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1970/04/24 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第15号
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1970/04/24 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第15号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第15号
昭和四十五年四月二十四日(金曜日)
   午後二時十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐野 芳雄君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                吉田忠三郎君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                高田 浩運君
                徳永 正利君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                占部 秀男君
                大橋 和孝君
                中村 英男君
                柏原 ヤス君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
   政府委員
       厚生政務次官   橋本龍太郎君
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生省児童家庭
       局長       坂元貞一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○心身障害者福祉協会法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 心身障害者福祉協会法案を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○大橋和孝君 きょうは、この法案についていろいろ御質問をしたいと思うのでありますが、その初めに、政府は心身障害児あるいは者、こういうものに対する総合対策をどのように進めていかれる考えか。
 ことに、また伺いたいのは、いろいろ身体障害者・児あるいはまた精薄等あるわけでありますが、これを分けてみて、一体どのくらいの数があって、こういうコロニーにはどのくらいの希望者があるか、そういうこともあわせて聞いておきたいと思いますので、その実際の状態と、そうしてその数なんかについても説明を願いたいと思います。
#4
○政府委員(橋本龍太郎君) 大臣が衆議院の本会議に出ております関係上、便宜、私から答弁させていただきます。
 いま先生から御指摘になりました二点のうちで、数字につきましては、あとで局長からこまかく申し上げさせます。
 率直に申し上げまして、心身障害児、心身障害者対策というものは、今日まで必ずしも日のあたる場所に置かれてきたとは申せません。御指摘のとおりに、心身障害と一言に言いましても、非常に幅が広く、多くの障害があります。本来ならば、その心身障害の種別、またその程度、さらに理想的なことを言うならば、年齢までも含め、それぞれに応じた施設が完備することが一番望ましいわけであります。必ずしも今日までそうした施設を十分つくってまいったということが申し上げられないのは非常に残念であります。しかし、近年、こうした問題に対する関心が非常に社会的にも高まりましたおかげで、まず、現在御審議をいただくその法案のもとになりました、群馬県の高崎に国立のコロニーをようやく設置し得るところまで状況が進んでまいってきたわけであります。これとても、本来、独立自活の困難な重度の障害者、その種別を問わず、重度の障害者に対してはそういった施設がもっとたくさん必要であることは言うまでもありませんが、そのごく一部をカバーするものといたしまして、言わば、その一つのいしずえがここで築かれたと申し上げられる程度のものであります。ただ、こうしたものが社会的にも御理解をいただき、つくれるようになりましただけでも、私どもは、非常にこうしたものが漸進してまいったと考え、一つの喜びとしております。このコロニーの建設に刺激されまして、各地方自治体あるいは民間におきましても、こうした施設を漸次整備したいという声が高まってまいりました。今後、こうした関係者の方の御意見も伺いながら、私どもとしても、そうした動きをできるだけ予算面においても助けてまいりたい、そのように考えております。
#5
○政府委員(坂元貞一郎君) 後段のほうの御質問の心身障害者の現状でございますが、まず、精神薄弱者というものにつきましては、これは若干資料が古うございますが、四十一年の当時における実態調査がございます。それによりますと、大体、当時施設に入っておられる方を除きまして、四十八万四千七百人ということに相なっておるのでございます。それから身体障害者のほうにつきましては、同じく四十年の時点における実態調査がございますが、これによりますと十一万六千六百人、かように相なっておるわけであります。それから精神薄弱と身体障害のいわゆる重度の障害を合併しておるというような対象の方が一万七千三百人くらいいるということに相なっておるわけでございます。そこで、こういう現状にかんがみまして、いわゆる今回つくりますコロニーというものに入所する希望者の方がどのくらいいるかという点でございますが、この点につきましては、私どもも、全国的に確たる精密な調査をやっておりませんので、そういう意味で正確なお答えにはならないかと思いますが、大体、いま申しました精神薄弱なり、身体障害児等のうち重度者の数がわかっておりますので、それにつきまして申し上げますと、先ほどの四十八万四千七百人という精薄者の数のうちいわゆる重度というふうに格づけされる対象の方が十一万九千六百人ぐらいおるわけでございます。それから身体障害児のほうにつきましては、十一万六千六百人のうち三万四千五百人ぐらいいる、かように相なっているわけでございます。
 そこで、数の上からいいますと、このような重度の方が一応コロニーの入所の対象になるわけでありますが、ただ、コロニーに入るかどうかにつきましては、もちろん本人なりあるいはその父兄の方等の御希望の有無等を正確に調べなければなりませんし、それからもちろんその障害の程度なり、あるいは年齢なり種類、あるいはまたそれ以外のいろいろな家庭環境等も調べまして、そういうものを総合して入所するかせぬかということについての判定をするわけでございますので、確たる入所の希望者という者が現在全国にどのぐらいおるかにつきましては、いま申しましたように、正確なお答えができませんが、大体いま申しましたこの重度の対象者のうちでやはりコロニーに入りたいという方は、おそらく相当の数にのぼるんじゃないか、かように考えているわけでございます。
#6
○大橋和孝君 もう少し基本的な問題として、こういう障害児・者の対策ですね。これを今後どういうふうに進めていかれるかということ。コロニーができたから今後発展していくだろうということはわかるんですが、もう少し何とかこういう問題は、非常に声が大になっているわけですから、ほぼどういうふうにしていきたいというふうな考えを持たれるか、そういうことをひとつ第一点としてもう少し詳しくできたら御説明を願いたい。
 それから第二点は、身体障害者対策ということを考えると、その基本としては、やっぱりこの身体障害の発生予防ということで相当多く出されておりますことは、母子保健対策とかいっていままでかなり強くこれが出されておるわけでありますが、この母子保健対策をどのように水準を高めていくかということが、私は、またこの身体障害児・者に対するいろいろな将来の対策としては基本になるのではないかと思うわけでありますが、これは非常にいろいろとやられてはおりましょうが、これについてもう少し水準を高めるために具体的にどうするかということも、こういう際に一応お考えをお伺いしておくと同時に、まだひとつ前向きにこれを相当発展をさせてもらわないと、こうした身体障害児・者の問題を論ずるときには非常に大きな問題になるだろうと思いますから、その根本的な一と二との問題についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
#7
○政府委員(橋本龍太郎君) 非常に広範な御質問でありますので、順不同になるかと思いますが、その点をお許しいただきたいと思います。
 いま御指摘がありましたとおりに、これは発生予防が完全に行なわれれば、心身障害児あるいは心身障害者の発生率というものは非常に押えていくことができるわけであります。母子保健対策として今日まで国が相当広範囲にいろいろなものに手をつけてまいりましたが、こうした施策をもちろん今後も推進していくことは当然のことであります。こまかい点、特にまた御指摘がありますれば、そのつどお答えをさせていただきたいと思いますが、たしか昭和三十九年の通常国会でありましたか、特別国会でありましたか、衆参両院各党の御協力を願いまして母子保健法を制定していただき、自来、発生予防というものを含めまして、この法律によって母子保健対策というものを進めてまいりました。今後もこれを基本としてあらゆる手段を講じていきたい。この点ははっきり申し上げる次第であります。それと同時に、いまむしろこれは行政当局として申し上げるべきかどうか、必ずしも私にはよくわかりませんが、いわゆる医療でありますとか、発生予防を含めまして訓練、こうした問題が厚生省の所管の中にある。同時に、教育関係は文部省が所管をし、あるいはその人々の自活の道を開いていく方向というのは労働省が所管される。また、その年令によっては児童福祉法の対象になる、身体障害者福祉法の対象になる、精薄福祉法による。それらによっても、実は対策の統一がとれておらぬ点が率直にいってございます。そうした点、これはもちろん厚生省自体としても今日まで考えてまいったことでありますけれども、幸いに昨年でありましたか、一昨年でありましたか、自民、社会、公明、民社四党の国対委員長会談の結果、これらの統一をとるために一つの基本法を制定すべきだという御議論がまとまり、現に四党で作業を続けておられるように聞き及んでおります。私の伺っております範囲では、相当広範囲にこうした点を考慮した考え方をとっていただいておりますが、私どもとしては、むしろこの基本法が一日も早く両院の意思によって決定をされ、障害者対策に一つの柱を立てていただくことを非常に期待しておる次第であります。
#8
○大橋和孝君 大臣もおいでになりましたので、一緒にお伺いしたいと思います。
