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1970/04/02 第63回国会 参議院 参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第13号
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1970/04/02 第63回国会 参議院

参議院会議録情報 第063回国会 大蔵委員会 第13号

#1
第063回国会 大蔵委員会 第13号
昭和四十五年四月二日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         栗原 祐幸君
    理 事
                小林  章君
                沢田 一精君
                成瀬 幡治君
                鈴木 一弘君
    委 員
                青木 一男君
                青柳 秀夫君
                伊藤 五郎君
                岩動 道行君
                鬼丸 勝之君
                津島 文治君
                中山 太郎君
                丸茂 重貞君
                矢野  登君
                松本 賢一君
                上林繁次郎君
                渡辺  武君
   政府委員
       外務省経済協力
       局長       沢木 正男君
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵省主計局次
       長        船後 正道君
       大蔵省主計局次
       長        竹内 道雄君
       大蔵省国際金融
       局長       奥村 輝之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       運輸省航空局監
       理部長      川上 親人君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○空港整備特別会計法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府
 等に対する譲与等に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に
 伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(栗原祐幸君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 空港整備特別会計法案、経済及び技術協力のため必要な物品の外国政府等に対する譲与等に関する法律の一部を改正する法律案、及び国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、これより質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言願います。
#3
○鈴木一弘君 前回御要求をいたしましたことに対して資料をいただいたわけでありますが、これを見ますと、空港の付帯施設としての空港ビルであるとかあるいはホテル等につきまして、欠損が出ているところもありますけれども、利益があがっている、配当についてもかなりのものが出ているところもございます。そういう点で、減価償却等にかなりのものが向けられているところがあります。それを見ると、この単価の設定が、なるほど前回の答弁では法律上問題もないというふうに思いますけれども、安きに過ぎないだろうか。この点での収入の増というものもはかるということが特別会計をつくるにあたっての非常に大事なことだろうと思います。その考え方をまず伺いたい。――上げる必要がないかということです。
#4
○説明員(川上親人君) 先生御指摘のとおりに、この土地使用料金につきましては、いままでおおむね三年に一回ということで単価改定が行なわれてきたわけでございます。四十五年度を初めといたしまして、今後三カ年間にわたりまして大規模な大幅な改定をしたいということで、現在大蔵当局とも御相談をしているところでございます。
#5
○鈴木一弘君 三年に一度の改定ですね。
#6
○説明員(川上親人君) さようでございます。
#7
○鈴木一弘君 これは私は不案内でよくわからないので伺うのですが、相続税の評価、これが変わっていくというのは三年に一度、それからこの契約は一年ごとということですけれども、年度の中途で変わったときも契約どおりのいわゆる使用料ということになるわけですか。そういうことはない、年度ごとに変わっていくわけですね。
#8
○説明員(川上親人君) 年度ごとに変わるということを原則といたしておりますので、年度途中に変わるということにつきましては、あり得ないことではないとは思いますけれども、原則的にないと存じます。
#9
○鈴木一弘君 私は、前回の対前年度の一・三六倍が限度であるというのが非常に疑問に思ったわけでありますが、その点についてもこの引き上げその他について十分考慮して会計の何といいますか健全性というものを保持できるようにしてもらいたい、これだけ要望しておいて、終わりたいと思います。
#10
○上林繁次郎君 いままですでにいろいろといろいろな角度から話がありましたので、なるべくダブらないように伺います。
 まず、最初に、五カ年計画ですけれども、いままでの進捗状況から見ますと、最終年度の昭和四十六年度におきましては全計画の三八%、約三百六十億円を消化しなければならない、こういうことになるわけです。いままでの各年度の実施高から見ますと、これは約二倍になるわけです。こういったものが最終年度の昭和四十六年度に全部消化できるかどうかということがちょっと疑問なんですけれども、その点についてひとつ伺いたい。
#11
○政府委員(藤田正明君) 上林先生のおっしゃるとおりでございまして、この五カ年計画の進捗度がおくれておることは、そのとおりであります。まあそういう航空事情が、需要が非常に多くなりまして事情が変わってきたということがこの四年間の間にあるわけでございまして、来年の四十五年度末におきましてあるいは新しく再検討を願わなければならぬのじゃないか、この五カ年計画の最後の一年を置きまして新しく再検討願うようになるのではないかと思っております。そうしてまた、それらをかね合わせまして今回の空港整備特別会計というものもお願いをしておる次第でございます。
#12
○上林繁次郎君 そうしますと、この計画は、昭和四十二年に策定されて五年間ということになったわけです。いま政務次官のお話の中にも、急速な航空機の進歩、需要の増大、こういったことから、その進歩が非常に速いわけですね。そうすると、この立てられた五カ年計画で現在のそういう需要に対処できるかどうか、こういったことも問題になろうと思います。航空機の発達高速化、こういったものにこの計画ではすでに間に合わないのじゃないか、こんな感じがするんですが、その点はどうなんでしょう。
#13
○政府委員(藤田正明君) それもおっしゃるとおりでございまして、この前も戸田先生の御質問に対して申し上げたのでありますが、この五カ年計画のうち、昭和四十五年度で消化するものが、債務負担行為を含めまして予算措置済みが七一%であります。七一%というものは確実に五カ年計画の四年のうちで消化できるわけでございますが、この一年間を残しまして三百八十億残しておるわけでありまして、これを実際にできるかどうかということよりも、事情が拡大し変わってきたわけでありますから、新しい計画をお願いしたほうがいいのではないか。その辺は現在検討中でありますので、ここではっきりとしたお答えはできませんけれども、前向きの拡大した計画を御提案申し上げるようなことに相なるかもしれないと思うのであります。
#14
○上林繁次郎君 次の問題は、航空機が大型化しましてそれで高速化してくる。そうしますと、必然公害という問題が起きてくる。その公害について、第二種、第三種空港、これらにおける公害、という問題について今後どういうふうな考え方を持っておられるか、伺いたいと思います。
#15
○説明員(川上親人君) 航空機騒音防止法によりまして、現在、騒音に対しましては、東京国際空港及び大阪国際空港がその騒音防止法の適用のある空港として指定をされているわけでございます。今後、いま先生おっしゃいますように、航空機の大型化、高速化が進むと思います。それに従いまして、その公害の程度、頻度を勘案いたしまして逐次これは拡大されていく可能性を持っているものというふうに私どもは判断いたしております。
 なお、ただいままでの現状におきましては、使用の頻度、それから公害といいますか騒音の強度、これらから見ますと、現在のローカル空港の状況は、まだそれほどの状況ではないように判断いたしております。
#16
○上林繁次郎君 私がお尋ねしているのは、現在たいした被害はないと、こういうことなんですが、今後急速にそういう問題が起きてくるのではないかということなんです。そうしますと、いまお話がありましたように、二種、三種空港というのは、その公害に対して国の補助援助を受けられない、こういう立場にあると思うんですね。そういった問題に対してこれからどういう方向で処理していくか、こういうことなんです。
#17
○説明員(川上親人君) 航空機騒音に一応限定してお答え申し上げたいと存じますが、航空機騒音に対する今後の私どもの考え方といたしましては、いわゆる空港計画、あるいはその空港周辺における整備を進めていくにつきまして、新しい空港をつくる場合でございますと、大型の空港はなるべく都心から離しまして、住民に直接騒音による被害を与えることのないように、そういったロケーションについての十分な配慮をすべきである、かように考えております。なお、滑走路の今後の延長、そういったことにつきましても、都心に向かって延長することをなるべく避けるように――安全というものとのかね合いということを考えなければなりませんけれども、その間の調整が可能な限り、都心部その他人口の密集する方向に滑走路を延長しない、他の方向に向かって延長するという方向で考えたいと存じております。
