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1970/04/28 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第16号
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1970/04/28 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第16号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第16号
昭和四十五年四月二十八日(火曜日)
   午後一時二十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐野 芳雄君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                吉田忠三郎君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                黒木 利克君
                高田 浩運君
                玉置 和郎君
                徳永 正利君
                山下 春江君
                山本  杉君
                大橋 和孝君
                中村 英男君
                柏原 ヤス君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
   政府委員
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生省公衆衛生
       局長       村中 俊明君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省社会局長  伊部 英男君
       厚生省児童家庭
       局長       坂元貞一郎君
       厚生省年金局長  廣瀬 治郎君
       社会保険庁年金
       保険部長     穴山 徳夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○議案の撤回に関する件
○心身障害者福祉協会法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
四月二十四日本委員会に左の案件を付託された。
(予備審査のための付託は四月十六日)
 一、国民年金法等の一部を改正する法律案
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 この際、議案の撤回についておはかりいたします。
 先般、趣旨説明を聴取いたしました家内労働法案参(第四号)について、去る二十四日、発議者小平芳平君外一名から撤回要求が提出されました。
 発議者の要求どおり、これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(佐野芳雄君) 国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。内田厚生大臣。
#5
○国務大臣(内田常雄君) ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 国民年金制度につきましては、発足以来、逐年、その改善をはかり、昨年は厚生年金保険の改正とあわせて拠出制年金を中心とした制度全般にわたる大幅な改善を行なったところでありますが、現在の年金受給者の大部分は福祉年金受給者であり、福祉年金がこれら受給者の福祉に貢献している現状にかんがみ、本年も引き続き福祉年金の改善をはかる必要があると考えました。
 また、児童扶養手当制度及び特別児童扶養手当制度につきましても、逐年その内容の改善をはかってまいりましたが、支給の対象となる児童の福祉の向上をはかるためには、なおその内容の充実が望まれるところであります。
 今回の改正法案は、以上の趣旨にかんがみまして、福祉年金、児童扶養手当及び特別児童扶養手当につきまして、その額を引き上げるとともに、所得による支給制限の緩和をはろうとするものであります。
 以下、改正法案のおもな内容につきまして御説明を申し上げます。
 第一に年金額等の引き上げについてでありますが、国民年金につきましては、昭和四十五年十月分から老齢福祉年金を現行の月額千八百円から二千円に、障害福祉年金を月額二千九百円から三千百円に、母子福祉年金及び準母子福祉年金を月額二千四百円から二千六百円に、それぞれ月額二百円、年額二千四百円を引き上げることといたしております。
 次に、児童扶養手当につきましては、まず母子福祉年金との格差を是正するため、昭和四十五年九月分について児童一人の場合の手当の月額を現行二千百円から二千四百円に引き上げることとし、さらに翌月十月分から母子福祉年金の引き上げにあわせて月額二百円引き上げ、児童一人の場合は二千六百円にすることといたしております。
 また、特別児童扶養手当につきましては、児童扶養手当の額の引き上げにあわせてその月額を現行二千百円から、本年九月分については二千四百円に、翌十月分から二千六百円に引き上げることといたしております。
 第二に、所得による支給制限の緩和について申し上げます。
 母子福祉年金及び準母子福祉年金の受給権者本人の所得による支給制限の限度額を受給者の生活実態を考慮して本年五月分から扶養義務者の所得による支給制限の限度額並みに緩和することとしており、また、児童扶養手当及び特別児童扶養手当の受給者本人の所得による支給制限の限度額につきましても同様の緩和を行なうことといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに、御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(佐野芳雄君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(佐野芳雄君) 心身障害者福祉協会法案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○大橋和孝君 前回には中途であれしましたので、前回の質問に続いてひとつお伺いしたいと思います。
 コロニーと従来の収容施設ですね、特にその援護施策の違いはどこにあるのか。この間、その点についても質問しましたが、まだ明確になってないので、この差異はどう違うか。重度の者を入所させた場合には、具体的に言えばどのような社会との交流、接触をさせていけるのだろうかという点も明確になってませんので、この二点についてひとつ局長のお考えを伺いたい。
#9
○政府委員(坂元貞一郎君) 今回御提案申し上げておりますいわゆるコロニーという総合福祉施設につきましては、私どもとしましては、法律案の中にもございますように、「独立自活の困難な心身障害者」というものを保護指導するということが目的でございます。したがいまして、従来の児童福祉施設なりあるいは精神薄弱者施設との差異は、その社会復帰といいますか、社会的自立ということを目的としているかいなか、その点が大きな差異になろうかと思います。と申しますのは、従来の児童福祉施設等におきましては、いろいろな保護指導を施設内において加えておりますけれども、これはあくまでも社会復帰ということを目的といたしているわけでございます。ところが、今回のコロニーにおきましては、社会復帰が目的であるけれども、現実問題としては、重度なるがゆえになかなか独立自活が困難であると、いわば社会的自立が困難であるというような対象の人をここで保護指導すると、こういうことに相なるわけでございますので、在来の施設との大きな差異はその点にあろうかと、かように思うわけでございます。
 それから後段のほうの御質問につきまして、もし、そうだとすれば、このコロニーに入所する人たちを一般社会とどのようなふうにして関係づけていくのかということでありますが、私どもとしましては、なるほどそのような社会的な自立といいますか、社会復帰というのは、確かに現実問題として困難な対象者ではございますけれども、やはり一般社会と完全に隔絶されたというようなことに相なりますと、これは確かに問題があるわけでございます。したがいまして、このコロニーの運営というものは、絶えず一般社会との関係をよく洞察しながら、たとえば生活指導なりあるいは授産事業、そういうようなものを通じまして一般社会との交流というものをできる限り運用面においてはかっていくと、こういう配慮を今後加えていきたい。また、そうなければならぬのじゃないかと、私どもはかように思うわけでございます。
#10
○大橋和孝君 それで大体この区別がはっきりしてきたようでありますけれども、これはなかなか問題で、説明を聞いていると、なるほどそこに違いがあるなあということになりますけれども、しかし、社会の交流、接触というものを保つというのは、なかなかこれはもうどちらに重点をおくかということでだいぶ変わってくると思いますね。だから今度こしらえるコロニーの問題に対しては、私はこの間うちからずっと質疑をしている中でも、やはり基本的な態度とか、将来の展望とかいうものに対してまだ少しあいまいな点が多いのじゃないかというふうなことを実は心配をするわけであります。ですから、これはこの間質問したけれども、重ねてきょうもう一回この点を明らかにしていこうと思ったわけでありますが、通り一ぺんの――通り一ぺんと言っちゃちょっと失礼ですけれども、局長のいまの説明だけでは、まだその点が明確になっていない。そういう点をもう少し掘り下げて、今度のコロニーにこれだけの資本を入れていいものをつくってもらうというそのスタートですから、私は、前回の質問にも強調いたしましたように、いままでの援護施策というようなお座なりのものになっちゃいけない、そういうようなことが考えられる。案外いままでの援護施策の中でもやはり職業訓練もやったり、ある程度授産設備もやって、そしてもちろん社会復帰を願っておる中でも社会復帰できない人があったわけでありますから、そこで、今度はいまおっしゃるように特徴づけて、そういう人たちにも、社会との交流を保ちながら社会的な技能もつければ、運営もしていくのだということで、表面的にそれで一応筋が通っておるみたいですけれども、いままでの援護施策そのものから見てみますと、今度のものとの間には、もっともっと基本的にいろんな問題を分離し、明確にしておかないと、結局今度のつくってもらったものが非常に魂が入らないものになるんではないかという心配もあるわけです。それからまた、この中でやられていることが、運営のいかんによりますと、一つの何と申しますか、確立した一つの政策があって、悪いことばでいえば、そこにほうり込んで隔離をしていくんだということになっては、これはたいへんな問題ですから、これはもう少しいろいろ明確な答弁をいただきたいと思う。いまそれが無理にしても、私が二点について申し上げた問題は、将来の運営に非常に大きな問題点となるところでありますから、厚生省としては、もう少しそういうことについて、何というか、基本方針と申しますか、そういうことに対してひとつ思い切り明確にしていただきたい、こういうふうに思うわけです。これはもう大臣にお願いしておきたいと思います。
 それからこのコロニーの規模の問題、これもこの間ちょっとお話を申し上げたところでありますが、この千五百人収容という数字は、このコロニーの運営の観点から見まして、どの程度が適正であるかという検討から生まれた数字でありますか、その点をひとつお聞きしておきたいと思います。
#11