 いま、次官のほうからいろいろ御説明を伺いまして、この母子保健法も相当進めていくというお考え、同時に、またいろいろな各法でやられているものを統合して充実したものにしようというお考え、非常に私はありがたく聞いたわけでございますが、この身体障害の発生の予防という面からも、あるいはまた治療、あるいはまた訓練、いろいろな面から申しまして、まだまだ学問的にも開発されていない面がたくさんあると思うわけです。ですから、この研究開発は一体どういうふうに進められるか、これも一つの大きな問題点になるのではないかと思います。そのほか、考えれば身体障害者の扶養保険でありますとか、これらの方々を何か守っていくという意味では、いろいろな面でその状況も非常に問題があろうと思いますから、その今後の考え方、また、現在はどうであるかということなんかも詳しく御説明を願いたいと思います。特にこの母子保健の問題とか、いま、そうした意味の研究開発も十分でないかもしれませんが、同時にまた現在の場合におきましても、もっともっと国のほうでやらなければならないという面がたくさんあると思います。ところが、まだそこまで手が届いておらないから、地方自治体である程度手をつけておられる面もあるのでありますが、いろいろな面から申しましても、やはり母子保健対策というものがうんと進むことが身体障害を予防する意味の大きなたてとなるわけでありましょうから、こういう方面では、先ほどちょっと政務次官からお話を承りましたが、大臣のほうにおかれましても、こういう基本的な身体障害者に対する対策の問題あるいは予防の意味においても、そうなった人たちを庇護する意味においても、あるいはまた治療、訓練の面におきましても、もっともっと研究もしなければならんだろうし、いろいろやってもらわなければならぬ。国としてやってもらわなければならぬことがたくさんあるように私は思うわけであります。ですから、いろいろコロニーの問題の前に、こういう基本的な問題をひとつ伺いたいし、またこれをたてにしてひとつ大きく飛躍、発展をしてもらいたいというところから、ひとつ大臣のお話を承りたいと思うのであります。
#9
○国務大臣(内田常雄君) おくれて参りまして恐縮でございましたが、政務次官のほうからもいろいろと説明があったと存じます。
 大橋先生のお話を承りますと、私も全く同感でございまして、身体障害者対策というものは、身体障害者が発生してしまってから、そういうものが固着してしまってからどんな施設に収容いたしましてももうおそいわけでございますので、それにさかのぼりました施策がやはり一番大切だと思います。ということは、結局、おかあさんのおなかにおるときの対策、妊産婦についての健康の対策でありますとか、あるいはまた生まれたすぐの乳児時代の施策、あるいは引き続いて幼児時代の施策などにつきまして、従来からも、御承知のとおり、いろいろなことはやってきてはおりますけれども、十分ではないと私も思います。四十五年度におきましても、たいした予算でもございませんけれども、それにいたしましても、もうすでに御承知のように、妊産婦の健康一般診査とかあるいは精密検診とかいうようなものにつきまして、国費で支弁する診査の範囲をかなり思い切って広げるようなこともいたしておりまするし、また、乳児につきましても同様のことをいたしたり、さらに母子保健などのことに関連して啓蒙運動などをなさってくださっておる地方団体などに対する助成もわずかながらふやしておるということはやっておるわけでございます。しかしながら、私ども、伺っておりましても、重症黄だんとか、フェニルケトン症とか、ほおっておけば必ず身体障害児を発生するというような、そういう病気に対する施策も必ずしも十分ではありませんので、御説のとおり、そういう方面に対する研究なり、また、そういう病気の発生を認められた乳幼児に対する国の特別の経済面の施策なりというものも今後さらに十分やってまいらなければならないと思います。しかし、何せ身体障害者というものは百万人以上も現在おられまして、それらがそれぞれ身体障害の種類とかあるいは程度とか、さらには年齢などによりまして、いろいろの形において国の機関や施設の保護、指導を受けておるという状況にはありますが、総合的になかなか自立自活の困難な身体障害者のめんどうを見るというような施設がないのは残念だということで、数年前からその方面の先覚者の方々がいろいろ御苦労なさいまして、そして今回提案をいたしました――これは一つのモデル総合施設のようなものでございますけれども、こういうものの誕生というところまでこぎつけてまいったわけであります。しかし、いずれにいたしましても、冒頭から申しますように、これは身体障害が発生してしまった後の施設であって、いくら総合施設でも、やはりさかのぼる施策が大切であることにつきましては、さらに私どもも思いを新たにいたしまして、これから先、身体障害児あるいは精神薄弱児、また、肢体不自由の方々が発生したり、存在することを防ぐための努力をいたす所存でございます。
#10
○大橋和孝君 ちょっと坂元さんにお尋ねいたすのですが、いま申したように、研究開発ですね。この方面は一体これからどうされるか、そのプラン、こういうものをひとつ聞いておきたいと思うのです。
#11
○政府委員(坂元貞一郎君) 大橋先生も申されましたように、また大臣からもお答えいたしましたように、心身障害児等を生まない、できるだけそういう不幸な方が生まれないようにという対策が一番の基本でございまして、そういうような対策の一環としまして、一番やはり根本になりますのは研究開発でございます。そういう発生予防の研究というものが前提にならなきゃならぬわけでございます。厚生省としましても、従来から各種の研究費、たとえば厚生科学研究費補助金なりあるいは医療研究補助金等をもってこのような心身障害の成因なり、治療法等について研究をしてまいってきておりますが、やはり最近のこのような心身障害の発生予防というような非常に大きなテーマを解決するために、私どもとしては、どうしてももっと大がかりな研究体制というものを整備していくと、このような観点からいたしまして、昭和四十三年度から特別研究費というものを予算に計上いたして、この方面の研究を組織的に進めているわけでございます。そこで、昭和四十三年度は、三千八百万円ぐらいの研究費を各大学等の研究機関等にお願いをしてやっておりますし、昭和四十四年度におきましては、四千三百七十万円ぐらいの特別研究費を計上してやっているわけでございます。たとえば進行性筋ジストロフィー症とかあるいは脳性麻痺、あるいは自閉症、このような分野等につきまして、いま申しましたような特別研究費というものを四十三年度以降毎年計上しまして、研究体制を整備していきたいということで進めているわけでございます。今年度、四十五年度におきましても、ほぼ前年と同様な体制でこの研究をさらに推進していきたいと、かように思っているわけでございます。
#12
○大橋和孝君 今度、コロニー問題に対して相当関心が払われておるということは、私は非常にこれはけっこうだと思っておるわけであります。先ほど政務次官も言われたように、これが一つの刺激になって非常によくなっていくだろう、私もこれは同感です。こういう施設をやられているのを見まして、いま、たくさん希望者があるところでやってもらっておるということは非常にありがたいわけですが、それと裏はらに考えられるこういう開発研究というものにもいまひとつ力を入れてもらえぬだろうか。いまちょっとお話を聞いておりまして、私も調べてその数字は知っているわけですが、四千万円といえばかなりの研究費だと思うのです。ですけれども、この予防ばかりでなくて、治療の面に対しても、訓練の面に対しても、これはまだまだ研究開発はおくれておるわけです。ですから、少しけた違いの金を出してもらって、何かその研究グループをつくってもらうとか、まあコロニーじゃありませんけれども、研究にも一つの何か核をつくって、そうして研究開発のためにひとつ思い切ってその努力をしてもらえぬだろうか、そうしたならばこのコロニーの建設と相まって非常にいいものになるのじゃないか。一ついいものができたらもっとというように、欲を言うわけではありませんけれども、その研究開発に対して四十三年から取り組んでもらったなら四十四年、四十五年と、その進歩状況ですね。やってもらう状況というものも、もう少し何と申しますか、指導をしてもらって、そういうふうなグループ活動でもって大きいところからこの問題を究明するような学者グループなり、研究グループなり、そういうふうなものをひとつやってもらいたい。私ども、よくあっちこっちの研究室、学会の発表なんかも見せてもらっておりまして、逐次、何といいますか、研究はされておるわけであります。ですけれども、先ほどから数字を聞きましても、局長が先ほど言われたように、相当ばく大な数があるわけですね、発生している人がいるわけなんです。こういう人は、一度それになってしまうと実に気の毒なんであります。ですから、やはりこのコロニーも要るわけであります。その意味では非常にありがたいけれども、私は、そういう点で見れば、もう一ふんばりしてもらって、コロニーもつくってもらいますけれども、この研究開発に思い切り金を、少しけたのはずれた予算を、開発をしてもらうために、つけてもらうような考え方で前向きにやってもらったならば、悪い人はコロニーに収容されるし、今後は起こらないような施策も一そう進むということで、こうしたことが身体障害児重症患者を見ましたときに、私は、特に必要ではないかというようなことを考えますので、この研究開発に対しての投資、先行投資をひとつこの辺で思い切ってやってもらいたい。これはコロニーのためにいままで二十七億使ってもらっておるわけでしょう、高崎だけでも。これは非常にありがたいことですが、最近はなかなかこういうことをやってもらうことはできにくいことだけれども、よくやってもらっておるということで感謝しておりますが、研究の方面にも何十億――まあ何十億でなくてもいいと思いますが、そのくらいぽっと入れてもらえば国民はどのくらい喜ぶか。したがって、私は、一ついいことがあったから、また次にすぐにもう一方のほうもというのはあつかましい考えかもしれないけれども、こういうことでひとつ開発をやってもらいたいというふうに思いますから、その切なる気持ちを大臣のほうでも評価をして、少なくとも今度の予算からは、去年と同じように四千万そこそこということでなくて、台を一つ大きくしたような予算を組みながら、これも予算だけではだめなので、研究体制のグループをつくるための指導なり、また、国立の大学であれば文部省管轄かもしれませんけれども、そういうものもひとつセクトにならないでしっかり取り組んでもらえるように、少なくとも、厚生省がそういうことに対してはかなりイニシアチブをとっていけるような一つの団体なり、研究機関なりをつくってもらえばいいわけですから、何とかそういう形でコロニーの特殊法人をつくるように、また別の法人をつくるとか、いろいろのことが考えられると思います。われわれより専門の方に考えてもらうほうが明確でありますが、そういうことで、この問題に取り組んでもらいたい。これは私の強い要望でありますので、これについてお伺いをいたしたい。
 それから、先ほどちょっと申しました身体障害者の扶養保険の問題でありますけれども、これももっと進めていただいたら、そういう人たちが入る入らないにかかわらず、非常に恩恵を受けるだろうと思いますので、この問題もここで抜本的に考えていただきたい。だんだん欲を申すような形になるかもしれないけれども、ひとつここらで抜本改正をする、ほんとうにこの身体障害者というものに対しての考え方を思い切ってやろうと思えば、保障と、研究の開発と、施設の充実、こういうことを三つどもえでやらなければならぬと思いますので、その辺あたり大臣のお気持ちをひとつ伺いたい。
#13
○国務大臣(内田常雄君) まことにありがたい御意見でございまして、やはりそういう国民的関心が各方面に高まってまいることが私どもとしても、まことにこの方面に力を入れやすくなるわけであると思いますので、全く同感であり、かつまた、ありがたいお説と思いますので、いずれの方面ともやってまいるつもりでございます。身体障害者扶養保険制度は、御承知のとおり、ことしから国としては初めて取り上げたものでございます。従来二、三のあるいは数個の府県が共済組合制度的にやっておったものを、それでは全体的の制度としては発展しないからということで、国が全体を取りまとめをいたしまして、その中に、御承知の社会福祉事業振興会というような世話をやく機関を入れまして、そしてつなぎの結びこぶみたいなものをつくって出発したわけでありますので、今回これはこういう試みでやってみたわけであります。それを出発点にしまして、これをできるだけ普及、完成ということにつとめてまいりたいと思います。
#14
