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1970/04/07 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 文教委員会 第8号
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1970/04/07 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 文教委員会 第8号

#1
第063回国会 文教委員会 第8号
昭和四十五年四月七日(火曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         楠  正俊君
    理 事
                田村 賢作君
                永野 鎮雄君
                杉原 一雄君
                安永 英雄君
    委 員
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                宮崎 正雄君
                吉江 勝保君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部大臣官房会
       計課長      安養寺重夫君
       文部省大学学術
       局長       村山 松雄君
       文部省社会教育
       局長       福原 匡彦君
       文部省体育局長  木田  宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       厚生省医務局医
       事課長      竹内 嘉巳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(楠正俊君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。
 政府側から坂田文部大臣、村山大学学術局長及び木田体育局長が出席いたしております。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。中村君。
#3
○中村喜四郎君 国立大学設置法の一部改正問題で、秋田大学の医学部設置の問題についてまずお伺いしたいと存じます。新しく医学部を設置するのにどの程度の予算が必要なのか、大体総計額でどのくらいになるのか、まずお伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(村山松雄君) 大学をつくりますには敷地、建物、設備、それから教員、組織運営費、これが要るわけでございます。これを大学設置基準にのっとりまして、さらに国立大学でございますから、既設の国立大学医学部と同等のものをつくるということにいたしますと、土地につきましては非常に価格の計算が困難でありますので、面積で申し上げますと、大体約十五万平米程度の土地が必要かと思います。それから建物関係につきましては進学課程、専門課程、病院、図書館、体育館等々合わせまして、面積にいたしまして大体六万平米近くの建物、価格にいたしまして約四十三億円程度必要かと思います。それから設備に関しましては、これはいろいろなやり方があるわけでありますが、一応約十五億円と考えます。それから医学部が完成になりますと、約六、七百名の定員と、その運営が必要になるわけでありますが、秋田大学の場合二十七講座の組織を考えております。二十七講座程度の組織の付属病院を有する医学部の運営費としては年間約十八億円要するものと考えられます。なお、このうちで病院につきましては収入が入ります。収入が約十億円程度はあるものと考えられます。そのほか授業料その他の収入が若干ございますが、これらはほとんど省略してよろしい程度のものかと思いますので、収入といたしましては病院収入約十億円が見込まれます。
 以上が所要経費の概要でございます。
#5
○中村喜四郎君 年次計画はどういうふうになっていますか。まだ立っていませんか。簡単にひとつ……、私も項目が多いものですから。
#6
○政府委員(村山松雄君) 年次計画といたしましては、人の面はこれは大体慣例によりまして完成年次までに順次充足してまいります。それから施設の面につきましては完成年次までに若干前向きで、やはり二年度、三年度あたりに重点を置いて順次充足してまいります。
#7
○中村喜四郎君 大体七十六億円程度、地元負担の用地は地元から提供あっても、この年次計画はひとつ具体的に間違いのないように進めていただきたいと思うのでございます。そこで特に医学部の問題、各地方で起きているわけでございますが、医学部の管理問題について、管理部門を、新しくできる秋田大学については新しい構想で進められているかどうかをひとつお伺いしたい。大学の管理、特に医学部の管理の問題。
#8
○政府委員(村山松雄君) 大学の管理は学長、学部長、それから合議制の管理官として評議会、教授会等があるわけでありますが、秋田大学につきましてこれと違う管理組織を計画しておるということはございません。ただ運営上の問題といたしまして従来まあ大学においては合議制の機構と、それから責任者であるところの学長、学部長との関係が必ずしも円滑でないというような点が指摘されておりますし、また人事面で特定の大学に片寄った選考がなされるというようなことが言われております。そういう点については十分改善をはかろうということで計画をしております。たとえば人事につきましては、この二十七講座の教官を構成するに当たりまして東日本を中心とした医学部を持つ多くの大学に候補者の推薦を求め、学外者を加えた選考委員会を組織して選考するというような措置を講じまして、できるだけ講座あるいは診療科等の壁を破った総合的な運営をはかりたいという気持ちで計画をいたしております。
#9
○中村喜四郎君 大臣にひとつお願いしたいのですけれども、新構想大学その他の問題点もいま大臣の頭の中にはあるかと思いますが、新たにできる秋田大学の医学部の問題については特に管理関係の問題と、いま局長から外部からの意見も取り入れるような考え方をとっている、こういう考え方を示されましたが、ぜひひとつ新しい学部設置のところについてはそういうふうな新しいアイデアもにじませたものもほしいと思うのですが、いかがですか。
#10
○国務大臣(坂田道太君) その点は御指摘のとおりでございまして、いま中教審で検討を進めておるわけでございますが、来年の春ころにはこの最終答申というものがなされることを期待いたしておる次第でございます。この秋田医科大学の設置は戦後初めてのことでございますし、また新しい大学構想というものも一つにあるわけでございまして、この秋田大学が今後つくられていく過程におきまして十分この新しい管理組織等も取り入れるようにつとめてまいりたいというように考えておる次第でございます。
#11
○中村喜四郎君 この医学部は、医学生が足りない足りないと言っているわけですが、現在国立で二十三、公立で七つ、私立で十二の医科があるわけでございますが、年間この医者の国家試験を受ける数は大体どのくらいになっていますか。
#12
○政府委員(村山松雄君) 大体三千五百前後だと思います。
#13
○中村喜四郎君 この医師の足りない対策について、今後文部省では大学の医科の定員は簡単に増員できないと思いますが、医学部の増加というようなことは将来の課題として考えておりますか。
#14
○政府委員(村山松雄君) 現在既存の四十六の医学部につきまして過去に千二百名増員してまいっております。なお若干増員の余地はあろうかと思います。それをもってしても医師の需要に対して十分でないと考えられますので、必要な部面につきましては学部の新設ということも考えられてしかるべきだと思っております。
#15
○中村喜四郎君 公・私立を合わせて四十六の大学に医学部があるわけですが、その中で定員六十名というような学校は幾つもあるわけです。いま村山さんがお話しのように、年間国家試験を受ける者が三千名内外、こう考えれば定員百名のところも相当できているわけですから、年間四千名ぐらいの数にもっていくことは可能じゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#16
○政府委員(村山松雄君) 現在四十六大学で入学定員が四千四十名になっております。これはまだ卒業するに至っておりませんので、これが卒業する時点に至れば少なくとも四千名には相なります。さらに今年度と申しますか、四十五年度、この秋田大学のほかに私立大学が三校認可になりまして、私学が三校で二百六十名、秋田が八十名でありますから、合計いたしまして三百四十名加わりまして四千三百八十名、約四千四百名ということに将来は少なくとも相なるわけでございます。
#17
○中村喜四郎君 文部省のいただいた資料によりますと、日本の十万人当たりに対する医師の数等においては、外国と比較してそれほど劣ってないと思うのですが、問題は、いま各大学の病院あるいは県立の病院等で問題になってるのは、看護婦の足りないことが最大の課題となっておるようですが、これの対策はどういうふうに考えておりますか。
#18
○政府委員(村山松雄君) 看護婦も確かに不足でございます。この全体的な対策はまあ厚生省で立てておるわけでありますが、文部省として、特に直接管理しております国立大学につきましては、これは従来医療法の基準は満たしておったわけでありますが、数年前、人事院の勧告によりまして、看護婦につきましては勤務体制を、もっと看護婦の立場を考えて、たとえば夜勤につきまして、一人夜勤をやめて少なくとも二人夜勤にする、それから夜勤の回数は月八回程度にするのが望ましいという勧告が出ております。この勧告を実施するには不足でございます。そこで、看護婦の増員計画を立てて、これからさらに千五百名程度増員いたしたいと思います。増員するには、今度はその養成の問題が起こってまいります。そこで、大学付属の看護学校の生徒の増員をはかり、あるいは中等教育段階の看護高等学校の新設を奨励するなどの措置を講じまして、看護婦養成の増員にもつとめてまいっております。
#19
○中村喜四郎君 いまの看護婦養成の問題、これは非常に大事な課題となってきたと思いますものですから、文部省当局でもこの養成の問題については直剣な検討を加えていただきたいと思うのでございます。
 いわゆる二八闘争と言われましょうか、各県で病院における看護婦の不足の問題から非常に病院自体が険悪化してるような問題もはらんでいるわけです。そこでお尋ねしたいのですが、東大で、せっかくいい病院ができ上がりながら、今日まであの病院が使われてないというようなことを新聞報道されてますが、その内容、どうして新築された病院が患者のために、医者のために使われてないかということをひとつお尋ねしたいと思います。
#20
○政府委員(村山松雄君) 東大病院におきましては、内科はじめ約八診療科が施設が老朽あるいは不便になりましたので、新病棟をつくる計画を立てまして、四十三年に十二階建ての新病棟が完成いたしました。俗に北病棟と呼んでおります。ところが、そのころ東大紛争が起こった関係もあり、それから、まあ十二階建てでありますので、若干設備をさらに十分にしろというような希望もありまして、具体的に一番問題になりましたのは、エレベーターが足りないということでありましたので、これは追加工事をやりまして、四十四年には完成いたしております。したがって、まあ使用できる状態になってから一年程度たつわけでありますが、さらに紛争が激化し、あるいは施設の改善要求、あるいは看護婦の増員要求なども一そう強くなってまいりまして、病院当局としては、できるものは実現するように努力するが、とにかく少なくとも従来の病棟よりは改善されたのだから、移って、足らない分は漸次改善するようにしたらどうかということで説得をしておりますが、まだ話し合いがつくに至っておりません。早急に解決したいということで、目下努力中でございます。
#21
○中村喜四郎君 総工費は、この十二階建ての建物、どのくらいかかってるんです。
#22
○政府委員(村山松雄君) 約六億八千万円でございます。
#23
○中村喜四郎君 六億八千万の建物ができ上がって、そして今日まで使われておらずに、今後なかなか問題をはらんでおるわけですが、これは病院当局、医学部当局だけでなく、大学当局全体の考え方としてはこれをどう持っていく考え方なんですか、特に医学部の考え方をお聞きしておきたい。
#24
○政府委員(村山松雄君) 当該病院並びに医学部、それから東大本部としても、使う目的で大学の希望によってできた建物が使われないという事態は、一刻も早く改善すべきだという認識で努力いたしております。問題は、看護婦の増員を含めて、職員団体側の希望とどう調整するかということでありますが、これも医学部を中心として、現在できるだけすみやかに妥結点を見出すべく努力中であります。
#25
○国務大臣(坂田道太君) そのことに関しましては、昨年まあ一年間、東大入学試験も中止をするという状況でございまして、また安田講堂がああいうような状況で、ようやくその東大におきましても、本年度は入学試験も実施できるという段階までいまようやくきたわけでございます。私もかねがねこの問題については聞き及んでおりますので、病院側だけではございませんで、学長はじめ東大の当局に対しまして、すみやかに四月以降、この病院の移転ということについて、措置をするように指導を続けておるというところでございます。
#26
○中村喜四郎君 文部省当局の苦心はよくわかりますけれども、とにかく大学側の要望に従ってあれだけのりっぱな建物を建てられながら、看護婦さんが少ないというただ一つのことだけで、こうしてこじらせて一年間も、またこれからも続くであろうことを想定すれば、これは至急に文部省としては、大学当局、大学全体の問題としても取り上げてもらって早く解決するように、私は東大の病院問題については要望をいたして、その問題は終わらせていただきます。
 次に、新しくできました北里大学と杏林大学の医学部の問題、実は新聞紙上等で見れば、北里大学では東北のほうの医者不足等の対策のために、一億円の付寄をすれば云々というようなことが出ておりました。この真相は局長御存じですかな。
#27
○政府委員(村山松雄君) 北里大学の問題につきまして、まあ当事者を呼んで説明を求めましたところが、これは山形県のほうで、医師不足に悩んでおりまして、北里大学ができるということで、まあ協力をするので、医師の供給のほうも協力してほしいという話があって、まあそれを受けることにしたということでございますが、ただ、こまかい点になりますと、寄付をすれば入学をさせるというようなことではなくて、入学者の中で、たとえば山形県のように医師不足で、そこで医師にするためにまあ北里大学を志望した者が入った場合には、応分の寄付をするというようなことのようでありまして、強制的に寄付をさせて、寄付をしなければ入学させないというようなこととは、ちょっとニュアンスが違うようでございます。
#28
○中村喜四郎君 もう一つ、大学の学部設置等々の問題に関連して、先般の田中寿美子さんの質問の中にあり、それに対して文部大臣が答えておりますが、いわゆる産学協同というものを否定するというようなものではなく、ほんとうに時代に即応した、外部社会に対応できるような大学の体制もつくり出さなければならないという大臣の発言がありましたが、この点について、もうちょっと大臣の構想を承りたいと思う。この問題はいままで学術審議会とか、あるいはその他の学者グループからも、あるいは大学紛争の中においても、産学協同をあからさまに否定するような形だけで取り上げられておりますから、大臣の構想をひとつ。
#29
○国務大臣(坂田道太君) この国会におきましてもいろいろ問題がございましたように、従来、各企業あるいは地方団体、その他の団体からの委託研究というものが、当然国庫にお金が入り、それが通って支出するという形において、この収支がはっきりするということがたてまえでございましたが、それがどうもそうじゃないような状況もいろいろございました。そういうようなことがやはり学生たち、あるいは助手その他にも批判がございまして、何か一つの企業のために、あるいはある特定の人のために大学が利用されるというようなことはよくないんだ。もしそういうことが事実だとすれば問題である。そうでなくて、やはり一般的な社会の要求に対しまして、大学がその研究の成果を還元していくということは、やはり当然なされなければならない大学の使命ではなかろうかということを考えました場合に、やはり私は、この産学協同というような形のルールというものを、大学当局もちゃんと持つべきであるというふうに考えるわけでございます。そうして、この大学も、そういうものを一切引き受けないんだということじゃなくて、引き受けるからにはやはりガラス張りで、しかも収支を明らかにし、どういうような研究部門にそのお金が入ってきておるかというようなことをちゃんと知った上で行なうということでございまして、大学側のこれに対するやはり積極的な意思といいますか、あるいはルールというものをまず確立していただくということが大前提であるというふうに思います。また、今度は大学側にそういうようなことを要請される企業や、あるいは団体や、一般社会の要求というものも、やはり大学というものはアカデミック・フリーダムであるということを認識した上におきまして、それが一、二の利益のために奉仕する、あるいは一企業のために奉仕するものではないんだということは、やはりちゃんとわきまえた上でそういうことが行なわれていくということが大切だと考えるわけでございます。世の中がこのようなスピードで、また複雑に変化をしながら発展をしていくわけでございますから、やはり世の中の企業の研究というものと、あるいは私立大学の研究あるいは国立大学の研究というものが、相協力し合いながら研究を続けていくということが望ましいのであって、特にビッグサイエンスというようなこの時代におきましては、そのような共同研究所というようなものも考えられる。そしてその中には、国立の研究者も、あるいは私立の研究者も、あるいは企業の研究者も一緒になって研究するというようなことが考えられて、初めて大学そのものの研究というものにも刺激を与え、そして研究が進むというふうに私は思うわけでございます。そういう意味合いにおきまして、社会と国と、社会と大学との間において、しかるべきルールが確立さるべきである。また、そのようなときである。われわれのほうにおきましても、この委託研究等の取り扱いにつきまして、細目の基準等についていま検討いたしておる次第でございまして、われわれ政府が間に立ちまして、そのようなガラス張りのルールというものを確立いたしたい。そして円滑にそのような委託研究が行なわれる。そしていろいろの疑問や、あるいは疑惑を招くことがないようにつとめてまいりたい、かように考えておる次第であります。
