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1970/05/13 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第21号
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1970/05/13 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 社会労働委員会 第21号

#1
第063回国会 社会労働委員会 第21号
昭和四十五年五月十三日(水曜日)
   午後一時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     塩見 俊二君     白井  勇君
     玉置 和郎君     大松 博文君
     横山 フク君     津島 文治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐野 芳雄君
    理 事
                上原 正吉君
                鹿島 俊雄君
                吉田忠三郎君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                黒木 利克君
                白井  勇君
                高田 浩運君
                大松 博文君
                津島 文治君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                山本  杉君
                占部 秀男君
                大橋 和孝君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                柏原 ヤス君
                中沢伊登子君
   衆議院議員
       社会労働委員長
       代理理事     伊東 正義君
       社会労働委員長
       代理理事     佐々木義武君
       社会労働委員長
       代理理事     増岡 博之君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
       労 働 大 臣  野原 正勝君
   政府委員
       厚生政務次官   橋本龍太郎君
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生省環境衛生
       局長       金光 克己君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省保険局長  梅本 純正君
       社会保険庁医療
       保険部長     高木  玄君
       労働政務次官   大野  明君
       労働大臣官房長  岡部 實夫君
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局次長     田中 好雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案
 (内閣提出衆議院送付)
○日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○衛生検査技師法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○旅館業法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
○労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○船員保険法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○山村へき地の医療対策に関する請願(第一
 号)(第二九号)(第一二二七号)
○国立療養所福岡東病院附属高等看護学院の増
 改築に関する請願(第四号)
○心臓病児者に対する医療対策等に関する請願
 (第八号)(第九七号)(第一〇三号)(第六
 四三号)(第一〇三五号)(第一〇三六号)
 (第一〇八二号)(第一一六九号)(第一三八
 二号)(第一三八三号)(第一五五八号)(第
 一七一二号)(第二七三三号)(第二七八七
 号)(第三一〇四号)(第三一一〇号)(第
 三一一一号)(第三一五七号)(第三一七七
 号)(第三一七八号)(第三三一六号)(第三
 三一七号)(第三五七一号)(第四一三七
 号)(第四三四七号)(第四三七四号)
○栄養士・管理栄養士の必置義務、業務独占及び
 国家試験制度の確立に関する請願(第三〇号)
 (第三二号)(第六七号)(第六八号)(第七
 五号)(第八五号)(第八六号)(第一〇一
 号)(第一〇五号)(第一一五号)(第一一七
 号)(第一一八号)(第一六四号)(第二〇七
 号)(第二〇八号)(第二一六号)(第四〇七
 号)(第一一三四号)(第一二七三号)
○労働者災害補償保険給付基準引上げに関する請
 願(第四〇号)
○せき髄損傷者に対し労災法による最低補償給付
 額引上げ等に関する請願(第八〇号)(第八八
 号)(第九三号)(第一〇六号)(第一三三
 号)(第一三四号)(第二二五号)(第一一七
 〇号)(第一三六二号)
○労働災害以外によるせき髄損傷障害者対策確立
 に関する請願(第八一号)(第八九号)(第九
 四号) (第一〇七号)(第一三五号)(第一
 三六号)(第二二六号)(第一三六三号)
○民生委員関係経費の増額に関する請願(第一〇
 二号)(第一一六号)
○難病対策等に関する請願(第二〇二号)
○戦争犯罪裁判関係者に対する見舞金給付に関す
 る請願(第二一一号)(第二一四号)(第二一
 七号)(第二二四号)(第二二八号)(第三五
 〇号)(第六五九号)(第九二〇号)
○医師・看護婦の増員に関する請願(第二二〇
 号)(第二二九号)
○結核予防法・医療保険の抜本改悪反対等に関す
 る請願(第二二一号)(第二三〇号)(第一四
 六六号)
○衛生検査技師法の一部改正に関する請願(第二
 二三号)(第二四七号)(第二八四号)(第二
 八九号)(第二九七号)(第五二三号)(第六
 七五号)(第六七六号)(第七七五号)(第一
 〇二〇号)
○動員学徒等準軍属に対する援護法改正に関する
 請願(第二九〇号)
○宮崎県祖母傾国定公園内大崩山一帯の原生林の
 自然保護に関する請願(第二九一号)
○フィリピン戦没者慰霊碑建立の早期実現に関す
 る請願(第二九六号)
○未認可保育所に対する公費の助成等に関する請
 願(第五五八号)(第五七八号)
○じん肺症患者援護のため労働者災害補償保険法
 等の改正に関する請願(第八七六号)(第一〇
 五二号)
○未組織山林労務者の待遇改善等に関する請願
 (第一〇一七号)
○日雇健康保険の改悪反対等に関する請願(第一
 〇五七号)(第一三二六号)(第一三四一号)
 (第一三六〇号)(第一四〇三号)(第一四〇
 七号)(第一四三一号)(第一四三八号)(第
 一四五〇号)(第一四五一号)(第一四五二
 号)(第一四五三号)(第一四五四号)(第一
 四五五号)(第一四五六号)(第
 一五〇〇号)(第一五〇一号)(第一五七四
 号)(第一五八四号)(第一六六六号)(第一
 六九七号)(第一七一三号)(第一七五八号)
 (第一七五九号)(第一七六〇号)(第一七六
 一号)(第一七六二号)(第一七六三号)(第
 一七六四号)(第一七六五号)(第一七六六
 号)(第一七六七号)(第一七六八号)(第一
 七六九号)(第一七七〇号)(第一七七一号)
 (第一七七二号)(第一七七三号)(第一七七
 四号)(第一七七五号)(第一七七六号)(第
 一七七七号)(第一七七八号)(第一七七九
 号)(第一七八〇号)(第一七八一号)(第一
 七八二号)(第一七八三号)(第一七八四号)
 (第一七八五号)(第一七八六号)(第一七八
 七号)(第一七八八号)(第一七八九号)(第
 一七九〇号)(第一八二一号)(第一八二九
 号)(第一八三〇号)(第一八三一号)(第一
 八七七号)(第一九一二号)(第一九二六号)
 (第一九二七号)(第一九二八号)(第一九二
 九号)(第一九三〇号)(第一九三一号)(第
 一九三二号)(第一九三三号)(第一九三四
 号)(第一九三五号)(第一九三六号)(第一
 九三七号)(第一九三八号)(第一九三九号)
 (第一九四〇号)(第一九四一号)(第一九四
 二号)(第一九四三号)(第一九四四号)(第
 一九四五号)(第一九四六号)(第一九四七
 号)(第一九四八号)(第一九四九号)(第一
 九五〇号)(第一九五一号)(第一九五二号)
 (第一九五三号)(第一九五四号)(第二〇五
 一号)(第二〇六六号)(第二一四八号)(第
 二二四八号)(第二二七三号)(第二二七四
 号)(第二三四六号)(第二四五四号)(第二
 四七〇号)(第二五〇五号)(第二五五六号)
 (第二五五七号)(第二五七三号)(第二五七
 四号)(第二五七六号)(第二六〇五号)(第
 二六〇六号)(第二六〇七号)(第二六〇八
 号)(第二六〇九号)(第二六三七号)(第二
 六三八号)(第二六三九号)(第二六四〇号)
 (第二六四一号)(第二六四二号)(第二六四
 三号)(第二六四四号)(第二六四五号)(第
 二六四六号)(第二六四七号)(第二六四八
 号)(第二六四九号)(第二六五〇号)(第二
 六五一号)(第二六五二号)(第二六五三号)
 (第二六五四号)(第二六五五号)(第二六五
 六号)(第二六五七号)(第二六五八号)(第
 二六五九号)(第二六八七号)(第二六八八
 号)(第二六八九号)(第二六九〇号)(第二
 六九一号)(第二六九二号)(第二六九三号)
 (第二七五二号)(第二七五三号)(第二七五
 四号)(第二七五五号)(第二七五六号)(第
 二七五七号)(第二七五八号)(第二七五九
 号)(第二七八一号)(第二七八二号)(第二
 七八三号)(第二七八四号)(第二七九八号)
 (第二八二二号)(第二八二三号)(第二八二
 四号)(第二八三〇号)(第二八七一号)(第
 二八八二号)(第二九二四号)(第二九三六
 号)(第二九六一号)(第三〇一三号)(第三
 〇二六号)(第三〇六一号)(第三〇六二号)
 (第三一〇五号)(第三一二七号)(第三一二
 八号)(第三一五九号)(第三一七九号)(第
 三二三七号)(第三四二八号)(第三六五〇
 号)(第四一三五号)(第四三四八号)(第四
 三四九号)(第四三五〇号)
○優生保護法の改正に関する請願(第一一一一
 号)
○失業対策事業運営の是正に関する請願(第一一
 五四号)
○労働者災害補償保険法改正に関する請願(第一
 一九四号)(第一二一一号)(第一三二五号)
 (第一三四二号)(第一三六一号)(第一四〇
 四号)(第一四〇八号)(第一四三二号)(第
 一四三九号)(第一四四四号)(第一五〇二
 号)(第一五〇三号)(第一五七五号)(第一
 五八五号)(第一六四〇号)(第一六六七号)
 (第一六九五号)(第一六九六号)(第一七一
 四号)(第一七九六号)(第一八二二号)(第
 一八三二号)(第一八三三号)(第一八三四
 号)(第一八七八号)(第一九一三号)(第一
 九一四号)(第二〇二七号)(第二〇五二号)
 (第二〇六七号)(第二一四九号)(第二二四
 九号)(第二二七五号)(第二二七六号)(第
 二四五五号)(第二四七一号)(第二五〇三
 号)(第二五〇四号)(第二五五八号)(第二
 五五九号)(第二六一〇号)(第二六一四号)
 (第二六一五号)(第二六一六号)(第二六一
 七号)(第二六一八号)(第二六一九号)(第
 二六二〇号)(第二六二一号)(第二六二二
 号)(第二六二三号)(第二六二四号)(第二
 六二五号)(第二六二六号)(第二六二七号)
 (第二六二八号)(第二六二九号)(第二六三
 〇号)(第二六三一号)(第二六三二号)(第
 二六三三号)(第二六三四号)(第二六三五号)
 (第二六三六号)(第二六九四号)(第二六九
 五号)(第二六九六号)(第二六九七号)(第
 二六九八号)(第二六九九号)(第二七〇〇
 号)(第二七二三号)(第二七六〇号)(第二
 七八五号)(第二七八六号)(第二七九七号)
 (第二八一三号)(第二八三一号)(第二八七
 二号)(第二九二二号)(第二九二三号)(第
 三〇一四号)(第三〇二七号)(第三一二九
 号)(第三一三〇号)(第三一六〇号)(第
 三四二九号)(第三六五一号)(第三七〇六
 号)(第四一三六号)(第四三五一号)(第四
 三五二号)
○精薄者手帳交付に関する請願(第一二〇七号)
 (第一三二七号)
○療術の開業制度復活に関する請願(第一二二六
 号)(第一三〇四号)(第一三一三号)(第一
 三二九号)(第一三四三号)(第一三四四号)
 (第一三四五号)(第一三六四号)(第一三六
 五号)(第一三九二号)(第一四〇二号)(第
 一四一六号)(第一四七九号)(第一四八〇
 号)(第一四八九号)(第一五〇四号)(第一
 六〇三号)(第一六二〇号)(第一六四二号)
 (第一六五三号)(第一六五七号)(第一六六
 五号)(第一六六九号)(第一七一六号)(第
 一八〇七号)(第一八一四号)(第一八二〇
 号)(第一八二七号)(第一八二八号)(第一
 八四八号)(第一八五四号)(第一八五五号)
 (第一八六九号)(第一八八〇号)(第一八八
 一号)(第一八八三号)(第一八八六号)(第
 一八八七号)(第一八八八号)(第一八八九
 号)(第一八九〇号)(第一八九一号)(第一
 九〇〇号)(第一九〇四号)(第一九〇五号)
 (第一九〇六号)(第一九一六号)(第一九一
 七号)(第二〇一八号)(第二〇一九号)(第
 二〇二六号)(第二〇三九号)(第二〇四〇
 号)(第二〇四一号)(第二〇四二号)(第二
 〇四三号)(第二〇七七号)(第二一四三号)
 (第二一六〇号)(第二二二七号)(第二二二
 八号)(第二二二九号)(第二二七一号)(第
 二二七二号)(第二四一五号)(第二四三四
 号)(第二四六〇号)(第二四七五号)(第二
 四八八号)(第二五三四号)(第二五三五号)
 (第二八四一号)(第二八六五号)(第三二三
 八号)(第三二三九号)(第三二四〇号)(第
 三二四一号)(第三二四二号)(第三二四三
 号)(第三二四四号)(第三二四五号)(第三
 二四六号)(第三二四七号)(第三二四八号)
 (第三二四九号)(第三二五〇号)(第三二五
 一号)(第三二五二号)(第三二五三号)(第
 三二五四号)(第三二五五号)(第三二五六
 号)(第三二五七号)(第三二五八号)(第三
 六八四号)(第四〇五六号)(第四〇五七号)
 (第四〇五八号)(第四〇五九号)(第四〇六
 〇号)(第四〇六一号)(第四〇六二号)(第
 四〇六三号)(第四〇六四号)(第四〇六五
 号)(第四〇六六号)(第四〇六七号)(第四
 〇六八号)(第四〇六九号)(第四〇七〇号)
 (第四〇七一号)(第四〇七二号)(第四〇七
 三号)(第四〇七四号)(第四〇七五号)(第
 四〇七六号)(第四〇七七号)(第四一一五
 号)(第四二五〇号)(第四二五一号)(第四
 二五二号)(第四二五三号)(第四二五四号)
 (第四二五五号)(第四二五六号)(第四二五
 七号)(第四二五八号)(第四二五九号)(第
 四二六〇号)(第四二六一号)(第四二六二
 号)(第四二六三号)(第四二六四号)(第四
 二六五号)(第四二六六号)(第四二六七号)
 (第四二六八号)(第四二六九号)(第四二七
 〇号)(第四二七一号)(第四二七二号)
○高卒一年の准看護婦養成計画の中止等に関する
 請願(第一三〇二号)(第一三〇八号)(第一
 三一二号)(第一三二八号)(第一八〇六号)
 (第一八七六号)(第一九一五号)(第二〇三
 七号)(第二〇三八号)(第二一四七号)(第
 二二五九号)(第二二六〇号)(第二四三三
 号)(第二四六九号)(第二五〇二号)(第二
 七二九号)(第二七三〇号)(第二七三一号)
 (第二七五一号)(第二九二五号)(第三三一
 八号)(第三三一九号)(第三三四二号)(第
 三三四三号)(第三三四四号)(第三三四五
 号)(第三三四六号)(第三三四七号)(第三
 三四八号)(第三三四九号)(第三三五〇号)
 (第三三五一号)(第三三五二号)(第三三五
 三号)(第三三五四号)(第三三五五号)(第
 三三五六号)(第三三五七号)(第三三五八
 号)(第三三五九号)(第三三六〇号)(第三
 三六
 一号)(第三三六二号)(第三三六三号)(第
 三三六四号)(第三三六五号)(第三三六六
 号)(第三三六七号)(第三三六八号)(第三
 三六九号)(第三三七〇号)(第三三七一号)
 (第三三七二号)(第三三七三号)(第三三七
 四号)(第三三七五号)(第三三七六号)(第
 三三七七号)(第三三七八号)(第三三七九
 号)(第三三八〇号)(第三三八一号)(第三
 三八二号)(第三四〇五号)(第三四〇六号)
 (第三四二七号)(第三四七三号)(第三五三
 六号)(第三五三七号)(第三五三八号)(第
 三五三九号)(第三五四〇号)(第三五四一
 号)(第三五四二号)(第三五四三号)(第三
 五四四号)(第三五四五号)(第三五四六号)
 (第三五四七号)(第三五四八号)(第三五四
 九号)(第三五五〇号)(第三六三三号)(第
 三六三四号)(第三六八五号)(第三七〇四
 号)(第三七〇五号)(第三七七三号)(第三
 七七四号)(第四〇九二号)(第四一五〇号)
 (第四三七五号)(第四三七六号)(第四三七
 七号)(第四三七八号)(第四三七九号)(第
 四三八〇号)(第四三八一号)(第四三八二
 号)(第四三八三号)(第四三八四号)(第四
 三八五号)(第四三八六号)(第四三八七号)
 (第四三八八号)(第四三八九号)(第四三九
 〇号)(第四三九一号)(第四三九二号)(第
 四三九三号)(第四三九四号)(第四三九五
 号)(第四三九六号)(第四三九七号)(第四
 三九八号)(第四三九九号)(第四四〇〇号)
 (第四四〇一号)(第四四〇二号)(第四四〇
 三号)(第四四〇四号)(第四四〇五号)(第
 四四〇六号)(第四四〇七号)(第四四〇八
 号)(第四四〇九号)(第四四一〇号)(第四
 四一一号)(第四四一二号)(第四四一三号)
 (第四四一四号)(第四四一五号)(第四四一
 六号)(第四四一七号)(第四四一八号)(第
 四四一九号)(第四四二〇号)(第四四二一
 号)(第四四二二号)(第四四二三号)(第四
 四二四号)(第四四二五号)(第四四二六号)
 (第四四二七号)(第四四二八号)(第四四二
 九号)(第四四三〇号)(第四四三一号)(第
 四四三二号)(第四四三三号)(第四四三四
 号)(第四四三五号)(第四四三六号)(第四
 四三七号)
○山村へき地の医療保健対策強化に関する請願
 (第一三五一号)(第一三九三号)(第一三九
 四号)(第一四三七号)(第一四六七号)(第
 一四六八号)(第一四七四号)(第一四九四
 号)(第一五〇五号)(第一五〇六号)(第一
 五〇七号)(第一五五九号)(第一五六四号)
 (第一五七三号)(第一五八七号)(第一五八
 八号)(第一六〇四号)(第一六〇五号)(第
 一六四三号)(第一六五二号)(第一六六〇
 号)(第一六七三号)(第一六八六号)(第一
 六八七号)(第一七〇八号)(第一七一七号)
 (第一七一八号)(第一七一九号)(第一七九
 七号)(第一七九八号)(第一八〇九号)(第
 一八一七号)(第一八四一号)(第一八四二
 号)(第一八五六号)(第一八五七号)(第一
 八五八号)(第一八七五号)(第一八九二号)
 (第一八九八号)(第一九〇七号)(第一九〇
 八号)(第一九二一号)(第二〇二〇号)(第
 二〇五五号)(第二〇五六号)(第二一五八
 号)(第二一五九号)(第二二三一号)(第二
 二三二号)(第二二三三号)(第二二六二号)
 (第二四一六号)(第二四三七号)(第二四三
 八号)(第二四三九号)(第二四七六号)(第
 二四七七号)(第二四八九号)(第二四九〇
 号)(第二五一六号)(第二五一七号)(第二
 五四五号)(第二五四六号)(第二五四七号)
 (第二五六四号)(第二五七七号)(第二五七
 八号)(第二五八五号)(第二五八六号)(第
 二五九五号)(第二五九八号)(第二七四一
 号)(第二七四二号)(第二七六三号)(第二
 七七二号)(第二七七三号)(第二七七四号)
 (第二七七五号)(第二八二九号)(第二八六
 六号)(第二八六七号)(第二八七九号)(第
 二八八〇号)(第二八八一号)(第二九二七
 号)(第二九二八号)(第二九二九号)(第二
 九三〇号)(第二九三五号)(第二九五九号)
 (第二九七五号)(第二九七六号)(第二九八
 四号)(第二九八五号)(第二九八六号)(第
 二九九八号)(第二九九九号)(第三〇〇〇
 号)(第三〇二四号)(第三〇七五号)(第三
 〇七六号)(第三一一二号)(第三一一三号)
 (第三一一四号)(第三一四四号)(第三一四
 五号)(第三一四六号)(第三一四七号)(第
 三一四八号)(第三一七〇号)(第三一七一
 号)(第三一七二号)(第三一七三号)(第三
 一七四号)(第三二〇九号)(第三二一〇号)
 (第三二九四号)(第三二九五号)(第三二九
 六号)(第三二九七号)(第三三一一号)(第
 三三一二号)(第三三一三号)(第三三二五
 号)(第三三九八号)(第三三九九号)(第三
 四二三号)(第三四二四号)(第三四四〇号)
 (第三四六四号)(第三四六五号)(第三四六
 六号)(第三四八五号)(第三四八六号)(第
 三四八七号)(第三四八八号)(第三四八九
 号)(第三五二三号)(第三五二四号)(第三
 五二五号)(第三五二六号)(第三五二七号)
 (第三五二八号)(第三五五一号)(第三五五
 二号)(第三五五三号)(第三五五四号)(第
 三五九六号)(第三五九七号)(第三五九八
 号)(第三五九九号)(第三六〇〇号)(第三
 六〇一号)(第三六〇二号)(第三六〇三号)
 (第三六〇四号)(第三六〇五号)(第三六〇
 六号)(第三六〇七号)(第三六二四号)(第
 三六二五号)(第三六二六号)(第三六四六
 号)(第三六七四号)(第三六九七号)(第三
 七〇二号)(第三七〇三号)(第三七八三号)
 (第三七八四号)(第三七八五号)(第三七八
 六号)(第三八五一号)(第三八五二号)(第
 三八五三号)(第三八五四号)(第三八五五
 号)(第三八五六号)(第三八九八号)(第三
 八九九号)(第三九〇八号)(第三九二〇号)
 (第四〇一一号)(第四〇五一号)(第四〇五
 二号)(第四〇五三号)(第四〇八四号)(第
 四〇八五号)(第四一三四号)(第四一四九
 号)(第四二三五号)(第四二三六号)(第四
 二三七号)(第四二三八号)(第四二三九号)
 (第四二四〇号)(第四二四一号)(第四三一
 四号)(第四三一五号)(第四三一六号)(第
 四三一七号)(第四三一八号)(第四三一九
 号)
○保母の処遇改善に関する請願(第一四一一号)
 (第一四一二号)(第一四一三号)(第一四一
 四号)(第一四一五号)(第一四四一号)(第
 一五六九号)(第一五七二号)(第一五八六
 号)(第一六〇一号)(第一六〇二号)(第一
 六一九号)(第一六二二号)(第一六四一号)
 (第一六六三号)(第一六六四号)(第一六七
 〇号)(第一六七一号)(第一七〇三号)(第
 一七一五号)(第一八〇八号)(第一八五三
 号)(第一八六八号)(第二〇六三号)(第二
 〇七六号)(第二二三〇号)(第三八九五号)
○クリーニング業法の一部改正に関する請願(第
 一五七六号)(第一六七二号)(第一七〇七
 号)(第一八九九号)(第二一六一号)(第二
 二五四号)(第二五五五号)(第二五九四号)
 (第三五二二号)(第四三四六号)
○駐留軍労働者の雇用安定に関する法律制定に関
 する請願(第一八三八号)(第一八五〇号)
○駐留軍従業員の雇用安定に関する請願(第二一
 四六号)
○ソ連長期抑留者補償に関する請願(第二四三五
 号)(第二四三六号)(第二四六一号)(第二
 八一四号)(第二九二六号)(第三〇一六
 号)(第三五七〇号)
○原爆被害者援護に関する請願(第二五三六号)
 (第二五五四号)(第三〇〇一号)(第三〇六
 〇号)(第三一五八号)
○原爆被害者援護法制定に関する請願(第二六〇
 三号)(第二六〇四号)
○日雇健康保険の廃止反対等に関する請願(第二
 六一一号)
○原爆被害者援護法の制定に関する請願(第二七
 三二号)
○スモン対策に関する請願(第二九四七号)(第
 三三三一号)
○中小企業退職金共済制度の改正に関する請願
 (第二九五三号)(第三三三七号)
○戦傷病者戦没者遺族等援護法による障害年金等
 にかかわる不均衡是正に関する請願(第三〇三
 五号)
○社会福祉事業法等の改正に関する請願(第三〇
 三六号)
○戦傷病者等の妻に対する特別給付金の不均衡是
 正に関する請願(第三〇三七号)
○戦没者等の妻に対する特別給付金の不均衡是正
 に関する請願(第三〇三八号)
○戦傷病者特別援護法の改正に関する請願(第三
 〇三九号)
○戦傷病者戦没者遺族等援護法の特例制定に関す
 る請願(第三二一五号)
○労働者災害補償保険法等の改正に関する請願
 (第三二三六号)(第四一四六号)
○旧長崎医科大学原爆死亡学生の遺族援護に関す
 る請願(第三六三五号)
○特殊法人における賃金決定に関する請願(第三
 七七五号)(第三七七六号)(第三七七七号)
 (第三七七八号)(第三七七九号)(第三七八
 〇号)(第三七八一号)(第三七八二号)(第
 三八〇四号)(第三八三九号)(第三八四〇
 号)(第三八四一号)(第三八四二号)(第三
 八四三号)(第三八四四号)(第三八四五号)
 (第三八四六号)(第三九二七号)(第三九二
 八号)(第三九二九号)(第三九三〇号)(第
 三九三一号)(第三九三二号)(第三九三三
 号)(第三九三四号)(第四〇二七号)(第四
 〇二八号)(第四〇二九号)(第四〇三〇号)
 (第四〇三一号)(第四〇三二号)(第四〇三
 三号)(第四〇三四号)(第四一一八号)(第
 四一一九号)(第四一二〇号)(第四一二一
 号)(第四三四五号)
○医療保険制度の改革に関する請願(第三八四七
 号)(第三八四八号)(第三九二一号)(第三
 九二二号)(第三九九九号)(第四〇〇〇号)
 (第四三三二号)(第四三三三号)(第四三三
 四号)(第四三三五号)(第四三三六号)(第
 四三三七号)(第四三三八号)(第四三三九
 号)(第四三四〇号)(第四三四一号)
○ネフローゼ患者保護に関する請願(第三九六八
 号)(第三九九六号)(第三九九七号)(第三
 九九八号)(第四〇九八号)
○職業訓練法施行規則に新たな職種の制定に関す
 る請願(第三九九五号)
○児童手当制度実現に関する請願(第四一五六
 号)(第四一五七号)(第四一五八号)(第四
 一五九号)(第四一六〇号)(第四一六一号)
 (第四一六二号)(第四一六三号)(第四一六
 四号)(第四一六五号)(第四一六六号)(第
 四一六七号)(第四一六八号)(第四三四二
 号)(第四三四三号)
○出産費の国庫負担に関する請願(第四一六九
 号)(第四一七〇号)(第四一七一号)(第四
 一七二号)(第四一七三号)(第四一七四号)
 (第四一七五号)(第四一七六号)(第四一七
 七号)(第四一七八号)(第四一七九号)(第
 四一八〇号)(第四一八一号)(第四一八二
 号)(第四一八三号)(第四一八四号)(第四
 一八五号)(第四一八六号)(第四一八七号)
 (第四一八八号)(第四一八九号)(第四一九
 〇号)(第四一九一号)(第四一九二号)(第
 四一九三号)(第四一九四号)(第四一九五
 号)(第四一九六号)(第四一九七号)(第四
 一九八号)(第四一九九号)(第四二〇〇号)
 (第四二〇一号)(第四二〇二号)(第四二〇
 三号)(第四二〇四号)(第四二〇五号)(第
 四二〇六号)(第四三四四号)
○原子爆弾被爆者に対する援護審議会設置に関す
 る請願(第四三六一号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、横山フク君、塩見俊二君及び玉置和郎君が委員を辞任され、その補欠として津島文治君、白井勇君、大松博文君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐野芳雄君) 保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。内田厚生大臣。
#4
○国務大臣(内田常雄君) ただいま議題となりました保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 最近における医療の高度化、医療需要の増大はまことに著しいものがあり、これらの事態に即応し得るよう看護職員の質量両面にわたる充実をはかることは医療行政の当面する最も緊要な問題の一つであります。政府といたしましては、このような実情にかんがみ、従来から看護職員の確保につとめておりまして、その結果、就業者数も逐年増加しつつあるのでありますが、国民医療の動向その他社会経済事情の変遷を考慮した場合、この際早急にその充足について一段と施策の強化をはかる必要があると考えるのであります。
 このため、看護婦及び准看護婦の資質の向上をはかるとともに、その養成施設を一そう強化充実する措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、改正案の内容についてその概略を御説明申し上げます。
 改正の第一点は、准看護婦の基礎学力の水準を引き上げるため、准看護婦試験の受験資格に関する規定を改正し、従来の中学卒業後二年の養成制度にかえて、新たに高等学校卒業後修業年限が原則として一年の養成制度を設けることとし、これに伴い、看護婦国家試験の受験資格に関する規定の整理を行なうこととするものであります。なお、受験資格の改正にあわせ、養成施設の内容の充実をはかるため、その指定基準等に関する規定を設けることとしております。
 改正の第二点は、看護婦及び准看護婦の養成施設の強化及び充実をはかるため、国または地方公共団体が民法の規定による公益法人その他政令で定める法人に対し、その設置する養成施設に要する経費について補助することができることとするものであります。なお、この場合、補助を受ける法人に対しては、補助の目的を有効に達成するため、必要な監督を行なうこととしております。
 以上がこの法律案を提案する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(佐野芳雄君) 次に、本案につきましては衆議院において修正議決されておりますので、この際、本案に対する衆議院における修正点について修正案の提出者伊東正義君から説明を聴取いたします。伊東君。
#6
○衆議院議員(伊東正義君) 私は、衆議院の社会労働委員会を代表して保健婦助産婦看護婦法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分について御説明申し上げます。