○大橋和孝君 先ほどちょっと局長から伺いまして、コロニーの入所希望者は相当あるということでございましたが、私は、何か初めは、今度のコロニーは千五百ぐらいというふうに話を聞いておりましたが、大体五百五十人の予定であるようでございます。そういう点から考えまして、今後こういうふうな入所者も相当あるとするならば、これを総合的な身体障害者に対する対策として、どういうふうな将来の計画をしておられるか。たとえば、いまは国立のものを特殊法人としてやられるわけでありますが、もっと全体的な視野で考えたら、一体、今後の対策に対する計画、そういうものについてどういうふうにしてこれを処理されるか。いまのところ、数は明確でなかったけれども、相当の数であるということだったんですが、大体推定どれくらいになるからいまの収容のあれであればどういうふうにしていかなければならぬか。いま、大体各地方自治体で二十カ所近くあるはずだと思います。そうその希望者はないということでありますが、そういう点から考えて、将来この計画をどういうふうにされるかということも、ひとつ一ぺん局長のほうから伺いたい。
#15
○政府委員(坂元貞一郎君) 今回高崎につくりますいわゆる国立のコロニーというものは、私どものほうでやりましたコロニー懇談会における民間有識者の方の御意見等を参考にしまして、昭和四十二年度から計画的に進めてまいったわけでございます。そこで、いま仰せのように、コロニー等に入所したいという希望の方が、確たる調査はございませんが、私どもの推定でも、相当現実にいるだろうということは事実でございます。
#16
○大橋和孝君 どれくらいですか、数字的に。
#17
○政府委員(坂元貞一郎君) 先ほど来申し上げておりますように、大体重度対象者が、精神薄弱者なり、肢体不自由児等におられるわけでありますが、そういう方々のうち、大体少なくとも三割程度の方は、いわゆるコロニー形式の収容施設に入りたいということに相なるんじゃなかろうか、大体こういう客観的な数字を考えているわけでございます。
 そこで、そういうような事実を踏まえまして、今後のこのコロニーの整備をどういうふうにしていくかということにつきましては、大臣から御答弁申し上げるのが本来かもしれませんが、私どもとして、現在まだそういう長期的なプランというものが確立いたしておりません、はなはだ残念でございますが。と申しますのは、やはり日本における初めての計画である、しかも相当大規模な施設であるということからいたしまして、一挙にこのようなものを全国的に設置するあるいは国の力において設置する、あるいは地方の都道府県等が設置するということにつきましては、やはり相当いろんなデータなり、将来を見渡したプランというものを持たないとなかなかこれは簡単にいかない。外国等においても、若干問題のあるところもあるようでございますので、そういうような点を勘案いたしまして、いずれこの点については早急に、私どもの将来のコロニーの形態というものをどうするかということを前提にしながら、整備計画というものを考えてまいりたい。そこで、地方で現在各都道府県等が十数県やっておりますし、計画を進めておりますが、そういうようなことも含みまして、いわゆる国立のコロニー、地方のコロニーとの相互の関連づけをどうするかということも問題点の一つでございますので、そういう点を総合的に勘案して、コロニーの整備計画というものを各方面の御意見を伺いながら早急に計画樹立をしていきたい、現在のところそういう気持ちでおるわけでございます。
#18
○大橋和孝君 いまの地方と中央との関連については、あとから一ぺんまた詳しくお尋ねしたいと思います。
 この国立の身体障害者コロニー、いまのですが、大体入所の期日はいつごろにされますか。それから、その収容計画ですね。五百五十名とは聞いておりますけれども、どういうふうな計画でもってこれをされるのか、もっと詳しい計画がわかっておれば、この際聞いておきたい。
#19
○政府委員(坂元貞一郎君) 四十五年度中に建物関係を全部整備いたしまして、一応、御提案申し上げております特殊法人を明年の一月から発足をさせる。そうして収容者の現実に収容を開始したいと考えておりますのは四十六年の四月からでございます。明年の四月から収容開始を始めたいと考えております。そこで、この五百五十人の方々をどのような計画で収容するかという点につきましては、まだ確たる計画までいっておりませんが、大体、私どもが事務的に考えております計画といたしましては、四月ぐらいから大体七月ぐらいまでの間に五百五十名の方々を段階的に漸次収容していきたい。と申しますのは、一ぺんに五百五十人という方を入れるということにつきましては、これは大橋先生御専門家でございますが、いわゆる心理判定なり評価、そういう一つのプロセスが出てまいりますので、そういうようなプロセスの関係を勘案いたしますと、やはりある程度、二、三カ月か四カ月くらいの時期的な経過がそこにどうしても必要になってまいりますので、いま申しましたように、四月くらいから七月くらいまでに大体この五百五十名の方を収容いたしたい、こういう計画を持っているわけでございます。
#20
○大橋和孝君 この千五百名収容ということは前にうたっておるわけでございますが、これはその入所期日と収容する計画はわかりましたが、将来は、この千五百名といっておられたのをどのようにして持っていかれる予定があるのか、あるいはこのコロニーに対して将来どのように進めていかれるか。そのことを聞きたいのと、それからまた、これに対して確固たる基本方針と申しますか、この国立のコロニーを基本的にどういうふうにしていくんだというお考えのもとにこれをおやりになるのか、このことをちょっとお聞きしておきたい。もう一つは、これはいままで国立でやると言っておられたのを特殊法人にするということですが、特殊法人にしたらどういういい点、利点があるのか、あるいはまた、そういうことにされました経緯について伺っておきたい。この三点についてちょっと教えていただきたい。
#21
○国務大臣(内田常雄君) ただいまも政府委員から申し述べましたように、当面、一単位といいますか、五百人とか五百五十人とかいうことで出発をいたします。ところが、あれは御承知のように、たしか七十万坪以上あるところでございますので、今後施設の拡張とか、あるいは当初御意見がありましたように千五百名にするということは、物理的には私は困難なことではないと思いますが、もうすでに問答を重ねられたかと思いますが、それだけの重症心身障害者を収容いたすとなりますと、その保護指導に当たる専門職員というものが一番問題であろうと思います。おそらくまた、その入所者三人に一人とか、二人に一人程度くらいまで職員の数というものが必要ではないかということを考えますときに、ここであれだけの七十万坪の中に数ブロックといいますか、一ブロック五百人として数ブロック同時にというようなことは、構想してみましても、いまのそういう専門職員の確保などの点においても非常に問題があると思いますので、やはりこの際は五百五十人単位くらいで、しばらくその運営の経過を見て、それからその内部にさらに単位をふやしてまいるというようなことのほうが堅実ではなかろうかとも思います。それからまた、先ほどだんだんお話がございましたように、地方のほうにも同様なコロニーをこの協会の運営のもとにつくってほしいという意向もぼつぼつあるわけでありますので、一体、高崎以外全国に今後設けられるべき総合的コロニーというようなものは、この協会の運営下につくることがいいか、先ほど政府委員から答えておりましたように、地方団体等でその計画のあるものについて国が助成やあるいは起債などのめんどうを見て、そして地方的なコロニーにするほうがいいかというような問題をしばらく検討する必要があると思いますので、第二次収容計画につきましては、この第一次の収容計画の実績を見た上で出発すべきだ、こういうことになるわけでございます。
 また、現在、すべて財産は国の財産ということで、二十数億出してできておるわけでありますから、国がちょうど国立病院運営と同じような形で運営できないこともないと思いますけれども、しかし、いま申しました専門職というものが、単に指導員ばかりでなく、保母さんも要るでございましょう、看護婦さんも要るでございましょう、あるいはお医者さんも要るかもしれないし、いろんなその方面の各種の専門職の方々、当然それらの方々の助力を待たなければならないということを考えますときに、国だけの職員のやりくりではなかなか無理ではなかろうか。民間のいろんな諸機関の職員あるいは地方公共団体の職員、あるいはその専門の方々の御協力というようなことを得るという意味におきましても、国の管理のもとにおけるしっかりした特殊法人ということでやったほうが実際の運営には適していると、こういう判断にだんだんなってまいりました。また、授産といいますか、生産事業等もありまして、それらの運営につきましても、国のかりに特別会計等をつくるといたしましても、国立ということでやるよりも、むしろ切り離した形における特殊法人ということがよかろう、こういうことに実際的の運営を考えまして相なりまして、皆さんの御批判もいただきたいということでここにこの法律案を提出した、こういう経緯でございます。
#22
○大橋和孝君 私は、専門的にまだよくわからないのですが、いろいろあちらこちらのデータをあわせて尋ねてみましたけれども、特殊法人というあり方が非常にいいということがよくまだ納得できないわけです。表面的に、われわれの知識の及ぶ範囲でも、それは国でおやりになるよりこういう特殊法人で、国のほうから金を出しているから十分監督をするということも、私は、それでいいかなあという感じがするわけです。そういうことで先ほどちょっと伺ったのですが、一つの確固たる基本方針を持って、こういう法人にしてこのコロニーをやっていくんだ、あらかじめそういう方針がきっちりできて行なわれるのだろう、こうありたいと考えておるのでありますが、このコロニーは国がやるより特殊法人がよいので、こういう基本方針のもとにずっとやっていくんだ、この基本方針は厚生省の中できちんとできておって、こういう方針のもとにコロニーを建設していくんだというふうなものがあれば、それをこの際ちょっと聞いておいたら、国民としても、コロニーというものに期待が持てるし、将来、こういう方向に発展していくんだという夢が持てるし、そういうことでこの基本方針がありますならばとお尋ねしているわけですから、そういうことについて大臣のほうなり、局長からお示し願えるものがあるならば、この際聞いておきたいと思います。
#23
○国務大臣(内田常雄君) 特殊法人の大筋のことはこの法律で全部規定いたすのでありますが、各方面の御意向の中で、一人の理事長あるいは三人くらいの理事、一人くらいの監事というようなもので、はたして総合的な運営がうまくいくだろうか、それよりもむしろ、それはそれでけっこうなんだから、その横というか、上にというか、運営協議会のようなものに各方面の識者を集めたり、あるいは場合によりましては、これは全くお金をかせぐ機関ではありませんので、二十数億の金を出しましても、あとの運営費というものは国から相当つぎ込まなければ、これは動くものではないと思いますが、実は民間の篤志家、有志等もありまして、そういうものはできるならば一つの後援会というか、協力団体みたいなものをつくって、そして皆で金を出し合って、これを後援、運営をすべきではないかと、こういうありがたい御意向もないわけではございませんので、そういうものを取り入れてみますると、やはり特殊法人がよろしい。それからまた、これをやります際には、業務方法書をつくることになります。この法律の中に規定があるわけでございますが、その業務方法書というものは、これから私どもがつくってまいることになるか、あるいはまた、その斯界の権威者や、あるいは協力してくださる方々の御意向も取り入れてそういう業務方法書をつくることになるので、これはあとから政府委員から説明をいたさせますが、いずれにいたしましても、国とこの特殊法人だけでなしに、いま言うような運営協議会というようなものの御意向も取り入れながらやっていかないと、ちょっと国立病院の運営あるいは国立療養所の運営、あるいは従来一つの面だけの国立施設の運営とは、規模の面におきましても、また担当する仕事の複雑性からいきましても、国がざっときめて、それが不磨の憲法である、基本方針であるということにするよりも、いろいろ申し上げましたが、いま言うようなことを頭に置きながら、だんだんいい姿の運営にしてまいりたい。しかし、将来の構想といたしましては、決してこれだけで足りるということじゃなしに、この中の二次計画、三次計画の収容施設の計画も当然いたすがいいし、また地方的にも、この協会によりあるいは地方公共団体の手によりこれらのものをやっていくのだという構想やら、ビジョンやら持ちながらということには変わりはございません。政府委員のほうから、もし業務方法書などについての考え方がまとまっていたら説明申し上げます。