 それからなお、現実に飛行場に離発着するにつきまして、航空機の運航規制と申しますか、これについては二通りあると思いますが、入ってくる経路を指定をいたしまして騒音の被害をできるだけ軽減する方法をとりたい。なお、その騒音の度合いが激しくなります場合におきましては、時間的な規制をし、夜間ジェット機の使用を禁止する等、現在東京及び大阪についてとっておりますような対策はこれから全般的にやはり進めていかなければならないと存じます。
 それらの措置をいたしまして、なお東京なり大阪というような状況に近づいてくるようになりますと、騒音防止法に基づく各般の防音工事その他の対策を進めていかなければならないわけでございます。それらはまたその騒音防止法の規定に基づきます措置をその段階においてとることになるというふうに判断いたしておるわけでございます。
#18
○上林繁次郎君 次は、第二種空港は、地元の地方公共団体が二五%の負担をしなければなりませんね。そうしまして、第三種空港は、国のほうから五〇%の補助がある、こういうことです。第一種空港はもう問題ありませんけれども、そこで、第二種空港を建設するにあたっては、地元が二五%で、しかも、二五%の負担をするけれども、地元には何の収益もない。ということは、着陸料ももらえない。着陸料は国に入るから地元にはおりてこない。第三種の場合には、五〇%の補助を受け、しかも、着陸料等が地元に入る、こういうことなんです。非常に矛盾を感ずるわけです。まあ結論から言っちゃいますけれども、第二種空港に関する二五%の負担というものは今後これをなくしちゃったらどうかと、こういうふうに思うのですけれども、この点はどうでしょう。
#19
○説明員(川上親人君) 第二種空港は、空港整備法にも規定されておりますように、主要な国内航空路線に必要な飛行場として設置されるものでございまして、飛行場の設置によりまして地元も多大の利益を受けるわけでございます。したがいまして、いわば受益者負担という考え方でもってその利益の限度におきまして空港整備費用の一部を地方公共団体が負担するということとされておるのでございます。港湾でございますとかその他の公共事業の場合と大体類似のシステムになっているかと存じます。したがいまして、これにつきましては、今後も、二種空港を整備するとなりますと、やはり地方公共団体に負担していただくべき性質のものかというふうに考えておるわけでございます。
#20
○上林繁次郎君 その辺が、第三種空港はそれじゃ地元が利益しないかというと、やはり第三種空港においても地元の利益というものは考えられるわけですね。そうなると、二種空港も三種空港も同じじゃないかという感じがするわけです。それで、二種空港だけはそういう規定によって二五%も負担をしなきゃならぬ、その辺のところがちょっと納得できないんですがね。
#21
○説明員(川上親人君) 二種空港と三種空港との間の比較で考えてみますと、確かに、二種空港は、いま申し上げましたとおり、地方公共団体が二五%の負担でございます。これは、原則といたしまして、運輸大臣が設置、管理いたしまして、その設置、管理についての――設置といいますか、基本施設についての建設改良にあたりまして二五%の負担をしていただいているという現状でございます。三種空港の場合ですと、もっぱらそれが地方的な路線において必要な空港という性質を持っておりますので、その利益の程度が主として地方的なものであるという角度から、地方公共団体がこれを管理することが妥当ではないかと、こういう判断のもとに、三種空港は地方公共団体の設置、管理というふうに定めてあるわけでございます。したがって、その際の地方公共団体におきます負担そのものも、三種空港の場合におきましては五〇%というふうに定められておるわけでございます。一応バランスはとれているものだというふうに私は考えるわけでございます。
#22
○上林繁次郎君 まあバランスがとれているということですけれども、見解の相違かもしれません。
 それでは、次にいきますが、ローカル線の航空会社といいますか、この会社はどのくらい現在ありますか。
#23
○説明員(川上親人君) 現在ローカル線を運営しております定期航空会社といたしましては、全日本航空、それから国内航空、東亜航空、この三社でございます。なお、そのほかに、不定期といたしまして二地点間の運送を行なっているものとして、前横浜訓盲、現在横浜航空株式会社というふうに分離をいたしてございまして、その横浜航空株式会社というのが二地点間の旅客運送を不定期として行なっておる例がございます。
#24
○上林繁次郎君 その経営状態はおわかりでしょうか。
#25
○説明員(川上親人君) ただいま先生お話しの経営状態とおっしゃられますのは、前の横浜訓盲学院についての経営状態かと存じます。横浜訓盲学院の寄付行為の中に定められた一つの収益を目的とする事業といたしまして、航空事業が航空事業部の組織のもとに行なわれているわけでございます。この航空事業部について御説明を申し上げますと、不定期航空運送事業、貸し切り飛行、遊覧飛行、航空機使用事業と、単に旅客を運送する事業だけではございません、その他の各般の事業もやっているわけでございます。その事業の事業収支は、四十三年度について見ますと、約八千九百万ほどの収入に対しまして、一億七百万の支出、一千七百万の損失を計上いたしてございます。また、四十四年度につきましても、六千七百万の収入に対して九千六百万の支出がございまして、二千九百万の赤字を計上している状況でございます。
#26
○上林繁次郎君 今は横浜航空、前横浜訓盲ですか、これらの会社の経営状態が非常に悪いわけですけれども、公共の交通機関という立場から、これらに補助をしていくというような考え方はありますか。
#27
○説明員(川上親人君) 横浜訓盲が実施しております不定期路線といたしましては、たとえば新潟−佐渡という間の不定期路線がございます。これは、お客の多い時期だけその需要期にセスナの402型一機をもって行なっているわけでございます。これにつきましては、現在、新潟県の補助を受けて実施いたしております。国のこれに対する離島航路の経営についての赤字を補助するかと、こういうことでございますが、私どもといたしましては、今後の基本方針といたしましては、空港整備を促進いたしまして、セスナでない、より大型の採算性のある航空機を導入できるようにいたしまして、利用者の利便安全も増進させるという方向で、会社について見れば採算性を確保できるというような方向で措置してまいりたいと考えております。一地域内における不定期便の運航につきまして助成するという考え方は、ただいまのところ持っていないわけでございます。
#28
○上林繁次郎君 次は、私が言うまでもなく、航空機には最も安全性ということが強く考えられる問題ですけれども、そこで、ILS装置ですね、このILS装置は全旅客機に現在はついているわけですか。
#29
○説明員(川上親人君) 定期航空事業の用に供されております航空機につきましては、ILSの受信機は全部装備されております。ただし、その他の先ほど申し上げましたような使用事業でございますとかそういう小型機のものにつきましてILSの送受信機を持たないという飛行機は、これはまた別にかなりございます。小型機について主として多いかと存じます。
#30
○上林繁次郎君 そうしますと、大型の旅客機にはついておると、こういうことになりますね。そこで、この性能を発揮する――受け入れるといいますか、飛行場の体制、そういった飛行場のほうの体制はどういうことになっているんですか。
#31
○説明員(川上親人君) 現在、東京、大阪、それから名古屋、千歳、これらについてはILSがすでに設置されております。なお、現在空港整備五カ年計画に基づきまして滑走路を二千メートル級に延長しょうとしております函館、新潟、仙台、熊本、鹿児島、宮崎というようなところには、それぞれILSを滑走路の延長というものとあわせて整備するということで計画を進めております。
#32
○上林繁次郎君 五カ年計画を見ますと、やっぱり空港整備、滑走路の延長、こういったものが多いように思います。安全性という立場から言いますと、こういうレーダーから一歩進んだ安全装置というものを至急にやっぱり各機につけていくべきだろうと思うし、また、この性能を十分に生かすだけの飛行場の体制、このほうの整備も急ぐ必要があるんじゃないか。私が言うまでもなく、航空機の発展、高速化、ますます今後航空機というものが大衆化していく、そういう観点から、やはり航空機に危険があったのでは利用度の問題にも影響してきますし、一日も早く――次の五カ年計画が立てられるかどうかわかりませんけれども、そういう中にはこういった安全性という問題についての計画というものをもっともっと盛り込んでいく必要があるんじゃないか、こう思いますけれども、その点をひとつお答えいただきたいと思います。
#33
○説明員(川上親人君) 常々私どもも考えているところでございますが、航空行政上最も重要なことは航空の安全を確保することであるというふうに考えております。五カ年計画で進めております滑走路の延長、拡幅、そのこともまた航空の安全につながるものという認識のもとにも進めておるわけでございます。なお、航空機のさらに安全性を高め、定時に航空機の離発着を可能ならしめるようにする、このためには航空保安施設もさらに一段と飛躍的な整備をしなければならない点につきましては、ただいま御指摘のとおりだと存じます。今後の計画におきましては、十分これらの点を勘案いたしまして保安施設の整備に努力し、また、それに精力を集中すべきであると考え、そのような方向で計画を策定してまいりたいと考えておるわけでございます。
#34
○上林繁次郎君 安全ということについては、中途はんぱであってはならないんで、ますますその研究が進められていかなきゃならぬと思うんです。そこで、もう一歩進んだ自動着陸装置といいますか、こういったものに対する研究はどのくらいまで進んでおるのですか。
#35
○説明員(川上親人君) 同じILSの中でも、カテゴリー1からカテゴリー3までございます。いま羽田にございますILSといいますのは、大体カテゴリー1というものでございます。今後これが進みますにつれて、現在私どもが次の段階として考えていかなければならないものは、国際空港につきましては少なくともカテゴリー2くらいまでのグレードアップをはかっていきたいというふうに考えておるわけでございます。逐次、その性能の改善というものについては、これを行なっていきたい考えでございます。