#30
○中村喜四郎君 大臣の構想、大体わかりましたが、私も同感なんです。基礎研究とか、あるいは学問の自由の中で、自由な雰囲気の中で勉強をし、研究するということば当然のことでございますが、しかし、いま国民の要求するものは、いわゆる開かれた大学というもの、国民が大学にみんな参加しようという、この中で新しい学問が私は生まれてくるんではなかろうかと。外国の例等を見ても、いまビッグサイエンスの時代に、原子力の問題にしてもそうです。宇宙開発の問題でもそうです。アメリカのアポロにしてもソ連のルナにしても、これはあらゆる学界、産業界が動員された中でビッグサイエンスを構成しているわけで、新たな芽として生まれ出ておる海洋開発の問題なんかもそうだと思います。まあ原子力もすでに爛熟期、宇宙開発は成熟期、これから海洋開発は成長期という、こういう海洋開発の課題なんかは、相当日本の大学、海の国としての日本の大学に課された使命は、さらに大きいと思うんでございますが、日本の七十五の国立大学、私立の三百幾つの大学の中でも、こういう日本の環境あるいは国民的な要請、将来の課題と、こういうものをやるところの研究学科というものは、日本の場合はないわけなんです。わずかにあるのは東海大学の中に海洋工学一部あるだけです。これはアメリカと比較して申しますと、アメリカは海洋開発にいどむために、大学も学界あげてこれに協力している。六十から七十の大学の中で海洋工学が取り入れられている。ソ連でもそうです。フランスにおいては、ドゴールが海洋宣言をやってから、大学はこれに対する協力体制を整えているというような姿になってきているわけです。そうした面を考えていきますと、私どもは、日本のいわゆる自動車工学にしても、船舶工学にしても、あるいは電気工学等々にいたしましても、民間にだけ伸びておって、大学のそれ自身の中でこれらが取り入れられてない面が非常に多いわけです。こういう点を考えると、私どもは、大学の先生方にも、学界にも、もう少し目を開いた形において、いわゆる真の意味の産学協同という形を生み出していかなければならないということを私は痛切に感じておるのですが、私はそう考えているのですが、どうでしょう。
#31
○国務大臣(坂田道太君) その点は、まさにそのとおりだと考えております。
#32
○中村喜四郎君 それからもう一つ、大学の設置法に関連して、大臣が先ほどから、いわゆる開かれた大学ということばの中で、新構想大学の問題が取り上げられておるわけでございますが、これは既設の大学のワクにとらわれない構想としてすぐれた特色を生み出して、国民のものとして大学を位置づけたい、こういう形でなされておると思うのでございますが、そうなりますと、この大学設置法の、現在の法律とは少し離れた形において問題を考えていかなくちゃならないわけでございますが、いま中教審等においても、この問題を取り上げて考えておられますが、新構想大学のその構想あるいは将来新しい構想の大学はどのようにしてつくっていくか、いつごろからこれを発足させる意思で中教審その他の意向を聴取しているか、お伺いしたいのです。
#33
○国務大臣(坂田道太君) 先ほどもちょっと触れましたけれども、この五月ごろに、一応、中教審の大学の基本構想についての中間報告が私に提出をされるというふうに承知をいたしております。
 それから、もう少し日本全体の教育計画、特に高等教育をどの程度、量的にも考えたらいいかという問題もございます。そういう長期教育計画と、さらに今度は、それに対して、一体、どれほどのお金が必要なのかというようなことについての肉づけを一年かかってやっていただきまして、来年の五月ごろには最終の答申が期待されるわけでございます。その時点で、新しい構想の大学というものを具体化していきたいというふうに思います。その間におきまして、各大学におきましては、いろいろの大学の改革案をも具体的に考えておられるようでございますけれども、今日の段階におきましては、大学自体として、全体の総意のもとに、あるいは大学の機関決定した具体案というものが示されております。ある一つの試案であるとか、ある部分についての考え方であるとかいうことは、かなり最近は具体的に示されておりますけれども、大学自体としての具体的な新しい構想案というものはなされておらないわけであります。ただ、東京教育大学におきましては、筑波移転等の関連がございまするので、かなり新しい構想の大学が構想されておるようでございます。こういうわけでございまして、私どもは、中教審の答申を一方に考えながら、具体案をこれからつくっていかなければならないと思うわけでございますが、やはり日本の将来あるいは日本民族の運命をきめるような大事な教育制度の問題でございますから、やはり国民各界各層の合意を取りつけつつこれを進めなければならないというふうに考えておるわけでございまして、その手順あるいはそのやり方等については慎重を期さなければならないことは申すまでもないことだというふうに私は考えるわけでございます。少なくとも、いままでのような象牙の塔みたいな形において、大学のことはもう大学人にまかせておけというような考え方では新しい構想の大学は生まれてこない。特に納税者である国民の意思を踏まえたような新しい大学自治、新しい大学の管理運営のやり方、新しい教育、研究のやり方というものが出てこなければならないというふうに考えます。しかしながら、最近東大等におきましても、たとえばいままで一般教養――一般教育というものと専門教育というものを二年、二年というふうに分けて考えておったわけでございますけれども、それに対しまして四年間を通じてこの一般教育をやったらどうかというような案も出てきておるようでございます。それにつきましても、たとえば東京大学でございますると十の学部と十四の研究所があるわけでございますが、そのスタッフを動員して、そして駒場に本郷の先生が行く、あるいは研究所の先生が行って講義を持つ、あるいは駒場の先生が本郷のほうに行って講義を持つというようなことも考えられている。これは私はいままでの東大においては全然考えられなかったことだと思うのでございますが、そういうようなことで具体的に考えるようになったということは、非常に私は一つの進歩だと考えておるわけでございます。
 そういうことで、大学は大学なりに、それぞれ今日の置かれておる大学のあり方について具体的な検討を始めてきておるということは、私たちの考え方とそう違わない部面も出てきた。つまり、非常に具体的な形においては、中教審の考え方と東大の考え方とがだんだんオーバーラップしてきたということは言えるかと思うのでございまして、こういうような形で、国民という各界各層の意見のるつぼの中においてこの新しい構想の大学を練り上げていく、つまり、国民の参加を求めつつ新しい大学の構想を練っていくという形が望ましいと考えて、その検討を進めておるというふうに御了承を賜わりたいと思うのであります。
#34
○中村喜四郎君 この新構想のまとめ方についてはたいへんいいアイデアで、またそれは国民的な合意を得る方法というのですか、それらの方法を進めていくために新構想大学のいわゆる準備調査会というようなものをつくる考え方でやっておりますか、これは。
#35
○政府委員(村山松雄君) いわゆる新構想大学につきましては、十分な研究をした上でやるべきだということで、四十五年度予算にそのための調査費が計上されております。四十五年度予算が成立しますれば、それによりまして学識経験者等の協力を求めまして研究調査会をつくって、十分審議をするつもりにいたしております。
#36
○中村喜四郎君 その調査のため四十五年度予算で三千三百万の予算が計上されておりますが、いま大臣が触れられました新構想大学の一つの型として、筑波研究学園都市の中に教育大学の問題を取り上げられておりますが、この教育大学のいわゆる新構想大学的な筑波移転はどういうふうな年次計画でこれは考えられておりますかと私がお尋ねするのは、すでに用地は完全に教育大学の敷地として確保をされており、地元はできるだけ早く来てほしいと言うし、大学当局もできるだけ早く向こうに移転したいと言う、こういう双方の意見が一致しておるわけでございますが、これに対しては膨大な予算計画も当然伴っていくわけですが、これに対して三千三百万の調査費ばかりでなく、それが全部ここに使われるわけではないでしょうから、今後、教育大学の筑波移転のためにどのような、積極的に早く移れるような対策をとるかもあわせてお伺いしたいです。
#37
○政府委員(村山松雄君) 東京教育大学の筑波移転問題は、御承知のとおりこの新構想大学の構想などが出る以前から単純な東京教育大学の移転問題として東京教育大学で発想された問題でございます。その後このような新構想大学問題が起こりましたので、東京教育大学としても単なる移転ではなくて、これを機会に新しい大学のあり方を十分検討して、新しい組織にして移転をしたいという希望でございます。そういうことでございますので、広い意味では新構想大学の一環でありますけれども、若干これは特別扱いにいたしておりまして、従来も教育大学の筑波移転のためには調査費がついておりましたので、これについては調査研究をやっておりました。ただ教育大学の紛争などがありまして一時中断しておりましたけれども、昨年の秋ごろからこの調査研究は再開いたしております。そこで中教審や新構想大学の議論を見ながら東京教育大学の筑波問題についてはそれとは若干別に、できればそういう方向と方向をひとしくする角度において東京教育大学の問題としての結論を得て、できるだけすみやかに実施いたしたいと、かように思っております。そういうことでございますので、まだ実は正確な年次計画はございませんけれども、できるだけすみやかにやりたいということで鋭意検討を進めております。
#38
○中村喜四郎君 この問題について私、深く掘り下げて申し上げたいのですが、時間が制約されておりますものですから、大臣にこの点について要望をいたしたいのですが、すでに大学の意思も決定され、そして研究体制も整って、どうあるべきかということも、しかも海外調査派遣までやっておるようですし、地元のほうでも受け入れ体制ができているようです。問題は、国の予算が移転に対し、あるいは新構想大学に対してどのように今後つけられていくかということがこれは最大の問題でございますので、この点についてはひとつ大臣、積極的にいまの大学の意思を、考え方を生かしていただくよう、地元の学園都市をつくるというこの意思、閣議決定で万博の後には学園都市だという総理の意思等もにらみ合わせまして、至急具体的に来年度予算等々については勘案をお願いすることに、これは私とどめたいと存じます。
 それで時間があとわずかでございますので、私は次に問題として、飛行機乗っ取り事件の問題で福島大学の医学部の学生、それから東大の医学部の小西何がしの学生等々がこの事件に犯人として登場いたしているわけでございますが、これらの学生に対しては大学側は当然何らかの措置をすべきであると思いますし、文部省側もそれらの考えに対しては大学といろいろ打ち合わせ等もしておろうかと思いますが、これをどう取り扱うか、ひとつ伺いたい。
#39
○国務大臣(坂田道太君) 今回のハイジャックの問題は、まことに人として許すべからざることだというふうに思うわけでございます。したがいまして、この九人の犯人が乗客を人質にして、そしてこのようなことをしでかしたということはまことに遺憾千万なことでございまして、しかもこれが学生の身分を持っておるということでございます。私は当然、このような犯人が確認をされ、その犯人の所属がどこかの大学の身分を持っておるということが確認をされました時点におきましては当然学生たる身分というものは持つべきではない、与えるべきではないとういふうに私は考えておるわけでございまして、そのような方向でいま各大学につきまして調査をし、また指導、助言をいたしておるということでございます。
#40
○中村喜四郎君 単にこれらは突発的に起きた問題ではなくて、いままでの大学紛争の中にあらわれたもろもろの大学当局のとった処置等がこういうことを起こしたということも遠き原因としては考えられるかと思います。四十三年以来の大学紛争の、あれだけの学園を紛争に巻き込み暴力行為をやりながら、しかも起訴もされながら、それらの学生等についてはほとんどの大学で十分な処置が行なわれてないというこの現実がこのようなことの一端になったのではなかろうかと思いますが、私は四十三年、四十四年のある学園紛争等に関連して起訴その他された学生の処分等についてもお伺いしたいのですが、時間が許されませんから、これは大学学術局のほうで私どものほうに、起訴された学生の処分その他はどうなっているかということを、後刻ひとつ御提示をいただきたいと思うわけでございます。
 いま大臣がおっしゃったように、あの学生諸君が全く破廉恥きわまりない、日本刀を振り回し、おどかし、自爆するぞと言って――あの学生に自爆できっこありません。自分で死ぬこともできませんよ。まさにひきょう未練な学生の姿、しかもあの姿の中で、山村次官が人質となって行ったのにこれをまで縛りつけてしまったという、まさに若者らしい姿は一つもない。こういう姿を助長した原因というものを私どもは深く探っていかなければならない。それらのことを考えてまいるときに、これは私の主観を申し上げては申しわけございませんが、あの乗客がテレビ会見等で言っているのを見ましても、かっこうよかったとか、あの田宮何がしというのは組長として堂々と統制しておったとか、いろいろのことを言い、それに乗客が別れのパーティーをやって握手をしたという、あの中にまじったちょびひげの男の松元何がしの話なんかを聞くと、はたしてこれがほんとうの人間の姿かと、われわれみたいの保守的な人間には考えられるわけです。これは大学教授の場合も東大の教授の場合でも同じ、あの井上教授の場合でもそうです。いたずらにニコポン教師になって、そして学生天国たらしめたこの姿がこういう現実を私は生み出したというふうに感ずるわけでございます。
 そこで問題は、その原因を一つ一つ探っていけば幾つもあろうかと思いますが、私がきょうお尋ねしたいのは、この前の四十四年度の予算委員会あるいは衆参両院等で大学紛争当時問題になった、たとえば東大のように公共物を破壊し四億七千万円の損害を与えた、それに対して文部省としては安養寺会計課長が十分調査してこれの損害賠償の方途も講ずる、会計検査院の院長もそう言った、福田大蔵大臣もこれに対しては厳重な抗議とともに賠償の責任をとらせる、こういうことを言っておりますが、一年たった今日あの問題がどう処理されているかお伺いしたいのです。
#41
○国務大臣(坂田道太君) 昨年の一年の紛争を通じまして、大学当局におきましてもかなり考え方が変わってまいりまして、学長が選ばれるにつきましても、き然たる態度をとり得るような学長がだんだん出てまいったということは私喜ぶべきことだと思います。まだ十分だとは申しませんが、その結果もございまして、いままでほとんどこの処分というものが行なわれなかったわけでございますけれども、最近ではぼつぼつこれが行なわれるようになってきた。そうしてこれに対して、学生たちもどうにもならないというような形になりつつあるということでございまして、昭和四十四年度だけを申しますと、放学二人、あるいは退学九十四、無期停学百十七、いろいろございまして、結局百三十九人の者が処罰を受けておるということでございます。それからまた大学の施設等の破壊や、あるいは国有財産等の損傷は約十三億に達しておるわけでございますが、この刑事責任につきましては、告訴をやっておりますのが現在までに東京大学など二十四大学でございますが、民事訴訟の問題につきましては、まだどの大学もやっておらないということでございます。ただ、多少その気持ちが少しくらいあらわれておると申しますのは、東京大学におきましては、自分たちも責任があるということで、東大の教授たちが自分たちの給料の中からさきまして約二千万円、おそらく三月末の総計ではもうちょっと、倍くらいになるかと思いますけれども、それを拠出いたしましてその損害賠償の一部に充てたいということをやっておるわけでございまして、こういうようなことがやはり各大学においても行なわれるということは、私は今後の学内秩序維持というようなことの上からは非常に大事なことであるというふうに考えます。しかし全般的に申しますと、国民の皆さま方からお考えになると、まだまだ不十分だということは、私もそういうふうに考えるのでございまして、一そうこういうようなことが明らかにされ、あるいは損害を受けた場合はその学生を特定し、それに対して告発をする、あるいは損害賠償を請求するというようなことがどしどし行なわれるということが、やはりこういうような犯罪行為を学生の中から出さぬということにつながっていくものだと考えておる次第でございます。
#42
○中村喜四郎君 資料としてお願いしたいのですけれども、十三億近い公共物の損害を与えたという、これは各大学から報告された総まとめかと思いますが、それらの資料をいただけたらひとつそれをいただきたいと思います。
 それから、その報告に基づいてその補償責任、損害賠償等々の措置は文部省及び大蔵省等では大学側に要請しているかどうか、それもひとつお伺いしたい。
#43
○政府委員(村山松雄君) 資料は整えられると思います。
 それから責任の追及の問題につきましては、ただいま大臣からも仰せられましたように、加害者に対する追及、これは現実にはなかなか困難でありますが、努力するように指導いたしております。
#44