○政府委員(坂元貞一郎君) 私どもとしましては、わが国で初めてこういう大規模ないわゆるコロニーという形態の総合福祉施設をつくるわけでございますので、これまでの過程としまして、やはり諸外国の例なり、国内の各方面のこういう先覚者なり、有識者の方々の意見をやはり相当拝聴して、そしてしっかりした計画のもとにおいてコロニーを発足さしたいということで、先生御存じのように、これまでの間、いわゆるコロニー懇談会というようなものをつくりまして、そういう懇談会等において、このコロニーの規模というものがどのくらいが適切であるか、適当であるかということを、外国の例等も十分参考にしながら案をつくっていただいたわけでございます。その結果、結論として出てまいりましたのは、やはり施設の管理なりあるいは処遇の面等から見まして、一単位やはり三百人から五百人くらいのものを収容する、そうして数単位をつくり上げまして、一コロニーとしましては、大体千五百人程度のものがわが国においては最も適切な規模である、こういう結論をいただいたわけでございますので、そういうようなことを目標にしまして、このコロニーというもののいままで整備をはかっているわけでございます。
#12
○大橋和孝君 やはり私もそのように聞いておるわけでありますが、これもこの間少し触れましたが、この重症障害児対策の上から見まして、どれだけの人をこのコロニー形式で措置していくのか、こういう観点からはまだほとんど問題にならない数字ではなかろうか。将来、このコロニー形式による対策の入所数は、この間の質疑の中にも地方立で二十カ所近くあると言っておりましたんですが、国立、地方立を含めてどのくらいにするのが適当であると思っていられるのか。この間の質問の中では、重症の三割くらいが入所を希望しているんだというお話は聞いたんでありますが、それに対する予想だとか、見通し、こういうものはどういうふうに考えておられるか、これをひとつお聞きしておきたい。
#13
○政府委員(坂元貞一郎君) 前回の委員会でも、大臣から御答弁いただきましたように、私どもとしましては、今回、高崎郊外の国立のコロニーを、いわばモデル的に初めての経験としてつくるわけであります。したがいまして、いまお話しのように、各都道府県単位で地方のコロニーというものが計画されつつございますが、そういうような国立、地方コロニーも含めまして、今後コロニーというもをどのような方向に持っていくかにつきましては、実は私どもまだ的確なる計画を今日現在持っておりません。はなはだこれは申しわけないと思います。と申しますのは、先般も大臣からお答えいたしましたように、やはり一つの計画をいたす場合には、どうしても最初からあまりに欲ばった計画でものごとを進めるということよりも堅実にやっていく、しかも、わが国で初めてのこれはは例でございますんで、このお尋ねのコロニーの今後の運用の実績等を十分見ながら、また同時に、地方的なニードというものを十分勘案しながら、私どもとしましては、いまお尋ねの今後の総合的な計画というものを早急に立案をいたしたい。したがいまして、結論から申し上げますと、はなはだ申しわけありませんが、今日現在において、今後のあるべきコロニーの姿あるいはその計画、こういうものについては、実は私ども自身まだ案を持っておりません。今後、こういうコロニーの運用の実績なりあるいは各方面の御意見なり、そういうものを総合しまして、何らかそういうものを研究していただく場等をつくり上げながら、そういう総合的な将来の計画というものを早急にまとめていきたい、かように思っておるわけでございます。
#14
○大橋和孝君 次に、この施設の整備計画ですね。これに要する費用、これは四十五年度までには二十七億と報告を聞いておるわけでありますが、いままでの整備の状況はどれくらいになっているか。それから、さらに整備をこれから進めていくのでありましょうが、それについてはどれくらい費用がかかるのか。これはもうお話が済んでおるかもしれませんが、私、ちょっとこれを伺いたいと思います。
#15
○政府委員(坂元貞一郎君) 明年度の初めから五百五十人の者を対象として入所させるわけでありますが、もし、これをコロニー懇談会等の御意見のように、いわば最終目標としての千五百名というようなところまで持っていくということにいたしますならば、私どもの試算によりますと、大体六十億から七十億ぐらい総経費がかかるのじゃなかろうか、かように考えております。そのうち、すでに御存じのように、二十七億ぐらいはすでに予算化され、実施されているわけでありますが、大体そういうものを含めまして七十億近くの経費が必要じゃなかろうか、かように思っておるわけであります。
#16
○大橋和孝君 この施設に入所される対象者は、先ほど聞いたら重症なものだということでありますが、その範囲、それからまた入所者の処遇、方法、どういうふうに処遇されるか。この施設には、どのような特殊の職員をどの程度に配備する考えであるか。その職員の養成確保とか、処遇についてはどうお考えになるか。この入所、その人たちの処遇方法と、また、そこで働いていく人たちの様子を詳しく御説明いただきたいと思います。
#17
○政府委員(坂元貞一郎君) 五百五十名の方を当初入所いたさせますが、私どもとしましては、大体一つの基本的な考え方といたしましては、職員の数等は大体二対一、いわゆる入所者に対して職員が二対一の職員の割合ぐらいで今後職員の配置を考えていきたい、また職員の確保も考えていきたい、こういう考え方を持っております。したがいまして、これは四十六年度予算以降の問題になりますんで、そういうような基本線で今後予算の獲得に努力をいたしたい、かように思っているわけであります。
 それから入所者の処遇方法でございますが、これはやはりここに入ります方々の障害程度なり能力、年齢、そういうようなものをやはり総合して、その実情に合うような処遇方法というものがやはり基本であろうと、かように思うわけであります。そこで、具体的にはそういう能力なり、障害の程度等に応じまして日常の生活指導なりあるいは作業指導、こういうものを行なうと同時に、また、その能力に合致する人には、先ほどもちょっと申し上げましたように、生産活動といいますか、いわゆる授産事業、そういうようなものにも従事さしたいという計画を持っているわけでございます。
#18
○大橋和孝君 その職員の養成を確保するためには、どういうふうに考えているか。二対一となると相当な数じゃないか。それからまた、その職員にはどういう処遇をされるか、どの程度の処遇になるのか。
#19
○政府委員(坂元貞一郎君) 職員の方々の処遇というものがやはりこの施設を運営するについての一番のやはり基本問題だろうと、私どもはかように思います。中に入られるいわゆる入所者の処遇がうまくいくかどうか、やはりこれは職員の方々の働きぐあいいかんによるわけでありますので、こういうところで働いていただく職員の方の労働条件、勤務条件、それから給与、そういう万般の処遇につきましては、現在の社会福祉施設等で見られているよりも、もっと上位の処遇をいたしたい。少なくとも、従来、重度なりあるいは重症心身というようなところで働いておられる職員の方がおられますが、そういう職員の方とやはり遜色のないような、場合によりましたら、それ以上の処遇もせざるを得ない。こういうことも出てまいろうかと思いますので、一つの考え方としましては、そういう在来の重度なり、重症心身施設の職員の方と遜色のないように、あるいはそれ以上の処遇をしていく、こういうような基本線で臨みたいと思っております。
 それから、ここで働いていただく職員の方の確保でございますが、とりあえず明年度は五百五十人に対応する職員数が必要になりますが、この職員数の一部は、実は本年度中にいわば基幹要員的な方を入れる予定にしております、若干の方でありますが。そういう方は、各公立等からできるだけ交流という意味で割愛をしていただくということが一つと、それから明年度になりますと、いわゆる保母さん等につきましては、新卒の方が相当出てまいりますので、そういう新卒の方を相当入れまして、そして今年度中に入れます基幹要員のもとにおいて、いわゆる監督者的な立場の職員と、いわゆる初任者的な職員とをうまくチームワークを持たせながらやっていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#20
○大橋和孝君 いま局長の説明を聞くと、ちょっとびっくりするのですが、まず養成確保という面について、あちらからこちらから交流するということですが、いま、ほかで余っているのであれば交流もなるほどということでわかるわけですが、どこの施設でも人手がなくて困っている時期でございますね。これは、もしそういうふうなことを局長のほうで考えておられるとすると、少しぐらい割愛してもらうとしても、割愛できるような状態のところが相当あるわけですか。こういうことを一点聞いておきたい。
 それからもう一点、このコロニーでも養成するということは、この間の御説明の中でもありましたけれども、やはりこういう職員の養成というものはもっと抜本的に考えて、養成をすぐやれるようなかまえですね。もう少し増員するなり、あるいはまた、既存の教育機関があるわけですが、そういうところとも具体的にどういうふうにするかということなんかがなくてはいかぬのじゃないか。それと、いまの監督的な者と、それからいろいろな人と分けていかれることは、なるほどと私どもも納得がいくわけでありますが、それを割愛してもらうということになると、どういうところから割愛できるのか、私はちょっと了解に苦しむわけであります。
 それから処遇の問題は、それ以上に処遇するといわれるが、やはりこれは公務員のペースよりも何か特別のランクを考えられる意図があるのか。あるいはまた、今度のこれは特殊法人になられるわけですから、特殊法人ではどういうふうな形の給与規定を設けられるか。そういうようなことはもう具体的に考えておられるのかどうか。そういう点も伺っておかないと、これは通り一ぺんのより以上にするということでは、どうも納得いかないのですが、基本的にはそういうことも御配慮済みでしたらちょっと……。
#21
○政府委員(坂元貞一郎君) 明年度、四十六年度の五百五十名に対応する職員につきましては、私どもとしましては、できる限りいわゆる新卒の方方をとっていくということが一つの基本になろうかと思いますが、しかしながら、やはりこういう重度の方をお世話するわけでありますので、相当やはり熟練された方々がある程度やはり必要になってまいろうかと思いますので、そういう経験者の方は、私どもの例から言いますと、たとえば国立の施設等から一部交流というような意味も含みまして出していただくようにいま話し合いを進めております。もちろん大橋先生お尋ねのように、どこでも不足している職員でございますので、なかなかスムーズにはいかぬのじゃないかという御意見はよくわかるわけでありますが、私どもとしましては、今後、養成計画というものについてはこのコロニー自身も、法律案に書いてございますように、一つの養成機関を設けると、そしてそれを早急に発足させたいと思っておりますので、それまでの期間は、やはりいろいろなところからある程度協力をしていただくような方向で話を進めたい、かように思っております。
 それから職員のほうの給与面等の待遇でありますが、いま仰せのように、特殊法人でございますので、その点は国家公務員よりも給与ベースというのが高くなっております。すでに予算的にもそのような予算の計上をしております。大体一五%から二〇%近くの給与額になっております。国家公務員に比べまして、それだけ高いベースで予算を計上しておりますので、このような方向で、四十六年度以降も職員の給与面等についての処遇は、できる限り公務員よりも高いベースで事を運んでいくように努力をいたしたい。かように思っておるのでございます。
#22
○大橋和孝君 できるだけ早い機会にこのコロニーでも職員養成をするということ、これは非常によろしいと思いますが、これはもうスタートと同時にでなく、この職員養成ということはもっと先に考えなければいかぬ。本末が反対になっておるように思う。これから考えますということでは、もう職員確保にならないですね。それから私が一番心配しますのは、国がこういう施設のりっぱなものをつくるときには、いままでの国立の職員の中から熟練者を抜いてくるのだ、こういう考え方は、非常に安易な方法ではあろうと思うけれども、これは非常に混乱を来たすもとになると思うのですね。これはあなたもおっしゃるとおりに、特殊法人だから公務員ベースよりは一五%アップしておるから来い来いということになれば、これは非常に困ることになりますね。ですから、その基本的な考えがあるかということをいま強調しておる。もっと基本的にそういうような問題はいろいろ立てていかぬといかぬと思うわけです。それがないとよけいに混乱を起こすことにもなると思うので、そういうことをもう少し厚生省ではやってもらいたいという気持ちを初めから私は持ってこの質問をしておるわけであります。この問題についても、ひとつあとから大臣の御決意を聞こうと思うのですが、そういうことも含めてもっときちっとしたものを先につくってもらいたい。それからそれが他に悪影響を及ぼすようなことはさらさらないという基本的な問題をとらえておいてもらわないといけない。これはなかなかむずかしいことでありますけれども、少なくとも、国がこういう問題に取り組んでいく場合には、そういうことは非常に重大なことだと思うわけです。こういうことは聞いておるうちに出てくることですけれども、そこが非常に私は本末が転倒しておるように思えるので、今後、こういう問題に対しては、特に一ぺん厚生省では念を入れて基本的なものを考えてもらいたい。