#36
○上林繁次郎君 次は、航空機がだんだんと大衆化していく、その需要もますます増大していくことは、これはもう火を見るよりも明らかなんです。そこで、パイロット養成という問題が一つの大きな問題になってくると思います。現在養成機関としてはどういうものがございますか、こういう問題と、どのくらい養成できるか、これをちょっと――この間話があったかと思いますけれども、そういったことで民間の需要にこたえていけるだけの体制が整っておるかどうかということなんですが、この点についてひとつ伺いたい。
#37
○説明員(川上親人君) 養成機関についてでございますが、現在、定期航空といいますか、こういう関係の業務に従事すべきパイロットを養成する場所といたしまして、航空大学、これは運輸省所属の航空大学校でございますが、これが一つございます。それから定期航空運送事業者自身が新人を採用いたしまして、自社養成と申しますか、現在とっておりますのは、国内で養成する方法と、米国に派遣をいたしまして米国の会社に預けて教育をしてもらうというやり方で新人を養成している方法、それから防衛庁に航空会社が新人を採用いたしましてその教育を委託しているという委託の方法、こういうふうな一応三通りの養成機関がございます。なお、そのほかに、航空会社としては、防衛庁から転職されてくるパイロット、これを受け入れてそうして需要を満たしているというふうな状況でございます。
 その養成数が需要に間に合うかどうかという第二の御質問についてでございます。これらの養成機関で養成いたしました者並びに防衛庁から転出してくるパイロットの受け入れ分を含めまして、現在、約二百五十名程度養成確保ができるようになっておるわけでございますけれども、航空機の今後の進展が非常に激しいためにパイロットの数がきわめて不足していることにつきましては、御指摘のとおりでございます。将来的な長期的展望をいたします場合には、約三百六十名のパイロットの養成を年々必要とするというふうに考えるわけでございます、そういう角度から、来年度予算におきまして航空大学校の養成規模を拡大していくことといたしまして、実際のその採用は四十六年から始まるわけでございますが、現在まで航空大学校が九十名養成いたしましたのを、百三十五名――四十五名増員という計画でもって採用し訓練をいたすことといたしておるわけでございます。なお、これにあわせまして民間の航空会社の自社養成体制も、国の養成にバランスをとって百三十五名程度を養成する。それから防衛庁に委託をしておりました数は、従前五十名でございました。これを十名ふやしまして六十名を委託養成する。さらに、防衛庁からの転出者を年々二十名程度というふうに考えておりまして、三十名程度お受けをしたい、こういうことで一応三百六十名という養成体制は確保できるというふうに存じます。
#38
○上林繁次郎君 結局は、この数が、まだいまのお話からいうと足りないように感じます。そうなりますと、パイロットの過重ないわゆる労働、こういったことが考えられます。こういった点については、それと同時に、そうなってきますと、安全性という問題にも影響があろうと思いますけれども、その点はどうでしょうか。
#39
○説明員(川上親人君) 航空会社では、それぞれ運航規程の中にパイロットの乗務割その他をはっきりと定めておりまして、それ以上には航空機の運航に従事させないというたてまえになっております。したがいまして、むしろあらわれてくる結果は、利用者になかなか御期待に沿い得ないようなそういう状況にはなってまいりますけれども、そのために安全性が阻害されるということはないように十分配慮してございます。
#40
○上林繁次郎君 最後に、いまのお話から感じられることは、パイロットの養成機関というものは非常にばらばらである、こういう感じを受けるわけです。今後ますます需要の増大ということを考えれば、それともう一つは、安全性という問題、こういった問題を考えたときに、当然養成機関というものは統一して、そしてもっともっとはっきりした体制の中でこれを養成していく、こういう必要があると思います。こういった方向については、どういうようなお考えですか。
#41
○説明員(川上親人君) ただいま御指摘のように、定期航空運送事業に従事するパイロットについて、できれば質的にも統一したい、これは御指摘のとおりかと存じます。それが最も望ましい線であると私どもも考えるわけでございます。何らかそういった方向というものを確立できるならば、それが最もよろしいとは存じます。いまそういう角度からの検討も部内的にいろいろとしてみておる現状でございます。
 なお、それにつきまして、現在どのような結論があるかということになりますと、まだ具体的に申し上げるような結論には至っていないわけでございまして、その点はにわかにまだお答えできないことを御了承いただきたいと思います。
#42
○上林繁次郎君 わかりました。いま申し上げたとおりでございまして、この問題については、私は、早急にこの問題に対する体制というものを確立していくべきである、こういうふうに強く感じますので、その点を強く要望いたしまして、終わりたいと思います。
#43
○成瀬幡治君 経済及び技術協力のため必要な今度の法律案のことについてお尋ねをいたしますが、まず、第一に、非常に形式的なことをお尋ねいたしますが、いままであった「物品」というのが「物品等」というのに改正をされますが、その「等」とは何を予測しておみえになるかというのが第一です。
 二つ目は、「政令で」ということが書いてございますが、政令の資料が出ておらないわけですが、元来ならば、政令はこんなものですよという政令要綱等が出るわけでございますが、それが出せない理由があるとするならば、その理由、もし政令ではこんなことを大体考えておるということが具体的にございましたら、そのことについて御説明を承りたいと思います。
#44
○政府委員(船後正道君) 今回お願いいたしておりますこの法改正によりまして、譲与対象物品を、従来の物品のほかに、船舶、建物等に拡大することをお願いしているわけでございますが、そのほか政令で定めるものといたしましては、現在のところ、船舶、建物の従物を考えております。御承知のとおり、従物と申しますのは、あるものの効用を確保し、あるいはこれを高めるために、これに付属しているものでございまして、建物の従物といたしましては、たとえば冷暖房装置それから船舶の従物といたしましては羅針盤、錨(いかり)等が考えられるわけでございます。ただいま申し上げました従物を政令で定める国の財産として指定する予定でございます。
#45
○成瀬幡治君 その「政令で定める財産」というのと、それからもう一つは、「専門機関又は政令で定めるその他の国際機関」となっておりますが、そちらのほうの政令の説明がないわけですが。
#46
○政府委員(船後正道君) 現在、物品の供与を受ける相手方といたしましては、相手国政府のほか、国際機関といたしまして国際連合とその専門機関を定めているわけでございますが、最近経済技術協力関係で地域的な国際機関もやはり問題としなければならないような事態になっておりますので、現在あげられておりますのがそのような地域的な国際機関でございます。たとえば、東南アジア方面に多いのでございますが、東南アジア文部大臣機構といったような国際機構をこの対象として政令で定めることを考えております。
#47
○成瀬幡治君 これは、固まっておらないのは、今後いろいろなことが予測されるんだと。ですから、予測されることを政令で広げていこうとすれば、いくらでも――無制限とは申しませんけれども、ある程度拡充すると申しますか、後進国家に対する援助というものがやりやすくなると。だから、政令にそういう点を委譲しているというような意図がありはしないですか。
#48
○政府委員(船後正道君) 無制限に拡大するを意図しているわけではございません。ただ、このような海外経済協力の問題は、かなりそのときそのときの情勢によりまして機動的に考えねばならぬ面もございます。したがいまして、この法律でお願いしております船舶、建物、これに類似するようなもの、あるいは、先ほど申しましたようなそれの従物といったようなものを対象物件として考え、かつ、国際機関といたしましても、やはり国際連合とその専門機関という法律で定めておりますものを柱として考えてまいる所存でございます。
#49
○成瀬幡治君 人道上の立場に立っていろいろなことを進めていくというような一つの大きな基準があれば文句はないわけですけれども、国策と申しますか、国策に沿うということになると、いろいろな問題が出てくるわけですが、その最大の基準というのはどちらになるわけですか。
#50
○政府委員(船後正道君) 最終的な判断は、この法律の目的である開発途上国に対する経済及び技術協力ということに資するということでもって判断いたしたいと考えております。
#51
○成瀬幡治君 国家群がいろいろなふうに分かれてまいりまして、いわゆる北と南に分かれれば、後進国家といえども、東西よりももっとひどい対立がやっぱり南の中にまたあると思います。そういうものは飛び越えて、後進国家という一つの大きなグループの中に入れてしまって、その国の性状、たとえば、中立国家もあろうし、東に属するのもあろうし、西陣営に属する、いろいろなものがありますが、そういうものにも一切差別をせずにやっていく、そういうことを答弁が意味しておられるのか、いや、そうじゃないんだと、やはり国策というものがあるのだから、おれのほうの気に食わぬ陣営には贈らぬのだ、こういうことなのか。人道上でやるということになれば、何もかも含めた形になるわけです。あなたのほうが答弁として人道上ということばを使われないのは、何か意図があるのかどうか。
#52
○政府委員(藤田正明君) ただいま船後政府委員が申し上げましたとおり、経済技術協力ということに範疇が限定してありますし、決して軍事援助というふうなものではないのでありまして、そういう意味では、国交が回復し、国交が正常化している国、こういうものは適用の範囲として考えられると思うのであります。
#53
