、エアー穴掘り機というたいへん悪い機械がございますが、最も振動のひどい機械ですね。これなど機械開発の中にはもとより含まれているようでありますが、実際こういう大量の患者をかかえていままで対策に苦慮してきたと思うんです、率直に言って。労使双方懸命にこの問題解決のために努力してきました。ここ数年間、その労を私は多としますけれども、直接長官も札幌の営林局長おやりになって患者をごらんになって、よく知っていると思う。それだけに、これは労働省の所管になりますが、民間についてはいまのところ発見されております患者は比較的に少ない、百人未満ですから少ない。しかし、もっともっと民間には多くの患者がいるとわれわれは推察するんでありますが、こういう穴掘り機のようなものについては、これは林野の場合は、りっぱな労使双方の中でできるだけこの振動障害の大であるものについては使用は禁止する。こういうことを昨年のおそらく十二月ごろじゃないかと思いますが、話し合ったと思うんですよね。これは直接民有林と関係ありませんが、民有林はどんどん使っております。これに対してどういう感じ方をあなたしていますか、体験を持っているだけに。隣りに労働省もおりますから、あなたの経験者としての所感を聞かせてやっていただきたいと思うんです。
#62
○政府委員(松本守雄君) 民有林についてのエアー穴掘り機の使用について、林野庁としてどのように考えているかというお尋ねでございます。民有林では、いま約千八百台のチェーンソーが使われております。これは、いずれもが旧式の機械なようであります。そこで、林野庁としては、この機械を改良することに関しまして、またレイノー現象等の障害が起こることにつきまして、十分注意を喚起する長官通達を出しております。これを使わせないとかなんとかというところまではいま考えておりませんが、十分気をつけて使うようにという気持ちでございます。
#63
○吉田忠三郎君 林野庁の場合は、そういうことが協議されて、たとえば草刈り機のような場合には三十分をこえて連続使わせないということになっておりますね。いまのところ、これで万全ではないが一歩前進しておりますね、従来に比べて。それはけっこうですが、民有林でも使っている。民有林の場合は、長官御指摘のように国有林の数倍の機械を使っておりますよ、機械の量で申し上げますと。しかも最も振動の激しい、人体に危険有害であるという穴掘り機なども使っている。あなたのところは、組合と話し合って時間制限をやっておりますし、従来の古いものについては使わないということをきめておりますね。そのくらいたいへん人体に対して悪い機械があるわけですね、現実に。労働省は、今度の通達の七項目においても、これに対してうたっていませんから、あなたは逆にこういう難問をかかえてきた。しかも、現在たいへんな患者をかかえて、まるっきり各省庁から、それは林野内部の問題だということで押しつけられてたいへん苦慮しているわけです。私は、ある意味で林野に対しては同情しているわけです。そういうあなたは苦い経験を持ってきているわけです。現に局長もやって、患者もたくさん見ているわけで、あなたはそういう体験の持ち主だけに、直接に民有林には関係ないけれども、民有林で機械がたくさん使われているという現状から、この穴掘り機などについては、一体、従前のような何らの規制もなく民有林において使っていることについて、あなたはどういうふうに感ずるかということを、これは参考までに聞いているのです。隣りのほうに労働省おりますから、労働省に聞かせるためにもあなたの参考意見を聞きたい。
#64
○政府委員(松本守雄君) いまお話をしましたように、振動機械がいろいろと障害を出しておるということに関連をいたしまして、そういうような機械を使う場合には、十分な注意をしながら使いなさいといったようなことは、通達あるいは研修会、また民間林業に対する普及事業というのがございます。そういう普及員を通じまして指導しておる状況でございます。そういうことでございます。
#65
○吉田忠三郎君 あまり数多く答えていませんけれども、気持ちは十分わかるんですよ、私は。だから、あなたのほうの普及員を通じて民間の林野の諸君にも自主的な範囲の中で指導している、こういうことですから、それでけっこうですが、さて、労働省、どうですか。あなた、先ほどから答えられている二月二十八日の百三十四号の通達、このタイトルはもう「チェーンソー使用」、チェーンソーだけですね。しかし中身を読んでいきますと、いろんなものが多少包含されてはいますけれども、チェーンソーだけではないんですよ。最も振動障害の大であるのは穴掘り機械なんです。それから草刈機ですね。これなども非常に振動が激しい。チェーンソーの場合は、林野の場合でも二時間と規制しています。草刈り機の場合は三十分と規制していますよね。穴掘り機の場合なんかは、古い形のものは使いません、やめようじゃないかと、こう言ってるんだが、あなた方は民間指導、民間のそういう実態の把握をこれからすると思うんですがね、ちょっとおそいんですがね。そう言ってもしょうがないことですが、この通達はそういうことがうかがえないんです。労働省、どう考えられますか。