 それからもう一つ、この前も少し触れましたけれども、もう一回伺っておきたいのですが、大体いまお話を承った中で、重度のものあるいは二重の重なったもの、こういうような重い人だけを入れるということでありますが、これは一番初めには、肢体不自由児の人たちもここに入れるものと期待しておりましたね。ですから、最近、私どもそいう方々から、除外されたという非常に不安を持っている人の話をよく聞くわけです。重度の人がまだたくさんいらっしゃるから、そういう方を入れられるということに対しては、私は、いささかもそれで間違っていないと思うし、いいと思うのでありますが、やはり肢体不自由の方でも、こういうふうなコロニー式なものを要望しておる。今度のこの施設の中にもそういう部面があるということで了解しておったわけでありますが、重症が先行してしまって、こういうものがはずされるということになって、非常にがっかりしている人がいろいろ陳情に来たりしているわけですね。ですから、これの経過なんかをもう少し具体的に説明してもらいたい。そして、今後こういう人たちに対してコロニー式のものを考えられるのかどうなのか、こういうことを伺っておきたい。
#23
○政府委員(坂元貞一郎君) 確かに、いま先生申されましたように、私どもが意見をちょうだいしましたコロニー懇談会等におきましては、重度の精薄、それから重度の肢体不自由、こういうものを両者それぞれ対象にいたすような結論を私どもいただいたわけでありますが、その後、私どもとしまして、千五百名というような答申の線で入所等を一斉にいたす場合は、いまお尋ねのような肢体不自由関係も当然対象になるかと思いますが、五百五十名という、いわば一部の対象者についてだけ解消をいたすということに相なったのは、やはり問題としましては重度精薄等の数が非常に多い。肢体不自由関係よりももっと重度精薄のほうの数が非常に多いというようなことが一つと、それからもう一つは、いわゆる肢体不自由につきましては、このような形のコロニーというような施設にほぼ終身に近い長期間の収容ということができるかどうか。確かに、まだごく一部の方面に少しこの点については意見の食い違いがあるようでございますので、そういうような点も考慮に入れまして、明年度は、いわゆる重度の精薄、それと精薄と肢体不自由の複合合併障害というものを対象にいたしまして、この重度肢体不自由につきましては、これからもう少し各方面の意見なり、また私ども自身もそこらを掘り下げて検討いたしてみまして、今後五百五十名を逐次ふやしていくわけでありますので、そういうようなときに、もし結論が一本にまとまりますならば、重度肢体関係もこの対象にしていくような方向で考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
#24
○大橋和孝君 これもひとつ十分配慮していただきたい問題点だと思うのです。
 それからもう一つちょっと伺っておきたいのは、この入所者一人に対して、運営費が月約五万円くらいかかる、こう聞いておるのでありますが、その中で父兄の負担が月六千四百五十円くらいの食費相当額というふうに言われているようであります。残りは全部国庫で負担するのであるかどうか、これをちょっと聞いておきたいと思います。
 それから、地方団体立のいわゆるコロニー、この公費の負担区分はどうなっておるか。この二点をちょっと聞かしてください。
#25
○政府委員(坂元貞一郎君) このコロニーといわれる総合福祉施設に入所される方々の費用負担につきましては、いま先生申されましたように、いわゆる食費に該当する費用だけを徴収をするというたてまえに相なっております。そこで、それ以外の食費を除いた費用はすべて公費負担ということに相なるわけでございます。その公費負担の負担割合は、国が十分の八、それから残りの十分の二は当該都道府県、こういうような負担割合になることになっております。
#26
○大橋和孝君 そうすると、地方の公共団体でも同じように考えられていいわけですね。やはり食費は負担をして、国が十分の八と、それから府県が十分の二と。それは地方の公共団体も同じなんですね、国と。
#27
○政府委員(坂元貞一郎君) いま申し上げました負担割合と同じ負担割合でございます。
#28
○大橋和孝君 私は、これは公費負担で国庫がやるように考えておったものですから………。その十分の二というのは、これは地方からここに入れた場合に、地方にそれをみな振り向けるわけですね。
#29
○政府委員(坂元貞一郎君) 在来の児童福祉施設等に入所される方のいわゆる費用問題につきましては、いわゆる措置費といっておりますが、委託される費用でございます。そういう費用は、大体押しなべて言いますと、かかった費用の十分の八は国が持つ、それから残りの十分の二は、ケース、ケースによって違いますが、十分の一を県が持って、残り十分の一を市町村が持つ。これは保育所等の場合でありますが、収容施設等の場合はそういうことで大体残りの十分の二は当該都道府県で費用を負担する、そういうようなかっこうになっているのでありまして、その十分の八を国のほうから当該都道府県のほうに交付している、こういうことになっているわけであります。
#30
○大橋和孝君 これは、今度のコロニーもそのようだと聞いたからいいのですが、やはり私がちょっと聞いているのでは、食費の負担分だけで、あとはみな国でやると、国のコロニーについてはそういうふうに聞いているのですが、間違いないですね。いまおっしゃったのは。もう一度念を押しておきます。
#31
○政府委員(坂元貞一郎君) 食費負担以外は全部国が持つということではございませんで、残りの十分の二は当該都道府県が負担する、こういうことに相なっておるわけであります。
#32
○大橋和孝君 それから本法案の第十六条の「役員及び職員の公務員たる性質」及び二十七条の「給与及び退職手当の支給の基準」を見てみますと、当然この協会の職員は在職期間について公務員との通算措置を考えられていいと思うのですが、この点はどうなっているのか。それからたとえば「こどもの国」なんかはもう通算されているのじゃないかと思いますが、この職員も通算されると解釈していいんでしょうか。
#33
○政府委員(坂元貞一郎君) この高崎につくります国立のコロニーの職員については、国家公務員等退職金の通算は、これは政令事項になっておりますので、したがいまして、この法律案がかりに成立しました後におきましては、至急私どもとしましては、国家公務員等退職手当法の施行令というようなものを改正をいたしまして、職員の退職金の通算ができるようにいたしたい、そういういま計画を進めているわけでございます。
 それから、関連しましてお尋ねの「こどもの国協会」の職員の場合は退職金の通算がなされておりません。これは当初発足いたしましたときに、実は国家公務員等と交流をするというような考え方が必ずしもなかったわけでございます。したがいまして、当時におきましては、民間の方が「こどもの国協会」の職員に大部分の方がなっているわけでありますので、そういうような必要性がなかったということで通算の措置をとっておりません。しかしながら、今後、もし国家公務員等の交流の必要性が出てまいりますならば、やはりいま申しましたように、政令等を改正いたしまして、通算措置というものは考えていくべきだと、かように思っているわけでございます。
#34
○大橋和孝君 これは同じような性格のものですから、ぜひとも通算措置をしてもらいたい。また、今度のコロニーに対しましてもそれがなかったらおかしいと、こういうふうに思いますから、通算措置は政令云々ではありましょうけれども、当然そういうふうにしてもらいたい。
 それからもう一つ、コロニーの性格から見まして、運営費に対する国の助成が必要だと思うのでありますが、これに対しましては、どのように考えておられるか。国から助成しなければこの施設はいけない。ところが出すというけれども、法文の上には助成費というもの、運営費なるものが法文化されておりませんね。この出資金のほうは法文化されているようでありますけれども、運営費のほうが出ていないように思うんですが、どういうふうなことになっておるのか、その点もあわせてひとつお聞きしたい。
#35
○政府委員(坂元貞一郎君) このコロニーの経常費というものは、先ほどもお話が出ましたように、いわゆる措置費収入でまかなうということになっております。したがいまして、措置費収入だけでこの経常費というのがまかない切れない場合も当然あろうかと思います。そのような場合には、いま御指摘のように、法律に明文の規定はございませんが、当然コロニーの性格からいいまして、と申しますのは、こういうコロニーでございますので、ほかに収益的な事業ができるわけでもございませんし、特定財源というような収入源もあるわけではございません。したがいまして、法律に明文の規定がなくても、私どもとしましては、当然国が必要な財政的な援助する、もし措置費収入でまかない切れないという場合は当然国がめんどうを見るべきだと、こういう当然の規定だということで、あえて法律の中に入れなかった次第でございます。
#36
○大橋和孝君 この法律の中に入っていないのは少し不確定だと私も思うわけでありますが、しかし、それが運営上から当然できるということであれば、あえてそれを追及しようという気持ちはございません。しかし、これは「こどもの国」のほうが通算されていないみたいに、この運営費が当然オーバーするだろうと考えられているものを、これが法文化されていないために、やはり措置費だけで圧迫されていくというふうな形があれば、非常にまたこれも筋が通らないことになるだろう。だから、これも先ほどからの私の考え方は一貫しているわけでありますが、こういうりっぱな施設を運営する場合においては、運営費のほうも、もう運営する前からオーバーして措置費だけではできないということがほぼ確定的だろうというふうに常識的に考えられるわけであります。そういう立場であれば、こういうことで法的にも処置できるのだというものも筋を通して考えておかれるほうが、この運営にはよりベターではないか、より確実性があるのではないか。また、そういうことに対する国民の信頼度も高まるのではないか。こういうことから考えましても、やはり私はこういうむずかしいまた重要な意味を持つ制度運営の面からすれば、やはりこの時期に少し考えておかなければならないのではないかと思うわけであります。
 最後に、大臣にお伺いします。いま、数点にわたって質疑の中でお願いをしておきましたが、こういう大事ないい施設でございますから、これにはもっと基本的にいろいろな問題を掘り下げて考えていただいて、それが他に悪い影響を及ぼしたり、あるいはそれがなかったために運営上にいろんな圧迫がされるような状態が起こったりしないように、ひとつできるだけ基本的な問題を解明して、これに対しては、万全の措置をとりながらりっぱなものをつくっていただきたい。先ほどからお話になっているように、必要人員に対してはどれだけの施設をしなければならぬか、それにはどういうふうに発展さしていくのだというプランも確立をして、身体障害者でも、重度の方にはそういう要望が非常に多いわけでありますから、このコロニーの将来の展望がうんと開けていくようにスタートからひとつやってもらいたいということの希望でありますので、最後に大臣の決意のほどを伺いまして私の質問は終わります。
#37