 その内容は、政府は、国民医療の動向その他社会経済事情の変遷を考慮し、昭和五十年末までに成果を得ることを目途として、保健婦、助産婦、看護婦及び准看護婦の業務内容、免許の資格要件等について調査研究を行ない、看護体制を確立するために必要な措置を講ずるものとすることであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(佐野芳雄君) 日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。内田厚生大臣。
#8
○国務大臣(内田常雄君) ただいま議題となりました日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 日雇労働者健康保険につきましては、昭和三十六年以来法改正が行なわれないまま今日に及んでおりますので、給付内容をはじめ制度面についての改善が緊要な問題となっておりますが、一方、その財政は、今日、非常な悪化を来たしており、昭和四十四年度末には、九百億円に近い累積赤字が生ずる見込みでありまして、このまま放置すれば、財政的に破綻し、制度の崩壊は必至という情勢であります。
 このため、政府といたしましては、今般、現行制度のたてまえのもとに、給付内容の改善及び保険料額の改定を行なうこととし、社会保険審議会及び社会保障制度審議会の答申の線に沿って改正法案を策定し、ここに提案いたすこととした次第であります。
 次に、改正案の内容について申し上げます。
 まず、給付内容の改善につきましては、第一に、療養の給付期間現行二年を二年半に延長し、また、その後においても、所定の保険料が納付されていれば、引き続き給付が受けられるようにいたしております。
 第二に、傷病手当金の支給期間は、現行二十二日でありますが、これを三十日に延長し、また、支給日額も現在二百四十円、三百三十円の二段階でありますが、これを四百円、八百円、千三百円の三段階として引き上げをはかることとしております。
 第三に、出産手当金につきましても傷病手当金と同様に、その支給期間、支給日額の改正を行なうこととしております。
 第四は、埋葬料につきまして、被保険者本人に対する支給額を現行四千円から一万円に引き上げることとしております。
 第五は、分べん費につきまして、被保険者本人分べん費を現行四千円から二万円に、配偶者分べん費を現行二千円から一万円に引き上げることとしております。
 次に、保険料額につきましては、昭和三十六年以来八年にわたり、賃金日額四百八十円以上の者は二十六円、四百八十円未満の者は二十円に据え置かれてまいりましたが、その後の賃金の上昇を考慮し、賃金実態に即して合理化をはかることとし、賃金日額千円未満の者は三十円、千円以上千七百円未満の者は六十円、千七百円以上の者は九十円に、保険料日額を引き上げることとしております。
 なお、賃金日額四百八十円未満の被保険者につきましては、現行どおり二十円に据え置くこととしております。
 最後に、この法律の実施の時期につきましては、公布の日からとしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概略でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(佐野芳雄君) 次に、本案につきましては衆議院において修正議決されておりますので、この際、本案に対する衆議院における修正点について修正案の提出者佐々木義武君から説明を聴取いたします。佐々木君。
#10
○衆議院議員(佐々木義武君) 私は衆議院の社会労働委員会を代表して日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案に対する衆議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。
 政府提案の日雇労働者健康保険法の一部を改正する法律案は、医療給付等の給付内容の改善をはかるとともに、賃金実態に即した保険料の改定を行なおうとするものでありますが、現在の日雇労働者健康保険の運営の実態に照らし、現下の諸状勢のもとにおいては必ずしも適当でないと思われる点等が見受けられましたので、これを修正いたしました。
 修正の要旨は、第一に、従来擬制適用を受けてきた大工、左官等の建設技能労働者を法律上の適用対象者とすることといたしました。
 第二に、政府原案では、療養の給付期間を二年六カ月としておりますが、これを三年六カ月といたしました。
 第三に、政府原案では、保険料第一級の賃金日額を千円未満としておりますが、本年度の失業対策事業に就労する労働者の平均賃金等を勘案して、賃金日額千二百円未満とするとともに、政府原案のほか、新たに、第四級の保険料を追加することといたしました。なお、第四級の保険料額及び適用の時期については、将来、社会保険審議会にはかった上で政令で定めることといたしました。
 第四は、施行期日については、政府原案では、公布の日としておりますが、これを本年八月一日といたしたこと等であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(佐野芳雄君) 旅館業法の一部を改正する法律案(衆第三八号)を議題といたします。
 衆議院社会労働委員長代理理事増岡博之君から趣旨説明を聴取いたします。増岡君。
#12
○衆議院議員(増岡博之君) ただいま議題となりました旅館業法の一部を改正する法律案につき、その提案理由並びに内容について御説明申し上げます。
 近年、健全なレクリエーションの普及、観光事業の発展等に伴ない、旅館業はとみにその重要性を加えてまいりました。この旅館業に対しましては、従来から、公衆衛生上の見地のほか、清純な教育環境の確保に関する配慮及び風俗的見地を加味した規制が行なわれており、現に大多数の旅館は健全な宿泊の場となっているのであります。ところが最近、都市近郊や幹線道路周辺等にいわゆるモーテルと称される旅館が多数設置されるようになり、その中には、健全な宿泊施設としてふさわしくないものも見受けられるのであります。これらの施設で風紀上ないしは教育環境上種々問題を生じているものもあり、一部地域において社会問題化している事例さえあるのであります。
 このような状況にかんがみ、一部不健全な旅館の設置により当該旅館周辺の清純な環境が害されることがないようにするとともに、風紀面の規制の強化をはかることが急務であると考えられますので、本案を提出した次第であります。
 次に、その概要について御説明申し上げます。
 第一に、従来、学校の敷地の周囲百メートルの区域内に旅館が設けられようとする場合においては、教育委員長等の意見を聞いて教育環境が著しく害されるおそれがあると認められるときは許可を与えないことができることとされていたのでありますが、今回、右の学校のほか新たに児童福祉施設及び社会教育施設等で都道府県の条例で定めるものを加えることとしたことであります。
 第二に、従来、旅館営業の許可につきましては、公衆衛生上の見地から必要な条件を付することができることとされておりましたが、新たに、善良の風俗の保持のために必要な条件をも付することができるようにしたことであります。
 なお、本法の施行以前に許可したものについても、法施行の日以後二カ月の期間に限り、この風俗的見地からの条件を付することができることといたしております。
 以上が本法律案の提案理由とそのおもな内容であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#13
○委員長(佐野芳雄君) 衛生検査技師法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#14
○大橋和孝君 それでは、衛生検査技師法について二、三お伺いしたいと思います。
 最近の医学の急速な進歩に伴いまして、諸種の医学的検査が診断、治療上重要な役割りを占めておりますことは周知の事実であります。ますます高度の知識、技術が要求されるようになっておるわけであります。また、各医学会におきましても、それぞれの検査士の資格認定を自主的に行なっているわけでありますが、今回の改正によりまして、生理学的な検査を行なうものとして新たに臨床検査技師が設けられたわけでありますが、将来は、現在の衛生検査技師はなくなって、そしていままで各医学会が独自に資格認定を行なってきた一般の臨床の検査士というものをどのように取り入れていくお考えがあるのか。いままでのものを今度の臨床検査技師の中には取り入れるのには、いままでの他の例を考えてみますと、たとえばエックス線技師というのが放射線技師になった場合の臨時措置も考えられるわけでありますが、こういうような取り入れ方について、いままでは何と申しますか、認定だけで行なわれておりますので、そうしたものをどういうふうに考えていかれるのか。この医学的な検査業務というものに対しての根本的な考え方ですね、厚生省としての考え方を一つ先に聞きたいわけです。
#15
○政府委員(松尾正雄君) 臨床病理学会等におきましては、それぞれ独自の立場で一定の実力を持った人を認定してまいっておりますが、これは、いわば法律上の身分的な問題とは無関係な問題で、直接の関係はございません。ただいま御指摘のように、しかし、従来の学会で認定された者も、衛生検査技師法というのが誕生いたしました以後におきましては、その中に吸収されてまいってきておるわけであります。そういう形で、今後、いままで衛生検査技師という資格を持って現に従事しておられる方々につきましては、これは新しく一定の条件のもとに臨床検査技師の試験を受けられるような特例措置を設ける、こういう措置によりまして、ちょうどエックス線技師と放射線技師、例に出されましたあれと同じような方向で臨床検査技師にしていく、こういうつもりでございます。
#16
○大橋和孝君 現在の状態のもう少し根本的な問題を聞かしまいただきたい、考え方。医学の検査業務は、いま申したように、非常に高度なもので、診断を左右する状態にまでなっているわけですが、まだ現在においては、なかなかそこのところがはっきりと態度が明確化されてない、特に検査業務に対するこれからの方針というものですね。これをもう少し明確にしてもらわぬといかぬと思うんですが、大臣は、この点どうお考えになりますか。
#17
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおり、今後の医学の検査部門におきましては、いろいろな新しい分野がどんどん開発されてくると存じます。そこで、従来の衛生検査技師で実行できなかったような、先ほど来お述べになりましたような、生理学的な検査というものを新たにこういう臨床検査技師の業務に加えたいというのが今回の改正でございます。しかしながら、それ以外に、私どもが今後予想される問題といたしましては、単にこういう身分的なものを持っておられる方以外に、一例でございますけれども、電子工学をいろいろやられた専門家の方でありますとか、あるいは生化学等の専門家でございますとか、あるいは物理学等の専門家でございますとか、そういう方々がやはり医療の中の検査にいろいろと入ってきていただく、こういう必要があろうかと考えております。その場合には、医療の内容といたしまして、医療機関としてはそういう方々を医学士なり、そういうような形で受け入れるということが妥当ではないかというふうに考えているわけでございます。
#18
○大橋和孝君 そういうふうにして検査業務というものを非常に高度にしていこうという考え方、それに私はここでもう少し突っ込んでただしたいことは、結局、脳波とかあるいはまた心電図とか、生理学的な問題をやるために今度は臨床検査技師にしたのだろうと思う。エックス線技師の問題に対しても、エックス線技師といっていたのを今度は放射線技師ということにした。これも深部療法のいろいろな機械を使うためにもっとレベルを上げた、こういうことでありますね。ですから、それなんかと今度の問題なんかとを比較して考えてみて、今度の臨床検査技師は三年の業務を勉強する期間を設けた、こういうことはよくわかるわけでありますが、そういう方と、いままでの一般のそれぞれそういう生理学的な検査でなくして、いろいろな諸検査に対してもやはり一つにして、そしてその三年の業務を持つ者以外はこういう検査業務に充てない、こういうふうな考えなのかどうなのか、そこのところを明確にしておいてもらいたい。
#19
○政府委員(松尾正雄君) 生理学的検査、脳波とか心電計のように直接人体に触れて行ないますようなものについては、この臨床検査技師だけに限る、こういうつもりでございます。ただし、従来、衛生検査といわれているいわゆる生理学検査を除いた問題につきましては、いまもお答え申し上げましたように、かなりいろいろな形の方がこれに参与し得る可能性が非常に多いということでございますので、そういう形を一つ将来としても考えておかなければならない。それからいま一つは、業務独占というような形でお考えをお述べになったと存じますが、検査というものがやはり医者の指示のもとに出て、また医者の手元に返ってくるという判断でございます。また、それは通例臨床検査以外の、生理学的検査以外であれば、人体から離れた材料あるいは排出された材料ということで、直接人体に触れるという問題ではございませんので、そういうような角度から、名称の面で独占ということをしないで、資質の向上をはかりたい、こういうようなことにいたしたわけでございます。
#20
○大橋和孝君 そうすると、結局、法律にも出ているように、生理学的な検査というものは政令できめるといっているわけですね。ですから、そういうふうなものは非常に人間のはだにも触れて重要なむずかしい検査だからして、医師の指導のもとにもあるせいか、やはり臨床検査技師でなければいけない、一般のちょっとした検査はまた別だと、こういうふうないま御意向ですが、それをもう少し前のエックス線で取り扱ったと同じようなぐあいに、やはりこの検査というようなものは、たとえば尿の検査一つにしても、それがもし不確定であったならば、診断を誤って命にも関係することがあり得ます。ですから、もしこういうことで身分法というものをつくるならば、もっと明確なものにすべきじゃないか。レベルをあげるべきじゃないか。いまの医学というものは、そんなふうな、はだにさわらないからいいとか、あるいはまたその検査は科学的にやるのだから、もっと程度を落としたものでいいというようなことではない。ですから、もう少し根本的な態度、方針というものを明確にしておかなければならない。ただ、単にそんなことで差別をつけていったのでは、軽く見ているほうの側に命に関係するようなことも出てくるんじゃないか。
 その議論をする前に、ひとつ伺っておきますが、こうした生理学的な検査というものは、一体どこでその線を引くのか。政令をつくるときにどういう根拠でやるのか。言うならば医学的な問題も十分あろうから、医学会の意向も十分に反映しなければならんだろうし、また、その基準を設けてやらなければ、適当にこれとこれということだけではならないと思うので、基準を一体どこに設けるか。基準をひとつ明確にしなければならない、政令できめる場合に。それに対しては審議会を設けて諮問するとか、あるいは一定のルールがなかったら、その政令というものがそのときの厚生省の中で勝手にきめたり何かするということでは、あまりに権威がないんじゃないかと私は思う。この点についてはどういうふうに考えておられますか。ひとつ先に伺っておきましょう。
#21
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおり、この生理学的検査を政令で定めることは、状態に応じて、医学会のそういう専門的のお知恵を借りましてきめるべきことじゃないかと思います。今回、厚生省におきましては、こういう問題を考えるにあたりまして、衛生検査技師の身分制度等に関します研究会というものを前からつくりまして、そこで今後の問題等につきましても検討してまいる。これには、東大の衛生検査を担当しておられます樫田教授を座長といたしまして、関係の大学の臨床関係の方、その養成関係の学校の関係の方、医師会関係、こういうような方々にもお入りいただきまして、そこでいろいろと検討してまいったのでございますが、今後法律が成立いたしまして施行する段階におきましても、やはり私どもそこの意見をよく聞いた上で政令をきめたいというふうに考えておるわけであります。
#22
○大橋和孝君 いまの問題でも、研究会とかいうような問題ではいけないということでその考え方をただしているわけです。大臣、よく考えてもらいたいと思うのですがね。そういうふうな問題は、ただ単に研究会とか何とかというんじゃなくて、もっと常時そうしたものの、何といいますか、基礎、基準というか、根本的な考え方を明確にしたものがあってしかるべきじゃないかと思うのですよ。特にこの臨床検査というものがいままでは非常に軽く見られておる。またあとでいろいろお尋ねしたいと思っておりますが、その臨床検査、いろいろな簡単な検査だと思っている検査の結果がうまくいかないために、非常に大きな診断を誤ることもあろうし、あるいはひいては生命にも関係を及ぼすわけでありますから、こうした身分法をつくるならば――これは身分法ですね、臨床検査技師法というものをつくってもう少し内容をはっきりしておかなければならない、基準をはっきりしておかなければならない。そういう意味で、私は、これはまたあとから議論さしてもらおうと思うのですが、臨床検査技師法というものの中身を。ですけれども、少なくともこの生理学的な検査というものをきめる場合だって、政令できめるというだけじゃなくて、いまの局長の考え方だったら、研究会でいろいろな人の意見を聞いてきめると言うけれども、そういうんじゃなぐて、もっと基準をきちっとやっていけるような、組織的にも、医学会のどこにたよっていくか、よく厚生省でやるのは審議会をつくってやられるわけですが、もうどんどん日進月歩変わってくるわけですから、それに対応してきちっとそういうことができるようにして、その範囲に応じてやれるものは広く適用していくぐらいの基準をつくっておかなければ、これは方法を誤ると思います。そういうことに対して、大臣はもう少し抜本的にこの重要性を考えて、審議会とかあるいは学会をどういうふうに考えて利用していくか、あるいは審議会の中に学会からどういう者を入れ、また実務をやっている人たち、教育をしている教育者からだれを入れるとか、学識経験者を入れるとか、そういうものをきちっとつくることが必要じゃないかと思いますが、大臣いかがですか。
#23
○国務大臣(内田常雄君) 大橋先生は専門家でもいらっしゃるし、私は尊敬もいたしておりますので、ただいまの御意向を十分尊重いたして、善処させてまいりたいと思います。
#24
○大橋和孝君 それはひとつよろしくお願いいたします。
 医学的検査が診断、治療に欠くことのできない重要なものであることは、いま申し上げたとおりであります。それならまた、こういうふうな臨床検査技師というものができれば、身分がそれによってできるわけでありますが、ここでひとつ、先ほどもちょっと触れかかったわけでありますが、業務制限を課せられないという点が私はどうもいかぬのじゃないか。非常にあいまいな点だと思う。たとえばこういう臨床検査技師ができましても、業務に制限がないわけですから、実際からいって、いま現在行なわれているのがどういうことが行なわれているかといえば、検査所でありながら、検査に何ら資格のない人が、なれているというだけで検査をやっているということがいまあるわけです。少なくともこの臨床検査技師というものが、三年間教育を受けてりっぱなものになられるならば、そういう人以外のものはどの程度からはタッチさせないという業務制限があってしかるべきだと思う。また、そういう人がいないような検査所があってはならないと思うのでありますが、そういう点については一体どういうふうに考えられておるのか。
 特に、私は、検査業務がからだに直接触れる触れないという点ではなくて、どんなささいな検査でも重要な意義があるということで、この検査は正確でなければならん。そういうふうなことから考えますというと、治療上あるいは診断上非常に大きな問題になるわけであります。そこで、特にいまの状態で、ほんとうにどこでチェックされておるかということなんかを考えてみると、その正確さ、正しくいっているかどうかというそのチェックのしかた、だれがこれをしていくのか。検査技師が報告したその検査結果を信じた医師が、今度は間違ったやつが出てきて誤診したら、いまは医者が間違ったことになるわけですね。その責任は医者のほうにきておるわけです。当然医者が見ておるわけですから、最終責任が医者にあることはわかるのでありますが、その前にもしチェックができたならば、よけいそう誤診を避けることができるのじゃないか。ところが、いまの何といいますか、町で行なわれておるような検査所には、必ずそういう者を置かなければならんという業務制限はないわけです。これが非常に野放しになっておる一つの原因じゃないか。せっかくこれだけの身分法をつくって、臨床検査技師というものをつくられるならば、なぜそういうふうな者をここに必ず置いて、ここのところで、そういう有能な人がチェックできるというシステムを立てられないのか。そういうところに疑問を感ずるのですが、どうでしょうか。
#25
○政府委員(松尾正雄君) 検査所につきましては、御指摘のとおりの存在であると私は存じます。また、検査についての判断の重要性ということも御指摘のとおりだと思います。従来は、御承知のとおり、この検査所といわれている町の検査所、いわゆる医師から委託を受けてやりますものにつきましては、全く何らの法的な規制はないわけでございます。したがって、いま先生御指摘のような問題が起こる。これを何とかひとつ規制の対象にしたいということで苦心をいたしました結果が、今度お願いしている登録衛生検査所という考え方でございまして、本来ならば、病院や診療所のように、すべて届け出にするあるいは許可制にするという方法も十分考えられるわけでございまけれども、先ほど来申し上げますように、一つは委託する医者自身のほうの、むしろどこを選ぶかという判断が主体になればいいという問題もございまして、一定の条件に合った者のみが都道府県知事の登録を受けまして、そういう登録を受けた者に登録衛生検査所という名称をつけるようにしたい。そういうことによりまして、いわばたくさんある中で、こういうものはきちんとした検査所でございますということをはっきり利用者のほうでわかるような組織をとりたい。これが今回登録衛生検査所というものを御提案申し上げている理由でございます。
 もちろん、そのほかのところが野放しになればまずいじゃないかという問題も当然あるわけでございますが、これにつきましては、いろいろな議論をいたしましたけれども、いまの段階といたしまして、医者のほうに十分選択ができるような、そういうイニシアティブを与えて、そういう優良なところを使うということによって次第にそこの内容も高まっていく、また、いま御指摘のように、検査成績も十分よくなるのじゃないかと思ってこういうふうな仕組みにいたしたわけでございます。なお、チェックするという問題につきましても、従来は、そういう法的な何らの規制もない段階でございますので、これはいわば公式なチェックということはなされておらないわけでございます。しかし、今度の登録検査所というふうなものになってまいりますと、そのときに、将来ブラインド・チェックでありますとか、いろんなチェックなり、医師会と一緒になりましてその内容が高まるような努力は続けていく、こう思っているわけでございます。
#26
○大橋和孝君 いまの登録の中で、あなたのほうのお考えでは、やはりそういうチェックするポイントをつくって、そうして検査結果をチェック・ポイントで一応チェックしてもらって出すからこれはいいんだというわけですね、そう理解していいですか。
#27
○政府委員(松尾正雄君) 一々その結果をチェックする、こういう意味ではございません。ブラインド・チェック等々の問題というのは、いわば一々医師から資料を送って検査がうまくいっているかということを一々チェックをする、こういう問題でございます。ただし、今度の登録検査所におきましては、当然臨床検査技師または衛生検査技師の資格を持たなければこれは登録の対象にいたしません。また同時に、それに対して指導、監督が行なえるような医者を選任しておく。直属でなくても、常勤でなくても選任しておくというようなことにいたしまして、そういう人の面からきちっとしておきたい。なお、設備とか、構造等についても基準に従ってきちっとしたものでなければ登録できない、こういうふうにするつもりでございます。
#28
○大橋和孝君 これは、私ども実際の問題を見ておって、特にそういう意味で思うんですが、登録だったら比較的あなたがおっしゃるのはりっぱな検査がされる。そこには臨床検査技師も置くから、あるいはまた常駐ではなくて医者を置いて監督させるからいいということが表面的にあればそれで足るわけでありますけれども、現実において、臨床検査をやってみて結果を出して、その次のところでチェックしようということは非常に過程を知っている者でなければいかぬわけです。検査部門の中にはそういう人が必ずおって、そしてそこできちっとしたことを指導しながらやっていかないと私はだめだと思う。ほんとからいうと、そういったような検査は、そういう資格を持った者以外にやらさないというふうにもっていったのが正しいと思います。しかしながら、いまの現状からいえば、なかなか検査の回数も多いし検査自体も多い。そういう資格を持っている、いわゆるいまの二年制の衛生検査技師ですか、そういう形の資格を持っている人も非常に現在少ないわけです。ですから、それがおそらく行なわれていないのは、数の上からいって物理的に不可能だと思うんですが、これはいままでそれがかなり野放しにされ過ぎておった。いまの段階ではもっともっとこういうものに対しては厚生省あたりで十分指導し、あるいはまたそういう養成所もたくさんこしらえ、そしてその資格のもとにきちっとできるようにしなければいかぬ。資格のない人はいろいろ洗ったり手伝いをして、そして実際はそういう人がやるというたてまえにするのが正当じゃないかと思うんです。この診断の結果が悪かったら、ほんとに急な病気の人は翌日死んでしまうかもしれない。そういう歯どめができるわけですから、そういう検査ももっと重要視しなければならぬ、私はそう思うわけです。ところが、いまあなたがおっしゃっているように、登録になったら信用がどうとかということで、そこでチェックできるかと言えば、私は、いまのシステムではできないじゃないかと思うんです。あなたはどう思いますか。
#29
○政府委員(松尾正雄君) 一つ一つ全部チェックをする、何らか第三者がチェックをするということはたいへんな問題でございまして、実際上できないと思います。ただ、そういうような、就業しておられる衛生検査技師におきましても、それぞれ分野というものがございます。そこの検査所が非常に幅の広い検査を受け持つといたしましたならば、それぞれの分野にそれぞれ大事な人がいなければならない。そういったことは、当然これを登録いたしますときのおそらく基準になってくると思います。そういう資格のある人々がそれぞれ必要な人員としているということと、設備、構造その他の問題につきまして一応信頼するということにならざるを得ないと思います。ただし、こういう検査の選択につきましては、御指摘のとおり、私どもは、いろいろな方法があろうかと思いますが、たとえば相手の知らない検体を送って、そうしてこちら側だけは知っている。その結果がどうかということで、その検査所がうまくやっているかということは、これはやはりおいおいいろいろな形で将来やられるべき問題だと思います。これは医師会等とも協力しなければならないと思いますけれども、そういうことも将来行政指導の中でいたしたいと考えております。
#30
○大橋和孝君 この点でだいぶ私はいろいろな問題点があると思います。実際検査している場合に、大体の臨床症状を知らないで、検査だけでは、その検査にほんとうになれた人であっても、結果が間違って出てくることがあり得ると思うんです。したがって、いろいろな条件を考えてやらないと正しい結果が生まれてこない。私も検査した経験から見ますと、この人は貧血だという症状を知っているから、ずっと見ていると、これは出てくるなということがわかるわけだし、それが反対に、症状の中で、貧血の症状の相当高度の人であるのに、たとえばここで白血球が、赤血球が相当たくさん出てきたのでもう一ぺん検査をしてみよう、もう一回調べてみようということも必要になってくるわけです。そんなのはだれの血液かわからないのに検査をして、赤血球、白血球を調べただけで、あなたはこれで貧血の症状が出ているとか、あるいはまた、それが出ていないという結果が出てきた場合に、チェックする人がやはりある程度症状を聞いておれば、ちょっとおかしいからもう一ぺん検査するということになるでありましょうが、知らなかったら、そのままの結果で通ってしまう。それは医者のほうでおかしいからもう一ぺん再検査しようということもあるかもしれないが、また間に合わない場合もあり得るし、いろいろなことを考えると、この検査というものを非常に重大視してやっていくかどうかということで非常に大きな変化がくると思います。そういうことから考えても、これは登録の衛生検査所であればいいということで、すべての人にある程度の了解を得るためには、こういうものに対しての歯どめのしかたとか、あるいはそれの運営の方法とか、あるいはその中に対するいろいろな構造なり、スタッフなりというものに対してもかなり高度の考えを同時に持っていかないと、何といいますか、誇大広告みたいなもので、えらいいいように見せかけておっても、中にはちょいちょい大きな誤謬が起こるということもあり得ると思うのです。そういうものに対しては一体どういうように考えておりますか。
#31
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおりの問題が起こりませんように、指定登録を受けるに際しましても、基準でございますとか、そういうものはきちっとしていきたいと思います。と同時に、その後の状況につきましても、登録をしっぱなしということではいけませんので、都道府県でも十分指導、監督ができる、あるいは報告を求めることができるということで、指導、監督ということを絶えずやりながら登録というものについての内容を生かしていきたいと考えております。
#32
○大橋和孝君 それじゃ、特にここでそういう登録されたものを考えた場合に、一体、いま厚生省では、衛生、臨床検査技師ですか、こういう制度をつくってこれの教育を三年間されるわけですが、これは日本でどのくらい必要であり、どのくらいのものをつくるのか。また、いまあなたがおっしゃった登録衛生検査所というものは、一体どのくらいつくるのか、こういうものに対しての構想をひとつ聞かしてもらいたい。いま現在はどういうふうにする、あるいは三年先はどうする、あるいは五年先にはどうするという具体的な案があったら聞かしていただきたい。
#33