#66
○説明員(東村金之助君) ただいまの御指摘の通達、確かに「チェーンソーの使用に伴う振動障害の予防について」という通達でございますが、実はその「記」のすぐ前に刈り払い機、オーガーについても、本通達に準じて取り扱うということをこの通達ではうたっております。中心は、御指摘のようにチェーンソーでございますが、とりあえず、いま御指摘のような刈り払い機、オーガーについても、この通達に準じて取り扱うようにという指示はしておるところでございます。
#67
○吉田忠三郎君 穴掘り機は。
#68
○説明員(東村金之助君) オーガーでございます。穴掘り機でございます。
#69
○吉田忠三郎君 穴掘り機も入っているわけですね、チェーンソーの取り扱いに準じてやりなさいと。
#70
○説明員(東村金之助君) そのとおりでございます。
#71
○吉田忠三郎君 そうすると、通達では明確にうたっているのは国有林、つまりこの林野庁と全林野が昨年の十二月に話し合ってきめた二時間ということが中心になっているんですよ。いま、それに準ずるという答えがありましたが、この穴掘り機などは二時間じゃないんですよ、林野の場合は。古い形のものはやめましょうと、新しいものについてもたいへんな時間規制しているんですよ。これはどうしますか、この通達では。
#72
○説明員(東村金之助君) 確かに第四の柱にチェーンソーの操作時間について二時間以内、こういう通達になっておりますが、当面とにかく二時間という制限というものを考えて、いま御指摘のように、いろいろの機種もございますし、実態もございますので、さらに次の段階で深めていこう、こういう姿勢でございます。
#73
○吉田忠三郎君 次の段階もけっこうですが、少くともこれは民間の場合、これから全体の患者数を把握するためにかなりの規模の調査を展開すると思うのですね。ですから、その調査の結果を見ながらせっかく次の段階で強めていきたい、こう答えていますから、それには少なくとも最小限度はこの病気について先輩格がいるのです。国有林の林野庁と、それから労働組合は林野の労働組合とありますから、ぜひそういう方々の意見を聞きながら、しかも、労働省とすれば、林野庁も役所ですから、この病気に関する限りは非常に関係が深い。ですから、そういうところとも協議をしながら、意見を求めながら最小限度は、完ぺきではないけれども、林野庁と林野の労働組合と協議決定した水準まで、次回でもいいし、またその次でもいいが、高めていくようにあなた方努力しなければならぬと思うが、それについての見解どうですか。
#74
○説明員(東村金之助君) 林野庁等の意見も聞きながらさらに検討を進めていきたい、充実さしていきたい、こういうふうに考えております。
#75
○吉田忠三郎君 それから次に、林野庁長官、この問題を本委員会で扱う場合、当初、実態調査の結果の報告をしたわけです。その報告の中に、指摘事項として、賃金の出来高払い制というものがありますね。この制度についても、療養等々に少なからざるこの制度が阻害をしておる。ですから、これについても抜本的な再検討をする必要があるのじゃないかということを報告で指摘をしたわけです。私ども、いろいろな資料を見たり、それから関係者の意見を聞いたりしているのですが、やはりこの種問題も林野の中では問題になっておるというふうに聞いていますが、これについてどのようにお考えになっておられるか、特にこういう林業だからといって、それは特殊なものもあろうし、特殊じゃないといえるものがあると思うのですね。出来高の賃金制度というのは、いまのような近代的な労使関係でない時代にこれはできた制度だと思うのです。これは林野だけでなくて、たとえば私は国鉄のことを多少知っていますから、国鉄のことを申し上げますが、国鉄の中に線路工手、当初、昔は線路工手といった、その前は人夫といったんです。それから線路工手。最近では線路班、線路班の職員などというふうに、だんだん職名といいますか、それも変わってきて、同時にこういう賃金制度等についても変わってきておる。