○中村喜四郎君 この責任の所在もなかなかむずかしいことはわかりますが、大学の公共造物というものは、その責任の主体は最終的には学長にあるのでしょう。そうですね。
#45
○政府委員(村山松雄君) 国有財産管理という節点からいたしますと、学長にございます。
#46
○中村喜四郎君 学長に対しては、その責任追及はやっておりましたですか。
#47
○政府委員(村山松雄君) 国有財産管理の責任を果たすように、再三注意、助言、指導いたしております。
#48
○中村喜四郎君 助言をしろということでなく、損害に対する責任追及の問題は、これはやっておりますか、やっておりませんか。
#49
○政府委員(村山松雄君) 国有財産の損害についてのその管理責任の問題につきましては、会計検査院でもいろいろ検討されておりますが、学長の会計法上の責任追及という問題については、まだ結論が出ておらないように伺っております。
#50
○中村喜四郎君 時間が十一時までなものですから、私はこのほかに放送大学問題と教員の海外派遣等の問題についてお尋ねしたかったわけでございますが、制約されております関係上、教員の海外派遣の問題だけにひとつしぼって、これは文部大臣としてはすばらしいヒット版だと思います。いわば先生方が自分の目で外国の教育実情というものを見て、いわば祖国を見つめる教育と申しますか、祖国を発見する教育と申しましょうか、こういう形のいわゆる五百名、新年度でこれを派遣するという、私はこの派遣効果をあらしめるためには、事前の研究と、そして帰ってきてからの事後の研究発表が、具体的に、各県に帰られて核分裂するように、ほんとうの教育の姿を教職員の中へ浸透させるような方途をとるべきだと思うんですが、まず事前及び事後の教育等について、どんな考え方を持っているか、簡単でけっこうです、十一時までの約束ですから。
#51
○国務大臣(坂田道太君) 担当局長がまいっておりませんので、詳しいことは申し上げられないわけでございますが、私の気持ちといたしましては、先生がおっしゃられたように、まず、向こうへまいりますためのプロジェクトの問題、どういうものをどういうふうにということも一つのテーマがあると思います。ただ、行って見てきてというようなことではなく、そのグループ、グループによって、一つの性格を持たせるということが大事だ。これはまだ固まっておりませんけれども、一つのグループにつきましては、たとえば就学前の教育についてというようなテーマを与えて、事前にそれに対するオリエンテーションや何かをして、それについて人選をするという形をとって、そして見てくる、そして発表する、そしてそれが影響するというような形にいたしたい。また、そういうようなテーマでないようなグループもつくっていく、あるいはどういう地域に行って何をというようなことをいま検討いたしておるわけでございます。私は、これから先、日本が世界の中の日本という形におきまして、国際性を持たなきゃならない。次の世代の国民が国際性を持つという場合におきまして、先生が、ただ日本の中の狭い国だけの考え方だけでは、とうてい次の世代の子供たちを育てるということはできないのじゃないか。広い視野を持っていただいて、また、そういう広い視野で外国の事情というものを身をもって視察をされると、当然日本の国というものがどういう国であるかということがはっきり私はわかると思うのでございまして、そういうようなことが非常に大事だということで、この五百名の派遣というものを考えました。しかも、従来はともいたしますると、校長先生が、来年はやめるとか、再来年はやめるとかいうような時期の人がおもに海外へ行っておられたわけでございますが、今度は、むしろ中堅の先生方、この方に行っていただいて、むしろ帰ってこられてからの成果を期待するのだ、こういうようなことでございます。十分先生の御指摘の点については、今後具体的に検討いたしまして、せっかくの試みでございますから、有効適切に、また教育効果のあがるようにやりたいというように思っておる次第でございます。
#52
○中村喜四郎君 終わります。
#53
○内田善利君 私は、国立学校設置法案の中で、大学院に焦点をしぼって、大学院設置についての文部省の基本的な考え方あるいは長期的なビジョン等についてお伺いしたいと思います。
 まず、文部大臣にお聞きしたいと思いますが、大学院の役割りをどのように考えておられるのか、まずその点について。
#54
○国務大臣(坂田道太君) 大学院は、やはり教育、研究の、特に研究という面に重点が置かれるというふうに私は考えるわけでございます。学部では、むしろ教育ということに重点が置かれると考えるべきではなかろうか。つまり学部だけではとうてい学問の深いところまでは入り得ない。したがって、大学院の段階において研究を中心として教育、研究が行なわれる、こういうふうに考えるわけでございます。同時に大学というものの今日の位置づけというものは、やはり中教審でも指摘をされておりまするように、一般高等教育と申しますか、あるいは一般的な専門的な職業教育というものを受けさせて、そうして社会に出すという要請と、あるいは相当多くの人たちに高等教育を受けさせるという要請とございますが、さらに私はやはり大学それ自体の本質でございまする学問研究ということに重点があり、また使命があるかと思うんでございます。それは学部だけではなかなかやり得ませんので、世界の学問水準を維持し、あるいは発展させ、新たなる創造というものを行なうためには、どうしても大学院というものを充実していかなければならない。そうしてそれがやはり今後の新しい大学の一つの大事な柱であるというふうに考えておるわけでございます。従来ともいたしますると、この大学院の充実について、施設設備あるいはまた人の問題等におきましても十分ではなかったということも実は反省をいたしておるわけでございまして、今後はこの点について特段の努力を重ねていかなければならないというふうに思っておる次第でございます。
#55
○内田善利君 もう一つお願いしますが、大学院大学の場合に、学部を伴った大学院大学の構想なのか、それとも、いまのお話でおおよそわかりますけれども、大学院のみの大学というものを将来考えておられるかどうか、この点についてお聞きをしたいと思います。
#56
○国務大臣(坂田道太君) 先ほど大学院と一口に申しましたけれども、従来考えておりました修士課程あるいは博士課程と、こう二つございますけれども、私はやはりこの学部の段階の大学でございましても、修士課程ぐらいまではやはり持つべきであるというふうに考えます。それから、同時に今度は、さらにその上に博士課程を持った大学というものも考えられてしかるべきではなかろうかというふうに思いますが、中教審の答申、試案等によりますると、やはり今日の新しい構想の大学の中におきまして六種に種類分けをいたしておるわけでございます。たとえば高専あるいは短大というような種類の大学と、それからまた、いま申しましたような修士課程あるいは博士課程を持った大学、それからもう一つの考え方といたしましては、むしろ修士以上の修士それから博士課程を持った単独の大学というものも考えられておるようでございます。あるいは研究所の上に大学院を持った研究所というものも考えられておるようでございます。私はこのような多様な形において高等教育機関というものを考えていくべき時期に来ておるんじゃなかろうかというふうに思います。そういうような大学院というものを考えない、たとえば、いままでは四年制の学部でございましたけれども、場合によっては三年制の学部で終わるという大学もあってしかるべきじゃないか。そのほかに短大みたいな大学もあってよろしい、また高専というような高等教育機関もあってよろしい、こういうような考え方をいたしておると思うわけでございまして、高等教育機関というものをその目的、性格に応じまして種類分けをして、社会の要請にこたえていくという考え方が出ておるというふうに御了解を賜わりたいと思うわけでございます。
#57
○内田善利君 村山局長にお願いしたいんですが、大学院大学の調査をしたわけですけれども、大学院の実態調査を文部省当局にお願いしましたところ、実態調査が一応四十年度の分だけで、あといただけないわけですけれども、その後はやっていらっしゃらないのかどうか。やっていらっしゃると思いますけれども、現在の国立大学、私立大学に分けて、修士課程の大学院を持った大学、博士課程の大学院を持った大学と昭和四十五年度の計画をお教え願いたいと思います。
#58
○政府委員(村山松雄君) 昭和四十年度に大学院実態調査報告というのを出しておりますが、大学院の実態につきましては、これは大学院のみならず、大学その他の学校の実態につきまして文部省は指定統計によりまして、数でありますとか、教官の状況あるいは学生の状況、卒業後の状況、学位の授与状況などを毎年調査いたしております。大体のことはわかるわけでございますが、昭和四十年度にはそういう定例的な調査のほかに、もう少し詳しく大学院における教員の授業の担当の状況でありますとか、学生の生活状況でありますとか、修了者の就職状況などにつきまして、大学院の実態を通常の指定統計では把握できないこまかい点にまで調べたわけであります。この種の調査を毎年やることは、実情を調べる上においては望ましいわけでありますけれども、何ぶんにも当該大学にも相当の負担をかけますし、調査能力の関係もありますし、また定型的なことは別といたしまして、こういう点につきましては毎年そう変化するものでもございませんので、その後はやっておらないというのが実情でございます。
 それから大学院の設置状況でありますけれども、先ほど大臣から御説明がございましたように、博士課程を置きます大学院は、これは学問研究の上できわめて高い水準のものでなければならない。それは自主的に判定することはなかなか困難でございますので、旧制大学を基礎とした大学以外には当分の間広げないということで、戦後新たに博士課程は、国立大学につきましては、戦後派の大学については設置しておりません。
 それから修士課程につきましては、学部段階では不足であるところの高度の研究、あるいは分野によりましては、専門的職業教育についても学部段階よりさらに上回ったものが必要であるというようなことから、昭和三十八年設置してまいっておりまして、現在の状況を申し上げますと、国立大学においては大学院を置くものは五十八大学になっております。七十五大学ございますので、残り十七大学はまだ設置されてないということになります。公立は十七大学、それから私立は百大学、国・公・私立合わせまして百七十五大学に何らかの形の大学院が置かれております。その内訳を申し上げますと、修士課程、博士課程の両課程を置きますものが百七十五のうちで八十八、それから修士課程だけを置くものが六十三、博士課程だけを置く大学、これは主として単科の医科、歯科大学ということになりますが、これは二十四大学という内訳になっております。
#59
○内田善利君 大学院を設置するにあたって、どういう資料に基づいて設置を決定されるのかお聞きしたいと思います。
#60
○政府委員(村山松雄君) 大学院の設置を公私立について認可する場合は、大学設置審議会に諮問をいたします。それから国立大学につきましては、形式上は必要ないわけでありますが、実質的には公・私立と同じ扱いで、大学設置審議会の意見を伺っております。そこで大学設置審議会におきましては、その審査の基準といたしまして大学院設置審査基準要項というものをつくっておりまして、これによって教員、組織、施設、設備の基準をきめておりまして、それに適合するかいなかを判定いたしまして、文部大臣に答申をいたします。文部大臣は、従来の例から申しますと、大学設置審議会の答申を全く尊重いたしまして、認可の措置、あるいは国立大学につきましては設置の措置をいたしております。
#61
○内田善利君 大学設置基準の第四十六条に、大学院の基準は別に定めると、このようにあるのですけれども、それに相当するのがこの審査基準ですか。
#62
○政府委員(村山松雄君) 大学設置基準の問題につきましては、これは学校教育法上、その監督庁の定める基準によって学校は設置するということになっております。したがって、監督庁、つまり大学について言えば文部大臣ということになりますが、文部大臣が基準を定めるということが予想されておるわけであります。しかし、この新制大学の沿革を申し上げますと、文部大臣が設置基準を定めましたのは昭和三十一年でありまして、それまでは大学設置審議会、あるいはその前身でありましたところの大学設置基準設定協議会などで大学関係者が集まってきめました大学の基準を審議会が採択して、これをものさしにして審査をしておったわけであります。昭和三十一年に大学基準だけは文部省令にいたしました。これも基礎となりましたものは大学設置審議会等が定めておりましたものが中心になっております。その際、大学院あるいは短期大学などにつきましても、同じく同レベルの省令で基準をつくることがおそらく考えられておったわけでありますけれども、諸般の事情から大学基準以外のものにつきましては文部省令にするに至らないで、事実上大学設置審議会のきめましたものが文部省令の大学基準と同等の働きをしておるというのが実情でございます。
#63
○内田善利君 この大学院の設置審査基準要項の二の4ですけれども、「大学院の課程は、研究者養成のたてまえから大学学部の修業年限を延長したようなものであってはならない。」と、このようになっておるわけですが、現実には大学を担当する教授も大学院を担当する教授も同じ教授だと、このように聞いておりますし、また建物や施設等も大学院独自のものはきわめて少ない、大学の施設を使用している、このように聞いておりますが、こうなりますと、具体的には延長したようなものではないかと、このように思うわけですが、この点はいかがですか。
#64
○政府委員(村山松雄君) 御指摘の基準要項二の4のこの文言は、これは主としてカリキュラム編成の考え方を述べたものでありまして、「大学学部の修業年限を延長したようなもの」というのは、具体的に言いかえますと、たとえば当初においてはこういう考えもございました。学部で開講されているカリキュラムを大学院の在学者がとった場合に、それも大学院の単位として認めてもいいのではないかというような議論もあったわけでありますが、そういうことはよくないのであって、大学院のカリキュラムというものは、学部のカリキュラムとは別に、大学院の目的に照らしてより高度の学問研究という考え方から編成すべきだ、こういう理念を言いあらわしておるものであります。
 それから施設、設備等につきましては、大学院は専用のものを持つのが望ましいということになっておりますけれども、まあ現段階では充実した学部の上に置くというたてまえからしまして大部分共用になっておるのが実情でございますが、将来の方向としては、中教審の審議などでも専任の教員組織、専用の施設を持つのが望ましいというような方向が打ち出されておりまして、将来の検討課題としてはそういう方向にいくべきものと考えます。
#65
○内田善利君 次に十一ですが、「大学院の管理運営」のところで、「大学院教員をもって組織する「委員会」のような適当な機関を設けなければならない。」、このようにあるわけですが、現実はどのようになっておるか。
#66
○政府委員(村山松雄君) 現実には大学の教員を、国立も私立も基礎となりますものは、大学院の設置の際に大学員の教員として適格であるかどうかというふうな判定がなされます。その判定に合格した者をもちまして研究科の教員会あるいは委員会というようなものを組織いたします。それをこの基準要綱の十一に言っておるわけでありまして、その大学院の教員として適格と判定された者をもって組織する。その教員のうちからさらに当該大学の事情によりまして適当な人を選抜した委員会、あるいは全員の場合もあり得るかと思いますけれども、そういうものをもちまして研究科委員会というものを組織いたします。これが簡単に申しますと、学部における教授会と同等の役割りを果たしまして、ここで論文審査、試験その他要するに教務に関する管理運営の責任機構になるということを言っておられるわけであります。
#67
○内田善利君 大学院の研究機関としての、真に学問の最高機関としての大学院であるわけですが、これに対する補助といいますか、新設の場合には財政補助が行なわれているようですけれども、この大学院に対する補助はどのようになされているか。
#68
○政府委員(村山松雄君) 補助というお話でございますが、国立の大学の場合でありますと、まあ国が経費を負担するわけでありまして、要するに、大学院を置く大学のまあ経費の積算基礎はどうなっているかということに相なろうかと思いますが、大学院を置く場合には、教員組織はそれに相応して充実されたものという考え方でありますので、大学院を置くことに直結した増員は特段にございません。ただ大学院を置きますと、その分研究上の負担も多くなり研究活動も活発になりますので、教員当たり積算校費というものは学部だけの場合より単価を上げてございます。おおむね三割程度ふやしております。それから大学院の学生が入りますから、これは学生の初度設備費あるいは学生当たり積算校費というものは当然計上されます。それから教員につきまして大学院担当手当という給与上の、何と申しますか、割り増しがございます。まあ大学院設置に直結いたしまして予算上上乗せ措置は大体そういうことでありますが、将来にわたりまして、まあ大学院を置きますと教育、研究活動が学部だけの場合に比べまして質量ともに多くなるわけでありますので、そういう点を考慮した予算措置が行なわれるわけであります。公私立につきましては、これは文字どおり補助でありますが、これは公私立大学に対する補助の運営でありますけれども、やはり大学院を置くものにつきましてはまあ配分上重点的な配慮が従来も若干なされておるようでありますし、これからの問題としても重要な検討課題になろうかと思います。
#69
○内田善利君 三の「大学院研究科の組織」のところで、2ですが、「専門課程のみの研究科をもって大学院を認めるかどうかは、それが大学院の性格に合致するほど幅のある内容を有するかどうかによって判定される。」、佐賀大学の場合も、専門課程、一専門課程のみの研究科をもって大学院を認めるわけですが、この大学院の性格に合致するほどの幅のある内容を持っておるのかどうか。この「幅のある内容というのは一体どういうことなのか、「大学院の性格」というのはどういうことなのか、お聞きしたい。