○国務大臣(内田常雄君) 先ほどから拝聴をいたしておりましたが、大橋先生のたいへんごりっぱなアドバイスでございまして、私は一々ごもっともであると思います。何しろこれは初めての試みでございまして、数年前から、必ずしも私ども厚生省だけの計画と申しますよりも、さらに広い範囲の方々のいろいろな御計画を厚生省はそのままお受けをしてこういうことになったわけでございまして、御承知のように、七十万坪以上の土地でございますので、将来は千五百人、二千人というような構想も当初からあったわけであります。しかし、何しろ初めてでございますので、御指摘がございました専門職員の充足でございますとか、あるいは他の施設との関係でございますとか、これらの問題につきましても、モデルケースとしてやってみないことには、一時に大計画を展開いたしましていろいろそごを来たしてもということで、一単位と申しますか、五百五十人の計画で出発しながら、いま御指摘のいろいろな問題につきましては、実際上の処理、また法律上、予算上、制度上の関係なども十分検討をいたしながら、今後、こういう施設に対する巨歩の第一歩としてこれを完成してまいる、そういう考えを持っておりますので、どうぞこの上ともよろしく御意見をお願いを申し上げます。
#38
○渋谷邦彦君 前回質疑の途中で中座をいたしましたので、質疑の内容についてつまびらかにしておりません。したがって、あるいは重複するところがあるかもしれませんし、その点できるだけ避けるつもりでいますが、もしそういう個所があれば、それははしょってお答えいただいてけっこうであります。
 初めにお伺いしたいことは、最も新しい統計の上での重度心身障害者、それから軽度心身障害者の実態がどうなっているか、それをお伺いしたいと思います。
#39
○政府委員(坂元貞一郎君) 最も新しい資料という御質問でございます。実は、私どもとしましては、精神薄弱あるいは身体障害等の心身障害者につきましての実態調査というものを五年ごとにやっているわけでございます。したがいまして、ごく新しいデータで申しますと、精神薄弱につきましては四十一年の調査がございます。それによりますと、大体、当時施設に入っておられる方を除きしまて、全国に四十八万四千七百人。そのうち、いわゆる重度に該当する方が十一万九千六百人、こういうふうに相なっております。それから身体障害児の方につきましては、実は四十年の実態調査がございます。ちょうどことしが身体障害者の実態調査の年になっておりますので、いま計画を進めておりますが、五年前の実態調査によりますと、身体障害者につきましては、十一万六千六百人というのが当時把握された数字でございまして、そのうち、いわゆる重度に該当する者が三万四千五百人こういうような数字に相なっているわけでございます。
#40
○渋谷邦彦君 ただいまの御説明によりますと、五年ごとに、実態の調査をおやりになるということでございますが、五年とされたその基準は、もちろんいろいろ理由がおありになろうと思うのですけれども、この点はいがでございましょうか。
#41
○政府委員(坂元貞一郎君) 別段の確たる理由はございませんが、政府のやはり責任においてやる実態調査でございまして、非常に各方面に御迷惑をかける点が多いわけであります。したがいまして、この種の調査等は、大体三年から五年ぐらいの間隔でやるということが普通の常識になっております。私どものほうのこの種の調査は実は五年ということで、五年おきに調査を実施している、こういうような次第であります。
#42
○渋谷邦彦君 いまのお話ですと、特段の理由はない、そうしますと、その間ふえているかもしれない。減っていればたいへんこれにこしたことはございませんけれども、当局としても、私から一々話をお聞きにならなくても十二分に御承知のとおりですね。とにかくこうした子供や、あるいはそういう人を持っている家族というのは非常に肩身の狭い思いをしなければならないという生活環境に置かれている。入院さしたい、あるいは相談もしたいといってもなかなかそれができない。やはりそういう実態というものが明らかであれば、前向きにこうした人たちに対する援助の手が差し伸べられていくチャンスが非常に多いんではないかという感じがするわけでございますけれども、この点、将来の課題として、一年というのはあまりにもせわしないし、いろんな条件がからみ合って事実上不可能かもしれませんけれども、せめて二年くらいおきにこの実態調査というものはできないものかどうか、この点いかがでございましょう。
#43
○政府委員(坂元貞一郎君) 実は、このような社会福祉関係の各種の調査というのは非常に数が多いわけでございます。たとえば私どもの局でいいますと、母子世帯の実態調査、それから要保育児童の実態調査、それから母子保健等の実態調査、各般の実態調査がございまして、そういうようなものを実はこう毎年ダブらないように、五年ごとの間隔で、毎年一つ二つの調査を実施いたしておる、こういう現況になっているわけでございます。したがいまして、調査自身も非常に複雑で、都道府県なり、市町村に御迷惑をかけますので、できる限り一年間にせいぜい一つか二つの調査を毎年やっていくということをいままで基本線にしてやってきておりますが、御指摘のように、今後五年という間隔をできるだけ縮めるという方向については、私どもも、そういう方向で検討してみたい、かように思うわけでございます。
#44
○渋谷邦彦君 くどいようですけれども、結局、いままでできなかったという理由については、いまお述べになった事情によるだろうと思いますが、ならば職員をふやせばできるのか、それともコンピューターを導入すればできるのか、こういう問題がやはり新しい一つの問題点として浮かび上がってきはしまいか。実態調査というのは、非常に将来のビジョンを定める上においても基本になるものではないかと思うわけでございますが、その点、これは大臣にも、基本の問題でございますのでひとつ御所見を承りたいと思うわけでございます。
#45
○国務大臣(内田常雄君) それは毎年でも、一年おきでもやれば一番その状況について正確な把握ができるわけでございますが、いま政府委員からお答え申し上げましたように、いろいろな調査ということを考えますと、なかなかそういうわけにもまいらぬ。また、コンピューター等に必ずしも適するようなそういう対象でもない。結局は、やはり地方公共団体等の手をわずらわさなければならないということを考えますと、簡易な調査ということでもありませんけれども、せっかくの御意向でございますので、その可能性につきましては、さらに検討いたしたいと思います。
#46
○渋谷邦彦君 それから、先ほどお述べいただきました昭和四十年度、四十一年度調査になったこの数字というものから現在の時点に立って見た場合に、あるいはふえているかもしれない。そこで、伺いたいことは、実際にこの実態をお調べになったときに、調査に漏れた数というものがあるんじゃないか、その辺の推定数というのはどのようにごらんになっているんでしょうか。
#47
○政府委員(坂元貞一郎君) このような種類の実態調査には、確かにいま御指摘のように、調査漏れというものがやはりある程度あることはやむを得ない実情だろうと思います。いかに精密な調査をしたといいましても調査漏れというのがございます。特に、このような精神薄弱なり、身体障害の調査というのは、これは、各地方公共団体の職員の方がそれぞれ家庭訪問しながら聞き込み調査等をやっているわけでございますので、十分な完全な調査というのが必ずしもできにくいという事情はあろうかと思いますので、これは四十年なり、四十一年の調査のときにもそうでございますが、一定の比率を設けまして、いわゆる誤差率と申しますか、そういうようなものをかけまして、いま先生お述べになりましたような調査漏れというものもある程度見ましたような数字で従来やってきておりますが、はたしてそれが正確なものであるかどうかは、ちょっと私どもも確実なことは申し上げにくいわけでございますが、そういう誤差率等を活用して調査漏れの数字もある程度入れている、こういうことになっているようでございます。
#48
○渋谷邦彦君 施設の問題について、いつも繰り返された議論でありますが、いま申されました数字というものは、要するに施設外に放置されている患者である、このように私承ったわけです。それだけでも約七十五万人ほどいるわけでございます。当然ホームヘルパーの活用等によって適宜できるだけのことはされておられるだろうと思いますけれども、しかし、先ほど申し上げましたように、こうした患者をかかえている家庭というものはきわめて陰惨である。やはり国としてつくられる施設なり、そうしたようなところへ収容することが最も望ましい。これが福祉国家の基本ではないか、こう思うわけでございますが、今回、新しい試みとしてコロニーが建設され、まことにけっこうだと思うのでありますが、将来、このコロニーのような規模のものをどのくらいいま予定としておつくりになっていくおつもりなのか。これは、当然、いろんな何カ年計画というものの中にビジョンの一つとしてお考えになっていらっしゃるだろうと思いますが、いままでは何か事が起こらなければやらない、これが従来の政治の姿勢であったろうと私は思うのです。けれども、今回こうしてとにかく積極的にコロニーを建設される、むしろおそきに失したかもしれませんけれども、そうしたことを踏まえて、今後どういうような方向に向かおうとしていらっしゃるのか。一応テストケースとして高崎につくられたコロニーがうまくいけば、それを十分新しい経験として生かしながらということもございましょう。しかし、やはり全国的に、たとえば数の面では早急にたくさんということは望むべくしてなかなか望み得ないということもございましょうが、そうしたことをからめて、たとえば五年先には、十年先にはどうするかということでございますが、この点いかがでございましょう。
#49
○国務大臣(内田常雄君) これはなかなかむずかしい問題でございます。大体、私が大臣としての記憶で大ざっぱなことしか申せませんが、これらの障害者は肢体不自由者、また視聴障害者、盲ろうあ、そうして精神薄弱者などございまして、それらの方々の収容施設並びに更生施設等を全部一緒にいたしましても千を欠いている、おそらく九百くらいだろうと思います。それにかりに百人弱くらいの方々を施設にお入れいたしたといたしましても、せいぜい施設に入っておられる方は七万人ないし九万人くらいだろうと思います。ところが、それに対する分母と申しますか、障害者の数は、さっき政府委員も申し述べ、また渋谷さんも繰り返されたように、七十何方とおっしゃいまししたが、あれは全体として私の記憶から言うと――政府委員の言うことを私が直しちゃおかしいですが、たとえば、身体障害者の中では子供の十一万何がしというものをあげておったんですが、十八歳以上のおとなの身体障害者を入れますと、身体障害者の数は百四、五万何ぼです。でありますから、全体といたしましては、いま言う盲ろうあ、視力障害者等も含めまして百五、六十万人あるわけでありますが、それに対していま収容されている人が七万人ないし九万人ぐらいだといたしますと、これではいくら家庭におって療養されている人もあるといたしましても足りな過ぎると思いますので、これは今度高崎のような総合施設をつくった場合におきましても、それぞれの障害の種類、障害の程度に応じまして、毎年国の予算による助成あるいは年金資金等の還元、また、公共団体等の資金によりましてそれぞれの施設をやってはおりますが、今度のような施設は、たびたび申し上げますように、全くパイロットプランになります。これは同じようなものを地方公共団体もやりたいということを述べておりますが、ある程度長期にわたってここに収容して一つの社会を持たせるというような構想でございますから、いままでの個々の施設とはいささか趣を異にするわけであります。ですから、これを年次計画でどうするかということは、やはり今度の五百五十人の高崎の計画を軌道に乗せて見て、これならばいけると、この福祉協会がお立てになります方針が千五百人、二千人計画としても、高崎には余地があるわけでありますから、これでやりますとか、あるいは関西でありますとか、その他の地域に第二次、第三次の施設をこの協会が経営するというような方法をとりますとか、さらに公共団体自身が自分のほうの計画としてやりたいというものも幾つか頭を出しておりますので、それらをどういう姿で助成していくかというようなことを考える場合に、ただ頭の上で、私が申しましたような数字をつかんでも、大ざっぱでどういう計画をするかということには至らないように思いますので、まことに恐縮でございますが、これは今度新しい施設ですから、高崎の経験というものをしばらく見させていただいて、その上で全体としての長期計画をつくらしていただくのがいいのではないかと私は考えております。
#50
○渋谷邦彦君 いずれにしても七十人に一人ということはたいへんな数なんですね。ほかにも肺結核だとか、ガンだとか、そういう病人を入れますと何万人に一人というような勘定にもなるような御答弁を伺いながら、これは人ごとじゃない、大問題だと、こうしみじみ思ったわけです。いわんや肢体不自由だとか、心身障害ということになりますと、これは一人前の社会人としての機能というのは全くないわけでございますから、当然やはり万難を排して施設の強化拡充というものにつとめていただきたいことはもう言うまでもない。大臣としても相当の御決意をお持ちになっていらっしゃるだろうと、こう思います。