#24
○政府委員(坂元貞一郎君) 大臣から申されましたように、法人がやはり民意を相当反映して運営するということが必要に相なるわけでございます。そのためには、やはり法人の業務の運営の方針となるべきこの業務方法書というものが一番基本になるわけでございますが、この業務方法書の内容といたしましては、まだ、私どもとしては、一応の事務的な案として考えておりますが、この総合的な福祉施設をどういうような方針のもとで運営するか、施設運営の基本原則等が当然含まれるわけでございます。それから保護指導の方法なり、作業訓練等の実施の方法なり、あるいはまたいろいろな各種の調査研究をやることになります。将来、心身障害者の保護指導に関する調査研究というものもこの施設でやるわけでございますし、それから職員の養成訓練、このようなことも重要な柱でございます。そういうような内容のものをこの業務方法書として現在考えておりますが、このような業務方法書をつくるに際しましては、やはりいま大臣から申し上げましたように、各般の有識者の方々のいろいろな貴重な御意見等を十分拝聴して、そういう御意見を参考にした形でこの業務方法書等をつくっていくということが必要になるわけでございますので、そういうためにはやはり国自身が経営をやるよりも、まあ民間といいますか、そういう特殊法人的な立場で経営をやるほうがより実情に即し、また合理的じゃなかろうか、こういうふうに考えているわけでございます。
#25
○中村英男君 ちょっと関連して。私も、これは国がやるよりはやはり福祉法人がやったほうが運営がしやすいと思うのです。私も、三年来、大体全国のこれを歩いて見たのですがね。どうも島根県はあまりやってないから義憤を感じて、二千万ほど集めて二十町歩の施設を開いた。だいぶ勉強して、前の児童局長のときに来てもらって研究してみたけれども、これはやはり国の経営では運営がかたくなるから、やはり特殊法人のほうがいいように思われます。というのは、これは大臣もちょっと言われましたが、話は煮詰まっていないようだが、福祉法人の外にやはりそれを運営する協議会というものがもしできるとしたら、私は、それもいいように思う。そういうことも考えられるのだったら、その協議会のメンバーに、やはり全国でいまそういう施設を経営しておる権威者の人たちがおるのです。県立のやつを委託されてやっておる法人、あるいは大木さんのように自分でやっておる人、そういう経験者がいますから、そういう人を協議会のメンバーに入れて、その運営についてやはり意見を聞いてやられたほうがよろしいと思うのです。これはなかなか初めてのことですから、非常に児童局長もたいへんな作業だと思うけれども、そういうやり方でひとつやってもらいたいと思います。ここで成功したら、ブロックごとに近畿、九州、東北、中国というふうにポイントをつくって、国営でそういうものを将来やる展望に立ってやってもらえるかどうかということをあわせて聞きたいと思うのです。
#26
○国務大臣(内田常雄君) 中村さんがいまお示しくださったような考え方がやはり私どもの心の中にもございまして、そこに弾力性を持ちながら、また、その道の斯界の御苦労なさった方々の経験も生かしながらと、こういうことでやるのがよろしいと思うわけであります。国の財産を提供したからといって国が一つの閉ざされた考え方の中でこれを運営するということよりもと、こういうふうに考えておるのでございます。
#27
○大橋和孝君 それから、先ほどちょっと話も出ておりましたが、愛知、大阪、北海道、長野、いろいろこのようなコロニーができておるわけでありますが、全体では、やはり二十近くあるように聞いておるわけであります。そうした地方公共団体などが行なっておるこの身体障害者コロニーの建設計画も、地方のものは国のものと比べてずいぶん小さいものだろうと思うわけでありますが、こういうものとの関連をどういうふうにしていくか、実態はどのように考えていられるのか。こういうようなことについて、いままでわかっているところを聞かしていただきたい。同時にまた、地方で行なわれているコロニーに対しては、もう少し国のほうから何か助成なりをして大きく育成しながら、この国の施設と相マッチするような方向に育成をしてもらわなければならぬと思うのですが、こういうことに対しては、どういうふうに配慮されるか。これに対してわかっている範囲において、また、将来の展望を含めてお答えをしておいていただきたいと思います。
#28
○政府委員(坂元貞一郎君) 大橋先生御存じのように、現在、各都道府県等のいわゆる地方コロニーという形態、こういう総合施設を計画し、あるいはもうすでに一部開所している県もございます。大体、お述べになりましたように、北海道、長野、愛知、大阪等はすでに一部開所しております。それ以外に十四くらいの県が現在私どものほうに計画の申し出を持ってきております。したがいまして、このような各都道府県単位ごとのいわゆる地方コロニーというものに対しましては、従来から、私どものほうも、既定予算の範囲内におきまして国庫補助金を一部出しております。それからまた、いわゆる年金の特別融資、そういうような形で過去ずっとお手伝いをしてきているところもあります。今後もこのような地方コロニーといわれるものをどういうような方針のもとで整備をはかっていくかという点につきましては、実は、私どものほうも中央児童福祉審議会に昨年から検討していただいております。そうして本年の一月に中央児童福祉審議会から、地方コロニーといわれるもののあり方、そういうものについての一応の考え方をちょうだいいたしておりますが、なお、この点につきましては、さらに本年度も引き続きまして、この地方コロニーというものをどういうような体系のもとにおいて将来推進してやったほうがいいかというようなことを含みまして審議会等において検討さしていただいて、その結果を待ちまして、地方コロニーというものについての考え方をまとめていきたいと、かように思っているわけでございます。
 それから、いわゆる国立のコロニーと地方のコロニーとの関連づけをどのようにするかということにつきましては、いろいろな考え方があろうかと思いますが、私どもとしましては、国立のコロニーは、法律案の中にも出ておりますように、収容施設等のほかに、研究施設あるいは養成訓練の施設等もあわせ持つことになっております。したがいまして、高崎に置かれます国立のコロニー等で、そのような各種の調査研究を今後精力的に進めることになろうかと思いますが、そのような調査研究の結果等を十分地方のコロニーとの間においてお互いに協調関係を持ちながら進めていきたいということが一点。それから養成訓練につきましても、同じくそのような考え方におきまして、国立コロニー等で養成された専門家の方を地方コロニーのほうにお手伝いさせるとか、あるいは地方コロニーのそういう専門職員の方を場合によっては国立のコロニーで研修していく、そういうようなことで国立と地方のコロニーの間のいろいろ関連を持たせていきたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#29
○大橋和孝君 地方団体が行なっております身体障害者コロニーでございますね。たとえば、これは愛知県の例をみましても、収容、保護、医療、教育、職業訓練、授産、研究相談、判定、研修、指導というような部面が機能の中で分かれておりますね。こういうような形でいろいろやられているのを見ますと、たとえば医療の中で病院というのはこれは医務局ですね。今度はその中で収容されているものは社会局の関係とか、児童局の関係とかいろいろ分かれておるわけですね。あるいはまた厚生省関係のものがあると思えば職訓なんかというものがあったり、文部省やら労働省が入ったり、いろいろと各省にわたっておるわけであります。こういうことに対して、いま地方ではやはり単独立法の制定というものを相当要望されておるような向きも強いようであります。こういうことから考えてみますと、今度の国の場合もそういうものがあるわけです。が、これは国のほうはまだやりやすいと思いますが、地方では、そういう点で非常に入りくんでおりますから運営上非常に困るわけです。そこで何かこうしたものに対して、国と地方というものをつないでいくならば、こういうコロニーで何かひとつ単独立法をこしらえて運営したほうが運営しやすいのではないかという声も相当強く私ども回っていって聞いたりしておりますが、こういう面について、政府は一体どういうふうに考えておりますか。国でりっぱなものをつくって地方に関連をつけていこうということでありますから、こういう構想をもう一ぺん明確にしておいたほうがいいと思う。地方にこれが二十余りできてくるとすれば、今後の運営において筋が通るのではないかと思いますが、こういう点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(内田常雄君) 私は、その話は初めて実は伺うお話でございまして、衆議院方面におきましては、身体障害者基本法をつくりたいというお話を承っておりますけれども、コロニーを横断的に一つの指導で結ぶというような意味からコロニー法というようなものをつくることにつきましては、いま大橋先生の御構想は初めて承ったわけであります。が、私は、局長にも申しておりまして、中央でこういうりっぱなものを確保し、また、地方でもすでに発足しておる地方コロニーでありますから、その間の人間の指導や交換もあるでしょうし、いま局一長から申しましたように、いろいろ連係があるわけでありますから、それらをひっくるめてコロニー協議会のようなものをつくって、そうしていろいろの経験や指導方針を交換したり、打ち立てたりということはぜひ必要だから考えてほしいということは、実は私が局長に述べているわけであります。コロニーを一本にしたコロニー立法のことにつきましても、これはきょうのお話でございますし、また、先覚者としての大橋さんの御提案でございますので、研究をいたすように進めてまいりたいと思います。
#31
○大橋和孝君 いまの問題は、もちろんそういうふうな協議会式のものでもできるだろうと思いますけれども、予算の面や運営の面でだいぶ違いますね。文部省や労働省あたり、いろいろのところにこれはどうしても相談しなければならないと思いますし、法的に確立したものをつくらないと、これは一本でできぬわけですから、何か協議会にお願いして立法化するまでに持っていかないと筋が通らないと思う。これは私だけの考えでありますから、法律云々ということもあるでしょうけれども、しかし、こういう地方のコロニーなんかの調査に行ったときの話でも、単独立法の要望はかなり強いようでございますので、局長あたりもずいぶん聞いておられるのと違いますか。その辺は一体どうなっておりますか。それからまた、こういう問題は、もう少し政府の中でいままででも考えられたのではないかと私は思って聞いてきましたが、いままで厚生省内部でこういう問題についてあまり考えられていないのでしょうか。これは三省か四省にまたがっての話でもありますので、厚生省だけでも言えないと思いますけれども、そういうことに対して具体化するような方法、見通しというものは何かありませんか、局長にお伺いいたします。