それから国鉄の場合は工場がございますが、工場の中で働いておられる方を明治時代から大正の初期ごろは職工といった。その次に技術の技をとって技工といった。最近では工作員といっておる。そのように変わってきて、しかも賃金制度はやはり請負給になっておる。出来高払い制度ですね。これは賃請加給といっていますが、だんだん労働問題についても近代的になってきて、作業の仕組みについても近代化されてきております。ですから林野の場合でも、そういう傾向が最近顕著に出てきていると思うのです。元来、この出来高払いの制度というものは、賃金制度的に見ると個人だと思うのですね。ところがいま言ったように、作業の環境とかあるいは近代化等々多様化してまいりますと、それが共同的なものになってきているのが現状だと思う。だから組請負という、共同で作業をやらせておいて、そこに出来高払いで、賃請加給でやる。個人でないという方向に変わってきております。この制度そのもののつくり上げたそのときの考え方といいますか、ものの見方といいますか、思想とでも申しましょうか、非常に最近ではそういうことが希薄になってきていると思うんです。ですから、最近では、もうおたくさんの場合はどうなっておるか存じ上げませんが、国鉄の場合は、個人の出来高払い制というのは全くなくなりました。それから共同組請負、これもだんだん減ってまいりまして、最近では、もうここまできたら、こういう古い形の賃金制度というものばやめようじゃないか、これは管理者のほうからもそういう意見が出ている。働くほうの側からもそういう意見が出ている。さて林野の場合、一体これはどうでしょうか。林野の場合でも、最近あらゆる機械が入っておりますから、これは伐倒、伐木などというのは、一本の立木を伐倒したなら幾ら幾らと出てまいりまするから、この出来高払い制度がいいか悪いかは別として、そういうものは多少あるかもしれんけれども、こういう点、林野ではどういうふうに検討されているのか、この点一つ聞かせていただきたいと思う。
#76
○政府委員(松本守雄君) 戦前におきましては、山の仕事をやらせる場合に、親方というものを中心に、まあ組に対する請負的な、出来高払い的な、そういう仕組みが一般に行なわれておった。戦後、そのいき方に対しまして、その親方の搾取その他心配をされまして、アメリカの進駐軍による指導によってそういうものが排除をされた。そこで、賃金の支払いも各人払いという原則が確立をされて、いままできておるわけであります。今回の振動障害を防止するという観点に立ちまして、いろんな指導面で、時間規制その他をやっておるわけであります。また、組合とも協議をしながら、その時間規制が守られておるかどうかということもときどき点検をしようといういき方も今後とる予定であります。
 最後にもう一つ考えておりますのは、共同出来高払いという方式を今後考えていくべきではないかということで、組合へも提案をいたしまして、原則的には了解の話し合いがついていると了解しております。しかし、具体的な内容につきましては、今後とも協議をしてまいる、こういう状態になっております。
#77
○吉田忠三郎君 いまの答弁でも、私の想像と大体合うのでありますがね。個人請負からつまり共同請負のほうにだんだんとやがて発展していくと、賃金制度の中で出来高払いというものの性格はだんだん希薄になっていきますね。だから、やがてはそういう面から、なくしたっていいじゃないかというようなことになっていくと思いますがね。その共同組請負ですね、国鉄などで言っているような。それと類似しております共同出来高払いというのは、これは組合と話し合って原則的に了解しているということですから、労使双方でやるべきことですから、私どももあまり干渉しませんが、一応向かっている方向はいい方向にきていると思う。だからより積極的にこれからも――あなたに希望しておきますがね。細部についても、対応機関である労働組合と話し合いをして、あるいは交渉をして、それで最善の方向をつくり上げていっていただきたいと思うのです。これは長官、一般論から私は言っているんですが、林野のいま白ろう病を私が取り上げている中で聞いているのは、その一般論としてではないわけで、こうしたたいへんな病気がどんどん続発をしてきているのは、最初から言われているいろいろな現象があるのですが、おもに林業の中でも伐採、伐木に当たるものがその対象になっているということが明らかになってきましたね。そうしますと、この業務というものは有害業務であるというふうに認識しても、そう誤りがないのじゃないか。ですから、そうした有害業務に対しては、理論的には、いろいろな出来高払いという制度の中に幾つかの理論がありますが、そういう理論だけではなくして、有害業務に対しては、特殊なものであるから、こうした出来高払いというような古い形の賃金制度というものを残しておくことは、私は、あまりいい結果にならないのじゃないか、これは私の感じ方ですがね。ですから、ここらあたりは、将来に向けてこういう点も労使双方で話し合ってみて、改善されるものなら改善していったほうがいいのじゃないかと思いますが、長官どうお考えでございますか。