 そこで、ちょっと他と比較して、日本の現状というものがどう実はおくれをとっているのかということを知りたいために、これから御質問するわけですが、これはむしろ資料としてあらかじめ私がちょうだいしておけばよかったのかもしれませんが、時間がなくて間に合いませんのでここでお尋ねをいたします。
 世界各国と比較をして、コロニーという問題だけに限定して考えてみた場合に、大体何年ぐらいのおくれが日本としてはあるのか。それから、最も模範的にコロニーの運営というものがなされている国々においては、おそらくそういうところでも十分完ぺきとまでいかなくても、完全に近い収容というものをやって福祉施設としての機能というものを十二分に発揮していると、こういうこともあり得るのではないか。その辺を、こまかく必要ございませんので、代表的な国柄との比較を通しまして、日本の現在おくれている社会福祉の問題をより浮きぼりにしてまいりたいものだと、こう思いますので、その点、現在、そこにお持ちになっている御資料の中からでけっこうでございますので、お答えをいただきたい。
#51
○政府委員(坂元貞一郎君) 私どもの入手しております外国の例等についての資料によりますと、
 一番外国におきましてコロニーといわれている典型的なものとしましては、西ドイツの「ベーテルの家」というのがあるわけでありますが、これは
 一八六七年に創設しているようでございます。これはもちろん民営でやっているようであります。大体四千五百人ぐらいの規模のものであるようであります。それから、アメリカの場合は、州で経営しております「セントラル・ウィスコンシン・コロニー」というのがございます。これはやはり世界的に著名なコロニーの一つとしてあげられているわけでありますが、これは一九六〇年に開所しているようでございます。これも大体千二百六十八名ぐらいの収容者を入れているようであります。大体、外国の例で西ドイツなり、アメリカ等のコロニーが一番ティピカルな例だと、しかも大体他の模範となるようなコロニーだというふうにいわれているわけでありますので、そういうようなコロニーにつきましては、いま申し上げましたような一八六七年あるいは一九六〇年ごろにできている、こういう事情に相なっているようでございます。
#52
○渋谷邦彦君 ドイツの例は別といたしましても、アメリカが非常に最近ということから比較をいたしますと、日本もそうおくれてはいないと、こう認識してよろしいのでございましょうか。
#53
○政府委員(坂元貞一郎君) 諸外国の場合は、アメリカ、西ドイツ以外にいろいろの国でコロニー形態の総合施設をやっているようでございますが、いろいろ開所の年次はもっと古いのもあるようでありますし、また、アメリカのように、一九〇〇年代になってから開所しているところもあるようでありますが、いま先生申されましたように、アメリカの「セントラル・ウィスコンシン・コロニー」というものはごく最近開所したようでありますので、そういう点からだけ言いますと、わが国においては、大体十年から二十年くらいのおくれじゃなかろうかと、こういうふうに考えております。
#54
○渋谷邦彦君 そこで、今回設立されます高崎のコロニーでございます。いまおっしゃられたような諸外国のこと等もこれありでございますが、十分やはり参考になさったと思うのですが、どこらあたりを水準といいましょうか、基準にされていらっしゃいましょうか。規模あるいは収容能力その他いろいろな施設の関係等もおありになると思いますが……。
#55
○政府委員(坂元貞一郎君) 一番典型的な例としましては、先ほどあげました西ドイツの「ベーテルの家」であるわけでありますが、これにつきましては、いま申しましたように、四千五百人ぐらいの対象者が入っているわけであります。非常に広大な地域にあるようでありまして、なかなか専門家の一部には、このような広大な地域に、しかもこれだけの多数の収容者を入れるという、ことは、日本の場合は必ずしも見習うべき点じゃないのじゃないか、非常に施設の運営、管理がむずかしいということが指摘されているようでございますので、私どもとしましては、アメリカの千二百六十八名ぐらいの「セントラル・ウィスコンシン・コロニー」というようなものが大体日本の現状からいったら近い例じゃないか、このようなことからいたしまして、こういうものを頭に描きながら実はコロニー懇談会でも案をつくっていただいた、こういうことになっているようでございます。
#56
○渋谷邦彦君 いずれにしても、決して世界の水準にそう見劣りがしないというものがあるわけでありますので、われわれとしても、今後の運営管理というものについては十分期待してまいりたいと、こう思うわけでありますが、一方、先ほども質疑の中にございましたように、きわめて日本全体から見た場合に、既設の収容施設が非常に足りない。やはりこれも並行的に推進する必要が当然考えられる。また、患者によっては、むしろそのほうが適切な救護といいますか、それができるというようなことが想定されるわけであります。この点、もちろんコロニーができたから、すぐそれに準じて何もかもコロニーにしちゃうんだということにはまだまだ相当大きな抵抗等もあるわけでありますけれども、いま申し上げたような単独の施設をこれからやはり相当数つくっていかなければならない、こう思いますので、その辺、あるいは前にもお伺いしているかと思いますけれども、現在の時点においてどういう御計画をお立てになっていらっしゃるのか。もしできれば、やはり重度、軽度というふうに種類別に分けていただければ、私のほうとしてはたいへんわかりがいいと思いますので、御発表できる段階であればお述べになっていただきたい。こう思います。
#57
○政府委員(坂元貞一郎君) 心身障害児・者の施設等につきましては、先ほど大臣からもお答えいたされましたように、現在六万七千人くらいの方が収容されているわけでありますが、それに対しまして、そういうような心身障害児・者の数というものは、先ほどもお答えいたしましたように、非常に多いわけでございます。私どもとしましては、まだまだ収容施設に入所させる必要のある方が相当残っているということは当然なことでございますので、従来から施設整備等の予算は毎年毎年増大をしておりますが、なかなかまかない切れないぐらいに各都道府県なり、市町村からの要望が高いわけであります。そこで、今後このような施設の整備計画というものをどういうふうにしてやっていくかという点につきましては、実は先ほど申し上げましたように、実態調査というものがやはり一つのきめ手になるわけでありますので、本年度に身体障害関係の実態調査をやる予定にしております。そういう実態調査との関係をにらみながら、片一方、いろいろ今後の社会情勢の変化、そういうものも一つのファクターとして考えていく必要があるわけでありますので、私ども、役所の内部において検討は進めておりますが、また、広く各方面の御意見等も聞かなきゃならぬわけでありますので、たまたま私どものほうの関係の社会福祉審議会等でこの施設の整備計画等を含めて施設の職員の養成、確保、こういう総合的な問題を昨年から検討をしていただいている最中でございます。したがいまして、実態調査との関係をにらみながら、できるだけ早急にこういう施設の今後の長期的展望に立った整備計画をつくり上げていきたい、かように考えているわけでございます。
#58
○渋谷邦彦君 そこで、当該局としてもたいへん熱意を持って将来ともこの問題に取り組まれるであろうと思いますけれども、次の年度においては、そうした施設の整備をはかるために、現在設定されております予算のどのくらい大体確保されるおつもりなのか。それによって大体の見通しというものがある程度定まってくるように思うわけです。そこらあたりを聞けば、相当真剣に取り組んでいらっしゃるということもうかがわれるのではないか。間もなく、八月になりますと次年度の予算編成が行なわれますんで、十分そこら辺も踏まえていただきたい、こう思うわけであります。
#59
○国務大臣(内田常雄君) 昭和四十四年度は、施設整備費のこれは補助金でございます、国の四十三億円ということで、毎年せいぜい四、五億円くらいしかふえませんでしたが、昭和四十五年度は五十三億円、これは実は大臣折衝でずいぶん私ががんばりましたので、やっと五十三億円になりました。でありますから、これはひとつ何とか等比級数的に来年度はふやしたいと思いますので、今年十億円ふやしましたから、等比級数なら二十億円と、こういうことになるわけでもございますが、この間ちょっと私の私案みたいなことで、これは案までいっていませんが、私の腹の中でどっかにあることでございますが、厚生省の仕事というものは、財政、お金の問題が許されるならばそれで半分ぐらいは片づく問題が多いと思います。いまの施設の問題、ところがこの一兆一千何百億というお金を取るのがやっとこでございまして、なかなか国の予算も、御承知のように一三・九%ぐらいになるわけでございますが、なかなか取れない。そこでひとつ私に、この社会福祉施設の拡充のために、長いこととは申しませんが、五年間ぐらい社会福祉協力税のような税金をひとつ厚生大臣に取らしていただけないか、これは印紙か何か張ることにして、今日物品税とか、お酒とか、たばことかいうものの税金があるわけでございます。お薬のほうはあまり税金がないようでございますけれども、それを大衆薬でも印紙を張っていただくということにいたしまして、そうして場合によってはもう脱税おかまいなし、物を売るときに、最後のところで社会福祉協力税というものを、高い税金じゃなしに、千分の一とか二とかいうものを印紙を張ることによって取らしていただくというようなことで、これを五年間取らしていただければ、私は、渋谷先生がいまお尋ねのようなことは非常に進んで、西欧並みにこぎつけられるような気がいたします。ところが、いまの特別税とか、あるいはその他の今度は自動車に対する特別目的税を取るとか取らぬとかいうことでなかなか解決いたしませんので、私がそういうことを申しましても、それはひとつよろしいというようなことで、内閣ですか、大蔵省ですか、厚生省の中に税金の局を置いてくださるようなわけにはまいらぬので、なかなかできないと思いますが、高福祉、高負担というようなことも、今度の新経済発展計画の中にはございますので、何かやはりそういう納めたくない人は、おれは収入印紙は要らぬと、こういうことでけっこうなんですから、一種の社会福祉寄付金税といったようなものでもよろしゅうございます。一歩進めると協力税、さらに進めると特別税ということになるわけでございますがね、何かそういうことでもひとつ厚生大臣にやらしていただけなければ、渋谷先生から御配慮いただきましても、来年何百億ひとつ厚生省は大蔵省から予算を社会福祉整備のために取ってまいりますということには、正直のところなかなかまいりませんので、ぜひひとつ皆さんのほうから、おまえの考えは悪くないということで、一度ひとつお教えや御鞭撻いただきたいと、こうもひとつまじめに、どっかでいつかはいたしてまいろうというふうに実は思っておるようなところでございます。
#60
○渋谷邦彦君 確かに金のかかることは厚生省が一番であろうかと思います。いまお述べになったお考えについては、けさの新聞にも発表がなされたようであります。ただ、願わくば高福祉、高負担もけっこうでございましょうが、しかし、それが医療費の値上げだとか、保険料の値上げの隠れみのになならないように、この点だけは重々に御注意いただきたいと思うわけでございます。いずれにせよ、高度経済成長を今日までうたい文句として、確かに著しく経済成長がなし遂げられたわけでありますが、その半面にまだまだこうした問題の未解決というものが残されている。これがほんとうに経済発展している姿なんだろうかと、こう思わざるを得ないわけでございますので、その着想をどういうふうに具体的におまとめになるのかわかりませんけれども、ひとつ国民に要するに負担にならない範囲でもって、それが効果的な成果をあげ得られるものがあるならば、ひとつ大臣の手で進めてもらいたいものだなと、こういうふうに感想を織りまぜて御要望申し上げておきたいと思います。