○成瀬幡治君 今度こういうふうに改正をされようとしたのは、いままで、この条約があり、そして国内法等の関係があって、つかえてしまってどうにもならなかったというような苦い経験があってこういうことをおやりになったのか、それとも、予測をされてこの法律案の改正をしておみえになるのか、どちらでしょうか。
#54
○政府委員(藤田正明君) いままでの対外援助が、現地におきまして援助の趣旨が有効に生かされているとは言いかねる点が間々あったと思うのです。その国の名前あるいはその供与地につきましては差し控えたいと思うのでありますが、決して趣旨が満足に生かされていると言い切れない点が間々あったと、そういう意味も解しまして、せっかくの血税から出る援助でありますから、有効に生かすためにも、ただ単に物品に限定しないで、建物とかそういうものをつくって、今後生かされるようにいたしたいというのが趣旨でございます。
#55
○成瀬幡治君 いまの御答弁をお聞きしておりますと、たとえば一つの建物なら建物を持っていこうとするときに、建物というものはないのだから、金で一ぺんやると。それで、金でやるのだけれども、日本円で一度やってやる、あるいは、民間団体に補助金を出して、民間団体から人道上の問題でやったというような、いろいろなファクターがあるだろうと思うんですよ。それを、いま、政務次官のほうでは、どうもあまりそこら辺まで言うのはちょっとまずいわいというような話なんですがね。そうじゃなくて、政治的な問題があっていかぬというなら、私もこれ以上お聞きしょうとは思いませんが、もしこんなことをやってどうもつかえたと。たとえばベトナムに援助しようとするときに、国内法の関係上どうにもならないから、民間団体を通してやった、あるいは、金でやって、一度はその金で日本のものを買えというようなふうにして買わせてやったというようなことがあれば、そういうのが実例だとすれば、差しつかえない範囲で御答弁がいただけるならいただきたいし、どうもこれはいかぬということなら、やめてもいいと思うんです。
#56
○政府委員(沢木正男君) 御答弁申し上げます。
 現在、ベトナムのチョウライ病院の脳外科病棟というのが建っております。これは不動産物件でございますけれども、この法律の改正ができておらない段階では、不動産を向こう側に譲渡するということは財政法上禁止されておりますので、現在、技術協力事業団の不動産としてこれを持っておりまして、管理をベトナム側に委託するという方法をとっております。ところが、ほかの諸外国の例は、そういうふうなものは全部建てると同時に向こう側にやっておるというのが例でございますので、現在現実に不便を感じておりますのは、そういうチョウライ病院の脳外科病棟の例、それから難民住宅のアパートを建設することになっておりますが、これなんかにつきましても、そういう法律があれば、それでもって諸外国と同じようなやり方で先方の政府にそういうような不動産が譲渡できる、そういうような点が便利になろうかと思います。
#57
○成瀬幡治君 今度、どのくらいこれを国としては予定しておりましょう。この法律案ができれば、おっしゃるように、いまチョウライ病院の例が出ましたけれども、そういうようなものはすぐ向こうに寄贈することができると思うのですが、予算をどのくらい予定しておみえになりますか、今年度は。
#58
○政府委員(沢木正男君) 外務省の経済技術協力の予算の中で、無償援助の費用として三億円チョウライ病院の費用が出ております。それからそれ以外の無償供与の予算といたしまして、これは現在まだ予算が成立しておりませんので、相手国政府にわかりますと都合が悪いので、予算の面では国名をあげることを差し控えておりますが、そういう予算が全体で七億円御審議をいただいておる予算の中に含まれております。
#59
○成瀬幡治君 相手国に漏れると都合が悪いということは、もらうほうの国は何でもないのだから、もらわない国のほうが都合が悪いというのか、もらう国で都合が悪いのか、どういうわけなんですか。
#60
○政府委員(沢木正男君) 両方ございまして、金額がはっきりわかりますと、おれのところにくれるものはそれだけの値段のものしかくれないのかというような感情を向こうが持ちますし、それからある一国につきましては、いろんなそれ以外の援助関係の交渉とからまっておりまして、向こうの出方を見てやはりこちらも考えなければいけないというような面がございまして、国名を明らかにすることは外務省としては現在の段階ではぐあいが悪いということでございます。
#61
○成瀬幡治君 しかし、いつかは明らかにせざるを得ないわけでしょう。それで、そいつのタイミングというのはどういうところにあるのか。国内情勢じゃない、外国の情勢だということになると、きょうやったら黙っておったが、あしたやったらこれがばれてしまってどうにもならぬというような何かギブ・アンドテイク的なかけ引きがあるというなら話は別なんですが、援助なんですからかけ引きはないのじゃないかと思うんですがね。どうなんですか。
#62
○政府委員(沢木正男君) そのうちの一カ国につきましては、ギブ・アンド・テイクのかけ引きがございます。それから物でやる場合に、はっきりこれが物としてどれくらいの評価になるかという問題がございますので、これはいずれ相手国政府とおまえのところにこういうものをやりたいがどうかということで実体的な交渉はもちろん詰めるつもりでございますが、現在まだその時期に入っておりませんし、予算が成立しない段階においてそれを先方に言うわけにもいかないという問題がございますので、現在は国名を明らかにし得ないということでございます。
#63
○成瀬幡治君 こだわるわけじゃないですけれども、提案理由では、経済、技術ということで大ワクをかぶせて、そして国交ができておる国に対しては援助するんだと。だから、そう色をつけた金といいますか、色はついておりませんよという金を渡すようなふうに初めのうちは聞こえていたけれども、かけ引きがあるというと、どうもやるものに色がついているような気がしてしようがないんですがね。それで、ギブ・アンド・テイク式になるのはちょっとまずいような気がするが、それは私が悪く受け取っておるかもしれませんが、あんたのほうの説明があまりうまくなくて、みんなもどうもかけ引きで渡すようじゃちょっとまずいように思うのだが、ことばはかけ引きかもしらぬが、ほんとうはどうなんですか。ほんとうのかけ引きじゃちょっとまずいと思うのだが。
#64
○政府委員(沢木正男君) 一例をあげますと、たとえばこの中で船舶をお願いしておるのは、日本が行なっております漁業協力で漁船をほしいと。漁船をもらって、それでもって訓練してほしいという要望が東南アジア諸国には多数あるわけでございます。それには、漁業センターで専門家を派遣しましてやる場合、それから漁船をやるかどうかというような場合――漁船をやりますと、漁具、それからエンジンのパーツ、そういうふうなものを全部つけてやることになります。それが全体の漁業交渉その他とも関連いたしますので、そういうこととの見合いにおいてやるかやらないかをきめたいという点が、私、交渉上のかけ引きと申しておる点でございまして、先生がおっしゃるような意味のかけ引きではございません。
#65
○成瀬幡治君 これは、もちろん、私は、現地でいろいろと要請等があり、外務省の出先機関の方が検討されて、こういうことをやったら国益になりましょうと。あるいはまた、世界全体としてそこのレベルアップにもなり、特に住民がよくなるんだろうというような積み上げをやられて、そして十分検討をされて、そして本省へ来、本省から大蔵省等と折衝されて方針がきまって予算計上をされておると思うんです。ですから、もう、下相談というんですか、下交渉というんですか、というようなものは若干相手国とされたものだと思って差しつかえございませんか。
#66
○政府委員(沢木正男君) 予算成立前には、明確な形においてのそういう交渉はいたしておりません。ただ、どういうものがほしいかというような先方の希望は聞いております。しかしながら、それができるという意味のインディケーションは、あくまでも予算成立後やるというたてまえでございます。
#67
○成瀬幡治君 まあ、後進国家に対して、日本が、非常に評判のいいところと悪いところがあるといわれているわけです。何か恩着せがましいかっこうでやっても、せっかく与えたものが生きてこずに、かえって、高飛車というんですが、何かやったものが生きて使われない、死に金を使っちまったというような例も間々あるのじゃないかと思うんですよ。ですから、そういうことは十分留意をしてやっておみえになると思いますけれども、いままでやってみて、これはどうもまずかったわいと。いま言ったベトナムに一つのチョウライ脳外科病院も、せっかくつくったけれども、ほかの国は全部病院を寄付しておると。したがって、せっかくくれるならよその国のように建物までくれるならよかったのに、建物だけおれのところによこさずにおまえのほうで管理していてというような、そういう声も非常に出てきたからこういうような改正がされたというふうな判断も、一つの原因だと解釈してよろしゅうございますか。
#68
○政府委員(沢木正男君) 日本のやっております技術協力も、いろいろ時代とともに変化が出てきております。この法律が成立すれば、たとえば東南アジア漁業センターに対して訓練船とそれから調査船とを日本が出しておりますが、これもまた船舶でございますので、現在、所有権の移転の問題がひっかかっております。そういう点が、一応諸外国が通常やっておるような方式に戻るということだけでございまして、先生がいま御心配のような点は、単にこういう物品の譲渡だけじゃございませんで、経済協力、技術協力全般に通ずる問題でございまして、最近、御承知のように、いろいろ日本が批判されておる問題がございますので、われわれは、そのやり方につきまして、あるいは先方の意思を尊重する点につきまして、十分あらゆる段階で注意してやっていくということについて関係各省の協力を求めておりますし、向こう側との交渉においても十分留意して今後ともやっていきたいというふうに考えております。
#69
○成瀬幡治君 非常に技術的なことが中心になると思いますが、たとえばこういう漁業関係なんかのことになりますと、それは農林省のほうからそういう人たちが大使館なりあるいは公使館へ派遣をしていっておみえになるわけですか。
#70