#70
○政府委員(村山松雄君) まあこれは学問の研究というのはやはりある程度その関連分野をもって総合的になされるのが適当であって、非常に狭い、特定の分野だけで大学院が成り立つということはまあ疑問ではなかろうかというような考え方が背景にあるわけであります。たとえば具体的に申し上げますと、文学部の英文学科というものを基礎として英文学科だけは充実しておるから英文学科だけでその大学に大学院を認めていいかどうか、それは疑問ではなかろうかというような意向を表示しておるわけであります。それが一専門課程のみであっても、かなりそれが質量ともに包括的な場合、たとえば典型的なのは、医学研究科というようなのは、医学という一専門分野の研究科でありますが、医学というのはそれ自体非常に複雑な内容を包含しておるので、こういうものは一専門課程でありましてもその大学院としてよろしいのではなかろうかということになるわけであります。お尋ねの佐賀大学の場合は、農学研究科ということでありますけれども、農学というのはそれ自体やはりかなり包括的な学問分野でありますし、佐賀大学の場合、農学研究科に専攻として農学それから農業土木それから農芸化学というような諸分野を包含いたしております。そこで、この設置基準に照らしても、これは大学院にして差しつかえないのではなかろうかというぐあいに判定がされたわけであります。
#71
○内田善利君 佐賀大学の農学部の各農学科、農業土木科、農芸化学科の全卒業生は幾らになっておりますか。
#72
○政府委員(村山松雄君) 現状三学科の入学定員は約四十名であります。したがいまして、若干の出入りがあろうかと思いますけれども、百二十名に近い卒業生を出しているものと考えます。
#73
○内田善利君 私の質問は、創立以来、学部設置以来の卒業生総数です。わかりませんか。
#74
○政府委員(村山松雄君) 佐賀大学の農学部が設置されましたのは昭和三十年でございます。したがいまして、現在まで十四年たっております。したがいまして、約十回程度の卒業生を出しておるわけでありますので、まあ若干少な目に見積りまして千人程度の卒業生は出しておるのではなかろうかと思います。
#75
○内田善利君 私の調査によりますと、農学科が昭和二十七年から卒業して五百六十三名、農業土木科が昭和三十八年から百四十四名、農芸化学科が四十三年から卒業して三十一名、一回卒業生を出しておりますが、他の文理学部とか教育学部は、教育学部の場合は三千百八十九名、それから文理学部の場合は二千二百十三名と、このように設置も古いわけですが、卒業生も多いわけです。農学科の場合は七百三十名ぐらいということなんですけれども、私は決して佐賀大学の大学院設置に反対なわけではありませんが、こういう若い大学でだいじょうぶなのかどうか、教員組織、施設等、大学院として十分やっていけるのかどうか、この辺心配なわけですけれども、この点はいかがでございますか。
#76
○政府委員(村山松雄君) 佐賀大学の農学部は、ただいま御指摘がございましたように、正確に申し上げますと文理学部の農学科ということで、その前身が昭和二十七年からできております。その後三十年に農学部になり、その後農業土木、農芸化学が創設されて今日に至っているわけであります。佐賀大学文理学部にそもそも農学科をつくったのは、国立大学の文理学部が数ある中で、弘前大学と佐賀大学だけでございます。これはやはり当該地域あるいは大学の強い希望でこういうやや変則的な措置をとり、それからだんだん成長してまいったという経過がございます。大学と地域とが協力して育成につとめてまいったのでありまして、まあ私思いつきますと、たとえば有明海の干拓などにつきましては、大きい貢献をしておるようなことも聞いております。そういうことから内容も充実しておるのだと思います。形式的に申し上げますと、大学設置審議会の審査におきましても、多くの大学がいろいろ難点が指摘されて、中にはかろうじて合格するものもあるわけでありますが、佐賀大学の農学部につきましては、そのように設置審議会の審査において難航したということも聞いておりませんので、大学院設置をしてもだいじょうぶであろう、かように考えておる次第でございます。
#77
○内田善利君 国立大学の大学院の問題は、以上で終わります。
 あと中村先生も放送大学の構想について聞きたいとおっしゃっておりましたが、私もこの放送大学の構想についてお聞きしたいと思います。
 昨年の四月、この放送大学の構想について文部大臣にお伺いしたわけですけれども、その後この放送大学の設立の問題は、大臣の前向きの姿勢に大きな希望、期待を寄せておるわけですが、公明党も一昨年からこの放送大学については構想を持っております。一部大臣の構想と違う点もございますけれども、いま文部省で考えておられる放送大学のビジョンについてお聞きしたいと思います。
#78
○国務大臣(坂田道太君) 放送大学準備調査会ができまして、放送大学の性格及び対象それから教育方法それから設置学科、あるいは大学組織及び運営、あるいは放送の実施主体、大学の設立主体等について順次検討を進めておるわけであります。昨年の十一月から今日まですでに十五回の会合が重ねられております。毎回委員からレポートが提出されて、きわめて意欲的な審議が行なわれております。これまでに性格、対象及び教育方法の問題につきまして大体の検討を終えたところでございます。その審議におきましておおよそ固まってまいりました方向というものを要約いたしますと、次のようになっているわけでございます。一つは、放送大学につきましては正規の大学とする。そういう考え方のもとに生涯教育の観点から、広く社会人、職業人に対する知識、情報の提供という役割りをあわせて考えていきたい。次に二つといたしまして、イギリスの公開大学のような、放送を補助手段とする通信制課程ではなくて、放送の特性を最大限に取り入れ、生かし、放送を主たる教育手段とする全く新しい放送制の大学ともいうべきものにする。三つ目といたしましては、通常教室で行なわれております、時間の講義について放送においても同じく一時間の講義を行なう。演習、実験、実習については、放送とスクーリングを併用いたしまして、教師と学生との接触及び学生同士の接触をはかる。これによりまして学生は放送による授業を一日約二時間視聴をし、年間十日ないし十九日スクーリングに出席することとする。このほかに学生が随意出席をし質疑応答や自習等ができるように自由スクーリングともいうべきものを用意する。こういうわけでございまして、イギリスの放送大学を上回る、また実質的に申しましても意義のあるものにしたいというきわめて意欲的な気持ちでこれと取り組んでいる次第でございまして、今後放送大学準備調査会におきましては、設置学科、放送大学の組織、運営、放送の実施主体等の検討に入ることになっておるのでございます。これらの審議結果をまちまして、放送大学の具体的な構想をまとめてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#79
○内田善利君 この放送大学準備調査会が持たれて何回くらい調査会が行なわれたか、そしていつごろこの報告ができ上がる予定であるか。
#80
○政府委員(福原匡彦君) 昨年の十一月十一日に放送大学準備調査会が発足したわけであります。その後、小委員会を含めまして先週までに十五回調査会を開催いたしました。この結論の出る目標の時期でございますが、一応私どもとしては七月ごろには結論を出していただきたい、この辺を目標にして審議を進めておるわけであります。
#81
○内田善利君 戦後、日本の大学は駅弁大学と言って批評されたほど大学ができて、今日まで充実してきているわけでありますが、どういう目的で、何のために放送大学をつくるのか、その辺を文部大臣にお伺いしたい。
#82
○国務大臣(坂田道太君) 最近の統計によりますと、大体当該年齢人口の二〇%が何らかの高等教育機関に学ぶという形になっているわけでございます。しかしながら、この傾向といいますか、大学に学びたい、高等教育機関に籍を置きたい、そうしていろいろの専門的な技術やあるいは教養を身につけたいという願い、こういうものは今後ますます私は高まっていくと思うのでございます。もちろん既設の大学なり、あるいは新しい構想の大学なりというものもつくっていくわけでありますが、いわゆる一般的な要請に対しましても何らか別の形において考えられないものかというふうに思っておったわけでございますが、御承知のように、わが国におきましては放送あるいはテレビ、ラジオというような通信手段といいますか、あるいはマスメディアといいますか、これが非常に発達をしておりまして、世界的に見ましても日本は一流の国である、先頭を切っている、またそのテレビ、ラジオ等の生産につきましても、かなり充実をしておりますし、それからまたその質におきましても世界の一流の高さ、水準を持っているというふうに私たちは思うわけでございまして、この一つのメディアを通じて一体教育というものが何かなされ得ないかということから考えたわけでございます。たまたまNHKにおきましても、あるいは12チャンネルにおきましても高等学校の生徒を相手といたしまして現に教育が行なわれて、かなりの成功をおさめているというようなことに基づきまして、私どもといたしましてはぜひひとつ放送大学というようなものをつくってみたいというふうに考えたわけでございます。そういうわけで、一面、既設の大学等におきまして先生方が講義をされる。ところが、その施設が不十分のためになかなかその講義も聞けないというようなことでございますけれども、しかし講義ということだけを考えるならば、このテレビを通じまして相当りっぱな先生が講義をなさる。しかもそれは学校に行くことなくして家庭の中においてこれが聞ける、あるいは会社の中においてこれが聞けるというようなことでございます。そういうことをいろいろ総合的に組み合わせを考えると、ただいま申しましたように、一週間のうちに日曜を除きまして六日、一日二時間の講義を聞くことは可能である。これにスクーリングというものを加味して、そうして自由スクーリングにおきまして、あるいは質疑応答ということも考えられるし、同時に個人的ないろいろな指導、教官と学生との接触ということも考えられる。そういうスクーリングを通じまして、ちゃんといまの大学でやっている程度の教育というものはやれるんではなかろうかということを確信するに至ったわけでございまして、そういう意味合いにおきまして、単に高等学校卒業する人たちをとらえるだけでなくて、一たん社会に出た方々もさらにこの放送大学への資格が、受験をし、そして学ぶことができる、あるいは女の方でございましても、自分たちは女学校時代はなかなかそういうことはできなかった、いまは子供もある程度成長して、自分自身も大学教育を受けたい、こういう力に対してその機会を与える。そういうことを考え、さらにこれから私たちは労働時間というものが、だんだん四十八時間から四十時間の方向へ進んでいくんじゃなかろうかというようなことも考えました場合には、レジャーというものの使い方ということについて新たなる社会の変化に対応する技術や教養を身につける、あるいは再教育機関としてのチャンスを与える。もろもろのことを考えた場合において、これは非常に意味のある考え方ではなかろうかというふうなことで、この放送大学設置に踏み切り、意欲的にこれに取り組んでおるというのが私のいまの実情でございます。また気持ちでございます。
#83
○内田善利君 非常にけっこうなことと思いますが、生涯教育という面、あるいは高校を卒業して大学に行けない人のために放送大学を設ける、あるいはまた御婦人の方々のためにも開かれた国民のための放送大学ということでございますが、現在の大学学生に対しては、どのように考えられるか。まあ私たちの構想といたしましては、現在のいろんな大学におる学生も、この放送を聞いて、そしてその試験は協力する大学で受けるなりして単位をとると、その単位はその当該大学の一つの放送大学を受けた、講義を受けた、有名な、あるいはりっぱな教授の講義も自分の大学以外で受けたということで、単位を当該大学の単位として修得させる、このようなことも考えておったわけですけれども、この点についてはいかがお考えになりますか。
#84
○政府委員(村山松雄君) 現在の大学の学生が、かりに放送大学ができた場合に、そこの教育を受けて単位がとれるかという問題は、一つは現在の大学の考え方の問題でありまして、他は放送大学側の受け入れの問題でございますので、現在の大学の立場で御説明申し上げますと、これは端的に言って、二重学籍を認めるかどうかというようなことから始まるわけでございます。現在の大学では二重学籍はそれが物理的に可能であれば認めてもよろしいという考え方で運営されております。物理的に可能と申しますのは、昼間の学部におるが通信教育を受けて同種の、あるいは別種の教育を受けたいというような場合には、それ自体は認めてもしかるべきではないか、物理的に不可能であれば二重学籍は認めない、つまり昼間の学部、二つの大学に同時に在籍するということは、これは厳密に言えば不可能なわけですから、こういうようなことは認めないというようなことで指導いたしております。二重学籍を認めた場合に、今度はA大学の者がB大学で受けた教育をA大学のほうで単位として認めて、これを卒業単位などに通算するかどうかというようなことは、もっぱらA大学のほうの教育方針によってきまることだと思います。A大学のほうで、B大学の単位を認めて、通算してしかるべしという判断をとって行なわれることは別に違法でもないし、差しつかえもございません。それがさらに望ましいものとして、まあ奨励するかどうかというようなことにつきましては、これは若干将来の研究課題になろうかと思います。
#85
○政府委員(福原匡彦君) 大学局長の説明に補足して申し上げますと、現在放送大学の設置準備調査会におきましては、その問題について村山局長が後段に申しました放送大学で講義をいたしました内容を、他の大学が利用するということについて、むしろ積極的に利用できるような内容のものを講義したい。さっきちょっと大臣からも御説明申し上げましたけれども、現在の教室講義の一時間を放送講義の一時間でやろうということをきめましたのは、イギリスなどに比べますと相当内容の充実したものになるわけでございますが、放送という手段を用いれば同じ一時間でもって教育効果が上がるといういろいろなデータが出ているのでございますが、そのために一時間の教室講義を三十分、あるいはもっと短くていいのではないかという議論も相当あったのであります。そうすると何か世間から見て安手の大学になったという印象を与える、むしろ教室講義の一時間を同時に放送講義の一時間でしようということになって、いままでよりももっと内容を充実したものにしよう。だから既存の大学よりも放送大学において内容の充実したものにするということの一応結論に持っていったわけであります。そういたしますと、現在の既存の大学が放送大学の講義を利用するというケースが多くなるのでございます。そういう意味で新構想大学の一つになるわけでございますが、ある意味で今後大学間で大いに単位の互換等を活発に行なうもとをこの辺で開いてみたらどうか、こういうふうに思います。
#86
○内田善利君 いろいろ意見はあると思いますが、私の意見としましては、やはり放送大学でできない不満が出てくるのじゃないか、そういったことは現在の大学で講義して授業を受けて、そうして一般概論みたいなものはそういった放送を通じてやればできる、そういう講義は放送大学でどんどん講義を受けていく、両方で受けていけば非常にいいのじゃないか、そういう考え方に立って結論を出したわけですけれども、それと教授も一般概論みたいなことは放送大学でやっていただけば、そのあいた時間は研究に有効に使える、また大学自体も非常に学生数の多い大学等ではやはりそういったところで放送を受ければ学校で受ける学生数も少人数で受けられるのじゃないか、そういった意見等でそういうふうな考えを持ったわけです。これは意見としてお話し申し上げたいと思います。
 それから、いまからの調査会での検討の問題と思いますが、文部大臣は国立ということでございましたが、これはどういう主体性を持ってやられるのか、それと放送の主体はどこに置くのか、この点についてお聞きしたい。
#87
○政府委員(福原匡彦君) 先ほど大臣から申し上げましたように、放送の実施主体、大学の設立主体等につきましては、いろいろと議論を重ねていった大体最後のあたりで審議をすることになっております。この放送大学準備調査会の前に放送大学問題懇談会というものが置かれまして、ここで基本的な問題についての御意見を承ったわけでございます。そのときの意見書には、まず設立主体につきまして、放送大学の設立は国が行なうべきであるという、ただ、国が行なうべきであるというその内容には、国立大学方式と、それから特殊法人のような形の方式があるという指摘がございまして、そのいずれにするかというようなことは、この準備調査会等に意見がゆだねられたわけでございます。それから放送の実施主体の問題でございますけれども、これについて放送大学問題懇談会としての意見は、放送の実施に当たっては既存の放送事業者の施設等を利用できる場合は、これらの事業者に対しできる限り協力を求めるよう配慮されることが望ましいという程度になっておりまして、具体的に実施主体をどういうふうにするかということは今後の検討課題でございます。
#88
○内田善利君 もう一回あとに返りますが、現行の大学で一時間でやっておる授業をそのまま放送で行なうということですけれども、現行一時間の授業をそっくりそのまま放送のほうにふりかえることがほんとうにできると考えて、そのように結論が出たのでしょうか。
#89
○政府委員(福原匡彦君) 一時間の教室講義を一時間の放送講義で代替するというのは、現在の教室講義をそのまま移して放映するということではなくて、時間としての取り扱いをそうする。もちろんその中に放送ということを生かしていろいろな視聴覚のパターンを入れていく、その分だけ充実してくるわけでございますから、時間として一時間を一時間として充実する、こういうことでございます。
#90
○内田善利君 時間がなくなりましたが、この放送大学の発足はいつごろをめどとされておるかお聞きしたい。
#91