#32
○政府委員(坂元貞一郎君) ただいま大臣から申されましたように、いわゆるコロニー法案というような御意見が一部にあることは私自身承っております。これに対して、私どももそのような問題意識というものは従来から持っていたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、何ぶんにもまだコロニーというものについての施設体系あるいは入所者に対するいろいろな処遇の基本的な考え方、そういう点について、まだ私ども自身、実は確たる見通しを持ったところまで至っておりませんが、審議会等なりあるいは民間のそのような有識者等の方々の御意見をとくと承りまして、そしてやはり将来禍根を残さないように、この運営が合理的になされるようにやっていくということがやはり大事なことでございますので、そのようなコロニーのあり方、そういうものにつきまして、審議会等に鋭意研究なり、検討を進めていただいておりますので、その結論等を十分見まして、将来どうようにするかということについてはやはり相当真剣に考えてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#33
○大橋和孝君 それで、これからまだ審議会を通じてやられるということで、それは了解できることでございますけれども、私は、先ほどもちょっと申し上げましたが、この問題に決着が出ていないので同じような御答弁をいただいておるわけでございますが、この法律の運営の問題もそうでありましょう。それからまた、コロニーの問題も、先ほど申し上げましたように、基本方針はこうだ、将来こういうふうにしていくんだというものを持たないと、国のほうは、いままで二十七億出して発足して、来年の四月から発足するということでございますけれども、このコロニーに対しては、外国は別として、日本はこういう方針でいくんだ、こういう基本的なもの、また、同時にそれをやっていく上においては単独立法を考えてやっていくか、また、各省にまたがっているものをどこでまとめるか、まとめてどういうふうにするかという基本的なものをずっとやっていって、コロニーの全体の展望をこういうものにしていったらなるほどこういう困って立ちおくれておる重症、重症でなくてもおくれておるところの精神並びに身体の障害者、もろもろの人々のこれはほんとうにユートピアになるのだというものをここでもうやってもらいたいというのが気持ちなんですよ、いままでの質問の根幹は。いま審議会でやっていただいておるということは、いままで政府の言われる段階でございますけれども、もうひとつこの辺で審議会もあれをしてもらうし、あるいは各専門的な人にもいろいろ意見も聞いて一つの基本方針をきめて、コロニーというものは将来こういうふうにしてつくっていくんだというものを今年じゅうぐらいにつくりあげてもらいたい。もちろん厚生省が一番主体になってやってもらわなければならぬ。労働省とかあるいは文部省とかいうものはこれは末節だと思うわけでございますから、厚生省の中できちんとしたものをつくってもらって、その展望の中で、各省にまたがってやりにくいものはこういうふうにするとか、もうほんとうにそういう展望を立ててもらう時期ではないか、こう思うわけです。これに対して十分なものをやってもらいたい。それから先ほど申し上げました研究の部面でも、保障の面でもこういうふうにやっていくんだというものを三つぐらい立てて、日本では、こういう身体障害者に対してはこういうふうにやるんだというひとつ一ぺんりっぱなものをここでつくりあげてもらいたいということが念願であります。そのほか施設の運営についてこまかい質問をもう少しやりたいと思いますけれども、委員長から何かその質問はこの次にしておけと言われておりますので、その展望の点を大臣のほうからひとつここでハッパをかけていただいて、これだけのりっぱなコロニーがスタートするときでありますからして、これはこうだよということを世界的に示されるように、将来、計画的にこうやるんだというものを打ち立ててもらいたい。いままで二十七億振り込んで、これからまだまだ金を振り込んで国立のコロニーをつくるという意気込みは前向きの姿勢だと思うのです。これに花をつけて、欠陥のないように、よりりっぱなものにしてもらいたい。コロニーというものに対して身体障害者が非常に明るいものを持てるものをぱっと打ち出してもらいたいということが私の希望ですから、十分、大臣受けとめてもらいたい、こう思うわけです。
#34
○柏原ヤス君 大臣にお聞きしたいと思いますが、新経済社会発展計画というものが経済審議会から出ております。これを見ますとその中に「とくに経済発展に取り残されがちな老令者や心身障害者に対し、格段の配慮を払うものとする。」とか、「心身障害者、老人、母子世帯等の不適応階層に対する社会福祉施設については、とくに立ち遅れのいちじるしい現状にかんがみ、その拡充を計画期間中の急務とする。」と示されております。確かに、社会保障の中で最もおくれているこの心身障害児あるいは障害者に対する対策として、今後どのように充実強化していくお考えであるか、特に具体的に五カ年計画というものをお持ちであるかどうかお聞きいたします。
#35
○国務大臣(内田常雄君) ただいま柏原さんからの、今回、政府に経済審議会から答申がありました新経済発展計画の中において、仰せられるような社会福祉施策が今後の国の急務であるゆえんについて御意見や、お尋ねがございましたが、私は、今回の経済審議会の経済社会発展に関する新計画というものは、まことに達見であって、わが意を得たものであると考えます。でありますから、いずれ政府といたしまして、この審議会の答申を受けて閣議決定をされるわけでありますから、私は閣議の席でも、たいへんわが意を得た答申であるから、ぜひ、このまま期待をかけるのみならず、この社会保障等に関する分野においてはまことにもっともだから、政府としても大いにやるべきであるというような伏線くらいはつけて決定してほしいという意見を述べるつもりでございますので、この上ともひとつお激励をいただきたいと思います。
 なお、実はもう一歩突っ込んで申しますと、これは政府ではない、政府の付属機関でありまする経済審議会が作案して政府に答申をしたものでございますが、その審議会の中で実は、厚生省方面の問題に対して深い理解と関心を持っておられる方々に特にこの分野においては加わっていただいたり、また、私どものほうからこういうことに対します御注文も申し上げまして、その結果がこういうことでここに入ってまいったわけであります。これは当然のことで、経済がここまで成長いたしてまいりますと、これまで経済成長に伴ういわゆるひずみと申しますか、あるいは摩擦、あるいは経済成長いたしましたけれども、依然として谷間に置かれて残されておりまする部門に対しまして、経済成長の力を別に及ぼすことがこれからの政治の課題であり、また、私どもの当然の役目であると考えまして、注文をつけまして、このくらい強い文句を入れていただいた、打ち明けて申しますと、そういう次第でございますので、こういう御提言、御激励、特に社会福祉の分野においてはこれが出ますと、厚生省としましても非常にやりやすくなるわけでございますので、ぜひ、いままで以上の力を入れてまいる所存でございます。
#36
○柏原ヤス君 いまお聞きしましたのは、具体的に五カ年計画というようなことを大臣お考えになっているかどうかという点でございますが、その点いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(内田常雄君) この新経済社会発展計画そのものが、御承知のように、六カ年計画として出発しておりますから、ここにこういう文章を入れましたり、また幾つかの計画表なども経済発展計画の中に載っております。たとえば社会保障、社会福祉、あるいはまた私どものことばで言いますと、振替所得の伸び方は、この六カ年においてこうあるべきだというような、総合的計画はこの文章の本体に載っておりますので、それをもとといたしまして、それを母体といたしまして、私どものほうでは各般の計画を進めていますし、その中でも小さい分野におきまして、これはまたその中の一省一部門として六カ年計画をつくったほうがよろしいと思うものにつきましては、たとえば社会福祉の施設などがございますが、これは身体障害者の施設もございましょうし、あるいはこれから大きな課題になってまいります老人に対応する施設もございましょうし、保育所等々、児童に対する施設などもございます。そういうものは物理的な施設でありますから、これは新経済社会発展計画を具現するために、その分野における六カ年計画をつくったほうがいいと思いますものはつくってまいるつもりでございますが、たとえば年金の部門というようなことになりますと、これは年金が出発したばかりでございまして、まだ成熟してない段階において、つまり年金制度が実効をもたらしてない現在において六カ年計画をつくるということは、実態と沿わない面がございますので、そういう面は特に五カ年計画をつくらないで、この新経済社会発展計画において計画したそのものを厚生省の政策の鏡として、基本としてやってまいる、こういうことに相なると思います。
#38
○柏原ヤス君 重ねて申し上げるわけですが、抽象的なことで終わらずに、やはりここにありますように、その拡充を計画期間中の急務としている、しかも心身障害者ということを具体的に取り上げておりますが、こういう点については、ぜひ今後具体的な計画を示していただきたい。先ほどからのコロニーの問題も出ておりますが、建物は一応建てても、その基本体系というものはできてない。こういうことでは、結局、膨大な予算をとってつくったコロニーも、やはりその効果を十分にあらわさずに終わってしまうのじゃないか。また、先だって秩父学園を見てまいりました。その頭で考えてもおりますが、あれだけ有名な歴史と伝統を持った秩父学園が、現在、国立であるにもかかわらず、非常に情けないような内容であると私は見てまいりました。研究所もつくりたいと前々から考えられているのに、その研究所がいつできるかも見通しがついていない。また、職員の問題なども、いろいろな要望があってもそれが取り上げられていない。いままでも、こうした心身障害者に対する厚生省の態度も非常に冷たい。こう考えましたときに、もっと責任のある計画的なものをやはり立てていかなければ、月日がただ流れるばかりで、責任者の厚生省としても、ただ努力しますとか、考えておりますとかいう、そういうおざなりな態度で進んでいってしまうんじゃないか、こう思いますので、やはりちゃんとした五カ年なり六カ年の計画を立てることが着実に結果を出していく一つの大切な方法だと思いますので、そうした計画をぜひ立てていただきたい。こういうことを心からお願いするわけでございますが、大臣からもう少しそうした点で積極的な喜ばしい御返事をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#39
○国務大臣(内田常雄君) 柏原先生の御激励、まことに私どもありがたく思います。この心身障害者あるいは精薄者の施設なども、なかなか世の中の理解が得がたい時代もありましたが、最近は、おかげさまで高崎のコロニーをみんなが協力してできるような時代になってまいりましたのも、こういう社会福祉の活動に対する各方面からの理解が深まった結果であると思いまして、私どもも、非常に仕事がしやすくなってきているような情勢にあるわけでございます。そこへもってきて、今度の新経済社会発展計画というものが出されることになりましたので、これはまことにいい機会だということで、私どものほうで、いま先生が御指摘になったような社会保障の充実と、特に社会福祉部門の改善というようなことをよけいうたってくれということで、こっちからお願いをしてこういうものをつけていただいたということは、これは実は厚生省が批判されたり、叱られているのではなしに、私どもの熱意がここにあらわれたと、こういうことでございますので、どうかそれは御理解をいただきたいと思います。でありますから、せっかくこういう土台ができましたから、この中の部門でいろいろの部門があるわけでございますが、医療保険の部門もあれば年金の部門もあり、老人の部門もあり、児童福祉の部門もあり、またこうした心身障害者の部門もございますし、いろいろな分野がございますから、その中の分野で五カ年計画、六カ年計画が立ち得るものはもちろん立てまして、そうして政府の中でここまではもうやるのだと、先取りをするようにいろいろ画策をいたしてまいるつもりでございますので、どうぞそのことを御了承の上、この上ともひとつ御激励やら御協力をいただきたいと存じます。