 次にお尋ねいたしたいことは、これもしばしば議論されてきたことでありますけれども、せっかくこうした種類の施設等ができましても、やはりこれに従事する方々の確保、養成あるいはその身分の保障、生活の保障というのが最大の問題点ではなかろうかと、こう思います。先ほどもそうした意味の御質問があったようであります。実際、施設に現在収容されている人数、それに対応するところのいわゆる従事者ですね、職員。看護婦等を含めたいわゆる職員の方々の数というのは、厚生省からいただいたこの資料に基づきましても、もう絶対量は全然足りない。はたしてこれから一年先、二年先ということを考え、その患者の数がふえるのではなかろうかということを前提に考えてみた場合、これは焼け石に水ではないのか。これは相当強力な、抜本的な対策を講じない限りは難事中の難事でないか、こういうふうに思います。そういうことが議論になるたびごとに、政府当局としても、あれやこれや思いをめぐらしていらっしゃるであろうと思いますけれども、事、命を預かる立場に置かれている職員ということになりますと、だれもかれもというわけにまいりません。一体、どういう計画のもとにこれから五年先、十年先の見通しを立てられておやりになるのか。ちょうだいしましたこの心身障害者福祉協会法案に関する参考資料、この中にも明記されているわけですが、そういう養成だとか、育成だとかというものは掲げられてありますけれども、これはあくまでも項目でありまして、じゃ、具体的にはどうなされていくか。これを再確認の意味でもう一度明確にお答えをいただきたいものだ、こう思います。
#61
○政府委員(坂元貞一郎君) 私どもののほうで各種の施設をお世話しておるわけでありますが、こういう児童施設あるいは社会福祉施設を通じまして一番問題点は、いま先生お述べになりましたように、職員の養成確保でございます。その中で、やはり何といいましても、現実にそういう子供さん等をお世話する保母さん等でございますが、この保母さん等の養成確保ということにつきましては、逐年、私どもとしましては、養成施設というものの数をふやしてきております。それから、養成の定員数というものもふやしてきておりますし、それからまた、片一方、修学資金というような制度でやってきておるわけでありますが、一方、保母試験等の合格者というものも毎年毎年あるわけでありますが、そういうようなものを含めまして、保母さんの資格をとる方は大体毎年二万人ぐらいでございますが、ただ、残念ながら二万人の方が全部このような児童福祉施設等に就職されるわけではございませんので、私どもの過去の計算によりますと、最近は五割程度ぐらいまでふえてきておりますが、以前は保母の資格をとられた方のうち三割、四割程度の者が現実にこのような施設で働いていただいているわけでありますので、私どもとしましては、何としましても、今後このような保母の資格者というものがより多く児童福祉施設等で働いていただくようにするためには、やはり保母さんの給与を含めました社会的な評価というものをもう少し高めるということがやはり先決でございます。
 それからもう一つは、これは看護婦さん等の場合も同じかと思いますが、潜在的なそういう資格者、いわゆる潜在保母といわれるような方々をできるだけ職場に復帰していただくように何らかの形で対策を考えなければいかぬのじゃないか、そういうようなことを実はいろいろ役所の中で考えておるわけでありますが、なかなか現実問題としましてうまくいかないという面が多いわけでありますけれども、今後ともそのような形で保母さん等の数をできるだけふやしていくと、その前提条件としましては、保母さんの給与、待遇というものをもっともっと高くしていく、そういうような方策を今後真剣に考えていきたい、かように思うわけでございます。
#62
○渋谷邦彦君 確かにそのとおりだと思うのですが、先ほどの御答弁の中でも、たとえば給与だけで一切が解決する問題ではございませんけれども、現在の公務員よりも若干上回った給与基準というものを設けて待遇の改善をはかっていけばという趣旨のことをお述べになっていたわけなんであります。少しというのはどれくらいの程度なのか私どもにはわかりませんけれども、私は一つの提案として、少なくとも最低五割増しぐらいは必要じゃないかと思うのです。局長も御承知のとおり、あの施設で働く保母さんというのは、それはもう言語に絶する苦労であります。しかも、もうこちらの思うことができないという、そういう環境の中にああいう子供たちを保護するわけでございますので、それだけでもたいへんな苦労だと思うのでございます。よほど使命感というものを持ってその仕事に携わるような人でなければつとまらない仕事だと思いますね。ですから、そのくらいの給与体系は当然設けてしかるべきじゃないか、これが第一点。
 それから第二点としては、やはりその方々が自分の将来の人生というものを考えてみた場合、やはりいろいろなことを覚えもしたい、習いもしたいという、そのためのやはり厚生施設というようなものも当然考えてあげる必要があるのじゃないか。少なくとも、私がいままでそうした施設を拝見してみた感想では、全然それができてないのです。それはできておるところもございましょうが、もうおざなりの程度でございまして、人手が足りないために休暇もとれない、そういう施設があっても利用できない、自分が休暇をとれば今度ほかの人にそのしわ寄せがいってしまうというような勤務状況では、これは必ずしも給料だけではやっていけない。やはりそこには労働条件の改善というものがなされなければなりませんし、それも結局は職員の数によってきまっていく問題ではないかという点が指摘されるわけでございます。したがって、それを補う一環として、いまの問題についてもお答えをいただきたいと思いますが、それを補う一環として現在看護婦の養成学校等がございます。そうしたものに並行的にということをいま申し上げることはどうかと思うのでありますけれども、高校進学をしたいけれども家庭の事情等でどうしてもいけない、やむなく社会人になる子供たちも相当数にのぼるわけであります。そこで、そうした将来に夢を抱いているような、特にまたこうした仕事に将来ともにささげていきたい――ささげるということもどうかと思うのでありますけれども、やっていきたいという希望の向きの子弟については、やはりそういう学校というものをつくってあげて、ある程度の義務年限というものを課していくならば、これもある程度かもしれませんけれども、何とかその辺が調整できはしないかと、これはしろうと的な考えでございますので、そうだと断定するわけにはまいりません。この辺の私が申し上げた意見に対しまして、当局としても重々検討してきた課題だけにいろいろなお考え方がおありになるだろうと思いますので、その御見解を伺っておきたいと思います。
#63
○政府委員(坂元貞一郎君) 第一点のコロニーで働く方の職員の給与水準でございますが、これは先ほどもちょっとお答えいたしましたように、国家公務員よりも、大体一五%程度の高い水準の給与を予算に計上しておりますが、これ以外に、たとえば国家公務員等にございます調整額、調整号俸というような制度を今後活用いたしまして、実質的に国家公務員よりもずっとまた給与の水準が高まるように今後努力をいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 それから第二の点は、福利厚生施設という点につきましては、これは私どもも全く同感でございまして、やはり給与のほかに、そのような職場環境、勤務のもろもろの条件というものを今後やはり相当改善していくということがこれからの大きな課題であることは申すまでもございません。したがいまして、今回のコロニー等におきましても、職員の住宅等につきましては最大限の実は配慮をいたしているわけでございます。大体、個室等を予定してございます。それから、たとえばいわゆるレクリエーション的な考え方を入れた文化センターというような、そういう娯楽センターみたいなものをあそこの中に計画をしてございます。そういうようなことをいろいろ考えながらこの福利厚生施設、職場環境の改善というようなものを配慮していきたい、こういうふうに考えております。
 それから、最後にお述べになりました、保母さんなら保母さん等についての需給の関係等からいって、何か専門のそういう特殊の学校等をつくるとか、何かそういう新しい施策を考える必要があるのじゃないかと、まことに私どもも同意見でございまして、何かここらでひとつ従来の方向以上の新しい施策を考えないと、なかなか保母さんの養成確保というものが間に合わないということで、実は、昨年からこれも私どものほうの審議会で、そういう保母さんの需給関係等を勘案した養成確保の方策というものを実は検討していただいております。それで、ことしの初めごろ、大体一つの考え方というものが出てきておりますが、ただ、これにつきましてはいろいろな見方がございます。つまり保母さんというものを今後ほんとうの意味の社会福祉の専門職にしていくという考え方、そうなりますと、どうしてもこれはある程度の高い教育水準というものがそこに要請されます。その結果、いわば現実の保母の需給の逼迫、こういうことからいいますと、必ずしも間に合わない、こういうようなことがあります。ちょうど看護婦さんについて現在起きているような、そういうような問題点というのは保母さんの場合もあるわけでございますが、何とかして需給の逼迫ということを最大の眼目に置いて、保母さんというものの確保というものは、もっともっと新しい方策というのを考え直すべきじゃないかという強い指示をしばしば大臣からいただいておりますので、実は、審議会等にも早急に、そういうような両論がありながらも一つの方策をまとめていただくようにお願いをいたしておるわけでございますが、しかし、なかなか事が教育制度自体にもはね返っていく問題でもございますので、簡単にあるいはできないかもしれませんが、大臣からも非常に熱意を持って指示していただいておりますので、私どもも、そういう方向で、この保母さんの養成確保の問題については、今後新しい一つのアイデアを盛り込んでいきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#64
○渋谷邦彦君 いずれにしても、その職場で働く人たちが生きがいを感ずる、魅力のある職場であると同時に、やっている仕事あるいは立場というものが相当オーソライズされたものである、こういうことでなければ、やはり笛吹けど踊らずというようなことになりかねないと私は思います。せっかくそういう点でいま取り組んでおられるそうでございますから、今後にどういう成果があがるかを期待して待ちたいと、こう思うわけであります。
 かてて加えて、このホームヘルパーの問題も、先回の委員会で質疑されたのでありますけれども、身分的な保障といいますか、そういういろいろなことが確立されていない。そういうところにも、在宅の患者を見回ったりあるいは相談相手になってあげたりする場合に、何となく魅力のない仕事じゃないかというおそれを抱くわけであります。こういった方々が社会的な立場の上に立っても非常に権威を持っているというような方向にやはり位置づけをしていっていただきたいものだというふうに、切に希望するわけであります。
 時間もだいぶ迫ったようでありますので、最後に要望として、せっかく当局としても、こうした画期的なものをおつくりになった以上は、当初の精神にのっとって、そうして運営管理というものがみごとな成果をおさめていくように万全のひとつ努力を払っていただく。特に人事の問題等をめぐって、とかくこうしたものが膠着状態におちいって、また、そういうはね返りというものが収容されている人たちあるいはその家族に及ぶということになりますと、まことにうまくないことになりかねない。そういうことがしばしばございます。せっかくいい制度をつくっても、初めはいいけれどもだんだん、膠着いたしまして、当初の精神から全く逸脱した方向に行きかねないということもございますので、特に運営面に当たられる理事長以下の一どういう方が選ばれるか私はわかりませんけれども、やはりこの種の事業には相当の熱意と、また使命感を持たれた方が当たられるに違いないと、こう思っておりますので、そうしたこともあわせ踏まえて所期の目的を達成していただきたい。このことを御希望申し上げておきます。
 それに対して最後に大臣から御決意を伺って私の質問を終わりにしたいと、こう思います。
#65
○国務大臣(内田常雄君) いろいろ渋谷先生から御助言をいただきましてありがとうございました。おっしゃることは一々私ども心にかけて、これから解決をしなければならないことでございますので、また、いろいろ御協力をいただきながら、私どもも、この問題と真剣に取り組んでりっぱな前進をしてまいりたいと考えるものでございます。