○政府委員(松尾正雄君) 第一点のほうの養成問題につきましては、いま六十一校、二千五百五十名というところまで増加をいたしております。こういう学校卒業その他いわゆる薬剤師等で免許を持った者を含めますと、免許の所有者は全体で四万三千人程度いるわけでございます。これはただし、先生御存じのとおり、必ずしも衛生検査業務だけに携わっているわけでもございません。病院診療所等における従事者数でございますと、全部で約一万三千人程度でございます。したがいまして、足りる、足りないという問題については、非常に標準がむずかしいのでございますけれども、病院に約一万一千七百人、保健所等に千三百人という分布でございますが、病院の数が約八千近くあるということから対比をいたしますれば、この病院の検査従事者が一万一千七百人程度であるということは、なおやはりこれは全体的には不足している、こういうふうな感覚でございます。したがいまして、いまのような二千五百五十名程度の者が新しく毎年卒業する、これからもまたふえていくと思います。やはりそこの卒業生というものに期待をしていかなければならないと思います。そういう意味で、私どもも必ずしも何年に幾らつくるというようなことを数量的に計算することは、なかなか根拠がございません。そういう意味での計画は立てておりませんけれども、いま申しましたような専門的な人が足りない。なお、今後の進展というものを考えれば、これらを最も重視して養成しなければいかぬ、こういうような観点に立って進めてまいりたいと存じます。
 それから登録検査所がどのくらいできるか。これも先ほど来申し上げておりますように、従来、全くこの検査所というものについては野放しでございます。したがって、行政上それを把握する方法がない、こういう実態でございますので、今後は十分推移を見ながらやっていかなければならぬと思います。そうして御指摘のように、かなり基準もきびしくというような条件で、最初はそんなに出てこないんじゃないか。しかし、そういうものでなければ登録検査所というものになれないのだといって、それが次第に普及いたしますれば、現在ありますものもそちらに近づいてだいぶ是正されてくるんじゃなかろうか、こう考えております。私どもがただいまこういう検査所というものを掌握している数というものは、大体三百くらいの数字でございまして、あまり大きな数字ではございませんが、そういったようなものが各都道府県地域においてふえてくるという予想でございます。
#34
○大橋和孝君 まず、それでは人の問題を聞きますが、いまおっしゃいました二千五百何ぼという数は、いまふえているというわけですね。これはどういうふうな学校を出て、どこにどのくらいずつあるのか。そうして大体そういう人たちはどういう配分で、どんなふうな就職状況になっているのか、ちょっと聞かせていただきたい。
#35
○政府委員(松尾正雄君) 文部大臣の指定しましたものが二十七、それから厚生大臣の指定しました養成所というものが三十四、合わせて六十一校でございます。これはいわば衛生検査技師の専門の養成所でございます。その定数が二千五百五十名ということになっているわけでございます。
 分布でございますが、全国各地にかなり分布をいたしておりまして、学校の所在します県で申しますと、文部大臣指定のところでは、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、高知、熊本、北海道、青森、宮城、群馬、新潟、石川、長野、まだございます。京都、鳥取、和歌山、徳島、福岡というようなところが学校の所在地でございます。そのほかに、先ほど来申し上げました厚生大臣の指定したところというのがこれらの都市、あるいはそうでない県に分布いたしております。
 それから卒業生の状況でございますけれども、これはつぶさにどこに行っておるかということをこまかく掌握いたしておりませんが、大部分がやはり病院というところに勤務をいたしておるというふうに思います。
#36
○大橋和孝君 これはちょっと私、あとで表にしていただきたいのは、各厚生省あるいは文部省の六十一校でどこに何人おって、いまの二千五百名出て、そうして、もしできなければ四十五年度の卒業生でも――この一、二年の間にとういうふうな分布で卒業しているかということを把握して報告をしていただきたいと思うのです。もし、手元にそういう資料がなければ、各学校にそれを照会をして、過去三カ年間ぐらいに出た人がどことどこと、どこに行っているかということを一ぺん調べてもらいたい。これは何でそういうことを聞くかと申しますと、これは、私ども、検査技師を入れるためにもう何年も前から頼んでいるけれども、なかなか来てもらえないというのが現状なんですね。ですから、そういう状態のところで一体卒業生がいかに逼迫しているかということもあなた方のほうで表で調べてもらう必要がある。そういうことも含めて卒業生がどういうようなところに分布しておられるか、それを一ぺん知らせていただきたいと思います。私も、ひとつそういう点を勉強していきたいと思うわけですから御報告を願いたいと思いますが、よろしいですか。
#37
○政府委員(松尾正雄君) 養成所や学校の名前でございますとか、所在分布、そういうことにつきましては直ちにお手元にお届けいたします。
 それから卒業生の就業先というものにつきましては、若干時間をいただきまして調査して御報告をさせていただきたいと思います。
#38
○大橋和孝君 まあ、おそらくこういう検査技師としていままでに資格をとられたのが足らないということは、厚生省はずいぶんお考えになっているということはわかりますが、いま二年を三年にされるというのは、いままであるこういう学校を二年を三年にされるのか。三年になると、いま少ない時期だから、何十校なら何十校をつくりまして、これを厚生省がやるということになるのか、その点はどうなんですか。
#39
○政府委員(松尾正雄君) 大体、既存の現在ございますところの学校が三年制度になる、こういうのが大部分と思います。
 それからなお、その際、三年にいたしますためにいろいろな障害、特に学校の場合にはいろいろな問題が出てまいるわけでございます。これらの点については、たとえば二年制の上に一年の専攻課程を設けるというようなことで、比較的容易に三年制度を取り入れるというような見通しも持っております。それぞれの各学校のいろいろな場所の状況でございますとか、そういったところによって違うと思いますが、いろいろな方法で三年にできますように指導していきたいと思います。
#40
○大橋和孝君 そうしたことで二年を三年にされたらまた一年間おるわけですね。そういう人は志望者を持っていくにしても、三年にしてくるためにまた技師は減るわけですね、現在よりも。ですから、全体の人が三年制の臨床検査技師をとろうと思うでしょうから、これは一年間卒業生がないということになる。それはどういうふうになるか知らないにしても、減ることになるんだから、私は、こうした法律でよりいいものをつくってもらうことに対しては賛成でありますが、しかし、それをやられるとするならば、この段階で何校なら何校だけはつくるということに踏み切るべきじゃないか。あまりにもこうした検査をされる方々を重要視していないというふうに私は逆にとればとれると思うのですが、こういうことに対して、厚生省はもっと積極的にする意思はおありなんですか。
#41
○政府委員(松尾正雄君) 私どもも、こういう非常に大事な職種でございまして、先ほど来御指摘のような、医療の内容を左右するような方々でございますので、ぜひこれはしっかりした学校でやってもらいたい。特に私どもは国立の大学に付属していくというような形を期待しているわけでございまして、この点、文部省等にも強くお願いをいたしまして、現在、国立の学校が十八ございますが、さらに医学部等にそういうものを付属させてもらいたいという方向でできるだけ努力をさせていただきたいと存じます。
#42
○大橋和孝君 これは大体この法案を出されたときから――いままでもそうだと思うのですが、これは、厚生省がこういうような問題を積極的に取り上げてないという感じがするわけですね。ですから、それをやるためには非常に困難なところがある、私は知らぬわけではありませんから、非常に困難だと思いますが、しかし、困難なだけにこれは大事な問題だと思うのです。先ほど私は触れましたけれども、業務制限はできないわけなんですから、いまこれをしろといったって、そこに行ってやる人が大体数がいないんですからね。野放しにされているわけでありますが、これは大問題だと思うのですよ。大臣、そう思われませんか。
 それから、こういうふうなことで野放しで検査所をほうっておいてはいけないという点から見れば、一番問題は、養成機関をつくってどれだけ人員をつくるかということが先決問題だと思うのです。いま人がいないときに業務制限をしたら検査をやるところがなくなっちゃうわけですから、これはたいへんな問題になってくる。そういう意味から考えましても、一番大事な問題の焦眉の急を要する必要なところは何かと言えば、もう養成機関をつくることですね。だからして、そういう意味で二千何人出ているということは、むしろ焼け石に水みたいであって、非常に要望がありながらそれが満たされていないんじゃないか。またそういう希少価値になるために、そういう人たちもなかなかそれはたいへんな問題じゃないかというふうに考えます。だからして実際問題としては、一検査のところに数名しかいないということでそれが済んでしまうという形になりますから、ここでほんとうにこの養成する機関を積極的にふやしてもらうようなことをもうすぐ予算化してやってもらわなければならぬと思っている。もちろん国立もやらなければならぬでしょうけれども、すべての方向に、もし国立だけでできなければ助成金でも出して、そういう教育機関をつくってもらう、あるいは国立のああいう化学的な学校、いわゆる薬科大学なりなんなりいろいろなものがあるわけですから、そういうところにそうした検査をするだけの一つのコースをつくる、そういうことをやれは私は案外できるんじゃないかと思うんですね。だからこれは積極的に向かうか向かわないかで解決のめどが早くつくということになるわけですから、ここのところでは、ひとつ決意を新たにしてそういう養成機関に対する措置をすることに対して、大臣に今度はひとつ前向きにやってもらいたいと思うんですが、どうですか。
#43
○国務大臣(内田常雄君) 近代医療の中において、私はこの種のパラメディカルというものは医師と並んで非常に重要であることを認識しておりますので、ただいまの先生のお話、十分傾聴をいたしておりました。善処をいたしたいと思います。
#44
○大橋和孝君 それから登録の検査所ですか、これは一体どういうふうにしておつくりになるんですか。
#45
○政府委員(松尾正雄君) これはやはりそういう基準に合致したところを、申請を受けまして都道府県知事が登録をするということで、私どもが、特に積極的に特別にいまのところ公の施設としてつくるという意思は持っておらないのでございまして、それよりもむしろ検査というものの実態に着目いたしましたならば、先生の御指摘のように、非常に不足をいたしております設備等についても重複をしていくことを避けなければならないことがございます。むしろ検査を依頼するという場合、いまの一般の病院、特に公的な病院等が自分のところの検査物だけじゃなくて、開業医の先生の検査もそれぞれ引き受ける体制を一方で十分ひとつ育てなきゃならぬ、これが私は一番の制度ではなかろうかと考えているわけでございます。特に登録検査所をこちらの手でふやすという意思はいまのところ持っておらないのでございます。
#46
○大橋和孝君 局長はえらい簡単に大学が病院の検査所を開放するとおっしゃっているんですが、それはちょっと御認識不足じゃないかと思うんですね。いま大学は、自分のところのをやるだけで精一ぱいなんですね。だから、よそのところまで引き受けるということはよっぽど知己関係がなければそんなもの引き受けてくれないですよ。もう自分のほうだけで一ぱいなんです。また、大学にもそんなスタッフもそろってない。いろいろな看護婦さんを使ってみたり――看護婦さんを使うならまだいいほうです。全然無資格な、それは能力からいったらそこらの皿洗いか、試験管洗いぐらいしかできないような人が教わってやっているのが現状じゃないでしょうか。(「そのとおりだ」と呼ぶ者あり)そんなことを言ったら、ちょっと言い過ぎでしかり飛ばされるかもしれませんが、そうでないということになるかもしれませんが、実際そういうことがあり得るような状態に追い込まれている。ですから、登録云々と言ってもらうと、えらいりっぱなものができるようですけれども、事実問題としてはたいへんだと思う。だから、さっき言ったように養成機関をふやしてもらわなければならぬことはならぬのだけれども、少なくとも登録して、政府はこの面はいいということをされるなら、これにこそきちっとした制度が必要だ。どこどこのコースの何名以上の有資格者がおるということがなかったら、それはもうやったらおかしなことになるんですね。ですから、この法律ができて非常に規制されていくわけだから、私は前向きで非常にけっこうだと喜んでおるんでありますけれども、ずっと法文を見てまいりますと、そういうようないろいろ欠陥が一ぱいあるままでこの法律がつくられているということは厚生省はあまりにも無責任じゃないか。こういうことを公にして、そういうふうにりっぱなものをつくりますよと言って国民に納得させるようなゼスチュアをされることが、内容から見てみたらほんとうにこれできるかいなということを私は言わざるを得ない。だから、この登録の問題についても、いまから少し基準を出して、こういう基準に沿わなきゃいけないんだと、たとえば大学病院なら大学病院は、この登録として認められるためには、こうこうの基準を持たなければいかぬくらいのことをもう示してもらって、そういうことによって皆がこうしたりっぱな基準に上げようという努力をしていかなければならないと思うのですね。おそらくこの法案をつくってもらったのも、一つの努力目標といいますか、こうしたいというものを出してもらったんで、少しは前進だと思うのですよ。前進だと思うのですけれども、それならそれのように、この登録の内容をもっと努力目標として出してもらって、みんなが努力する。これでは人が足らないじゃないかということでもって、皆そこで勉強しようという人も出るだろうし、またそういう場所も、定員もふやしてもらう、養成所もふやしてもらうということにならなければ、早急にいかぬですね。絵にかいたもちのようなものをぽっとほうり出されただけでは、私はいかぬと思うのですけれども、こういう問題に対する先ほどの制度の基準とか、この登録の基準はどういうふうに考えられるか、ちょっとお伺いいたします。
#47
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおり、今度の登録に際しましては、まず設備の問題でございますとか、構造の問題あるいはその内部の組織の問題、経営方針なり、運営方針なりあるいはいろいろな検査に関しますところの記録でございますとか、そういういろいろな諸条件というものを標準化しまして、それに合致しなければならないというふうにするつもりでございます。特に御指摘のように、人の問題につきましては、先ほども申しましたように、有資格の人がこれを扱うべく、いろいろな部門ごとにどの程度なければならぬということから、御指摘のような線をつくりまして、それに合わなければ登録をしないというふうにしたいと、こう考えておるわけでございます。
#48
○大橋和孝君 それからこの中にちょっと先ほど局長も触れられたようでありますが、薬剤師さんあたりは、非常にそういうことに対してたんのうである。もっともそういう諸検査を微量定測までやられるわけですから、非常にたんのうである。しかし、私は、いまちょっとそれを触れられたので、気になったからこれを伺ってみたいと思うが、薬剤師さんは薬の調剤まで、薬を製造するあるいはそれを分析するという資格を持っておられるわけですが、その薬剤師さんの持っておられる程度の、あるいはそれ以上のものを臨床検査技師の中に取り入れられていくという将来のかまえであるかどうか。たとえばこれは三年以上になっているわけですが、もっとこれは大学制にして、やはり薬剤師さんと同じように、年限を四年ですか、何かそういうふうにして大学を出られる、あるいはまたそういうふうなシステムで検査技師というものの最高をそこまで上げていかれる気持ちがあるのかどうか、どうなんですか。
#49
○政府委員(松尾正雄君) 今後この医療に関係いたします医療検査の高度化というようなことにつきまして、これを高度にしなければならないだろうという見通しを持っております。現在でも四年制の検査の大学が二校ございます。こういう傾向は、私ども、当然御指摘のようにふえていくのではないかというふうに期待いたしておるわけでございます。
#50
○大橋和孝君 少なくとも、そういう考え方で大学の四年制のそういう教育課程を終えられた人が最高級であるという、だんだんその線に合わせていきたいという考え方ならば、この教育というものも相当力を入れていかなければ、いま野放しになっているが、研究所あたりは早急にやはり考えていく必要があると思うのです。もっとも大学課程を終えられた方なんかは、この人員をふやす意味においては、いわゆる教師になる人が少ないですから――またおそらくそういうことになると思うのです。そういうことから考えましても、そうした方たちについても、どういうふうな形でそういう教師になる道をつくられるのか。これについてまたお伺いいたしたいと思います。
#51
○政府委員(松尾正雄君) 現実に教職を担当される方が困難であるかどうかは、詳細には存じませんけれども、先生も御指摘のように、衛生検査というものは、本来もともと医学の分野でいろいろな専門化が発達してまいりましたけれども、臨床病理学会があったり、医者の分野でもそれを専門にやられる方が相当おられるようでございまして、そういう意味でその基本的な一番大事な点というのは、ほかの新しいパラメディカルの分野に比べますと、なお私は比較的容易な分野に入っているのじゃないかと、こう考えております。しかしながら、当然養成施設をつくるにあたりましては、そういうような教える人というものの問題が先決でございます。先ほど来、大学というものも必要であると申し上げましたけれども、こういったところの卒業生というものが一定の研究を終えて実習その他に当たる。それからまた医学あるいは理学、そういったような方々を大学に教師として迎えていくというのが私は正当な姿であるというふうに考えております。
#52
○大橋和孝君 いま大学のそうした中央検査所、中央検査室あたりで、やはりそうした医者もそれに専念をして、このほうの勉強をしながらその指導に当たっておられる。それが現状であれば、局長のおっしゃるように、比較的そういうようなところに取り組まれているからやりやすいということは言えると思いますが、それは大学内のことでありまして、試験所なりあるいはまた、いまやっておられるところの学校にはそうした人たちがなかなか派遣されていませんですね。ですから、要求はされてはいらしゃいますけれども、非常に人手不足だと聞いております。そういうことも考えてみるといわゆる看護婦の学校で看護婦を教えられるところの助教授なりあるいはまた、そうした先生が出ておられるように、やっぱりこれは臨床検査を扱っているところの検査技師の中からまたその指導に当たられる人を養成するという面もなければ、ほんとうに大量にこういう医師の資格を持って学校を終えてもらうような設備は拡大できないと思うので、そういう観点からいいまして、ここらの点もひとつ抜本的な考え方を持って進めていただかないと、いまこういうものをつくって、これから進めていくのだということはありがたいことでありますけれども、もっとそこの内容に具体性を持たしてもらうためにも、現状がいいというような把握のしかたではいけないんじゃないかと思うのです。これに対してもっと積極的にやらなければ、あなたがいまおっしゃっているように、二千ばかりでは数が足らないので、病院だけだって八千からあるのでございましょう。この中に二千人くらいのそんな資格者が出てくるくらいでは、とってもなかなかできっこないわけでありますから、その病院の数からいっても技術者の数は非常に少ない。だからして、これをやるための方法というものは、やはり抜本的に考えてもらわなければいけない。それは、学校をつくるかわりに教える人もつくらなければならぬ、こうなってくるのが私は理の当然だと思うのでありますから、こういう問題についてもう少し具体的な案を練ってもらわなければならぬと思います。
 いまの技術のも一つにはそうだし、あるいはまた政令で定めるだけでなく、政令で定める基準をつくって、審議会なりあるいは何々学会なり、いろいろなそうしたものを整備しなければならぬと思うのでありますが、そういうようなことに対しては、一体どういうテンポでおやりになるのか、これは一ぺん大臣にちょっとお聞きしておきたい。
#53
○国務大臣(内田常雄君) 今回の改正は、御承知のように、この種の分野の非常な高度化に伴いまして、いままでの衛生検査技師ではカバーし得ないような分野に対応いたしまして、新しく臨床検査技師というものをつくることと、それからこれはことばは悪うございますが、いままで検査屋というようなことで言われておりましたような検査所につきまして一定の基準、資格というようなものを設けまして、登録制にいたしまして、そして近代性のある検査所をつくるということを出発点といたすものでございまして、今回の改正なり、新制度に基づく内容の充実ということは、当然、いま先生がおっしゃいましたように、引き続いてやらなければならないことでございますので、それに対しましては、私どもは、でき得る限りすみやかに充実した計画を推し進めなければならないと思います。いつどれだけの養成所をつくり、またその養成所に入れるべき教師をどういうふうに養成するかということにつきましては、おそらくまだここで申し上げる段階にはなっていないと思いますが、私は、お話しを伺っておりまして、深く傾倒いたすものがございますので、十分配慮をいたしてまいりたいと思います。
#54
○大橋和孝君 特に私はそれをひとつ大臣に要望しておきます。ごく短期間でこれをつくっていただきたい。また、私、続いてこれも質問させていただきまずから、次の機会に。そのころまでにはひとつ構想を明らかにしておいていただきたい、こういうふうに思います。
 それから最後に一つだけこういうような問題について聞きたいと思うのは、将来この業務制限をやるのかやらないのか。先ほどは局長はだんだん内容がよくなったものから登録していくと、こうおっしゃったのですが、いまの段階では人の数も足らないから、おそらくそんなことはできないと思うのです。だから、それはいま急にというわけじゃないけれども、こういう身分法をつくって、身分が確立したならば、そういう人がおらなかったら検査をさせないというところまで将来お持ちになっていくお考えは貫かれるのかどうか。いや、初めから検査は野放しにしておけ、いいものだけを一つずつ指定していくのだと、こういうふうに考えるのか。やはり将来は業務制限をして、こういう人がいなかったら検査をさせないようにしていくという考えか、その点をひとつお聞きしたい。
#55
○政府委員(松尾正雄君) 私は、率直のところは、十分検討さしていただきたいと、こういうように申し上げるのが正しいかと思っておるわけでございます。と申しますのは、確かに一方で業務制限というものを考えなければならぬ要素があろうかと思います。同時に、おそらく五年先、十年先の問題で推測の一番困難な分野が実はこの臨床検査、衛生検査の分野ではないか、どういうものがこれから入ってくるか、導入されてくるかということは、非常にその専門家でもなかなか予測のつきがたいものではなかろうかと思っております。しかしながら、それが医療の世界で必要であればどんどん取り入れなければならないという問題に発展すると思います。そういう場合に、先ほど来申し上げましたように、専門の物理学者でございますとか、生化学の専門家でございますとかが医療の中に検査部分を担当する人として入ってくるということは十分ひとつ考えなければならないのではないか。そういうものとのかね合いにおきましてひとつ検討さしていただきたいと思っております。
#56
○大橋和孝君 検討を要することはたくさんあると思うのですね、この重要なものの中に。しかし、もう一つ、いま厚生省で着目されまして、検査の重要性のためにこうした技術者を拡大していこうというお考えに立たれたわけでありますが、いまの医療の中を考えていきますと、今度次に考えられておるところの医療の抜本改正の中では、こういう検査というものを非常に大きいウエートにしていかなければならない。そういう観点から申してみますと、いまからこういう問題に対して相当着実な前向きな方法を考えておいてもらわないといけない。やはりいざ医療の抜本改正をしよう、ほんとうにいいものにしていこう、国民の医療を高めていこうという立場から考えると、私は、早く着手をしなければならぬ非常に重要性のある部面じゃないかと思うのですね。
 それから、特に最近の医学の傾向というのは、そういう検査の結果でなければなかなか診断がつかなくなってきております。昔は、聴診器を当てて勘でもって診断をしていたのが名医だったのでありますが、今は、そういう医者はしんにゅうのついたほうの迷医なんで、実際はやはり科学的にそういう検査のデータを積み重ねて初めてほんとうの診断が下されるというのがいまの新しい傾向になってきておりますね。だから、そういう点からいって、もちろん必要に応じては化学者も入り、物理学者も入るのはたいへんけっこうだと思います。生物学者も入るべきだと思うのでありますけれども、それよりはもっと現実に必要な面の検査ですね。そういうプラクティカルといいますか、ほんとうに実務につく人、こういうものの技能を高めないと私はいけないと思う。ですから、もちろん局長のおっしゃっているようないろいろな面もありますから、もちろんこれも考えてもらわなければならぬと思いますけれども、ほんとうにそういう方向でいいものをつくっていこうというお考えでいらっしゃるならば、もうそこで早く基準を出して、そういうことができるようなことを早く逐次やれるようなことを考えてもらわないと、どうも何かいい形の制度はできたけれども、なかなかそれが実際についていかれない。また非常におちこちが出てくるということですね。それから設備のできるいい大学は一、二あったにしても、なかなかあとにそれが続いていかれなかったり、そういうような医療の何といいますか、格差というものがそこに出てくるような医療制度に追い込むようなやり方ではいけないと思いますので、こういう身分法ができたときには、同時にこの登録の検査所、こういうものが人口どれくらいに対してどれくらいは必要だろうとか、あるいは病院どれくらいに対してどれくらい要るだろう、医者のどれくらいに対してどれくらい要るだろうということは、これは基礎調査ですぐわかることだと思うので、そういうことを踏んまえてこの基準をつくる。あるいはまた、そういうものをふやすための努力をひとつしてもらいたい、こういうふうに思うわけです。これは特にひとつ大臣にも要望しておきますから、ごく短期間にそういうものの構想をはっきりとしていただきたい。私は、もう一月か二月たちましたところで、どういうふうになったかということをひとつお伺いさせていただきたいと思いますので、短期間の間にこれをつくっていただくことを特に要望しておきたいと思います。
 それから、ここでちょっとこまかしい点にはなりますけれども、一、二考えておりますのは、いわばもぐりの検査所と言いたいくらいでございますが、いま現在衛生検査をやっている施設、これは大学の付属研究所だとか、医師会なんかがつくっているというのもありますけれども、民間でもたくさん最近はそういう検査所ができました。それで、この数は、一体厚生省はどれくらい把握しておられるのか、民間の検査所ですね。こういうものについてひとつおわかりになっておったら聞かせていただきたいと思います。
#57
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申し上げましたように、いわゆる町の検査屋というもの、検査所というものが全くの野放しであったわけでございます。その意味で行政上これを的確に把握するということができなかったわけでございます。私どもがいろいろな角度で得ましたものは、そういういま御指摘のようなものが四百三十五カ所あるというふうにつかんでおりますが、もっとあると思います。
#58
○大橋和孝君 これで、こういう検査技師の資格がなくても、こういう検査業務がどんどんと行なわれていいようになっているわけですが、民間の検査施設で資格者が一人もいないというところがたくさんあるじゃないかと思うのですが、いまは、厚生省のほうで指導をされて、そういうところはないのかあるのか、ちょっと聞かせてください。
#59
○政府委員(松尾正雄君) おそらく全く資格のない人だけでやっているところはないんではないかと私は推測いたしますけれども、いかんせん、いままでこういうものを把握するだけの権限とそれから規制もなかったわけであります。そういうことで、ほんとうの意味の実態を明らかにし得ないというのが実情でございます。それはいかぬということで、今度登録制度というものを導入いたしたわけでございます。今後は的確にそういう登録されたところをきちんとつかまえてまいりたいと思います。
#60
○大橋和孝君 現在では、やはり何か有資格の人を看板的に置いただけで、実際上は有資格者がいないと同じというところが私はかなりあるんじゃないかと思うのです。一ぺん都道府県に対して、現状どうなっているかということを調査される意向がありますか。
#61
○政府委員(松尾正雄君) 各県を通じましても、現実にそのすべてについてそういう状態を把握するということは非常に困難であろうと存じます。ただ、事例的には把握することは可能であるかと思います。全部についてはそれをやるだけの調査権限も何も与えられておりませんので、非常に困難だろうと思います。
#62
○大橋和孝君 そういうことの様子を見てみますと、今度登録制度をつくられて、信用の置ける施設にしていくということであろうと思うのですが、確かに、少しでもやってもらいたいし、やってもらうことは非常にプラスであり、皆がそのレベルに上がろうというのはいいと思うのですが、やっぱり検査機構が無資格でやられておるということになりますと、いまおっしゃったような目的がありましても、実際においては、これは問題解決にならぬわけです。ですから、この登録要件、先ほども私申し上げましたが、有資格者の数を何人だとか、こういうようなことも規定されたり、もっともそういうことをしなきゃ意味はないように思うのですけれども、最小限これはやらなきゃいかぬと思うのですが、どうですか。
#63
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申し上げましたように、登録を受けるに際しての基準は、これは明確にしたいと考えております。ただ、そのほかのいわゆる登録を受けないようなところについては、今回の改正も手が及ばない形になっておりますけれども、これはやはりこういう登録されたところを、ひとつお医者さん方が検査委託するに際して、そこを使っていただくということでみずから選択され、検査の成績をいいものにしていくようにしていただきたいと、こう思うわけでございます。そういう登録の申請もしない、登録もしていないようなところであれば、それはその結果について必ずしもいい結果が期待できないというようなことになると存じますので、むしろそういうものを医師会の先生方がどうぞ積極的にこの施設をお使いくださって、いいものを使っていい検査を得られるということで進めていただきたいというのが今度の法案でございます。