○政府委員(沢木正男君) さようでございます。技術協力の実施は、技術協力事業団というのに実施を委託いたします。技術協力事業団に農業開発協力室というのがございまして、そこの一番の室長は農林省から参っております。それから在外公館にも、おもなところに全部農林省から派遣されました方が、書記官なり参事官なりという形でおられます。関係各省からほとんど大きな公館には出ております。それで、こういう漁業関係あるいは農林関係というような点につきましては、そういう書記官が主体になって先方と交渉しておるというかっこうでございます。
#71
○成瀬幡治君 どう言ったらいいですか、後進国家の大きな地域開発をやるようなときに――これも私は特別に勉強したわけじゃございませんから、間違っておるかもしれませんが、諸外国では、権威のあると言っちゃ語弊があるかもしれません、何が権威なのか知りませんけれども、大学教授あるいはその道にたけた、その国でいえば一流と言われるような人たちを団に編成をしまして、そうして派遣をしていくというようなことを聞いたことがあるのですが、日本ではどうですか、そういうようなことはお考えになりませんか。
#72
○政府委員(沢木正男君) わが国が調査団を派遣いたします場合にも、その道の権威者を依頼して、大学教授なんかが団長で派遣された例は多々ございます。政府でやっております技術協力の関係で、たとえば農業調査ということであれば、大体農業関係の学者とか農林省の技官の方がヘッドで調査団になっていますし、それからいまおっしゃいました地域開発を日本として取り上げた例はまだ少ないわけでございますが、インドのダンダカラニアの地域開発を日本は引き受けておりまして、これなんかの調査団は、農林省の技官の方が調査団として行っております。
#73
○成瀬幡治君 そのときはどこがやるんですか。
#74
○政府委員(沢木正男君) 外務省の技術協力関係の予算を海外技術協力事業団に委託しまして、事業団が教授なりそういう方と個人の契約を結びまして、その契約に基づいてその方が政府調査団の団員あるいは団長として先方に派遣される、そういうかっこうをとります。
#75
○成瀬幡治君 現に、ことし、何か外国にそういう調査団を派遣するような計画はございましょうか。
#76
○政府委員(沢木正男君) 外務省の予算の中に、一次産品開発調査、それから名前はちょっと正確じゃございませんが、そういう投資前基礎調査のような調査費用が計上されておりまして、それに基づいて海外に派遣いたします調査団の数は相当多うございます。具体的な資料は後ほど御説明申し上げますが、非常にたくさんございます。現在、福田という教授の方が農業調査でネパールに行っておられます。
#77
○成瀬幡治君 そうしますと、そういう報告なりあるいは調査が、現地で依頼があってみたり、あるいは、こちらのほうからこうしたらいいだろうというような積極的な話し合いが持たれて、けれども最後は相手国の依頼を受けたという形になっていると思いますが、それが今度の経済及び技術協力のための必要なというこの法律案にどう結びついてくるわけですか。
#78
○政府委員(沢木正男君) たとえばチョウライ病院の例で申しますと、ベトナムが何か協力してほしということをベトナム政府が日本政府に依頼してまいります。そういたしますと、何をやるのが一番適当であるかということで全般の分野を調査する。それに調査団を出しまして、その中で医療というのが一番ベトナムにとってはよかろうというようなことになりますと、医療関係であらためて調査団を出しまして、医療の分野の中では脳神経外科が一番不足しておるということで、チョウライ病院の脳神経外科の病棟を建ててそこに専門家を派遣してやる。そこへ派遣しました教授は、現在頭を割った数はおそらく彼が世界一だろうと言われているのですが、サイゴンには頭蓋骨の手術のできるお医者さんはその人一人でございます。非常な激職で、ベトナム側からも感謝されておりますし、一般のベトナム人並びに戦争で頭やられた人もございますけれども、そういうものを一手に引き受けて治療をいたしております。
#79
○成瀬幡治君 過般、三面記事に出ておったと思いますけれども、タイで何かお医者さんが非常に活躍をされて、対日感情というのですか対日本人に対する感情がいいと。その人がまたけんかの仲裁役になるとかなんとかいってちょっと出ておりましたが、私も十数年前にバンコクに行ったときに、当時まだ大使館はございませんでしたが、着いたときに教えられたことは、日本のそういう在外公館を聞くよりも、お医者さんの名前忘れちゃったでいかぬが、その名前を言ったら必ずそこへ連れていってくれるからというように言っておりましたが、非常に信頼を受けておりましたが、確かに後進国家では医療関係とかあるいは教育というものが非常におくれております。もちろん経済の問題も大きい問題ですが、人道上の問題からいえばそういうような問題もたくさんありますが、そういうような方向に今後相当なウエートを置かれるのか、それとも、もうけのほうが大事だから経済のほうが中心だよというかっこうになりましょうか。
#80
○政府委員(沢木正男君) タイとの協力全般は、金額的に申せば資金的な協力が圧倒的にそれは多うございますけれども、外務省についております技術協力全般の予算の中で医療関係の協力費というのは約九億円ございます。それで、タイにつきましては、特に無医村に対する診療をやってほしいという要望が強うございまして、だいぶ前から巡回医療班というものを出しておりましたけれども、最近に至りましてここにウィールス研究センターそれからがんセンターを出しましてこれに対して専門家を派遣しまして協力をするというようなことをやっておりますので、技術協力面における医療協力の比重は、われわれとしても一番高く買っておるわけでございます。ただし、まあ大蔵省の方を前にして言うのもあれでございますけれども、専門家派遣費用というものがふえましても、医療関係におきましては、大学を出たお医者さんというのは、すぐ二十万、三十万は内地におればかせげる。ところが、政府の派遣で行った場合には、やはり手当の費用がそれより以下になるという点で、国内の協力を求めるのが非常に現在手詰まりになってきておるというような事情がございまして、予算の中でも専門家派遣の待遇改善、それからそういう面の予算の拡大ということをわれわれ努力してお願いしておる次第でございます。
#81
○成瀬幡治君 国内でも、無医村の解消ということばはあっても、なかなかたいへんな問題ですね。過般の新聞では、私立学校でこれだけの寄付をしてくれたらどうだというような、ちょっとわれわれもこれでいいものかといってすぐ賛成のできないようなことが出ておりましたですけれども、まあお医者さんが行かれるということは非常にいいことじゃないですかね。インドでハンセン氏病のあれをやられておる方なんか、聞きましても、たいへん評判がいいようですから、まあ大蔵省の方もお聞きになっていたようですから、今後ひとつ御協力を賜われば非常に幸いでございます、それが協力だと思いますから。法律案は大蔵省が提案して通ったけれども、いざやってみたらつまらぬところでつかえてしまって目玉が入らぬということになるとたいへんだと思いますから、ひとつお願いをしておきたいと思います。
 次に、IMF関係で少しお尋ねをしておきたいと思います。
 円の切り上げの問題も出ておりますが、ドルはいまどんなふうにお考えになっておりますか。
#82
○政府委員(奥村輝之君) 一口に申しますと、ニクソン政権になりましてから、アメリカの国際収支の問題、それからインフレの問題は、財政金融の引き締めと申しますか、財政金融政策を通じて健全化していかなければならぬという正攻法をとり出したわけでございます。そういう意味で、私どもなおアメリカの政策の効果の浸透については見守る必要があると思うのであります。しかしながら、そういう方向への努力がいま行なわれているということが第一に申し上げられるのではないかと思います。
 その他、一つの国の通貨というものは、それだけでどうだこうだと言うのもなかなかむずかしいものでございます。先般来、ポンドの切り下げあり、またフランの切り下げがあり、マルクの切り上げがございました。そういう意味で、ヨーロッパの各種通貨の調整も行なわれている。また、金の問題につきましても、二重価格制度がしかれて、その後しばらく南アフリカとの間でも話し合いが続いておったのでございますが、その問題もことしの初めには片がつくということで、国際的に見て環境は落ちつきを取り戻しております。そういうことで、私どもは、このアメリカ政府の努力と、それから各国あるいは外界の環境の正常化と相まって、ドルの問題は安定の方向にあるというふうに考えております。
#83
○成瀬幡治君 あなたがおっしゃるように、半年前くらいといまの情勢でドルというものが落ちついてきたということは、これは比較ですから、非常に不安だと言われた半年前くらいとはいまのほうが落ちついたということは言えると思うんですが、長期的展望に立たれて、アメリカのいままでの金の保有量、あるいはアメリカの援助なり、あるいは債券を出しておるやり方なり、いろいろなものを総合判定されて、特にドルが過去続けてきたような権威が続けられるかどうかということについて私は若干の懸念なしとしていないですけれども、まああまりそんな先の話ばかりはすべきものじゃない、とかくいろいろな不安のほうがかえっていかぬことだから、落ちついたら落ちついたと言うし、不安になってきたら、いや先はいいですよと言っていくのがむしろ常道なんだと、あえて刺激してつまらないパニック等を来たさないようにするんだと、そういう建前論は私はわかりますけれども、一体、将来永久とも、一オンス三十五ドルというそのものに固執をしたドルがいけると、少なくとも五年間ぐらいの見通しはどうですか。
#84
○政府委員(奥村輝之君) これはなかなかむずかしい御質問で、御質問の中の御指摘のとおりでございます。そのために、いま、アメリカ政府はいろいろ努力をしているわけでございます。また、国際的に見ましても、SDR制度などというものは、今後ドルあるいはアメリカの赤字がなければ世界の流動性が確保できない、こういう考え方は捨てて、むしろSDRというものをつくってやっていこうという考え方になっておるわけで、アメリカとそれを取り巻くいろいろな環境というものはまさに通貨の安定を指向しているわけでございます。五年先はどうだといまおっしゃるわけでございますが、これは、すべては、アメリカの努力、あるいは各国のこれに対する協力というものにかかっているわけでございます。私は、中でも大事なものは、やはりアメリカの経済運営の節度というものが一番大事だと思います。こういうことはアメリカ当局がよく知ってその方向に進んでおりますから、いまの段階で五年先どうだと、こうおっしゃられれば、われわれとしては、五年にはさらにドルが強化され安定されることを期すると申し上げるほかはございません。