#78
○政府委員(松本守雄君) 林野庁で、国有林野の事業の場合でございますが、日給払い制と出来高払い制の両建てでやっているわけでありますが、出来高払い制をとる場合の原則と申しますか、考え方といたしましては、まず第一点にこの山の仕事が、多くの場合自立的性格の強いものであるということ。それから第二点は、労働の成果がその作業の現場で完結をする、かつその成果は計量可能ということ。第三点は、その作業個所は、多くの場合広い地域に分散をしておりまして、指導監督が十分に行事渡りかねるという実態にございます。以上のような点を考慮いたしまして、出来高払い制をとることが適当であるという場合には、その方式をとるように指導していく。ただ、その出来高払い制をとることによって振動障害に影響があるのじゃないかという心配に対しましては、先ほどもお話しましたように、指導面あるいは技術面を通じまして、また点検ということもやりまして、なお、いまのお話の共同の出来高払いという新しい方向も検討をしながら万全を期して対処してまいりたい、このように思います。
#79
○吉田忠三郎君 たいへん、実際経験しておりますから、多少弾力的な答えになります。私は、原則的にはそれでいいと思うのです。ただ、長官、原局の局長をやって十分御案内のとおり、いまの出来高払いの制度では、同じ仕事をしておったとすれば大体三千円ぐらいでしょうね。それが、常勤の作業員によって日給制で払うということになると、半分の千五百円ぐらいにしかならないのですね。ですから、そういう疑わしい患者、つまりそういう白ろう病という認定はされていませんけれども、疑わしい人がたくさんいるわけです。そういう人が危険、有害であるということを感じながらも、いまの制度ではやはり生活をしてまいらなければならぬから、三千円のほうの出来高払いのほうにいく、こういうことになりますね。だから、これはこの病気と賃金のことがいまの段階では非常に密接不可分のような関係になっているのですね。こういう点、あなたは、自立性が強いものだからいろいろなことを考えながらやっていくということですから、原則的にはそれでいいと思いますが、危険、有害であるという業務だけに、こういう点だっていまここで改めますとか何とかいうことでなくて、それはやはり作業をしております労働者とあなた方とは、こういう点をも含めてもっともっと検討、研究、そしてまた煮詰める問題ではなかろうかと、こう思うのですがね。こういう点いかがですか。
#80
○政府委員(松本守雄君) 最初に、これは直接の御質問ではございませんが、先生の認識されておる点で少し正確でないような点が見受けられましたので、ちょっとこれはお断わりの意味でお話をいたしますが、それは、振動障害の心配がある、あるいは認定をされたという場合に、医師の診断によってそれぞれの適当な職場に転換をさせる、あるいは療養させるということでございますが、その転換をさせる場合に、本人の希望も聞きまして、日給制のほうがいいという場合にはそちらのほうに回す場合もございますが、多くの場合は振動障害を直接扱わない、同じ現場の近くにおる集材、運材のほうに回すのが大部分でございます。これは振動障害の機械に直接タッチをしないということで、その場合の賃金の格差は、平均してでございますが、一割前後、一割もない場合が多いと思います。
 一方、職場をかえたという場合の賃金の保障というものも、休業補償の例を勘案いたしまして、それを下回らない線で組合とも考え方が一致をして、いま実施中でございます。でありますので、そう賃金はダウンしないというふうに林野庁としては了解をしております。
 いま申し上げたのは、比率は申し上げませんでしたが、最低保障するという、そのパーセントは何%と先回の委員会でそれはすでに申し上げてございますが、それは認定を受けた人だけでございます。認定を受けない人につきましては、いま組合と協議中でございます。
#81