#64
○大橋和孝君 そんなことを言っていたのではなかなかできない、実際は。
 もう一つこれは悪い話になってきますけれども、限られた人数で一日に百とか、百五十とか被検体を調べていかなければならぬいま現状なんですね。ですから、精密に検査するのは物理的に不可能だから、医者から頼まれたところの検査項目の約半分くらいはやって、ほぼ結果の予測がついたら、あとは正常値でごまかしていくというふうな業者もあるやに聞くわけなんですね。だから、そういうようなずさんさがもしあるとすれば、――あるかどうかうわさを聞くだけでは明確でありませんが、そういうことがあるとするならば、そのずさんさをどこで一体規制していくのか。こういうことを考えてみたら、取り締まり官庁としての厚生省としては、こういう問題に対してはどういうふうにお考えになりますか。そうなりますと、いまおっしゃっておるように、あすこがいいからといっていいところへ行くようにする、そこへたくさん被検物が行きましたら、これまた十分さばき切れないから、半分くらいは正確な検査をして、データも出すけれども、ほぼこれで被検体はどういう結果になりそうだといったら、あとのやつは推測でもって値が出されるということになると、これはりっぱなところがまたりっぱでなくなってしまうわけですから、いま局長が言っておられるようなことで、穏便といいますか、びぼう的なやり方では、なかなか高いレベルに事実問題として上がらないんですよ。ですから、私は、あまり追及をしてくどく申し上げるのもあれだと思って言わなかったんですけれども、ここらでやっぱりある程度の規制をして、何人くらいそういう検査所には必要なんだということにしていかないと、しめしがつかぬのじゃないかと思うんですが、どうですか。
#65
○政府委員(松尾正雄君) 登録を受ける基準というものにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、先生の御指摘のような人数の基準、専門家の基準、それが何人であるかということも、それぞれ標準となるものをつくって、それによって執行したい、そう思っております。先ほど来のような事実、こういうものを規制の対象としてきちんとなすべきではないか、こういう御意見は、私どもも、ある意味ではそうあるべきだという考え方に立って、いろいろ検討もいたしたわけでございます。しかしながら、こういう施設を全部そういった許可制、登録制にするという問題になりますと、法律上の立て方の問題等もいろいろ出てまいりまして、私どもは、もしそこまで踏み切るといたしましたならば、将来医療法というものの中で、こういう検査所というものを設立させるかどうかというようなことでひとつ検討したいというふうに考えておるわけでございます。
#66
○大橋和孝君 これはひとつたいへんな問題ですから十分考えていただきたい。
 それからもう一つ臨床検査薬ですが、私聞いているところでは、約三千種類くらいあるといわれております。その製造規格は日本工業規格で、品質別に特級から二級くらいまできめられておるという話を聞いておるけれども、特級をとってみましても、製品ごとに非常に検査の値のばらつきがあるわけですね。こういうような状態で、実際出てくる検査も非常に誤差が大きくなるわけです。この規格の立て方は、製品の純度を高めるためにも、基準を厚生省がつくっていかなければならぬのじゃないか。これは、ただ日本工業規格とかいうふうな工業製品規格の中でこういう問題をやっておったのでは、精密な検査の試薬としては、私は非常に問題が残っていくんじゃないかと思うんですが、こういうことに対しても、いままでは、案外厚生省は大きく取り扱ってこられなかったんじゃないかと思うが、これについてはどういうふうにお考えでしょうか。
#67
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のとおり、検査試薬の標準というものがばらばらであるということは、検査の結果を非常に左右いたします。私どもも、先生と同感でございます。いままでのJISの規格だけではいけないということで、厚生省では薬務局が中心になりまして、一般の医薬品の分数の基準でございますとか、そういうこととは離れて、独立のこういう試験関係の薬品の基準化をしたいということで、いま薬務局中心に検討を急いでおるということでございます。
#68
○大橋和孝君 こういう製薬、試薬というものに対しての考え方、いま局長がおっしゃっているようなことは、いままでからもちょいちょい聞いておるわけでありますが、なかなかこれは実際問題として検査、指導ということがむずかしいように思うのでございますけれども、これは厚生省でおやりになるわけですね、具体的に。
#69
○政府委員(松尾正雄君) そういう基準というものをつくるべく、薬務局が中心で検討を急いでおります。
#70
○大橋和孝君 これはほかの薬品に対してもそういうことは言えると思うのでございますけれども、特に検査薬というのは非常に微量、定量にわたるものでありますからして、これに対しての考え方は、これも先ほどの問題と同じように、至急やらなきゃならぬことだと思いますから、ひとつ特にそれをやっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、医者がこうした問題に携わることに対しての問題でありますけれども、医者が持っていくんじゃなくて、一般の人がいろんな検査を民間のそういう衛生検査施設に対して依頼するような場合、医者の指導監督の関係がどういうふうになっておるか。たとえて申しますと、飲料水だとか、それからプールの水質だとか、あるいは尿中の糖などのたん白、こういうふうなものをちょっと検査してもらいたいというふうな場合に、やはりこれはすぐ民間の施設に出したんでは医者の監督というものがないわけですから、医者のほうから出せば、ある程度医者が監督しておって、来たものに対してもある程度チェックして再検査もできるだろうし、あるいはまたいろんなアドバイスもできると思うのでありますが、一般人がやられる場合には、それはほうとうに野放しになってしまうと思いますけれども、こういう問題についても、厚生省のほうでは、ある程度検査所に対してのチェックをするお考えを持っておられるかどうか。それについてはどういうふうにお考えですか。
#71
○政府委員(松尾正雄君) プールの水その他の水質検査等の化学的検査は、現在の衛生検査の業務の範囲でございません。直接、医者の指導監督の関係で言えば、何らそれは関係がないという状態になっております。したがいまして、そういうプールの水を検査をするような、そういういわば水質検査的なものまでこちらのほうでいろいろと規制をするということまで考えていないわけでございます。
#72
○大橋和孝君 これは最近ではちよいちょい私どもは聞くわけでございますが、たとえば梅毒検査なんかしてみようというので、医者へ行かずに民間で検査するという例なども聞いておるわけですね。いろいろ健康にも関係するような場合ももちろんあるので、直接に一般の人から民間の施設に行くということもあり得るわけでありますからして、この検査所というものは、やはり何かそういうところで監督、規制というか、そういうふうなことのできるような設備にする必要がある。そういう点からいえば、やはりこういう民間の検査所といえども、医者なら医者、そういう検査に携わるような人の指導監督といいますか、そういう医者や何かを置くというぐらいのところまでいかないと、やはり健康の問題というものに影響するでありましょうから、そこらも登録の基準の中には医者なんかの――先ほど局長もお答えになりまして、そういうふうにやっているようにおっしゃっていましたが、常時そういう責任者を置くということは不可欠ではないかと思うわけであります。こういう点についてひとつ。
#73
○政府委員(松尾正雄君) 衛生検査所におきます衛生検査というものについて、これが人体からいろいろ採取されたものあるいは摂取されたものを送るという、そういう検査に関する限り、これはやはり医者の監督が必要でございますので、先ほど申し上げましたように、いわゆる登録の基準に際しましても、そういうものの指導監督ができるような医者が選任されている、選ばれているということを条件にするわけであります。
#74
○大橋和孝君 最後にちょっと私は大臣の意見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思いますが、一番初めにちょっと申しましたように、今度の臨床検査技師の法律をつくってもらうことはたいへんけっこうだと思います。私も、一歩前進であると考えますが、いろいろ私が質問いたしましたように、形から考えますとりっぱなものをつくってもらったけれども、どうも内容がまだまだ少しお粗末過ぎると考えるわけでありますからして、先ほどもろもろ申したような問題をどうかひとつ、先ほどもちょっと大臣の御意向を伺いましたが、できるだけひとつ詰めていただいて、いまも言ったところの、いわゆる業務制限ができるような状態に早く持っていってもらうこと、もうそういう人でなかったら検査はできないのだということが出せるほどにやっぱり人もつくってもらい、施設もふやすというようなことにしてもらって、ほんとうに医療の抜本改正をするころまでには、そうしたパラメディカルの問題のうちでも、この衛生検査という問題については確固たるものであって、実にりっぱだというものに私はつくり上げていただきたい。そうするためには、いま申しましたように、行政の面から人の面あるいは施設の面、あるいはまた、それを指導する面から、もういろんな細部にわたっての問題があると思うわけでありますから、こういう問題をひとつ前向きにきめてもらって、しかも予算化してもらわなければならぬ問題がたくさんありますから、私は、どうかひとつ来年度の予算までにこういう問題を前向きに、何と何とをやるというくらいまで、このせっかくつくってもらいました衛生検査技師法なるものに、ほんとうの点睛をしていただきたい、そういうふうに思うわけであります。
 この所信を聞いて質問を終わりたいと思います。
#75
○国務大臣(内田常雄君) 大橋委員の貴重なる御意見、まことにありがとうございました。十分傾聴をいたしましたので、善処をいたしてまいりたいと存じます。
#76
○渋谷邦彦君 一点か二点、確認の意味でお尋ねをしておきたいと思います。
 ただいま、質疑を通じて伺っておりますと、またしても人の問題が出てまいりました。この人の問題の解決というのは、おそらく厚生省にとっては、多岐にわたる、また、抱えておる問題点で大きな分野を占めるものではなかろうかと、しみじみ先ほどから聞いておりまして感じました。どうも当局の御答弁を伺っておりますと、必ずしも人的確保の上で明確な今後の計画というものが策定されていない、そういう感じを受けるわけでございます。
 先般、私、実はある病院を訪れました。その病院長さんから、いろんな貴重な御意見も伺いました。特に、出産の場合に、交換輸血をしなければならないという緊迫した事態が起こった場合に、どうしても検査技師の常駐というものが要求されてくる、当然、出産は昼夜を問わないわけであります。けれども絶対量が不足しておるために必然的に労働条件が悪化してきて、非常に頼みにくい面もあるけれども、しかし、従事している人たちは使命感を持って、快くやってくださっておりますと、夜の夜中も起きてかけつけてくれますと、こういう話を聞いて帰ったわけでございます。公的な医療機関においてすらそうでございますので、あるいは私立の病院においては、なおのことだと私は思います。
 いまもその必要性、またこれからも相当に高い技術を修得した人の要求というものが、質疑を通してもう明確になったわけであります。それだけその必要性というものがあるならば、やはりここで基本的な考え方というものを示していただきたい。これは、昭和三十三年、議員立法で成立をした法律ではありますけれども、その後、当局としても、おそらくこの中身については、いろんな角度からの検討を加えられて、現在の不備をどうしたらいいのかということもお考えになってこられたと思う。いま、私はそうした面から一例をあげたわけでありますけれども、実際は緊迫した事態となっておる。東京都内においてはなおのことだと思うのであります。厚生大臣は、いままでそうした点につきましていろいろ専門家からも意見なりあるいはそのアドバイスを受けてこられたと思うのでありますが、重ねて私は確認と要望をこめていま申し上げているわけでございますから、やはり先ほどの大橋委員と同じように、根本的に考えていただきたい。いま、私は、労働条件が非常に悪化しているということも加味して申し上げました。こうした点を大臣はどのように把握をされているか。先ほど来、御答弁をいただいておりますけれども、やはりこれは本気に取り組みませんと、先ほどの例から申し上げましても、乳児が死亡するあるいは小児麻痺になる、そういうような結果を招くことは必至であろうと、こう思うのであります。もう一度大臣の意のあるところをお伺いして、私は質問をその一点にとどめておきたいと思います。
#77
○国務大臣(内田常雄君) まことにごもっともな御意見であり、またお尋ねでございますが、渋谷さんが思っておられるように、これは人間の問題、しかも、それが高度の専門知識を持った職能人の問題でありますので、最も困難であります。しかも、この衛生検査技師あるいは臨床検査技師というような一点だけであるならばまだしも、同じようなもう違った分野でそれぞれの職能を持たれる多数のパラメディカルの領域がありますので、それらの職能を持たれる方を均衡ある形において養成していくということ、これは申し上げるのはやさしいわけでありますが、現実には非常に困難な点がございまして、製血事業でありますとかあるいは製薬事業と全く違う面がございますので、私も、簡単にこれは年次計画で責任をもってこういうふうになっていますということを申し上げられないのがいまの状況でございますけれども、しかし、私自身、ほうっておけば自然に解決する問題であるとは決して思っておりませんので、今回の臨床検査技師にいたしましても、また新しく衛生検査技師の資格の高度化などにも関連いたしましてそれらの職能人、知識人の充実につきましては、でき得る限りいろいろな面からこれを充足していく、そういう前向きの姿勢で計画を立てさせてまいりたい、こういう私の心がまえをここで申し上げさせていただきたいと思うのでございます。
#78
○渋谷邦彦君 重ねて御要望申し上げておきたい。これは答弁要りません。昭和四十三年の十二月に社会保障制度審議会が申し入れ書を提出しています。御承知のとおり、その中では長期展望に立った長期計画を立てるべきである、政府はその努力があるとは認められないというたいへんきびしい指摘をされておりますので、どうかあらゆる問題を加味しながら、いま大臣答弁されましたように、前向きでお取り組み願えるならば、やはり十年計画というように、そうした長期展望に立たれた今後の人的な確保等をあわせた計画を早急に立てるべきではないか。これを念を押して再度御要望申し上げておきたいと思います。
#79
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 衛生検査技師法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#82
○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#84
○委員長(佐野芳雄君) 旅館業法の一部を改正する法律案(衆第三八号)を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#85
○渋谷邦彦君 本案に対しまして、三、四点お伺いをしてみたいと思います。
 この中身を見ますと、最近、急速にモーテルがふえた。特に都市の近郊において顕著である。そうしたことを踏まえて、そのふえた現象と並行しながら、きわめて芳しくない経営者が最近はふえつつあるのではないか。そういう悪質な旅館業者を締め出すといいますか、規制するために本法律案の改正がなされようとするようでございますが、ここまでに踏み切られた中身を見ますと、どうということはないのですけれども、特に学校のほかに児童福祉施設というものが加えられ、その周辺にはこの種の良俗を害するようなものは認めない、当然だろうと思います。さらに第二の項目におきまして、善良な風俗の保持のために必要な条件を付することができるようにした、ここが一番問題点ではないかと、こう思うのであります。ここまでに至った経緯というものがあろうかと思います。衆議院のほうでも、おそらくいろいろな面から検討を加えられ、問題点があったためにこれに踏み切られた、このように御理解を申し上げるわけでございますが、具体的にどういう問題点が最近非常にふえたかということからお尋ねをしたいと思います。
#86
○衆議院議員(増岡博之君) ただいまお尋ねの件でございますけれども、実はモーテルの実態でございますけれども、昨年の九月現在の統計で恐縮でございますけれども、全国で二千三百十カ所ございます。これは、前年対比いたしますと、実に六三%もふえておるわけでございます。この施設の中で犯罪が行なわれまして、警察が手をつけましたものだけでも、昨年の一月から八月までの八カ月間で六百二件ございます。ですから、一年に直しますと、大体九百件という計算になるわけでございます。その中で、強姦その他の性犯罪、刑法に反するものが四百五十二件ございます。そのほかは売春防止法とか、旅館業法とか、薬事法の違反でございます。そういうことでございまして、このモーテルと称しますものについて相当な規制をする必要がある。端的に申しますと、法律の改正のみではなくて、政令にゆだねられておりますモーテル自体の建物のつくりその他のことまで改善をしていかなくてはならない実態にあるというところからこの法律の改正に乗り出したわけでございます。特に、善良な風俗に関しましては、実は週刊誌その他で御承知のとおりのようないろいろな施設を内部に持っております。そういうものをどこまで規制できるかということは、これはまた法制局との関連もございますけれども、なるべくより強い規制を行ないたいというのが本法案を提出いたしました根拠でございます。
#87
○渋谷邦彦君 急増した数、そしてまた、わずかの期間の間に発生した刑事事件、決してこれは軽視できない数であることはいまの御答弁のとおりだと思いますが、今回の法改正によって、今後この種の悪質な業者が阻止できるかどうか、また、それだけのことを想定されながら、しかもりっぱにやっている旅館業者を侵害しないということを十分に踏まえておそらくお考えになったんだろうと思うんでございますが、その点はいかがでございましょうか。
#88
○衆議院議員(増岡博之君) 先ほど申しましたように、法律の改正のみでは十分でございませんので、実は衆議院におきましては、これに関しまして特別決議をいたしました。政府におきましては政令の改正をいたしまして、玄関も帳場もないということは、男女が合意の上で入るのでない場合でも何ら阻止する方法がないということもございますので、それを行政運用と相まって改善するようにはかること、これを特別決議の中に一つ入れております。それから、もう一つお話のございました、善良な旅館に対してはみだりに乱用することは困ることでございますので、戦前のいわゆる取り締まりあるいは立ち入り検査ということがないようにという意味で、特別決議の中にもそれを入れまして、いやしくも健全な旅館について乱用されることのないよう、法の適正な運営について十分に配慮することを決議いたしておりますので、そのようなことはないと考えておるわけでございます。
#89
○渋谷邦彦君 まあ、せっかく改正されるその法律の運用というものが的確に行なわれることが、これはもうだれしも望ましいことであることは当然でありますが、ただいま御答弁を伺っておりますと、はたしてそれが阻止できるものかどうかということについては、やはり一まつの不安をぬぐい切れないものがある。そうした場合に、あるいはその強制捜査といいましょうか、あるいは立ち入り検査と申しますか、そういうところまでこの法の解釈の上から考えられるような点はないのでしょうか。
#90
○衆議院議員(増岡博之君) もちろん犯罪が起こりました場合にはそういうことが行ない得るわけでございますけれども、モーテルが旅館業法の適用を受けております関係上、ほかの風俗営業の法律の適用を受けております業界とは異なりまして、ただ単に推定でもって立ち入り検査その他をするということは困難であろうと思います。もちろん旅館業法違反その他の、あるいはまた刑法の犯罪等があった場合は別でございます。
#91
○渋谷邦彦君 確かにむずかしい点も重々わかるんでございますが、えてしてこの良俗を乱す、いわゆるその周辺の環境に対しましてたいへんな悪い影響を与えるということは、国民としても、当然これを除去してもらいたいということは言うまでもありません。ただし、はたしてその中で行なわれてるもろもろの行為というものが、外部から見た場合には非常にわかりにくい。おそらくは人づてに、あの旅館では怪しげなことが行なわれてるらしいという、まあ口こみ、そうしたものを通じて捜査当局が調査をする、こういうふうになるんではないか。したがって、先ほどあげられました六百何件かの件数というものも、これは表向きにあらわれた数ではないか、実際にはもっと探知し得ない数というものがあるのではないかという点であります。むしろこの点については、厚生省の局長にお伺いしたほうがよろしいのではないかと思います。いかがでしょうか。
#92
○衆議院議員(増岡博之君) 先ほど申しました、政令にゆだねられております構造、施設をどの程度まで政令で改めるかということが一つの問題でございますけれども、それが行なわれました際には、その改善命令が出されるわけでございますから、当然施設の中に入って見ることもできると思います。それから旅館業法に基づいておりますので、環境衛生監視員というのが見られることになっているそうであります。詳しくは局長のほうから答弁してもらいます。
#93
○政府委員(金光克己君) 旅館業法の旅館の許可につきましては、構造基準ということが一つの要件になっておりまして、それにつきましては、この法律に基づきまして保健所のほうから環境衛生監視員が立ち入り検査ができるようになっております。そういった点では相当に指導していくことができる、かように考えております。
#94
○渋谷邦彦君 いずれにしても、せっかくのそうした意図をもって法律改正をされるわけでございますので、十分この法律が的確に運用されますよう、そしてまた、先ほど御答弁にもございましたように、良心的にやっている旅館業者までが絶対に法律の拡大解釈等によって侵害されることのないように、要するに、この法律そのものが空文化しないことを十分御配慮いただきまして、この法律の運用を誤らないように、重ねて御要望申し上げて私の質問を終わりたいと存じます。
#95
○藤原道子君 私は、旅館業法の一部を改正する法律案が、幸い衆議院の社労委員会から提案され、そして衆議院で成立したことを非常に喜んでおります。また、各方面からもいろいろ陳情を受けておりますので、ほんとうによかったと考えておるものでございますが、さらに、この法律は適正に運用され、効果が上がりますよう祈念いたしますので、二、三点について局長に御質問いたしたいと思います。
 ただいま伺いますと、モーテルが二千三百十何カ所かある、これらに対してきょうまでにどのような監督が行なわれてきたか、どのような指導が行なわれきたかについてお伺いしたいと思います。
#96
○政府委員(金光克己君) このモーテルの問題につきましては、最近、モーテルが非常にふえてまいりまして、いろいろと問題が提起されておるというようなことで、厚生省といたしましては、関係各省といろいろ協議を昨年来進めてまいっておるところでございます。そういうことで、昨年の十月に、このモーテルに対します指導の強化につきまして、全国の主管部長あてに通知を出してその指導を行なっておるわけでございます。それにつきましては、中身としてはいろいろございますが、問題は、そういったいかがわしき施設と申しますか、そういう施設につきましては、許可にあたりまして十分な指導を行なうこと、あるいは、旅館につきましては環境衛生金融公庫等から融資を行なっておりますが、いかがわしいものについては融資をしない、あるいは学校との距離につきましては慎重に調べまして、また教育委員会等の意見も十分に聴取して、許可を慎重に考えていくといったようなことを指導してまいっているわけでございます。
 それからなお、部屋の中のいろいろの施設等の問題につきましていろいろと問題もあるわけでございまして、これは政令の利用基準等にも一部そういった規定があるわけでございますので、そういった点につきましても十分な指導をいたしておる、かような次第でございます。
#97
○藤原道子君 旅館業法の第六条では、「営業者は、宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載し、当該官吏又は吏員の要求があったときは、これを提出しなければならない。」と規定されております。ところが、いまもお話があったかと思いますが、モーテルでは帳場もなく、宿帳も記載しないでそのまま部屋に平気で入れるような仕組みになっているところがたくさんある、こういうふうに私は伺っているんです。これらに対しては、この第六条に違反するのではないでしょうか。こういう施設があることを厚生省では把握していたのかどうか。把握しながらそのまま放置していたのかどうか、この点を明確にしていただきたいと思います。
#98
○政府委員(金光克己君) 御指摘の宿泊者名簿につきましては、御指摘のように、モーテルにおきましては、必ずしも備えつけといいますか、記載してないというような実情でございましたので、先ほど申し落としましたが、昨年十月の通牒におきましては、その点につきましても十分強力な指導をするように、また処置をとるようにという通知を出しております。
#99
○藤原道子君 モーテルというのは、いつごろからでき始めたんですか。
#100
○政府委員(金光克己君) 何年前からかということはちょっとはっきり存じませんが、高速道路ができ始めたころから、これはそのころが始まりだと、かように考えます。したがいまして、数年前ぐらいからこれはできております。
#101
○藤原道子君 何だか心細いですね。私たちのところへもたくさん陳情が来るんですよね。ところが、肝心の旅館業法の担当局長が知らないで、それは数年前からできたらしい、去年の暮れになって初めてこういう指導をしたというような状態だから、悪徳業者がかってなことができるんですよ。売春その他だって目に余るものがあるんですよ。それらに対して少しも監督しようとしていないところに問題がある。そこで、衆議院の社労委員会でいたたまれなくてこの法案が出たものと私は思うわけなんです。したがって、いまのような態度では、この法案ができても実効あげてくれるんですか、どうなんですか。お覚悟のほどを伺いたい。
#102
○政府委員(金光克己君) モーテルが何年前からかということをよく存じませんで、まことに申しわけないのでございますが、このモーテルによりましていろいろ問題が提起されておりますので、旅館業法におきましては、本来は衛生的な問題が主体でございますけれども、善良の風俗を守るということもその目的の一つでございます。従来は、やはり衛生的なものを主といたしておりました関係上、若干その点におきましては不十分な点があったかと思うのでございますが、現在社会問題になり、また非常に問題でもございますので、私ども旅館業法を所管しておる立場でできるだけのことはやってまいる、かように考えております。
#103
○藤原道子君 さらにお伺いしたいのは、旅館業法は、公衆衛生の見地から必要な取り締まりを行なうたてまえになっている。ところが、その結論を公共の福祉に適合させることを目的とするものであれば、むしろ環境衛生上の問題が重点となるべきものであろうと思う。したがって、取り締まりの面は指導面に置きかえられなければならないと思うが、今後はモーテル、アパートのような新形態のもの、あるいは社会福祉施設とも見られるようなものも多く続出してくる傾向にある。これをそのつど新たな理由で規制するための改正を行なわなければならないことになるのじゃないか。また観光ホテルのようなものも、運輸省所管で別の規定、規制に従って行なうものも多く出てくると思う。ということになると、これら行政の一本化の問題も考えられなければならない。そういう場合、旅館行政に対する厚生省の根本的な考え方、そのつどあわてふためくのではなく、今後いろいろな形のものが出てくると思われるので、それらに対して一本化するお考えがあるかどうか、厚生省の根本的な方針を伺いたい。
#104
○衆議院議員(増岡博之君) ただいまのお話しのような御心配がございますので、衆議院のほうでも、特別決議の中で旅館業法の抜本的な改正をするということを、いまの旅館業法ではホテル、旅館、簡易宿泊所、下宿まで入っておりますが、抜本的な改正を行なわれることを強く要望しております。厚生省でもそのように考え、考え方を変えつつあるのでございまして、局長からそこのところは説明していただきます。
#105
○政府委員(金光克己君) 衆議院の附帯決議にございますように、旅館業法の根本的な改正につきまして、私どもの立場でも十分考えてまいりたいと思っております。この点につきましては、いろいろ、関係方面でもいろいろと問題が提起されておりますので、そういったものを十分検討して必要な措置をとってまいりたい、かように考えております。
#106
○藤原道子君 今度の規制で、社会教育施設等が都道府県の条例で定められることになっておりますね。ところが、同じ環境面でも、各都道府県でまちまちの結果が出るのではないかと心配をいたします。これを全国的に統一する基準なりあるいは方策なりがあるかどうか。各都道府県でまちまちになってもしかたがないという理由はどういうわけであるか。つまり学校周辺百メートルはこれは規定されている。ところが、今度の改正は都道府県の条例に待つことになる。そうすると、甲の県と乙の県で違った条例というようなことにならないかと心配いたしますが、この点はどのように考えておいでなのか。
#107
○衆議院議員(増岡博之君) 御心配のとおりでございまして、実は児福祉施設につきましては、児童福祉法に基づきまして都道府県知事が個別に設備ごとに認可をいたしております。これは一網打尽になると思いますけれども、社会教育施設につきましては個別な認可でございませんので、先生のおっしゃるような御心配が起こり得ると思うわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、図書館でございますとか、美術館でございますとか、公民館、博物館、そういうものは厚生省が通牒の中にはっきり書いてほしい、その他のものについては各都道府県知事にまかせなければならない。と申しますのは、成人向けの施設でございますので、それからまた同じ用途を持っておりましても名称が異なっておったりするものもあるわけでございますので、まあ美術館、図書館、公民館、憾物館に限っては通牒の中ではっきり厚生省のほうで書きなさい、そういうふうに要請をいたしておるところでございます。