○政府委員(福原匡彦君) これは私どもとしてできるだけこの準備を急ぎまして、その準備の進みぐあいによってきまってこようかと思いますけれども、まあ全面的開設というものの前に、実験的な放送の時期があろうかと思います。来年度に入りましたならば何とか実験的な形では発足いたしたい、こういうふうに考えております。
#92
○内田善利君 郵政省からNHKに受像機との関係で、ことしの秋から実験放送をしてもらいたい、そういう申し出があって、NHKのほうでは東京、大阪、一部では放送電波を出す計画と聞いておりますが、こういった放送電波を利用する考えはおありじゃないかどうか。
#93
○政府委員(福原匡彦君) 実験の段階にはいろいろあろうかと思います。ある意味でその放送実施主体がきまってからの実験という気持ちで私申し上げたわけでありますが、その前にNHK等を通じてもちろんいろいろな実験はいたしたいという考えでおります。
#94
○内田善利君 もう一つお聞きしますが、入学試験はどのようにされるのか、それからその実施中の試験はどのようにされるのかお聞きしたい。
#95
○政府委員(福原匡彦君) 実は入学試験の問題につきまして先週審議がございまして、これはまだ結論を得ておりませんけれども、そのときの審議の方向だけ申し上げますと、一つはやはり大学であるからこの放送大学を卒業した卒業生が一般大学の卒業生とまあ少なくとも同じ評価を受けるような大学でなければならない。そのためには入学のときに門を、従来からございました無試験のような形でだれでも入れる、あるいは入学試験そのものも自由にするというようなことはいかがかという御意見もございました。しかし、大勢といたしましては、これは新しい試みとして、むしろ一般の国民からの期待にこたえるためには、入学資格のほうはできるだけ自由にすべきではないか。たとえば、さっきも大臣からお話がございましたように、現在子供が成長して、こういう大学に入ってみようかという主婦などの層は旧制の女学校の卒業生でございます。旧制の女学校の卒業生でございますと大学に入学する資格は現在ございません。これは少なくとも新制高等学校卒業と同じような形で大学の門を開くべきではないか、これはほとんど全員一致のような御希望でございます。これは放送大学として認定して何とか門を開く。しかし、そこまでの学歴もない人に対してどうするかというあたりが相当問題になりましたけれども、何とか工夫をしてできるだけ広く入学のときには入学を認めるべきではないか。ただ、卒業までに十分大学卒業生としての内容のとれるような、充実したものにして卒業させる、入れるほうをゆるくして、出るほうをきびしくというような新しいタイプの大学を想定すべきではないかという御議論が大いにございました。中での試験でございますけれども、これは当然単位を認定するための試験ということが行なわれることになろうかと思いますが、この内容についてはまだ具体的にきまっておりません。
#96
○内田善利君 最後に、この放送波のことについて取りきめがあっているかどうか、FM波、UH波、これを放送大学にとってあるかどうか、これだけお聞きして終わります。
#97
○政府委員(福原匡彦君) これは郵政省におきまして、前の郵政大臣河本大臣が坂田大臣との話し合いで、昨年テレビ、ラジオそれぞれ一系統ずつ電波を留保しておくと、こういうことでございました。そのときには、テレビにつきましてはUHF、ラジオにつきましては中波ということでございましたが、その後郵政省としては中波にするかFMにするかは、もう少し検討したい。いずれにせよテレビで一系統、ラジオで一系統の波を放送大学のために用意しておくということを絶えず言明しております。
#98
○内田善利君 要望として。放送大学になりますと、全国一せいに授業が行なわれていくわけです。あくまで学問の自由と中立性がそこなわれることのないようにお考え願いたいと思います。
 以上で終わります。
#99
○萩原幽香子君 時間に制約がございますので、中村先生が御質問になりましたこととなるべくダブらないように質問をさしていただきたいと思います。
 秋田大学の医学部の創設について、まず秋田大学に医学部を設置される理由並びに経過について承わりたいと存じます。
#100
○国務大臣(坂田道太君) 最近医療需要の急増に対しまして、医師の不足が叫ばれておりますことは御案内のとおりでございまして、したがいまして、その養成数というものの増強をどうしても考えていかなければならないという立場にあるわけでございます。これについては、やはり医師の全体の数の問題でありますよりも、あるいは医師の配置という問題もあるわけでございまして、絶対数も足りないというわけでございましょうけれども、しかし、やはり都市に集中してしまって、そうして僻地等をかかえる都道府県において足りないというわけでございますが、とにもかくにも、やはりある程度絶対数をふやしていかなければいけないのだという考え方に私たちは立っているわけでございます。こういう観点からいたしまして、昭和四十四年度には秋田大学に医学部を設置するための準備費を計上いたしますとともに、文部省及び秋田大学にそれぞれ設置準備会等を設けまして、創設に関する諸般の準備を進めてまいったわけでございますが、このたび教員組織の編制等も終わりまして、開設のめども立ちましたので、医師養成数の増強をはかるとともに、当該地方の医療水準の向上に資するために秋田大学に医学部を設置することといたしたわけでございます。大体人口十万当たりにつきまして、一一二ぐらいでございますが、秋田におきましては一〇〇を下回わっておるという状況でございますので、しかも、また地元の要求も非常に強いというようなことから考えて、東北に、しかも秋田につくることはよろしいのではなかろうかというふうに判断をいたした次第でございます。
#101
○萩原幽香子君 まあ医師が絶対員数が不足だというお考えと、それから東北地方に非常に医師が少ないという地域の要望と、こういうことのようでございますが、それではこの医学部の卒業生の当該地域に定着する率はどのようになっておりますか、大学別にお示しをいただきたいと思います。
#102
○政府委員(村山松雄君) 大学卒業生の当該地域への定着というのは、どの時点をつかまえて定着というか、むずかしい問題もありますし、また、率直に申しまして、そういうことであらかじめ調べたものがございませんので、的確なことは実は申し上げかねるわけでございます。ただ、医学部卒業生の特色は、ほかの学部のように、卒業してどっかの会社に直ちに就職するということではなしに、当分の間は研修医、あるいは研修医が済んでも事実上何年か大学病院で臨床の研修を、実際問題としての修業をやるという実態がございます。そこで、医学部がありますと付属病院がありまして、医学部の卒業生の大半ばやはり自分の大学の付属病院に残ります。そういう意味合におきまして、長い目で見るといろいろ散るわけでありますけれども、数年間というような時点でとらえますと、医科大学ができますと、少なくともそのまわりに相当数の卒業者が何らかの形で残っておるということが言えるかと思います。この点につきましては、どこの医科大学においても事情は大体同様でございます。
#103
○萩原幽香子君 地方大学の医学部へ入学する学生の中で、大体そういう事情をお聞かせいただきますというと、やはり当該地域の出身者というのは、ほんとうはいい条件ということになるんじゃないかと思うのですが、そういう当該地域の出身者のパーセンテージというようなものはどういうふうになっておりますでしょうか。
#104
○政府委員(村山松雄君) 医科大学人学者の出身別でございますが、これもあらかじめ準備した資料がございませんでしたので、急遽少なくとも国立大学につきましては電話等で問い合わせましたわけでありますけれども、大ざっぱに申しまして県内出身者が二五%、約四分の一であります。県外出身者が七五%程度、まあ大体四分の三が県外というようなことでございます。これはまた学校別に非常にばらつきがございます。例をあげますと、一番県内出身者が少ないのが千葉大学で、わずか二%でございます。九八%は千葉県以外の出身でございます。比較的多いのは北海道大学の四三%、それから東京医科歯科大学の四六%、それから神戸大学の四三%、それから九州大学、これは福岡県でありますが、四五%というようなところが比較的県内出身者の率が高くなっております。しかし、当該大学に残るかどうかは、これも的確な資料に即しての御説明じゃございませんけれども、出身が県内であってもなくても、大部分はひとまずは付属病院に残るというのが実態のようでございます。
#105
○萩原幽香子君 そうしますと、やはり秋田に医学部が設置されますと、何年かは秋田地方はそれでお医者さんは潤うと、こういうことをお考えになるようでございますね、そう考えてよろしゅうございますか。
#106
○政府委員(村山松雄君) 大学ができますと大学の付属病院に残ります。それからまた近所の関連病院にも比較的行きやすくなるんじゃないかと思いますので、大学ができますと、当該地域の医師需給というのは、ないところに比べれば緩和するということを言ってよろしいんじゃないかと思います。
#107
○萩原幽香子君 非常に私が心配しますのは、やはりせっかく入学されまして、ある一定期間が過ぎますというと、やはり他府県の学生で他府県に散っていくと、こういうようなことになりますと、やはり医学部を設置いたしましても、その地域が潤うことが非常に少ないんじゃないかと、こういう心配がございますので、できるだけ、せっかくその地域、少ない地域に医学部が設置されましたときには、卒業した学生たちがその地域の医療に従事しますような配慮がいただきたいと思うのですが、その配慮という点についてはどのようにお考えになりましょうか、承りたいと存じます。
#108
○政府委員(村山松雄君) 大学卒業者が地元に定着するかどうかということば、やはり大学卒業者を受け入れするに足る施設が付近にあるかどうかということに大きい関係があろうかと思います。医学部について言えば、大学卒業の医師が喜んで勤務するような病院あるいは開業の条件というものが整っておる地域には行きやすいし、しからざるところには行くことが少ないというようなことにどうしても相なろうかと思います。そういう医療行政というようなことになりますと、文部省の担当からややはずれるわけでありますので、そういう点につきましては厚生省とも協力してできるだけのことは大学側でも考えてまいりたいと思います。
#109
○萩原幽香子君 厚生省はそういう点についてはどのような御配慮をなされておりますか承りたいと存じます。
#110
○説明員(竹内嘉巳君) お答えいたします。
 特段そのためにという目的をもった対策というほどのものははっきり申し上げましてございません。ただ、いま村山局長から申し上げましたように、関連病院あるいは卒業後の研修期間といったようなものにつきましては、大学との関連ということから、その地域内の一般的な地域医療というものとの関連が非常に深まってまいります。そういう意味から言えば、おのずからその地域における医師不足対策への対策としての中身が逐次積み上げられていくものというふうに私ども考えております。
#111
○萩原幽香子君 秋田大学以外にいま医学部を希望している大学はどれほどございますか。
#112
○政府委員(村山松雄君) 国立大学といたしまして医学部をつくりたいという意思表示をされましたものは秋田大学を除きますと愛媛大学だけでございます。これも打診程度の意思表示でございます。その他地域からの要望ということになりますと、かなりの県から医学部を、これは必ず国立という意味合いだけでもございませんけれども、医学部、医科大学がほしいという御要望の県はかなりございます。
#113
○萩原幽香子君 地域から要望されておりますところでどういったような県がございますでしょうか。
#114
○政府委員(村山松雄君) 私どもいろいろなお話の濃淡の差はございますが、承っておりますのは、北から申しますと北海道、山形県、静岡県、富山県、愛媛県、それから高知県でございます。なお愛媛大学につきましてはいま申し上げたとおりでございます。
#115
○萩原幽香子君 その愛媛につきましては地域の要望もあり、大学の要望もあるわけですが、これに対してどのようにただいまのところお考えでございますか。
#116
○政府委員(村山松雄君) 医科大学、医学部の設置の問題につきましては、文部省としては、一つには先ほど大臣も申し上げましたように、医師不足の実態がある。それから既設の学部の定員増ということも考えておりますが、それにも限度がある。地域の要望は強いということからいたしまして、増設をしてしかるべきではないかと考えております。しかし、他面、先般来の大学紛争にもあらわれましたように医学部、これは付属病院を含めまして、そのあり方なり運営につきまして非常に複雑な問題があって改善が必要だといわれております。そういうさなかに、もし医学部をつくるとすれば、どうしても現在設置基準なり慣行があるわけでありますから、それにのっとってつくらざるを得ない。極言すればこれほど問題があるのに、旧態依然たる医学部をつくっていいかという問題に逢着いたします。また財源の面からいきましても、医学部は付属病院を含めまして非常に大きな財源が必要になります。そこででき得れば医学部のあり方、医師の需給などについて、もう少し明快な結論を得て、増設すべきものについては増設に踏み切りたい、かように考えるわけであります。そういうことで要望もあり、その必要も認めながらこの増設にはまた大きなちゅうちょを感じておるわけでありまして、根本的にはひとつ大学制度の改善を医学部を含めまして急速に推進して、すっきりした形で増設をはかりたい。やや抽象的な御説明でありますが、そういう気持ちでおるわけでございます。
#117
○萩原幽香子君 医師が不足ということでもござざいますし、地域、大学ともに要求をしておるということでございますれば、やはり望ましい形ということを御検討をしていただきながらその目的、要望に沿っていただくよう配慮を賜わりたいと存じます。
 次いで、この秋田大学設置に問題を戻してお伺いをいたすわけであります。秋田大学の医学部創設準備費として文部省は四十四年度に計上されたということでございましたが、幾らほど計上されたんでございましょうか。あわせまして、それはどのように使われておりますか、明らかにしていただきたいと存じます。
#118
○政府委員(村山松雄君) 秋田大学の創設のための四十四年度準備費は、金額にいたしまして四百五十万円であります。これは、人件費三名分を含めまして、準備費は準備調査の費用を合わせたものでございます。準備費に人件費まで計上することはきわめて異例のことでありまして、予算的に申しますと、秋田大学の創設については、四十四年度に準備費を計上した段階で、その他の条件が整うならば設置に踏み切るという意思がここにもあらわれておるわけであります。そこで、その使い方といたしましてはまず中心の人が必要だ。それには、内外の御意見を含めて考える必要があるということで、準備調査会をつくりまして、文部省、それから秋田県、それから秋田大学、それから医学関係の学識経験者といたしまして、学術会議の第七部長でもあり、また自身、私学の経営者でもあり、また大学設置委員会の医学部専門委員でもある慈恵医大の樋口学長、それに千葉大学の前の学長の谷川久治氏、それから東京医科歯科大学の医学部長の落合京一郎教授、この三人、専門委員としてお願いいたしまして、その調査準備会で基本的な構想を練り、まず学部長、病院長予定者をきめるのが必要だということで、医学部長予定者といたしまして、東北大学の産婦人科の教授の九嶋教授を選定いたしました。病院長予定者は若干おくれまして、結局現在の秋田県立の中央病院長でありました前田氏をお願いすることになったわけでありますが、それにあとの人件費の一人は事務官でありますが、これは任用するに至りませんでした。そこで、教官予定者も、各部長予定者も含めまして、基本構想あるいは教授陣営の人選などをやって、それに基づいて予算要求もし、大学設置委員会の審査もわずらわした。そういう経過になっております。
#119
○萩原幽香子君 四十五年度では幾ら予算措置をされましたんでございましょうか。その内訳を承りたいと存じます。
#120
○政府委員(村山松雄君) 四十五年度の予算といたしましては、約八千二百万円でございます。内訳は、人件費が約四十二名分でございます、二千七百六十万。
  〔委員長退席、理事田村賢作君着席〕
 それから、四十五年度は、いよいよ学生を入れて教育を始めるということで、学生当たり積算校費約百二十万、それから教官当たり積算校費が二千百七十万、教官の研究旅費が百十三万、設備費が二千六百九十万、その他三百三十万、合計いたしまして約八千二百万円でございます。
#121
○萩原幽香子君 秋田大学医学部の完成整備計画は、ちょっと中村先生への御答弁もあったかと思いますけれども、その整備計画に伴う予算で、国の負担分と地方負担分はどのようになっておりますでしょうか。
#122
○政府委員(村山松雄君) 秋田大学の全体の構想といたしましては、講座数にしまして二十七講座、付属病院としては約七百床の病院を予定いたしております。そのための人員は、これは確定いたしておりませんけれども、大体学部関係で二百四、五十人、病院関係で五百五十人程度必要なものと考えます。
 それから、施設関係につきましては、中村先生の御質問にお答えしたとおりであります。これらの負担区分につきましては、まだ明確にきまっておりません。
 人の問題につきましては、これは学部創設の場合には、その修業年限の範囲内で年次的に充実してまいります。私どもこれを学年進行と言っておりますが、二十七講座分を学年進行に分ければ、大体大蔵省との間の慣例がございますが、若干その二年、三年あたりにウエートを置いた年次進行でまいります。それから、施設につきましては、まず進学課程が必要でございますが、進学課程につきましては、さしあたり秋田大学の鉱山学部及び教育学部の校舎を流用いたします。それで、追って本格的なものをつくる予定にいたしております。
 なお、申しおくれましたが、敷地につきましては、秋田県側に敷地の取得並びに土地造成をお願いしておりまして、現在準備中でございます。これをいかなる形で国が取得するかにつきましては、現在秋田県側と話し合い中であります。