#85
○成瀬幡治君 ドゴールが退陣したということについては、私らも大きな意味があると思うんです、そういう意味ではね。意味があると思いますけれども、私は、アメリカの持っておる金ですね、そしてアメリカの出しておるドル札とのバランスからいったときに、アメリカが対外投資したヨーロッパに投資したのが今度は返ってくる時期になったから、一つはそういう点は明るい見通しだと思います。それからベトナムは、いろいろなことを言いますけれども、おさまりつつある。しかし、ラオスにああいうところに火がついてきたから、今後どうなるのか、これは今後見守らなければ、あの出方によってはまたたいへんなことになるのじゃないかと思っております。ですから、奥村さんの言わんとする、ここでそうむちゃくちゃなことは言えぬし、不安だなんということを言ったらたいへんなことになると思いますから、ドルの問題については、SDRができたら、ここらはひとつみんなで守っていく、それはそれでいいと思います。それがあるからもうこれでおしまいだなんて言わずに、もう少し十カ国蔵相会議なりIMFで、ドルのあり方とかいろいろな問題についてざっくばらんに検討する時期に来ているのじゃないかと思いますが、どうですか、その辺は。
#86
○政府委員(奥村輝之君) 私は手放しでだいじょうぶだと申しているわけではないので、この問題はアメリカの財政金融政策の運営方針にかかるところが多いという気持ちを申し上げているわけであります。経済運営の節度が重要であると先ほど申し上げましたが、これは重要であるということを私どもここで申し上げるだけでなくて、まさに、おっしゃるように、十カ国蔵相会議なりOECD・WP3などで、日本としてもそのことはいい意味でそういう方向にアメリカの経済が進むように助言をしなければならぬという立場にあると思います。しかし、そっちの方向にアメリカの政府がその必要を認めて努力しているということも確かでございます。そういう意味で、私は先ほどのようなことを申し上げたわけであります。問題は、世界の経済に非常に関連のある問題でございます。また、日本経済にも非常に関係の深い問題でございますので、御趣旨は、まことに御指摘の点はごもっともだと思いますので、今後ともこの問題はよく注意してまいらなければならぬ、また、同時に、そういうような助言等については忌憚のない助言をし協力をしていかなければならぬというふうに考えます。
#87
○成瀬幡治君 いままで、SDRを引き出した国はどのくらいありますか、ここ最近は。
#88
○政府委員(奥村輝之君) SDRの一月中の引き出しについては、IMFから統一的に報告が発表されたのでございますが、それを見ますと、SDRの使用国は全部で十三カ国でございます。
#89
○成瀬幡治君 大きな国はどのくらいですか。
#90
○政府委員(奥村輝之君) 何をもって大きな国というかについては……
#91
○成瀬幡治君 いや、額です、一番たくさん……。
#92
○政府委員(奥村輝之君) アラブ連合が一番多うございます。その次はフィリピンでございます。その次はイスラエルというような順序になっております。
#93
○成瀬幡治君 今度のIMFの増資なんですけれども、まあ法律案の内容としては大した問題ではないと言えばそれまでですけれども、必要があるからやられたと言えばそれまでなんですが、この前のときにはどのくらいでしたかね。
#94
○政府委員(奥村輝之君) IMFの増資は、過去二回行なわれております。第一回の増資は、全体が六二・五%増加されたのでございまして、金額的には五八億ドル増資になりまして、これは昭和三十四年でございました。それからその次の増資は、昭和四十年でございまして、全体として三〇・六%増資がありました。金額的には四十九億ドル増加になったのでございます。
#95
○成瀬幡治君 これは、何か内規があって、毎年増資をできなかったんですかね。
#96
○政府委員(奥村輝之君) IMF協定の三条の二項にIMFは五年をこえない間隔でクォータを検討する、こういうふうな規定があるわけでございます。それで、ちょうど本年は前回から五年目になっております。その間におきます世界の貿易の増加額等を考慮に入れて、今回は増資をすることになりました。
#97
○成瀬幡治君 日本が常任理事国になるとかならないとかいう問題がございます。今度なるようで、たいへんけっこうと言えばそうですが、これと増資は何か関係がございますか。
#98
○政府委員(奥村輝之君) 理事の中には二種類ございまして、一つは任命理事と申すものでございます。他の一つは選挙理事でございます。任命理事は、クォータの大きいところから五つの国は任命理事が出せる。その他は、適当にグループを組みまして選挙理事を出す。選挙理事の数は十五名でございます。
#99
○成瀬幡治君 そうすると、日本は五位までになるわけですね。
#100
○政府委員(奥村輝之君) 今回の増資の法律、予算がお認めいただければ、第五番目の国になるわけでございます。
#101
○成瀬幡治君 だれがなられますか。
#102
○政府委員(奥村輝之君) 人事のことでございますので、いま具体的に申すわけにはまいりませんが、いまIMFに私どもは選挙理事を出しているのでございます。これ鈴木秀雄というのが選挙理事になられております。大蔵省の国際金融局長をつとめまして、あとIMFと世界銀行の選挙理事になっておるわけでございます。
#103
○成瀬幡治君 これは任命はだれになるんですか。
#104
○政府委員(奥村輝之君) 内閣が任命いたします。
#105
○成瀬幡治君 これと関連して、アジ銀のほうですけれども、アジ銀のほうはどうですか、増資は。
#106
○政府委員(奥村輝之君) アジア開発銀行は、いまのところ増資は考えられておりません。これはいままで五回に分けまして資本金を払い込むことになっておりまして、いま四回目をやっているところでございます。
#107
○成瀬幡治君 これはいろいろな問題をわれわれも若干聞かぬわけではないんですが、いま資金量が必要の量のほうがふえておるんじゃないですか、その希望があるようなことで。
#108
○政府委員(奥村輝之君) アジア開発銀行は、まだ発足して間がございません。まあよその国際機関と比べますと、私どもはテンポは速いほうだと思っておりますが、内部の機構を整備いたしまして、いま貸し出しがその緒についたという段階でございます。しかしながら、この資本金だけでは今後の増大することが予想される資金需要に十分対処できないおそれもございます。また、アジア開発銀行の資金源を広く求めるという見地で、アジア開発銀行の総裁は、先般来ヨーロッパへ参りまして、ヨーロッパで起債をすると、まあ金額はわずかでございますけれども、関心を深めるという意味で起債をする等の努力をしております。
#109
○成瀬幡治君 これは大臣がお見えになってからまたいろいろなお話を聞こうと思っておりますが、フィリピンにありますね、本部が。日本へ来る予定だった。われわれはそう了承しておった。取られちまったといえばそういうことになるのか、まあ向こうへ行ってしまったわけですが、その後こういうことについては何か動きがございますか。
#110
○政府委員(奥村輝之君) 動きはございません。
#111
○成瀬幡治君 ありませんというのを、まともに、全然何もない、煙も立っておらぬよということなのか、そんなことは言えることじゃないんだと、こういうことなのかですね。将来の問題としてはあると解釈してよろしゅうございますか、現にないんだと。
#112
○政府委員(奥村輝之君) アジア開発銀行をマニラに設置することにきまりまして、いまフィリピン政府は本格的な建物をマニラにつくるように準備をしている最中でございます。そういう点もございますし、また、銀行の所在地を動かすということは、そうやたらに変更等もできるものでもございません。したがって、いま、アジア開発銀行の所在地は、フィリピンのマニラということでございます。
#113
○成瀬幡治君 政情が安定か不安定かということになると、何をどうだと言われると非常に問題かもしれませんけれども、私たちが聞いて――私たちというか、私が聞いているのでは、なかなか流動的なようにも聞いておるんですね。あそこの民生は非常に度が低くて、しかも、デモをやるのでもデモに何の目的で参加しているかわからないし、相当殺伐なもののようで、物価高であり、物価高というか、差があるんですね、所得格差があってあんまりよくないというように聞いておるんですが、どうですか、そこら辺は。
#114
○政府委員(奥村輝之君) 非常に率直な御感触を承らしていただきまして私どもは参考になるのでございますが、しかし、このアジア開発銀行というのは、御存じのように、アジアにありましても、日本は借り入れをする立場にない。やはりアジアにある発展途上国が借り入れをする。そういう意味で、生活とかその他のいろいろな便宜上は、マニラというところが、いろいろ改善はされておりますけれどもなお一歩という御批判も間間承るのでございますけれども、しかし、そういうところに本店があってこそほんとうのアジアのための金融機関の役割りが果たせるという見方もできるわけでございまして、一がいに便宜の点からだけ本店の所在地を論ずることはいかがかと思います。そういう意味で、私どもは、いまそういう議論も聞いておりませんし、いまのある姿というものはだんだん改善され向上していくわけでございますから、そういうものを期待しつつ対処したいと思っております。
#115
○渡辺武君 私は、IMF、世銀への出資の問題ですね、これについて少しお尋ねしたいと思います。
 その前に、ただいま成瀬委員から御質問のありましたSDRの問題ですが、IMFが一月中の発表によると、引き出し十三カ国になっておるということですけれども、アラブ連合が一番額が多いということですが、この金額はどのくらいの額ですか。
#116
○政府委員(奥村輝之君) アラブ連合は二千五百万ドル引き出しております。
#117
○渡辺武君 フィリピンはどのくらいですか。
#118
○政府委員(奥村輝之君) 千八百五十万ドルでございます。
#119
○渡辺武君 イスラエルは。
#120
○政府委員(奥村輝之君) 千五百十万ドルでございます。