#108
○政府委員(金光克己君) ただいま増岡先生から御説明のありましたように、都道府県に対しまして、通牒によりまして一応の基準を示してそれによってやってまいりたい、かように考えております。
 それから一言お断わり申し上げたいのですが、先ほどの衆議院の附帯決議と申し上げましたが、これは決議でございますので訂正さしていただきます。
#109
○藤原道子君 現行法でも、善良の風俗が害されることがないように、これに必要な規制を加えることができるようになっておると思いますが、今回、新たに善良の風俗の保持のために必要な条件を付するように改正する理由を伺いたい。
#110
○衆議院議員(増岡博之君) もともと旅館業法には、善良な風俗を維持するという目的もあるわけですけれども、旅館の認可にあたりまして、許可条件の中に公衆衛生上合格であれば十分であるという条文になっております。したがいまして、もしかりに児童福祉施設並びに社会教育施設の百メーターの範囲外にできます場合に、その内容について規制ができないものでございますから、そういうものについては内容の規制をさせる意味で、「善良な風俗の保持上」のための必要な条件を許可にあたって付することができると、そういうようにつけ加えたわけでございます。
#111
○藤原道子君 この風俗的見地からの条件ということになると警察庁の所管ですが、風俗行政とのかね合いはどういう関係になるのですか。
#112
○政府委員(金光克己君) 警察庁所管の風俗営業のことかと思うのでございますが、これの条件と申しますのは、構造基準の問題もあるわけでございますが、ただ、それがどの程度まで扱うか非常に検討を要する点でございます。一般的には、やはり広告等の問題、看板とか広告、それがやはり善良な風俗を害するようなものを広告することを規制するとか、あるいは出入口を善良な風俗を害することのないような出入り口にするとか、たとえばそういったようなことがまず善良な風俗を維持するための条件と、かように考えておるわけでございます。
#113
○藤原道子君 その風俗の所管と、それから今度できる規制――これは厚生省ですね。ということになると、それはどういうふうにしておやりになるのか。警察庁と厚生省と二本建てでおやりになるのか。モーテル等の広告だっていかがわしいものがたくさんあります。こういう点についてお伺いいたします。
#114
○衆議院議員(増岡博之君) これは善良な風俗の保持のための必要な条件を付するということは、認可するに際しましての、たとえばいままででも学校の近所とかいう場合には、見えないようにしろとかなんとか、そういうふうな条件をつけておったわけであります。また、たとえば玄関に帳場をつくれとか、あるいはこれは今後法制局と厚生省で煮詰めてもらわなければならない問題でございますが、室内の設備をどの程度にするとか、そういうことを条件にして認可をする、そういう意味でございまして、風俗営業上の法律のほうにこれをはめ込んでしまうということではございませんので、別建てになると考えております。
#115
○藤原道子君 私は、厚生省にまず申し上げておきたい。第一にいろいろ法律がある、売春防止法だって厳然として存在する。ところが、これが運営、取り締まりその他についてなまけていると思うのです。承知しながら放置しておる。それは法務省のほうにも責任がございます。売春対策審議会の責任も。このごろ、これがどれだけ世論になっているかということを御承知でしょうか。ことにモーテルは、私は、初めのうちはモーテルとは自動車で行ってそのまま泊まれるたいへん便利な施設だと、こう思っていたのです。ところが、この間も地方へ参りましたが、モーテルというのはあれはつれ込み宿でございます。周囲の人はみんなそう言うんです。こういううわさがあるのを厚生省が今日まで知らなかったはずはないと思う。しかも、今度丸木美術館のそばにそれができる。地域住民こぞって反対、そういうことも私は全然知らなかったはずはないと思う。あの世界的な美術館、こういうものがその入り口にできる。こういうことで地方が反対する、陳情する、あらゆる努力をしたけれども、許可せざるを得ないとかいって、とうとう許可になったやに聞いております。これが動機で、衆議院社労委員会でこのような改正案を出されましたことに深い敬意を表しますけれども、ここまでに至る間放置していた厚生省の責任は重大だと思うのです。今後、この法案が通りました暁に、これの運営についてどのような決意を持って当たられるのか。既存の法律をどう生かしてお行きになるのか、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#116
○国務大臣(内田常雄君) 実はまことにお恥ずかしい話でございますが、私も、モーテルというものにつきましては、藤原先生と同じ実は考えを持って最近までまいりました。いまお話がございました、埼玉県であったと思いますが、丸木美術館の近くにいわゆるモーテルができるということに対しまして、私も反対陳情を受けまして、これはいかぬじゃないかということで、何とか建設、開業を御遠慮願うような努力を、私自身が県にも連絡をいたしましてやったのでございますが、いまの旅館業法では、教育施設から百メートル以内の場合には許可を与えないことができるけれども、社会教育施設とかその他の施設については制限がないというような法律上のたてまえになっておりましたために、埼玉県でもどうにも押えられないというようなことになりまして、私ども、じだんだを踏まされたようなわけであります。でありますから、今回、こういう法律ができますことは、私もまことに賛成でございます。ただ、あくまで厚生省というのは風俗営業の取り締まり官庁とはいささか違いますので、やはり公衆衛生とかあるいは公衆衛生に関連しての設備構造とか、利用基準とかいうようなことを従来はやっておりましたけれども、今度この程度の改正が行なわれることになりますと、警察庁が取り組むような風俗営業の取り締まりということとは趣は違うと思いますけれども、せっかく国会でおつくりになる法律の趣旨を体しまして、設備基準、利用基準などにつきまして、厚生省としてもその法律の目的とするところに沿うような、そういう基準を政令その他の規則でつくりまして、そうしてこれでひとつ取り締まってほしい、許可の運営取り締まりといいますか、許可の運営をやってほしいということを府県にも、政令あるいは省令、あるいは通達等によりまして連絡いたしまして、その目的が達成されるようにいたしたいと思います。
 売春防止などについてのお話もございましたが、これにつきましても、厚生省としましては、なかなか厚生省として踏み出し得ない分野がございまして、これは警察庁等、あるいはこれは総合的な措置は、御承知のように、総理府でやっておりまして、厚生省の方面では、そういうことにおちいる危険のある婦人の善導でありますとか、あるいは一たんおちいった御婦人の更生であるとか、そういうような方面を担当いたしておりまして、厚生省がいろいろ踏み込んでいってその方面の取り締まりをするというようなことはできないことを、私はああいうこときらいでございますので、非常に歯がゆく思っておりますので、そういうことにも関連いたしまして、今後のこの法律の運営につきましては、先ほど来申し述べるように、これに沿うような、厚生省といたしましても、できるだけの処置をいたしてまいりたいと私は考えております。
#117
○藤原道子君 大臣が好きかきらいか、それは知らないけれども、あなた厚生大臣ですからね、やはりきめられたことは厳重にやってほしいと思います。踏み込んでどうこうというのじゃございません。たとえていえば、旅館業法の六条でで規定しておることすらモーテルでは守っていないところがたくさんあるのです。宿帳もつけない、名前も書かない、それでどんどん入って泊まって何しているか知らない。これは法律違反じゃありませんか。こういうことが行なわれているのだからいろいろな問題が起きる。てんづけ法律にありながら、それの取り締まりができていないところに問題がある。そういう点を厳重にやってもらいたいというのですが、どうですか。
#118
○国務大臣(内田常雄君) まことに賛成なことでざいます。これは法律がございまして、旅館の設置の許可等あるいはその他取り締まり等、都道府県知事にお願いをしておるわけでありますが、これは正直のところ、私なんかの耳に入ってまいりますところによりますと、こういうものの設立者、運営者等がどうもなかなか地方で言うことを聞かないようなボスのたぐいがやっているというようなことで、都道府県でもまことに手を焼いているというようなことも私の耳に入ってまいります。でありますから、そういうことがないようにということを、この法の運営についてはこういう趣旨でおやりなさいというようなことの通牒もひとつ出せるようにいたしますし、その通牒以前に省令、政令等で、今度できました法律の線に沿うようなものをきちんとつくりまして、そうして都道府県にもしっかりやれるような、たまには私などもできましたら視察に行くといいと思うのでありますが、そういうこともいたして十分目的を達するようにいたしたいと考えます。
#119
○藤原道子君 都道府県知事に委嘱してやるわけですよ。あなたが一々やるわけじゃないけれども、最高の責任者はあなたなんです。だからあなたのほうはやはり非常に大事だと思う。あげ足を取るわけではございませんけれども、モーテルはいつ発足したということもつまびらかにされていない。モーテルでこういう抜け道をいろいろやっているけれども、それもなおざりにされている。それからあの看板だっていかがわしいものあるが、これも見過ごされておる。こういう問題も取り上げれば切りがない。売春問題についても、ここでやろうと思えば幾らでも時間が取れるのですけれども、これはまた別の機会に譲ることといたします。私は、そういう厚生省の態度だから、いまの保健婦助産婦看護婦法だってここに至るような結果になった。人の命を守り、社会の衛生を尊重していく、こういうことになれば、まだ言いたいことは私はたくさんございますけれども、厚生省は人間の命を守るところでございます。子供の福祉を守るところでございます。お年寄りを守るところということになると、大臣の今後の特段の御決意をお願いしたいと思います。
 私は、いろいろまだ申し上げたいこともございますが、他の委員の御発言もあるようでございますから、どうかせっかくできました法案が、くどいようでございますが――どうも議員立法に対しては当局は熱意がいつも足りないけれども、あなた方がやらないから議員立法もできたわけでございすから、この趣旨を尊重して、効果が上がりますように運営されることを切に要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#120
○占部秀男君 これは、いま藤原委員も言いましたように、従来、いろいろと問題のあったところが一歩前進のような形になっておることはうれしいことであると思いますが、そこで、各委員の質問と重複する点のないように、二点だけ簡単にお伺いをしておきたいと思います。
 一つは、この改正によって、第三条の社会教育施設等で「都道府県の条例で定める」ものを加えることになったわけですが、この「都道府県の条例で定める」という、これはどういう意味であるのか。つまり今度のこの改正された後に、都道府県の条例でこの改正に適用される対象を新たに選んで、いわば指定するような形で条例化をしていくのか、それとも、従来、条例で社会施設としてあげておられるものを総体的にはこの法で適用させるのか、その点はどういう考えを持っておられるのですか、お伺いしたいと思います。
#121
○衆議院議員(増岡博之君) 先ほど申し上げましたように、児童福祉施設につきましては、法律によって認可しております分については、一括あがってしまうわけでございますけれども、社会教育施設につきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、「その他」と申しますと、実はこういうモーテルの実態で一番影響されやすいのは児童でございますので、児童公園でございますとか、児童文化会館というものがございますので、そういうものがあるところはそれに加えてほしいという意味でございます。狭めるということじゃなくして、なるべく範囲を広げて考えてほしいという趣旨でございます。
#122
○占部秀男君 「その他」は別に他意はないのであって、各府県の条例でこれが必要じゃないかと思うものを加えれば加えられる、こういう意味合いととってよろしゅうございますか。
#123
○衆議院議員(増岡博之君) そのとおりでございます。
#124
○中沢伊登子君 藤原委員から、もうすでにいろいろ御質問があったわけでございますから、私も一、二点だけ御質問を申し上げたいと思います。
 実は、藤原委員の御質問に環境衛生局長がモーテルはいつからできたか知らないというお話がありました。おそらく警察庁のほうからも資料をいただいておられると思いますが、警察庁の資料によりますと、モーテルは昭和四十二年の三月に九百八十だったものが昭和四十五年の二月、ことしには何とぞの三倍の三千二十六、このようにたくさんできているわけですね。そこで婦人議員協議会のほうでは、この問題を先日取り上げまして、衆参両院の婦人議員もこれの問題について警察庁の方からいろいろお話を伺ったりなんかしたわけです。私は、たまたま出席ができなかったので、いま資料を取り寄せたわけでございますけれども、一ころ、いわゆるさかさクラゲというものがずいぶん問題になったことがございます。その次に今度問題になったのがトルコぶろでございますね。そして今度このモーテルというのがまた問題になってきたわけです。押えても押えても次から次からとこういうものが出てくるわけですから、これは十分に厚生省のほうでも承知をしながら、これは私は監督をしていくべき責任があろうかと思います。そういう中で、いまいろいろ御質問がありましたけれども、私どもは、一度みんなでそろってこのモーテルというものを見に行こう、こういうふうに相談をしているわけです。いま藤原先生は、モーテルというのは車をとめて泊まるところだ、こう言っておられたのですが、私は、またもう一つ幼稚な考え方を持っておりまして、途中でおなかがすいたら食事をするところぐらいに考えていた。ところが、そこが泊まれるようにいつの間にやらなっておる、こういう話ですが、最近言われます問題は性病にかかっている人が非常に多い。四百万人とか、六百万人とかが性病にかかっているという話をよく聞きます。実におそろしい感じがするわけですけれども、その中で女性の罹病率は主婦が第一位だ、こういう話をよく聞きますが、どれくらいあるのですか、それをひとつお知らせをいただきたいと思います。
#125
○衆議院議員(増岡博之君) 後半の病気の問題は厚生省から返事をさせますけれども、モーテルをいま現在私どもいろいろ議論しておりますのは、世の中でモーテルと称しておるうちの同伴専門のモーテルでございまして、おっしゃるとおり食事をするところのモーテルもございますし、それから行商人が安宿で泊まれるというようなモーテルもまたあるわけでございまして、おそらく十年前からこのモーテルができたと思いますけれども、それが初めは行商の商人が使っておったのがこういうふうに悪用され始めたのは、私の知るところでは、この二、三年間であります。したがって、悪用され始めてから、それに応じて急にふえてきたというところで問題点があるのだろうと思います。
 病気のほうにつきましては公衆衛生局の関係で、環境衛生局長があまり詳しく知らないようでございますので、後ほど資料をお届けさせていただきたいと思います。
#126
○中沢伊登子君 わかりませんか。――きのうもちょっと御質問したこととダブルわけですけれども、このごろ、家庭の奥さんが蒸発する事件が非常に多いわけですね。こういうことの原因の一つに、やっぱりこういうところで遊ばれる家庭の主婦が非常に多い、こういうふうに言われているわけですが、私は、せっかくこのような法律ができるわけですから、大いにこの法律が実効あらしめるためにほんとうに決意を持ってほしいと思います。
 先ほど申し上げましたように、さかさクラゲというものがようやく何だか少し影をひそめたんじゃないか、あるいはトルコぶろというものがどこからかあまり口の端にのぼらなくなったじゃないかと、こう思っておりますうちに、またこういうことですから、その辺でやっぱり家庭の子供を守る上にも、家庭生活を守る上にも、こういう安っぽいものをどんどんつくらして、そういうおかしげなことができるような環境をつくらないことも、ひとつどうしても厚生省のほうで力を入れてやってもらいたいと、このように考えますが、どの委員もみなそうおっしゃいますけれども、ほんとうにみなこれは本腰を入れてやってほしい。それでなければ、将来たいへんなことになるのではないか。この間の中共ではございませんが、日本はだんだん軍国主義の道を歩んでいるのではないかというような、ああいうような声明が出ましたけれども、むしろそうではなくして、だんだんほんとうは国内の中では青少年もエログロになっていき、レジャーを楽しむようになっていき、その子供たちを育てるべき母親までがこういうところでよその男性と遊ぶようになってきてしまった。これはたいへんなことだと思いますので、そこらはほんとうに本腰を入れてやっていただきたい、こういうことを特に要望して私の質問を終わります。
#127
○大橋和孝君 先ほど各委員から質問がなされまして、衆議院のほうにおいて特別な決議が行なわれました。内容についても質疑の中で明らかにされているのでありますけれども、ここで衆議院において行なわれました、現行法のもとにおいても不健全な営業形態を排除するのに努力をすることという事項、またこの旅館業法の抜本改正をひとつ検討しろという事項、それからまた新しく加えられたこの善良の風俗保持上の条件を乱用することのないように、こういう三項目の決議が行なわれておったのでありますが、これに対しましての政府の姿勢をひとつ最後に伺っておきたいと思います。大臣のほうから答えていただきたいと思います。
#128
○国務大臣(内田常雄君) この法律改正にあたりまして、衆議院の社会労働委員会で決議がございました三項目につきましては、私どもも、これが実現のために前向きで進む所存でございます。こういうことは、ぜひ私も善処をしてまいりたいと思います。
 ただ、これは、私はこういう点――先ほど藤原先生から風俗営業取締法との関係のお話しがございました。これは旅館業法とは全く別に風俗営業取締法というのがございまして、待ち合い、料理店、カフェーでありますとか、ナイトクラブ、ダンスホール、喫茶店、バー等々の施設、設備に対しましては、風俗営業等の見地から、いわゆるそこで行なわれる行為等についてまで取り締まりができるような規定がございますが、今回の改正におきましても、この風俗営業取締法における政府なりあるいは都道府県知事なり、警察官ができるような行動をこの旅館業法の中につらなるモーテルについては与えられておりません。そこが非常に私は問題があると思うわけでありまして、中でどういう行動が行なわれておるかということにつきまして、風俗営業取締法の中におきましては、おそらくそのおそれがあるとか、懸念があるとかというふうな場合には、売春等の問題もあげてありますが、そこへ立ち入ることができると、こういうことでございますが、旅館業法の中ではそれがありません。ないものですから、いま大橋さんがお触れになりましたこの衆議院の決議の第二項、いやしくも健全な旅館については営業許可なんかに付する条件を厳重にすべからずと、こういうような御決議があることもありますので、それは私どもも研究をいたしますが、議員各位におかれましても、また次の機会に風俗営業取締法の対象としてのモーテル等の課題につきまして私どもも研究いたしますが、委員の皆さん方においても、しかるべき機会に御研究をいただければ幸いだと私は存ずるものでございます。
#129
○大橋和孝君 モーテル等につきましては、大臣のほうが監督機関でありますから十分研究してもらって、この善良な風俗の保持の条件というものを出してもらいたいわけです。これは乱用してもらっても困るけれども、いまのように、旅館業法を抜本的に改正するという方向で、いま大臣おっしゃったとおりに、こういうのを、やることに対しては研究してもらいたい、もちろんわれわれも援助はするつもりでありまり。
 それからこの三項目でありますが、三項目に対しては、特に前向きの姿勢でやるということを大臣から確認をいただいたものだということで私の質問を終わりたいと思います。
#130
○藤原道子君 いまのでもう一つ。大臣、いまの現行法でも善良な風俗の保持のために必要な条件を付するようにできるのを、今度のあれでこういうふうに改正するわけですね。そうすると、風俗的見地からの条件とはどのような条件を言うのですかということなんです、それならば。
 それともう一つは、その結果で風俗営業取締法との関係はどのようになるのかということを先に伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(内田常雄君) それは、私もかねがね疑問を持ちますので、いま担当者にこの法令を持ってこさせまして風俗営業取締法の対象になります業種を調べましだところが、その中には旅館業もなければ、もちろん旅館業の一部でありますモーテルもないわけであります。でありますから、今度の法律改正あるいはまた従来からありまする旅館業法におきましても、公衆衛生上の見地を主として、あわせて風俗上の見地というようなことばもないことはございませんけれども、この風俗営業取締法におけるがごとく、内部で行なわれる行動などについての取り締まり規定が旅館業法のほうにはないわけでございます。でありますから、許可に際してつける条件というのは主として構造上の問題で、そこに入った、そこを利用する人々がいかがわしい方面に利用されないような、そういう構造をつけろとか、あるいはまたこの御決議にもありますように、人に見られないように男女が横っちょからすっと入っていけるということではなしに、必ず帳場を通って、そうして面通しのできるような、そういう構造上の制約を許可にあたってはっけなさい、こういうことのようでございますので、そういう面から私どものほうもできるだけいたしますが、私がいま申し上げましたことは、風俗営業取締法の課題――私どもも今後研究をしてまいりたい、皆さま方もその法律との関連性につきまして、また次の機会にお勉強をいただきたいという趣旨の話でありまして、私どもは、今度のこの改正法の志向するところにつきましてはでき得る限りのことをいたします。でき得る限りのことをいたしますが、そこに風俗営業取締法との限界の問題があるということをわれわれとしては心配いたしますために、こう言う次第でございます。
#132
○藤原道子君 先ほどもいろいろ申し上げましたけれども、今後いろんな問題が出てくるのですよ。これらに対して、旅館業法の抜本的改正、こういうものをする用意があるのですか、どうですか。
#133
○国務大臣(内田常雄君) それは決議にもありますので、ぜひいたしてまいりたいと思います。先ほど提案者の増岡さんのほうから述べられたこともあり、かつまた、今度の法律改正がいたずらなる旅館いじめにならないように、旅館の健全なる発展のためにいろいろのめんどうを見得るような、単なる取締法でない、旅館業助成法的な意味における抜本的検討もしてほしいと、こういう御意向もあるようでございますので、そういう点からも検討いたしたいと思います。
#134
○藤原道子君 それは善良な旅館業者をいじめるようなことがあっては困る。と同時に、悪徳業者を野放しにするものであってはなおさら困る。この点を十分考慮されまして、今後起きるであろういろいろな問題も勘案しながら抜本的な改正を強く要望いたします。
#135
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですので、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 旅館業法の一部を改正する法律案(衆第三八号)を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#138
○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後四時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時十三分開会
#140
○委員長(佐野芳雄君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野原労働大臣。
#141
○国務大臣(野原正勝君) ただいま議題となりました労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 労働者災害補償保険制度は、昭和四十年に年金による補償体系を確立するなど制度の大幅な改善をはかり、労働災害をこうむった労働者及びその遺族に対して手厚い補償を行なってきたところであります。
 この間、わが国は、めざましい経済成長を遂げ、その経済力も国際的に高く評価されるに至っておりますが、このような情勢を背景として関係各方面から経済成長に相応した災害補償を求める声が強くなってきました。また、国際的には、業務災害に関する条約としてILO一二一号条約が新たに採択され、災害補償についての国際水準の引き上げが行なわれております。
 労働者災害補償保険審議会におきましては、このような事情を考慮して、昭和四十三年来、小委員会を設けて労働者災害補償保険制度の改善について検討が行なわれておりましたが、昨年八月、同審議会から労使公益各側委員全員一致による制度の改善についての建議が行なわれました。
 政府といたしましては、この建議の趣旨を全面的に尊重しその実現について鋭意検討を行なってまいり、その結果、建議中法律改正を要する部分について成案を得ましたので、その改正案について労働者災害補償保険審議会及び社会保障制度審議会に諮問をいたし、労働者災害補償保険審議会からは本年二月十七日に、社会保障制度審議会からは二月二十四日にそれぞれおおむね了承する旨の答申を得ました。その結果に基づいて、労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を作成し、ここに提案をいたした次第であります。
 次いで、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 まず、労働者災害補償保険法の改正について御説明申し上げます。
 第一は、障害補償年金について、完全労働不能に相当する障害等級第三級の年金額を現行の給付基礎日額の百八十八日分から二百十九日分に引き上げるものとし、その引き上げ率一六・五%に相当する率だけ障害等級第一級から第七級までの年金額をそれぞれ引き上げることとしたことであります。
 第二は、遺族補償年金について、遺族三人の標準受給者に対する年金額を現行の給付基礎年額の百分の四十に相当する額から百分の五十に相当する額に引き上げることを骨子とし、他の遺族数の年金についても生活実態を考慮して給付基礎年額の百分の三十から百分の六十に相当する額に定めることとしたことであります。
 なお、遺族が妻一人のときは、妻である地位と女子の今日の就業実態を考慮して、五十歳以上五十五歳未満の場合には給付基礎年額の百分の五に相当する額を加算し、五十五歳以上または一定の廃疾の状態にある場合には給付基礎年額の百分の十に相当する額を加算することといたしております。
 障害補償年金及び遺族補償年金を以上のように改正いたしますと、労働者災害補償保険の給付水準は、ILO一二一号条約の水準に達することとなります。
 第三は、遺族補償一時金について、最近における他の災害補償制度等を考慮して、その額を現行の給付基礎日額の四百日分から千日分に引き上げることとしたことであります。
 第四は、年金支払いの迅速効率化等をはかることとしたことであります。
 その一は、年金の種類が変更された場合における支払い事務の調整をはかったことであります。
 その二は、年金の受給権者が行くえ不明となった場合などに年金の支払いを一時保留し、その者が確実に年金を受けることができることとしたことであります。
 次に、労働者災害補償保険法の一部を改正する法律の改正について御説明申し上げます。
 第一は、遺族補償年金の前払い一時金制度の存続についてであります。この制度は、昭和四十年の労働者災害補償保険法の改正により遺族補償が年金化された際、遺族の方が直ちには年金制になじみにくい事情があることにかんがみ、昭和四十六年一月三十一日までの期限つきで設けられたものでありますが、現在においてもなお、その事情が存続していると考えられますので、引き続き五年間存続させることとしたことであります。
 第二は、現在受給開始時によってまちまちである年金の支払い期月を年四回の原則的な支払い期月に統一することとしたことであります。
 最後に、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の改正について御説明申し上げます。
 この改正の内容は、百人以上の労働者を使用する事業に適用しております現行の継続事業の保険料のメリット制を三十人以上の労働者を使用する事業であって労働省令で定めるものにまで拡大するとともに、三年以上の期間にわたって継続してメリット制の適用規模に該当する事業に限り適用することとしたことであります。
 以上のほか、この法律案においては、その附則において以上の改正に伴う経過措置を定めております。
 なお、施行期日については、公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することとし、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の改正規定は昭和四十八年十二月三十一日から施行することといたしています。
 以上簡単でありますが、この法律案の提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げました。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#142
○委員長(佐野芳雄君) 次に、本案に対し質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#143
○大橋和孝君 それでは、この労災の性格についてひとつお尋ねをしたいと思いますが、昨年四月八日の衆議院の本会議におきまして、総理は、「経営者も勤労者も、ちょっとした安全確保の油断や気のゆるみが大きな災害の因となることを十分考慮し、安全で明かるく、かつ規律ある職場環境の樹立に、確立につとめていただきたいと思います。」、こういう答弁をされておりました。私は、この答弁を聞いて、労災ということに対する考え方、これに対して少し疑義を感ずるわけでありますが、もともとこの労働者のミスや油断が事故の発生を招くという考え方、これが生産活動自身に内在するものであるということを没却しておるという点で、むしろこの労働災害が働いている人たちの油断だとかミスということは、そういう場合もないことはないと思うのでありますが、そういうとらえ方で労災というものを考えるということは、私は根本的に間違っておるのじゃないか。もう少し生産活動自身の中に内在しておるような問題があるのじゃないか、こういうことを先に少なくとも総理なり、労働省なりの側では把握してもらわなければ非常な大き間違いを来たすと思うので、大臣のこの点についての明確なる考え方と、労災というもののとらえ方を第一番目に聞きたい。