 施設につきましては、いま申し上げましたように、進学課程は、とりあえず現在の秋田大学の施設を使います。将来は、新しく取得された土地も含めまして施設の全体計画を立ててまいります。
  〔理事田村賢作君退席、委員長着席〕
全体といたしましては、先ほど申しましたように約七万平米、約四十三億円の施設が必要と考えております。
 病院につきましては、この範囲内でありますが、さしあたりは、現在秋田の県立中央病院というのがありますが、この病院の移管を受けまして、これを病院に代用いたします。将来は大学病院としてオリジナルな建物を文部省のほうでつくる計画にいたしております。これをいつつくるかについてのまだ明確な年次計画はございません。これも大体人の学年進行と同じように、施設も五年間のうちの中ほどに重点を置いて整備が進められるのが慣例でありますし、秋田大学につきましても、そういう慣例に従って施設の整備計画が進められることと思います。
 設備につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、これはたいへん判定が困難でありますけれども、大ざっぱに申しまして十五億円程度のものが、これが教育、研究の進行状況に応じて順次必要になってくるものと考えております。
#123
○萩原幽香子君 私立大学の医学部の寄付金についてお伺いをいたしたいと思います。
 私立大学の寄付金については、実に驚くような話を耳にするわけでございますけれども、この寄付金の実態について文部省はどのように把握をされておられますでしょうか承りたいと存じます。
#124
○政府委員(村山松雄君) 私学の財政運営状況につきましては、実はその個々の大学に立ち入った実態というのは文部省として率直に申しまして十分把握いたしておりません。ただ、私立大学の財政の実態調査というのは、これは指定統計でやっておりますので、全体的な概況についてはわかるわけであります。ただ、これは指定統計の性質上、個々の大学のデータは使わないということになっております。それによりますと、大体四十三年度あたりで、私学の財政は二千億円ぐらいでありますが、そのうち寄付金は一割程度あるものと考えられます。この寄付金がいかなる形でとられるのか、中には強制にわたるものがあるのではないかというのが問題になる点でありますが、文部省としては、具体的な事例で強制にわたり、あるいはこれが入学の条件にからんだりして不当と思われるようなものにつきましては、当該大学に注意をして是正につとめておるのが実情でございます。
#125
○萩原幽香子君 いままでにそういったような、半ば強制的に巨額のそういう入学金を支払わなければどうも入学が取り消されるといったような、そういうようなものがあったでございましょうか。どういうふうにそういうことが文部省の耳に入っておりますでしょうか。それをちょっと承りたいと思うんです。
#126
○政府委員(村山松雄君) たいへん遺憾でありますけれども、過去に若干の事例がございました。そういうことは、実はこれもたいへん遺憾でありますが、報道機関等によって報道されることによって知るという場合が多いわけでありますが、報道機関で報道されたわけでありますから、固有名詞をあげますと、たとえば数年前に東邦大学の医学部で入学の条件にするようなことが報道されましたので、関係者に注意しまして、これはやめることになったはずであります。それから、最近の事例といたしましては、第一薬科大学、これは福岡県にございますが、そこで一次試験に受かった者について相当の金額を納めてほしいというようなことを二次試験のときに言われたということで、これも注意をいたしました。それから、これは大学創設の段階じゃございませんが、これからつくろうという大学ができた場合には、入学させたい者は寄付をしてくれというような広告をやったという事例がございます。これも関係者を呼んでそういうことはやめるように注意をして、当事者もやめたはずでございます。そういうぐあいに、若干の率例がございまして、強制にわたって、きわめて悪質と思われるようなものは関係者に注意をし、関係者の側でも是正をするというような事実がございました。
#127
○萩原幽香子君 実は三月二十五日の、先ほど中村先生のほうからちょっと出ましたけれども、朝日新聞に「医者が欲しけりゃ一億円」という見出しで、このたび認可されました北里大学の医学部ではそういうことをやられたケースがございましたですね。そうしてそれについて山形県ではすでに県議会で一億円の支出を緊急上程した。長崎県でも六月の補正予算に組み入れるというようなことが報じてあったわけでございますね。そういうことにつきましてはどういうふうに御処置なさったんでございましょうか。
#128
○政府委員(村山松雄君) 御指摘の山形県の場合は、これは私学の寄付の場合と若干状況が異なるようであります。北里大学は医学部創設のために資金を集めることを考えておったわけでありますが、どういういきさつで山形県との関係ができたか、そこら辺は必ずしもつまびらかにしないわけでありますが、山形県はこれに協力をして、あわせてできれば自分のところの医師を確保したいということで、山形県から学生が入った場合には相当の寄付をしようということをきめたようでございます。これは県が自主的におやりになり、その金を納めなければ入学させないというようなことでなければ、形式的には違法、不当というような問題は起こらないのではなかろうかと思っております。
#129
○萩原幽香子君 そのときに、どうやら十六府県に対してそういう呼びかけがあったというふうに聞いておりますわけでございますね。これはまあ、ほんとうはたいへんな問題だと思うんですけれども、そういったような、私立大学がこのような寄付を要求するということは、資金難だということを明らかにしたものだと思うわけでございますが、この医学部の医学生の教育には、先ほども百二十万ということでございましたが、年間大体百二十万とか百四十万とかいったように要るわけでございますね。ところで、この医学部の授業料は大体平均六十万ぐらいと、こういうふうに聞いておるわけでございますが、そうしますと、八十万という不足に対して四苦八苦されるということは私もよくわかるわけなんでございます。こういうことに対して政府としてはどのようにお考えになりますでしょうか。どういう措置をおとりになろうとお考えになっておりますでしょうか、承りたいと思います。
#130
○国務大臣(坂田道太君) そういうようなことを考えた場合に、いままで国立大学の学生一人当たりに対しては八十万とか七十六万とかいうようにお金を出しておる。ところが、百十万あるいはそれ以上の私立大学の学生一人当たりに対しては一万円以下であった。しかし、いま御指摘のとおりに、私学であろうと国立であろうと、一人の学生あるいは一人の医学生を教育、研究させるには百二十万とか、あるいは百四十万とかいうお金がかかるわけでございまして、それを学生の授業料あるいは納付金ということだけではまかない切れないという実情から考えれば、当然この私学に学ぶ学生の教育、研究の黄的向上ということを願うならば、われわれとしてはもう納付金、授業料等についてもおのずから限度がきておるわけでございますから、これは国として国・公・私立を問わずお金を出していくということが筋ではなかろうか。また諸外国の例を見ましても、アメリカのような国でも、もう四十数%を連邦政府が金を出しておる。あるいは、国柄は違いますけれども、イギリスにおいては八〇%も国が出しておる。こういうことを考えまして、本年度から私学に対しまして助成金を出す、補助金を出すという決意をいたしたわけでございます。これは明治以来画期的なことであると私たちは考えておるわけでございますが、今日では百三十二億のわずかな金ではございますけれども、しかし私は、本俸の半分ぐらいはとにかくこの四、五年の間に出せるところまではもっていきたいというふうに考えておるわけでございまして、それで私学における医学生の教育あるいは研究の水準を高める一助にいたしたいと考えておる次第でございます。
#131
○萩原幽香子君 ありがとうございます。ぜひここ数年の間にそういうお取り計らいをお願いいたしたいと思います。
 最後に、医師の養成計画について承りたいと存じます。この医師の養成計画の基本構想について承りたいと存じます。
#132
○政府委員(村山松雄君) 医師の養成につきましては、終戦後のいろいろな沿革がありまして、端的に申しまして、現時点で将来こういう構想に沿って養成するという計画はできておりません。
 まあ蛇足でありますが、従来の経過を御説明いたしまして、なかなか構想が立ちにくい事情を御了解願いたいと思うわけでありますが、まず終戦後、大学制度が改革になったわけでありますけれども、医学部につきましては一番激烈な改革が行なわれました。と申しますのは、一つには戦時中に医専を非常に増設いたしまして、養成数についてはむしろ大学より専門学校のほうが多いような実態があったわけであります。年間にいたしまして、万人以上の医学生が卒業しておったというような実態があったわけであります。それを数についても、もう戦争が終わって、こんなには要らない。それから医学教育の内容はもっと充実すべきであって、極端に言えば専門学校というものは医学教育にはふさわしくない、すべて大学にすべきだということで、これは占領行政もありましたし、それから厚生省、文部省協力してそういう施策を立てたわけでありますけれども、医専は全部廃止いたしまして、なお整備充実すれば大学になり得るものにつきましてはこれを大学にしたわけでございます。医師の養成数を、これは当時人口十万当たり百人あればよろしい。医師の減耗数というのは、極端に言えば、医師は自由業でありますから、死亡率にほど近いような数字できわめて少なくていいということで、四十六校を通じまして二千八百四十名というぐあいに押えたわけでございます。したがって、一学校あたりにつきましても、たとえば旧制の帝国大学とか古い医科大学などは百二十人から百五十人も養成しておったところがあったのでありますが、医学部の入学定員は最高八十名ということに押えました。それから医専から昇格したようなものにつきましては、さしあたり四十名を限度といたしまして、全体で二千八百四十名ということで昭和三十六年ごろまでずっとやってまいったわけであります。そのころから日本の国情の回復、それから医療内容の充実向上、それから医師、まあ直接医療従事者以外に、たとえば保健所でありますとかその他医療関連業務に従事する医師も必要だというようなことからいたしまして、絶対数を若干ふやすべきではないかという議論が起こってまいりまして、ふやすとすれば増設よりもまず既設の学校の増員、これはまあ従来はもっとたくさん養成しておったんだから養成できないことはないだろう、新しいもので不十分なことをやるよりは、現在あるものでふやしてやったほうがいいということからいたしまして、先ほど申し上げましたように、現在まで千二百名増員してまいって、現在四千四十名になっておるわけであります。四十五年度に入りますと、これに私学が三つと秋田大学が加わって四千三百八十名になるわけでありますが、まあそういうことでさしあたりは、先ほど申し上げましたように、医学教育の改善というようなことを急ぎ、医学部の増設問題についてはその必要は認めながらも、慎重に対処いたしたいというのが実情でございます。
#133
○萩原幽香子君 現在医学部学生の国・公・私立別の数と比率をちょっとお聞かせいただきたいんでございますが。
#134
○政府委員(村山松雄君) 入学定員で申し上げますと、国立が二十四校で二千二百八十名であります。それから公立が九校で六百二十名であります。それから私学が十三校で千百四十名、合わせまして四十六校四千四十名でございます。したがいまして、まあ国立が五割強ということになります。それから公立が一割五分ぐらいであります。それから私学が二割五分程度。まあ医学部につきましては、他のあらゆる分野が私学が多いのに比べまして、国立が私学の二倍、五割以上を占めておるというのが実情でございます。
#135
○萩原幽香子君 私の聞き間違いでしょうか。ちょっと算用が合わぬように思うのですけれども、国立が五〇%、それから公立が一二%ですか、そして私立が二五%ですか、これで八十何%ぐらいではございませんか。私聞き間違ったんでしょうか。
#136
○政府委員(村山松雄君) 正確に申し上げなかったので正確に合わないかと思います。いまちょっと正確なパーセンテージがありませんので非常に大ざっぱに申し上げて恐縮です。切り上げ切り捨て計算でいきますとほぼ国立が六割弱、それから公立が一割五分、それから私学が二割五分、そういうことで合算いたしますと、全体で十割になりますが、かなり誤差がございます。
#137
○萩原幽香子君 学校の先生ですのでたいへんかたいこと申しまして恐縮でございます。
 そこで厚生省にお尋ねをいたしたいと存じます。まあわが国のお医者さんの数がどれほど不足しているとお考えでございましょうか。その必要数とその根拠をお示しいただきたいと存じます。
#138
○説明員(竹内嘉巳君) お答え申し上げます。
 先ほど局長からもお話がございましたように、医師の数というものがはたしてどれだけあればいいのかということが政策的にもまた理論的にもでございますけれども、確定するということは非常に困難でございます。一言つけ加えさせていただきますと、たとえば昭和三十年におきましては、医師一人当たりの患者の取り扱い数というのは二十八人でございましたものが、現在といいますか、昭和四十二年では医師一人当たり五十一人というふうにふえておるわけです。また別の角度から申しますと、先ほどから人口十万対という比率がございますけれども、これとても一方におきましては医療の専門分化というものが進んでまいっておりまして、また医療事業と申しますか、患者数というものが先ほど申しましたようにお医者さん一人当たりの数が非常にふえる、俗に三時間待って三分診療と言われるように、医師の診療の何といいますか、密度というものが非常に高まってまいりました。その辺をカバーしていくものがいわば医師というものの各種の機械あるいは検査その他の合理的な医療のチームづくりというものが当然その中に入ってくるわけでございます。したがって、このような角度から見ますと、俗に人口十万対を見ました国際比較のときに、大体百四十くらいというのがひとつの目安のように一つチームの意見として出てくるわけでございます。反面、国際比較の場合に、単純に十万対の数字が高まれば十分なものであるかということになりますと、これは別の数字から見ますと、俗にコンサルテーション・レートと申しておりますけれども、国民が年間に医師一人にかかる回数でございます。日本の場合は一二・三という非常に高く、国際平均はこれは五回というふうに低いわけでございます。そういうようなことから申しますと、厚生省の立場としてはいつでもだれでもどこでもよい医療が得られるようにということが基本的な目的になるわけでございます。そういう観点から申しますと、いま幾つかのデータを、数字を取り上げて申し上げますと、包括して見まして、いずれにしても現在医師が不足であるという事実だけは間違いない。と申しまして現在の段階でどの程度の医師が不足であるかという具体的な、先生のお尋ねのように根拠なり実数というものを示せ、こういうふうに言われましたけれども、私どもとしては現在の医療の何と言いますか、進化の状況が非常に著しいだけに、はたして今後十年なり二十年なりという長期的な予測に立ったときに、その間においてどのようにこれが変化をするかという予測づけが非常に困難でございますので、たいへん申しわけございませんが、まだはっきり厚生省として国民医療を確保する立場から、この程度の医師があることが必要であると言い切れるほどの具体的な数字というものはまだ持ちあわせておりません。その点につきましては私どものほうも厚生科学研究あるいは関係の団体あるいは文部省にもお願いいたしまして各医大その他における検討をもあわせて行なっているわけであります。非常にくどくなりましたが、そのような形の中から私どもが一応のめどというようなものを現在策定すること自体にも非常に何と申しますか、先ほど申しましたように十年前一人当たりが二十八人の患者さんを見ておったものが現在五十一人であるというような実態から考えてみましても、一方、ベット数の増加ということに対して患者数そのものが国民一人当たりの何と言いますか、受診件数というものの増加というものも非常に変化をしてまいっております。そういうようなことからからみあわせまして、正確な数ということについてはこの際一応御猶予いただきまして、関係方面との検討をまって早急にこれは策定しなければならないというふうに考えております。
#139
○萩原幽香子君 たいへんお答えのいただきにくいようなことばかり申しましてまことに恐縮でございますけれども、やはり人口対比で一応医師というものを国際的にながめてみますというと、日本の置かれているランクは必ずしも高いところにないような感じがするわけでございますね。ですから、やはりそういったむずかしい問題もございましょうけれども、私はせめてまあアメリカの水準くらいまでのところはそろえていただきたいものだ、こういうふうに考えるわけです。なぜならば、先ほどのお話もございましたが、三時間で三分間というようなことは、これは国民生活の上にもたいへん支障を来たす問題だと思うのです。三時間も待って、たった三分見ていただくなんというのはこれはたいへんなことです。そうかと思いますと、僻地へ参りますと、もうお医者さんに手を握っていただかないまま死んでしまったという問題もあるわけなんですね。ですから、この一人当たり二十八人が五十一人になったというここらあたりがどういうところをつかんでそういうふうな数字が出てまいりましたのか、ここらあたり私ちょっと伺っておきたいと存じます。
#140