#40
○柏原ヤス君 心身障害者、心身障害児の問題は、特に発生予防が大事である。この発生予防のためには母子保健法というものができておる、こういうお話でございますが、その母子保健法というものに対して少しお聞きしたい点がございます。
 これは昭和四十年に制定された法律で、当時この法律を諮問した社会保障制度審議会の答申の中で、「本案は、母子の健康確保の方向にわずかに一歩を踏み出したにすぎないものであって、各部面に未熟不備不徹底な点が多く、特に優生保護法との関係その他医学的に検討すべきものがあるが、今後ひきつづき改善を図ることを条件として了承する。」と、こう述べてございます。未熟不備、不徹底だ、こういうふうに答申されておりますが、政府はこの母子保健法を充実強化するために改正案を提出するお考えがあるかどうかお聞きいたします。
#41
○政府委員(坂元貞一郎君) 仰せのように、昭和四十年、母子保健法が制定されたわけでございますが、自来、今日までこの母子保健法というものが非常に当面の重大な施策として、厚生省としましては、力を入れてまいってきているわけでございます。そこで、心身障害の問題にいたしましても、先ほど来からお話がありますように、その基本は、やはり母子保健対策というものをもっともっと強化徹底する、これは当然のことでございます。私どもとしましても、この法律が制定されてより今日まで、この母子保健法に基づきます各種の施策というものを逐年充実し、向上さしてきているわけでございます。これは御存じのように、未熟児の養育医療にしましても、あるいは先天性の代謝異常児の医療給付の問題にしましても、あるいは特に健康診断というような問題につきましては、四十五年度予算等におきまして、相当大幅な飛躍的な拡大をはかったわけでございます。でありますので、やはりこの母子保健対策というものをもっともっと今後充実強化していくような基本線を今後も貫いてまいっていきたいと、かように思うわけでございます。いまお尋ねの母子保健法というものをもっともっと大局的な立場において、早急にこの法律改正をすべきじゃないかという御意見でございますが、私どもとしましては、やはり法律改正ということも大事でございますが、母子保健の各般にわたる諸施策というものをやはりもっともっと強化していくと、そして内容を充実していくということが一番当面の急務でございますので、そういうようなことも考えながら、法律改正の問題につきましては、今後の情勢の推移等を十分勘案して検討を重ねていきたい、かように思っているわけでございます。
#42
○柏原ヤス君 いまのお話で、いまある母子保健法というものを土台にしてその充実をはかってきたと、特に四十年以後今日まで努力し、充実をはかってきた点――特にこういう点はやってきたという点を少し聞かしていただきたいと思います。
#43
○政府委員(坂元貞一郎君) 先ほども申し上げましたように、現在の法律の中に盛られております各般の施策というのがあるわけでございますが、特に、その中で、私どもとしまして、一番重点を入れてきておりますのは、何といいましても妊産婦及び乳幼児等の健康診査の徹底管理でございます。この健康診査というものを妊娠中にもっともっと国民的基盤において、全国民的規模において徹底をしていくと、これがやはり母子保健の最大のポイントだろうと、かように考えまして、今日まで力を入れてきているわけでございます。
 それから、もう一つは、やはり発見されました異常児等につきまして早期に治療なり、療育を加えると、このことがやはり重要なことでございます。そういうことからしまして、未熟児等の養育医療なり、あるいは先天性代謝異常児の医療の給付なりというようなことを片方において強力に相進めているわけでございます。
 それからもう一つは、いわゆる妊産婦等に対する保健指導、こういうものにつきまして、いろいろな施策を今日まで逐年伸ばしてきている、こういうようなことがあるわけでございます。
 それからもう一つは、母子健康センターというような農村地域における重要な役割りを果たしている施設がございますが、このような施設というものを逐年数をふやしながら、その運営というものに全きを期するように改善を加えてきていると、こういうような点が母子保健対策のおもな内容でございます。ただ、それ以外にもちろん発生予防のための各般の研究、こういうものはこの母子保健対策の一環として、これまで力を入れて重点的に進めてきていると、こういう事情もあるわけでございます。
#44
○柏原ヤス君 いまお聞きしますと、こういう点、こういう点と列挙されて努力してきたとおっしゃっておりますが、健康診査なども、私は、努力してきたにしてはあまりにも現状が不十分じゃないか。母子健康センターのことについてもお聞きしようと思っておりますが、これなども決して努力されているとは思えません。そういう点は後ほどお聞きいたしますが、厚生省によってやる以外にないこうした問題はしっかりやっていただきたい、こういうふうに思うわけです。
 この答申の中に未熟不備、不徹底な点が多いと、こういうふうに出ておりますがどういう点が未熟で、不備で不徹底なのか、お考えになっている点を少しおっしゃっていただきたいと思います。
#45
○政府委員(坂元貞一郎君) この法律案を社会保障制度審議会に諮問いたしましたのは、御存じのように、昭和四十年でございます。したがいまして、自来五年間たっているわけでありまして、この五年間に、先ほど私申し上げましたように、諸種の改善なり、充実がはかられているわけでありますが、昭和四十年当時におきまして母子保健法をつくりました時点におきましては、確かにまだまだ法律の内容は、かりに整ったといたしましても、いま取り上げました健康診査等の問題につきましても、ごく一部の階層だけに健康診査を公費でめんどうを見るというような、そういうようなかっこうになっていたと思うのでございます。それが今日におきましては、特別な高額所得者を除きまして、大体全妊婦について公費で健康診査は実施する、こういうところまできているわけでありますが、そういう健康診査の問題、妊産婦、乳幼児等の保健指導、このような問題につきましても、当時、昭和四十年ごろにおきましては十分な予算措置もとられていなかった。したがいまして、そういう点がやはり不備だ、不十分だ、こういうふうに指摘された点であろうと、かように思っているわけでございます。
#46
○柏原ヤス君 わが党としましては、現在の母子保健法は非常に問題が多い、ぜひ改正案を必要とするものであるという立場から、先般、本委員会で改正案を提出いたしましたが、この点についてどうお考えになっておりますか。
#47
○政府委員(坂元貞一郎君) 先般の委員会で公明党の提案の母子保健法の一部を改正する法律案の提案理由を私も聞かしていただいたわけであります。この中に、現行の母子保健法にあります諸種の施策というものに対する大幅な国庫補助等を、いわゆる公費の負担等を入れるような形の法律案のようでございます。私どもとしましても、先ほど来から申し上げておりますように、母子保健事業の重要性にかんがみまして、母子保健の各般の御指摘になっている問題点については、内容を充実し、そして体系を整備していく、こういうような努力をいたしたい、従来もそのような努力をいたしてきたわけでありますが、今後もこの母子保健対策というものが非常に重要な問題点になっておるわけでありますので、そういうような方向で母子保健対策というものに力を入れていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#48
○柏原ヤス君 心身障害者及び心身障害児を考えますときに、予防対策というものをしなければ、これを積極的によいほうへ持っていく道はないと、こう考えます。中でも先天的な障害児として脳性麻痺の子供がたくさんおりますが、この原因を厚生省はどう考えていらっしゃるのでしょうか。
#49
○政府委員(坂元貞一郎君) 心身障害の発生の原因等につきましては、まだわが国の医学の現在の水準におきまして、解明されていない点が多分にあることは御承知のとおりでございます。したがいまして、私どもといたしましても、先ほど来お話が出ておりますように、そういう面の研究を鋭意進めてきているわけでありますが、御存じのように、心身障害の発生の原因としましては、いわゆる先天性のものが、遺伝を含めました先天性のものというのが一つございます。それから出産周辺期の障害によるものが第二のグループでございます。それからいわゆる後天性の障害によるもの、こういう三つの原因に分かれるかと思いますが、学者の間におきましては、遺伝性を含む先天性のものとして、大体障害児の三割ぐらいがこれに該当する。それから二番目の出産周辺期の障害によると言われるものが大体六割ぐらいだ。それから三番目の後天性の理由によるものが大体一割、こういうふうに言われる学者があるわけでありますが、いずれにいたしましても、この遺伝性を含む先天性の障害というものが大体三割前後、あるいはもっとあるかもしれませんが、そのようなものになっているということは当然推察されるわけでありますので、そういう先天性のもの、それから二番目の出産周辺期の障害、こういうところにほとんどの障害原因がかたまっているわけでありますんで、そういうようなところに今後焦点をしぼりまして、先ほど来の調査究明といいますか、研究体制を今後整備してまいりたい、かように思っているわけでございます。
#50
○柏原ヤス君 わが国の妊産婦や乳幼児の死亡率が、先進国に比べて非常に高いようですが、その実態はどうなっておりますでしょうか。また、死亡の原因は何であるかということをお聞きいたします。
#51
○政府委員(坂元貞一郎君) 妊産婦、乳幼児の死亡率のお尋ねでございますが、御案内のように、乳幼児の死亡率から申し上げますと、これは近年非常に著しく減少をいたしております。国際的に見ましても、やはり先進国と申しますか、いわゆる低死亡率の国々のところまでもう下がってきております。参考までに申し上げますと、日本の場合におきましては乳幼児死亡率出生千に対しまして一五・三%でございます。アメリカ等におきまは二一・七%、イギリスが一八.三%ということで、乳児の死亡率というものは、国際的に見ましても非常に低いところまで下がってきているということが言えるわけであります。
 それから妊産婦の死亡率につきましては、乳児死亡率と違いまして、残念ながら欧米諸国の先進国と比べましたら非常に高いということになっております。最近の傾向としては、少しずつ死亡率が低下してきておりますが、それにいたしましてもわが国の場合は、昭和四十年を基準にしますと、出生十万に対しまして八七・六%、アメリカが三一・六%、イギリスが一八%ということで、アメリカ、イギリス等から比べますと、非常に死亡率が高いところにあるわけでありますが、ただ、四十一年、四十二年、四十三年となりますと、逐次この妊産婦の死亡率は低下してきております。わずかずつではありますが、四十三年の場合は六七・五%というところまで低下してきておるわけであります。