#144
○国務大臣(野原正勝君) 大橋委員の御指摘のとおり、企業の内容が漸次高度化して機械化していきますと、その中に労働災害というものが内在をすることはあると思います。したがいまして、本人がいかに努力しましてもあるいは注意をしましても、なかなかこういった機械化等が進みますというと災害は起こり得る可能性がある。したがって、そういう機械とか、施設等の全体をよく見て、それが労働災害を引き起こさないような不断の努力、配慮、そうしてそれと取り組んでいく。本人の注意だけではなかなかできないという問題がある。そういう点を今後はやはり企業の機械化なり、近代化に伴いまして、予測しなかった事態に備えてあらかじめ機械そのものをもっと安全なものにするとか、いろんなそういう配慮、それも労働災害の防止のための大事な仕事だというふうに考えておる。その面が十分でなかったとすれば、今後は大いにひとつその点を注意してまいりたい、こう考えております。
#145
○大橋和孝君 そのミスだとか、不注意、こういうことがあっても労働災害が起こらないようにするのがむしろ使用者側の態度でありますね。ですから、そういう点は、いまの大臣のお答えの中でも明確にしていただいたわけでありますけれども、特に今後こういう観点から指導してもらわなければいけない。私は、重要な問題だと思います。総理は軽くそういう答弁をしていますけれども、これは絶対ゆるがせにすることができない。何かの機会に、私は総理にもそういうことは十分ただして考え方を変えてもらおうと思う。少し労働者がミスをしてもあるいはまた不注意があっても、しかも使っているほうの側では、その災害が起こらないような配慮ができておらなかったら、ちょっとおまえのミスじゃないかということでその災害が片づけられる。そういうようなことがあっては、労働省としてほんとうに労働者を守る側の立場でないというふうに思うわけです。特にその点は大臣のほうでもよくひとつ考慮しておいていただきたいし、今後、各事業場を監督する上においても、そういう観点で十分注意をしていただきたい、こういうことを申しておきます。
 それから、そういう側に立ちますと、今度は補償の問題でありますけれども、補償はあくまで使用者の責任で負担する、これが原則であると思います。このことについて、いまの問題と関連してひとつ明確な答弁をしておいてもらいたい。これがないと、いま公害的な問題だとかいろいろな問題がありましたときに、ほんとうにこの責任――たとえば水俣とかいろいろなものがございますね。ああいうようなものも工場側の責任でしなければならないという問題も派生して起こってくるわけでありますから、少なくとも補償の責任というものは、必ず使用者が全部負担すべきものだということを私は確認してもらいたいわけでありますが、これについて明確な答弁をしていただきたいと思います。
#146
○政府委員(和田勝美君) 先生御指摘のとおり、業務上の災害につきましては、普通の損害賠償と違いまして、無過失賠償責任が使用者に原則として課せられております。先生の御指摘のとおりでございます。
#147
○大橋和孝君 そこで、今度の改正点について一、二お伺いしたいと思います。
 今回のこの改正案は、ILOの一二一号条約と合わせることにメリットを置いて障害あるいは遺族補償を考えているのでありましょうが、数字の中味でなくて、パーセントのみでこれを西欧先進諸国と合わせているにすぎないと、私は、こういうふうに代表質問のときでも申し上げたわけでありますが、ヨーロッパ、アメリカの賃金水準は一体どういうふうになっているか、お示しをまず願いたいと思うわけであります。一つずつ伺っていきます。
#148
○政府委員(和田勝美君) アメリカは、日本の賃金水準に対しまして四・四倍くらいであります。それから西ドイツとか、イギリスあたりが一・七、八倍、イタリアが大体日本と同じくらいでございます。
#149
○大橋和孝君 諸外国の給付の基礎日額のとり方はどうなっているか。
#150
○政府委員(和田勝美君) それぞれの各国の給与体系の実情が違いますので、にわかにとれません。したがいまして、ILOの一二一号条約で、どういう基礎給付日額をとるかは各国の自由、各国の法令で定めるところによるということにいたしております。
#151
○大橋和孝君 じゃ、ボーナスとか期末手当、ああいうふうなものはどういうふうに考えていますか。
#152
○政府委員(和田勝美君) 先生すでに御承知と存じますが、外国ではあまりボーナスとか期末手当というものがないのが原則でございまして、職務給的な色彩のものがほとんどである、かように了解しております。
#153
○大橋和孝君 ボーナスの考え方は、外国と日本との立て方は違うわけですね。ですから、世にいわれる総報酬制、ああいうものに該当するわけでありますから、もし外国のものにそういうとり方で合わせるとするならば、こういうボーナスとか手当、こういう一切を含めた総報酬制のものをとるべきであると私は思うのですが、いまあなたは各国自由にしてあるのだから、その差はあってあたりまえだというふうな言い方でありますけれども、外国では、むしろボーナスという考え方がないのは、そういう観点からいって、総報酬をとっているのだ、そういうものの中に。それが基準になっているのだと私は解釈するのでありますが、この考え方はどうですか。
#154
○政府委員(和田勝美君) 先生御指摘のように、各国にはそれぞれの社会慣習、社会構造がありますので、給与体系の取り方は、一がいにどうこうとは言えませんし、各国は必ずしも総報酬制によっておるようでもございません。ただ、日本の場合は、日本の歴史的な給与形態ということでボーナス問題等が一番よく議論されるわけでありますが、これらにつきましても、基準法が昭和二十二年に制定されましたときの給与体系と最近における給与体系には非常に大きな差が出てきているのではないか、こういうように私どもも考えております。そういうことで、実は労働基準法自体の規定でもございますので、労働基準法研究会のほうで、いま労働基準法全体について御検討をわずらわせておりますが、その際に給与体系の変化等に伴う平均賃金のはじき方についてとくと御討議をいただくことになっております。そういう際にボーナスの性格その他の御議論が十分あると思いますが、そういうときには、今日の時代に即したものの考え方を研究会で御披瀝いただけるものと、かように私ども期待しておりまして、その結果によりまして、基準法についてもしかるべく善処をいたしたいと、かように考えております。
#155
○大橋和孝君 いまの答弁を聞きますと、いつも労働省から聞く御答弁はあなたまかせの答弁ですね。そういう報告が出ることを期待しておりますと、それではいつまでたっても実現していかない。こういうことになるわけですけれども、いまお尋ねしているのは、労働省としての考え方を聞いているわけでありますから、大臣、これについて考え方を述べてもらいたい。同時に、漁業だとか、障害あるいはまた遺族補償、こういうようなものは八〇%以上の給付水準とすることが今日では世界のもう趨勢となってあらわれておる。こういうふうに私どもは理解しておるわけでありますが、この点も含めて労働大臣のひとつ明確な答弁を願いたいと思います。
#156
○国務大臣(野原正勝君) この委員会でも私から申し上げたと思いますが、わが国におけるボーナスというものは、実はすでに単なる賞与ではないと、やはりこれは一般の賃金と見なすべきものではないかと考えたわけで、これは、外国にあまり例のないボーナスの支給が行なわれておるという点を考えますると、ボーナス全体を入れていいかどうか問題はございますけれども、相当部分は当然賃金として考えるべきものであるというふうに考えておりますが、何せ、ただいま労働基準法研究会で検討していただいておりまして、近く結論を出してもらうという段階でございますので、結論が出るまでは現在のものでがまんしていただく。しかし一日も早く結論を得まして、その上ははっきりとボーナスの分をどうすると、これは全体が賃金になるだろうか、あるいは大部分の一部はボーナスとして残しあるいは他の部分は給与にして考えの中に入れるかというようなことは、審議会の御意見等が出ました上でひとつ慎重に考えて、できるだけひとつ前向きでこの問題を処理したいというふうに考えております。
#157
○政府委員(和田勝美君) 漁業補償の六〇%問題につきましては、これはILOの一〇二号では五〇%、それが一二一号で六〇%に上げております。それから各国におきましても五〇%から大体七〇%近いところの間で、非常にいろいろと差がございますが、一応六〇%が平均率的にいって普通のように手元の資料ではございます。なお、日本の場合におきましては、失保とか、健保とか、基準法の給与、手当、いろいろのところが六〇%でできておりますので、それらとの関連を今後十分ひとつ検討してまいりたい。
#158
○大橋和孝君 あまり低いところばかり出しておられるようですが、もしそういうことであれば、あなたのおっしゃられることを一ぺん資料としていただきたいのですがね。私のほうで大体調査しておるのでは、もうぼつぼつ八〇%が常識になってくるのじゃないかと、こういうふうに考えられる資料もあるのですよ。ですから、またあとからこの問題については資料をいただいて、私のほうでももう少し検討してみたい。ほかの健康保険なんかで六〇%だからそれに合わしていこうというのじやなしに、やはり先ほど申したように、この労災というのは、労働者の間違いなんじゃないわけですから、ほんとうはその収入全体を補償すべきだ。こういう観点からいえば、八〇%はちょっと遠慮したところだ、こういうふうに私ども思うわけでありますからして、ここらの点もひとつ根本的に考え直してもらわなければいけない。それは先ほどのような考え方からいっても、やはり労災の補償というものは当然それくらいにしてもらわなければいけないのだという考え方を持つわけでありますが、そういう点をひとつまた審議会等々もありましょうけれども、労働省でひとつ検討してもらいたい。もう世界的な考え方、あるいはまた労災というものの責任の考え方からいって、ここのところで十分この問題については配慮してもらいたいという希望を持っておりますので、そのことを明確に申し上げて十分検討していただきたい、こういうふうに思います。
 それから労災というのは、発生してから――いま補償について私非常に強調したわけですが、補償を行なっても、一たん負傷して何か大きな障害を受ければ、これはもとに戻らないわけです。だからして、それには発生予防ということが一番大事なわけであります。そのためには、行政においてもきめこまかな施策とかあるいはまた財政措置、そうした発生予防のためのいろいろな施策をしなければならぬ。現在どのようにこの点に留意、努力されておるかということもお伺いしたいし、将来、またこの問題に対してどのようにもっと積極的な施策をされるのか、こういうこともひとつこの機会にお考えをお伺いしておきたい、こういうふうに思うわけです。
#159
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘のとおりでございまして、災害が発生する以前に、災害を未然に防止をするという対策、工場の安全なりあるいは災害防止のための積極的な態度が必要であろう。労働災害防止基本計画によりまして、災害を思い切って漸次減らしていこうという計画のもとに省をあげてその対策に取り組んでおるわけでございます。特に民間の各種団体等の協力も得まして、あらゆる面から安全操業、災害防止という問題を進めていこう、そのために必要な対策を今後は強力に進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。今後とも、この問題はますます積極的に行政としての責任でやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。特に職業病との問題もございまして、いろいろ新しい職業病が発生しておるというふうな現状から見ましても、その対策は必ずしも不可能ではない、真剣に考えていきたい問題だというふうに考えております。
#160
○大橋和孝君 ことにまたこの災害を受けた人で、重度の障害者は生活の転換を迫られるような方がほうぼうにあるわけであります。こういうような方には見舞い金とか介護料、こういうようなものを相当大幅にしなければならぬのだろうと思うのですが、こういう点についてはどんなふうにお考えですか。
#161
○政府委員(和田勝美君) 障害を受けられました方の例を申し上げてみますると、たとえば脊損の方などにおきましては、下半身が麻痺をするわけでございますので、そういう対策として、先生のいまお話しのありました介護料を今回は一万円差し上げる、そのほかに栄養補給をしていただくという趣旨から一日七十円の手当てを差し上げる、また自動車運転が、下半身が麻痺をしましてもできるような自動車に改造するための貸し付け金制度、あるいは車いすを保険施設として差し上げるというようなことあるいはリハビリテーション作業場におきまして、上半身だけでできるような作業に就職をしていただくための作業場を設けて、社会復帰が容易にできるような状態をつくるというようなことを脊損災害の方に対してはいたしておりますが、長期傷病者の方々につきましては、これに準ずるようないろいろの措置を今後とも十分考えてまいりたい。そうして社会復帰が早く完全な姿でできるように労災保険制度の運用として考えていきたい、かように考えております。
#162
○大橋和孝君 それからいまのこの災害でありますが、労働災害遺族の生活実態に関する調査結果報告書というのが四十四年に出ておりますね。その内容では、生活実態を見て見ますと、遺族はほかの職業につかなければならない、そこでその損害賠償一時金あるいは生活転換一時金として三千日分を補償させると、こういうふうなことも実態の中に触れておりますね。それから政府案もまた遺族一時金四百日分を千日分としているのですが、昭和四十年の改正で基準法以下の四百日に落とす、そしてまた今回千日に返したと、この間四千二百人ばかりの人が四百日で切られておったという例が残っておるんですが、この矛盾なり不合理に対してもひとつ御意見を聞いておきたい。
#163
○政府委員(和田勝美君) 四十年改正におきまして従来の遺族補償に対する一時金補償の考え方を改めまして年金制度に切りかえる、こういう大転換を労災としてはしたわけでございます。この年金制度は、実は基準法に書いてあります千日分を横に倒して計算をするというのを基本姿勢といたしましたので、基準法の千日分と見合う問題である、ただ一時金の支払いが、扶養されない遺族の方については一時金四百日分に一応改めさしていただきまして、そのときには実は基準法のほうも改正をいたしまして、この四百日が適法であるような改正措置を当時講じたわけでございます。それは八十四条の改正であります。しかし、それは法律的に合法でありますことで、そういう措置は講じましたが、その後におきますいろいろの災害補償のあり方を見てみますと、漸次その災害補償の額がふえてきておるというような傾向にもありますので、今回は遺族補償につきまして、年金を標準支給者の場合に二五%アップをするという、私どものほうとしては相当思い切った措置を講じましたが、それに見合いまして一時金についても二・五倍の引き上げをはかって四百日を千日と、基準法のほうに千日ということが書いてあります。もとのほうにそうなっておりますのでそのとおりに合わした、こういう改正の御提案をした次第でございます。
#164
○大橋和孝君 そのために、その期間の間にいわゆる四百日分で切られている人が相当ある、四千人以上あるわけなんですね。こういう手落ちなんかもあるわけなんですか、これに対してどうですか。
#165
○政府委員(和田勝美君) ただいま申し上げましたように、四十年の改正で、合法の措置として千日が四百日に下がることにつきまして法律上の措置は講じましたので、四百日を差し上げていることが違法でない状態ができておるわけでございます、法律的には。合法的に措置をされておりますので、先生の御指摘のその間における一時金の支給を受けられた四千人余りの方については、法律的には違法ではない。したがいまして、遡及適用ということが法律的にはできない、こういう状態でございますが、いろいろな状態を考えまして、今後はそういうことはしない。なかなか法律は、御存じのように遡及適用というのはむずかしゅうございますので、そういうことで今度の措置をとらしていただいております。
#166
○大橋和孝君 泣き寝入りよりほかに手はないということですね。ほんとうに手はないのか、私どもがこういうのをたくさん見まして非常に気の毒な人もおるわけですね。そういう数なんかを調べてみますと非常に多い。四千二百人ということですから、何かそういうことに対してあたたかい手の施しようが、法律上のたてまえからいけないということですが、何かそういう手厚い配慮をするとか、そういう便法というものはないものかと思うんですが、その点はどうですか。
#167
○政府委員(和田勝美君) 法律的には、先生御理解をいただいたとおりでございます。そして、これは当時非常に論議があったようでございますが、年金に重点を置いた、ほんとうに扶養を受ける遺族に対する手を尽くしたほうがよかろうという御判断で。一時金のほうは扶養をされない遺族の方についての手当てでございましたので、一応四百日ということできめたわけでございます。今後の問題は、先ほど申し上げましたように、法律の問題でございますので非常にむずかしいというように考えますが、しかし、なお先生が研究をしたらどうかという御趣旨のようでございますので、法律的には非常にむずかしいけれども、何かありますかどうかにつきましては検討したいと存じます。
#168
○大橋和孝君 特にそういう点では血の通った行政指導をする、あるいはまた先ほど申しましたように、責任はやっぱり事業主にあるわけですから、事業主に対しても何らかの方法というものがあるかどうかということは厳密にひとつ調査していただきたい、こう思っております。
 それから、今度は通勤途上の災害についてでありますが、これは今度も非常に衆議院のほうでも問題にされて質疑があったと思いますが、この考え方は、補償の対象外だという考え方あるいはまた補償の対象であるという考え方、あるいは業務上であるといったりあるいはまた業務上とみなすというふうな考え方、いろいろ考え方に相違がいままである。同時にまた業務上の問題についての非常に解釈がまちまちである。しかし世界的にいいますと、ほとんど通勤途上というのは業務上に考えられておる。最近のことになりますと、通勤手当も出しているわけですね。通勤手当を出しておるということは、どういう路線でどういうふうにしてそこへ来なさいという、一つの何といいますか、規定をされていることになるわけでありますね。いままでの習慣的にいえば、案外そういうふうな――しかしどういうふうに来て、何時までに来いということでありますから、これは業務上と解釈するあるいは補償の対象として解釈されるのが当然のように私ども思います。これがそうでない場合も間々あるわけでして、ことに最近では、多くのケースでは業務上とせいぜいみなすぐらいの程度で、業務上と考えられていないわけですね。また、このごろ、特にマイクロバスあたりで迎えにいったりなんかする、こういうような場合で事故が起こったときには、これはたいてい業務上にはっきりなっちゃうわけですね。そうした送り迎えをした場合、その通勤途上は業務上になるけれども、自分がかってに自動車を運転して行きあるいはまた交通機関を使って行った場合の災害は業務上とみなさないということになると、そこらのところに大きな矛盾があるわけで、とても納得のできないような状態が間々あるわけです。そういうことから考えると、私は、通勤途上の災害というのはもうオール業務上、家から来るまでの時間が何ぼかかるかということから考えれば、当然これは業務上と考えられるべきであると思うのでありますが、こういうところの見解についてはどういうふうに考えておりますか。
#169
○政府委員(和田勝美君) ただいま先生御指摘の通勤途上災害の問題につきましては、日本の交通事情がだんだん混雑をしてまいるにつれまして世の中の非常な関心を呼んでおりまして、ここ四、五年、実は私どものほうの労災保険審議会でも非常に熱心に御討議が行なわれました。その結果、昨年の八月の建議で、この交通災害、いわゆる通勤途上災害については非常に問題が多いので専門家の方々の意見を聞いて対処するようにと、こういう建議がございました。その建議を受けまして、労働省としましては、本年二月から通勤途上災害に関する専門家の調査会を設置いたしまして、現在せっかく調査会で御討議をわずらわしているような次第であります。この扱いは、先生がいまお話になりましたように、実はアメリカとか、イギリスでは業務上災害にはしていない。フランスとか、西ドイツでは業務上災害とみなすという規定になっております。ILOの一二一号は、文言的にやや疑義がございますので確めなければいけませんが、どうやら業務上災害とみなす的な意味合いのものではないかと思われる。こういうように工業国におきましてもそれぞれ違った扱いになっております。しかし、わが国においてはわが国の事情があるわけですから、そういう意味でこの調査会におきまして十分御討議をいただけるものと考えておりますし、私どもとしましては、大臣の旨を受けまして早く結論をいただきたい、こういうことを調査会に申し上げているわけでございます。ただ、これは他の損害補償いろいろございます。それからもう一つは、通勤途上に一体使用者の支配管理が及ぶのかどうかというような、業務上災害は先生御理解いただいているように、無過失賠償責任という非常に重い責任が使用者にかかっている。しかし、使用者が何にもできないような状態のときにもそういう責任を負うべきかどうかという御議論も相当熱心になされているわけでございます。いろいろとそういうやかましい問題がございます。しかし、事務的な損益相殺の問題とか、いろいろなことがございますので、せっかく専門家の御討議をいただいているわけでございます。私どもは結論の早く出ることを念願いたしまして、そうしてその専門家の方々の意見を尊重いたしまして、必要な審議会にかけて決定いたしたいと考えております。
#170
○大橋和孝君 確かに使用者の目が届いているかどうかという問題、それはもちろんあろうと思います。しかし、それは昔の議論であって、このごろ、たとえば通勤者に対しては往復の旅費や通勤費を払っているのが常識なんですね。そうすると、特別の金を払って、定期代を出してやって、ここに何時から何時までに到着しろといっているわけですから、これは目が届かなかったということにならぬわけですね。ですから、それは解釈の違いであって、ある程度お金を渡してきちんとワクをつけているから目が届く、だが、自分で自家用車で来た場合に目が届かないということになると、やはり自分でものを出して通ってくる人は一番いかぬので、やはり旅費を払ったり、マイクロバスで迎えにきてもらっていれば、これは目が届いているということで業務上になる、こういうような逆な矛盾がくる場合もあるわけですね。ですから、私は、こういうようなことは、いろいろなことはあってもやはりこれは業務上と考えて、いわゆる生産の根本をなすものは労働者であり、その労働者の健康を守ることがまた使用している使用者側の最も大事なことだという観点からいけば、多少目が届くか届かないか、管理体制が整っているかどうかということもあろうけれども、こういう問題はもっと前向きに、一番初めの労災というものの考え方に立っていくならば、ここらにも問題が出てくるんじゃないか。第一番目に私がお聞きしたのもそういう観点にあるわけでありますから、そういう観点でものを考えていけば、こういう問題に対してはいろいろ考え方はあるだろうけれども、結論はそういうふうに持っていくように、また労働省としては、労働者をカバーする意味において特にそういう点については留意してもらいたいという意見を私は述べておきたいと思います。
 それからもう一つの点は、療養中の解雇制限ですね。こういうふうな問題がちょいちょいあるわけでありますが、こういう問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#171
○政府委員(和田勝美君) 業務上の疾病によります、あるいはけがによります療養中は、基準法によりまして厳重に解雇ができないという条件になっておりますので、この点については、私どもとしては、そういう療養中の解雇は許さない、こういう姿勢で対処いたしてまいっております。
#172
○大橋和孝君 その点について私が質問申し上げるのは、間々非常にそういう問題があるわけでありまして、ことに最近、業務上でむち打ちになったとか、非常に療養期間の長い、こういう中ではそういう問題がちょいちょい現実においては起こっている。ですから、そういうことをここでお尋ねしたのもそういうところに意味があるわけでありますので、いまのような趣旨を徹底して、やはり働いている者が労働災害によって受けた疾病療養中に解雇することは絶対――解雇制限という規定があるわけでありますから、それを十分に適用してもらうことが必要であろう、こういうようなことに対しましても一言触れるわけでありますから留意していただきたいと思います。
 それから職業病の中で一、二ちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、有機じんによるところのじん肺症についてでありますが、その例を一つ聞いていただきたいと思いますが、山口県下における木材の製造業者のじん肺がいまたいへん問題になっております、山口大学の医学部の中西敬という助教授が四十五年二月八日の第二十回の山口県の産業医学会でもこの問題について発表しているわけであります。また、大阪でも泉佐野で、タオル工場があの辺は非常に多いわけでありますが、そこの従業員のじん肺もある。これは罹病率が十年以上で九・八%で、二十年以上の人は一八・四%、三十年以上の人は三三・三%というような罹病率が出ている。これは労働省のじん肺共同研究班の調査で、研究班員の奈良医大の宝来教授が四十五年の四月十三日の朝日新聞にも発表しておられるのを私は見ました。この両件につきましても、労働医学の面から見ていきましてじん肺症と診断できるのか、あるいは現行のじん肺法上のじん肺ではないというのか。これについての一つ問題がいま提起されているわけでありますからして、ひとつこういうようなことに対しても、私は、相当広義な考えのもとにこういう有機じん肺というものを見てもらわなければならぬという観点からひとつ伺っておきたいと思います。
 そうして、この有機じんを発散するところの事業所で発病しているから、業務上に起因した疾病であるに間違いがないと思うのであります。したがいまして、労災保険の適用は可能であると、こういうふうに思うわけであります。この点についてもひとつどんなふうな広義の解釈をしてもらえるかどうか、こういう点についてもひとつお話を承りたい。
 それから労働者は災害保険の全面適用を受ける、あるいはまた、有機じんを飛散しているところの事業所の調査は、一体、こういうようなことでうまく調査されているのかどうか、こういう点もお尋ねしておきたいと思います。
 それから有機じんを飛散するところの事業所に就労するところの労働者に早急にじん肺健康診断を実施する必要があると思うのでありますけれども、具体的にこういう計画はどういうふうにされるのか。
 それから有機じんによるところの発生源は、この有機じんばかりでなく、ほかの活性炭の粉末でもじん肺の原因になっているということが医学会でも発表されているわけでありますが、これは労働医学研究所の調査が発表されているわけでありすから、こういうふうな問題についてもいまじん肺症の中に入れられていないものがありますから、これについてのひとつお考え方も聞いておきたいと思います。
#173
○政府委員(和田勝美君) ただいま先生が具体的な例を指摘しての有機じん肺に対します問題でございますが、実は労働省におきましても、昭和四十二年以来、この有機じん肺に関します研究を、いま先生がお話しになりました奈良医大の宝来教授を主任といたしまして、二、三の方を含めましての研究班をつくっていただきまして、現在委託研究を行なっております。その過程におきまして、タオルの製造工場からいわゆるじん肺の所見のあるものがあるというような結果が出ているようでございます。といいますのは、実は宝来先生は、ことしそういうことを個人の研究成果として学会で御発表になったようでありますが、研究班としてはまだ統一の御見解を私どもに寄せていただいておりません。実は学会でそういうことが発表になりましたので先生のほうに聞きましたところ、間もなくこの三人の研究班の方からこれに関する報告を労働省にしようというようなお話がございますので、その御報告をいただいた上で、私どもとしては、業務上の扱いについて前向きの姿勢で取り組んでいきたい。
 また、製材工場におきましては、実は具体的に栃木県あたりで米材、米杉からくる気管支炎のような症状が出ているわけであります。そのために、実は私どものほうで米材を取り扱っている工場については、ぜひ局所排気装置を備えるような行政指導を行なっておりまして、これについてもそういう予防的な措置について事前的な措置を講じますとともに、その結果に基づいて出てまいりましたもので、業務上との相関関係がはっきりいたしますもの、あるいはそれ以外は出っこはないと思われるようなものにつきましては業務上の取り扱いをするような措置を講じたい、かように考えております。
#174
○大橋和孝君 この現行のじん肺法では、このじん肺の定義で、「鉱物性粉じんを吸入することによつて生じたじん肺及びこれと肺結核の合併した病気をいう。」ということになっておって、有機じん等が職業病としてじん肺の原因となることがほぼこれはあちらこちらの研究で明らかになっておるのでありますからして、いまでは、じん肺法というものをもう少し早く定義を改めていくぐらいにまでしなければいかぬ時期ではないか、こういうふうに私は思うわけですが、こういう点についてのお考えはどうですか。
#175
○政府委員(和田勝美君) 先ほどお答えいたしましたように、宝来教授を中心といたしまして研究をお願いいたしております。その研究の成果が間もなく私どものほうに報告があるように伺っておりますから、それに基づきまして、法令的にも必要がありますれば省令改正をしたいと思いますし、基準法のほうの三十五条三十七号にその他労働大臣が指定するというのがございます。その条文の活用等をいたしまして、研究成果に沿った業務上の扱いをしたい、かように考えております。
#176
○大橋和孝君 それじゃ、次に原子力の問題についてちょっとお尋ねしたいと思います。