○説明員(竹内嘉巳君) まあ国民医療調査の数字の中から私どもこのような数字を拾ってみたわけでございます。で、反面、医療保険というものの、国民皆保険という形が、一応内容の問題についていろいろ論議はされますけれども、これが組織的に整いましたのは昭和三十六年でございます。大体三十六年を一つのメルクマールといたしまして、いわば医療需要というものが非常に伸びてきたということはまず言えるわけでございます。それともう一つは、反面、たとえば最近の交通災害の問題であるとか、あるいはエレクトロニクスの分野での発達というものが、反面、いわゆる精神病であるとか、あるいはその他新しい角度から、いわばその疾病というものについての科学的な解明を進めてまいります。そのような角度の中から、必ずしも、いわば医学の進歩が疾病の治療期間を短縮するということに一がいにこれがつながってはまいりません。とは申しながら、反面、国民の平均余命というものの延長に見られますように、国民の保険、福祉という面からこれらの医学の発達というものが非常に大きな何といいますか、プラスをもたらしたことも否定できないのではなかろうか。まあそういう観点から私どものほうは、過去の数字というものをどのようにはじいて検討するかということも大切ではございますけれども、同時に今後の医学の、あるいは医療というもののあり方の展望をいわば予測していくということが、やはり一番国民医療を確保する観点から必要なのではなかろうか。まあそういう意味で、最近の著しい変化の中で、いわば一応のめどという形で国民医療の立場から、目標値を掲げ得るような形で検討を早急にまとめたいというふうに思っておりますので、ということをまあ申し上げたわけでございます。
 なお、ついででございますが、米国で現在人口十万対百四十五ないし六くらいという数字でございますけれども、これとても、先ほど申し上げましたようにコンサルテーション・レートで申し上げますと、日本の一二・三に対して、アメリカは四・六でございますが、これを逆算いたしますと、人口十万対百四十ではたして十分なのかという反論も出てまいります。と申しまして、別の角度から申しますと、いわば医療というものの質の問題があるわけでございます。ですから、質というものの向上という面から見ますと、決して国際的に見まして日本の医療水準というものはそう劣っているものではないというふうにわれわれも理解いたしております。まあそのようなことで、たいへん正直申しまして、お答えしにくい問題でございますけれども、私どもといたしましては、基本線といたしましては、先ほど申しましたように、いつでも、どこでも、だれでもがよい医療を得られるようにという形を実現するためのいわば一つの基本的なポイントになってくる医師数というものについての確保については、今後とも文部省とも十分連絡をとりまして、そのための努力を重ねてまいりたいと思っております。
#141
○萩原幽香子君 時間がなくなりましたので、そのいつでもどこでもということが、実はその三時間で三分につながったり、僻地ではお医者さんにかかれなかったりという私たちの一番心配している点になるわけでございますから、そのあたりの御検討をひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 なお、二年後に復帰する沖繩の医療、医師の状況というようなものも非常に心配になるわけでございます。これにつきましても、実は私お伺いしたいのですけれども、時間がございませんので、沖繩の医師というものの養成についての具体策も後ほどまた時間を見てお聞かせをいただきたいと存じます。
 最後に、先ほど中村委員のほうから御発言がございました日航機の乗っ取り事件についてでございますが、これはまあ全く言語道断のことだと私は考えます。学生運動のうち外であるとも考えます。しかしながら遠因とか、あるいは誘因とかいうものを考えましたときには、やはり私はこれは大学対策、政府の大学対策にもそういう遠因、誘因かあるものがあるのではないだろうか、こういうふうに考えるわけでございます。教育は国家百年の大計でございますから、この際、こうした過激な学生群が発生しませんように、そういったよい教育条件をつくるために、大学、高校を通ずる学制改革というものを積極的に打ち出していただかなければならないときがきているのではないかと思います。大臣は非常に中教審を大事になさいますし、それはけっこうだと存じますけれども、中教審の答申と同時に、私は大臣個人のと申しましょうか、坂田文部大臣のこれに対する御見解を承りまして、質問を終わりたいと存じます。
#142
○国務大臣(坂田道太君) 今回の赤軍派によりまする日航乗っ取り事件というものは、全く人間性を逸脱した行為でございまして、絶対に許すべきことではないと私は考えるわけでございます。特にこの最高学府と、あるいは大学というところは、理性と良識の府ということでもって成り立っておるのでございまして、私はこのようなものがもう学生であるというその基礎条件をすでにもう失しておる、失ってしまっておる、こういうふうに考えるわけでございまして、これに対しましては、断固たる措置がなされなければならないというふうに考えておる次第でございます。また、このような原因等につきまして、従来、昨年のごときは七十五、六の大学がゲバ学生によって占拠されたり、そしてまじめな教育、研究というものがなされなかった状況にございますが、これも一面におきましては、やはり大学当局のきびしいこの暴力に対する心がまえと申しますか、大学のあるべき姿ということに対して、社会的責任ということについて考えさせられるところが多かったと思うのでございます。しかし、先ほども申しましたように、漸次この大学紛争を通じましても、大学当局はそのようなき然たる態度を持ち始めつつあることは、一面において私は喜ばしいことだと考えておるわけでございますが、しかし、このような学生が出て来たということを考えてみますると、やはり高等学校、中学校、小学校あるいは家庭教育等にも遠因があろうかと思うわけでございまして、やはり人間性の教育ということにつきましては十分今後心がけてまいらなければならない課題であるというふうに考えておる次第でございます。
#143
○安永英雄君 まず三つほど要望をしておきたいというふうに考えます。別に答弁は要らない。それは産学協同という問題について先ほど意見が出ましたし、答弁がありました。私はこの産学協同という問題を、この大学の当面の問題として、この問題が大きくクローズアップをされてきたというその背景をよく考えて、私どものほうとしては冷静にこの産学の問題については取り組まなければならぬというふうに考えておるわけです。もちろん、さきの答弁で、結局ガラス張りの運営をやりたいとか、あるいは収支明確でないので、その研究委託費の問題等については明らかに今後していく、こういう点をおっしゃいましたけれども、私はやはり問題にしなければならぬのは、大学の学問の自由という問題と自治というものとのかかわり合いが非常に大きいから、私は問題に今日までしてきたし、今後明らかにしていきたいと思うのです。結局現象的には、産業界から研究委託費が入ってくる、これをチェックしていくという、これも一つの方法だと思いますけれども、この産学協同という問題がいま表面に出てきたその背景というものは、何といってもやはり基本的にはこの大学の研究の自由という問題と自治という問題にこの問題が変わってきておるんだという認識を持っているから私どもとしては非常にこの問題を問題にするわけです。ここで時間をかけてやる気持ちはありませんけれども、ただ単に、今後の産学協同の問題を、先ほど大臣がおっしゃったような、あるいは局長がおっしゃったような、この研究委託費のチェックだけで片づく問題ではないというふうに基本的には考えておるわけであります。具体的には私も次の決算委員会ではこの問題を、そこで取り上げてみたい。また相当の資料も手に入れましたから、問題にしたいと思うのですけれども、要するに、やはり大学の研究テーマの設定あるいはカリキュラム、こういった問題に大きな影響を及ぼしておる。あるいはまた実際に調べてみると、国のほうから出る研究費というものとこの研究委託費との比較等を見ましても、とにかくある大学のごときは、国から出る研究費の数倍に当たる委託研究費が入ってきておるし、よくよく調べてみると、その委託研究費が入ってこないと研究ができない、こういった言い方も当局はするわけです。私は、そういったことで、ただ単に、入ってくる金額をチェックするということでなくて、積極的に現在の大学においてこの産業界の要請に従って研究という問題が、大学の研究の自由と自治という問題を侵してはいないかという立場から、私は文部省当局としても御検討を願いたい、調査をお願いしたい、そういう要望をしておきたいと思うのです。
 まだまだ実例をあげるとたくさんありますけれども、私の感じた考え方では、昨年の六十一国会で大臣もこの問題について私が質問したときには、産学協同は推奨すべきものだということばもおっしゃったのでありますけれども、これは大臣が先ほどから答弁されるように、大学それ自体が社会に対する還元であるという、こういった任務を持っているし、大臣が少なくともおっしゃっている範囲においては、これは私はあまり異存はない。多少一部食い違うところもありますけれども、異存はない。しかし、こういった現在の状態の中で、大学の自治、学問の自由、こういったものがカリキュラムの編成なり研究テーマの設定なり、あるいは年間の研究活動そのものに現在私どもとしては支障を来たし侵害をしておるというふうな状態までいっておるんじゃないかという疑いを持って私どもこれは言っておる、警鐘を鳴らしておるわけですから、この点については文部省当局も、先ほどもありましたように、そういった研究費が実際どれくらい入ってきているか、これあたりも非常に不明だ、こう言っておられるし、私学の関係のその納入金、納付金等についても非常に例を幾つかあげられましたけれども、これは応新聞に出たくらいのところをおっしゃったようでありますけれども、全国的にそういった問題がたくさんあるので、そういった問題と関連をして、やはり詳細に、私が申し上げた大学の現在あるべき姿というものが、私どもしょっちゅう言うけれども、どのような形で企業、産業界の研究委託という問題が響いているのかという問題は、率直にひとつ検討をしていただきたい。私はここであえて論争するとか、大臣の答弁を求めるとかいう気持ちはありませんけれども、これは長く私どもとしても追及していくつもりなので、そういった形で御準備を願いたい。
#144
○国務大臣(坂田道太君) ちょっと……。
 先ほども中村先生から同様な御質問がございましたので、先生のお話だけで速記録に載っては困ると思うのです。申し上げたいと思いますが、先生のおっしゃる意味におきまして委託研究費の収支がはっきりしないじゃないか、あるいはそれが大学の自治を侵しているのじゃなかろうかという御疑問、これは当然いろいろ私はあると思います。でございますれども、基本的に申しますと、いかにもお話を聞いていると、そういう産学協同の形において委託をすることがすべて悪いのだ、こういうようなことではないと思いますけれども、もしそう、だとすると、それは間違いじゃないかと私は思うので、むしろ学問の自由というものがどうして行なわれなければならないのか、これは憲法に保障されておる学問の自由でありますから、同時に、その学問の自由を裏づけるために大学の自治というものがあるのだ、こういうことかと思うのです。しかしながら学問の自由というものの観点に立って学問を進めていくためには、単に大学というものが閉ざされた大学ではいけないのであって、こういうようなビッグサイエンスの時代、社会の目まぐるしいいろいろな発展をする段階においては、むしろそういう産業界の要請や、あるいは地方自治体の一般的要請や、その他のいろいろの課題について、やはりこういうようなことを研究していただきたいということは積極的に行なわれなければ、むしろ私は学問の発展というものはあり得ないのだ、それが従来の大学というものは門を閉ざしてしまっておったのじゃなかろうか、むしろ積極的にそれを受け入れるべきである、しかしながら学問の自由というものは厳としてあるし、同時にそれを保障するところの学問の自由、大学の自治というものを無視した形において一営利会社の、ある特定の薬のためにのみ奉仕するような大学の研究であってはならないのだと、こういうことを明確にさえすればむしろどんどんこれを受け入れてしかるべきなんで、実際それに対して大学当局が何かこわいがためにいかにも自治、自分たちの自主性がないかのごとくに思われておる。今日の大学といえども、いろいろ私は心配はしますけれども、それほど大学の自主性を侵しているとは思っておりません。ですから、その辺の収支等をぴちっとし、そうしてガラス張りのルールというものを大学側と、一般企業あるいは一般社会の要請に対するルールというものをひとつここでつくりたいと考えておるわけで、むしろそれは学問を進めるために必要なことである、あるいは同時に学問の自由を守ってもらいたいし、そしてそれを裏づけるための大学の自治、つまり自主性というものを持っていただきたい。そういうことが大学の側にもちゃんとして、厳としてあると同時に、一般社会も企業のほうも大学側のアカデミック・フリーダムということは十分心得てそういうような委託研究をやってもらいたい、こういうのが私の基本的な考え方で、この点についてはおそらく安永先生と私とは意見の相違はないのじゃなかろうかということだけを申し上げておきたいと思います。
#145
○安永英雄君 先ほどの産学の問題について答弁されたのでありますけれども、いまおっしゃった点で私もこの産学協同に取り組む考え方の基本というのがはっきりいたしましたし、私もそこにおいて今後検討をしていきたい。大学の自治、学問の自由、これを侵すか侵さないか、こういった問題を基準にして産学協同の問題は考えていきたいという大臣の答弁でありますので、そういったところから私も今後この問題については検討していきたいというふうに考えます。
 次に、海外派遣の問題について、どうもわかりませんが、これも時間がありませんから答弁も要りませんけれども、目的とそれから具体的計画、これを明確に早く示してもらいたいと思います。これはある面では外国に行って新しい文化を見てくるのだ、または振り返って日本をそれによって見詰め、見直すのだ、こういう話があるかと思えば、文部省の見解じゃありませんけれども、出発する事前に十分教育をし、帰ってきたら核の分裂するごとくそれが伝達されるように、これは文部省の考え方ではありませんけれども、そういう意図がもしもあるとすれば、そこまではっきり出してもらわなければ、これはなぜ出すのかという問題はそのつどつど、あるいは予算委員会等であるいは文教委員会等ではっきりしたものが、予算は出ていますけれども、これを何のために使うのかという問題については従前から明らかでなかったと私は思う。五百人もの人間をいまから出すというのですから、いままでは多少数も少なかったしあまり明確にもなっていなかったんでもよかったかもしれない。いままでは校長さんの慰労の意味でパリ見物をしてきなさいということでよかったかもしれないけれども、もうこんなに五百人も出していく、私どもは反対ですけれども。これだけのものがあるなら当面やらなければならない問題はたくさんある。これ自体がいいとか悪いとか私は言っているわけじゃありませんけれども、ここで論議するつもりありませんけれども、五百人の人間を出すのですから、目的、それから具体的計画、これについては早急にひとつ示していただきたい。
 次に、提案されております国立学校設置法の改正の問題でありますが、まず第一番に、この国会という場と国立大学を設置するという関係でありますが、いまの法律からいきますというと、国立大学の学部、あるいは大学院の設置という問題については国会にはかって、そうしてこれが議決され、予算も通過する。それからこれが具体的に設置ということになります。私立学校の場合は、これは私立大学審議会にはかっていくわけでありましょう。で、先ほどの局長の答弁にありましたように、大学設置審議会の決定したものを、文部大臣としてはこれは何という表現を使われたか知りませんけれども、とにかく信用して、そして国会に提案をしたのだ、こういうふうな形で、いわば大学設置審議会にいま一任という形、そして大臣がそれを信用されて提案をされる、こういうような形になっておりまして、で、国会においてわれわれが最終的にこれを決定をするわけなんですけれども、ずっと長い間の経過を見てみますと、私はきめる限りにおいては、少なくとも審議会の審議した経過、こういったものもつぶさに提案と同時にやはり出す、あるいは、たとえば秋田大学ができあがった、その完成するまでの計画というものがこういう計画なんだ、経費もこうなんだ、これはいままでの質問でもこちらが聞かなければ、薄っぺらな原案がぽんと出まして、そして従前の会議録を見ますというと、もう簡単に、これはいわば軽視じゃないかというぐらいな形で通っていっておる。大臣も信用するという立場でこれを出されておる。私は、国会のわれわれの責任がそれで果たせるのかという気持ちにもなるわけです。しかも考えてみると、たとえば秋田大学の問題については、一年前に、準備資金というものがちゃんと前年の国会で予算として通っておる。それから一年たっておる。したがいまして、この点については年間とにかくこれについての審議のできるような形がとれないものか。そしてわれわれがこの国立学校の設置を決定する責任が十分に果たせるような仕組みにはならないものかというふうに考えるわけだ。たとえば、これは長くなりますけれども、いまから、きょう委員会で決定をし、あしたの本会議でこれが可決される、こういったとします。そうすると、それから秋田は生徒募集をやる。昨年の三重工学部の設置も六月までいったという状態なのです。そうするとさきの話じゃありませんけれども、非常に国立学校の、たとえば医学部に入学したいという全国の志願者、これは私立を問わずほとんど試験が終わっておりまして、あと三校私立がある、そうすると秋田大学に一校ある、これはたいへんな競争率でありますから、私はおそらく秋田のこの大学の生徒募集をやった場合には、全国からわっととにかく押し寄せてくるだろうと思います。そうなりますと、秋田のほうの地元の要請としては、やはり秋田に、雪をかき分けても、山間僻地まで行ってくれるような地元の医者がほしい、そのためには、たくさんの県費も出して、ひたすら今日まで設置を望んでこられた、ところが実際に試験をしてみると、はたしてどういうかっこうになるだろうかというような気持ちもするわけです。したがって、かつて変則的な例もあったらしいのですけれども、国会の議決がない前に、一応文部省の指導として、内々に何か生徒をある程度選定した、国立大学の試験日等に合わせて、ある程度やったということも聞いておるのですけれども、その問題はさておきまして、私としてはもう少し内容について検討をし、責任のある結論と、こういったものを出さなければならない、こう思います。場合によってはこの審議会等で相当の議論等をやられ、文部大臣もそれを信用されて、ある場合には国会あたりで、そういう会期の問題とか何とかの問題で、これが可決を見なかったなんていうような形になりますと、それは一年間延びていくというような重大な状態も考えられます。そういった点をわれわれが十分に審議できるという問題について、何かくふうはないかという気がするのですが、何か考え方はありませんか。従前どおり法律的にのみいかざるを得ませんか。