 そこで、妊産婦の死亡率がこのように高い原因はいろいろいわれておりますが、やはり妊娠中毒症あるいは出血というようなところに大きな原因があるということが専門家の間にいわれているわけであります。そういう妊娠中毒症あるいは妊婦の糖尿病対策、こういうような点がこのような死亡率を高くしている有力な原因だということで、私どももこの母子保健対策の重要な一つの対策としまして、糖尿病なりあるいは妊娠中毒症の対策を従来からやってきていることは御承知のとおりでございます。
#52
○柏原ヤス君 妊産婦に対する救急対策がどのようになされているか。それがなされていれば、まだまだこの死亡率を低くすることができるのではないか。また出産周辺期にやはり心身障害者ができる原因があると、こういうように考えられますが、そうしたことを考えました上で、一例ではございますが、母子救急センターをつくってはどうか、こういう意見を持っておりますが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(坂元貞一郎君) 異常出産というものが非常に件数がたくさんあることも御承知のとおりでございますが、いま柏原先生御提案の、母子のそういう救急センターというような構想も一部にあるようでございます。私どもとしましても、従来からそういう構想に近い考え方でいろいろ検討を進めてきておりますが、まだまだ若干考え方が未熟な点もございますので、今後、こういうような救急センターというような点につきまして、さらに検討を進めまいりたい、かように思っているわけでございます。
 それから、恐縮でございますが、私先ほどの答弁で、妊産婦、乳児の死亡率の国際比較につきまして出生十万に対しまして八七・何%というふうにパーセントで申し上げましたが、これはすべて人数の間違いでございますので、訂正させていただきます。
#54
○柏原ヤス君 こうした母子救急センターのようなものをつくるということについて、厚生省としては積極的に今後研究もし、その実現をはかっていただきたいと思うわけでございます。
 次にお伺いしたいことは、これからつくるそういう母子救急センターのようなものは、今後の期待ですけれども、現在できております母子健康センター、これも先ほどのお話のように、努力してきたというその一つの点ではございますが、現在どのような現状になっておりますのでしょうか。
#55
○政府委員(坂元貞一郎君) 母子健康センターにつきましては、実は、母子保健法の中にも規定がございますが、その以前から予算的な措置を講じまして、昭和三十三年度からスタートをしてきているわけでございます。逐年、毎年増設をしてきておりまして、昭和四十四年度末におきましては、全国に五百六十カ所というようなところまできておりますが、これは法律にもございますように、市町村が経営設置の主体でございますので、そういうような母子保健事業のおくれているような市町村、分べん施設の利用の困難な市町村、そういうようなところを重点としまして、今後も毎年増設を計画的に進めていきたい、かように思っておるわけでございます。
#56
○柏原ヤス君 この必要数はどのくらいにお考えでしょうか。
#57
○政府委員(坂元貞一郎君) 実は、まだそういう長期的な必要数というようなものについて確たる資料を持っておりませんが、これは先ほど申しましたように、市町村が設置の主体でございますので、母子保健事業がおくれているというようなところを重点的に整備していっているわけでありますが、大体毎年三十カ所から四十カ所前後のものを新たにつくっておりますので、大体今後もそういうようなペースでいくということに相なろうかと思いますが、片一方、御存じのように、これは医療法によります助産所というような性格も持っているわけでありますので、そういう助産的な機能ということが非常に重要になってきております。いわゆる施設内分べんというものの普及率というものが非常に高まってきておりますので、大体最近の計数によりましても、八七%までが施設内分べんというような数字になっておりますので、この母子健康センターにつきましても、そういうような現実を踏まえまして、今後やはりある程度増設を進めていくと、こういうような必要があると考えているわけでございます。
#58
○柏原ヤス君 何年くらいで充実しようとしていらっしゃるか、こうした整備計画がおありであるかどうかお聞きいたします。
#59
○政府委員(坂元貞一郎君) 具体的な整備計画というのは実はまだ持っておりません。しかしながら、いま申しましたように、毎年三十カ所なり四十カ所程度のものが各市町村等においてつくられておりますので、そういうようなところを大体の目標にしまして、今後逐年ふやしていきたい、かように思っておるわけでございます。
#60
○柏原ヤス君 子供は毎年どんどん生まれてまいりますので、のんびりとやっていたのではやはり心身障害の問題は解決しない、こう思いますので、ぜひこういう健康センターもどんどんつくっていただきたい、こう念願いたします。
 この母子健康センターの運営の予算について調べてみますと、全然とられておりません。そういう点が円滑な実施がなされない一つの原因ではないかと思います。これはいかがでしょうか。
#61
○政府委員(坂元貞一郎君) 確かに、現在、母子健康センターにつきましては、整備費につきましてお手伝いをしているわけでありますが、いわゆる運営の経費等につきましては、昭和三十八年度から特別地方交付税によって若干のお手伝いをしている、こういう状況になっております。この一カ所当たりの単価でございますが、昭和四十三年度からは大体五十万円程度のものを交付税の計算の中に計上をしていると、こういうことに相なっております。
#62
○柏原ヤス君 母子保健法として国で制定したこの法律の中で、特にこういう点は努力していると厚生省でおっしゃっているその一つである母子健康センターというものは、やはりもっと運営費を義務づけてやらなければならないのではないか、国が補助金として出すべきではないか、こう思います。わが党としましても、その改正案の中に具体的に、国では十分の八、都道府県では十分の一、市町村で十分の一を負担するように明記しております。が、そのようにすべきではないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
#63
○政府委員(坂元貞一郎君) 母子健康センターの職務といいますか、役割りは、御存じのように、市町村における妊産婦なり乳幼児のいろいろな相談あるいは保健指導をやる一方、助産の施設というような機能を持っているわけでありますが、先ほど私申し上げました地方交付税、特別交付税の中で計上されておりますのは、この保健指導なり相談等の費用が一カ所当たり五十万円という計算で入っているわけであります。私どもとしましては、今後とも地方交付税のほうの単価というものを逐年やはり増額する方向で努力いたすべきだ、こういうふうに考えているわけでありますが、これを国庫補助の対象とするという点につきましては、やはり今後検討をいたしてみたいと、かように思っておりますが、何ぶんにもやはりこのような施設というものが片一方において助産の機能を持っておりますので、そういう助産の機能というものは、その面において一つの収入があるわけでありますから、そういうようなものもあわせ考えまして、国庫補助の対象にするかどうか慎重に検討を要する問題であると、かように思っているわけでございます。
#64
○柏原ヤス君 ぜひ国が補助金としてこれを出していくように厚生省としてがんばって、また実現をしていただきたいと、こういうふうに思います。
 次にお聞きしたいことは、健康診査の問題でございますが、この妊産婦、乳幼児の健康診査について昭和四十五年度の予算ではD1階層まで引き上げられましたが、大部分はこの健康診査に要する費用については自己負担になっております。これの対象をD1階層だけにするのではなくして、全部の妊産婦、乳幼児までに拡大してはどうか。わが党でもこれを主張しておりますが、厚生省としてはいかがでしょうか。
#65
○政府委員(坂元貞一郎君) 妊産婦の健康診査につきましては、従来から保健所において実施する分につきましては、大体全員無料で実施してきたわけであります。昭和四十四年度から保健所以外の一般の医療機関においてやります一般健康診査等につきましては、これは低所得者といいますか、ある階層以下の方々を対象にして実施してきておりますが、今年度、昭和四十五年度におきましてはこれを大幅に拡大いたしているわけであります。いまお述べになりましたように、D1というような階層までこれを拡大いたしておりますが、大体私どもの計算によりますと、D1階層までを公費でやるということになりますと、全妊婦の大体八割近く、七割五分から八割近くの方がこの対象に入るかと思います。したがいまして、七割五分なり八割程度の方がいわゆる公費で健康診査を受けられる、こういうようなところまで四十五年度予算におきまして増額をいたしたわけでありますので、今後とも、御指摘のように、妊産婦の健康診査というものがすべての問題の基本になるというような認識からいたしまして、この施設の充実につきまして努力をいたしたいと、かように思っているわけでございます。
#66
○柏原ヤス君 母子保健法の第十四条の「栄養の摂取に関する援助」について、これは努力規定になっております。この実態はどのようになっておりますでしょうか。
#67
○政府委員(坂元貞一郎君) 母子保健法の十四条にいいますところの栄養摂取に関する援助の規定は、確かに努力規定でございます。努力目標になっているわけでありますが、これにつきましては、昭和四十四年度から実施をいたしているわけでありまして、逐年対象人員というものもふえてきております。ちなみに申し上げますと、昭和四十年度におきましては一万六千人でございます。四十一年度におきましてはこれが八万一千人、四十二年度におきましては十三万五千人、四十三年度におきましては十六万九千人、大体こういうことで逐年対象人員というものもふやしてきておりますが、なかなかこの点につきましては、PR等が非常に大事でございますので、そういう趣旨の徹底というものが片一方において並行して進められる必要があるわけでありますが、いま申しましたように、予算的にも、また実績といたしましても、逐年ふえてきておると、こういう現状に相なっております。
#68
○柏原ヤス君 このいまのお示しになった数は全体の妊産婦の中の何%に当たっておりましょうか。
#69
○政府委員(坂元貞一郎君) 大体私どもの計算によりますと、六%くらいだろうと、こういうふうに思っております。
#70
○柏原ヤス君 母体の栄養障害が障害児が生まれる原因になっているということはやはり考えられる点でございます。そういう点から考えまして、やはりわが党の主張のように、全妊産婦、乳幼児に支給すべきではないかとこう思いますが、その点いかがでしょう。
#71
○政府委員(坂元貞一郎君) そのような目標をもちまして、従来からPRを片一方において精力的に進めながら、この栄養摂取の問題については私どもも努力を重ねてきております。今後といえども、できる限りこの栄養摂取の援助規定に該当する方々の対象をふやしていくように努力をいたしたい、かように思っております。
#72
○柏原ヤス君 せんだって、秩父学園その他の施設を見てまいりまして、特に問題があるなと思った点を少しお聞きしたいと思います。
 重症者のみを収容するところに働いておる職員は、精神的にも、肉体的にも非常な労働過重になっていると思われます。しかし、こうした人たちは非常に使命感に立って働いておりますので、希望を持たせてあげたい。その努力が結果にあらわれるようなそういう仕事になるようにするためには、いろいろくふうが必要だと思いますが、やはり重症者のみを収容するのではなくて、軽度の症状の者も一緒に収容するようにすべきであると思いますが、この点いかがでしょうか。
#73