 ことにこの原子力事業従業員の災害補償についてでありますが、原子力の研究所その他原子力関係の特殊法人、東京電力だとか、関西電力だとか、あるいはまた原子力発電所、そのほか東芝会社なんかの原子力の研究所、こういうところはいずれも労働基準局の監督下にこれはあるわけでありますから、労働基準監督官はこれら原子力事業所を監督できるだけの十分な能力、機能あるいはまた知識、こういうものは十分おありなんでありましょうか、これについてちょっと。
#177
○政府委員(和田勝美君) 原子力問題は非常に新しい問題であり、非常にまたむずかしい要素がございます。したがいまして、基準局の中でそれにふさわしい能力を一般的に持っておるかという御指摘になりますと、まことに申しわけございませんが、一般的には持っておるとは言いかねますが、しかし主要の局には、主要の監督署には実はそういうものに対する一応の教育をした者がおります。やはりこれは、実は原子力を統一的に扱っていらっしゃるほうの科学技術庁あたりの御研究なり、実績なりを伺った上でそういう適用をしていくということで、そういう実績の上、研究の上に基づいて明らかに原子力による疾病あるいは負傷があるということになりますれば、業務上のものとして扱っていく、こういうことにいたしております。
#178
○大橋和孝君 科学技術庁の方はえらいきょうは早くから待っておったそうで、私非常に恐縮しておるのですが、これはいつ開会されるかわからなかったものですから、これはお尋ねに来られても返事のしようがないから待ってもらったわけですが、私、ここでちょっと関連して科学技術庁にお尋ねします。
 原子力事業に従事している労働者の保護に関しまして科学技術庁の原子力局と、それからまたこの労働基準局との両官庁の間で監督の関係はどのように分担されているのか、あるいはまた調整されているのか。こういうものがないと――私はきょうこれは指摘するつもりはありませんが、しかし、この問題が非常に問題だけに、そしてまたこの問題に対していまいろいろな何といいますか、不安なり、そうした問題がここで働いている人たちの間にあることを私は聞いておりますので、これは非常に大事な問題だと思います。技術庁のほうでは、これに対してどういうふうな調整をされるか、あるいはまたこういうものを防止されるか。ことに原子力の問題になりますと、災害が起きてしまったらこれは非常におそろしい人体に影響があるわけでありますから、それを未然に防ぐ意味においても、そういう監督行政というものをどういうふうに分担して、どういうふうに調整してやっておられるか、両方の方からひとつその御意見を伺っておきたい。問題が重大です。
#179
○説明員(田中好雄君) 御指摘のとおりでございまして、科学技術庁といたしましては発生の予防ということを非常に重点に置いてやっておるわけであります。すなわち、原子炉等の設置をいたします場合には、原子炉等規制法に基づきまして資料、申請書を出してまいりますが、これにつきましては原子力委員会にこの資料を回付いたしまして、原子力委員会のほうの御意見を聞くことになっております。委員会におきましては、原子炉の安全審査会というのを持っておりますが、これには三十名に近い先生方がおられまして、毎回一件ごとに審査をいたして許可をおろす、こういうかっこうになっておるわけであります。
 それから労働関係の問題でございますが、これにつきましては、いまのような発生の予防のほうを重点に置きました上で労働関係との関連をつけるようになっておるわけであります。すなわち、まずこの発生の予防をいたしますけれども、その上に、この中に勤務している労働者の皆さんに与えます放射線の影響、これにつきましては放射線審議会というのが別途にまたございまして、これにも三十名の先生方がおられますが、これは国際関係で、ICRPといっておりますけれども、この関係で出てまいりましたいろいろな資料をもとにいたしまして、国内の技術的な業務基準をきめているわけでございます。これに基づきまして、私のほうから、この審査会には当然労働省の方も入っておられますが、こういうものを通じましてそれぞれ規制すると、こういう形になっておるわけでございます。
#180
○政府委員(和田勝美君) 原子力の一般的なことにつきましては、いま科学技術庁のほうからお答えになりましたとおりでございますが、私どものほうで主として行ないますのは、原子力が扱われる職場に働かれる職員の方の健康管理ということを中心として、それから発病されます者に対します業務上の取り扱いというものをやらしていただいておりまして、健康管理につきましては、放射線障害防止規則というものをつくりまして、これに基づいて労働省が主管をいたしまして、労働者の方の健康管理をやっております。
 それから業務上災害につきましては、原子力事業従業員災害補償専門部会というのがございまして、そこの報告書が出ておりますが、これにつきましてただいま科学技術庁のほうと私どものほうで検討を進めて労災適用に遺漏なきを期したい、かように考えております。
#181
○大橋和孝君 この問題は、先ほど私が指摘いたしましたように、非常に災害が深刻でもあるし、また非常に起こりますと困るわけであります。また、それに対する予防ということも非常に発見しにくい場合があるわけです。いろいろな問題が含まれているわけでありますから、両省庁においてよほど連絡調整をしながら、綿密なことをしていただきませんと、もうすでにそうした問題についていろいろなことが起こっているときでありますから、十分な方策、方途をとっていただきたい。私、ここにそれをお願いしておきたいと思います。
 特に、この中でちょっと疑問に思いますのは、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律第四十八条の書き方ですね。これをちょっと見てみますと、これは鉱山保安法の第五十四条及び労働基準法第五十五条のことと異なる書き方になっておる。これはどうかといいますと、鉱山保安法では、勧告権が労働大臣と基準局長の両方にあるわけですね。これは御存じのように。ところがこの放射線障害防止法では勧告権は大臣のみである。こうなっているはずであります。それからこれを見ますと、やはり現状では基準監督局長にも勧告権を与える必要があるのではないかと思うのですが、こういう点についての御見解はどうなんでしょう。
#182
○政府委員(和田勝美君) 鉱山保安法と基準法との関係は実は非常に古い因縁がございまして、そういうことからいたしまして、労働基準局長にまで勧告権を与えたのは、だいぶ前の行政組織法がまだできる前に補助機関である基準局長にもそういうものができましたが、国家行政組織法ができましてからは、大臣の補佐機関という立場にありますので、法的には行政官庁である大臣が勧告をするという形に整理をされたと、かように考えておりまして、実質的に大臣を補佐申し上げまして、大臣の命を受けて基準局長名で科学技術庁のほうに御連絡をするということも十分に実務的にはございます。この行政組織に対する考え方が変わってまいりましたこともございまして違った規定になっておりますが、実務的には全く同じ考え方をしておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
#183
○大橋和孝君 この問題も、いま御説明の中にあったと思いますが、ことに考えてもらわなければいけないと思います。よろしくお願いしたいと思います。
 それから四十年の五月、原子力事業の従業員災害補償専門部会、ここから報告が出ている。いわゆる我妻報告ですが、これが提出されておる。四十四年五月には、労働者福祉中央協議会から労働大臣に申し入れ書が提出されております。我妻報告の指摘しているような問題点、特に放射線障害に対するところの労災法の適用に関しては、労働大臣は、本会議における質問に答えて、その業務と関係が不明であること、労働能力の喪失についても疑問であるから担当者の研究にまちたいと、そういうふうな答弁をしているのでありますが、この我妻報告は、原子力委員会の下にある専門部会であり、すでに四十年に報告したものであるのでありますが、五年間もさらに担当者の研究がなぜこう必要なのか、日にちもたっておってそういうことをいっておるのは少しおかしいではないかという点も考えられるわけです。五年も経過しても結果が出ないというのでは、はたして担当者に研究調査する能力があるのかとも言われるような疑問も出てくるのだと思いますが、早急にこの我妻報告の指摘事項を改善すべきではないかと、こう思うんです。なお、この原子力委員会は、我妻報告を受けて後、四十年六月十日二報告書の内容の具体化について可能的すみやかにその改善をはかるものとするというような決定を行なっているはずでありますから、こういうこともあわせて、この原子力の障害についてのこの報告についてひとつ御意見を伺っておきたい、こういうふうに考えます。
#184
○説明員(田中好雄君) 御指摘のとおり、あの報告書が出ましてから五年たつわけでありますが、この報告の中で重点になりますのは、原子力の従業者につきまして日常の健康診断、医学線量等の測定を徹底させろということが一つございます。これができますれば、この災害を受けましたときに、放射線の被害を受けましたときにその認定ができる、こういうことになるわけでありますが、この点の研究はずいぶん進めておりまして、全部一応従業者のほうには、先ほど労働大臣のほうからお話がありましたように、健康管理の診断の結果、あるいは線量の測定の結果がつけられるようになっておるわけであります。このようにいたしまして、逐次この報告の内容を実施に移してまいってきておるわけでありますが、御指摘のとおり、十分とは申せないわけであります。そのような関係でございまして、労働省との間には従来から検討を進めさせていただいておりますが、私どもといたしましては、昨年の十月二十三日に原子力損害賠償制度の検討専門部会というのを原子力委員会に置きまして、以降もう六回開いておりますけれども、原子力の損害賠償制度全般についての検討を現在進めさしていただいております。我妻先生に再度委員長になっていただいて進めているわけでありますが、いろいろと事務的に検討はしておりますが、なかなかむずかしい問題もございますので、今回の原子力損害賠償制度の検討専門部会で広い視野から専門的な立場に立って十分な検討を願っていきたい、こういうふうに現在進めている次第でございます。
#185
○大橋和孝君 じゃ、まだたくさんお尋ねしたいことはありますけれどもこれくらいで終わりまして、特にいま原子力の方面ではそうしたことで非常に新しい分野でもあり、いろいろな報告書にもあったようなぐあいで、まだまだ解決をしてもらわなければならないことがたくさんある。それが非常に手おくれになっているような感じがいたします。ですから、この労災法というものがほんとうにあたたかい労働者に血の通ったような形で、予防にもあるいはまたいろいろなその予防のための施設に対して、あるいはその拡充のための指導に対して、あるいはまた起こった場合の補償の払い方に対して非常に多くの問題がまだまだ残っていると思いますのでこの原子力関係の問題に対しては特にひとつ今後進めてもらって万遺憾のないような取り計らいをしていただきたい。そういうことに対しては、科学技術庁においてもあるいは労働省においても相当協調する面もあり、また分担してやる面もあるだろうと思いますが、そういう点でひとつ十分なる研究を進めてやっていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 まだまだほかにも、今度の改正で一つ前進はしておりますけれども、いろいろなところを考えてみますと、足りない点がたくさんあると思います。それから附帯決議もたくさんつけられて衆議院からも来ておるわけでありますが、その内容については私もたださなければならぬ点はたくさんありますけれども、時間がありませんから最後に特に大臣にお願いしておきたいのは、私がいまいろいろお尋ねを申したようなことで、その労災というもの、災害というものの予防からその補償に対する考え方は、ほんとうにその事業所が全責任を持つべきであるし、また、監督してもらっているところの労働省においてそういう点をはっきりして、できるだけそういう点があいまいにぼかされることのないように配慮してもらいたいということをお願いしておきたいと思います。大臣、ひとつその点は、この法案ができるのをきっかけに前向きに取り組んでいただきたいと思いますので、所信を聞いておきたいと思います。
#186
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘のような点まことにごもっともでございます。労働者災害補償法が真に働く労働者の人たちのためになる法律である、その人たちを救い、あるいは災害の防止その他にも十分な力を発揮できるように、今後とも前向きに取り組んでまいりたいと考えております。
#187
○渋谷邦彦君 時間もだいぶ迫っているようでありますが、若干お尋ねしたいのです。
 初めに、昨今産業構造の著しい変化あるいは職場の環境の合理化等によって、従来とは全く異なった仕事というものがなされるような著しい傾向が見られるわけであります。たとえば同一姿勢によるキーパンチャーなどの例は最も著しい例ではなかろうかと、こう思います。したがって、それに伴って生ずる災害というものは決して黙視できない状況に置かれているのではなかろうか、あるいはその実態というものは逐年増加の傾向をたどりつつあるのではなかろうかということを、非常に心配するわけであります。労働省では、この問題について、まず基本的な姿勢として、どのようにその実態を把握されて将来の解決策に取り組まれようとされているのか、その辺からお伺いします。
#188
○政府委員(和田勝美君) ただいま先生の御指摘のように、新しい技術、新しい原材料の採用ということあるいは技術革新の全般的な進展ということが職場に新しい職業性疾患をもたらしていることは、御承知のとおりでございます。これは常に新しい状態のもとに出てまいりますので、とかく後手になりがちな面があることは私どもも否定をいたしませんが、そういう情報等につきましては、常に専門家の方の御意見をすみやかに聞くような体制を整備をいたしまして、その専門家の御判断を伺って、それを全国に流しまして、いわゆる職業病の認定基準と申しますか、そういうものを全国に流しましてすみやかにそういう状態に対処するようなことにいたしたい。四十五年度におきましては、それを組織的に行ないますために、地方をブロックに分けてそういう専門家の会議を常置したい、かように考えておるわけであります。今後の問題といたしましては、なおそれでも不十分な点がございますので、四十五年度におきまして産業医学総合研究所的な機関を設ける必要があるだろうという構想のもとに調査費を計上いたしました。この調査結果を見まして、四十六年度以降におきまして、現在の労働衛生研究所を発展いたしまして産業医学全般に対する研究機構を整備をしたい。そして新しい時代に応ずる新しい研究体制を充実することによりまして、常に新しく出てまいります職業病に対応する研究体制及び各職場において健康管理に当たりますスタッフの養成というようなことも研究所であわせて行なってまいりたい、かように考えております。
#189
○渋谷邦彦君 こまかい数字はけっこうでございますので、最近の例から受給対象者がどのようにふえているか、その概数でけっこうであります。
#190
○政府委員(和田勝美君) 職業性疾病の問題について総数だけ申し上げてみますと、昭和四十年は一万九千百八件でありましたものが、四十三年には二万八千三百五十八件、四十四年は、推計でございますが二万九千五百三十七件、こういうような状態で職業性疾病はふえております。
#191
○渋谷邦彦君 先ほど局長が答弁されましたように、常にいままでの対策というものは後手に回っておる、そのとおりであろうと私思います。また、いま述べられたように、数字の上から判断いたしましても逐年増加の一途をたどっている。非常にゆゆしい問題だと思いますが、さらに大臣に、局長の答弁に対して政治的な判断の上に立った今後の方向というものを明快にお示しをいただきたい。
#192
○国務大臣(野原正勝君) 労働条件が変わってくる、新しい機械を使う、新しい原材料を使う、したがって、職業病等が次々に新しいものが出てくる。しかし、これはもう後手に回るのはあたりまえだという考え方は間違いであります。新しいこういう職業病等が発生しないように常に事前に注意して対策を講ずる必要もあると思いますが、今後は、そうした後手にあまり回らないように積極的に職業病対策を進めていくということで、一段と産業医学総合研究に重点を置いてやっていきたい、かように思います。
#193
○渋谷邦彦君 もちろん補償の問題は、いま申し述べたように、非常に重要な意義を持つわけでありますけれども、それと同時に、先ほども若干質疑応答の中でありましたが、やはり防止対策というものも並行的に行なわれていかなければならないのは当然でございましょう。そうした意味合いから、いままでは、とかくすると政府の行政指導というものは、語り文句の中には常に言われておることでありますけれども、前向きに取り組んで絶えず怠たらずに指導啓発というものを行なっていくと。けれども、実質的には、先ほどの数字が示しますように、その効果が上がっていない。やはりそういうところにも大きな欠陥がありはしまいかということで、やはりいま大臣が述べられた御答弁の中にはまだ不足を感ずるようなきらいがないようでもない。そこで、その予防措置についても、これから当局として絶えずそういう災害の起こらないように未然の措置が講ぜられる、そういう措置というものがやはり行政指導の上では非常に重要な位置を占めるのではないか、こう思いますけれども、それについてもやはり大臣としての所見を伺っておきたいと思います。
#194
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘のような点で、今後は、予防並びに治療その他災害の防止等と同時に、この補償の問題につきましても積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#195
○渋谷邦彦君 局長、いまの大臣の答弁を受けとめられて、これから具体的にどういうことを想定しながらやっていかれるおつもりか。
#196
○政府委員(和田勝美君) 職業病の予防につきましては、職場に使用されます新しい材料が一体どういう毒性を持っておるのかというような究明がまず第一であります。そういう点からいたしまして、先ほど大臣から申し上げましたように、研究所においては毒性試験というものを開発する方式をまず考えていきたい。そういう毒性がわかりますれば、それに対します対応策をいわゆる安全工学的な見地から開発をいたしまして、必要な予防措置を講ずるような措置をやっていきたい。それと、そういう毒性を従業員その他そういうものを扱う人々によく周知徹底させることが何より重要でございますので、そういう意味の安全衛生教育を従業員の方に徹底をさせる、あるいは従業員のみならず、一般の人にそういう毒性の理解をしていただく、こういうふうにいたしたいと、かように考えております。しかし、産業につきましては、パテントその他いろいろむずかしい問題がございますが、そういう点につきましては、ぜひ経営首脳陣が従業員のそういう中毒とか、職業病を守るという関心を高めていただくことが何よりも重要な問題だと思っておりますので、そういう経営首脳に対する啓蒙を通じまして、企業をあげて職員の健康管理、職業病の予防ということに打ち込めますような態勢を整備していきたい、かように考えておりますし、研究開発体制は、先ほど大臣が申し上げましたことを具体的にする研究所をぜひ四十六年度以降つくってまいりたい、かように考えております。
#197
○渋谷邦彦君 次にお尋ねをしたいのは、いままで私自身が直接災害にあわれた方から聞いた話を通しまして申し上げるわけでありますが、労災補償が受けられるかどうかという認定がくだされるまでに非常にむずかしい手続といいますか、何回も労働基準局などに足を運ばねばならない、そういうような苦情を聞くことがあります。どう考えてみても明らかにそれは労災補償を受けるべき対象者である、私たちが少なくともいままで知り得た判断に基づきましてもそういうふうに思うわけでございますが、非常に抽象的な言い方になってしまったかもしれませんけれども、その認定までに至るその問題と、実際にいままで問題がなかったかどうか、この点はどうでしょうか。
#198
○政府委員(和田勝美君) 労災につきましての業務上の認定につきましては、私どもとしては、ぜひ早くやるような体制をつくりたいというのが念願でございます。ただ、先ほどお答え申し上げましたように、最近は業務上の疾病扱い問題が非常にむずかしい問題が出てまいるようになりました。それから業務上の疾病につきましても件数も相当増加をしてきている。新しいことで言いますれば、頸肩腕症候群の問題、腰痛の問題あるいはむちうち症の問題だとか、非常に業務との相関関係が認定しにくいような問題もあるわけでございます。これは実は業務と関連せずに普通の状態でも出るような病気がその中にあるわけでございます。たとえば腰痛等につきましては、普通の家庭でもつい起きやすいというようなこともありまして、業務上認定についてなかなか判定のしにくいのがある。そういうのが出まして、業務上認定について遅延がはなはだしいのではないかという御指摘をいただいておりますことも事実として私ども認めざるを得ない向きがありますが、そういう経験がずいぶん最近は重なってまいりましたので、その経験を基礎にいたしましたり、あるいは医学の専門家の意見を伺いまして業務上との因果関係の発見にできるだけ努力をいたしまして、早く業務上認定をするということに今後とも努力を続けてまいりたい、かように考えております。
#199
○渋谷邦彦君 いまの答弁を聞いておりますと、やはり問題は残されているように思うのですね。すっきりしないわけですよ。もし、いまの局長の答弁を国民が聞いた場合に、またそういう問題に実際いま遭遇している人が聞いた場合に、一体どうなるのだろうか、こういう疑問が起こることは言うまでもないと私は思うのです。ただ、法律というワクの中に一切を閉じ込めてしまおうというならば、なるほどむずかしい場合がございましょうけれども、やはり法律は運用の面ということを考えていかなければならない。そうした立場から、いままでもそういう苦情を当局としても受けているといま言われました。ならば、もっとやはりその解決をめぐって早急にこの問題の処理をはからなければならないことは当然だと思うのですが、大臣、その辺の運用の面についてはいかがでございましょうか。
#200
○国務大臣(野原正勝君) いままでの答弁を聞いておりますというと、どうも認定に非常に時間がかかるということで、これをできるだけ急ぐというのでありますが、あまりにも事務的に過ぎて慎重に過ぎるというか、当然すぐ決定するものまで時間がかかるというようなことがあってはならぬと思いまして、今後はそういう面につきましては思い切ってできるだけ早くやるというようにいたしたいと思います。私からも十分この点は周知させまして、今後の事務処理については一段とスピードアップにつとめたいと考えております。
#201
○渋谷邦彦君 まあスピードアップけっこうだと思いますが、いままで一年ぐらいかかったのが十カ月であってもスピードアップということになるかもしれません、極端な言い方をすれば。実際泣いている人がいるのですよ。なぜもらえないのだろうか、こんなばかな話あるだろうか、さりとて仕事はできない。また生活保護を受けようとしても本人の襟度が許さない等々のいろいろな条件がからみ合っておりますから、一刻も早く労災補償を受けたいとするのは私は当然のことだと思う。したがって、そういうことをチェックする、いわゆる調整していく機関といいましょうか、できるだけそれを促進するという考え方に立ってですね、なるほど業務上の認定というものはたいへんむずかしいと、けれども現在のその家庭環境というものを考えてみた場合に、これはもう早くしてあげなきゃかわいそうだという、そういうそこに政治の光というものを当ててあげずして、何のために一体労災に入っているのだという今度は逆の疑問が起こってくると思うのであります。早くというのはけっこうでございますけれども、一体どういうことをめどにされて、どういうことを基準にされていまおっしゃられているのか、重ねて私は伺っておきたい。
#202
○政府委員(和田勝美君) 方針としては、大臣が申し上げたとおりでございます。私どもとしましては各監督署、地方の基準局の認定業務につきましては、労災の監察官が中央におります。地方の局にも労災の監督官がおりますから、認定が著しく長いものはどういう理由によってそういう長くなるかということにつきましては十分監察の際に注意をいたして、そのおくれておる理由等をはっきりさせて、無用な認定のおくれのないような行政内部の監察制度の活用ということもさせていただいております。それも非常にむずかしい案件がございますが、そういう際には、行政官だけで判断をいたしますことは、無意味に長い時間をとりますので、専門家の方の御意見をすみやかに聞くことが何より大事だと、そういうことで従来から本省には専門家会議をそのつど設けるという体制をとっておりましたが、本年度からは全国を七つのブロックに分けまして、専門家の認定補助機関を常置をいたしまして、そこにかけてすみやかに判断をする、こういうような機構的な体制も四十五年度には整備をすることにいたしております。そういうようにいたしまして行政内部の監察を強固にするとか、専門家の方の常置機関を設ける、それから本省におきます専門家会議の開催によりましてすみやかに業務上認定基準をつくるというような体制を整備しながら、ぜひ業務上認定が早くできるような体制をつくっていきたい、かように考えております。
#203
○渋谷邦彦君 重ねて要望しておきたいことは、特にいま局長が言われたように、その配慮のもとに監察官なりあるいはその担当者の方々が取り扱ってくれれば、それは納得する人もあるでしょうけれども、その窓口が非常に剣もほろろ、法律のわからない人に法律にはこうありますよと、聞いたほうはそれではわからない。そういうところに、もうあきらめにもにたような、たいへん何か不満を持っておられる方がいるということ、これは局長も御存じだろうと私は思うのです。そうすると、今度は人手が足りない。オーバーワークになっておる。そうすると、どうしてもそういうことで十分なことばを尽くした言い方がされなかったために誤解を与えるような結果になりましたと、最後にはこう逃げられるにきまっておるわけです。ですから、そうした面で今度はむしろ内部に対する、役所自体に対するそういう行政指導といいますか、というものをどうしたらいいか、これは大臣も一緒に答弁していただきたい。
#204
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘をいただきました点は、とにかく労働省は働く人たちの味方であると、あたたかい気持ちで、いたわりの気持ちでもって労災を取り扱うということをモットーとして、この際、その点がどうも十分親切心がなかったとすれば、これから改めさせるように最善の努力をしたいと考えております。
#205
○渋谷邦彦君 まあ一ぺん現場を見ていただきたいと思います、私は。大臣自身やはりそうした点をまのあたりに実感として味わっていただきませんと、私が申し上げておることはやはり受け取れないのじゃないかということを心配をいたします。特に、先ほど局長の答弁にもございましたように、むちうち症ですでにもう三年、四年、五年と、中には労災補償が打ち切られたような人もおるわけですね。どこからも取れない、お金が。そういうような立場の人がいるということを私も聞いておるんです。この実態はどうなっていますか。
#206
○政府委員(和田勝美君) むちうち症につきましては、医学的にも、治癒の認定問題に非常に紛糾するところがあるようでございます。医学的に紛糾するのみならず、実際的にも相当治癒問題で問題があるようでございます。そういう点で医師の見解が分かれるというようなことからくる治療の継続問題があるように承知をしております。しかし、それはケースバイケースの問題として処理をしなければならぬと思いますが、むちうち症の非常に重度の方につきましては、長期傷病給付ということで、打ち切り補償でなくって長期にわたっての療養のめんどうを見ていく、こういうようなこともすでに実例として相当数出ておりますので、ケースバイケースに応じまして、長くかかる人は長く療養をしていただく、ただ、なおった、なおらないという争いが医師の間でもあるような問題につきましては、そのつどしかるべき行政判断をしたい、かように考えております。
#207
○渋谷邦彦君 いまくしくも一つの例が出たわけでありますが、その医師の間においても、認定上まちまちであるというお話でございますけれども、こうなりますと、ある地域においてある人は同じような症状のもとにおいて受けられた、ある人は受けられなかった、こういう差別というものを一体どういうふうに解決されるおつもりですか。
#208
○政府委員(和田勝美君) 私どもの態勢としましては、医師の間に見解が分かれましたときには、第三者の医師の方の御判断を得て、その方の意見に従う、こういうことで処理をするということにいたしております。
#209
○渋谷邦彦君 第三者もけっこうだと思いますが、それがうがったものの見方をすれば、その第三者のお立場の方もあるいは違った見方をするおそれもないとは言えない、問題はまた将来に残されるんではなかろうかと私は思います。時間がありませんので、この程度にしておきますけれども、それに今度は、いま申し上げた問題に関連しまして、実際に災害を受けられた方が労災補償なんかめんどくさいということで、使用者側と実際話し合いをされる、民事訴訟等も起こして、そして労災補償の給付額よりも非常に上回る場合があるやに聞いております。この点はどのように実態を掌握されていらっしゃいますか。
#210
○政府委員(和田勝美君) 労災は使用者の無過失賠償責任を問題といたしまして判断をいたしますが、民事訴訟につきましては、これはいわゆる加害者と申しますか、この場合使用者ということにいたしまして、使用者側の故意過失がある場合に裁判で争うことになるわけでございます。したがいまして、業務上の場合は、故意過失を要しませんで、無過失でも責任があるということで、使用者側の責任が加重されております。もし故意過失がありますと、実は無過失の場合よりもさらに責任が重くなるわけでございまして、民事裁判におきましては、そういう意味では労災の給付より上回った給付がなされる、こういうことが通例の場合多い。給付と申しますか、民事上で故意または過失があった場合には、使用者の責任がそれだけ重くなりますので、労災の場合よりは損害賠償額が多いというのが通例でございます。
#211
○渋谷邦彦君 そこで全面的にということは非常に技術的にむずかしいと思うのでありますけれども、いま通例として、これはおそらく一般的にそうだろうという理解をするわけでありますけれども、なかなかそれだけの金額というものは被災者及びその遺族にとってはどうしても必要な最低限度である、あるいは最低限度ちょっと上回るという場合もございましょう。そこで使用者側と相談をされてぎりぎりの補償を獲得すると、そういうケースが非常に多いのじゃないか。そこで考えられることは、現在の給付額の水準というものをやはりそれに近いかあるいは同等にする、そういうふうな考えは、今後において――いますぐと言っても無理でございましょう。今後において考えられないものであろうか。