#146
○国務大臣(坂田道太君) 私は国会で十分審議していただくことは非常に重大なことだと考えているわけでございます。それから、この設置基準のことにつきましては、これはもう一応基準に合うのか合わんのかということについての御検討でございます。私はそれは尊重しなければならないというふうに考えるわけでございます。そこの段階でいろいろ先生のところに御審議をわずらわすということは、これはなかなかそこまでいけるかどうかというふうに私は思うわけでございますが、また一面におきまして、私たちが秋田大学にこれを設置すると、もちろん去年は準備調査費というものをつけたわけでございますから、今年は必ずと思っておりますけれども、実はその間予算折衝がございまして、場合によっては今年設置できないという場合も実はあるわけなんでございまして、その辺のこともございまして、やはりわれわれとしては皆さん方にお願いをするのは、大蔵原案ができて、政府案として決定をされたのちでございます。したがいまして、また国会におかれましても、できれば衆議院の段階にかかっている間に、参議院のほうでも予備審査というような制度はあるわけでございますから、もし、そういう形で御審議をいただくならば、私のほうは喜んで時間の許す限り参りまして御説明を申し上げたいと、かように考えておる次第でございます。
#147
○安永英雄君 そういう考え方ならば、ひとつ今後の問題でありますから、特に学制改革を企図されておりますし、今後相当われわれとしては国立大学の問題については、精力的にこれは審議しなければならぬと思いますが、ここで一括して要望しておきますが、大学設置審議会の審議の経過、この記録、あるいはこちらからあまり、どんなふうな予算を出したのか、こうやったのかということを聞かなくても、十分審議研究できる資料をひとつ今後の問題として整えて提案をしていただきたいということを要望しておきます。
 次に、定員外職員の問題について質問いたしますが、去年の六十一国会で定員法が強行採決されて、強行突破されたわけで、われわれもこれについてはずいぶん反対をしたわけでありますが、今後、昨年から三年計画で五%削減という形がとられておるようでございますが、現在定員法に基づいてまず初年度として今日までどれだけの削減をされたのか。これはもう国家公務員全般は要りません、大学関係の職員であの定員法によって現在までに何人職をやめた人がいますかということです。
#148
○政府委員(安嶋彌君) 職をやめた者が何人いるかというお尋ねでございますが、御承知のとおりこれは欠員不補充の措置でございまして、職をやめた者はございません。
#149
○安永英雄君 それは、しかしおかしいと思うんですよ。それでは聞きますけれども、あの定員法に基づいて大学の定数について、その数の割り当てをどのようになさいましたか。これは未補充の分を持っていくというんじゃなくて、実際になま首飛んでいるんですよ。資料がなければ時間もありませんから、出してもらいたい。
#150
○政府委員(安嶋彌君) これはただいま申し上げましたように、欠員の不補充ということでございまして、なま首を切っているということでは絶対にないのでございます。ただ先生御承知のとおり、一定の基準によりまして各大学に――これは助手でございますが、助手と事務職員、技術職員でございますが、一定割合で削減数を割り当てておりますが、国立大学におきましては相当数の欠員もあることでございますので、その間のやりくりによりまして、現実にある者がやめさせられるという事例はこれは全くございません。私どもそのようなことをしないようにということを指導いたしております。かりに割り当てをいたしました定員削減が行なわれない、つまり減員があってそれが行なわれないというような場合には、それを繰り延べるような措置をとっております。おっしゃるような事態はないわけでございます。
#151
○安永英雄君 これは官房長のほうで言っておられる定数というものと、昨年来定員外という形でおった者と、法的に言えばあなたのほうは切っていないとおっしゃるけれども、事実上やめていっているというのがあるわけです。多少食い違いがありますから、それはあとで明らかにすればいいことなんです。私はあなたのおっしゃっている一人も切っていないという範囲はわかります、わかりますけれども、私の言っているのは多少範囲が広いわけです。
 そこで定員外のいま職員、こういったものは現在何人おりますか。
#152
○政府委員(安嶋彌君) 昭和四十四年の七月一日現在の調査によりますと、国立学校関係では一万三百二十九名という報告がございます。
#153
○安永英雄君 これらの人の給料というのはどこから出ているんですか。
#154
○政府委員(安嶋彌君) 校費でございます。いわゆる庁費のたぐいでございます。
#155
○安永英雄君 校費の中からほとんど出ているということですから、問題は人件費の出どころが校費という形をとっておりますから、学校、大学当局にとってはいわゆる校費の中からこれを、人件費を次々に出せば、校費全般として非常に苦しくなる、こういった状態が出てくるだろうと思うのです。そこで積算基礎としては、大学に校費として出す場合はこの人件費の問題はどんな形で出しているんですか、いわゆる数と単価の問題です。
#156
○政府委員(安嶋彌君) 財源でございますが、御承知のとおり教官当たり積算校費でございますとか、学生当たり積算校費でございますとか、一般の校費でございますとか、その他校費の内訳は、これは積算的にはいろいろあるわけでございますが、その全体の校費のワク内からこの財源が支出されているということでございまして、特別に定員内職員と違いまして、単価掛ける員数といったような、そういう形はとっていないわけでございます。
#157
○安永英雄君 そこらが非常に問題なんで、私から言わせると、この定員外の職員については給与の面を見てもあまりに人間扱いをしていない。とにかく校費の中のどっかに入っていますから、そこの中から、十ぱ一からげで渡しますからその中で使ってくださいというやり方は、これはあまりに大学の現場を知らなさ過ぎるのではないか、特に設備、施設、こういったものは年々ふえていっておる。どかんとくるわけです。それに要する人員というのは削減の方向、あるいは足踏みの方向、こういう形でありますから、定員外の職員といえどもこれは実際学校におらなければならぬ人、こういう状態になっておるのです。ところが実際にはこの身分の問題やあるいは給与の問題、その他権利一切が非常に差別をされておる。人件費そのものだって校費の内に入っていますよというような、投げやりでやっておるくらいですから、この点について私非常に不満があるわけです。実際にはもう大学の中で定員外であろうと内であろうと同じ仕事をやり、むしろ四年も五年も継続してやっておる人あたりは、もうなくてはならない人なんです。ところがそういう人たちに対して私はあまりに差別的なやり方をしておるというふうに考えますが、この点について昇給はどう取り扱っていますか、実態として。この人たちについて。
#158
○政府委員(安嶋彌君) 御承知のとおりこの定員外職員の任用の予定期間は六カ月以内が原則でございます。六カ月をこえる場合でございましても十二カ月未満、それが年度をわたります場合には、その年度をわたります際に若干間隔をあけて一旦それを切る、切ると申しますのはこれは三十二年の閣議決定にもございますように、こうした職員の定員、何と申しますか、それが定員的なものとして定着していくことを防止するという趣旨からそのようなことをいたしておるわけでございまして、そういうふうに任用の期間というものはこま切れになっているわけでございます。
 昇給でございますが、一般の職員でございますと、継続的な雇用関係にあるわけでございますから、一定の年限が過ぎれば一定の基準に従って昇給をするわけでございますが、この日々雇用職員につきましては、一般の職員の場合は十二カ月で昇給をいたしますのに対しまして、定員外職員の場合は十八カ月で再雇用の場合は昇給をする、こういう扱いをいたしております。
#159
○安永英雄君 年休の取り扱いはどうなっておるか。
#160
○政府委員(安嶋彌君) 年休の取り扱いでございますが、これは人事院規則の一五−四に、「非常勤職員の勤務時間及び休暇」に関する規則がございまして、これに基づいて処理をいたしておるわけでございますが、これも一般の常勤の職員と違いまして、勤務六カ月以上の場合に三日の有給休暇が一年間に与えられるというような扱いになっております。
#161
○安永英雄君 期末勤勉手当と、それから退職金についての取り扱いは現地ではどうなっておるか、把握しておりますか。
#162
○政府委員(安嶋彌君) 期末勤勉手当は一般職員と同様でございます。それから退職手当はただいま申し上げましたように、短期にきめておるわけでございますから、通常の職員の場合のように、長年勤続をしたという場合の、何と申しますか、割り増しというような扱いは受けていないということです。
#163
○安永英雄君 そうすると、期末のこの手当は一般と同じでなければならぬわけですね。そうするとこういった取り扱いをしていないところは当然やらなければいけないわけですね、それだけ聞いておけばいいわけです。
 それでは退職金の関係について。
#164
○政府委員(安嶋彌君) ただいま申し上げましたとおり、期末勤勉手当は一般の職員と同様に支払われるべきものでございます。
#165
○安永英雄君 まあ、そうお答えになればけっこうなんです。これは私のほうで調べてみます。
 そこで年休並びにこの国民の祝日の問題も、非常に定員内の職員と大きな差がありますね。祝日はどれくらいとっていますか。祝日は全部有給になっていますか。
#166
○政府委員(安嶋彌君) 祝日は、これは常勤職員の場合におきましても勤務を要しない日になっているわけでございますが、日々雇用職員につきましても同様に取り扱っております。
#167
○安永英雄君 私の言っておるのは有給かどうかということです。休みなんですよ、当然。それはだれだって休みます。祝日のときに休みますが、有給になっているかどうか。
#168
○政府委員(安嶋彌君) 休日給は支給はいたしておりません。
#169
○安永英雄君 全く、この祝日は支払っていないわけですか。
#170
○政府委員(安嶋彌君) 勤務の実態がないわけでございますから、支払っておりません。
#171
○安永英雄君 これは他の省、ひとつぜひ調べてもらいたい。文部省だけですよ。他のところは、国民の祝日等については、それぞれたとえば農林その他、幾ばくの日にちをとにかく設定して――それもおかしいんですよ、天皇誕生日と何とかはいいけれども、他のところは無給にしているという理屈も立たないけれども、祝日の何回分かは有給にしている。文部省だけはこの問題については厳格に祝日を有給にしない、こういった点については、他の省との関係もありますから、文部省としてもこれについては多少検討したらどうか。これはあまりに不平公ですよ。この点どう考えておられますか。
#172
○政府委員(安嶋彌君) 各省の状況も調べて、十分検討いたしたいと思います。
#173
○安永英雄君 もう時間もありませんが、総じて官房長のほうに検討願いたいのは、たとえば農林で、山の中に入っていって木を切る、こういった人を、たとえば季節労務者みたいに、あなたのおっしゃるように六カ月とかあるいは一年とか、こう区切ってやって、人がかわりましても何とかやれるんですよ。人がかわりましても木を切るぐらい何とかやれますけれども、各大学におけるこういった定員外の職員、こういった者は、先ほども言いましたように、もうどうしてもこれはおらなきゃならぬし、ある面では教授、助教授以上の能力を持っているし、仕事をしている。それでずっと続けておる、こういった人あたりはたくさんおるわけです。非常に他の国家公務員と違った特性を持っている。したがって、私は他とのつり合いというよりも、むしろ文部省関係における定員外の職員というものについては、特殊な事情として、私は一般の職員というものと差をつけるべきでないと、私は実際の実態を見ている。そういった点について官房長の今後のこの問題について、定数はどんどん切っていくが、しかも内容についての優遇措置、こういったものはほとんどないし、ある面では他の省よりも悪い、こういう待遇をしているというふうに私は見ているわけですが、どうお考えになりますか。
#174
○政府委員(安嶋彌君) ただいまお話でございますので文部省関係の日々雇用職員の勤務の実態並びに各省における取り扱いの実例等を十分調査をいたしまして検討を進めたいと考えます。
#175
○安永英雄君 最後に、電波高校の高専昇格の問題についてお尋ねいたしたいと思います。私も詫間の電波高校にもまいりました。そうしてあそこで事情もよく聴取したわけでありますけれども、先生もそれから生徒もあるいは地元の方々も、あらゆるところをあげて、この昇格について大きな希望を持って、そして建設をされている実情を見てまいりましたけれども、昨年の国会において質問しましたときには、おそらく四十五年は発足できるだろう、昇格できるだろうというふうな御答弁もいただいたようでありますが、現に実現していない。こういう実情で地元も非常に落胆をいたしておりましたが、これはまあ詫間だけじゃありません、熊本にもありますし、いろいろありますから、これをどういうふうに取り扱うべきだというふうに考えますか、これはどうしてことしおくれたんです、昇格ができなかったのか、その原因と、それから今後、この電波高校の昇格問題についてはどういう見通しを持っておられるか、お伺いしたいと思います。
#176
○政府委員(村山松雄君) 電波高校は御指摘のように詫間、熊本、仙台、三校ございます。これは商船高等学校が高等専門学校になりました際の国会の御意向もありますし、それから高等専門学校審議会の検討結果もありますし、一緒に高等専門学校レベルになりましたものと考えて準備を進めたわけでありますが、詫間を除きます他の二校は、敷地が狭隘で高等専門学校の基準を満たすことが困難であるということから、敷地の入手をまずもって努力をしなければならぬことに相なりました。そこでこの二校を見送りまして、四十五年度は敷地について問題のない詫間の電波高校の昇格問題だけを予算に要求したわけでありますが、事柄の性質上三校同一レベルと考えるべき問題につきまして、敷地不十分とはいえ二校が歩調がそろわないというようなこともありまして、予算獲得に私ども、端的に申しまして努力不足ということでおわびを申し上げなければならぬわけでありますけれども、詫間電波高等学校につきましても認められなかった。他方、他の二校について敷地獲得の見通しもだんだん明るくなってまいっております。そこでいまの段階といたしましては、他の二校の敷地の準備を四十五年度中に整えまして、四十六年度には事柄の筋どおり三校一緒に高等専門学校にできるように努力いたしたいと思います。
#177
○委員長(楠正俊君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。
 永野君から委員長の手元に修正案が提出されておりますので、この際本修正案を議題といたします。
 まず、修正案の趣旨説明を願います。永野君。
#179
○永野鎮雄君 私は各党を代表して、ただいま議題となっております国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する修正案について御説明申し上げます。
 まず、修正案の案文を朗読いたします。
    国立学校設置法の一部を改正する法律案に対する修正案
  国立学校設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  附則を次のように改める。
    附 則
  この法律は、公布の日から施行し、昭和四十
 五年四月一日から適用する。
 以上でございます。
 修正案の趣旨は、本法律案の施行期日がすでに経過しておりますので、これを公布の日から施行し、昭和四十五年四月一日から適用することに改めようとするものであります。何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
#180
○委員長(楠正俊君) それでは、原案並びに修正案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論は結局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。
 これより国立学校設置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。
 まず、永野君提出の修正案を問題に供します。本修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#182
○委員長(楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#183
○委員長(楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は全会一致をもって可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#184
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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