○政府委員(坂元貞一郎君) 心身障害者の収容形態でありますが、確かに重度の方だけを収容するということと、それから重度と、そうでない中度なり軽度の方を一緒に収容するか、この点につきましては意見が分かれております。実は専門家の間でもどちらがいいか、これは一がいに断定はできないかと思いますが、職員の側からの立場と、それから中に入っておられますそういう対象の児童の立場、こういう両方の立場からこの問題は考えるべきじゃないかと、私どもはかように思っておりますが、重度の方だけを収容するにつきましては、いろいろまた問題点もございますし、また片一方重度の方と、中度なり軽度の方とを一緒に収容するということにつきましても、いろいろまた利害得失があるようでございますので、もう少しこの問題は研究を重ねていきたいというふうに考えておりますが、秩父学園等におきましては、確かに先生ごらんになっておられますように、やはりあすこは重度の精神薄弱児を対象にいたしておりますので、中で働いていただいております職員の方々もそれだけ非常に御苦労が多いわけでございます。でありますが、重度と軽度の方を混在するやり方がいいかどうか、これは一がいになかなか申しにくい点があろうかと思います。
#74
○柏原ヤス君 精薄児関係の職員である児童指導員の養成について全国でただ一カ所のこの秩父学園で、年間二十人が養成されているようでございました。これは非常に少ないと思ったわけです。聞いてみますと、入学希望者は百名ないし二百二十五名ぐらいある。こんなに希望者があるのにもっとふやせないものか、こういうふうに感じましたが、いかがでしょう。
#75
○政府委員(坂元貞一郎君) 秩父学園にございます養成所でございますが、御指摘のように、二十名を現在定員としてずっと今日まで養成をしてきております。ただ、これはいまお話しのように、保母なり指導員という方を対象にしてきておりますが、保母等につきましては、御承知のように、別に保母の養成機関というのがございますから、毎年毎年相当な養成所の卒業生もございます。問題は指導員等のグループの方でございますが、こういう方につきましては、確かに現在の二十名というのは希望者が非常に多いだけに、定員としては少ないということは言えるわけでございますので、これは今後努力をして、定員の増をはかっていきたい、かように思っております。
#76
○柏原ヤス君 聞いてみますと、宿舎の設備さえあえばもっととれるんだというようなお話でした。それで、こうした宿舎を建てるというようなことを厚生省でしていただければ、こういう問題ももっと前進していくんじゃないか。とにかく建物は予算で建てられましても、職員をしっかり養成しておかなければ問題は解決しないと、こう思います。宿舎を建てるというような問題について、何とか予算を組んで建てていただけたらと、こう思うわけでございます。この秩父学園の問題ばかりじゃなくて、もっと厚生省が本腰を入れて、むしろ独自の養成所をつくる必要があるのではないかというふうに考えております。この点いかがでしょう。
#77
○政府委員(坂元貞一郎君) 現状におきましては、確かに国立の養成所としましては、秩父学園の二十名だけでございます。そこで、先ほど来から御審議をいただいております国立の高崎にできますコロニーの場合に、そのような養成施設を実は設ける計画を持っております。したがいまして、高崎のほうにできますそういう養成施設というものをできるだけ早く開設をいたしまして、そういう方面の専門家の養成に当たりたい、かように思っているわけでございます。
#78
○柏原ヤス君 この児童指導員は、大学卒業後一年間の養成実施期間で卒業するそうでございますが、その間のインターンとしての待遇あるいは奨学資金を与えてあげたい、こう思いますが、こういう考えは、厚生省としてはお持ちでしょうかどうか。
#79
○政府委員(坂元貞一郎君) 指導員に関する限りは、そのような計画は現在のところ持っておりません。将来の研究課題といたしたいと、かように思っております。
#80
○柏原ヤス君 特殊な仕事でもあり、また今後どんどん養成をしなければならない。コロニーなどのりっぱな計画ができても、先ほどから申しておりますように、職員をしっかりつくっていくということがさらに大事な問題だと思いますので、こうした待遇、奨学資金を与えるというようなことは、大した人数でもないのですから、厚生省としてぜひやっていただきたい。また施設の宿舎をつくるその他研究所をつくるということは、すぐできなくても、通信教育などでその資格を与えるというようなことはできないものかどうか、この点はいかがでしょうか。
#81
○政府委員(坂元貞一郎君) 通信教育等の制度を導入する点でございますが、これは保母の場合も同じ問題かと思いますが、このような保母なり、指導員等の職員につきまして、通信教育というような考え方を入れるかどうか、この点については、従来からもいろいろ議論が行なわれております。専門家等の間におきましても、やはり資質を向上する、むしろ専門職というような身分を確立することが先決だと、もしそうだとすると、そのような通信教育等によって資格を得るということはいささか問題があるのじゃないか、こういうような御意見も片一方にありますが、また一方においては、保母なり、職員の方の絶対数が不足しているというような、そういう需給の問題からいたしまして、ある程度やはり数を多く、そのような職場に専門家の方を持ち込むようにするためには、ある程度通信教育等のような考え方を導入すべきじゃないかという意見と両方実はございますので、いま、これは私どものほうも研究をいたしておりますし、また審議会等においても一つの大きな研究課題として従来から検討をしていただいている、こういう状況になっております。
#82
○柏原ヤス君 職員の宿舎の問題ですが、現在はどのようになっておりますでしょう。
#83
○政府委員(坂元貞一郎君) お尋ねの趣旨がよく理解できませんが、このような心身障害者の施設等につきましては、設置主体が公立の場合もございますし、また民間立の場合もいろいろあるわけでございますので、国立の施設たとえばごらんいただきました秩父学園の場合等においては、宿舎を準備いたしているわけでありますが、あるいは宿舎が足らないというようなことで、六畳一間に二人ぐらい置いているというようなこともあるかもしれませんが、私どもとしましては、今回の国立のコロニーにつきましては、できる限り宿舎というものについて不自由を与えないようにということで、すべて個室というような形で、大体、保母、指導員等の方を含めまして八十八名分ぐらいの宿舎を実は個室としていま計画を進めている、かような事情でございます。
#84
○柏原ヤス君 確かに六畳一間に二人が原則となっているようですが、こういう仕事に携わっている職員が帰ってきて部屋に休む場合に、一間に二人いるということは、非常に人間関係がうまくいかない、こういうようなことでやめていくような人も多いということを聞きました。六畳に一人とかあるいは四畳半に一人とかいうような個室にこれは絶対すべきだと、コロニーなどの新しい施設にはそうしたことが取り上げられるようなお話でございますが、現在の秩父学園などは、そうした点は全く考えられてないということですが、ぜひこういう点も改めていただきたい。そうしたお考えがおありであるかどうか。新しいコロニーのほうはそういうふうにするというお話ですが、古いほうはどうなんでしょうか。
#85
○政府委員(坂元貞一郎君) 秩父学園等の場合は、いま申しましたような事情になっているようでございますので、職員の方の福利厚生施設というものを充実するというような観点からいたしまして、今後努力をいたしてみたいと、かように思っております。
#86
○柏原ヤス君 通常の病院などと異なって、精薄児の施設重症心身障害者などの施設においては、深夜勤務が必ず一部屋に二人ということになっておりますが、事実は二人になっておりません。これは非常に手が回らないばかりじゃなく、危険なことでもあると思うのです。これは早急に解決すべきではないか、こう思ってお聞きいたします。
#87
○政府委員(坂元貞一郎君) 心身障害児施設一般を通じまして、中で働いていただいておられる職員の方の処遇改善等につきましては、従来からもいろいろ努力をしておりますが、まだ十分なところまできておりません。したがいまして、今後といえどもこの職員の定数の増、それからまた職員の方々の各種の給与の改善、こういう点につきましては最大限の努力をいたすようにいたしたい、かように思っております。
#88
○柏原ヤス君 ぜひその努力を早く実らせていただきたい、こう念願するわけでございます。
 最後に、施設に入れない在宅の障害児、こういうものに対する対策はどうなっておりますでしょうか。
#89
○政府委員(坂元貞一郎君) 従来は、ややともいたしますと、施設収容ということが非常に重点になっているような批判を受けたわけでございますが、いま御質問のありました在宅者対策というものも、実は一方において非常に大きな比重を持っておる問題でございますし、今後、在宅者対策というものは、私どもも、施設収容と並行しながら重点的に内容を改善しながら整備をはかっていきたいと、かように思っているわけでございます。そこで、従来から在宅者対策としましては、いろいろ各方面にわたる施策というものを実施してきております。たとえば福祉事務所なり、保健所等の行政機関によりますいろいろな保健指導、こういうものも一つの柱として実施してきておりますし、それから特別児童扶養手当というような、いわゆる所得保障的な考え方の施策もとってきておりますし、また、先ほど来御質問がありました扶養保険制度というような制度も今年から実施をいたしているわけでございます。それからまた、いわゆる各種の相談員、こういうような相談員を逐年数をふやすなり、処遇を改善するなりいたしまして、相談員制度というものを充実してきておるわけでございます。特に、従来からいわゆるホームルパー――家庭奉仕員という制度をやってきておりますが、重度の障害児等につきまして、四十五年度新たにそういうホームヘルパーという家庭奉仕員の制度を予算化してきておりますので、こういうような方法を各般の問題として施策に具体化しながら、今後も在宅者対策というものは鋭意充実をはかっていきたいと、かように思っているわけでございます。
#90
○柏原ヤス君 そうした点を大いに努力していただきたいと思います。その具体的な問題として介護手当を支給するお考えはあるかどうか。また、ホームヘルパーの待遇はもっと改善すべきではないかと、こう思います。
#91
○政府委員(坂元貞一郎君) 介護手当ということになりますと、いま私申し上げましたように、特別児童扶養手当という制度がその中にかなり介護手当的な性格を持っておりますので、そういう制度がございますし、四十五年の十月からは、これが二千百円であったものが月額二千六百円に増額されるというような改善もいま国会に提案を申し上げております。
 それからホームヘルパーの給与と申しますか、手当でございますが、これも逐年改善をしてきております。毎年わずかずつではございますが、増額をしておるわけでございまして、今後もこのホームヘルパーの処遇につきましては努力を重ねていきたいと、かように思っております。
#92
○柏原ヤス君 質問は以上でございますが、こうした一番日の当たらないところに、そうして対策のおくれております心身障害者あるいは障害児の問題については、どうか厚生大臣も積極的に御努力いただいて、明るい子供たちの生活を特に念願します。
#93
○国務大臣(内田常雄君) 柏原先生からただいまはたいへんきめのこまかい御配慮や厚生省当局に対する御激励をいただきましたが、私は詳細に拝聴をいたしておりましたので、御希望が達せられますよう、私ども十分努力してまいりたいと思います。
#94
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめておきたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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