#212
○政府委員(和田勝美君) 病気の療養経費につきましては、これはおそらく一般的な保険給付の中では、一番労災が手厚く給付を行なっていると思います。そういう療養を受けております場合の、休んで働けない場合の今度は生活費の問題でございます。これが休業補償問題でございますが、それでは食っていけないという問題とは多少労災の場合は――厳密に食っていける、いけないを労災で論ずることはできませんけれども、しかし、もちろん生活ということが休業の場合に出てまいりますので、今後、私どもも十分研究をいたしまして、他の制度との均衡をとりつつ病気療養をなさっておる方の生活問題は十分補償の中で考えていきたい、かように考えております。
#213
○渋谷邦彦君 大臣いかがでございましょう。いまの局長の言われたとおりで間違いございませんか。
#214
○国務大臣(野原正勝君) ただいま局長の答弁のとおりでございます。
#215
○渋谷邦彦君 次にお尋ねしておきたいことは、先般も当委員会で論議がかわされた問題の一つに家内労働者、この対象をどう考えておられるか。これはたしか危険な仕事に携わっておる二つの業者なんかが加入を認められているように認識をしているのですが、この家内労働者を全面的に――やはりこういう法律案が審議されているわけでありますから、特にこの点についての今後の方向でございます、どう一体考えていらっしゃるかということ。
#216
○政府委員(和田勝美君) 労災保険におきましては、現在特別加入制度というのがございまして、いわゆる雇用労働者でなくても、一定の条件を備えた方には労災保険に特別加入をしてもらって、保険給付をするという制度がございます。家内労働審議会でも、ぜひ家内労働者で必要のあるものについてはその特別加入制度を活用するようにという答申が出ておりまして、労災保険審議会におきましても、家内労働審議会のその意見を尊重をして、必要のある家内労働者には労災保険の特別加入を認めることになりまして、家内労働法がおかげさまで法律として成立をいたしましたので、家内労働者の中で、業務上のけがや疾病のあるような加工あるいは仕事に従事していらっしゃる方には特別加入に入っていただきたい、かように考えております。その場合におきましては、これは行政指導でございますが、保険料は委託者が納めるような行政指導をしていくということによりまして、実質的には家内労働者の負担にならないような方式をとってまいりたいと、かように考えております。
#217
○渋谷邦彦君 時間もありませんので、最後の質問にいたしたいと思うのでありますが、やはり給付額というものがいつも問題になるわけです、少ないと。確かに、これはいつも先進国の例と比較されて問題が提起されているわけであります。特に、昨今の物価上昇あるいは生活の水準の上昇というものがからみ合っております。はたして現状の法律改正だけで十分と言えるか、これはだれしも十分とは言えない。今後、やはりそのつど物価の上昇と見合って法律改正というものをするのではなくて、そのときに応じたスライド制の導入というようなことも、これは常識問題として当然考えられる課題ではなかろうか、こう思うのでございますけれども、この点についての今後の考え方を伺って、あとの質問者が待っておるようでございますので、私はこれでおしまいにいたしますけれども、それを明快にひとつ御答弁をいただきたい。
#218
○国務大臣(野原正勝君) スライド制の導入、現にすでにもうやっておるのでありますが、ただ、これが二〇%をこえたときに適用するということで非常に問題があるわけでございます。が、最近の賃金上昇率等も実は予想以上に上回っておりますし、これは一気に引き下げるということは、この段階でなかなか困難でありますが、この問題につきましては、立法そのものが日本で初めて実は労災法だけがスライド制を適用されておるという事情からいたしましても、決して働く人たちのためになる制度ではない、しかしこの点がどうも徹底をしていないという御意見もございます。今後スライド制につきましてはあらためて十分検討いたしまして、できるだけ実態に合うような状態に改善を加えていきたいというふうに考えております。
#219
○中沢伊登子君 この労災の質問は九時きっちりに終わってほしい、こういうような連絡がまいっておりますので、私は三点だけ質問をいたしますから、御答弁のほうもその点よろしくお願いします。
 先ほどからいろいろもう質問が繰り返されてまいりました。特に大橋委員から質問がなされました中で一つ伺いたい問題は、被災労働者が社会復帰をして再び自立していくことがこの補償の究極の目標であると私は思いますけれども、労災保険としては、このために、特に外傷性脊髄損傷患者のように下半身が麻痺をしてしまった廃人同様の悲惨な生活を送らざるを得ない人々が、どうしても新しい職業につかなければならない。そのつくためにはやはり突然のことですから、職業訓練をしないといけないのではなかろうか、その職業訓練が下半身が働きませんから、どのような場所で、どのくらい通えば職業訓練が受けられるようになっているか、その点が一つ。
 それからこの人たちのリハビリテーションですね、そういうところでリハビリをやらなければいかぬと思うのです。その点は日本でどのくらいできているのか、今後どのような方向をたどるのか、この点について伺いたい。
#220
○政府委員(和田勝美君) 先生御指摘のとおりでございまして、脊損患者につきましては、下半身が麻痺をいたしまして上半身しか使えないという特殊な事情におられますので、この治療過程におきまして各労災病院でリハビリテーション施設を持っております。医学的なリハビリテーションと社会復帰をかみ合わせをするような機能、活動の強化をはかっているということで、各労災病院でやっておりますのが一つ。それとリハビリテーション作業所というのが現在六カ所全国に設けられております。そういう脊損患者の方を収容をいたしまして、そこで上半身でやれる作業に習熟をしていただいております。これは寝るところも全部用意いたしましてやっておりますので代表的なのは、諏訪で精密機械の手先の仕事なんかをおやりいただいております。そこで習得をされましたら社会復帰をしていただいて、社会のそういう仕事についていただく、こういうための習熟訓練を労災リハビリテーション作業所というところでやっております。また、実は身体障害者の職業訓練校がございますが、そちらでも身体障害者向きの訓練をやっておりますので、そちらにも委託をいたしまして訓練をやっておる。そして通われる場合、あるいは自宅に帰られますと、お手洗いその他の改造というようなことも必要になりますので、そういうためには社会復帰の援護資金の貸し付けという制度も設けまして、脊損患者の方ができるだけすみやかに持っておられる能力の発揮できるような措置を今後とも強化してまいりたい、かように考えております。なお現在六カ所でございます。
#221
○中沢伊登子君 通勤途上の災害の問題も先ほどからいろいろ出ておりましたけれども、通勤途上の災害の大部分はやはり自動車による事故であると思います。その自動車事故でも、自賠保険では五百万円、最近さらにこれが八百万円が支払われるようになると聞いておりますけれども、それに引きかえて労災保険の保険金額はたいへん低い。業務上の災害の被災者保護にはこれでは十分でないと、このように思いますが、その点はいかがでございますか。
#222
○政府委員(和田勝美君) 自動車賠償保険は、被害者が死亡されました場合には五百万円を支給するという改正が最近行なわれました。それに対しまして業務上災害の場合は、実は亡くなりますと、扶養をされる義務のある遺族の方には年金を差し上げます。したがいまして、私どものほうで残存年数と現在の賃金ベースで計算をしてみますると、九百万を少しこえるくらいの金額に平均的にはなることになっております。そういう意味からいたしまして、一時金ではございませんが、長い間年金でごめんどうをするということでは、遺族の方の補償としては労災のほうがすぐれておるのではないか。金額的には、積算いたしますと五百万と九百万ということで差がございます。しかし、扶養される義務のない遺族の方につきましては、今度千日分というものを差し上げることにいたしておりますが、ただ基本的には、自賠法の場合は故意過失というというのが一応の損害賠償の原因になっております。運用上で相当弾力的に行なわれますが、形としてはそうなっております。それに対しまして業務上の場合は、無過失賠償責任という、責任的には少し低いというような事情もございますので、自賠法とぴったり比較をするのはいかがかと存じます。実際的には、いま申しましたような扱いになるということでございます。
#223
○中沢伊登子君 長い間になりますと、どうしてもこれだけの激しい物価上昇の中でどうなるか、こういうことのひとつ疑問が残ると思うのです。しかし、その点については、もう時間がありませんから追及することを取りやめますけれども、先ほどの御答弁の中で、本年の二月から専門家調査会で通勤途上の災害が労災保険になるかどうかということをいま討議中だ、こういうようなお話がございましたが、もしも、これが通勤途上の災害が労災で見られる、こういうようなことになったとしますと、いま申し上げましたように、たいへん自動車による事故が多いわけですから、この交通安全ということが予防のためには非常に大事になってくるわけです。この交通安全について、これは労働省だけで、あとで交通事故によってこうなったのだというようなことではなくて、運輸省とも十分連絡をとって、交通事故の起こらないように、交通安全のためにも運輸省と力を合わしてやってほしい。ともかく役所というのは縦割り行政でなわ張りがあるものですから、特にこの点を私は要望をしておきたいと思うのです。
 それについて一つの例を申し上げてみますと、この間、私の近くに一つ交通事故がございました。それは会社からサラリーマンが自動車に乗って帰ってきたのですが、そこに十八歳の少年が飲酒運転でぶつかった。そうして、ぶつけられたサラリーマンは一家のあるじですが、即死をしたわけです。ところがいろいろ調べてみると、飲酒運転だから何か保険金がおりない、こういうことでいまだにもめておるわけであります。こういうような悲惨なことがあってはほんとうにたいへんなんです。ですから、この点で今後交通安全の問題については、なわ張りをやめて運輸省と十分連絡をとって、予防するために交通安全のことに労働省としても力を尽くしていただきたい。このことをお願いをすると同時に労働大臣の御答弁をいただいて、ちょうど九時になりましたから私の質問を終わります。
#224
○国務大臣(野原正勝君) 通勤途上の災害、これは結論が出ますれば、法改正等を皆さん方の協力を得まして、できるだけ早く具体化をはかりたいと思います。同時にまた交通安全の問題につきましては、労働省だけではないのでありまして、総理府あるいは運輸省、警察庁、建設省も同じでありますが、交通安全の問題は、内閣の総力を結集してこの問題に当たらなければならないほど大きな問題である。したがいまして、労働災害補償法の問題の観点は労働省でありますが、他の関係機関とも十分連携をとりましてこの対策に遺憾のない対策を講じたいと考えております。
#225
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#226
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#227
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#228
○委員長(佐野芳雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#229
○大橋和孝君 本案に対して附帯決議を提出いたしたいと思います。
    労働者災害補償保険法等の一部を改正す
   る法律案に対する附帯決議案
 政府は、左記事項についてその実現につとめ、もつて被災労働者及びその遺族の福祉の増進を図ること。
     記
 一、改正法案における遺族障害年金の内容は、
  ILO一二一号条約に基いて改善することと
  したものであるが、今後なお他の各種年金制
  度及び災害補償制度の国際的な動向を勘案し
  つつ、引き続き改善の方向で検討を行なうも
  のとすること。
 一、遺族補償一時金については、労基法、労災
  保険法制定以来今日まで二〇有余年における
  社会経済情勢の推移と現状の認識の上に立つ
  て、かつ遺族年金制度及び他の災害補償給付
  との均衡を十分考慮しつつ前向きで検討する
  ものとすること。
 一、通勤途上災害に対する補償の問題は、喫緊
  の急務であると考えられるが、現在労災保険
  審議会の建議によつて専門家による調査会で
  検討中であるので、可及的速やかにその結論
  が得られることを期待し、これをまつて措置
  すること。
 一、労災保険法による給付の基準は、現行法で
  は、労基法の平均賃金によることとなつてい
  るが、他の保険制度の実情をも照し合せて保
  険料徴収の基礎となる賃金の基準として給付
  額を定める方向で検討すること。
 一、給付のスライド制度は、他の社会保険災害
  補償制度に例のない労災保険法独自のもので
  あり、その改善については、今後他の諸制度
  におけるスライド制の採用の状況を見極めつ
  つ慎重に検討すること。
 一、休業補償については、他の各社会保険の給
  付水準と軌を一にしており一応は国際的水準
  にあるものと考えられるが、今後とも関連制
  度との均衡を十分考慮し関係機関及び関係団
  体の意見を徴し前向きの姿勢で取り組むこ
  と。
 一、法定給付以外の各種の福祉援護措置(就学
  援護措置、せき損患者のアフターケアー等)
  については、今後賃金の上昇、所要経費の増
  嵩を考慮し、年度ごとに予算措置によつて改
  善を図ること。
 一、以上一から七の法令改正については各関係
  機関、各関係団体等と話し合いの上、次期国
  会において検討善処すること。
 一、災害の予防及び職業病の発生防止を図るた
  めに、監督行政の充実、監督官の大幅増員に
  努力し、業務災害の絶滅を期すること。
 一、障害等級認定基準の検討を可及的すみやか
  に終えるよう審議を促進し、その結論に基づ
  いて積極的な措置を講ずること。
 一、労災法第二十二条の二に基づく委任命令又
  は第四十七条の二による受診命令の運用につ
  いては、保険給付受給君の立場を考慮して慎
  重を期すること。
 一、メリット制の適用拡大に伴って多発のおそ
  れがある「かくし災害」等の防止に努めるこ
  と。
 一、給付基礎日額の最低保障額については、労
  働者の賛金の実情を考慮しつつ、今後ともそ
  の引き上げを図ること。
 一、産業医学総合研究所(仮称)の創設及び安
  全衛生センターの充実を早急に検討し、適切
  な措置を講ずること。
  右決議する。
 御賛同を願いたいと思います。
#230
○委員長(佐野芳雄君) ただいま述べられました大橋君提出の附帯決議案を議題といたします。
 大橋君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#231
○委員長(佐野芳雄君) 全会一致と認めます。よって、大橋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいま決定いたしました附帯決議につきまして、国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野原労働大臣。
#232
○国務大臣(野原正勝君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、各党一致の附帯決議でございますので、その趣旨を十分尊重して、これが実現のためには責任を持って今後とも努力いたしたいと存じます。
#233
○委員長(佐野芳雄君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#234
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#235
○委員長(佐野芳雄君) 船員保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#236
○大橋和孝君 時間もだいぶ迫っておるようでありますから、まとめて質問したいと考えますので、的確に明瞭に御答弁願いたいと思います。
 今回のこの船員保険法の改正によりまして、五トン以上二十トン未満の漁船に適用範囲が拡大されたのですが、これが現在の社会保険事務所の機能で十分処理ができるのかどうか。これはだいぶ問題があろうと思いますので、社会保険事務所の職員をどのように増員されるのか、これをしないとたいへんなことになるのではないか、これがまず第一点。
 それから第二点は、陸上の労災保険法と海上の船員保険法における労災部門の相違点がどのようになっているのか。今後この船員保険法の労災部門はどのように改善をされていくのか、この点について第二点。
 第三点は、保険料の徴収の算定の基準は、労働省所管の失業保険あるいはまた労災保険については賃金実額になっております。ところが、厚生省の所管の健康保険だとか、厚生年金あるいは船員保険については標準報酬制がとられておるわけでありますが、これらの保険はいずれも同じ社会保険であるという観点からいって統一すべきではないかと思いますが、この点について逐次御答弁を願いたいと思います。
#237
○政府委員(高木玄君) 今般、船員法の改正によりまして、五トン以上二十トン未満の漁船について船員保険法が適用されることになったわけでありますが、この適用につきましては、段階を経まして逐次実施していく所存でございまして、四十五年度におきましては、四十六年一月から大臣許可漁業及び都道府県許可漁業について、これは船主の数にして千五百人ほどでございますが、適用いたすことにいたしております。これによりまして確かに事務量がふえますが、このふえました事務量につきましては、水産庁とも相談いたしまして、全国漁業協同組合連合会等の関係団体の御協力も得まして、これらの漁船の船主はその所属しておられる漁業協同組合がございますので、これは、船員保険法第九条に指定団体の規定がございますが、これらの組合を指定いたしまして、この実施事務に遺憾のないように処理してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
#238
○政府委員(梅本純正君) 陸上の労災保険と海上の船員保険における相違点でございますが、これはこまかく申しますと相当ございますけれども、主要な点を申し上げますと、船員保険におきましてはすべての基礎は標準報酬制をとっております。それから陸上の労災につきましては総報酬制。それから給付の基礎にいたしましても、船保は標準報酬でございますが、労災は給付基礎日額で計算されております。障害年金につきましてもやはり月額を基準にいたしておりますのに対しまして、労災につきましては給付基礎日額というふうになっております。それから遺族年金につきましてもそういう計算でございますが、これは一律に何月分という支給の方法をとっておりますが、陸上の労災におきましては遺族数に応じて支給するという形になっておるわけでございます。
 今後どういうふうに改正していくかという点でございますが、まず職務上の遺族年金につきましては、現行では最終標準報酬月額の五月が支給されることになっておりますが、労災保険におきましては遺族数に応じて支給率が変わるということになっております。今回の改正におきましては、遺族数一人の場合三〇%を、妻が五十歳以上の場合は三五%を、五十五歳以上または廃疾の場合には四〇%で、二人の場合は三五%を四五%に、三人の場合には四〇%を五〇%と、それぞれ陸上のほうは引き上げられます。船保の職務上の遺族年金の額につきましては月額でございますので、一律に五月という制度になっておりますのを五・五月に引き上げまして、大体バランスをとっております。
 以上が相違点でございますが、次に標準報酬制についてでございますけれども、船員保険は総会保険でございまして、労災保険、失業保険に相当する給付のほか健康保険、それから厚生年金保険に相当いたします給付を行なうことにいたしております関係上、一本の保険でございますので標準報酬制をとっております。この問題につきまして、先般の社会保険審議会の船員保険部会におきましても種々議論が出ました。去る一月にまとめられました部会の意見におきましても、最終的には船舶所有者側委員、被保険者側委員、公益委員の三者とも一本の標準報酬制を継続することには異議がなかったというふうに建議にも書かれておるわけでございまして、われわれといたしましては、やはり標準報酬制を踏襲していきたいと考えております。
#239
○大橋和孝君 この改正遺族年金の五・五カ月は平均で見ると四六%ぐらい、これがやはり標準になっておるように言われておりますが、もう少し手厚くされないと、この陸上の労災の場合と船員の場合とでは多少格差があるように思うんでありますが、そうじゃないんですか。
#240
○政府委員(梅本純正君) 五・五カ月にいたしますにつきましては、陸上の労災のアップ率にあわせまして均衡をとったわけでございます。
#241
○大橋和孝君 それじゃ時間もありませんから、まとめて簡単に一つ聞いておきましょう。船員保険の遺族年金のほうでありますが、支給月数を五・五カ月とした理由、これが第一点。それから第二点は、陸上の労災保険と同様に遺族の人数に応じたようにすべきでないか。遺族の年金は、子供が二人以上の場合は労災保険に比べて不利ではないか。職務上の年金の給付改善についてもうひとつ考え方を示してほしい。
 それからメリット制の問題でありますが、この船員保険においてメリット制を今日まで実施しなかった理由はどうか。また、今回実施することにした理由はどうか。
 それから、この労災補償に相当する給付にかかる保険料について個別メリット保険料率を適用する趣旨はどうであるか。
 それから第三点は、個別のメリット保険料率の適用対象を百人以上の被保険者を使用する船舶所有者とした理由は一体どうなのか。
 それから、みなまとめて聞いておきますが、スライド制の問題、これについて、労災保険法においてはすでにスライド制が採用されているが、船員保険の職務上年金について、年金額のスライド制を採用しない理由はどうか。
 それから葬祭料についてでありますが、労災保険に準じて葬祭料の引き上げを行なわないのは何ゆえであるか。
 この点について御答弁を願いたいと思います。
#242
○政府委員(梅本純正君) 遺族年金を五・五カ月分にいたしましたのは、船保の遺族年金の立て方が月でなっておりますので、陸上の労災のアップ率に換算をいたしますと四五・七%になりますので、その月にそのパーセントをかけまして五・五月というふうにしたわけでございます。
 それから、遺族年金の立て方によりまして船員保険のほうが不利になるのではないかというような御趣旨の御質問でございますが、子供二人の場合、労災のほうがよくなるというのは計算上事実でございます。しかし、子供が十八歳になりました場合に遺族年金を受ける資格がなくなってまいりますので、労災の場合には少し数%ないし一二%、一五%程度、その子供によって減少をいたしてまいります。これに対しまして、船員保険の場合には固定月額に対して四千八百円または七千二百円の一定額を減少するということになるだけでございますので、はたしてどちらが有利になるかということにつきましては、なかなか比較がしにくい問題でございます。その点、これは今後社会保険審議会においても検討するということになっておるわけでございます。
 それから、その次にメリット制の問題でございますが、このメリット制の問題につきましては、船員保険におきまして、船舶につきましていろいろの業種がございますのと、それから事業内容、それから航行海域等非常に異なっております。そういう点で労働の実態も非常に異なっておりますので、災害発生率も非常に違うということで、なかなかメリット制に踏み切るにつきましては議論が続いたわけでございます。また一方、大型船舶関係の所有者と小型船舶所有者との間の意見の調整がなかなかできなかったわけでございますが、この点やっと議論が尽くされまして、一昨年の七月から検討されまして、社会保険審議会においてもやはり災害防止を促進する意味においてこれに踏み切ろうということで実施されたわけでございます。メリット制を百人以上に限った点でございますけれども、この点につきましてはやはり発足早々であるので、やはり陸上の労災が百人でスタートしたという点を考えられまして百人以上という答申が出てまいりましたし、また海員のグループそのものを陸上の労災の一業種というふうにしてとりあえずスタートをして、いろいろ今後の成り行きによってまた検討していこうと、こういう趣旨でございます。
 それから、葬祭料の点でございますが、この点につきましては、陸上と先ほど申しました立て方が違うものでございますのと、もう一つ職務上の問題と職務外の問題が一本の二カ月分というふうになっております。まういう点で、今回、陸上の労災との関係で今後社会保険審議会におきましても、引き続きもう少し検討してみようという御意見でございましたので、今回われわれのほうとしましては引き上げを実施しなかった次第でございます。
 スライド制につきましては、いろいろ御議論もございましたが、今後社会保険審議会で検討するということで、とりあえずその暫定措置をお願いいたした次第であります。
#243
○渋谷邦彦君 最後に締めくくり的に大臣に御答弁をいただきたいと思います。
 さる二月十八日、社会保険審議会から答申書が出されました。いまも若干その内容について触れておりますけれども、この答申をどう受けとめられて今後の検討をされていくのか、そしてまた政策のほうにどう盛り込まれていくのか。特に遺児の就学援護についてはどのように考えているのか、労災保険と同様に扱うべきではないか。この問題一点について総括的に御答弁をいただいて私の質問は終わりにしたいと思います。
#244
○国務大臣(内田常雄君) 御承知のように、船員保険はいろいろな種類の保険を総合した一本の保険ではございますが、今回改正をいたします点は、陸上の労災保険と同じ部分について相対応するような改正をいたします。そこで、このことにつきましては、今後におきましても一本にまとめた船員保険の労災関係の部分が陸上の労災関係の取り扱いよりもおくれておるというようなことがあってはならないと考えます。これらの点につきまして、先般、保険審議会からのいろいろな御注意、御勧告もございましたので、今後とも、できる限り私がいま申しました線で合理的な改善をはかってまいる所存でございます。
 なお、遺児の就学援護制度につきましては、今回の法律改正とは直接関係のない事項でありますが、労災保険においては保険施設として実施しようとしております。そこで、船員保険におきましても、職務外年金をも含めた総合保険という特殊性にかんがみまして、実施の方法につきましてはなお検討の必要がございます。社会保険審議会船員部会においても、早急に検討の上船員保険制度に応じた援護の方法を定めるべきである、こういう御注意もございますので、その線に沿いまして今後検討を進め、改善をいたしてまいる所存でございます。
#245
○委員長(佐野芳雄君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#246
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですので、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#247
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 船員保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#248
○委員長(佐野芳雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#249
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#250
○委員長(佐野芳雄君) 請願第一号、山村へき地の医療対策に関する請願外千五十六件を議題といたします。
 本委員会に付託されております千五十七件の請願は一応調査室において整理し、理事会において協議の結果、請願第四十号、労働者災害補償保険給付基準引き上げに関する請願外五百四件については留保することとし、これを除く請願第一号、山村へき地の医療対策に関する請願外五百五十一件の請願は、いずれも議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するものと決定することに意見が一致いたしました。
 右理事会の申し合せどおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#251
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#252
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#253
○委員長(佐野芳雄君) 継続調査要求についておはかりいたします。
 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#254
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#255
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#256
○委員長(佐野芳雄君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査のため、閉会中、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#257
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、派遣委員の人選、派遣地及び派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#258
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により、議長に提出すべき委員派遣承認要求書の作成等も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#259
○委員長(佐野芳雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後九時二十五分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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