#66
○中沢伊登子君 この前からきょうにかけてずいぶん各方面から、各観点から質問が繰り返されてまいりまして、私も実は用意した質問の大半を皆さんがもう質問してくださった。こういう中で、ほとんどの質問が重なるようなことでございますので、そこら辺は省きまして、二、三点御質問を申し上げたいと考えます。
 大体、今日までの身障者の対策、そういうものは身障者の生きる権利を完全に保障しているとは言えなかったような状態でございますけれども、厚生省は、今日までその疾患の治療に、あるいは収容施設の経済援助においおい力を尽くしてこられたことは、たいへん私どもこれを多としております。そうしてまた、社会的に関心もますます高まってきております中で、今度初めて計画としてコロニーの建設に着手されたことは大きな期待を持たれておるかと思います。そのコロニーの建設総工費七十億円が見込まれておりますが、その中で四十五年度までの予算は二十七億円。これくらいの膨大な予算が注ぎ込まれております中で基本計画と現状との違い、こういうようなことは行政としてずさんではなかろうかと、このように私質問申し上げようと思って実は質問を書いておったわけでありますけれども、先ほどからのいろいろ御質問の中で御答弁がありましたので、これは割愛させていただきたいと思います。
 こういうコロニーのようなものをつくっていただくことはまことに画期的な、たいへんよいことだと私ども思いますけれども、もういまできてしまった障害児あるいは障害者、こういうものも施設をつくってどんどん収容していかなければならないかと思いますけれども、障害児が生まれない状態、つまり発生予防にこれからは同時に力を尽くしていくべきではなかろうかと、このように考えるわけであります。新経済発展計画の中で、わが国は心身障害児の問題がおくれておるというように指摘をしておられますけれども、これは母子一体の体系のもとで、母子保健対策として進めていかなければならないと考えます。わが国の妊産婦の死亡率はいまだに高率であり、乳幼児の死亡率あるいは栄養状態も、まだまだ世界各国の水準から見れば相当に低位にあります。そのような調査がいままで五年ごとに行なわれておりましたが、これをもっと早い周期に改めることはできないものかどうか。そうすればもっとこの身障児が生まれてくる予防になったりあるいはいろいろな点で早く改善できるのではないか、このように考えますが、その点はいかがでございますか。
#67
○政府委員(坂元貞一郎君) 先ほども渋谷先生の御質問にお答えいたしましたわけでありますが、身障児の発生予防につきましては、いま御指摘のように、やはり母子保健対策というのが最大の重点でございます。そういうような母子保健対策をやるにつきましても、やはり実態調査というものが大切になるわけであります。従来からいろいろな実態調査もやっておりますが、五年間隔ぐらいのところでやっております。したがいまして、今後、こういうような実態調査というものをもう少し間隔を縮めてやるべきじゃないかという御意見でございますので、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、これはもう少し研究をさせていただきたい。と申しますのは、各種の実態調査というものが実は局にもございますが、省全体にもございますので、そういうようなものとの調整というものが当然必要になりますので、できる限り調整をして、もし間隔が縮められるなら間隔を縮めていく方向で前進をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#68
○中沢伊登子君 同時に、妊産婦の死亡率あるいは乳児の死亡率、栄養の状態等の今度は地域の格差が依然として縮小されてないように思います。それは地域における保健所の役割りあるいはまた母子健康センターの役割りも非常に大きなものがあると思います。特に、保健所は地域における公衆衛生行政の総合的の第一線機関でありますけれども、その行政内容に全面的に再検討を加えるべきときにきているような感じがいたしますが、保健所の当面の課題はどのようなものか、あるいは将来の展望をどのように考えていらっしゃるか、御答弁をいただきたいと思います。
#69
○政府委員(村中俊明君) 現在、保健所法に示されます保健所の行なっております事業は、項目にいたしますと十一ございます。いろいろお話の出ております母子保健あるいは結核、栄養、環境衛生、そういったものを含めまして十一ございますが、この十一の項目にさらに最近精神衛生問題あるいは公害問題、さらに食生活の問題、こういうふうな、経済発展に伴いましてあるいは生活環境の変化に伴いまして新しい問題が提起されていることは、ただいま御指摘のとおりでございまして、限られた人と制度でこれをどういうふうな形で処理していくかということが当面する問題であります。幸い先般おきめいただきました予算の中で、保健所問題の検討費が二百数十万ついております。これを活用いたしまして、学識経験者あるいは行政関係者、こういった方々による懇談会をつくりまして、ただいまのような現状の問題点と将来の課題に対する方向などについての意見を伺って私どもの考え方をまとめていきたい、こう存じております。
#70
○中沢伊登子君 特に、精神衛生の面あるいは公害、食生活の問題、こういうようなものが最近いろいろと問題が起こっておりますから、ほんとうに新しい高度な業務になるような感じがいたします。それにしても、先ほどからいろいろ職員の充足の問題について質疑が再三繰り返されておりましたけれども、私は、保健所の職員の充足率も十分ではないと思います。特に、健康診査等があれだけの人数で十分に行なえるかどうか。保健所の分担している仕事あるいは任務、窓口もほんとうに幅が広いようでございますから、保健所を充実するためには保健所法の改正をしなければならないのではないか、このように考えるわけであります。保健婦さんの充足率などというのは、昭和四十一年のときから七〇%に満たず、昭和四十二年でも六七・七%、四十三年度でも六八%しかない。こういう中ですから、この辺でひとつ保健所法を改正をする意思はございませんか。
#71
○政府委員(村中俊明君) ただいま御説明を申し上げましたように、確かに御指摘のとおり、現在の保健所の仕事の運営の中には幾つかの突き当たった壁があるわけでございます。この問題を解決するために、もう一点は、これらの環境条件あるいは経済条件の変化によって今後、保健所がそれに応じていくための将来を見た一つのあるべき姿というふうな問題もからんでまいりますと、私ども、現在の保健所のあり方についての再検討というのは、御指摘のとおりに必要だと思う。そういうことで、先ほど御説明申し上げましたように、話し合いの場をつくりまして、そこで十分意見を聞いて将来のあり方を考えてみたい。その中に、ただいま御指摘のような、法改正という問題点が出るか、あるいは改正しなければ事業が進められないというふうな問題もあるいは出てくるかもしれません。今後、これは懇談会を持ちながら御検討いただく過程の中に出てくる事柄と考えております。
#72
○中沢伊登子君 最近、人口が都市に集中をしております。一方では、農山漁村が過疎地域になっているわけです。そういうところでお医者さんというものが足りない。こういうことで、保健所が果たす役割りというのは非常に大きいものがあると思いますので、その点十分検討をされて、できることならば保健所法を改正して、地域の人たちにほんとうに十分保健所としての役割りを果たしていただきたい、この点要望を申し上げたいと思います。
 それからもう一つ、保健所の問題と同時に、今度は母子保健法も改正する必要があると私は考えます。そうして母子保健対策を充実せねばならないと考えます。それは、先ほど申し上げましたように、心身障害児の発生予防のためにもこの問題が必要になってくるのではないかと思いますが、いかがでございますか。
#73
○政府委員(坂元貞一郎君) 母子保健対策の重要なことは申すまでもないわけでございます。昭和四十一年に現行の母子保健法が制定されて今日まで、各方面にわたりまして、この法律に基づく施策あるいは実際上の行政指導等で母子保健の対策を逐年伸ばしてきております。未熟児対策にしましても、あるいは先天性の代謝異常の問題につきましても、あるいは妊産婦等のいわゆる糖尿病対策なり、妊娠中毒症等の対策につきましても、いろいろ各般の施策を講じまして、逐年充実強化をはかってきているわけでございますが、確かに今後の社会情勢の変動というものを考慮に入れた場合に、現行の母子保健法というものについて、いろいろ不備な点あるいは拡充すべき点がまだまだ問題点として残っていることは、御指摘のとおりでございますので、私どもとしましては、施策を拡充することと相並行しながら、この母子保健対策というものを基本的に今後どういう方向に持っていったほうがいいか、そういう基本問題の検討を進めてまいりたい。そういう際に、この法律改正が必要であるということになりますならば、当然法律の改正をいたすような方向で、今後ものごとを考えていきたい、かように思っておるわけでございます。
#74
○中沢伊登子君 それから、もう一つ母子健康センターというものがございます。この母子健康センターの目的の中にも保健指導と助産指導というものがございますが、保健指導のほうにだけ国民健康保険のほうから特別地方交付税として五十万円が出ておるように拝見をいたしますが、この母子健康センターの保健指導のほうでも同じように人手不足なのではないかと思います。また、最近の出産というのは、大体病院に入られるものですから、そこで助産婦というものが非常に不足いたしております。その助産婦の養成確保はどのようにしておられるか、その二点について質問いたします。
#75
○政府委員(坂元貞一郎君) 前段のほうの御質問にお答えいたしますと、確かに母子健康センターというものが、いま先生お述べになりましたような目的で制度ができましてから相当期間がたっているわけでございますが、今日、全国に約五百六十カ所の母子健康センターというものがつくられておるわけでございます。これにつきましては、いまお述べになりましたように、設備費のほうにつきましては、国庫補助等の制度があるわけであります。運営費等につきましては、地方交付税交付金のほうから五十万円見当のものが出ておりますが、そういうようなことで、この運営がなかなか困難な面も地域によってあるようでございます。確かに助産婦等の数が足らぬとか、嘱託医師の数が不足しておる、特に産婦人科の医師が不足しているというような事情もありまして、地域によっては経営が十分円滑にいっていないところもあるようでございますので、私どもとしましては、今後、母子健康センターというものをどういうふうにするか、一つの検討時期にきているんじゃなかろうか、こういうふうな問題意識のもとで、現在いろいろな方面の御意見なり、あるいは実際にやっておられる市町村等の御意見等をいまお聞きして、これから何か方向転換するか、あるいは従来のままで内容を拡充していくか、それらについてひとつ考え方をまとめてみたい、こういうふうに思っているわけでございます。
#76
○中沢伊登子君 その母子健康センターが全国に五百六十カ所ぐらいある、こういうふうなお話でしたが、まだこれはもつとつくっていかれるお考えでございますか。大体どのくらいあればまあまあという程度になれるものか、その辺おわかりでしたら………。
#77
○政府委員(坂元貞一郎君) 大体、ここ数年は、年間平均しますと、三十カ所から四十カ所、そこらのところで増設をはかってきておりますが、今後、このような母子健康センターをふやしていくか、もしふやすならばどの程度ふやしていくかという点は、いま申しましたように、少し検討をいたしてみたいと思っておりますが、当初の計画では、大体全国に千五百カ所くらいを目標にした計画が一応各市町村から出てきていたようでございますが、ところが、いま申しましたように、現状においてはその半分以下になっているわけでありますので、ひとつ母子健康センターのあり方、運営のしかた、そういうものとにらみ合わせながら今後の計画を考えてみたい、こういうふうに思っているわけでございます。
#78
○中沢伊登子君 さて、そこで重症心身障害児のためにホームヘルパー制度を設けられましたね。これが全国で五百九十一人、予算が二千五百万円、こういうことですね。この五百九十一人を全国へどのように配分をなさるのか。また、一人平均の手当、それが二万一千二百円になりますが、この点で、私ども非常に心配をしているわけです。このくらいのことで在宅児のために回って歩けるかどうか、その辺をどうお考えになっていらっしゃいますか。