○吉田忠三郎君 これ以降もまだたくさん質問ありますから、この次にしたいと思いますが、いま長官が答えられたのは、あなたの認識とぼくの認識そんなに違っていないのです。認定を受けた者については収入の上で差がない。ところが、将来の林野事業に対する雇用安定というものを非常に心配しているものですからね、老齢化している。だから、募集しても来ないでしょう、若い人が。来ませんね。だから、将来の林野事業の労働力確保という面で非常に心配しているのです。いま、病気として認定されている者は、職場を変えるときに、前の職場を下回らないようにできるだけあなたのほうで配慮して、賃金ダウンしないように組合と協議してやっている、それはいいのですが、認定されない老、それから、振動機械を使うことによって、いつかはそういう病気になる危険性がいまのところあるわけですから、どうしてもそういう機械を使うような作業につきたがらないと思うのです。それで、つきたがらないからどうなるかというと、日給職のほうに行きたがる連中が出ると思うのです。そうすると、日給職の場合は同じ仕事をしておっても、出来高払いの場合はいまのところ三千円、日給職のほうに行くと千五百円にしかならない。だから、そういうこと等も将来考えて、もう少し組合さんとあなた方のほうは十分――われわれ以上にそういうことについては知っているわけですから、検討してみる必要があるのじゃないか。たとえば、そのためにやはり多少お金のかかることであるから、そういう人体に有害、危険であるというような作業をさせる場合は手当をつけるとか、金額をどうするとかこうするという問題は労使双方でやればいいのだけれども、そういう問題だってこれから研究に値する問題じゃないか、こう思って聞いているので、現に認定された者についてはあなたと私の認識はちっとも変わっていないのです。これは課長が詳しいから課長でもいいですよ、答えは。
#82
○政府委員(松本守雄君) どうも失礼いたしました。
 訴え者のうちで、認定をすればいまのように処置します。認定に至らない者をどうするかということでございますが、それは医師からの注意をよく聞きまして、いままで程度以上、二時間規制以内ならもう少しやってもいいだろうという者については、観察をしながら従来のことをやらしてみる場合もございます。しかし、これは用心をするにこしたことはないというような者に対しましては伐木造材手からはずしまして、たとえばいまもお話しましたような集運材手、賃金の差はあまりございませんが、集材、運材のほうに回わして様子を見るということで、それぞれその本人の希望もございますし、医師の診断結果を勘案しながらやっておるような状態でございます。
#83
○吉田忠三郎君 ちょっとぼくの言っていることに対して答えていない、その部面は。だから、それはそういう患者であるとか擬似患者、それはそれでいいんですよ。ぼくの言っているのは、将来の林野事業の労働力を確保するという観点から、つまり日給制と出来高払い制には、片や三千円、片や千五百円という開きがあるわけですから、そういうこと等も労働力を将来確保していくという観点で、つまり人体に有害、危険であるというような機械をもって作業につかす場合においては、これからも労働組合と十分相談をして、額は別として、その事前に労働力を確保する、先取りしていく政策ですよ、やり方とすれば。そういう意味で手当などというものは考えていかなきゃならぬだろうし、そういうことを協議したり、話し合っていくことについても研究の値のあることではないかと、こう聞いているんですよ。
#84
○政府委員(松本守雄君) いまの時点では、出来高払い制、日給払い制につきまして考え方を変えるような事態になっておるというふうには理解をいたしておりません。といいますのは、いまの制度で出来高払いを続けていきましても振動障害は防げるということと、もう一つ考えなければいけないことは、日本林業がかつてのように国内だけの視野でやっていけないような事態になっております。これは申し上げるまでもなく、国内で消費されます木材の量の半分はもう外材であります。外材が日本の国内材に比べまして相当安いという時代になっておる。しかもそれは自由貿易である。関税もかかっておりません。一部の製材と合板にばかかっておりますが、大部分にばかかっておらない。そういうものを踏まえますと、やはりそこに日本林業、国有林も能率性で外国と競争しなければいかぬということを考えなければいけないわけです。そういうことで出来高払い制――能率を端的にあらわせるものは出来高払いということで、また諸外国の例を見ましても、チェーンソーの伐木造材のほとんどが出来高制をとっておるようでございます。したがいまして、当面は、これを日給払いに全面的に転換をするということは考えておりません。しかし、将来この障害がどのように進展をするか、規制の結果、それがおさまるかそうでないか、そういう状態を勘案しながら、必要とあればこれは検討してまいりたいと、このように考えております。
