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1970/02/24 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第3号
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1970/02/24 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第3号
昭和四十五年二月二十四日(火曜日)
   午後零時二十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         栗原 祐幸君
    理 事
                小林  章君
                沢田 一精君
                成瀬 幡治君
                鈴木 一弘君
                瓜生  清君
    委 員
                青木 一男君
                青柳 秀夫君
                岩動 道行君
                大竹平八郎君
                鬼丸 勝之君
                今  春聴君
                丸茂 重貞君
                矢野  登君
                松井  誠君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                上林繁次郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵大臣官房長  近藤 道生君
       大蔵省主税局長  細見  卓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
 (当面の財政及び金融等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。
 当面の財政及び金融問題等について、福田大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福田大蔵大臣。
#3
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、第三次佐藤内閣の発足にあたりまして、また引き続いて大蔵大臣に任命されましたので、いろいろ何かと御指導にあずかることがあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。
 私の考え方につきましては、もうすでに皆さん御承知のとおりでありますから、重ねて申し上げませんが、ただ、私非常に心配しておりますのは、景気の問題なんです。ちょっとこう行き過ぎじゃないか、その点を非常に心配をいたしておるわけでありまして、何とかしてこれを少しスローダウンさしてみたいと、こういうふうにまあ考えておる次第でございます。金融財政、まあその両面においてそれを実現したい、そういう基本的な考えをもっていま取り組んでおる次第でございます。
 金融につきましては、昨年の九月から金融調整政策をとりまして、これは金融自体としてはかなり浸透しておるように見ております。ただ、これが実体経済面にまだ浸透しない、こういうのが実情かと、こういうふうな見方をいたしておるわけであります。それで、これがどういうふうに実体の経済に浸透していきますか、経済団体とも話しておるのでありますが、でき得ますれば経済団体の自主的な調整によってこれが実現をすると、こういうふうな形になりますると非常にいいのではないか。
 つまり、設備投資が非常な勢いである。昨年のごときは、設備投資が、その前の年に比べまして二五%もふえると、こういうような状態であります。ですから、成長の高さ、速さ、これは非常なものであります。この勢いを続けますと、五年間ぐらいで日本の経済のスケールはまた倍になるという勢いでありますが、そういう状態下では、いままでの日本経済でありますれば、国際収支が制約となりましてその成長をはばむということになったわけでありますが、幸いに国際収支のほうは良好であります。ところが、労働需給の問題、これがいままでとは非常に違った様相を呈してきております。また、成長に必要な資源、これにも制約要因が出てくるというふうに思われます。また、さらに、これらの生産された品物の輸送の面におきましても制約が出てくる。つまり、なだらかな成長でありますれば、今日のわが国の休眠労働力を開発するということで労働の需給はうまくいくだろうと思います。しかし、あまり急速に経済が成長発展しますと、労働の開発、流動化というものがこれに追いつかないと、こういうような問題が出てくるのではあるまいか、また、出てくるであろう、こういうふうに思われます。それから、すでに資源面におきましても、非鉄金属なんかにもいろいろな隘路が出てきておるのであります。また、製鉄は、たいへんな旺盛な発展を示しておりまするけれども、製鉄用石炭の入手というようなことにも問題が出てきておるような次第でございます。そういう諸問題が非常にむずかしい。それから、そんな五年間に倍の品物ができましても、輸送手段というものはとうてい整わない、こういうふうに思われるのであります。
 その他いろいろこの急成長に伴うところの問題が出てくる。特に、一番問題は、物価の問題になってくると思うのです。これは、それらの制約条件と関連を持ち、労働需給のこと一つをとらえてみましても、労働の需給が逼迫いたしますれば、どうしたって賃金は上がる。賃金は上がれば、これはコスト要因として物価の上昇を招く。また、そういうことですから、悪循環という過程に入ってこざるを得ない。
 こういうことを考えまするときに、どうしても
 いま国の総需要というものを抑制することが非常に大事な問題になってきていると思うのです。この総需要の抑制に成功いたしますれば 国際収支が非常に好調でございますので、成長政策を長きにわたって続けることが可能になる。そうなりますると、七〇年代ということをよく言いますが、七〇年代の日本の経済のスケールというものは、かなりの規模で、しかも着実になっていく。そして、こういうなだらかな成長下におきましては、物価の問題を解決することも可能な基礎的な要件を整えることができまするし、また、私は演説でも申し上げましたように、量的成長の六〇年代から質的成長の七〇年代ということを申し上げましたが、そういうことに配意しながら、福祉国家の建設ということが可能となり、しかも、国際社会における日本の経済力はたいへんなものになってくるだろうというふうに想像されるのであります。おそらく、一人当たりの国民所得というようなものにつきましても、これは優に五本の指の中に入り得る、あるいは二、三位というところまで進み得るのではあるまいか、こういうふうに考えます。
 そういうようなことからも、何としても一番大事なことは、今日、経済を過熱化させないことであるというふうに考えておるわけでございます。そういうことからいろいろまた皆さんにもよく御教示にあずかりたいと思います。
 私の初心につきましては、お手元に書いたものをお配りいたしておりますので、またごらんを願いたいと思いますが、私は皆さんの御教示のもとにずっと大蔵行政を担当してまいりましたが、この委員会において皆さんからいろいろの御教示にあずかります諸点につきましては、つとめてこれをそしゃくし、また理解し、またできる限りこれを行政の中に実現をいたしていきたいと、こういうふうな努力をいたしてまいっておるわけであります。まあできる限りのことをやったというふうに申し上げ得ると思うのです。ただ、一つ、この前の国会におきまして、入場税につきましてぜひ四十五年度におきましてはこれが減税の実現をいたしたいということを申し上げたわけでありまするが、物品税その他の関係、つまり物品税につきまして一切引き下げを行なわないという基本方針をとったわけであります。そういうさなかにおいて入場税の引き下げを行なうというと、その物品税の原則に非常な混乱を生ずる雲行きがありましたので、まことに残念には思いましたがこれを見送ることにいたしたわけであります。ただ、私も前から申し上げておることでもございますので、何とかしてこれはなるべく早い機会に実現をいたしたいと、かように考えておりますので、御了承を願いたいと、かように存ずる次第でございます。
 何とぞよろしくお願い申し上げます。
#4
○委員長(栗原祐幸君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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