#79
○政府委員(坂元貞一郎君) 四十五年度から新たに重度の心身障害のための、いま御指摘のホームヘルパーという制度をつくったわけでございますが、確かにこの五百九十一人という数では、現状からいったら非常に少ないわけでありまして、これはもう少し年次計画でふやしていきたいと思いますが、さしあたり今年度の五百九十一名というものは、現在、各都道府県なり、市町村等と相談中でございまして、各市町村等の実情を十分把握しましてこの配分をきめていきたい、かように思っているわけでございます。それから給与、待遇の点で二万一千二百円というものになっておりますが、これは他のいろいろな老人の関係のホームヘルパーあるいは身体障害者等のホームヘルパー、そういうものと単価が同じになっておりますが、そういうものを含めまして毎年毎年単価をふやしてきておりますが、もちろんこれで十分だということにはならぬわけでございますので、今後、この単価の増額等についてはやはり誠心誠意努力をいたしたい、かように思っているわけでございます。
#80
○中沢伊登子君 そこで、大臣にひとつお尋ねを申し上げます。いま保健所の問題や、母子健康センターの問題あるいは母子健康対策の法改正の問題、いろいろ御質問を申し上げ、ホームヘルパーのことにも話が及んだわけですけれども、何かこういうことをいろいろ考えておりますと、はたしてこのくらいのことで心身障害児が生まれないように、その発生予防ができるのかどうか、非常に私ども不安を感ずるわけです。それと同時に、ホームヘルパーの制度ができても、非常に数も少ない中で手当も非常に少ない。そうすると、こういうふうな重症心身障害児対策というものが人の善意にすがって、厚生行政が何だかこう善意の人におんぶしている、こういう感じを持つわけです。そこで、いまのホームヘルパー制度なんかは、きちんとした身分法をつくらなければならないと思います。こうやって在宅児のためのホームヘルパー制度を設けてまいりますと、一方ではコロニーなどができる、施設も次々できてくる、こうなりますと、ますますそういう中で職員が得にくい。そうして次から次へと発生してくる心障児、あるいは先ほどお話の出ましたように、二人に一人くらいしか施設に入れない、こうなってまいりますと、やはり在宅児というものも一部制度として認めなければならなくなってくる。この特別児童扶養手当も今度の法律で、二千百円が十月からようやく二千六百円になりますが、こういうようなことでは、一方では施設に入れ、一方ではコロニーに入れ、しかし、一方では人の善意におんぶしたホームヘルパーが回ってくる。施設に入れられないので、在宅でみておらなければならない、こうなりますと、私は、この特別児童扶養手当というものも、これを介護料的なものに、改めなければならないのではないか、このように考えますが、その点をどうお考えになっていらっしゃるか。それをひとつお聞かせをいただきたいのと、それから人が非常に得にくい。これから施設をつくっていく、もっとりっぱなコロニーをつくっていく、こういう中では、そこに働く人はさらにさらに今後は求めにくくなってくると思う。そうなりますと、コロニーをこれからもっとつくるのか、あるいは在宅をふやしていくようにするのか。そういう重症心身障害児を家に置くということは家庭も暗くなるし、その世話というのはなかなかたいへんなんですけれども、しかし、人が得にくいということであれば、これはひょっとしたらそういう子供さんをかかえている家でその子供をこれからは見てもらわなければならないような立場に追い込まれるんではないか、こういうふうに考えますが、この点で介護料とあわせてお答えをいただきたい。
#81
○国務大臣(内田常雄君) 中沢さんの御意見、非常に敬意を持って先ほどから伺っておりましたが、私が全く心にかかっておりますのは、まず第一に保健所のことです。保健所は全国で八百三十あるそうでございますが、厚生省で何か新しい施策をしようと思うと、いつでも出てくるのは保健所をして行なわしむるということだけなんで、そんなに保健所はしょい切れるのか、実はいつも私自身思うものでございます。しかし、私は、まだ厚生大臣に就任いたしましてそう時もたっておりませんので、保健所の実態なり、運営の状況なりを十分承知はいたしておりませんが、私などの郷里のことを考えましても、なかなか所長さんであるお医者さんさえも得られないというようなことで、所長さんがときには幾つかの保健所を兼任せざるを得ないというようなこともあるようでございます。でありますから、以下推して知るべしでございまして、そこにいらっしゃる保健婦の方とかあるいは看護婦の方とか、場合によっては助産婦の方等々がとても十分得られていないところへもってきて、厚生省が何かやろうと思いますと、先ほどもお話が出ましたように、食品衛生のことから公害、さらには環境衛生、狂犬病の始末に至るまで全部保健所に押しつけているというようなことでございますので、よほどその保健所というものをもう一ぺん法律的にも、制度的にもあるいは予算的にも見直してかからなければ、作文だけで保健所をして行なわしむると書いてみただけでは、とうていしょい切れるものではないというふうに考えておりますので、先ほども政府委員から御説明申し上げましたように、本年度は、ひとつその方面の有識者の方にも御参加を願って、保健所体制というものの整備強化について、あるいは場合によりましては法律的体制の変革にまで及んで検討さしていただきたいということをほんとうに真剣に考えておるものでございます。
 母子健康センターにつきましても、保健所ほど数は多くございません。毎年毎年それでも四、五十ずつふやしてまいっておるようでございまして、現在でも五、六百ございますが、今日では、施設分べんが分べん数の八五%以上九〇%くらいになっておりまして、したがって、産婦人科等の施設がない場合にはこの健康センターを利用する。これは農山村地域、過疎地域などが多いわけでございますが、これもなかなかそこの・主任になられますところの助産婦さんが十分に得られない。お医者さんは嘱託か何かでお願いをしておるわけでありますが、一応、問題はないというふうには聞かされておりますけれども、そうでもないんで、さらにこのほうも専任制度であれ、嘱託制度であれ、さらに充足を考えなければならないのではないかと思いまして、省内における関係の局長、課長が仕事がやりやすいように、大いにこの充実につきましても激励をいたしてまいりたいと考えております。
 それからホームヘルパーの課題でございますが、これは年々ホームヘルパーのヘルプの対象になる方々の範囲をふやしてまいっております。身体障害者の方々についての家庭奉仕員の制度というものは両三年前から始められたわけでありますが、四十五年度から重度の心身障害者のホームヘルパーの制度というものを本年度から予算でやっと認められた。しかし、これまた、方面は違いますけれども、寝たきり老人の方々などに対しまするホームヘルパーというものも本年度はかなり数をふやしました。また、寝たきり老人以外の老齢者の方々に対しましても、やはり家庭相談員的なほうの予算をふやしてまいっておりますが、まだこの制度が成熟するまでに至っておりません。お話のように、全部の身体障害者あるいは寝たきり老人その他の方々を施設に収容することは、当分は及びもつかないと言わざるを得ませんが、家庭扶養の範囲内におられる方々がお子さまであれ、お年寄りであれ、たくさんありますので、このホームヘルパーの制度というものは、これは今後さらに成熟させるようにつとめました上で、その経緯を見まして、この身分保障といいますか、身分法上の取り扱いというものを考えてまいらなければならないと思います。
 さらに、これはまた方面も違いますけれども、傷痍軍人の方々でございますとか、御遺族の方々につきましても、御承知のように、やや似たような相談員のような制度を設けておりますので、その辺の身分関係のことなどもございますので、これは私どもに与えられた課題といたしまして、ただいま中沢さんからの御所見もございますので、これらの問題につきましても十分力を入れて、そうしてそういう方々の活動が十分期待できるような仕組みにいたしてまいりたいと思います。なおまた、人の問題がそういうわけで、いろいろな福祉施設の職員の方々も養成はいたしますけれども、不十分であります。このごろ、お年寄りの方がお元気な方がたくさんおられますので、これはみな老人クラブということよりも、そのお年寄りの方々がこういう社会福祉のことにつきまして人的の力をおかしくださるような、そういう方向づけというようなものを考えてもいいのではないかとも思うものでございまして、あれやこれや、いろいろ皆さま方の御示唆に基づきまして、人的な充実をはかってまいらなければならない、またそういたしたいと考えております。
#82
○中沢伊登子君 たいへん力強い御答弁をいただいて非常にうれしく存じます。どうか保健所の問題なんかにも、大臣としていらっしゃる間にひとつ大いにやっていただきたい、このように考えます。
 それから、この間、名古屋のコロニーを私は大橋委員と見に参りました。そのときにも、やはり大きな問題だったのは職員不足の問題ですね。若い人がやはり転職していってしまうんです。残る者は年々やはり年をとるわけですね。一年一年。そこに収容されている子供というのは年々今度は大きくなって、体重も重くなってくる。そうしますと、そこにいる職員が腰痛に非常に悩んでおったのです。その上、言うならば、申しわけないことばを使いますけれども、職員も飼い殺しみたいな感じになるわけですね、そこで。それですから、その重症と軽症とときどき何というんですか、交代をするか、あるいは先ほどお話にも出ておりましたように、福利厚生施設を充実するとか、レクリエーション・センターみたいなものを設けて、二カ月か三カ月に一ぺんぐらいは一週間ぐらい続けて休ませてやって、あるいは温泉に入るとか何か、そういうようなことも考えもいいのではないかというふうにも思いました。
 とにもかくにも、ここで働いてくださる職員の方というのは特殊業務なんです。だから、やはり処遇には十分配慮をしていただきたいと思います。それと、これはいつも私の持論なんですけれども、こういう処遇だのあるいは労働条件なんかは早く何とか手を打ちませんと、そういうところにまた思想的な問題が起こってきて、ストライキが起こったりなんかしますと、一番迷惑をし、一番困るのはそこに入っている人たちなんです。この辺のことも十分私は配慮してほしいと思いますが、その辺のお考えを伺いたい。
#83
○国務大臣(内田常雄君) まことにごもっともな御意見でございまして、私も同感でございます。これらにつきましても、できる限りの配慮を進めてまいりたいと存じます。
#84
○中沢伊登子君 以上で質問を終わります。
#85
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 心身障害者福祉協会法案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#89
○大橋和孝君 私は、ただいまの法案に対して附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
 何とぞよろしくお願いいたします。
#90
○委員長(佐野芳雄君) ただいま述べられました大橋君提出の附帯決議案を議題といたします。
 大橋君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#91
○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、大橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内田厚生大臣。
#92
○国務大臣(内田常雄君) この法案につきまして御賛成、御可決いただきまして、まことにありがとう存じました。
 また、附帯して御決議のございました事項につきましては、政府といたしましても、これが実現につきましてできる限りの努力をいたす所存でございます。
#93
○委員長(佐野芳雄君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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