#85
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ本日の調査はこの程度にとどめたいと思います。
    ―――――――――――――
#86
○委員長(佐野芳雄君) 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野原労働大臣。
#87
○国務大臣(野原正勝君) ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 中小企業退職金共済法は、中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するため、昭和三十四年に制定され、この法律に基づきまして、現在、中小企業一般の従業員を対象とする中小企業退職金共済制度と、建設業並びに清酒製造業に期間を定めて雇用される従業員を対象とするいわゆる特定業種退職金共済制度の二種類の制度が設けられているのであります。
 これらの制度の現在の普及状況を見ますと、両制度合わせて、加入事業主数約十七万人、従業員数約二百五十三万人という実績をあげているのであります。
 このような実績から見まして、これらの制度は、中小企業労働福祉対策の主要な柱の一つとして、中小企業に働く従業員の福祉の増進と中小企業の振興のため、貢献するところ大であると信ずるものであります。
 しかしながら、本制度を最近における社会経済情勢に即応した、より効果的なものとし、本制度の一そうの普及発展をはかるためには、なお改善を要する幾つかの点があるのであります。
 すなわち、近年の賃金・退職金水準の上昇等を考えますとき、現行中小企業退職金共済制度における掛金月額は、実情に即さないものとなってきているのであります。他方、中小企業においても退職金制度についての関心が高まっている折から、本制度を一そう魅力あるものとするため、退職金給付に対する国庫補助を増額する必要があると考えられるのであります。
 また、現行制度では、死亡退職者につきまして、特段の配慮はなされていないのでありますが、死亡という特殊事情を考慮いたしますとき、死亡退職者にかかわる退職金給付について、改善をはかることが適当と考えられるのであります。
 以上のような事情にかんがみ、政府といたしましては、これらの諸点につき所要の改善を行なうこととし、中小企業退職金共済審議会に諮問の上、その答申を得て、この法律案を提出するに至った次第であります。
 次に、法律案の内容につきまして概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、以上申し述べました趣旨に基づいたものでありまして、その内容は、次の三点であります。
 第一点は、中小企業退職金共済制度における退職金給付に対する国庫補助の増額であります。すなわち、現行制度では、退職金の給付に関し、掛金月額二百円に対応する退職金について、掛金の納付された期間が三年以上十年未満は五%、十年以上は一〇%の国庫補助が行なわれているのでありますが、退職金の国庫補助対象部分を掛金月額二百円に対応するものから掛金月額四百円に対応するものに引き上げ、国庫補助を増額することといたしたことであります。
 第二点は、掛金月額の引上げであります。現行中小企業退職金共済制度では掛金月額の最低額は二百円、最高額は二千円とされているのでありますが、これを、最低額四百円、最高額四千円にそれぞれ引き上げることといたしたことであります。
 第三点は、死亡退職者にかかる退職金給付の改善であります。現行制度では、長期勤続者に対する退職金給付を有利にするため、短期勤続者の場合には、退職金が支給されず、または退職金の額が納付された掛け金の総額に満たないことがありますが、死亡退職者につきましては、特例を設けることといたし、掛け金納付期間が一年以上の死亡退職者につきましては、少なくとも納付された掛け金の総額以上の退職金を支給することといたしたことであります。
 その他、これらの改正が円滑に実施されるよう所要の経過措置を講ずることといたしております。
 以上この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#88
○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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