#121
○渡辺武君 アメリカはどのくらい引き出しておりますか。
#122
○政府委員(奥村輝之君) アメリカは引き出しておりません。
#123
○渡辺武君 そのほか、イギリス、フランス、西ドイツ、日本などはどうですか。
#124
○政府委員(奥村輝之君) いまおあげになりました国は、全部いずれも引き出しをいたしておりません。参考に、引き出した国を全部申し上げますと、ギリシア、コスタリカ、ドミニカ、ハイチ、イスラエル、アラブ連合、ビルマ、セイロン、パキスタン、フィリピン、シエラレオネ、スーダンでございます。
#125
○渡辺武君 引き出された国でおもな国はどういう国ですか。
#126
○政府委員(奥村輝之君) 一番金額の大きい国はアメリカでございます。
#127
○渡辺武君 額も言ってください。
#128
○政府委員(奥村輝之君) 三千二百四十万ドルでございます。
#129
○渡辺武君 日本はどうですか、額は。
#130
○政府委員(奥村輝之君) 六百万ドルでございます。
#131
○渡辺武君 これは一月末の発表で、二月以降は発表がある予定ですか、それともありませんか。
#132
○政府委員(奥村輝之君) 二月以降も発表はある予定でございますが、まだ発表はされておりません。
#133
○渡辺武君 アメリカがかなりの、額を引き出したということが新聞記事に出ていましたね。その後にアメリカが引き出したという動きは、あなた方は御存じないですか。
#134
○政府委員(奥村輝之君) 聞いておりません。
#135
○渡辺武君 それでは、IMF、世銀出資の問題に移りますが、今度、相当増資しましたですね。この増資の中で日本が特別増資の割合が多いように見えるわけですけれども、日本がこのような大きな増資に応じた理由は何かということをお聞きしたい。
#136
○政府委員(奥村輝之君) 今回、増資は平均が三五%でございまして、日本の増資いたします増加額は六五・五%でございます。IMFの増資につきましては、ブレトン・ウッズ方式というのがございまして、国民所得だとか、外貨準備だとか、輸出だとか、輸入だとかというふうな数字を組み合わせた一定の式があるわけでございます。ただ、残念なことに、各国この数字がそろいますのは少し古い時期のものしか手に入らない。一九六七年の数字がいまこの計算のときの数字の根拠になっているようでございます。これで計算いたしますと、日本の場合には十二億ドルという前後の数字が出てまいりまして、この十二億ドルが日本の増資額というふうにきめられたわけでございます。
#137
○渡辺武君 IMFの今回の出資の増加額と増加率ですね、それから世界銀行の今回の出資の増加額と増加率ですね、これをちょっと教えてください。
#138
○政府委員(奥村輝之君) IMFの場合は、全体として二百十三億ドルから二百八十九億ドルで、七十六億ドル増加で、パーセンテージで三五%の増加でございます。
 世界銀行の場合は、二百三十二億ドルから二百五十四億ドルで、二十二億ドルの増加で、九・六%の増加率ということに相なっております。
#139
○渡辺武君 その中で、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、日本など、おもな資本主義国の今度の出資増加率ですね、これはどんなことになっていますか。
#140
○政府委員(奥村輝之君) IMFから始めたいと思いますが、アメリカは二九・八%、イギリスが一四・八%、ドイツが三三・三%、フランスが五二・三%、インドが二五・三%、カナダが四八・六%、日本が六五・五%、イタリアが六〇・〇%でございます。
 次に、世界銀行について申し上げますと、アメリカは三・九%、イギリスはゼロ、ドイツは六・七%、フランスは二一・八%、インドはゼロ、カナダが一八・九%、日本が三二・四%、イタリアが二八・〇%でございます。
#141
○渡辺武君 そうしますと、いまのパーセンテージの中で、アメリカのパーセンテージが平均よりも低い、イギリス、西ドイツ、フランスなど主要な資本主義国のパーセンテージも低いということが明らかだと思うんです。それに比べて、日本が主要資本主義国の中では最大の出資率を持っているという事実が明らかだと思うんですけれども、これは、アメリカが、先ほどの御質問の中にもありましたように、ドル危機がなかなか根本から解決できないでいる。いまは表面的に一時鎮静しているように見えるけれども、しかし、根本的な解決という点になるとこれはもう非常に困難だという事能が一方にあるわけですね。ところがニクソン・ドクトリンなどによりますと、これはアジアについて特に言っているわけでしょうけれども、しかし、同時にまた、国際的な政策についても一応演繹して考えられることですけれども、他国の力を利用するということを非常に強調しているわけですね。特に、アジアにおいては、日本の国力が非常に大きくなってきているので、日本が応分の役割りを果たさなきゃならぬということを盛んに言っているわけですけれども、この問題は、軍事的、政治的問題だけじゃなくて、経済上の問題についても私は言えると思うんです。ですから、いまの数字が明らかにしているところを見ますと、アメリカは国際的なドル危機を何とか解決しなきゃならぬ、そのためにもIMFや世界銀行に対する出資は平均以下にできるだけ押えよう、そのかわりに日本にそれを肩がわりさして大幅な出資に応じさせるというようなあらわれだと考えられますけれども、その点はどういうように考えておられますか。
#142
○政府委員(奥村輝之君) ものはいろんな見方があるようでございますけれども、私どもは実はそうは思わないのでございます。事務的にお答えを申し上げますけれども、IMFの増資は、先ほど申しましたように、ブレトン・ウッズ方式によって計算して日本が六五%増加になりましたということは、これは、日本の国民所得、あるいは外貨準備、あるいは輸出輸入の伸びというものを反映しているのでございます。これに対して、世界銀行の増資率を定めますやり方は、この世界銀行の増資の中で二五%分は一般増資である、こういうふうに観念いたしまして、それをこえたものを特別増資であるというふうに観念いたしまして、万国共通に超過分について世界銀行の増資額を算出します。私どもも発展途上国に対する援助ということの重要性は認めておるところでございますし、まして多国的な方式での援助ということは最も公正に――二国間援助も重要でございますし、これもりっぱでございますけれども、多国間援助というものは最も公正に行なわれる性質のものでございます。むしろ、こういう方式によって発展途上国を援助していく。ということは、かつて日本は相当世界銀行の恩恵を受けたわけでございます。いま日本はこういうような状態になりまして、こういう形で世界経済の発展に貢献できるということは、これは日本の現在の地位からしてそうなければならない、むしろそうあるのが当然であると考えているのでございます。また、世界銀行の出資比率が下がるということになりますと、それだけ投票権も下がるわけです。世界銀行の出資額が多くなるということは、それだけ投票権も上がるわけでございます。発言権と会費というものは常に相応いたしております。そういう意味で、今回のこの方針というものについては、私どもは疑念を持っていないのでございます。
#143
○渡辺武君 それは、おっしゃることは、一応の理があるところだと思うんです。確かに、日本も、経済的には強国になった。したがって、それに相応して日本の国際金融上の地位が高まるということは、これは理の当然だと思うんです。しかし、同時に、問題はそれだけではなくして、IMFにせよ世界銀行にせよ、御承知のように、ブレトン・ウッズ協定によってつくられた普通IMF体制といわれるものの中の一機構ですね。従来、アメリカがこれらの機構を通じてドルの世界支配をずっと伸ばしていったということは、これは争うべからざる事実だと思うんですね。ですから、いまの出資割合などの客観的な事実がわれわれに教えてくれたところは、まさにアメリカの経済力の比較的な相対的な低下ということに応じてのものではあるにしても、しかし、同時に、アメリカが深刻なドル危機をかかえているという事態のもとで、日本の国力の増大を利用してそうしてドルの世界支配体制を維持していこうということのあらわれだというふうに私どもは見ざるを得ないと思うんですよ。
 その問題は議論になるから、一応の見解を述べさしておいていただいて、次に移りますけれども、今度の措置ですと、IMFの出資、それから世界銀行への出資を、従来まで一般会計からやっていたのを外為会計に移したのですね。その理由はどこにありますか。
#144
○政府委員(奥村輝之君) IMFのほうには、外為会計から出資することになっております。ところが、世界銀行のほうへは、従来どおり一般会計から出資することになっております。そこで、なぜこういうふうな差があるかということでございますが、世界銀行への出資は、この金が十年とか十五年とか相当長い間にわたって発展途上国のために使われる。そういう資金の性格にかんがみまして、出資も一般会計でやるのがいいと、こういうふうに考えたわけでございます。
 それからなぜIMFのほうは外為会計でやることに変えたかと申しますと、外為会計とIMFとの関係というものをしさいにながめてまいりますと、昭和二十六年に日本は外為会計というのをつくったのでございます。二十七年にIMFに参加した。その後、IMFとの取引がだんだんふえてまいりました。たとえば、GABというのがございます。一般借り入れ取りきめでございます。あるいは、去年お認めをいただきましたSDR、こういうものは外為会計が直接IMFとの間で取引をしておるわけでございます。IMMに出資をいたしましても、その出資の中の二五%というものは、御存じのように、ゴールドトランシュと呼ばれております。これは、日本が国際収支上の必要のある場合には、無条件で引き出せるわけでございます。また、外貨準備にもゴールドトランシュが入っているわけでございます。それから七五%という部分については、これは通常代用証券をもって支払いをしているわけでございますが、国際収支上の理由でほかの加盟国がIMFに資金を借りたい、こう言ってまいりましたときに、日本はその代用証券を円にしてやる。そういたしました場合に、その額はスーパー・ゴールドトランシュと呼ばれるのでございます。日本がやはり国際収支上困難におちいった場合には、必要のあるときには直ちに無条件でその額を引き出せるわけでございます。これも、やはり外貨準備の中に私どもは入れているわけでございます。そういう意味で、IMFと外為会計との関係というものは、非常に密接な関係がある。取引だけでなくて、出資いたしましたものについても密接な関係がある。むしろそれを正直にIMFの中に準備会計に反映させる。一般会計から特別会計へ持ってきたほうがより統一的に問題が把握できると、このほうが自然である、こういう考え方でこういうふうに扱わしていただきたいというふうに考えております。
#145
○渡辺武君 いまの御答弁は、行政技術上の立場からの御答弁だと思うのですけれども、別な角度からちょっと考えてみたいと思うんですよ。IMFなどを通じて円が国際決済の手段として使われるという状態になった場合、その円の国際的な信用の基礎、これは一体どこにあるのか、その点はどうお考えですか。
#146
○政府委員(奥村輝之君) これは、IMFを通じなくても通じても、円が今後国際決済の手段として使われるということにかりになった場合――いまはごく若干しか使われていないわけでありますが、非常に国際的に使われるようになった場合には、その信用の基礎というのは、やはり日本の経済力、供給力、日本の経済そのものではないかと思います。
#147
○渡辺武君 抽象的に日本の経済力といっても、これはいろいろなものの基礎になっているのだから、したがって、国際決済の手段としての円の信用の基礎というふうに限定した場合、そういう抽象的一般的に日本の経済力という答弁は適当でないと思うのです。円が国際決済の手段として使われた場合の円の信用の基礎といえば、日本の外貨準備、特にドル準備、これがやはり信用の基礎になって、必要に応じてはドルに転換できるという点があればこそ、それが裏づけとなって、円が国際決済の手段として流通するということになるのじゃないですか。つまり、円が金と交換できるという状況にあれば、金が円の信用の基礎になるはずなんだけれども、日本はそういう条件はないわけでしょう。したがって、ドルと交換できるということが円の国際決済手段として流通する信用の基礎になっているのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
#148
○政府委員(奥村輝之君) 私どもは、ことばを返すようでございますけれども、円がいま急に国際決済通貨となることを一体無理に進めるかどうかという点が一つあると思うのですが、その点については、むしろ無理をしないという考えを持っているのです。その次に、そういう前提でございますが、円がもし使われるとすれば何によって使われるかといえば、円という通貨を持つ、あるいはその通貨で取引をするということが、取引の安定性、あるいは日本から安いものが買えると、こういうところに魅力があってこそ現実の問題としては円が使われると思うのでございます。したがって、ドルとかわろうがかわるまいが――とは私は申しませんが、より重要なことは、日本の競争力、生産力、あるいは物の供給力――それを安く供給できる、いつでも供給できる、通貨がいかに安定しているかというような、まさにおっしゃるようないろいろな要因がございますが、ドルと交換性があるということがどうかということは、私は、たくさんある要因の中で、少しうしろのほうに来る要因ではないかというふうに思っております。
#149
○渡辺武君 行政技術上の立場からいろいろ考えればそういうことになるのでしょうが、経済学的な立場から考えれば、これはちょうどドルが国際決済の手段として使われ、その信用の基礎は金で、したがって、ドルの信用が落ちるに従ってドルと金とが交換されて、金がアメリカから急速に流出するという現象が起こったと同じように、円が、いまは問題にならぬでしょうが、将来、国際決済の手段として大規模に使われるという状態になってくると、その信用の基礎は、日本の外貨準備、特にその中でもドルということになるわけで、それは私は議論はしませんけれども、そういうことだと思うのです。ですから、そういう意味で、今度IMFへの出資を一般会計から外為会計へ移したということが、外貨準備の基礎の上にIMF出資を生んだ。そういう意味で、私は、経済学的な意味で、さらにまた行政技術的な意味でも、一応それは了承できるような気がするんです。
 しかし、どうですか、こういう措置をとったことによって、従来一般会計から出資していたものが、今度一般会計から出資しなくてもいいことになったわけですね。そうすると、一般会計の予算がそれだけいわば解放されて別の方向に使うことができるという事態になったことは、これは認めることができましょう。
#150
○政府委員(船後正道君) もしもIMFの出資が従来どおり一般会計で経理いたしておったとしますれば、四十五年度のIMFの増資及び過去の出資の償還等の経費は、いずれも一般会計の負担において経理するわけでございますから、その限りにおきましては、これを外為会計の経理に移したことによって、一般会計の予算からの負担でなくなったということになるわけでございます。
#151
○渡辺武君 そうしますと、その額は千七百十億円ということになりますか。
#152
○政府委員(船後正道君) まあいろいろな計算のしかたがあろうかと思いますけれども、仮定の問題といたしまして、今回の増資、このうち二五%が金、それから一%が現金出資、これも一般会計で出した。さらに、出資国債の償還といたしましては四十五年度は一応現在の出資額で七億二千五百万ドルほぼ満額まで償還要求があるというような仮定計算をし、かつ、四十四年度中におきまして一般会計の財源の事情から日銀買い取りを命じました分、この分につきましても四十五年度において一般会計が引き取るというような計算をいたしますと、われわれの試算では千六百三十億程度になります。
#153
○渡辺武君 そうしますと、あなた方の計算によると、千六百三十億円という金額が従来の方式によればIMF出資に一般会計から出されるべきものであるけれども、今度の措置によってそれだけの額は別の方向に使うことも可能になったということですね。そうですね。
#154
○政府委員(船後正道君) それが、別に使われるというふうに解釈いたしますか、それとも、一般会計においてそれだけ規模が増加したというふうに解釈いたしますか、解釈の問題ではございますが、いずれにしましても、一般会計の負担ではなくなったということは事実でございます。
#155
○渡辺武君 まあ今度の四十五年度予算についての一般論をするつもりはないのですけれども、私どもは、四十五年度予算の根本的な性格はいろいろありますが、その中で、一つは、独占企業にこれが最大限に役立てられているというところにあると思いますが、千六百何十億円の金がそれだけそういう方向に使われることが可能になったという状況だと思うんですね。
 そこで、もう一つ伺いたいのですけれども、いままでのIMFへ出資した金額の中の円で出資した分を含めて、現在国際的に流通している円はどのくらいありますか。また、IMFに保有されている円ですね、これはどのくらいの額になっておりますか。
#156
○政府委員(奥村輝之君) いまの御質問は、国際的に流通している円はどれぐらいあるかという点に重点がおありのようでございますが、IMFのいま保有している円は七百十四億円、これが国債でございます。国債で、つまり今回基金通貨代用証券といわれるものでIMFは保有しておるわけでございます。それで、その次に、では円がどれだけ国際的に流通しているかという問題になるのでございますけれども、まだ円はそれほど国際的な流通はございません。円建ての取引をかりに取り上げてみましても、日本の輸出の一%ちょっとというところでございます。また、香港だとかヨーロッパ、アメリカ等で現札がいろいろあるという話を聞くのでございますが、金額はまだ非常に少のうございます。と申しますのは、私どもは、先ほど申しましたように、円を国際通貨として舞台に無理に押し出すか押し出さないかという点については、無理しないという政策をとっているからこういう結果になっているわけでございます。
#157
○渡辺武君 ちょっといまの御答弁がよくわからなかったんですが、IMFで保有している国債が七百十億円ということですか。円通貨で保有しているものはどのくらいになっておりますか。
#158
○政府委員(奥村輝之君) 失礼いたしました。七〇年本年の三月三十一日現在で円現金で持っておりますのが百十六億円ございます。
#159
○渡辺武君 今度、基金通貨代用証券というのを発行されるわけですね。その発行条件、つまり期間だとか利率だとか、こういうものは従来の国債とどういうふうに違ってくるんですか。
#160
○政府委員(船後正道君) 基金通貨代用証券をIMFに対して出します場合には、従来の出資国債と同じでございまして、無利子でございます。期間は無期限と申しますか、要求払いでございます。
#161
○渡辺武君 今回発行する額ですね、それから今後かなりふえるだろうと思うんですけれども、その辺の見通しですね、これをちょっとおっしゃっていただきたいと思います。基金通貨代用証券は今回は何億ドルになりますか。
#162
○政府委員(奥村輝之君) 今回は、今回の増資に伴いまして出すわけでございますが、千二百六十五億四千万円、これを基金通貨代用証券で出すのでございます。今後一体IMFに基金通貨代用証券にどれだけ出すかということは、これはこの次の増資のときにきまることに相なると思います。
#163
○渡辺武君 現在IMFへ出資されている国債の量ですね、IMF保有国債ということになりますか、この量はどのくらいかということと、それからもう一つ、従来まで国債として保有されているものが今回の法律案によっていわゆる基金通貨代用証券というものと扱いは同じものになるのかどうか、この辺をちょっと話してください。
#164
○政府委員(奥村輝之君) いまIMFが保有しております広義のいまの国債、これは七百十四億三百九十万円でございます。いままで従来の規定によりまして出しておったものは、この法律によりまして、基金通貨代用証券として取り扱われることになっております。
#165
○渡辺武君 時間が来ましたので、質問は次回にしたいと思います。
#166
○委員長(栗原祐幸君) 三案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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